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#1
第061回国会 物価問題等に関する特別委員会 第9号
昭和四十四年五月八日(木曜日)
    午前十時四十七分開議
 出席委員
   委員長 帆足  計君
   理事 小笠 公韶君 理事 金子 一平君
   理事 木部 佳昭君 理事 竹内 黎一君
   理事 武藤 嘉文君 理事 阿部 助哉君
   理事 武部  文君 理事 和田 耕作君
      青木 正久君    大野 市郎君
      唐橋  東君    木原  実君
      戸叶 里子君    内藤 良平君
      村山 喜一君    永末 英一君
      有島 重武君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      菅野和太郎君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     山田 精一君
        経済企画庁国民
        生活局長    八塚 陽介君
        厚生省環境衛生
        局長      金光 克己君
        農林省蚕糸園芸
        局長      小暮 光美君
        食糧庁次長   馬場 二葉君
 委員外の出席者
        経済企画庁調整
        局農林課長   束野 宗利君
        農林省農林経済
       局企業流通部長 大河原太一郎君
        農林省畜産局参
        事官      平松甲子雄君
        通商産業省通商
        局次長     楠岡  豪君
    ―――――――――――――
五月八日
 委員唐橋東君及び岡沢完治君辞任につき、その
 補欠として木原実君及び永末英一君が議長の指
 名で委員に選任された。
同日
 委員木原実君及び永末英一君辞任につき、その
 補欠として唐橋東君及び岡沢完治君が議長の指
 名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○帆足委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件につきまして調査を進めます。
 質疑の申し出がありますから、これを許可いたします。武部文君。
#3
○武部委員 前回の委員会で、厚生省は出席をしておりませんでしたが、農林省に対しまして、現在新聞にも投書が非常にたくさん載っておるのでありますが、牛乳のまがいものがたくさん出ておる、そういう点から、私が入手をいたしましたある薬品会社が牛乳メーカーに対して出しておる処方せんを読み上げまして、このような乳糖、カゼインあるいは安定剤、こうしたものを混合して、きわめて内容がおかしいと思われる脱脂乳をつくって、それを市乳に一〇ないし三〇%添加をして売り出しておる、このようなことを申し上げたわけでありますが、農林省は知らない、こういう答弁でございました。いずれごく近い機会に、現在市販をされておる合成乳あるいは還元乳の分析を私は皆さんに申し上げたいので、その際にこれが真実かどうかということをここで明らかにいたしたいと思いますが、きょうお尋ねをいたしたいのは、昭和四十二年、東京都の衛生局が、いまから二年前でありますが、「飲用牛乳の製造に関する注意について」という通達を出しておるのであります。いまから二年前にも、すでに牛乳、加工乳の一部に乳脂肪以外のものが混入されておった、これは明らかに省令の違反である、このようなことがないように十分注意しろという通達がすでに二年前に出ております。今日このまがいものの牛乳というものはもう公然たる事実だろうと思います。農林省の答弁によりましても、牛乳の生産量と販売されておる市乳との間に相当な開きがある。これは言うまでもなく乳糖、カゼイン等を使ったそういうものが出ておる証拠だということを農林省も認めておるのであります。
 そこで簡単にお伺いをいたしたいのは、厚生省もおそらくこのような事実を知っておると思うので、食品衛生法の第十四条、製品検査「厚生大臣又は都道府県知事は、公衆衛生の見地から、販売の用に供する食品、添加物、器具又は容器包装の製品につき必要な検査を行うことができる。」この第十四条並びに第十七条、臨検、検査、収去。この十四条ないし十七条を適用して、今日国民の中から非常に声が高まっておるこうしたインチキ牛乳、そういうものの検査について、皆さんのほうから、二年前に出された東京都の衛生局のような通達を今日までお出しになったことがあるか。また、先ほど申し上げるような食品衛生法の立場から検査をされ、あるいは臨検、検査、こういうようなことをおやりになったことがあるか、これをひとつお伺いいたしたい。
#4
○帆足委員長 これは厚生省のほうですが、危険なる食品についての声は世にあまねき状況でありますから、ひとつ環境衛生局長から具体的に御答弁を願います。
#5
○金光政府委員 ただいま御質問になりました食品衛生法に基づきます十四条の製品検査と、それから十七条に基づきます収去検査でございますが、製品検査につきましては、御承知のように政令の第一条で品目が指定されておるわけでございまして、これにつきまして製品検査を行なっておるわけでございます。それから収去検査につきましては、これは全国の都道府県、政令市、特に保健所が中心になりまして適時収去検査を行なっておるわけでございます。特に、御承知のように年末から年始にかけましては、全国一斉検査ということで厚生省から特に指示をいたしまして、全国的に収去検査も行なっておるということでございます。この検査につきましては、保健所で行なえる段階のものは保健所で行ないますが、主として県の衛生研究所で実質的な検査は行なっておる、かようなことでございまして、その結果に基づきまして必要な処置あるいは指導を行なっておるというのが実情でございます。
#6
○武部委員 それでは、現実にいわゆる牛乳以外のいろいろなものが出回っておるという事実について、厚生省としてはそれを承知しておられるかどうか。
 さらに、これはお聞きになったと思うが、農林省は厚生省にこのことを話したと言っておりましたが、先ほど申し上げた乳糖、カゼイン、安定剤を使って脱脂乳をつくって、それを牛乳に添加をする。牛乳に添加をして、牛乳と添加物、脱脂乳とが分離をしないように、そこには金属キレート剤を〇・〇二%以下添加する、そういうことを処方せんとして薬品会社がメーカーに出しておる。これはたいへんなことだということを私は申し上げたのですが、このことについて承知しておりますか。それともそういう事実を調べたことがあるのかないのか、それをひとつお伺いいたしたい。
#7
○金光政府委員 そういった牛乳と申しますか、牛乳にいろいろのものをまぜて牛乳として販売しておるということになりますと、これは非常に問題なわけでございます。牛乳等を原料といたしまして使用したものは乳飲料ということで法でも認められておるわけでございますが、そういったまがいものと申しますか、まがいものといっては問題がありますが、さようないろいろの形態のものがあるということは聞いておるわけでございまして、そういうことにつきましていろいろと検討を進めておるというようなことでございます。
#8
○武部委員 何かよくわかりません。わかりませんが、いずれにしてもそのようなものが、農林省の回答にもあるように、市場にたくさん出回っておるわけです。飲む者はこれはわからないわけです。一々それに書いてあるわけじゃないのですからがぶがぶ飲んでおるが、その中にはさっき言ったような安定剤やカゼインを材料にしてつくったものが出ておる。一体それがどのくらい出ておるのか、またそれをはたして皆さんのほうで分析なさったかどうか、これもどうもつまびらかではないようであります。きょうは時間の関係で、このことは次回に、先ほど申し上げたような分析データを私のほうから提出して、できれば現物も持参をしたいのですが、それによってあなた方の見解を承りたいので、きょうはこのことについてはこれ以上追及いたしません。触れません。
 そこで、きょうの私の本論はコカコーラであります。実はいまから一年ほど前だと思いますが、当委員会で同僚議員から次のような発言がありました。コカコーラの中に歯を入れておいたら、一週間たったら溶けたということを聞いたが、それは事実かという厚生省に対する質問がなされまして、私はそのときに初めて、これはたいへんなことだ、もし事実とするならばたいへんなことだと思ったのですが、厚生省の答弁は当時あまりはっきりした答弁ではなかった、こういうふうに私は承知をいたしました。ところが、いろいろあっちからこっちから聞いたり、それから出されておる書物等を見ておると、どうもこれは内容に疑問の点がある、こう思いまして、いろいろな分析データも私なりに入手をいたしました。
 そこで、最初にお伺いいたしたいのは、このコカコーラが日本に入ってきたのは昭和何年か。第二点は、現在このコーラ飲料は年間どのくらい日本で消費されておるか、最初にこれをお伺いいたしたいのであります。
#9
○帆足委員長 金光政府委員、先ほどの牛乳に関する御答弁は委員長といたしましても要領を得ないように伺いましたが、先ほど委員から質問留保がございまして次回に質問がございますから、次回は十分な御準備の上御答弁願いたいと思います。
 なお、コカコーラの問題もきわめて深刻な問題でありますから、具体的に御答弁を願います。
#10
○金光政府委員 コカコーラが日本に入ってまいりましたのは、厳密には承知いたしておりませんが、大体昭和三十年、三十二年ころと承知いたしております。
 それから生産量等につきましても、これも厳密な資料というものは厚生省として持っていないわけでございますが、一応お聞きしました範囲で承知いたしておりますのは、四十三年度で一億一千万ケースであると私は聞いておるわけでございます。こういった数字につきましては、私どもといたしましても間接的に承知いたしておる、こういうことでございますので、この点御了承いただきたいと思います。
#11
○武部委員 三十二年ごろに入った。大体間違いないですな。これははっきり次のことに関係ありますから……。
 私、いまここに二冊の本を持ってきましたが、これは二冊とも市販されておるものでございます。これを読んでみますと、まず最初に、この本は「危険な食品」という、郡司という方の著書ですからお読みになったと思うのです。この中に「コカコーラの疑惑」という一項目がありまして、コカという木とコーラという木からとられたものでこういうものがつくられるのだ、これから名前ができたんだとかいう、そういう前置きがしてありますが、ここで問題になるのはコカインです。「コカから麻薬のコカインがとれる。コカインは局部麻酔の劇薬として知られ、無色結晶のアルカロイドで、きわめて有毒である。素人はこれを使うことはできない。コカからコカインを抽出した後の葉の、刺激的な芳香のある浸出液が、コーラ飲料の原液の材料になる。」次に、今度はコーラ。「コカ樹はコカイン、コーラ樹はカフェインを含んでいるのであって、コカコーラに両者がどれくらい含有されているかが、人間の健康を左右する重大なカギとなっているのである。」あとでほかの点も申し上げますが、これを最初にお伺いをしておきます。このコカコーラの内容分析をどの程度厚生省は知っておるか、これをひとつお伺いします。
#12
○帆足委員長 ひとつ大きな声で勇気りんりんとお答えを願います。
#13
○金光政府委員 コカコーラの成分検査につきましては、国立衛生試験所その他で実施いたしておりますが、これは食品衛生法におきまして清涼飲料水につきまして規格、基準あるいは製造の基準がきめられておるわけでございます。それによりまして調べておるわけでございます。したがいまして、内容といたしましては、混濁とか沈でん、それから砒素、鉛などの重金属類、それから病原菌と申しますか、大腸菌、そういったものを検査いたしておるわけでございます。
 その検査した範囲におきましては特別問題はないわけでありますが、成分ということになりますと、これにつきましては直接厚生省におきまして成分の検査はいたしておりませんが、油糧研究所等におきまして成分検査が行なわれておるのでございまして、そういったような資料につきましては参考にさしていただいておるわけでございます。それによりますと、砒素とかあるいは糖類といったようなもの、それにエキス分、それからカルシウム、そういったようなものが成分でございまして、先ほど御指摘のありましたコカインというようなものにつきましては、国立衛生試験所等でも検査はいたしておりますが、これは含有してないということでございます。
#14
○武部委員 いまコカインはないとおっしゃったが、なぜカフェインが入っておることをおっしゃらないのですか。
#15
○金光政府委員 カフェインにつきましては、これは含有いたしておりまして、たとえば国立衛生試験所で調べました結果によりますと、〇・〇一四%ぐらいを含有いたしております。これは昭和三十七年の検査でございますが、そういう状況でございまして、お茶には大体一%から五%ぐらい含有しておる。紅茶にも一%ぐらい含有しておるものでございますが、この含有量は〇・〇一四%ぐらいということで、カフェインとしてはかなり少ない量でございます。
#16
○武部委員 カフェインが入っていることは国立衛生試験所の実験の結果はっきりいたしております。
 そこで、この本にございます東京の高砂香料株式会社総合研究室の検査をした分析結果、こういうものが一つの例としてあります。その中にはいまおっしゃったような砂糖、還元糖、カフェイン、これは大体同じ、〇・一四グラムでありますから、これは百ミリリットルについて十四・二ミリグラム入っておる、これは大体合っております。その次に燐酸が〇・五五グラム入っておる。「これは実際の分析であるから信用ができるとすれば、燐酸の多いのが気にかかる。」こういうことがここに書いてあります。
 先ほど一億一千万ケースということをおっしゃいましたが、この本によりますと、びん数に直しますと九億九千七百二十八万本と書いてありますから、いま数字を見ますと間違いがないようであります。なぜこうして日本でこれだけのコカコーラが伸びたのであろうか。このことをこの本は、「どうしても持続的な習慣性によるものと思わざるを得ない。では、その習慣性は何によるものであるか、というと、わかっている内容の配合例によれば、カフェインと、コーラ実抽出液の中に含まれているかもしれないコカインのためであるとしか考えられない。もっとも現在の時点では、コカインが検出されたという証明はない。」とこれは書いております。
 問題は、コカコーラは、原液が日本の港に入ってきたのを工場においてあのように調合して売り出しておるということを承知をいたしておるのであります。私は、このコカインが入っておるか入っていないかということについて調査をしてみました。ひょっとすると内地でこれが入ってくるのではないだろうか。そこで入ってくるとすればこれは茶であります。茶の葉であります。そこでインド、セイロンからのくず茶の輸入を調べてみました。相当な量が入っておるのであります。またある二つの工場がこのコカコーラと直接の取引を結んでおる。千葉県と静岡県にあるという事実もつかみました。その中でこのコカインらしきものが入るのではないかと思って調べてみましたが、現在の時点では残念ながらその事実ははっきりつかめません。したがってコカインが入っておると私はここで断定をすることはできません。
 ただ、問題はその次の、「食べものがあなたをつくる」という、これはお茶の水女子大の教授、農学博士でありますが、稲垣長典という人が出しておる本、ここに先ほど申し上げたこの本とほぼ似たような、さらに具体的なことが記載をされております。それによりますとこういうことが書いてあります。「コカインもまた、常用すると癖づく。コカコーラは飲みはじめるとその要素からいって常用せずにはいられなくなる飲料だといえよう。その他の特徴としては燐酸が非常に多いことである。」これは先ほどと同じことが書いてあります。「これは日本人の食生活には不利で、もともとカルシウム摂取の不足な状態のところへ燐酸を多量にとりいれることはよくない。」この人はアメリカに行って、アメリカのコーネル大学の栄養学教授のマッケーという博士と会っておる。その博士はこう言っておる。「「骨や歯の維持に関する栄養的因子」という論文を発表して、コーラ飲料によって歯が腐蝕するという警告を発した。その実験の一部で、ネズミに飲水としてこのコーラ飲料を与えると、奥歯は約六カ月後に歯ぐきの線まで腐蝕すると発表している。わたしは滞米中マッケー教授に会い、実際に腐蝕したこの歯を見せられたが、それはのこぎりの歯のようにぎざぎざでその上紫色に染まっていた。同教授はわたしに言った。「日本のようなコーラ飲料に白紙の国には出来るなら入れない方がよい。」」ここにこういう内容が盛られておるのであります。先ほど申し上げた「危険な食品」のいうことと若干内容は違いますが、ほとんど危険だという点については一致をしておる。さらに、燐酸が非常に多い、こういう点についても、実は内容が一致をするのであります。
 燐酸が食品添加物として認められたのはいつごろか、御承知ですか。
#17
○金光政府委員 燐酸が添加物として認められたのは何年であったか、ちょっと承知いたしておりません。あとですぐ御返事申し上げたいと思います。
#18
○武部委員 私の承知するところでは、昭和三十二年ころなんであります。期せずして、この燐酸が添加物として認められたときは、コーラが日本に入ってくるその時期と実は一致をしておる。間違いならば御訂正いただきたいのでありますが、このように承知ができるのであります。
 そこで、厚生省はコーラの成分についていろいろお述べになりましたけれども、具体的な内容をどうも御承知でないようでありますし、調べてないようであります。また国立衛生試験所は、その回答を見ますと、コカインとカフェインが入っておるかどうかという分析を厚生省から依頼されたようであります。そのために、答弁書を見ますと、コカインはない、カフェインはあるんだ、ただそれだけのことになっておりまして、一体コカコーラがどういう内容、成分になっておるかという全般的な調査の依頼ではないように思うのであります。さらに、前述いたしましたが、この本にも書いてありますが、このことを衆議院のある議員が問題にして、厚生省の国立衛生試験所へ電話をかけて、コカコーラの成分を検査したことがあるかといったら、四年前に一度しただけだ、こういうことがこの中に書いてあります。この本を読んでみましても、それ以上の内容は、実は衛生試験所からも出てこないのであります。
 そこでもう一点の、私の手にありましたコカコーラの成分内容を申し上げます。この中に、カフェインはやはり〇・一四グラム、これは間違いありません。燐酸も大体〇・五五、これも間違いない。それで燐酸について、これが体内にどれだけ影響を与えるかということでございますが、燐酸のことについて私が申し上げるのはなぜかというと、いま局長がおっしゃったように、燐酸の量は、日本のお茶あるいは紅茶、そういうものからいうと、一%程度許されておるわけですから、内容的には問題がないような数字にはなるのであります。問題は、この酸性度とカルシウムとの配分が私は問題だと思うのです。この燐酸がコカコーラの小びんの中には十五・九五ミリグラム入っておる。カルシウムは四・九九、大体五です。三分の一です。大びんに至っては燐酸は十六・九三ミリグラム、カルシウムは四・九、四分の一であります。アルカリ性に対して酸性が約四倍という数字が出るのであります。かんきつ類は全くそれと逆です。当然でありますが、ナツミカンにとってみると、燐酸が十七、カルシウムが二十二、レモンはカルシウムが四十に対して燐酸が二十四であります。こういう配合の内容になっておる。コーラは全く逆に非常に酸性が強い。これがからだにどういう影響を与えるか。私は、コカコーラの中で特に注目すべきは、この燐酸とカフェインだと思うのです。そして原液の中には何が入っておるか、いまのところ不明だ。これは企業上の秘密だから漏らすわけにはいかぬと、この会社はいっておる。こういう関係から、原液の中の分析はほとんど不可能なんだということがいえると思うのです。
 そこで具体的にお伺いをいたしますが、この擁酸がそれでは体内にどういう影響を与えるか。これは世界大百科事典から写し取ってきたわけですが、「市販のシロップ状の燐酸は八三ないし九八%の水溶液である。一〇〇%の燐酸はきわめて強く金属を侵す性質あり、百度Cでは金、白金も著しく侵される。」こういう非常に強い内容を持っております。
 先ほどカフェインは、内容は社会的には大したことはないとおっしゃるけれども、これは日本率局方解説書ですが、この薬効は中枢神経興奮剤、致死量は犬は〇・一四から〇・一五キログラムで、これは経口で死んでしまう。成人は十グラム前後で致死量。人間には一グラム以上与えると副作用を起こす。これはあまり詳しいことが書いてあってなんですから読みませんが、非常にからだに悪影響を起こすということになっておるのです。そこへまた「コーヒーを過量に連用すると慢性中毒を生じ消化不良、頭痛、不眠、不安、」――これはもうやめましょう。そういう症状を起こす。さらに「過量の連用は胃分泌を促進して胃液の酸度を上昇させるので、胃潰瘍のある患者には悪影響を及ぼす」こういうことが書いてあります。そうして常用は大体カフェインは一回に〇・二グラム、一日に〇・五グラムです。
 それならば、コカコーラの中にカフェインは十四・二ミリグラム入っておると厚生省はおっしゃるが、これをグラムに直せば大びんで〇・〇六グラム入ったことになるのです。これはあくまでも成人の量でありますから、子供に問題があると思うのです。これは二つか三つから飲むのですからね。そういう幼児がこういう燐酸の多い、カフェインを含んでおるものを常時飲用したときに、からだにどういう影響が起こるだろうか、こういう点が私は非常に大事な問題だと思うのです。こうしたことについて、一体厚生省は、あなた方自身として何か御検討なさったことがあるか、これをひとつお伺いしたい。
#19
○金光政府委員 常時飲用した場合に、からだ全般に対してどういう影響を与えるかということにつきましては、詳細な研究内容といったことにつまして、現在私自身まだ資料を持っておりませんが、一番問題として従来いろいろと指摘され、またいろいろと研究を必要とすると考えております点は、やはり燐酸等を加えました酸性度の問題でございまして、歯とカフェインと申しますか、コカコーラによります歯に対する影響ということでございます。これにつきましては、歯のほうろう質が、酸性度が強い場合に侵されるという問題があるわけでございまして、そういった観点からいいろと酸性度も調べておるわけでございますが、コカコーラの酸性度は大体二・四から二・六くらいということでございまして、やはり二・四から二・六ということになりますと歯のほうろう質に対しまして影響があるということにはなるわけでございます。厳密にいいますと、そういうことになりますが、実際問題としましては、梅にいたしましてもリンゴにいたしましても、やはり同じような立場にあるわけでございます。そういうことで、なお歯に対する実際上の影響としましては、食べ物を食べたあとの残滓が歯についておりまして、それが発酵しまして影響する、あるいは、特に砂糖類の問題でございますが、まあ、そういった影響が大きいわけでございます。そういう全般的な食生活の中におきましては、コカコーラによりまして特にどうこうということを重要視して考えるほどのものではないと、一応現段階では私どもとしては考えておるわけでございます。
#20
○帆足委員長 金光政府委員、ただいまの武部委員からの質問は、幼児並びに少年に対する影響について特に重点を置いて質問されましたから、あわせてお答えを……。
#21
○武部委員 委員長、ちょっともう一つ……。
 いまおっしゃった燐の数字をもう一ぺんおっしゃってください。私の申し上げたのは、燐の内容は、大びんで十六・九三ミリグラムですね。それから小びんで十五・九五ミリグラムです。そこで、もう一つ私の申し上げたのは、カルシウムとの関係なんですよ。大びんでカルシウムが四・九ミリグラム、小びんで四・九九ミリグラムという数字が出る。酸性とアルカリ性とのこの問題ですよ。あなたはさっきリンゴのことをおっしゃったけれども、ナツミカンとかレモン、ミカンというもののカルシウムと燐との比率は、全くそれは逆なのはあたりまえですが、その比率が違うんです。このコーラは酸性とアルカリ性が四倍もあるんですよ。そういう点で、それは体内に影響を与えないものかどうか、そういうことを私は聞いておるのです。
#22
○金光政府委員 もう一度、コカコーラの中の燐酸の含有量でございますが、〇・〇五四%でございます。(武部委員「それはパーセントでございますね。」と呼ぶ)パーセントです。
 それから、カルシウムと燐酸との関係でございますが、結果的には、その食品が酸性度がどの程度かというようなことが問題になるわけでございます。そういうことで、カルシウムと燐酸というものは相反する立場にあるわけでございますが、その量だけで即そういった比較ができるかどうかということは問題だと思います。あとの果実類等につきましては、やはりその成分全般の問題として酸性度がどうか、こういう結果が出てくるわけでございますので、数値だけで必ずしも比較は算術的にはできない、かように考えるわけでございます。
 そういうことでございまして、先ほど御説明申し上げましたように、厳密に言いますと、歯に対する影響はあるであろう。特に子供等につきましてはあるということになりますが、それは、ほかの食品全般という中におきましては比重の大きいものではない、かように現段階では私ども考えておるわけでございます。
 それから、からだ全般の問題としましては、今度は胃の中に入りましてからどうなるか、こういう問題があるわけでございますが、胃液そのものの酸度が大体一・二という酸度でございます。コカコーラが二・四とか二・六とかというところでございますので、特別そう影響を与えるとかということは、まず問題として考える必要はないんじゃないか、かように考えております。
#23
○武部委員 それじゃ、私が先ほど申し上げましたが、この二冊の本の、一人は完全な専門家ですね。一人の人は食品を長く扱っておる人です。この私の読み上げたことについてどうお考えになりますか。これは全くうそ八百を並べておるとお思いですか。先ほど、歯の、アメリカのことを申し上げました。歯がぎざぎざになったとか、こういう例がここに書いてあるのですけれども、それを申し上げました。この本でも、こちらの本でも、燐酸が非常に多いのが気にかかるといっているのですよ。これも先ほど私が言うように、やはり燐酸の問題だと思います。それからカフェインも、微量だけれども、永続してこれを用いれば、それがからだに影響するんじゃないか。特に幼児はがぶがぶ飲んでおるのですから、これをずっと飲むということによってからだに影響を与えることはないか、そういうことを心配しているのです。
#24
○金光政府委員 コカコーラそのものによりましてどうこうということでなしに、酸性度が強いとやはり歯に影響があるということでございます。したがいまして、その本の中に書いてありますように、ある程度の酸性度、二とか三とかいったような酸性度におきましては、やはりほうろう質を痛めるということは当然考えられることでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、全般的に考えました場合に、問題として特に重要視するというものではないであろうというのが現在の考えでございます。そういうことでございますが、コカコーラそのものにつきまして、直接私どもとしていま実験しておるとかというようなことはまだしておりませんので、そういう問題は今後の問題として検討を進めてまいりたい、かように考えております。
#25
○武部委員 だいぶ時間を経過いたしましたから、私は一つ二つ要望いたします。
 コカコーラが入ってきたのが昭和三十二年ごろだとおっしゃった。燐酸が添加物として許可されたのが昭和三十二年です。先ほども言うように軌を一にしておるのですよ。コカコーラの輸入を許可するにあたって、何も必要のない燐酸を添加物として許可したということに私は結びつけて考えざるを得ない。
 それはそれ、しかし、現実にあなたのほうは、国立衛生試験所にこの分析を依頼されておるけれども、この依頼は、さっき申し上げるように、コカインとカフェインが入っておるか入っておらないかということだけしか聞いておらない。ほかの民間の会社では現実に、私が持っているだけでも、三つの会社がそれぞれ独自な立場でコーラの内容を分析しておるのです。いつか前に、歯が溶けるということが当委員会で問題になった。ですから、こういう本も市販をされて、ここに書いてあることがほんとうなのかうそなのか、これは国民として私は非常に不安を感じておると思うのです。私自身もこの本を読んでからコーラを飲むのをやめたのですよ。ほんとうかどうか、何か歯がどうかなりゃせぬかという気を持つのです、この本を読んで。そういうことがうそならうそ、事実なら事実と、あなたが国立衛生試験所その他を通じてきちんとしたデータを取って、国民の前に発表すべきです。その内容を見て、それがからだに影響なければそれでいいことなんですよ。私どもが言っているのは、そういう疑問を持つから、あなた方は当然こういうことを考えておるだろう、こう思っていろいろ問いただしてみますけれども、はっきりとした御答弁がありません。また、アメリカやイギリスでは、こういう興奮剤、カフェインの入ったコーヒーとかいうようなものは幼児には飲まさない、そういう慣習になっておる。日本では、このカフェインが入ったコカコーラをがぶがぶと大量に子供たちが飲んでおる。こういう点から考えても、私は、何か相当に危険な要素があるじゃないか、このように感じられてならぬのでありますから、ひとつぜひ早急にこの実験、成分内容を私どもにお知らせいただきたい。また、この二つの本に書いてあるような、そういうことがないならないで、そういう危険はないということならば、そういうことを責任をもってひとつ発表を願いたい。
 いま一つは、その原液――原液は日本の港に入ってくる。その原液をあなた方は分析をしたことがあるかないか。ないようだと思うのですが、あるかないか。また、しようとしておるのかいないのか、それを最後にお伺いしたい。
#26
○金光政府委員 最後の原液の問題の前に、もう一言私からも説明さしていただきたいのでございますが、現在のコカコーラにつきまして、ただいまいろいろと御指摘がありました燐酸ソーダ、それを添加することによりまして、酸性が強くなって、そうして歯を侵すという問題につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、現段階ではそう問題にするほどのことでもないと考えております。それからカフェインの問題につきましても、お茶その他の量と比較しますと非常に少ない量であるということで、これもそれほど問題にするものではないんじゃないか、かように考えておりますが、しかし、やはり一般の不安と申しますか、その本等にもいろいろ書かれておるということで、あるいは疑念を持たれるということもあり得ることでございますので、こういった点につきましては、さらに私どもの立場から検討、研究を進めてまいりたい、かように考えております。
 それから、原液の問題でございますが、これは厚生省としては直接分析をしたことはないと承知いたしております。厚生省といたしましては、やはり害があるかないかというのを多角的に内容を分析、検査をいたしておるわけでございますが、原液そのものの分析というものは、厚生省としてはいたしていないという状況でございます。
#27
○武部委員 これは当然やって、国民のそうした疑惑といいますか、心配を解消すべきだと思うのです。これは何もこの二冊の本だけではないのですからね。ほかにもまだそういうのが出ておるのです。
 それから、いまあなたは、歯の点についてもたいした心配はないとか、カフェインについても心配はないとおっしゃるが、それは一本や二本、三本飲むのならなるほどそうかもしれませんけれども、いまでは毎日何本も飲むのですよ。ここに載っておりますが、販売量はぐんぐん伸びておるのです。たいへんな量なのです。まだまだ伸びる。いま世界で一番コーラが売れるのは日本と東南アジアなんだというのですが、そういうところでどんどん伸びておる。こういうときに、ただ単にたいしたことではないというのでは、私は心配は消えぬ。ここに書いてあるように、歯がぎざぎざで、のこぎりのようになる。これは実験の例があるのです。あなた方は実験も何もしていないのでしょう。アメリカではすでにちゃんとやっているのです。そういうものがあるとするならば、直接あなた方はそうした資料を取り寄せて、御研究になるのが当然の義務だと思うのです。私はもう一ぺん機会を見て、まだたくさん持っておりますから、あらためてこの問題について厚生省の見解をただしたいと思いますが、きょうはこの程度にしておきたいと思います。
 食糧庁がおいでですから一言だけ、前回私が質問をしておきましたことで、簡単なことですから申し上げますが、私は、東京の深川にやみ米の市場が立っておるということを申し上げました。大阪にもやみ米の市場が公然と立って、やみ相場幾ら、それが市況になって全国の集荷業者その他にばらまかれておるという事実を言いました。そうしたら、食糧庁長官は、そうですかというような顔をしておったのですね。ここにちゃんと載っておるのです。私はこれを手に入れましたが、ここに公然と載っておるのですよ。時事通信、農林経済版に自由米相場――あとからお見せしますが、自由米相場、小売り店店頭持ち込み六十キロの値段が毎日の相場として出ておる。東京、大阪、名古屋でこのようにやみ米の市場が立って、市況がこういうふうに堂々と市場をまかり通っておる。こういう行為は明らかに食管制度の違反ですよ。
#28
○馬場(二)政府委員 御指摘のような事実は、これはわれわれも認められない非常な遺憾なことと存ずるわけでございます。いろいろ実態を調査してみますと、やはり現在の食糧管理の統制の仕組み、非常に画一的な統制をやっておりますので、必ずしも消費者の需要に沿いにくいような事態になっておるのが一つの理由かと思うわけでございます。したがいまして、現在の全面的な画一的な統制方式につきましては、やはりいろいろくふうをこらす必要があるというふうなことで、すでに御承知のように、来たる四十四年産米からは、自主流通米という制度を取り入れまして、需要者の要望にこたえる仕組みを導入をいたしたい。そうしますと、やはり需要者のほうが正規のルートを通った自主流通米で需要を満たすということになりますれば、それだけ配給の乱れの解消にも、あるいは自由米の減少にも役立つ、こういうことにいま考えて、期待しておる次第でございます。
#29
○武部委員 自主流通米を認めれば、このやみ市場がなくなるとあなた方はお考えになるわけですね。結局そういうことになるということでしょう。われわれが主張するのは、自主流通米を認めれば、その自主流通米がやみ市場のこういうところに流れて、そうしてここで場立ちをやって、そうしてそれが今度は格上げ混米になって、消費者に高い米になっていく、こういうことをおそれておるのです。自主流通米というのはこのやみ市場の隠れみのになるのだということを、私は前回も食糧庁長官に申し上げたのです。こういうことはずっと前から行なわれておるのですよ。それを、全然あなた方は食管制度の違反行為に目をつぶっておって、自主流通米によってこういうものは一応自然消滅だ、こういうものの考え方で食糧行政をやったのではたまったものじゃない。こういうことを知っておったのですか。いつごろから行なわれておったのですか。こういうやみ相場、自由米相場の場立ちが行なわれて、こんなものがどんどん流れておるのを知らぬのですか。これはいつごろからですか。
#30
○馬場(二)政府委員 自由米相場が一部業界紙等に掲載されておりますのは、もう数年前からそういうことは承知いたしております。
#31
○武部委員 私はちょっと驚きましたね。東京の深川や大阪でやみ米の市場が公然と立って、米の品名まで、何県何産の何という米が何ぼでと、ちゃんと書いておるのです。それも安値、中値、高値、こういうものが、何年も前から東京や大阪や名古屋の市場で堂々と立っておる。そのものは小売り店頭に持ち込みなんですが、これは六十キロの値段で、私は十キロの値段で計算をしてこの間申し上げました。東京では大体三百八十円ぐらい十キロで高いのですよ、格上げ混米にして。ところが消費者運動の非常に強い世田谷ではたった八十円ぐらいしか高く売らない。消費者が賢い。そうでないところは三百八十円も十キロで高いのです。こういうものが小売り店に流れて、格上げ混米でぐるぐるまぜて、そうして配給米をやみで売っておるのですよ。そうしたことをちゃんと承知しながら、食糧管理法違反としてあなた方が取り締まっていなかったとすると、これは全く怠慢のそしりを免れませんよ。まあ済んでしまったことはしかたがないといっても、現実にいまこれはあるのですから――食糧庁長官は知らないと言ったのですよ。あなたは何年も前からあるとおっしゃるが、これは、単に自主流通米制度を採用すればこの問題は片づくというような、そんなものではない。私は、自主流通米はもっとひどい形になってやみの米相場をつくると思うのです。そういう点で自主流通米に反対をしておるのです。
 まだあとでほかの委員のほうから米の問題であるそうですから――私はこれをこの間持っておりませんでしたけれども、きょうは手に入れましたから、このことをあなたに申し上げたわけです。長官にもひとつお伝えを願いたい。自主流通米の問題については、あらためて機会を見てやりたいと思います。
 終わります。
#32
○帆足委員長 それでは質問の通告がありますから、引き続きまして木原実君。
#33
○木原(実)委員 私は、最近のアズキ、それから大手亡と称せられる豆類などの相場がどうも少し異常ではないか、こういうふうに見受けられますので、それらの動向についてお伺いをしたいわけです。特に、相場の値動きが反映をしておるのか、あるいはまた実際の需給関係を反映しておるのかどうかわかりませんが、去る四月にすでに製あん業者等がキロ百円ほどのあんこの値上げを決定しておる、こういうようなこともございますし、特にアズキ、手亡の最近の穀取の相場の動向についてお伺いをしたいのです。
#34
○大河原説明員 最近におきます穀取の月別の相場につきまして、便宜東京穀物取引所の資料に基づいてお答え申し上げます。
 値動きなり、その水準をわかっていただくために、前年同月なりあるいはそれらと対比して、便宜お答え申し上げさせていただきます。
 四十二年の一月、二月、三月、四月、五月、六月をちょっと棒読みいたしますと、当限で、一月で九千七百四十円、二月で九千五百四十円、三月で九千四百九十円、四月で一万六百二十円、五月で一万二百九十円ということになっております。四十三年は一月が七千四百四十円、二月が七千五百十円、三月が七千三百七十円、四月が七千八百二十円、五月が七千九百九十円でございます。本年、先生が問題にしております本年の最近の傾向を一月から申し上げますと、一月が八千二百十円、二月が八千六百六十円、三月が八千八百三十円、四月が九千九百二十円、それから今月、五月七日、昨日の当限の最高価格は一万二百五十円というような推移に相なっております。
 それから手亡につきまして同様申し上げますと、やや冗長にわたって恐縮でございますが、四十二年の一月が七千六百八十円、二月が七千八百四十円、三月が七千六百五十円、四月が七千三百六十円、五月が八千二百二十円、これが四十二年でございます。それから四十三年は、一月が六千百九十円、二月が五千九百円、三月が七千三百円、四月が七千九十円、五月が七千五百六十円に相なっております。本年一月以降の数字を申し上げますと、一月が六千九百四十円、二月が七千円、三月が七千九百九十円、四月が八千九十円、それから五月七日、昨日の相場が八千二百二十円でございます。
#35
○木原(実)委員 この相場の背景等の問題ですが、あとで伺いますが、農林省は大体実勢を反映したものだ、こういうふうにお考えでございますか。
#36
○大河原説明員 先生から需給についてだんだんのお尋ねがあるかと思いますので、担当局長が見えておりますから、そのアズキ、大手亡の需給事情についてはまた詳しく御説明があると思いますが、われわれのほうの商品取引所をあずかる立場といたしまして、最近における商品取引を見ますと、アズキ及び大手亡等の取引所における価格は、仲間相場と申しますか、現物市場の価格等から見ましても、担当部局から承知しております物自体の需給の状態から見ましても、著しく需給の実勢を離れた過度の投機的な実情には現実においてはなっておらない。将来の問題はまたお尋ねがあるかと思いますが、そういうふうに判断しております。
#37
○木原(実)委員 それじゃ、この際あわせて需給の大まかな状態をひとつ御説明してくれませんか。
#38
○小暮政府委員 昭和四十三年産のアズキ、大手亡は、作柄としては平年作をやや下回る程度でございましたけれども、面積が若干前の年よりも減っておりましたので、雑豆類全体として、前年に比べて四万五千トン程度国内の供給が少なくなっているのじゃないかというふうに見ております。ただ需給上、これに相当量の輸入をもって補うというように考えておりまして、二月に発表いたしました外貨割り当てが約八百五十万ドルでございまして、雑豆はいろいろなものを自由に選択して入れてくるようになっておりますから、これが直にたとえばアズキで何トン、手亡で何トンというふうに言えませんが、きわめて大ざっぱに言って八万トン程度の豆の輸入に照応するというふうに見ております。
#39
○木原(実)委員 先ほど相場の説明があったわけですけれども、強含みということには間違いがないと思うのです。これには、たとえばことしの出来秋についての気候その他の条件でやや多少の不安があるとか、あるいはまた輸入の状況がたとえばはっきりしないとか、そういう要因もやはりからんでいると見てよろしいのですか。ということは、つまり需給の先行きの見通しについて多少の何かやはり相場を動かす要因がある、こういうふうに考えてよろしいものでしょうか、どうでしょう。
#40
○小暮政府委員 豆類につきましては、御承知のように、定期の市場が立っておるものでございます。やはり年々その年の作付の状況あるいは秋までの気象の長期予報といったようなものが、一つの判断の材料になるということは否定できない事実であろうかと思います。
#41
○木原(実)委員 そうしますと、私がきょう質問をする一番心配なのは、現状の相場の足取りを見ますと、当局のおっしゃるように、それほどいま心配をすることはない、こういうことだと思うのです。しかし強含みであることには間違いがない。ただ、そういう堅調の相場をささえておる背景の中に、どうも割り切れないものがあるような感じがするわけです。一番心配をするのは、こういう相場が、ずっと上げ相場が続いておって、大手亡で九千円相場が出るとかなんとかいう懸念もないでもないような動きがあるわけです。あまり具体的なことを、相場のことですからここで触れるわけにもまいりませんけれども、何か相場の背景について、農林省のほうでそれなりに御調査なさったようなことはございませんか。ただ、堅調の相場は、いま申し上げたような先行きの気候の条件その他の要因だけだ――何かやはりあるんじゃないかといううわさがあるわけですが、どうですか。
#42
○大河原説明員 繰り返すようでございますが、基本的には需給が引き締まりぎみだ、それを背景といたしまして、先生もおっしゃるように、この価格水準が出ておることは間違いないと思います。問題は、ややもいたしますと、このような強含みの実態の時期を反映いたしまして、何といいましょうか、過当投機その他の問題が起こるという問題でございまして、この点につきましては実はわれわれ厳重に現在監視をしております。現在の調査の段階におきましては、仕手筋と申しますか、そういうものが介入いたしまして、相場を格段につり上げて投機を行なっておるという事実は承知しておらないわけでございまして、取引所自体についても、その辺の仕手筋の介入とか過当投機等については、厳重な自主的な注視もやらしておる段階でございます。
#43
○木原(実)委員 私が一番心配するのは、すでにかなり仕手がかってきているのではないか、こういう問題なんですね。何といいますか、話としては幾つかの話がすでに業界の中でも流れたりしているわけなんですけれども、こういう背景について、いままでお調べになったことはございませんか。
#44
○大河原説明員 相場が非常に堅調の動きを示しておりますところの、たとえば大生産地におきます商品取引所でございます北海道、あるいは大消費需要地でございます東京等につきましては、詳細に相場の動きについて監視いたしまして、仕手筋と申しますか、過当投機の動きについて注視しておるわけでございますが、これは事実といたしましては、現段階でさような事実を承知しておりません。
#45
○木原(実)委員 さらに私、私もしろうとなんですけれども、少し調べてみましたところが、ところどころ奇異なところがあるわけですね。たとえば大手亡の値段などにつきましても、東京の相場は大体八千百円程度を前後しておりますね。ところが北海道の相場が逆に八千七百円ぐらいにいっている、こういうような事実もあるわけですね。どうも従来の例からすると、北海道のほうは産地のほうで安くて、東京のほうが高いというようなのが、何となく相場の趨勢だったように思うのですが、何かそういうことがあるのですが、これはどうでしょうか。
#46
○大河原説明員 詳細を調査いたしまして、先生の御質問にはさらにお答えするのがしかるべきかと思いますが、本来なら商品取引所は全国各地、現物の輸送費の差だけで大体価格は平準化する、これが取引所の機能である、くどいようで恐縮でございますが、タイムラグといたしましてそういう例が出ることはやむを得ないということと、もう一つは北海道の産地筋の品がすれ的な機運、これは相場でございますので、ややそういう事実が相場に多少響くというような事態もあるように承知しておりますが、なおこの点については詳細調査したいと思います。
#47
○木原(実)委員 軽々しいことを申し上げるわけではございませんけれども、どうも仲買い人の中に名前を連ねている商社筋、こういうところで大体四つか五つの会社が相当買い占め的な動きをしておる、こういう話があちこちから私どものほうに来ておるわけなんです。その中には、たとえば北海道で出来秋に、これは例年のことですけれども、かなり安く買いたたいて、それをかん詰めにしておいて、品薄感をあおって商いをしておる、こういうような事例もあげられておるのですが、そういうことは御存じじゃございませんか。
#48
○大河原説明員 需給の実態は蚕糸園芸局あたりと共同で実勢の調査が必要かと思いますが、現在われわれの承知している限りにおきましては、著しいそういうような事態というものは承知しておらないわけでございます。またそういう事態が事実といたしますと、これは引き締まっております需給を反映いたしまして過当投機、仕手戦を招くわけでございますので、取引所自体、全体の正常な取引相場、価格の形成という点について一段とわれわれは手を打たなければならないという事態に相なるわけでございます。現段階におきましては、われわれといたしましては承知しておりませんが、御指摘の点についてはなお細詳に監視を続けてまいりたいと考えております。
#49
○木原(実)委員 これは御存じなら当然措置をせられるわけで、御存じないということなんでしょうが、私も詳しく調べたわけではございません。ただひんぱんに投書などが参りまして、それによりますと具体的な商社の名前をあげて、それで具体的な商いの内容等もあげて、こういう事実がある、農林省が何にもしないということに切歯扼腕をしておる。これは業界筋の投書だろうと思うのです。あげつらうべきものかどうかわかりませんけれども、しかしながら、もし知らないのが監督官庁であって、実際の業界の中ではこういうことが大っぴらにうわさになっているということになりますと、多少やはりその辺で考えなくちゃならぬ問題があると思うのですが、いかがでしょうか。
#50
○大河原説明員 先生の御指摘のとおりでございまして、繰り返すようでございますが、現在のわれわれの認識は、需給がややきついということを反映している相場であろうということでございますが、これが一段過ぎますと過当投機に及ぶということでございまして、この点についてはわれわれ厳重に監視をすることはもちろんでございますが、実は最も心配しております北海道、東京都の穀物商品取引所につきましては、五月十日から、先生御案内のように、売買の証拠金でございますが、これの臨時増しの徴収を行なうということで、まず過当な相場に対する正常な価格形成というわれわれのほうの姿勢を、取引所もまた役所といたしましても示すということで第一歩を踏み出しております。なお御指摘の点、御心配の向きについては、われわれとしても十二分に配慮していきたいというふうに考えております。
#51
○木原(実)委員 特に、アズキよりも大手亡筋にそういう問題が多い。こういうふうに私らのところには話が来ておるわけなんですが、特にホクレンであるとか北海道筋のかん詰めといいますか、そういうようなことが一つと、それからもう一つ、これもなかなか調査しにくい問題ですけれども、東京の在庫量の約九万俵ほどの中のすでに八万俵がそういう形で事実上買い占められている、こういうような話も実は来ておるのですが、そういうことは御存じじゃございませんね。
#52
○大河原説明員 その話がくろうと筋であるというふうには耳にしておりますが、事実もなかなか確かめることが困難でございますので承知をいたしておりません。
#53
○木原(実)委員 現在、例の商取法が変わりまして、仲買い人の取引制度ですか、こういうものがいま移行しているわけですね。これは進行状況はどうなんですか。
#54
○大河原説明員 御案内のように商品取引所法の改正が昭和四十二年にございまして、仲買い人――法律上は取引員でございますが、商品取引員の現在の登録制から許可制への移行は四十六年ということになっておりまして、現在登録制から許可制への移行について、新しい大衆参加に伴う商品取引の重要な役割りをなす取引員の資格を、財産的あるいは能力、社会的信用、そういうものについて、移行するための行政庁のものさしを実態に即して検討中でございます。
#55
○木原(実)委員 これは大事な制度上の改革なんですが、私もあまりよくわからないのですけれども、穀取の機構といいますか、結局商いをやっている人たちが運営しているわけですね。業者の中から理事長も出ておるわけなんですが、どうもその中の幹部的な仲買い人の商社がかなり仕手がかった動きをやる、こういう傾向も見受けられるのですが、どうでしょうか。もしおっしゃるように登録の問題が進んでいくならば、いまおことばの中にありました社会的信用、こういう問題に関連をしますと、これは当然そういう人たちでも商社でも排除するということになるわけでしょうけれども、どうですか。
#56
○大河原説明員 先生御指摘のように、商品取引所は当業者の自主的な会員組織になっております。したがってこれの運営の責任を持ちます理事長以下の役員は総会の選任ということになっておりますが、会員組織としての性格、専門的な商いの場でございますので、御指摘のように仲買い人と申しますか、そういう業者が理事長なり理事というようなものになることは事実でございます。ただ取引所の運営等は、法律及び定款等におきまして、理事長なり役員が相場に関係するような運営を専決し得る事項はほとんどないというように限定されておりまして、やや専門的になりますが、理事会はもちろん、その下部機構としての市場管理委員会というようなものがございまして、それでやられている。それからもう一つは、それぞれ売り買いで立場を異にする業者の会員組織でございますので、役員の動向については非常に注目をしておるわけでございます。したがいまして、相場を自己の利益のために左右するということは、可能性は少ないとわれわれ判断をいたしますし、また過去の事例から見ましても、そのために商品取引所におきます公正な価格形成がややともすれば破られたという事態は、実は承知しておらないわけでございます。
#57
○木原(実)委員 私は遠慮したいから、ここで具体的に商社の名前をあげるのは控えたいと思います。私のところに来ておりますのは、ともかく取引所の幹部に値するような商社を四つないし五つくらい名前をあげてきて、具体的にその商いの中身を私どものところに報告してきているものがあるわけなんです。公の席で申し上げますといろいろな弊害がありますので申し上げませんし、これは全面的に私の手で再調査したわけではございませんから控えておきますけれども、しかし当局で把握なさっている以外に何かやはり背景があると推測せざるを得ないような、多少具体的な事例が来ておるわけなんです。ですから、これは調査といいましてもなかなかあれでございましょうけれども、含んでおいていただいて、これからの監督や指導の任に当たってもらいたい、これはひとつ要望として申し上げておきたいと思います。
#58
○大河原説明員 繰り返すようでございますが、停止いたしますと過当投機という事態に走るわけでございまして、市場行政がそれでいつも手おくれになるということもございますので、御注意の点は十二分に、調査するものは調査し、措置するものは措置するという態度で臨みたいと思います。
#59
○木原(実)委員 もう一つ輸入の関係があると思うのです。これは相場のことではございませんけれども、御承知のように、現在、商社、現物商人、仲買い人、それから製あん業者と、こういうふうに輸入の現物が動いているわけです。この輸入の問題はいろいろ問題があるわけですけれども、限られた輸入の割り当てを受けた人たちによって輸入が営まれているわけですが、輸入の到着をした値段と、それから実際に需要者が手に入れる値段との値開きがかなりあると思うのです。これは関税の問題その他もいろいろあるわけですが、これはどうですか。実際に倍ないしは倍以上です。その辺、何かお考えになっていることはございませんか。
#60
○小暮政府委員 日本の雑豆の需給は、産地が北海道を中心とした寒冷地畑作地帯が中心でございますが、需要は全国にわたっておるわけで、どうしても北海道の作柄というものを強く意識するということがございますが、近年はそれだけでは間に合わないわけで、むしろ輸入の動向にある程度左右されるようになっていることは、御指摘のとおりなんです。その際に、私どもとしては、今日の外貨事情でございますから、外貨面からの強い制約がございませんので、寒冷地畑作の安定ということを一方に農政上配慮いたしながら、他面、物価対策等を十分考慮して、できるだけ潤沢な外貨を用意するという姿勢では臨んでおるわけでございます。そのことを通じて、輸入の段階で過当の利益がないようにすることが輸入政策の一つのあり方であろうと思っております。
 ただ一点だけ、日本の雑豆の需給で特徴的なことは、日本人の嗜好と申しますか、消費者の嗜好がもとになりまして、どうもアズキに特定の需要が集中する。ところがアズキは、かりにかなり潤沢な外貨を割り当てましても、地形上どこでも産するというわけにまいりません。供給先がやや限られておるというような問題がございます。この面において、残念ながら、国内でのアズキの供給量が作柄その他で若干円滑を欠く年にはやや相場が高騰する。たしか三十九年の冷害の翌年、四十年には一万五千円くらいまで上がったことがあるように記憶しております。そういうことがございまして、たいへん残念に思いますが、全体としては、やはり輸入外貨の割り当ての適正を期して、雑豆一般の価格を望ましい姿に持っていく努力を役所としてはすべきじゃないか。アズキについての特殊の動きには、ちょっと現状で役所としてはなかなか的確な手がないというのが率直な感じでございます。
#61
○木原(実)委員 単純なことのようですが、それにしましても、ちょっと私も計算をしてみたのですけれども、中共から入ってくるアズキ、たとえばこれがいま一トン六十五ポンドから六十八ポンドくらいになりますが、大体私の計算では、円換算が一俵三千四百円くらいです。これが小売りになりますと、大体一万円近くになるというわけですね。少し値幅があり過ぎるのじゃないかという感じもするわけです。全体として、われわれの委員会は安定をした物価を確保したいということですから、事情はいろいろわかるわけなんですけれども、それにしても輸入ものの値幅があり過ぎるのじゃないか。
  〔委員長退席、武部委員長代理着席〕
そこにやはりいま介在をしておる輸入業者の人たちの利潤の問題その他も出てくるのじゃないか、こういう感じがするのですが、どうですか。
#62
○小暮政府委員 ただいま申しましたように、アズキについては間々御指摘のような点がございますが、何とか雑豆全体の需給の調整をはかるということで行き過ぎを是正したいというふうに念願をいたしております。
#63
○木原(実)委員 これは少し問題が飛躍しますけれども、輸入の割り当てといいますか、輸入権というのですか、これを少し広げる御意思はございませんか。
#64
○小暮政府委員 豆類の割り当ては、いわゆる商割りということでやっておりまして、商社が輸入実績に応じて外貨を分けるという形になっております。この仕組みが一番弊害が少ないのではないかというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。
#65
○木原(実)委員 実際に材料を使う実需団体に少し輸入をやらせるという方法はございませんか。
#66
○小暮政府委員 雑豆に限らず、各種の物資で需給逼迫のときには、しばしばそういった御指摘がございます。ただ、これはいろいろな御見解もあるところと思います。あるいは見解の分かれるところだと思いますが、私の乏しい行政上の経験では、やはり実需者に割り当てることによって相場をさまそうということは一見効果がありそうに見えます。あるいは短期的な効果はあろうかと思いますけれども、実は実需者というものはまことに捕捉しがたいものでございまして、外貨事情が非常に悪かった時期には、やむを得ず非常に広範な行政分野で実需者割り当てということを農林省はやったことがございます。そうすると、きわめて簡単な設備で実需者であるという体裁を整えることも可能な業態におきましては、特に外割りを受けるためだけの非常に好ましからざる動きが起こってくる、あるいは役所といたしましても、およそ実需者というものの範囲を明確に確定することが物理的にちょっと不可能であるといったような問題もございまして、一波が万波を呼んで、実は果てしない行政におちいる危険性がございます。やはり一見迂遠のようではございますが、商社といったようなもので、先ほど申しましたように、役所が需給の測定並びに外貨の割り当てという点に誤りなきを期するというところが要点ではなかろうかというふうに実は存じておるわけでございます。
#67
○木原(実)委員 おっしゃるように、弊害がやはり伴うと思うのです。ただ、これはしろうと目に見まして、あまりにも幅があり過ぎるとか、また他の面の現行の制度に対してもいろいろ判断の違うところがあるわけなんです。特に農林省関係の中では、この委員会でも昨年問題になりましたけれども、たとえばカズノコ等の輸入の件で、北海道漁連の一手となっていることに伴う弊害の問題等も指摘されたわけなんです。いま私もすぐこういう案が最良の案だということを持ち合わせませんけれども、しかし、実際の値動きを監視する中で、でき得るならば輸入の問題等についても、制度等についても検討していただきたい、これは要望として申し上げておきたいと思うのです。
 ただ、最後に伺っておきますけれども、輸入に関連して、たとえば七月に残っておりますね。七月分を繰り上げて輸入するとかなんとか、そういう措置はお考えではございませんか。
#68
○小暮政府委員 二月に、先ほど申しました八百四十七万六千ドルの外割りをいたしてございますので、特に需給が具体的に逼迫するというような状況がございません場合には、私どもとしては七月に次の半年分ということで、これは例年よりやや多目の八百八十万ドル台の外貨を実は用意してございます。しかし、もし需給状況がきわめて緊迫するというような事実がございますれば、外割りについては通産省と私どもで十分話し合いの余地がございますので、需給調整に遺憾のないように措置いたしたいというように考えております。
#69
○木原(実)委員 これで終わりますけれども、冒頭申し上げたように、私が一番懸念いたしておりますのは、たいへんきびしい業界のことですから、またたいへん敏感な業界のことですから、あまり突っ込んだことも言えないわけですけれども、しかしいずれにしましても一番心配しますのは、こういう堅調の相場が続いていて、もし背景の中に、先ほどちょっと触れましたように、そこへなかなか捕捉しがたい動きもあるというようなことが出まして、何か急騰をする、こういうようなことがあるのを一番心配するわけなんです。投機的な世界ですから。その際に、いまの相場が、たとえば大手亡で八千百円から二百円くらいのところへいっているわけですけれども、これはどれくらいのところまでいったら多少の介入をしなければならないですか。相場の限界はいまの需給の状況から見てどうですか。そういうことは言いにくいですか。
#70
○小暮政府委員 あるいは担当部長のほうから取引所行政という角度での発言があると思いますが、ちょっと蚕糸園芸局の立場でもう一言補足して申し上げておきます。
 先ほど申しました趣旨、これは誤解は万に一つもないと存じますけれども、やはり私どもの行政上の姿勢としては、どこまでも生産の状況あるいは輸入の到着の状況、それから実需のあり方ということを役所の力で可能な限り捕捉いたしまして、そこに需給の不突合ありと判定されました場合には、外貨の割り当てという私どもに与えられた権限で最大の努力をするということを申し上げておるのでございますが、実は市場取引のございますものについて、かりにその市場の相場がある線を越したら行政が一々それに対応して、たとえば外割りの発表をするとかあるいは何をやるとかということになりますと、これはちょっと別の問題を生ずるのではないか。そういう意味で、私ども外貨の運営につきましてはできるだけ最善の努力をいたしたいと思いますが、市場取引と時々刻々にリンクしての判断でないということだけをひとつ御了解いただきたいと思います。
#71
○木原(実)委員 これで終わりますけれども、一番心配いたしますのは、それよりもなお、相場は相場で動いておる。しかしながらどうもだんだん、ようかんだとか、あんこものなんというものは日本人の需要からやはり離れていっていますから、実際から離れた、つまり取引所のようなところでいろいろやっておりますと、その間にだんだんと国民の需要は離れていってしまう。しかもやはりその下の製あん業者たちは相場が高いから多少の値上げをしなければならぬということになりましたら、これは業界全体に異変が来ると思うのです。もともとこういう穀取のような形で豆類のようなものを扱うのがいいかどうかという根本的な問題があるわけですけれども、これはここでお尋ねする筋ではないので別の機会にいたしますけれども、当面、いずれにしましても、最終的にはやはり消費者に多額の負担のかからないように、ひとつ最善の指導をしていただきたい、こういう要望を申し上げて終わりたいと思います。
#72
○武部委員長代理 帆足計君。
#73
○帆足委員 当委員会は、国民の要望及び国会の要望に従いまして、インフレーションの防止、物価の安定並びに消費者の保護等に責任を負う委員会でございますことは御承知のとおりでございます。
 それで、時間もございませんから、先ほど武部委員から厚生省当局に対して御要望がございましたが、ただいま食品関係につきまして、一方では化学工業の発達、それが悪用される、他方では人間の道義がすたれておりまして、危険なる食品に取り囲まれているような状況でございますから、厚生省当局においては、非常に御苦労でございましょうけれども、時勢の急激な変遷に伴いまして、どうしても監督行政がおくれておる。やむを得ないことでございますけれども、おくれておることを、私は先ほどの御答弁から指摘せざるを得ないのでございまして、御苦労のほどは多といたしますけれども、ひとつこの辺で大いに奮発されまして、必要な予算はおとりくださいまして、事人命に関することでございますから、御努力のほどを切望いたします。特に老人のガンのみならず――われわれ罪深き者はガンで早く天国へ参ったほうがよろしゅうございますけれども、幼児のガンが死亡率の第二位になっていることなどは、この次文教委員会において厚生省当局と学校当局に御注意を促したいと存じております。これが単に掛気ガスの問題か、または食品添加物または防腐剤の問題であるか等につきまして、私は詳細にお伺いしたいと思っておりますから、お含みください。
 なお、先ほどのコカコーラの問題一つにつきましても、先日ある映画を見ましたところが、アメリカの映画でしたか英国の映画でしたか、やっと成人になったからきょうからコーヒーを飲んでもいいと、おかあさんはコーヒーを子供にやる。ちょうどその風景を見まして、食べものに対して、これほどを気つけているということに私は驚きました。外国ではコーヒーを飲むのは幾つから大体親御さんが許可をするようになっておりますか、局長御存じでしたらお教え願いたいと思います。
#74
○金光政府委員 まことに不勉強で申しわけございませんが、存じませんので……。
#75
○帆足委員 まことに勉強の御不足を、給料のお安いせいかと思って同情もいたしますが、実は教育につきましての一番おくれているのは文部省だと思っております。その次におくれているのが厚生省でありましょう。もちろん外務省もおくれております。国民もおくれております。進んでいるのはただ産業界における技術ばかりでありまして、鉄鋼は七千万トンというとほうもない数字、自動車は世界二番目、造船は英国の五倍とか七倍とかいっております。この数字を聞くたびに、日本のアジア的不均衡ということを痛感せざるを得ません。われわれ自身といたしましても、合理主義者、ヒューマニストの帆足計が、家庭に帰れば一応の天皇制であることは娘の立証するごとくでありまして、この不均衡は社会全般にわたっているもので、そのしわ寄せが厚生省に参っておるのでありましょう。
 そこで、武部委員が要求いたしましたように、コカコーラの原液を早く分析なさること。コーラは習慣性になるということをよく聞いております。それから乳児、幼児が飲んでおります。幼稚園、小学校では遠足のときにはみんな、がぶがぶ飲んでおります。こういうことも御考慮くださいまして、何もアメリカのものだから悪いというわけではありませんが、初期にバヤリースジュースが来ましたときに、カリフォルニアの豊富な紫外線のビタミンCが来たというので、私は安ければ歓迎する気持ちでおりました。最近は、ジャス規格法案がこのたび国会を通るといううわさを聞きまして、バヤリースその他のジュースをどう取り扱うかということを友人が聞きますから、あれはジュースではないのであるから、黄色いインキの薄めたもの、こう登録したらいいでしょうと私は言っておきました。物価委員長、それはあまりに無情なことばではないかと言いますから、それではもっとエレガントにお答えしましょう。みやこ染めの黄色いのを薄めたもの、こういうものを国民はジュースと思って飲んでいる状況でございます。厚生省、よほどしっかりなさらないと、これは危険な食品に――ラーメンまでに防腐剤が入っておるから、それでガンの原因になる。かまぼこもどうやら怪しいということを最近本で読みまして、四面楚歌の声という感を深くいたします。食料品に対する規格法がやがて成立いたしますこと、そうして成立いたしましても、厚生省がそれを監督指導なさるのに相当の時間のかかること、予算の必要なこと等は十分な配慮を議員としていたすつもりでございます。かつて甘酒、あめ湯、単純なラムネを飲んだ時代がなつかしいことは、必ずしも牧歌的回顧趣味ではなかろうと私は思っておるのでございます。特に、先ほど幼児に対する影響について武部委員から突っ込んだ質問がございましたのに、局長の御答弁は蚊の鳴くような御答弁でございまして、まことに残念でございました。もう少し厚生省は国民の健康、保健について責任を持っていただきたいと思います。先ほども、ヨーロッパでは子供が幾つになったらコーヒーを飲むことをおかあさんに許可されるかとお尋ねいたしますと、御存じない、このようなことでは困るのでありまして、コカコーラは一例にすぎません。今後続々この問題が委員会の進行につれて各良心的な委員から提出されますから、お気を悪くなさらないで、厚生省を督励するとお考えくださって、厚生省激励会、厚生省後援会が、議員でもないのに早くも発足したとお考えくださいまして、せっかく御努力のほどをお願いする次第でございます。
 次に、先ほど木原委員の質問の点でございますが、商品取引所というものは長期にわたって商品の価格の平均化をはかり危険を防止することが健全な目的であることは、もう互いに了承のとおりでございます。そこでお尋ねいたしたいのですけれども、特に雑豆につきましては現物の数量が限られておりますから、株と違いまして一そう敏感でございましょう。またその数量たるや限られておるだけでなくて、輸入源もまた先ほどのお話しのように限られておりますから、公正取引委員会においても、また農林省御当局においても十分なる監視が必要であろうと思います。大体取引所というところは競輪場ではございませんので、競輪をやるようなつもりでやられたのでは困るのでございまして、これは価格の健全な均衡作用を得るための機構でありまして、そして仲買い人は健全な取引手数料をかせぐべきものであると私は考えております。
 さっそく木原委員の質問に連関してお尋ねいたしたいのでございますけれども、現在の値段が急激な暴騰であること、まだ北海道の作付も終わっておりませんし、天気予報もまだそれほど進歩いたしておりませんのに、早くもこのような暴騰をいたしております。私はしからばどういう立場から質問するかといいますと、取引のことには、先ほど木原君の御質問にありましたように、そういう微妙な問題に立ち入りたくはございません。ただ国民の必需品である製あん並びに和菓子のメーカーの立場からいいますと、これは大財閥がぼたもちを食うといっても幾らも食べません。おおむね大財閥の諸君は品がよろしゅうございますから、お茶の湯ぐらいでようかん一つまみでございましょう。しかし勤労者は大福もちを一ぺんに五つも食べたりいたしますし、庶民の食べものでございます。それの値段が上がるようなことでは困るのでございます。したがいまして、その観点から申し上げますと、現在東京の在庫はどのくらいございましょうか、わかりましたらお知らせ願いたいのです。私が聞いておりますところでは十万俵前後だと聞いておりますけれども、それに対しまして、取引に及ぶものは百万、二百万に達するような取引から売買が行なわれておるように伺っておりますが、それに百万、二百万に及ぶような買いが行なわれておるようでございますけれども、現状の値段から見まして明らかに不当な状況ではあるまいか、これはどういうふうになっておりますか。
 また、前回お尋ねいたしたのですけれども、横浜、神戸の埠頭に故障のある輸入豆が三十万俵前後も停滞しているということをうわさに聞きましたけれども、その事実はどのようでございますか。御存じでございましたら御説明を願いたいと思います。政府委員、どなたでも……。
#76
○小暮政府委員 港に相当の数量の輸入の雑豆が、シアン化合物が付着しているかいないかという問題をめぐってしばらく滞留しておったという事実は報告を受けておりますが、その後その解除は行なわれまして、物は流れておるというふうに報告を受けております。
 それから東京の在庫が幾らあるかという点につきましては、まことに申しわけございませんが、蚕糸園芸局としての調査はございません。私どもも実は業界紙等で承知する程度であります。
#77
○帆足委員 重ねてお尋ねいたしますが、港に滞貨になっておるものは全部解決したのでございますか。
#78
○小暮政府委員 担当者からは、前回問題があってとめ置いたものは全部解除されたというふうに聞いております。
#79
○帆足委員 まだ問題が残って、また滞貨になっているものがございますでしょうか。
#80
○小暮政府委員 そのような報告は受けておりません。
#81
○帆足委員 それから、ただいま東京における現物在庫がどのくらいであるか、直ちには把握されておられないという由を承りましたが、買いは仕手関係等もありまして計画的に行なわれているように新聞等で伝えておりますけれども、これに対しまして、対策といたしまして、現在のようにアズキ類が一万円をこすとか、また白豆が九千をこすというような状況になったときに、最も有効な対策は、単に増し証拠金のみでは不十分ではないかと私は思いますが、これは意見にわたるわけですけれども、増し証拠金を出すということになれば、一方の側は手放してしまわざるを得ない、他方のほうは勢いを得てますます投機に走る、買ったほうは。というようなことになりますから、むしろそういうような事態のときは現物を把握なさって、東京における現物がどのくらいあるかということの大要を、また全国における現物がどのくらいあるかということの大要を把握なさって、そして取引数量の建て玉の制限を、これは北海道でもおやりになったように伺ったのですが、そのような方法を併用なされなければ、かえって投機を悪循環させる、ビシャスサークルになりはしないかと存じますが、それに対してはどのようにお考えでしょうか。
#82
○大河原説明員 ただいまのお話で、一万円の水準が非常に過熱しているかどうかという点については、先ほど木原委員にお答え申し上げましたように、実態の需給の引き締まりが反映して強気の相場が出だしたというように判断しておるわけでございまして、これにつきましては、重ねて申すようでございますが、相場の推移を見て、過当投機にわたらざるような手を迅速に打つ、取引所においてもその自粛的な体制を整えるということについては遺憾のないようにしたいと思うわけでございます。具体的に売買証拠金の増額だけでは不十分ではないかというようなお話でございますが、われわれとしては、現段階ではその過当投機は起きているとは判断しておりませんので、この程度のものでまず対処していきたいというように考えておるわけでございます。が、御議論のように、その相場の過熱の程度についての迅速な判断というものをいたしまして、その段階によっては、過去の事例におきましても建て玉の制限なり、あるいは先ほど園芸局長からお答え申し上げましたように、不幸な事態でございますが、四十年における若干の期間の立ち会いを停止するというようなことも、過去の事例としても、方法として考えられるわけでございますが、いずれにいたしましても相場の推移については、いろいろ御注意もございますので、十二分な注視をもちまして遺憾のないように期したいというように考えております。
#83
○帆足委員 公正取引委員会並びに農林省当局の良心ありかつ良識ある御監督があるならば、われわれも相場の多少の動きというものは、これは自然現象でございますからかれこれ意見を申すよりも、むしろ監督官庁の緩急よろしきを得た行政的指導に御期待申すわけでございます。
 それから根本の問題は、先ほど木原さんが触れまして、私は別な機会において、商工委員会等においてさらに研究の必要がありますし、なかなか名案とてないのですが、かつてバナナの輸入のときでも、バナナを輸入すれば、もう輸入しただけでもうかる、ぬれ手でアワでもうかるというので、バナナには利権が伴いまして、また一部には汚職に類したことが行なわれたこともございます。豆類または南京豆、アズキ等は輸入した権利だけでもってばく大なものになるのでございます。いまは値段が下がりましたけれども、砂糖もかつてはそういう時代がございました。塩ですらそういう時代がございました。そのときに、輸入商に権利を与えるのがいいのか、またはメーカーに権利を与えるべきであるか、または半々にすべきであるか、過去の伝統と商習慣によりましていろいろでございます。業界という場所はふしぎなところでありまして、何とかかんとか言っているうちにおのずから落ちつくところへ落ちついて習慣ができるのでございますけれども、私は、自然発生的に強い者が伝統的に権利を握るというのでなくて、やはり公平でありたいと思います。額に汗をした者と、それから資本の力のある者と、伝統の力及び技術を持っておる者、この三者の力が均衡するように運営されることが一番望ましいとかねて思っております。たとえば塩ならば輸入商に権利が割り当てられますけれども、背後には専売局もありますし、また砂糖ならばメーカーと輸入商と両方が権利を持っているように、かつて私は聞いております。製あん業者の同業組合にある程度の権利を与えることがいいかどうか、これは当然の要求でありまして、研究課題の一つではなかろうか。でありませんと、入れた者はもう一獲千金、そしてつくる者はヤンマーヘーレンで、安い給料の中小企業者がふうふういってつくって、そして値段を高くするわけにいきません。それを食べるのは大工さんや建具屋さんたちがおやつに大福をぱくつく、こういう種類の商品でありますから。こういう種類の商品が輸入商によってぬれ手でアワ、そして思惑取引商によって一獲千金というようなことは、主義として、私どもラショナリストとしてはどうも納得できません。なるべくそういう悪趣味の伝統は合理主義的に修正されねばならぬ必然性を持つのではあるまいか。したがいまして、これは直ちに間に合うことではありませんけれども、御研究になる価値のあることである。個々のメーカーに割り当てることはできませんから、協同組合をつくってもらって、協同組合にある権利をやる。それによって輸入商の独占的利益を制肘するということは研究に値するし、またそういうことの研究がなされるならば、輸入商の諸君もあまり横暴にふるまうことがなく、その商取引を円滑にするために慎むであろうと思いますので、この際は御当局に一つの課題として、一物価委員として御要望いたしておく次第でございます。
 それから、輸入の自由化の問題がちょいちょい新聞に出ておりますが、この雑豆の方面におきましても何がしかの自由化の方向に向かえば値段は下がるであろうと思います。これは企画庁長官が、やむを得ずある種のものが物価が騰貴したときには、国内で合理化された産業においてはその一部を消費者に還元し、一部を値段を引き下げることに使う、それから国内商品が高くなってくるのを防ぐ方法としては、幸いにして多少為替の余力があるし、また輸入した場合には、ある程度輸入に対しては、農業国ですから輸出もできるわけでございますので、まる損になるわけではありませんから、それで農民を苦しめない範囲において輸入商品をもって価格の調整をはかるという、それは企画庁長官のお話で、まことに筋の通った話であると聞いております。したがいまして、こういう暴騰の傾向のある商品に対しましては、常に予備輸入のワクないし緊急輸入のワク、または輸入の時期をずらして適時に輸入のできるように行政指導なさること、また現在のように広州の見本市のありますようなときは、あまり値段が上がらぬほうが外国の市場から足元を見られないで済むのでございまして、こういう農産品や原料中心の見本市のありますようなときに、国内の雑穀が暴騰することは好ましくない。かつ私は、日本の中国との商取引にとって非常に不利であると考えております。高いものですから、押しつけられて高いものを買って帰ると、今度は、いずれは高くなり過ぎたものは暴落しますから、けが人が出る、こういうことになりますので、こういう面の監督も十分にしていただくようにお願いしたいと思います。
 ただいま申し上げましたことは一般論でございますけれども、行政指導官庁側のそれについての御見解を一応伺っておきたいと思います。
#84
○小暮政府委員 雑豆との関連について主としてお答えいたします。
 御指摘のように、割り当ての仕組みに対していろいろ御不満があることは私どももかねがね承知いたしております。先ほどの委員の御質問に対しても私お答えしたと思うのですけれども、商割りのもとでも、やはり物をどう流すかということについてはいろいろな商社と実需者とのかけ引きがございまして、そこにさまざまの問題が生ずるわけでございますが、それを避けようとして需要者割り当てというほうに転換しようといたしますと、需要者、実需者というもののあり方が物理的にきわめて明確に捕捉できます場合でも、たとえばそういう十数社といったような工場だけが実需者であるということが明らかであったような現状の場合でも、たとえばそこに設備を増設することによってまた割り当ての争いが起こる、かようなこともございます。それから、ただいま問題になっておりますような製あん、あるいは菓子、あるいは煮豆、あるいはいり豆といったような企業になりますと、実需者であるということの確認は、きわめて容易であると申しますか、きわめて簡単な設備で実需者であるということが主張できるようなことから、逆に行政的にはきわめて捕捉しがたいという問題もございます。一つの争いを避けようとしますと次の争いに逢着する。その争いを避けようとすると争いがますます加速度的に数多くなるというようなことが過去の行政上の経験でございます。ただ、私どものやり方が十全でなかったということもあろうかと思いますけれども、どうも事柄の性質上行政が奔命に疲れるということになるのではないか、意見の分かれるところでございましょうが、私はそう考えておるということを実は申し上げたわけです。
 基本的には、やはり自由化されますれば、その辺はまさに企業と企業の間の商取引としての自由競争ということになろうかと思いますが、これは、雑豆のような寒冷地畑作の営農を今後どのようにしたらよろしいかということと密接に関連するものについて、性急な自由化というような措置はとれないということで、自由化をお断わりをしておるようなことでございます。そこで私どもとしても、先ほども触れましたように、やはり輸入外貨の面に、できるだけ物価対策を念頭に置き、できるだけ潤沢な外貨を用意し、これを適宜に割り当てるということに最大の努力を傾けるのが当面の具体的な姿勢でございます。
#85
○帆足委員 ただいまの御答弁の一部はまことにごもっともでございますけれども、しかし、メーカーの数が多うございましても、一定年数営業を続けておることとか、過去の一定年数の実績とか、協同組合をつくって一定の権利を与えれば、私は不可能であるまいと存じますけれども、しかしこの問題の研究には非常な時間を要することでございますので、課題といたしまして、こういう当然の要求も合理的に現実的に起こり得るというととで御研究を願いまして、とにかく当面の問題としましては、ただいま言われましたように、緩急よろしきを得て価格の安定をはかること、それによって実需者に報いることで成果をあげられるならば、それである程度の満足をメーカーにしていただき、消費者にも満足をしていただくことができるわけでございますから、こういう特殊の、価格の変動の激しい、思惑取引の対象になりやすい商品につきましては、相当敏速に、そして果断な措置をおとりくださることを――その立場は物価安定、消費者の立場、生産者の立場を御考慮になって、そういう現実的、良心的立場から、ただ無原則になさるのでなくて、一定の原則をお考えくださって、そして緩急よろしく行政指導されることを切望する次第でございます。
 最後にお尋ねいたしますが、取引についていろいろな疑惑を持たれているようにも伝えられておりますけれども、これは取引枚数の内容につきまして、必要な場合は委員会にお示し願うというようなことは、一定の時間の余裕を置いて要求するならば、調査資料としていただけるでございましょうか、ちょっとお尋ねしておきます。
#86
○大河原説明員 取引枚数と建て玉の数等につきましては、資料を整備いたしまして提出したいと思います。
#87
○帆足委員 それでは当面の取引枚数につきまして、私どもの参考になる、世間の疑惑を解き得るようなふうに、実際の資料整理ができましたならば、これをいただきたいと思ってお願いいたしておきます。
 以上、あらかたのことを申し上げまして、今後の行政の指導の御参考になれば幸いでございます。
 以上のことは、公正取引委員会においてもよくひとつ御注目のほどを切にお願いいたします。
 それから砕米、これは食料問題でございますから農林委員会で問題にすべきことで、たいへんむずかしい問題でありますけれども、砕米の値上がりによりまして、同時に安い輸入砕米の輸入制限によりまして、それがこうじに影響し、みそ、しょうゆに影響するように大きく新聞に報ぜられておりますので、私ども物価委員といたしましては――みそはこれは国のもとでございまして、日本民族が今日の段階になったのは、みそによる優良たん白質によって、アジアにおいて特別に大脳が発達したようにある生物学者は言っております。私どもの子供のときには、みそ汁というものがいかに重要であるということは祖母が与えた教訓でございまして、これが高くなることは好みません。これも徹底的に調べまして、これに來雑物が入ったり高度の防腐剤が入ったりすることのないように、この民族の花である最も優良な食べものといわれているみそ、しょうゆ、豆腐及び納豆、このすぐれた国の花ともいうべき食料に対して、内容を清潔にすることと、値段を安定させることが重要でございますから、それについて御注目をいただいて、現在の状況ではどうなっているか、これに対して緊急な御対策を持っておられるか。御注意を促しまして、二、三分でけっこうですが、御説明だけいただきまして私の質問を終わります。
#88
○馬場(二)政府委員 最近、米の需給が非常に緩和いたしましたので、いま外国産の米では、ただいま御指摘の砕米を含めまして、ウルチ米はほとんど本年度は輸入をしない、こういう実は方針をとっております関係上、したがいましてその砕米に原料を主として依存しておりましたみそ、それからしょうちゅうでございますが――このみそとしょうちゅうは主として中小企業でございます。この非常に安い砕米がなくなるということで、その代替原料をいま研究しておるわけでございますが、それにかわるものとしては準内地米、これは台湾の蓬莱米とかあるいは中国の常熟米を政府は相当手持ちしておりますので、この米を砕米の代替に使いたい。ただ問題は、砕米より準内地米が相当割り高でございますので、やはりみそは御指摘のように伝統的な国民食品、しかも必需食品でございますから、このみその製品の値段に影響しないように、準内地米の価格を調整――値下げでございますが、調整すべくただいま財政当局と交渉中でございます。何とか、砕米がなくなりましたあとの対策として、準内地米の値下げ調整ということで対処して、みその生産なり価格に影響を及ぼさないような配慮をしてまいりたい、こういうふうに考えます。
#89
○武部委員長代理 村山喜一君。
#90
○村山(喜)委員 食生活が高度化するに従いまして、でん粉食糧の占める割合というものが減ってまいりました。その反面において、肉類の消費率が上昇をしておる、こういうようなことで、農林省でも一つの生産の見通しというものを立てながら、価格の安定という問題を志しておられると思うのでありますが、最近、私の鹿児島の地帯では、和牛の子牛の価格が下落をいたしました。そして前は平均十一万円くらいしていたものが、八万円の保証価格といいますか、子牛の安定基金制度の下限価格を割りまして、七万円台で取引をされるような状態が出てまいりました。その理由等はそれぞれあるわけですが、そこで県といたしましては、こういうような状態の中で安定基金からその不足分については支出をする、このような制度を発動をしなければならないだろうという見方がされておりました。予算の上で、農林省の肉牛の繁殖等の事業費を見てまいりますと、大体一頭十万円ということで補助単価の計算基礎にしているようであります。その場合に、いまの肉の生産については、そのような価格で安定をさせることを目標にしているのか、それとも食肉の安定をはかるためには、どういうような立場でどれだけやれば措置ができるという目標を立てているのか。長期需給見通しの上に立った一つの政策というものがなければならないと思う。
 そのような意味からお尋ねをしたいと思うのでありますが、県議会あたりにおきましては、肉用牛の振興対策の一つといたしまして、外国からの肉類は輸入をできるだけ抑制をしてくれ、あるいは中国肉等の輸入については、なお口蹄疫等の心配という問題等もあるから取りやめてくれ、こういうような陳情書が出されてまいりました。そこで、この問題については生産農家の立場というものと消費者の立場というものと、利害の相反する問題がございます。だから、それを調整しながら、その中において生産者が安心をして生産ができるような体制をつくると同時に、消費者の購入価格がこれまたいま割り高ですから、割り高な肉類の価格を下げるということをやらなければならない。そういう立場から、いまのような価格の支持政策というものが、これからどういう役割りを果たしていくべきだと農林省は考えておるのか、これについて承りたいわけです。
#91
○平松説明員 ただいま先生御指摘のように、子牛の価格は昨年の秋ごろから、精肉価格の下落を反映したことであろうと思われますけれども、弱含みに推移しておるということで、二、三の県では子牛の安定基金から補てんを要するという事態も起こるだろうというふうに考えられておるわけでございます。
 御指摘のように、消費者に対しては牛肉を安い価格で豊富に供給し、生産者に対しては生産者が採算の合うような形で価格を安定さしていく、両者相反するような形での政策要請があるわけでございます。御存じのように肉牛につきましては、従来日本の肉牛は、役用と肥料用というふうな形で飼育しまして、その後肉牛として使えるというふうな供給形態をとっておったわけでございますから、三十一年にピーク二百七十万頭ばかりの飼養頭数があったものが、役用なりあるいは肥料用なりということでの要請がなくなってきたということから、農家で飼育が減ってまいりました。そういうことが原因となりまして肉牛の頭数が減ってまいりました。需給関係できまってまいるものでございますから、三十年代の後半から四十年代にかけまして、肉牛の価格なりあるいは牛肉の価格が高騰してまいるというふうなことになってまいったわけでございまして、私どもといたしましては、消費者物価対策ということもございますので、繁殖、育成についてのいろいろな施策を講じてまいるというふうなこと、それから和牛につきましては、和牛の供給はある程度限定されておるというようなこともございまして、国内で酪農の振興をいたしまして乳牛がふえてまいり、乳牛の子供が生まれますと、そのうちの雄がいままで子牛の段階で殺されておったわけでございますけれども、これも肉資源として利用するというようなことで、牛肉の価格の安定をはかってまいりたいというようなことを考えているわけでございます。
 どういう価格水準で支持をするかということでございますけれども、現在のところ牛肉につきましては、先生御指摘のように、肉牛につきましての取引の特性その他から考えまして、子牛の段階で、子牛の取引について府県に子牛価格安定基金というものを設けさして、生産者に最低の価格を保証するという仕組みのことと、それから価格が高騰します、あるいは不足が見込まれるという際に牛肉の輸入をやるということで価格政策を行なっておるわけでございまして、一定の水準を設けましてこの段階で支持をするというふうな対策は講じていないわけでございますけれども、国民の牛肉に対する需要の強さ、あるいは肉牛の飼育というものについて、消費の増大に対応して希望の持てる商品としての農産物というふうな形での農民の期待というものにこたえて、両面の対策を今後推移を見ながら考えてまいるというような形でまいりたいと思っております。
#92
○村山(喜)委員 四十二年の実績で十四万一千トンの食肉を入れているわけですね。これは二百四十七億円だという統計上の数字が出ている。これは全体でそうなるわけですが、牛肉の輸入量は一万四千トン。いわゆる国産品の価格と輸入品の価格の対比の中でどれくらいの開きが今日あり、そしてまた、これをどこまであなた方は畜産政策の中で進めようと考えているのか。いま話をお伺いしますと、全国的に統一をした子牛の安定価格というものを想定をする必要はないというような立場で指導をしていらっしゃるわけですが、やはり生産をし、その育成をし、肥育をする農家というものは、そこに利益がなければ、そしてまた成り立つ一つの業務でなければ飛びついてこないわけですね。今日われわれ農村は、特に私のところなどは過疎地帯の代表的なところですが、一体何をつくったらいいのかということで農民自身が迷っているわけです。もう米もだめだ、麦、菜種はもちろんのこと、大豆も完全にやられてしまった。果樹が将来の成長作物だということでやってみたけれども、ミカンの暴落という事態を迎えた。そうすると、いま畜産のほうがそういうような現象が出てきて、一体何を農民はつくったらいいのかということの基本において迷いがあるわけですね。そういうような中において、いわゆる畜産の安定成長というものをあなた方が畜産行政の中で推進をするとするならば、値段が高ければ高いということでいいわけじゃございません。それはあまり高いものは消費が伴わないわけですから、だから消費者が消費できるような価格においてその安定成長をはかるということでなければならないと思うのです。そういう意味から、これ以下に下がったらその産業は崩壊をする、だからここら辺に安定価格を置いて、それに従った指導をやろうという一つの目標がなければならないのじゃないですか。それが八万円であってもよろしいし、六万円であってもいいし、あるいは十万円を設定してもいいというのじゃ、これは畜産の振興の具体的な推進にとっては、私は行政の指導面としては欠けているのじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。
#93
○平松説明員 私のお答えが多少舌足らずであったかと思いますが、私が申し上げましたのは、牛肉の価格について豚肉のように安定帯価格を設けて支持をするというふうな意味で理解をいたしたのでございますが、そういう意味における価格支持というふうなことでは考えていないということを申し上げたわけでございまして、各府県の子牛価格安定基金で基準価格をつくります際はもちろん私どもに相談がございまして、私どもといたしましては、農家が再生産を続けていくという場合の最低の基準はこの程度であろうということを考えまして、基準価格の設定の協議にあずかっておるということでございますから、その意味におきましては、私どももただ単に各県の基金でかってにつくればよろしいという意味において基金の運営をやっていただくということでなしに、私どもとしては再生産が続くようにということを考えておるわけでございます。
#94
○村山(喜)委員 だから、それでは、子牛一頭当たり鹿児島県の場合は最近平均価格が七万八千五百円くらいです。そこで八万円に満たないわけですから、その分については安定基金のほうから補給金を出してそれを補償するということをやっているわけですが、そういうようなのが全国的な一つの標準というふうに受け取ってよろしいのですか。
#95
○平松説明員 全国的な基準価格の数字を申し上げますならば、低いところで七万三千円というところがございますけれども、大体におきまして七万三千円から八万三千円というところに、現在基金で基準価格を設定しておりますところは位しておるわけでございまして、大体府県の生産費その他を考えて、一応の基準価格としてはそこを下値としてささえていこうというようなことを考えておるということであろうと思います。
 ただ肉牛の生産につきましては、先ほども御説明いたしましたように、従来の肉牛というのが役牛として飼われておったという時代のなごりがございまして、まだ一頭飼いというのが非常に多い。平均でもまだ二頭にならないという状況でございまして、また最近乳牛を肉牛として飼育するというふうな形態がふえてまいっておるというふうな実情でございますので、そういう実情も踏まえまして、固定的に断定的な基準価格をきめていくというふうな形のものにしてまいるというのはまだ尚早であろうかと思いますけれども、各府県の特性を考えて、各府県の基金の基準価格の設定ということにつきましては、先ほどから御説明いたしておりますように、再生産が確保できるようにということで私ども協議にあずかりまして、基準価格の設定をしてまいっているということでございます。
#96
○村山(喜)委員 そういたしますと、国内価格と輸入価格、CIFの価格ですね、それの開きプラス関税、これは牛肉は二五%ですね、それに輸入諸掛かりがかかるわけでしょう。それらを総合計をしましてどれくらいの国際価格との開きがあるのですか。
#97
○平松説明員 現在子牛価格安定基金の対象にいたしておりますのは、いわゆる和牛といいますか、日本の在来種の肉牛として最も珍重がられておる、いわゆる上等のものについては松阪牛といわれるほどの種類のものでございまして、これは輸入牛肉とは品質の面でも全く――全くと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、比較の対象にはならない。むしろ競争関係はないというふうに言っても――そこまで言うと言い過ぎかもしれませんけれども、国内の和牛の価格というものは一種独特の市場を形成しておるというふうに見て差しつかえないのではないかというふうに考えます。輸入牛肉につきましては、輸入牛肉が冷凍した肉であるということと、冷凍肉であるということが消費者になじみが薄いというようなこと、そういうことがございまして、ただ単なるCIF価格の比較というふうなことからだけで価格が比較できるかどうかということについては問題がございましょうし、また輸入されます場合は全体をカットしただけの枝肉というだけでなしに、部分肉の形にまで加工されておりますので、部位によって価格が違うということでございますから、簡単に比較もなりがたいかというふうに考えております。
#98
○村山(喜)委員 それは肉質を抜きにした論議はできませんよ。そのあたりはよくわかっているのだが、それには品質の修正を与えれば対比が出てくるわけですよ。そういうようなのを作業としてあなた方自身はやったことはないのですか。
#99
○平松説明員 昨年の十一月現在くらいで一応の比較をいたしてみたわけでございますが、それによりますと、輸入牛肉の商社渡し価格では四百八十二円、それから肥育の雄牛の乳牛では六百二十三円、乳廃牛では五百三十三円というふうな価格関係になっておりまして、ここらのところがちょうど品質格差をあらわしておるのではないかというふうに考えます。
#100
○村山(喜)委員 国内においても和牛のいいところのロースのところから中肉というようなところもあるわけです。国内においては乳牛の雄を去勢したものを食わせる。それは価格差というものはあるわけです。それだけ味が悪いのです。そういうのを食わせるのだということを片一方においては言いながら、外国のものとはこれは比較ができない一つの和牛の相場が成り立っているのだということで、あなた方がそういうようなとらえ方のもとで畜産行政を指導しておられる限りは、物価の安定ということは私はあり得ないと思うのです。だから、いまそういうような関税が二五%もかけられるのがはたして正しいかどうかということについては、われわれは関税政策の上から再検討を加えなければならない段階を迎えていると思うのですよ。それを加えても、輸入諸掛かりを加えても、なお品質修正値を施しても、それでもなお国内価格がはるかに割り高であるということになるならば、これについては何らかのその対策をあなた方は講じなければならない。いつの時点までそれをやるのだということをやらなければならぬでしょう。その格差はどれくらいだろうということで公式説明をされておるのですか。それらのものを足し合わした総トータルとの比較でけっこうですよ。
#101
○平松説明員 先ほどから御説明いたしておりますように、いわゆる国産の霜降り肉というものに対する国民の嗜好と申しますか、同じショーケースの中に並んでおりましても、輸入肉なりあるいは乳用の牡犢の肥育肉なりというものと比べまして、安いからそちらを買うという階層もあるわけでございますけれども、高くても霜降り肉を買っていくという階層がございまして、いままでも肉は輸入されましても、どちらかと申しますならばそういう霜降り肉というものの価格に影響をするということでなしに、あるいは乳廃牛の肉であり、あるいは肥育された乳用牡犢の肉でありというものの価格に影響を及ぼしておるというような実情でございます。ただ全体的に供給数量がふえてまいると影響を受けるという意味においては、霜降り肉にも影響を及ぼしておるようでございますけれども、大体そういうような関係にある。その点につきまして、関税をかけるという現在のあり方、そのことがいいかどうかということでございますけれども、現在のところ大体毎年二万トンずつ輸入数量を割り当ていたしておるわけでございますけれども、輸入の実績といたしましては、先ほど御指摘のせいぜい一万三、四千トンという輸入にとどまっておるという実情でございまして、関税を下げるということで国内の供給価格が下がるということになりますと、これは同時に国産の肥育の牡犢なり、あるいは乳廃牛の肉なりというものの価格に影響をして、その面から採算が合わないということで生産がストップしてまいるというような形で、せっかく国内のいわゆる大衆肉としてのそういう肉の供給に悪影響を与えたり、あるいは酪農に悪影響を与えるという面もあろうかと思いますので、関税の問題については慎重に配慮する必要があろうかと思います。
#102
○村山(喜)委員 あなたの答弁は模範答弁かもしれないけれども、それは実のない答弁なんですよ。もう少し国民の期待にこたえるように、畜産局は的確に答弁してくださいよ。というのは、初めあなた方が入れた輸入肉というのはブリスケットのいわゆる加工用の肉を入れているのです。そして外国の肉というのはまずいものだということで、国民にそういうような印象を与えたのでしょう。大体霜降りの肉をだれが、どの階層の人が食べているのかということを考えますと、なかなか大衆の口には入らないのです。これはもう特定の階層に限られておるわけです。もうステーキ肉で比較をしてもいいじゃないですか。そういうような肉の上から比較をしたときに、いまの外国との価格の競争がどうしたらできるようになるのか、このことを明らかにしなければ、関税を二五%、いつまでもこれを高目に保持しておくことはできませんよ。この問題に農林省の畜産局は一つの政策目標というものを立てて、ここまではこういうふうにしてやります、だからいま子牛の安定価格はこういうふうにしなければならないと、こういうふうな関係を明確にしてもらわなければ困るじゃございませんか。その点は国民生活局長は御存じだと思うのですが、経済企画庁の調整局で、輸入価格と輸入制限と国内価格との関係を物価安定推進会議のほうの要請によって資料として出したものがありますね、その上から、あなたは御存じですか。
#103
○八塚政府委員 調整局の資料というのは、ちょっと私心当たりがございませんが、物価安定推進会議におきまして食料農産物の輸入の提言をいたしたときがございます。その提言の中にもありましたが、ただ単に輸入をして安くするというだけではもちろんなくて、これくらいの保護をやって、そうしてこれだけの自給をやっていくのだ、そうしてその足りない分はやはり輸入に依存していくという意味で、どの程度の保護をして、どういうふうにしていけば将来どうなるかということを考えろという、いま村山先生のお話しになりましたような趣旨が提言の中にあったと思います。私どもも基本的にはそういうことが望ましいと考えております。実際問題としては、なかなかいろいろ技術的に問題があるかと存じますが、そういう、先生のいまお話しになりましたような考え方の方向というのは、私どもの考え方でもあろうかと存じます。
#104
○村山(喜)委員 物価安定推進会議の「食料の価格安定と輸入のあり方について」の結論ですね、結論はいまあなたがおっしゃったように、生産対策で需給の安定をはかるのだ、これが主軸になるべきであって、輸入というのは一時的であり、部分的であり、補助的な手段としてやるべきなんだという基本的なかまえがあるわけでしょう。その立場は私たちも正しいと思うのです。正しいと思うがゆえに、その生産対策の面で需給のアンバラをなくしていくという、そういう生産面を受け持つ農林省当局の畜産局が、これに対して分析を加えて的確な生産対策というものを打ち出さなければならないわけでしょう。あなた方が出されているのは、そういうような一つの政策目標というものなしに予算をもらっているのですか。
#105
○平松説明員 先ほど御説明いたしましたように、二十年代の後半から三十年代にかけまして和牛の係養、飼養頭数が著しく減ったという現実を踏まえまして、牛肉の供給を確保するということが必要であろうということで、四十一年に肉用牛振興対策というものを定めまして、それによりまして肉牛の飼育の基盤になるところの草地改良を進めていくことはもちろんのことでございますが、国立の種畜牧場等で生産された優秀な肉牛を繁殖育成センターのほうへ回しまして、それから市町村農協等でそのセンターを運営してもらって、そこでできた牛を農家に回すということで、牛の種類につきましても、登録の関係では、従来の役用飼育に重点のありましたものを、肉の生産ということに重点を置いた登録に切りかえていくとか、あるいは里山利用の推進であるとか、あるいは国有林の肉用牛飼育のための利用であるとか、そういうような面で進めてまいりまして、振興対策の対象としては、繁殖地域なり改良地域なり肥育地域というような、重点的に政策を施行する地域を定めまして政策を講じてまいる。ただ、先ほども申し上げましたように、従来の役利用ということに重点のありました飼育から、肉用にということに転換をいたしておるわけでございますから、その間にどの程度の価格のめどというふうな形のものは非常にむずかしいという面もございますので、そういうふうな繁殖育成と申しますか、そこいらのところから効率的な施策を講じてまいるということで肉の生産の増加をはかってまいりたいというように考えております。
#106
○村山(喜)委員 そういうような努力をしておられることは知っていますよ。知っているけれども、それは四十一年に百五十七万六千頭に減ったのでしょう。それが今日そのような努力をして幾らにふえたのですか。そして将来そういうようなことをやれば幾らになるのですか。
#107
○平松説明員 御指摘のように減ってまいったわけでございますけれども、四十三年の二月に百六十六万頭にふえた。四十四年の二月の数字はまだ発表になっておりませんけれども、おそらくそれよりふえておるであろうというように私どもは考えておりまして、従来の減少傾向が増加傾向に転じたというふうな見方を私どもはいたしておるわけでございます。さきに政府で発表いたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」という中では、肉用牛の頭数を、五十二年には約二百六十万頭程度に増加するであろうというふうに考えておるわけでございます。
#108
○村山(喜)委員 そういうような計画が、地域的に見て達成ができたところと達成ができないところとあるでしょう。そこで全体的に見てみると、いまの時点においてはそう政策効果はあがっておりませんね。どこに原因があるかということをやはり考えてもらわなければならないと思うのですが、いまのままでいくならば、結局古い畜産行政の中に閉じこもってしまって、国民が要求をする、牛肉がたまには食べたいという期待にこたえることはできない。生産農家のためには畜産行政はあっても、消費者のためにはないというような結果になるおそれがあると思う。そうなると、勢い中国肉を入れろとか、どこかの肉を入れろとかという運動が一面においては出てくるわけです。だから、ここまではおれたちがやるから、それまではひとつしんぼうしてくれという一つの目標を、国民全体を対象にしてあなた方は出す意思はございませんか。
 というのは、先ほどから私が追及しておりますように、関税の二五%を加え、輸入諸掛かりを加え、品質修正をして、なお国内価格のほうが外国の輸入価格に比べたら割り高なんですよ。その割り高の割合は、だんだん年を経るごとに開いてくるわけですね。そういうふうな状態を、いま幾らだということも統計的に押えないでおって、そして食肉価格の安定といってみたって、それは実現不可能だと私は思うのです。だから一つの政策目標を立ててやるようにあなた方はすべきではありませんか。そしてまた経済企画庁は、物価安定推進会議からそういうような総合的な結論が出されてきた、ではそれについてこういうような形でいくべきだということで、農林省あたりに――国民生活局長も農林省の出身だと思うのだが、話をされるべきじゃないか。そして一つの国民的な合意というものを示して、それで納得を求めていくという物価政策をやってもらわなければいけないのじゃないかと私は思うのです。だから、中国肉を入れろ、入れないという問題もさることながら、全体的な問題としてそれらの問題を考えるべき段階にあるのじゃないかと思いますので、私はその点からただしていったのですが、お二人の考え方をもう一回ちょっとお聞かせ願いたい。その答弁のいかんによってはこれでやめます。
#109
○平松説明員 確かに先生がおっしゃいますように、国民としては、いつ、どれくらいの時期待てば、どれくらいの価格で国産のおいしい牛肉が食えるかという期待があるだろうと思います。ただ、先ほどから申し上げておりますように、まだ役飼育ということを目的とした一頭飼いというものが大半でございまして、肉利用のための飼育というものが萌芽状態であるということでございますので、そういうふうな経営状態において、どれだけの価格まで生産費の低下をはかり得るか、どういう生産組織でいいのかどうか、ことにコストの大半は労賃でございますので、そういうような点も考えまして、まだ、どれくらいの価格に安定させて、そしてどれくらいの頭数にするという目標を定めるのには早いのではないか。ただ私どもといたしましては、国民の側にそういう要望があるというふうなことを踏まえまして、需要に対応するような形の効率的な生産をということで、繁殖育成段階においての効率的な繁殖育成ができるようにという形の施策を講じてまいっておるということでございます。
#110
○八塚政府委員 先ほども申し上げましたように、物価安定推進会議の提言では、食料の長期需給見通しをまずつくって、そしてこの農産物は国内自給率の向上でとにかくやっていこう、これはもうそういう望みはないから輸入依存の拡大でいこうということをある程度きめる。まずその判断のものさしを明らかにする。それから、もし、自給率の維持向上をはかるというためには、いわば世界的な趨勢にある程度反しても輸入の抑制等をやらなければならぬとすれば、それはこういう理由なんだ、あるいはこういう目標でこういう手段をやっていけば、そういう過渡的な事態はやがて解消するということをはっきりさせることが、食料の輸入についての基本的な考えである。それが物価の安定に資するゆえんであるという提言をいたしております。私どももその線が原則であろうと思っております。特に先ほど来問題になっております牛肉につきましては、やはり世界的にも今後とも一応、需給からいくと、そういう供給不足の傾向にある一つの食料であろうと思います。現在の段階は確かに非常に国内の牛肉は高いわけでありますが、やはり日本は日本なりに今後とも国内供給を確保していくということはやっていかなければならないものだと思っております。ただ先ほど来畜産局の参事官が申しておりますように、特に肉牛等は構造的な問題がございますから、なかなか計数的、技術的にそういう見当をつけることが困難なものであろうということは私も同感であります。もっともその点につきましては、農林省におりました関係上、少し思い切りが悪いかもしれませんが、やはりなかなかむずかしいものだとは存じます。しかし、かりにむずかしくとも、努力をしてそういうことを絶えず策定するという方向へやってもらうことが、お話しにありましたように生産者にとってもめどになり、消費者にとってもがまんのいわばよりどころになるわけであります。むずかしいということはわかりますが、今後とも畜産局等においては努力をしていただきたいというふうに存ずる次第であります。
#111
○村山(喜)委員 これで終わりますが、農産物の輸入が四十二年度で二十三億五千万ドル、輸入額の二〇%を占めるわけですが、その中で、いまの牛肉の問題一つ取り上げてみましても、政府がやっている政策というものが国民にはなかなかわかりにくい。わかりにくいはずですよ、目標がないんだから。だから、片一方においては、生産者団体のそういうような食肉の輸入を阻止してくれという運動がある。片一方においては、とにかく何でもいいから入れろ、輸入をしろという運動が出てくる。あなた方が目標を示さないからそういうことになる。その目標に向かって政府が国民に対して責任を負うという立場を明示しない限り、政治というものが国民から離反をしていくことになるのじゃありませんか。その点においては、きょうは畜産局長がお見えになっていなくて参事官ですが、あなたは、お帰りになったらそのことをもっと上司の人とも相談をしていただいて、物価の立場、そして生産者の立場というものの上から、このような問題、取り残されている日本の行政における大きな欠陥ですよ、その点を明確にお伝えを願って、そうして国民にわかるような行政を推進してもらいたいということを要請をいたして終わります。
#112
○平松説明員 私の説明の中で多少抜けておったかもしれませんけれども、霜降り肉の点に重点を置いたような形の説明だったのでそういうふうなことになったかと思いますが、輸入肉と対抗できるという意味においての乳用牡犢の肥育牛の肉ということにつきましては、最近値下がりをいたしておるということで、むしろそういうふうな肉の値下がりを踏まえまして輸入が進まないというようなことで、ある意味におきましては、大衆肉については私どもが期待しておりますような効果が多少は出てまいったんじゃないかというふうに考えておるわけでございまして、この大衆肉も、乳用牡犢の飼育の頭数がふえてまいると同時に、乳用牡犢の肥育牛の奨励というものもございますので頭数もふえてまいっておりまして、漸次この肉の国産の牛肉の頭数の中に占めるウエートも高くなってまいっておるということでございまして、両者が併存してまいるということで、ときに応じて高いものを食い、ときに応じて低いものを食うということで、高いものも低いものも、私どものほうとしては合理的な生産を進めるというような形において努力をしてまいりたいと思いますが、そういうような形での消費者の嗜好というものと現実の市価というものについて、多少の開きが現実にあるということだけを先ほど来少し執拗過ぎるように申し上げたわけで、この点はもし誤解を生じておりますならば、私どもといたしましては、国民一般の要求しておるような安い価格でおいしい肉をということを目標に今後の政策を進めてまいりたい、また局長にもそのように伝えたいと思っております。
#113
○武部委員長代理 永末英一君。
#114
○永末委員 私は、牛肉と米について伺いたいと思います。
 菅野長官は関西の方でございますからこういうことを御存じだと思いますが、関西でカツレツといいますと、これは普通は牛肉のことですね。豚は特に豚カツと称する。ところが関東へ参りましてカツどんぶりを食べようと、こういいますと、その中に入っているものは牛肉ではなくて豚肉なんですね。だから関東、東京のほうはきわめて豚が多いということかもしれません。しかし別の角度からこの流れを見ますと、牛肉がこのごろ少なくなっておる。ここ四年来きわめて少なくなっておる。価格は非常に上がっておる。したがって、国民生活を見ておられる担当の大臣である菅野さんとしては、牛肉を安く食わせる方法をやはり日夜苦労しておられると私は推察するのですが、その苦労しておられるところをこの際ひとつ伺いたいと思うのです。
#115
○菅野国務大臣 牛肉の問題については、私はいま拝聴しておりまして、いろいろ肉の問題について質疑応答があったと思います。それで永末委員もお聞きになって大体御了承されたことと存じますが、問題は、肉が高くなったということはこれは事実でありますし、ことに主婦などから、牛肉が高い高い、それで肉が食べられないということをよく聞かされております。ところが一方では、肉に対する需要というものは非常に増してきております。したがって、やはり安い肉をこの需要のふえた国民に食べてもらうということが、今後の日本人の体格をよくするという上においてもカロリーをよくする点においても当然考えるべき問題だ、こう考えております。
 そこで、いままでに説明があったと思いますが、国内において供給が足らず、そうして価格が特に高いものは、これは国外から輸入するという方針を明らかにしたのでありまして、牛肉も相当輸入されておると思うのでありますが、ただ遺憾なことには、永末委員も海外へおいでになって御承知のとおり、日本ほど牛肉のおいしい国はないのであって、日本人はそのおいしい肉をみなほしがっておる。それが国内の生産が足らない、供給が足らないというところに悩みがあると思うのです。外国人はまずい肉でもみんな平気で食べておりますけれども、日本人はおいしい肉を食べたいという要望がありますので、やはり日本では国内で牛を飼って、それでおいしい肉をつくるということが日本人の嗜好に適するということで、そういう点においては、今後農林省のほうにおいても努力してもらいたい、こう考えておる次第でございます。
#116
○永末委員 長官は、先ほどからの質疑で大体わかったのではないかとおっしゃったが、何もやっとらぬということがわかったような気がするのですね。つまり、方針を定めてやっておるようには聞き取れなかった。物の動きとかなんとかは伺いましたけれども……。たとえば昨年の十一月二十二日閣議決定になりました「農産物の需要と生産の長期見通し」これによりましても、必ずしも牛肉をたくさん食わせようという方針にはなっていないわけですね。なるほど絶対量はふえますけれども、牛肉、豚肉、鶏肉等々の相互の比率を見ますと、決して牛肉が国民の口にたくさん入るようなしかけにはなっていない。だから、したがって、どうも菅野さんの内閣は、国民に牛肉を食わさない方針で考えておるのじゃないか、このように思われるのですが、どうですか。牛肉を食わす方針ですか食べさせない方針ですか。
#117
○菅野国務大臣 それはもちろん、だんだんお互いの所得を増してきたのでありますからして、したがってまた肉に対する嗜好もだんだんふえてきておりますからして、より多くの肉をより多くの日本人に食べてもらうということが、やはり私は政策だと思っております。そういうことでやっておるつもりであります。
#118
○永末委員 私の友人がアメリカに三年ほどおりまして、その人にアメリカで会いましたときにこんなことを告白をいたしました。三年もアメリカにいると、初めはまずいまずいと思っておったアメリカの牛肉がこのごろはうまいと思うようになった、恥ずかしいことだけれどもと、こういうことを言っておりましたけれども、結局現在外国肉に対しまして国民の嗜好が合っていない、こういう説もございます。なるほど、現場で外国牛肉が売り出される場合には、いろいろ手をかえ品をかえての宣伝にもかかわらず、人気がよくて一ぺんに売れていくということではない場面にも遭遇をいたします。ただしこれは、牛肉といえばすき焼きだと思っておった旧来からの家庭生活の環境は、やはりだんだん生活が洋化していくにつれまして、いろいろな牛肉の料理法というものを若い世代の人々は知っていく。としますと、必ずしも霜降りみたいな、ああいう牛肉のつくり方だけが上等の牛肉であって、ほかの牛肉はそうでないのだとは言い切れない。そういうことはもうすでに芽が出ておるのではないか。それは子供たちがすでに、学校給食から始まって、お菓子にいたしましても、あるいはまた乳製品にしましても、そういう嗜好の変化というものが見受けられる。こういうことになりますと、必ずしも先ほど長官が言われたとおりに、いままでどおりの純日本式の牛肉をつくらなければならぬという方針を立てていかれるのか。それとも、先ほどお話を伺っておりますと、少し値段が下がったという話でしたが、ことしになって少し下がりましたのは、これは乳用の牛肉が少し出回ってきたのだと思うのですね。これはいままでの肉牛と比べますと、確かに味が違うかもしれませんが、それはそれでやりようがあるはずだと思う。しかし問題は、それならば従来までのああいう零細経営で肉牛をつくっておったあのやり方を伸ばそうとされるのか、それとも乳用牛に対してもっと指導を加えて、そういう牛肉を、これは国内生産ですから、もっと多く出回らそうとされるのか、この辺のところを一ぺん伺ってみたいと思うのですね。
#119
○平松説明員 牛肉の価格につきましては、先生のいまの御指摘で、乳用牛肉の供給増による価格の下落ということでございますが、乳用牛肉の供給増によって全体的な数量もふえたということもございまして、値段が下がった。その卸売り価格も、昨年の一月ごろ八百四十円程度しておったものが、七百八十五円というふうに下がっております。(永末委員「願わくは小売り価格でやってください」と呼ぶ)小売り価格は、CPIのほうの調査の中にそういうような霜降り肉というような形の分類がございませんで、中肉一本ということでございますので、中肉一本で東京の小売り価格で申しますと、最高時点において百グラム当たり百四十三円であったものが、現在四月では百三十六円というふうに多少下がっておるというような状況でございます。
 現在私どものほうで肉用牛の飼育についてどういうふうな考え方をとっておるのかということでございますが、先ほどから御説明申し上げておりますように、従来の日本の和牛というのは役用に飼育しておったということで、一家に一頭ずつ飼う……(永末委員「古いほうはいいです。これからのことを……」と呼ぶ)そういう形でございますから、今後の問題としては絶対数をふやす必要がある。しかも乳用の雄については殺されておるということで、肉の資源としてもったいないということで、これを肥育させるということが一つと、それから従来のような一頭飼いでなしに、和牛を多頭飼育するということによってコストを下げることによって、供給をふやしていくというととが可能ではないかということで、両面の施策を講じてまいるというふうにいたしたいと思います。
#120
○永末委員 それにしては、先ほど申し上げた「農産物の需要と生産の長期見通し」で、昭和五十二年度を想定されて、わがほうの生産し得る、所有し得る牛の頭数というのは少ないですね。つまり少ないというのは、全体の日本人が食べるべき肉の総量に比べるときわめて少ない、こういう意味である。そうしますと、少なければいまのような状態が続く。すなわち、需要があって、しかもコストが高いのですから、生産方法が変わらない限り高価格が続くと思わざるを得ない。経済関係、コマーシャルベースは菅野先生の専門でございますから。そうすると高価格が続く。それを埋めるのは輸入しか手がないと思うのですが、その前に、長官、われわれ日本人が食べておる食用の牛肉は、よその国の人々がその国で食べておる牛肉と比べて高いと思いますか、安いと思いますか。
#121
○菅野国務大臣 これは私の体験ですが、日本の牛は高いです。先ほどもアメリカに在住しておる日本人の告白がありましたが、私もサンフランシスコで一番おいしい肉屋に案内してもらってごちそうになったのですが、実にまずい。これはサンフランシスコの人々が最もいい牛を食わすというので私を案内したところが、実にまずいということを言ったのです。今度その人が日本に参りまして、日本のすき焼きを案内しましたところが、非常に喜んだ。ところが、値段を言ったら非常にびっくりしておる。これだけ値段が高ければおいしいのはあたりまえだという話をしたのでありますが、私は日本の牛の値段は外国に比べて高いと思っております。
#122
○永末委員 そこで、日本人の食べていく牛肉は二つに分かれるのではないか。つまり、うまくて高い牛肉と、あまりうまくないけれども牛肉であるという牛肉、それは洋風の料理とかいろいろなものに使われていく。つまり、牛肉ならば一種類でなければならないということはない。そういうような牛肉に対する選択ということがこれから国民生活の中で起こっていくのではないかと私は思うのです。その場合に初めて輸入ということが本格的に考えられはしないかと思いますが、その前に、一体日本人の牛肉に対する嗜好の強さというものは、長官、ほかの肉と比べてどれくらい牛肉を食べたいと思っておるか。そういうことをどこか政府でやっておられるでしょうか。もしやっておられたら、お聞かせ願いたい。
#123
○八塚政府委員 あるいは各食肉のいわゆる需要弾性のような数字があるかもわかりませんが、いま手元にございません。ただ、食生活の改善に伴いまして、日本人は今後とも当然たん白を需要すると思いますが、その際に供給を考える場合には、生産の効率という点からいきますと、まず鶏肉、ブロイラー、それから豚、これは御承知のようにいわば穀物を加工して肉にするわけでございますから、これは非常に効率がいいわけであります。牛は草が主でありますから、当然資源の効率が悪いということでございますので、今後のたん白の供給源としては、水産は別にいたしますと、ます生産の手っとり早い豚、鶏、そして需要の強い牛肉を生産していくということになろうかと思います。そういう意味におきましては、やはり過去におきましても豚、鶏がふえております。今後ともウエートとしてはそちらのほうが多くなる。したがいまして、今後牛肉の特にすそもののほうは単純にいまの傾向でいくか、さらに一そう豚、鶏に置きかえられるか、このあたりいろいろ問題があろうかと思います。いずれにいたしましても、過去の計測した数字は一応さがしまして御提出申し上げたいと思います。
#124
○永末委員 私もいろいろ調べてみたのですよ。ところが、各省のいろいろな意味での統計数字がございますが、みんな結果論なんですね。需給の結果あらわれてきておる数字はあります。しかし、いまのような意識調査はこの点に関してはあまりない。しかし町で聞きますのは、ともかく牛肉を食べたいが、高いから手が出ないから豚にした、鶏にした、こういうことが多いわけですね。したがって、政策を立てられる場合にはそういうところをつかんで、それならば牛肉をふやさなければならぬ、どうすればいいか、この辺はやはりちゃんとしていただかないと、価格がからんでいる。もし価格が五年ほど前と同じように、豚で赤ろうと鶏であろうとあるいは牛肉であろうと、大体とんとんであるならば――しゃれを言っているわけではありませんよ、あの当時牛肉が食べられたように牛肉を食べたのではないか。ところが、買いに行きましたら牛肉が高いものですから、それをやっていない。私はぜひそういう調査もして、国民が望んでおるこの食品を与えるように、特に牛肉を与えるように、そういう配慮を願いたいと思います。これはいいですね。
 それからもう一つお願いしておきたいことは、牛肉の値段のいろいろの比較をいたします場合に、似たようなものがないからわからないということがよく出てくるわけですね。外国との比較をやる場合に特にそれが出てくる。これはやはりわかるようにしてほしい。やはりわが国の主婦の目から見れば、わからないということでは困るのであって、私たちは一体高い肉を食べておるのかあるいは安い肉を食べておるのか知りたいわけですから、経企庁に国民生活局がある以上、長官ぜひひとつこういう家庭の主婦にわかりやすいような、比較がすなおにわかるように、そういう調査をお願いしたい。
 さて、その輸入の問題でございますけれども、今度あなたのところの古井さんが覚書貿易で中国へ行かれて、中国肉の船上加工ということを持っていかれたわけですが、これがあえなくもつぶれて、全然食肉輸入ということがなしで帰ってまいりました。中国の態度を経企庁長官はどのように御判断になりますか。
#125
○菅野国務大臣 実はこの問題は私が通産大臣の時代にも起こりまして、私は農林大臣に中国から輸入したいということを申し出たのでありますが、口蹄疫があるから輸入ができないということの農林省からの返事であった。そこでいろいろの方面から聞くと、口蹄疫がないという情報も私どものところに入っているので、そこで口蹄疫がないという正式な証明書をできれば中国からほしいということをお願いをしたのでありますが、向こうのほうからその正式の証明書が来ないということで、結局さたやみになってしまったのでございます。今度また肉牛の問題が起こってきましたが、船上でそれを衛生処理するというようなことは、中国から見ると、自分のほうは口蹄疫がないという確信を持っておることだと思いますから、それをまた日本のほうで検査するということは、中国から見ると侮辱されたような気持ちになるから、向こうのほうから断わったということを古井君から聞いておる次第であります。
#126
○永末委員 菅野さんが通産大臣時代そういう努力をされたことは、私はきわめて多といたしておるのです。いま立場は少し違いますが、経企庁長官という最もこわい立場で見ておられますから、ぜひ御努力を願いたいと思うのですが、つまり中国側の感覚は、なるほど日本政府と国交がございませんから、日本政府に直接には出せない。あるいは古井さんが行かれても、何か一札とられるようなことはあの国はしないでしょうね。しかし国交のあるところにはそれぞれ毎月中国の政府機関から月報を出して、中国におけるいろいろな疫病の実態は知らしておるはずだ。それを疑って船上加工とかなんとかいってくることが大体ぴんとこないということが事の原因ではないかと私は思うのです。いままでこの問題は十数回国会において議論されておる。とどのつまり三回も調査団を出しましたが、農林省の前の畜産局長がその調査結果に対して、一応政府見解として最後に述べたところを要約しますと、調査は必ずしも口蹄疫が中国にあるということを断定はしていない、ないように思われるという調査結果である。しかし行政的には口蹄疫がないと認めるわけにはいかぬ、これが結論なんですね。そしていまやその最後のぎりぎりの決着が、通産省と農林省とが古井さんが中国に行かれる前にがたがたと相談をして、結局船上加工という妙な妥協案みたいなものを持っていきましたが、一蹴されておる。そうしますと、いままで農林省が言ってきた行政的考慮というようなものは、これは別の形でいいますと政治的判断というようになりますね。それから中国の態度もいまや明らかになった。そこで菅野さん、経企庁長官として――口蹄疫の問題はその意味では水かけ論だと思います。それをどのように判断するかの判断の問題が政府にかかっておると私は思います。そこでいまのような状態になったときに、もう中国肉を相手にしないという立場を菅野さんはとられますか、相手にして努力をしたいと思われますか、伺いたい。
#127
○菅野国務大臣 肉の問題に限らず、日中間の問題はいろいろ感情問題があると思います。だからして肉の問題もその一つのあらわれではないかと思う。これは根本問題を解決しなければ、日中間のいろいろの貿易の問題は解決をしないと私は考えておるのであって、肉はある意味においてはその一つの犠牲になっているのじゃないかというふうに私自身は考えておるのであって、実際に口蹄疫がないとなればどんどん輸入したいというのが私の気持ちです。
#128
○永末委員 菅野さんなかなか勇敢にことばを言われました。あなたのところの総理大臣は政経分離を言われておったのですが、いまのお話は中国側の政経不可分の態度を――われわれが中国側と何かをやっていくためには、そういう気持ちをそんたくしなければスムーズには進まぬのだ、こういうお気持ちを吐露されたように私は思うのですが、そのように解釈してよろしいか。
#129
○菅野国務大臣 政経分離ということばの意味を、向こうは経済はすべて政治という解釈をします。私は中国に行って政経分離の説明をしまして、日本の言う政治とはイデオロギーのことを言うておるのだ、政治形態を言うておるのだ、あなたの国は共産主義、日本は資本主義であるということを考慮しませんということで、政経分離ということばを私は中国に行って向こうの人に説明をしたのですが、しかしまた向こうの人から言うと、経済は即政治じゃないか、分離できぬということで、お互いが議論別れをしたのであります。でありますからして、日本のほうではそういう意味で、共産主義の国であっても貿易はしていいという考え方、これは日本流の政経分離の考え方です。向こうで見ると、貿易も政治じゃないか、政経不可分じゃないか、こういう考え方を中国側ではしておるわけであって、その解釈の違いだと私は考えておる次第であります。
#130
○永末委員 政経不可分で政治、経済の概念がお互いに違っていると思うのです。ただ牛肉の問題は信頼の問題だと思うのです。だから、国交回復を念頭に置かなくともいいいまの段階で、日本国政府が中国政府の言うておること、なしておることをどの程度信頼しているか、この信頼度がはかられている。したがって、あなたが通産大臣時代に、通産省としては中国貿易を全体的に見る、この食肉の問題はその重要な一環であったからいろいろ御努力をされた、その経企庁長官として、いまのような姿ですと、もの別れになってちょっと手が出ないと私は思うのです。いまや信頼するという立場をとっていかないと相手方も乗ってこないだろう。片一方で牛肉は安くなりそうな気配は、いまの説明を聞きましても一つもありませんよ。だとしますと、経企庁長官は一つの問題として、中国肉の輸入ということに対してどの程度のウエートを置く努力をされるか、時間がございませんので、最後にその気持ちを承っておきたい。
#131
○菅野国務大臣 いまお話しのとおり信頼の問題です。だからして問題は、私らはしろうとだから、畜産の技術家のほうから技術的に信頼ができぬと言えば、私としてはその人のことばに従わざるを得ない。通産大臣のときにも、農林大臣がそう言われれば、それじゃ私のほうからして技術的に抗弁する能力はありませんからして、それは口蹄疫があるのだったらしかたがないなと言って引き下がったわけです。問題はお話しのとおり信頼の問題だと思うので、技術的に日本人が信頼のできるような方法を向こうもとってもらいたいし、またそれによって信頼して安い肉をどんどん輸入するということをお互いにやるべきじゃないか、こう考えておる次第であります。
#132
○永末委員 いまの答弁を多といたしますから、せっかく御努力のほどを……。
 本会議でございますから、米の問題はまたいずれ機会を得てさせていただくとして、きょうは質問を終わります。
#133
○武部委員長代理 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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