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#1
第061回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第13号
昭和四十四年四月二十四日(木曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 中村 寅太君
   理事 宇野 宗佑君 理事 臼井 莊一君
   理事 小渕 恵三君 理事 本名  武君
   理事 八木 徹雄君 理事 川崎 寛治君
      大石 八治君    大村 襄治君
      上林山榮吉君    小坂善太郎君
      塩川正十郎君    中川 一郎君
      中野 四郎君    古屋  亨君
      細田 吉藏君    箕輪  登君
      山田 久就君    井上  泉君
      中谷 鉄也君    西風  勲君
      依田 圭五君    永末 英一君
      伊藤惣助丸君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      床次 徳二君
 出席政府委員
        総理府総務副長
        官       鯨岡 兵輔君
        総理府特別地域
        連絡局長    山野 幸吉君
        総理府特別地域
        連絡局参事官  加藤 泰守君
        法務省民事局長 新谷 正夫君
 委員外の出席者
        法務大臣官房司
        法法制調査部司
        法法制課長   平田 胤明君
        厚生省環境衛生
        局環境衛生課長 赤穴  博君
        厚生省医務局医
        事課長     黒木  延君
        労働省職業安定
        局業務指導課長 保科 真一君
    ―――――――――――――
四月二十四日
 委員小坂善太郎君、中野四郎君及び福田篤泰君
 辞任につき、その補欠として塩川正十郎君、大
 石八治君及び細田吉藏君が議長の指名で委員に
 選任された。
同日
 委員大石八治君、塩川正十郎君及び細田吉藏君
 辞任につき、その補欠として中野四郎君、小坂
 善太郎君及び福田篤泰君が議長の指名で委員に
 選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関
 する暫定措置法案(内閣提出第八九号)
     ――――◇―――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。中谷鉄也君。
#3
○中谷委員 一時間ばかり質問をいたしたいと思います。
 一九六八年六月五日の資格免許一体化促進に関する勧告、その付属の一の(五)、すなわち「日本政府は琉球政府の実施する試験の水準を高めるよう琉球政府に対する援助を拡充すること」という、この問題点について若干の質疑を最初にいたしたいと思います。
 前回同僚委員のほうからすでに質疑がありましたけれども、いわゆる弁護士資格の問題については、今回の暫定措置法案の中からはずされております。そこで事実関係をお尋ねしたいと思うのですけれども、一九六八年五月一日に立法院が司法試験法を制定いたしております。同種の、同じ名前を持ったところの司法試験法が本土法の中にも制定されていることは、すでに御承知のとおりであります。この機会に参事官から御答弁いただきたいと思うのですけれども、沖繩における司法試験法の受験資格と本土の司法試験法における受験資格の相違、これをひとつお答えいただきたい。
#4
○平田説明員 法務省からお答えいたします。
 いま申されました沖繩の新しい司法試験法と、本土の現行の司法試験法におきますところの司法試験の受験資格は、大体において同じでございますけれども、ただ多少違うと思われるのは、本土におきましては、本土の学校教育法にいうところの大学で一般教養課程の学習を終わった者に対して第二次試験受験の資格を認めておるわけでございますけれども、沖繩におきましては、そのほかに、沖繩の学校教育法にいうところの大学の一般教養課程の学習を終わった者をもそれに含めるという点が、多少違うところかと思います。それ以外はみな同じでございます。
#5
○中谷委員 第一次試験の免除規定は、沖繩の司法試験法によりますると、第四条に規定されていることは法務省御承知のとおりでありますね。同じく本土の司法試験についての第一次試験の免除規定も、第四条に規定されていることは法務省すでに御承知のとおりでありますけれども、条文のていさいは明らかに異なっております。どこが違うのでしょうか。
  〔委員長退席、八木(徹)委員長代理着席〕
#6
○平田説明員 本土の司法試験法におきましては、第四条第一項第一号におきまして、「学校教育法に定める大学において学士の称号を得るのに必要な一般教養科目の学習を終った者」について一次試験を免除するという規定がございます。ここにいう学校教育法というのは、もちろん本土の学校教育法の意味でございますが、これに対しまして沖繩の新司法試験法の第四条第一項第一号には、「学校教育法又は学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に定める大学において学士の称号を得るのに必要な一般教養科目の学習を終わった者」とありますので、この沖繩の法律にいう「学校教育法」というのは沖繩の学校教育法をさし、その下の「学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)」というのは本土の学校教育法をさすということになりまして、その間に違いがあるわけでございます。
#7
○中谷委員 私の持ってきた条文は、法務省のお話しになった条文と若干違うのでしょうか。本土の司法試験法は、第四条は、一項一号、二号、三号、四号までになっていますね。ところが、沖繩の司法試験法は一項の一号、二号ということで、法文のていさい、それ自体が違うわけですよ。まずその説明を私はいただきたい。
#8
○平田説明員 ただいま御指摘のとおり、本土の司法試験法におきましては、第四条の第一項に、先ほど申しました一号のほかに二号、三号、四号とございますが、そのうちの特に第二号、第三号に相当するものが沖繩の司法試験法にはないという点は、御指摘のとおりでございます。
#9
○中谷委員 琉球司法試験規則の第二条、これはどういうふうな条文として理解をすればいいのでしょうか。
#10
○平田説明員 琉球の司法試験規則第二条――ちょっとその規則を持ち合わせておりませんが……。
#11
○中谷委員 これですが……。
  〔中谷委員、平田説明員に書類を示す〕
#12
○平田説明員 琉球の司法試験規則の第二条によりますと、琉球の司法試験の受験資格として旧中等学校、現高等学校の卒業者及びそれと同等以上の検定試験に合格した者、その他裁判所書記登用試験、普通文官試験、警部講習に合格した者などが掲げてあるわけでございますが、これが第一次試験の受験資格を定めているものではなかろうか、そういうふうに解釈をいたします。
#13
○中谷委員 ちょっとそのあたりが私はよくわかりませんでしたので……。その第一次試験の受験資格を定めたものだということは、司法試験法との続きぐあいでどういうふうになるのでしょうか。私もよく調べてまいりませんでしたので、法務省のほうから御答弁をいただきたいと思うのです。
#14
○平田説明員 琉球の司法試験法によりますと、先ほど申し上げましたとおりに、第一次試験の免除を受けるに足りる資格といたしましては、大学で一般教養科目の学習を終わった者ということになっております。そうして、それ以外の者は、すべて第一次試験を合格しないと第二次試験の受験資格がないということになっておるわけでございます。したがいまして、その点から考えますと、琉球の司法試験規則のほうで、先ほど申し上げました旧制の中学あるいは現高等学校卒業者というのは、一次試験の受験資格と解するべきではなかろうか、そういうふうに思っております。
#15
○中谷委員 参事官、それでよろしいのでしょうか。――じゃ、それをお貸しいただけませんでししょうか。
#16
○加藤(泰)政府委員 法務省の御答弁で……。
#17
○中谷委員 そういうふうに読むのでしょうか、第二条と第三条の試験規則は。第二条、第三条を読んでみますと、第三条において一次試験というのは筆記試験なんですと書いてあるのですね、そうして第二次試験というのは口述試験なんですよ、こう書いてあるのです、硫球の試験規則によりますと。そうしますと、本土法の司法試験法の第一次試験そうして第二次試験というのは、御承知のとおり、短答式の筆記試験をやりまして、そして論文式の試験になりますね。そして第二次試験の中にさらに口述試験が入ってまいります。そういうていさいと違うということがこの規則から明らかにうかがわれるわけで、私もこのあたりのところを、非常に問題であるにかかわらず詳しく勉強してこずにお尋ねしましたが、どうも法務省もこの点について必ずしも詳しくお調べいただいておられない、あるいはお答えは正しいのかもしれませんけれども。規則のていさいからいいますと、第一次試験と第二次試験ということは、カッコして特に筆記試験が第一次試験なんだ、第二次試験は口述試験だとありますね。そうすると、本土法と試験そのものの構造と申しますか形式が全く違っている。したがいまして、本土における第一次、第二次試験の受験資格者は筆記試験を受けるけれども、琉球政府の場合には口述試験で足るというふうに読むべきではなかろうかと思うのです。私はそれがどうも正しい解釈だと思いますが、いかがでしょうか。
#18
○平田説明員 この試験規則は一九五二年に施行された規則でございます。この一九五二年と申ますと、例の沖繩で琉球民裁判所制というのがあって、布告十二号と称するものがそれに符合するものでございます。したがいまして、新しい司法試験法とは違うことになります。どうも私も間違えまして失礼いたしました。
#19
○中谷委員 そういうことですか……。
 そこで質問を続けていきたいと思いますが、琉球司法試験規則あるいは司法試験法による例年の受験者と合格者は、一体どういうことに相なっているでしょうか。そのあたりを、ひとつおわかりでしたら御答弁いただきたい。
#20
○平田説明員 新しい司法試験、すなわち昨年の一月一日から施行されましたところの沖繩の司法試験法による司法試験は先ごろ実施されたやに聞いておりますが、それの受験者、合格者については実は手元に調べたものがございませんが、その前に琉球法曹会の試験局というところで試験を行なっておりました。先ほど御指摘の試験規則に基づく試験でございますが、それの当時の受験者並びに合格者について、わずかに資料がございますのでお答えいたします。
 昭和四十一年が、受験者が六十一名で合格者が五名、昭和四十二年には、受験者が七十名で合格者が五名と相なっております。
#21
○中谷委員 そこで次にお尋ねをいたしたいと思いますのは、沖繩県民百万といわれておりまするけれども、沖繩における弁護士の数と人口比をひとつ算術的にお出しをいただきたい。同時に、すでに都市化現象が進んでおりますので、本土における人口と弁護士の数との比率というのはあまり意味がないと思いますので、はたしてどこの県が適当かは別といたしまして、類似県といたしましてひとつ佐賀県というふうな県、法務省適当に御選択いただいてけっこうですから、それの比較をお出しいただきたい。
#22
○平田説明員 弁護士につきまして、実際に弁護士業務に専念しているかいなかは問わず、弁護士会に登録している弁護士ということで申し上げますと、沖繩におきましては人口が約九十何万かと思いますが、それに対しまして弁護士の数は、昨年五月三十一日現在でございますけれども、百十三名でございます。先ほど御指摘の佐賀県でございますが、佐賀県は、昭和四十年の調べでございますが、人口が八十七万ございまして、弁護士の数は二十九名でございます。
#23
○中谷委員 この機会に私は申し上げておいたほうがいいと思うのですけれども、佐賀県が類似県だとしても沖繩の弁護士さんの数が多過ぎるということには必ずしもならないわけでございますね。要するに佐賀県の隣接県としては福岡県があり、あるいは長崎県がある、あるいはまた大阪から佐賀へわずかの時間ですぐ来れる、東京からもとにかく来れるというふうな状況ですから、決して多いというわけではないと私は思うのです。このあたりは、沖繩の弁護士諸君のために、私は決して弁護士が十分に充足されているとか、ましていわんや過密現象を来たしているとかいうようなことは申し上げるべきではないと思いますが、念のためにひとつ法務省の御見解を承りたい。
#24
○平田説明員 ただいま中谷委員仰せのとおりに、弁護士の数はそれぞれの需要度によって違うと思います。なお、隣接の大都市を控えているか控えていないかなどによっても違いますし、あるいは裁判所が地方裁判所までしかないところと高等裁判所あるいは高等裁判所の支部まであるところと、それぞれ違って一がいにはいえない、そういうふうに思います。
#25
○中谷委員 委員の方々は過疎現象を来たしておりますが……。
#26
○八木(徹)委員長代理 直ちに呼ばせますから、お続けください。
#27
○中谷委員 質問を続けます。
 長官に私はお尋ねをいたしたいと思うのです。今度の措置法の中でも、沖繩の弁護士に本土の弁護士の資格を与えるかどうかということは非常に大問題であって、この措置法の中ではそのことについては伏せられているといいますか、当面このことが法文として出てきておりません。そこで私は、これは全く個人的なこの段階における見解を申し上げたいと思うのです。と申しますのは、この問題については、さらに野党である社会党の中においても問題を煮詰めなければいけないと思いますが、全く個人的な見解を私は申し上げたいと思うのです。
 昨日、松川事件の損害賠償判決というふうな判決がありました。私は、戦後の裁判の歴史の中で、松川であるとか八海であるとかいうふうな裁判は、戦後の日本の裁判史上に残るような裁判だろうと思う。同時に、非常に苦しい条件と状況の中で、たとえばサンマ事件だとかあるいは友利裁判であるとか、こういうふうな裁判をとにかく進めていかれた沖繩の裁判官あるいは沖繩の弁護士、要するに私は、そういう事件とそうしてこれらの人たちの努力というものも、日本の裁判の歴史というものをだれか書く人がおったならば、おそらく特筆されるべきような事件だろうと思うのです。そういうような点で、これらの沖繩の弁護士諸君が沖繩におけるところの人権を守ってきた、この大きな努力とその実績というものは、私は絶対に無視してはならないと思う。
 そこで、そういうふうな前提で私はお尋ねをいたしたいと思うのですけれども、沖繩の弁護士諸君に本土の弁護士資格を与えるとするならば、一つの仮定を立ててみたいと私は思いますが、どのような措置――ただストレートに与えるという方法もあるだろうと思います、現在長官の頭の中でお考えになっておられるいろいろな資格方法ですね、これについて考えられるこういう方法があるというふうな点について、構想がありましたなうば、ひとつお答えをいただきたいと思う。この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#28
○床次国務大臣 今日の資格の関係におきまして一番問題となりましたのは、弁護士とお医者さんだと思うのです。しかし、数が多いかどうかは、これは地方のそれぞれの特色がありまして、特に沖繩のごとく離れておりますところにおきましては、しかも裁判所が数階級ありますところにおきましては、相当の数があることは別にふしぎではないのでありまして、なお、これらの方々が過去において非常な苦労をされておりました、その功績に対しましては、十分私どもも評価をいたしておる次第であります。ただ、これを本土の弁護士と全部一体になし得るかということにつきましては、他の資格その他の一体化の際におきましても検討いたしたのでありますが、いろいろと資格の基準というものが、本土と必ずしも一致していないという点は明らかであります。なお、この点につきましては、弁護士会等の意向も聞いたのでありますが、なお検討を要する点がありますので、検討して善処いたしたいと思っております。
 なお、それに対する措置についてどうするかと申しますならば、ほかの例から申し上げますると、資格基準のない者に対しましては、その差だけ研修をして補うとか、あるいは新しい試験をしてやるとか、あるいは過去の経験というものを考慮して検討するとか、数種数の方法があろうかと思いまするが、弁護士につきましてもさらにこの点は十分検討いたしたいと思っております。
#29
○中谷委員 質問を続けます。そこで、日弁連などとはすでに長官のほうで御接触になりましたという御答弁がありましたが、結局長官の腹づもりとしては、この問題については、まあ政府のお考えになっておられる一体化政策というもののめどがありますが、いつまでにこの構想について成案をお持ちになるというふうにお考えになっておられるのかどうか。この点はいかがでございましょうか。
#30
○床次国務大臣 原則論から申しまするならば、これは復帰のときに支障がないようにしておきたいというのがたてまえだと思うのです。それまでに、あらゆるほかの資格につきましても、これはもうやるのがたてまえであると思うので、弁護士につきましては、これはなかなか重要な仕事でありますので、やはり支障のないようにいたしたいと思っておりますが、なお、今日までのこの経過等につきましては、政府委員から少し具体的に申し上げたほうが御了解がいいかと思いますので、よろしく……。
#31
○加藤(泰)政府委員 総理府といたしましては、いま長官が触れられたように、一体化の一環としてこの資格を取り上げた関係で、各省に、あらゆる資格について一体化措置ができるだけ早くできるように検討してほしいということを二年前からやっておったわけでございます。ただ、各資格につきましていろいろ程度の差その他がございまして、なかなか結論が出にくいものがあるわけです。それは実は弁護士の問題であると私は思っております。それで、弁護士の問題につきましては、法務省とも十分接触しながら検討してきたわけでありますが、また、最近の日弁連のお話では、委員会をつくってすでに検討を始められておる、こういうことでございます。もちろん、それまでには個々的には検討されていたと思いますが、これをもう少し詰めるという意味で検討をすでに始められております。そういうことでございますので、私のほうといたしましては、できますれば、日弁連のほうの態度がきまりますれば、それを十分参考にして一体化の措置をできるだけ早くとりたい。この法律の改正になると思いますけれども、できれば次の通常国会というふうに私らは考えておりますけれども、そういうことで日弁連の態度をお待ちして検討していきたい、こういうことでございます。
#32
○中谷委員 法務省にお尋ねいたしますが、特連局の答弁の方向でございますね。要するに、法務省という役所は弁護士法の所管の役所であろうかとは思いますけれども、こういう問題について、日弁連のほうで練り、掘り下げるということなくして、法務省のほうの意向がどうであるとかなんとかいうようなことでこの問題は解決きるべき問題ではない。これははっきりしていると思うのです。念のためにお聞きしておきたい。
#33
○平田説明員 中谷委員仰せのとおりであります。
#34
○中谷委員 しかし、これは全く私の個人的な見解ではありまするけれども、人権擁護のために非常に悪い条件の中で今日まで努力してこられた沖繩の法曹の諸君に対して報いるところがなければならぬという観点からいいますと、長官のお考えは、前向きにこの問題については検討する、前向きに現に努力しておられるというふうに私はお伺いをいたしましたが、そういうふうにお伺いしてよろしいでしょうか。
#35
○床次国務大臣 できるだけ御趣旨のような気持ちでもって善処いたしたいと思います。
#36
○中谷委員 次に、この機会に、本土・沖繩の一体化という中で、これは参事官にお尋ねすることが適当だろうと思いますので、お尋ねをしておきたいと思います。
 本土の弁護士が沖繩の弁護士会に入会をすることは当然できますね。ただ、本土の弁護士会所属の弁護士が沖繩における――今後沖繩返還を通じて、私はいろいろな人権問題が起こってくるだろうと思う。そういう場合に、本土の弁護士会所属の弁護士が沖繩において弁護士活動をすることは、どのような手続において可能なのか。これについてひとつ、昨日その点についてお尋ねをしたいということを申し上げておきましたが、お答えをいただきたい。
#37
○加藤(泰)政府委員 沖繩の弁護士法によりますと、本土の弁護士資格を有する者は沖繩の弁護士になれる、こういうことになっております。したがいまして、沖繩におきまして登録しますれば弁護士活動ができるわけでございます。この点につきましては、実は立法当時は多少、解釈といいますか、立法の段階におきましては本土籍の人がなれるかどうかという問題がだいぶあったようでございますが、いまの時点におきまして、特に公務員に本土籍の人でもなれるというような形になってきておりますので、弁護士も当然そういう解釈をとり得ると私は思っております。したがいまして、沖繩の弁護士法による弁護士の登録は可能だ、こういうふうに考えられるわけです。そして、その弁護士法によって登録された方が沖繩において弁護士活動ができる、こういうことになりますが、一面、外国人の投資に関する布令でしたか、そういう布令がございますが、そのあれで一応弁護士もそれに該当するとは思いますけれども、現実にはそれはほとんど許可されているというか、一応個々的に許可を受けるという形にはなっているようでございますが、事実上これは活動ができるようになっているという話を行政府のほうから聞いております。
#38
○中谷委員 日弁連が沖繩に関する精力的な調査をやって、日弁連報告書をすでに提出いたしておりますが、沖繩の裁判所において、人権問題等で本土の弁護士が実際に法廷に立ったという話はあまり聞かない。いろいろな問題があろうと思いますけれども……。
 そこで、私は、この機会に長官にひとつぜひ努力をしていただきたいと思いますが、渡航の問題でございますね。要するに、私は、渡航制限というようなことがあってならない、あるべきことではないと思う。しかし、この問題は、日本政府にその渡航の権限がないという現状にはなっておる。ただしかし、今後本土の法律家が、人権擁護の立場から、とにかく沖繩の弁護士などと協力をして、沖繩における人権侵犯事件等に対して相当迫力のある運動や、あるいはまた、現実の法廷活動をしなければならないような事態が生じてくるだろうと私は思う。
  〔八木(徹)委員長代理退席、委員長着席〕
そういうようなときに、そのことについて渡航制限をするとか、あるいは先ほどの布令をたてにとって、法廷活動をはばむというふうなことが現実に起こるということがあればたいへんなことだと思う。これはまきに人権を守らさない立場だと思う。そういうようなことがないように――現実にそういう問題が現在起こっておりませんけれども、長官、そういうことがないように十分配慮をしていただきたい。私はこのことをこの機会に申し上げておきます。長官にひとつこの点についての御所信を承りたい。
#39
○床次国務大臣 ただいまの点は、まことにごもっともな御趣旨でありまして、さように私どもも努力いたしたいと思います。
#40
○中谷委員 そこで法務省のほうにもう一度お尋ねしますけれども、司法書士、行政書士、この沖繩における数、人口比をいま御答弁いただけますか。そうして類似県との関係についての御答弁がいただければ、ひとつお答えいただきたい。
#41
○平田説明員 沖繩の司法書士の数は、昨年の十二月三十一日現在で、百五十六人が司法書士会の会員になっておるのが現状でございます。ただ、類似県との比較はいま手元に資料がございません。
#42
○中谷委員 感じとしてはどうでしょう、多いとか少ないとかいう感じ。
#43
○平田説明員 私ちょっとわかりません。実はこれは民事局のほうの所管で、所管の者が来ておりませんので……。
#44
○中谷委員 そこで、弁護士の資格の問題についてお尋ねをしていったわけですけれども、この暫定措置法の第二条の沖繩の免許資格というのは、これは沖繩県民に限定されておるわけですか、それとも沖繩県民に限定されておるわけではなく、たとえば外国人であっても沖繩の免許資格を持っておる者は適用を受けることに相なるわけですか。
#45
○加藤(泰)政府委員 その点につきましては、個個のものによって違うと思っております。と申しますのは、公認会計士等は外国人の者は除外しております。外国人公認会計士は……。
#46
○中谷委員 いや、特例がないものはということでお答えいただきたい。
#47
○加藤(泰)政府委員 資格は、原則的には沖繩の資格を持っておる限りこの適用を受ける可能性は持っております。ただ、本土側の法令で、日本国籍を持たなければだめだというのはもちろんあるということになるわけでございます。
#48
○中谷委員 現実問題として、そういうふうな沖県民以外の免許資格者というのは、どの程度いるというようなことはおわかりでしょうか。そういう人は実際現実にはいないのか。その点はいかがですか。
#49
○加藤(泰)政府委員 公認会計士はたしか二名だと思います。あとのあれはちょっと記憶しておりません。
#50
○中谷委員 そこで次は、厚生省から御出席をいただいておりますので、厚生省のほうにお尋ねをいたしたいと思うのですが、九州大学の検診班が沖繩に参りまして、そうしていろいろな調査あるいは診療等をされましたが、そういうふうな状態の中で、本土派遣医師の見通しについては、補充は非常に暗い現状だということがいわれております。そういうふうな状態について、その見通し、これは本土においてもいわゆる過疎圏といわれておるところ、僻地といわれておるところには医師不足ということがあって、非常な社会問題になっておるわけですけれども、沖繩の医師不足の現状を、厚生省のお立場から見てどういうふうに判断といいますか、御説明になるのか。この点について最初にお答えいただきたいと思うのです。
#51
○黒木説明員 お答えいたします。
 沖繩の医師不足は、御指摘のとおり、本土の類似県に比べましても約半分といった程度でございます。これにつきまして、琉球政府側におきましても国費留学生その他の措置を講じておりますが、厚生省といたしましても、長期間の医師派遣、あるいは臨時の巡回検診班、あるいは政府機関への派遣といったかっこうで派遣いたしておるわけでございますけれども、実情を率直に申し上げますと、いま御指摘のように、本土側におきましても医師の派遣を今後拡大していくということにつきましては、いろいろな問題点をかかえておるわけでございます。現在のところ、その問題につきまして総理府のほうとよく相談して、今後いかに確保し、さらに伸ばしていくかという点もございますけれども、もう一つの点は、私の感覚では、琉球政府は従来までに約百名をこえる国費留学生を持っておりますが、そのうちいろいろな問題で約半数に近い者しか帰っていないというような点がございます。こういう面で沖繩の医療機関の整備といって、沖繩からこちらに来た人たちの希望の問題、向こうでいろいろな研修を積むといった問題にも関係がございますのですが、現在総理府のほうを中心にして琉球大学に保健学部を設置する、それから那覇病院の大改築をいたしまして、十分な研修機関としての役割りを果たしていくというような計画もございますので、そういうものとあわせてさらに総理府と連絡をよくとって検討してまいりたいと考えております。
#52
○中谷委員 特連局長にお尋ねをいたしますが、要するに本土派遣医師というのは、現在何名いるわけでしょうか。そうしてもう契約が切れる可能性がございますね。これには何名というワクもございますね。それについては、ワクは十五名じゃなかったですか。そういうふうな状態について、これは厚生省が状況を御説明になった医師不足というふうな問題じゃなしに、もう当面の問題でございますね。この本土派遣医師について、新聞の報道によりますると、現在七名おられる、そのうち五名がこの八月で契約期限が切れる、そうして五人のうち三人はもう帰りたいと言っている、残り二人も帰ることがはっきりしている、残り二人も帰る希望を持っておられるということが報道されている。そうすると、これは現状の医師不足がどうだ、風しん児対策等に対してどうだという問題以上に、一そう医師不足に拍車をかける。これは具体的な対策というか、当面緊急の対策としてお立ていただかなければならぬ問題だろうと思うのです。ひとつ特連局長から、事実関係と対策、それから長官から、この点については沖繩県民のために具体的な御方針、対策、これをひとつ御答弁いただきたい、こういうふうに私は考えます。
#53
○床次国務大臣 沖繩は、いわば本土から申しますと、私どもの県もそうでありまするが、とかく人口がほかへ出ていく場所になるのであります。したがって、医師等を養成いたしましても地元に定着しない。しかも離島が多いために、那覇市には定着いたしまするが、ほかにはなかなか定着しにくいという非常な困難な状態があるわけであります。したがって、今後医師を増加養成いたしましても、これを定着させるための特別の措置が必要である、この点は琉球政府、また復帰後におきましても当然考えなければならないと思うのでありますが、そのための一つの構想といたしまして、さしあたりは奨学金その他によりまして養成いたしまするが、しかし、根本的には、やはり十分医者としての研究ができるということが非常に必要だ。そのために今回病院を地元に設置いたしまして、研究等も地元におりながら可能であるというふうに努力いたしたいと思っておるのであります。なお、本土病院と申しますか、那覇病院と離島との関係等におきましても、相当交通機関も便利になりましたが、しかし、離島にありましてもやはりその研究意欲を満たし得るようなことを講じなければならないと思っております。これは本土におきましていわゆる離島、僻地等を持っておりまするところの医師の定着方法と似たような現象があるので、それより以上にむしろ手厚い対策を講じまして医療に当たらなければならぬ。特に私どもといたしましては、将来国民皆保険を実施しようという目安を持っております。だから、とりあえず保健関係職員につきましては保健学部でもって養成いたしまして、ぜひ間に合わせたいと思っておるわけでありますが、純然たる医師になりますと、なかなかこれは御指摘のように困難であり、過去におきましても、医師に対しましては便法的な資格を持った医師があったということも事実でございます。今後ともこの対策に対しましてはやはり特別に努力をいたしてまいりたいと思っております。
#54
○山野政府委員 ただいま御指摘ございましたように、沖繩の無医地区等に派遣する医師は、定員は十五名でございますが、現在無医地区に七名、それから診療所等に五名、計十二名でございます。現実には十一名でございますが、五月に一名行くことになっていまして、十二名でございます。これらの多くの人が契約期間に到達しているというような実情も、いま御指摘のとおりであります。ところが一方、そのかわりの医師を派遣するためにいろいろ厚生省の協力を得まして毎年募集をしておりますが、本土の医療事情等もありますし、また沖繩という特殊なところへ一定期間勤務するにはそれぞれ条件があるわけでございまして、なかなか希望医師も従前のようには出てこなくなっておるわけでございます。したがいまして、いま長官からも御説明ございましたが、沖繩の医師の確保については、現時点でやはり相当根本的に諸対策を検討し直す必要があるのじゃないかということで、目下厚生省の医務局を中心にしまして、総理府等でいろんな具体策を検討しております。
 その一つとしては、現在本土の大学に入りまして医師の資格をとる人が給費制度で養成されていますけれども、この人たちがほとんど国へ帰ってくれない。これを何とかひとつ国へ帰るというような方向へ制度を検討する必要があるのじゃないかということが一つであります。
 それからまた、沖繩におられる医師の方々、政府職員の医師を含めまして、こういう医師の方々を、まず率先して、自分の島の無医地区でございますから、無医地区のほうへ派遣する方法はないかどうか、そういうことも当然検討しなければいけないと思っております。
 それから、長官からいまお話ありました、沖繩において保健学部その他を通じまして医師をできるだけ養成していく、それから場合によれば医介補のような、純然たる医師の資格でない人たちの利用方法も考えなければいかぬ。
 これら全体の問題を目下総理府と厚生省で検討しておりまして、できるだけひとつ近い機会にこの対策を具体的にしたいと考えておるわけでございます。
#55
○中谷委員 まあいずれにしても、厚生省からのお話がありまして、とにかく類似県との格差は半分以下なんだというふうな状態、それについて総務長官あるいは特連局長のほうから非常に具体的に、どうしようかと非常に心労しておられるお話を伺いました。伺いましたけれども、この本土派遣医師の補充というのがまず当面の問題でございますね、そうしたら、これについてはちょっと成案がないというふうなことなんでございますか。
#56
○山野政府委員 いま申しましたように、本土で応募者を求めましても、なかなか適当な応募者が得られないような事態が十分予想されるわけでございます。したがいまして、いま申しますように早急にこの事態に対処する何らかの対案をつくっていかなければいかぬということで、せっかく検討をいたしておるところでございます。
#57
○中谷委員 私のほうは、是が非でもこれについての補充はするのだというふうな御答弁をいただきたいと思いますが、そういうような答弁はちょっといたしかねるわけでございますか。
#58
○山野政府委員 御指摘の趣旨は私どもも同じような気持ちで、何とか充足したいということでやっておりますが、その結果については必ずしも確信が持てない状況でございます。
#59
○中谷委員 医師の資格問題についても質問しようと思いましたけれども、弁護士についてかなり質問しましたので、これは省略をいたしますが、こういうふうなことは調査ができないのでしょうか。
 また、厚生省からもひとつお答えをいただきたいと思うのですけれども、九州大学の検診班が沖繩の風しん児対策について精力的な検診の努力をされましたですね。これについては、私は、こういうふうな気の毒な子供さんのために大学が検診をして努力をしたということは非常にいいことだし、ぜひともやってもらわなければならぬことだと思うのです。そうすると、こういうふうな、何と申しますか、いわゆる特別な病気、たとえば沖繩では精神病の患者の数も非常に多いということを私は聞いております。さらにまた、本土ではもうすでにほとんど影をひそめた、らいなどという病気もいまなおあとを絶たないということを聞いておる、というようなことになりましたら、厚生省あるいは総理府等において、相当なひとつ予算でも組んで、こういうふうな、とにかく風土病などについての精力的な研究というものを各大学の医学部がやるというふうなことで、常に各大学の医学部の検診班が沖繩へ行って、そうして検診をし、研究をすると同時に治療に当たっておるというふうな状況にすることが当面の一つの方法ではなかろうか、こんなことには国が幾らお金を使っても、非常にいいことだし、そういうことでもして当面カバーできないものだろうか、こういうように私は思いますけれども、長官いかがでしょうか。
#60
○床次国務大臣 まことに御趣旨のとおりでありまして、九州大学が過般いたしましたのも、これは非常に学問的な研究の対象として非常な熱意をもっておるためにああいう実績をあげ得たというわけでありまして、今後ともやはり学者に対しましては、研究という一つの対象があることが現地におもむく大きな要素になる。先ほども申し上げましたように、病院等ができて研究施設ができまするならば次第次第に定着してくる。同時に、国民健康保険等が実施されますると、また医療費なんかの問題につきましてもだいぶ状況が変わってくるのじゃないかと思いますが、何と申しましても目前の数年間はまことに仰せのとおりでありまして、そういう行って研究しようという方に対しましては私どもできるだけ努力いたしたい、技術協力と申しますか、技術者を派遣する道も持っておりますし、なおそれで足らないものにつきましては、将来、予算におきまして積極的に考慮いたしたいと思っております。
#61
○中谷委員 これも厚生省に対するお尋ねになると思うのですけれども、本土における看護婦さんの不足というのは、もう目をおおうようなものがございますね。ところが沖繩の新聞の報道によりますと、那覇とコザの両方の看護学校を卒業した看護婦さんたちが、完全就職が危ぶまれているのだというとにかく新聞報道が出ているのです。四十一名が未就職で、政府にあっせんの陳情をしているというふうな記事が出ている。これは本土においては考えられないことでございますね。これは医療施設の不足などということと関係があるのかもしれない。この問題については、本土政府、ことにこれは厚生省だろうと思いますけれども、どういうふうに実情を把握しておられますか。また、とれについてはどういうふうに陳情を受けられた事実がありますか。この点はいかがでしょうか。
#62
○黒木説明員 実は、申しわけございませんが、看護婦の関係は所管が変わっておりまして、私はよく存じておりません。
#63
○中谷委員 特連局、いかがですか。
#64
○床次国務大臣 それぞれ特有な技能を持っておりまして、しかも地元においてその技能を発揮し得ない者に対しましては、これはやはり大ぜいの者が本土に参りまして活動いたしておりますので、さようなことが考えられると思うのであります。看護婦の陳情の件につきましては存じておりませんが、私どもも、そういう御要望がありまするならばできるだけ努力をいたしたいと思います。今回、労働省におきまして、職業訓練施設等におきまして技能を与えるということもいたしておりますが、これはやはり従来から本土に多数の渡航者があるわけでありますが、技能を与えて渡航することが非常にいい。これは本土に就職後における定着性と申しますか、なおその生活の安定のためにも非常に役に立っておりますので、そういう配慮をいたしたいと思います。いまの看護婦のほうは、私はその点比較的道の明るいものであろうと思いますし、十分この点は努力いたしたいと思います。
#65
○中谷委員 次に、順々にお聞きしていって恐縮ですが、厚生省の医事課長さんに対する質問は終おりまして、環境衛生課長さんにおいでいただいておりますので、お尋ねをいたしたいと思うのです。
 美容師さんと理容師さん、この関係についての、沖繩において現に資格をお持ちになっている方の数と、先ほどから同じような質問ばかりして恐縮ですけれども、類似県との比較、それらをぜひ御答弁いただきたい。この問題については措置法における解決している問題ですけれども、こういうふうな特別な資格や技能を持った人が、今後それぞれの職域においてがんばってもらわなければいかぬ。厚生省の立場から見て、この理容師、美容師さん等について、特にさらに一段とこういう点については努力をしてもらいたい。本土においてもいろいろな問題があるでしょうけれども、というような点がありましたら、これはそういうふうなことをアドバイスする意味でひとつ御答弁をいただきたい。厚生省の環境衛生課長さんに対する質問はこれだけなんです。
#66
○赤穴説明員 沖繩と本土の理容師、美容師の関係の方々、比較から申しますと、類似県という先生の御要望でございますが、県別の資料を手元に持っておりませんので、全国的な平均との比較において考えてみますと、沖繩では、美容師さんは現在千九百余名でございます。本土のそれとの人口対比から見ますと、ほぼ同じくらいの数があるわけであります。理容師さんにつきましては、本土よりも人口比においては若干少ないというようなあれが見られますけれども、おおよそ本土とそう大差はない、美容師さん、理容師さんの現在の従業者の方々がおられるようであります。
 それから、それでは今後どのようにふえていくであろうかという今後の問題でありますけれども、これは養成施設、全体の養成数から見ましても、美容師、理容師、それぞれにつきまして養成施設が四カ所ずつございます。定員も五百と五百九十でございます。本土の関係の養成数よりも若干上回る程度の養成が今後もなされる、このような状況から見まして、この需給状況ということは本土と非常に格差があるということではなくて、むしろ今後は本土よりも若干十分に養成されるような、このままの定数で確保されますならば、そういうような傾向になろうかと思います。
 それから、教育内容その他につきましては、本土と全く同じ水準でやっておりますので、特に今後の点について申し上げることはございません。ただ、現在、理容師、美容師制度につきましては管理者制度が入っておりますので、こういう講習会等のあれも、将来は球琉政府において、本土と一体化になれば講習会が施行されるというような状況にあろうと思いますけれども、特別に水準その他について申し上げる点はないかと思います。
#67
○中谷委員 そこでいよいよそういうふうな免許資格の移行の問題、あるいはまた、試験を沖繩において行なうというような問題が出てまいっておりますが、長官はもう沖繩の御専門家でありますので、そういうことは先般御承知でありますけれども、たとえば沖繩の書店へ参りまして見たら、とにかくいわゆる専門書というのがなかなか並んでいない。だから、たとえば理容師さん、美容師さんにいたしましても、そういう勉強するための書籍なんかの入手は非常に困難ではなかろうかと私は思うのです。あるいはまた、割り高になっているんではなかろうかと思うのです。ことに先ほどから申しておりますようなお医者さんであるとかいうふうな、特別な研修をしなければならない方方の書籍入手なんかも非常に困難ではないか。そういうようなことで、よく聞いてみますると、要するに本土においては、ごく一部の出版社を除きましては、本というのは買い取り制ではなしに、売れなければ出版元へまた返却することができるわけです。これはそういう商慣習になっておりますね。ところが本土から沖繩へ行った場合には、そういうふうな一つの手続を経て物が入るためにそういうことができない。要するに買い取り制になってしまう。そういうようなことで、商売ですから、非常にそういうふうな書籍の小売り商が、本を買うについて憶病になるというふうなことが私はあると思うのです。これも、勉強をしたい、いろいろな資格をとりたい、免許をとりたい人にとっては、非常に私は困難な条件がそこにあると思うのです。そういうような点については、ひとつぜひ何らかの形において配慮さるべきではないか。これは法案と直接関係ありませんけれども、そういうふうな本土から沖繩へ物が入っていくことについて手続を要するために、いわゆる本土ではほとんどあらゆる商品について、耐久消費財等について行なわれているところの割賦販売等についても非常に困難だ。農機具等についても、割賦販売が非常にむずかしいというふうなことも私は聞いている。まあしかし、それはさておきまして、きょうは免許資格の法案についての審議でございますので、そういう免許資格をとる前提としての書籍の入手、そういうようなことについて、これは何らかの特段の措置を講じてあげなければ、沖繩の若い青少年諸君は、とにかく本土の青少年諸君に比べてそういう点でも一つのハンデを負うことになるというふうに私は思いますけれども、長官いかがでしょうか。
#68
○床次国務大臣 あまり専門的な知識はございませんが、私聞いたところによりますると、現在沖繩におけるところの書籍につきましては、大体注文制によって、注文に応じて取り寄せるという形になっておる。本土のように、あらかじめ予定して買い込んでおって、そうして売るというわけにいかない。これはなぜかと申しますと、あれはドルになりますので、取引が大体LC貿易の形式を踏んでおるというところに大きな隘路があるわけであります。したがって、まとまって事前にわかっておりますものにつきましては、これはそう高くなくて入手できるのでありますが、特別な専門書等を自分の好みによって注文いたしますと、これはやはり非常に手間がかかってくるというわけです。それから、ふだん本屋が店に置いておきますものも、売れなかった場合は、全部これは持ち込みになってしまうという危険があるわけであります。それで高いんだという説明を聞いておるのでありまして、したがって、今後勉強いたしますものにつきましては、解決策といたしましてはできるだけまとめて予約注文をしていくということが、本質的なと申しますか、とりあえずの行き方であろうかと思いますが、最終的には、何と申しましてもいわゆるドル建ての経済、同時に、商慣習のいわゆるLC取引貿易による為替取引によりますものを変えていくということが必要でありまして、この点は本来の一体化の問題として根本的に考えなければならぬ非常に大きな問題、単にドル建てを円にするという以外に、商慣習自体がそういう為替制度に依存しておりますために、一般の業者自体におきましても、よほど復帰に備えまして考えなければならない。そういう取引なものですから、不便な点もありますし、実は非常に便利な点――逆に本土の荷物を出すほうの者が泣かされているというような状態になることもあり得るらしいのでありまして、こういうことは、やはり復帰に備えて経済の一体化の意味の実際的において非常に大きな問題だと考えておりまして、今後研究いたしたいと思います。
#69
○中谷委員 そこで次に、特別にこの法案の免許資格には関係がないのですけれども、最近沖繩の青少年問題の中で、少年院からの脱走事件というのが相次いでおる。そのことについては非常に遺憾なできごとだということになっておる。そういたしますと、これは法務省のほうから御答弁をいただきたいと思いますけれども、要するに家庭裁判所の調査官であるとか――これは法務省の御管轄じゃございませんが、あるいは少年院の矯正職員、これは当然本土においては特別な訓練と教養を受けた人たちがやっておる。施設の面においても非常に不十分らしい。そういうような中で非常に過重な仕事、これは本土においても同様でありますけれども、沖繩においてもそういう非常に過重な仕事を職員がやっておる。そういうようなことも、少年院からの少年脱走ということにつながってくるだろうと私は思うのです。これは免許資格ではありませんけれども、専門的な知識を持った少年院の矯正職員、こういう者についての養成水準の向上、あるいはまた警察の関係で言うならば、少年係の警察官の知識の水準の向上というものが抜本的にはかられなければ、それが青少年対策のすべてではありませんが一環でありますので、そういうことがない限りは少年院からの脱走などということは、いつまでたってもあとを断たない一つの条件というものは残っていくだろうというように思うのです。この点については、研修の問題にも関係してまいります。ひとつ法務省の御見解を承って、同時に、長官のほうからこれらの問題についての御所見を承りたい。
#70
○平田説明員 この問題につきましては、所管でございませんので必ずしも詳しいことは存じませんけれども、確かに御指摘のとおり、沖繩の少年院におきましては、専門的な技術を身につけた者が本土に比較してかなり少ないように見受けられます。その点につきましては、技術援助による研修などを通しまして鋭意その向上をはかっておりますけれども、この点につきましてはさらに一そう努力をしなければならない、さように思っております。
#71
○床次国務大臣 ただいまの青少年問題につきましては、場所が場所柄だけに十二分に青少年に対して徹底しなければならぬと思いますが、今日までのところ、やはり社会教育の面におきましてはだいぶおくれがあると思いますし、特に施設におきましておくれておった点は御指摘のとおりだと思います。現在におきましても施設の充実をいたしますとともに、その指導者の養成が必要でありまするが、これに対しましては先ほど法務省からもお話がありましたごとく、技術援助をもちましてこちらから専門家を派遣いたしまして、そしてできるだけ地元の技術と申しますか指導力の向上につとめておる次第であります。今後も一そう努力していきます。
#72
○中谷委員 では、あとまとめて二点だけ質問をいたしまして、私の質疑を終わりたいと思います。
 労働省にたいへんお待ちをいただきましたけれども、要するにこういう免許資格の取得などというふうなことについて、この暫定措置法において前進を見たわけではありますけれども、しかし、沖繩の高等学校あるいは中学校を卒業した若い青少年諸君が、本土において学びたいということで集団就職して参っておる。ところが、これも私これで三回指摘をすることになるかと思いますけれども、かなり定着率が悪いという問題があると思う。こういうようなことは、希望を持って一つの資格をとりたいとか進学をしたいということで沖繩から本土に参ったということで、結局定着率が悪くて離職をしてうまくいかなかったというようなことは、私はきわめてふしあわせなことだと思う。これについての対策といいますか、配慮しておられる点を御答弁いただきたい点が一点。
 それからいま一点、全然別の質問ですけれども続けてやります。いま一点は、一体この暫定措置法、これは言うまでもなくこの委員会においてとにかく審議されておる法律ですが、この法案が成立を見た場合のこの免許資格等についての周知徹底の方法ですね。これは一体どこのだれがその責任を持つわけなのか。要するにこの法案ができますね。そうしてこういうふうな資格を持った人がとにかく本土の資格をとりますよということは、これは日本の官報に載りますね。日本の官報というのは、一体沖繩の県民がどの程度見れるのか。一体これの周知徹底の責任は本土政府にあるのか、それとも琉球政府にあるのか、それはまず法律論としてお聞きしたい。
 そんなことはさておいて、いずれにしても、この法律案のいわゆるこういう資格を持っている人は本土の資格が取れますよということの周知徹底をしてあげなければ、結局この法案が生きてこないだろうという問題がある。法律的に見て周知徹底の責任は一体どこにあるのか、その方法はどうするのか。もっとむずかしいことを言えば、この法律は一体沖繩に適用されるのかどうかという問題だってありますね。しかし、それはさておいて、周知徹底という実務的な問題についてお答えをいただきたい。
 質問の順序として労働省のほうからお答えをいただいて、そうしてあと、できましたらその点について長官、特連局長等の御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#73
○保科説明員 沖繩からの本土への学卒者の就職状況でございますが、本年三月卒で中卒一千二百名、高卒一千六百名、計二千八百名という状況でございます。
 これらの方々の離職防止対策でございますが、基本的には適正な労働条件の事業所へ紹介する、これが基本だと思いますので、沖繩地区へ求人連絡いたします場合には、求人前によく審査いたしまして、基準法違反があるかないか、あるいは賃金等の労働条件が地域の一般水準以上であるかどうかというような点を審査いたしまして、適正な求人条件の事業所につきまして求人連絡をいたしております。本土へ就職してから後は、本土の就職者と同様の離職防止対策をやるのはもちろんでございますが、特に沖繩地区の就職者の方々に対しましては、本土へ就職してから一カ月以内に必ず安定所の職員が訪問指導してその状況をよく見る、環境の違いとかあるいは言語の違いによる不適応の事実がないかどうかというような点をよく見まして、綿密に職場適応指導をやっていくというふうにしております。
#74
○床次国務大臣 この法律の実施が県民によく浸透しなければ、効果があがらないことはお説のとおりであります。これに対しましては十分努力いたしたいと思いまするが、直接の役所といたしましては琉球政府及び日本の事務所がこれに当たりまして、そうしてできるだけこの趣旨を徹底させたいと思います。
 なお、今後とも一連の一体化政策がずっと出てまいりますが、いずれもこれは非常にPRを徹底させなければならない、かような心がまえでもって努力しておる次第でございます。
#75
○中村委員長 永末英一君。
#76
○永末委員 今回の沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法案という法律で、沖繩県民に対して、日本本土で成立していくこの法律が直接に一定の権利を与えることになりますね。
#77
○加藤(泰)政府委員 そういうふうにお考えになってもいいと思います。
#78
○永末委員 いままでのいろいろな援助法みたいなものは、それができたときの立て方は、こちらで法律をつくると琉球政府側あるいは琉球立法院でそれに受け答えをする法律をつくる。わがほうの政府は琉球政府に見合って金を出す、こういうクッションが何かあって、そうして最終的に沖繩県民に、もとをたずねれば本土からの金が渡る、こういう立て方になっておる。この法律は、この法律によって直接に沖繩県民に属人的な権利を与える、こういう種類の法律ですね。もう一ぺん確認しておきます。
#79
○加藤(泰)政府委員 特に試験を実施するのは、事実行為としての政府の行為がございますけれども、これは権力行使の問題ではないので、この点は、この法律自体は直接向こうで施行するというような意味合いよりも、むしろ試験を向こうで実施することを宣言したものという意味に考えております。ただ、先生の御指摘の問題はむしろ各則のほうだろうと思いますが、その点につきましては、もちろん属人的な意味合いにおいて、沖繩で資格を持っている者にこういうような地位といい接すか、本土政府に申請すればそういうような資格を与えてもらえる、あるいは講習を受けることによってそういう可能性が出てくるというような意味合いのものが出てまいるわけでございますので、そういう意味合いにおいて考えますれば、先生のおっしゃるようなことになろうかと思います。
#80
○永末委員 たとえばこの五条において、沖繩県民がこの法律に規定せられている免許資格を得たいと思う場合に、「本邦の免許資格に関する法令の規定を適用する場合」と書いてあるわけですね。そうしますと、この五条によって、あと各則でいろいろな法律がございますけれども、わが本土の国会で成立しておる法律が、昔沖繩県といわれておったあの地域に適用せられるということになってまいりますね。法律が適用せられるのですね。
#81
○加藤(泰)政府委員 法律が適用されるというよりも、この法律が沖繩の方々に一つの窓を開いた、そしてそこの窓から手を差し伸べれば一定の資格が与えられる、こういうことでございます。
#82
○永末委員 問題は二つあると思うのです。一つは、免許資格試験に関する限りにおいて、この特例法――全般的な総則ですが、各則にたくさんの法律がありますね、それらの法律が沖繩県民、あの土地に適用せられるか。法律上の問題です。もう一つは、これによってこの資格試験に合格した者はそれぞれの資格を与えられる。これは本土政府の行政措置として与えられる。行政権の及ぶ範囲は、この限りにおいては沖繩県も入る、こういうことになるわけですね。その二点を確認したいわけです。法律も適用されるし、行政権、すなわち東京の政府が持っているわがほうの政府の行政権がその限りにおいてはやはり沖繩まで入っていくのだ、そういう二つの解釈ですね。この特例法によってそう解釈してよろしいかどうかということを伺いたい。
#83
○加藤(泰)政府委員 この法律によって資格を得て具体的に営業ができるということは、もちろん本土に来られてそれが実効性を持ってくるわけでございます。沖繩におきましてはあくまでも、その限りにおきましてはただそういう可能性を持っているということにすぎないわけでございます。もちろん本土の試験に合格した者は、沖繩の法律で沖繩の資格として認めて沖繩で営業することを認めるということになるわけですが、沖繩の資格を本土の資格とツーツーにするというのは、沖繩において本土の資格をかりにとるといたしましても、そこで直ちに営業ができるわけではございません。本土に来られて初めて営業ができるわけでございますので、私は、沖繩の有資格者に対して本土の資格を与える窓口を開いたというふうに考えているわけでございます。
#84
○永末委員 あの窓口を開いたというのはどこだ、要するに聞きたいところは、法律的に本土の法令が、この件に関する限り沖繩県民、そこへ妥当しているわけでしょう、通用しているわけでしょう。そういう形になるということを聞きたい。
 もう一つは、行政権の作用として資格を与える。その限りにおいては、行政権はそこに及びますね。俗語ではなくてきちっと答えてもらいたい。
#85
○加藤(泰)政府委員 実はこういう資格、本土において営業ができるという資格そのものは、沖繩であろうとアメリカにいようと、とれるものはとれるわけでございます。そういう可能性が資格という表現でこの法律でもあらわしておるわけでございまして、それが顕在的になるのは、どこまでも本土に来られて初めて顕在化するわけでございます。そういう意味におきまして、この法律は、私は俗語かもしれませんが窓を開いている、こういうように解しておるわけでございます。
#86
○永末委員 法律的見解はどうですか、総理府長官。
#87
○床次国務大臣 この法律は、本土において適用されておるので、沖繩には適用されていない。ただし、これが復帰になりました際におきましては、本土法が当然まいりますから、その節においてはその資格その他が全部地元で生きてきて、その瞬間からあらゆる仕事が動いてまいるというふうに考えておる。その準備のためにこれができておる。したがって、沖繩の人がこの法律のあることを頭に入れて、そうして資格をとっておきますならば、本土に来た際においてその資格がものをいうということになります。
#88
○永末委員 この法律は、施政権返還前において、この法律によって沖繩県民がその資格をそれぞれ取得をする、そうしてその取得をした人がもし本土へ来るならば、本土の法律によって資格を認められた者と同等の資格を持ってあらゆる営業ができる、こういうことでしょう。あなたが言われたように施政権の返還後の話ではなくて、いまの話で、この法律で沖繩県民がそれぞれ資格を取得したということを認めるわけでしょう。
#89
○床次国務大臣 この点は両方考えられまして、一体化しておきますことによりまして、本土法が沖繩に適用されましたときに、これは円満に動けるということであります。と同時に、今日におきまして、そういう立場でもって資格をとりました者が本土に参りますならば、これは本土ではもちろん資格はとれるという形になります。
#90
○永末委員 長官、本土でなぜ営業ができるかというならば、この時点においてこれが成立するやいなや、沖繩県民はこの法律、それからこの各則に盛られているいろいろな免許を与える法律がございますね、その法律がその人に及ばなければ資格はとれないでしょう。だから法律的性格だけを伺っておる。本土に来て毛営業ができるとか、施政権の返還後にスムーズに同じ資格ができるということは別問題です。この法律自体によって、これに基づいて沖繩県民がそれぞれのこの法律に基づく所定の手続をして免許資格を申請して、そして合格した場合には、この法律に基づいて資格が与えられる。それはいま法域が違うとかなんとかいろいろ言われておったけれども、この法律に関する限り、ずっとこの法律は沖繩県に働いておらなければ資格を与えられないではないですか。
#91
○床次国務大臣 これは本土の法律が沖繩に働くのではなしに、資格は、どこの場所においても本土の法律によって資格をとれるという形で、資格をとった者が本土に入りますならば、それがすぐ生きてくるという考え方であります。
#92
○永末委員 そうしますと、たとえばアメリカ合衆国におる日本人に対してこの種のものがございますか、ないでしょう。アメリカ合衆国においては資格試験をする機関もなければ何もない。沖繩県は特殊な地位であるから、そういう一つの機関がある。それを本土法の中で準用し、是認をして、沖繩における機関で資格を求めてきた者についてはこの法律によって資格を与えるというのだから、法律が適用されているのじゃないでしょうか。
#93
○床次国務大臣 この点は、外国におりましても日本人でありますならば、試験を受ける機会があったならば試験を受けて、本土の資格をとれるという形になると思います。純然たる外国人ならそういうことはできない。この点において差があるわけです。
#94
○永末委員 外国の場合には、沖繩県のようにこの資格を与えるための日本政府側の機関は何もないわけだ。資格をとりたかったら、本国に帰ってきてとる。資格をとれなかったら、試験をすることもなく何もないでしょう。ところが、沖繩県においてはまさしくそういうものがある。それをこの法律で日本政府は正規のものとして認めている。その機関で手続をふれば資格を与えるというのだから、この法律によって沖繩県民に対して権利を与える、そういう種類の法律と解釈せざるを得ない。だからその人にとっては、この法律が属人的に適用されるのではないですか。
#95
○加藤(泰)政府委員 お答えいたします。
 非常にくどくお答えするような形になるかもしれませんが、私は、先生が属人的なものとしてというお考えでございますれば、かりに沖繩においてそういうことをやったから沖繩にこの法律が適用されているという、そういう意味合いにおいて考えるのではなくて、それがたまたま沖繩であるということで、沖繩にこういう法律をつくったからそういう可能性が出てきたということだけでございまして、これは極端に言いますれば、先生御指摘のようにアメリカ云々というお話がございましたけれども、かりにそういう法律をつくれば、アメリカでこの試験を実施すること等もできないことはないわけでございます。そうした場合に、それじゃアメリカにそういう法律が適用されているのかという、こういう言い方になるわけでございますが、そういうふうに考えなくてもいいのではないかというふうに思うわけです。
#96
○永末委員 あのね、簡単な話じゃないですか。アメリカにおいて日本人がこういう日本の本土のいろいろな資格試験に合格したいと思っても、何ら一切そういうものがなければ、本土に帰ってきて試験を受けざるを得ない。もしこの法律がなかったら、沖繩県民は一切本土における、ここに書いてあるような資格をとることはできない。沖繩県民は本土に来て資格試験を受けなければならない。この法律をつくるから、この法律が成立した以後は沖繩において資格を取得することができるのです。この法律がなかったら本土に来なければできない。沖繩にそれをする日本国政府の機関がないわけです。ところが、この法律によって、それぞれ沖繩に機関を設けてその資格を与えようというのですから、法律が及んでいると私は見ますけれども、一言でいいのです、及んでいるか及んでいないか、それを答えてくだざい。
#97
○加藤(泰)政府委員 行政処分そのものは、実は本土で行なわれるわけでございます。免許資格を与えるという、これも行政処分と見れば、本土において行なわれるその効果がたまたま沖繩にいる人に出るというだけでございまして、アメリカの本土にいようが、ドイツにいようが、その点は、法律の効果が及ぶ場合はあり得ると思いますけれども、それをもって沖繩、アメリカに日本の法律が適用されているとか、あるいはドイツに適用されているとか、そういうふうには私は考えていない。
#98
○永末委員 ちょっと話が違いますが、総務長官、いまの話だったら、わがほうがいろいろな法律をつくる。属人的な一定の権利を、本土の国会で成立せしめた法律によって沖繩県民に与える。沖繩県から何らかの形で国会議員が来ますね。そうすると、何でもできるというあなた方の見解は、すべての権利を与えることができる、沖繩の中はかまっておれない、全部やれる、こういうことになりますね。本土における行政措置だ、本土における法律効果だ、あっち側にいるのは別問題だ、そういう法律は幾らでもできる、合憲である、そう解釈してよろしいですな。
#99
○床次国務大臣 これは本土において適用しているのでありまして、本土側の受け入れ体制ができている。したがって、沖繩におきまして試験を受げました者が本土に参りましたときは、当然その資格を持っているということであります。同時に、したがって復帰いたしましたときには本土法が沖繩に及びますから、その瞬間におきまして本土とツーツーのものとして活動できるという形になるわけであります。
#100
○永末委員 この法律はこういうことをいうているのですよ。沖繩においてこの法律に定める手続によってそれぞれの行為をした者、そしてこの免許資格を得るにふさわしいこの法律に認められた手続でやったので、それは本土に来たら営業させますよということをいっておるのではなくて、沖繩がストレートにその法律で権利を与えるということじゃないでしょうか。それが営業しようとしまいと別の話で、法律というものはそういうものだ。あなたにその権利を与えます、本土法によって一定の免許資格をあなたは持っておる人です、だから沖繩でやろうと本土でやろうとどこでもやれます、そういう権利をこの法律によって与えます、このことを法律がいっておる。したがいまして、それは法律がその人に適用されていると考えなければできないじゃないですか。あと営業する時間の問題は別ですよ。法律はもうストレートにその人に権利を与える、そういう趣旨の法律ですね。もう一ぺん答えてください。
#101
○床次国務大臣 ただいまの御質問の趣旨のような法律ではないということであります。それで、資格を持ちました者が本土に参りましたときには資格を持ってよろしい、また同時に、本土法が沖繩に及びましたときには、当然本土によるところの資格が出てくる。復帰の際の摩擦を避けるという意味におきまして、一体化をいたしておる。したがって、この資格というものが将来の何と申しますか、期待と申しますか、潜在的な権利とでも申しますか、そういう形だと思います。
#102
○永末委員 あなたの解釈、この法文のどこで解釈できるのですか。私の解釈は第一条、それから第五条ですね。ストレートにこれが成立する。この法律によって沖繩の県民が資格を取得しようという行為をしたときには、その人に正しい法律が響いておるから、そういう行為がこの本法の各種法律によって認められる資格を与えるわけであります。行政手続が進行する、こう見るわけです。あなた、潜在的だとか、施政権返還後だとか、そのときに一体化が摩擦しないように、そんなことは書いていない。ストレートに与えますということは書いてある。しかも法令が適用するということが書いてある。うそですか、この法律は……。
#103
○床次国務大臣 この資格をとりました者が、本邦に参りますならば、当然この資格を本土の者と同じようにとる。しかし、沖繩におきましては本法によるそのものが動いておらないのでありまして、したがって資格がすぐに動くというわけにはまいらない。
#104
○永末委員 私は、沖繩県民で、これによって免許試験を受けますね。そして合格をする。そうすると、本土政府は、あなたは合格いたしました、本土における公認会計士の資格を付与しております、というてくれます。そうなると思うのです。その資格というものは、本邦において公認会計士として営業しようとしまいと、一身専属的な一つの権利として彼は与えられるわけでしょう。この法律が沖繩県における具体的な人間に対して及んでおるから与えられるものじゃないですか。そうでしょう、どうなんですか。与えないのですか。本邦に来て営業するまでは、おまえはこの特例法によって認められる公認会計士だということは言ってやらないのですか。そこをちょっと答えてくださいよ。
#105
○床次国務大臣 この点は、もちろんこの法律によって資格を与えるのであります。しかし、与えるからといって、本法がそのまま沖繩に適用になっておるというふうな考え方ではない。これは適用ということばの考え方になりますが、さようには考えておりません。
#106
○永末委員 そうしたら、五条の法令の規定を適用する場合には、それはどういうことになるのですか。適用するつもりなんでしょう。
#107
○加藤(泰)政府委員 これは、たとえば免許の資格の認定の申請をいたします。その場合に、本土においてそれを審査する段階で、沖縄の学校も本土の学校と同じ、このように判断していこう、こういうことでございます。
#108
○永末委員 沖繩の学校等々に対して、本法による規定をあっち側の学校に適用した場合に、本土のいろいろな学校と同じような、同格の学校とみなそう、こういうことでしょう。適用といってどこに適用するのですか。沖繩の学校でしょう。
#109
○加藤(泰)政府委員 沖繩の学校に適用するのではなくて、本土において学校の要件を必要とする資格に関して、沖繩の方が申請をしてきた場合には、沖繩の学校も本土におけるものと同じように扱って判断をいたしていこう、こういう趣旨です。
#110
○永末委員 委員長、何ぼ言ってもうんと言いませんが、困ったもので、ここの五条の問題は、あなたが言われたように、最後のほう、「沖繩の学校教育に関する法令の規定による学校」、それに対して、その上が、「法令の規定を適用する場合には、」ということですから、この五条によって沖繩の学校と本土の学校と比べて、いままでなら、この五条がなければ、沖繩の学校を卒業してもこの資格はあるとは認められなかった。しかし、この法律によって、沖繩の学校を卒業した者に資格を認めようというわけでしょう。その限りにおいて、いろいろな法令の規定を適用したいといっておるのが五条でしょう。
#111
○加藤(泰)政府委員 五条は、別に本土の法令を沖繩に適用するということをいっておるのではなくて、本土の法令を適用する場合において、すなわち本土において法律が適用されるわけですから、その場合において沖繩の学校をどう扱うかということを規定したにすぎません。
#112
○中村委員長 永末さんにちょっとおはかりいたしますが、速記だけとめて、いまの問題、川崎さんも聞きたいと思っていらっしゃるようだし、ちょっとこっちで懇談をして、詰めてまいりたいと思いますが、そのあとでまた……。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#113
○中村委員長 速記を始めて。
 この際、暫時休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時三十二分開議
#114
○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 政府から発言の申し出がありますので、これを許します。加藤参事官。
#115
○加藤(泰)政府委員 けさほど永末先生から御質問がございました点について、重ねてお答えいたしたいと思います。
 永末先生の御指摘の点は、この法律が沖繩住民に適用されるのか、こういう御質問であったと思いますが、その点につきましては、たとえば公認会計士法の第十六条の二におきまして、外国政府の認めた公認会計士がわが国においても同様な資格を認められるという規定がございますが、このような規定の趣旨との関係を考えてみますと、この法律におきまして沖繩の住民に一定の資格を与える趣旨を、すなわち沖繩の住民が本土に来たときにその資格をもらえる趣旨を意味するわけでございまして、そういう意味におきましてこの法律は沖繩住民に適用されると解していいと思います。
#116
○永末委員 ただいま、この特例法の法律的性質、すなわちこの特例法と沖繩県民との関係において、どういう法律的な性格を有するかについて御回答がございました。しかし、私は、これが沖繩という地域に住居を持っておる人々、沖繩県民と申しますか、沖繩県民に対して日本国の法律によって、だれでもそういう条件に合致し得る者はそういう資格を与えるという法律効果を及ぼす、そういう意味の法律でございますから、その意味合いにおいてはこの沖繩住民に適用せられる法律である、そのように解しなければ、何か停止条件つき法律効果、すなわち具体的に営業を開始しようとするときに初めてそれぞれの資格を与えられるかのごとき御説明がございましたが、そうではなくて、この法律が成立いたしますと、この法律に盛られたそれぞれの免許資格について沖繩県民が所定の手続をとるやいなや、沖繩県のその土地におけるその人々がその時点において資格を持つ、こういうことをいっておる法律だ、だといたしますと、その限りにおいてはその人々に適用がある、すなわちわが国会で成立して、この法律がそういう意味合いで沖繩県におるその人々に適用がある、その意味ではユニークな性格を持った法律だと私は思います。政府の解釈はもさもさしておりますけれども、そう解釈しなければこの法律は成立する意味がないと私は思いますので、そういう意味であるならば、はなはだけっこうなことだと私どもは考えております。
#117
○依田委員 ちょっとうちのほうの委員がいませっかく出かけておりますから、二、三関連して質問します。
 今度の法律をつくって、これを受ける琉球のほうの法律をやっぱりつくってもらわないと、こちらのほうで資格を付与しても、それが当然に国内法で琉球の中で属人的に効果を発生するわけじゃないんですから、琉球のほうで受ける法律をやっぱりつくることが前提になっておると私は思うわけです。ですから、当然琉球側との予備折衝といいますか、十分な了解を前提とするのではないか、こういうことを思うわけなんです。そういう意味で当然諮問委員会において、いま永末さんが質問された趣旨と同じような内容になってきますけれども、当然、委員会が公開できる範囲内の議事録を当委員会に出していただいて、その中で本土で法律をつくり、同時に、それを受けて沖繩でもつくる。もちろん、沖繩のほうでは野党も与党もあるわけですから、主席かあるいは沖繩代表が諮問委員会において合意を与ましても、それがすぐにそのまま沖繩の国内法の意思決定につながるわけじゃないですから、本土側の法律ができ上がっても、それと矛盾しないような沖繩側の法律がもし成立しなかったり、あるいは個々の問題でもって若干の行き違いがあったりすると、私は、その限りにおいては執行できなくなる、架空の条文をうたっておることになる、こう思うわけなんです。
 やはり弁護士の数にしましても――弁護士は今回ないのですが、公認会計士はありますね、そのほか税理士、調査士、建築士、調理師、たくさんにあるわけです。ですから、それらについてやはり沖繩側の需要といいますか、そういう資格者がどれくらい要るかとか、あるいは本土側に同じ程度の資格者が現在いるかとか、いろいろの問題があります。たとえば沖繩で許可をもらった者が本土へどしどし来て開業すると飽和状態に達するとか、あるいは本土側にいて沖繩に行くと沖繩の経済界があふれるとか、そういう個々の問題がたくさんある。何十種類あると思うのです。公認会計士は外国人が二名、日本人は四名か五名しかいないということで、日本側から沖繩側へ、沖繩が自分の生まれ故郷だとか、沖繩のほうが営業がやりやすいとか、いろいろの理由が非常にたくさん出てくる。そういうあらゆる点を想定して、決して弁護士の数や公認会計士の数や調理師、看護婦の数、保母さんの数が、必ずしも本土側と沖繩側との間において完全にマッチするものとは考えられない。しかし、諮問委員会の中ではそういうことは詳しく討論なさっておらぬと思う。もっと大まかに項目でうたっておるにすぎないと思う。ですから、その辺も含めて詳細な報告というか、資料提供をしてもらう。そういう中でこの法律を今回こちらで通す、当然それを受ける法律を前提とする。そうでないと、属人的に本土側の法律が沖繩にいってどんどん有効であるということになると、何も法律をつくらぬでも、これは本土側の法律によって、アメリカへ行っても沖繩へ行ってもどこへ行っても、公認会計士なら公認会計士の試験を受ければそれで公認会計士になれるわけです。向こうで認めさえすればなれるわけですから、あえてこの法律をつくる必要もなくなるのじゃないか。もしそれを認めるということになると、新しいケースが出てくる。琉球政府とこちらの本土側との一つの壁、どちらの国内法もその範囲内でしか属地的に有効でないというような原則が、若干ニュアンスを変えてくるのではないか。そういう点を永末さんも御心配になっているのではないかと思うのです。しかも、そういろ点があるので、それについての質問をきのうもやりましたが、きょうも重ねてお聞きするわけです。
#118
○加藤(泰)政府委員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。
 最初に、実は現在琉球政府立法院で立法されております個々の資格免許の法律を見ますと、本土の有資格者は大部分向こうで資格を与えられるようにすでに措置されているわけでございます。そういうことで、もちろんまだ措置されてない面もあろうかと思いますが、大部分はそういう意味で現に措置されているということを一点申し上げておきたいと思います。
 それから第二点といたしまして、琉球政府の態度でございますが、これは諮問委員会におきまして、もちろん琉球政府も参画していろいろ討議されたわけでございますが、琉球政府のほうから、実は私のほうから提案したもの以上に、いろいろこういうものも入れてほしいというような希望もあったくらいでございまして、それが勧告にそのまま盛られているような事情でございます。そういう意味におきまして、当時の琉球政府は十分積極的にこれを要望されていたというふうに思いますし、屋良政権になりましても、私も向こうへ行きましたときにこの話をいろいろいたしておりますし、向こうも、沖繩の資格者が返還の時点においてその資格がどうなるかというのが非常に心配なんだ、そういう意味で早く本土側のそういう態度を示してほしいということを私も言われてきております。そういう意味におきまして、この法律に対応する琉球政府の側の立法その他は当然あるものと、私期待しておりますし、その点については何ら懸念はないというふうに考えております。
 第三点、諮問委員会の議事録の件でございますが、議事録そのものは、ちょっと内部的なものでございますので公表はできないと思いますが、勧告につきましては、委員会のほうに提出するように準備いたしております。ただ、その内容におきましては、アメリカ政府の代表の発言が特にどうのこうのというようなことは書いてございません。と申しますのは、こういう点につきましては、アメリカ政府のほうから特にそれほどはっきりした意思表示がなかったように私聞いております。そういうことであろうというふうに思います。
#119
○依田委員 参事官、大部分は琉球のほうですでに現実問題として処置済みである、実際の行政の実情として処置済みである、受け入れ体制を整えておる、一部は未処置であるとあなたはおっしゃる。私は量の問題じゃないと思うのですよ。たとえその一部がごくわずかの一部でありましても、やはりそれに対する完全な見通しなり保証なりを、提案者であるあなたのほうは数字をもって委員会を納得させるべき立場にあると私は思うのですよ。一部だからいいのだという考え方は、一部であろうが大部であろうが、筋が通らぬと思う。それが一点。
 それから、その次には、琉球側の言い分は勧告に盛った、またその他の部分については琉球で適宜処置してくれるであろうと大きな期待を持っておる。これはあなたの期待であって、そんなことは琉球政府の保証も何もあるわけじゃないのですよ。あなたは、琉球側もそういうぐあいに、受け入れ体制については当然同じような提案を盛った法律を与野党とも通して、実現をしてくれるものと頭からきめてかかっておりますが、私はそんな甘い見通しがそのまま通るのかどうかということについて、委員の一人として心配するわけなんです。
 それから、その次の点は、実際問題として、内地というか本土の資格者、たとえば看護婦、保母、計理士、税理士、公認会計士、こういうものが、今度の法律で本土でもオーケーだ、そして沖繩へ行っても沖繩の法律を受けて営業できる。同じ趣旨から、沖繩の資格をとった者は本土へ来てよろしい。こういうことになりますと、極端な場合には、本土から、現在三人か四人しかいない公認会計士のところへ、いなかだから、生まれ故郷だからということで、二、三人押しかけて、一億以上の資本金の会社に対する会計士の監査権という問題もありますけれども、たちまち飽和状態になる。逆に言えば、東京にだってそう無数にたくさん公認会計士がいるわけじゃありません。せいぜい二千人くらいしかいないのですから、それに対して、沖繩でどんどん養成して東京へ来てどんどん開業するということも、極端な場合ですが、想定すれば、やはり需給関係だってあるし、その限りにおいては、沖繩のほうで、そう本土側の法律の、あの何十条もたくさんにある免許資格や何かを、全部無条件に沖繩の経済界なり産業界が受け入れるわけにはいきません。こういうことが常識として一つや二つ発生するのではないかと私は思うわけなんです。そのことについても、きめこまかな事前交渉なり打ち合わせを十分になさっておるかどうか。なさっておるとするならば、あなたがそうお考えになるというようなことでなしに、資料の上でそれを立証といいますか、委員会の委員を納得さしていただきたい、こういうことを私は何度も申し上げておるわけです。
 諮問委員会の議事録の公表の問題は、それは外交文書ということで了解しますが、私は、この委員会が何時間もかけ、あるいはあなた方が立法過程におきまして何十時間も何十日もかかってこれを審議した以上のこまかなことを、琉球の諮問委員会が討議しておるものとはとうてい考えられない。項目的には了解を与えておる――公認会計士オーケー、税理士オーケー、調理師オーケー。しかし、それを実際に試験をしてそれぞれ資格を与えたときに、それが沖繩で開業したり、本土で開業したり、交流したりしたときに、沖繩の経済界なり産業界において悪影響はないか。悪影響がある限りにおいて、向こうの受け入れ体制は簡単なオーケーはできませんよ。それは一部であろうが大部分であろうが関係なく、この法案が、ある一定の見通しの上に立ってここで提案していることになりますよ。将来予測できない仮定の問題を想定して、この法案をきょう通すことになりますよ。少し性急じゃありませんか。私も、理事がいないので、あまり大きなことは言えませんけれども、初めての沖繩の委員ですからあまり勉強もしておりませんが、私の知っておる限りでは、賛成するにそうやぶさかでない議案だと思っております。ただ、そういう点について当局のほうでは十分に納得をさしていただけるもの、また納得さす立場にあるもの、こういうふうに理解しております。
#120
○山野政府委員 まず、御指摘いただきました第一点につきましては、御指摘のとおりでございます。したがいまして、この法案が成立しましたら、直ちに琉球政府のほうに十分協力を求めまして、話し合いの上で必要な立法措置は全部とっていただくように、緊密な協力のもとにやってまいりたいと考えております。
 それから第二点の、いわゆる諮問委員会の審議の過程におきまして、そう詳細に各項目にわたっていろいろ級密な検討を加えた結果ではあるまいという御指摘でございます。そういう点も、私どもはその論議の詳細は知りませんが、少なくとも琉球政府の非常に強い要請もありまして、それからまた本土側としましても、本土・沖繩一体化の線から、この試験、免許の法案を早急につくって、こういう一体化を進めようということに合意をしたのでございまして、したがいまして、今後そういうしさいの点については、さらに実施上その他の面において、十分配慮をしていかなければいかぬじゃないか。今後、まだほかに残った試験、免許も相当たくさんございます。そういうものにつきましても、ただいま御指摘のあった御趣旨を私ども十分体しまして、間違いのないように、それからまた、せっかく沖繩側に有利のためにつくる法案を、かえって沖繩側で大きな迷惑をこうむるような、そういう事態にならないように、いま御指摘いただいた御心配のような事態が生じないように、私どもも、日米琉三者の協力によって対処いたしたいと考えております。
#121
○依田委員 これから、そういう第一の点については、十分にそういうことの起こらないように配慮していきたいということはわかるのです。わかるのですが、大事なのは、法案の審議過程の中において、あなたが、過去においてこれを作成される過程の中で、いままでこういうケースについてはこういう配慮をいたしました、それをやはり説明をしていただきたいのです。これからどんなことが起こるかわからないのですよ。あまりにも項目が多過ぎるし、その影響が実際問題として大きいわけです。ですから、これから心配していくんじゃなくて、そういうことについて十分にいままで討議を当局ではしてまいりましたとか、それから先ほど諮問委員会の詳細をあなたは知らないと言っておられますが、当然外交文書であろうと何であろうと、あなたは立案の当局者なのですから、あなただけは十分にその詳細を読んでいただいて、沖繩のほうの、琉球のほうの要求はこれこれである、本土側の受け入れ体制はこれこれである、本土側の琉球側に対する要求はこれこれである、アメリカ側はこうであるということを十分そしゃくの上で、将来起こり得るであろうあらゆる問題について、慎重に審議をされた結果を御提案になっておられるであろうとぼくは考えているのです。いまのお話で、諮問委員会の内容については知らないということになりますと、ますますこの心配はふえるばかりであるということを申し上げなければいかぬと思うのです。
 それから沖繩が不利にならないように考えたいとあなたはおっしゃっておる。しかし、日本の本土と沖繩は、人口といい、その行政水準の格差、経済界の格差といい、とうてい比較にならないわけですね。それを本土側にある会計士だとか、計理士だとか、あるいは調理師だとか、無数にある。要するに日本の経済の中心をなす許認可の問題について、それをそのままフリーでもって沖繩に適用した場合、あるいは沖繩のほうでどんどん資格を与えて本土へ送り込んだ場合、どういうような不都合が両方に起こるかなんということは、これは火を見るよりも明らかですよ。これについて、有利なことが起こらないまでも、不都合が起こっては困るわけですから、沖繩の不利なことも、本土の不利なことも起こりません、特に沖繩の不利なことは起こりませんということ、看護婦でも保母でもお医者でも何でも、あなたのほうで十分に数字をあげて、あなた方の心配は杞憂ですと言ってもらわないと――私も審議に協力したいのです、十分する気持ちはあるのですが、その問題でさえもはっきりしないということになりますと、とうていわれわれも責任を果たせませんから困るわけです。これからの問題でない、これまでの中において、あなたのほうでその点について、少なくとも私のいまの質問に対する御答弁をひとつお聞きしたいと思います。
#122
○山野政府委員 第一点につきましては、諮問委員会のほうで、ぜひ一体化をはかってもらうという試験項目は、六十数項目あったと思うわけでございます。それを日本政府のほうでいろいろ検討いたしまして、四十四項目にしぼったわけでございまして、そのしぼる過程におきましては、各省庁とも十分意見交換を行ない、それから琉球政府側の意見も聞きまして精査を加えて、現段階ではこの程度の一体化なら支障があるまいということで御提案したわけでございます。したがいまして、それに対する琉球政府の立法措置を要するものにつきましては、琉球政府で立法していただけるものと私どもは強く期待をしておるわけでございます。
 それから第二点の諮問委員会の詳細については存じておりませんと申し上げて、はなはだ失礼でございましたが、この点につきましては、大体概略の諮問委員会で御意見があったことは承知しております。それらの経緯から見ましても、この法案で御提案しましたような試験項目については、双方について異議がないというぐあいに私どもは了解しております。
 また第三の点につきましては、これは私ども各省庁との話し合い、琉球政府との話し合いを通じて、現時点においてはそう大きな変動を沖繩に与えないであろうというようなことで、私どもは提案を申し上げておる次第でございます。
#123
○中村委員長 他に御質疑がなければ、これにて質疑を終了いたします。
    ―――――――――――――
#124
○中村委員長 これより討論に入る順序でありますが、討論の申し出がございませんので、直ちに採決いたします。
 沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#125
○中村委員長 起立総員。よって、本案は可決すべきものと決しました。
 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#127
○中村委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。
   午後三時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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