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#1
第061回国会 本会議 第14号
昭和四十四年四月一日(火曜日)
   午後七時十九分開議
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第十五号
  昭和四十四年四月一日
   午後五時開議
 第一北海道開発審議会委員の選挙
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、日程第一
 一、昭和四十四年度一般会計予算
 一、昭和四十四年度特別会計予算
 一、昭和四十四年度政府関係機関予算
 一、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 一、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 一、日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に
  関する法律を廃止する法律案(第六十回国会
  内閣提出、第六十一回国会衆議院送付)
 一、軽機械の輸出の振興に関する法律を廃止す
  る等の法律案(内閣提出)
 一、繭糸価格安定法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 一、漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁
  港整備計画の変更について承認を求めるの件
  (衆議院送付)
    ―――――――――――――
○議長(重宗雄三君)諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 この際、おはかりいたします。
 青柳秀夫君から病気のため三十日間、請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(重宗雄三君) 日程第一、北海道開発審議会委員の選挙。
 これより欠員中の北海道開発審議会委員一名の選挙を行ないます。
#6
○小柳勇君 北海道開発審議会委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#7
○船田譲君 私は、小柳君の動議に賛成いたします。
#8
○議長(重宗雄三君) 小柳君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、北海道開発審議会委員に山崎昇君を指名いたします。
     ―――――・―――――
#10
○議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、
 昭和四十四年度一般会計予算。
 昭和四十四年度特別会計予算。
 昭和四十四年度政府関係機関予算。
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長塩見俊二君。
   〔塩見俊二君登壇、拍手〕
#12
○塩見俊二君 ただいま議題となりました昭和四十四年度予算三案につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 昭和四十四年度予算は、政府側の説明によりますと、わが国内外を取り巻くきびしい情勢にかんがみ、消費者物価の抑制につとめつつ、安定した経済の繁栄の持続を期し、資本の自由化等の経済の国際化に対応する体制を確立することを当面最大の課題であるとの観点に立って、まず第一に、財政の景気調整機能を拡大するとともに、財政体質の改善をはかるため公債発行額を縮減して、財政の公債に対する依存度を引き下げ、第二に、国民負担の軽減をはかるため、所得税、住民税等の減税を行ない、第三に、物価の安定に格段の配慮を加え、国鉄運賃以外の公共料金は極力抑制することとし、第四に、前年度に引き続き総合予算主義の原則を堅持して、財源の適切かつ効率的な配分につとめ、社会資本の拡充と国民福祉の向上のための諸施策を推進することを基本方針として編成したものであります。
 かくて、一般会計の予算総額は、歳入、歳出とも六兆七千三百九十五億円であり、前年度に比べ一五・八%の増加となっております。歳入増加のうち租税の自然増収は一兆一千九百五億円でありまするが、公債金は前年度に比較し千五百億円の減少、すなわち四千九百億円で、一般会計への依存度も一〇・九%より七・二%に減少いたしております。なお、財政投融資計画の総額は三兆七百七十億円でありまして、前年度当初計画に対し一四・〇%の増加となっております。また、国民経済計算上の政府財貨サービス購入の前年度に対する伸び率は一二・三%と計算されております。
 その他の内容の詳細につきましては、すでに大蔵大臣の財政演説において説明せられておりまするので、これを省略させていただきます。
 これら予算三案は、去る一月二十七日国会に提出せられ、委員会におきましては、二月一日大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、三月四日衆議院よりの送付を待ちまして、翌五日から審査に入ったのであります。委員会を開くこと十九回、その間二日間にわたり公聴会を開き、一般公募者を含む八人の公述人より意見を聴取し、さらに二日間にわたる分科会を開くなど、終始慎重にして熱心な審議を重ねてまいったのであります。
 以下、委員会におきまするおもなる質疑の概要を御報告申し上げます。
 質疑の最も集中しましたのは、日米安全保障条約、防衛問題、及び沖繩返還問題でございましたので、これらの問題から御報告を申し上げます。
 まず、安保条約につきましては、「政府は日米安全保障条約を明年以降も堅持するというが、その理由並びに現在の国際情勢をいかに認識しているのか、また、持続するとすればいかなる方式でこれを行なうのか、安保条約の継続は日本の平和と安全にとってかえって危険なものと考えるがどうか」等の質疑がございました。これに対し、佐藤内閣総理大臣、愛知外務大臣等より、「安保条約はこれを堅持する方針である。近年、世界の大国間に平和共存の好ましい雰囲気が芽ばえつつあることも事実であるが、同時にまた、世界の各地で民族、国家問の紛争が絶え間ないことも事実である。世界の現状では、概して米ソの二大国の核の威力を中心として、それぞれ個別的、集団的相互防衛条約を結んで、自国の平和と安全を求めているのが現実であって、日本としても、平和憲法のもとで、国の存立を守り、侵略を防ぐために、アメリカとの間に安保条約を堅持する必要がある。安保条約をいかなる方式で継続するかについては、政府としてはまだきめていない。安保条約があるために日本が戦争に巻き込まれる心配があるとの考え方は政府のとらないところであって、安保条約は攻撃的性格のものではなく、戦争の発生を未然に防止する抑止力である」との答弁がございました。
 安保条約の事前協議の問題につきましては、「安保条約第六条に基づく事前協議が今日まで一度も行なわれなかったのは、日本側がアメリカに対し事前協議の条項を忠実に要請しなかったからではないのか、また、事前協議に拒否の場合があるというが、日本が事前協議でわが国の基地使用を拒否すれば、アメリカ側の固有の集団的自衛の権利を侵すこととなり、拒否できないのではないか」等の質疑がありましたが、政府側からは、「これまで事前協議が一度も行なわれなかったのは、事前協議の必要がなかったからであり、基地使用の問題については、施設・区域が日本の主権のもとにある以上、その使用についてイエスともノーとも発言することができるのは当然で、そのことがアメリカの集団自衛権を侵すことにはならない。事前協議の運用は厳粛に取り扱い、日本の国益に反する場合は断固として拒否するのが一貫した政府の方針である」との答弁がございました。
 自衛権と海外派兵との関係につきまして、「国連憲章第五十一条の規定によれば、個別的、集団的自衛権の発動によって、日本も海外派兵が可能であるが、憲法第九条の規定によって不可能と思う、両者の関係いかん」との質疑に対し、政府は、「憲法第九条の自衛権の発動の要件は、あくまでも厳密に解釈すべきものであり、政府としては憲法を守ることが第一の責任であるので、その心配はない」との答弁がございました。
 次に、沖繩返還問題についての質疑応答の概要を申し上げます。
 まず、「佐藤総理大臣は、両三年内に沖繩返還のめどをつけると言ってきたが、そのめどをつける時期はいつか、また、基地の態様については返還のめどをつける際に同時に決定せられるのか、あるいは実際に返還された後にきめるのか」との質疑に対し、佐藤総理大臣は、「沖繩問題については、この六月にまず外務大臣をアメリカに派遣し、十一月以降に予定せられている日米首脳会談で返還のめどをつけるつもりであるが、実際に返還されるのは若干の年月を要すると思う。基地のあり方については、返還と切り離して考えられない問題である。相手国の意向等もあり、ただいま熟慮しているところであるが、返還の時期と基地の大体の態様は同時にきめる考えである」との答弁でありました。
 次に、沖繩基地のあり方について、「最近に至り、総理は、沖繩基地の態様について、従来の白紙論から本土並み返還に進んでまいったではないかと論議が行なわれているが、その事実を確認するかどうか」との質問に対し、政府側は、「返還後の基地のあり方については、ただいまのところ白紙と申し上げるほかない、本土並みといっても各党各様の意見があり、世論は次第に固まりつつあると思うが、さらに各方面の御意見等も十分に承って、なるべく早い機会に成案を得たい」との答弁がありました。
 次に、財政問題の質疑応答のおもなるものについて、御報告申し上げます。
 まず、「近年国家予算の膨張は、年率一五%という大幅なものであるが、その原因は何か、政府はどの程度の規模の予算額を適当と考えるか。今回の予算による国民総支出に対する政府の財貨サービス購入割合は、二〇%に及んでおるが、さらに公共事業の拡大や、あるいは、昭和四十四年度においても食管会計の補正の可能性があり、補助金等の波及的効果を考えれば、昭和四十四年度予算は景気に対して中立的であるということが言えないではないか。また、昭和四十四年度予算の租税収入の見積もりは過小でないか、政府の見積もりより千五百億円以上の自然増収があるものと推定せられるが、その場合いかなる措置を講ずるつもりであるか」、との質問があり、これに対し福田大蔵大臣より、「最近の財政膨張の原因は、主として社会保障費と文教関係費の増加によるものであり、また、立ちおくれた社会資本の緊急な整備の要請にもこたえなければならないためである。予算の編成執行にあたっては、財政硬直化を避け、効率ある運営を行なうことは当然である。予算の適正規模は、国民総生産に対する一定割合をめどとするとともに、総需要と総供給の均衡をはかることが必要である。四十四年度予算は経済成長と見合ったものであり、景気に対しては警戒的中立型のものと信じている。運用にあたっては、ときどきの状況に応じて弾力的に対処していく考えである。租税収入の見積もりは、四十四年度の経済成長率一四・四%の線に沿ったものであるが、年度内に自然増収があれば四十五年度の状況等も考えながら、公債発行の減額に充てたい」との答弁がありました。
 次に、減税問題につきまして、「所得税については、国民の念願である課税最低限百万円を何ゆえに実現しなかったか、住民税と所得税の課税最低限に大きな格差があり、住民税の課税最低限の引き上げに何ゆえに努力しなかったか。電気ガス税が悪税であることは、政府も認めておるにかかわらず、何ゆえに思い切った軽減措置をとらなかったのか」等の質問に対し、福田大蔵大臣、野田自治大臣より、「公債をかかえた財政では、好況期にはできるだけ公債を減らし、発行限度に余裕を持たす必要があるので、公債減額と減税を同額としたが、課税最低限百万円は明四十五年度には必ず実現する。また、住民税の課税最低限は今回約九万円の引き上げを行なったが、さらに昭和四十五年度以降真剣に引き上げの努力をしたい。電気ガス税についても地方財政の困難な事情もあるが、大衆課税たる性格を考え、今後その負担の軽減につとめたい」との答弁がございました。
 次に、物価問題に対する質疑の概要について御報告申し上げます。
 「政府は明年度の物価上昇を五%に押えると約束をしているが、国鉄料金の引き上げやその他各種の上昇原因を考えると、この程度でおさまるとの保証は何もない。政府は物価上昇の原因をいかに見ているか。日銀による安易な信用供与にも問題があり、通貨面からの対策も必要ではないか。総需要の面からの対策として設備投資を抑制する必要はないのか」等の質問に対し、菅野経済企画庁長官、福田大蔵大臣等より、「政府は、国内における最も重要な政治課題の一つとして物価の問題に取り組んでおり、消資者物価の上昇率を五%程度に押えることに全力を尽くす方針である。公共料金については、国鉄再建のため、料金引き上げはやむを得ず行なうが、それ以外のものは認めない方針である。最近における物価上昇は、経済成長に伴って必然的に生ずる要素を認識するとともに、産業構造上の問題、生産性の格差、労働力の需給や賃金との関係、流通機構の問題等きわめて複雑な要素が入りまじっているので、簡単には結論は出せない。しかし、これらの問題に対処するため、総合的に、個別的に、また積極的に施策を実施して消費者物価上昇の抑制と真剣に取り組む方針である。また、通貨の膨脹も物価上昇の原因に関係があるが、経済の成長に伴う正常な通貨の供給は、経済の適正な運営に必要である。しかし、過度の通貨の膨脹は抑制すべきである。ただ通貨対策を物価対策の主軸とすることは必ずしも適当と思わない。さらに総需要対策については、最近ではデフレギャップになるかどうかが心配されている向きもあり、設備投資が景気の過熱にさほど影響があるとは考えない」との答弁がありました。
 また、「物価と賃金の悪循環を断ち切る方法を考えたらどうか」との質問に対しては、「物価と賃金の関係を無視することはできないことは承知をしている。しかし、賃金は、生活水準の問題にもつながり、ある程度の水準に達するまでは賃金を押えるわけにはいかない」、との答弁がありました。
 さらに、私鉄等の値上げの動きについての質問に対しては、「政府は民間私鉄企業の便乗値上げは許さない。ただ民間企業の採算を無視することもできないので、地方の場合には、ケースバイケースで考え、大都市の私鉄の場合には、経営の改善等について慎重に配慮して、値上げは極力抑制の方針で進む」との答弁がございました。
 次に、大学問題について御報告申し上げます。
 「大学紛争は、いまや重要な政治課題となっているが、かくのごとき無法な暴力行為が続発することになった原因は何か。その解決の長引いている理由いかん。暴力学生の排除は現行法でできないのか。紛争の解決、大学制度の改革等について政府の考えはどうか」等の質疑がありました。これに対し佐藤内閣総理大臣、坂田文部大臣、荒木国家公安委員長等から、「大学紛争はまず大学から暴力を追放することが前提である。政治的、破壊的意図を持った一部暴力学生に対する大学当局の管理運営の不手ぎわ、権利の主張に強硬で、義務の観念に薄い民主主義の不成熟、あるいは六三制全体を通ずる教育の姿勢、家庭の放任主義、家庭の過保護等、幾多の原因が考えられる。紛争の長引いているのは、政治的主張を暴力によって貫こうとする学生を甘やかし、大学の自治と学園の自由を治外法権のごとく誤り認識してき然とした態度をとれない管理者の姿勢、また、一般学生の事態への認識不足等のためである。学生の暴力行為の取り締まりは現行法の運用で足りると思うが、そのためには、大学内の不法事件に対する各方面の理解、ことに大学の協力がなければならない。また、紛争の解決には、法秩序の維持が必要であり、その責任は政府と大学管理者にあるとの立場に立って考え、今後も政府は指導と助言を続けてゆく方針である。中教審の答申があれば、政府は、これを尊重して大学管理者ともはかり円滑に実施する方針である」との答弁がありました。
 また、「最近では高校にまで紛争が波及しているが、これに対してはどのような対策を考えているか」との質問に対し、「取りあえず学校当局に対し、平素から警察当局とも連絡して、暴力阻止につとめるよう指導するとともに、都道府県教育委員会にも、同様趣旨を通達している」との答弁がございました。
 また、「大学教授の不穏当な言動等に関連して、国立大学の教官人事に対して文部大臣は拒否権があるのか、あるとすればそれは学問の自由、大学自治といかなる関係があるか」との質問に対し、坂田文部大臣より「学長等の任命についての大学管理機関の申し出については、政府としては、その申し出のあった者を任命することが、大学の目的に照らし明らかに不適当と客観的に認められるときは、これを任命しない」との答弁がございました。
 次に、農業問題について御報告申し上げます。「政府は生産者米価を据え置き、自主流通米を認める方針をきめているが、一般物価上昇等の現況にかんがみ、食管法の生産者所得補償方式に反するのではないか、また、自主流通米も政府の米の買い上げ義務を規定した食管法違反ではないのか」との質問に対し、長谷川農林大臣より、「生産者米価を据え置く方針はきめたが、生産者所得補償方式を変更したわけではなく、再生産は確保できるので食管法違反ではない。自主流通米についても、食管法第三条は政府が配給に必要な米を生産者から法制的に買い上げることができるとの規定であるので、現在国民が必要とする配給米は確保してあるので食管法の違反にはならない」との答弁がありました。
 なお、自主流通米につきましては、生産者から消費者までの流通過程、価格の形成方法、自主流通米の見込み数量、自主流通米と物価統制令の関係、自主流通米を認める期間、自主流通米とやみ米との関係等について熱心な審査が行なわれましたことを特にここに申し添えておきたいと思います。
 また、「総合農政の問題については、総合農政とは一体何であるのか。米の作付け転換の方針いかん。他作物で米と同様の所得の補償ができるのか」等の質問があり、長谷川農林大臣より、「総合農政とは、特に新しい問題ではなく、米の需給にバランスを欠いた今日、適地適作を推進し、生産性の向上に主眼を置いた対策を進めたいということである。価格面に重点を置いた考え方にさらに加えて今後は生産、流通にも重点を置き、主産地形成を推進する方針である。これは、決して簡単なものとは考えていないので、各界各方面の御意見を十分に承りながら合理的な農業所得の増加と農民生活水準の向上につとめたい」との答弁がございました。
 次に、社会保障の問題につきまして、「老齢人口に比べ、生産人口比率が高い昭和四十年代こそ、社会保障の基本計画を確立する絶好の時期だと思うが、政府の所見いかん。また、二万円年金の実施は、保険料の引き上げによらなくても、保険金収入の運用益でまかなえるのではないか」などの質問がありました。これに対し福田大蔵大臣、斎藤厚生大臣より、「成長した経済を背景にして、社会保障水準を、世界の先進国に負けない状態に持ってゆきたい。特に、昭和四十年代は老齢人口比率が少ないので、こういう好条件のもとに、さらに社会保障政策を積極的に推進してまいりたい。保険料の運用については、将来の老齢人口増加に伴う給付額の増加に備えることが必要であり、二万円年金の実施には、被保険者にも十分の負担をいただきたい」との答弁がありました。
 次に、公害に対する質疑も真剣かつ熱心に行なわれました。すなわち大気汚染、悪臭、騒音、工場排出の汚水、水俣病、富山、安中、対島地域等におけるカドミウム対策等多岐にわたりましたが、これに対し、佐藤内閣総理大臣、斎藤厚生大臣等より、経済成長に伴う最大のひずみである公害に対しては、これが解決について、強い決意が述べられるとともに、「水俣病の患者の補償については、第三者機関のあっせんに期待しており、カドミウム問題では、健康診断の実施、被害者救済制度の設置等、各般の努力を尽くして遺憾なきを期したい」との答弁がありました。
 最後に、婦人少年労働行政につきまして、「労働省の出先機関である婦人少年室を地方に委譲する計画は、婦人並びに年少労働者行政の一歩後退ではないか」との質問があり、野田自治大臣、原労働大臣より、「婦人少年室の地方への委譲に伴い、都道府県に労働部の新設を法律で定め、労働部の中に婦人少年課を置くように通達するなど強力に指導し、婦人少年行政が一そう強力にいくようにしたい」、旨の答弁がございました。
 以上のほか、質疑は、中国問題、北方・竹島領土問題、石炭対策、海底資源・宇宙開発計画、その他広範多岐にわたりまして、きわめて活発に行なわれましたが、その詳細は、会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 かくて本日をもちまして質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して村田委員が反対、自由民主党を代表して小林委員が賛成、公明党を代表して二宮委員が反対、民主社会党を代表して片山委員が反対、日本共産党を代表して須藤委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、昭和四十四年度予算三案は、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告を申し上げます。(拍手)
#13
○議長(重宗雄三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。松永忠二君。
   〔松永忠二君登壇、拍手〕
#14
○松永忠二君 私は、日本社会党を代表して、政府提案の昭和四十四年度予算三案に対し、反対の討論を行ないます。(拍手)
 討論に先き立ち、ぜひ一言述べなくてはなりません。今回の予算審議の途中において、政府、自民党の衆議院における無暴な国鉄運賃値上げ法案の強行によって国会が混乱し、分科会審議を十分行なうことができなかったのみでなく、審議を中断させ、充実した予算審議を妨害したことは、まことに憤慨にたえないところであります。これ全く、政府・自民党の参議院における予算審議の軽視によるものであり、許しがたい暴挙であります。われわれはこの責任を強く追及するものであります。
 さて、佐藤総理は、佐藤内閣発足当時、「社会の主体は人間であり、経済の繁栄は人間の尊厳と社会の福祉に奉仕するものでなければならない。私は長期的な展望のもとに、特に住宅、生活環境施設など社会資本の整備、地域開発の促進、社会保障の拡充、教育の振興などの諸施策を講じ、もって高度の福祉国家の実現を期する考えであります」と述べました。また福田蔵相は、昭和四十一年第五十一国会の財政演説で、「わが国経済は、その成長があまりに急速であったため、経済社会の多くの面にひずみを生じたのであります。私は、わが国経済の新たな発展を期するためには、この際、このような経済社会の不均衡を是正していくことに、政策の重点が置かれなければならないと考えます。」と述べました。この総理と大蔵大臣のことばは、そっくりそのまま、今日の演説として述べても、何のふしぎもないものであり、それほど政府の施策は実効をあげていないことを示すものと言わなくてはなりません。
 政府は、口を開けば、国民総生産は自由世界第二位、工業生産は世界第三位、わが国経済はかつて例を見ない長期にわたる好況を続けておりますと言うのであります、なるほど、総体としての日本経済は、自由世界での一方の雄にふさわしいスケールを誇れるまでになりました。われわれもまた経済成長そのものを評価することを否定するものではありません。だがしかし、庶民の生活感は、はたしてそのとおりでありましょうか。国民総生産世界第三位という経済に対するそらぞらしいまでの違和感が、国民生活のあちらこちらにありはしないでしょうか。政府の国民所得統計も「一人当たり国民所得は三十四万五千三百六十二円で世界二十一位にとどまる」と述べています。三位と二十一位を単純に比較すべきではないとしても、総体としての豊かさと、個々人の生活水準の低さを端的に示すものとしては、動かしがたい数字であると言わなくてはなりません。
 国民総支出に占める個人消費支出の割合は欧米諸国に比べて低く、個人消費支出は米国の三分の一、西独の二分の一、イタリアよりも二〇%も低いのであり、国民所得の伸び率が高いから二十年後には国民所得が世界一になるなどと、うれしがらせて済まされる問題ではありません。国民生活は私的に購入できる財貨サービスの消費だけでは維持できません。道路、上下水道、公園、保育所など、社会構成員全体が利用し恩恵を受ける社会資本が生活に必要不可欠であります。道路舗装率一三%、下水道普及率二二%、都市公園は欧米の六分の一、住宅一室当たりの平均面積は欧米の二分の一、社会資本のおくれは、これは例をあげるにこと欠きません。社会資本のおくれは交通事故率を国際的にも高いものにし、都市河川の汚濁をはなはだしいものにし、工場公害を耐えがたいものにしているのであります。社会保障費は、西欧諸国の水準に比べて、国民所得では二分の一、一人当たり水準では三分の一にも達しておりません。消費者物価は、年平均六%を上回る上昇を続けています。食料費などについては、国民一人当たりの所得が三倍の米国人と日本人が、同じ食料費のかかる食生活をしいられているほどになりました。総理は、施政方針で、「物質的な豊かさが心の豊かさに結びつく新たな精神文明を確立」しなくてはならないと述べているのでありますが、物質的な豊かさが、総体としての豊かさで、個人の豊かさになっていない反省と施策がなくては、空虚な美辞麗句と化してしまうでありましょう。
 政府は、いま経済社会発展計画を改めようとしています。これは、経済成長率の大幅な相違、特に民間設備投資が第二年目で計画の最終年を上回ったことと、物価上昇が計画終了時の三%を上回る上昇で、計画と実勢が大きく相違したからであります。民間設備投資は常に予想以上の上昇を示し、社会資本は常に民間設備投資をはるかに下回り、アンバランスはむしろ拡大してまいりました。昭和四十四年度一般会計予算でも、政府投資増加率は一〇・四%で、民間設備投資の一六・三%をはるかに下回っているのであります。佐藤内閣は、民間設備投資主導型の成長メカニズムを廃棄して、新しい成長メカニズムをつくり出そうとして掲げた安定成長、社会開発は実現できなかったのであります。政府は、口を開くと、経済の繁栄は政府自民党の政策のよかったことによると言うのでありますが、これまた、はなはだ疑わしいのであります。発展計画で政府が意図的に左右できる政府投資支出が計画を下回っているのに、経済成長の諸要素が計画をはなはだしく上回っていることは、政府の意図しない繁栄であり、少なくとも経済政策という観点からは、偶然の成長だと見ることができる根拠が大きいと言わなければなりません。今後の繁栄は、意図しなかった繁栄から意図した繁栄への道を開かなければなりません。そうして、経済の成長が社会的アンバランスを加速度的に拡大している事実を考えれば、経済の成長目標にかわって、福祉が前面にあらわれ、「福祉なくして成長なし」という価値の転換が経済政策の基調となることを考えなくてはなりません。大きいだけがよいことではないということを銘記すべきであります。
 以上の観点から、まず、財政規模の問題について述べたいと存じます。
 大蔵大臣は、その演説の中でも、予算編成にあたって経済拡大が過度にわたることのないよう、政府財貨サービス購入の成長率は一二・三%で、経済成長率を下回っています、公債を千五百億減額いたしました。と説明しているのであります。しかし、政府財貨サービス購入の成長率は、実績が計画を下回ったことはほとんどなく、昭和四十三年度の実績から見ても、実際は一五%以上で経済成長率を上回るのであります。発展計画には、財政の健全性から、財政支出の増加率を名目国民総生産の伸びにほぼひとしい程度にとどめることと明記してあります。国民総生産一四・四%を上回る一般予算一五・八%の伸び率であるため、ことさらに政府財貨購入の成長率などを取り上げてきたのであります。一兆二千億にのぼる自然増収の際に四千九百億の公債発行も問題ですが、減債した資金が金融機関に利用されれば景気刺激的であります。金融機関が強く公債減額を要望していたところを考えれば、減債相当分の通貨は日銀の売りオペによって吸収するという通貨政策の前提ができていない現在、減債がそのまま景気抑制につながる保証はありません。われわれは、実績と計画の違う数字のもとに議論するのではなくて、一般会計一五・八%増、歳入歳出予算純計表二〇%増、財政投融資一四%増、予算に基づく財政資金民間収支見込み千百三十億散布超を問題にするのであります。自然増収も一兆二千億と予定していますが、自然増収は好況期国民総生産の増加率の約一・五倍であることを考えると、少なくとも二、三千億が追加されると見込まれるのであります。自然増収を過小に見積もって、総合予算主義で予算を押え、減税額も引き下げるということになると、自然増収の過小な見積もりは、減税や国債減額の配分よりも、景気調節に及ぼす影響は大きくなるのであって、これは全く隠れた財政操作、財政操作の欺瞞ということができるのであります。国会軽視もはなはだしいと言わなければなりません。(拍手)
 次に、財政の支出面の問題であります。
 ここでは国民生活中心の社会開発の乏しさと、大企業中心の点を指摘しなくてはなりません。昭和四十二年度下水道五カ年計画は、四十四年度予算を消化しても四五%で、あと二カ年で大半の五五%の達成をしなければなりません。都市公園事業五カ年計画の達成も危ぶまれているのであります。公害対策予算が厚生省全予算に占める比率はわずかに〇・〇八%です。社会保障のバロメーターといわれる生活保護費は扶助基準一三%引き上げで、消費水準の伸び一四%に及びません。多いのは数だけで、社会保障の指標となる大きな施策は意外に少ないという批判が当たっています。児童手当も医療保険の抜本的改革も見送られてしまいました。すぐれた教育環境をつくる決意だけで、教育費の伸びは一般会計の伸びに及びませんし、マスプロ教育の弊害がいわれているのに国立大学特別会計の伸びは少なく、私立大学助成は六億の増、私学振興会は二十五億、財政投融資の額が少なくなりました。厚生省の公害課を充実させるため七人の人員要求、百人の公害担当職員があっさり削られるとき、一方では、いまでも一万六千余の欠員があるのに、自衛隊員七千七百人の増員が認められ、当初要求しなかった警察官の増員が五千人も認められているのであります。財政の硬直化をしり目に、新戦闘機F4E百四機、艦船建造などで百五十五億の継続費、千六百十億の国庫債務負担行為を認められているのであります。これでは、社会開発の予算ではなく、安保対策の大型予算だというのはあたりまえのことであります。
 また、地方財政が好転したとして、本年度の地方交付税を六百九十億減額いたしました。地方の単独事業は、生活基盤強化のための住民生活と密着したものが多く、国の欠陥を補完している面が多いのであります。また近来、国に先がけて、福祉行政の立場から進んだ施策を実行し、実行しようとする地方公共団体が多くなりました。六百九十億を削るのではなく、むしろ、国・地方一体となって、豊かな暮らしよい生活のため、行政を効率的、計画的に推し進めるべきときであります。輸出拡大、経済協力を名目に、日本輸出入銀行、海外経済協力基金の増加は著しく、輸出拡大をてこにする大企業中心の高度経済成長政策が新しい重点として打ち出されてくるとともに、アメリカの経済援助肩がわりの準備も着々進められています。
 次に、政府収入面であります。
 所得税は、負担率の増加している現在、大幅な減税を行なうべきであります。一兆二千億の税の自然増収に対し、千五百億の所得税減税、七百六十三億の住民税の減税の少なさは、いまさら述べるまでもありません。所得の少ない人に効果のある課税最低限の引き上げ額の少ないことにも不満があるのに、所得のとらえ方の不公平さについては、一切触れていないのであります。
 企業税制に関しては、問題が多過ぎます。景気のかげりも問題になっていますが、設備投資の意欲、資金需要も根強く、民間設備投資主導型の過大な経済成長を調整するために、税制の効果を活用すべきであります。しかも、現行の法人税は、答申にも明らかなように、国際的水準と比べても、個人所得税の負担水準からも低いのであります。その上に、多数の資本蓄積促進用の租税特別措置が行なわれているのであります。しかも、それらが大企業に集中的に行なわれているのみでなく、増加率も二〇%台をこえているのであります。その上に、これが内部資金として活用され、投資を促進しているのであります。佐藤内閣は、設備投資型の高度成長経済をはかるてことして、大法人、資産所有者優先の税制を進めてきたのであります。法人税率の引き上げ、四百七十億減収の利子所得、三百四十五億減収の配当所得の特例の廃止、準備金、引き当て金の整理、進んでは、投資平準化準備金の創設など、なすべきことは多いのであります。金融政策による景気調整機能の強化について、公定歩合の年利建て、公社債条件の引き上げなどに着手した努力は認めるとしても、日銀対象外の金融機関に準備預金制度を広げるとか、生保、損保資金を財政投融資計画に乗せるなど、これまた今後の努力に待つところが多いのであります。次に、物価の問題であります。
 消費者物価上昇は、国民生活に重大な脅威を与えているばかりでなく、今後の経済成長にも大きな障害になりつつあります。しかし、総理、大蔵大臣、経済企画庁長官の演説も、予算委員会の説明も、説得力、迫力に欠け、具体的に何をやろうとしているのか、その決意がどれだけ強いのか、全く明らかではありません。いや、それどころか、消費者物価の上昇は経済成長にまつわる構造的要因で、成長と物価安定を両立させることの困難を強調することに努力しているとさえ言って差しつかえない態度であるのであります。問題の国鉄運賃も、平均一五%値上げと言いますが、昨年上げたばかりの定期運賃も自動的に値上がりになり、その上遠距離逓減制を手直しされますので、区間によっては八〇%の値上がりになるところもあるのであります。国会でも終われば、また型どおり私鉄、バスにも波及するおそれも十分あります。消費者米価は値上げしないといっても、売れない古米を値下げして新米を値上げすることになっているのでありますから、古米だけ食べ続けなければ値上げになるし、自主流通米という形での米の値上げも含まれているのであります。地価の上昇も物価上昇に大きな役割りを果たしています。四十四年度、政府は土地税制を大きく宣伝していますが、税収上は増収、減収相殺ゼロであります。地価問題解決には総合的な土地施策が必要で、土地税制の果たし得る役割りは補完的なものであります。土地供給の増大という大幅な宅地造成の努力なくして、土地税制を改めることのみに重点を置くことは、安上がり地価対策であります。政府の物価安定予算の裏側には、こうしたすりかえやごまかしが一ぱいあるのであります。(拍手)
 物価安定推進会議は、最近の消費者物価の上昇要因は、必ずしも構造政策のみで対応し得ないものがあるとして、総需要の増加を抑制ぎみとし、経済成長と通貨供給量との妥当な関係について検討すべきことを提言しています。だが、総需要圧力抑制の具体的な経済政策は何も提示がないのであります。また、四十二年以降、日銀券発行残高は経済成長率を上回って増加し続けているのであります。外貨蓄積増加のいま、物価対策として輸入が活用されなくてはなりませんが、民間設備投資を適度にコントロールし得るように通貨供給を調節することなしには、国民生活を豊かにしていく成長を続けることはできません。物価安定推進会議は、物価政策の各種の提案実施状況を調査し、強い提言を用意しつつあります。政府は、これを機会に、関係各省庁の意思を結集し、公正取引委員会の強化もはかりながら、政府全体として決意と気迫を傾けて物価対策の推進に邁進すべきであります。
 私は、最後に、佐藤内閣の政治姿勢に触れたいと存じます。
 国民は、日本が大きな転換期に来ているのに、政治がこの期待にこたえることのできないことについて、強い不安と不信の念を抱いているのであります。紛争を続けている大学問題の背景にも、若い者が現代の政治、将来の日本の方向に不満と不安を持ち、その変革への参加について強い要求があることは申すまでもありません。日本はいま将来の安保体制をどのような方向に持っていこうとするかという決定に迫られているときです。核中国の脅威の増大とアメリカの核抑止力への依存を前提と考えれば、抑止力としての日米安保条約は半永久的に堅持するという方向を選ぶよりほかにはありません。それとも、日本側の主体的な要求を強め、幅広く定着している中立志向型の民意の上に立って、軍事力のみに依存しない自主的な安全保障の長期ビジョンを探究するかどうかということであります。(拍手)われわれは、一九七〇年代における中立化の可能性、諸条件の討議を深めることは、国民的合意の形成にとっても現実的な課題であると存じます。この課題の解決こそ、日本のアジアの脅威からの安全だけではなく、貧困からの安全を守る道であり、国家予算はこのためのものであるべきだと存じます。私はこのことを強く要求して討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(重宗雄三君) 江藤智君。
   〔江藤智君登壇、拍手〕
#16
○江藤智君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和四十四年度一般会計予算外二案に対しまして、賛成の討論を行なうものであります。(拍手)
 まず、私が本案に賛成いたしまする最大の理由は、昨年行なわれました参議院選挙にあたり、わが党が国民に公約いたしました重要政策が、本予算案におきまして、ほとんど余すところなくきわめて忠実に実現されているということであります。もちろん、このことは、わが国経済が長期にわたって世界に類例を見ない高度の成長を遂げた結果でありまして、私はこの際あらためて、国民の皆さまが発揮せられましたる卓抜せる能力と御努力に対し、衷心より敬意を表するものであります。(拍手)それと同時に、政府、与党が多年にわたってとってまいりましたる一連の施策もまたよろしきを得た結果であると確信するものであります。
 次に、私が本案に賛成いたしまする第二の理由は、現下流動する内外の経済情勢に対処して、慎重にわが国経済の行く手を洞察しつつ、明るく豊かな社会を建設することを目標として適切なる施策が講ぜられているということであります。すなわち、予算編成にあたっては、第一に、わが国経済を安定して、持続的に繁栄せしめ、第二に、物価の抑制に最大の努力を払い、第三に、貿易資本の自由化等をはじめとして、ますます緊密化する国際経済社会に対応して、わが国経済の体質を改善することを基本方針として積極的にこれと取り組んでいるということであります。以下本予算案のおもなる点について申し上げます。
 その第一は、予算の規模が節度を守り、適正なものとなっているということであります。
 ただいま報告にありましたとおり、昭和四十四年度一般会計予算の総額は六兆七千三百九十五億円、前年度当初予算に比べまして一五・八%の増加となっており、財政投融資計画は四十三年度に対し一四%の増、総額三兆七百七十億円となっております。これに対し、世論の一部には、この伸び率は経済成長率の見込み一四・四%を上回るから景気刺激型であるとの批判もあります。しかし、国民経済に対して財政の及ぼす影響を見るためには、いわゆる政府財貨サービス購入で見るのが適当であります。すなわち、四十四年度のそれは十兆九千五百億円でありまして、前年度に対し、その伸び率は一二・三%となっており、経済成長率を相当下回っておる程度でありまするから、景気に対して刺激的なものではなく、まさに節度ある中立的規模と申すことができると思います。
 その第二は、財政体質の健全化を一段と推進したことであります。
 すなわち、本予算案におきましては、公債発行額を縮減するとともに、引き続き総合予算主義の堅持に努力をいたしているのであります。まず、公債につきましては、その発行額を前年度より千五百億円減額して四千九百億円といたしております。これによって一般会計における公債依存度は、前年度当初予算の一〇・九%から七・二%へ低下することになりました。これは公債政策に欠くべからざる節度を守ったものであり、まことに適切な処置であると思います。また、総合予算主義のたてまえを堅持することとし、例年補正要因となる公務員給与費や食管特別会計への繰り入れなどについて所要の措置を講じております。これらは、いずれも健全なる財政の実現への努力として高く評価するものであります。
 第三は、物価の安定に特段の配慮を加えていることであります。
 現在、物価問題が最も重要な政治課題であることは申すまでもありません。そのため、米、麦及び塩の価格を据え置く方針をとるとともに、公共料金の引き上げは、国鉄運賃を除き極力抑制することといたしております。また、総需要が過大となって、物価上昇を刺激することのないように、財政規模を適度に押えるとともに、公債発行額の削減を断行していることはさきに申し上げたとおりであります。また、消費者物価の上昇は、いわゆる構造的要因に基因するところが多いのにかんがみ、低生産性部門の近代化をはじめ、流通対策、競争条件の整備、労働力の流動化、消費者教育など、物価抑制に対する基本的な諸施策を強力に推進することにいたしております。物価の抑制について、世上簡単に、国でその分を負担したらよいではないかという説をなすものがあります。しかし、私は、経済の原則を無視し、税金によっていつまでも物価を抑制しようとすることは、決して根本的な解決になり得ないことを確信するものであります。
 第四は、減税であります。
 今回の税制改正は、中小所得者の負担軽減を主眼として、大幅な所得税減税を行なうとともに、地方税についても住民税を中心とする減税を行なうこととしております。その額は国税、地方税を通じて、平年度二千七百五十億円に達する見込みであります。特に所得税減税につきましては、平年度千八百二十五億円にのぼり、その課税最低限の引き上げは標準家族において九十三万五千円となり、かねてからわが党の公約である昭和四十五年度百万円まで無税の実現にいま一歩と近づきましたことは、まことに時宜を得たものと思います。
 第五は、財源を適正かつ効率的に配分しているということであります。
 国の予算は、政府の政策を数字で示したものといわれます。したがって、限られた財源をいかに有効適切に配分し、政府与党の公約を実現するかということがきわめて重要なこととなります。この観点に立って各費目を検討いたしますると、公共事業費、社会保障費、文教及び科学振興費あるいは農林関係費などに著しく重点が置かれ、一目して社会開発、人間尊重の政策が重視されていることがわかります。すなわち地方財政の改善とも相まって、国民の日常生活に密着した諸施策、たとえば、地方道、下水道等清掃処理設備などの整備あるいは緊急を要する交通安全対策や、過密、過疎対策などが強力に推進されようとしております。また、社会保障費もその額は一兆円に迫り、寝たきりの老人宅に医師や看護婦を派遣する制度の新設などを含む老人福祉対策をはじめ、母子の保健、身障者の福祉対策等々に対しきめこまかく、思いやりのある処置が講ぜられております。また、年々深刻化する公害対策につきましても、その紛争処理や被害者救済制度が新設されるなど、きわめて意欲的であります。
 かくのごとく、地域社会開発の費用、公共事業費及び社会保障費が本予算案の三役となっておりますことは、佐藤内閣が、その公約である人間尊重と社会開発の達成に対し、いかに忠実であるかということを証明するものであります。これに対し、わが国の安全と独立を守る防衛関係費はわずかに七・二%で、社会保障費の半ばにすぎません。これは、先進諸国やスイスなどの中立諸国の軍事費に比べて著しく低率であります。このことは、「わが国の実情に即して、自衛力の漸増をはかるとともに、日米安保体制を堅持する」というわが党の基本方針が貫かれている結果でありまして、このことが、同時にまた、わが国今日の繁栄をもたらした原動力であることを銘記すべきであります。(拍手)
 以上、本案の重要なる諸点について申し述べ、賛意を表してまいりましたが、私は、この予算執行にあたって二、三政府に要望いたしまして、討論を結びたいと思います。
 その第一は、現下、海外における通貨不安や貿易の見通し、あるいは国内における消費者物価や景気の動向などはきわめて流動的でありますから、政府はよく、その動向を注視しながら、臨機応変、その弾力的運用をはかられたいということであります。
 第二は、経済の高度成長に伴って生ずるひずみや被害をできるだけ緩和するよう、勇断をもって処理せられたいということであります。私は、この狭い国土において過密、過疎をはじめとして、もろもろの格差が助長されたり、公害や交通事故などの被害が激増するようなことがありましたならば、これは政治の責任であると考えるべきだと思います。
 最後に、国の予算は、国民が納めた税金の使い道を示すものとも考えられます。私は、その執行にあたっては、あらゆる部門にわたって国民の血税が一銭たりともむだにならないよう、厳正な態度をもってこれに当たり、もって、国民の期待にこたえられんことを切望するものであります。
 以上をもって、私の賛成討論を終わります。(拍手)
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#17
○議長(重宗雄三君) 三木忠雄君。
   〔三木忠雄君登壇、拍手〕
#18
○三木忠雄君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております昭和四十四年度予算三案に対し、反対の討論を行なうものであります。
 まず、激動する国際経済情勢下におけるわが国の四十四年度の経済見通しについてであります。
 今日のわが国の大型景気をささえている柱は、国内的には設備投資であり、国際的には輸出の好調であります。特に、昨年来より、国際収支の黒字ができた要因は、世界貿易が予想外に伸びたことであり、特に、アメリカの景気が好調であったことが大きく影響しているのであります。しかしながら、今日まで日本の経済は米国に大きく依存してまいりましたが、ニクソン新政権の発足によってかなりきびしい立場に追い込まれるのではないかと予想されております。すなわち、アメリカは、現在景気過熱に加えて大幅な国際収支の赤字をかかえており、その改善のため経済成長は鈍化を余儀なくされ、米国の対外貿易政策に敏感に影響することは明らかであります。すでに米国では、鉄鋼、繊維などわが国の輸出の主たる目標に対して、輸入制限の動きが出てきております。その上、後進国に対する援助の肩がわりも要求してくることも考えられるのであります。さらに、欧州経済の動向を見るとき、西独の国境税調整による強いマルクの修正、英国のポンド防衛、フランスの緊急政策など、わが国をめぐる国際経済環境はかなりきびしくなるものと予想されているのであります。
 振り返って国内経済を見るとき、すでに景気は過熱ぎみであり、経済指標はかげり現象を呈しているのであります。その中にあって、中小企業は相変わらず倒産があとを断たず、経済の構造的な欠陥を明確にあらわしております。一方、消費者物価は年平均五・六%以上上昇し、定額預金の金利を上回る勢いであり、四十四年度の消費者物価五%という政府の見通しも、国鉄運賃値上げによってすでにこれを上回ることは確実となってきました。すでに佐藤内閣になってから消費者物価は実に一七%をこえる上昇ぶりであり、国民生活への圧迫は、本年はさらに強まるものと予想されております。
 このような状態の中にあっては、当然予算は景気に対して警戒型でなければならないし、最も国民の期待する物価安定こそ最優先されてしかるべきであります。しかるに、政府は、まず財政面から景気刺激を避けると称しながら、四十四年度一般会計予算総額は六兆七千三百九十五億円と、政府の経済見通しの名目成長率を大幅に上回っているのであります。まさしくこれは戦後最大の景気刺激型の超大型予算であり、景気抑制どころか、景気調整機能は全く失われ、今後金融政策面で景気調整を強化せざるを得なくなり、その結果は、中小企業をはじめ、物価上昇にも一そうの拍車がかかり、国民生活に相当なしわ寄せがかかってくることは間違いありません。
 さて、四十四年度予算をめぐる重大な特色は、政府の題目である財政硬直化打開構想が大きく後退してしまったことであります。これは、とりもなおさず、政府の七〇年安保改定期を乗り切るための特異的な財政政策のあらわれであります。すなわち、公共事業費の増額をはじめとして、各分野にわたって総花的支出を行ない、あるいは各種の圧力団体の要求にこたえるなど、すべて七〇年を懸念し、計算に入れた上での国民の不満をカバーする対策であります。このような国民生活の安定、大衆福祉の向上を忘れた党利党略、七〇年指向型の安保対策予算に賛成するわけにはいかないのであります。
 したがって、以下数点にわたり具体的問題を指摘しつつ、反対の理由を述べるものであります。
 まず第一は、佐藤内閣の政治姿勢についてであります。
 総理は、予算委員会の答弁の中で、繰り返し、憲法の尊重、非核三原則を口にしながら、自衛のためなら核保有も違憲でないと主張し、ますます軍備を増強し、平和憲法をじゅうりんしようとしていることであります。また、あれほど騒がれ、国民の要望の強かった政界の浄化、黒い霧の根源である政治資金規正法も骨抜きにしたままこれを握りつぶしているばかりか、ますます財界と密着して金権政治を推し進めようとしていることであります。その上、一部の圧力団体に迎合し、国民との対話、接触を怠り、多数の暴力によって少数意見を圧殺し、国鉄運賃値上げ法案の強行採決を行なうなど、議会民主制を否定しようとする佐藤内閣の政治姿勢こそ糾弾されなければならず、人心はますます議会政治から遊離するばかりで、私どもの最もおそれるところであり、国民の絶対に容認し得ないところであります。
 第二は、物価問題であります。
 政府は、物価安定をスローガンに掲げておりますが、その内容は全く無策というほかはありません。その証拠には、池田内閣時代には、一回限りであった消費者米価値上げを、佐藤内閣になってから何と四年連続引き上げてまいりました。また、各種の公共料金を積極的に引き上げ、インフレ、物価高を激化させてしまったのであります。特に四月からの国鉄運賃一五%の値上げは、直ちに消費者物価に大きな影響を及ぼすことは必定であり、また、消費者米価据え置きと言明しているものの、生産者米価引き上げから、食管特別会計の赤字防止、そして消費者米価引き上げということも懸念されているのであり、そのほか、電話の基本料金、タクシー料金値上げ、医療費の値上げ等を勘案すると、政府主導型物価上昇となることは避けられず、結局、政府の物価上昇見込み五%をはるかに上回わることは火を見るよりも明らかであります。したがって、このような結果は、国民生活を著しく圧迫し、インフレを助長する予算であると断定せざるを得ないのであります。
 第三は、減税についてであります。
 最近ほど国民の間に税金についての関心が強まっていることはいまだかつてなかったことであります。いわゆるサラリーマンユニオン、サラリーマン同盟とか、勤労大衆の怒りは高まっております。しかるに、四十四年度は一兆二千億円以上の租税の自然増収があるにもかかわらず、千五百億円程度の減税では、税の取り過ぎという感じはぬぐい得ないのであります。政府は、四十四年度には、課税最低限を十万円引き上げ、また、累進課税を若干緩和しましたが、とうてい国民の税に対する不満は解消しておらず、わが党の主張する課税最低限百三十万円の実現はほど遠く、これに対して、逆に租税特別措置による企業税制、大企業優遇の税体系、個人資産所得への過度の手厚い優遇措置は一向に改まっておらないのであります。このような勤労大衆への重税、不公平課税の現実には目をつぶることはできないのであり、絶対に承認できないのであります。
 第四には、社会保障の問題であります。
 わが国は、急激な経済成長の結果、国民総生産においては米国に次いで世界第二位となりながら、社会保障の面においては欧米各国より著しく立ちおくれております。しかも、佐藤内閣成立以来、予算総額に対する社会保障関係予算は、昭和四十年の一四・六%から一四・一%に、また、国民所得に対しても同じく二・一八%から二・〇六%へと低下しつつあることは、政府の社会保障軽視を実証するものであります。不完全な年金制度は、恒常的な物価上昇に脅かされ、多くの老人は深刻な不安に悩み、医療費負担の増加、勤労者の児童保育所の不足、心身障害者対策の立ちおくれは、住宅、保健衛生などの生活環境の悪化とともに、国民生活に大きな苦痛となってあらわれております。特に今回の社会保障関係費の中で最大の欠陥は、国民大衆が一日千秋の思いで待望していた児童手当制度を実施する予算を見送ったことであります。これは、政府自身がしばしば国民に公約したものであり、公約不履行の責任を免れ得ません。大資本優先、企業優遇、人間尊重を忘れた政府の社会保障の怠慢を糾弾せざるを得ないのであります。
 最後に、この予算の基本的性格は七〇年の安保予算ではないかということであります。
 すなわち、公然たる防衛関係費は四千八百三十八億円にのぼり、これによってF4Eファントム機の購入と国産化、ナイキハーキュリーズ部隊の新設、陸上自衛隊六千人の増強、特に第三次防計画に伴う膨大な軍備増強をはかり、四十五年度以降の財政支出を義務づける継続費及び国庫債務負担行為は二千七百三十五億円に達し、これだけ予算の先食いをしているのであります。これは政府のいうところの財政硬直化の打開とは、およそ矛盾するものであります。
 以上、政府提出の昭和四十四年度予算三案に対し意見を述べてまいりましたが、このような大衆福祉を無視し、国民不在の予算に対しては強く反対の意を表し、私の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(重宗雄三君) 村尾重雄君。
   〔村尾重雄君登壇、拍手〕
#20
○村尾重雄君 私は、民主社会党を代表いたしまして、政府提出の昭和四十四年度予算三案に対し、限られた時間内において反対の意向を明らかにしたいと存じます。
 反対の第一の理由は、政府の予算編成は、毎年度のこととは言いながら、風の吹くまま、景気循環の成り行きのままの、一貫性もなく総合計画性もない、その場限りの総花式の繰り返しであることであります。前回の不況時代に証券業が恐慌寸前に当面した四十一年度には、財政新時代だとか、財政主導型のフィスカルポリシーとか称して、国債発行に踏み切り、四十三年度には国債発行等がもたらす財政硬直化の打開、総合予算主義を唱え、その四十三年度予算は食管繰り入れを中心として総合予算主義の原則をみずから破っております。しかも、明年度予算案には租税の自然増収が約一兆二千億円も計上され、さらに四十五年度以降も大幅な租税収入が見込み得る大型経済が継続するものと予見されているにもかかわらず、政府はこの財政力をいたずらに総花式人気取り予算編成に終始しております。昭和四十年代のわが国経済は、工業生産の高度化、すなわち付加価値率の大幅上昇、貿易における大幅輸出超過、これに基礎を置く国際収支の安定という二つの大きなプラスが明らかに年を追うて確実に前進しております。住宅、社会保障の画期的充実、物価安定と減税、人的能力の再開発を目指す教育の大改革など、国民すべてが待望している福祉国家の建設、そして究極には教育国家の建設のための経済条件が着々と醸成されているにもかかわらず、政府はこの絶好のチャンス、歴史的な国家創造の機会を無策、無為に過ごそうとしておるのであります。私は、野党の立場を越えて、国民代表として、このような政府の予算編成が遺憾にたえないのであります。
 以上の総括的反対論に立って、第二に、政府の物価政策の無為を指摘します。
 すでに政府は、衆議院の審議が不十分なるままにもかかわらず、国鉄運賃値上げ案を本院に回しております。明年度の消費者物価の上昇は、これを加えるならば、政府が予想する上げ幅五%を明らかに上回り、四十三年度の上げ幅四・八%をも上回ります。このような大幅物価上昇が、すでに三十六年度以来足かけ九年間も継続しておるのであります。しかるに政府は、いまだかつて一度も断固として高物価政策に挑戦し、物価抑制に取り組もうとしないのであります。最近の消費者物価上昇の牽引力は、明らかに公共料金、すなわちわが国の政策によって直接に左右される独占価格でありますが、政府は、これを受益者負担の名目で値上げを毎年度強制しております。ここには国民に対する話し合いの政治もなければ、物価高解決についての国民協力を求める民主政治もありません。明年度は少なくとも最低九百億の一般会計の予算負担増によって国鉄運賃値上げを断固として回避し、このような物価政策を少なくとも三カ年維持する間に、財政及び金融全体についての体質改善をはかるべきであると思います。いまやこれは空論ではなく、大幅な財政収入増加に裏づけられた唯一の建設的な切り札政策であります。
 反対理由の第三として、政府案の税制改正を指摘したいのです。
 今回、政府は所得税の免税点十万円引き上げと税率緩和で初年度千五百三億円の減税を行なっておりますが、これは一兆二千億円の租税自然増収と比較しただけでも、減税規模は過小と言わざるを得ません。最近、俸給生活者減税が大きな問題となっているように、所得税収入の七割は源泉所得税収入であります。所得税納税者の八割五分は給与所得者であります。すなわち俸給生活者であります。申告納税者が収益増加のチャンスを持っているにかかわらず、俸給生活者は定額収入であって、必要経費の認定は税制上きわめて幅が狭いのであります。このような不均等な税制上の基本問題を提起されているにかかわらず、政府はこれに一切こたえておりません。利子・配当減免税八百十五億円その他の租税特別措置の整理によって二千四百億円を減税財源に充て、百万円減税を明年度は実施すべしと政府に申し上げたい。政府案によっては、あまりにも税負担は不公平であります。
 最後に、反対の理由の第四として、政府案はむしろ社会的不均衡を拡大する矛盾をおかしている点を指摘したい。
 政府の経済社会発展計画によっても、住宅と生活環境整備は毎年三〇%、社会保障は毎年二〇%の経費増加が必要と言われているが、明年度予算案では住宅関係一三%、生活環境関係一二・八%、社会保障一六%の予算の伸びにすぎません。ところが、米軍基地対策費は三一%の伸びであります。欠員一万五千名の自衛隊にあえて六千人の定員の増加など、国民の納得のいかない予算編成が行なわれておるのであります。行政費用の節約二千六百億円の増額、防衛関係費の六百億円削減等を財源として、住宅、生活環境整備、社会保障、文教、沖繩対策など、国民福祉を目ざす歳出予算増額と、一方においては国鉄運賃値上げストップは可能であると主張したいのであります。
 私は、以上申し述べたあまりにも大きい欠陥を持つ政府予算案には、はっきりと反対と申し上げまして討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○議長(重宗雄三君) 小笠原貞子君。
   〔小笠原貞子君登壇、拍手〕
#22
○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十四年度予算三案に反対いたします。
 反対理由の第一は、この予算案が日米軍事同盟の強化をはかるものであり、危険な戦争への道に通ずるものだからであります。
 政府は沖繩の本土並み返還をちらつかせながら核つき自由使用の沖繩をかかえ込み、本土の沖繩化をはかろうとしていますが、予算委員会での愛知外務大臣の「沖繩に安保条約が適用される前に米軍が持ち込んだものは事前協議の対象にならない」という発言や、アメリカにおける岸特使の沖繩に自由使用基地を認める趣旨の発言は、その意図を暴露したものであります。この目的を達成するために、この予算案は一般会計で四千八百三十八億円、継続費と国庫債務負担行為で二千七百三十五億円という巨額な軍事費が組み込まれています。これはナイキハーキュリーズ部隊の新設、F4Eファントム機の採用と国産化など、自衛隊の核ミサイル化と兵器の本格的な国産化を目ざす第三次防衛力整備計画を強力に推し進めるものであります。
 また、海外経済協力や貿易振興のために、財政投融資を含めて昨年に比して二八%増の四千八百九十億円と大幅にふやしています。これは「アジアの反共軍事体制において日本が積極的な役割りを果たせ」というニクソンの要求にこたえて、アメリカのアジア侵略を補強しながら、日本の大企業のアジアへの進出を飛躍的に促進しようとするものであり、また、アメリカと日本の大資本の利益のために、日本人民を戦争と侵略の道に引き入れるものであります。
 しかも、政府は、トロツキスト暴力集団を泳がせ、これを口実に、大学問題を治安問題にすりかえ、大学制度をはじめ教育制度の全面的な反動的再編成を法と秩序の名により行なおうとしております。このために、警察機動隊二千五百名を含めて警察官の五千名の増員と装備の強化、自衛隊の治安出動体制の整備など、弾圧体制を一段と強めようとしています。
 わが党は、独立と平和、民主主義を守る立場から、このような反動的予算案に反対するものであります。
 反対理由の第二は、この予算案は、アメリカに従属した軍国主義の復活とアジア進出の経済的基盤を強める独占資本に奉仕するものだからであります。
 本予算案は、一般会計と財政投融資を合わせて二兆九千億円もの公共事業費を組んでいますが、その大部分は、幹線高速自動車道路、港湾、空港、工業用地、工業用水など、大企業本位のものであります。また、大型合併の促進や宇宙開発、海洋開発その他軍事的色彩の強い新技術への援助や、造船利子補給や石炭対策費など、これまた大企業本位の援助、救済に多額の国費を投入しております。反面、住宅、下水道その他切実な要求である生活環境の改善や公害対策などは全く不十分であり、交通事故対策費や災害対策費に至っては昨年よりも減らされているのであります。
 特に、反対理由の第三は、この予算案は、いま申しましたような予算の費用を生み出すために、いままで勤労者によって一定の役割りを果たしてきた諸制度の根本的な改悪を行ない、人民に対する収奪を一そう強めようとしていることであります。
 すなわち、政府は、物価安定を最重点とすると言いながら、国鉄運賃の大幅値上げ、電話基本料金の改定など公共料金の引き上げにより物価値上げの先頭に立っています。特に、国鉄運賃一五%の引き上げについては、政府の言う、いわゆる赤字なるものは、金融機関へのばく大な利子の支払いや、アメリカ軍と大企業の貨物輸送の増強のための費用を勤労者の犠牲でまかなおうとするためにつくられたものであることはすでに明らかであります。しかも、政府と国鉄はこれを理由に、国鉄労働者十六万人の削減、ローカル線の廃止など、国鉄の大資本本位の再編成計画をあくまで強行しようとしております。一方、政府は、租税特別措置法その他で大企業や大金持ちには一兆数千億にのぼる減免を行なっておりながら、これには口をぬぐい、サラリーマン減税などと意識的に宣伝しています。自然増収一兆二千億円のうち所得税減税はわずか千五百億円にすぎないではありませんか。しかもその内容は、重役、部課長クラスなど一部高額所得者には大幅減税を行なう一方、大多数の勤労者にはかえって重税となるものであります。また政府は、国税不服審判所を新設して徴税体制を一そう強化しようとしております。さらに総定員法や地方公務員の定年制により、合理化を強行し、人事院勧告制度を踏みにじる不当な見込み賃金を押しつけようとしています。また、自主流通米制度の新設、生産者米価据え置きなどによる食管制度の取りくずしと農地制度の改悪、失業保険と日雇い保険の改悪が行なわれようとしております。生活保護費を例にとってみるならば、人間尊重といわれているけれども、去年に比して一食について七円十六銭、わずかアンパン半分がふえただけで、対象人員は八万四千人も打ち切ろうとしているのです。
 このように本予算案は、労働者、農民、勤労者に一そう過酷な犠牲をしいるものであります。また、地方交付税の借り上げなどによって、地方財政に重大な圧迫を加えています。したがって、わが党は、このような予算案に強く反対するものであります。
 わが党は、安保条約の廃棄、沖繩の即時無条件全面返還による日本の独立と中立の実現、国の財政の徹底した民主化を主張いたします。すなわち、軍事費や人民弾圧費、大資本のための海外進出費や公共事業費を削減するとともに、独占企業や大金持ちに対する税の特別の減免をやめさせ、高度の累進課税を行なうことを主張いたします。そうして、それらの財源によって、四人家族で年百二十万円までの免税、物価の安定と賃金の引き上げや社会保障制度の拡充、住宅、公害、交通安全、災害対策、その他、労働者、農民、中小商工業者の生活と経営の改善をはかり、日本経済の自主的、平和的な発展をはかることを強く主張して討論を終わります。(拍手)
#23
○議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は、全部終了いたしました。討論は、終局したものと認めます。
 これより採決をいたします。
 三案全部を問題に供します。
 表決は、記名投票をもって行ないます。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#24
○議長(重宗雄三君) 八木一郎君から、歩行困難のため、投票を参事に委託したいとの申し出がございました。これを許可いたします。投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#25
○議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#26
○議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十票
  白色票           百三十票
  青色票             百票
 よって、三案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百三十名
      任田 新治君    内藤誉三郎君
      高橋雄之助君    田村 賢作君
      小林  章君    伊藤 五郎君
      後藤 義隆君    白井  勇君
      横山 フク君    小山邦太郎君
      植竹 春彦君    木内 四郎君
      山崎 五郎君    山本敬三郎君
      若林 正武君    渡辺一太郎君
      安田 隆明君    矢野  登君
      増田  盛君    長屋  茂君
      永野 鎮雄君    中山 太郎君
      高田 浩運君    中村喜四郎君
      西村 尚治君    八田 一朗君
      宮崎 正雄君    佐藤  隆君
      黒木 利克君    楠  正俊君
      岡本  悟君    高橋文五郎君
      土屋 義彦君    船田  譲君
      吉江 勝保君    江藤  智君
      大竹平八郎君    大谷藤之助君
      柴田  栄君    青田源太郎君
      栗原 祐幸君    藤田 正明君
      梶原 茂嘉君    大谷 贇雄君
      前田佳都男君    増原 恵吉君
      鍋島 直紹君    徳永 正利君
      西郷吉之助君    新谷寅三郎君
      井野 碩哉君    石原幹市郎君
      河野 謙三君    上原 正吉君
      杉原 荒太君    剱木 亨弘君
      安井  謙君    山崎 竜男君
      平泉  渉君    玉置 和郎君
      沢田 一精君    近藤英一郎君
      玉置 猛夫君    大松 博文君
      鈴木 省吾君    今  春聴君
      小林 国司君    久次米健太郎君
      佐藤 一郎君    山内 一郎君
      山本茂一郎君    中津井 真君
      林田悠紀夫君    鬼丸 勝之君
      内田 芳郎君    大森 久司君
      津島 文治君    岩動 道行君
      和田 鶴一君    河口 陽一君
      丸茂 重貞君    二木 謙吾君
      鹿島 俊雄君    長谷川 仁君
      井川 伊平君    櫻井 志郎君
      金丸 冨夫君    谷口 慶吉君
      村上 春藏君    田中 茂穂君
      堀本 宜実君    西田 信一君
      平島 敏夫君    山下 春江君
      山本 利壽君    八木 一郎君
      田口長治郎君    平井 太郎君
      寺尾  豊君    古池 信三君
      松平 勇雄君    郡  祐一君
      青木 一男君    小林 武治君
      吉武 恵市君    木村 睦男君
      植木 光教君    亀井 善彰君
      長田 裕二君    上田  稔君
      佐田 一郎君    菅野 儀作君
      石原慎太郎君    源田  実君
      熊谷太三郎君    久保 勘一君
      川上 為治君    山本  杉君
      米田 正文君    木島 義夫君
      温水 三郎君    森 八三一君
      三木與吉郎君    塚田十一郎君
      赤間 文三君    高橋  衛君
      迫水 久常君    斎藤  昇君
      塩見 俊二君    廣瀬 久忠君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百名
      原田  立君    峯山 昭範君
      田渕 哲也君    山田  勇君
      青島 幸男君    塩出 啓典君
      藤原 房雄君    萩原幽香子君
      山高しげり君    市川 房枝君
      三木 忠雄君    内田 善利君
      上林繁次郎君    矢追 秀彦君
      阿部 憲一君    中尾 辰義君
      沢田  実君    多田 省吾君
      黒柳  明君    宮崎 正義君
      中沢伊登子君    片山 武夫君
      田代富士男君    鈴木 一弘君
      二宮 文造君    渋谷 邦彦君
      向井 長年君    高山 恒雄君
      山田 徹一君    柏原 ヤス君
      北條  浩君    白木義一郎君
      小平 芳平君    中村 正雄君
      村尾 重雄君    上田  哲君
      和田 静夫君    松本 英一君
      安永 英雄君    竹田 四郎君
      杉原 一雄君    達田 龍彦君
      小野  明君    森  勝治君
      中村 波男君    小林  武君
      松本 賢一君    林  虎雄君
      松永 忠二君    大矢  正君
      横川 正市君    小柳  勇君
      加瀬  完君    秋山 長造君
      藤田  進君    北村  暢君
      成瀬 幡治君    須藤 五郎君
      渡辺  武君    小笠原貞子君
      春日 正一君    河田 賢治君
      岩間 正男君    前川  旦君
      戸田 菊雄君    竹田 現照君
      山崎  昇君    木村美智男君
      村田 秀三君    川村 清一君
      大橋 和孝君    田中寿美子君
      沢田 政治君    矢山 有作君
      瀬谷 英行君    吉田忠三郎君
      西村 関一君    大森 創造君
      鶴園 哲夫君    野上  元君
      千葉千代世君    山本伊三郎君
      武内 五郎君    森中 守義君
      近藤 信一君    鈴木  強君
      森 元治郎君    阿具根 登君
      永岡 光治君    中村 英男君
      久保  等君    岡  三郎君
      羽生 三七君    亀田 得治君
      占部 秀男君    大和 与一君
      足鹿  覺君    田中  一君
      藤原 道子君    加藤シヅエ君
     ─────・─────
   〔議長退席、副議長着席〕
#27
○副議長(安井謙君) この際、日程に追加して、
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案。
 犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案。
 (いずれも内閣提出、衆議院送付)、
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長小平芳平君。
   〔小平芳平君登壇、拍手〕
#29
○小平芳平君 ただいま議題となりました二法案について、法務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案の要旨は、第一に、高等裁判所における訴訟事件の適正迅速な処理をはかるため、判事の員数を十五名増加し、また、簡易裁判所における交通関係の業務上過失致死傷事件の増加に対処するため、簡易裁判所判事の員数を二十八名増加すること、第二に、下級裁判所における事件の適正迅速な処理をはかるため、裁判所書記官、家庭裁判所調査官及び裁判所事務官等の員数を合計百十九名増加すること等であります。
 委員会におきましては、高等裁判所判事及び簡易裁判所判事の増員理由と配置計画、裁判官以外の裁判所職員の増員配置計画、裁判所職員の職業病の処理などについて熱心な質疑がありましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案の要旨は、地方更生保護委員会における仮釈放、その他の事務の適正化、能率化をはかるため、同委員会を組織する委員の定数を、現在三人以上九人以下となっているのを、三人以上十二人以下と改めるとともに、同委員会の事務局に専任の事務局長を置くこととしたものであります。
 委員会におきましては、保護観察所事務の指導監督、仮釈放許可の基準及びその処理状況、明治百年記念恩赦の処理状況とその公正保持、地方更生保護委員会事務局の機構改革が事務局職員の待遇に及ぼす影響などについて、熱心な質疑応答がありましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 質疑を終わり、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上報告いたします。
#30
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#31
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#32
○副議長(安井謙君) 次に、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#34
○副議長(安井謙君) この際、日程に追加して、
 日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関する法律を廃止する法律案(第六十回国会内閣提出、第六十一回国会衆議院送付)、
 軽機械の輸出の振興に関する法律を廃止する等の法律案(内閣提出)、
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員会理事剱木亨弘君。
   〔剱木亨弘君登壇、拍手〕
#36
○剱木亨弘君 ただいま議題となりました二法案について、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 二法案とも現行法を廃止するための法案でありますが、まず日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関する法律を廃止する法律案について申し上げます。
 現行法は、合成ゴムの国産化体制をはかるため、特殊会社として昭和三十二年に日本合成ゴム株式会社を設立しましたが、この会社は幸い順調な発展を遂げ、昨年政府所有株式を有利に処分いたしましたので、この際、現行法はこれを廃止し、会社を純粋の民間企業に移行させようとするものであります。
 委員会では、会社の資産内容、政府所有株式の処分方法、合成ゴム需給の現状及び将来、国会附帯決議の尊重等に関し質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、共産党の須藤委員から反対意見が述べられましたが、引き続き採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、軽機械の輸出の振興に関する法律を廃止する等の法律案について申し上げます。
 現行法は、昭和三十四年に家庭用ミシン及び双眼鏡の輸出秩序を確立するために制定された臨時法で、途中に一回延長されましたが、最近ようやく秩序が整備され、法律の廃止期限も参りますので、この際それを廃止し、同法に基づく輸出振興事業協会の解散、その清算手続等を定めようとするものであります。
 委員会では、業界の実態、今後の輸出秩序、技術向上等をめぐり、熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
#37
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関する法律を廃止する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#39
○副議長(安井謙君) 次に、軽機械の輸出の振興に関する法律を廃止する等の法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#40
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#41
○副議長(安井謙君) この際、日程に追加して、
 繭糸価格安定法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、
 漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件(衆議院送付)、
 以上両件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長任田新治君。
   〔任田新治君登壇、拍手〕
#43
○任田新治君 ただいま議題となりました案件について報告いたします。
 まず、繭糸価格安定法の一部を改正する法律案は、繭糸価格安定機構の簡素化と合理化をはかるために、国が行なってきた繭糸価格安定業務等を日本蚕糸事業団に行なわせようとするものであります。
 委員会におきましては、繭糸価格安定制度のあり方等について質疑が行なわれ、別に討論もなく、採決の結果、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
 続いて、武内委員より附帯決議案が提出され、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件は、第四十三回国会で承認を受けた漁港整備計画を、その後の水産業の発展等に即応して変更しようとするものであります。
 委員会におきましては、漁港整備の重要性等について質疑が行なわれ、別に討論もなく、採決の結果、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 右報告いたします。(拍手)
#44
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、繭糸価格安定法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#45
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#46
○副議長(安井謙君) 次に、漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#47
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後九時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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