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1949/03/31 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 両院法規委員委員会 第4号
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1949/03/31 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 両院法規委員委員会 第4号

#1
第005回国会 両院法規委員委員会 第4号
昭和二十四年三月三十一日(木曜日)
  本日の会議に付した事件
  ―――――――――――――
○非日活動委員会に関する件
○参議院議員選挙法に関する件
  ―――――――――――――
   午前十時四十七分開会
#2
○委員長(藤井新一君) 只今より参議院、両院法規委員会を開きます。非日活動委員会設置につきまして、新聞紙上においていろいろ取沙汰されておりますので、政府当局者の増田官房長官及び法務委員長の伊藤修君をお呼びしたのですが、増田官房長官はまだお見えになつておりませんから、先ず参議院法務委員会において如何にしてこの問題を採上げたか、その後の調査はどうなつておるかということを最初におききいたします。伊藤委員長。
#3
○委員外議員(伊藤修君) この問題につきまして只今委員長からお言葉がありましたが、先ずこの問題をお話申上げる前に沿革とでもいうべきものを先にお話申上げたいと思います。勿論それはアメリカにおける沿革とか或いは衆議院におけるところの沿革とかそういうものではなくて、当参議院に関しての沿革と御了承願つて置きたいと思います。昨年の五月六日と記憶しておるのでありますが、当時最高裁判所長官はその際病氣でありまして、裁判官のたしか齋藤君であつたと思いますが、或いは齋藤君と違つておつたかも知れませんが、少くとも裁判官が代理として出席されまして、参議院といたしましては私が招かれまして、総司令部におきまして、ケージス氏及びウイリアムス氏立会の下においてお話があつたのであります。現在の日本の在り方といたしまして、新憲法が施行され、これが運用され、占領政策に從つて日本の再建が営まれておるこの現状において國民の考え方というものが果してこの新憲法に副つて日本再建にすべてがその方向に進んでおるかどうかという問題でありますが、いろいろの面についていろいろな話はありますが、取分け國民の思想の上におきまして、日本の現在におきましてはいわゆる封建思想と極左思想というものが著しくいろいろな面において禍いをなしておるものと思う、殊にその禍いの大いなるものは日本の極右思想である、これは日本が二千幾百年の昔から培われて來たところの、その教育なり制度なり政治なりというものが今日に至つておる、それが敗戰という一つの事実によつて直ちに民主主義に切換えられたと、こういう状態にあるのであるから、その切換えられたことによつて、果して過去数千年の間において培われて來たところの封建思想というものが拂拭されたかどうかということについて思い及ぶならば、到底それはされていないと断言しなくてはならん。言換えて申すならば、いわゆる民主主義の衣を被つたところの封建思想というものが殆んど國民の全体を占めておるといつても過言ではないであろう。若し一朝事ある場合においては、いつ何時においても、この衣を脱して、直ちに旧来の考え方というものが剥き出しに社会の全体のかになつて来るのじやないか、或る一人の英雄が出てこれを指導するならば、忽ちにして全体主義の國家となり、軍國主義の國家となり得るということは考えられる、それで今日の日本の現状といたしましては、左翼よりは、むしろこの方に危険を包藏しておる、折角新憲法ができて、連合國がポツダム宣言のあの條項に從つて日本を指導しておる場合において、日本は止むを得ずそれに進んでおるという形のように見受けられる、或いはそうでなくて、それに切換えておるといつても、過去のそういうような考え方というものが拂拭されない以上は、その危険性というものは多分に存在するのではないか、こういろ点から考えるならば、日本の現在の國民が極左に走ると、うことよりは、極右に走るということの方が大きな課題となり、又多分の危険性を持つものであると考えなくちやならん、日本人の從來の行き方として、今後極左思想に全体が傾くということは容易なことではない、相当の年月を籍さなくてはならないと思う、併し極右にこれを導くということになりますれば、明日の日にもできるということは事実である、その事実は具体的に日本の現在の社会の上に現われておるじやないか、例えば極右團体が地下にもぐつておる、これらが現在社会生活を営むところの右翼團体というものと繋りを持つ、又帳面においては財力というものに繋りを持つて、機の至るを待つというふうに見ても、敢て過ちがないのではないか、こういう面に対して、日本國民として又國会として、少くとも参議院としてどういうふうに考えておるかというような趣旨の話があつたのであります。私は、勿論御説の通りである、現に日本人の意識の上においては民主主義に切換えられたと誰も、尚且つ過去において知らず知らずに培われて來たところのそういう思想がどこかに潜在しておる、殊に日本人の氣質といたしまして、そういうような英雄が現われ、強力な指導者が現われた場合において、忽ちにしてその面に又切換えられるということも考えられる、というような意見を申上げて置きました。その際、君のように露骨に言われる人は初めてであつて、非常に自分としても欣快であるというようなことを述べられて、ついては新憲法の上においてこういうような国家の重大なことに対して如何に指導して行くか、国民の考え方をどう持つて行くかということは、最後のこれを守るものは最高裁判所である、最高裁判所はそういう点に留意して、すべての事件に対するところの取扱いというものをなさなくてはならんと思う、然るに裁判所は事件そのものに捉われておつて、そういう國家の大きな問題ということは多く念頭に置かずして、事件処理に没頭しておるような傾きがある、かくては日本の將來を誤るものであり、又連合國といたしても大いに期待に反するところであり、連合國としては、日本が一日も早く健全なる民主國家となることを希望しておるのであつて、若しそれ成らざる場合においては、連合國の占領政策も亦変更しなくてはならんということになつて來る重大な結果を招來するのであるから、この点十分最高裁判所としては留意されなくてはならん、最高裁判所として、今日事案の上において、採つて以て直ちにそういう考え方を以てすべての事案を処理することができないとするならば、須らく國家の最高機関たるところの國会においてこれを採上げて、そういう示唆を與うべきが当然ではないか、かような意味合いからいたしまして、先ず以て右翼團体の活動について、而もそれが刑事事件或いは司法問題に関連するものについて司法委員会がこれを採上げて、そうしてこれを明るみに出して、最高裁判所の考え方に対するところの一つの示唆を與え、國民に対するところの一つの示唆を與えるという方向に進んだならばどうかという意味合いからいたしまして、現に法務委員会において採上げておるところの右翼に対するところの、而もそれが刑事事犯に関連性を有するものについてのみこれを採上げて昨年來今日に至つたのであります。その後最高裁判所長官と險事総長と法務総裁と私とが呼ばれましてケージス氏から話がありました。それはいわゆる日本の再建について好ましからざる人として追放された全國二十有余万のこの追放者に対するところの問題でありました。一言にして言えば、これらの人は民主國家の再建に対しましては少くとも好ましからざる人である、これらの人を除外した所以のものはポツダム宣言において示すところのものであつて、從つてこれらの人が今日経済上、政治上、社会上いろいろな面において指導者的立場に立つて活動をなすということは政令の禁ずるところである、にも拘わらず今日政府として又検察廳として裁判所として、これらの人に対しましてはおろそかにしておつて、何ら見るべきものがない、然るに事実としては相当な活動が現実になされておる、これらに対するところの考え方はどうかというのでありまして、裁判所も検察廳も法務総裁の方も十分今後やりたいというような答弁をしておりましたが、私は参議院において今日までこの点に対して数件指摘しておる、具体的に申しますれば十六件を指摘しておる、指摘した結果初めて特審においてこれが活動を開始するに至つたような次第であつて、全國において各ブロック八名の特審の係りというものが今日まで有名無実で、眠つておつで何らの行動をとつていない、かくのごときはやはり日本再建を阻害するところの者をして放任しているところの状態であつて、その行動というものは好ましからざるものである。むしろ險察廳なり最高裁判所なり或いは法務廳なり、がこの点に対して十分活動を開始すべきではないか、是非そうなくてはならん、ケージス氏もその点強く主張して、今後十分やつて貰わなければ困るというような意味のことでありました。かようなその間数回いろいろな話がありました。いずれも一貫いたしましていわゆる日本再建を阻害するところのあらゆる行爲について、我々当時は司法委員会でありますが、法務委員会の仕事の範疇に属する部分に限つて我々といたしましてはその線に沿うて調査をして参つた次第であります。たまたまこの度非日活動委員会というものが採上げられまして、政府におきましても、或いは衆議院におきましても、これが委員会を設置しようというような氣運になつておられたのであります。参議院といたしまして、殊に法務委員会といたしましては、從来さような見地に基きまして調査をして参つたのでありますから、言い換えて申しますればいわゆる非日活動委員会において採上ぐべき仕事の中の、言葉が適切かどうか存じませんが、極右に対するところの事項について、而もそれが刑事事犯と関連性を有する場合においてのみこれをその対象として採上げて参つたのでありまして、言い換えて申しますれば、非日活動委員会の仕事の一部門において今日まで現実に仕事を行つておる次第であります。まあその結果につきましては関係方面におきましても十分満足の意を表しておることは曾ての声明においても御存じの通りであります。少くとも我々法務委員会においては全力を盡して今日に至つておる次第であります。さような関係からいたしまして、去る二十五日でありましたか、ウイリアムズ氏と面会いたしまして、ゲージス氏は御承知の通りワシントンに行かれて不在でありました。参議院において現在の仕事の範囲を拡大して、いわゆる巷間に傳えらるるごとく、言葉が適切かどうかは存じませんが、極左についてもこの対象とする、言い換えて申しますれば、あらゆる行爲、即ち日本再建に阻害するところのあらゆるものについてこれを対象とするという方向に持つて行くことはどうであるかという点について話合いましたのですが、関係方面の考え方といたしましては、法務委員会においてそういう面についても採上げてやつたならばいいではないか、そうすればその仕事の目的も達成するのではないかというようなお考えでありましたが、私は参議院の法務委員会、いわゆる常任委員会としての法務委員会の現在の機構においては非常なそれは負担である、又法務委員会において少くとも採上げる場合においては、事が險察、或いは裁判に関連性を有するものでなくてはならん、若し関連性のないものをもこれを採上げるという場合におきましては、恐らく権限の逸脱というような非難を免れないと思う、仕事の面においても非常に窮屈であるし、且又構成せられるところの現在の人員を以てしてはそれは非常な重荷である、我々としては從來のごとくやはり関連性のあるものを、司法、險察の面からして、その運営について好ましからざるところのものである場合は採つて以てこれを調査し、國民の批判に願えるということは勿論やらなくてはならんと思うが、職責上やらなくてはならんと思うが、さように権限を廣くしてこれをやるということは、現在の常任委員会としては、機構の上から、或いは職務権限の上からして妥当ではないと考える、むしろかような問題を若し採上げるとするならば、それは参議院の各派を代表するところの有能の人によつて構成するところの特別委員会を以てその衝に当ることが適切ではないかと考える、こう申上げた、いろいろな話はありましたが、然らばその特別委員会の名前としては、いわゆる國民主権を阻害するあらゆる行爲を明かるみに出す特別調査委員会、直訳的ですけれどもそういういろいろの名前を出された最後の案としてそういうような趣旨のものを作つたらどうか、こういうお話でありました。若し参議院がこれを作つてそういうような活動をする場合において衆議院と内閣との関係はどうであるか、内閣がこれを行う場合においては、更に研究を要するであろう。研究の結果置かれるとしても、それは從來のような特高警察のような形に進む恐れがあると考えられる、勢いそういうことになつて行くのではないか、又國民としても、そういうような非難を受けるではないか、又仮にそうでないとしても、内閣の官僚がこれを行う場合においては、どうしてもその行動の影響するところというものは事務的になつて行つて、大した力というものは少いのじやないか、いわゆる権力を以てこれを施行するとするならば、先程言うような、特高的存在になつて行く、國民に対する政治力という点から行けば、到底國会に及ぶものではない、非常に小さなものである、いわゆるその実体が、調査ではなくしてむしろ取締という面になり、行政面になるのだ、行政面をして行けば、先程申したように特高警察、治安維持の再現というようなことになつて行くことは十分考慮さるべきものであつて、好ましくないものと思う、併し内閣において作るというならばこれもよいであろう、まだ具体的に起つて來ておる問題ではないから、今日それに対してとやかく言うのではないが、少くともさような考え方であろうと思う、又衆議院においてこれを行わんとすれば、現在の政治勢かというものを基幹にして考えるならば、大体において保守的色彩というものが濃厚な政党において、大多数を占めておる現状において、その組織の上において、さような委員会ができた場合において、採上けられる問題の方向というものは勢い左翼に重点が置かれるという結果が招來するではないであろうか、或は巷間傳えられるごとく不当財産調査委員会というものを好まない、これを採入れて而も化に貢献するところの人を表彰するという一つの事項を採入れて、その中に労働運動或は供米、租税運動、こういうものを蔭に置く、そうしてその他日本再建に重大なる影響を及ぼす行爲、こういうふうに持つて行くことは、究極するところ、その最後の項に目的が置かれるとするならば、それは結局言わずと知れておる左翼面について多く力が注がれるという結果を招來するということも考えられる、いずれにしても衆議院においてこれを作られる場合においては、公正にこの問題が採上げられるというふうには期待できないと思われる、凡そかような問題を採上ける場合においては、左翼とか極右であるとかいうように、一つの政党、或いは思想を特段に対象として行動すべきものじやない、むしろ國民主権を阻害するあらゆる行爲という観点に立つて、その基本理念の上において、何が然らば國民主権を阻害するものであるかということはその構成する委員、その委員会においておのずから定められ、そうしてそこにおいて採上げられて調査されることによつてそれが確定して行くものではないであろうか、日本人の考え方としては最初に各合目的に羅列して、そうして仕事を開始しないと氣が済まない形がある、我々の考え方としてはそういうふうな行き方でなくして、只今前言で言うたごとく、根本的な考え方を定めておいて、その仕事の面においておのずからその範疇というものは定まつて來る、若しそれを逸脱するようなことがありますれば、それは國民の非難によつて壊滅して行くのであるから、当然さようなことはあり得ないことになるのだ、又それが日本再建に著しい阻害をする行爲であるということかどうかということは、その委員会の能力にも影響することであるから、そういうことは常識あるところの國会議員において、ここではその構成する委員諸氏において十分愼重に取扱われることであるから、さようなことを根本的に羅列する必要はないと考える、であるから今申すような趣旨において概念を定めて、そういう趣旨の決議案によつて特別委員会を作つて、事実上の運営は、その委員会を構成するところの常識あるところの委員によつて定められて行くという運用方法がいいのではないか、こういうような御趣旨であつたのであります。
 然らば内閣と衆議院と参委院と三つできるということはどうか、それは先程も言う通り、内閣は内閣において仮に作るとしても、そういうような弊害もあり、又國民的の非難もあろうと思う、又実体においても國会においてなすほどの大きな力というものはあり得ない、事実上においては結局官僚におけるところのそういうような組織、思想、行動というものの一つの特高的調査というようなことに陷るのではないか、又衆議院の場合は先程言うたような傾向もある、從つてその形態において参議院と衆議院と内閣と三つできても、おのおのその活動の範囲というものは違つて來る、又活動の形態も違つて來る、又構成する人の考え方も勿論違う、又機構の上においでも、参議院の永続性という観点から言つても、参議院に相應しい仕事である、又政党政派の熾烈でない参議院においてこういう問題を取扱うということは非常に好ましいことである、又観点も非常に違うのであるから、又仮にさようなことがあり得ないけれども、同一問題が採上げられたとしても衆議院、参議院及び政府、各調査が同時に一つのことに行われたとしても、その結果がどう出るかということについてはおのずから違うだろう、國民はそれによつて大きな示唆も受ける、國民的批判としてもいい結果を招来するだろう、待つて同じものが三つ仮にできたとしても、それは差支ないと考える、況んや現在の政府、衆議院の考え方と、参議院の考え方というものはおのずから違つておるのであるから、決してそれが重複すものとは考えていない、故に参議院においてそういう観点に立つて公正に、或る一党、或る一つの思想を対象とする、捉われた立場から調査会を開くという考え方ではなく、さような考え方、いわゆる國民主権を阻害するあらゆる行爲を明るみに出す、或いは暴露するという考え方、そういう考え方で、その中には日本再建を阻害する行爲も入ろう、そういう点からして調査を開始するということならば最も好ましいことであるから、特別委員会を作る決議案を持つて來るならば、直ちに賛成をしようというような御意見でありました。
 大体今日までの経過といたしましてはさような経過でありますが、從つて法務委員会におきましては、懇談会を開きまして只今のような趣旨を大体申上げまして、法務委員会におきましては私の大体考えのごとく、これ以上さような重責にみずから任ずるということは避けて、幸いに法規委員会においてこの問題を採上げられて、いわゆる勧告をするかしないかというような点について御研究になつておられるということを了承いたしましたですから、挙げて当法規委員会にお委せしてこの問題の始末をつけて頂くというように法務委員会では決定いたした次第であります。簡単でありますが、御報告申上げまして、尚足らざる点がありましたち御質問に應じてお答えすることにいたします。
#4
○委員長(藤井新一君) 有難うございました。法務委員長に対して各委員から御質問がありましようが、只今増田内閣官房長官が見えておられるので、長官に非日活動委員会設置について政府当局はどういう考えを持つておられるか、その所見を承りたいと思います。ついては腹藏のない御意見を承りたいのですが、御多忙中大変恐縮でございます、御足労を願いまして。
#5
○政府委員(増田甲子七君) それではこの問題に対して内閣側の今日までの経過等を申上げます。別に纏つた意見はありませんから、意見に亘る部分があつたら、それは公人たる官房長官の意見である、政府全体の意見でないというように御承知を願います。ちよつと速記を……。
#6
○委員長(藤井新一君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#7
○委員長(藤井新一君) 速記を始めて……。どうも有難うございました。増田官房長官は非常にお忙しいので、若しお尋ねがございますれば、御意見なり御発言をお願いいたします。
#8
○羽仁五郎君 今官房長官の御意見を伺つて大変理解を深めたのですが、殊に最後の点で日本人がセルフ・リラィアンスという点が非常に欠けているというふうにおつしやる点は私も非常に同感です。それでそのセルフ・リラィアンスの点というのは、教育上、特にいつも問題になる点ですが、このセルフ・リラィアンスにしてやろうとして何らかの方法をとるとセルフ・リラィアンスを破壊し、そういう素質を伸ばすということに結局ならない、この民主主義的な本当の素養を與えようとして政府なり國会なりが、悪い意味の権力じやなく、いい意味の権力を持つていても、そういうことをすることが例えば非日というのでも、何が非日かということを自分ではつきり決定しないで、そういう機関によつて決定される、そういうことさえしなければいい、外のことはしていいというふうになる虞れがあるので尚一層増田さんのような方に十分考えて頂きたい。今いろいろと弊害はありますけれども、日本人がそれを自分で直して行くようにした方が長い眼で見ればいいのじやないか、それを直ぐ矯めようとしていろいろな措置をとられると又それで主人を変えて、それに盲従をするというような点が十分にあると思います。この点特にお言葉がありましたので御希望申述べておきます。
#9
○委員長(藤井新一君) 考査特別委員会というものを設置したということですが、対象はどの程度までのものですか。
#10
○政府委員(増田甲子七君) 羽仁さんの御意見は謹んでお伺いいたしました。考査特別委員会という決議が通過いたしましたが、これは内容は政府側として私の観察したことだけを申上げますと、衆議院の決議に掛つて衆議院に設置された委員会でございましてその中に今度種々の善行美徳を調査して表彰するという項目があります。もう一つは日本の再建に対して著しい悪影響を與えるこういうような言葉が書いてあります。その例として供米関係、税金闘争関係等が書いてありますが、從來の不当取引にプラスしたというようなものとして善行美徳を表彰するというような関係の方、又もう一つは日本の再建を妨げ、署しく悪影響を與える行為を調査する、そういう二つの行爲をなし得ることに今度の考査委員会はなつておるのでありまして、従來の不正取引調査行爲にプラスされた今の二つの行爲が考査委員会であります。善行美徳表彰関係のことは別といたしまして、日本の再建を妨げるもの、これは私が先程申しましたいわゆる非日活動という意味で、私が密かに考えておる従来の調査の多少の調査研究の結果考えている範疇よりも余程廣いのではないかと考えております。その範疇の中にいわゆる非日活動は入つて而もその一部分を形成している、こういうふうに考えております。
#11
○田中耕太郎君 只今羽仁君の述べられた意見についてちよつと申上げたいのですが、それは増田官房長官もお考えになつておつた方がよいと思うのです。つまり日本國民がセルフ・リラィアンスを欠いているために、常に右には右、左には左とふらふらしておつて秩序が紊れる、だからして秩序が紊れる慮れがあるから、非日活動委員会が場合によつては考えられなければならないので、なにも日本人をセルフ・リティアソスするために非日活動委員会が設けられるわけでないのですがその点について羽仁君のきかれたことは多少見当が外れているのではないか、これは私そう思うのですが、その点如何ですか。
#12
○政府委員(増田甲子七君) 田中先生の御意見御尤であります。私は羽仁さんに十分なお答えはしていなかつたのでありますが、極右或いは極左の暴力的な行爲破壊的な行動を放つておいて自主的な活動に委して自然にセルフ・リデイアンス・スピリットというものを体得させるということは政府としては、大きな政治の面から見たちよろしいかも知れませんが、やはり暴力行爲、これは人を損傷する行爲、右翼團体がリベラリストの手を切るなら切るとか、こういうようなものはやはり調査して險察活動を発動しないことには、日本の民主化ということはできませんし、又秩序の維持もできません。それと同様に、極く左の方のやはり暴力行動を防止するために險察活動を発動させまして、そうして秩序と平和を維持せんことには、日本の民主化はできかねる、こう申したのでありまして、ただ羽仁さんの発言について私が承わつて置きますと申上げましたのは、心構えとしてはまだインターフイヤーするというようなことは、自主的精神を阻害しやせんか、こういう意味に解釈いたしまして、その点を承わつて置きますと、こう申上げた次第でありますから、田中先生もどうぞ御了承を願いたいと思います。
#13
○田中耕太郎君 つまり明瞭にして置きたいのは、これは政府としてもはつきりさせてお置きになつた方がいいと思いまするが、非日活動委員会を設けることによつて、國民をセルフ・リライアンスしようという、そういう強力的な意味じやないので、つまりこれは秩序維持の問題である、その点はお答えになつてもいいんじやないかと思うのです。
#14
○政府委員(増田甲子七君) 全然同感であります。
#15
○伊東隆治君 ちよつと一、二質問があるのですけれども、速記なしで長官がおつしやつたのに関連して一言伺いたいと思います。お話の中に、これを行政行爲でやる場合にはもとより法律によらなければならんというようなお話がありましたが、その意途を考えますと、これは進んでそういうような行政行爲までするような長官の構想はあるのですか。御承知の通りアメリカの非米活動委員会というものは、非米活動調査委員会となつておるかと思いますが、調査して、その結果を一つの行政当局に献言するというだけで、何ら行政行爲は行なつておらないというふうに思うのですが、その点はどうですか。
#16
○政府委員(増田甲子七君) 伊東さんにお答え申上げます。私はアメリカの非米活動委員会というものは若干研究しただけでして、誠に浅学でございまして、余り御答弁にならんかと思いますが、その点御了承を得たいと思つております。御承知の通り今日アン・アメリカン・アクディヴィティーズ・コミティーというものが向うのコングレスに設けられております。従つてコングレスは……行政、司法、立法と分れております。調査する際には勿論FBIは調査機関でありましで、仮に内閣に非日活動委員会というようなものを設けられるとすれば、内閣はもとより行政の府であり、執行の府でございますから、執行諮問委員会として設けられる場合にあるならば、法務廳なり或いは國家地方公安委員会なりの活動について諮問をする、これだけのものだと思つております。つまり險察なり司法警察の執行或いは險察の活動の執行について諮問する、若しくは行政としてする場合にはその根拠に勿論法律があります。これは会議性の官廳になるのでございますから、委員会も一つの行政官廳になるわけであります。そういう場合に國会の協賛を得た法律によつて行政官廳としての存在の基礎が與えられる、又活動自体としても行政執行として險察なり警察なりを指揮するところの行政の権能を持つ、こういうことに相成るかと、これはまだ構想中でございます、そういうことなんであります。
#17
○伊東隆治君 アメリカの調査委員会が一歩進んで行政行爲をするというところまで進んでやろうというのが構想でありますか。
#18
○政府委員(増田甲子七君) お答え申上げますが、そこでこれは洗濯まで申し足りなかつたのでありますけれども、会議制の官廳としての險察的、警察的職能を営む官職が存在して然るべきであるかどうか、行政法的には存在し得ます。併しそういうものを存在せしめて然るべきものであるかどうかというようなこともまだ研究中でございます。
#19
○委員長(藤井新一君) 外に御発言なり御意見はありませんか、それではちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#20
○委員長(藤井新一君) 速記を始めて。只今岡本委員長から御発言がございました。又伊藤法務委員長からもいろいろなる御意見がございました。伊藤法務委員長からは、両院法規委員会において採上げて勧告をする方がよかろうという結論がございましたが、両院法規委員会規程第十八條の「國政に関し問題となるべき事案を指摘し」というその箇條によりまして、この法規委員会はどのような態度に出でましようか、御意見をお述べ願います。伊藤委員長は政府部内に、衆議院部内に、或いは参議院部内即ち三部の研究調査はいいから、結論よりも調査が必要であるということの御発言がありましたが、それについてどういうふうな皆様方お考えでございましようか一、ちよつと速記を止めて。
   午前十一時五十三分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時十七分速記開始
#21
○委員長(藤井新一君) 速記を始めて。非日活動委員会設置については各派にこの案件をお持ち帰りになつて、各派の御意見を徴して、然る後に委員会を開催して纏めることにいたしたです。次に岡本委員長がここにお見えになつておられますが、選挙についての御所見を……。
#22
○委員外議員(岡本愛祐君) 昨日丁度こちらの会議が開かれておるときに私共も地方行政の委員会をやつておりまして、出席できませんで失礼いたしました。私の方で参議院議員選挙法の改正につきまして、段々調査、審議を進めつつあり、これは参議院議員選挙法が改正を要する点があるとこう認めまして、どういうふうに改正するか、それを知りますために過般各府縣に四班を出しまして、中國班、九州班、四國班、北陸信州班と、いろいろ調査して、その結果を持つて帰りました。その前にも静岡縣、愛知縣に調査に藤井君ともう一人出て頂きました。そういうふうに研究いたしまして、一方法制局にも依頼しまして、そこにお持ちになつておりますような衆議院議員の選挙法との対象表いうようなものを作りりました。又今度の出張で調査して頂いた結果を大体纏め上げまして、いろいろな項目にいたしまして、ここに参つておるのであります。昨日、新谷君と、藤井君にはお渡ししてあります。そういう表を作つていよいよ本格的審議をしようということになつております。ただその中で最も大きな問題といたしまして、この全國区、地方区の区の制度をどうするか、又定員をどうするか、それから選挙権者の年齢をどうするかというような問題がどざいます。これは各議員には勿論のことでありますし、各政党、各会派といたしましても、非常に重大問題でありまして、これは地方行政の方に出ておられる委員の一個の意見ということでなしに、各政党会派に持帰つて頂きまして、その意見を反映してそうして審議に当つて貰いたい、こういうことにいたしてございます。各会派で早速会派の意見というものをお纏めになりつつある、こう考えております。それが只今の経過でございます。
#23
○委員長(藤井新一君) それで分りました。昨日は全国区というものについて、特に重点を置いて御相談をいたしまして、小さいことについては余り論議しないで、法規委員会は大きな問題を採上げてやろうということで、選挙区の問題でございました、遂に昨日は結論を得ずして終えたのです。本日は全國区或はブロック区ということについての皆さんの御意見を求めたいと思いますが、如何でございましようか、すでに今日あたりの読賣新聞には大変なニュースを出して、発表してございますが、我々の仕事の勧告はいつでも遅れてしまつて、すでに政府がああいう発表をしてしまつたということになると、我々はあとからでは何にも意味のないようなことになりますので、むしろこの際我々が全國区を必要であるとするならば、必要であるという根拠をはつきりと出して置く必要があると思うのです。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#24
○委員長(藤井新一君) 速記を始めて下さい。参議院議員の選挙区としての全國区制を存続すべき理由についての審議は次回に延期いたします。ついて、は原案を作つてこれを各委員に配付し、その結果についての報告をいたします。本日はこの程度において散会いたします。
   午後零時三十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     藤井 新一君
   理事
           伊東 隆治君
           新谷寅三郎君
   委員
           大野 幸一君
           鈴木 安孝君
           田中耕太郎君
           羽仁 五郎君
  委員外議員
   地方行政委員長 岡本 愛祐君
   法務委員長   伊藤  修君
  政府委員
   内閣官房長官  増田甲子七君
ソース: 国立国会図書館
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