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#1
第061回国会 本会議 第8号
昭和四十四年二月二十六日(水曜日)
   午前十時六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第八号
  昭和四十四年二月二十六日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(昭和四十二
  年度決算の概要について)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、故議員北畠教真君に対し弔詞贈呈の件
 一、故議員北畠教真君に対する追悼の辞
 以下 議事日程のとおり
    ―――――――――――――
#3
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#4
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 この際、おはかりいたします。
 青柳秀夫君から病気のため三十四日間、春日正一君から病気のため二十三日間、源田実君から海外旅行のため来たる三月一日から二十二日間、松井誠君から海外旅行のため来たる三月八日から十九日間、それぞれ請暇の申し出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#6
○議長(重宗雄三君) 議員北畠教真君は、去る十四日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 同君に対しましては、すでに弔詞を贈呈いたしました。
 ここにその弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は議員従四位勲二等北畠教真君の長逝に対しましてつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
     ―――――・―――――
#7
○議長(重宗雄三君) 小林武君から発言を求められております。この際、発言を許します。小林武君。
   〔小林武君登壇、拍手〕
#8
○小林武君 私は、皆さまのお許しを得まして、議員一同を代表し、去る二月十四日逝去されました参議院文教委員・従四位勲二等・故北畠教真君の御霊に対し、つつしんで御冥福をお祈り申し上げますとともに、君の生前の功績をしのびつつ、心からなる追悼のことばを申し述べたいと存じます。
 君は、明治三十七年八月、福岡県に生まれ、齢六十四歳、参議院議員として、また、宗教家として、今後いよいよその御活躍が期待されておりましたのに、不幸病魔におかされるところとなり、薬石効なく、卒然としてその生涯を閉じられました。いま私は、君の生前の温顔を思い浮かべ、悲痛の胸に迫るのを禁じ得ないのであります。君の六十四年の生涯を傾けた浄土真宗の布教及び仏教界の刷新並びに教育の振興などにささげられた君の情熱と崇高な精神に対し、深い敬意を表するとともに、ここにつつしんで哀悼の誠をささげるものであります。
 君は、昭和三年、龍谷大学卒業後、ドイツに留学、ベルリン、ライプチッヒ両大学において哲学を研さん、帰国後は真宗西本願寺の総務兼執行、宗会議長等、幾多の重職を歴任され、西本願寺派の重鎮として、宗祖親鸞上人の教えを体し、真宗の布教につとめられますとともに、みずからも天童市善行寺住職として教化に当たられ、広く市民の親愛の的でもありました。また、全日本仏教会事務総長として、わが国仏教界の刷新に尽力されました。一方、施療病院として発足した築地本願寺あそか病院の院長をつとめられるなど、社会事業にもまた大きな貢献をされたのであります。
 私と君との交わりは、本院の議員生活を通じてのものでありました。そして、君は与党であり、私は野党であります。しかし、君の温厚誠実、表裏のない人柄と、宗教界の重鎮でありながら、それをけぶりにも見せぬ日ごろの挙動の中に、真の宗教家を感じさせる君の風格に深い敬愛の念を抱いておりました。いま君を失い、君の政治活動を貫く真摯な宗教的信念をあざやかに思い浮かべるのであります。また、君は、興至れば得意の歌唱とその美声とによって聞くものをこうこつとさせ、また童謡「月の砂漠」を歌って涙するという、童心そのままの純真さをかもし出す人間味は、君と交わる人たちを魅了しました。反面、君はすぐれた柔道家であり、八段の高段位を持ち、ドイツ留学時代にはヨーロッパ柔道行脚を試み、当時、北畠、石黒と並び称されたというエピソードもあります。さらに日本武道館の設立に大いに努力されるなど、剛毅な側面をもあわせ持っておられたのであります。
 次に、君の国政への足どりは、昭和三十四年第五回参議院議員通常選挙に全国区から立候補され当選、次いで昭和四十年の選挙にも当選、二回にわたって全国区議員の議席を得られたのであります。この間、文教委員として終始され、昭和三十七年には文教委員長に選任、教育立法の審議制定に従事されますとともに、教育文化の振興に力を尽くされました。他方、昭和四十二年には行政管理政務次官に就任、その他院内活動としては、議院運営委員会庶務関係小委員長、参議院自民党の副幹事長等をつとめられるなど、きわめて多方面の御活躍をなされたのであります。君の話し合いの精神と温厚誠実なお人柄とは、同僚議員の深い敬愛を集め、特に文教委員会におきましては、委員会運営の円満をはかるため、陰に陽に尽力され、委員会としてなくてはならない存在でありました。いま、君の文教委員としての御活躍のあとを振り返って見ますと、宗教家としての信念の上に立って、主として、特殊教育や要保護、準要保護児童生徒に対する就学援助等、恵まれない子供たちに対する教育及び働きつつ学ぶ勤労青少年のための定時制教育に努力を傾けられたのであります。他方、みずから幼稚園を経営されるなど、幼児教育にも熱心でありました。なお、文化財の保護にも深い関心を示され、特にわが民族の貴重な文化遺産であります平城宮跡の国による買い上げを推進され、その結果同宮跡の保存の完ぺきが期せられるに至ったのであります。私どもは、君のこれらの大きな御功績に対し、深い謝意と敬意を表してやみません。
 さて、いまやわが国の教育は、大学問題をはじめとし、幾多重要な問題をかかえ、大きな試練に際会しております。このときにあたり、君のような学識経験ともに豊かな有為の人材を失いましたことは、大きな損失と申さなければなりません。また、わが文教委員会としても、今後君に待つところのものがきわめて大でありました。もはや幽明境を異にし、再び君の温容に接することができないのであります。しかしながら、われわれは、ありし日の君をしのび、わが国の文教の振興に一そう努力する決意であります。
 ここに、君の御逝去に対し心からなる哀悼の意を表するとともに、君の御冥福と御遺族の御多幸を祈ってやまない次第であります。(拍手)
     ―――――・―――――
#9
○議長(重宗雄三君) 日程第一、国務大臣の報告に関する件(昭和四十二年度決算の概要について)。
 大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。福田大蔵大臣
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十二年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 昭和四十二年度予算は、昭和四十二年五月二十七日に成立いたしました本予算と、昭和四十二年十二月二十一日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。
 昭和四十二年度本予算は、景気に対し中立的な立場を堅持することとし、公債発行を伴う新しい財政政策の弾力的運営の方向を確立するとともに、国民福祉向上のための諸施策を着実に推進するため、効率的、重点的な財源配分を行なうことを基本として、住宅及び生活環境施設の整備、社会保障の推進、社会資本の整備、農林漁業・中小企業の近代化、貿易の振興と対外経済協力の推進、産業体制の整備及び労働力移動の円滑化、文教・科学技術の振興、交通安全・公害対策等の強化、物価安定施策の推進、地方財政の充実等の重要諸施策を重点的に推進することとして編成されたものであります
 なお、本予算成立後、給与改善費、災害復旧等事業費、食糧管理特別会計へ繰り入れ、交通安全対策費、産業投資特別会計へ繰り入れ、輸出保険特別会計へ繰り入れ、診療報酬等の改定に伴う増加経費、地方交付税交付金その他義務的経費の追加等に関し、所要の予算補正を行なったのであります。
 昭和四十二年度におけるわが国の経済を顧みますと、年初来予想を越えた拡大を続け、海外景気の低迷も加わって国際収支の赤字が続き、ために、昭和四十二年九月から本格的な景気調整策が行なわれることとなったのであります。すなわち、日本銀行は、公定歩合を引き上げるとともに、都市銀行等に対する貸し出し増加額規制を復活し、また政府は、国・地方を通ずる財政執行の繰り延べ措置を決定し、金融財政両面から総需要の抑制をはかることとしたのであります。
 このような景気調整策がとられたのでありますが、民間設備投資及び在庫投資の顕著な増加があり、調整が完了しないうちに年度が終了いたしたこともあり、昭和四十二年度の国民総生産は四十三兆千百六十七億円となり、前年度に対し一七・五%、実質二二・三%というかなり大幅な伸びと相なったのであります。
 また、鉱工業生産は、このような内需の動きを反映して前年度に対し一八・七%と大幅な伸びを示し、国際収支は、国内景気が大型化したこと及び世界貿易が期待に反して不振であったことを反映して輸出の伸びが前年度に対し八%と振わず、それに引きかえ、輸入が前年度に比べ二二・一%と大幅に増加し、この結果、総合収支では五億三千五百万ドルの赤字となったのであります。
 このようなわが国経済の状況を背景として昭和四十二年度予算が執行されたのでありますが、以下、その決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は五兆二千九百九十四億円余、歳出の決算額は五兆千百三十億円余でありまして、差し引き千八百六十四億円余の剰余を生じました。
 この剰余金のうち四億円余は、国立病院特別会計法の一部を改正する法律附則第八項の規定によりまして、国立病院特別会計の療養所勘定の昭和四十三年度の歳入に繰り入れ、残額千八百六十億円余は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和四十三年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、昭和四十二年度における財政法第六条の純剰余金は二百二十八億円余であります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額五兆二千三十四億円余に比べて九百六十億円余の増加となるのでありますが、このうちには、昭和四十一年度の剰余金の受け入れが予算額に比べて九百八億円余増加したものを含んでおりますので、これを差し引きますと、昭和四十二年度の歳入の純増加額は五十一億円余となるのであります。これは、専売納付金、雑収入等におきまして二百八十四億円余を増加しましたが、公債金等におきまして二百三十三億円余を減少したためであります。
 一方、歳出につきましては、予算額五兆二千三十四億円余に昭和四十一年度からの繰り越し額三百九十億円余を加えました歳出予算現額五兆二千四百二十五億円余に対しまして、支出済み歳出額は五兆千百三十億円余でありまして、その差額千二百九十四億円余のうち、昭和四十三年度に繰り越しました額は千七十二億円余となっており、不用となりました額は二百二十二億円余となっております。昭和四十三年度への繰り越し額がかなり多額になっておりますのは、景気調整の見地から財政執行の繰り延べを行なったことに伴いまして生じたものであります。
 次に、昭和四十三年度への繰り越し額の内訳を申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定によりあらかじめ国会の議決を経て繰り越しましたもの千三十六億円余、財政法第四十二条ただし書きの規定により避けがたい事故のため繰り越しましたもの二十一億円余、財政法第四十三条の二第一項の規定により継続費の年割り額を繰り越しましたもの十四億円余であります。
 次に、予備費でありますが、昭和四十二年度一般会計における予備費の予算額は五百三十億円でありまして、その使用総額は五百二十七億円余であります。
 次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。
 財政法第十五条第一項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は千七百十億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は千六百億円余でありますので、これに既往年度からの繰り越し債務額千百九十億円余を加え、昭和四十二年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額千二百三十八億円余を差し引きました額千五百五十二億円余が、翌年度以降に繰り越された債務額になります。
 財政法第十五条第二項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は百億円でありますが、実際に負担いたしました債務額はありません。また、既往年度からの繰り越し債務額九千万円余は、昭和四十二年度中に支出その他の理由によって債務の全額が消滅いたしましたので、翌年度以降に繰り越された債務額はありません。
 次に、昭和四十二年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は四十六でありまして、これらの特別会計の歳入歳出の決算額を合計しますと、歳入決算において十兆七千四百七十五億円余、歳出決算において九兆五千七百二十三億円余であります。
 次に、昭和四十二年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、資金への収納済み額は四兆千九百三十二億円余でありまして、この資金からの支払い命令済み額及び歳入への組み入れ額は四兆千八百三十一億円余でありますので、差し引き百億円余が昭和四十二年度末の資金残額となるのであります。これは主として国税にかかわる還付金のうち、支払い決定済み支払い命令未済のものであります。
 次に、昭和四十二年度政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書を御参照願いたいと存じます。
 以上、昭和四十二年度の一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算につきまして、その大要を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
#11
○議長(重宗雄三君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。松井誠君。
   〔松井誠君登壇、拍手〕
#12
○松井誠君 ただいま提出されました昭和四十二年度の決算について、日本社会党を代表して、総理及び関係閣僚にお尋ねいたします。
 最初に、私は、決算審査のいわば前提ともいうべき二、三の問題について、質問いたしたいと存じます。
   〔議長退席、副議長着席〕
 その第一は、決算審査の国政上に占める政治的比重の問題であります。世上よく、国会の財政的なコントロールは予算に始まって決算に終わる、予算と決算は車の両輪のごとし、などと言われております。政府もまた口を開けば、決算審査の重要性を強調することを忘れません。しかしながら現実には、たとえば委員会への関係閣僚、特に総理の出席率一つをとってみても、決算は予算に比すべくもなく、軽視をされていることは、いまさら言うまでもないのであります。財政的コントロールの車の両輪は著しくびっこであり、正常な車の運行は期すべくもないのであります。一体なぜ、こういう事態になるのでありましょうか。その理由の最大なものの一つは、憲法第九十条にいわゆる決算の「提出」が単なる報告か、あるいは議案の提案かという重大な問題が、実に帝国憲法以来、われわれの見解に従えば、いまだに最終的な結末を見ていないということにあると言えましょう。しかし私は、いまその問題を取り上げるつもりはございません。それは、その問題にどのような答えを用意するにせよ、いま最も重要なことは、いかにして決算審査を権威あらしめるかということにあるからであります。
 元来、決算審査の政治的な効果は、まず過去の予算編成及びその執行に対する責任を問うことであります。この点につきましては、たいへん古い話でありますけれども、昭和二十一年七月五日、新憲法制定の際の衆議院の委員会において、時の国務大臣金森徳次郎氏は、国会が決算を不承認と決議した場合の政治責任について、「政府ハソレニ対スル責任ヲ、其ノ程度ニ応ジテ取ラナケレバナラヌ、究極ニ於キマシテハ総辞職ト云フコトモ亦考ヘラレル」云々と述べておるのであります。金森さんは決算審査の政治的な比重を、ほぼ予算のそれと同列に置いて考えておられたのではないでしょうか。
 そこで、総理にお尋ねをいたします。不承認の理由が何であろうと、不承認と決議したこと自体、それは政府に対するきわめて大きな政治的弾劾であります。したがって、少なくとも予算編成時と決算審査時に内閣の首班が同一である限り、政府は最大の政治責任の取り方として総辞職を考慮すべきであると思います。もとより仮定の問題ではございますけれども、総理の決意のほどをお伺いをいたしたいのであります。
 次に、決算審査の将来に対する政治的な効果として、たとえば不当事項の指摘そのものも、それなりに大きな意義を持つことは当然でありますけれども、私は、最大の効果は次の点にあると考えるのであります。それは予算における計画事業量、決算における実績事業量、これを詳細に比較検討して、予算執行が効率的に行なわれたかどうかを具体的に検証するとともに、さらには予算編成の背後にある政策そのものの批判にまで決算審査の質を高めるということであります。このことは、昭和三十七年の本院の決算委員会において決定を見た決算の審査方針にも、ほぼ取り入れられておるのであります。しかしながら、現実の決算審査においては、このことが可能であるような資料の整備ができていないのであります。なるほど予算、決算ともに説明書と称する添付資料がございます。しかし、いま申しましたような目的を達するにはほど遠い、粗雑で大ざっぱなものであります。一本の道路、一本の川に資金がいかに効率的に、あるいは非効率に投下せられたかを検証できることは、予算編成の際のあの目をおおわしめるような予算ぶんどり合戦を牽制するにも役立つでございましょう。せめて各省庁が予算編成の際に示す何分の一の熱意を示すことができるなら、そうして政府が、血税は一円たりとも無駄にはしないという決意を持つことができるならば、以上述べたような資料の整備は可能なはずであります。総理及び大蔵大臣にその決意がありやなしや、お尋ねをいたしたいと思います。
 念のために申しておきますが、私はここで、臨時行政調査会が昭和三十九年に出した意見書に見られるように、いわゆる事業別予算の方式を無制限に導入せよなどと言っておるのではございません。利潤追求を至上目的とする企業会計の方式を、人間尊重に立つべき公の会計にそのまま持ち込むことは厳に慎まなければならないからであります。
 さて、このようにして国会における決算審査を権威あらしめる道をさがし求めるとともに、会計検査院の検査をして権威あらしめる道をさぐることも、また重要であります。会計検査院は、検査院法第一条によって独立の地位を保障されており、これを具体的に裏づけるものとして検査官の身分保障あるいは人事、予算の面における相対的独立性などの制度があることは、御承知のとおりであります。しかし考えてみますると、乏しい予算、人員の制約の中で検査事務の中枢として働いている数百名の調査官の身分保障こそが、会計検査院の独立を担保する中心であり、ひいてはその権威を高める最上の方法ではないでしょうか。総理の御所見をお伺いしたいと存じます。
 最後に、昭和四十二年度決算について、具体的な問題を一点だけ、総理、大蔵大臣及び経済企画庁長官にお尋ねをいたします。
 それは経済見通しの大幅な狂いについてであります。御承知のように、昭和四十二年度の予算審議の際、特に経済社会発展計画の第一年目に当たる関係もありまして、四十二年度の経済見通しについては活発な論議が行なわれたのであります。一方では四十二年度の実質成長率の見込み九%、そして他方では経済社会発展計画の五年間の平均成長率八・三%、この食い違いについて論議が集中したのは当然でございましょう。これに対して、総理は一体、何と言われたのでございましょう。五ヵ年計画の後半は労働力の逼迫などの事情もあって成長率はダウンする、したがって計画の初年度が平均成長率を上回っても差しつかえない、こういう趣旨の答弁をされたのであります。しかし、その答弁がいまとなっては、いかにむなしい響きを持っているか、だれよりも総理自身が御承知でございましょう。ところが、政府はこれに対して、それは日本経済のバイタリティの発現で喜ばしいなどと、まるで評論家のようにふるまっておるのであります。ただいまも御報告がありましたが、責任の所在については一言も触れておられないのであります。しかし、それではたして、済むことでございましょうか。それは、政府が考えているよりは、はるかに大きな政治責任なのであります。
 予算の審議は、言うまでもなく、政府の経済見通しに基づく財政規模を前提にして、資源の適切な配分などを論ずるのが重要な任務であります。しかるに、その財政規模の前提である経済見通しそのものが大幅に狂うことは、予算審議の前提が掘りくずされたということであります。予算審議権の重大な侵害と言っても差しつかえないのであります。われわれは、計画経済ならぬ資本主義経済のもとにおいて、計画という名前の見通しがそんなに的中するなどとは思いません。しかし、ものには程度があろうというものであります。この大幅な見通しの狂いについて、政治責任をいかに考えておられるか、率直な御答弁を期待いたすものであります。
 終わるにあたりまして、政府に警告をいたしたいと存じます。
 昭和四十二年度の会計検査院指摘の不当事項は、件数約百二十件、金額にして約十二億円。しかし、この数字は検査の施行率七・三%、つまり検査を必要とする個所のうち、七・三%にしか当たらない個所を検査した結果であります。したがって、もし一〇〇%検査をしたとすれば、単純に算術計算で引き伸ばすと、件数にして約三千六百件、金額にして約三百七十億円となるのであります。このような膨大な数字が、まるで浜のまさごのように、毎年毎年延々と尽きることを知らない理由はどこにあるのでございましょう。それは政界、財界、官界の長きにわたってよどんだ癒着がさせるしわざであります。この癒着を断ち切るための、せめてもの一つの方法である政治資金規正法の改正案は、骨を抜かれ、皮をはがれ、すでに原形をとどめぬかまぼこになり果ててしまいました。そうして、そのかまぼこすらも、いまや押しつぶされて行くえ不明になろうとしておるのであります。これでは納税者である国民の怒りは、つのりこそすれ、消え去ることはないでございましょう。その行き着く先は何か、それは民主主義そのものの崩壊の危険であります。このことを警告をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
 まず、決算が国会で承認されなかった場合に総辞職するかとのお尋ねでございました。政府といたしましては、国会の御承認を得られないようなずさんな決算や行政は行なっておりませんので、そのような心配は御無用かと存じます。しかし、万が一そのような事態があったとすれば、その場合の方策としては、御勧告の総辞職だけではなく、国会の解散ということも当然あり得ることと考えております。
 次に、予算、決算の資料を整備して、政策批判を行ないやすいように検討せよとの御提案がありました。私も、趣旨におきましては全く同感でありますので、今後とも、その改善には努力してまいる考えでございます。今回予算書の様式を改定いたしましたのも、その趣旨に沿ったのであります。ただ、言いわけのようになりますが、予算にせよ、決算にせよ、定められた短い期間内に作成しなければならない関係上、おのずからその充実にも限度があろうかと思います。その足らざるところは、委員会等における質疑を通じて、あるいは必要な補足説明資料の作成によりまして、できる限り国会における御審議に御不便をかけないよう留意してまいるつもりでございます。
 次に、調査官の身分についての問題でありますが、調査官の身分保障については、完全に独立の地位を有する三人の検査官の合議によってのみ調査官の任命、進退が行なわれることになっており、現状におきましても特に問題がないと、かように考えております。
 次に、四十二年度の経済見通しが大きく狂ったとして、その責任を問うとのおしかりがありました。狂ったといいますと、たいへん悪く聞こえますが、経済の運営は大筋としては順調に推移しておるのでありますから、まずお許しを得たいと思います。もちろん、できるだけ的確な見通しを立てるにこしたことはありませんが、最も肝心なことは、機動的、弾力的に経済の動きに対処し、指導していくことだと、かように考えております。そういう意味で、最近の日本経済の発展は、国民各位の御努力の上に、わが党、わが内閣の政策の運営よろしきを得たからである、かように考えてもおります。
 最後に、御意見を交えての政府に対する警告でありますが、私は、その警告を謙虚に伺ったつもりでありますし、また今後反省の資料にもいたしたい、かように考えます。ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(福田赳夫君) 松井さんから決算の非常に重要なるゆえんが力説されましたが、まことに私も同感の至りでございます。決算がその機能を発揮するために決算書の内容を整備するようにいたせ、こういうようなお話でございますが、それには予算からそういう考え方をとらなけりゃならぬ、私も前々から同じ考えを持っております。本年度におきましても、予算のほうでは、御承知のように、いままで縦長であったあの様式を全部横長の様式にいたしました。ことに、非常におわかりにくかった債務負担行為なんというものが一目りょう然とわかるような仕組みにいたしました。また、この予算の編成に近代科学技術を導入しなければならない。電子計算機をこれに備えまして、コードナンバーを全部つけるとかいうようなこともいたすとか、いろいろくふうをこらしています。
 決算書につきましてもお話しでございますが、これはそう簡単にいかない事情があるのです。それは、決算の終わりますのが、四十二年度で言いますと四十三年の三月末をもって終わる。最終締め切りが七月の末日でございます。それから会計検査院の検査を経まして国会に提出するわけでございますので、昨年は十二月二十七日、国会開会劈頭にこれを提出するということにいたしておるのでございまするけれども、それだけの短い期間に会計検査院の検査だ、あるいは決算書の作成だ、これをするのでありますから、そう簡単なわけにはいきません。しかし、お説の趣旨はまことにごもっともでありますので、くふうにくふうをいたしております。ことしの決算説明は、御承知のように、こんなに厚いものをつけておるわけでございますが、この厚い説明書をつけるのみならず、公共事業費につきましてはお話のように個所別の説明、また、長期計画につきましてはその進捗の状況、また、予算の説明のほうで数量的にこれを説明しているものにつきましては、その数量的な結果について、また、経済見通し、これは狂いましたけれども、狂った状況を一覧表といたしまして、よくわかるようにいたしておるのであります。経済見通しが狂いましたことにつきましておしかりを受けた次第でございまするが、これは非常に困難なことでございますが、今後精進をいたしまして、なるべく狂いのないようにいたしたいと考えます。(拍手)
   〔国務大臣菅野和太郎君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(菅野和太郎君) 昭和四十二年度の経済見通しと実勢とが違っておるということについての御質問がありまして、それについては、大体、総理並びに大蔵大臣からお答えがあったのでありますが、松井さんも言われたとおり、この見通しと実勢とが必ず合致するものではないのでありまして、見通しでありますからして、したがいまして、実勢とは違うのが大体いままでの常例なのであります。がしかし、四十二年度において特に違ってきたということについては、特別の理由があります。
 その理由は、第一は何であるかと申しますと、民間の設備投資が予想以上に増加したということでありまして、これは計画では大体年平均一〇・六%の伸びであると考えておったのが、四十二年度には三三%に増加しております。この民間設備投資の見通しが狂ったということが第一の理由です。なぜ狂ったかと申しますと、それは昭和四十年、四十一年が大体不況期でありましたので、したがいまして、まあ民間設備投資もそれほど増加しないというつもりをしておったのでありましたが、逆に四十年、四十一年に民間設備投資を節約したので、かえって民間のほうでは景気がよくなってきたというので、設備を増大したのであります。その点において狂いが生じてきたということが言えると思います。
 次に、労働力の見通しについても違っておるのでありまして、労働力の不足ということを、われわれは、昭和三十年代から四十年代には労働力の不足というつもりでいろいろ計算をしておったのでありましたが、ところが、四十年の不景気のあとを受けて、かえっていままで使われてなかった労働力が活用されるということになりましたし、同時に、大型化の投資、あるいはまた省力投資の関係で、この労働力の生産性が増してきたということです。これが予想と狂っておったということが言えると思います。
 第三の理由は、貿易の関係でありまして、これが、世界貿易が大体六%ぐらいの増加というように考えておったのでありましたが、それが八%の増加ということになりましたので、この貿易の関係でおのずから民間投資がそれだけ増加したということによって違ってきたのであります。
 そうして、第四番目の理由といたしましては、かくのごとく、貿易も盛んであるし、民間投資も盛んになるということによって、民間消費が増大したということ、これが予想に反して増大したという、以上四つの理由によって予想と実勢とが違ってきたのであります。
 しかし、お話しのとおり、これはできるだけ実勢に合うように予想を立てるのが大体望ましいことでありますが、しかし、その予想を立てるときには、そのときに集め得られる材料に基づいて予想を立てておるのでありますからして、その後において生じたところの、ことに流動性の多い経済問題でありますからして、そこで以上申し上げたような理由によって狂いが生じてきたということを申し上げたいと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○副議長(安井謙君) 上林繁次郎君。
   〔上林繁次郎君登壇、拍手〕
#17
○上林繁次郎君 ただいま議題となりました昭和四十二年度決算につきまして、私は、公明党を代表して、佐藤総理大臣並びに関係大臣に対して質問を行なうものであります。
 その第一は、補助金行政についてでありますが、近年、国庫補助金の効率については論議が繰り返されているところであり、特に、効果の少ない零細補助金は、政府当局の施策としてもその整理が進められてきていることは御承知のとおりであります。
 私は、この零細補助金の整理について、一、二の例を示して関係大臣の答弁を求めるものであります。
 一つは、日本貿易推進本部に対する補助金一千百余万円について、またもう一つは、日本口腔保健協会に対する補助金百余万円についてであります。両者とも、その補助金を受ける団体の実態は、いずれも独立した人格を持たないものであります。前者については日本商工会議所内にあり、その職員が職務を兼務しているものであり、後者においては厚生省内にあって、国家公務員たる厚生省の職員が事業の推進を行なってきたものであります。すなわち、両者とも補助金を受けるために便宜上組織をでっち上げたと考えざるを得ないのであります。このように、形式的にはもっともらしく擬装された形の中で補助金を受けるというあり方は、ごまかしであり、国民を愚弄するものであるといえましょう。また、このような補助金を整理すると称して、形を変えて庁費などの中に再び組み込まれているとも聞き及んでおりますが、このようなことは許されるべきでは絶対ない、このように思うわけでありますが、この点について、まず、大蔵大臣に補助金行政全般の効率化に対する所信をお伺いするとともに、通産、厚生両大臣からも御意見を伺いたいのであります。
 第二に、資本の自由化ということに関連して、国産品愛用の点からお尋ねしたいと思います。
 四十二年七月の第一次資本自由化にあたっては、五十にのぼる業種が自由化されました。内容的には外国企業が進出しそうなものはほとんどなく、国内産業に対する影響はあまりなかったと考   えられます。しかし今後は、第二次資本自由化など、いよいよ本格的な国際競争時代に入ると見られますが、このようなときを迎え、外国資本の強大な勢力との競争は必至であり、また、その時期に至っていると思うものであります。自由化がもたらす功罪については種々論議が行なわれておりますが、そのマイナス作用として考えられることは、その一として、強大な資本力を背景にして独占的行動に出てくるということであります。またその二として、公正な競争秩序を乱すということ。また第三には、技術的独占を企てるなどであります。わが党においては、昨年十二月の本院決算委員会で、具体的に外国系会社の独占販売政策を取り上げ、その典型的なものを指摘してきたのであります。もちろん公明党としましては、資本の自由、貿易自由化ということについて、これを否定するものではありません。しかし、これはあくまでも国内産業が不当な圧迫を受けないということを前提としているものであり、国内産業育成という観点を忘れてはならないことは申すまでもありません。その方途としては種々考えられることでありますが、その一つとして、国産品愛用ということを国民的な運動として盛り上げていくことが必要であると思うのであります。佐藤総理は、昨年五月に、首相官邸の屋上から国産品愛用を国民にアピールするための風船玉を飛ばし、その推進に先陣を切っておられると聞き及んでおります。したがって佐藤総理としては、当然国産品愛用という立場で、政策推進をはかっておられると思うのでありますが、御見解をお聞きしたいのであります。また、昭和四十二年度決算額を見ますと、国産品愛用運動の推進費として、二千余万円が支出されております。この費目は、昭和三十六年度より連年計上されてまいりましたが、その目的、趣旨というものは那辺にあるのでしょうか。私は、三十六年に閣議了解事項となった外貨改善の方途としての国産品愛用の国民運動を強力に推進するとの決定事項と関連があると思うのでありますが、この費目の支出された趣旨、方途、予算措置について、お伺いしたいのであります。特に、四十三年度予算においては、この費目がなくなっているように見受けられますが、その理由もあわせて明確にしていただきたいと思います。
 第三に、現在、社会の注目を集めている厚生省の薬品認可に関する汚職事件について、総理及び厚生大臣の所信をお聞かせ願いたいのであります。
 薬品認可につきましては、これが人体に多大の影響を与え、人道的にも大きな問題をはらんでいることから、わが公明党では、認可は厳正であるべきだということをかねてより政府当局に対して、厳重なる注意を促してきたのであります。一例をあげれば、四十一年二月の本院決算委員会において、わが党の委員から、新薬の認可処理について、十分注意すべきことを指摘するとともに、詳細な資料、特に試験官の名前などについて、資料の提出を求めたことがあります。すなわち薬品認可について、業者と関係当局とのとかくの黒いうわさを晴らさんとしたのでありますが、厚生省は言を左右して、その要求に応ぜず、一片の誠意も見ることができなかったのであります。はからずも、このたび新薬認可をめぐり、薬事専門官が汚職容疑で逮捕されるという不祥事が起きましたが、その原因を考えてみますと、厚生省自体がくさいものにふたをして、決算委員会の要求資料さえも満足に提出しないという、すなわち国会軽視の態度こそ、その大きな原因であり、現在のうみになったと言えるのであります。厚生大臣は、このたびの汚職の概要、てんまつを明らかにするとともに、今後の措置について、その所信を述べていただきたいのであります。
 また、総理は、行政府のあるべき姿として、各種行政について、国会審議の上で必要な資料の提出に誠意をもって応じない態度に対して、どうお考えになるのか。国会において審議することのすべては、国民の利益保全のためであるとの基本理念に立って、明確な所信を表明していただきたいのであります。
 また、昨年一年間、公務員の収賄容疑事件で、警視庁が手がけたものだけでも二十五件にのぼっていると報告されております。この汚職の風潮は、まさに政治の危機とも言えると思うのでありますが、あわせて総理の所見をお伺いするものであります。
 以上をもって私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
 資本の自由化並びに貿易の自由化についてのわが国の態度は、ただいまお話しのとおりであります。そこで、いろいろ競争も激化してくる。そういう場合に、わが国の産業も守らなければならない。こういう意味から、国産品を愛用せよ、こういうことを御指摘になりました。私もまた、それについては同じ考え方でございます。ただいまもお話しになりましたように、三十二年以後でしたか、この閣議決定の線に沿いまして、できるだけ国産品を使用していく方針をとっております。また、関係の補助金につきまして、その補助金のあり方、あるいはそれがどうなっているか、あるいはなぜ打ち切ったかなどのお尋ねがありましたが、この予算は、お説にもありましたように、国際収支改善対策の一つ、一環として、あらかじめ期限を切って補助金が計上されたものであります。これを打ち切ったからといって、国産品愛用、その必要がないんだと、こういうものではございません。したがいまして、相変わらず国産品愛用の方針をとっておるのであります。で、今後は、内閣にあります国産品愛用推進本部、この推進本部が、民間団体と協力いたしまして、国産品愛用の運動を展開していく考えでございます。
 次に、国会からの資料について、資料要求があったにかかわらず、なかなか行政府に誠意がない、そのために審議にも困ると、こういうお話でありました。私は、さような事実があるとすればまことに遺憾に存じます。企業の機密に関する場合なぞ、特定の事例は別といたしまして、できる限り資料は提出し、国会審議に利用していただく、これが本筋であると、かように思いますので、ただいまもお話がありましたこの趣旨を、さらに関係各省にあらためて注意を促すようにいたすつもりであります。
 最後に綱紀の問題であります。綱紀の粛正につきましては、御指摘がありましたが、私も、相変わらず不正事件が依然としてあとを断たない、このことはまことに残念でたまりません。公務員が公僕としての自覚に徹し、規律ある職場を築き、国民の期待に沿った行政に当たっていくよう、今後一そう厳重に指導監督してまいるつもりであります。
 以上、お答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。
 補助金の整理につきましては、政府といたしましても、非常に注意をしながらこれに当たっております。国会で毎年毎年御意見もあります。また補助金等合理化審議会の御意見も承っております。また、臨時行政調査会からも答申を受けておるのであります。さようないろんな意見を総合いたしまして、毎年度、その目的を達成するようにいたしておりますが、昭和四十二年度におきましても、もうすでに目的を終了した補助金、また事情の変化等によりまして効率の少なくなった経費等につきましては、これを削減をする。また、臨時行政調査会、それから補助金等合理化審議会の意見にもあります零細補助金、こういうものにつきましても、極力これを削減をすることにいたしておるのであります。四十二年度におきましても、百七十一件という整理を行なっておりますけれども、さらに四十三年度、四年度におきましても、引き続いてその努力を進めておるのであります。
 日本貿易振興推進本部、これはお説のとおりいろいろ問題もありますので、昭和四十四年度の予算におきましては、これを打ち切りをいたしておりますから、さように御了承を願いたいのであります。
 また、日本口腔保健協会、これは国民の大半がどうも口腔衛生、歯の健康状態――不注意な状態でありますとか、また悩んでおるというような状態であります。これに対して少しPRをする必要があるというので、まあ零細な額ではございまするけれども、これは四十四年度、またそれ以降も続けなければならぬかと、かように考えておるのでございまするが、その効率の発揮、所期の目的をあげるための努力につきましては、一そうこれに留意してまいりたい、かように存じます。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(大平正芳君) いま大蔵大臣からお話がございましたように、日本貿易振興推進本部、四十三年度千百九十三万七千円の補助金をちょうだいいたしておりましたが、四十四年度は打ち切りにいたしております。ただ、御指摘のように、そのうちの一部を庁費として、二百八十六万五千円庁費に振りかえておることについての御指摘でございます。もともとこの仕事は、貿易関係の広報宣伝、映画とかテレビあるいは展覧会とか、あるいは記念日行事とか、そういうことに使っておった経費のようでございまして、その中で、通産本省自体が担当するのを適当とするものだけを庁費として残して要求いたしておるようでございます。したがって、御注意によりまして十分念査いたしまして、予算目的に忠実なように使用してまいりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣斎藤昇君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(斎藤昇君) 財団法人日本口腔保健協会への補助金の問題でございますが、お話しのとおり、昨年度は百七万七千円の支出をいたしておるのであります。ただいま大蔵大臣からお答えがありましたように、補助金は効率的に使用されなければならぬ次第でございます。したがって、その趣旨においては十分目的を達成していると思うのでありますが、昨年、行管から、この事務所が国立の予防衛生研究所の中に置かれている、それから、その職員がお手伝いをしている、これはいけないというような趣旨の勧告を受けましたので、事務所を国家機関の中でないところに移すようにいたし、また専門の職員も置いて、そういう勧告を受けた趣旨を十分守るようにいたさせるようにいたし、この上とも歯の衛生思想普及向上のために効率的に使用いたしてまいりたい、かように思います。
 先般、厚生省の製薬関係におきまして汚職事件の発生を見ましたことはまことに遺憾であり、また申しわけのない次第だと存じております。事件の内容はただいま司直の手で調べられておりまするので、いずれ判明次第御報告を申し上げることができると思いますが、こういうことのないように従前からも相当監督をきびしくいたしておったようでありますが、こういうことを見ましたことにかんがみまして、今後さらに試験のやり方、また医薬品の申請のしかたというようなものにつきましても十分考えまして、薬事審議会にもおはかりをいたしまして、こういうことのないような方策を考えてまいりたいと存じます。
 四十一年でありましたが、黒柳委員から、決算委員会における要求資料の提出が十分でなかったというただいまのお話でございました。私は、資料があまりに膨大であり、提出困難なものもあろうと思いまするし、いろいろ事情もありましょうが、それらの点は十分要求せられるお方の御納得のいくようにしなければならないと、かように考えておりますので、今後、資料要求に対しましては、御納得のいくようにいたしたい。そうして、出せるものは十分出して、国会で十分審議をしていただくということを本旨として進んでまいりたいと思いますので、御了承願いたいと存じます。(拍手)
    ―――――――――――――
#22
○副議長(安井謙君) 高山恒雄君。
   〔高山恒雄君登壇、拍手〕
#23
○高山恒雄君 私は、民主社会党を代表して、昭和四十二年度決算の概要について若干の質問をいたすものであります。
 第一に、総理大臣に対して総括的な問題点をお伺いいたします。
 決算報告は、申すまでもなく、財政法第四十条に基づいて所定の資料が国会に提出されます。今回も、ただいま申し上げた趣旨に沿って、四十二年度決算報告が今通常国会に提出されたのであります。したがって、法に反するものとは考えません。しかし、私は、提出される時期に対して若干の私見を述べたいのであります。今期は、決算委員会の要望にこたえて一部の資料を提出され、その努力は認めたいのであります。しかし、現状に即した改善とは言えないのであります。現在はコンピューター時代で、資料の整備並びに会計の検査など、最大限迅速に実施され、少なくとも通常国会召集と同時に提出すべきであります。これは、立法府との協力関係の問題として、特に総理から答弁を願いたいと思います。
 もう一点、総理にお伺いいたします。
 決算案件は、国会審議上は承認事項であって、実質的には、承認のあるなしにかかわらず、行政事務上、決算事務は終了しているのであります。したがって、国会としては、予算の不正使用、行政執行状況など、予算執行に関するすべての事項にわたって審議するものの、膨大なる予算執行と、その決算を短時日に完結を期することはとうていできるものではありません。そこで、国会における決算審議は、ややもすれば、部分だけを追及するにとどまらざるを得ないのであります。これでは、議会政治下における決算委員会として、率直に申して審議の価を発揮していないのであります。そこで、参考までに申し上げますれば、すでに一般企業等の会計は、財務会計から管理会計に移行しております。企業は、時々刻々の生きた企業活動を計数的にとらえて、これらの示す情報の一つの基準として集約して企業活動の判断材料にしておるのであります。最近、政府においても電子工学機械の検討が進んでいるとは聞いておりますが、政府は、行政府の中に常時これらの機械による事務能率化を促進して、その情報管理体制を確立すべきであります。これは、単なる行政事務の処理の問題ではなく、行政の根本的能率化並びに決算の公正を期する基本策であると思うのであります。この点についての所信を、あえて総理並びに大蔵大臣にお伺いしたいのであります。
 第三に、決算報告について建設大臣にお伺いいたします。
 会計検査院の四十二年度決算検査報告に指摘されている不当事項の数は二百六十件でございます。金額にして十二億五千万円にのぼっております。これだけの国民の血税が政府の役人によってむだ使いされているのであります。私はその不当事項の中で、ただ一点だけ、新聞紙上をも賑わした阪神高速道路公団の不当事項を建設大臣にお伺いしたいのであります。
 阪神高速道路公団神戸建設部の某役人なるものが、昭和四十二年二月から九月までの長い期間、前渡し金支払いの小切手をごまかして、五千万円の巨額を領得し、ひそかに土地や家屋を購入していた事件であります。約半年に及び、数十回にわたり、このような公金領得が平気でまかり通る官庁公団の組織は、一体どのようなものであるのか。これは会計検査院が指摘した中の全く氷山の一角にすぎない例であります。国民はあきれて、ものの言えない事件であるかと思うのであります。このような事例を見ると、国民の納税意欲が低下するのは当然のことであります。建設大臣は、この事件のあと始末をどのようにされたか。なお、五千万円のうち返納された金額がどのくらいあるのか、現状を明らかにしてもらいたいのであります。また、最近の先ほどもお話がございましたが、厚生省関係の汚職に見るごとく、依然として綱紀の紊乱は是正されていないのであります。この現実、この状態をどう粛正されようとしているのか、お伺いいたします。
 第四に、通産大臣にお伺いいたします。中小企業関係の近代化促進対策費は、昭和四十二年度決算についてみましても、九億一千六百万円余の不用額を出しております。これが問題となるたびに、政府は、事情変更があったためのやむを得ざる不用額であると弁解されております。問題は、予算の実行並びに行政指導よろしきを得ておりますならば、より効果的に、かつまた実際的な近代化が促進されるのであります。この誠意のなさが、予算と決算の矛盾を来たす最大の原因であろうと思いますが、政府は、ただ予算の数字のみを取り上げて、しきりに中小企業には予算増額をしたと強調しておりますが、しかし、幾ら予算をつけても、その約二割の予算が使用されないならば、何のための予算かと言いたいのであります。その原因の主体は通産省の行政指導、大蔵省の指導を欠く銀行窓口引き締めかと考えられます。これでは、現に立ちおくれている中小企業の近代化と国民経済に貢献することにならないのであります。この点について政府の御所見と今後の対策と方針を伺いたいのであります。
 最後に、政府に要望をいたします。戦後二十四年、年を経たのですが、決算報告とその国会審議が、二十年前に比べてさえ、実質的にあまり進歩がない点を、私は立法府の一員として深く反省しております。政府におかれても、予算の不正使用はもちろんのことでありますが、予算執行状況の常時掌握と、決算の迅速な取りまとめに最大限の努力をされたい。これが国会の決算審査の万全を期する最大のポイントであろうと考えております。
 これを申し上げて、私の質問を終わりたいと思うのであります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(佐藤榮作君) 高山君にお答えいたします。
 最初に、コンピューター時代のおりから、決算報告をもっと早く出せぬか、通常国会の召集と同時に提出せよとのお話でありましたが、実は、例年十二月末の通常国会召集時には提出しております。これは、財政法の命じている期限でもあります。御趣旨は、あるいはもっと早く出せと、こういうことではないかと私は考えるのでありますが、結論的に申しまして、ごくわずかな時期、それは早めることはできましても、大幅にこれを早めるということはやや困難なように考えます。と申しまするのは、これは決算審議に関連いたしまして、検査院の質的検査をはかるため、実地検査を充実せよという御要望もございます。決算事務が終了してから後に、約半年間、そのくらい検査院が実地検査を行なって、そして各省庁との話し合いもいたすのであります。意見の交換もいたします。どうしても決算書の提出は、年末近くなってくるのであります。行政府の立法府に対する協力の問題としての御要請ではありましたが、私は、むしろ、お話の中にもありましたように、検査報告書の充実をはかり、奥行きの深い国会の御審議に資することが大切かと、かように考えます。早いことも早く出さなきゃならぬ、同時に、内容を充実することが大事だろうと、かように思います。
 そういう意味合いにおきまして、決算分析を充実せよという第二の御意見につきましては、全く私も同感であります。決算審査が、単に不正不当事項を指摘するにとどまらず、予算の執行が、政策目的を果たしているかどうかというところまで掘り下げていくことが、行政の効率化のために、ぜひとも必要のことだと、かように考えております。予算案の編成にあたりまして、PPBSの手法を導入することも、あるいはその予算編成の手助けになろうかと、かように思います。そうして、それが可となれば、初めて予算と決算とが車の両輪だと、こういう意味にもなってくる。決算の十分審査の結果を予算編成にも取り入れる、こういうことにもなろうかと考えるのであります。来たるべき情報産業の社会にふさわしい決算のあり方につきましては、せっかく政府といたしましても勉強して、これからいくつもりでありますので、国会からもよい御助言をいただければたいへんしあわせだと、かように思います。
 最後に、御要望がございましたが、この御要望は、私がただいまお答えしたとおり、御趣旨には賛成でございます。ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(福田赳夫君) ただいまも、大体総理から答弁がありましたので、つけ加えることはあまりないのですが、財政法第四十条に、「内閣は、会計検査院の検査を経た歳入歳出決算を、翌年度開会の常会において国会に提出するのを常例とする。」と、こうあるのであります。で、四十二年度は四十三年の三月末をもって終わりますので、その次の常会、すなわちいま開かれている国会の会期中に国会に提出するようにと、こういう規定になっておるのであります。でありまするけれども、実際は会期中じゃない、もう開会劈頭、十二月二十七日ですね、提出をいたしておるわけでありまして、もうこれ以上急ぐといっても、国会がまあもう少し前に開かれるというようなことでない限りできないのであります。しかし、国会が二十七日以前に開かれることもありまするから、まあそういうことも心得ながらさらに努力をいたしたい、かように存ずる次第でございます。
 PPBSの採用につきましては、ただいま政府においても考慮をいたしております。先ほども申し上げましたが、予算書にすでにコードナンバーを取り入れるということをいたしております。また、来年度の予算におきましては、これを研修するというためにアメリカに人を出すとか、そういう準備的なことを計画をいたしておるわけでありまして、電子計算の時代でございまするから、財政もまたまさにそれに即応していきたい、かように考えておる次第であります。(拍手)
   〔国務大臣坪川信三君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(坪川信三君) お答えいたします。
 会計事務にかかわる事故防止につきましては、従前から諸規則にのっとりまして、適正に事務処理を行なうよう常に指導監督を行なってきましたが、御指摘のような事態を生じましたことはまことに遺憾でございます。この事例にかんがみまして、事故防止の徹底を期するため、諸規則の改正、部内監督の強化等、所要の措置を講じてまいりました次第であります。
 なお、行為者でありました清水に対しましては、昭和四十二年九月二十八日、懲戒免職処分を行なったほか、監督者等二十四名に対しましては、それぞれ相応の処分を行ないました。被害金の回収につきましては、本年一月末までに約一千三百万を回収し、残額については引き続き徴取につとめておるような次第でございます。今後さらに事故防止のための措置の強化をはかりますとともに、綱紀の粛正につきましては、私、建設大臣に就任させていただきまして以来、あらゆる機会をとらえまして、国民のとうとい税金によって、巨額なる予算執行をいたしております建設省といたしましては、倫理感と使命感に満ちあふれた気持ちをもって執行するよう強く要望もいたし、手配もいたしておるような次第でありますので、御了承願いたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(大平正芳君) 四十二年度の中小企業設備近代化資金の不用額についての御指摘でございました。御承知のように、この設備近代化資金は、借り入れ者が所要資金の五〇%を自己調達をする前提で助成されておるわけでございます。たまたま四十二年度の下半期は、御承知のように金融引き締めに際会いたしまして、資金の需要が政府が期待いたしましたほど出てこなかったわけでございますので、このような始末になったわけでございます。ただ、そういうことも考えまして、政府は、四十二年度から四十三年度にかけまして、別途設備貸与制度というものを拡充いたしまして、自己資金の調達が困難な小規模事業に対しましては、設備自体を貸与する制度を補完的に採用いたしまして、そのほうは着実に年々倍増を見ておるということをこの際申し添えておきます。(拍手)
#28
○副議長(安井謙君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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