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1949/03/22 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第8号
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1949/03/22 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第8号

#1
第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第8号
昭和二十四年三月二十二日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○引揚途中における死亡者資料提出に
 関する件
○引揚者及び復員者失業対策に関する
 件
○理事の辞任の件
○紡織業引揚者枠割当に関する件
○引揚兒童就学に関する件
○農地法改正に関する件
  ―――――――――――――
   午前十時四十四分開会
#2
○委員長(紅露みつ君) まだ十分お揃いにならないようですけれども、時間の関係がありますから、これから委員会を開会いたします。本日の議題は、淺岡理事辞任に伴う補選の件、それから二番に引揚者及び復員者失業対策に関する件、三が紡織業引揚者枠割当に関する件、四が農地法改正に関する件、五、引揚途中における死亡者資料提出に関する件、この外に引揚兒童就学に関する件というのを追加いたします。それで、第四の農地法改正に関する件と引揚兒童就学に関する件は午後に廻しまして、その他を午前中に済ましたいと思います。理事補選の件は後に廻して如何でしようか。民自党からどなたもまだ御出席がございませんので……。
#3
○岡元義人君 今、委員長が言われました通りに、一の件は後に廻して頂きまして、政府委員の出席をお知らせ願いたいと思います。
#4
○委員長(紅露みつ君) それでは、第一の理事補選を後に廻しまして、政府委員の出席者でございますが、復員局から岡林業務課長が見えておられますし、外務省監理局引揚渡航課長の高野さんと山川さんが見えております。
#5
○岡元義人君 それだけですか。
#6
○委員長(紅露みつ君) それだけです。
#7
○岡元義人君 労働省は見えておりませんか。
#8
○委員長(紅露みつ君) 今労働省からお見えになりました。職業安定局の雇傭安定課長の百田さんが御出席になりました。
#9
○岡元義人君 五番の問題は簡單に済むと思いますから、五番を最後に檢討して頂きまして、それから二番に失業対策を取上げて頂いて、そして委員長から委員部に対して速かに商工省からの出席をば催促して頂くようにお願いして、進行して頂いたらどうかと思います。お諮り願います。
#10
○委員長(紅露みつ君) 岡元委員の御意見のようにいたしてよろしければ、そう決めますが。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(紅露みつ君) それではそういうことにいたします。商工省の方には今連絡いたしました。それでは第五の引揚途中における死亡者資料提出に関する件を議題にいたします。
#12
○岡元義人君 外務省の引揚渡航課長がお見えになりましたからお尋ねしますが、只今当委員会におきまして、いろいろ遺家族及び戰災によりますところの死亡者に対して弔慰金を考慮しておる際でありまして、尚、今立法中でありますが、たまたまこの立法中におきまして、非常に困難な状態に立至つておりますのは、終戰後、いわゆる引揚命令に接して、そうしてその輸送途中において非常に状況が悪かつたり、或いは準備の不備のために死亡させてしまつたというような、そういう犠牲者が相当数に上つておるわけでありますが、これらに対する処置については、外務省ではどういうような調査をなされ、又どういうような資料をお持ちになつておられるか。具体的に当委員会に述べて頂きたいと思うのであります。
#13
○説明員(高野藤吉君) 外務省の引揚局の課長であります。今、岡元委員より御要求になりました件につきましてお答え申上げます。問題を一般邦人だけに限定してお答え申上げてよろしいのでしようか。その点軍人軍属も含めましてでございますか。それとも普通人だけでございますか。
#14
○岡元義人君 一般引揚邦人だけで結構でございます。
#15
○説明員(高野藤吉君) 一般引揚邦人だけの終戰後における外地におきまする死亡数及び死亡状況につきましては、結論的に簡單に先に申上げますと、細かい具体的な数字なり……殊に数字は未だ外務省にはございませんので、御承知の引揚邦人調査は現在進捗中でございまして、それが或る程度成果を見ますれば、或る程度の具体的な数字が入るという希望の下に今進捗いたしておりますが、これから申上げるところは、單に推定と状況判断により、大体これくらいではないかというところの数でございますから、これを御諒承をお願いいたしたいと思います。先程お手許に配りました「在外邦人引揚者数及び残留数」という数字の刷り物がございます。それで各地区別に、大体この地区では終戰以後、どのくらいの在外一般邦人が日本に引揚げらるるまでに亡くなられたかという数を、現地における状況と私の方に届いておる乏しい情報に基きまして、概数をお話申上げたいと思います。
 先ず中國地区でございますが、現在この表に載つておりますように、約六万がまだ残留いたしております。主としてこれは中共地区で、いわゆる満洲乃至現在の東北地区でございますが、満洲におきましては終戰時と申しましても、これを八月十五日にいたしますが、九月二日にいたすかで大分、数が違つて参ると思いますが、御承知の通り満洲におきましては、終戰直前にソ連軍の侵入がありまして、その前にも満人あたりの暴動及びその後における九月二日までにおいて、一般邦人の被害、損害が相当あつたというふうに私共聞いております。終戰後におきましても、奧地より開拓移民團がハルピンなり、新京に引揚げるときに、いろいろ栄養失調なり或いは危害を加えられて亡くなられたということを聞いております。それでこの東北における被害数は現在どのくらいであるかということは、私の方には的確な数はございませんので、今引揚調査室で、各方面からの留守家族なり、又は遺家族となつたと思われる方からの情報を集めておりますが、すでにもう戸籍上の処置を終られた方は外務省に報告はないと思いますから、その結果の報告を得てもなかなかの正確な数は分らない。それで今後に中共に残つておられる方が引揚げられて、相当精密且つ具体的な調査をいたさなければ出て來ないかと思います。次にそれ以外の中國地区でありますが、中國本土及び台湾でありますが、この地区における終戰前後及び終戰後におきましては、殆んど大きな損害はなかつたように聞いております。次に、第二に米軍地区でございますが、比島におきましては、御承知の通り一般邦人はダバオ、マニラに相当おりまして、ダバオには一万九千、そのうち約五千死亡したと傳えられております。これは終戰前に死亡した方も含め、及びその後栄養失調なり、或いは收容所に入られた方を含めまして約五千でありまして、嚴密に言つてこの中に、終戰後はどのくらいの率になりますか、はつきりした資料はございませんが、ダバオでは約五千、一万九千おられた中の一万四千くらいしか引揚げられておりませんので、五千くらい損害があつたと思います。マニラ地区におきましては、戰爭中は約八千で、そのうち四千死亡者があつた。勿論この中には戰爭中に亡くなられた方も含めて、結局比島においては約九千損害があつたと一應推定いたしております。それから御承知の南方地区で、サイパン、テニヤンで邦人が約一万くらい、サイパン、パラオ、テニヤンを含めまして一般邦人で、これは主として終戰前でございますが、一万ばかりの損害があつたのではないかと推定しております。合計いたしまして、米軍地区、比島及び南方諸地域におきましては約二万ばかりの一般邦人、但し戰爭中も含めましての程度でございます。それから第三の英軍地区でございますが、これは殆んど千とか万を以て数えるような損害はございません。それから四の蘭領東印度、ニユージーランド、北部佛印、濠軍地区におきましては、大きな損害は一般邦人につきましては終戰後ございません。第八のソ連地区でございますが、これも現在調査中でございます。逆に申しまして、シベリヤに移りました七十万、この中には勿論軍人、軍属も含めてございますがそのうち一般邦人はどのくらいかと申しますと、これも推定でございますが、約二三万程度ではないかと考えております。それで復員局におきましてお調べになつたその損害率は、從來大体一〇%と承知いたしておりますが、その同じ比率で一般邦人が亡くなられたとすれば、約二、三千の一般邦人がシベリヤにおいて亡くなられたのではないかと思つております。次に千島、樺太でございますが、これは終戰時に約三十七万、うち邦人が約三十万と見込まれておりますが、この地域におきましては、やはり千名ぐらい一般邦人の死亡があつたのではないかと、これも大体推定しておるのでございます。最後に北鮮でございますが、北鮮の状況は、滿洲、中共地区と同じように、どのくらい彼の地で終戰後亡くなられたか、的確な、まだここで申上げるような具体的に数字を持合せておりませんことは、極めて遺憾に存ずる次第であります。
 それから、これに載つておりませんが、沖繩地区におきましても一般邦人の損害がありましたのですが、私共にはまだ資料はございません。これは調べれば或る程度の推定数は出るのではないかと思いますので、早速調べて御報告申上げたいと思つておりますが、今日はちよつと間に合いませんでございます。
 以上御説明申上げたように、非常に單なる推定と單なる情報及び状況判断に基ずく概括的な数でございますが、シベリヤ地区が約二、三千、樺太、千島が約千名、南方地区が約二万、それ以外の中共、北鮮、沖繩地区は現在不明でございますので、どのくらいということは只今申上げられませんが、分つておるところは約二万三千名、今申上げた以外の米軍地区とか、英軍地区では、そう大きな損害はなかつたというように一應概括的に結論いたしております。以上簡單でございますが、御説明を終ります。
#16
○岡元義人君 一番下の方で、本年の一月から三月五日までの滿洲から北鮮を経由して帰つて來た引揚者の内訳はどういうふうになつておりますか。
#17
○説明員(高野藤吉君) これは滿洲から北鮮を経由して帰つて來た人で、具体的にちよつと名前を忘れて……持つて参りませんでした。
#18
○岡元義人君 後で一つ委員会にお知らせ願います。それから続いてお伺いいたしますが、今の引揚渡航課長の御説明を伺つておりますと、大体推定死亡というだけでありまして、どこの何何がどういうような状態で死んだというような資料は外務省は持つていない、こういう工合に解釈されるのですが、ここで今御説明のありました数字は、我々が殆んど信用できない数字であります。もつと相当数の死亡者がいるというのは、我々としてはつきり言えるのでありますが、ただ引揚渡航課長にお伺いしたいのは、日本が曾つて二千有六百年の歴史の中で、こういうふうな事態に直面したことはこれが初めてなんです。その初めての大きな事件にぶつかりまして、我々の子孫に対しまして、一体どれだけの日本人がどこでどういう工合に死んで行つたか、そういうようなことは歴史の上においても当然記録さるべきであり、それが又立派な政府自体の持つておりますところの、今の國家がなさねばならんところの当然の義務であると私は考える。で、外務省が果してそういうような、いわゆる良識に基いた行政措置が行われておるか、この点お伺いしたいのでありまして、その点についてどういうふうな予算経理をなされ、又どういうような方法で以てそういう人たちの資料を確認して行こうとしておられるか、伺つて置きたいと思うのです。尚、例えばサイパンやテニヤン島におきまして死亡された邦人が、その状況から判断して当然軍人や軍属とみなされなければならないというような方たちが相当数あつたと、そういうような人たちに対する処置は現在までどういうような処置が取られて來たか、この点を伺つて置きたい。
 それからもう一つは、あの開拓團等が引揚に際しまして、相当の襲撃を受けて、そうして途中において死亡したということは分つております。そういうような死亡は、單なる自己の意思によつて死亡したのか、それともいわゆる國家が何らかの責を負つてこの問題の処置に当らなければならないというようなお考えを持つておられるか、そういうような問題について、單に今開拓團の一例を取つたのでありますが、この外に例えば出先領事館等におきまして、ソ連との開戰が始まりましたときに、速かに邦人は集結して、そうして疎開を命ぜられて、疎開よりも引揚を命ぜられて、その途中においていろいろな犠牲を余儀なくされた、そうして死亡して行つた者、こういうような者が相当数ある筈であります。そういう者に対してどういうふうな考えを持つておられるか、この点一つ伺つて置きたいと思います。何故こういうことを聞くかと申しますと、内地におきましては、すでに御承知の通りに、戰災に対する戰災弔慰金に代るところの手当が一部支給されまして、現に二十九万の戰災死亡者の中で大半、約一万名足らずを残した者は殆んど全部が支給を受けておるのであります。又軍人にありましては、死亡者のうち四十二万人がすでに弔慰金に該当するところの手当を受けておりますし、事務的処理のいわゆる時期的なずれから貰えなかつた者が、百五十万超える者が残つておるのであります。こういうような状態にあるときに、一般邦人のそういうような処置に対して外務省はどういうような態度を以て今日まで臨んで來たのか、この点詳しく承わりたいのであります。
#19
○説明員(高野藤吉君) お答え申上げます。第一番の御質問の、外地における一般邦人の死亡についてどういう調査をして來たか、及び將來どうするつもりか、具体的にどういうことをやつておるかという御質問に対しましては、終戰後もいろいろな情報なり、引揚げて來た方の話を聞いて、各地区ごとに一應調べておりましたのですが、具体的な数字とか、又具体的な、どなたがどこで亡くなられたという細かい点までは、引揚げた方も非常に多いのでございまして、又予算とか人員の関係で、外務省といたしましてはなかなか御期待に副えるような調査は進んでおりません。併し昨年來残留未引揚邦人も非常に少くなりまして、又留守家族の方も非常に心配されるという状況下におきまして、外務省といたしましては、まだ帰つて來られない方を、できるだけ調べようということに相成りまして、昨年の暮より限られたる人員と限られたる予算で、できる限りのことをやつて参りまして、二十四年度の新年度におきましては、或る程度の予算を請求いたしまして、まだ本決まりになつてはおりませんが、できるだけの調査をいたしたいと思つております。併し本件は現地においていろいろ調べるということはできませんので、日本におられる留守家族、又は帰つて來られた方の一般的な情報なり知識を外務省に提供して頂かない限り、なかなか困難で且つ長期日、又大きな予算を伴うということになりまして、外務省といたしましてはできるだけ具体的な点までもいたしたいと思つておりますが、事実上いろいろな障碍もございまして、果して最後の一人までどこで何時誰がどういう状況で死んだということは、最後の一人まで分るかどうかということは、極めてここで確信を以て申上げられない状況にございます。
 次に第二の御質問のサイパン、テニヤンにおきまして一般邦人が亡くなられたのは、軍人軍属と同じような状況にあつたのではないかという御質問でございますが、私現在具体的にどういう状況であつたか、そこまで承知いたしておりませんが、こういう方につきましては個人的には非常に御同情に堪えませんが、現在引揚渡航課長といたしましてどういうふうにするという大きな政策と申しますか、國家の意思と申しますかそこまでは考えておりません。個人的には非常にお氣の毒であつたと思いますし、結局私よりも以上のハイ・レヴェルにおいて、又議会において、又國民の手によつて解決される問題ではないかと存じます次第であります。
 次に同じような状況にあるのは満洲の開拓移民團で、非常に悲惨な状況でなくなられたという方が非常に多いということでございます。この方につきましても個人的には極めて御同情に堪えないので、内地における戰災者、戰災のために死亡された方と同じように待遇するということは極めて必要なことでないかと思つておりますが、先程御説明申上げた通り中共地区と申しますか、東北地区におきましては状況が極めて曖昧且つ不確実でございまして、内地におけるように、具体的に何時どこでどなたがどういうふうに亡くなつたかということは、なかなか分りにくいのではないかと存じている次第であります。
#20
○穗積眞六郎君 只今の点で少し具体的に伺いたいと思うのであります。朝鮮を例といたしますが、南鮮並びに北鮮から引揚げました状況につきまして、南鮮北鮮に止まつているうち、並びにその引揚げます状況、向うにいるうち各都市、田舎でどういうふうな状況だつたか、そのうちどういうふうにしてどういう人がどのくらい亡くなられたというようなことにつきまして、朝鮮としましても前に朝鮮におりました者としましては、その状況を明らかにすることが一つの責任でもあると存じまして、朝鮮から引揚げました者の團体におきまして、この調査を前から姫めているのでございます。併しなかかな何十ヶ所、何百ヶ所において向うの收容の仕事をしていたことにつきまして一々調べるのでございますからみんなが引揚げました今日としては、非常に困難な仕事なんでございます。併し專門に人を置きまして、そうして非常に経費もありませんが、今一生懸命でやつているところでございます。そうしてこれに対しては前から外務省にこういう状況を各地とも調べることは非常に必要だと思うから、むしろこれは國の仕事じやないかと思うのだが、併し我々がやつているのに対しても何とか御援助を頂きたいということを始終申上げております。外務省も少しのことはして下さいましたが、計画なしにただ御援助を頂こうといつても、外務省の方にもそれだけのお金もありませんので、そのままになつてしまう。今仕方がございませんから、却つてこれは少し筋が違いますが、厚生省の方と御相談をしているようなことでございます。併しこれは朝鮮という一地方を考えましても、当然外務省がちやんとした組織を立て、そうして予算を組んでなさるべきことで、そうしてなさるにはこういうふうに朝鮮のみならず方方でそれのお手傳いをし、或る程度のそのときの状況、並びに死亡者の数が或る程度まで正確になる途はあるのでございます。ただ今なさらないだけなんでございます。この点について一つよくお考え下さいまして、まだ年の余り経たないうちにちやんとした計画の下に、それはああいう混乱時代ですから、さつきおつしやつた通り最後の一人までとは参らないかも知れませんけれども、或る程度のことは必ずできるのでございます。それから向うにおりました者は、何にもない中でもこれは責任だと思つて、今努めてそれに努力しているのでございます。外務省はこの点は責任を以て計画を立て予算を組んで、そうしてすべての外地に対してこういう調べをなさる責任があると思います。この点如何でございますか。
#21
○説明員(高野藤吉君) 今穗積委員からお話のありましたことは、一々御尤もと存じている次第でございます。それで外務省といたしましても遅ればせながら昨年より企画いたしまして、又できる範囲においてやつておりまして、二十四年度予算を組みまして、まだ最後的には決定いたしておりませんが、この予算の範囲内で御趣旨に副うように大いに努力いたしたいと思つております。又朝鮮乃至各方面から引揚げた方々、及び現地においていろいろ引揚についての世話をしておられた方、及び各引揚者團体の十全の御支援と御援助を頂きたいと思つている次第でございます。
#22
○岡元義人君 今穗積委員からそういう要求がありましたが、当然な要求なんです。私はまだ先程の引揚渡航課長の御説明を聽いていると、実に頼りなくてはらはらしているが、大体向うからこちらへ帰つて來るときには、一般邦人でさえも自主的にそういうような資料をば内地に持つて帰らなければならないのだ、こういうぐらいに考えて一つの組織を持つて帰つて來た。内地に帰りますと、終戰連絡事務所等もありまして、相当な残務処理が行われておつたわけであります。大概梯團を組んで帰つておりますので、その梯團長が持つて参りますところの資料、並びに残務整理として最後まで残りましたところの居留民團の人達、或いは領事館の人達、そういう人達の資料を集めましたならば、團体の誰がどういうような状況で死亡したというようなことは当然明らかにされるのであります。又そういうことは、先程私が引揚課長に御質問申上げました通りに、日本の歴史の上に載せて行かなければならんというようなことは、誰が考えても当然なことなんです。今引揚状態調査をやつておられますが、あれと引揚課長は混同されるようなことがあつたならば、これは私は非常に困ると思うのです。今の外務省が御調査なすつているあれは、單に未引揚者と、引揚者のいわゆる調査に過ぎないものであります。本日この委員会で取上げております問題は、もつと外の意味を以ちまして、いわゆる調査資料の請求をば要求しているのでありますから、これには又相当な、又別途な計画の下に、別途な予算を組んでおやりにならなければできない仕事なんであります。而もその仕事は当然やらなければならない仕事である。こういう工合に考えて頂きたいと思うのです。
 それからサイパン、テニヤン島におきましては誠に氣の毒であつた。そういうようなことで済まされる問題ではないと私は考える。苟くも外務省が、先程穗積委員員が言われました通りに、これを厚生省の所管として調査するというのでありますならば、当然日本の陸地に上りましてから以後のことでありますならば、それは厚生省としても、そういう調査も、問題につきましても、積極的にできると思うのでありますが、苟くも外地にありますところの、いわゆる今までのこういう犠牲者たちの調査状況等につきましては、当然外務省が責任を以て当らなければならんのであります。で軍人、軍属とみなして軍隊がいわゆるそういうような指令を出しまして、そうして処置した者、そういう者に対しては、当然これは軍人、軍属としての処置が講ぜられなければならないと思いますが、どういう工合になつているかということを私は先程聞いたのであります。又國が、いわゆる國会が、國民が今後どういう工合に決めて行かなければならないかというようなお話がございましたが、その決める前に、行政措置として、どういう工合にしなければならないことが、してあるかないかということを私は尋ねているのでありまして、今からするしないということは当委員会においても冒頭に申上げました通りに、只今立法措置をやろうという段階に到達しているのであります。併しながら只今立法措置に当りまして、今までの措置がどういう工合に講ぜられて來たかということを調査しているのでありますが、その点混同されないようにはつきりした返事を願いたいのであります。
 それから併せてお伺いいたしますが、只今先程フィリッピン等から遺骨が佐世保に帰つて來ております。そういうような遺骨が今後も段々落ちつくにつれまして帰つて來ると思うのですが、そういう遺骨等の取扱いと、特別未帰還者給與法との関係等において外務省は万全の手配ができているかということを伺つて見たい。
 以上繰返して要約いたしますると、第一点は、今までの引揚者実態調査とは別個の考え方でやらなければならん。又別個の方法でやらなければならん問題だと考えるがその点如何、予算の措置も別個にやらなければならんということも……。それから終戰連絡事務局等が処理されておつたのだがあそこでは何も仕事はしなかつた、その点お答え願いたい。それから今までのサイパン、テニヤン島における軍人、軍の命令によつて、そうしていわゆる現地で死亡したというようなものに対しては軍人、軍属といてその遺骨に対する措置が行われて來たかどうか。それからもう一つ締めくくりをつけますために、我々委員会としては只今立法措置を講じようとしておるのでありますが、先程申上げましたように、戰災等による死亡者、一般邦人で艦砲射撃或いは空襲等により死亡した者が二十九万九千四百八十五件もある中で、そのうち大体二十九万が弔慰金が支拂われておるが、こういうような内地の状態であるにも拘わらず、その引揚途中に自己の意思に拘わらず、こうも犠牲に遭つて帰つて來るところの、そういうような人達に対する考え方……、どういうことをしなければならないか、いわゆる今までの、既成の行政措置が不平等である、平等の精神から考えて、どういう工合にしなければならないかという考えを引揚課長は持つておられるかということをお聞きしたい。以上のようにことを要約いたしまして、御解答を願いたいと思います。
#23
○説明員(高野藤吉君) お答えいたします。第一点の、引揚途中における死亡者の資料ということは、現在は外務省の方でやつております。未引揚者邦人調査と違う別個のアイデアで、別個の予算措置でやつて行けという岡元委員のお話でございますが、勿論そうあつてもよろしいと思いますが、ただ問題は未引揚者邦人調査には死亡者も含まれておりますし、又行方不明者も含まれ、現在含まれておらないのは彼の地で死亡されて、戸籍上の処置がお済みになつておられる方が含まれておらないのでありまして、これを含めれば当然現在行なつておるのと全部包括できるのではないかと考えますので、新らしい項目なり、新らしい名目なりでやるよりも、そこまで手を拡げてやつた方が事務的にはいいのではないかと私は考えております。別に話を混同はいたしておりませんが、私個人としては、その方が事務的にもすつきりいたしますし、予算の請求上も、大藏省の方に対しては通りがいいのではないかと思つております。お話のように、現在すでに戸籍上より抹消されて、御遺族の方々がもう死んだと諦めて戸籍を抹消された方に対しては、未引揚者邦人調査の対象にはなつておりません。
 それから第二の件について、終戰連絡事務局、現在の連絡調整事務局は如何なることをやつて來たかという御質問でございますが、御承知の通り終連乃至連調におきましては、司令部と実態官廳とのリエイゾンをやつておりまして、実質的な例外はございますが、原則として実質的な内容的な仕事はやつておりません。殊にこの引揚者の問題につきましては、その当時外務省の監理局在外邦人、現在の引揚渡航課で保管いたしておりまして、本件については終戰連絡事務局乃至連絡調整事務局においては実態的の調査は行なつてはおりません。
 次に第三のサイパン、テニヤンにおきまして一般邦人の死亡に関して如何なる慰問乃至弔慰の方法をとれらたかという御質問でございますが、これは軍人、軍属と申しますか、軍人にその当時なつて、認定乃至確認されれば、当然軍人、軍属と同じような取扱いをされて來たと私は了解いたしておるのでございますが、この点は復員局の業務課長が見えておられますから、業務課長から具体的にお話があると思います。私といたしましてはその程度しか現在存じておりません。それに牽連し、第四の御質問に関連いたしまして、軍人、軍属になつておらない一般邦人及び満州乃至北鮮で亡くなられた一般邦人につきまして、極めてお氣の毒で、如何なることを外務省として考えておるかという御質問でございますが、先程申上げた通り、個人的に極めて御同情申上げ、何かなさなければいかんと存じておる次第でございますが、政府の役人として本件を外務省の引揚監理局といたしまして、積極的にこれを行政的措置としては何ら法律的な法令の根拠もありませんので、積極的には從來まで動いておりません。又予算的なあれもございませんのでいたしておりません。結論的に申上げますれば現在までどういうことをしたかという御質問については、現在まで行政的措置としては何らしなかつたとお答え申上げる外ございません。以上。
#24
○岡元義人君 今の引揚課長のお話は、若し外務省がそういうような考えで何ら考えておらなかつたという御回答では怪しからんと思います。というのは、これは十二月十四日附の指令が出ますまでに一般の内地におけるところの戰災者が、先程数字を述べましたように、いろいろ艦砲射撃でやられたり、或いは空襲によつてやられたりしたそういうものに対しては当然まだ支給されておらない。今の課長の責任ではないかも知れないけれども、外務省として当然この間に多少時間的にも余裕があつたにも拘わらず、翌年の四月までこの交付が続けられて來たわけですから、そういう際に何らの手も打たなかつたというのでありますれば、外務省は甚だ怪しからんと私は思うのです。その点はもうすでにできなかつたのだから何も言いませんが、併しながら私の申上げることを一つよく考えて頂きたいと思う。それで岡林課長も見えておりますので、序でに御回答願いたいのですが、今引揚課長が言われた問題と今後還つて來る、落着くに從いまして邦人の骨等も南方地区から還つて來ると思いますが、そういうものに対して特別未帰還者給與法との関係をどういう工合にお考えになるか、この点一つ御意見を承わつて置きたいと思います。
#25
○説明員(岡林諄吉君) 只今のお話にありましたサイパン、テニヤン等のお氣の毒な亡くなられた方々に対しまして、軍人或いは軍属として取扱うという件につきましては、実は私その当時の取扱についてはつきり承知いたしておりませんので、ここで確実なことを申上げるわけには参りません。いずれ調べまして主務者の方から聞きましてはつきりした御返事をしたいと思います。恐らく判断としましては、当然軍属と見るべき者に対しては軍属の取扱をしておると思います。ちよつと速記を止めて下さい。
#26
○委員長(紅露みつ君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#27
○委員長(紅露みつ君) 速記を入れて下さい。
#28
○説明員(岡林諄吉君) それから先般比島方面から帰りました御遺骨の取扱い、或いは今後太平洋地域というものも大分御遺骸が外人墓地に埋められておるようでございますが、いずれこれの引揚等の問題が起ると思いますが、この取扱いと勿論軍人軍属の関係は問題ありませんが、一般邦人の方の御遺骨をどういうような取扱いをするかということにつきましては、特別未帰還者給與法の対象は現在はソ連地域と限定せられておりますので、これはどうにも止むを得ないのでございますけれども、出來るなれば、その対象の限定をやや拡げて、そうしてこういう方も一緒に入れて、一般軍人軍属の現在御遺骨を官において連絡をしておるというような行き方に行き得れば結構ではないかと、これは私の個人の意見でございます。以上お答えいたします。
#29
○千田正君 私は岡林課長並に外務省の高野課長にお伺いいたしたいのですが、この二三日來朝日新聞の紙上において、通称吉村部隊がウランバートルの高原において行なつたところのリンチ事件というのがしばしば報道されて、世の心ある人達をして悲しませておりますが、この問題につきましては引揚援護局としても相当調査を進めておられるかどうか、あの「曉に祈る」という誠に悲惨な状況の下に異國において亡くなられた人達の中には、軍人軍属の外に一般邦人も混つておるというような記事が記載されておりまするが、この点において外務省としましては、一般邦人のどれだけの者がああしたリンチ事件において喪われておるかという点について、援護局と共同の調査を進められておるかどうかという点についてお伺いいたしたいと思います。
#30
○岡元義人君 今千田委員に答えられる前に、先ず御参考までに申上げますが、明後日の証人喚問の中にこれに関連した者がおるのであります。それだけ申上げておきます。
#31
○説明員(高野藤吉君) 今の千田委員の御質問にお答えいたします。現在までのところ具体的にどこどこでどういうリンチ事件で亡くなられたという具体的な調査は私の方はしておりません。先程申上げた通り、一般の推定からソヴイエトに抑留された軍人軍属及び一般邦人が何名、そのうち復員局の推定の死亡率が約何%とすれば、從つて一般邦人の損害は大体どれだけになるのである、結論として二千名ばかりの損害があるのではないか。これは勿論リンチ事件ということだけではなくて、それ以外の栄養失調及び傷害による死亡等を含めまして大体このくらいではないかと考えておる次第であります。現在の例の外蒙におけるテロ事件につきましては、具体的に取調べたこともございませんし、一般邦人は、大体軍人軍属関係を持つておりますので、具体的にどうしようという氣持は現在のところまだもつておりません。
#32
○千田正君 調査が行届かなかつたために十分なる報告が得られなかつたとしても、ああいう問題によつて世の中の人たちに誤解を生ぜせしめたり、或いはその実情が分らないためにいろいろな問題が起きて來るということは、誠に我々として遺憾だとう思のであります。殊にあの事件を見ておつた者、或いは事件の被害者であつたという人たちの話の中に、軍人軍属以外に一般邦人もあつたということがはつきりと証言されておるような状況から見て、どこのどういう人たちであつたか、或いはどういう立場におかれた人たちであつたかぐらいのことは、外務省としても一應ああいう問題が起きた以上、調べておく必要があつたのじやないか、こういう意味で私はお伺いしたいのでありまして、これからでも決して遅くはないのでありますから、そういう点において万遺漏のないような調査の方法を進めて頂きたい。何故かならば、この問題をめぐつて被害者から法律的な問題として起きて來るような情勢にあるのでありまするので、こういう点から十分に外務省としては打つべき手は打つた方が、今後いろいろな問題が起るに際しても、当然しておいてよろしいと思いますが、その点に対してあなた方の方で調査する意思があるかということを重ねてお伺いいたします。
#33
○細川嘉六君 今のお話ですが、これは非常に重要なことだと思うのであります。死亡者の数、その状態がどうということは先からの話になつておりますが、その死亡したことが如何なる状態であつたか、こういう場合に外務省の出先官吏なり、関係の軍人なりが、どういう措置をとつたか、これは調べなくちやならんことだと思うのであります。私等の今まで知つたところでは、相当居留民その他の人たちが移動するとか何かという場合に、責任者が責任を盡していなかつた、それがために非常にごたごたして犠牲が起きたということを聞いておるのであります。そういう死亡者の数とかその状態ということを調べる場合に、やはりそれに関連した人たちの責任ということを明らかにしなければならんと思うのであります。今ウランバートルの「曉に祈る」という事件を千田委員は取上げられたが、これもそういう場合の一つの例である。それから廣く他の地域においての死亡者ということについても、ウランバートルばかりではない。例えばソ連を入つて行つた軍隊、それは旧日本の軍隊における階級制度を持ち込んだ。それがために同邦相喰むというようなことで、これもやはり死んでおるというようなことが報道されておるのでありますから、法律的にどうだとかいうことが重要であるばかりではなしに、同時にどうして死んだか、そうしてその場合に責任の地位にあるものがどういうことをやつたか、その点をはつきりさせなければいけないと思うのであります。調査に当つてこの点の項目を一つ加えて、十分なる調査をして欲しいと思うのであります。幾ら死んだのか、どうして死んだのか、これをほつたらかしておいては日本の歴史の恥辱であると岡元委員は言われたが、それは日本の今日の政治をやる者の責任上是非やらなければならんことであるが、今申したように、死んだ人たちが如何なる状態で、その場合に如何なる責任者が如何なる適当な措置を取つたか取らないか、この点をはつきりさせなければならん、調査しなければならんということを私は主張するのでありますが、引揚課長の御意見はどうかお伺いしたいのであります。
#34
○説明員(高野藤吉君) 先ず第一に、初めの千田委員の御質問についてお答え申上げます。現在のところにおきましては、外務省といたしまして、外蒙の事件について、御期待に副うようにいたしたいと思いますが、具体的にどういうことができるか、どういうふうにしたらいいかということは、外務省だけの問題ではなく、又いろいろ関係もあると思いますが、研究さして頂いて、御期待に副いたいと思います。
 次に細川委員の御質問につきまして、いろいろ死亡された方があるのも、結局現地における責任官の具体的なやり方乃至その当時の態度を調査するのが前提といいますか、それを同時にしなければいかんという御質問の御趣旨と承わつたのでありますが、御説の通り、在外同胞の保護は外務省の責任でございます。戰爭中といい戰後といい、勿論そうでございますが、今回の場合におきましては、地区によつていろいろ事情が違うところもございますが、多くの場合において、終戰後日本政府の主権といいますか、権力が及ばずといいますか、認められないで單なる一般個人として存在するに過ぎなかつたので、領事館なり乃至は大使館としても行動が束縛されて、居留民の保護につきましては思うように行かなかつた場所もあるように聞いております。今回の終戰において一番の難点は無條件降伏ということで、場所によつて日本政府の主権行爲なり行政行爲が全然認められなかつたということが、大きな原因でなかつたかと思うのであります。御質問の御趣旨にちよつとはずれるかと思いますが、以上を以てお答えといたします。
#35
○穗積眞六郎君 先程高野課長の御意見は、今外務省でやつておる調査を進めて行けば、死亡者その他の者なども分るような御説明だつたように思いますが、今の調査は、結局何人帰つておるか、何人残つておるかということが主題じやないかと思うのです。向うにおいてどういう状態にあつたか、向うにおいてどれだけ死んだかというふうなことは、余り主題にはなつていないような氣がいたします。そういたしますと向うでは随分いろいろな事件もあり、又非常な流行病もありまして、そうしてそのために何百人という人、何千人という人が僅かな時日にどんどん死んでおります。そうすると一家族全滅というようなものは幾らでもあると思います。そういうのが今の御調査で分るのでございましようか。私は根本的に、さつき岡元委員の言われたように、今の御調査とそれから我々が申上げておる調査とは変つたものである、スケールも余程大きくしてやつて頂かないと結果が挙らんではないかということを感じるのであります。如何でありましようか。
#36
○説明員(高野藤吉君) お答え申上げます。理論的に申しますれば、お説の通りでございますが、ただ外地における現在行なつておる私共の調査は、單に何人引揚げて何人残つておるかということでございますが、それに牽連して当然行方不明者も死亡者もその範囲に入つて参りますので、理論的に申しますれば、別個の問題でございますが、この枠を少し拡げましてやれば全部カバーできる、又そうして方が調査も又行政的な処理上も、予算の請求上もより簡單で、且つスムースに行くのではないかと便宜論からお話申上げたので、理論的には別個のものであるかも分りませんが、便宜上そうした方がいいじやないかと私考えておる次第であります。
#37
○穗積眞六郎君 いろいろそこにはお考もありましようが、私は今理論的にはそうだろうとおつしやいましたが、実際的にそれでは実体が掴めないのじやないか、もう少しその点を御工夫頂く必要があるのじやないかということを申上げたのでございます。結局がこちらだけを調べていたんでは実体が掴めませんよ、こういうことを申上げたのであります。
#38
○岡元義人君 御回答頂く前にちよつと……、課長少し我が強いと思うのですが、これは今やつておられるような向うからの調査で出て來るものじやないのです。ですからこちらから積極的に出て行かなければ取れないのです。こういうことは非常に大事になつて当然外務省は責任を追及されることは明らかなんです。というのはむしろ中國なんか日本の方よりもつとまじめにこの問題を考えておる。例えば天津地区から引揚げて参りまするときの塘沽なら塘沽の收容所、あの一角を日本人のために提供して墓地にしております。あの墓地に埋まつておりますところの骨だけでも恐らく数千ある筈です。卒塔婆が建つておりますが、そういうのは当然今後講和條約でも締結されました場合には何らかの処置をしなければならない。あそこにいつまでも日本人の骨を埋めておるということは、日本人の親たちは承知しますか。常識で考えても分ります。だからこれは非常に大事なことなんです。今までの引揚者がどれだけ残つておるかという引揚促進の問題とは自から別個であるということを課長はこの際認識して頂きたいと思います。だから当然外務省が別個の予算を計上して、別個の方法を以て而も周到にこの資料の募集に当らなければならん、それは外務省の行政措置として当然やらなければならん義務であるということをば我々は申上げるのであります。
#39
○説明員(高野藤吉君) 大分違つた言葉でいろいろ攻撃されてなかなか問題の本質が掴み難くなりましたが、結局内地だけの現在の資料では幾らやつてもいかんで外國政府なりの資料を提供するという方法論の問題で……。
#40
○岡元義人君 そうじやありません。ちよつと補足しましよう。私が言つたのは、中國当りでさえそれぐらいに將來のことを考えてやつて呉れておるんだ、実際に……、そこで課長にお伺いしますが、この今委員会で立法処置をいたしまして、その該当者に給與を拂う、行政措置を実際に行なおうという段になりましたときには、どういう根拠を通じて行政措置をやりますか、その方が私は分り易いと思います。だから余程しつかりした資料、今の引揚促進の幾ら残つておるかというような資料を募集するのじやなくて、今度給付を行う、そういうような場合のことを考えられた上で、この資料の募集をどういう工合にしたらいいかということをお考えになつた方が、私早く分るんじやないかと思います。
#41
○説明員(高野藤吉君) そういう立法が行われた場合に、その法律を実行する基礎資料でございますが、現在引揚調査で或る程度調査究明を行なつております。併し予算を別個にして、別のアイデアでやつてもよろしいのでございますが、結論としては現在やつておるのと同じようなことで、最後まで究明しても現在の日本で得られる情報では最後の一人までという御期待に副える資料は極めた困難ではないか、現在やつておる調査の別を少し拡げればよいのでございまして、別個の又追加予算をすればよろしいので、これを別個の追加ということを私頑張るわけではありませんが、根本といたしまして、現在の方法で少し枠を拡げて究明して行けば御趣旨に副えるのではないか、予算を別にするとかいうことを私は別に反対するのではなく、ただ予算の請求の戰術上のことを申上げただけでございまして、別にその点に執着するわけではございません。御趣旨は現在の方法で或る程度行けるのじやないかと結論的にお答え申上げる次第であります。
#42
○岡元義人君 この問題は、今日はかねての引揚課長に似合わずすつきりしていないような氣がするのですが、もう一遍懇談会の機会を見出しましてお話をすることにして、ただ最後に、これで打切りますが、引揚課長さんに簡單に御回答願つて置きたいと思つておることがあります。それは引揚課長等に御質問申上げることじやなくて、むしろ総理大臣に直接御質問申上げたいと思つておるのですが、その担当業務に当つておられる引揚課長も無関心たり得ないことですから、この際確かめながら御質問したいと思います。実はいよいよソ連地区の引揚の再開も目睫に迫つて参りましたので、この点國民ひとしく愁眉を開いておるのでありますが、併しながら問題はやはり中共地区に残るわけであります。從來全國的に中共地区には何らの手がかりもないというふうに喧傳されておりましたのが、この委員会におきましてもしばしば証人の喚問その他資料の蒐集に努めた結果、相当の根拠あるいわゆる筋道が多少ついて來たという段階にある、かように解釈しておるのであります。ところが中國側と中共側との協定も結ばれんとしております大事な時期、又國民の中共地区に対する非常な今までの関心、それから藁でも掴みたいというような実に涙の出るような努力が続けられて來たのでありますが、そういうような情勢下にあつて、外務省がこの中共地区の問題に対してどういうような処置を取つたか、例えば引揚対策審議会等におきましても、いろいろ決議等がなされるように聞いておりますが、私が対外関係との折衝の中から得られました情報では、外務省は何らの手つ打つていない。これは事実であります。若し私の言つたことが間違いでありますならば、何月何日誰々とどういうような交渉をしたということを引揚課長さんおつしやつて頂いて結構であります。当委員会でもこの責任を外務大臣として総務大臣に追及するという決意でおるのでありますが、大体近藤政務次官は紅一点で結構でありますけれども、お飾りでは困る。何と言つても日本の経済自立という大きな仕事と切り離しまして、終戰四年目を迎えて我々の同胞を日本に返すということは政府当局にとつても大きな仕事でなければならんと思うのであります。にも拘わらず、第三、第四國会は総理大臣もお忙しかつたから遠慮しておつたのでありますが、第五國会においては当然総理大臣が直接この問題に外務大臣としての折衝がなされなければならん。而も時期は緊急を要する。そういう事態に直面しておるのですが、引揚課長しどういうようなふうにお考えになつておりますか、又どういうようなふうにあなた方が処置して來られたか、簡單でいいですから……。これは本会議で緊急質問の形、或いは施政演説の後で、そのうちに含めまして質問をするようになつておるのであります。併しながらこの機会に簡單に伺つて置きたいと思います。
#43
○説明員(高野藤吉君) 私事務当局といたしまして中央地区の引揚問題について存じておる範囲及び同じく事務当局といたしまして、本件につきまする今後の見透しを簡單に御説明いたします。私共といたしましても、中共地区の引提につきましては前々より努力いたしておりまして、関係方面にも機会あるごとに持ち出しておるのでございますが、本件は御承知の通り現在外務省といたしましては、終戰以後直接外國政府と交渉できない、司令部を通じて中國政府に申出をする。而も中共地区は現在までのところ中國政府に申出ても実際のところ連絡がないという段階にありますので、なかなかはかばかしく行かないという隔靴掻痒どころかそれ以上の状態にあるのでございまして、正式のルートで行きますれば、現在の國共和平ができて、正式に司令部より新らしい中國政府と申しますか、國共和平後に或る程度進捗するのではないかと事務的には考えております。併しその前にも関係当局にお願いしてできるだけのことはいたしたいといろいろ考えておる次第でございます。それから今まで外務省は本件について何もしておらなかつたということをお聞きになつたそうでございますが、それはやつたけれども何も結果が出なかつたということじやなかつたかと思うので、現在具体的に何月何日誰とどういうふうに話したという資料を持つて來ておりませんが、あらゆる方法で関係にはお願いしてございますので、調べましてお手許に差上げても結構でございます。全然何もやつておらなかつたということは、これは全然嘘でございます。現在私から答弁できることはこれだけでございます。
#44
○岡元義人君 もうこれで打切つて頂いてよろしいのでありますが、私が申上げたのは、從來何年かの間にはあつたわけです。併しながら中共地区からの資料によれば昨年からすでに三百五十一名帰り、先程梁瀬美智子の話によると現在五十二名生きております。そうして中共の状態も相当把握されたというそういう事態後において、殊に外務大臣といていわゆる関係方面にこの問題を、四年も解決つかない重大な事件として外務大臣が直接乗込んで行つて交渉して、或いは財務事官が交渉して、その結果を見ないということを言つたので、だからその点は若い私の言つたことが多少足らなかつたかも知れませんが、当然大臣が、吉田総理という人は日本の國民が総理大臣に指名するのは、あの人がなつて呉れればこの問題も解決するだろう、こういう含みがあることは誰でも分ることなんです。あなた方が幾ら行つても何にもならん、大臣が行かなければ駄目なんです。四年もかかつておるのですから……。
#45
○細川嘉六君 引揚課長は総理大臣の言わんならんことを言われたりして非常に困るでしようが、私の言うのは簡單なんです。この調査をなすに当つて人数だけを調べ、死亡者の人数だけでは、これだけに止まつてはいけないと思います。その状態がどうであつたかというそれだけに止まつてはいかんと思います。この問題はやがて大きな問題になろうと思うが、終戰後いろいろに移動したその場合に責任者は何をやつたかということを、死亡者を調べと共にこれはできることである。簡單なことであると思うんです。責任を果すとか果さん、どういう処置を誤つておるか、それを調べることはできると思う。この調べは一つは我が國の國民の生死にとつてお互いに責任者は何をやつたかやらなかつたか知る必要がある。又外國で人が死んだという場合はややもすると、他国に責任のないことを責任があるかのごとくにする。國際上に面白からんことをやる根拠にもなつておる。それでありまするから、これは小さいことであるけれども、死亡者の数を調べる場合にこの点を是非調べて欲しい。私は外務大臣や総理大臣にああしろ、こうしろということをあなたに言いませんが、調査をなさることは必要だと思います。どうかこの点を引揚資料を調査なさる場合に加えて欲しいという私の希望なのです。終戰後無條件降伏であつたからどうじやこうじやと言つても駄目です。それで話は片付きません。それはこちらに何も無條件降伏だから権利も何もない。併し今日になつて見て、今後の問題を処理するに当つて、こういう調査をして置くことが必要である、大事である。その点のあなたのお考えはどうであるか、お答えを得たいのであります。
#46
○説明員(高野藤吉君) 私は簡單に一分だけお答えいたします。今の御趣旨は私も各地区によつて、又事情によつていろいろ違つておるので具体的なことは分らないと思いましたので、普通の場合と違つて無條件降伏でありましたから、一般の場合のように日本政府の責任の部面が果せなかつた場合が多いのではないかと概括的にお答え申上げたので、御趣旨は了承いたしたと思うのであります。
 次に岡元委員のお話に対して、最近財務次官はあちらの関係当局者に会つて本件についてお話しておられます。又外務大臣乃至総理が本件についてどういう話をしておられるか、そういうことは私遺憾ながら存じておりませんで、これはイエスともノーとも申上げられません。以上簡單でありますが申上げます。
#47
○委員長(紅露みつ君) 本問題については相当御意見もあろうと申しますが、労働者の方は午後からその筋へ行かれますそうでお急ぎになつておるのでございますが、なかなか御意見が出ておりましたので、機会を逸して申上げられませんのですが、どうでございましようか。
#48
○岡元義人君 簡單ですから……。
#49
○委員長(紅露みつ君) それでは時間が長くなりますが、只今の問題はこれで一應打切りまして、第二の引揚者及び復員者失業対策に関する件を議題にいたしたいと存じます。
#50
○岡元義人君 要点を御質問いたしますが、四年経ちまして、いわゆる引揚が又再開される。今後帰つて來る人たちの就職問題と、從來のすでに職業に就いた者が或いは行政整理の方法によつて新らして失職した者、年齢、そういうような点から若しも労働省においていわゆる行政整理の方法が方針として決められるというようなことでもなりまするならば、ここに引揚者等のいわゆる就業問題というようなものは大きな問題として取上げざるを得ない状態になつてくると思うのであります。で行政整理と引揚者との就職に対してどのような考え方を持つておるか、この点を伺つて置きたいのでありますが……。
#51
○説明員(百田正弘君) 一言申上げます。本年度引揚が再開されることになつたわけでございますが、この人たちの失業対策、就業対策につきましては、特に本年度は今もお話がありましたように行政整理、又は企業整備というような問題が進行して参りますと、一般的に非常に雇傭情勢が悪化する、非常に就業が困難になるというような時期にお帰りになるということにつきましては、我々も実は非常にこの点につきまして、その対策に腐心いたしておるのでございますが、この点につきましては大体二つのことが考えられる。第一には即ち一般的な、今度新らして行政整理或いは企業整備が強行せられまするといたしますれば、出るであろうところの多くの失業者並びに引揚者を含めましての一般的な失業対策の問題でございます。これは去る三月四日に閣議でその方針の大綱が決定せられましたので、我々は予算措置と相俟ちまして、その線に副つて一般的な失業対策は実施して参るということになろうかと思います。特に引揚者の特別の対策といたしまして、これは非常に困難な問題がいろいろございますまれども、特別に措置できると考えられます事項は公共職業安定所の窓口を通じまして、極力就職を斡旋する。それには從來ややもすればその点について非常な御不満な、御期待に副わない点があるかと思いますが、そりについて我々は差当りとるべき措置といたしましては、この引揚が再開せられる前にすでにもうしておるのでございますが、舞鶴港の現地におきまする從來も実施しておつたと思いますが、職業相談等を実施しましてはそれと内地の雇傭情勢等も十分お話するということで、現地機関と現地の府縣安定所とも打合せになつて、それと同時に現地ではなかなかゆつくりした相談もできにくいという問題もございましようから、一應各府縣に落着かれましたならば、そこで府縣の安定所が中心になつて團体等と連絡をとりまして、集團的な職業相談を実施して、現在の安定所の窓口で就職の斡旋できるものは極力やつて行きたい。それと同時にそれでどうしても困難だという人々につきましては、一般的な失業対策の線に副つて考えて行かなければならない、こういうふうに大体考えております。
#52
○委員長(紅露みつ君) 先刻お名前だけ申上げたと思いますので、もう一遍申上げますが、失業保險課から遠藤事務官がお見えになつております。先程お名前だけだつたと思いますので……。
#53
○千田正君 從來の労働省の失業対策というものは、顯業者が失業した場合に対する対策以外に何もなかつたように我々は考えておるのであります。現在日本の失業状態を見るというと、やはり潜在失業者と申しますものの大部分は引揚者であり、復員軍人である。この数を果して労働省は明確に把握しておるかどうか、而してこれに対して如何なる施策をやるか、今後又復員軍人が帰つて來る、引揚者が帰つて來る、それに対しては只今のお答えにおいて大体了承いたしましたが、現在までの潜在失業者の数をどれだけに捉えておるかということをお伺いしたいと思います。
#54
○説明員(百田正弘君) 只今の御質問でありますが、失業者が現実にどのくらいあるかという問題はこれは実際問題としていろいろ推定の方法もありますが、本当に確実に握るというのには結局國勢調査以外にはない。一昨年の國勢調査に現われた数によりますと、いわゆる完全失業者と申しますのは六十七万と極めて僅かな数字しか出ておりません。それでこれは調査のときのいろいろななんもあつたかと思いますが、要するに我々として完全失業者と握れる数字はこれ以外には何ともそれ以外の反証を持つわけには参らないわけであります。今お話のありましたいわゆる潜在失業者、これは一應就業しておりますが、非常に不満足、不完全な就業をしておる、或いは調査のときも亦担ぎ屋をしておつて、失業と書くのは工合が悪いので商業とか何とか書く場合もありますが、要するにそうしたこの前の國勢調査のときに、一日以上乃至六日以内つまり一月の内それだけしか働かないというような数が約四百万近くあるという数字が出ております。それでそれからもう一年半以上経つておりますので、情勢は相当変つておるだろうと思いますが、又最近の方方の企業整備その他が行われ出したために、この数字は相当の変動を來たしておるだろうと思いますが、大体今まで我々が根拠といたす数字としては基礎として一昨年の國勢調査の数、これ以外には今のところ……。
#55
○千田正君 今の完全失業者六十万、それから潜在失業者の四百万、それであなた方の方は四百六十万という数字でありますか。
#56
○説明員(百田正弘君) 一昨年の不完全……。
#57
○千田正君 一昨年の國勢調査……これに対しては從來は地方の安定所その他を通じてできるだけの方法を講じておつたわけでありましようが、それに対して、大体一昨年以來今までのそうした機関を通じて就職せしめた数字はどのくらいありますか。
#58
○説明員(百田正弘君) 今のお話は引揚者と復員者のなんでありますか。
#59
○千田正君 そうです。
#60
○説明員(百田正弘君) 一番多かつた昭和二十一年において、大体一般の引揚者並びに復員者も含めて安定所の窓口に現れた求人者が約六十一万でございます。それで安定所の手によつて就職されたという方が三十一万人、御参考までにその年の一年間を通じて安定所に現れた新らしい求職者の数が二十一年度は二百二十万となつておりますので、約三分の一足らずと、こういう数字が出ておる。その当時は復員者、引揚者と非常に多かつた。それと就職者はその年に約百三十八万となつておりますので、約四分の一くらいの復員者、引揚者の数になつております。昭和二十二年度においては、数が非常に減つて、いろいろな原因もあろうかと思いますが、復員者、引揚者合計求職者は三十一万それから就職者は約十七万人、その年の一般の安定所に現れました求職者の全部は、一年間に百八十万ですから六分の一、就職者は百五万人ですから大体六分の一、それで就職した率は一般の求職者と殆んど変らない数字です。二十三年度につきましては統計の取り方が変りまして、給源別に取るということが無くなりましたために、はつきりした数字はその後ございませんですが、最近は或いは東京都内の安定所等の状況を見ますと、非常に窓口の現れ方が減つて來た。こういう状況になつているのであります。
#61
○細川嘉六君 課長さんにお聞きしますが、古い統計のことはさつきお聞きしましたが、現在労働省で失業者は幾ら、顯在失業者は幾ら、潜在失業者は幾ら、見当がつくだろうと思うのですが、國勢調査をやらなくても、あなた方の仕事の関係から総体的な價値のある資料であつても、それを集めて見れば大体のことは言えるのでありましよう。それからその顯在及び潜在失業者のうち外國、外地から引揚げて來たとか、復員して來たものは幾ら、大体の推計される数字が出ないのですが、あるならお聞きしたいのですが。
#62
○説明員(百田正弘君) 今御質問ございましたが、その関係の統計の方の関係は実は失業対策課長、資料調査課長あたりでやつておりますので、私の方からちよつと責任のある答弁は申上げかねます。
#63
○岡元義人君 私は先程質問いたしました趣旨の御回答にまだ接しないと思います。それは今度三月三日ですか、閣議の内容は私たちはよく分らないのですが、行政整理をなされるのに対して、これは勿論日本側の方のお話じやないのですけれども、その方法として新らしく就職した者、或いは若い者らから、いわゆる順位を以て整理して行く。若しそういうようなことになりますと、引揚者は終戰になつてから就職した者ばかりですし、そういう人が又首にならなければならないということになるのですが、よもやそういうような政策は日本の現状においてはおとりにならないだろうと考えるのですが、その点一つ伺つて置きたいのです。もう一つは、特別ないわゆる四年も経つて帰つて來るという、こういう今までの人たちよりはもつと氣の毒な状況にある。こういう人たちに対して特別に何か考慮しなければならんという、この心組みがあるのかどうか、この点。
 もう一つは、今までの失業対策を見ておりますと、今度は失業保險でも適用さして頂くということになれば、多少なりともそこに余裕がありますけれども、併しながらこの予算的措置の上においても大事な國家の予算財源を使つて、横の連絡が十分に密にとれますならば、最も理想的に就職問題の解決のつく部面も相当あると思うのです。例えば住宅の問題にいたしましても、開拓の問題にいたしましても、そういうような纏つたいわゆる横の連絡ができることは事実であります。で労働省あたりが相当数、必ず帰つて來るこれに対しては、どこどこの開拓事業なり、或いは何々の工事なり、そういうようなものを一つの失業対策として、枠としてとる。そういうような計画性を持つたいわゆる失業対策をやるというようなお考えをお持ちかどうか。この三つの点についてお回答を願いたい。
#64
○説明員(百田正弘君) 第一の問題でございますが、行政整理をどういうふうな順序でやるか。これは実は私たちも整理される対象の一人と申しますが、公務員の一人でございまして聞きたいところでございます。これはむしろ労働省で云々申しますよりも、行政整理実施本部でございますか、その方の責任の方からの御答弁を得たいと思います。私たちはむしろ何も申上げることはありません。
 第二に、引揚者の職業紹介の問題について、特別な心組みの問題がございましたが、職業紹介の実際に当りまして、一番我々が現在引揚者の紹介につきまして非常に苦労いたしておりますことは、第一に、これは求人者側から言つても、求職者たる引揚者側から言つてもそうでございますが、一番大きな支障になつておりますのは、これは他にもいろいろあると思いますが、住宅の問題が非常に支障になつております。折角いい就職口が見付かつた、併しながら住宅がないので動けない。又本人は何とかとて動こうといたしましても、まだ住宅を決まつていない、不安定だということで求人者側からの何と申しますか、利頼感が薄いというようなことで不調になるというようなことがございますので、非常にその点は我我も苦労いたしております。特に住込みの希望をされる方が多い、ところが住込みは非常に困難だという点でなかなか結び付きにくい点でございます。それから又安定所を利用なさいますにつれて、從來のやはり職業紹介所、或いは動員署時代の考え方がまだ相当強く我々の頭に残つておりますために、まだ安定所のお世話になるまでは落ちぶれておらん、という氣持ち多少あるかも知れません。又内地の一般の引揚者の方のにいたしますと、内地にお帰りになつて生活が非常に激変されるというようなことのために、それから又全然無一物でお帰りなるというようなことのために、何とかしてとにかく独立の生計をやつて行けるようなものでなければということで、なかなかそこのところで折合わない。併しながら一方においてこういう情勢し、益々悪化して行くという状況でございまして、この点も私たちいつも引揚者の團体の方に申上げておるのでございますが、そういうふうな事情でなかなか結び付きにくいという点があるのでございます。もう一つ、これは安定所側から申上げますと、最近は非常に求職者が多く、それで甚だしいところは一人の窓口が一日七十人、八十人を扱わなければならん。そうすると、そういうことで成るたけ早く行つて、いい仕事を見付けようとしておられるために、朝早くから引揚者の方々も同じようにその列の中に入つておる、自分の番になつて來ると、時間はちよつとしか與えられない。而もそれで果して本当に自分らの一生を託する仕事に就けるかどうか、これは特に御不満も相当多い。安定所側としても大勢の者を扱いますために、常に戒めておりますものの、ややもすればそこに冷たいというような感じを抱かせる向きもある。そういう点がございましたために、特に今度お帰りになつた人たちのためには、帰られた所で集團的に特別の機会を作つて、職業の相談をしよう、できるところなら安定所が一定の時間を割当てて、そういう人たちの御相談並びに斡旋に應じようというような氣持で今各縣に指示しておるところでございます。
 それから最後の横の連絡を取つて、機動的に失業対策の運営をしたらどうか、この点は実は私共も全然同感でございまして、本当の失業対策、特にどの地方でどのくらい出るか、これは本当を言うと、出たときでなければ分らん、或る程度我々も手に握つて置きまして、そうして機動的にそうしたことができるというふうにするのが非常に望ましいことであります。ただこの点につきましては予算の執行、その前提となる予算措置、これが問題になろうかと存じますので、趣旨につきましては我々もそういうようにさして頂くことであれば、非常にもう少し円滑に行くのではないか、こういうように考えております。
#65
○岡元義人君 休憩の動議を出します。
#66
○委員長(紅露みつ君) それでは休憩前にちよつとお諮りいたしたいことがあります。かねて本委員会の理事として御活躍願つておりました浅岡理事でございますが、御承知の通り今回政勢次官に御就任になりました関係で、本日辞任の届けが出ております。許可してよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(紅露みつ君) それではこの辞任届を許可することにいたしますが、それにつきまして補選をして頂かなければならないのでございますが本日は自由党のどなたもお出でになつていないそうでございますので、今日当てにならないかも知れませんので、委員長からお願いいたしまして、あちらで推薦をして頂くというような形式を取つてよろしうございましようか。それとも皆さん御出席のときまでお待ちすることにいたしましようか。
#68
○千田正君 委員長に一任したいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(紅露みつ君) それでは成るべく早い機会に交渉いたしまして、自由党から推薦して頂くことにいたします。それでは大変時間が遅くなりましたから一時半まで休憩いたします。
   午後零時三十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十一分開会
#70
○委員長(紅露みつ君) 午前中に引続いて委員会を再開いたします。商工省の岩武課長さんに午前中からお待ちを頂きましたが、それでは第三の、紡繊業引揚者枠割当に関する件を議題にいたします。
#71
○説明員(岩武照彦君) 前回の委員会におきまして御要求がありまして、引揚者の繊機の許可並びにその扱いの方針等につきましてお答えをいたしたいと思います。最初の御要求は、昭和二十二年商工省令五十五号の、繊維設備実態調査において、調査委員中に引揚者を入れなかつた理由如何ということでございました。これは御承知のように、当時商工省令を以ちまして繊維機械、なかんずく織機等の実態調査をいたしたわけであります。この調査の対象は、当時ありました臨時建築等制限令の附則で、一定設備以上のものを届けて頂きまして、それについて実際あるかどうかという調査だつたわけであります。その当時は人間の関係及び予算の関係等がありまして、我々商工省等至地方の商工局の職員が、全部出向くというわけに行きませんものでありましたから、便宜上当時ありました同業者團体等の人を利用したわけでございます。從つてその調査員の中には、引揚者の方々が入つておられなかつたかと思いますが、ただ調査いたしました対象は、その附則によりまして、届出があつた設備をやつたわけであります。引揚者の方々が実際に調査の委員になつておられようがおられまいが、実際的な問題といたしましては、公平に処理いたしたわけでございますので、差異はないかと思つております。尚この省令による報告が出なかつたもの等も大分あつたようでございますので、その後期限を限りまして、約一年間延長しまして、昨年の三月末までに申告であつたものにつきましては、第二回の復元のときに計画におきまして、それを第一次の調査洩れということで、実際あるかどうかを確認しまして、登録織として認めておるわけであります。
 それから第二の御質問は、明年度の綿スフ織機の復元計画と、その場合における引揚者に対する許可方針如何というお話であつたと思います。明年度におきましては、実は綿スフ織機については復元計画を持つておらないわけでございます。と申しますのは、前回申上げましたように、綿スフ織機は根本になります紡績の設備或いは原料の輸入の状況等につきまして、相当設備が過剰になつておりまして、かたがた司令部等からも、企業整備をして積極的に業者の数を減したらどうかというようなこともあるようでございますので、新規設備を復元するという計画は立てておらないわけであります。ただいろいろの資料等で、或いは復元計画という数字に載つておるようなものもあるかと思いますが、これはむしろ昨年におきます、或いは今年度におきまする復元計画実施上等におきまして、我々の方は資材が足りませんものですから、資材を付けないので復元許可をしたというようなことがあるわけであります。そういうふうな、すでに許可したものの資材だけを二十四年度において若干穴埋めしよう、つまり機械業者の手持の資材を融通して、織機を作つたものに対して、後から埋めてやろうというような資材を若干見ておりまして、これを復元計画と仮りの名前で呼んでおりますが、これは新らしい許可ではなくて、すでに許可したものの資材の裏付ということで、復元許可という字を使つて復元計画に織込んでおるわけであります。
 それから第三点にありました漁網の方の、蛙又網、又は本目網の漁網の織機の復元の計画があるかどうかというお話でありましたが、これも同樣の理由を以ちまして、明年度におきましては漁網の新設の計画を持つておりません。これは織機と同じ理由でありますが、尚漁網特有の事情として申上げますれば或いは御承知と思いますが、昨年以前におきまして相当農林省方面の御希望がありまして、相当の数量を新設許可をして参つたのであります。ところが実際におきまして相当簡單な機械でありますから、工事は進捗しておりますが、そうして又漁網の原料の綿糸の配給も相当いたしておりますが、どうも漁村方面の水揚高が少ない関係等もありまして、なかなか漁網引取り、或いは代金の支拂いも遅いというようなことで、漁網製造業者の方が、比較的積極的でない問題もありますのと、今一つはそういう関係で折角配給しました綿糸につきましても、或いは横流しがあるというふうな、忌わしい噂を耳にいたしておりますので、これはむしろ新らしい設備を殖やすというよりも、從來からある設備を十分に稼働さした方がいいんじやないかというふうな心組みにいたしまして、二十四年度におきましては、漁網については新設、復元の計画は持つておらないわけであります。
 尚御参考までに申上げますが、綿スフ織機の稼働率で、我々の分つております範囲は、新らしい例としまして、今年二月の例でありますが、それによりますと綿スフ織機は約十七万臺あります中で、年間におきまして、稼働しました織機の数は僅かに十万臺であります。つまり六割前後というふうな操業率であるわけであります。漁網の方はもつと高いかと思いますが、そういうふうな関係でありますので、一應綿製品に関します設備の復元、或いは増加といつたものは打切りたいという考でございます。
 それから第四点としまして、二十三年度の第二次の綿スフ織機の復元の中に、海外引揚者の枠を二百三十台と定めた理由は如何ということでありましたが、そうして尚これにつきまして細かい台数等の御質問があつたわけであります。これは調べましたところ、経緯は次のようになつておるわけであります。これは復元計画書を昨年の三月末日までに希望者から提出して頂いたわけであります。当時の引揚の方々の希望された台数が丁度二百三十台であつたわけであります。尤も引揚と申しましても、我々の考えておりますのは、やはり或る程度技術、経驗等を所有されておる方の新設というふうに考えたわけであります。今まで一回も織紡等の業をやつておらなかつた方が新らしくするというのであつたかもしれませんが、海外においてそういうような事業を営まれた方で、内地において新らしく織布業を営まれるという御希望のあつた者が、南洋紡績という会社と、それから木原繁という方でありますが、合計二百三十台、一應枠を二百三十台と決めまして当時復元計画の台数から優先的に枠をとつたのでありますが、その後若干の申請がございまして、中嶋という方及び村上喜平という方の申請がございましたので、そういうような台数に應じまして、二百三十台の枠の中で、以上四件に対しまして同じ比率で割当したわけであります。御参考までに申上げますと、南洋紡績に対しましては四十四インチの織機二十四台、木原繁という方に対してはタオル織機百二十三台、廣幅の綿織機四十一台、中嶋という方に対しては四十四インチの織機三十四台、村上喜平という方に対しては、同じく四十四インチの織機八台ということになつております。その後又こういうような引揚の方々の申請があつたわけでありますので、当時一應復元の枠は決めております。司令部等と折衝いたしまして、その後の増加は困るということでありましたが、止むを得ないという状況もありましたものですから、更に八十七台追加いたしまして希望の方々の事業再開を許可したわけであります。御参考までに申上げますと、中林好雄という人に対して四十四インチの織機十台、兵庫縣の中尾という人に四十四インチの織機七台、嚴原喜久一という人に四十四インチを二十台、東絹紡織、これに五十臺ということになつております。これにつきましては、資材の方も優先的に割当をいたしますし、又資金等につきましても復金の融資だとか、同じく復金でありますが、代理貸等の措置を講じてやつて來たわけであります。併しこれはいつまでもだらだらとするわけに行きませんので、一應復元の枠も決まつておりますので、六月以降のものについては一應打切つているわけであります。從つて或いは六月以降において御希望の方があつてそういうような方々が洩れているというふうな事情も若干あるのじやないかというふうに考えております。それから最後の点としまして、絹人絹織機の復元について引揚者が洩れておつたかどうかという点であります。絹人絹織機の方におきましては、綿スフと若干事情が違いまして、これは特に引揚者の方々の御希望という面も、綿スフ程多くなかつたようでありまして、当時一万台の復元計画に対しまして、一般的な基準に合います範囲でどしどしやつて來たわけであります。從つて特に綿スフの場合のように、先ず引揚者の枠をとつて後からということはやらなかつたのでありますが、結果的に見ますると大体引揚者の方々も一應入つているようであります。一二或いは洩れたのがあつたかもしれないという程度でございまして、これは綿スフより御希望が少かつたやに聞いております。海外におきましては比較的絹織機等は原料の関係上、営まれた方が少いという事情もありましようから、綿スフのように現地でそういうような仕事を覚えて來たという事情が比較的なかつたのじやないかと考えております。尚絹人絹織機につきましては、今年度も更に若干数の復元計画を持つております。これは資材等の関係もございますので、はつきりした数字を掴んでおりませんが、概ね一万台前後の復元計画を持つておりますが、これにつきましても一般の希望者と同じような基準におきまして、引揚者の方々の御希望に副いたいと考えております。
#72
○岡元義人君 それは二十四年度ですか。
#73
○説明員(岩武照彦君) 二十四年度でございます。ただ申上げて置きますが、絹人絹機織の方は御存じと思いますけれども、輸出向きの廣幅織機でありまして、織上りの幅四十五インチ以上の織機で一單位としまして、輸出適格工場になりますから、或程度の單位がありませんと、輸出の引合等に應じられません関係上、大体織機の使用量によつて違いますが、二十台乃至三十台以上、一工場に使用するというような組織として考えておりまして、一台二台でありますと、なかなか輸出の注文を受けることがむつかしいというふうに考えております。以上でこの問題のお答えといたしたいと思います。
#74
○委員長(紅露みつ君) その前にちよつと申上げたいと思います。繊政課長は三時までという御時間だそうであります。その後お差支えでございますか。
#75
○説明員(岩武照彦君) 少しぐらいなら宜しうございます。
#76
○委員長(紅露みつ君) それでは適時その方は……。
#77
○岡元義人君 五十五号の趣旨は御説明で分りましたけれども、併し商工省で海外におつた者が相当な実績を持つておるということは十分御承知の筈であります。そこで引揚者等のこういう方面えの進出、或いは復職、そういう点を考慮して十分な対策が盛られた意味でやられたかどうかということになりますと、今の御回答では不満であります。尚引揚者の綿スフの枠に対しましても、最初二百三十台で後から八十七台追加して合計三百十七台になつております。これは言つて來ただけ基準にして、この枠を定めた、こういうような御説明なんでありますが、一体商工省が我々この委員会におきましても、引揚者問題というものを重要視して、國会が特別委員会を設置して、そうして引揚及び厚生対策その他に対する問題を取扱つておるのですが、行政処置の中からいわゆるこういう帰つて來た人達をば、どういう工合に日本の枠の中に篏め込めて行くかということが当然その筋々で考えなければならん問題だと思うのです。それを單に一般的にそういうものを言うて來たから、これだけのものを取上げるというのじやなくて、枠を定めるならば、二百三十台の申込みがあつたならば、本年度一ぱいならばどれだけの申込みが出て來る。又外地においてどれだけの経驗者がおつた、それがこういう工合に帰つて來たのだから当然こういう人達に対しまして、その道に何%かは復職して行かなければならないので、そういう点を御考慮の上で処置あつて然るべきだと思います。私は過ぎたことを申上げません。商工省から出ておりますところの通牒の、昭和二十四年二月二十四日付けの二千八百一号、この通牒の意味をもう少し具体的に御説明願いたいと思います。今あなたの御説明を聽いておりますと、來年度の復元計画がないのだと仰しやいますが、この通牒に基いて行きますと、三月の二十日を以て締切る、こういうふうな通牒になつておりますがこれはどういう意味ですか。
#78
○説明員(岩武照彦君) これは今御指摘がありましたけれども、二月二十四日付の商工省の通牒でありますが、これは先程申しました臨建の許可に関しましたもので、いろいろ完成期日等が遅れておりますので、三月二十日までに建築許可の方は締切りにいたしております。というわけは、いろいろ事務関係その他もございましようが、前年復元許可いたしましたものの完成が遅れておりまして、当時の臨時建築等制限規則によつて許可になつておりますが、借入れ、輸轉讓受け等によつて、許可を受けた上運轉ということが遅れておりますので、早めに設置して運轉いたす、こういうわけであります。別段これは二十四年度の復元ではありませんで、二十三年度の復元計画で一應復元許可等がありまして、御承知のように許可いたしますと、設備制限の関係もございますので、臨時建築規則等で設置だとか、或いは借受け、讓受け運轉等につきまして、許可されておるというので、その許可を早めにいつてもらいたいというような通牒でありますので、今度の新らしいものにはこういうものはないわけであります。
#79
○岡元義人君 先程の御説明からだんだん、打切りという通牒が出たのは、四月八日附の、いわゆる八〇五号でもつで出されたものが四月八日で、それが今先きの説明によりますと、大体三月末日で締切つて、そうして六月以降は全然何してないと、こういうような御説明だつたのですが、その出された通牒の期日と締切られた期日というのは、ほんの一月しかないのですね。機械の復元許可の件という通牒が出ておりますね。
#80
○説明員(岩武照彦君) お尋ねの件でございますが、昨年の復元につきまして、四月付の通牒を出した訳であります。これに基きましていろいろ企業側としてましては例えば、臨建の許可がいるとか、或いは、許可のいらないものにつきましては、何と言いますか織織の買付の資金の手配をするとかの措置を講じましてやつて來た旨であります。そうして、その後で、例えば、織機を手に入れますと設置の許可がいるとか、御承知の手続きがいるということになる訳であります。それを三月二十日迄に終えて貰いたいという訳であります。併し先に申しました六月と申しましたのは、その四月の期限の内示で來ましたのものを、一律に四月に決めましたけれども、尚内訳等におきましては、後からのものがありまして、許可するものを延期して、その後の復元の設備を三月二十日迄にして貰いたいというので、一年間でもありませんが、九ヶ月十ヶ月余期間があると、こういう訳であります。
#81
○岡元義人君 大体諒承いたしましたがそれでその後の矢張り引揚者の状態というものは、御承知の通りだと思いますが、帰つて來ます時は裸になつて、帰つて來ております。それから機械にもいろいろ骨を折つてそれで、そういう準備を整えまして、いざ出そうという時になりますと殆んど全部が締め切られております。そこで、この委員会が取上げざるを得ないというような実情になつて來た旨であります。だから今後の処置が、來年は全然ないのだ。そうして昨年の六月以降に対する引揚者のそういう技術者というものは内地で元の仕事に復帰しよう。しかも相当の準備を整えていよいよ提出という時になつて、こういうものは考慮されないと商工省ではお考えになつているのか。或いはそういうものに対して、これは何とかしなければならんというのか、それについては商工省の五十五号に遡つて迄も、商工省の欠陷を衝いていかなければならん。それについて、貴方の決意を述べて頂きたい。
#82
○説明員(岩武照彦君) 先程お話のあつた省令五十五号の問題でありますが、これは昭和二十二年の総辞職のときの問題でありますから、その当時確認漏れになつておりますものは、これは別途考慮されるものと思つております。まあこの確認の方の問題につきましては、いろいろ不備の点があつたかも知れませんが、当時未登録のままで操業しておつた織機につきましては、その後もいろいろ問題になつておりますので、いろいろな手を打つておりますが、確実にその当時操業しておつたということがございますれば、これは又いろいろ救済の方法もあるかと考えております。現に業種は違いますが、外の業種におきましても、たまたま或る組合に入つていなかつた関係で確認に漏れたというものがありますので、そういうものはすでに開始いたしておりますので、当時稼動して運轉しておつたということがありますれば、又考慮を拂つて行きたいと思います。それから二十四年度の問題でございますが、これは先程申上げましたようなことで、これは纖維局としましたもいろいろな観点から考えておりますが、新規の設備につきましては、相成るべくは他の織機の方にお願いしたいと思います。年数の方は先程申上げましたように相当状態が悪いようでございます。又今申上げました絹織機の問題もございます。もし絹織機の方で技術経驗を持つている方がありますれば、その方にお願いすれば比較的簡單に行くではないかと考えております。
#83
○岡元義人君 課長の非常に好意ある御回答がございましたから、満足したいのですが、穗積委員が居られますので、私はこういう機会に議員としてではなくて、全連の立場として、当然こういう問題を、もう少し全連が計画的に、その原因等を睨み合せて指導的役割を果たして、もう少し懇談的に今までにこれは檢討されなければならなかつた問題ではなかつたかと思うのです。それでこれを機会にいたしまして、特に全連の方で、いま沢山ここに委員会に持出している資料もありますが、一應商工省の方とも國会の中におきまして、一時間でも二時間でもいいから懇談会でも開いて頂いて、そうして善後処置を講じて頂きたいと、こういう処置で解決の方法を執つて頂いたらどうかと思います。
#84
○穗積眞六郎君 いまこれは此処の問題ではなく、岡元委員から御注意がございましたが、このことにつきましては今までも決してやらないのではありませんが、結局それを組織的にやらなかつたと、こういうことになります。今の御意見御尤もであります。御注意御尤もと思います。種々組織的の懇談によつて解決に努めて行きたいと思います。
#85
○岡元義人君 この問題は打ち切つて頂きますが、商工省は一遍議員と懇談的にこの問題の跡始末ということについて、一つ乘り出して頂くということにお願いしたいのですがなあ。その期日その他については、委員長から別途お知らせ頂くことにいたしますから、懇談会で業者、各縣の代表等も交え、いろいろ御意見を聽いて頂いて、善後処置を講じて頂く。こういうふうに申上げておきます。
#86
○委員長(紅露みつ君) いろいろ問題があるようでございますから、どうぞお願いいたします、それではこの問題は一應打ち切りまして……。
#87
○木下源吾君 引揚者の教育施設の整備の問題を一つ議題に供して下さい。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○委員長(紅露みつ君) 御異議がなければ議題を変えまして、引揚兒童就学に関する件を議題にいたします。
#89
○木下源吾君 本日この引揚兒童の教育施設に関することで、政府にお尋ねをし且つ要望をしたいのでありますが先ずこの問題が北海道に言及されておるのでありますが、何故に北海道でこのような問題が今差し迫つておるかと言えば、御案内の通り引揚者が二十二年度三年度において急速に樺太、千島その他北海道関係の引揚者が多数に上つた。で今政府にお伺いするのは、從つてこの教育の施設に関して、而もこれらの引揚者兒童の多数のために、現在非常に地方で困つておる、こういう事情を申上げて政府のこれに対する実際行つていること、又行わんとすることの方針をお伺いしたいのであります。このことについてはこの委員会において、今更政府をお呼びたてしました、申上げるまでもないことであると思うのであります。それはすでに昭和二十三年五月二十四日の次官会議の決定、又引揚対策審議会における決定等を忠実に政府が実行しておつたならば、今頃こういうことを申上げる必要がないのであります。併しながら実際には政府が引揚者のために、いろいろの援護施設をするということを示しておき、尚これが実行に努力しておるように見せかけてはおるけれども、実際においては引揚者の住宅又はこのような教育施設等は、殆んど手をつけられておらないという実情にある、ここに今差上げた書面においては無縁故者ということの、兒童の保護を最大の理由にしておりますけれども、実を申せばこの引揚者の無縁故というのは、何らこれは根拠ないことであります。すでに樺太、千島その他の人々は数十年來向うに行つておりまして、縁故と言つても誠に稀薄な縁故よりないのであります。唯政府がいろいろの施設をする場合において、経費を少くしようとするために、この無縁故者扱いを特にやつているようにしか見えない。実を言うならば引揚者総数は皆無縁故であるのであります。そこで政府が無縁故者に対してはいろいろの援護施設をやる。こういうことを申しておりますが、実際面においては有縁故者すでにこれ以上に困窮をしておる。又各地方の市町村においては、この有縁故者を引受けての轉入のために非常な苦しみをしておる。この事の事実を先ずお考え置きを願いたい。すでにこの差上げた表に御案内の通り、ここでは三千数百名の無縁故兒童というものが、全く学級が、教室がなくて授業が不可能である。この蔭には尚より以上の有縁故者の兒童のおることを一つ考えながらこの問題に対する処置を早急にして頂きたいのです。で文部省もです。私共が現地に行つて調べておる、このようなことを文部省が実際にです。單なる書面の報告やらいろいろそういうものではなく、行つて御覧になれば教育をすることが、この日本復興に非常な大切なことだということを考えるならば、今日までこのようなことを等閑に附して置くことはできないと思う。この表にある豊平町音更、函館、旭川、札幌等においては、無縁故者を收容のために特に收容の家屋を造つたのではなく、既存の、從來の軍隊の設備、そういうものをたまたま利用したためにこういうところには沢山の人々が入つておる。そのためにその引受けておるところの市町村では極めて過重な負担を、單り教育施設ばかりではなく、あらゆる面において負担を忍んで來ておるのであります。このような所には、私は今申上げるのは北海道の全市町村に亘つて教育の施設を、引揚者を対象とする、先ずこの教育施設それに基因するところの所要の経費は、政府は進んで先のいろいろの決定に從つて、これをなすべきだと要請するものでありまするけれども、特にこの只今申上げたような豊平音更、函館、旭川、札幌等の場合においては、一刻も猶予相成らない実情にあることをここに申上げなければなりません。政府の予算その他においてどういうことがあろうともです、その限りにおいては最優先に、全國の教育施設のうちの最優先にこれを取扱わなければならん。これをなさなければならん。これは何故かと申しまするならば、この地方におけるところの引揚者は、その生活の困窮とです、あらゆる援護施設の不徹底のために、だんだん思想が悪化して來ておるというこの事実を見遁してはならない。殊にその掌るところのものが文教の府にあるものは、かかる実情に対して、一刻も目を閉じて置くことはできないと思う。殊にこの豊平町の如きにおいては、これはすでにそこに作られておる悪化思想、悪化の集團とも言いましようか、そういう方向に行つておる事実がそれを証明しておる。尚併しながらこの悪化というのは單なる悪化ばかりではありません。それ故に進んで参りますると、いろいろな不道徳な面が行爲になつて現われる萌しすら非常に濃厚なのであります。これは教育の面と引揚者援護の面という両方面から絶對に遅延を許さないことであると我々は考えておるのでありまするので、政府はこのような実情をお知りになつておるならば、これに對することろの現在までの方策、やり來つたこと、又この実情をお知りにならなかつたならば、直ちにそれぞれこの実情を調査をいたしまして、先の政府のいろいろな機関における決定を実行に移して、一日も早く援護の手を差し延べ、更にこの施設の整備をすることを要請するものであります。かかる意味において文部当局並びに安本、援護廳の側の墾切なる御答弁をお願いしたいと思う次第であります。
#90
○委員長(紅露みつ君) 申上げて置きます。本問題に関して政府側から安本建築課長の小林秀彌氏、文部省教育施育局初等教育課の田中正義氏、この方方がお見えになつております。
#91
○説明員(田中徳治君) お答え申上げます。教育施設の整備につきましては、六・三初め戰災学校の復旧……非常に多量な工事を控えているのではありますが、特に我々も戰災、引揚者の兒童の收容に対するこの義務教育の施設ということにつきましては、その必要性を十分痛感いたしておる次第でございます。昨年この施設に対する予算の計上を公共事業として特に安本に提出いたしたのでありますが、遂にその実現を見ることができなかつた点につきまして、非常に我々も遺憾に考えております。今年度におきましては、相当額を計上いたし、目下経済安定本部に折衝中でございまして、その実現に対しましては、できるだけの努力をいたしておる次第であります。公共事業全部の予算の枠は未だ以て決まつておりません次第で、その内示につきましては、まだ安本の方からは連絡はありませんですが、特にこの点安本におきましても相当考慮を拂つておるのではないかというふうに我々考えております。簡單でございますが以上お答え申上げます。
#92
○説明員(小林秀彌君) お答え申上げます。無縁故引揚者の問題につきましては、このお配り頂きました資料にも書いてございますように、殊に住宅につきましては、昨年度も、相当、全國で四億七千七百万円の経費を以ちまして、住宅の復興を見ました。又只今御指摘の無縁故引揚者の兒童を対象といたしまする小学校におきましては、二十四年度の予算といたしまして、文部省から予算並びに資材等の御要求を頂いております。この問題につきましては、私共はできるだけ厚意を以つて予算を計上したいと考えまして、今その案を作つております。御承知のように公共事業の予算におきましては、まだ最終的結論に達しておりません。從いまして、只今持つておりまする案は、安定本部の幹部会にもまだ掛けてございませんし、況んや閣議にも上せてございません。從いまして、これはただ一つの案に過ぎないのでございまして、予算案として御説明申上げることも如何かと存じまするが、或る程度の額は僅かな予算の中を割いてこの方面に計上したい、そうして一番困つていらつしやる部分から重点的に実施して頂きたいというふうに只今考えております。
#93
○木下源吾君 成る程無縁故收容には、昨年も四億数千万円は出して貰つておるけれども当初の十億以上の計画というものが漸次少くなつておる。僅かに四億幾らになつておるのですが、本年の場合などは、この一般住宅についても相当に御考慮を願わなければならん、かように考えております。すでに北海道の場合は、非常に窮迫しておる。住宅の逼迫しておる事情はよくお分りだろうと思うのです。若しもこの住宅費を予算面だけで削られるならば、実際に建たないということになれば、北海道はこれを引受けることを今度は御遠慮せにやならんというような実情にまでいろいろ話合いができておるのであります。ただ樺太、千島は北海道を馴染みが深いから何でもそこへやれ。併しながら、一方において何らの施設に対する政府が誠意がないとするならば、到底北海道はこれを受けることはできない。何政ならば、北海道は、帰して貰つて來た人たちが直ぐ数ケ月のうちに冬を迎えなければならないので、この特殊的な北海道の事業についても十分御考慮の上に、住宅問題をもつと一つ熱意を持つて政府がこれを解決して貰わなければいかんと、かように考えております。
 尚すでに收容しておるところの無縁故者の学童收容の教育の施設でありますが、今文部省の例のお話を聞くと、あなたの言うことはただ一般のお坐なりだ。そういうことでは駄目でございます。今私が説明したように、有縁故者すらすでに困つておる。無縁故者は尚困つておる。もう最尖端のところなんですね。そうして、これは予算云々なんということにこだわるべき筋のものではない。只今私が申上げたことをお聞きになれば分る通り、予算がどうだこうだと、少し予算だからどうだという問題ではない。最優先に、よしその予算がこれだけよりなかつたならば、それを全部その中に突つ込まなければいかん、このくらいの考えを持つて頂かなければならんと思うのであります。これを一般のお坐なりに何割天引でやる、全國一律の縮減だと、こういうことでは私は相済まんことと思うのであります。すでにあなた方御覽の通り、ソ連の引揚に対してどのくらい皆がこれを要望しておるか。引揚促進という声が全國津々浦々から盛り上つておる。然るに我が國の受入態勢というものの誠意というものがもつと示されんければ、ただ單に帰れ帰れと言つただけではこの要望が達せられないということはお分りだろうと思うのであります。このような状態において、そうして尚引揚を要望する、促進を要望する、幾ら言うて見たところが、それは口と腹とは全く違つておるのだということを誰しも考える。これはあなた方の申上げることはどうかと思いますけれども、私はこの問題が解決つかんければ、私は大臣にこの席へ來て貰つて徹底的にこれを大臣に言わにやいかん、やらせにやいかんと考えておる。今も私は今日はソ連大使館に党を代表して行つて参りました。全國の未帰還者の家族が涙を以て今これを待つているのだ。三年有半今日までどうか早く帰して呉れ。昨年あたりはどうか。受入態勢がなつておらんという声を我々は聞いておる。それが重大原因であるように我々は聞いておる。國民がこういうように要望しておる。そうしてその支障が受入態勢のつまり整備ができておらんということであるならば、手の届くところのものは何をさて措いても、この受入態勢というものを完備しなければならないではないか。この地方に行つて教育の施設を本当に御覽になつたのか。函館の港辺りのあの状態を御覽になつたのか。豊原へ行つて御覽になつたのか。これが東京の附近であつたならば、ああいう状態に置かれるものではない。こういう施設を整備してこそ、引揚促進の懇請というものが裏付ができるのであつて、今年度又更に四十一万この引揚が予定されておるのであります。現在までも尚然り。今四月から再開されるか、五月から再開されるか、この人々が帰つて來るということになるとこれをどうするのであるか。予算がないからやれませんでは済まされますまい。國内におつた人人のあらゆる階層が全部そういう事情にあるならばよろしいがそうではない。引揚者の身上になつて見れば諸君はお分りであろう。そうして引揚げて來てから、あの無縁故の人々が六疊間に十人も入つておる。そうして兒童は教育する場所もないということになる。このようなことは政府の諸君においてもよく一つお考えを願わなければならん。一億万円文部省が要求しておるならば、一億万円より公共事業費があつたならば先ずこれに充当するのだ。このようなお考えを私は欲しいのであります。そういうようにやつて頂けるかどうか。これは安本の一つ御決心をお伺いして置きたいと思います。
#94
○説明員(小林秀彌君) 引揚の問題につきましては、只今もお話の通りだと思います。全然同感の次第であります。ただ誠にこれは申上げにくいことでありますが、九原則の線によりまして、公共事業費の総額が非常に圧縮を受けております。問題につきましては、各省から御要求のありましたものが、全然零にせざるを得なかつたものが非常に沢山ありますが、その中でこの引揚者の住宅の問題と、引揚の保障という問題は私共優先的に取上げまして、数字は決して枠が小さいために十分とは参らないかも分りませんけれども、優先的に取上げておるつもりでおります。
#95
○木下源吾君 どうか一つ長官並びに関係大臣に対しましても、このような事情を十分に一つ傳わるように一つ御配慮を願いたい。
#96
○穗積眞六郎君 先程來のお話を伺つておりまして、とにかく引揚者の数というものは國民の一割に達しておる。勿論復員者もありますから、それ程の率でもないかも知れませんけれども、併し非常な数多い引揚者の中に学齢兒童のある方が非常に訳山あるということは終戰の年から分つておつたのでございます。從つてこの引揚に対するいろいろの復旧計画を立てられるに際しましても、引揚者の子弟が新たにこれだけ帰つて來るということは初めから分つていることでもあり、統計の中に具体的に載せて御計画になつたことなんだろうというふうの氣がいたすのであります。ところが今答弁を伺つておりますと、昨年も或る一定出したが、それは通らなかつた、こういうことでございます。然るに今の安本のお話だと九原則によつてどうなるか分らん、こういうことでございますが、昨年はまだ九原則ということは言われていなかつたのであります。その時代に文部省から出ましたものが何故一部分でも通らなかつたのでありましようか。この点に引揚者の教育ということに対して全体として非常に決定的御意識をまだ持つておられなかつたのではないかというふうの私は疑いがございます。その点御説明願いたいと思います。
#97
○説明員(小林秀彌君) 私の先程の説明が至りませんためか、少し誤解を願つておるようでございますから、もう一度申上げます。九原則を例に出しましたのは、今年度即ち二十四年度の予算について申上げたわけでございます。昨年度の予算につきましては、文部省からも御指摘の通りに御要求がございましたので、そのときはつきりと事態を掴む程度の細かい資料も拜見することもできません。又昨年の八月私北海道へ参りまして、只今御指摘の豊原でありますとか、或いは函館の方面へ参りまして、引揚者の住宅がどういうふうに実施されておるかということをよく見て参りましたのでございますが、そのときにこの引揚者についての問題の実体を現地で詳しく聞きまして、私自身誠に認識を深めまして帰つて來たわけでございます。昨年度はこれは予算につきましては私共は案を作りましたが、その案が必ずしも私共個人の考え方ばかりには参りませんので、いろいろな方面ともいろいろ折衝をいたしましたり、部内でも議論をしたりして固めて行くものでございますので、昨年度の予算につきまして、こういう状態になつたのは誠に遺憾だと考えております。
#98
○穗積眞六郎君 どうも根本的においてただ定着までの仕事ということに初めに非常に囚われて、定着以後のいろいろな手ということに対しては、私として一般的に非常に氣持が薄かつたということはこれは事実でございます。併し只今のお話を承つてとにかくこの苦しい中でも殊に非常に人口の少いところに、非常に多くの引揚民を受けたと、そうして殊に兒童の教育問題に対して苦んでおるのを少し御認識になつたというお話も承つて非常に私は有難いと思います。從つてその御認識に基いて如何に九原則はありましても、今年の北海道の教育施設ということについては、十分な御施設を御考案下さるように特に御注文申して置きます。
#99
○岡元義人君 私ちよつと途中出ることをあれしましたが、その予算計上が九原則の名によつて全然組まれない、取つてないということでありますが、その点一つ。
#100
○説明員(小林秀彌君) もう一度繰返して申上げますが、簡單に申上げますれば、九原則のラインによりまして、二十四年度の公共事業費の総額が非常な圧縮を受けておりますために、その枠の中で十分な操作をすることが非常にむずかしく相成つておつた。併しこういう問題は重点的に取上げまして、その小さな枠の中では零になつておるものも相当ありますのでございますが、できるだけその中で取上げて行きたいということを申上げたのであります。
#101
○岡元義人君 速記を止めて下さい。
#102
○委員長(紅露みつ君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#103
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて。
#104
○岡元義人君 関連してお伺いします。この委員会で前にお願いしてありましたいわゆる三、四、四半期において、別途の金を出すということは、これは余り感心しないというので、新らしい予算措置によつて、新年度の分として施行するというような、正に工事に着工しようとしておつた住宅関係が相当あるわけずる。そういう問題については、やはりそれと同様なことを今課長はお考えになつておりますか。この北海道の問題と一緒に……。
#105
○説明員(小林秀彌君) 御指摘の点は、東京都にございました。一時收容所、その他の問題だと考えます。
#106
○岡元義人君 そうです。
#107
○説明員(小林秀彌君) これは御承知のように、追加予算に計上することを努力したのでございますが、目下その実現の運びに至りませんのでございました。厚生省援護廳の方が今お出でございませんが、援護廳では、その代りに東京都に関しては、或る一部の費目変更によつて公共事業費以外の費用でこの費用を賄うことにしたというお話を私伺つております。その東京都以外についても、これについての問題がございまして、それは二十四年度の予算の要求の中に含まれております。これにつきましても、まだ数字は確定いたしませんが、十分とは参りませんが、極く事情の緊迫したものから二、三やつて頂くつもりで今案を作成中でございます。
#108
○岡元義人君 時間が経つておりますから、簡單にもう一点だけ。鹿児島の南西諸島、無縁故者の設備のあれが加わつておつたようでありますが、ちよつと速記を止めて。
#109
○委員長(紅露みつ君) 速記をもう一度止めて下さい。
   〔速記中止〕
#110
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて頂きます。本問題は、この辺で一應打切りまして、次の議題に移ります。
 農地法改正に関する件、政府側から関係の農地部の眞田孝嗣氏がお見えになつております。
#111
○岡元義人君 この問題は、前に委員会で一應要望してあつたんですが、その後どういう工合にお考えになつており、どういう工合に改正法に盛り込むというようにお考えになつておるか。御囘答を頂きたいと思います。
#112
○説明員(眞田孝嗣君) 本日私代つて参つてのでありますが、会計課長が参りませんので、私代つて参りました。
 只今の農地法の改正のことにつきまして、今度の改正の案の中には入つておらないのでございます。引揚者の農地の処分の関係につきましては、從來問題がございましたが、一應農地調整法の九條の三項の取扱方針の運用によりまして、これを解決して行きたいという考え方で参つたのであります。尚自作農創設措置法によりまして、農地の買收の関係につきましても、引揚者が眞に農業に精進して行くという立場で、是非ともその土地を耕作を必要とするという者について、農地委員会において認められた者については、これが買收を除外して在村の地主としての取扱をして行くという関係で取扱つて参つておりますので、一應その関係については、取扱方としましては、解決を見ているものと存じております。すでに農地の買收関係につきましても、殆んど大部分を完了しているわけであります。尚今後におきまして、続く問題といたしましては、九條三項の関係につきまして、從來の買收されない土地についての土地の引上げの問題が起つて來るかと考えておりますが、只今の申上げましたような方針によりまして、この問題は処置して行きたいと、こういうふうに考えているわけであります。
#113
○岡元義人君 この農地問題は、非常に引揚者の重大問題であると考えます。申すまでもなく、分つておればよろしいのでありますが、私お伺いしたいのは、農地法のいわゆる特別の帰還者給與法という法律もできまして、軍人軍属とみなすと、一般の邦人でも軍人軍属とみないというような一つの考え方から、ああいう処置がとられるようになつたんですが、これと直接の関係がないわけですけれども、併しながら、そういうような、片一方において、給與処置においては、未復員者の軍人軍属と、一般邦人でも軍人軍属とみなされるということになると、農地法の場合においても、一般の解釈は、特別未帰還者給與法に該当する者は、軍人軍属とみなしていいということになりますれば、強制離村というふうな解釈が成立つて來る。そういうようなことも一應考えられるわけであります。ただ問題はまだこの第一次農地法の改正のときに当りましては、一体いつに引揚が終るというようなこともこれは考えられなかつたものだろうと思います。ところがこういう工合に長く掛かりまして、そして未だに引揚げが完了しない。そういうような人たちが内地へ帰つて來た場合に自分の土地、その土地がなければ生活ができない。こういうような状態にある場合に、その土地に対する考え方というものは、別途において政府は当然考慮を拂うべきで、これは常識的に考えられる問題です。そこで農林省のいわゆる考え方といたしまして、部内だけではなく、そういう特殊事情に対して眞劍にこれをば檢討し、そうしてあらゆる折衝が今までに行われたかどうか、この点一つ伺つて見たいと思います。念のため申上げて置きますが、この委員会が先程來失業保險の対象という問題で、引揚者を復員者は当然失業保險の対象者である、こういう一つの考え方から一年半も前に、その意見をば政府当局に出しまして、そうして政府当局自体もこれに対しては、しばしば考えさせられるところがあつたにも拘わらず、つい先日までこれが眞劍な檢討が内輪においてなされていなかつたということが、この委員会によつて暴露され、そこで初めて今度ああいう新聞紙上の発表になりました通りに、失業保險の対象者であるということが今年になつて初めて確認されたわけで、こういうようなことが、一例を取つて申上げたのでありますが、あるわけであります。本当を申しまするならば、もつと前に遡つて昨年あたり帰つた人にもああいうような処置を適用させて呉れたならどれだけ皆喜んだか分らないと思う。然るに委員会でつつかれるだけでもつてそれを聞き置くというような、そういう考え方でもつて処置されておつたという実情が暴露されておるわけでありますが、この農地法の問題におきましても、そういうような引揚者の非常な特殊事情というものをば十分玩味されてそうしてどういうような折衝を今までに行なつて來られたことがあるか、この際一つ伺つて見たいと思います。
#114
○説明員(眞田孝嗣君) 只今のお話につきましては、私余り詳しいことを承知しておりませんので、十分なお答えをしかねるので恐縮でございますが、今までの経過といたしまして、この問題は省内として十分檢討されたかという問題でございますが、この農地法の制定された後の、これの運用の問題につきましては、再三論議がございまして、引揚者の農地調整法の九條の取扱の場合の問題といたしまして、いわゆる正当な理由として認められるべきものであるかどうかという解釈につきましては、部内におきましても、大分論議が重ねられて、結局結論といたしまして、先程申上げましたように引揚者が、その生活のために、今後この農地を耕作の業務にすることが是非とも必要であるという事実が認められた場合においては、これは正当の理由あるものとして、土地の引上げを許可するという立場で行くことが妥当ではないかという結論に達したようであります。尚買收関係、今度の農地改革は、いわゆる土地の買收関係で行きますと、結局外地におります者の引揚げられて來られました場合に買收が、すでにいわゆる不在地主として買收をされるという場合が一應考えられるわけです。併しこの関係につきましては、應召者或いはその他の公用によつて外地に行かれておる人もありましようし、又外地におられて眞に一生をそこで暮して行くという立場で外地に行かれた人もあります。いろいろの立場があると思うのであります。從つてそれを一律に取扱うということは、非常に取扱上から行くと困難が伴う。結局いろいろ論議がありました結果、今度の太平洋戰爭におきまして、應召その他公用として外地に行かれた者につきましては、應未帰還の間は在村地主としてこの人の土地は認めて行き、万一帰りました場合に、その人がどうしてもその土地を生計のために耕作の業務に使いたいという場合には在村地主として買收から除外して行くという処置をとつた方が妥当であろうということに落着いたわけであります。それからそうでなく初めから外地におきまして一定の職を求め、それによつて外地において生計を立てて行くことを目的として向うに行かれておる方についてはどうするかという問題になつたのでありますが、そういう方々については只今のような取扱をすることは非常にむずかしいだろう。それは結局そういう方々の土地につきましては、外地に渡るときに、すでにその土地についての処分がされておるだろう。結局應召で行かれます場合においては、帰つて來たならばこうするのだという一つの考え方が伴つておるのが多いのでありますが、今の場合におきましては、すでに出発のときに土地の問題については処分をされて出発をされておるという関係が普通に考えられる場合が多いわけでありまして、從つてそういうものについては、出発後において一つの耕作者の立場というものが変つて來る。從つてその方方が引揚げられました場合において、これを一般的に認めて行くということになりますと、現在の耕作者との間の競合問題が起つて來るということが考慮されるわけでありまして、從つて取扱方としては、そういうふうに二通りに分けて一應考えることが妥当であるというふうに議論としては落着いたわけであります。
#115
○岡元義人君 その点は十分分つておるのです。それはもう私が昨年でしたか一月三十日の本会議の質問に対して波多野農林大臣の御回答によつてよく分つておるのですが、たまたま我々委員会の各委員が全國調査に廻りまして、殊にあの農林省の指令が未端に徹底して、どういうような処置が講ぜられておるかということを詳細に資料がこの委員会に集つておるわけであります。ところが各縣まちまちでありまして、非常にうまく行つておる縣は非常にうまく行つておる。併しながら全然やつてない縣もある。又或る縣のごときは率先して、こちらがそこまで心配しなくても向うの方でちやんとやつて呉れておつた縣もある。こういうようなまちまちの状況でありますから、この際むしろ法的処置の中にはつきり明確に謳つてしまつたならどうかということを先だつての委員会で当局へ要請してあつた筈なんてあります。勿論法の改正はこれは國会がやるべきでありますので、我々として改正を要求するということは非常にこれは変なものになりますけれども、併しながら從來の行き掛かりもあることだと、今度の第五國会に農地法の改正法というものを出されるということを承つておりますから、改正をやられるならば、この点を明確に謳つて、序でに改正されてはどうかということを要望してあつたわけなんです。その後どういう工合に処置をとられたかということを今日この委員会で御発表願いたかつたわけであります。
#116
○説明員(眞田孝嗣君) 只今の問題につきまして私ここで確答申しかねます。帰りまして部長、局長にその模樣をお傳えしたいと思つております。
#117
○岡元義人君 ちよつと速記を止めて頂きたい。
#118
○委員長(紅露みつ君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#119
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて。
#120
○岡元義人君 まだ水産関係の者が見えるようになつておりますけれども、懇談会で結構でありますから、一應ここで閉会にして頂いて、後見えてから懇談会的に会を進行させて頂くようにお願いいたします。
#121
○委員長(紅露みつ君) それでは今日の委員会はこれで散会にいたします。
   午後三時三十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     紅露 みつ君
   理事
           天田 勝正君
           淺岡 信夫君
           岡元 義人君
           鈴木 憲一君
   委員
           木下 源吾君
           木内キヤウ君
           穗積眞六郎君
           細川 嘉六君
           千田  正君
  説明員
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   建設局建築課
   長)      小林 秀彌君
   外務事務官
   (管理局引揚渡
   航課長)    高野 藤吉君
   文部事務官
   (教育施設局次
   長)      田中 徳治君
   厚生事務官
   (引揚援護廳復
  員局業務課長)  岡林 諄吉君
   農林事務官
   (農地部農地課
   勤務)     眞田 孝嗣君
   商工事務官
   (纖維局纖政課
   長)      岩武 照彦君
   労働事務官
   (職業安定局雇
   傭安定課長)  百田 正弘君
ソース: 国立国会図書館
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