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#1
第061回国会 物価問題等に関する特別委員会 第10号
昭和四十四年五月十五日(木曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 帆足  計君
   理事 小笠 公韶君 理事 金子 一平君
   理事 木部 佳昭君 理事 竹内 黎一君
   理事 武藤 嘉文君 理事 阿部 助哉君
   理事 武部  文君 理事 和田 耕作君
      青木 正久君    大野 市郎君
      木原  実君    戸叶 里子君
      内藤 良平君    村山 喜一君
      有島 重武君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房広報室長   松本 芳晴君
        経済企画庁国民
        生活局長    八塚 陽介君
        大蔵大臣官房日
        本専売公社監理
        官       平井 廸郎君
 委員外の出席者
        厚生省公衆衛生
        局企画課長   今野 恒雄君
        通商産業省企業
        局商務第一課長 小山  実君
        日本専売公社総
        務理事     牧野 誠一君
    ―――――――――――――
五月十五日
 委員唐橋東君辞任につき、その補欠として木原
 実君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員木原実君辞任につき、その補欠として唐橋
 東君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月十二日
 物価安定政策の確立に関する請願(柳田秀一君
 紹介)(第六三六五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月十三日
 物価抑制に関する陳情書(関東一都九県議会議
 長会常任幹事東京都議会議長大日向蔦次外九
 名)(第三七三号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○帆足委員長 それでは、これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。木原実君。
#3
○木原(実)委員 私は、かねてこの委員会で、消費者保護という観点から広告の問題を何回か取り上げてまいりました。その要点は二つございまして、一つは、御案内のように非常に膨大になりました、しかも強力な影響力を持っております広告に対しまして、消費者の立場を確立する、消費者の立場から広告のあり方を改めていきたい、要すれば健全でより合理的な規制を加えていきたい、こういう観点でございます。第二は、そのためには何よりも広告を行なう側、いわゆる広告主あるいは媒体、その代理業者、それぞれに体質を改めていく必要があるのではないか、国の行政も必要な限度においてそのために努力すべきではないのか。こういう主張に立ちまして発言をしてまいりました。きょうもそういう延長線上の問題として広告の問題に触れてみたいと思うわけであります。
 御承知のように、わが国の広告の量は、もう年間の取引高にいたしまして六千億をこえる、こういうような状態に相なっておりまして、これは一つの産業としましてもたいへん膨大なものでございます。しかも、量的だけではなくて、いろいろな意味で消費者に強い影響力を持っておりますし、ある意味では社会的な影響力も強い。したがいまして、広告についてはそれぞれの社会的責任が追及をさるべき段階に来ておる。そういうことを含めて、わが国も広告の時代に入っておる、こういう状況であろうと思うのであります。
 ところが、これに対しましての行政面でのアプローチというのは、皆無とは申しませんけれども、はなはだ乏しい、こういうのがいままでの実情でございます。ただ、そのことに関連をいたしまして、最近、広告業界についての直接の所管の官庁であります通産省におきましていろいろな御努力が行なわれておる、こういうことを聞いておるわけであります。そういう状況がございますので、きょうは問題を三つばかりあげましてお伺いをいたしたいと思うわけであります。
 まず、第一点の問題は、行政的な立場からいまの広告業界の育成といいますか、そういう問題について第一番にお伺いをいたしたいと思います。
 それから、第二番目には、それに関連をするわけでありますけれども、まず隗より始めよということばがございますけれども、政府自身がいろいろな広報活動をやっておるわけであります。特に部外の新聞であるとかテレビであるとか雑誌であるとか、そういう方面に対しましても、いわゆる外注という形で各省庁がいろいろな広告その他の広報活動をやっておるわけでありますけれども、その取り扱いの問題をめぐって御質問を申し上げたい。
 第三番目には、やや話が別になりますけれども、かねて問題になっておりますたばこのいわゆる健康上に及ぼす害、こういう問題と、それとたばこの広告ないしは販売のあり方、こういう問題について問題を提起し、御見解を承りたい、こういうふうに考えておるわけであります。
 以上のような問題点が、きょう私がこれから質問申し上げる重点でございますので、関係官庁の方あるいは公社の方々、あらかじめひとつ御承知おきをいただきたいと思います。
 なお、この委員会は別に法案を争う委員会でもございませんし、私もなお研究の不十分な点がたくさんあるわけでございますけれども、私の未熟な質問に対しまして、腹を割った御答弁、話し合いの場ということで、ひとつ御見解を関係の方面からいただきたい、こういうことをあらかじめ申し上げておきたいと思います。
 そこで、最初の質問を申し上げるわけでありますけれども、最近の広告業界、先ほど申し上げましたように、すでに六千億をこえるような取引高がある、こういう広告の業界に対しまして、しかもこの業界の内容がはなはだどうも不健全な要素がかなりあるのではないのか、こういう問題があるわけであります。これは私が前回発言をいたしましたときにも問題を提起いたしました。なかんずく、これだけの量を扱う広告業界にありまして、非常に零細な広告代理業者、こういうのが存在をするわけであります。したがいまして、社会的の責任もあり、消費者に対する影響力も強い、そういう業界にありまして、零細であるからどうこうというわけではありませんけれども、非常に零細で、相対的には力が弱い、そういう零細な企業が無数といいますか、たくさん存在をしている。そういう弱い、零細な代理業者に対して、何らかの形での保護、育成、そういう方向が見出されてしかるべきではないのか、こういうふうに考えるわけであります。
 そこで、そのことを含めまして、広告業界の取引慣行その他についても、はなはだ非近代的な要素があるわけでありますけれども、総じて広告業界のいわゆる近代化ないしは零細な代理業者に対する保護、育成について、通産当局はいろいろ御努力をいただいていると思うのですけれども、最近の行政的な観点からの御努力のあとを御報告いただきたいと思います。どういう点が行政上問題であって、どういうことをなさっておるか、こういうことを初めにお示しをいただきたいと思います。
#4
○帆足委員長 それではまず通産省からいきますか。専売局のほうは悩みの省庁でございますから、順序として、小山説明員。
#5
○小山説明員 お答え申し上げます。
 広告の問題につきましては、特に昨年、ある会社の広告費の問題について事件が起こりまして、その辺から、通産省はまず広告業界の実態を十分にわかってないのじゃないかとか、いろいろ御指摘もございました。そういうこともございまして、昨年の二月、通産省と、新聞、放送、雑誌という広告媒体の代表、それから広告主の代表、広告代理店の代表、それに広告関係のもろもろの団体、こういうようなもので構成されます広告問題懇談会というものを発足させました。この懇談会では、とりあえずまず広告取引の現状と問題点を早急に把握する必要があるということで、これを最初のテーマとして取り上げまして、二月から六月にかけて数回会合を重ねたわけでございます。この間、必要に応じまして、各広告主なり広告代理業、新聞というようなものについての分科会等も開催いたしまして、その結果、広告取引の現状と問題点というものの的確な把握について、私どもなりに多大の成果を得た、こういうふうに考えているわけでございます。
 特に一番問題になりましたのは、まず広告契約そのものが文書になっていない、口約束といいますか、慣習と申しますか、その辺がいろいろな問題の起こる一つのパートではないか、こういうことがございました。それについて、やはり早急に文書化について考えるべきではないかという点につきましての出席者の認識が非常に高まりまして、特に新聞とか放送に関しましては、媒体、広告主、代理店というものの間で進めておりました統一契約基準というようなものの作成をなるべく早くやろうではないか、こういう機運が生まれまして、相当固まってきておるというふうに聞いておるわけでございます。
 このほかに、たとえばアメリカなどの例を見ますと、一業一社制と申しますか、代理店が、競争関係にある広告主の広告を同時に扱わないというふうな制度があるわけでございますが、こういうものも日本に導入すべきものであるかどうか。あるいは広告主とか代理店が倒産した場合に、未払い料金の対策として何かそういう共済制度みたいなものをつくる必要があるのではないか、こういうような点も検討の対象になったわけでございますけれども、この点につきましてはまだ結論を得るに至っておりません。
 それからさらにそれに続きまして、第二次資本自由化を本年の三月に実施するということになりまして、その検討が昨年からいろいろ始まりましたので、それに関連いたしまして、広告業の資本自由化というものについてどう対処するかという点の問題も、この懇談会で検討いたしたわけでございます。
 広告業界におきましては、特に先生御指摘のありましたように、広告の倫理化問題といいますか、こういう点についての非常に社会的な要請も強まってきております。それから、二千数百というたくさんの代理店をかかえている広告代理業業界というものが、早晩迫ってくるであろう資本自由化に対処してどういうふうに近代化、体質改善を進めなければならないか、この辺の問題も早急に取り組まなければならない。もちろん広告業界というのは媒体なり広告主なりいろいろ多様な層がございますので、一がいにただ数が多いとか小さいとかいうことが全部問題点とはいえない面もあろうかと思いますが、やはり基本的には、自由化にも備えまして、取引関係を近代化していく、体質を強化していくという点が非常に大事であろうと思います。この懇談会等を通じまして、おりに触れて今後ともその体質強化の行政を行なってまいりたい、かように考えております。
#6
○木原(実)委員 業界との懇談会等を通じまして問題点が洗い出された、こういう段階であろうと思います。私ども、契約が単に口頭の約束で行なわれているというような、たいへん非近代的な要素があった面が逐次改善をされつつある、こういう側面のことは聞いておるわけでありますけれども、いまあげられました問題点の中で、行政的に何かこれから措置をしていかなくてはならぬ、こういう問題をお持ちでございますか。たとえば代理店の共済制というような問題も出されておりますし、それから、お互いに抽象的なことばを使うわけですけれども、いわゆる零細な代理店、代理業者に対する体質改善というような側面ですね、これは問題を把握したというにとどまって、これからの方向はまだ出ておりませんか。
#7
○小山説明員 率直に申し上げまして、まだどういう方向へ進むべきかということについての成案を得ておりません。ただ、業界にも、たとえば、これは建設省とも関係がございますが、屋外広告物業界などというものは、いろいろ、たとえば協業化を進めるとか、技術の推進につとめることについて、業界みずからが、自由化等に対処いたしまして、今後進むべきビジョンというものを積極的に打ち出しまして、これに対して、政府にもいろいろなすべきことを求めるというような態度に出ておられる点もございます。私どもといたしましては、今後さらに来たるべき第三次自由化ないしは四十六年度末において、広告業というものも全然無傷では済まされない、そういう意味で、今後さらに業界に積極的に働きかけまして、やはりこういうものはなるべく自主的な業界自身の対応策というものが出てくることが一番望ましいわけでございますので、それぞれ間接的に、将来のビジョンの面で私どももお手伝いをしながら、そういう体質強化の道を見出していきたいという段階でございます。
#8
○木原(実)委員 よく事情はわかるわけです。行政のタッチできる限界というのはもちろんございますし、業界の中からも体質の強化なりあるいはその方向なりが打ち出されるということが一番望ましいわけだと思うのです。
 ただ私が問題にしたいと思いますのは、一番の問題は、非常に零細な代理業がたくさんある。二千数百社にのぼる、こういうようなお話なんですが、やはりその辺ですね。大きなところは、やはり非常に巨大になっていて、それなりに一つの近代化はできていると思うのです。これの弊害の問題は別としまして、企業としてのそういう面での体質はやはりそれなりに整っているように思うのです。ただその下に、すそ野のように、机一つで仕事をしている人も含めてたくさんの代理業がある。しかも、代理業というのは、いつかも申し上げたように、あるいは御存じのように、スポンサーと媒体の中にはさまって非常に立場が弱い。しかも、ある部面では金融上の操作までしなければいかぬ。そういう明らかな弱点を持っているわけです。それらも、やはり体質強化がないと、口で言う倫理化もなかなかできない。金を急ぐものですから、つい不本意ながら問題のある広告でも拾っていこう、こういうような側面も出てくるわけでございますので、この辺の体質改善についての何か行政上の助言なり、あるいは協同組合をつくって何らかの援助をするなり、何かやはりそこに方法を見出す時期にすでに来ているのではないか、こういうふうに考えるわけですが、その辺はいかがですか。
#9
○小山説明員 先生御指摘のとおりでございまして、やはり一般論といたしましては、中小企業の方々が体質の改善を進めていかれるときには、協業化と申しますか、協同組合をつくるとか、そういうことが一般的な方針として非常に有益であろうというふうに私どもは考えているわけでございます。ただ、物をつくる場合と違いまして、ただ集まればいいというものではありません。やはり代理業という形の、資金面もございますが、一つは創作力といいますか、人的スタッフの能力というものが非常に大きな問題でございます。製造業のように、簡単にただ集めればいいというものでもない。ただ、アメリカあたりの広告代理業と日本の広告代理業との力を比べてみますと、資本力の問題もございますけれども、やはり基本的には、広告の効果測定と申しますか、商品の販売戦略の一環として、市場の調査をし、どういう広告をしたらどういう効果があるかという戦略をかけて、効果を測定しながらまた方針もきめていく、こういう面の技術が日本と格段の差があるわけでございます。そういう面で、たとえば将来コンピューターを利用して市場調査のために効果測定をするとか、そういうようなところは共同で利用できるような組織をつくるというようなことで、たとえば政府がある程度助成をするというようなことを考えるとか、まだいろいろ暗中模索という段階ではございますけれども、先生御指摘のとおり、まさに政府としても何らかのビジョンを打ち出すべきであろうということは現在検討しているところでございます。
#10
○木原(実)委員 むずかしいということはわかるのですけれども、問題は比較的明らかだと思うのです。ぜひ行政的な努力をしていただきたいと思うのです。
 ただ、それに関連いたしまして、最初の小山さんの説明にもありましたけれども、資本自由化に伴って外資系の代理業者が現実にかなり進出してきておるわけです。これについて、何か状況の把握なりあるいは規制の考え方なり、そういうものはお持ちでございましょうか。
#11
○小山説明員 先生よく御存じかと思いますけれども、現在までに支店なり合弁会社の形で、もう十社近い外資系の広告代理業が進出しております。この中には、円ベースと申しますか、たとえばまだ外資法の規制が及ばない段階に出てきたものもございます。最近では、特に向こうの広告業の大手でないもので若干支店の設置を認めたというのがございますが、一応原則としては五〇、五〇と申しますか、対等の条件での合弁企業について、ケース・バイ・ケースで認めていくという考え方で処理しておるわけでございます。ただその中身につきましては、これはある程度、許可ベースでございますので、若干のことはわかっておりますけれども、率直に申しまして、外資法の認可に伴いまして一々営業報告とかいうものを出せという義務づけをしておるわけでもございませんので、非常にこまかい内容ということになると、今日十分把握しておるとは申し上げられない実情でございます。
 また、今後の広告代理業についての自由化の進め方の問題でございますけれども、まだ第三次以降どうするという方針が全然きまっておりませんので、仮定の事実に即してお答えすることは非常にむずかしいわけでございますが、やはり四十六年度末までに全然広告代理業が無傷で済まされないのではないかという感じは私ども非公式に持っておりまして、そういう線で業界にも体質改善を進めるようにということを話しておるわけでございます。また、これは自由化というものが、ほかの製造業なりその辺もどこまでいくかということとの関係もございまして、四十六年度末にかなりの部分が――これもいろいろな見解がございます。一がいに広告代理業単独の問題としてもとらえにくい。それから、広告代理業はある意味では非常に知識産業と申しますか、一つのそういう分野でもございまして、将来非常に成長していくであろうということもあわせ考えなければいけませんので、その辺を考えた上、最後の態度をきめるということになろうと思います。
#12
○木原(実)委員 おっしゃるとおりだと思うのですけれども、やはり問題が出てきているので、規制といいますか、いままでおっしゃったような効果があるわけですけれども、これは先ほどの国内の零細な代理業者の体質改善の問題とうらはらの関係になってくると思うのです。私ども承知をしておる範囲ですと、たとえば、先般この委員会で問題になりましたコカコーラ、ある外資系の代理業者がこのコカコーラの広告はほとんど一手に扱っておるというか、握っておるというか、そういう現象も出ておるわけです。そうなりますと、これまたいろいろな意味での、つまり取引上の弊害――私も、外資系の業者等を通じまして、広告のいろいろな面での交流というものは積極的にあっていいと思うのです。そういう意味で、進出をしてくることに必ずしも原則的に反対するわけじゃないのですが、ただ、業界の取引一般論からいいますと、すでにそういう現象も起きている。こういうことになりますと、国内の業者との関係というのは当然出てくるわけですね。ですからその辺との関係で、うらはらの関係で、やはり一定の方針というものはもう持つ段階に来ておるのではないか、こういう感じがするわけなんですが、その辺はいかがなものですか。
#13
○小山説明員 もう態度をきめるべきであるという御意見、まことにごもっともでございます。先ほども申し上げましたように、いろいろまだ最終的にきめがたいという事情もございますが、ただ業界には、いつ自由化されても対応できるように、その覚悟で準備をするようにということは再度強く申しておる次第でございます。
#14
○木原(実)委員 それではもう一つ小山さんにそのことに関連をして、何か関係の審議会がございましたね。いつだったか、産業構造審議会でございますか、広告業の自由化に伴う措置についてという項目だけございましたね。あの審議会の中で審議を願うということについては原案がなければならぬでしょうけれども、協議をする、つまり行政ベースの中でこの問題について協議をしていく、こういう御予定、ございますか。
#15
○小山説明員 自由化の進め方の問題につきましては、政府の第一次的な諮問機関といたしましては外資審議会がございます。そこで最終的な御意見を伺うということになります。私ども担当の局、課といたしましては、やはり先ほどの広告問題懇談会等でいろいろ関係業界との意見交換を行なうという方向、あるいは通産省に産業構造審議会の流通部会というのがありますが、これが広い意味で、流通周辺産業ということで広告等も関係があるわけでございます。その辺等の意見を聞きながら最終的な方針をきめるということを考えております。
 御存じかと思いますが、昨年の八月に、今後の流通近代化のビジョンということで「流通近代化の展望と課題」という流通部会の答申をいただいたわけでございます。一応そのときに、流通部門の今後の資本自由化についての基本的な進め方というものの大まかなビジョンをいただいておるわけです。そのときに広告について特に触れられたことは、やはり広告と申しますのは単に単純なる産業ではなしに、一種の世論形成力といいますか、その辺にも密接な関係があるし、商品の販売力というものの周辺にも非常な力があるので、慎重な配慮がある程度必要であろうということがいわれておるわけでございます。その辺いろいろ勘案して今後の方向をきめていくということでございます。
#16
○木原(実)委員 もう一つお伺いしておきますけれども、そうしますと、自由化されるのは先の問題でございますけれども、先ほどお話しございましたように、合弁の形その他で、事実問題としてある程度入ってきているわけですね。その場合の、規制ということばを使いたくありませんけれども、これはまた特殊な産業ですから、国内における何か取引上なりあるいは広告活動なりについてのルールのようなものを考える、こういうことは考えられませんか。
#17
○小山説明員 実は従来も個別の認可をいたします場合に、ケースによりましてはいろいろ条件と申しますか、それをつけるような形でやっている場合があるわけでございます。たとえば、特に広告代理業の場合、人材が非常に大事でございますので、人の引き抜きをやらないようにしてくれとか、それから日本の広告業の商慣習を守って、たとえば非常に長い代金の支払い期間でいいというようなことで広告主を勧誘するとかいうことをしないとか、そういうようなことで指導はしております。
 ただ一般的なあれと申しましては、やはり業界にそういう面について、たとえば取引条件等につきまして一つの共通のルールというものができることが望ましいということは考えております。これは広告ではございませんけれども、ほかの物資につきましても、これは直接自由化対策というねらいよりは、取引の近代化によって流通の合理化をはかるということでございますけれども、ある程度、特定の業種につきまして取引条件を調査いたしまして、合理的な取引条件と申しますか、そういうようなものを当省できめまして業界に普及する。そういうものができてこそ、外資の進出があって、非常に長い条件等で物を売ったりということがあった場合にも、日本の健全な商慣行というものはこういうところにあるのだ、たとえば手形というのは大体三カ月で物は売られているんだということがきまっていてこそ、外資系の企業に対しても日本の商慣行に従ってほしいということが言えるのじゃないか、私どもこういう意識でやっている面もあります。広告業につきましても、そういう取引についての業界の健全な基準と申しますか、慣行というものができることが望ましいというふうに考えております。
#18
○木原(実)委員 通産省のほうにはひとつ引き続いて――ある意味では行政的には未開拓の分野です、また行政的にはタッチをしていく限界というものがおのずからある分野ですけれども、引き続いて努力をお願いをしておきたいと思います。
 それから、大蔵省見えていらっしゃいますね。関連をいたしまして――大蔵省の方にお伺いをする前に、政府関係がいろいろと広報活動をやっております。その中で、広告を部外に発注をする場合の取り扱いの問題がどうなっているかということを伺いたいのですが……。
#19
○帆足委員長 総理府広報室長が見えておりますから。
#20
○木原(実)委員 そのことで、これはなかなか調べようがないのですけれども、部内で政府自身が印刷物を出したり、いろいろな広報活動をやっておりますね、これはある程度見当がつくわけなのです。ところが部外に、テレビであるとか新聞であるとか、あるいはラジオ、雑誌その他にいろいろな形のいわゆる官庁広告が出ているわけですね。これはなかなか政府全体のものがわかりにくいのですが、何かその辺、見当がおつきでございますか。
#21
○松本政府委員 政府全体のことはなかなか私どもにもわかりにくくて、大体広報予算三十七億と私ども聞いております。ただし電電公社だけはちょっと報告がございません。国鉄と専売公社を入れまして三十七億広報予算を使っている。そのうちいわゆる広告、広報活動を広告という形で行なっていることはまだ詳しく報告ございません。
 私どもの例だけ申し上げますと、約十三億三千万の広報予算を持っておりまして、そのうち一億四千万が新聞、週刊誌等に広告費として使用されている予算でございます。この新聞、週刊誌等に使う広告費は、直接新聞社、雑誌社と契約する場合と、代理店を通じて契約している場合と、両方ございます。それから、ちなみに放送の場合約六億の予算を持っておりますが、これは全部放送局と直接契約でございます。
#22
○木原(実)委員 それでお伺いをするわけですけれども、私ども少し調べたんですが、とても調べ切れないのです。広告を出す場合に、予算上は確かに広告費とか広報費というものもあるわけなのでしょうけれども、どういうことになっているのですかね。各省の中でばらばらなんですね。ばらばらですから見当がつかないわけです。ある省についていえば、ある局が広告費を必要に応じて、どういう操作になるのですか、予算は多少流用するのでしょうが、いろいろな形で出しているわけですね。それでつかみにくい面があるわけなんですけれども、これは部外に出す場合には、いま直接の契約、それから代理店を通じて云々というのがありますが、何か統一した基準のようなものがあるわけでございますか。
#23
○松本政府委員 特にございませんが、新聞の場合、直接契約する場合は、新聞社のほうから直接ぜひこの種のものをうちの新聞を通じて利用してもらいたいと言ってきたときには、特にその新聞社が代理店を指定しない場合には新聞社と直接契約する例がございます。これは大体地方紙はそういうふうになっております。しかし中央の場合は、私どもの場合は随意契約ですが、大体その新聞社が推薦してくる代理店を通じて行なう、そういうことでございます。
#24
○木原(実)委員 そうしますと、契約のしかたは、随意契約の場合と、それからいわゆる入札みたいな形でやる場合と、二つあるということでございますね。
#25
○松本政府委員 私どもは随意契約が主でございますが、官庁によっては競争入札契約をしているところがあると聞いております。
#26
○木原(実)委員 その辺がどうもあれですが、これは大蔵省の方に伺ったほうがいいと思いますけれども、これは会計法上の規定がございますね、それに関連するのでしょうか。――これはまだ大蔵省が見えてないそうですが、そうしますと、そのあれは、会計法上は何か規定がございますね、入札あるいはその例外規定として随意契約、いろいろなものがありますが、これはやはり各官庁がそのときどきの状況で判断をしてやっていくのですか。
#27
○松本政府委員 厳格に解釈しますと、会計法上おそらく競争入札が主だと思いますが、私どもの場合はその広報の内容と非常に関連しておりますので、媒体側とよく話し合いまして、それで随意契約の形になっているので、私のほうが例外だと言えると思います。
#28
○木原(実)委員 それじゃ一例としてあなたの場合をお伺いするわけですけれども、これは例外のほうが多いわけですか。
#29
○松本政府委員 各省の例についてはあまり知りません。
#30
○木原(実)委員 これは私は少し問題だと思うのです。随意契約にする場合とそれから入札にする場合と、会計法によりますといろいろ規定があるわけなんです。ただ、この広告という場合に、おっしゃったように、私もいろいろな実情を調べておるうちにぶつかったわけなんですが、随意契約の場合は、要するにある意味では一つの初めから価格があるわけです。それをこちら側で判断をして出せばいいのですが、入札をやる場合に、実情を調べてみますと、入札ですから当然競争ですね、そうしますと代理店が落札をするために不当に安い価格をやっているというわけです。不当ということはこちら側には問題ないわけですけれども、ただ先ほどちょっと問題が出ましたように、非常に零細な代理店が多いものですから、それが入札に参加しますと、政府関係の支払いはかたいという前提があるわけですから、一種の金繰りのために――大体いま業界の中では、調べてみますと、たとえば新聞の場合ですと代理店がもらう手数料が一五%だ、こういう慣行があるようです。ところがしばしば一四%ないし一六%、一七%もその価格を割り引いて落札をしておる、そしてそれはただ金繰りのために必要だからそれをやっている、こういうようなケースが幾つか浮かび出てきたわけなんです。これは、こちら側から見て安いほうがいいというのはあたりまえなんですけれども、別の観点からいいますと、どうもやはり政府自体が入札という形で、ある意味では零細な代理店に競争させて、一応定価のあるものをそういう入札という形で混乱をさしている、こういう一種の弊害が出ておりまして、その辺の配慮をいただけるものかどうかという問題を、きょう実は大蔵省の会計課長が来ておりましたら見解を承りたいと思っておったんですが、そういう問題はお考えおきじゃなかったんですかね。
#31
○松本政府委員 ほかの役所にそういう例があったということは聞いております。私どものほうはまだそういう例がございません。
#32
○木原(実)委員 これはいろいろな問題を実ははらんでいると思うのです。随意契約にする場合は、新聞社が直接であったり、それは広告の中身によって至当だと思うんですね。ところが、会計法をいろいろ私も調べてみますと、例外規定の中で随意契約ができる。こういうことになっているわけなんですが、定価のある場合に入札をさせるということがあり得るのかどうか、こういう疑問を持つわけなんですが、これはあなたにお伺いするのは無理かな。――それでは、これは残念ですけれども大蔵省がお見えでないので別の機会に譲りたいと思いますけれども、総理府としては、そういう部外広告を出すのは、ほかの各省庁との連絡みたいなものはほとんどないのでございますか。
#33
○松本政府委員 広報内容によって各省庁との連絡はいたしております。したがって、契約その他は私どもでしますけれども、内容は全部各省庁と連絡をいたしております。
#34
○木原(実)委員 そうしますと、もう一ぺんお伺いしておきますけれども、随意契約にする場合の内容といいますと、たとえばどういうことでございますか。
#35
○松本政府委員 私どもの広報内容は、全部各省庁とのキャンペーン会議から、各省庁の要請によって出てくるものですから、一々その基準はございません。私ども、ただそういう内容がスムーズに載るようにするために、その新聞社の推薦している代理店等々と話し合うわけでございます。
#36
○木原(実)委員 私は広告のあれもいろいろ違うと思うのです。たとえばテレビに三十分の時間を買って一つの劇を政府が提供する、こういうような場合には、そういうものを制作する費用その他でかなり多角的ですから、これはむしろ入札をさせて、そのアイデアであるとかあるいは制作の過程の差を争うことはできると思うんですね。ところがたとえば、特に新聞、雑誌のようなものは大体きまったものですね。これは各社がそれぞれ定価をつけておる。こういう違いがあると思うのです。ですからむしろテレビなんかのほうが、それこそそういう争いを含めて入札制度にして、そして、たとえば新聞とか雑誌とか、きまったものについては、やはり定価どおりの対応をやっていくべきじゃないか、こういう考え方を実は持っているわけなんですが、これは将来の運用上ぜひひとつ御検討いただきたいと思います。ひとつ御見解をいただきたいと思いますが……。
#37
○松本政府委員 検討したいと思います。
#38
○木原(実)委員 この問題は少し会計法上の問題その他ございまして、大蔵省のほうからお見えでございましたらあとで別の機会にひとつ質問することにいたしまして、問題を少し残さしていただきたいと思います。
 それでは、引き続いて専売の問題、たばこの問題をお願いしたいと思います。専売公社のほうからお見えでございますけれども、たばこの害という問題につきましては、私どももさしたる知識はないわけでありますけれども、御案内のように数年前からたばこ肺ガン説、いろいろなものが出まして、国民にとりましてもたいへんショックでございました。それからまた厚生省でも、あるいはまた専売公社でも、いろいろ御研究をなさったと思いますが、ただ、現在の状態の中では、どうもいろいろ害があるという話は一般的に聞こえてくるわけだけれども、それに対応しておる、特に専売公社として、これに対してどういうふうに見解を持っていて、どういうふうに対処しているのか、こういうのが非常にあいまいではないか、こういう印象を受けるのですが、その辺はいかがでございましょうか。
#39
○帆足委員長 専売公社からは総務理事、並びに大蔵省からは日本専売公社監理官殿が見えておられます。日本専売公社総務理事牧野説明員。
#40
○牧野説明員 たばこと健康との関係、特に肺ガンとの関係につきましては、何年か前にイギリスで、内科医学協会というところから、主として統計的に、肺ガンと関係があるというような趣旨の発表がありまして、それからその後二年たちまして昭和三十九年に、アメリカ合衆国の公衆衛生局の十人委員会から似たような趣旨の報告が出ております。これが公表されまして、それ以来かなり世上でやかましくいろいろ議論されておる問題だということは、私ども承知しております。
 それで、私どもとしましても、これは黙って見ておるわけにまいりませんので、たしか昭和三十二年からだったと思います、日本肺がん学会その他日本の、主としてお医者さんでございますが、研究機関に、いろいろこの関係につきまして御研究をお願いしておるわけであります。その後、昭和四十三年まで約十一年間、いろいろ各種の先生方、各種の機関に御研究願って、その結果を毎年何回か私ども承りまして、それで何らかの結論に達したいと思っておるのでございますが、現在までのところ、喫煙と健康、特に肺ガンとの関係、これが関係がないともあるとも、なかなか明確な結論まで到達するに至りません。それで私どもとしましては、なお一そう研究を続けていただいて、私どものほうの病院でもやっておりますが、それで実態を明らかにしたいということを心がけておる次第です。
 それ以外に、たばこの中に含まれているタールとニコチンがぐあいが悪いんじゃないかというような、これもどうもはっきりはいたしませんけれども、しかしそういう心配をなさっている方が非常に世の中に多いということは事実だと思いますので、タールとニコチンの含有量の少ないたばこ、そういうようなものをできるだけ出そう。それで御心配の方、それでなおかつたばこがなかなかやめにくいという方に選択の余地を広げていきたいというふうに思いまして、一昨年ですか、ルナという、わりに軽いたばこを出しました。それから昨年ですか、ネオフィルターという、いま普通のフィルターはアセテートの繊維を使っておりますが、このネオフィルターというのは木材パルプを使っております。そうしますと、ろ過率が高くなるということで、これを使ったたばこを一部いま出しております。それから、ことしの初めからだと思いますが、カーボンの入ったたばこ、これもまたかなり軽くはなっていまして、これは東京と大阪で、大都市で売り出しているというような方策をいろいろ講じております。
 なおそのほかに、たばこの中に含まれているタール、ニコチンというものが、畑でつくります段階から幾らかでも少なくなるような、そういう品種はないかということで、それはそれとしてまた別にいろいろ研究しております。それからさらに、それを加工いたします段階で減らす方法はないかというようなことも、研究機関を動員しまして勉強しておるというような、そんな状態でございます。
#41
○木原(実)委員 厚生省お見えですか――。同じことを聞きたいのですが、厚生省で何かたばこと健康という問題でお調べになったことございますか。
#42
○帆足委員長 厚生省の企画課長が見えております。今野説明員。
#43
○今野説明員 厚生省といたしましては、ただいまお話のございましたような状況でございまして、アメリカのほうの公衆衛生局の発表がございまして、これは三十九年の当初でございますが、喫煙と健康と題する報告があったわけでございます。これにつきまして早急に関係者の方、特に専門家の方々にお集まりいただきまして、いろいろ内容について、また日本の現状における問題につきまして検討をしたわけでございます。
 その結論によりますと、やはりたばこが健康に及ぼす害の問題につきましては、長期かつ多量の点が非常に健康に影響があるんじゃないかという点のようでございまして、これについては、アメリカの調査報告については、いろいろ資料その他を集めまして、データの集め方はやはりそのとおり信憑性があるという点は認められたわけでございます。
 こういった点で、長期多量の喫煙という、またこれは喫煙の方法その他も加わってのことでございますが、そういった点につきましては健康に害があるんではないか、こういうようなことでございますので、厚生省としましても、長期多量ということで、小さいうちからの問題これは喫煙禁止法がございますが、そういった点の励行といった問題をさらに周知徹底させるということと、それから成人になりましても、長期多量の喫煙ということが健康には何らか影響を与えるという点を十分啓蒙、宣伝をして、保健上の見地からの注意を払っていくべきではないかということで、各都道府県に対して指導しておるわけでございます。
 なお、今後いろいろ原因その他の究明をする余地がございますので、こういった点につきましては、特に問題とされております肺ガンとの問題も、これは関連あるかのようにいわれておりますので、こういった点から、ガンの研究助成金というのが厚生省にございますので、そういった点も研究内容に取り上げまして、各方面、各見地からの研究、究明につとめておるわけでございます。
#44
○木原(実)委員 これは専売公社の当局と厚生省の方に承ったのですが、そうしますと、いまの段階ですと肺ガン――これは統計的には、肺ガンにかかった人は喫煙者の率が高いというデータが出ておるのですけれども、現状からいきますと、いずれにしましても原因が必ずしも明らかではない。ただ厚生省がおっしゃったように、長期かつ多量に喫煙する場合には健康一般に害がある、おおむねそういう結論で対処しておるということでございますが、公社の方、大体厚生省の見解と同じでございましょうか。
#45
○牧野説明員 長期多量に喫煙した際に害があるんじゃなかろうかということは、私どもがお願いしております先生方も大体そういう御意見のようでございます。ただ、長期とはどのくらいの期間か、あるいは多量というのは二十本なのか三十本なのか五十本なのかという話になりますと、これはなかなか話がぴったりいたしませんで、それでとにかく何でも過ぎていいものはないのだ。たばこも過ぎちゃいけないのだというような話になってしまっているような次第でございます。
#46
○木原(実)委員 これは私冒頭に申し上げましたように、この問題につきましてはわれわれもしろうとなんです。しかし私どもも三十年たばこのお世話になっておりまして、どうも長期多量の組なんでして、お互いどうもたばこがなくなりますと困るので、必需品並みに、昼を抜いてもやはりたばこをのみたいという、そういういじましい気になりますし、しかもたばこがあまり過ぎますとどうもたばこをやめたい、やめたいというわけで必死の努力をする、こういうふうなたいへん人生にとって深刻な問題なんです。それできょうはざっくばらんな話をひとつ承りたいと思うのです。ここで何かを決定しようというわけではございませんので、御見解を承りたいと思うのです。
 その前に、専売公社の一つの方針としまして、一般的にやはりたばこは害があるものだ、こういう認識ですね。しかも公社は、最近国庫納付金その他のノルマもたいへん高くなりまして、一方では売れ売れと、こういうふうにしりをたたかれているという側面もあります。ある意味では公社の根本的な方針なり政策なりにかかわる問題だと思うのですが、まあ三十年ばかりたばこを吸ってきた反省から申し上げるわけじゃないのですけれども、私どもとしては、やはり害があるということになれば、かりに販売量はダウンをしましても、やはり厚生省のような立場で、害があるんですよ、あまり長期多量にお吸いにならないほうがいいんですよ、こういう立場を織り込んだ公社の運営方針をやっていく、そういうところに来ているのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうかね。
#47
○牧野説明員 いま私ども四十四年度の予算で、国と地方公共団体に対しまして、これは国のほうが専売納付金、地方団体のほうはたばこ消費税という形でございますが、合わせまして四千六百億円強の金額を予算上お約束しておるわけでございます。
 それで、私どもとしましてはいろいろ医学的その他の検討を重ねていただきまして、かりにこれが人体に有害であるとか、あるいは肺ガンと密接な関係があるというような結論が出ますと、私どもも相当考えを変えなくちゃいけないんだというふうに思います。われわれもちょうど四万人を若干こす職員をかかえて、塩のほうはほんのわずかでございまして、大部分の者がたばこの仕事に従事している。それでやはりぶらぶら仕事をしていいんだというわけにはなかなか私どもまいりません。これは財政専売として、やはりなるだけいいものをなるだけ安くつくっていく。御不自由のかからないように種類も多くして売っていく。そして財政収入を上げていくということでやっていきたいと基本的には存じております。
 ただ、いまのようなお話もいろいろございますので、私どもも、日本には未成年者の喫煙禁止法もございますので、外国にはああいうものはございませんが、ああいうものを励行するようにとか、それから女性の方に対してやたら広告をするというようなことを避けるとか、あるいは火事のもとにならないように気をつけるようにしていただくとか、それからあまり根っこまで吸うといけないという見方もありますので、こういうようなことも何らかの形でおりに触れてPRをするようにはしたいと思っております。それから先ほど申し上げましたように、重複いたしますが、タールとニコチンの少ないもの、それで味ができるだけ落ちないものを出すようにしたいという配慮は加えていきたいと存じております。
#48
○木原(実)委員 少しこだわるようでございますけれども、具体的なことはちょっとあと回しにいたしまして、これはやはり私どもとしてはどうしても二律背反の立場に専売公社は立っておるのじゃないかと思うのです。厚生省のいまの御見解でも、これはあまり長期多量にわたらないようにという指導をやっていきたい。これは健康を守っていくのだという立場から、ある意味では専売公社に挑戦をせざるを得ないような立場なんですね。そうしますと、たばこが専売である、公社という形態で製作をし、販売をしておる。こういうことになりますと、一体公社というのはそれじゃ上納金を取り立てるために――監理官も見えていらっしゃいますけれども、それが第一義なのか。あるいは、あらかじめ、害があるから、こういうものはなるべくやはり直接国の政策が届くところに企業の形態を求めて、そして専売にしておくのか。こういう問題がやはり出てくると思うのですが、その辺の解決かありませんと――何も私はぶらぶら仕事をしろということを言っておるわけじゃないのですけれども、言ってみれば、あまり過重のノルマを課して、そして売り上げを上げろと片一方ではしりをたたく、しかも片一方では、ともかく健康には害があるのだからなるべく長期多量に吸わないように、こういうことを同じ政府の中で指導をし、そういうPRをやっておる。こういうことになりますと、これは政策上矛盾があるわけです。これは当然国会なら国会の中で、できればこのような委員会の中で、来年度からあまり上納金というのは課さぬでもよろしい、そのかわり一割売り上げが減ったらそれに厚生省のほうから褒状でも出す、こういうような決議でもしてやりませんと……。
 ともかくいろいろ詳しいデータをお調べでございますけれども、、おそらく学者の人たちの御意見の中にはいろいろ意見があると思います。しかしながらわれわれとしましては、たばこは百害あっても、一利くらいはあるかもしれませんけれども、おおむね喫煙者の方々で、おれはたばこを吸ってきて人生楽しかった――楽しかった面もあるわけですけれども、健康上にたいへん有益だと考えている人は体験上いないのじゃないかと思うのです。そうなりますと、やはりそこに販売についても一つの限度を設ける。おっしゃったように、未成年者に喫煙の機会を与えないようにするとか、女性になるべくたばこのアプローチをやらないとか、あるいは根っこまで吸わないようにとか、こういうような御努力はこれはわかるわけですけれども、明らかに健康上に害がある、そのためにいろいろな新しいデータなども論議はあるけれども、出てきておる、こういうことになれば、専売公社がやはり思い切って健康を守るという側面に協力をしていく姿勢、そういうものを打ち出していく時期に来ているのじゃないでしょうか。どうでしょうか。
#49
○牧野説明員 ただいまのような問題につきましては、先ほど申し上げましたことのほかに、たばこを吸うと非常に健康にいいんだとか、あるいは運動をやる際に吸うと非常にいいとかいうような、何か積極的なことはなるだけ避けるようにというふうにいたしておりますが、しかし、厚生省の立場はまた別だと存じますけれども、私どものほうの立場は、これはやはり公共企業体でも企業でございますし、国の企業だからといってわれわれも親方日の丸でいいというのではないと存じますので、それで私どもの企業の立場からなるだけ吸わないようにということのPRというのは、どうもいたしかねるというふうに存じます。
#50
○木原(実)委員 それはそこにやはり問題があると思うのですよ。アメリカで議論があったからここで引き出すわけじゃありませんけれども、それならば企業としての別の規制をわれわれ考えなくてはならない。根本的には上納金その他の問題もございますけれども、それならばやはりわれわれとして別の規制を、たとえばアメリカでやったように、このたばこを吸いますと健康に害がありますよという表示をつけなさいというくらいの、何らかの措置を考えなければいかぬ。ですから、これは企業の努力じゃなしに、良心にまちたいと思うのですよ、企業とおっしゃるならば。しかも、企業でありましても、いわゆる民間とは違いまして、ともかく政府の手が一番届きやすいところにある企業でございますから、その辺の御自覚もやっぱりいただきたいと思います。おっしゃるように、自分のつくっているたばこが害がありますよということでは、おそらく売り出すのにたいへんこんちくしょうという気持ちになると思うのですよ。そうだから、私はいま専売に異議があるのですよ。こんなのならば、そういうことがないならば、公社を民間に移して消費税の形で吸い上げてももっと益金が上がるかもしれぬ。大蔵省のほうも伝統的にけしからぬと思います。ともかく販売させて、ノルマを上げて、害のあるものを吸わせれば吸わせるほど国がもうかるんだ。昔、たばこを吸うのも国のためという歌がありましたが、これでは困るので、ギャンブルでも廃止しろというような世論があるような時代ですから、客観的なデータが、いろんな結論が出ていないにしても、一般論としてやはり健康には害がある、それからまた、新しい結論を得ないけれども、問題が提起されておるというような時点の中では、やはり国の善政として、なるべくたばこは御遠慮しなさいというような側面の姿勢というものが公社から出ると、公社に対する信頼度も高くなるのじゃないかと思うのです。「きょうも元気だ、たばこがうまい」という、あれはたいへんいいキャッチフレーズで、おれも元気な証拠にたばこをのんでやろうなんて、あれはたいへんよ過ぎまして、国民の健康を守る立場からいいますと、どうもアプローチのあれが過ぎるのじやないかという気がするのですが、その辺の御見解はいかがでしょうか。
#51
○牧野説明員 いまお話の出ました「きょうも元気だ、たばこがうまい」、あれはだいぶ、十何年か前に出しましたものですけれども、ああいうような積極的に、たばこを吸うと元気が出るというような言い方あるいは能率が上がるんだというような言い方、そういうような言い方、あれはなるだけ慎むべきだというふうに存じますが、しかし、繰り返しになるようでまことに恐縮なんですけれども、、私どもちょっと、医学的に結論が出ておりません現在では、なるだけ吸わないようにとかいう趣旨で動くということはなかなかできないんじゃないかというふうに思います。また、これもおことばを返すようで恐縮なんですけれども、たばこじゃなくても、お酒でもあるいは米のめしでも、食い過ぎていいもの、飲み過ぎていいものはないだろうと私は思います。たばこも適量ならば、人によって違うと思いますけれども、これは精神的にはわりあいいやされるものがあるという性質のものだ。だからこそ、いろいろ昔から何やかやいわれながら、風習としてなかなかなくならない。むしろ日本ではふえております。そういうふうなものではないかというように存じます。
#52
○木原(実)委員 それは百害あって一利もないと私も申し上げませんし、現に存在しておるわけですし、また喫煙者にとりましてはたばこは必需品でありまして、米のめしよりも必需品という面があるわけなんです。ただお話を伺っておりますと、その問題について公社にこれ以上何か注文をつけましても、要求をしましても、おそらくたいへん御無理だと思う。
 そこで厚生省の企画課長にお伺いいたしたいのですが、厚生省の御見解は先ほど伺ったのですが、医学的な結論が出ていないという現状は確かにあるわけですが、これは引き続いて研究をなさるわけですね。そうなると、厚生省としてはこの問題について医学上の結論が出るように決着をつけたいというお気持ちですかどうですか。ただいつまでも、結論が出るまでなるべく研究をゆっくりやってくれ、こういうことですか。
#53
○今野説明員 もちろん延ばすわけでありませんで、研究の成果がはっきりいたしますれば、それはもちろん実際の形で指導し、また詰めていくわけであります。ただ、先ほど話申し上げましたように、たばこそのものが害という問題でございませんで、先ほど話が出ましたアメリカの委員会の結論も、また日本でやりました専門家の方々も、いまのところにおきましては長期かつ多量というものは健康に悪影響を及ぼすというのが一致した御意見でございます。ただこれがどの程度がいいかという問題は、これはなかなかむずかしい問題だと思います。また現に専売公社でも開発その他やっておりまして、そういった点になりますと、現時点において長期かつ多量というのはどの程度が触れるかということになりますが、いまのところでは長期かつ多量というのが悪影響があるのではないかというふうに思います。さらに厚生省といたしましては、このたばこの及ぼす健康上の問題、特にいわれております呼吸器系の問題あるいは心臓系の問題あるいはガンの問題とか、こういう点はそのもの自体がむずかしい問題でございますが、この関連につきましてはさらにあらゆる角度からの研究を助成いたしまして、研究がまとまり、またそれが学界その他で十分自信が持てるようになりましたら、逐次それは実行するという気持ちでありまして、遷延する気持は毛頭ございません。
#54
○木原(実)委員 もう少しあなたにお伺いしたいのですが、結論を待つという側面も考えられるわけですが、御指摘のように肺ガンだけの問題でなくて、すでに一般的にたばこは害がある、長期多量にのめばという、やや抽象的ですが、その点では意見が一致しておる、こういう状況があるわけですね。そこで、そういうことになりますと、国民の健康を守るという観点からいたしますと、それではせめて、たばこは長期多量にお吸いになると害がありますよ、そのことについては厚生省はいろいろPRなさっておるわけですね。それならばひとつ専売公社のほうに、それをお吸いになると害がありますよという表示をこの商品の中にするように、何か申し入れでもなさるお気持ちはございませんか。
#55
○今野説明員 実は私どもと専売公社とは、昨年も集まりましていろいろ協議したのでございますが、商品そのものについてどうこうという形は、私どものいろいろな研究成果あるいはまた健康管理の問題からして私ども申し上げまして、そういった点で公社のほうで適切な考えでやっていかれると思います。これにつきましては先ほども出ましたように、私ども害の問題だけ申し上げましたが、やはりたばこそのものの精神的な面というのも、これも専門家の一致した一つの御意見でありまして、そういった点もあわせて私どももよく専売公社のほうと協議しておりまして、この問題については今後も引き続き機会あるごとに相談し、また協議していきたいと思っておるところでございます。
#56
○木原(実)委員 これはお互いたばこを吸っておるわけですからよくわかっておるのですが、一方では確かにたばこは必需品なんです。そういう意味では、精神的な云々ということがありましたが、ともかく必需品として存在しているわけですね。ですからこれは一定量のものを確保して、適切に消費者に提供するというのはあるわけなんですが、しかし同時に他の面で害があるという事実がある。そうなると、われわれが重視をしなければならないのは、何もたばこを全部やめてしまえということでなくて、ともあれなるべく節煙を、こういう呼びかける機会を喫煙者に与えてもらいたい。喫煙者というのは、われわれもたばこのみですからわかるのですが、いずれにいたしましても、ときどき何かショックがございませんと、どうしても長期多量になるわけです、習慣的なものですから。これに対して何か、やはりたばこを買うたびに、あんまりたくさんのんではいけませんというものがあれば、たまには、それではこれはいかぬわい、こういうことになるわけです。そういう直接的なものがないと、これは習慣性のものですから、習慣性でだんだん健康がむしばまれていくということは、おそらく間違いない事実だと思うのです。それに対して何かアプローチを試みるような指導をやりませんと、保健所を通じて多少のPRをなさいましても、なかなかがんこな喫煙者には行き届かないと思うのですね。
 ですから、もし厚生省がいまの段階でも、一方で存在理由を認めながらでも、害があるんだ、こういうお考え方ならば、もうひと足、国民の健康のために、たばこの問題について突っ込んだ何か対策を考えていただきたい、こういうふうに思うわけなんです。ですから、これはいま公社の方からお話を承りましたけれども、直接やはり公社に言うのは無理だと思うのです。そうなりますと、どこかで考え方の転換をはかるように持っていかなければならぬと思うのですね。それをやっていくのは厚生省の強い態度以外にないんじゃないかと私は思うのですが、いかがなものでしょうか。
#57
○今野説明員 先ほどもちょっと申し上げましたが、現在におきましては、各都道府県を通じまして、たばこを長期かつ多量に吸うことの及ぼす影響ということについて、啓蒙、指導を十分に徹底したいということでやっております。まだ、いまお話しのような、そういう事態にまでいっておりませんが、先ほど申し上げましたように、専売公社と随時協議いたしまして、この点の私どもの立場とか、また衛生的な見地からの研究の成果というものも協議、理解し合いまして、今後の成果によりまして、順次適切な措置をとっていきたいというつもりであります。
#58
○木原(実)委員 これは委員長に申し上げたいのですけれども、長い間の世論上の問題でもあったと思うのです。われわれは何もアメリカの例を引くわけではありませんけれども、アメリカのような国でもたいへんこのたばこの問題については国内でやかましい議論があった。時限立法でありましたけれども、何か表示の問題が問題になっているというようなことも聞いておるわけです。それをまねるわけではありませんけれども、たばこはアメリカのたばこでも日本のたばこでもあまり変わらないと思うのです。したがって、われわれとしてもかなり長い間、肺ガンの原因になるのじゃないのか、あるいは健康にあまりよくないんだということがずっと国民の中で心配されながら、しかもそれに対する専売公社の打ち出し方にいたしましても、厚生省の態度にしましても、私どもから見れば、十分なものがまだ得られていないという印象を受けるわけです。そういたしますと、私問題を出した以上は、できればここでひとつ決着をつけたいと思う。ただ、きょう御出席をいただいた方々は、それぞれ担当の立場もございますので、おそらくこれ以上のことの御発言を求めることは無理じゃないかと思うのです。そうなりますと、他日、日を改めまして、対策の変更のできる立場にある厚生大臣なり、あるいは公社の総裁なりに当委員会に御出席をいただいて、そこでもう少し詰めた話をしたいと思うのです。
 それから、たいへん僭越でございますけれども、これはお互いに国民として常識の問題でございますし、国民の喫煙者の中にも、たいへんたばこに逆に悩んでおる人もたくさんおるわけですし、いろいろな害が及んでおることももちろん多いわけですから、できましたらひとつ当委員会としましても、理事会等を通じまして、たばこを通じて受けておる国民の健康上の害を何とか是正をしていくんだ、こういうお立場でお話し合いをいただきまして、できましたら委員会としてひとつ意思をお持ち願いまして、そして当局の最高責任者に当たっていただく、こういうような御配慮をぜひひとつ御相談をしていただきたい、このように思うわけですが、委員長の御見解をひとつ承りたい。
#59
○帆足委員長 本委員会におきましては、理事会におきまして木原実君の御趣旨の意のあるところを十分検討いたしまして、相談いたし、善処いたしたいと思います。
 なお、専売公社におきましても、過渡期の矛盾でございますから、それぞれ上司の方にお伝えくだいまして、木原委員からの御要望、御趣旨について御協議のほどをお願いいたします。
 なお、最近、民主主義の徹底ということはいいことですが、男女平等という見地から、女性の喫煙者が非常に多うございまして、私などはたばこを吸いませんが、女性の煙に常に巻かれるような状況でございまして、また教育の弛緩によりまして、未成年者の喫煙が非常に増加いたしております。それらのことにつきましては、専売公社においてもすでに御方針決定済みの問題でありますけれども、必ずしも時勢はそれに沿うていないようでございます。なお、ガン予防等のため、フィルター等の新しい試みもできております。
 これらにつきまして、専売公社並びに厚生省当局におきましても、きょうの木原実君からの御趣旨につきまして、上司にお伝えくださいまして、さらに御研究のほどをお願いいたします。
 当委員会におきましては、理事会にはかりまして、この点善処したいと存じております。
#60
○木原(実)委員 それでは私の質問はこれで終わりたいと思います。
#61
○帆足委員長 本日は、これをもって散会することにいたしまして、次回は公報をもってお知らせをすることにいたします。
   午前十一時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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