くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第061回国会 本会議 第25号
昭和四十四年五月二十三日(金曜日)
   午後三時十八分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十六号
  昭和四十四年五月二十三日
   午前十時開議
 第一 日本国とフィリピン共和国との間の国際
  郵便為替の交換に関する約定の締結について
  承認を求めるの件(衆議院送付)
 第二 プレク・トノット川電力開発かんがい計
  画の実施工事のための贈与に関する日本国政
  府とカンボディア王国政府との間の協定の締
  結について承認を求めるの件(衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、会期延長の件
 以下 議事日程のとおり
    ―――――――――――――
#3
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#4
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 この際、会期延長の件についておはかりいたします。
 議長は、今期国会の会期を来たる八月五日まで七十二日間延長いたしたいと存じます。
 会期を七十二日間延長することについて、討論の通告がございます。順次発言を許します。向井長年君。
   〔向井長年君登壇、拍手〕
#5
○向井長年君 私は、民主社会党を代表いたしまして、今回上程されました会期延長に反対の討論をいたします。
 反対の理由を申し上げる前に、私は、まず、長に苦言を呈し、反省を求めるものであります。
 それは、昨夜衆議院議長より連絡を受け、本日それぞれの機関にはかっていることは、形式的には当然踏むべき道を踏んだと言えるかと思いますが、しかし、参議院においては、野党各党各派が、あるいはまた常任委員長が議長に申し入れた趣旨は、衆議院においての不当性、混乱を参議院において起こすべきではない、議長としての崇高な判断によって善処されるべきであるということを進言いたしたのであります。にもかかわらず、ここに職権開会されたことはまことに遺憾でありまして、議長の反省を促したいと存じます。
 さて、今回の会期延長については、自民党が成規のルールを踏まず、突如として九十八日間を設定し、しかも、各党に十分な連絡、話し合いもなく新聞に報道せられ、しかる後に本院議長に自民党より連絡があったことは、無謀と言わざるを得ないのであります。かかる常軌を逸した行動は断じて許すべきではありません。次いで、野党の反対と国民の批判を受けて、何の根拠もなく、みずから七十二日間に変更し、これを強行に及んだことは、まことに不可解きわまるものであります。われわれは容認できないところでございます。
 続いて本論に入りますけれども、国会法において通常国会は百五十日間に定められている、この法の精神から申し上げますならば、この間に、予算案、法律案、条約等々をこの会期内に議了するということが立法趣旨であります。その間に議了ができない状態が発生した場合、若干の会期延長が補充的にあり得るというのが、この法の精神であります。したがって、一回だけ延長が認められているのであって、延長が当然であるということでは断じてないのであります。ましてや、今回のような延長が通常国会の会期の三分の二の延長については、無謀であり、非常識であると言わなければなりません。
 今国会において、政府提出の法案が百八件のうち、現在わずか三十五件しか成立していないのでありますが、このことを国民は何と思うでありましょう。だれが何と言おうと、政府与党の責任であります。このことを国民に何とおわびするつもりか、私は、まことに遺憾と言わなければならぬのであります。衆議院においては、野党の一部において、慎重審議という名のもとに審議引き延ばしのあったことは、これまた、まことに遺憾と言わなければなりません。(拍手)議会制民主主義というものは多数を擁しておればいかなることもなし得るのだという専制的なものの考え方に、根本的な誤りがあるのであります。
 ここで私は、特に衆議院の与野党の諸君に反省を求めたい問題は、何が何でも多数を頼んで通すという、この自民党の考え方、また、絶対に反対で通さない、そのためには暴力も辞さないという、この考え方、これについては、国見の名において払拭しなければならぬと思います。わが民社党は、審議を十分行ない、その内容が国民にどう利益をもたらすものか、あるいは不利益を与えるものか、十分審議を尽くして国民に訴え、国民の理解を求めていくことが必要であると思うのであります。与党は野党の意見もすなおに聞き入れ、正当な修正には応じるという度量を持ち、われわれ野党は、国民を主体にして事に処するという、この考え方、この精神がなければならぬのであります。わが党は、この立場に立ち、議会制民主主義を基調として取り組んできたのであります。
 この立場から考えるならば、今回の延長は、わが民社党こそ、どの政党よりも声を大にして反対を主張する権利と資格を有しておるのであります。しかし、現実、国民生活に関係する重要法案が残されていることは、まことに遺憾と言わなければなりません。これに対しましては、早急に臨時国会を召集して議了すべきであることを私は付言いたしまして、この延長の提案に対しましては、反対するものであります。
 終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○議長(重宗雄三君) 青島幸男君。
   〔青島幸男君登壇、拍手〕
#7
○青島幸男君 私は、第二院クラブを代表いたしまして、議題となっております会期の長期延長につきまして反対の立場から討論を行なうものであります。
 さきの衆議院の本案に対する可決のやり方は、あれはだれが見ても常識を離れたおよそ議会制民主主義とはほど遠いやり方であったと、これは何びとも認めるものであると思います。政府と自民党は、衆参両院とそれから各委員会においても多数の議席を保持しているということをよいことに、論理、議論あるいは対話というものは一切無視して事を推し進めているように思います。これは議会制民主主義を根底からくつがえすものであります。
 さきの国鉄運賃改正の法案につきましても同様なことが言えるわけです。ろくに議事録もとれないような状態のうちに、多数を頼んで強行採決をする。国民の間に一そう政治に対する疑念を植えつけました。少なくとも、良識の府である参議院におきましては、その名にふさわしい内容があってしかるべきであると、参議院の趣旨とその存在理由について深い反省と新たな決意を持ったばかりでございます。その舌の根もかわかぬうちに、またまた本件を、あのような衆議院の通り方をしたにもかかわらず、無反省に本会議の議題とすることはそもそも間違いと私は信じております。政府並びに自民党の諸君は、口を開けば、国民は政府のやり方を信頼しておる、自民党支持と、このように言います。私どもはそれをそのまま受け取っておるわけではございませんけれども、少なくともそう言うからには、あらためてその責任の大きさと法を守り、議会制民主主義を正しく推し進めるという真摯な態度と意欲を明らかにしなければならない。国民一人一人がそう思っているに違いないと私は確信しております。
 ここで政府に深い反省を促しまして、私の討論を終わる次第であります。(拍手)
#8
○議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採決をいたします。
 会期を七十二日間延長することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#9
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、会期は七十二日間延長することに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
#10
○議長(重宗雄三君) 日程第一、日本国とフィリピン共和国との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件。
 日程第二、プレク・トノット川電力開発かんがい計画の実施工事のための贈与に関する日本国政府とカンボディア王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件。
  (いずれも衆議院送付)
 以上両件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長山本利壽君。
   〔山本利壽君登壇、拍手〕
#12
○山本利壽君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、フィリピンとの間の国際郵便為替約定は、フィリピンが万国郵便連合の郵便為替約定に参加していないため、二国間の約定を締結して、両国間で直接に郵便為替の交換を行なおうとするものでありまして、郵便為替の表示通貨、料金の割り当て、振り出し及び払い渡しの方法等双方の郵便為替の交換業務を行なうために必要な基本的事項を取りきめております。
    ―――――――――――――
 次に、カンボディアとの協定は、同国のプレク・トノット川電力開発かんがい計画の費用の一部として、わが国がカンボディア政府に対し、四年間にわたり十五億一千七百四十万円の贈与を行なうこと、また、この贈与は、わが国から生産物及び役務の購入に充てられること等を取りきめたものであります。
 委員会におきましては、これら二件に対し熱心な質疑が行なわれましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 五月二十日、討論採決の結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#13
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 両件全部を問題に供します。両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#14
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト