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1968/02/21 第61回国会 参議院 参議院会議録情報 第061回国会 本会議 第6号
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1968/02/21 第61回国会 参議院

参議院会議録情報 第061回国会 本会議 第6号

#1
第061回国会 本会議 第6号
昭和四十四年二月二十一日(金曜日)
   午前十時四分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第六号
  昭和四十四年二月二十一日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、常任委員長辞任の件
 一、常任委員長の選挙
 一、国家公務員等の任命に関する件
 以下 議事日程のとおり
    ―――――――――――――
#3
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#4
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 この際、おはかりいたします。
 加瀬完君から病気のため十四日間、佐野芳雄君から病気のため十三日間、それぞれ請暇の申し出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#6
○議長(重宗雄三君) この際、常任委員長の辞任につき、おはかりいたします。
 社会労働委員長加瀬完君から、常任委員長を辞任いたしたいとの申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#8
○議長(重宗雄三君) つきましては、この際、日程に追加して、
 常任委員長の選挙を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
#10
○近藤信一君 常任委員長の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#11
○船田譲君 私は、近藤君の動議に賛成いたします。
#12
○議長(重宗雄三君) 近藤君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、社会労働委員長に吉田忠三郎君を指名いたします。
   〔拍手〕
     ―――――・―――――
#14
○議長(重宗雄三君) この際、国家公務員等の任命に関する件につき、おはかりいたします。
 内閣から、土地調整委員会委員に岡部得三君を、
 日本銀行政策委員会委員に濱口巌根君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#15
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、いずれも同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#16
○議長(重宗雄三君) 日程第一、国務大臣の演説に関する件。大蔵大臣から、財政に関し発言を求められております。これより発言を許します。福田大蔵大臣。
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(福田赳夫君) あと一月余りで昭和四十三年度も終わろうとしておりまするが、この際、本年度の財政状況について御説明いたします。当面の財政金融政策につきましては、先般の財政演説で申し述べたとおりで、政府の財政運営の基本方針にはいささかの変化もないことを、あらためて申し述べます。
 御承知のとおり、昭和四十三年度の予算は、総合予算主義の方針のもとに編成され、恒例的な予算補正の慣行を排するという方針に基づいて運営してまいりましたが、国内米の政府買い入れ数量が著しく増加し、食糧管理特別会計の損失額が大幅に増加する見込みになったという異常な事態に対処するため、補正予算を提出することにいたしました。しかしながら、総合予算主義を堅持するという政府の方針には今後とも何らの変更もございません。
 この際、昭和四十三年度補正予算の大要を御説明いたしたいと存じます。
 今回の一般会計補正予算におきましては、歳出において、総額千二百八十億円の追加を行ないますとともに、既定経費の節減二百九十三億円を修正減少し、差し引き九百八十七億円を増加しております。
 一方、歳入につきましては、租税及び印紙収入の増加見込み額二千四百五億円を追加計上いたしますほか、税外収入の増二百五億円を計上いたしておりますが、公債金を千六百二十三億円減額しておりますので、差し引き増加額は、九百八十七億円と相なるのであります。
 この結果、昭和四十三年度一般会計予算は、歳入歳出とも五兆九千百七十三億円と相なるのであります。
 歳出の追加につきましては、当初予算作成後に生じた事由に基づき、特に緊急に措置を要するものにつきまして所要額を計上いたしたのでございます。
 まず、食糧管理特別会計への繰り入れに必要な経費として三百七十億円を計上いたしております。これは、国内米の政府買い入れ数量が著しく増加する見込みであること等により、食糧管理特別会計の食糧管理勘定における損失額が当初予算において予定いたした額より大幅に増加する見込みとなりましたので、同特別会計の経理運営の改善をはかるため、一般会計から同特別会計の調整勘定へ追加繰り入れすることとしたものであります。
 次に、国民健康保険助成費の昭和四十三年度不足見込み額として百七十四億円を計上いたしております。
 最後に、地方交付税交付金でありますが、これは所得税、法人税の増収及び酒税の減収を歳入に計上したことに伴い必要となるものでありまして、これらの三税全体としての増収額の三二%相当額の七百三十六億円を計上しております。
 歳入につきましては、最近の経済情勢及び現在までの収入状況等を勘案し、まず、租税及び印紙収入におきまして、所得税、法人税等を中心に増収を見込むとともに、酒税と印紙収入について減収を見込み、全体として増収見込み額二千四百五億円を計上いたしております。さらに、税外収入におきましては、日本専売公社納付金、日本銀行納付金等につき、二百五億円の増収を見込んでおります。
 最後に、昭和四十三年度の財政は、経済の予想外の発展をうけて、順調な推移を示してまいりました。特に、今回の補正予算において、千六百二十三億円の公債減額ができますことは、財政体質の改善に資するところが大きいと存ずる次第であります。
 以上、当面の財政運営について御説明いたしました。(拍手)
#18
○議長(重宗雄三君) ただいまの演説に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。木村美智男君。
   〔木村美智男君登壇、拍手〕
#19
○木村美智男君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案されました昭和四十三年度補正予算について、佐藤総理並びに関係大臣に対し質問するものであります。特に、本日は、予算補正と、目下国民の関心事であります物価対策及び消費者保護の問題にしぼって、質問をいたしたいと思います。
 まず、昭和四十三年度補正予算案について、一月二十七日の本会議において、福田大蔵大臣は、ただいまもそうでありますが、「総合予算主義を堅持するという政府の基本方針には今後とも何らの変わりはない」と明言をしています。しかし、政府の言う総合予算主義は、補正予算の提出という事実をもってすでに破綻したことが立証され、今日の財政運営、予算編成方針としては、現実的なものでないということが証明されたと思うのであります。第五十八回国会において、当時水田大蔵大臣は、「四十三年度予算の編成にあたって、政府は従来の予算補正の慣行を排除する総合予算主義をとることにした」と言い、佐藤総理も、財政硬直化打開のための大英断であると述べているのであります。ところが、現実は、水田大蔵大臣の言うように予算補正の慣行を排除することにならなかったのでありますから、この際、政府の責任は重大であります。政府は、いたずらに体面にとらわれ強弁することをやめて、率直に国民の前に、えりを正して、その政治責任を明らかにすべきであると思うのであります。(拍手)この点に関して、十八日の衆議院本会議において、佐藤総理は、「政府はこれまで異常な事態が発生したときは補正予算を組むこともあり得るという立場をとってきた」という趣旨の答弁を行なっておりますが、ただいま福田大蔵大臣もまた同様に申しておりますが、これこそ、国民を欺瞞し冒涜するもはなはだしい詭弁であるといわなければなりません。なぜなら、総合予算主義なるものは、わが党が四十三年度予算審議の段階で指摘したとおり、財政硬直化の名のもとに国民生活と地方財政を圧迫し、国民に犠牲を押しつけるためのものであったことは、公務員給与を七月から値引きして実施をして、生活保護や医療予算などの社会保障関係費、公害対策や交通緩和対策などの予算が、総合予算主義の名のもとに抑制をされたことを見ても明らかであります。しかるに、四十三年度予算の実行終了の段階にきて、突然補正予算を提案してきたということは、補正予算という名前は同じでも、総合予算主義をたてまえとしなかった従来の予算補正とは全くその性質を異にしているのであります。すなわち四十三年度予算は、大衆収奪とインフレを通して、大企業、独占に奉仕する予算編成をするための「てこ」として総合予算主義ということばが使われたことは、まぎれもない事実であります。この点、国民をペテンにかけた責任はどうとられるのか、明快なる総理の答弁を求めます。
 次に、四十三年度補正予算案の歳入財源に充てられる税の自然増収二千四百五億円は、四十三年度の減税が過少に過ぎ、実質的には増税が行なわれたことを意味しています。四十三年度当初予算では六千五百七十六億円の税の自然増収が見込まれたにかかわらず、財政硬直化を誇大に宣伝し、これを口実に、政府は所得税の減税を減らし、酒を四月から、たばこを五月から値上げをし、増税を強行したからであります。その結果、四十三年度の実質的な自然増収が九千億円の巨額にのぼったのであります。サラリーマン・ユニオンの旗上げ、総評の酷税白書がなぜ国民に共感を呼んでいるのであろうか。総理は、この際、重税に苦しむ国民大衆に取り過ぎた税金を返すため、大幅な減税を行なうべきであると思うが、いかがですか。
 税の自然増収を減税に充てるか、国債発行の減額に優先するかは、政府の予算編成にあたって問題とされた点であります。国債発行の削減は、短期的には、金融界や産業界が要望している金融緩和、すなわち減債された分がそのまま企業向け貸し出し資金として金融機関に利用をされれば、景気を刺激することとなるのは明らかであります。また長期的に見ましても、すでに発行した国債の日銀買いオペによる操作を通じて、四十三年度発行の国債も、実質的には日銀引き受けの国債発行と同じ効果、すなわち景気刺激の因となるのであります。そこで大蔵大臣に伺いたいのは、国債発行の歯どめとして、たとえば国債の削減分に見合う日銀手持ち公債の売りオペなり、あるいは日銀手持ち公債の償還といった具体的な対策をあわせ行なう必要があると思うのですが、いかがですか。また、自然増収が巨額に見込まれる時期に、できるだけ早く国債依存度を下げ、これをゼロにするよう配慮することは、財政硬直化の原因を少なくし、国民の租税負担を軽くするためにも、現在のような財政のインフレ的体質を改善をするためにも、必要ではありますが、だからといって所得税の減税を値切ることは許されないし、むしろ好況時にこそ、国債の発行を中止すべきではないか。この点、どうお考えですか。総理並びに大蔵大臣の答弁を求めます。
 地方交付税は七百五十四億円の追加となりますが、これは総合予算主義のたてまえからすれば、当然、当初予算計上の際に歳出に見込むか、別途補正予算を組むべき性質のものであります。国のフィスカルポリシーは、補助金や地方債の認可といった手段によって十分実行できるものであるのに、大蔵省は交付税追加分を国の景気政策に組み込んだようでありますが、このことは、地方自治法の趣旨に照らしても穏当ではないし、地方自治を侵害するものであると思うのであります。この点、大蔵大臣はどういうふうにお考えになりますか、伺いたいのであります。
 毎年問題になっております人事院勧告について、政府は口に完全実施ということを常に言っておりますが、いまだかつて、ただの一回も完全に実施をしたことがありません。また、財政硬直化の名のもとに、総合予算主義を貫く立場から、据え置き、ないしは物価値上がり分をも十分考慮しなかった生活保護の問題、失対賃金の問題、地方自治体の超過負担となっている国民健康保険事務費の完全補償と累積赤字の清算分等については、この際、補正に計上すべきであると思いますが、大蔵大臣は、どのようにお考えになりますか、伺いたいのであります。
 食糧管理特別会計への繰り入れ三百七十億円について、福田大蔵大臣は、国内米の政府買い入れ数量が著しく増加したため、食管会計の損失額が当初予算で予定した額より大幅に増加する見込みなので、その改善をはかるため、追加繰り入れするんだと説明していますが、これは初めから予想をされたところであり、損失の原因が、政府買い入れ数量の増加にあることもさることながら、昨年の米価決定のいきさつを見れば、これは全く政府と自民党の責任なのであります。生産者米価の決定は、食管法第三条に規定するとおり、生産費、物価その他、経済事情を参酌し、米穀の再生産を確保することを旨としてきめるということになっており、政府、自民党がほんとうに農民のことを考えるならば、当然、当初の予算編成の際に妥当な価格を見込むべきであるのに、財政硬直化を理由に、これではもたないと知りながら不当な米価を押しつけ、あとになって、政府と自民党のサル芝居によって生産者米価を引き上げ、その結果、自動的に消費者米価も引き上げをされ、物価上昇と家計負担の増加を背負わされた国民こそ全く迷惑しごくであります。この点、佐藤総理は、自民党総裁としてもきびしく反省をすべきであると思うのでありますが、心境を伺いたいのであります。その責任を求めたいのであります。
 また、現在問題となっている古米のだぶつき解消という問題について聞きたいのであります。配給米は非常にまずい、そういう国民の世論にあわてた政府は、三月から新米の混入率を六〇ないし七〇%に引き上げると聞いておりますが、本年の十月には、五百六十八万玄米トンになるという持ち越し米をどうするのか。価格についても、早い時期に思い切った値下げを行ない、古米解消を積極的に進める必要があると思うけれども、総理並びに農林大臣の見解を伺いたいのであります。
 次に、今回すでに提案をされております四十四年度予算も、また総合予算主義の名のもとに、政府の企図する財政目的を達したあとで、再び今回のような補正が行なわれるのではないか、こういうふうに国民は疑いを持っております。したがって、総合予算主義という基本的な編成方針は、早くも一年で破綻をし、現実的でないということが立証されたのでありますから、この際、総合予算主義は放棄すべきであると私は思うのでありますが、国民が納得するような総理の御答弁を聞きたいのであります。
 次に、補正に関連をして、当面の重要施策についてお伺いをいたします。
 その第一は、物価対策についてであります。
 経企庁長官に伺いたいのでありますが、消費者物価は、三十五年以来平均五・七%の上昇を示し、政府は四十四年度予算編成にあたっても、五%の物価上昇を見込んでおります。これは一体、努力目標なのか、それとも希望的な観測なのか、あるいは実現値なのか、明確にしてほしいのであります。同時に、従来の経緯から信用できませんので、さらに伺うのですが、五%にとどめる自信をお持ちであれば、その裏づけとなる具体的な対策を聞かせてほしいのであります。
 佐藤総理は施政方針演説の中で、今日まで数回にわたって、政府の重点施策として物価安定ということを強調をしてまいりました。しかし、国民は、いまや、百万べんの演説よりも、政府が物価対策として具体的に何をやろうとしているのか聞きたがっているのであります。そして、国民は、政府が、消費者物価の上昇は、経済の高度成長に伴う現象であって、どうにも手の打ちようがないのだという投げやりの態度で、物価に対処しているのではないかとさえ疑っているのであります。現に、昭和四十四年度一般会計の規模を見ましても、対前年比一五・八%の伸びで、名目成長率を上回っております。特に、景気刺激的効果の強い財政投融資計画の伸びは、前年度比一四%であるなど、政府の財政金融政策には物価対策の視点が全く欠けていると言わねばなりません。これらの点について、大蔵大臣並びに経済企画庁長官の率直な見解を承りたいのであります。
 特に、行政管理庁を中心に、行政の簡素化が叫ばれ、現に、総定員法案の提出がなされている今日、必要な個所に必要な人員も配置されないそういうような状態のもとで、五千名の治安要員と陸上自衛隊員六千名の増員は、財政硬直化の要因として当然増経費の膨張を来たす最大なものであるだけに、私は、ミイラ取りがミイラになるのたとえどおり、政府は財政硬直化を口にする資格なしと断ぜざるを得ないのであります。この点、総理の所見を聞きたいのであります。
 また、佐藤総理は、今国会冒頭の施政方針演説の中で、物価問題は政府が最も力を入れてきたところである、そういうふうに述べておられます。そこで具体的にお伺いをしたいのでありますが、総理がいかに力んでみましても、たとえば第一にビールの値上げの問題、年末年始の生鮮食料品の値上がりに対し政府のとった態度は、総理がお義理一ぺんの指示を与えただけであって、大山鳴動してネズミ一匹出なかったのであります。国民は、あわをふいて政府の無力を嘆いている、こういう状態を総理はどうお考えになりますか。
 第二は、再販規制法は必ず提出すると総理は衆議院の物価対策特別委員会で約束したことは、速記録を引き合いに出すまでもありません。この問題は消費者物価の下ささえの大きな原因であるというような観点から、そういう規制を行なうべきであるということになったのであります。しかし現実には、その後、関係各省や与党の圧力によって、新法の制定はおろか、対象品目の洗い直しすらいいかげんな解決に終わっているのであります。
 第三に、政府は、公共料金は極力押え、国鉄運賃の値上げだけを認める、そういうことにしたと言っているが、国民は早くも、国鉄が上がれば、私鉄、地下鉄、バス、ハイヤー、タクシーの値上がりを心配をいたしておる。原田運輸大臣の手元には、中小私鉄、地下鉄、バス、ハイヤー、タクシーの値上げ申請が山と積まれているはずでありますが、一方で国鉄運賃の値上げを認めながら、はたしてこれらの値上げを押えることができるかどうか。
 私は三つの例だけをあげましたが、佐藤総理は、これでも政府が物価の問題に最も力を入れてきたと広言できるでありましょうか。抽象的なことばをもてあそぶことによっては物価対策にはなりません。以上三点について、総理、経済企画庁長官、原田運輸大臣の答弁を求めます。
 次に、物価安定推進会議が、昨年の秋に、物価対策の有効な手だてとして食品の価格安定のため輸入政策を生かせという提言を行なっている。これを受けた政府として、どのように具体化をはかっているか、伺いたいのであります。かつては物価問題懇談会があり、現在は総理のもとに物価安定推進会議、各省には物価担当官会議、そうして経済企画庁には国民生活審議会があります。佐藤内閣の物価対策は、いたずらに機構づくりによってスタイルを整え、演説によってムードをつくり、国民の目をごまかすだけで、具体的に有効な物価対策が何一つ打ち出されていないと言っても過言ではないと思うのであります。これが佐藤内閣における物価対策の致命的な欠陥であります。政府は、物価に対する各種の会議、審議会などの提言を、新聞やテレビのニュースに流すだけではなくて、その内容を具体化するために、もっと真剣になって取り組むべきではないのか、この点、総理にただしたいと思うのであります。
 次に、消費者保護について伺いたいのであります。
 昨年、消費者保護基本法が成立した際に、佐藤総理は、従来のように生産者保護に重点を置くのではなくて、今後は、基本法の成立を契機にして、消費者行政に重点を置きたいと言明をされました。しかし、この首相のことばは、早くもその場限りになっています。今日、高度成長のひずみとして生まれている公害や交通から人命を守ることの大事なことはもちろん、いま、ちまたにはんらんをしている有害食品や不良インチキ食品を追放することもまた、消費者保護としてきわめて重要なことであります。この意味で、わが党は全国的に公害総点検運動に乗り出し、過疎地帯の国民の足を守るために交通調査団を派遣し、地域住民から非常な共感を持たれておるのでありますが、政府の消費者行政も、もう少し実態を見て実行をしていただきたいのであります。消費者保護基本法の附帯決議は十数項目あります。すでに法が成立をして十カ月を経た今日、農林物資規格法の改正、これもきわめて不十分でありますが、しかし、これを除いては、今回の国会に、新法の制定はもちろん、改正法案一つ提出されていないということは、行政の怠慢ではないか。政府は本気になって消費者保護の行政に取り組んでいるのか。この点は、総理並びに企画庁長官の答弁をいただきたいのであります。
 各省のなわ張り争いによって混迷をしている食品行政の交通整理をする必要もあり、いまや事業官庁と業界の癒着関係については、新薬をめぐる厚生省手入れ事件に見られるとおりであります。総理は、この際、通産、農林、運輸等の産業保護官庁の役割りと、厚生あるいは公取等の規制官庁の役割りというものを厳正に区別をし、明朗な相互関係を樹立するとともに、消費者保護行政の強化のために、行管をして管掌事務の洗い直しを行なう意思があるかどうか。同時に、各省から出向をして寄り合い世帯となっているがゆえに自主性を持っていない経済企画庁を強化して、物価庁的な役割りを持たし、消費者保護を徹底するお考えがあるかどうか。
 以上、昭和四十三年度補正予算案と、これに関連する物価対策、消費者保護行政を重点として伺いましたが、時間の関係から、その他の問題、細部については予算委員会の総括質問に譲りまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(佐藤榮作君) 木村君にお答えいたします。
 何ぶんにも広範にわたってのお尋ねでございますので、私からその大綱についてお答えし、それぞれの所管大臣から補足さすことにいたします。
 まず、総合予算主義についてでありますが、政府は従来から、予備費ではとうてい対処できないような、異常または非常な事態が発生したような場合には補正をすることはあり得ると言明してきたものであり、今回の補正は、総合予算のたてまえをくずしたものとは考えておりません。今後も、大蔵大臣の説明にもあったように、この方針は堅持する考え方でございます。したがいまして、補正を出すことによって、政治の不信を招くようなことはないと、かように確信をしております。また、総合予算が大資本擁護のてこであるとか、国民を欺瞞するものというような非難は当たっておりません。国民生活の著しい向上は、何と言われようとも、国民諸君が確実に感じ取っておられるところであり、わが党、わが内閣の政策の運営よろしきを得た結果だと、かように考えております。(拍手)
 次に、補正を行なうようならば減税を行なえ、あるいは失業対策賃金などもふやせとの御提案でありますが、今回の補正予算におきましては、その内容を一見すれば明らかなように、いわば義務的な経費の計上と、当面の財政体質改善のために最も必要と考えられる国債の減額に重点をしぼって処理することが、最も妥当と考えたものであり、御提案はとりがたいものと考えます。なお、減税につきましては、国民負担の現況に十分留意いたしまして、積極的な減税を四十四年度予算において実現していくものであることもつけ加えておきます。
 次に、公債減額をしてそれだけの金が余ると景気を刺激しないかと、こういうお尋ねでありますが、また、さような御心配のように聞き取ったのでありますが、日本銀行とも常に私どもは緊密な連絡を保ち、いわゆるポリシー・ミックスの実をあげてまいりますので、御安心をいただきたいと思います。
 食管赤字についての私の心境と責任はどうかというお尋ねでありますが、ずいぶんお叱りを受けたのでありますが、戦後の食管が国民の食生活の安定と農家所得の向上とに寄与した役割りは、むしろ高く評価されてしかるべきものだと考えております。問題は、今後の赤字の累増を極力防止することが大切であり、このため両米価据え置きの方針をとり、また食糧管理制度の改善に乗り出した次第であります。よろしく御理解御協力をいただきたいと思います。
 なお、古米、いわゆる持ち越し米の処理等につきましては、農林大臣から詳細にお答えをいたさせます。
 次に、総定員法を出しておきながら、自衛官や警察官の増員をすることは、これは財政硬直化になり、それは誤っているのではないかと、かような御意見でありましたが、私どもは全く立場を異にしております。国の防衛なり治安の維持は、独立国家としてまず必要なことであり、そのための要員の確保は当然の義務であります。私どもは、財政硬直化の打破のためにも、総定員法、これはぜひ必要だ、かように考えております。よく御理解いただきたいと存じます。
 次に、物価について、私どもの姿勢についてのお尋ねがありました。詳しくは菅野君からお答えをいたしますが、さきの施政方針演説でも申し上げましたとおり、物価問題は当面の最大の政治課題として真剣に取り組んでまいる決意であります。口先ばかりではありません。物価上昇のもとが日本経済の構造的要因にあるため、即効的効力をおさめにくいことは残念でありますが、財政金融両面においてじっくりと物価対策に取り組んでまいりたいと、かように考えております。輸入政策も時宜に即して活用してまいります。なお、五%の物価上昇率につきましてでありますが、根強い物価上昇の機運から見ましても、物価上昇を五%程度にとどめるということは、なかなか容易なこととは考えておりません。率直に申しまして、これはたいへんむずかしいことだと、かように思います。しかしながら、国民生活安定のための至上課題として、その確保につき最大の努力を払ってまいります。両米価抑制の方針なり、公共料金についての政府の強い決心をおくみ取りいただき、物価に対する内閣の姿勢を御理解いただきたいと思います。
 また、具体的な再販価格あるいは公共料金等についてのお尋ねがありましたが、所管大臣からお答えいたします。
 また、物価問題は、政府はいたずらに会議ばかりを起こしておると、こういうような御批判でございますが、私は、各種の会議または懇談会等を活用いたしまして、十分成果をあげるように、また、国民の協力を得るように、この上ともつとめる決意でございます。
 次に、消費者保護基本法の附帯決議事項についてでありますが、政府は、同法の施行後、さっそくに消費者保護会議を開催し、その処理の基本方針につき確認し、目下関係各省において鋭意その趣旨に従って対策を講じているところであります。四十四年度予算では、消費者保護行政の関係予算も大幅に充実させ、今後引き続き関連行為の推進につとめてまいります。
 最後に、いわゆる産業保護官庁と規制官庁との間の職員の出向はやめるべきだとの御意見でありました。問題は、御説にもありましたように、ひもつきの弊害にあると思います。私は、少なくとも現在のところ、そのような弊害はあらわれていないと思っております。優秀な人材を活用する意味からも、また、よい意味でそれぞれがお互いの立場を理解し合うことも、りっぱな行政を生み出すゆえんだ、かように考えております。したがいまして、この出向関係を取りやめることは、ただいま考えておりません。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。
 まず、総合予算主義が崩壊したのではないかというお話で、総理からもお答えがありましたが、御承知のように、従来は毎年毎年二千億内外の補正予算が秋に編成されておったのです。それはどういうことかというと、予算編成の初めに問題があったわけであります。つまり、財政当局として、なるべく少な目に少な目にと、ことに義務費に至るまでこれを過小に見積もるというような傾向があったわけです。そういうことで、秋になりますと、補正予算というものがつきまとってまいりましたが、それでは、年度初頭に、国政全体を見て、そうしてそれに必要なる経費を計上しようという、この国政全体の均衡性というか、バランス、それに欠けるところが出てくる、こういう問題がありますので、昭和四十三年度におきましては、あらゆる年度間の経費を見積もりまして、それに対する財源措置を講ずるという新しい考え方、これはもう当然のことでございまするけれども、そういう考え方をとったわけであります。しかしながら、これはもう当然お考えと思いまするけれども、一年間の動きの中には、情勢の変化もあります。したがいまして、それだけの予算が組まれましても、そのワク内における補正、これはどうしてもつきまとうと、こう言わざるを得ないのであります。それからさらに、まあ異常なことがあるかもしれない。たとえば大災害が起こった。その際、総合予算だからといって、その災害を手放しにしておくわけにはいかぬ、これは当然のことであります。でありまするから、年度初頭において総合予算が組まれましたけれども、年度の過程におきまして異常な事態または非常な事態がありますれば、増ワク補正もこれまたやむを得ないということも、しばしばここで私は申し上げておるのであります。この総合予算の方針は、財政運営の方式としてはまあ合理化された考え方でありまするので、今後といえどもこれを続けていきたい。昭和四十四年度の予算もそういう趣旨で編成をされておるわけであります。異常な事態また非常な事態がなければ、この予算案をもちまして、増ワクになる補正は万々あるまいと、かように考えております。
 次に、昭和四十三年度の財源、歳入が意図的に過小に見積もられておるのではないか、そういう過小に見積もって、そうして必要なる予算、歳出を抑制したのではあるまいかと、こういうような疑いでございまするが、さようなことはございません。今回二千四百億円の自然増収が見られる。それは何であるかというと、経済成長の見方が狂ったんです。これは率直に申し上げますが、狂っちゃった。一昨年の十二月、予算が編成される当時、昭和四十三年度の世界経済、その中での日本経済がこんな発展をたどるだろうと何ぴとも予想しておらなかった。その事態が起こった。そういう経済の異常なる見込み違いというか、成長を受けまして自然増収が出てきたのでありまして、決して意図的に過小見積もりをいたしたわけではございません。
 なおしかし、異常の租税の増収が見られるならば、それを減税で返せと、こういうようなお話でございまするけれども、御承知のように、ただいま公債を六千四百億円も見積もっておる四十三年度財政でございます。そういう自然増収がありますれば、公債の減額に充てる、まずそう考えるのが妥当である、かように考えておるのであります。
 また、公債をそれじゃ返せば景気を刺激するじゃないかというお話でございまするけれども、お話のように、公債の減額を行ないますれば、それだけ金融機関における手元はあくんです。しかし、手元があいだがらといって、それを貸し出しに恣意に振り向けさせるようなことはいたしません。日本銀行の金融オペレーションによりまして、そのあいた金は日本銀行に引き揚げさせるようにいたしておりますので、御安心を願いたいのであります。
 また、木村さんは、減税を大幅にせいと言いながら、一方においては国債も減らせというお話をいたしておられますが、そうどうも器用なことはなかなかいたしがたいのであります。しかし、国債の減額につきましては、これは心がけなければならぬ。また、お話のように、日銀のしょい込みになる、これは気をつけなければならぬ。私ども日銀引き受けでは公債はいま出しておりません。日本銀行も手持ち国債がふえておりますが、これは日本銀行が成長通貨を供給する方法が変わってきたのであります。日本銀行が、買いオペ、売りオペ、オペレーションを通じて通貨を供給する方式をとる。でありますから、日本銀行の通貨供給量は、経済の成長に見合ってきわめて安定しておるという状態であることを申し上げます。
 また、交付税交付金に関する今回の措置は、地方自治を圧迫するものではないか、無視するものではあるまいかと、こういうお話でございまするが、さような考え方ではない。中央財政、地方財政は、これは車の両輪なんだ、お互いに苦しいときには助け合う、これが本則でなければならぬ。昭和四十年度において、非常に不況である、地方財政が首が回らぬ、その際にはあれだけの多額の財政援助を中央からしておるではありませんか。今度中央のほうが地方に比べれば少し苦しい立場、そういう際に地方が協力の態度を示す、これは私は当然なことであると思います。私は、地方財政が、これは絶対的な意味においてよくなっているとは考えておりません。しかし、これはかなり改善され、よくなってきておるということは、あらゆる資料がこれを示しておるわけであります。ことに昭和四十三年度は、経済の異常な伸びを受けまして、ほうっておきますと多額の交付税交付金の繰り入れ額がふえてくるわけであります。二千四百億円の自然増収でありますから七百四十億の交付税を渡すことになる。これはまあ年度末になってそれだけの金が入っていくのであります。そういうような異常な――異常というか、はからざる収入がある。そういうようなことも考えて、四十四年度の予算の編成にあたりましては、まあほうっておけば三千百億円にもなるこの交付税、これを六百九十億円差し引きいたしまして、そうしてこれを四十五年度に今度は逆に交付額を増加する、こういう措置をとった次第でございまして、これは中央地方相助け合うというりっぱな姿であるとか、かように考えております。
 それから、国民健康保険や失業対策費、生活保護費、そういうような緊要なる経費を総合予算主義の名のもとにこれを抑圧しておるのじゃないかというお話でございまするけれども、決してさようなことはいたしておりません。必要なる、生活に緊要なる経費は、これは予備費でどしどし出しております。予備費で出し足らぬ分は、今回の補正予算におきまして組みかえ補正、こういうことを御審議願うことにいたしておるわけであります。国民健康保険のごときも、予備費を今回百七十数億円追加補正をするということにいたしておるわけであります。
 食管の問題でありまするけれども、需給の誤りがあるのではないか、当初からあるのじゃないかというお話でございまするけれども、これはまあ誤りと言えば誤り、天候を見違えたわけであります。八百万トンというのが千万トンになった。非常に異常な伸びでございまするが、八百万トンと見た際には、昭和四十一年度までの最高の見積もりをいたしたわけであります。これがまあ幸いにして非常な収穫となった結果、買い入れ量の面におきまして多大の見積もり違いが出てきたと、かようにお考え願いたいのであります。
 物価政策についての財政上の配慮が足らぬじゃないかというお話でございまするけれども、物価の問題につきましては、昭和四十四年度、これは物価安定の年にしたいという考えのもとに、財政上はできる限りの配慮をいたしておるわけであります。つまり、構造的要因という部面に対しましては、低生産性部門の向上、また、流通部門に各種きめこまかい措置、そういうようなことを予算上講じております。また国の総需要、これも物価に多大の影響がありますので、予算の規模の決定、また財政投融資規模の決定、そういうものに慎重な配慮をいたしておるわけであります。特に、昭和四十三年度において物価が上がった最大の原因は、やはり米価にあったと思う。消費者米価八%、これが大きな牽引力をなしたと思うのでありまするけれども、今回は、消費者米価、生産者米価ともにこれを据え置くと、こういうかたい方針をとりまして物価安定の基礎を固めていきたい、かように考えておるのであります。(拍手)
   〔国務大臣長谷川四郎君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(長谷川四郎君) 古米解消方策についてという御質問でございますが、最近におきます米穀の需給には、その均衡を何とか回復しなければならない。そして、それにはまず生産体制あるいは価格対策、この運用につとめることはもとよりでございますけれども、従来に増して消費の拡大に努力をいたしたいと考えておりまして、そういう観点からいたしまして、広い意味での米穀の消費量を拡大をしていきたい、こういうような考え方をもちまして、各般の措置について、前向きでいま検討をいたしておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣菅野和太郎君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(菅野和太郎君) 物価の安定並びに消費者保護の問題につきましては、いろいろ示唆に富んだ御質問を受けたのでありますが、大筋のことはすでに総理並びに大蔵大臣からお答えがありましたので、私は補足する意味でお答え申し上げたいと存じます。
 来年度の消費者物価を五%にきめたということにつきましては、これはもちろん個々の価格料金を単に機械的に集めて積み上げたものではないのでありまして、いままでの過去の趨勢をも勘案して、また同時に政府の政策目標の努力も勘案して五%にきめたのでありますが、総理から申されましたとおり、五%という消費者物価を実現するについてはよほどの努力が要るのであります。これにつきましては、政府は一致してこの五%の消費者物価の実現に努力することに申し合わせしておりますので、私は必ず五%の消費者物価が実現のできることを確信いたしておるのであります。
 そこで、もうすでに総理からも大蔵大臣からも申されましたが、この五%を実現するについては、政府のそれじゃ努力は、一体どういうことについて努力するかというお話がありましたが、まず第一に、構造上の問題については考えなければならぬ、これについては、大蔵大臣からもお話がありましたとおり、いろいろこまかい点においてもそれだけの予算措置はとってあるのであります。
 それからもう一つの問題は、物価が上がれば賃金が上がり、賃金が上がれば物価が上がる。また物価の値上がりは、政府が主導型であるということは一般にいわれておるのでありますが、そこで、まず政府みずからが公共料金を押えなければならぬという方針を定めまして、国鉄の料金以外は公共料金を極力押えることにいたしたのでございます。それによって物価の上昇にストップをかけたい、こう考えている次第でございます。そのほかいろいろ問題がありますが、あとで申し上げますが、とにかく政府としては、あらゆる努力をして五%を実現したい、こう考えておる次第であります。
 それから、年末の生鮮食料品についての対策がなかったのじゃないかというお話がありましたが、これは天候の関係もありましたが、実は昨年の九月から、毎年年末には物価が上がりますので、それの対策を講じなければならないということで、まず九月ごろからいろいろ対策を講じまして、たとえば貯蔵あるいは輸送、そういう点において万遺憾なきように措置をとったのでありまして、そこに幸いに天候の関係で食料品が下がりまして、十二月、一月は四%の消費者物価になったのでありまして、政府がただ無為無策であったわけでは決してありません。
 それから再販価格の問題でありますが、これは、公正取引委員会ですでにいろいろ手をつけておられることと思いますが、問題は、これはやはり業種をどうするかというところに問題があるのでありまして、もともと再販制度を設けたのは、小売り商を保護するという目的で設けたのでありますが、今日では、むしろあるいは消費者に対してこれが打撃を与えるのじゃないかというようなことで、再販制度が今日検討されるべき時期にきていると思うのであります。公正取引委員会におきましても、いまこの問題については検討されておることと存じておるのであります。
 それから、輸入政策のお話がありましたが、もちろん消費者物価の対策といたしましては、輸入政策は今後必要な場合には機動的にこれを実行するという方針をとっておるのであります。これは、いままでもとっておりましたけれども、輸入政策についてはいろいろ錯誤があったり、間違いがありまして、十分目的を達成しておりませんが、今後は目的を達成できる方法で輸入政策をとりたい、こう考えておるのであります。
 それから政府に、国民生活審議会や物価対策関係の協議会や、あるいは物価安定推進会議とか、いろいろ会議があるが、一体それはどういうことをやっておるのかというようなお話がありましたが、最も重要なものは物価安定推進会議でありまして、これは物価の上昇の根底に横たわっておる制度、慣行の再検討をいたしておるのでありまして、各界、各方面の識者、あるいは学者等のいろいろお知恵をおかりしまして、そして現在研究いたしておりまして、その結果はこれを実現することに努力いたしております。せっかくこういうような推進会議を開きまして、各方面の英知を集めて、しかも貴重な時間をさいてやってもらっておる答申でありますから、単なる作文に終わるようなことをしてはいけない。必ずその答申は実現するという方針のもとでやっておるのであります。でありますから、たとえば国鉄の財政の再建の問題、あるいは総合農政の推進、あるいは土地税制の改正というようなものは、今回これを実現することにいたしたのであります。
 それから政府には、臨時物価対策閣僚協議会というものがありまして、問題があるたびに協議会を開いておるのでありますが、これは臨時ではいけないということで、臨時ということばを取りまして常設機関にいたしまして、これは物価のすべての問題について、随時会議を開いて、物価対策を講ずることにいたしております。それからなお、物価担当官の会議が随時開かれまして、これは個々の問題について随時会合いたしまして、いろいろ物価の対策を講じておるのであります。そういうことで、政府はあらゆる機関を動員いたしまして物価の対策を講じておる次第であります。
 それから、消費者保護の問題についていろいろお話がありましたが、皆さん方の御努力によって、消費者の保護基本法というものが制定されまして、われわれといたしましても、消費者の保護の大体の目標ができておるのでありまして、その目標に従ってやっておるのでありますが、しかし、はたしてそのとおりやっておるかどうかというお尋ねがありましたが、ただいまもお話がありましたとおり、農林物資規格法の改正案とか、あるいは宅地建物割賦販売業者の免許条件の強化とか、あるいは積み立て金の担保制度というような新法の制定、あるいはガス用品の規制等を行なうためのガス事業法の改正というようなことが今国会に提出するはずになっておるので、これは各省庁において随時されておることと存じております。
 それからなお、この物価の問題、消費者保護の問題について、いろいろ根本的な、基本的なお尋ねがありましたが、問題は今日、日本の経済政策というものが従来生産本位であったのでありまして、これは御承知のとおり、終戦後、物のないときでありますので、まず物をつくるというのが経済政策の最大目標であったのでありますが、今日はもう物をつくる、生産ということよりも、消費に重点を置いて経済政策を立てなきゃならぬということになっておるのでありまして、政府もその方針でやっておるのであります。それからまた、今までの経済は量の経済でありましたが、これからは質の経済に変わっております。したがって、政府もこの質の経済ということを基本として今後の経済政策をとる方針を定めてやっておる次第でありますからして、この物価の問題、消費者保護の問題が漸次解決できると考えております。(拍手)
   〔国務大臣原田憲君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(原田憲君) お答え申し上げます。木村さん御指摘のように、総理は、その施政方針演説で、公共料金は国鉄運賃を除き極力抑制につとめると述べておられます。私はその方針どおり、菅野大臣もただいま答弁されましたが、国鉄運賃以外の運賃料金の改定につきましては、事業の経営内容、物価に与える影響等を総合的に考慮いたしまして、慎重に対処してゆく所存でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○議長(重宗雄三君) 峯山昭範君。
   〔峯山昭範君登壇、拍手〕
#26
○峯山昭範君 私は公明党を代表して、昭和四十三年度補正予算二案について、総理並びに関係大臣に質問を行なうものであります。
 総合予算主義が四十三年度予算の重要な柱であったことは、政府がかねがね主張してきたとおりであります。また今国会冒頭の大蔵大臣の財政演説の中で、昭和四十四年度も引き続き総合予算主義のたてまえを堅持する、そのため、公務員給与費、食糧管理特別会計への繰り入れ等について、所要の処置を講じた、と述べております。この財政演説をされたとき、すでに補正予算を組まねばならない事態があり、総合予算主義がまさにくずれようとしていたことは承知のはずであります。といいますのは、一月六日付の野田自治大臣と大蔵大臣との間にかわされた地方交付税に関する覚え書きによれば、四十三年度補正を組んで、地方交付税七百三十六億円をふやし、その引き当て分として、四十四年度予算では、国は地方から六百九十億円を借り上げることとなっているからであります。したがって、四十三年度補正は四十四年度予算編成の前提条件であったわけであります。このことを百も承知でありながら、大蔵大臣は一月二十七日の財政演説で、四十四年も四十三年に引き続き総合予算主義を堅持いたします、と述べていますが、これは明らかに事実に相違し、大蔵大臣の食言と言う以外にありません。これは四十四年度予算の国会審議を欺くもので、国民の断じて承服できない点であります。さきの衆議院のわが党代表の質問に、大蔵大臣は、今後も補正予算を提出することがあると答弁しておりますが、もしそうだとすれば、四十四年度財政演説で言った総合予算主義の堅持は、予算成立もしない今日の時点で、すでに雲散霧消したことになります。財政演説でまたまた詭弁を言ったことになるではありませんか。
 さらに、四十三年度当初の予算審議に際しての財政演説で、大蔵大臣は、公務員給与の改定に備えて予備費の充実をはかった、と言っております。しかし、公務員の給与改定に備えて予備費の充実をはかったと言いながら、現実には、人事院勧告は完全実施されなかったのであります。わが党は、補正予算を組んでも人事院勧告は完全実施せよ、年度内の自然増収から見ても完全実施できるではないか、総合予算主義にこだわらなくてもよいではないかと主張してきたのであります。ところが、政府は、総合予算主義のたてまえから完全実施できないことをたてにして、完全実施をしなかったのであります。あれからまだ二カ月もたっていないのでありますが、補正は組まないと言ったのに、豹変して補正をなぜ提出したのか。もし二カ月足らずの財政見通しすらできないというのならば、大蔵大臣は不適任と言わざるを得ないが、この点についてどう考えているのか伺いたいと思うのであります。
 次に、今回の追加補正の最大要因は、「一つに、四十三年度産米の買い入れ量が一千十万トンと異例にふえたこと、二つに、四十三年度の税の自然増収が二千四百億円を上回り、このうち七百三十六億円を地方交付金の増額に回す必要がある」と述べております。
 初めに最大の要因の一つである米の異例の買い入れについて伺いたい。四十三年度当初予算審議の際、「米の買い入れ量見込み額八百五万トンは過小である、こうした無理な予算はむちゃであり、補正は必至である」といわれていたのであります。ところが、当時の政府側の答弁は、過去の実績を勘案した妥当な買い入れ量であり、もし買い入れ量がふえても食管特別会計予備費千五百億円と食管特別会計内の操作でできるとし、また、四十二年度の買い入れ量九百八十二万トンは大豊作による異常な事態で、四十三年度買い入れ予定量をこれより百三十万トン減らして八百五万トンにしたことも妥当だと強弁したのであります。一議員が、「米の買い入れ予定量八百五万トンで食管特別会計の帳じりを合わせても結局は破裂する」と指摘できたのに、政府や食糧庁は、多数の優秀なスタッフをかかえておりながら、今日、国民の前に失敗を露呈したわけであります。政府は何をさして米の買い入れ量の増加が異例だと言うのか。私は、これはなるべくしてなったのであり、当初から当然予測できたことであると言いたいのであります。異例だから補正を組み、国会で承認してほしいとの理由は、理由にはならないと私は思うのであります。
 さらに、消費者への国内産米の売り払い見込み量のずさんが原因ではないかと思うのであります。政府の米の売り払い代金の収入見込みが当初予算の額を大幅に下回っている点であります。昭和三十九年度までは、当初予算の米の売り払い見込み量に対し売り払い実績のほうがよくなっている。ところが、四十年度以降は、予算の売り払い見込み量に実績は及ばないのであります。そうして、歳入予算と決算の数字で見ますと、四十年度四十五億円、四十一年度七十七億円、四十二年度二百五億円の収入不足となっているのであります。売れる見込みも立たないのに、予算書の数字だけ合わせるような食管特別会計予算の組み方は納得できないのであります。こうした収入見込みの手違いについては一言半句も触れていないのはどうしたわけか、また、四十三年度も売り払い代金の収入見込み額は九千三百六億円となっているが、これは達成できる見込みがあるのか、また、この米の売り払い数量七百九十六万八千トンは売れる見込みなのか、なぜ補正予算で売り払い数量を四十万トン減にしたのか、これらの点について国民の納得のいく説明をしていただきたいと思います。私は四十三年度の米の売り払い量七百九十六万八千トンは無理であると思うのです。四十二年度売り払い実績を五十四万トンもこえる消費増が期待できるだろうか。たぶん四十三年度も国内産米の売り払いは予定量に達せず、その結果、売り払い収入が予算額に達しないことも間違いないと思うのであります。この点について、なぜもっと適正な国内米の売り払い量及び売り払い金収入を掲げないのか、その理由を聞きたいのであります。そしてこの補正予算でも、そうした点については口をつぐみ、ただ異常に買い入れ量がふえたからという説明ばかりを繰り返しているのであります。当初から歳入見積もりに穴があくことを承知で予算書を作成したり、また、歳出見積もりでは、無理な八百五万トン買い入れで予算書をつくったり、まさに粉飾予算と言わざるを得ないのであります。こうした予算書に補正の必要が起こることは当然であり、これは財政法二十九条の「予算作成後に生じた事由」には当てはまらないのであります。したがって、政府に補正予算提出の資格はないと断言するものであります。この点について総理並びに大蔵大臣はどのように考えているか、承りたいと思います。
 第三に伺いたいのでありますが、もし四十三年度補正予算において地方交付税交付金を組み込まなかったらどうなるか。財政法の規定によって、この七百三十六億円は四十五年度予算で地方財政へ支出されるわけであります。このほか、四十五年度には、国は四十三年度に地方から借り入れた四百五十億円の三分の一に当たる百五十億円と、四十四年度に借り入れた六百九十億円の三分の一に当たる二百三十億円を地方に返さねばならないわけであります。したがって、これだけで合計千百十五億円に達し、その上、四十五年度には、国税三税の伸びとスライドして同年度の交付金がふえるし、一方では、四十四年度において六百九十億円も地方から借り入れており、当然増経費としての地方交付税交付金は、四十五年度には巨大なものとなることは必至であります。しかるに、これでは四十五年度予算の姿が著しく悪くなる、だから政府は、食管会計補正という事態に便乗したわけであります。したがって、今後も現在のように国税三税の三二%を自動的に地方財政へ支出する仕組みが続く限り、たとえ米や災害に異常がなくとも、好況で自然増収が大きく出るならば追加予算を組む必要性があると見なければならない。この意味からも財政硬直化打開の努力をしなければならないと思うのであります。そうでなければ、財政の行き詰まりが必ず生じて、財政は新しい政策を何一つ打ち出せなくなるばかりか、景気調整の役割りも果たせなくなってしまうのであります。この点について、明快なる答弁を伺いたいのであります。
 次に、歳入についてであります。
 自然増収は当初の見込みより二千四百五億円もふえ、また、税外収入においても二百五億円と、大幅な増収であります。しかし、減税もせず、国債発行予定額の削減に千六百二十三億円を計上しているのであります。国債発行予定額を削減することは、今日のフィスカルポリシーを織り込んだ財政上の原則論から言えば、一応の筋論とも言えないことはないが、しかし、租税の自然増収二千四百億円のうち、所得税の増収が千三百五十六億円も見込まれ、実に税収の六五%はサラリーマンの血税なのであります。しかるに、これだけの予想外の税金が政府のふところに入ってくるのであれば、今日の物価高や住宅難で困っているサラリーマンの減税を国債減額よりも優先して行なうべきではないか。まして、四十三年度の減税は、酒、たばこの値上げで実質ゼロになっており、また、四十四年度の税制改正では、自然増収一兆二千億円のうち、わずか千五百億円という、当初の減税見通しよりも大幅に後退しているのであります。したがって、以上の点から、わが党は、四十三年度の実質ゼロを補正する意味においても、せめて五百億円ぐらいは減税に振り向けるべきであると思うのですが、総理の見解を伺いたい。年度の途中で減税することは、技術的に難点があるとしても、やろうと思えばできないわけはない。過去の例をとっても、三十五年度の補正予算においては五十八億円の減税をやっているのであります。そうでなくとも、クロヨン(九・六・四)と呼ばれているように、給与所得者の課税負担は、他の所得者に比べてきわめて重いのであります。つまり、サラリーマンの課税負担が重いがゆえに、政府は涼しい顔をして楽々と補正予算を組むことが可能になったのであります。したがって、もしこのサラリーマンの税金がこんなに伸びないとしたならば、政府は、うまくつじつまを合わせることができなかったはずであります。この点、日本国民の首長たる総理の決意のほどを伺いたいのであります。
 以上をもちまして私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(佐藤榮作君) 最初に、総合予算に関連しての二、三のお尋ねがございました。
 まず、補正予算と総合予算主義とが矛盾するものではないかということ、この点については、先ほど日本社会党の木村君にお答えいたしましたので、これでお許しを得たいと思います。
 次に、総合予算の方針は、年度間のすべての支出要因を見きわめ、これに対して十分な財源を準備し、もって年度途中で従来恒例的に補正予算を組む慣行となっていたのを排除しようという趣旨に出たものでありまして、四十三年度においても、また今後も、総合予算主義というものは予算のあるべき姿として維持してまいるつもりであります。
 一言断わっておきますが、ものごとには絶対というものはありません。また、予算そのものは、国民のために必要な支出をするものでございますから、主義だけにとらわれ本末を誤るようなことは絶対にしないつもりであります。
 また、公務員給与の実施につきましても、その時点における財政状態のもとに、他の諸施策との均衡を十分考慮し、検討の上決定したものでありまして、総合予算主義を貫くために完全実施が犠牲になった、こういうものではありません。皆さんの決議もあったので、政府は八月と考えましたが七月にした。これらの点も考えて、総合予算主義が公務員給与を犠牲にした、こういうものでないことを御了承をいただきたいと思います。なお、今回の補正予算の内容を見ていただいてもおわかりになると、かように考えますが、公務員の給与は他の支出と均衡をとったもの、かように御理解をいただきたいのであります。
 次に、米の買い入れの問題について、るる、こまかなお尋ねがございましたが、この点は、所管の大臣からお答えさすことにいたします。
 次に、地方財政との関係でありますが、地方交付税の貸し借りと補正予算との関係でありますが、四十四年度予算において六百九十億円の借りを行なったのは、来年度における国と地方の財政状況を勘案した結果、国・地方を通じて最も円滑適切な方途であり、かつ地方交付税の年度間調整のためにも役立つものと考えて行なわれたものであります。必ずしも今回の補正を絶対的な前提条件として考えられたものではありません。また、自然増収があれば、交付税の増額という形で必ず補正が組まれるというものではなく、歳出の面にその必要があったときに初めて補正予算を組むというようなことが問題になるのであります。この点も御了承のことだと、かように私は考えております。
 次に、最後にお尋ねがありました、これだけの自然増収があったのだから、年度途中でも国民の税負担を軽くするように減税をしたらどうか、こういうことであります。まあ減税に回したらどうかというのじゃなしに、むしろ減税しろ、かような御意見であったかと思いますが、ただいま国は借金をしている、こういう状態であります。その借金をまず返すということがまず第一に必要だ、かように考えておりますし、また、減税そのものは年度途中にやらないで、来年度の減税財源にこれを振り向けるということが望ましい、かように考えまして、今回さような処置をとったのであります。これらの点は、また詳細は所管大臣からお答えさせます。サラリーマン減税について、特にその負担が重い、こういうようなことでありますから、来年度の減税は、特にさような意味で、低所得層に厚い減税をいたした次第であります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。昭和四十四年度の予算を編成する当時、すでに四十三年度の補正予算が想定されておったのじゃないか、それを隠して財政演説等をやっておる、けしからぬ、こういうお話でありますが、ちょうど昭和四十四年度の予算の編成の当時は、さあその補正予算が必要になるかならないかという境目の状態であります。私は、米の収買量が多くなる、また国民健康保険への繰り入れが多額に必要である、そういうような事情は予見されておったわけでございまするけれども、これを何とか既定経費の不用、節約、そういうことで、この年度のワク内においてまかないたい、かような考えのもとに最大の努力をいたしてみたわけであります。ところが、米のほうは、御承知のように二百万トンもよけいに買わなければならぬ。これはこのまま引き伸ばしますと、実に六百億近くの赤字要因になるのです。それを消費者米価の改定、こういうことで二百億ばかり埋めましたが、それが六百億ですから埋まり切れない。しかも国民健康保険という問題もある。その他にもいろいろある。そこで予備費を全部使えるのでありまするが、それでも足らないというので、二百九十億円の歳出の節約をする。そうして、まあとにかく国民健康保険のほうはその財源でいくんです。それから六百億円にもなる食管の赤字のほうも、かなりそういう既定経費で埋めてみたんですが、二百五十億ばかりはどうしても足らない、こういう結論になりましたので、やむを得ず、遺憾ながら補正予算をお願いするということになったのであります。しかし、そもそも総合予算方針というものは、この異常な事態が起きた場合に、これをしも排撃するという趣旨じゃございません。大災害が起こった、そういう際に、手放しで補正は組みません、総合予算主義ですと、こう言ってのけるという性格のものじゃない。そういう考えのもとに、昭和四十四年度以降におきましてもこの総合予算政策というものは持ち続けていきたい、かように考えておるのであります。
 人事院勧告のあの当時、総合予算主義だから完全実施はしないというふうに主張したと、こういうお話でございまするが、まあ総合予算主義というたてまえも、もちろんあったのです。あったのですが、主たる事情は、国の経費全体を見回しまして、総合的バランスをとった場合に、五月実施がいいか、あるいは八月実施がいいかというような問題であったわけでありまするが、八月実施という政府案に対し、国会のほうで、しかも、四党御協議の結果、七月実施という結論が出ておりますので、御了承願いたいと思います。これはいろいろな要請があるわけです。まあ、給与も生活保護も、あらゆる国政上の要請があるわけです。そのバランスの中の一こまであるということからすると、さような結論に相なるのであります。
 米の買い上げ量のみを言って、売り払いのほうの見込み違いを言わぬじゃないかというお話でございます。確かに、売り払いが予定よりは少し減るわけです。しかし、この赤字への響き要因は、わずかに三十億であります。でありまして、これはもう既定経費の範囲内で処置できる問題であります。主たる原因というか、もっぱら、いま御審議をお願いしている三百七十億円、実質的には二百五十億円でありますが、これは数量の見込みの変化によるものである、かようにお考え願いたいのでありまして、決して売り払いのほうを隠しておるというような考えは毛頭ないのであります。
 次に、地方交付税交付金の問題でありまするが、これは一月六日の時点で、自治大臣との間に覚え書きを交換した、これはお話のとおりであります。考え方といたしましては、中央、地方というものは、先ほど申し上げましたとおり相助け合わなければならぬ、これが一番国政運営のいい姿である。こういうことで、まあ地方が苦しいときは国が助けます。国が苦しいときは地方が助けます。そういう相互の関係になるわけでございまするが、同時に、地方財政は、その大きな財源を、地方交付税交付金に依存しておるわけなんです。これは中央財政の租税の伸び、つまり景気の凹凸によりまして非常に変動するのです。その変動が、地方財政では非常に運営上よくないことである。やはり地方財政が受け入れるところのもの、地方財政が財源の重大な柱としておるところの交付税交付金、この額は、年度間を通じて各年度の問の調整がとれて、なだらかのほうがいい、そういうふうに考えられるのであります。そういうようなことから、ことしは、中央財政で一兆二千億円もの自然増収があるのですが、歳出のほうに九千億を振り向ける。その歳出の中の実に三千百億円、三分の一強というものが地方交付税交付金なんです。これじゃ、中央財政のほうもバランスは失しますし、地方のほうとしても、ことしは多くいったが、来年は景気の変動によって、がたんと落ちるというようなことがあってはならない、しばらく国のほうにとどめておきましょう、こういうような考え方を、四十四年度としては、とることにいたしたわけでございます。この考え方において、中央、地方、車の両輪のようにうまくやっていけるのじゃないか、さように考えておるのであります。
 自然増収を減税に振り向けないのは不当であるというような、木村さんと同じようなお話でございますが、これもいま総理からお話のように、公債をとにかく多額に出しておるこの際でございますので、三十五年の前例というのは、全く当たらないわけであります。しかし、今年度において二千四百億円にのぼる自然増収がある。これは、当然四十四年度に響きを持つわけであります。四十四年度の見積もりが一兆二千億円もの多額にのぼりますのは、この二千四百億円という四十三年度の自然増収、これが基盤になるわけであります。そのことを踏んまえまして、昭和四十四年度におきましては、所得税を中心といたしまして千五百億円、平年度千八百二十五億円、これに地方税を入れますと実に二千五百億円、所得に対する減税が行なわれるわけであります。これは非常に所得税だけから見ますると多額の処置に相なるわけであります。今後苦しい財政であります。公債を出しておりますが、公債の漸減方針は逐次貫いていきたい、こういうふうに思いますが、一面、国民負担の軽減というものにも、とくと配意いたしたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣長谷川四郎君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(長谷川四郎君) 私の答弁は、先ほど大蔵大臣から木村さんに御説明がございましたけれども、簡単に申し上げます。四十三年度予算編成にあたりまして四十三年産米の買い入れ数量の問題でございますけれども、八百五万トンを見込んだというのは、昭和四十二年は史上空前の大豊作といわれますので、そこで昭和四十一年までの統計をずっと、とってみまして、大体このくらい、これでいけるんだろう、こういうような見込みを立てまして八百五万トンというものを立てたわけでございます。したがいまして、その数量を申し上げますと、大体三十四年からの統計をちょっと持ってまいりましたけれども、こまかく申し上げられませんから、四十年産が七百二十万トン、それから四十一年産が八百六万トンでございまして、こういうような点からいくと大体四十一年産が最高でありますから、最高の八百五万トンというものを見込むことが妥当であろう。こういうような考え方の上に立って八百五万トンを見込んだのでございまして、で、過去の最高であった。ですから、ちょうど四十二年産からまた四十三年産に入りますと、相変わらずの大豊作が続いたので、われわれは喜ぶべき状態であった、こういうことでございまして、したがいまして、買い入れ数量というものも大幅に増大する結果になったのはこういう理由でございますので、御了承のほどを願いたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣野田武夫君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(野田武夫君) 今度とりましたこの地方税法の六百九十億円の特別措置、これに対して御質問でございますが、これはすでにただいま総理並びに大蔵大臣からお答えしておりますので、特別つけ加えることもございませんが、ただ単に補足的に私から申し上げたいと思っております。
 私と大蔵大臣の覚え書き、これは公表しておりますから御承知のとおりであります。これはいま大蔵大臣が申し上げましたとおりでございます。同時に、地方財政の中で交付税というものは、これはもう固有の財源として私ども地方財政の運営をいたしております。したがって、数年来から地方交付税の税率につきましてかれこれの意見がございましたので、この際、地方財政を確立するためには、どうしてもこの地方交付税の税率問題について大蔵当局と話し合いをしておく必要がある、こういうことで折衝をいたしましたことで、大蔵大臣が非常に地方財政に理解を持ってくれまして、今後当分の間は一切交付税の税率についてはいろんな申し出はしない、大蔵省はそういうことは触れないという、こういういわゆる覚え書きにおいて約束をいたしたのでございます。
 それからいまの六百九十億の特別措置につきましても、これはいまも総理、大蔵大臣お答えのとおりでございまして、これは当然補正がない場合は四十五年度で入ってまいります。これを勘案いたしまして、その特別措置をいたしましても、地方財政においては四十四年度の地方財政の運用には差しつかえない、こういうことを見きわめまして、私はあの特別措置に踏み切ったわけでございます。四十四年度の地方財政の運営につきましては全然心配ないということから出た判断でございますから、この点は十分御了承を願いたいと思っております。(拍手)
    ―――――――――――――
#31
○議長(重宗雄三君) 片山武夫君。
   〔片山武夫君登壇、拍手〕
#32
○片山武夫君 私は、民社党を代表して、ただいま提案されました四十三年度補正予算二案に対し質問をいたします。
 まず、質問に入る前に、佐藤内閣の経済政策について一言触れてみたいと思うのであります。
 佐藤総理は、就任当初から池田内閣の経済政策を批判し、高度経済成長政策のもたらしたひずみを是正しなければならないと主張し、経済の安定成長政策への転換をはかり、物価の安定と社会開発等の施策を通じて国民福祉向上のための政策を強力に推進する決意を表明されたのであります。しかしながら、最近の実情は、その決意とはうらはらに、その無計画性を露呈しております。すなわち、ここ数年間にわたる佐藤内閣の政策が明らかにこれを示しておるのであります。昭和四十一年度の予算編成にあたりまして、当時の福田大蔵大臣は、財政新時代が到来したとか、あるいは財政主導型の経済成長政策の必要性を理由としまして、公債発行を強行し、総花的膨張予算を編成した。その結果として、日本の経済成長は政府の計画をはるかに上回る成長を今日まで続けておるのであります。このような状況の中で、四十三年度においては、長期にわたる高度経済成長にかんがみ、財政による景気抑制の実効を期するため総合予算主義をとり、財政硬直化を改善するとともに、予算補正の慣行を排除し、財政の効率を高めるとの方針を打ち出したのであります。
 さらに、物価の問題について言うならば、日本の経済はますます拡大の方向を示していることを認めながら、公共料金等の引き上げを行ない、これに刺激されて物価は依然として上昇を続けているのであります。このことは、政府の決意によって抑制し得る価格を引き上げておきながら、いかなる理由、いかなる根拠に基づいて物価安定政策と言えるのか、われわれはこの矛盾を何と説明されるか、疑問に思うのであります。
 このように、佐藤内閣の財政政策は一貫性を欠き、そして計画性のないことを実証しているのであります。その最大の原因は、これは閣内の不統一と総理の指導性の欠除と考えられるのであります。私は、佐藤内閣の今日を考え、故事にならって、総理に塩を贈る心境で苦言を呈するものであります。近代国家を形成する国の財政は長期計画性のある健全財政政策にあることは、これは論をまちません。いまこそ、その対策の樹立に勇気を持って積極的に取り組み、経済社会発展計画を実効あらしむるための方策が必要であると考えるのであります。
 以上の点について総理の所見をお伺いしたいと存ずるのであります。
 続いて大蔵大臣に質問をいたしたいと思います。
 四十三年度予算編成上の基本的態度として総合予算主義をたてまえとすると言われました。その内容は、第一に、一般会計の公債依存度を引き下げる、第二に、総合予算主義により公務員給与改定に備え予備費の充実をはかる、第三に、食管特別会計繰り入れば米価改定等事情の変化があっても補正は行なわない、このように説明されてきておるのであります。この裏には、公務員給与改定の限度を抑制し、生産者米価改定のしわ寄せは消費者米価の引き上げで補うという趣旨であったと考えられるのでありまするけれども、現実の問題としてこのことが立証されておるのであります。大蔵大臣のこの見解をお聞きしたいと思います。
 次に、総合予算主義は、今回の補正を組まなければならなくなったということによって、そのたてまえはくずれたと見るべきではないでしょうか。特に、衆議院における大蔵大臣の答弁によれば、四十四年度においても予算補正はあり得ると言われております。したがって、総合予算主義をたてまえとする理由はなくなったと思うのでありますが、大蔵大臣の見解を聞きたいと存じます。
 私は、別の角度から大蔵大臣に提言をしたいと思いますが、従来の年度予算は、総合的、計画的な判断により慎重に編成されていたと私は思うのであります。このことと総合予算主義とどこが違うのか、その区別は明確ではありません。さらに、総合予算主義を固執することによって、従来の予算はずさんであったということを証明することになりまして、かえって将来に問題を残すことになりはしないか、かように懸念するものであります。私は表現上の問題としてこれをとらえてみるならば、総合予算、まあこういうことばには別に反対する理由もない。しかしながら、また福田大蔵大臣がこの表現に固執する理由も根拠もないと思うのであります。したがって、あまり混乱を起こすような理解しにくい表現は取り下げるべきであると考えるのでありますが、いかがでございますか。
 第二の質問は、今回の補正予算の歳入の中心になっているのは、当初予算に比較して、租税及び印紙収入が二千四百億の増収となっております。これは明らかに歳入予想の過小見積りの結果であり、大蔵当局は従来より、意識的にとまではいかないとしても、慣行として自然増の過小見積りを行ない、国民の切実な問題である所得減税、この要求を軽視してきたと思われるのであります。先ほどの大蔵大臣のことばを借りるならば、そういった慣行があったやに聞き取れるような御答弁がされております。このような例は四十三年度予算において明らかであります。所得減税千五十億のかわり財源として、酒、たばこ等、間接税千五十億の増税を行ない、その理由として歳入の自然増の見込みのないことを取り上げております。結局、実質的減税はゼロという結果に終わったのでありますが、しかし、今回の補正では所得税の自然増は一千五百五十六億計上されておるのであります。これを見ても明らかなように、意識的な過小見積りと言われても、これは反論の余地はないのであります。このように歳入の過小見積りを常とするようなあり方は、これは改めるべきである。特に今回のごとき所得税の予期せざる自然増収は、次年度の減税に上積みするような配慮があってしかるべきであると考えるが、大蔵大臣の見解をお聞きしたいのであります。
 次に、追加歳出として、地方交付税七百三十五億を計上しております。政府は、地方財政の好転を理由に六百九十億の政府借り入れを行なっているのであります。これは社会開発、地域住民の福祉向上を犠牲にしたものと言わなければなりません。地方自治体の現実は、今後ますます生活環境整備のため財政需要の増大に苦しんでおるのであります。特に住民税の軽減は大きな課題となっております。このような現実を直視し、地域住民の福祉向上の見地から、全額自治体に交付すべきであると考えるが、大蔵大臣、自治大臣の見解をお聞きしたいと思うのであります。
 さらに、政府が言われるごとく、地方財政にゆとりがあると、こういうことが明らかであるならば、この際、特に電気ガス税の廃止とか、あるいはまた、大幅減税に踏み切るべきであると思うのであります。今日まで、総理みずから、悪税ではあるけれども、これにかわるべき財源のないことを理由にして存続してきた。その根拠は、もはやなくなったと思うのでありますが、特に、私は佐藤総理の顔を見ますと、これは悪税の親玉のような気がしてしかたがない。一日も早くこういうことをなくしたいと思うのでありまして、どうか大幅減税か撤廃かということを、一日も早く実現していくべきだと思うのであります。
 以上をもって私の質問を終わりたいと存じます。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
 政府の財政政策に一貫性がないといって、ただいまおしかりを受けましたが、私は、そのおしかりは当たらないように考えております。確かに、高度経済成長を私は、かつて批判いたしました。その意味において、相変わらず高度成長ではないかと、こういうのでございますが、要は、経済は成長し、そうして、その成長が国民生活の向上をもたらし、福祉の増進ができれば、それでいいのではないだろうかと私は思います。経済成長だけができていて、そうして、ときにひずみができる、あるいはまた、非常な極端な変動を来たす、そういうことは、これはよろしくないのではないか、そういうことを考えると、やはり、そのときそのときの経済情勢に応じた適当な政策をとること、それが、ただいま申すような目的を達するゆえんではないか。一つの固まった、固定した経済政策を立てていくことこそ、非常に危険なものではないかと思う。が、ただいま御承知のように、長期にわたってわが国の経済が成長している。そうして国民もその恩恵を受けている。かように考えますと、私は、ただいままでの経済政策、これはりっぱに目的を達しており、そうして、その形において私どもは成功していると、かように思っております。もちろん、その過程におきまして、いま物価の問題が一つ起きている。経済成長のもとにおいて、経済構造上の問題から物価の問題が起きている。この点は、ただいまたいへんな政治課題である、かように私ども考えて、これと取り組む姿勢をとっているのであります。でありますから、一つの、一貫性がないと言われるが、十分私どもは説明のできる一貫性を持っている、かように思っております。
 次に、財政運営について、やはり長期的な視野から財政運営が行なわれるべきだと、こういうお説でありましたが、私も、その御提案は、抽象的な意味においては理解ができるのであります。ただ、ただいまの御提案が、長期総合的な計画が、具体的な財政計画を意味するものであるとすれば、賛成するわけにまいりません。申すまでもなく、わが国のように、経済全体が大きく発展している際でありまするし、すべての要素が流動的である、さような事情のもとにおいて、長期的な経済計画など立とうはずはないのであります。したがいまして、この具体的な意見については、私は賛成いたしません。しかし、抽象的に長期にわたる財政的な目標を持てと言われる、経済的な目標を持てと言われる、そのことについては私も賛成であります。
 次に、私の顔を見ると悪税の親玉のように見えるということでありますが、よく見ていただくとそうではなくて、たいへん理解のある善玉のような顔をしておると思っております。私が申し上げるまでもなく、四十四年度の減税計画、その内容をよくお聞き取りいただくならば、確かにただいま申し上げるように感じは変わってくるのではないかと思います。よろしくお願いいたします。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま総理からお答えがありましたように、財政を長期に見ろ、この御提言は、私もまことに賛成でございます。さように期待したいと考えておりまするが、何しろ財政の背景となる経済情勢が目まぐるしく変転いたしますので、なかなか容易ではないということでございます。しかし、御趣旨は賛成でありますので、そういう方向で努力をいたしたい、かように考えております。
 四十三年度において初めて総合予算主義が採用されたわけでございまするが、これは、多々行政需要のある、その需要を全部配列をいたしまして、そして全部その財源の中でどれを優先的にこなすかという判定をし、その判定に従って財源をととのえる、かような考え方、財政に総合性を与えようということでございますが、この考え方は財政運営から見ますと一歩前進した考え方である、かように考えております。ただ、総合予算を実行いたしていく上におきまして、お話のように、米と給与と災害、この三つがこの総合予算主義に大きな関連を持つわけであります。四十三年度におきましては、両米価連動するという考え方のもとに、補正要因はない、こういう考え方をとった。ところが、数量がこれが激増をするという形になって、総合予算に重大なる障害となってきたわけです。それから給与につきましては、これは他の費目との権衡を考慮して八月実施、また国会の皆さんの御意見で七月実施にはなりましたけれども、これは予備費において措置するということで、補正予算を動かす要因にはならなかった。また災害のほうでございますが、これは幸いにして非常に軽微で済みましたので、これも補正予算に影響はなかったわけでございまするが、ともかく私は、昨年の十二月一日大蔵大臣を拝命いたしまして、自来、何とかして昭和四十三年度は補正なしでいきたいといって、ほんとうに精力を傾けて努力をいたしたのですが、二百万トンという大幅な食糧買い入れの増加、これは何としてもこなし切れないということで、残念ながら補正は組まなければならぬことになったわけでございますが、決して総合予算主義をくずしておるというわけでもないし、さような考え方は持っておりません。四十四年度も、お話のように、この方針を貫いてまいりたい、かように考えております。
 お話では、総合予算主義というのはあたりまえのことで、従来やり方がずさんであったのじゃないかというお話でございまするが、そう言われてみればそういうことなんで、そういうことを反省して、厳格に総合的な機能を持つ財政をやっていきたいということから、特に総合予算主義ということを申し上げておるわけであります。
 なおまた、四十三年度においては税収の見方が意図的に少ないのじゃないかというお話でございますが、そうじゃない。これは経済成長が――皆さんもそうだったと思う、全くはからざる予想以上の発展をいたしましたので、したがって、自然にそういう増収が出てきた、こういうことでございます。しかし、自然増収が年度途中において多額にある、あるいは自然減収になるというようなことは好ましくないことなんでありまして、さようなことのないように最善の努力はいたしてまいりまするけれども、経済の成長――根っこにある経済の成長が動くということにはちょっと立ち向かうことが困難であります。
 地方財政につきましていろいろの御批判がありましたが、地方財政は決してこれは非常によくなったと、地方交付税交付金がもう余分なほど支払われるんだという考え方はとっておりません。もうそういうことを考えるならば、地方交付税の税率を引き下げます。税率は引き下げないんで、そして、ことしは減らすけれども、来年はこれを戻すんだ、こういう考え方、また、不況時におきまして地方財政が困窮だというときには、また増加して、ふやしてやるんだと、こういう考え方をとるのでありまして、決して取り上げるという趣旨じゃありません。中央地方助け合いの体制である。また、それじゃ余裕があれば減税したらいいじゃないか、大幅な減税をせいというお話でございまするが、まあ多少の財政の改善ができましたので、これは住民税の減税をいたすということなんでありますが、それほどの大きな改善を見ておるというふうには見ておらない。精一ぱいの地方財政の減税だと、かように私は見ておるのであります。(拍手)
   〔国務大臣野田武夫君登壇、拍手〕
#35
○国務大臣(野田武夫君) お答えいたしますが、ただいまの私に対するお尋ねは、ほとんど大蔵大臣から御説明申し上げておりますが、重ねて申し上げておきます。あの六百九十億の貸し借りということは、つまり、あのときの覚え書きにも書いてありますとおり、四十三年度の自然増収を見込んで、その限度内で六百九十億を融通する、したがって、これは出世払いとか、当てにならない金を出したのではございませんで、当然引き当ての財源があるという確信を持ってやりましたので、先ほど申しましたとおり、四十四年度の財政計画には支障を来たしておりません。また、減税の問題でございますが、これは、総理の方針に言われるとおり、一面、財政の需要に応じて地方財政を確立すると同時に、やはり地方におきましても負担の軽減をはかりたいというので、本年度は、大体、住民税を含め、先ほど御指摘になりました電気ガス税も、わずかでございますが免税点を引き上げる。その他に、八百数十億の負担軽減をするという計画を立てております。(拍手)
#36
○議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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