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#1
第061回国会 内閣委員会 第13号
昭和四十四年四月二十二日(火曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         八田 一朗君
    理 事
                石原幹市郎君
                柴田  栄君
                北村  暢君
                山崎  昇君
    委 員
                内田 芳郎君
                源田  実君
                玉置 猛夫君
                長屋  茂君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                山本茂一郎君
                前川  旦君
                村田 秀三君
                山本伊三郎君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                片山 武夫君
                岩間 正男君
   国務大臣
       国 務 大 臣  荒木萬壽夫君
   政府委員
       内閣法制局第二
       部長       田中 康民君
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       人事院事務総局
       任用局長     岡田 勝二君
       人事院事務総局
       給与局長     尾崎 朝夷君
       総理府人事局長  栗山 廉平君
       行政管理政務次
       官        熊谷 義雄君
       行政管理庁行政
       管理局長     河合 三良君
       行政管理庁行政
       監察局長     岡内  豊君
       運輸大臣官房長  鈴木 珊吉君
       運輸省自動車局
       長        黒住 忠行君
       運輸省航空局長  手塚 良成君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       大蔵省主計局総
       務課長      嶋崎  均君
       大蔵省主計局給
       与課長      相原 三郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○行政機関の職員の定員に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 行政機関の職員の定員に関する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#3
○山本伊三郎君 それじゃ、この前に引き続いて行政管理庁並びに大蔵省、人事院、総理府等々に質問を続行したいと思います。
 いままでは総定員法と憲法との関係、政治と行政機構の関係、旧憲法と現憲法における公務員の性格の問題、行政の簡素化と能率化の推進と管理職の問題等、この四つの問題を尋ねてまいりましたが、きょうは行政簡素化と能率化の基本的な二つの重要な問題について質問したいと思います。
 そこで、まず行政管理庁に聞きたいのは、行政事務の簡素化というのは、一口に言うと簡素化ということは言えますけれども、基本的に行政管理庁が考えなくちゃならぬ問題として、行政事務と民間の企業の事務との性格の相違について、この前ちょっと触れたんですが、まだ明らかになっていない点がありますので、まず行政管理庁に聞きたいのは、行政事務の性格、特殊性、こういうものについて行政の簡素化をする上に重要な問題ですが、この点について行政管理庁はどうお考えになっておりますか。
#4
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お尋ねの趣旨を明確に理解しかねるような気持ちもいたしますが、私なりのことを申し上げさしていただきます。
 行政事務の簡素化という考え方は、まずもって行政機構、行政定員を通じて国民に対して行政行為が的確に行なわれ、しかも能率的に、窓口ならばいたずらに待たせないということを初めとして、的確に、能率高く行政サービスが提供され得るように行政事務を簡素、合理化していく。これは答えにならぬような気がしますけれども、一応以上お答え申し上げます。
#5
○山本伊三郎君 大体常識的の御答弁としては了解できるんですが、行政事務は行政機構と同様に、民間の事務と違って、すべて法令、法に基づいてやられる仕事ですね。したがって、その法令を消化するためには、単に能率化とか簡素化するにも限界があると私は思うんですね。というのは、民間の場合の事務であれば、経済性のみというわけじゃございませんが、経済性を追求すれば、これで事足りる。もっとことばをくだいて言いますと、その企業が損害をこうむらないように、利益を得るためにのみ目的を遂行すれば、一般国民に対してのそういう義務とか責任というものは、公務員たる行政事務のようじゃない。したがって、どうしても行政を簡素化するにしても、能率化するにしても、限界があるわけですね。子の限界をどの程度行政管理庁が見きわめて、いわゆる行政の簡素化というものを遂行しようとされておるのか、この点を私は基本的に明らかに聞きたいと思う。
#6
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 具体的にお答えすることは非常に困難な事柄かと思います。民間でございますれば、松下電器の社長が、多年の経験によって直感的にリーダーシップを発揮するということが要請もされ、また成功もしておると思います。それが当たらなかったときには、企業体自体がリスクをしようということでケリがつくという意味において、行政事務対国民との関係は違うと思います。失敗を許されない。勘でいきましたところ、見当違いましたということは許されない。山本さんの言われる、法令によって行政サービスを、しかも憲法が要求する法の前に平等、公平にサービスをするということが要求される意味において、民間と違うわけでございますから、極端に申せば、人手は幾らあっても足りないくらいの、合理的な客観的なデータを把握した上において結論を出さなけりゃならぬという性格のものかと思います。しかしながら、これまた例によって妙なことになりますけれども、明治以来、あるいは戦後といえども二十四年目を迎えておるという実際の経過をたどりますれば、はたして一人一人が本人の能力並みにベストを尽くした仕事ぶりであるかどうかということは、なかなか評価は困難ではありますけれども、抽象的に申し上げれば、一人一人が全部民間に負けないぐらいの能率高い全力投球でもって、執務時間中は全力を尽くすというやり方でいくならば、頭数の幾らとは申し上げられませんけれども、少なくて済むであろう。あるいは行政機構そのもの、もっと簡略にする手はないかということが逆算的に検討されていくべきもの、こういうことでよかろうという一応の政府側として結論を出すにつきましては、どなたにも一応そのことが納得がいく根拠があってのことじゃなくちゃなるまい、心がまえとしてそうは思いますけれども、実際問題としては、批判すれば幾らでも批判ができるような意味合いにも通ずるかと思います。それにいたしましても、良心的に厳粛に受けとめまして、臨調が言っておりますように、なるべく簡素かつ合理化した姿において、行政サービスを低下しないように努力するという目標のもとに考えられていくべき課題であるかように受けとめております。
#7
○山本伊三郎君 包括的に抽象的に言われたら、大臣の言われることに帰一すると思いますがね。行政管理庁として、そういうものに基づいて行政の簡素化というものについて検討を進められたかどうか。もし進められたとするならば、どういう方法で進められたのか 認許可の整理、これは一つの方法であったと思います。しかし、認許可の問題も、私もずっとやられたあとの始末を見ましたけれども、やはり認許可も、これは全部廃止するということはできない。この行政という立場からいえば、どうしても認可、許可の必要のある場合がございます。これまたそれが一つの行政事務であります。それ以外に、実質的に行政機関の簡素化としてどういう方向で検討し、やろうと進められておるか。この点のいままでのやり方について一応御説明を願いたいと思います。
#8
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ある程度具体的に事例をあげてお答えせねばならぬと思いますので、政府委員からお答えさしていただきます。
#9
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。
 ただいまの認許可の問題につきましては、先日も御報告申し上げましたが、約一万一千件のうち、行革本部におきまして各省庁の意見を取りまとめました結果、一四・八%に当たりますものを整理、簡素化いたすことにいたしております。
 また、報告類につきましては、約七千四百九十四件、当庁で現行のものの届け出がございましたが、それの約二一・九%を整理、簡素化することにいたしております。
 また、行政事務の下部委任、または地方公共団体への委譲につきましては、現在約五百件ほどの下部委任あるいは委譲を検討いたしておりまして、実現される予定でございます。
 また、人事事務、会計事務の実施にあたりまして、いろいろと法令の範囲内で制約がございますが、その範囲内におきまして、手続上の簡素、合理化をはかっております。
 また、補助金の整理でございますが、これにつきましては、四十四年度予算におきまして、件数におきまして四百十七件、その補助金につきまして廃止、統合その他の整理をはかりまして、この結果、四十四年度予算におきましては、廃止につきましては百二十八億円、減額は二十六億円の金額を、廃止あるいは減額いたしております。またさらに、電子計算機その他の機械の利用の促進によりまして、大いに事務の機械化、合理化、能率化をはかる計画でございまして、電子計算機の利用促進につきましては、昨年八月三十日、閣議決定をいたしておりまして、これによりまして電子計算機事務の官庁への導入の促進あるいはその要員の養成の促進、あるいは各省庁の共同利用への研究、さらに電子計算機に関します技術的な研究の促進等を行なう旨の閣議決定をいたしておりまして、この閣議決定に基づきまして、現在その方向に進めつつあるわけでございます。
 そのほか、事務の民間委託につきましても、委託したほうが合理的にできるものにつきましては、これは委託の方向に持っていく。これが、以上幾つかに分けて申し上げましたが、事務の合理化という点につきまして、現在行政改革本部におきまして考えております、あるいは実施いたしました点でございます。
#10
○山本伊三郎君 具体的な答弁で、なお深めていきたいと思うのですが、これは私は非常に行政の簡素化というのは、国民のみならず、国家行政事務についても要求されておりますので、若干深めておきたいと思います。行政監理委員会でも若干議論をされておる記録も見ましたけれども、少し深めが私足らないと思うのです。
 そこで、いま電子計算機による省力と申しますか、労働力を省く方法を考えられておるということはもっともだと思うのです。そこで、現在行政事務のうち、そういう電子計算機、その他事務機械によって省力をでき得るような範囲、会計事務とか社会保険事務等々ありますけれども、そういう分野はどうなっておりますか。
#11
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。
 現在、官庁におきまして電子計算機の相当数の導入を見ておりますが、その適用業務についてどういうものがあるか申し上げますと、まず第一に技術計算でございます。これは科学技術庁、工業技術院等、各種の科学技術の計算でございます。次が財務管理でございまして、あるいは財務あるいは部品の管理というようなものでございます。それから給与計算でございます。これはもう御説明するまでもないと思いますが、きわめて定型的な業務でございます。それから統計計算でございまして、これも各省庁におきまして統計調査を行ないますものの集計でございます。それから調査研究というのはちょっと漠といたしておりますが、たとえばこれは例を申しますと、国立国語研究所における国語に関する統計数理的な調査でございますとか、あるいはガンセンターの発ガン機能研究というようなもので電子計算機を利用いたしまして調査研究に利用いたしております。また、人事管理につきまして、人事記録の保存その他のこと、あるいはその分析につきまして利用いたしております。それからこれは、社会保険関係では、保険数理あるいは保険の管理に利用しております。
 さらに最近非常に進んでまいりました点では情報検索と申しますが、情報検−IR、IRと申しておりますが、情報検索という面にたいへんに利用価値が広まってきておりまして、各種情報を電子計算機に整理して入れておきまして、それに必要なものを、これを必要な時期に非常にハイスピードに取り出す。これはたとえば例を申しますと、ケネディ大統領の貿易に関する演説というのを取り出そうと思いますと、入っておりますれば、あるキーを押して、それに応じた取り出し方をいたしますれば、ケネディの貿易政策に関する演説の要約が全部出てくるというような意味での情報管理、情報検索でございます。それからさらに官庁の業務におきまして、たとえば食糧庁の輸送計画でございますとか、そういう計画につきましての計画の作成に利用いたしております。その他、これも農林省の統計関係で、生鮮食品の市況を調査いたしまして、それをデータ伝送を通じまして各産地にそれを知らせるというようなことに用いておりまして、いろいろと申し述べましたが、以上のようなことが現在利用されております、あるいは将来も大いに広まるであろうと思われます業務でございます。
#12
○山本伊三郎君 これに関して二つだけ聞いておきますが、四十四年度でこの事務の機械化について国家予算として各省庁−省庁別ということはなかなかむずかしいでしょうが、どれくらいの機械化の予算を持っておられますか。
#13
○政府委員(河合三良君) 的確にお答えする資料が手元にございませんが、現在、電子計算機は四十四年の四月現在で各省庁に百三十五セット入っております。これに要します賃借が、一般会計におきまして五十二億円、特別会計におきまして三十五億円、合計八十七億円のレンタルを払っております。それからこのほかに民間の電子計算機センターその他を委託で利用いたしております。この委託費が、これは一年古うございますが、四十三年度で約六億円の経費を使っております。ただいま申しました百三十五セットの機械はそのうちで、これはいろいろ分け方はむずかしいと思いますが、大型が二十八セット、中型が七十一セット、小型が三十六セットということになっております。
 以上は行政官庁において利用しておりますもので、そのほかに国立大学、政府関係機関、地方公共団体で相当多数の、たとえば国立大学でございますと、これは四十三年度の数字でございますが、百二セット、それから政府関係機関が百十セット、地方公共団体が百六十五セット、こういうものが現在使用されております。ただレンタルはまだちょっと調べておりませんので、お答えいたしかねます。
#14
○山本伊三郎君 このような機械の導入によって事務は簡素化されたというか、能率化されたということによって大体どれくらいの、人の力にたよった場合と機械にたよった場合と現実にどれくらいの人間の節約といいますか、事務の簡素化に要する人の力というものは省けたか、そういうことも考えられていますか。
#15
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。
 ただいまの御質問は、私お答えいたすのがたいへんむずかしいと思いますので、と申しますのは、電子計算機の導入によりまして、一面、導入する仕事の種類によりましては、確かに従来の人力を節約できるという面もございますが、また一面、従来行なえなかった仕事ができるという面もございますので、ちょっといまの御質問にはお答え申し上げる的確な数字がございませんし、ちょっとこれは、はじき出すのはむずかしいのではないかというふうに思っております。
#16
○山本伊三郎君 いまの説明によりますと、機械化によって人の力の節約をするといいますか、省力と申しますか、そういうものを基礎にしてやられておると私は思うのですが、機械化の導入によって行政サービスの上昇というものをねらっておるのか、これは両方ともという答弁があると思いますが、基本的にはどういう考え方なんですか。一般民間の事業では全く省力、いわゆる労力を節約する、省くということが目的に導入されていますね。特に生産、製造業においてはそれが重点で機械化されておる。一番極端なのはオートメーション、行政事務によっては、冒頭に大臣に聞いたように、なかなかそうは機械化できない事務の内容が多いので、実際は機械を導入したということによって、労力節約ということには相当むずかしい面が私はあると思うのですがね。もちろん給与の計算とか、そういう統計事務とかいうものは、これは現在、特に保険数理においては、大まかにそろばんではじくわけにいきませんから、最後の数字までは出さずに、総ワク規模で結果を見ておるのですが、ところが現在、電子計算機によりまして最後の数字まで出せるという、これは便利になっておるわけです。官庁事務では、機械化というものは、省力ということにも重点はあると思いますが、国民の行政サービスということについては、どういう点を考えられていますか。
#17
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。
 ただいまの御質問の中で、先生のおことばに、民間においては力を省くことが主眼ではないかというお話がございましたようでございますが、私は必ずしもそうは考えませんので、これは民間におきましても、たとえば市場調査でございますとか、あるいはいろいろな計算事務あるいは生産管理、あるいは非常に何と申しますか、技術的な計算その他につきまして、人間では全くできないということが、電子計算機という非常なスピードと能力を備えた機械ができましたために初めてできる。そういう意味で、人間では全くできないものが新しくできるという意味もこれは非常に大きいと思います。そういう意味で、民間におきましても力を省くということだけではないというふうに思っております。これも私も十分勉強しておりませんので、はっきりは自信を持って申し上げられませんが、そういうことは考えております。
 行政におきましては、行政の本質から、特質から申しまして、これを機械化ができない面がある。これは行政と申しますのは、先ほど来のお話にございましたように、公権力の奉仕でございますので、そのために特に要求される点で機械化ができない面はもちろんあると思いますが、しかしながら、ただいまお話しのございますように、統計計算あるいは人事管理あるいは保険の関係、さらに給与管理あるいは財務管理の点なんかにおきましては、これは人の力を省くという面では相当な効果があるというふうに存じております。
#18
○山本伊三郎君 効果がなければそういう高い機械を購入する必要はないのですが、効果がないと言っているのじゃない。私は、民間では事務系統はいま言われたとおりだと思いますが、製造プロセスにおいては省力がおもであって、鉄鋼業でも、それから電気器具製造工場を見ましても、人の力を省くためにそれはほとんど機械化されておる、その意味で言ったわけです。
 そうすると機械化については徐々に進められておるが、その範囲は、先ほど言われました技術、財務、給与、統計、調査、こういう範囲には今後そういう機械化を導入して、いわゆる行政事務の合理化をはかろうという方針だと思うのですが、そこでもう一つ聞いておきますがね。先ほどの民間に委託するという業務は、主としてどういうものなんですか。
#19
○政府委員(河合三良君) お答えします。主として計算業務だというふうに記憶いたしております。
#20
○山本伊三郎君 計算業務というのは、どの省のどういう事務ですか。
#21
○政府委員(河合三良君) 省庁によりまして、電子計算機現在持っておりますが、しかしその電子計算機も、これは大体恒常業務に使っておりまして、ときどきそれを上回るような臨時の計算業務が出てまいりました場合には、そのために新しく電子計算機を入れるということは非常に不経済でございますので、そういうものを民間に委託して処理してもらうというようなことが多いかというように存じております。
#22
○山本伊三郎君 次に聞いておきたいのは、いま言われた機械導入による事務の簡素化というのは、私のいま聞いて理解する範囲では、直接国民に対するサービス、いわゆる窓口事務にはあまり利用されておらない。今後そういう窓口事務に機械化の導入を推進しなければならぬという行政事務は、どういうものがありますか。
#23
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。
 そういう仕事の種類といたしましては、現在もある程度はそういう方向に向かっておりますが、また、たしか昭和四十六年くらいから稼働する予定になっていたと思いますが、自動車の免許証や車検の管理、そういうものにつきましては、これは車検業務とすぐにつながってくると思いますし、また職業安定関係の仕事につきましては、公共職業安定所に端末機を置きまして、これを中央のセンターにつなぐということによりまして、非常に窓口事務の合理化がはかれるというふうに思っております。そのほかにも窓口に利用できるもの、かなりあると思いますが、いまちょっと思いつきましたのはそういうふうなものでございます。
#24
○山本伊三郎君 先ほどからずっと聞いておりますと、皆さん方そういうこと深く研究されておるかどうか知りませんがね。もう少し基本的に行政の簡素化に対する検討を行政管理庁が進めなくちゃならぬと私は思うのです。そういう計算事務とか、そういうものだけで行政の簡素化ということは考えられない。ほんとうの行政の簡素化というのを国民が要望しておるのは、まず第一に、国民が日常生活に必要な場合に、非常に官庁事務が渋滞しておそい。私が例を言わなくとも行政管理庁でも査察をされておるからわかりますけれども、きわめて不満が多いのはそこにあるんですね。まあ現在戸籍なんかも、機械の導入によって、昔のように筆やペンで書いておるところはございませんが、それはだいぶ改革されておりますが、そのほかの事務なんかでも、先ほど認可の相当整理をされたと言われますけれども、残された認許可の事務でも、申請してから早くて一カ月、おそければ半年もかかるというようなところがずいぶんあるんですね。こういうものについて行政管理庁はどういう考えでおるか。その根本はどこにあるか。
 一つの例を申しますと、これはきわめて卑俗な例ですが、個人タクシーの申請をしても、大体半年か八カ月ぐらいかからなければ結論がわからない。これは原因がどこにあるかということをずっと追及して調査されたことありますか。これは一つの例ですよ。他の例はたくさんありますが。
#25
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。個人タクシーの問題につきましては、陸運行政の監察を過去二、三回やっておりまして、私どものほうといたしましては、個人タクシーの認可を促進するようにという勧告は出しておるわけでございます。ただ、運輸省のほうといたしましては、需要と供給の関係というようなものをいろいろ計算いたしまして、なかなか増車のワクをふやせないというようなことで延びておりますが、一ころに比べますと、最近は非常に個人タクシーの認可がふえているというふうに私ども理解いたしております。
#26
○山本伊三郎君 一ころより早くなったといいますがね、そんなに早くなっておらない。これは一つの例でありまして、何もそれだけ取り上げてどうこう言っているわけじゃないんですが、行政事務というものは、やはり総体的に、申請してから実はそれが解決するまで、認可になるか不認可かは別として、相当おくれておることは事実です。おくれることは事実です。やはりそこに原因というものが私はあると思うんです。個人タクシーの場合は、増車のワクというものがあるから、これに縛られておるというけれども、増車のワクはもうすでにきめておる。四十四年度には東京の場合には個人タクシーは二百台なら二百台、三百台なら三百台ときめておる、大阪でもきめておる。きまっておるけれども、それから手続しても、なかなか早く迅速にやれない。そういう問題を私は一つ一つ、まあ全部はなかなか行管は追及できませんが、行政事務はどこでひまが要るかということを、もう少し私は検討してもいいんじゃないかと思います。
#27
○政府委員(岡内豊君) 私ども監察をやる場合に、いろいろ重要な施策を中心にして見ていくわけでございますが、その中で、許認可の事項というものがございました場合には、許認可の事務につきまして、なるべく簡素化し、手続も添付書類などを簡素化するような観点から監察を進めておるわけでございます。
 それから、個々の許認可の問題につきまして、非常にひまがかかって困るというものは、行政相談の制度というものがございまして、国民の皆さんからいろいろ相談が参りますので、そういった個別の問題につきましては、一つ一つ相手方の省庁と折衝いたしまして、なるべく早く許可がおりるようにというようにあっせんをすると、こういうことの作業をいま進めておりますが、特にそういった非常に長引くという事案が多いものにつきましては、特別に監察をするというようなことも考えておるわけでございます。そういったことで、監察業務の面からそういった促進をはかっていくという面と、国民の皆さん方から上がってきた問題を個別に解決していく、そういうことで、両々相まちまして、なるべく早く事務が処理できるようにということにつとめておる次第でございます。
#28
○山本伊三郎君 そう言われますが、もっと根本的にやはり検討してくださいね。私の言い回しがずっと遠いものだから理解されないと思いますが、おくれるというのは、その認許可を受けた官庁の行政機構というものが非常に災いしておるんですね。しかし許認可だから、特定な国民に一つの特別な権利を与えるんですからね。したがって慎重にやるということについては、これは当然の事務なんですね。商売であれば、金を持ってきて売れば、それはもうかるんだから、そんな事務なんか必要がないんですけれども、行政事務というものはそういうものでない。その認可することによって、特定な国民に特別な権利を付与することですね。そこに行政事務の非常に渋滞といいますか、渋滞ということばよりも遅延する原因がある。
 それと同時に行政機構もそうなんですね。一人、二人にそれをまかしておくと、非常にまた最近よく新聞をにぎわす汚職問題がそこに介入してくるんですね。特定な人一人にそういう権利を与えることが、事務の簡素化という点だけをとってみると早いけれども、それに付随してやましい問題が起こってくる、ここに問題がある。したがって、行政機構の簡素化といっても、私は冒頭に大臣に聞いたけれども、その限界はどこにあるか、これをまず採究しなければ、行政の簡素化と言いましても、それは言うだけであって、現実には進まない。それを、認許可に携わる行政事務にはどういう機構が必要であるか。単に窓口といいますか、商取引というわけでございませんけれども、ただ届け出さえ受けていればいいんだというようなところ、日常業務で、特別な権利を与えないというような事務についてはどうしたらいいか、こういう具体的な周密な調査と研究の結果、行政の簡素化というものは生まれるものであって、また総定員にひっかけるようになりますけれども、定員の最高限度をきめたから行政簡素化ができるという考え方であれば、私はおそらく、百年河清を待つということは昔からありますけれども、言うだけであって、現実に行政事務の簡素化、能率化はできない、こういう私は見方をしているんです。
 したがって、行政管理庁は、いろいろ査察なんかをして、勧告とか何とかされますけれども、そこまで十分検討されておるのかどうか。しかしこれを検討するには膨大な機構が要るから、そうなるとまた人をふやさなければいけませんが、そういうものを専門の、アメリカのように、行政能率、企業の能率をどうしてやるかという、そういう民間の識者なり経験者にもっと深く私は検討さしたらどうかと思うんですね、調査検討を。行政監理委員会は現在非常に優秀な識見のある人、経験のある人がおられるんですけれども、一体どういうことを討議されておるんですか。行政簡素化のいままでの経過、私は読んでおりますから大体わかっておりますけれども、どういうことを主題にやっておられるか。私はきわめて抽象的な問題――非常に失礼な言い方だけれども、もっと具体的に、この省のこの事務については、こうやれば国民のための簡素化として有効だということで、相当専門的に分科的にやっておられるんですか。この点ちょっと聞いておきたい。
#29
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行政監理委員会、まだできて間がございませんが、監理委員会そのものを評価し批判し、お答えせねばならぬ課題かとも思うのですけれども、現実問題としては、行政監理委員会の各委員に対しましての補佐すべきスタッフというものは別にございません。管理局と監察局があるだけでございます。したがって抽象的たらざるを得ないことはやむを得ないかと思います。現実には例の臨時行政調査会の答申に数々の課題が大中小となく指摘されておりますが、その中からこういうものをなぜ早く取り上げないか、取り上げようじゃないかということが、まあいささか具体性を持った根拠に立った監理委員会の動きの一つであります。そのほかは各委員会の御指摘のとおりの、いままでのそれぞれの委員の御体験を通じての直観的な、もしくは自分自身で収集された資料に基づいての意見、それとても、とかく抽象的たらざるを得ないのはやむを得ないかと思います、そういう課題がときおり行政監理委員会の課題として提供される。ようし、それならそれを今度は中心に監察をしたらどうだ、管理局の所管の仕事としてもその見地に立って取り組んだらどうかというふうな状態で動いておるわけであります。本来ならば、山本さんもさっき御指摘されましたように、行政監察をして、それが末端行政サービスの接点からスタートしまして、上部機構につながる法令の制度それ自体、運用のよしあしということに反響をいたしまして勧告が出てくると、こういうやり方でやっておりますけれども、もう凡百の、無数と言ってもいいほどと思いますが、一つ一つが問題として取り上げますれば、たいへんな期間と人員とを費して調査しなければ、客観、妥当性のある裏づけと根拠を持った勧告というものは容易でないわけでありまして、それでもなおかっそういうことから出てきます勧告事項を根拠に、各省庁と相談をしながら、おおよその調整機能を発揮しつつ問題点を発見いたしまして、今度は管理局の行政として、行政機構の合理化なり、あるいは定員その他に関します行政改革の線につながるその問題を、また行政監理委員会にも提案して、さらに大所高所からのアドバイスを聞きながら善処していく、そういうふうな運営のしかたが望ましい意味において行政監理委員会もできていると思うのですけれども、時日がまだ浅いのと、専属のスタッフがございませんために、なかなか言うことはやすく、実際は困難な状況がいろいろあるのじゃないか、こう想像しております。
#30
○山本伊三郎君 その点はもう同情したいと思います。私も行管の内部をよく知っておりますから、いまのスタッフで私の言うようなことをやれと言っても、それはとうてい不可能でしょう。不可能だから、それは行政管理庁だけの問題でなくして、各省庁自体がこれに取り組んでいく心がまえがなければならないと思うのです。冒頭に荒木大臣も言われましたが、セクショナリズムと言われましたが、これと逆行するような省庁もありますから、簡素化に対しては。したがって、これはやはり行政管理庁だけでなくして、各省庁、政府、内閣自体が力を合わしてやらなければ、私は行政の簡素化はできないと思うのです。
 こういう一般論を言うておったら時間がかかりますから、具体的に聞きますが、もうその点は、行政管理庁の実態は了解いたしましたが、この点については私はもっと積極的に、専門的に追及をしていただきたいと思うのです。でなければ、幾ら行政の簡素化、能率化ということを言われましても、私はそれは言うだけであって、決して実現しない、実現に成功しない、かように思っております。
 そこで、次に、行政簡素化の問題の第二点として、人事管理の問題と人件費の問題について聞きたいと思うのですがね。行政簡素化のこの一つの案として出された総定員法を見ましても、やはりこの一つの国民へのサービスということは、税金を使っておるから、できるだけ人件費を節約しようという趣旨といいますか、そういうものが入っていると思いますが、その点どうなのですか。
#31
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。ただいまのお話のとおり、人件費の節約という意味が入っております。
#32
○山本伊三郎君 それではね、これはまあ人事院に聞きたいのですが、現在まあ職階法自体はできておらないけれども、いまの職務給というものは職階給に準じたものだと思いますがね。この行政事務の簡素化、能率というものに関連して、職階制というものについてどう基本的に考えられておるか。いまの職務給、職階制に準じた職務給は、その事務の責任と複雑性によってあれだけの八等級に分けておると思いますが、職階というもの、能率というものについての関連性について研究されたことがあるかどうか。
#33
○政府委員(佐藤達夫君) 職階制は基本法律がございます。そしてその法律に基づいて、かつて職階の分類を報告申し上げたこともあるのでありますけれども、これはあまりにも複雑、膨大であるということで、とうとうたな上げになって、その後ブランクの状態であります。そこで私どもとしてはせっかく新しい形の職階制を考えておりますけれども、それはそれといたしまして、いまのお話にありますように、この職階ができるまでは、職階の法律に規定いたしておりますように、現在の給与法の六条による職務の分類が大体職階とみなされるということでございますので、職階の一応の色彩というものは、給与法その他に出てきておることは事実であります。そこでそれが職務給ということばにつながってまいると思いますけれども、ところがこの職階制といい、職務給といい、これは人事院が積極的に行政組織あるいは人員の配置、あるいは官職の新設ということをたくらむというようなものではありませんので、さようなことは職階制法の第一条で厳に禁止されており、あくまでも人事院は受け身の立場で、侵略がましいことはするなという規定が法律で明らかになっておりますので、その意味で、私どもは行政組織のありのまま立場をとらえて、こういう職務にはどういう官職がいいかということを出してやっておるのでありまして、こういう意味ではきわめて受け身であって、直接行政簡素化にはつながりはないと申し上げたほうが正確だろうと思います。
#34
○山本伊三郎君 基本的に私はそこに問題があると思うのですね。人事院が受け身で、そういう給与の問題だけをとらまえて、職階に準じた、行政機構に準じたものを考えてやるという、そこに私は事務の能率に非常な影響を来たしておると思うのですね。いま行政機構と、それから職務給というものはがっちり一致しておらない。四等級になれば、あれは係長ですか課長補佐ですか−係長、三等級が課長補佐、そういうことになっておると思いますがね。指定職から数えると九段階の職務給があるわけですね。それがいまの行政機構と一致しておりますか。これは行政管理庁でもいいし、人事院は受け身ですから人事院はともかくとして、行政管理庁では、行政機構を担当するほうではどう思っておりますか。
#35
○政府委員(河合三良君) 行政組織の面からそれぞれの職を法律、政令、あるいは各省大臣の所管においてきめておりますが、そのそれぞれの職に関しまして人事院におかれまして、その責任と権限から給与を決定していただけるというふうに理解をしております。
#36
○山本伊三郎君 理解ではなしに、その職階制に準じたいまの職務給と、いまの行政組織と一致しておるという見方をしておるのかどうか。
#37
○政府委員(尾崎朝夷君) 現在の給与法は八等級制でございますけれども、本省で申し上げますと、課長以上、次官、長官及び局長につきましては指定職甲、乙が適用されております。それからそれ以下につきましては、行政職の普通の事務官、技官につきましては行政職(一)表が適用されまして、局次長及び部長につきましては一等級、課長につきましては二等級、三等級は総括的な課長補佐、四等級は普通の課長補佐、五等級が係長、六等級は上級の係員、七等級が中級の係員、八等級は初級の係員という形になっております。
#38
○山本伊三郎君 ぼくは、それは人事院としてそうなっておるということを言われますが、それが行政組織とマッチしておるかどうか。
#39
○政府委員(佐藤達夫君) 私なりにお尋ねの趣旨を分析をさしていただきますと、行政組織からすぐくるのは、局長、課長、課長補佐、係長というように、そういう職を置いて組織をつくることがはたして能率的かどうか、いいことか悪いことか、課長補佐を抜きにして、課長からすぐ係長に飛ばすほうがいいのじゃないかというようなことが、組織法上の能率の面からの批判だろうと思います。ところが、われわれとしては、先ほど申しましたように、そういうような批判はしない。組織法上課長、課長補佐、係長といういまのような制度ができておれば、それぞれ課長の職務、課長補佐の職務、係長の職務を分析評価いたしまして、そして給与法上、あるいは公務員法にうたわれている、それぞれの「職務と責任に存じて」ということがはっきり書いてありますが、われわれは、その職務、責任を分析評価して、それを受け入れて給与体制をつくり上げる。そういう意味で非常に間接な関係にあるというふうに御説明できるかと思います。
#40
○山本伊三郎君 人事院としてはそれ以上言えないと思いますが、それはそのとおりだと思うのですが、それがマッチしていないというのは、それが行政簡素化、能率化にどういう支障があり、それがどういうぐあいに考えなくちゃいかぬかと、簡素化しなければいかぬかというものに一つも通じていないので、私は答弁を納得しないのですがね。現在の行政組織と職務給というものが――職階給といいますけれども、それが非常に行政能率に私は大きく影響していると思う。したがって、もっと言いかえれば、そういう行政組織が前提となる限りは、いかに有能な、いかに国民に対して重要な行政事務でも、その行政組織の職階給によって制約されておるという、この点を私は追及しておるわけなんですね。
 たとえば本省関係はあまりその問題出ないかしれませんが、出先の支分部局に行きますと、そういうものによって事務が非常に渋滞をしておる。そういう行政組織というものがあるから職務給ができておる。職階給ができておる。これを根本的に考え直す必要があるのじゃないかというのが私の最後の論点なんですが、その点について、これは人事院であるか行政管理庁であるか、あるいは総理府であるか、これは私は管轄は十分知らないのですがね。そういうものをやはり考えなければ、行政の簡素化、能率化というものは考えられないと、いまの現在の定着といいますかね、それが一つの老化した組織になっているのですね。これを考えずして、行政の簡素化とか能率化というものをやり得るかどうかということを私は結論的に聞きたい。それでもできると言われるなら、この総定員法自体に私はまた文句が出てくるわけなんですね。総定員法というのは、そういうものを全然無視して、最高の人数だけきめておるというだけなんですね。それだけで行政の簡素化ができるということに私は理解できないので、いまはなかなかできないけれども、検討してどうしたらいいかということを研究されているかどうか。職階法ができないという一つの議論もそこにあるわけです。実際は早くつくらなくちゃいけないわけなんですね。それについてどう言われるか。まあ、政府の代表者と言っても、大臣、荒木さん一人だからね、あなたに求めるしかしかたないんだが、どうですかね、その点。
#41
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと私に対する出題としてはむずかし過ぎまして、御満足のいく答弁ができようとは思いません。ただ、私は先日ちょっと脱線ぎみのことを申し上げましたが、いま人事院総裁からのお話にも示唆を受けますが、この局長とか部長とか課長とかを設けるのは、各省庁の設置法の法律事項として決定されるといういまのやり方が温存されていくことを前提に、総定員法というものは組まれていることは申すまでもございません。そこで先日申し上げましたのは、この前、一体自然科学と社会科学を厳密にきちんと区分し得るかどうか、私も疑問ですけれども、少なくとも法治国日本において、国会で法律予算というものを通じて国政を監督していただくという制度かと思います、そういう意味で、あらゆる行政が法令に根拠を持たずして行政サービスにつながることはあり得ない。その点から申しますと、局長、課長、係長があることの是非は、それ自身論議があるとは思いますけれども、一つの有機体として、ピラミッド型に最高の責任者がおって、その省庁のよかれあしかれ責任は全部そのピラミッドの頂点の者が責任を負う。その下に次官があり局長がおり技監がおり、課長がおるならば、もし間違いがあったならば、それぞれの段階において責任を負うというような意味合いにおいて、法令の適用を誤らないという意味で、それぞれの責任者の責任観念というものは抽象的には集中されると思うのでございます。そういうことから申しますと、自然科学の専門家が、そういう法令の適用を誤らないという責任を、国民に対して国会を通じて負うといのうには、一般的にいえば不適切だと私は理解します。その理解に批判はあり得るとは思いますけれども、一応そう思います。
 ただ、具体的な問題としては、自然科学から入って、これは社会科学の法令の研究をもして、、両方を兼ね備える能力を持ち得る例外的な人物はいると思います。逆の場合もあり得ると思います。ですけれども、専門的な科学技術のベテランは、係長、課長、局長などという職に伴う給与の考えじゃなしに、そういう余人をもってかえられない専門職というものは、心身ともに健全である限りはいつまでもいて、行政サービスを、自然科学の合理的な根拠に立って誤りなきを期せしめたための存在として貴重であると思われます。そういうものについては、職種による給与体系以外の給与体系があって、戦前の例をとりまするならば、事務次官よりはもっと上の給与も最高給としては与え得るというがごとき特別の考慮があってしかるべきじゃなかろうか。そういうふうなことがあわせて行なわれますれば、それぞれ多数人が集まって、責任を持って行政サービスに誤りなきを期するという必要上の職種と、それを実体的に裏づけをする、科学技術の進展してやまざる内外の大勢に応ずる意味においても、そういう実質上の補佐をする有能な人が温存できるような考え方、それを両方をあわせ考えることによって――これ御質問に答えているかどうか知りませんけれども、あるいは御質問の趣旨にも答え得るんじゃなかろうか。はなはだ乏しい常識をひけらかしまして申しわけございませんけれども、一応その辺で……。
#42
○山崎昇君 関連。人事院総裁にひとつお聞きをしておきたいんですがね、いま山本さんから行政組織とそれから給与の関係、いまお聞きになったわけですが、私からひとつ聞きたいと思いますのは、人事院は行政組織についてはタッチいたしておりません、きわめて受け身であります、したがって、いまの給与の体系についても、それを受けて給与面からだけ検討しておりますと、こういうお話でありますね。そこで私はどうしても疑問にひとつ思いますのは、級別定数との関係をひとつお聞きをしておきたいと思います。
 これは行政組織と、それから職務給と級別定数というのは、どういう関係に理解をしたらいいのか。もしも給与面から級別定数が必要できめておるとするならば、それはそれなりで存在理由だと思うんですが、ところが現実は、この給与法からくる級別定数で組織上の問題が制約をされてきておるのではないか。こうなってくるとですね、あなたは受け身だと言うけれども、実際は級別定数によって給与以上のものが規制をされておる、こういう私はいま関係にあると思うんですね。したがって、先般も公務員給与の議論の際に、この級別定数については撤廃すべきではないか、再検討すべきではないかということをあなたにお聞きをしたんですが、その際人事院は、検討さしてもらいたいということになっておるんです、これはね。そこで、あらためていま給与の問題が出ましたから、関連してお聞きをしておきたいのだが、この級別定数というのは一体何なのか。ある意味でいうと、人事院は受け身だというけれども、級別定数を通じて組織そのものに入っていっているのではないか。そうすれば受け身ということにはならないのではないか、こう思うのですが、見解を聞いておきたいと思います。
#43
○政府委員(佐藤達夫君) あらかじめはっきりしておく必要があると思いますが、行政組織についてはおよそ受け身だというふうに、非常に大まかな表現をとりましたけれども、行政組織にも、たとえば公務員法にきめてある行政組織もあるわけでございます。たとえば人事院の組織というもの、権限というものはありますから、そういう点については決して受け身どころじゃないということは留保した上で、その他の行政組織については、いまあげました条文等に示されておるように受け身でございますと、こういうことを申し上げた趣旨でございます。
 そこで、いまのお尋ねの、たとえば定員法というものとの関係が、いまの級別定数というようなものにどういうふうに響くかという関連は、当然これはあるわけでございます。いままででも予算の削減等によってしわ寄せができて、そうして級別定数が変更されざるを得ないという場面があるわけでございます。それはもうおっしゃるとおりであります。ただし、この級別定数につきましても、この給与法の中で、「人事院は、国家行政組織に関する法令の趣旨に従い、及び第六条第三項の規定に基く分類の基準に適合するように、且つ、予算の範囲内で、職務の等級の定数を設定し、又は改訂することができる。」という意味で、根本的にはやはりこの給与法第八条の示しますように、行政組織からの一種の受け身の作業であるということは明らかだと、ただし、受け身でありましてもですね、級別定数というのは、人事院のある程度合理的な裁量によってこれをどういうふうに減らすならどこを減らすかという問題があるわけであります。これは過去においてもいろいろ例がありまして、御承知だろうと思いますけれども、たとえば欠員不補充という原則から定数が減ってきたという場合においては、欠員不補充というのは、おそらく新規採用を押えることということが主眼であろうということから、七等級、八等級の辺のところの定数を削って形をそろえておるというような考慮は、これは常々いたしておるわけでございます。
#44
○山本伊三郎君 それじゃ、荒木大臣言われましたがね。それはまあちょっと問題に答えてない。これは先日も申しましたように、実は前に私の質問の要旨を伝えておけば、まあ一応合致するのですが、それやってないから私は大目に見て、それはやむを得ないと思っております。いま言われました問題について、私は大臣とも見解をひとつ披歴をし、聞いておきたいのですがね。いま言われたように、その責任は上のほうの、たとえば農林省であれば農林大臣が農林行政のすべての責任までまあ持つのだと、それをおのおの行政組織に従って、各局長あるいは各部長、課長が所管する事務の責任をそれは持たすのだ、一身に持つのだ、こう言われるのですが、そういう考え方はもう打破すべき時期にきておるのじゃないかと私は思うのですがね。これはなかなかそう一挙にいきませんが、行政事務は、その事務を扱っておる、たとえば窓口の人でもいいし、また直接国民にその事務で接触する人自身が、その事務については全責任を持つのだというこの考え方を徹底させなきゃ、私は行政事務の簡素化は、能率は上がらないと思うのですね。遺憾ながら、いまの日本の行政事務の実態を見ると、いま荒木大臣言われたような組織になっておるのです。組織になっておることは事実です。認めます。それがいかにこの日本の行政事務が国民にマッチしておらないかということの大きい原因だと思うのですね。したがって、昔であれば別として、今日、相当教育を受けた人がみな公務員としてなってくるのですからね。その責任感というものを持ち得るような組織にしなければ、私は行政の能率も確保もできないと、私はそう考えておる。もしそういう考え方でいくと、どうしても、ああこれはまあ課長があとはしりをふいてくれるのだと、係長があとにおるのだ、こういう依頼心を私は持たせること自体、それをやっておる人に対する、仕事に対する熱意もなければ、そのいわゆる自分の生活を通してやっておる事務ですから、その生活の潤いもない。そこに私は行政事務の一番問題点があると私は常々思っておるのですね。はしなくも大臣がそう言われたから、考え方について、私の言うことが間違っておるかどうか。いまのような国家行政組織の実態から見ると、そういう気持ちになれないのですよ。そういう点についてやはり根本的な考え方というものを政府自体が考え直さなけりゃいかぬと思うのですがね。その点どうですか。私の言うことわかりますか。
#45
○国務大臣(荒木萬壽夫君) おっしゃる意味はそれなりに意味があると思います。けれども、これまあ習慣だからやむを得ぬというその考えがいかぬのだというおしかりがある前提でのお話と思うのですけれども、少なくとも多数の入間がそこにおって行政サービスをやる。一人一人が無意味に存在しているのじゃないから、大中小となく、守備範囲が一人一人固定した責任分野があると思います。その自分の責任分野においては全責任を持って、上役からかれこれ言われる余地のないような、一〇〇%の責任感のもとに行政サービスにタッチする。それがもし誤った場合があるとすれば、その上級に位するその係長であれ課長であれ、自分の部下に、自分の生活体験、キャリアを通じて、十分監督指導の立場にある者の監督指導の欠陥のゆえでないかを反省する。それがそういうことに関連をする限りは、その上役も責任を分担する、しかられねばならない人間として責任を分担するというふうな仕組みでやることも、また多年やってきたから、それなりにいいんだと無批判に言おうとは思いませんけれども、多数人で行政目的を通じて国民の期待にこたえるためには、やはりそこに組織があり、それぞれの段階を経て、責任者を置いて動かしたほうが適切じゃなかろうかと。どうも先入主が先に立っておるというおしかりは受けるか知りませんが、山本さんの御意見は御意見として、わからぬじゃございませんけれども、現実問題としてはそういうやり方――そこにもし運用上の欠陥、責任分担の欠陥があるならば、それを是正するというやり方でやっていけば、御懸念の点にこたえ得るんじゃなかろうかと、こういうふうにいまは少なくとも思います。
#46
○山本伊三郎君 現在の組織にこだわっておられると思いますがね。民間の企業とは根本的に行政事務違うと言ったのは、そこに関連性持ってくるんですがね。民間の事務と同じように考えることは、これは、もう問題ありますが、いま、なんでしょう、民間では、自分のやってる仕事についてはもう全責任を持つという考え方で運用されてますね。そこに私は一つの進歩があると思うんですよ。で、いま言われたように、上役上役と言われますが、上役は必ずしも私は能力者ばっかりが上役だとは見ておらない。なるほど課長にするとか、あるいはまた局長にする場合は、多年の年功がある人がなっておりますけれども、末端にいくとそうではない。したがって、わずかな人数で、係長、課長補佐あるいは課長というようなものを置いて、そういう責任は上のほうでしりをぬぐうんだという考え方でやっていくと、一歩も進歩しませんよ。しない。しかしそれは拘束されて……。私はもう十年以上こういう問題をいろいろ論議してきましたがね、依然として行政の簡素化なり能率化言われても進んでおらない、ほんとですよ。末端いけば、支分部局を見てみなさい。それはどういうことかというと、そういう行政組織に拘束されておるということが非常に大きい原因になっておるんですね。こういう点は、まあ庁省をしなけりゃ反省をしなくてもいいし、私もいつまでもこればっかりやっとったらいきませんからやりませんけれども、もしそういう考え方でおられるなら、ぼくは行政事務というものは簡素化、能率化というのは前進はしないと。それと同時に、そういう末端というと悪うございますけれども、担当者の仕事の興味というものが非常に薄らいでいる。自分が責任持って、これを国民に奉仕してこうやるんだということのその熱意というのは、どこからわいてくるかという、人間心理学からもこれは検討しなきゃいかぬと思うんですね。そういう私は清いところから行政の簡素化というものを考えていくのがもういまの時代である。もう時代は変わっておりますよ。
 この旧憲法のときから受けた官制というものは、新憲法――現憲法でだいぶ民主化されておるけれども、国家行政組織というものはあまり変わっておらない。係長、課長補佐、課長あるいは部長、局長という階級というものはほとんど変わっておらない。依然としてそれが必要だという理由が、私はわからないですね。その点をもう少し反省をしてもらいたいと思う。答弁要りません。あなた言ったっていつでもそういうことを言っとるから、進みませんから、私のほうからこの問題については少しは譲って、審議を進めます。
 次に、人件費等の問題ですね。非常に新聞の論説を見ましても、公務員の給与引き上げるときには、いわゆる人件費が非常に多くなるということを言われておりますが、これは大蔵省に聞きましょう。いま国家公務員の各省別というのはとっておられるかどうか知りませんが、事業費、行政費に対する人件費の割合はどうなっていますか。
#47
○説明員(相原三郎君) 四十四年度でございますと、四十四年度の歳出規模は六兆七千三百九十五億円でありますが、この人件費は一兆二千七百二十七億、比率は一八・九%でございます。
#48
○山本伊三郎君 これは一般職のいわゆるなんですか、総平均ですか。自衛官も、それからその他の特別職もふくめたやつですか。
#49
○説明員(相原三郎君) 含んでおります。
#50
○山本伊三郎君 そうすれば一番特異性のある――各省別に出ていますか。
#51
○説明員(相原三郎君) 各省別ございます。ただ、各省別の場合には、事業費との対比の数字がございませんが、給与費自体は各省別にございます。
#52
○山本伊三郎君 人件費の数字だけではいかぬ。たとえば農林省では、農林省の行政費が全部で幾ら、それに対して人件費は幾らというのは出ていませんか。
#53
○説明員(相原三郎君) いまお話がありました行政費は、あとから調べて提出するということではいかがでございましょうか。
#54
○山本伊三郎君 荒木大臣ね、行政管理庁もそういうこと調べられておるかどうか知りませんがね、そういうものが基本的な資料、データになるのですよ。これは平均が一八・九%ですが、私も数字は実は時間がないので出しておりませんが、自衛官の場合は、人件費のウエートはうんと高いと思う。警察も私はそうだと思う。そういうものを見て、どこに人件費が多くかかるかという、科学的ということばは使っていいかどうか知りませんがね、そういうものも基礎的な資料を持っておらなければ、行政の簡素化、能率化ということは、これは言うこと自体私はどうかと思うのですがね。人事院はこれ持っていますか。
#55
○政府委員(佐藤達夫君) これはわがほうは主管ではございませんから、精密な調べはしておりませんけれども、私ども給与勧告の仕事に関連してそれを非常に実は気にしているわけです。すなわち、一般の行政費とこの人件費との割合は、人件費が割合がだんだんだんだんふえていくというなら、これはまた心配しなければならぬことがあるけれども、どうもむしろ減りぎみではないかというような意味で、非常に気にしているということだけを御紹介申し上げます。
#56
○山本伊三郎君 どうもこの問題を聞くためにそれがわからなければ……。それじゃあまあ一般的なやつに入りますがね。午後の劈頭にこれは出せますか。
#57
○説明員(相原三郎君) 集計して出します。
#58
○山本伊三郎君 この一八・九%というのは、三十九年の予算委員会でしたか、まだ池田内閣のときだと思いますがね、三十九年の通常国会で聞いたときには、そのときには大蔵大臣は田中角榮さんだと記憶しておるのですがね、そのときが二三%だと言われたのですがね。そうすると平均的に見ると、人件費のウエートは一八・九%というふうにいま言われたが、だいぶ下がっておるという認識でいいのですか。――大蔵省、答弁できるところはどこでもいいですよ。
#59
○説明員(相原三郎君) 当初ベースでお答えいたしますと、三十五、六年当時は約二二%程度でございます。それがだんだん減ってまいりまして、四十一年にちょうど二〇%になっております。で、先ほどお話ししましたように、四十四年は一八・九%という数字でございます。
#60
○山本伊三郎君 これは減った原因は、どういうところにあると調べられておりますか。
#61
○説明員(相原三郎君) やはり歳出規模の増加の伸びが大きかったということではないかと思います。
#62
○山本伊三郎君 この問題は、それでは昼からにしましょうか、データをもらって……。
 歳出が多くなったから人件費の上昇もあったけれども、人件費の割合は結局落ちてきた、こういう説明だと思うのですよ。私は各省必ずしもそうでないと見ておるのですね。総体的にはそうだと思いますが、そうでないところもあると見ておる。たとえば建設省関係は社会資本の増高ということで非常に事業量がふえてまいりました。それがために支出が多くなった。しかし、そうでない省も相当あるのです。したがって、一がいに全部がこう落ちたからどうこうという判断はできない。行政機構の、行政の能率化ということになれば、そういう点、どの省のどこがどうなっておるかということをしさいに検討した数字を持たなければ、総定員法で人員を五%三年間で減らしたらどうかということは、そう簡単なものではないと私は思うのですがね。この点については、荒木大臣、あなたが言うと常識的な答弁にいつもなるのですが、行政管理庁のどなたか専門家の方、どう思っておられますか、その点。
#63
○政府委員(河合三良君) 行政管理庁において、各省庁の事務の内容にわたりまして合理化、能率化の点がどこにあるかということを、これは監察を通じてはいたしておりますが、各省庁おしなべてということではいたしてございません。ただ今回、先ほど申しました許認可、報告類の整理、あるいはそれに続きまして申し上げました事務の整理につきましては、各省庁の御判断によりまして、こういう点が合理化できるという点を各省庁で御判断いただきまして、それを実施に移している次第でございます。
#64
○山本伊三郎君 どうもこれは進まないですがね。どうなんですか。総定員法をつくったということは、これはあとで同僚の議員がお尋ねになるから、その分野には入りませんが、人件費を相当節約する、行政能率をあげるためだ、簡素化もありますけれども、やはりそこにも一つの重点があるという私は見方をしていま質問をしておるのです。そうでなければ、別に何も減らさぬでも、全般的にやはり比率が落ちておるのだから、別に五%削減せぬでもいいじゃないかという、またそういう議論も出てくるのですね。そういうねらいを持ちながら、私がいま尋ねておるようなことも調査されておらないとすれば、この法律案自体はめくらめっぽうに出したものであって、これぐらい出しておけば、行政簡素化ということを国民に訴えられるのじゃないかということを言われておるのかどうか。
 きのうの日経の夕刊で、荒木大臣と和田さん――日経の記者の方ですか、日経の方との対話を逐一読ましていただきましたが、もっともらしい荒木大臣のことばが載っておりましたがね。ところが、そういう基本的な問題のデータを持たずにやるというのでは、私はちょっと基本がはずれているのじゃないかと思います。やはり何でしょう、五%削減ということは、簡単に言えば、人が多いから、それの削減によって人件費といいますか、行政費を少しは節約しようという趣旨が、この法律案の趣旨でもないかと思うのですが、そうではないのですか、今度は逆に聞きますけれどもね。
#65
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 通称総定員法を御審議願うに至りました出発点、基本的な考え方については、冒頭に抽象的に申し上げたように思いますから繰り返しません。要は、減るところとふえるところとがあるのは、これはだれが見ても当然の事柄だと思うのでございますが、ふえることは容易でありましても、減ることは非常に困難、不可能に近いというのがもう百年近い実情でございます。それは法理論そのものじゃ解き得ないことも白状申し上げましたが、セクショナリズム、悪弊を一挙に除くことは事実上困難、不可能に近いという前提に立って考えます場合に、行政需要の消長に応じて、ふやすべきところはふやし、減ってよろしいところは減らすということを通じて、さっきも御質問がありましたように、国民の税金を少なく使って、行政サービスの質は低下させないという目的に応ずることが基本的な課題だと思うのでございまして、したがって、いままでそういう制度がございませんために、ふえるものはもうふえる一方で、行管自体としてもどうにもならない、事実上。理論的には別でございますが、そういうことでありましたために、御質問のようなしさいな基本的な資料を準備しないできていることをおわびしなければなりませんが、今後行政管理庁はもちろんのこと、大蔵省は従来の予算の査定という、金額的な点を主眼としながらではありますが、緩急軽重を一応判断する立場ではあったと思います。今後は行政管理庁が、年度予算を大蔵省で査定します場合に、定員の点について、この総定員法に基づいた総合的な意見調整をしながら、大蔵省と協力して、予算定員で御審議願うことの裏づけを、御質問のようなことも含めまして、お答えできるような使命が新たに加わるものと存ずるのでございます。これは同時に、内閣の人事局、総務長官の立場においても同じ新たな課題が課せられる。人事院は直接法ではないにいたしましても、総定員法の存在を念頭に置いての人事院としての新たな御見解もあり得ようかと思うわけであります。これは想像するわけですが、政府全体として、人事院にも御協力願いながら、万遺憾なきを期していかねばならぬ、そういう課題と取っ組むことになる、かように自問自答しておるわけでございます。
#66
○山本伊三郎君 それじゃ、この問題については昼から大蔵省のほうからそういうものを出していただいた上で、さらにひとつまた進めていきたいと思います。
 そこで、大蔵省に聞きますが、これはいわゆる人件費――予算の関係ですから、行管では無理だと思うんですが、まあ一八・九%、これは自衛官、特別職全部入れた平均が一八・九%――それは予算面で計算されたと思うのですが、そんな雑なものではないんだと思うが、しからば一八・九%としておきましょう。それが一般民間企業の人件費と事業費との割合から見て、高いのですか、低いのですか。
#67
○説明員(相原三郎君) 民間企業、重工業もサービス産業もあるということで、これは人件費の割合は千差万別だと思います。したがって、どこと比べてどうだということは非常にむずかしいので、いまの先生の御質問には正しいお答えはしかねます。
#68
○山本伊三郎君 それでは具体的に聞きますが、あなたのほうから、「大蔵省の法人企業統計年報」というのを出されておりますね。それによる分類で、たとえば化学工業、パルプ・製紙、製鉄業、金属工業、機械工業、電気機械工業、繊維工業、卸し業、運輸通信業、水産業、サービス業、この十一ありますが、これは大きく分けたのですから、もっとこまかく分けたら問題はありますが、この十一の産業別をとってみて、どうなりますか。
#69
○説明員(相原三郎君) ただいま手元に資料を持ちませんものですから、取り寄せましてまたお答えいたします。
#70
○山本伊三郎君 それは昼からあなた責任でそれを出せますか。出して、それから答弁できますか。
#71
○説明員(相原三郎君) 資料を取り寄せましてお答えしたいと思います。
#72
○山本伊三郎君 あなたに聞くのはちょっと無理かと思いますが、大蔵省に私は一昨年の予算のときにもこれを要求したけれども、なかなか出なかったのです。そこで、これは私が四十年度の「法人企業統計年報」、あなたのほうからいただいて、専門家に計算をしてもらったんですが、四十年度、これは古いんですが、少なくとも四十二年度の決算ができておるから、四十二年度でやれといって、あなたも帰って昼から、ちょっとそれはできませんと言われるかどうか知りませんが、それではさっそくやってください。
 そこで、こういう基礎的なデータを持たずに、これは荒木行政管理庁長官ね、こういうものを出されたところに、政府の責任のあまり感じていない、ただ、漠とした、臨調の答申と申しますか、臨調も何もはっきりこういう答申はしておりませんよ。総定員法をつくれというようなことは言っておりませんよ。いませんが、そういうことで出されたことについて、私は質問をするたびに悲観するんですね。
 私は、もうよほどそういうものの検討の上にこれは出されたものだと思っておるのです。私も内閣委員会をだいぶ離れておりまして、この前出されて二回目、三回目にこの法案を出されたということも聞いておるのですが、初めて私この質問をするわけなんですが、きようで三日目になりますか、聞いておりますが、進めば進むほど私は非常に疑問を持つのですね。そういうものを出されて、私はこの簡素化は、前提に言いましたように、簡素化、能率化というのは、これは私は賛成なんですよ。これはどうしてもやらなければならないけれども、一般の公務員の立場に立って十分検討した後にやるべきだというのが私の主張なんですね。それが質問に入っていけばいくほど、政府の態度、姿勢というものに対して疑問を持ってきているわけなんです。これでは、ほかのやつに進むと、順序がありますから、それでは昼からこの問題をやるということにして……。
#73
○岩間正男君 関連。いまの大まかな説明ですけれども、とにかく人件費の行政費に対する割合というのは、年々逓減しているわけですね。そういうことになりますと、ここ二、三年来政府のとってきた財政硬直化というものは、少なくともこれは人件費の面からは起こっていないというようなことになるのじゃないかと思うのです。ところが宣伝では盛んに、公務員の給与というのもが財政硬直化の大きな原因だということが主張されてきたわけですが、これはしかし、はっきりいまの数字が示しておる。午後から詳細な資料をもらえばなお明確になるのじゃないかと思うのです。そうすると、これはどういうことになるのですか。いままでの政府の宣伝はから宣伝だということになる。財政硬直化は少なくともこのところからは起こっていないということになるのじゃないですか、この点についてお答えできるのは国務大臣としての荒木行政管理庁長官しかないと思う。これはどうなんですか。これは一応大蔵当局からも出て、あとで大蔵大臣も出て当然答弁する責任があると思うのですが、山本さんからこういうこともひとつ追及してもらいたいと思うのです。私は関連だから――あなたの見解も承っておきたい。どうもけしからぬという感じがする。そうでしょう。二二%からもう一八・九%ですね。三十五年、この九年間にはものすごい逓減なんです。少なくともここのところをいままで理由にして、そうしてこの前のとにかく昨年の総合予算主義などというものは、全く財政硬直化というお守り看板で出されてきておるわけです。まるで違うじゃないですか。これはどういうことでしょうか。
#74
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 岩間さんの御質問及び山本さんの御質問、大蔵省から正確に答弁をもらうより手がございませんけれども、ただ、行政費と人件費との相関関係における比率、これはそれだけでは判断できないというのは、山本さん御自身も御指摘になっておる。私もそう思います。そこで、人件費だけをいままで予算上どうであったかを私のほうで調べた数字をいまちょっと発買いたしましたが、最近五年間平均一五%増ということになっておるようであります。人事院の勧告もございましょうが、それ以外にも増員、増員という要素があるいは作用しておるのじゃなかろうか。減るべきものがあるであろうにもかかわらず、そのことには手を染めないことに基づくのじゃなかろうかと一応想像いたします。正確に数字的なことは、午後の大蔵省からの御答弁に譲らしていただきますが、予算だけを申し上げますと、そういうことでございます。
#75
○岩間正男君 いまの答弁では答弁になりませんよ。国家の予算をやっていくものは相対的なものでしょう。全体の割合、パーセンテージでこれはやっていく。全体の人件費の絶対値が一五%ふえたとか何とかいうことは、問題にならないわけです。そんなことは議論の対象になりません。私の言っておるのは、国家の予算の性格から、問題をあくまで明らかにしなければならない。まあ、このくらいにしましょう。準備してきてください。
#76
○山本伊三郎君 そういうことで、大蔵省から一ぺんその資料を昼からの冒頭に出してください。それが済めば大体私の基本的な問題はそれで一応終わりますが、出た結果によって、また発展しますから……。
 委員長にお願いしますが、まだ半まで十分ほどあるのですが、昼からにしていいですか、どうか。
#77
○委員長(八田一朗君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたしまして、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十二分開会
#78
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 行政機関の職員の定員に関する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#79
○山本伊三郎君 午前中の懸案の答弁を大蔵省からお願いします。
#80
○説明員(相原三郎君) 御質問がありました第一点は、給与費を所管別に見たら、歳出予算に対して、どういうパーセンテージになるかという御質問でございました。午前中お答えしましたように、全体を合計しますと一八・九%でございますが、これを所管別に申し上げますと、国会が五九・〇%、裁判所八〇・四%、会計検査院八五・二%、内閣四四。九、総理府二五・一、法務省七四・七、外務省三二・一、大蔵省一三・二、文部省六八・七、厚生省一三・〇、農林省九・〇、通商産業省一九・七、運輸省二四・五、郵政省七一・〇、労働省二〇・三、建設省三・八、自治省〇・一、合計しまして一八・九%でございます。
#81
○山本伊三郎君 宮内庁は。
#82
○説明員(相原三郎君) 総理府に、宮内庁とか、そういうところは全部入っております。
#83
○山本伊三郎君 総理府に自衛官も宮内庁も全部入っている。自衛官だけのやつはどうなっていますか。
#84
○説明員(相原三郎君) 総理府の内訳を目下計算中でございますから、もう少しお待ちください。
#85
○山本伊三郎君 もうすぐできますか。
#86
○説明員(相原三郎君) もうしばらくお待ちいただければできます。
 それから、先ほどお尋ねになりました法人企業統計でございますが、それは資料がございませんので、わがほうでとりあえず計算した数字でございますが、法人企業統計から総経費を抽出しまして人件費を割った数字でございます。これで見ますと、全産業で九・八%、全産業大別しまして製造業と卸、小売り業に分けますと、製造業が一三・三、それから卸、小売りが四・〇、そういう数字でございます。
#87
○山本伊三郎君 これだけですか。
#88
○説明員(相原三郎君) さらに業種別のはございますが、全部申し上げますか。――それでは業種別に申し上げますと、製造業の内訳でございますが、農林業九・〇、漁業一五・九、鉱業、マイニングですが、二・六、石炭が二八・〇、建設業一五・六、食料品製造業九・一、繊維工業一一・八、紙パルプ一二・三、化学工業一一・三、それから窯業、土石製品一六・五――、セメント等でございます。鉄鋼一三・一、非鉄金属九・五、金属製品一七・九、機械一七五、電気機器一五・八、輸送機器一二・二、船舶製造一五・八、その他製造業が一四・五、あとの卸とか運輸とかは申し上げますか。
#89
○山本伊三郎君 卸売り業は。
#90
○説明員(相原三郎君) 卸売りが二・九、小売り業一〇・一、不動産業一二・九、運輸通信業三七・四、水運業一四・一、電気業一五・九、ガスが一三・九、サービス業二二・八、以上でございます。
#91
○山本伊三郎君 これは何年度。
#92
○説明員(相原三郎君) 四十二年度でございます。
#93
○山本伊三郎君 この計算の方法はどういう方法でとってみたの。
#94
○説明員(相原三郎君) これは役員給与手当と従業員給与手当と福利費を足しましてそれを分子とし、売り上げ原価、販売費、一般管理費支払い利息、割引料その他営業外費用を加えたものを分母にしております。いずれも四十二年度の法人企業統計をもとにした数字でございます。
#95
○山本伊三郎君 とり方に問題があるのだね。法人企業統計の役員給与手当と従業員給与手当、福利費、これも入れているのですね。
#96
○説明員(相原三郎君) 入れております。
#97
○山本伊三郎君 それから分母になるやつは、原材料費、減価償却費、修繕費、動産不動産賃借料、租税公課、特別減価償却費、固定資産振りかえ費、これらは全部入っているのですか。
#98
○説明員(相原三郎君) 売り上げ原価全部入れておりますから、いまの項目は全部入っております。
#99
○山本伊三郎君 大体は似ているのですがね、はなはだしく違うのは卸業なんだがね。それが四十年度の調べでは卸売り業が五三・九%になっておるが、あなたのほうでは二・九%、そういう数字は出てこないと思うのだがな。それから運輸通信業が四十年度は五六・一%が三七・四%ということだが、そのほかは大体漸減方向に向いていることからわかるのだが、それらははなはだしく違うのだが、それはどういうことになるのかな。とり方の問題だがね。
#100
○説明員(相原三郎君) とりあえず計算したものでございますから、なお御疑問がおありでしたら、さらに精査して御報告申し上げます。
#101
○山本伊三郎君 そこで、まあ本題に入りますがね、さきに言われましたこの行政総額と各省庁ですね、各省庁の人件費の差をいま言われましたがね、この人件費の実態から見ると、その行政事務の実態がわかってくるのですね。たとえば、国会は五九%、裁判所は八〇・四%、会計検査院は八五・二%、内閣は四四・九%、法務省は七四・七%、文部省は六八・七%、五〇%以上の人件費が必要だということは、その行政事務自体がここにあらわれてきておると思うのですがね。こういう点について大蔵省はどういう見方をしておりますか。
#102
○説明員(相原三郎君) これ、いま先生が仰せになられましたように、各職場によって非常にまちまちでございます。たとえば自治省を例にとりますと、〇・一という非常に小さい数字が出るわけでございます。これは各省庁の仕事の実態を反映したもので、一がいに、これから高いところがいいとか悪いとかいうことは非常に言いにくいのではないかと思うのです。たとえば、先ほど申し上げました法人企業統計から見ましても、業種によって千差万別でありますし、これはちょっと話が脱線いたしますが、地方財政を例にとりましても、約三割程度の人件費の率が出ておるようでございます。したがって、これはその実態によって違った数字が出てくるので、そこからは一がいにいいとか悪いとか言えないということがまず第一だと思います。それから、まあ経過的にものを申せば、午前中にお話ししましたように、だんだん率としては逓減してきているということ、そこからまあ、規模の増大によってこういう人件費率というものは低下すべきものであるというぐあいに私たちは考えておりますが、その傾向が強いか弱いかという問題はあろうかと思いますけれども、傾向としてはそういうことであろうと思います。
#103
○山本伊三郎君 あわててやられたのだからこれは無理ないから、これ以上追及することは気の毒なんですがね、自治省の〇・一%、これは地方交付税、自治省の行政費として見ているのじゃないですか。
#104
○説明員(相原三郎君) 地方交付税を除きますと一・七になります。
#105
○山本伊三郎君 これはまたいずれ。私のサゼスチョンで、行政管理庁も十分これはやってもらいたいと思うのですがね。各省には実は補助、負担金というものがたくさんあるのですね。これらは除外しているのですか。補助、負担金、これは各地方団体並びにそのほかの団体に対して補助金あるいは負担金、農林省だけでも相当たくさん出しておりますね。
#106
○説明員(相原三郎君) 入っております。
#107
○山本伊三郎君 したがって、そういうものを入れて正確のものは出ないですわ。行政費とそれから人件費の割合というものは、そんなものを入れておったら出ないですよ。それは何も、それが規模の大きい問題にならぬですからね。しかも、地方交付税なんというものはこれはもうトンネルですからね。そういうことですから、この点はもう少し十分検討をすべき余地があると思うのですがね。人件費と行政費の割合というものを見る場合に、こういう見方もあるのですよ。こういう見方もあるが、人件費のウエートを見るという段になると、行政自体に要る費用は幾らであるか、それに対する人件費は幾らかということを見なければ、これだけでは、大まかなもので、精密なもの出ないと思うのですがね。その点どうですか。
#108
○説明員(相原三郎君) 先生おっしゃるとおりであると思います。
#109
○山本伊三郎君 そこで、農林省関係は九・九%となっていますね。これは九%でないと思うのです。これは補助、負担金、相当農林省多いから、こういうことになっていると思うのですがね。そのほか、補助、負担金の多いところは相当計数が低い。しかも、現業関係をかかえておる郵政省あたりは七〇%、相当高いですね。こういう点は十分分析して検討をすべきだと思う。
 そこで、行政管理庁に聞きますがね、総定員法で定員云々と言われましたが、こういう実態というものを把握する必要があると思うんですが、その点どう考えられますか。
#110
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 午前中も申し上げましたとおり、本来、御指摘のような課題を十二分に検討し、それも一つの考慮の要素に加えるという考慮が必要であるという意味での示唆を受けた意味においてありがとうございました。今後さらにもっといろいろと考うべきことを検討いたしまして、運営上は支障なきを期したい、そういう課題かと受けとめております。
#111
○山本伊三郎君 そこで、まあすぐ反駁して、それならそういう検討が済んだ後に法律案を出せと言いたいところですが、これはあとの人の質問に残しておきましょう、そういう追及は。私は基本的な考え方ですから。
 そこで、これは総理府の所管だと思うんですがね、一体、人件費はどの程度のものが行政事務の人件費としてパーセンテージ、ウエートがあれば大体いいという、そういう考え方を検討されたことがあるかどうか、これは人事行政上の問題です。
#112
○政府委員(栗山廉平君) たいへんむずかしい御質問でございまして、先生のおっしゃるような見地の検討につきましては、総理府の人事局はまだ日が浅うございまして、実は検討いたしておりませんのが実情でございます。
#113
○山本伊三郎君 大蔵省は予算編成上どういうお考えでおりますか。
#114
○説明員(嶋崎均君) 午前中、岩間委員からも御質問があった点でございますけれども、最近の一般会計歳出の事情を見ますと、国債費あるいは地方交付税、給与というようなところが絶対額が非常に大きなウエートを占めておるわけです。当然増の要因として、四十三年度はすでに国会に資料として御提出もしておりますけれども、四十三年度の一般部門の当然増が約六千億、それから四十四年度の一般部門の当然増が約六千五百億となっておるわけでございますけれども、その中で非常に当然増として大きいのは、地方交付税が四十三年度二千三百九十二億、それから四十四年度が三千百億、それから給与につきましては、四十三年度が一千三十七億、四十四年度が一千百四十億という数字を提出しておりますけれども、その中の人件費率については、すでに御説明申し上げたとおり、一八%を上回って二〇%近い率を占めておるわけでございます。もちろん傾向としましては、最近の予算全体の伸びが社会福祉その他の施策の充実と相まって大きくなっておるわけでございまして、その中で同じ比率でもって人件費が伸びるのがいいか悪いかというような点は相当問題があろうかと思います。いずれにしましても、諸外国の実例等をもわれわれ実は検討をしておるわけでございますけれども、国の予算制度によりまして非常に内容が異なっておるわけでございます。要するに、現業的な部門を公社等によって切り離しておくか、あるいはそれを取り入れるかによりまして非常にウエートが違う。あるいは連邦制をとっておるか、あるいは中央に行政がわりあい集中した形をとっておるかというようなことによっても違うわけでございます。しかし、まあイギリス連邦の場合に一〇%ぐらいの数字になっておるかと思います。それから一方、フランスなんかの場合には非常に、何といいますか、人件費の割合が高い。すなわち現業的な部面をほとんど切り離して、ほんとうに事務的な仕事の部面の非常に多くが一般会計で高い割合を占めておるので、人件費の割合が三〇%をこえるというような予算の形になっておる。したがって、一がいにその比率がどれだけでなければならないというようなことは言えませんけれども、予算の査定の中において極力経常の官庁経費の縮減をはかって行政能率を上げるべきことは、これ当然でございまして、そういう意味では不要不急の経費につきまして、できる限りその増大を抑制するという方針のもとに運用している次第でございます。
#115
○山本伊三郎君 予算のときに言ったんですがね、一定の基準がない。私は諸外国のやつはちょっと聞きたいと思ったのですが、幸い言われましたが、二日間にわたって言っている行政組織の実態というものを踏まえ、その実態において人件費はどの程度が妥当であるかということをやはり一応はかりを持たなくちゃ、ものさしを持たなくちゃいかぬと思いますね。ただ、大蔵省は予算の編成途上において財政硬直化という名にかりてなるべく押さえようとする、それ以外に何も方法ないと思うのですよ、やってない。各省庁は、行政事務だからどうしてもこれだけ要りますということで増員の要求なり、行政費の要求をしてくると、それをものさしなくして押さえるというのが大蔵省の行き方、これでは実際のところ、人事管理という面からいっても妥当なものが出てこないと思う。荒木大臣が冒頭に言われましたように、いわゆるそういう人をよけいとってくることが仕事に非常に熱意を持っているのだ、こういう傾向があるということはそのとおりですね。大蔵省はそんなものはないのです。ただ、人件費を押さえていくということだけが目的であって、妥当な業務であれば、これだけの人件費が妥当であるというような点をやっておられるかどうか、ひとつどういう例か、引かれて、厚生省の社会保険事務であれば、こういう事務に対してこれだけの人件費は必要であろうというようなことをやられたかどうか、それをちょっと説明してもらいたい。
#116
○説明員(嶋崎均君) 具体的な例といたしまて、特に私、幾つかの主計官をやりましたのですけれども、それぞれの事務につきまして大蔵省が人件費なり、人員の査定をするときには、それぞれの計画に基づきます積算を各省から求めまして、その積算の積み上げという形で予算を査定するもけでございます。全体的に、たとえばことしは一八・六%だったから、来年はそれを〇・二%削ろうということをまず意識をして仕事をしているわけじゃなしに、各省の要求に基づきまして、それぞれ標準経費として当然われわれ手を抜いて目ていくところはもちろんありましょうけれども、新規に行なわれる施策、あるいは事務が増大する施策につきましては、それぞれ積算の中身を見まして、それぞれの事務量というものを検討した上で査定を行なうというのが常識的な扱いになっていると思います。
#117
○山本伊三郎君 私はその常識がいかないと言っている。で、これはまあ本委員会でまた調査をされるかどうか知りませんが、一般支分局とそれから本省関係その他いろいろと区別がありますが、支分局の地方へ行った実態を見ると、きわめて労働強化といいますか、少ない人員で事務を消化しておる実態ですね。特に法務省関係の登録事務なんかの法務省に行ってみなさい。これは全く気の毒なというよりも、あれでは事務できない実態ですね。その事務は市町村のほうにお手伝い願って、土地台帳とか、あるいは不動産の移動についての登記事務とかやっておるのですね。これは全く実情を見たら、皆さん方でもこれでよくやるなあというくらいの繁忙な仕事があるのですよ。したがって、登記の申請をしてもなかなかおりてこない。そういう一部には実態がある。一部の実態で、私はそうでもないところもあると思うのですよ。そういうような行政事務の実態を全然わからずに予算を、出てきたものに対してこれはこうだというようなやり方はもちろんいけない。行政管理庁としても、そういう行政の簡素化を見るなら、簡素化どころか全然やれないような実態のところをそのまま置いておいて簡素化というのは私は実は言語道断というか、こっけいな話だと思うのです。そういう実態は、行政管理庁査察のときに認めておられるかどうか、どうですか。
#118
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いまおっしゃるようなことは当然であろうと想像はつきます。そのことが、いままで大蔵省からの話のように、予算編成のときに、一応その省庁内の繁閑あるいは各省庁相互間の勤労の繁閑の度合いを比較考慮するという課題も念頭には置いて査定が行なわれたと想像はいたしますが、先ほど来、山本さんが指摘されるような、この省庁の仕事はこういうものであるから、こうあるのが一応妥当であろうという一つの基準を持ってものを考えることは、戦後、今日までやっていない、極端に申せば。そういうことも言えようかと思います。露骨に申せば、予算の折衝のときの力関係である程度左右されている。しかも、それは定員で申せばふえることだけを中心に折衝された。自分の省庁でひまなところがあるから、それを勤務の度合い、繁閑考え合わせてプラス・マイナスしてなおかつプラスが必要であるからということは考えられたことはないじやなかろうかと思います。ただ、プラスすることだけそれを二十四年間積み重ねてきたということから推察をいたしまして、各省庁ごとにも忙しいところがあり、ひまなところがある。また各省庁相互間を比較してみましても、ある省庁は多忙だが他の省庁は比較的ひまだというふうなことが現実にあると想像されます。そのことを山本さんは指摘して、総合的に省庁間も均衡のとれたような定員考慮があってしかるべし、省庁内においてもそういう考慮があってしかるべきだが、それを一体、一応の基準ではございましょうが、どんなふうに受けとめて今日まできたかという御質問に対しましては いま申し上げたように、そういうふうな考慮を払うところがないままに今日にきておると、こういうことかと思うわけでありまして、そこで、午前中にもお答え申し上げましたように、総定員法そのものに御議論ももちろんございますけれども、これを御決定いただいて、定員の面で省庁相互ないしは省庁内部の繁閑の度合いも考え合わせながら、なるべく合理的に仰せのような方向に持っていく努力が新たに加わったのじゃないかと申し上げたのもその意味でございまして、今後、一挙に理想的にはいかないとは思いますけれども、徐々にではございましょうが、そういう方向へ政府全体の国民に対する責任として考えながら前進していく、こういうことが必要になってくると、またそのことを考えるべき機会を与えられるのがこの法律案の趣旨でもあろうかと、かように思います。
#119
○山本伊三郎君 荒木大臣ね、非常に重要な問題言われますがね。私はそんなひまなところがあるとは私は思わないのです。実は各職場も大体、私もこういう質問をするからには一応の調査もし、やっておりますがね。どこがひまというようなところはいまの状態ではない。私が言っておるのは、特に取り上げておるところは、その人員ではもう消化しにくいようなところを例示にあげたわけなんです。もしそういうひまなところがあると行政管理庁が認めておるならば、具体的にどこがどうだということをまず指摘せなければ、重要な問題があると思うのです。でなければ、私はさっきも言ったように、各省庁の大臣の責任ですよ。これは行政管理庁長官というよりも、各主管大臣がそういうものがあるのを見ながら依然としてそういう人事管理をやっているというならば、これはその主管大臣の大きい責任だと私は思うのですね。その忙しいのと、それから比較的忙しくないという表現であればこれはまた聞き取れますが、あなたのように、ひまなところと、ひまでないところというような表現は、これは重要な要素が含まれていると思うのですよ。おそらく皆さん方も査察されておると思いますがね。ひまなところで実はどう遊んでおるかというようなところがあれば一ぺん指摘してもらいたい。そういうところ、いまのところではそういうものは見当たらない。しかし、たとえば警察事務を見ましても、機動隊なんかはああいう出動命令が出ぬ限りは、これはたまりにおるしか、しかたがないのですからね。そういう人がひまだと言うなら、そんな人なくするかと言ったらそうはいかぬでしょう。あなたは公安委員長を兼ねているから例をそこにとりますけれども。また、大蔵省でも予算の編成のときには徹夜して、毎日、休日まで、年末年始の休日まで実は放棄して予算編成やっているところも私は見受けました。そうすると、予算編成期でなければその人はどうしているかといえば、これはひまな人だというわけにもいかない。そういう点が行政管理庁どう把握しておるかということを的確に言わなければ、この総定員法、これはかりに成立するとしても、そう簡単にわれわれ納得できない。私は大臣に、どういう意味においてひまなところがあると言うのか。
#120
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 比較的ひまなところと比較的多忙なところとがあるであろうということを申し上げたのでありまして、どこそこのどの省庁のどこがひまで、何局がひまで何局が多忙であるということじゃございません。正直なところわかりません。わかりませんので、しかし、さっきから申し上げますように、定員のプラスされることはあってもマイナスされることはないということは、内外の諸条件の変化、激動期にも際会しております意味から申せば二十四年間プラスだけであった。ある時期にちょっと減員がありましたけれども、占領中に。原則としてはプランだけであったということは、反面、繁閑の度合いを省庁の責任において考えて調整されないままにプラスだけが加わっていきつつあるのじゃなかろうかと想像されるということを前提に申し上げておるわけであります。そこで、臨調の答申を受けまして、それを尊重しながら行政改革をやっていく、その中にも定員は減らし得るものはちょっとでも減らしながら、総体的に行政能率があがる方向へ前進しろという趣旨かと心得ますが、そこで、昭和三十九年以来、補充差しとめというやり方をやることによって、ある程度の減員をはかっていくという、人数を減らすということをやっていくことをやったことは、これは万々御承知ですが、それは各省庁の責任において、自分の所管の範囲内で何%かの自然減耗の補充をしないでいくというやり方、それをどの局どの課で減らし、負担させていくかというのは、行政管理庁から命令的に、権限もございませんけれども、頭ごなしにやるというやり方じゃむろんないので、各省庁の責任者の責任の立場に立っての考え方で補充差しとめに応じてもらうということで、全体的には何%かを減員しつつ今日に来ておるわけでございまして、今後にわたりましても、やり方はむろんそういうことでございますが、できることならば、山本さん御指摘のようなこともだんだんと検討を加えまして、客観性のある一つの基準的なものが生み出し得るのならば、各省庁と協調し、調整を加えながら、徐々に合理的な方向で減員管理についてもやっていこう、こういうことを申し上げたつもりでございます。
#121
○山本伊三郎君 行政管理庁の答弁を聞いておっても、これは私は全く納得できない点ばかりです。そういうことで総定員五十万幾らというものをきめて、はたして各省庁の事務に応じた配分が私は閣議でできるかどうか、これはまた取り合いということにならざるを得ないと思うんですね。行政管理庁がそういう実態をぐっと握っておって、お前のところ何を言うのだ、こういう人員が、余っておると言わないけれども、ここにこういう余裕があるじゃないか、これはこうしなくちゃならぬというくらいのいわゆる主導権というものがなければ、どんぶり勘定で、法律で最高限度をきめたら、これはたいへんなことに私はなると思うんですね。たいへんになるということは、一番迷惑をするのは、その該当者の五十万幾らという国家公務員が迷惑するということなんですよ。十分な認識もなく、閣議でここはこうだということできめられて、しかもそれが、実態がわからぬのにこうやったら、あなたのことばを借りていえば、力のある大臣は多く持っていくでしょうし、力のない大臣のところにはこない。そうすれば一体どうなんですか。大臣はどうしんぼうしたって、動かされる実は公務員は、無理な上に無理をしなくちゃいけない。こういう実態を避けられるかどうかというのは、私はきわめて不満なんです。
#122
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 力関係という表現は適切ではないと思いますが、現実は予算折衝はそんなふうなかっこうに見えております、実質的にどうだというのは別にあるとは思いますが。ただ申し上げたいことは、予算編成のとき以外には――繁閑のことも念頭に置きながら予算要求を各省庁しているはずでございますが、その機会だけしかなかったのでございます。ことに大蔵省の立場において予算査定が行なわれる。それに先年来、定員につきまして、あるいは組織につきまして、行政管理庁ができまして以来、ことに臨調の答申が出まして以来、そういう角度からの調整機能を発揮する角度で大蔵省と相談しながら、いま御審議願って御決定いただいた四十四年度予算につきましても接したわけでございますが、それも先ほども申し上げましたように、何%かの欠員補充をしない、定員を差し繰りながらプラス・マイナスをやり繰りする、その省庁の考えに立って、やり方はそんなふうにやってくださいというやり方でやってきておるわけでございまして、これは従来といえども同じことでございますが、新たにこの総定員法を御決定いただいた角度から加わるべきものは何だろうというふうに考えますると、山本さん御指摘のように、もっと合理的な根拠に立って、各省庁はもちろん、調整すべき立場の行政管理庁も、大蔵省ももちろんでございましょうが、何かそこに客観的な公平な処理ができるようなことを考え出して善処したらどうだというアドバイスをちょうだいしたと思うのですが、そういうことが新たに加わるであろう、加えねばならないであろう。一挙に理想的なものができるとはむろん思いませんけれども、徐々にではありますが、そういうような考慮は従来よりも払われやすいことにもなるであろうから、その努力を加えていきたいと思っております。こういうことを先ほど来申し上げておるつもりであります。
#123
○山本伊三郎君 大臣はそう言われるから、ぼくもあまりしつこく食い下がるわけでないんですが、私が朝からずっと言うておるのは、そういう基礎調査も、そういう実態も把握せぬで、どうできるかということを私は言っているんです。私の言うことは一つのサゼスチョンだから、今後やるということについては私は了解しますが、私はきょうこれを言っているんじゃないですよ。もうすでに十年ほど前にこの問題で言ったことがある。それが一歩も前進していない、その私の言ったことについては。人事院はそういう関係はないから、人事院の範囲内においてやっているんですが、行政組織についてそういうことを言っても、一切そういうことはそのとき限りで消えてしまう。だから私が言うのは、これはできないことはないですよ。その関係の事務は一体どれだけの人が要るかという科学的基礎によって調査ができればできるんですよ。それをしていないんですよ。していないということは、やっておるけれども、それはもう形式的なもので、ただ予算請求するときの添付書類ということでやっているだけであって、その実態というものは何も吟味されていない。だから、手も足らぬのにえらい仕事をしているところは徹夜をしたり、あるいは超勤してやる。その超勤も完全にもらえないという省庁もある。ひまではないけれども、そうやらぬで通常でやっていける国家行政組織のところもある。こういうものをぼくは十分調査をして把握しなければ、いつまでたっても、行政の簡素化と言っても、ただ下部の職員をいじめるというだけで、そういう理想的なものは、大臣言われたようになかなかできませんよ。これは私もわかります。膨大な国家行政組織が、そう百人や千人、二千人の企業というような形でいかないことはそれは十分知っておりますよ。しかし、一歩でもそういうことが前進するような基礎的な調査なり試みをされたかというと、行政監査ですかを若干やっておるだけであって、そういうことまでやっていないんですね。それを今後具体的にやるかどうかということ。あなたが何ぼ答弁しても、こういうことを言っては失礼ですけれども、あなた大臣一年やったらかわっちゃいますね。したがって、行政管理のいまの責任者、次官、どういう方法でこれをやるかというところまで熱心に考えておるのかどうかということですね。簡単でいいですから、今後そういうことで進めるなら進めるという、具体的にこうやるんだということを言えるなら言ってください。ごたごた説明したって同じことですから。
#124
○国務大臣(荒木萬壽夫君) なかなか簡潔に申し上げかねますけれども、この総定員法の趣旨を体して初めてお説のような総合的な考慮をする機運が、各省庁の官僚諸公一人一人にもだんだんと定着していくスタートラインがつくられると思います。いままではくそがんばりにがんばることが非常に有能だと、その省庁内で評価されたとかつて申し上げました。これはどうも理屈ではあり得ないことでしょうけれども、悲しいかな、役人も人間だものですから、とかくそういうことになりがちである傾向が百年ぐらい続いてきておる。それに一つのエポックをつくるような意味合いもあろうかと思いますが、総定員法案によりまして、内閣全体としましても、各省庁ごとにも、各省庁内の局課、あるいはその課員にいたしましても、全体お互いが協力して、なるべくひまなときには多忙なところを加勢しようというふうな気持ちでものを考える下地をつくっていただく効果は、私は具体的には申せませんけれども、気分の転換と申しますか、悪い意味でのセクショナリズムの境地から脱却する機会を与えられるであろう。また、そういうことを念頭に置きまして、大げさに言えば、おそらく有史以来初めて、山本さんのお説のような考え方で合理性を総合的に追求していくような課題を考え、検討していって、徐々によりよくするという方向づけが初めて期待されるということじゃなかろうか。そういう考え方でいくか、いかないかは、具体的な荒木なら荒木というやつが行管長官でそういう答弁をしたから、そのとき限りだという課題では私はないと思います。この法案に一貫して流れておる基本的な考え方のねらいは、ようやくこの問題にたどり着いた今日までの終始一貫した基本的な考え方のねらいは、露骨に申せば、そこら辺のことは臨調も念頭に置いておるであろうし、附帯決議をつけていただいたこともその趣旨であろう。このことを受けとめて、政府側は、あるいは特に行政管理庁の者どもは、良心的に建設的に努力していかねばならぬという御命令をちょうだいしたような趣旨に受けとめなければならぬことだと思います。
#125
○北村暢君 いまの大臣の答弁は、これで三回か四回繰り返して答弁されているのですよね。同じことを答弁されているのですが、どうも大臣の答弁では私どもは非常に納得しないのですがね。ということは、各省庁は省庁なりに、標準の作業量、そして定員を設定する基準についてそれなりに検討しているのですよ。それをあなたは、何か課長なり、あるいは大臣なり力のある者が、ぶんどりでもって大蔵省を説得してとってくることばかりやるが、減らすほうはさっぱりやらないと、こういうようなことのようですがね。それ以前の問題として、定員を管理する場合に一体どうしたらいいのかということを、政府の中において、各省の中において科学的にそういう作業をやり、そして理論的に裏づけている省があるのですよ、これは。それが一〇〇%そうであるかどうかは知りません。あるかどうか知りませんけれども、その努力をやっている省があるわけですよ。だから、私どもは、先ほど来の山本さんの質問、三日来の質問を通じて、私ども非常に傾聴すべき質問だと思っているのですけれども、その中に出ている考え方というものは、まあ人事管理の面と定員管理の面と給与の面とがあるわけですが、行政管理庁は定員管理だけをやっているわけですよ。人事管理、それから給与の問題は人事院、予算定員については大蔵省なんです。同じ定員の問題についても、それだけ複雑に処理されているわけです。それを総合的にやっているのは原局なんですね。各省なんですよ。各省が行政機構に応じて定員の配置をやり、それに人事管理をやり、給与を行ない、予算を獲得するための理由づけもしている。そういう形でやっていないのから、一番よく知っているのは何といっても各省部局なんです。そういう意味において、私は定員管理をやる場合に、行政管理庁がほんとうに定員管理をする機能を持っているのか、持っていないのか、そこに問題があると思うのですよ。どうもいまの行政管理庁の能力からいって、とても各省の業務をほんとうに分析をし、ほんとうに各省の定員が適正に配置されているのかどうなのか、管理されているのかどうなのか、そのことすら私はできないんじゃないかと思うのです。ただ各省から出てきたものを集計するような程度しか管理能力はないのじゃないか。したがって、この問題については私もこまかくやりますよ、定員管理の方法については一体どうやったら科学的な定員管理ができるかということについてはね。それは行政管理庁のやる能力の限度というものはあるのですよ。ある一定のものは各省について押えられるけれども、それ以下の問題についてはとても行政管理庁では押えられない、この膨大な定員についてはね。職というものについては押えられるのですよ。ところが、職員というこれのほんとうの数の問題になってくると、業務の内容がはっきり押えられないというと定員というものは押えられない。だから、定員法の変遷過程からいって、かつての昔からのよく大臣の言う、何か技術のすぐれた者についてはもっと給与上処遇すべき方法があるというようなことを言われましたけれども、これは人がおるから職位をつくるのじゃなくて、行政管理庁というところは職務分析をやって、その職というものを、恒常の職というものを組織的に把握する、これが定員管理でしょう。そこまでしかできないと思うのですよ。それすら私はやっていないと思う。いまのように何べん大臣が答弁しても、大臣の答弁というものは全く政治的な答弁であって、実際にその定員管理というものがどういう本質を持っているかということの理解の上に立っての大臣の答弁じゃないのです。だから、山本さんは幾ら質問しても納得しないのですよ。大臣の答弁は非常に政治的ですよ。この総定員法を通そうという意図も私は非常に政治的であるというふうに受けとめます。それほど科学性があるとは考えておりません。だから、当然そういう答弁になるのかもしれませんけれどもね。それでは私はいかぬと思うのですよ。この抜本的な定員管理の新しい方式に転換しようという時期において、そういう政治的な答弁だけでこれを過ごそうとしても私どもはなかなか納得がいかない。したがって、今後の定員管理の基本的な方向について、行政管理庁が定員管理の総合官庁としての役割りを果たすのはどこまでなのか、あとは各省にまかせるのか、定員の問題についてね。そこら辺の区別までしてやらないというと、定員法というものの歴史的な移り変わりというものがあるわけですから、そういうものを踏まえてどういう基本的な考え方でやろうとしているのか、この点をもう少し理論的に説明してもらいたい。そうでないというと、大臣の答弁ではどうも私どもは納得いかない。だから、したがって、私は行政管理庁の局長以下の補佐も悪いと思うのですがね。大臣がああいう答弁を三回も四回も繰り返しているようじや、私はどうもそのままで過ごすわけにいかない。このように思うのです。ぜひひとつ定員に関する基本的な考え方をもう少し理論的に説明してください。どうやっていくのか。あなた方はほんとうに定員管理をする自信を持っているのかどうなのか。各省から総定員をまかされて、あなた方はこれから政令で定員管理をやろうとするのでしょう。政令は行政管理庁が出すわけでしょう。それならばそれなりにあなたは実態を把握しなければ政令は出せないはずだ。各省から出てきたものをそのままめくら判押してやるのだったらだれでもやれますよ、こんなもの。それじゃいけないのですよ。だから、行管がほんとうに定員管理をやろうというのなら、いまの大臣の言ったようなことで、ふえるものだけは力があるものが取るから、それじゃだめなので、減らすほうもやるのだと言うけれども、減らすほうもやるというのは、減らすだけの理屈がなければならない。そのためには一体どうやるのか。五%削減なんというのは、ふやすのは一々大蔵省に相談をして、十名ふやすのでも、五名ふやすのでも、組織と密着したものでなければ大蔵省は認めないですよ。ところが減らすときになると何千名という、五%という、理屈も何にもなしで減らす、これは私は納得しないですよ。減らすなら減らすなりに、その組織とどういう関係において減らすのかということをはっきりさしてもらいたい。それは通産省設置法のとき聞いたけれどもわからないですよ。通産大臣もわからない。だれか政府の中でわかってなければならないはずだ。五%減らせたと言われから減らしただけの話で、どこの組織と結びついて、どういう職務がなくなったから減らしたのだということじゃない。それは欠員をもって充てますという程度で、そしたら欠員がどういうふうに起きたかということは理論的根拠というものがないでしょう。欠員ができたのに理論的根拠というものがない。欠員がその減らすものの理論的根拠となるというばかな話はない。そういう説明しかなされてないから私は納得しない。行政の簡素化とこの定員五%削減なり何なりと、今後の定員管理というものについての基本的な考え方というものが一体どうあるべきかということをもう少し理論的に説明してもらわぬといかぬ。
#126
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 北村さんのおっしゃるとおりでございます。各省庁が一番自分の所管の仕事は知り尽くしておる。その省庁に関する限りは、どこがひまだ、せわしいということは語弊がありますけれども、比較的どうだろうということも各省庁の責任者が一番よく知っておることはお説のとおりでございます。一体、行政管理庁が何がなせるか。いかなる権限をこの法案を御決定いただいて新たに加わるかといえば、新たに加わるものは制度上ございません。調整機能が従来からあります。各省庁の調整、さらに監察をやりまして勧告をやる。調整ないしは勧告に対する回答についても追跡調査的なアフターケアもやる権限は一応ございます。しかし、決定権があるわけじゃない。大蔵省における予算原案の査定権というがごときものはございません。あくまでも調整機能を通じまして、総定員法の、前々申し上げておるような趣旨を体してアドバイザーの立場に立つ。各省庁がお説のとおり、繰り返し申し上げますが、一番よく知っているから、その省庁内の緩急繁閑は考えてもらう。それに信頼を置くほかにむろん原則的にはないと思います。ただ、他の省庁との相互関係においてどうであろうということは、調整機能を持つ立場からアドバイスをする発言の機会もあり得るかとは思いまするが、それとても決定権があるわけじゃむろんございません。それはそういうことでございまして、現にやっております五%三年間に削減をしようということは、各省庁の責任者が閣議で、大体平均して、国全体、政府全体で五%くらい補充差しとめをして、いわば空定員をつくるということは可能であろうということを閣議決定をしまして、省庁ごとにそれをどんなふうに分担していくかということをきめましたもので運営しておるわけでございまして、四十四年度の予算におきまして定員の増員の要求がありましたものも、消化できる限りはいまの補充差しとめの空定員を横流しするやり方によって予算原案に予算定員として掲げられる、そういうやり方で初年度はいたしましたが、総定員法そのものじゃむろんございませんけれども、それを今後三年間続けていくことも閣議決定しておりまして、五十万の五%の二万五千人くらいの、いわばそういうからの定員と申しますか、補充差しとめの定員を留保できるならば、政府部内において緩急軽重をそれぞれ考え合わせつつ、各省庁の責任者が責任をもって幾らかでも少ない員数で、なおかつ行政サービスを維持していこうという考え方に立って運営ができるであろうというやり方でございまして、行政管理庁が何にも、先ほど山本さん指摘されるような、一つの基準すらもないままに、直観的に、天下り的にああしろこうしろということじゃございませんので、それはやがてだんだんと、行管だけじゃない、御指摘のとおり、人事局もできましたから、総務長官の所管の問題といたしましても、従来の大蔵省の予算査定の課題といたしましても、さらには午前中も申し上げましたように、人事院にも間接には関係があると思いますが、そういう関係省庁がよく相談をして、納得ずくで国民の行政需要にこたえる方向へ、よりよき方向へ歩いていこう。それについては、この総定員法案を御決定いただくほうが、いままでよりは、その問題に関する限りはベターだろう、そういう考え方に立っておるわけでございまして、繰り返し申し上げますけれども、一定の基準を現に持っておるからそれでやるのだということじゃございません。年をふるに従って、関係省庁はもちろんのこと、総務長官ないしは大蔵大臣、あるいは行管長官どもが、それぞれの職場のスタッフ等の協力を得ながら話し合いでよりよきものを発見していくという努力がなければ、これはいままでと同じじゃないかということにもあるいはなろうかと思いますけれども、以上のようなことを添えまして運営していきたい、こういうことを申し上げているわけであります。
#127
○山本伊三郎君 北村君からやや結論的な発言があったのですが、私はちょっとまだ続きますから、そういうつもりで。それで、これについては、これは答弁されても納得できない、もう大臣も認められておりますから。もう一つ、基本的な問題があるのですが、それはあとにして、この行政組織と簡素化には給与の問題というものが、これが実は大き問題がこれに付随してきておるのですね。それでたまたま、人事院来ておられますので、私に与えられた時間はもう一つぐらいしかやれぬと思いますが、給与の問題について。これはほとんど人事院にまかせ切りという政府の態度ですね。行政組織、人事の配置、それから定員の管理はこれは一応政府機関がやっておられますが、給与の問題等は実はちぐはぐになっておるということはこの前言ったとおりですが、給与の問題でも、実は本俸と申しますか、いわゆる基本給については一応ああいう職務給に応じて給与表ができておるのですね。相当、公務員に対してはきわめて繁雑ないろいろの諸手当が実はあるわけなんですね。現在の諸手当の中でも、これは初任給調整手当から十一ほどございますね。特に特殊勤務手当ということになると三十二種類も実はあるわけなんですね。これは行政機関の種類、質に応じておのおの給与というものを考えておられると思う。これは人事院に聞くのですが、国家行政組織というものと関連なく実は考えておられるのかどうか。たとえば遠隔地手当というのは、遠隔地にあるから出すのだということで法律の趣旨がなっておりますが、国家行政組織は、そういう遠隔地にそういう行政組織をつくった場合に、当然この手当というものが付随してくるのですが、そういう考え方は、人事院は行政組織はあとからついてやるのだと言われますけれども、基本的な公務員に対する諸手当――本俸についてはきょうは言いません。また関係同僚議員が言われると思いますが、これについては、人事院はいわゆる考え方を持っておられるか、諸手当の設定について。
#128
○政府委員(佐藤達夫君) ただいまお話に出ました隔遠地あるいは寒冷地というような勤務の場所からくる手当が一つあるわけでございます。これはやはり組織上そういう場所に役所がなければ問題にならないわけであります。やはり役所がある所を目ざして考えておるわけです。それ以外に多くの特殊勤務手当というようなものがあります。あるいは調整額というものもあります。たいへんこれは複雑で、複雑な形になっていることはわれわれ十分承知しているところであります。これを何とかもう少し単純簡素化できないかということになりますと、これは午前中お話の出たいわゆる職務給ですか、その関係に私はつながってくる。たとえば職階性を非常にこまかく、高い個所で作業する職というようなものをつくりまして、それに必要な給与をきめる。その場合には、高所作業の手当にあたるものを給与の中に含めて一本のものにして表をつくるというようなことは、これは不可能ではございませんけれども、これもまた午前中申しましたように、職階制度そのものがなかなかむずかしい。理想にばかり走っておったのでは現実に合わないということがありますので、われわれはただいまの段階では、やはり現実に即しながら、こう薬ばかりではないかという御批判はこれは甘んじて受けなければなりませんけれども、結果において現実にマッチした形としては、当面のいき方以外にはあるまいというのが率直な心境でございます。
#129
○山本伊三郎君 人事院はそういうことで、そういう立場であられるのですが、総理府の人事局としては、諸手当の設定については、いま人事院総裁が言われたように、国家行政組織の質、位置その他の事由によって出されることになっていますが、総理府としては、人事管理面から言って、こういう諸手当についての考え方、これは基本的にどう思っておられますか。諸手当というものも、たとえば初任給調整手当、扶養手当、暫定手当、通勤手当、期末手当及び勤勉手当、寒冷地手当、特殊勤務手当――これは三十二種類あります。遠隔地手当、超過勤務手当、あるいは特別調整額、こういうことであるのですが、これは行政組織と関係のあることは言ったとおりですが、人事管理からも必要ですが、こういう諸手当については人事院にまかせきりで、総理府というものは全然考えないということですか。
#130
○政府委員(栗山廉平君) 給与も手当も含めましてのいろいろ問題につきましては、専門的な、あるいは中立的な機関である人事院の御研究、その結果に基づく勧告ということに、政府といたしましてはそれを尊重していくという立場でございまして、人事院の専門的な御調査の結果を信頼しておるということでございます。
#131
○山本伊三郎君 そのいい部面だけは信頼してやるのですがね。時間がございませんから、一々その性格を尋ねていくとこれは実に膨大な時間をこれだけでもとるからやめておきますが、当面、問題になっておる行政機関の位置によっての問題で寒冷地手当というものがあるのですね。特殊勤務手当にも問題がありますが、きょうは時間がないから触れません。
 寒冷地手当は、同じ行政機関であっても、その気候の寒暖によって出される手当ですが、これについて総理府はこれはもう全く人事院にまかせ切りだということになるのか。寒冷地手当の勧告権は、前は実は人事院になかったのです。政府自体が国会へ出されてきめたのですが、総理府としてはこの問題についてどう考えておられますか。
#132
○政府委員(栗山廉平君) 山本先生よく御承知のとおり、国家公務員の寒冷地手当に関する法律がございまして、これの第四条におきまして、「人事院は、この法律に定める給与に関して調査研究し、必要と認めるときは、国会及び内閣に同時に勧告する」ということになってございますので、われわれはこれを順守しておるわけでございます。
#133
○山本伊三郎君 それで人事院の責任たるや実に大きいといってもいい。人事院がやはりそのとおりやるということ、当然されておるのですね。人事院総裁、これは一つの例で聞いてもらいたいのですが、この前の国会で寒冷地手当の基本的な改正がされましたね。その中で第一の問題になるのは、ぼくらもそう想像をしていなかったのですが、あの寒冷地手当の改正の目標とするところは、寒冷地手当というものはいわゆる実費弁償的な思想があるのだ。したがって、最高二十万円も、また三十万円あるかどうか知りませんが、そういう者から、下は一万円か一万円足らずの人もあるということでは非常に不合理であるので、定額制というものを入れられたやに聞いておるのですね。また私もこれに参加しました。ところが、その当時は六等級以下はもちろんそんな減額されることはない、相当高額な者だけが頭打ちをするという制度だということをきめられたのですが、実態はそうではない。もう一年か二年たてば、実は三万円程度の給与の人、これは一番低い形の人ですら非常にマイナスになるという結果が出てきたということを聞いておるのですが、それは事実ですか。
#134
○政府委員(尾崎朝夷君) 御承知のとおり、寒冷地手当制度につきましては、昨年暮れに大きな改正を行なったわけでございますけれども、その理由といたしましては、先般も御説明申し上げてきているとおりでございますが、たとえば北海道におきましては、定額的な石炭手当分というのが世帯主につきましては二万五千円くらい出ておるわけでございますけれども、それよりも本俸に比例して八五%という大きな定率分がございまして、ベースアップに伴いましてこの本俸比例分がだんだん大きくなってくるという関係で、全体といたしまして寒冷地手当が非常に職務給的な性格を持ってまいりまして、御指摘のように本俸の高い職員につきましては二十万円をこえるといったような関係も出てまいりまして、その性質からいっていかがかという問題になってまいりましたので、その改正といたしましてはやはり手当の本来の性格ということにかんがみまして、この本俸比例分というものを約半分にとどめまして、残りにつきましては生活の必要に応じますように、世帯主、独身者等の生活の区分に応じまして定額的に支給するということにいたしたわけでございます。したがいまして、改正前の従前の制度に比べまして、本俸比例分、つまりベースアップによってふえていくという部分は少なくなったことは事実でございますけれども、生活給的に支給される額が増加しておるということで、家族持ちなどの生活の必要にはよく対応するようになったというふうに考えておるわけでございます。いま御指摘の問題は、たとえば独身者とか準世帯主とか、そういう職員につきまして、従前の制度に比べますとベースアップが比例的というよりは定額的になっておるという関係で、従前の制度の方向でいくのとどうかという問題はございますけれども、いま申し上げたような性格によりまして、たとえば世帯主等につきましては、かなり増額がなされておりまして、生活の必要により応ずるというようなかっこうになっておるわけでございますが、独身者につきましては、世帯主の三分の一というかっこうになっております。これは民間の場合にも三分の一という関係で、世帯主との関係につきましてはやはり民間とのバランスがとれておりますし、実際の支給額につきましても、たとえば八等級ぐらいの職員につきましては、大体現行で三万円程度になっておりますので、民間の二万円以下というものに対しましては、まだそれほど低いとは言えないというように考えておりますけれども、今後の民間の寒冷増高費の動向というものを考えて対処したいというように考えております。
#135
○山本伊三郎君 ここであなたのほうにどうこう言ってもしょうがないが、今後の問題で明らかにしてほしいんですが、最初のわれわれの構想というもの、考え方というものは、相当上級な人については、これは二十万円も十五万円もという方々については、寒冷地という性格からいって、どれほど大きい家に入っておってもそんなに大きい差がない、一番困っておるのは、給与から言えば六万円か七万円かの人が非常に寒冷地の手当の必要性を感じておられるんだから、そういう人には不利にならないというぼくらは原則を確立してやってきたわけですね。その人が切りかえたときは、なるほどあなたが言われたように上がっておるかしれませんけれども、やがてそれが前より悪くなる結果が出ることについては、これはわれわれ承服できない。したがって、これは寒冷地の附帯決議もついていると思いますが、今後、毎年給与が上がって、それを改正するということについては――これは定額部分ですよ、それはなかなかいかないけれども、ただいま物価の上昇等を見て、しかも近ごろ物価の上がるのが大きいですから、そういう点を考えて、一年ごとというとどうかと思いますが、少なくとも物価が五%以上、または一〇%程度上がってくれば、定額部分も改定するという基本的な態度というものは言明できませんか。
#136
○政府委員(尾崎朝夷君) ただいま申し上げましたように、寒冷地手当制度の本質的なたてまえというのは、やはり生活給的な寒冷増高費に対応するということだろうと思います。そういう意味合いにおきまして、寒冷増高費の動向というものはやはり最も注目すべき要因でございます。それからそれに対応した民間における手当の支給状況というようなものを絶えず見まして、制度、それから現在定額部分及び定率部分がございますけれども、手当の内容につきまして対応できるように考えてまいりたいというふうに思います。
#137
○山本伊三郎君 そうすると、いまの答弁はこう理解していいですね。この寒冷地諸経費といわれても、これは薪炭とか石炭ということだけではないと思うんですね。寒冷地の公務員、そういう行政組織のあるところの公務員についてはそれだけの負担が課されているんだから、あらゆる総合的なものを考えて、実情に合わしたような方向でスライドといいますか、定額部分の上昇も考えていっていいんだ、こう理解していいですか。
#138
○政府委員(尾崎朝夷君) 定額部分も含めまして、総合的に寒冷増高費の動向に対応するという方向で考えてまいりたいと思います。
#139
○山本伊三郎君 それで、定額部分とそれから定率部分、これをいまの制度よりも定率部分を、何といいますか、上へ行けば行くほど逓減というような形で調節するという技術はできませんか。下のほうは定率部分を多くして、上へ行くほど定率部分を薄くする、こういう線で、定額部分はその逆になりますね。そういう点も考えれば合理性が出てくると思いますが、私はこの点につきましてまだ最後の結論、研究もしておりませんが、そう
 いう方向で、下のものを救済する。寒冷地手当の性格においてそういうふうにすべきではないかと思いますが、この点どうですか、専門的にちょっと聞いておきたいと思います。
#140
○政府委員(尾崎朝夷君) 御指摘のような、たとえば税制のような関係のあり方といったような点も、技術的にはいろいろ考えてみたこともございます。しかし、一方におきまして、制度というものは非常に簡明ということも必要でございますので、先般の場合には、比較的簡明ということと、それから当面のいままでの制度というものとの関係もございますので、先般のような改正を行なったわけでございますが、今後のあり方につきましては、検討の内容として研究さしていただきたいと思います。
#141
○山本伊三郎君 この問題については特に独身者と準世帯主、これについては十分配慮をしてもらうように、ここでは何も結論をどうこうというわけではないが、自後やはりそういう交渉もあると思いますが、十分検討してもらいたいと思います。
 それからもう一つか二つですが、級別是正がなかなか、この前もわれわれの思うようにいっていないのですが、非常に不合理のある点が具体的に出ているのですが、時間もございませんから、簡潔に、例はぼくももらっておりますが、ずいぶん是正しなければならぬ点が同一行政区域内にあるのですが、これは法律事項ではございませんから、十分ひとつ引き続いてやってもらう。しかし、理想的なものについてはなかなかむずかしいことは私も承知しておりますが、やはり徐々に是正するという方向に人事院は進んでいくのだということは約束できませんか。
#142
○政府委員(尾崎朝夷君) 寒冷地手当の地域区分の格づけでございますけれども、この関係は従前からのいきさつがいろいろございまして、たとえばだいぶ前には県ごとの格づけになっておったというような関係がございます。そういうものを受け継いできているという関係もございまして、地域間の公平という関係からいろいろ問題がございましたので、昨年の改正におきましては、基準というものを見直しまして、全国的な公平の見地から格づけをいたしまして、若干の地域を引き上げたわけでございますが、その基準に基づきますと、引き上げるべきところは引き上げる。だけれども、基準から見ると甘い、引き下げるべきところも中にはございます。そういったような関係で、しかし、それはたいへんドラスティックな面もございますので、今後の検討にまつということにしたわけでございますけれども、一方におきまして、新しい基礎資料も出てくるという面もございますので、今後引き上げるべきものはまあ引き上げるということにつきまして、データ等の検討を続けますとともに、まあ引き下げるという関係につきましては、あわせて検討いたしたいというふうにも考えております。
#143
○山本伊三郎君 私がここで例をいいますけれども、これだけじゃないという前提で、ここでいうと、それだけだと思われたら困りますけれども、山形県の温海町というのですか、新潟県の高田市、山形県の吹浦、飛島、秋田県の象潟、飛島、ここら辺も実は非常に問題のあるところでありますが、私も実は行ったこともございますが、こういう非常に不合理なところ、これは北海道、東北等と続いて寒冷地帯はなべてそうだと思いますが、こういう点は今後引き続いて合理的にひとつ検討をしてやっていただきたいと思いますが、この点、人事院総裁どうでしょう。
#144
○政府委員(佐藤達夫君) ただいま局長が申しましたようなことで、私どもは常に新しいデータを勘案しながら検討をしてまいりたいという気持ちでおりますので、なおその意味の勉強を続けてまいる所存でございます。
#145
○山本伊三郎君 もう一つ不合理なことが、これは私もまだ調べてないんですが、北海道の石炭手当です。これはまた山崎君も次に言われると思いますが、ついでに言っておきますが、北海道の人事委員会ですか、その価格の評価と、人事院がきめる評価と変わっておるらしいですね。同じ石炭だが、現地で評価したほうが正しいと思うのですが、この点私には納得できないのですが、この点はどうなっていますか。
#146
○政府委員(尾崎朝夷君) 石炭価格につきましては、まあ北海道においての話でございますが、毎年主要な十五都市につきまして販売価格の調査をいたしておるのでございますけれども、北海道の人事委員会の発表しておる調査結果と、まあ二%程度の違いがございます。たとえば私どものほうで昨年改正のために勧告をいたしましたデータは、トン当たり七千七百四十一円でございますが、北海道の人事委員会の場合には七千九百十九円というふうにして、百七十八円の違いがございますが、これは北海道の人事委員会のほうでは、店頭の表示価格によって調査しているのに対しまして、人事院の場合には、夏場の値引きがございます場合にはそれもとってくるということで、つまり実効価格によっておるのでございますが、そういう意味合いで若干の、百円程度の違いが出ておる、二%程度の違いが出ておるということでございます。
#147
○山本伊三郎君 これはしろうとから考えてもちょっと理解できませんので、やはり現地の決定評価というものをぼくは尊重すべきだと思っておるのですよ。あなたが言われたところによると、実際、実効価格が地元の人事委員会の決定よりも安い、実効価格のほうが安いんだという意向だと聞きますが、それだけではちょっと地元も納得しないと思います。その点はひとつ地元と十分打ち合わしてやってもらわぬと、やはり地元では、地元人事委員会がこういっておるのに、何で人事院がそうするのかという非常に疑問が生じますから、この点ひとつ、各受給者が納得するように、やはり地元の人事委員会の決定を尊重してもらいたいということだけつけ加えておきたいと思います。それが一つ。その点は具体的な問題として行政組織上、行政機構からくる必然的な、公務員の行政機関に関係する人々の問題ですから、これは単なる給与を与えるのだということでなくて、行政機関がそこで設置された宿命――宿命ということはどうかと思いますが、必然的な問題だということで総理府も理解をしてもらいたいと思います。総理府、もちろんこれは人事院が勧告をしても実施するのは総理府ですから、総理府もその点を十分考えてもらいたいと思います。
 給与の問題は一つの例だけ申し上げましたが、次にいよいよ最後の結論的な部分になるんですが、時間も相当迫ってきておるようでございますから、これで私のきょうやったのを含めて第八の問題に入るわけなんです。まだ、十六ですから半分残っておるのですが、非常に残念だと思いますが、ひとつこれでおかざるを得ないと思います。
 そこで、本問題の内容については自後の方々に譲りますが、本法が提出された経緯というものはいろいろあります。昭和四十二年の十一月だったと思うんですが、財政制度審議会からの答申があったわけなんですね。そのときに総定員法に触れておるわけなんですね、これは御存じですか、行政管理庁。
#148
○政府委員(河合三良君) 御指摘の財政制度審議会におきまして、この点において触れていることは承知いたしておりますが、具体的にいまその現物を持っておりませんので、こういう言い方であるということを申し上げるわけにまいりません。
#149
○山本伊三郎君 財政制度審議会は大蔵省管轄ですが、大蔵省のほうでは御存じでしょうね。
#150
○説明員(嶋崎均君) 触れておるはずですけれども、ちょっと手元に材料を持ってきておりませんので、正確にはいま覚えておりません。
#151
○山本伊三郎君 そういうときには前に知らしておかぬと不便だね。これでまた調査をするまで待つというわけにもいかぬし。その内容については、定員増抑制策を提案しておるんですがね。これは一にかかって財政硬直化ということを主体に、これは財政制度審議会ですから、それを取り上げてきておるのです。政府はそれについて諮問をしておるわけなんですね。財政硬直化ということが今度の総定員法の重要な柱だということ声を言っておるのですがね。先ほどちょっと私は触れましたが、どの程度、どれだけ大きく財政硬直化に打撃を与えているかということについて、先ほどちょっと総務課長が説明されましたが、具体的に総定員法と財政硬直化についての関連性をまず説明してもらいたいと思う。
#152
○説明員(嶋崎均君) 先ほど触れましたように、四十二年度、三年度の予算編成に当たりまして、特にこの四十三年度の予算編成に当たってでございますが、当時算定されたところによりますと、四十三年度の財政の当然増の要因というのが六千七百十五億円にのぼっておる。そのうち一般部門と公共関連部門の二つに分けまして、一般部門におきまして六千八億円、それから公共部門において七百七億円、合計、先ほど申しましたように六千七百十五億円の当然増の要因がある。一方、御承知のとおり四十二年の半ばごろから景気の状態というものは非常に微妙な段階になりまして、国際収支が悪化をする。それで財政で期待できる収入というものも非常に限られたものになる。一方、公債をどの程度出すかというような点につきましては、これは先ほど申しましたように国際収支が微妙になってきた状況と照応しまして、何らか慎重な抑制策をとる必要があるのじゃないか。それと、そういう事実を背景にしまして、財政硬直化問題が議論されたわけでございますが、当時、給与関係一千億余の当然増が見込まれるというような状態でございましたので、何らかの形で――六千七百億の当然増のうちの一千億でございます、当時の財政事情から考えて大部分が当然増にいってしまうというようなことでございました。その中で約六分の一のウエートを占めるような問題でございまして、何らか人事院の問題について真剣に考えなければいかぬようになっておるということが反省され、そういう議論が再編成の過程で行なわれたのであろうと思います。
#153
○山本伊三郎君 あなたから責任のある答弁はできないと思いますが、大蔵大臣くらい来てもらいたいのですが、そうはいかぬと思いますがね。
 本年度四十四年度の予算編成の過程の論議をお聞きになったと思いますが、財政硬直化というものが即人件費だというような考え方には――一応の項目は大蔵省出していますが、それが大きい要素であるとはわれわれ見てないのです。というのは、冒頭に先ほど言いましたように、各省別の人件費の割合を見ても、これが財政硬直化という線であればもっとこれは検討しておかなくちゃならぬが、検討されてない。そういうことから見ると、人件費をもって財政硬直化の主因だとはわれわれ見てない。何といってもやっぱり国債の問題が一番クローズアップしてくると私は見ているのですが、そういう点から見て、人件費が硬直化の原因の第一であるから総定員法をつくらなければいけないという、この関連ですね、そうするとどうなるんですか。人件費が財政硬直化の要因であるかどうかということについては水かけ論になるかもしれません。〇・〇〇一%でもその要因であればその要因といえるかもしれません。私はそう大きなものではないと見ている。しかし、総定員法といわゆる財政硬直化との間にどういう関係があるか、人件費が上がるから総定員法をつくるんだ、こういう趣旨に――そこまで飛躍はできないと思いますが、そういう趣旨に考えていいのですか。もう一ぺん言いますが、総定員法をつくらなければこの人件費による財政硬直化は救われないと、こういう論理になるかどうか。
#154
○説明員(嶋崎均君) 実は私、当時のことはその衝になかったものですから、あまり詳しいことは覚えておりませんですけれども、御承知のように、過去における定員の増加の状況というものを見ますと、総定員法の対象になる定員につきましても、昭和三十五年代におきましては平均一万人近く定員が増加している、そういうような条件、それからもう一つは、すでに三十九年度からとっておりました定員不補充の考え方、そういうものを背景にしまして定員の削減、給与費の節減という問題が論議になり、財政審の答申の中にもいろいろ議論もされたのであろうというぐあいに思っております。もちろん財政の硬直化というのは、ただ単に給与費の当然増が大きいということだけではございませんで、その内容におきましても、たとえば国債費が国債発行の初期でありますので非常に大幅な伸びを示す。さらにまた、四十年の地方交付税率の引き上げがありました後、当時予想していたよりも違うような経済情勢になりました。三税の伸び方が非常に大きくなった、それに関係して地方交付税の伸び方が非常に大きくなった。あるいは社会保障、これは予算の組み方とも関連するわけですけれども、平年度化に加えて年々の充実ということで、平年度化経費が非常に大きくなるというようなことと相まって、それらの財政の当然増要因から見ますと、一方で政策的な予算圧縮の方法をとらないと、当時予想された財源の中で、なかなか適切な編成ができないということを背景にして譲歩されたわけでございますが、もちろん人件費は経済全般の情勢に応じまして、人事院勧告に基づきまして処理するわけでございますので、そのこと自体が直ちに悪であるというような思想でもちろん考えておるわけではございませんけれども、計数的に見ますと、御承知のようにベースになっておるのが一兆二千億をこえるような最近の状況でございますので、それが一手、二手延びた場合でも、それが事務的な支出の増大で相当大きなウエートを占めることは、先ほど来御説明申し上げたとおりでございます。そういうことを踏まえて、いろいろな議論が提案されたことであろうと思います。
#155
○山本伊三郎君 それじゃ、ちょっと具体的に聞いておきますが、ここ四、五年の間の人件費の伸びと予算の関係ですが、予算は私持っておりますから、毎年どれほど人件費が伸びているか、出ていますか。三十九年からでいいです。
#156
○説明員(相原三郎君) 当初予算のベースで人件費の伸びは三十九年度が一四・三%、四十年度一五・四%、四十一年度一三・二%、四十二年度一二・三%、四十三年度一二・五%、四十四年度は一六・七%でございます。その中には七月から五%アップという数字が入っておりますから、それを引きますと一二・六%になっております。
#157
○山本伊三郎君 これは昭和三十五年度からずっととってみましても、三十五年ごろについては、予算の伸び以上の伸びも実はあったわけですね。ここ両三年は予算の伸びよりもはるかに下回っておるのですね。それだけ押えてきておるのですが、そういう実態から見て、財政硬直化によってこれを押えているということと、それから行政の実態と考えて非常に問題が出てきておるのです、結論的に申しますと。いろいろ行政簡素化とか、あるいは能率化ということで人件費を押えるということによってどういう効果をあらわすかということについて、ずっと一貫した質問の中からくみ取れたと思う。これは結論的に申し上げますと、それだけで実は国家行政というものがいくのかどうか、人件費を押えるということのみが総定員法の目的であるか。これができたのはそういう趣旨だというから、そういう趣旨で一貫してやるという考え方でこれを出されたのか、その点をひとつ聞いておきます。
#158
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いつも臨調答申を持ち出しますが、臨調答申の線に出ておりますことは、なるべく税金を少なく使って行政サービスを維持し、向上していくということを念頭に置いて行政改革を考えろということが、万々御承知のとおり基本線でございますが、むろん総定員法はその線を踏んまえて、その答申に応じ得る手段として、具体的に総定員法的なことは提案はされておりませんけれども、何らかの制度を考えろということに応じておることはいま申し上げたとおりであります。ただ、実際の運用面に当たりましては、ただやみくもに理屈もなしに押えればよろしということではないと思います。行政需要の消長に応じて配置転換を通じて均衡のとれた各省庁の定員で行政サービスを向上さしていこう、維持していこう。また、行政需要、行政サービスなるものは、国家需要の変転に応じて、どんどん経済が成長する、国民生活も、いろいろと行政需要が伸びていくという場合に、ただ減員すればよろしいという形ではむろんございませんので、場合によりましては、五十万六千何がしという最高限度をきめていただいておる限度を、もっとふやすほうに改定する国会の御承認を得なければならぬことも当然あり得る。また、減らすことによって行政需要に応じ得るという状態が続きますれば、最高限度と予算定員との間隔が非常に開くということもなしとしない。そのときは、ある程度最高限度の数を減らすという形で御承認を願わなければならぬということもあり得るであろう、概念的には。そういう考え方に立って構想されておるわけでございます。
#159
○山本伊三郎君 それじゃ、大蔵省から、自衛官の人件費の割合をちょっと聞かしてください。
#160
○説明員(相原三郎君) 先ほどの、予算に対する割合でございますか。
#161
○山本伊三郎君 はい。
#162
○説明員(相原三郎君) 先ほど御説明しましたように、総理府全体として二五・一%でございますが、そのうち、防衛庁は四四・八%――これは本庁と施設庁と一緒になっております。それから科学技術庁が一七・九%。
#163
○山本伊三郎君 それはいい。
 それで、最後は敬意を表して立ちますがね。先ほど言われましたが、人件費の関係ですね。先ほどは省別に言われましたが、性質別にこう見ますと、民生関係、いわゆる一番国民に奉仕をする関係の人件費の割合は二一%、それから衛生関係では二七・三%、これは病院関係のお医者さんなんかもおるということで若干ウエートが高い。労働の点も一二・二%でしょう。農林におきましては二一%、商工では九%、土木では七%、土木は請負が多いからそうなっている。警察では八二・五%。いま自衛官と言われましたが、自衛官の場合は、いわゆるまあいろいろと新武器を購入されておりますから、これは若干低くて四四・八%、私の調査では五三%になっておりますが、年度はちょっと古いのですが、四四・八%、こういうことで、人件費の割合だけ見ても、ほんとうの国民に奉仕をするサービス行政に対しての人件費というのは非常に低いのです。人件費の増高というものは、警察、自衛官――これはイデオロギーをもって言っているのじゃない、数字の上で言っているのですから聞いてもらいたいのですね。今度も警察官五千名ふやされる。自衛官は七千なんぼふやされる。国防上必要であるという答弁であると思いますが、きょうは防衛庁設置法じゃないから言いませんけれども、こういうことで、総体を見ると、国家公務員は一八・九%といわれますけれども、これは四十年ですからちょっと古いデータですが、いまのはちょっと低くなっていると思いますが、総体的に低くなっておると思いますが、こういうことで、国民の側から見ると納得できない数字は出ておりますね。したがって、行政簡素化の重点はどこに置いているか。一般国民の要求するサービス行政のほうにぐっと簡素化を押しつけてきて、必要あるなしというのは、これはまあイデオロギーが入るから言いませんけれども、自衛官とか警察官というものを突然に五千名も、また七千名も見ておられる。国策と言いながら、国民の側から言えばものを申す点がたくさんあるのです。したがって、行政の簡素化、能率化をするために総定員法をしいて、人件費を節約するのだというのなら、そういう点も十分考えてやらなければ国民は納得しない。そういう点を十分行政管理庁も考えてやらぬと、国民の不満はますますつのりますよ。先ほどからずっと、まあ三日間にわたって行政組織の実態を聞きもし、言ってもきましたけれども、ほんとうに公害の問題にいたしましても、今日の行政事務のいろいろな問題でも、国民はきわめて不満は大きく持っておる。大きく持っておるが、その行政組織から言われておる人件費を削減するということになれば、そういう方向に向いていく。それでわれわれ承知できない。したがって、そういう趣旨によってつくるこの総定員法については、これはもうわれわれ、かりに総定員法の五%削減によって、現実に首切りはやらない、配転も、そうむずかしい、むごい配転はやらないという答弁でありますけれども、それはもちろんのことであるけれども、この行政組織なり――憲法から言いましたが、まあ憲法の問題は別として、行政組織の簡素化とか、そういうものからいっても、納得のできない面が多々あるわけなんです。これは逐次事情を私も解明したいと思って、ずいぶんここにも書いてありますけれども、私もそう長く引っぱっておってもあとの方にも御迷惑と思いますから、きょう限りでおきますが、しかし各党終わったあとでまた時間をもらってやる機会私はあると思っております。そういう点で、行政管理庁長官は簡単に、先ほど北村君も言われましたように、政治的な発言をされております。科学的と言いますが、科学的に言わなくてもよろしい、実態を、実勢というものを踏まえて考えたという総定員法というものは、実はほんとうにわれわれとしては、もう何といいますか、噴飯ものといいますかね、こんなものをよく出してきたと思うのですよ。これを出す前にやることはたくさんあるのです。したがって、これを無理に通そうというならば、ぼくはあとに、きょう限りじゃないのですよ、この問題は、この総定員法はどうごり押しに通されるか知りませんが、通ったあとの責任は行政管理庁大ですよ。荒木大臣言われたように、その実績というものをこれに合わさずに、しかも現場ではこれがために問題起こしたということになれば、これは行政管理庁長官の責任ですよ。そこまで考えて出したのかどうか、私はその点が疑わしいのですよ。こういうものを出さなくっちゃならぬ実態はどこにあったか、いまもなお私はわからないのです。いままでの各省設置法によってやるのと、総定員法をつくって行政命令でこれを配分するということと、どれほど大きく行政簡素化、能率化に影響するかということが、私はわからないのですよ。この総定員法をつくって五十万何千というものをかりに行政命令でやるとして、一体閣議でどうしてこれをきめてやるかというと、もう旧態依然なものに私はなってしまうと思うのです。ひとり削減ということで犠牲になるのは下級公務員――下級というとことばが悪いのですが、一般公務員が犠牲になるということしか残らないと思うのですがね。そういう点が一回も解明されたことはありません。これを私は何時間質問したかしれませんが、実はそういう解明をされたことは一回もありません。ただ、臨調の答申でこうだから、一応これをスタートラインとしてこれから出発するのだ言われますけれども、スタートラインだと言ったって、逆に走る場合もありますからね。うしろ向いて走ったらうしろへ行く。したがって、前に向いて走るという方法しか私はないと思う。そういう点について、行政管理庁長官としてこの問題について前向きにと言われるが、前向きの方法がないということは私はもう何時間もかかって解明したのですが、私はこのできたあと相当問題を起こすと思う。その責任はもちろんとると言われるでしょう。とると言われても、やってしまったあとでとってもしかたがない。こういう点でひとつ、行政管理庁長官はまた同じことを言われると思う。思うのだが、少しは変わったことを最後に言えぬかどうか、どうですか。
#164
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと変わったことも申し上げますが、しょっぱな、第一日にお答え申し上げたことを繰り返すことはやめます。おっしゃるとおり、行政管理庁の責任がまずもって重大になる、これはもう当然のことと思います。同時に、総務長官の担当します人事局を中心とした立場においても、責任は新たに加わるものと思います。大蔵省の予算査定権についても、その運営につきましては、取捨選択につきましては、新たな責任が加わるものと思います。それらの関係省庁相互の相談を十分にいたしまして誤りなきを期する意味においての総合的責任もそこにあり、また結局実態的には予算折衝のときに従来の予算折衝と似たようなことになるのじゃないかという御指摘もあるようですが、それはまさにそのとおりだと思います。ただ違いますことは、何回か申し上げましたけれども、総定員法の意図するところは、できれば現在員を活用しながら繁閑に応じて配置転換をするという考え方は、本法が御決定いただきまするまでは事実上なかったと申し上げて過言ではない。そのことが新たに公務員全体の意識として常識化されるであろう。第一年度からきちんと行くものとはもちろん申し上げませんけれども、まあ悪い意味のセクショナリズムの気持ちを解きほぐすということからくる、まあ徐々にではございますけれども、国民的の立場からの御要請にもこたえ得るはずである。さらに何が必要なのか、定員をふやすべきかということにつきましても、従来どおりの予算折衝を通ずるわけではございますが、いま申し上げる考え方に立っての変化もございましょうし、さらに、先刻のお尋ねにお答えしましたように、減らすだけが能じゃない、ほんとうに国民のために必要ならば増員をすることも当然あるべきであり、最高限度の総数をさらに私は押し上げていただかなければならぬこともあり得るであろうし、できるならば現状維持が一番いいのではないか。さらに、幾らでも少ない定員の数でもって同じようにまかなえるものならば、労働過重になっちゃむろんいけませんけれども、あらゆる施策を講じまして、能率を向上する施策のもとに労働過重にならないようにやっていけば、これまた国民のばく然たる一般的な心の底にあるであろう御期待にこたえ得るであろう。そういうことを念として、本法御決定の上は、運営する責任が政府全体に加重されると私は理解いたします。その意味における、総理大臣の内閣を率いての指導力を通じて、国会を通じて責任を負わねばならぬ新たな課題がここに加わる、そういうふうに理解して、慎重にかつできるだけ合理的に、御理解がいただけるような運営のしかたで、今後に向かって十分の考慮を払いながら運営してまいる、そういう気持ちでおることを申し上げてお答えにさせていただきます。
#165
○山本伊三郎君 これでほんとうに最後です。これはもうそういった基本的な問題を離れまして、冒頭に言われましたが、この総定員法によってはなま首は切らない――ことばは悪いのですが、そういう実例はつくらないということと、それから不合理な、本人が納得のできないような配置転換もやらないということについては、これはもう具体的な問題ですから、これは約束できますね、これを最後に。
#166
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仰せのとおりにこの法律は要求しておると理解をいたしております。
#167
○山本伊三郎君 そのとおり、私の言ったとおりですか。
#168
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そのとおりでございます。
#169
○前川旦君 長官にお尋ねをいたしますが、私は公務員の経験がありません。したがって、公務員制度の内部のこまかい問題とか専門的なことはわかりませんが、公務員でない外から見た、国民の目から見たこの総定員法、そういう立場で若干お尋ねしたいと思います。どうぞひとつしろうとにわかるような御説明をいただければ幸いだと思います。
 そこでまず最初ですが、役人、公務員の数というのはだんだんふえる、ほっておいたら自然にふえるとよく言われますが、これからの行政機能というものは拡大の方向へ行くのであるのか、あるいは努力によって縮小という方向へ行くのでしょうか。これは、これからの国のこの近代化に従って、行政機能というものはどういう方向へ行くのが本質的なものでしょうか。拡大の方向へ行くのでしょうか、それとも縮小の方向に努力でいくものでしょうか。
#170
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 断言することは困難でございますが、常識的に考えれば、拡大する要素が考えられると思います。ただし、戦後二十四年目でございますが、二十四年前に必要であった行政サービス需要がそのままで固定して今後十年も二十年もいくということは、また断言できない課題かと思います。それを調整する意味において、首を切らないで配置転換のやり方でいくということで、拡大するであろうもの――拡大するというのは、新たな行政需要が起こってくるという意味において拡大するものを、既存のものでもまかなう努力をあわせてやっていくというやり方、お尋ねにそのままお答えしていない部分も添えましたけれども、そういう趣旨でこの法律を御理解をちょうだいしたい、こういう考えでございます。
#171
○前川旦君 たとえば、近代国家と言われた最初のころの行政のあり方というのは、できるだけ国民に対する干渉というものは避けるべきである。たとえば夜警国家というようなことばもありますし、自由国家という表現もありますが、そういう状態から、だんだんと国の行政権の作用が国民の生活のすみずみにまで及ばざるを得なくなる。で、われわれのことばで言うと、国家独占資本主義の段階ということばをよく使いますが、いずれにせよ、昔のように単に治安、国防、外交といったような問題だけじゃなくて、もっと生活の中に立ち入った、社会保障もそうです、またあるいは公共事業、公企業の経営、教育の充実、産業の保護助成、労使紛争の処理から、あるいは天然資源の保存とか、いろいろな方向へ国の行政権というものはますます拡大をしていくと、こういう必然性があるというふうに考えていいのじゃないでしょうか。
#172
○国務大臣(荒木萬壽夫君) さっきお答えしましたように、必然性とでも言っていいくらいの方向をたどるであろう、またそのことが、国民の立場から、行政サービスを通じての豊かな平和な生活が保障されていく作用もその意味において期待されるであろうと、そのことには私は同感でございます。
#173
○前川旦君 よく三権分立ということばがありますが、一応立法府というのが一番最高のところにあって、これが一番上だというのが、これは近代国家の基本的な考えであったと思うのですが、相対的に見てだんだんと行政部の果たす役割りがふえていって、むしろその役割りがだんだんと増大していって、実質的には立法府なりあるいは司法府なりをはるかに凌駕するような力を行政部が持ってくる、どうもこういう方向に行きつつあるのではないかと思うのです。で、それならそれで、それに対する対策なりをいろいろ考えていかなくてはいけないというように思いますが、大体そういうふうに政治の概念というものが変わってきつつあるし、これから二十世紀の後半ではますますそういう傾向が強くなるのだというふうに私は感ずるのですが、これはいかがでしょうかね。
#174
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは憲法の志向するところ、お説のようなことには絶対にならないだろうし、なしてはいけない、こういうぐあいに思います。
#175
○前川旦君 私は、ほうっておけば自然にそういうふうになって、よく官僚国家と言われるような形になっていくんじゃないかと思うんです。それをどうやってそれではチェックしていくのか、そうならないようにどこでどういうふうにそれを規制していくのか、これがたいへん大事なことではないかというふうに思います。その一つは、やはり行管の行政管理を拡充するという面ではないだろうかというふうに理解をするんです。その意味で、これから行政管理といいますか、行管庁のような官庁が、そういった権限を持った部のこれからの重要性は非常に増してくるのではないかというふうに思いますが、どうでしょうか。
#176
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ行管庁に対して御声援をちょうだいするような御質問で、ありがとうございますが、ただ、午前中以来の御質問にお答えしながらひそかに考えてもおりますが、仰せのとおりの機能、まあ理想的な国民本位の機能が行管に与えられたとしまするならば、それがもっと実効があがるように、監察行政の面も、あるいは行政改革を担当しておりますところの管理局担当の面におきましても、そうあることが望しい課題であるとは存じます。ですけれども、確信を持っていまお示しのようなことにやるためには、行政管理庁みずからももっと勉強しなければなるまいし、スタッフも要るかもしらぬ。専門的な者が養成されなければなるまい。まあいろいろ問題をかかえておる課題でございますので、概念的にはお説のような気持ちがいたしますけれども、直ちにそういうふうに発足するという段階ではないように思います。将来に向かってお説のような方向に一歩一歩前進するというやり方で国民の期待にこたえるべき機能を負わされておる、そういうふうに理解いたします。
#177
○前川旦君 この官僚機構といいますか、よく世間で言われているいわゆる官僚制ですね。そういうものに何らか手を入れられることをいやがる場合には、行管庁のようなものはあまり強い力を持ってもらっては困るということになるかもしれませんが、しかし、国民の立場合からすると、やはり行政機構が膨大化してくる必然性があるんですから、何とかそれをチェックするために、ほかにもいろいろ方法はありますが、その一つとして、もう少し行管庁の権限の強化をするなり、あるいはもっと具体的に言うと、たとえばそこの公務員の身分のもっと完全な保障を考えるなり、だれからの圧力をも感じることなくして自由に腕がふるえるような体制というものを行管庁はつくるべきではないか、実はこういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#178
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行管庁自体の課題に限っていまお話があったと理解してお答え申し上げますけれども、先刻お答えしたとおりのことを再度申し上げざるを得ません、現実の問題といたしましては。これはまあ三権分立から説き起こしてのお話でございますけれども、行管庁に権限を与えていただくといたしましても、おのずから限度のあるべきことは当然でございます。これも行政管理庁の設置法あるいは内閣法等の法律をもって立法府で御決定いただくほかにはないわけでございますが、ただ相当の権限をお与えいただいたと仮定いたしましても、それにふさわしい法律の規定どおりにいきなりやれるかどうかというのは、ふがいない申し上げようではございますけれども、誕生しましてまだそう年数を経ておりませんので、いきなり御期待にこたえるスタートを切るということは容易ではない。そういうふうな法制をおつくりいただけるにふさわしいものに近づくべき努力がなされつつお説のようなところまでたどりつかねばならぬ、こういう課題と思います。
#179
○前川旦君 私はいろいろ地方を回って地方の職員の方と接しまして、非常に乏しい予算で、しかも非常に情熱的に勤務しておられる姿に、非常に頭を打たれることがありますが、それにふさわしい、それに報いるだけの待遇なり身分の保障なりがはたしてできているだろうか、非常にこれは疑問に実は思うんです。早い話が、一つ例をとってみても、よく世間で評判が悪いお役人の天下りというのがありますね。それをよく見ても、なるほど高級な地位からの天下りというものはたくさん例がありますが、行管庁から行っている方あまり見えないようですね。ということは、そういうものとは全然縁がないような感じです。これは縁がないほうがいいんでしょうけれども。しかしまあ、それはそれとして、将来の自分の生活なりのことを考えないでもやっていけるような何らかの身分保障、だれからも気がねしないでいいような自分保障、そういうものを何か考えていかなきゃいけないのではないか、こう実はしみじみ思います。実際現場で働いていらっしゃる方を見るたびに実はそういうふうに思いますが、やはりこれは一度検討してもらいたいというふうに思います。と同時に、いわゆる行政機構が悪い意味の官僚国家、官僚制にならないようにチェックするのは、もう一つやはり国会という場があると思うんです。そこで、たびたびこれは問題になっていることですが、一体この設置法であるときには定員を一つ一ついろいろ論議してチェックできましたけれども、これから、もしこれが万一通ると仮定した場合には、どういう形で国会はこれをチェックできるのだろうか、どういう形でこういう場で審議できるのだろうか、たいへんこれは不安に思わざるを得ないわけです。その点どういうふうに手当てをするようにお考えでしょうか。
#180
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは、いままでの制度――各省庁設置法で定員をきめておりますときも、原則として予算の御審議のときに予算定員とマッチした各省庁設置法改正案として御審議願っておったと存じますが、その各省庁設置法の改正案が出ないで政令がそれにかわっておる。中身は、予算の御審議、予算定員として御審議願うことと一致したものが予算提案のときには政令が存在しておる、そういうことでございます意味合いにおいて、実質上国会の御審議ということは変動が一応ないと申し上げ得るんじゃなかろうか。同時に、年度途中で、ごくまれではございましょうけれども、配置転換等が行なわれ、政令の改正が行なわれたといたしましても、そのこと自体については、法律案そのものじゃございませんが、国会としては当然行政調査権を発動されましての行政に関する御審査というものは、いつ何どきといえども、国会が開かれておる限り、あるいは継続審議等の形においての御審査というものはいままでといささかも変わることなく、むしろ政令そのものを年度途中でも御審査願うという機会を通じて、国会の御審査のもとに間違いのないことを期していくという心がまえでいきまするならば、格別の実質上の差異はないのじゃなかろうか、かように存じております。
#181
○前川旦君 私はやや反対の感じでして、むしろそれは長官の言われたことは、形式上は、形だけは同じじゃないかと、しかし実質はうんと違うのじゃないとか、私どもこう実は思います。予算で審議をするから、そのときに入っているんだから、一応国会の審議の対象になるんだというように私いま伺いましたが、実際問題として、それはなるほど形式論的にはそうでしょうけれども、一月という短い予算の審議の中でそこまでなかなか実質上いきませんわな、実際、いままでのやり方からいって。ですから、結局、こういう委員会で設置法という形でないと、実質上国会がそれに審議の手を伸ばすことができないのではないだろうか、そう思います。さらにまた、国政の審議権があるからいつでもこちらからさえ手を伸ばせば状況把握できると言われますが、これも実際問題として、いままでの国会の運営等を見ていまして、やはり法案として出てくるからそういうことを言う機会があるのであって、出てこなくてこちらから行ってやりなさいということであれば、ほんとうになかなかこれは実質的な国会のチェックはできないんじゃないか、実質変わらないじゃなくて、実質が大きく変わるのではないか、実はこういうふうな心配があるわけです。そこで、もしこれをいま長官が言われたように、変わらないんだという、実効あるようにするためには、たとえば、その年度の定員、政令できめた定員の動きなり何なりをこの委員会に出して承認を求めるという慣行をつくるとか、あるいはそれを法的な裏づけで義務づけるとか、何かそういう形でもとれば、うんとそこで審査できると思うのですが、そういうのをやらないで、政令だけでおっぽり出すと、どうしても手が届かなくなってしまう。そうすると、行管もなかなかその力はいまの段階では弱い、国会でのチェックはなかなかしにくいということになると、公務員の人間の配置とか、定員とか、その増減、何に対して人が使われているのか、こういうようなことをなかなかチェックしにくくなる、審査しにくくなる、こんなことを非常に憂えますが、再度どうでしょうか。
#182
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは、先ほど申し上げたことで一応尽きているのではなかろうかと、こう思うのであります。政令でございますから、政府の責任において、官報には載るであろうけれども、政府の責任でやってよろしいということを国会でお許しをいただいた政令でございますから、それ自体を国会の御承認がなければ実施できないということでは、政令の意味がなくなると思いますが、それはそれとしまして、別にことば返す意思は毛頭ございませんけれども、さっきも申し上げたように、委員会であらかじめ、本委員会なら本委員会から政令をもう一部変えたそうだが説明に来いということの御命令によって出てくることは、これは当然のことでございまして、また関連したことについて資料として出せというふうなことを通じての御審査も、これは当然のことでございまして、それにいなやを申す資格は政令であるといえども政府にはないことは、これは言わずもがなのことでございますから、そして同時に、先刻申し上げましたように、必ず一年一度総予算御審議のときには、当然にその政令も予算定員と脈絡を一緒にしたものがその当時においてはなければならない道理でございますので、実質的には御容赦願えるのではなかろうか。むしろ、数日来申し上げておりますように、総定員法によって、従来の積弊を除きつつ、人員をなるべくふやさないで、現在員を活用して、首切らないで行政需要に応じていくという効果を念頭に置いて、政令にすることをお許しいただきますれば、御審議の機会その他は、私どもの側からかれこれ申し上げる課題じゃございませんけれども、御期待にこたえ得るんじゃないか、そういう課題かと存じます。
#183
○前川旦君 私は、実質問題として、実際問題として、やはり政令でこれ動かすのであれば、事後でもいいですから、動かしたあとちゃんと国会にそれを報告するというような、これは規制ができなければ慣例でもいいのですけれどもね、そういうことがちゃんとできればまだましだと思うのですけれども、そうでない限り、非常にこれは不安だというふうに思います。
 そこで、これはまたあとでいろいろ問題になると思いますから省略をして、次にお尋ねしたいのは、いわゆるこの五%の削減という、これは根拠については先ほどいろいろ論議されましたので触れるのやめますが、この五%の削減という、これは大事業ですね。具体的にどういう形で実施をされる御予定なのでしょうか、すべて一律五%すっとかんなで削るようなやり方をされるのでしょうか、それともある程度仕事の内容を見て濃淡をつけて全体としての五%でいかれるのでしょうか、どういうやり方でスタートしていらっしゃいますか。
#184
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 結論から先に申し上げますれば、濃淡をつけて全体として五%という、問題のとらえ方はそういうとらえ方でございます。それを具体的にしからば名省庁ごとにどういうふうに受け持って三年間に全体として五%という目標に到達するかにつきましては、山本委員の御質問にお答えしましたとおり、北村さんの御質問にお答えをしましたとおり、各省庁が一番実態を知っておる、その中においての軽重、緩急も一番よく知っておる、そういう名省庁の所管大臣の見解を中心に閣議で最終的に決定をしまして、そして四十三年度以降四、五の三年間に五%、約二万五千ぐらいの定員を留保しておる、その留保した定員を必要とするところには振り向けるというふうな運営をしていけば、少なくとも現状維持で行政需要にこたえ得るであろう。それが足りない場合、これはまた予算の許す範囲内において流用をさしていただいてということは、わずかのまれにある機会ではございましょうが、従来と同様の一種の緊急政令的なこともあり得るというふうな運営をしていくわけでございまして、そのために五%程度の留保定員を持っておることが本法案の運営上最も適当であろう、こういう考え方に立った五%の問題であります。もっと、ことばが足りない点がございますれば、政府委員から補足さしていただきます。
#185
○政府委員(河合三良君) ただいま長官より答弁申し上げました点につきまして若干補足いたします。
 五%削減につきましては、昭和四十三年の八月三十日に非現業につきまして、また九月二十七日に五現業につきまして閣議決定をいたしました。ただいま長官より申し上げましたような各省別には若干ニュアンスをつけた全体としての五%という数を決定いたしております。この決定に従いまして、名省別に五%を三年間の間に落とすことになるわけでございますが、この減員につきましては、それぞれ各省庁内で、それぞれの所管大臣の責任におかれまして、この五%をどこから欠員不補充して落とされるかということはお考えいただく、それは当然どの組織からどういう職を落とすかということは所管大臣がお考えいただくということになっております。具体的には、四十四年度につきましては、四十四年度予算の査定の際に各省庁の減員の要求を出していただきまして、どの組織からどの職を落とすかということも私どもまた大蔵省とも相談いたしまして、その結果実施に移っているわけでございます。なおその際、出血あるいは新規採用に際してもし支障を生ずる、そういう業務上特別の必要が生じまして五%の三分の一ずつがそのまま実施できない際には、若干特別の考慮をすることがあるという閣議決定がございまして、閣議決定の一部にはそういう規定をいたしておりまして、それに従いまして、若干の省庁につきましてはその事情を酌量いたしまして三分の一のそのままにはいたしておりません。以上のような実施の方法になっております。
#186
○前川旦君 そうすると、この全部の定員で五%で、各省の間に濃淡をつけるということでなくて、各省一律に五%ということですか。
#187
○政府委員(河合三良君) 各省別に濃淡がついております。
#188
○前川旦君 その濃淡というのは、何を基準にしておやりになっているのでしょう。
#189
○政府委員(河合三良君) たとえば法律上基準のきまっております職種につきましては削減率をきわめて低くする、あるいは一般の職員については通常に扱い、特に補充のむずかしい職種、定員の削減がたいへん困難な職種につきましては、これは若干緩和する、そういうような考え方で、職種別にウエートを若干考えまして、それによりまして各省ごとの共通の計算をいたしております。そういうことでございますので、そういう法令によりまして基準のきまっておりますような定員の職種がたくさんございます省は、これは削減の数が減る、そういう職種の少ない省庁は、これは削減率が、削減の数がそういう他の省庁よりも高くなるというような、濃淡はつけております。
#190
○前川旦君 あなたがいまおっしゃったことは、いわゆる一類、二類、三類と通称いわれておるものですか。
#191
○政府委員(河合三良君) 計算の過程におきましてそういう種類別をつくっておりますので、ただいま申しましたのは、第一分類、第二分類、第三分類と、これは計算の途上そういうウエートを使っております。
#192
○前川旦君 職種によっては非常に削減が困難なような場合には、ゼロということはないのでしょうね。それは三類であろうと何であろうと、百分の二十を対象にするのであろうと、百分の五十を対象にするのであろうと、いずれにしてもゼロというのはないのですね。減らすということはないのですね。
#193
○政府委員(河合三良君) ウエートをきわめて軽くしておりますが、これは各省の共通の基準によりまして各省の削減数を計算するという趣旨であのウエートを一応計算途上つけております。その計算の結果出ました数字につきましては、その数を各省庁内のどの組織のどの職を落とすか、もちろん欠員は保留してございますが、それは各省庁の所管大臣の責任において考えていただいております。
#194
○前川旦君 それではお尋ねしたいのですが、実は、先ほどお願いをしまして、この総定員法なり、それから五%削減なりが、一体各個の省についてどういう影響を及ぼすのだろうか、そういうことをいろいろここで皆さん方のお許しを得てじっくり検討したいと思うのですが、そこで、各省全部やらしていただきたいということを先ほど申し入れておいたのですが、あいうえを順でも何でもよろしいのですが、まず運輸省について、若干定員削減の問題についてお伺いをしたいと思います。運輸省から政府委員見えていらっしゃると思うのですが、運輸省もこの五%の定員削減をしなければいかぬわけでしょうが、いろいろ見てみますと、たとえば非常に運輸省の場合は現業、現場をたくさん持っていらっしゃる。そこで、現場の中で問題なのは陸運とか海運とか航空とかいう部門ですが、まず航空ですね、航空で一体どれくらい削減をするという予定になっていますか。
#195
○政府委員(手塚良成君) これから三カ年の総数につきましては、まだ概略の内示を受けておる程度で、ここで明白な数字は申し上げられませんが、四十三年並びに四十四年、来年の予定というようなことでは、各年それぞれおおむね三十名前後ということになっております。
#196
○前川旦君 そうすると、航空関係で三十人前後といいますと、三年間に大かた百人近くということになります。そこで、一体、航空局の場合ですね、四十三年度末の定員が幾らで、そのうち実際現場で働いているのはどれくらいの比率になりますか、概数でいいです。
#197
○政府委員(手塚良成君) 四十三年度末総計二千六百九十五名。その内訳といたしまして、本局――これはまあ現場とは申せないと思いますが、これが約三百名――二百九十三名、あと航空官署という中で事務的な要素のものが若干名ございますが、それ以外の大半が現場でございます。
#198
○前川旦君 航空の現場というところは、日本の航空の安全に責任を持っているところだと思います。そこで、一体百人近くを定員を減らしてはたしてやっていけるのだろうかどうなのだろうか、それだけ減らすだけのゆとりが従来あったのでしょうか。これだけ減らして安全に対して十分な責任持てますかどうですか。
#199
○政府委員(手塚良成君) 航空につきましては、御承知のとおり、非常に各部面におきまして事務、業務が拡大、発展をいたしておりますし、したがいまして、定員もそれに応じまして毎年少なくとも運輸省内におきましては非常に多い数を増員をしていただいております。しかしながら、こういう中でゆとりというものはもちろんございません。ございませんが、やはりこの削減という政府による方針には相当程度私どものほうも御協力をして、現実安全面において支障のない限りにおいてそういう面の努力を払わねばならぬというふうに考えております。百名前後の人員の削減につきまして、私どもは諸種のくふうをいたしまして、安全面については心配がないというような措置を考えていきたいと思っております。
#200
○前川旦君 ゆとりはないのだが政府の方針だからやむを得ない、できるだけ安全に影響ないように努力して減らす、ことばとしてはなるほど安全に影響はないとおっしゃいますけれども、われわれ利用する国民としてはたいへん不安な実は思いがあります。いまでさえ精一ぱい、ゆとりがないのに、安全に責任のあるところを政府の方針だからといって削っていく、一体それでいいのだろうかというように思いますが、それでは念のためにお伺いしておきます、最近の航空交通量は一体どういうカーブを描いてふえていますか、航空交通量の増加ですね。最近の資料でいいですが、いまそこに手元にある資料でけっこうですが、どういうふえ方をしていますか。
#201
○政府委員(手塚良成君) たとえば羽田に離発着いたします飛行機の機数で申し上げますと、逐年大体一三%くらいの伸び率を示しております。四十二年度でたとえば十一万一千回というものに対しまして、四十三年度におきましては約十二万六千回くらいというような伸び率でございます。
#202
○前川旦君 その交通の伸び率と、人間ですね、その定員の伸び率と一体どういう比較になっていますか。
#203
○政府委員(手塚良成君) 定員総体といたしましては、いまの四十二年度に比べまして四十三年度が九十名前後の伸び率になっておりますので、いま申し上げました羽田の例自体から見ますと、総体的にはある程度のマッチをいたしておるかと思います。しかしながら、これは内部の部局あるいは現場の職種によりまして非常にまちまちでございますので、その点、総体の数だけでは実はそういった飛行機の数などとのマッチのしかたは必ずしも適切ではなかろうかというふうには思いますが、そういった面で的確な数字はちょっと持ち合わせがございませんけれども、現場的な見方でいたしますと、大体現場は、ぎりぎりではございますけれども、そういった施設増あるいはそういった交通量の増に適応するような線で増員を認めていただいていると言えるかと思います。
#204
○前川旦君 大体現場的感覚で見て必要量は確保されているという御答弁でしたが、私はそれには全然承服しがたい。ですから、あなたそれでお突っぱねになるおつもりであれば、一緒にひとつ委員会のお許しを得て現場調査にでも行って、それからこの論議をしてみたい、もしお許しを得られるのだったらそういたしますが、これはあとで理事の方に相談いたします。あなたそうまでおっしゃるならば、これはもうちょっとこまかく伺いますが、たとえば航空管制管をとってみますと、航空管制官三年の間に一体幾ら減らすことになっていますか、管制官の定員を。
#205
○政府委員(手塚良成君) 管制部におきまして四十三年度においては四名ないし五名というのが、ただいま一応の内示になっております。
#206
○前川旦君 それでは、三年間で十五人前後減らすということですね。それではお伺いいたしますが、たとえば東京の管制部を見てみますと、昭和三十五年――これは約十年前ですが、ここで扱った飛行機が大体概算して一日四百機ぐらいのようですね。そのころ一日七百機ぐらいが限度というふうに言われていたように思います。ところが、いま一日に扱う飛行機は大体八百機ぐらいになっていると思います。で、人員は幾らふえているかという、四百機のころが百四十人程度、八百機になって百七十人ぐらい――三十人ぐらいしかふえていませんね。扱い飛行機が倍になって、管制官なり管制部の職員の伸びが非常に低いということは、かなり過重な労働をしいられているのではないか、もう常識的に考えてこう思います。あなたは内部の方ですから、内部的には技術上考えてといろいろのことをおっしゃいますが、普通常識的に考えてこれはずいぶんむちゃな勤務だなというふうに思います。で、ちょっとこれを調べてみたら、たとえば、これは十二月にあったことですが、この東京の管制部では、レイディオマンというのですか、レシーバーを耳に当てて管制をしている人がありますね。飛行機と直接交信をしている人が一人ですね、定員が一人です。地上のタワーと交信する人が一人です。二人が並んでやっている。そうして飛行機と交信をしている人が一体どのくらい飛行機と交信しているか。十二月にあったことですが、大島の上空でわずか三十分の間に十七機を誘導した。これはだいぶ許容量をこえているのではないだろうか。で、御承知のとおり、大島の上空は上がるのと下がるのと交差するところにある。ですからニア・ミスもあったと思いますが、しかしそれはそれとして、ちょっと人間わざでもないようなことを一人でやらざるを得ないような状態になっている、そういうような実態があると思いますが、どうお考えですか。
#207
○政府委員(手塚良成君) 仰せのように、東京、あるいは伊丹、こういった国際空港につきましては、非常に離発着の、あるいは扱い数の機数が急増いたしておりますことは、御指摘のとおりでございます。全国各空港におきまして一律ということではございませんが、こういった国際空港は特にその伸びが激しい。実は国際線あたりの最近における日本への乗り入れ機数がふえてまいりまして、国内線に比べますと、先ほども申し上げました率が国際線においては非常に大きいので、まあただいまおっしゃるようなことになっております。御指摘の定員の問題につきましては、一人当たりにつきましてそういうような状態からこの面におきます定員的には相当に扱い量はふえてきておるということは事実でございます。そういった面で、このほうには、実情といたしまして、私どものほうで部内的なやりくりの可能な範囲においてそういうものに対応させる措置をとっておるわけでございます。もちろん予算的な要求等におきましてはいろいろ努力をいたすわけでございますが、それだけではなかなか実情に相いれないということで、こういった国際空港等については、特にほかの繁閑の度合いあるいは季節的な度合いによってそれほどの人手を要しないというのを臨機の措置で動員等を行ないまして、こういった繁忙面をカバーをするというような措置で対応いたしております。
#208
○前川旦君 それは、普通のデスクワーカーといいますか、机の上で事務をしている人については、これも大事な仕事ですけれども、そういう方よりも、こういう現場でやっていらっしゃる方、特にやっている仕事が国民の生命に関係のあることばかりですから、特に私は念を入れて伺って、あとで行管長官にも見解を伺いたいのですが、それじゃ、管制官とは別に、最近運輸省の空港のほうでは、三種空港の中に特定というのをおきめになったように伺っております。特定三種空港を指定なさったこの理由というのは何なんでしょう。
#209
○政府委員(手塚良成君) そういう名前の呼び方は通称言われておるものではございますが、私どものほうで考えましたのは、ただいま申し上げましたような現実の姿と予算上の定員の関係というのがきわめて流動的であり、急激な変動をいたします国際空港などに必ずしもマッチをしないということから、その辺をある程度部内的に処理をする対策を立てるということをやらざるを得ないために、そういう名前の空港といいますか、定員を実情に即して配置するような空港を考えたわけでございまして、そういう空港は仰せのごとく考えて現実定員を異動しておりますが、その内容といたしましては、やはり各空港の中でも交通量が繁閑の度が相当ございます。また季節によって飛行機が飛べないようなところの空港もございます。そういったようなところの空港につきまして、そういう流動的な状態を勘案した上で人のやりくりをやるというような意味で、そういう仰せのような空港を考えておるわけでございます。
#210
○前川旦君 こういうふうに、まあ特定三種というのが正規のものの言い方かどうか知りませんが、人間を引き揚げたわけですね。航務要員を引き揚げられた。そして引き揚げたこの飛行場は、中標別、紋別、それから女満別、それから松本、隠岐、福江、佐渡ですか、こういうところを引き揚げられたように伺っております。航務要員を引き揚げて、安全性というものが向上したとは言えませんね。向上するはずはありませんね。あなたの立場としては、低下したなどとはこれは言えないでしょう、公には絶対に。言ったらたいへんなことですから、それは無理してでも、いやだいじょうぶですと、こう言わざるを得ません。しかし、国民としての常識から考えて、この航務要員を人間が少ないものだからやりくりのために飛行場から引き揚げる。われわれとしてはたいへんこわいですよ、この飛行場へおりる飛行機は。乗りたくないという気持ちに実はなりますがね。これはどうでしょうか。あなた、そういう点で絶対間違いないと言われるけれども、われわれの気持ちもわかりますか、どうです。
#211
○政府委員(手塚良成君) いま御指摘になりましたような空港、これは実は、私どものほうで利用の度合いを勘案いたしますと、非常に季節的でございまして、季節の中でも、また特に冬場におきましてはほとんど利用ができない現実、またこういったところには定期の飛行機が運航をいたしておりません。したがって、中標津、紋別、女満別のごとく、冬場は雪でどうにもならないというところには、定員を配置いたしましても、実は本人――配置されました人自体が、やはり技能の確保の問題その他においても問題があるということもございまして、こういったところは実は飛行機の飛ばし方自体をいろいろ勘案いたしまして、まあ飛ぶにいたしましても、遊覧飛行的なものあるいは使用事業と申します式の小型の飛行機が離発着するのが通例でございますので、そういう飛行機に対応したような航務の仕事をすると、こういうことで、本来的な航務要員は引き揚げたわけでございますが、航務要員のやる仕事につきましては、これは全然こういうところではやらないということはございませんで、この近辺におきます、たとえばいま設例いたしました三空港につきましては、釧路という空港におきまして、やはり対空通信あるいは管制通信を使いまして、いままでより若干の時間はかかりますけれども、ほとんど同じような仕事をしてコントロールをする、そういう対応策を立てて、実施定員を異動させたという事実でございます。これらにつきましても、おっしゃるように、やはり今後の利用度の推移に応じて、定員配置等についてはさらに慎重に検討をしていかなければならぬというふうに考えております。
#212
○前川旦君 航務要員の引き揚げについて、いま実行されたのは八つですか。初め九つの案であって、三宅島もそれは入っていたというように聞いていますが、三宅島は定期が入っておりまして、あまりこれは危険が強過ぎる。しかも大きな横風があそこに来るはずですね。あまりこれは危険が多いというので、暫定的にやむを得ず残したという話を聞いております。そういう点で、非常に危惧の念を抱くのですが、これ以上こういう航務要員の引き揚げをおやりになる予定なのか、これはもうこの程度が最終で、これ以上はないということなのですか。また将来も、飛行機の推多によるといえば、将来どうなるかわかりませんが、ごく近い将来にこれをふやすというお考えはないものかどうか。
#213
○政府委員(手塚良成君) 近い将来には、これ以上引き揚げの場所をふやすつもりはございません。
#214
○前川旦君 それでは、いまの航務要員ですか、最近管制通信業務を新たにやめたところがありますか。
#215
○政府委員(手塚良成君) ございます。これは、先ほど設例でおあげになりました、女満別、それから中標津、紋別それから隠岐、岩国、佐渡という、先ほど来申し上げております、非常に繁閑の度の激しい、また使用度合いとして、定期が飛ばない、使用事業を主とするというような空港につきまして、御指摘のようなことをやっております。
#216
○前川旦君 管制通信業務をやめた、その係を引き揚げたということでしょうね、やめたということは。管制通信業務というのは一体どういうことをやってきたんでしょうか。これはやめたために実際問題として飛行機の離発着のときにどういう変化が起こりますか。
#217
○政府委員(手塚良成君) 管制通信業務を私どもはボイスと呼んでおりますが、これは管制官とちょっと違いまして、要するに通信施設を使いまして、運航関係の通報をする、航空機に気象の情報を得供する、あるいは飛行の状態を通報する、あるいはNOTAMと言いまして、航空情報の発出の依頼を受けるというようなことをやる職種でございます。これは飛行機とはもちろん通信線を使いまして通話をすることも可能であるわけでございます。こういった関係のボイスがなくなりますと、いま申し上げたようなことが直接その空港からはできなくなるわけでございますが、この中で特に運航関係の通報、いわゆるフライト・プランの接受という、これはことに直接飛行機の安全性と関係が深いものでございます。こういうものに対しましては、先ほど触れました隣接の空港に電話でもって連絡をし、その隣接の空港においての対空通信を使いましてそういう措置をとる。これは飛行機の回数が非常に多いときにはこういったことはもちろんできないわけでございます。飛行機の回数が大体一日二住復程度のところというようなところに限定をいたしまして、まあ一応現状で検討いたしますと、先ほど申し上げましたような空港になる。そこで、繰り返すようでございますが、この程度の空港でございますと、実は海外におきましてもこういうようなやり方をとっておりまして、まあ日本の地形、気象、そういった特殊事情で、従来こういう点についてもいろいろ配意をいたしてみましたが、その後の実績、経験等におきまして、こういう措置をとっても安全上支障はなかろうということで、こういった体制をとったわけでございます。しかしながら、繰り返すようでございますが、今後のこういった飛行機の利用状態、あるいは運営状態、それからまあパイロット等の離発着に伴う内部の声等を十分勘案をいたして、これなどについても機動的、流動的に今後扱いたい、かように考えている次第でございます。
#218
○前川旦君 外国の例をいろいろ勘案をしたとおっしゃいますが、日本くらい、気象条件が悪かったり、地理的条件が悪かったり、航路がふくそうしていたり、それから滑走路が短かかったりするというのは、あまり外国に例がないのでしょう。千二百メートルの滑走路がほとんどだというような。ですから、そういうようなことを考えていけば、外国と比べてどうだろうということはなかなかできない問題だろうと思います。そこで、いまあなた非常にいろいろおっしゃいましたので、もっとわかりやすくひとつ、私らは専門家じゃありませんから、説明していただきたい。たとえば、管制通信業務を引き揚げました。これは三宅島なら三宅島でいいですね、その飛行機はそれじゃ東京から三宅島へ飛んで行くときは、これは東京でフライト・プラン出して飛んでいく。今度三宅島から飛んで帰るときには、これはどうなのでしょうか。一々パイロットが電話を東京の管制部へかけて、指示ですか、クリアランスですか、これを一々自分で受け取らなければいけない、こういうことになるのでしょうか。
#219
○政府委員(手塚良成君) 三宅島につきましては、先ほど先生もお触れになりましたように、実は気象条件等につきましてなお十分検討をする必要がある。御承知のように、あすこは現在の滑走路の位置が相当横風を受けるような位置になっておりまして、そういった気象条件に対応する安全面というのを重視する必要がございますので、これは通信員は現状のままに置く、こういうふうにいたしたわけでございます。しかしながら、それ以外、例示を申し上げました紋別とか中標津、こういったところのものにつきましては、仰せのごとく、すぐそばにございますところの釧路というところへ特別な専用回線がございまして、その回線を通じてクリアランスを管制部からもらう、こういうことになるわけでございます。
#220
○前川旦君 いままでは、パイロットは飛行機に乗り込んで滑走路に行けば、管制塔からずっと管制通信業務をやる方が連絡してきたわけですね。それから飛び立った。ところが、それが引き揚げたから、今度は、パイロットが自分で管制塔に上がっていって、そうして東京の管制部に電話をかけてクリアランスをもらって、また飛行機に戻ってきて出ていく。結局、パイロットの仕事がそれだけふえるわけですね。ただでさえ営利事業であるいまの日本の国内のいろいろな飛行機会社のパイロットは労働過重だ、過労ぎみだといわれているのに、また余分な仕事を負わせる。引き揚げて定員が減るのは、そういうところにしわ寄せがいくのじゃないだろうか。運輸省のほうは安全はだいじょうぶでありますかと、逆にそっちのほうに安全性の問題が転嫁されて、結局は、国民の側から言うと、やはり安全性が低下しているというふうな実は気持ちがしますが、どうでしょう。
#221
○政府委員(手塚良成君) 現実問題のいまのやり方の問題でございますが、管制塔の中に職員がいなくなったからというので、パイロット自体が管制塔に上がって通信をするわけではございません。これは主として、飛び上がりまして、機上から持っておる通信機で通信をすればよろしい。あるいは場合によりましては、地上における管制塔以外のところで従来通信官が通信をしておりますが、そういった電話を使用するということになるわけでございます。この飛行機が数が多い場合、あるいはその飛ぶのが定期性を確保しなければならないというような飛行場につきましては、なかなかそういったことを課することは適当ではないと考えますけれども、先ほど来申し上げておりますような使用事業者、農薬散布で移動するというような飛行機などがこういった空港の大半の利用者でございますので、そういった程度の扱いということで適当であろうかというふうに考えてやっておるわけであります。
#222
○前川旦君 遊覧飛行とか農薬散布の飛行については、向こうは命がけで商売やっているのだから、危険はおまえのところで負担せいというような突き放したような感じに実は聞こえましたが、私の誤解であればいいです。
 それじゃ、いまのは管制通信官の引き揚げでしたが、今度は実際に飛行機を管制する管制官が引き揚げた飛行場がありますね、一つですか。
#223
○政府委員(手塚良成君) 一つでございまして、これは函館の空港でございます。
#224
○前川旦君 秋田はどうなんですか。
#225
○政府委員(手塚良成君) 秋田は以前からボイスという形態でやっておりまして、最近やりましたのは函館でございます。
#226
○前川旦君 秋田の飛行場は非常に発着が多い。二千五百三十六回も発着していますけれども、これは定期が入っているのかどうかよくわかりませんが、これをボイスだけでやるのは非常に危険で、むしろ管制官を配置するのが当然だと思いますが、それにしてもいままでいた管制官を引き揚げたら一体どういうことになるのでしょうか。
#227
○政府委員(手塚良成君) 先ほど申しました管制通信官というのがこの管制官にかわることになるわけでございます。管制通信官は先ほど申し上げましたような仕事をやりますが、これが管制官と違いますところは、要するに管制に関して判断を加えた行動をとることができるかできないか。たとえば旋回などにつきまして、旋回をもう少し小回りにしろとか、大回りにしろとか、こういったような言い方の、要するに飛行機の離発着についての判断を加えた指示を与え得るかどうかという違いでございます。飛行機が必要といたしますクリアランスの問題あるいは気象情報の提供の問題、あるいはランウエーの状況の通信の問題、そういったものはボイスにおいてもこれは管制官同様に与え得ることになっております。そういう意味で、非常な違いということではないかと考えます。函館につきましては、これは定期はもちろん飛んでおりますが、この離発着の回数が全体の飛行場から見ますと非常に数が少ない部類に入るということで、こういった措置をとった次第でございます。
#228
○前川旦君 管制官がいなくなると、管制通信業務の人だけですね。そうすると、管制通信業務の人が通信できるのは限られていますね。いま着陸しなさいとか、あなたから順番に入ってきなさいとか、こういう指示をする権限がないはずですね。たとえば秋田にしても、函館にしても、定期便が入っている。同じ時刻に同時に飛行機が二機、三機入ってきますね。そのときに、管制官がいないのですから、管制官がいるところであれば、あなた先におりなさい、何分後にあなたおりなさいと指示できますが、ところが管制官が引き揚げますから指示できませんで、ただ、いま飛行機が二機来ていますよ、上空に来ていますよ、これしか言えないわけです、報告ですからね。そうすると、おりるのはパイロット自身の判断で、極端に言えば、強い者がちにおりてこい。まあわれわれの常識的な目で見れば、そういうことにならざるを得ないと思う。そこで、秋田の飛行場で、管制官のいないところでちょっと聞いてみたら、ときどきそういうことがあるそうですね、実際に。飛行機が同時に二、三機来て、だれがおりるのだと飛行機同士が無線でけんかしているというのですね。パイロット同士が、おれが先におりる、おまえ引つ込めと。飛行機が地上におりてからも、あれはおれが先におりるのがほんとうだ、おまえがなんで先におりたい言い合っているんですね。そういう事例があるのだということを冗談まじりで聞きましたが、これは笑い話では済まされない。ほんとうにぞっとするようなことじゃないでしょうか。私はそう思いますが、あえて管制官を引き揚げるようなことをなさるのはどういうことですか。
#229
○政府委員(手塚良成君) 飛行機の飛び方から申し上げるとよろしいかと思いますが、いわゆるIFRという飛び方と、それから自分の目で見ながら自主的に飛ぶVFRという飛び方と、二つあるわけでございます。そこで、小型機が飛んでおります場合には、大体天気も視界も良好でございまして、自分の目で見ながら判断をして離発着するというVFR方式をとることが大半でございます。そういう状態の場合には、ただいま申し上げました管制の関係というのは、離陸のときと着陸のときの通報ということだけで一応済むことになっております。IFRで飛びますときには、これは管制の指示に従いまして、そういった順番関係というのがきちんと定められて、高度その他も指定されたとおりにおりるということになるわけであります。IFR方式を使います場合には、やはり管制部のクリアランスとして、そういう順番は管制部できめまして、それでボイスを通じてその旨を飛行機に連絡をいたしますので、飛行機同士の順序というものは、そのIFRで飛ぶ限りではついておるわけであります。
 で、おっしゃいますような事態は、想定いたしますと、おそらくVFRでその辺を遊覧で飛ぶとか、あるいはいま申しました使用事業の関係のものが飛んで、そういう事態があったということが考えられます。これはなるほど、そういう場合も、私は、管制官がいて指示をすることがほんとうの意味では正しいし、よろしいという考えも当然持ちます。しかしながら、これはそういうVでやりますのは、一応たてまえといたしまして、飛行機同士でそういう目で見ながらやるというたてまえの飛ばし方になっておりますので、いまのようなけんかにまでなりますとちょっと問題もございますけれども、お互いの自主的な規制でそういう面を処理し得るのではないか。また、こういう飛行機が非常に多数の場所になりますと、私どものほうではやはりボイスか、あるいは管制官を置くということを当然考えるつもりでおるわけであります。具体的な例で申し上げますと、最近南紀白浜空港というのができましたが、あそこでは大体こういった遊覧使用事業の関係が大半飛んでおります。しかし、交通量はそれなりに非常に多いということから、こんなところにはいま申しましたような措置をとっておるわけでございまして、やはり繁閑の度合いとか、そういう飛び方の実情とか、そういうことを考えながらこういう問題に処したい、かように考えております。
#230
○前川旦君 行管の長官にお伺いいたしますが、五%削減を機械的に当てはめる――機械的じゃないと行政委員の方がおっしゃいましたが、濃淡があると、しかし、いずれにせよ、ゼロということは認められてない、何らかの削減をせざるを得ない、政治的にせざるを得ないということになっておる。ところがいまお聞きのように、なるほど航空局長は、これはもう安全に影響があると言ったらたいへんですから、無理して非常にああいうことを言われるけれども、無理して言われておるように思います。私どもそれは人が必要で、いればいるほど安全度が増す、しかし減らさなければいけない。何とかその安全度は低くならないのだということを一生懸命こじつけて、人を、必要な保安要員を減らしていく。事は人命に関することですから、そういうところまで上からかんなで削るように減らせと、こういうような定員の削減のしかたというものが、一体ほんとうの合理的な行政改革になるのだろうか。これは全く形式的な死んだ定員削減じゃないだろうか。その辺のところを長官は一体どういうふうにお考えになりますか。やはりその安全とか人命とか、サービス部門に対しては、もう少し血の通った考え方をとられるのが当然ではないでしょうか。その辺疑問に思いますので、お答えいただきたいと思います。
#231
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私から冒頭に、一般的な五%削減の考え方を申し上げたのですが、その補充差しとめをしました実在員のない定員というものは、そのままほったらかすというわけじゃございませんで、配置転換、その空定員の配置転換ということによりまして、行政需要に応ずる適切な配置をするためのいわば財源的な空定員でございます。
 そこでいま具体的に航空関係でお尋ねでございますから申し上げてみますと、四十三年度の分につきましては、地方航空局で九名削減の予定でありましたのに、プラス四十八、差引三十九名増員。同じようにそれは四十四年度には二十三名削減の予定でありましたが、増員は百六いたしまして、差引八十三名の純増に相なっております。航空交通管制につきましては、同じように四十三年度定員の減員はゼロ、純粋に三十七名増員ということになっておりまするし、四十四年度は同じ航空交通管制につきましては四名の減員の予定のところ二十六名増員いたしまして、純増二十二名。そういうことに相なっておりまして、そのほかに大学校、研修所等に対しましては、四十三年度四十五名、四十四年度十六名がそれぞれ純増と相なっております。
 したがって、合計しますと、四十三年度航空局関係は百二十一名の純増、四十四年度の予算におきましては百二十一名の純増ということになっておりまして、五%削減の各省庁ごとの三年計画の減少、分配そのものにつきましては、各省庁ごとに責任を持って考えられますが、年度ごとの予算を通じまして結果的にきまりますものは、その行政需要の濃淡に応じまして配分をする、その配分するための空定員を、なま首切らぬでいいように、あらかじめいわば貯蓄しておきまして、三年間に二百五十人もあればうまく運用できるだろうという数字でございます。それは具体的には年度ごとにそんなもので取捨選択しまして、それでも足りない場合には、予算そのものをふやして、予算定員をふやすということもあり得る、そういう実際面と五%削減ということは、削減そのものが減員になるということではございませんので、御了解いただきたいと思います。
#232
○岩間正男君 人がどうしても安全上要るから増員要求が出る。それは上から削りますね。一〇〇%認めませんね。それは何人かは増員要求を認めてきたわけです。一方で増員要求を押えながら認めてきて、一方で五%削減するということは、たいへんおかしな話じゃないですか、常識的に考えて。一方で認めて、一方で五%減らしなさい。同じものなら初めから五%なんて言わないで、初めから適正な合理的だと思うところで押えていったほうが、ずっとすっきりして、私ども部外者によくわかりますがね。
#233
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあおっしゃるような意味もなしとはしませんけれども、こういうやり方が、現在員を有効に活用して、国民的な要望と申し上げますけれども、なるべく人間を合理的に使って、行政サービスを維持し、向上させようという要望にこたえる手段である。そのやり方として、いま申し上げるようなやり方でいったほうが適切じゃないか、こういう考え方でございます。
#234
○岩間正男君 関連ですから簡単に申しますが、ただいまの答弁は、これはなっていないと思う。それからいま資料を出しましたね、いろいろふやすほう。しかしこれ、事業量の拡大の問題は全然出さないわけですね。だからこれはいまの航空局だけのなにをとってみたって、精密に計算すればわかるわけですよ。一三%ずつふえるでしょう。そこに増員をやっているが、総体的にはその増員というのは増員になっていないのです。総体的にいえば減っているわけです。そこにさらに削減ですから、そういう性格については、もっと科学的に答弁をして、補助をしてくださいよ、援助を。長官のいまの答弁なんていうのは、全く子供だましな答弁なんです。
 私はこういう問題をいま聞いていて痛切に感ずるのだが、松山空港の問題ありますね。あの問題が起こったときに、私は現地へ飛んだ。一文惜しみの百失いということばがありますけれども、どうですか、一体。あそこに行ってみると、ほんとうに、航空管制官というのは二人です。これは交代ですね。二十四時間交代みたいなものですよ。たいへんな勤務ですよ。そういうようなことも事故の原因として非常に大きく出たわけです。そうしてあの結果、ほんとうに数十人の人命が失われておる。あの補償だけでも一体どういうことになりますか。あの損害は、一人の航空管制官を削減すると、それで一体どれだけの予算の削減ができるのか、その結果、一体失ったのはどういうものか、こういう問題について検討したことがありますか。
 たとえば松山空港の場合、知っているでしょう。航空局長から答弁願いたい。何人死にましたか、そうしてあの人員の損失、そうしてそのための補償、その他の捜索費全くたいへんですよ。そうしてしかもとうとい人命を数十人失っている。こういう事態というものは、全く人員削減ということで具体的に起こっているのですよ。今度の総定員法というのは、そういう性格を持っている。これはもう例をあげます。私の本番になればたくさん例をあげるんだが、たくさんあるんです。全く、看護婦さんの問題から気象庁の問題から、もうたくさんあるわけですね。そういう点についての検討を、これは一体長官はやったことがありますか、どうですか。それから、そういうようなものについて、実質的に計算したことがありますか。航空局長と行管長官の答弁を求めたいと思います。最初航空局長から聞きましょう。松山の場合、言ってください。あるでしょう。
#235
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 看護婦さんは減らしたことはございません。看護婦さんは四十四年度にはふやしております。また、大学の先生についてもふやしております。さらに、特許庁の事務量の増大に応じましても増員をいたしております。なお、要すれば具体的な数字を政府委員から申し上げます。
#236
○政府委員(手塚良成君) 松山事故で、四十一年の十一月十三日に全日空のYSが落ちました。死亡いたしましたのが乗員五名、乗客四十五名、合計五十名という状態でございます。これでいろいろ御迷惑をおかけいたしまして、いろいろいま訴訟も起こっております。
#237
○岩間正男君 損害、損害。
#238
○政府委員(手塚良成君) 損害といたしましては、これは乗客につきましては、御承知のとおり、保険がかかっており、またそれの葬祭費等を加味いたしまして、一人当たり八百万という数字を出しております。ただ、これ以外に捜索費等で、いろいろ諸雑費が航空会社自体で相当な金額としてかかっております。いま手元に具体的な捜索費の資料を持ち合わせておりませんが、やはりこれは相当多額な金額になっておると考えております。
#239
○前川旦君 行管の長官、いま岩間さんから松山の話が出ましたけれども、私、松山に近いのです。松山で大きな事故が起きました直後なんですが、夜飛行機が、これは全日空だと思うんですが、旅客機が着陸をしようとしましたところが、飛行機の進入角を知らせる進入角指示灯というのが消えたんですよ、ぱっと。パイロットは非常にあわてたそうです。管制官も非常にあわてて、その機械を手でたたいてみたら、十回くらいたたいてみたらまたぱっとついた。それでやっと降りてきたという。これは当時の新聞に非常に大きく出ておりました。これは人が足りぬわけです。照明係の人は一人しかおらぬわけです。これは勤務時間外ですから家に帰っているわけで、勤務することを強制するわけにはいきません。一人しかいないというところがたくさんあります。思いがけないそういった事故というのがたくさんあるわけですね。
 ですから、私どもは、こういう安全に関する限りは、どんなに金をかけても、どんなに入をかけてもいいと思うんです。それを、一方でやむを得ないからとふやして、一方で形式的に五%削るというようなことはやらずに、やはり必要なところは必要なところでたくさん持っていく、こういう杉をぜひといってもらいたいと思います。それがいわゆる政治じゃないかと思うんですね。そうじゃなくて一律に五%というのは、非常に血の通っていないような気がします。
 それはそれとして、だいぶ時間がせかされています。次に陸運のことを、同じようなことですが、ちょっとお伺いしておきますが、自動車局長見えていますね。この陸運局の事務で、これは運輸省で国民と接触するところは、いまの陸運局が一番多いと思います。この陸運局の事務というものはどうなっておりますか。事務の進行状態というものは非常に許認可事業と免許事業といろいろありますが、個人タクシーの申請を出しても何年も引っぱられる。結局仕事はたまっていっているのだろうと思うのです。現場に行きましても、コマネズミみたいに職員は働いています。それにもかかわらず、どんどん仕事が一方でたまっていっているということじゃないかと思うのです。そこで、最近何年でもいいが、さかのぼっていただいて、今日までの事業量の伸びをひとつここで明らかにしてもらいたいのです。事業量の伸びというものは、いま手元に資料がなければ、たとえば自動車の両数のみでもいいし、それから自動車営業の事業所の伸びでもいいし、たとえば東京の陸運事務所を例にとっていただいてけっこうですから、そういう例をここで明らかにしていただきたいと思います。
#240
○政府委員(黒住忠行君) 自動車は、いま先生がおっしゃいましたように、非常に両数がふえておりまして、最近におきましては、年間の伸びが一六%ないし二〇%でございます。たとえば両数につきまして、三十九年度を一〇〇といたしました場合におきまして、四十四年度は二三六ということに相なっております。その自動車の車両数の伸びに即応いたしまして、われわれの仕事も逐次ふえてまいっておるわけでございます。自動車関係でやっております仕事は、車両検査登録というふうな保安の仕事と、それから免許、許認可の関係の仕事がございます。で、車検登録の仕事につきましても、この自動車の伸びに相応いたしまして件数が相当伸びております。たとえば車検におきましても、国でやります車検につきましても、三十九年度を一〇〇といたしまして、四十四年度には二〇六というふうな伸びでございます。われわれといたしましてはそれに即応いたしまして、諸般の態勢を整えつつあるわけでございます。それから免許関係等につきましても、これは免許のほうは、いま新しい事業者が出てくるということは比較的スローダウンをいたしておりますけれども、お説のように、個人タクシー等の免許申請として相当出ておりますので、一がいに申し上げられませんけれども、なるべく早くこれを処理するということでやっておりまして、ただ個人タクシーの問題につきましては、最近年齢等の引き下げをいたしましたために、申請の件数は非常に多くなっておりますので、目標を立てまして現在処理しておるような次第でございます。要するに自動車関係はモータリゼーションを反映いたしまして、相当の車両数の伸びでございますから、それに即応いたしまして、仕事は繁忙をきわめておりますけれども、一生懸命に努力して処理をしていきたい、かように考えております。
#241
○前川旦君 業務量の伸びに対して定員の伸びはどうなっていますか。そのギャップはどうなっておりますか。
#242
○政府委員(黒住忠行君) 定員は、たとえば陸運事務所でやっております事両検査登録は、特別会計でこれを所掌いたしておりますが、三十九年度一〇〇に対しまして四十四年度は一二四でございます。先ほど申し上げました自動車の車両数の伸びあるいは処理件数の伸びに対しまして、定員の伸びは下回っております。
#243
○前川旦君 それではもうちょっとこまかくお聞きしたいのですが、たとえば車検ですね、この車検をする場合に、一台の車を検査するのに大体何分ぐらい要りますか、時間は。
#244
○政府委員(黒住忠行君) 平均的に見まして、約十二分でございます。
#245
○前川旦君 いまの十二分というのは、その時間が必要だということですか、いまそれでやっているということですか。
#246
○政府委員(黒住忠行君) おおむね必要な時間でありまして、現在おおむねそういう時間で処理しておるわけでございます。
#247
○前川旦君 じゃいま一台をそれだけの時間かけてやっていると言われましたが、東京事務所の場合、それだけの時間かけていますか。実際にそれだけかけていますか。
#248
○政府委員(黒住忠行君) おおむねそれに近い時間をかけて検査をしております。
#249
○前川旦君 そこまで言われるならそれはいいです。あとでまた実際にどうなっているか、現場でひとつ見てみてもいいですね。
 それじゃ、車両を民間委託していらっしゃるようですが、この民間委託をした場合の、受託した整備工場に対しては、監査を何回やるというたてまえになっていますか。
#250
○政府委員(黒住忠行君) 民間委託いたしましたものは指定整備工場がございますが、少なくとも各工場に対しまして年一回は監査をやる、実際は一・五回ぐらいの監査を実施しております。
#251
○前川旦君 あなたはそうおっしゃるけれども、運輸省令で出ているのは年三回じゃないですか。三回せよというが、実際には一回ぐらいしかできていないのが実態じゃないかと思います。
 それから、実際問題として車検をやるのにもつと時間を節約して、一日に非常に多くの車をはいていかなければ車検ができないという状況の中で、たいへん無理をしているということがあると思います。そのほかに、たとえば自動車の保安行政一つを見ても、どこまで一体定められた、あるいは必要とされる保安行政が行なわれているかどうかということ、たいへんこれは疑問だというように思います。実際に業務量がうんと伸びている。たとえば昭和二五年から四十二年をとってみても、車の台数は二十八倍になっているのですね。ところが、実際に定員はほとんど横ばいでしょう。業者も十倍以上になっているのに、定員はほとんど横ばい。ですから、非常に過重な仕事をやっているのが、実態だというふうに思います。陸運事務所で、それを証明するいろいろな数字がありますが、これはきょうは出しません、おいておきます。
 こういう中で、たとえば定員が不足するものですから、定員を凍結しているときにも、特に行管にあなた方は頼んで凍結していながら補充してきたはずですね。どれくらい補充してきましたか、パーセンテージにして。
#252
○政府委員(黒住忠行君) 車検登録につきましては、おおむね毎年度百名前後のものを増員いただいております。
#253
○前川旦君 凍結定員のおそらく九割ぐらいまでは増員をしてきたのじゃないかと思いますがね。ということは、結局それだけはどうしても人をふやさなければどうにもならない限界がきているということだろうと思うのです。にもかかわらず、今度はどうですか、五%削減で、陸運関係で一体幾らのパーセント定員を減らしますか。
#254
○政府委員(黒住忠行君) 陸運局、陸運事務所、合計いたしまして百四十四名でございますが、これは四・八%でございます。
#255
○前川旦君 四十三年度末の陸運局の定員はざっと三千名ぐらいだと思います、二千九百九十一名ですから。このうち実際に現場で働いているのは何人ぐらいになりますか。概算でいいです。
#256
○政府委員(黒住忠行君) 陸運局のほうが四十三年度八百五十五名、陸運事務所が二千百三十六名でございますが、陸運事務所の二千百三十六名は、ほとんど現場でございます。
#257
○前川旦君 そうしますと、この陸運関係の四・八%減というのは、ほとんどこれは現場がそれだけ多いのであれば、現場のほうが四・八%かぶるということになりますね。
#258
○政府委員(黒住忠行君) 陸運局、事務所で、合計百四十四名でございますが、本局のほうがたとえば四十四年度は八百四十八名で、それに対しまして陸運事務所が二千百六十二名でございますので、二倍半ぐらいでございます。したがいまして、削減のほうにおきましても、四十四年度は、削減では陸運事務所のほうの削減の数は多くなっております。
#259
○前川旦君 いろいろ濃淡をつけるという話ですが、一番いま忙しくててんてこ舞いをしているこの陸運事務所なんですね。現場の公務員を四・八%も三年間に削減をするということは、これは全く国民に対するサービスといいますか、一番これは国民の接触するところですね。ここに一番しわ寄せをしたというふうに考えざるを得ないのですが、これについてどうでしょう。
#260
○政府委員(黒住忠行君) 自動車関係の特に車検登録の仕事は、先ほど申しましたように非常にふえてまいっておりますので、それに即応しまして、あるいは機械の整備をやる、施設の整備をやる。そうしてまた制度等もいろいろ考えまして、能率的な制度にするというふうなことで、現在法律改正を国会に提案いたして御審議を願っている次第でございます。しかしながら、そう努力いたしましても、業務量はふえてまいりますので、人員の増加につきましては、全体といたしまして、毎年要求いたしまして、全体の中からこの車検登録のような現業事務に対しましては、運輸省といたしましては、優先的に増員をいただいている次第でございます。しかしながら、全体といたしまして仕事がふえてまいっておりますので、われわれといたしましては、業務の能率化その他につきまして、抜本的な対策を考えていきたいということで、先ほど申し上げましたような御提案もいたしているような次第でございます。
#261
○前川旦君 総定員法なり、それからこの五%削減なりで、一番国民の側から見て気になりますのはね、やはりこのしわ寄せが、国民と接触してサービスするこの現場ですね。そこへ一番しわ寄せされるのではないだろうか。で、やはりこのどこを削ってどこの削り方を少なくするというようなことは、やはり各省の中の、いろいろな問題でしょうけれども、そこにはいろいろな力関係が、まあ、実際問題として、力関係と言うとことばは悪いですが、中での奪い合いというものが、どうしてもついて回るのじゃないかというように思います。その場合に現場というのが、常にしわ寄せをされているとまで言ったら、少し言い過ぎかもしれませんがね。どうしてもそういう傾向が出ると思うのです。その辺は、私はやはり行管でチェックすべきではないのだろうか。全部それは自主性にまかすというのではなくて、行管がやはり実のあることをやるには、サービス部門は減らしちゃいかぬとか、ふやせとか、そういう形での指導をしなければ、一律に何%で、機械的なことじゃ――これはまた問題返りますけれども、困ると思うのです。その点についてどうですか、どうお考えになりますか。
#262
○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろん御指摘のとおり、五現業のごときは、現業なるがゆえに政令で従来とも認めていただいているのと同じ趣旨を、当該省庁としては、国民に対する行政サービスこそが目的なんですから、何に重点を置いてどうするかということは、削減します場合でも当然考えられているはずである。こう考えて、しかも、具体的にいま運輸省からお話がありましたようなことも相談しながら、四十四年度予算定員をきめますときに、合意の上で定められたものが予算定員として出されておるわけでございます。したがって、力関係ということは、それ自体が一〇〇%適切じゃないかと思いますけれども、自分の所管のことについて、省庁内で理解を高めるか、あるいは省庁の責任者がお説のようなことに考えを及ぼしてどうするかということが第一義的なことですけれども、もしそれが適切でないと思われる、調整機能を発揮して、アドバイスするという必要課題がございましたならば、もちろんそういう角度からの協力をすべきだ、そういう心がまえで総定員法は運営していかねばならぬ、かように思っております。
#263
○前川旦君 行管の長官にお尋ねしておきたいんですが、たとえば私どもがお役所を見て一番ふに落ちないところは、たとえば予算を使ってしまわなければいかぬ。三月にもし予算をうんと倹約して残したら、来年はその分だけくれない、削られるからどうしても使ってしまわぬと来年困る。非常におかしいと思いますよ。ぼくら民間しか知りませんからね、民間の経験からいうとほんとうにおかしいんですよ。
 同じことが定員でもいえるんじゃないでしょうか。たとえば、ある一つの部門で非常に努力をして、なるべく、定員が十人ついていれば、八人ぐらいで何とか仕事をやって、その二人を忙しいところへ出す。それ行管に見つかったら、来年は八人しかくれないとか、そんなことをやっていたら、私はいつまでたっても、これは合理的な人間配置はできないんじゃないか。やはり一方で減らす努力をしたところは、むしろ一方ふやすところはどんどんつけてやるとか、何かそういうことを考えていかなければ、予算の使い方と同じで、とにかく使わなければ損だと、見つかったら減らされると、これは私は悪弊じゃないかと思いますがね、これはどうでしょうか。
#264
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 予算につきましては、戦前には年度末に至って慰労出張その他で金を残さないように使った例はあったように思います。戦後はそういうことはないものと信じますが、ただ定員の場合は、いささか事情が違うと思いますのは、生きた人間の問題であり、人間関係のことでございますから、金の使い方と同じような弊害が当然に出てくるということはあるべきじゃないし、あらしめないようにという考え方でなければいくまいかと思います。
#265
○前川旦君 実際現実に省全体の定員があっても、この省が自主的にどうしても人がなくてやっていけないから、そこは定員が少ないから、実際ついている定員が少ないから、よそから苦労してやっと持っていって、何とか仕事をやりくりをして、どこか当然へこみますね。へこんでいるところを見つかったら、当然今度へこんでしまう。しかし、ふやすほうはなかなか認めてくれないから、何かその辺をじょうずにやりくりして、行管に見つからないようにやりくりをしているという例が各省には私はあると思います。なければ幸いですけれども、ないと信ずればそれまでですけれども、あるように思います。その辺は何とか手を打たなければ、やはりいつまでたっても適正なあれはできないというふうに思うんですがね。それが私しきりに気になるのです。その点、いま長官の御説明は、木で鼻をくくったような感じですけれども、もっと血の通った何か打つ手はないものですかね。どう考えますか。
#266
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その心がまえは、おっしゃるとおりの心がまえであるべきであることはさっきも申し上げましたが、現実問題としては、各省庁内での良識をもっての判断、それに対して、いわば外部からのアドバイザーの役を持ちます行管の立場、あるいは大蔵省の立場あるいは総務長官の立場ということで、衆知を集めて、御指摘のようなことにならないようにする責任が政府としてある。最後的には、間違いがあるならば、閣議においての総理大臣のリーダーシップのもとに善処をするという結果をもって国会の御審議を願う、そういう考え方でやっていきますならば、御懸念のようなことがかりにあるとしても、一挙にこれが解決をしないまでも、そういうよりよき方向に歩いていける、また歩かせねばならぬ、こう考えて運営したいと思います。
#267
○委員長(八田一朗君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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