くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第061回国会 内閣委員会 第19号
昭和四十四年六月十日(火曜日)
   午前十時四十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         八田 一朗君
    理事
                石原幹市郎君
                柴田  栄君
                北村  暢君
    委員
                佐藤  隆君
                玉置 猛夫君
                長屋  茂君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                山本茂一郎君
                林  虎雄君
                前川  旦君
                村田 秀三君
                中尾 辰義君
                片山 武夫君
                岩間 正男君
   国務大臣
        厚 生 大 臣 斎藤  昇君
        国 務 大 臣 荒木萬壽夫君
   政府委員
        行政管理庁行政
        監察局長    岡内  豊君
        厚生大臣官房長 戸澤 政方君
        厚生省児童家庭
        局長      渥美 節夫君
        厚生省保険局長 梅本 純正君
        厚生省年金局長 伊部 英男君
   事務局側
        常任委員会専門
        員       相原 桂次君
   説明員
        厚生大臣官房企
        画室長     首尾木 一君
        厚生省医務局次
        長       北川 力夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○厚生省設置法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○許可、認可等の整理に関する法律案(内閣送
 付、予備審査)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 厚生省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質議のおありの方は、順次御発言を願います。
#3
○岩間正男君 先に時間の関係から資料要求をしたいと思います。
 第一に、国立病院と国立療養所に関して、現在看護婦が三万一千人不足している。その内訳を明らかにしてもらいたい。
 第二は、八日夜勤、これは人事院の裁定によるものですが、八日夜勤に必要な増員を三年間で二千百人、こういうことでこれを補充する計画を出しておりますが、この二千百人とする根拠ですね、これはどういう計算によるのか。
 第三には、複数夜勤に必要な増員数、複数夜勤を完全にやるとすれば、どれぐらいの増員が必要なのか。
 第四には、昭和四十四年度の削減人員の職種別俸給表、これを俸給表別に内訳を出してもらいたい。
 この四つの資料を出していただきたいと思います。
#4
○委員長(八田一朗君) ただいまの資料につきましては、提出できるものは要求に応じていただきたいと存じます。
#5
○政府委員(戸澤政方君) 承知いたしました。
#6
○北村暢君 厚生省設置法等の一部改正案の内容について質問する前に、若干当面する重要な医療問題についてお伺いをしておきたいと思います。
 今回四月に入りましてから健保特例法の二年延長をする法案の提出があったわけでありますが、その後、自民党の医療基本問題調査会等が試案を発表されておるようであります。で、政府は衆議院の予算委員会において、今会期中に医療問題の抜本改正案について審議会に諮問をするということを答弁されておるわけなんでありますが、さらに国会は七十二日間の大幅延長があったわけでありますが、一体政府は、この医療問題の抜本改正についてどのように対処していかれようとしておるのか。まずこの点について大臣の見解を承っておきたい。
#7
○国務大臣(斎藤昇君) 医療保険制度の抜本改正は、私から申し上げるまでもなく、長い間の問題でございました。ことに、二年前に健保特例法の成立を見ました際に、二年以内には抜本改正をやるという政府は約束をいたしたのでございますが、御承知のように、関係するところきわめて広く、なかなか結論が出しにくいという状況にございました。厚生省としましては、二年前の十一月に厚生省の試案をつくりましたけれども、与党である自由民主党におかれましては医療基本問題調査会を設けまして、そして各界各層の意見を聞きながらその方策をまとめてもらってきたわけであります。御承知のように、数日前に党のほうで一応医療基本問題調査会の答申を了承をいたすと同時に、若干の反対意見等もあることを明記をいたしまして政府に伝達がございました。そうして、これらの反対意見をもよくしんしゃくをして、政府としての統一した具体案を作成をせられたい、こういうことにただいまなっているわけでございます。
 そこで、ことしの一月、二月のころの予算委員会におきまして、私は一できるだけこの国会中に関係審議会に諮問をいたしたい、かように申しておりましたが、党の調査研究も非常に長引きまして、しかもその内容は、先ほど申しますように、相当の反対意見もついているわけでございますので、これを調整しながら、いま各省間において意見をまとめたい、かように思っているわけでございます。まあ国会は延長されましたが、この国会末までには政府の意見をまとめたいと努力をいたしておりますが、何ぶん非常に広範であり、またいろいろな各団体、また各層においていろいろな意見もございますので、でき得ればさようにいたしたいと考えておりますが、相当時日を経過いたしてまいりましたので、あと余すところ時間はございませんが、ただいまさような努力をいたしておる最中でございます。
#8
○北村暢君 ただいま答弁がございましたが、どうも厚生省試案を出してから批判があったので、厚生省としては、自民党の医療基本問題調査会の結論待ちというような形で一年以上終始したわけですね。その出てきた案が、いま大臣がおっしゃるように、反対の意見もついた形で政府に提出された。こういうことですが、その自民党の試案はすでに発表されておりますけれども、どうも医師会の意見を大幅に取り入れた片寄った案であるということはもう新聞で報道されているとおりであります。ほんとうにこの自民党の医療基本問題調査会の国民医療対策大綱というようなものが今後の厚生省の原案作成にそれほど役立つものなのかどうなのか、また、この大綱とやや似たものを審議会に諮問をする、こういうことになるのかどうなのか。この点の見通しについてひとつ大臣の考え方をお伺いしておきたい。
#9
○国務大臣(斎藤昇君) 私といたしましては、政府の意見をまとめまして、そして政府の意見として関係審議会に諮問をいたしたいと、かように考えております。そこで政府の意見は何がもとになるか。いまおっしゃいました医療基本問題調査会の調査の結果がもとになるのかどうかということだと思いますが、まあ長い間検討をしてもらったわけでございまするので、この調査の結果を尊重しながら、また反対意見もついておりますから、それらも考慮しながら政府の案をきめてまいりたいと、かように思っております。
#10
○北村暢君 この前も二年間延長して、今度また二年間特例法を延長しようというのですが、これは国会通るか通らないかわかりませんけれども、とにかくいま厚生省の考えている従来出されました試案、今度の自民党の医療制度の改革の大綱いずれを見ましても、これはまあ相当議論を呼ぶところだろうと思うのですね。したがって、従来の考え方はどうも健保の赤字対策が主体で、医療制度の抜本的な改革という問題についてはどうも厚生省熱心ではないと思われる。このままでいけば、あと二年たってもなおかつ医療制度の抜本的改革というものは、関係者によって意見が対立するわけでありますから、なかなか抜本的改革というものもやりにくい。従来それだからこれだけ延びてきたわけだろうと思うんですが、やはりここで政府は相当の決意をしないというと、抜本改革というのはできないのではないかというふうに私は心配をするわけなんです。あちらの意見を聞き、こちらの意見を聞き、結局まとまらないというような形で出せないでいるのが実情だと思うんです。
 したがって、社会保障制度審議会等においても、中立委員だけで構成をしてこの抜本改革案について検討するというようなことをやったらどうかというような意見も若干出ているようですね。そういうような点からして、これはいずれは、赤字対策だけで終始しているんでは根本的な解決にはならない。特に医療の現状というものは、もうそうのんびりして時間をかけてやっているという段階ではない。医療制度そのものが今日非常な行き詰まりを来たしていることは否定できないわけです。何としても早い機会に抜本的な改革というものをやらなきゃならぬ。そのためには政府の非常に思い切った英断がなされなければ実現しないんじゃないか、このように思うんです。したがって、いまの御答弁をお伺いしていますというと、会期も延長せられたことであり、この延長国会の中にでも、期間中にでも、何か社会保障制度審議会なり保険審議会なりに諮問をしたいという希望を持ち、またそういうことがなされるようなふうにも聞き取れたんですけれども、そういうごく近い機会に、ほんとうの意味における医療制度の抜本改革というのは、大臣としてはやられる見通しを持っておられるのかどうなのか、早急に政府部内の結論というのが、諮問案を決定するような条件があるのかないのか、この点をひとつ明確にお答え願いたいと思います。
#11
○国務大臣(斎藤昇君) 医療制度全体についての抜本的な改革というようなことは、これは非常に幅広い問題でございます。党の調査研究せられました中には、医療制度万般にわたっての調査研究の御報告があるわけでございますが、しかし、将来の医療保険制度というものも、そういった医療制度全般の事柄を念頭に置いて、その青写真のもとにおいて保険制度をいかにするか、かように考えるべきだと、こういう考え方に立っているわけでありますが、私はそれはそのとおりだと思います。そして当の保険制度そのものでない、そのバックグラウンドである医療制度自身につきましても、これはやらなければならぬ問題だと考えております。
 しかし、健保特例法案との関係におきましては、ただいま二カ年の延長の法案を御審議願っているわけでございますが、この二カ年内に少なくとも健保特例法というものがなくていいと、これがなくてもよろしいという状態の保険制度というものを早くつくり上げなければならぬと思っております。その限りにおいて、できるだけ早くこの国会中にも政府の意見をまとめたい、かように考えているわけでございます。審議会に諮問をいたしましても、相当御審議があるだろうと、かように考えるわけであります。
 そこで、いまおっしゃいました医療制度自身の抜本改正ということになりますと、これは関係する審議会もたくさんございまするし、それはまた並行的にやっていくべきだと思います。これは二カ年以内に日本の医療制度全部の改正、改革をやり遂げることができるかどうかといいますと、まだもう少し若干日時を要するかもわからない。ただわれわれはそういう青写真のもとに、すべての医療制度万般にわたり今後の施策を考えていくべきだ、かように考えているわけでございます。
#12
○北村暢君 まあ青写真は、将来の医療制度のあり方についての青写真は考慮に入れながら、できる問題から実施をしていくと、それを逐次審議会にはかっていくというふうに受け取れるのですが、その緩急の順序はあると思うのですが、相当長期にわたっての抜本的改革は、二年かかってもできないかもしれないけれどもということです。それじゃ一体、健保特例法を二年延長した中において、その中でできるものは逐次やっていって、特例法が必要なくなるぐらいにやりたい、こうおっしゃるのでしょう。それじゃ一体順序が、どういう目途、どういう問題について順序をもってやっていこうという、そういう目算はいま具体的に、もう長いこと検討しているのですから、しかも今度の延長国会の中でも、できるものから諮問していこうというのだったならば、もう少し具体的にどういう問題についてどういうふうにやっていこうという案があるのかないのか、もう少し具体的にひとつ説明していただきたい。
#13
○国務大臣(斎藤昇君) まず保険制度そのものについての改正を先に取り組みたい、医療制度万般の改革の青写真のもとにおいて、まず保険制度そのものを先に政府の案の、方針をきめ、そして審議会にも諮問をいたしたい、かように思っております。
#14
○北村暢君 どうも保険の制度からまずやるという、赤字対策のように聞えますがね。ですから赤字対策だけまずやろうと、こういうことなんですか、どうなんですか。
#15
○国務大臣(斎藤昇君) 保険制度は赤字対策だけではございません。今日保険料においても、また保険給付においても、それぞれ制度の間に違いがございます。また、いまの診療報酬制度におきましても、このままではいけないという声が相当多うございます。これらについて考えてまいりたい、かように思います。
#16
○北村暢君 大体考え方についてはわかってきたような気もいたしますが、そこで二、三これに関連してお伺いしておきたいのは、最近の医療の需給関係、非常に急速に医療の増加傾向が出ております。患者数も非常にふえてきておるわけですね。それに関連をして病院、療養所等の運営についても非常に大きな問題が出てきております。そして病院の運営についても、看護婦の問題も含めて、いま各病院では非常に問題が起こっているわけですね。これはいまおっしゃられた保険制度だけの問題でなしに、医療報酬等の問題も言われましたけれども、それらの問題と関連して、やはり患者の増加、疾病の増加、こういうふうな問題について、医療の現況というものについてはたいへんな問題がある。これらの問題についての対策は一体どのように考えられておるか。これは緊急に処置しなければならない問題をたくさん含んでいると思いますが、それについてどのような対策を持っておられるのか、一ぺんお伺いしておきたい。
#17
○国務大臣(斎藤昇君) 詳しいこまかい点は政府委員から必要に応じてお答えをいたしますが、大まかなことを申し上げますと、医療の需要と申しますか、総体といたしましては、ここ数年非常に伸びてまいりましたが、しかし、ここ一、二年は大体横ばいという状態だと承知をいただきたいと思います。ただ内容について申しますると、その医療も新しいいろいろな疾病、それらに対する研究、あるいはこれに対する治療の方法等を今後大いに検討していかなければならぬという問題がたくさん出てきておることは御承知のとおりであります。それからまた、医療需要自身は、総体申しまして横ばいと申しましても、病院の数でありますとか、あるいは特殊疾病あるいは特殊な医療的需要によって起こりまする諸施設がだんだんとふえてまいりました。老人の特別養護施設というものをはじめといたしまして、あるいは身障者の施設でありますとか、あるいはいろいろな福祉施設的な医療施設が、今日社会の実態にマッチさせるためにだんだんとふえてまいっておる。普通病院のベッド数もふえてまいっておる。したがって、それに対する医師あるいは看護婦あるいは保健婦、その他の医療関係の従事者の数も非常に必要になってまいっておる。これらの数、ことに看護婦、保健婦の数は、必要を満たすだけに追いついていけないというのが今日の現状でございますが、急速にこの対策は立ててまいらなければならない、かように考えているわけでございます。
 ざっとした考え方はそういうような現状でございます。
#18
○北村暢君 大体内容は、私もいろいろ資料等によって勉強しておりますが、医療の大体の需給関係について現状の説明が若干ございましたが、どうでしょう、将来の、将来といってもあまり遠い将来じゃなく、この五カ年程度を見て、一体今後どういうふうに需給関係がなっていくのか、その見通し等について、ちょっと専門的でこまかい点ですから、大臣でなくて関係局長でいいですが、どういうふうに見ておられるのか。いま医師、看護婦等の不足の問題も出ておりましたが、医療の需給の問題と関連して、少し具体的に数字を入れて見通し等について説明していただきたい。
#19
○説明員(北川力夫君) ただいまお尋ねの医療の需給関係の将来の見通しでございますが、御指摘のとおり、非常に最近における受診率の増高に伴いまして、まずこれを受け入れる側といたしましては、医療施設と、それから医療従事者があるわけでございます。医療施設につきましては、ただいま大臣からも申し上げましたように、三十五年に病院で約六千でございましたものが、四十二年には七千五百にふえております。病床数にいたしましても、三十五年に六十八万であったものが、四十二年には九十六万、現在では百万をこえていると予測されます。大体今後も、そういう状態でございますので、疾病構造はますます人口の老齢化等に伴いまして複雑化いたしてまいりますので、医療需要というものは相当に伸びていくんじゃないか。最近の数字を申しますと、病院の病床が大体毎年四万ないし五万の間で増加をいたしておる、そういう状態でございますから、いま申し上げたようなことで、今後もいろいろなそういった人口構造の変遷あるいは新しい疾病の発生というふうなことで、医療需要はますます伸びていくんじゃなかろうかというのが私どもの見方であります。
 また、これに対しまして医療従事者のほうでございますが、医療従事者のほうは、現在医師は約十一万でございます。それから看護婦数が、四十二年末で就業いたしておりますものが二十五万三千人、さらにまたそれとほぼ同数のいわゆるリタイアいたしました未就業看護婦があるわけでございます。医師につきましては、数年前からすでにもう医師の不足ということは大きな声でございまして、そういう意味合いから、私どもは文部省に対しましても医師の増員をお願い申し上げましたが、その結果、年々文部省の大学の入学定員は増加をいたしてまいりまして、今年度の入学定員は四千四十名というふうに、大体数年前に比べますと、一千二百名から一千三百名くらいの増加の傾向をたどっております。さらにまた、明年度から秋田大学に医学部を設置するということで、本年度は調査に入っております。医学部そのものの設置につきましても、相当私どもも文部省にお願いいたしておりますし、また文部省当局も、医師の充実ということを熱心にやっていただいておるような次第でございます。
 看護婦につきましては、いま申し上げたような現状でございますが、先ほどから北村先生も御指摘のとおり、現在非常に高度化いたしました医療、さらにまた医療需要の非常な伸び、それに加えましていろいろな勤務諸条件というふうなものを改善をしていかなければならぬというような状況も加味されまして、相当数現在不足をいたしておることは事実でございます。したがいまして、これにつきましては、当面私どもはできるだけ早い機会に行政措置としてやれることは十分やりまして、たとえば先ほど申し上げました未就業の看護婦についてさらにその再就業を促進いたしますとか、あるいはまた、先ほど申し上げました長期の計画というふうなものを立てて、できるだけ近い機会に医療需要の伸びに見合うような必要数を確保するような努力をしてまいりたいと思っております。なお、医療従事者につきましては、医師、看護婦のほかに、現在たとえば衛生検査技師とかエックス線技師とか、そういったパラメディカルな職種も相当数必要とされておりますけれども、こういった面につきましても、その総数の確保並びに全体的な制度の改正、改善というふうなことに向かって十分な検討を加えてまいりたい考えでございます。
#20
○北村暢君 いま説明がありましたように、確かに医療問題は、今日非常な伸び率で患者もふえておるし、病気の構造も複雑化しておるし、たいへんな問題であります。それに対する患者の不満というものは相当やはり出てくると思うんですね。そういう点からいって、いま説明のありましたように、医師、看護婦、それから医療施設の問題、たいへんな問題を抱えておると思うんです。したがって、保険制度の問題医療制度の抜本改革の問題これはもう一日もゆるがせにできない問題でありますし、先ほどから答弁がありまするので、私も一生懸命やっておることは認めるわけですが、今日これはもう放置できない段階にきておる、このように思います。それがそういう状態でありながら、医療問題の改革が行なわれないために、今日までそのことが非常に医療行政の支障になっておるということは、これはもう否定できないと思う。これは健保特例法の二年延長等でお茶を濁せる問題ではない、このように思いますから、ひとつ大臣の勇断をもって、ほんとうに政府の強力な施策――厚生省自身がすみやかに強力な行政措置をとらないというと、医療全体についての混乱は避けられないじゃないか、このように思います。したがってこの点については、ぜひひとつ厚生大臣の勇断を期待しておきたい。この問題についてはそれくらいにしておきます。
 それから次にお伺いしたいのは、先ほど来ちょっと説明の中にも出ておりましたが、人口の老齢化の問題で、最近の日本の平均寿命、あるいは就業人口で若年労働者がいま非常に不足してきている、こういう問題等含めて老齢化の問題が出ている。厚生省は人口問題についての審議会、または研究所等を持って、人口問題の検討をされておるわけですが、この人口問題について現状をちょっと説明をしていただきたい、このように思います。
#21
○説明員(首尾木一君) わが国の人口問題の現状でございますが、総人口は現在一億を少しこえておるという状況でございまして、規模におきましては世界第七位の人口ということになっておるわけです。特徴的な問題点といたしましては、現在出生率が下がっておるということでございまして、昭和三十一年以来およそ十三、四年の間継続して、大体人口千対十七ないし十八人といったような低い出生率になっております。人口のいわゆる出生力というような観点から見ますと、再生産率が一を割った状況というのがやはり十数年続いておると、こういうような状況になっておりまして、このままでまいりますと、将来人口の減少をもたらす可能性もあるというふうにいわれておるわけでございます。ちなみに、現在の状況が続いてまいりますと、総人口は昭和八十年から八十五年の間で減少に転ずるということ、それから生産年齢人口、すなわち十五歳から六十四歳の人口というものは、昭和七十年から七十五年の間で減少に転ずるということ、そのことは一応現在の状況のまま進むとしますとそういう状況になるということが推定されておるわけでございます。
 なお、人口老齢化の問題でございますが、先ほど先生のおっしゃいましたように、人口の老齢化現象が進んでおりまして、六十五歳以上の人口は現在およそ――昭和四十年の国勢調査の段階におきまして六・三%でございますが、これが昭和五十年には大体八・一%ぐらい、それから六十年にはおよそ一〇%、九・九%、さらにそれが進行いたしますと、昭和七十年には一二・九%といったような数字になるというふうに予想されております。大体そういったような人口の動向になっておるわけでございます。
#22
○北村暢君 いま出生率が非常に低い、各国と比較しても出生率の低下を来たしている。最近若干よくなっている点もあるようですが、この出生率の低下、しかもいまの状態で推移するならば、人口減少の方向にいくだろう、こういうことなんですが、これについて欧米先進国との比較において、一体どういうことになっているのか。それからこの出生率の低下の原因は一体どのように見ておられるのか。この点についてお伺いします。
#23
○説明員(首尾木一君) 出生率そのものは、女子人口、子供を生む女子の数がどの程度人口に占めているかということによりまして、各国ともそれだけの数字で比較することはむずかしいものでございますので、一応出生率というような点から御説明を申し上げますと、純再生産率、これが日本の場合には、ただいま申しましたように、一を切っている状況でございますけれども、アメリカの場合、一九六四年の数字でありますが、一・五一、それからイギリスが一・三六、ドイツが一・一九、それからフランスが一・三四、イタリアが一・一四、スエーデンが一・一八といったようなことで、いずれも一応純再生産率が一を上回っておる状況になっておるわけでございます。なお、西欧諸国におきましても、東欧のたとえばハンガリー、あるいは東欧諸国等におきましては、人口の純再生産率が一を切っておるという事例もございますけれども、多くの国におきましては、ただいま申し上げましたように、一をこえている状況になっておるわけでございます。
 それから、わが国における出生率の低下の原因でございますけれども、これにつきましては、いろいろ人口問題研究所あるいは人口問題審議会等におきましても、いろいろ御議論をいただいておるわけでございますけれども、その多くの意見といいますのは、これはなかなか一義的に申し上げることは困難であると思いますけれども、いろいろわが国における経済的な問題、たとえば児童の養育についての費用の問題、それから一方、それぞれの家庭に、生活水準を向上させようというような意欲が非常に強いということ、そういうようなことでございますとか、あるいは全体といたしまして、戦後における核家族化の傾向等に、そういうような考え方の均てんに従いまして、子供を少なく生んで育てるというような風潮というものが一般的になっておるというようなことが原因ではないか。あるいはまた、住宅事情等の影響があるのではないかといったようなことがいわれておるわけでございますが、それぞれの要因というものがどの程度、どういうように反映しておるかということは、これにつきましては非常にむずかしい問題でございまして、ただいまのところ、定まった議論というのはないようでございます。
#24
○北村暢君 出生率の低下の問題と、それから死亡率との関係における自然増加、こういう一連の人口動態の推移の中で、私は、高年齢層が非常にふえてきているという問題と関連をして、将来の人口対策というものについて、一体、対策としてそういうものが考えられるのかどうか。いまの人口問題の研究はされているが、さて人口問題全体としての推移の動態等について、政府が関心を持って、ある政策目的で政策がとれるのかどうなのか。そういう点について厚生省あたりで対策を講じたことがあるのかどうなのか。そういう点について、いままでこの人口問題についての施策を、どういうふうな施策をとったなんていうことはあまり聞いたことないのですが、そういうことがあり得ることなのかどうなのか。この点私全然しろうとですからわかりませんので、厚生省が対策を講じたことがあるのかどうなのか、お伺いしておきたい。
#25
○国務大臣(斎藤昇君) まあ率直に申しまして、ほとんどなかったと、そう言っていいのじゃないかと思います。大体、いままでは日本の人口が減っては困るじゃないかという声、これに対してどうしたらいいかという声は、いいまで非常に少なかったように思うわけでありますが、最近になりまして、そういった声が相当起こってまいりました。また厚生省自身といたしましても、たとえばこのたび人口中絶の実態調査をやるというので、ことし予算をとって調査をやりたいと思っておりますが、また児童手当という問題も、これは人口問題だけではございませんが、その点を多分に考えてこの手当制度を実施をいたしたい、かように思っておるわけでございます。
#26
○北村暢君 この点についての、出生率が低下して、また死亡率がぐっと低下しておりますね。したがって、これは医療制度が充実したのか、衛生関係が充実したのか、この点はどういうことになっているか、原因についてはお伺いしたいと思いますけれども、とにかく平均寿命が延びていることは間違いないですね。これは医療需要が急速にふえているということとの関係、何かこれはやはり関係があるのではないかと思いますが、こういう点についての分析等は行なわれたことがあるのでしょうか、どうでしょうか。
#27
○国務大臣(斎藤昇君) また詳細な数字等につきましては、関係政府委員からお答えいたしますが、死亡率の低下は、たとえば乳幼児の死亡率も非常に減ってまいりました。また妊産婦の死亡率も減ってまいりました。また一般疾病による死亡率も非常に減ってまいりました。これは医術の進歩、それからやはり医療保険制度の効果、また社会福祉的な施策のあらわれである、かように思う次第でございます。
#28
○北村暢君 先ほどの説明もありましたように、年齢の区分による将来の推計等が厚生省の人口問題研究所の統計で出ております。先ほど説明ありましたように、零歳から十四歳、それから十五歳から六十四歳の生産年齢人口、それから六十五歳以上の老人というものの構成比が将来非常に急速に高まっていく、逆に零歳から十四歳の構成比が低下していくという状況が非常に急速に進んでいるようでございます。したがって、先ほど来、この人口問題について何らかの施策が講じられなければならない。昭和九十年を見通しての構成がすでに出ておるわけですね。こういうことが見通しがなされるということになれば、それに応じた施策というものは、私は可能ではないか。また、医療施設等についても、六十五歳以上の老人が非常にふえてくるわけですから、同時に、先ほど来説明あった病気の種類も老人に関係する医療というものが複雑化してくる、こういうことが出てくるだろうと思うんですけれども、こういう人口問題の推計というものが、昭和九十年まで見通して研究されておるわけですから、こういうものを見て、今後の医療問題等についても、相当な関連性が私は出てくるんじゃないかというふうに思われるんです。
 したがってこの人口問題は、ひとり医療問題でなく、産業構造あるいは就業構造というものとももちろん関係してまいります。そういうような問題について、今後の年金の問題、産業の就労関係の問題、医療関係の問題、全般にあらゆる面にこの人口問題というものは施策として反映されてなければならぬ、こう思うんですがね。そういう点からして、いま申したような傾向に対して、厚生省の立場でもう少しこの人口問題というものの研究が各面に生かされるような形で施策が考えられていいのではないか、あまりにもこの人口問題に一般には無関心ではないか、こんなような感じがするんですが、これについて一体せっかくの研究がどういうふうに生かされるのか、こういう点について検討されておるのかどうなのか、お伺いいたしたいんですが。
#29
○国務大臣(斎藤昇君) おっしゃいますように、とにかく人口問題というものは、あらゆる産業その他にも大きな影響を持つわけでございます。したがいまして、人口問題調査会におきまして、現在、将来にわたる人口構成その他研究をいたしておりますが、これを医療の面から考えましても、あるいは産業の面から考えましても、どうしても生かしてまいらなければ相なりません。したがって関係各省それぞれこの人口問題、人口の将来のあり方というものをにらみながら施策をやっているわけでありますが、政府の人口問題審議会というのが設けられておりますが、そこにおきましても、当面産業上、社会福祉上とるべき施策について検討を願い、逐次答申をいただいて、これを施策にあらわすようにいたしているわけでございます。
 ことに、厚生省といたしましても、この人口問題とにらみ合わせながら、あるいは乳幼児対策にいたしましても、中高年層の人たちの福祉の問題にいたしましても、労働省においては、中高年層のさらに職業あるいは労働人口としてどう把握していくかということも検討してもらっているわけであります。また保険制度自身から考えてみましても、昭和九十年になれば、いまのままでいけば約二〇%が六十五歳以上の老齢で占める。これらがほとんど全部国民健康保険の中に入ってくる。したがって国民健康保険というものは非常な重圧を受けるということになるであろうと思います。そういうことも保険制度といたしましては、この抜本改正の一つの大きな考え方として取り入れていかなければならない、かように思っております。
#30
○北村暢君 いま大臣がおっしゃられるように、六十五歳以上の人が二〇%を占めるような構成に将来なっていく。昭和五十五年の九・一%が昭和九十年には二〇%になる、こういう推計でございます。ところが、今度の国会でも、いま重要な法案の一つとしている定年制の問題が出てきているわけですね。この定年制の問題が出てきているということを見ますというと、どうも年齢の老齢化傾向というものについて、それに応じたところの施策が正しく反映されて考えているということには私はちょっと疑問を持たざるを得ない。定年をどういうふうにきめるかが問題でしょうけれども、そういう点についてどうも一貫性がないんじゃないか。おっしゃられるように、厚生大臣の関係では、老齢者の年金を今度別に考えるというふうな考え方も出ていることは知っております。そういう点で、一応老齢者の対策としての保険制度の中においては、今後の問題を見通して検討されておるということはわかります。労働省も中高年齢層の職業訓練をやっていることも知っております。が、大体いま説明のありましたように、老齢化傾向に対してのいろいろな施策というものが、どうも一貫性を持って、将来を見通して対策が講じられているというふうには思えない点がだいぶある。したがって、この点については、せっかくの人口問題の研究をやっておられるわけですから、あらゆる面においてこういう傾向というものに応じた施策が講じられてしかるべきだ、こういうふうに思います。
 したがって、これは厚生大臣にだけ要望しても解決する問題ではもちろんございません。しかし、これは今度の法案に出ております児童手当の審議会を設けるということで、今後の児童手当の問題とも非常に関連を持ってくる問題でございます。
 したがって、この人口問題について若干お伺いしたいわけなんですが、児童手当の問題については、村田委員がこれは後ほど詳しくお聞きする予定になっていますから、私は児童手当の問題は省略させていただきますが、ここでお伺いしたいのは、厚生省は審議会を非常にたくさん持っておりますね。それで今度の設置法の改正でも、審議会の整理統合の問題が取り上げられておるわけです。そこで非常に多い厚生省の付属機関の整理統合という問題について、今度の法案でも、設置法の改正でも、この医療関係の試験委員の統合が行なわれておるようです。全体的に一体この審議会の整理統合というのは、今回でこれで一応終わるというふうに考えておられるのか、今後の問題としてどのような方針を持っておられるか。それから付属機関も相当多数あるわけです、厚生省には。付属機関として、審議会ももちろん付属機関ですが、行政組織法の八条機関である付属機関、非常に多いわけなんですが、これらの整理統合についての方針をまずお伺いいたしたい。
#31
○政府委員(戸澤政方君) 厚生省の審議会は現在二十九ございまして、ほかの省に比べて確かに数は多いほうでございます。これは八条機関の重要事項についての諮問的なあるいは調査的な審議会もたくさんございますが、それ以外に、医師をはじめとして各種の国家試験を実施するための審議会というものが数多くございます。
 それで従来もこういう審議会の整理統合につきましては、閣議の了解方針にのっとりまして、できるだけ整理統合できるものについてはするようにやってきたわけでございます。四十一年に統一的に審議会の整理をいたしました場合にも、死体解剖資格審査会を廃止して、医道審議会に統合するというようなこともいたしたわけでございますけれども、今回それをさらに大幅に整理をいたすことにいたしまして、いま申し上げました国家試験につきましては、これを審議会を廃止しまして、試験委員といったようなかっこうでもって実施をする、それでそういう試験審議会を五つ廃止するというようにいたしたわけでございます。なおこれをもって終わるというわけではございませんで、今後もできるだけ整理統合できるものについてはしていきたい。ただ、非常に社会保険審議会をはじめとしまして、いろいろ重要な審議会が多うございますので、簡単に廃止統合等ができないというような実情でございます。
#32
○北村暢君 大体今回だけでなしに、今後も審議会の整理等について検討されるということでございますが、私も必要な審議会を廃止せよ、こういうことを言っているのではもちろんないわけです。先般来自民党の案として、一省一審議会という案が出されて発表されておることも知っておりますが、必ずしも一省一審議会で事足れりというふうには思いません。したがって審議会は民主的な手段として、審議会が必要ならば審議会を残すのは、これは当然のことであります。したがって今後における審議会の整理統合については、必要な審議会は審議会として置くことは当然でありますが、中には審議会として年に何回かくらいやる、しかもその審議会が非常に形式的に終わっているという審議会もあるわけです。そういうような審議会について統合する、そしてなおかつ機能が発揮できるというものについては、これは当然検討される、こういうことだろうと思います。
 そこで今度の改正案によりますいろいろな試験関係の審議会を整理統合して、試験委員を設けたわけでありますけれども、この試験委員というのは、しかも厚生省関係の試験も、医師に始まって看護婦に至るまで、そのほかまあ非常にたくさんの試験、国家試験の審議会を一本の試験委員ということにまとめてしまったわけなんですが、この試験委員というものの法的性格というのは、一体どういう性格を持っているのか。従来の試験関係の審議会は行政組織法の第八条機関であるというふうに思いますが、今度の試験委員というのは、どういう性格を持っているのか。そしてその規模は、一体前の各試験関係の審議会の構成と、どのように試験委員の数その他について構成が変わったのか、変えようとするのか。この点について、法的性格と構成が従来とどういうふうに違うのか、この点を質問いたします。
#33
○政府委員(戸澤政方君) 従来国家試験につきましては、試験審議会という、行政組織法八条による行政機関合議体としてのかっこうでもって実施してきたわけでございます。しかし、試験につきましては、その試験の方針とかやり方の大綱、たとえば実施の時期とか試験の科目とか、そういうことはその審議会といったような合議体でもってきめることが適当であるわけでありますけれども、その試験の実施そのものにつきましては、必ずしもこういう審議会といったような合議体をもって実施する必要はないわけでございまして、これは個々に試験委員というものを大臣が任命いたしまして、そういう個々人の資格でもって実施に当たるということでもって十分目的が達し得るわけでございます。それで今回その試験の大綱につきましてきめることは、これは医療関係者審議会という一つのまとめた審議会でもってこれを審議していただくということにいたしまして、試験の実施そのものは、厚生大臣が任命した個々の試験委員というかっこうでもって実施していただくというふうにいたそうというわけでございます。
 それからその試験委員の数とか内容につきましては、従来審議会という合議体でやっておりました場合と変わらない予定でございます。試験委員の数等も従来の数と変更ない予定でございます。
#34
○北村暢君 そうしますと、従来のたとえば医師試験研修審議会、歯科医師試験審議会、こういう各個の審議会の委員が即試験委員としてなったと、ところが今度別個に医療関係者審議会というのができたわけですね。結局この医療関係者審議会というのは、従来の各種の試験審議会をまとめたもので、試験制度についてのいろいろな審議をする、こういうことでしょうね。そうすると、この審議会を整理統合して、まあ簡素化したように見えるけれども、試験委員は試験委員として残り、新たに医療関係者審議会というものができて試験制度についての審議をする、こういうことで、機構は逆に、人員関係からいえば何ら整理統合したために簡素化されたという結果にはならないような気がいたしますが、その関係はどうなっているのか。また、この試験委員と医療関係者審議会との関係はどうなるのか、この点について説明願います。
#35
○政府委員(戸澤政方君) この改正法案に含まれておりますが、薬剤師の試験とか栄養士等の試験につきましては、同じように試験の事務は試験委員にやらせるわけですが、その試験に関する重要事項をきめる審議会としては、既存の中央薬事審議会とか、あるいは栄養審議会においてこれを行なうというふうに整理簡素化したわけであります。ところが医師、歯科医師、看護婦等につきましては、この試験委員という制度にしますと、試験に関する重要事項を調査審議するための審議会というものが既存のもので利用できるようなものがないわけでございます。それぞれ研修のための医師研修審議会というようなものがございますけれども、そういうものに試験の事務を一緒にやらせるというのも適当でございませんので、それで医師、歯科医師、看護婦等につきましては、それらをまとめまして医療関係者審議会というものをつくったわけでございまして、実態におきましては、試験委員の数とか、その他そう大幅に減ることもありませんけれども、審議会をできるだけ整理統合して簡素化するという線に沿って整理をいたしたわけでございます。
#36
○北村暢君 整理されたというんですけれども、これで人員関係ではどういうことになるんですか。これ何か節約になっているのですか。
#37
○政府委員(戸澤政方君) 一応当初予算におきまして、従来の各種の試験審議会で行なっておりました試験委員をそのまま残しておるわけでございますが、将来その実態に即しまして、その試験委員のほうも、これが整理できるというものにつきましてはできるだけその方向でもって考えてまいりたいというふうに思います。
#38
○北村暢君 ですから、先ほどお伺いしているように、この各種の試験審議会の試験委員はそのまま残って、新たに医療関係者審議会というのをつくるわけでしょう。そうすると、その分だけ人員は多くなるという結果になりませんか。
#39
○説明員(北川力夫君) 今度の審議会の統合につきましては、医務局の関係が非常に多うございますので、また、ただいまの御質問も医療関係者審議会の問題が主と存じますので、私から便宜お答えを申し上げます。
 今度の整理統合におきましては、ただいまお話しのとおり、まず医師につきましては医師試験研修審議会を廃止するわけでございますが、その中で、医師の臨床研修につきましては、非常に事柄の重要性と申しますか、特別な事情と申しますか、そういうことで御案内のとおり医師研修審議会としてこれを残すわけでございます。このほうはそういった意味合いで、もちろん数も変わらないわけでございます。それからそれを残しました残りの部分と、それに加えまして歯科医師試験審議会、それから保健婦助産婦看護婦審議会、それから理学療法士作業療法士審議会、これを合わせまして医療関係者審議会というようなかっこうになっております。そういう限りにおきましては、この四つの審議会は一つの審議会に統合されておるわけでございます。
 ただ、先ほど官房長からも申し上げましたとおり、また法律改正にもございますとおり、試験事務につきましては、こういった合議体の試験審議会というものから離しまして、それぞれの、医師は医師、歯科医師は歯科医師、また保助看は保助看というふうに、独立の試験委員というふうなものを設けて、そこで実際の出題でございますとか、あるいは試験の一種の事務をやっていただくと、こういうことになっております。数の関係で申しますと、統合されました医療関係者審議会のほうは、ただいま官房長の御説明にもございました、いわゆる試験に関する重要事項でございますとか、あるいはまたこの養成所の指定に関する重要事項でございますとか、さらにまた行政処分に関します重要事項、そういったことは従来から従来のそれぞれの審議会の審議部会でやっておりましたので、そのほうはそれぞれ医師、歯科医師、保健婦、助産婦、あるいはまた理学療法士、作業療法士ごとに、現在のそれぞれの審議会の審議部会で間に合うようなものを新しい審議会に設けまして、ここで審議をする、こういうようなことにいたしております。したがいまして、それに関する部分につきましても、数の関係は変動はございません。それから切り離されました試験の実施事務でございますが、このほうは、御承知のとおり、たとえば医師でございますと、四十四年度で国家試験を受けました者が全体で八千五百名くらいあるわけでございます。これを全国で八個所ないしは十個所で筆記試験のほかに実地試験を四日ないし五日間やる。こういうことになりまするので、実際上試験委員というふうな制度にいたしましても、試験の実際を考えますると、その試験の実施事務につきましては、数を節約するというふうなことではなくて、従来どおりの数でやりませんと試験事務の適正は期せられない、こういう事情で、試験委員のほうも四十四年度につきましては、改正前と同じ数をもって運用していく考えでございます。
#40
○北村暢君 いま説明を聞きますと、試験委員のほうもそのまま委員として残るし、それから医療関係者審議会のほうも、統合はされましたが、各部会として運用されるということになるので、整理統合をしたというのだけれども、かえってこれは機構が拡大したような結果になるのではないか、このように思うのですけれども、先ほど来、現在は委員をそのまま残したけれども、将来は試験委員というのを整理できればするのだ、こういうことのようです。
 そこで大臣に、こういうふうに行政管理庁その他から審議会等の整理統合ということが方針として出されているものですから、一応はこういう機構いじりをしたけれども、結局においては簡素化なりなんなりは行なわれなかったのではないかというふうに見受けられるわけです。したがって、ここでせっかく整理統合ということでもって、方針に基づいてこの設置法の改正を行なったわけですが、将来の問題として、いま直ちにおる人を首切るわけにもいかないからこうなっているのかもしれませんけれども、審議会の整理統合を行なった基本的な考え方、これについて大臣はどういうふうに考えられ、今後どういうふうにしていこうという方針なのか、この点をひとつお伺いしておきたいと思います。
#41
○国務大臣(斎藤昇君) 試験制度に関する審議会と試験委員との関係でございますが、今度の改正は、それぞれ審議会を持って、そうしてそこに試験委員を置き、試験をやっていくという形よりも、関係のある試験でございますから、そういった重要な事項等をやる試験の審議会は、これはやはり一つに統合したほうが合理的である、かように考えてやったわけでございます。ただ審議会という名がつく数を減らそうという意味ではございません。このほうが合理的に運用されるであろう、かように考えてやったわけでございます。
 他の審議会等につきましても、必要でないものは、できるだけ廃止をしてまいりたいと思うわけでございますが、まあ厚生省関係の審議会は、それぞれの必要に応じて設けられたものでございますけれども、しかし、すでにある度程その意味を果たしたというようなもの、あるいは統合したほうがさらに大所高所から審議をしてもらうのに都合がいいというようなものにつきましては、今後なお検討して善処をしてまいりたい、かように考えております。
#42
○北村暢君 次に、精神薄弱者福祉審議会と児童福祉審議会を統合しておるわけでございますが、この点について、まず精神薄弱者の実態調査の結果から、十八歳未満の者が占める割合が高いことを示しているようでありますが、児童福祉法及び精神薄弱者福祉法の一部改正が行なわれたのでありますけれども、精薄者の施設の処遇について一元化が行なわれましたので、今次改正案ではこの審議会が一元化の裏打ちをした、こういうふうに理解できると思うのですが、この成人の精薄者に対する福祉施設、福祉対策というものが不十分になるということはないのかどうなのか、この点について対策が考えられておるかどうか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
#43
○政府委員(渥美節夫君) 精神薄弱者対策につきましては、その進展の推移というものがございますので、その点につきましてちょっと御説明申し上げたいと思います。
 児童福祉法が昭和二十三年から施行になりました。その中で、大きな問題といたしまして、精神薄弱児対策、つまり十八歳未満の精神薄弱の子供の対策が進められたわけでございます。ところで、十八歳以上のおとなの者に対する対策というものが児童福祉法では対象になっておらなかった。そこに問題がございまして、昭和三十五年に精神薄弱者のおとなの人のための対策といたしまして、精神薄弱者福祉法が施行になりました。したがいまして、御指摘のように時期がずれておりますが、おとなの精神薄弱者に対しますところの対策というものは比較的おくれておるというのが現状でございます。
 ところで、精神薄弱者に対する対策は、厚生省の中でも法律施行以降は社会局でこれを担当しておったのでございますが、精神薄弱というその状態は、先生御承知のように、知能指数が非常に低い。知能指数の点からいえば、おとなも子供も同じである。ただからだがおとなであるか子供であるかというふうな問題が違っておるわけでございまして、むしろ精神薄弱の子供とおとなを一貫しまして、早く見つけて早く対策を講じて、早くその社会復帰をさせるという必要性があるわけでございます。
 したがいまして、今回の対策も、おとなと子供を一貫して取り扱っていく。そのために審議会も一緒にいたしまして、いろいろな施策を検討するという必要が生じてきた。したがいまして、いろいろと精神薄弱対策が昭和二十三年以降、児童福祉法ができましてからの対策としてずっと進展をいたしました過程におきまして、今回の審議会の統合ということを一つのきっかけといたしまして、おとな、子供を一貫しての精神薄弱対策の強化をはかろうと、かように考える次第でございます。
#44
○北村暢君 この精薄者の施設でありますが、現状は一体どのようになっておるか。それからまた、この施設に収容されておる状況はどうなってるか。それから今後における計画はどういうふうになっておるか、この点についてひとつ御説明願いたい。
#45
○政府委員(渥美節夫君) 精神薄弱関係の施設についての整備の問題でございますが、現在、昭和四十三年の四月一日現在でございますが、おとなの施設に収容されておりまする数は約八千でございます。子供のほう、精神薄弱児施設あるいは精神薄弱児の通園施設に収容せられ、あるいは通っておりますところの子供たちの数は約二万二千でございます。したがいまして、その施設の収容能力は約三万五百というのが現状でございます。しかしながら、先ほども御指摘にありましたように、精神薄弱児者に関します実態調査をいたしました結果から推定いたしますると、このようなおとなの施設、子供の施設に収容あるいは通園させなければならないような子供及びおとなが約十三万名ばかりございます。このうち、さっき申し上げましたように、三万名ばかりは収容あるいは通園させておりますので、約十万人の収容能力がどうしても必要だということでございまして、私どもといたしましては、特にこういった収容施設の整備あるいは増設等にはいま懸命の努力を払っておりまして、あるいは年次計画をつくりまして、この整備をいたしたい、かような計画をいま検討中でございます。
#46
○北村暢君 大臣にお伺いしますが、いま説明ありましたように、この精薄者の施設の現況をお伺いしましたが、大体収容を希望し、また収容しなければならないというものの約三分の一に満たない施設しか今日ないわけですね。それでその計画については、どうもいまの局長の御答弁だというと、努力するという程度で、今後どうなるのか、さっぱりはっきりしないわけなんですが、まあどちらかといえば、非常にこれは社会の恵まれない人々ですね。そういう人が現実に施設に入れたくても入れられないという人が、十三万ぐらいのうち三万ぐらいですから、十万は残っている、こういうことでしょう。したがってこれに対する計画を聞きたいと、こう言ったところが、まあ今後大いに努力すると、こういう程度で、ただ計画というものは一体あるのかないのか、この十万という人はやはり施設へ入れて、早く社会復帰させたい人ですね。実態調査終わっているわけですから。ですから大臣にひとつこれについてのどういう計画を持っておられるのか、この点を御答弁いただきたい、このように思います。
#47
○国務大臣(斎藤昇君) 御指摘のように、まだ施設が著しく不足しておるということは事実でございます。そこで施設に入所をしたいという人を全部入所できるようにすることが、これは必要なことだと存じますけれども、しかし一面、この施設を維持管理をし、また養護をしていく人の養成の問題もあるわけでございます。日本の経済の発展によって、相当そういった経済力もできてまいったわけでございますが、それとにらみ合わせながらやっていくということが肝要であろう、かように考えます。そこでこの施設のみならず、他の社会福祉施設もまだ著しく不足をいたしておりますので、それらを勘案をしながら、できるならば十カ年計画でも立ててみたいというので、いま調査検討をいたしております。できたらなるべく早くひとつあらゆる社会福祉の施設についての計画を樹立をいたしたい、かように考えております。
#48
○北村暢君 そうすると、いまでも計画というものはなくて、これから計画を立てると、こういうふうなことの御答弁ですが、これはあれでしょう、社会の善意に基づく、いわゆる昔式の社会施設として、寄付行為であるとか何とかで、財団法人か何かでやるようなものでは解決しない問題ですね。国としてやはりはっきり財政的に見て、まあ私もあちこちの施設を見せていただいておりますけれども、ほんとうに真剣な努力をして、社会復帰をさせるために努力されている方々の、この縁の下の力持ち的な努力については行ってみればほんとうに頭の下がる思いをするわけなんですが、それが十三万のうち三万ぐらいが収容されておって、あとの十万の方がいつ収容されるともなく、まあいろいろな環境はありましょうから、一がいにはいえないでしょうけれども、こういう方方が放置されているという結果になっている。自宅におっても非常におそらく気まずい思いをしているに相違ないわけですね。そういうことがもう少し早い機会に、これは計画的になされていなければならなかったものだろうと思うのですがね。まあ今度こういう審議会が統合されてやるというのですから、そういう意味において、新たな考え方で発足されるのかもしれませんけれども、いずれにしても、いま大臣の答弁聞いていると、非常にたよりない感じがするのですね。
 これはもう実際に行ってみて私どもも感ずるのですけれども、施設でなければあれはどうにも手がつけられない問題ですわね、行ってみて。あれは個人的にどうだのこうだのということができない問題でしょう。だからどうしてもやはりあれは一〇〇%施設に入れなければ社会復帰できない、こういうことだろうと思うのですね。ですから、これこそ私は、いろいろたくさんやる仕事あるでしょうから、優先順位、完全な形の社会保障制度というのはなかなかむずかしいでしょうけれども、こういう非常に恵まれない人、特に施設に入らなければどうにもならない人ですね。これこそ私は早く計画的に、少なくとも三カ年か五カ年計画で完成をする、十万の人を収容する施設ですから、そんなに私は金がかからなくてもできるのじゃないかというような感じがするのですがね。学校の急増対策なんというのはどんどんなされますわね。にもかかわらず、この非常に社会の暗い面についてこういうふうに放置されるということは、私は政治の面からいっても、こういうところに政治が行き届くことがほんとうの政治だと、こういうふうに痛切に感ずるのです。したがってこれから計画を立てられるというのんびりしたことでは、いまさらどうにもしようがないわけですから、ひとつ三カ年か五カ年計画で、これを施設に完全に収容できるというところに持っていきたいものだという非常に大きな期待を持っているわけです。この点について大臣の考え方をちょっと聞きたい。これから計画を立案されるということのようですから、ひとつ心がまえを聞いておきたいと思う。
#49
○国務大臣(斎藤昇君) 考え方は、北村委員のお考えになっておられるとおりに私も考えております。施設をごらんになって、おそらく同じ感じを持たれたと思いますが、ただ施設をつくって、そして月給取りの者をそこにやればうまくいくという問題ではない。なかなかその施設の経営といいますか、管理と申しますか、そういった人たちを世話をしていくについては、やはりよほどの愛情を持った人たちでないとうまくまいりませんので、そこでそういった人の養成、そういった人たちをどうして獲得をしていくかということと相まってやらなければなりませんので、ただ机の上で幾つ施設を建て、何人人を増したらいいというだけでは簡単にいかないところにむずかしさがある、かように思いますが、そういう点も勘案をいたしまして、そういった人たちの、一人でも社会奉仕的な気持ちをもってやっていただくという人たちが、おれたちがやると、それについて国がさらに援助をすればできるというところと相まっていくべきものだと、かように考えますので、そういう点も勘案をいたしまして、考え方といたしましては、北村委員のおっしゃいますとおりの考え方でございますので、御了承願います。
#50
○北村暢君 次に、改正点の、所掌事務の改正が行なわれて、児童家庭局の所掌事務の中に寡婦に対しての行政を追加すると、寡婦の厚生行政としての追加が行なわれておりますね。これについて、厚生行政の対象となる寡婦とは、どのような状態にある者をいうのか、行政対象にするというのですから、寡婦の現状というものをどういうふうに把握されておるのか、この点を御説明いただきたい。
#51
○政府委員(渥美節夫君) 寡婦――つまり未亡人を含めての寡婦でございますが、この実態を昨年の八月で調査をいたしたのでございます。寡婦の中でも、他のいろいろな福祉政策が行なわれているような年齢にあられる方とか、あるいは非常に若い方というふうな方々よりは、私どもの対策の対象といたしましては、どうしても福祉の対象が必要であるという方々を中心として寡婦対策を展開したいというような意味も込めまして調査をいたしたわけでございますが、その結果、三十歳以上六十歳未満の寡婦、この中には生別の方も含まれるわけでございますが、その数は約二百三十万人でございます。このうち、御承知のことと思いますが、母子福祉法という法律によりまして、二十未満の子供を持たれました未亡人につきましては、母子福祉法によりまするいろいろな福祉対策が講ぜられておりますので、二十歳未満の子供を持たないそういった寡婦の数は百八十万人と、かように推定されるわけでございます。もちろん寡婦となりましたいろいろな原因がございますけれども、そのうちの約八割が死別でございまして、あとの二割が生別ということに相なっております。で、従来からいろいろと問題ありました戦病死あるいは戦死によって御主人をなくされました寡婦の数が約三十万人、事故死――これは交通事故その他を含めまして、そういったことで御主人をなくされました方が約十五万人というふうなことになっておりまして、最近はそのような新しいいろいろな事情によりまして寡婦となられた方、突如として社会的あるいは経済的自立が不可能になったような方々がふえてまいりました。そういった意味におきまして寡婦対策を実施、展開をいたしたい、かように考えておるところでございます。
#52
○北村暢君 そうしますと、実際の行政対象になる寡婦の数というのは、全体の二百三十万のうち百八十万が大体対象になるというふうに見て差しつかえないのですか、その数は。行政対象になる寡婦の数というのはどういうふうに一もう一度数だけひとつ御説明願いたい。
#53
○政府委員(渥美節夫君) 一応対象といいますか、抽象的な意味では母子福祉法の対象からはずれました百八十万の寡婦といっても差しつかえないと思いますが、しかしやはり福祉対策を現実に実施するという、その対象といたしましては、現在経済的、社会的に非常に自立が困難であるという方を中心として展開しなければならない、かように考えております。
#54
○北村暢君 いま説明ありました寡婦の福祉対策の対象として考えるものは、どちらかといえば生活に困窮している人を対象に考えるということですが、その福祉対策の内容は一体どういうことをやろうとしているのか、この点。
#55
○政府委員(渥美節夫君) 寡婦対策といたしましていろいろあると思います。これは厚生省の所管の中におきまする対策もあると思いますし、あるいは労働省関係の就労対策もあると思いますが、今回私どものほうで新たに着手いたしてまいりたいと思っておりますのは、寡婦福祉資金の貸し付け制度でございます。つまり先ほど申し上げましたような経済的、社会的自立が非常に困難である、資金援助をすることによりまして生活意欲も燃え上がるし、社会的、経済的自立もできるというふうな寡婦に対しまして、たとえば事業の開始資金を貸し付けるとか、あるいは住宅資金を貸し付けるとか、あるいは子供さんの結婚資金を貸し付けるとか、あるいは御病気になられた場合の療養資金を貸し付けるとか、このような貸し付け制度を創設いたす予定にしております。
#56
○北村暢君 福祉資金の貸し付け制度を考えているということですが、その条件、規模、あるいは総額一体どの程度のことを計画されておるのか。
#57
○政府委員(渥美節夫君) 寡婦資金の内容でございますが、たとえば先ほど申し上げましたような事業開始資金、事業継続資金等、資金の種類といたしましては十三種類でございます。十三の種類に応じましてそれぞれ貸し付け金額が違うわけでございますが、重要な点だけ申し上げますと、小売り店でありますとか、あるいは貸し本屋でありますとか、そういうふうな事業を開始するための貸し付け資金といたしましては、貸し付け金額は三十万円ということになっております。利率が三分でございます。それから住宅資金でございますが、住宅資金といたしまして、これは貸し付け金額は二十万円、金利が三分。それから修学資金でございますが、これは高校生、大学在学生によりましてそれぞれ金額が違っておりますが、高校生の場合には月千五百円の場合と三千円の場合とございます。大学在学生につきましては三千円と五千円とございますが、これは金利はゼロでございます。それから結婚資金、これはお子さまの結婚資金でございますが、貸し付け金額五万円でございます。金利が三分。それから御自分がいろいろと技能を習得する、理容学校、美容学校等にお通いになって技能を習得するというための技能習得資金というのもございますが、これは月額二千五百円ということに相なっておるわけでございます。
#58
○北村暢君 そういう貸し付けのための福祉資金の貸し付けが、いま御説明のありましたように貸し付けるわけですが、これはどういうふうにして貸し付けをするんですか。これは法律的措置ではない、行政措置でやられると思うんですが、手続的にはどういうところにどういうふうにいってやるのか、こういう点が寡婦の方々にどういうふうに徹底されるのか。制度がせっかくできても、わからないでおればこれ利用できないわけなんで、なるべく手続が簡素で気軽に貸してもらえるということが望ましいんでしょうし、こういう資金のワクとして一体どの程度考えているか、そして貸し付けの方法はどういうふうな手続でやれるのか、この点をひとつお伺いいたしたいと思います。
#59
○政府委員(渥美節夫君) 結論を先に申し上げますると、この寡婦福祉資金の貸し付けの手続等につきましては、母子福祉資金の貸し付けと同じ手続といいますか、同じぐあいにやります。
 まずお金の総資金額でございますが、本年度予算におきまして、国費が二億計上をいたしております。これは三分の二の補助率でございますので、都道府県が総体といたしまして一億つぎ足していただきます。三億が総資金源でございまして、これを半年の予定にしております。したがいまして、この三億の総資金源が貸し付けられるわけでございますが、これは都道府県の仕事となるわけでございます。実際には、この資金の貸し付けを必要とされる寡婦は、市町村の窓口で御相談になるわけでございます。この際市町村には母子相談員というものがおりますので、その相談員にいろいろとお聞き合わせいただけば十分わかるわけでございますが、市町村の窓口で受け付けていただきまして、それを都道府県単位でいま申し上げましたような各種の資金別にその貸し付けをいたすということでございまして、もうすでに昭和二十八年から母子福祉資金の貸し付けが実施されておりますけれども、それと同じ手続になりますので、その点につきましては十分簡単に、しかも能率的にやっていくことができると私は確信しております。
#60
○北村暢君 大体時間ですからこれで終わりますけれども、いまの資金の種類、十三種類あると言われましたが、事業をやるのに三十万、住宅資金が二十万、この程度で――この住宅資金なんかの内容は、これはどういう内容なんですか、二十万で家を建てるための住宅資金なんですか、これは。頭金にもならない。いまは坪十万か十五万するわけだが、二十万では二坪の家しかできっこないわけなんですが、寡婦は二坪に入っておれということなんでしょうか、どうなんでしょうか。どういう構想でこの二十万というのができたんですか。
#61
○政府委員(渥美節夫君) この額自体につきましては問題がございまして、毎年少しずつ改善をさしていただいているというのが現状でございます。たとえば住宅資金で二十万円でございますが、これはまあ新しく家を建てるというふうな意味でございませんで、子供さんの家にお嫁さんが来たというふうな場合に、その家を改修し、補修しあるいは増築する。簡単にいうと一間継ぎ足す、あるいは補修する、こういうふうな観点からこのような金額に相なっておるのでございますが、今後ともやはりこれはもう少し努力しなければいけないと、かように考えております。
 なお、先ほど私が十三種類と申し上げましたが、たいへん恐縮でございまして、十二種類でございますので、ここで訂正さしていただきます。
#62
○北村暢君 まあ今度は初めての制度としてやったのですから、寡婦に親切な行政をやるというのはけっこうな話です。まあしかし総資金ワクが三億で、行政対象になる方々が――利用しない人は多数おるでしょうが、百八十万くらいの方々が対象で三億円といえば、これは非常に微々たるものであることは間違いないと思うのです。
 そこで厚生大臣にお伺いしておきますが、今年度は初めてでありますから国の持ち出しが二億程度ということのようですが、この母子福祉資金との関連で、一体今後どのように考えられるのか、方針についてひとつ最後にお伺いしたい。
#63
○国務大臣(斎藤昇君) 寡婦に対する資金援助は今度が初めてでございますので、したがってこの実施の状況を見まして、そしてそれに応ずるように今後対処してまいりたいと、かように考えております。
#64
○委員長(八田一朗君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたし、午後の審議につきましては理事会で協議いたしたいと存じますが、暫時休憩いたします。
   午後零時五十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十九分開会
#65
○委員長(八田一朗君) ただいまから、内閣委員会を再開いたします。
 許可、認可等の整理に関する法律案を議題といたします。
 趣旨説明を聴取いたします。荒木行政管理庁長官。
#66
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま議題となりました許可、認可等の整理に関する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 政府は、行政の簡素化及び合理化を促進するために許可、認可等の整理をはかってまいりましたが、さらにその推進をはかるため、さきに政府において決定いたしました行政改革三カ年計画に基づき、計画的に許認可及び報告等の整理を行なうこととし、この法律案を提出することとした次第であります。
 法律案の内容について御説明申し上げますと、第一に、許可、認可等による規制を継続する必要性が認められないものにつきましては、これを廃止し、第二に、規制の方法または手続の簡素化をはかることが適当と認められるものにつきましては規則を緩和し、第三に、下部機関において迅速かつ能率的に処理することを要するものにつきましては、処分権限を下部機関に委譲し、第四に、統一的に処理することが適当と認められるものにつきましては、これを統合することとしております。
 以上により廃止するもの十二、規制を緩和するもの十、権限を委譲するもの十四、統合をはかるもの一、計三十七について、十九法律にわたり所要の改正を行なうことといたしました。
 以上がこの法律案の提案の理由及び概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#67
○委員長(八田一朗君) 本案の審査は後日に譲りたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト