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#1
第061回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第22号
昭和四十四年七月二十二日(火曜日)
   午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 中村 寅太君
   理事 宇野 宗佑君 理事 臼井 莊一君
   理事 小渕 恵三君 理事 本名  武君
   理事 八木 徹雄君 理事 川崎 寛治君
   理事 美濃 政市君 理事 永末 英一君
      箕輪  登君    井上  泉君
      中谷 鉄也君    依田 圭五君
      伊藤惣助丸君    渡部 一郎君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 愛知 揆一君
 出席政府委員
        内閣法制局第一
        部長      真田 秀夫君
        総理府特別地域
        連絡局長    山野 幸吉君
        総理府特別地域
        連絡局参事官  加藤 泰守君
        防衛政務次官  坂村 吉正君
        防衛庁衛生局長 浜田  彪君
        外務省アメリカ
        局長      東郷 文彦君
        外務省条約局長 佐藤 正二君
        外務省国際連合
        局長      重光  晶君
    ―――――――――――――
七月二十二日
 委員伊藤惣助丸君辞任につき、その補欠として
 渡部一郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 沖繩及び北方問題に関する件
 沖繩のパインアップル産業の育成強化に関する
 件
     ――――◇―――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。
 この際、臼井莊一君外三名から、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四派共同提案にかかる沖繩のパインアップル産業の育成強化に関する件について決議案が提出されております。
 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。臼井莊一君。
#3
○臼井委員 ただいま議題となりました沖繩のパインアップル産業の育成強化に関する件の決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四派を代表して、私がその趣旨の説明を行ないます。
 まず、その案文を朗読いたします。
    沖繩のパインアップル産業の育成強化に関する件(案)
  沖繩におけるパインアップル産業は、同地における重要輸出産業として、生産者関係機関一体となって国際競争に耐えうる産業とすべく懸命の努力を続けつつある。
  現時点において、パインアップル罐詰等の自由化は、沖繩経済に重大な影響を与え現地関係者の熱意を喪失させるおそれがある。
  よって政府は、沖繩パイン産業の育成強化に適切な指導援助を積極的に与え、かつ当分の間パインアップル罐詰等の自由化を行わないよう格段の努力を払うべきである。
  右決議する。
 以上であります。
 沖繩におけるパインアップル産業は、政府の特恵措置にささえられ、生産農家をはじめ関係者の一体となった努力により、砂糖とともに沖繩経済における二大輸出産業の一つとなっておりますが、同産業がまだ国際競争に耐え得るものとなっていないことも、御承知の通りであります。現時点におけるパインアップルかん詰め及びジュースの自由化は、生産業者をはじめ沖繩経済に重大な影響を与えるものであります。
 このたび、これら品目の自由化について、特別の配慮を望む旨、琉球政府立法院から重ねて強く要望された次第でありますが、政府は、沖繩のパインアップル産業が沖繩経済に占める重要性にかんがみ、パインアップルかん詰め等の自由化については、当分の間、見合わせるよう配慮すべきであると考えるものであります。
 なお、政府は、同産業の育成をはかるため、生産コストの低減、品質の改良など、国際競争力を付与するための各般の指導援助を積極的に強化するよう配慮されんことをあわせて望むものであります。
 以上が本決議案を提案する趣旨であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#4
○中村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○中村委員長 別に発言の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 臼井莊一君外三名提出の沖繩のパインアップル産業の育成強化に関する決議案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#6
○中村委員長 起立総員。よって、本決議案は可決されました。
 ただいまの決議について、議長に対する報告及び関係当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#8
○中村委員長 次に、質疑の申し出がありますので、これを許します。宇野宗佑君。
#9
○宇野委員 沖繩において突発いたしましたVX神経ガス事件に関しまして、外務大臣にお尋ねをいたしたいと思います。時間が十五分しかございませんので、私もきわめて簡単に要点要点だけをお尋ねいたしますから、ひとつ大臣もさような意味合いで御答弁を賜わりたいと思うのであります。
 第一点は、アメリカは、沖繩にいま私が申し上げましたVX神経ガスがあることを確認いたしましたか、認められましたか。
#10
○愛知国務大臣 いまのお尋ねに対しまして簡潔にお答えをしなければならないわけですけれども、経緯がございますから、ちょっと概略簡単に申し上げたいと思います。
 実は、今月十八日付のウォール・ストリート・ジャーナルというものに、VXガスというものが沖繩に配置されておるというような趣旨の記事が出ましたことを十八日に私も承知いたしましたので、直ちにアメリカ大使館のオズボーン公使を招致いたしまして、外務省としてまずその真相を究明し、また、事実に対しましてとるべき措置をとらなければならないと考えたわけでございます。
 そこで、先方が申しましたことを、御質問より少し広くなりますけれども、便宜上申し上げますと、日本本土につきましてはさような事実はないし、また、今後におきましてもさようなものを貯蔵するというような意向を持っておらない、これが第一点。
 それから、第二点がいまお尋ねの点ですが、こういう回答でございます。沖繩については、問題の物質は引き続き厳重な保安及び保護措置のもとに置かれる。それから、訓練を受けた米側要員のみがこの物質を取り扱い、もしくはこの物質の貯蔵地域に立ち入ることを許される。この物質の他地域への漏洩もしくはその他の事故による大きな被害の可能性はない。今後類似の事件の再発がないように最大の努力を払う。なお、米側としては常時沖繩住民の福祉保全にあとう限りの努力をする。今回の事件は、沖繩住民には全く及ばなかった。こういう回答が来ておるわけでございます。
#11
○宇野委員 いまの大臣のお話でございますと、アメリカは問題の物質と言っておるのであって、一般に伝えられるがごとくにVX神経ガスということばは使っておりませんですか。しかしながら、大臣自身としては、日本政府自身としてはどういうふうにお思いになりますか。
#12
○愛知国務大臣 なお、その点について、今回の問題となった物質は、さらに当方からの照会といいますか追及と申しますか、それに対しまして、化学兵器として使用されるガスではあるけれども、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の伝えるごとく、致死性のVXではない、こういう説明をいたしております。
#13
○宇野委員 その点は、やはりさらに政府といたされましても徹頭徹尾追及をされなければならないと思います。第一、今日の世界の情勢等々から判断いたしまして、このような兵器があること自体がわれわれといたしましてはまことに不可解である。しかしながら、幾つかの国際法がございますが、もちろん国際法はその使用を禁止しておるのであって、今日ただいま製造あるいは貯蔵というものを禁止しておらないという立場からいたしますと、われわれといたしましては非常に憤概すべき問題ではありまするが、それがたまたま沖繩に置かれておるということは、私は沖繩県民に対する凌辱だと思うのです。凌辱だという考え方から、政府は強くその撤去をアメリカに交渉されなければならないと思うのでありまするが、まず大臣といたされましては、いかにアメリカが施政権を持っているとはいえ、このような人類が破滅に追い込まれる――もちろん核兵器もさようでございましょうが、もっと残忍なこの兵器をアメリカが沖繩に持っておることは県民に対する凌辱である、こういうようにお考えになられませんでしょうか。
#14
○愛知国務大臣 私も御同様の考えを持ちます。特に、たまたまこのことを私も知りまして行動を起こしたのは十八日でございますけれども、御承知のように、七月三日には、今回日本が参加いたしました軍縮委員会におきまして、日本政府を代表して、いわゆるガス兵器、あるいは生物兵器に対する日本政府あるいは国民の考え方というものも内外に明らかにいたしておる次第でございまして、そういう点から申しましても、ただいまの御意見には御同感でございます。
#15
○宇野委員 沖繩にはすでに二百六十七部隊という、この種いわゆるCB兵器を取り扱う部隊があるということが公にされております。このことは大臣とされまして確認されておられますか、並びにそうした部隊がどういうような任務を帯び、どういうような配置がなされておるかということに関しては、アメリカから通報を受けておるやいなや、この点をお伺いいたします。
#16
○愛知国務大臣 ただいまお尋ねがございました点については、そういう部隊がおるということ、あるいはその任務というものも一応は承知いたしておるわけでございますけれども、今度のようなこの物質の問題につきましては、あらためていまのお考えのような、御意見のような点に立脚いたしまして、政府といたしましても最善の努力をいたしたいと考えております。
#17
○宇野委員 CB兵器の撤去ということは、つまりいま私が申し上げましたそれを取り扱う部隊の撤去に通ずるものであると私は思う。したがいまして、すでにオズボーン公使等々を交えていろいろと申し入れをされたと承っておりまするが、しかし、外務省の一部には、今日施政権がある以上は撤去を求めることはむずかしかろう、したがって、善処を要望するとか配慮を要望するというような、われわれから考えると何か非常に軟弱外交的な考え方があるように承っておりまするが、私はあくまで撤去というものを要求すべきであると考えております。これについて、いま大臣は善処すると言われましたが、撤去をお考えになっておるか、どのような方法によってそれを強く申し入れられるか、この点をはっきり御回答賜わりたいと思います。
#18
○愛知国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、政府といたしましても、一度にとどまっておるわけではございませんで、この実態の究明ということがまず第一だと思いますが、伝えられるような殺戮的な、致死的なものがあるとするならば、その撤去を求めるということは当然のことであると思います。
#19
○宇野委員 先ほど大臣は、アメリカとの折衝の結果、そのような兵器は在日米軍は持っておらない、貯蔵しておらないという報告を受けたと答えられましたが、もう一度確認いたします。事実本土にはございませんか。
#20
○愛知国務大臣 これは先ほど申し上げましたように、七月十八日に最初に政府としては行動を起こしたわけですが、二十日の日曜日にも接触をしているわけでございます。その最初にアメリカ側から回答のありましたときに、日本本土については、さようなものは絶対に貯蔵してもいないし、将来もそういう意図は全くないということを日本政府に対して保証するというような回答があったわけでございます。同時に、先ほど申し上げましたように、沖繩における問題の物質の管理云々というような返事がございました。それでは率直に言って私も満足できません。でありますから、さらに接触いたしまして、先ほど申し上げましたようなウォール・ストリート・ジャーナルのいわゆる致死量のVXガスではない、こういう回答が来たわけでございますが、なおこれらにつきましては真相の探求というようなことにできるだけの努力をしたい、かように考えておりますが、いまお尋ねのような、いま日本本土にないということは、これは信頼して可なりと考えております。
#21
○宇野委員 沖繩返還に関しまして今日ただいま私たちの意見が一致しておりますところは、いわゆる核抜き、本土並みということばでございます。しかしながら、この核抜きということばは、当然のことではあるが、こうした新しい兵器が現にあるということが確認されました以上は、安保条約の改定期におきましても、やはりわれわれといたしましては、当然それを核抜き、毒ガス抜きという形において確認しなくてはならないと思うのでございます。
 そこで、今日ただいまの事前協議の対象といたしましては、重大な装備の変更は単に核兵器だけということに政府の統一見解としてなっておりまするが、この点私は、CB兵器は当然事前協議の対象にしなくてはならないと思います。そうでなかったならば本土並みということばも今後は使えないと思いますが、この点、大臣といたされましてはどういうような御所見をお持ちでしょうか。
#22
○愛知国務大臣 この点もまさにそのとおりでございまして、核抜きであり、また同時に、本土並みであり、そして沖繩は本土と差別してもらいたくない、これが施政権返還についての政府としての基本線でございますから、そういう点から申しますれば、返還の時期にこうしたBC兵器というものがないということは、もちろん絶対的な要件だと思います。しかし、先ほど申しましたように、これは即時返還を期待して折衝に入ったわけでありますけれども、いろいろの手続関係その他を見れば一九七二年にどうしてもずれ込むんじゃないか、かように考えておりますからおそくも一九七二年と言っておりますが、そうすると、その間に若干の期間がございますね。現におそるべきものがあるとすれば、すみやかにこれは持っていってもらいたい、撤去してもらいたいということを返還の時期よりも前にやるのが、沖繩の人たちに対する本土のもののつとめではなかろうか、私はそういう姿勢で本件の処理に当たりたい、こういうように考えております。
#23
○宇野委員 特に重大なことは、返還後もさることながら返還前、この沖繩の県民から不安を除去するということが一番大切なことではないか、かように思います。いま大臣がそれに関しまして所見を述べられましたから、われわれといたしましても、そのような角度において十分努力されることを衷心より要望するものであります。
 最後になりまするが、現在ジュネーブにおきまして軍縮委員会が開かれておりまして、わが国もすでに代表を送っておる次第でありまするが、英国は、いわゆるCB兵器等々全面的な禁止というような提案を今日なしております。わが国といたしましても当然、現に沖繩地帯にそういうような全く忌まわしい事件が起こっておりまするので、むしろ世界に先がけてわが国がイニシアチブをとって――英国案に乗るとか乗らないとかそういうことでなくして、われわれとしては、日本がイニシアチブをとってこういう問題にもっと外交的な手腕を発揮すべきではないか、かように考える次第であります。当然、こうした問題を契機といたしまして、政府も強いアピールをしなくてはならないと思いますが、その点、外務大臣としては今日、ただいまどのような御構想をお持ちになっておるか、お伺いいたしておきます。
#24
○愛知国務大臣 BC兵器につきましては、すでに先ほど申しましたように、七月三日の日本政府代表の軍縮問題に対する基本的見解、この中で触れておるわけでございます。そして、いわゆるイギリス案に対する考え方にも触れておるわけでございますが、日本としては、いまもお話がございましたように、この面においても主導的とでも申しましょうか、そういう立場をとって、せっかくの軍縮委員会というものに日本の活躍の舞台を与えられたわけでございますから、フルにこれを活用してまいりたい、こういうように考えておるわけでございます。
 同時に、イギリス案は、非常に現実的であるがために、生物兵器と化学兵器を分けて、まず生物からというような考え方になっておる。したがって、このいわゆるガス問題につきましては、まだ十分な考え方が具体的になっていないうらみもあるように思われます。そういう点におきまして、わがほうにおいてもこれから十分さらに具体的、科学的な研究を進めなければならねと思いますが、そう申しておりながらこういうことを申すのもいかがかと思いますけれども、たまたま本日付でなったのでございますが、こういう方面に日本としても世界的な権威者もおられるので、かねがね内諾は得てあったわけですが、千葉大学の前学長の川喜田博士に全権団に加わってもらうことに本日発令をいたしたわけでございます。これなども、今回の問題が起こったからではなくて、かねがねの政府としての計画で、BC兵器についての熱意と誠意を傾けていきたい。日本の、何といいますか研究というものを、こうした軍縮委員会にもぜひ反映させるようにしたい、こういう配慮でいたしましたことも申し添えておきます。
#25
○宇野委員 終わります。
#26
○中村委員長 中谷鉄也君。
#27
○中谷委員 大臣にお尋ねいたしたいと思います。
 非核三原則というのは、どうしても日本国政府が守り抜かなければならないところの原則でございますね。先ほどからの質問の中ではBC兵器の問題が論議されましたけれども、核、そうして生物兵器、さらに化学兵器、さらに放射能兵器というものがある。そうすると、持ち込まないといわれているそういうものについては、今後どんなものがあらわれてくる可能性があるか。そういう中で、持ち込まないものについての原則というものが、私は日本国政府としてなければならないと思う。この点についてはどのようにお考えになるでしょうか。
#28
○愛知国務大臣 持ち込まない兵器というものを、その性能等が、科学の進歩というものが非常に急激でございますから、具体的にこうこういうものと申し上げることはなかなかむずかしいと思いますが、一つのよりどころは、多年多くの国々が研究しておることでございますから、やはり軍縮委員会というようなところで取り上げているさような問題が大きな参考になり、指針になるのではないか、かように考えるわけでございますが、そういたしました場合は、やはり核兵器とそれから今日ここで御論議のありますBC兵器、こういうものではなかろうかと考えられます。
#29
○中谷委員 こういう考え方はおとりにならないでしょうか。要するに、核兵器というのはきわめて残虐である、そして必要以上の殺傷、そのようなものを行なうところの兵器である。ジェノサイドというようなことばがありますけれども、みな殺しの兵器である。こういうふうなものについては、同時に、今回問題になったところの沖繩における毒ガスについても共通項がある。さらに、生物兵器についてもそのようなものがあり得る。さらに、放射能兵器といわれるようなものについてもそのような共通項がある。このような不必要な殺傷行為、きわめて残虐な兵器、そのようなものについては、同時に、非核三原則と同じような持ち込まない、もちろん保持しない、使用しないという原則が日本国政府においては堅持されなければならない、こういうように考えますが、いかがでしょうか。
#30
○愛知国務大臣 私は、ものの考え方といたしましては、日本が世界に例のないような平和憲法を持っているという考え方から申しまして、観念的にはお話のことがよくわかりますけれども、しかし、具体的にどういう兵器とどういう兵器というものが無事の大衆を殺戮するだけの力を持っているか、いわゆる古い定義でいえば、戦時国際法その他で認められるというか、組織を持った軍隊の力と力の戦争ではなくて、不必要に、一瞬にしてあらゆる国土あるいは領域の全人民をみな殺しにしかねない、そういうものを防がなければならない、こういうものは一体どういうものが考えられるだろうかということになりますと、いま申しましたように、現在のわれわれの現実の課題としては、やはり核武力あるいはBC兵器のある種のものというようなことになるのではなかろうか。観念的にはおっしゃることはわかりますけれども、具体的にどういうものかと申しますと、私もそういった面の科学的な知識と十分な見識を持っておりませんので、にわかにお答えはいたしかねると思います。
#31
○中谷委員 外務省はすでに若干の見解を発表されておるようでありまするけれども、BC兵器のある種のものという点についての、要するに持ち込みを許さないところのBC兵器というのは、現在お考えになっている基準、たとえばそのBC兵器の毒性その他について、化学方程式等についてお話をいただこうとは思いませんけれども、ある種のBC兵器とは何か、これについてひとつお答えいただきたい。
#32
○愛知国務大臣 これはおのずから非常に大切な問題でございますから、十分に科学的に検討したその知識をもとにお答えをしなければなるまいと思います、そういう点につきましては、先ほど私申しましたように、たとえば今回のジュネーブの軍縮委員会の状況を見、あるいは従来の研究を見ましても、たとえばBCというBの中、Cの中でどういうものが禁止しなければならないものであるか、どういうものは除外してもいいのじゃないかというようなことを含めまして、非常に技術的な、科学的な検討が講ぜられておるようでございますから、そういう点も十分ひとつ参考にしなければならない、かように考えるわけでございます。
#33
○中谷委員 ジュネーブの軍縮委員会の問題が出ましたが、この機会に若干お尋ねをしておきたいと思いますけれども、戦争における窒息性、毒性又はその他のガス及び細菌学的戦争方法の使用禁止に関する議定書については、アメリカと日本は批准国ではございませんですね。この経過は一体どういうことなのか、簡単にお答えをいただきたい。同時に、こういうふうな現実の問題が提起されておる中において、この条約の批准についてどのように大臣はお考えになるか。この点いかがでしょうか。
#34
○愛知国務大臣 この一九二五年の条約に日本は批准してないという事実に対して、一体当時どういう経緯だったのだろうかということについては私もだいぶ研究してみたのでありますけれども、当時の一応の考え方といたしましては、一八九九年のヘーグの毒ガス使用禁止宣言、それから一九○七年のヘーグの陸戦法規慣例条約、これの締約国になっておるし、これらの宣言、条約によって、すでに一九二五年の毒ガスなどの使用禁止を規定しておるところは、当時の日本政府としてはそれに参加しておるのだから、あえて一九二五年の分については批准をしなくてもよかろうというような見解が当時あったやにいまから想像されるわけでございます。しかし、それはそれとして、今日批准していないということは事実でございますので、あらためて私も一九二五年の条約というものについて十分に研究する必要がある、かように考えております。
 私の現在の考えを申し上げますと、この一九二五年の条約については、先ほども申しましたイギリス案というものが、今日の状況から見て一九二五年の条約を全部カバーして、さらにそれに新たなる提案が加わっておるものと理解できるならば、むしろこの英国案に対して日本が早く態度を表明するのも一案ではなかろうか、あるいはそれが日本としてはまだ理想的でないとするならば、さらにイギリス案を修正するというようなことも可能なことではないのじゃなかろうか、これらの点につきましては実は他の委員会でも詳細に、まだ十分練れた結論ではございませんが、お話申し上げたのでありますが、現在ジュネーブで行なわれております軍縮会議が、あと三、四週間で日本参加後初めての折衝が終わりますので、その間にこの英国案あるいは一九二五年の条約等についての考え方等も十分検討をし、そうして委員会内の空気も見て持って帰ってもらいまして、そうしてわれわれとしての最終的な態度をきめたい、実はこう思っておりましたようなわけでございます。
#35
○中谷委員 私が指摘をいたしまして、いま御答弁をいただきました条約についての考え方について、あるいは批准しなかった事情については、私は大臣の御見解と若干違いますが、いずれにいたしましても、この条約は使用禁止が主眼になっている、製造、保持等については必ずしも明確ではない、そういう立場で私は大臣に二つのことをお尋ねいたしたいと思いますが、要するにC兵器というもの、あるいはBC兵器というものの毒性というものは、非常に査察の困難というのが一つあると私は思う。そういう状況の中で、しかし、だからといって、日本国民百万が住んでいる沖繩県民が、毒ガスの危険にさらされているなどということはとうてい許すことができない。
 そこで、大臣にお尋ねいたしたいと思いまするけれども、この問題が発生する以前に外務大臣としては、沖繩にVXなどというC兵器が保持されておった、貯蔵されておった、こういうような事情については御存じでしたかどうか、これが一点です。
 いま一点お聞きいたしたいのは、アメリカのほうから日本国政府に対して、在日米軍はこの種C兵器を保持していない、持ち込んでいないというところの話があった、そういうことを保証すると言われたから信用するとおっしゃったけれども、査察の方法はあるのですか。査察をしない限りは、そのようなことについて国民としては安心ができないと思うのです。この点についてはいかがでしょうか。
#36
○愛知国務大臣 二つのお尋ねですが、今回のこの沖繩の事件につきましては、先ほど申しましたように、私どもとしてはウォール・ストリート・ジャーナルの七月十八日付の記事をもって承知いたしたわけでございますから、それ以前に私は少なくとも承知いたしておりません。
 それから第二点は、これはこの種の問題についていつも問題になりますけれども、結局これは相互信頼の問題だと思います。ないということを友好関係にある政府が保証するということでありますれば、それを信ずるというのが私は――私どもとして信ずるということになるのでありまして、これはいまお話もございましたが、査察の方法というものも、BC兵器についてはほとんど不可能だということが、どうも軍縮委員会あたりでも通説のように私も見受けておるわけです。その辺のところは、先ほど申しましたように、もう少し現実に即して研究もしたいと思いますけれども、そういう関係があるなしにかかわらず、絶対ないということは私どもとしては信じておる次第でございます。
#37
○中谷委員 もう少しこの問題について掘り下げてお尋ねいたしたいと思います。核の問題については、アメリカ国内法の原子力に関する機密保護法、これが一つの壁になっているんだ、だからアメリカの言うことを信用してもらいたい、われわれは信ずるのだということが政府の従来の御答弁であったと私は理解します。BC兵器については、私の理解するところでは、そのようなアメリカ国内法の壁はないと私は思う。そうすると、具体的な査察の困難性ということは、逆に言うと、そのような兵器を保持している疑いあるいは不安というものを一そう増大させる、こういうことになる。私は、だからそういうふうな法の壁がないならば、これについての査察の方法を講ぜられるべきだと思うけれども、この点は外交交渉に乗せられるお気持ちはないかどうか。この点、いかがでございましょうか。
#38
○愛知国務大臣 この点は、私はアメリカの法制の詳しいことを存じませんけれども、たとえば核の問題にいたしましても、アメリカ人に対してもこれが秘密を要請されているから、外国である日本側としては知る由なし、こういう意味では必ずしもないと私は思うのでございます。これはやはりおそらく他の諸国にもあると思いますけれども、軍という、軍隊の組織の中における秘密保持であるとかいうようないろいろのこともあろうと思いますが、それはともかくとして、一国と一国との関係におきまして査察の権利を持つ、持たぬということは、それとはまた別個の問題ではなかろうか。ことに防衛関係の問題につきまして、友好国の間に査察権というものを相互に保証するというようなことは、現状においてはどこの国でもやっていないし、あるいはこれが国際的な慣行ではないかと思います。したがいまして、法律論としてどういう権利があり、義務があるかという論議ではなくて、相互信頼関係の間における外交チャンネルを通しての話し合いで相互が納得できるようにするというのが、この種の問題に処する基本的態度ではなかろうか、私はかように存じております。
#39
○中村委員長 永末英一君。
#40
○永末委員 外務大臣に伺いたいのであります。
 沖繩における毒ガスの事件は、お話によりますと、アメリカの公使から、外務省のお伺いに対して一応の答弁があった。それで終わったようですが、それだと問題の物質が沖繩に現在存在していることは、外務省は認めておられるのですか。
#41
○愛知国務大臣 決して終わってはおりません。先ほど申し上げましたように、実は率直に申しまして、その置かれている物体がいかなるものであるか、向こうの一応の説明は一回、二回あったわけでございますけれども、もしこれが、致死性のVXということでないということですけれども、それ以上におそるべきものであるとするならば、これは撤去してもらうのが当然じゃないか。しかも、先ほど申しましたように、私は、返還交渉においては、返還の時点においては当然この種のものは撤去してもらわなければならないと思います。そうでなければ、政府の沖繩施政権返還の基本線であるところの本土並み、沖繩無差別という趣旨にも反するわけですから。しかし、その返還の時期は、こちらもおそくも一九七二年と言っているくらいですから、若干の時間がかかる。その時間の間においても、沖繩の人たちに安心してもらえるような措置を、アメリカをして講じてもらわなければならないというのが私の現在の立場でございますから、これで終わったなどとは断じて考えておりません。
#42
○永末委員 返還のときの話は別として、現在の問題なんです。したがって、あなたは、この問題の物質が何であるかということを、どういう手段で、いつまでに明らかにしなければならぬとお考えになるか。
#43
○愛知国務大臣 要するに、問題になったようなものを今後において撤去することにしてもらうということが最善の道ではないでしょうか。私は、そういう方向で最善の努力をいたしたいと思っております。
#44
○永末委員 だといたますと、現時点においても、あなたはこの問題の物質の撤去を要求する決意がある、こういうことですか。
#45
○愛知国務大臣 そのとおり先ほどから申し上げているつもりなんでございます。
#46
○永末委員 問題の物質といいますと、きわめて対象が限定されているのでありますけれども、そのほかにいわゆる毒ガス、または戦争に使用し得るような生物兵器、そういうものが沖繩にあるかないかはアメリカにただしましたか。
#47
○愛知国務大臣 これは、本件が起こりましたことにつきまして、当然そういう点については要求をいたしております。
#48
○永末委員 その件についてアメリカ側は見解を示しましたか。
#49
○愛知国務大臣 現在までに承知しておりますところは、今回問題となりましたもの以外にはないという態度のようでございます。
#50
○永末委員 この問題の物質は、あなたはいま撤去を要求する決意であると言われましたが、実際にこれは交渉しなければなりませんね。まだ交渉されておりませんね。
#51
○愛知国務大臣 私は、先ほど来、これらの兵器は撤去されるように申し入れつつあるというふうに申したわけでございます。
#52
○永末委員 だから、しっかり聞きたいわけです。申し入れつつあるというのは、申したのか。現実の日本政府の意思として、沖繩におけるこのような物質は望ましくない、だから撤去せられたいという日本国政府としての意思をアメリカ政府に申されたのかどうか、この点をはっきりお聞きしたい。
#53
○愛知国務大臣 はっきり申し上げているつもりです。私は申し入れているのです。
#54
○永末委員 報道によりますと、一日前でございますけれども、いまだ日本政府からは何らのこの件に対する政府としての申し入れ、抗議等はないということを、アメリカの国務省の報道官が記者会見で言っている。何かその辺に――申しつつあるというのはそれから以後の話かどうか、いつせられたか、お聞きしたい。
#55
○愛知国務大臣 先ほど申しましたように、報道官の談話というものは二十日付と外電が報じておりますが、こちらは十八日、二十日と接触を持っているわけですし、さらに今後も私は接触を持つつもりでおりますから、そういう段階で一ぺん申し入れて――紙切れを持っていって撤去してくれと言ったのでは申し入れだけになります。私は成果をあげたいから、成果をあげるように申し入れつつあるということを正確な日本語で申し上げている。
#56
○永末委員 私も正確な日本語で承りたい。申し入れたというのならば、あなたのいまのお話から、十八日も、二十日も接触を持った。十八日に最初持ったのは、どういう事情かということをアメリカに聞いたのが十八日の段階だと思います。それからアメリカの一応の見解が示されたときに、あなたは、相手方がはっきりこの状態、物質が何であるかということを言わなくても、あなたの御判断でそういう疑わしいものは撤去してくれと、それを言われたのか、国民はそれを聞きたいのです。正確に日本語としてわれわれは承っておきたい。
#57
○愛知国務大臣 ですから、日本語で申しますと、十八日の段階においては、私どもとしてはウォール・ストリート・ジャーナルの十八日付の記事ですね。それでもって私どもとしては行動を起こしたわけですから、一番最初は、真偽を究明するということから始まるのは当然じゃありませんか。そのときにはまだ抗議の段階ではないし、そのときにはまだ撤去の申し入れではないわけですね。ですから、申し入れつつあるというのは、そこから始まって状況を判断しながら申し入れたわけです。そしてまた今後においても(「弱いよ」と呼ぶ者あり)何が弱い……。事実がわからぬうちに撤去を申し入れることができますか。事実がないというのに対して……。
#58
○永末委員 愛知さん、進行形というのは、始まってから相手方に到達するまでに時間があるわけですね。国民として知りたいのは、日本政府側がこの事件をどう判断し、そしてどのような措置をとったかを聞きたい。そこであなたは申し入れつつあるというような、主観的にはそうであっても、国民が外から見ておって、ほんとうに日本政府はいつ申し入れたのかということを聞きたい。琉球政府の主席は申し入れました。また日本政府の外務大臣もいつ申し入れておるか、聞きたいわけです。それを言われないということはないでしょう。
#59
○愛知国務大臣 何もそうこだわる必要はないと私は思うのです。十八日から申し入れたと理解していただいて一向差しつかえありません。
#60
○永末委員 それは重大な見解の差異です。十八日の段階ではあなたの御言明でも何かわからない。新聞報道だから実態を明らかにするための申し入れをやったのです。私が伺っておるのは、このような物質、正体がわからないが致死的な物質であれば、これは沖繩には存在を許してはならない。これは外務大臣もお考えであることを伺いました。であるならば、相手方の返答はきわめてあいまいであっても、そのような判断を日本国政府がした場合には、これはやはり撤去してくれということを正規に申し入れなくてはならぬ問題だと思うのです。したがって、そのことをやられたかという質問をいたしましたところ、あなたは申し入れつつあるというのですから、その撤去ということについての申し入れをしたと言われるならば、それをお知らせいただきたい。簡単なことです。
#61
○愛知国務大臣 ですから、さっきからしばしば申し上げておりますように、一方においては事実の究明をしながら、向こうの説明に応じてこちらとしてとるべき態度をとっていくのですから、正確に先ほど来申しておるわけです。ですから、撤去を申し入れたのです。
#62
○永末委員 具体的にいつの会談で申し入れたということを伺えばわかるのでございますが、なかなかその辺の時間の幅が外務大臣にはあるようでございますが、このガスの性質等についてはっきりさせるためには、被害を受けたアメリカ兵等の被害状況等は、アメリカ側は示しましたか。
#63
○愛知国務大臣 被害の状況については、二十四人が医学的の観察を受けるために所要の措置をとった、六時間後に全部クリアされて、それぞれ平常の任務に復帰をした、これがこの二十数名に起こった事実である、かような説明でございました。
#64
○永末委員 その医学的観察に付せねばならぬ、その医学的観察の内容について日本政府としては伺われましたか。
#65
○愛知国務大臣 ただいま申しました以上の報告は聞いておりません。
#66
○永末委員 あなたは、これを確かめられる御意思はございますか。
#67
○愛知国務大臣 必要ならば聞いてもよろしゅうございますけれども、私は、一応それはそれで済んで、それよりは今後の措置が大事じゃないかと思うのです、日本側としましては。
#68
○永末委員 この問題の物質の性質を国民が知りたいわけですね。それを知るためには、やはり医学的観察をしなければならない状態に二十四名の米兵たちがあったならば、それは一体どういうものか国民は知らなければ、この物質の性質がわからないでしょう。したがって、あなたが国民の生命を守ろうという御決意であるならば、当然事項として、その内容についてアメリカ側に照会されるのはあたりまえだと思いますが、いかがですか。
#69
○愛知国務大臣 御意見を十分尊重して当たりたいと思います。
#70
○永末委員 外務大臣としては、このような生物的ないしは毒ガスに類するようなそういう兵器というものは、日本政府としては保有すべきではない、このようにお考えですね。
#71
○愛知国務大臣 これは日本政府としてというよりは、日本政府としてみずからが持たないだけではなくて、先ほど来申し上げておりますように、実はこういう問題が起こる前、最近のことであったけれども、七月の三日に、わがほう代表をして日本政府の立場も表明さしておるくらいでございまして、全世界の人がこういうものをやめてもらいたい、これが私は日本国の立場ではないかと思います。
#72
○永末委員 全世界と言われましたが、私は、あなたの政府だけの御決意を伺いたい。その中に含まれておるということに了承いたしまして進みますが、問題が起きてからアメリカ側にいろいろなことを言うのではなく、日本政府の意思がそこにはっきりしておるならば、化学兵器、生物兵器の、本土並びに沖繩に対する持ち込みを禁止するのだということの協定ないしは条約をアメリカ側と締結しようではないか。ほかの国は問題ありませんから、彼らは軍事基地を持っておるから問題が起こる。そういうことを提案する御意思はございませんか。
#73
○愛知国務大臣 七月三日に、日本政府代表が内外に訴えておりますのも、もちろんアメリカを含めてのことでございますが、そんなことをやったってこういうことがあるではないかとおっしゃればそれまででございますけれども、日本政府としては、自分がしないんじゃなくて、それだけではなくて、広く世界に向けてこういうふうにやりましょう、その場合にイギリス案が参考になれば、それも大いに検討してみましょうということを呼びかけておるわけです。これが現内閣の態度であり、おそらくは全日本国民が支持してくださる考え方であろう、かような確信でございますから、もちろん対象にアメリカも含めております。
#74
○永末委員 問題は、全部の国に呼びかけるというのは、なかなかひまのかかることである。しかし、緊急の日本国民の生命を守るためには、軍事基地を所有しておるアメリカ国が、これらの軍事基地に対して当該危険な物質を持ち込まないということが、日本国民としては当然の願いであり、要求であろうと思う。だから問題をしぼって、アメリカに提案される御意思はないか、それだけを伺っておきたい。
#75
○愛知国務大臣 アメリカに対しては、もちろん働きかけを積極的にいたします。
#76
○永末委員 先ほど、一九二五年のジェネバ議定書と今回イギリスが出しました生物戦争に関する決議案との関係について、外務大臣は、今回のイギリスの生物戦争に対する決議案が、一九二五年の議定書の精神並びにその目的の上に立っておるのであって、であるとするならば、今回のイギリス案は生物だけでございますけれども、生物――毒ガスの問題はございましょう、含めねばならない。しかし、そのことに対して日本政府は賛成をしようというのならば、第一に、いろいろな過去の事情はございましても、一九二五年のジェネバ議定書に対して、私は、ここで批准を行なうということから自分の態度をはっきりさせることが必要だと思います。したがって、この批准を求める御意思があるかどうか、あらためて伺っておきたい。
#77
○愛知国務大臣 この点は先ほども率直に申しましたように、そういう考えも一つ私はあり得ると思うのです。たとえば四十年もたってていさいが悪いとか、あるいはその当時の状況を私もずいぶんよく調べてみたのですが、先ほど御説明しましたように、その前のヘーグその他のあれでカバーされておるというような説明で批准をしていなかった理由もあるようでございます。彼此勘考して、いまさら一九二五年の条約を批准して参加するというのもいかがか、目前にさらによい案が成り立ち得るとすればという感じもいたしますが、なおとくと検討さしていただきたいと思います。
#78
○永末委員 終わります。
#79
○中村委員長 川崎寛治君。
#80
○川崎(寛)委員 まず第一に、十八日から行動を起こした、こういうことで先ほど来御答弁があったわけでありますが、この事故の事実を知ったのは、八日に事故が起きた、八日に外務省には通告があったとも聞いておるのです。その辺いかがですか。
#81
○愛知国務大臣 私は、先ほど来申し上げておりますように、十八日の、正確に言って午前十一時ごろに私はこの報道された記事に目をとめて、それから行動を起こしたわけでございます。
#82
○川崎(寛)委員 そうすると、これは八日は通告がなかったのですか。当局でもいいですよ。
#83
○愛知国務大臣 これは、私は存じませんでした。
#84
○川崎(寛)委員 事務当局は……。
#85
○東郷政府委員 大臣のおっしゃいましたとおり、何らの通告もございません。
#86
○川崎(寛)委員 そうしますと、ウォール・ストリート・ジャーナルがそういう報道をしなければ、この問題は結局わからぬまま葬り去られていくという可能性があったわけですね。この点は後ほど関連してまいりますが、その点、たいへん大事な問題だと思います。
 撤去について、先ほど来、永末委員の質問に対して、交渉しつつある、こういうことでありますが、施政権返還前においても撤去し得る、こういうふうにお考えになっておりますか。
#87
○愛知国務大臣 これはまあ率直に申しますけれども、やはり交渉ごとでございますから、私、自分で権限を持っていることでないんですから、はっきりしたお答えができないのは残念でございますが、私の考え方、私の姿勢といたしますれば、返還前でもすみやかに沖繩の人たちに安心を与え、その保証をつくり上げるということが政府の任務である、かように考えましてあらゆる努力を払いたい、かように存じております。
#88
○川崎(寛)委員 先ほどの永末委員の質問に対しても、事故の内容はあまり明らかでないわけですが、これはどこで起きたのですか。
#89
○東郷政府委員 沖繩にある米軍の基地内ということで、どの基地であるか、われわれつまびらかにしておりません。
#90
○川崎(寛)委員 そうしますと、第二兵たん部の第二百六十七部隊だろう、こういうふうなことも言われておる。これはそういうものを扱うところでありますし、またCBRの訓練学校もあるわけであります。さらには知花の弾薬庫、これは核の貯蔵庫にもなっておるわけですが、この知花の弾薬庫で起きたのじゃないだろうか、こういうふうなことが現地でもいろいろ言われておるわけでありますが、結局、そうなりますとどこで起きたかわからぬわけですね。軍事上の秘密だろう、こういうことになるだろうと思うのですね。そうすると、内容についてもはっきりしない。これでは、現地の県民の不安というのは決しておさまらないと思うのです。何ゆえにこういう事故が起きたのか。その点、しつこいようですが、お尋ねしたいと思うのです。
#91
○東郷政府委員 先生御承知のように、この件に関しましては、ウォール・ストリートの記事が出ましてから、国防省で一応の発表をいたしました。それによりますれば、英語ではミスハップという字を使ってございますが、米軍の基地内において管理上の事故が起きた、そういう発表がございました以上の何らの公にされた資料がございませんので、われわれ、今日国防省の発表以上に事実を詳細に承知しておりません。
#92
○川崎(寛)委員 核抜き本土並み、こういうことで返還交渉の基本方針にしておるわけでありますが、この点について、今回の事故が起きました際に、沖繩の屋良主席も、これは前々から沖繩の基地の濃密度ということを絶えず現地では問題にいたしておるわけです。だから、事前協議の三項目を当てはめた本土並みだと言うだけでは、つまりこういう実態というのがわからぬわけですね。そうしますと、本土並みだ、こう言われた場合にも、事故が起きて、それが報道されて、そうして大きな世論が巻き起こらなければ、その問題は真相が究明されないし、解決されていかない、こういうことが、特に完全な施政権下における沖繩の基地の中では行なわれてきたわけでありますし、まさに世界最悪の基地とも――先ほど宇野委員も、県民に対する凌辱だ、こういうふうな強い表明もあったわけでありますけれども、この沖繩の基地のそういう実態というものを、返還に際して確認し得るかどうか、いかがですか。
#93
○愛知国務大臣 これは今回のこのガス問題に限りませんけれども、この返還問題全体に対しまして、私は、おりおり申し上げておりますように、考えれば考えるほどたくさんの問題があり、またお互いに確認したい問題もあり、お互いに施政権返還後の保証を得たい問題もあり、それらにつきましてはほんとうにじっくりと検討して、御期待に沿うようにいたしたい、かように存じておるわけでございます。
#94
○川崎(寛)委員 この問題は、これだけでもたいへんな問題ですから、これはあらためて別な機会にいたします。
 一九二五年の議定書の問題でありますが、批准の点については、どうもこれでいいだろうか、こういうふうな形の問題もあるわけですし、また、この一連の条約全体が相互加盟主義であって、全体的に縛るという形になっていないわけですね。そうしますならば、この種の体系というものが今日の事態に合わないという大臣の認識については、私は一致します。だから、そうであるならば、ウ・タント事務総長が報告書を出しておりますが、その報告書の方向については全面支持をされますか、どうですか。
#95
○愛知国務大臣 ウ・タントの報告書には、実は日本の知識といいますか、これももちろん若干入っていることは御承知のとおりでございますが、これは何ぶんにも学術的な観点から出たレポートであって、実際的に全世界的に、条約案として、あるいは宣言案としてそのまま適切であるかどうかということについては、いま少し検討の余地もあるのではなかろうかというふうに考えております。
#96
○川崎(寛)委員 そうしますと、この一連の条約というのが、あるいは宣言というのが、つまり戦争使用のみの禁止になっておりますね。先ほど来、製造、貯蔵、使用、こういう点が問題になっておるわけでありますけれども、現在の軍縮委員会で問題になっておるイギリス案も生物兵器だ、こういうことになりますと、CBにならないわけですね。これについては査察がたいへん困難だ、こういう点も指摘されておるわけでありますけれども、私は、やはりウ・タント事務総長の報告書の方向というのは、学者の論文であるということだけで、先ほど来の外務大臣の主張からするなら片づけられない問題があると思っております。といたしますならば、これは軍縮委員会でやっていくか、あるいは国連総会という場所でやるつもりなのか、その方向というものを――批准をいまさら求められないというのであれば、具体的に進める方向というものを明らかにしていただきたいと思います。
#97
○愛知国務大臣 この一九二五年の条約の批准の問題は、私はとりあえずはこう思いますけれども、その条約の趣旨というか条約の中に、何ら今日においてわが国に異論があろうはずはございませんから、たとえば軍縮委員会等におきましてもそのことを明確に宣言をする、さらに、その趣旨にのっとって、よりよきもののでき上がることに日本として一そうの協力をする、こういう意思表示をすることだけでも相当の成果がある場合もありはしないだろうか、こんなことも私は考えておりますが、要するに、せっかく軍縮委というものに日本が登場したのでございますから、できるだけ軍縮の問題については――さらでだにこの軍縮委員会が従来とかくの批判といいますか、もあったような状況でもございますから、新参加国の日本としては、軍縮委員会をできるだけ活用する。その軍縮委員会というものが成果をあげるように、日本としては努力を新たにすべきじゃないだろうか、かように考えておるわけでございます。
#98
○川崎(寛)委員 英国案すら今回は成立しないんじゃないだろうかという、悲観的な観測も流れているわけですね。米ソもともに、その他の国も開発をしておる、抑止力だ、こういうことでいくならば、より強い毒性というものを求めざるを得ない。こういうことで、初めて入った日本として役割りを果たしたいのだ、この軍縮委員会においてこれを進める指導的な役割りを日本は果たしていこう、こう言うのであれば、それは、英国の提案自体が成立をしないということで終わらせないようにするにはどうすべきか、この点はなかなかたいへんな問題だと思いますけれども、その点もう一度伺いたいと思います。
#99
○愛知国務大臣 これはなかなかたいへんであると同時に、いろいろの方法が私はあるのではないかと思うのです。一般論といたしましても、多国間の条約などについてはいろいろの立場がありまして、趣旨においては賛成だけれども、必ずしもみんながみんな判こをつき得ない場合もあろうかと思いますが、しかし、そうだからといって、投げやりにしておくわけにはいかないわけで、いわば政治的にあるいはそういうふうなプレゼンテーションのもとに二国間の、たとえば日本の場合でありましたら日米間の好ましい日本としての状況をつくり上げることができるとか、いろいろの方法論が私は考えられると思いますので、非常にむずかしい、また大きな問題でありますだけに、必ずしも一つの方法論等に膠着しないで、最善の道を選びつつ進むということが適当な場合もあるのではないだろうか、こんなふうにも考えておるわけでございます。
#100
○川崎(寛)委員 基準ですけれども、使用、これだけですね。そうすると、製造、貯蔵、これについても禁止、日本政府はその方向ですかどうですか。
#101
○愛知国務大臣 これは、考え方としてはそうでなければいけないと思います。
#102
○川崎(寛)委員 それではもう時間がありませんので、CB兵器の沖繩からの撤去を要求する――B52の撤去についても、昨年来たいへんな県民の運動、要求があるわけです。この点について、この際、B52の撤去、これまでは要請でしたが、当然撤去の要求に踏み切るべきだ、それをやるべきだ、こう思います。いかがですか。
#103
○愛知国務大臣 要するに、B52については、沖繩の基地を使用しないようにするということがみんなの眼目であるわけでございます。その点について、御承知のように、従来から政府としてもあとう限りの努力はいたしております。今後におきましても、この努力を傾倒して目的が達成できるようにいたしたい、この考え方に変わりはございません。
#104
○中村委員長 渡部一郎君。
#105
○渡部委員 ただいま毒ガスの問題に関しましてたくさんの応答が行なわれておりますが、これは、私はまず人類の生存に挑戦する最悪の兵器であると思うわけであります。そしてまた、日本の平和憲法に対する重大な背反律であると思うわけであります。
 この問題を扱う前に、まず外務大臣に私は伺っておきたいのでありますが、このような人間性の否定あるいは人類に対する犯罪行為というべき毒ガスのような兵器、あるいは広く化学兵器あるいは生物兵器のようなものは、日本の平和憲法に照らしてまことにこれは両立しないものである、こういうものは断固世界から撲滅していくべきであるとお考えになるのが道義上ほんとうだと思うのでありますが、その姿勢について、まず伺いたい。
#106
○愛知国務大臣 私は今日もこの委員会に伺いまして、先ほどから申し上げておりますのは私の基本姿勢でございますので、先ほど私も触れましたように、日本国のユニークな憲法、その精神、その趣旨とするところから申しましても、日本が持たないとか開発しないだけではなくて、全世界からこういうものはなくなすようにしなければならない、これが私は自分としての基本姿勢と考えております。
#107
○渡部委員 そこで伺いたいのでありますが、日本には非核三原則といわれるものが、前に政策的な方針としてございましたが、この非核三原則と同じように、BC兵器全般に関して、製造、所有、持ち込みを否定する非核三原則と同じようなBC兵器三原則というべきものが日本政府の政策として採用されているかどうか、それを明らかにしていただきたいと思います。
#108
○愛知国務大臣 考えようによっては、私は、核武力、武装というものよりも、もっと以前の問題ではないだろうかというような個人的な感情も持つわけでございます。ところで、非核三原則と同じような原則を持つかというお尋ねですが、形にあらわして反BC政策というようなものを具体的に掲げたことはなかったと思いますが、ただ、これも先ほど来いろいろ申し上げておりますように、たとえば日本政府を代表して軍縮委員会において朝海代表が演説をいたしております中にも、本件について言及いたしまして、かようなものの望ましくないことを表明いたしておりますことなどは、その一つのあらわれと御理解をいただきたいと思います。
#109
○渡部委員 お答えが一般論的でありますので、私は重ねて伺いますが、日本としてはBC兵器を所有したり、保有したり、あるいは製造したり、あるいは持ち込ませたりする意思があるかないか、それをお答え願いたいと思います。
#110
○愛知国務大臣 これはもう当然のことですが、私はそういう意思は持っておりません。
#111
○渡部委員 それでは伺うのでありますが、日本の安保条約におけるところの事前協議事項におきまして、BC兵器の配備というものは重大な装備の変更という項目に当たるか当たらないかという問題について、昭和三十八年、当時の池田総理大臣との間に質疑応答が国会において行なわれております。そのときの池田さんの答弁は、要するに世界で禁止しているものなんだから、国際法上禁止しているものなんだから、そういうことには触れたくないというような御答弁であったようであります。実際的に言いますならば、事前協議事項の中に含まれてはいないという、えんきょくな表現が行なわれたようであります。私は外務大臣に率直に伺うのでありますが、このBC兵器、毒ガス兵器を含めたBC兵器は、もし日本国内に持ち込むという場合になりましたら事前協議の対象になるかどうか、お伺いしたいと思います。
#112
○愛知国務大臣 現在の制度の事前協議の対象となっておる装備における重要な変更とは、かねがね申し上げておりますように、核弾頭及び中長距離ミサイルの持ち込み並びにそれらの基地の建設とされておりまして、BC兵器というものは含まれていないのでございます。これは現在の事前協議の運用の基準として日米双方間に合意されておるところでございます。しかし、そう申しただけではきわめて冷淡な御返事と思いますから、私の所感をつけて申し上げますならば、私は、その大量殺戮のBC兵器というものは、実は事前協議以前の問題ぐらいに考えてしかるべきではないか、絶対にあり得てはいけないことだというふうに考えたいぐらいの問題ではないかと思います。同時に、ここがまたきわめて微妙なところだと思いますけれども、一口にBC兵器と申しますけれども、先ほど来るる申し上げておりますように、まだ軍縮委員会その他あるいは一八〇〇年代以降におきましてもいろいろ論議のあるところで、その定義というものがさだかでない面もございます。それから核武装のほうは、幾ら核の武装というものが、俗なことばでいえば安くなったにしても、まだまだ相当の金もかかりましょうし、あるいはそれをつくるため、用意するための――用意といいますか、装備も必要だと思いますけれども、BC兵器といわれるような範疇をもし非常に広げて言えば、たいへん幅の広いものであって、中にはきわめて簡単につくれるものもあるのじゃなかろうかと私は思うのです。あるいはまた、被害を与える限度におきましても、幅がまた非常に広いものではなかろうか、こういうふうにも考えられますので、いわば条約的、法制的にどういうふうに扱うかということ、それ自身が問題である点もあるのじゃなかろうか、こういうふうに考えられますので、こういったような点について事前協議の対象にするというようなことの場合には、そのきめ方等について、いろいろの技術的な面その他十分に検討して考えなければならない、そういう性格の問題ではなかろうかというふうにも考えるわけでございます。
#113
○渡部委員 私は、長く議論する時間がありませんので、その問題についてはこれで締めくくりたいのでありますが、BC兵器を事前協議の対象にすることは私は反対であります。なぜかといえば、事前協議ということは、前回大臣がしばしば述べられましたように、イエスと言う場合があり得るとこの間力説されたわけであります。そうすると、BC兵器の持ち込みを禁止するというお立場でありながら持ち込む場合があり得るということになりましたならば、これは核兵器以前の問題であるとはおっしゃいましたけれども、実際にはとんでもないことを承認なさる結論になろうかと思うのであります。もちろん大臣はその辺は十分お含みの上、仮定を立てていま御返答賜わったと思うのでありますが、重ねて明らかにしていただきたいことは、BC兵器については別途協定を結ぶなり何なりの形において、絶対に日本には持ち込まれないような外的環境あるいは内的環境をつくり上げる必要がある、また政府としても、BC兵器持ち込み、所有、製造に関しては絶対にしないということを宣明せられるべきである、先ほど個人として私はこう思いますという形でお答えいただきましたけれども、政府の方針としてそういうことは禁止するということを明らかにしていただきたいと思います。
#114
○愛知国務大臣 先ほど朝海代表の演説を引用したような次第でございますが、政府といたしましても、このBC兵器につきましては、いまお話がございましたところは私どもの考え方をよく御理解していただいている、私はかように存じます。ですから、そういう意味において私は、この事前協議云々というようなことについても慎重に検討させていただきたい、かように存じます。
#115
○中村委員長 渡部君にちょっとおはかりいたします。外務大臣は十二時までというお約束でございましたのを引き延べましたので、時間になっておりますので……。
#116
○渡部委員 いま一番大事な問題に触れようとしておりますので、もうちょっとの御猶予をお願いしたいと思います。大臣もよろしくお願いいたします。
 そこで今度は、私は非常にとんでもない話を伺わなければならないのでありますが、これは問題が起こりましたのがアメリカの新聞でございますが、同じ最近号のアメリカの雑誌「ランパーツ」――近く「潮」に紹介されるそうでありますが、「ランパーツ」によりますと、わが国に毒ガス兵器が配備されているということが記載されております。これについて大臣はもう当然お読みになっていることだろうと私は思うのでありますけれども、私はこの文章を手元に持っておりますが、このようなBC兵器が日本の中に持ち込まれているというような事実がありとしたら、これは重大問題ではなかろうかと私たちは考えるわけであります。これについて外務大臣の見解を明らかにしていただきたい、少なくとも真相を究明していただきたいと思うのでありますが、いかがでありましょうか。
#117
○愛知国務大臣 いまおあげになりましたものを私は的確に読んでおりませんので、何とも具体的にお答えができないのが申しわけなく思いますが、先ほど来申し上げておりますように、もしそういうことが伝えられておりますならば、真相は直ちに究明しなければならないと思います。
#118
○渡部委員 その上に私はもう一つ不可解な情報を得ております。それは相模原にありますアメリカの部隊でありますが、これは四百六部隊という名称がついております。ここの部隊においては、非公式に現在着々と生物兵器を中心にして研究しているという報告がございますが、外務大臣はこの問題について御存じかどうか、私はそれも伺いたい。そうして、こういうようなことが実際に行なわれつつあれば重大問題じゃないか。もし御存じないとしたら、先ほどから、友好関係にあるアメリカというものを信用するしかないのだと外務大臣は苦衷を込めてお話になったように私は受け取れたのでありますが、私たちが信ずべからざるアメリカを信じている間に、アメリカとしては着々そういうことをする。沖繩の問題でもそうであります。沖繩においてこのような装備を持ち込むというようなことは、私たちは当然予想もしていなかった。これは私は、従来の外務大臣の大失敗であって――いまの大臣の失敗ではないと思いますけれども、大失敗であった。ところが、その日本人の信用を欺いた形になっておって、まさか毒ガスがという怒りこそ沖繩県民を傷つけ、日本国民に衝撃を与えたものはないと思うのであります。したがって、そういう意味から私はもう重大な不信を抱かざるを得ない。この「ランパーツ」の件にしたって、この四百六部隊の件にしたって、全くけしからぬできごとじゃないか。そういううわさが出ること自体問題だし、相当の証拠もあがっている以上、これはもう厳重に究明の上、国会に報告されてしかるべきではなかろうか、こう思うのでありますが、外務大臣の御見解を承りたい。
#119
○愛知国務大臣 いまお述べになりましたお気持ちは、私もほんとうによく理解できるわけであります。同時にまた、私どもの努力あるいはそのほかやり方に足りない点があったとも思いますので、これから一そう心して事に当たらなければならないと考えております。
 そこで、ただいまお尋ねの相模原の第四百六部隊、このことは私も耳にいたしましたので、調べましたところを御報告申し上げますと、第四百六部隊医学研究所というのが正確な名称のようでございますが、六項目の研究をしておる。動物及びこん虫の分布調査、蛇毒の研究、食品検査、水質検査及び微生物の検査、風土病の研究、奇生虫の研究、血液銀行に関する事項、この六項目の医学的な研究を行なっておる、BC兵器の研究開発を行なっている事実はない、これが私どもの調べました結果でございます。
#120
○渡部委員 私はその問題につきまして、「ランパーツ」の記事も含めまして、より徹底的な御報告をお願いしたいと思うのであります。
 それから、私は最後に申し上げておきますが、このBC兵器撤去――毒ガスを含めましたBC兵器が沖繩あるいは本土にもしあるとすれば、本土の分も含めましてこの撤去の決議案を、私どもといたしましては議運を通しましていま提出中でありますが、これについての御賛同を得て、そうして日本国会の意思を表示し、日本国民のこの問題に対する深い憂慮の念を表示したいと思うのでありますが、これに関する外務大臣の御見解を承っておきたいと存じます。
#121
○愛知国務大臣 御決議いただくかどうかは、これは国会の御決議でございますから、政府側としてとやかく申し上げるべきことではないと存じます。しいて申しますれば、私どもといたしましては、先ほど申しましたように、おそるべきこういったような兵器というものが沖繩に置かれているとするならば、これはできるだけすみやかに撤去してもらうべきである、これは返還後においてはもちろんでありますけれども、その前におきましても最大の努力を傾倒いたしたい、私としてはそういう決心でおる次第でございます。
#122
○中村委員長 中谷鉄也君。
#123
○中谷委員 あと総理府、防衛庁、それから内閣法制局に若干の御質問をいたしたいと思います。
 まず、防衛庁にお尋ねいたしたいと思いますが、防衛庁も、沖繩にこのようなBC兵器、C兵器が置かれているという事実について何ら知らなかったということになるのかどうか、この点はいかがでしょうか。
#124
○坂村政府委員 防衛庁といたしましても、そういう事実は承知していないというのが現状でございます。
#125
○中谷委員 そこで、沖繩の軍事的な価値について、政府と社会党との間には大きな見解の相違があります。では、いわゆるこのような事故を通じてC兵器の存在がやむなく明らかにされた、こういう状態の中で防衛庁としては、このC兵器がいつどのような時期に、どのような目的をもって配置されているかという点についてはどのようにお考えになりますか。
#126
○坂村政府委員 先ほどから外務大臣がいろいろお答えしておりますように、われわれもこういう事実を知らず、あの報道によってそういうようなことを知ったわけでございまして、その実態については外務省を通じていろいろ調査をお願いして、そしてそういう実態を明らかにして、そういうことのないようにしたいという考え方でやっておるのが現状でございます。
#127
○中谷委員 そういうことをお尋ねしているのではないのですよ。C兵器の県民に与える非常な恐怖感、C兵器の毒性、そういうことを防衛庁にお尋ねしようとしているのではないのです。C兵器が沖繩に配置されているということがはからずも明らかになりましたね。この軍事的な評価を一体どのようにするのか。これは当然実態の究明ということじゃないでしょう。あるという事実がすでにはっきりしたわけですね。しからば一体これは何の目的を持って、どのような軍事的効果をねらって沖繩に配置されていると防衛庁は見るのかという点は、当然防衛庁の見解というものがこの機会に明らかにされねばならぬと思うのです。そのことをお尋ねしておるのですよ。
#128
○坂村政府委員 先ほどからいろいろ質疑応答がございましたように、その実態がどういうものであって、いつそれが持ち込まれて、いつどういう目的で使われるのかということも、やはりそれは対米関係としては、アメリカにもよくそういうところを調べて、その上でないとどうこう言うことは防衛庁としても言えないのじゃないかと思います。
#129
○中谷委員 私は、そういうふうなお答えは非常に遺憾だと思うのですが、政務次官は突然御出席になられて、お答えの準備がないようですからこれ以上質問は続けませんが、一体防衛庁独自のこの問題についての評価、そして対米関係における作業はおやりになりますか。
#130
○坂村政府委員 われわれといたしましては、先ほど申し上げましたようにその実態を究明いたしますとともに、私どもとしては私どもとしてその評価をし、それから今後どうするかという考え方はきめてまいらなければいかぬというふうに考えて、いろいろ仕事をしております。
#131
○中谷委員 衛生局長おいでになっておるのですね。衛生局長にお尋ねいたしますが、このC兵器、特に今回問題になりましたところのVXなどという兵器ですね。この兵器は、いわゆる防衛の中で論議されておる防御用の兵器、攻撃用の兵器というふうな考え方がございますね。そういう考え方に立つならば、一体どのような兵器だと理解されますか。
#132
○浜田政府委員 ただいまの御質問は、BC兵器が攻撃用の兵器かあるいは防御用の兵器かという御質問だと思います。その御質問に対しましては、結局使い方に問題があるのではないかというふうに私たちは判断しておりまして、目的を攻撃的に使うかあるいは防御として使うかということで判断せざるを得ないのではないかというふうに理解しております。
#133
○中谷委員 BC兵器一般ということで問題を提起しておるわけではないのです。今回まさに大事故につながるような問題を生起したこの毒ガス、このC兵器は、私の理解するところでは、防御用兵器などということは考えられないわけなんです。BC兵器一般としてお答えを求めておるのではない。VXといわれておるこのC兵器、これが常識的に考えて防御用兵器なんということは私には考えられませんが、念のために、この毒ガスは防御用兵器、攻撃用兵器、いずれに属すべきものでありましょうかというお尋ねをしておるわけです。
#134
○浜田政府委員 ただいまのお設問は、VXというものに対して一体攻撃用兵器か防御用兵器かという御質問だと思いますが、VXそのものを使います形で、たとえばロケットに入れて使うとかあるいは散布するとか、その形で判断すべきものであって、VXそのものには、別に防御用とか攻撃用とかいう性格は求めることができないのではないかというふうに理解しております。
#135
○中谷委員 ではお尋ねいたしましょう。沖繩に配置されておるところのVXは、防御用に使われる可能性、使用方法というものは、ありとすればどういう方法ですか。
#136
○浜田政府委員 実は私たちのほうの資料では、今回の問題になりましたものが、VXというふうなものであるというふうな資料を得ておりません。
#137
○中谷委員 いや、そうじゃない。VXという仮定でいいですよ。
#138
○浜田政府委員 仮定で御説明をいたしました場合には、どういう形でそれが保有されているかということが理解されておりませんので、攻撃用か防御用かということについては、残念ながら防衛庁としても資料を持っておりませんというふうにお答えをいたします。
#139
○中谷委員 それでは、もう少しお尋ねしますよ。保有の形でもってとおっしゃいましたが、保有の形において、防御用につながる保有の形というのはあり得るんですか。どんな保有の形か。沖繩におけるVXはどのような形態の保有か。それが防御用につながる万一の可能性でもありますか。
#140
○坂村政府委員 私の考えを申し上げますけれども、もしかりにVXを前提にしていろいろ考えれば、防御用だとか攻撃用だとか、そういう考え方の前の問題だろうと思います。そういう考え方で、これを一々防御用であろうか、あるいは攻撃用であろうかというような議論をすること自体も、私はちょっと意味のないことじゃないだろうかというふうな感じがいたします。
#141
○中谷委員 もう一度、質問に答えてください。VXは、沖繩における保有の形態によって防御用兵器となり得ることの可能性が万一にでもあるのですか。こういうきわめてお答えしやすい質問なんです。
#142
○浜田政府委員 沖繩にかりに予想されますVX――神経ガスでございますが、これがどういう形で防御用に使われるかという御設問につきましては、神経ガスというような性格からいいまして、純然たる防御に使うということは、形態上は少ないのではなかろうかというふうに理解しております。
#143
○中谷委員 だから、そこまでの答弁というのは簡単な答弁だと思うのですよ。あとこの問題は、同僚委員のほうから質問を続けていただくことにして、総理府に私はお尋ねをいたします。
 そこで、このことは、お尋ねというよりもひとつこの機会に警告と申しますか、私自身のやはり情勢の分析というものを申し上げざるを得ないと思うのです。B52の撤去をめぐって、沖繩県民がどうしてもB52を撤去しないことには承知できない、こういうことで島ぐるみのゼネストに突入することをやむなく計画し、そのような運動が起こりましたね。ところが今度は、BC兵器などというもの、沖繩県民は全くそのような兵器の存在を知らされておらなかった。その兵器が存在するということがはからずも発覚をした――発覚というようなことばは非常にいやなことばなんですが、私はあえて発覚ということばを使う。そういうふうな
 一つの、政治的に言えば、私はある種の犯罪行為だと思うが、そういうことがあった。これについて沖繩百万県民が、このようなBC兵器の撤去を求めて島ぐるみのゼネストを計画し、島ぐるみのゼネストに突入するというふうなことは、情勢として当然私はあり得ることだろうと思うのです。それは沖繩県民の心情を察するとき、まさにそういうことだろうと思います。このような沖繩県民の気持ちを、政府の中においては一番知ろうとする立場にある、また知ろうとする立場でなければならない総理府、そうして特に特連局としては、この県民の気持ちをどのように理解し、このような県民の気持ちの中において、このBC兵器の問題についてどのように対処していくか。これは私、やはり特連局の御見解も――外交問題だということでなしに、御見解を承っておくことが必要だと思いますので、お尋ねをしておきたい。
#144
○加藤(泰)政府委員 いま問題になっております兵器につきましては、私たちも全然新聞報道まで承知していなかったわけでございます。したがって、そういう意味においてわれわれは情報を全然持っておりません。そういう状態においての問題でございますので、外務省を通じてその真相を明らかにしてもらうように依頼しているわけでございます。沖繩住民がこういう兵器によって不安を生ずるというようなことから、その撤去を求める運動が起きるのじゃないかという御質問でございますが、確かに、そういう問題について沖繩住民がそのような不安を感じているようにわれわれも承知しております。屋良主席も民政官にお会いしておりますし、立法院でも撤去の決議についての動きがあるように聞いております。そういうことでございますので、沖繩住民のそういう現在持っている不安がなくなるように、外務省を通じてわれわれとしては努力したいというふうに考えます。
#145
○中谷委員 防御用兵器、攻撃用兵器ということについて防衛庁にお尋ねいたしましたが、それは質問の前提として、法制局の見解を求める上で私は若干そのことがかかわりがあると考えたからであります。憲法と核の問題については、憲法と非核三原則の、たとえば昭和四十三年三月六日の衆議院外務委員会、あるいはまた、憲法と核の問題について、防御用核兵器は憲法上持てるかなどというふうな憲法上の問題として、昭和四十二年十二月三十日の参議院予算委員会その他あらゆる委員会において論議をされているところであります。そこで、非核三原則と相通ずる、要するに憲法上の観点からBC兵器という問題についての法制局の御見解をひとつ承りたい。これが一点。
 いま一点は、先ほどの防衛庁の衛生局長の答弁等の中で、BC兵器について保有の態様、使用の方法等を考えてみましても、BC兵器を防御用兵器であるということは、おそらく私は考えにくいものがあると思う。そういうような中におけるところの憲法上の問題というのは、どのような問題として理解さるべきか。この点については、すでに核の問題の中で法制局の見解は固まっておりますけれども、あらためてBC兵器の問題についての御見解を承りたい。これが私の質問であります。
#146
○真田政府委員 ただいまの御質問にお答えを申し上げます。
 いわゆるBC兵器と憲法との関係いかんという問題に尽きることに相なろうかと思いますが、憲法上ということになれば、さしあたり問題になるのは第九条でございます。そこで、第九条の解釈ということになるわけでございますけれども、まず最初に、憲法で保持を禁示している戦力といいますのは、それはわが国が支配し、指揮権と管理権を持つ戦力のことであるという解釈が一つございます。これは最高裁判所の例の砂川事件についての上告審判決で明らかにされているところでございます。したがって、BC兵器につきましても憲法上問題となるのは、わが国が指揮権、管理権を持つ戦力としてのBC兵器であるというふうにまず御理解いただきたいと思います。これが第一点でございます。
 次に、わが国が保持することのできる戦力の範囲いかんという問題でございますけれども、ただいま御指摘のように、従来核兵器を中心としてずいぶん論議されたところでございます。その際のこれに関します政府の解釈といたしましては、わが国には主権国として固有の自衛権がある、これは憲法も否定しておらないであろう。したがいまして、その自衛権を行使するための必要かつ相当の範囲内における戦力であるならば、これは憲法も許しておる、これも禁止しているとはいえないであろうという解釈をとっております。
 核兵器についての論議でございますけれども、その考え方は、いわゆるBC兵器についても全く同じであろうと存じます。したがいまして、私はBC兵器についての的確な知識を別に持ち合わせておりませんけれども、BC兵器といいましてもいろいろなものがあるのではなかろうかと思いますので、そういうことを前提としてお答えいたしますると、BC兵器についてもいわゆる自衛権の行使のための必要かつ相当の範囲を越えるというものがあれば、これは憲法上保持することができない、憲法九条が保持を禁止しておる部類に入るであろう、こういうことが言えるわけでございます。
 なお、核兵器と大体同じことに相なると思いますけれども、ただBCのうちC兵器につきましては、先ほど来もしばしば話題にのぼっております一八九九年のヘーグの使用禁止宣言がございまして、それはわが国は現行憲法の施行になる前にすでに入っておりますので、もしそのヘーグの条約に触れる行為をするということになりますと、これは憲法九十八条を通じまして憲法の禁止しているところである、こういう言い方もできるのではなかろうかと思います。
 以上でございます。
#147
○中谷委員 質問を終わりますけれども、問題になるのは、自衛の正当な目的と限度にとどまるものであれば、核兵器であろうと通常兵器であろうとそれは理論上同じことだということで、そうしてそれを越えるものは、これは明確に憲法違反であるけれども云々と続いていく答弁というものは、私は何と考えてもこのBC兵器というきわめて残虐な、みな殺しにつながるようなこういうようなものの中では、法政局はそのBC兵器の実態がよくわからないからという前提での答弁、法律的の見解を述べられたのでありますけれども、私は納得といいまするか、その答弁は答弁としてけっこうだと思いますけれども、防衛庁の本日の御答弁というのは、このBC兵器の持っているところの軍事的な価値、またそれをどのように評価するか等の問題について論争といいますか、論議にならない御答弁がありまして、同僚委員も防衛庁に対して御質問があるようでありますけれども、非常に困るだろうと思うのです。私は、このような問題について防衛庁としても、立場は違っても明確な御答弁ができるような準備をして御出席をいただきたいと思います。
 時間を私ばかりいただくわけにいきませんので、私の質問はこの程度で終わりたいと思います。
#148
○中村委員長 川崎寛治君。
#149
○川崎(寛)委員 まず外務省にお尋ねしますが、一九二二年の潜水艦及び毒ガスに関する五国条約というのは、これは日本は批准をしておるが批准書の寄託をしていないわけですね。これは効力未発効になっておりますが、その理由は何か。それから、これはワシントンでやられておるのだが、アメリカは手続を済ませているのかどうか、まずその点をお尋ねします。
#150
○佐藤(正二)政府委員 潜水艦及び毒ガスに関する五国条約に関します御質問でございますが、日本は批准書を寄託済みでございます。アメリカも批准書を寄託済みでございます。それから、これは五カ国で軍縮会議のときにつくったものでございます。イギリスとイタリアは批准の国内的な手続は済んでおりますが、批准書は寄託しておりません。それからフランスが未批准でございます。私、ここにあれを持っておりませんけれども、たしかこれは四カ国あるいは全部の国が批准を済ませたときにしか発効しなかったと思いますが、ちょっとその点記憶しておりませんが、したがってこれは発効しておりません。
#151
○川崎(寛)委員 これは発効しなくても、次の一九二五年の議定書が発効すればそれでカバーできるわけですね。そうすると、アメリカはこれに対して批准をしていない。ところが、二五年のものはしてないが、この潜水艦及び毒ガスに関する五国条約を批准しておるわけだから、政府としての意思は表明しているわけですよね。だから、この点一つアメリカとしての国際的な責任の問題がある、こういうふうに思います。
 次に、一九五一年の国連総会における集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約、これはガスも当然含みますね。
#152
○佐藤(正二)政府委員 ここに条約案文を持っておりませんものでございますからまことに相すみませんが、当然毒ガスを含むものだと私は考えております。
#153
○川崎(寛)委員 これは「集団構成員に対して重大な肉体的又は精神的な危害を加えること。」ということになっておるわけであって、これは戦争使用ということには限定されていないわけなんですね。そうしますと、これは当然に沖繩の現地でこういうものを配備しておるということ自体がひっかかってくる、こういうふうに私は思います。
 次に、もう一つお尋ねしますが、アメリカが朝鮮戦争並びにベトナム戦争においてガスを使用したという事実をお認めになりますか。
#154
○佐藤(正二)政府委員 ベトナム戦争におけるアメリカのガス使用の問題は、たしか三年前でございましたか、国会でも問題になりまして、そのときのガスの問題は、たしか催涙性のガスという話でいろいろ論議が行なわれたということを記憶しております。
#155
○川崎(寛)委員 朝鮮戦争は……。
#156
○佐藤(正二)政府委員 朝鮮戦争に関しては、ガスが使用されたという話を聞いておりません。
#157
○川崎(寛)委員 これは朝鮮戦争でも使われているのですよ、北鮮側から抗議も出ているわけですから。だから、ルーズベルトは最初に使わぬということを言っておったわけだけれども、つまり北鮮なり北ベトナムがその能力を持っていないというか、それを使っていないということに対してアメリカ側が使っておるということは、これは人道的に、国際的にも非難をされなければならない、こういうふうに思います。そこで、先ほどの集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約というものの国連における採択等から見ましても、ひとつ徹底的に沖繩における問題というのは追及しなければならない、こういうふうに思います。
 外務省はその程度にしておきます、委員長がやかましいですから。
 次には防衛庁にお尋ねしますが、大宮のCBR学校がこの問題について現に訓練をしておる、これは防護の訓練だ、こういうことになろうかと思いますけれども、実際に扱っておるという点をお認めになりますね。
#158
○浜田政府委員 大宮の化学学校におきましては、化学防護に重点を置いた教育訓練をやっております。
#159
○川崎(寛)委員 これは国際的にも問題になりますが、つまり国内暴動鎮圧用として扱うということが各国においてもあるわけです。これは昨年の予算委員会でも相当問題になったわけでありますが、自衛隊が国内暴動鎮圧用だということでこの問題に対する対策を練っている、こういうふうに私は見ざるを得ないと思うのです。その点いかがですか。
#160
○坂村政府委員 御承知のように、これは警察でも催涙ガスというようなものは扱っております。だから、そういう意味で自衛隊でも防衛庁でも催涙ガスというような程度のものは準備しております。しかし、こういういわゆる致死的な効果を持つようなものは、絶対に防衛庁としては扱ってもおりませんし、それから研究もしておりませんし、つくってもおりませんし、持ってもおりません。
#161
○川崎(寛)委員 いや、研究していないということはないじゃないですか、研究しているじゃないですか。
#162
○坂村政府委員 研究といいましても自分が使うための研究ではございませんで、そういうものを使われた場合にどういうぐあいにこちらは防御するかというぐらいのことは研究しなければ、これは防衛の任務が果たせませんから、そういう程度のことは、これは研究いたしております。
#163
○川崎(寛)委員 先ほどの答弁は、暴動鎮圧用としては考えておる、こういうことですね。
#164
○坂村政府委員 それはいわゆるここで言うようなBC兵器というようなものには私は入らぬと思いますけれども、ほんとうの一過性の催涙ガス程度のものは、これは持っております。これはもう御承知のとおりです。
#165
○川崎(寛)委員 そういう致死性はないが、濃度によってはたいへんな被害を与えるものはあり得るということですね。
#166
○坂村政府委員 大体具体的にいえば催涙ガスです。これは完全な一過性のものでありまして、人命にどうこうというような問題は、これは全然ございません。
#167
○川崎(寛)委員 終わります。
#168
○中村委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。
    午後零時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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