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#1
第061回国会 予算委員会第三分科会 第5号
昭和四十四年二月二十八日(金曜日)
    午前十時四分開議
 出席分科員
   主査 赤澤 正道君
      竹内 黎一君    中野 四郎君
      八木 徹雄君    井上  泉君
      唐橋  東君    阪上安太郎君
      柴田 健治君    戸叶 里子君
      山内  広君    有島 重武君
      伏木 和雄君
   兼務 島本 虎三君 兼務 内藤 良平君
   兼務 帆足  計君 兼務 村山 喜一君
   兼務 折小野良一君 兼務 樋上 新一君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 斎藤  昇君
 出席政府委員
        厚生大臣官房長 戸澤 政方君
        厚生大臣官房会
        計課長     横田 陽吉君
        厚生省公衆衛生
        局長      村中 俊明君
        厚生省環境衛生
        局長      金光 克己君
        厚生省医務局長 松尾 正雄君
        厚生省薬務局長 坂元貞一郎君
        厚生省社会局長 今村  譲君
        厚生省児童家庭
        局長      渥美 節夫君
        厚生省保険局長 梅本 純正君
        社会保険庁年金
        保険部長    中村 一成君
 分科員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    岸野 駿太君
        経済企画庁国民
        生活局参事官  小島 英敏君
        大蔵省主計局主
        計官      辻  敬一君
        大蔵省主税局税
        制第二課長   田辺  昇君
        大蔵省理財局国
        有財産第一課長 上国料 巽君
        国税庁間税部長 佐藤 健司君
        厚生大臣官房企
        画室長     首尾木 一君
        厚生大臣官房国
        立公園部長   広瀬 治郎君
        農林省農政局参
        事官      田所  萠君
        通商産業省企業
        局立地公害部長 矢島 嗣郎君
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部業
        務課長     大久保一男君
        労働省労働基準
        局安全衛生部労
        働衛生課長   伊集院兼和君
        建設省道路局地
        方道課長    中野 孝行君
    ―――――――――――――
二月二十八日
 分科員阪上安太郎君、山内広君及び伏木和雄君
 委員辞任につき、その補欠として柴田健治君、
 井上泉君及び鈴切康雄君が委員長の指名で分科
 員に選任された。
同日
 分科員井上泉君、柴田健治君及び鈴切康雄君委
 員辞任につき、その補欠として戸叶里子君、唐
 橋東君及び小濱新次君が委員長の指名で分科員
 に選任された。
同日
 分科員唐橋東君、戸叶里子君及び小濱新次君委
 員辞任につき、その補欠として阪上安太郎君、
 山内広君及び伊藤惣助丸君が委員長の指名で分
 科員に選任された。
同日
 分科員伊藤惣助丸君委員辞任につき、その補欠
 として近江巳記夫君が委員長の指名で分科員に
 選任された。
同日
 分科員近江巳記夫君委員辞任につき、その補欠
 として有島重武君が委員長の指名で分科員に選
 任された。
同日
 分科員有島重武君委員辞任につき、その補欠と
 して伏木和雄君が委員長の指名で分科員に選任
 された。
同日
 第一分科員内藤良平君、第二分科員島本虎三
 君、折小野良一君、第四分科員帆足計君、村山
 喜一君及び第五分科員樋上新一君が本分科兼務
 となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十四年度一般会計予算中厚生省、労働省
 及び自治省所管
 昭和四十四年度特別会計予算中厚生省、労働省
 及び自治省所管
     ――――◇―――――
#2
○赤澤主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。
 昭和四十四年度一般会計予算及び昭和四十四年度特別会計予算中、厚生省所管を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。井上泉君。
#3
○井上(泉)分科員 これは厚生省の公園部長にお尋ねいたしますが、海中公園構想が出されてもうずいぶん年月が経過するわけです。今度の国会ではその法案が提案されるというような話を聞くわけですけれども、一向そのような気配も見えないわけですが、この国会では海中公園に関する自然公園法の改正法案はいつ出される予定であるのか、その点をまずお聞きしたい。
#4
○広瀬説明員 海中公園制度の創設につきましては、ただいまお話しのように、ずいぶん前からこういう制度をつくるべきだという御要望があり、政府内部でも研究をしてまいったわけでございます。また調査もしてまいりました。結論を申しますと、海中公園制度を設けるための自然公園法の一部改正法案を今国会に近く出す予定でございまして、先般来各省との意見調整も終わり、厚生大臣の諮問機関であります自然公園審議会に諮問もいたし、御答申もいただきまして、先月閣議決定も終わりました。したがいまして、ごく近々中に国会に提案できる予定でございます。
#5
○井上(泉)分科員 それで、その場合におけるいわゆる海中公園というものは、どういうふうにその法案の中には位置づけられるのですか。
#6
○広瀬説明員 私どもは海中公園と言っておりますが、今度自然公園法を改正いたしまして設けようとするこの制度の概要を申し上げますと、現在すでに指定されております国立公園あるいは国定公園のみならず、今後指定される国立公園あるいは国定公園の海域の中で、サンゴでありますとか、あるいは熱帯魚でありますとか、下のほうですと海藻といったような、いわゆる海の中の景観が非常にすぐれている地区を海中公園地区ということに指定いたしまして、その地区におきましては、ただいま申しましたような海中景観の要素になるものを保護するということが第一点でございます。
 それから第二点といたしましては、こういう保護をした海中景観を鑑賞をする、大いにこれを利用するということでございまして、たとえばガラス底の船に乗りましてこれをのぞくというような利用の面も考えております。ごく概略、そういう内容のものでございます。
#7
○井上(泉)分科員 それで、この海中公園に関する自然公園法案が閣議決定もされ、近々に出されるということでありますが、そうなりますと、法案の内容なんか十分整備もされておると思うし、そしてこの問題が持ち上がってからもう数年になるわけですから、もうある程度の個所等の候補地もあがっておると思うのですが、大体どういうふうな点があがっておるのか、数カ所程度お示しを願いたいと思います。
#8
○広瀬説明員 私ども大蔵省から正式の調査に要する予算をいただきまして、四十一年度から調査をしてまいっておるわけでございますが、厚生省が直接いままでに調査をした場所を申し上げますと、霧島屋久国立公園の鹿児島の佐多岬、錦江湾、それから雲仙天草国立公国の、熊本県になりますが天草諸島、それから宮崎県、これは日南海岸国定公園になりますが大島、それから足摺国定公園で申しますと、高知県地区では竜串・見残、それから愛媛県では宇和海、以下省略いたしますが、大体八カ所、厚生省として調査をしております。それから厚生省の調査以外に県独自でその他数カ所調査しておりまして、すでに調査の終わったところが十七、八カ所ございます。
#9
○井上(泉)分科員 それで、指定は大体いつごろやられる予定ですか、法案が成立したあと。
#10
○広瀬説明員 指定につきましては、まずこの今回御審議を願います自然公園法の一部改正法案が、国会で御了承をいただき成立いたしますと、この法律に従いまして、候補地につきまして、手続としましては、厚生大臣が自然公園審議会に諮問をいたしまして、その答申を得て厚生大臣が指定をするということになるわけでございます。いま申しましたように、すでに相当個所の調査が終わっておりますので、私どもは、この法案が成立し次第できるだけ早くその手続を終えまして、何と申しましても夏がシーズンでございますので、夏までには指定を始めたい、そういうふうに考えております。
#11
○井上(泉)分科員 この場合に、予算的には今度の予算、これは単に地区を指定するというだけの関係になるわけですか。こういう場合に予算的な配慮というものは、この法案の提案と関連をして厚生省当局では考えておられるのかどうか、承りたいと思います。
#12
○広瀬説明員 海中公園に関して費用の要る点と申しますと、まあ指定そのものは特に費用は要りませんが、それに所要の調査は四十一年度以来調査費がついておりまして、四十四年度もさらに引き続き調査を行なう予定でございまして、その調査費は予算についております。
 それから、具体的にこの海中公園地区が設定されますと、先ほどちょっと申しましたように、この海中公園のすばらしい景観を鑑賞するために、ガラス底になっている船に乗って鑑賞するということも必要でありましょうし、あるいは陸上には水族館をつくるということもありましょうし、また陸上には、これを鑑賞するために来られる利用者のために、駐車場とか、あるいは公衆便所とか、あるいは園路、そういった公共的な施設も必要になると考えております。ただいま申しましたもののうち、ガラス底船とか水族館といったようなものは、これは利用料を取って利用させるということになりますので、これは、地元の市町村なり、あるいは漁業協同組合なり、あるいは一般の民間業者に適当な方があればやっていただくというふうに考えておりまして、有料のものにつきましては特に国の補助は考えておりませんが、ただいま申しました公衆便所あるいは駐車場、園路等につきましては、これは従来から公園の施設整備補助金という補助金がございますので、この中から補助を行なって整備をしたい、そういうふうに考えております。
#13
○井上(泉)分科員 それで、そういうふうにもう調査が完了され、法案の提案も近々になされ、そしてこの夏を前にして地区の指定もされるということであるわけです。いままでに調査された場所等も御報告をいただいたわけです。これはローカルで恐縮ですけれども、足摺、宇和海というこの地域の海中景観のすばらしいことは、いままで調査に来られた方が異口同音に評価をされているわけで、これはよほど政治的に左右されない限りにおいては、当然自然的に指定をされてしかるべき地域だとわれわれは判断をしておるわけですが、公園部長としてはどういう評価をなされておるのか、承りたいと思います。
#14
○広瀬説明員 足摺国定公園の中で、いまお話のありました竜串・見残あるいは宇和海地区は、ただいま仰せのとおり、非常に景観のすぐれているところでございまして、実は厚生省も、四十一年度、それから四十二年度、二年間にわたり詳細な調査をしております。また昨年私も現地に参りまして、ガラス底の船から海中景観を見せていただいたわけでございますが、一口に申しますと、サンゴ類、特に造礁サンゴが非常に豊富でございます。また熱帯魚等非常に種類が多いわけごでざいまして、竜串一帯につきましては、特に弁天島というところがありますが、その周辺は非常にサンゴが発達しておりますし、またウミトサカ類も非常によく発達しておりまして、全く海のお花畑という形容がぴったりするようなところでございます。それから熱帯魚につきましても、ソラスズメダイ、あるいはチョウチョウウオ、キンチャタダイ、あるいはフエヤッコダイ、ツノダシその他各種の熱帯魚が非常に豊富であります。また見残湾内におきましては、あそこはシコロサンゴが非常によく発達しておりまして、非常に大きな群体がございます。中には二十平方メートルにも及ぶものがございまして、非常に景観上もりっぱなものでございますし、また学術的にも非常に価値の高いものといわれております。
 大体、概要以上のようでございまして、私ども事務当局といたしましては、海中公園地区のきわめて有力な候補地であると考えておりますが、この手続といたしましては、先ほど申しましたように、この法案成立後厚生大臣が自然公園審議会に諮問いたしまして、その答申を得た上で指定になる、そういうことになるわけでございます。
#15
○井上(泉)分科員 そういう場合に、これは当然おことばから推測をしても、これは指定地域になることはほぼ確実だと思うわけですが、この場合に足摺、宇和海、あの海岸一帯では、従前から国立公園昇格の要求というものがずいぶん強いわけですが、いままで陸上の景観だけを対象にした国定公園とそれにプラスする海中の景観、こういうことになりますと、国立公園に昇格をしても何ら他の国立公園地域と遜色のない場所だ、こういうように考えられるわけですが、公園部長としては、国立公園昇格の問題はどういうふうに御理解なされておるのか、承りたいと思います。
#16
○広瀬説明員 ただいま仰せのとおり、従来国立公園あるいは国定公園を指定いたします際には、単に陸上の景観のみによって判断をしてきたわけでございますが、今度この法案が成立いたしますと、海中の景観もこういう公園指定の格づけの要素になるわけでございまして、海中公園地区が設けられました国定公園につきましては、今後海中景観の要素も加味して再評価を行なう必要があると考えます。
 ただ、一般的に申しまして、国立公園は自然公園の中でもいわば一番格の高い公園でございますので、一般的には、国定公園の中に海中公園地区が設けられたからといって、当然そのまますべての国定公園が国立公園になるということはございませんが、具体的な問題につきましては、個々に、従来の陸上の景観と、それから今後新しく追加されます海中の景観という両方を合わせまして、いろいろな角度から再検討をし、また自然公園審議会の御意見も十分に拝聴して、その処理をしていきたいと考えております。
 ただ、いま具体的にお話の出ました足摺国定公園につきましては、それが国定公園に指定になるときに、やはり自然公園審議会に当然諮問をしたわけでございますが、当時足摺につきましては、国立公園にすべきか、国定公園にすべきかという意見が審議会の委員の中でも相半ばしたそうでございまして、残念ながら国定公園の意見が多少多かったために国定公園になったといういきさつがございますので、陸の景観としても、国定公園の中でもかなりいいほうに属するものと私どもは考えております。そこに海中公園地区が加わるという特殊な事情がございますので、具体的なこの足摺の問題につきましても、審議会の御意見を十分拝聴して、どうするかということをきめていきたい、そういうふうに考えております。
#17
○井上(泉)分科員 これは大臣がおられないが、建設省の地方道課長がおいでになっておりますので、この方にお尋ねをしておいて、あとちょっと待たしていただきたいと思います。
 地方道課長は、いまおいでになったのですから、いままでの話の経過等は御承知でないと思うわけですけれども、いま公園部長が言われましたように、足摺地区におきましては、国定公園として非常に将来性のある観光地域にあるわけです。そしてそれが近々のうちには海中公園地区としての指定も受ける、こういうような運びになり、そのことは、やがては国立公園としての資格条件が十分兼ね備わってくるような要素になっておる。たまたま中村−清水−宿毛線につきましては、先般の予算委員会の分科会においても、建設省のほうには、国道昇格の申請がなされておる路線であるわけですし、それで、道路局長の言われるのには、百何十カ所出ておる国道昇格の路線のうちで六十線くらいはこの六月に昇格をきめたい、こういうふうに言われておるわけです。その中で、産業的に、また将来性というものを考えた場合に、この路線は当然国道昇格の線に入るべきだ、こう考えられるので、その点について建設省の御意見を承りたいと思います。
#18
○中野説明員 国道昇格の問題につきましては、現在の時点におきましては、先ほど先生のお話がございましたように、百数十の路線が出ておりまして、この中から現在検討中でございまして、いまのところ、どの線が入りそうだというふうなことは、申し上げる段階ではないという状態でございます。まだいろいろ検討の段階でございまして、最終的には煮詰まっていない、こういうことでございます。
#19
○井上(泉)分科員 検討の段階だからこういう立地条件のすばらしいところを指定をしてと私は言っておるのですが、これについてどういう考えを持っておるのか。もうすぐ六月だから、検討は終わっておるでしょう。どうですか。
#20
○中野説明員 それは私が直接担当しておりませんで、担当課のほうでいろいろ検討をいたしておりますが、最終的には局議を開きまして、それを逐次上のほうに上げてきめるということでございまして、係のほうで検討している段階でございます。
#21
○井上(泉)分科員 それだからぼくは国道課長を呼んだので、地方道課長ではだめですよ。
#22
○中野説明員 先ほど申し上げましたように、国道の昇格の問題につきましては、現在事務的な検討をしている段階でございまして、いまの時点において、どの線が見込みがあるとかないとかいうことは、申し上げる段階には至っておりません。
#23
○井上(泉)分科員 それは何べんも聞いた。しかし、こういうふうな立地条件が非常に兼ね備わってきておるということを、あなたのほうからも、国道関係の課のほうへひとつ意見具申をしてもらいたいと思いますが、どうですか。
#24
○中野説明員 ただいまのお話の点につきましては、帰りまして局長によく報告をいたします。
#25
○井上(泉)分科員 委員長、大臣はだいぶおくれますか。
#26
○赤澤主査 二十五分に来るという約束です。ちょっと待ちましょう。
#27
○井上(泉)分科員 大臣、来たとたんで非常に恐縮ですけれど、いま海中公園の指定のことについて公園部長に質問を申し上げまして、いろいろと御答弁を承ったわけですが、問題は、法案を提出することが閣議決定もなされておるから、近々のうちに国会のほうへ出される、こういうことでありますが、こういう法案は、あまり予算も伴わないし、そしてまたこういう法案については、これは与野党の反対もない、満場一致で――それは内容にもよりますけれども、聞くところの内容によれば、これは満場一致で非常に順調に通る法案だと思います。そうなりますと、これは夏場を迎えての新しい地区の指定、いわゆる海中公園地区の指定もされるようにも聞いておるわけです。できるだけこれは早い機会に国会で議決をしないと、夏場に間に合わなくなるわけです。でありますから、厚生省としては、幾つもの法案もかかえておると思うのですけれども、この自然公園法の一部改正の法案については、そう野党間の対立もない問題だと思うので、それは早く出して審議の促進をはかるようにひとつ政府としても配慮してもらいたいと思うのですが、厚生大臣としてはどういお考えですか。
#28
○斎藤国務大臣 海中公園に関する法案は、私のほうも非常に急いでおりますので、一日も早く提案ができるように促進をいたしたいと思います。
#29
○井上(泉)分科員 これは私のほうの党の関係もあろうと思うわけですから、私のほうも党の方にもお願いをして、これは数少ない地域開発につながる問題なので、ひとつ政府当局は積極的にこの法案の提案を急いでもらわぬと、与野党間の話し合いも進まないと思いますので、いま大臣のお考えのとおり、ひとつすみやかにやっていただきたいと思うのです。
 公園関係のことはこの程度におきまして、次は同和問題ですが、同和対策につきましては、たいへんやかましく数年前からその抜本的な対策が要請されておるわけです。が、同和問題は、いまや単に厚生省の所管ではなしに、ずいぶん各省にまたがってきておるわけですけれども、何といいましても厚生省が同和問題のいままでの一番の窓口であったわけです。だから、その厚生大臣の態度いかんというものが、この国の同和行政の上で大きな影響を持っておるので、私はこの機会に厚生大臣の同和対策についての所信を、簡単でいいですから承りたいと思います。
#30
○斎藤国務大臣 同和対策問題は、厚生省といたしましても、非常に大事な問題だとかねがね考えております。予算の総括質問の際に総理もお答えをいたしておりましたように、この法案が各党共同提案をせられるというように伺っておりますが、提案をされましたならば、厚生省といたしましても、できるだけ御趣旨に沿うように努力をいたしてまいりたいと思います。
#31
○井上(泉)分科員 これは総理府のほうへお伺いしますが、この同和対策特別措置法の提案をこの国会でどうしても提案をして、特別法案を成立させないといけない、こういうことをわれわれ強く申し入れをしておりますが、この同和対策特別措置法の提案というようなものは、現在提案の段取りといいますか、それはどういうふうになっておるのか、承りたいと思うのです。
#32
○岸野説明員 ただいまの先生の御質問でございますけれども、政府といたしまして、去る予算委員会の総括質問におきまして、総理あるいは総務長官が答弁しておりますように、今国会に必ず法律案を御審議願う段取りにいたしたい。しかし、それには御承知のように、四党でただいま法案の内容につきまして、意見の若干の食い違いをめぐりまして御協議が進められております。政府といたしましては、去る昨年の三月に、諮問機関でございます同和対策協議会から法案の要綱につきまして御意見をいただいております。一応政府といたしましては、総理あるいは総務長官のお考えのように、今国会に提出をいたしますように事務的な準備はもちろん進めております。しかし、総括質問で総理が答えましたように、このような法律は、できるだけ四党におきます御協議が整い、国会におきます審議がスムーズに行なわれるということが最もよろしいであろうということで、現在二、三まだ意見が食い違っておりますところにつきまして、何らかの結論が早々に出るであろうということを期待いたしまして、諸般の準備を進めているという段階でございます。
#33
○井上(泉)分科員 その四党間の話し合いが、かりに四党間で話し合いがつかなかった場合には、やはり政府の責任において出すべきだと私は思うのですが、その点について厚生大臣はどう考えるのですか。
#34
○斎藤国務大臣 総理も総括質問の際に御意見を述べておられますように、すでに四党でいろいろとお話し合いになっておられるわけございますから、やはり提案をいたしました場合にスムーズに通るという見地から考えましても、また国会を重視するという面から考えましても、そういった議が進んでおります以上、その解決を一日も早く済ますのが至当ではなかろうかと考えます。
#35
○井上(泉)分科員 総理府の参事官は近々のうちと言われた。役人の近々のうちというのはずいぶん長くなるわけですが、めどとしてはいつごろまでに――これはやはり窓口はあなたのほうですから、あなたのほうから、この四党の話し合いがつくまでといっても、なかなか時日が経過すると思うので、そういう場合は、窓口として総理府としては、これは政府提案でやらざるを得ない。四党の話し合いがつかない場合においては、やはり各党の協力を得られるような形で成案を出さなくてはならないと思うのですが、大体近々のうちというのは、いつごろをめどにして近々とおっしゃっておられるのか、その点を承りたいと思います。
#36
○岸野説明員 この点につきましても、予算の総括質問の席上で総理あるいは総務長官は、三月の上旬をめどに何らかの御結論をいただくようにしていただきたい、法案の一般的な提出の期限がございます、ございますので、そういうようなことをお考えの上で、八木先生の御質問に対しましてそのように答えた。私どももそのようなことを踏まえて準備をしているという段階でございます。
#37
○井上(泉)分科員 それでは、かりに四党間の話し合いがつかない場合においても、やはり総理府としては、同和行政というものの広範なものを持っている、建設省の関係も、厚生省の関係も、いろいろな関係を持っているのでありますから、やはりこういうふうな答申に基づく一本の法というものが必要なわけなので、これは審議会の答申を尊重する点からも、参事官ですから責任のある御答弁は得られないかもしれませんけれども、やはりこれは、同和対策を推進をさせるためには、こうしたいわゆる基本法とも称すべき法というものがどうしても必要な時期にあることには間違いないので、三月上旬までに各党の話し合いがつかなかった場合においては、やはり政府原案というものを提案をする御意思があるのかどうか、承りたいと思います。
#38
○岸野説明員 この点につきましても、総理が、いまのところ四党でもって結論が出ないということは考えられないということを申されておりますが、重ねてその際に、八木先生の御質問に対しましては、その際においては政府の責任において何らかの結論を出さざるを得ないということを申しておりますので、私ども事務的には、そういうような総理、総務長官の御答弁を体しまして準備を進めておるという段階でございます。
#39
○井上(泉)分科員 この特別措置法がもし提案をされないような状態になりますと、これは何といいましても、厚生省の窓口がたいへん仕事がやりにくくなってくると思うわけです。そういう点で、これは厚生大臣としても、もし四党間の話し合いがつかない場合においては、いま参事官が答弁されたようなものを政府の責任において提案をするように、閣議においても強力に発言をしていただきたいと思うわけですが、それに対する決意のほどを承って私の質問を終わりたいと思います。
#40
○斎藤国務大臣 できるだけ御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
#41
○赤澤主査 島本虎三君。
#42
○島本分科員 きょうは社会労働委員会に引き続いて、重要な公害の問題ことに水俣病その他の問題について具体的に質問する予定でおりました。しかし、皆さんの誠意を期待して、具体的な問題についてはここではやめます。それと同時に、大臣にいま重大な問題について一、二質問したいと思います。
 それは、公害被害者の救済のための特別措置法案に対して、社会保障制度審議会から附帯意見を付されて、これがお手元のほうへ回送されてきているようであります。大臣もそれを了解されたようでございます。私としては大いにけっこうだと思っておるわけです。附帯決議は何本あって、それについて大臣はどのように表明してこられましたか。決意をまず伺いたいと思います。
#43
○斎藤国務大臣 附帯決議の内容は、提案を申し上げたいと考えておりまする法案は、さしあたってとしてはこれでやむを得ないと思うが、将来、公害病患者の負担は全部公的負担にするように考えていけ。それから、所得制限というような考え方をしないほうがよろしい、この二点であったと存じます。したがいまして、そういった方向に今後努力をしてまいりたいと考えております。
#44
○島本分科員 所得制限の点、付さないことの決意はまことにけっこうでございます。それによって救われる人たちはいかに喜ぶか、大臣の一つの良心であると思いまして、大いにそれは称賛いたしておきたいと思うのです。
 その第二番目の公害発生者に対する求償権が明らかになった場合、国または地方公共団体が被害者にかわって補償を請求する、これものんでこられたようであります。これもやはり一歩前進のかまえでございまして、そういうような強いかまえでないと、これはもう今後の発生する公害問題の解決にならない。救済法にもこの点が抜けておったのではないかと思いましたが、このようにして附帯意見が付されました。これについても大臣は受けてこられたわけでございまする以上、これに対するはっきりした態度もあるはずだと思います。決意のほどを承っておきたいと思います。
#45
○斎藤国務大臣 私はちょっとこの文章を見ていなかったものですから……。これは大体当然のたてまえを言われたことだと考えておりますので、これも次の機会にこういうような方向に改めたいと考えております。
#46
○島本分科員 したがって政府は、公害病患者に公費から医療費や手当を支給するために、事業者、国、地方公共団体の負担で公的医療制度を確立する、これが一番先にあるようですが、これもかねてから公害対策特別委員会から強く要請のあった点であります。これも受けてこられたようであります。この点は早急にする必要があろうと思います。これは画竜点睛を欠いてはならないためにも必要な措置であります。大臣、これはよろしゅうございますね。
#47
○斎藤国務大臣 その点は最初二つ並べて申し上げました。まん中だけ落としたわけでございますが、おっしゃるとおりでございます。
#48
○島本分科員 これと、大臣が強力に強硬に主張されて、現在どうなっておるかわからぬけれども、これは重大な問題があります。それは、近く公害紛争処理法案も総理府から提案の模様でございますけれども、しかしこの中で最近少し気になることは、米軍や自衛隊の基地公害を除外する方針をきめた、こういうことであります。騒音に対しても、こういうようなものが一番問題になっておるのに、これを除外するというのでは、これは骨抜きです。米軍基地重視だとか米軍基地の機能の優先ということを認めることになります。そうなりますと、周囲に住んでおる人、こういうような人の人権をどうするのか。基本法の第一条に、はっきり健康と生命が何ものにも優先することをうたっておるわけです。それをもし認めてきたとすると、大臣は、基地が優先するという、こういう考え方に堕してしまった、こう考えざるを得ません。またこの中には、第二条によってはっきりきまっておるのです。これは事業の活動その他人の活動に伴って相当範囲にわたり大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、地盤沈下、悪臭、これらのものによって起こされるのが公害です。したがって、これはもう都市公害をはじめすべての公害も含むのです。前の二代にわたっての大臣はそれを主張してきておる。今回やはり基地に関する問題は落とすということになると、この二条の解釈から問題になってまいります。大臣、ことにこれは重要です。ことに騒音の問題はいま一番焦点になっておるじゃありませんか。それをはずすということは、これはやはり骨抜きになるおそれがあります。これはいけません。大臣はこれを強硬に主張されたと思うのですが、そういう点はどうなっておるのですか。
#49
○斎藤国務大臣 公害紛争処理法案につきましては、まだ閣議決定の段階に至っておりません。したがいまして、どこが問題になっておるかということはちょっと差し控えたいと思います。
#50
○島本分科員 大臣が差し控えたいと思っても、もう現在のマスコミではちゃんとそれが新聞報道されておるのです。大臣が行かなくとも、部下が行って大臣の名においてすでに主張してきておるのです。しかし、そのあなたの部下の主張は間違いなかったのです。もうそれが報道されているのに、委員会で言えない、こういうことはないですよ。だから、はっきり言ってあなたの良心をここに高らかに掲げたほうがいいのです。
 第一番は、立ち入り検査、これがやられたら基地が困る、こういうように言っておりますが、こんなもの遠慮する必要はありませんよ。というのは、あれは行政組織法三条委員会でなく八条委員会なんです。拒否されたらそれを押し切って入れないのですよ。そういうような弱い立ち入り検査権でも、これを認めさせないということに承認してきたら、これはとんでもないことだ。公害に対して一番良心的な大臣だと思っていたら、こういうのを一つ一つ後退してきたらとんでもない話になるのです。また、いろいろな文書、物件の提出を求めることができる。しかし、こういうようなことであっても、国会にさえも機密事項に対しては出しておらぬのです。これさえも求めるなんてだれも言っていないのです。これを骨抜きにされたらだめです。大臣、強力に主張して、こういうような点だけは一歩も退いてはいけません。厚生省を代表して大臣大いにこれをやってきてほしいのです。
 なぜ第一番に総理府のほうへこの法案を回したのですか。これは当然あなたのほうで出すのがほんとうの法律案です。審議のほうはわれわれのほうでやりますけれども、提出の責任者はあなたでなければならぬはずなんです。それで骨抜きにされてしまった。これじゃいけません。大いに主張してきてほしいのです。いまの紛争処理法案、これで満足だと認めていますか、原案は。
#51
○斎藤国務大臣 公害から被害をどうして最小限度にとどめさせるかということが要点であります。またこれをなくするということが要点であります。また、紛争が起こればそれを交渉し解決するということが要点でございますので、そういう見地から、一般の国民に特にある公害については、不利になるというようなことのないように、これはどうしてもやらなければならない、かような考え方でおるわけであります。
#52
○島本分科員 それを主張して、そのとおりやらせないといけません。弱いです。
 したがって、現在騒音の問題が一番問題になっている。こういうようなのは基地から出されるのが一番多い。これさえも、もうすでに一言も言えないような状態では困りますから、強硬にこれは主張しておいてもらいたい。これをのがしちゃいけません。それはよろしゅうございますね。いいということですね。
#53
○斎藤国務大臣 さようでございます。特に国民に、ある種の公害が非常に不利になるというような扱いはしないように努力をいたします。
#54
○島本分科員 内容をもっと十分検討するのは後日にいたします。いまの場合アウトラインだけです。これはきわめて重要なことでありますので、大臣も十分気にとめてもらいたい、こういうように思います。
 時間も迫ってまいりますので、自閉症対策に入りますが、学齢期に入った自閉症児の就学率は三七%だそうであります。そうなりますと、今後教育的な方面からも、自閉症に対する治療的な方面からも、これはなかなか重要な様相を呈してきておろう、こういうように思うわけなんですが、自閉症児の就学の措置と、それからもう一つは収容治療を行なう施設の整備、これに対して完全にいっておりますか。
#55
○渥美政府委員 自閉症の対策につきましては、昨年度からようやくその緒についたわけでございます。昨年度予算によりまして特別研究費を計上いたしました。日本精神神経学会の自閉症に関する委員会によりまして研究をしていただくようにいたしました。と同時に、ゆるがせにできないわけでございますので、昨年、大阪と東京に自閉症児のための施設を設置するということにいたしたわけでございます。今後これらの対策もさらに積極的に進めてまいりたい、かように思います。
#56
○島本分科員 今後の自閉症の治療対策、この方面も重大な問題であると思っておりますけれども、やはり収容治療をするための施設、これは二カ所でいいということにはならぬじゃありませんか。これはやはり二カ所から四カ所、四カ所から八カ所、だんだんふやしていかなければならないはずですが、この問題等についても十分ですか。
#57
○渥美政府委員 おっしゃるように、自閉症の子供たちが相当数推定されます。全国で三千人あるいは五千人、こういうふうにいわれておるわけでございますが、ただ問題は、自閉症に関する研究自体がまだなかなか軌道に乗っておりません。そういった精神神経学会の方々の中でも、自閉症に関する研究については非常に数が限られております。そういうふうな点もございますので、研究を進めつつ、実験的にあるいはモデル的に施設をつくっていくというのが現状ではなかろうかと思います。そういうような意味におきまして、昭和四十四年度におきましても、昭和四十三年度に引き続きまして、二カ所の自閉症児の施設の新設を行ないますとともに、昭和四十三年度に計上されました自閉症児の施設の運営につきましても、公費負担をして訓練をしあるいは治療をしてまいる、かような計画でございます。
#58
○島本分科員 けっこうです。その二カ所というのはどこであるか、言えますか。
#59
○渥美政府委員 四十三年度は東京と大阪につくるように進めておるわけでありますが、四十四年度の二カ所については、これら学会のほう、あるいは都道府県当局、こういった方々と十分その調整をいたしながらきめてまいりたい、かように思います。
#60
○島本分科員 特にこの治療施設については、一対一、まことに密度の高い方法でこれは指導しなければならない、また養護しなければならない状態だ、こういうふうにわれわれは思っておるわけです。これは、普通の重度心身障害児または身体障害者、これと同じように見れないという特殊性がございます。これは十分知っておられると思いますけれども、この収容治療に要する費用の公費負担、これも十分考えておられますか。
#61
○渥美政府委員 来年度予算におきまして、自閉症の治療訓練費といたしまして、東京、大阪の二カ所分といたしまして七百九十七万円ばかり計上しておりますが、この運営につきましては、先生御指摘のように、あるいは看護能力あるいは治療能力、こういうものが非常にいろいろと必要でございますので、それに必要な人員の整備ということも十分考えていかなければならない、かように思います。
#62
○島本分科員 したがって、これはたとえば大蔵省でもよく理解に苦しむような新しいものです。私も去年この名前を初めてわかったのです。いまだに、これは精神病であるのか、あるいはそれとも何であるのか十分私も理解できない状態です。しかし患者がいるのは事実なんです。まさに公害の一種かもしれぬのです。しかし、これをこのままにしておくわけにまいりませんので、将来は、やはりこういうような恵まれない子供のために、年金制度なり社会保障の一端を確立してやる必要があろうかと思うのです。現在のところこういう問題に対してはどのように対処されますか。
#63
○渥美政府委員 このような新しい疾病が、最近の学会等の報告によりまして、非常に数多く出てまいっていることは事実であります。したがいまして、厚生省におきましても、こういった疾病につきましても、その疾病の症状に応じまして適切な対策をこまかい点で配慮していかなければならない、かように考えております。
#64
○島本分科員 ことにこの問題は、大臣、厚生省だけではできない問題です。特殊教育の研究機関または情緒障害関係の研究所並びにその治療、教育、治療と教育、二つ一緒にいつもついて歩く密度が高い方法を採用しなければならないわけです。常に文部大臣と一緒になってやらなければならない問題であろう、こういうふうに思っているわけなんです。たとえばそのための学級の新設、また、あなたのほうの通園治療施設、これはすでに六三%もの人がそれを切望いるわけです。こういうようなことを完全にやってやらなければならないと思うのです。そういうような意味で、今後、現在治療並びに収容できない人もおりますから、そういうような点については、文部大臣とともにこれは完ぺきを期して指導してもらいたい、こう思います。決意を伺っておきたいと思います。
#65
○斎藤国務大臣 私も島本委員と同様の考えを持っておりますので、今後さらに文部当局ともよく連絡をしながらやってまいりたいと思います。
#66
○島本分科員 自閉症は、これで終わります。
 次に、最近私の耳に触れました新しい事実でございまして、いわゆる予防接種によって身体が生まれもつかない不具者になった。この対策について大臣に伺っておかなければなりません。
 それは、満一歳を過ぎたにもかかわらず、種痘による副作用のために、すわることも、はうことも、歩くこともできないで、下半身が麻痺状態である、こういう子供がいるわけです。そして、これは昭和四十二年十月六日生れの子供でございまして、予防接種法に基づいて昭和四十三年四月八日に小樽の保健所において種痘の予防接種を受けた人であります。それは当然、予防接種法第三条の定める義務により、同法の十条の一で生後二月から生後十二月に至る期間内に実施しなければならない。それによって行なったものなのであります。ところが四月十七日になって種痘のあとがひどくはれ上がってきた。そして両足がけいれんを起こしてきた。麻痺状態になってしまった。四十度の高熱が三日間も続いた。主治医の指示によって四月二十日に市立小樽病院に緊急入院をした。そしてその小児科の診察によると、種痘の副作用である、このような診断が下されて、種痘後脊髄炎の疑いが濃い、この旨申されたそうであります。その後、北海道大学または北海道の衛生部関係、この人たちも調べて、やはりこれは脊髄炎であるというような同じ判定を下しているようであります。そういうような状態でございまして、現在のところ札幌医大病院のいろいろな指導を受けながら入院加療中である、こういうようなことなわけであります。
 そうすると、種痘は予防接種法によりすべての国民に義務づけられたものでありますから、副作用に対するところのこの対策、これは当然もう放置されてはいけないはずであります。いまの種痘には何らかの副作用があるということは、これは医務関係でもはっきり知っておられるところだ。ことに重いものでは、いまのような脊髄炎、それから脳炎または湿しん、こういうようなものさえも起こすわけであります。これはおそらく人命にかかわる社会問題だ。こういうふうな事態について、このような例が他にもたくさんあると聞いておるのです。また、訴訟にもなっている問題もあろう、こういうようなことも聞いておるのです。しかし大臣は、こういうようなものに対して対処しておられますかどうか、ひとつその見解をまず先に聞いて、あとは具体的に事務的に聞いてまいりたいと思います。
#67
○斎藤国務大臣 私はただいま具体的にあげられました問題は一例だと思いますが、それが予防接種のために起こったものかそうでないか、医学的に十分検討していくということが、これは損害賠償等とかなんとかということでなしに、今後の予防接種あるいは医学の進歩に必要なことでございますので、この点を十分解明をするように努力をいたさしているわけでございます。そして、予防接種による事故が起こりました場合に、それが医師の不注意その他から起こったものであれば、これは国家損害賠償でまかなうべきものだ、かように考えております。
#68
○島本分科員 予防接種についての方法、それから副作用に対する対策、こういうようなものは事務的に十分指導してございますか。
#69
○村中政府委員 予防接種の、特にいま御指摘の義務的な法律できめられた接種につきましては、法律及び通達によりまして、実施の方法等について相当こまかなチェックができるような指示をいたしておりますし、法律でもきめられておるわけでありますが現在、各都道府県を通じて行なっております予防接種につきましては、そのような形で処理をされております。
 なお、今回の御指摘ございました種痘による事故の発生状況についてでございますが、ただいま大臣もお答え申し上げましたように、現在告訴されているのはこれ一件でございますが、係争中のものにつきましては、高松、大阪、東京と三件ございます。
 なお、国の統計によりまして接種の事故を把握いたしますと、これは死亡についてでございますが、過去十五年間の統計的な数字では、ほぼ年間十一、二件の死亡例がございます。その他、後遺症がある、そういう事故者につきましては、現在実態の正確な把握はされておりませんが、学者にお願いいたしまして、事故に対する調査の班を編成いたしておりまして、その研究班のまとめたデータをもとにいたしますと、死亡に対して約四倍ぐらいが後遺症を残すだろう、死亡の五倍程度がほぼ治癒するだろうというふうな数字、比率をかりてまいりますと、死亡、後遺症、それから治癒というふうな一切の合計は、百二、三十名ぐらいになるのではないかというふうな想像がされます。
#70
○島本分科員 これは、そういうように百二、三十名にも及ぶような被害が義務接種によって起こった、また、これを行なわなければ法違反にもなる、こういうような場合には、当然考えられることは、十分手を打っておかなければならない。そのために、特異体質であるかどうか、この予診も当然必要ではないか。また種痘に要するいろいろな薬剤、いわゆる大連株とか池田株、こういうようなものに対しても、やはり少しでも粗悪品があってはならない、これだけは的確に指導していただかなければならないのじゃないか、こういうように思うわけです。この特異体質であるかどうかの予診は要らないのか、これは粗悪品でないというような完全な立証はいつでもできるような体制で指導しておるのか、これはいかがでございますか。
#71
○村中政府委員 ただいま御指摘の手順及び特異体質を事前に察知する方法についてでございますが、これも法に定められておりまして、問診、視診、聴打診というような方法による健康診断を実施しております。さらに、こういうものについては実施をしない、行なわないというふうなものには、発熱、じん臓、心臓、肝臓の障害あるいはアレルギー体質、あるいはけいれん性の体質、病弱、栄養障害というふうなものが法律の中にあげられてございまして、実施する際には、このようなものが患者に対してあるかどうかを確かめながら、把握をしているわけでございます。
#72
○島本分科員 十分そういうような手を打ってやったならば、いまのような被害は出ないはずなんです。それでなおかつ起こるとするならば、不注意か、またやり方のどこかに欠陥があるんじゃないか。薬の点か、または予診をしないでやったことか、または特異体質、こういうような者に対して的確な察知ができなかった、こういうようなことになるのじゃないか。こういうような事件は当然告発されたり告訴になったから大きくなる、ならなければこのままに自分で泣き寝入りしなければならない、こういうような状態のものではなかろうと思います。ことに、これは国のほうでちゃんと種痘の場合なんか法律できめられて、これを行なわなければ親が罪に問われるのです。予防接種法の第三条に三千円の罰さえも食らうようになっているのです。そうなっていますから、やはりそれによってやった。やってしまったならば、今度は副作用で下半身が生涯の不具者になった、こういうような事態があって、これをそのままにしておくのはよほどおかしい。法律によってまともに行なったことです。それがこういうような副作用によって障害を受けた。一生取り返しのつかないような生涯の不具者になってしまい、人間として重大なハンディキャップを負うような、こういうような人生を歩まなければならないような状態になるわけです。あるいはしたわけです。そうなりますと、この因果関係はまずどうなのか。こういうようなことがはっきりしなくとも、国なりまたは公共団体なりはこれを放置しておいてもよろしいというような筋ではないと思うのです。こういうようなことでは筋が通らないし、義務種痘ですから、これは十分考えてやらなければならないはずのものです。これはもうおそらく国家賠償法による見舞いと生活補助程度でございましょう。その程度よりももっと一歩進んで厚生大臣として――こういうような人は何万人じゃないでしょう。百二、三十名です。そうだとすると、これは十分手を打ってやったほうがいいのじゃないか、こういうふうに思うわけです。この受療その他後遺症について責任はだれが負うことになるのですか、法によってやったものは。
#73
○斎藤国務大臣 先ほども申し上げましたように、それが予防接種によって起こったものであるということがはっきりいたしましたら、やはり責任は国が負わけなければならないと思います。また、それをやるについて非常に粗漏のあるやり方をやったということになれば、粗漏のあるやり方をやった人にも責任は若干あるだろうと思いますが、主として国にあるだろう、かように考えます。したがって、そういうものに対しましては、できるだけ手厚い補償をする必要があろうと考えます。
#74
○島本分科員 おそらくそうだと思うのです。大蔵省の方はおられますか。――そういうふうになってみますと、おそらくいま大臣が言ったように、法によってきめられた行為をやらなければその人が罰金に処せられる、そういうことでやったならば、こういうような副作用が起きるような状態で、すでにいま言ったように百二、三十名の被害者があるというのです。そうなった場合には、その原因がわかっても今度はその責任の所在がわからない。まさにこれは医療公害、こう言ってもいいような状態になるかもしれないです。責任者はわからぬかもしれないです。薬が悪いのか、医者ではなく副作用であるのかないのか、特異体質じゃないのか、こういうことになって、その人が特異体質ということを言われたならばだれも責任がない。しかしながら、やはり法によってこれを行なった結果、一生ハンディキャップを負うような生涯の不具者になる、この原因がわかっても責任所在がわからぬようなものに対しては、国のほうでも医療費や見舞い金やその他いろいろ補償等についても十分考えてやってしかるべきじゃないか。これができないというような決定的な理由があるかどうか。財政的にこれをやったから硬直化が促進する、こういうようにもならないんじゃないか、こう思うのです。国が義務づけて行なう種痘である以上、国が当然責任ある措置をすべきです。大蔵省のほうでも、予算は十分こういうものに対して今後――かぼそいです。しかし重要です。見てやるべきじゃございませんか。
#75
○辻説明員 予防接種の事故がどうして起こりますかにつきましては、なおいろいろ医学的に検討すべき問題があるように承知しておりますので、四十四年度の予算におきましては、医療研究助成補助金という形で、特にこのために五百万円を計上して研究を推進するということになっております。
#76
○島本分科員 したがって……
#77
○赤澤主査 あと二人お待ちですから、質問は一問にしてください。
#78
○島本分科員 重要な問題ですよ。
#79
○赤澤主査 重要でも公党の約束です。
#80
○島本分科員 十分間延ばすという約束です。
#81
○赤澤主査 だれとの約束ですか。
#82
○島本分科員 私と。
#83
○赤澤主査 一問にとどめてください。
#84
○島本分科員 いま聞いているのは、そういうこととあわせて、そういうものに対して国家補償的なもの、たとえば医療費なり慰謝料を含めた見舞い金なり、こういうものの制度も考えてやったほかに、いまのような医療並びに今後の後遺症対策、こういうものを十分含めてやるような措置をとったほうがいいんじゃないか、とるべきじゃないか。数も多いんじゃないんだから、これぐらいは当然考えてもしかるべきだ、こういうことなんです。いま言ったその分は大いに感謝する。しかしそのほかの部分も、大蔵省としてもあまりシビアーにこれを扱わないで、十分厚生大臣と相談の上で善処すべきじゃないか、こういうように私思うわけなんです。そのことを聞いているのです。十分考えていただきたいと思うのです。
#85
○辻説明員 ただいま御指摘の問題につきましては、いろいろと法制面その他に問題がございますので、目下厚生省のほうで、伝染病予防対策の根本的な検討の一環といたしまして、伝染病予防調査会のほうでも検討されるように承知しておりますので、その結果を待ちながら今後検討してみたいと考えております。
#86
○島本分科員 再びこういうようなことが起きないように、またそれに対するいろいろな対処は十分するように、心から期待し要望申し上げて終わります。
#87
○赤澤主査 折小野良一君。
#88
○折小野分科員 憲法におきましては、健康にして文化的な生活を国民に保障をいたしておるのであります。ところが、現実の世の中を見てまいりますと、憲法で保障しております健康な生活を生まれながらにして受けられない、あるいは不可抗力によってそれが阻害をされる、あるいはみずからの意思に反して健康な生活が送れない、こういう人たちが相当数あるわけでございます。しかもこういうような人たちの多くは、みずからの苦痛を大きく訴える、こういうすべを持たないのであります。多くの声が上がり、多くの圧力があるところにはいろいろな行政が行なわれるわけでございますが、こういうような面に対する行政というものは、やはり政府みずからが特別に配慮をしてやっていただかなければ、なかなか十分な施策というのは行なわれないんじゃないか、かように考えます。したがいまして、こういった日の当たらないところにおる人たちに対するあたたかい思いやり、あるいは手厚い配慮というものが、特に厚生省の立場において積極的に講ぜられる、こういうことが必要なことじゃなかろうか、かように考えるわけでございますが、特にこういう面に対する大臣の御所信をお伺いいたしたいと思います。
#89
○斎藤国務大臣 御意見のとおり、心身障害児あるいは障害者、ことに重度、重症の方々の現状は、ほんとうにお気の毒ということばではとうてい尽くせない、かように思います。しかもこういった方面の施策が非常におくれておる、かように思いますので、厚生行政の最も重点施策の一つとして最近取り上げてまいっておりますが、今後も一そう力を入れてまいらなければならない、かように考えております。
#90
○折小野分科員 そのような面から、まず重度の心身障害者に対する対策、この面についてお伺いをいたしたいと思いますが、これらに対する対策も、確かに、ただいま大臣のおっしゃったように、最近いろいろな施策が講じられてきつつございます。しかしながら、現在の情勢はまだまだ決して十分であるというふうには言えないのじゃなかろうかと思っております。現在のところ、これらの人たち、特に重度の人たちに対する治療とか収容とか、こういうふうな対策を講ぜられております数が、その関係者の中のどれだけの比率に達しておるのか、そうして、こういう面の対策を完全に実施するためにどの程度必要であるのか、その必要を満たすために今後厚生省としてはどのような計画を進めていこうとしておられるのか、そういう面をお答をいただきたいと思います。
#91
○今村(譲)政府委員 いま先生からお話のありましたうちで、重症心身、精神までひっくるめた問題これは児童局長のほうから申しあげると思いますが、精神は健全でありますがという重度の身体障害者、十八歳以上の者でありますが、それにつきましては、お話しのように、その収容施設関係あるいは居宅関係、非常に数が少ないということでございます。それで一級、要するに両下肢切断、あるいは両上肢切断、あるいは体幹不自由というふうな肢体不自由関係では、全国で大体五万人、そのうちで、ほとんど寝たきりでどうにもならぬというのが八千ないし一万人、それ以外の四万人は大体両上肢がだめだとか両下肢がだめだとかの人々で、車いすとかいろいろの補助手段で何とか動けるというふうなものでございます。現在身体障害者の施設百七十施設、収容者合計約一万一千人というふうな収容能力を持っておりますが、特にこういう一級のような重度の人方に対する施設につきましては、まだ全国的に、訓練関係――訓練といいますか、収容して若干でも日常生活をやるというのが十三施設の一千七十人、それから、寝たきりでも編みものとかなんとか若干でも授産なんかを教えるのが九施設の六百人、全部で千七百人くらいしかおらないということで非常におくれております。この点は、われわれといたしましては、重点的に身障施設を設けて――重度をいままであと回しにしてきたという点がございますので、重点的にやりたい。これは特別養護老人ホームの増設とかとあわせまして、長期計画を早急に固めたいという段取りで進んでおります。
 それから、居宅の人につきましては、施設が間に合いませんので、本年度で、たとえば、はっていっても自分でふろに入れるように、瞬間湯わかし器をつけた洋式のふろとか、あるいは洋式の便所とか、手すりがついておるというふうなものの支給ができますように、二千数百万でありますけれども、新規にそういうふうな居宅対策をやったということでございますが、まだまだ仰せのとおり不十分でございますので、今後とも努力したいということでございます。
#92
○折小野分科員 まだ計画も立っていないようでございますが、できるだけ早く計画を立てて、計画的に施策の推進をはかっていただきたいと思います。とともに、現在なし得るいろいろな方法を講じて対策を進めていくということが必要なことではないかと思うのでございます。その一つといたしまして、特に身体障害者、肢体不自由児、こういう面におきましては、やろうと思えばできる面がまだまだ相当多いのじゃないかと思っております。特に肢体不自由児のごときは、できるだけ幼い間に、しかもその症状が固まらない時期に訓練、治療を施すことの効果というものは、これは当然大きいのであります。そういうような面からいたしますと、もっともっとやっていい、やれる面があると思います。
 一つの例を申し上げますと、学校教育で最近特殊学級というのが相当普及をいたしております。これは現在は精薄が中心でございます。もちろん精薄につきましても、そういうような特殊教育をやることが必要なんでございますが、その中で肢体不自由児に対する特殊学級あるいは特殊教育訓練、こういうものが非常に弱い。しかし、それに関連する子供たちというのは相当多いのでございまして、特殊学級で小さいころから訓練をやっていくということになりますと、その効果というものは非常に大きい。こういう面をもっともっと大きく取り上げてやっていくということになりますならば、それだけの成果は十分あがると思っております。さらにもう一つ前の段階におきまして、保育所の段階というような面におきましても、いわゆる特殊保育所というようなものでこういう面の訓練をより十分に見ていくというようなことになってまいりますならば、こういうような肢体不自由児の機能回復というのも一そう早くなるわけでございます。しかしながら、現実にはこういう面の対策が非常におくれております。
 また養護学校等がございますが、これは文部省所管だから、ある意味におきましては立場が違うかもしれませんのですが、肢体不自由児関係の養護学校あたりで小中学校の義務教育をまずやられるというのはけっこうでございますが、その次に文部省の立場で考えることは通常高等学校ということです。しかし、肢体不自由児の実態から見ますと、それよりか前にもっと幼稚部というようなものを考えていくことが必要なんじゃないか。したがって、現在ありますいろいろな施設等も、もっと運営よろしきを得、あるいは相互に連絡をとってやってまいりますならば、より一そうその効果があるんじゃないかということを感ずるわけでございます。こういう面についての厚生省のお考えあるいは今後の方針、こういう点をお伺いをいたしたいと思います。
#93
○渥美政府委員 先生の御指摘のとおりと思います。こういった身体障害児に関しましても、他の疾病あるいは症状と同じように、早期発見、早期訓練、こういうふうな体制はゆるがせにできない要素でございます。
 そういうふうなことで、現在までは、保健所等におきます三歳児の一斉検診等によりまして発見いたしまして、必要ならば家庭に訪問指導する、さらに施設に収容するということで、肢体不自由児施設もすでに七十一カ所ばかりできておるわけでございますが、早く訓練するというふうな意味におきましては、三歳児から六歳児くらいまでの間に訓練をする必要があるということで、従来は、肢体不自由児収容施設におきまして、おかあさんと子供の入園体制というものを実施してまいりましたが、来年度予算におきましては、家庭と施設とが協力いたしまして、子供さんを通わせながら訓練させるという肢体不自由児通園施設制度を実施したい、かように考えまして、予算を計上したところでございます。
#94
○折小野分科員 これらの面につきましては、ひとつ十分各省庁間の連絡もおとりいただいて、その効果をあげていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 次は、同じ身体障害児でございますが、最近、心臓障害者に対する関心も、徐々にではございますが、高まってまいっておるわけでございます。また厚生省においても、育成医療というような面から対策を講じていただいておるわけでございます。ところが、この心臓障害者は小さいときになかなか発見されない、それほど普通の子供たちと変わったところが見られない、こういうような点から、ついつい発見がおくれる、こういうことがございます。多くの子供たちは小学校に入るわけでありますが、小学校には当然校医がついておって、しょっちゅう検診等が行なわれているわけであります。したがって、こういう面を利用して発見する努力をしていただくということになりますならば、もっともっと早期にこれに対する対策が講じられるというふうに考えるわけであります。こういうような面につきましては、やはり厚生省と文部省と十分な連絡をとってやっていただくということが必要だというふうに考えるわけでございます。こういう面について十分連絡をとっていただくか、あるいは学校に委託するとかいうような方法等を講じて、こういうような患者を早期に発見する、こういうようなことをやられるおつもりがあるかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
#95
○渥美政府委員 心臓疾患に関しましても、先ほど御説明申し上げましたように、零歳児の健康診査のほかに、三歳児の一斉検診を実施しております。それからまた、文部省当局におかれましても、就学前の健康診査も実施いたしておりますので、そういうふうな機会をとらえまして、先天性心臓疾患を早期に発見いたしまして治療する、こういったことにつきましては、厚生省におきましても、育成医療と称しまして、心臓疾患に対しまする公費負担の制度を設けております。この予算につきましても、四十四年度におきましては、昨四十三年度の二倍の予算を計上いたしまして、単価においても実情に沿うような予算を計上いたしまして、積極的に推進いたしたい、かように思っております。
#96
○折小野分科員 こういう面について、件数において倍の予算を計上していただいておる、これはたいへんけっこうなことでございます。しかし、その実態を見てまいりますと、たとえば九州の例で申しますと、これについての手術ができるというのは、九大をはじめほんの限られた病院しかできないわけであります。そうしますと、そこに行かなきゃならない。あるいはそういう病院の手術の予定とか、あるいは入院の予定というものに合わせなければならない。そういたしますと、いなかからそこに行って手術をしてもらうというためには相当多額の経費を要するわけであります。育成医療として見てもらうということは当然ございます。それも従来は患者が少なくて見てもらえないという面もあったのですが、今度は倍にふやしていただいておりますから、多くの場合は見てもらえるということになると思います。しかし、現在のところ関係の医療機関というものが非常に少ない、そういうことのために多くの経費を要しまして、たとえ育成医療で見ていただいても、その他の負担にたえられなくてついついそのまま放置してしまう、こういう例が非常に多いのであります。私の承知いたしております宮崎県の例等から申しますと、大体福岡に何回か行き来して、そして向こうで手術を受けるといった場合に、最低の費用を見積もりましても、どうしても六、七十万はかかるということなんです。ところが育成医療で見ていただけるのはせいぜい二十万ぐらい、こういうようなことでございます。そういう小さな子供を持っております父兄というのは、たいてい若い親でございまして、まだ経済的にも余裕がないというのが実態なんであります。したがって、そういうような親が六、七十万もかかるような手術をなかなか現実にやれない。そういうことのために、せっかく検診をして、そして心臓疾患で何とかあと手術をしなければいけないということがわかりながら、そのまま放置されておる、こういうような例が多いのであります。こういう面に対する対策というのを講じていただきたいと思うのでございますが、厚生省としてのお考えをお伺いいたしたいと思います。
#97
○渥美政府委員 育成医療の予算につきましては、御指摘のように、四十三年度まではその件数も九百件、単価につきましても比較的実情に沿わなかったわけでございますが、四十四年度におきましては、件数は千八百件、単価にいたしましても約三十万円近く、こういうふうな単価を積算いたしまして計上したところでございます。したがいまして、だんだんとほぼその実情に即応してきておるものと思います。もちろん遠隔の地から手術することができる病院に来られますようなケースが多いわけでございますが、この場合におきましても、必要に応じましては、そういった移送料とか看護婦さん、あるいは血液の問題こういうふうな点につきましても、その予算の範囲内において見られるよう措置はしてございます。したがいまして、今後はそういった手術のできるような病院の拡充といいますか、数をふやすという問題は残っておるわけでございますが、この点につきましても、そういうふうな心臓外科等の学問も非常に進んでまいりますし、あるいは医学も進んでまいりますので、最近におきましては、徐々にそういった病院もふえておりますので、そういった点にはさらに期待をしてまいりたいと思っております。
#98
○折小野分科員 確かにおっしゃるように、だんだんと手厚く御配慮いただいてまいりますことは、これはけっこうなことであります。しかし、いまそれを待っておれないという子供たちもあるわけでございます。そういうような面については、何とか応急の措置でも講じていただくべきじゃなかろうか。もちろん全国一律に施策を講じられるのは、国の立場としてできない面も非常にあろうかと思います。そういうような面につきましては、都道府県あたりを指導していただきまして、ある程度それに追加するというような形において、いなかのあるいは奥地の子供であっても、同じように治療あるいは手術が受けられるような手配を講じていただく、こういうような点についてお考えはございませんか。
#99
○渥美政府委員 先ほど御説明申し上げましたような、四十四年度の厚生省の予算が計上されておるところでございますが、なお不満足の点があると思います。こういった点につきましては、全国の民生部長会議、あるいは児童福祉主管課長会議等におきましても、できるだけ必要な場合に都道府県等におきまして配慮するようには依頼をしておるところでございます。
#100
○折小野分科員 お願いいたしておきます。
 次は、同じ心身障害児の対策でございますが、最近これに対しまして、各地で関心が高まっておりまして、地方団体で心身障害児の扶養保険をやるというところがだんだんふえてまいっております。これはたいへんけっこうなことでございますが、しかし保険というものは、やはり保険経済というものがございまして、そういう面からいたしますと、その範囲が広くなること、大きくなることが経済的には望ましいことでございます。そういうような立場で、厚生省におかれても、明年度社会福祉事業振興会法の一部を改正して、このような心身障害児の扶養保険の業務をもやっていこう、こういうふうにしておられることは一歩前進である、こういうふうに私どもは考えております。しかし、現在地方団体でこういう保険制度でやっておるもののほかに、いわゆる共済制度、こういうやり方でやっておる地方団体もあるわけでございます。しかも、どちらかというと保険制度でやるよりは共済制度のほうが有利だ、こういうことで宣伝もされておる面があるのでございます。保険でやっておるものは今度の措置によってプラスになる、これは確かでございますが、かといって、共済制度でやっておりますものをそのまま放置しておいていいのかという問題がございます。こういうような面については、厚生省としてはどういうふうなお考えでおられるか、お伺いを
 いたします。
#101
○渥美政府委員 昭和四十四年度予算におきまして、国の立場で、地方公共団体がやっていらっしゃる、あるいはやろうとしておりまする心身障害児の扶養保険制度に対する援護措置を講ずることにしておるわけでございます。現在のところ、こういった制度をやっております県が二県、市町といたしまして十五市、一町、こういうふうなことになっております。このうち、御指摘の共済制度でやっておりますのが一県、三市ということになっております。いずれにいたしましても、国におきまして取り上げるということは、それだけ加入者が多く国の段階においてプールされ、したがいまして保険料も格安になり、したがって保険金もよけいになるというふうな非常な利点もあるわけでございます。現在御承知のように、共済制度でやっております地方公共団体におきましても、いろいろと御研究はされておるわけでございますが、国の段階においてプールしてやるということになりまして、加入者に非常に便利になるというふうな点を御研究されていると思います。したがいまして、国において取り上げられまする扶養保険の援護制度の発足の際に、そういった共済制度でおやりになっている地方公共団体とも十分御相談をいたしまして、必要あらば、あるいは御希望があれば、その援護制度の中に加入していただくということも当然考えなければいけない、かように思います。
#102
○折小野分科員 確かに、国の段階でやることのほうが、少なくとも保険経済という面からは利点があるということは申し上げるまでもないわけでございまして、この際共済制度でやっておりますものにつきましても、できるだけ今回の措置の中に加えていただくように、しかもこれにつきましては、いろいろな経過措置というものも出てまいるであろうと思いますが、そういう面についての指導と御配慮をぜひひとつお願いしておきたいと考えております。
 次に一、二点、その他の問題について御質問申し上げます。
 養護老人ホームなんですが、これの運営についてちょっとお尋ねをいたします。最近特にいろいろな配慮も行き届いてまいりました。しかし、その中で無為徒食する老人たちの実態というものを、はたして御検討になっておるのか。そしてまた、そういうような状態における収容施設というものが、それらの人たちに対してほんとうのしあわせを与えておるのかどうか。こういう面については、もっともっと実情を見て考えていただく必要があるんじゃなかろうかというふうに考えます。具体的にはいろいろな問題があろうと思いますが、私どもそういう実態を見てみまして、決してそれはその人たちにとってもほんとうのしあわせな余生だというわけにはまいるまい。むしろ養護老人ホーム等のあり方につきましては、そこに収容されておる老人たちにとりまして生きがいのある余生を送らせるような、そういう運営というものに対する配慮というものがなされていかなければならぬのじゃないか。特に生きがいのある余生というふうに申しますと、やはり人間は、お互いにやりがいのある仕事というものをする、こういうところに一つの効果があるのじゃなかろうか。現在のような、ただ単に入れておけばいい、収容しておけばいいということでなしに、張り合いのある仕事をさせる、生きがいのある仕事を通じてしあわせを見出す、こういうような運営について今後十分御考慮になり、また指導していただく必要があるのじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけであります。これはただ単に老人ホームだけの問題ではありません。これは社会福祉関係の収容施設について多くの場合言えることじゃなかろうか、かように考えるわけでございます。こういうような面についての大臣のお考えをひとつお伺いをいたしたいと思います。
#103
○斎藤国務大臣 ただいまの御意見は、全くそのポイントをついた御意見だと思います。厚生省におきましても、できるだけそういう方向に指導をいたしておるのでございますが、まだ十分行き届いておるとは私自身思いません。今後一そうその方面に気をつけてまいりたいと思います。
  〔主査退席、竹内主査代理着席〕
#104
○折小野分科員 社会福祉関係の、特に収容いたします施設の運営の問題につきましては、やはりそういう面にまで今後お考えいただきまして、運用上遺憾のないように特に御配慮をいただきたい。また、そうすることがより一そう大きな社会福祉につながるものである。私どもはさように考えております。
 それから最後に一つお伺いをいたします。
 最近お産はほとんど病院で出産するというのが慣例になってまいっております。それは非常にけっこうなことだと私ども思っております。しかしその反面、従来の産婆さんつまり助産婦さん、そういう人たちの一部で、病院と契約して病院に入っているという人たちはいいのでございますが、そうでない産婆さんが非常にひまになっている、こういうような状況にあると考えております。しかし、せっかくの資格を持っておるこういうような人たちを遊ばせておくということに、非常にもったいないことだと思います。もっともっとそういう人たちの能力というものを活用してもいいのではなかろうか。したがって、助産婦の資格を持っておるそういう人たちを、希望があれば保母の立場で活用する、あるいは保健婦というような立場で活用する、あるいは場合によっては再教育その他をいたしまして、看護婦として活用する、そういうような活用の方向をお考えになったらいいのではなかろうかと思うのでありますが、いかがでありましょう。
#105
○松尾政府委員 御指摘のように、施設内の分べんが多うございまして、開業助産婦の手があいておるという実態でございます。いままでにそういう御活躍をいただく場面といたしましては、受胎調節の指導員という形できめこまかくそういう方のお相手になっていただくということを考えてまいっておりますが、そのほか御指摘のように、病院内におきます手も非常に足らないという面もございまして、私ども、助産婦も含めました看護婦さんについても、いわば家庭におられる方の活用ということをいま必死になってやっているようなわけでございます。その中で再教育等が行なわれませんと自信を持って出られないという面もございますので、御指摘のところは十分考えまして、今後とも努力いたしたいと私ども思っております。
#106
○折小野分科員 終わります。
#107
○竹内主査代理 次に、柴田健治君。
#108
○柴田分科員 与えられた時間内で簡潔に終わりたいと思いますので、答弁者のほうも要領よく簡潔にお答えを願いたいと思います。
 まず原因不明の奇病ということで、いま地方で、患者ももちろん、また患者でない地域の住民が戦々恐々としておる病気がはやっておるわけですが、それはいわゆるスモン病ということばで出ておるわけであります。スモン病というのはどういうところから名前がついたのか、いろいろ聞いてみますと、亜急性脊髄視神経神経症、これらの頭文字をとってスモン病といっているようであります。こういう病気がいつごろから出てきたのか。戦後これが出てきたようでありますが、昭和三十年ころから問題になり、その後学会においてもいろいろと勉強、研究し、そして調査をせられてきたようであります。この病気にかかりますと、一番最初は軽い腹痛くらいというような下腹が痛む程度で、腹痛程度に考える。その腹痛が強い下痢を伴う、また便秘をする、嘔吐をする、今度は上と下に出てくる。びろうなお話なんですが、そういう症状が続いていく。それが終わりますと、足首からしびれてくる。足首がしびれてくると下半身が全然麻痺してくる。こういうように症状が発展していくわけであります。そうして、運動障害ということが起きて運動神経というものが全然だめになる。歩行も困難になる。こういうことで、この療養期間というものが相当長期間にわたって療養しなければならぬ、こういう実態であります。
 こういうことについて、いま全国でどの程度こういう患者が出ておるのか、それからどの地方に一番多く出ておるのか、この二点をまずお答えを願いたいと思います。
#109
○村中政府委員 御質問の第一点の、どれくらい患者が出ておるのかという点についてでございますが、一応病院その他に収容されまして医療を受ける、あるいは研究班、調査班などによって現地調査が行なわれて把握されておる、こういう数字を入れまして、大体二千名ぐらいと私ども想定いたしておりますが、学者によっては二万名ぐらいになるんじゃないだろうかというふうな推定をしている学者もございます。実際のところ、確実な数字の把握は現在ございません。
 第二点のどのような地域に多発しておるかという点についてでございますが、逆に、まだ報告が学会あるいは私どもが承知していないというふうな地域は、秋田、茨城、栃木、千葉それから富山、山梨、高知、大体その県においてはいまだ発生の様子を聞いておりません。したがいまして、多かれ少なかれその他の都道府県においては発生がある。特に多い地域として従来言われておりますのは、北海道、宮城、山形、東京、それから大阪、岡山、広島、福岡、大体この辺が多いように承知いたしております。
#110
○柴田分科員 昭和三十九年に第六十一回の日本内科学会の総会で、京大の前川教授がこの問題を重点に発表して報告されておる記録があるわけです。これを見ますと、これはもう医学陣としても全精力をあげて研究に取り組まなければならないし、また関係官庁もこれには努力しなければならぬという報告をされておるわけです。こういう報告があるにもかかわらず、厚生省は、今日までこの問題にどう取り組んできたのか。その経過を簡単にお答え願いたい。
#111
○村中政府委員 ただいま御指摘のように、昭和三十九年に日本内科学会の総会で、シンポジウムでこの点が学者の間で討議されたということは聞いております。この前後におきまして厚生省では、厚生科学研究補助金という形で三十九年、四十年、四十一年と研究費を計上いたしまして、その実態の把握につとめてまいりました。なお、国立病院では、病院自体で研究班を設けまして、やはり同じような研究をいたして今日に至っておりますが、私どもが主としていま手がけておりますことは、とにかく患者の実態の把握原因がどこにあるかということ、さらにこれが疫学的にどういう特異な状態にあるか。簡単に申しますと、伝染性の疾患と一部でいわれておりますが、そういうことなのかどうか、この点の究明を主としていたしております。昭和四十四年の新年度予算でも相当額の研究費を計上しております。
#112
○柴田分科員 私は、厚生省の取り組み方が非常に怠慢であり、何というか、非常に熱意がないという、どちらかというと責任を追及したいという気持ちが起きるわけですが、それは別といたしまして、これはもう伝染率が非常に強いのではないか。要するに感染的なエコー二一型のビールスというような、そういう型ではないかという一方では学説が出ておるようであります。こういうビールスというようなことばが出てまいりますと、要するに伝染病と認めてもいいのではないか、こう言いう気がいたします。伝染病ということになれば、現行制度の中でも直ちに法的に適用できる。たとえば多発地区についてはどういう処置をとるべきかというような、そういう現行制度の中でも適切な処置がとれる。われわれはこういう解釈ができるわけでありますが、まだ原因が不明であるというようなことでは、日本のいまの経済の実態から見て、なぜこういう医学のほうだけがおくれてくるのか、こういう気もいたします。この原因究明にどういう方法で全力をあげていくのか。その取り組みの構想といいますか、そういうものをお答えを願いたいと思う。
#113
○村中政府委員 スモンの疾病の原因についてのお尋ねでございますが、ただいまおあげになりましたエコー二一型ビールスというのも、学者の間では原因の一つに考えているようでございますが、これは全国のビールス学者の間では支持が十分にされておりません。そういう疑いもありますけれども、学者の一致した意見というふうにはまいらないわけでございます。
 それから、これ以外に考えられますことは、ビールスは細菌に比べまして相当小さな病源体でございますが、もっと大きい、たとえば腸チフスとか、腸内にいろいろあります赤痢とか、こういう細菌の生息のバランスがくずれて、これが原因しておるんじゃないか、あるいはこういう腸内細菌が出します毒素、体内毒素が原因しているのではないか、あるいはアレルギーが原因、あるいは栄養障害が原因、いろいろな、発生のつど取り組んでまいっておられまする学者の総意が、各地で発生します疾病の原因ともなかなか一致を見ないような状態がございまして、いまお話しがございましたビールスじゃないかという点につきましても、相当の御意見が出ておりますが、やはりこれに対して否定的な学者の意見もあるわけでございます。この点は今後も十分究明してまいらなければならない、こう考えております。
#114
○柴田分科員 大臣にお尋ねしたいのですが、これはゆゆしき問題だ。地方ではいまたいへんな騒ぎになっておるわけであります。患者はもちろん、患者を出しておる地域の住民は、いつわれわれが感染するやらわからないということで戦々恐々なんです。早急なこれらの抜本的な対策というものに強い要求が出ておるわけであります。これらの点について、先ほどのお答えを聞いておりますと、まだまだというような感じのお答えであります。そういうことでは、これは適切なる処置とはいえないと私は思うのです。
 ことしの予算を見ると、三百万円程度組んでおられる。三百万円でどういう調査をやられるのか。また、いまの研究機関の体系で、どういう方法で原因究明にそういう三百万円程度の予算でできるのか。私はこの点について非常に疑問を持つわけであります。今日の貨幣価値からいって、三百万円というと地方でもたいしたことはできない。これらの大問題が起きているのに、国が三百万円程度でどういう調査方法をやるのか、どういう機構でやるのか。いまの現行の出先の、それぞれのいろいろ大学もありましょう。また国、県の衛生研究所もありましょう。そういういまの研究機関とどういう方法で組み合わせをして協力体制をつくっていくのか、そういう構想をまず大臣からお答え願いたい。
#115
○斎藤国務大臣 三百万円の経費は多額とは申せませんが、関係府県の協力を得まして、財源といたしましてはあれですが、関係のお医者さん、専門家等に集まってもらって、そして研究方針をきめ、それによってさらに研究に一段と拍車をかけてもらう。こういう構想でやっておりますが、詳しい点は公衆衛生局長からお答えいたさせます。
#116
○村中政府委員 ただいま大臣もお答え申し上げましたとおり、従来特に多発している地区で、実際に臨床患者を扱われている専門家の方に御参集いただきまして、これによって疫学班を編成をいたしまして、いま御指摘のようにもちろんビールスの専門家も参加するわけでございまして、その他の科学者も参加いたしまして、多発している地域の調査の結果の分析、さらに今後どういう点について調査を伸ばしていくか、この辺の専門的な御意見を伺いながら調査を進めていくというふうな考え方でおりまして、現在まだ着手いたしておりませんが、予算が執行できる段階では早急に実施をしてまいりたい、こう考えております。
#117
○柴田分科員 そういう構想で早急に取り組んでいただくことは非常にけっこうですが、何としても金のかかることだと思うのです。三百万円ではどうにもならぬのじゃないか。それは言うてみるだけじゃないか、こういう気がいたします。要するに厚生大臣にお願いしたいのは、これはもう適切な処置をとる、三百万円でひとつ当初はやってみるけれども、足らなかったら予備費でもつぎ込んでやる、こういう決意がありますかどうか、簡単にお答え願います。
#118
○斎藤国務大臣 経費不足のために十分な成果が得られないということでございましたら、それに対する適当な善処をいたしたいと思います。
#119
○柴田分科員 原因究明についての決意は聞かしていただいたんですが、現在患者が、これは長期療養というので完全完治にならない。身体障害者になってしまうわけですが、前は高齢者というか老齢者のほうが多かったのですが、近ごろは若年のほうへ入ってきた。そういう若年層に入ってまいりますと、これまた将来の一家の支柱を失う、こういうことから不安がつのるばかりでありまして、そういう点から、この長期療養に関係して療養費というもの、治療費というものが非常に高くつく。いま現行の医療保険制度を使ってなおかつ自分の負担というものが、国民健康保険のごときですら月に五万円ぐらいかかる。最低三万円ぐらいかかる。こういうことで、二カ月ぐらいの療養なら何とかやっていけるけれども、低所得者、農村が多いようですから、農村地帯は御承知のように余裕金もなければ何もない。自分のからだで働いてその日その日の生活をしている家庭が多い。そういう治療費に対する援助対策、たとえばいま現行法規である生活保護法をこういう患者には直ちに適用していくとか、生活保護の基準はいろいろございますけれども、そういうことをいま言うておれない。二年も三年も長期療養するその医療費の援助対策というものについてのお考えをひとつ聞かしていただきたいと思います。
#120
○村中政府委員 御指摘のとおり患者が長期療養をする経費は非常に多いわけでございまして、これに対して医療費の援助という点についてでございますが、先ほど大臣からもお答えを申し上げましたとおり、現在総力をあげて私どもが実施いたしておりますのは、とにかく病気の実体が何なのかというところに焦点をしぼっておりまして、これが伝染性疾患というようなおよその見通しがつけば、伝染病予防法による措置の方法も出てまいるわけでございます。残念ながら、いまのところそういう点についてのきめ手もないわけでございまして、御指摘のとおり保険その他の現在の医療制度の中で処理をされておるという実態でございますが、御指摘の生保の基準に合えばという点につきましては、関係局と十分協議してまいりたい、こう思っております。
#121
○柴田分科員 現在療養中の医療費の援助対策といいますか、そういうことについてのお考えを聞かしていただいたのですが、なお身体障害者――これはしまいには目が見えなくなる。全然盲目になってしまって半身不随になってしまう。こういうことになると身体障害者ということになるわけですね。そうすると、身体障害者福祉法というような現行法規があるわけですが、これらの適用もしていただいて、なおかつ将来若年層についての社会復帰というものについては、アフターケアということで職業訓練をさせるとか、また就職のあっせんをするとかというような、将来のことも考えて、このスモン病に対する基本的な構想――みな関連を持っておりますから、これらの点について十分お考えを願いたいと思うわけです。それらの点について、現行の身体障害者福祉法をできる限り適用するとか、または将来の社会復帰について、いまいろいろやっておりますけれども、このスモン病の患者についてもそういうことを重点的に考えていく、こういうお考えがあれば聞かしていただきたいと思います。
#122
○斎藤国務大臣 おっしゃいますように各種の社会福祉の法律体系等がございますから、それらをできるだけ満度にあらゆる制度を活用いたしまして、そして御期待に沿うように指導をいたしたいと思います。
#123
○柴田分科員 いま住民が非常に心配しておりますことは、これは伝染病だという、半ばあきらめておるか割り切っておるという点がある。そうすると、その地域の住民は町をあげて非常に心配しておる。これが原因不明だ、原因がまだ究明できてないということから、それまで待っておれないという非常に心配があるので、心理的なそういうものを早くおさめるというか、そういう立場からいうと、いま多発地区といわれておるところの該当町村については、何か指定をして、特別な何か――現行法規でいけば伝染病でないのだから指定するわけにいかないと思いますけれども、何か多発地区において至急に調査研究をするような体制をつくるという立場から、ひとつモデル地域というか、そういう地域を指定してやっていただくというお考えがあれば非常にけっこうだと思うのですが、どうですか。
#124
○村中政府委員 今後の問題についてのお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたように、これからの研究体制につきましては、多発地区の専門家及び国内の従来処理してまいっている専門家に御参集願いまして、いまの御提案のような特別の町村を指定して研究をするか、あるいはもっと範囲を広げるかという点についてのお話し合いは十分伺ってまいりたい、こう存じております。
#125
○柴田分科員 スモン病については、簡単に御質問申し上げたのですが、この問題については真剣にやっていただきたいということを強く要望しておきます。これが手落ちになると、またわれわれは皆さん方に御質問申し上げなければならぬということになると思いますので、万全の対策をお願いして終わりたいと思います。
 次に、これも住民が非常に不安といいますか、これまた生活の中で大きな悩みを持っておるわけですが、毒ガの問題です。これは環境衛生という立場で、環境整備、人間が生活する中で一番必要なことは環境整備なんです。いろいろな公害の問題でいま環境整備については取り組んでおられるようですけれども、まだまだ末端では十分ではないという不満が強い。政府は、人間尊重、社会開発ということを盛んに言われておりますけれども、まだまだ十分でないという不満が強いわけです。われわれは、そういう立場から、いまの政府がとっておる環境整備という仕事にもっと力を入れるべきではないか、こういう気がいたします。そういう立場からお尋ね申し上げるのですが、毒ガはもう年々蔓延をしておる。広がっておる。毒かに襲われると、じんましんというか、アレルギー体質を持っておる者は非常に苦痛を感ずる、二日も三日も熱を出して寝なければならぬ、こういう害を受けるわけです。これらの毒が征伐について、厚生省としては、これは農林省とも関係があるのでありますが、――日本脳炎というえらい好ましくない病気が年々ふえておるようですけれども、これも毒ガのせいではないか、こういう気もいたします。これはわれわれの拡大解釈ですから、医学的にはそうは結びつかない面もございますけれども、私は、毒が征伐というものはぜひ環境整備、環境衛生の立場から取り組んでもらわなければならぬと思うのですが、この点についての取り組み方をひとつお答え願いたいと思います。
#126
○村中政府委員 毒ガの発生につきましては、従来地区的に散発的に発生をいたしておるわけでございまして、最近御承知のように岡山県で非常に多発いたしておるわけでございます。この点につきましては、私ども内容等につきましても承知いたしておるわけでございまして、できるだけの技術的な援助をしてまいりたい、かように考えております。
#127
○柴田分科員 昨年の分科会でお尋ねしたのですが、今度厚生大臣がかわられました。前の園田厚生大臣にお尋ねしましたところ、適切な処置をとって一生懸命にやる、こう言われた点がございます。それは医療関係職員の中で特に看護婦の問題なんです。前大臣は、昨年のお答えでは、いま一般を含めて三万人くらい看護婦が足らない、こういうお答えの数字を言われたわけですが、この三万人の看護婦対策については厚生省としては全力をあげて取り組んでやります、こういうお答えを聞いたわけです。ところが、末端に参りますと、依然としてその問題は解決しない。私たちが友人や知人の見舞いに病院等に参りますと、看護婦さんから盛んに陳情を受ける。もうたいへんな重労働だ、もう昼夜兼行で勤務をして、こちらが病気になりそうなんです、どうぞ頼みますという陳情を受ける。見舞いに病院にもおちおち行けない、看護婦さんの陳情攻めにあう。こういうことで、私たちも困っておるのです。前大臣はこういう答えをしたんだ、こういうことで言いのがれはしますけれども、それが依然として末端まで反映しないところに問題があると思うのです。口で言うのはどんなことも言えるわけですが、どう取り組むか、国としては看護婦の補充をどういう形でやっていくのか、こういうことを、今度新しい厚生大臣ができて、いろいろとアイデアもあるようでありますから、看護婦対策について見解を聞きたいのですが、どうですか。
#128
○斎藤国務大臣 看護婦不足の状況は、私も十分承知をいたしております。したがいまして、事務当局ともいろいろ打ち合わせをいたし、その増加対策に専念をいたしておるのでございます。本年は、そういう意味でも、特に予算にも重点を置いて折衝をいたしたわけでございますが、詳細は局長から申し上げます。
#129
○松尾政府委員 ただいま二十五万三千という就業者を数えておりますけれども、養成につきましては年々拡大をしてまいっております。いま新しく卒業をする者が大体二万八千五百人程度までまいっております。しかしながら、御承知のとおり、一方では非常に病床等もふえてまいりまして、また退職される方もある、こういうことでなかなか十分まだ尽くされない、こういうことでございます。私ども、やはり第一には養成拡充ということに主眼を置きまして、来年も新設十五カ所補助金を計上いたしますほか、国立機関みずからでも養成に当たっておる、こういうことでございます。また、そういう方の志望者を多く獲得するという意味で、各都道府県等の奨学金制度に対する助成措置を講じていきたい。
 さらに、私どもがいま努力しつつありますのは、そのほかに就業者とほぼ同数の、家庭におられる看護婦さんがおられるわけでございます。この方々が、優秀な技術を持ちながら家庭に残っておられるという状態でございまして、個々の事情はあろうかと存じますが、こういう方々に講習会を実施をいたしまして、そしていわば再び職場に戻るときの不安を解消して戻っていただくという、この道をただいま四十二年から進めてまいっております。四十二年の成績ではかなりいい成績をあげておりますので、こういう面も十分活用いたしまして、両面から穴を埋めてまいりたい、こういう方針で進めております。
#130
○柴田分科員 労働災害でも七十万余り、交通災害でも八十万、一般の人間が必然的な体質から受けるいろいろな病気、また産業公害といういまの産業病といわれるいろいろな形の中から病人がふえておる。人口一億の皆さんのうち、完全な健康体というのは二割しかおらぬ。あとはほとんどどこか悪いのではないか。目が悪いか、歯が悪いかということで、八割ぐらいはどこか悪いのだ、こういわれておる。日本の現状から見ると、そういういろいろな患者の数が年々減ってない。もう膨大に伸びておる。こういうことからいうと、やはり厚生省は、それに即応する体制というか、看護婦体制を十分やってもらいたい。こういうことを十分お願いして、時間が参りましたから、じん肺の問題やハンセン氏病の問題をお尋ねしようと思ったのですが、これで終わらしていただきます。
#131
○竹内主査代理 次に、唐橋東君。
#132
○唐橋分科員 公害対策の重要性については、いまさら申し上げるまでもございませんが、時間がありませんので、その中で弗化物の問題を取り上げましてお伺いしたいと思うわけでございます。
 昨年の十月二十五日の読売新聞に、「不気味な弗素公害」ということで、「昭和電工喜多方のガスで、米から普通の三倍、蓄積すれば骨硬化症に、」こういう記事が発表されまして、地元住民に非常な衝撃を与えたわけでございます。もちろん、この内容等につきましては、その研究に当たりました福島医大の関係者から、おおよその内容がわかりまして、人体に影響はない、あるいはまた少ない、こういうような内容が発表されたので、非常に落ちついてはいるわけでございますが、しかし、この弗素に対する心配というのは、あとでも申し上げますが、長い間この地方における農作物の関係で大きな被害を受けていたわけでございます。農作物が被害を受ければ当然人体にも影響があるのではないか、こういう心配が基底になりまして、いま申し上げましたような衝撃を与えたわけでございます。したがいまして、私が第一にお伺いいたしますことは、どのような生産工場――アルミだけでないと思います。どのような生産工場が弗化物を出すのか、そうしてそれは今後増加の傾向にあるのか、こういう点について、全体的な問題としてまずお伺いいたしたいと思います。
#133
○矢島説明員 弗化水素はアルミニウム製錬工場において出るわけでございますが、もっと具体的に申し上げますと、アルミニウムには、最初アルミナの工程がございまして、それからさらに、アルミナから電解によりましてアルミニウムをつくるわけでございますが、その前段のアルミナをつくるまでの段階においては全然問題がないわけでございます。アルミニウムにする段階でもって、従来から、先生御指摘の喜多方工場のみならず、他の地域においても、弗化水素が出るということで種々問題がございました。通産省としてもいろいろ対策を考えておるわけでございます。
 それからもう一つ、こういうものの生産の増大傾向という点を御心配のようでございますが、確かにアルミは基礎資材でございまして生産は漸次増加しているわけでございまして、現在の工場だけでは足りないので、あるいは北海道、あるいはほかの地域とかいうように、新しい工場ができておるわけでございます。それについてはそれぞれ対策を講じてまいりたいと思います。
#134
○唐橋分科員 アルミ製造だけでなしに、やはり燐酸肥料あるいは窯業、さらには石炭の中にも八五ないし一一五PPMの弗化水素がある、こういうような報告があるわけでございますが、そうしますと、この弗素に関する公害というのは非常に重視すべきものではないのか、こういうように私は考えるのでございます。問題の本質は、それよりももっとあとの人体への影響等についてお聞きしたいので、その点の質問は省略いたします。
 ただ、もう少しお伺いしたいのは、いまの御答弁にありましたように、これは福島だけでなしに、静岡の日本軽金属あるいは愛媛の住友というように各地に出ておると思いますが、その実態をもう少し明らかにしていただきたい。
#135
○矢島説明員 御指摘のように、喜多方だけでなくて新居浜におきましてもそういう問題が生じておりますし、それから古くから日本軽金属の蒲原工場等について問題がありまして、農作物に被害を与えている事実があるわけでございます。ただ、アルミニウム製造法につきましては、まず製造方法が逐次進歩しておりまして、従来のプリベーグ方式におきましては弗化水素の問題が問題でございますが、新しいほうのゼーダーベルグ方式だと比較的弗化水素の問題が少ないのであります。新設工場につきましては、方式の違いもございますし、さらに公害防止の施設を、弗化水素防止の施設がいろいろございますが、そういうものを当初の段階でつけることによりまして、たとえば従来蒲原なら蒲原というようなところであったような問題を、未然に防止するようなことが漸次できるような方向になっておると思います。
#136
○唐橋分科員 いまの御答弁の中にもありましたように、人体への影響という前に、この弗化物の問題は農作物に大きな問題が出てきておると思うわけであります。御承知のように、弗化物はごく微量であっても、多種類の植物に蓄積されて障害を起こす、あるいは枯死させる。したがって養蚕、畜産にもやはり影響を及ぼす、こういうことがやはり各地に起きておると思うのでありますが、これらの実態については、農林省はいままでにどのような把握をされておるのか。農作物の被害等について、概要でございますので農林省側からお聞きしたいと思います。
#137
○田所説明員 ただいま先生の御質問の農作物に対する被害の問題でございますが、弗化水素の被害というものは、煙突から弗化水素が出て農作物をおかすわけでございますが、そのときの稲の生育状況なり気象状況によりまして、被害の範囲なり程度が非常に違っております。それで、現在まで農林省のほうで弗化水素によります被害ということにつきまして報告をとっておりますが、面積的に申し上げますと、あまり大きな面積ではないわけでございます。個所的に申し上げますと、きょう問題になっております福島の喜多方のアルミ製造工場というものによります被害というものが、昭和四十二年度は約二十六ヘクタールということが県のほうから報告が参っております。それから長野の大町市で約五ヘクタール程度。それから先ほどお話に出ました静岡県の蒲原町が約三十ヘクタール、それから富士川町が約二十五ヘクタールということであります。それから新潟市で約三十一ヘクタール。それから富山の婦中町、これは日産化学の関係でございますが、これはわりに大きいのですが、約百二十ヘクタール。それから埼玉の美里村で大体三ヘクタール、滋賀県の高月町で約十二ヘクタール、静岡市で約一ヘクタール、愛媛県の新居浜市で、ちょっと数字は覚えておりませんが、たしか三百ヘクタールだったと思いますが、被害の報告を受けております。これに対しましては、それぞれ地元におきまして対策委員会がございまして、企業のほうといろいろ相談をして、大体補償をしてもらうというようなことをやっております。
#138
○唐橋分科員 いまお聞きしたように、数字の内容等についてはいろいろ取り方もあると思います。いま御答弁にもありましたように、喜多方の工場の場合に、対策委員会を持ちましてその処理をしておるわけでございますが、過去三年間の状態を見ても非常に大きなものがございます。
 そこで、いま面積だけを見ましても、昭和四十年度には百三十九ヘクタール、四十一年には百二十五ヘクタール、四十二年は少なくて二十四ヘクタール。端数は切り捨てますが、そういうような状態でございますが、そういうふうな内容は別といたしまして、農林省として、いままでこういう地域に対して、報告を受けるだけでなしに、何か対策を立てたことはあるのですか。特に弗素の場合は養蚕が非常に問題になるわけでございまして、喜多方の場合などは、転作指導の中で転作して一応解決しておるわけでございますが、ただ報告を受けておるというだけにすぎなかったのですか。それに対していままでどういうような施策をしたのですか。
#139
○田所説明員 大体県のほうの局地的な被害でございまして、いままで大体被害報告を受けるということで、あとは県と地元と会社という関係でその対策その他について大体処理してきておりますが、しかし、必要に応じまして、国のほうからもそういう調査に対しますアドバイザーと申しますか、対策その他につきましては、県の要望に応じまして、農林省の専門家が行きまして、いろいろ指導するというようなことをいたしております。
#140
○唐橋分科員 具体的な指導内容等はお聞きする時間がありません。したがって次に、先ほど新聞でのことを申し上げましたが、注目される有害作用ということで、人体に対する影響ということが地元民に対して非常に不安を与えておる、こういうことでございます。弗素の害を医学的に見た場合に、どのような症状を呈することになるのか。この点をひとつ、現実このぐらいの程度だということでなしに、弗素ガスによる人体への影響あるいは家畜に対する影響とか、それから蓄積されたものに対して、これを人体に吸収した場合にはどのような影響になるのか、こういうような点について、概括的でけっこうでございますので、お伺いしたいと思います。
#141
○金光政府委員 弗素の障害でございますが、一つには、弗化水素のガスに皮膚がさらされますと、皮膚の刺激作用が起こるわけでございまして、それも痛みが伴いますし、ひどくなりますと、かいようも生ずるということでございます。その他目の結膜炎等も、あるいは呼吸器の炎症も起こすということでございます。それから、この量が非常に多くなりますと、たとえば五〇PPMぐらいの濃度になりますと、三十分から一時間で致命的にもなるということでございます。それから慢性障害といたしましては、骨の過剰増殖と申しますか、骨の障害を起こすということと、肝臓あるいはじん臓の障害を起こすというようなことでございます。大体以上のようなことでございます。
#142
○唐橋分科員 わかりました。先ほど申しましたように、福島医大の公衆衛生学教室が、昭和電工の喜多方工場を中心として研究されたのが日本の公衆衛生学会において発表されておる、こう聞いておるわけでございますが、この弗素の問題を公害の立場から研究されたということについては、非常に高く評価していいと思うのです。こういうような研究はいままでなかったんですか。
#143
○金光政府委員 学問としては若干の研究はございますが、地域全般といいますか、一つの工場を中心としましていろいろな角度から研究したという研究結果というものは非常に高く評価されています。
#144
○唐橋分科員 この研究の中で問題になりますのは、植物の体内に漸次蓄積されていく、これを非常に重視しなければならないわけだと、私はしろうとでありますが、考えられるわけです。あの地方でかつて養蚕が全滅した。何か桑の葉に弗素ガスがついているんじゃないか、こういうようなことが、しろうとなりに考えられたんですが、今度の調査等において、桑の葉の中に含む弗素量が飼料として適するか、あるいはそれはどうなのかといういわゆる安全レベルの問題等について、数字等も一応出されたということで、非常に明るい見通しを持っておるわけでございますが、ただ、それが米に含まれてきた場合はどうなんだというようなことについての研究は今後の研究にまつ、こういうようになっておるわけでございます。このように、長期に継続約にこの対策が必要である、こういうような性質のものだと思います。公害全体にはこのような特質があるわけでございますが、長い間に体内に蓄積されるのが一番問題だと思うわけでございます。これらの点について、弗素もやはり継続的な調査ということを厚生省は今後取り上げておやりになる計画がありますかどうか伺いたい。
#145
○金光政府委員 ただいまの御説明のように、弗素の害というのは、弗素のガスにさらされるという問題と、それに加えまして、食べ物から入ってくるという問題もあるわけでございます。したがいまして、こういった問題につきましては、今後積極的に研究体制を進めてまいりたい、かように考えております。
#146
○唐橋分科員 いま申し上げました報告書の中には、学童の発育に及ぼす影響、それから生体に及ぼす影響等が相当調査され、特に従業員関係の健康、工場従業員の診断等も綿密にされていましし、幸いに現段階においては大きな影響は出ていない、こういうような結論が出ておりますので、非常に喜ばしいことでございます。しかし、研究報告書の結論として次のように述べてあるのであります。「農作物への年次的な蓄積増加の監視を第一とし、次いで飲料水への汚水追及及び大気汚染濃度の自動的な監視機構の確立ができれば、大気中の数PPM程度の弗素濃度レベルの生体への有害性は否定できよう」こういうようにこの研究は報告しておるわけでございます。この結果を見ましたときに、初めて長い問農作物の被害の中にさらされておりましたあの地方の人たちは一応安心したわけでございます。しかし、この結論を見てみますと、前段は一般住民に対しての問題とも考えられますし、後段は特に工場従業員に対してのものとも受け取れる結論だと思いますが、この結論の上に立って、今後の対策として次のことを私はお伺いしたいわけでございます。
 といいますのは、具体的にこのように学問的にも学術的にも研究に着手され、そうしてあの地方の住民の大きな不安と、それと同時に何かやはり科学的な解明の上に立つ期待というものがあるわけでございます。したがって、大臣、全国的な問題ですから、何も喜多方だけという問題ではございませんが、しかし、いま申しましたような喜多方の地域も含めて、特に喜多方の地域の問題としていま申し上げたような状況もございますので、これは早急に計画を立てていただいて、そうして四十四年度におきましては、その計画の中で、実地調査していただけるかどうか。このことが一つ大きなポイントとして、あの地域の人たちの不安解消の問題の第一着手になるわけでございます。ひとつその点についてお伺いしたい。
#147
○斎藤国務大臣 ただいま伺いまして、なかなか重要な問題だと考えます。したがいまして、いままでやってまいっておりました各種のやり方を、厚生省当局、あるいは地元の方々、あるいは学界、それらもさらに十分詳しく私も話を聞きまして、そしてこれが最善だと思う方途を見つけて、御安心のいくようにいたしたいと思います。
#148
○唐橋分科員 このことは、厚生省の問題だけでなしに、特に農林省も一つの大きな研究テーマではないかと思います。厚生省と一緒になるか、あるいは農林省独自でやるかは別といたしまして、やはり農林省も年度当初に計画を立てて、その調査に資する、こういうようにひとつ明確にしていただきたいのですが、いかがですか。
#149
○田所説明員 私ども試験研究の担当でございませんので、ただいま先生のおっしゃいましたことにつきまして、技術会議のほうと十分連絡をとりまして、できるだけそういう線に沿うように努力してまいりたいと思います。
#150
○唐橋分科員 それともう一つは、いままで述べたわけでございますが、一回の調査ではやはりこの種のものはできない、こう私は思いますので、必ず長い間かつ継続的な調査が必要になるということは、常識的に考えても明らかであると思うわけでございます。したがって、この地域を何らかの指定した形で長期的、継続的な弗素公害の研究地域にしていただけないか、このことをひとつ方針としてお伺いしたいわけです。
#151
○金光政府委員 御説明のように、かような調査はなかなか一回というわけにまいりませんので、必要な範囲におきましてできるだけ続けてまいりたい、かように考えております。
#152
○唐橋分科員 と同時に、出た結果は、長期にわたりますので、そのつど県や市当局と密接な連絡を持ちながら、もちろん工場も加えて連絡しながら、対策のできるものから着手していくという姿勢が大切ではないか、こう考えますので、くどいようですけれども、それらについてもひとつお伺いしたい。
#153
○金光政府委員 この調査は県と共同でやるという形になると思いますので、そういった点は、対策の面におきましても十分生かすようにしてまいりたい、かように考えております。
#154
○唐橋分科員 問題になりますのは、工場従業員の健康管理というのも大きなものだと思います。これはあのガスの濃度の強い中で作業しておる人たちでございますから、これらに対する研究結果等も報告されておりますが、幸い現在のところ健康に異常は認められないという喜ばしい結果が出ておるわけでございます。しかしその中で、私、専門でないからよくわかりませんが、変形性膝関節症の有所見者が十五年以上勤続の者で二九・三%に至った、このような内容の報告があるわけでございます。したがいまして、これは従業員の健康管理という重要なテーマの一つの問題ではないか、こういうように考えますときに、予防手段として従業員の健康管理ということが大切だと思うわけでございます。これら労務管理上の指導については、担当官のほうの具体的な方針をお伺いしておきたいと思います。
#155
○伊集院説明員 ただいま御指摘のとおり、同工場におきまする弗素ガスの予防のための健康管理は非常に重要だと心得ております。で、同工場におきましては、四十二年以来、労働衛生特別管理指導事業場として指定いたしまして、その対策につとめております。最も根幹といたしましては、弗化水素の濃度の強いガスが作業場で飛散いたさないようにいたすことだと存じております。そのために、局所廃棄装置あるいは全体換気装置等の技術的な指導もあわせて行ないまして、濃度が三PPM以下になりますようにいたしております。
#156
○唐橋分科員 あまり時間もありませんので、この辺で質問を集約したいと思いますが、いま濃度の問題が出ました。それらに関連して、福島医大の研究の結論として、大気汚染濃度の自動的な監視機構の確立が重要であろう、こういうような結論をこの施設あるいは運営について出しておるわけでございます。このことにつきましては、いま濃度の問題と同時に、現在の工場自体も相当の経費にて設備の改善に着手されておるようでございますし、これらの点については工場側の努力も十分了解できますが、この報告にある大気汚染濃度の自動的な監視機構、こういうことがやはりできるだろうか。これは専門的分野にわたるかもしれませんが、もしこれができていくとするならば非常にありがたいことであり、またそういう点について努力すべきことであると、こう思うのでございますが、この点についてはどうですか。
#157
○伊集院説明員 事業場内の場合におきましては、検知管という簡単な測定器がございます。それによって、必要なつど詳細に、必要な場所につきまして測定いたすように指導いたしております。
#158
○唐橋分科員 そういたしますと、いまお答えのように、この自動的な監視機構というのは、そうめんどうでなく設置できるのですね。
#159
○伊集院説明員 工場内の場合でございますと、検知管を使いますことによりまして――検知管は自動装置ではございません。人間が操作をいたしますが、その限りでは工場内では可能でございますので、現実にやっております。
#160
○唐橋分科員 私はこれで質問を終わりますが、ひとつ大臣に要望を申し上げて、御意見を聞いて質問の締めくくりとしたいのでございます。先ほど申し上げましたように、喜多方工場の場合は非常に住民の不安が高まった時期でございます。ですから、その時期をとらえて、弗素公害に対する対策を樹立していただくということが、あの地域における公害防止の第一の着手でないか、こう考えますので、先ほど御答弁もいただきましたが、早急に研究体制、調査体制を整備していただき、特に農作物関係等の研究体制もあわせて整備していただくと同時に、工場の健康管理ということについても十分なる配慮をいただくということを要望したいわけでございます。これに対する大臣の総括的な御所見を承りたいと思います。
#161
○斎藤国務大臣 ただいまお話しを伺っておりまして、この問題は通産省、労働省等もそれぞれ関係を持つようでございます。ことに地元である県当局も熱心に考えているのじゃないかと私は察しますが、私のほうからも地元の県当局にも十分連絡をいたしまして、そして県当局を中心にして、必要な援助を厚生省、通産省あるいは労働省あたりからやってもらえば一番うまくいくんじゃないか、さように考えます。したがいまして、唐橋先生におかれましても、県当局にもさらによくお伝えをいただきまして、中央、地方一緒になってやっていただきたいと存じます。
#162
○唐橋分科員 終わります。
#163
○竹内主査代理 この際、本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時五十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時五十五分開議
#164
○赤澤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。内藤良平君。
#165
○内藤(良)分科員 大臣、ぼくは精神薄弱関係にしぼってお話ししたいと思うのですが、これは全国でいま大体五十万人くらいおるという概算ですね。そのくらいにいわれております。私は秋田でございますけれども、秋田でも五千七百人くらいはおる。ところが施設でいろいろ恩恵を受けているのは三百五十人くらいだという。大体これは間違いないのでございますか。
#166
○渥美政府委員 精神薄弱児の実態につきましては、昭和四十一年に調査をいたしました。いま仰せのように、厚生省のサイドにおきまして何らかの施策が必要であるという方々が約五十万人、こういうふうになっております。その中で施設に入所を必要とする方々の数はそれぞれ非常に多いわけでございます。子供につきましても、おとなにつきましても多うございまして、施設の現状はこれに伴っておりません。したがいまして、秋田県の数字、これはまだ調査しなければわかりませんが、はなはだ施設と入所希望者とのバランスは欠けておる、かように考えます。
#167
○内藤(良)分科員 それで大臣、ことしの精薄関係の予算は四十一億一千八百万何がしということですけれども、中で、昨年との比較を見ますと、マイナスになっておるのがあるのですね。国立の症心身障害児施設の運営費、これはマイナスです。それから心身障害児コロニー施設の整備費等、これもマイナスになっている。在宅重症心身障害児の特殊寝台貸与費、これは昨年と変わりない。それから同じように、在宅の重症心身障害児の訪問指導費これも昨年と変わりない。ということは、結局、予算の伸びから見ますと、実質的には下がっておる、マイナスになっておる、こういうことでしょう。そうなりますと、この項目から見ましても、マイナスになっておりますのは四つです。この本によって私見ているのですけれども、だいぶ昨年の予算から見ても減になっておるというぐあいに考えられるわけです。そして、いまお話しのように、心身障害、精薄関係の方はたくさんおられて、なかなか対策というものは実際的には進んでおらない。精薄の現状とこの予算の実態というものは、どういうぐあいに説明してやればいいのですか。
#168
○渥美政府委員 いま御指摘をいただきました、たとえば国立の重症心身障害児施設運営費というのがございますが、これは具体的には肢体不自由児協会に委託しておりまする国立重症心身障害児の施設にかかわる予算でございます。昨年で整肢療護園のベッドが八十ベッド整備されました。したがって、このような整備費が落ちておるというふうなことでございます。
 また、心身障害者コロニーの施設費でございますが、こういった経費につきましては、やはり工事の進捗状況、そういった点ともからみましてマイナスになっておるということでございまして、総体的に申し上げまするならば、昭和四十三年度におきまして重症心身障害児対策が三十億であったものが四十一億、三四・四%も伸びておるというのが現状でございます。したがって、決して精神薄弱児対策あるいは重症児対策を軽く見ておるわけではなしに、むしろ非常な重点を置いておる、かように考えておるわけでございます。
#169
○内藤(良)分科員 ちょっと、これは私この数字だけで反論したいのですが、伸びておるのは重症心身障害児施設の運営費であって、四十三年度が六億二千四百万のものが十一億六千万、倍ぐらいになっておる。これは施設の運営費でしょう。施設としては、現実にわが国内の精薄の実態から見るとさっぱり進捗がないのじゃないか、こういうぐあいに私ども受け取ったのですが、この点はどうですか。
#170
○渥美政府委員 御指摘の重症心身障害児施設の整備費でございますが、これは四十三年度におきましては、国立の療養所に八百八十床を整備したわけでございますが、四十四年度におきましては九百六十床というふうに伸びておるわけでございます。また障害児の施設の運営費というのがございますが、これは昨年に比べますとはるかに伸びておることは、ここでもおわかりいただけると思います。
#171
○内藤(良)分科員 だから、運営費が伸びておることは、これは確かに六億くらい伸びておるわけですね。昨年の三十億がことしは四十一億。けれども、この中の六億円程度は運営費が伸びているのでありまして、精薄の皆さんを収容する施設関係はさっぱり伸びがないのじゃないか、こういうぐあいに詰問したいのですけれども、それはどうですか。
#172
○渥美政府委員 精神薄弱児対策の中できわめて重症の人に関する予算につきましては、いま申し上げましたように、四十三年度の三十億が四十一億、三四%伸びておりますし、またそのほか精神薄弱児対策といたしましては、中度あるいは軽度あるいは重度、いろいろな症状を持つ精神薄弱児がおられるわけでございまして、そういった関係の予算も含めまして非常な伸びを示しておる、こういうふうなことに相なるわけでございます。
#173
○内藤(良)分科員 それでは、重症心身障害児施設の整備費が昨年は八百八十ベッド、これがことしは九百六十ベッド、八十ベッドが伸びている、こういうぐあいになっていますけれども、この八十ベッドは変わりないでしょう。私の計算が間違っておりますか。
#174
○渥美政府委員 国立の療養所に設置いたしますベッドは八十ベッドの伸びでございますが、このほかに、社会福祉施設の整備の一環といたしまして、重症心身障害児施設を県立あるいは公法人でおつくりになるという場合に対する補助金は、これは各種施設を合わせまして三十六億が四十三億、こういうふうに補助金のほうは伸びておるわけでございます。
#175
○内藤(良)分科員 ベッド関係ですけれども、うちの秋田県から出てきた要請によりますと、秋田の関係だけでも国立療養所のベッド――これは秋田県における重症心身障害児の実態調査の結果六百八十三名がおる。これに対して国立の秋田療養所に十八のベッドの割り当てがある。それから国立の釜石の療養所に十二名、島田療育園、秋津療育園その他の施設に委託収容中の者を加えても八十四名にすぎない。残りの五百九十九名は暗い在宅指導を続けておる。この中でも、特に緊急に施設に収容しなければならない者は七十八名と秋田県では見ておるわけであります。こういうぐあいに見てまいりますと、そういう中で、特に四十四年度だけでも、秋田県の場合に限りましても、四十ベッドぜひともほしい、こういうぐあいに言っておるわけです。ところが、全国的に見て八十ベッドということになりますと、あまりに実態と違い過ぎる厚生省の対策じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#176
○渥美政府委員 重症心身障害児施設のベッドの拡充の問題につきましては、私どもの調査によりますと、そういった子供さんあるいはおとなの人が、全国で一万六千五百名くらいいらっしゃるわけでございます。したがいまして、昨年から新たに七カ年計画をもちまして、こういった方々全員の収容を目的といたしまする整備計画をつくっておりまして、それを実施に移しておるわけでございますが、その数字でいきますと、昭和四十三年度末におきまして、国立及び県立あるいは社会福祉法人のような法人立、合わせますと、全国で四千三百六十九床に相なるわけでございます。あと六カ年の予定におきまして、これら全員を収容する計画を進めておるわけでございます。したがいまして、秋田におきましても、まだ確かに御不満な方がたくさんいらっしゃると思いますが、この計画に沿いまして逐次収容をしなければならない、かように思っております。
#177
○内藤(良)分科員 簡単に申しますと、秋田の場合ではいま四十ベッドほしい、ところが国では八十ベッドしかない、こういう関係になるのですか。だからどの程度割り当てになるものか、何分の一といいますか。
#178
○渥美政府委員 八十ベッドというのは、四十三年度と四十四年度を比較いたしまして、国立の療養所における増加の数でございまして、四十四年度におきましては全数が九百六十床ふえるということでございますので、九百六十床の配分につきましていろいろと検討を重ねていきたい、こういうことでございます。
#179
○内藤(良)分科員 九百六十ふえるのですか。
#180
○渥美政府委員 さようでございます。
#181
○内藤(良)分科員 九百六十ふえるとすると、そのうち、秋田に例をとると四十の要望がある。こういうのが全国からずっと集まってくる。それを見て配分をする。そうすると、大体要望は全国的にまとまっておるわけですね。大体何%ぐらい要望にこたえることができるのですか。
#182
○渥美政府委員 先ほど申し上げましたように、全国の数は一万六千五百ベッド必要なんでありまして、昭和四十三年度末におきまして四千三百六十九床が整備されるわけでございますので、一万二千百三十一床というものが昭和四十四年度以降整備されなければならないわけでございます。したがいまして要望と現状とは相当差がある。各都道府県ともこういう施設につきましての要望は非常に強い。したがいまして、九百六十床の配分につきましても、実情をよく見きわめまして、緊急と考えられる療養所に整備いたしたい、こういう検討を続けておるところでございます。
#183
○内藤(良)分科員 これは私はまた聞きですから、間違っておるところがあるかもしれないけれども、渥美さん、あなた、どこかの席上で、わが国の精薄関係の対策は外国に比べて十五年くらいおくれているのじゃないか、これを私の任務としてあと十年くらいでひとつ追いついて見せたい、ことに重症の心身障害児あるいは者に対しては七年くらいで施設に収容する、こういうことを御発言になったことがありますね。
#184
○渥美政府委員 あります。
#185
○内藤(良)分科員 それによって年次計画として五カ年計画とか七カ年計画のようなものは立てておるのですか。
#186
○渥美政府委員 重症心身障害児施設の整備につきましては、先ほども触れさせていただきましたように、昭和四十三年度から昭和四十九年度に至る七カ年の計画を樹立いたしまして、この計画に基づいて整備いたそう、かように考えておるところでございます。
#187
○内藤(良)分科員 それでぼくも、まあ、これはいわばしろうとのようなものですから、いろいろ調べてあるのですけれども、結局は、重症の精薄の場合、療養の関係もありますし、それから教育といいますか、そういう面も出てくるのですね。結局、医療と訓練と教育といいますか、こういうものが総合されなくちゃならぬのじゃないか、こういうぐあいに私たちも心得ておるわけですけれども、そういうものをやるためには、コロニーというものが一番適切なわけでございましょう。そこら辺をひとつ承りたいと思います。
#188
○渥美政府委員 先生御承知のように、精神薄弱児と称するものは、知能指数がおおむね七五以下のものでございます。一括して一応精神薄弱と称するわけでございますが、その精神薄弱の症状におきましても、IQ、知能指数が非常に低い者と、それから比較的高い者と、いろいろな状態を示すわけでございますので、そういった状態に応じまして、施策を講じなければならないという大きな問題がございます。したがいまして、教育が可能である方につきましては、特殊学級あるいは養護学校等において教育をする場合もございますし、あるいは教育が不可能でありますような知能指数の非常に低い者につきましては、施設に収容いたしまして生活の訓練をするというふうなことも講じておるわけでございます。
 いま御指摘になりましたコロニーと称するものにつきましては、比較的症状が重度でありまして相当長期間訓練なりを要する方々を対象としての、まあ生活協同体というふうなことで考えておるところでございます。
#189
○内藤(良)分科員 これはやはり各県からも相当の要望があるんでしょうか。ぼくたちの秋田県でも、こういうコロニーの計画を持っておるようでございますけれども、先ほど来のお話を聞きますと、全国的にはたいへんな対象者がおって、政府の施策も必ずしも十二分じゃなくて、ほとんど不十分な状態でしょうけれども、その中でも、地方の盛り上がりに応じて国では適切な援助をしてどんどん政治を進めていく、そういうような体制になっておるんでしょうか、その点をちょっと承りたいと思います。
#190
○渥美政府委員 コロニーという施設体系の中に収容し、訓練をするという必要ある精神薄弱者の方もいらっしゃいますし、あるいは一般の精神薄弱児施設あるいは精神薄弱者の施設、あるいは精神薄弱児の通園施設という体系の中で訓練をする必要がある人たち、各種あるわけでございます。
 いま申し上げました、重度であり、かつ、比較的長期間訓練が必要である、こういった方々に対します対策といたしまして、コロニーという施設体系が考えられなければならないと思います。こういったコロニーにつきましては、現在すでに国立のコロニーの建設に取りかかっておりますが、同時に、幾つかの府県におきまして、このような構想のもとに施設の建設に着手し、あるいは一部開所し、あるいは計画中というふうなところがございます。
#191
○内藤(良)分科員 もう少しで終わります。
 そこで、大体この予算関係であと簡単に聞きたいことは、現地でこういうことをやっておられるのは、相談所、福祉事務所、それから婦人児童課ですか、まあ、大体このくらいになりますか、この関係、特に相談所と福祉事務所の関係、これが、私たちの調べの段階では、どうも必ずしも十二分にそれぞれの機能を発揮しておらぬのじゃないですか。その原因はなかなか私たちもいま簡単につかめませんけれども、そういう点につきましても、直接何かお調べになって、こういう点が隘路になっておる、人員とか予算とかという何か具体的なものをつかんでおられますかどうですか。もしございましたらひとつ。
#192
○渥美政府委員 精神薄弱児あるいは精神薄弱者に対しまする地方の機関といたしましては、御指摘のように、児童相談所あるいは精神薄弱者更生相談所、福祉事務所等がございます。どこの行政機関におきましても、最近のこのような対策が相当進行しておりますために非常に手薄になっておる、そのようにも考えております。したがいまして、このような行政機関において働く人たちの職員の増員というものが必要と思います。そういった意味におきまして、たとえば社会福祉事務所におきまして、交付税交付金によりまして職員をふやす、こういうふうなこともやっております。
 それから第二といたしまして、たとえば児童相談所におきましても、精神発達の判定につきましては非常に苦慮しているところでございますので、昭和四十四年度におきましては、こういった児童相談所におきまして精神発達の判定を充実するために予算措置を講じたところでございます。
#193
○内藤(良)分科員 これで終わりますけれども、あともう一点か二点ぐらい発言させてください。
 それから、在宅の方々を訪問指導するというやつですね、これがどうも現地の場合においてはなかなか実施されないのじゃないか。されておらない。これは予算の関係から見て、予算が十分でないのかどうか、その辺までぼくらわかりませんけれども、事実的にはなかなか在宅者を指導してやるということはどうも行なわれておらぬという声が強いのでありますけれども、そういう点をどういうぐあいに改善されるか、何か具体的なお考えはございませんか。
#194
○渥美政府委員 率直に申し上げまして、精神薄弱者に対する訪問指導というものは非常に多忙をきわめております。てんてこ舞いと言ってもよろしいかと思います。そういった観点から、先ほども申し上げましたように、関係機関の職員の増加をはかっていくというほかに、昭和四十三年度から、民間の方々に精神薄弱者相談員という職務についていただきまして、四十三年度におきましては二千人でございますが、そういうふうな民間の有志者活動を通じまして、訪問指導といいますか、相談指導の実をあげたい、かように思っております。
 なお、この精神薄弱者相談員につきましては、昭和四十四年度においてはさらに一千名をふやすという予定にしております。
#195
○内藤(良)分科員 これで終わりたいと思いますけれども、大臣に一言だけ。
 非常にこの精薄の関係の対象者といいますか、おるのですね。一番のあれは、子供を持った親の場合ですが、悲惨な状態なんですね。だから、うちの秋田県の場合でも、五千人ぐらい放置されているようなかっこうです。全国では何十万でしょうけれども、これをひとつやはり具体的に、いまの局長のお話では七カ年計画でやっているということですけれども、もう少しスピードアップしなければ、しかもどんどんやらなければ、まあ経済は高度成長しても、こういうものじゃさっぱりということでございますと、私はやはり政治じゃないと思うのですね。だから、これは、ぼくら社会党の立場でふんまんをぶちまけるというよりも、そういう方をかかえておる国民、両親ですね、この方の気持ちをくみ上げて、急速に、早く、それこそ強化策を実施すべきじゃないかと思うのです。そこで、いろいろなけなしの金をはたいて民間のものをやったり何かしておるわけですけれども、どうしてもやはりこれは国の力でなくちゃできぬと思います。だから、まありっぱな方々あるいは人並みの心身を持っておられる方々、特にこれは――とにかく、生まれてきちゃったのですから、生まれたものをいまさら殺すこともできないのですから、どうしてもこれをしなければならぬ。そこで、小さいうちから、やはりいろいろ医療関係なりあるいは教育なり訓練をした場合には、まだ社会にも若干の貢献もできるんじゃないか、こういうぐあいにいわれていることは十分御存じでしょうけれども、そういう点をもう少し拍車をかけて積極的にやるべきじゃないか、こう思います。そういう国民の気持ちを代弁して、大臣にも一言御答弁をいただきたいと思います。
#196
○斎藤国務大臣 けさほども他の委員の方にお答えいたしたのでございますが、こういう身障者対策は非常に日本はおくれています。厚生省としては重点施策として大いに進めていかなければならない、かように考えております。ことに、幼児の間にこれを予防する、あるいは訓練をして重症にならないようにするということをとりあえず急がなければならないと思いまして、来年度予算にも特にその点に重点を置いております。
 それから施設の点は、局長が申し述べましたように七カ年計画で拡充をいたしておりますが、施設をつくるのは金さえあればできるわけでありますけれども、、実際問題としてこれを介護する人たちの養成ということがなかなか困難でございます。実際施設をごらんになったと思いますが、あそこでほんとうに働いていただける人を養成をするということは、金があったらできるという問題じゃない。それと見合ってまいらなければなりません。しかし、それも急ぎながら、まあ七カ年計画なら何とかしてできるのじゃないだろうかということで計画を立てております。われわれとしましては、心は先生と同じように非常にせいておるわけでございますので、御了承いただきたいと思います。
#197
○内藤(良)分科員 終わります。
#198
○赤澤主査 樋上新一君。
#199
○樋上分科員 大都市に対する人口、産業の過度集中に伴いまして、各種の公害の激化をはじめとし、水道、医療機関、社会福祉事業の問題など、都市住民の生活環境の上で改善すべき点が多々あると思うのでございます。きょうは、時間の関係上、二、三の問題に集中いたしましてお伺いしたいのですが、特に京都市に関する要求なども中に織り込みましてお伺いいたしたいと思うのです。なるべく重複を避けたいと思いますが、けさほど来の中で重複する部分もあるかもわかりませんので、その点御了承願ってお答え願いたいと思うのであります。
 まず、国鉄側の方にお伺いいたしたいと思うのです。身体障害者の福祉行政についてお伺いするのですが、現行身体障害者福祉法による第二種に対して適用されているものは日本国有鉄道運賃の五割引きについてが一つであります。この利用度と、また国鉄バスの利用区分、そういうことについて伺いたいと思います。
#200
○大久保説明員 運輸省の業務課長の大久保でございます。
 ただいま先生のおっしゃいましたのは、身体障害者の割引実績はどのくらいになっておるかという御趣旨だと思いますが、たいへん恐縮なんですが、いまちょっと手元にその数字を持ってございませんので……。
#201
○樋上分科員 それでは国鉄のパス利用区分、距離、またバス、これは違うのでしょう。それをお伺いしたいのです。
#202
○大久保説明員 バスの利用区分とおっしゃいますと……。
#203
○樋上分科員 もっと具体的に言いましょう。国鉄の無料パスですよ。それと国鉄バスの二つ。その無料パスを第二種の身体障害者は国鉄の百キロ以上のところに利用できるのでしょう、それからバスの場合には何キロでも利用できるのですね。そこで私の言いたいのは、その利用が主になっている国鉄で百キロ以内でも利用できるようにしていただきたい。むしろその利用は遠距離じゃない、身体障害者は近いところは汽車を利用するので、百キロ以内だったらそれを使えないというのですね。国鉄バスの場合だったら距離は制限がない。この点、利用される価値の一番あるところでなぜ国鉄は百キロ以内は利用させないのか。
#204
○大久保説明員 失礼しました。先生御指摘の点はよくわかりましたが、現在国有鉄道運賃法におきまして、御指摘のように、身体障害者に対します割引ということをやってございます。しかし、それは法律上は、単独では旅行が非常に困難な身体障害者、介護者を必要としなければ旅行ができないような方々に対しまして、身体障害者と介護着双方について五割引きといたしておるわけでございます。
 先生御指摘の、百キロ未満につきまして割引がないではないかという点ございますが、いま申し上げました法律上の要件を満たす身体障害者につきましては、その距離の制限はございません。
 それから百キロ以上のお尋ねございますが、それにつきましては、国有鉄道がまだ非常に裕福でありました時代に、身体障害者福祉対策の一環といたしまして、法律上の義務はないのでございますけれども、単独でも旅行されるような軽度の障害者につきまして、自発的に百キロ以上につきまして五割引きといたしておるわけございます。
 それから、バスの点につきましてでございますが、バスは御承知のように百キロをこえるものというものは非常に少のうございますし、それも任意的に、自発的に国鉄が割引をいたしておる、こういう関係になってございます。
#205
○樋上分科員 わかりました。じゃ、いま私の言いました法律的な問題を、適用範囲をよく考えてもらいたい、こういう要求をしておきます。
 今度は税金の問題であります。身体障害者に対する三百六十二号についてお伺いするのですが、主計官、おいでになりますか。――それでは、時間をせきますからこちらから言いますので、答えていただきたいと思います。
 身体障害者の物品税、所得税の免税措置についてです。これは現行、自動車運転免状のない者は免税されない、こういうことになっておりますが、間違いありませんか。
#206
○田辺説明員 お答えいたします。
 ただいま物品税法上の身障者に対します特別の措置は、もっぱら自動車を運転する場合の物品税法上の特例が設けられております。
#207
○樋上分科員 むしろ私は、自動車運転のできない者のほうが物品税、所得税の免税があってしかるべきだと思うのですよ。自動車運転免状を持っておる者は免税されて、同じ身体障害者だけれども、運転免状を持っていない者は物品税、所得税が免税されないのは不合理だ、こう思うのです。この点いかがですか。
#208
○田辺説明員 お答えいたします。
 自動車の運転ができない者に対します物品税の免税は、尽きますところは、家族の方がその身障者のためにかわって運転する場合をおっしゃっておられるかと思いますが、税でそのような措置をとりますことは、たとえば家族の方がみずからの用でお使いになる場合その他、課税上いろいろ免税制度を設けます場合の制度としての技術的難点がございますので、ただいまはそのところまで措置はいたしておりません。
#209
○樋上分科員 身体障害者に対する免税ということについて、さらに現在矛盾しているということは、重症身体障害者を持っている母親が、ほかの兄弟は健全であるけれども、その子供だけには、何とか一生人さまのごやっかいにならないように、財産を譲って、一生その金で両親が死んだ場合、あと何とか生活ができるようにという親心があるのに、それにも相続税がかかる。こういう点は、特に重症身体障害者に限って、財産を譲るときは相続税免除という措置があるのが私はあたたかい税制ではないかと思うのですが、この点どうですか。
#210
○田辺説明員 お答え申し上げます。
 相続税の問題につきますと私ちょっと所管外になりますので、お話しの趣旨よく検討させていただきたいと思います。
#211
○樋上分科員 それでけっこうです、税務署の方は。その点をよく検討してください。
 私はこの二つの点を前から言って、重症身体障害者の親たちは切実にこの税制の面を訴えているのです。私は税務署の方に対して、こういった全国十数万の重症身体障害者のためにこれが考慮されるべきであるという要求をいたしておきます。
 以上でけっこうです。
 それから、全国的に見ましても、特に京都の問題でも、身体障害者の施設の増設が叫ばれておるのですが、現在その施設が非常に少ないし予算がない。第一、社会福祉施設の整備費の要求を申し上げるのですが、実際にその建設費が一平米五万五千円かかるのに国の補助単価は二万九千円である、この補助単価を実質単価に見合うように引き上げてもられたい、こういう要求をやかましゅう言うておるのですが、この点いかがですか。
#212
○今村(譲)政府委員 現実、実際つくりますときの単価よりも補助単価が低いということは、私どももしょっちゅう地方からいわれております。毎年建設省の建築単価積算基礎というものを大蔵省と御相談しまして、数%あるいは一〇%というふうに上げてもらっておりますが、まだ現実よりは低いという点は私どもよく知っておりますので、今後とも努力したいというふうに考えます。
#213
○樋上分科員 さらに生活保護基準の大幅の増額を認めてほしい、こういう点もあるのです。一般勤労者の六〇%を見込んでいるが、実際は国は五二%しか認めてくれておらない、この点を引き上げていただきたい、こういう要求があるのですが、どうでしょう。
#214
○今村(譲)政府委員 ちょっとその五二%という御趣旨がよくわからなかったのですが、一般勤労者の生活水準から見まして、生活保護世帯の水準が五二%までしかいっていない、こういうお話かと思います。
 この問題につきましては、私どもとしまして、昭和三十五年あたり全国の勤労世帯の三八%くらいしかなかった、それでは大問題だということで、三十六年以降毎年十数%ずつ努力してまいりまして、やっと三十九年ですか、五〇%台をこして、四十二年度で大体五二%まで達した。しかし、私どもそれで満足しておるというわけではございませんので、今後とも改善をいたしていきたい、こういうふうに考えております。
#215
○樋上分科員 あとでいろいろ申し上げますが、先に簡単にこの項目別に要求しておくのですが、保育所の措置費用、これも考慮してもらいたい。職員が非常に足らない。ですから過度な労働になっておりまして、その職員の増員の点ですが、現在保育所に三歳以上の子供を預かるのに、二十人に保母が一人の割合である、こういう状態であります。なおまた、給与の点におきましても非常に低いのでなかなか増員ができない、こういう点をひとつ考慮していただきたいと思いますが、この点はどうですか。
#216
○渥美政府委員 保育所におります保母さんの取り扱う子供の数を減らすということによりまして、保母さんの処遇がよくなるということでございます。したがいまして、昭和四十四年度におきましては、三歳児を取り扱います保母さんにつきましては、従来は子供二十五人につきまして保母さん一人であったわけでございますが、それを二十人の子供に対しまして保母さん一人というふうに改善をはかろうとしておるところでありますし、また保母さんの処遇の問題につきましては、その給与を引き上げてあげなくちゃいけないということにつきましては、来年度より三カ年計画によりまして、公務員の給与の水準まで給与を改善するという方策をとろうとしておるところでございます。
#217
○樋上分科員 それでは、現在全国的に二十人に一人の割りですか。それはもう統一されて変えることはできないのですね。
#218
○渥美政府委員 保育所の保母が受け持つ定数の問題につきましては、かようになっております。つまり、三歳以上の子供につきましては子供三十人に対して保母一人、三歳児につきましては昭和四十四年度から二十人に対して一人、三歳未満児につきましては子供六人につきまして保母さんの定数が一名、このような基準によりまして、保育所に対します運営費を支払う基準にしておる、かようなことでございます。
#219
○樋上分科員 時間がありませんので、ごみの焼却場の件ですが、今度京都右京区に建設中のものが、一億二千万円に対して昨年度四分の一だけで三千万円の政府の清掃局の補助でありますが、この点何とか増額を願わなければどうも苦しい。で、集まった処理についての予算がないためにほんとうに困っておる。現在清掃事務所が十カ所あるのですが、その起債のワクがつけられないということである。一緒に申しますが、し尿処理施設が現在二つある。これも起債のワクを広げてほしい、政府の認定ワクの拡大を要求しておるのですが、この二つの問題について御答弁願いたい。
#220
○斎藤国務大臣 局長がいないようですから――し尿処理、ごみ処理、いずれも重要視いたしまして、本年度も相当金額としては増加をいたしました。ただ、補助割合はよくしようというようには、まだ考えておりません。本来、ごみ、し尿、これは市町村が当然やっていただく仕事でございますから、そちらの事業分量を増しまして、そして事業を市町村がやりたいというものはできるだけ消化をするように、こういう方針でやっておるわけであります。いまおっしゃいますように、補助の割合をもっと高めるということにつきましては、ただいま残念ながら考えておりません。
#221
○樋上分科員 起債のワク、認定ワクを広げてもらうことはどうでしょう。
#222
○斎藤国務大臣 起債の総ワクは、四十四年度は前年に比べましてうんと広くなっております。
#223
○樋上分科員 今度はひとつ現在の看護婦の問題についてお伺いしたいのですが、現在看護婦の有資格、正看、准看ともに全国でどのくらいいるのか。また実際就業しておるのは何人か。また、ことし卒業して第一線に立った人は何人あるでしょうか。
#224
○松尾政府委員 ただいま就業中の看護婦、四十二年度末の統計でございますが、全国で二十五万三千人でございます。その中でいわゆる看護婦が十二万三千八百、それから准看護婦が十二万九千、こういう形でございます。これは現実に就業いたしております看護婦でございます。それから、免許を持ちまして家庭に入っておるというものは、正確にはつかみにくい問題ではございますが、ほぼ同数と考えております。それから、本年新しく卒業いたしまして就業いたしましたのが約二万八千五百人程度でございます。
#225
○樋上分科員 この数字から見まして、看護婦不足はいま大きな社会問題となっておるのです。この不足問題は、病人の人命尊重の上からも、また看護婦の過激な仕事量の上からくる疲労も考えまして重要なことであります。この点について、政府はこれらをどう解決していくつもりですか。
#226
○松尾政府委員 御指摘のとおり、看護婦の数がまだ足りないという実態にございます。したがいまして、まず第一番目には、やはり新しく養成をしていく施設を拡大いたしまして、新しく看護婦になる人をふやしていく、こういうことがまず第一点でございます。このために国も補助金を出しまして、来年は新設約十五カ所というものを予定しているような状況でございます。そのほか、国立の機関、国立病院、国立療養所みずからでもできるだけ養成をはかるということで、極力努力をいたしております。
 それから第二には、そういう学校施設をつくりました場合、なるべくここに多数の優秀な方が入ってきていただきたい、こういうことでございますので、看護婦、准看護婦の奨学資金で都道府県が行ないますものに対して補助金を出すことにいたしております。
 それから第三点は、先ほどもちょっと触れましたが、就業者は二十五万でございますけれども、免許を持って家庭に入っておられる方が相当いるわけでございます。これはそれれぞ家庭の事情等もおありかとは思いますが、余裕のある限りまた第一線に復帰をしていただきたい、こういうことで、そのいわば潜在看護婦の再就職というために必要な講習というようなものを行なう、こういう事業を中心にやっておるわけでございます。
#227
○樋上分科員 私は、看護婦が不足している原因はどこにあるか、いろいろな情報を集めてみたのです。結局は看護婦の深夜勤務の状態、これは政府は御存じかも存じませんが、看護婦の過酷な労働が重なって、看護婦がそれがために倒れていく。看護婦の労働条件を具体的に承りたいと思います。
#228
○松尾政府委員 看護婦の勤務が患者の二十四時間の生活のめんどうを見なければならないというたてまえ上、どうしても御指摘の夜間勤務というものは避けられない、こういう状態でございます。それで、四十年に人事院判定というものもありまして、夜勤回数をなるべく減らし、また二人夜勤というような状態で勤務状態を改善しよう、こういうことでございます。ただいままでに、たとえば国立病院等におきましては、過去三カ年間に、そういう看護婦たちが勤務する身の回りの条件を整え、たとえば連絡の通信設備などを完備する、あるいは仮眠をする部屋を整備いたしますとか、あるいは夜間における暖房その他不備な点を直す、いろいろな環境条件の整備というものをやってまいりました。それから、さらに四十四年度には、これを解消するための増員というものを新たに認めてもらいまして、逐次人間をふやしながら改善をしていきたい。ただこのためには、そういうもの以外に、病院におりますところの患者の収容のしかたというものも合理的にやる必要がございます。あるいは建物を建てるときの病棟の集約、いろいろなことを総合的にいたしまして、できるだけ勤務を快適なように持っていきたいとせっかくいま努力を続けておる段階でございます。
#229
○樋上分科員 私は、机上の計算でなくして、ほんとうにあなた方に看護婦の就業状態を見ていただきたい。これは労働基準法をはたして守られているのか、また監督は十分に行なわれているのか、こういう点に非常に疑いを持つのであります。これはある病院での話ですが、看護婦は机にすわるのは看護日誌を書くときだけしかない。その他は、夜勤は月十日から十二日、同僚が病欠すると十五日もしなければならない。また、昨年一月に結婚し、五月に妊娠した。つわりもひどかった。食事もできないほどであった。しかし、よほどでない限り、同僚等の手前、休めない。あまりにも状態が悪くなったので、近くの病院に行ったところ、流産の心配があるから休むようにと言われた。けれども十日間病欠して勤務に出てから五日目でまた夜勤をさせられた。そうしてその一カ月後に遂に流産した。また生理休暇も思うようにとれないと嘆いておったのですが、このような例は至るところに私は見られると思うのです。四十年五月に人事院が、夜勤は月八日間以内とする判定したことは一体どうなっているのだろうか。また、このような事実を御存じであるかどうか、お伺いしたいのです。
#230
○松尾政府委員 病院によりましてそれぞれ事情は違う点もあるかと存じますけれども、ただいま御指摘のような条件がある、深夜勤務の回数が非常に多いということも、私ども十分承知いたしております。
#231
○樋上分科員 また、これは身体障害児の療育施設でございますが、この看護婦は、ここへ行ってからもう腰が痛くてどうにもならぬ。身体障害者の子供ですし、重症ですから、それをかかえてやるのですね。そうしてその重たい子供を運搬したりいろいろな点において力仕事が要る。その原因でばたばたここの看護婦は倒れている。それに対して何の手当もない。この新聞に報じられています写真は、「腰痛で倒れる看護婦さん」といって、子供をかかえて、そうして激務にむしばまれ、ぞくぞく退職、収容児も半分になったというようなことが報じられておるのです。こういう痛々しい事実があっても公傷と認められない。こういう点について、私はもっとあたたかい手を差し伸べてあげるべきでないかと思うのですが、この点はいかがですか。
#232
○松尾政府委員 私どものほうでも、重症心身障害児という、障害児の中でも一番程度の重い方々を収容いたしておるわけでございます。御指摘のとおりたいへん手がかかります。したがいまして、従来からもいろいろと手厚く待遇するようにいたしておりましたが、さらに四十四年度からは、こういう重症心身障害児の病棟につきましては、看護要員をさらにふやしまして、准看護婦、看護婦を含めましてほぼ二人に一人の割合で配置ができるというような人員にいまなっておるわけでございます。
#233
○樋上分科員 人手不足で夜勤が多くなるのではなく、このような重労働のために人手不足になっていると私は思うのです。そこで労働基準法の深夜業務のところで法制化すべきである、こう思うのです。特に看護婦が深夜労働を認められているところは、私はこれを直すべきであると思うのですが、この点どうでしょうか。
#234
○松尾政府委員 やはり先ほど来申し上げましたように、患者の生活が二十四時間続いておりますので、深夜を全くなくするという、夜勤をなくするということは、業務上からは一応無理であろうと思います。ただ、いまそういうことではございますけれども、やはり勤務条件その他を十分に考慮していって、できるだけ疲労がない形にしていく、これはやはり当然行なわなければならない方策であるというふうに考えております。しかし、ただいまそういういろいろな実態もございますので、たとえば夜勤のいろいろな手当等も、最近ここ二、三年前から新しく生まれてきたというふうに、少しずつ改善の方向には進んでいるような情勢でございます。
#235
○樋上分科員 いままで看護婦は独身者が多かったようですけれども、最近は既婚者がふえてきている。しかしながら、夫婦共かせぎのために夜勤や労働時間が不規則である。また子供がいる場合などは、子供を預けるところがない。そういう事由によって、家庭を持った、看護婦免状を持った者が働けない。この点、病院の中で保育所等の設備を十分に完備したならば、こういう家庭におけるところの正看護婦がもっと働けるのではないかと思うのですが、この点はどうでしょうか。
#236
○松尾政府委員 御指摘のように、結婚をされました看護婦さんが非常にふえてまいりました。従来の看護婦の独身の形とは全く違った状態になっております。私ども従来は、この子供さんの保育という問題につきましては、あまり遠いところまで子供を連れていくような保育のやり方ではなくて、自宅の近くの保育所に預けるということが一番望ましいことであろうというふうなことで、一般の保育所の整備ということを強くお願いをしておったわけでございますが、しかしながら、実態は必ずしもそれだけでは解決されておりません。私たちは、やはり病院の固有の保育施設といいますか、保育機能というものについて真剣に取り組まなければならないというふうに考えております。
 なお、参考までに申し上げますと、国立の医療機関の中でも約十九カ所ほどは、そういうものをみずからの手で行なってやっております。そういう実態もよくひとつ研究いたしまして努力したいと思っております。
#237
○樋上分科員 厚生大臣、ちょっと聞いていただきたいのですが、いま答弁にありましたけれども、私の言うのは、病院の中に保育所を設備したらどうか、こういう点ですね。そこで現状では、保育施設のある病院は、医療の保育所づくり連絡会の調べによりますと、国公立、私立を合わせて、四十三年四月現在ですが、全国で七十五カ所。二十ベッド以上の病院が全国で七千六百余ですから、わずか一%にすぎない。こういう点を考えますと、いま要求しておりますその病院のどこかに保育所を早急につくるならば、いま不足している正看護婦、家庭を持っている看護婦が私はもっと出てくると思うのですが、その点どうでしょう。
#238
○斎藤国務大臣 私も同感に考えております。医務局長もその考え方のもとに施策を進めてまいりたい、かように考えておるわけであります。ただ、各病院に一カ所ずつの保育所ということになりますと、子供が二人か三人しかいないというようなところには設けるわけにはいかない。したがって、そういう医療機関の集まっているところに一カ所に集めるとか、とにかく看護婦さんの子供の保育という点につきましては相当頭を使ってまいりたい、かように考えております。
#239
○赤澤主査 樋上君、ちょっとお待ちください。
 時間が過ぎておりますが、公明党も時間を守っていただきましょう。
#240
○樋上分科員 いや、三時五十二分でしょう。二分過ぎただけですよ。二分でそんなにやかましく言うのですか。
#241
○赤澤主査 だから一時間でとめてください。
#242
○樋上分科員 そんな厳格に――あとまだあるのですが、それでは私はやめますよ。私はこの重要な問題は二分くらいは言ってもいいと思っていたのですが、それではやめましょう。しかし、このくらい言ってもいいでしょう、最後のことばをひとつ……。
 私は、この看護婦の業務内容について具体的にお伺いしたいと思いますけれども、飛ばしまして、医師と看護婦との業務分担があいまいである、看護婦に過重な負担がかかり、そして本来の仕事ができない、こういう不満の声を数多く聞いておるのです。そうして現実には法律で禁止されている静脈注射が行なわれている。これは医師が立ち会いでなかったら行なわれないけれども、医師不足のために、ある病院においては静脈注射も看護婦がやっておる。こういう状態は、ほんとうにもしも事故があったら、人命尊重の上から重大な問題である。このような法律に違反した静脈注射が看護婦の手によって行なわれている現在、だれが責任を持つか。これは私は重大な問題であると思うのです。看護婦は不足しておるのではなく、看護婦は、先ほどお答えのあったように、実際就業している者が不足しているのだ。これは看護婦に対し働ける条件をつくっていないことが私は問題になっておると思うのです。この解決方法は、先ほど来から申しましたように、条件、それを完全にすればもっと不足は補えると思います。
 最後に、看護婦の希望者は毎年六倍以上もあるようですけれども、今後看護婦の充実をはかる意味において、もっと看護婦の教育施設の増設や、国が看護教育をすべきであると私は思うのですが、大臣、この点最後にお答えを願いたいと思います。
#243
○斎藤国務大臣 全く御同感でございます。私も心の底からそう考えております。本年も、先ほど御説明いたしましたように、十五カ所の教育施設をつくる予定でございますが、ありがたいことに志望者の方が非常に多いわけでありますから、これにこたえられるように養成施設をさらに拡充してまいりたいと思います。
#244
○樋上分科員 じゃ、終ります。
#245
○赤澤主査 戸叶里子君。
#246
○戸叶分科員 私は、質問に入ります前に、いまの看護婦さんの問題で一言お尋ねしたいと思いますが、看護婦の不足ということは、いま大臣がお認めになりましたように、また、だれでも認めているように、非常に不足していろんな問題を起こしているわけです。そこで、先ほどの御説明によりましても、結婚した潜在看護婦さんというのが非常に大ぜいいらっしゃるわけです。ですけれども、労働条件とかいろんな条件が悪いために働きたくても働けないというような状態もあろうかと思います。そういうふうな看護婦さんの中には非常に熟練した方もいらっしゃって、とうとい技術を持っていらっしゃるのですから、ぜひ生かしていただきたいんで、私はそういう方が働けるようにしていただきたい。その意味で、先ほどの御意見も非常にいい御意見だと思いますけれども、もう一つ、結婚されている看護婦さんにつきまして、夜勤といいますか、泊まりといいますか、そういうものをある程度緩和してあげるというような方法も一つの手ではないかと思いますけれども、そういう考え方はお考えにならないでございましょうか。
#247
○松尾政府委員 結婚しておりますために夜勤を全然しないというようなことは、ほかの看護婦さんとの関係で、必ずしも完全にできるというものではなかろうというような実態でございます。ただ、たとえば出産をしたあと等には、十分保護をしなければなりません。したがって、六カ月というようなところ等は、なるべく夜勤につけないということは、私どもからも指導いたしまして、できるだけ守られるような配慮をいたしております。
#248
○戸叶分科員 出産等で特別にお考えになるということも、それは当然だと思います。ただ、ほかの看護婦さんと、結婚されているからというので、特に泊まりはいけないんだとかいうふうな、はっきりした差別をあまりつけてしまってもどうかと思いますけれども、待遇の問題だとかその他いろいろな問題でその辺を緩和してあげられるようにしたら、だいぶ潜在看護婦さんが来てもらえるのじゃないかというようなことを考えるのですけれども、この点はいかがでございましょうか。
#249
○松尾政府委員 潜在看護婦、家庭におられます看護婦さん方に、御指摘のようなそういう成り立つ条件をつくるということがやはり大事だと思います。その場合に、具体的に申し上げますと、一番適した仕事の一つは、いわゆる病院における外来業務という仕事でございます。これは夜勤をいたさなくても済む仕事でございます。また患者さんに対して数も相当要るところでございます。私どもは、できるだけそういう外来勤務のような形でやっていただければ、あまり御迷惑をかけなくてもずいぶんお役に立っていただけるのじゃないかというふうに考えております。
 それからなお、一部の病院ではすでに実施をいたしておりますが、フルタイムでずっと続けて一週間勤務するということは、やはり家庭をお持ちの方としては非常に困難でございます。したがいまして、週に三日なら三日適当な時間をつくるというような、いわゆるパートタイムのようないろんなことが組み合わされまして、そしてうまく病院の看護業務に足しになるということは十分あり得ることでございます。一部の病院ではすでに進めております。そういうことも大幅に取り入れて、出やすい条件をつくるというふうにやるべきだと私も感じております。
#250
○戸叶分科員 病人はもうお医者さんと看護婦さんにたよる以外ないのですから、どうか看護婦さんの問題をいろいろな角度からよく考えて、そしてこの急場を早く直すようにしていただきたいと思います。
 そこで私は、きょうは身体障害者、障害児の問題から入って、そしてこういう人たちのレクリエーションの施設でもつくったらどうかというところへ持っていきたいと思うのでございます。いままでだいぶ身体障害者の方、身体障害児の方たちのことは御質問があったようでございますので、なるべく重複しないような形でいきたいと思います。多少重複するかもしれませんが、お許し願いたいと思います。
 そこで、単刀直入に伺いますが、いま大体厚生省で数えていらっしゃる数で、身体障害者と数えられるのが一体幾人くらいいて、それから身体障害児として数えられるのがどのくらいいるかということを、まず伺いたいと思います。
#251
○今村(譲)政府委員 これは五年ごとに身体障害者の実態調査をやっております。四十年八月の実態調査によりますと百十四万六千人、そのうち十八歳未満が九万八千人。ただしこの数字は、現在ある施設に入ってない、在宅だけでございます。したがって、盲学校、ろう学校、あるいは重度身障施設などに入っておる人は含んでおりません。
#252
○戸叶分科員 これは児のほうですね。それから身体障害者のほうはどうですか。
#253
○今村(譲)政府委員 十八歳以上が百四万八千、それから児が九万八千人で、合計百十四万六千。これは施設収容者を含みません。
#254
○戸叶分科員 大体私が聞いている範囲と同じようでございますけれども、そこで、この数字というものは、過去の五年の統計を見てもわかりますように、非常に交通事故やその他でふえていく傾向にあるのじゃないかと思います。過去五年間にどのくらいの増加をしたかということをちょっと参考までに伺いたいと思います。
#255
○今村(譲)政府委員 大体の傾向は子供にも同じだろうと思いますので、これはおとなだけで申し上げます。
 三十五年の八月の実施によりますと、十八歳以上は八十二万九千、それが四十年で百四万八千ということでありますから、約二十万人くらいふえたということであります。これは先生が疑問にしておられますように、もちろん交通関係もふえております。たとえば、交通関係は三十五年で一万九千人であったものが三万三千人というふうに出てきておる、業務上の七万七千人は九万人となっておるというふうに、そういう近代化とか交通関係でふえるのはございますけれども、その他に、基礎の人口増とか、それから診断技術が昔は大ざっぱにやっていたのが精密になったというような、いろいろな要素がございます。それから、いままでは身障者をなるべく隠すというふうな風習が地方によってはあります。その辺はデリケートないろいろな要素がありますけれども、とにかくふえておることは事実です。
#256
○戸叶分科員 先ほどの御質問にもありましたように、そういうふうにふえていく割合には施設が少ないわけです。もっと施設をふやして、そういうふうな方たちが、たとえば特に身体障害児の場合、先ほど重度の方のところだけおっしゃいましたけれども、単一の場合でも非常にに苦しいお子さんたちがいるし、入りたくても入れないというような施設の状況でございますので、その面も考えていただきたいのです。施設としては大体幾つくらいあるか、その点を教えていただきたい。
#257
○今村(譲)政府委員 十八歳以上の関係によりますと、施設が全部で、昭和四十三年度末でありますが、百七十三施設、そこで収容しておりますのが一万一千百十六名でございます。その中には国立もございますし、公立、法人立、全部ひっくるめてございます。
#258
○渥美政府委員 十八歳未満の子供のための施設でございますが、肢体不自由児施設といたしまして、全国で七十一カ所、収容定員八千二百四十八ということでございます。この施設は毎年少しずつ増加してまいっております。
#259
○戸叶分科員 厚生大臣、いまお聞きのように、非常に身体障害児が多いし、それから年々ふえておる。それでも施設はその人数で割りまして非常に少ないわけです。親御さんに会いますと、そういう子供さんをかかえている親御さんがほんとうに涙ながらにおっしゃることは、自分たちが死んだらどうなるだろうか、生きているうちはこうやって世話をしてやれるけれども、死んだあとでどうしていくだろうと考えると、夜寝ることもできないど言っておられる人がおります。中には財産を一生懸命ためておる人があります。しかし、これをためたって、だれかが出てきてそれを取ったらそれっきりになるじゃないか、何とかこの施設をつくっていただいて、自分たちが安心して死ねるようにしてもらいたいという、胸が一ぱいになるような訴えを聞くわけです。そこで、厚生大臣としても何かお考えを持っていて、こんなにふえていくのだから、少しくらい施設をふやしていったってなかなか追いつかないと思いますけれども、大体いつごろのめどで、そういうふうな不安を持つ親御さんがなくなるようにしたいというふうなお考えを持っていらっしゃるか。大体いつごろのめどでこの施設を十分――十分でなくても、このぐらいならいいだろうというふうに建てていらっしゃるかということをまず伺いたい。
#260
○斎藤国務大臣 私も、施設を訪れました際に、あるいは父兄の方にお目にかかった際に、また御家庭の事情を伺った際に、同様の感じを抱いたわけでございます。
 そこで、厚生省といたしましては、あるものにつきましてはすでに七カ年計画というのでやりかけておりますし、また全体的に、十カ年計画でまあまあというところまでの計画をいま立てようとしておるのであります。ただ、先ほども申し上げたのでありますが、御承知のように、施設は金があれば建つわけでありますが、この施設で介護をする保母さんやお医者さんやいろいろな職員が必要でありますが、なかなかこれはたいへんな仕事でございますので、そういう人的な要素を満たすのに一体そろばん勘定だけでいくかどうか、それを勘案しながらやっていかなければならない。なかなかたいへんな仕事だと思っておりますが、できるだけ、少なくとも十カ年内にはまあまあというところまで持っていきたい、かように考えて、いまその計画を立てつつあるわけであります。
#261
○戸叶分科員 十カ年以内には何とか親御さんなら親御さんが心配せずに入れるようにしたいというお考えでございます。それについて総合的に、中へ入って働いてくださる看護婦さんなり、お世話をしてくださる人たちも考えてやろうというお考えでございますので、ぜひそうしていただきたいのですが、ずっといままでの数字なり扶助方法を見ておりますと、いま私ここで申し上げられませんが、こんな程度で今後進んでいけば、十年ではたして満足のいくところにいくかどうか疑問を抱くわけです。もっと飛躍的にふやしていかけなればならないのではないかと思います。したがって、もっと飛躍的にふやしていただけるかどうかということと、それからそういう中で働く人たちの姿を見て私はほんとうにとうといと思います。よくこういうところで働いていただけると思って、感謝の気持ち一ぱいで見てくるのですが、同時に、その待遇を聞いてみますと、あまりにもひど過ぎると思うのです。だから、そういうところでほんとうに働いていただける人には、もっともっといい待遇をしてあげるということが必要ではないか。そういうところで働く人は、私は待遇だけで働く人ではないということをよく知っております。やはり精神的な人で、その使命を感じて働いている人が多いと思うのですけれども、しかし、実際問題として待遇があまりにもひど過ぎるのではないか。したがって、そういう問題もお考えにならないと、なかなかこの問題は解決しないのではないかと思いますので、来年度からとか、再来年度からはもっと飛躍的にふやしていくとか、そういうふうな御計画がおありかどうか、この点を伺いたいと思います。
#262
○斎藤国務大臣 待遇の問題も全くおっしゃるとおりでございます。全般的に施設の方の待遇は、少なとも地方公務員を下回らない程度に早急に逐次昭和四十四年度から三年以内にそれをはかりたい、こう考えております。ただいまおっしゃいますような特殊な施設はなおさらだ、かように考えております。
#263
○戸叶分科員 大臣、どうぞ熱意を持って解決していただきたいと思います。
 そこで、施設は施設として、ぜひその方針を立てて進めていっていただきたいと思いますが、もう一つ、これは一つの新しい提案でございますけれども、こういうふうなからだの不自由なお子さん方に特に何かレクリエーションの施設をつくってあげたらどうかというふうなことを考えるわけです。たとえば国民保養所的なものをぜひつくっていただきたいと思うわけですけれども、この点について大臣はどういうふうにお考えになりますか、まず伺いたいと思います。いまそういうふうなものとして一つ静岡県に、肢体不自由児のために非常にお骨折りを願った方を記念して高木記念ロッジというのがあって、その施設でからだの不自由なお子さん方がレクリエーションを兼ねて療養をするというふうな形のものがあるそうでありますけれども、経費の面でやっていけなくなって、そしてユースホステルみたいな形で夏は使われてしまっているというふうなことを聞いております。そこで、これは何としてもある程度の法的な裏づけといいますか、金銭的な裏づけといいますか、そういうものがないと、なかなかやっていけないのではないかと思います。こういうふうな肢体不自由児のお子さん方が、ほかのお子さんと同じように温泉へ行って楽しむといっても、そういうふうに完全なお子さんと一緒になりますれば、自分でさびしさを感ずる程度で、かえってマイナスになると思います。そういう方が一晩、二晩泊ってもしようがないので、あるいは一週間なり十日なり二十日なりそういうふうな温泉に行きまして、温泉療法を受けながら療養するというふうな、レクリエーションを兼ねた保養所のようなものをつくっていただけたらと思いますけれども、この点について大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#264
○斎藤国務大臣 考え方といたしましては、まことにそうありたいものだと考えます。ただ、先ほどもお述べになりましたように、私も申しましたように、さしあたって何ともならぬという状態のほうに頭が非常に行っておるものでありますから、そこまで余裕を持ってはなかなか考え及んではおりませんが、しかし、おっしゃいますようなことなんかも考慮の中に入れまして、総合的に考えてまいりたいと思います。
#265
○戸叶分科員 私事でたいへん恐縮でございますが、私、ちょうど去年の三月三十一日に死ぬほどの交通事故にあいまして、命拾いを幸いにしたわけでございます。それで手を折りまして、医者からおそらくは手は上がりませんと言われました。そこで私も、何とかして上がるようにしようといたしまして、努力をして塩原の温泉病院に行って、朝昼訓練を受けながら温泉につかって、一カ月療養しまして帰って来ましたら、私の主治医だった外科の先生が、手が上がるのを見てびっくりされた例がございます。私は、温泉というものがこんなに役に立つものであるということを、聞いていましたけれども、自分で体験をした一人でございます。
 そこで、日本にはたいへん温泉がありますけれども、粗末にし過ぎるのではないかということをこのごろ考えまして、もっと有効にこれを使わなければいけないということを考え、小児科の先生で温泉療法というものを非常に研究していらっしゃる方のところに相談に参りました。そうしましたら、「ポリオ後遺症に対する温泉療法の効果」という資料を私にくださいました。それを見ましても、私、非常に自信を得たわけです。そこで、そういうからだの不自由な方たちが、少しでも希望を持ちながら、夢を抱きながらなおしていく、そういうふうな施設でいろいろ大事に守られていくと同時に、積極的になおしていくという、そういうところも必要ではないか。しかもそれは今度はレクリエーションを兼ねて、おかあさんなり何なりが十日なり一週間なりついて行って、そして子供を見守りながら、訓練を受けながらなおしていく、こういうことがいまほんとうに必要なのではないかというふうに考えるわけです。
 そこで、具体的な例を申しますと、塩原に国立の温泉病院がございましたが、ここは一つの訓練の場所でもあるわけですが、その病室が雨漏りなどしますので、そこを直さなければならないし、また古いものですから、そこの土地を売るという条件で新しいところを買って、五カ年計画でたいへんいい病院を建てていただいて、私もほんとうに喜んでいるわけです。ただ、この施設のあとを何かせずに、いま私が申し上げましたような肢体不自由児の方の国民療養所的なものにしていただけたら、非常にいいというふうに考えるわけでございますけれども、大臣、この点についてどういうふうにお考えになりますか。その施設を利用していただきたいと思いますが……。
#266
○斎藤国務大臣 私もまことにけっこうだと考えます。ことに温泉を利用したリハビリテーションの施設を設けていくということも、非常に必要だと思っているわけでございます。塩原の国立温泉病院のあと地の問題は、できるだけそういうような施設をやってくださる人に買っていただけるとありがたいと思っておるのでありますが、できたら栃木県立ででもひとつやっていただいて、国も援助してやればありがたい、かように思っておるのでありますが、先生の御尽力もお願いいたしたいと思います。
#267
○戸叶分科員 町でもいろいろ言っているわけです。そこをある大きな会社なり何なりに売って、そしていわゆる普通の温泉のように、飲み食いをするような場所に使うのではないかという懸念も持っております。ある会社の名前も出ております。それに対して、国有財産でございますから、公共の施設として使うということが優先的に考えられなければならないと私は思いますけれども、厚生省としては、そういう民間の人にはお売りにならないという基本線をお持ちであるかどうか、承っておきたいと思います。
#268
○斎藤国務大臣 これは民間のそういった普通の用途に充てるためには売らないつもりでおります。できるだけ公の施設に使うということでお売りをしたい。それもできるだけ、いま申されましたような、肢体不自由児とか、あるいはリハビリテーションとか、そういうことに役立つ施設をやってくださる公共団体なりあるいは財団法人なりにお売りをいたしたい、かように考えておるのでありますが、まだそういう何がなかなか見当たりませんので、それを見つけるように努力をしているわけでございます。
#269
○戸叶分科員 そうしますと、基本線としては公共の施設として売りたい。しかも第二の条件としては、いまある機械だとか――療養の機械などがいろいろありますね、そういうものを、そのまま使えるようなものに売っていきたいという希望を持っているということを確認してよろしゅうございますか。――そうしますと、厚生省として、いまそういうふうに持っていくための何か具体的な努力をしていただけないでしょうか。この点を伺いたいと思います。
#270
○松尾政府委員 先生のそういうような御希望の御提言があったということも前に聞いておりますし、私どものほうからも、ただいま大臣がお答え申し上げましたように、まず県当局に、そういうくふうがないものかということで、こちらから相談をいたしているわけでございます。県自身もいろいろ現地等の視察に参っているようでありまして、その線に従ってくふうしたいということで検討を続けているような段階であると聞いております。
#271
○戸叶分科員 たしか四十四年の会計で、これを売るなり何なりしなければならぬということになるのではないかと思いますし、特別会計の中に入れるためにたいへんせかれるのではないかということで心配しておりますけれども、そういう点についてはどうでございましょうか。少しくらい延びてもというよりも、早くするために、何とか厚生省のほうでも助けてやるとかなんとか便法を考えていただけないものでしょうか。
#272
○松尾政府委員 四十四年の十月に、ただいま新しくつくっているほうが完成する予定でございます。したがいまして、その後にそういう問題も起こるかと思いますが、予定としては、できるならば四十四年度内にそれも何とか処理いたしたいと思っているわけでございます。
#273
○戸叶分科員 どうぞ厚生省でも、そういうことが実現するように御努力を願いたいと思います。温泉というものが後遺症の治療に非常に役立つものであるということを体験者が語っているのですから、ぜひやっていただきたいと思います。
 もう一つ、そこで考えられますことは、肢体不自由児だけを相手にしますと、学校などの関係で、もしかしていらっしゃれないかもしれません。そういう場合にも、肢体不自由児の方がやはり利用できるように考えられていいと思いますので、そういう点もお考えいただきたいと思います。
 そこで、厚生省の「自然公園別国民宿舎設置数」という表で見ると、保養温泉に設置されているのが二十九あるようでございますけれども、その二十九というのは、どういう人を対象にしていて、大体ほかと比べてどの程度の割引といいますか、ほかと比べてどの程度安いかというようなことも、参考までに伺わしていただきたい。
#274
○今村(譲)政府委員 ちょっと主管局長がおりませんので、私が前任でおりました関係上、無権限でございますが、一応申し上げます。
 普通の温泉地では、非常に端的に申し上げますと、風紀が悪い、あるいは料金をぼり過ぎる等、いろいろな問題のところが多過ぎますので、非常に清潔な、家族連れがそこでゆっくりできてそう料金も高くないというふうな、地元がそういうふうに運営しようというところの申し出については、そこを厚生大臣が指定をして、若干そこに援助といいますか、道をつくったり遊歩道をつくったり、あるいは公衆便所のきれいなものをつくったりというふうな補助金を出しているというものでございます。おそらく二十九だと思います。現在でも変わってないと思います。したがって、別にその地域で料金統制をするとかなんとかではなくて、そういうふうに旅館の運営もいたしますからという地元の申し出について厚生大臣が指定をすると、そういう名称、いわゆる保養温泉地という名称を使えるというふうなかっこうになっております。
#275
○戸叶分科員 私はまた、保養温泉というのですから、何か特殊な方たちに、いまの私が申し上げましたような形で保養ができるようにしてあげているものかしらと思ったものですから質問したわけですけれども、それでは、ただ、ここは保養温泉地にしたいから指定をしてもらいたい、そこには補助を出してくれというふうな形で補助をしてそこにつくらせる、それだけのものなんですね。
#276
○今村(譲)政府委員 それは別に法律上の規定はございませんけれども、身体障害とか特定の人ではなしに、一般の国民がそこに行って一週間でも静かに、いわゆる湯治などもできるというふうなことがねらいでございます。そういうふうな運営をしようという地域が、申し合わせができて守れるということであるならば、そういう申し出をしてください、そうすれば、その地域に保養温泉地という名前でいろいろな公共利用施設としての補助金を出します、そういうものでございます。ちょっと先生の御趣旨とは違うように思います。
#277
○戸叶分科員 それでは時間がないようですからもう一つ伺います。
 大蔵省の方は来ていらっしゃいますか。大蔵省にお伺いしたいのですが、いまお聞きのように、たとえば厚生省のほうで、県のほうで買うという意思があれば、できるだけそういう方向に持っていきたいし、いろいろな形で今後援助をしてくださるというようなお話があったわけです。そこで、建物といいますか、あの土地を買いますのに一億五千万くらいというふうに私は聞いておりますけれども、それだけのものはなかなか買い切れないと思うのです。公共利用のために施設を買いたいというふうな申し出がありましたときに、民間人はもちろんだめですけれども、県などがこの目的を指定してこれを買いたいというような申し出があったときに、何か便宜がありますか。
#278
○上国料説明員 国有財産特別措置法の第三条に規定がございまして、地方公共団体におきまして、社会福祉事業法の第二条に規定しております社会福祉事業、この中にいま先生御指摘の肢体不自由児施設も含まれておるわけでございますが、そういったような事業の用に供する施設の場合には、時価から五割以内を減額した対価で譲渡することができるということにはなっておりまして、制度的には一応減額譲渡の道は開かれておるわけでございますが、ただ、これを適用して減額譲渡するかどうかという判断は、所管の省でなさるのじゃないかと思います。厚生省のほうで御判断なさるべき問題じゃないかと思います。
#279
○戸叶分科員 厚生大臣、いま大蔵省の御答弁をお聞きになったと思いますけれども、厚生省のほうでどうぞ渋い顔をしないで、もし申し出がありましたら、払い下げるという場合に、いまの法律どおりに五割の削減、いまの条項に照らし合わせたことを実現するように御協力を願いたいと思いますが、いかがでございますか。
#280
○斎藤国務大臣 おそらくその売却代金をさらにどれに充てるというようにしているじゃないかと思いますけれども、しかしながら、先ほど申し上げましたような目的が第一でございますから、できるだけその趣旨の達成するようにいたしまして、足らぬ分は大蔵大臣にまたお願いをするというようなことでもいたしたいと思っております。
#281
○戸叶分科員 もう時間が来ましたからやめますけれども、もしもそういうことが県のほうで実現するようになった暁には、どうかいまの大蔵省のおっしゃった問題と、さらに勘案して運営などの問題でも相当厚生省に御協力をいただかなければならないと思いますので、これは日本で初めての問題でもございますから、ぜひとも御考慮いただいて、運営の面でも御援助いただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#282
○赤澤主査 帆足君。
#283
○帆足分科員 第一に、ただいまの医療制度の中で健康保険制度に抜本改正を加える必要があることは周知のとおりであります。
  〔主査退席、竹内主査代理着席〕
そのために、幾つかのしわ寄せがインターン学生、無給医局員、それから練達の老医の方々、国立病院等に来ております。また私どもの目につきますのは、看護婦さんの待遇の劣悪なること。アメリカでは看護婦さんというものは非常に優遇されておりまして、相当のパーセントよい家のお嬢さんが看護婦さんになりまして、それは結婚とヒューマニズムへの一つのよい条件にすら数えられておるのですけれども、日本では惨たんたる状況でございまして、看護婦さんの数の少ないのを嘆くよりも、その待遇を大幅に改善することが必要であることは当然のことでございます。これらのことは十数名の同僚議員が次々と述べました。また身体障害児に対する対策の手薄なことも耳にたこができるほど皆さんが強調されました。
 それほどの大きな声があるのに、厚生省の政治力が弱く、大蔵省の主計官殿は一体何とおぼしめしてお聞きなのか。一ぺん体温計があったらばかっていただいて、体温三十七度くらいあるのか、また三十四度五分くらいの冷血動物であるのか、ひとつ後ほど医務室で体温をはかっていただきたいと思うほどでございまして、そう申しても大蔵省に対する侮辱には私はならぬと思うのであります。それはヒューマニズムの宣伝でありますから、国際連合憲章にも奨励されておることでございます。委員長もいすの上でもぞもぞされておらないで、ひとつ厚生省を激励して――分科会というものは、われわれがただおしゃべりに来るわけでもありませんし、月謝を払って質問に来たわけでもありません。われわれの要望が速記録に残り、それが今年及び明年の予算に生きるように、責任をもってあっせんしていただく、それが委員長の任務であると私は考えておりますから、よろしくお願いいたします。
 厚生省をときにあしざまに誹謗いたすこともありますけれども、これも政治の本質は福利厚生ということにあるのであって、国家というものは、ジャン・ジャック・ルソーの哲学をかりるまでもなく、国民の相互保険のようなものでございます。われわれが税金を払うのは、何も佐藤さんの男ぶりがいいからでなくて、もう彼の顔は見るのすら不愉快だと思っても、税金は国民の義務として払うのは、それをもって国民相互の福利を増進することができるから払うのでありまして、もうできないといよいよ腹がきまったならば、われわれは平和革命を起こさなければならない、こう思っている次第でございます。
 まず、厚生省といえば国民の生活を厚くすることが任務でありますから、国民生活の薄い、どこに病気があるかということはよくごらんになるはずなんですが、厚生省には昔から内務省の伝統と警視庁衛生局のような伝統が残っておりましたためか、いまではそれはすっかり清算されて民主化への道をたどりつつあるものであることを期待いたしますけれども、どういうものか政治力が弱くて、この前の園田さんなど、すばらしいアイデアを持っておられましたけれども、すぐおやめになりました。そして大蔵省にすっかりなめられて、そして軍需省――軍需省というのはありません。自衛隊というのはあれは憲法違反ですから、何という省ですか忘れましたけれども、にせ軍備をつかさどっている省、あれはあとになってジェット機をつくらしてくれといってワニの涙を流して陳情に来るのがほんとうでありますのに――しかし、ほんとうに守ることを必要とし、自衛を必要とする身体障害児などが、一月に久保講堂で大会を開いて、熱い涙を流して、せめて墜落したジェット機の片翼だけでも託児所にいただくことができたらと叫んでいる声を聞いて、涙をのまない者はないのでございます。ただいま来、十数人の同僚議員が同じことを述べましたから、私は繰り返しません。しかし、いただきましたこの一覧表を見ましても、身体障害児の通学率は多くて五、六割、在宅率のほうが多いというような場合が多いのであります。私の知り合いの者の中にも、もうほとんど親の涙もかわき果てたという家庭が非常に多いのでございます。安全保障ということが、国民の生活、国民の幸福と健康の安全保障を意味するならば、自衛隊の飛行機の百台や二百台減らしても、まず身体障害児の設備をつくることのほうが優先でなくてはならぬ。事の順逆を誤るもはなはだしい。
 現大臣は前に警視総監をされておったと聞いておりますが、そのくらいの元気で健康な方であられるならば、防衛庁長官と取っ組み合いをしてでも、かたわの子供たちのためにその予算をとってくるぐらいの気魄と日本人らしい道徳的権威を持たなければならないのに、何といういくじなしの厚生省であろうか。その厚生省が、日本におる貧しい朝鮮人が国に帰るというのを、赤十字の取りきめまでも破って無理に日本におらせるようにして、きらわれながら生活保護でばく大な負担までもしておるというのは、これまた何という頭の悪い方々のお集まりであろう。一体これで大学を出たと言えるかどうか。半数ぐらいは学歴を詐称して厚生省に入っておるのではあるまいか。厚生大臣も学歴詐称者ではあるまいかと疑いを持つくらいの矛盾のひどさに驚くばかりでございます。これは厚生省の悪口を言っているのでなくて、厚生省の方の置かれた地位の悲惨なことを激励しているわけでございますから、気を悪くしないで、元気を出して閣議で大いにがんばってください。われこそは宮中席次第一位である――ジャン・ジャック・ルソーの哲学に従えば、厚生大臣こそが首相の次、副首相に当たる道徳的権威を持つべきである。こういう哲学で進んでいただきたいと思うのございます。
 さて第二に、本論に入りまして、健康保険制度を抜本的に改善せねばなりませんが、いま中央医療協議会で審議中でございますから、私どもこれに期待しておりますが、この途中で発表されました政府原案なるものについては、まことに複雑で理解するのにも苦しむほどですけれども、患者側も、また経営者側も、お医者さん側も、それぞれ非常に不満でございます。したがいまして、各方面が納得のいく合理的な健保制度の原案ができますまでは、現在の暫定期間の延長を一応続けておいていただきたいと思っておりますが、当然それはそのようにお考えのように速記録でも拝承しておりますが、さようでございましょうか。
#284
○斎藤国務大臣 抜本改正は、お話のようになかなか影響するところが多うございますので、これが成案を得ますまで、ただいまの暫定措置を延長さしていただきたい。そして抜本改正はなるべく早く国会に提案のできるように努力いたしたい、かように思っておるわけでございます。
 その前に、先ほどたいへん激励をいただきまして、ありがとうございます。厚くお礼を申し上げます。
#285
○帆足分科員 たまりかねてこのくらいのことを言わねばならぬほど、国民の生活は薄いのでございますから、場合によっては、厚生省という名前を薄生省、こう変えてはいかがかと私は思うくらいであります。大臣がお変えにならなければ、私が夜間ひそかに参りまして、看板を削って書きかえさしてもけっこうであろうと思います。そのぐらいしなければ、役人の目はさめず、国民も目がさめないのではないかとさえ思っておるのでございます。私に厚生省の看板を削りかえて達筆をふるわせないためにも、ひとつ大いに御奮闘願う次第でございます。
 国民生活の水準はプエルトリコに劣る二十一番目ぐらいにいっております。造船の工業力は、きょうの新聞で見て驚きました。英国の十倍です。世界の半分の造船をしております。工業力は資本主義社会では世界第二位といわれるのに、国民生活はプエルトリコ以下。その国民生活というのを一体厚生省はどうお考えですか。統計をお持ちならばお出し願いたい。また、御研究なさっておられるならば、その結果を一分以内に御説明願いたい。研究していないならば、研究していないということを白状していただきたい。
#286
○斎藤国務大臣 日本の工業生産力あるいは国民の総生産、これは御承知のように世界で二番目か三番目だといわれております。大体西独に次ぐであろう。ところが国民の平均所得は二十番目ぐらいで、おかしいじゃないかとしょっちゅういわれるわけであります。しかしながら、日本の国民は一億いる、西独は五千万。したがいまして、西独に比べますればその半分というのが、数学上から出てくるわけであります。私たち国民の生活水準と申しておりますのは、大体国民の平均所得を申しているのでありまして、したがって、日本の国民の平均所得が西独並みになるためには、さらに倍の生産力をあげなければならない、こういうことでございます。
#287
○帆足分科員 そのような軽薄なお心がけであるならば、ほとんど経済学を知らないにひとしいと思うのです。ほんとうの国民所得というもの、また国民生活水準というものは、一つは、各階層別に賃金の実質所得の比較、あるいは一般的に計算するならば過去の蓄積、たとえば物心両面における国民の財産、それから蓄積された住宅、公園などを含めまして、こういうものを国民総数で割ったものでなければならぬ。だとするならば、私はプエルトリコよりはるかに低いと思います
 それで厚生省に大いに目をさましていただかなければならぬゆえんのものは、言うも涙、語るも涙というようなボーダーライン以下の人口の数がおそらく三千万をこえておるでしょう。これが国民の道義退廃の経済的、生活的基盤になっておることも、あなたは警視総監をしておられたならば御承知のとおりであって、したがいまして、たとえば道路一つを例にとりますと、人間は歩道の部分を通ります。裏町などでは電信柱の陰を通りますから、人間が通る歩道の面積を総人口で割りますと、きのうも申しましたが、ラクダが針の穴を通るより小さいのでございまして、おそらく世界一でございましょう。もちろん、大臣がクリスチャンであるならば、ラクダが針の穴を通るところより細いところを通って、戸叶さんのように一命を取りとめればよいけれども、三途の川を渡ったならば、クリスチャンでは天国に行くでしょうけれども、おそらく仏教であられると思いますから、地獄に行くことは間違いないと思います。どうぞ地獄に参らぬように、互いに注意をいたしたいものと思います。
 公園の広さを見ましても、子供がトンボを追っかけセミを追っかける場所は、パキスタンに参っても、インドに参っても、広場はたくさんあるのですけれども、それでは東京の子供が一体遊園地をどのくらい持っておるか。子供の遊べる面積を子供の数で割ってみたならば、これまた世にも哀れなことになりまして、一人一坪なんということにならないでしょうか。厚生大臣というものはこういうことまでお考えになって、そして世にいうちびっ子公園でございますけれども、いまでは子供に自転車を買ってやる親というものは、鬼でなければ子供に自転車を買ってやれない、こういう状況まで追い詰められておるのでございます。切に厚生省の御健闘をお祈りする次第でございます。
 さて、子供の死亡率を調べてみまして私は驚きました。生まれてすぐの死亡率は出産のときの事情等によるものが多いのですけれども、二歳から四歳になり、四歳から十四歳になり、外に出る機会が多くなるに従いまして、事故による死亡というのが第一位でございます。事故による死亡の内容はどういうものでございましょうか、大臣のお答えを願います。これでは小児科のお医者さんも顔負けでございましょう。時間がありませんから、三十秒で……。
#288
○渥美政府委員 お話のとおり、一歳から十九歳までの児童の死亡原因の第一順位は不慮の事故でございます。不慮の事故でも、水死あるいは交通事故、いろいろございますが、そういうふうな点であろうと、かように考えます。
#289
○帆足分科員 やっと外に出られるようになると、まず水による死亡が第一位でございます。泳げるようになると溺死がいよいよ多くなります。外に出て自転車にでも乗って遊んだり、ちょこちょこかけられるようになると、交通事故による死亡が第一位でございます。それから今度は、外気に触れるようになると、その死亡の第二位はガンでございます。あのやわらかな桃色の皮膚の、かわいい少年少女たちの、その死亡率の第二位がガンであるということを聞いて、胸の痛まぬ者があるでしょうか。これは一体何に原因するものでしょうか。三十秒で御答弁を願います。
  〔竹内主査代理退席、山内主査代理着席〕
#290
○渥美政府委員 小児ガンの中にも白血病その他いろいろな種類がございますが、小児ガンにおきましては白血病が一番多いわけであります。
#291
○帆足分科員 原因は何か。
#292
○渥美政府委員 原因につきましては、これは一般のガンと同じように不明な点が非常に多うございまして、目下学界におきましても研究をいたしておるところでございます。
#293
○帆足分科員 何も目下御研究なさらなくても、一つはガンについての研究が進んで、死因不明であったものがガンであるということがわかったことと、明らかにこれは公害の産物であると私は思います。私のうちのような郊外におきましても、ガラスのごみをとって顕微鏡で見ますると、タール物質が一ぱいでございます。だれしもガンであるということを思いつくでございましょう。子供の死亡率の第二位はガンでございます。第一位は事故による死亡でございます。何をか言わんや、私はこれで厚生省が神経衰弱にならないのがふしぎであって、局長さん、ノイローゼになっておられるかどうか、ノイローゼになっておって微熱が出るくらいならば、これはりっぱなお役人ですけれども、それでけろっとして食欲ますます駐盛であるとするならば、これまた身元調査をいたさねばならない、こういうことになるわけであります。まことに不幸なことでございます。
 そこで、私は要望したいのです。委員というものは、何もあなた方の生徒じゃありませんよ。質問するのが目的でなくして、問いただし、しかり、要望し、その実施を迫るというのがわれわれの任務でございますから、どうか悪く思わないでください。いばっていると思わないでください。議員は国民を代表して強く発言しますけれども、選挙のときは電信柱にまでこうべをたれて苦労して出てきた人民の代表、国民大衆の代表でございますから、国民の代表らしく、われわれは皆さんに質問するのでなくして、御要望を申し上げる、それは当然のことでございます。そういう事情であるならば、この死亡率の第一位と第二位についてどういう対策を講じ、どういう教育をし、どういう通達を学校に出してこれに備えよと警告を発しておられるか。たとえば乾燥期になって火事がふえると、消防署は各家庭に、乾燥期だから水の用意をしろ、火元に注意をしなさいと言うでしょう。いまや、子供の死亡率の第一位が事故であり、第二位がガンであるとするならば、これに対して、皆さんはどういう警戒管制をお出しになりましたか。テレビ、ラジオでも聞いたことがございませんから、ひとつその一端をお示し願いたいと思います。
#294
○渥美政府委員 児童の事故防止に対しましては、要するにその子供たちが安全でかつ健全な遊びをすることを容易ならしめるということだと思います。したがいまして、全国的に、遊び場の確保でございますとか、児童遊園の確保でございますとか、あるいは児童館の建設、こういうような点につきまして、いろいろな施策を推進しているところでございます。同時にまた、子供の遊びに対する指導とか、そのための地域におきまする子供たちの組織づくり、あるいはおかあさんを含めての組織づくり、こういった点につきましての組織の育成あるいはその指導者の養成という点につとめているところでございます。
 ガンにつきましては、先ほど申し上げましたように、ともかくこの原因不明のものの研究を推進するということでございまして、小児ガンを含めまして成人のガンに対しましても、毎年相当の研究助成金を支出しているところでございまして、四十四年におきましては、二億七千六百五十六万円というふうな総額の研究費を計上しておるところでございます。なお、特に子供のガンの薬剤研究、あるいは研究開発されました薬剤を健康保険に適用させるために、白血病に関しまして新薬の薬価基準における登載を進めているところでありまして、御承知のように、メソトレキセートというふうな薬なども使用が可能になっておるところでございます。
#295
○帆足分科員 私は、御答弁のスケールの小さいのに、そして熱意の足らないのに驚くばかりです。軍事費に使うくらいの金があったら――安全保障というのは、人の命の安全保障、国土の安全保障ですから、子供の命を守ることこそ最大の優位に置かるべき安全保障ですから、自衛隊の経費の相当部分などは子供を守るためにどんどん出す。特にガンのためにどんどん死んでいる数はベトナム戦争で死んでいる数より多いわけです。
  〔山内主査代理退席、竹内主査代理着席〕
中共がこわい、またソ連がこわいと言われましたけれども、中共に攻められて死んだ人はまだ一人もおりませんよ。ガンに殺されるのは、諸君もわれわれも、裏口からか表口からか、ガンによって倒れるのでございましょう。ところが、もうガンについてはほとんどめどがつき始めて、一つはマイシン、化学療法、一つはガンビールス、電子顕微鏡の問題これらについてわれわれが立ちおくれしていることは御承知のとおりでございますから、たった二億円の端くれ金をガンに出したといって報告されて恥ずかしくないものだと、私はその心臓の強さにもう感服する次第でございます。どうして厚生省というのは、こうしみったれに生まれておるか。お育ちが悪いのか、お家柄が悪いのか。私はほんとうに要求額が少ないと思うのです。少ないから、要らない防衛庁などに資金を取られてしまう。勝ってくるぞと勇ましくなどと言って、もし戦争が始まったら、防衛庁の兵隊は全部逃げてしまうと言っておるのです。この前座談会を開きましたら、うちの主人は生活するために防衛庁に入っておるのですから、死ぬために入っておるではないのですから、やめさしていただきますわと、十人のうち八人のかわいらしい奥さんはそう言いました。二人のあまりべっぴんでない奥さんは黙っておられました。かわいらしい奥さんはみんな亭主にかわいがられておりますから、亭主を絶対に離さない。そして子供たちはどう言うかというと、お父ちゃん、早く戦争から逃げて、カン詰めと毛布を昔のおじいちゃんのように持って逃げて帰ってちょうだい、こう言うに違いありません。憲法違反の戦争で、大義名分のない戦争で、ベトナム戦争などのとばっちりの戦争で、原子力の時代に、人間の理性は人工衛星として月世界に届こうとする時代に、飛行機なんかつくって一体何の役に立つか。私は世にもふしぎな頭脳であると思っております。大東亜戦争前に年産三百万トンの鉄鋼自給力であるのに、九千八百万トンの鉄をつくるアメリカと無謀戦争をした、あの無知と無学さは、今日も日本の政府当局から払拭されていないことを悲しむものでございます。
 話は余談に移りましたけれども、今度は自殺。自殺になりますと、十九歳になりますと、突然自殺が第一、第二位になってきます。またお年寄りの自殺は、女子は第一、男子は第二位でございます。スウェーデンでも自殺がありますが、これは人間疎外からきたものでございますけれども、しかし日本の場合は、住宅難をはかなみてということが、統計の中に備考に書かれております。これもひとつ厚生省の御注意を促したい。これではどうしても厚生省という名前を改めていただかねばならぬ。今度は自殺予備省くらいに名前を改めていただかねばならぬ、こういうことになるわけです。
 それから、先ほどのガン対策の一つとして公害がございます。公害がガンの間接的原因の一つである。すなわち鉱物と植物のあいのこの、突然変異の早いあのビールスに乗ずるすきを与えるのは、おそらく公害であろうと思います。公害の中で、工場対策は公害対策委員会でやっておりますので、そちらにまかせまして、私どもの身辺に近い自動車に限りますると、新車に限りまして今度浄化装置をつけろということになったといわれますけれども、しかし、中古車はその数は千二百万台に及び、各種の大型、小型の自動車、あるいはディーゼルエンジンによるもの、すなわち重油燃料によるもの、数知れざる自動車が公害をまき散らしておること、御承知のとおりでございます。これに浄化装置を一日も早くつけさせねばならぬ。大体自動車に乗る階級などはぜいたくな階級ですから、強制的につけさせればいい。国会の自動車に何台ついているかと思いましたら、わずか数台しかついておりません。国会の自動車ですら――まず隗より始めよでありますけれども、これは全体がやらなければ意味のないことでございます。厚生省はなぜ新車に限ってそういうことをなさるのか。これまた気の小さいのには驚きます。ひとつ、やっとこでも持ってきて、そして厚生省は防衛庁が腰を抜かすような案を、国民の福利、民福のために、すなわち自衛とは何である、国民の命を守ることである、自衛のための予算をふやしてもらいたい。自衛隊の長官は、必ずしもかしこい人のみではないでしょうから、たいへん喜ぶでしょうから、取れましたらすぐ、それは厚生省が全部いただきますと、こういう論理をもって公害対策を、特に、自動車から出るのは亜硫酸ガスよりも一酸化炭素ですが、この対策を至急急いでもらいたいと思いますが、もう時間も幾らもありませんから、それではそういうふうにやろうというふうにお答えを願いたい。目をつぶってそういうふうにやろう、こうおっしゃればいいわけです。
#296
○斎藤国務大臣 一酸化炭素は、おっしゃるように自動車の排気ガスでございます。私のほうから強く運輸省及び通産省に要求をいたしました。通産省は運輸省と協議の上、秋の新車からはいままで三%の排気ガスを二・五%に下げるようにというようにいたしたわけでございます。いまおっしゃいますように、中古車についても規制を厳にするように要望をいたしております。
 ガン対策でございますが、金額が少ないとおっしゃいますが、たとえば、一千億積めばガンの原因がすぐわかるということであれば、一千億直ちに大蔵省からもらってまいります。しがしながら、ガンの原因、またこれに対する療養方法、各国ともきそってやっておるわけであります。やはりやるのには時日と研究を要するわけでありまして、金目だけの問題ではないことは私が申し上げるまでもないと思います。
#297
○帆足分科員 これは、厚生省のお役人に給料だけやって、必ずしもすぐ元気が出るとは限らない。正義の感情と、それから聡明でなくてはならぬというのと同じであって、優秀な頭脳が必要ですけれども、優秀な頭脳はよい報酬とよい機械を買わねばできません。日本には電子顕微鏡が発達しておりますけれども、しかしドイツに並ぶほどの陽子顕微鏡が何台ありますか。陽子顕微鏡でいかなければガンの対策はできないように私は聞いておりますが、御専門の方ですから、その一端をお漏らし願いたいと思います。
#298
○松尾政府委員 私、残念ながら全国にどういうものがあるか存じておりません。
#299
○帆足分科員 これも、給料が安くてビタミンCが少し足らぬのじゃないかと思いますが、ビタミンCの足らない人には、ビタミンは清浄な野菜の中に入っておるから、そうたくさんの金を必要といたしません。毎朝適当にキャベツを召し上がること。ビタミンのCを飲みましても、ぐぐっと元気になるようなあれはうそですから、ああいう誇大広告はおやめになるように。これはあとで申し上げます。
 日本でガンビールスに目をつけたのは、京都大学でも東京大学でもおりますけれども、この官立大学ではセクショナリズムが強く、封建性が強く、いつも少数派でありました。しかし、代々のがん研究所の所長はみんなガンで倒れてしまいましたので、とうとうくたびれてしまいまして、一昨年のがん研究所の、一番こう厚い年次報告を読みますと、中原博士が、どうもわれわれの過去における態度は誤っておった、ガンビールスの問題は陽子顕微鏡の力をかりねばならぬということを、初めて序文に告白しております。私はそれを読んで、おそきに過ぎるけれども、安心しました。というのは、それより三年前に岩波で翻訳されました英国の原子顕微鏡研究所の所長が、ガンの探求は陽子顕微鏡が一つのかぎであるということを、ガンの生態に触れて詳しく書いておりました。私ごときしろうとが、これをもう五年前に読んだくらいでございますから、厚生省の皆さまが、着眼点があまりにも時勢からおくれておること。ちょうど八年前にプラハ大学に私参りまして、あそこに一人の小児麻痺患者もいないのを知って驚きまして、マリック博士にこのことを聞きましたら、これは生ワクチンの――チェコスロバキア製のものでありますが、ソ連製のものも研究いたしました。日本でこれを実行したのは、それから三年後のことです。古井喜實厚生大臣はたまたまプラハの大学に行っておりましたから、私がマリック博士のことを申し上げましたら、すなおによく理解してくれました。彼は薬事審議会の議を経ないで、大臣として辞職を出してもいいから、これは急を要することであるから生ワクチンに切りかえるよう――これは有名な物語の一つです。そのくらい厚生省はおくれておると思いますから、どうかこの立ちおくれを取り戻していただきたい。それにはどうしても予算が必要ですから、わずか二億円の予算で十分であるなどとおっしゃるような気宇狭小なことでは困るのであります。警視総監時代の、どろぼうをつかまえるような気持ちでガンをつかまえようと思ったら、なかなかっかまるものではございません。三億円どろぼうよりもガンのほうがおそろしいのでございますから、これは自衛隊が腰を抜かすくらいの金を、福利の増進のために――憲法第九条の違反に金を出すよりも、憲法の趣旨に従って予算をもっとたくさんとっていただきたい。これは私どもすべての議員が、厚生省を激励したい気持ちでこういう憎まれ口を言うのであります。どうか厚生省においては、大臣、次官、局長一致団結して、もう少し強い自信を持って御主張のほどお願いいたします。
#300
○竹内主査代理 帆足先生に申し上げます。お約束の時間をすでに経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。
#301
○帆足分科員 こうして次々にあげてまいりますと、最後は薬の問題になります。薬九層倍と申しまして、大正製薬の社長さんとやらが長者番付の第一番になっておる。私は健康保険制度の場合に、他の条件が考慮できるならば、薬の値段を調整することにもやたらに反対するものではありませんけれども、聞くところによりますと、一円くらいでできるアリナミンが、これは神経痛にきくのですが、十倍くらいの値段で売れる。そしてまた売薬としては十五倍にも売れている。したがいまして、薬価基準の問題を論ずるのには、お医者さんの収入の値幅を小さくするという観点よりも、薬価の原価そのものを再検討される必要があると思います。そして今日のばかばかしい広告を規制する必要があると思います。
 そもそもビタミンを売るのに、英国の広告を見ますと、ビタミンは野菜の中に十分に入っておる、日常それをとれば十分である、神経痛だとか、病後とか、特殊の事態のときに医者の指導を受けて適切な量を飲みなさい、多く飲み過ぎても必ずしもいいというものではありません、こう書いてあります。しかるに、わが国においては、ぐぐっと元気で。それがアリナミンの広告。昨年も申し上げましたが、おまえへそないじゃないか。これがかぜ薬。お茶わんからこぼれるほど飯を食って、ぶざまなかっこうでひっくり返って寝て、何とかという胃散を飲んだら腹がぺこっとへっこんでしまう。一体こういうようなテレビを見ると、こういうようなものを損金として、広告費として許しておるということだから、そういう心がけであるから、汚職問題などが起こるのじゃないでしょうか。私は、これは汚職精神と無関連ではないと思うのです。一体汚職はどうして起こって、どういう対策を講ぜられるのか。
 それから、広告費の薬に対する割合はどうか。薬の純利益率はどのくらいであるか。きょうは時間がありませんでしたら、統計表をもってお出し願いたいし、なお一分くらいの間にお答えできることは要点をお答え願って、足らないところは統計表をお出しくださって反省の材料にしていただきたい。
 私は厚生大臣に敬意を払って申し上げますが、厚生大臣の仕事は、この国で容易なことではありません。この国の腐った政治、この国の半封建性、この国の精神分裂症の現状、それから見て、厚生省の立場は非常に苦しいと思います。厚生省がときどきよい主張をなさるとどれほど窮地におちいったかは、園田厚生大臣のときの事例の幾つかで私は十分存じております。したがいまして、厚生大臣には日本憲法に即した十分な勇気と自信を持って御活躍のほどお願いいたしますが、ただいまの質問に対して要点をお答えくださり、あとは統計表でいただきたい。そして健康保険制度をいずれ論議しますときに、特別委員として出席さしていただいて、この問題について御協議したいと申し上げて終わります。
#302
○坂元政府委員 医薬品の広告のあり方について御指摘を受けました。従来から、御指摘のあったような、薬としての品位を害するような、あるいは品位を傷つけるようなものは、業界自身の自粛と相並行しまして、私ども厚生省自体でやめるようにという指導をしております。現在のところ、先ほど御指摘のような事実はやめている、こういうふうに承知しております。
 それから第二点の広告費の問題でございますが、全体としまして医薬品の広告費は、四十年以降毎年一〇%何がしずつ下がってきております。
 それから最終の利益率でございますが、総売り上げに対しまして大体六%から七%ぐらいの純利益率、かようになっております。もちろんこれは医薬品の全メーカーの指数ではございませんで、大手メーカーだけの数字しかございません。そういう大手メーカーだけの数字から申しますと、総売り上げ高に対しまして純利益率が大体六%ないし七%前後であるようでございます。
#303
○帆足分科員 後ほど統計をいただくことにしまして、統制は守らねばなりませんが、私一言申し忘れたことがございます。時間は決してとりません。
 歯科のほうにおきまして、子供の虫歯が世界一でございます。子供のときに虫歯は予防すれば、もう非常にあとが楽になる、歯は生命の門なりで、健康全体に影響するのでございますから、子供の虫歯に対する対策を強化してもらいたい。そして子供は泣きじゃくって動きまして、治療費及び時間がたくさんかかりますから、子供の治療費の点数については特別の御配慮を願いたい。
 さらに、今日四十歳以上はガン、高血圧が問題になっておりますけれども、世人が忘れておりますのは歯槽膿漏であります。歯槽膿漏につきましては、薬でもって、歯をマッサージをする等のこともございますけれども、成人対策としてはきわめて重要なことでありまして、歯がじょうぶならば、七十四歳の平均年齢を達成し得るのでございますから、老人対策、成人対策として、歯槽膿漏対策をひとつ御考慮願います。
 それから老人に対しましては無料の治療をするというておりますが、歯ががくがくしても入れ歯にしないうちに対策をお立てになれば、対策費は非常に少額で済みますから、特に御注意のほどお願いいたします。
#304
○竹内主査代理 帆足君、簡単にお願いします。
#305
○帆足分科員 また、歯の治療の進歩は日進月歩でございますから、非常に高い技術と、非常に優秀な機械を必要とすることになりましたから、その機械の減価償却率をもう少し寛大に御考慮願いたいと思います。
 これらはいずれも時勢に即してよろしくお願いいたします。
 時間を超過いたしまして、主査に気をもませまして、まことに失礼申し上げました。
#306
○竹内主査代理 次に、村山喜一君。
#307
○村山(喜)分科員 私はいま大蔵委員会の委員をいたしておりますから、主管の大蔵委員会で、国税庁の問題等については十分発言ができます。しかし、厚生省の関係の問題は、この予算委員会でなければなかなか発言の番が回ってまいりませんので、斎藤国務大臣がおいでになるときに出てまいりまして、ぜひ大臣に私の考え方を申し上げると同じに、御共鳴をいただく中でひとつ問題の処理を進めてもらいたいという気持で、きょう質疑に立ったわけです。
 まず初めに、そういう立場から問題を提起してまいりますが、昨年、御承知のように、四党共同提案によります消費者の物価対策に関連をいたしまして、消費者保護基本法が成立をいたしました。そのときに、これまた決議の中に明らかにしてありますように、「消費者の組織については、消費者自身の自主的活動に期待する面が大きいので、消費生活協同組合等民間の消費者組織の効果的発展をはかる方向で適切な措置を検討すること。」という条項がついているのでございます。消費生活協同組合は、これは厚生大臣の所管下にございます。そこで、こういうような決議をつけまして、その後、生活協同組合等については、どういうような積極的な行政の姿勢を示そうとしておられるのか、その点をまず第一にお伺いをしておきたい。
#308
○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。
 決議の線に沿ってでありますが、それ以前からも、生協法はなかなか思うように伸びておらない。生協法の法改正も、いろいろ問題を煮詰めようというので、協同組合の、日協連といっておりますが、全国の組織団体の幹部の人方と、私ども事務的にいろいろ詰めております。そういうふうな状況が一つ。
 それからもう一つは、還元融資の問題、たとえば住宅の問題あるいは医療施設の問題ということにつきましては、融資関係、低金利長期のものをつけなければならぬということで、たとえば四十二年度におきましては、全部ひっくるめまして約二十億というものを、これも年々ふやしてもらうというふうなかっこうで折衝いたしております。
 それからもう一つは、各都道府県において、地域の生協の講習会、あるいは生協の実際の担当者のいろいろな研修会をやってもらうというふうなことを、日協連と十分な打ち合わせをしながら、逐次進めておる、こういう状況でございます。
#309
○村山(喜)分科員 生協法の改正案はいつ閣議にかけられるか、そしてもう提出されたのですか。いつの見込みですか。
#310
○今村(譲)政府委員 これは問題点が二つございまして、一つは生協の具体的な、たとえば理事機構とかなんとかというような内部管理機構の問題、これは日協連とも相談し、農協、中小企業とも全部歩調を合わせるように、たとえば商法準用のような近代的な方式でやらなければならぬというようなことで、相当進んでおります。
 それから第二点の地域の問題、それから員外利用の問題これは農協や中小企業と非常に違いまして、発足の当時から非常な制約のもとにできておりますので、これは現在、通産省と、中小企業庁のほうと話し合いを進めておりますが、相当難航しております。したがって、現在まだいつ幾日閣議決定ということにはなりませんが、極力これは進めて、できますならば今度の国会までにまとめたい。しかし、これはうしろに、通産省のほうとしましても、中小企業との関連の問題ということがありますので、そう簡単には、一日、二日のうちにまとまるという状況ではございません。できるだけ努力をいたしたい、こういうことで目下やっておる最中でございます。
#311
○村山(喜)分科員 法の改正案が出てくるものだ、われわれはこう期待をして待っておるのですが、一向に閣議できまったという知らせもない。なかなかもめているのだというふうにも受け取れるのですが、出てきたら物価対策の特別委員会のほうでこの問題は論議をしようということで、いろいろ話を進めようとしておるわけですけれども、それがなかなか出ない。そうするうちに、私は厚生省の設置法を見てみたのですが、あなた方のいわゆる設置法の中における権限事項関係等を調べてまいりますと、どうもこの消費生活協同組合に対する厚生省のタッチのしかたというものが、権限関係においても助長と監督という社会局の所掌事項が書いてございますが、省全体の目的の中に明示してないという程度のものであって、そういうような点から、この審議会なり調査会なりという付属機関を見てみると、生活協同組合に対するそういうようなものもない。だからややもすると、これはまま子扱いにされている存在になっているのじゃなかろうか、私はこういうような感覚で見たのです。厚生大臣、あなたはいま生協関係の問題で、国税庁のほうと話をしなければならないような問題が現に出ているということを御承知でしょうか。
#312
○斎藤国務大臣 私、厚生大臣を拝命いたしましてから、先般の消費者保護基本法採決の際の附帯条件等も拝見をいたしまして、生活協同組合は、厚生省の中にあるのかということを初めて発見したようなわけでございます。それほどに、ざっくばらんに申し上げまして、厚生省の行政と、この消費生活協同組合と申しますか、消費者全体の利益のための施策をやる省だという感じが実はなじんでおらないのじゃないだろうかと私は思います。もちろん、厚生省設置法におきまして厚生省所管となり、その部局が定められておりますから、その部局の者が熱心に努力してくれておると思いますが、全体の性格から申しますと、私は消費者全体のための利益をはかる一省か、たとえば経済企画庁の中の一つの外局か、大きなそういうようなものが必要じゃないだろうか、かようにいま考えておるわけであります。したがいまして、消費者全体の利益を守るというような観点から、この消費生活協同組合をどういうようにやっていったらいいのか、いま事務当局で御説明いたしましたような事柄を、事務的にやっておりますけれども、もう少し幅広く、どう考えたらいいだろうかと私はいま思案をいたしておるわけでございますので、ひとつこれらが中心になり、あるいはその他全体の消費者の利益を守るというために、ひとつ御卓見をお聞かせいただきたい、かように思っているわけです。
#313
○村山(喜)分科員 斎藤大臣がいま述懐されましたように、まさに厚生省の中における消費生活協同組合の位置づけというものはそういうようなものであろうと思うし、また私たちもそういうような状態の認識が普通の姿だと思うのです。しかし、この法律関係を見てみますと、昭和二十三年に制定された法律でございまして、もう二十数年過ぎておる。二十数年の歴史がありながら、そうしてまた、今日はもう全国に五千店ぐらいの店舗をかまえるぐらい消費生活協同組合運動というのも行き渡ってまいりました。そして一つの大量生産、大量消費の流通機構の中で、組合員の生活を守り、経済的、文化的な生活水準の向上を目ざしまして運動が進められておることは御承知のとおりであります。それで灘の生協に見られますように、十億円も売り上げがあるような大きな地域生協まで生まれているわけです。そういうような消費流通機構の中における位置づけという問題を考えてまいりますと、社会局長のところでおやりをいただくことが妥当であるかどうかということについては、行政組織機構の上から見まして、おっしゃるような問題点があろうと私も思います。消費者省というようなものでもつくっておれば、当然そこで取り扱う問題なんですが、しかしながら、いま日本の行政機構の上では、やはり厚生省が現在のところ責任を持っていただいて、育成、助長に当たってもらう以外に道はございません。
 そういうような意味で、いまから私は具体的な一つの問題を提示いたしまして、厚生大臣の努力をひとつ要請いたしたいと考えるわけです。それは、いわゆる横浜生協で問題になりました、正月用の酒を福島県の古市酒造から一万本購入をいたしました。これは生協自体が購入したのではございませんで、現在、古市酒造が小売り販売権を持っておりますから、それに対して組合員を紹介した。組合員個々がそこに発注をいたしまして仕入れをした。その仕入れの額が新聞にも出ておりましたが、六百円の二級酒が四百三十五円で手に入った。それから八百四十円の一級酒が六百四十円で手に入った。そういうようなことで組合員は非常に安い正月用の酒が飲めたわけです。ところがこれに対しまして、いままでの流通の組織を形成をいたしておりました卸問屋さんであるとか、あるいは小売り店は、そういうようなことを古市酒造がやるということになるならば、流通の秩序というものをこわすことになる、だから、あなたのところでつくったものはもう買えないということで、ボイコット運動が始まった。そこで古市酒造は、一万本くらいの酒を横浜生協に売っただけで生計が成り立つわけではございませんから、新しくそういうような販売の方式になるところを拡大していかなければならぬ、こういうことで、関東一円に広がっていくという形が生まれてくる。つい最近もそうでありますが、新聞、テレビで報道をいたしておりましたけれども、もう一都十県以上にこういうような新しい販売形態が始まって、この生活協同組合が、そういうような製造メーカーと提携をして販売をする。消費者には安い価格でこれを販売ができるような、そういうようなものをやっていくんだということで、全国的にこれが広がろうとしている状態が出てきておる。
 そこで今度は、そういうような状態になってまいりますと、従来の酒の小売り店等は、われわれの生活権を侵害をする革命だ、流通革命じゃなくて、われわれのめしの種はもうなくなってしまうのだということで、大騒ぎをする。そして、いろいろな動きが見られておるところです。この前も、全国の酒の小売り店の中央会の会長や専務がおいでになりまして、この問題についてひとつ御協力をいただきたいということでございました。私たちはこれらの問題について、従来この消費者保護基本法が制定をされました当時、昨年の五月から、ちょうど酒の値上げをするという時期がございました。そのときに、税金の分だけは上げるのはしかたがないだろうけれどもというところにもってきて、御承知のように特級酒が五十円、一級酒が四十円、二級酒が三十円の便乗値上げというのですか、必要な値上げと称しているのですが、そういうような、これは国税庁の指導で値上げがきまり、業者のほうはもっと上げたいということで申請をしておったら、国税庁がそんなに上げなくて、大体こういうところでやったらどうだというので、言うならば私たちは行政カルテルだと思っているのですが、そういうことで押えられた。そういうような例がございます。
 そこで、こういうようなことを踏んで、一体酒の流通系統をいまのままの形でやっていくのか、それとも生活協同組合のほうに立って厚生大臣は応援をしようとお考えになっているのか、一体いままでどういうような行動をおとりになったのか。それから、業界を信じて、やっておいでにならないのだったら、やっておらないというふうに言っていただいてけっこうですから、明らかにしていただきたいと思うのです。
#314
○斎藤国務大臣 実を申しますと、先ほど申し上げましたように、との消費者協同組合の点につきましては、あまり知識がいままでなかった。そこで、これからいろいろお伺いいたしたいと申しているわけでございますが、ただいまの酒の問題につきましても、いま初めて伺うわけでございますので、ここで思いつきの御答弁を申し上げるのもいかがかと存じます。広く一般の流通経済の問題その他と関係するところが、この消費者組合は非常に多いと考えますので、経済企画庁長官あるいはそのほか幅広い意見を伺って、そうして善処をいたしたいというふうに思います。
#315
○村山(喜)分科員 今村社会局長、あなたはこの問題で、何か行政なりあるいは指導で動かれましたか。まだそのまま現在は放置しておいでになるのですか。
#316
○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。
 私は今度の古市の問題これについては覚えておりません。ということは、この問題は要するに酒税法の免許の問題、解釈の問題であるというので、この結果がどうなるかというふうな問題で、横浜生協と神奈川県庁のほうからは、その辺の事実行為、法律関係その他は詳細に聞いております。それで問題は、これはいまに始まった問題ではありませんで、十数年も前から、私、実は生活課長をやっておりましたが、前から生活協同組合にも当然酒の小売り業を免許してもらいたいということは常に言っておりますので、この問題の動向いかんにかかわらず、前からそういう希望を持っており、しかも、大蔵省のほうには、これをお願いいたしている、こういう状況でございます。
#317
○村山(喜)分科員 ところで、保税という立場から国税庁がいままでずっと指導をしてきていると思うのですが、私はやはり生活協同組合の場合は、その法律等にかんがみて、いまやっている行為が法律に違反をしているものじゃない、そういう立場であなた方タッチしておられないだろうと思うのだが、あれはそういうふうに考えてよろしいですね。生協法に、指導監督はあなた方の権限ですから、違反はしていない、いいですか。
#318
○今村(譲)政府委員 これは国税庁の正式な答弁にもありますように、あの行為自身は酒税法にはぶつからない。基本的にいいますならば、安い物資を安い価格で組合員に配る、それが生活の合理化だということで、違法でなければ何をやってもかまわぬという筋ではありませんけれども、そういう行為があったということを、実は新聞に載って初めて知ったわけです。古市氏の問題は酒税法に照らしても法律違反にはならないだろうという見当をつけていたのでありますが、国税庁も同じような判断でございました。
#319
○村山(喜)分科員 酒税法違反にもならないし、それから生協法違反でもない。こういうようなことです。
 そこで、国税庁のほうは、三十五年に統制が解除されて、三十九年に基準価格が廃止をされました。今日においては、事実上は小売り免許だけが残っておるのだけれども、価格の統制はないわけです。しかしながら、保税という立場から外部には公表していないけれども、上限値というものと下限値がきめられて、そのワクの中において販売をされることが望ましいという指導をやっていらっしゃるに違いない。それから、たとえば小売り店が十円値段を下げたら、なぜあなたのところは値段を十円下げたのかということで、下げた理由を明示しなさいという指導をやっていらっしゃる。これはいわゆる課税のときの指導であります。そういうようなふうにして、現在の流通系統の中で、税金をいかにして確保するかという立場からいろいろな指導をしてこられた。ところが、こういうような流通革命の問題が出てきたら、現在のところ手の打ちようがないというのが率直な姿ではなかろうかと思うのですが、一体これをどういうふうにやっていったらうまくいくのだという、その自信をお持ちですか。佐藤間税部長、どうです。
#320
○佐藤説明員 御承知のように、酒税法上、生産、販売、それぞれにつきまして免許制度をとっておるわけでありますが、これはもちろん酒税が四十四年度におきましての予算案で申し上げましても五千六百七十億、非常に多くの租税収入を見込んでおるという点から、重要な財政措置であるということでやっておるわけでございますが、いまお話しになりましたいわゆる横浜方式といいますか、こういうやり方、これは消費者から直接生産者のほうに注文をいたしまして、生産者が直接消費者に販売をする、こういうやり方をやっておるというふうに解しております。このやり方でありますと、自分の製造しておる酒につきましては、その製造者は販売することができるわけでありますので、免許上の問題は起こらないわけであります。違法ではないわけでありますが、ただやはり免許制度をとり、そして酒税を保全するという立場から見ますと、このようなやり方が非常に一般的になってくるということになりますと、いろいろ酒税保全上の問題が起こってくるだろうと思います。ただ、私ども現在の状況で見ますと、このような販売の秩序といいますか、こういう卸、小売りを通じないでやるというような売り方が、酒という大衆商品につきましては、なかなか、一般的にこれが行なわれるというようなことは、いまのところちょっと考えられないわけでございまして、もし、これが一般的になれば何らかの対策をとる必要も起こるかとも思いますが、これらの状況を注視しておりまして、いまのところ特別な対策をとっておるわけではございません。
#321
○村山(喜)分科員 斎藤大臣、この問題はもう時間がなくなりましたから、最後に大臣のほうからお答えをいただく意味で申し上げますが、この問題は、酒の小売りを生活協同組合に免許してくれ、免許を出してくれというところから始まったのです。それから、生活協同組合ですから、組合員の生活購入物資を安く手に入れて、良質のものを配るというのが生活協同組合運動なんです。その立場から、いわゆる生活必需品である米の小売りもやらせてくれ、それで申請をする。酒の小売りもやらせてくれということで申請をする。ところが、なかなか免許を許さない。許さないからこういうふうな問題が発生した、こういうふうに基本をとらえていただいてけっこうだと思う。
 ただ、いろいろ私も調べてみますと問題があります。酒の製造関係の業者が、三千六百五十六社も全国に散らばっておりますし、小さな五百キロリットル以下の業者が九〇%もあるというようなことやら、しかも、自分のところで製造をすると同時に、自分の近くの人たちに小売りができるという小売り店まで持っている。そして、そういうようなものを今度は利用して、そのような方法がとられる。ところが卸売り、小売りという流通段階のところでは、そういうようなことをやられたのでは、自分たちの生活が成り立たないということで騒ぐわけです。一本について、これは固定的ななにはございませんけれども、卸売り段階で大体五十円、小売り段階で百二十円くらいのマージンがあるのです。そのマージンの上に今度はあぐらをかいて、卸売り業者等は特定のキャバレーとか、あるいはバーとかいう大口消費者のところには安く売る、そうして消費者のほうにはサービスを怠ってきた。国税庁の保税主義の上にあぐらをかいて、そしてそういうような消費者に対するサービス面は怠ってきた。そこに一つの問題点があります。だから、これらの問題を解決していくためには、当然、消費生活協同組合のほうの所管を担当しておいでになる厚生大臣が、国税庁のほうの所管大臣であります大蔵大臣に対して、合議を申し入れられて、そしていま起こっておるトラブルを、早く解消しようじゃないかという立場で、しかもそれは消費者の生活を守ってやるという立場からあの問題を取り上げていただきたい。そうでなければ、いままでの日本政府の、各行政の組織機構というものを見ておりますと、生産者の行政はあっても、消費者の行政はなかった。税金を取り立てるための行政はあっても、消費者の価格を安くする行政はなかったというふうに大衆は考えております。しかし、さればといって、卸売り、小売りで現在生活をしておる人たちも、全部生活権を奪い取るということはおかしいと思うのです。ですからやはり、ちゃんときちっとすべき問題は、第一に、私が提示申し上げましたように、人口が多くなっていく地帯等は、当然生協に酒の小売り店等を許可すべきなんだ、そうして一ぺん小売りをもらった生協が、今度は繁華街に、自分は免許を持っておるからといって出店のようなものをあちこちにつくって酒を小売りするようにしたら、これはまたそこら辺におる町の業者はお手上げですから、そういうことにしないような指導というものも必要だろうと思う。そういうようなところをやはりこの際考えて調整の任に当たっていただきたい。いまトラブルがあちらこちらにおいて発生をしておるわけです。そうなってきますと、今後ますます、これは合法的であるということになってまいりますから、消費者運動というものを一方においてやるでしょう。一方において保税主義だという立場でがんこにそれをがんばっておったら、いつかはこれが衝突をしていく形になっていく。これでは円満な流通行政、消費者生活運動というもの、そして酒をつくるという業界等の問題の解決はできないんじゃないかと思うのです。私は所管の大蔵委員会で、この問題はさらに今後免許の問題等から、あるいは業界の近代化、合理化の問題にメスを入れながら追及をしてまいりますが、厚生大臣は生活協同組合の担当者という立場から、この問題を提示を願いたいと思うのですが、いかがですか。
#322
○斎藤国務大臣 いま初めて伺いまして、大体わかったような気がいたしますが、よく実態をきわめまして、そして善処をいたしたいと思います。
#323
○竹内主査代理 この際、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
#324
○斎藤国務大臣 先ほど帆足委員から、最後に御意見をまじえて、御質問であったか、御意見であったかと思いますが、歯の問題につきまして、ことに乳幼児の虫歯の問題、それから学校の歯医者の問題また成人期になって以後の歯槽膿漏の問題、私も子供のころから歯が悪うございまして、これは痛感をいたしております。したがって、歯科のこれからの研究、また技術の推進、歯科関係は国民の健康保持に非常に肝心だ、大事だ、かように考えまするので、一そう力を入れてまいりたいと存じます。
#325
○竹内主査代理 次に、有島重武君。
#326
○有島分科員 先日の予算委員会の総括質問で、わが党の伏木和雄委員からいろいろな質問がございまして、そのときに、厚生大臣のお答えでございますが、児童手当制度を四十五年度から実施する、そのようにお答えをいただきました。それで審議会を設置してこれが検討をするようなお話でございましたけれども、ここら辺ちょっと疑問がございますので、きょうはそのことを伺っておきたいと思います。
 いままで児童手当懇談会があって、そこに一つの経過報告が出ておるわけでございますけれども、もう一ぺん審議会をつくらなければならないというのは少し解せないわけなんですが、この懇談会の設置の趣旨がどういうことであったのか、その辺から伺っていきたいと思います。
#327
○斎藤国務大臣 先般設けられました厚生省の児童手当懇談会は、いわば厚生大臣の私的な諮問機関のような形であったと思います。自分が考えるのに、どういうような考え方でいったらいいのかというようなことであったと思うのでございますが、そこで、その御答申をいただきまして、私はあるいは審議会というものにかけることなしに政府案をつくって、国会に提出してもいいかとも、かように思うわけでございますけれども、その懇談会の御答申の中に、なかなかこれは各方面に関係する重要な問題でもあるから、さらに審議会というものをつくって、そこで十分審議をした上、悔いのない児童手当制度というものを発足させるのが賢明であろうという答申をいただいておるわけです。その御趣旨に従って、児童手当審議会というものを設けさしてもらったらどうだろうかというので、いまその法律の改正の提案をお願いいたしておるのであります。
 いま一つは、本国会に児童手当法を提案のできないような現状でありますが、私も一日も早く草案をつくり、そして各界の御賛成を得て、提案に運びたいと思うのでありますが、総理もかねがね児童手当という制度は必要だと言っておられます。また各大臣もそう言っていたわけであります。そこで、児童手当審議会を設けまして、その任期を二カ年として、そこにせっかく総理はじめ積極的になっておりますので、はっきりと制度の上で二カ年の間には完成をし、提案をし、施行するという宣言をするような意味も含めまして、児童手当審議会というものをお願いをする、こういうように決心をいたした次第でございます。
#328
○有島分科員 ただいま懇談会の中間報告で、審議会をつくれ、そういうようなことがあったという話でございますけれども、特に今度の審議会でもって審議しなければならないその論点というものは、どういうところにありますか。
#329
○斎藤国務大臣 なかなか問題がたくさんございまして、懇談会の御答申が、いわゆる今日の健康保険と同じように、被用者のグループの児童、それから被用者でないものの児童、いわゆる健康保険制度と国民健康保険制度の二本建て、これがまず望ましいであろうというような答申が来ておりますが、そして給付と言っては悪うございますが、児童手当の額も、そのグループによって違うという答申になっておるのでございます。それが唯一のものとは書いてございませんけれども、しかし、あとうならば、被用者グループであろうと、被用者でないグループであろうと、児童手当の額は同一であるべきじゃないだろうか。そのほうが望ましいのじゃないか。最初からそういう出発をしたらどうであろう。いま医療保険制度で抜本対策を検討いたしておるわけでありますが、その抜本改正をしなければならない現在の制度と似たような建て方というものが、はたしてこれから新しく出発しようという児童手当制度に適当かどうか。この点も十分、もう一つ論議をしていただかなければなるまい。
 それから児童手当の額をどうするとか、第何子から児童手当を出すとかいう、手当の支給方法も、いろいろとまだ検討してもらう必要がある。かように考えます。また、財源をどう求めるか、国費だけでいくか、あるいは事業主、企業者から拠出をさせるか、国民全体からある程度の拠出をさせるか、各国いろいろの制度をとっております。国によって制度が違います。またその児童手当の趣旨、発想も違っておりますから、制度も違っておるのだろうと思うのでありますが、わが国においてはどういう発想のもとに、そして財源はどういう取り方をしてやっていくのがいいか、私は予算委員会でも済めば、十分各国の情勢等も勘案をし、児童手当懇談会の御意見もさらに検討をいたして、できるならば、政府の考え方はこういう考え方で臨みたいと思うがどうかというような事柄を、それをたたき台にしてもらって、今度できる児童手当審議会で十分審議をしてもらったらどうだろうか。なおほかに、税制の面やあるいは賃金体系の面で、児童手当あるいは児童を扶養するという関係も織り込めたような賃金制度や税制もございますが、そういうものをどう組み合わせていくか。検討する問題が、そういうようにまだたくさんございます。しかし、検討で日が暮れてはいけませんから、ある程度の結論を出して、そしてそれで早く審議を進めていただきたい、かように思っております。
#330
○有島分科員 大体、審議会の諮問要綱は、これは全般にわたる案ということになります。それでこの年限が二カ年だというふうに伺っておりますが、四十五年からの実施ということと二カ年ということが、私にはちょっと解せないのでございますが、これは一カ年の審議会の設置でもっていいのじゃないか、かように私は思うのですけれども、その点はどういうことでしょうか。
#331
○斎藤国務大臣 制度が立案をされ、そして国会の審議を得、いよいよ発足をするというのには、国会で成立をして、準備がいろいろございます。したがって、国会で法案が成立をいたしましても、実施準備の段階でいろいろと御意見を伺う点もあろうと思いますし、初めての大きな制度でありますから、その制度のアフターケアを一年ぐらいやっていただくという余裕を持ったほうがよくないだろうか、かように思います。
#332
○有島分科員 それでは、来年法案を出すということについては、これは間違いない、そのように理解してよろしゅうございますね。
#333
○斎藤国務大臣 審議会の御審議を、ぜひ次の国会に提案のできるようにお願いをいたしたい。したがって、政府の諮問も早くやりたいと思うわけでございます。審議会が、特に長引くということのないようにお願いしたいと思うのでございますけれども、こちらの気持ちといたしましては、そういう気持ちでございます。
#334
○有島分科員 斎藤厚生大臣は、今度は私は初めてでございますからいいのですけれども、いままでの例で、審議会というのはいつも何か延長させられてくるその口実に使われてきたので、国民としては非常に危惧の念を持つわけですね。信用できないというような感じがするわけなんですよ。それで、そういうお気持ちであるというような弱い線ではなくて、四十五年にはとにかく一つの形を出す、そういう一つの決意を持って進んでいただきたい。これは中間的な審議であろうとも、この限りにおいては法案ということは可能だと私は思います。四十五年と言われましたことについては、これはぜひとも形をつくっていただく決意を固めていただきたい、そのように思いますが、いかがですか。
#335
○斎藤国務大臣 審議会制度は、実はジレンマを感じる場合もあるわけであります。たとえば、ただいま御審議を願っておりまする健保特例の延長に関係する法案、一カ月以内でぜひ審議をしていただきたいと日夜懇願いたしておるのでありますが、なかなか審議を十分にやっていただいておりますので、まことに苦慮いたしておるようなわけでございます。しかしながら、やはり衆知を集めていただくという意味から、審議会も必要であろう、かように考えますので、決意といたしましてはぜひ来年度これを国会に提案のできるように審議会にも審議を願う、その決意には変わりはございませんということを考えております。
#336
○有島分科員 いろいろお願いしたいと思うのですが、それで、なお審議会について言いますと、総理府のほうにございます社会保障制度審議会でございますね。あの審議会との関連性はどういうふうになるのか。私どもとしては、あの審議会でもできるのじゃないか、そのように思うのでございますがその関係はどうなりますか。
#337
○斎藤国務大臣 おっしゃいますように、それも私は可能であろうかと存じます。そしてまた実際問題として、その審議会にもかけなければなるまいかと思っております。そうしますと、二重ということになるおそれもありますので、そこでできるだけ委員の人選につきましては、その間の事情を考えまして、そして実質的にはそう手間のかからないような審議をしていただけるような委員会にいたしたいと考えております。
#338
○有島分科員 それじゃ新しくつくる審議会は、いつから発足なさることになっておりますか。そのメンバーなんかも大体準備が進んでおるのじゃないかと思いますが……。
#339
○斎藤国務大臣 審議会は、国会で成立をいただきましたら公布をいたしまして、公布の日からということになっておると思うのであります。できるだけ早く人選をいたしまして、そして早く発足をしていただけるようにいたしたいと思います。
#340
○有島分科員 これは地方自治体ではもう待ちかねて、すでに児童手当を発足させるところがございます。大体これは四十四年度ではどのくらい実施されるのか、あるいは計画され、あるいはその調査だけ始めるというようなところもあるようでございますが、そういった状況について御説明いただけますか。
#341
○首尾木説明員 四十四年四月一日実施予定のものが三十五市町村でございます。一応その程度とつかんでおります。
#342
○有島分科員 これはあとでけっこうですから、資料をいただけますか。委員長お願いいたします。
 それでは厚生省としては、こうした市町村でどんどん進めているというこの現況に対して、どのような見解をお持ちになるか。今後さらにこうしたことはふえてくるのじゃないかと私ども思いますけれども、どのような見解を持っていらっしゃるか。
#343
○斎藤国務大臣 やはり私は、地方におかれてもその必要性を痛感しておられると思います。したがいまして、厚生省といたしましては、全国的にその制度を一日も早くつくらなければならないと考えております。
#344
○有島分科員 お聞きしたのは、こうした市町村が、地方自治体が、どんどんやっていくということが好ましい、その方向へどんどん、それなりに進めてもらいたいというふうに思っておられるか。
#345
○斎藤国務大臣 私は、地方でそういうほうに進んでおられますことは、けっこうなことだと思っております。厚生省でいま考えているからちょっと足踏みしておれ、ちょっと待てと言うつもりはございません。
#346
○有島分科員 市町村においては、かなり苦しい財政の中からやられておるわけでございまして、御承知のとおり世界六十二カ国でもって行なわれている。特に、保護家庭や低所得家庭では、非常にこれらを待ち望んでおる状態でございます。ことに、地方自治体がやっているのは、これはもうしびれを切らしてやり出したようなもので、これ以上おくれると、やはり政治不信にもつながっていくんじゃないかとわれわれもおそれるのであります。ほんとうに一刻も早く、全国にわたって児童手当が実施されますように、これを要望いたしておきます。
 それから、次の問題でございますが、小児ガンについて、この対策について伺っておきたいと思います。まあ、最近は医学が進歩して、寿命が非常に延びておるということになっておりますけれども、ガンはふえている。死亡の率から見ますと、死亡原因の第二位を占めておるようなことになっておりますけれども、成人病としてのガンということについては、かなり研究が進んでおるけれども、十四歳未満の子供に対してのガン、これについてはややおくれているんじゃないか、この対策がもっと強化されなければならないんじゃないかと思いますので、一応伺ってみたいわけでございます。
 大体、毎年千五百人から二千人くらいの死亡者が出ておるといわれておりますけれども、最近における小児ガンの発生件数と、それから死亡数、これがどのようになっておるか伺っておきたいと思います。
#347
○渥美政府委員 小児ガンは、一般の成人のガンと同じガンではありますけれども、その症状が独特の傾向を持っております。御承知のように、非常に小児ガンは経過が急激でございますし、あるいはまた悪性度が高い、あるいは転移も起こしやすいということでございますので、成人のガンのように早期発見、早期診断というものが、非常につきにくいというまことに困難な問題もございますから、それで、発見をいたしまして、ガンということになりますと、致命率も非常に高いということで、非常に家族にお気の毒な場合が多くなるわけでございます。
 昭和四十年のデータによりますると、乳児から十九歳までの小児ガンによる死亡者数二千六百七十一名、かように相なっております。したがいまして、やはり基本的には、この小児ガンの、他の成人のガンもそうでございますが、原因の究明、これが何よりも必要であろうかと存じます。最近におきましては、いろいろな治療薬等も開発され、あるいは、外国で開発されました薬も日本では使用することができるというようにもなってまいりましたが、さらに、こういった原因の究明というものには、最大の重点を置かなければならぬのではないか、かように思います。
#348
○有島分科員 小児ガンは、これはほうっておけばもうみんな死んでしまう、ほとんど一〇〇%死んでしまうというふうに伺っておりますけれども、いまのお話で、四十年に、一歳から十九歳まで二千六百七十一名とおっしゃいましたね、その発生件数はおわかりになりますか。
#349
○渥美政府委員 胃ガンあるいは子宮ガンというふうな成人のガンに比べまして、先ほど御説明いたしましたように、非常に致命率が高いわけでございます。したがって、発生件数というのは――もちろん小児ガンも治療によってなおる方もいらっしゃるわけでございますから、この死亡件数をある程度は、若干上回っておるのではないか、かように推定されるだけでございます。
#350
○有島分科員 今後の統計のとり方は、少し差し出がましいお話になると思いますけれども、やはりなおすという方向にいま努力しているわけでございますから、発生件数と死亡件数と、その数字が出ておって、だんだんその開きが出てくる方向になるのがいいんじゃないかと思うわけでございます。
 それで、もう一つは、小児ガンに対する早期発見体制ということが必要なんじゃないかと思うのでございますが、成人ガンのほうは、おとなのほうはみんな多少、おれもガンじゃないかというようなことをすぐに言い出すようになりましたので、それでかなり発見しやすいのじゃないかと思いますけれども、小児ガンに対しての発見体制、これはややおくれておるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#351
○渥美政府委員 小児ガンは、やはり発見したときには、非常に、もう手おくれであるというようなことがいわれておりますように、その経過が非常に変わりやすい、急激である、しかも、転移も非常に早く起こすというふうなことでございます。したがって成人の、特に胃ガンでありますとか、子宮ガンのような、早期発見のためのいろんな機会というものが、とらえにくいという特性はあると思います。しかしながら、疾病でございますから、それはもう、早期発見、早期治療にこしたことはございません。したがって、全国のこのような小児科の系統のお医者さん、あるいはその系統のお医者さんともよく協力をお願いいたしまして、進めてみたいと思っております。
 なお、この点につきましては、昨年認可いたしました「がんの子供を守る会」という民間団体がございまして、この民間団体の手によりまして、医師会、学会とも緊密な連絡のもとに、この早期発見体制も組織しようという段取りにはなっておるように伺っております。
#352
○有島分科員 これはもう、お答えもちょっとあやがあるように思うのですけれども、それで、早期発見がむずかしい、それから、死亡率が半分くらいというようなことでございますけれども、それはやはり早期発見ということに本腰に取り組んでいないということに結論的になるんじゃないかと思うのですがね。それで、いまの「がんの子供を守る会」、これは民間団体でもって、やはり保健所や何かで本気になってくれないものだから、これはやらなければならぬと言い出した話でございまして、これだけの死亡率が高い、それで大ぜいの発病ですか、それがあるんですから、これに対して、一つの政府としての対策をお立てになるべきじゃないか、そういうふうに思いますが、その政府としての対策の構想と申しますか、そういうものはあるんですか、計画が。いまのところないんですか。まだないわけですね。
#353
○渥美政府委員 先生の御承知のように、小児ガンだけでなしに、成人のガンも含めまして、ガン対策というのは重要な問題でございます。したがって、昭和四十一年からは、国の最重点施策といたしまして、ガン対策をやっておるわけでございます。したがって、ガンの専門病院の整備でありますとか、あるいは、ガンの専門医の確保、養成、研修、こういうこともやっております。あるいはまた、パラメディカルの、エックス線技師その他の方々の研修も国としてはやっておるわけでございまして、その中で、やはり小児ガンもあわせて推進していこうという体制に国としてやっておることはもう当然これは間違いないわけでございます。
#354
○有島分科員 それにしては、がんセンター、それから病院なんかでは、小児ガンのためのベッドがほとんどないということを聞いておりますし、新聞の記事にも出ておりますね。ですから、いまのまま、この体制を組んでいるからだいじょうぶというんじゃなくて、成人ガンに対しての対策よりも、ややちょっとおくれているんだということは認識されて、ひとつ取っ組んでいただきたい、そう思います。
 もう一つ、この小児ガンの特効薬といわれているピンクリスチン、それからメソトレキセート、これはたいへん高い薬だというお話でございますね。これは一カ月の医療費負担がどのくらいになるのか。
#355
○渥美政府委員 いまあげられましたメソトレキセート、これは白血病に対しまして非常にきく薬でございます。それからピンクリスチンにつきましては、これはウィルムス氏腫瘍なり、あるいは神経芽腫にきくわけでございます。そのいずれも昨年の五月一日に承認されたのでございます。したがいまして、比較的高価な薬であったために、若い両親が非常に苦しんだことは事実でございますが、いま申し上げましたように、五月一日には健康保険の薬として承認されておりますので、最近におきましては、そういったための経費の負担ということは、経費の重圧といいますか、だいぶ軽くなってきたと考えられてよろしいかと思います。
#356
○有島分科員 だいぶ軽くなったというお話ですが、健保でもって半額負担しても月七万から八万くらいかかるんだという話でございますけれども、それは事実でしょう、いかがですか。
#357
○渥美政府委員 いろいろその数字につきましては言われておりますが、大体その程度、あるいはそれ以上ではなかろうか、そのほか血液のお金とか、そういうものも相当かかると思います。
#358
○有島分科員 そうなりますと、小児ガンの親たちというのは、大体経済力がまだ整わない二十代、三十代のほうが多いわけですね。給料から申しましても、半額負担してもらってまだ七万、八万、これはだいぶよくなったと思いますというお答えじゃ、あまり国民は納得できないお話だと思うのですね。ですから、ほんとに治療費を出すために、ずいぶんあちこち借金したりなんかしなければならない、そういうような状態になっておる。それでもって、さっきの民間団体も発足したようなこともあるわけですね。医療費をもっと、この問題に限っては――薬がもう少し安くなるという目当てがあるならばそれまで、といいますか、それから、これはどうしても高い薬だ、これしかないんだということになるならば、この問題に限っては、全額負担とまではいかなくても、もっと八割なり、その負担率を高めるというような措置をとることはできないでしょうか。
#359
○渥美政府委員 先ほど小児ガンの一カ月の所要経費について七、八万円、それ以上と申し上げましたが、国立がんセンターのデータによりますと、一日約二千九百円でございます。まあそのぐらいになる、かように考えております。
 負担の問題でございますが、この五割負担をもっと高率負担するという問題も、これは小児ガンだけでなしに、小児に関する医療保険制度自体の問題にも関連すると思いますし、それは医療保険全体の問題にも関連してくる問題でございますので、今後これはやはりそういった検討の機会において検討されることが妥当ではなかろうか、かように思います。なお、「がんの子供を守る会」におきましては、一人一家族五万円ずつについての緊急援助をこの二月から実施し始めているそうでございます。
#360
○有島分科員 来年度、四十四年度の予算では、小児ガン関係の予算はどのくらいになっておりますか。
#361
○松尾政府委員 ガン対策の中で、特に小児ガンだけ取り出した対策費というのはございません。がん対策費といたしましては、約二十八億ばかりのものでございます。
#362
○有島分科員 もう時間がありませんので、この辺にしますけれども、ですから、小児ガンの対策につきましては、これはまだあまり本格的に手がつけられていない状態であります。これは国としてやるのですから、そのこまかい問題を一々立て分けを変えるということはむずかしい問題かと思いますけれども、厚生省は、そういうお仕事の性格として、非常にまだ開発途上にあるような問題ですが、今後これは進めていかなければならない。しかも、非常に薬が高い、負担がかかり過ぎておる、こういったことは十分考慮をしていただいて、速急にこれを進めていっていただきたい、そういうふうに思うわけでございますが、最後に、大臣の所感を……。
#363
○斎藤国務大臣 おっしゃいますように、小児ガンに対する施策は、きわめて貧弱であると思っております。先ほど局長が申し述べましたように、「がんの子供を守る会」、ここで相当の資金を集めまして、月五万円その家族に給付をするという財団法人が始まったのでありますが、こういうものも、もちろんそういったありがたい基金でできることはけっこうでありますが、国の施策が不十分なためにそういうことになっておると自責の念を持って、私は、そのお話を伺ったわけでございます。
#364
○有島分科員 では、今後の善処を要望いたしまして、終わります。
#365
○竹内主査代理 これにて、昭和四十四年度一般会計予算及び昭和四十四年度特別会計予算中、厚生省所管に対する質疑は終了いたしました。
 以上をもって、本分科会における質疑は全部終了いたしました。
    ―――――――――――――
#366
○竹内主査代理 おはかりいたします。
 昭和四十四年度一般会計予算及び昭和四十四年度特別会計予算中、厚生省所管、労働省所管及び自治省所管に対する討論採決は、予算委員会に譲ることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#367
○竹内主査代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 これにて第三分科会の議事はすべて終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 分科員各位には、長時間にわたり熱心なる御審議と、格段の御協力を賜わり、本分科会の議事が無事終了いたしましたことを深く感謝いたします。
 これにて第三分科会を散会いたします。
   午後六時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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