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#1
第061回国会 内閣委員会 第17号
昭和四十四年五月十五日(木曜日)
   午前十時十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     山本伊三郎君     林  虎雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         八田 一朗君
    理 事
                石原幹市郎君
                柴田  栄君
                北村  暢君
                山崎  昇君
    委 員
                内田 芳郎君
                源田  実君
                佐藤  隆君
                玉置 猛夫君
                長屋  茂君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                山本茂一郎君
                前川  旦君
                村田 秀三君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                片山 武夫君
                岩間 正男君
   国務大臣
       国 務 大 臣  荒木萬壽夫君
       国 務 大 臣  有田 喜一君
       国 務 大 臣  床次 徳二君
   政府委員
       内閣法制局第二
       部長       田中 康民君
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       人事院事務総局
       任用局長     岡田 勝二君
       人事院事務総局
       給与局長     尾崎 朝夷君
       人事院事務総局
       職員局長     島 四男雄君
       総理府人事局長  栗山 廉平君
       行政管理政務次
       官        熊谷 義雄君
       行政管理庁行政
       管理局長     河合 三良君
       行政管理庁行政
       監察局長     岡内  豊君
       防衛庁長官官房
       長        島田  豊君
       防衛庁防衛局長  宍戸 基男君
       防衛庁人事教育
       局長       麻生  茂君
       大蔵政務次官   沢田 一精君
       大蔵主計局次長  海堀 洋平君
       大蔵省関税局長  武藤謙二郎君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       厚生省保険局長  梅本 純正君
       林野庁長官    片山 正英君
       通商産業省鉱山
       保安局長     橋本 徳男君
       運輸大臣官房長  鈴木 珊吉君
       気象庁長官    吉武 素二君
       気象庁次長    坂本 勁介君
       郵政省貯金局長  鶴岡  寛君
       郵政省簡易保険
       局長       竹下 一記君
       労働大臣官房長  岡部 實夫君
       労働省労働基準
       局長       和田 勝美君
       建設大臣官房長  志村 清一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       人事院事務総局
       公平局長     中村  博君
       厚生大臣官房国
       立公園部長    広瀬 治郎君
       郵政大臣官房文
       書課長      高仲  優君
       自治省財政局財
       政課長      首藤  堯君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○行政機関の職員の定員に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動についてお知らせいたします。
 去る五月十三日、山本伊三郎君が辞任され、林虎雄君が選任されました。
#3
○委員長(八田一朗君) 行政機関の職員の定員に関する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#4
○峯山昭範君 私は先般の委員会ですでにもうある程度質問をいたしましたけれども、きょうは一時間半の時間をいただきまして質問したいと思います。
 すでに衆議院の内閣委員会でも、また民社党の見解に対する回答、さらには本委員会で長官より種々答弁がございましたけれども、いわゆる今回の総定員法に関連いたしまして、一番目に首切りの問題、それから二番目に強制配転の問題、それから三番目に他省との間の配転の問題は行なわない、また、万一配転を行なうような事態が起きた場合に、事前に組合と協議をする、そういうようなことを、先日の総理がお見えになったときにも明らかにしておりますけれども、私は初めに組合との事前協議の対象となるものの範囲並びにその内容について、大臣はどういうぐあいに考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#5
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 明確にお答えいたしかねるきらいがございますが、公務員でございますから、国家公務員法に規定するところの職員団体の協議の範囲が何だということも厳密に検討を加えた上でなければ、具体的な御答弁は困難かと思います。先般、総理からお答え申し上げた趣旨も、そういう公務員法上の許された、認められた課題である限りにおいて、組合との相談はするということかと存じます。端的に申し上げれば、常識的に見て不当であると思われるような配置転換なんかはしない、絶対に。ということが実質的な事柄かと思います。
#6
○峯山昭範君 どうも抽象的でわかりにくいのですけれども、配置転換については当然、交渉事項であるというふうに私は思うのですけれども、本人に対して強制的な配置転換は行なわない、本人の希望を聞くということですね。
 それからもう一つは、本人が拒否権を持っているかどうかということ、この二つについてもう一回答弁を願いたいと思います。
#7
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先日、床次総務長官からもお答えをいたしましたとおり、交渉とか何とかということ以前の課題としまして、平素から本人の希望等を十分聞いておくということから始まりまして、具体的に配置転換の課題が起きましたときに、組合よりもまず本人が、はたしてそれに応じ得るかどうかという判定が必要になってくるかと思いますが、その場合、たとえば家庭に扶養せなきゃならぬ親とか家族が、病人があって、転任することが、だれが見ても困難だというふうなこともございましょうし、配置転換と申しましても、転換される先の仕事、内容が、本人のそれまでのキャリアから見ても、とてもじゃない、なじめない。配置転換されても仕事にならないであろうと本人も懸念し、だれが見ても無理からぬことであるというときに、何らの再教育もしないまま、本人の意思を無視して配置がえをするなどということは、常識的にやるべからざる不当な場合だと思うのであります。そういうことが実際問題としては考えられて、不当な配置がえを本人の意思を無視してやるんだということは絶対にしない。組合との、職員団体との話にいたしましても、結局はそういうことが中心課題であろうかと思います。
  一々はその具体的な例についてしか申せない面もあろうかと思いますが、繰り返し申すようですが、だれが見ても不当であると思われるような配置転換を本人の意思に反してやるべからずということを十分に考慮に置いて実際的な処理が行なわれなければならない、かように思います。
#8
○峯山昭範君 人事院にお伺いします。人事院並びに内閣法制局では、配置転換の基準等につきまして、国家公務員法の百八条の五ですか、その中の「その他の勤務条件」という、「その他の勤務条件」にいわゆる配置転換等が入ると、該当するものである、しかも、それが交渉事項であると、こういうぐあいに言っておりますけれども、配置転換の基準等について、その内容について説明をちょっとお願いしたいと思います。人事院のほうわかりますか――。担当者が来てない。法制局のほうわかりませんか。
#9
○政府委員(田中康民君) これは具体的な内容でございますから、具体的には人事院からお答えをいただいてもいいと思いますが、一般的に申し上げますと、配置転換の基準につきましては、これは交渉事項であるというふうにいわれておりまして、いや、配置転換の基準が勤務条件にかかわるわけでございますね。配置転換の基準が勤務条件にかかわれば、これは交渉事項であるというふうに考えるわけです。具体的な内容につきましては、これは人事院のほうからお答えをいただいたほうがいいと思います。
#10
○峯山昭範君 人事院のほうはわかりませんね。――それじゃ大臣、国家公務員法の第百八条の五にいういわゆる交渉事項の中の「その他の勤務条件」という中に配置転換は入ると思うのですが、いかがですか。
#11
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 国家公務員法の法律上の統一見解とでも申すべき解釈は、法制局のいまの答弁どおりだと心得ております。個々の問題が交渉事項というのでなしに、いかなる場合に配置転換ができるか、むしろできないか、その両面から検討された基準が必要になってこようかと思いますが、そのことは、職員団体との交渉によって、話し合いによって一つの基準が定められる。そして具体的に適用される。具体的に適用される場合の典型的なことを私なりに想定して申し上げれば、先刻触れましたような事柄が一番顕著な事例じゃなかろうか。そのことが基準そのものではないにいたしましても、実質的にはそういうことでなかろうかということを先ほどお答えしたつもりでございます。
#12
○峯山昭範君 それでは関連しまして質問しますけれども、ILO八十七号条約の批准に伴いまして、国家公務員法の改正の際、新たに国家公務員法第百八条の五の第三項というのがつけ加えられると思うのですけれども、これは要するに、「国の事務の管理及び運営に関する事項は、交渉の対象とすることができない。」と、こういうふうな点がありますけれども、「管理及び運営に関する事項」という、これは一体どういうふうな事項か、具体的にその内容についてお伺いしたいと思うのです。
#13
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと法律的には明確に即座にお答えは困難でございますが、管理運営と通称される行政機構内の事柄は、ありとあらゆるものが含むと思うのでございますけれども、少なくとも管理権、管理責任を持たない一般国家公務員というものは、管理運営と通称される事柄について、職員団体の名において交渉をするということが、国家機構の当然の帰結として制約をされておる、かように私は理解しておるのでございます。
 なお、具体的にどういうことを申し上げればいいか、要すれば政府委員が補足してくれればありがたいと思いますが……。
#14
○政府委員(河合三良君) 公務員法の解釈の問題でございまして、私どもの所管ではございません。人事院のほうから御答弁をいただくのが至当かと思います。
#15
○峯山昭範君 人事院のほうですか。それじゃこの問題はちょっと飛ばします。いずれにしましてもこの問題は、国家公務員法第百八条ですか、第百八条の五そのもの自体の中に、要するに団体交渉権は拒否する、交渉の対象とならないということと、なると二つあるわけです。その中にいずれに、いわゆる配置転換というこの非常に重要な問題は、管理運営事項に含まれないというように、はっきりしていないというと、あとで非常に大きな問題になりますので、この点については確認をしておきたかったと思うのですけれども、これは後ほどやりたいと思います。
 それから次に、これはすでにドライヤー報告等でも、職員の定数や、それから配置転換に関する事項は、基本的に雇用条件に関する問題であり、管理運営と雇用の双方にまたがる問題である。したがってドライヤー報告の中でも、団体交渉のワク外の問題とみなされるべきではない、こういうぐあいにいっておるわけです。こういうような問題から、実際に組合との問題で、組合との間でこういうふうな職員の定数や配置転換の問題について、それぞれ当局では実際に組合との間で、この問題についてすでにたびたび交渉が行なわれていると私は思うのですけれども、交渉事項から除外されたことはないか、またそういうふうないわゆる職員の定数や配置転換について、団体交渉を拒否したようなことはないか、そういうようなことについてお願いしたいと思います。
#16
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘のような事例があるかないかについては、政府委員からお答えを申し上げたいと思います。
 先ほどのお話に関連をしましていささか申し上げれば、行政機構を通じての行政サービスをいたします場合、すべてこれ法令に基づいて管理運営が行なわれ、その法令に基づいた訓令ないしは通達、内部規定等に従って管理され、運営されることで具体化していくものと思いますが、配置転換という制度的な管理運営機能そのものは、たとえば、このいわゆる総定員法御決定の上では、そうでなくとも当然とは思いますが、配置転換ということは、行政機構運営上必要な管理運営の一つの課題である、そのこと自体を、配置転換ということをなくするための交渉ということは課題としてはあり得ない、限界はそこら辺じゃないかと私は思います。
 ただ、先刻も申し上げましたように、法制局を通じての見解といたしましては、配置転換についての基準というようなものは、職員団体との話し合いできめるということが期待されておる、その基準がきまりまして、基準を具体的に適用するということ、そのことについては、先刻触れましたような心がまえで基準が運営さるべきだ、こういう関係かと思います。拒否した、拒否しないなどという事例があったかどうかは、要すれば政府委員からお答えを申し上げたいと思います。
#17
○政府委員(河合三良君) この問題、そういう事例がありましたかどうでありましたかということにつきまして、これは全く総理府人事局の所管いたしております問題でございまして、私どものつまびらかにしておりませんことでございます。
#18
○峯山昭範君 要するに総裁が出ない場合はそのかわりの人といっておるわけですから、ちゃんとしてもらいたいですね、ほんとうに。
 それじゃあ次に、配置転換並びにこういうような問題については、当然現在、組合側とも種々交渉はされていると思います。それで具体的に私はここで進めていきたいと思いますけれども、人事院の方、これわかりますかね。すでに人事院に提出された不利益処分についての審査請求並びに勤務条件についての行政措置要求という、これが相当な数にあがっていると私は聞いておるのでありますが、最近どの程度になっておるか、まず件数だけでもけっこうですから説明をお願いしたいと思います。
#19
○説明員(中村博君) 最近の四十年からの数字をちょっと御参考に申し上げますと、不利益処分関係の審査請求事案は四千二百五十五件、そのうち配置転換に関しまするものが五十二件でございます。総体の一・二%という状況に相なっております。
#20
○峯山昭範君 それではいわゆる行政措置要求並びに不利益処分、両方合わせて四千二百五十五件ですね。このうち配置転換に関する分が五十二件あるそうですが、配置転換に関する分の中で、すでにもう処置が終わった分には概略どういうようなものがあるか、それから現在審査中のものは一体どういうふうなものがあるか、概略でけっこうですから説明をお願いしたいと思います。
#21
○説明員(中村博君) 本制度が始まりまして以後現在まで、配置転換関係で不利益処分の審査請求がございましたのは総数で八十二名であります。そのうちすでに処置済みのものが三十名ございます。その処置済みの内容を申し上げますと、特に職員の勤務条件につきまして配置転換がきわめて本人の不利にわたります場合、この場合には救済をいたしておるわけでございまして、たとえて申し上げますれば、研究官職にございます方を一般事務官職に回すというような場合には、研究官職としての能力を最高度に発揮せしめることが望ましいということで、これを取り消した例がございます。その他の案件につきましては、現在継続中のものは、先ほど申し上げましたように五十二件あるわけでございますが、このうち大部分が、要するに組合に属するないしは組合活動をしておるから配置転換をされた、あるいは組合を弾圧する意図をもって配置転換をされたということを申請の理由といたしております。なお、個人的に、たとえば家庭の事情でございますとか、あるいはまた本人の希望が無視された、あるいは配置転換されますことによって減収になるというような事案は、四十年から見てみますと五十二件中五件でございます。そのようなことになっております。
#22
○峯山昭範君 もう一回お伺いしますけれども、まだ未処理の分の中で一番古いのはいつごろからの分がありますか。
#23
○説明員(中村博君) 未処理のもので一番古いものは四十一年の門司税関のものでございます。
#24
○峯山昭範君 そうすると、四十一年から四年間も決着はついてないわけですけれども、この長い間決着ついてないゆえん、組合員はそのまま不当労働行為ならそのままで、そういう態勢のままで過ごしているわけですけれども、なぜ早く結論が出ないのか、そこら辺のことについてお伺いします。
#25
○説明員(中村博君) いま申し上げました門司税関の部分に関しましては、本件につきましてすでに四十二年の二月から同年五月にわたります間に十四回の公平審理を行なっているわけでございます。その審理結果をもとにして最終的に請求者側の最終陳述というものの提出があるわけでございます。そのような手続を請求者がいたしましたのが同年の八月でございます。現在それらの資料に基づきまして判定案の作成を急いでおる段階でございます。近く判定が発せられるものと考えております。
#26
○峯山昭範君 もう一回お伺いしますけれども、こういうふうな問題が起きた根源ですけれども、今回総定員法がきまりまして、配置転換については本人の希望を聞く、また本人に拒否権を持たせるというようなことを私たちは主張しているわけでありますけれども、要するにこういうふうな配置転換に関連して、いわゆる不利益の処分を受けたと本人が感じて人事院に提訴したのでしょうから、そうすると、こういうふうなことが結局、今回の総定員法と関連して当然私は今後も続いてくるのじゃないか。また、これが起きなくなる可能性があるかどうかということもございます。これは考えられるわけですけれども、そこら辺のことについて、要するに、いままでこういうふうな事件がいろいろ起きてまだ解決してない問題が十六件か十五件かあるわけです。こういうような問題についても、当然本人の意思、希望なりを聞いて、すみやかに私はこういう問題は解決していくべきである、現実にこういうふうな問題が、要するに強制的な配置転換は行なわない、本人の希望は聞くといいながらも、こういうような事件が現実に起きているわけです。こういうことはよく頭の中に入れておいていただきたいと思います。要するに本人が当然感じているからこういうことを言うわけでありますし、当然本人に対する拒否権等もぜひとも認めていただきたいと思うのです。当然私はいわゆる配置転換に関する問題にだけに限ってみても、なぜこういうような問題が起きるか。私は、組合員に対する労働基本権のうち、特に団結権だけは認められておるわけですけれども、そのほかの特に争議権等が認められていない、そういうところに大きな問題があると思うのです。ですから、そういうような点を当然検討して、この労働基本権であるところのいわゆる争議権とか交渉権をここら辺で認めてあげるべきではないか、こういうぐあいに思うのですけれども、大臣いかがでしょうか。
#27
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 立法論を含んでのお話でございますが、私一個の意見は差し控えさせていただきます。ただ一般論として申し上げれば、公務員が団体行動する権利、あるいは争議の権利というものが認められていない現状、これはそれなりに私はもっともな意味があるんじゃなかろうか。人事院に対して不利益処分についての抗議をし、提訴をする権利が認められておるということによって、万一でも起こるであろう不当な配置転換等についての救済の場は、その意味において認められているわけでございますから、またそれ以前に、配置転換するにいたしましても、先ほど来るる申し上げているように、基準を定めるのに万遺漏なきを期する、それを具体的に適用する場合にも、先刻申し上げるような本人の不利益にならないように、不利益処分に対して提訴するような案件につながらないような心がまえを持って運営すべき責任が、管理の立場にある者には責任があると思うんでありまして、そういう心がまえを持って、管理者も管理される者も一緒になって、行政サービスに遺憾なきを期するという根本義に徹する限りにおいては、この総定員法が御決定いただいたからといって、新たにトラブルがふえるということはあり得ない、あらしめてはならないという心がまえこそが第一に必要じゃなかろうか。そうであります限り、万一の誤りは人事院でさばいていただく。その結果に従って政府側としては善処するというやり方が差しつかえなさそうに思います。立法論としましての御議論は拝聴するだけにとどめさしていただきます。
#28
○峯山昭範君 ちょっとあれですけれども、労働基本権を保障すべきであろうというような、こういうふうな考え方は、すでに先般からのドライヤー報告によりましても、また臨調答申の中にも出てまいりますし、そのほか最近の裁判のあれであります全逓中郵事件とか、または都教組事件、ああいうものの中にも一般的なものの流れとしてすでにもう定着しつつあると私は思うんです。政府としてもこういうふうな時流というか、時の流れに従いまして、当然政策の強行とか、そういうことだけではなくて、官公労働者の実力行使や弾圧、そして処分、そういうふうな悪循環を繰り返すだけではなくて、当然賃金及び勤務条件に関する事項については、すべてこれを団体交渉事項として、そして誠意を持って組合と話し合いに応ずると、そういうふうにして、すみやかに労働基本権を与える、そういうような内容についても今後検討を私は進めていくべきではないか、こういうぐあいに思うんですけれども、どうでしょう。
#29
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私の個人的見解にしか過ぎませんが、先刻ちょっと抽象的には申し上げましたように、公務員は憲法上は二十八条と十五条、両面からの制約と申しますか、ある意味じゃ保護ないしは制約を受ける立場かと心得ます。したがって、一般的に勤労者の団結する権利、団体交渉する権利は保障するとありますが、第十五条は、公務員につきまして、全体の奉仕者であるということを忘れちゃならないぞという念を押した規定があるかと心得ておりますが、そのことは、職員団体という集団として争議権を持ち、もしくは団体交渉権あるいは団体協約の締結権などというものを認めること自体が、憲法十五条の趣旨からいけばなじまないという考え方に立って、現行の公務員法が制定されておると理解しておるのでありまして、したがって論議は当然あってしかるべしとは思いますけれども、現在に即して私の個人的なことをもし答えろという御趣旨であるとすれば、私の常識は以上申し上げたところでございます。
 また、現行制度そのものが、いま申し上げたようなことで成り立っており、そのことを踏んまえて、先ほど来申し上げるような十分の心がまえをもって、一たん配置転換きめたからぐずぐず言うななどというとんでもない考え方に立っては断じて運営すべからずという心がまえが双方にあります限り、トラブルがこの総定員法を契機といたしまして新たに起こることはあるはずがない。また、あらしめてはならないということによってチェックできるものと心得ております。
#30
○委員長(八田一朗君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#31
○委員長(八田一朗君) 速記を起こして。
#32
○峯山昭範君 すでにいまの大臣の答弁であれですけれども、公務員制度審議会もすでにスタートをしておりますし、審議会でもこの労働基本権のことについてすでに検討しておるように聞いております。どうか早急に結論を出して、一日も早く正常な労使関係を保っていけるように努力してもらいたいと思います。
 次に私はちょっと、ただいまの問題は以上で終わりまして、次に移りますが、この五%の定員削減計画によりまして、私は先般から資料いただきまして、各省庁の削減の状況等について伺いましたんですが、その中でも特に行政管理庁のいわゆる定員の削減が非常に多いように思うんですが、この各省庁の削減率はどういうふうになっているか、一ぺんお伺いしたいと思います。
#33
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行政管理庁がよその省庁よりも削減率が幾らかきびしくなっておることは御指摘のとおりであります。これは前長官当時に、五%削減の問題が出るにつきまして、行政管理庁みずからが率先して能率をあげつつまあ見本を示す必要があるというふうな内部政策的な見地にも立ちまして、あえてそういう状態を甘受しながら今日にきておる、こういうふうに承知いたしておりますし、そのことは私は一つの妥当な考え方に立っておるものと心得ております。
 各省庁につきましてのお尋ねの件につきましては、政府委員からお答え申し上げます。
#34
○政府委員(河合三良君) 省庁別の五%に当たります削減率を読み上げます。これは全省庁申し上げたほうがよろしゅうございますか。それとも大きなもの、小さなもの、二、三例にとって……。
#35
○峯山昭範君 概略でけっこうです。大きなものだけでけっこうです。
#36
○政府委員(河合三良君) 高いところは、例を申し上げますと行政管理庁、これは五%削減、全体五%に当たりますものに対応しますものが八・九%、北海道開発庁七・八%、防衛庁七・九%、農林省八・二%、それから建設省八・七%というようなところが多いところでございます。低いところは、公正取引委員会の四・二%、総理府関係二・四%、それから法務省四・四%、厚生省二・八%、そういうようなものでございます。
#37
○峯山昭範君 先ほど長官よりも、要するにみずから範を示したものであると、そういうような答弁がございましたけれども、私はもう一歩突っこみまして、行政管理庁のいわゆる具体的に昭和四十三年度に何人、四十四年度に何人というように、具体的に員数を、人間の削減を教えてもらいたいと思います。それから、いわゆる削減に対するどういうふうな理由でこういうふうに定員を、それは他に範を示したということはありますけれども、それだけ人員が余っておったのか、そこら辺のことについても一ぺん聞いておきたいと思います。
#38
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。
 行政管理庁の定員の削減状況でございますが、本庁、管区行政監察局、地方行政監察局とに分けまして申し上げますと、昭和四十二年度の定員が長官官房七十名、行政管理局七十八名、行政監察局百五十名、これは本庁でございます。二百九十八名おります。それに対しまして、合計で申し上げますと、四十三年度の削減が本庁は十二名、四十四年度は四名の予定に相なっております。
 それから管区の行政監察のほうは五百一名でございますが、四十三年度の削減が十九名、四十四年度は九名、こういうことになっております。
 地方行政監察局は八百六十八名でございますが、四十三年度の削減が三十三名、四十四年度が十五名、こういうことでございまして、合計千六百六十七名のうち六十四名がすでに削減済みでございまして、本年度二十八名の減員を行なう、こういうことに相なっております。
#39
○峯山昭範君 もう一つ、これからの予定をお願いいたします。
#40
○政府委員(岡内豊君) 一応四十四年度までの確定数がそういうことになっておりまして、あと二年間で残りの分をやるということでございますが、その確定数というものはまだきまっておりません。
#41
○峯山昭範君 それじゃもう一つ聞いておきたいんですが、行政監察局のほうは、特に各都道府県にあるわけでありますが、各都道府県の監察局の定員は大体どのくらいになっているか、具体的に岡内さん担当だった中央関係でもけっこうですから、それぞれの地方の監察局は何名ずつになっているか、お伺いします。
#42
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。
 各管区行政監察局の現在の定員は関東が七十六名、近畿が六十七名、九州が六十二名、中部が五十八名、東北、中国は同じく五十五名、北海道、四国五十名と、こういうことになっております。
 それから地方行政監察局別の定員でございますが、これは四十一局ございますが、うち三局が二十三名ないし二十四名でございます。八局が二十一名ないし二十二名、十局が二十名、二十局が十九名と、こういうことに相なっております。
#43
○峯山昭範君 私はきょうは監察局についてちょっと問題にしていきたいと思うんですけれども、いまお伺いしますと、地方の監察局では局長以下二十名ないし十九名のところがずいぶんあるわけです。そういうふうなところもやはり定員の削減をしているのかどうか。また削減しても仕事やっていけるのか、実際上そういうふうな定員の中で減らすのはたいへんだと私は思うのですけれども、長官が先ほど言いましたけれども、他に節を示すために、要するに相当そういうふうなところにも無理をしているのではないか、こういう点も思うわけですけれども、具体的にどういうぐあいになっているか、伺いたいと思います。
#44
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。
 大体定員として最低は二十名でございましたが、今回の定員削減によりまして十九名の局が若干出てきたということでございますが、私ども内部的にいろいろ検討いたしまして、最低限度十八名ないし十九名の人員は確保したい、そういうことでございまするならば、現在の仕事は十分やっていけるというふうに考えております。それからまた仕事のやり方を簡素、合理化すれば、さらにもう少し能率をあげることができるのじゃないかというふうに私考えております。
#45
○峯山昭範君 じゃもう一回具体的に聞きますけれども、十九名、二十名の定員のところも削減になったのですか。
#46
○政府委員(岡内豊君) 一名削減の結果十九名になったところができた、こういうことでございます。
#47
○峯山昭範君 それではお伺いしますけれども、地方監察局の行なう業務の範囲、それから仕事の事務量ですね、それから昭和四十三年度はどういうふうな事務量であり、いわゆる状況であったか。また、局により多少の違いはあるかもしれませんけれども、その概要について説明をしてもらいたいと思います。要するに、これらの事務童をわずか二十人足らずの人数で十分処理できるのか。まあ、できるという話でありましたけれども、監察機能を十分発揮することができるのか、伺いたいと思います。
#48
○政府委員(岡内豊君) 地方行政監察の業務の概要でございますが、大体中央から指示いたします中央計画監察と、それから地方から自主的に実施いたしますところの地方監察というのがございます。それから、特に管内でいろいろ問題になっているものにつきまして、重要事項報告というのがございます。そのほかに行政相談業務というのがございます。調査対象の範囲が、国の出先機関、地方公共団体、特殊法人の出先機関、その他関係の機関、こういうことになるわけでございます。
 それで大体業務の実績を申し上げますと、年間平均いたしまして四本の中央計画監察というものが流れる。それから地方監察、重要事項報告、合わせまして年間六、七本ございます。そのほかに、行政相談の案件が平均いたしまして二千五百件ある。こういうのが実績でございます。
#49
○峯山昭範君 私は、二十人足らずのところでそれだけの事務量を処理していくのは相当たいへんなのじゃないか、こういうふうに思うのです。現実に行政監察それだけ見てみましても、管区及びそれから地方ですね、そういうぐあいにいろいろ分かれておりますけれども、実際問題として、監察業務に万全を期する上で、必ずしも現在の体制は私は十分とは言えないと思うのです。こういうふうなときに、地方行政監察局をこのまま存置する必要があるかどうか。私はずっと前のこの委員会で、各県ごとに置くということについてはこの委員会で修正になっているということを聞いておりますけれども、現在交通機関の発達等相当進んでまいりまして、もっと管区で統括して、そうして機動的に行政監察をやったほうがかえって効果的じゃないか、そういうふうな話もあるやに私は聞いておるわけです。実際問題としてそのほうが社会の発展に適合するのじゃないか、こういうような話も聞くわけです。しかし現状から見まして、その点についてどういうぐあいに考えているか。また、地方監察局を置く意義ですね。それからこれを管区に統括することの利害得失はどういうぐあいになるか、そこら辺について伺いたいと思います。
#50
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お話のような管区監察局だけにしたらどうだ、いやそうではない、現行どおり管区監察局と都道府県ごとの下部機構的な地方監察局を置いたままのほうがいいんだ、こういうことは行管内部でも論議されつつある課題であったようでございます。私もそのことに関して事務当局と論議したことはございますが、結論はむろん出ておりません。もっと検討すべき課題かとむろん思います。
 ただ現状に即して申し上げれば、いま監察局の仕事の範囲について申し上げましたように、中央省庁の出先機関でありましょうとも、あるいは公社公団、その他の特殊法人の地方組織にいたしましても、原則としてほとんど例外なく現在の地方行政区域を単位として運営されておりますので、それらの運営の実情に関しての監察に関します限りは、また各地方行政区域ごとの行政相談、その他地方局自体の監察事務にいたしましても、どうも道州制でもできたらいざ知らず、かれこれ総合した区域と一致しておりませんと実効もあがらないし、行政対象がそごして、かえって交通機関が発達したとは申しながら、監察対象それ自体の実態に即することが困難じゃなかろうかということで、当面現状の管区監察局及び地方監察局併置のままのほうがベターじゃなかろうかと一応考えております。
#51
○峯山昭範君 この行政監察につきまして、中央、それから地方、それから管区ですか、その三段階の問題について、何か昨年の暮れ全国の監察局長会議があって、そのことが取り上げられて問題になったということを聞いていますけれども、この点いかがですか。
#52
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。
 当時いろいろな議論がございまして、二段階制ということがいろいろ内部で議論されたわけでございます。その二段階制の中には、管区に統合する案と、それから地方局を存置して管区を縮小するというような考え方、両方ございましたが、いろいろ内部で議論いたしました結果、現状のままでいくほうがよいのではないかというふうに結論が出たので、当時の監察局長がそういうふうな発言をしたというふうに私承っております。
#53
○峯山昭範君 それじゃもう少し内容に入りたいと思いますけれども、この地方監察につきましては、先ほどからお話がありましたように、非常に少ない人数で、しかも中央から指示があるところの計画監察、それから地方計画監察、並びに重要事項の報告とか、または行政相談等、たくさんのいろんな問題をかかえて苦労している、そういうようなことを私たちは聞いておるわけでありますけれども、もっと具体的にきょうは聞きたいのでありますが、一つは、監察項目を実施するためにいろいろと種類はあると思いますけれども、現実に現地の調査、それから資料の収集、結果の取りまとめ等、実際にどの程度の人数を要するものか、あるいはその結果の内容について、私はその結果内容というのは現実には見たことはないんですが、相当膨大になると私は聞いておりますけれども、そういうようなものはどういうぐあいに処理されるのか、具体的に何か例をあげてもらってもけっこうですから、説明をお願いしたいと思います。
#54
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。
 地方局が中央計画監察いたします場合、それから地方で自主的に監察いたします場合に大体一・四半期というものを一つのめどにしておりますので、準備研究、それから調査計画、現地における調査計画の策定、その他結果報告書の提出までをおおむね三カ月ということに一応の基準をきめております。しかしながらこのうちで、実際に資料を収集したり、調査に出向いたり、そういう期間は大体一カ月ないし一カ月半程度であるということでございます。それから結果の報告書はどういうぐあいに処理されるのかというお尋ねでございますが、それは管区を経由いたしまして中央のほうに報告が上がってくるわけでございまして、中央の担当の監察官のところで内容を検討いたしまして、全国的にまとまった資料をもとに報告書に整理するわけでございます。その段階におきまして立論のあいまいなものも若干場合によってはございますし、それからデータの不十分なものもございますので、そういったものを整理して再調査をするなり、あるいは削除するなりいたしまして、中央としてのまとまった報告が出る、こういう各段取りに相なっております。
#55
○峯山昭範君 いまのは中央監察ですけれども、地方でやる監察はどうなんですか。
#56
○政府委員(岡内豊君) 地方で自主的にやりました監察につきましては、その報告書が管区を経由いたしまして中央のほうにまいるわけでございますが、それはそれぞれの担当官のほうで内容を検討いたしまして、関係省庁に場合によっては勧告をいたしますし、内容の軽微なものにつきましては参考通報をするというようなことをいたしております。
 それから、重要事項報告というのは、これは監察ではございませんので、部内の参考資料にするという意味のものでございますが、相手方省庁にも参考になるというような内容を含むものにつきましては参考通報をいたしておる、こういうことでございます。
#57
○峯山昭範君 実際問題ですね、監察官がまとめた膨大な調査結果というのは、私はいまの答弁だけではどうも得心がいかないのですけれども、現実には地方の監察官がまとめた膨大な資料というのは、ほんとうはいまお話がございましたように、地方から管区、中央と、こう処理されていくに従って、だんだん削られてなくなりまして、あんまり、まあ要するに監察月報に載っているような内容というのは、全くいわゆる当たりさわりのないようなものしか報告されてないのじゃないか、私たちはこういうぐあいに見るわけですけれども、実際問題、私たちも先般から地方の監察局を視察してみましても、第一線の監察官は相当苦労して監察をやっている。要するに監察局から監察に行ったなどというと、みんなからきらわれると、こういうのですね、確かに苦労されながら監察をやっているわけです。確かにその監察の内容等についても相当詳細な調査をやっている。しかしながら現実の面ではそういうふうなものが取り上げられない、そういうふうな不満の声も私は二、三聞きました。そういうふうな結果が、第一線で調査した結果が、日の目を見ないでいろいろな倉庫やいろいろなところへ眠っておるのじゃないか、私は実際にこういうように思うのですけれども、こういうことについて実際問題、当然あたりまえじゃないかと、こういうかもしれませんけれども、政府に都合の悪い点は完全に意識的に取り上げないで削るなんということは、私はないとおっしゃると思うのですけれども、現実にはそういう問題がたくさんあるわけです。こういうことについて、第一線の監察官の苦労が全然報いられていない。私たちはこういうぐあいに実際目にも見てきましたし、ここで具体的にあげろといえば幾らでもあげることができるのですけれども、実際問題そういうことがあるのじゃないか、私はこのように思うのですけれども、いかがでしょう。
#58
○政府委員(岡内豊君) 実際そういうものがあるかないかということでございますが、こういうことはございます。私ども、中央におきましては、全国的な視野でものを考えますので、たまたま出先であがってきたデータ、それがその地方の特異事象であるということであれば、そういうデータをもってして本庁のやり方をいろいろ批判するということがむずかしいということになりますので、そういったものにつきましては現地で解決していただくということで、中央の報告書に載らないということが間々ございます。
#59
○峯山昭範君 地方の特異性で載らないことがあるというのですが、たとえば具体的にどんなのがありますか。
#60
○政府委員(岡内豊君) これは私、監察官をしておった当時のたいへん古い問題でございますけれども、開拓行政監察をいたしましたときに、大阪府の開拓地の状況が非常に開拓の目的に沿っていないじゃないか、これが宅地化されまして沿っていないじゃないかというまあデータが出ていたわけでございますが、これをもってして全国の開拓行政を批判するということは、大阪市の近郷でございますから、そういうことも当然あり得るわけでございまして、したがいまして、本庁の報告書からは一応省きましたけれども、農林省当局に対しては、それを別個に連絡いたしまして、こういうこともございますということは連絡してございます。そういったことがかつてございました。
#61
○峯山昭範君 まことにことばじりをとらえて悪いのですけれども、私は、そういうふうなたとえば開拓をする場合でも、大阪においてはこういうふうな事例があったと、当然全国にもこんなことがあってはならないと、そういう意味で監察をするわけですし、そういうふうなのは一つも地方的なもの、ローカル的な問題でなくて、当然全国的な問題だと思うのです。みんなの前で言えるやつがそれだけですから、もう実際言えない問題については相当私はあると思うのです。現実にいろんな問題たくさんありますが、私はきょうは申し上げませんけれども、いずれにしても、そういうふうなことがあってはならないし、そういうようなことがないように、監察をやった問題についてはすべて取り上げて報告をする、そして私たちの目にも触れるようにしてもらいたい、私はこういうぐあいに思っております。
 それじゃ次に、監察官が意見を出して、監察官から直接長官はいろんな意見を聞かれることがあるのですから、直接意見を聞かれて、こういうふうなことがあったのかと確認をするのですか。監察官は一人でやるのでしょう、一つの問題については。そこら辺のところは、もし監察官が間違えて監察した場合にはどうなるか。間違えてというよりも、一人の個人の見解もありますし、この間もちょっとお伺いしたところによると、一人の監察官のいわゆる見解の違いで迷惑をかけたということもちょっと聞いておりますし、そういうような場合は、長官が直接聞かれるのか、または地方の局長がそれを確認されるのか。いわゆる監察結果に対するチェック機関というのはどういうぐあいになっておるのか。
#62
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。地方監察の場合、第一次には地方局長がチェックいたしますし、二次的には管区の監察局におきまして、それぞれの担当の部長なり監察官がチェックいたします。最終的には本庁の監察官がチェックする、こういうことに相なっております。それから中央での監察になりますというと、担当の監察官が全国的なデータを取りまとめますが、取りまとめて最終報告をつくる前に、これは監察会議と称しておりますが、監察局の局議でございまして、これには監察局に四名の監察審議官というものがおりますから、そういった者が参画いたしまして、いろいろな角度から検討いたしまして、内容のあいまいなもの、若干の見解の妥当でないもの、そういったものは整理をいたしまして、最終報告ができる、その段階におきまして、重要なものにつきましては監理委員会にもかける、こういうことに相なっております。そういった経路を経まして、最終的に大臣の決裁を経て出すということで、結果の取り扱いにつきましては、私どもも特に慎重にやっておるつもりでございます。
#63
○峯山昭範君 その監察の結果につきましては、当然長官に報告して、長官から各省大臣並びに関係当局に報告が行なわれると私は思うのですけれども、監察の結果が十分に実施されているかどうか、これは非常に大事な問題だと私は思うのです。一度監察した事項について、もう勧告をしっぱなしというのでなくて、それが実施されたかどうか、その後どうなったかということについては、当然これはチェックしていかなければいけないと思うのですけれども、一般的にはあまり監察の効果があがっていないのじゃないかということを聞くのですけれども、そのあがらない原因はどこにあるのか。これもやはり行政改革の問題と私は同じになってくると思うのですけれども、この辺のところはいかがお思いですか。
#64
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。
 行政監察の結果に基づきまして、私ども勧告をいたした場合に、相手方のとった改善措置につきまして回答を求めることにいたしております。第一回目の回答で満足すべき回答が得られない場合には、六カ月後にまたさらに回答を求めるということをやっております。それでもなおかつどうも不十分だという場合には、あらためて、推進監察と部内では称しておりますが、もう一度監察をやるというようなこともやっております。それで効果があがったかあからないかということでございますが、そういったチェックのやり方といたしまして、私ども内部的に統計をとっておりますので、数字的に御説明申し上げますと、昭和三十年の四月から四十三年の十一月までにいろいろ勧告をいたしました項目数をこまかく分けまして、大体四千五百三十一ございます。その中ではっきり改善をいたしますということで、改善の実があがったという、これはAクラスに入れておりますが、それが三千五百四十二ございます。パーセントにいたしまして七八%ということでございますから、必ずしも改善の効果があがっていないというふうには、私ども考えていないわけでございます。そういった内部のチェックは絶えずやっておるわけでございます。
#65
○峯山昭範君 じゃ地方監察についてちょっとお伺いいたしたいのですけれども、地方の監察局長は、関係機関一般に監察を行なうことができるのかどうか。その勧告ができる根拠は一体何によってできるのか。そこら辺のところについてお伺いいたしたいと思います。
#66
○政府委員(岡内豊君) これは私どもの設置法をごらんになっていただきますと、本庁の行政監察局の業務といたしましては、「各行政機関の業務の実施状況を監察し、必要な勧告を行なうこと。」こういうふうになっております。それから管区行政監察局の業務というのは、「行政監察局の事務を分掌する。」、こういうことになっております。それから地方行政監察局のほうは、管区行政監察局の業務を分掌する、こういうことに相なっておりまして、その分掌のしかたは、大臣の権限できめられるというふうに考えるわけでございます。したがいまして、私どものほうといたしましては、長官の承認を受けた場合には勧告をすることができるということを訓令でもってきめておるわけでございます。
#67
○峯山昭範君 その訓令についてお伺いしたいのですけれども、地方監察について勧告することができるけれども、従来からその例はない。通常は地方行政監察局は、いわゆる地方支分部局、いわゆる地方の行政団体に対して改善の所見を提示して改善を促しておる、こういうふうに監察局で発行しておる業務についての内容の中にあるわけですけれども、なぜ従来から勧告した例はないのか。当然私は勧告するような実例は幾らでもあったと思うのです。それで、この中には勧告した例はないけれども、いわゆる改善の所見は提示したことがある。じゃ、この所見と勧告との違いは一体どうなるのか。ここらについてちょっとお伺いしたいと思います。
#68
○政府委員(岡内豊君) 勧告と所見表示の違いでございますが、一応勧告の道は開いてございますが、勧告をするということは、これは長官の権限でございまして、委任規定がないので、一応、勧告することができると書いてございますけれども、これは依命通達のような形になるわけでございます。つまり長官の名前でもって勧告をするというような形式になりますが、現地で勧告する場合には、大体事務的なことが多いわけでございます。それでわざわざ大臣の名前でというようなことも、たとえば帳簿のつけ方が悪いじゃないかというようなことを、一々大臣の名前をかりて勧告するというようなことも、少し大げさ過ぎはしないかというような考慮もございまして、改善の意見を述べて、相手方がそれじゃ直しましょうというので実効があがるなら、それでいいじゃないかということで、これは内部の用語でございますが、所見表示ということを言っておるわけでございますが、そういったことで、大体現場的にはものごとが改善されていくという状況になっておりますので、従来、勧告というような重々しい形式をとったことがない、こういうことでございます。
#69
○峯山昭範君 それじゃ要するに、いま帳簿のつけ方とおっしゃっておりますけれども、帳簿のつけ方みたいな簡単なことが、帳簿のつけ方でも、これは非常に国の予算を使う、何億という、帳簿のつけ方一つによってこれはおかしくなるのです。所見じゃなくて勧告のような重要な、がっちりやらなくてはいけないような、重要なものがたくさんある、現実には。それは金額の面においても、いろいろな面においても、少ない場合を局長はおっしゃっているかもしれませんけれども、現実には相当な金額、国の相当な予算を使っての重要な事業に対して勧告を行なっていると思うのです。行管庁は、帳簿のつけ方がおかしいと、要するにそういうような簡単なことを勧告しているのか、または国の予算の使い方というような面から、私はもっと違う面、大きな勧告をやっているのだと思うのですね。そういうような面からいいますと、非常に私はこれは重大な問題であり、かつ今後もしっかりやってもらわなければいけない。しかもこういうふうな地方の監察局においても人数の少ない中でやっておるわけでありますし、そこのところはもっと決意を新たにして、そうしてちゃんとやってもらわなければいけない。長官がそばにいるから、二十名でも、もっと減らしてもいける、簡単にやっていけるというような簡単な考え方ではなくて、あなたの下の地方の局では相当苦労をしてやっております。私も現実に聞いてもまいりましたし、そういうような簡単な考え方ではなくて、やはりここで再度新たな決意でがっちりやっていただかないといけないと思うのです。そこのところを長官がっちり決意発表なり何なりやってください。
#70
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。
 ただいま御指摘のような問題で、帳簿のつけ方でも非常に重大な影響があるというような問題は全部中央に上げまして、中央から勧告すると、こういうことに相なっておるわけでございます。したがいまして、私どものほうとしては、そういうふうに事柄の重要性によって分けておりますので、現実には支障が生じていないと思います。
 それから、決意を新たにしてやれということでございますが、もちろんそのつもりで、私どものほうとしては部内の業務の簡素、合理化、これは行管といえどもやはり業務の近代化をやらなければいけないわけでございますので、そういう新しい観点から、内部でも目下いろいろと知恵をしぼりまして、内部検討中でございますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
#71
○峯山昭範君 それでは次に、行政相談のことについてちょっと二、三聞いておきたいと思います。
 特に監察局では行政相談業務を行なっているように聞いておりますけれども、最近の受付件数とその趨勢について伺いたいと思います。
#72
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。
 行政相談の受付件数でございますが、昭和四十一年度が八万七千件でございます。それから四十二年度が十一万六千件でございます。四十三年度が十一万二千件、若干横ばいの傾向を示してきております。以上でございます。
#73
○峯山昭範君 現在各地に行政相談委員というのを置かれているように私は聞いておりますのですが、その行政相談委員の人数は現在全部で何人いるのか。そしてその行政相談委員の受付件数ですね、どの程度なのか。それでまた行政相談委員が受け付ける数も、要するに最高一人でどのくらい受け付けているのか、最低はどのくらいか。それで全然受け付けていない人がどの程度いるのか、その点お伺いします。
#74
○政府委員(岡内豊君) 行政相談委員の数でございますが、一市町村に一人というような基準で配置しておりまして、全国に三千六百五人おります。それから昭和四十三年度における委員と局の受付件数の比率でございますが、これは大体委員の受付が八五%、局の受付は一五%ということに相なっております。一人当たりの取り扱い件数でございますが、これは平均いたしますと二十八件に相なっております。それで最高は大体二百件くらいの方もございますが、最低ゼロという方も若干ございます。
#75
○峯山昭範君 行政相談の事務ですね、相当国の重要な、それぞれのいわゆる地方の声もこういうところに私は反映されると思うのでありますが、行政相談委員が全体の八五%の受付をするわけです。局、いわゆる公務員の皆さん方が受け付ける件数より数倍の開きがあるわけです。そこで非常に重大になってくるのは、行政相談委員の任命ですけれども、行政相談委員の任命、人選については、非常にこういう点から考えても重要な部門でございます。特に社会的信望とか、またいろいろな問題で、いわゆる名誉職みたいに考えておる人もあるかもしれませんが、実際問題的に非常に私は大事な問題だと思うのです。長官がこれをやる場合にも、相当慎重に選ばなければいけないと思うのですけれども、選定する方法は一体どういうぐあいになっているのか、だれが選ぶのか、そういうようなことについてお伺いしたいと思います。
#76
○政府委員(岡内豊君) 行政相談委員の選考の方法でございますが、基準には、行政相談委員法の中に、「社会的信望があり、かつ、行政運営の改善について理解と熱意を有する者」ということに一応なっております。あらゆる行政相談委員さんが仕事を進めていく場合に、やはり当該市町村当局との連絡が円滑にいかないというと、なかなかうまくいかないというような現実の問題もございまして、原則といたしまして、関係市町村の推薦をいただきまして、そして任命する、こういうことでございます。大体任命依頼のときに二割くらい新しい方が出てくるわけでございますが、そういった場合に、私ども推薦をうのみにするわけじゃございませんで、局の幹部が行きまして、一応面接いたしまして、いろいろお話をした上で、この人ならけっこうであるということで判断をいたしまして、中央に内申をいたしまして発令をする、こういう形式をとっております。
#77
○峯山昭範君 その委員の職業別内訳というのはわかりますか。
#78
○政府委員(岡内豊君) おもな職業を申し上げますと、農業、商業、会社役員、団体役職員、それから僧侶、こういうふうなことになっておりますが、それから無職の方が二四%ぐらいございます。ただ無職と申しましても、大体学校の先生をしておったとか、昔公務員であった、あるいは役場の職員であったとか、そういった方がかなりおられますので、全然行政に無縁な方がおられるというわけではございません。
#79
○峯山昭範君 もう一つ、年齢別内訳わかりますか。
#80
○政府委員(岡内豊君) ただいま資料の持ち合わせがございませんのですが、大体六十代が一番多いということでございまして、中には七十代の方もございますし、五十代の方もございますし、四十代の方もございますが、大体六十代ぐらいの方である、こういうことでございます。
#81
○峯山昭範君 これは非常に大事な問題でございますのでお伺いしたいのですが、どちらにしましても、行政相談委員というのは国民の大部分の人に知られていないと思うのです。私はPR不足もあると思うのですが、現実のいろいろ調べましたところによりますと、土地の有力者が大体委員になっている、しかも委員の選定にあたっては市町村長にまかしているきらいがございまして、どうしても地元の有力者とかボスとか、そういうふうな関係者になって、ただ単に地位を利用する、だから名誉職みたいになって、現実に相談を一生懸命やる人は二百件にもなり、やらない人はゼロというような点が出てくるわけです。そういう点においても、やはり今後のこういう点にも十分力を入れてやるべきだと思います。それからもしゼロの人、こういうふうな取り扱い件数全然やってない人については、これは要するに解任といいますか解職といいますか、そういうふうなことができるのかどうかですね、この点どうでしょう。
#82
○政府委員(岡内豊君) これは私広島に行ったときに経験したことでございますが、非常に相談件数の少ないというところが確かにございます。これはどういうところかと申しますと、過疎地帯でございますね、それから島嶼部。これは昼間は働き盛りの方がみな出ておりまして、留守番だけのようなところ、そういったところはどうしても相談とかそういったことが得にくいという面がございまして、件数が少ないということで、必ずしも委員さんだけに責めを帰すべきではないというような状況もございますので、私どもといたしましては、そういう点を重点的に幹部が回りまして、PRにはつとめているわけでございます。
 それから特にゼロの人をどうするかということでございますが、これはまあ解職するということも適当でございませんので、まあ改選の時期に若干考慮していただくというような措置を講じておるというのが実情でございます。
#83
○峯山昭範君 それからもう一つ聞いておきたいのでありますが、この行政相談委員の地位を、いわゆる政党または政治活動に利用するような人がいるやに私は聞いてるわけです。こういうようなことはいままでの中で、いわゆるそういうふうに政治活動に片寄ってしまって利用して介入したということは、私はないように思いますけれども、そこら辺のところはどうであるか。当然政治活動は自由であると思うのですが、そういうふうに政治目的に利用した場合には、どういうぐあいに考えておるか、その点についてもお伺いしたいと思います。それからこの点については当然どういうぐあいにいわゆる監視をしているか、指導をしているか、その点についてお伺いしたいと思います。
#84
○政府委員(岡内豊君) ただいまの問題でございますが、これは行政相談委員法において、そういう政治活動についての若干の制限がございますので、私どもといたしましては、選挙の始まる前には必ず一応文書でもって、こういうことであるから気をつけてもらいたいということは出しております。それから特に立候補をされるような方がございますので、そういった方につきましては、行政相談委員を誤解を防ぐために辞退をしていただく、こういう措置をとっております。そういうことで、まあ地位を利用してはいけないということでございますから、地位を利用することがなければ政治活動はできますので、その辺の分界はなかなかむずかしいと思いますが、私どもは誤解を避けるために、もし立候補するということであれば、辞退届けを出していただいております。
#85
○峯山昭範君 それからもう一つ。この行政相談委員には私は正式の報酬は支払われてないと、こういうぐあいに聞いておるのですが、現実に一年間に二百件もの行政相談を受け付けるということになると、これは相当の実費もたくさん要ると思うのですが、これについては現在どういうぐあいになっておるのか、この点について伺いたいと思います。また、その行政相談委員に対する手当等については、具体的にどういうぐあいになっているのか、その点よろしく。
#86
○政府委員(岡内豊君) 行政相談委員の方に対しましては実費弁償金を支給する、こういうことに相なっておりまして、四十三年度は平均いたしまして年間三千八百円でございます。四十四年度は若干増額になりまして、平均が四千円ということに相なっておりますが、実費弁償金でございますので、実際に支給する場合には、そういった活動状況と見合いまして若干の差をつけて、三段階ぐらいの差をつけて差し上げておるというのが実情でございます。
#87
○峯山昭範君 年間に四千百円、これはもらったにしても、二百件やってる人は、一件で二十一円ぐらいにしかならぬわけですね。実際問題、実費弁償といいましても、これは相当足りないと思うのですけれども、ここら辺のところはどういうように考えておるのですか。
#88
○政府委員(岡内豊君) 私ども、気持ちといたしましては、なるべくよけいに差し上げたいという気持ちは持っておりますが、国全体の予算のあれにも関係することでございますので、毎年少しずつ上げていただいておるというのが実情でございます。
#89
○峯山昭範君 これは私言いたいのは、要するにいろいろな、実費弁償とはいいますけれども、年間もらっている金額は非常に少ないわけです。そうすると行政相談委員がみな自分で出す。自分で出すから、そういう奇篤な人をいわゆる行政相談委員に選ぶと、そうすると行政相談をやる人はいわゆる資産のある人、財産のある人、お金がある人、有力者と、こうなるわけです。そうすると、そういう人たちというのは特定の政党にいわゆる片寄るのです。相談もある特定の人しか受け付けないと、こうなるわけです、当然。こういうところに、もっと予算をふやして、ちゃんとほんとうの実費ぐらいは――実費じゃないですよ、これ実費といっていますけれども。ほんとうの実費ぐらいは当然私は支給するようにすべきだと思うのです。またそれをするように、局長はことしも予算を要求したと思うのですけれども、そこら辺のところはもっと力を入れてやるべきではないかと思うのですが、いかがですか。
#90
○政府委員(岡内豊君) 今後とも努力いたしたいと思っております。
#91
○峯山昭範君 それで、もう時間でありますので、先ほどの人事院の問題についてちょっとだけお伺いしておきたいと思います。
 国家公務員法の第百八条の五にいう「その他の勤務条件」というところでありますけれども、これは私は配置転換も「その他の勤務条件」の中に入ると、だから当然交渉事項であると、こういうぐあいに思っておるわけですが、いかがですか。
#92
○政府委員(島四男雄君) 公務員法のいわゆる管理事項と、それから交渉事項、勤務条件との関係ですが、結局そこに問題が関係してくるわけでございますが、ただいま御質問の配置がえ処分そのものが、はたしてこの勤務条件に当たるのかどうかという点は、私どもでは、それはあくまでも任命権者が当然発動すべき事項でございますので、個々の配置がえ処分そのものは、これは勤務条件には当たらないと、したがって交渉事項にはなりませんが、しかしながら、配置がえについての一般的な基準、これは一応勤務条件として、一応対象事項になろう、このように理解しております、
#93
○峯山昭範君 要するに配置転換の基準については、これは当然交渉事項になると、こういうことですね。よろしいですか。
#94
○政府委員(島四男雄君) 一般論として申し上げますと、国家公務員の勤務条件は法定主義をとっております。したがって、そういった人事権の基準の設定そのものは、これは管理運営事項でございますが、しかしながら、その中身というのは、これは勤務条件に関係あるわけでございますので、したがってその意味において配置がえについての基準、基準といいましてもいろいろございますが、たとえば根本基準ということになりますと、公務員法の中にございますように、職員の任免は能力の実証に基づいて行なわなければならないという根本基準がございます。しかしながら、細目的な基準で、たとえば古い職員から配置がえしてもらいたいというような点について、職員団体のほうからいろいろ意見が出るということは当然あろうと思いますので、そういう問題について話し合いたいということであれば、これは事柄は当然勤務条件に関係ございますので、交渉対象事項になると思いますが、ただその場合に、合意に達するか達しないかという問題は、これは別な問題でございますが、やはり勤務条件として、配置がえの基準そのものはなると申し上げてよろしいと思います。
#95
○峯山昭範君 その配置転換の基準が交渉事項にならない場合は、具体的にどういう場合であるか、例をあげて説明してくれませんか。
#96
○政府委員(島四男雄君) 配置転換の基準そのものは一応交渉対象事項になると、このように申し上げてよろしいと思います。
#97
○峯山昭範君 そうすると、配置転換に関連して、要する配置転換の基準を相談する場合は、当然これは「その他の勤務条件」の中に入り、交渉事項になると、こういうことですね。
 それからもう一つ、同じく百八条の五の三項の中に、「国の事務の管理及び運営に関する事項は、交渉の対象とすることができない。」と、こうありますのですけどね、これは具体的にどういうことですか。
#98
○政府委員(島四男雄君) これは、国がみずからの責任に基づいて行なうべき事項でございます。たとえば、具体的な人事権の発動であるとか、あるいは定員の設定であるとか、その他組織の問題であるとか、国が法令に基づいて職務権限として行なう事項がここにいう管理運営事項である、このように申し上げてしかるべきかと思います。
#99
○峯山昭範君 もう時間が超過しましたので、もうちょっとで終わりますけどね。要するにこの職員の定数ですね、定数及び配置転換に関する事項は、私はこの管理運営事項には含まれない、こういうぐあいに解しているんですけれども、いかがですか。
#100
○政府委員(島四男雄君) 定数そのものは管理運営事項でございます。しかしながら、たとえば配置転換によりまして、ある官署において非常に職員の数が減ったと、その結果労働過重という問題が起こるということになれば、これはやはり勤務条件に関係してきますので、そういう面においてはこれは交渉事項になりますが、しかしながら、具体的にどこの官署に何名、どこの官署に何名といったような定数を設定すること自体、これはもう当然国がみずからの責任で行なうべき事項でございますので、この「勤務条件」には入らない、したがって交渉事項にはならない、こういうことに解しております。
#101
○峯山昭範君 ということは、たとえばどこどこに何人、どこどこに何人と定員を定めるそのこと自体は交渉事項にはならないと、しかしながら、現実に何名働いていて何名にするということは、これは勤務条件の交渉事項には入るんですね。結局、労働過重になるかならないかという問題がからんできますし、当然これは職員の定数に関する――要するに、従来五人働いていたのを四人にしようというときは、当然これは人数が減って労働過重になる。これではまずいと、それで組合としては交渉に出すわけですね。問題を提起するわけですね。そのときには当然交渉には応じると、そういう考え方でよろしいですか。
#102
○政府委員(島四男雄君) まあこの管理運営事項と勤務条件の問題は、非常に両面を――ある事柄が管理運営事項に関する場合と、それから勤務条件に関係する場合とが往々にしてあるわけでございますが、たとえばある事務処理の結果、その結果、当然事柄が勤務条件に関係してくるということはございます。したがって、配置がえ処分によって職員の労働過重という問題が起これば、これは勤務条件としてその問題については交渉事項になると、こういうことでございます。
#103
○峯山昭範君 いまの問題に関連しまして、ドライヤー報告なんかでも、この職員の定数、配置がえなんかに関連して、基本的には、双方にまたがりますけれども、基本的には雇用条件に関する問題であると、だから管理運営と雇用条件の双方にまたがる問題であるから、これは団体交渉のワク外の問題とみなさるべきではない、ドライヤー報告の二千二百二十九項ですかにあるわけですけれども、これは実際にどうお考えなんですかね。双方にまたがる問題ですけれども、当然これは組合員にとりましては重大な問題でありますし、当然私は交渉事項と考えるべきではないか、こういうぐあいに思うのですけれども、どうですかね。
#104
○政府委員(島四男雄君) 私どもでは勤務条件の範囲をことさら狭く解するというような意図は毛頭ございません。あくまでも法律の趣旨に従って、管理運営事項そのものは交渉事項にならないけれども、その事務処理の結果、事柄が勤務条件に関係してくる場合には、これは交渉対象事項になる、このようにいま解しております。
#105
○峯山昭範君 それではこれで終わります。いずれにしましても、この総定員法の審議にあたりましては、先ほどからいろいろ申し上げましたけれども、最後に大臣にお願いしたいのでありますが、いずれにしましても、大臣がいつもおっしゃっておりますように、なま首は切らないという問題ですね。それから強制配置転換、それから万一配置転換を行なう場合でも、本人の意向をよく聞くと、そしてまた本人に対してもある程度拒否権を持たせると、そういうふうな考え方で進んでもらいたいと思うのです。この点がやはり今回の総定員法の重大な問題でありますので、いままでも再三この点についてはそれぞれ述べられてまいりましたけれども、どうかその点よろしくお願いをしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#106
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 趣旨として、いま最後におっしゃったとおりの心がまえで、行管庁はもちろんのこと、関係省庁それぞれが考えねばならぬ心がまえだと思います。拒否権とおっしゃいますのは、ちょっと角が立ち過ぎますが、拒否権という権利はいまの制度上あり得ない。ただ拒否したいような気持ちになるようなことは絶対なすべからずという管理運営、責任者の心がまえの中から、結果的にはそういうことが出ないようにするという意味において、おっしゃることは私は同感であります。
#107
○中尾辰義君 関連。ちょっと定員外職員の件が、この前総理がおいでになったときにも質疑がありまして、その後閣議でも問題になったらしいのですが、実際行管庁のほうでは、この定員外の職員の実態はつかんでないのですか。大体わかっていらっしゃれば、どの程度あるか、二十万程度あると思いますが、どのくらいおるのか、それから各省別にはどのくらいおるのか、また各省の中ではどういう部門が多いのか、その辺、大体のところわかりませんか。
#108
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。
 ただいまの数字につきましては、定員外職員につきましての調査は、行政管理庁の所管外でございますので、調査はいたしておりません。総理府人事局が所管いたしておりまして、そこの調査はございます。なお、御指摘の資料につきましては、四月二十四日付で本委員会に資料として提出いたしております。
#109
○中尾辰義君 それで問題は、この定員外職員というのは、結局総定員法とは関係ないという、そういうことになりますか。総定員法でこれは最高の定数をきめましても、定員外でどんどん足らないところはふやすと、こういうようなところが盲点になっているじゃないか、こういうことが話題になったらしいですが。
#110
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。
 総定員法の対象といたしておりますのは、行政事務を行ないますために必要な恒常的な職に充てるべき常勤の職員の数でございまして、そのうちのもちろん一部を除いておりますが、そういうものの中から五十万六千五百七十一名を現在の最高限度として考えているわけでございます。定員外職員につきましては、従来からの考え方によりますと、これは恒常的な仕事に従事するものではない、非恒常的に従事するものであるということでございますので、総定員法の対象外になります。
#111
○中尾辰義君 それはそうでしょうけれども、総定員法案を出した趣旨のものは、結局臨調の答申もあるでしょうが、行政の簡素化だとか、それもありますけれども、結局ば予算の面、財政硬直化の面から、もう少し予算編成の面から考えてみても一、人件費が多いとか、そういう面もからんでいるのですね。総定員法でワクだけきめたけれども、定員外のほうでふやすのは御自由であると、こういうことになったんでは、これは総定員法の立法趣旨に反するということになりますよ。ただ人事の交流とか配置転換が政令によってしやすくなる、その点はいいでしょう。そういう点を、まあ私がこれ大臣とすると、それはすべて自分の権限で、抜け穴があるから定員外ふやせと、こういうこともできるじゃないですか。そこら辺が問題になってくるでしょう。それをひとつ大臣からお伺いしたい。
#112
○政府委員(河合三良君) ちょっと御説明を……。
 定員外職員につきましては、先ほども申し上げましたとおり、これは非恒常職に従事する、まあ臨時の職員ということでございますので、先ほど申しましたように、総定員法の対象外になっているわけでございますが、これとは別に、総定員法の五十万六千五百七十一名という最高限に対しましては、恒常的な職に充てるべき常勤の職員の数は、必要な場合にはふやしてまいりますし、それを非常にふえてまいりました場合には、これは前々から大臣から答弁申し上げておりますように、その最高限を越える改正が必要になる場合もある。それからそれによりましてこの数をきめてまいります。恒常的な職に充てるべき常勤の職員、その必要量によりまして考えるわけでございまして、現在定員外の職員は、これは恒常的な職でない、非恒常職の仕事をしております職員でございますので、対象になってこないわけでございます。
#113
○中尾辰義君 ですから恒常的な職でないとおっしゃいますけれども、定員外で一体勤続年数の長いのもかなりおるでしょう。あなたのおっしゃるとおりですよ。あなたのおっしゃるとおりとすれば、そのとおりだ。実際実務はうちのほうはもう非常に忙しいのだと、だけれども定員がこうきまっているので、しょうがないから定員外でふやせと、そういうこともこれはやろうと思えばできぬことない、そういうことでしょう。そこら辺のところを私は聞いているのです。あなたのおっしゃるとおり、まじめにさようごもっともでございます主義でやれば、それはそのとおりにいくかもしれぬ。実際はそうはいかぬでしょう。ですから問題になっておる。
#114
○政府委員(河合三良君) 先日来御指摘のございました点は、恒常的な職でない非恒常職、または非常勤の職員として定員外職員がおりまして、それがもし恒常的な職に従事しておりますれば、これは閣議決定違反である。そういうことは従来はないはずである。そこで関係各省庁に対しまして、それを調べるというような御指示を受けておるというように理解いたしております。
#115
○片山武夫君 今回の総定員法のその主たる目的が簡素化あるいは能率化、これを推進していく。結局それによって起こってくる問題は、やはり職員の配置転換あるいは異動、こういうことが相当従来よりも多くなる、こういうことが大体予想されるわけです。そこで先ほど来からいろいろと質問がされておりましたが、政府の答弁としては、だんだん、だんだん私は聞いていけばいくほどあいまいな点が多くなっていきますので、この際、法律できめられた事項と実際面での運用の結びつき、このことについて数点確かめておきたい、かような観点から質問を行ないたいと思います。
 そこで、従来この配置転換や異動、そういうものがいろいろ問題の焦点になって、労組の関係、非常に公務員関係はよくないことになっておるわけです。これはやはり人事管理の欠陥、労務管理の欠陥、そういうところから私はきているのだろうと思うのです。したがってこれからお伺いする事項は、直接人事に関係する問題でありますので、的確にひとつお答えを願いたいと思うのですが、総理府の人事局長にちょっとお伺いします。人事院の方帰っちゃったな。――これは関係があると思うのでね、ちょっとお願いしたいと思います。
 ことばのつかい方で非常に矛盾、あるいははっきりしない面がありますので、この配置転換と人事異動、これは配置転換があれば人事異動が伴うものですから、したがってこの区別ですね。配置転換という場合の異動と単なる異動の区別、これをひとつまず明らかにしてもらいたいと思うのですがね。
#116
○政府委員(栗山廉平君) ただいま先生の御質問は、配置転換と人事異動の区別という非常にむずかしい御質問ですが、ちょっとあるいはあんまり法律的でないかも存じませんが、人事異動というと、何かこう人間がたくさん動くようなちょっとことばの感じを受けますのですけれども、人事異動と申しました場合に、あるいは広くとったり狭くとったりする場合があり得ますが、たとえば同じポストにおりまして昇格するというようなものも、これは人事に属するわけでございまして、そこまで人事異動と申し上げていいかどうかちょっとわかりませんが、広い意味では人事異動に入るかと思います。ただ配置転換と申しました場合には、やはりポストが変わりまして違った局に、あるいは地方から中央にというような、ことに目に見えてちゃんとポストが変わるということだけのところに、大体普通はとられておるようにわれわれは考えております。
#117
○片山武夫君 いまの説明ですと、配置転換は部署が変わる、これが配置転換だ、これは異動とはいわないのですね。異動とはいわないのだというふうに聞こえるわけなんです。しかし異動、人事異動ということがよくいわれるし、配置転換と一体どこが違うのかという疑問がわいてくるのは、これは配置転換については事前協議の対象にしよう、そうして十分に対象組合と協議をして、摩擦の起きないようにしよう、こういうことが特にこの前の総理の答弁の中で明確にこれは言われている。これは労使の関係を改善する上に重要だから、なお十分配慮しようということが言われている。配置転換、異動も、私は同じような気がするのですが、そういう意味でいわゆる所属がえを配置転換だというふうに考えた場合、これは一人でもあり得るわけだし、多数の場合もあり得るわけです。これがいわゆる事前協議なり協議の対象にするのだと、こういうことになると思いますが、それでよろしゅうございますか
#118
○政府委員(栗山廉平君) あるいは先ほど私の申し上げたことが的確でない、あるいはちょっとばく然としておったかとも存じますが、人事異動と申します場合には、広く大体どういう人事であっても普通人事異動といっているのが普通でございまして、配置転換はもちろんその中に含まれるとお考えになってけっこうだと存じます。
 そこで、配置転換の点につきましてのいまのお話でございますが、私も数回ここの審議を聞かせていただきましたのですけれども、総理大臣がこの総定員法に関連されまして、出血整理はしない、あるいは強制配置転換は行なわないというような表現をなさっておったと存じますが、われわれがとりましたところでは、総定員法の成立に伴っていろいろの変化が出てくるのではないか、その総定員法の施行に関して出血整理あるいは強制配置転換というようなことは避けたいというお気持ちの表明だったろうと、私は理解いたしているわけでございます。そこで、総定員法の施行に伴いましていろいろな、たとえば定員の配置がえ等がございます場合の想定だろうと思いますが、その際にはこの配置がえが行なわれるわけでございまして、その配置がえを行なう際に、強制的なものは伴わないのかどうだろうかという御質問だろうと解するわけでございます。この人事の基準といいますか、たとえばいまの配置がえというものに伴う基準、あるいは昇格昇任といったようなものに伴う基準、そういう大体の人事に関する基準というものがあるわけでございます。何でもかってにいたすというわけではございませんで、大体の基準を設けているわけでございますが、そういう基準につきましては、勤務条件ということで職員の側とお話し合いをするということに相なっております。が、しかし、これは人事院のほうからもあるいは申し上げてあるかもわかりませんが、任命権に関する事項、つまり人事権と申しますか、すなわちことばをかえて申し上げますと、個々具体的な人事、これは管理運営事項ということでございまして、原則としては対象にならないというふうにお考え願ってけっこうだと存じます。
#119
○片山武夫君 人事異動の中に配置転換が含まれておる、いわゆる配置転換というのは所属がえ、これは配置転換、その所属がえという範囲は係か課か、部か局か、省か、そういうのは一体どういうふうに考えておられるのですか。
#120
○政府委員(栗山廉平君) ちょっと先ほどから申し上げますように、必ずしも配置転換あるいは配置がえということばの定義そのものがはっきりいたしているわけではございませんが、われわれが考えておりますところは、配置がえと申しますと、やはり相当大きなところから、あるいは小さいところにつきましては課から課へかわるといったようなところが普通じゃないかというふうに考えております。ただ係から係へかわる場合も配置がえという場合もございますが、大体課を異にするとか、あるいは局を異にするというようなところが配置転換、配置転換といわれている普通の意味ではないかと存じます。先ほどから申し上げるように、定義がどの範囲まであるのかというようなはっきりした定義はございませんですが、大体そんなところじゃなかろうかというふうに存じております。
#121
○片山武夫君 大体定義というところまでいかぬでしょうが、はっきりした基礎がなくして、配置転換については本人の意思を十分尊重するとかしないとか言ってみたって、そんなことはできっこないわけですよ。したがって、どの程度のものが配置転換か、私の理解する配置転換というのは、行政改革によって一つの課なり部なりが他の省にいくとか、あるいは他の局に所属するとかいった、そういったような場合に行なわれるいわゆる異動ですね、こういうものを一応常識的に配置転換といっているのだと思う。ただ単に省内で課から他の課へ移ったりする、そういうのは配置転換といえるかどうか、私は疑問に思う。そういうのはただ私は異動ではないかという気がするのですが、そういったようなものについて、大体の考え方がまとまっていなければ、これは交渉の対象にするとか、協議の対象にするとか言ってみたってこれはそこからけんかになっていくんですよ。だから、そういう問題について私もこの前分科会でいろいろお聞きしたのですが、どうも政府としての態度があいまいであるので、まず協議か交渉かという問題すらあいまいであるので、その点についてはだいぶお聞きをして、ひとつこのことについては各省庁に、ひとつ答弁されたことについては趣旨徹底してもらうようにお願いをしておいたのですが、今日ただいま各委員がお聞きしている答弁を通じて考えてみても、どうもこの辺があいまい。だからこそ、これは労使の間で一体これが交渉の対象になるのかならぬのか、協議の対象になるのかならぬのか、あなたのような答弁ではみんな逃げられてしまうのですよ。そうでしょう。ところが総理はそうは言っていない。そういうものは個人の異動についても十分に配慮し、本人の気持ちを聞こうと言われておる。一体それはどこを対象にしてやるのか、あるいは組合を対象にして話をするのか、そういうような点を十分に私は徹底してもらわないと、この総定員法がしかれる、しかれないにかかわらず、そういう配転とか人事異動の問題について、簡単にこうやりますと言われても、それは私は実際問題としてはできなかろう、私はそういう心配をするから質問をしておる。
 私も、できないものを簡単にことばの上でやりますといってみたところで、実際に正式に団交なりあるいは組合と省庁の協議、こういう場合になったときに、これは管理運営の問題だから、組合の介入すべき問題ではないと逃げられたら、何もなくなってしまうんですよ。だからそれをいままでずっと今日まで論議されてきたと思います。だからこの際、それをはっきりとしてもらわなければ、ここでのそういうことばの解明だけではいけないのであって、実際に法律の施行を一体どうやって、どういう窓口をつけて、どういうことまで交渉なり、あるいは交渉のできない場合協議するんだ、こういうふうにきめてもらわないと、これは組合としても処理しようがなくなる。われわれとしても納得がいかない。そこでお伺いするんですが、各省庁に人事管理官というのがおりますね。これは一体兼務ですか専務ですか。
#122
○政府委員(栗山廉平君) 人事管理官の説明の前に、先ほどから先生のおっしゃること、ごもっともでございますので、私もちょっと一言申し上げさせていいただきたいと思いますが、確かに場合によりまして人事異動、配置がえということの定義がいろいろに行なわれることは、これは事実でございますが、定員に関する限りは、限りはと申しますとちょっと語弊があるかもしれませんが、事項事項によりまして、それははっきりできるわけでございます。そこで定員なら定員ということに関しまして、一体配置がえはどういうことになるかということになりますと、これは定員というものが、どこの部分までがきまるかということに伴ってその定員がきまります。定員の中での配置がえ、これは定員が、たとえばある局がありますと、何人という定員があって、その定員が動かないその中で係なり課の中でかわる、これは定員に伴う配置がえではないわけでございます。そこで定員法というこの関係で配置がえという場合には、定員がどこかで欠ける、あるいはどこかでふえるというような問題、ある機関別の定員の増減に応じまして、そこにどうしても配置転換が必要であるという場合に起こってくるのが、これは定員法の施行に伴う配置転換。そこに強制的なものが出てくるかどうか、この問題になってくるかと存じます。
 そこで総理府などの、これは非常に行政組織がいろいろございますので、全部の省がどうかということは、これは行管のほうで御存じのことでございますので、私が少なくとも申し上げられまするのは、総理府におきましては、いま定員が個別にきめられておると申しますのは、原則として局単位でございます。それからなおそのほかに付属機関というものがございますから、付属の機関は付属機関別にきめてあるはずでございます。それからもちろん外局につきましては、これはまたいろいろ組織がたくさんございまして、特に総理府の外局はほとんどが国務大臣をもって当てられておりますので、これは私たちの範囲からちょっと抜けておりますから、総理府本府についてだけ申し上げますと、本府の内部部局につきましては局単位ということでございます。したがいまして、定員に関しての配置がえということを問題に考えます場合には、その局単位にきめられておる最終単位の定員が変動をいたしまして、それに伴って配置転換が起こるという場合に限るというふうにお考え願ってけっこうだろうと存じます。
 それから、先ほど御質問のございました人事管理官でございますが、これは国家公務員法の、先生よく御承知のように、第二十五条に人事管理官という項目がございまして、「総理府及び各省並びに政令で指定するその他の機関には、その庁の職員として人事管理官を置かなければならない。」、これはその第二項にも人事管理官は、人事に関する長となり、」云々とございますが、本省及び外局に具体的には設けられておるものでございまして、名前はいろいろございますが、要するに本省及び外局の人事課長あるいは秘書課長とも総務課長という名前のところもあろうかと存じますが、人事を主管する課長、それに人事管理官を命ずるということでございまして、定員その他は全部そちらのほうの人事課長なり総務課長なり、秘書課長なりのほうで入っておりまして、それに人事管理官を命ずるというかっこうをとっておるわけでございます。
#123
○片山武夫君 この人事管理官は、当然これは人事院との関係において任命されるわけですから、人事院関係の所管を各省庁でこの人が取りまとめる、こういう役目を持っているのだろうと思いますが、そのとおりですね。
#124
○政府委員(栗山廉平君) これは先生、第二十五条の第二項に、先ほど申し上げましたちょっとあとのほうに、「この場合において、人事管理官は、中央人事行政機関との緊密な連絡及びこれに対する協力につとめなければならない。」、こうございまして、この中央人事行政機関というのは、先生おっしゃいましたように、当初は人事院だけでございました。当初は人事院だけでございましたが、その後、人事院並びに内閣総理大臣、つまり端的に申しますと、人事院とわれわれ人事局ということでございまして、この両方との緊密な連絡をはかっていたしていくということで、具体的には人事管理官の会議を持ちまして、いろいろの議を議していくということに相なっております。
#125
○片山武夫君 この人事管理官は当然職員組合とのいわゆる交渉の対象の大体責任者、こういうことがいえるのじゃないのですか。
#126
○政府委員(栗山廉平君) そのとおりと考えております。
#127
○片山武夫君 窓口は一応この人事管理官、各省庁の人事管理官が各省庁の責任者として、大体組合との交渉の責任者になる、こう考えてよろしいわけですね。
#128
○政府委員(栗山廉平君) 対象によりましては会計課長ということもございましょうけれども、原則としまして、人事の関係を申し上げますれば、人事のことにつきましては窓口になるというふうに申し上げておきます。
#129
○片山武夫君 そこで、先ほども触れましたように、百八条の五で、管理及び運営事項は交渉の対象としないのだ、このことについて、実は分科会でもって人事院総裁に聞いたんだけれども、非常にこれはきびしい答弁をされておった。たまたま今回この総定員法が出されて、それについての配置転換やあるいは異動は個人の意見を尊重すると、こういったような総理としては非常に政治的な答弁であったと思いますが、確約をされてきた。そういうことになってきますと、この管理運営事項といえる、交渉の対象とすべき給与、勤務時間、勤務条件及び社交的または厚生的活動といいますか、これが交渉の対象事項となっている。ところが、この中の「管理及び運営に関する事項は、交渉の対象とすることができない。」、こういうことで、一体何と何と何と何が交渉の対象とされるのか、こういうことになるのですが、この点はやはり明確にしておかないと、交渉の案件について、これは非常にそのつど問題になると思うのですが、明快な見解をお示し願いたい。
#130
○政府委員(栗山廉平君) たいへんむずかしい御質問であるようでございますが、たしかこの前の、あれはいつでございましたか、ちょっと記憶をいま呼び起こすことができないのでございますが、人事院総裁は、なるべく広く考えたほうがいいのではございませんかという答弁をしておられたことがちょっとあったように記憶しております。
 そこで管理運営に関する事項というのは一体どういうことかという御質問でございますが、たいへん、ちょっとかた苦しいようなお答えで恐縮でございますが、一応申し上げますが、国の機関が、この法令の定めるところに従いまして、もっぱら国民の意思に基づくみずからの職務権限として行なう、そういう国の事務処理に関する事項というふうに、ちょっと抽象的でございますが、申し上げていいかと存じます。具体的にちょっと例をあげて申し上げますと、たとえば行政の組織に関する事項、行政の企画、立案あるいは執行に関する事項、予算の編成に関する事項、それから国の機関の定員の規模に関する事項、任命権を行使する事項といったようなことが管理運営事項に入るのではないかというふうに考えております。
#131
○片山武夫君 そこで具体的な問題として、これは行政改革等があって配置転換等が計画される、そのことが事前に組合と協議をしましょう、こういうことになっているわけなんですけれども、その場合、これは交渉として問題を扱うのか、協議として問題を扱うのか、これは非常にむずかしい問題だと思うのですが、先ほどもちょっと、合意に達する場合もあれば達しない場合もあるのだ――交渉というのは、大体合意に達することが目的だと私は思う。協議という場合には、たまたまそういうことが合意に達しない場合があると思いますが、その辺の区別を明らかにしておかないと、これはやはり問題のもつれる原因になるかと思うのですが、この辺どういうようにお考えになっておりますか。交渉案件と協議案件というものをどういうように区別しておられるか。
#132
○政府委員(栗山廉平君) これもたいへんむずかしい御質問でございまして、先ほどから先生お読みになっておられます例の公務員法第百八条の五には、「交渉」ということでいろいろ書いてあるわけでございます。職員団体が、ここにありますような管理運営の事項を除きますけれども、その他の事項について、つまり勤務条件でございますが、交渉するということがここにはっきり書いてあるわけでございまして、こういう交渉という表現と申しますか、交渉の対象となるものと、それから先生のおっしゃいます協議というものはどう違うのか、こういう御質問でございますが、実は協議と申されましても、法令上は特に協議ということばは出ておらないような次第でございまして、この協議というもののことばの内容のとり方いかんにもよってくるかと存じます。法律に書いてございます「交渉」というのは、これは職員団体と正式に取りきめて勤務条件について話をするということが交渉ということばで固まっておるのでございますけれども、協議という場合に、いかなるものを協議というかという内容に、やはりかかってくるのではないかと私は考えるわけでございます。交渉以外の何らかの話し合いをすることを協議というふうにおっしゃいまするとしますれば、私は先生のおっしゃいましたように、これは妥結とか、そういうことを必ずしも最終目的として行なうものではないという表現をとっても、これは間違いではないと存じますが、協議ということを、いろいろの何と申しますか、肩のこらない話し合いというような意味にとりますれば、意見の交換といったような場合もあり得るかと存じます。いずれにいたしましても、ここにはっきり法律に書いてありますような交渉というものではないというものを、いろいろの意味を込めまして協議と申し上げていいのではなかろうかというふうに私は存じておるわけでございます。
#133
○片山武夫君 そうすると百八条の五にある給与、勤務時間、勤務条件や社交的または厚生的活動というか、こういったものは、はっきりと交渉の対象にするのだと、こういうことですね。
#134
○政府委員(栗山廉平君) この百八条の五にございますように、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、及びこれに付帯して、これこれの事項に関し、適法な交渉の申し入れがあった場合には、それに応ずべき地位に当局は立つということでございまして、こういう点につきましては、公務員法の百八条の五にいう交渉の対象になるわけでございます。
#135
○片山武夫君 大体やりとりの中ではっきりはしてきたと思いますが、そういうことが各省庁において、やはり適確に行なわれていかなければ、私は意味がないと思いますので、これはもうひとつ総理も約束されたことですから、はっきりと各省庁に徹底するように、私は強く要望をしたいというわけです。
 それから、特にこの配置転換等、異動の問題に関連しても、この定員法施行にあたって強制はしないということについては、十分総理も約束されたことだから、配慮をぜひお願いしたい、かように思うんですが、そこで、各省庁の対象組合と交渉すること、これはよろしいと思うんですが、かつて中央団体と人事院とがいろいろ交渉を行なってきた例がある。それが今度法の改正によって、その対象が明らかでなくなっている。そのことについて御質問申し上げたところ、これは中央団体との交渉の対象は総理府がやるということを、総理府総務長官もはっきりと言われたわけなんですが、このことについてもここで確認はしていただけますか。
#136
○政府委員(栗山廉平君) 総理府におきましては、中央の団体の役員の方とよくお会いをいたしておりまして、現にきのうも、あるいは先週の土曜もお会いいたしまして、いろいろの要求なりお話し合いをいたしておる現実がございます。事項によるかと存じますが、大体総理府が窓口的な傾向で再三お会い申し上げておるということでございます。
#137
○片山武夫君 組合が実力行使等を行なった場合にいろいろ問題が起きて、これが不法行為であるとか、いや合法であるとかいう論議が常にされるわけなんですが、これは組合の立場からいうと、いわゆる合法闘争、いわゆる順法闘争、こういうような形で時間外拒否であるとか休暇戦術であるとか、そういったような戦術がよくとられているわけなんですが、これは一体あなた方のほうの解釈としては、合法と見ているのか見ていないのか、その辺ちょっとお聞きをしておきたいと思います。
#138
○政府委員(栗山廉平君) 公務員の実力行使と申しますか、争議行為と申しますか、そういうものについて、何か当たるか当たらないかというようなけじめがあるかというお話だろうと思いますが、これは個々の場合でないとなかなかむずかしい微妙な点もございまして、一がいにはっきり断定的には申し上げられないかと存じます。まあこの間の四月二日の最高裁の判決にも、これは地方公務員のあれでございますが、争議行為につきまして、非常に違法性の濃い場合と、それが薄いといいますか、弱いといいますか、いろいろな場合があるというような判決の内容もあったと存じております。
 そこで端的に申し上げまして、争議行為と申しますのは、公務員が公務に従事するというきめになっております時間、その内におきまして積極的に仕事をしないという点で、これは非常に抽象的でございますが、争議行為であるかどうかということを原則としては判断するということに尽きるのではないかというふうに存じております。
#139
○片山武夫君 そういう抽象的なお答えはちょっと困るんですがね。たとえば処分者が出ておりますね、いろいろ非合法だということで。そういう場合の認定は、だからいろいろ私の申し上げたその範囲内の戦術じゃなくて、それ以外の行為であったというふうに理解されるのかどうか、こういうことなんです。つまり休暇戦術ですね、これは具体的にあるわけです。それから時間外拒否というのもあるわけです。そういうのは一体どう考えておられるのかということをお聞きしたい。
#140
○政府委員(栗山廉平君) 休暇戦術というおことばではございますが、この休暇につきましては、御本人の自分の都合だけで休暇をとるということは実はできないわけでございまして、公務の状態に応じて休暇をとるというかっこうになっておるわけでございます。したがいまして、公務遂行上必要だと認められた場合に、それを無理に休むということになりますと、これはやはりそこに違法性の問題が生じてくる余地があるわけでございます。
 それから時間外の拒否でございますが、これもやはり公務上必要な職務命令が出ておりまして、はっきり公務を行なう上において時間外に勤務する必要があるということで職務命令が出ておるという場合に、それであるにかかわらず仕事を拒否するということになりますと、やはりここに不当あるいは違法という問題が――もちろんその個々具体的の場合によっていろいろ強い弱いはございましょうけれども、問題が生じてくるということが申し上げられると思います。
#141
○片山武夫君 この解釈については法的にもいろいろ問題が起き得ることで、私は大体どういうような考え方で扱っておられるかということを聞いておるわけで、それを認めるわけではありません。異論が相当あるわけでございますから。しかし、そういったような処分が決定して、いろいろ処分を受けておられる方、これもまた不当であるならば、これは法廷闘争というような問題も起きてくるわけなんですが、どうもそういった問題についての諸官庁の態度というものが、いわゆる綱紀粛正の問題と並べていろいろもんちゃくの起きている問題が多いのであって、私は、むしろこれは厳密に自信を持ってはっきりした態度でやるべきではないかという立場に立っていろいろ申し上げているわけなんです。いまの見解については私はちょっと疑問がありますが、しかしここで論争してみてもしかたがないと思います。
 そこで最後に申し上げたいことは、この総定員法によっていろいろ配置転換、異動等が非常に多くなるということを前提として起き得る問題についていろいろ質問をしたわけなんですが、特に一昨日総理が出席して、総理がいろいろこの問題については十分な配慮を行なうと言った趣旨の内容については、これはひとつ十分にその趣旨に従った処置を具体的に各省庁がとれるような指示をさっそくでもいいですから、私は流していただきたい、かように思うのです。
 最後に、定員外の問題にちょっと触れたいと思うのですが、この点についても、実は、いわゆる常勤的な恒常的な定員外がいるということについて総理も驚かれたようなんですが、確かにこれは具体的に聞いてみますと、公務員としての資格がないから採用するにもしがたいんだ、こういうような面があるんだということをちょっと言われたようなんですが、これは実際仕事にあたっては、実際の定員内の公務員以上の仕事をしておられる人もおるんだし、そういう意味で政治的に配慮してもらいたいということを強く私は要望しておいたんですが、この点について十分にひとつ総理の意思を尊重して、早いところ処理をしていただきたいということを特につけ加えておきたいと思うのですが、これについて調査が行なわれておりますか。
#142
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 形式論だけ申し上げますと、昭和三十七年に最終的な一応の調査をしまして、御案内のとおり、何回もお答え申し上げたことですけれども、当時万をもって数える人数のものを定員内に組み入れた。したがって自今恒常的な職務につかせるような人を雇ってはならない、したがって、いわゆる定員外職員、臨時職員といわれるべきものは、予算上認められておるけれども、それが定員の中に組み入れられなければならぬという勤務条件で雇い入れることはできない、定員内に組み入れることはこれで終わりだということを閣議決定をいたしたのであります。
 したがって、その点だけから概念的に申し上げれば、恒常的な職務に従事して定員内に入れるべき実態のいわゆる定員外職員というものは、あるはずがないということにも相なっておるわけですが、実際はいろいろ現地についての御調査等をもとにお話が出ますれば、閣議決定違反をした省庁の責任者がおるんじゃなかろうかということが課題として浮かび上がってくると思います、概念論は。だからといって、冷酷むざんに、知らぬ顔の半兵衛で済まされるものではあるまい、したがって、厳密な調査をいたしまして、実態に即した措置が講ぜられるべきであろう、そういう前提に立った総理からのお答えであったし、私もそういうことでお答えしつつ今日にきております。その意味においての調査はこれからしなければならないわけでございます。第一義的には、各省庁にそういう該当事項がありゃなしやを責任を持って調べてもらう、それに基づきまして行管としましても、あるいは総務長官床次さんのところでも、ともに相談しながら、実態を把握して、その結果に基づいて善処するという課題が残った意味においての総理の発言であり、私もそういう趣旨でお答えした、こう理解しております。
#143
○委員長(八田一朗君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたします。
 午後二時まで休憩いたします。
   午後零時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十分開会
#144
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 行政機関の職員の定員に関する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#145
○岩間正男君 まず最初に伺いますが、荒木行管長官に伺いますが、総定員法について、四月の日本学術会議で反対の声明を出しているはずです。これは長官はどのように受けとめておられますか、お伺いしたい。
#146
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 新聞でちょいと見出しだけは拝見いたしました。
#147
○岩間正男君 それだけですか。この中身を検討されないのですか。日本学術会議といえば、日本の学術研究を代表する、しかも政府がこれに対して肝いれをやっている機関です。その機関が声明を発表しているということについて、これは御検討にならなかったのですか。
#148
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は国会を通じて御審議を願うことだけが重要である、学術会議が学問的に感想を述べられるのは御自由である、こう思って中身は読んでおりません。
#149
○岩間正男君 あなたは総定員法を、これは国民のサービスを改善するためだ、こういうことを言われている。だから、世論に聞くということは非常に重要だと思う。この中身を検討されないというのは、これは非常に怠慢ではないかと思います。こういうことを言っている。これが教育、研究、技術の諸機関にも適用されるならば、これらの諸機関における事務能率の低下や職員の業務過重が予想されるのみならず、学問、教育、研究、そのものの体制と運営まで多大の支障を生ずる危険がある、こういうことを述べているわけですが、こういう点についてはどういう見解をお持ちになりますか、お伺いしたいと思います。
#150
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういうふうなことが発表されておるとすれば、参考にすべきだと思います。頭から政府のやることは間違いをやるに違いないときめてかかったような御感想かと思いますが、御懸念御無用なように、運営する上に参考にすべきだと思います。
#151
○岩間正男君 頭からきめてかかっているのはあなたのほうじゃないですか。学者、文化人等はこういうふうに反対するものだという予定感情に立っていることは、これはまずい。ここには日本の学術研究のエキスパートが集まっているのですから、そういう人の意見ですからね。そういう点からも、当然これは検討すべきだと思いますけれども、何もこういうものを検討していないということが大体今度の総定員法案というのは、これは非常に政府の一方的見解でこれが強行される、こういうことを物語っているのじゃないか。この点非常に遺憾に感ずるわけです。
 さて、それでは中身に入って質問いたしたいと思います。まず最初にお伺いしたいのは、四十三年と四十四年の二年間において、定員措置がどうなされたか、その定員措置の実態についてお伺いしたいと思います。第一に、次に述べる職員はこの二年間に何人増員されたか。また、増員が計画されているか、計画と、それからすでに増員されたものを含めてお伺いしたい。自衛官は何人。
#152
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。
 自衛官につきましては、四十三年度八百三十人、四十四年度六千八百七十二人の増員の計画になっております。
#153
○岩間正男君 検察官は。合計を言ってください、合計を。
#154
○政府委員(河合三良君) 人数の合計でございますか。
#155
○岩間正男君 ええ。
#156
○政府委員(河合三良君) 警察官につきましては、四十三年度は増員ゼロでございます。四十四年度は十名の増員でございます。
#157
○岩間正男君 十名ですか。
#158
○政府委員(河合三良君) 三年五%の削減が五名、それから増が十五名で、差し引き十名の増。それに地方警務官をまぜますと、これは四十三年度は地方警務官の二十名の増員がございます。合計は四十二年度末定員が千三十七名に対しまして、警察官につきましては、四十四年度の定員予定は千四十七名でございます。
#159
○岩間正男君 検察官の増員、検察官ですよ。
#160
○政府委員(河合三良君) 失礼いたしました。お答えいたします。検察官は、四十二年度末定員が千八百七十一名、四十四年度末定員では千九百四十六名でございます。
#161
○岩間正男君 委員長、ちょっと注意して下さい。ふえた人数は何人ですかと聞いておるのです。そういうあなた、なにを読むだけじゃ――大体私ここで一カ月見ていたけれども、あなたの答弁はいつでもそれだ。これじゃちょっとまずいです。時間の関係もあるから、はっきり言ってください。
#162
○政府委員(河合三良君) 失礼いたしました。四十三年、四十四年を合計いたしまして、検察官の増員は七十五名でございます。
#163
○岩間正男君 最初からはっきり言えばいいのです。裁判官はどうですか。
#164
○政府委員(河合三良君) 裁判官は四十三年、四十四年度を足しまして五十五名でございまして、総員は二千五百二十五名から二千五百八十名に増員しております。
#165
○岩間正男君 それから警察などの公安職員は何人ふえていますか、二年間に。
#166
○政府委員(河合三良君) 公安職員につきましては、四十三年四年を足しまして二百八十名の増員でございまして、四十二年度末定員が三万七千三百五十名に対しまして、四十四年度末は三万七千六百三十名となっております。
#167
○岩間正男君 税務職は幾らふえたか、数だけでいいです。
#168
○政府委員(河合三良君) ふえた数は四十三年、四十四年度を足しまして二百三十一名でございます。
#169
○岩間正男君 税関職員は幾らです。
#170
○政府委員(河合三良君) 税関職員は、四十三年、四十四年を足しまして、八十名の増員になっております。
#171
○岩間正男君 指定職員は。
#172
○政府委員(河合三良君) 指定職員につきましては、四十三年、四十四年を足しまして、九十名の増であります。
#173
○岩間正男君 それじゃ次に各省庁で減らされた人員、その総計は幾らか。これは行(一)、行(二)別に報告してもらいたい。
#174
○政府委員(河合三良君) 行(一)につきましては、四十三年度の減は、これは増のほうは入れませんで減だけでございますが、減につきまして申しますと、四十三年度では三千二百八十九名の減でございます。それから四十四年度では三千百二十五名の減でございまして、両方足しますと六千四百十四名の減でございます。行(二)につきましては、四十三年度は三千四百二十四名の減、四十四年度は千九百三十五名の減、合計いたしまして五千三百五十九名の減でございます。
#175
○岩間正男君 そうすると、行(一)と行(二)を足してその合計した減員は幾らですか。一方ふやしているのもあると思います。そうすると、その減数から増員分を引いた差し引きと、この三つをお尋ねします。
#176
○政府委員(河合三良君) 増員につきましては、行(一)、行(二)別に申しますと、行(一)が四十三年度三千二百二十四名、四十四年度は二千百五十八名、行(二)は四十三年度五百二十六名、四十四年度十三名、合計これは五百三十九名でございます。それぞれ差し引きが、行(一)の差し引きが千三十二名の減、行(二)の差し引きが四千八百二十四の減でございます。
#177
○岩間正男君 行(一)の場合ですが、その中で非常に実数的に大きく減員されているのはどことどこですか。この数を言ってください。
#178
○政府委員(河合三良君) 大きなものの例を申し上げますと、農林省の行(一)職員が合計で二千二百五十六名の減でございます。また労働省の行(一)職員は六百三十一名の減でございます。合計いたしまして、二千八百八十七名の減でございます。
#179
○岩間正男君 そうしますと、これは行(一)の中で差し引きの一千三十二人、それをはるかに農林省、労働省でオーバーしていると、こういうことが言えるわけですね。ここに今度の削減の中心がきている、こういうふうに考えていいと思いますね。次に、行(二)の場合をお聞きしますが、これはどういうところが大きく減らされておりますか。
#180
○政府委員(河合三良君) たとえば、北海道開発庁の行(二)職員は、四十三年、四十四年、合計いたしまして三百四名の減でございます。また建設省の数を申し上げますと、行(二)職員は、合計いたしまして二千五百六十三名の減でございます。
#181
○岩間正男君 それから運輸省はどうです。運輸省、農林省、大学関係、病院関係、これを言ってください。
#182
○政府委員(河合三良君) 運輸省につきましては、行(二)は合計いたしまして二百七十八名の減でございます。それから学校につきましては、、国立学校行(二)は、合計七百九十六名の減でございます。厚生省行(二)が、三百二十六名の減でございます。
#183
○岩間正男君 農林省はどうです。
#184
○政府委員(河合三良君) 失礼いたしました。農林省は、行(二)の減が三十名の減でございます。
#185
○岩間正男君 病院関係は。
#186
○政府委員(河合三良君) 病院は、厚生省の国立病院、療養所関係の行(二)が三百二十六名の減でございます。
#187
○岩間正男君 こういうふうに見てまいりますと、次のようなことが明らかになるんじゃないかと、まず第一に、これは自衛官、警察官、裁判官、検察官、それに地方警官なんかの場合は五千人もこれはふえているんですが、いわば治安というか、弾圧関係のこういう機関は、これは削減するどころか逆にふえているんだ、大量にふえているんだ、これははっきりそのとおりですね。これは長官、認めてようございますね。
#188
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 数字的には一応御指摘のようなことかと思います。
#189
○岩間正男君 さらにまた徴税部門、そういういわば収奪機関だと思います。それから管理体制の強化を目ざす指定職、こういういわば高級官僚、こういうところは増員されているんだ、これもはっきり数字が示しておるわけでありますが、これもようございますな。
#190
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 数字は仰せのとおりであります。
#191
○岩間正男君 このような増員が一方で行なわれているときに、反対に減員の関係を見ますというと、現場関係の行(二)職が非常に多いということですね。いわば官庁の場合は、ほんとうに実際現場で働いている、手足になっているとこですよ。そういうところが圧倒的に削減されている。その行(二)の中を見ますというと、公共事業実施部門、さらに病院、大学関係、そういうところなんです。そういう中には特に国立病院の炊事、洗たく、給食など、場場関係の減員というのが、これは業務の下請と結びついているようです。これはいかがでしょう。
#192
○政府委員(河合三良君) ただいま御指摘のように行(二)の事業につきましては、業務の下請あるいは機械化になじむ面が多うございますので、その結果があらわれている面があるかと思います。
#193
○岩間正男君 第四に指摘したいのは、行(一)職員、これの減員の大半は、先ほど明らかにしたように農林省と労働省だ。農林省を見ますというと、行(一)職員の減員の約六〇%は、これは統計調査事務所及び食糧管理事務所、こういうところの減員だと思いますけれども、この数はどのくらいになっておりますか。
#194
○政府委員(河合三良君) 食糧管理事務所の減員は両年、四十三年、四十四年を足しまして、千四百四十一名でございます。統計調査事務所の行(一)における減員は、両年足しまして四百七十名でございます。
#195
○岩間正男君 労働省はどうなっています。労働省はどういうところが減っていますか。
#196
○政府委員(河合三良君) 労働省の減員のうちおもなものは職業安定官署、それから労働法官署でありまして、約六百名の減員でございます。
#197
○岩間正男君 こういうふうに、全体をここで検討する時間の余裕はないのですけれども、特徴的にあらわれたものを数字を拾い、そうしてその性格を私たちはここで検討してみたのです。この事実はどういうことを示しているかといいますと、農林省ではいわゆる総合農政あるいは食管制度のなしくずし的な最近の改悪の政策と結びついている。労働省では、これは独占資本本位の、労働保護政策、こういうものの切り捨て、思うに、これはほんとうにじゃまになってきたのだ、労働基準監督局あたりにはっきりあらわれてきている。あるいは労働力の流動化政策、こういうものとはっきり結びついて、ここに大量の削減が行なわれている。これは統計の示すところであると思いますから、これは長官も認められると思いますが、いかがですか。
#198
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政策的な立場からの御批判を含めての理由づけは、必ずしも私も了解できませんが、労働大臣は労働大臣としての職責を果たす上で支障なしと見て、削減数を決定したことと存じております。
#199
○岩間正男君 これは労働大臣だけの問題じゃないでしょう。これはあとでお聞きしますけれども、政府のそのようなこれは政策があり、それに従って行管がそれにいろいろこの政策を推進する、そういう中で起こってきたのじゃないか。
 以上見てまいりますというと、今度の五%削減計画というのは、まあいろいろ美辞麗句で装われていますよ。当委員会でもしばしばこれは繰り返されてきました。しかし実態を分析してみますというと、そういうふうになっていないのです。全くこれは政府自民党の、一つは軍事機構、あるいは人民弾圧機構あるいは人民収奪機構、こういう政策、それから独占本位の政策と密接不可分に結びついていると思うのです。そういう性格をはっきり今度の五%削減は持っておるのだということを、これは何も私が言っているのじゃなくて、数字がはっきり示しておる事実ですから、これについて、これを認めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#200
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 共産党のお立場からの御批判は、これは当然あり得ると思います。ただ、その御批判そのものの、御指摘のような線に立ってやっているわけではございません。
#201
○岩間正男君 まあ、そうでないということを言われますけれども、この目標を達成するためにつくられたものがあるでしょう。ウエート分類表というのがこれはあるのじゃないですか、私は当委員会にこの資料の提出を求めたわけでありますが、これは出てきません。これはどうなんです、あるんですか、ないんですか。
#202
○政府委員(河合三良君) ウエート分類表はございます。これは各省庁の五%削減の目標を計算いたします際に用いましたものでございまして、各省庁の間の基準を統一するという意味で、このウエート分類表で計算いたしました。その結果出ました削減数につきましては、各省庁それぞれの御判断で内部事情をいろいろ御勘案の上、御決定をいただいたものでございます。
#203
○岩間正男君 これはどうなっていますか。このウエート分類表というのは、第一分類、第二分類、第三分類というふうに分かれておるわけですか。この中身をここで説明していただけますか。
#204
○政府委員(河合三良君) ウエート分類表について御説明いたしますと、これは主として昭和三十九年九月四日、閣議決定に際しまして実施いたしました欠員不補充措置の際に用いました職種分類をもとにいたしておりまして、各省庁と十分御相談の上、三分類を設けたわけでございます。この中で三つの分類に分けておりますが、まず一つは欠員不補充の際に、補充率をかなり緩和いたしておりますものにつきましては特例を設ける。で、その中でも、特に法令に設置基準のあります、あるいはそれに近いようなものにつきましては、これはウエートを低くいたしまして削減の計算の緩和をいたす。それから九割補充の際に若干ウエート補充の率を緩和いたしておりますものについては、第二分類といたしまして第二段の緩和をいたす。それから、それ以外の一般職員は、これは普通のウエートで計算をする。そういう三種類のウエートに分けています。
#205
○岩間正男君 その比を言ってください。第一、第二、第三分類、これはどういう比重がかかるわけですか、第一分類の割合ですね。
#206
○政府委員(河合三良君) 第一分類に対しましては一〇、それから第二分類につきましては〇・五、第三分類につきましては〇・二のウエートをつけています。
#207
○岩間正男君 〇・五ですか、第一分類は一〇ですか。
#208
○政府委員(河合三良君) 失礼いたしました。第一分類はでございまして、第二分類が〇・五、第三分類が〇・二。
#209
○岩間正男君 一〇、五、二というわけですか。
#210
○政府委員(河合三良君) そのとおりでございます。
#211
○岩間正男君 そうしますと第三分類が一番軽い。これは第一分類の五分の一ということになりますですね。第二分類は第一分類の半分、第一分類が重くこれは削減されるということになれば手かげんですね。行管庁としての手かげんですね、ここにもはっきり出ているわけですね。単に一律にやっているわけではない。はっきりそこのところ意図があらわれている。まずお聞きしますけれども、そうなりますと、第一に、ここには第二分類と第三分類についてあげているようですが、それにはあがらないのは全部第一分類と考えていいわけですか。
#212
○政府委員(河合三良君) 第二分類、第三分類に入りませんものは、すべて第一分類でございます。
#213
○岩間正男君 そうしますと、この結果、圧倒的に多いわけでしょう、第一分類が。
#214
○政府委員(河合三良君) 第一分類が中では一番多くなっております。
#215
○岩間正男君 どんな割になりますか、第二分類、第一分類は。
#216
○政府委員(河合三良君) 第一分類は、これはウエートをつけました。つけます前の数は、第一分類が二十七万六千八百五十七、第二分類が十四万九千五百七十三、第三分類が七万九千八百五十二、これにウエートをつけまして、数が変わってまいりました。ただいまウエートと申しましたが、最後にさらに若干のごく小規模な手直しをいたしております。と申しますのは、きわめて小規模な官庁でございますとか、そういうものに非常に大きな削減数がかかるということ、その他の事情を考慮いたしまして、全体において各省庁ごとに百名の基礎控除を設けるというような、そういうことはいたしておりますが、最終的には第一分類が二十三万三千五百二十八、第二分類が十九万七百七十二、第三分類が七万九千八百五十二でございます。
#217
○岩間正男君 そうしますと、五十万の定員と見て、半分以上が第一分類、その中でここのところは一〇だけの比重で削減せい、そうすると大部分今度の五%削減の実数はどういうことになるかというと、行(二)の全部が第一分類に入る。行(一)の約九〇%、これははっきり第一分類に入る。どういうのが第三分類に入るのか、これははっきりしているわけですね、そうでしょう。さっき言った警察庁、宮内庁、防衛庁、法務省、文部省、運輸省、この中で皇宮護衛官、それから海上保安庁、検察官、こういうようなところがやはり非常に軽いですね。第三分類に入るのではないですか、いかがですか。
#218
○政府委員(河合三良君) 第三分類に入れておりますものは医療職、それから教育職、海事職というようなものでございまして、ただいまお話の中で第二分類に入っておりますものでかなりあったかと思いますが、たとえば警察官などは第二分類に入っております。
#219
○岩間正男君 第二分類にはどういうのが入っておりますか。
#220
○政府委員(河合三良君) 第二分類には研究職、それから医療職の中でも病院以外の診療所の職員でございます。あるいは教育職の一部と、それから海事職の一部、税務職、公安職等でございます。
#221
○岩間正男君 まあ登記とか車検など、そういうものも非常に業務量がふえているので、第二分類に入っているようでありますが、一方では用地取得とか保険料徴収とか、こういうようないまの高度成長の中ではなくてはならないような部分というのは、これはウエートが軽くされてきている、こういうことがはっきり言える。だからウエート分類表のようなものは、詳細にやる時間がございませんから、できれば資料を出してもらいたいと思います。そうして検討をしていけば、ここではっきり政府の意図があらわれてくる。行管を通じてそういうような形で、これは政策との関連が深いのだということをここで推定できると思うのですね。
 私はこういうような形で五%削減が行なわれているという現実の上に立って、そこでやはり問題にしたいのは、結局その結果、国民生活へのしわ寄せが今度のこの五%削減の中で起こるんじゃないかという問題です。ここが非常に私重要だと思うんです。そうでしょう。国民のためのこれは定員削減だなどと言っています。なるほど、これは公務員の給与が非常にふえた、そういうことが非常に宣伝されました。そうして行政管理の問題がこれは出されてきているわけです。しかし、この前の委員会でも明らかにされましたように、これは給与費は年々低減しているという現実があるわけですね。財政硬直化、こういうことで、実は昨年の暮れに公務員の給与に対しての攻撃が開始されたわけですけれども、国民にそういう形でこれはPRされて、五%削減が非常に重要だと、国民の負担から考えて重要だというふうにいわれているわけです。しかし、それはばく然とした形でこの五%削減というものを考えたのじゃ話にならぬ。この実態を具体的に検討するということが絶対に必要です。ここからこの問題を論議しなければ、性格が明らかになるものじゃない。私はそういう点から、国民へのサービスなどということを、しばしばこれは荒木長官も当委員会でPRにつとめられました。しかし、はたしてそうなっていくかどうか。
 こういう点ではまず当委員会でも気象関係の問題が非常に大きな問題になりました。大阪管区気象台の人員が削減された。その結果、予報業務がいままでの二十四回から八回に減らされた。これはもう当委員会で、先ほど申しましたように、大きな問題にされた。それで気象庁長官は、これを再調査して、これについての善処を当委員会で約束をされたと思う。これはどういうことになっておりますか、承りたいと思います。
#222
○政府委員(吉武素二君) 大阪管区気象台の観測回数を二十四回から八回に変更しましたその理由は、観測装置が近代化されまして、部屋の中にいていろんな気象の値がわかるという、いわゆる隔測装置の設置もやっていただきまして、常時監視が可能になりました。現在は、観測員二名を常時配置していますので、観測態勢には別段支障はございません。なお、一般に対する影響もないものと、私は確信しております。
#223
○岩間正男君 これは削減はしかし行なわれるんでしょう。現実行なわれたんでしょう。それで差しつかえないというんですが、これはどうなんです。二十四回と八回の問題がずいぶん出たんですね。これに対する地域住民の要望というのは非常に強い。現に、大阪府、京都府、和歌山、そういうところからこのような削減についての反対の陳情が全面的に寄せられている。そうなんでしょう。これについて差しつかえはないと、それはまあ長官の立場としては、上から天下りにこれだけやれということで一応削減して、それで差しつかえがありましたということでここで答弁をするということになるというと、ぐあいが悪いところもあるかもしれない。ここに何せ行管長官の目が光っているところですから、そういう中ではそう言えないかもしれない。
 しかし、私は、これははっきりしておきたいんですが、公務員は国民全体に対して責任を持つんですよ。政府に対してだけ責任を持つものじゃない。政府はいわば国民を代行するという意味なんです。だから、政府のそういう政策や、それからほんとうにこの政策に対して、これは十分討議する必要があるわけですが、そういう政策からこれが出されたというのなら、われわれの立場では考えることができないわけですね。それで、現実的に地域住民がどう一体これに対して反応しているかというところで私どもはこの問題を考えなければ、これどうにも気象庁というような非常に国民の福祉、国民の生命、財産、こういうものと深い利害と関係を持つこういう問題を解決するわけにはいかぬと思うんですよ。だから官僚行政じゃだめなんです。そういう点で当委員会で問題になって、これを検討してくださいということを申し上げたと思うんです。ところが、差しつかえございませんと言うが、ほんとうですか。どうなんです。
#224
○政府委員(吉武素二君) 気象事業というものは、国民へのサービスというものをモットーとしてやるべきだ、私もそれに徹しているつもりであります。先生もこの間気象庁にいらっしゃってごらんになったように、気象業務というものも次第に内容が変わりつつあります。技術的な革新が行なわれています。そのようなことを勘案しながら、大阪の二十四回というものを八回に変更したわけでございまして、私は大阪付近の皆さんに対して、そのために気象サービスの面で欠陥が出てくることはないと考えております。
#225
○岩間正男君 調査されたのですか、そういう世論調査やりましたか。気象台のあそこだけの意見を聞いて気象庁、所長の報告なんかこんなもの当てになるものですか。こんなものと言っては失礼ですけれども、たまたま官僚の機構で調査する、こういうものというのは、ほんとうにこれは当てにならない。だからほんとうにこれは国民的立場に立つならば、なぜ一体大阪府であげた決議、こういうものについて実態を調査しないのか、あるいは京都市であげたこのような決議がありますが、こういうものについて実態を調査しないのか。現に二十四回、そうしてそれに対して気象庁の公務員の皆さんは、いままでのそういうサービスをここで減らしてはまずいというので、自主通報をやっている。ところがこれに対してものすごい圧力をかけたのは実際でしょう。この前の当委員会では、二十四回やっていただいておりますというような答弁をしている。ところが実際そうでない。全くこれに対して圧力をかけてやめろやめろ、強引に、それからこういう通報やるのだったら、当然気象庁側の公営の通信施設を使ってはいけないというような圧力までかけた。そういうことでは私は話にならぬと思うのですね。そうでしょう。
 こういう点はやはり私は、ことに科学的な立場に立つ気象庁なんかの場合、これは和達長官あたりから私たち運輸委員会なんかでも論議してきたものですよ。そうして電算機を入れたときなんかは、むろん日本の技術の前進のためにわれわれも努力してきた。だからそれによってやはり国民の利益が失われる、そういうものについてもっと敏感でいいと思うのですね。気象庁のそういうアンテナあるでしょう、そういうものが曇っちゃったのですか、これはまずいと思うのですね。差しつかえございませんということでまかり通るのではこれはいかぬと思います。それでは結局は何ですか、これは当委員会に報告をされる何ものもないということですか。
#226
○政府委員(坂本勁介君) 長官からの返事の繰り返しになるかもしれません。その辺あらかじめお断わりしますけれども、大体全国的に気象官署の観測回数といいますのは、予報解析の上でどういう必要性があるか、あるいはその辺の地区の気候現象の解明の上でどの程度の必要性があるかとか、いろいろな必要性の上で観測回数というのは全国的にきめられております。特に二十四回観測個所といいますものは、主としてその理由は、全国的な規模における予報の解析上の必要性から主としてきめられているものでございます。最近極東天気図あるいはアジアの天気図等々かきます場合におきましても、そういった意味で現在全国二十数カ所で二十四回観測を実施しておりますけれども、最近の技術の変遷等々からかんがみまして、そういう二十四回観測個所というのはたくさんなくていいのじゃなかろうかというふうに私ども考えてきております。
 その一環といたしまして、大阪等もすぐ近くの伊丹で二十四回観測をやっておりますので、その辺のデータが全国的な予報の解析現象には十分役立つ、こういう見地の上から、大阪の場合には二十四回を八回に割り切ってもいいと判断したわけであります。なおその辺につきましては、先ほど長官も申し上げましたように、常時二名の観測員が昼となく夜となく常時監視の体制に入っておりますし、臨時にいろいろな異常現象、たとえば台風がその気象観測所の三百キロ近くに近づいた場合とか、私どもいろんな規定を定めておりますけれども、必要な場合は臨時にいろんな気候を、何と申しますか、観測することになっております。しかもそこに常時監視体制に入っている監視員が二名おりますので、大阪府を取り巻きます一千万の市民には、何らその意味でのサービスの低下は生じ得ないと考えておる次第でございます。
#227
○岩間正男君 これはほっかぶり答弁だと思うんですよ。そういうことをされておりますけれども、それじゃ具体的にあげていけばいいんです。大阪の問題だけで、あなたそこをあくまでこれは変えないと言うんですが、昨年八月十八日に飛騨川バスの転落事故が起こったんですね。この原因について気象的な立場から、気象上の立場からこの問題を検討されたことがございますか、いかがでしょうか。あるかないか言ってください。
#228
○政府委員(坂本勁介君) 原因については私ども十分検討いたしました。
#229
○岩間正男君 どういう結果が出たんですか。
#230
○政府委員(坂本勁介君) 私どもレーダーで常にあの辺の状況を把握しておったつもりでございますけれども、気象庁あるいはその他の関係官署との関係の上での気象情報の伝達等については、十分今後も改善をはかるべき見地はあろうかと思いますけれども、私どもレーダーであの集中豪雨の異常現象を一応とらまえ得る限りはとらまえ得たと信じております。
 なお、お断わり申し上げておきますけれども、お恥ずかしい話でありますが、集中豪雨の発生状況あるいは発生原因等々につきまして、気候学的に私どももなお現在のところ十分にその現象を事前に予知、把握していくというほど、まだ完全には解明し切っておりません。今後とも気象研究所その他等々で、私どもその辺の研究を推進してまいりたい所存でございます。
#231
○岩間正男君 あなたのあとのほうの答弁によれば、もっと人員をふやして、そしてもっと精密な調査をやって、科学的な技術を推進させるということが必要になってくると思うんですね。あなた具体的に述べられなかったけれども、この前の飛騨川事件のあのバス転落事件が起こったのは、あれは名古屋地方気象台の気象レーダーが三時間半の空白を持っていたということでしょう。これはそうでしょう。「事故前日の十七日、岐阜気象台は同地方に大雨洪水雷雨注意報をだしていました。岐阜気象台にはレーダー設備はなく、この地方のレーダー観測にあたっていたのは名古屋気象台。名古屋では午後三時ごろになって雨雲が消えたことを確認。岐阜へそれを連絡したあと、もう大丈夫と判断して四時すぎレーダー観測をやめ、富士山頂レーダーに観測をバトンタッチしました。名古屋からの連絡をうけた岐阜気象台は午後五時十五分注意報を解除、乗鞍岳山頂をめざすバス旅行の一行は六時半ごろ名古屋気象協会へ問い合わせ、天気を確認。その返事は「山頂では美しいご来迎がおがめるでしょう」というものでした。」、こういっている。こういうふうに考えますと、この三時間半のレーダーの空白というやつは、これは全部だとは申しませんが、やはりもしここのところがもっと充実されておったら、したがって、もっと刻々そういう情報が出されておったら、そういう事態というのは避けられたと思うんです。ことにレーダーだけではとらえられないものがあるでしょう。集中豪雨の場合はどうなんです。レーダーだけではとらえられない地方的な気象の変化というのは起こるわけでしょう。そうすると当然観測所、もっとこれを密にするということが非常に必要になってくるんです。通報でももっと増設するというようなことが必要でしょう。そしてそれらの情報をできるだけ地域住民に知らせるというのは、この集中豪雨の場合なんか必要なことになってくることは当然でしょう。
 ところが今度のこれは定員削減でどうなっているか、これは減らしているでしょう。どうなんですか、今度はどれだけの一体観測所の統合、そうでしょう、結局は統合、廃止、あるいそういう通報所の廃止というのがあるでしょう。これはどういうふうな計画をお持ちですか、その点明らかにしてもらいたい。
#232
○政府委員(坂本勁介君) 先生御指摘のとおり、通報所の廃止もこの定員削減にからまって考えてはおります。ただし、これはテレメーターつきのいろいろな機械のそういう技術の進歩等々で、たとえば親監視所から十分随時巡回業務等を行ない得ると判断し得ているような通報所に限っております。
 なお、お尋ねの飛騨川事故について、私実はきょうそういう御質問があると思いませんでしたので、正確な時間等々について、いま確実な資料を持ち合わせておりません。したがって、何時間の空白があってどうこうということについて、確実に御返事申し上げられませんが、現在集中豪雨につきましては、なぜ集中豪雨というものは――私実はあまり詳しくございませんけれども、高度一万メートル以上のところに雨雲が発生しましたような場合に、主としてその集中豪雨を降らすようなことになっておるようでございますが、なぜそれがそういうふうなことになってそうなるのかというような原因から、その辺の解明というところについては、残念ながら私どもなお研究の途上にございます。まあその意味で、そういった一万メートル以上の雨雲をつかまえるという限りにおきましては、現在のところ、一番効率的にはレーダーが唯一の武器でございます。その他なおそれに関連いたしまして、現地の現象、集中豪雨的現象をつかまえますためには、よりあちらこちらにロボット雨量計等を増設する等、いろいろな措置が必要であろうかとは考えておりますけれども、そういうことでございます。
#233
○岩間正男君 とにかくもっと観測所を多く、通報所も多かったらこういう事故は避けられたであろうという予想は成り立つだろうし、当然でしょう。ところが逆にいっているというのが、今度の総定員法によるところの実態じゃないですか。減らすのだ、レーダーなんかもそうでしょう。レーダーなんかも二十四時間フルに回転するためには、少なくとも現在の人員の二倍も要る。こういうところが人員がないから、結局そういうことはできない。これは日本のような非常に気象条件が激変する、そうしてしょっちゅう台風、低気圧、風水害、凶作、干害、それから異常乾燥による大火災、こういうものが年々続発しておる。そうして死者、行くえ不明が千人以上に達している、そういう災害というものが二年に一回発生して去る。こういうところでは、私はこの問題というものは非常に重大だと思うのです。
 単に気象業務そのものが、一つの国際的な約束とか、日本のそういう体制を知るだけではなくて、これをほんとうに国民の生活に密着している、そういう点についての考慮というものを払うというと、私は人員の削減によって起こるところの被害というものと、これはほんとうに対比して考えてみなければならぬ。第一、飛騨川のあの事件で一体どれぐらいの損害が起こったか、政府は大体調査が出ておりますか。これは総理府でしょうか、総務長官どうでしょう。飛騨川の昨年の八月のあの事故で、大体どれぐらいの損害が起こっておりますか、これはわかりませんか、この前も聞いたのです。松山空港における損害を聞いた。航空の管制官の足りなさ、そういうものが原因であった。今度のものは、やはり気象業務の不十分さから起こっている。明らかなんです。わかりませんか。これはわからなければ、できるだけ早く調査して知らしてほしい。
#234
○国務大臣(床次徳二君) ただいま手元に資料持っておりません。
#235
○岩間正男君 とにかく人命は百余人、たっとい人命が失われたのです。それから車体は流され、補償の問題が当然起こったでしょう。捜索費用、こういうものを数えてまいりますと、これはばく大な損害なんですね。
 こういうものと、気象関係の定員を減らすということと、一体はかりにかけて検討してみたことがあるのかどうか。松山空港についても、私はあのとき言ったはずですよ。このごろ資料を出してきたけれども、この資料ちょっとこれは、まゆつばものなんです。保険なんかみな差し引いて出してきている。ばく大なものになっているはずです。だからこの損害に比べれば、人員をちょっと削減して何の一体足しになるかということですよ。国民の利益を守るという立場から考えれば、非常に愚かな政策じゃないかということを私は言いたい。
 ここのところです。こういう点から一体総定員法ということ検討されたことがあるかどうかということが、われわれの論議の的なんです。国民的な立場でこの問題の論議をしなければ、公務員の権利と生活を守る問題です。日本のこのような公務員制度に対して、終戦後の民主的な体制をつくり、国民に責任を負う、そういう機構をつくり、これを逆戻しにするかどうかという、これは課題にもなっているわけですけれども、何よりも国民にどう責任を負うかという立場で、この総定員法の問題を明らかにしなければ問題にならぬ、そうでしょう。そういう点からいうと、飛騨川の事故に対する損害さえ調査されてないというのがいまの政府の姿、そういう上に立って行政が行なわれていることは、どうして一体ほんとうに国民の利益を守る、そういう行政が行なわれるとお考えですか。これは荒木長官どういうふうにお考えになるか、この点について。これはもうその辺の自民党の佐藤君あたりは賛成だろうと思うのです。
#236
○佐藤隆君 調査は進んでいると思うのです。調査は進んでいるはずです。
#237
○岩間正男君 あなたはもうほんとうにそういうなににあわれているから……。そういうこともあるのだから、国民からの声です。長官どうですか。
#238
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行政サービスが国民のためになるように提供さるべきであるという、一般論としては岩間さんのお説に同感であります。そのやり方につきましては、いろいろな角度から考え得ると思うのでございますが、さしより可能ならば、行政サービスを低下しないでいけるものならば、一人でも少ない人間で行政サービスを維持し、むしろ向上させるという可能性を追求していくことも、また国民のための行政サービスの実態でなきゃならぬと思います。その面を特にとらえまして、いわゆる総定員法というものを御提案申し上げたわけでありまして、一々の問題について、御指摘のような批判を通じながら、もしそれが適切でないとするならば、そのことを考慮に入れまして、改善してしていくべき課題は出てくると思いますけれども、一般論といたしまして、この総定員法の趣旨とするところを、それ自体けしからぬ、不届きだとはおっしゃいませんけれども、何か矛盾があるように御指摘があったとするならば、必ずしもその意味で私は当たらないじゃないか、かように思います。
#239
○岩間正男君 あなたは、一方で人員がふやされている面がなかったら、そういうことも言えると思うのですね。ところが一方ではばく大にふやしているでしょうが。自衛官が、予備自衛官を含めると約一万人以上ふえているでしょう。警察官もふえている。あなたの守備範囲の中の警察官は、これは地方を入れると一万以上ふえているのでしょう。そういうことをぬけぬけとふやしておいて、一方は切っている。警察をふやすのがいいか、気象庁の定員をふやすのがいいのか、これは国民が判断すべきことですよ。ところが、政府のはっきり政策がそこに入ってきて、そうして国民的要望はいれられない。現に近畿の主要な都市は全部出したのですよ、あの請願に対して何らこたえていない。そういう立場から、たとえば日和佐、徳島県の日和佐から陳情書が出されているはずです。この陳情書によりますというと、気象の問題というやつは実に広範なものに影響を持っているということを私たちは考えたわけですけれども、これは特に日和佐の陳情書が気象庁に出された。
 そういうものを私たちは手に入れたわけですが、それによりますというと、第一に、県南の漁業基地あるいは避難港として非常に重要で、通報所を観測所に昇格してくれ、そういう陳情が出ているわけですね。そうしてそのためにはもうちゃんと土地もとり、一切の準備を進めた。気象庁もそれにほんとうにその実現のために努力をしておったが、それが今度の総定員法でこれがだめになった。第一には漁業基地あるいは避難港として、第二には台風の常襲地帯なんで、どうしてもここで観測所が必要だと、第三には千五百そうにのぼる沿岸漁業のためにこの観測が必要だ。第四には施設園芸、これは園芸地帯でありますから、施設園芸普及のための農業気象を拡充するため、さらには第五には観光遊覧、そういう遊覧船の就航とか、激増するいそ釣り客の安全、こういうものも含めているわけでありますが、非常に広範な立場からこれは要望をされているのですよ。こういうものに対して、今度の総定員法はまっこうから対決したわけですよ。そうしてこの通報所を観測所に昇格させる地域住民の願いというものはむざんにも挫折をしたのです。こういうことはどうなんですか。総定員法は総定員法でまかり通っている。そうしてまるで一律五%というかっこうで、そういうかっこうでこれは削減が行なわれている。そういう中でこのように国民の利益が失われているところが、非常に私は問題だと思うのです、これは気象の場合でありますが。
 第二にあげたいのは医療の問題です。これはどうですか、まあお聞きします。これは時間の関係からあんまり詳しくやっているひまはありませんけれども、これは人事院は、国立病院及び国立療養所に勤務する看護婦等の夜間勤務について一カ月八日、複数という、いわゆる夜勤判定を下した。一体厚生省は――厚生省の責任者は来ていますか、これは一体守るのですか、守らないのですか、どうなんですか。
#240
○政府委員(松尾正雄君) 人事院の判定につきましては、これを尊重して実現をしてまいりたいということでございます。そのために、すでに人事院判定におきましては、すでにいろいろ述べておられますように、当時の看護婦の夜勤の実態をいろいろ調査されましたあげく、特に夜勤における勤務に直接関連いたします諸条件、たとえば連絡のための設備でありますとか、あるいは夜勤業務における器材器具の設備でありますとか、あるいは仮眠室、休憩室の設備等でありますとか、等々の具体的な事例もおあげになりまして、これらの問題の解決をするということがきわめて必要であるということも、その判定に述べられているわけであります。
 したがいまして、勧告が四十年に出されまして、四十一年から三カ年間にわたりまして、約五千五百万円をもちまして休憩室の整備あるいは連絡系統の整備、あるいは夜間勤務における暖房等の整備をやってまいったわけでございます。その三カ年計画を終わりまして、四十四年からそのために必要な人員の要求ということに踏み切っておるような次第でございます。
#241
○岩間正男君 それはまあ夜勤体制――私たちはこの前がんセンターを、現地を見ましたけれども、看護婦さんの夜勤で休む部屋なんというものは物置きみたいです。だから、そういうものをあなたたちは知っているかどうかわからないけれども、しかし、そういうことはやるんだが、何といっても人員でしょう。これは佐藤総裁にお聞きをしますが、この判定はいつ出したんですか、これが出たのはいつですか。
#242
○政府委員(佐藤達夫君) これはもう四十年の五月であったと思います。
#243
○岩間正男君 もう四年ですね。四十年五月二十四日というのが一つ、そうすると五年になるわけですね、足かけ。そういうことですが、今度一体人員は何人ふやしておったんですか、この夜勤を八日にするということ。
#244
○政府委員(松尾正雄君) 直接このための増員は、看護婦といたしましては二百六十一名であります。
#245
○岩間正男君 そうすると、とにかくこの夜勤を八日にするためにどのくらい要るんですか。
#246
○政府委員(松尾正雄君) ただいまの国立病院や療養所の姿というものをそのまま当てはめていろいろ計算いたしますと、約二千名程度必要だと考えられます。
#247
○岩間正男君 ことしの予算要求は幾らだったんですか、予算定員の要求。
#248
○政府委員(松尾正雄君) ただいま申し上げました数字を三カ年で達成をしたいという、大体三分の一でございます。
#249
○岩間正男君 そうすると、七百人の要求が二百六十一人に減らされた。そうすると、国立関係の病院が三百もありますから、一人当てにならぬわけでしょう。しかも、これは実際現場で要る――いわば全医労の人たちにいわせると五千五百人要るというんですね、これを完全にやるには。そういう形でしょう。何年かかるんですか。とてもこんなことをやっていたら、あとの千八百三十九人ですか、かりにあなたたち二千百人でこれは組んでいるわけだ、これは何年かかるのか、このままでやっていたら。
 それから、もう一つお聞きしたいのは、これは八日以上やらないための配置でしょう。ところが、複数だから二人以上、三人必要なところもあるわけです。三人夜勤するための人員配置はどれくらいか、これは検討しておりますか。
#250
○政府委員(松尾正雄君) 何人夜勤体制が必要であるかということは、すでに御承知のとおり、人事院におきましても、それぞれの病棟の病状、患者の性質等に応じましてそれぞれ考えるべきだというふうに目されておるわけでございます。したがいまして、ただいま御質問のございましたように、三人夜勤という形で幾ら要るかというような試算は私どもはいたしておりません。
#251
○岩間正男君 これは入院にしたってどうなんです。いまのは八日に減らすための人員でしょう。入院のほうの人員というのはほとんど検討されていないじゃないですか。こういうことでは話にならないと私は思うんですね。どうなんです、これは。荒木長官ね、こういう問題お聞きになったと思いますが、これは定員法との関係でどうお考えになっているんですか。とにかく病人の数はふえているんです。ベッドの数もふえているんです。そうすると、そういう中で当然これは国民の保健の立場から考えましても、人員は相対的にふえなくちゃならぬわけでしょう。業務量はふえている。人員はふえる。けれども、それがふえるのに比例するほど人をふやしていない。新たな当然の要求もあるわけです。看護婦さんは、とにかくひどいのは月に十五日も夜勤をやっているのがある。たまったものじゃない。家庭が破壊されるんです。家庭不和が起こっている、離婚もふえている。こういう中で看護婦さんの増員の問題というのは非常に大きな社会問題にもなって、政治問題にもなっているわけです。
 こういう中で、わずかにいま言ったような形で、全く焼け石に水という形で、ふやしたといっても相対的にふやしたことにならぬ。業務量はどんどんふえておる。そういうようなことですから、これは削減の変型なんです。形はなるほど少しはふえた、絶対量は。しかし業務量はすごくふえている、こういう増加の形というのが非常に出ている。増加じゃない、削減なんだ、そう見なくちゃならぬ。いまの問題のことをどうお考えになりますか。全く解決してないんですよ。人事院の面目だって立ってない。五年になるけれども、いまの問題はほんのちょっぴり感じを出した……。
#252
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 看護婦さんの問題は、増員はいたしておりますが、減らしていない。ふえ方が、御指摘のように業務量と申しますか、それに対応できていないということも一応承知しておるつもりでありますが、私の承知しておる限りでは、増員されたことに、行管の立場からかれこれ申し上げるべき筋じゃないと理解はしておりますものの、看護婦養成が追いつかない、人がいないのに増員しても始まらないので、増員もたしか学校関係七百名見当増員になったかと記憶しておりますけれども、一般的に看護婦さんの問題につきましては、岩間さんが何か減員したようなニュアンスのことをおっしゃることは事実と違いますから、そのことを申し上げたいと思います。
#253
○岩間正男君 先のほうをお聞きにならないからそういうことを言っておる。仕事の量はふえておる。新たな人事院の判定の問題があるのですから、この問題は何ぼ何でも、仏の顔も何度ということもあるでしょう。五年になるのです。この問題を解決するのに七百人要ると言っている。しかし、その七百人の三分の一しかない、こういうような、百年河清を待つというようなことではだめだ。減員とか何とか言いますけれども、当然これは仕事との対比において定員というのは考えなければならぬわけですよ。
 同じことは大学あたりでも言えるわけですよ。大学あたりでも昭和三十五年あたりは、これは一人の教官で六・三人くらいだった。これは今八・四人になっておる。数はどうかというと千何ぼふえておる、だからふえておる。こんな子どもだましの荒木数学を出したってだめですよ。話になりませんよ。そういうことでなくて、実態にどう即応するかというところでほんとうに総定員法を検討したのではないということは、大体いまの御答弁で明らかになったと思うのです。ひどいじゃないですか。どうですか、佐藤総裁どうお考えになりますか。新たな判定を出された、当然の判定――当然といっても私はもっと高度のものでいいと思ったのですけれども、とにかく、とりあえずこの判定が行なわれないことについて、どうお考えになりますか。
#254
○政府委員(佐藤達夫君) 判定出した当の責任者としては、はなはだ残念に思いますが、従来、おりあるごとに関係の大臣に強くその実現を要望してまいっております。まだいまお話しのような程度で、さらに一そう早い機会に力を入れてこれが実現するようにお願いしたいと思います。
#255
○岩間正男君 とにかくこれは看護婦さんの労働強化、それから単に労働強化なんというなまやさしい問題じゃなくて、人権問題に発展しているのだということです。だからなり手がないとか、養成機関が不十分だというお話がありましたけれども、もう少しそこのところを、一つは待遇を改善すること、労働条件を改善すること、そうなれば、当然人員もふえるのです。ところがそういっていないでしょう。看護婦の資格のある人が全国で五十五万ですか、そのうち半数ぐらいしかやっていない。やめる人も非常に多い。最初は一つの使命を感じて入ってみた。しかし、やってみるとたいへんだ、そういう中でやめていく人のほうが多くなってきている。こういう形でこの問題は看護婦さんの人権の問題、生活の問題、権利の問題こういう問題がありますけれども、単にそれだけじゃないのだ。この結果は何十倍となって患者さんに、国民の生活に、健康に影響してきておるのですよ。
 こういうことをお考えにならなければ、やっぱりこれは政治の実態に即応するということにはならぬと思うのです。だから今度は、私はこの総定員法を見て、血も涙もないと思ったのです。単にもうはかりにかけるようなかっこうでやっておる。というのはこういうところにふえていない。私は最近国立がんセンターに行きました。そうしてこの国立がんセンターで、あすこの患者さんたちにアンケートをとったのです。そうしたらこのアンケートが出されました。このアンケートを見ますと、次のような切実な要求を述べておるのです。
 第一に、完全看護らしい看護のための人員をふやしてもらいたい。ある患者さんは、看護婦が重労働過ぎる。雑用から解放して真の看護に徹してほしい。ある患者さんは、患者の言い分をじっくりと聞いてほしい。これは孤独な患者ですから、ことに病気が病気ですから、そういう孤独なんですね。この患者の言い分をじっくり聞いていたのでは看護婦さんがたまらないというところに看護婦さんは追い込まれているんです。夜勤回数が多過ぎる、夜勤人員をふやしてください、事故があったらたいへんです、看護婦さんが忙し過ぎて用事が頼めないので困る、付き添いを禁止していながら認めているのは患者の生活を乱す、付き添いの要らないよう人手をふやしてほしい。まあその他たくさんの要望を出されていますが、私は時間の関係からこれは省くわけですけれども、影響するところはここにくるわけですよ。これは単にがんセンターだけじゃないんです。がんセンターはまだ看護婦さんの配置がいいほうなんです。これは向こうで聞きました。医療の体制の中ではがんセンターは特にそういう配置がいいと、いいところでこういうんです。こういう実態を考えてみますと、非常に切実な問題で、こういう問題を総定員法の中では何ら解決することができないということ、こういうことについて、これは長官どうお思いになりますか。責任をお感じになりませんか。
#256
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 総定員法は今度御決定をいただいて運用するわけでございまして、いままでの五%削減の問題は、いわば総定員法を岩間さん御指摘のように、行政需要の緩急に応じましてなるべく簡素にして合理的な運営をはかっていきたいということでございますから、このことを御決定いただきました後に、いまの御要望なりあるいは御指摘の点にも十分積極的に限り組んでいく、そうして必要な増員のほうにはこれを振り向けるということでございますので、いままでに総定員法によって、お話のような不利不便、不都合が生じておるといたしましても、そのせいではないということはあえて申し上げぬでも御理解いただいておるわけでありますが、そこで、さっきも申し上げましたように、看護婦さんが足りないということは、私もしろうとながら承知をいたしておりますし、またこの法律案に関連いたしまして話も聞いておりますし、以前に本委員会でも同様の御答弁を申し上げているわけでありますが、何さまふやそうにも人がいない。養成計画から生まれ出てきます看護婦さんがいない状態なものですから、増員の数が少なかったということは御指摘のとおりだと思います。これは何も行政管理庁の守備範囲ではないから、どうでもいいんだという意思は毛頭ございません。関係省庁とも十分相談しながら、今後に向かって善処すべき課題だと、こう受けとめて、おしかりがないような方向にリードしていきたいと存じます。
#257
○岩間正男君 総定員法で看護婦不足を解消するというふうな逆な御説明でありましたが、やっぱりいまの説明からはそういう結果は出てこないでしょうね。看護婦さんのやっぱり待遇の問題、養成の問題それからもう少しそのような労働条件をよくする問題、そういう問題が解決されないで、いまの総定員法でもってそこのたとえばワクだけを少しちょっとふやしたとしても、その問題は解決しないんです。だから総定員法ができればよくなりますというようなことを言う、こういう何といいますか、まあ法案を通すためのPRは、これはいただきかねますよ。これはほんとうにいまの実態に合わないですよ。そういうことはだめです。残念ながらお返しします。
 その次にお伺いしたいのは基準看護ですね。これは守られていますか、これは非常に問題になっておりますね。完全看護だ、完全看護だと。そこでまあ入ってみます。そうするというとなかなかそれは行なわれていない。これはどういうふうにつかんでおられますか。完全看護は行なわれておるとお考えになりますか。
#258
○政府委員(梅本純正君) 基準看護の点につきましては、ただいまの現状といたしまして、基準看護の承認を受けている医療機関の数は全国で二千二百二十九でございまして、保険医療機関であります全病院数六千七百の約三三%に当たるわけでございます。で、承御知と思いますけれども、この基準看護の制度といいますのは、いま申しましたように全国の病院の中で三三%だけが基準看護実施病院でございまして、その病院としまして、一定の数の看護婦さんをおそろえになって、患者に対しまして適正な看護をやっていけるという計画のもとに、各地方の都道府県知事の承認を受けられてそうして実施をする。実施をした場合には、おのおの一類、二類、三類と分かれておりますけれども、一定の点数の加算が認められる、こういう制度でございまして、その実施されておる云々の問題につきましては、ちょっと制度から見まして、各病院がそういうものを実施するからその加算を支払ってほしいという制度でございます。
#259
○岩間正男君 それがどうなっているかということをお聞きしているんです。それが守られているかどうか。実際そうではないでしょう。あれは四人に一人ですか、看護婦の基準看護というのは、どうなんですか。
#260
○政府委員(梅本純正君) 基準看護につきましては、先ほども申しましたように看護婦の数で申しますと三種類に分かれておりまして、入院患者四名につき看護婦等が一名以上のものを一類看護、それから五名につき看護婦等が一名以上のものは二類看護、六名につき看護婦等が一名以上のものを三類看護といたしまして、それぞれわれわれのほうが被保険者から集めました保険料の中から、それだけの人員をそろえて患者に対してサービスをしていただくというふうな用意があって、各都道府県知事が承認したものにつきましては、一類看護は一日二十一点、二類看護は十四点、それから三類看護は十点の加算を保険のほうから支払うということで、ございます。
#261
○岩間正男君 いまそういう答弁は何度繰り返したって問題の解決にはならぬので、これは結局これで間に合わないから付き添いを頼んでいるというのが実情でしょう、全部とは言いませんけれども。これつかんでおられるのですか、つかんでおられないのですか、どうですか。
#262
○政府委員(梅本純正君) おっしゃるような点で基準看護の承認を受けながら、職業的な付き添いがついているというふうな事態につきまして耳にいたしております。そういう点につきましては、先ほどもこの制度が、病院のほうで加算をくれということで都道府県知事に申請をして、承認を得て加算を保険から請求しておられますので、各都道府県の保険課を通じまして、そういう事態が生じました場合には、十分指導もし、改めるようにしていただいております。
#263
○岩間正男君 そういう国会答弁では何にも解決しないでしょうね。実際行って実情をごらんになればわかるでしょう。われわれも入院する家族を持った場合なんか感ずるわけでしょう。結局そういう点数で払っておることになっているけれども間に合わないから、まあ少なくとも二千円はかかる、一人の付き添いに。場合によっては五千円かかる。そういう形で実は二重料金を払っているというのが現在の形なんです。だから完全看護なんというものは一つも、これは局長も言っているけれども、その実態というのは非常にこれはもう内容がないものになっているのですから、
  〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕
こういう点について、この医療の内容を改善するという立場からも、これは総定員法とのやっぱり関連で、こういう問題については十分に考えなけりゃならないと思うんです。
 で、こういう問題をあげていると、ほんとうに切りがないほどあります。私はこういう中で、この前さっき申しましたようにがんセンターに参りました。薬局なんかの問題もある。薬局員が九人いるところが五人ぐらい。それでほんとうに薬の調製が忙しくて、二時半前に食事していないんですね。これが実態です。私たち事実見たのです。それからボイラー、ボイラーでは三人交代。給食関係、こういうところが、これは薬局は違うでしょうけれども、ボイラーとかそういうところは行(二)というところでしょう。こういうところが切られてしまう。あるいはこれは外注になってしまう。こういう形で行なわれようとしているのが今度のこの総定員法の削減じゃないですか。
 私はまあ時間の関係から、きょうの問題も、医療の問題の概観に触れるだけで中身に触れて十分に明らかにすることはできないし、私自身も専門家でございませんからね。しかしまあしろうとでも、いってみればこういうことにぶつかるわけです。こういう問題と対決しないところの一体法案というのは何になるのかということをほんとうにお伺いしたいわけです。逆にこれを、ほんとうにそういう切実な要求をそらす方向、それを削減する方向にいってるのがこの総定員法の姿じゃないですか。私はそういう意味では、この前問題になりました航空管制官の問題とか車体検査の問題とか、大学の教官の問題とか、そういう問題をあげますというと、国民の切実な要求にほんとうにこたえなければならない課題というのはたくさんあるわけです。だからこうなってくると、国民へのサービス改善どころか、これはもう逆に国民の生活と権利、それから生命や健康、こういうものにかかわる必要部分の定員というものが削減され、そして押えられる結果になったこの五%削減というものを、こういう実態の中で――私たちほんとうにこれは時間が少ないし、それから十分に足で歩くそういう時間の余裕もなかったわけですが、切実な要求を聞いたら、これは無数にあるだろうと思うのです。こういうものを反映した上に立って一体これはやられているのですか。全然そこのところは私は考えることはできない。先ほどからの答弁がそのことをはっきり示していると思います。まあこの問題はじゃこのくらいにしまして、次の問題に移ってまいりたいと思います。
  〔理事柴田栄君退席。委員長着席〕
 関税局長見えておられますか。――それじゃお聞きしますが、昭和三十三年以降十年間の税関における輸出入取り扱い件数の伸び率と定員の増加率はどのようになっているか、お知らせ願います。
#264
○政府委員(武藤謙二郎君) ただいまお尋ねの税関の事務の伸びですが、いろんな計算のしかたがございますけれども、輸出の申告件数で申しますと、昭和三十三年から四十三年までに二・八倍になっております。それから輸入の申告件数で申しますと、二・五倍になっております。それからその間に定員は一・三倍、こういうことに相なっております。
#265
○岩間正男君 これは数字をあげていただけばなおはっきりすると思いますが、昭和三十三年の百十二万七千件から四十三年度までには三百九万九千件、これは輸出申告件数が二・七五倍、それから輸入申告件数では、四十五万八千から百十二万五千件、二・四六倍。これは大蔵省から出された資料ですからこれによってわれわれも調べました。これだけの増加を見せているのに、定員のほうは一・三一倍。ところでどうですか、税関における四十四年度の定員の増加は、これはどうなっていますか。それから現在の業務量との比較、これでもって定員の数は、これは妥当であるというふうに考えておられますか、どうです。
#266
○政府委員(武藤謙二郎君) 新年度は予算定員で三十五人増、こういうことになっております。したがいまして、件数の伸び、あるいはその他の数字の伸びと比例するということには相なっておりませんが、これはこれまでもそうでしたが、いろいろと行政の質をなるべく落とさないようにしながら能率をあげるということを考えて対処していきたい、そういうふうに考えます。
#267
○岩間正男君 結局精神主義ですか。仕事はもう三倍近くになってる、人員は一・三倍。そうすると一人の仕事量というやつは、まあ非常に大ざっぱに考えましても二倍以上になってる。それをいまのようなお話で、能率を下げないような形で何とかやっていく、これは精神主義でしょう。結局は労働強化はものすごく起こらざるを得ないでしょう。これは認められますか、どうですか。
#268
○政府委員(武藤謙二郎君) 能率をあげるのに、これは各国の税関ともいろいろ苦労をしているわけでございますが、私どもいままでやっておりましたことは、たとえば貿易統計を極力電算機を利用するようにする。あるいは御承知のような羽田の業務の通関の関係で、これは非常に人手を食うわけですが、これを簡易税率を採用をして、そういうことで能率をあげる。それからその他の通関事務の関係の処理の体制を簡素化する。それから申告納税を採用する。そういうことをいろいろやっておりまして、何とか行政の質を下げずに能率をあげるようにということで努力をしてまいったわけでございます。
#269
○岩間正男君 そういうことを機械化でこれはやれる部分もありましょう。しかし、とてもこれはもう仕事が三倍にもなってきたのを、人員比較からいいますと、半分にも足りないという点でやれるものじゃないですね。これは荒木長官も考えていただきたい。三十五人ふえたということなんですが、しかし仕事の量からいうと、とてもこれは話にならない。羽田税関において一カ月の取り扱いの例をあげてみますと、輸入の場合ですが、臨時開庁ということをやっているわけです。定時以外の扱いをやっている。これは昭和四十四年の一月には六千三十九件のうち二千二百六十六件、二月は六千百九十一件のうち二千七百七十二件、三月は七千二百六十一件のうち三千三百九件、四月は六千七百三十七件のうち二千四百九件、つまり羽田税関は扱い量の約五分の二に近いものが、職員の残業によってまかなわれている。この事実は認められると思いますが、どうですか。
#270
○政府委員(武藤謙二郎君) 手元に羽田の数字を持っておりませんけれども、羽田は御承知のように、非常に旅客がふえておりますから、大体そういうことだろうと思います。
#271
○岩間正男君 これは事実私たちも調べたわけでありますが、そういうことになっているのですね。そうするとこれはどうなのです。次にお聞きしますが、四十四年度において、行(一)職員のうち主任以上の役付の職員というのは何人ございますか。
#272
○政府委員(武藤謙二郎君) 簡単に比率で申しますと、役付が四〇%ということになっております。
#273
○岩間正男君 数で言ってください。どのくらいです、行(一)のうち、何人のうち何人。
#274
○政府委員(武藤謙二郎君) 六千六百二十六人のうちで三千二十四人。
#275
○岩間正男君 これは四〇%じゃないでしょうが、四五%になるでしょう。あなたのほうがもっと数学じゃ詳しいはずだ、関税局長さんだから。私のほうは数学は弱いのですからね。それで四五%、半分です。
#276
○政府委員(武藤謙二郎君) 先ほど四〇%と申しましたのは、全体の中で、四〇%で、行(一)だけで申しますともっと高い数字になります。
#277
○岩間正男君 そうでしょう。そういうことになるでしょう。行(一)と聞いている。それじゃそのうちで主任以上の役付の職員ですね。これが一般職の職員との割合はどうなっていますか。政府委員(武藤謙二郎君) この三千二十四人というのが主任以上の数字でございます。
#278
○岩間正男君 そうすると、私は計算したのだが、大体一・一九人に対して役付職員が一人、そうすると一人に一人、主任以上が職員の数と同じくらいいるのだ。どういう必要があるのですか、この配置は。役付が多い。
#279
○政府委員(武藤謙二郎君) 職員がだんだん仕事になれるようになってきまして、役付になるという資格のある者ができてきましたし、それから役付でも、従来のようにただ監督だけするということではございませんで、自分で仕事もするということにいたしておりますので、職員のほうは、役付がふえるということは、これは昇進の機会もふえるということで喜んでいるというような状況でございます。
#280
○岩間正男君 これは、仕事量は昭和三十三年を基準として、輸出の場合で二・七倍、輸入で二・四六倍、こうふえたんですね。主任以上のほうを調べてみるというと、これは二・五七倍ふえているから、大体並行しているわけですね。比例しているわけです。ところが、一般の職員はそうなってくるとどうなるんです。これは一・〇二倍じゃないですか。全然ふえていないじゃないですか。こういう配置というのは、なぜこういう配置が必要になるんですか。これはどういう政策に基づくのか、お聞かせを願いたい。
#281
○政府委員(武藤謙二郎君) 職員もだんだん熟練した経験の豊かな者がふえてまいりましたので、それで次第に責任のある仕事をできるようになる。しかし、先生御指摘のように、役付というのが、自分では仕事をしないで下だけ監督するというようなことになりますと、御承知のように、役付でない者の負担が非常にふえますから、いまは役付でも仕事をする、監督だけでなくて、自分でも仕事をするということにしてもらっております。
#282
○岩間正男君 役付は仕事が多いというわけですか。監督もする、仕事もするといったら、そういうことですか。
#283
○政府委員(武藤謙二郎君) 役付は、たとえば羽田で申しましても、自分で監督をするし、自分で間に合わないときは仕事もする。これは、役付によっていろんなポストがありますけれども、特に若い役付というのは、監督もし自分でも仕事をする、こういう面が多いと思います。
#284
○岩間正男君 これは、まあそういう説明をされておりますけれども、何といっても一般職員に大きな重荷になってくることは、これは明らかですよね、どうしても。むろんそれは主任だって、こんなに多ければ黙って見ていられないからやるでしょうけれども、こういう点について、これは実態をほんとうにつかんでいられるか。局長さんになるとちょっとわからなくなっていると思うが、どうです。
#285
○政府委員(武藤謙二郎君) これは、私どもとしては責任のあるポストになるべく役付をということで、予算のたびに定員の増も熱心にお願いしておりますけれども、また役付のポストもお願いするということでいたしております。
#286
○岩間正男君 さらに港湾の新造計画ですね、新造成計画に伴って、今後の取り扱い貨物量の増加というものを、これはどのように見ていられますか。
#287
○政府委員(武藤謙二郎君) これからの伸び方というものの予想はなかなかむずかしいのでございますけれども、おそらく最近のような伸びがこれからも続くだろう、そういうふうに思っております。
#288
○岩間正男君 これは私たち税関広報誌の「かすとむ」というのを見たんですが、これによると、横浜税関管内の場合、昭和四十年には七港の外国貿易は六千九百五十三万トンの取り扱いだったが、五十年には、石巻港、鹿島港を除いて九港で一億六千七百四十九万トン、約二・四倍が見込まれている。したがって、人員の面からも当然これに見合う増員が見込まれなければならないと思うんですが、本年のような三十五人などという増員でこれはまかない切れるんですか、一体どうですか。この五%削減と一体どういう関係が出てくるんですか。
#289
○政府委員(武藤謙二郎君) 五%削減との関係は、五%の削減がございますけれども、それを埋めてなおかつ純増が三十五人ということでございます。仕事のほうは、先生おっしゃるように、ふえておりますけれども、私どもとしてはいろいろとくふうをしまして、行政の質をなるべく落とさずに能率をあげて対処していきたい、そういうふうに思っておりますが、どうしてもそれだけではやり切れないということで、三十五人の増員を認めていただいたわけでございます。
#290
○岩間正男君 いろいろのくふうといって、どういうことですか。いろいろのくふうというと抽象論になるのですけれども、これはなかなかそういうわけにいかぬじゃないですか。行政の質を落とさない、いろいろのくふうをする、ことばではそうだ。しかし定員は六千何ぼでしたかね、全体のその中で三十五人というのは、何%になりますか。それだけふやして、一方では二・四倍にもふえる、そういうものをまかなえるのですか。これは人力の及ぶところではないと思うが、どうなんですか、一体。
#291
○政府委員(武藤謙二郎君) これは先生おっしゃるように非常にむずかしい問題でございます。たとえば御承知のように税関の仕事はなかなか機械に乗らない。ですから機械化でもって能率があがるという面は、そういうことをいろいろとくふういたしますけれども、全般的に機械に乗るという分野は非常に少ないわけです。そういうことで、たとえば簡易税率の採用というようなことは、これは確かに能率があがるということになりますけれども、いま世間で一般にいわれております生産性の向上というのは、機械の分が多いのですが、なかなかできない。しかしこれは各国の税関とも非常に悩んでいる問題でございますが、しかし何とかしていままでやってきました。これからも、どうしてもやむを得ない増員はお願いをするつもりでおりますが、その増員で何とか行政の質を落とさないようにやっていきたい、そう思っておりまして、これからも増員をお願いしたい、こういうふうに思っております。
#292
○岩間正男君 どうですか、荒木さん、聞かれたと思いますけれども、仕事はここ数年のうちに二・四倍にもなり、それからいままででも三倍ですか――人員は、一般職員はほとんどふえてない。そういう中で三十五人だけふやしたのでしょう。あなたのほうからいえばふやした。しかしもう仕事の量からいくとたいへんな削減です。そうしてこれは機械化できる部分というのは、税関の場合はなかなかほかの業務の場合よりも少ないですよ。そうでしょう。そうするとどこにいくのです、このしわは。はっきりしていると思うのです。労働強化にならざるを得ないでしょう。そういうようなことで、新港造成の問題からくるそういう問題、あるいは万国博、どうです、万国博。これは来年どのくらいに見込んでいるのです。何人くらい一体外国から来ると思っているのです、旅客。
#293
○政府委員(武藤謙二郎君) 万博につきましては、これはオリンピックのときもそういうことをしておるのでございますが、特に大阪の仕事が急にふえますので、ほかの関から応援にいくということで何とか処理できるというふうに考えております。
#294
○岩間正男君 何人入る予定ですか。万博でどのくらい。
#295
○政府委員(武藤謙二郎君) どのくらいお客が来るのかといういま手元に資料を持っておりませんけれども、来年の一月一日に万博関係で七十二人の人間を配置できる、これは他関からの応援と大阪の税関の職員で、それで何とか処理できる……。
#296
○岩間正男君 入る客の数がなくて、人数だけふやすのですか、積算の基礎というのはあるでしょう。
#297
○政府委員(武藤謙二郎君) いま積算の基礎、手元に持っておりませんけれども、万博の関係では仕事がふえますのは、お客のほうは羽田等へ来るわけですが、そのほかにいま申しましたのは万博の会場へまたいろいろと外国から物がきますので、仕事がふえます。
#298
○岩間正男君 外国から入る数はどのくらいと見ていますか。
#299
○政府委員(武藤謙二郎君) ちょっといまここに入国の予想の数字を持っておりませんでしたが、大体モントリオール並みじゃないか、そういうことで計算をいたしております。
#300
○岩間正男君 モントリオール並みといってもわからない、百万人くらいですか。
#301
○政府委員(武藤謙二郎君) 後ほど調べまして御返事いたします。
#302
○岩間正男君 これは相当な数ですね。うしろの人でわかりますか。
#303
○政府委員(武藤謙二郎君) いや、ここに資料持っておりませんので……。
#304
○岩間正男君 それじゃそれで何しますが、とにかく相当な数で、七十二人ということになるのだが、こういうことになると、今後業務量が増大して、この中で一体本人の意に反した強制的な配置転換はしない、こういうことですが、ここはどういうふうになるのですか。
#305
○政府委員(武藤謙二郎君) 配置転換の問題でございますけれども、いままでもなるべく本人の意向を尊重するようにということでは努力しておりますけれども、必ずしも仕事のほうの必要、それからそこに適材を配置するということと本人の希望とが合いませんので、本人の意向をなるべく尊重するようにはしておりますけれども、本人の意向どおり配置するということはできませんでしたが、これからもなるべく尊重するようには努力いたしますけれども、なかなか本人の意向どおりにということと役所の仕事の需要とは合いませんので、ここがなかなかこれからむずかしいことがあると思いますけれども、従来と同じように、この点はなるべく本人の希望が生かされるように努力していきたい、こう思います。
#306
○委員長(八田一朗君) 岩間君、発言を求めてから発言してください。
#307
○岩間正男君 いままでどういう論議をされたか、これは局長さんは知らないかもしらぬけれども、本人の意思に反した強制配転はしない。そういう問題については、これは労働組合と相談するということになっておるのですか、税関の御意見はどうか知らぬけれども、これはここでやはりそういう問題についても聞いておきたいと思うのです。どうなんですか、これは。やはり組合とこの問題についてはよく話し合って納得づくでやるということは認められますか、どうですか。
#308
○政府委員(武藤謙二郎君) 職員の希望はなるべくよく把握するように努力いたしますけれども、これはなかなか希望どおりに、希望のところに行くということと、役所でこれだけ必要だ、ここにはこういう人が必要だというのと必ず合うわけにもいきませんので、必ず本人の希望どおりに税関の中で異動するということはなかなか困難なことだと存じます。
#309
○岩間正男君 荒木長官どうですか。あなたの言明、その上に佐藤総理の言明、これはあとで言いますけれども、本人の希望、意思に反したそういう行政配転はしない。これはどうですか、こういう問題。これは万博のことも一つの例に上がってくるわけですけれども、これはどうですか。
#310
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 本人の意思に反して無理な配置転換はしない。総理も私も申し上げました。しかし、それはおのずから良識の範囲内の判断に基づいての意思表示でなきやあり得ないことであることは言わずもがなと思います。 二、三、例を申し上げましたけれども、たとえば親が病気しておる、あるいは女房が病気しており、病気の看病でそばについていなければならぬというのに、それを無視してどこへ行けなんということは、これは人道問題でもある。だから、だれが見てももっともだと思えるような事由があったときに、それを根拠にした本人の意思に反した配置転換というものはやるべきではないということでございまして、恣意というか、ほしいままな、えてかってな、公務員としての判断としてはあり得ないような根拠に基づいてのだだ、いやだ、いやだというようなことは許されない。これは当然のことだと存じます。
#311
○岩間正男君 これはたいへんな発言になるんじゃないですか。だれもそう言っておりません。一般的に言われておりますように、本人の意志に反した配置転換はしないんだ。佐藤総理のときはどう言ったかというと、そういう事態が起こっているとは思えません、しかし、事実そういう事態が、強制配転でありますが、そういう事態が起こっているなら申し出てほしい、これについて善処します、これは私の質問に対する答弁でございます。そういうことになりますと、いまの、何か今度はかっこうがついてきて、そのかっこうがどんどん動き出していったら、ここの答弁などというのは全くこれはおかしいことになるのじゃないですか。強制配転の問題はそれでいいのですか。いまのようないろいろな条件がついてきた場合には、これはあり得る、こういうことなのですか。常識とか何とかというのは、労働者がそんな常識はずれの要求をするなんて考えられないです。それを信用しないで、そういう一つの特例を求めて、そういうときには強制配転もあり得るというような言に聞こえるような答弁ですが、これは責任重大ですよ。これは前言をくつがえすことになる。
#312
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いま岩間さんが言われますように、公務員がだだをこねるようなことを言うはずがないという意味で、事実上強制配転なんというものはないかと思いますけれども、中にはつむじ曲がりがかりにおるとして、ただ自分の主観的な、いわばだだをこねるようなことをやることすらも自由であるということは、これは全体の奉仕者としての立場からの秩序の問題からいきましても、良識ある者である限りはさようなことはあり得ない。妥当な、だれが見てももっともだと思うような事由があるときに、本人の意思を無視してなんというのは、それ自体がふとどきだという意味で、私はいつかここで御答弁申し上げた記憶がありますが、そういうことだと理解いたしております。
#313
○岩間正男君 とにかくいまさらかっこうをつけて、条件をつけるというような答弁のしかたというのは、これはいかぬですよ、ひきょうですよ。そんなことは認められない。そういう上に立って前言がくつがえってくる、こういう形じゃまずいです。そこで、実際公務員が不当な、そんなだだをこねるようなことをやっているのかどうか。これは人事院総裁に伺いたい。人事院に伺いますが、配置転換に関して審査の請求が出されている。昭和四十一年受理番号第二十三号の事案、昭和四十二年の三百二十二号事案、この内容及び審理状況について報告してください。これは時間の関係がありますから、非常に簡単にやってください。
#314
○説明員(中村博君) 税関関係の昭和四十一年の配置がえにつきましては、これは十四回の審査を経て一応結審いたしておりまして、現在、鋭意判定案作成の作業中でございます。
 それから四十二年の塚本さんの配置がえの件につきましては、これは組合の請求者と話し合いを進めつつ、現在早急に審査を進めるべく準備中でございます。
#315
○岩間正男君 二十三号の受理、この中身を言ってください。全税関労組門司支部の執行委員大城礼子さんの例です。これはだだをこねたことになるかどうか。長官、よく聞いてもらいたい。発令が四十一年の四月、共働きで三人の子供という家庭の事情を無視して、本関門司より戸畑出張所に配転された。当時四年生、二年生と生後一年二カ月の子供がおり、通いのお手伝いさんにめんどうを見てもらっていた。配転により朝夕それぞれ四十五分、計一時間半の負担になり、お手伝いさんにめんどうを見てもらうことができなくなった。またがって婦人職員に対するこのような配転例は税関にはなかった。本人は心痛のため心因反応症、いわゆるノイローゼとなって入院加療となる事態となった。これに対して沢田総務部長、これは現在、函館の税関長のようでありますが、沢田氏は、異常体質者がサバを食ったようなものと、そういうような批評をした。この冷酷さが問題になった。これはどうなんです。これはだだをこねたところの、強制配転に対する反対ということになりますか。
 もう一つあげましょう。四十二年の三百二十二号事案、千葉の支署、塚本さんの場合、発令は四十二年十月、千葉支署から本関横浜に配転された。家族は戦傷で寝たつきりの父と年老いた母をかかえていた。このような一家の柱としての彼を配転した。しかも、採用時から以上のような問題を考慮して千葉勤務が約束されていた。こういうような、これは全く配転とはいいながら、まさに強制配転であり、人権無視の配転じゃないですか。はっきり強制的な配置転換が行なわれている。これが示していますよ。本人の意に反して強制配転はしないとあなたは繰り返して言われた。一体どうなんですか、これは。結局あなたは言い直しをされて、こういう問題についてもそれは結局はしかたがないのだということになるのですか、どうなんです。
#316
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 強制配置転換と申し上げるのは、裏から申し上げれば、不当な配置転換は絶対いたしませんということであります。
#317
○岩間正男君 その例は。
#318
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その例は人事院の判定に待ちます。具体的な問題は不利益処分についての提訴権があるはずでございますから、具体問題として人事院の判定に仰がざるを得ない。それを人事院でもない私の立場でかれこれ申し上げる課題ではなかろうかと思います。一般論としましては、不当配置転換というものは絶対すべからず、もしそのようなことをしたら、したほうがアウト、こういうことでございます。
#319
○岩間正男君 判定を待たなくても、あなたの見解を申されないんですか。いままでの慣例から言えばこういう明白な事実に対して、当然あなたの見解を述べていかれなければ、総定員法に対するあなたの態度というものは非常に疑わしくなってくる。ここではっきり断言できないんですか。
#320
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いま例示されましたことについて、行管の立場からかれこれ申し上げる資格はないと思います。もしそれが不利益処分であったと人事院で認定されますれば、その不利益処分的ないわば不当配置転換をした者の責任であるということになると思うんでありまして、一般論として申し上げれば、不当配置転換、不利益処分だからけしからぬと人事院からしかられるようなことは絶対いたしません、そういう心がまえで運営したしますということであります。
#321
○岩間正男君 どうも荒木さんに似ないで、この問題で謙虚な――これは守備範囲じゃないのかもしれませんが、それでは関税局長にお聞きします。あなたはどう思いますか。
#322
○政府委員(武藤謙二郎君) さきにあげられた例でございますが、これは詳しくは人事院でいろいろと審理しておられるわけでございますから、長々申しませんが、本関から戸畑へと、これは転居をしなくても通勤できるだろうということで、これは職員をあまり同じところへ置くということは問題がありますので、たくさんの職員が動いておりますが、その中の一人として異動があったということでございます。
 それからもう一人、千葉の件でございますが、これは家庭の関係で、自分が家を見る必要があるというお話でございますが、本人は千葉で寮に入っておりましたので、そこで、なるほど横浜へまいりますと実家へ帰る時間が少し遠くなるということはございますけれども、この程度のことはやむを得ないだろうということで配置いたしたわけでございますが、人事院で審査中でありますので、その審査を待ちたい、そう思っております。
#323
○岩間正男君 この程度のことはやむを得ないと、あなたの判断、勤務条件に関する問題については、これは交渉する。しかし、この判定はどっちでやったんですか。労働者の権利ということはどういうことになるんですか。
#324
○政府委員(武藤謙二郎君) 私どもはこの程度のことはやむを得ないと思いまして異動したわけでございますが、しかし、それに対して不利益処分の審査の請求が出ておりますので人事院の判定を待ってする。
#325
○岩間正男君 この交渉に応じましたか。
#326
○政府委員(武藤謙二郎君) 個別のケースについては団体交渉というよりも、本人の意向を十分聞くということが大切だと思っております。
#327
○岩間正男君 意向を聞いたとか、団体交渉とか、そんなばかなことを言っちゃいけない。これは勤務に関することだ。組合としてこれを取り上げて、これは団体交渉に移すというときに、これはできないというんですか。
#328
○政府委員(武藤謙二郎君) 異動の件はなかなかデリケートでございまして、甲の人がAからBへ移る、それが移らなければ、今度は乙の人が移らなければいかぬ、そういう問題がありますので、一つ一つの異動を団体交渉で話をするということは好ましくない、そういうふうに考えます。
#329
○岩間正男君 四十五分、勤務のために時間がかかるということは、これは労働条件の変更になりますか、なりませんか、これは人事院総裁に伺います。
#330
○政府委員(佐藤達夫君) いまのお話は、非常に具体的なお話を前提としてのことでありますし、先ほども局長からお答えいたしましたように、まだわれわれは判定の前の段階におるわけでありますから、申すまでもありませんが、諸般の事情をとくと調査いたしまして厳正公平な判断を下すつもりであります。
#331
○岩間正男君 具体的でなくてもいい、抽象的でいい。とにかく四十五分通勤時間が多くなる。これは何もいまの例の場合でなくてもいいわけです。
#332
○政府委員(佐藤達夫君) ただいま四十五分とおっしゃられても、それに関連する周辺のいろいろな条件をあわせて精密に考えなければいけませんから、ここで軽率なお答えをすることは、むしろよろしくないんじゃないかと思います。
#333
○岩間正男君 私は、だからね、これは総理に聞いたわけですよ、総括的に。佐藤総理は五月八日の当委員会における私の質問に対してこう言っているんですよ。強制不当配転について、そういう事実が行なわれていようとは思えないが、事実あったら申し出てほしい、善処する。これは確約した。これは私に確約した。一体こういう問題について関税局長はどう考えるか。いまのようなこういう配転の問題、その他たくさん例をあげれば言えますよ、例がたくさんあるわけです。そういう問題について、これは総理のことばとだいぶあなたの話は食い違ってくる。そういうことはやられるとは思わない、しかし、あったら申し出てほしい、こういうことをはっきり言っておるわけです。
 それから、団体交渉の問題についてですけれども、私はさらに佐藤総理に対してこう言ったんです。政府自民党は、職員の配転の必要が生じた場合は、職員の意見、要望を聞くなど、あらかじめ事前協議を行なうと民社党に伝えたと聞くが、この問題について、次の三点を明らかにしてもらいたい。第一は、これは本人の同意がなければ配置転換の発令はしないということ、これに対して、そうです。第二に、事前協議で拒否することができるということ、こそもうなづいた。さらに配転を行なう場合、労働組合と事前協議をするということ、これについても肯定したわけです。そうしてこれを私は確認したわけです。そうすると、総理答弁というものの国会における位置というものは、これはどうなる。むろん法律との関係もいろいろ出てくるかとも思います。しかし、新たな総定員法の問題としてこの不当配転の問題が非常に大きな問題になった。そういう中で私はこの問題をさらに詳しく突き詰めてみたわけです。それに対する返答が出たんです。
 もう一つ、ついでに申しますというと、これは分限免職については、今度の五%削減にしないだけでなくて、予想される第二次行政改革、大がかりなそのような改革の場合においても、する意思はありません。これは自民党内閣の意思として継続されるものだということについて、はっきり確認しておるわけです。私は少なくともこの三点をこの前の質問の中で総理の確認も得たんです。当然これはその立場に立って荒木行管庁長官は処理されると思うんです。そういう問題についても行管の立場としてこれは周知させる必要があると思うんです。ところが、どうも雲行きが少しあやしくなってきておる。さっきの答弁はどうもこれは違いますよ。これはどうなんです。総理のことばについて、まあ荒木さんはいいです、関税局長の答弁を聞いておきます。どうなんです。
#334
○政府委員(武藤謙二郎君) 総理がどういうふうにお答えされたか、よく速記などきょう勉強しておりませんが、私が申し上げましたのは、いままでも仕事が、新しい港ができますと、そこで採用した職員だけでそこの仕事をやらせるということはできませんので、そうしますと、異動させる人が生じてまいります。そのときに必ず本人の希望だけだと、希望に合わなければそこへは人をやらないというようなことはできませんので、なるべく本人の希望は聞くようにいたしますけれども、必ず本人の希望どおりに異動するということは、いままでもできなかったから、これからもなかなかむずかしいということを申し上げているわけでございます。
#335
○委員長(八田一朗君) お約束の時間が来ております。
#336
○岩間正男君 これはどういうことになるんです。それじゃ総理の答弁というのは何ら権威のないものですか、うそをついたということですか、早く言えば。そうして、しかもそういう答弁を国会でやっているときに、一局長はこれに対してまるでこれと反対の答弁をやっている。これで国会審議というのはどうなんですか。この総定員法が行なわれるとすれば、結局、どこでやられると言えば、局長や課長の段階ではいまのような答弁が述べられていくのじゃないですか。これはどうしたって佐藤総理にもう一回出席を求めなければならぬですよ。再確認するんだ。そうなるんですよ。これが税関のいままでの行政の実態じゃないですか。どうなんです。一体、あなたたち、いままで、たとえばこういうことがありますよ。税関労組が昨年の八月二十八日に配置転換の一般的な基準について話し合いたいと関税局長に交渉を申し入れた。これはあなただったろうか、あなたですか。――これに対してあなたはこれを受けられておったですか。
#337
○政府委員(武藤謙二郎君) 全税関の組合とのことだと思いますけれども、これは予備交渉をいまやっておりますので、近く予備交渉がまとまりそうだと聞いておりますので、それがまとまり次第交渉いたしたい、そう考えております。
#338
○岩間正男君 昨年の八月二十八日どうだかということです。
#339
○政府委員(武藤謙二郎君) 私、はっきり記憶いたしませんが、あるいは昨年の八月以降まだ団交しておるかもしれません。
#340
○岩間正男君 やってないでしょう。これはどういうことなんです。これは人事院総裁にお聞きします。当然、配転に関する一般基準については交渉の対象になるのですか、ならないのですか、国公法との関係。
#341
○政府委員(佐藤達夫君) これはたしか午前中もお答えしたと思いますが、大体、午前中、局長がお答えしたところでよろしかろうと思います。
#342
○岩間正男君 さらにお聞きしますが、百八条の五の1と3の問題、関連なんですね。それで、勤務条件については団体交渉ができるとはっきりこれは明記されているわけです。国家公務員法によってこれは当然公務員の権利として保障されているわけでしょう。しかし、3の管理運営についてはこれはできない、ところが、こんなのは法の魔術じゃないですか。切り離せますか。強制配転やってごらんなさい。当然、そこには勤務条件の変化が起こってくるわけです。だから、管理運営の問題とそれから勤務条件というものとは別々に書いてあるけれども、これはたての両面みたいなものですよ。一方で管理運営の立場から、ことに配転の問題やれば、当然、勤務条件の変化が起こってくる。あるいは定員の削減が行なわれれば労働強化が超こるということは、これは先ほども政府答弁で認めたところです。そうすると、労働条件の変化が起こる、こういう場合にどうするかという問題、大体、先ほどの関税局長が交渉に応じなかったのは、これはどういうわけかわかりませんけれども、これは人事院の見解に合わないですよ。これは、配転に関する基準、こういうものについては当然交渉すべきだというのが人事院の見解です。それだけでなくて、当然、これは国公法の百八条の五の1によれば「勤務条件」です、給与についての。これはちゃんと交渉に応じなければならぬ、こうなっておる。あなたはこれの明らかに違反じゃないですか。違反をやったのじゃないですか。だから、団体交渉を拒否した、そういう形、どういう理由でそれを拒否されたのですか、お聞きします。
#343
○政府委員(武藤謙二郎君) 先ほども申し上げましたように、予備交渉がまだまとまりませんので、それで団体交渉に入れない。それが近くまとまりそうだから近く団体交渉ができるだろうと思っております。
#344
○岩間正男君 昨年の八月二十八日からきょうまで何日になるか、あなた計算してください。予備交渉ってそんな長いですか。パリの会談よりももっと長い。冗談じゃないですよ。あなた労働者を預かっている、同時に責任者でもあるでしょう。そういう立場からいってどうなんです。予備交渉だ。何だその予備交渉は。十カ月になるでしょう。八月二十八日ですよ。八月二十八日に出されたのを予備交渉でいままとまるとか何とか。その予備交渉というのは条件を確認するということですか。つまり、一項か三項かどっちだ、そういうことで、三項ならやらぬ、一項ならこれは応じなければならぬ。それを判定するには税関というところでは十カ月要るのですか。これはどうなんですか。予備交渉だの何だのと、そういうことをぬけぬけとこの国会で答弁としてやれますか。事務の渋滞ということはどういうことなんですか、どこへいくのですか、このしわが。これをお聞きします。
#345
○政府委員(武藤謙二郎君) 予備交渉は日にちばかりでも数えられませんで、両方がこういうことで団交しようということで話がついたところで団交を始めるということでございます。
#346
○岩間正男君 これはどういうことです。これはあなたの、行管の立場からいって、これは一つのやはり何でしょう、税関の機能を発揮するために、こういうほんとうに働いておる公務員の立場というものが、いまのようなかっこうで十カ月も予備交渉という段階でだらだらされて、これで能率上がりますか。こういう立場から考えたって、こんなにあなた何やっているんですか。こんなこと許していいのですか、どうなんです。これは総理に聞くべきだと思うのですけれども、こんな一体形で、行管の立場から言ってください。これはどうです。ここだろう、問題は。
#347
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いまのお話しの点は人事院総裁からでないと決定的な御答弁できないと思いますが、ただ私なりの感想をお許しいただくならば、午前中の質疑応答でも明らかになっておりますように、配置転換についての基準というものは交渉課題となり得るということですから、基準についての申し入れがあったのに応じないと言っている話じゃなさそうに思います。予備交渉ということばが法律用語であるかどうかは別といたしましても、交渉に応ずるという気持ちで進行中そのスピードがちょっと鈍かっただけのことでございますから、本質的にけしからぬとおしかりを受ける課題じゃなかろうと存じます。
#348
○岩間正男君 行管のスピードというものはたいしたものだな。十カ月は鈍いの範囲ですか、あなたの日本語の概念は。これで行政監察できますか、冗談じゃないですよ。ことばを慎みなさい。十カ月も予備交渉で遷延日を送っているのが、いまのような御答弁になりますか、ならぬでしょうが。こういう人が行政管理庁長官にいて何を見ているのか、何を。
#349
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私がお答えすべき課題でないことを感想的に申し上げてごかんべんいただきたいと思いますが、決定的にはこれは人事院の守備範囲のことかと思います。
#350
○岩間正男君 人事院総裁にこれは伺います。
#351
○委員長(八田一朗君) もう時間が過ぎております。
#352
○政府委員(佐藤達夫君) どうもたいへん御期待を受けておりますが、私どものやっているところを申し上げますと、大体、予備交渉というのは電話で二、三分でぱっぱっと済んでしまうのが私どもの実情でございます。これは短いのもあれば長いのもあると思いますが、そういう関係についてどういう事情でそういうことになるのか、これはまた別にいろいろと御批判はあろうと思います。
#353
○岩間正男君 午前中からの討議を私聞いていまして、国公法の百八条に、この1と3に関する問題ですね、結局は組合側はこれは勤務条件だと言う。ところが、どうしても当局はこれに対して、これはもう三項の管理運営だ、こう言っている。これはならない。こういうことばでいつでも交渉をするかしないかということで、平行線でやっているのが現状じゃありませんか。ところが、管理運営によりてきめられることは、組合の側からみれば全部労働条件になるわけですよ。この二つの問題は決して別な問題じゃない。並行しないのです。かみ合っているのです。裏表になっているのです。そういうときに、どっちをとるかということがはっきりきめられることが、私は当委員会でも何回も論議されてきた問題、つまり本人の意思に反して不当配転はしない、もしそういうことが起これば、それについてはっきりこれは組合と交渉を持つ、こういう答弁をこれは佐藤総理言っているわけですね。そういう点で、具体的にここできめていないと、ほんとうにこれは実際の現場においての紛争というものはまとまらないですよ。人事院はこれに対して、私ははっきり、当然両方から考えて成り立つという見解もあるだろうけれども、実際はそうじゃなくて、交渉を断わる口実としてそういうようなことを言って、そして問題をじらしているのではないか。そうじゃなくて、労働者の権利を守るというのは、当然これは交渉権というものは法で認められている限りは、はっきり労働者保護の立場からきているのです。権利の擁護です。そういう立場から考えれば、当然このような労働条件の問題が出た、勤務条件の問題が出たときには、これは交渉に応ずるというのがこの法律の解釈の当然の帰結だというふうに思いますが、人事院総裁はその点は確認されますか。
#354
○政府委員(佐藤達夫君) いま御指摘の条文の一項と三項と両方ありますことは、これは法のたてまえとしてもう明白なことであります。その一項と三項両方踏まえました上で、けさほど政府委員のお答えしたようなことになる、一口に言えば、そういうことでございます。
#355
○岩間正男君 私はもっと突き詰めた現実の問題としていまの問題提起しているわけですが、どうなんですか。逃げられてしまったらしようがない。これは三項だ、いや、そうじゃない、これは労働条件の問題だ。そして、しかも、これは民社党さんのほうに答えたそういう何によりますと、事前協議と言っているのですよ。そこで処理してしまって、配転をやってから起こった問題についてここで交渉をやったって、これは話にならぬ。事前協議ということは、そのような事態が起こるその前においてこれは当然交渉するというのが実体だと思う。こういう点について、これは佐藤総裁の見解を承っておきたい。
#356
○政府委員(佐藤達夫君) 私は他の機会にも本件に関連して申し述べたことがありますが、法律は確かに一項、三項があり、また法律自体の条文は非常にぎすぎすした交渉というような形できまっておるわけです。現実の運用としては、そういうぎすぎすした形じゃなしに、もっとおだやかに、和気あいあいとした形の話し合というものがあるだろう。私どもは、そういう法律論ばかりで事が進むことは非常に嘆かわしい、そういう気持ちを持っておるわけであります。
#357
○岩間正男君 あなたの気持ちもわからないじゃありませんけれども、しかし実態は、現場においてなかなか紛争を起こしているのですから、これについて私ははっきりやはり見解を明らかにする。当然の私たちのこれは主張どおりいかなければならないし、あるいはドライヤー勧告なんかでもはっきりそういうことが言われている問題なんです。これについて検討されるのは当然だと思うのです。このように、政府の国会答弁とは全く逆なことが現実では公然とまかり通っているのが現状ですよ。私は、こういうような点で次に伺いたいのは、ことし一月二十八日から三十一日まで開かれた建設省の労務担当課長会議において、関税局長、あなたのほうに森本課長補佐というのがおりますね、この課長補佐が講義をしたのです。それで、その内容としては、不当労働行為を非常にこれは広言したものとして私は重要な問題だと思う。この内容についてあなたは知っているかどうか。こういうことを言っておるのですよ。「国公労働組合の中で全税関、全国税、全建労は御三家である。」、これは何だ。どういうことだ。その次には、「残留旧労」ということを言っている。「同組合対策として徹底した差別待遇、ただし対外説明上やむを得ない場合はそれは言わないことにするけれども、差別待遇をすべきだ」、こういうことを言っておる。それから、「訓告を受けるような者は勤務成績不良とみなして昇給延伸することができる。」、それから「赤組宿舎、白組宿舎をつくる」、これは何です。これが研修会議におけるところの講義の内容です。どうですか。こういうようなことは、これは関税局長のあずかり知っておるところですか、あなたの方針ですか。それともそうでないというならば、それに対してどう対処するか、お伺いしたい。
#358
○政府委員(武藤謙二郎君) 森本課長補佐は関税局の職員でございます。いまおっしゃいましたように、不当な差別待遇をするというような、法律に違反するようなことは森本君は言っていない、そう私は聞いております。
#359
○委員長(八田一朗君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#360
○委員長(八田一朗君) 速記を始めて。
#361
○岩間正男君 このように組合に対する差別支配と弾圧、そうして職制を介しての支配体制の強化、本人の意思を無視した強制的な配置転換と労働強化、こういうようなことをやりながら、そうして激増する業務量等、結局これは労働強化になってくるわけです。税関の実態というのは、先ほどから私は業務量の増加、これに対する人員配置、こういうような問題を最初お聞きしたのはそのためなんです。こういうような形でこの総定員法がまかり通ろうとしておる。総定員法がまかり通れば、もっともっと強制的になってくることは明らかでしょう。だから、そうでないための発言として、いろいろ私がこの委員会で三点について佐藤総理の言明をいただいて、荒木長官もそれに同調するような発言をされた。しかし、実態をあげて聞いてみるというと、全くこれは食い違ってくる。だめですよ。この法律案を通すための、のど元過ぎれば熱さ忘るで、ここのところは何とかもみ手してでも法案を通す。通ってしまえば、これはどうにもしかたがないのだという形でもって、国会審議というものは全く国民の前に信を失う。労働者も信頼することはできないです。一つの信義の上から考えてもこういうことじゃだめなんです。どうなんですか。私はそういう意味では、佐藤総理にもう一ぺん出てきてもらって、一体どこまでそういう何を持つのか、そうして法的にいままでいろいろな引っかかりが出てきて、人事院総裁も首をひねっておられるところだけれども、明快な労働者の保護の立場に立てば、いまのようなそういうものについては批判すべきだと思うのです。これを、こういう事態がもっともっと強化される。そういうところに立っておるのが、現在のこれは公務員に対する対策だ。そうして総定員法によってこういうものがもっと強化される突破口を切り開いて、その上にさらに大がかりの行政管理が行なわれる、こういう事態にぶつかっておるのがいまの姿じゃないかと思うのです。
 時間がありませんから最後にお聞きしたいのですが、定員外職員の問題です。定員外職員の問題で、佐藤総理は、去る八日の当委員会で、実態をよく調査すると述べられましたが、九日の閣議では、この問題について今後どのような措置をするということを閣議で指示されたのか。お聞きしたい点は、結局、全くの常勤と同じ仕事をやっていて、そうしてしかも待遇も、それからほんとうにいろいろな権利も全く差別されている、こういう人をこのまま放置していいかということが、これは山崎委員からの質問の要点であったと思う。したがって、これについて検討する、そんなこと知らなかった、驚いた、ほんとうにそのことばに私は驚いたわけですけれども、そんなこと知らない総理大臣もいたのかと思って驚いたわけですけれども、当然、閣議において私たちはこの問題については再検討する、その結果については定員の中に繰り入れるということを前提としてのこれは調査だというふうに考えておりました。ところが、そうでない、三十七年の閣議決定の線でこれをはっきり処理するんだというふうにもこれは考えられる。どっちなんですか。この点が非常に私は重大だと思いますので、お聞きします。
#362
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先般、総理がここでいま御指摘のいわゆる定員外職員についてお答え申しましたとおりであります。調査はいたしておりませんので、調査をいたしまして、実態がまさに定員内に組み入れるべき必要性と実態とであるならば、もちろんその措置をしなければならぬ課題として受けとめております。ただ午前中お答え申し上げましたように、昭和三十七年の秋ごろでございますか、閣議決定しましたことは厳然としてあるわけでございます、政府部内の問題ではあるわけでありますが。そのときに監察もいたしまして、十分調査の上で十二万人――ずいぶん多うございますが、十二万人、定員内に組み入れましたが、それでもってこの課題は終わる、言いかえれば、常勤職員たるべき者が当たるべきところに臨時職員の名前でもって人を使っていること自体が、これは不届きなことでありますから、そんなことは自今やっちゃいけないという内容も含めての閣議決定ですから、十二万人の組み入れをした後は、そういう事態は起こり得ない、起こしちゃならないという内容のものであります。したがって、定員内に組み入れることは今後あり得ないということでありました。その後、もしお話のようなことがあったとするならば、それは政府部内においては閣議決定違反であります。不当なごまかしをやったという課題であります。それは非難さるべき課題であると思いますが、それは別としまして、十分調査をいたしました結果、もう一ぺんだけ同じような措置をしなければならないということになりましたら、むろんそれをいたしますということを含めたお答えでもあったし、総定員法御決定後にその問題についても十分調査をして善処いたします、こういう趣旨であることを繰り返しお答えにしたいと思います。
#363
○岩間正男君 最後に、法務省、自治省、厚生省、それから北海道開発庁、国立大学のこういうところでは、とにかくこれは現実に合わない。全く常勤であります。ただ、午前中もこれは出されましたけれども、午前中あなたの答弁の中で、各官庁に通告をして、そこからの報告を求めておるというのでありますが、これは私はどうも正確を期し得ない、もっとほんとうに実態を調べるんだったら、当然、現場で働いている労働者にもっと聞く必要があると思う。その組織からいえば、当然、公国共闘の組合の人たちにこれははかる。それからそういう話も十分に聞いて、そうしてその人たちとも話し合いを進めて、そうしていまの問題を前向きの姿勢で解決するのが現実に合った問題だと思います。何せ三十七年の決定、三十七年といいますと、それからもうすでに八年になります、足かけ。現状は変わっているんです。三十七年の閣議決定をそのままにして、その後あらゆる面から、これは業務量、特に所得倍増計画の立場からいったら業務量がものすごくふえているでしょう。それを強引にやろうとするところに決定そのものが無理だろうし、そうしてそれによって現状に合わない、血の通わない、そういう官僚的なやり方ではまずいのでありますから、その点について十分に考えることと、もう一つは、いま言ったように、ほんとうに現場で働いているそういう実態をつかむための努力、そのためにもこれは組合と話し合う、こういうことを私は要望したいと思いますが、いかがでしょう。
#364
○委員長(八田一朗君) 答弁する必要がありません。
#365
○北村暢君 だいぶ質問も出てまいりまして、相当審議も尽くしてまいりましたが、私はまず、提案理由の説明の中にある「行政需要の消長に伴う定員の配置転換を、各省庁内はもとより、」と、こういうことで、「定員の配置転換を、各省庁内はもとより、各省庁間を通じて強力に行なう必要があります」、こういうふうに提案の理由の説明で述べておりますね。まず、この定員の配置転換というのは一体どうやってやるのか。こういうことばは私はないと思います。定員の配置転換なんというものはない。したがって、この提案理由の説明は訂正すべきだと思うんです。こういうものを認めて提案理由として受け取るわけにはいかない。
 それからもう一つは、今度の総定員の算出の基礎内訳の表がございますが、これの中の総理府の欄に、総理府本府、それから公正取引委員会、それから警察庁七千七百九十二人となっている。この警察庁とは何だ。これも八条機関であって、警察庁とうのはここに載ってくる筋合いのものではない。これは国家公安委員会の間違いであろうと思う。荒木さんは、行管長官であると同時に国家公安委員長だ。あなた自身がここで無視されていますよ、あなたのほうの提案したものには。こういう不正確なものを国会に出すというのは、これは不見識もはなはだしい。これは後日の記録に残りますから訂正をしていただきたい。訂正できるかできないか。この二点について答弁をしていただきます。
#366
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 提案理由の点についてのお尋ねでございますが、配置転換というのは法律用語ではないかと思います。常識的な用語だと理解いたします。そう申しましたのは、毎度引き合いに出して恐縮でございますが、行政改革を積極的にやりながら、国民のためなるべく簡素、合理的な機構、定員のもとに行政サービスを向上せしめようというふうな課題は、国民的な要望だとも思いますと同時に、臨時行政調査会の答申が配置転換ということばを使っておりますし、この用語を受けて提案理由の一部に使わしていただいたということでございます。
 なお、国家公安委員会との関連においての御質問につきましては、政府委員からお答えさせていただきます。
#367
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。
 この表の中の、「警察庁」という用語でございますが、御指摘のとおり、警察庁は八条機関でございまして、お話の趣旨も確かにそういう理屈が当然成り立つというふうに思います。ただ、ここにおきましては、国家公安委員会の定数と申しますか、人数はこれは定員はゼロでございまして、この定員は警察庁の定員でございますので、それをはっきりさせる意味で、「警察庁」と書いた、弁解をさせていただきますれば、そういうようなことでございます。
#368
○北村暢君 そういう詭弁を弄すのですか、あなた。それじゃあなた、公正取引委員会はどうですか、三百三十六人は。このほかに公正取引委員長と委員が別にいるんですよ。これは定員に入っていないでしょう。土地調整委員会の十八人はどうですか、これは事務局の職員だけでしょう。そういうことで、これはあんた、第八条機関はどこにも載ってないですよ。いけないです、こういうことは。そういうへ理屈をつけたって了承しません。
#369
○政府委員(河合三良君) 御指摘のとおりでございまして、私もいささか弁解がましいことを申しまして、御説明申し上げるわけでございますが、これは「国家公安委員会」と訂正させていただきます。
#370
○北村暢君 それから定員の配置については長官の気持ちはわかるんですよ、気持ちは。行政の需要の消長に伴って定員の増減が各省庁にあるんですよ。それを、少なくなったほうから多いほうへ移していきたいと、こういう気持ちはわかるんですけれども、「定員の配置転換」ということばはないんですよ。あり得ないんです。いいですか、定員を増減をして、人員を配置転換するんです、これは。定員を配置転換といったら、農林省の食糧行政なら食糧行政の機関、統計事務所なら統計事務所の機関、これについている定員を、厚生省が忙しいからといって、厚生省の定員へ農林省の定員を配置転換するということはあり得ないです、これは。ないんですよ。これはあなたの言う、政令を改正をして、農林省の政令定員を減らして、そして厚生省の政令定員を改正をしてふやさなければならない。定員の配置転換なんていうことはあり得ないことなんです。そんなことできないです。できないことを「定員の配置転換」ということばを使うことは、これは提案理由の説明ですからね、気持ちはわかるけれども、こういうことばはないということですね、そういう点からいって、これ訂正してください。訂正する意思があるかどうか。こういうものを認めてやるわけにいかない。こういうことが三条機関と八条機関を混同したり、それから先ほどから国家公安委員長であり、行政管理庁長官である荒木さんは、あなたの権限でないことを平気で答弁している、ここで。あなたは行政の組織と定員とをあずかっているんでしょう。人事の運用なんていう権限は何もないですよ、あなたには。配置転換をやったり何だりするのは、これは任命権者が配置転換をやったり何だりするんで、ただ臨時行政調査会では発足のときに、この臨時行政調査会の設置法の中で、なま首を切らないんだとか、強制配置転換をやらないんだとか、こういう附帯決議がついて発足したから、そういうような感じを受けておりますけれども、これは権限というのは、あなたは、行政管理庁設置法の中においてあなたの権限というものは明らかになっているんですよ。明らかになっている。その越権行為の答弁をするからこんがらがっちゃって、さっきからおかしくなっているんですよ。だからこういう点を、あなたは定員は管理できるかもしれないけれども、人間をあっちからこっちへ移すなんということはできないのですよ。そういう点から言って、これは明らかに誤りですから、この文章は訂正していただきたい。
#371
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いま解明していただけば、論理構成上まさにお説のとおりだと思います。気持ちが先走って用語が十分でなかった点は認めざるを得ないと思います。ただ、行政管理庁長官としての守備範囲では、まさに御指摘のとおりでございますけれども、政府として御提案申し上げている提案理由でございますので、守備範囲外だという点については……。
#372
○北村暢君 その点はいいです。
#373
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その意味で御了承いただきたい。用語そのものにつきましては御指摘のとおりに思います。
#374
○北村暢君 一応ミスプリントでも何でもいいですから、こだわりませんけれども、これ後世に残りますからね、これは。こういうことばはないのですよ。任免権に属することですからね、これは私はもう断じてないと思う。だからこれは訂正してください、あとから。終わりまででいいですから、これはちょっと考えればすぐ訂正できるものですからね。実際にあなたの気持ちがはっきり出るようにやったらいいと思うのです。これは事務当局がとやかく言う必要ないですよ。大臣が答弁したのですから、そのとおりだと言ったのだから訂正してください。
 それでは質問の順序がちょっとちぐはぐになりますが、人事院総裁、長くお待たせでありますから、給与問題だけごく簡潔に先に終わらさしていただきます。
 給与問題、きのう公労協関係の仲裁裁定が出ました。それについて予期したとおりのものが仲裁裁定で出て、政府もその実現のために、財源は苦しいが努力するというようなことが伝えられているわけでございます。これから見ますというと、人事院勧告も例年の例から見ると相当高いものが出る、このように思います。これはまあ作業中ですからとやかく言いません。ただ一点、仲裁裁定は四月から実施ということをはっきりしておいてもらいたい。従来、人事院勧告は五月でございました。総裁はことしの勧告は四月実施ということをやる意思があるかないか、この点だけ簡単に聞いておきます。
#375
○政府委員(佐藤達夫君) 四月か五月かの点は、従来、ことに最近御指摘がいろいろとありまして、われわれ検討はいたしておりますけれども、ことしの段階では、少なくとも従来の行き方を変更する気持ちは現在のところ持っておりません。
#376
○北村暢君 まあ思ったより高いベースが出たので、ことしまた四月というと、完全実施にならないうちから四月じゃという憶測があるのかもしれませんけれどもね。私は四月からやったほうがいい。水田大蔵大臣当時も、大蔵大臣みずからが、これは五月はおかしい、四月から勧告はやるべきだ、大蔵省もそう言っている、だから、いつかこれは変えなければならない問題だと思いますがね。なるべく早く変えたほうがいいと思います。要望だけしておきますが、大蔵省にお伺いいたします。これは佐藤総理にも質問いたしましたが、きょうの新聞にも出ておりますように、昨日の衆議院の大蔵委員会において、福田大蔵大臣は七月以前の実施は困難であるように答弁したごとく新聞に伝えられております。そこで、大体、財源的なものを、仲裁裁定に伴いまして、三公社五現業の財源はすでに検討中であろうと思いますが、これに伴って公務員の人事院勧告に伴う財源についてもすでに検討されていると思うんですが、大体四十四年度の予算見積もりに対して、かりに一〇%引き上げの場合、七月実施、六月実施でどのくらいの財源が必要か、試算がされておったらひとつお伺いいたしたいと思います。
#377
○政府委員(海堀洋平君) 人事院勧告がまだ出ておりませんのですが、計算の問題でございますので、一応の試算をお答え申し上げます。
 先生御存じのように、人事院勧告は一般職といいますか、特別職の職員を除きましたものについて勧告がなされるのでございますが、例年、特別職の職員につきましてもこれに準拠して改定をいたしておりますので、一般会計負担の全額についてお答え申し上げたいと存じます。一〇%と仮定いたしますと、七月実施で約八百八十六億円、それを六月と仮定いたしますと千五十億円、五月と仮定いたしますと千百二十六億円と相なります。
#378
○北村暢君 そうしますと、ことしの四十四年度の予算では七月実施五%アップで四百四十三億、それに予備費に若干見積もっておると、こういうことでございますが、いま申したような数字の試算が発表されましたが、これを見ましても大蔵大臣が頭をひねるのも若干うなづけるような気がするのでありますけれども、しかし、人事院勧告の完全実施は、しばしばの国会で附帯決議をつけ完全実施決定をいたしております。また、政府は昨年の八月段階において一カ月さかのぼって七月実施にする際において、ことしは七月でかんべんしてもらいたい、来年からは、いま直ちに来年のことを含めてひとつ完全実施について検討をするということを給与担当大臣はしばしば国会において言明しております。いまの状況でやや一〇%近いものが出るだろうということは想像にかたくないわけで、財源についても明らかになっておるわけです。一体、総務長官、給与担当大臣はいかなる決意を持って、この非常に困難であろうという大蔵大臣を説得する勇気を持っているかどうか、ひとつ決意のほどを承りたい。
#379
○国務大臣(床次徳二君) 決意のほどをお尋ねでございまするが、元来、給与担当の立場から申しまして、人事院勧告を完全実施するという基本方針をずっと堅持いたしておるのであります。今後とも老のつもりを持って努力いたしたいと存じます。しかし、本年度におきましては予算は相当改善した予算計上をいたしたわけでありますが、いまお話のごとく、相当高率な勧告が出るとなるとなかなか実現がえらいんではないかと苦心をいたしておるのでありまして、今後ともひとつ十分に努力いたしまして、政府の従来とってまいりましたところの完全実施をするという基本方針に合うように努力いたしたいと思います。
#380
○北村暢君 これは率直なことを申し上げまして、勧告が若干高いと出たとか出ないとかいう問題ではなくして、かつて木村さんが官房長官当時も、この総定員法を出す以前の問題として、ひとつこの総定員法にも協力してもらいたい、そうして何とか行政改革にも協力してもらいたい、公務員の能率をあげることに協力してもらいたい、そのかわりにひとつ給与も世間並みに出したい、そのために完全実施には努力すると、こういうことだったんですよね。それでいままさに総定員法が通らんとしている。四十三年度においても四十二年度の定員を初めて下回りました。四十四年度はさらに下回ったわけですね。定員が。そういうことでここ数年来、公務員の人員が減ったということは、行政需要が多くなって、先ほど来、岩間委員から、団体交渉のような形で各省について逐一こうやられて、やはりいずれも人員をほしくてしょうがないんですよ。労働強化になっていることは明らかなんです。そうやって政府が政策的に人員を減らしているわけなんですね。そうして公務員に能率をあげろといって要求をしておる。それに対して給与を上げるというのは、人事院勧告を完全実施するということくらいはあたりまえのことなんですよ。予算があるからないからとか、いまから宣伝をして、なるべくできないような条件を宣伝をしておいて、あげくの果て、勧告が出てから、どうも財源上総合予算主義のたてまえだなんていったってこれは承服できないですよ。私はこの総定員法に関連してなぜ給与の問題をやるかといえば、これは公務員の能率増進の問題と密接不可分の関係であって、給与の問題は総定員法と密接不可分なんですよ。私はある程度の言質がない限り、きょうこの総定員法通せといったって簡単に通すわけにはいかないですよ、これは。総務長官のそう簡単な努力するという程度の答弁じゃこれはいかぬです。この間も私は総理大臣の来られたときに言いましたけれども、明らかに私はこの問題は詰めますよといって断わってありますね。総理大臣の一言や二言の答弁では詰めることはできないですよ。それは覚悟をしてあなたはきょう来たはずです。同じような答弁繰り返すようじゃだめです。ひとつあなたははっきり、七月実施なのを六月実施、五月実施、この二カ月さかのほればまず完全実施できるのですから、具体的にたった二カ月に迫ってきた、努力してきた。これはあなたの、給与担当大臣が今後いかにして完全実施するかということについてのあなたの腹がまえというものは、非常に困難なようですが、努力してみますというような、情けないような声で言われたって承服できないですよ。はっきり言ってください。
#381
○国務大臣(床次徳二君) 担当大臣といたしまして、完全実施は政府の基本方針でありますので、これに最善の努力をする、この決意につきましては変わりございません。なお、今後、人事院勧告の出ました時期におきまして、政府といたしましては十分検討いたしまして、従来の基本方針というものはできるだけ実現するように努力いたした
 いと思います。
#382
○北村暢君 あなたね、従来の基本方針だとか何とかといったって、具体的に、まあ押し問答やってもあれですがね、いずれ七人委員会も開かれるでしょうから、その際には私どもまたやりますけれども、とにかくこれは肝に銘じていただきたい。公務員はほんとうにあれですよ、岩間君の、また各委員の質問でも明らかなように、行政予算の中に占める人件費の割合というものは低下しているんですよ、はっきり。この間言ったとおり。これはあなたあれですね、三十五、三十六年で予算に占める人件費の割合が二二%だった、四十一年度が二〇%に下がった。四十四年度、ことしは一八・九%、これはベースアップになっていないからあれでしょうけれども、一八・九%と、予算の中に占める人件費の割合はだんだん減ってきているのですよ、率においてね。それだから財政硬直化という理由は成り立たなくなってしまった。公務員の賃金が上がるから財政硬直化になるなどというようなことは成り立たないのですよ。いいですか。それから定員は減ってきているのです、減らしているのですからね。したがって、こういうことはもうないんですよ。こういう点をひとつ。給与担当大臣として一般の認識ではいけないのですよ。いかに公務員というものがしいたげられて法律でがんじがらめにされているかということですね。あとでお伺いします公社公団だって公務員より二割給与はいいんです。東京都は特別ですけれども、地方公務員だっていい。もうほんとうにがんじがらめに法律でしばられている国家公務員は、なぜ勧告を完全実施されることがなされないのか。それで、やることだけはやりなさい、やりなさいと言ったって、これはやらなくなるのはあたりまえなんです。そういう点を、公務員の能率という点からいって、あなたは人事局を担当しているのですから、そういう面からいっても当然これは要求すべきものですよ。ひとつ給与担当大臣の決意と、それから人事院総裁には、人事院総裁の立場でこの完全実施の問題はずっとやってきたのですから、ひとつ国会の場で、何回も総裁は意思を披瀝しておりますけれども、再度ひとつ披瀝していただきたい。
#383
○国務大臣(床次徳二君) 公務員の人事を適正に管理し、そうして十二分に公務員としての能率をあげてもらうということは、これはまことに必要なことであります。政府はそれに対して絶えず努力してまいったのであります。なお、ただいまお話しの給与の完全実施に対しましては、すでに総理もその意向を表明しておられます。なお、近く勧告があるわけであります。その勧告の時期におきまして検討すると申し上げる以外にない。決意は、その時期に際しまして十分に対処し得るよう今日からも努力してまいりたいと思います。
#384
○政府委員(佐藤達夫君) 申し上げまるでもないところでございますが、われわれの勧告の完全実施はわれわれ及び公務員諸君全体の私は悲願であろうと思います。その気持ちでもって今日まで努力をしてまいりましたが、今回また勧告いたしました暁においては、さらに一そうの努力をしてぜひとも完全実施をしていただきたい、そういう決意でおります。
#385
○北村暢君 次に、防衛庁長官見えておりまするので、防衛庁長官にお伺いしますが、きょう、聞くところによりますというと、衆議院の内閣委員会においての防衛二法案についてのお経読みが終わったそうでございますが、これは正常な形で行なわれましたか。
#386
○国務大臣(有田喜一君) その認定は委員会を主宰する衆議院の内閣委員長に聞いていただく性質のものかと思います。ともかく私は提案の趣旨を完全に読み上げました。これはずっとマイクを通じてやり、マイクには確かに入っておる、かように考えております。
#387
○北村暢君 踏んだり、けったりはされなかったわけですね。どうも聞くところによるというと正常な形ではないようであります。いずれ防衛二法はこの委員会にも、来ないことを望んでおりますが、来るかもしれません。その際にはきょうやったような形におけるやり方というのはあまり好ましいことではない。どちらかといえば、きょう防衛庁長官は涼しい顔して――参議院の内閣委員会には来れないでお断わりするのかと思っていたんですが、来られたようでありますので、どうもやはり心臓の強いのにびっくりしておるわけですが、私はそういうことで総定員法も向こうで強行採決されて、いまえんえんとこちらの委員会でこうやっておるわけなんですが、これはひとつ参議院の良識でできるような形で持ってきていただくように、これは防衛庁長官にだけ頼んでも、要請してもいかぬことかと思いますが、十分ひとつそういう点は配慮してやっていただきたいと思うのです。
 そこで、たび重なる自衛隊機の墜落事故の問題でございますが、これは総定員法と直接関係はございませんけれども、先般のF86Fジェット戦闘機の事故に関連いたしまして、新聞の伝えるところによるというと、展示飛行に参加するために飛んで、しかも低空で全く初歩的なミスによって墜落をした。これが山にぶつかったんですからまだでありますが、これが三機そろって市街地に落ちたとするならば、これはたいへんなことだったと思うのです。防衛二法を提案説明するどころではなかったと思うのです。たいへんなことで、防衛二法も吹っ飛んでしまったかと思われるのであります。そういう事故でありますが、調査団も派遣したようでございますが、その結果について御説明願いたいと同時に、今後のこの事故対策について、今度の経験にかんがみて、一体どのようにされようとしておるのか、この点をお伺いいたしたいと思います。
#388
○国務大臣(有田喜一君) 先般の島根県における自衛隊機の事故発生、まことに遺憾なことでありまして、ことに貴重な人命と高価な航空機を失したということは国民の皆さまに対しましても申しわけない次第でございまして、この点深くおわびを申し上げる次第でございます。わがほうとしましては、即刻、特別事故調査委員会を設けまして、先ほどおっしゃるとおり調査団を派遣いたしまして、目下その原因の究明に鋭意努力しておるところでありますが、まだ調査団からも最後の結論が出ておりませんが、われわれとしては二度とかようなことがないように、ことに展示飛行でございますからして、相当考えなくちゃならぬと思いまして、とりあえず、ここしばらくの間、展示飛行は見合わす、そうしていろいろと今後の対策を立てまして、それは展示飛行を絶対やめるとは申しませんけれども、今後かような事故の発生がないようにやっていかなければならぬ、こういう決意と考えを持っておるような次第でございます。
#389
○山崎昇君 関連して。一問お聞きをしておきたいと思うのですが、今度の事故で、パイロットを一人養成するのに、いまの時価にして一体どのくらいの予算か。それからF86Fジェット機でありますが、これは買ったときの値段は私どもわかりますから、もしもいまに直したら大体どのくらいになるのか。そこで、総括して一機落ちて人と飛行機で損害額というのはどういうふうに見たらいいのか、その額だけひとつ教えてもらいたいと思います。
#390
○国務大臣(有田喜一君) パイロットを養成するまでには相当の経費もかかります。その計算のとり方はいろいろございますが、優秀なパイロットを養成するには約一億円近くかかるといわれておりますが、今回の三人がはたしてそれに該当するかということは、政府委員が調べておるかもしれませんが、私はそこまでいま調べておりません。なお、F86Fは山崎さんも御存じのとおり、大体一億一千万程度のものでございますが、現在の帳簿価格といいますか、だんだん減耗しておりますから、大体三千万あまりのものじゃなかろうかと私は考えておりますが、なお詳細は政府委員をして答弁をさせます。
#391
○政府委員(麻生茂君) ただいまパイロットの養成経費について御質問がございましたが、この点について申し上げますと、F86Fのパイロットの養成費が四千九百四十四万七千円で、養成には約三年七カ月かかります。なお、F104Jのパイロットの養成費はさらにF104Jによります訓練で千三百四十九万五千円で、約二年半ばかり養成にかかります。したがいまして、F104Jのパイロットの養成経費は合計した金額で六千二百九十四万二千円という金額になります。
#392
○北村暢君 防衛庁長官から遺憾の意が表されましたが、この展示飛行というのは、それは安全基準等を再検討するために当分の間やめるというようなことが伝えられておりますが、その展示飛行というのは――何か飛行機の専門家のおるところで、源田さんおられるようでございますが、私あまりしろうとでわかりませんが、このジェット機がなぜ展示飛行なるものをやらなければならないのか。毎年、年に二十数回か三十回か、相当多数、各飛行隊でやってるようですが、それまでしてこの人気とりをやらなければならないものなんでしょうか。どうなんでしょうかね、私どもちょっと了解に苦しむ。しかも、これは山に突き当たったからいいけれども、一万名も群集が集まっておった。松江のところですか、美保基地の場合もそのようなんですが、これは一万名も集まってるところへ上から落っこってきたらたいへんなことになるのじゃないかと思うのですね。そういう点からいって、この展示飛行というのは自衛隊の任務遂行上どうしてもやらなければならないものなのかどうなのか。この点ひとつ今後の方針として、当分やめるというから、またやるのでしょうが、やらなければならないものなのか、どうなのか、この点を将来の方針としてお伺いしておきたい。
#393
○国務大臣(有田喜一君) 展示飛行は、必ずしも自衛隊としましては緊急の要務とは考えられません。しかしながら、わが自衛隊の航空の現状を一般国民に知っていただく、いわゆる広報的な意味もあります。また一方、教育訓練もかねておりますので、必ずしも展示飛行を今後やめてしまうとまでは私は言えない。しかしながら、先ほども言いましたように、展示飛行というものは、そう緊急なものではありませんので、あくまでも安全率をとって、身の危険をおかしてまでそういうことをやるべき性質のものではないと思いまして、今後こういうことには一そう注意をして、ともかく当分の間見合わしていく、あくまでも再開するときは安全ということを第一義として、そうしてやらなければならぬと、かように考えております。
#394
○北村暢君 展示飛行は、おおむね日曜日等に行なわれるので、教育訓練にかえって支障があるという内部の意見があると、こういうふうにすらいわれている。だから、教育訓練のために展示飛行をやらなければならないというのは、ちょっとへ理屈のように思いますが。私はまあ広報宣伝で、自衛隊というものは威風堂々として、こういうものなのだということを見せる意味においての啓蒙宣伝ならば私は反対ですけれども、防衛庁長官は、そういう意味はあるでしょうが、ただ、教育訓練に支障があるといわれているそういうものですからね、将来の問題としてやっぱり中止するかしないかまで検討すべきだと思いますが、どうですか。
#395
○国務大臣(有田喜一君) もちろん検討すべきだと思いますが、いまの私の考え方は、あくまでも安全ということを第一義的に置いて、そうして広報と、それから合わせて教育訓練も兼ねまして、安全の上に立ってこういうことをやることは必ずしも悪いことじゃない。部内に一部そういうことをおっしゃる方が、それは意見が多少あるかもしれませんが、部内としてはそういうことをいまやめようなんでいうような考え方の人は、一部はあるかもしれませんが、大勢としてはそういう考え方はない、こういうことであります。
#396
○北村暢君 質問がちょっと飛びますけれども、防衛庁長官のほうを先に終わらしたいと思いますのでお伺いしますが、今度の総定員法の改正で、自衛隊法の一部改正並びに防衛庁設置法の一部改正が行なわれておりますが、それによりますというと、従来、防衛庁の職員という形で、全部法律できめておったものが、自衛官だけを法律で従来どおりきめることになっておりまして、自衛官以外の防衛庁の職員の定数は、一般公務員と同じように政令で定める、こういうことになったわけでございますが、この村田君の前の質問のときには、防衛庁長官おられませんでしたが、村田君の質問の中で、非自衛官いわゆる事務官、技官、教官、その他の職員、こういう人は政令できめられますが、これらの職員も自衛隊の隊員であることは間違いない。で、防衛庁設置法の六十条で、事務官、技官、教官、その他の職員の任務、仕事の内容というものがはっきり規定されております。しかしながら、自衛隊の隊員であることは間違いない。そこで自衛隊法の中の服務というところで、はっきり隊員の服務の本旨、それから宣誓、職務遂行の義務、こういうようなものが規定をされております。この規定は制服であろうと非自衛官の事務官、技官、教官等であろうと、この服務の規定というものには当然服さなければならない。一般公務員と同様だというような話がございましたけれども、一般公務員と違って団体交渉権もない。秘密の保持をしなければならない。いろいろ国家公務員法で規定をしている服務とは変わった任務を与えられておるわけです。したがって、この服務の本旨からいくというと、自衛隊法の五十二条で、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえることを期するものとする。」、これは制服であろうと非制服であろうと、当然、自衛隊員全体について規定しているものと思いますが、解釈に誤まりがあるかないか、ひとつはっきりしていただきたい。
#397
○国務大臣(有田喜一君) 防衛庁設置法の五十九条を見ますと、「自衛官は、命を受け、自衛隊の隊務を行なう。」と書いてあります。防衛庁の職員のうちで事務官とか、技官あるいは教官は、命を受け事務技術または教育に従事する、こうあります。職員ももちろん自衛隊員ではございまするが、自衛官は自衛隊の隊務遂行として事務官などがやる事務と同種のものに従事することもございますけれども、隊務遂行の中核はいわゆる武器を持って行動の任務に従事する、こういうことであります。したがいまして、自衛官は勤務条件、給与、人事、教育等の面で事務官などと異なった取り扱いを受けまして、たとえば階級を持っておる。あるいは勤務年限には、任用期間あるいは定年制がありまして、長官の指定する場所に居住する義務がございます。行動時には武器を使用する権限が自衛官にはございます。ほかの職員はそういう権限が与えられておりません。同じく隊務に従事するといいましても、自衛官とそれから他の職員とはそこにおのずから性格が異なる、かように私は考えております。
#398
○北村暢君 そういう差があることくらいわかっておりますよ。ただ、五十二条の服務の本旨というのは、いいですか、自衛官だけに適用されるのですか。隊員全体でしょう、これは。
#399
○政府委員(麻生茂君) 先生お尋ねのように、自衛隊法で隊員と申しますのは、自衛官のほか、防衛施設庁の一部の職員を除きました事務官、技官等も含まれるわけでございます。したがいまして、法文の規定といたしましては、五十二条は事務官等にも適用されるということになります。しかし、先ほど大臣からお答えがありましたように、事務官は事務に従事する、あるいは技官は技術に従事するというような職務がありますので、したがいまして、その職務の現実の事態におきましては一般職の事務官、技官等の職務と相違はなかろう、こういうことになろうかと思います。
#400
○北村暢君 その職務はいいのですけれどもね、一たん問題が起こったときには、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえることを期するものとする。」、これはいまあなたが言ったように、制服であろうが、事務官、技官であろうが適用になるのだ、こう言ったでしょう。したがって、これは直ちに戦闘行為をやるというふうにはならないかもしれない、事務官、技官、教官というのは。しかし、自衛官であっても技官に非常に近い仕事をやり、またその技術を持っておる人もいる。教官といえども自衛官の制服の教官と全く似た人もおるでしょう。それから後方勤務なんということになれば、経理その他あるわけですね。後方勤務だなんということになれば、これはかつての主計さんだの何だのということになれば後方勤務やっている。これはもう制服着ているというだけで事務をとっているかもしれない。そういう意味においては非常に職務の区分というのがはっきりしないですよね。そういうことを明確に規定したものというものはあまりないのです。ない。だから、私はそれは事務官、技官、教官は一般の公務員に非常に近い、制服も着ておらないのですし、近いのだろうとは思います。しかし、隊員としては、そこら辺の農林省や通産省の役人と気がまえが違うでしょう。それでいいのですか、そうじゃないでしょう。防術庁の職員である限りは、隊長の命令に従って、師団長その他の命令に従わなければならないわけでしょう。そういう意味において、私はこれは職務分担がはっきりしないですからね。したがって、この政令定員でどんどんふやされることになる。どんどんといっても、どんどんふやすか減らすか知りませんけれども、これは法律でなしに防衛庁長官の意思によって、政府の意思によって国会とは関係なしにふやすことができるわけです。そうして自衛官の制服の者がやっている、いま事務的を仕事をやっている者も全部ほんとうの戦闘要員に持っていく。そうしてあとは事務官、技官というようなところで補うというようなことも操作できるわけです。やってできないことはない。そういうことが起こり得るのですよ。だから、私はそういう政令でもって事務官、技官をふやして自衛官の法律で定めるものと調整すれば、これは相当ふやそうと思えばふやせる結果になるのです。転換する。いざといった場合には事務官、技官も自衛官に早がわりしないとは限らない。疑えば疑う余地もある、こういうことなんです。そういう危険はないと答弁せられるだろうと思うのですけれどもね、それはどんどんやりますなんと言ったらたいへんなことになりますから、そういうことは答弁はされないだろうと思うのですが、そういう疑問は明らかに残りますよ、疑問は。どう答弁されようと、いかがでしょう。
#401
○国務大臣(有田喜一君) 少し誤解があるのじゃないかと北村さん思うのですがね。先ほども言いましたように、自衛官というものは武器を持って第一線に行く使命を持っておるわけです。その自衛官が部隊の第一線に行きますと、それはやはり自衛官のうちで庶務的といいますか、食糧だ給与だという担当のものはあります。しかし、一般職員は自衛官として採用していない。したがいまして、これは一般の公務員と同じような採用のしかたですね。自衛官になるときは御承知のとおり、自衛官の採用試験または選考試験というものがありまして、自衛官になるのは特別の前提に立って特別の試験を受けて自衛官になる、それは一線まで行ける人、そうでない人は、自衛隊というものが部隊ばかりでなくて、いろいろと制服もあれば、昔で言えば陸軍省の参謀本部的な性格もございまして、いわゆるシビリアン・コントロールになっておりますから、相当こういったような内局の局長とか、いわゆるシビリアンが多うございますが、しかし、それは決して武器を持って第一線に行くもんじゃない。したがいまして、いまおっしゃるように一般職員をどんどん――どんどんではないが、総定員法で皆さんと相談せずに自衛官をふやすんだということにはならない。いわゆる武器を持って行動する人間は防衛庁設置法におきまして、明らかに自衛官は何万人だということがはっきりしておるわけですから、いまおっしゃるようなことは正面から出てこない、かように解釈しております。
#402
○山崎昇君 いま長官から答弁があったのですが、それじゃ制服の自衛官で内局の事務等に携わっておる人おりませんか。私はこれかなりあると思うんです。これは昔の軍隊でもかなりあったはずです。ですから、いま北村さんの質問、私はちょっとおりませんでしたが、この総定員法が通ると、そういう制服組は全く本来の任務に戻って、その穴埋めは総定員法によって定員が増減されてくる。私はこういうことになると、現実的には自衛隊の定員がふえてくる、こういうことになると思う。
 それから、これは防衛二法がもしきた場合に、私は聞きたいと思った一つでありますが、予備自衛官の問題も関連をしてお聞きをしておかなきゃならぬと実は思うわけです。今度も何か三千名ぐらいふえるわけですけれども、事実上これは自衛隊員の増と同じことなんですね。これはあらためてあなたには私はいろいろ聞きたいと思うが、そういうことと関連して考えてみますと、実際は自衛隊の定員がふえてくる、こういうふうに私はなると思う。
 それからいま職務の問題も出ておりますが、自衛隊法では隊員という規定づけですから、そういう区別は実際問題になると私はなくなってくる。ただ、そこにおる人事教育局長その他がいきなり銃を持って出ていくなんということにはならないとしても、総合戦ですから、実際問題として私は戦闘行為、非戦闘行為なんという区別はなかなかつかなくなってくるのではないか。そういう意味で言うと、隊員の職務の問題から端を発して、制服組でない人でもこの法律からいけば戦闘行為に準ずるような行為に私はなっていくのではないか。そういう意味で私ども心配しているわけです。したがって、いまの点について長官のひとつ見解を聞いておきたいと思う。
#403
○国務大臣(有田喜一君) 制服、いわゆる自衛官で、たとえば地方連絡部とか、いろいろそういうものがありますね。そういうところで事務的な仕事をやっておる面があることは事実です。また内局におきましても全然制服の人がいないとは申しません。若干ある。それはやはり常に緊密な関係がありますからあるんですが、しかし、あくまでもそれは自衛官でありまして、いわゆる武器を持って出勤できる人は初めから自衛官として採用した人、その自衛官は、先ほど言いましたように、防衛庁設置法で依然として何人ということが明確になっておる。その明確になっておる人、それは第一線に行く場合があります。しかし、そうでない、今度の総定員法に入れられるところの普通の職員は決して第一線に行ったり、そういうことはしない。だから、自衛官の範囲内ならば有事のときにはそういうことがあり得るということは、これは私も否定はいたしません。その点ひとつ御理解をいただきたい。決していまの防衛庁設置法に掲げた自衛官以外のものが、非自衛官が第一線に出るということはないということを御了解願いたいと思います。
#404
○山崎昇君 もう一つこの機会にお聞きしておきたいのですが、せんだって三派全学連というのが防衛庁に入った。そこでその後、防衛庁は自衛隊員によって庁舎が守られておると思うんですね、いまも。警備されておるのか守られておるのか知りませんけれども、一体どういう根拠に基づいてああいうことができるのか、これが一つと、もう一つは、もしも大蔵省なり文部省なり、そういうところでああいう事態が起きた場合に、自衛隊員でいまのような警備をやるということも私は不可能ではないと思うんですね。そこでこの点を聞いておきたいと思うのです。これはどういう――もしも庁舎の管理だというんなら、私は管理の体制があるはずだし、それは治安だというんなら警察官がやるべきことである。財産の管理なら内部の管理部門が当然すべきである。そうすれば守衛が多少増強されるとか何とかということが私は穏当であって、どうして自衛隊員が、カ−ビン銃か何か知りませんが、鉄砲を持ってあの防衛庁というものを日常朝から晩まで警備をしなければならぬのか この点を私は自衛隊法と関連をしてこの機会ですからお聞きをしておきたいと思います。
#405
○政府委員(島田豊君) 檜町の防衛庁の庁舎を警備管理いたします法的根拠は、防衛庁設置法の第五条、「所掌事務の遂行に直接必要な庁舎、営舎、演習場等の施設を設置し、及び管理する」ということでございまして、したがいまして、従来は一般のいわゆる守衛をもってそういう庁舎管理、国有財産の管理の面におきます庁舎管理というものは実施いたしておったわけでございますが、防衛庁が一般の官庁とやや趣を異にいたしますのは、有事における各種の行動につきましては防衛庁側からそういう命令が発せられるわけでありますので、そういう意味での自衛隊の行動についての指揮中枢であるという性格は、これは一般の官庁とやや違っておるところではないかということでございます。したがいまして、純粋の財産管理という面からしますれば、従来のような守衛をもって警備するということで足りるかと思いますけれども、この前のような事案の発生もございまして、防衛庁の単なる財産の管理だけじゃなくて、そういう指揮の中枢としての機能を維持していくという観点に立ちまして、守衛をもってしては自衛ができない、事態の警備ができないというものを補う意味において自衛官をもってこの警備に当たる。こういう趣旨で檜町の警備に当たっておるところでございます。
#406
○山崎昇君 もう一つだけ関連して聞いておきます。これはあらためて私はやってみたいと思っておりますが、いまあなたは一般官庁と違うんだ、こう言うんだが、国家行政組織法第三条に言う行政機関ではないんですか、防衛庁は。自衛隊は実力部隊であるということは私もわかります。やがて防衛庁設置法と自衛隊の関係も法的に私はいろいろ疑義があるから聞いてみたいと思うけれども、いまのあなたの答弁では納得できませんよ。これは行政機関ですよ、第三条による。組織法上から言って何も異なるところないんです。だから、そういう論をあなた方が進めるならば、文部省でも大蔵省でもその他の国家行政組織法第三条に言う国家機関に何かの事件が起きた場合に、自衛隊員が鉄砲で守るということもあり得る、可能になってくる。こういうことを私ども心配するから、いまあなたに法的なことを聞いたんです。防衛庁だから特殊性ということはない。ただ任務が違うということだけはそれはわかります。その点はどうなりますか。この点だけ聞いておきます。
#407
○政府委員(島田豊君) 行政組織法にいう政府機関であるということは、これはほかの官庁と同じ……。
#408
○山崎昇君 一般行政機関ですよ、これは。
#409
○政府委員(島田豊君) その点は確かに先生のおっしゃるとおりでございますが、先ほど申し上げましたように、そういう防衛庁の任務の特殊性ということからいたしまして、あくまでこれは事態を警備するいわゆる自衛措置としてやっておるわけでございまして、ほかの官庁に対して一般の警察でやっておるような、そういう警備を自衛隊が引き受けるという考え方は毛頭ございません。あくまでこれは普通の施設の中における自衛のための措置であると、こういう考え方でございます。
#410
○北村暢君 それじゃ次に、行政改革の問題についてお伺いしますが、四十三年の二月二日の閣議決定による「今後における行政改革の推進について」というのがなされまして、各省庁で案をつくることになっておりまして、それが提出されておるわけでございます。それについてごく簡単に質問をいたします。
 まず総理府でありますが、総理府は所管行政を根本的再検討するということを行管に提出しておりますね。それから審議会の整備ということも出しております。いま自民党は一省一審議会ということで案を出すとか出さないとか言っているようでございますが、私はあながち一省で一審議会で事足りるというふうには思いませんが、しかし、総理府には各省にまたがるいろいろな審議会がございます。実際にはなかなか総理府総務長官としても把握できかねるような審議会もたくさんあるだろうと思います。そこでまず総理府から、所管の行政の根本的再検討と審議会の問題についてどういうふうに考えておられるか、お伺いします。
#411
○国務大臣(床次徳二君) 第二次行政改革の具体的な案としまして、まだ具体的なことは承知しておりませんが、総理府といたしましての平素の事務に対しての問題点は、御指摘のような点につきまして特に特色があると思うのであります。一般的なと申しますか、共通な管理事務といたしましての立場において考えられますのは、恩給とか、賞勲局のような仕事であります。もう一つは審議室等が行なっております各省のいわゆる事務の総合調整と申しますか、この事務が非常に多いのであります。この事務は、次第次第にやはり社会の複雑化に伴いましてふえてまいるということが現象でございます。なお、この点につきましては、一面におきまして、いわゆる行政の一元化という立場において強力に推進しなければならぬという点がありますと同時に、また各関係省庁との関係があります。各関係省庁の協力を求めながら、簡素能率化をはかるという問題が残されていると思うのです。この点が将来の研究問題だと思います。
 なお、御指摘の審議会につきましては、今日、総理府でもって実質的にその職務を担当しておりますものが十六、なお、お話がありました名義上と申しますか、形式的に総理府に設置されまして、職務は他省でもって担当しておりますものが三十三になっているのであります。今日一部におきまして、一省一審議会という意見も出ておりますが、しかし、はたして一省一審議会でもって間に合うかどうかということにつきましては、各省庁の事務を十分に検討いたさなければならないと思うのであります。しかし最近、ただいま申し上げましたように相当の数にのぼっております。できるだけ整理統合するという方針はすでに認められております。この方針というものは、やはり十分尊重すべきものだと思っております。
#412
○北村暢君 郵政省の関係について、郵政事業の公社化をやりたいというような意見が出されておるようでございます。これについてどの程度検討がなされ、また公社化というようなことで、本格的に取り組んでやっていこうとしているのかどうなのか。もしやるとするならば、どのくらいの時期的なめどを置いて検討されているのか、この点、お伺いします。
 それからもう一つは、事務の機械化によりまして、貯金局の整備をやるということで、秋田、岩手等の貯金局等は廃止になるのではないかというようなことがいわれております。そういう点について、どの程度の構想を持っているのか、御説明願いたい。
#413
○説明員(高仲優君) 御説明申し上げます。
 まず公社化の関係について申し上げます。郵政事業の公社化につきましては、昨年十月四日、郵政大臣から郵政審議会に当てて諮問を発しております。この諮問の内容は、郵政事業の経営形態を公社化することの是非について諮問するということでございます。なお、その諮問の説明の中にある文言でございますか、「郵政事業の経営形態はいかにあるべきか。たとえば公社化すること」、こういう諮問でございまして、公社化するということをあらかじめ事務当局といたしまして決定した上でその是非を問うという形であるよりは、あるべき経営形態の姿はどういうものが望ましいか。たとえば公社化することの是非はどうであるか、こういう諮問のしかたでございます。それが十月四日でございまして、以後、最近に至るまで、十回にわたりまして審議会を開催いたしております。目下のところの進行状況といたしましては、諸外国の郵政事業の状況、これをまず説明いたしまして、続いて各事業別にそれぞれの現状についての説明を行なった段階でございます。したがいまして、事務当局からの説明と、それに対しまする関連する質問という形でいまのところは終わっております。したがいまして、まだどのような結論をいただけるものかということを予測するのはいささか早いのではないかと考えております。
 なお、時期の問題でございますが、昨年十月四日諮問をいたしました際におきまして、これは諮問の文書にはないのでございますが、当時の小林郵政大臣から、審議を尽くしていただきたいのだが、できたら一年以内に結論をもらいたいという話が出ております。大体そのような方向で話を進めるようお願いすることに相なろうかと考えております。
 公社化に関しまする概要は以上のとおりでございます。
#414
○政府委員(鶴岡寛君) 御承知のように、現在の地方貯金局はいろいろな沿革で設置されたまま今日に至っているわけでございます。したがいまして、一部の局では、局の規模あるいは地域的な分布、そういうものが著しいアンバランスがある。そしてまた、ここ数年来の趨勢といたしまして、地方貯金局の機械化を推進する段階に至っておる、そういう時期に際会いたしましたので、この地方貯金局の統合問題は、現在いわばいまの問題として検討を迫られておるところであるわけです。しかし、私どもとしては、経営管理上どのぐらいの規模が最も適正規模であるか、あるいは利用者に対するサービスという面、さらにはまた地域社会との関連性、そしてまた従事している従業員諸君の雇用関係というような点を総合的に勘案して、この問題に慎重に対処しなければいけないというようなことで現在検討中の段階でございます。
#415
○北村暢君 いまの地方貯金局ですが、事務の機械化によるというと、たとえば甲府に一カ所――関東に二カ所とか、あるいは中部に一カ所とか、そういうようなことで、いまの数を相当減らしてもよろしいと、こういう考え方で対処しているのかどうなのか。いまの説明だというと、どういうことになるのか、さっぱり内容的なことはわからないようですがね。もう少し数字的に御説明いただけませんか。いろいろ差しさわりもあるかとは思うんですがね、これは。
#416
○政府委員(鶴岡寛君) 簡単に申し上げさしていただきます。
 ただいま相当数の整理を行なうのではなかろうかという御質疑でございますが、実は私どもいま非常な大ざっぱな考え方でございまして、また、その後の機械の進歩その他で変更を見るかもしれませんが、一応いま私ども持っております案では、四十四年度に横浜の貯金局にコンピューターを入れる。そのあと引き続きましては、四十五年度に一局、四十六年度に三局、そして四十七年度から四十九年度までにそれぞれ五局ずつ入れる。締めて二十局を一応想定しております。地方貯金局の数は、御案内かと思いますが、二十八でございます。それで、さらに申しますと、その八局について、今後これにコンピューターを入れるか、あるいは統合をするかという点について慎重な検討をこれから続けると、現在そういう段階でございます。
#417
○北村暢君 そうすると、直ちに廃止、廃止でないということは、その置き方にもよりましょうけれども、廃止というようなことは、ここ二、三年出てこないんですか、どうなんですか。
#418
○政府委員(鶴岡寛君) その問題は統合するということをきめた場合、どの局を選ぶか。そしてまたもう一つの点からは、その付近にコンピューターを入れる局がすぐそばにあるかいなかという問題と非常に密接に関連をいたします。したがいまして、現段階ではお答えがきわめて困難でございますが、ただ一応申せますことは、ことしの問題とか、あるいは明年の問題であるとか、そういうようなことはおそらくはなかろう。その程度の大ざっぱなことはいまの段階として――今後変更があるかもしれませんが、いまの段階としては一応言えると、そのように考えております。
#419
○北村暢君 次に労働省関係の労政局を労働経済局にするという構想が臨調等でも出ているようですし、それから労災失業保険等の徴収事務の一元化、それから鉱山保安行政、安全衛生行政の統合化、こういう問題が考えられているようですが、この点について、もう簡潔でいいですから説明をしていただきたい。
#420
○政府委員(岡部實夫君) ただいま御質問の初めにお話ございました労政局を労働経済局にということは、部内でいろいろ検討はいたしておりますけれども、目下のところ具体的に案として考えてはおりません。
 それから、第二の徴収一元化の問題につきましては、これは今国会に失業保険法並びに労災補償保険法の改正をお願いしておりまして、その中で五人未満への拡大適用の問題を取り上げまして、それに伴いまして保険料の徴収につきまして適用事業所がふえてまいりますので、それの事務の能率化をはかる等のために、あわせて徴収事務の一元化をするために必要な所要の法律案を提出したいと思います。
 あとの鉱山保安の問題については基準局長から御答弁申し上げます。
#421
○政府委員(和田勝美君) 鉱山保安行政と労働省が所管しております安全衛生行政を一本にしたらどうかという問題につきましては、臨調の答申でも、安全衛生関係の部局の強化をはかるとともに、さしあたっては通産省との調整機能の強化をはかるように、こういう趣旨の答申が出ております。私どもといたしましては、これは先生御存じのように、非常に古くからのかかり合いのある長い問題でございますので、なかなか直ちにどうこうとはまいりませんので、臨調の答申にあるような線に沿って今後進めてまいりたい。かように考えております。
#422
○北村暢君 保険の徴収事務は、保険の事業団というようなものは考えていないのかどうなのか。それから、いまの鉱山保安関係について  通産省関係は来ておりますね。通産省は鉱山保安監督行政を担当しておりますが、この問題について、労働省との行政機構の調整の問題についてどのように考えておるか、続けてお伺いいたします。
#423
○政府委員(岡部實夫君) 前段の問題でございますが、これはただいま提出しておりまする法案によりますと、従来、労働基準局と、それから職安とでやっております徴収事務手続を一元化するというだけでございまして、いま御質問のようなことは考えておりません。
#424
○政府委員(橋本徳男君) 鉱山保安の問題につきましては、御承知のように地上の産業と違いまして、地下の非常に条件変化のはなはだしい中における労働の条件の問題でございますので、これは、その生産が即保安という面が非常に多いために生産と統一的な考え方、またそれとの関連において考えられていかなければならない問題が大部分でございますので、生産を担当しておるところが保安のサイドといたしましても十分これをやっていくということは適当であろうというふうに考えまして、現に世界各国の鉱山保安を見ましても、インドだけが別でございますが、それ以外、諸外国はいずれもやはり生産所管のところにおいてこれを担当しておるというふうな状況でございます。ただ、まあ保安局といたしましては、一般的な労働災害についての、労働省からいろいろ勧告を受けるというふうな立場に立っておりますので、そういう連帯的な立場において、労働省のほうともいろいろ勧告を受け、調整もとらしていただいておるというふうな状況でございます。
#425
○北村暢君 次に、建設省の国土開発庁の設置ということが出されておりますが、これはどういう意図でやられているのか、ごく簡単に説明していただきたいと思います。これは建設省の設置法の中でも、若干質問があったようでございますが、方針だけ伺っておきたいと思います。
#426
○政府委員(志村清一君) 国土開発に関しまする行政は、先生御承知のとおり、建設省初め、各省の所管にまたがっております。こういった事業を効率的に、総合的に進めるためには、やはり国土開発行政のうち、一貫的なものにつきまして、所管、行政機関を一元化するように、国土開発庁の設置を検討する必要があるのではないか、かように考えておる次第でございます。
#427
○北村暢君 それから、建設省には計画局の国土開発計画部関係、いわゆる国土総合開発関係ですね、これを総合行政として総合開発庁というところに持っていったらどうかというのが、臨調答申に出ておるわけです。これについての考え方。
#428
○政府委員(志村清一君) 現在、建設省計画局の中に総合計画課という課がございまして、先生御指摘のような仕事のほかに、建設省の所管行政を円滑に進めるという労務、あるいは資材、そういった面も一応担当しているわけでございますが、これらにつきましても、先ほど申し上げました国土開発行政の一元化という方向の中で考えていくのが適当ではないか、かように考えておる次第でございます。
#429
○北村暢君 それから観光行政の一元化の問題について、運輸省、それから厚生省のそれぞれの見解をひとつ聞いておきたい。
#430
○政府委員(鈴木珊吉君) 観光行政につきましては、その内容がきわめて多角的でございますし、それから今後非常に発展する面が多うございますので、重要であるとわれわれは考えております。したがいまして、現在各省に置かれておりますが、私どものほうとしましては、理想はあくまでも一元的に観光行政を行なうべきではないかというふうに私どもは考えておる次第でございます。昨年来、行政改革計画という中で、私どももこの点につきましては一元化ということを強調したわけでございますが、幸いにいたしまして、行政管理庁あるいは総理府のほうで機能の一元化を行なうということをおきめになられまして、昨年の秋でございますか、そういった意味の決定がありまして、私どもといたしましては一歩でもその理想に近づくことを私どもは願っておりますので、その決定に基づきまして何らかの措置がとられるよう期待しておる次第でございます。
#431
○説明員(広瀬治郎君) 厚生省といたしましては、御承知のように、自然公園法に基づきまして自然公園行政を所管しているわけでございますが、これは申すまでもなくわが国の非常にすぐれた自然の風景地を保護するとともに、その健全な利用の増進をはかりまして、国民の保健、休養等に資するというのが目的でございます。しかしながら、これを観光行政の立場から見ますと、この非常にすぐれた風景地というものも貴重な観光資源であるわけでございまして、両者の行政は非常に密接な関係があるわけでございます。こういう観点から、もう少し自然公園法そのものにおきまして、公園の区域を定めたり、あるいは公園計画を策定するに当たりましては、関係省庁と協議をして定めることになっておりまして、十分、連絡協議をしておるわけでございます。また、その他一般的な自然公園行政の運用につきましても、そのつど密接な連絡協議をしてやっておるわけでございまして、今後ともこのような連絡協議に十分努力をしていきたいと考えております。このような観点から、ただいま行政管理庁のほうで観光関係の閣僚の協議会をおつくりになることを検討しておられるようでございまして、私どもといたしましても、そういうお考えについては非常にけっこうなことだと思っておる次第でございます。
#432
○北村暢君 いま各省にいろいろ行政改革についての見解をこうずっと聞いたわけなんです。これを総合しますと、各省の内部におけるこの機構の問題、行政改革の問題については、それぞれある程度考えているようです。ところが総合的な二省間にまたがるような問題については、機構の一元化ということは、それぞれの主張によっても非常にむずかしいということがもう私ははっきりしたと思うのですね、機構の一元化ということ。それで行政管理庁は機能の一元化ということで、機構は各省に置いたままで機能を一元化していこう、一元化というのはすっぱりいくかどうかわかりませんけれども、まあそういうことのようですね。こういう点を見ますというと、この第二次の行政改革というものの中に、行政管理庁は、たとえば共管競合の行政、あるいは類似の行政についての整理統合をやろうということが第二次行政改革の一つの大きな柱になっているわけですね。これがいかにむずかしいかということはわかるかと思うのですよ。官庁営繕についてはある程度結論が出たようでございますが、観光行政その他鉱山保安行政等いろいろありますけれども、なかなか簡単にいかないということがはっきりしたと思うのです。ところが、臨時行政調査会の答申には、こういうものについては、機構についても一元化をやれ、検討しろということが出ているわけですね。したがって、私は総括的に行管長官からその見解を聞いておきたいのでありますが、こういう行政機構の統廃合という問題については、やはり精力的に折衝し、できるものはできる、できないものはできないということで、やはり早く見通しをつけて、何だか行政改革をやるようであり、やらないようであり、さっぱり何をやっているんだかという大きな批判が出ているわけですから、したがって、臨調答申というものについて、私は行管は、どういうものができる、どういうものはできないということを、もう三年も四年もかかっているわけですから、そろそろ結論的にはっきりさせる段階にきているんじゃないか、このように思うのです。したがって、今度の総定員法との関係において、定員は先走りますけれども、機構改革はさっぱり行なわれない。ここに私は非常に大きな問題があると思う。これは非常な政治力も必要なわけで、この際、私はこの行政改革についての基本的な考え方を行管長官にお伺いしておきたい。
#433
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。
 臨調答申は政府は尊重しなければならないということに相なっておりまして、言うまでもないことでありますが、このごろ行管庁内でも事務当局といろいろ相談しつつありますけれども、本来言いますならば、答申が出ましたときに、いま北村さんが言われるように、まあ大中小となくたくさんの課題が提起されておりますが、それについての実施見通しというか、政府が受けとめましての実行すべきであるという立場から取捨選択を一応するということがあってしかるべきでなかったかと思うのですが、実際問題といたしましてはあまりにも基本的な膨大な課題が提起せられ、数もたくさんあるために、その意味における検討がいわばなされないままに今日にきておろうかと思います。それのみならず、時がすでに流れておりまして、答申の当時の裏づけ、データ等に基づけばお説のとおりであったとして、その後の推移にかんがみまして、答申どおりでいいかどうかというような角度からの検討を必要とすることもあろうかと思います。しかし、いずれにしましても、答申そのものについて御指摘のような総合的な考慮を払うべき時期はすでにおそいくらいであるという課題として受けとめたいと思います。
 それからさらに第二次計画でございますが、昨年の秋、十月であったか、閣議決定をいたしまして、むろんその閣議決定の線に沿って行管といたしましては事務当局も一生懸命になりながら推進調整を進めておりますけれども、いまだに立法措置を要するものの法案を御提案申し上げる段階に至っておりませんことを恐縮千万に存じます。それとてもいまお話のような意味合いにおいてできるのかできぬのか、機構の一元化などがお話のとおり実際問題として非常にむずかしい。これは単に次元の低いセクショナリズムということよりも、行政需要そのものが独立して処理さるべき課題でもあることのためにむずかしさがある。したがって、運営を一元化するというふうな考えにもならざるを得ない要素があろうかと思うわけでありまして、これは全部が捨てたわけじゃむろんございません。間に合うならば、この通常国会にもと思って推進はいたしてまいりましたが、ありようは、この通常国会にはちょっと御審議を願うことは困難ではなかろうか。露骨に申せばそういう心境でございます。これを要しまするに、お説のような意味においての基本的な、総合的な意味からの再検討ということから始まりましての処置が必要かと存じております。
#434
○北村暢君 機構改革についてはそのくらいにいたしまして、定員関係についてお伺いいたしますが、今後における定員管理についての閣議決定について、これは四十二年十二月十五日の閣議決定の定員管理の問題でありますが、これについては、国家公務員はもちろんでありますが、三公社、公庫、公団、事業団等もこれに準ずる。それから地方公共団体も国に準ずるように要請をする、こういうことで閣議決定がなされておるわけなんでありますが、閣議決定の実施の状況がどのようになっているか。三公社、公庫、公団、事業団については行管から、それから地方公共団体については自治省のほうからお答えを願いたい。
#435
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行政管理庁に関係しますことについて、政府委員からお答えさせていただきます。
#436
○政府委員(河合三良君) 政府関係機関、三公社、公庫、銀行につきまして、この四十三年度の増減を御報告申し上げますが、この件につきましては、本来、行政管理庁の所管でございませんので、私の知っております範囲のことを御報告申し上げるにとどめさしていただきます。
 政府関係機関のうち三公社の合計が四十二年度末が七十七万五千二百五十三名、増加人員が一万一千七十四名で、削減人員が三千名、差し引き八千七十四名の増でございまして、四十三年度末は七十八万三千三百二十七名になっております。なお、四十四年度末、これは内訳がございませんが、若干ふえておりまして七十九万七百四十四名でございます。そのほか公庫、銀行は四十二年度末の定員一万六百七十六名に対しまして、増加が四十三名、削減が百一名、差し引き五十八名の減でございまして、四十三年度末は一万六百十八名、これがさらに四十四年度末には定員予定によりますと、さらに減少いたしまして一万五百六十七名の予定でございます。よって、三公社、公庫銀行をこれに加えますと、四十二年度末七十八万五千九百二十九名になって、増加人員が一万一千百十七、削減人員三千百一名、差し引き八千十六名増、四十三年度末に七十九万三千九百四十五名、四十四年度末は若干ふえておりまして、八十万一千三百十一名でございます。
#437
○北村暢君 いまの、数字だけ言われてもわからないのですがね。三カ年五%削減ということは、国家公務員がそういう状態でいるわけなんですから、それに応じて一体三カ年五%の計画でいっているのか、三カ年一%でいっているのかですね、そこら辺のところを聞きたいわけです。
#438
○政府委員(河合三良君) 四十三年度は一般の公務員におきましても、四十二年九月二十日現在の凍結欠員を落としておりますので、これにあわせまして一%の減を要請いたしております。また四十四年度におきましては一・三%の減を要請いたしております。
#439
○説明員(首藤堯君) 地方公共団体の職員の定数の問題でございますが、御案内のように、ただいま地方公共団体におきましては公営企業会計等を除きました会計の職員が約百八十三万余りおるわけでございます。これらの職員につきまして国に準じました定数合理化の措置を要請をすることになったわけでございますが、これも御案内のように、地方公務員の中には学校の先生でございますとか、消防職員でございますとか、あるいは警官、清掃関係の職員、こういった非常に現業的で削減の困難な職種がございますので、これらの職員を除外をいたしました残余の一般的な職員につきまして削減を計画いたしまして、地方財政計画に盛り込んだところでございます。昭和四十四年度におきます数は、削減数が約八千六百人でございまして、先ほど申し上げました百八十三万の総数の中から、削減の非常にむずかしい百十七万を除外いたしました六十六万人の一・三%、こういう数字になっております。一般職員全部に置きかえますと、約一%減となると思います。全体の職員の数に置きかえますと〇・五%、この程度の数字になると思います。
#440
○北村暢君 したがって、ちょっとこれはだれにお伺いすればいいのかわかりませんが、閣議決定は公社、公団、事業団、地方公務員等、全体についていっているのですが、どうもいまの地方公務員の定員の削減の問題について見ましても、閣議決定をそのまま準用してやるということは、いまの財政課長の説明を聞きますというと非常に無理があって、総体的にそういうような形にはならないということのようでありますが、これは一体閣議決定というのは私は相当権威のあるものだと、こう思っておるのですけれどもね。ところが決定はするが、実際にはできないような、自治体のできないようなものを決定してみてもこれは意味がないと思うのですが、ひとつこれは総務長官でも行管長官でも、いまの実情をお聞きになったと思いますから、国家公務員に準じてはできないということですね。これは地方公務員の場合、わずか五%、三カ年で削減するといっても、これはできない、まあ一%ずつで三%くらいいくでしょうかね。そんな程度のことしか、それも全体から見れば〇・五%といいますから、ちょっとむずかしいようでございますね。そういう実態というものをやはり踏まえてやるべきでないか。ただ一律に定員というのは三カ年五%削減しろ、こういってみても無理があるというふうに思われるのですが、見解をお聞きしたい。
#441
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 地方自治体につきましては、いま御指摘のように国家公務員に準じて閣議決定の趣旨をできる限り実施していきたいということで、趣旨はそうだと理解するわけでございまして、読んで字のごとく自治体でございますから、閣議で決定したから国家公務員の場合と同様のことが当然にできるということを期待した決定ではそもそもなかったろうと思います。できるだけ自治省が指導助言等を通じて、一般的に国民の声は役人が多過ぎるんじゃないかという通俗な意向も一応あるわけでございますから、可能な限り簡素、合理化の趣旨に協力してほしいという希望を述べた意味合いかと心得ます。したがいまして、閣議決定をしたけれども、地方自治体の関係は思うようにいかぬ、むずかしいじゃないかということの御指摘は、本来そういうものであろう。特別の措置をしますれば別でありますけれども、閣議決定そのままで似たようなことができるということではなかろうと存じます。
#442
○北村暢君 いまちょっと気になることばが出ているんですがね。公務員が多過ぎるということは臨調でもあんまり言ってないんですよ。この仕事のなくなったところ、減たところと、繁閑を考えて定員の再配分をすべきであるということは言っているんですが、公務員の多過ぎるということは言ってないんですよ。また外国の例をとりましても、公務員は、日本はアメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス、イタリー等に比較して決して公務員は多くない。これはあなたのほうの資料によっても、年報を見ましても出ているんです。そういう観念だからとにかく頭から五%削減しようという考えが出てくるんですね。これはもうそういうことではないと思うんです。公務員が多い多いということは言えないんじゃないかと思う。それで中央官庁の国家公務員、これは軍事関係を除いた公務員の一人当たり人口が日本は百十二人、アメリカが百四十五人、イギリスは七十三人、西ドイツ百八人、フランス三十六人、イタリー五十七人、したがって、これは、日本はアメリカに次いで少ないということになりますね、一人当たりにすれば。それから地方公務員を入れたもので見ましても、日本は公務員一人当たりの人口が三十一人、アメリカが二十人、イギリスは三十五人、西ドイツは二十六人、フランス二十六人、イタリーが三十三人です。つまり日本はイギリス、イタリーに次いで少ないほうですね。したがって、文明先進国に比べて公務員の数そのものは多いとは言えないのですよ。ただ公務員が適正に配置されて能率を上げているかどうかということに大きな問題がある。したがって、五%削減ということにはある程度抵抗を感ずるわけですが、これはあなた方はもう欠員をつくって、そうしてその欠員を押えて、五%押えて操作をしないというとできないということで、五%削減ということをやったと思いますが、そういう意味において決して公務員が多いから削減をしたというふうには私は受け取っておらないのです。そういうひとつ認識は、いまはしなくも行管長官の口から、公務員が多いという世論があると、こういうふうに言われましたが、私は実態はそうじゃないということだけはこの際はっきりさしておきたい。今後の定員管理の問題に影響あると思いますから。
 まだ定員の内部にわたっての本格的な論議はあるわけでけれども、大体時間が時間のようでございますから、良識に従ってこの辺で終わりたいと思います。
#443
○国務大臣(荒木萬壽夫君) さっき申し上げたのは、世俗的に、たとえば新聞等にとかくあらわれます表現をオーバにして申し上げたことでございまして、もっと少ない人数でやれないものかという希望的な気持ちを持っての表現はときたま見受けることでございます。そのことを通俗的に申し上げたにすぎません。いま御指摘になりました資料、私もいまここで見ておりますけれども、それ以前にも説明を聞きながら承知はいたしておりました。ただ、はしなくも御指摘くださいましたように、行政需要の消長に応じ、社会環境その他の変更、変転に応じての機動的な、比較的ひまなところからせわしいところにこれこそ配置転換をすることによって、定員を活用していくということにつらなる意味において臨調も答申をいたしておりますことは御指摘のとおりでございます。そうするとして、やはりその前提条件としての何がしかの運営原資みたいな意味での留保定員がないと、どうしても出血整理を伴うようなことにしかならない。それを避ける意味においてこの法案が考えられましたことは万々御説明申し上げて、一応の御理解は得ておるかと思うわけでありまして、お話のとおりの考え方に立ってこれを運営する上に、五%の定員を留保できるような年次計画でまいろう。ただし、その実際運営に当たりましては、まだ法案決定前ではありますけれども、準備行為としての四十三年度の一応留保しました定員については、増員すべきほうへ回すというふうなことで、減員をしたものをまた復活して、さらに増員をするというような運営をいたしております。こういうふうなやり方できておりますし、今後も、要すれば五%の操作定員は持ちたいと思いますけれども、きちっと五%、算術的に無理やりにもぎ取るようなことをするということではございませんことを申し添えます。
#444
○委員長(八田一朗君) それではこれにて質疑は尽きたものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。村田君。
#445
○村田秀三君 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となりました行政機関の定員に関する法律案に対し、反対の討論を行なうものであります。
 まず反対の第一の理由は、本法案の示す性格と本質が、佐藤内閣の政治姿勢そのものであり、明らかに行政の民主化を阻害し、憲法の精神を無視したものであるからであります。
 そもそも民主主義制度にあっては、行政は国民のために存在しなければならないし、政府は国民の望む行政をすみやかに実現する義務を有するのであります。そのため国家行政組織法が制定され、行政の機能と表裏の関係にある定員を法定し、今日に至ったのでありますが、それを今回の提案によって、定員に関する部分を、単に公務員の総定員を法定し、その配置は政令にゆだねることとなるわけでありますが、一片の政令によって自在に定員を移動せしめ得る道を講じようとすることは、国会の審議権を無視し、国民の行政に対する意思の表明をはばむものであり、かつ内閣の恣意のまま行政が行なわれることは容認できないのであります。
 反対の第二の理由は、本法案提出の背景であります。昭和四十二年十二月十五日、閣議は一省一局削減と五%定員削減の方針を決定いたしましたが、この方針は審議を通じ明らかなごとく、また政府自体も認めているように、まさに理論も根拠も薄弱であり、国民とその職にある公務員の理解と納得を得ることができないからであります。申すまでもなく、本来、定員算定の基礎は末端の単位における仕事の質と量を前提に積み上げられねばなりません。その上に行政の規模に応じ職を置き、恒常的に必要な職に対して定員を配置することは行政の初歩的理論であり、今回の措置が理論的にもこの作業の手順が転倒していることを認めている政府が、あえてこの法案の強行制定をはかろうとする態度に問題があります。思うに、五%定員削減計画の内容によって明らかなように、見せかけの行政改革を掲げ、国民を支配、管理する体制を強化しようとの意図のあらわれであると理解せざるを得ないのでありまして、かかる本末転倒の行政執行を認めるわけにはまいらないのであります。
 反対の第三の理由としては、この理不尽な五%削減計画が行政需要にマッチした適正定員の配置という政府の宣伝文句とは別に、予想されたごとく弱い、しかも、国民の目からはあまり目立たない部門にしわ寄せされている実態がすでにあらわれております。気象観測の業務カット、航空管制官の定数の引き上げなどこれでありますが、国民は必要な業務をカットしてまで行政改革を望んでいるのでは決してないのであります。定員法定の今日ですらこの実情にあることを思えば、政府の言う各省セクトの排除、行政サービスの向上のためという説明は空文にひとしく、定員配置が政令事項になった場合、このような問題がなお深化するであろうことが想定されるのであって、この面からも反対せざるを得ないのであります。
 反対の第四の理由は、根拠のない五%削減計画が職員及びその家族に対し不安動揺を与えている実情であります。いかに、職にあるものの出血整理はやらないと言い、また不当な配転は行なわないと言っても、公務員法第七十八条は現存し、かつ所々において職員団体との間に問題を惹起せしめているかを考えた場合、すみやかに職員の納得できる計画を出すべきであるという立場に立って反対をせざるを得ないのであります。
 以上総合して判断するに、行政改革は総定員法の成立を待って行なうとの政府の答弁は何らの保障がないのみか、総定員法の成立はただに行政権の拡大を意味し、官僚のばっこを許し、専横政治への道を開くものであると断言せざるを得ないのでありまして、わが党は本法律案に断固反対し、その撤回を求めるものであります。
 反対討論を終わります。
#446
○委員長(八田一朗君) 佐藤君。
#447
○佐藤隆君 ただいま議題となりました行政機関の職員の定員に関する法律案に対し、自由民主党を代表して賛成の討論を行なうものであります。
 わが国の社会、経済の進展はまことに著しいものがありますが、行政面ではとかくその立ちおくれが目立ち、その機構は複雑膨大化し、能率の低下を来たしております。このような行政機構を極力、簡素、能率化し、真に国民のための行政を確保するためには、行政の組織及び運営等について検討を加え、強力にその改革の実現をはかっていく必要があるのであります。国家公務員の定員についても、この改革の一環として、三年間に五%の計画削減を行ない、国民負担の軽減をはかることになっておりますが、本法律案もこれと関連して、年々増加の傾向にある公務員の定員増を押え、行政需要の消長に応じ、合理的、弾力的に定員の配置を行なうため、各省庁別に定員を法定している現行の法制を改め、各省庁を通ずる定員の総数の最高限度を法定し、各機関別の定員は政令をもって定めようとするものであります。これにより、従来とかく各省庁のセクショナリズムによって固定的に維持されていた定員が、国民生活、国民経済上の必要からくる新しい行政需要に対処して、充実強化すべき部門に効率的、機動的に配置することができ、真に国民のためのサービスにプラスとなる行政を行なうことができることとなるのであります。まさに社会、経済の進展に適合する画期的な定員管理であります。このため国民世論は一致して本法律案のすみやかな成立を期待しているのであります。言うまでもなく、本案の運用に当たっては、公務員の身分保障をそこなわないことについて十分配慮する必要がありますが、この点については当委員会においても、政府より、出血を伴う人員整理や不当な配置転換は行なわない旨の明快なる答弁が行なわれており、これに関する疑念は全く払拭されているのであります。
 本法律案は、さきの臨時行政調査会の答申の趣旨にも沿うものであり、今後における行政改革の重要な柱をなすものであります。本法律案の成立によって、国民の強い願望となっている行政改革がさらに、一歩前進することになるものでありまして、私は本法律案に対して心からなる賛意を表するとともに、総理の強いリーダシップのもとに、行政改革の推進になお一そうの努力を払い、国民の期待に沿われんことを要望して私の討論を終わります。
#448
○委員長(八田一朗君) 峯山君。
#449
○峯山昭範君 私は、公明党を代表して、行政機関の職員の定員に関する法律案に対し、反対討論を行なうものであります。
 行政機構の合理的な簡素化と能率向上は、長年にわたる国民の強い要請であり、その実現は政府に課せられた課題であり、責任というべきものであります。佐藤総理は、就任以来、機会あるごとに、行政改革の実現を国民の前に公約し続けてまいったのでありますが、その実態は、官僚政治の悪弊を改善する努力と意欲を全く欠き、いたずらに各省庁のセクショナリズムにまかせている現状であります。これでは真に国民の納得のいく行政改革への道にははるかに遠いと言わなければなりません。
 このことは、二年七カ月の歳月と約二億円の国費をもって行なわれた画期的な臨時行政調査会の答申が、四年以上も過ぎた今日、何ら生かされもしないまま、ほご同然に処せられていることから見ても明瞭であります。これは、一に佐藤内閣の国民不在の政治姿勢が明らかになったことを示しているばかりか、佐藤総理の指導力のなさを如実に物語っていると言わざるを得ません。
 しかるに、政府は、この総定員法があたかも行政改革にきわめて重要であるかのごとく言っておりますが、行政の簡素化、能率化を推進するには、行政改革に政府が根本的な姿勢を示し、内閣に強力な調整機関を設けることにより、初めてその目的を達成することができるものと思うのであります。単に行政改革に名を借り、行政需要の消長に対するため、各省庁別の定員を政令にゆだね、国会の審議を制約することによって簡素化しようとすることは国会審議の軽視にもつながり、これでは行政機構の膨大化、複雑化をますます助長させるばかりであると思うのであります。また、公務員の定員を三年間で五%削減するということでありますが、この削減は必ずしも機構の簡素化、合理化を伴わないものでありますから、公務員労働者の労働過重、あるいは不当な配置転換をもたらさないとは限らないのであります。そうして政府は首切りをしないと言っているが、労働過重などが、退職すなわち事実上の首切りにつながることもあり得ることが予想されるのであります。しこうして、政府が言う定員のみを切り離して規定するのは適当でないということから見て、今回の法案は全く逆な立場をとっているのであります。これは政府の一貫した定員管理に対する姿勢に相反することであり、むしろ行政改革をはばんでいる各省庁のセクショナリズムを排し、調整機能を発揮でき得るような機能の改革こそ最も優先すべきものと思うのであります。
 以上の理由をもって、私は本法案に対し反対いたします。
 以上であります。
#450
○委員長(八田一朗君) 片山君
#451
○片山武夫君 今回提案されました行政機関の職員の定員に関する法律案、これは行政サービスの向上改善という国民的な要望にこたえる大きな使命達成のためというそういう認識のもとに立って、民主社会党は、賛成の立場で討論を行ないたいのであります。
 総定員法の目的とするところは、財政硬直化改善に資するため、公務員の定員増加を抑制し、国民世論にこたえて国民負担の軽減をはかり、そのために行政の簡素化あるいは能率化を遂行することにある、こういわれております。もちろんこのことは、国民として大きな期待を持っているものであります。しかしながら、この目的達成のためには、行政改革、それに伴う公務員の配置転換、異動等が従来以上に行なわれることが予想されるのであります。したがって、これを円滑に遂行するためには、政府において、本委員会において答弁あるいは確約された事項、すなわち配置転換に対しては事前協議を尽くしてもらう必要があるし、異動については本人の意向を十分に尊重し、労使関係の、改善につとめて、相互の摩擦を最小限度にとどめる配慮が必要であると考えるのであります。
 なお、公務員としての誇りを保ち、国民の公僕としての任務を果たせるよう、人事院勧告に対しても完全実施の努力を尽くすべきであると考えるわけであります。以上のことが十分配慮されてこそ、本案の趣旨が生かされるものと考えます。
 以上の立場に立ちまして、先ほど述べました条項について強く要望するとともに、この法案に賛成するものであります。
#452
○委員長(八田一朗君) 岩間君。
#453
○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、行政機関の職員の定員に関する法律案、いわゆる総定員法案に反対するものであります。
 現在、政府、自民党は、沖繩返還問題を利用して、日米軍事同盟の侵略的強化と自衛隊の増強など、軍事、弾圧体制の強化をたくらむ一方、対米従属のもとでの国家独占資本主義体制の強化と大規模な海外進出を推し進めています。そのために、行政の体質改善を口実として、国家行政機構全般にわたる反動的再編成をもくろみ、一連の行政改革や五現業を含む国家公務員の五%削減計画を強引に推進しています。いわゆる総定員法案が、政府、自民党、独占資本によるこのような施策の一環であることは、あまりにも明らかであります。
 すなわち、総定員法案はまず第一に、従来の各省設置法による定員制度を根本からくつがえして、その決定権を国会の議決から政府の一方的権限にゆだね、国家公務員の、省庁を越えた配置転換を自由に行ない、政令による定員削減を理由に、本人の意に反する免職、いわゆる分限免職条項発動の道を法制的に確立しようとするものであります。政府がなま首は切らない、強制的な配置転換はしないなどとの答弁をいかに繰り返そうとも、現に各職場で起こっている、本人の意思を全く無視した強制的な配置転換、退職勧奨の強要など、数々の人権じゅうりんのこれらの事実を現実に撤回しない限り、その保障とは全くなり得ないものであります。このことは、さらに今後大がかりな行政機構の反動的再編成と全面的合理化政策が推進されようとしている現在、なおさらのことであります。国家公務員からスト権、団交権を奪っている状況のもとで、国家公務員の身分保障を全く奪い去り、政府の一方的決定で首切り、強制配転を行なうことができる定員制度を確立し、さらに五%削減計画に法制上の根拠を与えようとする本法案に絶対に反対するものであります。
 第二、当委員会審議の中でもその一端が明らかにされたように、政府は五%削減計画によって気象、地震観測行政や、社会保障関係行政、保護農政、労働基準行政など、一般国民の生命と健康、生活と権利にかかわる行政部門と人員の縮小ないし切り捨てを行ない、かわって米日独占資本の利益のためには国の行財政を最大限に奉仕させ、日米軍事同盟の侵略的強化に呼応する自衛隊、予備自衛官を含めた一万七百人、警察官五千人の増員をはじめとする弾圧、徴税、高級官僚などの増員、強化をはかっているのであります。総定員法の施行によって、これら米日反動勢力による行財政の私物化と人民支配体制の確立が一そう促進されるであろうことは明らかであります。一体だれのための行政改革、だれのための総定員法であろうか。これはまさに一九七〇年を前にして、日米軍事同盟の拡大、強化を策し、軍国主義の全面的復活と人民収奪をたくらむ米日独占資本と政府、自民党の反民族的、反人民的政策そのもののあらわれであります。
 わが党は、このような国家公務員に対する国家権力の介入と弾圧の強化、行政の反動的再編成によって国家公務員を支配の道具にし、国民への収奪と抑圧を強めようとするたくらみに絶対に反対し、法案の撤回を要求するものであります。それと同時に、労働者階級をはじめ、広汎な民主勢力とますます固く団結して、政府の反動的政策と戦うとともに、米日反動勢力がかつて国家公務員労働者から不当に剥奪した労働三権の奪還を目ざして戦い抜くものであります。
 以上で反対討論を終わります。
#454
○委員長(八田一朗君) ほかに御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決を行ないます。
 行政機関の職員の定員に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#455
○委員長(八田一朗君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#456
○山崎昇君 私はこの際、ただいま可決されました行政機関の職員の定員に関する法律案につきまして、附帯決議を付することの動議を提出いたします。
#457
○委員長(八田一朗君) ただいまの山崎君の動議を議題といたします。
#458
○山崎昇君 ただいま議題となりました附帯決議案は、自民、社会、公明、民社各党の共同提案にかかるものでありますが、便宜私から申し上げます。
 まず附帯決議案を朗読いたします。
   行政機関の職員の定員に関する法律案に対
   する附帯決議(案)
  政府は本法律の運用に当っては、左記の諸点
 につき特に配慮すべきである。
 一、本法律案審議の過程において政府の言明せ
  るとおり、公務員の出血整理、本人の意に反
  する配置転換を行なわないこと。
 二、各行政機関における職員の定員について
  は、行政需要に応じた人員を確保し、職員の
  労働が過重にならぬよう努めること。
 三、定員外職員については、その実態について
  速やかに検討し、定員化を含めて合理的な処
  遇の改善を図ること。
 四、人事院勧告の完全実施を期すること。
  右決議する。
 この附帯決議案の趣旨は案文により明らかでありますので、説明は省略させていただきます。
 以上であります。
#459
○委員長(八田一朗君) 別に御発言もなければ、附帯決議案の採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#460
○委員長(八田一朗君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、荒木行政管理庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。荒木行政管理庁長官。
#461
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま御決議になりました行政機関の職員の定員に関する法律案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨に沿って法の運営に万遺憾なきを期したいと存じます。
#462
○委員長(八田一朗君) 議長に提出すべき審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#463
○委員長(八田一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。午後六時五十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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