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1949/02/16 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第3号
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1949/02/16 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第3号

#1
第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第3号
昭和二十四年二月十六日(水曜日)
   午前十時五十四分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○外地公館借入金及び軍事公債に関す
 る件
○特別未帰還者給與法改正に関する件
○生業資金に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(紅露みつ君) これから委員会を開会いたします。
#3
○岡元義人君 今ちよつと順番は狂つて來ますが、丁度大藏省と外務省からお見えになつておりますから、今日の案件になつております公館借入金、軍事公債の件を先に審議して頂きたいと思います。お願いいたします。
#4
○委員長(紅露みつ君) 岡元委員から御発言がありましたが御異議がなければ……。
#5
○北條秀一君 只今岡元委員からお話がありました軍事公債の問題というのは、内容はどういう問題ですか。
#6
○岡元義人君 これは軍人公債とここに出して置きましたが、勿論今日の委員会の進行状況によつて登録公債を含めた意味の解決に持つて行きたい。そういう工合に進めて行つていいのじやないか、勿論軍事公債の問題は前から……、前野課長が見えておりますが、懸案となつて一應委員会で取上げて今日まで來ているわけなんです。だから勿論それに関連して登録公債というぐらいに進めて行きたいと思います。
#7
○北條秀一君 今岡元委員は厖大な引揚者が持つて來たところの証券を引揚者に返せという要求が人までありましたが、それに対する政府側の処置について、どういうふうに進展したかということを当事者から聽こうというのが問題であると思います。そういうふうに理解していいですね。
#8
○岡元義人君 そういう工合に総体的な問題に関連してよろしいですか、軍事公債の場合におきましては、これは一般の引揚者が普遍的に、殆んどの者が持つておつた。それが内地へ持つて帰つて來たのが大体二千万円、後の四億円近いものが、そのまま持つて帰つて來ていない。それに対して軍事公債の性質から、他に解決案を見付けるんじやないかという見解から、ここに案件が持出されていると思う。で今北條委員が申しましたように一般の公債のこれに関連いたしまして、そういうような経過をば先に関係当局から聽きまして、その後でこの問題を取上げても差支ないと思います。
#9
○委員長(紅露みつ君) それではこれは大藏省の方に御説明を願うことに……。
#10
○岡元義人君 両方から……。
#11
○委員長(紅露みつ君) それでは先に大藏省前野課長に御説明を願いまして、その後で外務省の小島課長に御説明を頂くことにいたしたいと思います。(「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり)それではそういうことにいたします。どうぞ。
#12
○説明員(前野直定君) 最初に証券類の取扱について、その後に取扱方法が変りました件と、それから將來の見通し等につきまして、御報告申上げたいと思います。大体証券類につきましては、國債につきまして千円まで持込みを許しまして、それを超過します分は、全部税関の方で取上げ、保管をしておるわをであります。それで税関の方では、その千円を超過いたします國債につきましては、おのおの持つて帰られました方々の名前において保管をいたしております。この取扱につきましては、この程新らしい規定が出まして、こういうものにつきましては、全部預けました御当人にお返ししてもいいという取扱になりまして、近日税関で預つております公債、國債類につきましては、全部お持ち帰りになつた方にお返しすることにいたす手筈をとつております。ただ國債の中で外貨債がありますが、これは恐らくこういうものをお持ちになつている方は稀であつたんじやないとか思いますが、若しこういうものをお持ちになつた方が、現実にお持ち帰りになつて税関に預かつておられるというような場合には、これ外貨債につきましては、依然として從來通り税関でお預りいたしまして当人には返さないということになる予定であります。それから内地の会社の株式或いは社債等も、やはりこれは全部從來税関でお預りいたしておりましたのですが、この社債株券等につきましても前段で御説明いたしましたように、國債と同樣に全部お持ち帰りになつた方にお返しいたす手筈にいたしております。ただ株券は、外國に本社のありますような会社、例えば滿鉄とか、或いは朝鮮電業とか、臺湾製糖とかそういうような会社の株式は、やはり從來通り税関でお預りして置くということになる予定であります。
 それからもう一つ恩給年金証書等がありますが、これはやはり税関の方でお預りいたしておりましたのですが、今年本邦の恩給法によりまして出しております恩給年金証書は、全部やはりお持ちになりました方にお返しすることにいる予定でございます。大体從來取扱つておりました取扱と違います点は、以上のものをお返しするという点が違つて参ります。これで大部分今まで税関の方でお預りしておりましたものの中、経済的な價値のあるものは殆んど皆お返しかるということになるのではないかと思つております。尚これをいつからいたしますかという点につきましては、只今法令、告示等の準備をいたしておりますので、それが公布になり次第やる予定でありますが、見通しといたしましては、來月に入ればもう早々できるのではないかと思つております。現地の各税関に対しましては、前触れにこういう措置になるから混雜を來さないように今から準備して置けという通牒は出してございますから、來月に始まりましてからの処置につきましても、支障なくできるのではないかというふうに考えております。大体証券類につきましては、以上のような経過でございます。
#13
○北條秀一君 前野課長にこの際お伺いして置きますが、公債等で、政府の要請によりまして郵便局に預けた証券類が相当あると思います。その証券類は、すべて朝鮮又は滿州、中國の日本関係の郵便局に預けられておりますが、預り証だけを持つて帰つておるという人が相当あるということは、事実において証明されておるわけです。この預り証についてはどういう処置をされるつもりか、これについて明らかにして頂きたいと思います。
#14
○説明員(前野直定君) 郵便局で公債等を預りました制度は、戰時中に行われた制度が一つあるわけであります。これは郵便局で預りまして、現物はすべて内地の方へ送られて來ておりますので、戰時中に郵便局へお預けになりましたものは、その預り証も今度内地へお持ち込みが認められることになりますから、從來税関でお預りしておりまして預り証もお返しいたすつもりでおります。從つて、その預り証を郵便局の方へお持ちになりますれば、現物は貰えるということになると思います。ただその預り証を出しました中で、恐らく終戰後居留民團とか、そういうところへ預けます意味と同じ意味で、郵便局に或いは預けたものがあるかも分りませんが、そういうものにつきましては、普通の郵便局の保護預りの制度とは違つたやり方ですから、恐らく現物はこちらへ來ていないのではないかというふうに思いますから、そういうものにつきましては、やはり現物れ向うに置いて來たものと同樣な取扱をなさざるを得ないのではないかと思つております。
#15
○北條秀一君 序でにその問題ですが、それでは郵便局に預けた郵便局の預り証であつて、現物が本國に到着していないものは、これはやはり返還又は何と申しますか、再発行するということは、これはできないわけですね。
#16
○説明員(前野直定君) 考え方といたしましては、すべて現物がこちらにあるかないかというところが取扱の相違の分れる点でありまして、例えば、普通の戰時中に行われました郵便局の國債の保護預り制度というような制度によつて預けられたものであつても、若し現物がこちらに來ておらなければ、お返しすることはできないのではないかと思います。そういう取扱の差異の生じます根本的に考え方の相違は、現物が外地にあります場合に、更に内地において同種類のものを再発行するという処置をとりますと、権利関係が非常に將來錯綜した関係を発生する、と申しますのは、向うで終戰後、例えば中國政府なら中國政府が、日本人の持つております國債等を取上げた、その取上げた意図は、どういう取扱をする意図かは分りませんが、日本にその國債に基く権利を主張して來るというような場合も、それに代るべき國債が更に内地においてすでに再発行されておるというようなことになりますと、非常に取扱として困難な問題が発生いたしますので、すべて現物が内地にあるのかないのかということによつて問題の取扱が違つて來ると思います。
#17
○穗積眞六郎君 只今の問題ですが、この証券類を持つて帰つてもよいというような原則には後でなつたようでありますが、途中においてはときどき、私朝鮮におりましたときも、まだ初めのうちですから、米軍の方もなかなか取扱がはつきりしませんから、時には持つて帰つていけないと言い、時にはよいというような、いろいろな指令が出たのであります。これを正直に守りまして持つて帰らないで置いて來た人がありますし、又はそういういけないといううちにも隠して持つて帰つた人があるのであります。今日の結果から見ますと、とにかくこつちに持つて帰つて來ておれば、これが本人に返される、こういう結果になるので、返されることは、これは誠に結構でございますが、併し根本的に考えますと、どうも正直に物事をしたために結果においては非常な損をする、それも細かく理論的に考えますと、理論の成り立たないような損をするというような場合が、これはこの証券だれの問題でなく、非常に多いのでございます。これが一つ日本の今日の道徳観念に非常な大きな障碍をなしております。で、將來いろいろお取扱になるときに、まあこれからの模樣で、ただこちらだれで決め得ることではございませんけれども、どうぞそういうふうに、その時の規定を守つた者が特に損をするというようなことのないように、十分御努力頂くことを切望して置きます。
 それからもう一つは、今横濱の税関からお返し下さるときに、大分行先が分らないものがありはしないかというような氣がいたしますが、そういうものの取扱はどんなふうになさるのでございましようか、何か御計画がございましたら承わりたいと思います。
#18
○説明員(前野直定君) 前段の取扱は正直者が損をするという結論は我々の方といたしましても、更にそういう結果になりまして甚だまずいのではないかという氣がいたしておりますのですが、若しそういう考え方を徹底いたしますとすれば、やはり持つて來れなかつたものを潜つて持つて來たんだからそういうものは返すべき性質のものではないということで、全部お返ししない取扱をするか、或いは持つて來たもの、持つて來ないものに拘わらず何らかの平等な補償といいますか、対價を與えるとかいうような措置を講ずるか、いずれか一途を取らなければいけないと思いますが、前段の法を潜つて持さて來たからこれは当人の返すべき性質のものではないという取扱をいたしますことにつきましても、我々の考え方といたしましては、何でもいいからと、そういう点がありますが、引揚者の方に何らかの経済的のプラスになるものがあれば解除しようというようなラインで考えた方がより実利的ではないかというような氣もいたしまして、こういうようなことにいたした次第であります。それからお返しいたします場合に、恐らく住所等は変更いたしまして個々に御通知を出しましても連絡がつかないというようなケースも多いことと思いますので、これにつきましては從來ともやつておりまして、放送とか或いは新聞廣告とかそういう周知の方法によりまして万全を期したいと、こういうように考えております。
#19
○穗積眞六郎君 前段の問題は、今返して頂くのがいけないというのではないことはお分りになつておると思いますが、後の点にもその意氣で一つ御努力頂きたいと申したのであります。(「異議なし」と呼ぶ者あり)それから公團の点につきましては、例えば朝鮮とか満州とかいうところに引揚者の團体又は全國連合会関係で或る程度の御援助ができるかと思うのですが、ただみんな團体を非常に困窮しておる、それで経費関係についてお考え頂ければやはり同じところにいた関係から、分り易いという意味から、或る程度の御援助もできるのじやないかということです。
#20
○北條秀一君 本問題について更に委員各位に御質問がなければ議事進行して頂きたいと思います。
#21
○岡元義人君 ちよつと待つて、今まで大分時間が経つておりますから前野課長の方からあなたの方の所管に屬するこういうような実際の公債、株券、社債等のそういうような処理状況をば委員会に報告書として提出して頂ければいいんじやないかと思います。特に今度委員が各現地を廻りますから今までの報告が中断されて日にちも経つておりますので、それは今御報告になつたことをば書類が何かで委員会に提出して頂いて、できますならば十八日の委員会に出して頂くならば非常に都合がいいと思いますが、如何でしようか(「賛成」と呼ぶものあり)それと一、二点お伺いしたいのですが、恩給証書の分で臺湾の分が今さき御説明によりまして、臺湾の分が今まで返されていなかつたというのがあつた筈ですが、これは解決ついたと、こういう工合に解釈してよろしうございますか。
#22
○説明員(前野直定君) 本邦の恩給法によりまして出しております恩給証書はすべてお返しすることになりますので、恩給法によらない例えばこういうものがありますかどうかはつきりいたしませんが、臺湾とか或いは朝鮮なんかの道で出しております恩給証書、こういうものはやはりお返しすることができないという取扱いになると御承知願いたいと思います。
#23
○岡元義人君 前野課長に伺いますが、朝鮮関係は全部解決になつておりますか。
#24
○説明員(前野直定君) 團体関係ですか。
#25
○岡元義人君 團体関係です。
#26
○説明員(前野直定君) なつておりません。
#27
○岡元義人君 これはどういう交渉経過になつておるのですか、一年間ぐらい遅れておると一般には認識されているのですが、そういう経過があるのですか。
#28
○説明員(前野直定君) 大体道関係の恩給証書につきましては、從來私の方では特に取上げて返事をいたしておりませんが、そういうことを発言したことも記憶にないのですが何かお間違いじやないでしようか。
#29
○岡元義人君 恩給局の方で取扱うということになりますか関連するのは……。
#30
○説明員(前野直定君) 処理等は……。
#31
○岡元義人君 ええ、若し処理に当つてそういう交渉をすれば恩給局ですか。
#32
○説明員(前野直定君) それは勿論恩給局の方です。
#33
○岡元義人君 先程案件になつておりました軍事公債についてお伺いしますが軍事公債は、こういう工合に各証券が許されておるということになりますと、持つて帰つて來て、預り証等によるそういう処置は大藏省はどういう工合に考えておるか、又再発行する意思があるかどうか、又そういうような交渉を現在までにされたことがあるかこの点についてお伺いしたいと思います。
#34
○説明員(前野直定君) 先程も、ちよつとお話いたしましたように現物がこちらに來ていないものにつきましては、外地にあります現物の取扱がどういうふうな方法で取扱われるかという点にかかるわけでありまして、向うに置いて來ました……これは國價だけでなしにその他の有價証券類は全部同じ性質の問題になると思いますが、向うへ残して参りました有價証券類につきまして更に日本政府の責任を追及されるというような事態がないということがはつきりいたしますればこちらで再発行してもいいのではないかというように考えておりますが、まだどういうふうな処置になりますかはつきりいたさないのですが、どういう取扱をするかすべて結論が出ないわけであります。それで具体的に関係筋の方と交渉しまして案件では、例えば日本内地にあります会社の有價証券であつて外地に残して來た株式なんかを再発行するという問題を交渉したことがございますが、これにつきましてはやはり権利関係で錯雜するから困るという話でやはりそういう考えからいたしますと、公債につきましてもさようなことが言えるのじやないかというような考えております。
#35
○岡元義人君 これは軍事公債の方は前野課長にお願いしてあるのですが、これは特に問題になつたのは、例の棚上法が出たときに、非常に引揚者間におきまして、問題が起きて來たわけですが、実際あの公債というのは、再発行してもいいということが額面の中にも書いてあるのだし、当然そういうような交渉を特別に取扱つて頂いて、支拂の処置を受れるなら受けるような、このくらいは大藏省で一つやつて頂きたいと思うのですが、見込ないなら仕方がないですが、実際に交渉して見ても望みがあるかないか、もう一回伺つて置きたいのです。それから先程穗積委員からもいろいろお願いがあつて、万全を期して頂きたいという要求がありましたが、今までもラジオやそういう方法でこの委員会でも取上げて、いろいろ万全を期すべく政府当局を鞭撻したわけですが、併し大藏省で地方にそういうような債券の処置をするための予算措置として、地方自治体に対し、或いは特別な方法で予算の配付をするというようなことは考えておられるのか。この点一つ教えて頂きたいと思います。
#36
○説明員(前野直定君) 地方に対して周知徹底せしめるための予算的措置が今のところ別に考えておりません。やはり從來やりましたように、放送或いは新聞廣告等によつてやるだけの予算的な考慮はいたしておりますが、それ以上の予算的措置は今のところいたしておりません。
#37
○岡元義人君 これは当然私は予算的措置としてやつていいのじやないかと思うのですが、相当の今までの在外資産処置というような問題は、これはやはり國が考えて、徹底したいわゆる資料をば残すと、そうしててきぱきした事務的処置をするという上においても、多少そういうような、特に大藏省当局に内輪の話で以て前野課長が努力されたらできるのじやないかと思います。できませんか。その点見込ありませんか。
#38
○説明員(前野直定君) ちよつと今ここでできるできないと御返事もいたしかねますが、一應内部的な努力はいたした見たいと思います。
#39
○岡元義人君 私は各委員の方に、委員長から一つ諮つて頂きたいと思いますが、是非そういう工合に実は例の政府の特別給與法ができましても、現在まで集まつた資金は一万五千円しかない、十万以上要るということが分つておりながら、実際やつて見ると、そういう状況です。だからこういうような在外資産処理ということは非常に大事な問題だし、当然大藏局あたりで、多少の予算的措置をとつて、そう大した金額も必要ないのですから、それは地方自治体に配つて、そこで総合的にどつかの部課でこれを取扱つてやらすというような方法が私は非常に妥当じやないかと思つて、今までの方法は実にこれは大藏省も將來非常に大きな責任を感じておられると思うのですが、たつた千円しか持つて帰らなかつたあの金の中から、縣廳所在地まで、非常に辺鄙の所から出て來て、そうして自分で代書代を拂い、紙を買わされて、今までも在外資産の申告をばさせられているのです。これなんか実に私は不合理な、誰が考えても了解できないような処置がとられたのですが、これは終戰当時で、非常に困難の中で行われたことですから、止むを得ないとしても、併しながら國の経費においてやらしたのではなくて、その僅かしか持つていない経費でやらしたというところに、先の委員会においても、その点については何らか考えなければならんということを考えているという言明がこの委員会においてもあつたわけですが、だからむしろそれよりもこういうような処置をするということに、こういうような総合的な資料を集めて置くということが非常に大事なことだと思いますが、前野課長あたりで、部内で頑張つて頂いて、何らかそういうふうに主張して頂いて、当然やるべきじやないか。それからもう一つ、なぜこういうことを今日私は言い出したかということを言うと、今までの引揚者等に対する観念が、関係方面等も逐次是正されつつあるということは、皆樣御承知のことと思います。そのときに、あとでああして置けばよかつた、こうして置けばよかつたというようなことがあつたのでは、誠に私は、政府としても申訳ないと思います。だからむしろこの際そういう点をば十分主張して頂いて、多少の予算によつて、相当に確実な資料が得られる。又預り証券の配付についても万全を期せられるのではないか。ラジオ、新聞といいますけれども、田舎の末端までは到底これは期待し得ない。そういう点を一つお考え願いまして、町村等においても、こういう処理に対しては、逐一告示を出すとか、或いは引揚者團体等の末端支部ができ上つておりますから、そういうものを通じて、何らか連絡を取られるというのが非常に妥当ではないかと思います。一つ御一考願いたいと思います。
#40
○委員長(紅露みつ君) 岡元委員から御提案になりました証券類の問題、それから軍事公債の問題、これらを引つ括めまして、地方に周知徹底させるために何らか予算的措置をとつた頂く。こういうことを委員の皆さんにお諮りするようにとの御提案がありましたので、前野課長にこれを一つお願いすることにいたしましようか。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
#41
○委員長(紅露みつ君) 御意見は……。
#42
○北條秀一君 証券関係の問題について、大藏省監理局の御説明及び質疑廳答が終つたようでありますが、この際特に重要な問題でありますので、前野課長からはつきり言明して頂きたいと思いますのは、先日の新聞に出たのでは、日本に持ち帰つたところの外貨を本人に返して頂くということが新聞に出ましたが、その内容について、発表できるだけ発表して頂きたい、お願いします。
#43
○説明員(前野直定君) 先日渉外部の方で発表になりまして、それに対應しまして、私の方からも新聞発表をいたしましたのですが、あの買上げの対象になります外貨というのは、二種類に分れるわけでありまして、第一種類は、外地から引揚げて來られました各自引揚者が持つて帰られました外貨の中で、米ドルに交換し得る外貨につきましては、この度政府の方で買上げるという措置を講ずる予定であります。第二種類のものは、二十年に大藏省で以ちまして、日本國内におります個人並びに法人から、その持つております外貨並びに外貨表示の証書類等を日本銀行に集中したことがあります。その法令によりまして、集中した外貨が、やはりこの度の買上げの対象になることになつております。從つて引揚者の側に関連のあります問題は、前段の、外地からお帰りになりました際に持つて帰りました外貨であつて、正確に報告されているもので、米ドルに交換できる外貨につきましてのみ買上げを実施するということになつております。大体金額にしまして、渉外部の方で発表しましたように、約百万ドル近い金額になりまして、これは内訳を申しますと、いわゆる外國通貨がその中で約八十万ドルでございます。それから旅行小切手とか、送金小切手とか、そういう証券類に類しますもので、外國へ送りまして、取立て可能なもので、而もその取立てた外貨が米ドルに交換し得る性質のもので、これが約二十万ドルございます。これの買上げは、一應買上げの対象になります現物はすべて日本銀行に集中してありますので、これを一應司令部の方に引渡しまして、司令部の方で外貨につきましては、アメリカの方に持つて行つて、米ドルに交換する。そうして例えばその外貨につきましては、幾らの米ドルが入つたという通知がありますれば、その米ドル額を軍票交換レートであります二百七十円で交換いたしまして、政府がその外貨債券を買上げる、という取扱をしたいと思つております。
 それから証券額につきましては、おのおの持つておられます方からその取立権を大藏大臣が委任を受けまして、大藏大臣がその証書の裏書をいたしまして、そうしてそれに司令部の方で更に裏書をいたしまして、おのおの取立銀行へ送付します。そうして外貨を取立てる、そうして取立てた外貨を米ドルに交換しまして、その米ドルを二百七十円で換算した円で以て政府が買上げるという取扱をする予定でおります。買上げられます相手方は、すべて持つて帰られました引揚者の方、或いは國内で日本銀行へ集中させられた個人或いは法人が買上げられる対象になりまして、そういう方々に対して今申上げました円金額をお拂いするという取扱にいたしたいと思います。大体実施期は來月に入りまして早々いたしたいと思つておりますが、ただ米ドル以外の通貨につきまして、米ドルとして幾ら入金になつたかということがはつきりいたしますのが若干時日を要しますので、その金額がはつきりいたしましてから、改めてこれこれの通貨につきましては幾らで買上げるという大藏省告示を出しまして、その時期に現実に買上げた代價をお拂いするという具体的な取扱になると予定いたしております。
#44
○委員長(紅露みつ君) ちよつと速記を止めて下さい。
#45
○委員長(紅露みつ君) 速記を開始して下さい。
#46
○北條秀一君 この持帰金の問題につきましては全貌が分りましたが、いよいよ業務開始されるわけでありますが、結局最後の点は、本人の方にいつ返えるかということが一番問題ですが、告示されて本人に返すということでありますが、凡そそれはどの見当になるか、その点について御意見を聞いて置きたいと思います。
#47
○説明員(前野直定君) 大体今関係政令を作つておりますので、これが二月中には作りたいという目標で以てやつております。從つて今考えております目標通り事務が進みますれば、三月早早には政令が出る予定であります。政令が出ますれば、同時に今申上げましたような告示も同時に出す予定でありますから、法令的には來月に入りますれば直ぐお返しし得る状態になると予定いたしております。現実に事務を取扱います各税関に対しましては、もう今日明日、今月中にはこういうふうな取扱になるから。早く返すような手配をして貰いたいという通牒は出すようにいたしておりますから、三月に入りましてから、直ぐそういう仕事が始まる、こう考えております。
#48
○北條秀一君 分りました。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
#49
○委員長(紅露みつ君) それでは大藏省の御説明は大体いいと思いますので一應打切りまして、外務省の小島課長から説明を伺うことにいたしたいと思います。
#50
○岡元義人君 それはこちらから質問いたしたいと思います。北條君からもお話があると思いますが、問題の外地公館借上金は、こりは國会でしばしば議決しておりますが、尚解決を見出せない。丁度組閣早々でありますから、非常に大事な時期でもありますし、外務省のその後の交渉経過、それからどうしようという計画を今後持つておられるか、今後の予算措置との関係、その点についてちよつと御説明願いたいと思います。
#51
○説明員(小島太作君) この在外公館借上金と、難民救済資金と申しております一種の借上金の処理状況の現状を申上げます。只今はこの問題は長いことかかつてその要点と申しますか、困難な点がほぼ明らかになつておりまするので、そういう緒点を考慮に入れた具体案を作成しておる段階にあります。外務省の方で只今承知しておりますこの問題の解決上の難点は、先ず第一にこれが記録を伴つた善意の借上金であるということであります。これは御承知のように混乱した状態の下に各地にばらばらに行われた事柄でございまして、これを只今的確に把握するという作業は相当な困難を伴うものでありますけれども、どうしてもこれはこの問題を解決する核心になる事項でありますので、あらゆる方法を講じまして、又当時の関係責任者等の御協力を得まして、実体をでき得る限り正確に把握するという作業をいたしておるのでございますが、それに必要な予算的な要求をいたしております。又勿論予算に拘わりなく事務的に可能な範囲ではすでに着手しております。
 次にこの問題について難関となりますのは、例の困窮者無差別待遇の原則を常にこれに結びつけて論ぜられるという点であります。この点についてはもう我々事務当局といたしましては、これは困窮者の救済的措置ではない、債権債務の決済である、ただ関係者が事実上困窮しておられる向きが多いので、債権債務だからというて長引かれては困るので、困窮した実情に應じてこの問題の決済をできるだけ至急にしたいのであるという立場を取つているわけであります。ただ最近、先程も大藏省の方から御説明があつた外貨を政府が買上げるという新らしい事態の発展がありまして、この点は引揚者の方面から見ますれば、たまたまそのような外貨を持つて帰つて來た人が円を以て支拂われるということになりまして、こういう措置は從來の無差別待遇という原則から見て尚且つ許されるのであれば、この公館借上金問題も敢えて無差別待遇の原則に突き当るというような点は、一應解消し得るのではないかという見解を取つております。
 更に財源の問題が常に論じられるのでございまするが、これは九原則もございまして、なかなか強い制約になると思いまするが、これは何らか実際的な、最も現状下に妥当な方法で借上金問題をこの際処理したいという方針で、目下は具体案としては最も実際的な解決方法を考えている次第であります。尚このような具体案を以てそれぞれの從來の難関に処するというのが、現在におけるこの問題の解決の段階にあると考えているのでありまするが、このような前例が外の國にはなかつたかという点をその後研究いたしましたが、たまたまアメリカにおきまして、フイリツピンの米國將兵並びに米國市民の戰時中における救済問題がありまして、誠にこの在外公館と日本人会等が行なつたとほぼ同様な実情にあることが発見されました。而もそのようなことをした人に対しては、米國は法律を以てその請求権を認めるというように処置していることが分りましたので、これも只今具体案に附加いたしまして、この問題の難点を一挙に乗切るための強力な資料にしようと考えております。
 在外公館借上金問題の現状は事務的にはそのような段階にございますが、これをGHQとの交渉の点について申しますと、随時事務的なレベルでは折衝いたしておりましたが、この難関の指摘される点は同様でありまするので、この新らしい組閣のできた際を好機といたしまして、近く政府の責任者の方に前に申上げましたような具体的内容を持参して頂いて、高いレベルで一日も早くこれを解決するように折衝して頂こうと考えております。
#52
○岡元義人君 前のときは吉田さんも非常に忙しかつたようだから、委員会としても何も申上げませんでしたが、まあ今明日中に組閣も終ると思いますから、今度吉田総理に是非一遍この問題については交渉に当つて頂くという処置を外務省としても考えて頂きたい。
 それからもう一つの私の申上げたいことは、これは非常に北條君なんか神経質になつてこの問題をいつも言つておるのですが、又北條君のみならず我我もそう考えておるのですけれども、何とか今後は解決つかなければ收拾つかないというような空氣になつておるのです。國会としても打てるだけの手を打たなければならんと思うのですが、私がただ一つここに、万一正面からぶつかつて行けないという場合がありましたならば、まあ理屈は同じことになりますけれども、これの債券、例えば政府がこれに対する有價証券として取扱い得るような、そういうような一つの方法を考えて頂く。そうしますと、予算措置との関係において、経済九原則からこれに牴触しない方法で、借入金その他によつて解決つくんでないか。こういう方法も考えられますし、これを一案、二案というようなものを作成して頂いて、そうして何とかして解決つける。こういう方法で進んで貰つたらいいのでないかと思う。今の私の提案いたしました方法は、これは九原則から行きますならば、恐らくフアイナンスでいろいろ何かが出るのでないかと思われる節がありますから、どうぞ一つお含みの上、そういう案も考えた上で処置して頂いたならばいいのでないか。私の試案でありますが、申し上げます。
#53
○北條秀一君 只今の問題は、これはむしろ今日まで政府は金を借りた当事者であつて、借りた当事者が金を返すのは当り前であつて、返す金について文句はつけてくないというのが、政府の我々に対する言明でありましたので、從つて今岡元君が試案で申上げましたことは、先の第四國会において私の方から案を出したわけでありますが、そういう案を早急に各議院の方で纒めて、こういう方法を採つていいということを國会側が決定しなければ政府も動けないと思いますから、至急そういうふうにやつて頂きたいという考えです。
 小島課長にお伺いしたいのですが、記録が伴つた善意の借上金であるということが難点になつておるということですが、どういう意味で難点になつておるか。その問題の夙に解決しておるものと思つたのですが、今日又再びあなたから難点だと言われることは意外な感がするのですが、どういうわけなんですか。
#54
○説明員(小島太作君) この点は主として事務的なことになつておるのでございます。それで記録を以て裏付けられない場合には、これの解決に対して混乱が生ずるという点が、今から憂慮されておるのであります。勿論台帳もはつきりしておるし、関係引揚者の方が当時の証拠書類を内地まで持つておいでになれば、そういうものについては問題はないと思いますが、途中で台帳も紛失したり、或いは現に持つて帰られる途中に取上げられたというような方については、如何なる方法を以てこれを確認するかという意味の、事務的な困難を考えておるのであります。更に善意であつたかどうかというのは、そういうような証拠書類を紛失したという申立が、善意か悪意かという点にも絡んで参りましようし、更に一部に相当強くその見解が行われておりますところの在外公館に資金を提供したのは、内地へ帰つてそれだけ貰えるという一種の脱法送金を試みたんじやないかという点がございまして、これはその点から善意を疑われることもあり得る。これに対して如何なる具体策を講ずべきであるかという点で、尚且つ若干これに対しては考慮は拂わなければならないと考えておるのであります。
#55
○北條秀一君 記録に裏付けられた云云の点については、私は分りましたが、現実の問題としては、これらの借上金の問題、或いは救済金の問題につきましては、十合な記録を持つておるから心配ないと思う。そこで、今第二の問題の善意であつたかどうかという問題は、これはこういう点について外務省としては考えて頂きたいと思います。それは非常に多額の金が公館に預けられた。併し若しその金が不正に使われた場合ならば、使うべきところに使わずして、使うべかざるところに使つて、或いは在外公館でも不必要なところに借上げたのだという場合には、それは明らかに動機からして、又結果からして、脱法送金になると思うのであります。併しながら在外公館において絶対に必要であつたという金、その金がなければ在外公館員が飯も食えなかつたし、或いは在外同胞も救済できなかつた。即ち預けられた金が絶対に必要な金であり、用途が正しく用いられたという場合には、絶対に脱法行爲にならない。そういう確信を外務省は持つて頂きたい。今のお話を聽いておりますと、そういうふうにお考えになつていないようでありますけれども、これがこの金の中心の生命ですよ。そう考えて頂きたい。
#56
○穗積眞六郎君 只今北條議員は、記録を伴なう点については記録はあるのでと言われましたが、これは北鮮地方並びに滿州の奥の方にはあると思いますが、その仕事に当つて人が、その記録を持つて來るときに途中で没收されるということが随分あつたと思います。その点についての確認方法はこれはやはり考えて頂く必要があると思います。
#57
○岡元義人君 今小島課長からいろいろお話がありましたが、成る程それは業務処理の上から行くならば、いろいろな問題にぶつかつて來ると思うのであります。併しながら、それは第二の段階として又檢討の余地がある。それから北條君が言つた、要するに脱法行爲であるというようなことは、これは一應不正送金の手段としては全体が不正送金の手段としても考えられるわけでありますが、併し裏から見れば、それがなければ実際の難民の救済ができなかつたというようなことも考えられるのであつて、まあ殊更に取上げてどれが脱法行爲であるというような、そういう抽象論はこの際止めて、とかにく政府としてはこの金を解決つけて、いわゆる内輪におけるものは一應段階として纒つたのだから、ただ一つの関所にぶつかつているのだから、その関所を通過させるということだけに一つ全力を傾注して頂き、第二の段階において、それが終つた後において今度は業務処置としての問題については、尚檢討すればいいのであります。勿論交渉の段階において、そういう小さい問題まで言うから言つて來るかも知れませんが、それは小島課長は骨は折れるでしようけれども、或る程度の筋道を立てて、とにかく最後の難関を突破するということに全力を傾注すべきでないか。内輪の問題はその後でいいという工合に私は考えるのですが、その点それでいけないのだというならば、一つおつしやつて頂きたいと思います。
#58
○説明員(小島太作君) 只今御意見のございましたように、どちらかと言えば、善意の借金で記録が伴つているかどうかという点はむしろ事務的な問題でありまして、主たる点は無差別待遇の点と財源にあると判断しております。ただ從來の交渉の経緯において、善意の問題と記録の伴う問題と、その他の一つの項目が指摘されておりまするので、これを並列的に申上げましたが、技術的な面は、根本の難点が解決すればおのずからこれに対処する途が見出されると考えておりまして、最も難関と目せられる点について、十分なるこちらの見解を固めまして、極く近い機会に高い段階で折衝して頂きたいと專ら考えております。
#59
○千田正君 只今の岡元委員の御発言に対して小島課長からの答も分りましたが、どこまでもこの問題はやはり善意という問題を根本にして考えて行かなければいけないということを我々は要求するのであります。若し仮にそれが悪意であつたとするならば、それはあなた方が、その当時の政府の責任者が出先の官憲に対して悪意であるものを受入れたという責任は、その当時の政府であり、引続き現在の公務員も責任を負わなければならん。どこまでもモラルを中心にした問題として、これはどこまでも善意であるというふうに主張してよろしいのではないかと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)その点について一つあなたの御意見を伺いたいと思います。
#60
○穗積眞六郎君 この点については前の委員会で和島局長のお話を承わりましたときに、関係当局の方で、これはそういうような凍結令の違反になるのじやないかという疑いがあつたが、説明した結果、さつき言われたようなちやんとした証拠のあるものであれば、これは政府の借上金として認める。この点了解はついている。こういうように伺つておる、ただ内容については、先程おつしやつた通り、その裏付けのできる証拠品というような事務的な問題にはまだあれがあるかも知れませんが、根本問題についてはそういうふうにすでに向うも了解したと伺つていたのですが、そうではないのですか。
#61
○説明員(小島太作君) その点はその通りでございまして、記録の伴う善意の借金ならという條件付でございます。從つて政府側としましては、それを立証することが一つ残つているわけでございます。そのためにこちらが確かに善意で記録の伴つているものであるといつて出せば、その点は満足すべき状況にあると考えております。そのために所要の予算を要求しておる次第であります。
#62
○北條秀一君 この問題は更に僕らは先の我々の研究を引続きまして具体的に研究しなくちやなりませんので、今日の本問題についての討議はこれで打切りまして議事を進行するようにして頂きたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#63
○委員長(紅露みつ君) それでは外務省からこの組閣のこういう機会に早急に解決のつくように総理に御交渉頂く、それで委員会としては後刻又御懇談をいたしまして、どういう方法をとりますか、お決めしたいと思いますが、それではこれにて一應休憩いたしまして、いつからにいたしましようか。
#64
○北條秀一君 政府委員、政府の説明員との関係がありますから、政府側の方の時間の都合を聞いて、それで休憩しなければ困ると思います。
#65
○委員長(紅露みつ君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#66
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて下さい。それでは午前中の委員会はこれで休憩いたしまして一時から再開することにいたしたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#67
○委員長(紅露みつ君) それではそういうことにいたします。
   午後零時十分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時三分開会
#68
○委員長(紅露みつ君) それでは午前中に引続いて委員会を再開いたします。
#69
○岡元義人君 先ず案件になつております特別未帰還者給與法の改正法案につきまして木田課長にお願い申上げておきたいと思いますが、と同時に今度地方を廻つてみますと、特別未帰還者給與法の趣旨の徹底がどうもうまく行つていない、これは非常に努力はされているようですが、その点につきまして第一番に処置して頂きたいことがある。それは地方自治体の中で厚生課なり或いは援護課、そういうところで取扱うわけですが、実際の資料を把握するのには、從來の世話課でなければ十分できない。ところが世話課と厚生課なり援護課との間が、どうもお互いに遠慮しがちな点があつて実質的に効果が上らないのじやないか。そこでこの点も官制の変更ということも十分考えて、当初において解決つけたいと思つたのですが、併しそこまで時間的の余裕がなかつたので行政処置によつてやるというままになつているわけですが、できたら地方の自治体の民生部長に対しまして、復員局世話課で一括してこの業務をやらせるというようなことをば、はつきり明確に示す、或いは厚生課なら厚生課が單独でやるということを明らかにしてやらなければ、從來の行掛りがありますから、そこにお互いに確執があるわけじやないが、お互いに遠慮しあつておるということから、結果が非常にまずいようですから、この点一つ至急処置をして頂きたい、これを一つお願いしたい。
 それからこれは懇談会においてやりたかつたのですが、委員会において先ず各委員に御了解を得たいのは、特別未帰還者給與法の立法に当りまして、時間的余裕がなかつたためにソヴイエト地区というここに文字が入つたわけであります。併しながら実際問題としては、地方におきまして中共地区に行つておる者、そういう者の家族が自分たちの方には、全然何も貰えない。ただソヴイエトへ行つておる人だけは貰つたということは、これは非常に末端におきましては余りにもはつきりして來ますので、却つて結果から面白くない。そこで少くとも厚生大臣が強制徴用或いは強制留用と認定し得るという者は、やはりこの特別未帰還者給與法の該当者であるという工合に持つて行くべきではなかろうか、こういう工合に考えますので、この点各同僚委員の御賛成を得ると同時に、援護廳としての御意見があつたならば承わつて置きたいと思います。
#70
○説明員(木田徹郎君) 只今岡元議員から御質疑がありまして、誠に有難く存ずる次第でございます。お話がございましたように、特別未帰還者給與法は、年末に際しまして我々は慌てまして事務を取扱いました関係上、適当な処置が行届かなかつたのです。最初から新聞、ラジオの利用を考えまして、新聞発表もしばしば行いましたし、ラジオでは二回程相当の時間を割いて貰いました以外に、余裕があるごとに引揚者の時間その他でそれぞれ絶えずこれをやつて貰うことにしたのでありますが、どうも対象者が少いため宣傳効果が上らないで心細く思つておりましたので、近く新聞廣告をやつて見たい、こう思つております。尚やつと地方市町村にまで配ります宣傳ビラができ上りましたので、数日のうちに各地に送ることができると思いますから、これによりまして相当宣傳効果が上るんじやないかというふうに考えております。
 尚帰還者の問題につきましてお話があつたのでありますが、これは私共も最初から考慮いたしまして、実はGHQの方と相談をいたしまして、現在の主管課は世話課がやれということに決まりましたので、本月の五日附の通牒を以ちまして、向うからの指令もありまして、世話課がやるんだというふうにはつきり決まつたのであります。尚世話課長の会議を十日程以前まで各地に亘つてやつて帰つたばかりでございますので、まだ地方で行届かない点があるかと思うのでありますが、やつと事務費も、まあ地方の要望に近いような額を大藏省の方で貰いましたので、経費を流すことになりましたから、一層宣傳に馬力が掛つて來るのではないかと思つております。
 次に第二点のソヴイエト地区だけに限らずに中共その他の方面にも拡げるというお話でございまして、この法律を委員のお力によりまして制定して頂きまして、誠に有難く存じておるものでございますが、やつて見ますというと、確かにお説の通り対象が限られておりまして、只今お話のような例も見えて來るようでございますので、我々といたしましても是非更に拡げたいというふうに考えております。ただ、さてこれを拡げます場合に如何ような限定を置くべきやということが非常に問題になると思うのであります。今厚生省の方で強制徴用とか抑留とかというふうに認定したものを対象にしたら、地域を限らずいいじやないかというお話もあつたのでありますが、ただこれをやりますというとすぐ起ります問題は、いわゆる留守宅から扶養手当をくれろということでありまして、御本人が帰つて來られたならばその状況は直ぐに判明するのであります。留守家族といたしますと果して強制的にしたのか、船便等が多少ありましても、御本人の都合等もあつて帰らないものか、ということが留守宅に判明いたさない場合が相当多い。と申しますのは、ソ連地区とは一部ではございましても手紙の通信が許されております。中共地帶は全くそれが断たれておりますために、その点の資料が掴めないのじやないかというふうに考えておるのでありまして、実は私共も苦慮いたしておる点であります。併しながら最初からこの事あるを予期いたしまして、昨年の暮から本年にかけまして中共地帶から帰りましたこれは少数者でございますが、すでに十人程度はこちらの方にもう一度足を運んで頂きまして、状況はどうであるか、如何ような人が如何ような状態であるか、何か中共地帶あたりにおります人を分類いたしましてある程度けじめの立つもの、何か分けられる基準の基になりますようなヒントを得たいと思いまして、先般來実は努力いたしておるような次第でございます。併しながらこれはただかような事務的な問題だけを申立てまして云々すべきことではないかとも存ずるのでありますが、我々といたしましても御趣旨には、と申しますより最初から岡元さんの提案理由の中にも、明瞭に他の地帶にも拡げるのだというふうに謳つておいでになりますので、これに縋りまして是非そのようなことに運ぶようにお願いしたいということで実は研究をいたしておるような次第でございまして、厚生省といたしまして、別に結論というところまでは出ておらないのでありますが、何らかはつきりした基準を御教示頂きまして、一日も早く中共その他の方面へ拡がりますようにお願いしたいと思つております。
#71
○岡元義人君 本月の五日附の通牒の写を、実は明日でも各議員が地方に出て参りますので、是非それに持たしてやれるように当委員会にお届け願いたい。
#72
○説明員(木田徹郎君) 承知いたしました。
#73
○岡元義人君 それから各議員の間にも勿論中央地区に枠を拡大するということについては、御異議がないと思いますので、木田課長の方に、至急お願いしたいことは、大体今までの終戰連絡事務なるものがどの程度までとられて來たか、これは外務省の所管になるわけですが、我々としてもまだしつかり把握しておらないのです。その点よく御連絡をとられた上で、法の精神といたしましてはできるだけ廣く氣の毒な人達に與えるというのが、飽くまで精神でありますから、その点を酌んで頂きまして、どの程度に人数が殖えて來るか分りませんが、中共地区いくら、強制徴用、強制留用されたと認められるものがこれだけは大体いるというところで一つ線を作つて頂きまして、それで大藏省とも御連繋の上、一つ至急資料を、実は関係方面とはすでに折衝をいたしまして或る程度までの了解を得て來てございますので、そちらの資料の出次第に当委員会で立法的処置をする、こういうことに運びたいと思いますから、御面倒ですが、資料の提出を要望いたして置きます。
#74
○北條秀一君 私はこの特別未帰還者給與法の制定される時には、丁度東北に出張しておりましたので、最後には参加できなかつたのですが、その出張する前に、特別未帰還者給與法というのは、ソヴイエト地区のみならず中共地区その他の地域にも適用されるものだというふうに理解して私は向うに参りました。ところが帰つて見ますと、ソヴイエト地区だけに限定されておるというので、どうしてこういうふうな不公平な結果を來したのかというふうに考えて、今日まで來ておるのでありまするが、只今岡元委員の御説明を聞きますと、年末匆々の際であつてこういうふうな立法になつたのだというお話でありましたが、年末匆々の際なら、むしろソヴイエト地区というふうな地域を制限しなくて、ああいうふうな余計な字句を入れないほうが却つて早かつたのだろうと思いますが、何かそこには特別な非常に沢山の予算が要る、從つてその予算では賄い切れないから、ソヴイエト地区だけに限定しようというふうに考えたのか、特にソヴイエト地区だけに限つたという理由がはつきりすれば、私はこの法律の改正については極めて簡單に筋が通つておると、こういうふうに考えます。その点について岡元委員の御意見を聞きたいと思います。
#75
○委員長(紅露みつ君) 速記をちよつと休んで下さい。
   〔速記中止〕
#76
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて。
#77
○北條秀一君 この特別未帰還者給與法の改正でありますが、先程私が質問しました点については事情が分りましたので、今日どうしてもこの特別未帰還者給與法の改正は、未帰還者に対する公平の原則からいいましても、是非これを改正しなくちやならんと考えるのであります。つきましてはどういうふうに改正するかという点につきましては、先程岡元議員からのお話もありましたが、私は自分の意思で外地に残留しておるという人だけを除外いたしまして、それ以外の人にはすべて方遍なく特別未帰還者給與法を適用させるということが合理的であると考えます。若しそうでなしに厚生大臣の認める未帰還者についてのみこの特別法令を適用するということになりますと、その厚生大臣の認可を得る手続というものが非常に煩瑣になります。実際問題として末端までこの法令の精神が浸透し、法令が実施されるということが極めて困難であるという現状であると考えますので、そこで私が考えますのは、先程申上げましたような改正にどうしてもこれを持つて行くべきであるというのが結論であります。
#78
○岡元義人君 まあ立法に対します御意見は別に懇談会等においても十分檢討すべきであると考えますが、ただ今の北條委員の説によりますと、果して自分の意思によつて残るという判定は一体どこでするかという点が、大きな問題になつて來るのであります。そういうようなことになりますと、今の北條委員の主張をば法案に盛つた場合におきましては、皆なが帰つて來てから初めてこの給與が支給できるのだと、こういう結論になるのじやないのかと考えられますが、それよりもむしろこの法の狙いは人困つておる留守家族に、給與を早く支給するというのが狙いなんです。それには何らかここに便法を設けなければいけないのじやないか。こういう考え方から厚生大臣が強制徴用、或いは強制留用と諸般の状況から調査して認定したと、こういうふうに取つた方がいいのじやなかろうかと考えております。
#79
○北條秀一君 その点は同じことなんです。結局法の適用を受けるという人の方が多いのであります。適用を受けないという人が少いのですから、その少い方を厚生大臣が認定した方がよりこの法律を全面的に活かすのに都合がいいという点なんです。それでお分りになつて頂けると思うのですが、要するにこういうことです。岡元議員の言う意見は厚生大臣が強制留用だと認めた人にはこの法律を適用するということになりますると、それはもう非常に、まあ未帰還者について全部それをやらなくちやいかんわけですけれども、私が言うのは、全部を、一應未帰還者給與法を全部適用するという建前で、特にその中で例えば上海の三百人であるとか、或いは山西省の千人であるとか、そういうふうな人は自己の意思によつて残つておるんだというふうに推定し得る資料がありますから、そういう人たちは比較的数が少いのですから、そういう数の少い方だけを厚生大臣がこれは適用しないといつて除外するということが、僕はこの法律の精神を実際問題として活かし得ると、こういう考えなんです。ちよつと速記を止めてもらいましよう。
#80
○委員長(紅露みつ君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#81
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて下さい。
#82
○岡元義人君 今の北條委員の御説明では実際問題にぶつかつた場合に私は非常に困難だと思うのです。というのは、私が申上げたのは、たとえ対象がどのような状態にあろうとも、これをばすつかり把握するということは困難だ、それよりもむしろ重点を内地においてある家族の実際の状況に重点をおいて行く。で、厚生大臣が認定する。それはたとえ誤つておろうとも諸般の状況を聞いた上で、それはそういう工合に認定せざるを得ないと、こういうことになれば、全部がこの給與法の対象者になつて行くんだ。若し北條君の説を取るといたしますならば、この法案の中に盛る場合においては、嚴然と地区を入れなければならなくなるのじやないか。地区を入れるということが果して妥当であるか、妥当でないかということよりも、むしろあなたの本当の狙いであるところの大きく抱いて行こうというならば、むしろそういう私の提案した方法がいいのじやないかということを考えるわけです。
#83
○北條秀一君 それは米ソの協定によりまして、ソヴイエトに抑留されておる人達を日本に還す、但し自由意思によつてソヴイエトに残る人はこれは別だ、こういう協定があるわけです。その協定にもありますように結局残る人の方が少いわけです。自由意思によつて残る人の方が少ないわけですから、その方を私は厚生大臣が認定する方がより法律の精神を生かせるというような……。たとえて言いますと十のうち八はこれが強制留用で、二は強制留用じやない、岡元委員との見解の差はその八の方を認定しろというので、私はそうでなしに二の方を認定しろ、二の方が事務的にいつても、現在の行政の運営の点からいいましても、その方が遥かに実際に適するというふうには私は考えるわけです。
#84
○岡元義人君 まあ一應打切りたいのですが、行政措置の面から今二つの案が出ておるわけですが、参考に援護廳の意見を一つ述べて下さい。
#85
○説明員(木田徹郎君) 私共は最初から未復員者給與法と同樣なものを、未復員者同樣の待遇によつて一般邦人に適用するということであつたと思います。これは先程岡元委員の伺つたことでありますが、関係方面の方ではこの特別未帰還者の名前を挙げる場合には、皆特別軍属というような名前をつけてこの網を拡げるのでなく、特別、いわゆる未復員者と同一の待遇を受けた者に限るという話もあつて、実は特別という字をつけるということになつたと承わつたのでありますが、さて未復員者と同樣の待遇を受けて同樣の実情で、その場所で同じ目に会つておつたということの限定は、実はそういうふうに書いてもいいのでありますが、実際にどういうふうに認定して行くべきかということになりますと、可なりむずかしい問題になつて來るのじやないか。最初からもつと網を拡げてこの線がとれてしまへばいいじやないかとも思いまするが、やはり全体の線がそうじやないかというふうに考えられる筋があるように存ぜられますので、或る程度認定しないというとこれは困難になるのじやないかというふうに私は考えます。
#86
○穗積眞六郎君 ちよつと今の或る程度限定というのはどういうところに限定があるのでしようか。意味が二つに取れるのでありますが……。
#87
○説明員(木田徹郎君) ただの一般邦人が還るのが遅れたからという人に、いわばこれに準じた待遇を與えるということは不合理になつて來る。特別に家に還つて來ない人に、曾て軍人軍属であつた者は未復員者給與法でやる。それに準ずべき者であるから準ずべき者である限り、一般邦人であつても貰えるのじやないかということが、この法律の改正の趣旨にやはり元にどうしても流れていると思われますが、或る程度の限定を加えて而もできるだけそれを拡げるというふうな趣旨の行き方が、この改正に当つてはやはり考えらるべき点じやないかというふうに私は考えます。
#88
○委員長(紅露みつ君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#89
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて下さい。
#90
○岡元義人君 木田課長には、いずれにしてもあなたの方でそういう精神が分つておりますから、その線に沿つた資料を二、三日中に提出して頂くように重ねてお願いして置きます。
 それから次の問題に進行して頂きたいと思います。
#91
○委員長(紅露みつ君) それでは第二の生業資金の問題を提供いたします。
#92
○岡元義人君 岡田課長が見えておりますから、第四國会以來の、その後の経過について御説明が願いたいのですが、と同時にこちらから要望したいことは、第五次の放出金額について、どのような手をお打ちになつていられるか、それから期日それから新年度の予算措置としての考え方、それから見込、そういうものについて……。それから尚今までの経過報告の中で、特に知らして頂きたいのは金額の引上げという点であります。この点についてどういう工合になつたか説明を願いたい。それから生業資金の今後の運営方法について、特に利率関係をどういう工合に考えておられるか、それから追加貸付の問題が、委員会において再三取上げられて來たのですが、それをどういう工合にお決めになつたか、それからもう一つ、今のところ金融会社なり復金の特融制度が棚上げの形になつておりますので、一般の引揚者だけではなく、遺家族だとか、復員者、留守家族、こういうようなものに対しての生業資金の制度が十分に宣傳されていないということをば地方で見るのですが、こういう点についてどういう工合に岡田課長はお考えになつておられるか、以上の点について岡田課長には、外にまだいろいろ議案がありますので、できるだけ簡單に一つお答えを願いたいと思います。
#93
○説明員(岡田好一君) それでは簡單にお答え申上げます。
 先ず第一番の御質問の点の経過について大体のことを申上げて見たいと思います。第三次の生業資金の國庫補助額は、例の二十二年度から二十三年度に亘つて参りました繋ぎ資金の一億五千万円と、それから二十三年度の当初予算で取りました五億と合せまして六億五千万円を、いわゆる第三次の生業資金の貸付資金といたしまして、予算執行の運営に当つて参つたわけであります。從いまして現在までに各府縣に、この予算額の範囲内におきまして、私共の方で一應各府縣の貸付目標額として指示をいたしておりますのが六億一千八百万円で、これを本年度の貸付目標額としてあるわけです。從いまして予算の六億五千万円と、この現在までに内示いたしておりまする目標額の六億一千八百万円の差額は、今後の貸付目標額の増減の運営資金として留め置いておるようなわけです。從いまして今一應内示いたしておりまする六億一千八百万円の貸付目標額に対しまして、本年度どういうふうに流したかと申しますと、第一回に一億五千万円、第二回に九千六百万円、第三回に一億五千三百万円、第四回に一億五千万円、差引目標額に対しては六千八百万円が一應第五回目の交付額として残つておるわけでありますが、留め置きがありますから、それを加えますと、簡單に申しますと一億まだ残つておるというわけです。大体資金の送付状況はさような状況になつておりまして、このあとの一億が只今こつちの方で操作をいたしまして、今日全部の仕上りをいたしましたので、内部的な伺いをしておるようなわけであります。尚資金がそれだけ参つておるのに対しまして、一体どのくらい使われておるかという点を申上げますと、二十三年の十二月末日現在の調査でありますが、貸付状況は第一次、第二次、第三次、全部の目標額を入れまして二十二億八千五百万円が生業資金のための目標額としての最初からの分であります。この二十二億八千五百万円のうち、貸付資金として放出をしたものが二十二億一千三百万円、そのうちで実際にこの十二月末日現在までに実際貸付けられたものを調べて見ますると、十九億九千万円であります。從いまして貸付未済額が十二月末日現在で二億二千一百万円の貸付未済額を生じておるのでありますが、この二億二千一百万円の中には、先程申しました第四次の……、一番最後の一億五千万円の操金がこの中に入つておりますので、かような結果になつておるわけでありまして、十二月末現在では第四回目の一億五千万円はまだ消化をされていないわけでありますから、こういうふうな額になつております。で若しこれを仮に一億五千万円を差引きますと、二億二千一千万円から一億五千万円を差引きますと、後は僅かに七千万円程度でございまして、殆んど第三回目までの生業資金は消化ができておるという結論に一應なつておるわけであります。こういう状態でありまするけれども、私の方で調べております何によりますと、大体貸付申込額は二十八億程度になつておるように記憶いたしておりますが、二十八億の貸付申込額の中で僅かに本年度の五億円程度操作されているというようなことで、生業資金の実際面におきまする運営につきましては尚相当遺憾の点のあることも十分認めておりますし、又御希望に副うこともむずかしい点もありますので、少くとも二十四年度あたりにおきましては予算の小額なために未だに希望の達しられない申込者の方々に対し、或いは又新規の申込者に対してできるだけの御要望に副うように、少くとも二十四年度では或る程度の措置をいたしたいと存じまして、予算の要求も過去のもの、尚今後のもの、こういつたものも合せましてその計算をいたしまして、総金額の要求をいたしておるようなわけであります。
 大体以上が経過の概要でありますが、御質問の中に新年度の要求をどうしておるかというような御質問もありましたので、関連性もありますので、次に新年度の只今私共の要求いたしておりまする事務当局案を御説明申上げたいと思います。
 大体二十四年度はそういうようなことで一應総浚いをいたしまして、すでに引揚げておられる方、それから今後引揚げて來られる方全部を対象といたしまして、その全体の引揚者の方々が一体どのくらい生業資金を必要とするかという從來の実績を勘案いたしまして、パーセンテージを掛けまして、そうして出したのでありますが、引揚者の方だけに考えて見ますと、引揚者の総数が大体二十三年度の七月末日現在で一應資料を取つておりますが、世帶といたしまして百二十六万二千世帶であります。それから今後引揚げて参ります者が五万二千百八十六世帶で、合計いたしまして百三十一万四千、小さく申しますと百三十一万四千八百三十六世帶でありますが、これは全引揚者総世帶数というわけであります。
 これに対しまして從來の実績を掛けましたものが、大体この予算数字といたしましては五十二万五千九百二十四世帶というものを一應推定いたしたのであります。
 大体生業資金は御承知の通り引揚者の方が現在のところ八十二%を利用なすつておられますので、今の五十二万五千九百三十四世帶と申しますのは、これは引揚者の数でありまするが、これを從來の実績の八十二%の利用率から逆算いたしますと、一般困窮者を含めますと、六十五万七千四百十五世帶というのが結局生業資金の対象になるということにいたしております。計算で行きますと、今の五十二万五千九百三十四世帶を〇・八で割つて貰えば逆算で出て來るわけでありますが、六十五万七千四百十五世帶、それから本年度におきます予算処置をいたしたものの数字を差引きまして、要するに今後貸付を要する世帶が幾らかということを出したわけでありますが、本年度は要するにこの生業資金が始まつて以來対象になりまする借受けた実帶が幾らということの何を出したわけでありますが、それが大体四十五万二百五十六世帶、これを差引きますと、二十万七千百五十九世帶というのが今日全体の四〇%の実績を見た場合に、これだけをどうしても措置しなければならんという、いわゆる今後貸付を要する世帶というものが出て参つたわけであります。これに対しまして、限度の引上げが、後程御説明申上げたいと思うのでありますが、一万円に限度を引上げました場合に、現在の七千円の場合が、平均で参りますと、五千九百二十一円というのが大体の実績平均率になつております。限度は七千円でありますが、中には七千円より少いのもあるわけでありまして、平均いたしますと、五千九百二十一円、若し仮に一万円になりました場合には、その平均單價が幾らになるかということを逆算いたして見ますると、九千七百二十円という平均値が出て参るのであります。その九千七百二十円の平均値を今申上げました要貸付世帶の二十万七千に引つ掛けますと、大体貸付所要額は二十億千三百五十八万五千四百八十円という数になる。一應所要額はこうなるのでありまするけれども、昨年も本委員会で大分御意見もありまして、私共も苦しい答弁を申上げたのでありますが、それに対しまして緊急率というものを見まして、それに約六〇%ばかり見ておるのでありますが、それを見ました結果が、一應十二億八百十五万一千二百八十一円、これだけを一應必要額といたしまして、事務当局案として今出しておるわけであります。この六〇%を掛けましたことは、從來の生業資金の全体的な予算に占むる割合とか、或いは財政状態等を考慮いたしまして、結局事務当局といたしましては、そのうち少くともこの程度のものは万どうしても避けることができないのだというような一つの何と言いますか、査定の多少の手心を加えて、良心的な財務当局との折衝に多少の折衝技術を残したわけであります。大体申上げましたように、昨年十何億の予算を要求いたしました結果、五億ということに相成つております。本年のこの十二億の事務当局案に対しまして、財務当局が如何ような査定案を示して参りますか、この二十四五日頃に内示のあるように聞き及んでおるのであります。できるだけ國家財政の不如意のときでありますけれども、生業資金それ自体の必要性から考えて見ましても、又過日の対策審議会のときに決議になりました生業資金の活用の面におきましても、それぞれ内閣総理大臣に対して、強力な要請の報告もあつたのでありますので、十分、できるだけの範囲内で一つ御希望に副うようにしたいと、こういうふうに当面痛感いたしており、決意いたしておるようなわけであります。大体新年度の要求予算の内容は、数字的に細かくなりましたけれども、以上のような次第であります。
 それから第五次の分はどうなつているかというお話でありますが、第五次は先程ちよつと触れましたように、本日それぞれ内部の伺いを立てまして、執行することになりますので、ここ一週間もいたしますれば、もう現地に届くようにいたしたいというふうにいたしておるのです。大体第五次は今申しましたように、留め置き額もありますので、この際第五次は一番最後でございますので、総浚いの予算の執行をいたさなければならんというような関係がありますので、從來の貸付未済額の相当多額に上つておりまするところは、この際目標額を減額するという措置に出ております。それから尚從來の目標額がどうしても足りないというような申請があります向きに対しましては、留め置き額と尚且つ目標額を減額いたしました余剩金とを充てまして、目標額の細部的な修正増額もいたしたいというふうにいたしております。詳細に各方面から檢討し得る資料を総合的に一應取纒めまして、多角的な線からこれを見直しまして、一應是正をいたすようにいたしましたので、恐らく第五次の分は、從來とかくの御意見もございましたようでありまするが一應これで從來の御意見等も参酌いたしまして、本年度の公平な是正をいたしたいというふうに措置いたしております。
 それから問題は、今の十二月末でさような一億五千というのが一應只今ズレておりますし、今回一億出しますと、まあ二億五千がずつとズレて來るわけでありまするが、場合によりますと、私共が縣念いたしておりますのは、四、五、六の予算立までの間の繋ぎというものがどうなるだろうかということを、まあ極力恐れておるのであります。この点はまあ一應予算は、四月からの予算を要求いたしておりますので、或いは予算の審議の結果が長引くというようなことになりますと、問題が又複雑になつて來るわけです。その点は又委員会の方でも一つ御協力して頂いて、その間の予算執行の支障を來たさないように、勿論私共も努めますけれども、御協力をお願いしたいと思つております。
 それからその次の限度の引上でございますが、これは非常に遅れまして申訳ないと存じております。その後の経過を申上げたいのでございますが、ちよつと速記を……。
#94
○委員長(紅露みつ君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#95
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて。
#96
○説明員(岡田好一君) 國内の消費面についての企業というものについては、相当引揚者の方の企業面も残されるんじやないかというようなことも考えまして、生業資金の二十四年度の組み方としては、相当指導方針を変えて行かなければならん。從つてまあ私共も経済の面については素人でございますので、最近―――今月中に、財界関係、それから政府関係、或いは又特別委員会の委員の代表の方にお出ましを願つて、一應この経済九原則から來る今後の経済の変動に伴つて、どういうふうな方向にこの引揚生業資金を利用することによつて企業面を持つて行くかということについて一つ根本的に検討をして見ようということで只今案を立てておるようなわけであります。そういうわけで、從いましてその面が大体或る程度の結論を得ますれば、それに即應したような行き方を全般的に考えて行かなければならん。そうなつて参りますと、從來の強化要綱によりまする取扱手続等も合せて改善する必要があれば改善して行かなければならんのじやないかというふうに大略的に考えて今進んでおるようなわけであります。
 それからその次は追加貸付の点について御質問があつたわけでありますが、追加貸付は現在の取扱要綱によりますと、縣全体の償還が七〇%以上を超えた場合には、その超えた金額について追加貸付ができるような方法をいたしておるのでありまするが、如何せん現在のところは償還率は非常に思う程の償還率を示しておらないのであります。大体第一次で全國的にこの償還の率を見ますと、第一次が四九・八%第二次分が四二・七%、それから第三次分が六三・三%、こういうふうな償還の成績であります。從つて追加貸付制度というものは、勿論これは全國平均でありまするけれども、個々の縣になりますると、勿論七〇%を超えておる縣もあるわけであります。從つて全般的な制度としては余り活用ができないという結果になつておるわけであります。そこで私共といたしましとも、元々最初に本委員会に御説明申上げましたように、これは一つの再貸付の橋頭堡を築いたというふうに御説明申上げて、從つてこの橋頭堡がありまして防備が役に立たないといたしますれば、更にこの橋頭堡の増強ということも考えて行かなければならんというようなことからいたしまして、かねがね再貸付制度の思い切つた再貸付制度を考えて見るべきじやないかというようなことで計画を進めておつたのでありますが、先般の対策審議会で生業資金の短期の再貸付制度が決議になつた。大体これは年間貸付目標額は五億円程度といたしまして、この資金を財政支出又は生業資金の償還、元金の運用によつてこれを再貸付して行こう。ですから追加貸付制度は全然改めてしまいまして、そういうことは全然頭に考慮せずに、要するに還つて來た、償還されて來た額は一應これをもう一遍運轉さして貰おう。大体私共考えておりますのが二十四年度、即ち本年度の八月までに還つて來ました額は殆んど代理店側の方へ還しておりますので、政府へは殆んど收入になつておりません。恐らく政府へ償還金が入つて参りますのは二十三年の九月以降償還されたものが結局政府に還つて來るということになるわけでありますが、來年はそういうふうな関係で、一年四月からの分は殆んどもう政府へ還つておる。これで計算いたしますると、大体來年二億五、六千万円、約三億近いものが一應政府の方へ償還されて來るんじやないか、そうなりますれば、その償還金を一つ廻さして頂いて、それでそれを再貸付資金として必要な者に貸して行くというようなことに再貸付資金の捻出を考える、場合によればそれでも尚足りない場合は、少くとも財政支出も合せて考えるというようなことで、この対策審議会で御要望があり、決議になつた。この点につきましては実際の事務を取扱つておりまする私共の考え方とほぼ一致いたしておりますので、総理大臣から私共の方へこの決議案が廻つて参りまするならば、早速財政当局とも話合いを進めたいというふうに考えております。ただこの再貸付につきましては、どの程度の運轉資金を必要とするかという一世帶当りの貸付金額でありますが、対策審議では大体一万円以内というような條件になつております。それから利息も大体年一割、それから貸付期限は一ケ年であります。但し再貸付を妨げない。それからこの際担保は取る、こういうことで短期資金の再貸付というようなことについての決議に対しましては、私共も十分尊重いたしまして、決議になりました内容の実現に努力したいというふうに考えております。
 それからその次の一般困窮者に対する生業資金等の関係でありますが、問題はこの生業資金の予算の総額というものは、先程申しましたような予想通りの金額というものが予算上確保されておらん関係上、とにかく一番お困りになる引揚者の方達の方に重点的に利用されて行くというような形になつておるのであります。從つて一般困窮者の方に利用されておりますのは、僅かに一七・八%の程度になつておりますが、考えて見ますと生業資金は起ち上りの資金でもありますし、稼働能力が多少でも残存していなければならんというような点が大きく反映して参る、從つて労働能力の余りないような一般の困窮者につきましては、これは御承知の生活保護法の生業補助というようなものがありますので、その方で現実には処理されておるのですが、こちらの方の生業資金の方は償還というものが原則として伴いますし、それに稼働能力というものも合せてプラスされるわけでありますので、只今のところでは結局引揚者の方々に重点的にこれを御利用願つて、一般の困窮者の方々の需要が少いというのは、実状がさような実状でありますので、止むを得んのじやないかというふうに考えております。大体御質問の点は以上でお答えいたします。
#97
○北條秀一君 只今の岡田指導課長の詳細な御説明を聽いて感謝するものでありますが、その説明の中に、最近傳うるところによりますと、生業資金の來年度の貸付利率を引上げるというお話があるわけでありますが、その貸付利率の引上げにつきましては、経済情勢に鑑みて或る程度は止むを得ないかと私個人は考えておりますが、生業資金の本質に鑑みまして、利率を引上げるとしても、これは最低限度にしなくちやならんということは言うまでもありませんし、対策審議会が再貸付の利率を一割という要求をしておられるようでありますが、この昭和二十四年度の生業資金の貸付利率の引上げについてどういうように考えておられますか。
#98
○説明員(岡田好一君) 生業資金の貸付利率につきましては、只今お話にありましたように、元々生業資金というものが接護的な性格を多分に持つておるというようなことから発足いたしております点から鑑みまして、利率を引上げるということは余程これは考えなければならんと思うのでありますが、ところが一面又援護的な性格を持つておるから、とにかく利率をそのままに継続するという点から、いろいろ償還の面から考えて参りますと、比較的この利率が安いために、むしろこれを償還しないで、或いは高利の方へ廻すとか、或いは又高利の借入金の返済に当てるといつたようなことが、一部操作されているというようなことが償還の遅延を來しておる理由にもなつておるということも現場の代理店、その他で私ども耳にいたしておるが、いろいろな点から考えてみまして、援護的な性格のものでありまするけれども、やはり経済事情その他を合せまして、多少の利率の引上げをしなきやならんのではないか、と申しますことは、今のような償還を促進する面と、それからもう一つは御承知の、生業資金のために庶民金庫に事務費を拂つておるが、二十三年度の庶民金庫の事務費を大体私取纒めたところによりますと、約六千万円の事務費を必要とするわけであります。六千万円の事務費というものは、元々上つて参ります利息を計算した筈になつておつたのであります。六千万円からの事務費になりますと、償還も思わしくないために、現在償還されている利息では、尚且相当額の不足額を來たします。それだけは結局元金へ繰込んで行くという……。そこで勿論政府も支出をいたしたものでありますし、元々援護的な資金でもありますので、元金へ足がつくかそれなら、すぐ利子を上げるという理由にも表面の理由にはならんと思いますけれども、そういつたようないろいろな点がありますし、外の國庫債券にいたしましても、或いは各地方銀行の何にいたしましても、亦庶民金庫自体の利息にいたしましても、皆引掛つておる。そこでもうこれは本当の内々の何ですけれども、私どもといたしましては、八分程度にまで上がつたらどうであろうか、現在六分でございますから、もう二分程度何して、八分程度ではどうだろうかということを、事務的には一應考えておりますけれども、これは又財務当局関係とも御相談もしなければなりませんし、いずれ庶民金庫の方へ拂つてやらなければなりません。いろいろ事務費の損失負担の審議の際に、これは財務当局と、相当問題になるだろうと思う。ということを、かねがね考えておるわけであります。ただ、今のお話のように元々援護的な性格を持つておりますし、且又借受けられた引揚者の方の実情を見ますと、事業も十分思わしく行つていないために、現在の六分の利息でさえ拂えない。拂えないのにこれを上げれば一層拂えないというような、実際の状態だつたろうと思います。かれこれ考合せまして、如何ようにしたらよいかということで今悩んでおるわけですが、大体事務的な案ができますれば、改めて又本委員会へも事前に申上げて、同意を得た上で実施の運びに至りたいというふうに考えております。
#99
○北條秀一君 只今利息が安いために、生業資金の利用者が、償還すべき金を他に廻しておるのではないかということを言われましたが、或いはそういう向があるかも知れませんが、それと関連いたしまして、庶民金庫の地方の代理店が、代理店に到着した資金を、短期に、而も高利にこれを廻しておるという事実を我々聞いておるんですが、その点について……。
#100
○委員長(紅露みつ君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#101
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて……。
#102
○説明員(岡田好一君) 今監査いたしておるんです。監査の結果、大体今のお話のような点は、或る程度分ると思いますけれども、私の方では、そういうこともあり得るんじやないかというような予想の下に現在この代理店の方へ、私の方から資金を送りまして、貸し付けるまでに代理店で止まつております。勿論利息は取つておるわけであります。利子を取つておるわけであるが、つまり代理店が主になりまして、代理店のものでありますから、それが決定して本人に渡るまでの間、何ケ月か持つておれば、その持つておる期間だけ代理店の利息を庶民金庫に拂わなければならん。それが非常に安いので、それを一つうんと上げよう、うんと上げれば、代理店もそれを高い利息を拂つていつまでも持つておるわけにいきませんから、そういうことで一面利息收入を上げるということと、代理店の運用の操作を防ぐということで、この利息を引上げようという対策を今考えております。そういうことによつて、若し仮りにお話のような事実があるとすれば、今後は或る程度代理店を抑えなければならんと考えております。
#103
○北條秀一君 只今お話の通り最近監査されるということは非常に結構なことでありますけれども、監査の結果につきまして、代理店がそういうふうに引揚者に渡るべき資金を代理店のために他に流用するということのないように、利子の点も流用することのないように特に希望して置きます。
#104
○岡元義人君 今の北條委員の言われた問題はあるのです……。あるのですが、できるだけ……、一番いい方法は監査するとかなんとかじやなくて、それよりも……、利子の問題もこれもまあ一つの方法でしようが、最近いわゆる庶民金庫直接取扱いを殖やして、代理店扱いを少くしても解決つくと思うのです。そうしますと本店関係のものはどんどん出ておるのに、代理店関係のものが置いておくということは、当然周囲の状況から許されないと思う。こういう方法でもいいのじやないかと思います。続いて岡田課長にお伺いしたいのは、第五次の一億円、これは一円足らんが、一円足らん一億円ですが、この一億円はもうこれ以外には絶対に捻出の方法はないわけですか。私は例えば先程御説明があつたように、目標額の調節によつて多少浮かんで來る数字がありはしないか。それによつて第五次の枠をば決定できるのじやないか。それからもう一つこれは多分簡易になつておるかも分りませんが、償還額の運用ということは全然第五次には、利くか利かないか、その点一つ明らかにして頂きたい。それからもう一つはこれは質問の中で、今の御回答で私非常に満足を得られない点が一つあるのです。それは一般の引揚者を対象とした生業資金が、これはこれでも結構なんですが、行政措置としての今までとつて來られた予算措置等において、本年度引揚予定世帶数、こういうものを出しておられるのです。併しそれは本年度予定世帶数として出されたのですが、來年度もあるかも分らない。こういうことになるのですが、実際の生業資金の運用は、その働き手である者が帰つて來ない、なんとかしなければならん、食い繋ぎをしなければならんという留守家族というのは、総体的に僕は数字を出すべきじやないかと思う。予定じやなく、帰つて來る、いわゆる一般の引揚者、それからその働き手が帰つて來ないで実際日乾しになりかかつておる世帶というのがあるわけですね。そういうものがやはり予定世帶数の中に入ることになるのですが、入るならば……、併しながら今ここで出しておられる性質のものは大体私はできると思う。そういうものこそ別途の枠でもう一つ出せるのじやないか、例えば今年は残り少なになりましたから分りにくくなるのですが、例えば昨年ならば昨年に還りましたと考えた場合に、本年度の還つて來るのはこれだけの数字が還つて來る、來年度はこれだけと、こう区別しますが、その來年度今年度という区別なしに、実際に生業資金の必要な留守家族という世帶数がある筈だということになる。それはどこにも今まで考慮に入れられずに來たのだ。そうするとこういう人たちが一番生業資金が要るのじやないかということが考えられる。この点について岡田課長に伺つて見たいと思います。それから実際問題として、來年度のこの十二億という数字は、これは非常に問題だと思うのですが、この程度でこれが実際に、どつからもこれ以上に捻出の方法がないという、六〇%かけて、もうこれ以外にはどうしてもなかつたのか、その点一つ伺いたいのだが、何故かと申しますと、どうしても今度は限度を引上げるということになりますと、昨年の比率と非常にここに差ができて來ているわけなんです。この点どうも世帶数の、対象世帶数の計算から言つてもどうも飲み込めない金額が出ておるのですが、それからもう一つ、つなぎ資金の点で非常にブランクになることを御心配のようでしたが、これは先だつて補正予算の中の、あの予備費は厚生省の方では幾ら、四十億か予備費があるのですが、あれは厚生省は幾らお取りになつておるのか、その中から捻出の方法は絶対にないか、この点一つ伺つて置きたいと思います。それからちよつと速記を止めて。
#105
○委員長(紅露みつ君) 速記をやめて。
   〔速記中止〕
#106
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて。
#107
○岡元義人君 もう一点だけ合点の行かない点がありました。それはあなたの方の計画に追加貸付の短期債貸付が予定されて、計画の中に入つていると思うのですが、その追加貸付は十億円の金の中には、これとは関係なしになつておるのかどうか、その点をお伺いいたしたい。
#108
○説明員(岡田好一君) 御答弁いたします。一番最初のお話のありました生業資金本來の性格が、引揚者だけを対象とするものではなくて、つまり少くともその留守家族の方々、並びに遺家族の方々にその他一般生活困窮の方で、少くともこの資金によつてそれぞれの自力厚生ができる者を全部を対象としたものであることは間違いないわけでありまして、從いましてこの生業資金の行政的な取扱い、通牒その他を見ましても、一般生活困窮者に対する生業資金という名目になつておるわけであります。又関係方面へもさように説明いたしておるわけであります。從いまして今の予算基礎の人員から御説明申上げたところに依りますと、引揚者が主体となつておるように一應なつておるわけでありますが、御承知のように生業資金の現実の経過から申しますと、一應外部に対する建前といたしましては、現在の生業資金というものが一般生活困窮者を対象として行われておる。しかもその実績が引揚者が八二%であつて、その他が一〇何%使つておるのだ、從つて外部に対しましてはそういつた本則的な理論から押してみて、今の基礎数字になります引揚者数を基として、そうして逆算して参つておるわけでありますから、岡元議員のお話のような、表面的な解釈は引揚者だけでなくて、一般困窮者全部を見ておるという説明に私はなるのじやないかと思う。ただ計算基礎がどのウエイトを使つたかというだけに、一つ御了解を願つて置きたいと思つておるのですが。
#109
○岡元義人君 分りました。
#110
○説明員(岡田好一君) それから今の補正予算の点で、それから尚第五回の部は、今の一億の外にもう少し増すのではないかというお話、勿論一億は当然拂うべきものでありますし、それから目標額を増減いたしますと出ますから、現実問題として、目標額の減額プラス予算の残額というものが、プラスされて、第五回は運営されるわけであります。
#111
○岡元義人君 大体の金額は出ておりますか。
#112
○説明員(岡田好一君) 大体の金額は私資料を持ちませんでしたが……。
#113
○岡元義人君 三千か五千も來ませんか。
#114
○説明員(岡田好一君) 北海道が約二千万円、四五千万円あると思います。それがプラスされるわけでありますから、それから今のつなぎ資金の点、その他について例の厚正省補正予算の中でどうかというようなお話がございましたが、あの補正予算は生活保護法その他越冬対策等の追加予算で補正いたしたものでありまして、その方からの科目構成は、流用はちよつとなかなか困難じやないかと考えておるのであります。
 それから最後にお話のありました今の追加貸付でなくて、短期貸付の対策審議会の方の要望になつております短期貸付資金が、仮にこれを実現いたします場合に、財政支出をいたす必要がありますことになりますれば、この先程申しました十二億の中には入つておりませんから、改めて必要な額は財政支出のような追加予算で出るということになるだろうと思います。ただちよつと一つ速記を止めて私の……。
#115
○委員長(紅露みつ君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#116
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて。
#117
○岡元義人君 岡田課長に緊急にお願いしたいのは、議員がこの二十日過ぎに全國に出ますので、地方に参りますと、非常に質問が出まして、各議員因るのですが、大体の総体的な枠ですね、目標額の調整が若し早くとれるようでしたら、大体の見当をとつて、そうして各縣別の割当ができたら結構ですが、できなければ止むを得ませんから、大体の放出額はどのくらいの見当になるということは、議員が地方で言えるような資料が欲しいと思います。それから、今の世帶数を対象とする予算編成に対しての岡田課長の、それは岡田課長の方の立場から言われた言葉であつて、國会の方の立場としては、到底こういうような対象世帶数であつても、まだこれはちつとも満足していないのですから、この点は改めてあなたの方の考えと我々の考えとは非常に違うということを一つ考えて頂きたい。非常にうまくエスケープされちやつたんですが、まあ仕方がない。とにかく私が申上げたいのは、何とかあなたの方に少しでもいい拠点を作つて上げたい。それによつて、まあ汚い話だけれども、かじるようにして予算をとつてくつ付けたいというのが、僞わらざる私たちの氣持なんです。そこで、何か引つかけるものがあつたら何とかして引つかけようという氣持でおりますから、あなたの方でも一つそのつもりでお願いしたいと思います。
 それから、これは眞劍に岡田課長にお考え願いたいと思うのです。これは多分委員の中には、いろいろまだ十分檢討してありませんので、反対の意見を持つておられる議員があるかも分りませんが、併しながら、これは私の意見として聞いて頂いたいのですが、先ずあれだけ厖大な生活保護費の予算を毎年組んでおる。あの生活保護費というものに対して、この機会に部内におかれても十分再檢討を加える必要があるのではないか。この財源を浮ばすことができたら、むしろ私は生業方面に重点を移行して行くということが最も大事なことではないかと考えますので、その点いろいろ体験を持つておられる岡田課長あたりが、部内において一つ強硬な意見を出して頂いて、そうしてその線に持つて行かなければ、誠に惜しい財源だと思う。毎年々々、二十三年度で百二十億円という金額に達しておるわけですが、この調子で行くならば、二十四年度は百五十億円、百八十億円の財源を必要とするのではないか。こういう厖大な生活保護費というものが毎年々々死んで行く。それよりもむしろいわゆる厚生対策としては、生業資金的な性格を帶びた方面に一部を持つて行つて、そうして運用して行くということをお考えになれば、何もこの十億や十二億というこんな金で苦しまなくても、私は相当効率の挙る一つの運用ができるのではないかと考えますから、是非厚生省あたりの部内からこの問題を一つ持出して頂きたい。勿論関係方面に対しましても、國会として只今持出しております。非常に向うの方におきましても、御賛同を得ておる状態なんです。だから是非一つ部内においても御研究を願つて、そうして生業資金の方と結び付けた厚生対策を考えて頂きたい。
#118
○委員長(紅露みつ君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#119
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて。それでは委員会はこれで散会にいたします。
   午後三時四十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     紅露 みつ君
   理事
           岡元 義人君
           淺岡 信夫君
           鈴木 憲一君
   委員
           伊東 隆治君
           木内キヤウ君
           北條 秀一君
           穗積眞六郎君
           矢野 酉雄君
           千田  正君
  説明員
   外務事務官
   (管理局在外邦
   人課長)    小島 太作君
   大藏事務官
   (管理局管理課
   長)      前野 直定君
   厚生事務官
   (引揚援護廳指
   導課長)    岡田 好一君
   厚生事務官
   (引揚援護廳援
   護課長)    木田 徹郎君
ソース: 国立国会図書館
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