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1949/02/18 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第4号
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1949/02/18 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第4号

#1
第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第4号
昭和二十四年二月十八日(金曜日)
   午前十一時十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○入植問題に関する件
○國民金融公社に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(紅露みつ君) それでは、これから在外同胞引揚問題に関する特別委員会を開会いたします。
 本日は先ず入植の問題を議題に供したいと思います。
#3
○淺岡信夫君 全國開拓民自興会の満洲地区にありましての十四、五の團体の代表者の方のが、或いは曽つての開拓團長でありましたり、或いは開拓團の主腦部だつたり、又は実際に第一線に携わつておつた方々が國会に見えられまして、この將來の問題、今後の日本の建設の問題に対しまして、身を挺してやつて行くという点につきましての陳情がございますので、この陳情を代表者の方々から十分に当委員会は聽取いたしまして、この國会におきまして更に行政面におきまして、政府を叱咤したいというような点から、一應代表者の方々から陳情の趣旨を承よりたいと思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#4
○北條秀一君 政府委員が見えていますので、それぞれ席に著いて貰つて、そうして只今淺岡議員のお話の通り、開拓民自興会の諸君から陳情を聽くようにしたいと考えます。
#5
○委員長(紅露みつ君) それでは全國開拓民自興会の代表の方から、先ず陳情の趣旨を聽取いたしたいと存じます。説明員として安本の建設局長の高野氏がお見えになつております。ではお名前をどうぞ。
#6
○説明員(吉崎千秋君) 私は開拓民自興会の会長をやつております吉崎千秋と申します。今日非常に御多忙のところを、我々満州、シベリヤから引揚げて参りました開拓農民の入植に関しまして、特別の委員会をお開き頂きましたことについて心から感謝申上げます。
 一昨年來、本特別委員会の非常な御盡力、御援助によりまして、私たち満州引揚の開拓民は、唯一の自力厚生、並びに再建の方法と考えております國内開拓ということに挺身をして参つたのでございます。御存じのごとく二十五万人ばかり滿州に義勇隊、一般開拓團員が終戰当時おりまして、その半数が死亡並びに行方不明となつて、十二万人の者が今日引揚げて参りました。御承知の通りに滅茶々々になつて帰つて参りまして、傷ついた十三万人の者が國内閣拓によつて自力の厚生を図り、そうして微力ながら祖國の再建に盡したいと思つて自興会というものを作りまして、そうして今日までやつて参つたのでございます。只今まで入植をいたしましたものは二万二千戸ばかりでございまして、人数に直しますと約五万人でございます。大体引揚げて帰りました開拓民の約半数に近い者が、皆さまの御支援によつて、只今日本の高冷地に上りまして着々建設を進めておるのでございます。日本の開拓事業と申しますものが、非常に不評判のようでございまして、輿論もこれに対しまして非常に冷やかであるのでございます。ところが我々曽つて大陸において十数年の開拓の経驗を持つております自興会員の開拓に関しましては、皆さんのお手許に差上げてございます自興会開拓團の実態調査に示してございますように、最も僅かな資金で以ちまして最大の効果を今日まで挙げ來たつておるのでございます。共同経営なり、又自分の家計等を切り詰めまして生まれました資金を全部生産財に投資して生産の拡大を図つて参つて行く。家畜の頭数でも他の開拓團に比較しまして問題にならない程入植当初から多く入つておる。そういうふうな数字がお配りいたしました資料に出ておると存ずるのでありますが、困難と申されております日本の國内開拓というものは、我々の少くとも自興会開拓團におきましては、絶対に可能である。こういうことを現地の各開拓團が実証いたしておるのでございます。私たちは日本の開拓は可能であるということを只今絶対の確信を持つて進んでおりまして、今日まで我々傷ついた引揚開拓民が、國内閣拓に自力厚生の途を求めたということが絶対に間違つておらなかつたということを確信を持つておるものであります。ところがソ連には二万数千名の我々の同志、開拓民がまだ抑留をされておるものであります。最もいい労働者として、ソ連においては引揚が一番遅くなるような傾向がございまして、昨年非常に待つておりましたのでありますが、五千名しか帰つて來なかつたとういう実情でございまして、まだ二万数千名の者がソ連の抑留生活を続けておる状態でございます。昨年帰つて、昨年入植運動を進めまして、皆樣のお力によつて約八千戸の入植を見たのでございまして、これは最初から予定をいたされました通りの入植を自興会の者たちは完遂をいたすことができました。今更ながら皆さんの御援助の厚かつたことを心から感謝いたしておるわけでございます。ところが昨年、残念ながら土地の開放、その他ソ連からの帰還が遅れまして、未だ入植を希望しておりながら、入植できない者たちが一万一千五百戸ばかり待機をいたしておる状態でございます。その他ソ連に二万数千名の者がいる、その人たちに対して、先に帰つた私たちとしては何としても更生の道を開いて置かなくちやならん、又一方非常に危惧の念を以て見られております國内開拓というものを、我々の力によつて立派に完遂をして、次の経済の変動に備えて置かなければならんと考えまして、只今政府に対しまして、一万一千五百戸の入植をお願いをしたい。こういうことを先ず農林省にお願いを申上げたのであります。農林省からは樺太の引揚者五千戸、これ私たちとやはり同じ運命に置かれておるものでありまして、只今待機しておるものでありますが、これを加えまして、一万六千五百戸を安本、大藏に要求をお出し頂いたようでございます。ところが御存じのような経済情勢でございまして、九原則その他為替の一本レートというようなことがございましてこの一万六千五百戸の入植は殆んど不可能であるというふうなことを昨年暮に聞いたのであります。そこで私たちは必死になりまして、政府各当局にお願いに上つたのでございますが、只今のところ決してこの見透しが予断を許さない、こういうふうなお言葉を聞いておりますので、引揚げて参りました者たちが非常に危惧の念に駆られているのでございます。私たちの要求いたしております金額は、一般の開拓者から見ましたならば、到底これではできないと、こういうふうな金額しか要求をいたしておりません。総額におきまして昨年、二十三年度に入植いたしました者の金額を、本年度の貨幣の價値に直しまして、それにスライドをおけたものの約半分そこそこの資金で以て我々は一つやろう、決して乞食の開拓民のように、我々は金を呉れ呉れということを申しておるのではないのであります。その点につきましては、お示しいたしました、我々の開拓民の今日までやりました実態調査によつて、はつきりお分りになつていることと思うのでありますが、二ヶ年に約六万五千円しか私たちは頂かないで、すでに十坪から十五坪の家屋を立派に建設をいたしまして、又家畜も相当数入つている。並びに作付の進度が他の開拓團に比較いたしまして非常に進捗をいたしている。僅か六万円程度の資金で以て今日までこれをやり遂げたのであります。この確信があればこそ、私たちは昨年決定をいたしました資金の半額程度の額でも今後必ずやり遂げる、こういう確信の下に農林省といたしましても、びつくりするような私たちは資金を提出いたしましたが、これによつて是非私たちはここまで日本の國家経済ということも考えまして、自分の身を犠性にしてもこの資金で以てやり遂げる、こういうことでございますので、どうか最低のこの程度の資金だけは頂きたい。そうして樺太を含めまして一万六千五百戸の、本当に路頭に迷いかけておりますところの引揚開拓農民を是非入植をさせて、日本の國内再建の一端にいたして頂きたいと、こう心から念願をいたして参つて來ているのであります。先程申しましたように、又皆様御存じのように、この予算は開拓が不評判であるということのために非常な削減をされる虞がある。私たちがここまで自粛をしてもまだそれ以下に切下げられる憂が多分にあるということを聞いておりまして、日夜私たちも心を砕いているのであります。どうか本委員会のお力に縋りまして、私たちの本当の願いでございますところの一万六千五百戸の、最低限度の資金だけは頂いて、國民開拓の途をお聞き願いたいと切にこの点を御要望、お願い申上げるために今日参つたのでございます。ここに見えております十五名の方々は、殆んど昨年の暮の最終船で以て、三年の冬をソ連で以て耐え忍んで來られた我々の同志の開拓民の各縣の代表でございます。どうかこの方々の意見もお聽取り頂きまして、本要求が貫徹いたされますように御盡力をお願いいたしたいと切にお願い申上げる次第であります。
#7
○淺岡信夫君 只今吉崎会長から、この自與会の國内開拓の問題につきまして、今日までの経過、更に現状、將來に対しましての誠に意義あるお話を聽きました。心から強い感激を持つものであります。で今一万六千五百戸のこの戸数、國内開拓に対しましての問題でありますが、誠に切実なことと私は了承するのであります。それに対しましてその予算が総額はどのくらいになりますか、それを一應吉崎会長から承わりたいと思います。
#8
○説明員(吉崎千秋君) 私の方でこの要求してございますのは、五ヶ年間に二十四万円頂きましたならば立派にやつてのける、こういう数字で要求してございます。初年度は九万四千円、次年度が九万六千円、三年度が三万円、四年度が一万円、五年度が一万円、お手許に資金の表がお配りしてございまして、合計二十四万円になつておりますので、大体におきまして初年度十万円程度の営農資金、建築資金、開墾費、これだけ頂きましたならばできます。こういうことでございましい、これは尤も内地の開拓だけでございます。北海道の方は別の要求が出ておりまして、これより多少高めになつておりますけれども、大体におきまして一万六千五百戸でありましたならば、十六億円ございましたならば立派にやつて行ける、こういうことでございます。昨年度は一万二千戸の入植者に対しまして、昨年の金で十一億六千万円ばかり頂いたように記憶をいたしているのでございます。この五ヶ年間に二十四万円と申しますものは、昨年頂きました二十四万円に相当するものを、本年のスライドをかけまして直しますと四十万円になるのであります。昨年の予算を今年に換算すると四十万円となりますが、これを今年は二十四万円で以て私たちはやつて行く、こういうことでございます。
#9
○北條秀一君 先程吉崎さんのお話の中に、高冷地におけるところの開拓團の建設に今後全力を注いで行くというお話でありましたが、緊急開拓事業との関係におきまして、皆さんの目標とされるところは、高冷地ばかりに限るのかどうか、その点についてお伺いしたい。
#10
○説明員(吉崎千秋君) 私たちの満州から引揚げて参りました者は、集團をいたさなければ力が発揮をされない。今日まで実績を挙げましたものは、集團をして協同を強化してやつて参りました。その結果、異常な力を生んで参つたのでございまして、集團をするためにし高冷地に上らなければ、そういう土地が取り得ないのであります。そういう点が第一と、又平坦地、平な土地でございますが、そういうところは既設農村との摩擦が非常に多くございまして、我々として既設農村の農業経営を妨げてまでそういうところを獲得しようという考えはございませんので、平坦地に非常に大きな土地が空いておれば、これは喜んで入植いたしますけれども、高冷地にむしろ大きい土地が空いているのでございます。國有林あたりに非常に厖大な面積がございますので、そういうところを目標として土地開墾を進めているような次第であります。
#11
○北條秀一君 高冷地を目標とされるということにつきましてよく分りましたし、又そういうところにあくまでも建設をされて行こうという悲壮な決意の程を十分に拜承したのでありますが、何と言いましても、今日のような経済状態におきましては、高冷地と申しますと、交通においても、或いは衛生、文化、電氣、こういうような点におきまして非常に不便だろうと思うのであります。從つてそういうところにおける開拓というものは至難中の至難のことだと私は考えるのでありますが、そういう困難の中にも拘わらず、他の平坦地等にあるところの一般開拓團の入植経費の半分でやつて行くということは、全くこれは神業に近いものと私は考えるのでありますが、(「同感」と呼ぶ者あり)果して今後、現在の皆様はそういうような決心と、実行された実績を持つておられるのでありますが、今後新らしく入植される土地は高冷地と言いましても、段々と今までよりその條件が悪くなつて來ると思うのでありますが、そういうふうに條件が悪くなつて來るということが予想されるにも拘わらず、先程お話のありましたような入植の予算で以て果して実行し得るかどうか、その点についての皆様の決意の程を聽かして頂きたいと考えるのであります。尚この問題につきましては、特にこれから新規入植されるところの皆さんからの決意を聞いた方が適当だろうと考えるのであります。その辺然るべく人選されて、委員長の許可を得て発言して頂きたいと思います。
#12
○説明員(吉崎千秋君) それでは最近引掲げて参りました方々から一つ御意見をお願いいたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#13
○委員長(紅露みつ君) それでは最近の引掲者の方からお話を伺うことにしまして、御決意の程をということでございますから、どうぞ……。
#14
○説明員(小森茂徳君) 岩手縣の小森茂徳です。簡單にお話申上げます。私たちは昭和十一年以來、満州の開拓に從來して参つたわけであります。長年満州におつて、高冷地農業については十分体験をして参つております。遺憾なのは終戰後折角起した大陸に執着することができず、残念ながら帰つて來ました次第なのでありまするが、この満州の十年間における体験と、それから終戰時における混乱、あの非常な飢餓と、或いは混乱の間の体験、並びにソ連の抑留中の大いなる困難の体験、これらの集積したところの体験を経て來ております。私らはこれは再び得ようとして得られないような非常な体験だと思つて、これを非常を強く心に銘記しておるのでありますが、この貴重な体験を今後の將來に活かして行きたい。これが我々満州開拓團の熾烈なる願いになつておるのであります。そのためには、只今吉崎会長からお話がありましたような工合に、高冷地と雖もこの熱意を以て開墾して行こうというふうに思つております。是非一つ我々の過去における体験と、この熱意を活かして頂けるような御援助をお願いいたしたいと思います。
#15
○淺岡信夫君 只今岩手縣御出身の小森さんから、在満十年、更にソ連地区に抑留されておる間のいろいろな尊い体験と決意を伺いまして、誠に感激に堪えないものでございまするが、更に小森さん以外の方で、今度の開拓計画の第一線に挺身しようという一つ心構え、或いはそうした方面を一つ吉崎会長殿から御指名願つて、もう少し説明をして頂きたいと思います。
#16
○岡元義人君 今淺岡委員の発言がありましたですが、実はこの自興会の方の活躍というのは、委員会としてもよく分つているわけです。ただ私は、特に今日は慚愧に堪えないと思つておるのですが、というのは、我々この特別委員会が、前に一回陳情に見えたとき以來、もう少し委員会が総力を上げてこの問題に力を入れて行つたならば、恐らく何らかの僕は收穫がもつとあつたのだ、こういう氣が今するのです。で、むしろ大体の状況はよく分つておるのですから、委員会としての行き方を、この際各委員が眞劍に考えて頂いて、そうして具体的な方法をば、而も予算措置に対しては次の國会が始まつてからでは時期すでに遅しの感がある、やるならば今のうちにやらなければ駄目だと思います。そこで政府側の出席者をば委員長からお聞きして頂きまして、足りないところの政府委員は速かに出席して貰うようにして、尚実質的にどういうような処置を取るかということを、而も自然休会中でありますし、しばしば委員会を開くわけにも参りませんから、今日はその方面に委員会を運営して頂くように委員長に提案したいと思います。淺岡君の何も十分よく分つておりますけれども、時間的にお畫が迫つておるし、できるだけ收穫を得るというような方向に進めて頂く方がいいのではないか、而も委員会がもつと眞劍にやれば、今までにもつと具体的に解決付いた点があるのではないか、これは企画部長を担任した岡元部長に一番責任があるので、申訳なく思つておりますが、そういう工合に御了解願いたいと思います。
#17
○淺岡信夫君 岡元委員の申出誠に結構でございますが、ただ私共はやはり力強いことをこの國会にいたしましても、政府要路に申出る場合におきましては生々しい実際の体驗を、たとえ数分であつてもいいと思います。その決意を聽く、その決意をそのまま政府部内に注入して行くということでなければ、なかなか今後の開拓という問題に対しましては、経済九原制が出た、そうした点から考えて簡單には解決し得ない問題だと思います。そうしてこの尊い、何物にも代え難い、尊い体驗と決意の程を委員会が知りたいと思つて聽いておるのであります。簡單でよろしゆうございますけれども、吉崎会長から御指名を願つてお聽かせ願いたいと思います。
#18
○矢野酉雄君 今のお話、両方とも活かして、岡元君の意見はそのまま活かして、事務当局を督励して、政府委員の人が早く出るようにし、その時間の中に淺岡委員の主張を通して行くというような方に進めて頂きたいと思います。
#19
○委員長(紅露みつ君) 今の矢野委員の御発言の通りでよろしゆうございますか。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(紅露みつ君) それでは吉崎さんに一つ人選を願いまして、簡單に熱意のあるところを一つ御発言頂きます。
#21
○説明員(伊東厚坪君) 元満洲七虎力開拓團の團長をやつておりました伊東厚坪でございます。私たちのために貴重なるお時間をお割き下さいまして、私たちの心持を述べさせて頂く機会をお作り下さいましたことに対しまして、誠に有難く御礼を申上げます。私は昨年の十一月の初めにソ聯から引揚げて参つた者であります。三ケ年の間ソ聯におりましたその間において、元義原隊の出身者及び開拓團員というような者と一緒に俘虜生活をやつておりました。その間にこの者たちがどういうふうな心持でおつたかということを一言申上げたいと思います。この收容所生活におきまして、最初はお先眞暗という状態でありました。生きて帰れるのかどうなのか、それすらも分らないという状態でありました。併しながら段々落着くに從いまして、日本新聞という新聞が配給され、それによつておぼろげながら日本の状態が分つて來る、その日本新聞に書いてありましたことは、お前たちの祖國は今混乱を極めておる、飢餓とインフレと失業の世の中である、お前たちは天皇制によつて瞞されておつたのだ、お前たちがこれから帰つて行つて、お前たちを待つものはどういう状態であるか、引揚げて行つたら本当に雀の涙程のお金を呉れることになつておる、又幾らかの被服類が支給されるらしい、それでもつて政府は援護事業を大いにやつておるんだと言つておる。併しそういつたことによつて瞞されてはいかんぞ、お前たちの將來を待つものは失業である、およそ突きつめればこういつたふうな言い方を以てしておるのであります。ところが、この元開拓團の出身の者たちから言いますれば、自分たちは折角満州で土を耕やして本当に自分たちの故郷を作るつもりでやつたが、それは慘憺たる状態になつてしまつた、併し自分たちはこの経驗によつて誠に又と得難いところの経驗と技術というようなものを得た、これを何とかして生かしたい、自分たちは百姓をやる以外に生きる途を知らないのであり、その途でならば可成り働きができるが、それ以外の生きる途は誠にお粗末なのである、自分たちはかつぱらいをやる程の氣持にはなれない、担ぎ屋をやる程の巧妙な氣持も持つていない、街の露店商人をやるといつたようなルートも心得ていない、ただ土をいじくることのみが自分たちの天職だと心得てやつて來た、今後もその通りだと、こういうふうな氣持でおつたのであります。何とかして國へ帰つたら残されたる練兵場の土地なんかが空いたのがあるだろう。或いは國有林の空いたのがあるだろう、そういうところへ入つてやれば、いわゆる今までの間に体得したその経驗と、それから本当に打ちのめされて、これでもかこれでもかと打ちのめされたが、併しながらもうこれ以上の体驗はしないであろうといつたような最低のところまで打ちのめされたのだ、竹の柱にの萱屋根でも十分やつて行くだけの度胆と度胸、そういうものはできておるつもりだ、こういうふうに彼らは考えたのであります。ところがこの舞鶴へ上つて帰還して見まするというと、そこには温かい援護会の手が差し延べられておる、本当に小さい心持の現われ、小さい心盡しとは思いますが、お餅が一切れあつた、温かい心の籠つた言葉に接した、それから被服も思つた以上に沢山のものを頂きまして、一、二年間絶対に寒さに震えなくても済むというようなものを頂いた、誠に日本はいいな、そのときに非常にすさんでおりましたところのみんなの心が、一日二日の間に大変な変化を來たしたのであります。なごやかになつたのであります。それからこの開拓に関しましては、折角各方面の御努力の結果、お前たち開拓の途が開かれておる、すでに先に帰つて來た者はどんどん入つて懸命に頑張つてその実績を挙げつつある、こういうことをも聞きまして、そこで皆は大変な安心感を抱いたのでございます。思つた以上に、私たちがソ連で聞かされて來た以上に、國としてはやはり私たちのことを考えておつて呉れるのだ、こういうふうな氣持が皆の心をなごやかにしたと思うのであります。從つて内地開拓の途というものが、曾つて満洲開拓に從事しておりました者に取りましては最もいい途であり、更生の途であり、再起の途であり、そうして延いては日本再興の一助にもなるというふうに考えてお者が多々おるのであります。若しもその反対に、この内地開拓の途というものがここで鎖されるというようなことがありとせば、或いは又折角開かれたその開拓の途が非常な困難な状態に追いやられてしもう、予算削減等も大きく受けるというようなことに遭遇しました場合には、この帰つて参りましたところの旧開拓團関係の者たちはどういう心持をいたすか、これは思い半ばに過ぎるものがあるのであります。そのときこそ、成る程ソ連で聞かされた通りじやないか、飢餓とインフレと失業だ、そうして政府は何も考えて呉れてはいないのだ、これはもう本当に民主、民族戰線というその戰線の中に飛び込んで、赤旗でも振らなければ仕方がない、こういうふうに氣持がならないとも限らない、なるのが私は当り前ではないか、こういうふうに考えるのであります。多々申上げたいことがありますけれども、これが先ず一般引揚満州開拓民の心情であろう、氣持であろうと思いますので、その生々しいところを申上げまして、この内地開拓の推進について是非より一段の御心配をお願い申上げたい、かように存ずるのであります。甚だ不備でありますが……。
#22
○岡元義人君 議事進行について……今政府から出席されておる人の名前を知らして下さい。
#23
○委員長(紅露みつ君) 只今御出席になつております政府委員は、安本建設局長高野さん、それから農林省から農地部の眞田さんに御出席願つております。それから大藏省関係はまだ御都合が付かないそうで、先程から交渉しておりますが、御出席になつておりません。
#24
○矢野酉雄君 今の伊東さんのお話と議事進行から両方を兼ね合せて考えますと、今のお言葉、全く歯に衣を着せないそのままの氣持で、將來に対する推定も最も主観的に捉われない妥当な見解で、私自身あの戰爭の年に、殆んど全部満州國の各開拓團建設訓練所を廻つて、嚴寒の時に、初めて十二月十七日に立つて殆んど全部駈廻つたのでありますが、お言葉、胸を抉られるような氣持であります。これは結局、この特別委員会が、あなた方を温かくせしめるための一切の措置は、実は政府を鞭撻して、命を賭けて、この御列席の各位がやつたのであります。衆議院はいろいろな選挙運動等もありましたが、この参議院は大地にどつしりと腰を下ろして、皆殆んど大部分生死嚴頭に立つて引揚げて來た同胞が主力でありますから、しつかりやつたのですが、これから先のこの議会の特別委員会の運営の如何によつては、最後に述べられたような、あらゆる恐るべきいろいろの革命運動の温床になる三千万の引揚者の関係の心の田が実は予定されているのであります。國家は非常なる財政的、その他の資材の点においても困窮を極めておりまして、この問題はここにおられまする前農林次官であり、今参議院の農林委員長である先生が、その專門の薀蓄を傾けて將來の開拓への道も非常に援助して頂いている楠見先生でありますが、これらの一切のこの計画は農林省開拓局自体が根本的にこれを打立てて行きます。併しながら日本には安本という一つの官廳があつて、その安本がこれを査定して行く、常に無盡藏な資材があり、無盡藏な予算というものがあれば、安本は相当これに対して認識を持つている以上は、農林省の開拓局が予算を立てること、計画を立てることを、恐らく一分一厘でも減らす筈はないのでありますが、今年も大体推定するところによると、一万八千戸か、九千戸の入植を、一万戸に打切ろうという肚がその安本にあるやに私は承わつている、これは併しマツカーサー元帥から示された九原則に絶対反しない日本建設への、これは実に重大なる具体的方策である。單に物の面と金の面だけの皮相にる見解の下に、安本当局がこれに対して、いわゆる予算を打切つて行く、修正して行く、或いは緊縮して行くというような考え方は根本的に考えて、改めて頂かなければならんと思う。物と金とを失う以上に日本の独立をも結局不可能ならしめるものは、結局引揚者の六百二十万と未帰還者約五十万、その家族二百五十万、それに六百二十万の家族を考えたならば、私が常にこういう三千万の多きに達するこの戰爭犠牲の一番負担を大にしているこれらの人々の心の田に植付けられるところの恐るべき問題を考えますときには、万難を排して安本はこの積極的農林省の計画を助成して行くというような態度を取るべきであると、私は思うのでありますが、我が特別委員会は安本を全面的に支持して、そうしてこれが閣議等の問題になつた場合にも、又GHQ当局のいろいろな問題がそこに起つた場合にも、この特別委員会が挺身して、閣議の結論を、又安本の裏付けされるべき査定を、或いはGHQのいろいろな考え方を、我々の構想しておる線に副うように、農林当局が更に積極的の計画を立てておる、それさえも私は非常にまだまだ消極的であると思う、その消極的に立てられておる農林省の計画さえもが実現ができないというようなことであるならば、実に寒心に堪えざるを得ない事態が発生すると思いますので、幸いに本日は安本のその筋の責任者の政府委員がおいでになつておりますから、この本特別議会に提出せられんとするこの開拓に対する予算、それから物動計画等についての肚を一應この機会に承わつて置きたいと思うのであります。
#25
○岡元義人君 議事進行について……さつき矢野さんから中断されたのですが、私は動議を出したいと思います。というのは、今日のこの入殖問題をこの委員会が審議するということは、前前から北條委員の申出によつて分つておつたのです。然るに只今建設局長だけが出席しておる。全國から各縣の代表が集まつて來ておる。ただ安本ひとりだけがこの問題の処理者でない。だからとにかく建設局長には誠に申訳ない次第ですが、晝食時間にありますから、一時からこの問題をば、大藏次官並びに開拓局長、全部関係政府委員の出席を求めて、若し出て來なければ私自分で行つて廻つて來ますから、とにかく委員長におかれましては、一時から再開して頂くように、動議を提出いたします。その前に簡單に済みますから、農地部長が出て参つておりますので、今日の案件の農地法の改正につきまして、僅かな時間で済むと思いますから、それを取上げて頂くようにお諮りを願いたいと思います。
#26
○淺岡信夫君 只今岡元委員からの前前から出た動議でありまするが、その動議に先立ちまして、この委員会に安本の高野建設局長が見えられておるのでございますから、先程の矢野委員の質問に対しまして一應お答えを願つて、それから岡本委員の動議、それに私は賛成いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(紅露みつ君) お諮りいたします。淺岡委員御発言のように、一應安本の高野建設局長から御答弁を頂くことについて……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○説明員(高野與作君) 私は経済安定本部の建設局長高野であります。今國会の私は政府委員にはまだ指名されておりませんのでありますが、少くとも只今の問題の私は経済安定本部の担当者といたしまして、お答えをさせて頂きたいと思います。私は実は満州國に二十数年間、過去の殆んどのすべてを捧げて來て、満州生活というものを十分知つておる一人でありますが、特に満州におられる開拓者諸君の現地の御奮闘の模樣、又終戰の当時の、御主人が殆んど動員されて、おられない御家族たちの困難なあの状況など目の当り見て來ておる一人であります。從つて昨年あたりも出先会長初め幹部の各位が、この満州引揚開拓者の措置のために日夜健闘しておられる状況を目の当り拜見いたしまして、心から敬意を拂つておつた一人であります。ところがこの終戰以來政府が開拓計画というものを堂々と政策を打立てまして、百五十五万町歩の開拓政策を天下に発表して、そうして進行して参つたわけでありますが、顧みてみまして二十一年頃が最盛期でありまして、私の調べによりますと、内地、北海道合せて四万二千百戸の入植者を送つておるのであります。それから二十二年、二十三年と尻下りになりまして、二十二年では二万二千四百戸、二十三年には一万二千戸と、こういうふうに下つて参つております。初に大きく旗を上げたのにも拘わらず、それを実行して行く覚悟ならば、今年あたりはすでに最盛期に到達しておらなければならん事業計画であると私は思うのであります。然るにも拘わらずその後の日本の経済情勢の変化と申しましようか、初に考えた通りには日本の敗戰というものはそうなまやさしいものではなかつたと、こういう関係でもありましようか、この百五十五万町歩の開拓計画はおろか、ほんの一部僅かの部分を今日遂行しておるに過ぎないのであります。この点につきましては私共当局者といたしまして全く申訳ない心苦しい立場に置かれておるのであります。さてその今年度、二十三年度もいよいよ終るのでありますが、私共二十四年度の公共事業費予算を編成中でありますが、漸く新内閣も成立いたしまして、やつと昨日わが新大臣が見えまして、まだ私は直接私共が立てております予算について御報告し、指示を仰ぐ段階ではないのでありまして、その点ここではまだ申上げる時期ではないと思うのであります。特に今年は、來る二十四年度はいろいろな点におきまして模樣が今までとちよつと違つたことになりはせんかという予想を持つておりまして、どうしてもこの現内閣の方針が明らかにならなければ、私共は予算を本当に組むわけには参らんと、こう思つておるのであります。
 そこで併しながらこの公共事業費全般につきまして、今年度各省から要求になりました三千数百億というものをいろいろな内容を調査研究いたしまして、そして今日日本の現状におきまして、公共事業費が負担して行かなければならん事業内容というものは、非常に明瞭になつて参つております。方針の確定と共にいつでも私共はこの予算を編成し得る態勢にはなつております。併し一應私の事務的な考え方では、新規入植の数は一番うまく行つて二十三年度の数字くらいのものではないだろうか、それから或いは経済九原則の忠実な実行によつて、もつとそれよりも悪くなるか知らんが、決してよくならんのではないか、こういうふうに私今情勢判断をしておるのであります。私が扱つておりますこの公共事業費全般に亘りましてひとり開拓関係のみならずその他の部門も、政府が約束しながら公共事業費の圧縮によつて、國民への約束を果しておらんという面が非常に沢山ありまするので、今年あたりは相当思い切つてこの公共事業費の予算の総額を拡大して、そうして今まで不履行、不義理をしておる政府の約束を相当程度に果さなければならんということが一点と、更に年々続けて起ります國土の荒廃、災害という問題に画期的な手当をしなければならんと、こういうふうに私共は担当者として実は考えております。從つてそういう見地からこの二十四年度の予算の編成を実はしたいと考えておるわけでありますが、先程申しました通り、ここ一両日中に大臣にも報告いたしまして、御指示を仰ぐと、こういう段階になつております。以上簡單でありますが……。
#29
○北條秀一君 私は過日高田建設局長の所に上りまして、本日の委員会についてお話申し上げたのでありますが、その際に高野建設局長は、現地まだ政府委員も任命されていないし、内閣もできたばかりで、自分の個人的な考えというものを言うわけに行かないというお話でありましたが、私は了承いたしまして、併し何といいましても、矢野委員から話がありましたように、一万六千五百戸の新規入植の問題は國家として重大なる問題でありますので、特に本日は陳情團が見えておりますので、その陳情を中心にして討議をするから、是非聞くだけでも聞いて貰いたいということでお願いいたしまして、本日お忙しいところわざわざ委員会に御出席になつたことを感謝するのでありますが、而もその上に極めて打明けた現情勢の見通しから、予算についての私見を述べられたことを私は感謝するのでありまするが、我々委員としましては、特に私個人としましても、この安本の考え方が、現実の困難を打開して我々が要求しておりますところの一万六千五百戸の入植実現のために、更に一層の勇氣と努力を以て前進されますように、我々も國会として飽くまでも政府を鞭撻して行く考えでありますので、その点を高野建設局長においては了承して頂きたいと、こう考えます。
#30
○委員外議員(楠見義男君) 農林委員長として発言を許して頂きたいと思います。丁度建設局長がお見えでございますので、この際農林委員長という立場から一言お耳に入れて、又お願いをして置きたいと思います。
 そのことは結局從來の開拓政策につきましては、只今お話になりましたように、段々尻細りになつて参つておるのでありますが、これには又それだけの事情と申しましようか、環境があつたのであります。終戰当時のあのどさくさ、又戰災者多数を控えて実は本來私共の目から見ますと、開拓不適格者が相当練兵場の跡とか、或いは北海道、その他内地の適格地に入植いたしております。このことが脱落者を多くした一つの大きな理由でもありまして、開拓の不評判の一つの原因をなしております。
 それからもう一つの問題は食糧事情の好轉であります。その点は私共率直に申しますと、実は決して好轉はしておらないので、むしろ非常に危險な分子を懐いて將來に向つておるように思うのであります。極端に申しますと、私は常に言つておるのでありますが、対日講和條約ができた瞬間が、再び日本の食糧危機への突入への第一歩であるということすら言つておるのであります。このことについての詳細なお話は時間をとりますので省略いたしますが、日本の食糧事情は決して好轉はいたしておらないのでありますが、ただ表面に現われた進駐軍の援助、而もガリオア・フアンドによる援助によつて、やや好轉しておるように見えますが、実際は非常に不安な危險を藏しながら將來に突入しておるのであります。而も一般にはその一枚皮を剥いだ内部の事情が分らずに、ただ外部の事情からのみ見て、食糧事情は好轉し、又内地開拓問題もいいじやないか、こういうような皮相な考え方が相当あるように思うのであります。
 もう一つの開拓関係で最近の大きな問題は山林との摩擦と申しますか、調整の問題であります。このことも実は農地委員会の一部の行過ぎ、或いは又一部の政党政派の宣傳工作と申しますか、こういうふうな点から相当開拓に大きな影響、悪影響を與えておることは否むことができないと思うのであります。以上申上げましたような三つの観点からいたしまして、開拓について、勿論その当局者は非常に心配しておりますが、当局者以外の事務当局、更に又極めて貧困な政治力の上に立つておる政府、これらの人々が結局將來を誤まるような大きな過誤をいたしておるように思うのでありまして、誠に残念に堪えないのであります。
 そこで私は建設局長がお見えの機会に、特に安本にもお願をしておきたいことは、政府と事務当局の意向がぴつたり合わなければ、なかなかこれだけの大きな又大事な仕事はできんと思います。先程伊東さんからお話がありましたように、このことは一度方途を誤まると大変なことになるばかりでなく、又我々將來を憂えておる者から見ますと、むしろ將來の危險を救う途よりもむしろ危險を増大する方向に向うのではないかとすら心配するのでありまして、從つてこれらの特に將來における食糧事情、又内地開拓の重要性、これは滿州に長くおられた建設局長もよく御承知のことと思うのでありますが、この点を特に深く御理解頂きまして、新らしい大臣が來られましたら勿論私達は外部から新内閣、又安本長官なり農林大臣を鞭撻するつもりではございますが、事務の上と上とがぴつたり呼吸が合いませんと、さつき申しましたように決してうまく行きませんので、特にその点を深く御留意願いまして、むしろ事務の方から大臣を教育する意味で(「同感」と呼ぶ者あり)特に力強く御推進を願えば大変仕合せと思うのでこの機会に一つお願いいたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#31
○説明員(高野與作君) 只今楠見農林委員長がおつしやいましたことは至極私共尤もに思いまするので、是非徴力を盡してその方に努力をして参りたいと思つております。ただ同じ農業の中におきましても、この開懇とそれから干拓農業、水利、土地改良、土地を造成する面と、それから現在の土地の能率を発揮する面と、二つの問題が私は対立すると考えます。ところで現在政府として立てております長期五ケ年計画の中におきましても、今申された通り食糧が到底まだ日本が満足な域に將來達する段階ではないということは、これは明確に考えております。そうしてこの食糧に対して沢山外貨を支拂うということは、非常に負担であるという見地から、農業生産を第一に強化しなければならん、こういうふうに長期計画の面でも考えられております。
 それでその考え方を直ちにこの二十四年度にも移さねばならんということになりますと、即刻食糧の増産の効果が挙がるという面には相当力を入れなければならん。それにはこの開拓よりも農業水利、土地改良のごときものは最も即刻効果があるものである、こういうふうに論議されておるわけであります。そこでこの開拓につきましては、今まで終戰後のいろいろ質の悪かつた点で評判が悪かつたということも我々よく承知しております。ただこの満州の開拓者諸君は到る所でこの成果を挙げておられたということも、私昨年夏からいろいろの所を廻つて聞いて参りました。そこで私共今考えておりますのは、この土地改良も農業水利も成る程即刻効果のあるものに力を入れなければならんが、開拓新規入殖ということも、直ちに今年入れて來年生産を期待するということはできないけれども、これもないがしろにしてはならんというふうに私自身そういう強い考えを持つておりまして、実は予算の編成などにもそういつた私の考え方を実は織込んでいつておるわけでありますが、政府部内及び有力な筋におきましても、土地改良と農業水利に対して非常に重点を置くというその強い意見がございまするので、御参考のために申上げて置きます。
#32
○岡元義人君 先程の動議を一つ諮つて頂きたい。
#33
○委員長(紅露みつ君) 先程の岡元委員の動議をお諮りいたします。本日は自興会の全國代表が折角見えておられますので、それに委員会としても休会中のことでそうたびたび開くことができないので、折角の機会でありますから暫く休憩にいたしまして、その間に大藏省関係その他の政府委員の御出席を願う、こういうことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんでしたらそう決めたいと思います。
#34
○北條秀一君 先程岡元委員が農地部長の問題が極めて簡單だと言つておりましたからそれだけ済まして……。
#35
○委員長(紅露みつ君) それでは農地部の眞田部長のお話を簡單に伺いまして、そうして今の動議を決めたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#36
○岡元義人君 今安本建設局長からいろいろお話がありましたのですが、関連して午後からもどうしても一緒に出席して頂かないと、結局他の省にこれが実際の内容がよく通じないということがありますので、こういう機会に誠に建設局長には相済みませんが、午後にも御出席をば委員長からお願いして頂きたい。
 それからなぜ私がこういう動議を出したかというと、実際國会が始まると三百件からの法案が出るという予定だそうでありますから、非常に忙がしい。そういうことを予想して政府の方に迷惑をかけたくないから、この休会中に委員会を開いて、それに対して大藏省、農林省が出席しないということは誠に怪しからん。その点は今日は十分究明する必要があると思う。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#37
○北條秀一君 只今岡元委員より高野建設局長に午後出席されたいという話がありますが、それより先に大藏省、農林省に連絡をとつて、先方が全部揃うというときには高野局長に出て貰うという了解で高野局長の方には引取つて頂きたい。
#38
○岡元義人君 さつき私が動議を出したのは、非常に各委員ともお考えがあろうと思いますが、総合的に建設局長に関連したことが沢山ある。それは無縁故者住宅と開拓との振合いの今までの経過並びに今後の計画ということもありますから、私が動議を出した。それを二重にも三重にも時間を潰すことがあるから、こういう考えで動議を提出したのであります。(「議事進行」と呼ぶ者あり)
#39
○委員長(紅露みつ君) それでは岡元委員の御発言の通り御迷惑でも高野局長には午後からも一つ御出席頂きたいと存じます。そうして農地部の眞田さんおいでになりましたら……、ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#40
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて。
#41
○説明員(眞田孝嗣君) 私農地部の眞田と申します。只今のお話の問題につきましては、農地部の関係といたしましては引揚者の土地所有者であります。引揚者の問題に関連して來ると思うのであります。この問題につきましては、從來引揚られた当時の所有者でありまして、外に職の途がなく農業に就業する必要に迫られた者につきましては、農地調整法の九條の自作を相当とするという解釈の下に、その引揚についての考慮を図つていきたいという形で取扱われて参つております。自作農創設法の関係につきましては、そういう関係につきまして農地委員会において決つたものにつきましては、買收の方の関係が除外されておるということが、農地委員会の決定のときにおいと取計らわれておるという関係になつております。
#42
○岡元義人君 今おつしやつた通り、そういう方法で中央の方では御親切に指導して頂いたということは、我々はよく分つておるんです。波多野農林大臣の前の平野農林大臣以來、この問題については、いろいろ質問もし、又結論においては、今おつしやつたような九條に基いて、救済方法等をば有効に運用するということによつて、行政処置としての救済の道をば今日まで図つて來たのでありますが、その質問の中に、できたならば自作農改正のときに農地法自体を改正する意思がないかどうかということを、しばしば繰返して來ておる筈であります。同じ救済の方法があるならば、今度も農地法の改正が行われるということを聞いておりますが、この機会にそういうものをはつきりと解決つけるという御意思があるかないかということを承わりたい。
#43
○説明員(眞田孝嗣君) 只今のお話の問題につきましては、帰りまして農地部長にも報告申上げしたいと思います。
#44
○岡元義人君 農地部長が出席しなければそういう御返事しかできないと思いますが、要するに委員会といたしましては、どうしても、農林省がやらないならば國会においてもこれはやらなければならない。立法しなければならない。こういう決意を持つておるんです。
 そこでできるだけ速かにその処置をばお願いしたい。御回答を願います。
#45
○草葉隆圓君 今のお話は一つはつきりと御回答を願いたいと思います。いわゆる政府原案が修正される御意思があるかないか、成るべく早くそういうふうな運びをお願いしたい。
#46
○淺岡信夫君 この際農地部長の代理として眞田事務官が見えられたんですが、これは引揚者の土地の問題につきましては、先程九條の問題が話されましたが、中央ではそういうふうにはつきりしていながらも、実際地方の農地委員会等におきまして、或いは縣の農地委員会等におきまして、実際その運用の行政面の妙を得ていないということは非常に多いのです。例えば福島におきまして、或いは神奈川縣におきまして、しばしばそうした事例を私共は書面によつて頂いて、そうして実際その返事を甚だ煩に堪えないくらい各方面からいろいろ言われておるのです。でこうした点につきまして、農林省の而も農地部において積極的な処置がとれていないのじやないかと私は思うのです。
 昨年の二月に第二國会の当初において岡元委員が強く要望した、そのときに波多野農林大臣ははつきりと答えておる。その答えておることが、この特別委員会から、我々が派遣されて行つて各地方の土地を見まするときに、この農地問題に対しては非常に数多くの陳情、実際涙なくして聞けないようなことを聞くんです。で、こうした点について私も農地部長にも会い、或いは農地部にも行きましたが、実際その地方の末端にまで中央の親心が滲透しないということを非常に遺憾に思います。でこの点につきまして、今でなくても結構ですから、今なら尚結構ですが今後こうした面に対するはつきりした御所信を承わつて置きたいと思います。
#47
○説明員(眞田孝嗣君) 只今の問題につきましては、從來も書面を以て各知事宛に通達も出ておりまするし、又議会におきます質問に対する答弁、その他の関係もその写しを地方に送達しております。從いまして一應の今までの経過につきましては、各縣におきましても承知していることと思います。尚この点について今後そういうふうに具体的な機会がぶつかつて來ました場合を掴まえまして、指導に当つて行きたいと思つております。
#48
○淺岡信夫君 大変、今の答弁で満足したいのですが、併し実体は満足できない、それで中國路、或いは九州路を巡りましても、この問題に対しまして非常によく処置されているのは鹿兒島縣だけなのです。たまたま鹿兒島縣はその農地委員長が引揚者であるというような観点から、身を挺してなされたので、引揚者の土地が不在土地として收用されなかつた。又は收用されたものもその委員長は身を挺して解決して來た。併し外の縣では殆ど解決されていない。
#49
○北條秀一君 それに長崎と山梨……。
#50
○淺岡信夫君 更に今北條委員が言いましたように、長崎と山梨、この山梨の問題に対しましては引揚者の堀之内という人が、二年ぐらい前からこの問題を引揚げておられた。そういう非常に熱意のある人がその地方々々におられればこそ解決するのですが、それでない限りは絶対に解決しない。ですからこの点を強く範を示しまして、要望いたします。
#51
○草葉隆圓君 今の問題は淺岡委員のお話の通りに、実際にはつきりとした御処置をもう一つ願いたい。それは從來決定した問題も、只今お話のあつた線に沿わないような農地委員会が処置をした場合に、更に再檢討し直せというくらいの通牒を出して、もう一遍農地委員会で審議をやり直すくらいにやらないと、到底解決できない。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#52
○岡元義人君 大事なことを申上げるのを忘れたが、ちよつと伺いますが、その前に今淺岡委員から言われた鹿兒島縣がよくできている事実は、先日九州地方へ調査に行きまして、鹿兒島は八百三十一件土地を返している。大分縣のごときは百に足らない非常に各縣矛盾がある。それを指摘された。あなたに私は御質問したいのは、特別の未帰還者給與法というのができたのですが、そうしますとこれに対して農林省はどういう処置をとられたか、これを伺いたいと思うのです。
#53
○淺岡信夫君 更にもう一つお尋ねしたいのは、これは今お答え願わなくてもいい、御研究願つた上でも結構ですが、農地ばかりか、引揚者の未帰還者の宅地までも農地とみなして、処理しているという事例も沢山ある。そうした点につきましても一段と一つ御留意願いたいと思います。
#54
○説明員(眞田孝嗣君) 現在まだ未帰還者に……。
#55
○岡元義人君 これはどうも農林省はやつていないという証拠らしいですが、これは非常に怪しからん。要するに農地法は当然、特別の未帰還者給與法というものが制定されたならば、変つて來なければならない、何故ならば、一般邦人を復員軍人、軍属とみなすというのです。そうした場合には当然農地調整法においても変つて來るわけですね。一般邦人を、特別未帰還者給與法というのが通りまして、軍人、軍属とみなすということになつている。それを農林省はどういう処置をとられたかということを聞いているのです。
#56
○説明員(眞田孝嗣君) 從來應召者その他の未帰還者に関する関係は、在村地主として取扱つて行くという関係で処置して参りましたが、海外において職を求め、そこに永住するといいますか、職を求めているという在住者の面については、いわゆる在村地主としての取扱をしておらなかつたのであります。從つて今のお話のような問題につきましては、農地部といたしましては、今までについてはお話の通りこの法律の関係において、変つた処置がとられなかつたと思います。
#57
○委員長(紅露みつ君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#58
○委員長(紅露みつ君) では速記を始めて行さい。
#59
○草葉隆圓君 さつきのお話で、更に決定したことでも一應もう少し審議して貰うくらいの熱意を持つて貰うといい、こういう点なのです。
#60
○委員長(紅露みつ君) 草葉委員の御趣旨を了承して……。では時間も大分過ぎましたから暫く休憩に入りますが、再開は二時からにいたしたいと思いますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○委員長(紅露みつ君) それではそういうふうに決します。暫く休憩いたします。
   午後零時四十七分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時五十五分開会
#62
○委員長(紅露みつ君) 休憩前に引続きまして委員会を再開いたします。
 先だつて御審議を頂きました國民金融公社、この問題を上程いたしたいと思います。それで大藏省から銀行局次長三井さんが御出席になつておりますからその御説明を伺うことにいたします。その後の経過はそれでは三井次長にお願い申上げます。
#63
○説明員(三井武夫君) 國民金融公社につきましてのその後の経過をお尋ねでございますので、御報告申上げます。前回に申述べましたように大藏省といたしましては公共企業体という形で國民金融公社を設立するという考えを以ちまして、その準備を進めて参つて來たのでございますが、最近になりまして関係方面に突然違つた考え方が現われまして、それとの調整に苦慮いたしておるということを御報告申上げておいたのでございますが、その後関係方面との折衝をいろいろ繰返しました結果、大体大藏省側の原案でありまするところの、公共企業体の形による國民金融公社の設立ということにつきまして、了解を得られる見通しがつきましたので、現在といたしましては、この考えによりまして早急にその準備を進めることに考えております。從つて次の問題は、この新設せられまする國民金融公社の出資金を確保するということに相成りますので、この点は來年度の予算と関連いたしまして、今この國民金融公社の設立に必要な予算の確保にいろいろと折衝を重ねている次第でございます。大体來年度の政府出資金の総額が四百億円を限度にするということに相成つておりますので、この四百億円のうちといたしまして、復興金融金庫その他必要な資金を調達しなければならないことになるのであります。復興金融金庫の債券の償還に大体三百億円、残りの百億円をその他の特殊金融資金として考えておるわけでありまして、現在のところ國民金融公社に対しましては一應の考えといたしましては、現金出資を以ちまして二十億円、その外に政府公債の形で十三億円、合計して三十三億円の資金を確保するこれに努力いたしております。この程度の資金を確保しておりますれば、來年度一ヶ年の國民金融公社の事業、それから國民金融公社自身の採算には一應事足りるのではないかというふうに考えておる次第であります。勿論この程度の資金では、私共としても公社の資金として決して十分だとは考えておらないのであります。先程も申述べましたように政府出資金の総額四百億円というような制限をいたしておる範囲内におきまして、能う限り公社の所要資金を多額に確保するということで、いろいろと苦慮いたしておるような次第でございます。我々は大体三十三億円というところを一應現在は考えておる次第でございます。
#64
○淺岡信夫君 只今三井次長の説明で非常に明るい見通しが附いて何とも言えない誠に感謝に堪えないのですが、それにつきまして大体こうしたあり方であつて、実施についてのいろいろな諸般の準備というものは、この前の御説明によつて遺憾のないように考えてはおりますが、その実施に至りまするまでの月日といいましようか、そうした面に対しての御見通しがありましたら、はつきりして頂きたいと思います。
#65
○説明員(三井武夫君) 私共といたしましては、この法律案を再開劈頭の國会に提出いたしまして、速かに御審議を終了して頂きまして、法律の公布をして頂きまして、そうしてできるだけ早く準備を進めまして、四月の一日から新らしい公社を発足させたいというふうに存じておる次第であります。そういたしますならば初めて、現在非常な不満足な状況になつておるこの当面の引揚者に対する金融等につきましても、その間の間隙をできるだけ少くして、その後の支障をなからしめるということに相成ると存じておるのでありますけれども、正確に國会に法律案を提出できまする時期につきまして、多少現在まだ見通しの確かでない点がございまするし、國会の審議その他にも多少の時日は要するのではないか、從つて、そうした関係で準備が延びました場合にも、五月一日に開業というところには是非とも間に合せたいというふうに考えております。
#66
○淺岡信夫君 大体今朝の議院運営委員会におきましては、参議院は三月の五日まで自然休会に入るということは前々から決まつておつたのでありまするが、今日政府並びに衆議院の方の申出によりまして、三月十日から再開するというようなことで、形は自然休会が、或いは議決休会になりますか、それはいずれになるといたしましても、三月十日からは開会ということになつておるのであります。そこで今政府としての法律案を御提出になるという点につきまして、少くとも四月一日から実施に至るというこの心持を以ちまして、そうした政府の法律案の御提出を間違いなく、開会劈頭から当委員会なり或いは参議院の各委員会におきましても、遺憾なく審議できますよう一段とお力をお願いいたしたいと思います。
#67
○説明員(三井武夫君) 只今のお話篤と了承いたしました。私の方といたしましてもできるだけ速かに提出いたしますように努力いたします。
#68
○委員長(紅露みつ君) 私からも是非お願いしておきます。
#69
○草葉隆圓君 金融公社の内容は大体大変な御努力で順調に進捗しておるようでありまして、厚く御礼申上げますが、その公社の取扱い内容について前前からもお話がありましたが、大体現在お考えになつておる、殊に恩給金庫並びに生業資金との関係というような点について、何か変つたことなり又現在のお考えなりをこの際ちよつと承わつておけば、大変結構だと思います。
#70
○説明員(三井武夫君) 新らしい公社におきましては、國民大衆の生活安定のために必要な各種の小口貸付をいたすということになつておるのでありまして、その生活安定のための資金の内容といたしましては、いわゆる生活資金、生業資金、住宅資金、災害復旧資金、その他の生活安定のために必要な資金、即ち各種の大衆の必要とする生活安定資金を供給できることになつておる次第であります。ただこのいわゆる恩給貸付と申しまするか、恩給担保貸付につきましては、現在のところ新らしい金庫がこれを営めるようになりますことは多少困難でありまして、むしろ恩給貸付は除外されるということに相成るかと存じております。
#71
○草葉隆圓君 そうしますと恩給金庫は別にこの公社ができましても続いて行くか、それからもう一つは、從來のいわゆる生業資金として取扱つておるのはこの中に包容されるという今の御説明がどうか、この点を一つ……。
#72
○説明員(三井武夫君) 現在の庶民金庫並びに恩給金庫は、この新らしい公社によりまして、そのすべての業務を承継されるという形になるわけであります。ただ今申しましたように、從來恩給金庫が営んでおりました恩給担保の貸付という形の貸付方法は、今後の公社においては営まれることにならんのだろうという工合に考えております。その他の生業資金関係におきましては、從來庶民金庫がやつておりました仕事を、そのまま新らしい公社が引継ぐという形になるかと存じます。
#73
○岡元義人君 今の問題ですね。草葉委員の質問されました生業資金は含まぬ、なくなるということですがなくなれば結構ですが、実質上ただ庶民金庫が金融公社になつたから打切る、そうして金融公社へ行く、こういうような今三井さんの説明ですけれども、その説明からいくと、この金融公社の運営方法は、結局二十億の何と、十三億の公債によつてこれを運営していく。併しながら片一方の生業資金は、財源が全然別個の財源で今まで出ておるわけであります。それとこれとを混同して運用するということは恐らくできないじやないかと考えられるのですが、この点どのように考えですか。
#74
○説明員(三井武夫君) 從來庶民金庫が政府からの供給資金を以て営んでおりましたところの、いわゆる生業資金の貸付業務は、この國民金融公社の業務の一部門として引継がれるわけであります。從つて公社の所要資金として一括して政府出資の形で公社に資金が供給される、その供給された資金の範囲において、業務の一つとして生業資金の貸付が行われるということに相成るかと思います。
#75
○岡元義人君 なるほど新らしい法案は見ておりませんが、前の法案からいけば、大体貸付対象とするものは、生業資金、住宅資金という工合に四つの何が分けてありまして、その中の生業資金という面があるわけであります。あの生業資金という意味と、從來ありました生業資金の制度の生業資金と、私はこれに混同して考えるじやないかと思います。今の三井次長の御説明を聞いておりますと、あの中の生業資金という科目があるから、当然今の生業資金制度というものはなくしてもいいのだ、こういうふうな工合に私はお聞きするのですが、若しそうであつたとするならば、多少三井次長のお考が違うじやないか。やはり生業資金というものは生業資金で別個の性格として置いておいて、そうして業務を庶民金庫がなくなつたから金融公社が若しやる場合においても、金融公社がその生業資金を取扱つて結構ですが、併しながらやはり金融公社のいわゆるバンク・システムの中でなくて、別個に委託して取扱いを受けるというわけで、生業資金の制度というものは財源を違うところから持つて來る財源で、別個に考えていく。運用するところは一つでも、財源の根元は二つだというような方法でいくのが妥当ではないかと考えます。その点第一考を煩わしたいのと、若しこれが最初に申上げましたように、三井次長の方で勘違いがあるとしますならば、その点一つ御説明願いたいと思います。
#76
○説明員(三井武夫君) 只今岡元委員からお話がありましたように、從來の場合でありますると、庶民金庫というものがありまして、庶民金庫本來の資金の貸付の外に政府から特別の資金を供給して生業資金の貸付を行なつておる。それでお話がありましたように、庶民金庫の本來の資金貸付と、それから特別に行なわれておりまするところの生業資金の貸付に要しまする資金の源とは、いわば二つの別の袋から出ておつたということに相成つておつたのでございまするが、今度考えておりまするところの新設の國民金融公社におきましては、その公社の必要とする資金、即ち公社の営なみますところのあらゆる業務に当てられまする資金をすべて政府からの出資金の形で供給するということに相成るわけでございまして、その間に從來の庶民金庫、恩給金庫と、新設の國民金融公社との間におきましては、多少性格なり或いは構成の違いが出て参るということに相成るわけでございます、從つて先程申しましたように、政府から出資金の形で供給いたしますところの資金を使いまして、公社の仕事をやつて参りますその仕事の一つとして、生業資金貸付内容におきましては、從來の政府から特別の資金を供給してやらせておつたところの生業資金の貸付と全然同じ仕事がこの新らしい会社によつて営まれるということになるわけでございます。若しもお話の御趣旨が、二つのルートから金が出ておつたために、両方合せれば相当の額になる。先程申しましたように現金出資二十億というような金で必要な仕事を営なむためには、資金が足りないということであれば別でございますけれども、又決して二十億に十分過ぎる資金とも私共は考えておらないのであります。とにかく一應は二十億心の資金の中に有らゆるものを含めましての資金を考えておるわけであります。それを使いまして、一つの仕事として生業資金の貸付、從來庶民金庫がやつておりました生業資金の貸付を新らしい公社がやつて行く。若しも二十億の出資金を殖やさなければならないということに相成るかと思います。
#77
○岡元義人君 大分分つて來ましたが、ところが二十億の算定基礎をどういう工合に算定したか、それを伺つてからもう一つ御質問したい。そうでないと今のは分らない。
#78
○説明員(三井武夫君) 先程申しましたように、大体新設の公社におきましては現金出資として二十億円、それから公債の形で十三億円ということに相成つておりまするので、一應二十四年度といたしましては、この二十億円の現金出資の範囲内におきまして仕事をやつて行くということになるわけであります。この二十億円を、先程申しましたように生活資金、それから生業資金、住宅資金、災害資金、一應この四つに振り分けまして運用して参るのでおります。大体二十四年度におきましては、二十億円をフルに使いまして貸付の最高限度が二十億円一杯になるというところまで貸付を行う予定でおるわけであります。
#79
○岡元義人君 この金融公社の大体の骨子は、特に三井次長が帰つてこられてから何とか解決つけたい、何とか別途の方法を考えなければならんという線に副うてここに生れ出ようとしているような氣がいたしますが、ところが今の二十億の御説明を聞いておりますと、從來の生業資金としての七千円限度を以て貸付をしておるのですが、その七千円を限度としても本年度の対象世帶数が四十四万二百六十世帶あるわけです。これは從來の比率から推して行きましても、或いは七千円を一世帶としても大体二十億一千三百五十八万円という計数が出るわけでありますが、それに対し厚生省は本年度は十二億八百十五万円、こういうような金額を査定しておるわけなんです。併しこれは七千円を限度としたところの今まで引揚世帶数の残つた全然生業資金を利用さしていない者及び今後引揚が済まされて帰つて來る、そういうようなものを含めた引揚者だけの者と言つてもいいくらいですが、引揚者だけでさえもこれだけの金額を要望しているのに、尚二十億で一般の戰災、引揚或いは留守家族或いは遺家族、その他労働者、そういうものを対象とするところの金融公社を作つて、それで以てその中にこれを包含して行こうということになりますならば、これは非常に了解に苦しむということが言えるわけです。それで今の二十億の基礎をどこに置いて、そういう工合に算出されましたか、若し私が考えますのに、二十億、十三億円の公債、こういうようなこれだけの枠の中で以て根つこを押えてそうして一年間を運営されるとするならば、当然生業資金というものは別箇の枠で又考えなければならぬ性質のものとなつてくるのではないかと考えられるのですが、その点もう少し詳しく御説明願いたいと思います。
#80
○説明員(三井武夫君) 現在の庶民金庫が將來の金融公社の運営に当ることになるわけでありますが、その方面からの実は要求といたしましては、四十六億円というような実は要求があり、この程度の資金がなければ十分な貸付ができないという希望があるわけでございまして、現在の國民大衆の生活の窮乏というようなことを考えまするならば、できることならばこの公社側の要求を充たして四十六億円というような資金を何とかして來年の予算の中から捻出いたしたいという考でありますことは、これは申上げるまでもない私共の痛切な願いでもあるわけでございます。先程も申しましたように、來年度の政府出資金を予算の状況から申しまして、総額四百億の範囲内に抑えなければならぬ。その中から御承知の復金資金、当面の公社の資金、更に住宅関係の資金、或いは農民、復興関係の資金といつたような各種の資金を出して参らなければならぬという状況でありまして、この四百億円という関門が破れません限り、なかなかにこの公社に対して数十億の資金を供給するというようなことが現在のところむずかしい状況なのでありまして、私共といたしましても、來年度の予算の窮屈さということを考えますならば、一應現在としてはこの程度の資金をとにかく確保して置いて、そうして公社をとにかくにも発足させたいというような非常に窮乏いたしたような状況にあるわけであります。洵に我々といたしましても、決して満足な数字ではないのであります。現在といたしましては、この程度の金額を公社の不足のために確保したいという考で進んでおるような状況でございます。
#81
○岡元義人君 これは非常に大問題でありまして、委員会としましても、大藏省としては生業資金の制度を打切るというようなことは大体ここに明らかにされまして、そういたしますと、特別委員会といたしましては晴天の霹靂なんです。これは今日とても三井次長との質問應答によつて解決する途は恐らくないと思います。そこで願えますれば、各層の代表を集めまして、そうして大藏省も交えて懇談会を速急に開催して、各方面の意見を聽取して最善の運用をしなければならんのじやないか。ということは今これは三井次長にも是非考えて置いて頂きたいと思いますが、今までの生業資金の制度というものは非常に不完全のまま運用して來た。というのは最初はあれは返えさなくてもいい、だからあれは貰つてもいいという、そういうデマも飛ばされた、そこで漸くあれは返済しなければならない金だということになりまして、併しながら非常に指導方針もまだ完全でないし、今御承知の通り東京都内でも新橋のああいう闇市とか、ああいうものが殆んどこの生業資金によつて、でき上つておるわけなんです。これは全國的に金融公社ができると同時に一つの恒久的な営業に切り替えなければならぬ、設備運用すべての面において切り替えなければならん、そういうかような大事な段階に到達しておるわけなんです。で各市場の立ち退き或いはいろいろな問題が惹起されておるんですが、ただ一つこの金融公社の誕生をば皆が待望しておるわけなんです。そういうような過渡的な切り替えをしなければならない。一番大事なときに当たつて、この発足が下手に発足して行つてしまうならば、この金融公社それ自体が死に金になつてしまうし、その九原則に從つて生産を今後増強して行くという上においてもそぐわない結果になりはしないか。そこででき得べくんば近い日にちを選びまして、特に前年度あたりから十分に、これは委員長も三井次長もおられるんですが、北條委員等が帰られまして、これでもよろしい、金融公社一本で行つて大丈夫ということはよく御研究なさらないと、後で非常に僕は全國的に大問題が起きるというような氣さえするのです。それで三井次長の御説明を聞いておりましても、限られた予算の枠の中で以て精一杯の何をしておられるということは、十分我々は承服できるんです。若しこれがいけなければ、この前も私が提案いたしましたように、生活保護法の運用方法を切り替える、実際問題としてこれは金額は殖えますが、貸付金額の限度が相当に引き上げられておるんでありますから、この三十三億円という金で一年間賄いまするにしましても、交付世帶数においてはこれは殆んど少ない。むしろ生業資金の対象よりも減るというように考えます。それで実際の金融公社のその狙いとする一般金融店から金融を受けられない大衆に対する庶民金融機関としての使命を果し得るかということになれば、これは相当に私は疑問だと思います。そこでとにかく共同して持ち込む意味において、これを発足させるという三井次長の切なる氣持も我々もよく了解できるんですが、併しながら、それはそれとして十分に將來のことを考えて打てるだけの手は打つてこの際、発足しなければならないと思います。どうぞ一つ委員長は各委員にお諮りの上、丁度三井次長も見えておりますから、そういう機会を、公聽会にしないでも結構ですから、懇談会の形で金融機関の方も出て頂き、十分に練つた上で発足して頂く。政府も政府一人舞台でこれをやつてのければ、後でみずから怨まれるようなことを作つても仕方がないから、できる限り喜ばれるものを作つたらいいと思います。どうか委員長お諮り願います。
#82
○草葉隆圓君 その前に一二の点をちよつと念のために伺つて置きたいと思いますが、今度新らしく金融公社でお考えになつている生業資金の限度は今度はどの程度なんですか。
#83
○説明員(三井武夫君) 生業資金の場合は大体現在考えてえりまするところは最高五万円ということになつております。
#84
○草葉隆圓君 それから段々伺つておりますと、結局政府出資金の限度が抑えられるから、從つて全部で現金二十億、併しこれは今岡元委員からお話のように住宅資金だけで二十億円要る、生業資金だれでも二十億円要るということで、これは二十億しかないから二十億しか貸付がないということになれば、手続を面倒にしたらいいことなんですが、併し從來の生業資金にしても困つているのだから、問題は手続をもつて大衆的に簡易にしながら、大衆が生きる途を考えると、これでは足りない。こういうことになると思う。そうすると政府としては金はそれ以上出せないとなりますと、只今お話がありました生活保護法の百億の中で生業資金に相当廻わすべきものがあつて、仮に十億円十五億円は生業資金にむしろ廻わして行つて有効に使われるように行かなければならないので、丁度公社の発足に当つて生活保護法の生業資金をこちらの方へ切替えて、そうして本当の生活保護を受ける者でもこれによる生業資金によつて庶民大衆の生きる途を開いて頂くことがこの法案が生きると、かように考えますが、この点についてお考えをちよつとその前に伺つて、それから岡元委員の御提案をお諮り願いたいと思います。
#85
○説明員(三井武夫君) 只今お話のありましたようなことが可能でありまして、それによりましてこの公社の出資金の増加をして貰うということでありますれば、私共といたしましても何とも幸でありますので、予算当局の方に念を押して見ます。そうしてできるならばそういう処置を講じたいと思います。早速研究いたします。
#86
○岡元義人君 今の問題は非常に私は賛成なんです。今草葉委員のおつつしやるように、これは一歩向上だと思う。特にこれはバンカーといえる三井さんに熱心にそれを研究して頂いて、すでに関係方面の或るところのセクシヨンまではこの点は非常に賛成して貰つております。だからあなたの方でフアイナンス等に対してもよく御理解の行くように御説明を願いますれば、私は成功するのじやないかと思います。若しこれが成功することができましたならば、本当に死に金でなく、苦しい税金を財源とした生活保護の金が私は生きて來ると思う。どうぞその点を強調して頂きたい。ところが今までの生活保護なるものをそういう工合に考えていないやつはただ本当のビジネスであつて、食えない人を、生活困窮者を対象として出すのた……。今度の経済九原則の対象として失業保險と生活保護の強化というようなことを我々は見聞しております。この点はいい機会です。あなたの方からもよく突込んで頂いて、今草葉委員のその線に合致することができるならば、國にとつても遥かに一歩前進であると考えるのであります。
#87
○説明員(三井武夫君) 重ねて申上げたいのでありますが、只今の御提案の線に副いまして、私共といたしまして早速関係のところに折衝いたして見るつもりでございますけれども、ただ私の感じといたしましては、やはり生活保護法というようなものの性質と、それから今度新らしくできまするところの國民金融公社で貸付けますところの資金の性質とは多少観念としては違うのであります。つまり生活保護と申しますのは、これは社会的に救済である、國民金融公社の貸付資金というものは、これはいはば積極的な生産と申しまするか、或いは生活の向上と申しまするか、そういつたような多少積極性を持つた資金で、一方の資金を他方を簡單に廻わせるかという点にいては、多少その辺に根本観念からして困難があるのじやないかというふうに存ぜられるのであります。御指摘の点私も誠に同感でございますので、早速一つ関係のところに当つて見たいと思います。
#88
○草葉隆圓君 その問題につきまして、生活保護法の観念と、金融公社の観念と勿論違つておるわけであつて、生活保護法における生業資金はむしろ給與というような形をとつております。從つてその結果はむしろ生業資金でなしに、約三千円程を只でやつて、而も生活資金のカヴアーをするというような結論に達している場合が多い。併しこれは、生活保護法は將來は恐らく改廃してしまつて、社会保障に切換えようとしているような段階なんです。そういう点から申しますと、社会救済という惠與的な、惠み的な行き方というよりも、むしろこういう公社的な立場においての資金の貸出していう正しい行き方の方が、國民全体としては一つの社会保障を前提としての行き方ではないか。それでこれは取扱いようによつては、決して無理じやなかろうと思う。そうして相当金額も十五億、二十億くらいは行き得る、ここに入り得る、融通し得る方法が講じられやしないか。これは結局政府部内と関係方面の問題が中心だと思いますが、どうぞ強力に一つこの点は御研究し御進捗をお願いしたいと思います。
#89
○岡元義人君 今の草葉委員の仰せの通りなんですが、ただもう一つ生活保護の中で、御存じの通りに生活保護というものはいつまでもやるのが狙いじやない。早く起ち上つて欲しい、起ち上る自信があるというときには、一遍に生業資金としてこれを放出した出す制度は今認められておる。併しながらあの制度は今二千円くらいのもので、実際の生業資金としてあれを利用するだけのバリユーがないんです。ただ今までの交渉経過におきまして、三井次長に参考になればと思いまして申上げておきますが、或る程それはいい方法である。併しながらこれによつて生活保護でなく、起ち上れるために、五万円なら五万円借りたものがそれで以て失敗した、そのときには再び生活保護法の対象者となるのではないか、そういう場合に、すでにそういう金を貰つておるから貰えない、そうすれば餓死する以外に途がないのじやないか。この点を十分考慮して、そうしてこの問題は考えればいいのじやないかというのが現在までの交渉経過であります。だからそれであれば今のところでは尚余地が残されておるのじやないかということが言えますので、実際に無縁故者で、そうして年を取り過ぎて、もうこれによらなければ命が永らえないのだというような人と、それから実際に、例えば遺家族の中でも生活保護を受けなければならん者もおりますし、その中でも千差万別だと思う。これなら出してもいいというような確実な対象者もその中にあるわけであります。それをセレクトしたものでこういう問題を考えればいいのであります。ただ運用の方法としては、これを金融公社の中にそれだれの予算を持つて來るか、それとも生業資金として別個な方法で残す、それとも從來の生活保護法でそのまま金額を上げて、そうして運営さして行くかということになるわけですが、一番最後の公社の問題になりますと、役場がそれだけの金を実際にやり切れるかどうかということは、これは又問題だと思います。そういう点を一つ研究なすつて頂けばいいんじやないかと思います。
#90
○草葉隆圓君 もう一つだけ……ただ問題は、私はできるならば生業資金として別に取つて置けば一番いいと思いますが、それが全然できない場合には公社の中へ吸收して、ただ生活保護法によりますと、十分の一を町村が負担しておりますので、実際はなかなか貸付けない、それで思うように行つていない。それでむしろこういう貢献的な意味からこの際この公社のできるときにむしろ吸收するくらいに考えておやりになることが理論的にもいいんじやないか、かように思います。
#91
○説明員(三井武夫君) 公社の資金として獲得するためには、公社の性質から申しまして、政府出資金の中に入れなければならんと思いますので、從つて公社は政府の出資金以外に借入金をするとかいうような権能を持たされておらんわけであります。やはり公社の出資金の方を増額するという行き方にしなければならんかと思います。
#92
○委員長(紅露みつ君) 先程岡元委員からの御提案になりました金融公社の方でございますが、公社の全貌がやや具体化して参りまして、それに関係方面の意向も大変好轉して來たということは大変嬉しいことと存じますけれども、それが具体化して來るに連れまして、これまでの庶民金庫による生業資金の……根本的に何かそこにこうはつきりしないものが出て参りましたので、委員とそれから政府当局と全連の代表者とを交えた懇談会を近い中に開いたらどうか、日にちも決めて開こうではないかという御提案でございますけれども、先ず懇談会を開くべきかどうかを諮りいたします。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#93
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて頂きましよう。それでは懇談会はするということには決定いたしましたが、いつ頃か、それから関係方面はどの程度に、政府側から出席して頂きますか。
#94
○岡元義人君 これは少くとも三月十日を運営委員会では大体予想しておりますから、又三月十日も延びそうです。延びるということになりますと非常に困ると思います。だから各議員にも何かありますから、二十一日までの間に各議員が差支なければ一應二十一日までの間に開かないと、こちらは特別委員会で火のつくような催促をされておるので、一生懸命焦つて向うとの折衝を続けておりますが、今度の委員会、その次の委員会から予定に組んでありますし、委員会としても、非常にそれに対して関心を持つておる。だからできたら二十一日頃午後からでも一つ懇談会を開くという工合にして頂かなければ間に合わないと思います。
#95
○委員長(紅露みつ君) 岡元委員からお聽きの通りの発言がございましたが、二十一日、それで関係團体の方ではお間に合いになるのでありますか。御出席の方は急に間に合うのでありますか。
#96
○岡元義人君 北條君いるか。
#97
○北條秀一君 俺はいないよ。速記の附いているのにそんなことを言つてはいかん……成るべく早急にやらなければ各方面の折衝の点もありますし、できれば二十一日に午前でも午後でもやさて頂きたいと思います。ただその際に、先程お話した通り大藏常任委員の方からも参加して頂かなければなりませんし、それから厚生委員にも勿論参加して貰つた方がいいと思います。政府は大藏省、それから厚生省それに民間側の引揚者團体の代表を加えることは勿論でありますが。金融機関の代表を入れるか、皆さんの御意見をお聽きしてお決めを願いたいと思います。
#98
○千田正君 例えば二十一日としたならば或る程度少くとも今日ぐらい五人か十人ぐらいの委員が出席できる可能性がありますか。
#99
○岡元義人君 二十一日ならば、大体穗積委員もおられますし、できるじやないかと思うのですがね。
#100
○穗積眞六郎君 方々の出張の関係もありますし、私の方の班は二十一日の晩に出掛けることになつております。外の方は大体十九日から樣子を見ていることになつておりますが……。
#101
○委員長(紅露みつ君) 二十一日の晩からですか。
#102
○穗積眞六郎君 外の方はどうなつているか、調べさせて頂きたいと思います。ちよつと視察の方がありますから。
#103
○草葉隆圓君 二十一日成るべく早くやつて、お話のように成るべく早くやらないとやつた効果がないと思う。それで直ぐにでもいいから……特別委員会の委員としての意見は分つておりますから、早くおやりを願つて、そうしてその点を、從來の生業資金の関係、今の厚生の関係をお進め願えれば……実は私はその頃はおりませんけれども、そのようにお進めを願いたいと思います。
#104
○岡元義人君 明日の懇談会が遺族扶助と農地法改正の懇談会になつております。急を要しますから明日の午後からでも開いて貰つた方が都合がいいではないかと思います。若しお差支がなければ明日にして……政府の方へも連絡が取れると思いますが。
#105
○委員長(紅露みつ君) 岡元委員からああいうお話でありますが、できれば明日……ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#106
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて下さい。それではこの懇談会は早急を要しますので、明日十九日午後一時から開くことに決定いたします。
#107
○岡元義人君 議事進行について……これで金融公社法を打切つて頂きまして、議員のおられる間に簡單でよろしうございますから、第五の英彦丸証人事件をば決めて置いて貰いたい。そうして最後に入植問題の午前中の引続きをば続行して頂くようにお願いいたします。
#108
○委員長(紅露みつ君) 御異議がなければそういたしましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#109
○岡元義人君 それでは英彦丸事件の証人に関しては委員長と理事に一任して頂く、こういう動議を出します。
   〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(紅露みつ君) 御異議ないと認めます。そしてその通りにいたそうと思います。
#111
○岡元義人君 議事進行して下さい。
#112
○委員長(紅露みつ君) 証人喚問の件はこれで打切りまして、午前中の案件になつておりました入植の問題を継続御審議願います。
#113
○岡元義人君 今政府側の出席者を一つ……。
#114
○委員長(紅露みつ君) 安本から雨森建設局次長、それから農林省から角田開拓局入植課長、事務官久保悳さん、それから農林省から只今総務局長がお見えになりました。
#115
○岡元義人君 大藏省は來ていないですね。大藏省が來ていないのは非常に残念ですが、これは後から委員長から詰問して頂くことにして、取敢えず農林省側から……非常に今先刻から各縣の代表が集まつてここに來ておられるのですが、午前中陳情の趣旨も我々聽き取つた次第でありますが、非常に來年度の入植問題について危惧されておるのであります。予算処置その他につき、又入植の費用、そういう計画についてどういう工合に考えておられるのか、具体的にできるだけ簡單に御説明願いたいと思います。
#116
○委員長(紅露みつ君) それでは農林省の角田課長。
#117
○説明員(角田孟紀君) 私入植課長の角田でございますが、開拓局長は会議がありまして、そちらの方に出て席が外せなかつたものですから、私代りに参つたものでございます。今の御質問でございますが、農林省といたしまして安定本部の方へ出しておる來年度の予算の中には、新規入植を一万六千五百戸入れたい。それに対しまして開墾の経費と、それから住宅の経費、その外住宅の外に入植施設といたしまして、学校とか、それから共同作業場、そういうものが少しついております。それを公共事業費として要求しておるわけであります。その外にも公共事業費以外の一般経費の方にも、これに関連した経費が多少入つておるのでありますが、それは僅かなものでございまして、今の公共事業費の方の一番大きな部分は、一万六千五百戸の新規入植者に対する開懇の経費、大体五億ぐらい、それから住宅の補助金大体十二億ぐらいその他多少ありますので、大体新規入植者一万六千五百戸分のそれの経費といたしましては、約十八億ぐらいのものが要求されておるのであります。一應それだけお答えいたします。
#118
○千田正君 今の一万六千五百戸の入植者に対する五億の要求、一戸当り平均どれだけですか。
#119
○説明員(角田孟紀君) 今の金額の中で一戸当り平均いたしますと、十四万五千円くらいになると思います。というのは一万六千五百戸について平均しますと、もつと少くなるのでございますが、住宅の経理等も一万六千五百分丸々計上されませんので、一万六千五百戸のうち大体一万戸分が要求されておるのであります。ですから一万六千五百戸で平均しますと、今の十四万五千円より下つてしまいますが、一万六千五百戸のうちで住宅補助金を貰う者について見ますと、住宅の一戸当りが十二万円、それに開懇の補助金が大体二万四千円くらい、合せて十四万四千円くらいですが、それくらいのものが新規入植者の中で……。住宅の補助金が貰える者についてはそれだけ。というのは一万六千五百戸入つても住宅の補助金がその入つた年、二十四年度に貰える者というものが、一万戸ぐらいというふうな計算になつておるものですから、そういうことになります。
#120
○岡元義人君 今の御説明の二万四千円というのは営農資金と建築資金と含めたものですか、開懇資金は、
#121
○説明員(角田孟紀君) 今の二万四千円ばかりというのは開懇だけの補助金でございます。
#122
○北條秀一君 この入植の問題につきましては、一万六千五百戸を入植させるという農林省は省議を決定されて、大藏省、建設省に交渉されておるようでありますが、内容につきましては、今の角田入植課長の御説明は極めて漠然としておりますので、お手許に資料があると思いますから、開懇費は幾ら、建築資金は幾ら、営農資金は幾ら、その補助と融資、これを区別したものを、一戸当りのものをどういうふうに計算されておるか、それを明らかに示して頂きたいと思います。
#123
○説明員(角田孟紀君) 今の御質問に対する十分な資料を用意して参りませんので、詳しくは申上げられませんので、直ぐに資料を以て御説明することにいたしまするが、大体の概数は今私が申しました十四万五千円ばかりと言いましたのは、新規入植者についての開懇と住宅だけのことを申上げたのでありまするが、國の財政支出全体から見ますというと、この新規入植者に関係する財政支出といたしましては、今申上げました開懇、住宅の外に、営農資金、これは融資でございまするが、営農資金があるわけです。その外に、といいますのは、開懇と住宅と営業資金は、これは入植者のいわば直接的な経費でありますが、その外に間接的な経費として、入植の指導なり、入植の実施についての國の政行費のようなもの、それから入つた入植者の営農の指導に関する國の経費、その外入植すべき土地の開拓計画を立てるための経費、それから入植地に関係するいわば建設工事といいますか、道路その他の建設工事をするための経費とか、その外に我々役人のための事務費なり、俸給なり、そういうものまでも全部一万六千戸には関係するわけですが、それの全体は二十四年度の予算案の中に入つて來るものは、今申したもの全部で大体三十万円ぐらいになるのであります。一戸当りにいたしまして、それは開懇の関係で、先程二万四千円程と申しましたが、それは補助金だけの話なんでありまして、開懇の補助金だけでそうなるので、その外に開懇には道路とかその他の建設工事のようなものが大分つきますので、そういうものがプラスされますから、開懇全体としては大体五万円余りのものがかかる。それから住宅の関係では、さつき申しました十二万円くらい、それから営農資金は九万円くらい、それからその外の間接的な経費として、入植の指導とか、営費の指導とか、或いは開拓計画とか、或いは開拓用地の買收のための経費とか、そういうものがその外にあるわけでありまして、合計で三十万円程來年度の予算に計上される、來年度分だけでそれくらいになるというわけであります。概括的な説明はそういう程度のものになつております。
#124
○北條秀一君 入植の問題は、今朝開拓自興会の代表者及び最近ソ連から帰りました入植希望者の最も切実な陳情があり、尚且つ入植に対して非常な決意を示されたのでありますが、昨年の例を取りますと、昨年これらの開拓者たちが入植する際に、十万円の営農資金、建築資金及び開懇費、一切合切合せまして、融資、補助金合計十万円初年度にあれば入れるというのに対して、農林省はたしか二十六万円余の予算を取つておつたと思うのであります。そうしますと、一戸の農家に対して、直接費は十万円であつて、間接費は十六万円ということは、私共專門家ではありませんが、非常に不合理だと思う。そこに予算操作上多量の入植を実行する上に困難な点があるのではないかと思い。どうしてそういうふうに厖大な間接費がかかるのか、僕には理解できないのです。その点を、資料が十分なければ、更めて営農指導に幾らであるか、土地開拓に幾らであるか、建設の指導に幾らであるか、そういうことについての農林省としての詳細な資料を我々に提出して頂きたいということをお願いいたしたい。
#125
○説明員(角田孟紀君) 今の御要求の通り、資料を作成して差上げます。
 今ここで概略を申上げますと、二十三年度の予算の数字について当つて見ますと、先程申しましたように、直接的なもの、或いは間接的なもの、全部で一戸当り十四万円程になつております。
#126
○岡元義人君 先程十四万円と……。
#127
○説明員(角田孟紀君) 先程申しました数字は二十四年度ですから、今度言いますのは二十三年度の数字であります。というのは、今の御質問の方が二十三年度と申されましたので、二十三年度は一四万円程になつております。そのうち直接的なものと私が言いました開懇と住宅と営農資金、これが十一万六千円程でございます。残りの二万四千八百円余がいわば間接的なもの、間接的なものいいますのは、先程言いましたように、入植実施のための経費、営農指導の平めの経費、それから未懇地の買收、管理、賣渡等のための経費、それから開拓計画の調査のための経費、それから開懇用の機械等を貸付したりいたしますので、その機械関係の経費、それからいわば行政費、それくらいの項目に分れておりまするが、その合計で二万四千八百円程になつております。直接的なものが十一万六千円、合せて十四万円程になつております。これが二十四年度の農林省としての要求の案によりますと、それに対應するものが三十一万二千円程度になつておる、こういうわけであります。これがどの程度に査定されて決まりますか、今のところまだ分つておりません。
#128
○北條秀一君 先程角田氏の説明の中に、十八億円くらいなものだというお話がございましたが、その十八億円くらいなものだという基礎はどういうものですか。
#129
○説明員(角田孟紀君) ちよつと失礼いたしまして、御質問を聞き落しましたが、もう一度恐れ入れます。
#130
○北條秀一君 今一戸当りの大当概算所要額が三十万円ということでありましたが、先程の説明の中に、一万六千五百戸を入植させるための総計十八億円くらいな予算を安定本部に要求しているという説明が、一万六千五百戸に対して三十万円でありますと四十八億円になるわけですが、十八億円という話がありましたが、その十八億とは一体どういう関係にあるのか、それを聞きたいのです。
#131
○説明員(角田孟紀君) 細かい資料を差上げれば一目瞭然なのでありますが、ありませんのでそれは先にも申しましたように一万六千五百戸入植させるのでありますが、一万六千五百戸分の住宅の経費を計上するというふうなことであれば、今申しましたように、四十何億にもなるわけでございますが、予算の関係で一万六千五百戸入つても一万六千五百戸という住宅の戸数を計上しておりませんので、一万六千五百戸のうち約一万戸の住宅に補助をする。それから開墾につきましては、一戸当り大体四反歩だけ二十四年度には開墾するから、その分の補助金は、これは一万六千五百戸全部やると、そういうふうなことになりますので、今の三十万円と一万六千五百戸の四十八億という数字とは合わなくなるのであります。更に三十万と言いますのは、公共事業費だけじやございませんで、その他の間接的なものまでもみんな入れて三十万というのでありまして、公共事業だけに関係しますものは、その三十万の中の約十六万ぐらいでございます。三十万の中の十六万ぐらいが公共事業だけであります。
#132
○北條秀一君 ああそうですか。
#133
○説明員(角田孟紀君) その一戸当り十六万程の、それの一万六千五百倍ではないので、住宅だけは一万戸倍、開墾の方は一万六千五百を掛けておりますが、そういう意味で四十八億にはならないわけでございます。
#134
○北條秀一君 追つて詳細な資料を出して頂きますので、それによつて檢討して行こうと考えます。特に我々特別委員会の委員が非常に心配しておりまするのは、一万六千五百戸をどうしても今年中に入植を完了させようというみんな熱意に燃えているわけであります。從つてその尖端を切つておりまするのは、農林省の開拓局でありますから、開拓局の出すところの予算の計画、それに附随したところの予算というものに対して、我々は非常に心配しているわけであります。ところが從來の例から言うと、実際に開拓團の諸君の話を聞くと、自分たちだけに一切合切、政府がこれだけの補助金と、これだけの融資を出すから、それでみんな開墾して呉れというのであれば、極めて……極めてとは言いませんが、役所で考えている所要額の半分近いもので可能であるということをしばしば聞いているわけであります。ところが役所で計算しますと非常に厖大な予算を必要とする。それは一戸当り三十万乃至四十万という金が合計でかかる、そのために結局予算が段々と膨脹いたしまして、肝心かなめの入植の数が削られて來るというところを我々は非常に心配するわけであります。そういうことのないように、目的は一万六千五百戸を入植させるにある。その点を私共としては飽くまでも究明して行きたいのであります。從いまして、一戸を入植させるためにどうしても、過去の経驗から言いましても、農林省の行政費関係のものが可なりあるという点に、私共としてはまだ今回も一万六千五百戸の入植を念願しておりまするけれども、それが段々削られはしないか、或いは一万二千戸になり、一万戸になるというふうに削られて参りますと、毎年々々待機中の引揚開拓民を徒らに焦躁のうちに日を送らせるということになりますので、どうしても今年は……午前中に楠見農林委員長から日本の食糧問題について非常に憂慮深い話があつたのでありますが、そういう点から考えましても、何としても一万六千五百戸を本年は入植を完了させたいというふうに考えておりますので、その点を過ちないようにお考え願いたいのであります。今お話のありました二十四年度、つまり初年度には四反歩を開墾するという話でありますが、実際に開拓團の諸君の実績を持つて來ておりますのは、四反歩や五反歩じやないと思う、或いは一町近い、或いは一町以上のものを開墾しておるのではないかというふうに考えるのでありますが、その点について若しあなたの方で現在分つておりましたならば、知らせて頂きたいと思います。
#135
○説明員(角田孟紀君) 今のお話で間接的なものの中の行政費的なものは非常に多いのではないかというお話でございまするが、これも資料であとで申上げまするけれども、行政費といいましても、その中のいわゆる官廳で使う事務費的なもの、その中には勿論給料等も入りますが、そういうものはそう心配する程多くはないのであります。というのは二十四年度の全体で三十一万と申しましたか、この三十一万のうちで二千二百八十円程が今年の今申しました狹い意味の行政費でございますが、その外に間接的なものとしてさつき言いました入植関係の指導実施費なり、営農の指導のための経費なり、未墾地の買收のための買收費、管理費、或いは賣渡経費、そういうふうなもの……その外にずつと例えば入植の関係で二千三百二十円とか、営農費の関係の三千五百八十円とか、ずつと数項目あるわけでありまして、狹い意味の行政上の人件事務費というのは三十一万二千二百六十円のうち二千二百八十円程でございます。
#136
○北條秀一君 開墾は四反歩と言いましたが、そうですか。
#137
○説明員(角田孟紀君) それは初年度には大体四反歩くらいというふうに考えております。先程入つた年にすでに一町歩或いは七、八反もできるだろうというのは、これは一般的に考えたら先ず間違いでございます。というのは入植当年には住宅も建てなければならんというふうなことから、開墾ばかりに労力を注ぐというわけに参りませんので、これは幾らヘビーを掛けても当年度には多くても四、五反くらいのものじやないかと思うのであります。予算的には一應四反というのが計上されております。
#138
○北條秀一君 分りました。追つてこの資料を出して頂くことにしまして、それによつても我々はあなたたちと協力して一万六千五百戸の入植をどうしても実現しなくちやならんということは間違いない次第であります。そこで今までの事務当局との折衝において、この一万六千五百戸の入植について安本当局及び大藏当局との折衝の結果、どういうふうな期待が持てるか、農林省はどういう期待を持つておられるか、從來の折衝の経過に基いて発表できるだけ発表して頂きたいと思うのです。
#139
○説明員(角田孟紀君) それはここに安本の建設局の次長が見えられておりますので、その方からお答えして頂く方がよろしいと思います。如何でございましようか。
#140
○北條秀一君 それは勿論結構でありますが、早速安本の雨森次長からお聞きしたいと思いますが、今朝建設局長が参りまして……内閣は決まつたばかりであつて、而も大臣がやつと今朝來たところなので、安本としてはまだその問題について意見を言うわけに行かんという話であつたのでありますが、而も尚且つ建設局長は、自分はこうすべきであるという考えを極めて大胆率直に言われたのであります。從つて雨森昭長がお見えになつて、次長としての立場からこの問題について御意見を述べて頂くことは極めて結構でありますが、私共としては農林省の方はどれだけの熱意を以て安本と大藏省に折衝しておるか。その結果どうしてもこの線は下れないという程の確信を、あなたたち農林省としての決心の程をここでお聽きして置きたいのであります。
#141
○説明員(角田孟紀君) お答えいたしますが、私共といたしましては、一番先ず戸数について、一万六千五百戸を要求しておるのでございますが、これに対してまあどれくらいの査定になつて、どれくらいのところに落着くか、今のところはつきりは見通せないのでございますが、我々としては、やはりこの原案の一万六千五百戸は最後まで主張して行きたい、こういうふうに考えております。というのは外地から引揚げて來た専業農家で、二十三年度の八月末ぐらいで、入植を希望して待機しておる者だけでも一万八千人近い者があるわけです。それから更に今後今年の夏ぐらいまでに帰つて來て、入植を希望する専業農家だけでも更に八千戸も加わるだろうということになると、二万五千戸ぐらいの入植を希望する者があるわけなんでありまして、その外にも更に地元の二三男等で入植希望の者も一万戸ぐらいはあるだろう。こういうことになりますと、新規入植の希望戸数としては三万五千戸にもなる。こういうふうな事情でありますので、それに対して一万六千五百という数字がまあ要求されておるわけでありますから、それに対して我々として、現局の者としては、最後まで主張して行きたい、こう思つております。
#142
○北條秀一君 引揚同胞対策審議会というものがあることは御存じでありますが、その対策審議会に対して、農林省は常に今日まで欠かさず局長又は総務課長が出席されておるということは、取りも直さず引揚者問題について非常に御熱心であるという点につきまして、私は常々感謝しておるのでありますが、今年の一万六千五百戸の入植の問題は、午前中に、待機中の農民諸君からして切実な陳情があつたのでありますが、若しこの一万六千五百が実現しないというような場合には凡そ計り知れざるところの社会不安状態を惹起するのじやないか。極端に申しますと、これらの待機中の農民諸君が筵旗を立てて暴動を起すとさえも、殊に今回の総選挙の結果、新らしい情勢に應じまして、そういうところに來ておるのであります。從つてこの引揚特別委員会も、そういう極めて押し詰められた心境に、眞劍な心境にあるわけでありますから、この眞劍な我々の立場から、飽くまで我々としては担当局であるところの農林省を應援しておるのでありますから、どうか農林当局におきましては、この國会の熱意を十分に背景にされまして、所期の目的を達せられるように、一層の努力をされんことを切望して止みません。つきましては、わざわざ雨森次長が見えておりますので、先程來話しておりましたことを雨森次長も聽かれまして、よく我々の主張をお酌み取り頂けたと思いますが、それにつきまして、安本建設次長として御意見を述べて頂くことができるならば、この際御意見を聽かして頂きたいと思います。
#143
○岡元義人君 今北條委員の質問に関連して、一緒に答えて頂く質問をしたいと思いますが、本年度、二十三年度の予算処置の中で、先だつて補正予算等によりまして、こういう入植所要資金も、公共事業の中から出すようになつた分があるかないか、この点伺つて置きたいと思います。若し全然なければないで結構ですが、又それから一緒にお答えして頂きたい、そのあと少し御質問があるのでありますが、先ずその点を、北條委員の質問と一緒に答えて頂きたいと思います。
#144
○説明員(雨森常夫君) 午前中建設局長がこの席に罷り出まして、いろいろ安定本部の建設局といたしまして、現在考えているところをお話申上げたということでありますが、入植問題につきましては、局長が申上げました通り、大体現在の我々の考えといたしましては、國の経費の全体から見まして、どうしても農林省の御要求になつております数量だけは参りにくいということに現在はなつているのであります。ただ私といたしましては、引揚者の住宅として、例えば厚生省関係に、住宅の予算が相当額附いておりますので、これを開墾入植地にできる限り持つて行つて流用したら、それで幾らか救われやせんかというようなことも考えておるのであります。今のところ大体一万戸程度しかこの予算にはどうしても入り切れません。非常に我々としても、残念に思つているわけであります。この点御了承をお願いいたしたいと思います。尚外に……。
#145
○岡元義人君 補正予算の中にこの方の関係はあるかないか。
#146
○説明員(雨森常夫君) ございません。
#147
○千田正君 ちよつとだけ、農林省の方は、一万六千五百戸の中に、引揚者に重点を置いているということは、大体これは全部引揚者でないだろうと思いますが、引揚者に重点を置いて、何戸と……。
#148
○説明員(角田孟紀君) 一万六千五百戸の中で、全部が引揚専業農家に、外は入つておりません。
#149
○北條秀一君 雨森次長にお伺いいたしますが、一万戸程度ということでありましたが、これは先程私が、農林省の角田入植課長に質問しておりましたので、聞いておつて頂いたと思いますが、一万六千五百戸、戸数を減らすか、或いはその他の予算を減らすか、一戸当りのですね。それで先程私が質問しました問題が起るわけでありますが、どこか農林省の出しているところの、一万六千五百戸の予算の中に、戸数が無理なのか、或いは予算が無理なのか、どつちか私は欠陷があると思います。この予算の方が無理だとすれば、それを削つて、戸数は減らして行かんでも、即ち單價を下げて、そうして一万六千五百戸は飽くまで建てることができるというのが私の考えでありますが、その点について、今まで事務当局として、農林省から提出された予算について、どつか欠陷といいますか、これはどうも無理だろうという点があつたら示して頂きたい。内輪で、ざつくばらんに。そうすれば、我々も協議して、農林省に、これでなければならん。ここをこうすれば減らせる、一万六千戸は一万五千戸になるというふうに直せると思います。この点をお尋ねいたしたい。
#150
○説明員(雨森常夫君) 予算の全体の枠といたしまして、結局予算から推しまして、一万六千五百戸を取るということがむずかしい。ただ一戸当りの建築費でありますとか、或いは補助率でありますとかいうことにつきまして、農林省の方の御意向がありますれば、又お打合せいたして決定いたしたいと思います。
#151
○岡元義人君 少し質問が二、三あるのですが、その前に安本当局に一つだけ質問して、安本の方に帰つて頂くようにお願いしたいのです。一つだけお答え頂きたいと思います。先程ちよつとお話がありました引揚者無縁故者住宅に対して、今そういうような氣持まで持つておられるにも拘わらず、今度は経済九原則に從つて全部打切られる。その後の処置は責任を持つてやるおつもりでおられますか、その点一つ伺つて置きたいと思う。非常に迷惑しております。すでに地方によりましては、土地なり或いはいろんな準備までしておるにも拘わらず、突然折角あなたの方で御決定になつたものを打切られるというような形で以て、実際收拾のつかないような状態になつておりますが、四月一日から優先的に、何ら処置される手配をしておるかいないか分りませんか。
#152
○説明員(雨森常夫君) 資金ですか。
#153
○岡元義人君 ええ、資金です。私が今お話している内容が分つておるでしよう。
#154
○説明員(雨森常夫君) 私が申上げたのは、國の補助でございます。
#155
○岡元義人君 いや、無縁故者住宅に関する今度の補正予算で、終つた後に第四・四半期として出すようになつているものは打切られたということなんです……。そうだ一般の方から……その点について非常に御心配なさつているようですが、何とか四月一日に優先的に処置するというお氣持があるのかないのか、それから伺わないとあなたの御発言が信用できない。
#156
○説明員(雨森常夫君) 私申上げましたのは、現在私の方で大藏省と打合せをいたしております段階でありますが、現在の、本日申上げられることを申上げたのであります。厚生省予算の方に國費の補助を無縁故引揚者の住宅のために出すということは、実現すると思います。(「了承」と呼ぶ者あり)
#157
○北條秀一君 雨森次長も帰つて頂きますので、最後に私は駄目を押して置きますが、先程一万戸という話でありましたが、何回も繰返して申しますように、今年一万戸にするということは非常な社会不安を捲起す原因を作るということなんでありまして、絶対に我我としては一万六千五百戸を完全に、今年は入植させるようにやらなければならんという固い決意を持つておりますので、從つてこの一万戸ということでは絶対に承服できないということを御了解願いまして、今後の御努力を願いたいということを重ねて申上げて置きます。
#158
○説明員(雨森常夫君) お話によりまして、私退席させて頂きますが、農林省と又打合せをいたしまして、農林省の方のお立場もありましようから、戸数をできるだけ殖やして行くことにおいては、私は非常に同感でございます。建築費なり、或いは補助率なりというものについて、操作ができますれば、その点非常に結構じやないかと思います。こういうふうに考えております。ただ戸数を減らしますというと、移住家屋の方は、それでできますが、それだけ余計に入りますだけ、又開墾費の方も殖えますので、その点はどういうふうになりますか、計算して見ないと分りません。その方は非常に窮屈になつて來て、恐らくむずかしいんじやないかという感じがいたします。移住家屋のみがくつついて開墾費の方の國費が増額になります。その点を一つ農林省と十分御相談をお願いしたいと思います。
#159
○岡元義人君 安本が帰られたから農林省に二、三質問があります。それで委員長に特にお願いしたいのは、質問の途中において開拓團の代表の方に二、三点質問をお許し願いたい。よろしうございますか。
#160
○委員長(紅露みつ君) 御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○岡元義人君 先ず第一番に、どうも安本は氣付いておるようですが、私農林当局に聞きたかつたことは、本年度の予算措置の中にもう一回……二十三年度分の全予算の中の建築関係だけを一つ知らして頂きたい。一問一答でよろしいから簡單に……若し出なければ、もつと外の方に質問を変えますが、二十三年度の総予算は幾らになつておりますか。
#162
○説明員(角田孟紀君) それは家屋だけ……。
#163
○岡元義人君 全部です。総額です。
#164
○説明員(角田孟紀君) それはちよつと今覚えておりません。住宅が九億五千万円程、内地合せまして……。
#165
○岡元義人君 その住宅関係の中で、厚生省のいわゆる無縁故者住宅をどれだけあなたの方で御利用なさつたか、この点を聞きたい。
#166
○説明員(角田孟紀君) はつきり分りませんが、殆んど利用しておりません。
#167
○岡元義人君 ちよつと開拓團の人で、今政府から利用していないということでしたが、利用されておる所がありますか。誰か代表の方……。
#168
○説明員(吉崎千秋君) ここにおりますのは大抵内地側でありまして、北海道の連中はそれは利用しておると思います。
#169
○岡元義人君 東北は……。
#170
○説明員(角田孟紀君) 北海道は二三百くらいあるかも知れません。
#171
○岡元義人君 問題は、入植課長というのは、そういうような本当に親身になつてこの入植問題を檢討されておるのじやないかと思う。私は伊藤開拓局長のところに行つて先だつて九億七千万円の無縁故者住宅費を取つたときに、わざわざ私が数回お尋ねいたしまして、そうして入植にこれをどれだけ持つて行くのか、そういうまとを具体的になぜあなた方は立案されないのか、あの住宅というものはただ單にどこでもここでも家を建てればいいというので九億七千万円という予算を取つたのじやない。あの予算が取れておる以上は、あなたが積極的に入植の面倒を見るという氣持がある以上は、当然あの中でこれだけ建てて呉れという要求があつて然るべきだ。九億七千万円というあの厖大なる無縁故者住宅費を取るにも、私は伊藤開拓局長にしばしば注意しておるにも拘わらず、今あなたから、課長がそういう資料を持たないということは以ての外だと思う。我々は何を苦労して九億七千万円というのを取つたのか。
 安本がおればあなた方が都合が悪いから帰つて貰つた。併しながらもつと眞面目な氣持で私は入植者の問題を考えて欲しいと思う。(「同感」と呼ぶ者あり)
 もう一つ次に御質問しますが、生業資金を一般の開拓者は融通を受けていないということを聞いておりますが、その点一つここではつきりと……。
#172
○説明員(吉崎千秋君) 自興会長の吉崎であります。生業資金の方は、開拓者としては大変希望をいたしておるのでありますが、なかなか村の方の民生委員の人が余り村の負担になるというようなことで、活躍をいたして呉れませんので、僅か貰つておるところはありますけれども、全般的に見ましてですね、そんなに沢山貰つていないというのが事実であります。
#173
○北條秀一君 今のお話はそれは生活保護法による生業補助金ですか、それをはつきりして頂きたい。生活保護法によるところの生業補助金を千円ずつ成年者以上には國庫は出していいということになつております。その一千円ずつの金を貰われたことがあるかどうか。もう一つは先程岡元委員が言われましたような庶民金庫の生業資金を借りておられるかどうか。この二つであります。
#174
○説明員(吉崎千秋君) 庶民金庫の方は大体において私の推定でございますが、八割ぐらいは貰つているのじやないかと思います。併し生活保護法によるところのものは余り頂いていないと思います。
#175
○北條秀一君 全然ですか。
#176
○説明員(吉崎千秋君) いや全然ということはありません。私の知つている範囲でも多少ございますから……。併しなかなか希望を容れて頂けませんで、まあ希望したものの中の一割ぐらいが貰つておれば精々だと、こういうふうに私は考えております。
#177
○岡元義人君 大体分りましたが、今の御報告、八割という御報告でありましたけれども、私の方に集まつている情報では、生業資金は九州地区だけでも殆んど開拓者に行つていない。そういうように、どうしてそれが行つていないかと申しますと、こういうような営農資金なり、開墾費なりを貰つているから、そういうようなものは出す必要がないというような、そういう論拠に基きまして出されていないのですが、当然私は入植課長がこういう点について横の連絡を取られて、借りられる対象にあるのだからできるだけそういう方面を利用さす、そうして先程北條委員から数を殖やせ、数を殖やせという要求がありましたけれども、安本の取られました予算の範囲の中で、この運用と操作の面におきまして、あなたの方の独自の立場によつて相当数勘案されることができる、こういう見通しを持つている。特に住宅費のごときは、これは相当あなたの方で組まれている何億でしたか、十一億でしたかそういうものと、片方には九億七千万円というものがあるのです。そういうものとタイアツプさせるならば、恐らく相当数の、そこに二千や三千の入植を殖やすということは私は容易であると思う。もう一つ、これは課長にお伺いしたいのですが、先程來同じ農林省の部内でありながら、ララの物資等におけるところの無償配給その他についての御斡旋を入植課長が取られたかどうか、この点を一つ伺いたい。
#178
○説明員(角田孟紀君) ララの物資の方は、あれは今まで、ちよつと失礼ですが、多分あれは私の方でなくて指導の関係でやつている筈でありまし、私の方はで課やてつておりません。
 それから先程の引揚者住宅の方を積極的に利用するように横の連絡等を十分にやらなければいかんということがございましたが、この点は内地の方では実績的には殆んどないのだろうと思います。北海道の方は少しはあるという実際なんでございますが、十分の連絡が或いは取れていなかつたかと思いますが、その点は十分に氣をつけてやりたいと思います。以上。
#179
○岡元義人君 どうも課長のお話を聽いて、私は口が悪いので有名ですから、根はそう悪くないのですから、余り氣に掛けて貰わなくていいのですが、どうも入植課長という仕事が、あなたのお話を聽いていると分らなくなるのですが、入植課長は飽くまでも面倒を見てやるのが、課長の仕事じやないかと思うのです。そうすればララの物資等も、実は外の引揚者團体等はこの委員会が斡旋して現に受取りに來ているものもありますし、相当貰つて行つております。入植者が一番先に貰えるべきであるにも拘わらす、未だにそういうような斡旋をあなたがしておられないということは、僕には分らん。それは私の係じやない、指導課でやるべきである、こうおつしやられますが、併しやはり入植に関して一番よく分つているのはあなただと思う。ただ入れるだけじやなく、飽くまでも面倒を見てやるというのがあなたの立場じやないか。
 それからさつきの北海道だけが無縁故者住宅があるというふうな御解釈になつているのは、これは間違いであります。東北六縣だけじやありません。九州にも各地にも相当予算を取りまして無縁故者住宅を造りつつありますが、そういうものは当然タイアツプさせなければならないと思う。そういうために無縁故者住宅というものは予算を取つているのであります。ちよつと速記を……。
#180
○委員長(紅露みつ君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#181
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて下さい。
#182
○淺岡信夫君 農林省の総務局長がお見えになつておりますから、この陳情の趣旨に基いておりまする一万六千五百戸のこの國内開拓の問題に対しましてその予算措置、そうした面を一つ全般的に御質問いたすわけでありますが、大体この一万六千五百戸入植という問題に対しましての予算というような面に対しましてどういうふうにお考えでしようか。
#183
○説明員(平川守君) 一万六千五百戸の予算については、数字については、先程入植課長からお話申上げたような数字を要求いたしておるわけです。これに関連して農林省のこれを要求する態度につきまして御説明申上げますれば、大体開拓局、或いは農林省の考えとしましては、当初はひとり引揚関係者だけでなしに、青少年の入植等につきましても、是非やりたいということを考えておつたわけであります。併しながら全体の予算が極めて圧縮せられなければならんという情勢に対應いたしますために、これを外の方も是非必要なものであるけれども、何と申しても引揚者に対する入植という問題は、これは最も緊切なるものである。而もこの人々は、すでに外地におつて農業を專業にやつておつた人たちである。而も死線を潜つて來た人であつて、入植するについても最も効率的と言いますか、能率よく比較的安い費用を以て定着し得る人であります。そういう意味から言つて、外のものは非常に惜しいけれども全部打切りまして、專ら引揚者に対する入植だけを見るということにいたしたわけであります。もともと御承知のことと存じますが、全体の空氣といたしましては、新規の開拓というものが非常に金が掛る。その割に食糧増産等の見地から見まして直ちに効果が上らない、單に食糧増産効果を上げるという意味から行けば、或いは同じ開拓でありましても、土地改良とかそういうことが効率的じやないか、又更に言えば、肥料の配給を余計にする方が能率的じやないか、こういつたような考え方が、これが政府のみならず各方面にあるわけであります。殊に開拓につきましては、一部農地問題等にも絡みまして、若干地元に反対するといつたような空氣も実際問題としてありますわけであります。それやこれや殊に金の問題が一番重点なんでありますけれども、そういう点から、とかくこの公共事業の中でも、開拓の予算、新規に入植するに要する予算というものが一番打切る対象になり易いのです。そういうことから考えましても、普通の入植については、これは全部諦めるより仕方がないだろう、併しながら外地から引揚げた人々の入植という問題については、先程北條委員からもお話がありましたように、これは大きく言えば治安問題に関係するような問題であります。我々としては、これは絶対に確保しなければならん。一万六千という数字も、実を言えば満足な数字ではありませんけれども、ともかくこの程度の数字があれば、一應現在待機中のものはカバーできるし、若干は新らしく帰る人も收容できるであろう。この数字に是非一つ押したいというので、今まですでに安本まで参ります間においても、途中でこの数字が打切られよう打切られようとする機会があるわけであります。それを只今申しましたような理由で、これだけはというので突つ張つて参つたわけであります。今後尚九原則等の関係もありまして、恐らく予算は相当の大きな圧縮を受けるのじやなかろうかということで、安本の立場も非常によく分るわけでありますけれども、先程お話されましたように、一面單價等について檢討すべきものはできるだけ檢討いたしまして、戸数は是非確保したい、かように考えております。殊に一戸当り何円かかるかという問題につきましては、これは入植する人によつてやはり可成り違う問題ではないか。私は満州自興会の方の方々にも申しておるわけでありますけれども、つまり満州で殊に終戰後非常な苦労をされまして、ともかく非常な最低の生活を体驗しておられるのであります。開拓に要するいろいろな費用につきましても、内地の普通の人では、贅沢ということはありませんけれども、いろいろと完全な準備が必要である。併し満州から帰つた人であれば、例えば家屋にしましても暫くは掘立小屋で辛抱する。それも自分の手で或程度はやつて行くとかいうようなことによつて費用の節減ができるのじやないか。國家財政の方が非常に苦しいということもよく分りますから、農林省としましては、この問題については是非とも非常に困難な際ではあるけれども、これだけは是非一つ通して行きたい。かように考えております。
#184
○淺岡信夫君 只今の説明でよく了承するのですが、端的に申しまして、日本の今の食糧事情から言つて、二三割から足りない。こうした問題に対して、先ず蛋白源の補給をして行かなければならないということは、これは自明の理でありまして、そうした点から考えれば、これは今の食糧を輸入する。その見返りに、外貨を獲得して見ても、それが全部消えてしまうということで、これではいかん。そこで土地改良でもして、早く食糧を作るということ。これは非常によく分るのですが、私は外地へ行つた人、つまり各縣から國が挙げて満州に百万、五百万以上持つて行つたところが、戰爭で敗戰になつた。そうした人たちが帰つて來たのでありますから、これは國家が挙げて力をいたさなければならないと私は思う。而も資格から言い、経驗から言い、あらゆる面から言つて一石二鳥三鳥なんです。そうして農林省が言つているこの入植関係の予算を見ましても、非常に間接費が多いのです。ところが実際自興会の先程の吉崎会長、その他の説明を聞きましても、五ヶ年計画で二十四万円、第一期いくら、第二期いくらというふうにやつておる。非常に安價なんです。こうした点から考えれば、一石三鳥四鳥五鳥になる。こうした面を國が挙げて遺憾なきを期すということでなかつたならば、日本の建設なんかあり得ないと思う。これはどうしても右に行くか左に行くか知りませんが、とにかく一方の方へ行つてしまうのです。或いはもう行つておるかも知れない。それを元へどうしてもねじ返すにはこの一石三鳥四鳥五鳥にもなる手を國家が眞劍にお打ちにならなければいかんと思う。この点に対しまして、農林省でお立てになつている一般の開拓とか入植とかいう面に対しては、間接費が多過ぎるのです。私は今例を挙げませんが、これはよくお分りになると思う。どうかこの点に対しては虚心担懐に自興会の吉崎会長なり、或いはその他の幹部諸君の言うことをまともに受け容れて、今後において遺憾なきを期して頂きたいということを私は強く要望するものであります。
#185
○穗積眞六郎君 この入植の中で、満州の開拓民の入植ということについては、これはただ國家の將來の問題から出る問題だけでなく、過去の歴史に対する大きな責任だ、これはもう分り切つたことだと思います。勿論敗戰になつた今日、外地におりました我々も過去なんぞは言うべからざる方面もございます。又或る程度我慢すべき方面もございます。私、敗戰の後朝鮮にいて考えたときにも、第一に考え出したのが朝鮮の人のことより満州の開拓民のことでございます。これは國家の敗戰後の第一の責任だ、これは誰でも考えたことと思います。國としてもそれを考えられて、今までも入植も満州開拓の方に重きをおいておられたとは存じます。今度の一万六千五百戸という中にも、満州開拓民で入植を期待しておる方が殆んど大部分だろうと存ずるのでございます。そこで先程北條さんが質問されたことでございますが、この初年度四段歩という点につきましても、これはどうなんでございましよう、初めにすべての人を包括していれられた二十二年度でございますか、二十一年度でございますか、その年から今までずつと初年度は四段歩ということでやつておいでになつたのでございましようか。その点をちよつと伺いたいと思います。
#186
○説明員(角田孟紀君) はつきりしない点もございますが、大体毎年初年度に四段歩、第二年度に七段歩、第三年度に六段歩、それから第四、第五と五年間に二町五段という開墾が済むという計画で予算を計上しております。
#187
○穗積眞六郎君 その点でございますが、満州の開拓民が今度の入植の殆んど大部分であるといたしますならば、満州の今までの方々が過去何年かの経驗からよく初年度でも四段歩以上できるのだということはよく伺うのでございます。こういう点につきましては、先程も淺岡さんが言われたように、各方面の経費についてもいろいろ開拓民といたされては御自分で、政府がこのくらいかかるといつても、このくらいでやれるのだということを申しておられると同樣に、その開拓の反別当りもやはりよくこういう開拓團の方々の意見をお取り入れになつて、(「その通り」と呼ぶ者あり)そうして成るべく少い経費で多い効果を挙げるということに御努力なさるのが本当ではないかと存ずるのであります。その点どうなんでございましようか。そういうふうに今度も組まれておるのでございましようか。今のように何でも四段歩という式で行かれるのはどうかと私はこう思います。
#188
○説明員(角田孟紀君) 初年度の分は四段歩という数字で入つておりますが、次年度に七段歩、三年度に六段歩でしたか、そういうふうなことで金が入つておりますので、例えば初年度四段歩でなくて、五段歩開墾したというものには、殆んど予算全体の操作によつて四段プラス一段、一段なら一段五畝くらいのものは補助できるような操作をいたしております。それから自興会関係の節約した金額で、一戸当りの入植者を養う、財政的に見て一戸当りできるだけ切り詰めた金額を出すという点につきましては、私共は何も入植者のためでなくて外に間接的、間接的といいますが、何か入植者に関係のない経費を沢山計上されておるのではないかという感情を、私の言い方がまずいのでお起しになつたかも知れませんが、(「実際そうではないですか」と呼ぶ者あり)それはそうではございませんので、例えば開墾の今の経費だけを取り上げて見ましても、我々も入植者のためを思つて、入植者が二町五段五畝経営するんだ。二町五段五畝全部について補助金を計上しておるということなんであります。二町五段五畝開墾が全部完成するまで、國が補助金を見てやろう、五年間続けて補助金を見てやるうという方針になつておりますから、今の案では一戸当り何十万円ということであります。そういうことを、こういう財政困難の折柄、入植者の方から二町五段五畝の開墾補助費は要りません。開墾は一町だけやりますれば、あとの一町五段は要りません。一町やれば大体自給自足ができる。そこまでは補助金を貰つて、あとはもう國家の財政が苦しければ、三、四、五年はもう要りませんというふうな考え方で出ておる。そういうことで、例えば三十万円の中の一番大きな部分を占める開墾の経費において、我々の案と自興会の案とで非常に大きな差が出て來ておる。例えばそういうことであります。
 それから住宅の経費にいたしましても、來年度の予算案では、私共の計上しておるものは、十坪で一坪当り一万六千円で十六万円掛かる、一戸当りの建築費が……。そういう建築費で、それの七割五分の補助をする。そうすると十二万円になる。だから一戸当り十二万円の補助金を計上しておる。それを一戸当り十二万円を、財政困難というふうな事情から、それを例えば坪当り一万六千円というのを例えば一万円に下げる。そうすれば材料等も一万六千円の場合よりも悪くなるわけでありますが、そういう悪い家で我慢して入ろうというふうなことから、住宅の経費が、我々の方は補助金二十万円要ると考えておるのを、自興会では八万円で我慢しようというふうなところで、そこに四万円という差が出て來る。私共の考も、自興会の考も、その間には、入植者のためを図つて考えるという点において開きはないと、私共は考えております。
 間接費という言葉を私は使いましたが、間接費というと、これは余り必要でない経費も(「人件費だ」と呼ぶ者あり)意味されるんじやないかというふうな感じを起されるかも知れませんが、そうではないので、先程申しましたように、人件事務費というのは、三十万の中二千幾らした入つておりませんくらいで、あとは例えば未墾地の買收にしても、開拓計画調査にいたしても、そういうものも当然これは入植地に計画をちやんと立てなければいかんし、その入植用地は買收しなくちやいかんし、買收のたるにはやはり買收の事務的経費がかかるということで、間接費とは申しましても、間接費は余り必要がないじやないかという御疑問を起されるとすれば、その点はそういう御疑問のないように十分私たち説明できますが、それは間接的ではあるけれども、やはり止むを得ず必要な経費だけを計上しておるわけでありまして、その間に何らか余りにもだぶついた金が計上されておるんじやないかという御疑念ならば、そういう点は全然ございません。それだけお答えいたします。
#189
○淺岡信夫君 今課長の説明をそのまま私は率直に受取りましよう。そうして誠に私は感謝申上げますが、今度は試みにこうしたことができるかできないかということをお伺いしたい。そして簡單にお答え頂きたいと思います。例えば今農林省が入植計画を立てておる。それに対しての予算、それを自興会なら自興会に一應そのままの予算面をお渡しになつて……全額ではありませんよ、例えば試みに、五十戸とか百戸とかいう分でとにかく農林省でお立てになつた経費そのままで百戸なり五十戸を一應試験的にやつて見て、どつちがいいかということを年月経たねば分りませんけれども、結果を見ることも一案ではないかと思うのです。そういうようなことをお考えになつたことがあるかどうか、或いは今まで自興会の人たちと話合いが出た場合にそういうようなものを率直に受け容れる氣持があつたかどうか、この点を一つ承りたいと思います。
#190
○説明員(角田孟紀君) その点は何といいますか、入植者にできるだけ有利のようにしようという考えが先ず根本に我々の態度になつております。その点については自興会の言うことと違わないのでありまして、ただ違うのはその予算の数字についてですね、自興会と多少違うようなところがある。
#191
○淺岡信夫君 その数字が問題です。
#192
○北條秀一君 その資料が貰えれば……。
#193
○説明員(角田孟紀君) それでは例えば住宅につきましても……。
#194
○淺岡信夫君 簡單でいいんだが……。
#195
○説明員(平川守君) 今の予算は実行できると思うのです。現に確か土地買收等につきまして、從來役人の方でもいろいろ出て買收の事務をやつておりましたけれども、それについて側面的に自興会の方もそれを應援したい、それはよろしいのじやないかというので、この程度の金の自興会に出しまして、そういうことを協力してやるというようなこともやつて見たこともございます。ただ予算面のテクニックから言つて、國営事業でどうしてもこれは國がやつて行かなければいけないというようなことがございます。その場合に、場合によつては委託とか何とか、下請というような点もあるじやないかということも考えられますし、お話のような点はこれは要するに予算の金の使い方のテクニックの許す範囲において最大限度やつていいじやないか。
#196
○淺岡信夫君 今の課長のそのお答えで非常に満足しますと同時に、どうか大らかな氣持になつてそうして今後においてお話を聞く、或いはそれに対して又農林省から、これはちよつと考え方も違うということもありましよう、その点はそれは外地でどんなに死ぬよりも辛い苦悩を嘗められたかも知れませんけれども、併しやはり内地は内地の分らない点もあるのですから、そういう点はよくお話になつて行けば私は立派なものができやせんかとこの点を申上げまして、先程の答弁大変愉快であります。
#197
○岡元義人君 発言しないつもりでしたが、今の入植課長のおつしやつた自興会の方のいわゆる算定基礎と、ただ一年か二年で、後は自力でやるんだというようなふうの御説明がありましたが、これは非常に日本の官僚イズムと申しますか、あれは僕は今すつかり見せつけられたような氣がするのです。その点につきましては今の最後の案は淺岡委員と妥協されましたが……。
#198
○淺岡信夫君 妥協じやないよ。
#199
○岡元義人君 まあ結構だけれども、併しあの考え方については私は別途な考え方を持つておるということをは一つ申上げて置きたい。それは今までの算定基礎がそういうふうにあなた方の方でやつて來ておられるから、今更それを別個のもので行くということは到底できないだろうということはよく理解できますけれども、併しながら必ずしも自興会が出しましたいわゆる計算基礎というものが、先は自力でやつて行けるというような、考えによつては結論が同じになるかも分りません五年でやるものを三年間でやり遂げるということになつてしまえば、同じことになるかも分りませんが、内容は違う。あなたの方の算定の基礎と向うから出て來るものは全然違うということをお考え置き願いたいと思います。
#200
○北條秀一君 大分長くなりますので、この辺で本委員会を終了して頂きたいと思います。先程川平総務局長のお話を聽いておりまして、さすが総務局長だと思つたのであります。どうかその線で一つ是非全力を挙げてやつて頂きたいと思います。尚委員会を終りました後、大変御迷惑でございますが、幸い自興会の諸君も見えておりますので、平川局長その他入植課長に二、三十分残つて頂いて、更に懇談したい点がありますので、是非御賛成願いたいと思います。
#201
○委員長(紅露みつ君) 御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#202
○委員長(紅露みつ君) それではこれで委員会を閉じることにいたします。
   午後五時二十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     紅露 みつ君
   理事
           淺岡 信夫君
           岡元 義人君
   委員
           草葉 隆圓君
           小畑 哲夫君
           木内キヤウ君
           北條 秀一君
           穗積眞六郎君
           矢野 酉雄君
           千田  正君
  説明員
   経済安定本部建
   設局長     高野 與作君
   経済安定本部建
   設局次長    雨森 常夫君
   大藏事務官
  (銀行局次長)  三井 武夫君
   大藏事務官
  (給與局勤務)  飮森  実君
   厚生事務官
   (社会局更生課
   長)      大山  正君
   厚生事務官
   (引揚援護廳総
   務課長)    大宰 博邦君
   厚生事務官
   (引揚援護廳業
   務課長)    岡林 諄吉君
   農林事務官
   (総務局長)  平川  守君
   農林事務官
   (開拓局入植課
   長)      角田 孟紀君
   農林事務官
   (農地部勤務) 眞田 孝嗣君
           吉崎 千秋君
           小森 茂徳君
           伊東 厚坪君
ソース: 国立国会図書館
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