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#1
第061回国会 決算委員会 第27号
昭和四十四年七月二十四日(木曜日)
   午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 中川 俊思君
   理事 大石 武一君 理事 鍛冶 良作君
   理事 白浜 仁吉君 理事 丹羽 久章君
   理事 水野  清君 理事 田中 武夫君
   理事 華山 親義君
      石田 博英君    椎名悦三郎君
      菅波  茂君    水田三喜男君
      赤路 友藏君    浅井 美幸君
 出席政府委員
        運輸政務次官  村山 達雄君
        運輸大臣官房長 鈴木 珊吉君
        運輸大臣官房会
        計課長     中村 四郎君
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部長 山口 真弘君
        自治省財政局長 細郷 道一君
 委員外の出席者
        大蔵省理財局国
        有財産第二課長 市川広太郎君
        運輸省航空局監
        理部長     川上 親人君
        運輸省航空局飛
        行場部長    丸居 幹一君
        会計検査院事務
        総局第三局長  増山 辰夫君
        会計検査院事務
        総局第五局長  小熊 孝次君
        日本国有鉄道総
        裁       磯崎  叡君
        日本国有鉄道常
        務理事     井上 邦之君
        日本国有鉄道常
        務理事     長瀬 恒雄君
        日本国有鉄道常
        務理事     長浜 正雄君
        日本国有鉄道常
        務理事     小林 正知君
        参  考  人
        (新東京国際空
        港公団総裁)  今井 栄文君
        参  考  人
        (新東京国際空
        港公団理事)  磯江 重泰君
        参  考  人
        (新東京国際空
        港公団理事)  石原 耕作君
        専  門  員 池田 孝道君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十二年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十二年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十二年度政府関係機関決算書
 昭和四十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (運輸省所管、日本国有鉄道)
     ――――◇―――――
#2
○鍛冶委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長は所用のためおくれますので、委員長の指定によって私が委員長の職務を行ないます。
 昭和四十二年度決算外二件を一括して議題といたします。
 運輸省所管及び日本国有鉄道について、審査を行ないます。
 まず、去る二十二日に説明を聴取いたしました日本国有鉄道の資金計画、事業計画等についての補足説明を求めます。磯崎日本国有鉄道総裁。
#3
○磯崎説明員 御説明に入ります前に一言おわび申し上げます。
 数日来の私の行動が、たいへん当委員会の議事の運営に御迷惑をおかけいたしまして、まことに遺憾に思っております。今後は十分国会の御都合等を承りまして行動してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、一昨日の運輸大臣の御説明に対して補足的に、四十二年度におきます国有鉄道の業務概要について御説明申し上げます。
 昭和四十二年度は、御承知のとおり、経済界の好調を反映いたしまして、旅客及び貨物の輸送量は比較的順調な伸びを示してまいりました。その結果、営業収入は、旅客収入で五千九百十五億八千七百万円、貨物収入におきまして二千三百六十億五千八百万円、雑収入におきまして二百八十四億一四千七百万円、合計八千五百六十億九千二百万円と相なりました。予算の収入の予定に対しまして、旅客収入におきまして八億四千万円、貨物収入におきまして十二億五千九百万円、雑収入におきまして八億二千二百万円、合計二十九億二千百万円を上回る結果と相なりました。詳細につきましては後ほどの別表でもってもう一ぺん御説明申し上げます。
 これを前年度と比較いたしますと、旅客収入におきまして四百三十二億百万円、八%でございます。貨物収入におきまして百六十億一千七百万円、七%でございます。雑収入におきまして二十九億三千五百万円、一二%でございます。合計六百二十一億五千三百万円、八%の増加と相なっております。
 また輸送量につきましては、旅客輸送量が千八百七十七億三千七百万人キロ、貨物輸送量が五百九十三億九千九百万トンキロと、それぞれ前年度に比較いたしまして五%、七%の増加と相なっております。
 次に経費のほうでございますが、営業経費は極力経費の節約につとめてまいりましたが、御承知のとおり、仲裁裁定等による人件費の増加と減価償却費、利子等の資本関係の経費の増加がございました結果、合計九千五百七億六千万円を計上するに至りました。
 その内訳を簡単に申し上げますと、人件費が三千八百四十九億三千三百万円、動力費が四百七十億三千二百万円、修繕費が千七百八億一千九百万円、業務費が五百八十二億八千六百万円、租税及び公課が百三十二億六千万円。営業経費だけで合計いたしますと六千七百四十三億三千万円と相なっております。
 また、利子及び債務取り扱い諸費におきまして一千十二億千五百万円、減価償却費におきまして一千五百二十九億六千三百万円、固定資産の除却費におきまして百二十一億七千三百万円、繰り延べ資産償却費におきまして百億七千九百万円。資本関係の経費の合計は二千七百六十四億三千万円と相なりました。
 全部合計いたしますと、九千五百七億六千万円と相なります。
 以上の結果、営業成績は遺憾ながら減価償却費を計上いたしますと九百四十六億六千八百万円の営業損失を計上することと相なりました。これに営業外損益、すなわち固定資産の売却差損益あるいは固定資産の交換差損益等でございますが、若干の営業外損益を含めまして純損益は九百四十一億二千万円と相なりました。このため前年度から繰り越されました欠損金五百三十五億九千七百万円と合わせまして四十二年度末の繰り越し欠損金は千四百七十七億一千七百万円を計上することに相なりました。
 次の表で損益の推移を簡単に申し上げます。増減の欄をごらんくださいますと前年度との比較が書いてございます。営業収入におきまして六百二十一億五千三百万円。先ほど申しました一〇八%の比率になっております。営業経費におきまして九百六十億三千百万円、一一一%と相なりました。前年度と比較いたしまして三百三十八億七千八百万円の営業損益が増加したわけでございます。これに営業外損益の一億一千九百万円を増加いたしますと四十二年度の純損益は先ほど申し上げましたとおり九百四十一億二千万円で、前年度と比較いたしまして三百三十九億九千七百万円の増加と相なった次第でございます。
 次に、私のほうで工事経費と申しておりますが、設備投資について結果を御報告申し上げます。
 こういった営業状態ではございますが、私どもといたしましては国鉄基本問題懇談会の意見書に示されましたとおり、まず通勤輸送の改善あるいは幹線輸送力の増強並びに保安設備の強化等をはかる必要が生じておりますので、昭和四十年度から第三次の長期計画に着手いたしまして、七カ年間にわたりまして総額約三兆円にのぼる設備投資を行なうことと相なっておりまして、昭和四十年度から四十二年度までの三カ年で一兆三千二百七億二千五百万円を投資いたしました。第三次長期計画の第三年目にあたります昭和四十二年度におきましては、以下に申し上げますように線路増設、すなわち複線化でございます。あるいは輸送方式の近代化、車両増備等のもろもろの工事を実施いたしました結果、三千六百二十二億七千万円の工事費の決算を計上いたしました。
 これを事項別に申し上げますと、以下のとおりでございまして、通勤輸送におきまして五百六十三億六千九百万円、幹線輸送におきまして千百九十五億一千九百万円、電化・電車化・ディーゼル化等におきまして百八十億九千二百万円、諸改良・取替――取替と申しますのは主として老朽設備等の取りかえでございますが、これに七百二十五億九千四百万円、通勤輸送の車両は上のほうに入っておりますが、通勤輸送を除きました車両は七百十九億三千百万円、工事費の計が三千三百八十五億五百万円でございまして、このほかに工事関係の人件費がございます。それが二百三十七億六千五百万円でございますので、合計いたしまして三千六百二十二億七千万円と相なった次第でございます。
 次に、資金の調達について申し上げます。
 いま申し上げました設備投資、すなわち工事計画の財源は主として外部資金によって調達いたしました。外部資金調達額は、資金運用部からの借り入れ金は四百四十五億、鉄道債券の発行額が三千百八十九億三千五百万円、合計三千六百三十四億三千五百万円でございます。またこのほかに既存の債務の償還額がございます。これが八百八十八億七千四百万円でございまして、この結果、長期負債は、次の表にございますとおり、前年度に比較いたしまして二千七百四十五億六千百万円増加いたしまして昭和四十二年度末におきます長期負債は一兆六千四百三十四億六千万円と相なっておりまして、資本総額に占めます負債の比率は前年度の五八%から六四%というふうに相なりました。
 次の表の長期負債の内訳について簡単に御説明申し上げますが、右から二番目の四十二年度末というところをごらんくださいますと、長期借り入れ金、すなわち預金部資金等から借り入れておりますものが四千百六十一億七千七百万円、そのほかに鉄道債券と申しまして政府のごやっかいになるもの、それから国鉄の力で調達するものの二種類ございます。鉄道債券の合計が一兆二千二百七十二億八千三百万円。このうち公募債、これは政府の財政の中に入っているものでございますが、これが五千七百五十二億二千九百万円、それから利用債と申しますのは設備の改善によりまして直接利益を受ける地方の方丈にお願いいたしまして、鉄道債券を持っていただいております。それが千四十六億五百万円。それから縁故債と申しますのは主として現在共済組合に引き受けてもらっておる縁故債でございます。これが六百六十五億五千万円。それから公募債のほかに政府がじかに引き受けてくださっておる債券が千五百七十二億九千万円。このほかに特別債と申しますのは国鉄が直接金融機関その他から無担保で借り入れている債券でございますが、これが三千二百三十六億九百万円、前年度に比べまして四六%の増加になっております。合計いたしまして長期借り入れ金と鉄道債券の合計が一兆六千四百三十四億六千万円ということでございます。
 最後に、昭和四十二年度の予算の執行につきましては会計検査院から一件の不当事項と四件の留意事項の御指摘を受けましたことは、私、責任者としてまことに遺憾にたえないところであります。今後さらに綱紀の粛正と予算の効率的運用に一段の努力をいたす所存でございます。
 以下簡単に、別表がございますが、いま御説明した数字が多少詳しくなりますが、二、三点、問題点だけ御説明申し上げますと、七ページに別表が三つございます。収入を旅客と貨物に分けますと旅客収入が約五千九百億、貨物収入が二千三百億、その比率が実に三対一に近いくらいまでに旅客収入が大きく、貨物収入が減ってきております。それはやはり貨物の乙、ことに石炭輸送の減少によります収入の減並びにトラックの非常な発展に伴う貨物に対する大きな打撃等を反映いたしまして、貨物につきましては別表3にございますトンキロにおきまして四十二年度は七%伸びましたけれども、ここ数年間横ばいから少し上がっておるという程度でございます。日本経済の全体の発展の中から見ますと貨物の伸びが非常に悪いということを率直に反省しております。
 次に八ページでございますが、これは先ほど申し上げました営業経費を四十一年度と四十二年度で比較いたしたものでございます。右から三番目の増減の欄でございますが、人件費におきまして約三百八十二億、動力費におきまして約七億、修繕費におきまして約二百六億、業務費九十億、租税公課七億、合計いたしまして純粋営業費で六百九十三億、そのほかに利子並びに減価償却費等を入れますと二百六十六億になりまして、合計、先ほど申し上げました九百六十億の増ということになるわけでございます。次に別さつで昭和四十二年度の損益計算書と貸借対照表をお手元にごらん願っておるわけでございますが、損益計算書は大体いま申し上げました営業収支をそのまま反映いたしておりまして、これは四十二年度と四十一年度の比較損益計算書でございます。営業経費すなわちこれはごらんのとおり営業費と資本関係の諸経費並びに営業外経費それから貸し方のほうにおきましては営業収入、差し引きいたしますと営業損失が貸し方のまん中のほうにございます九百四十六億六千八百二十七万三千円。十七億八千七十九万、これが営業外収支のバランスでございます。合計いたしまして、本年度の純損失が先ほど申し上げました九百四十一億二千三十四万九千円。これが比較損益計算書の本年度純損失の帳じりでございます。
 次に比較貸借対照表でございますが、これはまん中の四十二年度の欄をちょっとごらんいただきますと、借方におきまして、資産の合計は二兆九千七十五億六千四十三万二千円、これが国鉄の資産でございます。それから貸方のほうにつきましてもごらんのとおり同額でございますが、特に注目すべき点は、先ほど申し上げました長期負債が非常にふえているということでございます。資本金は、国鉄創立以来一度改定いたしまして、八十九億一千六百八十二万三千円でございます。したがいまして繰り越し欠損金の千四百七十七億一千七百七十五万四千円を引きますと、資本の合計がごらんのとおりでございまして、貸方、借方ともに二兆九千七十五億六千四十三万二千円、これが貸借対照表の借方、貸方の合計でございます。
 以上、たいへん簡単でございましたけれども、一応四十二年度の業務概容を御報告申し上げました。私どもといたしましては、四十三年度に若干定期代等の値上げをしていただき、またことし運賃も引き上げていただきましたので、これから全力をあげて経営の改善に努力いたす所存でございます。
#4
○鍛冶委員長代理 以上で補足説明の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○鍛冶委員長代理 この際おはかりいたします。
 運輸省所管審査のため、本日、参考人として新東京国際空港公団より総裁今井栄文君、理事磯江重泰君、理事石原耕作君の方々の御出席を願い、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○鍛冶委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 なお、参考人からの意見聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますので、それを御了承願います。
     ――――◇―――――
#7
○鍛冶委員長代理 それではこれより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。田中武夫君。
    〔鍛冶委員長代理退席、委員長着席〕
#8
○田中(武)委員 四十二年度の国鉄決算について、簡単に質問いたしたいと思います。
 いま総裁から不当事項及び指摘事項があって、たいへん遺憾でございます、そういう遺憾の意の表明があったわけでありますが、この問題について若干の質問をいたします。
 まず不当事項として指摘せられた、四十二年度決算検査報告書、これの一〇二ページ(256)これは国鉄の工事にあたって、「盛土工事に使用する土砂の積込費等の積算が適切でなかったため工事費が高価と認められるもの」という指摘、その工事内容をここに簡単に書いてありますが、申し上げますと、国鉄仙台鉄道管理局で、昭和四十二年八月、指名競争契約により大木建設株式会社に福田町、陸前高砂間七北田川橋梁改良その他工事を請け負わして実施した。ところがその盛り土工事に使用するところの土砂の積み込み費等の積算が適切でなかったために、予算額が過大となり、ひいては工事費が約三百七十万円高価となったと認められる、こういう指摘です。この件について、まず会計検査院から簡単にその実態を申し述べていただきたい。
#9
○小熊会計検査院説明員 御説明申し上げます。
 本件工事は福田町、陸前高砂の間の橋梁改良その他工事でありまして、総額四千万円でございます。当初契約額は四千百万円でございましたが、設計変更によりまして四千万円になっております。この工事の施行の内容のうちで盛り土工事がございます。盛り土工事に使いますところの土砂の積み込み費の積算について見ますと、検査報告の(1)のところに書いてありますが、二カ所ありまして、二カ所から盛り土の材料を運んで盛り土する、こういうことになっております。一カ所のほうは一万九千立米につきまして、これは十キロ離れた塩釜市内から持ってくるわけでございまして、地山をブルドーザーで切りくずしの上現場に運んでくる。それからもう一つは、これは数量は少ないわけでありますが、千五百立米でありましてて、六キロ離れた宮城野貨物駅構内の置き土を運んでくる、こういう作業でございます。その場合これを切りくずして運んでまいるわけでありますが、その場合の機械、トラクタショベルの能力でありますが、これを〇・六立米のトラクタショベルで切りくずしてダンプへ積み込む、こういうような積算をしておったわけでございます。しかしながら現地について調査いたしましたところ、土取り場はいずれも道路に面しておりまして相当広い場所で、しかも多量の土量を取り扱うものでありますから、一般にはそれよりもっと能力のある一・三立米程度のトラクタショベルを使用する、こういうことができると認められたわけであります。これを使用いたしますと、一日の積み込み作業量というものも相当ふえまして、作業能率が高くなって積み込み費が廉価となる。さらに積み込み時間が短縮されることによりまして、運搬費も廉価となるということで、そういう積算をしたほうがいいのではないか、また、それも実行できるはずだ、こういうことで積算し直してみますと、約二百八十七万円過大となっておる、こういう計算になっております。
 それからもう一点でありますが、これは土どめ擁壁の根掘りをします。そして擁壁を立てるわけでありますが、その工事のやり方につきましては、地表から深さ〇・六メートルから一・五メートルというものを掘さくし、さらに補強の土どめ支保工をつくるということでありまして、工事費を約二百万円と積算しておるわけでありますが、本件工事の施行個所を見ますと、営業線から十メートル以上離れておりますし、掘さくする土質も普通土で、深さもそう深くない、こういう程度のものであるならば、勾配をつけて掘さくいたしますれば、支保工とかそういうものを使わなくても掘さくはできるわけでございます。こういうふうに考えられるわけでありまして、そういうやり方によれば約九十万円少ない金額で積算できるのじゃないか。これに合わせまして修正計算いたしますと約三百七十万円経費が節約できるではないか、こういうことで指摘しておるわけでございます。
#10
○田中(武)委員 そこで、国鉄総裁にお伺いいたしますが、この会計検査院の不当事項として指摘を受けたいまの件は、会計検査院の指摘が当たっておる、ごもっともだ、こういうように思っておられますか。それとも、いやそうでなくて会計検査院がこういう点について見落としがあるとかなんかで、これに対して何か国鉄として言いわけといえばなにですが、言い分があるかないか、ひとつ伺いたいと思います。
#11
○磯崎説明員 ただいまの検査院から御指摘を受けました不当事項につきましては、第一の仙石線の盛り土工事の土砂の積み込みでございますが、積み込み費の積算にあたりまして、積み込みをする機種の選定が適当でなかったというふうに私ども思っております。たいへん遺憾に存じておりまして、今後は、こういう場所をよく見まして、大きなショベルを使うところは使うというふうに指導をいたすことにいたします。
 また、二番目の、土どめ擁壁の根掘りの積算にあたりまして工法の想定が適当でなかったことも私どもあ遺憾に存じておるところでございます。今後は最も経済的な方法を想定して積算するようにつとめていきます。
 いま私のほうでは、いわゆるこういった工事費の積算につきまして、本社に工事の積算室という特別な部局を設けてやっておりますが、こういうこまかい点に気がつきませんで、たいへん残念に存じております。いずれも御指摘のとおりでございます。
#12
○田中(武)委員 そこで、国鉄は赤字だということで運賃値上げを混乱の中でやりとげたわけなんですが、大国鉄からいえば三百七十万はまあたいした金でないと言えるかもしれませんが、三百七十万円のいわゆる不当な支払いをしたということになりますが、これはいわゆる会計関係の職員の過失によるものである――これは故意とは思いませんが、過失によるものであると認められるのか認められないのか、それとも、工事請負者のほうから高価な契約を押しつけられたとか、その非は工事請負者にあるのか、どちらと判断しておられますか。
#13
○長浜説明員 ただいまの御質問の非は国鉄の積算の側にございます。
#14
○田中(武)委員 まあ国鉄側に非がある、しかし常識といいますか社会通念からいって、大木建設は三百七十万を不当利得した、こういうことになると思いますが、これについて返還の手続はとられますか、とられませんか。
 さらに、いま御答弁のあったように、国鉄側に非があるとするならば、担当者ないし会計職員に過失があったということになるわけですが、会計検査院は会計検査院法三十一条、三十二条の手続をおとりになりますか、なりませんか。いかがですか。
#15
○長浜説明員 国鉄の非は積算にございまして、その積算をいたしました責任者の処分をいたしました。課長以下訓告の処分をいたしております。
 それから業者に対しましては、契約は実は総価契約になってございますので、返還の処置はとり得ないので、そのままです。われわれとしては総価としてこの当該四千万何がしの金額で契約をしてございますので、返還処置をとらないようにしておる次第です。
#16
○田中(武)委員 会計検査院……。
#17
○小熊会計検査院説明員 お答えいたします。
 本件につきまして会計検査院法の第三十一条の懲戒処分の条項に該当するかという問題でございますが、この条文によりましても、故意または重大な過失により著しく損害を与えた、こういうことが構成要件になっておりますが、われわれといたしましては、本件につきましていろいろ検討いたしたわけでございますが、まあ故意でない、あるいは過失はあったと思うわけでございますが、重大な過失ということまで言えるかどうかということについても検討いたしましたが、重大とまでは言えないのではないだろうか、こういうふうに判定いたしておるわけでございます。
#18
○田中(武)委員 重過失とは判定をしないので三十一条によるところの手続はとらない、そういうことなんですね。
 そこで、少なくとも三百七十万円という金をともかく不当に支払っておるわけです。これは国鉄全体の経理から言えばたいした金額でないと言えるかもしれませんが、赤字であるということで、その赤字を利用者、旅客あるいは貨物運賃に持ってきて大衆から取り上げる、そういう措置をとる国鉄が、三百七十万という金を、ただ単に過失はあったけれども重大な過失ではない、したがって法律上の問題ではない、したがって、いま話があったように訓告――訓告といえば注意ですね、その程度で終わらすということはいかがでしょうか。そういうことをやっておるからそういう不当――不法ということはあまり出てないようですが、それがあとを断たないと思うのですね。これならこれ一つを取り上げて、なぜ三百七十万円を多く払ったかということについて大木建設と当面の工事担当者といいますか、係員との間を掘り下げれば、何らかの問題が起きてくるのじゃなかろうかと私思います。ただ簡単に、以後注意をしなさいぐらいの訓告で事が済まされるかどうか。
 さらに、契約の内容がそういうことであるので、不当支払いとわかっておりながら返還手続はとれないという、そういうことで国鉄当局はいいんですか。そうしておいて、赤字だからということでわれわれ国会議員にも大きな迷惑を与えながら国鉄運賃の値上げを強行する、みすみす三百七十万円という金を不当に支払っておきながら、それは契約のしかたがこうでございますのでできません、そういうたよりないことでいいのですか。責任者に対しましては訓告程度で終わらすということでいいのですか。国鉄当局及び会計検査院の考え方、態度の問題です。どうします。
#19
○磯崎説明員 たとえ三百万円であろうと一万円であろうと、私どものほうとしては徹底的にせんさくする義務があるというふうに私は感じております。本件につきましてもいろいろ調べましたけれども、たとえば第一の点につきましては、実際に小さいバケットを使って仕事をした、あるいは第二の点は、現在多少営業線から離れているけれども、何と申しますか、現在線に近いような非常に慎重過ぎるような工法をとったということで、担当者につきましては残念ながら大きな過失とは私は思わなかったわけでございますが、しかしながら懲戒処分に値しないまでも、私のほうでは訓告、厳重注意と二つの段階がございますが、本人の課長並びに補佐につきましてはその厳重注意よりももう一つ重い訓告、これが二回続きますとすぐ昇進等に影響してまいりますが、その一段上の訓告を行なったわけでございまして、私どもといたしましては、今後こういったことにつきましては厳重に――処分でもって臨むということは必ずしも適当でないと思いますが、やはりこういう間違いの起こらないように全力をあげて部下を指導してまいりたいというふうに思う次第でございます。
#20
○田中(武)委員 私はその仕事に当たった担当者を罰せよと言っているのではないのですよ。三百七十万円という金が不当に支払われているということが指摘せられ、それが正当な指摘であるとお認めになったわけです。そのような場合に、なぜ不当利得の返還ができないような契約をしたのですか。そういうだらしない契約をしておるというところに問題があると思うのです。そうじゃないですか。大木建設は三百七十万は不当利得でしたということを発表しておるじゃないですか。ところがそれに支払いを請求できないというような契約のしかた、内容、そこに国鉄として、あるいは全般に言えるかもわかりませんが、国あるいは公社等の契約のときの考え方が出ていると私は思うのです。そうしておいて、一面で運賃を値上げして大衆から収奪をするという考え方は許せません。何がゆえに不当利得の返還請求ができないのか、ひとつ法律的な解明をしていただきましょう。
#21
○長浜説明員 不当利得という言い方が法律的にはちょっと私はよくわからないのでございますけれども、国鉄が契約いたします場合には、それぞれ工事の全体につきましてそれをいろいろに分けまして、工事の種類が内容的には非常にややこしゅうございまして、この一つ一つを積算してまいります。たとえばテレビなりラジオなりの部品の一つ一つを積算いたしまして、それを全部トータルいたしまして、その全体の工事額が幾らになるか。たとえばテレビが幾らの価格になるかというふうに、部品を集めましての予定価格をつくりまして、その予定価格の範囲内において最低価格のものを総価契約をする、こういう契約方式をとっておりますので、その部品といいますか、その部分部分の工事の内容が不当であったということは、確かに会計検査院からの御指摘のとおり、そういうショベルを使わないで、もっと適切なショベルを使うというような積算基準の運用の方法があったということは、御指摘のとおりでございますけれども、その部分につきましてはそうでございますが、それは不当ではございますが、全体を合わせましたときにどういうことになっておりますかという判断は、ほかのところは必ずしも特に安くなっていないということなら、その部分は総価的にもやはり高かったということにはなるかと思いますけれども、それを合わせまして四千万円という価格の予定をつくりまして、その予定価格によって、その最低価格の業者に落札したということでございまして、業者はその予定価格よりも低く入札した結果によって、その落札した価格でもって契約したということになりますので、われわれとしては総価契約ということで、その内容について一部分的に高い安いということで、その業者からの契約の一部の返還とかいうことは考えておらない次第でございます。
#22
○田中(武)委員 それでは、問題は契約のしかたにあるのですか。それとも国鉄が入札をさす場合の積算に問題があるのですか。そういうことになるわけですね。それであるとするならば、契約にあたって、そういうような問題が起きたときに返還をさすことができるような契約をなぜ結ばないのか。結べぬはずはないと思うのですよ。もしそうだとするなら、それじゃ会計検査院の不当事項としての指摘は当たらぬことになるのですよ。ところが、指摘はもっともでございます、こう言っておるのでしょう。そうすると、突き結めていくと結局は積算に瑕疵があった、そういうことになるのですか。それは、裏返してみるならば、意図的にそういう金額を出しておいてリベートをとることもできますよ。そういうことがとかく綱紀上問題とせられておることにつながるんじゃないですか。契約に対して、それは十分に履行せられたのでしょう。が、しかし、不当なことが起きた場合にはあらためて返還するというような条項は入れることはできないのですか。ひとつ契約書を出してください。おそらくは一つの様式のようなものがあって、それでぼんぼんとやっておるのだろうと思うのですよ。基本的に契約書の内容から検討し直す必要があると思う。さらにまた、入札制度からやり直す必要があると思います。そうじゃないですか。みすみす三百七十万円という金を多く払っておりながら、手が出せない。それで運賃を値上げする、赤字でございますで通ると思いますか。この決算報告は認めることができません。返還の手続がとれるはずです。契約書をひとつ見せてください。何なら国鉄の顧問弁護士になってとってあげましょうか。そんなだらしない契約を結ぶことが間違いです。その態度が問題なんですよ。どうなんです。
#23
○長浜説明員 積算が確かに間違っておりまして、その間違っておりました積算で予定価格をつくりましたので、そのつくられました予定価格によって業者と契約をいたしておりますので、業者からとることができないというふうにわれわれは判断しておるわけでございます。
 なお、入札方法は指名競争入札で、随意契約ではございませんで、競争入札で契約してございます。
 それから、いま御心配いただきましたような不正な事故が起こらないように、われわれも常々心がけておるつもりでございます。今後とも十分そういう点は起こらないように注意をしていきたい、こう思っております。
#24
○田中(武)委員 それでは、国鉄にその積算から始まって契約完了までの間の資料を要求します。契約書を見せてください。それから、競争入札にはどういう会社が参加をし、結果がどうなっておるのかということを出してください。いまでなくてよろしいです。
 それからなお、私はこういう契約については事後において清算ができるような弾力条項を設けるべきであると私は思う。そういうことは契約書の内容に書けるはずなんですよ。そのことを含んでひとつ資料を要求します。
 それから会計検査院、いわゆる重大なる過失と軽微なる過失とのけじめはどこでつけますか。法律的には俗に善良なる管理者の注意義務、これを怠った場合に過失だ、こういうようにいわれておるのですが、会計検査院は重大なる過失というのは一体基準をどういうところに置いておるのですか。ひとつ法律的に解明してください。
#25
○小熊会計検査院説明員 お答えいたします。
 なかなかむずかしい問題でございまして、ただいま先生のおっしゃいましたように善管注意義務を欠いた場合にはこれは過失があった、こういうことでございますが、やはり具体的なケース・バイ・ケースで、いろいろそういう善管注意義務を著しく欠いたのか、あるいは単に善管注意義務を欠いた程度にとどまるかという判断をせざるを得ないと思うわけでございます。その場合に、本件の場合につきまして申し上げますと、この施行者が管理局であって工事局ではない。管理局でございますからもちろん工事もやっておりますけれども、しかし必ずしも工事専門ではない。それから先ほど総裁がおっしゃいましたように、根掘りの問題というようなものにつきましても、工事面についての慎重性はあったにはあったけれども、経済性について欠けるところがあったというような結果で、全く重大な過失によってこういう積算過大になったということではないだろう、こういうような判断をいたしたわけでございます。
#26
○田中(武)委員 どうです皆さん、いまの説明で重大なる過失と軽微なる過失との区別がはっきりしたと思われますか。私はどうもわかりませんね。少なくとも業務上の過失なんですよ。したがって、普通の善良なる管理者の注意義務というよりかもっと重い注意義務が一面要求せられておると思うのです。これは業務上の過失ですよ。そうじゃないですか。それなら一般人よりかもっと強い注意義務というのが課せられているはずです。それを怠った場合は重大な過失になりませんか。重大なる過失と認められなかったということが、いまの説明では私は納得いきません。それではもっと法律的に文書をもって要求します。会計検査院としての三十一条運用について、いわゆる著しい過失とはどういうものなのか、ひとつはっきりしてください。いまの説明では納得できません。いいですね。
#27
○小熊会計検査院説明員 お答えいたします。
 三十一条の規定で申しておりますところの「故意又は重大な過失」という場合の一つの主体的な要件でございますが、これはやはり会計事務を取り扱う職員として通常守るべきところの注意義務を著しく欠いたかあるいはそうでないか、こういうことでございまして、そういう面では同じベースでございますので、それが業務上とおっしゃれば業務上かもしれませんけれども、それを土台にした上での故意あるいは重大過失あるいは軽過失、こういう判断であろうかと存ずるわけでございます。
#28
○田中(武)委員 少なくとも会計事務担当職員の云々というのが三十一条の趣旨でしょう。業務上の必要な注意義務ですよ。それが一般人に課せられたところの善良なる管理者の注意義務よりか高度のものである。これは私は自信を持って申し上げることができると思う。これはあらためて文書による回答をいただく。会計検査院長というのですか、責任ある人の出頭を求め法制局立ち会いの上で明らかにしていきたいと思います。委員長よろしいですね。
#29
○中川委員長 はい。
#30
○田中(武)委員 何かおっしゃりたい点があったら言ってください。
#31
○小熊会計検査院説明員 お答えいたします。
 私は第五局の担当でございますので、会計検査院法全体の解釈の問題といたしましては、これはまた全院の問題でございます。ただ私が申し上げました点は、あくまでも三十一条は一般の人とかなんとかいう問題ではなしに、会計事務を取り扱う職員としての一般のベースというものを基本にいたしまして、そしてそれはいろいろな会計規程とかいろいろな取り扱い規程とか通達とか、そういうものがございます。そういうものを順守しているかどうか。それに違反しておるといったような場合に、それに違反したことについて、故意あるいは重大な過失であるか、こういう判断を個個にしなければならないと思います。したがいまして抽象的にどういう場合は重過失、どういう場合は軽過失という判断はなかなかむずかしいんじゃないか、このように考える次第でございますので、そのことをひとつ申し上げておきます。
#32
○田中(武)委員 しかし私は一つの基準はなくてはならぬと思うのです。もしあなた方でできないというなら、ひとつ裁判所の判決でももらって、三十一条でいうところの「重大な過失」とは何ぞやということをはっきりしておかなければいけないですね。
 それでは一応三十一条でいう「会計検査院は、」となっているこの会計検査院というのは何をさしておるのですか。
#33
○小熊会計検査院説明員 お答えいたします。
 三十一条の「会計検査院は、」と、こう書いてございますが、これは御承知のように会計検査院法で規定しておりますところの会計検査院を構成する会計検査官会議、それから事務総局を包括いたしたものでございます。具体的な権限といたしましてはもちろん事務総局が具体的な事務を担当するわけでございますが、最終的にこれを決定いたしまして、そして要求いたしますのは、これは検査官会議の決定を得まして、それで要求する、こういうことになるわけでございます。したがいまして毎年個々の検査報告に不当事項が出るわけでありますが、そういうものについてはたして懲戒処分を要求する必要ありやいなやということは、個々具体的なケース・バイ・ケースにつきましていろいろな要素を加えて判断するわけでございまして、三十一条にも書いてございますようにいろいろな要件がございまして、最終的には「要求することができる。」と書いてございますので、個々のケースによっては各事件官庁におきましてすでに処分をしておる、こういうような場合であれば、これは発動しないという場合もあり得るわけでございます。
#34
○田中(武)委員 私はいま国鉄の不当事項から入りまして、もっと高度な議論をいたしておるわけです。したがってもう時間がたつだけですから、あなた相手の議論はいたしません。三十一条運用についての態度、ことに「重大な過失」、いわゆる重過失についての会計検査院としての見解を要求いたします。いいですね。
#35
○中川委員長 いいです。
#36
○田中(武)委員 それでは委員長の善処を要望いたしまして、次へまいります。まだあと指摘事項について次々にお伺いしたいのですが、私の約束の時間がもうすでに済んだようでありますから、あと一点だけで終わりたいと思います。あとの点は自後に残します。いま申しました資料を国鉄からいただいたときにあらためてまた質問するので、その際に残すといたします。
 四十二年度の決算検査報告書の一〇〇ページの終わりのころから指摘事項として上がっておるのですが、簡単にいうと、新幹線の用地を買収した、それが登記ができていなかった、したがってその土地が第三者に、いわゆる二重に売られた、そして所有権登記が終わっておる、あるいはその後抵当権が設定せられておる等々のために云々と、こういうことになっておる。会計検査院からその内容について、というと、これを読む程度のことですから、もう説明を求めません。これはお互いにわかっておることですから、このままに質問に入ります。
 そこで、なぜそのときすでに登記ができなかったかという理由をまずお伺いいたします。登記のおくれた理由……。
#37
○長浜説明員 新幹線の用地の登記の問題は御指摘のとおりでございまして、当時新幹線で用地の買収をいたしました総筆数が約六万五千筆くらいございます。件数で二万件余りになろうかと思います。それで、会計検査院から指摘を受けました四十三年九月で件数が百八十五件でございます。その後いろいろ、御注意を受けましてから、なお一そう努力をいたしまして、六月末までに七十八件解決いたしまして、現在まだ百七件残っておる次第でございます。あと、鋭意これの処理も進めておるわけでございますが、御質問の、なぜそういうふうにたくさん残ったのか、六万五千筆のうち件数で百八十五件残りました理由といたしましては、やはり非常に申しわけなかったのでございますが、全体の工事の進行速度に合わせて何とか早く用地を解決しなければいかぬということで、いろいろ、相続関係につきまして見ましても、共同相続のような場合に、全体の相続人からの登記承諾をとれないままに、代表者の責任をもって取りまとめるという約束を信じてやったものだとか、あるいはその後事務処理がおくれておる間に相続人の一人が行くえ不明になってしまったというような問題がございます。あるいは登記がおくれておる間に抵当権が設定されてしまったとか、あるいは当時抵当権はありましたけれども、これは容易になくなるという相手の発言あるいは自分たちもそういうふうに信じたというような点、ところが実際にやってみるとなかなか抵当権が解消できなかった、いろいろ問題がございます。あるいは区画整理事業が完了していないためにまだ登記が残っておる。これなんかは区画整理事業の完了とともに登記ができる、これは当然でございますが、そういう、いろいろございまして、会計検査院から指摘を受けました件数が当時として百八十五件あったわけでございます。できるだけ努力いたしまして、いまのところ約百件まだ残っておるわけでございますが、できるだけ説得をして協議を進めるようにいま努力しております。もし、どうしてもいきそうにないというような見当がつきましたならば、そのものは法律的な解決をはかる、訴訟によって解決をはかるというふうに考えておる次第であります。
#38
○田中(武)委員 もう少し具体的に伺いたいのです。
 このうちで解決したのもあるそうですが、まず転売されたものが件数で二十八件、三十六筆、面積にして千七百五十七・七平方米、買収金額が五百二十六万七千円ですか。それから抵当権等が設定せられたもの三十一件、四十五筆、四千八百九・八平方米、金額九百二十八万七千円、あといろいろございますが、重要なものとしてこの一点と二点をあげますが、このうち転売せられたもの二十八件、三十六筆のうち、現在解決したものは幾らなんですか。そうしてその解決の方法はどうしてしたのか。それからもう一点の抵当権の設定せられたもの三十一件、四十五筆のうち、現在解決せられたのは幾らあるのか、その解決の方法はどうしてやったのか、自後の残った点についてはどういう見通しなのか、お伺いします。
#39
○長浜説明員 転売されましたもので現在残っておりますのは、私の手元には二十四件と報告が参っております。それから抵当権が設定せられておったものを解決いたしまして、現在まだ未解決のものが十件残っておるように報告がきております。約半分解決したわけでございます。
 具体的にどういうふうにしてこの転売関係を処理したか、抵当権の設定を具体的に個々の問題をどういうふうに解決したのかということは、実はいま資料の持ち合わせがございませんので、もしなんでしたら先生のところにまた御報告に上がりたいと思いますが、件数としてはそういうふうにそれぞれ、たとえば相続関係につきましては六十五件ございましたのが、あるいは若干件数が違うかと思いますが、三十四件に解決しております。
 それで今後の処理の方法でございますが、いま用地関係の人間を十数名これに充てまして、鋭意十分な説得を進めて妥結するという方法、それからもう一つは、国あるいは公共団体に対して、事務処理がまだ残っておるために登記ができないものが、さいぜん申し上げましたようなものが若干ございますので、そういう点を強く地方公共団体等に要請しまして解決をはかりたい。それからそれができないという見通しが立ちましたならば、なるべくすみやかに土地収用法を使うとかあるいは訴訟を起こすということで、積極的な解決を進めたい。いま残っておりますのは相当難問が残っておるようでございますので、なるべく早くそういう処置を進めていきたい。そして解決をはかりたい、こういうふうに考えております。
#40
○田中(武)委員 言うまでもなく所有権移転という所有権は物権です。そして第三者対抗要件は、動産の場合は現実の引き渡し、不動産の場合は登記です。なければ第三者に対抗要件を備えないわけです。したがって普通、個人が売買する場合は、登記後に売買金額を受け渡しするということが通常行なわれておるのです。もちろん一方において工事は進んでおる、買収交渉がおくれたというようなことも考えられます。しかしながら、金を払ったときになぜ登記の必要な書類は整えないのですか。こういうところにも私はいわゆる国鉄というか、あるいは国鉄を含む国、公社、特殊法人等の無感覚の点があるのではないかと思うのです。これはたとえばあなた個人が自分の家を建てるために土地を買うたとしたらこんなルーズなことをしますか。当然登記が終わったところで代金の受け渡しをやるとか、少なくとも登記に要する書類が完備したときでないと渡さないのが普通なんですよ。それが買収してから後に転売せられたり抵当権を設定せられたりというのは一体どういうことなんです。一体それはどういうわけなんです。私は、やはりその担当に当たっておる人の注意というか責任というか、ここに問題があると思うのです。かりにその人がマイホームのために自分の土地を買おうとすれば、こんな態度で契約しますか、金を渡しますか。当然これは瑕疵ある売買ということになりますですね。完全に第三者に対抗するところの要件を備えないことで終わっておるということですよ。こういう点にも、私は国鉄だけではないと思いますが、その仕事に当たる人の責任観念の問題、いわゆる親方日の丸という観念の問題があると思います。これもひいてはその仕事に当たる人に過失がある。それも重大なる過失がある。少なくとも第三者対抗要件を備えないことで金を渡してしまえば、そのあと転売せられるであろうあるいは抵当権を設定せられるであろうということは予見することのできる事項なんです。そうならば単なる過失でなく故意があったともいわれかねないと思うのです。この問題についてもっと具体的な資料をひとつ要求したいと思います。
 なぜおくれたのか、そのこと及びそれの解決にあたって先ほど言ったように具体的にどういうような手段によって解決がなされたのかあるいはこれからなされようとするのか、あるいはそういうことで買収に当たる用度係というのですかの人たちに対する今後の注意、あるいは現実に起こったこの問題についての処理に対する監督者の指導方針等々についてもっと詳しい説明がここでできるなら説明をしていただきます。できないとするならば、それも書類をもって要求いたします。あと指摘せられた事項等について私は逐次ことに法律的な立場から追及していきたいと思います。きょうはもう約束の時間が過ぎましたので――答弁が的確でなかったために半時間くらいで終わろうと思ったのがこうなったのです。質問を留保いたしまして、次の人とかわりたいと思います。いままでのような感覚で資料を出されたら私は追及しますよ。これは私は二つともあくまでも法律的な問題を取り上げておるのです。したがって、法律的にどう処置し、どう処していくのか、ひいてはその担当者、用度係等々が職務の上において当然考えなくてはならぬ職務義務というものを怠っておるということ、そういう点からなお追及を進めていきたい。このことをお約束して、一応質問を留保いたします。
#41
○磯崎説明員 資料は十分調製して提出いたします。ただいまの先生の御注意は今後十分私の仕事の上に発揮させていきたいと思います。
#42
○田中(武)委員 それではそういうことにして終わります。
#43
○中川委員長 長浜理事にちょっと申し上げますが、資料は委員会に御提出を願います。
#44
○長浜説明員 はい、わかりました。
#45
○中川委員長 浅井美幸君。
#46
○浅井委員 私は本日は国鉄の財産管理及び収益に関する問題をお伺いしたいと思います。
 いま国鉄においていろいろと財産の使用について貸し付けを行なっております。特に土地及び高架下の問題でありますけれども、これについて疑点が持たれておりますし、また国会においてもこの問題について取り上げられたこともございます。私はこれを総まとめにして本日は伺いたいと思います。
 そこで、高架下の使用及び国鉄の所有せるところの土地の貸し付け状態、これが全国でどのくらい利用されておるか。すなわち、国鉄承認のもとに貸し付けが行なわれておるその状態を、面積及び件数、そして貸し付け料、この点について最初にお答え願いたいと思います。
#47
○長浜説明員 高架下の四十三年度末の貸し付けの件数その他につきまして御報告申し上げます。
 高架下の件数二千五百七十八件、面積につきましては四十七万六千平方メートル、使用料につきましては約六億二千四百万、こういう数字になっております。
#48
○浅井委員 それは四十四年の三月末じゃないですか。
#49
○長浜説明員 一応四十四年三月末でございますが、まだ正式に締め切っておりませんので若干の相違があろうと思いますが、大体四十三年度末というふうに御理解いただきます。
 それから土地につきましては、件数で約三万七千件、面積にいたしまして約五百万平方メートル、使用料は年間約十一億二千六百万見当でございます。
#50
○浅井委員 高架下の一平方メートルあたりの平均はどのくらいになりますか。また土地の一平方メートルあたりはどのくらいになりますか。
#51
○長浜説明員 高架下につきましては三・三平方メートル当たり約四千三百四十円ぐらいに年額なろうかと思います。土地につきましては、実は貸しております土地が、たとえば北海道の山の中だとか東京の都内だとかいろんなところが全部一件とかあるいは同じ坪数であがっておりますので、ちょっと平均価格を出すわけにいかないのじゃないか、こう思うのでございますが、東京都区内の平均を見ますと、これも東京都区内のどこという平均がなかなかとりにくいのでございますけれども、土地につきましては都心部あたりで年額一万四、五千円ぐらいの使用料、あるいは東京都全体、郡部といいますかそういうところを入れますと四千円ぐらいというふうに、とり方によっていろいろ変わってくるわけでございますが、大体そういう感じになっております。
#52
○浅井委員 あなたが前に運輸委員会で答弁されたときは土地の貸し付けは一平方メートルで二百十一円になっているはずなんです。いまの数字とはだいぶ違う。これは年額のはずなんです。これは全国平均ですから全国平均をお伺いしたのですが。
#53
○長浜説明員 いま先生のお示しになられました二百十四円というのは、使用面積が五百万平方メートルで使用料十一億でございますので、これを割りますと二百十四円という数字が出るわけでございますけれども、さいぜん申しましたように、北海道の廃線敷を貸しておる場合、あるいは大阪付近でも廃線敷だとか、あるいは東山の山の中の土地だとか、あるいはいなかの盛り土にしてありますそばの田んぼに使っておるところだとか、あるいは東京都内あるいは大阪地内の高いところまで、全部込みにして平均しておりますので、この二百十四円という数字は前回申し上げましたけれども、単なる算術的な計算でございますので、その点御了承いただきたいと思います。
#54
○浅井委員 いまあなたがしきりに弁解なさるけれども、私は全国平均をお聞きしたのであって、山の中と都市とは違うのはわかっております。
 そこで、具体的に高架下のほうのを私はお聞きしたいのですけれども、まずいろいろと管理会社があるそうでありますけれども、関西高架株式会社の承認面積が関西高架全体では一万四千三百八十四平方メートルですけれども、そのうちの新大阪駅の部分について四千二百二十九平方メートル国鉄の承認面積がございますが、その高架下の土地の使用料は年額二百六十一万五千二百九円で間違いございませんか。
#55
○長浜説明員 新大阪付近につきましては、先生のおっしゃる数字で間違いございません。
#56
○浅井委員 これが入居者十一件で、賃貸料が千五百三十一万九千二百三十六円、これも間違いございませんか。
    〔委員長退席、丹羽(久)委員長代理着席〕
#57
○長浜説明員 千五百三十一万九千二百三十六円、そうでございます。
#58
○浅井委員 それから次にKK共潤舎ですが、このKK共潤舎については、千九百一平方メートルで、使用料は年額四百三十三万一千三百九十三円、これは間違いございませんか。
#59
○長浜説明員 四百二十三万一千円、はい、そうでございます。
#60
○浅井委員 これが四十件に貸し付けて収入が二千五十万四千四百円、これも間違いございませんか。
#61
○長浜説明員 間違いございません。
#62
○浅井委員 こういう幾つかの国鉄において承認をしておるところの使用名義人と実際に入居しておる者の実態が違う、そういうことについて、全国的に第三者がそういうふうに使用名義人と契約者と違っておるという数字について推定される件数はほぼ何件ですか。高架下の貸し付けは約二千五百七十八件、これがいわゆる国鉄自身との契約である。この契約者が第三者に貸し付けておる、この件数の推定はどのくらいですか。
#63
○長浜説明員 高架下の全貸し付け件数は二千五百件くらいございますが、その中で国鉄が貸している件数でございますが、たとえば関西高架のように一括貸し付けをしておりますので、それが個個の人たちにどうなっているかということをトータルしますと、違う件数になるわけでございます。
    〔丹羽(久)委員長代理退席、委員長着席〕
そういうのは、いわゆる第三者使用ということで正式の使用を認めておるわけでございます。ところが、そうではない、国鉄が認めておらない第三者使用の件数はなかなかはっきりつかめませんで、われわれとしては、昭和三十二年に、高架下をそういう第三者への賃貸しあるいは転貸しということがあっては高架下としてはおもしろくないという、決算委員会における御指摘もありまして、刷新委員会をつくりまして、そういうことを排除して直接貸しにするようにということで、その委員会の決議を得まして処理をいたしました。その件数は現在までに約四百件あまりございますが、あとまだ何件かあると私たちは推定しているわけでございまして、できるだけこの件数を減らすように、これは不法契約であるというふうにいたして、そういうものの摘発をして処理をしたいということで進めております関係上、なかなか実態がわからないのが現状でございますので、なるべくこれをわからせて、そしてきれいな姿に整理していくようにしていきたいと思っております。
#64
○浅井委員 要するに、第三者使用の件数は国鉄では掌握ができないということですね。私は非常に怠慢であると思うのです。家主が自分の家を持っていて第三者に貸しているというときには、常に監視しておるものです。あなた方は国鉄の財産を管理する責任があるが、それが正常な状態において管理できない、そういう御答弁ですか。
#65
○長浜説明員 何件といいますか、具体的にどういう名義人にどういうふうに貸しているという正確な資料はなかなかとれないということでございまして、われわれの推定では、四百件は解決いたしましたけれども、まだ百件以上はあるのではなかろうか、こういうことで大体そういう感じでつかんでおるわけであります。
#66
○浅井委員 そういう感じでつかんでおっては困る。長浜さんが自分の家を十軒も持っておったら、だれが入っておるかぐらいは家主の責任としてそれを管理するのがあたりまえです。四百件くらいわかったけれどもあと百軒くらいあるであろうというが、もっとあるかもわかりませんよ。二千六百件かあって、その中で第三者に不当に貸されているこの実態というのは非常にけしからぬ。いま関西高架株式会社あるいはKK共潤舎の三社だけ取り上げておりますが、そのほかにもこういう管理会社がある。これが国鉄には二百六十一万円しか払っていないのにたな子からは千五百三十一万円も取っている。約六倍です。また共潤舎にしても、払っているのは四百三十三万円で二千五十万円ですから四倍強です。こういう管理会社というものを中間的に国鉄が認めて、そこに利潤をあげさせるような会社をなぜおつくりになるのか、私にはわからない。国鉄は財政再建云々ということをいろいろといわれておる。あるいは財源が非常に足らないといっておる。また先般国鉄の赤字経営のために運賃値上げをした。なぜ国鉄自身が直接おやりにならないか。四倍も五倍もじゃないですか。この点はどうなんですか。
#67
○長浜説明員 さいぜん先生から御指摘がありましたように、高架下を二千何件か貸しておりまして、それが正常な姿で貸借関係を結んでいるつもりでおりますけれども、それが第三者に賃貸しあるいは転貸しというようなものがございまして、それをなるべく早く解決せよということで、いままで約四百件解決したわけでございますが、まだそういう件数が相当あるのじゃないかということが考えられるほど、高架下は実は昔からの高架下の貸し付けの経緯がございまして、そういうふうになっておるわけでございまして、これをなるべく早く正常な姿にしなければならないということが一方にございます。ところが昭和三十九年でしたか、行政管理庁からも、そういう高架下の実態を踏まえまして、今度新しくできる新幹線の高架下が相当広い面積になる、あるいはまたあちらこちらで、たとえば大阪の環状線のような高架下の工事ができるということで、高架下のペースが相当できるということを踏まえまして、そういうところは今後そういう個人個人に貸す、国鉄が直接貸すということになりますと、現在のそういう第三者への賃貸し、転貸しというような点が生ずるおそれが多分にあるから、先生御指摘のように、国鉄が直接貸したらどうだ。ところが国鉄が直接貸すについては、やはりその間の国鉄の要員の問題、あるいは専門家でないといいますか、そういう点もあるから、国鉄が直接でなく、間接に国鉄の信頼できる会社に高架下を管理させたらどうだという勧告などがありまして、それによりまして、さいぜんのお話の関西高架株式会社のような高架下管理会社をつくりまして、それに間接的に管理をさせておるということにしておるわけでございます。
#68
○浅井委員 では関西高架の社長さんはそういう策理の専門家ですか、この人の経歴はどういう経歴ですか。常務の村上さんというのは元国鉄職員じゃないですか。いま国鉄の部内にはそういう専門家はいないとおっしゃった。じゃこのことについて説明してください。天下りしておるじゃないですか。
#69
○長浜説明員 私が専門家と申しましたのは、あるいは誤解を生ずると思いますが、それに専心してやれるようにということと、それからその人たちは確かに国鉄の出身者でございますが、当然国鉄が管理をすべきところを、国鉄の趣旨を体し、たとえば新しくまたその場所に対して国鉄がいろいろな工事をやるから立ちのかせるとか、いろいろなことが起こる場合に、あるいは現実の運転をする場合の運転保安上の確保をさせるとか、いろいろな条件が出てくるわけでございます。そういう点で、国鉄の管理しやすいような管理会社にするということで、そういうふうにしておるわけでございます。
#70
○浅井委員 いまの御答弁ではなにも国鉄の人がやって悪いという理由には一つもなりませんよ。安全のために、あるいは立ちのき問題が起こったときに、この国鉄の財産についての管理課をつくればいいじゃないですか。なぜいわゆる中間的なそういう会社をつくって、そこにマージンとしてもうけさせなければならないのですか、私はわからない。国鉄の収入を増すために考えるならば、少々めんどうであろうけれども、それをやるほうが合理的じゃないですか。
#71
○磯崎説明員 高架下の問題につきましては、実は昭和三十年前後だったと思いますが、一度あまり芳しからぬ事件がございまして、その後たしか当委員会だったと記憶いたしますが、やはり部外の専門家に頼んで、ひとつ高架下をどうすべきかということを検討しろ、こういうお話がございました。弁護士の長野国助先生をたしか委員長といたしまして、部外の方々で、国鉄内部ではございますが、高架下管理刷新委員会というものをつくった。その委員会でいわゆる先生のおっしゃった直接管理がいいのか、あるいは間接管理がいいのか、ずいぶんいろいろ論議されました。約一年半ほどだったと思いますが論議されました結果、国鉄が実際直接管理しておったから、そのころまでのような第三者使用がわからない。一軒一軒回って実際だれが入っているのですか、あるいは死んだ場合にはだれが相続するのですかというふうに、相続とか死亡とかいうことなどが原因になって、いろいろ第三者使用が見られたと思っておりますが、そういったことはとても国鉄職員が制服を着ていってやったのではできない、やはりこれは間接管理をすべきだというふうな御意見がございました。その後、ただいま長浜が申しましたとおり、行政管理庁におきましても、この問題をどうすべきか、これは国鉄だけの問題じゃないじゃないかということでいろいろ検討されました結果、差配会社と申しますか、そういうものをつくって、そこでこの管理を専門にやらすべきだ、そうして国鉄がそれを通じて間接に管理したほうが現実の動きをつかまえ得るということになりましたので、新幹線ができ、高架下がふえたことを契機といたしまして、そういう会社をつくったわけでございます。
 先生御指摘の、関西のほうのいわゆる共潤舎だけはちょっといきさつがございまして、これは昭和二十四年に十二万人の行政整理をやりましたときに首切られた連中の仕事先というふうな形で、二十四年ごろ、非常に荒廃しておりました大阪のガード下を、やめた連中が金を集めて借りてやったというふうないきさつでございまして、これはいま申しました最近の事件とは起源が違っております。しかし、形式は同じでございますが、そういうことで、実際私どもといたしましても、現在の手不足の状況、ことに東京付近の手不足の状況で、これ以上あのガード下を一軒一軒歴訪してチェックするということを優秀な職員にやらせるということは非常に不可能であるというふうなことで、思い切って間接管理の方針に踏み切ったわけでございます。先生のおっしゃることはよくお話としてわかるのでございますが、現実におきましては、現在非常に人手が足りませんので、十分な輸送さえ満足にできないというふうな状況でございますので、東京、大阪付近の輸送の繁忙なところでは、やはり極力国鉄職員は輸送業務に専念さしたいというふうな気持ちで、現在の形でやっております。
#72
○浅井委員 いま総裁の御答弁で、意味はわかりますけれども、では関西高架へ二百六十一万五千二百九円、国鉄の承認の使用料として千五百三十一万の賃貸料を取っておる、この関係性についてはどうなんですか。
#73
○長浜説明員 国鉄の収受しております金額は土地代でございまして、高架下を裸で貸した場合の土地代でございまして、それを関西高架なりそういう会社は建物をつくりまして、人が事務をとったりいろいろなこともできるような処置をいたしまして、いわゆる家賃としてその連中から取っておりますので、地代と家賃の相違でその程度の差は出てくるわけでございます。
#74
○浅井委員 家賃であるならば、その建設費について、工事費の七〇ないし七五%はその入る人たちから取っているじゃないですか。それが四倍も五倍にもなっていることについて、国鉄は承認しているのですか。
 それからこの人事のきめ方ですけれども、元弘済会関西支部長ですか、現職ですか、それから宇都宮の国鉄出張所長がこういうふうに常務になって入ってきている。こういう一つの会社というもの、あるいはKK共潤舎も国鉄の出身者、あるいはさらに、中央高架株式会社あるいは東京高架株式会社、あるいは大阪高架株式会社その他も、みな国鉄関係の人間が入っているじゃないですか。そういう関係性の深い者を連れてきて、わざとそういう天下り会社をつくっているのかと私は言いたい。そうしたならば、そういうふうなトンネル会社をつくって、そうしてわざわざ利潤をあげさせようという、そういうことにも見えるじゃないですか。あなた自身が家賃と土地代とは違う、土地代と違うならば、それだけの土地代に見合うようなものを、あるいは建物は建物に見合うような料金の取り方なのか、適正なのか、これは一々チェックなさっておるのですか。
#75
○長浜説明員 家賃の地代に対するパーセンテージといいますか、何倍ぐらいという見当、いろいろほかのところも調べておりますが、関西高架が特に家賃はよそよりも高く取っておるとは思われませんので、この程度なら至当じゃないかというふうに考えております。
#76
○浅井委員 じゃ、高架下の土地の使用料のこの算定基準はどうなっておるのですか。
#77
○長浜説明員 高架下の使用料の算定をやります場合には、新規の場合には、その土地のまずその付近の土地の値段はどれくらいかということで土地の時価を算定いたします。これには、それぞれの場所に、土地建物等評価委員会ということで、部外のそういう土地鑑定の権威の方々、あるいはよその大蔵あるいは地方公共団体のそういう担当の部局の権威の方々に入っていただきまして、その時価をきめまして、それに高架下としての高さ制限とかあるいは不安定修正とかいうものをいたしまして、要するにその高架下の土地の価格というものをきめます、それをもとにいたしまして、それに七%をかけましてこれを資本利子額、こういうふうにいたします、これに加えますところの、資本利子額の三%ということでこれの管理費を加えます、それに公租公課を加えます、それを使用料として算定して高架下の使用料をきめておるわけでございます。
 なおまた継続の場合には、やはりきめ方は同じでございますが、大体土地は値上がりしておりますし、周囲の土地も値上がりしておりますので、われわれのほうとしても、三年に一回ずつ土地の値段の修正をいたします。そうすることによりまして資本利子額あるいは管理費等が値上がりすることになりますので、そういうふうに三年に一度ずつの修正をいたしまして、継続の場合にも使用料の算定をしておるわけでございます。ただそのときに、土地が急激な値上がりをしております場合でも、あまり急激な使用料の変化をすることは社会常識上どうかと思われるほかとのつり合い上の点がございますので、漸進率の適用ということを考えております。これは、二割五分ないし五割のアップということで、計算した値上がり率の額に応じてそういう漸進率を適用して、それを実際の使用料の算定の基礎にして、それを用いて使用料を徴収しておるわけでございます。
#78
○浅井委員 では、KK共潤舎は大阪駅の駅前であります、これの一平方メートル当たりの年額は幾らになるのですか。あるいは、新大阪駅の中心地にあるところの関西高架のこの件については一平方メートル当たり年額どのくらいになるのですか。
#79
○長浜説明員 共潤舎の一平方メートル当たりの使用料が二千二百七十八円になります。それから関西高架の場合は二千三百五十三円になっております。
#80
○浅井委員 一平方メートル当たり年額二千二百七十八円。これは十二分の一したら月額は幾らですか。
#81
○長浜説明員 共潤舎の場合約百九十円ぐらいになろうかと思います。それから関西高架の場合、約二百円弱になろうかと思います。
#82
○浅井委員 これが一坪ですと三・三倍されて約六百円ですね。土一升金一升という大阪駅のいわゆるどまん中にあって月額約六百円。それからこちらが新大阪駅という新しい大阪の中心であります。それがやはり月に約六百円何がし、これで確かに正常なんでしょうか。これで土地評価がやってあるのでしょうか。どういう関係で――いまいろいろとあなたはその基準を述べられた。幾ら国鉄がいわゆる税金でまかなわれておるところの親方日の丸の会社であったとしても、これ自身がこのような貸し付けの状態で現在の社会情勢、経済情勢と見合いますか。
#83
○長浜説明員 共潤舎の場合は、土地価格の算定を坪当たり約百十五万くらいに算定しております。平米当たり三十五万くらいでございます。これが安いか高いか、その評価委員会等でいろいろ判断してもらって、おるわけでございますが、場所は先生御承知だと思いますが、阪急のちょうど裏通りの高架下でございまして、場所としては大阪付近といえば非常にいい場所ではございますけれども、やはり表から一歩入ったところということでございますので、私も必ずしもその評価の専門じゃございませんが、大体これぐらいが妥当な値段じゃないかというふうに考えておる次第でございます。
#84
○浅井委員 あなたがそんな妥当ではないかという考えを持っておるのでは、これは認識をもっと改めてもらわなければならない。大阪駅のどまん中の前であなたが一ぺん店をお買いなさい。どのくらいの権利金が要ってどのくらいの家賃が要るか。裏通り裏通りと言いますが、あれは阪急横ですよ。片一方、関西高架は新大阪駅のどまん中ですよ。これは周辺の情勢も考え合わして妥当である、坪百十五万であそこの土地が買えますか。十年前、十五年前の話じゃないのです。そんなあなた方が甘い考え方を持っていわゆる国の財産を管理しておるのでは困るのです。もっと私は現実の情勢を見てもらいたい。私は何も不当にこの家賃を上げろというわけではありません、この入っておる人たちの……。しかし国鉄自身は、いわゆる高架下を使用する上においてもう少し考え方があるじゃないか。少なくともいまの三倍を取ったならば、あなたがさっき言われておった六億二千五百万円の三倍で十八億入ってくる。収益が増すじゃないですか。そんな甘い考え方の評価をなさるということは私はわからない。どうでしょう。
#85
○長浜説明員 いまの共潤舎の場所はどれぐらいが適当かというのは、あの場所は確かに阪急の横といいますか裏でございまして、阪急の裏に高架線がありまして、そのうしろは変電所か何かあるところでございまして、人通りのあまりできないところでございますけれども、まあ考えようによればそういう場所が商売にいい場所になるかもしれません、これはいろいろな見方があると思いますが、共潤舎の場合は、さいぜん総裁から申しましたように、昭和二十四年ごろからの永年使用になっておりますので、若干そういう永年使用という点で使用料も安くなっておるわけでございます。ただ、いま先生が御指摘になりましたけれども、土地の評価によりまして国鉄の収益は非常にふやしてはおります。大体三年おきにその増収をはかっております。かりに昭和三十一年を一〇〇といたしますと、高架下の場合には四十二年で約六〇〇%ですから、六倍くらいの価格の決算額が上がるようになっております。これは全部平均でございますのでちょっとわかりませんが、そういうふうに決算額からいいましても、高架下は、もちろん面積もふえてはおりますが、決算額もふえる。できるだけ三年に一度の価格修正を行ないまして、収益をあげることにわれわれもつとめておる次第でございまして、今後ともそういう点でできるだけの努力をして収益をあげていくようにしたい、こういうふうに思っておる次第であります。
#86
○浅井委員 六倍になったか知りませんけれども、まだまだこんな甘いところはたくさん残っておる。中間業者をもうけさせておる。
 さらにけしからぬのは、秋葉原のガード下にあるところの契約者の相手方の山本長藏さんですか、この人に対して貸し付けは二百八十八平方メートルですか、これの契約の年額は六十九万七千百六十一円、どうですか。
#87
○長浜説明員 山本長藏に貸しております秋葉原の付近の百五十四平方メートルに対しまして、使用料は四十八万三千五百一円でございます。
#88
○浅井委員 それからまだある。
#89
○長浜説明員 それが一つの場所でございまして、あと全部トータルして申し上げますと、二百八十八平方メートルで六十九万七千百六十一円という金額になっております。
#90
○浅井委員 間違いありませんですね。この山本長藏以下六十九軒、二百八十八平方メートルの高架下が六十九軒に分かれて貸し付けられておる。この人たち、入居者が払っておる金額というのは、積算しますと月額二百四十八万一千円になる。年に直しましたら二千九百七十七万円になっておる。さらに昨年の十一月に家賃の五割アップというので要求した。これで四千四百六十五万八千円収入があるというわけです。国鉄には六十九万しか払っていないものが、この山本長藏の取得しておる金額は四千四百六十五万八千円。何倍ですか。それほどこの土地の評価は、国鉄の評価しておる金額よりもあなた方の想像外の値段がつけられておる。実際そういうもので泣かされておる。これはどうなんですか。
#91
○長浜説明員 土地の使用料につきましてはさいぜん申し上げましたとおり、その付近の土地の価格から計算するようになっておりますが、ただこの場合は御指摘のようにこの山本それがしには、昭和二十四年ごろから貸しておりまして、非常に古い使用承認になっておりますので、その間の逓減率というものが応用されることによりまして、使用料が若干安くなっておるわけでございます。ただこの山本長藏の昭和二十四年ごろの使用承認の当時、御承知のような社会情勢でございまして、露店商その他が非常にこの辺にございました。特に東京都としてもこれを整理したいということで、山本長藏が買って出まして、その付近を整理するということで、都とも相談しまして、この高架下にその露店商を入れるということで、この使用承認がなされたわけでございます。先生御指摘のように、現在一部家賃の価格の問題について国鉄の貸しております山本長藏とテナントの間に争議がございまして、いま訴訟にかかっておるように承知しております。
#92
○浅井委員 承知しておるのではなくて、こういう状況についてあなたはどう思うかというのですよ。これだけの違いが出てきているじゃないですか。それだけの金額の違いというものは一体国鉄ではどう解釈しているのですか。
#93
○長浜説明員 われわれとしましては、さいぜんからの第三者使用をやめて直接貸しというふうなすっきりした姿勢にしたいということで、山本長藏に対してもそういうやり方にするようにいま勧奨をしておるわけでございますが、そういたしますと、いま入っておりますテナントと国鉄が直接契約するか、あるいは国鉄が山本長藏という者を中心としましたいわゆる第三者使用を正式に認めて、そのかわりに第三者の使用に関してはその価格について国鉄が容喙をする、そうしてその価格を適正なものにさせるというようなくふうをするか、両方あるわけでございますが、いま何ぶんにも両者の間で裁判になっておりますので、これら裁判の経緯を見ながらわれわれとしてはどちらかに解決をしたい、こういうふうに考えております。
#94
○浅井委員 裁判は全員じゃないでしょう。一部の人でしょう。
#95
○長浜説明員 一部の、六人ばかりだと思いますが、これが結局は全部の人を代表する意見じゃなかろうかと考えられます。これは私の推測でございます。
#96
○浅井委員 このような不当なことが行なわれておる。山本長藏だけではない。ほかにもたくさんあります。ところが四百件解決してきて残り百件というけれども、全国的に見て、三ノ宮の高架下あるいは東京周辺の高架下あるいは大阪周辺の高架下、これらの問題があまりにずさんなままほっぽられているのじゃないですか。ですからあなた方自身の国鉄の財産すなわち国有財産にひとしいものに対する管理に対して、このような不当なことが行なわれておる。これは社会正義の上においてもこういうことは黙って見過ごしておいていいのか。あまりにもずさん過ぎませんか。二十何年間からのいきさつがある。そのいきさついきさつにこだわって、いままで長女と放置しておるにひとしい結果が出ていませんか。
#97
○磯崎説明員 御指摘の点はまさに先生のおっしゃるとおりでございます。私どもといたしましても高架下につきましては実はいろいろ意見がございまして、もう思い切って高架下を普通の土地のように、たとえば権利金を取って貸してしまえという説もございます。しかし一たん権利金を取って、いわゆる民法上の賃貸借契約になりますと、いざ国鉄が使いたいとき、たとえば現在すでにやっておりますが、高架の上にさらに高架をつくる、さらに高架下に地下鉄をつくるというような、ほんとうに国鉄が輸送プロパーに使うというときに、賃借権の問題で非常にもめるわけでございます。私どもといたしましては、いまの高架下使用はいわゆる賃貸借でない、あくまでも一種の使用貸借的な無名契約だということをいままでずっと裁判上主張してまいったのであります。したがいまして、賃貸借の場合と無名契約の場合は非常に価格の査定が変わってくるわけでございます。したがいましていまのような、ことに先生の御指摘の件のようないわゆる第三者使用――第三者使用の中にも自分で造作をして貸す場合と、全然造作しないで右から左に貸してしまう場合がございまして、これはほとんど右から左に、それを私ども転貸と申しておりますが、これは大体整理いたしました。ただ御徒町のあめ屋横丁等は若干残っておりますが、これは大体訴訟でもって整理いたしておりますけれども、いま第三者に造作をつくって賃貸するという問題につきましては、これをどう解決すべきか。いわゆるテナントから申しますれば、権利金を払って中間の人から借りている。中間の人と国鉄との契約は、単に使用貸借的な無名契約であるというようなことで、いま先生がおっしゃったように非常に大きな差が出てくるわけであります。しかし一たん私のほうで、つまり輸送上必要だからそれを返せというふうな場合に、やはり間に入っている人は、テナントに対しては賃借権の保証をしなければならないのじゃないかというふうなことで、私どもといたしましては高架下、特に東京、大阪の高架下が将来輸送上不必要かどうかということが一番問題点であると思います。もしこれが大体要らないという見通しがつきますれば、もっと思い切って権利金をうんと高く取って貸してしまいます。そしてそのかわり賃借権を認めてしまうということが当然考えられるわけでございます。しかし、どうもいまの輸送情勢から申しますと、いま申しましたように、高架の下に地下を掘る、あるいは高架の上にさらに高架をつくるということがあり得るというふうに想定されますので、いまは無名契約に基づく使用貸借という形にしておるのでございます。
 実はこの間、一件、いま先生の御指摘に近い例につきまして訴訟をいたしました。それがごく最近敗訴いたしまして、これは賃貸借だというふうな裁判所の見解でございました。それではたいへんなことになりますので、さっそく私のほうは東京高裁に六月三日に控訴いたしましたけれども、裁判所の中でも、国鉄の高架下あるいは国家の雑種財産の貸借等についての法律的性格が非常にむずかしい。私どももはっきり賃貸借で割り切れれば非常にすっきりすると思っておるのです。しかしそれができないという以上、結局いまの第三者に対する賃貸については、極力本人に勧奨しまして――中間者とテナントの賃料まで私のほうはなかなか介入するわけにまいりません。したがいまして、もう間に入るのをやめなさいというか、あるいは、間はもっとすっきりした、国鉄が目の届く管理機関をつくって管理させるというふうな方法を抜本的に講じなければならない。もしそれができなければ、やはり中間者に対して訴訟を提起いたしまして、そして第三者使用を認めないという形にするかという実はせとぎわに入っております。不幸にして、先ごろの裁判で非常に不利な結果が出まして、いま実は弱っているわけでございますけれども、私どもといたしましては、あくまでもいまの時点で高架下を賃貸借で貸してしまうことは少し問題が大き過ぎる。しからば結局、いま中間に入っているいわゆるすっきりしない先ほどの御指摘のような点については、何かこれに対しまして訴訟上の手段、あるいはもし訴訟上の手段でなければ勧奨と申しますか、勧告と申しますか、それによって解決しなければならぬ。現に先生の御指摘の件は、ことしは契約を結んでおりません。私のほうといたしましては、最後の条文に、いまあなたのやっている第三者賃貸ということは国鉄では認めていないんだから、早くあなた自身が使うか、あるいはそれを国鉄とテナントとのすっきりした関係にするか、そういうふうにしなさいということを必ず入れておりますが、いままでその条件だけを受けないというかっこうできております。ことしからは、もうそれじゃ全部契約を締結しない。そういたしますと、向こうでは使用料を供託いたします。供託いたしますと、一応合法的になりますので、私どもとしてはそれを強制退去さすことはできない。結局裁判で争うか、あるいは本人がほんとうに納得してすっきりした形にするか、あるいはいま先生のおっしゃったように、もう中間者とテナントが徹底的に争うか、そういうところまで実は事態が深刻化しているわけでございます。
 ちょっとおわかりにくかったかと思いますが、私ども最近の裁判で非常に弱っておりますのですが、これは東京高裁に控訴いたしましたので、私どもはあくまでも賃借権を認めていないというたてまえを堅持してまいりますけれども、はたして高架下をいま貸しているあの姿が賃貸借なのか、あるいは無名契約なのかというその根本問題にさかのぼり、それが解決できますれば、非常にすっきりするというふうに思っております。その点、問題が全国に全部影響いたしますので、非常に重大な問題でございますが、私どもといたしましては、どっちかにそろそろ考えなければいけないというふうな事態に立ち至っておることだけを申し上げておきます。
#98
○浅井委員 総裁も非常に頭を悩ましておられるような問題でありますので、私もこれ以上深くは追及しないでおきますけれども、先ほどの管理会社という名目のもとにやっているものについては、私はこの値段をもう一度再考していただきたいと思います。
 それからいまのようないわゆる第三者に貸して不当に高額な金を取っておる、これに対する管理といいますか、それにおいて、私は何らかの立法措置、強硬な手段もとって、こういうような不当ないわゆる収益をはかっておる人たちを排除してもらいたいと思うのです。いわゆる国有財産を国民がひとしく使用し、あるいはそれによって繁栄することは、これは望ましいことであります。ましてや高架下のような場所において営業する、そのことによって多くの住民たちが喜びもし、また駅から近いということで非常に便利である、これはけっこうなことでありますけれども、その中間にダニ的なような存在で、国鉄から何かいいものを食い取ろうというような考え方を持っておる人たち、あるいは天下りによって中間会社をつくって、天下り会社をつくって、そこに利潤をあげようという目的のための会社、そういうふうな方向については私は是正してもらいたいと思いますし、これはただ遺憾であるとかあるいはこのような状態で苦慮しておりますという問題ではなくして、焦眉の問題であると思うのです。これは古くて新しい問題だと思います。したがって、いきさつ等はいろいろなことはありますけれども、この点についてはしっかりした態度で臨んでいただきたいと思うのです。
 最後に、総裁と次官に、御決意あるいは今後の具体的な方針を伺って私は終わりたいと思います。
#99
○磯崎説明員 浅井先生のおっしゃることは全く私も同感でございまして、ガード下を多数の人に利用してもらう、これは一つのいいことだと思います。しかしその中間に入って非常に利益を得ているというような個人などは、やはりこれは相当問題だと思います。したがいまして、いま私はそれに対しましてはやはり第三者に対する賃貸ということにしぼりまして、問題を法律的に解決するかあるいはその人と十分話し合いの上でもっとすっきりしたものに解決するかという方法を積極的にとってまいりたいと思います。ただ、それと同時に、これはたな子とその中間にある人との争いはある程度やむを得ないと思います。訴訟費用等もかかるかと存じますが、これはたな子さん方がとてもたえられないということを言われるのは、私うなずける点であります。ただ、これには私どもはあまり口を差しはさむことができませんけれども、形としてはやはり中間の人がぼろいもうけをするというふうなことは、方針として絶対しないような法律的な措置、あるいは法律的でないまでも話し合いの措置をぜひ講じてまいりたいと思っております。
 また、先ほど御指摘のいわゆる管理会社につきましては、私どものほうで十分目を光らせまして、決して不当な利益をむさぼったりあるいはたな子から不当な家賃を取ったりすることのないように、また人事につきましても、十分私のほうといたしましては、その専門家が専門の衝に当たれるような体制をつくってまいるということを申し上げます。
#100
○村山(達)政府委員 先ほどから先生からいろいろ御指摘を伺いまして、いま赤字で財政再建を急いでおります国鉄といたしまして、みずからの財産の管理についてはおのずからやはり適正でなければならぬということで、高架下の問題について貴重な御示唆をいただいたわけでございますが、今後監督官庁として十分監督してまいりたいと存じます。
 ただ、ただいま総裁とのお話を承っておりまして、私は実は土地の時価の見方と、それから地代をきめる利回りでほとんど事はきまるのだ、それが経済的であれば、その間に不当な家賃が介在する余地は経済的にはないと思っておるのであります。ただ、いま総裁が非常に重大な法律上の問題を話されまして、国鉄が貸しているのは賃貸借契約ではない、一種の無名契約である。言いかえますと、国鉄が要求があるときには、賃貸借権者としてその補償を求め得ない、こういう立場で使用料をきめているのか、それともその場合には賃貸借権者として当然補償料を国鉄に要求し得るのか、それによりまして、おのずから料金に算定の差があることは当然だと思うのでございます。したがいまして、そういう料率をきめる基本問題といたしまして、まず第一に、今度の国鉄が貸しているものがはたして賃借契約として料金を取っておるのかそうでないのかということを、法律的に、あるいは契約的にきめることが大事でございましょうし、それから第二に、そのいずれになるかによりまして、第二次使用者に対して国鉄の監督というものはおのずから違ってまいるだろうと思います。そういう点もあわせ考えまして、今後厳重に監督してまいりたい、かように思っておるわけであります。
#101
○浅井委員 終わります。
#102
○中川委員長 華山親義君。
#103
○華山委員 決算の立場から、成田空港のことにつきまして、若干のことが耳に入りましたので伺っておきたいと思います。
 一つには、むしろ事実は、間違えて質問するといけませんので、概念的に申し上げますから、どなたかにお答えを願いたいのでございますけれども、従来の御料牧場であった土地の一部につきまして、その上の立ち木を民間に払い下げたという間の事情について、どういう経緯であったのか伺っておきたいと思います。これはあるいは航空局のほうからお話し願えますか、どちらからお話し願えますか、どなたでもけっこうですからお願いします。
#104
○今井参考人 御料牧場は、御承知のように新空港の予定地の、特に第一期工事の南半分を占める地域でございまして、空港の位置決定の当時から御料牧場は空港の一部というふうに考えておったわけでございます。その中で、空港の敷地からはみ出す西側の部分、これは主として、騒音区域を除きまして敷地内の住民の方々の代替地として提供するというふうに、政府も、それからまた私どもも、千葉県当局も、地元の方々にお約束しておったわけでございます。
 そういうふうな関係で、県に買収していただきました民有代替地はほとんど大部分、現在造成を終わっておるわけでございます。御料牧場の残地に代替地を希望された方々は、できるだけ早く造成を始めてもらいたいという希望がございまして、公団といたしましても敷地内の地主さんの方方が移っていかれる場所ということで、根本名地区――これは御料牧場の西の一番端に当たる部分でございます。この地域において造成をできるだけ早くするという趣旨で、まず立木の伐採からということで、これは先生も御承知のように相当の立木がございまして、伐採に非常に長期の期間を要するということで、立木の伐採をするために払い下げをお願いいたした、こういう事情でございます。
#105
○華山委員 そうしますと、立木の払い下げ、そういうことをまずおやりになったわけでございますね。
#106
○今井参考人 さようでございます。
#107
○華山委員 それでまだ土地はそのままで国有財産になっているわけでございますか。
#108
○今井参考人 先生のおっしゃるとおりでございますが、根本名地区につきまして皇室用財産としての用途廃止をいたしました日は昭和四十三年十一月十六日でございます。したがいましてそれ以降国有財産ということになっております。
#109
○華山委員 まだ公団には移らないわけですね。
#110
○今井参考人 まだ公団の所有権には移っておりません。
#111
○華山委員 土地のほうよりも早く立木だけを大蔵省のほうが公団の所有に移した、こういうことになるわけでございますけれども、それをまたよそに売却をなさったということでございますが、そのとおりでございますか。
#112
○今井参考人 そのとおりでございます。
#113
○華山委員 大蔵省に伺いますが、そういう土地をどうせ民間に売却するものだったら、どういうわけで民間と直接の競争入札をしないで公団という手を経たのか。その点を伺いたい。
#114
○市川説明員 お答えいたします。
 この財産を総理府から大蔵省が引き継ぎを受けました時点が四十三年の十一月でございます。この地区の代替地を造成するために早急に立木の伐採をしなければいけないということになりまして、私ども立木の処分方法を検討していたわけでございます。私どもが直接処分をすることも考えられますが、そのような方針をとります場合には、まず第一に財務局の事務量から見まして、それから他に処分をする場合の期間と申しますか、伐採をいたしましてそれを搬出することを条件といたしまして処分をいたしますから、期間が必要でございます。その期間のあいだ財務局の人間を一名か二名そこにずっと派遣をしておきまして作業を監督いたさなければいけません。事務的に見ましても期間的に見ましても、そのような余裕がなかった。そのように見込まれましたので随意契約すべき根拠のあります公団側から売ってほしいという申請があり、それを最も適当であると判断いたしまして、公団側に売り払いをいたした、そういう結果でございます。
#115
○華山委員 私、その点に問題があるかと思いますけれども、なるほど随意契約は特殊法人の公団でございますからできると思う。しかし公団そのものは木材の売買をする機関じゃないでしょう。木材というものを業にする機関じゃない。そういうふうな契約というものはできるものですか。そういうものができるならいろんな面で公団との随意契約をする。しかしそういう木材の売買等については仕事じゃない。そういうふうなことはどこの公団でもできるのか、私は非常に問題があると思いますよ。それは便利であったということもあるかもしれませんけれども、そういうふうなことで私は公団との間にいろんなことがあってはいけないと思うのでございます。公団側に売り払われた金額は幾らでございますか。
#116
○市川説明員 公団に売り払いいたしました価格は、立木二千四百六十二立米、それから竹二十四束、合計いたしまして千九百四十四万七千円でございます。
#117
○華山委員 その計算の基礎は何によってなさいましたか。
#118
○市川説明員 私どもの所定の財産評価基準に従いまして評価したわけでございますが、具体的には用材といたしました場合の材木の価格をまず精通者の意見等を聞きまして定めまして、それから伐採搬出に要する経費を差し引くという手順で計算いたしたものでございます。
#119
○華山委員 それでは伺いますけれども、その後間もなく、十二日間から二週間おいて競売に付されたそうでございますね。その競売に付されたときの入札の結果は金額としてどのくらいになりましたか。
#120
○今井参考人 先ほど大蔵省のほうからお答えがございましたが、その立木並びに竹につきましては根本名地区全体をABCの三地区に分けて入札したのでございます。その全体の落札価格は総額で二千三百五十七万一千円ということになっております。
#121
○華山委員 そうしますとわずか十二日の間に公団のほうがもうかったという計算になる。これが民間だったらたいへんな問題ですよ。民間であったならば、とにかく一週間で二百万ないし三百万もうかるということを大蔵省がやったとするならば、しかも当然入札をしてもいいものを随意契約をして二週間たたないうちに競争入札をして――それが公団であるからまだ恕すべき点もあると思いますけれども、そういうふうなことは大蔵省は考えられなかったのか。もうかったじゃないですか。国庫の収入がそれだけ減ったわけだ。十二日前に、それはもういろんな手数はあるかもしれません。それにしたってとにかくそういう手続をしなかったために四百万円程度のものは国庫の収入減になった。こういうことについてどうお考えになりますか。
#122
○市川説明員 先ほども申し上げましたように、時間的な余裕がなかったという事情がございまして、公団に随意契約で売却いたしたわけでございます。先ほども申し上げましたように、売却するにあたりましては適正な時価を算出いたしまして、その価格をもって売却いたしたということでございます。先ほど来先生のおっしゃるように、その立木を公団側で入札で処分なさった結果差益が出たということでございますが、これはたまたまそのように結果がうまくいった一つの場合ではなかったろうかと考えることもできるわけでございまして、これはかりにでございますが、かりに入札に付しても落札者がない場合、公団はどうしたであろうかといいますれば、みずから経費をかけてこれを伐採をし、みずからこれをそのままむなしく保管しなければいけないというような事態に立ち至ったかもしれないのです。幸いにこのような好結果を得たわけでございますけれども、やはりこれは結果論ではなかろうかと思うのでございまして、私どもは適正な時価をもって売却いたしましたので、別に国損を与えたというようなことにはならないのではなかろうかと判断いたしております。
#123
○華山委員 それは大蔵省の役人らしいへ理屈ですよ。売れるか売れないかわからないなんという、そんなことがありますか。世の中の情勢はわかるでしょう。とにかくその間二週間しかないんだから。そうしてあなたは時間がかかるというけれども、二週間のうちにちゃんと処分したじゃないか。しかも、たまたまそういう結果になったのでありますというけれども、いま木材の事情というものは木材の需要が非常に多いときなんです。この時代にさからうようなことを言っている。売れるか売れないかもわからないから公団にやっておく、公団ではうまくやるでしょう。それは少し非常識じゃないでしょうか。国有財産を管理する上にこれは聞き捨てならぬと思うのです、そういう答弁は。そういうふうな、とにかく場合によっては木を売らなければならない。不当な値段で売ることはできなくても適正な値段で処分しようということは、私は国有財産を守る立場だと思うのです。また公団のほうから言うならば、売れるか売れないかわからないようなものをどうしてお買いになったのか。自分ででも伐採するつもりだったのですか。
#124
○今井参考人 立木の伐採は、実は私どもが特に大蔵省関東財務局のほうにお願いをいたして実現をいたしたわけでございますが、それは、先ほども申し上げましたように、立木の伐採に非常に時間がかかるということ、われわれができるだけ早く敷地の方々のための代替地をつくらなければならないということでございまして、関東財務局は御承知のようにたくさんの仕事をかかえておられるわけでございまして、かりにこういうふうなことを直接おやりになるとしましても、人手その他の関係からいって、私どもが希望するような時期に伐採を完了するというふうなことはなかなか不可能であろうというふうに感ずるわけでございまして、したがって、先生が先ほどおっしゃいましたように、十二月の二日に物件の受領をいたしまして、おっしゃるように十二月の十三日に落札を決定しておるわけでございます。こういうふうな迅速な措置というものは、当時公団はそれのみに専念しておる公団でございますので、早急にできる、こういうことでございます。
 それからまた、そういう見込みがあったかなかったかというふうな点でございますが、これについては、私ども県の林務当局その他とも十分お打ち合わせをいたしまして、御相談をして、指名入札の形で十一社に参加していただくということで、第一回の入札で落札価格が決定しておるという状況でございます。
#125
○華山委員 私はお二人の話を聞いておりますと非常におかしい感じがするのですよ。役所というものは仕事がおそくてだめなところなんだ、公団なら早くできるんだということなんです。こんなこと、どうして役所がおそくなる。指名入札者をきめてやればいいじゃないですか。なぜ時間が、公団なら早くできて役所ならばおそくなるのですか。私はわからないですね、そういうことは。しかもいわんや、公団は木材を売り買いなんかすることを本来の仕事にしておるところではない。どちらかといえば、自分の仕事以外の仕事でしょう。そういうところでも十二日間でできる。お役所がだめだというふうな全くいい標本みたいなものになりましたね。私はそういうものじゃないと思う。お役所仕事がおそいということがここにはしなくも暴露したということですか。公団でもそう思って、役所にまかせたのではいつできるかわからないから、こういうことだ。そして差額が出た、差額が出たことについてはたまたまそうなったのであって、あるいは売れなかったかもしれぬというような非常識な言い方をされることは、私はふに落ちない。しかしそういうふうな理由で、公団本来の目的であるならば別だけれども、公団というものと随意契約――これは抽象的に言うんであって、この場合を言うんじゃないけれども、そういうことはできることなんですか。仕事に多少でも関連があるならばいいんだ、そういうふうに広く解釈されるものですか。随意契約というものは非常に厳格に考えたいと私は思っているのですが……。
#126
○市川説明員 公団が買い受けました立木を必ず他に転売するということだけが可能性として予想されたわけではございませんで、先ほど申し上げましたような場合がもしあれば、公団がみずからそれを保有するというような状態も十分あり得たということなのでございます。
 それで随意契約の話でございますが、公団の本来の業務を営む場合にはもちろん随意契約の対象になりますが、その飛行場を造成するために土地を造成しなければいけない、その土地にはえている立木を一定の期日までに伐採しなければいけないという事情はございましたので、公団に対しまして処分する以外には、これをそのように実現させる方法がなかったわけでございます。
 非常に技術的なことになりますので、先ほど申し上げなかった理由がいま一つございます。申し上げますと、公団以外の人に、先生のおっしゃるように大蔵省のほうで入札その他の方法で処分いたしましたと仮定いたします場合に、契約上その立木は一定の期日までに伐採をし搬出することを条件づけなければいけません。その債務を履行することにつきまして、確保するということが、一般の私人でございますと非常にむずかしくなります。これはたとえばの話でございますが、まことに恐縮でございますが、違約金条項をつけておきまして、一定の期日までに伐採、搬出がなされない場合には違約金をとるぞ、こういう条項をつけておきましても、かりに相手がそれを守らなかった、期日になりましても伐採、搬出が終了しなかったという場合には、私どもはこれは一般の民事手続によりまして強制する方法がどこまで可能であるか。そういう方法もございますけれども、そのような手をとらなければいけないわけでございまして、御承知のように解決するのにかなり長期を要することになります。そのようなことがございますので、これを確実に伐採、搬出しなければいけないということになりますと、公団に対しまして処分することが最も確実である、それ以外に方法はないんではないかということも考えられます。これは先ほど申し上げなかったことでございますけれども、そのような事情も考え合わせまして、公団に対しまして随意契約いたした次第でございます。
#127
○華山委員 ところがあなたの予想に反して方法があったわけですね。公団のほうではちゃんと入札をして期日までには終わったでしょう。ちゃんと方法があった。あなたのほうで方法がないだろうなんて心配することはよけいなことだったのだ。その点の下調査をどうしてなさらないのか。公団のほうともよく打ち合わせて、きちんとできないのかどうか、期日までにできるのかどうか、そういう方法はどういうものだろうかということを、どうして打ち合わせをなさらない。ただ安易に公団ならばだいじょうぶだろうというような責任のがれのような、そういうふうな態度はよくないと思うのですよ。ちゃんとやっているじゃないですか、公団は。期日までにすみやかに間違いなくやっている。そういうことがあり得ると困るというふうなことは、私は役人の責任のがれのものの考え方だと思う。
 それで結局いろいろな精算をしてみればその金額だけにはならないかもしれないけれども、四百万円というものは国庫に不利益をもたらしたということだ。まあ言いわけは言いわけとしてお聞きいたしますけれども、それはもう少しきちっとやってもらいたいと思う。結論といたしましてそういうふうなことになるわけだ。
 それからもう一つ公団のほうにお伺いいたしますけれども、公団のほうでは予定価格をお立てになったと思いますが、予定価格はどういう価格でお立てになりましたか。総額だけでよろしゅうございます。
#128
○今井参考人 予定価格でございますけれども、実は大蔵省から私どもが払い下げを受けました値一段は、先ほど御説明がございましたように千九百四十四万七千円でございます。これに対して、いろいろな経費等もかかりますし、またこういった大蔵省の算出基礎というものは、木材の時価というふうなものをベースにしておつくりになったものだろうと思います。そういうふうなことで、私どもは予定価格をつくったのでございます。まだ私どもは、これからあの地区における立木の伐採を相当やらなければなりません。根本名地区におきましては、約二千数百立米というものでございますが、われわれは御料牧場全体では、まだ三万立米の木材の伐採をやらなければいかぬ、そういう場合に公団は一体どういうふうな基礎でどういう予定価格を立てるかというふうなことをあまり明らかに申し上げますことは、今後、私どもは業務の運用上、非常に支障があるのではないか、こういうことで、ぜひ御了承をお願いしたい、こういうことでございます。
#129
○華山委員 私は、いまここで過去のことを責めているものじゃないのです。
    〔委員長退席、鍛冶委員長代理着席〕
公団と国庫の関係ですから、その間に差額を生じた場合には、返還をするという約定がその間にあっていいのではないか。利益を生じた場合には、その利益はいろんな諸雑費等の計算もありましょうけれども、ここに納入するということがあっていいのじゃないか、その点、どう思いますか。
#130
○市川説明員 先ほど来、いろいろ弁解がましいことを申し上げたわけでございますが、いま先生の御示唆のありましたこと、非常に建設的な御意見だと思って拝聴いたしたわけでございますが、そのような場合が今後の契約につきまして起こる場合には、内容に取り入れていくという方向で検討したいと思います。
#131
○華山委員 これで終わりますけれども、別の問題でございますけれども、何か代替地として買った土地、それにつきましては、公共のために買った土地と税制が違ってくる。したがって、代替地につきましては、国のほうでその税金分を見てやったという話を聞きますけれども、これはどういうことがありましたか。
#132
○今井参考人 これは公団がお答えする問題ではないと思いますが、富里あるいはまた成田市において、約三百ヘクタールの民有地を代替地として買っていただきました。特に空港建設に積極的に協力して、進んで代替地を提供していただいたということで、しかも空港用地と違いまして公共事業ではございませんので、税金はまるまる取られるということで、非常にお気の毒ではないかという感じは、実は私どもしておったわけでございます。これにつきましては政府側のほうから答弁していただきます。
#133
○華山委員 自治省の財政局長、その間の事情を御承知ならば、ひとつお伺いしたいと思います。
#134
○細郷政府委員 私ども、四十三年度の特別交付税の交付の際に、千葉県につきましては、空港対策費にいろいろな経費がかかっておりますので、そういう事情を考慮して、これを含めて決定をいたしたわけでございます。
#135
○華山委員 いえ、私がお聞きしているのは、あなたが一番御存じだと思いますけれども、先ほど成田市とか千葉県とかいうお話もありましたが、公共用地だと税金が安いし、あるいは減免されるけれども、代替地では減免されない。その差額を地方自治体でめんどうを見たという話がありますから、その間の事情はどうなのか、またそれによって生じたところのものを自治省が特別交付税で見たということだから、その間の事実と事情をお聞きしたい。
#136
○細郷政府委員 これは国税の問題でございますから、私からお答えするのは適当かどうかわかりませんが、その代替地の提供者の譲渡所得税につきましては、現行の税制上免除することができないという事情にあったと思います。そこで、私の聞いたところでは、千葉県当局におきまして、それでは代替地の取得がなかなか円滑にいかない、やはり空港の建設という大事業をやるためにいろいろな手を打たなければならないものの一つとして、それに対して千葉県の開発公社でございましたか何かが、その税金相当分ぴたりかどうか私ども知りませんが、そういう事情を考慮して金を渡した、こういうふうに聞いております。私のほうといたしましては、千葉県が空港対策につきましていろいろな経費を実は支出しておるのでございまして、騒音の対策でございますとか、営農の対策でございますとか、あるいはそういった税金のことも考慮に入れての処置とか、いろいろなものを支出しておりますので、そういった事情を考慮に入れて特別交付税を交付いたした次第でございます。
#137
○華山委員 しかし、交付税だって税金から出ておる金ですから、どういうふうなことかよく御事情がわからないで、ああばく然とこれだけかかったかなといって出したわけじゃないでしょう。その間についてはどういうことをやったのか、県や市がどういうことをやったのか、それでどれだけの金がそういうことにかかったのか、そういうことがわかっていらっしゃらなければいけないと思う。その間の事情を私はお聞きしておるわけです。
#138
○細郷政府委員 私ども千葉県から聞いておりますところによりますと、代替地提供者の国税相当分は七千八百万円と聞いております。その分を開発公社が提供者に貸し付けをした、そうして県から提供者に交付金を後に支払って、それを開発公社にその金をもって返す、こういうふうに聞いております。
#139
○華山委員 これは自治省のほうに要請があったのではないですか、めんどう見ろということを。
#140
○細郷政府委員 ちょっと、要請という意味があれでございますが、空港対策を千葉県が講じておりますものの一つに、この税金の問題もあったわけでございまして、千葉県当局も、その空港代替地の取得のために、それに相当するものを支払ったわけでございます。私ども、交付税を計算いたします際に、こういったものの空港対策費にあたりますようなものは、御承知のように、普通交付税の算定ではこれを見ておりません。その対策のための費用が相当大きな額にのぼっておるということから、千葉県のほうから私どものほうに、特別交付税の交付決定に際して、そういう申請が出てまいったわけでございます。したがいましてその間の事情を私どもも考慮いたしまして特別交付税の算定をいたしたわけでございます。
#141
○華山委員 その前に、自治大臣はこのことを了承しているのじゃないですか。
#142
○細郷政府委員 千葉県の代替地提供者の税金が免税できない、それを何か方法がないか、国からやる方法はないかということにつきましては、前に議論がございました。議論がございましたけれども、国のほうとしてもなかなか適当な方法はない、制度上それをやることもできないというようなことで、千葉県自身がそういった問題の処理に当たったもの、かように私どもは見ております。
#143
○華山委員 細郷さん、あなた何か隠しているのじゃないですか。当時の中曽根大臣からそういうものについて国庫でめんどう見てもらいたいという要請があったのでしょう。それに基づいているのじゃないですか。そういうものはございませんならございませんで――何も局長は大臣のやったことを一々知っているわけではないから、ないならないでいいですよ。
#144
○丸居説明員 この代替地提供に伴う負担につきましては、先ほど来お話のありましたように、税金が減免になりませんので、それをどうするかにつきましていろいろ議論はございました。これらのことを総合調整するためにできております新東京国際空港建設実施本部というのがございまして、当時の中曽根運輸大臣がその実施本部長といたしまして千葉県知事にお願いを申し上げ、また自治大臣にもそういうことをお願い申し上げた事実はございます。
#145
○華山委員 自治大臣にお願いしたのですか。
#146
○丸居説明員 そうでございます。
#147
○華山委員 そこから発足しておるのですよ。ちゃんとこれが文書で出ているのですよ。中曽根本部長から文書で政府当てに出ているのです。そうしてしりをぬぐったのが自治省ということなんです。そういうことなんですよ。私は大体筋が通らないと思うのですよ。大蔵省は金を税金として取る、これはあたりまえなんです。大蔵省のほうが金を税金として取ったものを、税金をもととするところの交付税でまた返してやる、そんなばかなことがありますか。そういう国費の使い方は私はいけないと思う。大体税金の分は、売買契約をするときに民間では行なわれることがあります。売買契約をして、税金がかかったならばその分だけは私のほうで持ちますから、というふうなことで、登記の面その他のことを安くするようなことから、そういうようなことは往々にして民間では行なわれるようなことがあるけれども、国が税金分を見てやるなどということは私はもってのほかのことじゃないかと思う。しかもそれが、くどいようだけれども、取った税金が自治省のほうに回って、自治省のほうから返してやる。そういうからくりは私は許せないと思うのです。
 細郷局長に伺いますけれども、大体特別交付税というものはそういうふうに使えるものですか。特別交付税というものは一定の基準によって、あなたのほうでもまたこういう調書を出しなさいといって、一般交付税には漏れるような、そのときの情勢によって違うような項目を、調書をとって出しておられるのでしょう。とにかくそういうふうな八千万円程度の自由裁量というものはできるものかどうか。こういうふうなことが起きたならば、これを一般の人が知ったならば、私はいろいろな要求が出てくると思います。片方の国の定めた税制を破るといってはおかしいけれども、何かそんなような形のものまで交付税で出せる。私はおかしいと思うのですが、特別交付税はそういうものですか。
#148
○細郷政府委員 御承知のように国税三税の三二%が交付税であるわけでありますが、そのうちの六%分につきましては特別交付税、その特別交付税につきましては、普通交付税の算定にあたって、個々の団体の特殊な事情に基づくものは共通な尺度で算入ができませんから、そういった特殊な事情のあったものにつきましては特別交付税によってこれを交付する、こういうことでございます。今回の場合、千葉県におきまして空港対策費というものが――これは千葉県に特殊な事情であったと思うのでございますが、空港の対策費として、営農の関係でございますとか、あるいは騒音の調査でございますとか、あるいはこういった税金の見返りと申しますか、税金相当分に対する見舞い金のようなもの、こういったものにいろいろ県として支出いたしております。その額が相当多額にのぼっております。私どもが昨年特別交付税の決定の際に受けました申請でも、そういった関係の経費が三億四千万円という申請を実は受けております。したがいまして、そういったことは私ども普通交付税の算定上これを取り込むことができません。県の一つの施策として、特殊な事情に対応するものとしてこの支出をしております事情を考慮いたしまして、特別交付税として交付をいたしたわけでございます。こういった事例はいろいろ御議論のある点かと思います。思いますが、たとえば基地でいろいろ騒動が起こる、あるいは原潜が入ってくるとかいった場合におきましても、そこにいろいろ現実の問題として対策費を地元の府県や市町村が持つわけでございまして、そういった事情も折り目を正して考えますれば、この分は国が持つべきもの、これは地方が持つべきもの、こういうふうに分けて考えていくべきものだと私も思っております。しかし現実の場合におきましては、舗道のはがされた石の問題にいたしましても、どこまでがどういう部分でどこまでがどうだというふうな区分もなかなかできない、そういう事情もございますものですから、私どもとしましては、そういった事情を勘案しながら、いまの場合でも三億四千万円にのぼるものに対しまして、私どもとしてはその中から国が持つべき経費、たとえば治安の経費であるとかいったようなものは差し引く、あるいは普通の行政経費であるようなものは差し引く、そうして残りの半分は特別交付税算定の際に組み入れた、こういうことであります。
#149
○華山委員 私は原潜が入ったときとこれを同じように考えられては困ると思うのです。これは行政でしょう。任意にやったことでしょう。どちらかというならば、やらなくたっていいことをやっている。脱税みたいなやり方でしょう。税金がかかったらその分だけめんどうを見てやる、こういうことなんです。それ自体がたちが悪いのですよ。それを見てやるというふうな方法はないと思うのです。原潜なんというのはこれは当然のことですよ。それで、先ほど私めがねがなくて読めなかったが、読んでおきましょうか。これは昭和四十三年に、先ほどおっしゃった施設本部長の中曽根さんから千葉県知事に出しているのですね。「代替地提供に伴う負担について」負担ということが大体わからない。「代替地提供に伴う負担について 標記については、かねて代替地提供者から代替地提供に伴う負担を公共用地提供の場合と同等とするよう要望があったので、」これは民間から要望があったのだと思うのですね。「三月五日午前総理大臣、大蔵大臣、自治大臣及び官房長官と協議の結果、さしむき貴県において農民に対し公共用地を提供した者との均衡を失しないよう措置せられたくお願いすることとなりましたのでよろしく御高配願います。」そのときにもう了解を与えておるわけですよ、国は。「ただし、この措置に伴う財源については、国において責任をもって補填をすることと致しますので念のため申しそえます。」こう書いてある。予算を計上すべきですよ。それだったならこれは予算を計上してやるべきですよ。交付税等でやるべき問題じゃありません、国の仕事なんですから。「国とはおそらく自治省でしょう。」こう書いてある、その次に。だからそのときはもう自治省、あなたは知っていたか知らないか知らないけれども、ちゃんと約束している、こう書いてあるのですね。ですから、先ほど言ったとおり、自治省はもうあらかじめこれを認めて、そういうやり方を認めて交付税で見ますよということを約束したんじゃないかということを私は申し上げたわけです。これはどちらかというと脱税みたいな公序良俗にほんとうに反することです。こういうことを特別交付税で見るなどということはもってのほかだと私は思う。いろいろ災害等で苦しんでいる人はたくさん出てくる。そのときにあたって十分なことができないじゃないですか。そういう点を申し上げたので、こういうことにつきましては、私は今後の問題といたしまして追及さるべきものであると思う。
 それから、一体この県や市は、農民の皆さんに対してはどういう形で交付したのですか。
#150
○細郷政府委員 先ほど申し上げましたように、県から提供者に対して交付をしております。こういうふうになっております。
#151
○華山委員 どういう形、名目で交付されているのですか。
#152
○細郷政府委員 県の予算に組みまして、交付金として交付をしております。こういうことでございます。
#153
○華山委員 農民にはどういう形で与えられたかということです。
#154
○細郷政府委員 提供者、農民だと思いますが、その人に県から交付をされたというふうに聞いております。
#155
○華山委員 交付されたときに、ただ金をくれたのですか。どういう名前で与えられたかということを聞いている。補償の足りない分としてやったのか、ありがとうございましたといってやったのか、どういう形かでやらなければならぬ。何の原因もなしに、そういうことで地方公共団体が出したとすれば、これは地方公共団体の財政のたいへんな違反になるでしょう。お見舞い金で出したのか、どういう形で出したのか、その辺をお聞きしたい。
#156
○細郷政府委員 私、どういう形であるかということは正確に承知をいたしておりません。しかしいまおっしゃるように、お見舞い金というような考えで出されたものだというふうに理解をいたしております。
#157
○華山委員 これがお見舞い金でございますれば、相当多額な八千万の金ですから、何人に分けられたかわかりませんけれども、また税の雑収入になりますね。税でいえば雑所得ですね。雑所得になって、農業所得やほかの所得と合算して税金がかかってくる。そうしますと、今度は農民が文句を言う、県のほうでめんどうを見る。その際にまた自治省は交付税でめんどうを見ますか。
#158
○細郷政府委員 私どものほうとしては、先ほど申し上げましたように、空港対策費全体として特別交付税の計算をいたしました。したがいまして、その後県がそれをどういうふうに消化していっているか、あるいはいまお話しのような、その後の税金の問題でございますとかいったふうなことについて実はまだ何も聞いておりません。
#159
○華山委員 局長、あなたに似合わず少しルーズじゃないですか。なぜこの金は出るのか。なぜ要るのか。特別交付税といったって包み金じゃないでしょう。やはり一応算定をして、それだけの金がないからこれはこのくらいにしておこうということは私はあると思いますけれども、包み金じゃないんだから、この金は一体どういうふうにして要る金なのか。使うときにはどういうふうに使うのか。そこまで検討もしないでどかっと金を出すなどということは私はないと思いますね。これはそこまでは局長は御存じないというならば、所管の課長でもおいでになったら聞きたいと思います。そんな交付税というのは、幾ら特別交付税だって自治大臣のきんちゃくみたいなものじゃないでしょう。やはりきちんとして、どう使うか、そういうことを考えてやらなければ私はいかぬと思うのですが、どうなんです。その点の追及をいたしましたか。
#160
○細郷政府委員 先生御承知のように、特別交付税は、普通交付税算定の際に需要に見積もれないもの、それから収入で見積もり過ぎたもの、それにその後年度途中で起こりました事由によって生じた財政需要、こういったようなものをそれぞれ一定の計算の方式に従って積み重ねて出すものであるわけであります。その中で、特にそれぞれの団体におきます団体限りの特殊な事情によります事由、これについても考慮をいたすことにいたしております。
 そこで千葉県の場合で申しますれば、空港対策費として、先ほども申し上げましたように三億四千万円ということが四十三年度におきます需要として県のほうから申請を受けたわけでございます。私のほうはその中から治安のような関係の経費、警備費のようなものはこれを除きました。また普通の行政費によって処置すべきものも除きまして、残りについて約半分見当、大体〇・五といいますか、半分でございますが、半分を交付税として計算をした、こういう行き方をとっております。私どもは、そのお金はいわば財源として渡すわけでございますから、それをどういう形でそれぞれの使途に充てていくかというところまでは、従来も特別交付税についてはちょうど普通交付税の場合と同様に、一々の報告をとっておりません。そこは私ども、どういう使い方をするか、その財源をもってどういう支出科目に充てていくかということにつきましては、それぞれの県なり市町村なりの議会等の御協賛も経なければならない問題だ、かように実は考えておるわけでございます。
#161
○華山委員 先ほど読んだ文章によりましても、これは千葉県知事に対する運輸大臣の文書による公約ですよ。自治省はこれによって出した。ここに出ていないのならば別ですよ。これは三月九日に中曽根大臣が千葉県知事に出している文書なんです。当然これは国の経費なんで、予備費から出すべきものだ。予備費から出すことの当否の問題は別ですよ。予備費から出した内容については別問題ですけれども、支出の形からいうならば国が支弁すべきものですよ。それができないというのは、何か税金のしりをぬぐってやるなどという妙なことだからできないでしょう。それのしりをぬぐったのが自治省なんです。私は特別交付税がこういう国政のしりをぬぐうようなことはやめてもらいたいと思う。
 重ねて言いますけれども、大蔵省が税金を取った税だ、交付税だって税金なんです。片一方で取っておいて片一方で出してやるなどというばかなことは私はできないと思うのですが、事実だけわかりましたし、先ほどと違って私は建設的意見もこれについて出ませんけれども、今後こういうことのないようにお願いをいたしたいと思うのでございます。
 会計検査院にお伺いいたしますが、この特別交付税について、いかなる部門に対してどうして出したかということを検査なさいますか。
#162
○小熊会計検査院説明員 お答えいたします。
 ただいま担当の局長がおりませんものですから、御答弁ができかねるのは遺憾でございます。
#163
○華山委員 お伝えを願いたいのです。私も地方自治の経験がありますけれども、私は特別交付税は非常に公正に出ているものだといままで信じていた。世の中にはいろいろな評判を言う人がありますよ。代議士なんかの運動で増したとかなんとかいろいろなことを言われる、私はそういうことは絶対ないということを信じていた。いまこの事件を知って、私は多少の疑いを持たざるを得ないわけです。ひとつ会計検査院にお帰りになったらおっしゃっていただきたい。特別交付税についてどういう根拠で幾ら出したのか調べて、この次の決算から報告をしていただきたいと思う。この点につきまして当該局長からの御意見等ございましたら御報告願いたいと思います。
 これで終わります。
#164
○鍛冶委員長代理 参考人各位には御多用中のところ審査に御協力いただきましてありがとうございました。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時五十六分散会
―――――――――――――――――――――
ソース: 国立国会図書館
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