くにさくロゴ
1949/05/17 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第26号
姉妹サイト
 
1949/05/17 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第26号

#1
第005回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第26号
昭和二十四年五月十七日(火曜日)
   午前十一時二十分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○吉村隊事件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(紅露みつ君) 只今より開会いたします。本日は吉村隊事件に関する調査報告書案について協議いたします。速記を止めて。
   午前十一時二十一分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時二十七分速記開始
#3
○委員長(紅露みつ君) 速記を始めて。只今結論を出すということになりまして、六項目にこれを纏めるか、三項目にするかという両論になつておるところでございますが、どうぞ矢野委員。
#4
○矢野酉雄君 それで私は大体三つの款にして見たい。その一つは事件の眞相、第二の大きい見出しは事件発生の特殊性、それから第三の問題は帰還促進の対策、而して初めの事件の眞相の中にもそれぞれ先ず草案者がこれを三項目にするか、四項目にするか、五項目にするか、今北條君から問題が出た收容所の問題等もこれは時期において非常に相違がある。だから画することができるならば、画するというような、區画することができるならば、第一期、第二期、第三期というように分けて、第一期は受入態勢ができていない混乱のさ中だから、実にそれはひどかつたことは事実である。そういうように組織内にこれを分けて記述し、それからその凡そのことが分れば第一項をそこで結んで、而して第二項に、今申上げた事件発生の特殊性、これにはいろいろな問題があります。最前北條君は封建性ということを非常に強調しておつたが、これは一つの譬え話であろうと思うんです。日本民族の持つておつた封建性そのものがあつたために、こういう事件が起つたというような見方もあろうし、或いはですね。そういう封建性もへちまもない。(「その通り」と呼ぶ者ある)國は全く無條件的な一つの勢力に囲まれておるときに、自分のインデイヴイデユアリテイとか、民族の個性というようなものは物を言わない。これは北條君も私も一緒に動乱の巷で、北條君自身ぶち込まれておつた男だから分つておる筈であつて、恐らく北條君の封建性そのものが何も役立つちやいなかつた、それは一つの譬え話であろうし、対蹠的に言えば封建的性格と進歩的性格とでそこに同じ民族でも確執が起り得る筈で、でありますから、これはそれらの我々が蒐集した材料から表現ができれば表現しても結構でしよう。そうして最後にはこの事件の眞相と事件発生の特殊性がここに大体分れば、これに対して如何に我らば國内体制を整えて、帰還促進の対策を立てるかという方策がこれによつてできる。それから或いは対日理事会に対して要望すべきことがあれば、ここで結論を出していいでしようし、それに当局に対して要望する必要があれば、それも亦よろしいし、或いは國民諸君に対して國権の最高機関たる一つの参議院の特別委員会として國民に要望し、或いは注意を促すというような必要があれば、ここで論じてよかろうし、大体今申上げたように、私も北條君の三項目説に從つて、その一つ一つに必要に應じて部門を設けて記述して行く、こういうふうな私は意見を持つているのであります。
#5
○岡元義人君 私の説明が非常に拙かつたから又こういう悶着を起したのですが、このいわゆる眞相とかいうことは、この報告書で至れり盡くせりなんです。それで一番あとの所に紙をくつ付けるわけですが、その紙に総体的に委員会としては、例えば死亡者の問題は相当こういう工合に言われておつたけれども、併しながら実際の状況は、前に報告した通りこれだけしかなかつたんだということをちやんと謳えば、その目的の誰の責任によつてこれは死んだのだということが明らかになります。
 それから留守家族の不安を除去するためには、これだけの吉村隊を取扱つて、留守家族に対して相当の不安を除去し得たと思うということを書いて、それから次に不幸を防止する方法、こういう対策は委員会としては、吉村隊事件を終つて、その結果からこういう工合に対日理事会に要望する。その條件は今ここで皆決めてやればいい。そういう簡單な紙一枚の、最後の頁なんですがね、だからそういうことをそうむずかしいことを議論する意味ではない。
#6
○矢野酉雄君 それもあなたの一つの案だ。案だけれども、そこに集められたものは相当廣範囲なものだ。それで最後にこれを要約して、要約するうちに、委員会としての態度も闡明して当然よろしいわけですね、そういうこともやらんで、びちやつと一枚か二枚で何か結ぶということもよく諮つて下さい。岡元案も案であり、北條案も案であり、矢野案も案でありますから、よく御相談願つたらいいでしよう。
#7
○北條秀一君 矢野委員からの事件の眞相ということについて言われたのですが、私の言いましたことは、事件の眞相でなしに、第一項目はウランバートルの收容所から見たところのソ連の收容所の状況、即ち残留者の状況はどういう状況であるかということは、十分に我々は推測し得ますので、これを我共としての知り得る範囲内において、而も證人喚問の結果に基いて、これを第一に究明することがいいと思う。それによつて一日千秋の思いで待つているところの留守家族諸君に、全部を正確に傳えることはできませんけれども、少くとも現に残つそおる人達は、当初言われるごとき給與において、或いはその他の点について悪い條件ではない、始めは悪い條件だつたけれどもあとは改善されて、現在のところでは先ず先ずというところだということを私は第一項目に書こうと考えたのであります。で殊に先程死亡者の問題が出ましたけれども、死亡者の問題は確かに重大な問題であります。從つてその問題につきましても、私としてはこれの証人喚問の資料並びにその他の資料からですね、第一項目の結論に盛れるならば盛る。そうすることによつて國民に、この不安動搖しておるところの國民に何らかの手掛りを與えることでできるというふうに考えます。そういう意味での第一項目を私は言つたわけなのです。從つてこの結論をですね、極めて簡潔なものに纏めても、纏めることはそれは一つの方法であり、一つの意見でありますけれども、私はこの結論については簡潔な文章を用いましても、相当やはり念を入れてしなくちやならない。吉村隊事件の証人喚問の報告書は、この報告書の頁にして五千何頁になつておりますが、実はウランバートルにおけるところの吉村隊並びにそれに隣接するところの若干の俘虜收容所及び俘虜病院の状況を知るだけでありまして、他の大部分の俘虜收容所については國民には何等知らされていない。それで我々は先ずこういう状態ということを知らせ得るのじやないかということを私は言つたわけなのです。從つて内容が違つて來ると、その点が岡元委員との見解の差であると、私はそう思うのであります。
#8
○岡元義人君 どうも分らくなつたのですがね、私はここに吉村隊事件としての事件の眞相は、報告書として一應でき上りまして、最後にこの四日間にわたつて行われました審議の経過、結果の結論を出しておるわけであります。これは吉村隊のいわゆる審議の結論でありまして、これによつて最初冒頭にこの吉村隊審議を取り上げるときに、いわゆるこの委員会はこれとこれとを持つて行くということでこれを取り上げたということになつておりますから、要するにこれだけの事件を調査した結果、委員会としては、いわゆるこの羅列されました目的に對してどういうふうになつたということを書きまして、それから事務的処理としてそういう僞証等の問題も、ここで一応こういうふうに処置をした。僞証罪として何するものはなかつたというふうに全部纏めて行きまして、問題が起きてなければ別に何事もなかつたが、渡邊問題も起きておりますから、一応この報告書の終りに付けて行つたらいいのじやないか、尚人民裁判がありますので、人民裁判の方で一緒の結論を、この問題は更に人民裁判等とよく審議した結果、この問題は次のときに結論を出す。こういうふうに持つて行つてもいいのです。そういうふうにして、何等か形を纏めて頂かなければ、この報告書もものにならないのです。
#9
○矢野酉雄君 それは結局、例えば僕の案にすれば、帰還促進の対策という所で、本委員会を開催した目的はそこに十分幾つでも織込まれるでしよう。これはこのままではいかないからこうしなければならん。そうすると目的を立てたものに対する、結局こういうふうな目的を果たすために委員会をやつたというような答えができるから、必ずしも初めに六項目か七項目の目的を挙げた、その眞正面からの表現の形式に從わなくてもいいわけです。事件の眞相という言葉は、敢てこの言葉を僕は固執しようというのではなく、北條君の内容を盛つたものが実はここに出て來なければならん。それが幾つかの項目に分れても結構です。
#10
○北條秀一君 何故私はこういうことを申したかというと、これは先程岡元委員から六項目についてのお話がありました。これは吉村隊事件及びいわゆる人民裁判事件の両方を合わせての、要するに後の委員会としての見解なんだと私は思う。そういうふうに問題が提起されたと私は考えましたからそれで私は申上げた。ですからいわゆるここに結論というのは、吉村隊事件の結論でなしにそれと離れて來るわけで、吉村隊事件の結論は、先程討議した第四項目に一応あるわけです。そういう私は考えなんだが、この点についてお伺いしたいと思う。岡元君どうなんでしよう。
#11
○淺岡信夫君 それじや北條委員にちよつと一点お尋ねいたしたいのですが、北條委員の先程の三項目云々ということは、私は大變結構だと思うのですが、その最後の結論のところは吉村隊の結論も、更にいわゆる人民裁判の結論もここに共に出すというのですか、どうもそういうふうに私聞きとれるのですが。
#12
○北條秀一君 その通りです。
#13
○淺岡信夫君 私はその点に対してはちよつと異議があるのです、これはやはり吉村隊の証人を喚問したことは数日に及んだけれども、それに対してこの結論を出すというのでなく、その後も行われたいわゆる人民裁判の結論を表明するということは、どうしても納得できない。その点を一つ委員長からお諮り願いたいと思います。
#14
○委員長(紅露みつ君) 北條委員に申上げますが、その前にそれは問題になつたのでございまして、この中に含まれておりますいわゆる人民裁判の問題が含まれておりましても、後にいたしました証人の喚問につけて整理をしていいかということをお諮りしたのでございました。御出席がなかつたのじやないですか。これは当然別にお考え頂きたいと思ひます。
#15
○細川嘉六君 矢野委員の案にしましても、北條委員の案にしましても、それから岡元委員の案にしましても、この方策を作り出すということになれば、なぜ吉村隊だけを人民裁判から切離してやるか、私は方策を立てるならば二つの調べをおいて方策というものは行かなければならんのじやないかと思います。北條君のさつき言われたこともそれも至當だと思う。
#16
○岡元義人君 今の細川委員のおつしやることはそうだと思うのです。ただなぜ吉村隊の結論も出そうとしておるのかというと、一応切離すかどうかということは、もう切離すことに委員会で決つたことなんです。それからこれは蛇足になるかも知れませんが、委員会がこういう問題を取上げるのには私は二つの仕事があると思う。一つは取上げること自体によつて何らかの收穫を得る。それから取上げて審査し放しで何にもしないというのであつては、一つの目的しか達せられない。その結果において委員会がどういう措置をしなければならんかということは、委員会に與えられた使命である。これを総体的にまとめました結果において、その結果から委員会は、どういう措置をとればいいかということが問題じやないかと思います。
#17
○矢野酉雄君 私は動議を提出いたします。これは案は三つも四つもここで必ずしも決定せんでもいいから、須らく委員長みずからが案を練つてその草案を立てて頂きたい。それから御迷惑だが北條君も案を立てて頂きたい。それから岡元君も立てて頂きたい。冀は細川君も一つ立てて頂きたい。これはいいものを生み出そうとするのだから今日はこれをどういうように決定するかというところまで行かんで、もう一遍持つて來て貰つて、それによつて或る程度長くなるものと、短くなるものと、岡元君の案は二枚か三枚でできる可能性がある。委員長がこれに対してどういう案があるか。又別途の考えもあると思う。そういうふうにしてやつたらどうですか。
#18
○淺岡信夫君 私は矢野委員のこの提案に賛成いたします。至極結構だと思います。
#19
○矢野酉雄君 これは大變御迷惑ですが、後で労はねぎらいますから、明日の一時から特別委員会を開いて貰つて、そして案を出して頂く、若し非常に大部のものがあつたら、その方のは或いは残してもいいと思う。私はこの機会にいろいろ議論はあつたが、岡元君があれだけまとめた労に対しては、委員諸君はよしんば意見が違つておろうとも、これは本当の無條件のお互の氣持で、この委員会において当然これは御苦労であつたという氣持は表現しなければいかん。その後に至るまでの経緯は如何ようであろうとも、少くともお互に日本人のよさを失いたくないと思います。
#20
○淺岡信夫君 只今の矢野委員の動議に賛成します。同時に私はそれに対して條件……、條件といつては甚だなんですが、この委員会の一番最長年者である穗積委員から一つ感謝の意を表明して頂きたい。
#21
○岡元義人君 今の動議結構ですが、私の心配しておりますのは、明日恐らく三時を過ぎなければ委員会を開く見込はありません。それで私の立場を汲んで頂きたい。今まで企画を担当して來た関係上、人民裁判の問題も第五分間でもいいから、どうする、こうするということを決めて貰わなければ手を挙げるより外ない。
#22
○細川嘉六君 定員數の足りないのに、こういう重要な決定をするということは……。私はさつきから默つておりましたが、こういう重大なことを五、六人で決めるということは、後で物議を釀す。それからさつきから岡元君はこの報告書はすべてを盡しておるように言われておる。(「違うよ」と呼ぶ者あり)これは議論されて十分な檢討がされていない。これが確定せられたものであるように発言されておるのは困つたものだ。岡元君の文章をゆつくり読まなければ十分なことは言えないが、あれだけでも岡元君の主張が多分に盛られておる。これではこれを委員会の報告の土台とするには非常な反対があります。この速記録が一番よく物語つておる。それをいろいろに曲げて本当のものは出ていない。この原案も我々十不に愼重に討議して結論を出さなければならん。そうして又こういう重大な結論を出そうというときに、この六人で決めるというのは私は議事の手続に反すると思う。ですからこれはやめて頂きたい。
#23
○穗積眞六郎君 ちよつと細川さんに伺いたいと思いますが、どの点を決めることがいかないと、こうおつしやるのですか。その点を要点を挙げて頂きたいと思います。
#24
○細川嘉六君 先程からどういうようにして纏めるかということだけを論ずべき場合であつたはずです。それを肩違いに今度は内容をも決めて行くような話の進行になつて來ております。第一に作られた岡元案が、それが根底になるということについての話になつておる。この報告書は十分な檢討をされなければ、全体のものとなるか、或いは多数者のものとなるか、そのときに決まると思う。それをも含まれて決定されるように私は考えておる。
#25
○穗積眞六郎君 それは細川さんの思い過しじやないかと思います。それから岡元案だと言われますけれども、日曜をあれだけ皆で練つたのでございます。これをてんから岡元案と言われるのはちよつとどうかと思います。それにこけで決つたのだということは今まで一つも言つておりません。ただあの案に基いて我々がこれだけ討議して來たという事実はあります。ですからそういうことも参考にして、そうして今度結論をあれにするに当つて、まず皆さんで一つ結論の案を出して頂こうじやないかと、そうしてその上で総体を纏めて決めよう。こういう案なんでございます。それをこれ以上に進んだように、非常に進んだようにお考えになるので、今のような御意見が出るのじやないかと思いますが如何ですか。
#26
○細川嘉六君 岡元案と私は申しましたが、あれについて十人或いは六人の人が一昨日まで開いたのですが、あれはあれを調べる前に、どういう重大な点が落ちておるかということはお互いに言い合つて十か二十出たわけであります。その中に私も二つか三つ入れておるのであります。その取扱いも決まらない。それでそれらの点と、今岡元案として出たものとが兩方とも討議されなければならん。それらが済んでそれから本常に報告書は何を語つておるかということは決まるわけであります。そういう手続きなしに、すでにできたものを、岡元案というものでできたものを、もう取り上げて、そうしてそれについてもただ咄嗟の間に字句をつかまえて議論しただけで、その穩当なりや否やを決めただけである。深く立入つて議論はされておらないのであります。不穩当だと思われるところを片づけたに止まつております。それでありますから、その報告というものは、まことに不完全な、手続の上からいつてもまことに不完全であります。
#27
○委員長(紅露みつ君) 細川委員に申上げますけれども、お言葉ですけれども、その点はさつき議にかけまして、そうしてまず一応チエックしたところが審議されて、訂正されておる。それから挿入するという文は又別にとつてございまして、これから入れるということに御承諾を願つて、どういう方法でどういうことでという結論の問題になつておりまして、どういうようになるか、内容になんかまだ觸れておるわけではございませんけれども、……勢いそういうお言葉も出ましたけれでも、一応済んでおりますので、またそうおつしやられると又もう一遍後に戻ることになりますが……。
#28
○北條秀一君 十五日の委員会におきまして、理事の中の全部でありませんが、数人の方が岡元原案について案を練られて、その案を十五日の委員会において出されましたもとにつきまして、私共は委員会として檢討したのであります。檢討しまして、第一項、第二項、第三項の大体終りの方まで檢討しました。その際に星野委員及び細川委員からその原案に修正すべき点はそれぞれ修正の意見が提出されまして、そうして又実際にその御意見によつて報告書を直したのでありますが、その際に御両君から少数意見として、自分たちは反対すべきものは保留して置くという御意見でありました。從つて依然として細川、星野両君は少数意見を保留しておることだと考えております。ところが今の問題はこれを少数意見ということを細川委員は忘れちやつて、こう決めた以上は自分のところへ持つて行つて賛成するのだというふうに早合点されたから、そういうことになつたのだと考えます。併し今日の委員会において、委員長が最初に、岡元理事が報告書をここに朗続された際に、その冐頭にそういうことを委員長が言われなかつたものですから、そこに若干の喰い違いがあつたと思うのであります。今申しましたように、第三節の最後までは一応委員会において採用してよかろう。併し少数意見は保留する、こういう意見でありました。第三項の最後の頃から委員が定数を欠きして、紅露委員長、淺岡、穗積、星野、細川、北條六人の委員が懇談的に第三節の最後と、それから第四項の全部を檢討したわけであります。そうしてそこでまずよかろうということで訂正されましたのが、先程の岡元委員から報告がありました文章であります。ただその際に論議になりました点をここで明らかにして置きたいと思いますが、第三節の「最後ここに以下」数行が次のように直そう、それは「以上の点まで綜合して考えると、指揮者たる吉村隊長が旧態依然たる封建的旧軍隊秩序を維持していたことと同事に、隊員も亦これと同樣のものを持ち、隊長に屈從していたことが因となり果となつて、本件のごとき事件となつたのであつて、我國民として十分に反省すべき点ありと考えられるのである」。こういうのが最後になつておるわけであります。この点につきましては、少数意見派であるところの細川星野両君も賛成しておるのであります。以上私が申しましたことによつてお分りになると考えるのでありますが、先程矢野委員からお話がありましたように、私共はその動議に対して処理した方がいいと考えるのであります。以上経過を若干敷衍いたしまして、最後に矢野委員の動議に賛成して委員長がさように取計われることを切に希望いたします。
#29
○委員長(紅露みつ君) 先程の動議についてお諮りいたします。矢野委員の動議は皆さんお聽きの通りでございますが、……
#30
○岡元義人君 私の案は抹殺ですか……二十分間ぐらいでいいのですが……。さつき言いましたように、矢野委員が動議を出されましたときは、明日のことが、今後の委員會の状態が、矢野委員はまだお分りになつておらずに動議を出されたのであります。その後委員会の動き、運營ということについては、私がまだ不注意であつたということを前以て皆さまに申上げておけばよかつた。実際問題として吉村隊の処置をするというならば、どういう形で処分するかということについては、本会議にも持ち出さなければならん。或いは委員会として政府に申入れをするということになるのです。そうすれば委員会に総理大臣に來て貰わなければならんということも考えなければならんのでありまして、考える途中でありまして、これも何とかしなければならんでありましようが、今の北條君の最初のことは、まことに初めて聞く正論なんです。それはたしかに正論です。
#31
○北條秀一君 初めてとは何だ。馬鹿なことを言つてはいかんよ。
#32
○岡元義人君 とにかくこの問題は報告書という問題に対してそう固執するわけではありませんので、私は字句の修正等も実際少数意見者として述べればいいのでありますから、今まで唱えら來た意見の書き方にいたしましても、少数意見の人も全部入れて作り上げようとして、非常に無理を重ねて、晩までやつたのであります。それだから北條君の今のを始めて正論を聞いたと、こういつたわけであります。要するにそういう状況を一つお含みとりの上、処置をして頂くならもう一遍今の動議をお考え合せ願えたら願いたいと思います。
#33
○北條秀一君 岡元委員は私の意見を始めて正論を聞いたということでありますが、私も國会議員でありまして、これに関して二ケ年間正当ならざる議論をしたということになりますから、その点は岡元君はうやむやのうちに取消したということになつておりますから、最後に念を押しますが経緯を明らかにして頂きたい、別に取消すということはできませんです。そういうつまらないことを言わないように今後御注意願いたいと思います。
#34
○岡元義人君 悪氣があつて言つたのじやない。ともかも今のは私が少し言い過ぎましたから取消して置きます。
#35
○細川嘉六君 岡元案と言いますか、その岡元君の名において提出した報告書というあれは、我々があれの字句の修正に当つたのは、それだけでもやれば幾らかの整理ができるかと思つたのであります。あれ全体はひつくり返つた見解ですよ、この速記録に現われた証人の証言が、岡元委員或いはそれと考え方を同じくする人達の観方であつて、証言が素直に出ておるんですから、どうもしようがないと私ら考えて、私らというのは星野君もそう考えておられるらしいから。せめて多少の修正をやつて、全体に諮ると思つて参加したのであります。あれは決して原案というものにはなつていないと思つている。飛んでもないものができている。併しながら止むを得ないから多少の手を加えようということになつている、これは一番速記録がはつきりしておるのであります。速記録を見れば皆安心する、あの報告書を見たらただチヤンポンに外蒙の状態はこうであつた、混成隊であつたからこうであつたと、それを段々変えて大体の大事な点を問題の根本である池田という人の指揮、あれについての、又それがどうして來たかということについては何にも言つていない、ただ池田が可哀そうだというような、多少修正をやつておるに過ぎません。
#36
○穗積眞六郎君 その点につきまして、まだこれが終つたと誰も言つていないのですから……。ただ今御相談しているのは先程から述べられておりますように、一応結論というところを出さないと又前後の関連もあるから、結論をどうしようというので、今日これが議題になつたわけであります。それで結論をどう作ろうかというので、只今矢野君が動議を出されたので、別段に今のあなたのいわゆる岡元案で決つたということも何にもない、まだですから本当に結論が出るまでにはいろいろあれがあるんでろうと思います。だからその問題を、結論をどういうふうに作ろうかというときに取上げて、長く御説明になる必要は僕は全然ないと思いますが、如何でしようか、これが終つたとか何とかいうならとにかく、もういい加減にその部分を終結したらどうかという氣がいたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(紅露みつ君) それじや先刻の矢野委員の動議をお諮りいたします。御異議がございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○細川嘉六君 委員長今発言を求めているのに……。
#39
○委員長(紅露みつ君) それじや先程矢野委員の動議の通り決定いたします。そして今日はまだいろいろございますけれどもこれで散会いたしたいと思いますが……。
#40
○北條秀一君 先程の矢野委員の動議は、これは岡元委員、北條委員、細川委員にそれぞれ原案を起草するようにということでありましたが、これを起草することに、細川委員が納得しなければ、委員会で押しつけるというわけにはいかん、脅迫するわけにいかん。その点細川委員の意見を聞いて置く必要があると思う。それでその部分だけ修正しなければならんと思いますから、その点について細川委員の発言を許されることを希望いたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○委員長(紅露みつ君) それではどうぞ。
#42
○細川嘉六君 余り無理を強いないように。第一に必要なことは委員会としてやらなければならんことは、証人の証言について、自由な討議がなければならんと思う。
#43
○矢野酉雄君 別問題だ。
#44
○委員長(紅露みつ君) 問題に外れないように。
#45
○細川嘉六君 恐らく反対の意見を出すだろうと言つて、小数意見のものを予定して、これを片附けて行こうというやり方はいかんと思う。それだからいろいろな意見があるが、それが討議されていない、大事なことは行われていない、そうして纏めること、結論を出すこと、何かの対策を立てることに一生懸命になつて、すべてのことを向けている。非常に危險なことではありませんか。自由なそして又この事件にふさわしい討議が行われてこそできるのであつて、それを封じてしまつてはいけないと思う。私に一つの案を立てろというのは、一つの封じ方である。私はこの自由な討議がなされずして、そういうふうにするということは大間違いだと思う。
#46
○星野芳樹君 この問題について岡元委員とかく小数意見があるというのを割当て、討議を避けようというのは重要な問題である。我々は飽くまで……(「そうじやない」と呼ぶ者あり)みんながどうしても納得しない点については、少数意見を保留しますけれども、委員長の報告というものは、在外同胞の運命について重大なる関係があるのである。だから我々はできる得る限りあなた方の頑迷な頭でも…未(「頑迷とは何だ」と呼ぶ者あり)
#47
○委員長(紅露みつ君) 問題について述べて頂きます。
#48
○星野芳樹君 ……ですから十分に……、(「君の頭は何だ」「君の頭はおかしい」と呼ぶ者あり)
#49
○矢野酉雄君 今の言葉は全委員を侮辱しておりますから取消して下さい。それでなければ懲罰の動議を提出いたします。
#50
○委員長(紅露みつ君) 只今の言い方はいけません。お取消し下さい。
#51
○星野芳樹君 頑迷ということは政府に対して頑迷ということも言えますが、議員に対して頑迷ということもあり得るので、これは何ら……、頑迷ということまで言えないとなると政治的討論も何もできない。これは取消す必要はない。
#52
○岡元義人君 只今の星野委員得々としていられるか分らんが、速記録に君達頑迷なということが出る。そういう言い逃れをするなら速記録を委員長取つて……、今の言は僕は人を愚弄するにも甚だしいと思います。委員長が、我々はお互顔見知りなんだから取消せと言われたにも拘らず、尚そういうことを主張する。素直に誠意を以て……。
#53
○委員長(紅露みつ君) 星野委員取消しになつた方が穩やかですよ。
#54
○矢野酉雄君 今の具体的な問題でやり給え、
#55
○星野芳樹君 こういう暴力行爲に対しては委員長何らの制裁もしないのですか。暴力問題が先決だ……。
#56
○淺岡信夫君 星野委員にお伺いするれけども、淺岡君が云々と言つたのはどういうわけか、その点をはつきりと……。
#57
○星野芳樹君 淺岡君の方が、発言のところではないのですが、彌次として共産党横暴と言いました。横暴というのと頑迷というのと、どこが差があるのですか。一議員を指して横暴と言われた。僕はやはり二、三の議員を指して頑迷と言つたんで、これは両方取消すなら取消す。
#58
○淺岡信夫君 私が共産党横暴と彌次つたことは、過日九日の日にこの吉村隊事件に対しての処理をどういうふうにするかということを委員会において諮られて、その順序等によつて逐次審議して來られて、而も十四日には委員長以下理事会で諮られて、そういてそれを諮つたものを、日曜である十五日にも朝十時から夜の十一時まで諮つて、そうして正式の委員会を通してやつたことに対して、それまでも覆そうとするから、これは共産党横暴だと言わざるを得ない。いいですか。先程は矢野委員の動議においてすでに本淺岡委員も賛成し、而も穗積委員も賛成されて、そうしてそれによつて処理をするという方向に向いつつあつたのです。それにも拘わらず、共産党の細川君が、それは封ずるもんだとか、或いは自分の意見を書けということは、それは一つの押しつてであるとかいうようなことを言つて、すでに九日に委員会で決つておる問題までも引つくり返そうとするから、それは横暴と言わざるを得ない。少くとも当委員会は民主的にやつておる。ですから、過去に返らずして一歩一歩前進して頂きたい。私は先刻の矢野委員の動議に対して賛成するし、穗積委員も賛成されておるんですから、先ずこれを取上げて頂きたい。そうしなければ一歩も前進しない。たまたま派生的に星野委員が脇から出て來て「頑迷な議員」なんと言うことは、これは後において如何樣な処理をするかということは、当委員会が決定すればいいのであつて、この問題は私は保留して置きます。当委員会としては議事の進行を図つて頂きたい。
#59
○委員長(紅露みつ君) 先程これは動議を取り上げました決定したのでございますから、その後において、それは細川委員が若しそれを作らなかつたら、押しつけというようなことですけれども、お作りにならないということでございましたならば、これは強制する何は勿論、私にも、委員にもおありにならないと思いますので……。動議は成立して、そうして採決いたしておりますから、これで散会にいたします。
   午後四時十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     紅露 みつ君
   理事
           岡元 義人君
           星野 芳樹君
   委員
           淺岡 信夫君
          池田宇右衞門君
           岩本 月洲君
           北條 秀一君
           穗積眞六郎君
           矢野 酉雄君
           細川 嘉六君
           千田  正君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト