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1947/11/24 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 予算委員会第二分科会 第4号
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1947/11/24 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 予算委員会第二分科会 第4号

#1
第001回国会 予算委員会第二分科会 第4号
  付託事件
○昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第七号)(内閣送付)
○昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第八号)(内閣送付)
○昭和二十二年度特別会計予算補正
 (特第三号)(内閣送付)
――――――――――――――――
○昭和二十二年十一月二十四日(月曜
日)
   午後二時五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第七号)
○昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第八号)
○昭和二十二年度特別会計予算補正
 (特第三号)
  ―――――――――――――
#2
○主査(木村禧八郎君) それでは前回に引続き第二分科会を開きます。他に御質疑はございませんですか。
#3
○小野光洋君 前回の分科会で御質問申上げて、その御答弁に聊か我々として納得のいかない点がありますから、もう一回その点について質したいと思います。それは初めに講習会費の追加予算十九万円の問題でありますが、これは実は昨日千葉縣の教育者の一部の集まりでございましたが参りまして、いろいろ六・三制の実情ついて伺いました。そのとき一番困るのは勿論建物、そうして建物を整備するために多額の寄附を徴収せられておる。農村でも最低が千円乃至千五百円、平均しますと五千円くらいの寄附金を徴收せられておる。これを文部省では今年中に是非やれというような指令を出しておるという話だが、今年中に全部新制中学を完成するなどということは、到底できない。そういうような指令が出ておるものでしようかということが先ず第一に質問がありました。
 それからもう一つは今の小学校及び新制中学の教員は、有資格の教員が非常に足りないものだから、そこで間に合せの先生が非常に多くて、殆ど何も知らないような先生が、宜い加減のこ
とを言つておる。しかも新教育につい
ての取扱方針というものが極めて不徹
底であつて、先生は教室で煙草を吸い
ながら勝手にやれということで、それ
が自由主義の教育であるという、これ
が実情である。かような教員に我々の
子弟を委せることができない何とか
この点について監督ができないものか
というようなことも言われました。
 それらの点について六・三制予算の
國庫負担が七億円に削られたというこ
とは甚だ遺憾でありますが、それと同時に講習会費が十九万円の追加予算で
できるかどうか。これはこの前にも質
問をいたしましたが、いろいろ事情があつて通常予算において計上した六百数十万円の予算がまだその儘残つでおる。これから始めるところだというようなお話でありましたが、これは文部
省が折角取つたところの予算を実行す
るところの実力を持たないということ
になつてしまう。こんな実力のない文部省にいくら予算を計上してみたと
ろが、実効が挙らんじやないかということになるのであります。最も必要を
痛感されておる教育の実質内容に、しかも應急措置としてやらなければならんことを痛感しておりながら、しかもそれができない。通常予算が余つておるから、現在その儘残つておるから、十九万円の追加予算で間に合うというような、そんな無責任な答弁を甚だ遺憾至極だと思います。この点についてもう一應立入つた説明を願いたい。納得ができるようにして貰いたいと思います。
 それから次に育英会補助金の問題でありますが、第一に育英会の昭和二十二年度の貸付金額は九千九百万円、一億に足らない金であります。これの貸付についての事務費が人件費その他を加えまして追加予算と通常予算を合計しますと千五百万円かあります。九千九百万円の貸付に千五百万円の事務費を要するということは何事であるか。そのくらい沢山金が要るというならば文部省予算の中におきましても、もつと必要費目が沢山あると思います。例えば文部省の施設局の予算というようなものは、この追加予算で百三十四七八千円になつております。教科書局の予算は十万円になつております。教科書の配給その他について、非常に澁滞を來しておるということはよくおわかりのことと思います。又施設局の仕事は、新制中学を建設するとか、その外につきまして極めて重大な仕事であり、連絡をよくし、特に安本その他と連絡を保ち、地方の資材と睨み合せてできるだけそれらのものを進展させるような手を打たなければならんと思うのであります。現在六・三予算がつかえておる最も大きな原因は、資材が整わないからだといわれております。その資材を整えるのが、文部省施設局の仕事であろうと思う。それがかよう少額な追加予算で、それで事足りるのかどうか、而も九千九百万円の貸付をするために、一千五百万円の多額の事務費を計上しておる。どう考えて見てもこの間に釣合のとれない、何としても育英会に対してのみさような多額な金を出すということは、納得の行かないものがあるのであります。尚その内容について、この前の分科会においての御説明では、五百二十数名の専任の事務員が必要だ。それを千八百円べースに直すという計算で、勢いそこに六百九十万円の追加予算が計上せられたのである、こういうようなことを仰しやつておられましたが、事実を調べて見ますると、それはそうではなくて、実在人員として五百数十名居るのじやない、地方の四百二十何名かという人達は、これは専任だけではなくて、兼任の人達も居るのだというようなことで、ただ定員が幾らになつておつたかという、初めの予定計画の人数に千八百円ベースを掛け合して、それで予算を立つておるというような杜撰な予算のように了解せざるを得ないのであります。人件費が、千二百円ベース、千六百円ベース、千八百円ベース、これは当然にインフレの助長と同時に進行して参るものでありますから、予算を取るのには、一番都合のいい口実であります。都合のいい口実ですから、大藏省をだまくらかすのに都合がいいから、人数をこれだけ居るのだというような計算をするということは、甚だこれは不謹愼な予算の立て方じやないかと思うのであります。かような点から考えて行きますると、私共文部予算に限らず、官廳予算というものは、大体そういうごまかしの基礎の上に立つておるのかというような誤解を生ずるのであります。恐らくそうではないかも知れませんが、この一つを以つ掘下げて見ますると、すべてのものがそういうような起算の下に予算が計上せられておるのではないか、やはり今澎湃として待遇改善ということが叫ばれており、人件費の土におんぶしてやれば予算が取りやすいからというようなことで、予算を立てられておるというようなことになると、予算全体に対して我々はもう一度仔細に檢討し直さなければならんということになるのであります。この点甚だ遺憾でありますから、十分納得の行くような御説明を願いたいと思います。それから又根本的に九千九百万円の貸付に対して、一千五百万円の事務費を必要とするという建前であります。かような考え方が大体官僚形式主義の行き方ではないか。
もつと効果のある方法が沢山あると思うのであります。我々は一面予算委員であると同時に、文教に関係のある点におきまして文教常任委員をいたしておる文教関係者といたしまして、特に文部予算を削ろうかとか、けちを付けようという考は毛頭ありません。できるならば文部予算は、國家予算の中における最も王座を占め、日本の文教再建に最も有効な方法をとつて頂きたいということを熱望して止まないのでありますが、文部当局自体が、かような熱望に應えるに、余り杜撰な予算を以てするならば、大藏当局ならずとも、文部予算について、もつと嚴重に檢討しろということに勢いなつてしまうのぢやないか。又こういう脆弱な予算ではなくして、本当に必要欠くべからざる予算をもつと確実な根拠の下に要求して頂いたならば、文部予算はもつと権威のある予算になり絶対文部省から提出された予算は削るところがなく、一点の非の打ちどころがないというような予算になつてこそ、我々としてあらゆる部面において文部予算の増額を叫ぶことができるのであります。遺憾ながらかような内容を含んでおるとするならば、私はその勇氣を失うのであります。この点について甚だ遺憾に存ずるのでありますから、文部当局から明快な御答弁を願つておきたいと思うのであります。
#4
○政府委員(永江一夫君) 私からお答を申上げます。お尋ねの第一点の、新制中学のことに関しまして、いろいろ予算の執行上、地方に多大の御迷惑を掛けておる点について御指摘がございました。文部省といたしましても、文部省が最低の予算として主張いたしました本年度追加予算の三十一億二千万円を以ちましても、これは十分なものではないと考えております。併し今日の國の経済状態から申しまして、これ以上は止むを得んものと存じて三十一億二千万円という最低線を引いたのであります。これは御承知のように明年の三月までに実施したいという方針でございますから、この三十一億二千万円の関係にありまする範囲内においては、本年の追加予算の執行し得る範囲で、一應來年の三月までにこの予算内のものは実施をして行きたい。それに関連していろいろ寄附金が募集されて、それらも一切加えて本年中にやらねばならんというような強い趣旨で地方に通達いたしておりません。なぜならその中間におきまして、この点に不徹底なところがあつたかとは存じますが、今申しましたように三十一億二千万円の数字に基きまして、それぞれ地方聽を通じて市町村に流れておりますから、その数字の範囲内においては、來年の三月までにこれを実施して頂きたい。こういう趣旨に外ならんのでありますから御了承願いたいと思います。
 それから第二の、いろいろ新らしい教育の方針に基いて教員の点について御指摘がございましたが、この通常予算で取りましたものが、全然手をつけてなくて、そうして更に少額なる追加予算をお願いしておるわけではございませんで、御承知の通りにすでに全國的に、再教育につきましては、実施をいたしました府縣もございますし、又実施中でもあり、今後実施せんとするものもありまして、すでにこの予算は全体といたしましては実施に入つておると御了承願いたいのであります。ただ三月までの見透しでは、不足分がありましたので、これをお願いをしたのでありますが、いろいろ数字的につきまして御不審がございましたけれども、午前中に大臣からも御答えを申上げたと思いますが、今までの予算を実施する能力がないのに、更にそれと同じような性質を帶びた新らしい名目で、僅かばかりの金を出したというお叱りでございますが、前段に申しましたように、すでに通常予算につきましては、実施中でございますから、この点も御了承を願いたいと思います。
 それから第三点の育英会につきましては、地方支部を設置いたしましたために、比較的に、人件費の点で九千九百万円に比例いたしまして多額を占めておるというのは、御指摘の点は御尤もだと存じますが、今お話の中にありましたように、何かの事業を文部省がやります場合に、その事業の目的である主体的なものに費用を使わずして、それの附帶的な事務費に多額なものを加えて行くということは、私どもも官僚的な行き方であると、かように存じております。併しさような傾向を全面的に一氣に改正するということは困難でありますし、特にインフレの影響を受けて人件費がいずれの面においても相当多額な面を占めつつありまする現状におきましては、或る程度は非常に残念でありますが、止むを得んと存じております。併しこの育英会につきましては、その育英会の性質から申しまして、今御指摘のような傾向はできるだけ文部省としては抑制いたしまして、御趣旨に副いたいと考えております。これも非常に御趣旨の点は御尤もだと思いますが、本年の追加予算におきまして私どもはお願いいたしました点は、何卒御承認を願いたいと、かように考えます。
#5
○小野光洋君 施設局や教科書局の追加予算は非常に軽少でありますが、益々必要の度を加えて行くのではないかと思うときにこういうのにもう少し重点的に力が注げないかということを一つお伺いいたしたいと思います。
#6
○政府委員(永江一夫君) その点私は答弁を落しまして誠に恐縮でありますが、お示しの通りに事実、予算が少いのでります。これはいろいろお叱りを受けましても、私どもが微力でありまして、十分今お示しの局に関しまする予算が、政府部内においての決定では十分でなかつたのでありまするが、こういう点については今後私ども格段の努力をいたしたいと思います。ただ私、大臣が止むを得ない事情のためにこの委員会に遅れて参りまして恐縮をいたしておる上に、私が大臣の代理として僣越なことを申上げるかも分りませんが、お許しを得まして、この分科会におきましても特に文部省に関しまして御了承を願つて置きたいと思いますことは、六・三制の予算にいたしましても、今お示の文部省の各局課の予算にいたしましても、私は先程お話のような官僚的な予算でなしに、実質的に教育の民主化を行うための予算を相当多額に今までの例を破りまして飛躍的に頂戴をすることが、日本の今後の行き方としてよろしいのではないかと、かように存じまして、先般六・三制の予算折衝ということに初めてぶつかりまして、日本の官僚制度と申しますか、そういうものの中において文教予算、文部省予算というものを飛躍的に取ることは非常に困難である。先程も文部省の数字が杜撰であつて、いけないではないかということも御尤もだと思いますが、そういうこととか、或いは大藏省に数字で以て折衝をいたしまするのに、仮りに文部省の数字というものが正確でございまして、そして強力にこれを主張いたしましても、甚だ文部省の政治力が弱いといわれれば止むを得ませんのでありますが、可なり多額な削減を受けるのであります。これは立法府においでになりまする委員の各位に甚だ私から出過ぎたお願いであるかも知れませんができれば今後一、二の例が外國にございますように、文教予算というものは國家予算の何パーセントを占むべしというようなことを御規定願わねば、到底今文部省予算が國家予算の中で占めておりまする額を一挙に数倍にするというようなことは日本の内閣の機構とか、いろいろ予算折衝の從來の傳統的な行き方という点から見まして困難があるのではないかと思いまして、そういう点についてはこういう席上を拜借して僣越なことを申上げるわけでありますが、そういう点からいろいろ技術的にも文部省の事務当局としまとても、又私どもとしましても、非常に足らない点についてはどしどし御叱正を願いますると同時に、何か大乗的な立場で文教予算が一躍國家予算の優位なところに置かれるためには、立法の方面において格別の御処置をお願いしたい。六・三制のごとき、あれほど議会始まつて以來の多数の圧力といいましようか、下から盛り上る要望があつたに拘わりませず、十分ではございませんでした。こういう点も何か法的な処置を講ぜられて、非常に発言力の弱い文教予算についていろいろなる御鞭撻を願えれば、私どもとしては將來の日本の文教予算というものに劃期的な一線が引かれるのではないかと、かように考えておるのであります。いろいろ只今ご注意のありました点は、十分に私たちは体しまして今後善処したいと思いますが、この際一言この点を申上げまして、お答えかたがたお願いに代える次第であります。
#7
○小野光洋君 政治的に國家予算の中において文教予算をパーセンテージで決めて行くということも、非常に重要な睨みでありますが、併しそれと同時に予算自体の内容にはつきりしたデーターを持たなければいかん。私どもいろいろ用件がありまして文部省に、中等学校或いは専門学校その他についての生徒数とか、或いは教室の状況とか、その他についての統計数字等を照会いたしましても、なかなか明確なものが出て参りません。そうしてそれらの頂いたものを実情と照し合せるというと、まるで数が合つておらない。相当に開きがあるというようなことが、沢山あるのであります。かような不確実な杜撰な数字で予算を要求するから、そこに大藏当局から突つ込まれるというとたちまちたじたじと後ずさりをせざるを得ないようなことになるのではないかと思います。六・三予算の請求につきましても、その年次計画がどうなつておるか。今この予算をどういうふうに按分しようとするのかというような具体的問題になると、どうも文部当局は、文政当局の從來の弊害をそのまま踏襲いたしまして、やるつもりだというようなことで、極めて抽象的な返答しかできない。そこで突つ込まれてたちまち、困るからというので、大急ぎで杜撰な統計を持つて行つて、これでどうだということでありますから、勢いなかなか太刀討できないということになるのであります。その問題がこの育英会の予算の中にも明確に現れておる。こんな予算では我々だつて承知できません。こんなものは半分でいいぢやないか。当然私どもはこれを削減するか、或いは二割、三割これを削つてしまえということは、当然の主張であります。併しながら文部予算でありますからさようなことは申上げません。どうかこれからの予算の立て方は、もつと確実なものにして貰いたい。文部省もそういう抽象論でなく、ただ單に政治的に解決すると申しましても、その政治の裏には確実な数字がなければ駄目であります。この点で文部当局はもつと明確な数的な計画を立てて、六・三制新制団の推進についても当られたならば、必ず実力のある予算、この予算はひけを取らない予算だということになるのではないかと思います。私ははからずもこの問題について、文部予算というものの杜撰さにあきれたのであります。かような予算は大藏当局でなくても、我々素人目にちよつと見てでもばかばかしいじやないかということになるのであります。かようなことのないように次年度の予算におきましては、もつと確実な立派な予算を出して、堂々一歩もひけないものにして頂きたいと思うのであります。
#8
○政府委員(永江一夫君) 段々お示しがございまして御尤もだと存じます。私どもも数字の点につきまして、統計調査というような方面から文部省においては十分今後お示しの点も留意しまして、將來さようなことのないようにいたしたいと思つております。そういうことで御諒解願いたいと思います。
#9
○服部教一君 丁度文部省のお方がおられますから、先に文部省のお方にお尋ねしまして、その次に厚生省のお方が來ておられたら……
#10
○主査(木村禧八郎君) 來ております。
#11
○服部教一君 引続き厚生省の方にお伺いしたいと思います。今回の予算は追加予算でありますから、申上げたいこともいろいろあるのですけれども、又次の本予算のときに譲ります。とともに本予算のときに対するやり方について一つ申上げておきたいのでありますが、その一つは大学の先生の俸給でありますが、これが優遇せんというと、人材が集まらないと思うのであります。安心して大学校授の位置に立つて研究のできるように十分優遇をしなければいけないと、こう思うのですが、その優遇の一つの方法といたしまして、私は生徒の授業料をその学ぶ先生の收入にする。全部にするか、半分にするか、一つその点をよく研究しておいて貰いたいのであります。これはドイツの大学において最もよく発達しておるのでありまして、私は多年そういうふうにやらなければならないというふうに感じておるのでありまして、どうしても大学の先生のような専門的な研究になるには、世界の学問の水準を高め、日本の大学が世界の大学に比較して最もよく研究され、世界の大学に模範を示すが如く学問を発達させるためには、どうしても教員の待遇をよくしなければならぬ。ところが一様に、これを同じように待遇するというようなことでなしに、生徒の授業料を、その学ぶ先生の収入にする。こういう建前にしたならば、大学の先生も余程励んでくると思うのです。それで、この点を一つ研究をしておいて貰いたい。これは私は文部大臣にももう一度よくお話申上げたいと思うておるのです。
 それから次にこの六・三制の今回の実施に当りまして、校舎の建築が最も急務ということになつておりますが、なかなか今の文部省の予算のとり方では、到底これは追つつきませんし、又日本といたしましても、外にやはり金の入用なことも沢山あるのでありますから、私は國有林、官林でありますが、この官林の材木を無償で学校の建築に出すという方針を決めてやられたならば、金銭の上の補助というものを少くしてこれができると思うのです。この点は私は総理大臣にも、文部大臣にも十分に言おうと思つておるのでありますが、一つ文部省において、これを研究して貰いたいのであります。これはアメリカあたりでは、國有地というものは沢山ありまして、その九分の一は学校の費用に充てるというので、学校の所有地として九分の一の坪を與えられておるというようなことがあるのでありまして、ただ金だけで出すというのでなしに、今回はこの國有林が各府縣にありますから、その方から建築用材を出す。こういうことで一つ御研究を進めて貰いたいと思うのであります。これは農林大臣にも話そうと思つておるのです。それだけのことを私は申上げて置きますが、これに対してどういうふうにお考えになつておりますか。御意見を承りたいのです。
#12
○政府委員(永江一夫君) 第一点の先生の待遇の点につきましては、お示しのように大学の教授といわず、小学校の教員といわず、今日の状態では待遇がいいというわけには行きませんので、文部省といたしましては、あらゆる方法を講じまして、この教職にある方々の待遇を具体的に考案をいたしておるのであります。ただその一つとして、授業料をいまお話では、大学のところを例としてお話でございましたが、授業料を取りまして、それが先生の俸給とバランスをして参るようになりますれば、相当多額に授業料が要るのではないかと思うのでありまして、只今のところ、文部省としては、授業料をこれ以上に上げて、そうして収支相償うという形で授業料を考えて行くということは、いまのところ考えておりません。ただ大学の先生につきましても、いろいろ俸給等は公務員法が規定いたしました線に副つて参りますから、このインフレの際に、非常に教職にあるお方を苦しい立場に置かねばならんと思いますが、できれば只今予算処置といたしましても、研究費というような名目で、他の官公吏にはない費目でありますが、教職員に取つては研究費というような費目をできるだけ多額に一つお願をして、その面で一應考えてみたい。こういうように今のところは文部省として考えております。
 それから第二に國有林の無償拂下げという点でございますが、非常に結構な御趣旨でありまして、私共は國有林といわず、今まで軍が使つておりました建物等も、学校についてはこれを無償拂下げをして頂きたいという考えで、屡々政府部内におきまもても、関係各省とこの点は折衝をしているのでありますが、何分この点については関係各省においては非常に難点がございまして、残念ながら、まだ國有林の無償拂下げとか、或いは軍の建物の無償拂下げというようなことは実現をしておりません。併しこういう点については、できるだけ優先的に安くして貰うということで、只今は折衝をいたしております。將來皆さんの御支援によりまして、只今御趣旨のような点が実現して來ることを私共は願つておりまして、一應、この際現在の文部省として考えておりますことを申上げて御答弁に代える次第であります。
#13
○服部教一君 ちよつと初めの大学の先生のことについて、私の言いようが十分足らなかつたと見えて、まだ十分お分りになつておらんように思いますからちよつと申上げますが、この大学の生徒の授業料を先生の収入にするということは、俸給を止めてという訳じやなくて、俸給をやつておる以外にそれをやるのであります。そうすると先生の励みもできるし、百人の生徒を教えているよりも、二百人の生徒を教えている者は二倍の収入があるのであります。併し学科の性質上沢山の生徒を得られないような学科、哲学科のようなものにおいては、これは又特別に給料を出してやらなければいかんのでありまして、その細かいことについては、これは、もう多年経験のあるドイツあたりではもう百年も前からやつておるのでありますが、いろいろ内容のやり方についての方法は、細かいことがあるので、私の知つておる範囲において申上げていいのですけれども、今日はそういうことをよしておきまして、大体論として申上げるのであります。これは單り収入を増やすというだけでなしに、先生の励みができるのだ。もう一つは、日本の大学制度の根本的の改革で聽講自由の制度をとつて、そうして日本全國の大学を一つにしてしまつて、どこの大学にでも轉校のできるようにしてやるという大きな一つ大学制度の改革に伴うことでありまして、今の授業料のことだけはその中の一部分であるのであります。そういう意味で申上げたのであります。
 それから、次に今お話になりました官有の建物などを安く拂い下げるというようなことは、これは最もいいことでありまして、無償でもいいと思いますけれども、無償がいけなければ安いも安く、極く安く、私は地方官をしておつた時分にその経驗があるのであります。一万円もした家を二百円で下げてやつた例があるのであります。それはできんことはないのであります。大臣がやる肚でやつたらできることでありますから、そういうことをやつて頂けば誠に結構だと思うのです。官有林のことは、これは一つよく御研究を願いたいのであります。
#14
○政府委員(永江一夫君) いろいろお話のございました点につきまして、十分文部省としては考慮いたしまして、そうして御趣旨のようなことを行いまして弊害がございませんようでしたら、授業料の点についても大学については考えて見たい。尚一應我々としてはいろいろな角度から御趣旨のような点は考慮して見たいと思います。
#15
○服部教一君 それからもう一つこの前から度々お話に出ておりまする奬学金、貧乏な学生に対する補助金の問題でありますが、あの事務費ですが、どうしてそういう事務費を初めから作るようになつたかと思つてちよつと私も不思議に思うくらいでありますが、これは今俄かに言つて……俄かにというわけに行きませんかも知れませんが、今度の通常予算の時は組織をすつかり変えて貰いたい。そうして成るべく貧乏な学生を多く補助できるように一つ組織を変えて頂きたいと思います。そうしてそれをもう半分でもなく、四分の一か五分の一か極く僅かにしてできると思うのです。どうぞお願いをしておきます。
#16
○河野正夫君 どうですか。質疑を打切りまして如何かと思うのですが……
#17
○主査(木村禧八郎君) それでは質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○主査(木村禧八郎君) 御異議ないものと認め、討論に入りたいと思います。
#19
○服部教一君 文部省だけですか。
#20
○主査(木村禧八郎君) 本分科会に付託された議案全部を一括して議題に供します。
#21
○小野光洋君 この予算全体に関係のある問題でございますが、一言私は意見を述べさせて頂きたいと思うのでありますが、それはこの予算の收入の大部分は租税によつているのであります。今我々はここで主として歳出予算について論じているのでありますが、この歳出も収入が確定して初めて可能なものであります。その意味で財政及び金融常任委員会において増税案が現在審議されつつあるのでありますが、その成否は現在不明であります。從いまして歳出をここで審議いたしましても果して実行ができるかどうかまだ今のところ分らないのであります。尚又この予算案全体の中に相当反対のある法律案を内容としたところの予算も含まれております。これは反対がなく、問題なく通る法律案を基礎としておるだけでありましたならば、今我々がこの予算を審議いたしましても、これは確定されることは差支ないのでありますが、相当反対があると予想せられる事項も含まれておりますが、それらの点については十分私共といたしましては留保をいたしまして、その他の差支ない部分だけについて、差支ない意味におきましてこの問題を取扱いたいと思うのであります。それだけ主査におきましてもお含みおきを願いたい。実は予算委員会においてはかるべきことでありますが、委員長から特に予算全体会議において突如としてその問題を出されると困るから、分科会においても予めその点について釘をさしておいて貰いたいという注意がありましたので、それでこの第二分科会において左様なことを申げるわけであります。今この分科会において審議すべき問題でないのでありますが、左様な経緯から申上げるということを御承知おきを願います。
#22
○主査(木村禧八郎君) 承知いたしました。
#23
○河野正夫君 この付託せられた予算案全体についての賛否の討論の段階に入つているのであります。私はこの予算案全体についてのいろいろな、例えば編成方針とか歳入の面とかいろいろの面についての論議は後日に譲りまして、この付託せられたことについで言いますと、私といたしましては止むを得ない臨時の処置として、賛成をするものであります。但しいろいろと先日來輪議を重ね、審議を重ねて参りましたのですが、文教予算については、極めてて過少なる点を遺憾とするものであります。時に新学制実施のための予算額というものが、僅少に失しておると認められるので、この点について次のような附帯決議を提案したい。その附帯決議の下に賛成したい。こう思うのであります。即ち「新学制実施のための追加予算額は、過少なるものと認められる。当局においては本年度内において、十分の措置を講ぜられたい。」もう一遍申上げます。「新学制実施のための追加予算額は、過少なるものと認められる。当局においては、本年度内に十分の措置を講ぜられたい。」こういう附帶決議を以て養成をしたい。こう思うのであります。
#24
○服部教一君 厚生省のことも言うていいのですね。
#25
○主査(木村禧八郎君) 討論のことならば結構です。
#26
○服部教一君 私はこの厚生省の予算においても、訂正したい点があるのです。あるのですけれども、先ず大体これを認めておきまして、私の希望する点、一つ大切なことを申上げたいのでありますが、御承知の通り國民は食物が足らんで非常に困つておるのであります。そこで二合五勺の平均に達するように、あらゆる努力を政府においてもやられておるのであります。併しカロリーの問題から言えばそうでありますけれども、栄養失調というものは、専門醫学者の研究によれば、カロリー以外にビタミンの失調ということが随分多いということも聞いております。それで厚生省においては、栄養研究所もあるのでありますから、もつと食物の質についての研究、食物の種類についての栄養分の研究というものを十分にやつて頂きまして、そうしてただ研究するだけでなしに、これを日本全体の國民に対してその知識を普及するようにしたいのであります。日本の國民は、一家の主婦を初め、栄養に関する知識が非常に乏しいのであります。アメリカあたりの家庭を……(河野正夫君、議事進行について発言の許可を求む)
#27
○主査(木村禧八郎君) 河野委員。
#28
○河野正夫君 今討論の時期でありますから、この予算の可否についての論議に限つて頂きたいと思うのであります。
#29
○主査(木村禧八郎君) 承知いたしましました。服部委員にお諮りいたします……
#30
○服部教一君 よく分つております。それで非常に知識が足らん。その知識を普及する上においての予算というものは、甚だとしいのであります。その点は予算をもつと増したい。削る所は削つて、増す所は増したい。そうして予算の中にそれを加えて頂きたいのであります。けれどもこういう短時日に迫つておりますから、そういう点は留保いたしておきまして、この次の通常予算に出る予算の内容において、この間も申しました所の栄養研究所には玄米食の研究の部を設けて、それに幾人かの専門家を入れて、そうして十分にこれを科学的に研究すると共に、又その研究された所のものを一般に國民に普及するように、講演会を開くとか、或いは印刷物を作るとかというようにして、國民の食物に関する栄養の知識を殖やす方面に金を増して、そうして食物の少い時に國民が栄養失調にかかつて病気になつたり、発育を阻害したりすることのないようにして貰いたいと思うのであります。そういうことの希望を述べまして、そうして私はこの予算に賛成して置きます。
#31
○主査(木村禧八郎君) 外に御発言もないようでありますから、討論は終結と認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○主査(木村禧八郎君) 御異議ないものと認めます。直ちに採決に移ります。昭和二十二年度一般会計予算補第七号、昭和二十二年度一般会計予算補正第八号、昭和二十二年度特別会計予算補正特第三号中、外務省所管文部省所管、厚生省所管、及び労働省所管の部を一括して原案通り可決することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○主査(木村禧八郎君) 御異議ないと認めます。よつて本案は全部原案通り可決と決定しました。本日はこれを以て散会いたします。
   午後二時五十七分散会
 出席者は左の通り。
   主査      木村禧八郎君
   副主査
           伊東 隆治君
   委員
           カニエ邦彦君
           小野 光洋君
           河野 正夫君
           服部 教一君
           藤田 芳雄君
           左藤 義詮君
  政府委員
   復員事務官
   (第一復員局経
   理部長)    遠藤 武勝君
   文部政務次官  永江 一夫君
   厚生事務官
   (厚生大臣官房
   会計課長)   小島 徳雄君
ソース: 国立国会図書館
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