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#1
第061回国会 内閣委員会 第23号
昭和四十四年六月二十四日(火曜日)
   午前十時四十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十四日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     村田 秀三君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         八田 一朗君
    理 事
                石原幹市郎君
                柴田  栄君
                北村  暢君
                山崎  昇君
    委 員
                内田 芳郎君
                源田  実君
                佐藤  隆君
                玉置 猛夫君
                長屋  茂君
                山崎 竜男君
                山本茂一郎君
                林  虎雄君
                前川  旦君
                村田 秀三君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                岩間 正男君
   国務大臣
       法 務 大 臣  西郷吉之助君
       国 務 大 臣  床次 徳二君
   政府委員
       宮内庁次長    瓜生 順良君
       皇室経済主管   並木 四郎君
       法務大臣官房長  辻 辰三郎君
       法務省民事局長  新谷 正夫君
       法務省矯正局長  勝尾 鐐三君
       法務省保護局長  鹽野 宜慶君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       警察庁警備局警
       備課長      丸山  昂君
       法務省刑事局公
       安課長      豊島英次郎君
       運輸省航空局監
       理部長      川上 親人君
       運輸省航空局飛
       行場部長     丸居 幹一君
       運輸省航空局技
       術部管制課長   泉  靖一君
   参考人
       新東京国際空港
       公団総裁     今井 栄文君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○宮内庁法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(八田一朗君) ただいまから、内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動についてお知らせいたします。
 本日、松本英一君が辞任され、その補欠として村田秀三君が選任されました。
#3
○委員長(八田一朗君) 法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#4
○山崎昇君 前回の委員会に引き続いて、二、三お聞きをしたいと思います。
 まず第一に、私はあぶなく法務省の答弁に惑わされるところだったことを、ひとつきちっとしておきたいと思います。この間、民事局長から、この十年ぐらいの間に件数が六・五倍ぐらい登記事務でふえている。人員のほうは一・二倍くらいと、こういう答弁であります。しかし私はよくよく見たらこれは違う。人員のほうは一二%増だ。一・二倍と一二%増では、これは天と地ぐらいの違いになってくる。なぜかといえば、件数のほうは二千二百九万件から一億五千万件ですから、なるほど六・五倍くらいになる。人員のほうは六千八百七十七名から八千二百二十四名ですから、一・二倍などにはならない。だから私は、この間の委員会でも申し上げましたけれども、この事業量と人員というのがまことにバランスがとれない。私は事業量が一〇伸びたから人員も一〇伸ばせということは言っておりませんが、いずれにしても、あまりにも事業量が伸びて人の伸び方が少ない。この点について、もう一ぺんきちっとしておきたいと思いますので、これは民事局長でけっこうでありますが、私のいま申し上げたことが誤りなのか、あなたの答弁が正当なのか、これは明らかにしておきたいと思います。
#5
○政府委員(新谷正夫君) 前回お答えいたしましたように、昭和三十年の登記事務の従事職員の数は六千八百七十七人でございました。これを一〇〇といたしますと、昭和四十三年におきましては八千二百二十四人でございますので、昭和三十年の人員と比較いたしますと一・二、一・二倍になるわけでございます。
#6
○山崎昇君 一・二倍に私はならないと思っているのですが、この前は、あなたは六千八百七十七名と言いましたね。昭和三十年には。四十三年はいま言う八千二百二十四名ですね。だから一倍半にはならないんじゃないか、一・二倍にならないんじゃないですか、ふえてはいるけれども、どうですか。
#7
○政府委員(新谷正夫君) 昭和三十年を一〇〇といたしますと、昭和四十三年は一二〇でございます。したがいまして〇・二ふえておると、こういう計算になるわけであります。
#8
○山崎昇君 そうでしょう、だから倍とは違います。あなたこの間一・二倍と、こう言うから、私はそれは違うのではないか、いまのあなたの答弁だと、〇・二だというと二〇%ふえた、二〇%ふえたけれども二倍とは違う。だからこれを明らかにしていただきたいと思う。
#9
○政府委員(新谷正夫君) ですから昭和三十年を一〇〇といたしますと、四十三年は一二〇でございますので、ですから倍数で申し上げれば一・二倍と、こういうことになろうかと思います。
#10
○山崎昇君 だから二〇%、そうでしょう、ね。
#11
○政府委員(新谷正夫君) 二〇%の増でございます。
#12
○山崎昇君 そうでしょう。だから件数のほうはこれでいくと六・五倍になるのです。人員のほうは二〇%しかふえない、倍にはなっていない。だから私の言いたいのは、あまりにも件数のふえ方と人間のふえ方とではひど過ぎるのではないか、こういうふうに考えているんだが、それでよろしゅうございましょうかと、こう言っている。
#13
○政府委員(新谷正夫君) 一・二倍と申し上げるのがおかしいということでございますれば、二〇%の増加とこう申し上げてもよろしいわけであります。ただ仰せのように件数は相当伸びておりますけれども、人員は確かにその伸び率が非常に低いわけであります。これで十分かという御趣旨だと思いますけれども、増員は確かに少ないんでございますけれども、法務省といたしましては、ただ人をふやすばかりで、この登記事務が能率化するというふうには考えておりません。したがいまして、登記制度と台帳制度の一元化、粗悪用紙の移記とか、事務の機械化、いろいろな仕事をやりまして、それを総合いたしまして事務のスピードアップをはかろう、こういう考え方に立っておりますので、ただ事件の伸びにスライドして人員を伸ばせばいいと、こういうふうには考えていないのであります。今後とももちろん人員は非常に重要なことでございますので、増員に重点は置いてまいるつもりでございますけれども、そのほかにいろいろの施策も講じながら、現在の登記事件の増加に対処していきたいと、こういうふうに考えておる次第であります。
#14
○山崎昇君 そこで法務大臣にお聞きしますが、いま答弁ありましたように、事業量と人員というのはきわめて隔たりがある。そこで法務省の私は職員の健康管理について大臣にお聞きをしたいと思うのだが、人事院月報を読んで見ますと、法務省というのはけが人が出るのがものすごく多い。それから休んでいる者が多い、死んでいく者も多いですね。どうして法務省は、そんなに現業官庁とも私は思わないのだが、建設省やその他の省より多いのだろう、私はふしぎでならないわけです。そこで法務大臣に、法務省の職員の健康管理についてどういうふうにされているのか、お聞きをしたい。
#15
○国務大臣(西郷吉之助君) 法務省に限りませんが、公務員の健康保持ということは非常に大事でございますし、特にこの登記所の職員は仕事が非常に多忙でございますので、常に定期検査をいたしまして、健康の保持に配慮をいたしておる次第であります。
#16
○山崎昇君 職員の健康の管理に意を用いているというあなたの答弁ですが、私のほうから数字であなたに聞いてみます。これは人事院月報のことしの一月号です。ただとられている数字が四十一年度の数字でありますから、資料として私は少し古いんではないかと思いますが、いずれにしてもこういう資料しかありませんからこれでお尋ねしたい。
 療養補償やっておるのが第一は郵政省、二位が林野庁、三位が建設省、四位が法務省ですね。法務省は四番目に位するわけです。総数で一万一千二百五件の療養補償の件数のうち、法務省というのは七百二十六件なんです。どうしてこんなに多いのだろうか、第三位の建設省が七百六十九ですから、わずか四十件ぐらいしか差がない。こう考えてみますと、法務省というのはかなり私は療養を要する者が多い、他の者に比べて。これはどういうふうに私ども理解をしたらいいのか、なぜそういうふうになるのか、原因を含めて見解を聞きたいと思うのです。
#17
○政府委員(辻辰三郎君) ただいま当省の療養給付を受けている者の数字の御指摘がございましたが、私どもの省におきましては、いわゆるこの縦割り組織でございまして、登記所関係の職員ももちろん約一万人をこえる者がおりますけれども、そのほかに矯正組織関係で約二万をこえる職員がおります。それから検察庁関係の組織でやはり一万をこえる職員がおるわけでございます。そのほか入管も保護とかいろいろございますけれども、その間それぞれ仕事の性質が異っておるわけでございまして、ただいまの療養給付の問題につきましても、ちょっといま正確な資料を持っておりませんけれども、各組織によりまして仕事が著しく異なっております関係で、一がいにはその全部が法務局関係の職員の病気によるものとはいえないわけでございまして、いま正確な資料を持ちませんけれども、むしろ問題は矯正職員なんかのほうに給付を受ける者が比較的多いのじゃなかろうかと、一応かように考えておるわけでございます。
#18
○山崎昇君 そんなことはありませんよ。人事院月報、あなたごらんになってください。これは省別に出されておる。だから私は登記事務ばかり言っておりません。大臣にお尋ねしておりますのは、法務省の職員の健康管理についてお尋ねしておりまして、どう言おうとも第四位です。十八省あるうちで法務省というのは四位ですね。それから人事院月報の二月号を見ますと、死傷する者、死んでいく者、これが法務省は第二位です。第一位が建設省、第二位が法務省、第三位が運輸省、さらに休業が、八日以上の者、これが一位が建設で二位が北海道の開発庁、三位が法務、一日から八日ぐらいの間休む者、一位が建設で二位が法務で三位が運輸、例をとって見ても、法務省というのは大体三番目か四番目に位する。私はこういう数字を見るというと、どこかに職員の健康管理についての欠陥があるのか、あるいは健康管理をする側に、職員の健康についてのあまり意識がないのか、何か知りませんが、いずれにしても法務省というのはこういうふうに事故が多い、休む者が多い、これを千人率で同じ二月号の月報は出しておりますが、第一位は建設一二・一二、二位が北海道開発庁、一一・八八、三位の運輸が一一・七、四位の警察が六・一七、五位の法務が六・〇五、建設、警察と匹敵をして法務の職員は休む率が多い、療養件数が多い、これは私どもどういうふうにじゃあ理解したらいいんですか。いま登記事務のことで例をとって事業量と人員の増との間のことをお尋ねしておりますが、法務全体を考えてみましても、職員の健康管理というのはなっておらない。現業官庁よりもっと激しいのじゃないですか。休む者やけがする者、死ぬ者、これはどういうふうに理解をするのか、あなたがたはどういうふうにこういうことが起きてくると理解をしているのか、見解を聞きたいと思います。
#19
○政府委員(辻辰三郎君) ただいまの御指摘の数字でございますが、法務省の職員は、各組織全体にわたりまして平均年齢をとってみますと、平均年齢が、いま正確な資料を持っておりませんけれども、他の省に比べまして多少高齢になっておると理解いたしておるわけでございます。何よりも職員の他省に比べ高年齢という点が、一番の原因になっておるんじゃなかろうかと思うわけでございまして、私どもかねがねこの面におきましては、職員の健全な新陳代謝というところに意を用いている次第でございます。
 なお、法務省全体といたしましては、具体的にどのような健康管理の方法をとっておるかという点でございますが、まず、全職員につきまして、年一回、国の施策といたしまして、呼吸器系統、結核の検査をいたしております。それからやはり国の一つの施策といたしまして、四十歳以上の職員につきましては血圧の測定、それから尿の検査を行なっておりますし、また、運転手等の特殊業務についておる者につきましては、胃の検査を年齢のいかんにかかわらず行なっておるということで、呼吸器系統、血圧系統、泌尿関係の系統の疾患の早期発見につとめておるわけでございます。
 なおそのほか、官の施策ではございませんけれども、共済組合の一つの施策といたしまして、希望者に対しましてはガンの早期検査を行なうというようなことを、これは定期的に行なっておるわけでございます。なお法務省共済組合といたしましては、全国五十カ所に診療所を設けておりますし、また矯正関係の職員につきましては、別個刑務共済組織がございますが、この刑務共済組織におきましても、五十カ所の診療所のほかに、なおそれ自体として二十六カ所の直営の診療所を設けている。かようなわけで、法務省全体といたしましては、直営で合計七十六カ所の診療所を設けておりまして、職員及びその家族につきまして万全の医療措置を講じておると理解いたしておるわけでございます。
#20
○山崎昇君 いま答弁した点は、これは各省みんな同じことをやっておるのです。何も法務省だけ特段のことをやっておるわけじゃないのです。一番のあなたは原因は高齢だと、それじゃ平均年齢はどんなに違うのですか。五歳も十歳も高いわけじゃない。せいぜい私は一歳か二歳の違いであろうと思う。これはいま数字を持っておりませんから、私のほうから申し上げることはできないにしても、それが原因だとあなたが言われるならば、じゃ高齢者についていまやっていることは、四十歳以上は単に血圧の検査ぐらいのものです。目立ってやっているのはそのほか何もない。しかし、人事院月報で示されている発生原因というのは、あなたの言うことと違っている。人事院月報では、自動車の事故がまず一番多い。その次は物品の取り扱い、運搬、三番目が墜落、四番目が、これが私は問題だと思うのだが、つまづいたり、ころんだりしてけがする者が多いというのです。これは人事院月報がそういうふうに述べている。そうすると、つまづいたり、ころんだりするということは、おそらく私はこれは往復の通勤途上が多いのだろうと想像する。なぜ往復の通勤途上でつまづいたり、ころんだりしてけがする者が法務省にこんなに多いのか。これは何といっても労働強化になっているのではないかとしか、私どもどうしても判断できない。これは私が言っているのじゃない。人事院月報がそういう原因を述べている。だからあなたの言ういまの説明だけで、法務省の健康管理なんというのは万全なものと私は思えないし、高齢者だとあなたが言うならば、ほかの省と比べてどのくらい年齢が高いのか、説明してもらいたい。
#21
○政府委員(辻辰三郎君) ただいま御指摘の点でございますが、この療養補償の点につきましては、いわゆる公務災害による療養補償と、そうでないものと、全部含んだものであろうと思うわけでございます。ところで、ころんだりしたので多いとかいう御指摘でございますが、これは先ほどちょっと申し上げましたように、当省の刑務組織の職員などは、この業務の遂行の過程におきまして、護送業務であるとかというような特殊な業務もございますし、また早朝深夜の出退勤という特殊な業務形態もあるわけでございまして、かようなものが一つの一因をなしておるんじゃないかと考えるわけでございます。
#22
○山崎昇君 いま、あなたから、公務、公務外と両方含んでおるような話でありますが、そうじゃありませんよ。あなた人事院月報は見たことありませんね。いま私の申し上げているのは公務上のことだけを申し上げているので、人事院月報のことだけを申し上げておる、人事院月報の。そうしてちょっといまあなたに申し上げたように、自動車でけがする者二一・四%、物品の取り扱いその他が一七・六%、墜落というのが一一・三%、ころんだりつまずいた者が九・二%、これは公務上、公務外のことは全然私は触れていないのです。だから、こういう数字から私は判断しますと、公務上であっても、法務省がなぜ現場の現業官庁と匹敵するような事故が起きているか、こういうふうに考えると、私はいまあなたの言うように、単に年に一回健康診断やっておりますとか、四十歳以上の者は血圧の検査をやっておりますとか、合計で七十六カ所の診療所でたまに検査をやっておりますとか、それももちろん大事でしょう。必要ないとは言わない。それ以上に仕事の量と人員というのがあまりにもバランスがとれない。アンバランスで、職員に過重な労働がやられておるから、こういう結果が私は出てくると思うのです。これは四十一年のデータで、私も三年前のことですから恐縮ですが、人事院月報見ても、これしか資料がないのでこれを使っているわけです。いずれにしても、いま登記事務所のほうだけ人員と事業量の問題が出ていますけれども、全体的に法務関係の仕事というのは膨大にふえているわりに人がふえない、こういう関係がこういう結論というものを出してくるのじゃないか、こう考えるのですが、どうですか、大臣、これは違いますか。
#23
○国務大臣(西郷吉之助君) いろいろこちらも御答弁したとおり、いろいろやっておりますが、そういう御指摘の非常に病人が法務省多いというお話でございますが、これまでの健康管理は、何と申しましても大事でございますから、十分に配慮はしておるつもりでも、そういう結果がある以上は、今後ともいまの人員のわりに仕事が過重じゃないかという話でございますが、場所によってはそういうところもございますので、非常に苦労しておりますので、しかし今後ともさらに健康の保持には配慮いたした、と考えております。
#24
○山崎昇君 さらに大臣、人事院月報見ますと、常勤と非常勤職員の間に事故の発生件数についても相当の開きがある。私のほうから数字を申し上げますが、常勤の場合、四十一年度で三十五件、これは休業補償の場合で述べられています。ところが非常勤の場合になりますと二千八百九十五件になっておる。だから私は勤務の態様によってもこの事故の起きる件数というのが違ってくる、こういう点を考えますというと、法務省の健康管理、職員管理仕事と人の関係、これはもうどうあなた方が強弁しようとも、バランスがとれない。
 そこで重ねてお伺いしたいのだが、毎年請願というのが国会にまいりますが、そのうちの一つに、法務省の場合は一万人ぐらいずつ増員をしてもらいたいという請願が毎年きている。これ採択されている。こういうふうに考えてまいるというと、なぜ毎年法務省一万人も増員してほしいという請願が毎年くるのか、こう私どもいろいろなデーターから考えますと、くどいようですが、法務省の人事管理あるいは仕事と人の関係というものはどうもまずい、こう私は判断せざるを得ないです。この請願の問題とも関連して、大臣、どういうふうに、あなた、それじゃこういう問題を解決しようというのですか、あなたの決意だけではどうにもならない。具体的に述べてください。
#25
○国務大臣(西郷吉之助君) 御指摘の問題は、御承知のとおり、具体的にとおっしゃいましても、早急に右から左に処理できる問題でなく、非常に大事であり、むずかしい問題でございますが、ことに法務局関係の定員外の職員等もございますが、これについても、今後も一そう定員の欠員等の場合に組み入れるような配慮をいたすとともに、全体についても、出入国管理のほうでも、矯正関係施設のほうでも、実際に十分とは言えないのでございますけれども、毎年三カ年の五%減の問題もございますし、定員をしばられておりますので、非常に法務省全体としては人員の問題は苦しいのでございます。そういう実情にございますので、何とかこれを解決しなければなりませんけれども、早急にかくのごとくいたしますという名案は得られませんが、今後一そう努力をいたしたいと思います。
#26
○山崎昇君 きょうは行管を呼んでいませんから、私は総定員法との関係はやりませんが、いずれにしても、いま指摘をしましたように、職員の労働過重になっていることはもう明らかです。したがって、この問題だけやっているわけにはまいりませんので次に移りますが、いずれにしても、職員の健康管理、それから事業量に見合う人員増等々については早急にひとつ私は解決をしてもらいたい、このことを最後につけ加えておきたいと思うのです。
#27
○北村暢君 関連してお伺いしますが、特に法務関係ですが、臨時職員の賃金は、予算の範囲内において採用しておるということがこの前の答弁にありましたが、一体一日幾らぐらい払っているのですか。
#28
○政府委員(新谷正夫君) 本年の予算単価は七百二十円になっております。
#29
○北村暢君 七百二十円というのは、それは平均であって、だいぶランクあるでしょう。どのくらいからどのくらいいっているのですか。
#30
○政府委員(新谷正夫君) 本年の予算単価が七百二十円でございますので、その地域の実情等を勘案しながら実行いたしております。したがいまして、それより多いところもありますが、少ないところもございます。
#31
○北村暢君 これは四十三年の一月のですから、私のいま持っている資料は。四十三年の一月ですから一年半ばかり前の昨年の賃金で調査した人員が五百三十一名のうち、七百円以上というのは四十一人しかいない。四百五十円未満というのもおる。大体多いのは五百円から六百円というのが、これは圧倒的に多いですよ。だから昨年の事態から改善されたとしても、今年度の予算単価が七百二十円ということになれば、そう改善されていないですね、これは。四十三年の予算単価は幾らだったですか。
#32
○政府委員(新谷正夫君) 六百五十円でございました。
#33
○北村暢君 六百五十円ね。一体これは安過ぎませんか。
#34
○政府委員(新谷正夫君) 一般の賃金と比べますと、これは安いということも言えるかとも思います。しかし、御承知のように行政職の(一)の俸給表の八等給の一号が、現在月額一万九千円でございます。それと比べますと若干下回りますけれども、公務員の給与と比べた場合に、それほど安いかということになりますと、そうも言えないような感じもするわけでございます。この賃金の予算単価というのは、大蔵省で統一単価でやっておりますので、その辺の事情も十分勘案しながら定められておるものと思うのでございますけれども、私どもといたしましては、先ほど仰せのように、できるだけ優遇したいという気持ちを持っておりますので、予算の要求等においてはその点も十分説明いたすのでございますが、各省共通の問題でございますし、大蔵省の統一単価に従わざるを得ない、こういう実情になっております。
#35
○北村暢君 その日額をきめるやり方は、私も算出の方法知っていますよ。知っていますけれども、予算単価で七百二十円というものをきめているということは、これは実際実情には沿っておらない。したがって、あなたのほうでは、この予算単価なら予算単価に従って、七百二十円なら七百二十円全部払っていれば別だけれども、払っていないですね、これ。地方の実情ということで五百円から六百円が圧倒的に多い。七、八十円上がっているから今度は六百円から七百円のところが一番多い、こういうことになるでしょう、おそらくね。六百五十円くらいのところが一番多いのじゃないでしょうか。そういうことで圧倒的な部分の人が予算単価を下回っているのですよ。それは実行単価が予算単価を下回っているということは、あれでしょう、予算の範囲内で仕事は多くやらなければならないから、ならべく安くしてよけい使わなければならない、こういう実情があるのでしょう。そういうことを物語っていますわね、これ。そのことがやはり健康管理との問題とも、圧倒的に低賃金であるとか、一日七百円くらいで、ほかの公務員と違うでしょう、日給には通勤費から家族手当からそんなもの何もないわけですね、もちろん。したがって、ただ単に何等給の何号の俸給を逆算するとこういうふうなことで、必ずしも低くないと言うけれども、それは臨時職員の場合、相対的に低くなることは間違いないですね、日給でこれしかないですから。これ以上払っていないでしょう。日給に扶養手当なりなんなり、そんなものを含めたとか、通勤費どうだとかということはないわけでしょう。そういうものは払ってないはずです。
 したがって、そういう点からいってうんと低いのですよ。しかも、これはほんとうの臨時職員、臨時的な職務で臨時職員というのもおるし、比較的常勤的非常勤という性格の人、いま五百何名と言ったが、大体これは一年未満の者も半分くらいおりますけれども、一年以上というのが大部分です。そうすると、これは常勤的に非常勤的性格を持っている、そういう人ですからね。したがって日給制の今日の賃金というのは、大蔵省が統一単価でやっているとはいえども、これではあまりにも安過ぎるのですよ。そういう点が非常に問題がある。あなた方は、各省一律だからこれはやむを得ないのだと、こういうことのようですけれども、これはあまりにも安いでしょう。七百二十円単価でも、日給制ですから、出ない人はもらえないですわね。ですから月給制のほうとの比較からいけば、手取り額からいえばうんと低いことになることは間違いない。そこに臨時職員の健康管理の問題で関係してくる問題があると思うのですよ。実際に予算単価まで払ってないでしょう、実際問題として。
#36
○政府委員(新谷正夫君) 先ほど申し上げましたように、予算単価を上回るところもございますが、それより下がっておるところもあるのが実情でございます。しかし仰せのように賃金職員であるからといって、安ければいいというものではありません。私どもも払うべきものは十分払うべきであるというふうに、法務局に向かっては指導をいたしておる。できるだけ十分な待遇ができるような配慮を加えべきである。こういうまあ基本方針の上に立って運用いたしておるものでございます。昨年は六百五十円の単価でございましたので、六百円を割るようなところも出たようでございますけれども、本年度はそうではございませんので、少なくとも先ほど仰せのように、六百円以上の賃金の実行単価は十分考えられるわけでございまして、上をあまり高く上げるというと今度は下のほうにも影響してまいりますので、できるだけその平均的なところで予算単価に近づけるような形で運用されるのが、最も望ましかろうという基本方針は堅持いたしておるのでございます。
 まあ賃金職員のことにつきましてはいろいろ問題がございますけれども、この待遇面は十分考慮をいたしていかなければなりません。今後ともこの待遇を向上させることについて極力努力いたたしいと、このように思っております。
#37
○北村暢君 そういういいかげんな答弁をしちゃだめですよ。六百五十円の予算単価でしょう、昨年度。五百三十一人のうち六百五十円の予算単価以上を支給しているものは四十八人しかいませんよ。あとの四百八十名くらいのものは予算単価以下、六百五十円以下ですよ。しかも五百円から五百五十円、五百五十円から六百円まで、ここのところが大体三分の二いるのです。ですからね、予算単価以上に払うものがおれば低くなる者もおる。これは当然でしょう。当然でしょうけれども、圧倒的部分が予算単価以下なんですよ。しかも予算単価以上というものがべらぼうに高いのを払っておるのかというと、そうではないので、六百五十円の予算単価のうち七百円程度ですね、払っている人、六百五十円、七百円以上というのがたった四十数名しかいない。五十名以内しかない。そういう状態なんですよ。ですからね、あなた方はその予算の運用を予算単価に近いような形で運用しているかといえば、予算単価そのものが低いのに、なおかつそれより百円ぐらい安い単価で払っているのが圧倒的に多い、こういう状態なんですね。
 いかにこれは法務省としては、この臨時職員の確保に苦労されているかということはわかる。よくまあこういう安い賃金でいる人がおるものだといって感心るすくらいだけれどもね、いま学生のアルバイトだって千円以下ではいないでしょう。実際これで運営しているというのは、予算単価はこれであっても、人員を切り詰めて、予算の単価の人員をよけいもらって、この七百二十円ではできないことを八百円なり千円なり実際はそういうふうに払っておるというのなら大体わかるんですけれどもね、あなたのところはそうでないんですよ。いま農林省も建設省もこういういろいろ職員がおりますがね。やりくりして、予算単価より上回って支給しなければどうにもならないという状態ですよ。確保しようにも確保できない状態ですよ。ところがあなたのところは、予算単価を割っているものが多いんですよ。ここら辺は少し運用の問題として、予算単価ですからあれでしょう、七百二十円かつかつということ、それ以上払っては法規違反だというようなことはないわけでしょうね。この二年以上勤務しているような人は当然それは高く払わざるを得ないわけでしょう。そういう形で、運用の方法からいっても、私はどうもここの法務省の人の使い方というのは度はずれだという感じをしているんですがね。これは切実な訴えですよ。法務大臣、今後の方針をひとつはっきりしてください。どうも担当者の答弁では私は満足しませんがね。実情非常に違います。
#38
○国務大臣(西郷吉之助君) やはりこういう予算単価を見ましても、民間ベースに比べれば低いわけでございますから、いろいろいま民事局長から説明もありましたが、できるだけ予算単価を全額支給できるように配慮いたしたいと思います。
#39
○山崎昇君 いま北村委員からも話が出まして、ほんとうは臨時職員、定員外職員の採用根拠なんかもあなた方に伺いたいんですが、それをやっていると、とても私の質問は終わりそうもありませんので、一応省略して次に移りたと思います。
 地方法務局の出張所というのがかなりあるわけなんですが、現在どのくらいあるのかお聞きをしたい。それからその出張所の中にいわゆる一人庁といわれて、一人で仕事をやっているところがかなりあるという話を聞いておりますが、これがまたどれくらいあるのか、まず御説明願いたい。
#40
○政府委員(新谷正夫君) 現在法務局の出張所が千四百七十九ございます。そのうち一人庁が二百八十三庁になっております。
#41
○山崎昇君 この地方法務局の出張所の、何か聞くところによりますというと、かなり整理統合といいますか、そういう方向が法務省で検討されておる。こう聞いておるんですが、それがもしほんとうだとすれば、どの程度のことが検討されているのか聞きたいということ。それからあわせて時間節約の意味で、この一人庁という存在ですね。私どもこの一人庁というから、つとめている職員だけが仕事をするんだと思うのですが、実際は局舎と事務所と一緒になっている。したがってどこからどこまでが勤務で、どこからどこまで自分の時間かというと、実際に行ってみると、なかなか区別がしがたい。場合によっては奥さんがかなり手伝わなければできないような状況になっている。そういう勤務実態なんで、一体この一人庁というものをどうお考えになっているか。あるいはいま申し上げましたように、この勤務時間がなかなか明確にできない。自分の時間だか公の時間だかわからない。奥さんがかなり手伝う、こういうものについて法務省としては何らかの対策を講じておるのかどうか。講じておるとすれば、もし奥さん等がほんとうに仕事をやらなければ、そこの一人庁の仕事ができないような場合にどういう方法がとられるか、その点についてお聞きしたい。
#42
○政府委員(新谷正夫君) 整理統合でございますが、これにつきましてはいろいろ困難な事情もございますので、現在これを直ちに具体的に実行しようということは考えてはいないのでございます。前回も申し上げたと思いますけれども、明治年間に配置されました登記所が、現在の社会事情、経済事情に必ずしもそぐわない面がかなり出ておるのでございます。したがいまして、そういう観点から新しい構想のもとに、長い将来を展望しながら、今後の法務局の出張所を含めた全機構の配置がどうあるべきかということについての基本的な検討をただいまやっておる次第でございます。その理想図がはたして皆さん方の御承服をいただけるかどうか、これもわかりませんけれども、ともかくわれわれとしましては、国民に不便をかけないようにすると同時に、役所の事務が能率的に正しく行なわれるということを念願いたしまして、この組織の配置を真剣に考え直してみようということを、ただいまやっておるわけでございます。
 したがいまして、その間、現在の登記所を具体的に整理統合しようということは、これは見合わせているわけでございます。その時期がまいりますれば、あるいはまた関係方面の御理解もいただいて、これを実行に移すということもあろうかと思うのでございますが、まだそこまで申し上げる段階に立ち至っておりません。
 それから一人庁につきましては、これは確かにお説のように、いろいろ不都合が出てくるわけでございます。これもなぜこういうものができたかということになりますと、先ほど来強く御指摘になりましたように、人員が足りないというところに実は根本的な原因があるようでございます。しかしながら、この一人庁であるから、登記所はやめてしまえというわけにも、これはまいらないのでございまして、どうしてもその登記所を存置して、国民の御要望にこたえなければならぬ、こういう板ばさみの状況に実は追い込まれておるというのが実情でございます。しかしながら、一人庁という姿そのものは、これは決して私どもも望ましいとは思っておりません。したがいまして、法務局に関しましては、できるだけ一人庁を解消するように、これは整理統合するという意味ではございません。できるだけ一人庁でない、言いかえれば、少なくとも二人以上の出張所にすべきであるということを申しておりまして、昨年、一昨年あたりから、ぼつぼつ法務局のほうでもその努力をいたしまして、できるだけ人員の合理的な配置を考えながら、出張所の一人庁というものをなくしていく方向にいま努力をしております。ぼつぼつ、従来一人庁であったところを二人庁にするようなところがあらわれつつある状況でございます。奥さんにいろいろな負担をかけるというようなことも、これは現実問題としてはあるようでございますが、またそういうものもできるだけなくすように、また一人庁といえども休暇もとれ、一人前の、一人前と申しますか、普通の公務員として十分生活できるような措置を講じていこう、こういう考えでやっておる次第でございます。
#43
○山崎昇君 こういう一人庁というのは、第一線の行政機関ですから、一番国民との接点なんですね。したがって、私どもから言えば、こういうところの充実がほんとうの意味の行政のサービスだと、こう思う。これはあなたに言ってもしようがないことですが、いまの給与体系からいけば、現場に行けば行くほど給与が低くなるんですね。東京に来れば来るほど給与が高くなる仕組みになっておるわけです。ほんとうはこれは住民のサービスということから言えば、私は考え直さなければならぬ給与体系だと思うのだが、いまこれはやっているところではありませんから、別の機会にしても、いまお話がありましたような定員が足りないから、一人庁をぼつぼつ二人ぐらいずつに何とかしたい、いますぐ整理統合は考えていないが、将来法務省の行政全般についての検討の中でこれはまあ考えたい、こういうお話ですから、当面はこういうところで働いている人の動揺はないと思うが、しかし後段にお話のありました奥さんについては、これは私ども一、二カ所しか行きませんけれども、聞いてみますと、やっぱりかなり手伝うのですね。常識的にいいまして、そうでなければさばけない。こういうものに対して、私は何らかの考えを法務省としてはしなければならぬのではないか。
 これと同じものに警察官の駐在所がありますよね。これはいなかに行けば行くほど、警察官一人だけおってやっておる。またほかのことで言えば、自治体なんかでは林検なんというのがありまして、林務関係の検査所もあります。どうも一人庁ばかりでありませんが、こういうようなところに勤務する人の給与あるいは労働条件といいますか、その家庭の仕事のしかたですね、こういうものについて、やはり私はもう少し法務省として考えてもらいたい。いまここで奥さんに手当をすぐ出せるとか出せないとかいうことは別にしましても、この点は一体大臣、どういうふうにお考えになりますか。これは予算上の制約とあなた言いたいのでしょうが、それ以前に、こういうほんとうに国民との接点で仕事をしている方々をどうするのか、単に人がおらないからがまんしてもらうのだということでは、私は納得できない。そういう意味で、一人庁の今後のあり方について大臣の見解を聞きたい。
#44
○国務大臣(西郷吉之助君) いまお話のとおりの実情にございますので、法務省といたしましても、これに対しまして何とかしなければならぬという配慮をもってやっておりますが、現在奥さんにというので、与えてはおらないのでございますが、別途いろいろ配慮をしておるわけでございますけれども、今後はやはり駐在と登記所、一人庁については、実際に奥さんが代理をつとめておりますので、これに対して正式に給付するような方法を検討しなければならないと考えております。
#45
○山崎昇君 いまメモをもらいまして、駐在所の警察官の奥さんには毎月手当が支給されておると聞いているのですね。これはいま私がメモをもらったんですが、私もこれは法的に何に基づいてやっているのか知りませんが、もしも警察官にこういうことがやられているのだとするならば、当然一人庁の場合もやってしかるべきだと私は思う。そういう意味で、あなたのほうで十分ひとつ調べてもらって、そういうことが同じ法務省の管轄の、治安をあずかる警察のほうでやっているとすれば、一人庁のほうもやってもらいたい、こう思うのですが、どうですか。
#46
○国務大臣(西郷吉之助君) いま駐在所の奥さんの問題で言われましたけれども、これもやはり表面は奥さんへの給付ということでなくやっておるように聞いております。しかし両方ともそういうことでなく、正式にやはり仕事をしていただいておりますので、これに裏づけを正式に行ないたいと私も考えますので、十分警察の事情等も聞きまして、双方とも正式な給付のできるようにいたしたいと思います。
#47
○山崎昇君 それでは、ぜひ一人庁に勤務している方々の労働条件については改善するように要望をしておきたいと思うのです。
 そこで、次に伺っておきたいのは、監獄法にいう監獄と、法務省の設置法に言う刑務所と、それはどういう関係になってくるのか。私も法律を見ているのですが、どうもわからないわけです。監獄法の第一条で言うと、懲役監、禁錮監、拘留場、拘置監、この四つを監獄という、こうなっている。ところが法務省の設置法のほうでいくと、付属機関として別表で刑務所が置かれておるわけなんですが、この監獄法の監獄と、法務省の設置法で言う刑務所と、どういう関係になっているのか。どうも法律上私わかりませんので、教えてもらいたいのです。
#48
○政府委員(勝尾鐐三君) これはわが国の法律制度の立て方にも関連するのでございますけれども、わが国では、古くから監獄法では営造物としての監獄の作用、普通行刑と申しておりますが、行刑のみを監獄法では定める。一方、監獄の名称だとか組織につきましては、別に監獄官制という別立ての法律で立てられてきていたのでございます。これは法制史的には、明治三十六年以来の立て方になっております。これは、考え方といたしましては、行政作用法と組織法と体系的に分けるという立法沿革によるものではないかと理解いたしております。そして監獄法、その他の刑事法の上、たとえば刑法などの上では監獄という文言がいまなお用いられているのでございますが、他方、行刑の関係では、この監獄という名前はふさわしくないじゃないかという声が出まして、大正十一年に監獄官制の別表を変えまして、この組織法だけでは従来の何々監獄というのを避けまして、何々刑務所というように、これは大正十一年からそういうぐあいに監獄官制の別表を変えたわけでございます。その後、昭和十二年になりましては、未決拘禁を主として行なっておりまするものを、やはりこれは何々拘置所というように変えて現在に至っているわけでございます。ところが、戦後、監獄官制という組織法がいわゆる設置法という形に改められまして、いわゆるその組織法である設置法で、その細部が刑務所、少年刑務所あるいは拘置所というぐあいに定められまして、これが組織規定に受け入れられているというのが現在の実情でございます。
#49
○山崎昇君 そうすると、監獄法では営造物の設定をやって、法務省の設置法では組織をきめるんだ、こういうあなたのいまの説明なんですね。そうすると、私はちょっとそこで疑問を持つのは、それじゃ営造物と組織と、一体どういう違いになってくるのか、いまの設置法と監獄法との関係から。これがどうしても私はいま、ぴんとこないのです。
 それが一つと、それから監獄法の一条を見ますというと、懲役監と禁錮監というのが、これはおそらく私は何々刑務所というところでやられるのだと思う。それから設置法を見ますというと拘置所というのがまた別にある。そうすると、ここに第一条で言っている拘留場というのは、これは一体何に該当してくるのか、これは。さらに、これは監獄法の第一条の三項を見るというと、拘留場は警察に付属して置かれてもいいが、監獄の代用に使ってはいけませんよという禁止規定もある。そうすると、この監獄法の第一条に言う拘留場というのは、組織規定では一体どこに入ってくるのだろうか。これも私どもしろうとですからよくわからないのですが、もう一ぺん、その沿革はわかりましたけれども、この監獄という名称はどうもぐあいが悪いというので、大正十一年から別表改正をして刑務所にしたと、こういうのですが、その間のもう少し法的な面について一つはお聞きをしたいと思うのです。
 それから、だんだん時間がなくなってきましたから少しあわてるようでありますが、監獄法の十条というのがまだ残っておるようなんですね。これはどういう意味をあらわすのか、いまの時点で。私は当然これは削除さるべきでないかという気もするのですが、あわせてこの監獄法十条の見解についてお聞きをしたい。
#50
○政府委員(勝尾鐐三君) 最初のお尋ねでございますが、いわゆる執行法である行刑の法律で監獄と書いて、組織法で刑務所と、こう直したという点におきましては、やはり私は、これは両者が合致するのがたてまえだと思っております。で、私の承知しておるところでは、大正十一年に組織法である官制だけを刑務所に直すということにつきましては、やはり同時に監獄法も改正して平仄を合わすべきじゃないかという議論があったように承知いたしております。ところがその監獄法の改正という問題につきまして、非常な大きな事業になる関係で、早急には間に合わない。そこでやはり行刑を担当するものといたしましては、それではせめて組織法だけでも刑務所という名前に変えてほしいという、まあしいて理屈を言うならば、組織法と行刑法と執行法という区別があるのだから、組織法だけを変えても理論的には何とかつじつまが合うのじゃないかという要望があって、組織法だけが刑務所ということに変えられたというように沿革を承知いたしております。
 それから第二点の監獄法の第一条の拘留場でございますが、これはすでに御案内のように、刑の種類として懲役、禁錮、それから拘留という、手へんのついた拘留、これが刑の種類でございます。そういう拘留の刑に処せられた者を拘禁する場所ということで、いわゆる拘置所の拘留は手へんのない勾留とは違うわけでございます。
 それから第三点の監獄法十条の問題でございます。これも歴史的な沿革を拝見いたしてみますと、これも理論的に申すならば、いわゆる戦後陸海軍監獄の廃止に昭和二十二年になっているわけでございますが、その際に当然削除されるのが筋道ではなかったかと思うのでございますが、当時司法省において新しい行刑の建設ということを目ざしまして、監獄法の全面改正を企図したようでございます。したがいまして、この監獄法十条の廃止も監獄法の改正の際に、ほかにもまあ少なからずこの種の改正をしなくちゃならぬ面がありますので、それを監獄法の全面改正と同時にやるという方向になって今日に及んでいる。したがいまして、理論的に申し上げますなら、十条は整理されないまま、廃条といいますか、その条文は実質的に廃止されているという形で取り扱われてきている。したがいまして、私としては、現在進めております監獄法の全面改正を一日も早く実現をして、この十条、その他ほかの関連の法規にもなお監獄という名前が残っておるところがあったり、陸海軍式のまだ字句が残っているところがございまして、実質的には廃条ということになっておりますが、形式的にもこれをきれいにいたしたいと、このように考えております。
#51
○山崎昇君 いまの説明でわかる部分もありますが、何か監獄法自体がいろいろ矛盾があって、あなたのほうは、将来改めたいと、こういうわけですから、私はまあその際にまた検討されるのだと思うのですが、しかし、いずれにしても、いまの監獄法を見れば、組織法との問に、あなた自身が認めるように、どうもやはりしっくりしない、こういう関係だろうと思う。
 それから私はこの十条を見て、何か少しうがった見方になりますが、いま盛んに国内で防衛問題がやかましいので、やがて陸海軍ができて、その際にこれは適相するために知らんふりして残しておくのかという、少しうがった見方をしておったのですが、いまあなたからこれは本来なくすべきものだが、形式的には残っておるけれども、実体的にはこれはないものだ、こういうお話で、将来これも削除するというお考えのようでありますから、この点は私はこれ以上追及はいたしませんが、いずれにしても、この監獄法の十条というのは、国防の問題と関連してかなり議論を呼ぶ問題だと思うです、残しておくということは。したがって、一日も早くこういう点は削除してきれいにしてもらいたい、私はこのことを要望して次の質問に移りたいと思います。
 そこで、まだかなりあるのですが、少し飛び飛びで恐縮ですけれども、お伺いしておきたいと思うのは、検察庁というものについて、これは国家行政組織法上どういうふうに私ども理解したらいいのか私はわかりませんので、ひとつ聞きたいと思うんです。
#52
○政府委員(辻辰三郎君) 検察庁が国家行政組織のもとにおきまして、特に国家行政組織法との関係でどういうふうに解すべきかという点につきましては、かねてからその議論のあるところでございます。で、これは検察庁法の施行時期と国家行政組織法の施行時期との関係にさかのぼるわけでございますが、検察庁法のほうが施行が早いわけでございます。先に新憲法の公布とともに検察庁法が公布され、施行されておるわけでございまして、そのあとに現在の国家行政組織法ができてきたということに相なるわけでございます。
 そこですでに検察庁法ででき上がっております検察庁というものを、国家行政組織法のどこに入れるかという問題になるわけでございますけれども、これにぴったりと当たる条項が、しいて言えばその八条の附属機関ということになろうかと思いますけれども、本来この国家行政組織法八条で考えておるものとはまた多少違うように思うわけでございます。で、この辺のところは、ただいま検察庁は検察庁法に基づいてつくられておると、しいて国家行政組織法と関連づけようとするならばこの八条に当たると、しかし、しいて関連づける必要性があるかどうかという必要性の問題になるわけでございますが、現在、組織の面におきましては、国家行政組織法に特に入れなきゃならないと、関連づけなきゃならないという具体的必要性はないのじゃないかと、かように考えておる次第でございます。
#53
○山崎昇君 私の理解に間違いがあれば指摘をしてもらっていいんですが、法務省の設置法を見ますと、十三条の十二に「検察庁については、検察庁法の定めるところによる。」とだけ載っておって、検察庁というのは、法務省との関係が附属機関だとも何だとも書いてないんですね。「検察庁法の定めるところによる。」と、こうなっているんですね。そこで検察庁法を見ますと、第一条で「検察庁は、検察官の行なう事務を統括するところとする。」となっているのですね。そこで検察官というのは、私は独任制の官庁だと思うんです。したがって、第十四条にいきます、「法務大臣は、第四条及び第六条に規定する検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。」ということで、検察庁という存在は法務大臣との関係では出てこないんですね。だから私は組織法上どういうふうに理解したらいいかわからない。そしてさらに私がわかりませんのは、検察庁法の第五条で、検察官はいずれかの検察庁に属することになっている。検察官というのは単に検察官の事務を行なうと、こうなっているんだが、そこに検察官というのは属することになっている。そして検察官と法務大臣との関係というのは、検察官として、一般的な指揮監督に入るということであって、そのほかは何もない。設置法を見ても、検察庁と法務大臣との関係というのは何にも規定されていない、しいていえば国家行政組織法の第八条に該当するかもしれないといったって。そこで検察庁というのは何か宙に浮いているような存在でもある。どうも私は一連の法関係を見るとわからないのだが、特に法をあずかる法務大臣が、検察庁というのがどういうものかわからぬでは困ると思う。もう一ぺんわかるようにひとつ説明してくれませんか。
#54
○政府委員(辻辰三郎君) ただいま検察庁の性格についての御指摘でございますが、御指摘のとおり検察官というものが一つのいわゆる官庁でございます。これと法務大臣との関係は、ただいま御指摘のように、検察庁法第十四条によりまして、そこに一つの指揮監督系統が出ておるわけでございまして、本来の検察事務を行なう場合には、この検察事務というものが内閣へ上がっていっておるわけでございまして、内閣を通じて国会に責任を負うという形の行政組織ができ上がっておるわけでございます。この検察庁というのは、ただいま御指摘のように検察官、こういう単独制の官庁がそこで集まっておる、統括をするという意味の検察庁というのがあるわけでございます。これは検察庁法一条にいう検察庁でございまして、これが検察庁法にございますように、種類といたしまして最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁、区検察庁ということになります。この意味の検察庁は、あくまで検察庁に入っておる単独制の検察官の行なう事務を統括いたしておる仕事をするのが検察庁である、こういう理解でございます。したがいまして、検察庁という一つの行政官署と申しますか、そういうものも存在しておる。それから本来の検察事務を行ないます検察官という行政官庁ももちろんあるわけでございます。これはやはり検察の仕事の特殊性からいたします独得の組織と言わざるを得ないのでございまして、かような形で日本の検察組織が確立されておるわけでございます。すでにこれが確立されておりまして、先ほど来申し上げましたように、そのあとに国家行政組織法ができましたものですから、それに当てはめますと、どうもぴったりこない。で検察組織というものは、行政組織としては検察庁法というものを軸にして動いておる独得の組織というふうに御理解を賜わりたいと存じます。
#55
○山崎昇君 いまあなたは、検察官は独任制の官庁で、検察庁も官庁だと言うのですね。しかし検察庁というものに対する法務大臣の指揮監督権はないのですよ、法文上。検察官に対してはありますよ。だから検察庁はどういう存在かわからない。第一条を見ますと、「検察官の行う事務を統括する」、だからいわば検察庁というのは事務所ですね、官庁じゃありませんよ。だから一体検察庁というのは、それじゃあなたは、国家行政組織法があとからできたなら、後法優先の原則からいえば、やはり国家行政組織法に譲らなければいけませんよ。国家行政組織法ができるときに、検察庁の性格を明確にしなければならぬのではないかと思う。しかし、いまのあなたの説明を聞いても、検察官の存在と法務大臣との関係はわかる。しかし検察庁の間は何もない、それが困る。検事というのは全部検察庁という事務所に所属をして、そうしてそこの指揮系統を受けなければ仕事ができないような仕組みになっている。法律的にはそうでない、この辺が私はわからないことが第一点。
 それから、あなたがいま言うように、国家行政組織法とは、まるっきり関係がないような存在になっている。しいて言えば八条と言うけれども、そういう明文は一つもない。ほかの行政組織の場合には、法務省の付属機関であるとか、あるいは外局であるとか、国家行政組織法との関係は不明確な点はあるとしても、ある程度明確化されている。しかし検察庁だけは明確化されていない。この点は私は法の不備といいますか、ただ沿革的にそうなっているから、特殊性だけで理解せよと言うのか、私はそれでは理解できないので、あなた方将来検察庁というものと国家行政組織法というものをどういうふうに考えようとしているのか。きょうはこればっかり議論をする時間はありませんが、承っておきたいと思います。
#56
○政府委員(辻辰三郎君) ただいまの分でございますが、検察庁も官庁であると申し上げたと、こう御指摘がございましたが、私は官庁と申し上げておりませんので、官署と先ほど申し上げたのです。検察官が官庁であると申しまして、これを統括いたしておりますのは、悪いことばでございますが、官署、先ほど御指摘のような事務所といいますか、官署というふうに申し上げておりまして、かように法務省としても理解しておるわけであります。
 そこで、この検察事務につきましては、たとえば地方検察庁を例にとりますと、検察庁法の第九条に「各地方検察庁に検事正各一人を置き、」とございまして、その二項に、検事正は、その庁の「職員を指揮監督する。」という形になっております。そういたしますと、結局は、やはり各単独の検察官というものを検事正が指揮をいたしておる。検察事務に関しては指揮をいたしておるわけでございます。そういたしまして、またその検事正を、今度は第八条で、検事長がその部下として指揮いたすという規定が八条にございます。そういたしまして、第七条では、検事総長がまたその検事長を指揮するという規定がございます。そういたしまして、十四条におきまして、法務大臣及び検事総長の関係が規定せられておるわけでございますから、検察事務に関しましては、この検察庁法によりまして、法務大臣を頂点とする一つの指揮命令系統は、しっかりと一本の筋ができておるわけでございます。
 で、じゃ検察庁とは何だということになるわけでございますが、検察庁は、その庁に属しております単独官署でございます検察官の事務を統括しておるという、この文字どおりでございまして、これは具体例を申し上げるとたいへんわかりやすいと思うのでございますが、たとえば、東京地方検察庁というところにはたくさんの検事がおります。これはそれぞれ単独の検事でございますが、そこで警察から事件が送られてくる。どの検事にどの事件をやろうか、まず事件を振り当てるという場合、これはやはり、このたくさんおります単独の行政官庁であります検事に、どの事件をどの検事がやるかというのは、一つの東京地方検察庁に属しておる検事の事務を統括する者がなきゃならない。そうして検事正がそれを統括して、この事件は何検事がやりなさいということで統括しておる、こういう事務が一つの検察庁としての事務として残っていくわけでございます。で、これが一つの、検察庁ということでございますが、これは検察そのものの事務ではないということで、あくまで検察官の行なう事務を統括する役所である、かような関係に相なるわけでございまして、たいへん複雑な組織でございますけれども、先ほど来国家行政組織法との関係におきましては、しいて申し上げれば八条ということに相なろうかとも思いますけれども、やはり私どもはまあ特別のこれは一つの法体系であるというふうに理解をいたしておるわけでございます。
#57
○山崎昇君 いまあなたの説明聞いてますとね、たとえば検事総長あるいは検事正等々は、最高検あるいは地検に、あなたは配置するというのですね。そうするとなぜそこに、じゃ任命をするかといえばね、検察庁というものを一つの組織上の単位に見なければ配置ということは出てきませんね、出てこない。だから単なる官署ではなくなってくる。検察庁というのは歴然たる組織法上の官庁にならなければ、そういうことにはなってこないですよ。ですから、いまあなたの説明、最初のこととしっぽのほうは矛盾してると思う。しかし、これはまあここでこんなことばかりやっておったんではどうにもなりませんが、いずれにしても検察庁というのは、これは組織法から見ると理解のできない存在になっておる。国家行政組織法とはあまり関係がないというよりも、むしろ国家行政組織法上の権力機関でありながら、そうでないようなそぶりを見せてるだけにすぎない。私どもはそう見てるわけです。いずれにしても、これは違う機会に、あらためてこの性格論をやってみたいと思うのです。そういう点で、私はこれは理解ができないということだけ申し上げておきたいと思う。さらに検察庁法の二十九条を見ると、検察庁の国家行政組織法第十九条第一項の定員は、別に定める。定員では国家行政組織法と関係を持ってるのです。ですから、条文上を見れば関係があるようで、実際はない、こういう存在だと思う。これは、私はあなたのほうの内部でも十分ひとつ検討願いたい、こう思うわけです。
 次に伺っておきたいのは、つい最近北海道の白鳥事件で再審の要求が却下されたわけなんですが、そのこと自体については、きょうは触れません。しかし問題は、いま網走の刑務所にいる村上被告というのがもう約十六年いま入っているわけですが、そうして、これは新聞報道でありますけれども、去年の五月二十六日に仮出獄の資格を取得したと、網走の刑務所長の名前で昨年の九月に仮出獄の上申書が北海道の地方更生保護委員会に出されている、こう新聞は報道されているわけです。しかし、それ以来一年近くたってきているのですが、この村上国治という人の仮出獄の問題について、更生保護委員会がなぜこんなに時間かかっているのか、あるいは本省のほうと何か相談されているのか、この問題についてお聞きをしておきたいと思います。
#58
○政府委員(辻辰三郎君) ただいまの白鳥事件の村上氏の仮出獄の問題でございますが、実は突然のお話でございますので、主管局長がこちらに出席いたしておりませんので、正確なことはお答えできないわけでございます。ただ私ども知り得るところでは、先ほど御指摘のように、現在北海道の地方更生保護委員会におきまして、この村上さんの仮出獄の審査をしているということは承知いたしておりますが、それ以上は主管局長が来ておりませんので、お答えいたしかねる次第でございます。
#59
○山崎昇君 なるほど主管局長がおいでにならんから、これは詳細はわからんかもしれません。しかし、すでに去年の九月から仮出獄の審査が出ておって、もうこれで九カ月になるわけですね。どういう検討をされるのか私はわかりませんが、あまりにも長過ぎるのではないか、こう思うのです。あるいはまた中央にいろいろ相談があって、中央からもう少し待てとかなんとかという指示なしているのかどうかわかりませんが、この問題は次の委員会のときに、多少聞きたいと思うのです。したがって、いま詳細わからぬかもしれませんが、いずれにしても、こんなに長い期間かかっているということに、私はどうも不審の念を抱きますので、これは早急に調べてもらって、結論を早く出してもらいたい。そうして、いま新聞報道によりますというと、獄中では模範囚に近いという存在のようですね。不当に私はこういう人を押えるということは、人権の問題がありますから、早急にひとつこれは調査の上で、次の委員会でも、きょうの午後でもけっこうでありますが、この結果についてお知らせを願いたいと思うのです。
 そこで、たいへん時間が過ぎてきましたから、最後にひとつお聞きしたいのは、いま新聞紙上でもにぎわっておりますように、法制審議会でかなり刑法全般にわたって検討されておるようであります。そこで法制審議会の現況をひとつと、それから最近にわかに公害罪の新設ということがずいぶん議論されておるようであります。先般の本会議でも、この公害罪の問題については本会議質問があって、総理からは何か法制審議会で検討されておるようだから、その結論を待ってというような答弁であったのですが、そういう意味で、公害罪の審議についてどうなっているのか承わっておきたい。
#60
○国務大臣(西郷吉之助君) 法制審議会の刑事部会におきまして、公害罪を取り上げておりまして、しかも立法上の非常な重要な一つの点として検討を加えていただいておりますが、私どもはその答申を待ちまして善処したいと考えますので、いま少しまだ時間がかかるんじゃないかと思います。
#61
○委員長(八田一朗君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたします。午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十分開会
#62
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 宮内庁法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#63
○北村暢君 宮内庁法の中の重要な改正点として、三里塚の御料牧場が高根沢に移転をする問題が出ておるわけですが、これの直接の原因が、成田空港の建設ということに関連をして移転をする、こういう問題が出ておりまするので、まず成田空港を建設するに至りました事情等については、当然羽田空港と関連を持ってまいりまするので、羽田の現状から若干質問をしてみたいと存じます。
 まず、最近の新聞の報道等を見ましても、羽田の今日の離着陸の状況は非常に窮迫をしているようでありますが、その現状について、まず発着の回数等の最近における傾向等について御説明をいただきたいと思います。
#64
○説明員(丸居幹一君) 最近出てまいりました昭和四十三年の羽田の離発着回数は十二万六千五十八回でございます。
#65
○北村暢君 その発着回数の米車機、自衛隊機、民間機等の内訳は、どのようになっておりますか。
#66
○説明員(丸居幹一君) 米軍機は国際線という範疇の中に入れておりますが、六十六回でございます。それからそのほかに米軍がチャーターいたしましたMACチャーター機と称するのが三千八百四十二回、合計いたしまして三千九百八回でございます。それから自衛隊機が少しございますが、これは国内線の中に入れておりまして、七百五十四回、そういうものがその十二万六千五十八回の中に含まれております。
#67
○北村暢君 衆議院の内閣委員会へ提出された資料で、これは質問されて数字が載っておるのですが、米車機――MACチャーター機を含むが、これ四十二年ですが、四千五百十四回、自衛隊機が三百九十四回、それから民間機その他で十万六千五百四十六回、合計して十一万一千四百五十四回、この資料は衆議院に出されておりますが、このとおりでございますか。
#68
○説明員(川上親人君) そのとおりでございます。
#69
○北村暢君 これは航空局の資料でございますが、だいぶ私はこの数字について疑問があるのですが、大体四十一年の三月から十二月まで、それから四十二年の一月から三月までの民間機とチャーター機の数字が出ている資料があるんですが、これは当局の資料ではございません。が、相当確実な資料だと思っております。それによると、昭和四十二年の一月だけでチャーター機の数が千八百十、二月は千八百二十、三月は千八百五十五、こういうことで、三月までしか出ておりませんが、四十二年全体で、いまのあなたの確認した数によるというと、米軍機――MACチャーター機含めて四千五百十四回と、こういうのでありますが、だいぶこれ数字が違うのではないかと思うのです。それで一日の離着陸の回数が、チャーター機が一日約六十回前後、こういう状態である。そうすれば、まあ一日六十機ですから、一カ月千八百機くらいにいく、こういう数字が出ているのです。これを一つには、あなたの東京空港事務所から出ている、われわれ視察にいったときにいただいてきたこのパンフレット、空港の概況を説明したものです。これを見ても、これは四十三年だと思うのですが、大体一日の離着陸回数が二百九十回、その他七十回となってるのですよ。そして大体三百七十回です。これからいくというと、いま最初に四十三年の数字というのが言われましたが、十二万六千幾らというのですが、これも何か十三万近くになるようですが、どうも数字が言われる人によって違う。どれを信用すればいいのだか、われわれちょっと迷うのですが、結局一日平均して定期便が二百九十回、それにその他合わせるというと三百六十回、だから七十回あるわけですね。この七十回というその他というのがいろいろあって、米軍機、チャーター機、そのほか定期便以外の新聞社の飛行機だとか、そういうものがあるわけでしょう。そういうことで、この数字からいっても一日にこれだけですから、そうすると、大体私はちょっといま発表せられた数字、四千五百十四回というのは、ちょっと何か一年間の数字としては誤ってるのではないか、こういうふうに思われるのですが、いかがでしょう。
#70
○説明員(川上親人君) ただいま先生御引用になられました資料については手持ちございませんので、それにつきましてこまかい数字で御回答申し上げることができないのは残念でございますが、ただ、先ほど先生おっしゃられました十三万回ぐらいに四十三年度の離着陸機数がなるのではないか、こういう点については、管制のほうの立場から申し上げますと、当該空港に離着陸いたしませんで、タッチ・アンド・ゴウの訓練をいたします。それから離着陸をしようと思いましてミス。ランディングいたしまして、また飛び立っていく、こういうふうな数を管制のほうでは含めております。その数は記憶に間違いがございませんければ十三万四十五回ということでございます。
 羽田のほうから先生に差し上げたといっております資料は、そういう管制所の立場から、実際にはランディングをしておりませんで、空港を事実上ある時間使ったという航空機の数を含めたものというふうに私は了解いたしております。したがいまして、やはり実際に着陸をいたしました機数は、先ほど私どものほうの飛行場部長がお答え申し上げましたように十二万六千回でございます。
#71
○北村暢君 ですから、十二万六千幾らのうちの米軍機、自衛隊機の機数を、もう一度ちょっと教えていただけませんか。
#72
○説明員(川上親人君) 四十三年におきまして、一応月別に申し上げますと、MACチャーター機の離着陸の回数は、一月において百七十四、二月二百二十八、三月二百七、四月二百十二、五月百八十二、六月百七十二、七月百七十一、八月百五十七、九月百十二、十月九十玉、十一月百六、十二月百五合計千九百二十一機、離着陸の回数にいたしまして三千八百四十二回ということに相なっております。自衛隊機が使いました数はこれは別でございますが、これも合わせて申し上げますと三百七十七機まいりまして、七行五十四回の離着陸が行なわれております。
#73
○北村暢君 そうしますと管制のことからいけば、通信その他やるわけですね。いわゆる管制管内、羽田の管内に入ってくるものが相当ある。そのうち国際線のうちの約半分もしくは半分以上になることがあるということをいわれているのですがね。これは四十二年から四十三年にかけてですが、そういう実情はそのとおりですか。
#74
○説明員(川上親人君) 羽田に離着陸いたします時間帯によって、場合にそういうことがないとはいえないと思いますけれども、通例におきましてそのようなことはないと存じます。
#75
○北村暢君 したがって実際に離着陸したものは、資料で出している四千五百十四回、それから羽田の管制空域内というのですかね、そういう専門用語どういうふうにいうのかちょっとわかりませんが、空域内を通過する米軍機もしくはチャーター機、こういうものが一日六十機以上になることがある。月に千八百、これが四十一年ごろからは急速にふえてくるのですね。急速にふえてくる。そういう状態であるということは、これは確認できるわけでしょう、どうですか。
#76
○説明員(川上親人君) ただいま御質問の点につきましては、手元に私詳細な資料を持ち合わしておりませんために、はっきりしたお答えができません。後ほど資料に基づきましてお答えを申し上げたいと存じます。
#77
○北村暢君 これは昨年の運輸省設置法のときに、衆議院段階で論議されている数字なんですよ。それで否定されておりませんから、おそらくそういうことだろうと思うのですがね。ですからそういう点で米軍機、もしくは米軍のチャーター機、これは実は四十二年から三年にかけて非常に多くなっておる。これは、ベトナム戦争に関係あることは間違いないことなんですが、最近の傾向はどうなんですか、最近の傾向は。四十三年は伺いました。
#78
○説明員(川上親人君) 四十四年について見ますと、一月がチャーター機につきましては百十八機、二月百九機、それから三月が百二十二機というような状況でございます。四十三年あるいは四十二年の同月比にいたしまして、著しく減っている状況でございます。
#79
○北村暢君 この羽田空港の混雑の問題、最近論議されておるんですが、このチャーター機が、地位協定第五条に基づいて無料で離着陸できる権利持っているわけですね。それに対して、地位協定第五条に基づくものでありますから、無条件に米軍機のチャーター機、合衆国の管理する飛行機ないし船舶、これが港、空港を離着陸、もしくは港を利用できる、こういうことになっているわけですけれども、これは、羽田が非常に混雑しているのに、なぜ羽田を使わなければならないのか。立川なり、安保条約第六条による基地があるわけですからね。なぜ羽田を利用しなければならないのか。それを、地位協定では義務づけられておるけれども、これがアメリカさんの言いなりになって、混雑しているのに利用させなければならない。そういうことについて、運輸省としてはどういう措置をとっておるのか、この点お伺いしておきたいと思います。
#80
○説明員(川上親人君) お答えいたします。
 地位協定第五条に基づきまして、わが国の飛行場に出入できる、着陸料を課せらないで出入できる、このことについて、いま先生おっしゃられたとおりでございます。ただ、だからといって、羽田空港に無制限に入っていいという立場じゃないこともまたもとよりでございます。従前からMACチャーター機による羽田の利用状況がふえます場合には、外務省を通しまして、外交ルートを通じて自粛方を要請いたしております。四十二年から四十三年、四十四年と三回にわたりましてすでにそういう申し入れをいたしました。この申し入れに対してかなり協力をしてくれておるわけでございます。今年、米側に申し入れたことにつきましても、外務省を通じてお約束を守りますという返事をいただいております。それで、先ほど申し上げましたように、四十四年の一月から三月までの離着陸機数は、前年に比べましても非常に減っているという状況でございます。
#81
○北村暢君 お約束を守りますというと、どういう約束をしていますか。
#82
○説明員(川上親人君) 羽田の国際空港が純然たる民間航空用の飛行場であるということから、また民間機の混雑が非常に激しい、こういうことで、具体的には羽田に離着陸する回数を減しまして、たとえば横田あるいは立川というようなところに行くようにという要請をいたしておりましたし、また、ことしに入りましては、羽田空港のスポットが工事のために著しく制約をされることになりまして、羽田の混雑というものも一段と激しくなることが予想されました関係上、その辺の事情を説明いたしまして、羽田空港をできるだけ使わないように、あるいは羽田が混雑しておるというのは、主として――二十四時間混雑しておるようなものでございますが、その間でも特に朝、晩というのが激しい混雑でございます。こういう混雑するときに入らないように、入るならば比較的すいている時間帯に入るようにというようなことを具体的に逐次要求しておったわけでございまして、これらにつきましては、かなり順守してくれておるのではないかと私ども考えておる次第でございます。
#83
○北村暢君 このチャーター機の内容なんですが、米軍機、チャーター機を含むと、こう言っておるのですが、米軍のいわゆるチャーター機以外の空軍機ですね、こういうものは離着陸、これは協定によってできないことにはなっていないんですね。できることにはなっておるが、この解釈と、それから実情はどうなっておるのか、お伺いしたい。
#84
○説明員(川上親人君) 米軍用機につきましても、地位協定第五条におきまして、わが国の一般の民間空港にも着陸する権利は与えられております。ただ、羽田において着陣いたしております米軍機の内容については、私どもはっきりしたことを存じませんが、テクニカル・ランディング、こういった状態で使われておる、あるいは米側の高官を乗せて羽田に着陸する、星のマークのついた飛行機で高官をお乗せしてくるということが間々あるのではなかろうか、このように推察いたしますが、しかしはっきりしたところにつきまして、私どもその点は詳しくは存じておらない次第でございます。
#85
○北村暢君 どういう内容の飛行機が着陸できるかという問題については、これは取りきめがございませんから、米軍機も着陸できるということなんでしょうけれども、実際にこのチャーター機が、主としてチャーター機でしょう、羽田に着陸しなければならない目的、これは私の聞くところによると、直接ベトナム戦争に関連をして一般の基地的な利用の方法ではなしに、給油その他のというふうなことを聞いておるわけなんですが、どういう目的で来たかというようなことについて、全然干渉なしに、離着陸の権利を持っているから認めなければならない、こういうことになるんでしょうか。実際にいま米軍機という場合でも、高官が乗ってこられたときだけで、いわゆる爆撃機とかなんとかというようなものは一切着陸してない。どういうことなんでしょうか。それは地位協定でも、米軍機とはっきりしている場合には、いわゆる基地ですね、安保条約第六条による施設、区域、たとえば立川とか横田とか、ああいう基地に着くというのが通常でしょう、通常は。ところが地位協定第五条は、合衆国軍隊とはなってないんですよね。「合衆国の管理の下に公の目的で運航されるもの」となっている。合衆国となっている。ここが他の条文と違うんですね、第五条というのは。合衆国の管理するというんだから、これはチャーター機でも米軍機でも、軍隊ではないけれども、管理するということになればそれも含むと、こういうことなんだろうと思うんですがね。そういう意味で、一体その運用上の問題は、爆撃機とかなんとかというようなものが実際に羽田に着陸しているのかどうなのか。あなたのおっしゃったように、米軍の高官が、乗ってこられたときに羽田に着陸すると、そういう程度のものなのかどうなのか。そこら辺の内容を若干聞いておきたい。
#86
○説明員(川上親人君) 米軍用機並びにチャーター機がどういう内容のものであるか、どこから飛んできてどこに行くのか、あるいはどういう人を乗せ、どういう貨物を乗せているかということにつきましては、残念ながら、私ども実際問題として立ち入り検査するわけにもまいりませんし、把握してない。したがって、それらの内容がどうであるかということにつきましては、ここでお答えできないのでございますが、ただ、羽田が現実に使われている状態を客観的に見ておりますと、テクニカル・ランディングといいますか、燃料補給のために羽田に離着陸する、こういったようなケースが大部分であろう。ほとんどがテクニカル・ランディングと申しますか、急に病人が出た場合、あるいは天候が悪化して羽田に離着陸しなければならなくなった場合、あるいは燃料補給するとか、そういう臨時の必要に基づいて臨時的に着陸しているという形ではないか。こういうふうに、これは大体私ども言い切っても間違いではないんではないかというふうに考えておる次第でございます。
#87
○北村暢君 大体ここで羽田の状況はわかりましたが、新しくできる成田空港の性格なんですけれども、これは衆議院でもずいぶん論議されておりますが、どうなんでしょうか。軍用機の着陸は認めない、こういう答弁がなされているようですがね。成田空港は国際線の専用にする。そしてまたあすこの、反対運動を見ましても、成田空港が軍用に使われるんだというような点が心配されてる。それに対して絶対軍用には使わないんだということを言ってるようですね。そういうことが論議になってる。成田空港については一体どういう考え方を持っているのか。これは公団の総裁も見えておりますが、総裁は、今後この成田空港が完成しても、これを将来ずっと管理するということのようですから、そういう意味で総裁もこの問題について、地元民の説得等において、軍用には一切使わないのだ、こういうようなことを言われているように聞いてるわけなんですが、成田空港についての今後の運用方針というのは、一体どのように考えていますか、両者からひとつ。
#88
○説明員(川上親人君) 先生ただいまおっしゃられましたように、新東京国際空港は純然たる民間空港として、また、国際線専用の空港としてこれを一般の川に供するという考え方でございます。したがいまして、ここに協定第五条に基づく出入の権利ということは否定できないにいたしましても、軍事的にこれを継続使用するということを認めるつもりはない。これは従来から大臣、また航空局長、それぞれ各委員会を通じてお答え申し上げているとおりでございます。そういう軍事基地的にこの空港を使用するということについては、われわれは断固拒否していくという考え方でございます。
#89
○参考人(今井栄文君) ただいま監理部長がお答えいたしましたように、それからまた、先般の衆議院の内閣委員会において外務大臣からお答へがございましたように、私どもは、軍用の基地あるいはまた戦闘目的というふうなことで新空港をお使いになるということについては、これは断然日本政府としても拒否するということを明らかにしておられるのでございまして、私どもはまさにそのようにお願いしたい、かように考えております。それからまた、米軍のチャーター機その他が継続的に使う場合につきましても、これを継続的に使用するということにつきましては、愛知外務大臣が衆議院の内閣委員会において、運輸省の意図どおり、日米合同委員会の協議事項として、できるだけそういう使い方をしないようにわれわれとしては米側に対して申し入れをし、実現するんだ、こういう趣旨の御答弁をしておられるわけでございますが、私どもはまさにそのようにしていただきたいと、かように考えております。
#90
○北村暢君 大体総裁の答弁で、衆議院で論議のなされたことも、私速記録を読みましたが、大体そういうふうになってるようですね。ただ軍事目的に使わないというのは、これは国際空港ですからもう当然のことですよね。そういう意味の質問でもないし、また米軍機が作戦行動のために新しくできる空港を使うとか使わないとか、これは成田の問題だけではない。たいへんな問題なんですから、そういうことじゃなしに、地位協定第五条によっては、国内のいかなる民間の空港も、これはアメリカ合衆国の公の管理に属するものは使用することができる、したがってチャーター機というようなものも、恒常的にとか恒常的でないとかという区別なしに、使う権利は持っているわけですよ。しかし、なるべく使わないようにしてもらいますということを日米経済合同会議ですか、でも要請をするということだけで、使う権利はあるわけですよ。いや、これは着陸してもらっては困るといって断わることはできないことになっているわけでしょう。これは一方的に協定でそういうふうになっているわけですね。したがって、総裁の気持ちもわかるし、外務大臣の気持ちもわかりますけれども、羽田も一ぱいになり、どこも一ぱいになった場合に、断わってもこれはくる可能性というものはあるわけでしょう。断わっても断わり切れない問題が出てくる。このことと、そのなるべく使わないようにしてもらいたいという希望と一緒くたにして、もうこないんだということにはならないと思うんですよ。その点は今度の成田は日本で初めての公団の管理の空港で、いままでの空港よりはずっと民間空港的色彩が強くなるということは事実ですけれども、それかといって、あなたのいま答弁されていることが、願望としてはわかるけれども、願いとしてはわかるけれども、そういうことにはならない可能性がある。しかし現実に羽田空港が、四十一、二年、ベトナム戦争が激しくなったときに、チャーター機の離着陸回数というものが急激にふえているわけですから、そういう点からいって、今後の極東情勢の変化というものはどういうふうになるかわからないんで、しかも、成田空港は将来の問題ですから予測できない。
 そういう点から総裁にもう一度お尋ねしておきたいのは、地位協定第、五条というものは、これは総裁といえども認めざるを得ない。そして外務大臣が衆議院で答弁しているように、そういうふうに取り上げれば、成田空港には、まあ非常の場合は別として、恒常的にチャーター機がくるというようなことはまずあり得ないと、ないであろう、こういうふうなお考え方か。天候とか、先ほど言いましたね、急にどうしてもという場合は、これは成田であろうと、羽田であろうと、どこであろうと、これは国際的にあり得ることなんですから、そういうことではなしに、チャーター機が恒常的にくることはないんだ、こういう御答弁のように受け取れるんですけれども、どうなんでしょうか。
#91
○参考人(今井栄文君) おっしゃるとおりでございます。
#92
○北村暢君 そうすると、チャーター機といえども恒常的に成田空港を使用するというようなことはないように願っているし、また、現実にそういうことにはならないだろう、こういうふうに答弁されたと理解してよろしいですね。
#93
○参考人(今井栄文君) そのとおりでございます。
#94
○北村暢君 運輸省のほうは、この総裁の答弁でよろしゅうございますか。
#95
○説明員(川上親人君) けっこうでございます。
#96
○北村暢君 なかなか思い切った答弁をされておるようでございますが、まあ私どもも何もチャーター機はこないほうがいいのですから、それでけっこうだと思いますが、この答弁は非常に私は重要だと思います。今後成田空港の運営にあたって非常に重要だと思いますから、確認をしておきます。
 次に羽田の現状ですが、A滑走路とB滑走路がいま修理中のようである。A滑走路の修理というのは工事中のようですが、これはどういう目的で、原因で工事をされておるのか、それからB滑走路は二千五百メートルの滑走路にするために延長するという工事をやろうとしておりますが、その原因なり目的なり、あるいは工事の今後の完成の目途なり、こういうものについて若干説明していただきたいのです。
#97
○説明員(川上親人君) 担当の飛行場部長がまいっておりますので、その問題につきましては飛行場部長から御説明申し上げたいと思います。
#98
○説明員(丸居幹一君) A滑走路の修理でございますけれども、羽田でいま一番運営上困ってまいりました問題は、スポットが足りなくなってまいりました。これはローディング・スポットとナイト専用のスポット、両方とも非常に不足してまいりました。これは先生方御存じのとおり、羽田の飛行場は、空港を運営しますふところが非常に狭うございます。ほかにつくるところがございませんので、A滑走路をつぶしてしまいまして、そうしてこれをスポットにする。A滑走路をスポットにするわけじゃないのですが、A滑走路の手前までをスポットにするという計画でございます。しかし、A滑走路を全然つぶしてしまうかというと、そうではございませんで、エマージェンシーのときには、A滑走路もまた飛行機の配置をかえることに使えるという状態に置くのでございますけれども、一応ふだんはA滑走路は使わないで、それのすぐ手前までスポットにしてしまうという計画でいまやっております。したがいまして、A滑走路を修繕しておるのではなく、A滑走路の手前までスポットにするために、A滑走路のすぐ手前まで工事しておる。したがって、A滑走路はいま使えないということで、A滑走路の使用を中止しておるわけでございます。
 それからB滑走路を延長しておりますのは、このA滑走路がなくなりますので、これにかわるべきものをつくらなければならぬ。そこでB滑走路を延長いたしまして、A滑走路のかわりにB滑走路を使おうということが一番大きな理由でございます。それからもう一つ大きなB滑走路延長の理由といたしましては、騒音対策上、B滑走路を使うほうが周辺に及ぼす影響が少なくていい。といいますのは、B滑走路を延長いたしますと、どんな風向きの場合でも海から着陸をし、海へ出ていくということができますので、陸の上を特殊の場合を除きましてあまり飛ばなくて済む、こういうためにB滑走路の延長ということをいたしております。一応でき上がりでございますが、四十五年七月を日途に工事をいたしております。
#99
○北村暢君 四十四年の七月完成ですか。
#100
○説明員(丸居幹一君) 四十五年の七月でございす。
#101
○北村暢君 そうしますと、ことしからいまA滑走路が使用中止、それからB滑走路は延長しておる。延長工事が終わらないうちはB滑走路も使用できない。現在はC滑走路一本だけであるということになるわけですね。そうすると、来年の七月ということになれば、万博と、いわゆる団体のチャーター機などどんどん込むときには、一番羽田空港が使えないような状況になってしまう。利用能力が一番低下しているときにぶつかちゃうということが起こり得るようですね。どうしてこういうまずい計画になったんですか。
#102
○説明員(丸居幹一君) おっしゃるとおり、もう少し早くやりたかったのでございますけれども、埋め立てにつきましての東京都の許可がだいぶおくれまして、着工がおくれたことが一番大きな原因でございます。それからいま万博の問題をおっしゃられましたですけれども、ただいま大阪は千八百メートルの滑走路一本で運営いたしておりますけれども、これが来年の一月に完成いたしまして、二月ごろから大体供用化していくんじゃないかと思います。大阪が三千メートル滑走路一本能力増になります。万博は大阪でございますので、大阪のほうへ相当国際線を入れることによって、羽田の欠陥を補いたいというふうに考えておる次第でございます。
#103
○北村暢君 羽田の欠陥を補うのもですが、もう万博ばかりでなしに、ことしもうすでに満員札どめというのが新聞に出ましたね。そのくらい各航空会社は便数をふやしてくれというのを断わらざるを得ない、自粛してもらう、こういう状態でしょう。したがって、そういう面からいえば、非常に工事の計画その他についても、私はどんなに言いわけしてもまずい結果になっておるのじゃないかと思うのですがね。それはそれにして、いま工事をやっているのですから、どうにもしようがないことです。そこで現在の回数からいって、四十三年が十二万何がしということでしたね。まあ、一部の報道によれば、十三万と、こう言われておるのですが、ことしは、四十四年はそれに一万五千回くらいふえるだろう。そうして十四万五千回くらいの離着陸になるだろう、こういうふうに言われておるのですね。その場合、工事がA滑走路、B滑走路が完成した場合ですね、一体羽田の能力というのはどのくらいであるか、それがいつごろ能力限界にくるのか、今後の羽田の計画ですね、これについてちょっと説明をしていただきたい。
#104
○説明員(丸居幹一君) これは前々発表してございます。十七万五千回というのは、羽田の能力の限界であるということに相なっております。当時はA滑走路とB滑走路と、それからC滑走路と、三本ございした。しかし、三本とも使うという計画で十七万五千回というのは発表したわけでございませんで、非常に大事なのは、あくまでも一番長いC滑走路、これをフルに使いましてやる予定でおりました。それと今度はB滑走路が延長いたします。このクロスした滑走路というのは、使い方によりまして非常に能力を大きく使える滑走路でございます。したがいまして、これ二本、B滑走路を延長いたしまして、その延長した二本とともに使いましたら、あまり十七万五千回から能力が減るということはないだろうというふうに想定いたしております。十七万五千回に到達する時期でございますけれども、これがいまの状態のままで進みますと、昭和四十五年度末という予定を従来からいたしておりますが、しかし最近では飛行機がだいぶ大型化してまいりまして、発着回数につきましては、ややその輸送人員の伸びどおりでない、低い伸びになってまいっておりますので、あるいはもう少し寿命があるのじゃないだろうかというふうに考えておりますが、さっきちょっと申し上げましたように、飛行機が大型化してまいりますと、滑走路の点ではそういう長所がございますが、何せジャンボがいっぱい入ってまいりますと、いまのDC8のスポットの二つ分ほど要るわけでございますので、そこでどうしてもやはりスポットの増強ということが非常に緊急な問題となってまいります。先生御指摘のように、この忙しいときに、おそいじゃないかという御指摘は、もうまことにそのとおりでございますけれども、そういう飛行機の大型化に伴う変化に対応いたしまして、どうしも、ちょっとおそくなりましたのですが、これが一番大事なのでやらざるを得ないということでやっているわけであります。
 それからもう一つ申し上げさせていただきたいことは、Bランができ上がりますのはもっと先でございますけれども、これも少しずつ向こうのほうへ延長してまいりますので、もうすでに千八百メートルという昔あった長さはありますので、じゃまにならぬところまで、工事の機材などが進みますと、これは使えますので、そういうことになりましたら、その範囲で使っていこうというふうに考えておりますので、ただいまかけております御不便はもうしばらくすると、CとBとともに、あまり大型の飛行機でなければ使い始められるようになるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
#105
○北村暢君 そうしますと、いまの状況からいって、スポットの問題が解決すれば、この十七万五千回という能力ですね、これくらいまでは可能である、それは四十五年末である、こういうことのようですがね。四十五年末ということになれば、これはいまのふえ方、それから大阪が整備されますからね。したがってこれはまだ若干寿命が限界点に達するまでは年数があるような感じがいたしますがね。いま四十三年、四十四年の状況を見てみて、そうしてA滑走路も、滑走路というよりはスポットのほうに利用できるような工事をいまやっているわけですから、完成すればそれだけ利用度が高まる、こういうことのようですね。まあそのことを聞くのは、成田空港の完成の問題と関連があるから聞いてるわけですがね。どうもあまり、いまの説明を聞いておりますというと、米軍のチャーター機も減ってきてる、それから、今後の航空機の大型化ということでもって、回数は減っても人員は相当大幅に効率をあげることができるという問題等出てきて、必ずしも四十五年末でなくても、限界にきてまだ余裕がある、こういうふうに聞かれるんですが、ただ、新聞等の報道するところによるというと、安全性の問題からいって、ラッシュ時における離着陸、まあ安全性からいって三分間隔だというのが、二分、二分を割る場合が出てきてるというふうに伝えておりますね。この点は安全性の問題からいって、――説明からいくというと回数がこういうふうに、いま大体十二万が十七万五千までいいというんですから、その場合、安全性の問題からいってこれが克服できるのかどうかという問題についてちょっとお伺いしておきたい。
#106
○説明員(丸居幹一君) もう少し詳しく答弁する必要がありましたら、専門家の管制課長のほうから答弁いたします。
#107
○説明員(川上親人君) 先ほど先生から、羽田空域を通過する機数が何機ぐらいか、その中で米軍機あるいはMACチャーター機何機ぐらいあるのかという御質問でございました。ただいま専門家の管制課長が参りましたので、その問題につきましてもあわせて答弁させたいと思います。
#108
○説明員(泉靖一君) ただいま羽田の処理能力の問題でございますが、十七万五千回を測定いたしました根拠は、滑走路を使用いたします航空機が占有する瞬間がどれぐらいかということをまず測定いたしまして、それから、おもに北のほうに向いて進入する風が一番強うございます。木更津から進入いたしまして滑走路に達しまして、そして滑走する、これを平均して測定いたしました。しかも事例が遅延がないという状態で測定いたしました。安全な遅延のない状態での十七万五千回であります。もし遅延が許容されますならばこの回数はもう少しふえてまいりますが、あまり無理な数字ではございません。
 それから、先ほど御質問があったと承りましたが、羽田に着陸しないで羽田の空域を通過した航空機が幾つあるかという御質問があったように承りましたが、実は申しわけないのでございますが、こういう航空機は一日何機あったかということは記録にとどめておきますのですが、集計の方法といたしまして、それがどの航空機であったかという集計はいたしておりません。出がけにあわてて集計させましたところでは、六月にはこういう航空機が八十六機あったという計算が出ております。大体これが平均しているそうでございますから、まあ月九十機程度というのが平均のようでございます。ただし、これが軍用であるか民間であるかはわかりません。
 以上でございます。
#109
○北村暢君 いまの御答弁ですというと、十七万五千回の算出の根拠について御説明ありましたが、現状においていわゆるピーク時の朝八時から九時まで、それから午後二時から三時までですか、午後五時から六時までですか、こういうピーク時においては離着陸の間隔が三分という安全の限界をこえて二分とか一分半で処理をしなければならない、こういうことが起こっているというのですが、現状においてすらそういうことが起こっておると、こういうことが伝えられているのですね。したがって、私のお伺いしているのは、これが十七万五千回にでもなったならば、さらに、一日の処理能力からいけばたいしたことはなくても、ピーク時においてはこの安全性の限界を越えることがあり得るのではないか、ますます激しくなるのではないか、こういう心配があるが、そういう心配は要らないのかということを聞いているのです。
#110
○説明員(泉靖一君) まことにごもっともな御指摘だと思いますが、現在ピーク時で現状の滑走路、それから現状の航行援助施設、現状のレーダー、これでは現在のトラフィックを処理するほとんど最大のところまできております。これ以上詰め込むのはいいことではございません。これ以上詰め込みますと遅延がだんだん広がってまいります。ただ航行援助施設が、たとえばVORDME、あるいはさらにもっと精度のいいレーダーですとか、あるいははオートメーションですとか、こういうものが加わりまして空域がもっと緻密に伝わるようになれば、空域の使用効率があがります。それから滑走路が新たにできるという事態が出てきますれば使用効率はあがります。現状のままでございますれば、これ以上ふやすことはいいことではないと思います。その処理のしかたは、いまのままでもし航行援助施設なり滑走路なりが続く場合でございましたら、使用時間帯を変える方法が一番いいのではないかというふうに思っております。
#111
○北村暢君 現状のままといっても、いまの説明によるというと、飛行場部長の説明だというと、A滑走路、B滑走路の完成が来年の四月というんでしょう。そして、来年の末には十七万五千回で限界にくるだろう、工事が完成しないうちに限界のところにいってしまうような感じがするんですがね。現状においてはもう入らないというわけですね。工事が完了して――完了というのは来年の七月ですね、七月からならA、B、Cの滑走路、まあ主としてCとBを使うようですが、フルにやって安全性を確保できる、その場合であってもピーク時は避けて、なるべくすいている時間帯を利用したほうがいいと、こういうことでございますね。ですから現状においては一ぱいだというんですから、来年の七月までは先ほどの説明ですというと、B滑走路は完成しなくても、まあ若干できているところへ荷物を移せば、千八百メートルまでは利用できるというんですか。従来どおりの利用はできるようになると、こういう話ですが、それにしてもA、Bの工事が完成しないというとフルの利用というのはできないわけですね。したがって、現状でだめだ、工事が進めばなおだめだと、こういうことがいわれているわけです、来年の七月完成するまでね。そういう事態で、私どうも説明が理解できないんですけれども、ピーク時に十七万五千回になるのと工事が完了するのと約半年しか違わない、こういうことになっているわけですよね。
#112
○説明員(泉靖一君) 私、少しまずい説明をして申しわけなかったと思うんですが、先ほど申し上げましたVORDMEその他の航行援助施設ができて、さらに空域が有効に使えるようになれば処理能力がふえると思いますが、これはこの七月の終わりか八月でございます。しかし、新たな施設ができあがりますと、そうなりますと、現在より処理能力がふえます。ですから現状ありますような処理能力ぎりぎりという事態は一応解消されます。その次にBランができあがるとそれで持ちこたえられると、そういうエスティメイトを立てている次第でございます。
#113
○北村暢君 それから次にお伺いしたいのは、羽田と成田の関係なんですけれども、いままあ答弁がちょうどうまくできているようですが、羽田の一ぱい、能力限界にくるのが四十五年の末で、成田の第一期の、それも使用開始ができるのは四十六年の四月からというふうな目途のようですがね。この羽田空港と成田の一期工事――一期工事はだいぶあとのようですが、利用できるのはもっと早いようですね。そういう計画のもとに羽田と成田の空港としての運用の方針は一体どういうふうに考えておるのか。
#114
○説明員(丸居幹一君) 成田と羽田の運用でありますが、これは成田が供用を開始いたしましたら、国際線をこちらのほうへ全部移したいというふうに考えております。
#115
○北村暢君 その際に現状において羽田が能力の限界にくるというんですが、いわゆる航空新時代というジャンボジェット機、SST、これらの航空技術の進歩による巨人機の日本への乗り入れ等は大体いつごろになるお考えですか。先ほどの羽田の能力限界というのは大体四十五年で、現状の航空機のままでしょう、あの計算はね。そうじゃなしに、ジャンボジェット機等が入ってくるということになると、羽田は使いたくても使えなくなるという問題が出てくると思うのですがね、そういう航空新時代というのは一体いつごろになるという見通しなんですか。
#116
○説明員(丸居幹一君) まずジャンボジェットでございますけれども、ジャンボジェットは羽田へ一番先に乗り入れてくる予定は、パンが来年の七月に乗り入れてくる予定でございます。それから日航が来年の四月から使うという予定をいたしております。ジャンボジェットは現在の羽田空港へそのまま乗り入れてくることができますので、ジャンボジェットの段階では四千メーターの滑走路を必要といたしません。
 それからもう一つ、コンコードという超音使ジェットにつきましても同様でございますが、ただ三千百五十メートル羽田の滑走路のCランはございますが、これに乗り入れることのできないというふうに考えられる飛行機は、アメリカでできておりますUSSSTと称する飛行機でございます。これが就航いたしますときは羽田の三千百五十メートルの滑走路では不足でございますので、これができるときには四千メーター滑走路を必要といたします。しかし、このUSSSTの計画はだいぶおくれてまいっておりまして、当初は四十六、七年ごろというふうに予定しておったのでございますが、これの就航はややおくれるようでございます。
#117
○北村暢君 そうしますと、ジャンボジェット機であるならば羽田は利用できる、これは現在の滑走路の何といいますか、構造上の強度で差しつかえない、十分耐え得る、こういうふうに考えていいんですか。
#118
○説明員(丸居幹一君) 滑走路につきましてはさようでございます。それからエプロンにつきましても、大体いまのエプロンは三十五センチございますが、これで耐え得るはずでございますし、それからただ問題なのは、ジャンボは何せ現在のエイトの倍も三倍もの人間を積んで入ってまいりますので、これをさばきますターミナル施設が、これが一番問題になるのじゃないかと思います。しかも、これも到着の場合が一番問題になるわけでございます、一ぺんにおりてまいりますので。それで、それの対策といたしまして、現在、郵便局が建っております――あれは西側になりましょうか、日航のジェット・ハンガー寄りでございますが、そこに到着専用のターミナルビルをただいま計画いたしておりまして、これが来年の三月までにでき上がりますので、四月に日航のジャンボが入ってまいりますときには、その到着ターミナルビルを使いまして乗客を処理いたしたい、かように考えております。
#119
○北村暢君 そうしますと、羽田の能率限界という四十五年の末というのは、いまのところ、若干延びても処理能力はある、こういうふうに受け取れるようですね。現在の伸び率からいっても十七万五千には二年、一万ずつふえていってもまだ限界に達する期間は四十五年の末よりはちょっと延びてもいい、こういうことになるように思いますがね。そうすると、この成田空港、いま予定している利用開始というものが若干おくれても、これ羽田で処理能力あるということになりませんか。どうなりますか。
#120
○説明員(丸居幹一君) 多少の余裕があるのじゃないかというふうにわれわれもただいまのところでは考えておりますけれども、これは油断ができませんので、実は飛行機の、需要の伸びというのは非常に大きゅうございまして、いろいろあちらこちらから苦情を承るのでございますが、飛行機に乗ろうと思うと、急ぐから乗るので、非常に前から申し込まないと切符が取れないというような苦情をあちらこちらで聞くわけでございます。それで、その需要の伸びというものを一応われわれはグラフでもって推定はいたしておりますけれども、どういう変化が起こるかわからない。そこで、こういうものの需要を見る場合には、やはり最も心配な時一点に合わせて新空港を建設する時期を合わすとか、あるいはさっき先生御指摘のありましたように、多少おくれておりますB滑走路等も、こういう時期にはあぶないからというので合わせて工事をし始めようと思いましたら、ほかの要因でもっておくれて、ただいまも羽田の上でホールディングがあってたいへん皆さんに対して御迷惑をかけておるという状況でございまして、やはり最も安全なところに目標を置いて私たちは建設を進めなければならぬのじゃないかと思います。そういうことからいいまして、当時計算いたしました昭和四十五年度末までというものにやはりその焦点を合わせて新空港の建設をしないと、また羽田が混み合って、長くホールディングしないとおりてこられないというような状態になるのじゃないかと、こう思いますので、やはり新空港の建設というのは四十五年度末というものに合わせてやらなければならぬのじゃないかというふうに考える次第でございます。
#121
○北村暢君 それでは、羽田からこれから成田へ移るわけで、まだこれから質問は続くわけですが、成田空港のマスター・プランについて概略をまず説明願いたいと思います。
#122
○参考人(今井栄文君) 成田空港のマスタープランにつきましては、大きく分けまして二つの段階があると思いますが、一つは現在の千六十ヘクタールという全体の敷地に対して、空港の必要な施設をどうレイアウトするかという問題でございます。それからもう一つは、さらにこまかくそれぞれレイアウトされた基幹施設につきましてのこまかい設計の問題であろうと思います。
 まず第一のマスタープランの問題につきましては、すでに昨年の秋に航空関係の学識経験者の方々にお集まりを願いまして空港公団に計画委員会というものを設置いたしまして、昨年の九月に答申を得ておるわけでございます。それによりますと、四千メーター滑走路並びに二千五百メーター滑走路、それから横風用といたしまして三千二百メーターの滑走路という三本の滑走路を配置いたしまして、必要なターミナルの施設、それから特に今後増大いたします貨物につきましての貨物ターミナルというふうなもの、あるいはまた飛行機の整備をいたします整備地域というふうなものにつきましてのレイアウトを決定いたしまして、現在、滑走路、誘導路、エプロン等につきましての詳細な設計と、それからターミナル・ビルディング、あるいはまたカーゴ・ターミナルというものについてのこまかい設計に移っておる、こういう段階でございます。
#123
○北村暢君 そうすると、御説明によりますというと、三本の滑走路を予定をして、それのこまかい設計に入っておる、こういうふうに理解していいですか。
#124
○参考人(今井栄文君) そのとおりでございます。
#125
○北村暢君 新聞の伝えるところによるというと、第一期工事だけを確定をして、第二期工事以降についてはどうする、こうするという計画は延びておる。したがって、マスタープランという全体計画、基本計画というものは、まあ三本つくるということだけは基本計画できまっているようですけれどもね、実際は第一期計画が基本計画である、こういうふうに伝えているようですが、いかがですか。
#126
○参考人(今井栄文君) おっしゃるとおりでございますが、三本の滑走路につきましては、またそれに付帯する誘導路等につきましては、すでに政府が空港の予定地を確定いたしました際に、滑走路の位置等につきましても決定をいたしまして、空港公団に対して基本計画の指示をいただいておるわけでございます。
 それからターミナル・ビルディングにつきましては、先生のおっしゃいますように、第一期工事に必要な最初のターミナル、これはすでに計画委員会から明確な答申をいただいておるわけでございます。昭和五十一年度における旅客並びに貨物の需要を想定いたしまして、旅客で五百四十万人、それから貨物で四十万トンということで計画をいたしておるわけでございますが、第二期のターミナル・ビルディングの計画につきましては、これは航空界の非常に早い発展の趨勢に対応しまして、現実的にもっと能率のよい、効果的な施設をつくるということが必要ではないか。一応私どもといたしましては、第二期のターミナルにつきましては到着旅客を主とする非常に大きなターミナルをつくることか追撃ではないかというふうに考えておりますが、今後の趨勢を見まして最終的には決定をいたしたい。なお、第一期のターミナル・ビルディングは、先ほど御説明申し上げましたように、昭和五十一年度の旅客需要を目標にいたしておりますので、当分の間は第一期のターミナル・ビルディングが完成いたしますれば、ここ数年間は十分もつ。その間にわれわれとしては第二のターミナルについての計画を確定してまいりたい、かように考えております。
#127
○北村暢君 現在の羽田の国際線、国内線の四十三年の旅客数、これは実績どのようになっておりますか。
#128
○説明員(丸居幹一君) たいへん恐縮でございますけれども、ごく最近、発着回数だけまとまってまいりまして、まだ私のノートには旅客数を入れておりませんので、四十三年を申し上げることはできぬのでございますが、でき上がり次第お知らせを申し上げることにいたしまして、四十二年の旅客数を発表させていただきます。四十二年で申し上げますと、国際線の旅客は百七十五万六千三百二十四人、それから国内線が三百三十七万八千七百三十三人、合計いたしまして五百十三万五千五十七人ということになっております。これの発着回数が国際線で三万三千五百十四、国内線で七万七千九百四十、合計いたしまして、さっきちょっと数字の発表ございましたが、十一万一千四百五十四回というふうになっております。
#129
○北村暢君 そうしますと、五十一年度目標に五百四十万人というのが先ほど説明の旅客数ですね。これで年間の伸び率どのくらいになっておるのですか。五十一年というと、あと五、六年ですか、五、六年で、四十二年度で百七十五万、おそらく四十四年、ことしで二百万くらいだと思うのですがね。伸び率は一体どのくらいに伸びて、今後の見通し、どういうふうな計算で五十一年の旅客数五百四十万、貨物四十一万トンという見通しが出てきたのですか。
#130
○参考人(今井栄文君) いま正確な資料を持ち合わせておりませんが、従来の航空旅客の伸び率を統計的にとりまして、おそらく私の感じでございますが、大体一〇%から一五%くらいずつ旅客数が伸びていく、こういうふうな計算で五百四十万人というものを推定いたしたものでございます。
#131
○北村暢君 第一期工事の完成目途が、これは五十一年ですか。
#132
○参考人(今井栄文君) 四十六年。
#133
○北村暢君 四十六年に使用開始をまずやろうということでしょう。それと第一期の工事の完成時期、それの利用状況想定ですね。どういうふうになっているかという点についての説明を若干していただきたい。
#134
○参考人(今井栄文君) 四十六年度の初期におきまして新空港の供用開始をわれわれは目途にして現在努力しておるわけでございますが、四十六年度においてどの程度の施設ができるかということでございますが、これは今後の工事計画の進行状況並びに全体のこれに投入し得る予算の量というふうなものと相対的に関連してまいるわけでございますが、私どもはまず何としても四千メーター滑走路、これに必要な誘導路というものはぜひつくらなければいけない。それから航空機の離発着に必要な航行援助施設、これも完全につくりあげなければいけない。それからなお、ターミナル・ビルディングにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、五十一年度の旅客需要数というものを目標に第一期のターミナルはつくる予定でおりますので、したがって、昭和四十六年度の初期において全体のターミナルが完成できるか、あるいは部分的な必要な施設をつくって利用を開始すると同時に、並行して建設を進めることになるか、こういう問題になるわけでございますが、私どもは現在、第一期の工事の旅客ターミナルにつきましては、四本のフィンガーを出しまして、その先に飛行機の、それぞれノーズイン・タイプで飛行機がサテライトに接続するわけでございますが、そういうものを、一つのサテライトについて八機程度大体着けるものと、その八機の中で大体三機はジャンボ・ジェット、しかもジャンボの現在試作されておりますさらに大きなストレッチ・タイプというものを予定しておるわけでございますが、それからそれ以外の五機は、現在使われておりますDC8、あるいは707というもののストレッチ・タイプを予定しておるわけでありまして、かりにこのサテライトを二本出しましても、十六機が一時に駐留できるということになるわけでありまして、私どもとしては、全体の第一期工事のターミナルの全部が完成いたしますれば、三十二機の飛行機が同時にターミナルに接着できるということになるわけでございますけれども、それをまず、さしあたって二つのサテライトをつくるか、あるいは三つのサテライトをつくるかというふうな点は、先ほど申し上げましたように、今後の工事工程あるいはまた四十五年度の予算というものと関連してまいると思っております。しかしながら、それによりましても昭和四十六年度の初期において新空港の供用開始をするという目途については、全然変わりはございません。
#135
○北村暢君 ですから、お伺いしているのは、大体経過はわかりますが、説明されたことについてわかりますけれどもね、第一期工事の区切りは四十六年で第一期終わるのですか。第一期というのはもっとあとなんですか、どうなんですか、その点を。
#136
○参考人(今井栄文君) 第一期の工事は、私どもは大体四十六年度の初期を目標にいたしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、供用開始に最大の目標を置いておるわけでございまして、あるいは継続して若干工事を続けるということもあり得るということでございます。それからさらに、第二期の工事につきましては、第一期工事の残りをやると同時に、並行しながら進めていくわけでござまして、空港全体として四十八年度の末、四十九年の四月には全体として完成しておる、こういうふうに考えていきたいと思います。
#137
○北村暢君 そうすると、四十八年度末でA、B、Cの三本の滑走路ですね、全部完成する、こういうことですか。
#138
○参考人(今井栄文君) そのとおりでございます。
#139
○北村暢君 そうしますと、四十九年度までというと、四十六年度まで第一期で、あと三年くらいでもって完全に成田空港は完成をしてしまうということのようですね、滑走路。それに伴うターミナルの施設、それも全部四十九年度までに完成する、こういうふうに理解していいですか。そのときの成田空港の能力というのは、先ほどお話ありました五十一年度の旅客五百四十万、貨物が四十一万トンというという目標を置いてやるというんですが、これが全部完成した場合における成田空港の能力は、エプロンその他、ターミナルその他の施設を強化すればさらに能力ははるかにまだある、こういうふうに伝えられておりますが、能力はあっても、五十一年度はいま申したように五百四十万程度、これは能力はあってもお客がこなければどうにもしようがないが、そういう見通しで、まださらに能力はある、こういうふうに伝えられておりますが、そのことはどういうふうに見ておるのですか。
#140
○参考人(今井栄文君) 空港全体が完成いたしますと、私どもの一応の目標といたしましては、年間の旅客数は千六百万人、それから貨物につきましては、第一期では一応四十万トンを対象として施設をつくりますが、全体としてでき上がりました際には、貨物量は百四十万トンというものを対象にいたしておるわけでございます。こういったものを目標にいたしまして、私どもは四十六年度から供用を開始する。こういうことでございます。
#141
○北村暢君 この千六百万人と百四十万トンの貨物というこの能力の限界まで発揮するというのはどのくらいの見通しなんですか。五十一年で五百四十万トンですからね。この程度でよろしいと、こう言うのでしょう。千六百万といったら、これは約三倍ですわね。三倍の能力を発揮するというのは、それから二十年後か十年後かわかりませんが、空港がそういう千六百万という能力を発揮することが必要な時期というものは、何年ごろを想定しているのですか。
#142
○参考人(今井栄文君) これは国会で航空局長あるいは大臣等からしばしば御答弁があるわけでございますけれども、一応現在私どもとしては、かたく見積もりまして五十一年度五百四十万人、それからさらに十年間、昭和六十一年度において、旅客の国際線の大体の数字が千六百万人になるであろう、というこふうに一応推定しておりまして、大体そのままで十年間はもつと、こういうふうに考えております。
#143
○北村暢君 成田空港の構想については大体わかりましたが、次にお伺いしたいのは、この建設の経過ですね、状況。これについて若干御説明願いたいと思います。
#144
○参考人(今井栄文君) 建設の経過について概要お答え申しあげますが、まず建設の経過を幾つかの段階に分けますと、一つは用地買収の問題、それから第二は用地の中の方々が移っていく代替地の造成問題第三には具体的に敷地の中の工事を始めるために必要な資材輸送に関する段階、それからさらに最終的には敷地内の工事関係、こういうふうに分かれてくるわけでございます。用地の問題につきましては、あるいはあらかじめ当委員会に資料を提出してあると思いますが、現在私どもは、用地内全体千六百ヘクタールのうちで、国有地並びに県有地を除きますと、民有地が全体で六百七十ヘクタールございます。このうちの全体の七一%に当たります四百七十七ヘクタールというものは、すでに買収を終わっております。それから第一期工事の区域につきましては、南半分が当委員会で御審議いただいております御料牧場の関係でございますが、これが約二百二、三十ヘクタールでございまして、民有地といたしましては全部で二百八十二ヘクタールでございます。この民有地の二百八十二ヘクタールにつきましては、約八五%に当たります二百三十九ヘクタールの買収をすでに終わっているわけでございまして、したがって、先ほど来御説明いたしております第一期工事区域につきましては、全体としてこの秋までに、用地の九〇数%というところまで取得し得る見通しがすでについているわけでございます。したがいまして、私どもは現在第一期工事の工事の計画についてその具体化をはかっているわけでございますが、第二の敷地の中の農民の方々の移っていかれる代替地につきましては、まず一番大きなものは、当委員会で御審議をいただいております宮内庁の御料牧場の高根澤への移転の件でございますが、これにつきましてはすでに私どもの御審議をいただきました予算によりまして、栃木県高根澤に新しい御料牧場の予定施設を造成中でございまして、この八月の末にはすべて必要な施設を完了するという状況でございます。それから民有地の代替地の造成につきましては、県にお願いをいたしまして、県が持っております県有地の約百ヘクタール、それからさらに付近の成田市並びに富里村から約三百ヘクタールに及ぶ地域を買っていただきまして、その地域に現在造成をやっております。で、造成の残っておるのは御料牧場の残地だけでございまして、あとの代替地につきましては、すでにほとんど全部につきまして造成工事を完了いたしまして、一部水道あるいは電灯線というふうなものの工事が若干残っておりますが、ほとんど造成を終わっておるという状況で、すでに新しい代替地には家屋の建設あるいは移転、畑地への作付というふうなものが始まっておる状況でございます。
 それから資材の輸送関係でございますが、資材は主として茨城、栃木の砕石を中心にいたします土工用の材料でございますけれども、これについてはすでに鉄道輸送に関する面につきましては、先般、国鉄当局との間に完全に覚え書きが成立いたしまして、それによりまして栃木、茨城、山梨あるいは東京都下三多摩等からの鉄道による骨材の輸送がすでに計画ができ上がったわけでございます。さらに茨城、あるいはまたその他の地域からの骨材の運搬等に、道路による部分につきましては昨年の秋、茨城県並びに千葉県に対して当公団の予算で資材を輸送するための県道の改良工事をお願いいたしまして、大体順調に工事が進行中でございまして、その全部がこの九月には完了する予定でおります。
 それからまた成田から敷地の中に材料を運び入れる問題につきましては、国鉄成田駅から成田の国道五十一号線の北にあります土屋地先に約十万平米の材料集積場をつくりまして、そこまで成田駅から鉄道で運搬する、それからその集積場から専用道路によりまして空港の中に材料を運び入れるということで、現在、国鉄との間に成田駅の改装と専用線の建設については話し合いがついて現在準備中でございます。
 それからなお資材置場につきましては、すでにこの数日前から大部分の地主さん方とお話し合いがつきまして、砂を入れて整地を始めておるという状況でございます。私どもは今後の計画といたしましては、少なくともこの四十四年度の下期から鉄道並びに道路による本格的な資材輸送を開始いたしまして、それと同時に敷地内の造成について並行して伐木、整地、あるいは工事用の道路というふうなものをつくりまして、この年度の下期から本格的な敷地内の造成工事をも始める、こういうことでいっておるわけでございます。
#145
○北村暢君 まず空港の総体的な面積が一千六十五ヘクタールということのようですが、その際に四千メートル滑走路の前後に、騒音防止の観点からして、四千メーター滑走路の両側ですね、まあぎりぎりのようでございますが、こういう点については国際空港として他の国々の国際空港の例を見て、この空港敷地以外のところはもうすでに相当の住民家屋その他ある地域ですわね。こういうことで用地の買収、今後建設して実際に就航した場合に、羽田等においてもいま騒音の問題等があってちょっと問題になっているところですね。したがって、このB滑走路を使う場合においても、海から入って海に出ていくということで、騒音防止の点からもそれがいいのだという説明がありましたわね。そういう点からいって、ぎりぎりのこの四千メートルの滑走路の用地買収で建設後における苦情というものは起こらないと想定されておるのですか、各国の例などを見てこれで十分であると、こういうふうに判断されておりますか。
#146
○参考人(今井栄文君) 御質問に二つの問題があると思いますが、一つの問題として、四千メーター滑走路で各国の国際空港と比較して、はたして使用に耐え得るものであるかどうかという点でございますが、今後開発されるあらゆる飛行機の機種というものを想定いたしましても、滑走路の長さ四千メーターというものが大体限度であろうというのが国際的な通説になっておるわけでございまして、したがって、四千メーター滑走路というもので今後十分他の外国のすぐれた飛行場と比肩し得る程度の長さであるというふうに感じておるわけでございます。
 それからもう一つは、その滑走路の進入方面等におきましての騒音問題でございますが、これにつきましては、私どもは現在国が初めて国際的にも類例のない騒音立法というものをこの前の国会を通していただきまして現在施行されておるわけでございますが、これよりも成田新空港につきましては、さらに幅広く、私どもとしては横は滑走路の中心点から六百メーター、進入方向に対しましては滑走路の末端から二千メーターという範囲につきましては、必要に応じて移転補償、あるいはまた買収というものを行なうという線で、できるだけ地元の方々に騒音による直接の被害を軽減するということで現在進めておるわけでございます。
#147
○北村暢君 四千メートルの滑走路は、この能力についてはいいですけれども、現在用地買収をしているところは四千メーターの前後たいしてないわけでしょう。かつかつというか、どの程度ありますかね、五、六百まではあるのでしょうか、そんな程度のものですね。したがって、この滑走路の前後には相当の距離に家屋なりいろいろな公共施設なり、ある場合に騒音の点からいって非常に問題がある。したがって、国際空港の各国の例を見て、こういう人家のあるようなところは、これは立ちのいてもらうことだけで用地は買収するようには聞こえませんでしたがね。いまの買収程度でいいんですか。聞くところによるというと、相当の距離は置かないというと、今後におけるSSTとか、ジャンボジェットとか、こういうものの騒音というものは、これはたいしたことないようなこと言われているようだけれども、SSTはマッハ二・五くらいの速力の飛行機でしょう、こういうものがここに離着陸するということを考えるというと、これはたいへんなものだろうと思うのです。したがって、これは滑走路の進入、待避する方向について千メートルや二千メートルの間、人家がなくても問題にならない。国際的な例を見ても何キロも人家は置かないというようなことを私ども聞いているんですがね、そういう点で心配はないのですか。そういう点についての処置はどうされるのですか。こういうことを聞いているのです。
#148
○説明員(丸居幹一君) 確かに進入表面直下というのは、先生御指摘のとおりに、飛行機はやかましいと私も思います。ただいま総裁からもちょっと話がございましたように、騒音防止法でもって一応進入表面の幅四百六十五メートル、滑走路のちょうどまん中から両方へ四百六十五メートルずつの幅で、それから長さにつきましては、そこから千三百メートルの間は民家があります場合は、民家の立ちのき及び立ちのき補償、それからそのあとに残りました、たとえばそこで耕しておられた田んぼも買い取るというふうに騒音防止法で規定してございますので、これでいきたいと思います。しかし、先ほど来御指摘がありましたように、ここは大空港でございますので、それよりもなおほかに広げまして、片幅六百、長さ二キロにわたりまして耕作をしておられる方々が、これを買い取ってくれ、あるいは民家がその辺にあって買い取りをしてくれという場合には、買い取りをするということにきまっております。これはこの飛行場に特別の処置をとります。
 それから世界の傾向でございますが、世界的にやはり騒音につきましては、いろいろ問題が起こりまして、あちらこちら困っておる空港があるわけでございます。しかし、これはやはり世界中飛行機が飛び回りますので、どうしても統一ある騒音対策をとられなけばならぬじゃないかというふうに皆考えまして、ICAO、民間航空機構、ICAOにおきまして世界的な会議が持たれておりまして、わが国もこれに参加いたしましてICA○の一つの基準をつくり上げて、そしてその基準によって騒音対策を講じていこうということに話が進展してまいっております。そういうふうにして基準ができましたら、わが国もそれにのっとりまして、そういう基準に当てはまるように騒音防止法を改正していくというふうなことをしなければならないのじゃないかというふうに考えております。
#149
○北村暢君 ただいまの説明では、いまの空港用地として買収予定している千六十五ヘクタール以外に、代替地、これは東側になるのですか、ここに付帯地というのを持っておりますね。これは説明によるというと、騒音防止等その他で付帯地というものは、これは何メートルあるんですか、ちょっとわかりませんけれども、みておるようですね。ところが現在、御料牧場があるところであるから、こういう付帯地としてとれるわけだけれども、これ以外に民有地については、この付帯地というものはみていないわけですね。いまの説明によるというと、希望によって立ちのきする場合には買収いたします、こういうことのようですがね。空港用地としてすでに決定しているところ、それ以外の地域においても買収するということの答弁のように聞こえましたが、そういうふうに理解していいのか。
 それから、希望によればそういうふうなことをやりたいというような御答弁のようでしたが、そうすると、この用地の先端から先どのくらいまでは希望に応じて買収するのか。それは空港の敷地の中には入るのか入らないのか、そういうふうに付帯して買う土地はどうなのか。そこら辺のところがちょっとわかりませんので、そういう付帯しているところまで買うことが認められているのかどうなのか。これは空港の敷地になるのかどうなのか。そこら辺のところをもう少し明確にしていただきたい。
#150
○参考人(今井栄文君) 第一の点でございますが、私どもが申し出まして、希望があればお買いもいたしましょう、また移転補償もいたしましょうという区域は、四千メーター滑走路について言いますれば、滑走路の先端から二千メーターの範囲でございます。これは両端にあるわけでございます。それから滑走路の中心点から横側六百メーター、これは騒音防止法の範囲よりやや広うございます。この範囲におきましては御希望があれば買い取りましょう、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして、希望であれば買い取るというそういう区域につきましては、私どもは将来空港関連の施設をつくっていきたい、かように考えております。したがって、空港の敷地には全然ならないというふうにお考えいただいてよろしいのではないかと思います。空港敷地とは全然別でございます。騒音区域として公団が買い取る、買い取ったところについてはこれは遊ばしておくのもむだなことでございますので、敷地内に必ずしもなくてよいような施設、あるいはまた空港に関連するいろいろな施設につきましては、そういうふうなところを使っていこうという考えであります。
 それから現在そういうふうな買い取りの希望があるかどうかという点につきましては、主として空港の南側、芝山町等について現実にそういう騒音区域を買い取ってもらいたいという希望が出ております。現に私どものほうで、内部で買い取るべく手続をいたしておるのがすでに十四町歩以上ございますが、これはそれぞれの希望によって買い取るものでございまして、したがって、敷地と同じ扱いには私どもは考えておりません。できれば将来空港に関連して必要な施設というものをそういうふうなところへつくっていきたい、かように考えております。
#151
○北村暢君 ちょっと私の聞き方が悪かったのですが、先端からでなしに、六百メートルというのは滑走路のセンターから六百メートルですか、その空港区域の外六百メートルですか、どっちですか。
#152
○参考人(今井栄文君) 滑走路の中心から横六百メートルでございます。
#153
○北村暢君 そうしますと、センターからということになると、空港のいま予定している区域からどのくらい外なんですか。二百メートルくらい外なんでございますか。
#154
○参考人(今井栄文君) 約三百メートルでございます。
#155
○北村暢君 それじゃ、一応の区切りとして、いま質問を整理したいと思いますが、希望に応じて滑走路の先端から二千メートル範囲内のところは買収する。それは付帯施設を将来つくるということも考えながら買収する。そのときの買収価格というものは、現在の空港用地の価格とほぼ同じ価格で買収されるのかどうか、この点だけお伺いして、きょうの質問を終わります。
#156
○参考人(今井栄文君) これは私ども地元の方々に対してもはっきり申し上げておるのですが、それぞれの地目によりまして公団が敷地内で買った価格と全く同じ価格で買収する、こういうふうに申し上げております。
#157
○岩間正男君 この問題は私も質問したいと思いますが、データーをとりあえず要求しておきたいのです。
 羽田空港の場合ですね。これは現在C滑走路しか使っていない。ところで、遅延度はどういうことになっているのですか。ずいぶん滞空時間が長くなって、私自身は一週間ばかり前ずっと経験したわけです。房総半島をぐるぐる一時間ほどあそこの先端を回された、そういうことがありますから、遅延度はどういうことになっているのですか。
 その次は、第二は自衛隊の利用度、これはデータあるでしょう。自衛隊の飛行機があそこの羽田を使っているわけです。これ出してください。
 それから、これは成田空港については、地位協定第五条の問題、これはこの問題詳しくこのあとやろうと思うのですが、大型化されるわけでしょう。先ほどもSSTの問題出たんだが、そういう態勢になったらどうですか。ほかのところ利用しようったってできないのだ、結局。米軍機は成田を要求するよりほかなくなるのじゃないですか。こういう問題について、先ほどの今井総裁の答弁もあったのだが、どうなんですか、こういう一つのやはり見通しに基づく見解というやつはこの次にお願いしますけれども、これは検討しておいていただきたい。先ほどのような答弁でいくと、これはちょっとのがれられないのじゃないかと私は思う。私どもが考えて、どこに着けますか、成田しか着けないでしょう。四千メートルの滑走路のところしか着けないのだから。そうすると、そういう時代が来るというと、これはどうなるのか。そういう点は、これは先ほどのような答弁で言いのがれは絶対できない。この三点についてデータの要求をしておきます。
#158
○委員長(八田一朗君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#159
○委員長(八田一朗君) 次に、法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#160
○岩間正男君 法務大臣にお伺いしますが、大学の紛争問題をめぐって暴力学生の目に余る暴行が行なわれて、しかも、その中でたび重なる傷害事件が発生しているわけであります。これに対して、私は過般、三月の予算委員会においても法務省並びに国家公安委員長の見解を求めたわけでありますけれども、その後、事故は依然としてやまないのです。むしろますますそういうような事件が続発する傾向にあるわけです。したがって、こういう問題に対処する姿勢というものは非常にこれは重要だと私は考えるので、法の番人である法務省として、まず最初にこういう問題に対する見解をどう考えておられるか。これは法務大臣の見解が非常にやはりこのような暴力発生を防止するか、あるいはこれを助長するか、こういう点からいいまして、私は重要なことになると思いますので、大臣の見解をお伺いしておきたいと思います。
#161
○国務大臣(西郷吉之助君) 岩間さんのおっしゃるとおりでございまして、暴力はいかなる理由によるともこれは容認できない問題でありますので、御指摘のような暴力事犯につきましては、今後ともきびしくその刑事責任を追及したいと考えております。
#162
○岩間正男君 まあそういうような御答弁でありましたが、警察当局、あるいはその結果は当然検察庁の問題になると思うのでありますが、どうもわれわれの立場から見ますと、この事犯の処理が必ずしも敏速でない、こういう感じを持つのですね。国家公安委員長は見えておりませんけれども、とにかくよくこれは委員会で国家公安委員長は豪語したわけです。一一〇番に電話してくれ、二分以内に警官が出動して、そのような暴力に対してははっきり処置する。こういうことを言ったわけでありますが、そういうふうになっていないわけでありますね。これはこの前も指摘しましたように、神戸の場合なんかは、もうどんなに電話をかけたって警官は来やしない。そうしてほんとうに十数時間も放置されるという次第です。
 それから北海道の問題がありましたが、日本共産党の道委員会の常任委員の多田君が食事に行く途中で襲われた。で、これは暴力学生に襲われた。これはあとで詳しくお伺いしますが、そういう中で、付近の人たちは見るにみかねてやはり電話を警察にかけておる。ところが、二分はおろかほんとうに一時間近く待っても来なかった、こういう事態が起こっておるのですから、こういう情勢から考えまして、なかなか政府の答弁しておるようなそのままの形にはなっていない。むしろやはり暴力に対してこれを見のがしているような、そういう点が出てきているのであります。こういう中で、ここで大学法案なんか出されて紛争を処理するのだというが、紛争のやはり大きな原因になっているこの暴力問題について、はっきりした対処のしかたが必要だと思いますけれども、重ねてこの点について法務大臣の見解を伺いたいと思います。
#163
○国務大臣(西郷吉之助君) お話のとおり、昨年来、学生集団暴力事件等が頻発して、いまだかってない多量の者が一度に検挙されまして、法務省のほうにおきましては、警察で検挙された者が検察庁に送られてきまして私のほうの仕事が始まりますが、そのつど、とうてい東京の現在の検事の数では処理できませんので、地方から百名ぐらいの応援検事を中央に呼んで、期間内にこれを処理しなければなりませんので、そのつど非常な苦労をいたし、私も督励いたしまして、できるだけすみやかに処理する努力を続けさしておりまするが、何ぶんにも数が多いので、その間、間に合うように完ぺきを期してないかもしれませんが、検察といたしましては人を動員して迅速に処理するようにいま努力をいたしておりますが、件数が多いので、外部でごらんになったときはだれたところが非常に多いかもしれませんが、今後ともそういう姿勢はくずさないでやってまいりたいと存じます。
#164
○岩間正男君 ことに傷害事件、個人の生命の危険を脅かす、そして実際重傷を与え、あるいは頻死の状態に追い込むという事犯、これは事件が起こってからこれに対処するというような形では十全を期しがたいわけですね。そういう点からいいますと、どうしてもやはり暴力学生に対する甘やかしというようなものが原因になっているのじゃないかと思うわけです。こういう点についてもっとしっかりした取り締まりをやる必要があるのじゃないかということが考えられますし、それからこの対処のしかたが、先ほど申しましたように、警察の場合はなまぬるいわけです。官が出てきておりませんが、あとで警察庁の責任者が来たらそういう問題についても明らかにしたいと思います。
 ところで、このような学園紛争に伴い、あるいは学園紛争を背景として、あるいは暴力学生の横行に伴って起こっている事件で、いま検察関係でこの問題に関係し、それからこの問題を処理しているその処理の状況というものはどういう状況になっておりますか、その概略をお聞きしたいと思います。
#165
○国務大臣(西郷吉之助君) これは具体的なあれでございますから、きょうは刑事局長が病気で出ておりませんので、公安課長から御説明いたさせます。
#166
○説明員(豊島英次郎君) それでは学生集団暴力事件、これはもっぱらいわゆるトロツキスト派と称せられる過激派学生の集団暴力事件でありますが、これの処理の状況について御説明いたします。
 一昨年、昭和四十二年十月の第一次の羽田事件以降、現在までに主要学生事件で起訴いたしました学生数は、学生以外の者も若干入っておりますが、千八百十六名になっております。事件の概略を知るために事件の受理の総数を申し上げますと、一万九百三十四名という数でありますが、その中にはいわゆる少年もおりますので、家庭裁判所へ回るものもございますが、すでに起訴をいたしました数が千八百十六名になっておる、こういう数字でございます。
#167
○岩間正男君 それでは、この傷害事件についてお聞きしますが、具体的にお聞きしましょう。一月二十二日に告訴しました赤旗のカメラマンの宮崎遼氏、一月十五日、東大本部で取材中に学内に連行されて鉄棒、角材などで殴打され激しい暴行を受けまして瀕死の重傷を負ったことは、この前、予算委員会で取り上げた問題でございますが、これは現在どういうふうになっておりますか。
#168
○説明員(豊島英次郎君) 御指摘の東大におきますところの赤旗記者に対する暴行事件につきましては、本年の五月十二日、東京地方検察庁は起訴をいたしております。御指摘のように、この事件は東大構内におきまして赤旗記者に対しまして鉄パイプなどで暴行を加えて重傷を負わせたというケースでございます。
#169
○岩間正男君 これは被告はだれなんですか。
#170
○説明員(豊島英次郎君) これは三戸部貴士という昭和十九年生まれの男、それから斎藤修平、この両名が重傷を負わせたということで、傷害罪で起訴されております。
#171
○岩間正男君 次に伺いますが、これは一月二十五日の告訴された問題ですが、駒沢大学の学生吹上善蔵君、一月二十二日にビラまき中、当大学の八号館に連行されて約十時間にわたって集団リンチを受けた、同氏は仮死状態のまま入院した。こういう結果告訴したわけでありますが、これはどういう処理になっておりますか。
#172
○説明員(豊島英次郎君) 駒沢大学のリンチ事件は、実は二つに分かれるわけでございます。御承知のように、一月二十二日の事件というのと一月二十四日の事件と二つに分かれるわけでありますけれども、一月二十四日の事件につきましては、本年の四月十九日、東京地方検察庁は起訴しております。それから一月二十二日の事件につきましては、現在鋭意捜査を続行しているという最中でございます。
#173
○岩間正男君 この二十四日の事件というのは、これは被告はだれですか。
#174
○説明員(豊島英次郎君) 日高和行であります。昭和二十一年生まれの学生であります。それから赤坂義昭、昭和二十三年生まれの学生であります。この両名が起訴されております。
#175
○岩間正男君 これはどういう容疑になるわけですか。
#176
○説明員(豊島英次郎君) 罪名は、暴力行為等処罰に関する法律違反ということでありまして、犯罪事実の中身は、多数の学生と共謀いたしまして、本年の一月二十四日、駒沢大学のロビーにおいて、中桐、長谷川、この両氏を取り囲み暴行を加えたという事実であります。
#177
○岩間正男君 ついでに、先ほどの宮崎赤旗カメラマンの起訴事実ですね、これについても伺いたい。
#178
○説明員(豊島英次郎君) 宮崎カメラマンに対しますところの事件は、先ほど申し上げました両名が多数の者と共謀いたしまして、本年の一月十五日に、東大構内におきまして、宮崎記者に対して、鉄パイプなどで殴打する等し、八ヵ月の傷害を負わせたという傷害罪の起訴であります。
#179
○岩間正男君 次に、一月二十七日に告訴されました日本大学学生の中桐紘一、長谷川桂介、納富哲也、それから両角則久ですね、これは日本体育大学の学生ですが、この四人に対する――一月二十四日に駒沢大学内三カ所に分けて引きずり込まれ約三時間にわたって集団リンチを受けた、吹上氏と同じ蛮行を受けた四人は人事不省のまま入院した、こういうことですが、これはいまの問題ですか。先ほどの起訴されている二十四日の事件というのはこれですか。これとはどうなっているのですか。
#180
○説明員(豊島英次郎君) 中桐、長谷川氏らに対して集団で暴行を加えたという一月二十四日の事件が先ほど申し上げました起訴に至っている事件でございます。
#181
○政府委員(鹽野宜慶君) いわゆる白鳥事件の村上国治の仮釈放の問題につきまして、従来の経過を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、この事件は、昭和三十八年の十一月十一日に上告棄却によって確定いたしました。刑期は懲役二十年ということでございます。しかしながら、未決勾留日数の通算がございまして、法定通算が千百二十九日、裁定通算が千二百日ということで、合わせて約六年四カ月ほどが未決勾留通算になっているということになっているわけでございます。したがいまして、執行すべき刑期は十三年七カ月ほどになろうかと存じます。
 この事件につきましては、仮釈放の審理は北海道の地方更生保護委員会で現在審理中でございます。御承知のとおり、有期刑の仮釈放は刑期の三分の一執行が済んだ以後に仮釈放が許される、かような規定になっているわけでございまして、昨年その期日が過ぎまして、昨年の十月ごろから北海道の地方更生保護委員会で仮釈放の審理を始めている状況でございます。現在まで鋭意努力を続けているようでございます。実は仮釈放の審理につきましては、各地方更生保護委員会の専権に属するところでございまして、これは事柄の性質上、最も適正に、公正に行なわなければならないという仕事の性質上、具体的事件の処理につきましては法務大臣の指示も及ばないというふうに解されているのでございまして、私ども法務省当局といたしましても、地方更生保護委員会の審理に一切おまかせしているという状況でございます。
 ところが先般来、この審理が非常におくれているではないかというふうな御意見が国会でも二、三私どもに御質問がございましたので、去る、たしか四月ころであったかと存じますが、その当時、北海道の地方更生保護委員会に対しまして、国会から御質問も出ているので、審査の内容にわたる必要はないが、形式的な面でどの程度まで審査が行なわれているのかということを調べてもらいたいという照会をいたしたわけでございます。その結果につきましては、当時、衆議院の法務委員会で御説明いたしたことがございますが、その当時までの状況で、本人に対する面接、これは担当の委員が施設に参りまして本人に面接をいたしましていろいろ事情を聞いてくるという手続が仮釈放の審理には必要だと、こういうことになっておりますが、その面接に昨年と本年になってからと、二回行っております。そのほか、事件の性質が御承知のとおり非常に複雑な事件でございますので、参考人等につきまして当時までに十件ほどの調査をいたしております。それから合議は、すでに十数回委員が集まって合議をしているという状況でございまして、当時の委員会の報告によりますと、非常に重要な事件であるから慎重に審査を進めているが、しかしながら、鋭意努力しているので、しばらく日にちをかしていただきたいという趣旨の報告があったわけでございます。したがいまして、私ども法務省といたしましても、なるべく早い機会に結論が出るように審再会が努力を進めるということを期待している次第でございます。現在までの状況は以上のとおりでございます。
#182
○山崎昇君 私が質問した事項ですが、いま詳細に局長から説明がありました。そこでもう岩間さんの質問に入っていることですから、あまり多くはやりませんが、私はこういう問題の中身よくわかりませんが、北海道地方更生保護委員会のかりに専決事項だったとしても、それは権限としては専決事項なんです。しかし、仮釈放する場合のある一定の基準なり、そういうものは法務省のほうで私は指導しているのだと思うのですね。そういうものに照らして、私は新聞報道しかわかりませんけれども、仮釈放される資格は去年の、五月の二十六日でもうでき上がっておる。そしていろいろなことがあったとしても、網走の刑務所長の名前で申請がなされて、すでにまあ九カ月たつわけですね。私は、どれほど慎重に検討されているのかわかりませんが、いまの御説明ですと、本人に二回会われて、参考人には十回くらい調査をされて、合議も十数回やられてまだ結論が出ないということに、私は何か政治的に取り扱われておるのじゃないかという気がしてなりません。そこで法務省として、一般的な基準に照らしてこういうものはやはり処理をさすべきではないか。権限は保護委員会にあるかもしれませんね、しかし、あなたのほうは、全体的にこういうものについてやはり主導権を持っておるのだと、そういう意味で私はどうもこの村上被告に対するやり方は納得ができないのです。そういう意味で、きょうは岩間さんの質問に入っておりますからこれでやめますが、具体的な基準というものはどういうものになっておるのか。それからもう一ぺん、やはり保護委員会に対して、あまりおくれるということになれば、いやな腹を探られて、政治的に処理をされているのではないかと言われたのではまずいと思うのですね、法を扱う上から言って。あるいは人権の問題とも関連をいたしますから。したがって、早急にこれは結論を出すようにひとつ指導してもらいたい。そういうことができるかどうかだけきょうは伺っておきたいです。
#183
○政府委員(鹽野宜慶君) 御指摘のとおり、地方更生保護委員会は法務省の地方支分部局でございますので、法務大臣が一般的な監督権を持っていることは御存じのとおりでございます。ただ、具体的事例につきましては事案の性質上、法務大臣といえどもタッチしないというたてまえで進めているわけでございます。本件につきましては非常に長くかかっているではないかという御指摘でございますが、実は仮釈放事件にはいろいろな種類がございまして、いわゆるケース・バイ・ケースによって処理されているわけでございます。この事件が、特にこれだけが長引いているということでは必ずしもないのでございまして、大かたの事件は大体三月かそこらで結論が出ておりますが、やはり相当数のものは一年くらいかかっておりますし、一年以上かかったというケースもあるわけでございます。したがいまして、まあ九カ月になりますか、だからといってこれが特におくれているというふうにも私どもは考えていないわけでございます。しかしながら、ただいまの御指摘もございましたので、その後の進行状況というようなものをあらためて照会してみたいと考えております。
#184
○岩間正男君 いまの問題は私も関心を持っておりますので要求したいと思っております。
 ところで先ほどの続きですが、次に、三月三日に告訴されました日本共産党兵庫県常任委員の坂本健三君、同神戸地区常任委員の島田昭一君に関する傷害事件。三月一日に神戸大学正門前で数十人の学生に包囲され、教室内に二十時間にわたって監禁され、三カ月以上の重傷を負った事件ですが、これはどうなっておりますか。
#185
○説明員(豊島英次郎君) その事件につきましては、本年の四月七日、神戸地方検察庁は起訴いたしております。
#186
○岩間正男君 起訴の理由、それから被告、そういうところを話してください。
#187
○説明員(豊島英次郎君) 起訴の理由は、罪名が不法監禁、傷害であります。事案の中身は、本年の三月一日神戸大学におきまして、坂本それから島田、この両氏に対して欧打等の暴行を加えた上、教室などに監禁をしまして、かつ木刀などで欧打して傷害を負わせたと、こういう事件であります。被告人は五名起訴されております。
#188
○岩間正男君 さらにお聞きしますが、三月八日に告訴された事件で、和光大学の学生森居利昭君、三月三日に同大学の一室に連行され、目隠しされたまま約八時間にわたって集団リンチを受けた、全身打撲で全治一カ月の重傷を負った、こういう問題ですが、これはどういうふうになっておるでしょう。
#189
○説明員(豊島英次郎君) その事件につきましては、東京地方検察庁八王子支部は公判請求をいたしております。起訴いたしております。
#190
○岩間正男君 起訴理由と、これもまた被告人を。
#191
○説明員(豊島英次郎君) 罪名は傷害、不法監禁でございます。和光大学の構内で、今年の三月三日に森居という学生を縛り上げ、鉄パイプで殴打するなどで監禁するとともに傷害を負わせたと、こういう事件であります。起訴されておりますのは四名の学生であります。この四名のうち一名は少年でありますけれども、家庭裁判所の判断を経て起訴に至っております。
#192
○岩間正男君 さらには、四月二十三日に告訴された立命館大学学生橋本光弘、谷垣利治、中村聖司、この三君に対する処理の問題ですが、四月十一日に、同大学路上で待ち伏せをしていた約二十人の学生に襲われ、鉄パイプ等でなぐられて三週間の傷を負った。逃げおくれた橋本君が恒心館に連れ込まれて約五時間の集団リンチを受け拷問された、こういう事件ですが、これについてはどうですか。
#193
○説明員(豊島英次郎君) その立命館大学の事件につきましては、検察庁はまだ事件の送致を受けておりません。警察で捜査段階であるというふうに聞いております。
#194
○岩間正男君 これについて、それでは警察庁がどのようなこれに対する対処をしておるかお聞きしたいと思います。
#195
○説明員(丸山昂君) 本件につきましては、ただいままでのところ、第一の告訴事件につきまして被疑者四名を特定できる段階入っておりまして、大体捜査は終結の見込みでございます。いずれ地元地検に送致されることになると思います。
 それから第二の告訴事件につきましては、被害者が目隠しをされておりましたので本人の特定が困難で、なお時日を要するのではないかと思います。
#196
○岩間正男君 四月の二十三日というと相当もう時日がたっておるわけですね。もうきょうで二月になるわけですが、その中でこれは被疑者はどういういま形になっていますか。これは逮捕されているのですか。
#197
○説明員(丸山昂君) 被疑者の特定に時間を要しましたために、まだ逮捕令状の請求をしておりません。はっきりいたしましたら近く令状を請求いたしまして、先ほど申し上げましたように地検に送致する予定でございます。
#198
○岩間正男君 これはいつごろ送検になる予定ですか。
#199
○説明員(丸山昂君) 近いうちということで、ただいまの段階でははっきり日にちを申し上げる段階ではございません。
#200
○岩間正男君 次に、五月二十七日に告発しました日本共産党北海道常任委員の多田光雄君に対するもの、これは五月二十七日に札幌市内の党事務所近くの路上で集団暴行を受けた、そして入院治療三週間、全治一カ月半の重傷を負った。これについて先ほど、警察庁が見えられないうちに法務大臣に聞いて一応ただしたわけですけれども、これはどうなんです。この事件で、この周辺の民家の人たちが見るに見かねてすぐに警察に電話をしたのですね。ところが、二分間で来るという国家公安委員長の言明はおろか、なかなか時間がかかって来なかった、こういうことで、これは非常に重傷を負った。それともう一つは、昼めしを食べに行ったわけでしょう、事務所から。その途中に待ち伏せをして、こういう集団暴行が行なわれるということになると、これは治安上重大な問題だと思うんでありますけれども、これに対してどういうふうにこれは処置をしておりますか、伺いたいんです。
#201
○説明員(丸山昂君) これは時間的には当日の夜でございました。一一〇番がかかりましてから現場に参りましたわけでございますけれども、そのときには現場には人がおらなかったということで、たまたま現場を目撃しておりました人の協力を得て捜査を始めたというような事案でございすす。時間的その他の関係から、周囲の事情から事情やむを得なかったというふうに判断しておりすす。
#202
○岩間正男君 これはそういう報告を受けているんですか。これはもう私たちも実情について聞いているんですが、どうしても、電話をかけてもたかなか警察はやってこない。そういう事態ですから、警察がかけつけたときにはもう暴力学生の姿はなかった。むろんこれはそのような暴行に対して党の事務所の近くで起こったことですから、それを聞きつけた党員やあるいは近所の人たちがこの学生に対して――これをまあ、多田君をかつぎ込もうとしたんでしょうが、北大の構内に。ですからそれを奪還した。ところが警察はほとんど役に立たなかった。そして終わってからかけつけて、そのときには人影はなかった。これではちょっとね、非常に何と言いますか、なまぬるいと思うし、それから国会における国家公安委員長の言明などというのは全くこれは全然うそになるわけですね。こういうことになっているわけです。この点はどうなんですか。あなたたちこの事態について十分に調査をしたのですか。われわれも調査をしたのでありますけれども、これは非常に警察の態度については疑問視されている。それからこの犯人についてはこれはどうです。調査進めているんですか、これはどうなんです。逮捕されているんですか、いないんですか。
#203
○説明員(丸山昂君) ただいまの事情でございますが、二十七日の零時二十五分に札幌の北署の北十条西交番に食堂を経営しておる中野さんという方から電話がございまして、現場付近で助けてくれという声が聞こえたために、声の方向に向かおうとした際、ジープが一台停車しておったので、その運転手に何があったのかと尋ねたところが、ゲバ棒を持った学生十数名が一人に暴行を加えていると、学生同士のけんかだろうということであったので現場に行かずにまっすぐ交番のほうに知らせに来た。これが届け出の最初でございます。で、届け出を受理いたしました交番の巡査が本署の幹部に急報いたしまして、自身現場におもむいたわけでございますが、そのときには付近に人影がなくて事件を認知するに至らなかったということでございます。こういったことで、ただいま先生御指摘のように、現場に行くのがおくれたのではないかというお話でございますが、交番の勤務の巡査としては、ただいま申し上げたような措置で手落ちはなく適切であったというふうに考えられます。
 それから捜査のほうでございますが、捜査のほうにつきましては、鋭意捜査を継続中でございまして、現在までのところ、何ぶんにも夜間でございますし、また被害者の方もそういう状況で十分相手方を特定する認識を持っておられないようでございますが、時間をかけて十分御協力をいただいてこの捜査を完結をいたしたいというふうに念願しておるわけでございます。
#204
○岩間正男君 まあ、告発された当初はちょっと警察は動いたということを聞いておるのですが、その後、捜査は継続されているのですか。とにかく路上で、学外でしたね、学外でしょう。学内についての問題はこれまでいろいろ国会で論議されてきたわけですが、学外における行動については、これはもっと警察が取り締まれるわけでしょう。むろんこれは十分現行法の範囲内でやれるわけなんです。だけれども、こういう点について、どうもその後の状態が非常になまぬるいというふうに聞いておるのですが、これはどうなんですか。これはもう相当な重大犯人です。そういうものについてこれは捜査を継続して、しかもはっきりこの問題に対処する、そういうかまえになっているのですか、どうなんです。
#205
○説明員(丸山昂君) 事件が発生いたしました二十七日に、さっそく所轄署でございます札幌の北署に警備課長以下十六人の捜査班を編成をいたしまして、ただいまこの陣容で捜査を進めておるわけでございます。また、現場付近の聞き込みその他で、現場だけで現在十五人ぐらいの方からそれぞれ聞き込みをしておりますが、先ほど申しましたような事情で、現在のところまだ被疑者を特定するに至っておらない事情でございます。
#206
○岩間正男君 まあ夜分とはいいながら札幌市内ですよ、これは。札幌市内でしょう。何もいなかだからどうだということを言うわけじゃありませんけれども、とにかく警察権が十分行なわれていなくちゃならないそういうところなんです。そうしてこれは共産党の幹部、県の幹部にそういう何が加えられたということで、相当これは意識的なものが考えられるわけですね。そういう点について、どうも捜査のやり方がおくれておるんじゃないか。すでにこれも一カ月になんなんとしておる事件ですけれども、これについて今後なおわれわれはこれを見守っております。とにかく政党の幹部に加えられた傷害、そうして札幌の市内でこういう事態が起こっているのですから、これに対してやっぱり警察は十分な責任を果たすべきだと思うのです。
 それからその次の、六月十五日に告訴されました法政大学の学生貴田健君、これは六月十一日、法政大学の正門前において数十人に取り囲まれて暴行を受け、教室に連れ込まれて目隠しをされ、うしろ手にしたまま暴行、さらに別室に移して集団暴行、頻死の傷害を受けた。こういう事件でありますが、これはどうです。一体どういうことなんです。教室に連れ込んで目隠しをし、うしろ手にしばったまま暴行、さらに別室に移して集団暴行、こういうことが今日行なわれているわけですよ。この時刻だって日本の国内でこういうことが行なわれているわけで。こういう事態に対しての対処のしかた、警察の姿勢、そうしてまた法を守る法務省としての態度、これは非常に重大な問題になるわけですが、この処理はどうなっておりますか。
#207
○説明員(丸山昂君) 本件は、六月の十一日の午後四時ごろ発生しておるわけでございますが、十五日に弁護士から代理の告訴が提出されまして、十六日に被害者から事情を聴取し、調書を作成しております。その結果、被疑者が特定できまして、二十日に法政大学のこれは学生でございますが、それを傷害、不法監禁で逮捕いたしまして、目下身柄を勾留、引き続き捜査中でございます。なお二十日に逮捕いたしました際に、本件の裏づけ捜査のために法政大学内の捜索、差し押え検証を実施しております。
#208
○岩間正男君 これは被疑者は何人になっておりますか。
#209
○説明員(丸山昂君) ただいまのところ特定をされて逮捕しましたのは一名でございます。
#210
○岩間正男君 次に伺いますが、六月十四日に告発した埼玉大学学生、大島義平君、六月十二日に大学立法反対集会の際に襲撃されて、脳内出血で事態、こういう事態が起こっておりますが、これはどのように処置されておりましょうか。
#211
○説明員(丸山昂君) 埼玉県警では特捜班二十三人を編成をいたしておりまして、本件の捜査に当たっております。乱闘直後の現場写真等を分析をいたしました結果、十七名ぐらいが大体特定できそうでございます。実は、本件については大学側に捜査照会をしておるわけでございますが、いまだに回答がなく、その協力が得られないので非常に残念に思っておるわけでございます。いずれにいたしましても、警察といたしましては全力を尽くしまして現在鋭意捜査中という段階でございます。
#212
○岩間正男君 この犯人はこれは逮捕されていないのですか、いまだに。どうなんですか。
#213
○説明員(丸山昂君) 目下のところ犯人が特定されておりませんので逮捕されておりません。
#214
○岩間正男君 そうすると、十七名はこれは何ですか、写真で特定されたと聞いたのですが、どうなんですか。
#215
○説明員(丸山昂君) 正確に申しますと、この十七名がはっきり特定できたのではございませんで、大体このぐらいの範囲の中におるのではないかというふうに思われる段階でございます。
#216
○岩間正男君 最後に、六月十九日に告訴された日本共産党中央委員会の教育部員の肥後勝盛君ですが、これは六月十六日に帰宅の途中に、うしろからつけてきた暴漢に襲われて全治三週間の負傷を負った。こういう問題で、これは告訴しておるわけでありますが、これは最近の事態です。九日前のことですが、これはどうなんですか。
#217
○説明員(丸山昂君) 事件は六月の十六日の夜おそく発生しておるわけでございますが、十七日に被害届けがございまして、これに対応いたしまして所轄の世田谷警察署でさっそく捜査を開始しておるわけでございます。被害者御当人が代々木病院にただいま入院中というふうに承っております。二十五日に当方から参りまして、被害者から直接事情聴取するという段階になっているように聞いております。
#218
○岩間正男君 この捜査体制をとってから、十六日ですからね、もうすでに九日になるわけだが、それは本人から事情を聴取することも必要でしょうけれども、これはどういうふうに捜索を進めているのですか。私どもは非常にこの点は緩慢ではないかと思う。私も世田谷に住んでおりますけれども、どうも世田谷署の動きについては、しばしばこういう点についてどうも不十分な点を感じているわけですが、これはどうなんですか。
#219
○説明員(丸山昂君) 事件が起きまして告訴になりましてから、さっそく犯行現場付近の聞き込みを行なっております。これは現在も続行されておりますが、いままでのところ、付近の聞き込みからは手がかりを得られていないという状況でございます。
#220
○岩間正男君 一応個々の事件について説明を受けたわけでありますが、この中で幾つかの事件は起訴されておるわけです。しかし、幾つかの事件は、いまだに捜査の段階であります。しかも、らちがあいていないということが非常に多いわけですね。これはまあこの問題に対処する対処のしかた、これは今日非常に大きな問題になっているわけです。とにかく、いままでの国会の論議の中でも、大体、大学の紛争問題、そうしてその紛争を契機として必ず政府の反動的な手段が出てくるわけですね。中教審の答申が出されるそういう事前に、たとえば学生の暴力事件が起こる。そういうものはテレビやラジオでじゃんじゃんやって、そうして暴力学生があばれるのはしかたがない、そこでこれに対する取り締まりの手段を講じなければならないという方向に向いていっているのです、いつも。だから法案が出されて政府が何かそういうような対処しようというときには、必ずそういう事前の暴力学生の動きがある。そこで私たちは、これは大学の紛争ということを一つの理由にして、そうして法案を出し、それから権力介入、あるいは大学のこの自治権を非常に侵害する、あるいはまた休校、廃校、そういう措置までとられていく。そうしてしかも、そのあとには大学が非常に再編成されたり解体される、そういう方向が非常に大きな問題になっているときに、だから学生に対する対処のしかたというものが、もうほんとうにもっと明確でなくちゃならないわけです。ところが非常にこの点があいまいになっているところにも暴力学生を泳がし、これを利用して、そうしていまの大学の反動的な政策を強行する、あるいは権力介入のそういう手段としてその暴力学生の行為が実は利用されているということは、しばしば論議されている。これに対してはっきりした実は政府は回答ができないでいるような形になっている。そういう形と警察のそれに対する対処のしかたというのは一脈通ずるところがあると、こう言われてもしかたがないと思われるけれども、こういう点についてこれは、きょうは国家公安委員長見えておりませんけれども、いずれは、いままでも追及してまいりましたが、この点を明らかにしたい。法務大臣として、先ほども最初に決意を伺ったわけでありますけれども、いま検察の最近の事態に対するやり方について、その大体の筋だけは伺ったわけですけれども、非常になまぬるいように思うんです。だから、これについて当然報告を受けておるだろうし、検察庁はこれに対して送検をまだ受けていない問題については直接介入はしていない。しかし、当然これは検察の立場からやはりこれに対するはっきりした見解を私は明らかにすべきだと思うわけですね。こういう点についてどうですか。いまのような事件がずっとですね。いまあげただけでも十件あるわけです。そして非常に不明朗な形になっている。こういうことでは非常にまずいと私は思うんですが、法務大臣のこれに対する見解を伺っておきたいんです。
#221
○国務大臣(西郷吉之助君) 検察が受け取りますれば私どもの直接の責任になりますけれども、第一次的には警察が問題をとらえて、そうして捜査するわけでございますが、まあいろいろ具体的にいま伺っておりましたけれども、非常な学生の集団暴力が相次いでおりますので、警察当局もそれに忙殺されておりますから、中にはやはり不備な点もあるかもしれませんが、私どもが法務省の立場で見ておりまして、非常に次から次に起こる事態にかなり力を入れてよくやっているんじゃないかと、こう思いますけれども、数多い中には、いま岩間さんがおっしゃったような不備な点があるかもしれませんが、今後とも、きょうは公安課長だけで首脳部が来ておりませんが、警察も十分今後事態には覚悟しておりますから対処していくだろうと思いますし、また第一次的には警察が逮捕して刑事事件として送致を受けますれば、検察において、先ほど申し上げましたとおり、今後ともいかなる事態に対しましても必要な検事は地方から動員いたしますから、十分に対処して、違反行為に対しては峻厳な態度で臨んでいきたい、さように考えております。
#222
○岩間正男君 とにかくこのような暴行事件については、現行法ではっきりこれは処理できるんだということが政府の方針としても明確になっておるんで、これは明確にしなくちゃならない。いま出されている大学法案、大学立法しなければそういう処理ができないという筋合いのものじゃないわけです。それから学外においての、これは暴行は目に余るものがもう羽田事件以来何回も繰り返されているわけですよ。新宿事件があり、王子の事件があり、神田駿河台の事件があり、そういう現地に参りまして商店街の人たちの話も聞いたんですけれども、この警察の態度については非常に不可解な感じを持っています。舗道の石がどんどん目の前ではがされるけれども、それが見のがされているという事態について一体だれが了承できるかという問題ですね。そうしておいて、暴力学生は悪いんだから取り締まるという形で実は大学の自治に介入する、そうして警官を入れておる。東大事件のごときは、むしろその暴力に対して暴力を防ぐ、暴力から学園を守るという学生を、同時に学園の中へ入っていった警官がそこのところを強制捜査しようとした。こういうのはどこにねらいがあるかということを明確に示しておるといわざるを得ない。したがって、そういう方向について多くの国民の疑惑が持たれている。現場を見ればはっきりそうなんです。現場を見ればまさにそうなんです。そうしてこれはこの前テレビの討論会で唐島基智三氏も聞いたわけだ。そうしたら政府が答えるのに困っちゃった。それからサザエさんの漫画にだって出ておる。そうでしょう、学生はどんどん敷石をはがしていくから、そこで自分もいいんだと、敷石をはがして自分のうちへ持っていこうとしたら、警官が出てきて、こらっと言った。これはサザエさんの漫画で皆さんもごらんになったでしょう、ここにあるです。これは法務大臣もよく聞いておいていただきたい。だから了承できないんですよ、これは全くね。サザエさんの漫画のもう素材にさえなっている。だから、私はこういう問題に対してどう対処するかという姿勢がこれはっきり――ことばでどんなにうまく言ったってだめなんです。したがって、こういう問題について明確に対処することを要求したい。この事件の経過についてわれわれは今後見守っておりますから、なお次回においてこれは質問したいと思いますが、とりあえず、きょうは見解についてお伺いして終わりましょう。
#223
○委員長(八田一朗君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時五十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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