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1949/04/05 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 両院法規委員委員会 第5号
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1949/04/05 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 両院法規委員委員会 第5号

#1
第005回国会 両院法規委員委員会 第5号
昭和二十四年四月五日(火曜日)
   午前十時四十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○参議院議員選挙法に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(藤井新一君) 只今より参議院両院法規委員委員会を開きます。この前の委員会において審議し終えなかつた参議院議員選挙の選挙区としての全國区を存置すべき理由、この問題を本日は課題にいたしまして、審議を続行いたします。
#3
○法制局参事(菊井三郎君) 命によりまして参議院議員選挙の選挙区として全國区を存置すべき理由につきまして御説明申上げます。一つの考え方といたしまして、憲法上二院制を採る建前からすれば、参議院は衆議院とその性格を異にする必要があります。参議院に解散がなく、議員の任期が衆議院議員の任期より長いという点、特に参議院の二院的な性格からして、議員には参議院の構成員たるにふさわしい全國的人材を得ることが特に必要であると考えられます。この観点から選挙法制定当初、参議院の選挙区として全國区を置くことは最も適当な制度であるという結論に達して、今まで実施せられて來ておるのであります。
 二といたしまして、全國区制を採つた場合、選挙人が被選挙人を十分知り得ないことが多いということを非難し、この点を根処といたしまして、全國区を数地区に分ち、一地かを一選挙区とすべきだとの意見があります。全國区において選挙人が被選挙人を知り得ないことが多いという点を一應是認するといたしましても、この点につきましては地区制は全国区と大同小異であつて、むしろ一地区の知名の士より全國的な知名の士の方がより國民に熟知されておるということもできるのでありますから、この点から全國区を廃止するということは適当でない、かように思われるのであります。若し仮に地区を選挙区とした場合、その選出議員は地区代表的な色彩を帶びることを免れないのでありまして、このため参議院の性格はより衆議院に近似し、参議院の性格を稀薄ならしめる虞れがあると思われるのであります。この点から地区制は俄かに採用し得ないものと一應考えられます。
 三の問題といたしまして、全國区の選挙においては廣範な組織網を地盤とする者が特に有利であつて適当でないという意見が一部にあるようであります。全國区においてこのような者が特に有利であることは事実であろうと一應考えられます。併しこのことはすべての選挙区に共通の問題でありまして、ただに全國制のみが持つておる欠点だとは認められないのであります。又全國選出議員の現在の定員及び選挙可能の得票見込数から推算いたしますれば、選挙区としての地区制を採用しても全國区制と大して異なる結果を予想されませんので、このような点から考えましても、全國区制を廃止しようとするのは結局無駄であるかのように思われるのであります。
 第四の問題としまして、第一回の参議院議員選挙に当りましては、全國区の選挙の実施については、選挙運動及び選挙管理の実際上の困難が予想されたのでありましたが、実施の結果からいたしますれば、特に重大な欠陷も認められませんし、概ね適当に実施されたのでありまして、選挙運動及び選挙管理の実際面からは、全國区の廃止論は一應理由がないものと考えられるのであります。
 以上のいずれの点からいたしましても全國区を今直ちに廃止する積極的な理由ということは乏しいのではなかろうか、それよりはむしろ参議院の衆議院に対する特色を発揮せしめる意味におきまして全國区を從前のように存置することが妥当ではなかろうか、かように考えられましてこの案を一應御参考までに作成した次第であります。
#4
○委員長(藤井新一君) 如何ですか、ちよつと速記を止めて……
   〔速記中止〕
#5
○委員長(藤井新一君) 速記を始めて。菊井説明員から参議院議員選挙の選挙区として全國区を存置すべき理由を聞きましたので本委員会はこれを審議することにいたしますが、本日はこの程度において散会いたしとうございます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(藤井新一君) それではこれで散会をいたします。
   午前十一時三分散会
  出席者は左の通り。
   委員長     藤井 新一君
   委員
           大野 幸一君
           鈴木 安孝君
           田中耕太郎君
           松村眞一郎君
  法制局側
   参     事
   (第二部第一課
   長)      菊井 三郎君
ソース: 国立国会図書館
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