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#1
第061回国会 科学技術振興対策特別委員会宇宙開発の基本問題に関する小委員会 第2号
昭和四十四年五月七日(水曜日)
    午後二時三十八分開議
 出席小委員
   小委員長代理 福井  勇君
      木野 晴夫君    齋藤 憲三君
      田川 誠一君    石川 次夫君
      三木 喜夫君    吉田 之久君
      石田幸四郎君    近江巳記夫君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      木内 四郎君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       平泉  渉君
        科学技術庁長官
        官房長     馬場 一也君
        科学技術庁研究
        調整局長    石川 晃夫君
 小委員外の出席者
        宇宙開発委員会
        委員      山縣 昌夫君
    ―――――――――――――
五月七日
 小委員近江巳記夫君同月六日委員辞任につき、
 その補欠として近江巳記夫君が委員長の指名で
 小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 宇宙開発の基本問題に関する件
     ――――◇―――――
#2
○福井小委員長代理 これより宇宙開発の基本問題に関する小委員会を開会いたします。
 本日は小委員長所用のためお見えになりませんので、小委員長の指名により私が小委員長の職務を行ないます。宇宙開発の基本問題に関する件について調査を進めます。資疑の申し出がありますので、これを許します。三木喜夫君。
#3
○三木(喜)小委員 きょうちょうど山縣先生においでいただいておりますので、わが国の宇宙開発計画についてお伺いいたしたいと思うわけであります。
 と申しますのは、昨日まで委員会でいろいろ検討をいたしました事業団法、きょうは連合審査をやったわけです。そういたしますと、私たちの感触といたしまして強く感じますことは、要するに、事業団法をつくることによって宇宙開発ということの仕事を、一つには機器の開発をやり、研究をやり、一つにはそれを打ち上げる事業を、東大がやるのでなくて、こうした事業団をつくってそこでやる、仕事を二つに分けてやるべきだという、いままで主張を持っておったわけです。そして、いよいよ事業団法が目鼻がついてきた今日になってみましてつくづく感じますことは、とにかく事業団をつくるその形というものが主体になってまいりまして、そして、研究との関係をどうするかということが非常にあいまいに私自身はなってまいりました。したがいまして、過去の宇宙開発計画を立てられ、そして、すでに昭和三十七年の五月十一日に諮問第一号に対する答申をなさっております。これを踏まえまして、現状わが国の宇宙開発計画とそうした研究体制の関連をどのようにお考えになっておるか、これをひとつ宇宙開発委員の立場で御解明をいただきたい。
 それから、審議会の委員として一号答申から四号答申までなさっておりますので、私もいろいろ読んでみまして、世界の情勢から、わが国の宇宙開発の体制から、そして、将来あるべき姿を御答申になっておるわけであります。しかしながら、すでにこの答申をなさったときと現在時点とではかなり情勢が違ってきておると思います。たとえば、四十三年に科学衛星を打ち上げるという計画を持たれたのを変更せざるを得なくなった。それが四十六年になり、そして、事業団として一番力を入れなければならぬと考えますところの静止衛星については四十八年、こういうことになっておるわけでありまして、その間にはたしてそれができるのだろうかどうか、きょうの質問なり、この間うちからの質問をいろいろ検討してみましても、私はその危惧の念が非常に強いのであります。そして、そのことは、研究開発の体制と密接不可分の関係にあると思うので、その点についてよくお伺いをしておきたいと思うわけであります。
 第三点は、きょうも同僚委員の方とも話をしたわけですけれども、事業団法というものがこのままいくならば、単なる打ち上げ屋、花火屋のようなかっこうになってしまわないのかしらんということを思いますので、きのうこういうことを私は政府の諸君に御提示申し上げた。
 それは、この中にも書いてありますように、ELDOとESROの関係であります。これは単なる欧州の開発あるいは研究に対するところの連合体というような形でありますけれども、この中に、やはりESROのほうは宇宙に対するところの研究をやろう、こういう姿が如実に出ております。事の成功、不成功は、各国が寄っておるのですから、そこにおのずからそういう協力体制ができなかったり、各国々で思いが違いますから成功しない場合もあると思います。しかしながら、これを忘れては、やはり将来の宇宙空間の利用をやったりあるいは機器の開発をやる中から、ふくいくとした学問研究というにおいが消えていくのじゃないかと思うのです。そういう体制を、この際事業団法というものと別個にか、あるいは同時にか、考える必要があるのじゃないかしらん、この三つの疑問をいま持っておりますので、この小委員会で宇宙開発委員の御見解をひとつお伺いしたいと思うわけであります。
#4
○山縣説明員 ただいまの三木先生の御質問、第一の、宇宙開発審議会の一号答申以来どうなっておるかということでありますが、御承知のように、第一号諮問に対する答申の基本的考え方といたしまして、大体において原子力基本法と同じような、ちょっとニュアンスは違っておりますけれども、平和利用並びに三原則、ただし三原則のうち「民主」ということばが抜けておると思います。それから、表現はいろいろ違っておりまして、原子力基本法に書かれておりますことと比べて、あるところは緩和されており、あるところは強く書いております。たとえば成果の公開というようなことは、一号答申におきましては成果という字がございませんで「公開」となっております。それから「尊重する」というように、あるいは「原則とする」というようなことばを使ってやわらかく書いてございますが、原則といたしまして原子力基本法と同じ考え方でございます。したがいまして、審議会、さらに委員会に移ってまいりまして、この原則につきましては、われわれはいつも念頭に置きまして、その線に沿うていままでいろいろやってきておるわけであります。
 それから、いろいろその後情勢が変わりましたので、開発の見通しのお尋ねがございました。それで、四十三年に科学衛星を上げるということをいっておりましたが、御承知のように、これは成功いたしませんで、現在のところ、四十四年に第一号の科学衛星を打ち上げるという努力を東京大学でやっておられるわけであります。私ども、四十三年度末までにこの第一号の科学衛星ができることを期待いたしておりますが、いずれにいたしましても、その前段におきましていろいろの予備実験がございまして、その予備実験が成功いたしますれば第一号衛星は打ち上がると思いますが、予備実験で成功いたしませんと、あるいは四十四年度に第一号衛星が打ち上がるということは困難ではないかと思います。
 これは根本的の問題でございますが、東京大学のああいうやり方そのものを私は必ずしも否定するものでないので、学者として、ああいうやり方、すなわち比較的経費のかからない方法で、場合によりましたらば、時間がかかってもやむを得ない、こういう立場をとっておられまして、あれはあれなりで私はいいのだと思います。私どもといたしましては、四十四年に第一号科学衛星が打ち上がることを期待しております。
 それから、静止衛星の四十八年の問題でありますが、これも、私どもといたしましては、事業団をおつくり願いますれば、これはまた予算あるいは種子島の打ち上げといったものにもからんでまいりますけれども、四十八年度内に静止衛星を上げるということが成功し得るだろうと思っております。
 いずれにいたしましても、これらの事情につきましては、現在開発計画を策定中でございまして、一昨年の審議会の答申に比べまして今回の開発計画は、四十四年度の事業団予算のいろいろのいきさつもございまして、従来、衛星につきましては各官庁が別々におやりになる、開発をされるということであったわけでございますが、まず、郵政関係が事業団で衛星の開発をやるということになりました。おそらく他の官庁も同じように今後やっていかれると思います。
 ただ問題は、科学衛星の開発を従来どおり東京大学でやるかどうか。これも事業団に移しまして事業団で開発するか、これは相当な問題だと思います。現在この問題につきましてはいろいろ検討いたしまして、各方面の御意見も承っております最中でございまして、近日中に何とかこれをきめたいと思っております。
 それから第三の、いわば国際協力の問題でございますが、御承知のように、地理的条件もございまして、原子力も同様でございますが、ヨーロッパではいろいろな面において連合体をつくりまして、国際協力をきわめて緊密にやっておられる。ところが、日本の地理的条件から、そういった連合体に日本が参加するということは従来ほとんど行なわれておらない。宇宙開発につきましても、いままでは確かにそういうことでございました。いま三木先生の御注意もございまして、現在宇宙開発の計画を立てておりますので、その際、先ほどのお話のような方向を十分検討して今後の計画を固めたい、こう思っております。
 以上でございます。
#5
○三木(喜)小委員 先生、東大の問題につきましては、私もそういう考え方を持っておるわけです。というのは、従来から東大は学問の府としての、やはり研究を主体にしたところの開発――開発ということばが間違うておるかもしれませんけれども、開発程度まで。打ち上げるというような仕事は、これは事業だ。したがって、事業を東大がやる必要はない。それまでやるから会計、経理というものが非常に膨張してまいって、その中に非常に不明朗なものが出てくるんだということを私は指摘しておりましたので、ただいまの先生のおっしゃるとおり、時間がかかってもいい。学問、研究に専念してくれる、そういう息の長いやり方をやってもらいたいと私は思うわけです。したがいまして、いま先生のおっしゃったことと私の考えておることは一緒なんです。しかし、現に科学衛星までやるという、事業につながるところの目的的研究が行なわれておるわけであります。大きな研究でなくて、深い研究でなくて、目的的研究が行なわれておる。その関連をどうするかということになりますと、いま先生がおっしゃいましたように、今後移行がなかなかむずかしいだろうと思います。そこで、一応いま妥協の点を見つけて、ミユーまで東大がやって、そして、科学衛星を打ち上げて、そこで宇宙の科学的研究をやる、こういうことのようであります。
 しかし郵政省からの通信衛星に対するところの開発は、いまのお話では、事業団の中で郵政省がやる。郵政省から出向いてやるのか、あるいはまた郵政省は郵政省でやって、事業団と連絡をとりながらやるのか、その辺がわかりませんでしたけれども、そういう形でやるんだ。こういうようにいまお話しになったと思うのですが、その通りでありますか。
#6
○山縣説明員 先生も御承知のように、東京大学ではミユーまでやる。そこで問題は、ミユーの開発、これは東大でやる。それ以上のものは全部事業団でやる、こういうことでございまして、これは将来は種子島と内之浦、これを同じところでやる、事業団でコントロールするということがわれわれの希望でございます。それに対しまして、東京大学は、事業団の技術がだんだん向上してまいりまして、十分信頼性があれば事業団にまかせる、事業団でやってもらう、こういうことをいっております。
 問題は、いつも申し上げることでございますけれども、宇宙開発の一元化と一体化、一体化が一番望ましいのでございますけれども、従来のいきさつもございますので、すぐ一元化即一体化というふうに持っていくことは非常に困難な事情にございまして、まず、委員会というかさの下でもって、委員会のいろいろなコントロールを受けながら、内之浦は東京大学に属しておりまして、そこでミユーの関係の科学衛星を打ち上げる。こういうふうに現状から判断いたしますと、そういうことである期間は行きまして、そこで事業団の技術的能力が十分信頼ができるという場合に一体化ができるのだろうと思います。
 それから、郵政の関係でございますが、これは、たてまえといたしましては、通信衛星の開発そのものは事業団でやります。ただ、いまお話がございましたように、人が移るというようなことは当然あるかとも思いますけれども、責任はあくまで事業団というものの責任において衛星の開発をやる、こういう方向で進んでおります。
#7
○三木(喜)小委員 したがいまして、航行衛星とか測地、そうした衛星、気象衛星とかいうようなものも各省庁に予算はつくものの、今後は事業団でやるという形になるんでしょうね。
#8
○山縣説明員 航行衛星その他いろいろな衛星が今後出てまいると思いますが、これは、研究の段階におきましては、おそらく各省でおやりになると思います。いよいよ開発の段階になりまして、それをどういう衛星にするか、あるいはどういう機器を載せるかという開発の段階になりますと当然――当然とは必ずしも言えませんが、おそらくそのときに科学技術庁と各省とのお話し合いがあると思いますが、郵政の前例がございますから、私といたしましては、文部省以外は、開発の段階になりますれば事業団で最初からやる、こう信じております。ただ、文部省に関しましては、いま申し上げましたように、検討中でございます。もうしばらく時間をかしていただきたい、こういうわけでございます。
#9
○三木(喜)小委員 別にこのことをあげつらってどうこう言うわけじゃないのですけれども、結局長いこと一元化の体制ということをやかましく言ってきましたし、さらに、宇宙開発については、それが一つのガンになっておったわけであります。今回、委員会法も通り、それから事業団法もいま通ろうとしておる段階になりまして、そういう点が解消されねばならぬと思いますが、しかし、文部省の移行の形態と、郵政省の移行の形態と、また将来運輸省ないしは気象庁あたりの移行の形態とがばらばらになれば、これは困ると思います。いま山縣委員も、その点は非常に自信のなさそうな言い方で、将来のことでもありますから、そう明確には言えないでしょうけれども、そういう感じがいたしましたので、これはぜひ一つの形をはっきりして、どの段階までと――まあ石川局長のお話では、プロトタイプの段階から移すということですから、その点はやはり明確にして移していっていただく、こういうことになりますと、委員会というものの一つの権威もできてまいりますし、強いボード的な性格を持ってくれということを願うものではありませんけれども、近代の先端の科学と取り組んでいただく限りにおいては、やはりはっきりした指導性を発揮してもらいたい、こういうことを思いますから、いまお伺いしたわけであります。
 先がたのELDOあるいはESROの考え方は、これは一つの考え方でありまして、国際協力をしなさいと私は言っておるわけじゃございません。これをひとつ国内的に考えてみますと、宇宙航空研究所ですか、これは東大ですね。それから、航空宇宙技術研究所ですか、航技研、これは科学技術庁の傘下にあるんだと思うのです。それらの研究するところの分野、交通整理というものを考えてみましたときに、いま申し上げましたように、事業団において、打ち上げの事業だけでなくて、そうした宇宙の研究の部面も航技研にそれをやってもらう、あるいは東大がやるのは、これは当然学問の域ですからやると思うのですが、国としてそういうものを一つ航技研にまとめたところをつくるか、あるいは事業団の中にそういうものをつくるか、こういうことをいま申し上げておるわけなんです。ヨーロッパのこうした研究の共同体のようなものをつくれということのみを言っておるわけじゃないのです。そういう点は、どういうぐあいにお考えになるか、こういうぐあいに申し上げておるのです。
#10
○山縣説明員 事業団の中に研究施設を持つかどうか。したがって、現在の研究機関を、科学技術庁の航空宇宙技術研究所、これを吸収するかどうかということでございますが、確かに私どももそういうことは考えました。考えましたが、いまのところは、むしろそういった研究所、さらにほかでもいろいろ宇宙開発に関連する研究をやっておられますが、そういったところの研究は、いままでどおりにやっていただきまして、むしろ、その皆さんのやるいろいろなところの研究施設、研究をやるための共同施設、そういったものは当然事業団で設備いたしまして、いわゆる共同利用と申しますか、そういった性格のものにしていきたい、こういう方向に進んでおります。
 それから、先ほどちょっと先生誤解があったかとも思いますが、今度の事業団で、衛星につきましてはさしあたり郵政、すなわち通信衛星、この開発は事業団でやる。今後出てまいりますいろいろな衛星につきましては、これは制度的にはまだきまっておりませんけれども、文部省を除きまして各官庁との話し合いは、いわゆる開発の段階になりましたらすべて事業団でやるという話し合いはついております。そういう現状でございます。
#11
○三木(喜)小委員 四号答申になると思うのですが、「宇宙開発体制の大綱」のところに(1)「国として統一ある構想のもとに、人工衛星の打ち上げおよび利用による宇宙開発に関し、基本的な計画を審議決定し、その実現を期するとともに、計画の進行途上における評価および調整を行ない、それが国の最高方針として充分に尊重されるような委員会を設けることが必要である。」御自身の委員会をこういうように規定されておるわけであります。
 きょう、やはり話に出ておったことは、いろいろな評価ですね。これが問題になった。石川局長は、この評価については、大綱的には委員会が評価していく。しかしながら、個々については各省庁でやっていく、こういうようなお話があった。全体的な評価というものは委員会で私は当然やらるべきものではないかと思います。各段階においてどの程度までいっておるか、あるいは何が一体隘路になっておるか、こういうことについては十分に検討する必要がある。そのときそのときに必要じゃないかと思うわけであります。こういう意味合いにおいて、最初の御質問を申し上げたわけであります。
 それから「宇宙開発ハンドブック」の三十七ページのしまいから六行目のところに「関係機関の要請に充分こたえうる高い技術的信頼性を備えた機関として育成すべきである。」このように書いておられますが、このことが、いまのお話を聞くと、各省庁の共同利用機関になる、これについては事業団が信頼する技術を持っていなければならない、こういうように受け取れるのですが、その点についてはどうですか。
#12
○山縣説明員 前段の評価の問題でございますが、私、この宇宙開発だけでなしに、一般に、日本のいろいろな科学技術の研究について評価という点が非常にルーズと申しますか、極端に申しますと、何もされていないという大きな欠点があると思います。
 そこで、少し余談になりますけれども、私、実は造船の科学技術に関係がございますが、やはり同じように考えまして、今度はこの四月から評価機関というものを別途につくりました。そこで、いま御承知のように、造船科学技術というものは国内において相当発展しておりますが、それをその評価機関で、それは評価機関でありながら調整機関であるわけですが、まず調整をやりまして、調整をやったその計画に基づきまして各機関がいろいろな研究をする。その成果を、また、いま申し上げた四月からスタートいたします機関が評価するということをきめまして、そういう組織をつくりました。
 宇宙開発につきましても同じようで、非常にむずかしい問題でございますが、当然評価ということをやらなければならぬ。宇宙開発委員会におきましてどこまで評価ができますか、現状のような、われわれ非常勤の者が四人集まりまして、さてどこまでできますか、これは実際問題としては相当問題があると思いますけれども、評価をやろうという心がまえではおります。企画、調整、評価という問題は、口で申しますと簡単でございますけれども、実際、ことに評価はむずかしいと思いますけれども、やれるだけはやらなければ、次の予算が本来なら立てられないということだと思います。
 そこで私どもはいま開発計画をつくっておりますが、この開発計画を毎年改定していきたいと思っております。つまり、評価も踏まえて毎年改定していきたい。たとえば五カ年計画をつくるといたしますれば、その五カ年間がころがし五カ年計画、ですから来年は四十五年から四十九年になりますか、こういうことをやっていきたい。これは評価と同時に、また予算の関係もございまして、それから、実際やってみてこうしたほうがいいというような計画の変更もおそらく出てくると思います。そういうようなことで私どもの開発計画は立てていきたいと思います。
 それから、「高い技術的信頼性を備えた機関として育成すべきである。」ということでございますが、この問題は、先ほどの問題にも関連がございますが、現状におきましては、郵政はもうすでにきまった。そのほかの各省庁もおそらく、いろいろな衛星の開発はここが技術的な最高水準の知識を持って、すべてここでやろうとしております。ただし、東京大学につきましては、先ほどお話がございましたように、現在のところペンディングになっているというのが実情でございます。
#13
○三木(喜)小委員 ちょっとスリーピングタイムがやってまいりまして、長官も御退屈だろうと思いますので、長官に一つお伺いをしたいと思います。
 いま山縣委員もはしなくも言われましたように、私たちも非常にけげんな気を持っておるのは、委員会に対するところの常勤、非常勤の強化をやる約束が国会となされておるわけです。それをやりますからということで、いまの委員会のメンバーでは足りませんので、ふやすという約束がされておるわけです。ことしはなぜできなかったか、将来これが増強できるのかどうかということですね。これを一つお伺いしておかぬと、いまの山縣先生のような、やりたいのだけれども非常勤のわれわれでできるだろうか、こういうお答えになって返ってくるわけです。そのことは即、私たちが非常に心配しております、事業団をつくっても単なる事業団になってしまって、きょうは自民党のほうからもそういう質問が出ておりました。高級官僚の天下りか天上がりかわかりませんけれども、そういう場所になるのじゃないかというようなことを率直に言われておりましたが、そうまで極端にいわなくとも、ただ打ち上げ屋だけに終わってしまって、ここに書いてある、信頼性の高い機関に育成されないのじゃないかという心配を持ちますので、大臣、せっかく時間をやりくりして御出席いただいたのですから、その点をひとつ明らかにしてもらいたい。
#14
○木内国務大臣 宇宙開発の委員会には山縣先生はじめ非常なお骨折りを願っておりまして、また、今後におきましても、いろいろこれからお願いしなくちゃならぬと思っております。したがいまして、できるだけこれを強化していかなくちゃならぬ、常勤制にしたりして大いに強化していかなくちゃならぬと思っておりまするし、また、昨年この宇宙開発委員会をお認め願う際の附帯決議としてお出し願っておることもよく承知しておるわけであります。
 そこで、ことし、すなわち四十四年度の予算の編成にあたりましては、そういうつもりで当局においてもやったわけでありますけれども、去年は宇宙開発委員会を認めていただいて、この企画調整の機関ができまして、この宇宙開発委員会のかさのもとにおきましていろいろなことを御計画願って、御指導願って今日までやってきた。さらに、これの強化をはかったり、あるいは開発局をつくったり、いろいろやりたいと思ったのですけれども、何しろ、一方におきましては、行政簡素化の要請も非常に強かったものですから、そこで、ことしはまず開発の実施機関としてこの事業団の設立をお認め願うよりほかしかたがなくなったわけです。これは非常に残念ですけれども、私もはなはだ微力で、そこまでしかいかなかったわけです。
 そこで、そういうわけで、なるべく一元化の方向に今後行き得るような体制に諸般の準備は整えてあるわけです。まず、ことしは郵政省のものが入ってきました。今後におきましては、さっき山縣先生からもお話がありましたいろいろな問題、これは各省間の申し合わせによりまして、研究はおのおのその目的、目的に従ってやるが、開発段階になったらこれを一元化するという申し合わせができておるわけで、着々そういう方面にいくことになったのですが、遺憾ながら、いまの常勤制の問題あるいは開発局の問題は、ことしは実現することができませんでした。これは微力で申しわけないのですけれども、しかし、今後におきましては、ますますいろいろなことをお願いしなければならぬ状態にもありますので、今後はできるだけその実現に力を尽くしたい、かように思っております。
#15
○三木(喜)小委員 意欲はわかるのですけれども、やはり大臣答弁とかいうので、非科学的な答弁をいただいたのですが、来年は私の責任においてやりますというくらいの意欲を持ってもらわなかったら、また一年延び、二年延びしてしまうわけです。
 それから、もう一つ私の思うことは、これは歴代の科学技術庁の長官に私は同じようなことを言ってきておるわけであります。というのは、科学技術庁というのは新しい省庁であります。したがって、人員の確保にいたしましても、非常に若いだけに必要度が高いわけなんです。それと、これだけ科学の進展する今日、技術革新の激しい今日、科学技術庁のあり方というものに大臣がほんとうにほぞを固めてやっていただかなかったら、これはとても他の省庁と同じようなわけにはいかぬ。たとえば、一省一局の削減というと、新興の新しい省庁においては、そんな削減する余地なんか全然ない。古いところでは、枯れた枝もあれば、枯れた根もある。あってもなくてもいいようなところは確かにあると思うのです。それは切り捨てるほうがよっぽど木のスタイルもいいし、木の生長にもいいしというようになってくると思うのですね。これは古くなるとそういうものが必ず出てくるわけです。したがって、そういうところは、一省において一局削減というようなことは、これは可能なんです。二局でも三局でも可能かもしれません。なわ張り争いの多いこのごろの官僚機構の中では、官庁のなわ張り争いの中では、そんなことを言うと、与野党一致して文句を言われるかもしれません。しかしながら、公平に考えてみたときには、そういうことはあり得ると思います。これは自然の道理であります。しかしながら、新興の省庁においては、そういう余分の枝とか枯れた枝とか、それから仕事をしてない枝なんというものは私はあり得ぬと思うのです。そういうことを考えると、省庁のそういう部面も一緒ですし、それから、いまの宇宙開発委員においても、早く充実する必要があると思うのです。他と同じような答弁をし、同じような態度でおってもらったら、これはたいへんな失敗を招くと私は思います。ここで一年おくれ、二年おくれ、あるいは人数が一人二人少ないということが将来十年、二十年のおくれになるかもしれません。そこで変な言い方で、眠けざましのような言い方をしましたけれども、これは眠けざましぐらいな話じゃないのです。私はこれはたいへん大事だと思います。大臣はもうはや先を見越されて、この次はおれはかわるかもしれぬのや。まあ変なことを言うておくと、前の大臣がこない言うたから、それをたてにとって、また次の大臣に迷惑がかかったらいかぬという自己防衛本能からお話しになっておるように思いますけれども、そうでないのですよ。ぜひこれはやってもらわなければ私は示しがつかぬと思いますので、お伺いしたわけでありますから、再度しつこく聞くようですけれども、決意を新たにしていただきたいと思います。
#16
○木内国務大臣 三木委員のおっしゃること、一々ごもっともだと私は思います。といって、私は別に、この老骨でいまさらあとにどうとかいうようなことは、迷惑は毛頭考えない。そういうところは合理的に申し上げるつもりなんですけれども、確かにお話しのとおりだと思うのですけれども、行政整理とか簡素化ということは非常にむずかしいのですね。私自身も画一的にやることはいかぬということは常に唱えておるのです。いまお話になったこと、一々ごもっともで、新しい官庁におきまして、ことに、しかも、日進月歩の科学の技術を担当しておる役所としては、各省と一緒に、古い役所と一緒に一省一局を整理するなんということは、これは実に愚劣きわまりないことだと思うのです。が、しかし、どうも従来から行政整理とか簡素化という場合を見るというと、いつもそういうようなことでやられておる。そこで、その点は私もお説のとおりだと思うのです。非常に困難はありまするけれども、いまのような考え方じゃ私はいかぬと思います。
 そこで、ことしの予算の問題について見ましても、まあそんなことを言って別に私は誇るわけでも何でもないのですけれども、ことしも非常に抵抗があったわけですよ。この事業団一つを設けるにしましても非常に抵抗があって、最後の瞬間まで没になっておった。予算の閣議を経たときには、これは没になっておったのだが、そのあとの次の日の閣議で私はこれをがんばって、この事業団の新設というものを認めてもらったというような事態であったのです。新しい局の新設あるいは事業団の新設あるいは増員その他というようなものは非常に今日はむずかしい段階に来ている。さればといって、これは画一的にやっていくことはいかぬ。そこで、非常に困難ではありまするけれども、ことし科学技術庁の予算を見ますというと、他に比べまして相当大蔵省でも理解を示しまして、計画の基本の点はだいぶ認めてもらっておるわけでありまして、一般には一五・八%、これは科学技術庁においては三八、九%のものを認めてもらっております。ことに海洋などに至っては、従来は予算の柱もなかったのですけれども、ことし初めて海洋開発という柱を認めてもらって、しかも、大幅の増加を見た。八七、八%ですか、そのくらいのものを認めてもらっているというわけで、だいぶそういう点について理解を得つつあるわけであります。今後におきましてもわれわれは微力ながら最善の努力をして、そうして、与えられた職責の完遂につとめたい、かように思っておりますので、よろしく皆さん方の御指導、御鞭撻、御後援をお願いいたしたいと思います。こういう科学技術ばかりではありません。他の面もやはり国民の理解がなければならぬ。また、議会の理解と御後援がなければ実現することは非常に困難だと思います。この上ともよろしくお願いいたしたいと思います。
#17
○三木(喜)小委員 ちょっと余談なことでやりとりする時間はもったいないし、ほかの方にも御迷惑をかけるのですけれども、私たちは協力することにやぶさかでないのです。科学の問題は喫緊の、やはり重大な国策の一つでありますから、そういうふうには思っております。大臣の認識も、そういう認識の上に立って、本年も御努力いただいたようであります。そのことは非常にけっこうなんですけれども、それを私はとやかく言っておるわけじゃございませんが、たとえば宇宙局をつくる。これは局をふやさなければならぬという必然性があるのですよ。宇宙開発委員会をつくり、宇宙開発事業団をつくっておって、局がないようなことで一体どうなるかということですね。そうしますと、一省一局削減といううたい文句がある以上、内閣においても、国においても、ちょっとやそっとでそれをふやすことは困難だと思います。したがって、大臣としては、内閣総理大臣のほうに向いて言ってもらう、あるいは党でいえば幹事長のほうを向いてものを言ってもらう、国会に向かってもものを言ってもらう、こういう努力も私は当然必要だと思うのです。そういう意味合いにおいてがんばってもらわなければならぬと思います。
 それから、いまのお話を聞いておりますと、私はこれもひとつ分離して認識していただきたいと思うことは、科学技術庁の予算が多うなった、多うなったとおっしゃいます。今度事業団ができますと、また多うなりますよ。これはもう当然の帰結でありまして、科学技術庁それ自体の予算からこれは離していいと思うのです。これはもう各省にまたがった総理府の仕事じゃないですか。各省にまたがった仕事ですから、科学技術庁に予算がついたのじゃない。原子力関係、動燃事業団の予算とか、あるいは高速増殖炉の予算だとか、あるいは新型転換炉の予算とかいうことになってきたり、またサイクロトロンの話も出ておりますが、サイクロトロンの予算になりますと膨大な予算がつき、しかも、ころがし予算で、年次計画を立ててやらなければならぬ予算でありますから、こんなものを科学技術庁の中の予算として、ふえました、ふえましたという認識を大臣が持たれたり、あるいはほかの大臣がそういう評価をして検討するようだったら、科学技術庁にはたくさんやり過ぎておるじゃないか、予算の増加率が昨年度より多いじゃないか、こういうぐあいに比較されることになると、これは私はおかしいことになってくると思うのです。こういう大きな国のプロジェクト、ナショナルプロジェクトに取り組んだ場合は、当然そこに膨大な予算がつくわけです。それを増加率の中に入れたりしていくと、これは、科学技術庁は、ほかの予算よりも少なくなってしまって、細ってしまうわけになりますので、そこも、大臣、私は問題があると思うので、大いに閣議においてこういう点は強調してもらわなければ困ると思うのです。
 それで石川さんに聞きますけれども、どうするのです。こういうことになってきたら宇宙局もつくらなければいかぬでしょうが。いま内閣の大きな前提としては、省においては局を削減するという方針がある。やらなければならぬ。片手間でやっておってもろうたって、こんなものはできるためしがないのですよ。やはり大上段にかまえてやってもらわなければいかぬ。それで私は大臣に、獅子奮迅の勇気をふるい起こしてがんばってもらおうと思って言ったのですけれども、内閣のえらい役人をしておられた関係で、ちょっと本音を言われない。本音を言われることには非常に警戒をされて、抽象的なことばで、しかも、いわゆる大臣答弁をなさるので、私は非常にもの足りない。だから、局長、あなたはどういうつもりを持っておられるのですか。委員の増加の問題にしても、あなたは局長じゃなかったのだけれども、前の局長が約束して、この次はやります、この次はやります、それだから今回はこれでごかんべんしてください、こうまで言っておいて、ことしふたをあけてみたら、何にもない。そうして、大蔵大臣は、なるほど事業団はしまいまで残しておいて、これは木内大臣の手柄にしようと思って、しまいに復活して、木内君、君の手柄にしなさいというようにしてくれたわけであります。それを非常に努力したというふうにおっしゃっておるのですが、これは大蔵大臣の完全なる操作にひっかかっておるわけなんです、私ら野党から言わすというと。
  〔福井小委員長代理退席、齋藤(憲)小委員長代理着席〕
性の悪い言い方ですけれども、私はそう思う。それで、局長、どう思われるのですか。そこは腹をきめてひとつ言ってくださいよ。そうでなかったら、こんな宇宙開発の事業団法というものはがさがさとした一つの機構になってしまうだけです。それではこれは非常にもったいないです、せっかくここまできたのですから。私たちもあしたは賛成しよう思うて、党の取りまとめもいろいろやっておるわけです。それにこれでは将来の含みがないですね。漸進のかまえがない。通りさえすればいいというようなことだとしか私には思えぬので、遺憾に思います。あなたの一大決意をひとつ……。
#18
○石川(晃)政府委員 ただいま三木先生からのお話、ごもっともでございまして、私も局長になりましたときには、前の局長からも引き継ぎまして、これはぜひ来年度の予算――当時でございますから来年度の、四十四年度の予算で何とかこういうものをつくる方向へ持っていけというふうに引き継ぎを受けたわけでございます。予算の要求の中には……。
#19
○三木(喜)小委員 こういうものとは何ですか。事業団ですか。
#20
○石川(晃)政府委員 事業団と宇宙開発局の問題と、それから委員の常勤の問題でございます。この三つを私、引き継いだわけでございますが、予算要求の時点におきましては、私たちも最善の努力を払いまして、最終的な予算内示の段階にいったわけでございますが、そのとき、ただいま大臣からお話ありましたように、非常にいろいろな困難な問題が出てまいりまして、やはり問題としましては、行政簡素化という線が相当強く打ち出されたわけでございます。これは大臣からお聞きしたわけでございますが、そういたしまして、ようやく最終的な段階になりまして、事業団のほうは予算的に認められたわけでございます。
 あとの宇宙開発局の件と、それから委員の常勤化の件、この件については相当むずかしくて、最後の段階にも大臣からいろいろお話があったわけでございますが、この宇宙開発局の問題につきましては、そのような国の情勢の場合にはやはりやむを得ないが、ただ、そのロードは私たち研究調整局にかかってくるわけでございます。したがいまして、そのロードに対しては、私たち研究調整局といたしましては、何とかこの一年は歯を食いしばってでも持ちこたえようということで、この宇宙開発局の新設という件については、大臣におまかせしたわけでございます。したがいまして、この件につきましては、本年度は実現を見なかったわけでございますが、来年度はやはり事業団も――御審議いただきまして事業団が設置できることになりました場合には、私たち担当の局といたしましても、また明年度の予算において強くこれを要求して実現をはかりたいと存じております。
 それから、委員の問題につきましては、これははなはだ申しわけないことでございまして、この四名の非常勤の委員の方には非常に重荷になりまして、しかも、この宇宙開発事業団がちょうど誕生する時期でございますので、平素の仕事量よりも相当ふえております。その点、まことに申しわけなく存じておる次第でございますが、この件につきましても、先ほど大臣から御説明ありましたように、また、私たち大臣からお聞きしましても、やはりこの常勤の問題ということは、非常勤が常勤になるということで、表面から見るとそうむずかしくないような状態でございますが、また、私たちも、この附帯決議というものを強く打ち出しましてお願いしたわけでありますが、その点、私たちの努力が足りなかったせいでございますか、この件につきましても、大蔵省のほうでは認めていただくことができなかったわけでございます。私たちの説得力が不十分だったという点を非常に反省しているわけでございますけれども、いよいよ事業団が発足いたしました時点におきましては、やはり宇宙開発局と同様に、この点も強く私たちの希望として、大臣、さらにその関係の方に御説明して、この実現をはかるように努力したいと思っております。
#21
○三木(喜)小委員 非常な決意を聞かしていただいたわけでありますが、これは小委員会でありますので、委員長、あとの理事会でおはかりいただきたいのですが、こうした事業団が生まれたものの、これがなまはんかな、いわゆる未熟児のかっこうになる可能性は十分ある。委員会は手が足らぬ、評価はやりたいけれどもどうでしょうなあというようないまの御答弁です。私は非常にこれは心配いたします。
  〔齋藤(憲)小委員長代理退席、福井小委員長
  代理着席〕
 それから、局のほうは当然やらなければならぬのだけれども、これはできなかった。そうして、私たちは、これは局長のことばですが、歯を食いしばって研究調整局ではやっていきたい。だから、石川さんの頭の中には、事業団法が済んだら、やれやれ、この次は海洋開発にすぐかからなければならない。海洋開発が日程にのぼっておりますし、世界の進運からおくれますから、これはぜひやらなければいかぬというスケジュールがあると思うのですが、そういう日程でやっていくというにしてはあまりにも仕事が多い。歯を食いしばってとおっしゃるけれども、歯を食いしばってやると病気になってしまいます。あれやこれや手を伸ばしていくととてもやり切れるものじゃない、人間の力はきまっているのですから。それにこれは委員会だから、かっこうのいいことも言わなければいかぬでしょうが、かっこうのいいことばかり言っておっても、一方は未熟児になってしまうおそれが十分にあります。
 そこで、委員長、先がたお願いしておるわけなんですが、あとの理事会で総理ないしは大蔵大臣――この話は、大臣も、私たちを十分御鞭撻ください、応援くださいということですから、大臣の意も受け、そうして総理並びに大蔵大臣に来てもらって、こういうなまはんかなものだけこしらえておいていいと思っておるのかということを私たちは強く言わなかったら、これはいまの話を聞いておっても非常にたよりない。大臣をはじめ局長、開発委員ですね、自信のないことおびただしい。これは委員会ですから、そうあきまへんわというようなことは言えぬだろうと思いますから、ああいう御答弁になったのだと思いますけれども、われわれはそれをそんたくしなければいかぬと思うのですが、委員長、どうですか、その点。
#22
○福井小委員長代理 三木委員にお答えいたします。
 木内国務大臣、山縣委員の懇切なる答弁で足りることと思っておりましたところ、後ほどの理事懇談会において、佐藤総理大臣、福田大蔵大臣の出席を求める件につきましては、協議の上お答えすることにいたします。御了承を願います。
#23
○三木(喜)小委員 次に移ります。寄り道のほうに力が入りまして時間をとりました。
 それで、山縣委員にお伺いいたします。先がたの問題でございますが、三十七ページに「技術的信頼性を備えた機関として育成すべきである。」とあります。こういうことになりますと、私は打ち上げ屋だけに終わってしまっては信頼性を高めることにはならぬと思いますので、打ち上げの技術も必要でありますけれども、研究開発の機関を一つ中に設けるか、部を設けるか、それを強化充実していただきたいと思う。その点では、推進本部の中にそういう研究的な機構がいままでございます。それをそのまま引き継がれ、あるいは改組されるだろうと思いますけれども、目的的研究をしっかりやる研究体制をとってもらいたいと思うのです。したがいまして、そこと航技研との関係をどうされるか。同じ科学技術庁の同じ種類の研究をやっておられる。その研究の時間的な長短はおのずから違います。しかしながら、この関係をどうされるか、あるいは研究体制と開発体制というものをどう強化されるか、これに私はここのことばはかかっておると思うのです。その点についてお伺いいたしたいと思います。
#24
○山縣説明員 ただいまのお話でございますが、事業団におきましては開発に関する――開発研究ということばがあるかどうか疑問でございますけれども、要するに、開発は当然事業団でやる。それから、研究は先ほど申し上げましたように、かりに人工衛星のことを申しますというと、研究の段階では各省庁がおやりになる、こういうたてまえだと思います。したがいまして、いまの科学技術庁の航技研の問題、これは開発というよりは研究を主体とするものでございまして、したがいまして、開発の段階になりました場合には事業団自身がやる、こういうたてまえでございます。と同時に、先ほども申し上げましたように、共同利用という面で各研究機関がいろいろな施設をお使いになる、そういうものをここで持つということは当然やるべきことだと思います。要は、研究というものと開発のけじめは非常にあいまいでございますけれども、純粋なる研究は、いまのところ事業団ではやらないという気持ちでおります。
#25
○三木(喜)小委員 それの関連が、そうすると、わりあいにないわけなんですね。研究機関との関係ですね。それをどういうように持たれるかということが大事だと思いますが……。
#26
○山縣説明員 それが先ほど申し上げました私どもの最初の考え方で、委員会というかさの中で研究もやり、開発もやり、利用はちょっと問題があるのでございますが、そこで委員会というものは、その調整といいますか、別に高いところから見ているわけではありませんけれども、全般はこれはやはり委員会が見まして予算の調整をやる、こういうふうな行き方でございます。
#27
○三木(喜)小委員 現在の機構なり構想としてはそういうことがいえると思うのですけれども、これは、原子力委員の場合も、このことが非常に問題になったわけなんでありまして、これは石川さんにお伺いしたいのですが、各国の宇宙開発行政組織ですね。アメリカの行政組織と、それから航空宇宙局の組織、これはNASAの場合。それから、ソ連の宇宙開発行政組織と国家宇宙探査委員会の組織。フランスのかっこうが日本とよく似ていて、横にべらっと長く伸びて、そして、下に宇宙研究本部というのがある。これはよく似ておりますけれども、しかし、国立宇宙研究本部組織という中には、やはりそういう研究というものに対するところのスタッフといいますか、機構が非常に充実しておるような気がするのです。たとえば、数字・データ処理課、通信網課、建設課、技術副ディレクター、財務管理課、こういう中に技術や研究という要素がかなり多く含まっておると思います。イギリスにおきましても、これを見せてもらうと、そういう研究体制を、やはり委員会ないしは国立宇宙研究本部組織というようなものの中に掌握しておるわけですね。だから日本の――日本のといっても、そう大きなことは言えませんけれども、科学技術庁関係でいうと、原子力委員とそれから宇宙開発委員ですか、この二つの委員会は裸の委員会ですね。ずっとスタッフを持たない委員会です。あるいは研究機関を下に持たない委員会ですから、委員会としての性格が非常にあいまいになっておる。委員を直接前に置いてそういうことを言うのは失礼でありますけれども、委員会は一つの相談する機関であって、こうせいという方針をきめたらそれでいいのだ、そうして、その線に合わせて大臣を通して予算をとってくればいいのだ、予算とり機関だということになりかねないわけでありまして、私は、研究のスタッフとか、そういうものを直接傘下に持つ必要があると思うのです。こういう機構に、いままで原子力委員会、そして動燃事業団という形の中でそういうかっこうが出てまいりましたけれども、当時ボード的な性格か、研究的な性格か、何らかの性格を明らかにしなければならぬということはたびたび各委員から出たのです、角度は違いますけれども。今回も私はそういう考えが非常に強いのでございまして、委員の数をふやすという問題と、それから研究機構をどう充実させていくかという問題とは、今後においても十分お考えいただいて、機構を変えていく必要があればやりたいと思うのです。そういう点について局長の考えを聞いておきたいと思います。
#28
○福井小委員長代理 石川局長に申しますが、懇切にして簡明に願います。石川局長。
#29
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 いま例にあげられました諸外国の例でございますが、そのような形態をとっておる国もございますが、わが国の場合には、従来各省庁で開発を進めておったわけでございます。これが今度の事業団をつくります考えといたしまして、まず私たちのほうとしては、将来の利用というものの体系を考えた場合には、やはり利用は各省庁において行なわれるであろうというような考えのもとに、研究というものも、その利用につながるところで基礎的な研究を行なうという考えにしたわけでございます。したがいまして、開発段階においては、各省庁が研究から開発ということを全部やりますと、これは開発の部分におきましては非常にダブることになりますし、経費のむだが出るわけでありまして、その点におきまして、開発の段階においては全部この宇宙開発事業団でまとめていこうということで、この開発事業団の業務として、開発の段階になった時点におきまして、全部事業団で行なうということになったわけでございます。したがいまして、研究と申しますのは、いろいろ宇宙開発の研究につきましても、将来の利用の面ということを考えますと、多岐にわたる研究を必要とする次第でございます。それも、開発事業団の中に入れました場合には、かえって開発事業団の仕事自体が効率が悪くなるというふうに考えまして、この研究を分離してこの開発事業団というものを別個に発足させるということにしたわけでございます。
 それと、わが国の宇宙開発の場合は、現在のところ官庁関係で使います衛星が大体中心になりますので、それぞれの官庁にはそれぞれの研究所を持っておるところは持っておりまして、そこで研究が行なわれますので、そういう意味におきましても、研究の効率化ということがはかられるのではなかろうかと存じております。
 ただ、将来この開発が進んでまいりました場合には、先ほど先生御指摘のように、委員の数というものがあるいは不足じゃないか。先ほど山縣先生からのお話ように、評価の問題にも相当困難な点が出てくるのではないかというようなことがございますが、この点につきまして、やはり評価というものは大切でございますので、私たちも委員を助けまして、この評価という点には委員の仕事に対しまして十分サポートしたいと思っておりますが、ただ、実質的な評価の根本的なものにつきましては開発委員会でやっていただくわけでございますが、開発の段階におきましては、これは開発事業団でも相当部分実質的な評価ができるのではなかろうか、また、そうしていただきたいと思っております。
#30
○三木(喜)小委員 思いつきのようなことを申し上げて非常に恐縮なんですが、たとえばエネルギー資源の問題になってきますと、やはり省庁の下にか、あるいは大臣の諮問機関かということで審議会というのを持っておるでしょう。私たちがいま原子力の場合非常に心配するのは、やはりウランがどれだけ確保できるのかということです。そうすると、委員会の下に直接相談するような機関だってあっていいと思うのですね。ただ単に委員会が自発的にそういう相談員みたいなものをつくられるのでなくて、国としてそういう審議会なりあるいは委員会なり、委員会の下にそういう協議会とかなんとかいうものを持って、そして、燃料をどうするかということを相談する機関を持ちたいと思います。きょう大臣も言われたように、経団連にも相談したとか話をしたとかいう話がありました。これを見てみますと、宇宙開発関連企業の一覧表が出ております。こういう企業なんかからも、私らがそんなことを言うと変に聞こえると思うのですけれども、こういうようなところにもベテランがおると思うのですね。ただ財界人を寄せ集めるというだけではないのですけれども、その中でどうしたらいいかということを真剣にやはり討議するところのスタッフをつくっていく必要があると思うのです。研究体制にしても、委員会の下に――委員は、私らはとにかくそういうスタッフは持ちませんのやと言ってしまえば、法律的にはそれまでのものです。将来の改革のビジョンも何もない。時代に即応するところの体制も何もないということになりますから、次々にそういう必要ができてきたら変えていくという中で、宇宙開発の層を厚くし、そうして衆知を集める、こういうようにしたらどうかと私は思うのです。原子力の場合もそうです。ウランなんか、どうして集めてこようか。一つの会社が抜けがけに金もうけをするのでなしに、国策の線に沿うてやっていくというような機構なりスタッフをつくっていくことが必要だと私は思うのです。そして、研究はその間には抜かされない。こういう二つの柱をしっかり立てて、委員会というものはボード的な性格でもよろしい、あるいはそういう機関を持った性格でも私はいいと思うのです。要は、未熟児になってしまわぬようにしてもらいたい。しまいの果てには人工衛星を打ち上げるのにアメリカに打ち上げてもらわなければならぬ、アメリカの人工衛星をかついでこなければならぬというようなことになってしまえば、いままで何しておったか。これはきょう逓信委員会との連合審査のとき、森本委員のほうからも、これは郵政関係の立場から言っておられたのですが、私も郵政のほうに席がありますから、その問題については、郵政のほうでまたもっと詳しく聞いてみたいと思いますけれども、そういうことを思うわけであります。それについてひとつ山縣先生のお考えを聞いておきたいと思います。
 それからもう一つ、人工衛星を打ち上げる予算です。観測衛星までにはどれくらいかかる、通信衛星までにはどれくらいかかる、それの原型をつくるのにはどれくらいかかるという概算くらい示されてもいいのではないかと私は思います。聞くところによると、千五百億円くらい要る。通信衛星をつくるまでにはロケットの開発から、誘導技術の導入から、というようなことをいわれておりますけれども、こういう予算的な見通しを持っていかなかったら何にもなりませんし、それに対して、あすもし内閣総理大臣がおいでになるなら、将来そういう長期の展望に立ったところの支出ができるかどうかということですね。これが必要じゃないかと思うわけであります。そういう二つの点をお伺いしたい。言うなら、山縣先生、あなたの膝下に――科学技術会議があるでしょう、これは総理の諮問機関であって、あなたの下にはそういう技術会議がない。どこからか回ってお伺いするというようなかっこうにならなければいかぬ。こういう技術会議もあわせて私は委員会の下にあっていいと思うのです。そういう点、お考えを聞かしてもらいたいと思います。
#31
○山縣説明員 先生のお話しの、委員会がスタッフを持つという点でございますが、現在設置法では参与と専門委員という制度がございますので、これによりまして各方面にいろいろ御意見を承る、あるいはお知恵を拝借するという制度ができておりまして、私どもこれを十分活用しつつあるわけでございます。参与会につきましては比較的高い次元の議論をいろいろしていただいております。専門委員につきましては、現在三つの部会を持ちまして、さしあたり開発計画につきまして御審議を願い、その専門部会には私どもも入りまして御一緒にいろいろ検討をし、成案を得る、こういう努力をしております。
 それからもう一つ、事務局のお話がございましたが、一昨年第四号答申をいたします場合に、審議会におきまして考えました、委員会に事務局を付属させるべきかどうかということは、非常に議論をいたしました。理論的には当然、相当な事務局を持つべきだということが筋でございます。しかし、現実の問題といたしまして、ひよわな事務局を持ちましても、原局と申しますか、研究調整局のほうが十分頭数をそろえておりますので、とてもそれには対抗できなかろう。むしろそれに引っぱられてしまうだろうというような御意見が最終的のまとまりで、ひよわな事務局を持つくらいなら持たないほうがよかろうじゃないか、こういう結論になりまして、四号答申には、事務局ということをやめまして、行政機構を強化しろ、こういうふうな結論になったわけでございます。
 それから次に、昭和四十八年度まで宇宙開発にどのくらいのお金がかかるか、その概算でも示せというお話でございまして、まことにそのとおりだと思います。私ども実際そう思っております。と申しますのは、お金を伴わない開発計画というのは単なるビジョンじゃないか、したがいまして外国の例を見ましても、ある程度概算というものは入っているわけでございます。したがいまして、この宇宙開発計画につきましては概算をぜひ入れたい、こう私自身は考えておりまして、委員各位の御同意も得ておるわけでございます。ただ、いろいろお金が入ってまいりますと、先ほどお話がございましたように、いろいろ財政当局のほうもはっきりした数字を長期計画として出されるのはお困りな点があるかとも思いますけれども、私自身は概算でもよろしいから、あるいは計画の付属資料でもいいから、こう思いまして、ぜひそれをやりたいと思っております。ただいま開発計画そのものを検討中でございますので、その概算の数字を申し上げる段階にございませんけれども、各省庁からのいろいろお話を承りましたところによりますと、いまお話がございました千五、百億というような数字になっております。しかし、これは各省庁が御希望になりますことをそのまま計画に入れた場合でございますが、われわれといたしましては、各省庁が御計画になったものより、さらに必要なものは加えなければなりませんし、四十八年、四十九年度以降に延ばしてもいいもの、あるいは、これはこれと一緒にやったらいいじゃないかというので減額ということも考えられますので、はっきりした数字は、まだ計画そのものがきまっておりませんので申し上げる段階ではないと思いますが、ぜひ私どもは開発計画には概算は入れたい、こう思っております。
#32
○三木(喜)小委員 いまのお話では、やはり専門的なことは参与とか、ここに書いてある「専門委員を置くことができる。」「非常勤とする。」こうなっております。一体、局長、これはどのくらいの報酬なんですか、専門委員とか参与とかの報酬は。的確でなくてもいいですから。
#33
○石川(晃)政府委員 的確な数字が出てまいりませんが、大体一回で、一日二千円ないし三千円……。
#34
○三木(喜)小委員 月に何回くらい出られるのですか。
#35
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 大体各部会、ロケット部会、衛星部会、それから総合部会合わせまして、一月一日から二十四回開催しているわけでございます。
#36
○三木(喜)小委員 みんな寄せて。
#37
○石川(晃)政府委員 はい。
#38
○三木(喜)小委員 そうすると、一人の人は何日くらい出ていますか。
#39
○山縣説明員 専門委員会のお尋ねでございますが、いま局長からお話がございましたように、さしあたり開発計画をつくるためにロケットの部会と人工衛星の部会と総合部会、この三種類をつくっております。そこで、私どもスタートいたしましたのは昨年の八月でございまして、いろいろ予算その他でごたごたしておりまして、と同時に、人選に非常に手間どりまして、スタートいたしましたのがことしの正月ごろからではなかったかと思います。それで各三つの部会おのおの関連がございますので、いわばキャッチボールをやらざるを得ないというようなことがございまして、大体一週一回あるいは隔週一回ぐらいずつ開いておりましたけれども、一方の部会がある程度の結論を出しませんと、別の部会が開けないというような事情がございますので、はっきりした数字をいま私持っておりませんけれども、ただいまお話がございましたように、各部会とも平均して六回ぐらいやっておりますか、三つでございますから三、六、十八、約二十回ぐらいすでに開いておると思います。今後ほぼそのくらいまた引き続きやりまして、大体来月になりますれば開発計画がきまる、こういう段取りになっております。
 一方、参与会につきましてはまだ一回半と申しますか、これもまた人選が非常にいろいろ手間どりまして、私どもといたしましては、いろいろ参与の方に御意見を承りたいこともございましたので、正式な任命がない前に打ち合わせ会と申しますか、懇談会ということも一回やりましたし、その後、正式の参与の辞令が出ましてからは一回でございます。ですから、まだ延べ二回しかやっておらないというのが実情でございます。
#40
○石田(幸)小委員 関連でひとつ、山縣先生にお伺いします。
 いまの三木委員の質問の一つ前の質問に戻るわけでございますが、宇宙開発委員会設置法の第二条には「委員会は、次の各号に掲げる事項について企画し、審議し、及び決定し、その決定に基づき内閣総理大臣に対して意見を述べる。」その中の三でございますけれども、「関係行政機関の宇宙開発に関する経費の見積りに関すること。」こういうふうにうたってございます。いまお話によりますと、総額一千五百億ぐらいではないか、こういうお話もございましたが、四十八年度の衛星を打ち上げるについて、事業団あるいは技術庁関係の打ち上げに対する概算の経費の見積もりというのは大体のところわかっていらっしゃるでしょうか。
#41
○山縣説明員 大体でなしにはっきりわかっておるわけでございますが、ただいま数字を持っておりませんが……。打ち上げということは、どこまでが打ち上げ関係……。
#42
○石田(幸)小委員 いわゆる関係官庁を総合してということではまだおわかりにならぬかもしれませんけれども、事業団ないし監督省の必要経費です。
#43
○山縣説明員 七十八億でございまして、その間事業団関係は、これは半年分でございますが、三十億ですか、補助金がございますから三十一億ほど、大体そんなオーダーでございます。そのほか、債務負担行為がございますが、四十五年度以降の債務負担行為がすでにきまっておりますのが、事業団関係で五十億、全体で五十七億ほどございます。
#44
○石田(幸)小委員 両方入れますと……。
#45
○山縣説明員 両方合わせますと百三十四億になりますか、債務負担行為を入れますれば。こまかい数字はここにございますが、大体のオーダーはそんなものでございます。それから、事業団だけを申し上げますと、債務負担行為を入れまして百七億五千万円ぐらいでございます。
#46
○齋藤(憲)小委員 関連でちょっとお伺いいたしたいと思います。きょうの逓信委員会との合同審査におきまして、先ほど三木委員から御質問がございまして、どうも宇宙開発事業団は未熟児だ、これは打ち上げ屋になりはせぬかという、だいぶ危惧の念が持たれたのでありますが、これは、わが国といたしましては、昭和四十八年に静止衛星を打ち上げるという目標で、宇宙開発事業団をやるわけであります。宇宙の開発という膨大な中に、一発の静止衛星打ち上げを目標にしてやるのでありますから、考えようによっては、これは未熟児のまた未熟児というふうな考え方になるのも、私はある意味では当然じゃないかと思っているのです。ただ、きょうは山縣委員も御出席になり、長官もおいでになりますから、基本的な構想で、ひとつ関連的に御質問を申し上げておきたいと思います。
 大体、宇宙開発基本法を制定した暁において、その一環の推進的な役割りを演ずるという意味合いで、宇宙開発事業団というものがあってしかるべきであるというのが定説であり、私もまたそれが本筋だと思うのであります。それが逆になっております。これから大急ぎで宇宙開発基本法に、この小委員会を通じまして取り組まなければならぬのでありますが、憲法の条章に、条約は尊重しなければならぬとある。それからいきますと、この月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約、これは非常に大きな役割りを今後演ずるのじゃないかと思いますが、宇宙開発委員会の委員としての山縣先生は、宇宙というものを一体どういうふうにいまお考えになっておられるのか。と申しますのは、とにかく太陽を中心とする九つの惑星ですか、及びこれに付随する衛星、それの属する空間、こういうふうに宇宙というものを限定していくのですか。それとも、この条約の意味するところは、月というものは入っておりますけれども、「その他の天体」ということは、もう天の川に散乱する何億という星までも含めた天体ということを意味するのでありますか。一体、宇宙という概念のどこに焦点を合わせて今後宇宙開発基本法というものを考えていったらいいのか、そういう点に対する基本的な御構想がございましたら、ひとつお示しを願いたいと思うのです。
#47
○山縣説明員 齋藤先生からたいへんむずかしい御質問でございますが、要するに、宇宙というものの定義すらきまっておりませんので、御承知のように、条約におきましては、地球上、それから大気空間、その外側が宇宙である、アウタースペースである、こういうふうに規定しておりまして、したがいまして、国際条約におきましては、地球とそのまわりの大気空間、それを除いた残りがすべて宇宙でございます。そこで、それならば、国内で宇宙基本法をつくる場合に、その宇宙というものは、下のほうは大気空間――高さそのものはいろいろ議論がございましょうけれども、エアスペースと、エアスペースの外側、それから遠くのほうは一体どこまでかということになるのだと思いますが、根本的にはやはり国力にふさわしい計画をわれわれは立てなければならぬ。いますぐ人を乗せた衛星を打ち上げるとか、あるいは月のまわりを回るとか、月に看陸するとか、火星のまわりを回るとかいうようなことは、少なくとも現状においては私どもは考えておりません。要は、国力にふさわしい計画をわれわれが立てるべきだろう、はなはだ抽象的の観念論でございますけれども、そういう立場をとっております。むろんこれはお金の面もございましょうし、人材の面もございましょうし、そういうことをすべて勘案しながら将来の宇宙開発計画というものを私は考えるべきだと思います。
 ただ、先ほど来たびたび申し上げておりますように、現在宇宙開発計画というものを策定しておりますが、これはそういった先の先までは、こういう特殊な開発でございますからなかなか立てられませんので、一応十年後はこうなるであろうというビジョンを持ちまして、四十八年までの具体的の計画を立てたい、こういうことでございます。それを、先ほど申し上げましたように、ころがし計画で、国の財政事情あるいは人材、そういったいろいろなことを考えながら毎年先に延ばして改定していきたい、こういうことでございまして、したがいまして、先の先にどういう目標を置くかということを、ただいま具体的な御返事ができないというのが現状でございます。
#48
○齋藤(憲)小委員 いや、私の申し上げておるのは、宇宙というと、幾らでも解釈ができるわけなんですね。それで、宇宙開発基本法に、本法にいう宇宙とはと、こういう定義を加えなければいけないのじゃないかと思うのです。そうなると、太陽系の占める天体、そこから地球並びに大気圏をぽっととったものが宇宙だ、こういうふうな一つの概念で、それを上手に定義として言いあらわす、そこから宇宙開発基本法というものが始まっていくのじゃないかと、こう私は考えるのです。何しろ宇宙という定義はやはり一つきめないと、宇宙開発基本法の体をなさないのじゃないか、そういう意味で、これはやはり月その他の天体というもの、太陽系の天体という意味を限定したのじゃないかと、こう思うのです。太陽系以外の惑星をも含んでおるとするならば、それは広範ないわゆるアンチプロトンの世界という、まだわれわれの知らない範囲の宇宙というものもあるというようなことを考えるのです。そうなってくると、また、概念的に宇宙というものに対するところの考え方が違ってくる。だから、われわれが取り組まんとする宇宙開発基本法というものの宇宙の定義というものは、一体どこに限界を引いて法体系をつくっていくのかということを、私は、これは要らぬ心配かもしれませんけれども、何か、そういうふうなはっきりした定義を加えないと、宇宙開発基本法の出発があやふやになってくるのじゃないか、そう思うのですが、何かこれに対してお考えがございますか。
#49
○山縣説明員 宇宙の定義でございますが、これは、前回この席でも申し上げましたが、大分けに分けまして三つあると思うのです。一つは、天文学と申しますか、物理学的と申しますか、いわゆる宇宙でも、全体、地球まで含めた宇宙ですね。これこそ無限に伸びておる宇宙、それから、太陽系を除きましたその外側を宇宙といっておる場合もございます。それから、宇宙条約の言っておりますように、地球の表面がありまして、それを空気が包んでおるいわゆるエアスペースがございまして、エアスペースの外側をアウタースペース、このアウタースペースを宇宙こう訳しておるわけです。われわれが宇宙と考えておりますのは、いま申し上げました宇宙条約の宇宙でございます。下のほうの限界はエアスペースまで、それから、上と申しますか、下と申しますか、遠くのほうは無限と、こう考えております。現実にそういう観点で宇宙の定義をいたしますにいたしましても、一体それなら、エアスペースとアウタースペースの間がどこまでか、こういう問題があるわけです。空気はだんだん薄くなって、相当上まであります。したがいまして、観念的にはエアスペースの外側がアウタースペース、宇宙であるといいますけれども、さて、それならば、エアスペースがどこまでであるかという定説が現在ない。現在ないままに宇宙条約が成り立っておるというのが実情でございます。したがいまして、基本法をすぐつくるということになりますれば、どうもやはり条約と同じような考え方でいかざるを得ないのじゃないか。と申しますのは、当然条約が国内法に対して優先はいたしますが、その宇宙条約の宇宙と国内法の、宇宙基本法なら宇宙基本法の宇宙というものの定義はやはり合わせなければならぬ。ところが、宇宙条約の宇宙は、いまだに一生懸命国際的に議論をしておるようでございますけれども、それがきまらない、こういうのが現状だと思います。
#50
○齋藤(憲)小委員 もう一点、やはりこれは関連しての質問でありますが、きょうの連合審査会におきまして、郵政当局の話を聞きますと、衛星というもの、いわゆる星というものも将来技術的になかなか困難だ、特に誘導制御の問題なんかは、非常に困難をきわめるであろう、まだこれは絶対とは言えぬけれども、ほとんどまだそういう点には手がついていないというような答弁をしておられたのでありますが、これは技術的にそういう答弁をされたように私は拝聴したのでありますが、これは技術的にいきますと、姿勢制御は別といたしまして、誘導制御というのは、一体、ロケットが持つものか、それとも星が持つものか、どっちなんですか。
#51
○山縣説明員 誘導制御の件でございますが、主としてロケットでございます。しかし、必要の場合には、やはり衛星にも誘導する必要が出てまいります。結局、誘導技術というものは非常にむずかしい。しかし私どもは、昭和四十八年に静止衛星を打ち上げる、こういう計画をもう数年前から、審議会時代から、皆さんと御相談してきめておるわけでございまして、今回の宇宙開発計画も、当然すでに四十四年度予算がそういう前提で組まれておりますし、われわれの今度やります開発計画も、当然そういうことを踏まえてやるわけでございますが、私この宇宙開発、人工衛星、これを利用するということは、今後いろいろな面に出てくると思います。現在、通信であるとか、航行衛星とか、そういったことを主として各国でいっておられますが、今後の人工衛星、宇宙開発の利用というものは、いろいろ新しい構想が出てくると思います。その場合に、少なくとも私の気持ちといたしましては、五年あとには静止衛星、まあペイロードは小さいにいたしましても静止衛星というものを打ち上げまして、いまお話しの誘導技術というものを身につけて、日本でもって静止衛星を打ち上げられるという技術を日本は持つべきであると思います。それを持っておりますれば、当然今後いろいろ利用の開発というものが出てまいりまして、それを利用いたしまして、その静止衛星技術――国内で育てた静止衛星技術によっていろいろな開発利用ができるのじゃないかと思っております。ぜひ私どもは、これは郵政当局からどういうお話があったか私、存じませんけれども、四十八年までには静止衛星の技術をわれわれは身につけたい、こういうことを考えておりまして、それを土台にして、いろいろな計画を数年前から立てておるというのが現状でございます。
#52
○齋藤(憲)小委員 その誘導制御の能力というものは、ロケットも持たなければいかぬし、それから衛星も持たなければいかぬ。特に三万六千キロの軌道において軌道の修正をやるなんというときには、やはり誘導制御、姿勢制御というものの必要性があるのだろうと思うのでありますが、過日、きょうも三木委員から御質問があったと思うのでありますけれども、ELDO、ESRO、いわゆる欧州共同体において宇宙開発をやっておる場合に、まあこれはほんとうかうそかわかりませんが、私、現地を訪れましたときの話で、よそから聞いたのですけれども、IBMをアメリカがフランスに貸さなかった、それでフランスを中心とする衛星の打ち上げに非常な支障を来たしたという、これはほんとうかうそか知りません、その質問をいたしましたところが、いや、もうフランス政府は十分間に会っているのだという、こういう答弁を得たのでありますが、とにかく衛星を打ち上げる。これは材質の問題あるいは燃料の問題その他いろいろな問題もございましょうが、とにかく、姿勢制御にしろ、誘導制御にしろ、問題はエレクトロニクスの世界だろうと思うのであります。一体、宇宙開発事業団が打ち上げ屋にならないで、いま山縣委員の仰せられますように、誘導制御の技術も身につけたいのだということになりますと、根本はコンピューターの問題から解決していかなければならぬと思うのです。これはとにかく口先では簡単に言えるのですけれども、エレクトロニクスの最高の能力を発揮して、誘導制御の技術も身につけようとするならば、日本の現体制において、こういうような宇宙開発事業団が発足をして、一体そういうことが昭和四十八年までにほんとうにできるのか、できないのかということはだれしも考えることなんですね。
 それで、長官にもひとつこの際お願いをしておきたいのですが、これは宇宙開発事業団法という法律が与野党一致の努力によりまして通過して、この十月に発足するということがもうはっきりといたしましたら、昭和四十五年度の予算が天王山だ、私はこう思う。予算をどれだけとるかということではなく、宇宙開発事業団というものをどういう構想のもとに運営していくかということがいま昭和四十八年に静止衛星を打ち上げる成功、不成功の分岐点だと私は思っておる。そんななまやさしいことでこれができるなどと思ったら、とんでもない間違いだと私は思う。第一、日本の行政体制に、日本のエレクトロニクスを総合統括して、その最高の機能を宇宙開発のために利用し得るところの体制があるかと言ったら、私はないと思う。この点、長官は一体どうお考えになっておりますか。そういう機能は日本に備わっておるとお考えになっておるのですか、備わっていないとお考えなんですか。
#53
○木内国務大臣 この問題は、あるいは山縣先生から御説明願ったほうがいいかと思うのですが、私も、この事業団ができる以上は、来年ばかりではなくて、この一両年が非常に大事なところだと思っておるのです。そこで、もちろん非常に困難もあるでしょう。それにつきましては、いまアメリカのほうともいろいろ技術の点について相談しています。こちらのほうで導入する技術ですね、そういうものも相談している最中でありますので、自主開発はできるだけやりたいのですけれども、外国の経験をやはり取り入れ、あるいは外国の失敗のあとを繰り返さないように、利用し得る技術は利用したらいい、そうして、それに対してさらにわが国の開発を加えて、追いついて、追い越していく、こういう体制でなければならぬと思います。
 そこで、いまお話しになったように、来年の予算と再来年あたり、この一両年の予算というものが非常に重要だと思っておりますので、そういう点につきましては、山縣先生その他の御指導のもとに最善の努力をいたしてまいりたい、かように思っております。
#54
○齋藤(憲)小委員 もう一問。
 これは長官も、日本の現状におけるコンピューターの状態というものがどうなっているか、私から申し上げるまでもなく御承知だと思う。私は、この宇宙開発に関する電子計算機の性能でも、それはなまはんかな性能ではとてもやりきれない、こう思っている。ところが、日本のエレクトロニクスの世界というものは、これはまあ科学技術庁が新設された当時からの問題で、将来の日本の技術レベルアップをするには、どうしても科学技術の総合行政官庁である科学技術庁に電子局を設けなければ将来はおさまりつかないのだという主張をずいぶん長い間関係者は国会において主張したのでありますが、どうしてもこれは実現できなかった。そこに、いま日本の宇宙開発の現実に直面いたしまして日本の技術でもってやれるのかやれないのかという議論が出てきているのだろうと私は思う。そういうところがやはり国家の責任における科学技術のレベルアップだと私は思うのです。
 でありますから、そういう意味からいきますと、とにかくこの問題を行政的に考え、政府の責任において成功に導かんとするならば、まず第一に、やはり何としても宇宙開発委員会の充実というものをはからなければならぬ。これはわれわれにも責任があるのでありますけれども、どうしても宇宙開発委員会の充実ということは行なわれなかった。常勤委員をつくらない、増員を認めない、しかも、先ほどお話を承りますと、専門委員等々に対しましては一日に二千円とか三千円とかというような手当でもってこの大きな仕事をやれなんていったって、だれが一体本気にやれるかということで、そんな人を食ったようなことでは、私は、こんな大きな問題というものは実現できないのじゃないかと思っている。同時に、行政的に総合力を発揮しようと思って宇宙局をつくろうといったって、これも認められない。私は、宇宙局というものの大半は、やはり宇宙開発を行なわんとする前提のもとに、いま日本の最高の技術でありますエレクトロニクスの世界の総合調整をはかり得るんじゃないかという点に重きを直いておったのでありますが、これもできない。一体そんな体制でもって、この大きな静止衛星を昭和四十八年に打ち上げる、こういったって、やはり専門的な立場から見ている人は、こんな体制でもってほんとうにやれるんですか、本気にやれると思っているんですかという疑問もやはり出てくるのじゃないかと思うのです。
 そこで、私は長官にお願いいたしておきたいのは、昭和四十五年にはこういう体制をつくるためにはっきりした政府の認識を求めて、そして、必要なものをどんどん整備していかなければ私は結局やれなくなってしまうんじゃないか。きょう私は宇宙開発事業団は打ち上げ屋になりはせぬかと言った。きのうでございましたか、この委員会で石川委員からは、とにかく日本なんというのは、いつになったら打ち上げることができるのかわからぬから、早いところアメリカに持っていって一発打ち上げてもらったらどうかという話も出たんですが、どうも考えてみると、日本の現状においては、四十八年までずっと待っておって、そして一発も日本の衛星というものは――八百個の人工衛星が回っている中に一発も加わっていないという醜態を長く繰り返しているということは、非常にいけないことじゃないかと思われるのです。ですから、ひとつ、もう五月であり、六月、七月、八月となりますと、昭和四十五年度の予算の概算要求というものを大蔵省に提出しなければならぬわけです。それまでには長官はやはり総理大臣の権限を委任されまして、郵政大臣とかあるいは大蔵大臣とかといろいろ協議を重ねて、そして宇宙開発の態様というものを決定していかなければならぬ、もうその時期になっていると思います。それでありますから、昭和四十五年度は宇宙開発委員会の充実もはかる、それから、宇宙開発局もつくる、そうして、日本の必要なレベルアップを総合的にはかって、そうしてやらなければ、昭和四十八年に自主開発によるところの静止衛星の打ち上げはできないんだということによって、それに十分な予算獲得もやって、そうして官、学、民の総合力を結集してやらなければ、もう余すところは何年もないのでありますから、やらなければならないんだという、そのやれる体制をつくらずして昭和四十八年までいって、また打ち上げに失敗したということになったら、日本の宇宙開発というものは劣等国になってしまうんじゃないかと私は思う。ですから、そういう意味合いにおきましては、昭和四十五年が天王山、ここでほんとうの宇宙開発の体制をつくれるかつくれないか、これは長官に課せられた最大の責務じゃないか、そう考えるのですが、どうかひとつこの点に対しては、先ほども三木委員からお話がございましたとおり、不退転の決意をもって職を賭してこの問題を完成するという勇猛心をふるい起こしていただきたい、こう思うのでありますが、ひとつ御所信を承っておきたい。
#55
○木内国務大臣 お話しの点、ごもっともだと思うのです。まあヨーロッパの各国もみな共同して打ち上げをしようと思ったけれども、なかなかうまくいかないで、アメリカのロケットを拝借してやっておる。ロケット衛星を打ち上げたのはアメリカとソ連と、フランスで一発打ち上げたというようなわけで、日本が実は三番目に打ち上げたかった、こういうことでみな努力してきたようでありまするけれども、それはうまくいかなくて、フランスに先を越されたというようなわけですが、これから先、またあとへ落ちるようなことのないように、いま齋藤先生のお話、まことにごもっともでありますので、来年度の予算の編成要求にあたりましては、最善の努力をして遺憾なきを期したい、さように思っておりますので、よろしく御支援をお願いしたいと思います。
#56
○吉田(之)小委員 先ほどから各委員から非常に熱心な、突っ込んだ御論議がありましたので、私もこの機会に、山縣先生がいらっしゃいますので、ちょっと日ごろ一度聞きたいなと思っております問題点を一、二伺わしていただきたいと思うのです。
 私の考えでは、われわれ、皆さん方が頭の中で最大限に考えてやりたいと思っていることと、それから現に非常にせせっこましい政治機構の中でかろうじてやり得ていること、これとの非常なアンバランス、これをわれわれは非常に悩みもし、いら立ちもし、心配もしているという現状だと思うのです。
 そこで、いまわれわれは、非常に遠いはるかな想像し得る無限のかなたの宇宙の果ての開発や研究をどうするかというような問題や、あるいは何百年先のわが国の宇宙開発をどうするかというふうな問題は、それは今日の政治の問題にはならないと思うのです。したがって、それはまあしかるべき未来学の学者の方がいろいろとお考えいただいておっていいことだろうと思いますけれども、われわれが今日の時点の政治の中で考えるべき問題は、大体この程度の宇宙の範囲であり、この程度のプロジェクトであるというふうなことは、そろそろこの辺で宇宙開発委員の皆さま方も明確な一つの考え方を打ち出していただかないと、論議が果てしなく広がったり、ときにはいろいろと混乱が起こったり、ゾルレンの世界とザインの世界が混同したりというふうなことで、それこそから回りになってしまうというふうな気がするわけでございます。したがって、私は、当面われわれはどうしても、いま皆さん方がおっしゃっているように、昭和四十八年にはわが国で独自の静止衛星を打ち上げよう、まずこれを当面の目的として、その成功のためには、整えるべき機構、体制、予算をどう組み上げていくべきかということにすべての重点が注がれなければならないと思うのです。そこで、私は、打ち上げるべき四十八年の静止衛星というものは大体どのくらいの大きさのものであり、どのくらいの距離まで打ち上げて、どこでとどめようとするのか、そういう構想を当然すでにお持ちになっておられるべきであると思います。現にいま今日ソ連のモルニヤ1号、一九六五年四月二十三日に打ち上げておりまして、近地点では五百四十八キロ、遠地点では三万九千九百五十七キロ、われわれの知っている資料では、この通信衛星が一番遠くまで飛び上がっている衛星じゃないかと思うのです。この辺までは昭和四十八年にいこうとするのか、それはとても大それた計画であって、ともかく、たとえばアメリカのスコア計画のアトラスBくらいのところでいくのか、近地点で百八十五、遠地点で千四百七十くらいの一つの軌道を描くものとして打ち上げるのか、あるいは、いろんな計画の中に、せっかく打ち上げた衛星が非常に短時間で消滅いたしております衛星もございます。これは、いろいろ実験段階ではそういう過程を経なければならないのではないかというふうに、われわれしろうとは考えるわけなんですが、今日日本が打ち上げる人工衛星、いわゆる静止衛星のその辺のプログラムの中には、こういう打ち上げて消滅するものも計画に入れておられるのかどうか。打ち上げたらば、それは半永久的に高く天上で輝くものなのか、その辺のところ、また、打ち上げる衛星の重量はどの程度のものとしておられるのか、こういうことを一つ承りたい。
 それから、ついでに聞いておきますが、けさ来の合同審査なんかでいろいろ聞いておりまして、どうもわれわれ心配いたしますのは、衛星本体の研究開発と、それから、いわゆるロケットの研究開発、この二つのウサギをこの科学技術庁が追っていくというふうなことになると、これはなかなか私はたいへんだろうと思うのです。特に衛星本体のほうの研究が非常におくれておるというようなことであるならば、最初に打ち上げる昭和四十八年度の静止衛星がさほど大きいものではなくて、まずまず列国が今日まで打ち上げた月並みのものでありとするならば、その衛星本体はむしろ技術導入をして、わが国独自で、Nロケットでみずから打ち上げるということ、そのほうにむしろ力点を注いだほうが、一つのプロジェクトとして最初の完成ができるのではないかというふうな、よけいな心配かもしれませんけれども、心配もいたしております。ちょっとその辺のところを、いままで皆さま方の中で考えて、すでにセットしておられるところがございましたならば、ひとつお教えいただきたいと思います。
#57
○山縣説明員 ただいまの先生の御質問でございますが、私ども、先ほど来たびたび申し上げておりますように、四十八年に実験用の通信衛星、これは静止衛星でございますが、打ち上げるという目標を立てております。そこで、いまお話がございましたように、この四十八年に打ち上げます実験用通信衛星は、いわゆるNロケットというもので打ち上げるわけでございます。そこで、それに至りますつなぎといたしまして、四十六年に電離層観測衛星を打ち上げますが、これはQロケットを使っております。Qロケットで電離層観測衛星を打ち上げまして、その技術を利用いたしまして、四十八年に実験用の通信衛星を打ち上げる。そこで、この実験用通信衛星、ただいまお話しのとおり、Nロケットを使いまして、重量といたしましては、約百キロでございます。それから軌道は、これは静止衛星でございますから、三万六千キロメートルでちょうど静止衛星になるわけでございます。この通信衛星は、あくまで実験用通信衛星でございまして、これをいわゆるコマーシャルに使用いたすとなりますと、こういった百キロ程度のものでは、商業的に成り立たないと申しますか、あまり意味がございません。したがいまして、四十八年にこのNロケットで実験用通信衛星を打ち上げますと、少なくとも通信衛星に関しまして、それを商業的に使うということになりますと、それからまた何年か、三年先になりますか五年先になりますか、さらに大きな重量を持った通信衛星を打ち上げなければ、これは意味がないわけでございます。いまその次の段階、ですから、昭和四十九年以降、いまから考えまして約八年とか十年先に商業用通信衛星を打ち上げるということになりました場合に、これはそのときのいろいろ通信の状況によって違いますが、いまの四十八年に打ち上げますものは百キロ程度でございますけれども、それがたとえば五百キロとか七百五十キロくらいになるのじゃなかろうか、こう一応は考えております。しかし、これは一つのビジョンでございまして、その具体的な計画を今度の開発計画に盛り込もうというふうには考えておりません。
 それから、ロケットと衛星本体の関係でございますが、事業団で両方やる場合に無理ではなかろうかというお話でございますけれども、私どもは決して無理ではないのじゃないかと考えております。さしあたり、人員といたしましては、ロケットに三十人ぐらい、それから衛星本体の開発に二十三人ぐらいを予定しておりますが、この人数で十分とは私ども考えておりません。
 それから、先ほどの齋藤先生のお話でちょっと関連いたしますが、先ほどエレクトロニクスのお話がございましたけれども、日本におけるエレクトロニクスの技術というものは非常に高水準にあるのだろうと思います。むしろロケットのほうが経験がないというのが実情だと思います。しかし、これもやはりいろいろな制御まで考えますと、これは相当技術的にはむずかしいと思います。要は、ある時間的制約があるとすれば、やはり十分な経費を出していただきますれば、私は、エレクトロニクスにつきましては、むしろ日本のえてといいますか、得意な面だと思うのです。ロケットについては、これはあまり経験がないので、むしろこのほうを私自身としては心配している、こういうことでございます。
#58
○吉田(之)小委員 それで山縣先生、大体十年先と見て商業衛星を打ち上げる場合、一九八〇年になりますか、そのころに想定される列国の打ち上げているであろう衛星の重さというのは、一体どのくらいのものだといまのところ御想像になっておるのか。というのは、百キロのを打ち上げてその次にいよいよ本格的に実用的に打ち上げる七百キロというものが、その時点で、数の多少は別として、質的には断然他国に劣らないものであるならば、ともかく、それはそれなりにそこまで追いついたという一つの評価ができます。しかしながら、その時点においては、アメリカやソ連やその他の国々がもっともっとはるかな、まあ月探検は別として、このいわゆる静止衛星のほうで全然またスケールの違うものが打ち上がっているような段階を想定するならば、それはそれでいいのですけれども、大体われわれの進みぐあいという一つの尺度ははかれると思うのです。その点が一つ。
 それから、いまおっしゃったような一つの計画で進むとして、現在、昭和四十四年の時点において、この計画達成への進みぐあいに、現状においてはいささかもおくれは生じていないというふうに確信を持っておられるのか、あるいは、この程度のテンポではなかなかたいへんだというふうにお考えになっておるのか、あるいは、もう少し一年の経過を見ないと確かなことは言えないかもしれませんけれども、お答えいただければと思います。
#59
○山縣説明員 前段の十年先どうなるかということでございます。
  〔福井小委員長代理退席、齋藤(憲)小委員代理着席〕
これは、目的によって衛星の重量は非常に違うわけでございます。したがいまして、御質問はおそらく商業通信衛星のお話だと思いますが、これは要するに、どれだけ通信が国際的にあるか、あるいはアメリカならアメリカで国内的にあるかということで非常に変わると思いますが、私ども常識的に考えまして、一トンとか二トン、ですから、千キロとか二千キロぐらいじゃなかろうか、これはもうほんとうの想像でございます。
 それから、四十四年度、現在の時点におきまして、先ほど申し上げました計画の見通しはどうかという点でございますが、実はこの点は私どもの一番心配をしておる点でございまして、たとえば、四十四年度開発予算というものがやはり大蔵省で査定を受けまして相当減額されております。そこで一体、四十四年度にいただきます予算でもって四十八年に静止衛星を打ち上げられるかどうかということでございますが、これにつきましては、私ども科学技術庁あるいはその他のお役所に全部聞いております。と申しますのは、予算がそれだけ削減された、そういうことによって計画が一体おくれるかどうかということでございますね。大部分の御返事は、四十六年に電離層観測衛星を打ち上げ、四十八年にNロケットで実験用通信衛星を打ち上げるという見込みは現在として立つ。しかし、先ほど大臣からお話がございましたように、やはりそういうタイムリミットもございますし、ある程度誘導技術というようなものは海外から導入しなければならぬということが一面ございます。したがいまして、そういうようないろいろの手を打ちますれば、四十八年の静止衛星ということは、現時点においてできると私どもは思っております。しかし、これも、先ほどお話しいたしましたように、今後ころがし計画ということをやっていかなければならぬ。したがいまして、先ほど来お話がございましたように、四十五年度以降の予算というものをやはり十分確保していただきませんと問題は出てくるわけでございまして、したがいまして、計画というものは私どもはやはりそういうところに見合って訂正していく。これは場合によって何もおくれるばかりでない、もうちょっと早くできるという場合もあるだろうと思います。
 何ぶんにももう一つのやっかいな問題は、打ち上げが年二回に限られているということが非常に大きな影響を及ぼします。たとえば、一回打ち上げてぐあいが悪い。その原因がすぐわかる。そうしますと次の段階として、それを手直しと申しますか改善いたしましてすぐ打ち上げるということができるのでございますけれども、現状におきましては年二回ということに限定されますと、おのずからそこに半年は待たなければならぬというような事情もございますので、今後そういったことを見ながらわれわれの計画をだんだんしっかりしたものにしていく。
 で、四十四年度でいろいろなおくれが出ておって、四十四年度現在において四十八年の静止衛星はどうかということの御質問でございますが、いまのところ、いろいろな手を打てばできるというふうに考えております。
#60
○吉田(之)小委員 いろいろありがとうございました。先ほど申し上げましたように、宇宙の概念が一向国際的にもきまっておりませんということだけではなしに、われわれは、われわれとして可能なる対象である宇宙は、この辺までのスペースであるというぐらいの定義らしきものも、そろそろひとつお考え方をまとめていただいて、そして、だんだんに焦点をきめ、範囲をきめて、わが国が宇宙開発に取り組んでいくというふうないろいろな示唆をなされるべきであろうと思います。
 またの機会にいろいろと御質問させていただくことにしまして、私の関連質問はこれで終わらせていただきます。
#61
○三木(喜)小委員 もうこれだけで終わりたいと思います。簡単にお伺いしたいと思います。
 先がたから、るる研究とそれから科学技術会議とか学術会議とか、こういうものとの関連を聞いておりましたのは、学術会議がやはり「宇宙空間科学の推進計画実施について」という申し入れを内閣総理大臣に行なっております。その中にやはり「宇宙空間科学を含めた宇宙開発の調和のとれた発展をはかるために、次のことを申し入れます。」という申し入れ書があるわけなんです。したがって、このどこに宇宙空間科学というものを位置さしていくべきか。もちろんいまの御答弁では、事業団の中にそういうものを設ける御意図はないようであります。しかしながら、せっかく事業をやるのですから、そういうものとの関連を委員会でひとつ体系づけていただきたいと思うのです。これを要望しておきたいと思うのです。
 それから、きのうもちょっとお聞きしたのですが、きょう山縣さんのお話では、委員会にロケット部会、衛星部会、総合部会の三つの部会を持って、それぞれのパートにおいて研究なり建議なりあるいは検討をいただいておる、こういうお話でございました。それはそれなりに私はそうあってほしいと思いますが、と同時に、これは石川さんにお聞きしておきたいと思うのですが、きのうもちょっとこの交通整理が私の頭でできなかった、あなたの御答弁だけでは。というのは、この推進本部がそのまま今度は事業団のほうに移ると思ってもいいと私は思うのです、吸収するのですから。その中にはやはり本部長がおって技術顧問があって運営委員がおる。そして、総括開発官のところに、きのうも申しましたようにシステムとロケットと誘導制御と人工衛星と、それから追跡と実験と、こういう機構を持って、管理部長のところでは庶務、経理、用度の仕事とか、あるいは契約の仕事とか、あるいは企画の仕事とかを行なっておられるようであります。この機構が、今度は事業団になれば一体どういうかっこうになるのか。それから、委員会の中にあるところのその部会とのつながりはどういうぐあいにつなぐのか。ただ個々ばらばらにやっておっては、これくらい無意味なものはないと思うのです。お互いに協調、連絡、相関関係を持たなかったら、狭い事業団それから委員会という、日本でやっと打ち立て得たこういう役職、機構の中で、それが持てないということなら、推して宇宙開発というような大きな仕事の成果というものは知れると思いますので、これを一体どういうぐあいに整理統合、交通整理されるか、これを伺っておきたいと思います。これで二つ目です。
 それから三つ目は、いま吉田氏の質問の中に星の話がありました。科学技術庁からいただいた「宇宙開発ハンドブック」を見てみますと、うしろにいろいろと人工衛星の一覧表が書いてあります。科学衛星から通信衛星から軍事衛星から、こまかく書いていただいておりまして、この一覧表を見ますと、いま幾ら消滅せずに空に残っておるかということがわかるわけです。種類は、測地衛星、気象衛星、惑星探査衛星、月探査衛星、こういうようにあるようですが、これは大体六八年で終わっているわけですね、この調査表を見ますと。それ以後に上がった分がありますので、この委員会に、あすでもできましたら後の分を補足して、おわかりの程度でけっこうですから、いただきたいと思うのです。これは、科学はやはり日進月歩ですから、六八年の分を云々しておってもあれですから、それから後のあれがありましたらお願いしたいと思います。質問は前の二つでございますが、お願いいたします。
#62
○山縣説明員 最初のお話の、科学衛星による宇宙研究の問題でございますが、御承知のように、東京大学で内之浦から打ち上げておるわけでございますが、この科学衛星の任務、どういう任務を持たした科学衛星を打ち上げるかということは、学術会議の中の委員会がございまして、東京大学の原案あるいはそういう集まりの意見を聞きまして、それを学術会議において十分御検討になりまして、それを東京大学の計画として私のほうへ持ってきておるわけでございます。それで大体の計画といたしましては、御承知のように、これはMロケットでございますが、本年度以降五カ年間、年に一個ずつ、最終四十八年くらいにあるいは二個になるかもしれませんけれども、大体において年に一個ずつ科学衛星を打ち上げて、その科学衛星ごとのミッションと申しますか、どういう目的であるかということを学術会議でもって十分検討くださったものを私どものほうへいただいて、それで私どもも検討いたしまして最終的にきめる、こういう段階になっております。それで、先ほど来部会のお話を申し上げましたけれども、現在それも部会にかけまして、部会の御意見を承って、最終的には委員会として決定したい、こういう段取りで進みつつあります。
#63
○石川(晃)政府委員 先ほどの件について、三件についてお答えいたします。
 初めに、現在の宇宙開発推進本部の機構と、それから今後予想されます宇宙開発事業団の機構との問題でございますが、現在の宇宙開発推進本部の機構は、いま先生のおっしゃいましたように、管理部と、それから実際の実験あるいは開発担当の部門と、大きく分けますと二つになるわけでございます。したがいまして、今度の宇宙開発事業団で考えられるものの機構はやはり似たようなかっこうにはなっておりますが、これは考え方といたしましては、総務、経理関係の部門と、それから新しく計画管理の部門をつくりまして、そして、事業団の運営を円滑に進めるように考えたわけでございます。
 それから、開発部門におきましても、このたび事業団が発足いたしますと、郵政省から人工衛星の開発部門が移ってまいりますので、従来の宇宙開発推進本部において考えられておりましたこの人工衛星担当といいますのは、いわゆるロケット開発に伴います基礎衛星の開発というものだけを考えていた部門でございますが、今度のこの事業団におきます衛星開発と申しますのは、本格的な将来の実用につながる衛星でございますので、規模におきましては全然異質のものになると思います。
 それから、そのあと追跡、実験というものも、現在実験部あるいは人工衛星追跡部というものがございますのが、そのまま移るわけでございますが、このあたりも、組織といたしましては現在のものと変わりませんが、将来衛星の打ち上げの回数がふえるに従いましてこの規模も大きくなりますし、また、追跡方法も、現在新しい、さらに精度の高い追跡方法を考えております。また、実験部におきましても、現在は小型ロケットでございますが、QロケットあるいはNロケットになりますと、中型射場、大型射場、こういうものがふえてまいりますので、当然形は似ておりますが、規模といたしましては相当異なったものができ上がるものと考えております。
 次に、宇宙開発事業団とこの委員会とのつながりというものについてでございますが、現在この委員会の中にございます部会は、三つの部会がございまして、これは、現在の部会におきましては、おおむね学識経験のある者あるいは関係諸官庁からの専門委員によって構成されているわけでございます。この宇宙開発事業団が発足いたしますと、この宇宙開発事業団の発言力というものも相当強くなりますので、その点は十分勘案いたしまして部会の構成を考えていきたいと存じております。
 最後の、衛星の統計資料の数でございますが、この一覧表に載っておりますのは六八年に国連から発表されました統計資料を記載してあるわけでございまして、その後国連からの資料は出ておりませんが、私たちのほうで十分調査いたしまして、入手できますものはお届けしたいと思っております。
#64
○三木(喜)小委員 それではお願いしたいと思います。
 あと、いろいろ問題はございますけれども、私たちの話し合いでは、あす午前中、事業団法について、きょうの連合審査の結果いろいろ気のついた点をやはりお聞きし、確かめておきたい、そういう機会がございますので、その機会に、残りました問題やら、いまいろいろ聞いておってまだごちゃごちゃと頭の中でしておりまして整理がつきませんから、また考えてみましてお伺いしたいと思いますので、委員長、これでおきます。
#65
○齋藤(憲)小委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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