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1968/02/18 第61回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第061回国会 産業公害対策特別委員会 第3号
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1968/02/18 第61回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第061回国会 産業公害対策特別委員会 第3号

#1
第061回国会 産業公害対策特別委員会 第3号
昭和四十四年二月十八日(火曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 赤路 友藏君
   理事 天野 公義君 理事 橋本龍太郎君
   理事 古川 丈吉君 理事 島本 虎三君
   理事 本島百合子君
      遠藤 三郎君    久保田円次君
      葉梨 信行君    加藤 万吉君
      浜田 光人君    米田 東吾君
      岡本 富夫君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      床次 徳二君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房審議室長   橋口  收君
        経済企画政務次
        官       登坂重次郎君
        法務省刑事局長 川井 英良君
        厚生政務次官  粟山 ひで君
        通商産業政務次
        官       藤尾 正行君
        運輸政務次官  村山 達雄君
        建設省河川局長 坂野 重信君
 委員外の出席者
        経済企画庁国民
        生活局参事官  宮内  宏君
        経済企画庁総合
        開発局参事官  塙阪 力郎君
        厚生省環境衛生
        局公害部長   武藤き一郎君
        通商産業省企業
        局立地公害部長 矢島 嗣郎君
        運輸省自動車局
        整備部長    堀山  健君
        建設省都市局下
        水道課長    久保  赳君
        自治大臣官房企
        画室長     近藤 隆之君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 産業公害対策に関する件(大気汚染及び水質汚
 濁対策等)
     ――――◇―――――
#2
○赤路委員長 これより会議を開きます。
 産業公害対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。橋本龍太郎君。
#3
○橋本(龍)委員 先年、公害基本法が誕生いたしましてから、順次公害対策も進み始めたとはいいながら、なお問題を非常に多くかかえている今日、大気汚染防止法あるいは騒音規制法等、関係の法律が成立を見ながら十分な効果をあげていないといわれている今日、なお不十分とはいいながら、そういう立法措置がなされたものに比べて、何ら立法措置のなされていない問題がなお多く残されているのは、公害行政としては非常に遺憾な点であります。従来から政府において何回か提出をするといいながら、今日まで提出をされていない案件が幾つかあります。私は、一番最初の委員会でありますから、簡単に各省関係者から、各法律案の提出時期について、この委員会に明示をしていただいて、今後の審議の指標にしていきたいと考えております。
 まず、最初に、厚生政務次官にお尋ねいたしますが、厚生省では、今回会、いわゆる被害者救済制度について立法措置をなされ、国会に上程されるように聞いております。前厚生大臣からも、何回かその立法措置を国会にお約束されながら、ついに先国会には間に合わずに、今日にきたわけであります。現実に全国に発生しておる公害問題の中で、この被害者救済制度が確立しておれば、あるいはもっと公害問題というものについて安定した議論がなし得たかもしれない状態であるにもかかわらず、いままで非常に多くの問題が、いわゆる行政訴訟の形によって解決をされなければならないような事態になってきたということは、政府において被害者救済制度に欠ける点があったということが第一の要因であろうと思います。今日までこの委員会の中で何回か議論されてまいりました被害者救済制度を、今国会において法律案として提出をされるのか。また、提出をされるとしたら、その時期は大体いつごろになるか、同時に、まだ関係審議会等も進んでおらぬようでありますので、いまの時点においてその内容を明らかにできる点があったら、その内容を明らかにしていただきたい。まず政務次官から御答弁を願い、事務当局からの補足説明を待ちます。
#4
○粟山政府委員 被害者救済制度についての法律案は、今国会に必ず提出する考えで作業を進めております。その内容については、部長から御説明申し上げます。
#5
○武藤説明員 御指摘の被害者救済法案につきましては、ただいま各省との調整をほぼ終わりまして、これから法制局の審議に入るのでございます。その間いろいろ法制的な調整をさらに各省と終えまして、それから中央公害審議会あるいはその他の審議会の所要の手続を経まして、国会に早急に出したい、かように考えておりますが、その時期につきましては、法制局の審査の状況ともからみますけれども、できれば来週前半にでも提案したい、かように考えております。
#6
○橋本(龍)委員 来週前半に、できるだけ提出をしたいということであります。そのとおりにぜひされるように、これはひとつお願いをしておきます。
 また、経済企画庁において、水質汚濁関係の立法措置はどうなっておるのか。現在海水の油のよごれあるいは内水面における水質の汚濁等、非常に多くの生活環境の汚染を招いておる一つの非常に大きな問題点であります。これら関係の諸施策について、簡単に御答弁を願いたい。
 また、時間を節約する意味で、まとめて御質問申し上げますが、従来から、通産省において工業立地適正化法を提出するということを、何回か当委員会において明言されました。また工業立地適正化法を提出されるという前提において、先国会成立をしました大気汚染防止法の一部には、なお欠ける点があります。通産省として、今国会に工業立地適正化法を提出されるのか、もし適正化法が提出されないとすれば、私どもは、前回の大気汚染防止法の審議の際の経過にかんがみて、大気汚染防止法自体の修正をしなければならぬ、そういう状態にあります。これが、工業立地適正化法が今国会に提出されないとなった場合には、早急にこれらの点を私どもは解明しなければならない。この工業立地適正化法について、その提出時期あるいは現在の進捗状況、これについて御説明を願いたい。
 また、総務長官にお尋ねをいたしたいことは、今国会、総理府から、いわゆる紛争処理制度について立法措置がなされるやに聞いております。従来行政訴訟に持ち込まれております多くの案件、あるいは当事者間で話し合いを進めておりながらなお解決のめどの立っておらない水俣における水銀中毒事件、これらの諸問題は、紛争処理制度が確立された際、当然その委員会あるいは審議会等に移管をされる問題でありまして、関係者は紛争処理制度の確立の一日も早いことを期待いたしております。聞くところによると、今回政府から提出される紛争処理制度というものは、従来当委員会の質疑の間に何回か期待をされておりましたような、また関係閣僚からそのような御趣旨の答弁をいただいておりましたような、いわゆる公正取引委員会のような形、いわゆる三条機関という形で立法化されるのではなく、私どもから考えますと、より弱い拘束力しか持たないのではないかという心配をいたしております八条委員会として、御決定になったやに聞いております。この紛争処理制度が国会に上程される見通しはいつごろなのか、また、三条機関を避けられて、八条委員会として紛争処理制度を確立されようというその趣旨、その内容、これについて、いまの時点でお答えできる範囲でけっこうでありますから、明確に御答弁願いたい。
#7
○登坂政府委員 ただいま橋本委員から御指摘のとおり、わが経済企画庁におきましては、水質保全法という法律に準拠して、ただいまそれを実施中でありますけれども、今日の産業の拡大及び人口の過密化等によりまして、異常の公害が発生してまいりましたので、これらを取り込むために、現在の水質保全法の改正をしたい。しかしこれは非常に各省にわたり広範な問題であり、今後の問題等も含めて、よりよきものをつくろうと、ただいま鋭意検討中で、各省との折衝をできるだけ急いでおります。提出期限につきましては、御要望のとおり、早急にしたい、こういうことで、ただいま事務当局で検討いたしておりますが、結論を得次第、御趣旨に沿うような法律案を提出いたしたいと思っております。
#8
○床次国務大臣 紛争処理法案につきましては、元来公害基本法の際にありました各方面の御要望、当委員会等からも御意見がありましたので、その調整に努力してまいりましたが、今日各省間の意見の調整を全部終わりまして、目下法制局におきまして審議中でありますので、早急にこれは提案ができるものと思っておる次第であります。
 なお、この委員会は、いわゆる八条委員会として成立をお願いしておるわけであります。本来でありまするならばやはり三条委員会という意見もあったわけでありまするが、八条委員会におきましても、本来の使命といたしまするところの中立性、公平性というものを厳に維持いたしまして、なお職務の執行上におきましても、その権限におきまして、たとえば立ち入り検査の問題等におきまして、あとまた罰則等の問題等におきまして、委員会といたしまして、その権限を十二分に行使して、その設置の目的に合うように構成されております。したがって、八条委員会におきましても、支障がない、十分に目的を達するものと考えておる次第でございます。
#9
○藤尾政府委員 たびたびおしかりをちょうだいいたしまして、まことに汗顔の至りでございまするけれども、私どもの関係をいたします工業立地の法律につきましては、なお都市計画法その他との関連がございまするので、現在建設省との間に話をさらに煮詰めておる段階でございます。しかしながら、私どもといたしましては、この工業立地の法律案といいまするものをなおざりにする気持ちは毛頭ございませんで、必ず、早ければ三月中、おそくとも四月になりましたならば、どんなことをいたしましても提案をいたしたい、かようなことで進めておりまするから、ひとつ御応援を願いたいと思います。
#10
○橋本(龍)委員 私はこれ以上長い時間をとろうとは思いません。むしろ、ただいま各省責任者から明示されました時期に、それらの法律案が当委員会に提出されました時点で、あらためて私はその内容等について、ゆっくり議論をいたしたいと思います。
 ただ、この点一点だけは、この機会に皆さま方に御要請を申し上げておきます。往々にして、国会に提出されます政府の案件というものは、政党政派の考え方の差によって、いわゆる激突を招くことがあります。しかし、当委員会に関する限り、これは程度の差こそあれ、国民の生活環境を維持し、国民の健康を保持していくというその目的に沿って、あらゆる立場を越えて、全員が一致協力をして、これら御要望申し上げましたような各法律案に対して、私どもは審議いたしてまいります。これは一日もなおざりにできる問題ではない。また、国の施策の中でも最も根幹をなす重要な問題であります。国民の健康がなくして、国民の生活環境の維持がなくして、健全な国家の育成というものはあり得ません。今日まで、ややもすると、あるいは工業立地適正化法に関しては建設省が横車を押し、あるいは特定有毒物の排出基準を提出しようとする際には、業界からの抵抗があり、あるいは水質関係を企画庁が厳重に取り締まっていこうとした場合に、関係各省との縄張り争いが起こるというようなことも、私どもは耳にしてまいりました。私どもとしては、はなはだ遺憾であります。およそいずれの行政官庁といえども、その究極の目的は、国民の福祉のためにあり、国民の生活環境、国民の幸福をつくり上げることにあるはずであります。ややもすると起こりがちな権限争いあるいはつまらない横車等は排除して、必ずこの国会において公害行政における大きな前進が見られるように、十分な立法措置を心からお願いを申し上げておきます。
 初日でありますから、私はこれで質問を終わります。(拍手)
#11
○赤路委員長 島本虎三君。
 島本君にちょっと申し上げますが、総務長官に対して、沖繩問題の委員会のほうから、沖繩問題の責任者だから、出席の要求がきているので、ひとつ要領よく簡単にお願いします。
#12
○島本委員 ただいままれに見るりっぱな質問がなされたのでありまして、そうして、それに対する今後の一つの示唆も、われわれとしては受けたわけであります。それで、総理府にしぼって、私もその点について、大臣は必ず知っておられると思いますけれども、一応申し上げておきたいことがあるのであります。それは公害のいわゆる紛争処理法案について、かつて基本法を論議した際に、総理が、実施法の中で――体系的には基本法に入れられないけれども、被害者に対しての無過失賠償制の問題とあわせて、救済の問題等についてはできるだけのことをして、行政一元化はうたわなくても、それ以上の効果のある方法をとらせたいと思う、大体この趣旨で発言されてあるわけです。われわれは了解してあります。しかし、いま橋本委員の質問に答えられた点に触れますと、今度は三条委員会を排して、八条委員会のほうにして実効をあげる、こういうようなことのようであります。これはやはり、紛争処理のための準司法裁判所的な権能を持つ行政委員会を設けて、紛争の処理に当たるべきである、このことは実施法の際に考えてよろしいということは、総理の言明だったわけであります。いま聞きますと、それが八条委員会のほうにまたなっているようであります。そうすると、この点では少し食い足りないのではないか。せっかく総理も、基本法の際に、実施法でやると言ったのですから、あなたは遠慮しないで、これをやってよかったのじゃないか。三条委員会に踏み切れなかったというその理由は、やはり伺っておかなければならない、こういうふうに私は思うわけであります。
 それだけじゃございませんで、発生源がはっきりするまでは、国の主たる責任で、医療の給付や生業補償や物的被害の救済、こういうようなのも、国のほうの力でやっておいて、そうして被害がはっきりしたならば、それはそれでもって賠償を取って、国に支払うなり、また補償転換をはかってもよろしいんじゃないか、こういうような構想についてはどう考えられたのか、この二点であります。この二点の背景は、−私は最後に、これだけははっきり申し上げておきますが、英国では、公害紛争の多くは即決裁判によっているという話であります。そうして行政は保健庁が中心になって、ロンドンでは、ばい煙や悪臭の取り締まりが行なわれておるけれども、衛生官が有罪と断定すると、すぐ自費で工業施設を改善しなければならない。業者のサボタージュは許されず、また業者が公害対策の施設をしたために経費の負担でつぶれた例は皆無である、こういうような報告をわれわれは受けております。やはりこの法律の中で、三条委員会に踏み切って優秀なる成果をあげるのが正しい、こういうふうに私は思って、いままでの意見を拝聴しておりました。その点、食い足りません。三条委員会にしないで八条委員会のほうが、この点がいいのだ、こういう点をはっきり答弁してもらいたい、こう思います。
#13
○床次国務大臣 ただいま御説がありましたが、たてまえといたしまして、三条委員会の行政委員会を設けるということ、ごもっともであると思います。しかし、今回の委員会におきましては、八条委員会にいたしましても、三条委員会とほぼ同様の権限、また中立性、公平性を持っております。委員に対する地位、身分等の関係等におきましても、ほとんど同じようにいたしておるのでありまして、委員会としてその職務を遂行するに支障ないと思うのであります。
 なお、一言つけ加えまするが、三条委員会にいたさなかった一つの理由といたしまして、できる限り行政機構を簡素化するということも、現在政府がとっておる方針であります。したがって、八条委員会でその目的を達するように処理いたしたいということも、一つの理由であるということを申し上げておきたいと思います。
 また、いまの救済等につきましては、総理府の関係外になります。他の政府委員から……。
#14
○島本委員 いまの答弁、私十分理解しておきたいと思いますが、それならば、三条委員会にしたほうがさっぱりしていいと思います。これはあくまでも政府の関係機関から独立したものであって、その権限において強力なる実施ができるような委員会であるならば、これが一番望ましい。無理に八条委員会にしてていさいを整えておく、こういうような必要はないんじゃないか、こう思うのです。八条委員会にしなければならないという理由が知りたい、こういうことなのであります。
#15
○床次国務大臣 それは、先ほど申しましたように、三条委員会という、中立性のあるといいますか、純然たる行政委員会をつくるということに対しまして、今日行政簡素化の立場上におきまして、政府は独立機関をつくらないという方針をとっております。そういう事情もありますので、今回、八条委員会におきまして、必要とするところの権限を行使し、さよう行ない得るところの委員会を置いたという次第でありまして、この機構におきまして、決して本来の紛争処理の目的を達することができないということは――十二分にその役割りを果たすことを、私ども期待しておる次第でございます。
#16
○島本委員 これはやはり大臣にいてほしかったわけですけれども、大臣おりません。しかし、各実力者がずっとそろっておるようでございますので、私はその点から、大臣がおそらくはもう考えているであろうと思われるようなことについて、かつては副大臣でございますから、いかに次官といえども副大臣なのですから、そういうような気概をもって、責任のある答弁を願いたい、こういうように思うわけです。決して――次官だからいつでも修正できるのだから、ここではかってなことを言ってもいい、こういうような答弁であるならば、私はそのとたんにストップをいたします。その点を含んで、ひとつ十分に答弁願いたい、こういうように思うわけです。
 きょうもテレビの放送によりますと、東京タワーで、きのうの十一時から十二時三十分までの間、正規な観測によると〇・七二PPMの亜硫酸ガス、こういうような汚れた状態で、それも川崎のほうからくるのではなく、北東の風で、高いところでもいまやひどい状態になった、こういうような報道があったわけであります。私はそれはもう大事だと思うのです。そこにすわっておられる赤路委員長も、その点を前には気にしておりました。それは、NHKのニュースで、東京の亜硫酸ガスの状態が毎年多くなってきておる。三十九年の〇・六PPMから四十二年にはもうすでに〇・七PPM、だんだん上がってきている。そういうような状態の中で、いま言ったように、今回はもう〇・七二PPM、それも正規に東京タワーの高所においてさえもこれが検出された、こういうようなことであります。これはやはりただごとではないのであります。東京都でいろいろとそういうような計画について発表し、知事はじめ、その点においては努力を傾注しているようであります。これについては、厚生省も通産省も、おそらくは指導的な立場からそのままほっておくわけにいかない、こういうように思っているわけです。いま私が聞いたこのニュースに対しまして、通産省なり厚生省なり、それぞれの立場からどのような措置を講じますか、まずそれを伺っておきたいと思います。
#17
○藤尾政府委員 御指摘のとおり、最近とみに東京、川崎あるいは大阪、尼崎、四日市というような諸地域におきます亜硫酸ガスの大気汚染の程度がだんだんと事重大になってまいるということにつきましては、これは私どもだけではございませんので、政府全体が一体となりまして、重大な問題といたしまして、早急にこういった問題を解決し、国民生活に非常に大きな被害を起こさないうちに、御安心のできるような状況にいたしたい、かようなことで努力をいたしておるのでございます。
 この亜硫酸ガス対策というものは、もう島本先生のほうが十二分に御承知でございますけれども、その重点は、やはりたきます重油といいますものの性質をできるだけ低硫黄化させるということにあると思います。したがいまして、そういった観点から、こういった油を扱います石油精製業、あるいはそのものを使います電気事業、あるいは鉄鋼業というような諸産業に対しまして、使います油の脱硫をできるだけやらせるということで、重油の脱硫技術でございますとか、あるいは電力等におきましては、煙突を高くするとか、あるいは排煙脱硫の装置、技術を開発するとか、こういったことを一方において考え、また一方におきましては、使います石油自体をできるだけ低硫黄のものにしていく、あるいはこれを天然ガスに置きかえていくというようなことも考えていかなければならないわけでございます。しかしながら、まことに申しわけなくかつ残念なことでございますけれども、重油の脱硫技術にいたしましても、あるいは排煙脱硫の技術にいたしましても、これでよろしいというようなところまでまだ参っておりません。と同時に、その六〇%なり七〇%なりの効果をあげる装置にいたしましても、これを取りつけさせるということになりますと、膨大な金がかかるわけでございます。したがいまして、すでに長年操業いたしております工場にそういった装置を新たにつけさせるということにつきましては、企業がその資金の面におきましても、またそれを設置をいたしまする用地の面におきましても、いろいろの問題をかかえておるわけでございまして、私どもはこういったいろいろな難関を一つ一つ克服しながら、先生の御指摘になっておられまするような、ほんとうに健康を中心にした、国民がほんとうに安心して住んでいけるような都市づくりというものに、これを実現するために全力をあげてまいりたい、かように考えておるわけでございます。したがいまして、これには多少の時間をおかしをいただきませんと、私どもといたしましても、御期待にただいまから沿うということを申し上げるわけにもまいりませんので、その点はひとつ十二分に御了承を願いまして、私どもの今後の努力をひとつ御監視を願って、きびしく御督促をいただきたい、かように考えております。
#18
○武藤説明員 大気汚染のいわゆるスモッグ対策につきましては、まず昨年の十二月一日の大気汚染防止法の改正の際には、いわゆるばい煙量の減少計画の届け出をさせるという点の改正を行なったわけでございますが、これに基づきまして、勧告措置を強化するようにという点、それからビル暖房など小規模ばい煙発生施設につきましては、いわゆる行政指導で協力要請をする、それから燃料の検査等につきましては、立ち入り検査を強化する、それから一般的にばい煙発生施設の総点検の実施と改善命令等の強化を行なうようにということを、昨年の大気汚染防止法の改正時の全国会議に指示をいたしております。
 なお今後の対策といたしましては、将来やはりテレメーターの整備をさらに強力に進めていく、あるいは近く設定予定の特別排出基準を実施する、それから広域監視測定体制の整備をはかっていく、それから公害防止計画で大気汚染対策をさらにきめこまかくやっていく、こういう点が今後の対策だろうと思うわけでございます。
 それから、先生の御指摘の東京タワーのデータにつきましては、専門家の話によりますと、やはり高いところでは比較的高い濃度が出ることがしばしばあるそうでございまして、下にいって薄くなるというのが通例のようでございます。
#19
○島本委員 東京都の場合は、聞くところによりますと、本年から三年計画、いわゆるシビル・ミニマム・プランというようなもので、今度は亜硫酸ガスの濃度は、汚染がひどいときも一時間〇・一PPM、一日の平均も〇・〇五PPM以下に押えるという目標を一応立てた。そしてきびしい取り締まりに乗り出すという予定であったようであります。ところが政府の環境基準、これは年平均を〇・〇五PPMとしておりますけれども、一時間値では〇・一PPM以下が年間総時間の八八%維持されればよろしい。いわゆる都のシビル・ミニマム・プランというものに対しては、これは少し水をかける結果になった、こういわれているわけであります。したがって美濃部都知事が、国が都の足を引っぱっているようなものじゃないかと、こうおこっておるようであります。住民の健康を守る立場をとる知事の公害にかける意気込み、姿勢、こういうようなものはやはり高く評価してやって、願わくば知事が国より率先して住民の生命と財産を守るんだ、こういうような立場で、もっときびしく国に要求してくるこの態度は、私は皆さんは称賛してやってもいいのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。したがって、いまここで、もう国のほうの権限で都のほうに、自治体に移してもらえるものは移してもらえないだろうか、具体的にこれをやってもらえないだろうか、こういうふうな要請もあるようであります。協力、援助、こういうようなものは国として当然考えてやったほうがいい、こう思います。それは一つ一つあげれば、たくさんあるでしょう。各省ではこれを考えなければならないと思います。
 まず、通産省並びに運輸省、この方面では、国がそれぞれの公害発生源に対しての規制、こういうふうなものに対して、自治体に委譲したほうがよろしい、こういうふうに考えている点がありましたならば、この際はっきりしてもらいたいと思います。
#20
○藤尾政府委員 まことに御指摘のとおりでございまして、地方自治体におかれましても、東京都あるいは大阪府というようなところにおかれましては、十二分の受け入れ準備体制を進めていくから、できるだけ権限の委譲をはかってもらいたい、こういう御要望が強いわけでございます。私どもといたしましても、できるだけ早い機会に、あらゆる権限を全部地方の自治団体にお譲り申し上げて、ほんとうに地方自治体の責任においてすべてをやっていただくという方向に行けるという見通しがつきますならば、できるだけそうしたいというように考えまして、その方向に委譲をするように進めておるのでございますけれども、何といいましても、この公害の問題といいますものは、それぞれの受け入れ体制あるいはそういう問題の規制措置、技術というような問題につきまして、なお十二分にこれで地方自治体におまかせ申し上げてだいじょうぶだということで、責任が持てるというところまで参っていない問題もあるわけでございます。
 なお、一つの例をあげれば、大阪府と奈良県というようなものは、大和川という川におきまして一つの関連を持っておるわけでありますけれども、一方におきまして、大阪府に権限を委譲いたしましたものが、奈良県におきましては、わがほうではまだ受け入れ準備体制ができていない、こういうことでお断わりをいただくというようなことになりますと、一貫いたしました地方自治体への権限の委譲ということが、その受け入れ自治体の関連におきましてくずれるというようなこともあるわけでございます。したがいまして、こういったあらゆる関係をよく見きわめまして、仰せのとおりの状態ができますように極力指導を強めてまいりたい、かように考えておるわけであります。
#21
○村山(達)政府委員 ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。
 大気汚染について運輸省関係で所管しておる事項は、自動車の排気ガス特に一酸化炭素の規制の問題でございます。この点につきましては二つ問題がございまして、一つは自動車が排出する一酸化炭素を技術的にいかに少なくしていくか、こういう問題でございますが、これは、実は交通安全上の技術と、それから一酸化炭素排出の技術的な問題がからんでまいります。この点につきましては現在運輸省が所管しておりまして、今後といえども、やはりそういう方面の科学技術の発達に負うところが多いわけでございますので、この点は、やはり今後といえども、運輸省の専門的知識にまかせるほうがよろしいと思うのでございます。しかし、地方府県庁、都知事等にまかされている点もたくさんございまして、たとえば現行の大気汚染防止法におきましても、交差点における有害ガスの濃度については、御案内のとおり都知事がみずから測定する義務を持ち、それによって必要とする防止措置についての御意見がありますれば、主務大臣に意見を申し述べるということになっておりますので、そういう御意見がありましたら、われわれのほうでも、十分にその対策を講じてまいりたいと思うのでございます。
 第二の問題は、この排気ガスの問題は、一方におきまして、交通環境あるいは交通規制あるいは都市計画、こういう問題と密接にからんでまいることはもう当然のことでございます。交通規制については交通警察が所管しているところでございますし、また都市計画あるいは交通環境等の問題につきましては、地方公共団体が十分に施策をなし得る余地が多いと思うのでございまして、そういう点で、地方公共団体のこれからの御努力にまつ点が多くあると存ずるのでございます。
#22
○島本委員 特に交通関係の問題では、運輸省がこの問題と取っ組んでおられるわけです。しかし実際この東京のように、また他の大都市のように、住民が直接被害を受ける一酸化炭素の排気ガスの問題等についても、これはやはり現在の状態でいい、こういうようなことを野放しに認めるわけにまいらない。もっと国が権限を持ってやるならば、その点についてははっきりしたことをしないといけないはずです。これは通産省と運輸省と両方に聞きたいわけなんですけれども、いま一酸化炭素というのは、排気ガスの問題では、東京あたりではほんとうに重大な様相を呈しているわけなんであります。そして交通規制というようなものも、道路運送車両法においていろいろ考えておられるようであります。しかしこの平均した濃度が三%以下にしなければならないし、ほとんどいまの車はそれ以上になっておる。新車は規制しておる。しかしながらいままでのやつはほとんどこれ以上出しておる。せめて三%まで落としたいというような意欲があるように私は思っておるわけです。しかしながら輸出品、これだけはCO濃度が一・五%にしておって、そしてこれも簡単にできるのに、国内だけはなぜ三%にしておかなければならないのかという、この疑問はだれしも持っておるわけなんです。ほんとうに運輸省、通産省がこのCOの問題と取り組んで、この排出基準をはっきり規制するために、都と一緒にやっていきたいというならば、まず国の権限でこれをやれば――これはなぜやらないのですか。やったほうがいいじゃないですか。簡単にできるそうじゃありませんか。この点について伺いたいと思います。
#23
○村山(達)政府委員 一酸化炭素の排出基準につきましては、新車につきましてはそれぞれ昭和四十一年、四十二年に規制いたしたことは御案内のとおりでございます。さらに御指摘の中古車に対しての問題でございますが、中古車は、排気ガスの点でいうと、やはりだんだん濃度が濃くなってまいるのは当然でございます。残念ながらまだそれを一々測定する簡便な機械が開発されていなかったので、いままでは実施していなかったのでございますが、幸い実用的な簡便な機械の開発も進んでまいりますので、来年度からは予算措置を講じまして、とりあえず東京、大阪、名古屋におきまして、試験的に実施する予定でございます。
 なお輸入車につきまして、従来やっておりませんでしたが、四十四年度から、これも同じく予算措置を講じまして、京浜に検査所を集中いたしまして、輸入車についても実施する予定でございます。
 ただいま御指摘の、輸出車について一・五%が簡単にできるのになぜやらないのだという点でございますが、どうも私、技術的な点はわかりませんので、政府委員からその点は答弁していただきます。
#24
○堀山説明員 お答えいたします。よくアメリカと比較されるわけでございますが、実はアメリカと日本は測定の方法が違いまして、日本の場合には、おおむね都市速度が四十キロ平均、また交通渋滞によって排気ガスの状態が悪くなるということが通例でございますので、四十キロで走ることを前提としたパターンをつくっているということにしております。それから、アメリカあたりになりますと、これは速度が高いものですから、そういう速度の高さ、それから発進、加速の状態が都市の構造によって違いますので、はかり方が全然違うということでございます。したがって、数字の面では確かに違う点がございますけれども、これを実際の車に当てはめて比較してみますと、おおむね同じような数字が出てまいるのでございまして、個々の車については違いが出てまいる、こういうことでございます。このことにつきましては、私ども今後技術的に開発いたしまして、逐次その線を制限してまいりたいと思います。
 それともう一つ、忘れましたけれども、アメリカの場合は、排気ガスの規制の考え方として、日本では一酸化炭素だけだ、アメリカでは一酸化炭素と炭化水素と両方を規制しておるわけでございます。したがいまして、どちらかといいますと、炭化水素の規制に重点がございますので、いろいろな装置をつけて炭化水素を規制する、こういうことにしております。
#25
○島本委員 そうすると、技術的な点にわたっていま御答弁がございましたが、なお私が理解できるように、ひとつ知らしてもらいたいと思います。それは、対米輸出車のCOの基準、これが一・五%で、日本では三%になっておっても、これは車の速度やいろいろな関係で大差ないのだ、同じようなものだ、こういうように私は聞き取れたわけです。大差なかったならば、おそらく大差ないような状態で手当てできるならば、やはりこの対米輸出車のように一・五%の濃度にするように、すぐやってやったって何でもないはずです。何の圧力でこれはできないのか。こういうようなものは十分しておかなければならないのです。通産省やまたは業界が何か言うのだろうかどうか、私は疑い深うございますので、この点等については、できるならばやったほうがいいのですから、たいして技術的に手を加えなくてもやれるというのですから、どうせやるなら早くやって、そしてこの大気中の亜硫酸ガスと一緒に一酸化炭素、この点についての解決の一歩を印したほうがいいはずです。どうもこの点が私はまことに残念ですが、理解できない。そしていま言ったテストパターンの話が出ていたようですが、日本の自動車の排気ガスのテストパターン、アメリカのテストパターン、それはどういうふうに違っておるのか、日本のCOの基準の三%、これをアメリカのテストのパターンでやってみたら何%になるのかというのが、やっぱり出ましたら、お知らせ願いたい。
#26
○堀山説明員 これは車の種類によって非常にまちまちでございます。非常に車によってまちまちでございますので、たまたま、ある非常にいい車につきましては非常にいいということで、非常に多くあります車の大部分は必ずしもよくないということで、いい車はいいけれども、設計がよくないというのは必ずしもよくない、こういうことです。
  〔島本委員「そういう答弁はないよ。いい車はいいけれども悪い車は悪い。あたりまえでしょう、それは。」と呼ぶ。〕
#27
○赤路委員長 立って発言しなさい。
#28
○島本委員 はっきり私の質問に答えてもらいたい。対米輸出車は一・五%、日本では三%、アメリカ流にやったならば、これは何%になるのだということを聞いているのです。いい車ならばいいけれども、悪い車なら悪いというのはあたりまえでしょう。いい答弁ならいいけれども、悪い答弁なら悪いというのと同じですよ。
#29
○堀山説明員 いま具体的な手持ち数字を持っておりませんので、あれでございますが、走行パターンは、先ほど申しましたように四十キロ、向こうは七十キロ、こういう条件の相違があることは相違があるわけでございます。
#30
○藤尾政府委員 私も技術的なことばよくわかりませんけれども、対米輸出車に対して特別の上等の装置をつける、国内に向かっては意外にほっとくというようなことが許されてしかるべきはずがございません。むしろ逆でございまして、アメリカは広いのでございますから、アメリカは多少出ても差しつかえないだろう。わが国は狭いのですから、これこそ空気の汚染をできるだけ少ないようにすべきであるという立場から、こういった問題に対処するのが当然でございまして、ここに私は自動車関係の政府委員を呼んでおりませんけれども、もしそういうことがございましたならば、私どもで即時そういうことのないようにいたさせます。
 ただし、ここで申し上げたいと思いまするのは、排気ガスの処理の技術開発といいまするものは、私の知っておりまする限りでは、きわめて現在困難であるということで、仰せのような状態にまで持っていきまするためには、むしろ自動車自体の燃料そのものを変えていく。たとえば電気自動車でございますとか、あるいは燃料電池でございますとかというものを基礎的に開発をしていくというような、基礎的研究というものを現在やっておりまするけれども、こういった問題にさらに一そう力を入れて進めていくほうがよりよろしいのではないか、かように考えるのでございます。いずれにいたしましても、具体的な規制といいまするものは、これは運輸当局でおやりでございますから、運輸省と密接に御協議を申し上げまして、仰せのような事態が起こっておりますれば、直ちにないようにさせる。また、そういうことのないように、できるだけの措置をとらせます。
#31
○島本委員 大体、できるだけの措置だけはさせなければなりませんし、もう対米輸出車はやれるのですから、国内はなおさらこれはやらなければならないはずでございますから、その点は次官と私も同感です。願わくは、これは運輸省と通産省の間で、その間の考え方がずれているようでありますので、この際十分意思の統一をはかって、そして今度は、国内でこそ一・五%の濃度以下のものが必要なんであるから、これは、その点等を十分考えて、製作技術とあわせて、今度は、現在中古車でこの装置のないもの等についても、十分お話し合いの上で、ひとつこれが解決のために、通産省も一はだ脱いで努力してやってほしい、こういうふうに思うわけです。運輸省のほうでも、いま伺った点におきまして、私も十分理解したというようなことは言えません。輸出の場合にはそういうふうにしてやって、国内には、一番必要なのに、その点においては三%ものものをしてある。輸出は一・五%に落としておる。これではどうも少し逆だと私は思う。今後も、こういうような点を通産省当局と十分打ち合わせの上で――美濃部都知事が、やはりその点があるから、困ると言っているのではありませんでしょうか。そういうような点からしても、やはり国のほうでその問題は解決できることですから、これは進んでやってやるべきです。そのままにほったらかしておく、これは都民のためにもやはりよろしくないと思う。だから、十分この点は考えて、今後とも対処しておいてもらいたい、こういうふうに思います。
 運輸省のほうでは、今度は、道路の問題で、この解決の要点をだいぶ考えられておるようでありますけれども、立体交差や高速道路、こういうようなものは、できればできるほど、住民のほうでは被害を受けるのです。道路だけではやはりこの解決はなりませんです。この点等は、建設省当局とも十分話し合いの上で対処しなければいけません。それと、高速道路や沿道の区域、こういうようなものは道路法でどういうふうになっておるのか、私どもはよくわからないのでありまするけれども、住民に対して交通公害をばらまいて、そのまま早く通ればいい、まきっぱなしでいい、こういうような考えがあるようでありますけれども、高速道路をつくっても、自動車の排気ガスをいまのような状態にしておいて、ばらまいて走る以上、これはどうにもなったものではありません。その点等について、私は――きょうは大臣がいないから困るのですよ。こういうような問題に対しては、やはり十分責任ある大臣が話し合って対処しなければならない。道路と、それから自動車の機械と、こういうようなものを十分考えなければならないはずなんです。
 私は、きょうこれで次官からもだいぶいい答弁は聞き出せたのでありまするけれども、まだもう一歩、やりますという確信と自信がほしいのです。それまでは出ないで、将来のこれからの参考にしておく程度ですから、私は不満です。これはせっかくですから、両次官、ここで、これだけははっきりやりますと言明してもらいます。
#32
○村山(達)政府委員 ただいまの島本委員の御発言で、輸出車については一・五%という車を輸出して、それが簡単な技術的なことでできるということ、私はその事実を知らないのでございます。もしそうであれば、われわれは責任を持ってやらせたいと思います。
 私の想像では、現在の有毒ガスの防止施設と保安上の技術、その両者の調和をとった上での現段階における最高技術の許容限度が、三%ということになっておると存じておるのでございます。したがいまして、これをだんだん濃度を下げていくことは、もちろんわれわれがこれから真剣に取り組まなければならない問題なのでございます。そこで、いまの三%ということは、もちろん日本における国内の大気汚染防止法から出ている問題であり、また道路運送車両法に基づく保安基準から出ているわけでございますが、これはもちろん標準的な走行パターンと密接な関係のあることは御存じのとおりでございます。現在の三%は、四十キロの日本の通常の標準パターンをとった場合、現在の技術では、どんなに押えてみてもいまのところ三%である、こういうところできまっているわけでございます。アメリカもおそらく、一・五%というのは、先生のお話を聞いての私の想像でございますが、アメリカはアメリカでみずからの大気汚染防止法をしいておって、それが一・五%ではなかろうかと思うのでございますが、その場合は、アメリカは当然アメリカの中における標準的な走行パターンをとりまして、それでやっているのじゃなかろうか。日本の車といえども、四十キロで走る場合と七十キロで走る場合とでは、その排気ガスの量に相違があるということは当然でございます。私は日本の技術を信用しているだけに、そういうことではなかろうかと思うのでございます。もし先生がおっしゃるように、簡単な装置で輸出車に一・五彩以下にとどめることができるということでありますれば、責任を持ってやらせることには間違いございません。そのことだけは、お答え申し上げておきたいと思います。
#33
○島本委員 責任を持って、その点は検討をして、できることですから、やってください。これは私は責任を持って申し上げておきます。
 それで、交通騒音対策、こういうようなものについては、十分これも運輸省で考えなければならない問題なんですが、これに対してはっきりした対策をお示し願いたいと思います。
#34
○村山(達)政府委員 騒音対策につきましては、いま保安基準の中にいろいろな項目を設けていることは、御案内のとおりでございます。中には、音の大きいのが愉快だというのでやっている雷族なんかもございますが、これはもう厳重に押えているわけでございまして、交通警察のほうとも緊密な連絡をとりまして、現場でも、そういうものが見つかりますとどんどん取り締まっております。また、自動車をつくる場合における保安基準、あるいは車検の場合あるいは点検基準、こういったところで、そういうことがないように万全の措置を講じております。
 なお、騒音につきましては、航空機についても同様の問題がございますが、本年は特に約十億、前年度の倍額以上の予算を確保いたしまして、そういう騒音による被害を住民に及ぼさないように、万全の措置を講じてまいりたいと存じております。
#35
○島本委員 これは、いま大臣がおらないので困るのですが、次官がおりますから聞いておきます。十二日に硫黄酸化物にかかる環境基準の設定、これが発表された際に、通産大臣はこれに対して声明されたように思っておりますが、これは声明されましたか。
#36
○藤尾政府委員 声明をいたしております。
#37
○島本委員 その趣旨はどういうことですか。
#38
○藤尾政府委員 これは大臣談話という形で出したものでございまするが、環境基準の実現のために、まず関連産業界の協力を得てこれを達成してまいる、こういうことでございます。また、その環境基準の実現のためには、強力な低硫黄化対策の推進がその前提になるものと考えられる。そのためには、重油脱硫技術、排煙脱硫技術の開発、その実用化を強力に進めるということと、重油脱硫装置、排煙脱硫装置の設置を促進いたしまするための十二分の税制あるいは金融措置を講ずるということ、低硫黄原油、天然ガスの供給源を確保する、こういったことを中心にして、関係業界――石油業、電気事業あるいは鉄鋼業というような各業界に指導を強めてまいる、こういうことがその内容なっております。
#39
○島本委員 この際、ちょっと伺っておきますが、いまの談話――声明と言ったのは談話でしたね。この談話の中で言った、低硫黄原油及び天然ガスの供給源の確保をはかっていきたい、これは当然、いまの石油は、硫黄分の多い中近東原油が全輸入量の約九〇%ほどを占めておる。それで、原油の輸入にあたって、これは自由選択ということが案外困難で、二四%ほどしかできないのだということを聞かされておるわけであります。そうすると、硫黄分の少ないソ連等の石油、天然ガス、これを輸入するためには、やはり貿易構造の転換が今後必要になるのではなかろうか、こういうような点を考えて、いま言ったような低硫黄原油及び天然ガスの供給源の確保をはからなければならない、こういう談話を発表されたのかどうか、これでなければ意味が通らないように思うのですが、これは重大な談話の一部分なんですが、この件について、これはやはり大臣がほしかったのですが、まあ次官、その意を体してよろしく御答弁願いたい。
#40
○藤尾政府委員 私が答弁をいたしましても、大臣が答弁をいたしましても、通産省といたしましての答弁でございますから、同じようにお聞き取りをいただきたいと思います。
 大臣の談話にございます、できるだけ低硫黄の原油の供給をはかっていきたい、あるいは天然ガスにこれを漸次切りかえてまいるという施策を進めるということの中には、仰せのとおり、ソ連の原油が入ってまいりまするならばこれを入れるという、石油の貿易の自由化構造といいまする考え方が当然入っておるわけでございます。しかしながら、現在のところでは、御案内のとおり北樺太というものを除きますると、いまのソ連油といいますものは、わざわざ長い距離を通りまして、スエズを通ってまいるということで、当初は価格はきわめて安かったのでありますけれども、今日の状態では、その価格は約二割ないし三割アップでございます。したがいまして、これを使いますユーザーの立場からいたしまするならば、これを使ってまいりますと当然それだけのコストアップになる、こういうこともございまして、現在その隘路を打開いたしまするために、シベリアの開発でございますとか、あるいはそれに関連をいたしました、シベリアのパイプラインの設置というような問題が取り上げられておるわけでございまするけれども、これとても、そうそう簡単に一、二年のうちにできるというものでもございませんし、また、ソビエト側がわが国に申し入れてまいっております、パイプラインの設置というような問題に対する経済協力というようなものに対しまする、わが国側の寄与を彼らが期待しております額は、きわめて大きゅうございます。二十億ドルとか二十五億ドルとかいうようなものが要請をされておりまするわけで、そういった関係を考えて、これにあえて応じようというところまで、いま事態は進んでおりません。
 そこで、こういった問題を踏まえながら、なお低硫黄のものをとっていこうというためには、ミナスでありますとか、その他の東南アジアの油をできるだけ入れてまいりたいという、またその原油自体を持ってきたいという考え方に立っておるわけでございまするけれども、これも中東の油が非常に硫黄分が多くて困るのだ、そのためにこれをどうしても転換しなければならぬというようなことをあまり表に立てますと、また、これは公言をはばかりますけれども、インドネシアやその他の石油供給地の方々が、石油の油代のつり上げをやるというようなこともないではないという感じもいたすのでございます。したがいまして、そういった諸情勢を踏まえて、国民の皆さま方に御迷惑にならないような低硫黄化対策といいますか、低硫黄の油をできるだけ多く取り入れていくという努力を、全般的な計画に基づきまして進めてまいるというのが、いまの私どもの態度でございます。
#41
○島本委員 やはり今後の公害防止についてのいろいろな総合的な施策が一番必要と思うが、通産省としても、現在の企業に対するいろいろな指導、こういうようなものも最も重要じゃないかと思うのです。いろいろ問題点もあるでしょうけれども、公害防止施設に対する投資額、これはアメリカのほうでは、何か五%程度は見ておるというような話です。日本では大体どの辺まで投資額を見ておりますか。データがありましたら、それによって発表願います。
#42
○藤尾政府委員 詳しいことは、専門的な者がここにおりますから、それから申し上げさせますけれども、大体、電力業界におきまして全投資額の約五%、石油精製業者におきましては大体八・七%くらいかと思います。詳しいことは、専門のほうから答弁をさせます。
#43
○矢島説明員 通産省で、電力、鉄鋼その他の主要業種につきまして、先般サンプル調査をやったわけでございますが、その設備投資の総額は、土地、港湾等を除く公害防止投資全体の平均六%に達するわけでございます。これは業種によっていろいろ違いますが、例示的に申し上げますと、電力につきましては四・七%ないし五・〇%、鉄鋼につきましては五・七%ないし六%、それから石油につきましては、これは一般的に公害防止のための投資額は大きいわけでございます。これは、石油につきましては、自分自身が迷惑をかけないというための公害防止と、それから同時に重油の供給者としての責務という関係の公害防止額が入るわけでございます。その前者だけ、すなわち自分自身が迷惑をかけないという投資額だけをとってみましても五・七%ないし八・四%ございます。第二の需要者までローサルファーの重油を供給するという観点の設備投資を入れますと、はるかに高い額になりまして、会社によりましては二割近くになるところもあるわけでございます。石油化学につきましては二%ないし五・六%、非常にばらつきがございます。大体平均よりやや下回る点ではないかと思います。
 以上、業種別に、ただいまの投資額の点を御説明いたしました。
#44
○島本委員 だいぶ時間がたっているようで、まだまだあるのですが、これだけをやっておられませんので、残念ながらあとへ残さしてもらうことにして、経済企画庁来ておりますか。
 新国土総合開発計画の中の公害対策、この問題は、第一次試案、第二次試案、第三次試案、ここにございまするけれども、特に公害対策をどういうふうにしてこの中に扱っておられますか。その構想をお知らせ願いたい。
#45
○登坂政府委員 公害対策につきましては、現在の産業の拡大成長に伴って、化学公害あるいはその他の非常な思わざる公害がどんどん発生してまいります。そのために、都市計画なりあるいは工業の分散等を念頭に置きまして、全国の国土利用ということを十分に考えまして、なるべく基礎産業――石油というようなものは大都市より離れたところ、それについても、単に移すだけではまた公害がそこに発生するのでありますから、その際には厳重な、現在の公害防止法にのっとった、あるいは都市計画法にのっとった、そういう基準に沿うような、そして新たな公害を発生しないような対策を念頭に置いて、計画を立てておるのであります。
 なお事務的な問題につきましては、ただいま第四次試案制定過程におきます状態を、事務当局より御説明いたさせます。
#46
○塙阪説明員 経済企画庁の新全国総合開発計画におきましては、ただいま政務次官から御答弁ございましたように、遠隔地に工業基地等を設けまして、工場の地方への分散をはかる、それからさらにまた、遠隔地に分散したあとにおきましても、公害を生じないように、土地利用計画に基づきまして、整然たる土地利用区分をする、それからまたそれに関連しまして、公害防止のための技術を開発する、あるいは環境整備とか、諸般のことを書いてございますけれども、現在の全国総合開発におきましては、あちらこちらに書いてあるものですから、公害対策に関する印象が若干散漫のような感じがいたしますので、現在検討中の第四次試案の段階におきまして、公害対策として、一章としてまとめて書きまして、新全国総合開発におきまする公害対策をはっきりさせる、こういうことを検討中でございます。
#47
○島本委員 いまの新全国総合開発計画、この中でやはり将来の一つの計画として、四十年を基準年度にして六十年を達成年度にする、もうすでにこれが始められておるこの段階の中で、第一次案からだんだん変わってきております。その中で、それぞれの与えられた地位があるわけであります。いわゆる太平洋ベルト地帯を中心にして、あとは食糧供給基地だとか、あるいは地域的な開発基地であるとか、いろいろあるわけです。そしてこれに情報産業を導入して、見る、聞く、書く、こういう、電話によって中枢指導機関を形成するという構想もあるようであります。これを一たん立ててやりますと、その辺は相当にシビアになってくる。そうなると、この計画の段階から十分やっておかないと、できてしまって、それをやって現在の東京以上になって、またここに、産業はあっても人間が大きな被害を受ける、こういう状態になったらとんでもないことになるので、やる場合になったら、これを十分検討して、通産省、厚生省、両省の意見なんかよく聞いた上で、この問題に対しては善処してもらいたい。この点を強く要望いたしておきますが、よろしゅうございますか。
#48
○登坂政府委員 お説のとおり、せっかくの産業公害基本法がりっぱに制定されて、それが実施できますように、新たな新全国総合開発におきましては、その成果をあげるように努力する所存であります。
#49
○島本委員 厚生政務次官、これは大事な問題ですから、あなた知っておられると思いますが、緊急な問題でありますから聞いておきます。
 園田厚生大臣のおりに、今年の二月中に、今度九州の水俣病の被害者、死亡した人の遺族並びに軽症者、重症者、一時金で打ち切られた人、こういうような人たちと話し合いを持って、そのために委員会をつくって、そして補償と補償の基準、こういうようなものについても結論を出す、これは二月で、そのための委員会もつくりますということを、現地へ行って約束されてこられているようであります。おそらくは、園田前厚生大臣のことですので、前任者ですということになれば、これは困るのですけれども、そういうようになっていた場合、もうすでにその委員会ができて発足していなければならないはずなんですが、この問題に対しては、これは園田前厚生大臣が言ったようにやっておりますか。やっておりましたら、それは仲裁になるのか調停になるのか、そしてその委員は何名で構成しているのか、これをお知らせ願いたいと思います。
#50
○粟山政府委員 水俣病に関する民事上の補償については、昨年九月に政府見解が発表されて以来、被害者側と会社側において自主的に話し合いが行なわれておりましたが、今年一月中旬に、被害者側及び会社側の双方から、第三者による仲裁の依頼がございましたので、厚生省としては、知事をはじめ関係者の意向を聞いた上で希望に沿いたい、そういう考え方でやっておりますが、詳しいことについては、部長から御説明をいたさせます。
#51
○武藤説明員 いま政務次官からお話がありましたように、御依頼がありましたので、現在、依頼の条件等、それぞれ希望があるのかないのか、そういう点の確認を双方にいたしておるわけでございまして、それの確認ができますれば、いわゆる第三者による調停についての人選その他をなるべく早く取り進めたい、かように考えております。
 なお、補償基準を厚生省として考えているかというお尋ねでありますけれども、一般的に、公害問題についての被害、特に健康被害については、これは新しい問題でございまして、いろいろな先例その他の点がございませんこともあり、また民事上のいわゆる調停、仲裁等の問題につきましては、当事者間でいろいろの状況等によってきめられる問題だろうと思いますので、役所のほうで基準をきめるということは、現在むずかしいのではないか、かように考えております。
 なお、仲裁かどうかということにつきましては、御依頼申し上げる方との関係もございますけれども、やはり仲裁でないと話は進まないのではないか、かように考えております。
#52
○島本委員 これは少し大事な問題なので、いまの程度の答弁では済みませんよ。これは、土曜日に私はチッソの総務部長に会ったのです。そうして直接、この問題に対する解決はもうすでになされておったのかと聞いたのです。ところが、この問題については厚生省が――園田前厚生大臣が、紛争処理委員会をこのためにだけつくって、二月中に人選を終えて結論を出させますということを、現地へ行ってはっきり言ってあるのです。そしてその際には、問題になっておったのは、あの契約書の第五条に、将来工場排水と決定しても新たな補償は一切要求しないという一項目があったのです、しかしながら、これとても会社側のほうでは全然こだわっておりません、会社も責任を負います、こういうふうに言って、厚生省の出方を見ているというのです。ですから、いつでもこれをやってください、私どもはそっちのほうの出方を待っているのです、患者のほうからは抗議文まで出て、早くこの問題の解決をせい、こういうように言って、会社に迫っているのです。会社は、前の大臣はちゃんとそれを、そのために二月中に委員会をつくって解決をいたします、こういうようなことを言ってきているというので、そっちのほうにまかしてあるのだ。会社がいまのような考え方では、二月はおろか、全然できないじゃありませんか。これは早くやってやらないと、前の大臣が約束したことは、現在の大臣でも責任があることですよ。もう事務当局はそういうようなことをよく知っておいて対処するのでなければ、こういうような問題の解決になりません。こういうような点で、双方が何かずれておるようであります。この点等については、もっと積極的にやる必要があろうと思います。
#53
○武藤説明員 前厚生大臣のときには、知事さんの手元で第三者機関をつくったらいかがかという話がございまして、その点の努力をいたしましたけれども、むずかしかったわけでございます。したがいまして、現在の大臣になりまして、ただいま政務次官から御答弁のありましたように、双方から御依頼があったわけでございます。ただ、双方から依頼があった場合には、やはり双方の依頼の条件が同一でないと、これは話が進まないわけでございまして、この点につきまして現在調整中でございます。厚生省の出方でいろいろ変わるのではなくて、先方の出方が一致しないと、厚生省としてはあっせんその他非常にむずかしい、こういう判断でございます。しかしながら、この問題につきましては、両方ともいろいろ御苦労なさっておりますので、先生のおっしゃったとおり前向きに処置したい、かように考えます。
#54
○島本委員 最後に、これは強力に要請しておきます。これは二月中に人選を終えて結論を出します、こういうことになっておるのだそうであります。会社側はこれを認めておる。被害者の代表の人も、それをはっきり口にしておるのです。なのに、厚生省のほうではいまのような状態で安閑としておるならば、これはちょっと困るのです。これは両方ともそれを認めておりますから、急いで早く解決してやることが皆さんのつとめだと思います。これは強力に要請しておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#55
○粟山政府委員 よく承りましたので、御趣旨に沿うように事を早く進めるよう、私からも大臣に御進言申し上げます。
#56
○島本委員 これで終わるわけでありますが、私はきょうはだいぶ質問を残しました。他日またあらためてやらしてもらいます。その中で、各皆さんがそろったおりですから、特にこの問題をひとつ私から皆さんに参考意見として申し上げますから、お聞き願いたい。
 最近、公害ということで、公害そのものを企業化するような傾向さえ出ております。ある魚の煮汁――これは悪臭の根源です。それを一カ所へ持っていって飼料をつくる工場がもうできております。水産庁が指導してやっているのです。二、三年後の模様は、ある場合は危惧を持たれ、ある場合にはわからないというけれども、現在はまずよろしい。通産省のほうでは、今度石巻か花巻か、どこでしたか、どこか向こうのほうに、通産省が指導して、やはりそういうような公害そのものを企業化するようなことに補助し、あるいは融資し、何か指導しておるのであります。しかし、その一つ一つは、水産庁なり農林省なり通産省なりがやっておる。公害の窓口は厚生省のはずなんです。したがって、公害を名にしてやる事業である以上、通知するか何かで、横の連絡は完全にしておいて、やはりそのいろいろな基準だとか指導だとかは、これは厚生省を度外視してはならないと思うのです。やはりこういうような連絡に欠けておると思います。各次官、今後十分この点を善処して対処しておいてもらいたいと思います。現にもうすでに私のほうで調べてありますから、一つ一つの点は追及いたしません。これは冷厳なる事実がありますから、公害の窓口である厚生省も、もっともっとこの問題等については、もう公害そのものも企業化されていますから、それぞれ別々でありますから、そういうような問題で公害と名のつく以上、窓口を通しましょう、これぐらいのことは、いかに女性であろうとも、係に要求していいと思います。ひとつこれを強力に要請して、私の質問を終わります。
#57
○赤路委員長 岡本君。
#58
○岡本(富)委員 私は最初に、救済法案並びに紛争処理法案につきまして、公害基本法ができましてからもう相当になっておる、早くこの実施法をつくるということを、先国会、先々国会でも盛んに厚生大臣も言い、また国民の皆さんの要望でありましたが、聞くところによりますと、いま法制局に入っているのだというけれども……。そうして救済の法案が非常におくれた、その理由をまず聞きたいと思います。これは厚生大臣に聞こうと思っておりましたが、政務次官にひとつ……。
#59
○粟山政府委員 先ほど申し上げておりますとおり、公害病救済法案については、目下各省庁間でもって調査を進めております。近く成案を得て、今国会に至急提出するということになっております。ただいま御質問の、どういうふうな事情になっているか、あるいはその骨子については、事務の担当部長から御説明を申し上げるようにいたします。
#60
○岡本(富)委員 非常におくれた理由、なぜかならば、四日市のぜんそくで非常に困っている人たち、あるいはまたイタイイタイ病、こうした人たちが待ちかねておるのです。いま相当な公害患者が出ておりまして、これはすでに世間の話題になり、政府のほうとしても非常によく知っているはずなんです。これが非常におくれたという事情を聞かしていただいて、そして今後の次の環境基準、あるいはまた次に出てくるところのたくさんの実施法についても、その点を解明していきませんと、いつまでたっても、こうした皆さんが待っているものが解決しない。それをひとつ迅速にやっていかなければならぬと思うわけで、聞いておるのです。そっちのほうはどうですか。
#61
○武藤説明員 この法案の問題は、先生よく御承知だと思いますが、一昨年、私ども厚生省が救済法案を秋に立案いたしまして、四十三年度に実施すべく準備したわけでございますが、いろいろの関係各省、あるいは関係方面の調整ができませんで、四十三年度の予算では、いわゆる法律をつくるということによる救済ということはできなかったわけでございます。したがいまして、四十四年度に入りましてから、中央公害対策審議会のほうでも、早急に実施する必要があるということで、問題の紛争処理の関係とその救済につきまして、昨年の春から昨年の秋までいろいろ御検討いただきまして、昨年の十月に御意見が出ましたので、その線に沿って、本年度の予算で、救済と紛争の問題を盛り込みまして、ことしの一月中旬以降、関係各省の調整を行ない、ほぼ調整を終えまして、今夜あたりから法制局に入る段階になったのでございます。しかしながら、四十三年度におきましても、医療研究補助金二千万円を計上いたしまして、実際には患者の方に御負担をかけないような措置は、国としてもいたしておりますし、地方公共団体におきましても、同様の考えで予算措置はいたしておるわけでございます。
#62
○岡本(富)委員 なぜ私がこの問題を持ち出したかと申しますと、おそらく厚生省のほうがいろいろと立案をいたしましても、それに対して、いろいろと検討するとか何とか言って、非常に足を引っぱるのじゃないか。その一つの例といたしまして、環境基準が今度きめられた。その環境基準が、これも昨年の十月に出し、それがだめで十一月に出し、それがだめで十二月に出し、それもだめでとうとう二月になってしまったわけでありますが、そうした公害に対する各省の姿勢というものが、国民の健康を第一にしていこうという考えが非常に少ない。企業に遠慮をしたり、あるいはまたいろいろな事情があるに違いないけれども、結論としては、基本法ができて国民が非常に待っておる。したがって一日も早く実施法をつくってやっていかなければならぬ。こういうわけで、いまわが党でも実施法案についての準備をいたしまして、さっそく出す予定をしておりますけれども、そこで、それに関連いたしまして、東京で初めて四日間連続のスモッグ注意報が出された。都民の健康が非常に心配された。これにつきましても、環境基準――その前に、この大気汚染防止法ができたときに、それに基づく措置、これが緊急の場合にはこうするんだというのが、新しくまた厚生省のほうでつくられて、そして昨年の十二月、大気汚染防止法が施行されると同時に発表するようになっておった。ところが、それについて通産省のほうから横やりが入って、非常におくれた、こういうように聞いておるのですが、厚生省のほうでは、この問題についてどうです。
#63
○武藤説明員 先生御指摘のように、大気汚染防止法の緊急時の条件は、従来〇・二PPMが三時間と、〇・三PPMが二時間の場合でございましたが、それに新しく、〇・五PPMが一時間、平均〇・一五PPMが四十八時間続きました場合は出すという、二つの条件を加えたわけでございますが、こういうふうな緊急時の条件につきまして、十二月一日から施行になったのでございますが、この点についての指導につきましては、昨年の十二月に都道府県のほうの会議をやりまして、十分徹底はしておるわけでございます。これに伴いまして、減少計画を出させる場合に、二〇%、さらには五〇%までその減少計画をやらせるということまで話をしておったわけでございますが、ただ最終的な通牒を出した時期が年を越したということで、府県のほうには、この中身については、十分事務連絡関係は会議等では指示したわけでございまして、正式の通牒が若干新年度に持ち越されたという実情でございます。
#64
○岡本(富)委員 東京で、この四日間連続スモッグが続いた。そして非常にいろいろな被害が出ております。墨田区の同愛記念病院の小児科主任の馬場というお医者さんの発表によると、この二、三日子供たちの病状が非常に悪化しておる。これは明らかにスモッグの影響だ。また国立小児病院の村野医長の話では、同病院に来るところの小児ぜんそくの患者が非常に多くなった、こういうように発表しておりますが、この四日間の連続スモッグの場合、もう少し早く、できれば大気汚染防止法が施行されると同じように、この実施について、あるいはまた取り締まりについて、通達を早く出しておけば、こうした被害が非常に少なくて済むのじゃないか、こういうふうに思われるのです。この責任について、聞くところによると、通産省のほうから非常に横やりが入って、特に電力業界が反対して、そして公益事業局の火力課あたりも反対をして一話がつかなかった、それでおくれたのだ、こういうことになりますと、こうした被害を受けるところのお子さんたち、そうした責任というものを今後――私が言うのは、今後こういうことになっては相ならない、したがって、私はこの点を解明しておきたい、こういうわけなんですが、どうでしょうか、厚生省。
#65
○武藤説明員 この通達がおくれたことにつきまして、何か通産省から横やりが入ったというようなことが報道されておったわけでございますが、そういう事実は全くございません。都道府県のほうには、十分この中身なり実施につきましては連絡はしておるわけでございまして、最近都道府県は、国の連絡を待たずして、いろいろ積極的にお動きになっておられることでございまして、通達がたまたま事務上の都合で少しおくれたから、それまでは何もしない、あるいは何もできないというのは、現状では、正確なる地方公共団体の立場が伝わっていないのではないか、かように考えるものでありまして、おくれたことにつきましては、私どもとしては、はなはだ遺憾に存じておりますが、実態は十分、昨年の暮れから、新しい大気汚染防止法の施行態勢、国も地方も積極的な態勢で臨んでおるわけでございまして、おそらく京浜地方の事務当局も、決して積極的な態度を怠ったということはないと、私どもは信じております。
#66
○岡本(富)委員 私、これを何で問題にするかと言いますと、今度、東京都のほうに聞きますと、このスモッグによりまして、煙を出さぬように、こういうように要請をした、しかしそれを守らなかった、したがって連続四日間も続いてしまった。まず、それを守らなかった役所が相当ある。その役所及び工場はどこなんだということを、厚生省のほうでちゃんと調査しておりますかどうですか。
#67
○武藤説明員 協力要請をされました東京都からは、正確な報告は来ておりませんけれども、私どもは、新聞紙上では聞いております。
#68
○岡本(富)委員 要するに、いかに法律をつくりあるいはまたあなたのほうで政令を出しても、これを守らなかったら何にもならぬわけです。これは絵にかいたもちなんです。したがって、東京都ではこんな四日間連続というのは初めてです。この末に例がありますように、イギリスのロンドンにおいては、このスモッグによって四千人の人が死んでおる。あるいはその他諸外国の例を見ましても、こうしてどんどんどんどん公害が進んできて、国民の健康が阻害されていく。したがって、私は、今度のスモッグ注意報が出て、煙を出さないようにという要請をしたけれども守らなかったところに対する強力な指導、あるいはまたその責任を追及していくのが、取り締まり官庁である厚生省の立場ではないかと思うのですが、どうですか。
#69
○武藤説明員 具体的な規制の事務は、すべて知事に権限が委任されておりまして、最終的な責任は知事の権限でございます。したがいまして、知事がいろいろの事業所に御連絡をなさる、あるいは立ち入り等を実施されまして、いろいろ問題があれば、やはり都道府県において処理されるべきだとわれわれは考えておりますが、またその実施上いろいろな問題がありますれば、中央官庁でも十分バックアップするについては責任があるし、また義務であろうと考えております。今回の関係官庁のいろいろな扱いについて、新聞紙上いろいろ取りざたがありますけれども、こういう点につきまして、都庁からいろいろ困った点で私どもに連絡があれば、当然私どもは関係各省に連絡をするつもりでありましたし、また今後もするつもりであります。
 なお、こういう問題につきましては、私ども公害対策連絡会というものをしょっちゅう開いておりますので、その席上、先生のような御指摘については、重ねて関係各省に要望いたしたい、かように考えます。
#70
○岡本(富)委員 いまあなたがおっしゃったように、関係各省に連絡をする、要請するというような話がありましたけれども、今度のこの四日間の問題をぼくは取り上げてなぜ言うかといいますと、これから先いろいろな法案が出てくる。救済法が出てくる、あるいはまたいろいろな法案が出てきましても、それを実施しないならば何にもならない。しかも、この四日間の一つの姿を見ますと、企業のほうはまだわからない。その前に役所が――あなたのほうで言いにくかったら言いますけれども、文部省あるいは自治省あるいは労働省あるいは建設省、気象庁、運輸省、電電公社、国鉄、こういうところが守らずに、そのまま平気でやっておる。こんな姿勢で、はたしてこの大気汚染防止法あるいは環境基準をきめて、ほんとうに国民が期待するようなことが実施されるのかどうか。この環境基準につきましても、罰則規定が全然ない。したがって、効果は全然出ない。
 まず、きょう、運輸省のこれをやらなかった理由をひとつ聞かしていただきたいと思うのですが、ビル管理の上から――運輸省、だれか来ていますか。運輸省のほうからひとつ答弁願いたいと思います。――では、これは次の委員会のときに全部この責任者に来てもらって、私はやりたいと思います。なぜかといいますと、地方公共団体はどうしても中央集権に弱い、したがって、いろいろと協力要請してもやらなかったらおしまい、これをわれわれが何とかして、今後のためにやはり注意しなければならない、こういうわけで、委員長、今度の委員会に全部出頭を求めたいと思いますが、どうでしょうか。
#71
○赤路委員長 はい。
#72
○岡本(富)委員 そこで厚生省に、きょうは大臣にうんとこれを詰めておきたいと思ったのですが、いま公害部長から、地方公共団体でやれないものに対しては、バックアップしてそうしてやらせる、こういうような話がありましたが、どことどことどこが守らなかった、協力要請してもしなかった、あるいはどの企業がしなかった、このチェックをせずして、ただ、この前ぐあいが悪かったので、ひとつ皆さん協力願います、こんな弱いことではならないと思うのですが、厚生政務次官どうですか。
#73
○粟山政府委員 これは都道府県、いまの場合、東京都のことが問題になっているようですけれども、都が常時監視するということになっておりますから、よくその状態を都に聞いて、そうしてこちらでまた善処する。
#74
○岡本(富)委員 向こうから言ってくるのを待っている、そうじゃなくて――全然皆さん方は知らなかったというなら話はわかります。地元のこの東京都内で、どんどんあっちこっちであんなに大きな被害を起こした、それに対して早速、どうなっているんだ――要するに、国のほうから大気汚染防止法を出し、また協力要請を出したけれども、それがどういうふうに実施されたのか、このほうの取り締まりをせずして、また調査もせずして、一回一回、次のときはまた調査しますとか、あるいは聞いてみます、こんなことでは、いつまでたっても公害行政というものは解決しない。公害はなくならない。いま大臣がいないから、あまり言うてもしようがないから、このくらいでおきますけれども、そこで、こうしたスモッグが起こって、そうして各企業あるいはこうしたビルに対して協力要請をいたしましても、今度の東京都を見ましても、しないところが出てくるということは明らかになった。そこで、ひとつ兵庫県の例をとりますと、大体いまの法改正によって、都道府県知事は企業に対して立ち入り検査ができる権限を与えられている。しかしながら、現実にこの兵庫県の場合を見ますと、煙のこうした監視に回っていけるのはわずか五、六名にしかすぎない。そうしますと、尼崎市にある、それからまた神戸にある、姫路にある、こうした場合、五、六名で確かにこの立ち入り検査もして、そうしてそうしたスモッグをとめることができるのかどうか。私は、東京都内においても、こんなわずかな人員でできるわけがない、こういうふうに思うわけです。
 そこで、提案をいたしますが、こういうところの指定都市の市長まで、あるいはまた特にひどい汚染都市においては政令都市までも、この権限を与える、そうしてきめこまかく監視する必要があるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、厚生省の意見をまず聞きたいと思います。
#75
○武藤説明員 権限委任の問題でございますが、事業場につきましては、指定都市については権限を委任しております。ただ大気汚染の問題は広域的な問題でございますので、政令市までの権限委任は、なお今後の検討にまかしていただきたい、十分検討いたしたい、かように考えます。
#76
○岡本(富)委員 問題が起こってから、じゃそこまで、こういうようなことでは相ならない。今度の東京都内における四日間のスモッグにおいても、直ちにこれを一つの参考として、そうして早く実施すべきじゃないか、こういうように思うのですが、自治省の考えはどうですか。
#77
○近藤説明員 自治省の立場といたしましては、公害問題というのは非常にその地域に密着した問題でございますので、できるだけ、地方公共団体が現実に実情に即するように処理できるような体制に持っていきたい、そういう基本的な考え方を持っております。各種の立法に際しましては、そういった方向で各省間を調整いたしております。
#78
○岡本(富)委員 何かちっともわからぬが、そういう方向で、どこが反対するのですか。あるいはまたどこに隘路があってできないのですか。
#79
○近藤説明員 具体的な問題になりますと、いろいろございます。先ほどもいろいろ話題に出ておりましたけれども、地方公共団体の公害に対する体制がまだ十分整っていない部面もございます。現実問題といたしまして、大気関係につきましては、このところ相当監視体制も整ってきておりますけれども、それ以外の分野におきましては、まだまだ不十分な団体が多うございます。われわれといたしましては、その体制を強化するように、ここ数年間、次第に、地方交付税あるいは起債等の措置によりまして整備をいたしておりますが、それに見合いまして、地方公共団体に権限を移していきたい、そのように考えております。
#80
○岡本(富)委員 そうしますと、どことどことどことが体制が整っていない、どことどことどことはすでに体制が整っている、これははっきりしますか。
#81
○近藤説明員 ものによっていろいろ違いますけれども、たとえば水の問題などにおきまして、われわれできるだけ地方団体にその規制権限をおろそうと、現在各省とも折衝いたしておりますが、業種によりましては、現在の段階ではまだおろすことができないというようなものがあるようでございます。具体的には、それぞれの折衝を進めております。
#82
○岡本(富)委員 全国で都道府県あるいはまた市が相当ある。それが全部出そろうまで待っておるようなことでは相ならないと思うのです。なぜかならば、今度のこの一つの事例を見ましても、きめこまかく監視しないと、いかに大気汚染防止法を出しても、あるいはまた環境基準をきめても、これが実施されなかったら何にもならない。それで、私はその点についてきょうは提案しているわけですが、通産省の考えをひとつ聞きたいと思いますが、どうですか。藤尾政務次官、責任ある答弁を……。
#83
○藤尾政府委員 まことに岡本先生の御趣旨のとおりでございまして、幾ら法律をきめましても、政令を定めましても、これを実施せぬということであれば、それは一片の空文にしかすぎないわけであります。したがいまして、私どもといたしましては、きめたものは必ずやらせるということでございまして、そういった意味合いにおきまして、環境基準の設定にあたりましても、本来ならば明日からでもいたしたいという気持ちはやまやまでございまするが、これがやはり過密地域におきましては、どうしてもいろいろな施設をやらしてまいる、その完ぺきを期するという上から言いますると、最大限十年ぐらいの時間を置いて、十二分の措置をしてまいらなければなるまいということで、泣く泣く十年というところに経過期間を置かざるを得ないということでございます。しかしながら、十年置いてあるから十年目にやればいいというものではございませんので、一年でできるものは一年、半年でできるものは半年、三年でできるものは三年、五年でできるものは五年、できるだけ早く、それぞれの所轄の工場等におきまして、そのような措置をいたさせるべく、指示、指導もいたしております。さよう必ずいたさせます。
#84
○岡本(富)委員 ちょっと私の質問をもう一ぺん聞いてください。これは指定都市あるいはまた汚染の非常に多い都市、こういうものを政令できめて、そして企業に対する立ち入り権限を与えていく。なぜかならば、神戸に神戸製鋼という会社がある。これはものすごい粉じんを多量に出している。しかし、これは神戸市にその権限がない。したがって一々県に要請をして、それからということになります。ですから、こうした回りくどいことでは、スモッグのように、ばっと出てきて早くその解決をしなければならぬときには、解決できない、いまの状態では。それが今度の東京都のこの四日間のスモッグになった。その間に、先ほど申しましたように多数の患者が出ている。かわいいお子さんたちがぜんそくを起こすことが多くなって、救急車で送られたりしている。私は、そうした人命尊重という立場に立って一あなたは環境基準の話をして、十年とおっしゃったと思うのです。ですから、私がいま質問したのはそこにあるわけです。この指定都市あるいは政令都市に権限を与えたらどうだ、これをあなたに聞いているのですが、どうでございましょうか。
#85
○藤尾政府委員 大体この問題につきましては、御案内のとおり大気でございまするから、広域の監視体制が十二分にできなければならぬと思います。と同時に、一方におきまして、その監視体制を十二分に活用のできるだけの各自治体の受け入れスタッフといいまするものがそこにできなければ、これまた委譲をいたしましても委譲しただけということになるわけでございまするから、双方を十二分ににらみ合わせて、御趣旨に沿うように、できるだけ早くそういう問題の起こる前に実施ができるように、権限の委譲をさしていただきたい、かように考えております。
#86
○岡本(富)委員 監視体制の整ったところからおろしていく、それだけでは緊急の場合に間に合わない、これをいま私申し上げているのです。ですから、全部整ってからやるということになると、整う期間が非常に長い、いつ整うのだというと、さあ向こうがやりませんねと、これもほんとうは責任がないと思うのです。ですから、いつまでに整えるとか、そしていつからは大体こうした立ち入り権限も与える、こういうようなスケジュールがあるのかないのか。ただ、整いましたら権限をおろすつもりでおります、一日も早くやりたいと思っておりますが、これが整いません、これでは各都市のほうもできないと思うのです。ですから、整ったところから、たとえば指定都市――先ほど公害部長はこの指定都市にはちゃんと権限を与えてある、こう言いますけれども、現地へ行けばそうでない。工場に対する立ち入り権限ですね。これはちょっとおかしいと思うのです。それで、これ以上論議をしてもしかたがないのですが、大体ぼくの推察するところによると、一日も早くきめこまかい監視ができるようにしていこうというのが厚生省の考えじゃないかと思います。それに対して、そんなことをしてもらったら困るというのがあるはずですね。大体そっちのほうの意見はおそらく通産省だと思うのです。もう一ぺん藤尾さん、先ほどのはちょっと方向違いですから、政令都市――汚染のひどいところ、将来スモッグがぱっと起こって、大勢被害のかかるところ、あるいはまた指定都市、これに対して、企業の立ち入り権限を整ったところから与えるかどうか、これをひとつ……。
#87
○藤尾政府委員 岡本先生の御発言でございますけれども、通産省が――厚生省が盛んに立ち入り権限を与えたいといっておるのをじゃましておるのはお前らではないか、というようにお考えをいただいておるとすれば、それは誤りでございます。私どもは厚生省同様、こういった人命あるいは人間の健康ということに関しまする問題につきまして、それを阻害するような態度をとることは絶対に許しておりません。進んでそういった状態になるように努力をさしていただくというのが、当然われわれの任務でもあるわけでございまして、現にそのようにさしていただいておるわけであります。したがいまして、広域監視体制がそこにできるとか、あるいは神戸市なら神戸市に十二分に監視をするスタッフができるとかいうことであれば、いついかなるときでもやっていただきたいということで、できるだけ早くやっていただいたほうがよろしいわけでございますから、そのような方向でこの問題の処理を進めてまいる所存でございます。もちろんさようにいたします。
#88
○岡本(富)委員 そういう態度であれば非常によいと思うのでありますが、ここで一つの例を申し上げましょう。これは公害部長から答えてもらっていいのですが、今度川崎、横浜の八十五工場に対して、これは三年間このまま放置すると命が危険である、こういうような見地から、通産省が初の改善勧告を出しております。その経過をひとつ聞きたいと思うのですが、どうでしょうか。
#89
○藤尾政府委員 詳しいことは、ただいま公害部長からお話をさせますけれども、ただいま御指摘になられましたように、川崎地区におきまする八十五工場の監視並びにその大気汚染の実情に関しまする風洞実験というようなことは、かねてから私どもでその対策を立て、進んでこういったものの処理をするように事態を進めておったわけでございます。御指摘のとおり、八十五工場といいまするものが、とりあえずその排出基準において環境基準ときわめて相違するところが大きいということで、これが改善をはかれということで、至急にその措置をとらしたわけでございます。詳しいことは公害部長から報告をいたさせます。
#90
○矢島説明員 先般、川崎、横浜地区の総合事前調査の結果を発表したわけでございますが、それについて簡単に御説明をいたしますと、御案内のとおり、川崎、横浜地区の大気汚染は、たとえば大師前、年平均〇・一一PPM、一時間値九九%で〇・四四というような、わが国では一番高い水準にあるわけです。通産省といたしましては、先般の環境基準に関する閣議決定の線に沿いまして、この地区においても、このスケジュールに従って、十年以内に環境基準を達成するように、特段の強力な発生源対策を進めているわけでございます。そういう関連から今回の事前調査をやったわけですが、事前調査と申しましても、調査をするだけでなくて、調査の結果に基づきまして強力なる指導をいたしまして、指導の結果、相当程度の改善というものを期待しているものでございます。具体的に申し上げますと、四十二年の七月に現地調査を実施して以来、風洞による拡散実験によって、将来の大気汚染を予測するとともに、その結果に基づいて、関係企業に必要な改善の指針を与えることを目的といたしまして、やったわけでございます。
 ところで、改善の指針というのはどういうものかというと、この調査の結果予測された汚染濃度を、今後三年の間に平均して三割ないし四割削減するというものでありまして、これは相当の困難はもちろん伴うものとは思いますけれども、低硫黄重油の使用と集合高煙突というようなものにできる限りの努力を払うことによって、達成可能なものと考えられておりまして、一応対象といたしました八十五工場の改善計画があるわけですが、それについては大部分すでに了承しているわけで、その線に沿ってやるわけでございますが、今後さらに、いわば第二次的な風洞実験も行ないまして、最終的な改善計画を確定していくわけでございます。通産省としては、これらの改善計画を現実に推進することによって、汚染の改善が十分なされるものと思っております。
 なお、川崎、横浜には、今回の対象工場以外に、いま千五百の小さい工場、その他のビル暖房等の発生源がありますので、これらにつきましても、今後改善対策を講ずる予定でございまして、これら全体の改善を考慮いたしますと、五年後には、環境基準のスケジュールどおりに環境基準が達成されるのじゃなかろうか。したがいまして、五年後に中間目標を達成し、そしてそれ以降においてさらに第二次の改善計画その他を遂行するとともに、全般的な低硫黄化計画に基づくローサルファー重油の供給その他の施策を勘案いたしますと、最終的なスケジュールどおりの十年後の環境基準の達成も十分期待できるものと思っております。
#91
○岡本(富)委員 いま風洞実験の話が出ましたが、この風洞実験について、厚生省や横浜あるいは川崎の人が立ち会いましたか。通産省だけでやったのですか。どうでしょう。
#92
○矢島説明員 立ち会っておりません。
#93
○岡本(富)委員 私はそこに問題があると思うのです。先ほどのところに戻りますけれども、今度の通産省の風洞実験を調べますと、風速四・八メートルの計算の基礎になっている。ところが環境衛生協会では六メートルの計算でずっと調べてきてやっている。ところで、風がゆるやかなときの有効煙突高で逆転層にうまく行ったけれども、風が強いとそこまで達しない。そういう面を考えますと、この計算の基礎というものは非常に軽いんじゃないか。先ほど聞きましたように、なぜ、厚生省あるいはすでに実験している横浜、川崎、そうしたところの人を立ち会わしてやらないのか。通産省だけで秘密にやる、悪くいえばそうなる。こうした行政、あるいは過去に私はイタイイタイ病で現地をあっちこっち見てきまして、通産省の態度、やり方というものは非常に――各省間のメンツもあるのかもしれぬけれども、こうした秘密主義といいますか、これはわしのところでやるんだということでは、ほんとうに公害行政というものは解決しない。この点について、これは政務次官に言うとまたほかの話をするから、矢島さんどうですか。
#94
○矢島説明員 ただいま、風洞実験には立ち会わないと申し上げましたが、風洞実験というものは、これは通産省の資源試験所というものがございまして、専門に大きい風洞を持っておりまして、そこに専門家がおって、そこにおいてやるわけでございます。これは一応、風洞実験のような専門的な、技術的なものにつきましては、一切そこの結果にまかせてあるわけでございまして、私どもの立地公害部の職員も、それには立ち会わないわけでございまして、特にその関係の川崎なり横浜の市の人の立ち会うのを排除したわけではないので、従来とも、そういうものは専門家にまかせてあるわけでございます。ただ、その風洞実験の方法論、風速はどういうふうにするとか、どういうような配置にするとか、そういうものにつきましては、川崎なり横浜の方々とも十分御相談申し上げまして、方法論なり計画は十分打ち合わせた上で、単に技術的なその風洞実験を専門家にまかせるということでございまして、その点、誤解のないようにお願いいたします。
 なお、現地調査その他は、もちろんこれは立ち会っておりますし、また御指摘の風速の点は、現地調査の際の分析によりまして、その数値を算定したわけで、これにつきましても、川崎、横浜の方と十分お打ち合わせの結果、その数値を採用しているわけでございます。なお結果につきましては、川崎、横浜と十分相談いたしまして、東京で発表すると同時に、神奈川県庁におきましても共同発表をやっている次第でございまして、十分意思の疎通はなされているわけでございます。
#95
○赤路委員長 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#96
○赤路委員長 速記を始めて。
#97
○岡本(富)委員 いまうまく答弁しましたけれども、私は現地調査いたしまして、すでにこの事実をつかまえてきたわけであります。横浜、川崎とは何ら打ち合わせしていない。そういう事実、あるいはまた、厚生省とも打ち合わせしていない。風洞の調査では、風速の違いによって、今度は逆転層に達する姿が変わってきます。そして実際に行なわれた場合には非常に大きな差異が出てくる。したがって、今後こうした姿勢を変えてもらいたい。これはもっと古い話をすると、イタイイタイ病の富山県の姿を私は見てきた。その点についてはもっとフェアに、ほんとうに国民の健康を守る公害対策の立場に立ってやってもらいたいと思うのですが、いままではそうでなかったなんと言わずに、ぐあい悪いところは改めていただきたい。これはひとつ政務次官どうですか。
#98
○藤尾政府委員 またおことばを返すようでございまするけれども、私どもが私どもだけの秘密主義に閉じ込もって、一切他との関連をみずからの発意において断ち切っておるというようなことはございません。風洞実験にいたしましても、風洞実験をいたしまするためには、その風洞実験の材料に供します排煙その他は、その土地土地の現に出ておる排煙をもらってこなければ風洞実験ができないわけでございます。これは御遠慮なく――決して私どもが秘密主義をとっておることでございませんから、当委員会におかれましても、もしそういう機会がございましたら、私のほうでお願いをいたします、ぜひとも皆さま方でおそろいの上、ごらんをいただきまして、厳重に、どのような過程でどのようにやっておるかということをお調べを願って、その上で、この点が悪いということがございましたならば、御指摘をいただきまして、私どもはそれを改めるにやぶさかでございません。いつ何どきでも改めますから、さようさしていただきたいと思います。
#99
○岡本(富)委員 じゃ、それだけ断言なすったんですから、今度は相当また持ってまいりますから、ひとつ……。
 次に、この川崎の場合を見ますと、集合煙突の問題が出ておりますけれども、集合煙突をやりまして、高くしますと、上は、あれは航空機の航路なんです。航空法との関係はどうなるのか。この心配だけを、ひとつ聞いておきたいと思いますが、どうでしょう。
#100
○藤尾政府委員 御指摘のとおりでございまして、本来ならば、川崎、横浜地区の煙突を全部高くするということが理想でございます。しかしながら、全部高くしますと、羽田空港との関係がございますので、全部高くするわけにまいりません。そこで、それを集めまして、羽田の空港と関係のないところにまとめて、そこに集合をした煙突を立てたいというものの考え方でございます。したがいまして、羽田空港との間の航空路との関連のないようにいたしまして、しかも目的を達するというようなことでやってまいりたい、かように考えておるわけです。
#101
○岡本(富)委員 それはまたその時点において、ひとつ視察もさしていただきたいと思います。
 それで次に、この環境基準につきまして、年平均一時間の値が〇・〇五PPM。神戸の医師会が八万人を対象にして研究した資料によると、これはぎりぎりのところなんです。もう少し強くできるんじゃないか、こういうような意見もあるわけであります。
 それからもう一つは、十年目標というのは非常に長過ぎる。公害病がこんなに増加しておるときでありますから、これをもっと早く規制できるような方法がないか。これについてなお、厚生省のほうからお聞きしたいのです。
#102
○粟山政府委員 あとのほうの、環境基準の達成目標十年は長過ぎるということについて、お答えを申し上げます。
 そのとおりで、国民感情からいたしますと、このようなときに十年もという感情をお持ちになるのはもっともだ、そう思います。これは、まあ十年の間にできればいいというわけではございませんし、また、いろいろ硫黄酸化物対策として、基準をきびしくすればすぐ達成できるというものでもございませんし、低硫黄化対策、それから総合エネルギー政策、あるいは防止のための脱硫技術の開発、普及とか、都市改造などが、総合的に公害対策として実施されて初めて達成されるというものでもございますし、こういった諸点の推進とあわせて達成につとめるというわけで、なお生活環境審議会においても、京浜、阪神等については、十年以内を達成の目途として答申されております。
 そのほか、先の問題については、公害部長に御説明させます。
#103
○武藤説明員 環境基準の基礎数値になりました年平均〇・〇五という基準は、これは現行の基準としては少しゆる過ぎるのではないか、こういう御指摘でございます。この点につきましては、厚生省の生活環境審議会の専門委員会等の報告書をごらんになればわかりますように、これをこえますと、実際上の成年男子の慢性気管支の有症率は五%程度になるだろうと見られる水準でございます。一般的には、普通のいわゆる汚染地域でないところは、有症率は二・五%ぐらいでございますので、そういう意味では、いわゆる健康を守る基準としては、きびしい見方をすればゆるいのではないか、こういう御意見もあろうかと思います。しかしながら、現実の状態を見まして、これを健康を守る基準と調和したということでは決してございませんけれども、現実に達成させるための一つの基準としては、私どもは最上級の基準目標であるとは考えておりませんけれども、いわゆるぎりぎりの線だ、かように考えております。先生御承知のように、東京、大阪の中程度の汚染地帯が水準でございますので、御指摘のとおりでございますが、まず汚染地帯につきましては、ここまでに下げる。またこえそうなところはこれ以下に押える。もちろん、その他空気のきれいなところは、決して〇・〇五までよごしていいというようなことでは絶対ございませんので、現状のきれいな空気にあるところについては、それを守るようにいろいろしておるのが現状のところであろう、かように考えております。
#104
○岡本(富)委員 時間がありませんから、この論議は相当したいと思ったのですが、これぐらいにします。
 今度のあれを見ますと、十年の間に、五年の中間目標というものを出しておる。これはだれが責任を持つのか。すなわち企業体が責任を持つのか。地方自治体が責任を持つことになるのか。それとも厚生省が責任を持つのか。通産省が責任を持つのか。これについて、ひとつ責任のありかというものをはっきりしてもらいたいと思うのです。
#105
○武藤説明員 この中間目標値を定めました理由は、いわゆる燃料政策その他を考えます場合の一つの考え方にもはね返ってくるわけでございますし、長期の目標を考える場合に、当然その途中の目標を定め、段階的にやっていく必要がありますので、こういうことを考えたわけでございます。したがいまして、この達成目標につきまして、どこが責任を負うかということでございますが、この点につきましては、具体的には、それぞれの中間目標値をつくる場合のそれぞれの製作過程で、それぞれの官庁が責任を持つわけでございます。たとえて申しますれば、公害対策基本方針の指示の場合に、この数値をもしも用いますれば、これは内閣総理大臣が責任を持ちますし、具体的に公害防止計画の策定をやります場合にこの数値を使いますれば、都道府県知事が責任を持ちますし、この基本方針の指示及び計画の承認につきましては、公害対策会議のほうで責任を持ちます。もちろんこの承認されました公害防止計画の達成は、当然地方公共団体がやるわけでございますが、当然これには国の責任もかかっております。したがいまして、それぞれの段階での責任は多少区々でございますけれども、先生の御質問の要旨は、やはりこの公害防止計画を策定する場合に、中間目標をもしも設定した場合に、その実現についてどこが責任を持つかという御質問の趣旨だろうと思いますので、その点につきましては、当然当該地方公共団体が責任を持つ、かように考えております。それについてのそれぞれの達成のいろいろの援助その他につきましては、政策的には国も相当責任がある、かように考えております。
#106
○岡本(富)委員 これを見ますと、全部努力目標になっておるわけですね。罰則規定がないわけです。責任持つ、責任持つと言いましても、何ら制裁がないようなものは、責任を持てない。できませんでしたと言えば、これはおしまいです。ですから、この環境基準についても、もう少し論議を進めたいと思いますけれども、まず要求しておきますことは、これをやりますと、おそらく一本一本、各一企業に対するところの特別排出基準ということに、汚染地区においてはなってくると思うのです。それについて一本の煙突を検査するにしましても、十二、三人かかって三日もかかる。こういうような例を見ますと、相当これは強力にやらないと、この中間目標も達成できないし、また十年たっても、これはもう何もできなかった、こういうことになってしまう。したがって、今度は政令で、環境基準について、実施する方法といいますか、これをもう一ぺんはっきりきめて、明示をして、そうして自治体に出す、あるいはまたそれを監視するところの、これは厚生省だと思いますが、強力にできるような体制を整えていただきたい。またそれができなかったならば、その所属の責任で、どうなると、こういうような罰則規定もきめなければ、これは達成できないんじゃないか、こういうように思うのですが、どうでしょうか。
#107
○武藤説明員 環境基準と申しますのは、先生おっしゃいましたように、いわゆる政策目標でございまして、決して一般の法律の強行規定を持っているような問題ではございません。いわゆる政策目標でございますので、それから先は、直接的な罰則とか、あるいは直接の規制基準というものは出てこないわけでございます。いわゆる全体としての政策目標でございます。したがいまして、もしもこれを守るため、あるいはそこまでにさせるためには、御指摘のいろいろの排出基準その他を強化していかなくちゃいけないわけでございまして、たとえば大気汚染防止法の排出基準につきましては、今回も三段階にそれぞれ新しい方法できめたわけでございまして、この点につきましても、さらに一年後通産省と検討いたしますと、約束をいたしております。
 さらに、御指摘の特別排出基準につきましては、これは環境基準とリンクして、いろいろ地域をきめることでございますので、環境基準がきまりましたので、ただいま事務当局で検討中でございます。早急に合意を得まして、近く特別排出基準をきめたい、かように考えております。
#108
○岡本(富)委員 そこで、新しい工場新設については、いまは届け出制になっておりまして、非常にやわらかい。これではまた公害が大きく発展してくる、こういうことで、大気汚染防止法に基づいて許可制にする、要するに法を改正する考えはないか、これをひとつお伺いいたします。
#109
○武藤説明員 昨年も、この問題につきましては、大気汚染防止法を提案する際に、そういう案を出したわけでございますが、関係各省の調整ができませんでしたけれども、さらに引き続き検討してまいりたい、かように考えております。
#110
○岡本(富)委員 そこで、その公害基本法の中に、特に中小企業者に対しては、その公害対策については特別の助成措置の配慮を行なうことということを、この前に基本法をつくったときに、その一節を入れたわけでありますけれども、それについて例をあげますと、尼崎に雄山工業というのがありまして、これはもう小さな会社でありますが、資本金五十万で十五名くらい、約三百坪の土地の中で鍛造業をやっておるわけです。毎日毎日がんがん、朝の八時から、残業するときは九時、十時ごろまでやっておる。このごろは近所からやかましくて、五時ごろまでで終わっておりますけれども、そのために近所はみな壁が落ちてしまう。この会社に対して、何とかして移転をしてもらいたい、あるいはまた、やめてもらいたい、こういうような近所から意見があって、言っておりますけれども、どうしようもないわけです。通産省のほうに、この件について取り締まり方をお願いしたわけでありますけれども、回答が来ますと、近くその付近が――近くといったって、都市計画によって道路が広くなる、あるいはその道路計画があって移転をするようになっておるから、そのときの費用でやるようになっておるのだ、この要請をしておるのだ、ということであれば、これはいつこの都市計画ができるかわからない。したがいまして、それまで付近の住民が待っておれない。こういう場合に、せっかく基本法ができて、中小企業者に対しては特別の助成措置を行なう、こういいましても、この工場に対し、この企業に対してどういう指導をし、またどういう助成をしてあげるようになるのか。この実施について、基本法は全部精神訓話でありますから、どういうように実施していくのか、これについてひとつ通産省のほうからお聞きしたいのですが、どうですか。
#111
○藤尾政府委員 私どもの中小企業対策には、いろいろな対策が入っておるわけでございますけれども、今回の中小企業対策予算あるいはその税制、その他をごらんになりましてもおわかりをいただけますように、もし中小企業振興事業団というようなところに、その工場が、こういうことでわれわれは移転をしたいんだ、同じような種類のものをひとつ集めて移りたいというようなことであれば、その金融、融資あるいは税制、その他を通じまして、そういった助成の措置をとることは十二分にできることになっております。しかしながら、仰せのとおり――私はこの具体的な措置は存じませんけれども、非常に騒音が出るのみならず振動が非常に出るというようなところで、いろいろ御近所で御迷惑になっておられまするにもかかわりませず、その工場の工場主自体が、全然それに対して何の措置もおとりになる意思がないというようなことになりますと、これは中小企業対策というたてまえでこれを押しつけるということは、いまのところはなかなかできにくいということでございます。もし可能なことで申し上げれば、当該通産局を通じまして、あなたのところにはこういういろいろな苦情が出ておるから、こういう措置があるから、ひとつこれをおとりになったらいかがでございますか、という御勧告ができるということでございまして、それをもしおとりにならぬということでございましたならば、ちょっと私どもといたしましても、中小企業対策の中での公害対策を見ておる、その見ておりますることとそのこととが関連をしてこない、こういうことになると思うのでございます。
#112
○赤路委員長 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#113
○赤路委員長 じゃ、速記を始めて。
#114
○岡本(富)委員 じゃ、協力をお願いするということですから、この次にいたします。
 その前に、さっさと聞いておきましょう。この問題は、あとで、こうした一つ一つの事例についてはどういうように強力にやるのかということは、ひとつまた教えていただきたい、また答弁いただきたいと思います。
 そこで、いま大阪府と兵庫県の間に神崎川という川がありまして、これは非常にくさくて、付近の住民は困っている。これはぼくは先に国会だったと思うのですが、経企庁の長官に対して、早く水質基準をきめるように、そして強力にやってもらいたい――宮澤さんのときだったと思うのですが、やります、こういうことになっておるのですが、この水質基準はもうきまりましたか、あるいはまた、いつごろきめるのですか、どうでしょう。これは経企庁、来ておりますか。
#115
○宮内説明員 お答えいたします。
 神崎川につきましては、非常に急激な都市化が進んでおりまして、上流の水源地帯から河口に至るまで、非常にきたなくなりつつあります。したがいまして、汚濁源に対する排水規制を実施する、それから、流域下水道の整備が必要であろうというふうに考えております。このような状況でございますので、経済企画庁としては、すでに神崎川につきましては水質調査を終わっております。それから審議会も終わっておりまして、早急に排水規制をかけるように、ただいま用意しております。
 以上でございます。
#116
○岡本(富)委員 それで、早急といっても大体いつごろということを、ひとつ簡単に答弁もらいたい。
#117
○宮内説明員 ただいまメチル水銀の規制等を……。
#118
○岡本(富)委員 いや、大体いつということを……。
#119
○宮内説明員 四月から五月にかけて終わるつもりでございます。
#120
○岡本(富)委員 それから、万博がもう近づいてまいるわけでありますが、これは建設省に聞くのですけれども、そうしますと、宝塚に相当外人が来る。それでいまし尿処理場をつくりつつあるわけでありますが、そうしたきたない水を武庫川に流してはならないというわけで、この武庫川に広域下水道をつくろうというようなことになっておるわけですが、この計画について簡単に、これは建設省の坂野さん、それから久保さん、二人に答弁をお願いします。
#121
○久保説明員 武庫川につきましては、先生御指摘のように、上流側に宝塚市がありそれからその下流に伊丹市、尼崎市、西宮市、こういう市がございます。これにつきましては、四十三年度に調査をいたしまして、国費で六百五十万、国土総合開発事業調査費から出していただきまして、調査をほぼ完了いたしております。したがいまして、昭和四十四年度から、武庫川の流域下水道の事業に着手をする予定でございます。
#122
○岡本(富)委員 完成期日。
#123
○久保説明員 完成につきましては、この調査の内容がまだ確定をいたしておりませんので、その調査の内容の確定を待って、いつ完成するかをこれからきめたいと思いますけれども、四十四年度に事業に着手することは、先般の予算の折衝で決定をしております。
#124
○岡本(富)委員 それでは最後に、その計画表をきちんと私のほうに出してください。これは建設省の久保さんにお願いしておきます。
 それから、坂野さんには、ちょっと戻りますけれども、神崎川の上流に淀川という川がある。この川の水を、ちょうど東京都の隅田川を荒川の水を引っぱってきれいにしたように、ああいうようにして、相当多量なきれいな水をあそこに流さぬと、あの神崎川はきれいにならない、私はしろうとでありますけれども、そのように考えておるのでありますけれども、そのような計画といいますか、あるいはまた、検討といいますか、それをしてもらいたいと思うのですが、どうでしょう。
#125
○坂野政府委員 御指摘のとおり、神崎川の上流のほうは淀川から水をとっておりまして、そこに一津屋樋門というのがございます。先生御承知だと思いますが、そこから、三十九年に、実はこの水門が非常に古くなっておるので、これを改造いたしまして、それ以来毎秒十トンずつ水をとっておりまして、その効果が四十年以降にかなりあらわれております。私どもといたしましては、水の補給も大事でございますけれども、やはり上流からの汚濁源の規制というものが大事でございます。両々相まって、神崎川の水質を確保したいということで、一方においては、上から水を入れると同時に、神崎川の汚泥をしゅんせついたしておりまして、ちょうど万博を控えておりますので、昭和四十四年度には四十一万立方メートルばかりひとつ川ざらいをしたいということで、その辺とあわせて考えていきたい。将来の方向としては、淀川の水が非常に豊富なときに――渇水のときにはなかなか水は引っぱれぬわけでありますが、淀川の水がかなり豊富なようなときに、十トン以上の水がとれるかどうか、その辺は今後検討事項として考えてまいりたい、というふうに考えております。
#126
○岡本(富)委員 そこで最後に一つだけ。特定有害物資に関するところの規制の法律、これはもたもたして、なかなか出ぬらしいのですが、これは水質二法、すなわち水質保全法あるいは工場排水法、これの改正のときにこれを織り込む、こういうように聞いておるのですが、この問題も相当やろうと思っておったのですが、これはいつ出しますか、経企庁。
#127
○宮内説明員 私のほうの法律改正では、そういうことは織り込もうと思っておりません。現在すでにメチル水銀のように、汚濁源が人体に非常に危険であるというふうなことが各省間で確認された暁に、工場を規制する、そういうことを実際にはやっておりますけれども、その有毒物質云々については、非常に人体に影響する問題でございますので、私のほうよりは、むしろ厚生省のほうからお話し願いたいと思います。
#128
○武藤説明員 いまの特定有害物の問題につきましては、私どもとしましては、水質関係の法律と非常に調整を要する問題でありますので、今後十分検討いたしたいと思っておりますが、その前提といたしまして、やはり調査をいたしまして、いろいろの基準その他を早く的確に把握する必要がある。その点について、いま全力をあげておる次第でございます。
#129
○岡本(富)委員 相当残りましたので、この問題も、次の委員会のときにもう少し詰めていきたい、こう思います。
 いずれにいたしましても、どんなに法律ができましても、それを実施する段階において、はっきりした責任体制あるいはまた実施できるような機構にもしていかなければならない。これをひとつ要求いたしまして、きょうはこれで終わります。
#130
○赤路委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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