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#1
第061回国会 本会議 第23号
昭和四十四年五月十四日(水曜日)
   午前十時三分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十四号
  昭和四十四年五月十四日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(林業基本法
  に基づく昭和四十三年度年次報告及び昭和四
  十四年度林業施策について)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
    ―――――――――――――
#3
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#4
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、国務大臣の報告に関する件(林業基本法に基づく昭和四十三年度年次報告及び昭和四十四年度林業施策について)。
 農林大臣から発言を求められております。発言を許します。長谷川農林大臣。
   〔国務大臣長谷川四郎君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(長谷川四郎君) 「昭和四十三年度林業の動向に関する年次報告」及び「昭和四十四年度において講じようとする林業施策」につきまして、その概要を御説明いたします。
 まず、この年次報告に述べております「林業の動向」について申し上げます。
 木材の需要は著しく増大しておりますが、国内の木材生産は依然として停滞の傾向を示しており、こうしたことから外材の輸入は逐年増加し、四十二年には用材供給量の四割近くを占めるに至っております。
 一方、国内の森林資源の開発はいまだ十分でなく、資源造成のための造林は、民有林の拡大造林が四十二年度は前年度を上回ったものの、全般的には減少の傾向にあります。このような状況の中で、各県における公社造林の進展など新しい動きも見られ、林道も逐次整備されつつあります。
 また、林業経営の動向について見ますと、その大宗を占める私有林経営の規模は零細なものがきわめて多く、経営基盤が脆弱である等、林業構造の一そうの改善が必要な状況にあります。
 林業従事者の動向につきましては、山村住民の流出が著しく、林業労働力の量的不足、質的低下の傾向が目立っております。
 次に、「林業に関して講じた施策」でありますが、これは、最近、特に四十二年度以降において政府が林業振興上実施した主要な施策を述べたものであります。
 最後に、「昭和四十四年度において講じようとする林業施策」の概要について申し上げます。
 政府といたしましては、すでに申し述べましたような林業の動向にかんがみ、林業基本法の趣旨に従い所要の諸施策を講ずることといたしております。特に、木材需給の安定を期するため、外材の適正円滑な輸入と相まって、森林施業の合理化、計画化を推進するとともに、林道の整備拡充、造林の推進、低位利用の里山の再開発等の施策を講じ、もって国内の林業生産の増大及び生産性の向上をはかることといたしております。また、林業の構造改善を進めるため、林業構造改善事業、入り会い林野整備事業等の事業を推進するとともに、国有林野の積極的な活用のための施策を講ずる一方、山村労働力の流出に対処して林業従事者の養成確保等の施策を充実することといたしております。さらに、森林の国土保全機能の確保をはかるため、保安林の整備、治山事業の拡充実施等の施策を推進することといたしております。
 以上、「昭和四十三年度林業の動向に関する年次報告」及び「昭和四十四年度において講じようとする林業施策」について、その概要を説明いたした次第であります。(拍手)
#6
○議長(重宗雄三君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。鶴園哲夫君。
   〔鶴園哲夫君登壇、拍手〕
#7
○鶴園哲夫君 林業基本法が制定されて満五年を経過しようとしております。その基本法第九条の規定に従って国会に報告しました第五回目のいわゆる四十三年度林業白書、四十四年度林業施策を、ただいま農林大臣が説明を行ないました。私は、日本社会党を代表して、この林業白書等について若干の質問を行ないます。
 日本は、林野面積が国土総面積の六八%を占め、世界有数の林野率を持った山林国であります。その日本が、これまた世界第一位の木材輸入国に転落したのであります。林業の危機が叫ばれ、林業基本問題が熱心に論議されました十年ほど前は、木材の自給率は九〇%前後でありましたが、今日五七%に凋落しました。両三年のうちに、自給率は五〇%を割るとだれしも推測するところであります。
 自由化されている木材は、まさに奔流のごとく日本に輸入されています。にもかかわらず、木材価格の騰貴は、はなはだしいものがあります。林業労働力の流出はますます林業の深刻な問題になりました。木材の需要は、この十年、年率六・二%で伸びています。特にこの三年は、年率一〇%余りの拡大にもかかわらず、国内の林業生産は、この十年停滞しきっています。約千五百万ヘクタールの私有林、約二百七十万ヘクタールの公有林の生産活動は、旧態依然たるものがあります。また、将来の林業であります植林は、三十六年を頂点に、一年一年衰退の一途を続けています。五年前の林業基本法制定当時より事態は一そう悪化してきました。林業基本法林政は全く効果がなかっただけでなく、日本の林業をますます憂慮すべき深刻な事態に追い込んだのではないでしょうか。基本法林政は根本的に再検討すべき段階にきたと思いますが、総理の御所見を伺います。
 最近の林業問題解決のためには、まず、山林所有と資本と労働の均衡のとれた産業として林業を確立すべきであります。治山治水、国土保全といった経済外的な施策のほかに、産業政策としての林政を飛躍的に拡大すべきであります。農林大臣の考え方を明らかにされたいのであります。
 経済企画庁長官に伺いたいのは、卸売り物価総合指数は、四十年を一〇〇としまして、本年の三月で一〇六であります。しかるに、木材、同製品の卸売り価格指数は一三三という、群を抜いて異常な高さであります。長官は、この安定のためにどのような対策をとってこられたのですか。全く効果はなかったわけですが、これからどのような施策で、どのように安定させるお考えですか、伺います。
 林業基本法第十条に従って、政府は、四十一年四月、「木材の需要と供給の長期見通し」を公表しました。それによりますと、外国材依存率のピークは昭和五十年で二九%になり、輸入量のピークは昭和六十年で三千万立方メートルだとしています。しかし、実績は、四十二年に外材の依存率は三八・六%になり、輸入量は三千万立方米に近づいています。四十一年に公表した政府の長期見通しの十年先二十年先の数字がわずか一年にして完全にくずれ去るとは一体いかなることか、無責任もはなはだしいものがあります。(拍手)農林大臣の説明を伺います。
 なお、長期見通しが、政府や自治体や林業関係団体、林家等の生産と需要の目標となるものだけに、すみやかに改定する必要があると考えますが、農林大臣、いかがでしょうか。
 この十年近い間、木材の輸入は、年率二四・六%という、たいへんな勢いで伸びてきまして、四十三年には、第一位の原油十六億八千万ドルに次ぎ、木材が十一億六千万ドルで第二位、第三位の鉄鉱石八億三千万ドルを軽く凌駕しています。しかも、輸入のほとんどが国内消費のためであります。去る四月森林資源総合対策協議会の発表しました中期見通しによりますと、五、六年後には外材依存率は六〇%になるとしています。木材の国内自給率は四〇%に凋落するわけであります。毎年の林業白書は木材需給をたいへん重要視していますが、輸入の激増を見守っているにすぎないし、自給率の転落を防ぎたいという意欲はどこにも見られないようです。また、外部からの要請もはっきりしません。
 そこで、総理に伺いたいのは、政府の林業に対する考え方は、国内生産より輸入木材にたよるという外材依存主義に完全になりきったのではないかということであります。
 このままでは日本の林業は衰退の一途をたどるのみであります。林業は、日本の資本主義経済の中に、はまりにくくなったのではないか。どうしたら多少ともはまりやすくなると思っておられるのか、農林大臣の見解を明らかにしてもらいたいと思います。
 白書によると、四十二年の林業所得は前年より二〇%伸びて、国民総所得額の伸び一八・三%より高かったとしています。しかし、他方、山林保有者約二百七十万戸の五八%を占める一ヘクタール以下の林業所得はどのくらいになったのか取り上げてもいません。山林保有者の三二%を占める一ヘクタールから五ヘクタールのいわゆる小林家の林業所得は毎年減少して、四十二年は前年より八%減ったとあります。さらに、原木高の製品安の数字も各所に出ています。
 そこで、農林大臣に三点お尋ねいたします。
 その一つは、林業基本法林政は、零細林家や小林家の切り捨て林政だと言われてきましたが、いま述べました林業所得の状況から見ますと、五ヘクタール以下の林家は切り捨てられたも同然ではないかということであります。この五ヘクタール以下の階層の林家は、二百七十万林家の実に九〇%を占め、林家所有林面積の約四割を占めるだけに、重大であります。
 その二は、林業所得の内部配分は、基本法制定当時と変わらない鋭い不均衡を示しているように見られます。日本林業の危機は二つの面にあって、一つは需給の不均衡であり、一つは林業所得の内部配分のはなはだしい不均衡にあるとされていました。白書がこのことについて何ら触れなくなったのはどのような理由によるものか、伺いたいのであります。
 その三は、地代所得、労働所得、資本利子、その他の付加価値の最近数年の推移を示してもらいたいのであります。
 日本林業の自己変革を最も強く迫っているのは、林業労働問題であります。それは、単に林業労働力の激しい流出とか、労働力の不足ということばですりかえてはなりません。山林地主と資本と労働との間の深刻な問題であります。白書を見ますと、林業労働者の日給と建設業労働者の日給を比較して遜色のないような説明があります。しかし、日給だけでは問題になりません。雇われている期間に何日働けるかという嫁働率、また、年間雇われているのか、季節的や臨時的な雇いかという常用率が重要であります。建設業の七八%の稼働率に対して、林業が五八%という非常な低さ、また、建設業六七%、林業が五六%という常用率の低さであります。これらを加味して比較すべきであります。さらに、失保、健保、労災、退職金等々を加えて総合的統一的に林業労働者の賃金や労働条件を明確にすべきであると思います。低い日当や低い稼働率、雇用率、社会保険、さらに取り残された生活環境、危険な労働環境等々の密接不可分なからみ合いの中に生活し、苦しんでいるのが林業労働者の特色であります。農林大臣の見解を伺います。
 林業労働組織の近代化、通年雇用、雇用の安定、賃金の改定、社会保険、保障の適用等の拡大、これらこそ林業労働問題解決の大前提だと思いますが、農林大臣、労働大臣の、これらについての対策を明らかにされたいのであります。
 林野庁は、東京郊外の関東の霊地として知られている高尾山の山頂に、殉職者の記念塔を持っています。他の官庁に例を見ないものでありましょう。昨年は三十一人の殉職者の名前が刻み込まれたとあります。いままでに何人の名前が刻み込まれているのか、また、負傷者は累計どのようになるのか、伺いたい。「山を見て人を見ない」、「木を見て人を見ない」とよくいわれる林野庁の公務災害防止についての基本的具体策を明らかにされたいのであります。
 四十一年、人事院が職業病として認定しました白ろう病は、その後毎年急増しています。四十一年に治療中のもの百八十名、四十三年に三百八十名、四十四年に四百八十名、なお、医者の認定したもの約八百名に達し、病状を訴えるものが約二千六百名と林野庁は申しています。林野庁もいろいろ対策をとってきましたが、年々の急増は、それらの対策の全く効果のなかったことを証明しています。
 林業生産機械化の中心であります伐木の自動のこぎり、造林の自動刈払機等を操作する基幹作業員の職業病であり、しかも、伐木作業員約三千名の半数以上のものが病状を訴えるという、まさに異常な状態になってきました。直ちに抜本的な対策を樹立する必要があります。林野庁は木材の値打ちは知っているが、人間の値打ちを知らぬと叫ばれていますが、農林大臣は具体策を明確にすべきであります。
 人事院総裁にお尋ねしたいのは、治療基準がないし、また、障害補償基準もないようですが、すみやかにきめるべきではないでしょうか。また、職業病指定以来四年、ますます広範に発生して異常な状態になっていることに対して、どう解決策を考えておられるかということであります。
 当面すみやかに予防対策を講ずることが非常に重要でありますが、労働大臣の具体策を明らかにされたいのであります。
 最後に、四十年三月、中央森林審議会が、国有林のあり方について答申を行ないましたが、国有林の積極的な存在理由まで掘り下げたものではなかったようであります。しかし、その後五年、予想をはるかに上回る年々の木材輸入の激増、国内林業の停滞と後退は、特に日本林業全蓄積の二分の一を持つ国有林に対する期待を一そう大きくさしています。また、社会経済の急速な高密度化、激しい都市化等は、健康、レクリエーション、治水、水資源等、国有林の公共性への要望は、底しれない深さと広さで急速に増大しています。これらの新しい角度から、国有林の存在理由を積極的に掘り下げて検討すべき段階にきていると思います。農林大臣の見解を伺います。
 以上をもって私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(佐藤榮作君) 鶴園君にお答えいたします。たいへん該博な知識のもとに、広範にわたるお尋ねでございました。私に対しては二点ばかり御指摘になりました。詳細はそれぞれの担当大臣に譲ることにいたしまして、私にお尋ねになりました二つの点についてお答えをいたします。
 御指摘になりましたように、たいへんだだいまの林業は、内外の情勢は深刻化しつつあります。また、活発な林政の展開が望まれる段階にあるものと考えます。ただ、鶴園君は、林政の再検討を主張されましたが、私は、従来の林政を根本的に転換することは考えておりません。私は、林政の課題は、端的に言えば、増大する需要に対応して長期的に生産の拡大をはかること、及び林業労働者確保のための近代的な林業経営の確立にあると思います。このため、林業基本法を制定して林業生産基盤の整備拡充等の施策を推進してまいりましたが、今後一そうその強化充実をはかってまいる考えであります。
 次に、木材は輸入でまかなえばよいと考えているのではないか、こういうお尋ねでありましたが、ここ当分は、木材需要の急増に対処するためやむを得ず輸入木材に依存せざるを得ませんが、長期的にもそのような方針で臨んでよいと考えているものではありません。できるだけ自給率の向上をはかってまいる考えでございます。この点からわれわれは、積極的に山林資源の確保、維持、増強、これに努力をするつもりであります。
 ことに、私最近、この点でたいへん心配しておりますのは、春先に頻発する山火事のことであります。これらのことにつきましては、林野庁はじめ関係市町村におきまして多大の注意を喚起しておられ、また消火にもつとめておられる、かように思いますが、どうも何ぶん山でありますだけに十分の効果をあげておりません。これらについて、さらにさらにわれわれも、施策としての一つの防火施設、これを考えなければならないのじゃないかと、かように思っておるような次第であります。何ぶんよろしくお願いいたします。(拍手)
   〔国務大臣長谷川四郎君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(長谷川四郎君) お尋ねの第一点でございますが、国有林においては、将来の木材の需給事情を考慮をいたし、持続的な生産供給というものが伴わなければならない、こういうことを考えまして、需給及び価格の安定に資するために、不良林分の改良だとかあるいは造林面積の拡大、さらに奥地林の開発、これらにつとめておるところでございます。
 さらに、次は、「林産物の長期見通し」の策定後に、経済の成長率が当初の見通しをさらに上回っておる等の事情から、木材の需要が増大をしております。また、現在、林政審議会において木材需給についても検討を行なっておりますし、長期見通しにつきましては、改定の要否については、今後さらに慎重に検討をいたしたいと考えておるのでございます。
 林業白書でも、木材需給と林業生産、林業労働力等の動向から見て、林業生産の増大、林業構造の改善、林業労働力の確保等の必要性を強く指摘しております。なお、外材及び木材需給、山村振興と林業との関連、林業労働者に対する社会保障等の問題については、現在、林政審議会に小委員会を設けましてもっぱら検討中でございますが、その成果をまちまして、林業白書で取り上げてさらに考えてまいるつもりでございます。
 次は、林家経済の調査によって、五から五十ヘクタールの層の林家の四十年以降の林業所得の内訳を見ますと、被用者所得が、四十年の九・七%から、四十二年の八・三%に減じております。これに対して、個人業主の所得は、四十年の九〇・三%から四十二年の九一・七%に、わずかながら上昇をしているような次第でございます。
 林業労働につきましては、経営規模の零細性、地形及び気象条件等に左右されることから、他産業に比較して賃金、出役率等が低く、労働災害も発生しやすい事情にございます。また、社会保険の加入もおくれているので、林業経営の近代化促進と相まって、労働条件の改善及び災害防止対策の推進につとめて、社会保障制度の適用拡大、これを進めていきたいと考えておるのでございます。
 また、林政統一後の負傷者でございますが、高尾山の慰霊碑に現在祭られている国有林野事業の殉職者数は、林政統一後昭和四十二年度末までに千四百六十柱でございます。また、昭和二十六年度から四十三年度までの負傷者数は約七万七千名であります。死亡者、負傷者とも逐年減少はしておりますけれども、このような被災者を出していることはまことに遺憾であり、昭和三十八年以来労働災害防止計画を定めまして、災害防止につとめているところでございます。今後ともこれらはさらに強力に推進してまいるつもりでございます。
 白ろう病につきましては、レイノー現象は、現在のところ、的確な予防や治療の方法が十分に解明されていない事情にございます。林野庁においては、国有林野事業の作業員に関しまして、専門家の助言やまた専門機関に委託して行なった調査研究の結果などに基づきまして、予防及び治療対策を進めてきたところでございます。
 民有林に対しましても、これに準じて措置するよう強力にいま指導をしておるのでございますが、なお今後、より抜本的な予防対策を確立するために、未解決分野の究明を含めて関係各省庁とも十分連絡をとりながら、総合的に調査研究を進めてまいる所存でございます。
 私有林について一ヘクタール未満層については、統計資料の未整備もあって、白書には記述していないが、林業経営体については、林業基本法に基づきまして、これらの階層も含めまして協業の推進、林業構造の改善等の諸施策を講じてまいる考えでございます。
 木材価格は昭和四十三年春までは、かなりの上昇が認められてまいりましたが、その後は比較的安定しており、最近では一部に若干の下落も見られております。木材価格は国民生活に影響するところまことに大きいので、異常な高騰を招くことのないように国内生産の増強につとめるとともに、外材の円滑な輸入並びに開発輸入の促進等、木材需給の調整に必要な施策の強化につとめてまいっておるところでございます。
 最後に、産業としての林業の観点からの施策を拡充しなければならないことはお説のとおりでございまして、このため林業基本法の趣旨に従って、林業の生産基盤の整備、資本装備の高度化、森林施業の合理化等各般の施策を講じておりますが、このために所要の予算措置を講じているところでございますけれども、今後これら関係予算の拡充にさらにつとめてまいる考えでございます。(拍手)
   〔国務大臣菅野和太郎君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(菅野和太郎君) 木材価格について私にお尋ねがありましたが、ただいま農林大臣から詳細なお答えがありましたので、重ねて申し上げる必要はないかと思いますが、ただ一つだけ申し上げたいことは、お話しのとおり、昭和四十一年以降四十三年までは相当上昇いたしておりますが、最近におきましては木材価格は落ちついてきたのであります。
 これを数字的に申し上げますと、四十一年の三月と四十二年の三月とを比較いたしますと、一四・二%の上昇でありますが、ことしの三月と去年の三月と比較いたしますと、三・七%でありまして、このように木材価格が落ちついておりますが、とにかく木材価格は国民生活に密接な関係を持っておりますので、異常な高騰を来たさないためには、先ほど農林大臣が言われたとおり、国内生産の増強あるいは流通改善、それから外材の輸入の円滑化、それから木材の開発輸入というようなことで、木材価格をこのように定着せしめたいと考えておる次第であります。(拍手)
   〔国務大臣原健三郎君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(原健三郎君) 鶴園さんにお答え申し上げます。
 第一点は、林業労働者の労働条件についてでございますが、依然として労働災害の防止とか労務管理の近代化等においては、お説のごとく、かなりのおくれのあることは認めざるを得ません。それで林業労働者の労働災害防止につきましては、本年度労働災害防止実施計画において、昨年に引き続いて計画の重点業種に掲げておりまして、林業労働災害防止協会の活動を拡充して、労働災害の防止につとめたいと思っております。さらに、機械集材装置作業の安全確保あるいは伐木造材作業者に対する安全教育の徹底、また、振動障害の防止等の対策を積極的に推進しておるところでございます。
 また、最近の労働力不足に対処した労働力確保の観点から、労務管理の近代化が要請されておることはお説のとおりでございます。この点については、林野庁等関係行政機構と連絡をとりながら行政指導をさらに一そう強化いたしたいと考えるのであります。
 第二の白ろう病についてでございますが、チェーンソーなどの使用による振動障害の予防の考え方といたしましては、振動を少なくすること、また機械を改善すること、緩衝保護具を使用すること、作業時間の適正化等のことがいろいろ考えられております。これらの対策を科学的に具体化するため、労働省では最近、障害予防対策委員会というのを設けて鋭意検討を加えておるところでございます。現在どうしてもチェーンソーを使用する時間が長くなることがこの病気になる根本原因でございますので、一日二時間程度にこれを使用するよう、これは林野庁と労働組合――労使双方において話し合いができたとの報告を受けております。
 第二は、病気になりました方の治療のためには現在のところ適当な薬品、医療等はわかりませんので、厚生省にこれの研究を依頼いたしております。
 第三には、このチェーンソーの振動を少なくする機械をということで、いま労働省で研究を進めて、若干の成果をいまあげつつあるところでございます。
 さらに、林業労働者のチェーンソー使用によるレイノー現象の障害、いわゆる白ろう病につきましては、現在、業務上疾病として取り扱い、治療を実施しているところでございます。(拍手)
   〔政府委員佐藤達夫君登壇、拍手〕
#12
○政府委員(佐藤達夫君) 白ろう病についてお尋ねでございますが、申すまでもなく、白ろう病は最近チェーンソーなどの導入に伴いまして発生いたしましたごく新しい病気でありますが、近年これが著しくふえてまいります傾向にかんがみまして、先ほど鶴園議員のおことばにもありましたように、私どもとしては、昭和四十一年に取りあえずこれを職業病に指定した次第でございます。
 しかし、先ほど農林大臣及び労働大臣も述べられましたように、何ぶん新しい病気でございますために、治療方法あるいは治療基準というようなものについて、お医者さんの専門家の間においても定説がまだない、そういう実情でありますために、人事院としても、先ほど来やはり各大臣の仰せられましたような各当局の研究とタイアップいたしまして、人事院そのものにも振動障害補償基準研究会議というようなものを設けまして、専門の医学者にもお力添えをいただいて、鋭意研究をしておりますが、各当局ともさらに力を合わせまして、その具体的な基準を一日も早く確立したいと思っております。それまでの間は、とりあえず個々のケース・バイ・ケースで一件ごとに適切な処置をしてまいりたい。また、現にしてまいっておるわけでございます。
 それから次に、この白ろう病の増加傾向についてどう思うかというようなおことばがございました。私どもは、実は、公務災害補償の関係で所管しておりまして、現業の林野の職員各位の健康あるいは安全管理のほうは実は所管外でございます。所管外ではございますけれども、災害補償を受け持っておる立場としては、災害の発生、これの増加ということは、非常に関心深くこれを見守っておるわけであります。
 そういう立場から申しまして、先ほどの治療方法、治療基準等の確立と相まちまして、災害そのものの発生の防止につきましても、関係当局と十分協力いたしまして、最善を期してまいりたいと存じます。(拍手)
#13
○議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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