くにさくロゴ
1949/05/04 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第21号
姉妹サイト
 
1949/05/04 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第21号

#1
第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第21号
昭和二十四年五月四日(水曜日)
   午前十一時十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十四年度第一次生業資金放出
 に関する件
○吉村隊事件
○人民裁判に関する件
  ―――――――――――――
#2
○理事(岡元義人君) 只今から委員会を開会いたします。本日案件の中にございませんが、皆さん御承知の通りに、新聞紙上に太原地区におきまするところの中共軍の捕虜となりました問題が発表されておりますので、その点につきましてできる限り詳細な情報をば、今復員局の課長がお見えになつておりますから承わりたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○理事(岡元義人君) それでは速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#4
○理事(岡元義人君) 速記を始めて。では案件に出ておりますところの生業資金関係について、一應厚生省からの御説明を承わりたいと思いますが、すでに第一四半期の第一次放出が行われなければならないのでありますけれども、未だに實施されておりませんので、この点の経偉について政府当局の弁明を承つて置きたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○説明員(安福信雄君) 只今の問題につきまして、簡單に御説明申上げたいと思います。御承知の通り、今年度の生業資金の貸付目標額は一應五億といたしております。そのうち財政支出が三億、それから既往貸付の生業資金の償還されましたものを運轉する額が二億ということになつておるのでございます。勿論この五億の資金計画につきましては、只今財務当局と著々折衝中でございますが、厚生省といたしましては、本資金が非常に沢山の貸付未済金額が堆積いたしておる等の実情等に鑑みまして、成るべく速かに放出いたしたいということを念願いたしまして、その方向で交渉を重ねておる次第でございます。併し只今財産当局におきまして、最後的に第一四半期の資金計画が決まつておりませんのですが、早晩確定いたしまして、厚生省の方へ連絡があろうと思いますが、できるだけ資金の早期支出ができますように折角努力を重ねておる次第でございます。それからもう一つ御了解願いたいことは、先程も申しましたように、本年度五億の貸付目標のうちの二億は償還金を以て充てる予定でございますが、この償還金が相当入つて來ますのは年度半ば以降に予定されておりますので、そういう事情等も考えまして、できるだけ早期、即ち第一四半期等におきまして多くの財政支出が出されるように折角交渉を重ねておる次第でございます。さよう御了承願いたいと思います。
#6
○理事(岡元義人君) 只今の安福説明員に対して御質問がありますか。
#7
○木下源吾君 これは二億円という今貸付けておるのが入つて來なければどうなるのですか。
#8
○説明員(安福信雄君) 先程も申しましたように、本年度の貸付目標は五億予定しておりますが、そのうち二億は償還金を以て充てるということでございますが、この二億が当初予定しております額より減少いたしますと、結果的に五億の貸付ができないということになります。それで政府におきましても関係者等の御協力を願いまして、是非ともこの二億乃至は二億以上の償還が確保できますようにあらゆる手段、適当な方法を講じたいと存じております。
#9
○木下源吾君 今までの資金の貸付が償還して來ておる実情を大掴みでよろしいから一つ……。
#10
○説明員(安福信雄君) 只今までに貸付けております金額が本年の二月末で二十一億数千万円になつております。勿論貸付を予定しておる金額は二十三億余りでございますが、一番新らしい統計で見ますと、二十一億でございまして、現在の恐らく貸付金額というのはその予定いたしております二十三億に達しておるだろうと想像されております。その二十三億のうちで還つて來ております金額は概ね概算いたしまして二億四五千万円になつております。その二億四五千万円の金を如何にしておるかということが重要な問題になつて來るのでございますが、御承知の通り生業資金の第一次貸付資金の十億のうちに庶民金庫の資金を五億九百万円程出して頂いておるのでございます。その五億九百万円のうちを更に分析いたしますと、約一億六千一百万円というのが庶民金庫の系統機関であります無盡会社なり、或いは市街地信用組合の金を一時立替えて貰つて充当いたしたのでございます。昭和二十一年頃、即ち生業資金の始まつた当時におきましては現在のごとく金融梗塞状態も現在程きつくはなかつたのでありますが、その後昭和二十二年、昭和二十三年と來ますと、金融界の金融梗塞というものが非常に強度になりまして、そういうような市街地信用組合とか無盡会社のごとき比較的小さい金融機関におきましては自分の資金を庶民金融の方へ貸しまして、それを生業資金の方へ充当するということが非常に困難な事態になりましたので、この一億六千一百万円は早急に市街地信用組合なり無盡会社に返還する必要に迫られたのでございまして、先程申しました二億数千万円の償還金のうち取敢えず一億六千一百万円余はそういうような先程申しました市街地信用組合なり無盡会社の立替資金を返還いたしました。殘つた金が約七千万円程になるのでございますが、そのうちで約五千万円が庶民金庫の手数料の不足に充当されておるのでございます。これ又御承知であろうと思いますが、庶民金庫で生業資金を扱いますのには、相当の人と相當の店舗とそれから代理店の機構を動かして貸付をしておるのでございますが、最近の人件費の高騰その他諸物價の高騰に伴いまして、生業資金を貸付けましてそれから生ずる利息だけで庶民金庫のそういうような人件費を支拂い、いろいろの事務費を支拂い且つ代理店に対する手数料を支拂いますと、相当の不足を生じておるのでございます。その金額が現在まで約五千万円程度になつております。それに充当いたしております。それで現在は市街地信用組合なり無盡会社の返済に充て或いは庶民金庫におきます事務取扱費の不足を補填して殘りました金額が約二三千万円でございます。この金額は直ぐにでも生業資金として貸付け得る状態になつておるのでございます。
#11
○木下源吾君 この償還は計画通りに行つておりますかどうか、もう一点は庶民金庫に對するそういういろいろの手数料というものは、利息の外現金に對してどういう割合で拂つておるか、或いは又手数料というものは、かかつた全額負擔するという建前になつておりますか、その點をちよつと……。
#12
○説明員(安福信雄君) 第一審に御質問の予定通り償還されておるかどうかということでございます。御承知の通り、生業資金はいろいろの事情で非常にお困りの方に對して資金を融通するのでありますから、金融機関として融資する建前から申しますれば、即ち元來から言えば百パーセント償還ということが当然のことでございますが、そういうような特殊事情の下に運営しておる事業でございますので、当初七割程度という予測を以て償還を予想いたしておつたのでございますが、現在までの償還の成續は約五〇%でございます。即ち約二〇%程度が予想より下廻つておるのでございます。この下廻つておる實情を考へて見ますと、現在の経済情勢の下におきましては一般の企業でさえ非常に打撃を受け又受けんとしておる状態でございますので、当初の予定通り行かないということも当然予想されるのでございますが、ただ一部には成績が悪いという原因の一部には本資金に絡まります誤解があるようでございます。即ち償還をしなくてもいいというようなお考え方が極く一部でございますが、まだ殘存しておるように見受けられるのでございます。この点につきましては、本資金の趣旨を十分御説明申しまして、こういうような誤解をされておる方々があるならば、正しく御認識して頂くように努めたいと存じております。それからもう一つは。こういうような小口融資でございますので、貸付件數が極めて多いのでございます。現在金融界、多数あります銀行の貸付件数が約九十万件程あるようでございます。そのうち生業資金の占めます件数の割合が十八万件になるのでございまして、全般的に見ますと約五分の一弱、六分の一強という極めて多數の件数を包容しておるのでございます。その約二十万件に近い貸付數を扱つておる店舗が三四百というような状態で、なかなかその回收管理の方へ手が廻らないというのも大きな原因であるようでございます。そういうような点等につきましては至急改善すべき点は改善いたしまして生業資金を返して頂く御意思があり、そういうような段取りになつておる方々からは成るべく容易に返して頂くような措置も講じたいと、目下研究を進めておる次第であります。それから御質問の第二点の、庶民金庫に対する手數料は、如何なる方法で拂つておるかということでありますが、生業資金を始めました当時は、聞承知の通り、生業資金は六分の利息を拂つて頂いておるのでありますが、この六分の利息の中の二分九厘を、庶民金庫の手数料として支拂うということになつたのであります。併しその後物件費、人件費等の高騰に伴いまして、その中の三分三厘を庶民金庫に支拂うということで、二十一年度は終つたのでございますが二十二年度になりまして、この二分九厘乃至三分三厘のコンスタントとなるべき貸付の額が、非常に変動を來したのであります。即ち第一次の貸付目標であります十億、それから第二次でありますところの六億六千というような基礎になる金額は、逐次その後におきまして、殖えましたものですが、その殖えた金額に應じて、手数料が入るということになりません關係で、この六分の中の何分何厘を、庶民金庫に支拂うということに、不合理が生じたのでございます。不合理が生じた原因の外には、当時の情勢といたしまして、給與ベース等が二ケ月、三ケ月ごとに、改訂されるというような事情等もありまして、何分会厘ということに、非常に不合理が生じましたので、毎年度定額を以て、庶民金庫に支拂うということに改正されたのでございます。改正されたのが二十三年度でございます。二十三年度に至りましては、何千何百万円というように率によらずに、定額主義で手数料を支拂うということに改正されたのであります。二十四年度におきましても、概ね同樣の方針で行くことになると思いますので、これはまだ最後的な決定はいたしておりません。さような都合で庶民金庫に手数料を支拂つておるのでございますが、その支拂う手数料と、片一方入つて來ます利息と比較対照して見ますというと、昭和二十一年、二十二年、二十三年を通じまして、約五千万円程の穴が開いておる実情でございます。
#13
○木下源吾君 そうすると、二十三年度から定額主義でやつたということは、それは元金に対する何分と言いますか、それが分つておりませんか。
#14
○説明員(安福信雄君) 定額主義と申しますことは、少し説明を要すると思いますので、その定額主義の点をもう少し數衍さして頂きます。定額と申しましても、全部が定額ではないのでありまして、庶民金庫で生業資金を扱いますルートが二つあるのでございます。一つは庶民金庫固有の機関で扱う場合と、庶民金庫の代理店で扱う場合と、二つあるのであります。代理店で扱う場合には、庶民金庫と代理店の間に、代理業務契約というものが結ばれております。代理業務契約の手数料に關することを御説明申上げますと、庶民金庫は自分の仕事である生業資金を代理店で貸付をするなり、利息を徴收するなり、元金の償還を受けて、その代りに一定の手数料を拂うという契約になつておる。その手数料の額は、庶民金庫の生業資金を代理店が貸す場合、或いは償還を受けた場合におきまして、その返つて來た元金の千分の三、利息につきましたは返つて來た利息の二分の一を代理店に支拂うということになつておるのでございます。それから本店におきましては、そういう代理業務契約がないのでおりますから、その固有のと申しますか、その人の費用なり、或いは物件費、こういうふうに費用が二通りに分れるのでありますが、定額と申しますのは、その庶民金庫固有の店舗に要した経費と、庶民金庫の本店なり、支所なり、出張所に要する金額が、定額で支拂われたのでありまして、代理店に對するものについては、先程申しましたように元金の千分の三なり、或いは取立てた利息の二分の一という金額でございます。先程二十三年度からと申しましたのですが、二十二年度から定額になつておるのです。二十二年度におきましては代理店に対しましては、先程申しましたように本店関係の經費といたしましては、二千三百万円を予定して、その範圍内で事務を扱うようにということにいたしておるのであります。二十三年度につきましては、只今最後的な計数整理ができておりませんので、はつきりした点は申上げかねますが、代理店に対しましてそういうような率で支拂いました金額と、本店で要します金額を合算いたしまして、概ね六千万円程度になる予定でございます。二十四年度につきましては、只今計数はまだ確定はいたしておりません。それからそういうような元金を、庶民金庫で五千万円以上の金を食つたという原因は、もう一つあるのでございます。と申しますのは先程も申しましたように、第一次生業資金の十億のうちの五億九百万円は、庶民金庫の資金を利用したのでございますが、この五億九百万円の利息は、庶民金庫は何も自分の金を以て充てたのではないのでありまして、庶民金庫が日銀なり、市街地信用組合なり、無盡会社から金を借りて、それで生業資金に充当いたしたのでありますが、この利息が日歩一錢五厘乃至三錢という状態でありまして、生業資金の年六分より相当高いコストの資金を運用いたしたので、各方面からも相当赤字が出ました原因を作つておるのでございまして、その点御了解願いたいと思います。
#15
○木下源吾君 そうすると、大体初めから生業資金の六分の利子では、赤字が出るということがもう予想せられておるわけですね。そこでその結果生じた赤字というものは、一体政府からこれを支出することに、初めから決まつておるのか、或いはその他の費用でやることになつておるのか、その点を伺いたい。
#16
○説明員(安福信雄君) 先程申しましたように、当初は六分のうちの二分九厘程度で済むだろう、それから若干経済事情が変りましたのですから、生業資金は昭和二十二年の当初におきましては、三分三厘で済むだろうという予想であつたのであります。利息收入で賄えるという予想で始められたのであります。現在はどうなつておるかと申しますと、現在の一般金融機関の資金コストは、私その方面の專門家でないのではつきりしたことは分りませんが、聞くところによりますと、資金コストは預金吸收、それから貸付後の回收管理等を含まして、五分乃至六分だそうでございます。でありますから、生業資金は若干回收管理に手間がかかるといたしましても、預金吸收のコストが全然要りません、御承知の通り財政支出でありますから……、でありますから回收管理に経費が多くかかるといたしましても、預金吸收に経費がかかりませんものですから、やはり五分乃至六分で済むだろうということが予想されるのでございます。でありますから生業資金の回收成績、特に利息の成績が当初予定いたしておる程度ならば、そう赤字が出ないという予想が立つのでございますが、貸付の利息は六分でございますが、その実收利息は先程申しましたように、五〇%程度でございますから、六分の五〇%、即ち三分程度の利息しか入つておらないという実状で、現在の情勢といたしましては、経費を、利息收入で賄うということは、利息の回收等を適正に行いますといたしましても、若干赤字が出るということが予想されるのでございます。先程申しましたような事情で、政府が庶民金庫の手数料に不足を生じた場合は、財政支出その他の方法で政府がそれを補填するということは予想はいたしておらなかつたのでございます。
#17
○木下源吾君 現在はそれは決まつておるかどうかということを……。
#18
○説明員(安福信雄君) 現在はさような実情で、財政支出をするという建前にいたしておりません。でこれを補填する財政支出をしなくても、償還された元金を食い込まないように、食い込まないようにいたしまする措置といたしましては、先程も申上げましたように、第一番に利息の回收を適正にする。それからもう一つは庶民金庫の手数料を成るべく少くするように、必要ならば庶民金庫の人員を適正に再配置するなり、その他一般の経費を節減するという二つの方法を目下檢討を重ねておる次第でございます。
#19
○木下源吾君 そうすると、そういう実際には食い込んでおるところの経費がつまり余計にかかつておるようになつて、支拂いがその結果として今償還された金を五千万円もそれは金庫の方へ補填しておるわけなのです。ですから政府が財務的措置でその不足分をやるというのでなければ、ということが決まつている場合には償還された元金というものは新たに又貸付けることができるのですがね。五千万円なら五千万円は……。ところがその原則は決まつておらんので、元に還つて來た奴をそういう経費の方に支拂つて行くということが行われているために、この点が明確でないということは甚だ遺憾に思うのです。そういうことが明確になつておらないと同時に手数料もはつきりしておらん。一方に日本銀行から借入れたものは、相当の年一割ぐらいの利息を拂うということになつておるから、一体に金融機関が皆に貸付けるのを澁るとかいろいろ文句があつて円滑に行つておらない。こういう結果になるのではないかと思うのです。そういうことがもつとはつきりして、取扱者に対する手数料、そういうものも明確にして、それから足りん場合は財政的措置をするのだというようなことが明確でないと、どうしても金融機関が貸付を澁る、そうして一般のつまり申込者が困る、こういう実情になると思うのです。現実的には生業資金を申込んでもなかなか貸付けて呉れない、地方ではまだまだそういうところの声が多いのですが、その点についてのお考えはどうなつておりますか。
#20
○説明員(安福信雄君) 庶民金庫におきます手数料が利息收入で賄えない場合に、貸付の進捗に支障を來すのではないかという御質問でございますが、償還元金を貸付資金に再運轉するということが決まりましたのは、昭和二十四年度以降でございまして、昭和二十一年、二年三年は償還された元金は一應國庫に返して頂くという方針でやつておりましたものですから、その償還された金額を使うという原則が立つておりません関係上、そのために貸付が遅延するということがありはしないだろうかと予想されます。但し二十四年度以降には、償還された元金を再運轉して行くという原則が決まつた以上は、既往のような、既往のやり方がまずいという意味でなしに、更に再檢討を加えて手数料を節約するなり、或いは片一方利息の取立てを適正にするというようなことを十分考えまして、償還された金額を貸付けて行きますように、多く使えるように努力をしております。
#21
○木下源吾君 大体これでこの点を打切つて置きますが、この次に又今度はしつかりした責任者から聞こうと思います。
#22
○草葉隆圓君 伺いたいのは、成るべく早期貸付をやりたいという御意見のようでございますが、具体的にはどういうこの御計画を第一四半期は、こうやつて行く、第二はこうというような具体的な方法をお持ちになつておつたら一つ御発表を願いたい、同時に我々も成るべく早期貸付をして強力に実施して頂きたい。その点を一つ。
#23
○説明員(安福信雄君) 早期貸付をしたいと申しますのは、只今御説明申しましたように、現在償還元金が殘つておりますものは早期貸付をしますと共に、財政支出も年間三億でございますので、第一四半期ずつに分けました七千五百万円と一應算術的に出て來ますが、七千五百万円も第一、第二四半期に成るべく多くしまして支出して頂くというような方向で今折衝を重ねておる次第でございます。
#24
○草葉隆圓君 成るべく第一、第二殊に第一というのは沢山貸付を計画的にやつて頂きたい。それから手続その他は今度はどういうふうにやられる予定か。從來は庶民金庫ということで、お話しになつておりまするが、今度庶民金庫がなくなつてしまつて、金融公社になる場合において、先に木下委員からのお話の中にもありましたが、從來のような同じような方法でこの公社でおやりになる予定か、この機会に根本的に從來の生業資金の貸付の場合に起つておる弊害をなくしてやられるという御予定か、その点について一つ承わりたいと思います。
#25
○説明員(安福信雄君) 庶民金庫は國民金融公社に変りましても、生業資金は別に變る点はないと思います。で從來の生業資金の貸付の方法が煩雜云云ということがございますならば、できるだけ改善はいたしたいと存じますが、この際國民金融公庫に改組されるについてどうということは考えておりませんです。
#26
○草葉隆圓君 貸付金額は今後何か考えて方法を取つておられるか。從來通りでありますか。
#27
○説明員(安福信雄君) 貸付金額につきましては、当委員会におきましても再三いろいろ御意見もございますので、政府といたしましても、折角この七千円を上げますように関係方面に交渉を継続いたしておる次第でございまして、これが実現につきましては当委員会等の御援助も期待いたしておる次第でございます。
#28
○草葉隆圓君 現在の交渉の経過はどの程度まで具体的に大体見込があつて、本二十四年度からこの程度まで行けるというような状態になつておりますかどうか、その点お伺いしたい。
#29
○説明員(安福信雄君) 速記を止めて下さい。
#30
○理事(岡元義人君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#31
○理事(岡元義人君) 速記を始めて。
#32
○矢野酉雄君 説明員の安福さんは非常に御熱心で、私は年來第一回國会以來非常に感謝しておりますが、ただ今二十四年度における根本方針等についてはちよつと荷が重過ぎるような部面が可なりありますので、委員長は幸いに厚生政務次官の淺岡先生がおいでになつておりますので、須らく議員席を一應政府委員席にお直りを願いまして、然る後に質問をみたいと思いますから、どうぞよろしくお手当を下さい。
 尚改めて御質問を申上げます。この生業資金は、第一回國会以來第四回國会まで、これは私達のような本当に庶民階級、殊に引揚、戰災者、生活困窮者にとつては、これは命の綱であります。殊に復金制度が殆んど停止の状態であり、九原則の嚴重な指示によつて、市中金融機関が、いわゆる十日に一割という十一制度の闇金融以外には殆んど信用を失つている。我々のごとき國民大衆の金融の途というものは杜絶されておりますので、一回並びに四回までの期間における生業資金の持つた、國民生業の金融としてはより以上そこに重大なる價値を發揮しておるのでありまするから、この二十四年度に対する特別委員会の本生業資金の金額の増額並びに一人に対する貸付金額の増加を図るということは、未だ曾て見ることのできない程重要な役割を持つて來るようになつたことは、列席の各位の御承認下さることと思うのであります。そこで是非行政的な手を打つと共に、政治的の手を強力に打つべき問題は、今も一言觸れたのでありますが、生業資金のその総額を殖やすということ、それからその次の問題は、如何にして手続を簡素にして現金化を早くするかということであります。今でも尚手続は非常に煩瑣であつて、中途でもうこんなに何回も何回も足を踏まなければ、もう止めた、殊に禅でも質に入れて電車賃にしなければならんというような戰災者、引揚者の同士においては、煩瑣であればある程、國が作つておつてもその恩典に浴することができない。この点は厚生当局はもつと鋭敏にこの問題を考えて欲しいと思うのであります。幸いに適任者である浅岡議員が政務次官におられますので、特にこの手続の簡素化と現金化を早くするという問題について、更に今申上げましたその生業資金の総額を殖やすということ、一人の借受ける金額を急速に高めるということ、それから私は二十四年度において、これは政府当局もさることながら、我が特別委員会としても大いに関心を持たなきやならん問題は何であるかというと、いわゆるこの約二割乃至三割程度は、これは還らないものと見て、一種の社会政策的意義を以てこの制度を作つておるので、いわゆる復金等の金融制度とは根本的に違つた性格がありまするけれども、その生業資金の枠を殖やし、或いは一人の貸付金額を高めるためには、どうしてもこの償還……、信用機関というものを充実せしめるということが最も大切であります。昨年來、いわゆる地方軍政部の方が生業資金の貸付実績を調べてみると、殊に東京都のごときは非常に成績が悪い。借受けておるのに、その借受けの主体を調査してみると、どこに行つたか分らないというようなのが沢山あつて、非常に軍政部当局は生業資金の貸付について疑惑を持れたということも、これは事実でありますから、これは道義の高揚という点から考えてみても、実際に生業資金の恩典に浴するというこの方面から考えてみても、何らかいわゆる生業資金を借受けた者が、如何なる方法でこれを期限に返還するかという、返還についての組織、道義心を持たせるというようなことについて、政府はよろしく適当な方法を講ずる必要があると思う。これについての政府当局の二十四年度における根本的方針はどうであるか承わりたい。
 それから第三の問題は、只今安福説明員からの御説明にもありましたけれども、全く私も素人であり、誰でもまだ素人で、今から國民金融公庫の金を借受けようとする場合に全然白紙となつて、いわゆる庶民金庫が恩給金庫と共にどういうようにこれがこれから先運用されて行くか。生業資金そのものの制度はそのまま置かれておるけれども、國民金融が発足した場合に、この言うところの生業資金というものとはどういう関係にあるか。殊に又國民金融公庫は、愛知銀行局長も曾て言明したごとく、成るべく引揚者、戰災者等の生活困窮者の有力なる金融機関にしたいというような意向がありましたので、これは立法の精神から言つても、私は厚生省の重大なる所管事項と思いますので、この國民金融公庫と生業資金との関係について全く予備知識を持たない者が分るような意味に、この機会に一應の御説明を承つて置きたいと思うのであります。以上。
#33
○政府委員(淺岡信夫君) 只今矢野委員からの質問でございまするが、これにつきましては政府当局といたしまして、できるだけの手を打つておるのでありまするが、各委員並びに委員会に御満足頂くような結論に到達していないということを誠に遺憾に思つております。甚だ細かい点を申上げるようでございまするが、一昨日の朝もこの問題につきまして、大藏大臣並びに事務次官とも会いまして、そうしてこの引揚者一般の金融問題に対する簡素化、或いは生業資金の引上げ、こうした問題に対して大藏大臣としてはどうお考えになつておられるかという点を、相当私といたしましては強く追及もいたしましたし、更に幸いに次官も同列でありましたので、この問題を強く主張いたしたのであります。ところが非常に長沼次官は、この問題に対しまして、何とかしなければなけないということで、然らば何とかしなければいかんということをもう少し具体的に言えということを迫つたのであります。ちよつと速記を……。
#34
○理事(岡元義人君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#35
○理事(岡元義人君) 速記を始めて。……では生業資金の問題は、時間も經過いたしましたので本日はこれにて打切りまして、尚今後の運營につきまして國民金融公庫との関連もございますので、近く運營等につきますところの大藏省、厚生省並びに当委員会との懇談会等をば催す、そういうことにおいて第一四半期の差当りの問題も解決を付けて行く、尚委員会の意のあるところをばその懇談会において反映させる、かように取計らうことにいたしまして、本日は大体生業資金問題はこの辺りで打切るということに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○理事(岡元義人君) ではさようにいたします。
  ―――――――――――――
#37
○理事(岡元義人君) 第二の問題となつております吉村隊審議に関する件でございますが、吉村隊関係の六日の証人喚問に関しましては、お手許にお配りしております資料に基いて、何か御意見等がございましたら承わりたいと思うのであります。尚併せて各委員に申上げて置きたいことは、質問の方法等について、只今概略をばそちらのお手許にお配りしたわけでありますが、その質問に対しましては、どういう方法で、例えば各委員に担当して頂いてやる、そういうような面も御考慮の上御意見を承わりたいと思うのであります。ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#38
○理事(岡元義人君) 速記を始めて。……ではこういう要領で以て進めても差支ございませんか。その点お諮りいたします。尚渡邊廣太郎の住所は從來分りにくかつたのでありますが、住所も判明いたしましたことば各委員にお知らせいたして置きます。
#39
○草葉隆圓君 審議の方法はやはり一通り全般的なことを委員長から聞き訊して、誰がどれを受持つというようなことをせずにやつて頂く方がよいのじやないか、必要な場合は相当突つ込んで各委員から聞く。
#40
○理事(岡元義人君) 只今草葉委員からお申出がありましたが、そのような方法で運営して行つてよろしうございますか。
   〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
#41
○理事(岡元義人君) では只今草葉委員の御発言のように運営することにいたします。尚お手許に配りました点につきまして何か特に本日御注意がございましたならば、御発言を願います。
#42
○矢野酉雄君 一日で済ますつもりですか。
#43
○理事(岡元義人君) 大体一日で終りたいと思います。時間割は要綱に大体書いて置きましたが、できますならばこのような時間割で進行して頂きますと、午後におきましては、その他という面について相当余裕を以て証言を得られるようになるのじやないかと考えております。では吉村隊審議に関する件はこれにて打切ります。
  ―――――――――――――
#44
○理事(岡元義人君) 次に人民裁判に関する件でありますが、先程來の打合せによりまして、理事委員長においての打合せいたしました経過を御報告いたしまして、各委員におきまして御審議願いたいと思うのでありますが、先ず人民裁判を取上げる理由といたしまして、こういう人民裁判というような事件は世界の、終戰と同時にこれに似通つたものが取上げられようというようなことがあつたのでありますが、併しながらナホトカの人民裁判のような大掛かりのものは今まで曾てないのでありまして、内地におきまして、終戰後に非常に軍用物資等が乱雜な状態のまま隱匿された、こういう事件に対しましても隱匿物資摘発委員会が構成されまして、嚴密にこの問題は事後処置が取られたのであります。併しながら引揚関係におきますところの、こういうような問題は全然今までに処理されておらないのでありまして、そういう意味から申しましても、この委員会が引揚問題を取上げておる関係上、当然こういう問題についても一応の糾明をして置くということも考えられますが、併しながら委員会といたしましては、その眞相を糾明いたしまして、今までソ連よりの帰還者の階級別によるところの帰還遲延の理由その他について十分に研究する必要があるのではないか。それから第二番目に英彦丸のような事件、或いは反対の朝嵐丸のごとき事件等をば、できるだけ未然に防止することが又必要ではないか。第三番目は本年の帰還の量をば記録される上からその方法が妥当であるかないかということをば糾明いたしまして、そうして委員会としての結論を以て連合國軍に対し、速かに何らかの処置をばお願いする。第四番目に收容所の状態及び残留者の実態を把握しまして、今後の輸送計画予算措置の上の資料としなければならないのであります。第五番目の留守家族等に対しまするところの不安をば早く除去してやりたい。これが目的でありますが、更に大きく区別して行きまして、第二番目に立法機関といたしまして、岡村寧次、赤鹿理、梁瀬美智子、英彦丸事件及び吉村隊関係の審議をば調査審議を続けて参つたのでありますが、大体において今後の見通し等につきまして、すでに四年も経過いたしております関係上、從來の未復員者給與法、特別未帰還者給與法の外に失業保險その他種々の留守家族等に対しまするところの立法措置をば改めて檢討する必要がある。こういう意味におきまして、今後の法案に対するところの資料としなければならないのではないか、又大きく区別いたしまして、第三番目には引揚者の一つのこういう記録をば殘さなければならないのではないか。以上のような見地に立ちまして、当委員会がこの人民裁判を取上げて、そうして大体証人の喚門に関しましては、第一、日本新聞関係の方で日本に帰つて來ておられる、その次にナホトカにおける人民裁判を実施された、その次に人民裁判の犠牲となつた者、その次にナホトカ收容所の勤務者、これは第三者的な立場の者、それから、夙に我々委員会に疑問を投げ掛けられておりましたところの、先頃東京新聞にも掲載されました杉田茂関係の状態について証言を得る。以上五つの面から証人を喚問してそうしてこの審議を進めて行く、かように取計らうように理事会において打合せをいたした次第であります。尚日にちにつきましては、十五日が休みになつておりますので、少くとも十四日中に整理をいたす関係がありますから、本月十一日に証人を喚問したらどうか。こういう工合に理事会において打合せされたのでありますが、以上の点につきまして各委員に御意見を承わりたいと思うのであります。
#45
○矢野酉雄君 矢野はその協議して頂いた線に沿うて早く進めて頂きたいと要望いたします。賛成いたします。
#46
○草葉隆圓君 ただその日にちが一日だけでどうかという問題です。今のは十一日だけというお話でしよう。それで大体の話は二日やらんとやれんのじやないかと思う。十一日、十二日と豫想してやる方がいいのじやないでしようか。
#47
○矢野酉雄君 予想は二日の方がいいのじやないか。
#48
○木下源吾君 今そこで極めて順調に話されたが、僕は聞いておつて何のことか分らん。それでいいか悪いかといつても直ちにいいとも何とも言うようがない。理事会というが、天田君も出ておりましたか。
#49
○理事(岡元義人君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#50
○理事(岡元義人君) 速記を始めて。
#51
○木下源吾君 引揚促進がこういうふうに遲れておるときですから、私は促進に役立つことならどんなことでもいいのですが、若しも多少でも理解があることならば必要であるのであつて、その点だけ考慮するのです実際において。
#52
○矢野酉雄君 役立たせるように一つ委員会でお互いがよく弊害を防止しつついい結論を生むように運ぼうじやないか。やはりこれは運営の妙によつて杞憂を未然に妨ぐことができるし、運営よろしきを得なければ逆效果も発生することもあり得るであろうから、やはり最前草葉委員が言われたように一日だけでさつさと事務的に処理するのではなく、やはり実際は二日くらい愼重に期間を取つて置くことが適当でしようから、その修正意見には僕は賛成です。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#53
○穗積眞六郎君 さつきこういう立場の人という御説でしたが、まだ個人的に決まつておらんですか。
#54
○理事(岡元義人君) それは今日委員会で決ましりましてから改めて人選いたすつもりですが……。
#55
○矢野酉雄君 最前こういう言葉があつた。ナホトカの人民裁判の犠牲になつたという、その犠牲という言葉はすでに協議をした諸君が犠牲にするような人民裁判が実体を持つたという先入感を持つておるので、これは修正すべきであつて、世に言う人民裁判にかかつた人というふうにしなければ、初めから人民裁判は犠牲者を出そうというようなものだというふうに委員会が決めておるというふうに考えられることは僕は絶対に反対です。
#56
○理事(岡元義人君) 只今の矢野委員の御発言御尢もでありますから、訂正いたして置きます。
#57
○草葉隆圓君 先程大体こういう関係者を証人として喚びたいという大体の基準のお話でありましたが、それで必要な証人を希望する委員は申出るということにして置く方がいいと思いますが如何でしようか。そうしないとあとで証人の選択のために委員会が不愉快な問題を起しますから、是非自分でこの人を喚びたいという人を申出る……。
#58
○理事(岡元義人君) 只今草葉委員から御発言がございまして、特に各委員におかれて証人を要望される趣がございましたならば、できる限り速かにお申出を願いたいと思います。できますならば六日までにお申出願いたいと思うのであります。
#59
○草葉隆圓君 そのことは特に今日出席しておられん方にも御通知を願います。
#60
○理事(岡元義人君) 草葉委員の御発言十分了承いたしました。
#61
○矢野酉雄君 それから委員長、僕は希望に過ぎないが、英彦丸のときでも、吉村隊のときでも、その前のときでも、僕だけに関する限り絶対に事前に会わないという原則を持つている。今度の問題も私の世田ケ谷一丁目に來てよく聞かれる。昨日もちよつと会おうかと思つたが、これは会うと結局色が染むから、委員は御自由ではあるけれども、成るべき事前に会わないで、いわゆる第三者からそこに偏頗な判断を下すというようなふうに思われないように、お互いやはり謙虚な自省はとるべきだと思うので、これは私の要望として委員会に申出て置きます。
#62
○理事(岡元義人君) 只今の矢野委員からの御発言は御尢だと思いますので、各委員におかれましては十分御留意の程お願いします。尚日にちに関しましては十一日と十二日、早く終りましたら、その前に終ればいいのでありますが、一応委員会といたしましては十一日、十二日とさように決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○理事(岡元義人君) さように決定いたします。尚これにて案件は打切りますが、本日午後一時から先程來当委員会で問題になつておりましは引揚者を迎えるの歌の審査をばポリドールの吹込所でいたすことになつておりますので、バスが一時に準備してございますから、お暇のある各委員の方は是非御出席をお願いしたいと思うのであります。本日はこれにて委員会を閉会いたします。
   午後零時三十三分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           天田 勝正君
           草葉 隆圓君
           岡元 義人君
   委員
           木下 源吾君
           淺岡 信夫君
          池田宇右衞門君
           伊東 隆治君
           木内キヤウ君
           穗積眞六郎君
           矢野 酉雄君
 政府委員
   厚生政務次官  淺岡 信夫君
 説明員
   厚生事務官
   (引揚援護廳指
   導課勤務)   安福 信雄君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト