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1949/03/18 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第7号
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1949/03/18 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第7号

#1
第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第7号
昭和二十四年三月十八日(金曜日)
   午前十一時三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○未復員者失業保險適用に関する件
○紡織設備登録に関する件
○証人喚問に関する件
○復金関係未整理分に関する件
○金融公社問題に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(紅露みつ君) これより委員会を開会いたします。午前の部が証人喚問に関する件、それから紡織設備等登録に関する件、未復員者失業保險適用に関する件でございますが、まだ商工省が見えておりませんししますから、労働省から亀井失業保險課長がお見えになつておりますので、第三件を繰上げて御論議したいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#3
○岡元義人君 先ず、ちようど大藏省が見えていますから、それから労働省も見えておられますが、一應私事前に連絡申上げてありますから、連絡申上げた件につきましてどういう方法を以て処理されるか、その決意を伺いたいのですが、ただ私一言附言さして頂きたいのは、この委員会がこの問題を取上げてから相当な期間を経過しているわけなんです。それにも拘わらず大藏省当局も亦復員局も非常にいけないと思うのですが、あれほどこの委員会で十分研究されてはどうかということを屡々具申申上げてあつたはずなんであります。それにも拘わらず、今日まで、この未復員者が失業保險の適用者であるかないかという、そのけじめさえもまだつけずにおられたということは、委員会のいわゆる取上げた事項に対して、少し政府当局が誠意がなかつたのじやないかというような感を深くさせられるのです。過去のことは仕方がありませんので、差当り本年度の再開が目前に迫つておりますし、本年度帰つて來る分は特に四年間も強制労働に服して、今までに帰つて來た人より以上に大きな苦労をばして帰つて來るわけなんですから、当然こういう人達に対しましては、できる限りの援護対策というようなことなどをば考えてやるべきであることは、これはもう皆さん御同感だと思うのでありますが、とにかく今までの交渉経過といたしまして、事前に御連絡申上げました通りに、未復員者給與法というものがあくまで給與であるというのでありましたならば、本人が帰つて來たときには当然給與は打切られる。そうしますと帰つて來ない間は留守家族が扶養手当をば貰つておつたわけなのですが、本人が帰つて來たという喜びに引換えまして、生活面におきましては早速脅威を受けなければならん。ここで各委員の方にもこういう間違いが起るということをば参考に知つて置いて頂きたいと思うのですが、この委員会が一時も早くソ連地区の同胞をば内地に帰そう、こういう努力が委員会で取上げられたことは、これは当然のことでありますが、その理由として強調したのは、受入態勢ができ上つていないから帰しても駄目なんだ、ソ連側のいわゆる言い分としてこう一時我々は聞いて参つたのであります。これに対しまして特に星野議員等が発言しておられますが、日本に帰つて來れば復員者は家があるんだ、而も就農しようとすれば、今まで人手が足りなくて相当耕作面においても非常にマイナスになつておるんだが、帰つてさえ來て呉れれば増産という面においても非常に大きく役立つんだ、こういうことを主張して参りましたので、一般に未復員者というものは、帰つても失業者の対象にならない。帰つて來て就農すれば直ぐ増産になるんだ、こういうような見解が非常に強く関係方面等に響いておつたということを今度知つたのであります。併しながらそれは帰つて來る者の中の一部分はそういう人たちもおるわけなのですが、併し又大半は失職者であるということは、これはもう事実なのであります。ただ我々が一時も早く帰つて貰うということを強調するために、そういう一つの問題を取上げた、それが全体であるかのごとく関係方面で認識しておつたという事実があるのであります。この点は一つ將來我々委員会が取上げる上においても、愼重にこの委員会で発言する言葉そのものにも十分に氣をつけて、誤解のないように処置する必要があるんじやないかということを痛切に感じましたので、参考までに申上げて置きますが、今申上げましたような事情でありますので、どうぞ労働省及び大藏当局から関係方面においても、当然未復員者給與法は給與であるから、失業保險の適用者としてこれをば見るということは、妥当であるというような見解をここにはつきりされました以上は、何かと一つ具体的の方法をばお示しが願いたいと考えるのであります。
#4
○説明員(亀井光君) では私から申上げます。只今お話のございました点につきまして、労働省としまして、どういう点について研究し、どういう結論になつておるかという点について、御説明を申上げたいと思います。実は昨年第四國会の委員会の席におきましても、私、ちようど出席いたしまして、失業保險法の適用の問題についての当時までの意見を申上げたと思います。その当時までの意見上しましては、本人がこの失業保險法の適用区域外にあるということが一つ、それから第二点は、これが國に雇傭されるものであるかどうかということが一点。この二つの点で問題があると考えます。併しそのまま適用するということは困難ではないかということを申上げたのであります。
 その後我々としましても、決して研究を怠つていたわけではございませんで、その際の委員会の御趣旨もございまして、研究を続けて参つて來ておるのでありまして、幸い司令部の方の御了解も委員会においておつけ下さつたそうでございますので、我々も早速、昨日実は関係のレーバー・セクシヨンに参りまして、レーバー・セクシヨンとしての意見を質したのでございます。ただそのときの失業保險の係り担当官の個人的な意見としては、自分は賛成である、適用するということについては何ら異議がない、ただ適用の具体的な方法については種々檢討を要するであろうが、適用することについては反対ではない。併しこれは自分一個の意見で、レーバー・セクシヨンとしての意見ではないということだけの條件がつけられておつたわけです。そういうふうに諸般の情勢からいたしまして、我々も是非この問題をもう少し掘下げて檢討する要があるのじやないかという結論に達しておつたのでございまして、問題は然らばどういう問題がこの適用について所在するかということにつきまして、ここにお手許に差上げました資料に問題の所在を掲げてございます。この問題を一々御檢討願いまして、そうしてできるものならば我々としてもこの失業保險法の適用について十分の努力をしてみたい、こういうふうに考えておるような次第でございます。一應お手許に配りました問題の所在につきまして御説明を申上げたいと思います。
 第一は範囲の問題でございます。法律の解釈のみによつて未復員者に失業保險法を適用することは、いろいろの点で、先程申しましたような疑義があるのでございまして、実はもうこの際はつきりと法律の改正によりまして、その間を明確にする方がよいのじやないかという問題が第一点であります。
 第二点は、若し今後失業保險法を適用いたしますると、從來引揚げて参りました復員者との関係におきまして均衡の問題があるのじやないかという問題。それから更に未復員者と一般引揚邦人と一緒に適用することができるがどうかという問題。これは特に未復員者につきましては、終戰前から國に雇傭されるものとして認め、一應解釈としてつければつけられんことはございませんが、引揚者につきましては、果して國に雇傭されるものという解釈が、法律を改正しましてもつけられるものかどうかということの問題があるのであります。それから一般邦人に若し適用するとしますると、一般邦人は家族、子供までつれておられるわけでありますから、そういうものをどの範囲まで保險を適用して行くかという問題が四番目にあるのじやないかと考えるのであります。
 次は保險料の徴收の問題でございます。第一は保險料算定の基礎となる賃金をどういうように計算するかという問題。これは後の給付の額の算定の基礎ともなりますので、これは大きな事務的な問題にはなりますが、大きな問題ではないかと思います。
 次は保險料を徴收するにつきましては事業主、いわゆる雇傭主の方から保險料の申告及び保險料を納付するといいことの問題がある。この事務的な問題をどういうふうに処理して行くかという問題。それから次は未復員者の保險料の負担の問題。これは失業保險法におきましては、御承知のように、被保險者が保險料を負担しなければならん。そうしますると、その保險料をどういうふうに徴收するか。上陸地において給與されまする給與のうちから差引くのが適当であるかどうか。それでは本人に非常に氣の毒であるから、他の財源からそれを持つて來る必要があるのじやないかというふうな問題もここにあると思います。
 それから次は保險金の支給の問題でございます。これは先程申しました保險料算定の基礎となる賃金をどうするかという問題といつしよに、保險金算定の基礎となる賃金の計算をどういうふうにするか。この計算の仕方によりますると非常に少い保險金になりまして、生活保護法の方が余程有利であるというふうな結果になりはしないかという問題がここにあるわけでございます。
 それから次は離職票の交付を事業主がするわけでございますが、その際に、誰の責任においてこの離職票を記載し交付するかというふうな問題があるわけでございます。
 以上のように、これを適用するに伴いましていろいろな問題があるわけでございまして、これを委員会の御意見として意思を御決定頂きまするならば、我々として又その線に沿いまして、檢討を進めて見たいというふうに考えておる次第であります。
#5
○説明員(中尾博之君) 未復員者に対する失業保險法の適用につきましては、この前の國会の際に、この委員会に関連しました懇談会の席上でも問題がございまして、爾來一應の研究は遂げておつたのでございます。当時申上げましたところの見解と別に変つておりません。今、來復員者給與法の問題に言及されましたので、これについて申しますと、未復員者につきましては、当時からその身分関係が問題にされたのでありますが、來復員者給與というものを受取つておるという関係において、國とつながりのある特別な身分を有する者であるということでございました。それからこの関係を一般引揚邦人について申しますならば、特別未帰還者給與法の制定によりまして、これに基きましてその摘要を受ける限りにおいて、一般引揚者のそういう方々も、同じような國との特別な関係を持つ者になつておるということであります。併しながらこの身分関係はその相対的なものでありまして、何らかの基本的な身分関係がありまして、それに伴つてこういう給與が與えられておるという関係を見出すことができませんので、この場合の考え方といたしましては、これらの給與法が現在は二つでございますが、將來もいろいろな法律の制定なり或いは他の法律の改正なりによりまして、給與関係なり処遇関係なりにつきましていろいろな関係が出て参りますと、そういうような関係を持つた特別な國とのつながりを持つた人々であるという見解を持つております。
 それからその次に、特別未帰還者にせよ、それから未復員者にせよ、終戰という事態に伴いまして、特に一般國民の中で偶然の事情によりまして特別な犠牲を負担しておる人々でありまして、これに対しては、救済と申しますか保障といいますか、そういう立場に置かれておらない他の國民の負担においてこれを援けて、これに救援を與えるのが当然であるという考え方を以て参つておりますることは、根本的なこれは氣持でおります。この氣持は、今の給與法の根本をもなすものでありまして、生活保護法或いは一般救済の原則、ノー・プリフアレンス、ノー・デイステインクシヨンというような原則が採られておりますので、あらゆる方法を講じまして、これと抵触しない限りにおいて、その氣持を現わさんとして努力をいたしたものであります。
 尚この考え方に基きまして、今回の問題を考えまするならば、新らしい失業保險的な考え方を以ちまして、國との結び付きの要素を新たに加えるということについては、只今申上げました考え方、並びにその根本の氣持から申して然るべきことと存じます。但しこれにつきましては、二つの問題があると存じます。一つは、從來の如何なる枠を用いてもよろしいのでありまするが、それがどの枠を用いたら可能であるかという問題であります。それにつきましては、労働省の失業保險制度というものを適用いたすということで、問題はあるようでございまするが、原則として呑込めるというように今は承わりましたので、これについては結構なことと存じます。
 それから第二は、これは直接私の今担当いたしておりまする仕事の範囲の外の問題ではありまするが、極めて重大な問題でありまするから申上げますが、これに関する財政負担の問題であります。前の失業保險摘要のいろいろな法律的な技術的な問題について今問題がございましたが、それが完結いたされまするといたしまして、次に財政負担の問題につきましては、廣く財政一般の問題と関連いたしますので、今後所要額その他について、檢討を遂げまして全体として判断されることと存じますが、この点は予算委員或いは主計当局、或いは関係方面の財政当局等と更に折衝を要するものと考えます。
#6
○岡元義人君 私は余り過去のことは言いたくないと申したが、併し今の御答弁を聞いておると、実際に、これは速記を……。
#7
○委員長(紅露みつ君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#8
○委員長(紅露みつ君) では速記を始めて下さい。
#9
○矢野酉雄君 この問題は今、岡元委員からいろいろと御意見があり、又御質問がありましたが、道理から申上げて何一ついわゆる引揚げた者、まだ帰らざる者が引揚げて來る。その者を対象としたいわゆる給與の立法処置ということは、これはデモクラシーの平等の原則からいつて、絶対に寸亳も悖るものではなくて、その儘に放任しておること自体が根本的に平等の原則に反しておる。何故その儘にしておつたかという根本的の原因は、当時米窪君が労働大臣のときに、この失業手当法案を通過するときにも、他の理由は何にもなかつた。ただ今御説明のある色んなこういう法律に規定がないから、ないからという末梢的な技術的な行政的の一つの意味ですけれども、政治的の立場から、余り金額が多くなるので財政的処置ができない、今早急にできない。何か特別の立法を以て是非これを救済する。つい十日ばかり前も米窪君と大阪から帰つて、大臣を辞めたからといつて放任しては駄目だぞ、特に社会党という立場からは社会政策を実施するという意味において、大臣を辞めてからでも大いにやらなければならんぞ、と私申上げて置きましたが、甚だ立法の技術というものは、皆さんが立案なすつても結構だし、又立法府がこれを立案しても結構でありますが、今までの成行きから見るというと、結局相当財政的負担が大であるので、みすみすこれは平等の原則にも反して、強いて引揚者や引揚げんとする者たちにより以上の負担をさせて置きながら、それを財政的の負担が大だからと言つてほつぽつて置くというのは、これは民主國家建設に対する非常なる矛盾であり、非常なる誤謬であつて、万難を排してもこの問題は解決しなければ、決して日本の私は独立とか、建設とかいうことはあり得ないと思うんです。でありまするから立法府たるこの参議院衆議院自体がじやんじやん立法して行つて、そうしてそれで解決してしまうという立法もありますが、いろいろと失業手当法案その他を実際政府自体が立案して、そうして國会に持込んで來た前歴もありますので、これをこの特別議会で是非一つ実現させるというような理論的根拠と、それから國民感情という、この根拠の二つから是非具体的の設計をして頂きたい。
 今労働省側の御意見を聞いて見るというと、いわゆる行政技術の立場からいう御疑問が、どの一つ一つについても二つ或いは三つ、或いは四つという問題として、疑問が残つておるわけでありますから、例えば保險料算定の基礎となる賃金の計算方法の問題と、これも法律の條文をお調べになるというと、必ずしもいわゆる名目賃金である二千円なら二千円だけを根拠として算定するのでなくて、或いはその他の家であるとか、家賃であるとか、土地であるとか、建物というような、或いは実物を給付しておるというような、そういうようなものも全部算定の基礎になることは明らかになつておるような工合ですから、もつと問題をぐつと絞つて頂いて、政府案としてはここまで行きたいというようなのを、この委員会に持ち込んで頂きたいと思うのです。立法府として、こちらの方で委員会がいろいろ具体的な案をずつと練り上げて行くということも一つの方法ですけれども、果して政府が、今お二人の大藏、労働両方の御出席を頂いておるところの御説明をお聞きして見るというと、こういう立法をすることは当然の処置であるということについては、もう爪の垢程の疑問もない程肯定して頂いておるわけでありますから、それで是非これを実現するという氣持で、問題をみずから一つ最小限度に圧縮して頂いて、これを持つて行きたいと思うがどうかというようなふうに、全部の今御説明を頂いた各種の問題となつておるところの案件を、事務当局において一應早急に一つ設計して頂きたい。それを私は特に懇請します。もう本年中にこの問題を解決しておかなければ、ここにおられる岡元議員その他全部全國を今回は調査して廻りましたが、由々しい事態が発生するくらい実際引揚者、未帰還者のその家族等の生活の困窮は、言葉では表現のできないところまで、非常な險惡なところまで押込められておりまするので、是非とも大きい社会動乱が起る事前に、政府も立法府でも本当に友愛の精神を以てこの問題の解決に万全を盡しておるということを示すだけにおいても、何らかの私は價値があると思いますが、両方相協力いたしまして、是非まとめようじやありませんか。そういうお氣持を本日の委員会において一層燃燒せしめて頂きたい。我々もその氣持で腹一杯に実はその実現を熱望しておるものでありますから、この点特にお願いいたします。
 そこで例えば今申上げた一つの問題について、現に課長の頭に今描かれておるような程度はどういうところに算定の標準をおいてよかろうというようにお思いですか。まあ、例えばという意味において打明話をお聞きしたいと思います。
#10
○説明員(亀井光君) では労働省の立場としてのこの問題につきまして、我々が今頭に描いておりまする方法につきまして御説明したいと思います。
 先ず第一には、法律の改正を要するという問題でございます。これは結局未復員者及び一般の在外邦人が國に雇用されるものとみなされる、失業保險の適用の関係においては、國に雇用されるものとみなされるという規定が一つ要るのじやないか、これによつてはつきりその失業保險法の適用という問題が明確にされるのじやないかと思います。その一條を付け加えることによつて、すべての適用の問題がそれから解決されて行くと考えます。
 二番目の、未復員者と一般邦人と分けて適用するかという問題もございます。これも先程申上げましたように、未復員者は國に雇用されるものとして解釈もつくのですが、一般邦人はいろいろ終戰前の状態等を考えますると、必ずしもそれは國に雇用されるものとみなされない点も沢山あるのでございます。併しこれを二つ分けることはいろいろな点でむずかしい衡平の問題がございますので、我々の氣持としては、これは一本にまとめて、未復員者も一般在外邦人も一緒に適用したいという氣持でございます。
 それから第三番目は、今後引揚げて來る未復員者と、過去において引揚げました者との均衡の問題でございまするが、これは法律の改正ということによつて、そこの時期を画するということによつて一應解決され得るのじやないかと、こう考えます。
 それから次は、一般引揚邦人にどの範囲において失業保險法を適用するか、子供まで適用する必要はございませんので、併し又男子だけに限るというわけにも参りません。まあ今我々の腹案としましては、成年の男女というくらい……成年に達しました男女の引揚者という程度で大体いいのじやないかというような氣がいたしております。
 それから次に参りまして、保險料の徴收関係でございます。保險料の算定の基礎として、賃金の計算の問題でございます。これにつきましては法律技術的な問題になりますが、失業保險法によりましては、臨時に支拂われました賃金並びに三月の期間ごとに支拂われる賃金というものは、除かれるのでございます。これは臨時的なものだということで除かれるのでございます。從つてこれを正面解釈をして参りますと、引揚地で支給されまする給與というものは、これは臨時給與だということになるわけでございます。保險料の算定の基礎にならない、こういうまあ法律の解釈になるわけでございます。それでは結局残るものは、現金としましては、家族に渡しまする家族の手当というものたけしか残らない。これでは非常に後の給付と関連しまして非常に低い給付になります。この場合において現物給與というものをこの際簡易化いたしまして、それを基礎にしてはどうか、現物給與として考えられまするものは外地におきまする給與、特に食事並びに住宅という問題、それから上陸地において支給されまする被服、これも臨時のものに入りまするが、一應入れて置く、こういう範囲のもので考えてはどうかという考え方、ただその場合に問題になりまするのは、いつまでの期間においてそれを計算するかという期間の問題があるわけでございます。失業保險法では最低六ケ月被保險者でなければ給付は受けられないわけでありますが、我々は六ケ月分というものを一應見まして、その平均價を取つて見たらどうかというふうに一應頭の中では考えております。それから……。
#11
○矢野酉雄君 ちよつと御発言中ですが、それでその現在の大体物價を基準として、今だつたら大体どれくらいの見当になりますか。
#12
○説明員(亀井光君) これは大体五千五、六百円ということが失業保險法ではなつております。ところが毎月勤労統計の方では七千円を超えております。失業保險職関係では纎維の女工さんが多いものでございますから、平均額は下つております。
 次は事務的な問題でございまして、保險料の申告並びに納付義務者を誰にするかという問題は、これは結局復員廳ということにせざるを得ないんじやないかと思つております。從つて舞鶴と函館、この両出張所の所長がこの責任を負担する、從つて保險料は函館でございますと北海道の歳入徴收官に拂込む、舞鶴でありますと京都の歳入徴收官に拂込むということになるんじやないかと思います。それから未復員者の保險料の負担の問題でございますが、これを上陸しましたときに給與されまする給與から六ケ月分の保險料を引くということは非常に氣の毒でございますので、何か財源がないかと考えるのでございまして、生活保護法における生活扶助命というものを何か肩替りできればそれでやつで行けんかと考えております。これあたり委員各位のいいサゼツシヨンを頂きましたならば幸いだと存じます。
 次は保險金の支給、先程申上げました保險料算定の基礎となる賃金と同様の問題として同一に処理さるべき問題であります。
 それから次は事業主が本人に渡します離職票の問題でありまするそれは上陸地において解散するまでに復員廳の支局で作成して本人に渡すという段取でよいのじやないか。以上いろいろの問題に対しまする我々が今頭の中にありまする解決方法を申上げた次第でございまして、又何かよい御意見がありましたらば……
#13
○岡元義人君 ちよつと速記を止めておいて頂きます。
#14
○委員長(紅露みつ君) ちよつと止めて頂きます。
   〔速記中止〕
#15
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて下さい。
#16
○岡元義人君 そこで一番問題になりますのは、本年の引揚の再開も目前に迫つている、それに対しまして予算的措置もすでに今大藏省としてやらなければならんときじやないかと思う。今から法案の改正等によつてこれをやると言つて果して間に合うか合わないか、この点を非常に心配するのですが、この点一つ第一点問題として伺いたいのと、それから未復員者と共に一般引揚邦人の失業保險の適用という問題は、これは特別未帰還者給與法の適用者をば指すものであるならば問題はありませんが、併しながらここに書いてありますその後の方を見ますと、一般引揚邦人にもということになりますと、これは雇用関係というものが雇用主が向うにある、内地にはないということになりますので、やはり給與法を外れてまでもこれを廣めるということになりますと相当又そこにトラブルが起きて來るのじやないか、関係方面においても亦いろいろ考えざるを得ないかような問題が起きて來る懸念がこれは私個人の考えですがするのです。それから前のものと今後のものという点につきましては、これはこの委員会の皆さんがどうしたらよいか、けじめをつけて委員会がこれに対する一線を劃するならばこれは問題じやないのじやないか、行政措置としてもやりよいじやないかと考える。ただ最後に生活保護法との問題でありますが、誠に委員長速記の人に氣の毒ですが、ちよつともう一回止めて頂きたい。
#17
○委員長(紅露みつ君) もう一回それじや休んで下さい。
   〔速記中止〕
#18
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて……。
#19
○説明員(亀井光君) 先程岡元委員からのお話にもある通り、未復員者給與法それからもう一つの法律の適用を受けるものと法律に現わすとしましても、実際はそういう表現になるわけであります。
 それから法律改正の点でありますが、これは無理な解釈をすればまあ行けんことはないようにも考えられますけれども、やはり一條入れた方がはつきりするのじやないか、けじめが付いていいのじやないか。而かも今度我々が法律を改正します際、附則でも入れれば手続としては簡單でありますから……。
#20
○矢野酉雄君 間に合いますね。
#21
○説明員(亀井光君) 間に合うと思います。まだ國会の組織ができておらんから五月から施行したいと思いますが、一月くらい延びると思いますが、その分だけ何か遡つて施行することができればそれでもいいのじやないかと思います。これはまあ法制局と相談してみようと思います。
 それから先程生活保護の問題は決して生活保護と一緒にやるという意味じやございませんので、書いてありませんから、ただ本人に負担させる保險料だけ外の財源から出ないもんだろうかという問題であります。
#22
○矢野酉雄君 とにかく今まで各省と折衝して見ると、今の労働省側のいろいろな具体的の率直な御意勘を承わつて私は非常に欣快に思つておるのです。どちらかというと内緒話のようですが、大藏省はいつも逃げを張りおつたのです(笑声)そこで僕は長沼大藏次官にも今朝会つて來たのです。引揚問題については國家は積極的にもつとやりたい、財政的の方面からもやりたいということを今実は長沼大藏次官も言つてくれた。九億八千万円の在外公館の借入金の返還等のこともありましたので言つたわけですが、そういうように大藏省も事務当局自体がよく分つて來ておられますから、銀行局長、それから管理局長だつた今の大藏次官も十分この問題については熱意がありますから、とにかくあなた方がそこまで計画を具体的に立つて頂くようにするためには、皆さんの御努力もさることながら、ここの委員会の皆同僚先輩諸君が、本当によくおやり下さつたお蔭だろうと思つて非常にこれはありがたく感じ、今日なんか一番最も実のある、内容のある一つの委員会がここに向えられて、私共といたしましては、大変希望を持つておりますが、最前の結局そこに時間的ずれがあつたならば、法制局の方も、こちらも亦研究したいと思いますが、本法律は何月から遡つて適用するというふうな、何かの附則が入れられるような法ができると思いますが、それができなかつたならば何か別途の生活保護法、生活扶助の方でカバーして行くというようなふうにして行つたらいいと思います。
#23
○草葉隆圓君 ちよつと龜井課長に伺いたいと存じますが、大体先のお見込みの住宅なり或いは食糧なり被服なりを換算して、平均五千、五百円として、大体予算幾らくらいというお見込みでしようか。
#24
○説明員(亀井光君) 実はこの問題は……ちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
#25
○委員長(紅露みつ君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#26
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて……。
#27
○岡元義人君 今の予算的措置について第三課長大丈夫ですか。
#28
○説明員(中尾博之君) 恐縮でありますけれども、私は主計局から出ておりませんから、予算の方のことについては申上げるわけには参りませんが、私は実は主計局に連絡して参つたのです。氣持としては考えたいということを言つておるのであります。ただ時期といたしまして少し遅かつたきらいがあります。というのは大体予算を作りまして関係方面に持込みまして向うの査定を受けまして、今内示を受けつつある状態であります。その復活状況その他が今後の問題になつておるのでありますから、まだ交渉する期間がないわけではありません。新らしい問題として持込みますと非常に困難があると思います。從いましてできるともできないとも申上げ兼ねるのであります。ただやる余地はございます。
#29
○岡元義人君 矢野委員から先程言われたが、大藏省はすぐそういうような答弁がなかなか特に第三課長は予算を、自分で予算をやつておられたから出るのだが、併し事ここに至ればすでにこれは行政処置としてあれをやる。これはやらないというようなものとは性格が私は非常に違うと思う。特に今までやらなければならなかつたものをとにかくやつてなかつたのですね。その責任は有無を言わさず、いくら主計局であろうとも有無を言わさず僕はこの問題だけは解決をつける。全力を盡して解決するということが妥当だと思う。今までの知らなかつた、知らなかつたということはそちらの方の主計局もそうだが、あなたの方も給與局としての連絡もまずかつたと思うので、これは共同責任で解決つけて頂くよう是非お願いしたいと思う。もうこれは來年になつたら要らないのですから、今度一回限りで済んでしまうから、勿論私は、來年にも少し残ると思いますけれども、もう大半は還つて來てしまつた。だから一番大事な時ですから、その点一つ課長さん褌を締めて掛つて頂きたい。是非お願いして置きます。
#30
○穗積眞六郎君 今の予算や何か伺つておりますと、これから還つて來る人だけのように聞えるのですが、先程の御説明でいつからやるかということは、法律の改正によつて時期を劃するような語氣ができましたが、その点は今の御腹案ではこれから還つて來る人というところで、時期を劃するというおつもりなんでございますか。
#31
○説明員(亀井光君) 大体そういう趣旨で法律が六月一日から施行される、國会の何で遅れましても、何とか五月一日から遡つて適用するというような方途を研究したいということも申上げた次第であります。今年還つて來る人に適用したいという考えでございます。
#32
○岡元義人君 各位に諮つて頂きたいのは、今労働省は非常に熱心にこれだけお考えになつておられるようですが、大体委員会の意向として述べて置くことだけは纏めて述べて置く方がいいのじやないかと思います。それで一の四に書いてありますこの問題は、委員の各位の意向をば聞いて、そうして一應どういう工合にしたらよいかということおば、労働省側に申上げて置いた方がやりよいのじやないかと思います。
#33
○草葉隆圓君 これは先程來、矢野委員なり岡元委員から大体中心の点は、御意見で発表になりましたので、外の委員も大体同じと存じます。意見は、とにかく今度の引揚者から何とか是非実施したい。從つて一般邦人の問題も現在の立法範囲内において妥当ではないか。それから遡る結果だから、結局今度の引揚で一應進んで行つて、それが実現できるようにやつて頂きたいというのが恐らく先程お二人の委員なり、全部の委員の熱烈なる意見じやないかと思う。そういうふうに一つ御審議を願いたい。こう我々は強く希望いたす次第であります。
#34
○岡元義人君 この席に引揚援護廳が見えておりますか。援護廳の御意見を聞きませんか。
#35
○矢野酉雄君 今來ておられる方で御意見がある方はないですか、援護廳の方で……。
#36
○委員長(紅露みつ君) 御意見が伺えましたら御出席の政府の方に御意見を述べて頂きたいと思います。
#37
○草葉隆圓君  一つ纏める意味で懇談して頂いて……。
#38
○委員長(紅露みつ君) 速記を休んで下さい。
   〔速記中止〕
#39
○委員長(紅露みつ君) それでは速記を始めて頂きます。そうしますとこの問題は一應打切りまして、後懇談会に讓るとしまして、商工省から、纎維局長が今日GHQに出掛けられて留守だそうで、纎政課長が見えております。それから技官の野原さんが見えております。それじやこの紡織の問題に移りましようか。紡織設備登録に関する件を議題にいたします。
#40
○岡元義人君 これは各委員にプリントして差上げるようになつておけましたのですが、資料が沢山ありましたので間に合いませんでしたから、私から代つて御了解を得ておきたいと思います。問題は商工省側にお聞きしたいのですが、実は綿ス・フ機械等の復元許可の問題なんです。あなたの方で通牒を出されましたあの通牒によりますと、殆んど四月一杯だつたと思いますが、今度すつかり打切るという通牒が出ておるわけです。併しながら全國を我々委員会が調査いたしまして、各地方で問題になりましたのは、引揚者の実績というものが内地にありませんためにどこの縣においても紡績関係だけは許されておるが、ほかのものに対しては全然各縣とも喰い入る余地がないという状態にあるわけなのです。引揚者、その他外地において実際に技術を有し又経驗を持つておる者が全國的に相当数おるのですが、これを各縣に或一定の枠だけを取つて、例えば一縣に一種類一つというようなことでも構いませんが、そういうような御意向を持つて指導しようというような意向があるかないかお伺いいたしたかつたのです。
#41
○説明員(岩武照彦君) 今お話がありましたのは綿ス・フ織機の復元の問題であろうかと考えております。綿ス・フ織機の復元の問題につきましては、大体におきまして紡績の方の許容されております目標と併せまして、相当数の復元計画を立てまして、現在やつておるわけであります。現在までの状況を申上げますと、むしろ紡績の方の設備の復元状況は非常に遅れておりまして、許容目標にまで達しますのに今後まだ一年以上要する見込みであります。ところが織機の方は比較的簡單に参ります関係上、現在では当初考えました台数をむしろ超えておるのじやないかと考えております。かたがた原料の輸入の方は、現在までの見通しによりますと、昨年大体七十二万俵以上の原綿が入つております。今年度は余り殖えないだろう。関係方面のいろいろなあれを見ましても、余り大を期待できないような状況であります。そうしますとむしろ設備関係の方が相当過剩になつて來ているというような状況であります。実は当初復元計画を立てましたときにも、海外からの引揚げされた方々の復元については、綿ス・フ織機については相当優先的に扱いまして、現在までも相当設備の制限を許可いたしまして、やつておるわけであります。ここで今お話がありましたが、或いは一應一段落しておるのではないかと考えております。むしろ今後は新規の設備はもう入る余地はないのではないかといわれております。現在私がここへ参りますちよつと前にも、司令部かちメモが出まして、綿製品関係の設備については、操業率が非常に下つておるからむしろこれを、操業率を上げるように原料の割当方法を変えろ。逆にいいますと、設備は持つておつても操業率の低いものには、原料の割当を止めた方がいいのではないかというような意味の覚書が参つておるようなわけでありまして、現在ではむしろこれ以上に新規設備を殖やすのは却つて操業率が下りますし、その結果原價は高くなるし、相当無理もあるのではないかと考えておりまして、もうこの辺で一應新規は打切つた方がいいのではないかという意向を持つております。大体以上のような調子であります。
 それからほかの方の織機につきましては、例えば同じ落綿等を使いますガラ紡織機、或いはそれとちよつと違いますが、特紡織機とかにつきましても、復元の方につきましては相当優先的に扱つて参つて來たわけでありますが、これも現在いわば過剩氣味ではないかといわれております。どうも設備の関係からむしろ過剩になり過ぎておつて、全体の操業率が非常に下つておる。三割とか或いは二割とかいうような操業率のあるものもあるようであります。そうなりますと却つて引合わない企業がたくさん出て、今後の企業整備等に対しては却つて逆になりはせんかというように考えておりますので、むしろ新規は抑制した方がいいのではないかというような見解を持つております。
#42
○矢野酉雄君 全國的に引揚者等が綿ス・フ織機の復元計画の中に入つて、そして認可を受けて、その願出た者と、それから許可した者との実数というものは分つていますか。
#43
○説明員(岩武照彦君) 只今詳細な資料を持つておりませんから、次回に御報告いたしたいと考えます。
#44
○矢野酉雄君 大体の氣持からいつて殆んど纎維当局はノツク・アウトしてしまつたんじやないですか。
#45
○説明員(岩武照彦君) そうであります。承知しておる範囲内でも相当許可していると考えておりますが、或いは他の條件におきまして、例えば技術関係とか或いは設備の立地関係等から許可にならなかつたものもあるかと考えております。綿ス・フにつきましては、当初から引揚げ関係、或いは轉廃業者の復元ということを相当優先的に考えて参りましたので、引揚者だから断るということはいたしておらないつもりであります。
#46
○矢野酉雄君 その言葉で結構です。
#47
○草葉隆圓君 先程からお話になつております岩武課長のお話の通りと思いますが、併し引揚者の場合は必ずしもそうじやなしにやつぱり或る一定の設備とかそういう條件のために、又それをやろうとずる場合においては、権利金等において從來持つておつたのを買わなければならんという場合において随分困つておるのがあつて、そのところまで力と資力がないためにやり得ないで困つておるが、全体からすると、相当フルの状態になつておるという状態でありましようが、併しそのために引揚者が綿スフ関係においてタツチできないという状態のところも相当あると思う。殊に我々の方面、愛知縣方面においてはそういう声も相当ありますが、これは何か、更にこの話題になつておりまするように、引揚者の場合においては一定の率等においても相当考えて緩かにして頂くという方法は取れないかどうか。
#48
○説明員(岩武照彦君) 引揚者であるから特に優遇するというふうには、なかなか参りにくいのではないかと考えております。実は先程申上げましたように、轉廃業者の問題もあります。これも相当優先的に考えて参つておりますが、現在では先程申上げましたように、相当設備の方がむしろ過剩無味である。仮に、特別扱いにしてやるとしても割当が僅少でありますので、これは現在、原料が相当逼迫しておりますから却つて機業は成り立たないのではないかという状況であります。それからお話がありましたが、引揚者なるが故にお断りしたということは毛頭ございません。むしろ現在の轉廃業者の方で、まだ復元になつていないのもあるようであります。それから一般の希望者の方は勿論相当抑制しておるようなわけでありまして、今後そういうふうなことをしますのは、却つて逆になるのではないかというような見解でございます。おまけに、ちよつと先程申し上げましたように司令部から操業率の低い工場、或いは新規機業等に関しては割当を避けるような方向で、能率の上る機業を維持した方がいいじやないかというふうな、相当細かい点まで入りましたメモランダムを、ここに参ります前に見たわけでありますが、忌憚なく申しますと、綿スフ織機とかいうふうな以外のものが、今後としてはいいん、じやないかという氣もいたしております。然らば纎維関係は何がいいかということになりましようが、これも実は御承知のように原料関係が全部輸入に依存している。また國内でできますものは、生糸と絹関係のものと、それから麻関係の一部しかございません。この原料関係が相当好轉するということでありますれば、現在の設備以上に若干見ても尚相当高い操業率を維持して、機業としてやつて行けると思いますが、ここ、まあ一年乃至二年の間には、そう原料の輸入関係が好轉するということもちよつと望めませんようなわけであります。麻関係等はむしろ現在減産の氣味にあります。それから生糸は、これは、若干殖えたと思いますが、これはむしろ輸出関係になりますので片方の國内消費は、何しておりますので、現在機業地の機の方々は、困つておられるようであります、どうも余り現在程度の原料と設備とを持ちますと勢い正規のルートの仕事では機業としてやつて行けないので、無理をせざるを得ないということになるんじやないかという点を恐れておりまして、そうなりますと、却つて折角機業を許可しましても逆になるのじやないかというような氣もいたしますので、ざつくばらんに申上げましたようなわけでありますが、そういう事情であります。
#49
○岡元義人君 具体的に聞いて行きます。昭和二十二年の商工省令五十五号というのがありましたね。五十五号の調査によつて一切の調査をやつたわけでしよう。五十五号によつて調査されるのに、組合に加入しておつた引揚者がおつたかおらないか、それをお聞きしたい。そういう事務的に引揚者が枠に入るとか入らないという問題でない。そういう基本的なものを作り上げるときに、引揚者の入つてないところの、組合に加入していないような状態の中から、商工省令五十五号で調査したということが合点が行かないのです。
#50
○矢野酉雄君 課長さん、こつちは非常に精密に研究調査しておりますから、即答ができない場合には最も確実なる御返答ができるようによく御調査になつて、口頭或いは文書で御返答願いたい。
#51
○岡元義人君 今の質問に対しまして、直ぐお答えできなければ二十二日当委員会に御返事願えば結構です。その際次のことをば併せて御返答願いたい。それをちよつとメモして頂きたいと思います。本年度の綿織は復元計画は何台になつておるか。それから引揚者の枠はその中に幾ら取つて何台になつておるか。それからこれは漁網関係ですが、漁網関係で蛙股の復元は何台になつておるか。本日の復元は何合になつておるか。この点委員会に是非知らせて頂きたい。それからもう一つ輸出の絹、人絹の復元は二万台になつておるそうですが、この二万台に対して引揚者等に対する枠を考慮に入れてあるかないか。この点御報告願いたい。まだ沢山あるのですが、それから先だつてあなたの方から省令として出ております二十三年纎維の第八百五十五号、昭和二十三年四月八日の次に掲ぐるものは綿スフ織機確認取扱規定により現場確認をなし優先的にその許可を認め、特殊事情に基くものという中で、完全轉廃業者、海外引揚者、和歌山縣、靜岡縣の分というのがあります。この海外引揚者の二百三十という数字は、どういう工合に現在処置されておるか。この点一つ御回答が願いたい。
#52
○説明員(岩武照彦君) 承知いたしました。初めの御質問をもう一遍何しますが、その省令に基く実態調査のときに、調査員に引揚者の関係の人が入つておつたかどうかというお尋ねでございましよう。
#53
○岡元義人君 そうです。これは組合をしてやらしておるわけですが、組合には引揚者は今まで全然入つておらない筈であります。外地におつて今まで実績を持つておつた者は一体誰が調べたか、その五十五号の責任をいわゆる委員会としては追及したい。行政措置としてそれが妥当な方法であるかないか。
#54
○説明員(岩武照彦君) 実際に調べたものは後に申上げますが、一般的に申上げますと、実態確認のときに組合員でない人の設備までもやるべきものはやつております。又若し漏れておりましたらあとから訂正した例もございますから……。
#55
○岡元義人君 申上げて置きますが、先刻の各縣の許可状態を当委員会では調べてありますので、全然許可されていない縣が相当数出しておる。それはどこにどういう欠陷があつたかということなんです。眞劍に愼重にこの問題は取扱つて頂かないと、深く纎維局の中まで追求して行きたいと思いますから、御承知願つて善処して頂きたいと思います。
#56
○委員長(紅露みつ君) 資料はこの次の委員会まで御準備を願うことにして、そうしたらいつになりますか……それじや君武課長に申上げますが、今度二十二日に委員会を開くことになつていますから、それまでに御用意願います。
#57
○矢野酉雄君 あとでこちらでよくお聞きになつたらいいでしよう。どういうことを回答するか間違のないように……。
#58
○委員長(紅露みつ君) もう御意見がなければ紡織の件はこれで打切りまして、あと証人喚問の件が残つておりますが……。
#59
○岡元義人君 それは簡單ですから決めて頂きましようか。委員長からお諮り下さい。
#60
○委員長(紅露みつ君) お諮りいたします。これはソ連地区の引揚元將官赤鹿中將と承つておりますが、この方の証人喚問がこの間から起つておるのですが、大分まだ体がしつかりしないというお話ではないでしようか。それでも一應呼びましようか。
#61
○岡元義人君 この証人喚問はできるだけ今貴重な資料がどしどし蒐集されつつあるのですから、再開のあとでは困るので、是非再開前に証人喚問をする必要があると思います。で大体三月中でなくても結構ですが、四月の五日頃なら五日頃でとにかく証人喚問をするということをこの委員会でお決め願いまして、その日時等については或いは理事、委員長に御一任願えればいいのではないかと考えます。まあ私の提案として……。
#62
○穗積眞六郎君 これはどういうのでしようか。ただソ連引揚元將官というのですか、もう少し、どういう目的でどうということが要るのだと思いますが。
#63
○岡元義人君 赤鹿中將は御承知の通りに、先だつて飛行機で十四名帰つて來た中の一人なんです。その他の方も出て頂きたいと思つて調べたのでありますが、非常に健康を害していて、赤鹿中將だけしか出られないということでした。目的としては今までの当初においては大体佐官級は帰さないということでしたが、昨年になつて佐官級が帰されることになりました。その後將官級その他の待遇は特別な待遇を受けておるということを我々は聞いておつた。その將官等を通じまして、できるだけソ連に残留しておるところの消息をば当委員会が把握する必要がある。將官という特別待遇の中から我々が委員会として集めなければならん問題があるのではなかろうか。こういう意味であります。
#64
○草葉隆圓君 先程の岡元委員の提案のように、引揚再開前に成るべく証人喚問のできますように、健康等の関係がありましようから、理事及び委員長で大体の腹案を作つて頂いて、そうして適当な委員会にお諮り願つてお進み願つて結構だと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○委員長(紅露みつ君) それではこの証人喚問の、赤鹿中將喚問の件の日時は委員長及び理事に一任のことに決定いたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(紅露みつ君) それでは午前中の委員会はこれで休憩いたします。
   午後零時二十五分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時三十二分開会
#67
○委員長(紅露みつ君) 午前に引続いて委員会を再開いたします。午後の分の案件は、復金関係未整理分に関する件、二、が金融公社問題に関する件、三、が引揚者の復金問題処理、これだけが議案になつております。政府委員としてお見えになつておりますのは復金関係が鹿喰総務部長、それから早川指導課長のお二人、大藏省が銀行局の復興金融課長の杉山さんがお見えになつております。
#68
○岡元義人君 私から今日案件になつておりますことの概要をば御説明いたしまして、復金か大藏当局からの御解答を頂きたいと思います。いろいろと政府当局におきましては、復金の特別融資の後始末につきましては非常に寛大な処置をして頂きまして、これは全國引揚者が非常に感謝いたしております。ただ残念ながら最後におきまして一部全連等の考え方の解釈の違いから、銀行局長等に御迷惑をお掛けしたことは、非常残念に思つておるのでありますが、もうすでにこの問題は御了承願つたことと思うのであります。ただ本日ここに取上げました問題は、もうこの委員会といたしましては余り大藏当局や復金に御迷惑は掛けたくないというような考えでおつたのでありますが、併しながらこの度委員が全國をば調査いたしまして、これでは到底放任して置くことはできないというような状態の問題が沢山出て來たのであります。例を取つて申上げますが、特別融資制度が設けられましたので、特別融資で申込んだものをばこれを優先順位から言つても普通融資で当然処理さるべき性質のものである。先ず第一番に普通融資で行けるものと、特融で行けるものといわゆるセレクトされた方法が大体どこの県においても採択されたのであります。そこでその一般の特別融資の方に入りましたものは先日ああいうような後始末をつけて頂きましてどうやら解決がついたのでありますが、普通融資に廻された分の中で、引揚者であるにも拘わらず、最初は親心を似てやられたことなんでありますが、融資懇談会を通過いたしまして、そうして中央に送られる、その間にありまして、無い資本金までも作らせられた、或いは各県においてこの問題が今大問題になつておるのでありますが、生業資金等で以て繋ぎ資金をば融資したという件が相当あるのであります、今收拾つかないというような状態にまで追い込まれて來たのでありますが、こういう点に対して復金課長はどういうような見解を持つておられるか。特に銀行局長から肝を伺いたかつたのですが、実に矛盾しておる。一般のものであればこれは問題ないのでありますが、引揚者であるというような、そういう惡條件を十分承知しておりながら、而もそれを特融ではいけない、普通融資の方がいいのだと、好意的に最初は示して下さつたその好意が、今のところでは却つて仇になつておる、その間において御承知の通りに資本金の問題が非常にやかましく言われまして、あらゆる方面から工面して資本金をば作つた、にも拘わらずこれを殆んど全部中央において打切つてしまつた。これは普通では済まされる問題ではないと思います。この点についての御解答を願いたい。
 それから先ず杉山課長が見えておりますが、あなたが御就任になつたと当時において、当委員会が大事な問題として取上げた事件があります。それは鹿兒島の例の珊瑚の融資であります。この珊瑚の融資は、その後何らかの形において解決つけて下さるものと思つて、委員会特に私はあの問題は問題化せずに我慢して來たのであります、然るに融資懇談会を通過して、中央において……総務部長今日お見えになつておりますが、総務部長に対してあれは一体どうしたか、早く請求して呉れと言つたところ、書面を以て、この問題を調査するという御回答を私に與えておつた。福岡の石井支店長のところに参りまして、中央の総務部長からこういう通知は來ていないかということを聞いたところが、來ておらない。鹿兒島へ帰つて來ておらない。そこで鹿兒島では、取敢えず、融資懇談会を通過いたしましたので、縣廳から四十万円の補助金を與えて、そうして中央に送つたところが、福岡も通過し、鹿兒島も通過して本社に送つて、本社でこれに対して一遍の十分な檢討も加えたということは私には考えられないのです。若し加えられておつたならば、当然私の方に回答があつた筈です。それを單に却下して返してしまつた。而も杉山課長はこの問題については責任を以てこの処理に当るということをこの委員会において言明された筈です、この委員会を侮蔑されるのか、岡元個人を侮蔑されてこういう処置をとられたか、この点一つはつきり解答して頂きたい。
#69
○説明員(杉山知五郎君) 二つ御質問のありましたうち、先ず第一の方から申上げますと、第一点の普通融資として本社に参つたものに対する取扱でございますが、第四四半期も御承知の通り後旬日を余すばかりでございますので、現在連日復金本社において三月末までに融資を実行すべきものの内容を檢討中でございます。それでその場合に、司令部側からの非常に強い要望もありまして、今度残りは二十八日に現在のところでは二十七億円の債券発行を予定しておりますが、これにつきまして内容を仔細に明日或いは明後日関係方面に説明をいたすことになつておりますので、復金本社としてはそこで説明すべき案件を目下鋭意選定中のわけでございます。その際に司令部側から経済復興上の緊要性に應じて極力嚴選せよというふうに強く言われております関係上、そういう方針に則つてやつておるのでございますが、今御指摘になりました普通融資として受けたものが特に不利な扱いを受けておるということは私は別にないかと今まで存じておりましたのでございますが、若し具体的にそういう例がございましたならば一つ御指摘願いたい。
 第二の問題でございますが、曾て鹿兒島縣の珊瑚の融資につきまして、復金の出張所の者が岡元委員に対しまして失礼なことを申上げたことにつきましては、当時復金の本社の方にもその事実をよく調べるように依頼いたしますた。いろいろ手紙や電報の往復があつた後、非常に失礼なことを申上げたということが判明いたしましたので、この点は嚴重注意いたしますると共に、そういう言辞を取消すことを私を通じて岡元委員にも申上げたわけであります。又その融資案件の取扱につきましては、これは融資の案件でございますので、金庫自身の判断においてなすべきものと思いまして、そういう案件のあることを金庫の方にも傳え、金庫の方で十分審査をするようにいたしておつたのでございます。その後の模樣につきまして私もうつかりいたしまして、どういうふうになつたか実ははつきり確かめておりませんのでございます。今御指摘のようでありますれば、ここに丁度金庫の総務部長もおられますので、総務部長の方からもその後の経緯を御説明願いたいと思います。
#70
○説明員(鹿喰清一君) 今の岡元委員からのお話にございました第二の珊瑚の問題につきまして、私は岡元さんが私の方へお見えになりまして何か話合つたことを記憶いたしておりますが、そのとき係の方に連絡いたしたと思うのであります。若し今岡元さん御指摘の、福岡の方に行つたらそういう話が全然來てなかつたというようなことがありますれば、私も一應事情をよく調べまして、殊に具体的な案件はその方の係の者に連絡いたしておりますから、その方からよく事情を聞きまして御報告を申上げたいと、こういうふうに思つております。
#71
○岡元義人君 実に無責任極わまる話でありまして、我々はあれ程大きな氣持を持つてこの問題を実は目をつぶつておつたのであります。併し私個人の問題は別といたしまして、苟くも委員会が取上げた事件として淺岡、矢野酉雄両氏が現地に派遣され実態を調査し、復命当局からこの問題はすでに十分調査し、融資懇談会も通過してお金は十月ぐらいに出る予定である。本人がそういう工合にこの事業が引揚者の事業として縣廳から十分推薦され、そうして今後発展して行くというならば、我々がこういう小さい問題で以てこの問題を別に大きく取上げる必要もなかろうというような工合で、あのまま我々としてはこの問題を寛大に処置して参つたのであります。然るに今総務部長は私がわざわざ福岡にお尋ねして調べて見ても來てない。鹿兒島にも到着していない。これは非常に時期的に遅れておるから、催促するつもりで私は側人的にわざわざ復金にお願いしたのであつたのであります。併しながらこの案件は二百万円の申請に対して融資懇談会で百三十万円に減額され、そうした本人が持つていた船を七十万円で賣却さしております。資本金の問題で鹿兒島の支店で七十万円で賣却さしております。そうしてつい先日であります、本店からこの問題について不許可の通知を鹿兒島に出した。こういうような融資が日本の復金の制度であつた。私ははつきり承わりたい。七十万円で以て運送船に使つておる船を賣らして、そうして資本金を作らなければ百三十万円出せない、こういう処置をとつて置いて、そうしてあれだけ大きな重要な問題を総務部長が部下の言い違いでありましたとぬけぬけと、そんないい加減な氣持であれば、私は委員会に諮りまして全部証人を喚問してお話するならお話をして告発しても正当な手続を取りたい。僕自身の身上に関する限りはすべてを忍んだのであります。にも拘わらずあなた方はそういうような実に怠慢も甚だしいものであると思います。もうすでに我々が調査に行つたのは昨年の八月であります。それから中年を経過しておる。そうしていよいよぎりぎり一杯のところへ持つて來て僅か百三十万の融資、併しながら本人に取つては命に掛け替えのない問題であります。現にそのときの旅費などは、まだ東京の旅館等に対しても不支拂になつて、そうして苦労してここまで來た者をそういう措置を以て、一片の通牒でこれを却下してしまう。私は非常に分らない。先程杉山課長から具体的な例を挙げて呉れということでありましたから、当委員会は全部資料を提供してもよろしうございます。特に今日は四國からも阿波水産、これは私は四國に行つて全部調査して参りましたが、阿波水産も九十万円の資本金を作れということでありましたので、止むを得ず縣廳は六十万円の生業資金を作つてやつた。然るにもう出す、もう出すと言いながら一番最後にこういうような一片の通牒によつてこれを蹴つてしまつた。こういうような事態をどう收拾して行くか。引揚者があらゆる面において惡いハンデキヤツプがついていることは御承知の通りであります。引揚者にこういうような惡條件を附帶させて置きながらこれを一片の通牒によつて蹴つてしまう。全國にこの種類のいわゆる普通融資に切替えられ、そうして最近に至つて一網打盡的に全部通牒によつて蹴られたのが相当数に上つておる。これらの処置に対して大藏当局がどういう措置を採るかということをばこの委員会が取上げざるを得ない。而も当委員会は絶対にこの問題を責任を持つて解決をすべく大藏省に要求するという決意であります。
#72
○委員長(紅露みつ君) 今の阿波水産の問題、あれは私の縣でございましたので、大体要点を私は知つておりますので申上げたいと思います。
 これは資本金が十九万五千円で計画したのです。それが二十三年の一四半期です。そうして二四半期にそれでは資本金が少いから百万円にしろということで止むなく現在の生業資金六十万円、そうして二四半期で融資依頼状が発行されたのです。そうして三四半期になつて申込は三百万円だつたのです。申請は併し段々減額されまして三十万円ということに決まつて、こういうふうに資本金を整えたところが三四半期になりまして蹴つてしまつた。ですからこんなかわいそうなことをしていいのか知らんということはこれは当業者ばかりでなく、徳島縣では復金に本当に怨嗟の声を送つております。私も今度初めて視察に帰りましてこれを聞いたのでございますが、こういうのは本当に復金の方に行くその途中に何かあつたかも知れません。これは何とかして頂かなければいけないと思います。似寄つた問題が外にもありますから又後でこれは申上げるかも知れませんが、これは代表的な問題として考えなければならないと思います。縣としても生業資金六十万円で今大変困つております。
#73
○説明員(鹿喰清一君) 只今委員長のお尋ねの阿波水産の件につきまして、実は私共は本日具体的の融資の案件についての資料を用意して参りませんし、又その方面の担当者も今日一緒に参りませんものですからその詳細の事情を私からここでお話申上げることができませんことは残念でございます。帰りましてよく傳えまして早速その事情を明らかにして又委員会に御報告したいと思います。
#74
○岡元義人君 この問題は相当全國に亘つておりますから、今総務部長のお話にも理屈があるわけですが、今日この場で早急に解決ということは到底困難だと思うのであります。二十四、五の証人喚問の委員会が終りました後において一應この問題に関する各議員と、それから復金、大藏当局との懇談会を開いてこの善後処置を講ずると、こういうような処置をばとつて頂くように提案いたします。
#75
○草葉隆圓君 岡元委員なり、委員長の先刻からのお話を承つておりまして、引揚者としては経済情勢も変るから、最初の通り行かないと言えばそれまでですが、随分困つた問題が出ておるんです。從つて復金当局で一つ御調査を願つて、そのことを十分誠意を持つて御報告を願いたい。同時に適当な機会に一つ復命、大藏省並びに当委員会と御懇談申上げて善後処置が適当にできますような、そういう機会をお作りになることを、賛成いたします。
#76
○岡元義人君 今草葉委員の御意見の通り、私もして頂きたいと思いますが、ただ一言だけ杉山課長に伺つて置きたいのは、こういうような予め問題が起きるということは全然承知をしていなかつたか、若し今日初めて分つたといたしましても、こういうような実際の実情が分つたものに対しては、大藏当局としてどういうふうにしようというお考えを持つておるか、一應伺つて置きたいと思います。
#77
○説明員(杉山知五郎君) 今御質問でありますが、実はそういうケースがあつたことは、今日初めて承知したようなことであけまして、ただ今回のようなケースばかりではなく全般的に融資の申請と、それから実際に許可承認があつたのと比べまして、非常に申請の金額が多く、認められた方の金額は小さいということは、一般的な現象として第四四半期の通有性のある問題だと思います。ただ今のような阿波水産のケースについては、実は初めて本日伺つたような次第であります。第四四半期の資金の窮屈な点につきましては、大体皆樣も御承知だと思いますが、実は昨年十二月における債券発行と、関係方面の意向が非常に強くて、その関係上第三四半期に融資が認められておりながら、実際上は今年の三月に繰延べになつたものでも約五十六億円あつたのであります。その圧迫が第四四半期に非常に強く寄せ寄せになつて参りまして、そのため第四四半期はすでに三月の初め頃から申請は受けないというふうな非常処置までとつてやつておるような次第であります。又これは石炭等の事業でありますが、石炭のごときはすでに昨年末以來非常に大きな未拂資金が溜つておりまして、第四四半期にも非常に困つた事態になつて参りまして、第四四半期の枠では更に数十億の未拂が、それにプラスされたというような事態で、各事業とも非常に実は困つておられるような次第であります。そういうような関係上、第四四半期の融資が非常に苦しくなつておるということは、私共は認めておつたのでありますが、只今のようなケースについては実は初めて聞いたのであります。
#78
○岡元義人君 それでとにかく、こういう問題が沢山あると申しましても、そう何億円というような金額に上る金額ではない。大概今まで調査したのでは、百万円、百五十万円というところで引揚者の特別融資が普通融資に切替えたもので、そういうふうに遅れてしまつて、そうして融資懇談会等をすでに通過して、中央に申請された、それも却下されたものを取上げておるのです。件数においては大した件数ではないのですが、こういう問題を今後処理しなければならない。全然処理する余地もないというふうに、お考えになるか、その点を明らかにして頂きたいということをお願いしたい。
#79
○説明員(杉山知五郎君) 実は地方融資懇談会につきまして、先般來から我我も非常に頭を悩ましておるのは融資懇談会を通過したものが、金額の関係上、必ずしも本所において承認されないという事態が間々起つて参りました。そこでそれならば地方融資懇談会というものは、残して置く余地がないという議論すら出ておるような次第でありますが、それで先ず申請の金額と、実際の金の出る額との開きが非常に大きい点は、実は來年度若し金庫が融資を継続し得ることであるならば、当然又來年度の問題として残るわけでありますが、実は金庫の融資が継続になるか否かはまだ関係方面の意向が分りませんので、私共としても明年度どういうようにするか、ここでちよつとはつきり申上げることはできない状態であります。
#80
○岡元義人君 私は來年度のことを聞いておつたのでは間に合わない。だから総務部長にもう一遍伺つて置きたい。要するに融資懇談会を通過して復金の本所に廻してそれによつて減額される。これはあり得ることです。併し融資、懇談会を通過したものに対して、先程來申述べたように一律に一つの事務的処理として私は恐らく復金本所においては、これをば処置されたのではないかと思う。要するに特別融資で申込んだものを普通融資に切替えさして、そうしてそういう好意的にやつた問題もその中に含まれて、どしどし地方に來ておる。それを今度のこういうような前からのズレ等によつて、これを非常に押込んで行つた。そのためにこれが引揚者のいわゆる特別融資のものを、普通融資に切替えさして申請して來たものであるという、そういうけじめもつけないで、一律に決められたものでないか、こういう解釈を持つておるのですが、この点一つ総務部長に伺つて置きたいのと、それから今言つた通り三百万以上という問題であれば別ですが、百万や百数十万というところで皆が引つ掛かつておるところを見ると、実に怪しからんと思う。それは百何万円のものに対して、ほんの僅かの事業体ですが、それが地方では立替金を相当しておる。例えば珊瑚の四十万円、水産試驗場のあの枠を貰つて、そうして海底探知器を縣が斡旋して、これに対してわざわざ求めておる。そういうようなことをさせておる。融資対象になつておる事業体を、ただ一遍で蹴られる根拠はどこにあるか分らない。そういうことはできるのですか。一つはつきり我々が納得するように説明して下さい。
#81
○説明員(鹿喰清一君) 只今岡元さんの御質問、誠に御尤もであります。それにつきまして実は融資懇談会を通りまして、それから先は金額の少いものはこれを支所で以て、或いは場合によつては代理店で專決いたしておつたのでありますが、最近先程杉山課長のお話しになつたように、非常に融資の枠が窮屈になりまして、各案件は全部今期におきましては、本所において決定するというような制度に切替えております。それでございますから全部こちらへ参りまして、こちらで融資の方針に照らしてやるということにいたしておりますから、只今御質問になりましたような案件につきまして、或いは地方におけるよりもやや嚴格になつておるというような場合も、方針の切替えの際には、どうしてもそういうものが出るということも、或いは止むを得ないのじやないか、こういうふうに考えるのでございます。ただ岡元委員の御指摘になりました引揚者の特別融資を普通融資に切替えた、それを本所へ持つて來た場合にどうするか。我々といたしましては勿論引揚者の方につきましては、担保の点だとか、或いは資金の調達の点だとか、そういう点についてできるだけ好意的の目を以て見るということは、勿論いたしておるのでありますけれども、とにかく形式が普通融資でございますから、やはり普通融資の目を以て、普通、融資の方針を以て、この物差を当嵌めて見るというようにいたします。その間におきまして或る場合にはどうしても地方では、まあ懇談会を通りましたものが、本所においては落ちるというような場合が出て來るわけでございます。そういう点は一つそういう意味で御了承願いたいと思います。決して普通融資になつたから、すべて一律一体に他のものと一つ目で以て事務的に簡單にやつつけるというような考えは毛頭持つておりません。こういう趣旨で処理いたしております、間々そういうようなことが現実に出て來るということはこれは或いは止むを得ないのではないか、こういうように考えております。
#82
○委員長(紅露みつ君) これはさつきお話になりました例とは少し違いますけれども、今本人がそこに見えております。徳島縣ですが、アミノ酸の会社ですが、專賣特許のアミノ酸の醤油ですが、これが二百五十万申請しまして百五十万頂いたのです。それで百五十万だけの設備をしました。設備はできております。私これを見て参りましたが、後この百万円を貰えないので、この設備をしたなり設備が遊んでしまつておる。それで復金に再三頼みに行くと、そういうことは聞いて呉れんというので、本人も出て來ておりますが、二十三年の下半期ですが、こういうのは本当は復金は機械のような感じがいたしますけれども、こんなふうになつた場合には百万円出して頂けないと、百五十万円貸付けたこの回收をどうお考えになるのか、私はそんなことを考えるのですが、こういうことはもう少し考えて頂いたらどうかと思います。前のとは少し事情が違いますけれども、これが後の百万円が借りられないために農林省の方も許可を下さらんし、資材も貰えない。それで百五十万円かかつて揃えました設備がそのまま遊んでおるという状態ですが、こういう場合回收ということをどんなふうにお考えになるか。無理にでも後の百万円を出して頂くという方がいいのじやないでしようか。
#83
○説明員(早川支郎君) 只今の件私直接担当ではございませんが、同じ部の方の案件ではないかと思いますので代つてお答えいたします。内容の詳しいことは存じませんけれども、資金枠その他の関係から、又申込のありました口と内容から二百五十万の申請に対して百五十万円の承認になつたと考えられるのであります。百五十万の御融資のときに必ずや事務当局とじましては、この金によつて設備がなされるものであること、そうでなければ銀行方としてはお貸しした筈はないと思いますが、そういう点がどういうふうになつたか、我々の方で調べて見ないと今後の問題でありますから御返事できないのです。
#84
○委員長(紅露みつ君) その点はおつしやつた通りだと思います後の百万は揃えるということであつたと思いますけれども、現在これができないので、そのために百五十万円の施設が遊んでしまうという場合には、復金たるものは、やはりこれにもう少し親心を加えて貰つたら前の百五十万が生きる。このままにして置いては立ち腐れになつてしまうので、特にこれは理屈で詰め寄るわけではありませんので、もう少し血を通わせて頂いたらと思います。
#85
○岡元義人君 今の委員長の発言の問題は大分違うと思うのですけれども……。
#86
○委員長(紅露みつ君) 違うんですか。
#87
○岡元義人君 委員会で取上げる性質のものではないと思います。それは引つ込めて貰いたい。それを取上げるということになると全國的に大問題になります。
#88
○委員長(紅露みつ君) 沢山ありますからね。併し本人が出ておるものですから一應問題にしたわけです。
#89
○草葉隆圓君 今の問題は一つ個々の問題として適当に御解決を願うことにして頂きたい。先のお話のように他日近いうちに復金当局とそれから融資懇談会等におけるところの根本的な問題、それから先程來の徳島なり鹿兒島なりで起つておるような問題についての御懇談を願つて、後の結末のつくようにお話を願いたいと思います。
#90
○委員長(紅露みつ君) そういうことにしたいと思います。
#91
○岡元義人君 私はそういうふうに取計らつて頂くようにお願いしたいと思います。
#92
○委員長(紅露みつ君) それでは不日委員と当局と懇談会を開いてこの問題を解決するというように取決めたいと思います。
#93
○岡元義人君 非常に結構なんですが、それまでに、穗積先生が見えておりますが、私の方に集まつておる資料も相当ありますし、前年の尚この問題につきましてはできるだけ資料をば当委員会に出して頂くように万全の御手配をして頂きたいと思います。
#94
○穗積眞六郎君 承知いたしました。
#95
○岡元義人君 この問題は一應これで解決つくのですが、今水産廳の方から見えないので……。
#96
○委員長(紅露みつ君) まだ見えておりません。
#97
○岡元義人君 復金の方々に氣の毒なんですが、水産廳は直ぐ來るそうですが、その前に問題の案件では、杉山課長が見えておりますから縣当局にも一應申上げて置きたいのですが、それは尚第三の案件ですが……。
#98
○委員長(紅露みつ君) やはりそうしましようか。
#99
○岡元義人君 問題は関連しておりますからお話申上げて、どうせこの次の懇談会でなければ解決つかないのですから、これは理屈は大体同じなんですが、具体的な案件として先程とは性格が違つておりますのは、これは我々特別委員会の調査團が九州を調査いたしましたときに熊本縣との打合会において、いわゆる熊本縣からは全然復金、水産廳に申請が出ていない。そういうところから是非たつた三つの案件ですから熊木縣の枠の中に入れて頂きたい。こういう申出があり、いろいろ協議いたしました結果、これは早速水産廳の方に取上げて頂きたいというふうになつたわけであります。その中から、五名の申請のうち二名だけが中央に書類が参りまして、本人らも参つたのでありますが、その後縣廳当局の事務的処理の欠陷から縣廳の申請の書類が不備であるというので約五回に亘つて熊本、東京間を往復させられた。そうして保留々々となつて、復金の方は、地方には保留として未だにこの問題が……。これは天草の牛深の漁業でありますから巾着網であります。然るに今度のこういうような復金のいわゆる枠が非常に窮屈になつて参りましたので、そういうような準備をさせました借入問題をば水産廳におきましては、その責任が水産廳と縣当局にあるということを十分知つておりながら、復金等の意図をばよく酌み得ずして未だにこれに対する解決を與えていないのであります。この点は昨年九月以來当委員会の矢野酉雄議員、浅岡議員等が調査に参りまして、この問題にタツチいたし、十分選考されて、縣全体として三件だけにこれを圧縮して、そうして取上げた問題でありますので、その後しばしば私も水産廳に委員会の一人として足を運んだのであります。併しながら最近この問題についてまだ三件の中の一件をも処理されておらない。而も審議会は常に通つておるのであります。書類ができさえすれば、それの書類が着きさえすればその問題は問題ではないということで保留される。縣廳が書類を持つてわざわざ状況して参つて、縣廳対水産廳の問題はすでに氷解されておる段階に到達されたのでありますけれども、未だに管轄の問題においてこれを処理していないという事件があるのであります。水産廳は先程から呼んでおるのでありますが、若し復金当局が何らかこの問題の連絡がありましたかどうかを一つ伺つて、又こういうような経緯が現在あるわけなんでずが、この問題について復金がどういうような処理をとる余裕があるか。この点を伺つて置きたい。というのは、これは先程の五十万、六十万じやなくて相当の犠牲を拂つて、すでに船その他網も引揚者の枠からすでに重点的に一千玉を配給してしまつた。こういうようなのつぴきならない羽目に陷つておるのであります。買入金額は審議会で五百万円に査定されておるのであります。これは勿論復金側の責任というより、むしろ水産廳に責任があるということを私も知つておりますが、併しながら復金当局に対して、どういうお考えをお持ちか参考までに伺つて、この次の懇談会のときにこの問題も、併せて取上げて頂くようにお願いして置きたいと思うのであります。
#100
○説明員(鹿喰清一君) 只今の問題につきまして、私本日具体的なことは承知いたしておりませんが、この次の懇談会のとき調べましてお答えいたします。
#101
○委員長(紅露みつ君) それではいろいろ調査して頂く問題が出ておりますが、これは不日と申しますよりも一つ急いで御調査願いたいと思います。
#102
○岡元義人君 今の三件でございますが、村野新作、亀山、それから古川、この三件だけをば縣全体の協議会で採決になつたのです。それは昨年の八月です。ところが今完全にその審議会に掛かつたのは、たつた一件だけ通つておるんです。その通つているのを縣廳から、あとは出さないという証明を持つて來いと言う、その証明を要求しながら一向縣廳が、これは縣廳が惡かつたので、私も縣廳え行つてどなつたんです。私のところにも手紙が來ているんですが、慙愧の手紙だと言つて、水産課長が実に申訳ない、私が惡かつた、こう言つて謝つて來ているんです。併しながら実際は、御本人はもう船を手に入れ、網も引揚者の枠から貰つているのですが、そういう事件があつて、水産廳もそれに責任は感じておるんです。ところが復金に行つて、今からこれをどうこうということも大変だというので、握り潰している傾向があるんです。で委員会としては、できるだけ取上げたくなかつた。併しながら昨年委員会が九州調査に行つたときの問題で、当然委員会としても責任を負わなければならん。今までの折衝は委員会として折衝しております。その点一つお含みの上お調べを願いたいと思うんです。
#103
○委員長(紅露みつ君) 御質問がなければ、復金の方にはお急ぎのようですからお帰りを願いたいと思います。水産廳の方が見えられますまで、この問題は一應保留いたしまして、二、に帰りまして、金融公社の問題、特殊金融課長の磯田さんがお見えになつておりますから、との問題を提供いたします。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#104
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて。
#105
○草葉隆圓君 ちよつとその前にリンチ事件の証人喚問のことをお打合せ願つて閉会にして頂きたいと思います。
#106
○委員長(紅露みつ君) さようにいたします。
#107
○岡元義人君 先だつて理事会におきまして、これは御一任願つたのですが、大体二十四日と二十五日に二十一名の証人を喚問いたしまして、二日間に亘つて、英彦丸のいわゆるリンチ事件の眞相を究明する、こういうことに理事委員長打合会において決定しましたので、各委員の方にも御了承を願いたいと思うのでございます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(紅露みつ君) 御異議ないと認めます。それでは次回の委員会は二十二日の午前十時からとしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     紅露 みつ君
   理事
           天田 勝正君
           淺岡 信夫君
           岡元 義人君
   委員
           草葉 隆圓君
           伊東 隆治君
           小畑 哲夫君
           穗積眞六郎君
           矢野 酉雄君
           千田  正君
  説明員
   大藏事務官
   (銀行局復興金
   融課長)    杉山知五郎君
   大藏事務官
   (給與局第三課
   長)      中尾 博之君
   商工事務官
   (纎維局纎政課
   長)      岩武 照彦君
   労働事務官
   (職業安定局失
   業保險課長)  亀井  光君
   復興金融金庫総
   務部長     鹿喰 清一君
   復興金融金庫中
   小指導課長   早川 支郎君
ソース: 国立国会図書館
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