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#1
第061回国会 内閣委員会 第24号
昭和四十四年六月二十六日(木曜日)
   午前十時五十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         八田 一朗君
    理 事
                石原幹市郎君
                柴田  栄君
                北村  暢君
    委 員
                内田 芳郎君
                源田  実君
                佐藤  隆君
                玉置 猛夫君
                長屋  茂君
                山本茂一郎君
                林  虎雄君
                前川  旦君
                村田 秀三君
                中尾 辰義君
                片山 武夫君
                岩間 正男君
   国務大臣
       法 務 大 臣  西郷吉之助君
   政府委員
       行政管理庁行政
       管理局長     河合 三良君
       法務大臣官房長  辻 辰三郎君
       法務大臣官房会
       計課長      安原 美穂君
       法務省矯正局長  勝尾 鐐三君
       法務省保護局長  鹽野 宜慶君
       法務省入国管理
       局長       中川  進君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       法務省刑事局参
       事官       吉田 淳一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#3
○中尾辰義君 それじゃ法案の内容を少しお伺いしましよう。
 前回も質疑やりましたが、今回の改正の第一要点の、中央矯正研修所と地方矯正研修所を統合して矯正研修所として、支所を置くことができると、こういうことですがね。これはだれが見てもひっかかるのは、どうしてこういうふうに地方矯正研修所を統合してみても、支所を置くのでは同じようなことじゃないかというふうに単純にだれでも考えるのですがね、あなたのほうの提案では、統一的計画的な研修の実効を期するため、こういうように出ておりますけれども、いままでとは研修の内容や何か違うわけですか、その辺どうですか。
#4
○政府委員(勝尾鐐三君) 研修の計画、内容でございますが、研修の種類としましては、御承知のように、初任者研修と、それから中堅幹部の研修あるいは上級監督者の研修とございまして、それが従来は八つの地方矯正研修所で一応みなやっていたのでございます。ところが最近の矯正処遇技術の発展に伴いまして、いろいろ新しい処遇技術を職員に研修する必要が出てきたということが一つでございます。そういう情勢をにらみ合わせまして、それぞれの地方研修所に特色を持たせると申しますか、従来八つがそれぞれ平板にそれぞれの研修をやっていたのを、地方地方の職員の配置あるいは施設の具体的な状況等、あるいは研修対象者の質とか数とか、そういうものに応じて、どこの地方矯正研修所では初任者研修を重点的にやる、どこの地方矯正研修所では専門的な研修をやるというように、情勢に応じまして、八つの地方矯正研修所を一体として効果的にバラエティーを持たしたい。また同時に、それぞれの地方研修所の内容とか、そういったものについて統一的あるいは計画的な研修をやりたい、そういったところから、従来独立であったものを一本にしてやりたいというのがねらいでございます。
#5
○中尾辰義君 それはまあよくわかりますがね。ですから、従来の地方矯正研修所では、やはりこれは法務大臣の所管ですから、それはできないのですか、いまおっしゃったような効果が。それは私は運営の面でどうにでもなるのじゃないかというような気がするのですね。その点はいかがですか。
#6
○政府委員(勝尾鐐三君) その点につきましては、従来とも各地方矯正研修所が協力をするというたてまえになっておりまして、そういう協力といいますか、協力をさせるということは一応は可能になっているのでございますが、二十年の経過を虚心に見ますと、基本的に独立をしているということから、やはりブロックの壁が非常に厚いと申しますか、表現は適切でないかもしれませんが、やはりいささかセクト的なものがある。やはり根本は独立の組織であったというところにありまして、協調ということだけでまかない切れないものがあった、このように私は見ております。
#7
○中尾辰義君 地方矯正研修所は独立性があるから中央のほうで統一できなかった、こういうようなお話ですがね。それはやはり大臣の権限で私はできるような気がするのですがね。それから、そうしますと、いままでは地方矯正研修所というのは法律でちゃんときめられておったわけですね。今度はそういう点はどうなるのですか、支所になると。
#8
○政府委員(勝尾鐐三君) 今度は支所になりますと、支所の細部につきましては省令で細部の運営その他を規定していくということになります。
#9
○中尾辰義君 省令になりますと、これはまあ法務大臣の権限でまた将来幾らでもふやせるというようなことができるわけですか。まあできるでしょうけれども、これからふやすようなことがありますか、どうですか。
#10
○政府委員(勝尾鐐三君) 法律的には矯正研修所の支所の位置と設置というのは省令できめることができるわけでございますが、事実問題といたしまして、現在のような八つ、これがまあ限度ではなかろうかと思っております。と申しますのは、やはり社会情勢の変化、交通事情の発達等でますます広域的な面が出てくるのではないかと思いますが、増加するということは全く考えておりません。
#11
○中尾辰義君 それでは、いままでの研修所長の身分、待遇は、今度はどうなりますか。
#12
○政府委員(勝尾鐐三君) 現在と変わらない予定でございます。
#13
○中尾辰義君 研修所長が支所長みたいになるわけですか。
#14
○政府委員(勝尾鐐三君) 仰せのとおり、従来の地方研修所長が新しい矯正研修所の支所長になる予定でございます。
#15
○中尾辰義君 次は刑務所の問題について若干お伺いしますが、今度は千葉刑務所習志野刑務所が市原刑務所に移転をすると、その理由は都市計画に支障があると、そういうことでありますね。それから二番目は、浦和刑務所が、同市の中心部にあるため、従来から移転要請があった。そのため、現在川越市に拡張建築中の川越少年刑務所が、四十四年十月ころ完成する運びになるので、その際に同少年刑務所に統合する、こういうことですが、その刑務所が都市計画の支障のためにほかのところに移転をしてほしいと、そういう要請がほかにもあるだろうと思うのですが、あなたのほうで今後そういうような計画を考えていらっしゃれば、その辺のところをひとつお伺いしたいのですかね。
#16
○政府委員(勝尾鐐三君) 現在都市計画の遂行上あるいは都市の発展の状況からかんがみまして移転を要請されております刑務所は、全国で二十一ヵ所要請をされております。この問題につきましては、やはり地方の発展という事態に対処いたしまして、施設側としてもその事情は十分しんしゃくしなければならないだろうと、こう思っております。しかし反面、また収容者の矯正処遇問題あるいは職員の生活問題等もからみますので、関係の自治体と十分話し合いをいたしまして、両者の意見が整ったところで移転を実施していく。こういう方針で現在進行いたしておりますものにつきましては、佐世保の刑務所、これが現在移転の計画を進めております。
#17
○中尾辰義君 そうしますと、市原の刑務所はいつできるのですか。
#18
○政府委員(勝尾鐐三君) 支所はすでに完成をいたしておりまして、支所としてはすでに発足をいたしております。で、御案内のように、現在の市原刑務支所の規模が、定員が約四百六十三名、さらに処遇の内容が、従来のいわゆる閉鎖的処遇から開放的な処遇という新しい処遇を取り入れた、したがってその組織についても、従来の閉鎖的処遇とは違ったものにいたしたいということで、この際、支所を本所に昇格をさせたいというのが要綱でございます。
#19
○中尾辰義君 刑務所に関連しまして、大阪の拘置所の水の使用の件について、地元でもかなり問題になっておるようでありますから、若干お伺いしてみたいと思うんです。
 この問題は去年も衆議院でも問題になったと思うんですが、大阪拘置所の未決囚の人に、上水道じゃなしに雑用水を使わしている。その雑用水が淀川の不潔な水が入っていて、非常に衛生上まずいじゃないか、要点はこういうことなんですが、そのことについてあなたのほうで、ちゃんと検査もいたします、こういうような答弁であったようですが、その後ちゃんと処置をなさいましたのですか、その点いかがですか。
#20
○政府委員(勝尾鐐三君) 前回、衆議院でございましたか、お尋ねがございまして、その際、急いで協議をして結論を出して善処したい、こういうように私申し上げてございます。私といたしましても、この浄化装置について若干の疑念もありましたので、さっそく担当の専門技官をして実情を調査して検討を加えたのでございます。この現在用いております装置、これは昭和三十七年に当時の一流メーカーから納入しました真空式のものでございまして、大まかに申しますと洗浄装置と薬品注入装賢と、ろ過装置と滅菌装置でございますが、これらの装置中、ろ過装置については特に二基を整備してございますが、この二基で処理能力として十分であるかどうかという点をまずさらに検討をいたしましたところ、この装置一基の処理能力が一時間百トン、一日二千四百トンでございますので、大阪拘置所の使用必要量から見れば一基で足りるという数字的な結論が出るわけでございますが、故障あるいは交互の整備の必要性等を考慮して、二基を整備してございましたので、一応設備能力としてはまかなえるのではないかという一つの結論を出したわけでございます。
 次に、それではこの装置が十分効力を発揮するための管理方法に欠点がないかどうかという点についても考えたのでございますが、その場合に、当時私も直接現場に行って見たところ、ろ過装置が非常によごれておる、またよごれが早いという点に気づきましたので、このろ過装置の洗浄、これをまず十分する必要があるだろうというということで、昨年の秋に約二百二万円余の予算を投入いたしまして、いわゆる私のほうでは逆洗装置と申しておりますが、この逆洗装置を備えつけまして、そうしてその逆洗装置の操作、活用方法について十分訓練を加えまして、現在では毎日一回この逆洗装置によって洗浄を励行しておるということで、さらに一方、担当技官に毎日ひんぱんに検査をさせておるということで、一応当面の問題といたしましては、ただいま申し上げましたような処置をいたしたわけでございます。
#21
○中尾辰義君 拘置所の水の使用量はわかっていますか。上水道と雑用水はどういうふうにことしになってから変わっておるか、毎月。
#22
○政府委員(勝尾鐐三君) 今年の四月でございますが、総使用水量は二万四千六百トン、そのうち、いわゆる淀川の原水から浄化して使っております水量が二万二千七百八十八トン、それから市の上水道を施設として使っておる分が千八百十二トン、五月は総使用水量は二万七千二百六十九トン、うち淀川の原水を雑用水として使っておる分が二万五千三百七十七トン、市の上水道の分が千八百九十二トンというのが四月、五月の使用水量でございます。
#23
○中尾辰義君 そうしますと、この雑用水はだんだんふえておるのじゃないのですかな。
#24
○政府委員(勝尾鐐三君) 過去一年の状況を毎月ごとに調べてみますと、やはり時期によって若干の増減はございますが、大体二万二千トンから三千トンの間におさまっております。
#25
○中尾辰義君 あなたのほうでは、それじゃ、どこに検査を依頼していらっしゃるわけですか、雑用水の検査は。
#26
○政府委員(勝尾鐐三君) 大阪府立公衆衛生研究所の検査を受けております。
#27
○中尾辰義君 その検査の内容は、毎月変わっておりますか、それともずっと去年もことしも同じような程度なのか、その辺はいかがですか。
#28
○政府委員(勝尾鐐三君) 同じであるというふうに承知をいたしております。
#29
○中尾辰義君 そこが問題ですね。淀川の水はずいぶんいろんな汚水が入っておりますから、同じだというのは、どうもちょっとおかしいのじゃないかと私は思うのです。あなたはそう思いませんか。去年もおととしも、ことしも同じだでは……。
#30
○政府委員(勝尾鐐三君) 検査の、いわゆる科学的な分析の内容という点について、私つまびらかではございませんけれども、要するに飲用適であるか不適であるかという点をポイントに置いて、私のほうとしては検査を受けておりますが、適であるという点については同じであるというふうに承知いたしておるのでございます。
#31
○中尾辰義君 それはごまかしですよ。要するにこの問題は大阪の新聞に載るほど大騒ぎをされたのですね。あなたのほうでぴんとこなきゃいかぬですよ。相当最近は淀川の水は不潔になっているわけですから、これは公衆衛生研究所で調べれば調べるたびに多少の変化がなければならない。飲用水に適する点においてはあまり変わらない、こういう答弁ですけれども、その辺のところがどうも私としては納得がいかぬですけれども。
 で、検査というのはどうなんです。こちらから水を持っていくのですか、向こうから来てくれるのか。それからどのくらいの検査をしてもらうのですか。
#32
○政府委員(勝尾鐐三君) こちらから検査に必要な水を持っていって検査を受けております。
#33
○中尾辰義君 持っていく水にはやはり上と下とあるわけですね。上と下というのは、飲用水を――上水道の水を持っていったらわかりやしないでしょう、こちらから持っていったって。川なんていうのは、雑用水は変わっているはずですよ。それは上水道のほうをびんに詰めて持っていったって、それは変わらぬにきまっている。雑用水なら変わるはずですよ。あなたは現地から報告を受けていらっしゃるだけのような気がするのですね。その辺はあなたどうお考えになりますか。
#34
○政府委員(勝尾鐐三君) 最初のお尋ねでございますが、上水道を持っていくというようなことは意味がないと考えております。それからなお持っていく水はどこの水を持っていくかというような問題でございますが、私のほうではやはり端末の雑用水を持っていくこともあれば、あるいはタンクのところの水を持っていくこともある。ここはやはり公衆衛生研究所のほうといろいろ打ち合わせをして持っていっているのじゃないか、このように考えております。
 それから水が悪くなっているのではないかという点につきましては、これは仰せのように、最近いろんな工業用水が各川に放流されてきているという状況がございますので、この点については十分私のほうとしては神経をとがらせて、水質に幾らかでも変化があれば対処しなければならないと思っております。その点は十分神経を使っておるつもりでございます。
#35
○中尾辰義君 要するに、未決囚の部屋には雑用水しかないでしょう。上水道はない、その辺いかがですか。
#36
○政府委員(勝尾鐐三君) 雑用水しかございません。
#37
○中尾辰義君 だから雑用水の内容といっても、この点は、夏場になったら暑くてしょうがないから、どうしてもそれはそれに手をかけて飲みたくなるでしょう。ですからそれを飲んでまたおなかをこわして、またおかしな病気になって、それでまた拘置所に非常に迷惑がかかってくるということをおそれるわけで、現地の新聞にも大々的に出ているわけですからね。ですからそれは雑用だけに使えばそれほど問題じゃない。飲むところに問題がある。飲むならば、あなたのほうでやはり検査をきちっとやってもらわなければならない。ところが、その検査がちゃんと一月に何回か、一回ですか、定期的に大阪府立公衆衛生研究所でやってもらっていますけれども、それはびんに詰めて持っていく。どこの水を詰めてきたかわけがわからない。その報告を聞いて、あなたは適当でありましょうという答弁をしておるわけですね。ですからああいう問題については、一ぺん向こうから来てもらって見てもらう。このようなところまでやらなければ、やったうちには入らない。しかも、去年もおととしも、ことしも雑用水の水質はあまり変わっておりません――変わっていないはずはないと思うのですよ。上水道ならちゃんと検査をしてあるでしょうが、飲用に適するようになっていないかもしれない。その辺を私は別にこれは追及はしませんけれども、一ぺん向こうから来てもらって、こっちから持っていくばかりではなく、そういうふうに検査をやられたほうがいいんじゃないのですか、こう思います。
#38
○政府委員(勝尾鐐三君) 御趣旨の調査方法をさっそく現地のほうと連絡をして、やらすようにいたします。
#39
○中尾辰義君 それから次は、入国管理事務所の問題ですが、今回も若干の増加があるようですが、毎年入国管理事務所は何ヵ所かずつふえておりますが、入国管理事務所を新しくつくる何か法務省としての基準みたいなものがあるのですか、その辺はいかがですか。
#40
○政府委員(中川進君) 現在、日本の出入国港に指定せられておりますのは、すなわち外国船の出入国が常時許されております港は百十三ありまして、そのうち七つは空港でございますから、海の港が百六あるわけでございますが、現在開かれておりますところの入国管理事務所のまた出店である出張所というのが七十一ございます。そこでまあ無限大に出張所を開くつもりは毛頭ございませんが、国の予算、それから法務省の定員等、許されることでありますならば、地元の御便宜、御要望も非常にございますので、これを勘案いたしまして、できればこの出入国港全部に置きたいと思っておるのでございます。ただ予算、定員その他の関係で一ぺんにはまいりませんので、先ほど先生御指摘のごとく、年間四つとか五つとか、ことしは幸い五つ御承認を得べく法律を出しているわけでございますが、できれば五つふやしていただきたいと、かように考えております。
#41
○中尾辰義君 それで入国管理事務所の新設に伴って十名が増員になっておりますね。この点と、今回の総定員法に関連して、法務省のほうの本年度の増員、減員計画と関連して、どういうふうにこれは考えておるのですか。
#42
○政府委員(中川進君) 法務省全体のことは私存じませんが、入国管理局に関しまする限りは、残念ながらこの五つの事務所に対する要員の十名は、増員ではございませんで、ほかから転用ということになっております。すなわち、東京から一人、大阪から一人、仙台から一人、それから東京からもう一人、これは警備官、横浜から二人、名古屋から二人、神戸から一人、福岡から一人、こういうふうに十名抜いてまいりまして、五ヵ所の定員といいますか、実員をしぼり出したい、さように考えております。
#43
○中尾辰義君 そうしますと、四十四年度の法務省の削減ですね、これは四百十九名、これとの関連はどうなるのか。それは全然いじる必要がないのか。
#44
○政府委員(辻辰三郎君) 四十三年八月の閣議決定に基づきます三年五%の計画的削減でございますが、これの法務省に対する削減は、ただいま御指摘のとおり四百十九人でございます。ところで、四十四年度の増員といたしまして、法務省は各組織通じまして合計で四百五十四名の増員の予算をいただいておるわけでございます。この四百十九名を差し引きました純増が三十五名という形になるわけでございます。入国管理官署系統におきましては、この閣議決定に基づきます削減、これが四十四年度は削減数が十名でございますが、この四十四年度予算の増員分といたしまして二十三名の予算をいただいておりますので、入国管理官署系統といたしましては差し引き十三名の純増という形に相なっております。
#45
○中尾辰義君 それから各省庁の行政改革計画案に基づいて、あなたのほうからお出しになった法務局の支局及び出張所の配置、管轄区域の適正化、これは改革項目の一つとして出ているわけですね。これはどういうように改革をなさるのか。それと関連をして、いわゆる従来から問題になっております一人庁の問題、これを現地で置いてくれというのですが、あなたのほうでは、これはなるべく統廃合したい、こういうことですけれども、その辺は法務省としてはどういうふうにお考えですか。
#46
○政府委員(辻辰三郎君) ただいま突然のお話で、所管の民事局長がまいっておりませんから、便宜私からお答えさせていただきたいと思います。
 法務局の出張所は、現在全国で合計千四百七十九庁に達しておりまして、そのうち非常に人数も少ない、一人庁が二百八十三、二人庁が五百八十七というような状況になっておりまして、非常に規模の小さい庁が全国に散在しておるという状況でございまして、行政の能率からいきますと、たいへんロスになっておるという面がございます。また第二に、かような小さい庁が全国にまたがっておりますことは、いわゆる相互索制による事務処理が期待できないという行政執行上の難点もあるわけでございます。そもそもかようにたくさんの小さい庁が全国に散在いたしております経過は、明治以来の一つの社会情勢に基づきます姿が今日まできておるわけでございます。その間の社会経済状態の変遷、発達に伴ないまして、全国に散在いたしております小さい登記所の整理統合ということが理論上は考えられるわけでございます。また、ただいま申し上げましたように、行政の効率的な執行という面から申しましてもその必要性があるのでございます。
 かような観点から、いまの行政改革の一環として、一つの法務省としては大きな検討問題ということに相なっているわけでございますけれども、当面やはり法務局にもいわゆる出張所、登記所でございますが、これはもともと一つの国民に対するサービス官庁という性格を持っておるわけでございまして、地元の国民の皆さま方の御便宜という点からも、一つのまた重要な要素として考える必要がございます。それやこれやで整理統合というものの必要性を痛感いたしておりますけれども、新しい現代に即した登記所というものはいかにあるべきかという、やはり根本問題を十分に検討いたしまして、この問題につきまして十分な調査を遂げていきたい、かようなのが現在の状況でございます。
#47
○中尾辰義君 それじゃまだどういうふうにするか、あなたのほうで結論らしきものは出ていないんですか。
#48
○政府委員(辻辰三郎君) この登記所の整理統合につきましては、ただいま申しましたような根本的な検討をいたしておるわけでございます。現在では、さしあたり地元市町村との間に整理統合につきまして、容易に意見の一致を見ました場合には、整理統合をさしていただいておる状況でございますが、それ以外の場合には、原則としてこの根本的な解決がはかられるまで整理統合の実現を見合わしているというのが現状でございます。
#49
○中尾辰義君 これは去年の十二月の新聞にも報道されておりましたが、最前線の登記事務所が非常に繁雑をきわめて問題になっておる。読みますと「最近の土地、家屋などの登記事務は、ここ数年倍増しているといわれ、そのため四四年度においても法務局の登記事務関係で一八五人を増員しようとしているようであるが、新聞によれば、東京法務局の出張所では、窓口の係官が多忙のため、係官自身が書かねばならぬ文書を申請者に書かせたり、満足に照合もしていない謄本を出したりで苦情が高まったため、都内三十六登記所について窓口事務の総点検に乗り出す」、こういうふうに言うております。あなたのほうでは総点検やったんですか。総点検をおやりになったら、やった結果と、それから四十四年度の増員なんかはどういうふうになっているのか、その辺のところをひとつ。
#50
○政府委員(辻辰三郎君) ただいま御指摘のように、登記の件数でございますが、昭和三十年の件数と昭和四十四年の予想件数とを比較いたしますと、大体昭和三十年に比べて登記の件数は七・八倍くらいにのぼるのではないかと見込まれております。これに反しまして、登記に従事いたしております職員につきましては、昭和三十年と比較いたしますと、四十四年度予算の人員で三十年と比較いたしますと、人員の増は丁二倍程度の増員しか実現されておらぬわけでございまして、その間たいへん増員のきびしい状況のもとにおきましても、ともかく逐年少しずつの増員を得ておるわけでございます。この事務量と増員のアンバランスの問題につきましては、増員に努力いたしますとともに、増員にかわるべきものといたしまして、登記事務の科学化と申しますか、事務の能率、機械等を多量に導入いたしまして、事務の効率的執行をはかっていくという面と、さらにまた、登記事務そのものの合理化をはかって、できるだけ事務が渋滞いたしませんように格別の努力をいたしておるところでございます。
 で、四十四年度予算におきましては、法務省法務局関係におきましては百九十名の増員を得たわけでございますけれども、先ほど申しました三年五%の削減数が、法務局系統におきましては百二十二名ということに相なっておるわけでございます。結局法務局関係におきましての純増は六十八名というような形になっておるわけでございます。
 それから、なお御指摘の総点検をしたかどうかという点でございますが、ただいま私つまびらかにいたしませんので、早急に主管局のほうに連絡いたしまして、御報告をさせていただきたいと存じます。
#51
○中尾辰義君 終わりますけれども、それで問題になっているのですから、あなたのほうでもよく実情を総点検をして、そしてそれに対処していくように要望しておきます。
 これで終わります。
#52
○委員長(八田一朗君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#53
○委員長(八田一朗君) 速記を起こして。
#54
○岩間正男君 まず書初にお聞きしますが、矯正管区及び矯正研修所を除く矯正施設の数及び収容定員、収容現員数はどうなっているか、この点についてお伺いしたいと思います。
#55
○政府委員(勝尾鐐三君) 最初に矯正施設の数でございますが、いわゆる拘置所七つ、それから拘置支所が百二、刑務所が五十七、刑務支所が十二、少年刑務所が九つ、少年院が六十、少年院分院が二つ、それから少年鑑別所が五十、鑑別所の分所が一、婦人補導院が三、合計施設の数は三百三でございます。
 それから、定員につきましては、拘置所、刑務所、少年刑務所の収容定員が六万三千二百七十六でございます。
#56
○岩間正男君 あとで出してくださってもいいです。
 そのうち刑務所の施設の数及び定員、これは現在どうなっておりますか。
#57
○政府委員(勝尾鐐三君) 刑務所行刑系統の定員が六万三千二百七十六名で、現在の収容現員は五万三千八百五十七名、八五・八%の拘禁率になっております。
#58
○岩間正男君 これも時間がかかりますから、出してください。
 それで、大臣に伺いますが、いま刑務所の問題を聞いているのですけれども、第一に収容者に対する基本方針ですね、これはどういうふうに大臣は考えておられますか、この点をまずお聞きしたい。
#59
○国務大臣(西郷吉之助君) 不幸にして法律を犯して刑務所に入っておられます方々に対しましては、第一に収容者の人権を尊重いたしまして、できるだけ期間内に社会に復帰なさる上に、りっぱな人柄になっていただきたい、そういう更生関係にも力を入れまして、そうして刑期を終えて社会に出られまして、りっぱに社会人として復帰をしていただきたいということを考えまして、そういう方針で大体やっておるわけであります。
#60
○岩間正男君 そうしますと、この収容者に対して、むろん法の規定がありますけれども、それに基づいて、できるだけ基本的な人権はこれを尊重するというたてまえをとっておられるのですか、もう一度あらためてお聞きします。
#61
○国務大臣(西郷吉之助君) もちろん、刑務所の中に入っていらっしゃる方々のみならず、法務省の最大の任務は、人権を尊重するということでありますから、そういう点に遺漏のないように常に注意させております。
#62
○岩間正男君 それじゃお聞きしますが、収容者に対する懲罰は行なわれると思うのですが、これは何に基づいて行なっておるのですか、それからその手続は何に基づいておるのか、その点をお聞きします。
#63
○政府委員(勝尾鐐三君) 監獄法六十条に懲罰の種類が書いてございます。懲罰の手続につきましては、いわゆる懲罰に該当する紀律違反がございますと、その紀律違反を現認いたしました職員から所長に対して申し出がございます。それに基づきまして事実関係を調査をいたしまして、さらにその事実が認められた場合には、所長のほうからその懲罰を言い渡す、こういう手続に相なっております。
#64
○岩間正男君 先ほど大臣から、できるだけ人権を尊重するということで答弁あったわけですが、それからさらに監獄法の規則によって、もちろんそういう制限があって、あくまで人権を尊重するという立場を貫くと思うのですが、ところが最近の様子はどうですか。収容者が施設の処置または職員の行為を不服として訴訟、告訴等の申し立てを行なっておる件数は、これはふえておるのですか、減っておるのですか。四十年度から年度別にこの数をここで示してもらいたい。
#65
○政府委員(勝尾鐐三君) 数字を申し上げますと、四十年度が告訴、告発八十九人でございます。それから四十一年度が百九十六人、四十二年度が九十五人、四十三年度につきましては百二十一人、こういう数字に相なっております。
#66
○岩間正男君 これは法務年鑑ですが、法務省は関係が深いし、この内容については責任お持ちになるんでしょう。これによると、ちょっといまのあれと違っているんですがね。訴訟が二十一件、告訴、告発が九十五件、そのほかに法務局員の人権侵犯申告その他ですね、これが八十一件、合計百九十七件というふうに年鑑に出ておりますがね。いまの御説明でもこれは明らかだと思いますが、法務年鑑の四十二年――これはことしの三月発行されたんですが、これは年々ふえているというふうに言っているんですね。これは事実はそうでございますか。
#67
○政府委員(勝尾鐐三君) ただいま申し上げましたのは、告訴、告発の数字を申し上げたのでございまして、そのほかにいわゆる人権侵犯の申告だとか、あるいは民事訴訟とか、あるいは行政訴訟あるいは請願等がございますので、ただいま御指摘の数字は間違いないと思っております。それから一般的な傾向を申し上げますと、戦後収容者の不服申し立てというのは増加しているというように私のほうも承知いたしております。
#68
○岩間正男君 そうしますと、百九十七件ということになりますと、これは二日に一件強の割合で申し立てが行なわれている、こういうふうなことになるわけですが、この原因というものをどういうふうにお考えになっておりますか。
#69
○政府委員(勝尾鐐三君) さらに告訴、告発とか、あるいは人権侵犯の対象でございますが、いわゆる職員を告訴、告発するといったもの、あるいは職員ではなしに他の収容者を告訴、告発する、そういった内訳が少しございます。それからなおこの原因でございますが、私のほうでこの数の原因については、一定した見方をすることは非常に困難なのでございますが、一つはやはり収容者の人権意識がしっかりしてきたという根本があろうかと思っております。他方、これは別の観点でございますが、この収容者の告訴、告発等が増加している反面、職員に対する暴行、傷害もまた増加しているということがございまして、この辺の原因をどのように見たらいいか、いま確たる私どもとしては結論を出しかねております。
#70
○岩間正男君 そうしますと、訴訟がふえて、告訴、告発がふえておるのは、これは受刑者の権利意識が非常に高まっているためだと、こういうふうに考えられるわけですね。
#71
○政府委員(勝尾鐐三君) そういう見方もできるかと思っております。
#72
○岩間正男君 それがあいまいじゃ困るので、これは法務省としてどういう見解を持っておるのか、正式見解はどうなんですか。法務大臣、どうなんですか。
#73
○国務大臣(西郷吉之助君) いろいろ収容者、多数おりますから、いま局長の答えましたように人権意識もだんだん向上してきたということも一つの原因でございましょうが、そのほかにも、多数の収容者のことでございますから、いろいろ内訳は種々雑多な理由に基づくのではないかと考えております。
#74
○岩間正男君 それは法務省としては都合がいいだろうと思うんですね。収容者の権利意識が拡大したのでそうなったのだ。それで法務省もこれに、刑務所内におけるやり方については十分にそういう点について検討されておるかどうか、そこのところがわからない。どうも必ずしもそうでないような事例がこれは相当起こっているのじゃないかと実は考えるわけですね。だから法務省としては、単にそれを収容者の権利意識の高まりというところにおもな原因を認めないで、先ほどの人権を擁護するという立場から考えれば、当然私は現在刑務所内での行政の実態がどうなるのかという点について、もっと厳重に取り調べる必要があるのじゃないかと、こういうふうに思いますが、この点いかがでしょう。
#75
○政府委員(勝尾鐐三君) いわゆる人権の尊重ということにつきましては、矯正関係の職員については、特にその人権意識の尊重という観念を職務遂行の基本にしなければならないと考えておりまして、いわゆる職員の研修という中において、収容者の処遇に関連する部分において、特にこの人権尊重ということについては十分な力を尽くしているつもりでございます。したがいまして、また各施設の矯正運営の実情につきましては、大臣のほうの命令によりまして、ときに巡閲官を各地に派遣をいたしまして、実情を監査させているというのが現状でございます。
#76
○岩間正男君 そういう御答弁ありましたが、これは最近、青森刑務所で去る二月十七日に起きた問題ですが、受刑者二人に対する看守の集団リンチ事件、こういうものが起こっているようです。これは新聞の報道するところによると、事件は窃盗罪で服役中のAとBが、当時の看守長に乱暴して一週間のけがをさせた。これは現在公務執行妨害で公判中、それでけがをさせられて怒った他の看守十数人が、二人を保安課調べ室に連れ込んで、裸で正座させるなど、警棒でめった打ちにした。警棒やしないでめった打ちにした、こう新聞にも報道されている。最近、これは青森地検で捜査に乗り出していると伝えられておりますが、この捜査の実態はどうですか。現状はどうなんですか。
#77
○政府委員(勝尾鐐三君) お尋ねの件につきましては、ただいま御指摘がありましたように、二人の収容者が職員に対する傷害等の事件で青森地方裁判所に起訴されまして、現在公判係属中でございますが、その弁護人が六月の十三日に新聞記者に対して、職員から暴行を受けたという発表をしたわけでございます。そこで、その発表を聞いた新聞記者が青森刑務所に取材にまいりまして、その段階で刑務所としてはそういう発表があったという事実を知りまして、事がやはり弁護士が公表したことであり、職員の暴行であるという重要な事実に関することでございますので、青森の刑務所といたしまして、これは直接検察庁のほうによって事実を明らかにしてもらう、こういうのが妥当であるということで、青森地裁にその事情を通報いたしまして、そこで青森地検のほうでございますが、青森地検のほうではさっそくこの事件の捜査に取りかかっておりまして、現在その関係の受刑者を本所から拘置所のほうに移しております。さらに職員並びに青森刑務所に服役中の収容者等、数十名について現在青森地検が事情を聴取しているというところで、それ以上のことはまだ私のほうでは承知いたしておりません。
#78
○岩間正男君 その弁護士の発表、そういう内容については、これは何というんですか、手にされておりますか。
#79
○政府委員(勝尾鐐三君) 弁護士が発表された事実関係についても、これは検察庁のほうで捜査中であるというふうに承知しております。
#80
○岩間正男君 これは地検で――こちらにはそれは報告まいっておりませんか。
#81
○政府委員(勝尾鐐三君) ただいま申し上げた程度のことが私のほうに報告がまいっております。
#82
○岩間正男君 これは、その弁護人から各党にきておるんですが、われわれ共産党だけじゃございませんが、ここに青森刑務所における受刑者に対する刑務官のリンチについての調査依頼。それで、弁護士が被告人になっておるこのA、Bに様子を聞いた。はなはだしく公訴事実とは違う。つまり公務執行妨害で受刑者のほうが暴力をしたので訴えられたということになって、職員から訴えられたということになっているんだが、実際は職員から受刑者が非常に激しい暴行を受けている、こういう事実を聴取した。しかし、このことを弁護人の立場では事実を調べるのに限度がある。したがって、こういう問題について、これは政党でも力をかして調査してほしい。こういう要求で、われわれ共産党議員団にもきておりますが、各党にこのような依頼を出した、こういうことなんです。そういうことで私たち内容を読んだわけです。そうしますと、どうもこれは、いまの告訴事件とあべこべになっているんじゃないかと感じられる事態がここにあるわけですね。こういう問題については、いま先ほどから基本的にただしました。この受刑者といえども、当然これは人権を尊重する。それから、これに対する処遇の問題については、あくまでこれは刑務所内のやり方を民主化する、こういうものは基本方針だとも考えるわけです。ところが、これじゃ全く事実に反する。もしこういうことが事実とすれば、たいへんなこと、だというふうに私ども考えるわけです。そういう実態が行なわれておるとすれば、とにかく大臣が先ほど答弁されたような方針というものは、何らこれら刑務所内では行なわれていないんだということを裏書きするようなことになるわけですよ。
 たとえばこういうことなんですね。私たちびっくりしたんですが、「公務執行妨害・傷害」なるものは元同刑務所保安課長補佐高橋義博が被告人草部に対し訓戒に名を借りた暴行を行ったことに端を発し、これに内心怒りをもった被告人両名がふんまんやるかたなく数日後同刑務所第一工場内に於ける作業中同保安課長補佐に対し殴りかかった事実が起訴されるに至った」、こういうことですね。したがって、原因というのは、この事前の刑務所内の職員がこの受刑者に対し暴行したことから始まっている。そうすると、本末転倒の公訴ということになっているわけですね。
 大体経過を私たち読んだのですが、「昭和四四年二月一五日草部は同刑務所内の配膳当番であったところ同じく当番の丸島に「おかずは何か見てくれ」と頼まれたのでそれに応じたまたま食料が運ばれて来る前方に運搬の邪魔をするような格好で立ったことから刑務官の注意を受けた。草部は同刑務官に対して右行為は故意になしたものではないと弁解したところ、そこに来あわせた前記保安課長補佐がみとがめ、草部を同所保安課取調室(六畳間位床コンクリート)に連行した。そして同人は草部に対し「お前のような奴は口でいってもわからないから暴力で判らせてやる」といって草部を同取調室床に正座させたうえ平手で草部の左ほほを七回乃至一〇回殴打した。 昭和四四年二月一七日本件公訴事実の行為を被告人両名がなした後、同刑務所警備課員二〇名が無抵抗の被告人両名を作業所(第一工場)から保安課室に連行せんとする際同工場廊下に於いて両名に対し各々約一〇名の警備員(計二〇名)が両名の身体をコンクリート床に足でおさえつけ両名の頭部を半長靴でふみつけ床にすりつけ、さらに数人が半長靴をはいた足で両名の身体・頭部を蹴り上げた。そして同じく数人が警棒で同人の身体を所かまわずメッタ打ちにした。 同日右暴行の後前記警備課員が抵抗不能状態の草部を捕縄でしばり保安課取調室に連行する途中、刑務官Aは草部の前方に付きっきりでその間中、苦痛にもだえる草部の腹部を半長靴をはいたままの足で一〇数回に亘って次次に連続して蹴り上げた。同日右のような状態で保安課に連行された草部は六名ほどの刑務官によって同課取調室につれ込まれた。そしてそのうちの前記作業場担当にあたる刑務官Bは草部に対し「よくも奄の顔をつぶしてくれたな」と申し向け草部の顔面を手拳をもって連続的に五、六回殴打し続けた。さらに次いで刑務官Aは草部に対し「衣服を脱げ」と命じ草部を全裸の状態にした。そして同人は「やきを入れてやる。お前も頭が安いかもしれない」、
 安いというのは、すぐかっとなると書いてあります。「が、俺も頭は安いんだ」というやいなや両手で竹刀をにぎり横振りに草部の背・尻を連続的にかなりの勢いで一五回位強打した。同時に刑務官Cは「懲役の分際で担当を殴るなんてふざけるな」と怒号し平手をもって草部の左右両ほゝを連続的に約二〇回位殴打し続けたものである。この間他の四人ほどの刑務官はいずれも同取調室の草部の四囲をかこんでいた。」、こういうのです。これはまあ弁護人が当人から取り調べた結果ですから、これがどの程度かということはここでこの調査依頼だけではわかりません。しかし、これだけのものが、弁護人の調査の前で私は虚偽のこういうようなことをでっち上げて話しているとは考えられないし、それから、どうもこのいま読み上げたような点が非常に真実性があるように考えられるわけです。したがって地検でいま調査しておるということになりますと、これは監獄法とか何とか、こういうものに対して、これはどうなんでしょうか、こういう事態について、地検か刑事局来ているんですか――これはどうです。こういう事態を私たちの党として、政党として放任のできない問題だと思うんですよ。
 この点はだから今度の改正法なんかとも関連して、そうして研修をやるんだといっても、一体研修の実態というのはどうなのか。こういう実態がこのままに見のがされておって、そして研修というようなことで、形だけはいかにも公にする面は……。それで、実際はどうなっているのか。こういう実態が残っているということは、これは事実だというふうに考えられるわけです。そうすると重大問題じゃないですか。人権問題だとかなんとか言ったって話にならないと思うんですがね。もうほんとうに復讐行為はどんどん行なわれているわけだ。最初はなぐりつけた。そして収容者もこれに対してかっとして反撃をしたんでしょう。それが訴えられた。そして今度そのあとでそれについて数々の復讐的な行為が行なわれているんですね。こういうことになると、人権を守るとかなんとかの話じゃなくて、もうほんとうに前近代的な天皇制監獄時代みたいなそういう残痕が残っている。それでいいのかどうかという問題になる。だから私は聞いている。で、この弁護人も、これは非常に重大視して調査を依頼してきている。こういうことなんですね。どうですか、その点について。
#83
○説明員(吉田淳一君) お話の件につきましては、去る六月十七日、青森地方検察庁において刑事事件の容疑事件として事件をかけまして、現在青森地方検察庁の検察官において鋭意取り調べ中でございます。いずれ近く真相が判明すると存じます。このときには適正な処分がなされるものと確信しております。
#84
○岩間正男君 法務大臣に伺いますが、いま読み上げましたような、こういう事実というのは、残痕として残っていることをしばしば聞くわけですね。これは非常にその中でもひどい例ですが、こういう実態については徹底的にやはり私は、先ほどの方針として発表された点から考えましても、これは自己批判をやらなくちゃならないし、それから自分の行政部門にそういう実態があるとすれば、これについて徹底的にそれを改正するような方針を明確にしなくちゃならないわけですが、いかがでしょう。
#85
○国務大臣(西郷吉之助君) 岩間さんのお尋ねの、いま弁護士さんからの概要を長々とお述べになりましたのを伺っておりましたけれども、この件につきましては、おおよそ青森の刑務所は総数四百数十名のところ四分の一以上の百二十名が暴力団員なわけです。その百二十名の暴力団員の一人が言ったことをそのまま発表されたわけでありますから、私どもとしては内部の件でございますから、厳正な捜査をしてもらうために、内部ではやらないで、地検自体にその内容の究明をお願いしたわけでございまして、いま鋭意捜査中でございますから、いずれ事態は明白になると思います。
 その件はそういうことでございますが、もちろん多数の刑務所の中でございますから、そのやり方が全部が全部満点であるとは言えないと思いますが、できるだけそういうことのないように、十分に被疑者の人権を尊重し、また看守も規則どおりにやる、そういうことに常につとめておりますけれども、ああいう特殊な任務でございますので、非常に看守そのものもむずかしい仕事でございますが、そういう事態が今後もできるだけないように、今後とも十分そういう点については配慮を加えてまいりたいと考えます。
#86
○岩間正男君 暴力団ということですね。そういうことを言われたわけで、その一人が言ったことを、それが信憑性があるかどうかというようなことをいま言われておるんですが、これはむろんわれわれ暴力団を弁護する気持ちなどは毛頭ございません。しかし、そういう予見でこの問題を処理するということではまずいんじゃないか。やはり基本的な人権をどうするかという問題なんで、もしもそういう、ここで言われたようなことが刑務所内で行なわれれば、ますますこれは暴力を挑発することになりますよ。そういう点から言えば、これについて私は、いま調査中ということでありますから、その結果についてこれは報告を願って、また質問したいと思いますが、とにかくしばしばあちこちの刑務所でそのようなことを耳にしている。そういうやはり残痕は完全に終戦後取り除かれているかというと、そういうふうになっていないことをしばしば耳にするわけですから、特にこの問題を重要視した。
 それから研修というようなことを言っておりますね。この研修の内容がどうなのかという点についても、これはやはり関連なしとしない、こういう問題だと思うんです。特に先ほど権利意識が高揚したんだと、だからそのことばを裏返して言うと、このごろの受刑者はなまいきになっているのではないか、自分の権利ばかり主張して、罪人のくせに何だと、こういうような気持ちでこの問題に対処するんでは、私はやはり法の精神ではないんじゃないかと思うわけですから、特にこの問題を、具体的な例もありましたので、この法案の改正の問題と関連させて問題にした。まあいまの段階で結論が出るとは思いませんけれども、地検のそういうような調査の結果をまってさらに再質問したいと、こういうふうに考えます。この問題は打ち切って次に移ります。
 次にお伺いしたいのは、アメリカの軍人軍属、それから家族、これが出入国をやっているわけですね、行政協定の取りきめによって。こういうとき、当然安保条約に基づいて合衆国軍隊の構成員は旅券及び査証に関する日本国の法令の適用からは一応除外される、こういうことになっているわけです。これは御存じのとおりだと思う。しかし除外されるからといって、そのままフリーパスで全然何らの証明書も、それから命令書、こういうものを見せないで通っていいということにはなっていないと思うんですね。これはそうでしょう。私はまず先にお聞きしますが、地位協定の第九条三項によりますと、当然米軍構成員が日本に入ってくるときに見せなくちゃならないものがあるんでしょう。それはどうなっていますか。
#87
○政府委員(中川進君) お答えいたします。
 米軍の構成員の地位というのは、いま先生のおっしゃいましたとおり、地位協定第九条によりまして、特に二項によりまして、日本の出入国管理法令には服さないということになっておるのでございます。ただし米軍からは、日本に何人入ってきたとか、何人出ていったとかいうような通報はあるわけでございますが、その詳細は、私どものほうではございませんで、所管は外務省でございますので、外務省のほうにお聞き願えれば幸いかと存じます。
 そこで、私どものほうの所管は、地位協定の該当者であって、すなわち正式には入国管理法令に服さないものでございましても、便宜上、たとえば羽田にくる、あるいはその他の船できて横浜に上がる。あるいは板付に着いたということで、日本の入国管理官のがんばっているブースがございますが、これを通って入ってくる人はかなりございます。この数はきちっとわかっておりますから、念のため申し上げますると、昭和四十二年においては四万六千三百二十五名というものが、何と申しますか入国管理官のコントロールを受けて入っておるのでございまして、出国者が四万五千七百名になっております。このうちおよそ四万二千くらいが羽田でございまして、割ってみますと、約九二、三%までは大体羽田を出入りするということになっておる次第でございます。それからこの数が昭和四十三年は、入りが三万七千八百二十三、出が三万八千百九十二、こういうふうになっておる次第であります。
#88
○岩間正男君 私お聞きしているのは、お聞きした範囲で正確にかみ合うようにお答え願いたいと思うのですが、それはいまあなた先回りで、聞かないことをお答えになっているのですが、私聞いているのは、地位協定の第九条、そうして米軍の構成員、軍人、軍属、家族ですね、これが入ってくる場合には、これは出入国管理令の適用はないけれども、しかしその中ではっきり規定されているでしょう、第九条三項にこれは規定されているのはどういうことか、こう聞いているのですよ。それを答えていただければいいのです。
#89
○政府委員(中川進君) これはいま先生御指摘のような書類を持っておらなくちゃいけない。その証明書は、要請があるときには、日本国の当局に提示しなければならない、かようになっておる次第であります。
#90
○岩間正男君 正確に言ってくださいよ。ちょっと読んでもらったほうが私はいいですな。
#91
○政府委員(中川進君) それでは地位協定の第九条第一項「この条の規定に従うことを条件として、合衆国は、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族である者を日本国に入れることができる。」、第二項、「合衆国軍隊の構成員は、旅券及び査証に関する日本国の法令の適用から除外される。合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族は、外国人の登録及び管理に関する日本国の法令の適用から除外される。ただし、日本国の領域における永久的な居所又は住所を要求する権利を取得するものとみなされない。」、第三項、「合衆国軍隊の構成員は、日本国への入国又は日本国からの出国に当たって、次の文書を携帯しなければならない。(a)氏名、生年月日、階級及び番号、軍の区分並びに写真を掲げる身分証明書(b)その個人又は集団が合衆国軍隊の構成員として有する地位及び命令された旅行の証明となる個別的又は集団的旅行の命令書 合衆国軍隊の構成員は、日本国にある間の身分証明のため、前記の身分証明書を携帯していなければならない。身分証明書は、要請があるときは日本国の当局に提示しなければならない。」。
#92
○岩間正男君 九条の一項、二項、それを聞いているのじゃなくて、三項なんです。そうすると三項では結局身分証明書、これは提示を求めなくちゃならないのですね。もう一つは命令書、個別あるいは集団旅行の命令書、これは軍が発行している命令書、この二つははっきり調べなければならないわけです。そうでしょう。それを調べて、そうして、はたして当人であるかどうか、そういうことを確認しなければならない。ところが米軍人、軍属だということで、これ調べなかったら、米軍かどうかわからないのです。実際はどうですか。羽田について言えば、これ調べないでほとんど通っているんじゃないですか。どういうふうにしてこれは一々チェックして調べていますか。
#93
○政府委員(中川進君) 米軍の到着の場所に非常に関係があるわけでございますが、羽田に着きました場合は、先ほど申し上げましたように非常に多数がブースを通るということになりますので、いま先生おっしゃるごとく、米軍であるか密入国者であるかわかりませんから、これは一々厳重に点検しております。しかし、軍の基地に着きました場合、たとえば横田でございますとか、そういうところに着きました場合には、これは実際問題といたしまして、一人一人につきまして身分証明書の提示を、求めてはおらないというふうに承知いたしております。
#94
○岩間正男君 われわれは羽田のことを聞いておるんです。羽田で米軍が大量に入ってくる、そういうようなとき、あれ一々チェックしておりますか。もうあれはほとんどフリーパスみたいにすっと通っているんじゃないですか。
#95
○政府委員(中川進君) 羽田に米軍が着きましたときに、私行って見ておりませんので、先生のほうがあるいはお詳しいかとも存じますが、私どもが受けております報告では、先ほども申し上げましたように、一昨年で年間四万二千人という人を羽田でチェックしているわけでございますから、年間四万二千というのを日で割りますと、一日に百三、四十人になるわけでございまして、そうアメリカの飛行機がしょっちゅう着いておるとも思いませんので、やっているはずだと、かように承知いたしております。
#96
○岩間正男君 やっているはずだだけでは心細いのだが、事実はやっていないんでしょう。米軍が入りてきた、これは信頼してぱっぱとやる、やはり行政協定のむろんこういうやり方について、われわれは賛成しておりません、安保に反対なんですから。しかし、行政協定そのものさえも厳重に守られていないというのがいまの姿じゃないですか。これが問題になっているわけですね。だから米軍の中にだれがまじっているかわからない。それが当人であるかどうかということは、身分証明書と軍の命令書というものを厳重にもっと見ないと、首実験やっているわけじゃないんだから、写真付のそういう証明書というものは当然やらなくちゃならない。ところがほとんどこんなことはしなくて、ぱっと通っているのが現状じゃないですか、羽田では。行政協定守っていない、ここではっきり言ってください。
#97
○政府委員(中川進君) 先ほど申し上げましたように、職務怠慢であると言われればそれまででありますが、実はアメリカの飛行機が着いたときの羽田の調査状況を私は見ておりませんから、あるいは先生が現場をごらんになって、そういうことであったというのなら、先生の仰せのほうがより正しいのかもしれませんが、しかし法務省といたしましては、羽田に対しましては厳重に訓令をいたしまして、一人ずつチェックしろということを申し渡しているわけでございます。もしそれが末端において行なわれていないということがあれば、何と申しますか、服務規律の弛緩ということになるかと思いますので、その点、もし先生が何月何日に行って見たらどうであったというようなデータをお知らせ願えましたら、私のほうでよく調べまして、そうしてチェックしなかった、調べなかったということでございましたら、これからそういうことをやらないように厳重注意を申し渡すつもりでございますが、たてまえとしては、先ほどから私が申し上げましたようにやっているはずでございます。
#98
○岩間正男君 はずというようなことでなくして、そういうわれわれの指摘を待つまでもなく、あなたたち自身がこれは調べるべきですよ。そういう何がとにかく非常にルーズになっている。そういう実態が指摘されているんですから、当然これについては調べなくちゃならない。行政協定そのものが、いま安保の期限が来年で切れる、もう一年足らずになってきた、こういう事態の中で、非常に騒がれている中で行政協定−地位協定ですか、地位協定そのものが厳重に実施されていないとすれば、これは非常に大きな問題なんです。だから当然これは出入国に対してそういう管理の立場にいる法務省としては、自分でやっていただきたいし、その結果を報告していただきたい。
 次に私は、この前政府に対して質問趣意書を出したんですが、その政府の質問趣意書に対する回答、これは一月十六日に出されたのですが、それによりますと、地位協定発効後に不開港を含む七十四の港、それから二十四の空港、ここに米軍の艦艇や航空機が出入している。これは数もどのくらい入っているかということも、私たちは資料としてちょうだいしているわけです。これらの港や空港でどのように一体入国管理が行なわれているのですか。その中で、いま申しました九条三項の、この文書の確認、身分証明書と軍の命令書というものは、ほんとうに一体厳重にやっておるかどうですか。単に羽田だけの問題を私は取り上げたのですが、どうですか。
#99
○政府委員(中川進君) 先生のおっしゃいました一月十六日の質問趣意書というものを私不幸にして拝見しておりませんが、ただ最後の御質問だけに限って申しますと、羽田は一例でございまして、入国港どこへ入りましても、たてまえといたしましては、しばしば申し上げますように、それはチェックさしておるはずでございますが、ただ私が一々見にいったわけでもございませんので、先生のほうで御確認になって、やっておらなかったということを言われれば、これまた先生のほうでお知らせ願いましたら、以後その港には、あるいは空港には、気をつけろということをよく申し渡したいと思います。
#100
○岩間正男君 それからお聞きしますが、これは政府の回答によりますと、不開港を含むとなっておるのですね。開港については、これは一応入国管理事務所の支所とか、あるいは出張所とか、そういうものがあるわけです。しかしそれがないところ、そういう不開港なんかに入る権能を持っておるわけですね。そうはっきり答えておる。政府の答弁書では、不開港を含むのだから、不開港に入ってきたって断われない。こういう場合に対する対策というものは、これはもうできておるのですか、これはどうなんですか。
#101
○政府委員(中川進君) 不開港に船が入るというのは、単に米国の軍艦その他に限りませんで、一般の第三国の商船などにもよくある例でございまして、そのときには近くの入国管理事務所の出張所からかけつけまして、そうしてそこで臨時に入国審査事務をやっておる、そういうことでございますから、おそらく米軍の場合も、くどいようでございますが、同じようなことになっておると思います。
#102
○岩間正男君 こういう例はいままでございませんか。たとえば米軍はこれは徹底しているのかな、そういう身分証明書や、それから軍の命令書というものをほんとうにこれは提示して、示しておるのかな。またこちらは、ほんとうにこれは厳重に要求しておるのか、こういう点はどうなっておるのでしょう。いままでそういう何か例のようなものがございましょうか。
#103
○政府委員(中川進君) その点は、米軍と日本との何と申しますか、この地位協定の運用に関する申し合わせがあると思うのでございますが、私、先生の御質問存じませんので、勉強してまいりませんでしたから、この次までに調べてまいります。
#104
○岩間正男君 それから、これは資料の要求になりますが、地位協定の九条五項、六項によりますと、入国した者の身分に変更があって、入国の資格を有しなくなった者に対しては、日本国からの退去を命ずることができることになっておるわけですね。で、いままでこうチェックした中で、そういう資格のないような者で、退去を要求した、そういう例がございますか、どうですか。
#105
○政府委員(中川進君) 退去を強制した例があるかどうかは、ちょっとよくいま覚えておりませんが、資格の変更を認めてやった例は、私、判こをつきましたので覚えております。資格を変更する場合、つまり構成員でなくなって、一般の在日米人となって、学校の先生をするとか何とか、そういうように、何というか、除隊して、そしてそのまま日本に残りたいというようなことがございまして、そういうようなことで新しい、資格変更というか、資格をやるわけでございますね、在留資格。そういう点は私記憶しておりますが、進駐軍に直ちに退去を命じたという例があるかどうか、ちょっといまつまびらかにいたしませんので、その点は先ほどの点とともに、同じように調べまして後刻申し上げたいと思います。
#106
○岩間正男君 それ調べてください。
 その次に、米軍に対しては出入国理管令の適用を除外し、わが国への出入国を自由自在にして入れるのですね。私たちは、非常にこれは屈辱的なやり方だと、こういうように思うのですが、こういうものには何ら手を触れていない。いまのように出入国管理法案が問題になっています。そしてあるいは強行成立をはかる、そういうような動きもあるやに聞いておるのですね。こういう点を、私いまの米軍の問題を何で聞いたかというと、こちらのほうは非常にゆるやかですよ、親切過ぎるほど親切だ。あるいは全くもう国の主権が行なわれているかどうかわからないようなルーズな面があるのですね。それに対して、このわが国の民主勢力が、国際活動、そういうことのために出国をしようとするものは非常に制限されてきておる。しばしばそういう問題にぶつかっておる。それから官憲の不当な人権侵害をこう法制化してでも、外国人の在留活動、とりわけ在日朝鮮人の在留活動を抑圧するというので、いま出入国管理令の改正法案は非常に問題になっておるのですね。これはどうですか、法務大臣、こういうものを対比して考えてみてね。この点、私は非常に問題になると思うのですけれども、一方には、ほんとうにいまはっきりして、あなたたちも確信をもって答えることができないような答弁なんですね。しかも非常にわれわれから言わせれば屈辱的な行政協定、その具体的な実施を規定した地位協定、その地位協定そのものが厳重に行なわれていない、そしてこれは非常にルーズになっておる。それなのに一方は、ますますこれを民主勢力に対してはきびしくする、あるいは在日朝鮮人に対しては非常にこれを縛る、こういうことになっておったのでは、どうしても公平な民主的な運営ということは言えないように思うのですが、私はこの点を最後に法務大臣にお伺いします。
#107
○国務大臣(西郷吉之助君) 行政協定に関連する部分は私の所管でございませんから申し上げませんが、いま岩間さんのおっしゃった出入国管理令の特定の国の人を除外するというようなお話でございましたが、今度御提案をいたしまして、いま衆議院で審議をしていただいております出入国管理法案につきましては、お尋ねのような考えは全然持っておりません。
#108
○岩間正男君 考えを持っておりませんで、事実そういう法案になっておるし、そういうことで非常に反対が広範にこれは行なわれているのですから、これについては十分に御検討になる必要があると、こういうことを私は要求して、私の質問を終わります。
#109
○委員長(八田一朗君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたします。
 午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ―――――・―――――
午後一時四十五分開会
#110
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#111
○北村暢君 法務省の設置法につきまして、だいぶ法案に直接関連ある質疑も相当行なわれましたが、なお若干質疑を続けさせていただきたいと思いますが、行政管理庁にまずお伺いいたしますが、今度の法務省設置法の改正は、一つの行政改革の中の意見を法務省が行管に提出している、その一つとして、中央、地方矯正研修所の統合が行なわれておりますが、この統合にあたって、地方の矯正研修所が支所という形になって、そして従来法律で規定していたことを省令事項になるということで、結局、従来の法律改正をしなければならないというわずらわしさがなくなるわけです。そういう点について、どうも最近における行政の簡素化あるいは機構のその他の改革というものの方向を見てみますというと、この前の総定員法の場合においても、ワクだけをきめて、各省の定数は政令できめる、自由にきめられるようにする、こういう一貫した方向、考え方が流れているように私は受け取れてならないのですが、行管としては、そういう方針をとって、そうして今度の法務省の設置法の研修所の統合というものについて協議を受けた際に、そういう意図があったのか、ないのか。この点をまず一般的な問題として行管に、管理局長にお尋ねいたします。
#112
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。
 ただいまの御質問で、法律事項を政令あるいは省令事項に落とすということを方針としてとっているかというお尋ねだというふうに理解いたしましたが、事柄の内容に従いまして適当な措置をとるということでございまして、法律事項を政令、省令に落とすということが一般的方針であるということはございません。また、法務省のこの研修所の問題につきましては、支所を省令にいたしましたのは、これはほかの省庁の扱いと並べたことでございまして、そういう意味であります。
#113
○北村暢君 これは山崎君も中尾君も触れておるのですけれども、どうも機構改革というのが形式に流れているのじゃないかというふうに思うのです。機構改革ということに対しての法務省の一つの意見としてこれが出され、今度の研修所の統合もその中に入る。ところが、これは何回も質問ありましたけれども、政府の基本的な考え方である行政の簡素化という線にいささかも沿うておらない。ただ機構の改革、簡素化、そういうものではなしに、まあ人事の運用上、あるいは従来地方矯正研修所が中央研修所とのつながりがなかった、それを今後総合的につながりを持たせて、指揮系統もはっきりさせる、こういう意図のもとになされたというようなことで、どうも行政機構の簡素化という面からいくと、内部的に人員が減ったわけでもないし、機構的に簡素化されたという点もないし、何もない。ただ、しかしながら行政改革ということでこれをやったということになっているんですね。そういう点では、どうも内容的にいっては私ども行政改革に値しないものである。統合が行なわれたというのですから、統合が行なわれて簡素化されたかというと、統合が行なわれただけで、簡素化は何にもされていない、こういうことなんですよ。一体、行政改革をやって簡素化をやるということを、政府の方針としてとっているわけだけれども、行政管理庁は、この研修所統合の問題についてどういう見方をしているのか、そしてまたその評価はどういうふうに見ているのか、こういうものを行政改革というのかどうなのか、行管の考え方をひとつ聞いておきたい。
#114
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。
 ただいまの御質問で御指摘ございましたとおり、この中央矯正研修所、それから地方矯正研修所の統合によって人員の減、あるいは機構的な特に目立った簡素化はないという御指摘でございましたが、そういう意味での簡素化はないにいたしましても、事務の運営上、こういう措置をとることによりまして能率化が行なわれたということは、私どもも確かにそのとおりだと思っておりますので、行政改革と申しましても、これが事務の簡素化を伴う場合はもちろん望ましいわけでございますが、伴わない場合でも、やはり事務の能率化がはかられれば、これは行政改革の名に値すると思っております。
#115
○北村暢君 次にお伺いいたしたいのは、刑務所関係の問題についてお伺いいたしますが、この点については、いろいろ御質疑がありましたから重複を避けます。
 それで端的にお伺いしますが、今度できる市原の刑務所は、どういう目的というか、どういうふうに申していいですか、いろいろ刑務所によって性格ありますね。何か聞くところによると、交通事犯の刑務所ということのようにちょっと承ったのですが、何かそういう同じ刑務所でも、重罪人とか、それから交通関係のような、どちらかといえばあやまちを犯したというようなことで入られる。しかも最近交通事犯が非常に多いわけです。そういうことで、この何かこう目的があるのかないのか。ちょっと聞くところによると、そういうことがあるやに聞いておるので、この点について市原刑務所の使用目的はどういうことなのか、ちょっと具体的に、大きな問題ですからお尋ねしておきたいと思うのです。
#116
○政府委員(勝尾鐐三君) 一つの目的は、最近のいわゆる交通事犯による禁錮刑の激増の情勢に対応いたしまして、交通事犯による禁錮刑に対して、一般のいわゆる懲役受刑者とはこれは分離して処遇をしなければならないという、基本的な法律的な要請があるわけでございます。そこで、その禁錮の受刑者を集合して特別の処遇をしたい、特別の処遇と申し上げますのは、戦後のいわゆる矯正技術の発展に伴いまして、収容者に対しては、できるだけ自立心に訴えると申しますか、他律的に、強制的に処遇をしていくというのではなしに、できるだけ自立心に訴えて、その本人の責任において処遇をしていくというのが、最も効果的な方法の一つであるということがいわれているわけでございます。そのあらわれといたしまして、通常のいわゆる閉鎖的な処遇に対して、できるだけ開放的な処遇をやっていく。開放的な処遇と申しますのは、すでに御承知のことと存じますが、へいを高くする、あるいは室にかぎをかける、あるいは鉄格子をはめる、こういった閉鎖的な処遇に対応いたしまして、へいをなくしていく、あるいは鉄格子をなくしていく、あるいはかぎをなくしていく、そういう処遇をすることが、本人の社会復帰の処遇上最も適切なのではないか、こういう一種の開放処遇ということが叫ばれているわけでございます。
 そこで市原の刑務所をつくるにあたりまして、一つは禁錮という交通事犯という対象者、これが特色でございます。いま一つは、開放処遇というものを取り入れるにあたって、禁錮受刑者、いわゆる特に交通事犯の禁錮受刑者について開放処遇を適用していくのが、方法論としまして、最も間違いなしにいけるのじゃないか。したがいまして、市原の開放処遇が実験されまして、成功をいたしますと、理想といたしましては、一般の懲役受刑者についても、その適格者についてはできるだけ開放的な処遇を推し進めていきたい、その一つの資料をここで獲得していきたいと、まあ二つの目的を持った施設でございます。
#117
○北村暢君 そうすると市原の刑務所というものは、開放処遇をするところの新しい形の刑務所である、こう理解いたしますが、しかもこれが試験的ということになれば、これが初めてなのかもしれませんが、聞くところによりますというと、関西方面においてもこういう形の刑務所の設置というものが要望されているというふうに聞いておるんですが、この点について法務省としてどのように考えておられるのか。また、そういう計画がおありになるのかどうなのか、事情をお尋ねいたします。
#118
○政府委員(勝尾鐐三君) 御指摘のように、関西方面にもこの市原のような開放的な処遇をする刑務所をつくってもらいたいという要望がございます。したがいまして、私のほうといたしましては、この市原刑務所が所期の目的を達成できると思っておりますが、将来は関西方面にも開放処遇を行なう刑務所をつくるという考え方で、資料を集めております。
#119
○北村暢君 その資料を集めているというのは、どこか具体的な個所を想定して資料を集めておる、こういうことですか。
#120
○政府委員(勝尾鐐三君) 集めております資料は、一つは開放処遇の適格と申しますか、こういう開放処遇を行なっても、まあ地域住民に不安を与えるとか、そういうことがないような、そういう適格者がどの程度永続的と申しますか、かなり一定の期間集め得るかというその対象者の数の問題、それからさらに市原におきましても、禁錮受刑者に対しては、請願によりまして作業をしておりますが、禁錮受刑者でございますので、作業の選択につきましてはやはり慎重な配慮が要るだろうと思いますので、そういうふさわしい作業を見つけることができるか、そういった方面の資料と、さらにもし開放処遇をつくるとすれば、場所がどの辺がいいだろうかということで、その辺の場所の問題についても検討をいたしております。
#121
○北村暢君 場所の問題は、まあ関西といってもいろいろですが、たとえば大阪周辺、兵庫県のある場所――まあ兵庫県の刑務所のあるようなところを見れば大体わかるんですが、そういうような方向でいまのところ請願その他要請のあるのは、兵庫県のある場所というふうに聞いておるんですけれども、そういう点は各県からきているということでもないかとも思いますが、その場所の問題は、これはまあいろいろありましょうから、一がいには発表できないだろうとは思いますが、非常に数多くあちこちから誘致の――誘致といいますか、設置してもらいたいという請願等が出ていると、こういうことなんですか、どうなんですか、その事情はどうなっておりましょうか。
#122
○政府委員(勝尾鐐三君) 関西にも交通事犯に対する開放処遇を行なう施設をつくってほしいという請願が本旨でございまして、その請願に付加して、たとえば加古川刑務所にこういうものをつくってもらいたいという趣旨の請願が出ております。
#123
○北村暢君 そういうものを含めて、いま答弁のありました加古川刑務所をそういうような性格の刑務所にしてもらいたいという請願、そういうものを含めていま検討をされていると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#124
○政府委員(勝尾鐐三君) それも含めて検討をしております。
#125
○北村暢君 それからもう一つ、今度浦和の刑務所を廃止されて、川越のほうを大きくするというようなことのようですが、川越の場合は少年刑務所であるわけですが、そこに一般の刑務所を一緒にする、浦和の刑務所の廃止に伴ってそういうようなことになるわけですが、この川越の刑務所の規模、それから少年刑務所と一般の刑務所とを一緒に置くということについての弊害等が起こらないのかどうかというような点について、事情を御説明願いたいと思います。
#126
○政府委員(勝尾鐐三君) 最初の問題でございますが、御指摘のように少年というのは、正確に申し上げますと、いわゆる二十歳未満の少年で、自由刑を受けている者ということになるわけでございます。この二十歳未満の少年の受刑者というものにつきましては、戦後のいわゆる少年法の改革に伴いまして、少年受刑者の数というものがそれ以前に比べまして非常に激減をいたしておるわけでございます。全国で現在少年刑務所という看板を掲げているのが九ヵ所ございますが、純粋な厳格な意味における少年受刑者というのは、大体千二、三百人しかいないわけでございます。そこで、この少年受刑者だけではまかない切れないと申しますか、そういう状況にあるわけでございます。それで一方、戦後そういう少年刑務所を活用すると申しますか、という問題を考えるにあたりまして、いわゆる二十歳から二十二、三歳という年齢層、われわれのほうではG級と申しておりますが、この二十歳から二十三歳ぐらいまでの受刑者というものと、それから二十歳未満の少年というものについて、一つの少年刑務所の中で共同に矯正運営をやってみたわけでございます。その結果、年齢的には二十歳で少年と成人ということになりますが、心理学的に、あるいは肉体的に、これを同一の施設の中で処遇をしても十分効果があがるという一応の結論が出ているわけでございます。したがいまして、川越少年刑務所につきましても、従来とも純粋な少年受刑者と、それから二十三歳未満のいわゆる成人受刑者、これをともに川越少年刑務所において量刑をやってきたわけでございます。
 それで、一方今度、浦和の問題でございますが、浦和がやはり初犯の二十三歳未満の成人刑務所として運営されてきたわけでございます。したがいまして、今度、川越少年刑務所が拡張されまして増設されるに当たりまして、浦和の二十歳未満の初犯の受刑者を持っていくということについてもさほど困難なしに行なえるのではないか、このように考えております。
#127
○北村暢君 浦和の刑務所のあとはどのように利用されるおつもりなんですか。
#128
○政府委員(安原美穂君) 浦和の刑務所が移転いたしましたあとは、さしあたり浦和の刑務所に付属されておりました未決監を残すことといたしまして、浦和拘置所をここにつくる。そのほかは検察庁、法務局、保護観察所を入れました法務合同庁舎をつくるという予定でおります。
#129
○北村暢君 この浦和の刑務所の廃止の考え方は、町の都市化に関連して、どうも刑務所が町のまん中にあるということは好ましくないということが一つの理由のようでありますが、昨年の設置法で改正された旭川の刑務所も同様だろうと思うのですね。刑務所は全国で幾つだったですか、七十幾つですかね。こういうようなことで、年々歳歳都市化に関連して刑務所移転が問題になっておりますわね。今後、町のまん中に刑務所があっては非常に都市の発展なり何なりに支障を来たすというような立地条件にある刑務所というのはまだ相当あるのですか。
#130
○政府委員(安原美穂君) お答えいたします。
 現在、刑務所は、刑務所本所が全国で五十七、それから少年刑務所が九、拘置所というのが七、合わせて七十三施設がございますが、そのうち現在におきまして、全国で二十一ヵ所につきまして、いま北村委員の御指摘のように、所在位置が市街地の中心で都市の発展を阻害するということから、地方公共団体から移転の要請を受けておるのでございます。
#131
○北村暢君 二十一ヵ所となるというと、これはたいへんですが、大体方針として、そういう刑務所の移転ということを一年に何ヵ所かやっていくという計画がおありになるのだろうと思うのですが、大体、浦和の刑務所のように、そのあと地が拘置所と法務合同庁舎というようなことになるというと、これは国で所有したままですからあれですが、他に転用するということになれば、移転をする財源等は、もちろんこれは一般会計ですからどうということはないのでしょうけれども、都市化が進めば、その移転した場合に、その土地を処分することによって刑務所の建設費というものがひとりでに出てくるというようなことは、常識的にこう考えられるわけですが、そういうようなことで、これは環境的に言っても、計画的に少し早目にそういう二十一ヵ所かの移転はやったほうがいいんじゃないかと、このような感じがしますが、移転先がまたこれは問題になるのだろうと思うのですけれども、なかなか受け入れ態勢がありませんから問題になるのだろうと思いますが、どうみても、やはり常識的に、町のまん中に刑務所があるというのはあまり好ましい状況ではないようですね。したがって、その二十何ヵ所かある都市化に関連して移転をしなければならないというものについての今後の移転の計画というようなものについてどういう考え方を持っているのか、どなたでもよろしゅうございますが、御説明願います。C政府委員(安原美穂君) 北村委員御指摘のように、二十一ヵ所の刑務所を一度に移転いたしますと、おそらく二百数十億の金が要るだろうという試算になっております。それは国家財政の現段階におきましてきわめてむずかしいことでございますので、従来、昭和三十四年ごろから、北村委員御指摘のように、移転を要請いたしております地方公共団体と、いわゆる建築交換方式――当該地区の刑務所の敷地を地方公共団体に売りまして、その地方公共団体が、それに見合う新しい敷地を見つけて、移転先に建ててくれるその建物と土地とで交換してもらうという建築交換方式というものを、国家財政を圧迫しないというたてまえから活用する方式で従来進んできておりまして、すでに昭和三十五年におきましては名古屋刑務所、福岡刑務所、昭和三十六年には滋賀刑務所、松江刑務所、昭和三十八年には静岡刑務所、昭和四十一年には東京拘置所、それから先ほど問題になっております川越少年刑務所、岡山刑務所、旭川刑務所、昭和四十三年には金沢刑務所、昭和四十四年度におきましては佐世保刑務所、長崎拘置所、松山刑務所というものを建築交換方式という形式で、いわゆる国庫債務負担行為を認めていただいた上で移転を順次進めてきたわけであります。今後とも、できますれば、そういう方法でできるだけ国家財政を圧迫しないで、しかも都市の発展の要請にもこたえるということで、建築交換方式ということで、これからはいわゆる国有財産特殊整理資金特別会計におけるそういう建築交換方式による移転というものを進めたいという考えでおりまして、先ほど申しましたように、本年度も佐世保と松山の二刑務所を実施する予定でございます。今後ともそういう方向で、できるだけ都市の発展の要請ということからくる移転要請というものにこたえていきたいという方針でおります。
#132
○北村暢君 いま巣鴨東京拘置所の問題がちょっと出たようですが、これは小菅に移して、小菅にかわるべき刑務所を青梅市付近につくるのだという案があったというふうに聞いておるのですが、この一連の計画についてどのようになっておるのか。特に巣鴨の拘置所のあとの利用方法について、新都市開発センターというようなことがいわれておるようでございますけれども、その辺の事情を御説明願いたいと思うわけです。
#133
○政府委員(安原美穂君) 北村委員御指摘のように、東京拘置所を小菅に移しまして、小菅刑務所を多摩のほうに移すというようなことに関連いたしまして、昭和四十一年度に国庫債務負担行為をお認めいただいたのでございまして、その国庫債務負担行為によってお認めいただいた内容に伴いまして、いわゆる新都市開発センターとの間で建築交換契約を締結しておったわけでございます。その結果、川越とか、岡山とか、旭川等には着々新しい刑務所ができておるわけでございますが、いまこの小菅刑務所の移転先でございますが、予定いたしました多摩刑務所の建設地につきましては、地元のほうで強い反対運動が起こりまして、反対を押し切ってやる性質のものでもなかったわけで、鋭意地元とも折衝いたしまして問題解決に努力を続けたのでありまするが、昨年八月ごろに至りまして、別途、栃木県の那須郡の黒羽町に、多摩よりもより適地である刑務所の移転敷地が見つかりましたので、むしろ反対の多い多摩に移転するよりは那須郡の黒羽のほうに移転したほうがよいという結論を得まして、多摩に建設することを放棄いたしまして、本年度の予算におきまして新たに多摩刑務所の分だけを更改をいたしまして、黒羽に小菅にかわる刑務所を建設するための国庫債務負担行為をお認めいただいたということになっております。
 なお、東京拘置所のあとは、新都市開発センターによりまして、バスターミナル、自動車駐車場、修学旅行会館等、地上三十四階のビルが建設され、公共の用に供せられる予定であります。
#134
○北村暢君 次にお伺いしたいのですが、入国管理事務所の関係に入る前に、行管局長をお待たせするのあれですから、先に機構改革の問題まとめてお伺いいたします。
 この矯正管区のの部制及び課制について再検討を加えて簡素化をはかりたいという意図を持っておるようでありますが、今回はそれが出ていないようですが、矯正管区の部制というのは、これの業務内容と、いま出されている部制を課制にするという問題について、この矯正管区の業務内容と機構との関係ですね、人員も二百三十人前後のようでございますから、これはどういう仕事をやり機構がどうなっているか。そして今後どうしようとするのか、この点についてまず法務省のほうから考え方を伺いたいと思います。
#135
○政府委員(勝尾鐐三君) 御案内のように矯正関係の施設が三百三ございます。さらに矯正の事務内容といたしましては、いわゆる行刑とそれから少年院系と、それから少年鑑別所系と婦人補導院といった業務が、四つの種類でございます。それからさらに施設の数が三百三あるわけでございます。加えて、最近この矯正の処遇技術の面におきまして、先ほどお話のございました開放処遇、あるいは一時帰休とか、あるいは外部通勤だとか、いろいろ新しい処遇技術が取り入れられようという情勢にあるわけでございます。
 そこで、本省といたしましては、基本的な方向づけをしていると、管区におきまして、その基本的な方向づけに従って、具体的にそれぞれのブロック内で、裁判所及び警察、あるいは検察庁といった関係機関の意見を調整しながら、基本的な方針を遂行していく、これは管区の基本的な業務内容でございます。
 部制の問題でございますが、三部ございますが、いわゆる総務系統――人事だとか、予算の執行だとかいうものを扱います総務系統と、それから営造物系統を扱ういわゆる施設の保安面を扱う部の系統、それから少年院、少年鑑別所、それから婦人補導院を担当するものと、大体三部に分かれまして、その部の下にそれぞれまた幾つかの課がついている、こういうのが現在の機構の内容でございます。
#136
○北村暢君 この矯正管区と、先ほどありました監獄、少年院、少年鑑別所、婦人補導院、それの指揮系統はないようですね。行政上の指揮系統はなしに、他の裁判所なりその他との調整というふうに受け取れたのですけれども、実際にこの矯正管区と、いまお話のありました監獄や少年院とのこの機構の関係、もう少し明確にして御説明願いたい。
#137
○政府委員(勝尾鐐三君) 指揮系統と申しますか、監督権限はあるわけでございます。したがいまして、その管内の少年院あるいは鑑別所については、命令をすることができることに相なっております。具体的に申しますと、たとえば少年院でこういうことをやりたいと言った場合、それに対して、それをやっていいとか、それはやらないほうがいいという、そういう連絡もございますし、それから少年院等で、たとえば逃走事故等が起きた場合に、これに対して応援をほしいというような場合に、管区のほうから、もよりの刑務所の職員に応援に行くようにとか、そういう指揮系統は持っているわけでございます。
#138
○北村暢君 この行政機構図からいくというと、監獄、少年院、少年鑑別所、婦人補導院は、法務本省の付属機関のようになっておってですね、矯正管区はまた別の法務本省から直接の――これは点線ですからどういうふうになりますか、指揮系統はそういうふうになっておりますがね、この機構図からいくというと。したがって、いまの説明が、そういう機構になっているのかどうなのか。これは行政管理庁で出している機構図ですから、こういう点線とこの機構の関係は、この図の説明からいけば、いま矯正局長の言われたようなことになるかならないか。ちょっとこれ説明していただけませんか。この機構図からいくというと、ちょっとそういう形にならないように思いますが。
#139
○政府委員(勝尾鐐三君) 矯正管区につきましては、法務省の設置法の十三条の六というのがございまして、矯正局の所掌事務を分掌させるということになっているわけでございます。したがいまして、出先きの刑務所、少年院等の関係においては、矯正局の出先き機関ということで、矯正局がいわゆる出先き機関を指揮監督ができると同じように矯正局の分掌として指揮監督ができる、こういう組織になっているわけでございます。
#140
○北村暢君 そうすると、この監獄、それから少年院その他は、これは法務省の付属機関、行政組織法上は法務本省の付属機関、こういうふうに理解するような機構図になっていますが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#141
○政府委員(勝尾鐐三君) そのように理解してよろしいかと思います。
#142
○北村暢君 行政管理局長、おわかりですか。この指揮系統と行政機構の機構図との関係は、どうもちょっとこう見ると指揮系統がないように見えるのですがね、この図解で。そういうことの、いま説明されたようなことで理解をしていいのか、どうなんですか。
#143
○政府委員(河合三良君) 機構図は非常にこまかな点まで書きますとたいへんに複雑になってしまうおそれもございますというような点から、完全に何と申しますか、一〇〇%実態がそのままあらわれているという点が――あるいはない点もあるかと思いますが、実態はただいまの法務省からの説明のとおりというふうに御理解いただきたいと思います。
#144
○北村暢君 実態はそうなんだろうけれども、実態が機構図からは読み取れないようですがね。そうすると、この機構図を変えなければならなくなるのじゃないかと思うのですが、実態にあらわれたような形にするものについては、この機構図でもそういうふうに理解できるのかどうかということを聞いているのです。
#145
○政府委員(河合三良君) 私ただいまの御説明ちょっと不十分だったと思いますが、この組織図は実は組織の説明でございまして、指揮系統につきましての点が入っておりません。と申しますか、組織に密着した図になっておりますので、そういう点食い違いが出てまいっているかと思います。指揮系統が全部これに入っているわけではございません。
#146
○北村暢君 わかりました。
 そこでもう一つお伺いしたいのは、この部制、管区の管区長、一部、二部、三部とありますが、それを部制、課制というものについての検討ということなんですが、それを部制にしてよろしいということなんですか。
#147
○政府委員(勝尾鐐三君) 私どもが現在検討いたしておりますのは、現在のいわゆる部課制、いわゆるライン的な考え方の組織でございますが、管区の仕事の実態と申しますか、あるべき姿というものを考えるときに、こういうライン的な部課制という組織よりも、いわゆるスタッフ的な組織を取り入れたほうがいいのではないか。たとえば一部分は部課というものを残すといたしましても、あとは管区がいわゆる監督しております現場の仕事に応じて、それぞれ専門の担当官を置いていくといったスタッフ制のようなものを取り入れたほうが、むしろ今後の、矯正行政の発展その他に対応していけるのじゃないか、そういう大体考え方で検討をしているわけでございます。
#148
○北村暢君 そうしますと、いまの部課制というものをそういうスタッフ的なものに持っていけばより簡素合理化に役立つ、こういう考え方なんですね。そういうことで検討されておるということですね。
#149
○政府委員(勝尾鐐三君) いわゆる部制だけではなくて、スタッフ的な考え方を持っていくのが合理的でもあり、また機構としては簡素化になるのではないか、このように考えております。
#150
○北村暢君 次にお伺いしたいのは、地方更生保護委員会についての改革意見が述べられておるわけです。この意見によりますというと、委員の不足等によって適正な業務運営が困難になっているので、管理部面の機能強化のため事務局の組織の合理化をはかる、こういうことが出ておるのですが、地方更生保護委員というのは大体二百三十何人かおられるようですが、この人たちの処遇というのは一体どうなっているのですか。この社会奉仕的な、非常に何か謝礼的なもので、給与等は、正規の給与なるものはもらっていないという人でできているのですか、どうなんですかこれは。一般の公務員という給与体系なのか。どうもなる人がいないというふうに受け取れるものですから。その点はどうなんですか。
#151
○政府委員(鹽野宜慶君) 地方更生保護委員会の問題について御説明いたしますが、地方史生保護委員会の委員は常勤の国家公務員でございまして、いわゆる一般の国家の職員でございます。
#152
○北村暢君 そうすると、人員の不足ということを言われているのですが、どういう理由で人員が不足するのですか。
#153
○政府委員(鹽野宜慶君) 人員の不足という点はいろいろございますが、一番大きな問題は、御承知のとおり、地方更生保護委員会は仮釈放の審査を担当しているわけでございます。たとえば刑務所の受刑者を刑期の途中で釈放する、あるいは少年院で教育を受けている者を途中で仮退院させるというような点の審査決定をいたしているわけでございます。ところが最近の状況を見ますと、この審査事件が年間約三万一千件余りあるわけでございます。現在、委員が全国で五十二名でございます。行管から御指摘をいただきました当時は、この委員が全国で四十四名であったわけでございますが、そこで、それらの四十四名の委員で年間三万一千件余りの事件の審査決定をするということで、非常に業務が過重であったわけでございます。今回増員を認められまして、八名の増員ということで五十二名ということになったわけでございます。そこで、この面で審査を合理化し、能率化していくということができるようになったというふうに私ども考えております。
 それからもう一点つけ加えて御説明さしていただきますと、従来は委員のうちの一人が事務局長をかねているという制度になっていたわけでございます。したがいまして、委員の審査業務が非常に忙しくてなかなか事務局の指揮監督のほうに手が回らないという面があったわけでございます。そこで今回、委員会の機構を改正いたします際に、委員と事務局長を分離いたしまして、事務局長は専従制をとることにいたしたわけでございます。委員会の仕事は先ほど申しました仮釈放の審査事務のほかに、管下の保護観察所の業務についての監督事務を持っているわけでございます。これはもう御承知だと存じますが、主として事務局がこの事務を担当する、かようなことになるわけでございます。そこで、従来併任の形の事務局長を今回専従制にするということによって管下の観察所に対する監督も充実していく、かように考えているわけでございます。
#154
○北村暢君 それから、いまの合理化の問題わかりましたが、保護観察所の業務、これがどうも――これは十分にやるといえば幾らあっても切りがないかもしれませんが、どうも業務の内容そのものが徹底しておらないというように聞いているわけなんです。こういう点について新聞でも見ておるんですが、どういう対策を持っておられるのか。
 それから行管にはいまの局長の話のありました点について、委員と事務局長の兼任を専任にするというような点から言って、当然これは人員等においてもそういうことをやればこれはふえてくるような感じがするんです。したがって、行政改革の意見として必ずしも簡素化にはつながらない、合理的にやろうとすれば、かえって機構なり人員なりふえなければならないということが出てくるようなふうに受け取れるんですが、先ほど申したように、保護観察の業務からいってももう少しこれは徹底的にやるとすれば、もっと人員がほしいということが出てくると思うんです。そういう点について法務省のほうと行管のほうとどういう打ち合わせになっているのか。この改革意見に対しての行管の態度というものはどうであるのか、両方からお伺いをいたしたいと思います。
#155
○政府委員(鹽野宜慶君) 私のほうから先に御説明さしていただきます。
 御指摘のとおり、保護観察所の職員は現在千一名でございます。そうして保護観察の対象者は常時十万名をこえているわけでございます。そこで千一名と申しましても全部が保護観察官ではございませんで、所長以下運転手というようなものまで含めて千一名ということでございますので、実際に保護観察に当たる保護観察官というのは、これよりはかなり下回る勘定になります。その保護観察官で十万名をこえる対象者を処遇していくというので、御指摘のとおりかなり忙しい仕事をいたしております。しかしながら、これもすでに御承知と存じますが、保護観察の実務に携わる者といたしましては、民間の保護司というものがあるわけでございまして、これは一応定員は五万二千五百名というふうに法律によって定められております。現在約五万名近く全国に保護司がおられるわけでございます。
 そこで、保護司の方一人の事務負担量を計算いたしてみますと、十万対五万ということでございますので、保護司一人が対象者二名を担当してもらえばまず一応の仕事はやれる、かようなことでございます。しかしながら、すでに御承知のとおり、保護司は何と申しましてもいわゆるボランティアでございまして、こういう犯罪を一度犯したというような者の処遇に必ずしもすべての人たちが練達というわけにはまいりませんので、その足りないところを保護観察官が特別の技術をもって補充していくということが必要なわけでございます。したがいまして、先ほど御指摘の将来の問題につきまして、私どもといたしましては、なお引き続いて保護観察官の増員ということを考えていきたいということでございます。それからさらに保護司につきまして、実際には人数の面から申しましても保護司に非常に活躍をしていただかなければならないということでございますので、保護司のこの面の能力の向上というために、保護司に対するこの仕事の面の研修というような面を強化していく。それから現在よりもさらに保護観察官と保護司の連絡方法を研究いたしまして、この間の連絡の緊密化ということに努力いたしてまいりたい。かようなことを考えておる次第でございます。
#156
○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。
 ただいまの御質問は、行革に際しまして必要なところにふやす場合もあるかどうかということ、なお、今度の地方更生保護委員会に関する定員の問題をどう扱っているかというお話というふうに承りましたが、第一点につきましては、御承知のように、総定員法あるいはその他の法制に基づきまして、行政上の消長に応じて定員の機動的な運営をはかるということから、もちろん行政需要がふえております面につきましては、これに必要な人員増は見ていくべきである。最高限の範囲内で見ていくべきであるというふうに思っております。また、機構につきましても同様でございます。ただ、政府全体の機構なり人員なりはできるだけこれを抑制していくべきであるというふうに、行政機構改革、あるいはできるだけ安い政府によって国民に対してサービスを行なうことが適切であるということからそういうふうに考えておりますので、もちろん必要な部面には必要な人員を回すと同時に、総体において簡素化をはかるという考え方でございます。また、ただいまの地方更生保護委員につきましては、これは八名の事務局長を新設いたしまして、従来、委員と兼務いたしておりました方を、これを事務局長の専任にいたしましたかわりに、今度は審査部、総務部の部長職から八名、委員に回しましたので、差し引きゼロでございまして増加はございません。
#157
○北村暢君 次にもう一点意見が出ておりますが、検察庁関係の区検察庁の存廃の問題なんです。これについて簡素化をはかるということで、整理統合を検討しておるということが出ておりますが、この区検察庁の実情と整理統合の方針について説明を願いたい。
#158
○政府委員(辻辰三郎君) 区検察庁は全国で現在五百六十あるわけでございます。その行なっておりますのは、簡易裁判所に対応する刑事事件の検察事務を行なっておるわけでございます。比較的軽微な刑事事件の検察を行なっておるわけでございます。ところで、この区検察庁も、終戦直後の検察庁法の発足にあたりましてできた制度でございますが、その当時の社会経済事情と現在の事情とは相当変わってまいっております。特に交通事情も著しい改善がございますので、はたしてこの五百六十、全国津々浦々に置いておく必要があるかどうかという点と、さらにこの五百六十の役所に職員を配置いたしておくことが検察の機動的運営という面からむだではないかという観点からの検討もございます。そういう点からこの区検察庁の整理統合を検討しておるわけでございますけれども、何ぶんこの検察庁は裁判所に対応して置かれるという法律上の規定がございます。で、区検察庁はそれぞれ簡易裁判所に対応して置かれておるわけでございまして、現在は簡易裁判所が五百六十ありますので、区検察庁も五百六十あると、こういう関係になっております。で、検察庁だけで、裁判所と関係なしにこの整理統合ができるかという問題になりますと、法律問題もからむわけでございまして、また裁判所の事情とも関連してまいるわけでございまして、その点いろいろ難点がございます。こういう難点を踏まえましてその整理統合を検討しておる状況でございます。
#159
○北村暢君 そうすると、簡裁の整理統合というのは法務大臣の権限ではあるのですか、ないのですか。
#160
○政府委員(辻辰三郎君) 簡易裁判所を法制的に見ますと、これはまあ裁判所法ということになるわけでございます。その裁判所法の制定でありますとか、改正でありますとか、これを政府が提案いたします場合の政府部内の主管省はむろん法務省でございまして、その意味では法務大臣の権限でございますけれども、実体のほうの裁判所組織というものは、やはり最高裁を頂点といたします裁判所組織に属することでございます。で、これはまた、裁判所の本来の機能であります裁判事務と密接な関係がございますので、その面におきまして裁判所の意向と申しますか、この考え方というものが、裁判所自体お持ちになるのは当然でございますので、その辺の関係、なかなか問題があるわけでございます。で、法律を政府提案で出すという場合の主管省は、これは法務省であると、かように理解をいたしておるわけでございます。
#161
○北村暢君 まあ大体そういうことだろうと思うのですがね。そうしますと、法務大臣としては検察庁と違って裁判所のほうはやはり独立した権限でもって行なわれておるわけですから、この法律の提案その他は法務省で担当せられる、いま御説明のとおりですが、裁判所側と協議をするということは法務大臣としてはでき得るのですか、できないのですか。
#162
○政府委員(辻辰三郎君) もとよりこれは司法制度の問題でございますから、政府機関としてこの司法制度の問題を取り扱うのは法務大臣でございます。その立場におきまして裁判所といろいろとこの問題について意見の交換をするということはもとより可能でございますし、またこの区検の整理統合、あるいは簡裁の整理統合に関しまして、従来からも事務当局におきまして裁判所の事務当局といろいろと相談はいたしております。
#163
○北村暢君 そうすると、その裁判所側の意向はどうなんですか。
#164
○政府委員(辻辰三郎君) まあ裁判所のことでございますので、私が便宜お答えすることが適当かどうか疑問でございますけれども、私が理解いたしております限りにおきましては、御案内のとおり区検察庁に対応いたします簡易裁判所のほうは、裁判所、もとより全部そうでございますが、民事と刑事と二つ持っているわけでございます。その刑事のほうの仕事に対応しているのが区検察庁でありますから、刑事関係の事柄については、これは裁判所と検察庁とは事情を一にする点が非常に多いわけでございますが、それだけでこの簡易裁判所の問題を扱えない、簡易裁判所の場合にはまた検察庁の関係しない民事裁判のほうをまた別に持っておられますので、それは裁判所独自の事情がございますし、裁判所の立場を十分御勘案をいただかなければならぬ問題でございます。そこで、簡易裁判所と区検察庁の関係はなかなかこちらだけの考え方では進めない事情もあるわけでございます。
#165
○北村暢君 区検の官署の数はわかりましたが、人員はどうですか。一人くらいしかおらないのですか。
#166
○政府委員(辻辰三郎君) 区検察庁に配置されております人員、的確な数字はこれは所在地を同じくいたします地方検察庁であるとか、地方検察庁の支部とか、所在地を同じくいたしておりますと、そこの両方の役所を兼務して職員がつとめておりますので、区検察庁プロパーの数が必ずしもはっきり即答できかねるわけであります。で、区検察庁もいろいろと大きいところも小さいところもございますが、大まかに言いまして、地方検察庁や、あるいは大きい地方検察庁の支部と一緒に置かれている区検察庁におきましては相当数の職員がおりますが、そうではない、全くのいなかと申しますか、区検察庁だけがあるという役所におきましては、やはり一番小さいところは二人くらいの職員しかいないところもあるわけでございます。これは非常に数がまちまちな関係になっております。
#167
○北村暢君 地方検察庁の支部が二百四十くらいあるようですね。それと一緒のところにあるところは相当な人数がおるところでも、これは人員が一人でも二人でも検事は少なくとも一人はいると、こういうことなんでしょうね。
#168
○政府委員(辻辰三郎君) 区検察庁そのものにつきましては、検事はむしろ配置されていないのが原則でありまして、これはもう検察庁法におきまして、検事はもちろん区検察庁にも配置できるようになっておりますが、原則は地方検察庁以上に配置されることになっている。例外的に区検察庁におる場合もございます。区検察庁におきましては副検事が配置されておるというのが原則でございます。
#169
○北村暢君 副検事というのは身分的にいけばどうなんですか、検事としてのもちろん業務は行なえる、これは私つまびらかではないからお伺いするのですけれども、末端の数から言えば圧倒的に多い官署ですからね、検事は置くことができるけれども検事は少ない、副検事がおられる、副検事がおられても仕事の行なえる、何といいますか、内容から言えば、検事でも副検事でも同等の仕事ができると、こう理解してよろしゅうございますか。
#170
○政府委員(辻辰三郎君) 副検事と申しますのは、検察官の種類の一つでございまして、御承知かとも存じますが、検察官といいます場合には、検事総長、検事長、それから検事と副検事、こういう種類があるわけでございます。で、副検事につきましては、いわゆる司法試験を通って、司法修習を終えて検事に任官するというルートでいくのではございませんで、検察庁法に規定しておりますのでございますが、一定の資格を持った者が、副検事選考審査会という機関が法務省にございますが、そこの選考を経て発令される、そして副検事は区検察庁に配属される、で、区検察庁の権限とされておる検察事務を行なうと、こういう形になっておるわけでございます。
#171
○北村暢君 大体わかりました。
 そこで、行管として意見が出てるんですが、どうも区検察庁の整理統合というのは行政改革の意見としてあげてはおるけれども、実際には簡裁との関係で統合廃止というのはそう簡単にいかないということのようですね。したがって、こういう意見は、出してもあまり行政改革の効果にはならないような意見が出ている。結局は、あなたのほうでこの区検察庁は整理統合せいという指示をしておるんですか、それに対して法務省は簡裁との関係で整理統合はできませんと、こういう意思表示をしてるのか、どうなんですか、この意見のあれは。
#172
○政府委員(辻辰三郎君) 区検察庁の整理統合につきましては、かねてから法務省におきましてその整理統合を検討いたしておるわけでございます。問題が、先ほど申しましたように、裁判所の関係で難点はございますけれども、これとても、裁判所に関連しておるから絶対に不可能であるとは考えていないわけでございまして、かねてから法務省独自の立場におきましても整理統合を検計いたしておるところでございます。
#173
○政府委員(河合三良君) ただいま官房長からの御説明のとおりでございまして、法務省の案として私どもいただきましたわけでございまして、まあ、行政改革と申しますものは本来望ましいことではございますが、なかなか一ぺんにいかない場合が多いと思います。少しずつでも積み上げていくべきだと思っておりますので、今回これがうまくお話がつきません場合でも、将来の検討問題として御努力いただきたいというふうに思っております。
#174
○北村暢君 それからね、検察庁の行政組織法上の地位の問題についてです。これはまあ前々から問題になっているんですが、先般も山崎君がこの問題を問題にして、法務省当局の意見を聞いたわけなんですけれども、その説明によると、検察庁はあらかじめできておって、行政組織法があとからできたので、三条機関とも八条機関ともつきにくいものになってしまっておるというような御答弁であったように承っているのですが、一体、検察庁というのはどういう位置づけをしたらいいのか。たいていのところには、これ検察庁というからには検察庁の長官ぐらいはおらなきゃならないだろうが、検察庁というのには長官というのはないようですね。したがって、これは官署であって行政組織法上の指揮系統を持ったあれではないというような説明だと思っておるわけです。したがって、ちょっと特異な組織機構を持っておるのですね。いまの行政組織法上からいえば、八条機関として、「その他の」何とかという最後のところにあるあれに属して八条機関だと、いわゆる法務省の付属機関だ、こういうことの位置づけしか行政組織法上の位置としてはないと思うのですけれども、ここら辺の説明がどうも法務省の説明では、官房長説明されたのだが、どうも納得いかないのですが、行政管理庁おられないからそれまでになっているのです。行政管理局長見えておられますから、一体、検察庁というのは行政組織法上のどういう地位にある役所なのか、この点をはっきりさせておいていただきたいと思う。
#175
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。
 非常に明快なお答えができますと私も気持ちがいいのでございますが、なかなかむずかしい問題で、前々からこの三条、八条の問題につきましてはいろいろと御指摘いただきまして、私がそのたんびにきわめて不明快な御答弁を申し上げておわびを申し上げなければいかぬと思うのですが、確かにいまお話のございましたように、検察庁はきわめて特殊な行政組織であるということは間違いないことだと思います。それは一つには、行政組織法の制定以前にできましたという点もございますし、その関係もございまして、検察庁法第一条の規定も普通の行政組織にはあまり例のないような書き方になっているように私も理解しておりますし、また検察官の職権の行使の態様も、これはやはり行政組織、あるいは行政官庁の権限の行使の態様とはだいぶ違っている点もあるというふうに思いますので、きわめて特殊な組織であるというふうに考えております。ただ、国家行政組織法というものがございまして、これに当てはめるといたしますと、それじゃどこに当たるか、これはどうも私ども考えてまいりますと、結局一つ一つ消していってあと何が残ったかというような考え方をせざるを得なくなりまして、それでは三条機関だろうか。これはやはり三条機関でございますと、組織法の別表に書くということになっておりまして、ここにも載っておらない。それでは七条のこれは内部部局かと申しますと、これはやはり法務省設置法の中に内部部局と書いてございまして、その中に入っておらないということになって、これは内部部局でもない。そうしますと、これは九条の地方出先機関か。これまたやはり地方出先機関でもない。そうしますと、残るところは八条以外にはないということになるわけであります。
 そこで、八条の内容につきまして前々からいろいろと検察庁その他警察庁の場合も御指摘がございまして、いろいろ検討すべき点があるというふうに私もお答え申し上げましたので、八条機関の内容につきましてはできるだけ今後検討を重ねまして、その整備をはかるというような考え方でおりますが、現在の段階で国家行政組織法の分類でございますか、組織の分類を当てはめたとしますと、どうもこれはやはり八条に当てはめざるを得ないということでございます。ただ内容につきましてはきわめて特殊のものであって、もし八条だということに当てはめました場合でも、その扱いと申しますか、今後の検討の際にはやはり特別な性格を十分認識して検討すべきだというふうに思っております。
#176
○北村暢君 まあどこに当てはめるか、こうずっとやっていくと八条にしかもう当てはまらなくなる、しかし、八条機関に当てはめるとすれば若干無理がある、無理があるけれども当てはめようがないからここに置くより方法がないと、こういうふうなことになっておりますが、八条機関とするというと、また八条機関の規定からいけば非常に無理があるということだけははっきりしていると思うんですね。したがって、今後検討せられる段階においては、やはり一番問題のある機構であり、機関であり、法律的にも明らかにしなければならない、こういうものである、こういうふうに理解しておいていいでしょうな。――そういうことで、あやふやな、どこに属するかわからないものであるということだけはっきりしたようでありますから、今後の行政組織法の改正のときにひとつ明らかにしてもらう、こういうことに、もうこれは何回も意見が出ているのでありますから、やらなければこれは行政管理庁の怠慢ということになりますから、早くこれは改正にこぎつけるように努力してもらいたい、こういうふうにいたしてこの点は打ち切りたいと思います。
 それで次に、入国管理事務所の問題について、中尾委員からももうすでに質問が出ておりますから、これも簡略にいたしますが、今度五つ出張所が増設されるわけでございます。この五つの出張所で定員が二名、内部のやりくりでもって出張所を増設する、こういうことでございます。入国審査官、それから入国警備官一名ずつということで二名である、こういうことなんでしょうが、大体において出張所というのは、そういう二名程度でやっている出張所が多いようでございますが、一体こういうことで業務遂行上支障がないのかどうなのか。この点からまずお伺いいたしたいと思います。
#177
○政府委員(中川進君) もちろん役所側といたしましては、定員の多きこと、それから予算の多きことを望む次第でございますが、いかんせん、刻下、現状から多くを望み得ませんので、それで十分であるかないかというよりも、むしろこれでとにかく間に合うようにやるという、はきものに足を合わすか、足にはきものを合わすかという問題でございますが、この二名という定員で全能力をあげて職務に遺憾なきを期したいと、かように考えております。
#178
○北村暢君 そこで、どうも自信のない、できるのだかできないのかわからないような答弁でございますが、今後、入国管理事務所の出張所というふうなものも相当多数ふえていく見込みなんですか。去年も五、六ヵ所、ことしも五、六ヵ所というようなことのようですが、ふえていく見通しなんですかどうですか。
#179
○政府委員(中川進君) けさほど中尾委員にお答え申し上げましたごとく、現在、出入国港が百十三ございますので、これはやはり地元の御要望もございます。何よりも日本の貿易の振興とかいうことにたいへん役立つわけでございますので、できましたらこの出入国港全部に置いておきたいと、かように考えておるわけでございます。無限に何もふやすわけではございません。
#180
○北村暢君 大体主要な港には全部置きたいということのようですが、ないところは出張して、そのつど入港するということの連絡があって、そしてやっているだろうと思うのですが、そういう点における地方の出張所の勤務の範囲というようなものはどうなっているのですか。これは一々出張をしていってやると、こういうことになっているのですか。管轄区域というものがあって、どこの出張所はどこまでの管轄をする、こういうふうなことで実際は運用している、こういうことになっているのですか。
#181
○政府委員(中川進君) 仰せのとおりでございます。
#182
○北村暢君 そこで、出入国の実態でありますが、いただきました資料によりますと、四十年から四十三年までの実態がこう出ているわけなんですけれども、その中で、正規の出入国者の数の圧倒的部分が羽田空港である。四十三年の入国者八十九万三千何がしのうち五十三万八千が羽田である。こういうことのようです。出国者についても同様のような状況になっているようですが、そこで、羽田の出入国管理に携わっている方々の、この前も現地調査に私ども行きましたが、意見を聞いてまいりますというと、羽田は、どこの政府出先機関も異口同音に人員が不足してたいへんでございますという声があったんですが、この羽田の出入国管理の勤務の実態というのは一体どのようになっているとあなた方把握されておるか、実態についてまずお伺いをいたしたいと思います。
#183
○政府委員(中川進君) 羽田は、おっしゃるとおり非常に繁忙をきわめておりまして、現在百三十一名でやっておるわけでございますが、ことにあそこの特徴といたしましては、飛行機の出発ないし到着というものが一日じゅうまんべんなくあるとよろしいのでございますが、大体夜分に集中するわけでございまして、忙しいときは非常に忙しくなるというのが特徴でございます。そこで私どもとしましては、これを班をつくらせまして、班長以下十一名、六つくらい班をつくりまして、そしてその班を、何といいますか、八時間、八時間ということでなしに、十四時間くらいずつやって、また休んで、それからやるというふうな、そういう特殊な勤務体制をとらしておりますが、一週間全部では四十四時間ですか、規定どおりになりますが、ある期間には八時間をこえてやるということがあそこの特徴でございます。
#184
○北村暢君 それで、羽田のいま人員百三十一人と言われましたが、これは出入国者が全国の伸びもさることながら、羽田は特に入国者の数の伸び率からいって非常に高いのですね。そこでこの百三十一人という人員は、この四十年ころから一体定員の配置というものはどういうふうに変化をしておるのか。この出入国の人員増加に応じて人員がふえているのかどうなのか、そこら辺のところは、定員の伸び率と出入国者の伸び率との関係は
 一体どうなっているのか。
#185
○政府委員(中川進君) ただいま四十年ごろからの資料を持ち合わせておりませんので、およその判断でございますが、大体お客のほうは一五%から一六、七%伸びておりますが、定員のほうは大体一〇%から一二、三%の伸びであったと記憶いたします。したがいまして、その点において若干アンバランスといえばアンバランスなんでございますが、何よりも執務の合理化と申しますか、機械化とか、そういうふうなことで人手を少しでも倹約する方法で、ない知恵をしぼりまして間に合わしておる、こういう状況でございます。
#186
○北村暢君 この点は行った際に特に要望がありましたからね。確かに全体からいけば、出入国管理事務所の出張所をだんだんふやしていかなければならない、こういう点ももちろん総体的にはわかるわけですけれどもね。特に羽田の場合は勤務条件が非常に不規則になっておるということと、非常に繁忙であるということ、こういう問題があるわけで、それで今度、出入国管理令を改めて管理法ということで出入国のやり方の簡素化みたいなものがうたわれているようですが、そういう点と今後の業務のあり方との関連について……。
#187
○政府委員(中川進君) 何のあり方ですか。
#188
○北村暢君 いまの出入国管理法のいわゆる手続きの簡素化の問題ですよ、そういう問題とこの人員の増加と、それから定員というものとの関連において、これは無制限にふやしていくというわけではないでしょうから、どういうふうに考えておられるのか、この点をお伺いしておきたい。
#189
○政府委員(中川進君) いま先生最後におっしゃいましたように、確かに日本に来る外人客、あるいは日本から出ていく日本人の数がふえることは事実でございますが、無制限に必ずしもふえるわけではないのでございまして、そこに私どもとしましては一つの救いと申しますか、めどを置きまして、そうしてとにかく数がふえることは、しかしそれでも事実でありますから、そのふえた、まあわれわれの取り扱いの対象になる方々に御不便をかけないように、少しでも愉快な思いで日本から出ていき、あるいは日本に入ってこられるように処理したいということで極力つとめておるわけでございますが、さしあたりは、やはりいま最初にお尋ねにありましたように、業務量の伸びというものがまだまだ当分ここ十年、十五年は続くと思いますので、そこで、その伸びただけの定員増ということは無理かとも思いますが、とにかく年年歳々相当程度の人員の増ということは、これはどうしてもお認め願わなくては困ることになる、かように考えておる次第でございます。
#190
○北村暢君 どうも法務省関係の出入国、そういう点の問題についてはあまり明るくないのですが、不法入国者とか、不法上陸者とか、こういう入国管理に対する違反者というのは一体どの程度あるのか。それから大村と横浜の入国者収容者との関係ですね、関係あるのかないのか、こういう点について、全然知識がございませんので、どういう事情になっているのかお伺いしたいと思うのです。
#191
○政府委員(中川進君) 不法入国者は、昭和四十三年におきまして七百四十九名、昭和四十二年におきまして八百七十五名、こういうふうになっております。
 ただ、お断わり申し上げますのは、これはこの年につかまえた数でございまして、実際に入った数は、たとえばきょう帝国ホテルあたりでゆうゆうとやっておるかもしれませんし、これはわかりません。四十三年で言いますと、実際に日本の国に入った数は幾らあるかということは、これはつかまらない人もあるわけでございます。それからいまの横浜と大村の関係でございますが、横浜はおもに中国人――おもにというよりも中国人と西洋人、西洋人といいますか、東洋人以外の人を入れております。大村は韓国人と若干の中国人を入れております。横浜はミス・シップなどをしました船員などがおるのでありますが、今日ただいまの数は覚えておりませんが、百三十四、五名おるかと思います。大村は、本日、船で百六名送りましたので、今日ただいまでは百名を割ったんじゃないかと思います。七、八十名じゃないかと思いますが、正確な数字はただいまございません。
#192
○北村暢君 それは入国管理令に違反をした者を収容すると、こういうことなんですか。
#193
○政府委員(中川進君) 出入国管理令に違反しまして、退去を命ぜられておる者でございます。
#194
○北村暢君 退去を命ぜられておる者を収容している。退去しないから収容をしておくと、こういうことになるのですか。これはどういう趣旨なんですか。
#195
○政府委員(中川進君) 大村も横浜もそういう点におきましては性質は同じでございまして、退去を命じまして一向に退去しないから置いてあるというかっこうでございますが、ただ、事実問題といたしましては、大村は国の費用で年にいま三回やっておりますが、本日たまたま出帆しましたが、釜山まで送り届けるわけでございまして、これは定期的にあくわけでございます。大体三ヵ月置きますと掃除ができるといいますか、だけど、こっちの横浜のほうはむずかしいことが多うございまして、ことに中国関係の人が多うございまして、これはなかなかいろいろ問題がございまして、中国政府で引き取らないということがある、それから本人も帰りたがらない。もちろんこれは日本側から送りませんでも、本人が自費出国というので自分で飛行機なり船なりの切符を買って退去してくれればいいのでございますが、それもやらない。それから向こうの引き受け国で引き取らないということになりますれば、勢いそこにたまるという現象が起こるのでございます。
 それから、ミス・シップした白人――やはり白人が多いのでございますが、これのほうはわりあいどんどん動いておりまして、そう長くいる人はございません。
#196
○北村暢君 大体、様子はわかりました。そこで、いまの岩間さんの質問にありました、地位協定による米軍関係の出入国でありますが、先日、この委員会で宮内庁設置法の審議に関連をして、運輸省の航空局長だったですか、質問したときには、チャーター機その他でこられる人、あるいは入国される方は、まあどちらかというと幹部クラスの偉い人が羽田に到着をされる。そういう飛行機が多いのだ、こういうような説明があったのですよ。ところが、これはだいぶ事情が違うようですね、そういう認識とは。給油その他のために簡単に羽田に立ち寄るという程度のことか、あるいは幹部クラスの人がくるという、そういうくらいの人数かと思っておったら、年間やはり全国的には、昭和四十三年で入国者が三万五千、羽田だけで三万二千いるんですね。そうすると、これはどうも三万二千、幹部だけが羽田に降りて、あとの人は立川とか横田に降りるということでもないようですね。ところが、先ほどの岩間さんの質問にありましたように、どうも出入国管理がうまくいっているか、いないか、局長自身もあまりはっきりしておらない。全国で三万五千九百ですか、羽田で三万二千三百というのですから、そのほかに三千人、四千人という人が全国的におられる。これらについては、先ほども御答弁ありましたように、立川、横田等に直接にこられた人については、あそこには出入国管理の審査官も管理官もいないわけでしょう。だから、そこのところは野放しでございます、こういう答弁のようでございましたね。全国的にいえば、基地は立川、横田だけではないわけですから、基地には全部置かなければならないという問題が出てくるのですが、全く野放しである。身分証明書その他を検査することはできることになっているけれども、やったことはない、まあこういうことのようです。そうすると、米軍関係だけが特別な取り扱いをされている。しかも、これはまた若干の問題だったならば別段どうということはないのでしょうが、これは往復する人はベトナム関係の方が相当往復するわけですから、ベトナム戦争に関係した人が。そうすると、これは伝染病その他の問題からいっても、だいぶ問題あるのだろうと思うんですが、まあそういう点については米軍のほうで確実にやっているから心配ないのだということになるのかどうなのか知りませんが、とにかく出入国管理令による管理の対象事項について野放しであるということについては、これはやはり岩間さんの指摘したとおり、非常に問題がある、こういりふうに思われるのです。したがって、この点についてはどのように改善せられようと考えておられるのか。指摘せられて初めて気がついたという感じにしか受け取れないのですが、どのような方針でいかれるのか、これはひとつ大臣にはっきりした答弁をいただきたいと思うわけです。
#197
○国務大臣(西郷吉之助君) 午前中にも入管局長からお答えいたしましたが、いまお話のとおり、一番やっかいなのは米軍基地に直接航空機で入国するもののチェックでございますが、やはりこれはチェックすることが正しいのでございますから、午後ともこういう点には一そう注意をしてやっていきたいと思います。
#198
○北村暢君 どうも法務大臣の答弁は非常に大物らしい答弁なんで、ばく然としておりますけれども、実際問題としてこの基地から出入りするというものについては、出入国の関係からいっていままで方法がないというのが実態じゃないのですか。羽田は審査官もおるし、人員がずいぶんおるのですから、やってできないことはないけれども横田とか立川ということになれば、立川なり横田に着いたものは、あそこの基地以外に出ないということになれば別でしょうけれども、あそこから出るということになると、これはそれに何らの出入国管理の機関がないということになれば、フリーであったという結果になっているのじゃないかと思うのです。ですから、こういう基地についての出入国についての特別な米軍との協議によって何らかの措置をとる、こういうことに理解をしていいのかどうなのかということです。検討されるということですが、そういうふうに理解していいのかどうなのかということを重ねてお伺いしたい。
#199
○政府委員(中川進君) 先ほど先生みずから言われましたごとく、基地の中に発着しまして、そこからつまり入国ないし出国する米軍の構成員に関しましては、私どもはこれは出入国管理の対象になりませんし、また実際問題として基地にも入れないという点もございましてわからないのでございます。まあ野放しということばは適当かどうかということは別としまして、事実上ノータッチでございます。そこで先ほど御指摘のとおり、伝染病の問題なり何か起るのじゃないか。これは実はこの前の国会でも同じような問題が出まして、それから一昨年ですか、何かベトナムに行って船でけがをしたとか死んだとかいうようなことがありまして、だいぶ国会でもめましたことも覚えておりますが、そういうようないろいろなことがありますにもかかわらず、大体アメリカ側と話がそういうふうになっておるのでございまして、とにかくその基地以外に、いわゆる先ほどからしばしば申し上げます百十幾つの出入国港でございますね、入管の管轄下でございます。そこに入ってくる人は証明書を見るわけでございます。それを先ほど先生がおっしゃいました、羽田で四万とか三万とかいう、ほかの地域で三千とか四千とかということになるわけでございます。さて、これを改めるかどうかの問題でございますが、これは私どもの交渉ではなくて、もっと政府のえらいところでそういうことがいままでアメリカ側と協定してやってこられたことでございますので、非常に不祥事が起こって、どうしても改正を要するということでもございましたらともかく、いまのところは別に非常な支障を来たしておるとも必ずしも思いませんので、まあその点は私どもは私どもなりにあらためて検討さしていただきたいと思いますが、改正をするのだというつもりで申し上げますところまでのお約束をここで申し上げるのは行き過ぎかと存じます。
#200
○岩間正男君 関連して。いままでこの問題で日米合同委員会を持ったことがありますか。これは分科会があるわけでしょう。そうすると、出入国の管理令の適用の問題じゃないのですね。米軍の出入、この問題では当然合同委員会が開かれなければならないし、日本側の意向も明確にされなければならないと思いますが、そういう事実はございますか、ございませんか。それから今後そういうものを持つか持たぬか、これはどうなんですか。これでやらなければならない。実際は地位協定の九条三項が守られていないという事実があるのです。基地の問題になりますと、もっと広範になるわけですが、私は当然持ってしかるべきだと思うのですが、これはどうですか。
#201
○政府委員(中川進君) 合同委員会の運営は、私が申し上げるまでもなく、先生よく御存じのように、所管は外務省でございまして、外務省がやっているはずでございます。科分会だけ申し上げますが、法務省の入国管理局で関係いたしますのは、まさに御指摘の分科会の地位協定の協定の適用を受けなかった入国管理令の関係でございます。これは私が就任いたしまして二年半たちますが、これまでは、私の知っている限りでは一回も開かれておりません。
#202
○岩間正男君 いままでに一回も。
#203
○政府委員(中川進君) はい。
#204
○岩間正男君 従来は。
#205
○政府委員(中川進君) 私のまいる前でございますか。その前にはもちろんやったはずでございます。
#206
○岩間正男君 これは時間がないから資料として検討して出してください。あるかないか、ないと言えば問題だな。
#207
○北村暢君 大臣が検討されると言って、局長が牽制するような答弁ですから、これではちょっと承服しかねるのですが、どっちがどうなのか、さっぱりわからない答弁で承服しかねます、これは。しかねますが、まあこれで争っていてもしようがないですから、次に一、二点だけ質問して終わりたいと思います。
 今度の四十四年度分で公安調査官を二十人ふやしておるというわけなんですが、どうも破防法を適用した事例というのはあまり最近聞いていないのですけれども、なぜこの調査官を二十名ふやさなければならないのか、この点どういう事情であったのか、説明していただきたい。
#208
○政府委員(辻辰三郎君) 公安調査官の昭和四十四年度予算におきます増員は御指摘のとおり二十名でございますが、片方、閣議決定に基づきます三年、五%の人員削減で、四十四年度におきまして公安調査庁の職員が十九名削られるわけでございます。差し引き一名の増という関係になっております。
#209
○北村暢君 そうすると、公安調査庁は現状維持にしておきたい、削りたくないということであったと、こう理解してよろしゅうございますね。
#210
○政府委員(辻辰三郎君) 四十四年度におきましては一名増でございますが、その一名の増が現状維持と仰せになれば仰せのとおりでございますが、公安調査庁につきましては、四十四年度以前におきましても欠員の凍結とかいろいろな関係がございまして、むしろ多少減ってきたきらいもございます。四十四年におきましては、ただいま申しましたとおり一名の純増という形になっております。
#211
○北村暢君 三年計画の第一年目ですから、そうすると、来年、再来年と五%削減の方針に基づいて公安調査庁も減っていく、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#212
○政府委員(辻辰三郎君) この定員削減の問題と新たな行政需要に基づく増員要素という問題は、理論上は別の問題でございます。それぞれやはり当面の行政庁の行政需要に応じて増員を要求し、片や減員をしていくという関係に相なっておるわけでございます。昭和四十四年度予算におきまするこの二十人の増員、もちろんその裏には十九人の減員がございます、が、この二十人の増員につきましては、三派系の学生に対します調査活動の強化という一つの行政需要がございましたので、この点を主にいたしまして二十人の増員が認められたものと理解をいたしておるわけでございます。
#213
○北村暢君 最後に、これは裁判制度の問題について、自民党に裁判制度に関する調査特別委員会というものを設ける、これは御存じのように、四月二日の都教組の事件について最高裁の判決が、いわゆるそそのかしの行為、あおりの行為を限定的に解釈して無罪の判決を下した、これについてどうも最近の公安関係の判決について自民党の執行部において不満であるというような点が報道されております。これは自民党がこういうものを設けるということについてはこれは自由でございますが、先ほどの質問でも明らかなように、法務省は司法制度についての法制上の問題について担当する省である、これは明らかでありまするので、法務省として裁判制度の問題について、特にこれらの問題に関連をして制度そのものを検討するという御意図があるかないか。これは簡単にひとつ端的に御答弁を願いたい。
#214
○国務大臣(西郷吉之助君) いまお尋ねでございますから端的にお答えいたしますが 法務省には臨時司法制度調査会というのがございまして、全般的に検討を加えまして昭和三十九年に臨時司法制度調査会の答申をいただきまして、それ以来それに基づきまして法律改正等をやっておるわけであります。
#215
○北村暢君 どうもその答申の内容がわからないというと、どういう説明をされたのか私にはわからないわけですよ。いま私の質問したことについて、その答申の中に含まれておったのかおらないのか。公安関係の裁判制度について、あったのかなかったのか。したがって、いま私が端的にお尋ねしたことについて、法務当局としてするのか、しないのか、これをお伺いしておるのですから、回りくどくなく端的にお答えを願いたい。
#216
○国務大臣(西郷吉之助君) 答申を要約して申しますると、大体法曹の一元化並びに裁判官、検察官等の給与、そういうものについての答申であります。
#217
○北村暢君 そうすると、私がいまお尋ねしたこの一連の公安判決についての最高裁の判決に対して、どうも自民党の執行部としては不服であるようであります。そういうようなものを肯定した形において、法務当局としては裁判制度を検討する、こういうことなんですか、どうなんですかとこういっておるのです。自民党は自民党で、法務当局としてはそういうことを検討しておりませんとか、する考えはございませんとか、そういうふうにはっきり答えてもらいたい。
#218
○国務大臣(西郷吉之助君) 法務省として、そういうものを検討するというようなことはございません。
#219
○委員長(八田一朗君) ほかに御質疑もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#220
○委員長(八田一朗君) 速記を起こしてください。
 これより討論に入ります。
#221
○岩間正男君 私は日本共産党を代表して、法務省設置法改正案に反対するものであります。
 反対の理由は、矯正研修所の統合は、刑務所に対する法務省の権限を強化するものであります。その結果は、非民主的で現状に合わない監獄法の運用を民主的な運動で改善し、受刑者に対する処遇を向上させようとする余地をなくするものであり、人権尊重の立場から反対であります。
#222
○委員長(八田一朗君) ほかに御発言もないようですから、討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
 法務省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#223
○委員長(八田一朗君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#224
○委員長(八田一朗君) 御異議ないと認め、さよう決します。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時五十二分散会
     ―――――・―――――
六月二十四日本委員会に左の案件を付託された。
 (予備審査のための付託は二月二十八日)
 一、農林省設置法の一部を改正する法律案
ソース: 国立国会図書館
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