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#1
第061回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第5号
昭和四十四年四月十一日(金曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 齋藤 邦吉君
   理事 奧野 誠亮君 理事 鍛冶 良作君
   理事 四宮 久吉君 理事 渡海元三郎君
   理事 福田  一君 理事 阿部 昭吾君
   理事 門司  亮君
      菅  太郎君    白浜 仁吉君
      永山 忠則君    丹羽喬四郎君
      松浦周太郎君    松野 頼三君
      加藤 清二君    堀  昌雄君
      松本 七郎君    山本 幸一君
      山下 榮二君    伏木 和雄君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 野田 武夫君
 出席政府委員
        自治省行政局長 長野 士郎君
        自治省行政局選
        挙部長     皆川 迪夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第六七号)
     ――――◇―――――
#2
○齋藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部昭吾君。
#3
○阿部(昭)委員 いまの選挙人名簿の登録整備、この問題に関しまして、とかく制度の改定を行ないまするたびに、実際上仕事に携わりまする末端市町村の負担というものが、非常にだんだん重いものになっていく。そういう意味で、こういう制度を整備するのと同時に、金の面でも国のほうでめんどうを見る、十分の手だてをしていくということがなければいけない、こういうふうに思うのであります。この点に関しまして、大臣の誠意のある御見解を承りたい、これが第一であります。
 時間の関係で、もう一つ申し上げたいのでありますが、私は、こういう事務的な整備をいろいろと進めましても、それだけでは現在の選挙制度、政治をきれいなものにしていくということにはならぬと思うのであります。そこで、最近の新聞を見ますると、第六次選挙制度審議会の委員の選任というのが難航しておるというふうに伝えられているのであります。前にこの委員会におきまして、大臣は、まあ三月一ぱいには、あるいは月を越えましてもまあまあ、こういうお話であったのでありますが、最近仄聞するところによりますると、相当におくれそう、こういう報道等もあるのであります。現状、一体どういう段階にあるのかということを、この場合明瞭にお聞かせをいただきたい。さらに、第三の問題として承っておきたいのでありますが、選挙制度審議会の発足とは別に、すでに前、審議会からの答申も行なわれておりまする政治資金規正法の問題について、もうそろそろ、今次国会も余す日程は一カ月半ぐらいのところに迫っておるわけであります。したがって、大臣が責任をもって政治資金規正法の改正案を今次国会で実現をしていこう、こういうお気持ちであるとしまするならば、もうこの段階あたりで出てきていなければいけない、こう思うのであります。一体政治資金規正法はいつ出そうというふうに考えておられるのかということを、もうこの段階あたりになれば明瞭にしていただいていいんじゃないか、こう思いまするので承りたいと思うのであります。
#4
○野田国務大臣 阿部さんにお答えいたします。
 この今回の法改正に伴う市町村の経費に対してどういう財政措置を考えているか。選挙人名簿を正確にいたしますために、住民基本台帳を正しく整える。このために、台帳の記録に要する経費は、市町村の事務として市町村が本来まかなうべきものと考えております。しかし、新しい制度へ移行いたします時限におきましては、やはり選挙人名簿の正確性を一そう高めるためには、さらに選挙人の実態調査を周密に行なう必要がある。そういたしますと、この実態調査を実行できるようなやはり相当な経費を要することはもとよりでございますから、これは単に市町村の事務としての経費のほかに、適当にひとつ財政措置について検討したい、こう考えております。
 それから、第六次の選挙制度審議会の委員の選考のことでございますが、ただいま阿部さんのお話しのとおり、私は三月末をめどにいたしておりますが、これは人事だから多少のなにはありますということを申し上げていることは事実でございます。そこで私は、その意味におきまして、ただいま新聞なんかに書いてあることをお示しになりましたが、私もお約束いたしましたとおり、私がただ選考を怠慢にしているというのではなくて、三月末をめどにして選考に入ったことは事実でございまして、現にこれを続けております。そこで非常に難航して、相当おくれるのではないかという御懸念でございますが、私は、これは人事でございますから、一人一人の問題を当たりました場合に、やはり何日間の余裕を与えてくれとか、いろんなことがあるのは御理解願えると思っております。そこで非常におくれることはございません。私はいま続けておりまして、非常に積極的にこの人選を終わりたいと思っております。どうしても三十人の委員でございますから、一人一人の回答を得ますのに、やはりかってにこちらがきめるわけにまいらない事情もございますので、多少おくれていることはまことに遺憾に思っておりますが、私のいま推定いたしますところによりますと、相当に難航して、相当に時間がおくれるということではなくて、なるべく早急に委員の選考を終わりたいと目下努力をいたしております。
 それから政治資金規正法でございますが、これはやはり申し上げましたとおり、今国会に提出いたしまして御審議を仰ぎたいという方針には何ら変わりはございません。この前も申し上げましたとおり、私どもといたしましても、現行法よりもやはり前進した案をつくりたいという方針のもとに検討いたしておりますが、これはざっくばらんに申しますと、やはり選挙のことでございますから、党の調査会その他の意向もございますし、これらを勘案いたしまして、これももう大体の成案を得ると思っておりまして、これはやはりお約束申しましたとおり、今国会に提出いたしまして御審議を仰ぎたい、この方針には変わりはございません。
#5
○阿部(昭)委員 時間がございませんので、あと一つだけ。今国会に出して御審議を願いたい、通すというならば、いまごろ出てきていなければいかぬのじゃないか、こう思うのです。そういう意味で、今国会に出して御審議を願いたい、しかし、実現していこうという気はない、こんなふうにもとれるのであります。一体いつ出すのか、今国会といったって、もうぎりぎりになって出されてもしようがないと思うのですが、これだけを伺いたい。
#6
○野田国務大臣 私のほうも、時間的なことも相当考慮しております。また御審議を願うということは、やはり実現をしたいという意思でありますから、ひとつ御審議を願いたいということでございまして、結論は、御審議の結果どうなるということは私のほうでは……。
#7
○阿部(昭)委員 出す時期です。
#8
○野田国務大臣 時期につきましては、これは相当時間的な制約も知っておりますし、また情勢によっては――まあこれは私の正式な発言になるかどうかわかりませんが、国会が延長になるというふうなことも、私も政治的にいろいろなことを考慮いたしております。だから、十分御審議を得る時間を私は見ておりますから、それに間に合うような時期に提出したい、こう考えております。
#9
○阿部(昭)委員 ずいぶん重大な延長の問題まで入ったお話なんですが、これは、きょうは時間がありませんので、これで一応打ち切りたいと思います。
#10
○齋藤委員長 門司亮君。
#11
○門司委員 時間もありませんから、ごく簡単にお聞きしたいと思うのです。
 一つは、この改正案の骨子になっておりますのが、御承知のように、選挙管理委員会の職務が非常に強くなったということであります。いわゆる登録の責任は選挙管理委員会が負うことになります。そこで聞いておきたいのは、選挙管理委員会の意見をこれまで強くする反面に、日本の現行選挙法の中で、最も私どもが遺憾に考えておるのは、選挙管理委員会の国民に対する啓蒙に対して、何らの規定がないということであります。これについて大臣どうお考えになりますか。
#12
○野田国務大臣 門司さんのお尋ねでございますが、門司さんはこのほうの権威者ですから、私がかれこれ言うのはかえっておかしいと思いますけれども、一応法規上ないということでしたから、いま見ますと、第六条に、「自治大臣、中央選挙管理会、都道府県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会は、選挙が公明且つ適正に行われるように、常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治常識の向上に努めるとともに、特に選挙に際しては投票の方法、選挙違反その他選挙に関し必要と認める事項を選挙人に周知させなければならない。」これが一つのPRの条項かと思いますが、またほかにありましたら、ひとつ御指摘願います。
#13
○門司委員 その条文はありますが、その条文は選挙の管理に関する管理規定の一部分なんですね。だから、いまの選管というのは、事務管理はやることにちゃんと法律でなっている。しかし、一般の選挙に対するPRというのは、ほとんど権限もなければ実際の費用も持っておらない。だから、選挙になって、事務管理と接触している、棄権をしないようにとか、そういうことはやるのですね。しかし、選挙自体の管理というもの、いわゆるこういうことをしちゃいけないとか、こういうのはいけないということには一切ノータッチなんですね。そこに日本の選挙法というのは非常に大きな一つの欠陥がある。いまの選挙管理委員会というのは、選挙の事務管理は確かにやることにちゃんと規定はされているから、これはいまのお話のとおりです。しかし、選挙自体に対しては何らの権限も持っておらない。しかしこれは非常にむずかしい問題でありまして、かりに選挙費用等の問題にいたしましても、あるいはその他の罰則の適用にしても、もし選挙管理委員会が捜査権あるいは調査権等を持つということになると、たいへんなことになろうかと思います。これは問題はあろうかと思いますが、しかし、それにしてもいままでの行き方というものは、選挙の事務管理につながる宣伝だけはやっておるようであるが、選挙自体の啓蒙というものはあまり考えてない。私は、選挙というものについては事務管理だけでなくて、いかに公正にこれが行なわれるかということが、この選挙法の最大の問題でなければならないと思う。その点が欠けておって、今度の改正法案を見ますと、いままでは個人のみずからの登録という形をとっておったものが、今度は大体選挙管理委員会の責任に属する旧来のものに戻っております。ずっと前の選挙法はこうなっておって、選挙管理委員会あるいは町村長のほうから、おまえさんは選挙権があるのだということをちゃんと通知をして、それを登録しておる。いままでのは本人が登録するという形になっておった。したがって四回の登録月を置いたわけであります。いわゆる三カ月という住民の在住期間がありますから、結局四回にしておる。これを今度は一回にして、前の――昔というと語弊があるけれども、昔の町村長の責任であったものが今度選挙管理委員会に移されようとしている。そこに私は考え方の上で、どうもこういうことにして、そうして住民登録と合わせるという登録法のできたのも、いわゆる二重投票を管理しようというものの考え方、日本の選挙権というものはあくまでも一票でなければならぬはずであるから、これが二つ施行されるということはたいへんだということになる。そういう形は一応よろしいとしても、どうも私は、取り扱いの上において、選挙法を改正するのならもう少しはっきりしたものにしたらどうかと、こういう感じがして聞いたのでありますが、教えてくれという話だから、これ以上教えることもないかと思いますが、それはそれといたしまして、時間もございませんので次の質問に私は移っていきたいと思います。
 そういたしますと、問題になるのは、この選挙法には直接関係はありませんが、いま社会党さんのほうから質問がありましたように、次の選挙制度審議会の問題であります。従来、選挙制度審議会に諮問される事項というのは、いろいろあったわけでありますが、これをここでとやこう申し上げませんが、この中で一つだけ、選挙法に関してこの際大臣の意見を聞いておきたいと思いますことは、選挙に対しまする罰則についてであります。これが選挙法の中で、選挙に関する罰則として従来から取り扱いがされておる。そこで、選挙というのが政治に直接からまっておりまするから、日本人のいままでの概念としては、選挙違反というものは政治犯であるというような妙な考え方を持っておる。これはむしろ欧米の先進国のような形で、選挙違反を刑法にゆだねたらどうかということであります。いわゆる、口では言っておりますよ、破廉恥罪とかなんとか言っておるけれども、実際、法律は選挙法の中に集約されておるから、政治犯という観念が出てくるのは当然であります。買収した者は、結局贈賄罪なら贈賄罪で取り締まるという形をとっていく、あるいは財産を何もいわれのない者に提供していくという形で、刑法の中で処罰していく。戸別訪問が気に入らないというのであれば、家宅侵入罪で刑法で処罰していくということになると、選挙違反が破廉恥罪ということに事実なりはせぬかと私は思う。どこまでも選挙に関する罰則だということをつけているから、これは政治犯だというものの考え方で、見つかったやつが運が悪いんだということで、一向差恥といいますか、はずかしめを受けるという観念がないのであります。したがって、選挙違反というものは、まごまごすると箔がついたくらいに考えているのがいるかもしれない。まるでやくざに対する罰則みたいな形で考えられている節が、日本には非常に多いのであります。いつまでたっても選挙違反というのは絶えない。私は、選挙違反をもう少し――国民の最大の権利である選挙権を売買したり、あるいは選挙権の行使に対して不正が行なわれるということは、これは民主主義国家の国民としては最も恥ずかしいことである。自分の良心を売ることであり、他人の良心を麻痺させるというような行為は、最も慎むべき行為である。だから、これがいつまでたっても直らないというのは、私は選挙法の中にそういう罰則の見方についての欠陥があるのではないかと考えます。したがって、もう少し罰則の見方を変える必要が、この際ありはしないかと考えておる。この次の選挙制度審議会等に諮問される場合の一つのお考えでもあればけっこうだと思いますが、御答弁できるならば、ひとつお願いしたい。
#14
○野田国務大臣 いまの選挙に関する罰則の問題、門司さんの御見解をお聞きしたのですが、これは私ども選挙に実際携わっておる者から考えましても、この罰則が選挙法によって適用される場合と、いまの御意見のように刑法上これを取り扱う、非常にこれは重大な問題だと思っております。一がいに考慮するとかなんとかいう段階じゃなくて、基本的な罰則の問題でございます。しかし、いまのお話、非常に示唆に富んだ点もあると思います。これをこの次の選挙制度審議会にかけるとかかけぬとか、これはまあ今後の問題でわれわれ考えなければならぬと思いますが、非常に大きないわゆる御意見をお聞きして、今後の選挙全体に対しても一つの見解ともなりますし、それから、国民の選挙違反に対する認識も基本的に違ってまいります。私、非常に大きな示唆を得たと思っておりますが、これは審議会にかけるとかかけないということを、私、いまこの段階でお約束はできませんが、十分私どもその点をひとつ考えてみたい、こう思っております。
#15
○門司委員 あまり御質問等をする時間もございませんのでいたしませんが、私はやはりこの際、選挙法を変えるということを――なぜ私がそういうことを言うかといいますと、もう一つ、やはりこの問題と別に、費用の問題であるとかいうようなものが、いろいろ選挙法の改正の中には出てくる。さらに、いま政府あるいは自民党で考えられておるといわれておるような、一つの選挙法の改正もあるように私ども聞いております。そこで問題になるのは、そういうような問題がどういう形で出てまいりましても、私は、選挙を改めようとすることでなければ、どんなに小手先だけの選挙法改正をしてみても、それで選挙がよくなるとは考えないからであります。選挙法の改正の重点は、どこまでも選挙を公正なものにするということであります。
 これはかつて私の聞いた話でありますが、参考までに聞いておいていただきたいと思います。ある人がドイツに行って、ドイツの選挙を見て、ドイツでは公明選挙はどういう手段で行なわれておりますかといって質問をしたときに、ドイツには公明選挙ということばがなかったということであります。通じなかったということであります。選挙は公明であるべきだ、選挙は公正であるべきだ、一体公正であるべき選挙を公正にしなければならぬというのはどういうわけですかと反問をされて、どうにもならなかったという述懐を聞いたことがあります。私は、選挙の観念はそのとおりだと思うのです。しかし、日本は、その観念がそのとおりでありながら、公明であるべき選挙はなお公明にしなければならぬというので、選挙管理委員会が一生懸命になって、なおいまでもそこいらに大きな看板を出してやっているようです。この選挙に対する基本的な考え方というものについての選挙法の改正というものは、ちっとも行なわれておらない。小手先だけの改正であります。これではいつまでたっても選挙はよくなりません。ですから、私は、思い切ったそうした選挙の改正を行なうには、概念、考え方自体から、選挙というものに対する政治犯であるというような間違った考え方から脱却して、選挙はあくまで公正でなければならないというたてまえをとるならば、この際罰則をやはり刑法なら刑法へ移していくという、たとえばポスターを破った人には選挙法の罰則でなくて、これはあくまで他人の器物を毀棄したということでやれば、やれないはずはないわけであります。そういう形のほうが処理もしやすい、早い。現行犯でそこでぴたっとやってしまえば、刑法で片づければどんどん片づくのであります。選挙法のワクの中でそれがどうとかこうとか言っておるから、問題が起こるのであります。ポスターをたくさん張った人は、詐欺罪でやればいいのであります。それを公職選挙法何条がどうのこうの、ポスターがどうのこうのと言っておるから――詐欺であることには間違いがない。ごまかしておることには間違いがない。選挙違反に対する処理についても、そのほうがずっと早いと思う。それから、選挙に対するものの考え方を国民全体に改めさせるのには、そういうことにしたほうがいい。ところが、いつの選挙法の改正を見ても、そういうことはちっとも書いていない。第一に、選挙民の啓蒙がどこにもあらわれていない。ただ小手先だけの、何か穴があいだがら、その穴を小さくして漏る水を少なくしようという考え方ぐらいにしかなっていない。これでは、いつまでたってもだめだ。だからいまのような質問を申し上げたわけでありますが、答えられないということになれば、これ以上追及しても始まらぬと思いますが、しかし、選挙を担当される大臣としては、心得ておいていただきたいと思います。
 それからさらに、この内容でありますが、内容にもさっきちょっと触れました。四回を一回とすることで、そういう選挙管理委員会の非常に大きな責任ができてくるという、こういうことになるわけでありますが、もう一つ私がこの機会にお伺いしておきたいと思いますことは、選挙自身についての一つのものの考え方としての、あるいは取り扱いとしての裁判は、さっき申し上げましたように、非常におくれておるというこの事実でありますが、これをもう少し早くするという――なるほど法律には百日以内にやるとか、三カ月以内にやるという規定もありますけれども、ほとんど行なわれていない。したがって、いい悪いは別にいたしまして、現在の時限においては、交通裁判所と同じような形で、選挙に対する裁判は特例を認めたらどうですか。選挙裁判というものは別個にやるということです。そうして裁判所のほうも、選挙違反があれば、その選挙違反は専任の人でどんどん片づけてもらう。普通の裁判と同じような形でするということは、私は、裁判所のいまの構成ではひまが要っておるのじゃないかと思う。一方においては、交通裁判所が早くやって、そうして交通違反に対しては早く決着をつけてもらいたいという意見もありますが、選挙の場合も、やはりこういうことが必要じゃないか。その点についての大臣の見解をひとつ聞いておきたいと思います。
#16
○野田国務大臣 選挙に関する裁判の期間の問題、これはもうほんとうに長い間の世論といってもいいので、一つ事件が起こると二年も三年も終結を見ない。そのうちにまた次の選挙とか何かというのできわめてあいまいになるということ、これはもう御指摘のとおり、私も全く同感であります。いまお話しもありましたとおり、百日裁判なんて出てまいりましたけれども、なかなかそのとおりいっておりません。これはやはりいまの御意見のように、どういうやり方をするか。いま交通裁判の例もお引きになりましたが、もうすでに世論が、何としても選挙違反についてはすみやかに結審をするということ、またこれは世論ばかりではなくて、実際問題といたしましても、私どもの経験からしてもどうしてもその必要を認める。これは私、ひとつ十分この点をくみまして、この裁判機構また裁判の取り扱い方というものにつきましては、御趣旨に沿うような方針で、いろいろな点において対処したいと思っております。全く同感に思っております。
#17
○門司委員 このあと一つ、二つ聞きたいと思っていますが、今度はいやなことを聞くようですけれども、選挙違反の恩赦との関係であります。私は先ほど、選挙違反を刑法で取り締まれということを申し上げましたが、選挙違反が一方においては政治犯であるかのごとき、というよりむしろ政治犯であるというような印象を強く与えておって、そして一方、国民の基本的な権利を売買したり基本的な権利を非常に大きく傷つける。民主国家としては最も恥ずべき犯罪であり、最も慎むべき犯罪であることに間違いない。これはだれが何といっても間違いがないのである。ある場合においては、人を殺傷するということはいけないことであるが、これは人権としての最大の問題である。しかし選挙は、一たび誤れば国を誤らせるという非常に大事な問題である。私は、選挙はそこまで考える必要があると思う。ところが、これがどういうわけか、恩赦の中に含まれるというものの見方です。私は、選挙違反だけは、いかなる事情があろうとも、現行の選挙法による罰則は罰則でよろしいと思うが、これを恩赦の対象にするということは非常に大きな危険があり、大きな間違いだと思っている。国の政治を誤らすものである。しかし、恩赦、特赦というのは、いずれも国の慶事、国のお祝いごとによって行なわれるものであり、あるいは中には、陛下がなくなられた場合にはあれですが、いずれにいたしましても、国事に対するものである。しかし、国事犯として最も忌むべき選挙違反がこの恩赦の中に加えられているということは、私は非常に遺憾というよりも、実際はふしぎな感じがするのですよ。これに対して大臣の見解を承っておきたいと思います。
#18
○野田国務大臣 選挙違反が恩赦の対象になるという御意見でございますが、これはいまお話しのありましたとおり、恩赦、特赦は国事に関連する大きな一つの、何と申しますか、国の意思をあらわすお祝いごとが多いのですが、そういう不幸なこともある。そこで、その対象としては、おそらくどの犯罪という内容よりも、国民の犯した犯罪につきまして、一々の事案に照らして、そうしてそれがどういう刑法上の犯罪であろうが、選挙法上の犯罪あるいは交通関係の犯罪であろうが、これを区別しなくて、全体の立場から考えて、公平に犯罪の全体に照らして行なわれていることだと思っております。したがって、この恩赦の場合に、特別に選挙関係だけの犯罪はのけものにする、除外するという御意見でございますが、これも一つの御意見としてはある程度理解できますけれども、しかし、国家の立場からいたしますと、たとえこれが選挙に関する犯罪であっても、あるいは人を殺傷した犯罪であっても、あるいはその他いろんな幾多の、幾種類の犯罪の内容がありましょうが、全体として、国民全体に対する一つの国事として区別しなくてやる、こういうところにあると私は推定いたしております。また、それが間違っているということまで踏み切って私はお答えはできません。しかし、そういういまの、ことに選挙は、もう基本的な権利に関するということもよくわかりますが、やはり基本的な権利と申しますと、これは選挙が最高であるか一これは最高のものと私も思います。しかし、一応犯罪を憎むということは、どの犯罪でもやはり犯罪というものは憎まなければならぬと私は思う。そこでこれを取り上げて、恩赦、特赦をする場合は、やはりその事案の内容について、一般的に全体の犯罪に対して公平な立場でやるという国の一つの考え方というものに照らしますと、いま御指摘になりました選挙違反だけは別だというのには、全面的にそうですと私としてはお答えが非常にしにくいのであって、私はそこまで考えておりません。しかし、いまの恩赦、特赦を別にして、選挙違反に対してはもう少し国民が納得するような、ほんとうに基本的人権を侵すということからして、この罰、つまりそれを刑法上取り扱うか選挙法上取り扱うかという御意見は尊重すべき御意見だと私は思いますけれども、恩赦、特赦というのは、もっと何といいますか全体の犯罪、どの犯罪でないということをきめてかかるということについては、必ずしも全面的にそうでございますとお答えできないと私は思っております。
#19
○門司委員 どうも大臣の答弁は非常に苦しい答弁であります。私は実はそうは考えていないのです。これはこれ以上きょうはお話しする時間がございませんのでお話はいたしませんが、しかし、大臣もひとつ考えてもらいたいと思いますのは、これは国のほんとうの基本的な問題であって、これは犯罪を犯さなければならない理屈はどこにもないし、何らの賠償をしなければならないという理屈もないのであります。これはほかのいろいろな事件については、何とかにも三分の理ありというようなことでいろいろな感情があり、理屈があり、犯罪構成に至る経路はあろうかと思う。しかし、選挙だけはそういう構成はないはずであります。特別な取り扱いをしたからといって、たいして大きな問題ではないと私は思う。それはそれとして、よろしゅうございます。
 最後に、こまかいことですけれども念のために聞いておきたいと思いますが、この法律の中にあります船員の登録に対し、これを廃止するという規定であります。これは、大体承っておるところによりますと、これの対象になる人がきわめて少ない、だから規定があってもほとんど使えないのだ、使えないのだというよりも、むしろ使う必要がなくなっているのだから、廃止したらどうかという御意見だと承っております。しかし、法律のたてまえからいきますと、たとえ一人でも二人でもそういう人があるとするならば、法律を残しておく必要があるのではないかと思うのです。これは自治大臣御承知だと思いますけれども、こういうものはやはり残しておく必要があるのです。自治法の九十四条を読んでごらんなさい。私はたしか九十四条だと覚えておりますが、日本の小さな村には、町村会議員は置かなくてもよろしいという規定があるのですね。日本の小さい町村には、いまこのばかばかしい規定を適用するところはございませんよ。しかし、自治法のたてまえからいけば、一方において民主政治のたてまえからいけば、たとえば戦前の宇津木村というような村は、人口が五十八人で有権者が二十八人ですね。その有権者の二十八人のうち八人の村会議員を選ぶということになると、どういうことになるかということですね。これはみな三票ずつとったのでは足りませんから、結局三票とった人が最高点で当選する。こういうことで、細君とおやじさんが話し合って、今度はおまえ村会議員になれやということで相談すれば、村会議員になれるという話が事実上あったのです。大臣も御存じでしょうけれども、私のところの神奈川県の箱根山の上にも小さな二百五十人ばかりの人口の村があった。そういうことがありますからこういう規定が必要だ。しかし、今後の一つの行政のあり方としては、住民自治というたてまえを考えてくれば、この自治のあり方としては一応考えられる制度であるということですね。外国における支配人制度があるのと同じでございまして、外国には市町村長のいないところがあります。議員だけで、あとは支配人にまかせるという制度もあります。自治の形態の中にはいろいろある。しかし、日本の場合には、そういうものがないにもかかわらず法律が依然として残してあるのですね。これは法のたてまえ上残してある。この場合にこれを削ってしまうという。この間、対象はどのくらいあるのだと聞いてみましたところ、百何人しかいない。百何人であろうと何であろうと、国民の基本的権利である選挙権が行使できるという、あるいはそうさせなければならないというなら、これは残しておいたらどうなんです。私はそれのほうが正しいと思うのです。あり得ることであるならばこれを規定しておくということ、現実にあるというならばこれをやはり法律に残しておくということ。事務的に繁雑であり、たいしたものでないのだからやめておこうということになると、それに該当する人たちの基本的の権利が剥奪されるということになりはしませんか。この辺をひとつもう一ぺん御答弁願っておきたいと思います。
#20
○皆川政府委員 御指摘のように、船員の選挙人名簿につきましては、船員の生活状態というのが法律をつくりました当時からだんだんと変わってまいりまして、陸上に生活の本拠を置く者が多くなって、その結果、該当者が逐次減ってまいりまして、百名ということになってしまったということでございます。
 最近の状況を見ますと、こういう百名そこそこの方であっても、陸上に何らかのつながりを持つ、あるいは会社の施設があるとか、帰ってきた場合にある程度本拠地になるという実態を持った人がある、こういうような形態が多いようでございまして、そうすればむしろその人たちにとっては、そこに住民登録をしてあるということのほうがベターじゃないかというように考えまして、住民登録の措置のしかたとして、そういう方々についてはそういう認定をいたすことにした。そうしますと、特別な選挙人名簿を調製しなくても全部救済されるわけでございます。そういうような措置を考慮したわけでございます。
#21
○齋藤委員長 伏木和雄君。
#22
○伏木委員 時間がないようでございますから、端的にお伺いいたします。
 今回の一部改正は、あくまでも選挙の公正を期すための、正確を期すための法律の一部改正であるということは重々理解できるのでございますが、正確を期すという名のもとにこうした事務処理をする、このことによって国民本来が有している選挙権が行使できないという問題が発生することを私はおそれるのであります。前回、永久選挙人名簿の施行後行なわれた選挙によって、当然選挙権を行使できる百万人の新有権者が選挙ができなくなってしまった、こういうことがあって大きな社会問題になり、憲法上の問題、裁判問題まで起きているということは、大臣重々御承知のことであると思います。したがって、こうした公正を期すという名のもとに行なわれる改正が、たまたま事務上のミスによって、せっかくの選挙権を行使できないというような問題の発生することを心配するわけですが、今回の改正によってこうした心配が全然ないということはないと思います。たとえば出かせぎの問題、あるいはこれは許されるべきことではありませんが越境入学というような、現在住民登録が生活の本拠地以外に置かれているような方々が、住民登録の上から、あるいは住所要件というものとのかね合いの上から、現実にりっぱに生活しておる人でも選挙権が行使できないということが発生するのではないかと思うのでありますが、こうした点に対する事務当局の対策は、こういうことは事前にわかっていることですから、大臣としてはどのように指導されていくか、お伺いしておきたいと思います。
#23
○野田国務大臣 いま御指摘になりました事務処理が適正に行なわれない場合には、やはり選挙権というものがはたして公正に、しかも漏れなく行使できるかという御懸念は、私よくわかります。そこで、その意味におきましても今回の法の改正をいたしたのでございますが、今回御承知のとおり、この改正案は、選挙人名簿の登録は原則として住民の基本台帳に基づいて職権で行なう。選挙管理委員会によってだけこれをやった場合には、やはり手落ちがあってはいけないというので、選挙管理委員会と同時に市町村長等関係の執行機関の日常の活動によって、住民基本台帳を通じて常にチェックされる。ただ、そのときそのときこれをやりましても、これはいまのお話のような粗漏の点が出てまいりますので、どうしても常時にこれをチェックしていく。自治省といたしましては、選挙管理委員会と市町村長等の関係執行機関との協力体制というものをここでもって一体化してまいりませんとその実はあがりませんので、この緊密な両者の関係をはかりまして、そうして適宜選挙人の実態調査ということに重きを置きまして、実態調査を実施しまして登録が厳正正確に行なわれるように、また他面、住民基本台帳との結びつきによりまして、選挙人名簿についての考え方がかりそめにも安易に流れることのないようにひとつ指導したい。いままでの御指摘の点は私も存じております。また、これらに対しまして越境入学なんという非常な弊害も出ておりますが、これらをやりますと越境入学、これは選挙とは別でございますが、お話が出ましたから申しますけれども、これも相当阻止できるのではないかというので、その点はわれわれといたしましては、伏木さんの御指摘は十分頭に入れて事務的にはこれを処理していかなければならぬ、こういう考え方を持っております。
#24
○伏木委員 越境入学のことは、これは法的には違法ということははっきりしております。しかし、ある程度教育委員会等で黙認して今日まできておるところもあるようです。たとえば大阪市の教育委員会の発表によりますと、大阪市内の越境入学は約小学校で二万、中学校で一万五千いる、こういうような報告が出ております。大阪の東区のある中学校では七割、小学校では六割の越境入学者が出ているというような報告も出ております。こういう実態がこの法律執行と同時に是正されるかというと、なかなかそれはむずかしいことではないか。また、出かせぎも全国で大体六十万人の人々が推定されておりますが、こうした大量の流動的な有権者を的確につかむということは、不断の努力だけではなかなかむずかしいのではないか。やはり選挙のあるたびにチェックをされていくというような点にも心していかないと、ふだんやっておったからということで選挙時の手続に手抜かりがあるようなことがあってはならない、このように考えるわけです。こういう実態のもとに行なわれる、したがって、しゃくし定木でこれをやるべきでない。でないと、せっかくの選挙権が行使できなくなるという点があるということを、時間もございませんからここで指摘をしておきたいと思います。
 それから法のもとに平等に選挙を行なうということは、有権者の問題だけでなくて、やはり運動というものも大きな問題ではないかと思います。自民党では調査会においてこの運動についての検討がいろいろされておるようでございますが、自治省としてこの運動の公正を期すということは、現在行なわれている選挙をさらに規制していくという方向でなくて、自由にさしていくという方向によって初めて平等な選挙が与えられるのだ、私はこう思うのですが、自治大臣としてのお考えをお伺いしておきたいと思います。
#25
○野田国務大臣 私は、いま伏木さんのお話しになりました、選挙はできるだけ自由にしたがいいということに全く同感です。先ほど選挙違反のお話がございましたが、基本的な選挙違反はもう絶対許すべきことでありませんが、どうも末梢的ということばを使っては当たらぬかもしれませんが、よく世間に形式的な形式犯といいますが、そういうのでは公正であり自由な選挙というものが非常にそこなわれていく。やはり選挙というものは、根本はもっと自由に、できるだけ制限を加えない。これはいま誤解されるといけませんが、買収とかは別でございます。これは間違ったことでございますが、選挙自体についての観念は、私はなるべく制限を加えないで自由にできる選挙、だから自治省といたしましても、さらに制限を加えようという考えは絶対ございません。そこで、次に提案いたしまして御審議をお願いしたいと思いますことにつきましても、その方向で、いろいろな点におきまして選挙の自由化という方針に沿うて内容をつくって提案したい、こう考えております。
#26
○伏木委員 大臣の御答弁ですが、何か私たちに映るものは、自由にすべき運動については規制をして、公正をはかるんだという方向のようにとれるわけです。一方逆に、今度は規制しなくてはならない政治資金のほうは、なるべく自由にしょう。考えていらっしゃることが全く逆ではないか。選挙運動というものは、いま大臣からお話がありましたように、極力自由にすべきだ、なるべくワクはないほうがいい、こういう方向でなくてはならないと思います。そういったことから、その自由化を目ざしての法案を今国会に出すとか出さぬとかいう話も出ております。
 またもう一つ、規制すべき政治資金のほうですが、これはまた逆に自由にしようというようなことで、今国会に出すことを渋っている、あるいは出したとしても国民の総反撃を受けた前回の政府案の程度にとどめて提案しよう、こういうような考えであるというようなことを新聞紙上で承っておりますが、この自由化を目ざしての改正案あるいは規制すべき政治資金の改正はいつごろ提案されるか、承りたいと思います。
#27
○野田国務大臣 伏木さんのおことばですが、おことばを返すわけではありませんが、私どもいま考えております選挙自由化というものは、これはいま自治省で考えている案が万全の案とは言えません。言えませんが、方向だけは、いわゆるいまの選挙をなるべく自由に、しかもそれが明朗になるわけだから、そういう方向をたどっていることだけは間違いございません。これは案ができましたら、そのときにまた御説明を申しまして御審議を願うわけですが、これもできましたら今月中、末ぐらいまでには成案を得たい、こう考えております。
 政治資金につきましては、私どももいろいろ検討いたしておりますが、少なくとも現行法よりも一歩でも二歩でも前進する。これもいま伏木さんおっしゃるとおり、御批判のあることも知っておりますが、一歩でも二歩でも前進するということが、それがまた将来いろいろな案が出てくるもとになるという考えでございまして、これはさっきもお答え申し上げておきましたが、選挙自体は党といたしても重大な関心がありまして、内輪な話で恐縮でございますが、調査会あたりの意見もなにいたしまして、今後、この会期に間に合うように、大体審議が終わるように、そういう目標で政治資金のほうも考えております。
#28
○齋藤委員長 堀昌雄君。
#29
○堀委員 実は時間がないので遠慮をしておったのですが、五分だけお許しを得て。
 この選挙人名簿の問題は、今度はまさに住民基本台帳がきちんとできるかどうかにかかっておりまして、公職選挙法の側としては実は所管が同じ自治省でありますから、住民基本台帳がきちんとできていなければ、かえってこれをやることによってこれまでより悪くなるというおそれが実は出てきておると思うのです。そこで自治大臣としては、この住民基本台帳の励行については、少なくとも年に四回なら四回、場所や時期等を指定して、そこでサンプル的に詳しい調査をやってみて、その調査の結果、いま伏木さんも触れられたように、越境入学等の問題も出てくるであろうけれども、それすらもわからないような住民基本台帳であるならば、選挙人名簿に住民基本台帳を使うことは不適当なことになってくるのではないのか。かえって選挙管理委員会が独自に調査をしたほうが、よりすぐれた選挙人名簿が正確にできるということになるとするならば、これは重大な問題になりますから、その点について自治大臣は責任を持ってそういう調査を行なって、その結果については当委員会に少なくとも四半期別ぐらいに報告をしてもらって、そうして住民基本台帳がどのような形で整備をされ、確認をし得るのか、その点をちょっと明らかにしていただかないと、この法案は非常にあやふやなものになるおそれがありますので、自治大臣からその点をひとつ、今後の対策を含めてお答えをいただきたい。
#30
○野田国務大臣 私は、いま堀さんの御指摘のことはごもっともだと思います。住民基本台帳がぐらついておりますれば選挙権者の確実な把握ができないわけですから、そのとおりでございます。先ほどもちょっと申し上げましたように、今度は選挙管理委員会とか市町村の関係執行機関とか、日常の活動等によって整備したいということでこれを出しておりますが、これは住民基本台帳がもとですから、これは御指摘のとおり実行します。そしてこれをやらなければ、ほんとうにいまお話しのように、越境入学なんというものは、これはさっきの伏木さんのお話じゃありませんけれども、私も現にずいぶん聞いておりますし、全く意味がなくなりますから、これは御指摘のとおり実行いたします。そして、こちらにまた御要求があった場合には、もちろんない場合でも、その実態についての御報告をする、これは当然お約束すべきことだと思います。
#31
○齋藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#32
○齋藤委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 内閣提出の公職選挙法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#33
○齋藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#34
○齋藤委員長 この際、鍛冶良作君、阿部昭吾君、門司亮君及び伏木和雄君から、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、本動議を議題とし、その趣旨の説明を求めます。鍛冶良作君。
#35
○鍛冶委員 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党を代表いたしまして、その趣旨を説明いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   公職選挙法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、今回の選挙人名簿制度の改正に当たつては、次の点に留意して国民の選挙権の行使の確保について遺憾のないよう努めるべきである。
 一、選挙人名簿の登録は、住民基本台帳に記録されている者で選挙権を有するものについて行なうこととする旨を十分住民に周知徹底すること。
 二、選挙人名簿の正確性の確保のためには、制度の改正だけでは十分でないので、住民の実態調査を励行するなど運営面において万全の策を講ずること。
 三、選挙人名簿の登録、整理等については、前記二の実態調査に要する経費をも含めて十分な財源措置を講ずること。
以上でございます。
 大体説明申し上げるまでもなく、先ほど来の質問でこの趣旨は十分あらわれておりまするが、先ほど門司さんから、選挙の公正についての選挙管理委員会の義務があるとかないとか言われたが、条文があろうがなかろうが、国がこれの公正を期さなければならぬ責務のあることはもちろん、また、各自治体において自治体の公正を期さなければならない責務のあることはもちろんだと思いまするので、この点は十分やっていただきたいのですが、どうも情けないかな、本人を主体にしてやろうとしますると、どうもまだそこまでは行き渡っておりませんので、旧来から、子供のときからおって成年に達した、選挙権を有するようになった、そこで選挙人名簿にあげる、こういうことなら自然とやりますが、移転してきた、そのとき届け出なかった、どうもこれはなかなか励行しておらない。また移転した、移転したという通知もしない。これもなかなか励行しておらない。励行しなければ二重になるか登録が落ちるか、いずれかになる。この点は、ひとつ十分国民に徹底するようにやることが、国及び自治体の一番の責務であろうと存じます。
 その次は、それと同時に、国民だけにまかせておいてはいかぬということがわかった以上は、国なり自治体がこれを正確を期してもらわなければならぬ。いま堀さんから言われたように、この点が正確を期せられなければ、かえって改正が悪くなるようなことがありますから、私は、具体的に調査するどのような方法がありまするか、この点を聞きたいと思ったのですが、いまその時間がございませんが、これはいずれ研究しておいて、こういうふうな方法でやりますということをこの委員会で御答弁を願いたいと私は思っております。それくらいでなければいかぬと思いまするので、この点は十分ひとつ……。私が思うところでは、町内の町会長か何かある、ああいうようなものでも利用しまして、そして間違いのないように、どこにおるか、また移転したら移転したということを調べるというようなことをやることが必要だ、こう思う。
 それで、このようにわれわれが注文しますと、要るものは金でございましょうから、その点はやはり十分用意してあげなければこれはできませんから、それで第三項の点を設けまして、十分なる財源措置をも講ずることを政府に申し出たい、こう考えて附帯決議をしたわけでございます。
 どうぞ皆さん方の御同意を得まして、実行していただくことをお願いしたいと思います。
#36
○齋藤委員長 別に御発言もなければ、本動議について採決いたします。
 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#37
○齋藤委員長 起立総員。よって、鍛冶良作君、阿部昭吾君、門司亮君及び伏木和雄君の提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、野田自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野田自治大臣。
#38
○野田国務大臣 ただいま御決定になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。
#39
○齋藤委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#41
○齋藤委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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