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#1
第061回国会 内閣委員会 第12号
昭和四十四年四月十七日(木曜日)
   午前十時五十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     沢田 一精君     山崎 竜男君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     田中 茂穂君     内田 芳郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         八田 一朗君
    理 事
                石原幹市郎君
                柴田  栄君
                北村  暢君
                山崎  昇君
    委 員
                内田 芳郎君
                佐藤  隆君
                玉置 猛夫君
                長屋  茂君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                山本茂一郎君
                前川  旦君
                村田 秀三君
                山本伊三郎君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                片山 武夫君
                岩間 正男君
   国務大臣
       国 務 大 臣  荒木萬壽夫君
   政府委員
       内閣法制局第二
       部長       田中 康民君
       人事院事務総局
       給与局長     尾崎 朝夷君
       総理府人事局長  栗山 廉平君
       行政管理政務次
       官        熊谷 義雄君
       行政管理庁行政
       管理局長     河合 三良君
       行政管理庁行政
       監察局長     岡内  豊君
       文部大臣官房長  安嶋  彌君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       大蔵省主計局総
       務課長      嶋崎  均君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○行政機関の職員の定員に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨四月十六日、沢田一精君が辞任され、山崎竜男君が選任されました。
 また、本日、田中茂穂君が辞任され、内田芳郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(八田一朗君) 行政機関の職員の定員に関する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言願います。
#4
○山本伊三郎君 一昨日に引き続きまして、行政機関の職員の定員に関する法律案について質問したいと思いますが、一昨日やりました問題は一応ちょっとおきまして、衆議院における本法律案の審議が、わが党で聞くと、不正常な採決でこれは決定したやに聞いておるんですが、その事情は衆議院――行政管理庁長官では答弁無理ですか、ひとつ簡単に聞きたいと思うんです。
#5
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いまの山本さんのお尋ねに私がお答えすべきかどうか、適切であるかどうかわかりませんけれども、まあ、私の側としましては、一応各党の方々の御質問に応じまして、私どもの立場の御答弁は一通り申し上げ得たかと思っております。
#6
○山本伊三郎君 それは修正提案された衆議院議員の三ツ林さんがおいでになってからひとつ事情を聞くことといたします。
 そこで、この前、実は質問をしつつあった途中でございましたが、まだその項の結論は出していなかったんですがね。原則的な問題ですが、内閣の連帯制について法制局から若干説明がありましたが、私の主張とやや原則的には一致しているけれども、重要な問題でやはり若干意見が違うんですね。で、私の考えでは、旧憲法と現憲法には、相当内閣の連帯責任制については差があることは認めます。しかし、憲法六十六条の連帯責任制、また、内閣法の二条でもこれをうたっておるんですがね。やはり各省大臣が国務大臣としておのおの独立した責任があるという立場に立たなけりゃ、連帯責任というものはないと思うんですがね。そうでなければ、内閣総理大臣だけが責任を持てばいいのであって、各省大臣は総理大臣の下部機構だと、こういう解釈になると思うんですがね。その点、法制局はどう考えられますか。
#7
○政府委員(田中康民君) 各省大臣がそれぞれ主任の事務につきまして責任を有することは、これはもうお説のとおりと私も考えます。しかし、責任というものは頂上的にあるものであると私は考えるのでありまして、その最高の責任は連帯して内閣が負う、こういうことであると思います。
#8
○山本伊三郎君 そこで、この内閣総理大臣とは同列にはいま考えておらないようです、憲法もね。しかし、連帯して責任を持つということは、各省大臣もこれは国務大臣として連帯して独立した責任がある。これについてはいま承認されたようですが、そう考えていいですか。
#9
○政府委員(田中康民君) 憲法にいわゆる「連帯して責任を負ふ」という、その内閣の責任とは別に、各省大臣が主任の大臣として行政事務を分担、管理する以上は、そこに責任があるということは当然であると思います。
#10
○山本伊三郎君 その責任というのは、この憲法の条章なり、内閣法の条項からいくと、前に「国会に対し」となっておりますから、国会に対しというのは、国民に対しということになりますね。そういうことでわれわれは解釈、理解していいのですね。
#11
○政府委員(田中康民君) 国会に対して責任を負うということは、国民の代表である国会ということになりますので、国民に対して責任を持つということでございます。
#12
○山本伊三郎君 そこで、いよいよ行政機関職員の定数の問題ですが、いま基本的にやはり各省主任大臣というのは国会に対してその責任をとる。そういうふうになりますと、国家行政組織法において国会が認めた各省庁がきめられておる。これに対して大臣が任命されておる。そうなるとおのおの各省庁なり、国家行政機関による責任というものは、責任を負う限りは、そのためには、やはりその大臣が責任を持って人員というものを把握しなければならない。十ぱ一からげに総定員で五十何万というのをきめておいて、閣議でおまえのところはこれだけ、おまえのところはこれだけと、こういうどんぶり勘定のような形で定数というものをきめるというのは私は間違いである。行政管理庁長官は、行政管理上必要な定員はこれは認める、この認定のもとにその行政管理庁を運営できるのであって、閣議で相談するというけれども、それはわれわれの前ではやれない。国会に対して責任を持っている以上、国会がやはり何人、行政管理庁でこれだけのものが要ります、ああ、それはよかろうということできめるのが私基本的な立場だと思うのですが、この点について大臣はどうですか。
#13
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 各省庁ごとに定員を定めております現行法を根拠に申します限り、お説のとおりである、こう思います。さりとて、国会の御承認をいただいて、言うところの総定員法のこの法案の内容を御決定いただいた後に、各省庁ごとの定員の定め方を政令に譲らしていただく、そして政令の定めるところに従って、緩急軽重に応じ、行政需要の消長に応じて適切な配置がえを年度内になすことがあり得る。そのことの効果を国民的な立場に立って評価する。すなわち国会でお許しいただいたそのやり方に基づいて、目的はあくまでも行政需要に応じて能率高い行政サービスを提供するということが目的であろうかと思いますが、その目的になるべくたがわないように善処していくということをお許しいただく。そしてその結果は、年度内にかりにそういうことがあったといたしますれば、次の年度の予算の御審議のときに、予算定員として各省庁ごとの詳細な定員が御審議の場に提供されるわけでございますから、それで国会としての国民に対する責任という意味での御審議の機会は従来と同じようにある。
 ことに、また付言さしていただけば、いままで各省庁ごとに定めるとなっております独立の設置法ごとに御審議を願っておったのですけれども、変動がありましたものについては、主として増員の形ではありましたけれども御審議願う、その各省庁ごとの法律案そのものの定員は予算定員と一致したものを常に御審議願っておるという従来の状況から見ましても、国会の御決定をいただいた制度、すなわちいままでの各省庁ごとの設置法という形でなくて、予算定員というもので御審議願う、その実態は従来と同じような形でもある。まあそういうことで、先ほど来基本的な、憲法に関連を持った国務大臣ないしは各省庁を担当する行政大臣として、国会に対して責任を負うという意味合いにおいても、実質的には何ら異なることがないであろう。むろん形式は異なりますけれども、実質的には国会の御審議を通じて国民に対する責任というものは、政府としても間接に果たし得るのではないか、かように理解するわけでございます。
#14
○山本伊三郎君 大臣、おそらくこの法律案出された意図は私は別にあるということは承知しているのです、それは言われないですが。ただ行政の簡素化とかあるいは能率化の推進とか言われておりますが、あるのです。私はそういうものはあとでいろいろとこれは尋ねますけれども、それ以前に、この定数というのは、各行政機関と切り離すことのできない組織になっておるのですね、国家行政機関は。たとえば各省には次官、局長、局ができれば局長が要る、課長も要る、こういうものは、国家行政組織とは切り離すことのできない定員というものはあるはずなんです。そのいわゆる、こう言うと非常にことばは悪うございますけれども、そういう役職でない一般職の職員についてはそう感じられないけれども、定員というものは国家行政組織とは不可分のものである。もしこれをゆるがせにするならば、行政自体が非常に紊乱するもとになるから、国家行政組織法十九条には、各省の定員は法定主義であるということを原則的にうたっておるのですね。したがって、いま形式的には違うけれども実質的にはそれは同じだと言われますが、私は本質的に誤っておると思いますね。その点は政府は気づいておられるかどうか知りませんけれども、いまのような状態であれば、あるいは間違いがないかもしれませんけれども、国家行政組織においてこうつくった定員の配置は閣議でかってにやるのだということになれば、国家行政組織というものは、もう、おととい政治と行政についてだいぶ論争いたしましたけれども、これは立法府にすぐ直接関係のあるこの法律によって行政やるのですからね。もしその国家行政組織そのものが、不当に国民の意思にそぐわないように運用されれば、政治そのものがこれは混乱しますね。そういう意味において私は、人員の整理とかいろいろ問題があるようでありますけれども、基本的な問題として、本質的な問題として、この法律案は、憲法、その条章そのもの自体ではないけれども、現憲法なり、あるいは国家行政組織法その他の問題からいうと、これは不当なものである、こういう判断でわれわれは反対をしてきておるのですね。いろいろ人員削減の問題等々で、現実の問題はこうだということで言われておりますが、それはまた別の問題として、基本的に国家行政組織というものの紊乱を防ぐための定員制を、どんぶり勘定のような総定員制というものは、何か国民のための、非常にいいような印象を与えておられますけれども、一つあやまてば非常な行政が混乱するというもとをここにつくっておるのですね。予算と、それからこの定員と言われますがね、予算は、これは国の収支を明らかにすることであって、これをもって定員をどうこう覊束するものではない。
 あとでまた尋ねますけれども、この総定員法が実は通らないために、文部省関係の非常に困った事態があるやに聞いております。これはあとで聞きますけれどもね。予算はもうすでに国会で成立しておりますね。しかし法律がこうだからというので問題がある、支出項目がないということでございますけれども、そういうことは一応あとの問題にいたしますが、予算と定員というものは、予算はこう認めるからそれでいいというわけではない。もう一つ年度中間において人員の配置、いま民間でやられておりますフォアマンですか、ああいう組織で重点的に配置をして能率をあげるということは、民間の特に中小企業でやられておる組織であります。それは一応別としても、そういうことが国家の行政組織の中に、一年間それはどうしてもやらなくちゃならぬという問題が現実にどこにあるのですか。各省庁見ましても、どうしても年間、国会開くまで待てない、これだけの人数は労働省からあるいは厚生省へ回さなくちゃいけない、そういうような事態がどこにあるのですか。そういうことは観念上言えても現実にあり得ない。また、もしそういうことがあり得るというならば、おのおの担当の省庁大臣の責任ですよ。一年間も見通しがつかないということですよ。その定員をあちらへ回してもいいのだということを言われるならば、それこそその省庁の責任は重大です。これは五年も十年も国会開かれない、それならわかるけれども、毎年、憲法では通常国会一回開かなくちゃならないということになっているんですから、こういうことは弁解に私はならぬと思うのですが、その点についてどうですか。
#15
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御意見はわかるような気がいたしますが、いささか異を唱えるようなことになることをお許しいただきますけれども、基本的な論議という立場に立って一応考えましても、従来も各省庁設置法で定員は定めるという大原則ではございますが、例外は御承知のとおりわずかではございますが、ございました。すなわち、現業関係については政令で定める。現業であろうと非現業であろうと、基本的な一般論から申し上げれば公務員であることには違いない。現業なるがゆえに政令で定められておるということは、現業といわれるものの行政需要あるいは行政サービス、双方から見まして、適時適当な善処を要望されるという課題であるからとは思いますけれども、基本的な制度論から申し上げれば、例外はいままででも許されておる。その現業と同じではございませんけれども、非現業といえども、現業的な適時適当の措置を講じ得る制度を立てていただければ、現業ほどではないにいたしましても、国民の需要に、国民に対するサービスに適応性を与えていただけるはずである。理屈を申せば、基本論に関連してあえて申し上げれば、そういう例外措置の方向に一歩進めていただきたいという意図もあるということを申し上げ得るのじゃないかと思う。
#16
○山本伊三郎君 行政管理庁長官、いわゆる国家行政組織を総帥する人ですが、ちょっとその論は私は聞き取れない。現業という、いわゆる国の事業であるけれども、これは公営企業もありましょうし、国の企業もありますが、企業性を持ったものが現業としていま運営されておる。林野にしろ、郵政にいたしましても、これは一つの事業ですよ。たまたま国家的事業であるから、前は国鉄もそうでしたが、それは国の行政という強権の発動によるところの事業じゃないのですね、民間でもでき得る事業だが、重要な全国的な事業であるから、国がたまたまこれを経営しているというだけなんですね。それとこの国家行政組織法、憲法にきめられたこの行政組織というものは、そういう国民に対するサービスという経済的な利害関係でなくして、強権的な組織を持ったのが行政組織ですよ。それと混同して、現業関係には政令なり省令なり、そういうもので運用できるから、国家行政組織、国民に対して強権を持った行政を行なう組織の定員までも政令でやるというようなことについては、基本的な考え方については、私は間違いをおかされておると思う、そういう例を引かれるならば。もしそういう現業的な部面がいまの国家行政組織の中にあるとするならば、それを摘出して、どうしてもその部分については、定員についてはそうせざるを得ない――国家行政組織の中にあるというならば、それを指摘して、これはどうしたらいいんだろうかということを国会にはかるべきだと思う。それを十ぱ一からげにして、そうしてこれを総定員でくくるということは、次官から、下はどこまでいくか知りませんけれども、そういうものを一括してこうだというきめ方については、これは私はたびたび申し上げますけれども、国家行政組織法、ひいては憲法の趣旨に反する、こういうことなんですね。そのほかに弁明することがあれば言ってもらいたい。
#17
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現業と非現業ということの仕事内容を中心にお説が出たと理解いたしますが、当初の御質問の趣旨が、基本的な行政組織法を根拠に置いて、憲法との関連も御指摘のもとの御質問でございますと、その時点でとらえます限り、組織法の運用に基づくところの各省の設置法が命ずる定員の定め方に、すでに現業ではございますけれども、例外は認められておる。認められておるゆえんのものは、その行政サービスを通じて国民的な行政需要になるべくマッチするという、適時適応性を重点に置いて例外的に扱われておると思うわけでございますが、そのような国民的な要望は、やはり非現業についても、定員に関します限りはそうそう、しょっちゅう例外があるとは思いませんけれども、できることならば、現業的な行政需要に応じ得る融通性というものを幾らかでも一般的に与えていただくということによって、国民の要望にこたえ得るんじゃなかろうかという意味では、私は基本論としての受けとめ方からは一応御理解いただけるのじゃなかろうか、こういう意味で先刻申し上げたわけであります。
 現在いわゆる緊急政令によって、文部省その他の関係にある程度の混乱が生じておることは遺憾ではありますが、そういう制度も認められておる。だからそれでいいじゃないかという見方もなしとはしないとはむろん思いますけれども、先刻来申し上げておるような意味合いは、いままで緊急政令というのは、きわめて慎重に厳重にするという意味で、一番緊急なものが緊急政令で定められた実例が存在したわけでありますが、それほどではないにいたしましても、年度途中におきましても、わずかでも必要とあるならば、政令の改正によってその求めに応ずるということは、本来行政組織法、各省設置法等を通じまして、行政府として国民に行政サービスをいたします終局の目的は、何としても国民のためによりよき行政サービスが提供されるということを要求しておると思うんですが、その要求に幾らかでも近づくという制度をつくりますこと自体、山本さんの御指摘ではございますけれども、悪いことではないはずです。少しでもよりよき方向へ近づく課題であろう、こういうふうに解釈をしておるわけであります。
#18
○山本伊三郎君 悪いとかいいとかいうことはとり方ですよ。国民が要望しておるという、それは国民がどう要望しておるか、それは国会が要望したということになるですが、いま言われた国民が要望しておるという、総定員法にすれば、それだけ国民がこれによって喜ぶ要素があるかということになれば、立場立場で違うと思うんですね。この出された趣旨はあとで聞きますけれども、三年間に五%減員するんだ、そのためには総定員法が必要だという、そういう根拠もあるやに聞いておる。あとでこれは聞きましょう、いまの焦点ではないから。そういうことが総定員制でなければできないということはないと思う。いま言われた、いやそうじゃないのだ、有機的にその年度間でも各省庁間を通じて人員の配転、異動をしなきゃならぬということがあり得ると、それがいま大臣の言われた一番総定員法をしく理論的根拠になっておる。理論的根拠にね。もしそういうことが各省庁間に頻繁としてあり得るというならば、国家行政組織法自体を検討しなきゃならぬと思う。それに付随する人員だけ総定員にしたからといって、それは決して国民の利益にこたえるゆえんではないと思う。そうすれば、国家行政組織も間違っておるのだ。間違っておることは、国会もその責任をとるということなんですね。行政組織法だけは厳として国会できめて、その動かす運転手だけは――機械だけは国会でつくるけれども、運転手は政府がかってに動かすんだということでは、法制的な意味において、国民にこたえるゆえんでない。
 これは逆に言うと、大きな人事権という、五十何万という最も強権的な権力を持つ行政官が一人に集中するということになるのですよ。国会は何もそれにタッチしちゃいけない、こういうことになるのですよ。まあ大臣の言われた、いろいろほかの要素を考えて言われておるけれども、私は純粋な憲法論あるいは政治論、行政論から私は言っておる。これを解明しておかなければ、そうやすやすと国会が認めたんだということにならぬ。いずれはこれは、多数は与党が持っておるのですから、衆議院のような形で通されるでしょう。しかし、われわれ国会におる一員として、与党、野党を問わず、政治に参画する、立法府に参画する一員としては、それを明らかにしておかなければ、将来、われわれの代にくるかどうか知りませんが、それがひとつ問題になったときに、法律はそれで通ったとしても、国会というものはずさんな論議で通したじゃないかと、将来の政治あるいは立法に携わる方々に対して、われわれは申しわけないから、私はそれをはっきりしておきたいと思うのです。
 この問題だけで非常に食い下がっているようでありますけれども、ここを明らかにせずして、総定員法というものをやすやすと認めることはできない。衆議院では相当これは強行されたように聞いておりますけれども、そういう論議があったかどうかということも私は聞きたいのでありまするけれども、おそらく、そういう論議もされずに、衆議院の議事録を読みましたけれども、そういう深い討議もされておらない。そういう中でこの法律が成立したとなれば、われわれは、少なくとも参議院の立場では私は許せない。そういう意味においてやっておるのですから。大臣はたびたび言われても、同じことだと思いますけれども、法制局は一体どう考えるか、あるいはその他の総理府の人も来ておられます、人事担当も来ておられますけれども、一体いまの私の主張に対して、まあそれは大臣でないけれども、一応専門的な立場でどう考えるか。われわれに対して、私の質問の本意にこたえるだけの答弁を一応お願いしたい。それでなければ、これは私は進めない。
#19
○政府委員(田中康民君) 私は、二十世紀の行政というものは非常に量が多くなってきた。これはもうどこの国でもそうでございますが、そういう情勢は、二十世紀の後半になりましてさらに著しくなって、福祉国家的な色彩を非常に帯びてきている。そういう場合におきまして、国家行政事務を職掌として行ないますところの定員をどうしたらいいかということにつきましては、確かに憲法上なり法律上基本的な問題として考えなければいけない問題でございますが、その中において、たとえば企業的な管理的な考え方、そういうのは非常に科学的な管理の考え方でございますけれども、そういうものを取り入れていけないということはない。従来、非現業の職員につきましては、法律がもちろん定められておりましたけれども、現業職員については政令の段階で定められておりました。そういうようなことは、やはり行政の運用というものが、現業と非現業とを問わず、ある程度情勢に応じて配置を変える、あるいは定員を変えるというようなことでなければいけないということになったのではないかというふうに私は考えるわけでございます。そうなりますと、現業であると非現業であるとを問わず、やはりそこに科学的な管理という面が必要である。そのためには定員を合理的に配置するということが必要なのではないか、そういうふうに思いまして、私は基本的に今度の定員法の制度というものを支持したわけでございます。
#20
○北村暢君 関連して、一つだけ資料を要求しておきたいと思いますが、法律で定員を規定しておくというと硬直化する、弾力的な運営をやるために政令できめたい、こういう御意思のようですが、政令定員の五現業、これの政令後における毎年の定員の管理が政令でどのように運営されたか、過去においてどういうふうに運営されたかという資料を提出していただきたい。この点いかがですか。
#21
○国務大臣(荒木萬壽夫君) はい、わかりました。
#22
○山本伊三郎君 それじゃいま法制局の第二部長言われましたが、諸外国の国家行政組織、いわゆる行政組織についても言われましたが、私もそう広い範囲内で諸外国の憲法見ておりません、行政法見ておりませんが、日本の行政法の中で外国の引例されておることを見ると、ドイツは非常に、いま西独になっていますけれども、ドィツは非常に厳格ないわゆる法定主義をとっていますね。イギリスは比較的民主主義が発達しているから、わりあいにあなたのおっしゃるような部門も見られます。その点の事情をひとつ御承知ならば参考までに聞いておきたい。諸外国のそういう状態。
#23
○政府委員(田中康民君) これにつきましては、これは行政管理の基本であると思いますから、私はそれほど詳しくございませんで、行政管理庁のほうからお問い合わせ願いたいと思います。
#24
○山本伊三郎君 あなたがそう言うたから私は聞いたので、行政管理庁が言うことじゃない。あなたが諸外国がこうだ、こういうことであるので必要だと言うから私はあなたに質問したのです。
#25
○政府委員(田中康民君) 私は諸外国がそうであると言ったのではなくて、諸外国もそういう福祉国家的な行政になれば、福祉国家においては行政需要がふえてくる。そういう趨勢であるということを言ったものでございまして、あと定員をどうだということを申したわけではございません。
#26
○山本伊三郎君 それならそれでまた話を変えますがね。そこで、いま言われた中で、これもまたそういう逃げ方をされると思いますが、そういう社会福祉的な、いわゆる企業的な性格を持った行政部門が多くなるという趨勢はそのとおりです。いままでのようなチープガバメントというような、外交、国防というものに限らず、一般国民の福祉事業というのは国の大きい仕事であるということはわかりますが、しかし、そうなればなるほど、先ほど前提に申しました各国務大臣の連帯責任性から申しますと、そうなればなるほど、その定員というものは各省で十分把握するという原則を確立しなければならない。そういうふうに複雑になればなるほど、政府の人員配置に対して恣意性を与えることは非常に危険性が出てくる。能率化と言われますが、逆にそれが不能率化に通ずる場合もある。国会に出して、一々、五人、十人の定員増でも減でも、設置法で定員をきめるという繁雑さはよくわかりますが、なぜそうしているかという趣旨、一昨日から今日まで力を入れてやっておる原因はそこにあるというのですよ。したがって、そういう趨勢にあるならばあるほど、各国務大臣は、自分の責任所管の行政についてはこれだけの人員が必要であり、国民のためにはなるべく人員を有効に使わなければならないという責任を持ってもらわなければ、どんぶり勘定で五十何万、これだけ定員だ。あとは政府のほうで政令でかってにこうやれこうやれということじゃ、私は大臣の責任性はないのじゃないかと思う。それとも一々国会に出すのはめんどうだ。したがって、こっちに五十何万預けてくれ、こう言われるなら別の議論があるのですが、その点どうですか。
#27
○政府委員(田中康民君) 大臣の責任性ということから申しますと、政令で定めましても、その政令を定める場合に、大臣が自省の意見を申しまして、そしてその意見が反映して定められるということとなるのでございまして、また、それが法律であります場合におきましても、法律の提案権は内閣もございますので、その提案をする場合に、法律案の段階で各省大臣が言うということにおきましては、私は変わりはないというふうに思っております。
#28
○山崎昇君 ちょっと関連をしてお聞きをしておきますが、さっき法制局のほうから企業的要素を取り入れて科学的な管理をするのだ、こういうお話ですね。そこであなたにお聞きしますが、定員の科学的管理とはどういうものであって、いま提案されておりますこの総定員法のどこに科学性があるのか、実証してもらいたいと思う。これは私のときに詳細に聞きたいと思っていますが、いま提案されておりますこの定員の内容は、昭和四十二年度末の定員を基礎にして、何も科学的に検討されて出された数字ではないのです。そしていまやられておる三カ年間の五%削減というのは、佐藤総理のことばを借りれば、これはショック療法である。それ以上のものではないと答弁している。どこに、いま提案されておりますこの総定員法の中に科学性があるのか、科学的な管理が導入されているのか、これはひとつ実証してもらいたい。
#29
○政府委員(田中康民君) 今度の総定員法の総ワクであります五十万六千何ぼという数字は最高限度でございまして、その範囲内において政令で定められるわけでございますので、繁閑に応じまして当然定めることができる。しかし、それは合理的なものでなければならないことは当然でございますけれども、行政需要にマッチするようなことがそこで定員でもってまず出てくるということが、いままでとは違ってきたというふうに考えます。
#30
○山崎昇君 関連だからこれでやめますが、大もとになる総定員五十何万幾らというのがどんぶり勘定で、何も科学的でないのに、その範囲内で配置をするのが、政令定員に科学性があるというのは、どういうことになりますか。そんなことは詭弁です。私の言うのは、五十何万の総定員法に盛られている定員が、科学的に計算をされて、それを定員で各行政機関に配置する際にさらに科学性を導入するというなら、私はあなたの意見認めますよ。しかし、そうじゃないじゃないですか。佐藤さんはショックだと言っておるじゃないですか、この療法は。どこにありますか。
#31
○政府委員(田中康民君) 私は、科学的というものがすべてのものについて透徹すべき事柄であるとは思いますが、五十万六千の数字について、その数字がだめだからというふうにおっしゃられると、私はそれがだめであるかどうかにつきましては、必ずしも納得できませんけれども、そのもとにおける定員の配置が科学的になるならば、それでベターではないかというふうに考えております。
#32
○山本伊三郎君 言われれば言われるほどぼろが出てくるのですね。だからひっかからなくてもひっかかることを言って……。最高限度という、ぼくは疑問を持っておったのですが、最高限度――じゃあ五十万六千五百七十一人というきわめてまことらしい数字もついておりますが、最高だということになれば、これはこれ以下でもいいということも含んでおることになると、なおさら各省大臣はそういう責任のない数字を出して、これは最高だ、国民は一体どれほど定数があるのだということについては、正直にその複雑な予算案を全部調べないと、国家公務員は各省これだけ要るのだということがわからない。私はいまこの問題は質問しないですが、あとで問題が出てきますけれども、その前にもう一ぺん聞いておきたいのですが、政令と法律と同じだという意味のことを言われましたね。これは法制局のあなたとしては、ぼくは全く何といいますか、むちゃな言い方だと思うのですよ。そもそも政治学の第一歩、法律と政令との価値の相違というものは、これは判然としていますね。同じだったら国会要りませんよ。立法府が存在するというのは法律をつくるということ、具体的には政治と行政を区分する、具体的なものですよ、立法府と行政府とは。それが、行政府にまかされておる政令というものは、憲法でも行政組織法でも、その他の法律、法令にいたしましても、法律の明示する範囲内で、以外では政令できめることができないということになっておりますね。それがために出されたのでしょう、この行政機関の職員の定員に関する法律案というものを。この法律によって政令で委任してくれ、こういうことでしょう。あなたの言われた意味は、私は違うと思う。違うと思うが、そういう政令でも法律でも実質的に一緒だと言われることに対して、私は若干異議というか、反抗したいのですが、その点どうですか。
#33
○政府委員(田中康民君) 私は、そういう法律と政令という基本問題につきまして同じであるということを申したわけではございません。それは当然な話でございます。ただ各省大臣が、自分の省の定員をきめるに際して責任をとれないではないかというお話でございましたので、その意味におきましては、法律を定める場合にも、政令を定める場合にも、各省大臣が責任をとれるようにやっていくことについては同じではないかというふうに実は申したわけでございます。
#34
○山本伊三郎君 責任と言われますが、一体だれに向かって、国会に対して責任を負うという連帯性があると確認されたでしょう。政令できめるときに、閣議において責任を持つけれども、国会に対する責任というものは、定員というのは政令できめたら持てぬじゃないですか。
#35
○政府委員(田中康民君) 政令を定める場合におきましても、政令は内閣が定めるものでございますので、外に対しては各省大臣の責任というのはそこでは出てこないと思いますけれども、国会に対する責任、いまの場合には国会に対する責任というような問題として実は理解しておるわけではございません。
#36
○山本伊三郎君 だから、そこが問題の基本であって、それを解明できれば私はあとまた具体的に、先ほど関連質問されたような問題に入っていくのですけれども、それを解明できないのに、この具体的な定数はどうかということに入れないですよ。私は何もここでこれを固持するわけではないですよ。それをはっきりと解明して、それでこういうぐあいに国民に対して責任を持ち得るのだという、憲法上あるいは行政上明らかに答弁をしてもらわなければ、これはどなたが次にやられるか知りませんけれども、基本的に私は賛成できませんよ。
#37
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 法制局に対する御質問に私がまかり出る筋ではございませんけれども、お許しをいただきます。
 五十万七千何がしは、すでに御質問者も御承知のとおり、昭和四十二年度末の予算定員ということ、そのことは法律上の定員とも一致するわけでございますが、その総計を最高限度としてこの法律でおきめいただく。そうして毎年度の定員は政令で、年度途中ある程度変更あるべしという意味において政令にまかせることをお許しをいただく。次の年度の予算を御審議願いますときには、予算定員として、従来どおり克明に仕分けをしましたものを通じてその政令の内容を国会において御監督願う、御審議願うということにする。従来、さっきも申し上げましたように、各省庁設置法によって法律で定員を定めるという現行法の場合におきましても、予算を御審議願うときと、予算と表裏した形で各省設置法の定員の部分が修正される場合には、一致した姿であわせて御審議願う、こういうことで従来きておりますことは御案内のとおりでございます。したがって、政令におまかせ願って、法制局が申しておりますことは、実質的には各所管大臣が、政令をどう変更するか、プラス、マイナス、減員したり増員したりということで調整を加えることがあるとするならば、それが年度内の政令改正になり得ると思うのですけれども、そのときは、現行法で各省庁ごとに予算と符節を合わせる内容の問題を、所管大臣として責任を持って審議しておりましたと同じ考え方、同じ努力を政令改正の場で展開するであろうということだけを中心に答弁がなされたものと、そばで聞いておって理解するわけでございまして、政令と法律が国会に関して同じことだということでないことは、もうすでにお話が出ましたとおり。したがいまして繰り返します。最高限度はこれ以上出てはいかぬ、政令をいじくり回して、最高限度以上に出ることは一人たりといえども許さない。国民の税金でまかなえるはずだからという趣旨でおきめを願う。そうして予算定員そのままがさしよりこれをお認め願いますならば、政令を出さねばならぬわけですが、その政令は、スタートラインにおきましては、御決定願った四十四年度の予算定員そのままが内容となって政令となる。四十四年度の年度経過途中において、さっき申し上げましたような緊急政令、ないしは緊急政令ではないにしても、年度途中で緊急なところに増員し、比較的仕事が終わった、もしくは閑散になったところの定員を忙しいところに配置がえをするなどということが年度内起こり得るであろう。そのことは政府の、内閣の責任をもって、科学的にということばが出ましたが、国民本位に合理的なものにする責任を、政府としては、内閣としては新たに国会から国民にかわって責任を持って、良識を持って行なえという責任が加重されたという考えに立って、政令の改正が行なわれるであろう。その結果は、次の年度の予算御審議のときに、その内容を含めたものとして、政令と予算が一致したものの姿で御審議を願う御監督を願う。さらにまた年度途中におきましても政令改正をしたことは、当然行政調査権に基づいて御報告を申し上げねばならぬ、御命令があれば御報告を申し上げ、その内容についての御審議を願い、それが明らかに不当である場合は、改正を御要求になることもあり得るでございましょう。そうであるならば、政令をその御要求において改正をすることもあり得るというふうな理解のもとに、そういう最高限度を定め、予算案の範囲内において取捨選択し、その結果ないしはそのことも御審査願うという意味において、実質的にはまあ大体において差異がなかろうと申し上げたゆえんでございまして、法制局の答弁に対しまして補足的に出しゃばりましておそれ入りましたが、申し上げた次第でございます。
 (「明快だ、明快だ」と呼ぶ者あり)
#38
○山本伊三郎君 ますますわからなくなってきたのですね。というのは、具体的にぼくは言うが、あなたたちは非常に抽象的ですがね。予算は一応国会で審議を決定したが、予算定員として、予算の支出は各省ごとにこうだと、ところが年度途中で必要あれば、この予算で決定したという予算の編成権を無視して、行政命令で、政令で人員を省をこえてやってもいいのだと。一体、予算はきめても、それは定数に関しては、包括的に、こういうことに年度途中になった場合には、私はそういう問題起こってくるというのですが、それはどういうことですか。
#39
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これはまあ具体例を申し上げれば、一般的には適切じゃないかもしれませんが、現に起こっております緊急政令による定員の増員、それと似たような必要性というものは毎年起こってはおりますけれども、緊急政令という形でしかやれない。緊急政令とならば、ほんとうに一日もゆるがせにできない。緊急性ということが厳粛に要求されるということで、もうきわめてまれにしかそういうことはやったことはございませんことは、万々御承知のとおりでございますが、それに類似するような場合に、年度内において各省大臣それぞれ、プラス、マイナスの問題については責任持って、良識の判断をしながら政令の改正が行なわれることがあるであろう。毎年毎年常にそれをやるということではむろんありませんけれども、そういうことがあり得る、あらしめてよろしいということを国会でおきめ願って、政府としては全責任を持って年度内の国民に対する責任を果たすということにやらしていただきたい。こういうことが政令におまかせ願う目的の一つでございます。
#40
○山本伊三郎君 大臣、ぼくはいろいろ言われるが、明快な答弁と言われるが、その明快と言われた方は、どういう意味で言われたか知りませんがね。ますます何といいますかね、ぼくら自身も、言われるたびに問題が出てくるのですね。われわれは、予算は、これはもう立法府の特権と言ったら悪いけれども、予算というものは、これは国会の一番大きい国民に対する約束ですね。この金はこう使うのだ、こう使うのだということを明らかにして国民に奉仕するということは、この予算というものは一番、法律も重要ですけれども、したがって予算案については、いわゆる国民のどちらも代表だけれども、衆議院に先議権があって、しかも、それがもし一カ月、三十日以内に参議院でこれが成立しない場合は、衆議院の決定が優先するという自然成立の制度までしいておる。他の法律に見られない制度を持っていますね。予算できめたものを――私が理解が悪かったら教えてくださいよ。予算できめたものを年度途中で行政がかってにそれを変えていいという根拠はどこに出てくるかということが私はわからない。それはあなたが言われたから私は言うのですけれども、あなたがそう言われるからそう反発せざるを得ない。どういう根拠から出てくるのですか、それをまず第一に。
#41
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは冒頭の御質問に、憲法との関連から、行政組織法及びそれに関連をもつ各省庁ごとの設置法で定員を定めるという、一連の現行法制のもとにおける基本的な立論の根拠から御質問がございましたときにお答え申し上げましたように、現業と非現業が同じだとはむろん申し上げませんけれども、制度としては例外を認められておる。それは現業が時に応じて行政需要に善処すると、そのことが国民のための行政サービスの責任を果たすゆえんであるというたてまえから例外が認められておると私は理解いたします。それに幾らかでも近づく似たような制度を非現業にもお認め願ったほうが、内外の諸条件が変動しますことに基づく行政需要に対応できるであろう。そのことはすでに制度論としては国会でお認め願っておる例もございますから、その例を引用さしていただいて、現業的な善処のしかたの、非現業に適合する限度内ではありますけれども、それをやらしていただくことがベターであろう。こういう発想に基づく根拠で、それを根拠として先ほど来のことを申し上げておる次第でございます。
#42
○岩間正男君 関連。いまの問題について二点だけお聞きしたいのですが、第一に、この説明によりますというと、予算定員できめているからこれでこの議決権、国会で決定されたのだという宣伝を盛んにやってるわけですね。この文章の中でもそう書いています。私お聞きしたいのですが、どうなんですか、予算定員及び俸給額表というものは、これは議決の対象にはなってないはずでしょう。これはあくまでも予算書に添付された参考書にすぎないわけです。したがって、これは予算総則ですね、そういうものは議決されますけれども、これは参考書ですね。参考書として添付されたものは議決の対象じゃないのだから、したがって、予算定員というものは、当然これは現行法によって、法律によってきめられた定員と比較して考えるときに、これは国会に対する政府の責任は非常に違ってくる、法制的に違ってくる。私は法制的な問題としてこれを言っておる。この点をひとつ明らかにすることが必要だと思います。
 もう一つは、これはこの前公務員関係から、労働者側から、団体交渉や労働協約締結権の禁止に関してILOに提訴したことがございます。ドライヤー勧告によると、政府はこのILOに対してこういうことを言っているのでしょう。制定法によって給与その他の労働条件が保障されているので、労働協約を締結することはできないのだと、つまり労働三権というものが認められない。その代償機関として、あくまでもこれは法律によってこの定員は決定している。つまりこれは公務員の身分保障をはっきりうたったもの、この精神というものは、これは定員法が現在かけられているその背景には、あくまでも公務員労働者に対するところの身分保障の問題がからんでいますね。ところが、今度の総定員法によりますというと、政令にゆだねるという形になるわけですから、この代償措置としてなされておったこの公務員の権利というものは剥奪されるという結果になると思うのです。私はこの二点がいまの論議されている問題、つまり法律か政令かという課題でありますが、そういう中で非常に重要だ。政令でやったのでは、これは全く行政官庁の意思によって、国会に責任を負わないという形でもって、そうしてそこでいろいろな独断がされる可能性は十分にあるわけですから、それに対する保障をどうするかということ、この二点について、はっきり御答弁願いたい。
#43
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 各省庁ごとの法律で定員を定めるということを政令に譲る、そうして国会の御審議を通じてのいわば歯どめ的な作用、それは予算で御審議願うということを申しておりますが、参考書等が提出されているとは思いますけれども……。
#44
○岩間正男君 予算は議決の対象……。
#45
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 予算そのものは、現行法のもとにおきましては、むろん定員そのものを有権的にきめる制度でないという理解はあり得ると思います。しかしながら、政令に譲らさしていただくということ、即予算での御審議の定員そのものがその年度のスタートラインの定員であるということに当然に理解されるであろうし、そういう運用をする責任は政府側に当然にある。そういう意味で歯どめ的な意味合いにおきましては、実質上変動なし、そういう運営をすることが、この法案において政府には要求される、そういうことと理解いたします。
 ILO関係のことは私も詳しくありませんから、責任を持ってはお答えいたしかねますけれども、趣旨は御指摘のような意味合いはあろうと思いますが、そうだといたしましても、この総定員法によってILOの御指摘になりました趣旨に反するとは、ちょっと私は考え得ないのじゃなかろうかというふうに理解いたします。
#46
○岩間正男君 関連ですから、これで。
#47
○山本伊三郎君 大臣、あなたの言われたことに食い下がるわけでございませんがね。先ほど私が例があるかということで答弁願ったのですが、予算の問題についてはあとでまた言いますけれども、緊急政令、旧憲法では緊急勅令ということでいろいろ問題があったのです。あなたの緊急政令というのは、どういう根拠でそういうものが言われておるのか、ちょっとその点。
#48
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは法律の解釈そのものでございましょうから、法制局でないと統一的なお答えできないかと思いますが、私の理解しておりますのは、いわゆる緊急政令といわれておるのは、行政組織法十九条第二項だと記憶しますけれども、年度の途中において緊急に定員を増減することが必要である場合には、国会の開会を待ち得ないときに、そういうことが緊急に必要になった場合には、政令でもって定員を決定することができるという趣旨のものを、いわゆる緊急政令と私ども言っておりますわけですが、そのことがたとえば文部省の関係あるいは気象庁の関係、あるいは厚生省の関係等にございましたので、政令でもって増員を決定し、国会に御審議を願うべき機会をこの通常国会に求めたわけでございますけれども、総定員法案をお通しいただけば、その緊急政令上の手続として、すみやかに国会に御承認を得て、現行法上に基づく法律規定を改正しなければならぬということが、本法の成立によってその必要がなくなるということで今日に至っております。その間、現実には違法か合法かという問題は生じてはおりますけれども、そういう考え方でこの段階にきておるような次第でございます。
#49
○山本伊三郎君 いま言われましたがね、これは、第十九条二項はね、言われる例としては全く異質のものを出された。この特別の事情あるという第二項を設定したというのは、やはり国家行政事務でも、たとえば緊急に、国会開会中ではないけれども、非常事態のものがあって公務員の必要を生ずるという場合、そういう場合には特別な事情ということで増加だけは認めよう。しかしそれも範囲を限られておると思うんですがね。したがって、この総定員法というのはそうではないんですね。五十何万というものを一応つくっておいて、それに応じて配置がえもし、やろうということで、この十九条二項というものは緊急政令ということではなくして、国家行政組織法十九条できめた定員だけでは満たし得ない緊急の事情、いわゆる要務ができたときのみ政令によって増加を認めよう、こういう趣旨でありますから、この問題は別に私か、あとで他の質問者が言いますが、私のいま言っておる憲法なり国家行政組織法の趣旨からいうと、全くそれは合わない例でありますよ。そういう点でありますから、これは答弁は必要ありませんが、もしそういうことを固持されるならば、この法律自体についてまた別の問題が起こりますが、そういう例を出されるということについては私は異議があるんですがね。そういうことどうですか。
#50
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 申し上げました行政組織法第十九条二項そのものがぴったり完全に、総定員法というものを御決定願う際の政令に譲る、ぴったり合った例という意味では申し上げたわけじゃございません。先刻来も申し上げておりますように、緊急政令というものが一応意図しておる課題も含めまして、それに類似の、緊急政令ほどでないにいたしましても、年度途中にある定員を必要な方向へプラス、マイナスすることによって、予算の範囲内において善処するということも含めて、政令に譲ることをお認め願いたいということでございますから、いまの引用しました例が全部についてぴったり当てはまるという例で申し上げたわけじゃございません。それと同じような厳粛な意味において、年度内にかりに取捨することがあるならば、それだけの責任が加重された、良識を持って合理化に国民のためにという考え方で措置をし、そうして予算の御審議のときにその結果を御審議願う機会はあるであろうし、年度途中におきましても、行政調査の国会の権限によってコンファームしていただくということもあり得るから、実質的には国会の審議をめんどくさがるとか、そんなことではむろんございませんので、御納得いただけるんじゃなかろうか、かように思っておることを申し上げます。
#51
○山本伊三郎君 答弁されるたびに、私が考えている方向に質問に入っていこうと思っても、答弁されるたびにそういう新しい問題が起こってくる。しかし、やはり引っ張ったように見えますので、この問題については、また自後ほかの質問者からもきわめられると思いますが、そういうことでは納得しませんよ。またあなたも、それとぴったり合わぬことであるけれどもというので、非常につらい答弁をされている事情わかります。
 というのは、この法律制定にはいろいろ別な意図があるのですね、意図がある。それを出されるもんだから、私はそういう法令的に、憲法を含めて法令的に追及すると、つじつま合わぬ答弁しかできないんです。これが出されて、昨年も参議院にこの法律が回ってこないから、衆議院でこれが廃案になったものですから言わなかったのですが、当初から私はこの問題については、政府は一体どういう意図があるかわかっておるのです。しかし法制的にどう考えているかということについては、全く私は検討されていなかったと思う。あの七人委員会でいろいろこの配置転換なり、行政の能率化なんか答申していることは知っておりますが、これをどう実現するかということは、私は総定員法しかないということはないのですよ。
 私あとで明らかにしますけれども、行政組織の簡素化とか能率化の推進というものは、総定員法によってこんなものできるもんじゃないですよ。いまの行政機構、はしなくも、あなたが冒頭に言われたセクショナリズムというものをどう排除するかということが、これ一番能率に影響を及ぼしているんですよ。これはあとで私は克明に質問いたしますけれども。だからこの問題については、言われれば言われるほど理屈に合わぬ答弁が出てきますから、この問題についてはこれでおきますけれども、ただ私に対して、予算と政令の関係の説明ありましたが、これは重大な問題を含んでおりますよ。予算できめたものを、それを政令であちらこちらと定員を変えてもいいんだということは、これは絶対に許せない、これは許せない。それはあなたが答弁に詰まってそう言われている。定員は国会に一つも責任がないじゃないかと言ったので、予算の場合にはこうしますと言っただけで、いわゆるこの法制上から見た予算と政令との関係というのは、全然度外視して答弁されていると思う。もしあなたの言うことが正しいならば、政令で予算の内容を変えることができるということに通じてくるんですね。だからこれは私は取り消してもらいたいと思うのです。ただ政令で変えても、各省の定員は予算にあらわれてくるから、それで国民にわかってもらえるという意味で言われたならば一応別ですけれども、この予算で明示された内容を行政で、定員だけかと思いますけれども、それを省別に、各省庁間にこれを移動するということになれば、国家行政組織法の基本からいって全く私は承認できない。だからその点については、これは重要な問題だから、あなたは閣僚の一人としてそういう考え方を持っておられるならば、これは立法府自体としても考えなければならない問題ですから、その点について、それが間違いならば間違い、あなたの答弁が、いわゆることば足らぬなら足らぬところをひとつ言ってもらいたい。これは議事録にとってもらわなければ、こんなもの認めたまま質問続けることはできません。
#52
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政令で緩急軽重に応じて各省庁に、各省庁内もしくは各省庁にまたがりましても、行政需要に応ずる措置を講ずるという道を開いていただきたいということは、前々申し上げておりますように、国会との関連におきましては、政令でそういうことをやるにいたしましても、むろん予算の範囲内でやる以上のことが許されっこないことは当然だと心得ております。そういう基本線に立って政令の運用をする責任が政府側に新たに加えられた。その結果は国会での御審議の対象に当然なり得る道はあるわけであり、結果的には翌年度の予算を御審議願うときに、年度内の変動を含めまして、さらに予算上増員を必要とする、あるいは予算そのものの上においても減員を必要とするというふうなことがありましたならば、全部を含めていままで同様、毎年一回国会では必ず御審議を願わねばならないし、お願いする機会がここにあるという意味で申し上げておるのであります。
#53
○山本伊三郎君 予算の範囲内と言われますが、これは現実に、私も予算案については相当予算委員会でも何回かやって知っておりますが、ずっと定員も調べてきておりますが、そんな大きい余地はありません。もしそういう大きな余地があるというならば、政府が出したあの予算案というものは私は認めませんよ。予算の範囲内と言われるが、そんなにずさんな予算でないと私は信じて予算を審議してきて、四十四年度はこれは成立したですね。いま大臣の言われるように、予算の範囲内ででき得るそういう大きな余地があるのは、一体どの省であるか、四十四年度の予算を実際指摘されて、ここにそういう範囲がありますということを私は示してもらいたい。予算の実態の問題に対して、私は政府の責任を問いたいと思うですよ。ないですよ。あると言うならば、そんなずさんな――また、あなたはいまそう言われますけれども、行政で定員の配置をかえたり増員するというようなことは、これは非常にまれなことだと私は思うですね。そのまれなことを年度間の予算で制定するときは、そういうものはあれは予備費で、もしそういうことが予測されるなら予備費でこれは処置できると思うですね、予備費で。また、そういう意味であればまた別です。しかし、その予備費で支出するといっても、それはやっぱり法律によって定員がきめられて予備費が流用されるということであって、政令できめてそれを予備費で支出するということについては、私は、予備費の流用の大きな問題がまた別に出てくる。そこでまた別に出てきますね。したがって、私は皆さん方言われる答弁に対しては一つも理解できることはない。しかも、非常に緊急を要する災害があるとか天変地異があるとか、いろいろな事情で、かりにそういう緊急政令というものはありますけれども、やらなくても、臨時で雇い得るという、公務員法にはそういう制度があるんですね。それによって急場をしのげる道が公務員法によって開かれておる。それで次の国会には、これだけのものが要りますからといって、いわゆる定数――行政組織法第十九条によって各行政機関の定員をこうしましたといって出せばそれでいいんですから。したがって、これを出す法律的な理論的根拠というものは、私はもうどう答弁されても理解は実はできないんですよ。
#54
○北村暢君 関連。いまの大臣の、予算の範囲内において定員を政令によって運用するという、こういうことが年度の途中において行なわれる。これは私は行政組織法十九条の二項の運用からして――先ほど山本さんが指摘しているように、十九条の二項というのは、例外的な増員についてだけ政令できめるということになっている。それが、こういうものも含めて、年度間に、こういうものでない普通の定員についても、行政改革その他の問題について、たとえば農林省を千名減らして年度間の途中に厚生省なら厚生省へ持っていくということを、年度間の途中であなた政令でもってやると言うんですか。そういう趣旨に答弁しておりますよ、あなたは。そういうことが許されるんですか。政令できめてもそんなことは断じて許されませんよ。そういう答弁をして平気でこの委員会を通ろうったって、通すわけにいきませんよ、私ども。そんなばかげたことは、いかに法律であろうと政令であろうと、そういうことはできませんよ。予算の範囲内においてそういうことはできないですよ。そういうものは年度の当初において出してやるのがあたりまえで、そんなことが自由にできるようでは、とんでもなくて、あぶなくて、それはとてもますます政府に委任するわけにいかない。そんなことはできませんよ。あなたが答弁改めるならば別ですけれども、そういう答弁をしてこれを通すわけにいきませんよ。
#55
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘のこともやり得るようなことを含めて国会でお認め願いたいということでございます。しかしそれが自由自在にということは、無責任であることは許されないことは当然であります。たとえば緊急政令で現在認められているのに類するような必要性があったときに、そういうことがあるであろう。山本さんも御指摘になりましたように、予算の範囲内というのは、増員をいたしますときには、予備費もしくは予算総則上、ないしは財政法なり会計法のどっちでございますか、そういう現行法律のもとに予算の流用等を許されておる財源以外のものを使うことが許されっこないということは当然のことでありまして、政令で政府側がきめることになるから無軌道になるということ、そのことは内閣全体の国民に対する国会を通じての責任課題であって、あくまでも客観妥当性のある、やむを得ざる限度内において行政需要に応じ得ると、これをやらねばならぬ、これしかないという限度以上にわたることがあるはずもないし、やるべきではない。そのことはもう当然の行政府の国会を通じての責任課題として厳粛に受けとめて運用さるべきことは言わずもがなのことであるということを裏づけといたしまして、いま御指摘のようなことも場合によってはあるべしという御理解を賜わって御決定をちょうだいしたいと、こういうことでございます。
#56
○北村暢君 これは予算の範囲内とおっしゃいますけれども、範囲内であったならば、それは予算の定員という問題について、それじゃ何のために予算定員というものをきめるか。各省ごとに予算の定員をきめているでしょう。予算定員というものは。各省ごとにきめておりませんか、予算定員は。どうですか、各省ごとにきめておりますよ。したがって、あなたがそういうことをやるのだったならば、補正予算を組むか、組みかえ予算を組むか、予算の裏づけをしなければ、年度のきめた予算の中の範囲内でそういうことをかってにやるということができるということになれば、予算定員そのものがおかしくなるのじゃないですか。何のために予算定員というものをきめるかということです。そういう結果になりませんか。年度途中でやるということになりますと、そういうことになりますよ。そんな融通性をきめたことにおいて、予算定員というものは、先ほど岩間君が言われたように、参考書類の提出をしているけれども、そんないいかげんなことで予算定員というものは予算で審議をし、決定をしているはずがない。それだったならば予算の審議というものはおかしなものになってしまう。そういうことはあり得ないですよ。確かにそれは補正予算を組むか、組みかえ予算を組むかしなければできない性質のものですよ。そういう認識に立って国会でお認めくださいと言ったって、それは認めるわけにいかないですよ。
#57
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 繰り返しのようになっておそれ入りますが、お許しいただきますけれども、現行法はまさに定員まで含めて各省庁ごとに組織と一緒にきめられておる。それを山本さんの御質問に冒頭にもお答え申し上げましたような根拠、理由に基づきまして、定員だけを、各省庁の設置法から定員法という状態をはずしていただいて、そして政令でもって各省庁ごとの定員を定めるということに国会でお認めを願いたいということに発するわけでありまして、そういうことをお認め願えるものならば、予算の定員をおきめ願ったその予算の範囲内においての年度内で配置がえをするということは、緊急性がないならばあり得ないことであることは常識上当然であると思いますが、そういう厳粛な考え方に立っての、各省庁内部はもちろん、場合によりましては各省庁にまたがっての配置転換ということで運用することを、財源的には予算の範囲内であることは当然といたしまして、お認めをいただく。そのことをあわせて考えた場合に、行政需要に応ずる国民のための行政サービスがよりよく確保できるであろう。その結果につきましては、毎年必ず予算の御審議を通じまして、ないしは行政調査権の御権限に基づいて常時御監査を願う。そういう考え方でこれを運営します限り、国会との関係におきましても、国民に対するサービスの面におきましても、よりよきことが期待できるんじゃなかろうかと、こういう考え方でございます。
#58
○山本伊三郎君 委員長、ぼくは、政府がこれを出した意図というか趣旨というか、意図はわかっておるんですね、実際問題は。で、ぼくはそういうことが国家行政組織法、まあ行政法的に言っても、また政治的に言っても、非常に問題が将来起こるであろうということで、私はまあ心配をして論議をしているんですね。だから非常にまどろっこしいといいますか、何回も何回も言っているので、もういいかげんあきらめて次にいくだろうと思っても、そうはいかない。これさえ一応明らかになれば、ぼくは将来の心配はない、まあ極端に言えばですよ。いまの内閣組織でいえば、総理大臣が絶対権を持っているんでしょう、ね。したがって、冒頭に論議しましたが、そこまで深めておりませんが、五十何万という、いわゆる一部抜かれています。宮内庁関係とか自衛官とか抜かれておりますけれども、特別職ものけられておりますけれども、その五十何万というのは総理大臣の支配下に全部入っちまうことになる。包括的に五十何万は国家公務員として国会で認めたんだと、そうなった以上は、総理大臣は、その五十何万という公務員は自由自在に政令を通じてやれるということに変わっちまうんです。そういうことになる、幾ら説明されても。昔の旧憲法であれば、ああいう王権制度でありますから、また別な制約もあったわけでありますけれども、今日の憲法からいうと、総理大臣は元首ということに当たる、元首論は別にいたしますけれども、そこまでは言われてはおらない、象徴天皇制との間に問題はありますけれども、しかし、少なくとも人事権においては総理大臣は全部把握するということになるんですね。そうなったときに、それをどこで食いとめるかということは、いまは国会で実は法定主義によって定員を食いとめておった。最高はこれだけだからというので、これを無条件に認めておるわけじゃないんですよ、国会も。冒頭に申しました国家行政というものの、これは国民に対する強権を持っているんですね、要するに専門用語で言えば。結局国民との間で、公務員はその法律の権限によりますけれども、強制権があるんですね、法律に従わなければ。それについて行政権を追求する権利を公務員に与えておる、重要な職務を持っておる。まあ職階によってその権限は違いますけれども、そういうものを、五十何万というものを総理大臣がすべての配下にそのまま置くということについては問題があるということが、私の質問の解明してもらいたい一つの大事な要点なんです。
 なぜそんなに各省ごとにきめておるやつを包括的にきめなくちゃならぬかという根拠を何ら説明されてない。法律できめるというあなたの言う言をかりれば、年間において国会が開会中でない閉会中においてそういうものが生じたときにはできないから便宜上そういうものを包括的に与えてくれと、こういうことですが、わずか一年の間にそういう重要な定員の配置をやらなくちゃならぬという、実態からいってもそういうものはあり得ない。ただ、三年間に五%削減するとか何とかいう意図は別にあるのだと、これは別といたしましても、そういういまのそんなずさんな国家行政組織ではないと見ておる。それを私は解明をしてもらいたいと思うのだが、一つもされていないのですね。だからひとつ、これをやらないで次に私はいきたいのです。まだたくさんあるのですよ。これはまだ私の質問の十六あるうちの二つしかいってない。このままいくと何日かかるかわからぬ。だからこれを明らかにちゃんと政府で統一して、総理が、先ほど山崎理事が言われたように、非常に暴言的なことをこの法律案で言っておるのですよ。そういうことを国民が知っている以上、ぼくはもっと解明しておかなければ、単に定数を法律から政令にゆだねるのだという簡単な問題でないと思いますので、これはまあ所管大臣である行管の長官だけを責めておるようで非常に心づらいのですが、一ぺんこれは帰られまして、総理大臣を含めてひとつこれはどう答弁したらいいかということを研究して、それで昼からの再開のときにひとつこれを言ってもらわぬと、これから何時間やっても、あなたが言われることにひっかかっていると幾らでも出てくるので、心配が、ますます質問できないのですよ。質問すると、またどんなこと言われるかわからぬので、あなたの立場を考えて私は質問しますので、だからこうだということを一ぺん、政府としてはこうだと、法制的に法律的に憲法からいってもこうだと、だから心配はありませんということを、ひとつ法理論的に一ぺんちゃんと解明してもらって、それから私は次に進みたいと思うのですがね。委員長、どうですか。
#59
○国務大臣(荒木萬壽夫君) アドバイスを含めた御質問ありがたくお受けをいたします。
 もうちょっと補足さしていただきますれば、各省設置法、行政組織法に基づいての各省設置法そのものは、定員のところだけは政令に落としていただくということだけでありまして、各省設置法ないしは行政組織法、内閣法を通じて、政府が国民に、行政需要に応じていかなるサービスをすべきかは法定されております、申すまでもなく。そのことを何人がかりで行政サービスを落とさないで、さらに向上する目標のもとに行政行為をするかということが定員との関係だと思いますが、国民に対する行政サービスの目標というものは微動だもしない。何人がかりでやるかということについて、緩急に応じて政令で、ふんだんにあるとはむろん思いませんけれども、緊急政令的な、それに類するくらいの場合しかあり得ないと実際上は思いますが、それを通じて、行政組織法、内閣法、各省設置法が、省庁の設置法が要求しておる法律上の責任を行政サービスの面で果たしていくということのために、法定されておるよりも、年度内といえども、わずかではあろうけれども、まあ少数精鋭というとおかしゅうございますが、そのやり方でもって責任を果たしていくということにおいてベターではなかろうか、こういうことであります。
 そもそもの山本さんの御発想の御質問が、憲法から発したような法律論そのものでの御質問でございますから、政策論議は一切抜きにお答え申し上げておることはまあ御推察のとおりでございます。いままでにないと申しますか、現行法の定員のことを政令に落とすという課題でございますから、新規のことなるがゆえにいろいろと御配慮願っての御質問の意味はよくわかります。したがって、法律論そのものじゃないかしれませんけれども、その新たな制度のもとにあくまでも政府の責任は加重され、良心的な、結果的に御監査いただいても、おしかりを受けないという心がまえでこれが運用さるべきことは当然である、こういう心意気を含めて実はお答え申し上げておるつもりでございます。
#60
○山本伊三郎君 あなたの心情たるやくむところあるのです、ぼくらも人間ですからね。あるんだが、あなたの言われたのを聞いていると、ますます言いたくなるのです。あなた言われているのは政策論ですよ。政策論を言われておる。政策論としては、私論議としてはまだ伺いたいところがある。あとで質問するんですが、しかし、私は法理論的に問題を一応解明しておきたいというので、法制局に来てもらったのですね。政策論としてはまた別の論拠が出てきます。したがって、あなたは政策論で、最初から国民に奉仕するためにこの法はいいんだ、政策的にいいのだと言われるが、私はそれに入る前にひとつ解明をしておこうということでありますから、これは並行論になるかもしれませんが、一度これは、私はあなたを信用しないというわけではございませんよ、やはり内閣の責任で来ておられますから。一ぺん、こういう質問あるんだが、これを納得さすためには十分でなかったから、納得さすためにはどういう説明をしたらいいかということを相談してもらって、その上で私は次に入りたいと思うんですが、この点、委員長どうでしょうか。幾らやっても水かけ論ではなく、すれ違いというか、大きなすれ違いですから、なかなか焦点が合わないので、そういうことのおはからいを理事とも相談してもらえませんか。
#61
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 提案します前に、政府側としましては、法制局の審議を経まして、御質問のような憲法にさかのぼってまでの法理論につきましても一応検討したつもりでございます。第二部長も見えて答弁してもらって、それで一応十分かと心得ますが、お示しもございますから、さらに相談をいたしまして、機会がありましたならば、何らかの意思表示をさしていただく、そういうことにさせていただきます。
#62
○委員長(八田一朗君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#63
○委員長(八田一朗君) 速記を始めて。
 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたし、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時十四分開会
#64
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 行政機関の職員の定員に関する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#65
○山本伊三郎君 冒頭に、先ほど休憩前の私の答弁を伺うんですが、ちょっとそれまでに、大蔵省が来ていないので、緊急に、話題を変えまして一言お尋ねしたいんですが、聞くところによりますと、きょう文部省関係ですか、給与を払う日になっておるようでありますが、この法律はどう考えても、これは審議の状態を見ても、きょう上がりっこない。その場合には給与の支払いはどういう法的根拠でやられるのですかね。生活をしておる方々ですから、ほっとくわけにはいきません。この点はどうなるんですか、ちょっと緊急に聞いておきたいんです。
#66
○政府委員(栗山廉平君) 人事院がおられませんので、ほんとは人事院の所管でございますけれども……。
#67
○山本伊三郎君 人事院。
#68
○政府委員(栗山廉平君) はい。ちょっとおられませんので、私から、あるいは正確ではないかもしれませんが、お答え申させていただきます。
 国家公務員法の十八条に、「(給与の支払の監理)」という題で条文がございます。「人事院は、職員に対する給与の支払を監理する。職員に対する給与の支払は、人事院規則又は人事院指令に反してこれを行ってはならない。」という条文が十八条にあるわけでございます。国家公務員法でございます。それからもう一つ、一般職の職員の給与に関する法律がございまして、それの第三条というところがございますが、「(給与の支払)」という題名で第三条がございます。ちょっと読み上げますと、第三条第一項は、これはもう現金支払いの原則で、これは除きまして、第二項に、「いかなる給与も、法律又は人事院規則に基かずに職員に対して支払い、又は支給してはならない。」、こういう二つの根拠があることを申し上げておきます。
#69
○山本伊三郎君 そうすると、払えないということですね。あなたの説明によると法的には払えない。
#70
○政府委員(栗山廉平君) 私の理解している限りで申し上げますと、法律または人事院規則に基づけば払える、逆に申し上げますと。この法律といまの一般職の職員の給与に関する法律の第三条でございます。この法律というのは、私どもの理解している限りでは給与に関する支払い関係の法律というふうに理解しているわけでございます。先ほどの国家公務員法の法律とか、いまの一般職職員の法律とか、会計法的なものでございます。
#71
○山本伊三郎君 まあ人事院にも聞いたらそのとおりですよ。しかし、払えないといって、これはどうするのか。文部省、出先でないと法律上払えない。文部省も払うか払わないかわからないということではない。払えないということははっきり言えるわけですね、これは。長官どうですか、行政管理庁として。
#72
○政府委員(栗山廉平君) ちょっと私の理解が、いま申し上げ方があるいは不正確、ちょっと申し上げ方がへたであったのかもしれませんが、いま先生が問題にされております問題、このこまかいことは私ちょっとそこまでは何でございますけれども、法律または人事院規則に基づかずに支払い、または支給してはいけないということで、今度の、先生がもし問題にされるならば、その問題にされる具体的な件が、ここにおける法律または人事院規則に基づくことになるかどうかという問題が一つ出てくるだろうと思います。そこでこれは、これからの問題は私のあるいはあれじゃないかもしれませんが、過員を生じた場合には支払いをすることがどうかという問題だろうと思います、一般的に申しますと。そこで、過員を生じた場合にどの人がその過員に当たるかという問題が一つ実はあろうかと思います、問題だけを投げかけてたいへん恐縮でございますが。そういうことと、それから他方、だれが過員に当たるかという問題と、他方、どの方をとりましても職員にとりましては任命は受けている、それから正当に業務についているという点が他面あるわけでございます。したがいまして、仕事はしている、こういうことで、どの方が過員に当たるかということがまだはっきりしない場合には、国としてはとにかく働いてもらっているので、これに対して給与を支払うべきではないかという問題が当面一つあるという問題点だけを申し上げておきます。
#73
○山本伊三郎君 そうすると、それを解明するのは総理府人事局長の権限外だ。そうすると、それを解明するのはどちらの官庁ですか。行政管理庁は、これを出すときにはそういうことを理解をして出しておられると思うので、そこは読んでいないのですか。
#74
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 人事局長からお答え申し上げました程度のことを私自身としては承知しておるということで、その限りにおいては、人事院とも相談をした結論であるように聞いておりますから、おそらくいまのお答えで尽きておるのじゃなかろうか、かように思います。ただ、総定員法を通していただけるものと予定した工場に立って各省庁設置法の経過規定としての附則の廃止条項そのままで出しておりまして、本来、当然、理論的に申し上げるとしまするならば、三月三十一日で新しい予算に切りかわって御決定をいただいておる。しかるに、各省庁設置法の措置は講じないままにしてある。だから、その範囲においては違法状態が十七日間続いておる。まあこういう理屈になろうかと思います。
 しからば、なぜそのことがわかりながら四月一日、おそくも四月一日に各省庁設置法の改正案を提案しなかったかというふうなことも衆議院で御質問を受けたことがございますけれども、これはまあ逃げ口上でなしに、総定員法を政府としては御提案申し上げております。それと、いわば二律背反的な部分的な関係を持つ各省庁設置法の改正案を同時に出すということは、これは国会運営上許されないという理解のもとに、衆議院で提案理由を御説明申し上げましたときに、修正案の提案者たる衆議院議員から、ここで申し上げましたような内容の修正をしていただくことによって、本日を時点としてとらえますれば、いま申したように十七日間の違法状態がそこにありはしますけれども、それをさかのぼって合法化していただくという趣旨があの修正の趣旨かと思います。そういうことを総括いたしまして、理論を離れて、現実問題としては文部省関係、その他御指摘のような課題に当面しておるところでは払いもしましたろうし、支払いつつある、こういうことじゃなかろうかと思います。理屈を離れた現実問題を申し上げまして恐縮ですけれども、そういうふうに理解をいたしております。
#75
○山本伊三郎君 それじゃ文部省の官房長と、それから人事院の給与局長を呼んでおりますので、それが来たときにこれをもうちょっと法的に解明するとして次に移ります。来たらこれに切りかえるということです。
 そこで、午前中の懸案になっておりましたいわゆる憲法論議と申しますか、政策的には行管長官がいろいろと言われましたが、それは別として、法律的の解明について御答弁願いたいのですが、私の言っていることは十分理解されておると思うのですが、要約すると、政策的な論議はあとにいたしまして、憲法六十六条の内閣の連帯性からいって、各大臣は所管の行政省庁については責任をとらなくちゃいかぬ。一方、国家行政組織法によって国の国家行政組織がきめられておる。それには、私の意見は、国家行政組織をつくれば、そこに人員というものはおのずから付随したものである、車の両輪だから。国家行政組織だけを法定主義に、これはもう変わることができないと思いますが、定数だけを総括できめることについては私は憲法上問題がある、こういう趣旨に対する御答弁を午後に保留されておるのですが、休憩中に考え方がまとまったと思いますので、この点について御答弁願います。
#76
○政府委員(田中康民君) ただいまの御質問は、法理論の基本といたしましては、結局、法律でもって政令に定員を委任していいかどうかということにかかると思います。そこで今日、現行憲法におきまして国家の行政組織をどの程度まで法律で、定めなければならないのかということにかかってくると思います。今日の現行憲法におきましては、内閣の組織については、これは法律が定めなければいけないというのは明らかでございます。それから管理に関する事項が法律で定められておるのがございまして、そういうもの等を除きますと、憲法上法律で何を定めなければならないかということは明確には書いてございません。そこで、しからば何でも委任していいかと申しますと、それはそうはまいりませんので、内閣の組織は法律で定めると、こういうことであります限りは、その内閣の組織に入ってくる人、まあ入ってくる大庫でございますが、大臣がどういう職掌を持つかというようなこと、その数はどういうことであるか、端的に言えば、省をどういうように配置するかというようなことは、これは憲法が内閣の組織について法律を要求しておりますもののうらはらとして、当然にそういう行政組織の基本まで定めなければいけないのではないかというふうには私も考えるわけでございます。その場合に憲法が要請いたしますのは、その内閣の組織に対して必要な範囲内だと思うのでございますが、国家行政組織法はそういう基本的なものとして組織を定めると、こういう状態でございます。ところで、定員につきましては、これは理解のしかただと思いますけれども、私たちは内閣において国家公務員として使用する者の総定員が幾らであるかということを定めることは、やはり基本的な問題だと存じますけれども、その範囲内において各省の定員をどうするかという問題は立法政策に属する問題である。その立法政策に属する問題として必要な予算は、先ほどから行政管理庁長官が申し上げておるところである。こういうことでございまして、私たちといたしましては、まさに憲法の要求する法律に基づいて委任される権限に基づいて政令を定める、その範囲内に定員が入ってくる問題であるというふうに考えておるわけでございます。
#77
○山本伊三郎君 どうもだいぶ考えた上の答弁だが、私は逃げ口上にすぎないと思う。それはこれから具体的な話に入ってくると矛盾が相当生じてくる、そういうふうになると。たとえば、この総定員法というのは、ここに最高が、これは五十万六千五百七十一人ということでこれを法定をする。これは決して各省庁に固定したものではない。国民に最高五十万六千五百七十一人は必要であると、こう一応最高限度をいっておるけれども、これ以内でもこれはやっていけるのですね。法律上は各省庁ではどういう配分をしてもいいということになる。予算は大蔵省に尋ねますけれどもね。そうすると、国民の側から見て、国家行政組織法で、厚生省はこういう仕事をするからこういう組織をつくるのだ。これは法律で約束している。法律は国民に約束している。政令でも約束をしますけれども、それはタッチしないから、約束の度合いが、内容はかってにきめるのですから、少ない。そうすると、総数はきまっているけれども、各省庁にはこういう組織はあるが、ここでどういう人がどう働くかということは法律に一つも出てこない、法律上は。そこに私は問題があるということを追及してきた。だから、総定員をきめるのだから、一応五十万六千五百七十一人というものは国民に認めてもらうのだ。いわゆる公務員という資格のもとに、憲法上公務員としての資格のある人たちはこれだけ要るということを認めてもらう。その範囲内において内閣で自由自在に各所に配置していくということについては国民は納得できぬじゃないか、憲法の精神から言って。憲法ではそう明らかにしてないけれども、国民の側から見れば、国家行政組織は、必ずそこには次官もあり、局長もあり、課長もあり、課長補佐もあり、一般職員には幾ら要るんだ、厚生省なら厚生省はこういう事業に対して全国民にこれだけの人でやっているのだということの認識をやはり持たすべきでないか。それがために国家行政組織法第十九条はできている。しかも、それ以上いわゆる緊急政令といわれているやつを考えて、非常に困ったときにはあの二項で、こういうことで増加することができるということを国家行政組織法は憲法を受けてつくったものだと私は理解している。もしあなたが言われるようなものなら、初めからこういうことをやる必要はない。なぜ、いまそれを急にやらなくちゃならぬかということは、政策の問題と言われるけれども、そういう政策でやらなくちゃならぬという理由はきわめて薄弱です。その点については私は疑問があるし、あなたの言われることについては納得ができませんが、この問題についてはまだまだあとから質問者もあって追及されると思いますから、私はこの問題が解決しない限りはほかに入らないつもりであったけれども、一応これを証明するための具体的な次の問題に入っていきたいと思います。そういうことで次に進むことにいたします。これは問題が解決したとは言いません、残っておると思いますけれども、一応二日間にわたってやったことですから、この問題については私としては基本的な問題については一応これで終えておきたいと思います。
 文部省の官房長がお見えになったのでお聞きします。この総定員法、これはまああなたのほうの関係だけじゃございませんが、当面ですね、聞くところによると、あなたのほうには、この法律の制定いかんによっては今日給与を払う問題に関係する人が多いということを聞きましたが、法的な根拠は人事院が来たら聞きますけれども、現実に払われたのかどうか。
#78
○政府委員(安嶋彌君) 文部省関係の俸給支給日は本日でございます。本日支払いをいたした次第でございます。
#79
○山本伊三郎君 それは文部省のどういう見解で払われたか、人事院との連絡もあり、大蔵省とも連絡されておると思いますが、その点の手続はどうされましたか。
#80
○政府委員(安嶋彌君) ただいまお話のございましたように、文部省関係におきましては、四月一日現在におきまして、結果的に五百四名の過員を生ずることになるわけでございます。このような国立学校におけるいわゆる過員に対する給与の支払いにつきましては問題がございますので、いろいろ関係各省庁とも打ち合わせをいたしまして検討してまいったわけでございますが、過員が生じてくるとは申せ、これらの教職員が公務員として正規に任用されておりまして、かつまた正規の勤務に服しておるものでございますので、これらの者に対しましては給与を支払わざるを得ない、そういう考え方のもとに本日給与の支給に踏み切ったという次第でございます。
 で、給与の支払いにつきましては、あるいは法制局から御説明があったかと思いますが、会計法上の問題と、それから給与法上の問題の二つがあるかと思うのでございますが、給与法上の問題といたしましては、ただいまも申し上げましたように、正規に任用され、現実に勤務に服している職員でございますので、これに対しては、かりにそれが過員だというようなことがございましても、これは給与を支払うべきものである、そういう考え方から現実に本日給与を支払ったような次第でございます。
#81
○山本伊三郎君 この問題については、まあ支払うということはそれは本人の生活上払うのですから、これはもういわゆる法理論を越えた私は人権の問題だと思っておるのですが、ただ、政府を追及するのは、これは時間の関係がありますので、私はそう深くは入りませんが、先ほど行政管理庁長官は、この法律は三月三十一日までに通るのだという予測でそういう手当てはしなかったということですが、こういう過員を生ずるということは、すでに第十九条の二項によってやられたのかどうか、それをまずちょっと確かめておきたい。措置を一年間やられたのじゃないですか。
#82
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと御質問の趣旨を的確に把握しかねておりますので、政府委員から一応お答え申し上げます。
#83
○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。
 この緊急政令は十九条の二項に基づいて制定されております。
#84
○山本伊三郎君 私はそこに問題があったと思うんですね。一年以内ということであれば、もちろんそれは国会の、立法府におけるいろいろの事情があってこうなったということはわかりますが、やはり万全の策として成規の文部省設置法によって私はこれを一応変えておくべきじゃないか、こういう国家行政組織法の基本を変える総定員法というものをつくる以上は、それだけの準備があって、やはりそういう人の救済といいますか、そういうものを考えて、一応、文部省設置法でこれを成規の職員として、私は変えておくべきだと思うのですね。それを、この総定員法が通るのだというような見通しでやられておるととろに私は大きいそごがあったと思うのです。この点について行政管理庁は、とにかく三十日は通るという考え方でやったんだ。しかも、この通常国会当初に出したんだから通るはずだというように言われますけれども、それは国会の都合だから通らないかもしれませんね。私は、そういう事態の人がおらないならいいですよ。現在おる人を総定員法の中に含んでしまうというなら別ですが、そういう第十九条二項により、これが通らなければ給与も正式に払えないという人があるということを知りながら、こういう問題のある法律が通るのだという見込みで出したというところに私は政府の責任があると思うのですがね。この点は大臣はどう思われますか。
#85
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 少なくとも、御指摘の件に関する限りは、政府側としましては、国会の審議が年度内に済まなかったから、しかたがないんだと言いっぱなしで済む問題じゃない。御指摘のように、なろうことならば完全な姿で給料日には俸給が支払われるようにということは、むろん念頭にはございましたが、いささか弁解じみた申しわけをさしていただければ、先ほど来、法制局ないしは人事局長、あるいは文部省等から申し上げておりまするように、いわば部分的には違法状態であるが、俸給支払いそのものには支障はない、実際問題として支障はないということも私一個としましては念頭にございますが、先ほども申し上げましたように、政府側としましては、総定員法を御提案申し上げておる。そうして審議が進行中である。そうして三月三十一日を迎えた。これでは部分的であろうとも違法状態になるから、この総定員法案を取り下げる手続をして、そして現行法上の措置をするということが事実問題として容易でないことに基づくと申し上ぐべきでございましょう。国会側にその責任を転嫁するなどという意思は、考えはあるべきでもないし、毛頭ございません。事実問題を中心に給料が支払えるという理論も成り立つならば、それで御容赦を願いつつ、この法案の通過するようにお願い申し上げたい、露骨に申せばそういう気持ちで今日に至っております。
#86
○山本伊三郎君 人事院の給与局長が見えましたので。実は国家行政組織法の第十九条の二項により過員を生じたものの自後の支払いの問題について総理府の人事局長からも答弁があったのですが、それは私の管轄でないけれどもこうだと思うという答弁ですが、有権解釈ができる人事院の給与局長に対して、本日支払われたと聞いておりますけれども、それの法的根拠はどこにあるか、こういうことです。
#87
○政府委員(尾崎朝夷君) 職員の給与の問題でございますけれども、給与法の七条には、各省大臣、各省の長は、それぞれ毎月の俸給の支払いを受けるように、この給与法の条項を適用していかなければならぬという規定がございます。で、当面の職員でございますけれども、一応、過員の云云の問題はございますけれども、私どものほうの立場といたしましては、現にその職員が勤務しておって、そうして身分があり、そうして勤務しておるという状態でございますから、この給与法の条項に従って支給しなければならないというふうに考えております。
#88
○山本伊三郎君 大蔵省の総務課長が見えておりますが、総務課長は予算支出の元締めですが、予算総則、その他会計法から見たところの見解をひとつ聞いておきたい。
#89
○説明員(嶋崎均君) 給与の支払いの関係につきましては、会計法の十一条の規定があったと思うのですけれども、法令に基づいて支払わなければならないということになっておるわけです。その法令がどういう範囲のものをさすかということについていろいろ議論しましたですけれども、その法令の範囲として、まあどの程度まで入るか、間接的にはいろいろな先ほど御質問のありました一般職の職員の給与に関する法律の規定の中でも、「法律又は人事院規則」というふうになっております。それからその法令には国家公務員法の給与法の規定であるとか、いろいろな給与支給上の諸規定があるわけです。で、これらが適正につくられ、そうしてそれに基づいて支払われるということが必要であるということで、一体全体その法令の範囲から見て金を支払う点について問題があるのではなかろうかということで内部でいろいろ議論をしております。まあ法制局のほうでどういうふうになっておるかはっきりしておりませんけれども、一応、公務員として、個別的には適正な雇用関係にある職員に対して、その勤務の役務の対価としての給与はどうしても支払わざるを得ないのだと、そちらのほうを優先的に考え、会計の規定の面からいくといささかの疑念もない、完全にないとはなかなか言えぬと思いますけれども、そういう適正な個々人の公務員にとってみれば、それが適正に勤務しているということで支払うのもやむを得ないのではなかろうかという判断で支払われたものと思っております。
#90
○山崎昇君 文部省の官房長にお聞きをしておきたいのですが、ことしの四月一日現在で五百四名の過員を生じておりますと、こういう答弁ですね。そこで、去年の六月十二日の文部省令第十六号で、追加の定員を各大学に割り当てておるのですね、別表第一、第二全部直して。どこの大学で何名過貝になっているのか、ひとつ知らしてください。五百四名の内訳を。
#91
○政府委員(安嶋彌君) 読み上げさしていただきたいと思うのですが、北見工業大学で二十五名、宮城教育大学で三十八名、秋田大学で二名、山形大学で三名、茨城大学で四名、埼玉大学で十二名、電気通信大学で十名、大阪教育大学で十名、島根大学で三十八名、九州芸術工科大学で三十六名、以上が大学でございます。
 それから高等専門学校といたしまして、函館高専で一名、苫小牧高専で十四名、釧路高専で十四名、八戸高専で二名、一関高専で十二名、宮城高専で一名、秋田高専で十名、福島高専で一名、茨城高専で十名、小山高専で十七名、群馬高専で二名、木更津高専で二十七名、東京高専で十五名、富山高専で十一名、富山商船高等専門学校で六名、それから石川高専で十六名、福井高専で十八名、長野高専で二名、岐阜高専で二名、鳥羽商船高専で九名、鈴鹿高専二名、舞鶴高専十四名、奈良高専十二名、和歌山高専で十一名、米子高専十七名、松江高専十五名、広島商船高専十名、呉高専十二名、大島商船高専十名、阿南高専三名、弓削商船高専五名、北九州高専十名、佐世保高専一名、大分高専二名、都城高専十二名、以上でございます。
#92
○山崎昇君 それはまあ後日私からもう少し詳しく聞きたいと思っていますが、たとえばいまの数字を聞きまして、大島商船高等専門学校の場合で例にとれば、十名追加して十名が過員になっておる。追加した分が全部過員になっておるということになる。そうすると、個人別について任命権者がわからないということにはならないと思うのです。これは人事管理上ですね。そうすると、こういうことが明らかになっておるにかかわらず給与の支払いをするということになると、私は違法のそしりを免れないのではないか、明らかですね。その点はどうですか。これはきょうはその程度に聞いておきますが。
#93
○政府委員(安嶋彌君) 過員には種類といたしまして二通りあるわけでございまして、事務職員と教官とございます。いずれの場合におきましても、昨年の緊急政令によりまして付加された定員は、これは一年以内という限度はもちろんついておるわけでございますが、正規の定員として付加されておるわけでございまして、その政令が施行されました後に任用された者でございましても、それは正規に任用された職員でございます。したがいまして、定員的にも現員的にも、すでに任用されている者と昨年の緊急政令施行後に任用されている者とは、これはこん然一体をなしておるわけでございまして、だれが過員であるかということを私は特定することは困難ではないかというふうに考えております。
 それから第二に、教官の場合におきましては、御承知のとおり、教育公務員特例法という法律がございまして、過員でございますと、これが理論的には分限免職の対象であるとかいうことになるわけでございますが、教官につきましては、御承知のとおり、大学管理機関の審査の結果によるものでなければ分限免職ができないという、そういう法律上の制度になっております。したがいまして、そういった措置を現実にとることが、これはきわめてむずかしいというふうに考えます。以上二つの理由によりまして、だれが過員であるかということを特定することがきわめて困難ではないか、そういうふうな前提に立ちまして本日給与の支払いを受けた、そういう実情でございます。
#94
○山崎昇君 関連ですから、あまりこれは深くきょうは申しません。いずれあなたには手続も含めてこれは聞く時期があると思います。いまの答弁では、それは詭弁ですよ、なぜかというと、私がいま言った米子の高等専門学校を見ましても、十七名定員を割り当てて――追加ですよ。これは前からの定員じゃないのです。追加定員を割り当てて、いま十七名過員があるのですよ。そうでしょう。そうしてこれはことしの四月一日のあなた現在員だと、こういう。大島の商船専門学校については十名割り当てて十名が過員だ。これでもまだあなたは抗弁しますか。私はいまあなたに人事の発令の手続を聞いているのじゃない。あるいはまた解職する場合の手続を聞いているわけじゃない。しかし、少なくとも私も人事管理やったからわかるが、どなたがどういう日に採用して、これはどの定員だということは明らかにしなければ人事管理はできないのですよ。ですから、これは人事管理上からいけば、どの人がいつ採用されてどの定員であったということは明確になる。あなたのように識別困難ということはわからない。しかし、これはいずれ別の機会にあなたに詳細に聞きますが、いまこの数字を見ただけでも疑問を持つのです。ですからこの五百四名の内訳、いま私は自分の持っている書類にちょっと書きましたけれども、落としたところもありますので、これはひとつ資料で提出を願いたい、こう思います。きょうはこれでやめておきますが、いずれにしてもあなたのいまの答弁では納得できません。
#95
○北村暢君 ちょっともう一つ。九州の芸術工科大学、これは新設でしょう。全員が政令の定員でふえたでしょう。全員が政令定員でふえた定員ですね。これが属人的にわからないことは、前におったものとわからないということにはならない。全部が政令定員でそこへいったということになりますね。その点はどうですか。
#96
○政府委員(安嶋彌君) 四十二年の定員は、九州芸術工科大学につきましては四十二年度六名の定員がございまして、三十六名緊急政令で上積みをいたしまして、三十六名がまあ具体的にその人であるかどうかは別にいたしまして、定数的には三十六名が過員になっております。
#97
○山本伊三郎君 それでは人事院の給与局長に聞きますが、現実に成規に手続をして雇われておるから、あなたの言うことを私が言い直しますと、法律的には定員外、もちろん定数、これは違法ですね。定員じゃない。現実に雇われておるから、これは一般職の給与法から見ても、国家公務員法から見てもこれは違法でない、こういう答弁だと私は聞いたのですが、間違いございませんか。
#98
○政府委員(尾崎朝夷君) 私が申し上げておりますのは、給与の支給の問題でございます。給与の支給につきましては、先ほど申し上げましたように、給与法の規定によって行なうわけでございますけれども、現実に身分を持っており、そうして勤務しておるという状況に対しましては、給与法の規定に従って給与を支給しなければならないというたてまえになっておりますので、そのとおりにすべきだというふうに考えます。
#99
○山本伊三郎君 あなたの解釈によると、もう総定員法なんか要らぬじゃないですか。現実に雇い得る手続をとっておれば定員法があってもなくても給与を支払っていいんじゃないか。
#100
○政府委員(尾崎朝夷君) でございますから、私は給与法、給与の支給の問題について限定して申し上げておるわけでございます。過員云々の問題につきましては、先ほどから文部省との間に御質疑がございましたようなそういう問題はあると思いますけれども、私のほうの給与の支給につきましては、先ほど申したようなことで支給しなければならないというふうに考えます。
#101
○山本伊三郎君 これは法律的にいうと、それはもう公務員じゃないんですね。定員過ぎちゃっているから公務員じゃないんです、法律的に見て。過員というのは公務員として措置できないから問題になっておるんですね。法律上、公務員の資格のない者にも手続上そうやられておるから給与を支払わなければならない、あなたはそうおっしゃる。そうすると、結局何も定員法なんかつくる必要なくて、かってに雇うて、正規に雇っておれば、何も国会で定員法を審議してきめる必要はない。われわれは定員というものをきめた範囲内において公務員である、その公務員に対して給与の支給をきめられておる、こう私は解釈しておるんですがね。その点のことは、一貫した考え方が、もしあなたの言われるようなら、何もあわててこんなの通す必要はない。一年でもゆっくり考えて、手続上誤ってないんだから給与を支払っていいんじゃないか。問題ないんですから、もうゆっくりと、来月一カ月かかっても十分審議したほうがいい。早急にわれわれは審議を尽くして早くやろうというのも、できるだけそういう方々の身分を早くとって、そして正規の公務員として迎えたいということで審議をしているんです。あなたの言うようなことになると、そうあわてなくても給与だけ支払っておれば、それでいいんだからというふうにぼくは受け取るんですが、あなたは給与の支給のことだけを言っているんだ、ほかのことは知らない。こういう点についてはわれわれ納得できないんですがね。
#102
○政府委員(尾崎朝夷君) 私が申し上げておりますのは、まさに給与の支給の問題でございますけれども、ただいまのお話では、すでに公務員の身分を失っているというお話がちょっとございますけれども、公務員の身分を失うかどうかということはまさに重大な問題でございまして、公務員法の上でいわゆる身分保障の規定がございます。で、公務員は、法律または人事院規則の定める条項に該当しなければ免職せられることはないということでございます。その場合に、まあ過員という場合もございますけれども、過員が生じたというのは一つは免職をできる条項でございますけれども、そういうことによって免職をすることができるということはございます。ございますけれども、現に免職されてないという場合の段階におきましてはやはり国家公務員でございます。そういう意味合いで、給与支給の条項というものはやっぱり適用されなければならないということを申し上げておるのでございます。
#103
○山本伊三郎君 どうもあなたの言うことは一貫しては受け取れないんですが。そうするとですよ、あなたの言うとおりにすれば、正規の手続踏んで、公務員としての資格をとって雇ってしまえば、定員とか定数というものは、これは問題ないんだということを言われるならば、ぼくはまた別の意味において――朝から、きのうから、おとついからやっているんですが、別の意味の問題があるんですね。定数をきめるいわゆる国家行政組織法第十九条も要らないし、これはもう政策の問題で、各省で必要だというだけ要るんだということで大蔵省に要求したらそれでいい。定員というものをきめるのは、過員を生じたのはこれは公務員でないのだから、定員というものが必要だということで定員法というものが非常に重要な意義を持っているのです。あなたの言うことだというと、そういう定員というものはもう必要がないということになるわけですが、その点の関係はどう理解しているのですか。
#104
○政府委員(尾崎朝夷君) 同じことを申し上げて恐縮でございますけれども、定員法の関係は国家公務員法の条項で申しますれば、過員という問題を生じさせる要因でございます。そういう要因がございました場合に、国家公務員の身分保障といたしましては、「免職することができる。」ということがあるわけでございます。そういう意味で免職行為がございますれば、それはあとは国家公務員じゃございませんから給与支給という問題はなくなりますが、それ以前におきましてまだ免職行為がないという、身分がある、しかも勤務しているという状況におきましては給与法の条項がやはり適用されなければならぬということだと思います。
#105
○山本伊三郎君 それじゃ、言いかえれば、はっきり言わないけれども、人事院としては給与規定によってのみ考えるから、公務員であるという現実があれば、これは定員は別として、自分のほうは支払うのが違法でないという見解だ、定員はもう別の問題だ、人事院としてはそういう見解ですか。
#106
○政府委員(尾崎朝夷君) 端的に申しますれば、要するに、身分を持っており、そうして勤務をしておるという場合には給与は支給しなければならないという見解でございます。
#107
○山本伊三郎君 それじゃ、行政管理庁なり法制局に聞きますが、そういうことになると、幾ら定員法をつくっても結局そういうのは歯どめにならないのだ、免職しなければそれでいいのだ、定員をオーバーしておっても免職しなければそれで給与も支払われるし問題ないのだ、こういうことになれば、一体何のために定員法をつくるのですか。
#108
○政府委員(田中康民君) 給与の支払いだけについて言えば、先ほど人事院の給与局長が申したとおりだと思います。ただ、その場合に定員法と申しますか、各省設置法における定員の規定というものは、それは無意味ではないかということでございますが、私たちも別にそう考えているわけではございませんで、定員の数を越えて公務員を雇用するということは、まさに国家が違法行為をしたということになりますので、その点においては非常に重要なことだと思います。それから過員が生じた場合にそのままにしておいていいかということでございますが、これは全く純粋に法律的に申し上げますと、過員が生じた場合には、その生じた過員をそのまま雇っておくということが、はたしていいかどうかという問題もございます。その場合には、やむを得なければ国家公務員法七十八条の分限免職ができる規定がございますので、そういうものを発動してすみやかに違法状態を解消するということが国の義務であり、その意味におきましては定員法が必要であることは申すまでもない、こういうことだと思います。
#109
○山本伊三郎君 給与担当課長だ、あなた。そう言うけれども、最初、一年以内に限った。国家行政組織法第十九条第二項によって雇ったと、こう言うのでしょう。そのとき、一年以内ということはもうすでに政府は自覚しているのでしょう。そうじゃないんですか。過員、過員と言うけれども、一年たてばそれは過員よりも、やめなくちゃならぬという身分をもって雇ったのでしょう。そうじゃないんですか。それを、過員が生じたからやむを得ないのだ、それを合理化しようというところに問題があると私は言うんだ。しかし、現実に雇われておる人たちについて、私といえども、給料を払わなくてもいいんだということは言っておらない。政府はそういうことをわかりながら、法律的措置をとらなかった、その責任を追及しておるのです。それを何か合理化しようとして、いままで政府のやってきたことは間違いないんだ、やむを得ないのだという、この言いわけについては私は断然許せない。大蔵省の課長は、やや論議をした、違法的な性格はあるけれどもやむを得ずやらざるを得なかったという答弁については、ある程度私も了解していいと思うんです。これを正当化しようというなら、この総定員法自体について問題が多くなります。その点についてどうですか。
#110
○政府委員(田中康民君) これは政策の問題でありまして、私たち事務当局が申し上げることではないと思いますが、定員の規定に違反をした事態が生じましたことにつきましては、確かにお説のとおりのことで、私たちも責任を痛感しております。
#111
○山本伊三郎君 責任を痛感すると言うのですけれども、あなた大臣じゃないんだから、それ以上追及しませんが、そういうことをわかりながら第十九条二項を発動して雇ったというところに政府の大きなあやまちがあると私は思う。それは率直に私は認めるべきだと思うんです。今後、定員法を操作する上においても、一時のがれのことで――少なくとも大学とか、そういう教官でしょう。社会的に相当地位のある方々でしょう。そういう人を、そんな安易な、一年以内に限って雇用関係のなくなるような形で雇う文部省も文部省なら、それを許す、どの官庁か知りませんが、認める行政管理庁も大きいミスがあったと私は思う。この点はやはり率直に認めて出直すべきだと思うんですがね、弁明じゃなくして。この点どうですか、間違いであれば間違いであったと、しかし、その間違いも、実は総定員法は三月三十一日までに通るという見通しで出したけれども通らなかった。したがって、これは違法性が――実は違法な手続であったけれども、やむを得ず、いまの現状を抜けるためには給与だけは払ってやらなくちゃいかぬので、論議した末こういうことにしたのだ、こういう答弁であれば納得できますよ。それを何か給与局長は、給与支給の関係からいえば、公務員であればそれでいいんだ。大蔵省は、いろいろ違法的な問題があったけれども、やむを得ずやった。法制局は、何かいま、責任はあるけれども認めた。間違いは間違いで認めるほうがいいんじゃないか。間違いであれば、私はまた別の問題は追及しますけれども、この点は終わりたいと思うんです。(「各省まちまちの答弁をしないで、総合的にだれか責任のある答弁をしなさい」と呼ぶ者あり)
#112
○国務大臣(荒木萬壽夫君) さっき申し上げましたが、本来ならば三十一日までに総定員法案が通過しなかった。それならば提案を取り下げて、そうして各省庁設置法、現行法の改正ということで御審議願うべきものと思います。ところが、変な弁解がましく合法化しようという意図はございませんけれども、実際の問題としまして、総定員法案を御審議願いながら、そのままにして、それと矛盾する改正案は出せない。それならば取り下げて出すほかにない。すでに審議は進行していただいておるということを考えながら、まさに違法状態が定員関係の法律に関しまする限りは、十七日間続いておる。このことは本来間違っておる課題だと思いますけれども、何とかそこら辺は法の修正等を通じまして、なるべくすみやかに違法状態の日数を少なくしていただくということを国会で御了承いただいて御決定いただけば、違法状態もあわせて解消する、こういう実際問題を中心に今日まで私としてはまいっておるわけでございまして、そういう御理解のもとに、なるべくすみやかにひとつ御決定をちょうだいしたいと、お願いを申し上げさしていただきます。
#113
○山本伊三郎君 まあ、これはまた次の質問者に譲ります。ただ大臣も違法ということはやむを得なかったということで、違法性を認めてくれ、こういうことだと私は理解をしておきます。ぼくらも血のある人間ですから、そんなに問い詰めて喜んでおる男じゃないのです。白状すれば私はそれでいいのです。
 それじゃ次にひとつ。ようやくこれで三つ目の問題ですが、そこで重要な問題を先にやります。またどういう事態が起こるかわかりませんので、重要なやつを。当初、行政管理庁長官が言われましたが、総定員法によって行政の簡素化、それから能率化の推進ということを言われましたが、いまこの官庁組織、国家行政組織において能率を非常にはばんでおる原因は一体どこにあるか、これを探求されたことがあるかどうか。これは人事院でもよろしいし、行政管理庁でもよろしいし、あるいは総理府でもいいし、大蔵省でもいいが、そういう点を探求されてこの法律案を出されたかどうか、これをまず次の問題として聞きたい。
#114
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 全面的にいま御質問のような立場に立った国政、国の行政全般についての能率調査ということはいたしたことはないかと存じます。ただ、部分的には行管の監察局、地方にも監察局があることは御承知のとおりでありますが、それぞれの年度に四半期ごとに監察課題を取り上げまして行政監察をいたしております。その監察の結果としまして、全般的な能率調査という課題が主題ではございません場合でも、政策的な法律制度に基づいての中央、地方を通ずるそれぞれの省庁の行政の末端における実情調査の結果、能率的であるかどうかというふうな事柄も浮かび出まして、そういう角度からの各省庁に対する勧告も行なわれて今日にきておる。繰り返し申し上げますが、総合的に全面的にその課題それ自体としての監察はいたしておりませんけれども、部分的には出てきておる課題はあると承知しております。
#115
○山本伊三郎君 それじゃ、大臣でなくてもいいですから、行政監察をされた当事者から、どういうところに国家行政事務において非常に能率をはばんでおる、国民にこたえるものになっていない原因はどういうところであったかということをひとつ御説明いただきたい。
#116
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。
 私どもいろいろ行政監察をやる場合には、大体、国の重要施策を中心にして監察をするということでやっておりまして、施策を中心に見るわけでございますが、いろいろ原因はございますけれども、一番末端でもって事務が進まないということの中には、共管競合でもって各省庁間の話し合いがまとまらないというようなものが一番解決にひまどるというような状況に相なっております。
#117
○山本伊三郎君 そうすると、各省庁間において話がまとまらない、一番行政事務の能率化をはばんでおるというお答えだったと思いますが、具体的に言うとどういうことですか、例でけっこう、一、二こういうものがあるという。
#118
○政府委員(岡内豊君) 端的な例を申し上げますと、下水道行政におきまして厚生省と建設省がそれぞれ共管をいたしておりまして、末端の市町村におきましては、その認可の申請だとか、補助金の申請等につきまして、両方に同じ書類を出さなくちゃならないというようなことがございます。これは私どもの監察の結果、両省に勧告いたしまして、建設省に一本化されたということがございます。
#119
○山本伊三郎君 それは私らも取り上げた問題ですからね。そうすると、行政能率をはばんでおる問題はそれが一番問題、第一の問題であると言われた。一応聞いておきましょう。そうすると、順位からいって、総定員法をきめたならば行政能率の上がり得るという事例は何番目ぐらいにあって、どれくらいの具体的な件数があったか。
#120
○政府委員(岡内豊君) ただいまのような観点から私ども検討したことは実はまだございませんので、ちょっとお答えいたしかねますが。
#121
○山本伊三郎君 ぼちぼち白状してきた。そうすると、趣旨説明に書いてあったのはうそですか。まことしやかに書いていますね。これちょっと読ましていただきます。「ただいま議題となりました行政機関の職員の定員に関する法律案の提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 行政の簡素化、能率化を推進し、必要最小限度の人員で行政を遂行するためには、行政需要の消長に伴う定員の配置転換を各省庁内はもとより、」云々、私は観念的にはこういうものを取り上げられる、七人委員会でも行政監理委員会でも論議をされておることは聞いておりますが、日本の立法上原案をつくるときに一番欠陥があるのは事実の認定というものをあまりしてないですね。こういうことは非常に、国民の世論で言われるから、これはやらなくちゃいかぬということを七人委員会でもいろいろ論議されておる。私も相当反対の意見も持っております。現実に自分がそれを調べてやるということでなくて、ただ観念上こうあったらいいんじゃないかという一つのキャンペーンにすぎないものが多いのですよ、行政機構の改革の案を出されても。したがって、岸内閣のときも出されたと思います。池田内閣のときも行政改革をモットーとして組閣された。佐藤内閣もそのとおりです。やれないというのは、いま行政管理庁の監察局長ですか、言われたこともそのとおりですよ。何も実際に見て調査もしておらない。したがって、そういうことなくして総定員法をつくったら、いかにも行政の簡素化ができるというようなことを言われますけれども、私はそんなものに期待していたら大間違いであると思う。
#122
○政府委員(岡内豊君) どうも私の答弁がちょっと舌足らずでございましたが、現在、定員につきましては五%削減というようなことが閣議決定になっておりますが、それに伴いまして事務の整理簡素化もやるということも閣議決定になっております。したがいまして、許認可事項につきましては、大体、現行一万何千件くらいございますが、その中の一割を整理する。それから報告事項につきましては二割を整理する。こういう方針がきまっておりまして、その方針に基づきまして、大体各省庁と折衝いたしました結果話し合いのつきました件数を申し上げますと、パーセントで申し上げますと、許認可事項につきましては一四・八%、大体一割五分でございます。それから報告事項につきましては二割、二一・何%でございますか、二二%近くのものを整理する。こういう方針できまっておりまして、これを昭和四十六年度までに実施する、こういうことに相なっております。
#123
○山本伊三郎君 そういう計画は聞いておりますがね、私の言っているやっと焦点合わないですよ。それはいまの総定員法を何もやらなくてもでき得ることでしょう。総定員法やらなけりゃ、報告書の整理とか、届け出の簡素化をするという問題ありますよ、当然それは私これから言おうと思っているのですが、それが総定員法とどう関係しているのですか。総定員法の先ほどの趣旨を聞くと、五十何万というものを一括して、必要なところには必要なものを配置するのだと、こういう官庁組織になっておるかどうか。いま厚生省におる人がすぐ法務省に行って仕事もできませんよ。人夫か何かであれば、それは労働力であるわけですからできるのですけれども、公務員などはそういうことはやれない。いま言われたような簡素化については、何もこの総定員法をつくらなくても当然やるべきことです、当然。それがどうこれと関連あって、これをやればこれだけの行政簡素化ができるという――定員の件はまたあとでやりますよ。これは別ですよ。――そういうものがあるかどうか、これを私は尋ねておるんだ。
#124
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いまのお答えの前に、監察局長から監察行政を通じての具体的な結果論を申し上げましたことも間接にはお尋ねの一半に当たっておろうかと思います。全面的に能率高い合理的な行政を、定員の面においての関連において総合的な調査をしたことは、行管みずからとしてはないということは先刻申し上げましたが、この法案を提案するに至ります過程は万般御承知のとおり、行政調査会設置法の審議から始まりまして、行政改革事務の改善、能率化、しかも国民の税金をなるべく少なく使って、定員はできることならば少なくして行政サービスを維持し、よくするということについては、衆参両院において基本的にはお認めいただいた線に立っての設置法が決定いたしました。それには超党派の附帯決議をつけていただいております。それは行政合理化はやるべきだが、出血整理はやっちゃいかぬ、配置転換でやれという趣旨の附帯決議が付されております。それに基づいて臨時行政調査会が設置せられ、二年越しの慎重審議、調査、実地調査等までもやられたと記憶しておりますが、そういうことから答申が内閣総理大臣あてに出されました。その答申の中には、相当具体的に例示しながら能率化、簡素化等の課題が提示せられ、しかも、それを執行するについては国会の附帯決議の線に沿って出血整理まかりならぬ、配置転換でやることを考える、それにふさわしい制度を考えるべきだという一項目も答申の中にうたわれておるのでございまして、設置法にございますように、この答申を政府は尊重しなければならぬということを誠実に受けとめまして、数年来いかなる方法が、臨調の答申の線に指摘されておる新しい制度が適切であろうかということを検討しました結果、いま御審議中の案こそがまさにその要望に沿うところの、答申を尊重したところの制度であろうということで、行管みずからは、再度申し上げますけれども、総合的な能率化、合理化の角度からの監察その他をいたしておりませんけれども、法律によって設置せられました膨大な調査機関を通じて、かわっていわば調査していただいた線に沿って行政改革をやっていこう、やるについては、やはり配置転換がやりやすいような制度を指摘されたとおりに考えないと容易にやれないと、う現実問題も踏まえまして御提案を申し上げた、こういうことでございます。
#125
○山本伊三郎君 大臣、それは抽象的に臨時行政調査会の答申を聞きましたし、臨時行政調査会設置のやつも、私は内閣委員会で相当論議をして、あの七人委員会をつくった法律を審議した一員ですよ。そんなことは全部わかっている。だから、私が言いたいのは、いろいろ行政簡素化については実は問題がたくさんあります。それはある程度の手をつけられたやつもあることは私はよく承知しておりますよ。しかし、総定員法が現実にどれだけの能率化に資するか。あなたは配置転換、配置転換と言われますけれども、これは総理も配置転換はしないのだということを約束しておるのだから、私はあとでその問題を取り上げたいと思うのですが、それは別として、配置転換というものは総定員法がなければできないかといえば、そうでもないです。これは具体的に言いますが、一番、行政能率を阻害しておるのは官庁の職階制度ですよ。局長でしょう、部長でしょう、課長、課長補佐、係長、外国の例を見ても、これは日本が一番問題になる。しかるに、一昨日ですか、またまた建設省設置法で室を部につくってまた課を置くのだという法律案を出してきた。ますます行政能率を繁雑にしておるのですね。したがって、総定員法で配置転換というきわめて公務員としてはつらいことをここでやる前に、そういうものを簡素化すればもっと行政能率あがりますよ。これはアメリカの例をとってもイギリスの例をとっても、皆さん視察されたと思いますけれども、日本の官庁ほどいすの色の違ったのが多いところはありませんよ。どこの官庁に行っても、それだけの人が目を通さなければ一つの事務が済まない。そういう組織になっておるのですよ、日本の官庁は。これにメスを入れずして、どれほど行政の簡素化といっても、それはだめです。東京都の知事は、相当その点について行政の簡素化ということをやっておりますが、なかなか抵抗強いことを聞いております。これはいまの官僚組織の一番根強い力ですよ。岸総理のときに、私はここで、内閣でやったときも、岸総理も、私にしても官僚組織については苦手であります――あの人も官僚出身だと思いますけれども、そういった答弁を私は聞いたことがある。昭和三十五年のあの安保のちょっと前だったと思いますがね。したがって、皆さんの目のっけるところは、弱い、やりやすいことだけやってお茶を濁そうというその態度がいやなんですよ。そういう点にあなた方は考えをいたさずに、どれほど行政の能率化、簡素化といってもできませんよ。この点の考え方、大臣どう思っておりますか、あなたの考え方を。
#126
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま御指摘の課題は、私もそんなふうに思います。なお、ついでながら、それに関連して申し上げさしていただきますが、これはどうも言いにくい気がいたしますけれども、衆議院でも申し上げましたから、参議院でも申し上げさしていただきたいのは、いわゆるセクショナリズム、これが私は官庁の事務能率のあがらない重大な一つの原因であろう。すべてではございませんけれども、御指摘のように、この政策そのものを繁雑なことにしないで、簡潔に、能率高くするように実施できるようにという立法問題にも考えなければもちろんいけませんけれども、それからまた組織そのものも、行政組織法それ自体も、十分検討さるべき課題の一つかとも思います。ですけれども、それはそれなりに検討を加えながら、並行的に、セクショナリズムの是正と申しますか、それを並行的にやるという考えも、私は臨調のその答申の基本線にはあると理解しておりますが、セクショナリズムも、これは弁護していい意味を申し上げれば、それぞれの局なり、課なり、省なりの立場に立って仕事熱心であるということが、一種のセクショナリズムのいい面と言えないことはないと思います。ですけれども、それがあまりに仕事熱心のあまり、エスカレートしていきまして、ただもうむやみとがんばるという考え方にも通じる意味において欠陥が出てくると思います。予算の獲得につきまして例を申せば、大臣であれ、次官であれ、局長であれ、課長であれ、自分の課、自分の局、自分の省に定員をよけいに、大蔵省を折伏して取ってきた、あるいは予算の金額がふえた。金額はまあ定員そのものと直接関係はございませんが、少なくとも定員がふえた、あるいは局とか課とかがふえたという結果を生み出した大臣なり、次官なり、局長なり、課長というものは、これはえらいのだ、話せるぞという評価が、いまどの省にでも共通の評価として行なわれております。予算が閣議決定されまして提案されますと、大体、総予算の金額に対して、わが省は何%である、前年度に比べて何%増である、定員も何%増であるというふうな評価のもとに、予算のぶんどり戦が評価されることに象徴されますように、ふえることはありましても、必要なものがあるから定員を減らすということでもあろうものなら、予算折衝上における軟弱外交が攻め立てられまして無能呼ばわりをされる。それがこわさにと申しますか、評判がよくなるようにということを申すべきでしょうが、一生懸命がんばる一つの仕事熱心のあらわれでもありますけれども、そのことがなかなか、総理大臣の膨大な権限をもちましても調整がつかないというくらいになっていると思います。
 これは明治以来、今日までの悪い面、通弊の一つと存じます。役人が多ければ仕事がそれなりにふえていく、エスカレートしてふえていくとだれかが言ったそうですけれども、そんなふうな結果にもなっている。
 ところで、国民の側から見ますれば、役人――公務員が多ければ多いなりに、サービスがよければけっこう。しかしながら、少なくて同じサービスができるなら、納税者としてはより望ましい。行政サービスそのものも、税金との関係なしに考えましても、親切に能率よくやってくれればありがたい、数が少なくてやってくれればなおありがたいと、こういう立場であろうと思います。その意味において考えます場合に、行政改革の問題を考えます場合に、まずもってなるべく少ない人員で行政サービスをよりよくするという一つの目標というものはあってしかるべきものだと思うのであります。そういう意味でセクショナリズム、好ましからざる必要悪的なセクショナリズムをいい面だけにしぼれるような方向に、相当の効果をあげるであろうという政策的な能率をあげるという意味合いにおける課題に対処する意味においては、この総定員法の構想というのは相当の効果をあげ得るのじゃなかろうか、かように存じます。
#127
○山本伊三郎君 セクショナリズム論は、私も一応賛成であるし、そうあるべきだとかねて主張しておりますが、そこで、私の質問というものに答えた見解はないと思うんですがね。私は、なぜ行政組織が複雑になるのか、複雑というよりも、職階制が強く必要とされるかということについて、どういう原因があるかということを探究されたかどうか。次官、局長でしょう、それから部長も、あるいはまたその間に参事官とか、調査官とか、これはどういう資格の人であるかわからないようなものもたくさんあるですね。そういうものがなぜ必要であるかということを検討されたかどうか。まあこういう話をしてもなかなか答弁しにくいから、しからば、行政の能率化――行政事務と一般民間企業の管理行為とは一体どう違うかという本質論まで掘り下げて検討されましたか。それは国民から見ると、相当大会社の組織を見ても、国家行政組織における一省庁なり一局の人員というものは相当膨大にあるということは国民は見ますよ。課長一人で係員二人か三人というところもあるですね。なぜこんなところにこういう必要があるのかということを国民がふしぎがることは無理ない。しかしながら、それがなぜ必要であるかという、行政事務と民間企業の人事管理というものが本質的にどう違うかと、そこまで掘り下げられたかどうか。これは人事院でもよろしいし、行政管理庁でもよろしいし、あるいはその他の省の方でもいいですが、そういうものを検討されたかどうか。
#128
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあそれぞれの関係一庁での意見があり得ると思いますが、私だけの関係について率直に申し上げれば、御質問のような角度から私自身が研究したことはございません。また、行政管理庁自体としましては、事務的に検討を加えつつあろうかとは思いますけれども、いまのお尋ねにずばり自信を持ってお答えする材料は持ち合わせておりません。ただ、思いつきみたいなことを言うことをお許しいただけば、第一給与の問題も問題であろうかと思います。それは何も山本さんの御質問だからということで申し上げるのじゃございませんで、例が適当でございませんけれども、たとえば、戦前の例を引き出すことが適切であるかどうかはわからぬままにお許しをいただきますというと、戦前の制度からいきますと、技術者の技師――技師というのは事務次官よりはもっと二階級か三階級ぐらい給与の段階が上まで行ける制度がありました。それは、課長とか部長とか局長とかなるならぬにかかわらず、その人の行政機能、技術者としての、専門家としての機能、能率を評価された制度だったと思います。ああいうふうな考え方が導入されないものかということを、私はちょっと思いつきでございますが思いますが、さらに、戦前の例しか知らない明治生まれであるからお許しをいただきますが、戦前の、たとえばいまの上級職の試験を受けた者に例をとり得ると思いますけれども、試験を受けて受かった者、その初任給は七十五円ないし八十五円でありましたことは、山本さんも万々御承知であると思います。それをいまの貨幣価値に換算してどうなるだろう。これも自信を持って申し上げられませんが、かりに一千倍と考えれば、七万五千円ないし八万五千円だと思います。いまの初任給はその半分に足らないと思われる。ということも、これは人事院からお話さるべきことではありますけれども、人事院のいまの制度は、過去一年間の民間賃金あるいは物価等を考えて勧告される。むろん尊重されなければならないことは、総理が再々申し上げているとおりでありますが、それはそれなりに尊重されましても、国民全体の、民間、あるいは国家公務員、地方公務員という、自分の仕事に専念せねばならない――いろいろな公務員なるがゆえに全体の奉仕者としての義務づけもあるという職種の公務員の初任給及び最高の俸給も問題でありますけれども、それが過小評価されたままで、その姿に五%以上の変動があった場合の勧告という制度でしかない。国民的評価をあらためて基本的に考え直すという課題がそこにあるのじゃなかろうか。そういうことで、年取りましてやめましても一応後顧の憂いのない――ぜいたくを申せば限りがありませんけれども、年金制度につきましても一連の給与全体を考えて、職務専念、能率高く全国民に奉仕するという、情熱で仕事にぶち込むという意味においては、給与の問題も関係があるのじゃなかろうか、御質問の意味において。そんなことを、即席料理みたいなことで申しわけありませんけれども、そんなふうなことを感じます。
#129
○山本伊三郎君 私の質問には答えておらぬけれども、比較的いいことを言われたとは思います。しかし私の言ったことはそう言わぬが、あなたの言われたことは大いに議事録にとめておいて、人事院はもちろん参考にすべきである。大蔵省も聞いておられるから、よく行政管理庁長官のいまの御説を拝聴すべきだ。
 私のいま言ったのは、長官、こういうことですよ。それは給与の問題ももちろんありますが、複雑な官僚組織といいますか、行政組織がなぜ必要であるかということについて、さらにもう少し検討しなければいかぬと思うのです。民間企業の場合は、本質的に、同じ実は計算をしておっても、いまは電子計算機がありますから、あれを使っても、これは経済行為というのみにおける責任しか持たないいわゆる人事管理なんですね。ところが、この官庁というところは、そういう経済行為を越えた、本質的には国民に対する責任のある事務という、行政責任というものを持った仕事をしているのですね。そこに、いわゆる同じ労働といいますか、労務といいますか、労働をやっている性質といいますか、そのやっている行為、働いている物的動作というものは一緒であっても、結果というものは、責任の度合いというものは、責任の質が違うのですね。極端にもっとわかりやすく言うと、むずかしく言うとまたあなたどういう答弁をするかわからぬから言いますけれども、会社であれば、商売ですから、もうけたらいいのですよ。もうけたらということばは悪いけれども、とにかく利益をあげるということが一つの目標である、業務である、仕事である。そこに働いている人は事務である。しかもその組織は、もうけるためにのみ考えた目的でもって実はあの民間企業の人事管理、組織というものができていますね。その点を究明して事務の簡素化というものを考えなければ、いまの官僚の力に勝てぬですよ。理論的にやはり追求せぬと、いまの官僚はおっしゃるとおりですよ。セクショナリズムはいい意味もあると言われますけれども、私はいい意味というのは一〇〇%の中の五%もあったらいいと思うのですよ。それは自分の地位を守るということが重点であるということは、これは争えぬですよ。これは、現実に私は社労委員長をしておりまして、いろいろそういう点の相談を受けたのですが、一つの次官のいすがある、それに対して局長は――それはもっともなことですよ、行政官としては、公務員としては、一省では事務次官一人しかおらぬのだから、それが一つあけば、それは何といってもやりたいというのは、これは人情ですね。そういうものが行政機構にはあっていいかどうかということも問題。国民のための行政組織であれば、いま言ったように責任を持つ範囲内において私は簡素化すべきだと。民間のようにはいかない、絶対にいかない。絶対ということは取り消しますけれども、なかなかそうはいかない。そういうものを考えれば、いまの行政機構というものはもっと簡素化できるような主張が、理論的なものができる。そうすれば、局長でも、次官でも、課長でも、ある程度考える。いまの場合は、課長にならなければ給与も頭打ちで上がらぬし、局長にならなければ上がらぬという、この制度の中では、そういう形をとることは、これは人情としてやむを得ないんですね。したがって、私は職階制がつくられるとき相当反対したですからね。その職階制をつくって、いわゆる職階制で官僚組織ができておる。行政組織の機構前に、たとえば局長なら局長、課長なら課長というものを中心に回転しておる。これは国民疎外ですよ、実際問題。こう言ったらえらい失礼ですけれども、こういうものを、官僚の方、国家公務員の方、役職についておる方たくさんおるから、私は率直にそう言うんですが、私は悪意を持って言っておるんじゃない。そういうものについてどうするかという、私は私なりに実はつまらぬ案を持っておるんですよ。しかし、それを実行するのは力です。勇気です。なかなかできません。それはできるかどうか。したがって、こういう総定員法なんという、こういう末梢的なものによって行政能率をあげるというよりも、まずそれを基本的に考えなくちゃならない。これは、いま局長はどうか知りませんが、局の中には参事官とかなんとかたくさんおられるでしょう。特に国会が非常に質問がこまかいというので、国会用の参事官も相当おられるようですが、これは私も無理はないと思うんです。ぼくらみたいにねちゃねちゃやる者については、大臣も因るから、そういう必要も出てくると思うけれども、まあそれはそういうことはあるけれども、そういう一般出先の官庁に行って気づかぬですか。あなた入って行って、いま市町村長でもちょっと民主的な人は入り口に市長室とか町村長室を設けてやっていますね。そしていわゆる公聴課みたいに一緒に兼ねてやっているところがあります。普通の官庁に入ってみなさい。部長や所長や課長はずっと奥にいる。窓口におるのは、きのうきょう入った一般の職員がおって、まだ何もわからぬと言っちゃ失礼ですけれども、まだ年功たっておらぬからわからぬ。係長に聞いて、課長に聞いて、所長に聞いて、そしてまた帰ってきてこうですと言う。これは人何ぼあっても足りませんよ、こういう制度。アメリカ進駐当時、私もアメリカの官庁に行ったことありますけれども、こういうことは、社会党は反米主義だといわれますけれども、私はそうばかりは言ってない。アメリカのいわゆる官庁の組織というのは、責任者というのがまず前におりますよ。そして応対して、これは向こうでやれ、これはおまえ処理せよという処理のしかたですね。こういう制度が日本でなぜとれないかということを、私はこれを多年検討、研究しておるんですが、こういう問題について、行政管理庁長官、先ほど給与の問題で非常に明治時代のことについて言われてけっこうですが、これについてどう思いますか。
#130
○国務大臣(荒木萬壽夫君) どうもまともなことをまともに申し上げる資料が頭の中にございませんのでさみしゅうございますが、いま山本さんおっしゃったような結論は、私自身も終戦直後いなかの市長をしておりまして痛感したことがございます。課長が十二名おりました。課長が判こを押して持ってまいりますから、課長にその書類の中身を聞いてみますと、頭をかいて全然答弁ができない。そこで、係長に聞き、係長もまた担当の専門的に長年勉強している者に聞かなければわからないというがごとくでありました。だから、課長連中を集めて、課長が判こを押した以上は下の者から聞いてもいいから受け売りができる状態まで勉強しろというふうな、まあ半分冗談の皮肉を言ったこともございます。国家公務員の場合はそれほどではないと私は思います。各官庁の人たちが来ているからサービスに申し上げるのじゃなしに、非常に私のいなかの市では現実にはそうでございました。そのことをちょっと申し上げましたが、だいぶ事態も変化してまいりましたが、まあそういうふうなことで、各省庁におきましても、大臣だ、次官だ、局長だというんなら、部下の協力を得て自分の頭の中に詰まるだけ詰める努力をすべきだろうということも責任課題の一つだと。そう申しながら、私自体も政府委員がついてこないとさみしいくらいでございますから偉そうなことを申し上げられませんけれども、そういう公務員に要求されておる現状の要請にこたえるという一種の使命感は上から下まで持つべきだろう。そういう心がまえが、第一には能率的な、かつまた合理性のある行政サービスにつながるんじゃなかろうか。とは申しましても、なま首が切れれば簡素なものができ上がることはいとやさしいと思うのでございますけれども、現に就職をしておるその人を出血整理はしていけないという国会の附帯決議は、私も同感であります。そういう立場に立って、徐々に、まあいわば少数精鋭ということばは適切じゃないかもしれませんけれども、責任ある、能率高い、合理的な、サービス内容のいいサービスを国民に提供するという方向に近づいていく、これはもう根本的な行政改革の問題かと思いますが、それを実行するにつきまして、お説のとおり、現行制度でもできるんじゃないかとおっしゃれば、概念的にはできないとは申し上げかねると思います。しかし、実際問題としてさようなかなかまいらないということで、これは明治以来往生してきた課題、それをあえてやろうというんならば、なま首切らないで徐々に合理的な少数精鋭の方向に持っていく努力をするという大前提としてのこの法案の課題は、私は高くひそかに評価しておるわけでございまして、入閣する以前も、こんな話を聞かされながら、なかなか考えた案だなと敬服しながら、責任者の立場に立ってしまいまして、はなはだ勉強不足は恥じますけれども、基本的には私はそういう意味で評価していただけるんじゃなかろうか、かように存じております。
#131
○山本伊三郎君 まだ焦点合わないんですがね。ぼくは、なま首切れとか、そういうことは全然考えてもおらぬし、主張もしておらぬのですがね。この国家行政、私は行政簡素化というものは組織にあるということをまず第一に前提に置かなければならぬと思うんですね。したがって、なぜ各省なり地方官庁におきましてもそれほど職階的なものを置く必要があるかどうか。これを除かなければ、課を置けば、課に対して課長が必要なんです。したがって、そういう課長を置いてなぜやらなければならないかという、その実態というものをどう考えているか。あまりにも日本の行政組織は複雑なんです。総定員法を幾らどうきめても、室が部になり、部が局になっていくという、この前一省一局廃止されたのだから、局をふやすということはおそらくできないと思いますが、局をふやさないかわりに、それが課に移って、課がふえていくということと同じことなんです。したがって、いままで定員を減すといったって、減されたことはない、絶対にできない。したがって、行政組織をもう少し簡素化する抜本的な改正というのは、いまの局、課、部とありますけれども、そういうものをどういうぐあいに合理的にこれをなくしていくかという問題なんです。なくするからといって、いまの課長やめてしまえという意味じゃ毛頭ないんです。それは有能な人ですから使い道はあるし、また使い得るような組織にしろと、民間ではホアマン組織ということですね、いわゆる流動的に、この業務は、営業部がいま忙しいならば営業部にすぐやってやるという、課長や係長を罷免するとその課はなくなるから、ホアマン組織で、一つのそういう責任者だけきめるけれども、課長とかそういう職階はきめない、こういう制度が特に中小企業でやられなくちゃいかぬというので、やっておられます。アメリカでもその点は相当やっておられるようです、人事管理上。したがって、そういうものをまねろとは言っておりませんよ、言っていないのだが、そういうようなものを取り入れる形で、課長だからこれだけの給与を保証するんだ、局長だからこうだ、局長にならなければこれ以上上がらないんだと、次官はもちろん指定職でありますが、こういう階級をつくってやること自体根本的に考え直さなくちゃいかぬ。そういう制度にしなけりゃ、私は幾らこんな総定員法できめられたって、そんなこと、総定員法を何とか通してもらおうと思って、これは非常にいいんだというように印象づけられますが、あなたが言うたびに、ますます私はだめな法律だと思っているんですよ。そういうものを手つけなければいかぬので、これはひとつ人事院のほうに、職階級というものがどれほどいまの国家行政組織の能率を阻害しているか、簡素化に非常に支障があるということをあなたは認めておりますか、あの法律だけによってやっておられるのですか、あれでどれほど国家行政事務が繁雑になっておるかということがわかりませんか、その点どうですか、給与局長としての答弁としては無理かもしれませんが、わかる範囲内で答弁してください、わからぬならわからぬでけっこうですから。
#132
○政府委員(尾崎朝夷君) 私どものほうにおきましては、行政事務の能率、まあ組織関係を直接担当しておらないわけでございますから――級の関係におきましては二つの面からこれは考えているわけでございます。
 一つは、官職の評価といいますか、そういう関係、かつ等級におきましてのどの等級に相当するかという関係の評価でございます。その関係は、毎年各省庁におきまして、次の年度の業務をどのようにやるか、こういう関係につきまして、まあ改正が必要であるというような場合には、このように官職配置を行なって業務の運営に能率をあげたい、そういうお話がございますので、私どもとしましては、そういう場合の評価という関係を行ないまして、事務能率に資するということをやっておるわけでございます。
 それからもう一つの面は、民間におきまする組織関係をよく調べまして、公務員の官職と民間における組織のどこと評価を対応させるか、そういう関係から、民間における組織を、たとえば民間給与調査の場合は、民間における会社の組織というものを十分に、一応まず前提的に把握しまして評価関係を考える、そういう両面からやっておるわけでございます。
#133
○山本伊三郎君 あなたを責めてもしかたがないんだが、民間の給与調査で、課長は課長で比較をされていることはよくわかるがね、民間の事業所調査、百人、あるいは二百人、五百人、千人というものを見て、その間の中におるいわゆる職制と申しますか、課長か部長か重役部長か知りませんが、そういうものの現実に仕事をしておる人と管理職といわれる者との比率を一ぺん調査されましたですか。それを調査された実績があればひとつ知らせてください。
#134
○政府委員(尾崎朝夷君) 民間における組織は調べておりますけれども、その各組織段階において何人おるかという点までは全部調べてはおりません。
#135
○山本伊三郎君 あなたのほうにそういうことを希望するのは無理ですから、これは国家行政組織の関係ですから、行政管理庁調べておくべきだと思うのですね。行政管理庁はそれを調べましたか。これは人事院は無理だと思いますよ、給与の問題は別として。
#136
○政府委員(河合三良君) お話の資料は調査はしてございません。
#137
○山本伊三郎君 ないのですか。ぼくはこういうことを、好きでないが、まあ一応調べたこともありますが、全国的には調べませんが、先ほど言いました、本質的に行政事務と民間の事務とは違いますから、これは一応別として、一般の民間の事業で官庁ほど職制をつくったらどんな会社もつぶれてしまいますよ、これは事実です。例をあげれば幾らでもありますよ。富士銀行の支店なんかでも、預金の率から、ずっと職種を見てみましても、支店長席とか支店長代理というものをたくさんつけておるのですね、ところがそれは外交上信用を持つためにつけておるので、一般職と一緒なんですね。ずっと調べてみますと、あの支店の四十人、五十人、百人からおるところで一人しか管理職おらぬです。全部そういうことで、一般職であるけれども、対外的に信用をつけるためにおるのですね。それで支店になるときは、預金がどれくらいになったら支店にすると、そういうことで商売しておるのですね。したがって、それは、民間の事業の一般に働く人と職制との、管理者との問の比率というものは、全くもう問題にならぬ。そこで私は大臣に言うのですよ、なぜそういうものが必要であるかということを検討しなさいと言うのですよ。私は民間のような形で行政事務ができると思って言っておらない。ある程度の管理職の必要なことはわかるのだ。わかるのだけれども、あまりにもこれが無計画に置いておられる。ここに課長があるから、課を一つ減すということはなかなかむずかしいでしょう、実際問題、どうですか。そう簡単に課を減すといって、各省としては承知しないでしょう。もっと科学的に検討して、この仕事であれば、この責任者がおれば、ほかの人は、課長がおらなくても一般職でやれる。ただ給与の職階級についてはこう考えるのだということで、給与は別に考えるということでやれるのですよ。これは、私は国会経験十年以上になりますけれども、幾らそれ言ったって、行管でも調べてもおらない。ただ人事院は、給与の比較のために、民間の課長の席の人はどれだけの給与をもらっておるか、一般の人はどれだけもらっておるかという比較をするだけで、そういう調査もしておらないのです。そういう状態にあって、総定員法だけつくって行政組織が簡素化して能率があがるという事態を考えておる政府のぼくは頭を疑うのですよ、もしこの提案説明のものが真実であれば。別に意図があれば別ですよ。別にそんなものはないのだと、うまく言っておかぬと国会で問題になるから。別に意図があるのだというなら、言ってください、別ですよ。この説明から受け取ることからいったら、これはささいな問題です。私は、全然ない、ゼロとは言いませんけれども、そういう点を検討されて、総定員法こうやりますとやるべきであるが、やっておるならいいけれども、そういう基本的なものに対して何ら検討せずに、これだけを出して行政の能率化をはかるのだと幾ら言われたって、それはあなた、賛成も、くそも、そんなものは受けつけませんよ。行政管理庁は非常に前任者やったけれども、これはいいものだと思って評価しておるけれども、評価するのは、これはあなたの頭を疑うね。ほんとうにあなたたち真剣に行政事務の簡素化ということを考えておるとすればですよ、私は疑いますよ。そんなものじゃない。しかし、私の言うことをやるのは、相当問題がある、力が要りますよ。なかなかそれは総理大臣としても官僚組織というものは解しがたいものですから、むずかしいけれども、それに断を下して進まぬ限りは、こそくな手段では国民の期待するような行政の簡素化、能率化はできない。若干の届け出認許可事務の簡素化をいたしたけれども、どこの役所でも、各出先の国家、地方官庁に行ってもみなさいよ。それはぼくらも地方へ行くときはバッジをはずして行きますよ。バッジつけていくと国会議員だからというので態度が変わったらいかぬというので、バッジはずして行くというと、ぼくらを国会議員と見る人はいませんからね。行ってみなさいよ、どんな態度か。それは下の窓口の人はいいんですよ。課長とか所長とか局長というのは、国会議員ということで行くと、非常に丁重なものだ、バッジつけておったら。だけど、それがなく行ったらどういう態度であるか。奥で応接室で話しておっても、留守ですと、こう言うんですからね。これは事実ですよ。しかしそれは言いません。言うと、あなたのほうのお調べを受けて、また配転されたら困るからね。これは事実なんですよ。そういう状態がいまの官僚組織です。私は率直に、ここにおられる方はそんな方は一人もおらぬと思う。そういうような組織があって総定員法でやったって、そんなものは実際できるかといっても、常識的に考えたってできませんよ、これは。悪態をついておると思うなら、私はこれは皆さん経験しておると思うんです。だから、国会議員でなければ、各省へ行っても、それは局長も課長も絶対に、会おうと思っても、三日ほど行ったって会わない。国会議員となると、向こうは忙しくても出てきてくれますよ。ぼくはこういう考え方がいやなんですよ。日本の行政組織を繁雑化している一番の元凶はここにある。私は声を大にして言っておきたいことは、一国民、一市民が行っても相手にせぬが、国会議員だからといって、それは国民の代表だからある程度は別に扱うということがある、それはいいですよ。それがあまりにもはなはだしい実態というものは、どう大臣見ておられるか。大臣はどう思いますか、私の言うことに対して。
#138
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私もおっしゃったような目にあった経験もございます。しかし、それは総定員法そのものとの関係じゃなしに、公務員たる者の一人一人の心がまえの問題かと思います。課長や部長や局長になったら偉そうにするかせぬかということは、本人の常識の問題であり、心がまえの問題であるという意味においては、私も経験がございますから同感の意を表しますが、すべてがそうではないと思います。全員がモデレートな全国民に対する奉仕者的な心境になってほしい、山本さんと一緒になって希望したい課題と受けとめます。部、課、局等職階制につながるようなことが非常に問題があるんじゃなかろうかという意味における御意見には、私も事柄として同感いたします。ただ問題は、それを実行するについてなかなか容易じゃないという、理論を離れた実際問題で、つい先刻も申し上げたようなセクショナリズムなどということも申し添えながらでないと御説明が困難でございますけれども、私は実行に難点があるので、理論的にかくあるべしということを検討もしないで何だというおしかりは受けるにいたしましても、いい案ができましてもその実行ということはほとんど不可能に近い。それを可能にする意味においてのこの通称総定員法、御審議願っておる法律をお認めいただきまするならば、公務員の一人一人が自分のところだけをもうがっちり押えて放さないという気持ちから、その省庁なら省庁全体のことを考え、他の課、他の局のことも考えつつ能率を向上してサービスをよくするという意味の、競争心と言うのは適当じゃないかもしれませんけれども、そういう心がまえを育成することにもつながりはせぬだろうか。そのことがおっしゃるようないろんな制度の改革に対しましても出発点としての効果がこの法案によって期待できるんじゃないかという意味においていまのお話にお答えさしていただきます。
#139
○山本伊三郎君 勇気が要るということは、私は同感です。なかなかそれはできがたいということは、岸さんも言われたし、池田さんともそういうことを論議したことがあります。ちょうど臨時行政調査会をつくるときですから、池田内閣のときです。私は勇気を持って私のときにやりますと、だからこの設置を認めてもらいたいということで、いわゆる七人委員会というものができて出発したわけなんです。それが行政監理委員会に移って徐々ながらやっておられる労苦は、私は認めておるんですよ。私はいろいろ言っておるけれども、基本的な問題に手をつけなくちゃだめだということを主張しておる。この総定員法というものは、そういう官僚組織というよりも、下っぱの人が困るようになってしまうんですよ、実際問題。これができたからといって、課長や局長を減して、どこかへ配転するということにはならぬでしょう。いま実際問題、国家行政組織法を変えない限り、局があれば局長を置かなければならぬ。私は、どこへでも行けるような人は――こう言うたら、行管のほうの文書を見ますると、運転手を一人動かすについても国会の議決を要さなくちゃいかぬというようなことも書いていましたがね。こっけいなことです、こんなもの。運転手をふやすとかなんとかいうのは事実の問題で、そんなものは国会に出したからといって何も問題がない。ただ皆さん方のほんとうに言いたいことは、私は最後に一言いますけれども――これは最後じゃないですよ、まだある、あとでまた言うという意味ですが、結局毎年こういう設置法でやると非常に手間がかかる、手間がかかるという表現だけれども、うるさいと、だから総括的にやっておけば、あとは政令でやれるんじゃないかと、しかも最高限度を多く押えておいて、ふやすときにはこれから配転しようという、いわゆる公務員をプールしておいて配分しようということですよ。ほんとうの意図はそれですよ。私はそれがいかぬということを憲法論から説いてきたんですよ。これはあとまたずっとやりますがね。総定員法は、こんなものはほんとうには行政の簡素化にならぬですよ。三年間に五%減すと言うけれども、実際減せませんよ。定員不補充の方針で、池田内閣のときから不補充ということを言ってきましたよ。言ってきたけれども、年々ふえていっているでしょう。公務員はふえていってないですか。統計上どうなっていますか。昨年からことし減りましたか、実勢ですよ。
#140
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。四十二年から四十三年にかけまして、この総定員法の対象になっております職員約千八百名が減っております。また、四十三年から四十四年にかけましては、先ごろ御審議いただきました予算案の中で、この同じ範囲で六百名余り減っております。
#141
○山本伊三郎君 それが行政管理庁ぼんやりしておると言うんだよ。定員外職員というのは一体いま幾らおるんですか。これは臨時という名前で――それを調べましたか。
#142
○政府委員(河合三良君) 総理府の人事局の調査によりますと、約二十万名ほどおります。
#143
○山本伊三郎君 とにかく減そうということは、これは実際いまの組織そのものから無理なんですよ、ぼくら実際見ても。というのは、民主主義ということはこういうことかしれませんが、だんだん行政事務が繁雑になる。私はもう実勢を言うんだよ。あんた方は形式的に減ったとかなんとか言うが、決して減ってない。あの予算案でいろいろ検討しておりますが、予算面から決して減ってない。しかし、人件費と出ていないから、これは予算出ない。地方財政を分析してもそうなる。定員は減りましたと言うけれども、実際は人件費が多い。それは工事費とかなんとかいうことで出しているんでしょう。でないと仕事ができないような組織になって、それがだんだん複雑になって、いる。土木関係は人件費の割合が少ない。請負に出すという面が多くなってきたということが、一つの減少のなにですよ。調べますと、総工事費の七%から八%ぐらい人件費になっている。大体二二、三%が普通で、これは地方公務員の場合でも国家公務員の場合でも大体その程度だと思うんですがね。そういうことで請負にやるから、人件費は請負費で使っているから別ですが、予算面はそうなっている。したがって、実際は行政管理庁表面だけ少し調べておりますが、減っておりますと言ったって、減らすことになっていない。行政管理庁がそういう調査をしようと思っても、定員不足で調査できないということで、人員をふやすことになる。ぼくらが注文つけると、人がふえてくる。法律を一つつくると、ふえてくるのですよ。これは現実ですよ。国会にも実際責任がある。何か法律をつくったら、法律だけ動くかといえば、そうじゃない、それに人がつく。この現実というものをわれわれがどう見るかという問題、これは国会にも責任がある。これは皆さん方だけを言えない。それをどうやっていくかということをやらぬと、ますます人件費なり――いわゆる財政硬直化と言われますが、こういう問題が、雪だるま式ほど多くないけれども、減るということは絶対ない。この点を行政管理庁は根本的に考える意思ありやいなや。これは勇気がないからできないと言うなら、気の毒だけれども行政管理庁長官はやめてもらわなければならない、こういう論理に発展しますが、そこまで言いません。御答弁願います。
#144
○国務大臣(荒木萬壽夫君) おっしゃるような方向に努力をいたします。努力はむろんいたしますが、さっき申し上げたことを繰り返させていただきますが、それをやるにつきまして、この法律ができれば人がふえるとおっしゃいますが、そのことの根底には、既存の定員は温存しっぱなしで、上へ上へと積み重ねること以外には考えていないという、いまのセクショナリズムに帰せざるを得ませんけれども、そういうものの考え方がまかり通って二十四年間経過しておる。明治以来そうであったと思いますが、それを抜本的に、いろんな基本問題までも、いま御指摘のようなことも念頭に置いて実行するとなれば、実行しやすいというか、それは何も痛めつけるなんということじゃなしに、合理的に、出血させないで、徐々にではありますけれども、その方向に進んでいくための基礎工事としてこれが必要である、かように率直に申せば存じておるのでありまして、努力をするということだけは、私は良心的に、その前提条件をお認めいただいて申し上げさせていただきたいと思います。
#145
○山本伊三郎君 ぼくもどうもちょっときつく言い過ぎたと思いますが、実際それには皆さん、大臣もおそらく各地方庁を視察されておると思うのです。実際は、あんた言われる積み重ねと言いますけれども、しからば現実に積み重ねてどこにどういう過員が生じているか。過員というのは必要でない人、必要でない人というと語弊がありますが、そういうほかに回してもいい人という人が現実にどこにありますか。
#146
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現実には、いまここにこういうものがこれだけあるということは申し上げられません。られませんけれども、二十四年間積み重ね方式できたことは事実でありまするし、それから終戦直後から今日までの二十年以上の間に、いわゆる行政需要というものが、国民的立場での変動は相当あっていると思います。言いかえれば、初めはむろん必要であった、そこに相当の定員があった。しかしながら、現在ではもっと少なくてもいい、なくてもいいというものがあり得ておるという推定は、うそではないと思います。ところが、一つの省庁内でも、それぞれ局があり、部があり、課があるということのよしあしは、先刻もお触れになりましたが、それは一応別といたしまして、一つの省の中で、ある新たな行政需要のために法律を御決定いただいて、その仕事を新たに始めるというときに、その省内で配置転換が現実に可能であるならば、法律は決定されたが、その法律に基づく行政サービスは新たにふえたけれども、定員としてはその省内の配置転換でまかなえるという課題は当然あり得ると思うのであります。ところが、実際問題としましては、この総定員法というべき制度を通じて、配置転換というのが国会を通じて国民の声として新たに提起されるということがないならば、同じ省庁内での配置転換も、それぞれの局長、課長なんというものががんばらなければ、さっき申した予算の折衝と同じように、評価されるということをいやがるのは、人情のしからしめるところやむを得ないとは思いますけれども、その意味において硬直しまして、客観的に見るならば、全体としては余剰人員が、定員があると思っても、それはそれなりに温存して、プラスアルファの定員を認めていただくほかはないということの繰り返しが、今日にきておると思うのであります。したがいまして、ここで具体的にどんなものがあるんだということは、調べようにも調べようがございませんし、具体的な資料も持ち合わせておりませんので、申し上げることが困難でございます。
#147
○山本伊三郎君 私は、ことばは悪いんですが、それはあなたのしろうと考えですよ。それだけにこだわっている。もし新法ができてやるときには、厚生省は厚生省で公審の問題で今度二法案提案されておりますね。紛争処理法案ができれば、紛争処理についてどういう課ができるのかわからぬが課ができる。もしあなたの言われるように、もう不要になった課があるんだ、法律が適用されていないというその課は、消滅するはずです。そうでなければ、国家行政組織法はつくる必要はない。そうなれば、課はなくなり、その課員は現行法でも当然そこを移るかしなければ、課がないところに人が要るわけじゃないですね。私もずっと法律ができるとそのあと追跡して調べていますよ、どういうぐあいになったかを。まだ公害二法ができませんからそこまでいっておりませんが、ほかに法律ができた場合にも、その法律ができた後、各省の行政組織がどう変わっておるか、そうして人員がどう異動されているかもわかっていますよ。総定員法がもとでなしに、行政組織法がもとで変わってくるんですよ、法律でさましたら。それが国家行政組織法であり、定員法なんです。国家行政組織法にない、そういう組織のないところに人がいるということはできない。だから、あなたの言われるのは、本末転倒した実は論なんですよ。もし積み重ねで、法律が廃案になって、ないのに、そういうものが残っているというところがあったら、知らせてください。もしそういうものを行政管理庁として認めるとすれば、大問題ですよ。そんなところありませんよ。したがって、そういう点を稠密に調査をしてやれば、これをつくらなくても、現行法でも十分いける。ただ、行政能率がこれをつくったから上がると言われるなら、今後つくったあとでそういうものを追跡されたら、困りますよ。しかし、これを出す目的というものは一つあります。それは確かに、一々雇用員の増員でも、国会の審議を経て設置法で各省認めなくちゃいかぬという繁雑さは、私は認めますよ。これが困る、だから何とかしてくれという本音を吐くのならば、別の論議が出てきます。それ以外に、行政の能率化といっても、そんなものは理論的にも実際的にもないんですから、あるならあるで言ってください。私は実際に調べにいきますよ、特別調査に行けというなら。法律というものは廃案にならないけれども死法になっている、そういうものがあれば、しかも課が残って人員が配置されているということになれば、一ぺん調べにいきますよ。それはない、そこらどうですか。
#148
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは、さっき申し上げましたように、いま直ちにおっしゃるような資料を持ち合わせておりませんし、またその意味で調べることは事実問題としては容易ではない。同時に、本末転倒とおっしゃいますが、ことばを返すようになるのはやむを得ぬのでおそれ入りますけれども、行政組織はむろん従来どおり各省設置法で各省庁ごとに国会でおきめいただく。それから、ある政策関係の法律が別途御決定いただいたときに、行政組織の既存のものでまかなえる場合もありましょうし、また新たに局とか課とか置かねばならぬということもあり得ようかと思います。その場合にも、定員の関係では、総定員法を御決定いただくならば、おのずからそこに各省庁ごとに、場合によりましては、まれなことと思いますけれども、各省庁相互間でもいわば有無相通ずる、留保定員の範囲内において、むろん予算の範囲内において活用できるということが道が開けることによって、合理的な配分ができるであろう。各省庁設置法で法律を出すとめんどくさいから、それを省きたいからという考えでは毛頭ございません。それは件数が減りますことは事実でありまして、法案としての件数が減るからそれだけの時間がセーブされるということは、それは結果的にはありましょうけれども、そうしたいからこの法案が必要であるというんじゃなしに、冒頭に申し上げました目的を国民本位に考えまして、目的を果たすための手段としていわばぜひこのことがあることが望ましいということを申し上げさしていただきます。
#149
○山本伊三郎君 それじゃ、きょうの最後に大蔵のほうに聞きますが、これをやるという一番初めから行政管理庁が主張されておるのは、年度間においてそういう配置転換をやる場合にはやれないんだと、政令であればいつでもやれるのだということで反駁しておるのですが、これは足らないところがあると思いますが、しからば予算執行面で、予算にはずっと予算を流用する科目が全部総則できまっていますね。省別に人員を行政措置や政令で配置しちゃって、予算がそのまま執行できるかどうか。人員は大蔵省あるいはまた厚生省にかわる、大蔵省の予算でもって人件費を厚生省にそのままやれるかどうか。人員は政令でやるという御決定が確認されれば、予算もそれでやるということになるのですか。
#150
○説明員(嶋崎均君) 途中で入ったものですから、初めの質問はよくわかりませんけれども、御承知のとおり、政令で定める定員というのは予算上の措置が伴っておらなければならぬのは当然のことでございます。したがって、年度当初に予算を作成する場合、お手元のこの前御審議をいただいた予算書でも明らかなように、一応各省別定員というものを組織別にあるいは所管別につくって、各省の予定経費要求書の中に掲げております。それに基づきまして、予算総則十三条の規定によりまして、これは予定経費要求書に掲げられておるところの定員につきましては、これに従ってやっていく、みだりにこれを変更しないという考え方をとっておるわけであります。したがって、定員法の意義につきましていろいろな御論議を先ほど来拝聴させていただきましたが、大蔵省で予算を論議する場合に、官庁の定員を考え――まあとうしてもわれわれも全部の役所をたんねんに見て回っているわけにはまいりませんので、どうしても必要な部分だけの要求というものが出てきがちでございます。したがって、各省庁を通じて最高の定員は幾らということで、それを動かすということについては、非常に国民の目につきやすい議論だと思うのです。必要なところが論議されるというよりは、一定の総定員というものがきまっておって、その範囲内でできる限り配置転換等によってやっていくと、そういう閣議の方針で五%削減案というのが出ておる。それとこの総定員法とある意味では関係しておるのであります。ただ、御指摘のように、それではその政令というものがどうしてきまるかということでございますけれども、予算を作成するときには、それぞれ予算の項目に従いまして予算の目的というものがあるわけでございます。その目的を達成するために必要な人員が、先ほど御説明しましたような形で予定経費要求書の中に出ているわけでございますから、原則的には、予算を編成する際に、各省各庁の要求に基づきまして、それに基づいてその政令というのがつくられる。したがって、予算と政令というのは原則的に予算編成段階では合致するというのが通例であろうと思うのでございます。しかしながら、年度途中で、当初予算が全くそのままの形で運用されるかどうかという点につきましては、すでに、まあいま問題になっている政令――緊急に必要だということで政令でふやしたような事例がありまして、増員を必要な場合があるであろう、そういう場合に事務量がふえる。たとえば小笠原が返還をしたとか、あるいは、特殊な事情がありましたけれども、学校の定員をどうしてもふやさなければならぬというときに、その政令の変更というものがあり得る。それからもう一つは、予算書の総則十二条にそういう規定がありますけれども、いろいろ官庁の行政組織に法令の改廃等に伴って変更があるというような場合には、やはりある程度移しかえしなきゃならぬというような事態がある。金額を移しかえる点は、もちろん予算の規定であるわけでございますが、人の定員につきましても、そういうことは皆無じゃないであろうというぐあいに私たちは考えております。しかし、いずれにしましても、予算はある程度目的を持ってきめておるわけでございます。予算の目的に人の定員というものが配置されておるわけですから、もちろん、先ほど来官庁の能率ということがしばしば御議論にありましたように、定員はきまっておるから、その定員どおり全部張りつけなければ行政運用というものはできないというわけじゃありません。その範囲内で能率をあげて対処するということはもちろんあるわけでございます。そういう意味で、法律なりあるいは予算できめている定員というものは最高定員だという運用が従来出されておるのであります。いずれにしましても、そういうように全く年度途中で政令定員、政令によるところの変更を考える余地ということがないという事態ではないと思います。そういう事態に対処しまして、定員をみだりには増加をしたりあるいは減少したりするということは、予算というもののたてまえからいってこれはあまりないと思いますけれども、年度途中でそういう事態で何らかの変更が必要というふうな場合には、当然政令の定員を動かすということもあり得ようと思うのです。そうした場合には、そういう行政需要についての判断につきまして、大蔵省あるいは行政管理庁等関係の省庁で協議をなされて、政令の変更というものが行なわれるということになるのではなかろうかというふうに判断をしております。
#151
○山本伊三郎君 いや、あなたは前から聞いてないからその点がわからなかったと思いますが、そういうことを言っているのじゃない。その省において突然年度間において増員をするときには、現在第十九条二項によって特別の措置をとっていることは、これは認めておるところですね、一年以内に限って。私の言っているのはそういうことじゃない。それをつくることによって、具体的にやはり、先ほど言ったように、たとえば厚生省は人員を配置することによって一応予算をきめますね、予算は各省別に。省をわたって国会の議決なくして予算を動かせるかどうかということです。予算をいわゆる組みかえをするか補正するかは別としてですね、大蔵省でこれだけの予算を見積もっておるということを、これを厚生省なり行政管理庁へそのまま移せるかどうか、これをできるかどうか。
#152
○説明員(嶋崎均君) 先ほどちょっと御説明申し上げましたけれども、その予算総則の第十二条に「行政組織に関する法令の改廃等に伴う職務権限の変更等によって、」「主管、所管及び組織の区分により予算を執行することができない場合においては、主管、所管若しくは組織の設置、廃止若しくは名称の変更を行ない、又は主管、所管若しくは組織の間において予算の移替えをすることができる。」という規定があるわけです。で、そういう場合があり得ると思います。
#153
○山本伊三郎君 そうすると、予算で決定した――たとえば各省別にずっと予算書が出て、あれが国会で一応決定されますね。そうすると、まあ流用の範囲を規定されてますね。款とか項とか目によってね。それを越えてでもできるというのですか、そういうことになるんですか。
#154
○説明員(嶋崎均君) 先ほどお答えしたとおり、予算の移しかえの規定に該当する場合についてだけは、そういうことはできるのでございます。それからそれ以外の場合には、たとえば項につきましての流用規定はありませんが、その場合に予算総則でそれぞれあげてありますから、そういうような場合には組織なり項間の移用はできる。しかし、予算総則に規定してある場合以外の場合につきましては、そういうことはできないということになっております。
#155
○山本伊三郎君 だから、それだけ言ってもらったらいい。それはできる場合もよく知ってるし、また増加をする場合も、それは予算をとることもできますからね。しかし、それはできないんですよ、この省別に予算をかえるということについては。それなら国の予算を決定するという価値もなくなる。それで予算総則を相当こまかくきめてますね。だから、予算総則できまった以外には、国会の議決がなければできないということは、これは間違いないでしょう。
#156
○説明員(嶋崎均君) 先ほど御説明しましたとおり、特に予算総則で規定し、あるいは財政法の規定がそれぞれその法規にあるわけでございますけれども、財政法の規定及び予算総則に従って運用されるということでございます。
#157
○山崎昇君 ちょっと確認しておきたいのですが、具体的に、いまの国家予算は各省別に人件費を組まれておりますね、定員も。そこで、この総定員法が通った場合に、定員の最高限度をきめる、各省別の配置は政令でやるというんですよ。そこで、年度の途中で、例を言えば、農林省の職員を、かりに千人なら千人要らなくなって、厚生省なら厚生省に持ってくる。その場合に、厚生省の所管の人件費では払えなくなる。そこで、減った農林省の予算をそのまま持っていって払えるかと聞いているんですよ、簡単に言うと。そういうことはできないと私どもは思う。だから、政令で幾ら定数を配置がえしたといっても、人件費の移動は、これは組みかえ予算を組むなり何なりしなければできない。しかし、できる場合が一つあるのは、それは十九条の二項で、特別の事情で何か定員をふやした場合に、予備費を使ってやる場合がある、それは私どもよく承知しております。しかし、そうでない場合は、これは予算は組みかえをしなければできないのではないか、こう私は言っているのですが、そのとおりかというのです。
#158
○説明員(嶋崎均君) 非常に抽象的なお話だと、むずかしいと思うのです。おっしゃられたように、千人というようなことが出ましたが、そういう極端な動き方は、もちろん通常は予算の執行目的というものがそれぞれあるわけでございますから、そういう大幅なものはあまりないというふうに思います。
#159
○山本伊三郎君 小幅だったらどうだ、小幅だったら何人。
#160
○説明員(嶋崎均君) それは、先ほど申しましたように、予算総則の規定があるわけでございますから、具体的に各省の権限の移譲等もあり、あるいは法律に基づくところの事務量の増加、あるいは事務の廃止ということも、これも全くないわけじゃないと思いますが、そういう事態があれば、それに対応したものは当然動かし得ることであろうというふうに思います。
#161
○北村暢君 何か、動かされるのだか、動かされないのだか、ちょっとまだはっきりしませんがね。たとえば、行政管理庁長官は午前中からこういうことを言っているんですよ。行政組織法の第十九条の二項で、小笠原にやったとか、急に小笠原に職員を配置しなければならないとか、あるいは通るべき法律が、通ると思っておったところが、ところが通らなかったので、総定員法が通らなかったので文部省の人員をどうしてもふやさなければならないという場合に、十九条二項に基づいて、一年間を限って政令で定員をふやすことができたですね。これは、ふやすことだけできるのですよね、十九条の二項は。それは緊急やむを得ないときですよね。定員というものが、そういうことで、十九条というものは、現実に緊急やむを得ないものでふやすものだけが規定されている。減らすことは規定してないですよ、減らすことは。この十九条の二項というのは、減らすということは規定してない。そういう緊急なもので、一年に限ってなんです。ところが、行政管理庁長官は、政令定員にするというと、年度当初において政令で、各省定員というものは予算定員できまりますね、きめますね。それを、年度の途中において政策上各省の配置転換ということをやる場合に、やりやすいように今度の総定員法というものは考えているのですと、こういうことなんです。したがって、これは一省どころじゃないですよ。千名農林省減らして、そして厚生省へ五百名、それから労働省に二百名、運輸省に三百名と、千名を割り振って、そういう運用が政令によってできると、こう言っているのですよ。そんなことができますか。それは私は、予算総則なり予算定員というものをきめる際における決定の論理からいって、そういうことまで自由にやれるということは、何のために予算定員をきめるかわからなくなっちまうのじゃないか。そういうものは年度当初の政令定員をきめるときに考えておくべきものであって、いいですか、考えておくべきものであって、年度途中でそんなこと自由にやれるという筋合いのものではございません、ないのではないですかと、こう言っているのです。
#162
○説明員(嶋崎均君) 先ほどお答えしましたのですけれども、御存じのように、官庁の職員は、各組織を見ましても、相当の人員になっていることは事実でございます。予算の範囲内での人員の異動というのは、もちろんあり得るわけでございます。したがって、その非常にたくさんの人間の中で全般的な――いま御指摘のように大幅な場合というのは、私ちょっと考えにくいと思っておりますけれども、それでも非常にたくさんの人間が各省庁にあるわけでございますから、そういう組織の中でたとえば一%人員が動いても、その人件費というものは相当大きなものになるというような場合に、片方ではぎりぎり定員一ぱいであるというような場合、そういうようなときに、実際に行政上予算の定める範囲内において動くということはあり得ると思いますけれども、その範囲内がそう大幅な事例は……。
#163
○北村暢君 例があるということはないでしょう。
#164
○説明員(嶋崎均君) 事例はなかなか想定しにくいであろう。もちろん予備費その他予算の規定はありますけれども、どこまでも予備費とか、あるいは移流用とか、予算総則に定める規定の範囲内でこういうことは運用さるべきものであるというふうに考えております。ただ、初めてのことでありますから、具体的にどういうケースがあるかということは想定しにくいわけでありますけれども、一般的にはいま申し上げたとおりのことでなかろうかと思います。
#165
○北村暢君 予算の範囲内ということが、項、目について各省ごとにきまっているわけでしょう、人件費。それを農林省千名減らすということになれば、いまそういうこと現実に起こる可能性あるんですよね。農林省のことしの五%のうち――減らすというと約千名くらい減るわけですよ。それを他の省へ持っていくことが考えられるのです。その場合に、その各省で、厚生省なら厚生省に、いま山崎君が言ったように、厚生省の予算の人件費の中ではまかなえないわけでしょう、三百名行けば。だから、そういう大きなものについては、組みかえか何かやらなければ私はできないんじゃないかと、こう思うんですよ。総ワクにおいては、これは総定員だから予算そのものは動かさなくてもいいですよ、これだけ動かせばいい。そういう場合に、組みかえ予算か何かやはり伴わなければできないんじゃないか、こう言っているのです。それでなければ、予算の権威というものがなくなるんじゃないか、各省別に予算定員というものをきめている意義というものがなくなってしまうんじゃないか、こういうことを申しているのですが、どうですか。その予算の範囲内というのは、どういう範囲なのか、もう少し詳しく説明してもらいたい。
#166
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私が午前中北村さんのお尋ねに対してお答え申し上げたことに関連してのお話でございますから、言わしていただきます。
 千名とおっしゃったことを聞き漏らしたままでお答えしたものですから、そのとおりでございますと申し上げたようなわけで、聞き漏らしたことを何も弁解するために申しておるわけではございませんで、省庁にまたがることもあり得るかというお尋ねと思ってお答えを申し上げました。
 ところで、たびたび申し上げておりますように、配置転換というのは予算の範囲内でということを申し上げました。むろん予算総則に定められた範囲内であり、もし増員の場合、財源を申せば、予備費が許す範囲、さらに流用が許す範囲、そういう意味で予算の範囲内で増員ということがあり得る。
 ところで、農林省の例をおあげになりましたが、それが適切であるかどうかは別問題ですけれども、幾らかの人員を他の省庁に移しかえをするということがあります場合、実行方法としては、留保定員の欠員の範囲内でそういうことがあり得るということでございまして、この増員のときにはおのずから限度があり、かつまた当然、年度内の配置がえでございますから、年度途中は、あと半年か十カ月か知りませんけれども、国会が開かれて次の年度の予算の御審議がある、そのときを待ち得ないというような緊急政令的なと申し上げましたが、それに準ずるような必要性に応じて年度内に政令の変更というものはあり得るでございましょう、そういうことを申し上げたつもりであります。
 繰り返し申し上げます。増員のときには、予備費ないしは流用のできる範囲内、許された範囲内、それからまた、移しがえをすることがありますときは、そこで減りましてもあとで補充しないというかっこうになりましょうし、移しかえをする相手方にはそこに欠員があるというときにあり得ると、こういうことを申し上げたつもりであります。
#167
○山本伊三郎君 聞いておらないことも若干言われましたが、きょうは私これで一応質問を終わりますが、まだあと十一項目持っております。徐々に実は問うていきたいと思います。
 ただ、ここで非常に答弁がしにくいようなことは、私非常に気の毒だと思っております。それは何かの理由で、あなたのほうの係官が来ても質問の要旨を言わないということにわが党は一応きめておるのですね。で、それは、原因は私は十分知らないのですが――これはわかっておるようでありますけれども――そういうことで、これは議事録にとどめておいてどうか知らぬが、あまり私のほうへ来る政府委員の人を責めないようにしてやってください、気の毒だと思うのです。その点は、これは本件に関係ないけれども、若干私も、非常に私は人情深い男ですから。それだけ申して、きょうの質問終わります。
#168
○委員長(八田一朗君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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