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#1
第061回国会 建設委員会 第3号
昭和四十四年二月十九日(水曜日)
    午前十時五十九分開議
 出席委員
   委員長 始関 伊平君
   理事 天野 光晴君 理事 大野  明君
   理事 金丸  信君 理事 草野一郎平君
   理事 田村 良平君 理事 井上 普方君
   理事 岡本 隆一君 理事 吉田 之久君
      池田 清志君   稻村左近四郎君
      進藤 一馬君    丹羽喬四郎君
      葉梨 信行君    廣瀬 正雄君
      古屋  亨君    堀川 恭平君
      阿部 昭吾君    金丸 徳重君
      佐野 憲治君    島上善五郎君
      福岡 義登君    山崎 始男君
      渡辺 惣蔵君    内海  清君
      小川新一郎君    北側 義一君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 坪川 信三君
 出席政府委員
        建設政務次官  渡辺 栄一君
        建設大臣官房長 志村 清一君
        建設省計画局長 川島  博君
        建設省都市局長 竹内 藤男君
        建設省河川局長 坂野 重信君
        建設省道路局長 蓑輪健二郎君
        建設省住宅局長 大津留 温君
 委員外の出席者
        法務大臣官房総
        務部第一課長  河津 圭一君
        専  門  員 曾田  忠君
    ―――――――――――――
二月十四日
 委員北側義一君辞任につき、その補欠として矢
 野絢也君が議長の指名で委員に選任された。
同月十七日
 委員矢野絢也君辞任につき、その補欠として北
 側義一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
二月十二日
 研究学園都市移転年次計画の早期確立等に関す
 る請願(葉梨信行君紹介)(第四八八号)
同月十八日
 防火建築推進に関する請願(臼井莊一君紹介)
 (第七〇一号)
 同(田中榮一君外一名紹介)(第七〇二号)
 国道二五四号線のバイパス建設に関する請願(
 山口敏夫君紹介)(第七六七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 建設行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○始関委員長 これより会議を開きます。
 建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。古屋亨君。
#3
○古屋委員 私は、先般建設大臣から建設行政の基本施策に関する所信の表明を伺いまして、それに基づきまして数項目の点につきましてお伺いをいたしたいと思います。
 第一は、建設行政施策推進の基本的な態度と申しますか、大臣から「社会資本を充実強化し、国民経済の発展と国民生活の安定向上をはかり、住みよい国土を建設することにある」というお話でございますが、私は、最近国民経済の著しい発展に伴いまして都市化現象というのが非常に著しいものがあり、国土は改造転換期にあると思うのでありますが、こういう場合におきまして、社会資本の拡充の要請が特に建設行政については著しいものがあると存ずるのでありまして、この点、建設省関係事業費の規模は二兆円に達することになっておるのでありますが、大臣は、こういうような社会資本の不足、あるいは拡充の要請という現状におきまして、二兆円をもって十分とされておりますか、あるいは今後どういう方向に向かってこれを進めてまいられますか、大臣の基本的な態度につきまして再度お伺いをいたしたいと思います。
#4
○坪川国務大臣 古屋委員の御指摘になりました点は、わが国の国土建設、国土開発の基本的な重要な問題でありまして、御指摘になりました点、私も全く同感でございます。
 御案内のように、最近四、五年において社会資本の立ちおくれということが非常に顕著になってまいってきた結果、国民生活の不均衡な問題が露呈されてくるというようなことからくるところの、均衡ある基本的な国土開発に一つのひずみが出てきておるというような問題点を考えますときに、私は、この立ちおくれをぜひとも取り戻したいという大きな気持ち、また、決意をもって四十四年度の予算編成にも当たったわけでございます。したがいまして、私といたしましては、建設省の四本の大きな柱であるところの五カ年計画をもっともっと積極的に進めなければならない、こういう気持ちでおる次第でございますとともに、さらに、やはり二十一世紀に残さなければならないところの国土開発という見地から、時間と競争するというようなきびしい気持ちの上に立って、この立ちおくれの取り戻しに全力を注ぎたい。道路にいたしましても、住宅にいたしましても、あるいは河川にいたしましても、下水道にいたしましても、また、都市開発、過疎対策等にいたしましても、私は、総合的なるところの、長期計画的なるところの施策のもとにおいて、この不幸を取り戻すことに全力を注ぎたい、こう考えておる次第であります。
#5
○古屋委員 建設行政の各部門について次にお伺いをいたしたいと思います。
 第一は、最近の経済構造の変化によりまして、市街地地域というものがますます大きな分野を占めるに至ると思うのでございますが、住宅の問題につきましては、やはり今後は土地を高度に利用いたしまして、いわゆる職住近接のたてまえから、町づくりの立体化というものを考えていかなければならぬと考えておるのであります。そのために、たとえば自動車専用道路は高架にし、あるいは路面電軍は地下鉄にする、あるいは中高層の住宅を大量に供給する、また、緑地、公園というものを確保する、こういうような見地からいたしまして、住宅建設五カ年計画の達成の見通し、あるいは住宅政策について、たとえば住宅の需要あるいは供給等のいろいろ変化を来たしておるのでございますが、こういうような問題点につきまして大臣のお考えを伺いたいと思っております。
#6
○坪川国務大臣 古屋委員の御質問、また御指摘になりました点でございますが、ことに住宅対策という問題は、土地開発の上、また都市計画推進の上から、総合的な施策の上に立って住宅の推進をやるという態度は何ら変わっておりませんけれども、私が就任いたしまして以来つくづく考えさせられましたことは、数多くの、さっき申し上げましたような大きな柱が、一つ一つ兄たりがたく弟たりがたい、こういう問題でございますけれども、国民の日常生活のしあわせを考えるときに、いまの科学技術の非常な伸びからきますところの人間性喪失という立場に立っての不幸な生活環境を考えるときに、このひずみ、この心の貧乏といいますか、いらいらといいますか、この問題に取り組むことが、私は、国民のしあわせを願う立場から最も重要なことである、こういう気持ちを持ちましたので、住宅五カ年計画は、御承知のとおりに、四十四年度におきますと、公的資金と、また民間協力によるところの力によって、大体五カ年計画の四年度においては八〇%前後進捗するということも推定されたこの段階の上に立って、御承知のとおりに昭和六十年度を一つのめどに置きますときの国民の住宅需要度というものを考えると、まだかなり差が出てきておるということを考えて、その上に立って、量をふやすということとともに質の問題についてひとつ考えなければならぬというような総合的な立場に立って、住宅問題について建設省といたしましては首脳部が相協議いたし、私も問題点をそれぞれ指示いたしまして、そして大体の結論が出ましたものですから、昨日記者団に私は発表いたしたのでございます。
 その内容の重点を申し上げますならば、住宅の量を確保するとともに、質の向上をはかるということが第一点。その次は、いま御指摘になりましたような職住近接という立場、勤労者、低所得者の立場の上に立っての住宅対策というものを持たなければならぬということとともに、いわゆる低所得者に対するところの公的な援助を大いに推進するということ、また、民間住宅促進のための住宅金融をはからなければならぬ立場からの住宅融資保険制度の強化という問題を持ちますとともに、御承知のとおりに、土地の所有者のいわゆる借家経営の推進という問題についても考えなければならぬというような五つの問題を重点に置きまして発表をいたしたようなわけでございます。
 すなわち、質の内容、規模の問題に至りますと、私といたしましては、やはり公営住宅の第一種等につきましてはぜひひとつ四十四年度からふろをつけて、働く人の喜びを幾らかでも満たしてあげたい、あるいは三人世帯、四人世帯等を基準に置きながら、部屋を増すということなども配慮いたしてまいりたい、こういうような気持ちを持っておるような次第でありますとともに、非常ベルの問題とか、あるいは七階以上はエレベーターを必ずつけてあげて、子供さんとかあるいは身体障害者とか老人の方々に便宜を与えていくというような問題とともに、特別な方々、言いかえますならば、身体障害者あるいは母子家庭あるいは老人対策というような問題から、ひとつこれからのお気の毒な方々を対象とする住宅政策もやはり重点に置かなければならぬということで、四十三年度の三千戸に対しまして、四十四年度はその倍の六千戸を建てるという計画をいたしたような次第でございます。とともに、御承知のとおりに、国有地の活用、公有地の活用ということが非常に叫ばれており、各政党の方々がこれに対して非常な熱意と関心を持たれ、また御叱正などもいただいておりますので、この問題について建設省みずからが範を示すべきであるという考えのもとに、御承知の建設省所有、関東地建局が管理いたしております墨田区の東京技術事務所のところをひとつ活用いたしたい、そうしましてその活用いたしました場合には約二千戸が建て得るというようなことになりますので、これをひとつ四十四年度から計画を考え、実施に移したい。ただ、御承知のとおりに三万坪もある土地でございますので、これらに対するところのあとの移転の問題、また、三百人近い働いておられる方々の立場を考えて、格好の一つの適地を求めたいということで、働く人の立場も考えての移転先についてあすからその考究を始めたい、そして建設省がみずから範を示しましての公有地の活用とともに、いま防衛庁、外務省などで協議をしておられますところの基地返還に伴う問題点、これもある程度数の見通しも、大体日米協議会においての話し合いを進めつつあることも報告を受けておりますので、これなどの基地の返還に伴う活用というような問題、たとえば、私は、一つぜひともこれを実施したいなという夢と、また、ぜひとも実行に移したいという気持ちをもって積極的にいたしておりますのは、練馬の約三十万坪に及ぶところの米軍の大きな基地がございますが、これに対しましても、住宅公団などを通じ、また防衛庁などを通じまして、ここに一つのほんとうにいい住宅団地をつくりたいものであるというような努力などもいたしておるような次第でございますので、この五カ年計画が完了いたしますとともに新たなるアイデアに基づく住宅建設の計画をいまから急いでおる、そういうような気持ちも御賢察いただきたいと思うのでございます。
 以上が、当面する建設省の住宅の焦点であろうかと思いますので、御了解願いたいと思います。
#7
○古屋委員 ただいま大臣の御構想を伺って、建設省みずから範を示して公営住宅の建設に当たるという御決意を承ったのでございますが、ぜひこれを御推進いただきますとともに、各省の公有地あるいは国有財産等でも相当まだ都内でもあいているものもあるやに私ども承っておりますので、内閣のほうに強力に働きかけていただきまして、ぜひ、建設省はもとより、各省こぞってそういうような足並みをそろえるようにひとつ大臣の特段のお骨折りをお願いいたしたいと思っております。
 それから次に、実は住宅に関連いたしまして住宅火災、特に最近ありました福島県の磐梯熱海温泉の磐光ホテル、二月五日の夜九時のあの火災、耐火建築物の火災でございますが、人身事故が起きましたことは非常に残念でございまして、いわゆる新建材、燃えやすく、しかも煙を大量に発生するものが非常に多かったということが被害を大きくしたように聞いておるのであります。もちろん、いろいろの建材につきましてくふうをし、新たな構想を考えることが必要でありますが、人命尊重という見地からいろいろの方策をとる必要があると思います。建設省におきまして一つは基準法の施行令の改正を行なわれておりますが、一月二十三日に公布して五月一日に施行ということになっておりますが、こういうような火災は予測し得ない時期に発生するという点からいたしまして、五月一日の施行ということを一日でも早くできないものだろうか。大臣の温情によりましてきまった五月一日施行でありますが、人命の尊重という見地からもお考えを願って、何らか五月一日を一日でも二日でも早くする方法をお考え願えないか。あるいは基準法の改正につきましても消防上の問題が多々ありまして、磐光ホテルの問題にいたしましても、暖房用設備が天井裏に設けられていたために非常に火の回りが早かったとか、あるいはまた、このごろああいう観光施設のホテル、宿屋等におきましては、演劇などを行なうために、広い集会場とか宴会場、そういうようなものを設けられた部分につきましては、やはりそれに応ずる避難施設の基準というものも考える必要があるのじゃないだろうか。建築材料につきましても、防火的見地からはもとよりでありますが、煙とかあるいはガスというような点からも考える必要がありますし、あるいは屋外の階段、バルコニーの設置ということも一つの構想ではないかと私は思うのであります。また、温泉等の観光地等におきましては、道路が狭くて消防車が入らないというような場所もあるやに聞いておりますから、こういうような道路の拡充等特別の配意ということも、ひとつこの際関係省とともに御検討の上お考えを願いたいし、基準法の改正が提案されるということを聞いておりますが、そういうような消防との関係という点につきましてもぜひ十分な御考慮をいただきたいということをお願いいたしまして、ひとつ大臣のこの点についての御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
#8
○坪川国務大臣 古屋委員の御指摘になりました点は、人命尊重の上からもまことに重大な問題でありますので、昨年の有馬温泉の不幸等も考えまして、この不幸を再び繰り返さないという考えのもとにおいて、御承知のとおりに、建築基準法のいわゆる施行令の改正をいたしまして、一月二十五日に公布いたしまして、五月一日から実施するということに相なっておるような次第でありますが、一日でも繰り上げたいというのは私も全く同感でございますので、さっそく関係局長、当事者とともに話し合いをしておる最中でございますが、現時点におきますところの見通しといたしましては、御案内のごとく、これを施行いたします場合におけるところの周知徹底、あるいは設計者その他の行政指導等、一つの段階的な御承知のとおりの行政上のスケジュールを見ますときに、なかなかその点が困難ではなかろうかというような問題点もありますので、その点を考究いたしながら、その一日も早く行なわれるような努力と配慮をいま事務当局ではいたしておるような次第でありますとともに、新建材におけるところの問題は、御承知のとおりに、コンクリート、セメントというようなことも含まれておる、あるいはいわゆる繊維関係の建材もございますし、御承知のとおりに、いわゆる木質のものも新建材でありますとともに、塩化という化学的な、最も煙が出て、最も燃える、点火がしやすいというようなこの問題、私といたしましては、木質のものと塩化のこの二つの新建材が一番危険な対象になるということを考えておりますので、新しい一つの基準法の改正をいたしまして、そしてこれらの新建材をひとつ使用禁止するというような、数多くの新建材の中から最も重要な問題点などを対象にした一つの防止策の基準法改正もいたしてまいりたい、こういうような作業をいま続けておるような次第であります。御指摘になりました階段の問題とか、あるいは防火戸の問題とかいうような問題につきましては、いまの基準からいいますと対象に旅館等はなっていなかったところでございます。御案内のごとく、劇場とか、あるいは映画館あるいは公衆的な建物に対しては対象になっておりますが、いわゆる旅館内にある一つのダンスホールとか、さきの不幸があったショーのルームとかいうようなところが対象になっておらない不幸を考えますと、私はこれらの問題を対象にした改正措置を講じたいということで、ひとつこの不幸を再び繰り返さないように配慮いたしますとともに、昨年だけでも、消防庁と連絡をいたしながら両者の協議のもとにおいて、いままでの異常に危険な、問題視されやすい七千軒を取り上げまして、そして行政指導をやってまいっておるのでございます。これから適用される問題は別個といたしまして、これまでに建った不良なこれらに対するところの問題点は、衛生上からも防火の上からもやはり指摘いたしまして、そしてひとつこれを改めるように、消防庁と建設省が連絡をとりながら本年は改善命令を出すというような行政措置を講じたい、こう考えておりますので、御了承願いたいと思います。
#9
○古屋委員 次に、いわゆる都市問題、都市施設の整備の問題についてお伺いしたいと思うのであります。
 街路あるいは下水道、公園というようなものが都市の文化のバロメーターを示すものであると私は考えておるのであります。経済が高度成長しておりますが、しかし、下水道あるいは街路、公園というのは、そのひずみといいますか、経済の発展に伴うひずみがあって、ひずみがあるからまたどんどん発展するというような考え方もあるのでありますが、こういうような街路へ下水道、公園というものが、外国の文化都市と比べると相当立ちおくれているように感ずるのでございます。いわゆる文化都市という基本条件はこういうものの整備にあると思うのでありまして、こういうような街路、下水道、公園というようなものの整備につきましては、いわゆる都市化に伴う問題点として今後どういう対策を考えておられますか、ひとつお話しを願いたい。
#10
○坪川国務大臣 古屋委員の御指摘になりました点、全く私も憂慮いたしており、また、都市環境の整備あるいは生活環境の整備の上からいいましても、街路あるいは下水道、公園というような施設事業の推進ということは非常に大事な問題でございます。
 御参考に申し上げますならば、街路については、いわゆる街路率、すなわち、市街地の面積に占めるところの街路面積の比率を外国の例をとって調べますと、ニューヨークにおいては三五%、ロンドンにおいては二三%、パリにおいては二五%に対して、東京は一二%、大阪は九%、名古屋は一八%というような低い率でございます。
 公園について申し上げますならば、市民一人当たりの公園の面積が、たとえばニューヨークにおいては十九平米、ロンドンにおいては十平米、パリにおいては六平米に対しまして、東京は〇・九、大阪は一・三、名古屋は二・六であります。全国の比率は、統一いたしますと二・四というような低いことを考えるときに、わが国の都市の生活環境の整備はまだ道遠しという気持ちを一そう深くいたしておるような次第であります。
 下水道におきましても、御承知のとおりに、外国においてはもう一〇〇%近い普及率でございますけれども、東京は三一%というようなことで、ことしの下水道の事業施設によってようやく日本も三五%平均に相なるというような状態であります。下水道の事業というものがいかに大事であるかということも考えまして、下水道事業は、御承知のとおりに、閣議了解の五カ年計画でありましたが、ごく最近のうちにおいて、閣議決定事業としての下水道事業を、大きな国策の立場から推進してまいりたい決意であることを御了承願いたいと思います。
 本年度の予算編成にあたりましても、私は、公園はほんとに都市の住民のオアシスであるというようなことを考え、また、かわいい子供さんたちの健康あるいは交通難の問題等を考えるときに、私は児童公園というような問題にはもっと真剣に取り組みたいというような気持ちで、まだたくさんではございませんでしたけれども、四十四年度予算ではかなり上回った児童公園の施設も行ない得るというようなことになっております。いま問題とされました大きな三つの都市生活環境の柱であるこの問題については、さらにさらに推進するよう努力いたしたい決意でございます。
#11
○古屋委員 次に、治水関係につきまして、いわゆる中小河川による災害が非常に多くて、中小河川対策を根本的に推進すべきであると考えておるのでございます。これは都市についてもそうでありますが、山村地帯においてもやはりそういうことが当たるのでありまして、どうしてもこの中小河川による災害は絶えないのでございますから、これらの河川対策というものを根本的に一そう促進すべきではないかと考えておるのでございます。予算上も本年は相当考慮されておるようでございますが、この問題についての御所信をお伺いいたしたいと思います。
#12
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました点は、過疎対策の上からも、あるいは災害対策の問題からも、あらゆる立場から非常に重大な問題であります。たいへん恐縮なことを申し上げますが、昨年暮れに陛下に建設行政の現況を申し上げましたところ、陛下がいろいろとお尋ねになりました中で一番御心配になっておられるのは、災害復旧の問題を非常にお心におとどめいただいていることを私は拝しまして、非常に恐縮、感激をいたしておるような次第でありますが、これらの問題の中心はやはり中小河川にある、こう考えるのであります。そうした立場から考えますと、本年度の予算においては、治水事業総ワクからいいますと、全体の伸びは一六・八%ほどでございましたが、中小河川に対しましては二三%前後私は配慮いたしました気持ちもここにあるのでございます。そうした点が、都市河川におきましても、地方の中小河川にいたしましても、上流の砂防の問題、あるいは砂利の問題、あるいは治水ダムの問題等を含めまして、中小河川改修の根本的な問題に本年度はさらに取り組んで推進いたしたい考えであることを御了承願いたいと思います。
#13
○古屋委員 次に、道路の問題につきまして、現行五カ年計画の完遂とともに今後の道路整備の拡大がきわめて必要であると思うのであります。そういう意味におきまして道路財源の拡充をはかるべきであると考えておりますが、この点につきまして大臣のお考え、と同時に、最近国道の昇格の必要性が各地で唱えられておるのでございまして、これも道路財源の拡充の問題と関連をしておるかと思いますが、国道昇格の見通しにつきまして大臣のお考えを承りたい。
#14
○坪川国務大臣 道路五カ年計画の問題につきましては、御承知のとおりに、国土開発の幹線自動車高速道路の約七千五百キロメートル、並びに県道、地方道を含めますと約四十万キロメートルの大事な道路対策でございまして、御承知のとおりのこの計画をぜひとも推進してまいりたいということが私の基本的対策でございますが、これに対するところの財源の問題、これがわれわれといたしましても当面する非常に重大な問題であろう。昨年でございましたが、いわゆる揮発油税等の増税、トラック税の新設などについて、自民党のほうでいろいろと提案され、また論議もされておったわけでございますとともに、与野党を通じてこれらの問題には非常に御配慮と御指導も願っておるわけでございます。この財源確保については、われわれといたしましては、ひとつ新たな見地から取り組んでまいって、五カ年計画の推進に当たりたい、こう考えておるような次第であります。とともに、国道の昇格の問題は、全国から百八十六路線が希望の昇格対象として出ているような次第でございます。したがいまして、これらの重要性、あるいは道路法第五条に適応する問題等もありますので、これを含めまして、私は、本年の五、六月までには少なくともそれの三分の一以上、六十路線前後をめどにおきまして昇格に当たりたい、こう考えておりますので、御了承願いたいと思います。
#15
○古屋委員 なお、地方公共団体が設立するいわゆる公社等の法人に対しまして有料道路事業を行なわせる道を開くため、法の改正というような点につきましては御準備中であるやに伺っておりますが、この点、局長からでもお伺いしたい。
#16
○蓑輪政府委員 御承知のように、県道の有料道路につきましては、四十三年に特別措置法を一部改正いたしまして、県が積極的にやっていただくということを指導するために、国から事業費の一五%について無利子の融資ができるようにしたわけでございます。県の中でもまだ相当県道の有料道路をやりたいという希望も多くございます。また、県には公社その他で道路運送法の有料道路でやっておるところもございますが、やはりそういう民間資金を集められるような公社で今後も県道の特別措置法の有料道路ができると、県としても道路整備に非常に役に立つということもございまして、ただいま特別措置法の改正を各省とも協議しておる次第でございます。
#17
○古屋委員 次に、交通安全の問題につきまして、道路局長さんにお伺いしたいと思いますが、いわゆる通学路の施設の措置法がこの三月で切れます。法律を廃止する場合におきましては、これらの通学路等に対する交通安全施設の整備は今後どういうふうにして行なわれるのか、あるいは補助率等は、従来町村道につきまして三分の二でございましたが、それは維持されるのか、その点をお伺いしたいと思います。
#18
○蓑輪政府委員 交通安全施設の整備につきましては、御承知のように、昭和四十一年に交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法ができまして、それによりまして三カ年計画を実施することになったわけでございます。さらに、四十二年に、特に交通安全として通園通学路に力を置けということで、四十二年と四十三年の二年にまたがる通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法ができまして、それによって四十三年まで実施したわけでございます。四十四年以降につきましては、現状を考えますると、さらに交通安全施設事業というのはまだ相当長い計画でやっていかないとなかなか交通事故も減らないということでございまして、さらに四十四年から四十六年までの新たな三カ年計画をつくりたいというふうに考えております。法律的な手続といたしましては、四十一年にできました交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の改正をいたしまして、その中で通園通学路の趣旨を生かしてまいりたい、通園通学路も力を入れてやりたいというように考えております。
#19
○古屋委員 最後に、計画局のほうにお伺いしますが、いわゆる公共事業の設計に使用します労務単価の問題でございますが、これは三月上旬に基準額を府県別、職種別にきめることに相なっておるやに聞いておるのでございますが、いわゆる五省協定単価をアップする意思があるかどうか。と申しますのは、実際地方におけるこの単価の実施価格と現実の姿というものに相当の開きがあるように私ども聞いておるのでございます。したがいまして、特定職種についての今年度における平均と申しますか、あるいは四十四年度にはどの程度アップされる見通しであるか、そういう点について御見解をお伺いしておきたいと思います。
#20
○川島(博)政府委員 御質問の労務の単価でございますが、お話しのように、五省協定によりまして、たとえば四十四年度の単価といたしましては、四十三年の八月一ぱい行なわれました屋外労働者賃金調査を基礎にやることになっております。ただ、八月時点に行なわれました調査でございますので、その後、年度開始までに相当期間がございますので、その間相当な賃金の高騰がございますれば必要な措置を講ずるということになっております。昨年は労務単価は一二%程度の上昇でございましたが、本年の結果を見ますと約一六%以上の上昇率になっております。従来、この労務単価の調査は、労働基準監督署が現地の事業所におきまして賃金台帳をもとに調査するわけでございますが、従来その賃金台帳の記載がいろいろ不備でございましたために、調査結果が不備であるという現象もございましたので、昨年来業界を指導いたしまして、賃金台帳に適切な記載をするように指導いたしましたが、その結果がことし一六%以上に相なってあらわれておりますので、これによって相当賃金が是正されたと考えております。しかし、その後賃金上昇が著しいようであれば、これまた五省で御相談申し上げまして是正することがあるわけでございますが、ただいまのところでは、その後の賃金上昇はそう著しくないようでございますので、この賃金調査の結果を各県別に決定することになるのではないか、まだ結果はよくわかりませんけれども、そんなふうに考えております。
#21
○始関委員長 福岡義登君。
#22
○福岡委員 先般の建設大臣の所信表明に対しまして質疑をしたいと思うのですが、まず初めに本州と四国の架橋についてお伺いしたいと思います。
 先般、たしか予算委員会で、建設大臣は、経済調査その他の作業を終わって、おおよそ七月ごろにはルート決定ができるであろう、こういう意味の答弁をされておるのでありますが、どういう手順をいまから経られるであろうか、たとえば特別の審議会か、そういうようなものを設置されるのか、あるいはまた、各省間の協議だけでやられようとしておるのか、その手順についてまずお伺いしたいと思います。
#23
○坪川国務大臣 福岡委員にお答えいたします。
 本土と四国を結ぶところのこの架橋の問題は、私から申し上げるまでもなく、今後の日本の開発、建設の一つの大きな未来像として非常に期待もされ、また重要視もされておる、ことに西日本関係、四国、中国、近畿、九州を含めましての今後のあらゆる問題に重大な影響を持つ問題でもありますので、ことにその中にあって、それを前提といたしまして、いわゆる潮の流れとか、あるいは台風とか地震その他を考えますと、まことに世界に類のない過酷な条件もある立場でありますとともに、膨大な予算を必要とするというようなことは、もう福岡委員御承知のとおりでございます。したがいまして、建設省といたしましては、これらに関連する問題を、過去、御承知のとおりに、土木学会から答申されまして以来、二十数億の国費を投入いたすほど重大な仕事でもありますので、しかし、それにこたえるのには、いま申し上げましたようなそれだけの大きな資金も投入し、今後膨大な予算を必要といたしますので、これは長期にわたる展望の上に立ってあらゆる角度から経済効果、技術効果等の調査をひとつ真摯にやらなければならぬという気持ちのもとに私はこの問題には取り組み、また指導もいたしておるのでございますが、大体今後の手順といたしましては、いわゆる建設省関係の三ルートに対するところの経済効果というまとまりました一つの案が出つつあります。したがいまして、この基礎の上に立ちまして、三月、四月にあたりましては、御承知のとおりに、いわゆる併用橋の問題もあり、船舶運航上の問題もありますので、運輸省並びに鉄道建設公団等の一つの経済効果、技術効果の結論もいま出つつありますので、これを持ち寄りまして、経済企画庁、大蔵省その他関係当局とも連絡をとりまして、協議を密に重ねまして、その立場に立った総合的な一つのまとまった試案というものが私はその時点において出てくることを期待いたしておるような次第であります。それの作業が終わりますと、六月には、やはり鉄道建設審議会あるいは道路審議会等の意見も聴取する必要がございますので、この意見等も聴取するのにやはり一カ月をかけたい、こう思っております。そうしますと、その関係各省庁等の試案も出尽くした上に立って、これは高度な政治的な問題もございますので、前段で申し上げました点などを考えるときに、私といたしましては、総理にお願いをいたしまして関係閣僚協議会をひとつ設けていただきまして、そして高度な立場から、公正無私な立場に立って、前段で申し上げました目途を頭に入れまして最終的決定をいたす。それでございますから、スケジュールといいますか、段取りから申し上げますならば、私はこれを遅疑逡巡するわけにもいきませんので、ことに来年度の予算要求、予算編成の時期が八月から始まるということなども頭に入れましたので、私は七月末においてはこの最終的結論を公正無私な高度な立場に立って出さしていただきい、こういうような気持ちでおることを御了承願いたいと思います。
#24
○福岡委員 要約いたしますと、大体四月段階で建設省としての経済調査が終わるので、それを基礎にして、運輸省並びに鉄道建設公団、そういうところの進めておる経済効果調査と突き合わせて協議をして、それである程度煮詰まった段階で大蔵、経済企画庁などと協議に入る、さらにその協議の上に立って、それぞれの審議会に諮問するといいますか、出していきたい、閣僚協議会で並行的に審議していく、結論としては昭和四十五年度予算編成期の八月ころまでに方向を出していきたいということですね。――よくわかりました。
 それで、次の質問なんですが、経済調査の結果は、いま建設省の調査結果が四月ころにまとまるというお話なんですが、その段階で公表される予定なのか、あるいはそのルート決定までは発表されないのかどうか。
#25
○坪川国務大臣 この問題は非常に重大な問題でありますし、福岡委員御承知のとおりの非常に重要な問題でもございますので、その段階において私が公表するということは、円満公正な結論を出す意味においてはひとつ発表は御遠慮さしていただきたい、こういうような気持ちでおることをひとつお察しいただきたいと思います。
#26
○福岡委員 わかりました。
 財源問題について先般ちょっと新聞で読んだのですが、どういうような方向で検討されておるのか、その要点だけ御披露いただきたい。
#27
○坪川国務大臣 財源の具体的な問題について過般わが党の田中幹事長がいろいろ個人の立場から試案を発表されたのでございますが、これはもう幹事長個人の意見として陳情団に対して意見を述べられたという程度で私は聞いておるのでございます。そういうことも思うときに、いわゆる財源問題に対するところの具体的な一つの指数といいますか、あるいは方針といいますか、これはたいへん恐縮でございますけれども、これについてまだ私自身も具体的な事務当局からの報告も――そのつど報告は受けておりますけれども、それに対する私の結論もまだ出し尽くせないような、客観的な条件がすべて総合的に備わっておりませんので、たいへん恐縮ですが、その点まだ具体的に申し上げられないことをひとつお察し願いたい、こう思っております。
#28
○福岡委員 既存の財源では、どっちにいたしましてもこの大事業はできぬと思うのです。ですから、早急に財源問題について方向というものを明らかにしてもらいたいということを要望しておきます。
 次の質問ですが、三ルートのうち尾道−今治間につきましては、高速道路規格――これは建設省がやったものと、それから広島県がやりました一般国道規格のものと二つあるわけであります。このそれぞれの位置づけについてちょっと簡単にお伺いしたい。
#29
○蓑輪政府委員 Eルート、尾道−今治のルートにつきましては、これは御承知のように、昨年の二月に、建設省は、高速道路の規格といたしまして、山陽自動車道から四国の縦貫自動車道までつなげるという構想で、六車線で計算いたしました。これが御承知のように二千二百三十二億、十年かかるということでございます。また、去年の秩にいろいろ県の委託を受けまして、これを一般の国道並みの四車線でいろいろ計算した次第であります。このときは、やはり国道二号線から四国の国道百九十六号線までの四車線、橋は四車線、島の中の道路は二車線と四車線の二つにして計算いたしました。その数字を言いますと、橋を四車線で、島の道路を二車線にしますれば千二百四十三億、さらに、島の中の道路を四車線にいたしますと千四百七十八億という数字になっております。工期も八年というような数字でございます。実はこの数字に基づきまして現在いろいろ経済調査の中では、ことに第三次産業の生産所得の計算の場合は、経済距離、いわゆる時間とコスト、これが非常に関係いたしてまいりますので、そういう計算の中には、やはり高速道路規格で計算した場合と、国道としての計算をした場合と、両方の計算をしております。これはいまその計算の結果の評価をいろいろ検討しておる次第でございます。
#30
○福岡委員 二つの規格についての位置づけという意味は、繰り返してお伺いしておきたいのですが、高速道規格あるいは一般国道規格のいずれかの方針を変えたということではなくて、並行的に、どちらが建設する際にいいのかという意味でやっておる、こう理解していいわけですか。――わかりました。
 それから次の問題なんですが、いずれにいたしましても、三ルートとも国道指定にはなっていないわけです。それで、ルート決定は、大臣のおっしゃったように七月になるにいたしましても、尾道−今治ルートに限らず、その他のルートにつきましてもとりあえず国道指定をする必要があるように思うのですが、四十四年度においてこれらについては国道指定をされる予定であるのかどうか、お伺いしたい。
#31
○蓑輪政府委員 国道指定の問題は、先ほど大臣から話されましたように、やはり全国的な視野で考えておりまして、その中で当然尾道−今治を国道にするということも慎重にいま検討しておる次第でございます。
#32
○福岡委員 慎重に検討しておるというのは常套語なんでありますが、大体まあそういうことばが出るときには、なるものという理解をわれわれは通常するのでありますが、そう理解してもよろしいわけですか。
#33
○蓑輪政府委員 これは私まだはっきり申し上げる段階でございませんが、そういうように御理解されることについて異議は申し上げません。
#34
○福岡委員 時間がないので先を急ぐのですが、大体明石−鳴門ルートは工期十四年、それから児島−坂出の場合は十一年、尾道−今治の場合は、高速道路規格でいけば十年、一般国道規格でいけば八年、こうなっておるのですが、それぞれ十年といたしましても、一本ずつやっていけば、三本目のものは三十年先でないとできないということになるのですね。これは非常に大きい問題でありまして、私どもの考えでは、各ルートとも、必要な個所から、しかも技術的に可能な区間を区切ってそれぞれ部分的にかけていってやるというのが一番いい方式じゃないかと思うのですが、その辺についての確定した方向というものはお伺いできないと思うのですが、一つの考え方としては私は相当考えられる考えだと思うのでありますけれども、その点についてひとつ。
#35
○蓑輪政府委員 私たちもいままでいろいろ将来の四国、西日本の経済指数をはじいておりますけれども、それによりますと、どうも四国には三本あってもむだはないというような傾向でございます。そうなりますと、やはりこの三つをどうするか、どうかけるかということになりますけれども、やはりいま先生のおっしゃいましたように、一つ終わってから一つにかかる、さらにそれが終わってからもう一つにかかるということではなくて、やはり相当橋がダブって両方建設されるということも十分考えられるのではないかと思います。また、いまEルートにつきましてはかなり橋がございますが、一つ一つの橋をとりましても、たとえば尾道の大橋がもうすでにできております。そういうような意味で、やはりもう一つ橋をかけることが非常に有効であれば、そのものはそのものとして着工の問題は別に考えていくべき問題だと思います。
#36
○福岡委員 この架橋問題についての最後の質問なんですが、経済効果の調査が済んでみなければその部分はわからないと思うのですが、工期あるいは事業費、それから技術面、そういうものは、技術的な調査は、客観的、科学的に済んでおるはずですね。それはさっきおっしゃったようなことなんですが、明石−鳴門では、二千五百二十一億円で工期十四年間、しかも橋脚間の距離は千五百メートルというのがある。それから児島−坂出の場合は、千八百三十三億円、工期十一年、こうなっておるわけですね。それから尾道−今治は、高速規格にいたしましても二千二百三十二億で、工期は十年間、しかも技術的には、非常に海も浅いし、橋脚間もそう長くない、こういうことなんですが、経済効果の面あるいは政治判断は別にするといたしまして、調査が終わった工費、工期、技術の面、この観点だけから考えれば、尾道−今治間のところが一番容易であるというようにわれわれは考えるのですが、別にその意味を持たせないで率直にその点だけ聞かしてもらいたい。
#37
○蓑輪政府委員 ただいまの御質問のように、やはり橋をかける技術的な問題及びその工費、特に一般国道並みにやった場合の工費、これが一番安くなっております。こういうものを考えますと、やはり尾道−今治のEルートがほかのルートよりはやさしいということは言えると思います。ただ、やはり技術的にやさしい、むずかしいということと、いまの経済効果の問題、そういう問題をどうかみ合わせてわれわれは今後何からやるべきかをきめる、これは私たちいま非常に苦慮しておる次第でございます。
  〔委員長退席、金丸(信)委員長代理着席〕
#38
○福岡委員 早急に決定をしていただくようにお願いをし、なお尾道−今治はその中でも重点的に考えてもらいたいという要望をいたしまして、次に移りたいと思います。
 建設省の関係で各種五カ年計画がいろいろ計画されて実行されておるのでありますが、いずれも計画に対しては非常に進捗率が悪いという実情があるわけです。道路整備五カ年計画、昭和四十二年から四十六年までの五年間で六兆六千億という計画が策定されたのですが、昭和四十四年度の第三年目の計画がそのまま実施されたといたしましても、四九%にしかならぬわけであります。あと四十五年、六年の二カ年間で五一%というようなものが達成できるかどうかということになりますと、非常に問題がある、こう思うのであります。
 また、住宅関係の五カ年計画をとってみましても、昭和四十一年度から四十五年度までに六百七十万戸という計画ができておりますが、その中で考えてみますと、昭和四十四年度は第四年目になるのですが、民間自力のものが百万戸かりに建ちましても、八〇%にしかならない。特に問題は、公的資金によるものが非常におくれておる。二百七十万戸という計画でありましたが、今年度で五〇・六%にしかならない。四十四年度計画がそのまま一〇〇%達成されたといたしましても、全体の達成率というものは七一・八%にしかならぬわけであります。最終年度の昭和四十五年度で残る七十六万戸程度、全体の計画に対して二八・二%のものが達成できるだろうかということになりますと、これまた非常に不安に思えるわけです。
 さらに、治水関係の五カ年計画を見ましても、昭和四十四年度が第二年目に当たるのでありますが、二七・八%にしかなってない、そういうような状態なんであります。下水道整備関係にいたしましても大同小異なんです。
 そこで私は大臣の見解をお伺いしたいのでありますが、この各種五カ年計画というようなものは単なる努力目標なのか。私どもの認識では、ある意味の、政府が国民に行なう公約であると考えているわけです。であるのに、申し上げましたような達成率でしかない。そういう実情に対して大臣は一体政治責任をどう考えられるのか、お伺いしたいと思うのであります。
#39
○坪川国務大臣 福岡委員の御指摘になりました、国土開発の基本をなすところの四つの五カ年計画の柱、これをぜひともやってまいりたいということは、先ほどの古屋委員に対する答弁で申し上げましたとおりでございますが、私といたしましては、それぞれいま御指摘のとおりの進捗率であることを考えますときに、この計画をくずして、そしてこれの計画を再検討するという考えはみじんにも持っておりません。したがいまして、私といたしましては、私の強い決意といたしましては、ぜひともこの五カ年計画はスケジュールどおりひとつ推し進めてまいりたい、こういうような決意でおりますとともに、来年度の予算計画につきましてもそうした決意のもとにおいて財政当局と強く折衝いたしながら、ひとつこの立ちおくれを取り戻して正規な進捗の率にこぎつけたい、こういうような決意でおることをひとつ御了承願いたいと思います。
#40
○福岡委員 決意はけっこうなんであります。しかし、実際にできるかどうかということが問題なんであります。申し上げましたような事情から考えれば、いかに大臣が決意をされましても、その決意だけをお伺いしてわれわれはそれを信用するわけにいかない。ですから、よく佐藤総理もおっしゃるように、わが国の経済成長というものは世界に例を見ないのだ、すばらしい高度成長をしておるのだ、こういうことを言われておる。ところが、実際に国民生活に直接関係のあるこの種社会資本の立ちおくれというものはきわめてひどいものがある。しかも国民の前には五カ年計画というものを示しておるのですから、その公約を実行しないというのは――財政事情その他でできないなら別ですよ。財政事情は御承知のような状況にあるのですから、そこに私は大きな政治責任というものがあると思うのであります。道路に例をとってみましても、今年度一般会計からの一般財源は五百九十億でしかない。建設大臣はたしか一千四億円要求されたはずであります。おかしいのは、昭和四十二年度には八百何十億かの財源が繰り入れられたのですね。ところが、去年それが四百七十億に削られてしまった。ことしは一千億ぐらいになるのじゃないかと私どもも見守っておったのですが、わずかに五百九十億しかきてない。やる気がないと言われてもしかたがないと思うのです。もしくは、建設大臣の力が自民党の中なり閣内で非常に弱いから取ってこられないのか、あるいは、自民党なり佐藤内閣が道路なり住宅というものを軽視しておるからこういうことになっておるのか、一体そこのところをどう考えられておるのか、はっきりしてもらいたいと思います。
#41
○坪川国務大臣 いま御指摘になりましたそれぞれの五カ年計画、これは単なる絵にかいたもちというような考えでこれに取り組んでおるということでないことは、賢明な福岡先生御理解いただけるだろうと思うのであります。したがいまして、建設省といたしまして、また責任者である私といたしましては、これらの進捗を正常な進みにいたすという立場から、財源の問題等もありましょうし、あるいは税制の面からもありましょうし、また行政上の問題からもありましょうし、こういうような総合的な角度に立って、そしていわゆる国の予算を獲得することをもう最優先にいたすことはもちろんでございますけれども、そうした総合的な立場も考究いたしながら、この五カ年計画をぜひとも推進し、実現に持っていきたいという目途でおりますので、どうかその点よろしく御理解いただきたいと、こう思っております。
#42
○福岡委員 先般新聞で伺いますと、新たに今度生活道路という構想があるようでありますが、どういう構想であるのか、お伺いをいたします。
#43
○坪川国務大臣 さき申し上げましたように、過疎からくる問題、人口が都市に過度に集中してきておって、そして道路にいたしましても、あるいは河川にいたしましても、その他の問題、ことに学校とか消防というような、国民生活の基盤施設までが維持管理できないというような最近の過疎の状況を見るときに、建設省といたしましては、関係各省庁と連絡をいたしながらこの不幸を是正するということが、国政の上においての重要な問題であろうと考えるのであります。したがいまして、そうした立場から考えての人間生活並びに生産等が魅力ある一つの形成の場に行なわれるというのが、過疎対策の最終の目的であろうと私は考えるのであります。したがいまして、その見地に立って、一定の規模の都市を中心にいたしまして道路を結ぶ、あるいは河川、下水道、その他の公共事業を総合的に結んだ一定の生活圏整備というものを行なうという、その目標のもとに一ぺん各地方建設局で考えて、そして地方建設局のほうでこの都市を一つの規模の都市にしていまの生活圏整備をやろうという一つのテストケースといたしまして、本年、八地方建設局のほうで、その対象となるところの生活圏を想定いたしまして、そしてそれが調査――いまは調査しておる段階でございますので、調査の結論が大体五月ごろには出るものと思います。そうしますと、その調査の上に立って、本年は八地方ブロックの中でひとつそのアイデアのもとにおいての事業を具体化していこう、こういうような気持ちでおりますので、本年は御承知のとおりにこれに対する予算は五百六十万ほどしか計上いたしておらぬわけでございますが、しかし、いよいよこれのテストケースとしての客観的、主観的なすべての一つの基盤ができましたときには、私は来年度からはこれを強く、大きく、数多く推し進めて、この目標に向かっての生活圏の整備拡充に当たりたい、こう考えておるような次第であります。
#44
○福岡委員 そうしますと、この現行五カ年計画との関係がどうなるかということをお伺いしたいのであります。
 さっき申し上げましたように、現行五カ年計画の進捗率は、三年目を終わってもなお五〇%、半分までしかいかない、そういう状態の中で新たな生活道路という構想を打ち出される。しかも現行五カ年計画というものは再検討する気持ちはないのだ、こうおっしゃる。中身から見れば、中身を変更するというお気持ちかどうかということなんですが、一般道路、有料道路、それに地方単独、予備費が千五百入って、合計で六兆六千億。この五カ年計画の中のどの部分でいま大臣がおっしゃった生活道路というものが考えられようとしておるのか、それをお伺いしたいと思います。
#45
○坪川国務大臣 細部にわたりましては道路局長あるいは計画局長から答弁いたしますが、私のいまの時点においての考え方は、これらの問題を含めながらひとつ考えていきたい、こう思っておるような次第でありますが、具体的なことは政府委員をして答弁させます。
#46
○蓑輪政府委員 御承知のように、いまの五カ年計画では、国道、県道、市町村道の整備について、何キロ整備するかの目標をきめております。いまの生活圏を計画局でいろいろ調査してみますと、これはモデル地区について調査いたしておりますが、その中でとにかくまだまだ県道ができていないのが相当ある。やはりそういうような一つのモデル地区の中でどういう道路をとにかくまずおやりなさいというような、一つの指導目標になるかと思いますので、いまの県道の整備及び市町村道の整備も、そういうものに関連づけましていまの五カ年計画のワクの中で私たちやってまいりたいというように考えております。
#47
○福岡委員 あまりこの問題だけで時間を費やすこともできないのですが、初めに言いましたように、各種五カ年計画というようなものは単なる努力目標じゃないのだ、大臣もおっしゃったように、これは公約なんですから、責任をもって計画が遂行できるように特段の御努力を要望いたしまして、次の問題に移りたいと思います。
 次の問題は、昨年八月に起こりました飛騨川のバス事故についてお伺いしたいと思います。
 御承知のように、昨年の八月十八日、百四名のとうとい人命を失ったというのが、飛騨川バス事故なのでありますが、百四名の犠牲者の遺族に対しましての補償は、政治的に自賠法を適用させたのみで、国家責任というものは何らとられていないのであります。私は、この事故は道路管理者である国または県の責任であって、当然国家賠償法が適用されるべきであるという立場、いま一つは、再びこの種の事故を起こしてはならぬというような観点から、若干の質問をしたいと思うのであります。
 まずお伺いしたいと思いますのは、事故のあったあの沢の周辺は、明治四十一年五月に、路面から山頂へ向かって約二百メートルを中心にいたしまして、その両側に約二十四ヘクタールの保安林指定がなされておるのであります。同じく明治四十三年七月に、この保安林指定二十四ヘクタールのうち約十二ヘクタールが砂防として指定されておるわけです。この砂防指定は、沢の部分が除かれている。なぜ沢の部分が砂防地から除かれたのか。われわれの常識から考えれば、当然この沢の部分は砂防として指定されまして、砂防堰堤その他必要な施策をとるべきだったと思うのです。古い話ですから明らかでないかもしれませんけれども、当然砂防として指定されるべき沢の部分がなぜ指定されていないのか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
#48
○坂野政府委員 砂防指定の問題でございますが、先生御承知のように、砂防という立場は、砂防法にございますように、治水上の見地から砂防の施設が必要である、あるいは砂防のため行為の制限が必要であるという立場をとっておるのでありまして、現地におきましては、やはり飛騨川の本川の治水上の立場から砂防が必要であるかどうかという問題がかなめになるわけであります。現地におきましては、飛騨川の治水上の砂防の見地からおそらく明治四十三年に指定されたものと思うのでございまして、その指定の部分は、いわゆる有害行為を取り締まるためのものでありまして、中間の沢の部分が指定されていないのは、その当時の状況から申しまして、飛騨川に沿った部分は比較的傾斜が急でございますが、上部のほうは下流に比べると勾配もたいしたことはない、それと、土質あるいは地質上の観点からいっても比較的安定した状態であったというような判断でもって指定をされなかったということでございます。砂防の指定にあたっては、その行為制限の立場から申しますと、所有権その他の権利の行使が制限されますので、そういう立場からはできるだけ必要最小限度に限るという立場をとっているわけでございまして、そういうことでおそらく指定がなされなかったということが考えられるわけでございます。
 そこで、私どもの砂防事業を考える場合には、ある一定の規模以上のものを考えまして、それに対して砂防事業というものを実施しておるわけであります。たとえば、崩壊の面積が流域の面積に対して非常に広い、一割以上ある、あるいは人家が五十戸以上とか、耕地が三十ヘクタール以上というようなものを考えるわけでございますが、あの現地は、崩壊前におきましては、いわゆる渓流というよりは、むしろ沢といいますか、小さなしょんべん川――河川までいかないいわゆる沢であったと考えられますので、広い飛騨川の治水上の立場からいうと、わざわざそこに砂防事業というものを実施するというような判断を加えなかった。その当時の砂防事業の採択基準としてはあまりにも規模が小さ過ぎるというような考え方で、砂防の指定をしなかった。しかし、結果的には、御承知のように三十立米ないし五十立米くらいの崩落土ができておりますのでああいった不幸な事件が起きたわけでありますけれども、砂防事業の指定なり砂防事業の立場から申しますと、常識的に、あの程度のものは砂防の指定をして砂防事業を実施するということに当たらなかったというぐあいに考えております。
#49
○福岡委員 砂防事業を実施することが適当であったかどうかということの議論の前に、ここに図面を持っておりますが、保安林がずっと指定されておって、この沢の部分、今度土砂流出のあった部分だけが砂防指定から除かれているのです。一番危険なところを指定していないで、ほかの両側を指定しておるのです。学識的に考えれば、この両サイドは指定から漏れるといたしましても、この沢の部分――しょんべん川というお話がありましたが、小さいちょろちょろ水だったと思うのですが、この沢の部分がやはり砂防指定さるべきであるのに、これだけ除かれておるのですよ。これは明らかに問題なんです。その問題点が一つあります。
 それから、次に移りますが、明治四十年代でありますから、当時の立ち木の状態と、それから何十年かたちました最近のそれとは、相当事情は違ってきたと思うのであります。特に道路建設をやるような場合に、当然、再検討といいますか、そういうものが加えらるべきであったと思うのだけれども、それがなされたかどうか。時間がありませんから、簡単に……。
#50
○坂野政府委員 先ほど先生の御質問にお答えしましたように、要するに、治水上の立場からいいますと、飛騨川本川に対する治水上砂防指定が必要であるかどうかという問題であります。そこに入ってくるいわゆる小さな沢あるいはひだというものにつきましては、先ほど申し上げましたように、従来の観点からいいますと、砂防指定をして砂防事業をするほどの対象ではなかったということで、そういう判断によってやっているわけでございます。もちろん、結果的にはああいった不幸な事件が起きましたので、今後の方針としては、できるだけきめのこまかい一そういう指定の問題等につきましても、今後の問題としては検討する必要があると思いますけれども、たまたまそこに道路があってああいう車が下にあったということなんで、治水上の立場からいうと飛騨川本川が重点でございまして、そういった小さなひだ自体の問題につきましては、従来の観点からいいますと、そこは指定をするほどのことはないという判断でもってやっていたというぐあいに解釈しております。
#51
○福岡委員 そういう答弁ではこれは問題がありますよ。砂防というのはその飛騨川の治水だけが目的なんだ――あなたのポジションからいえば、そういうことが言えるかもしれません。しかし、国民の側からいえば、もちろん飛騨川の治水面も一つの目的でしょうが、道路交通の面もまた重要な一つの面なんですね。河川局長だから、河川の立場、治水の立場だけからそんなことをおっしゃるのだけれども、そういう御答弁なら、これは問題があると思います。あそこに道路がある。あれだけのものがあるのだから、もちろん飛騨川の治水というものもあるけれども、道路の交通安全という面からも治山治水あるいは砂防というものが当然考えられなければいけないんじゃないですか。川さえ大きな影響がなければ、道路ではどんなことがあったってそれは問題じゃありませんというような答弁では、これは問題がありますよ。
#52
○坂野政府委員 ちょっと補足いたします。
 あるいはちょっと間違って解釈されたかと思いますが、私どもとしては、砂防事業というのは、申し上げたように、砂防法に基づいて治水というものが重点になっております。もちろん、その場合に、広い立場から道路交通という問題も考えるわけでございまして、その重点を私はあまりにも強調し過ぎたわけでございますので、砂防法のたてまえから砂防指定をしあるいは砂防事業をする場合には、治水ということを最重点に考えておるわけであります。その中に道路がある場合には、もちろん、道路交通の確保、道路の安全というものも含まれるわけでございます。ただ、そこにいろいろな採択基準がございまして、予算がふんだんにあれば、非常にきめのこまかい、非常に小範囲な崩壊のおそれがあるところにつきましても砂防の指定をしあるいは砂防事業を実施するわけでございますけれども、おのずからその辺は限度がございますので、順次そういった治水上の重要性と、いうものを重点にして事業を進めていきたい、こういう立場でございます。決して道路交通の安全性あるいは道路の被害というものを考えないわけではないわけでございまして、広い立場の治水というものから見ますと、そういうものも入っているわけでございます。
#53
○福岡委員 昭和四十一年九月二十九日、参議院の災害対策特別委員会で、時の建設大臣橋本登美三郎さんが大倉精一さんの質問に答えて言っておるのですが、「治山治水の立場から全国的に相当の危険個所があるので、この際総点検を行ないます。」六万カ所とか八万カ所とか、その程度あると思うけれども……という質問を大倉さんがしておるのですが、「この際全国的に総点検を行ないます。そうして危険個所というものを明らかにして、必要な措置をとります。特に災害の発生が予想される地域については国民に周知徹底をさせるとともに、風水害などのときは交通規制などを事前に行なうようにいたします」こういう答弁が出ておるのです。この答弁に基づいて総点検をされた結果、全国でどのくらい個所があって、どういう措置をとられておるのか、その中に今度事故があったところは含まれておるのかどうかという点もちょっと説明していただきたい。
#54
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました飛騨のあの不幸な事件というものは、国民ひとしく憂慮いたし、また記憶も新たな問題でありますとともに、建設省といたしましては、あの事件発生以来、橋本元の大臣がおっしゃったごとく、こうした問題の不幸を再び繰り返さないという考えのもとにおいて、急傾斜地対策の問題とか、あるいは地くずれの対策の問題とか、あるいは全国の総点検というような問題に取り組んでおりますとともに、砂防あるいは治水ダム等の高度な立場に立っての対策もいま講じつつあるのでございますが、私の記憶いたしておりますところによりますと、約六千ほどの危険個所を対象といたし、しかもその中にあって最も危険な個所約六百カ所等に対しまして点検の結果の対策をいま講じつつあるというような次第でありますので、こうした不幸を再び繰り返さないように、総合的な高度な立場から、また部分的な立場から、地くずれ対策あるいは急傾斜地対策、砂防対策、治水ダム対策などを講じておることを御了承願いたいと思います。
#55
○福岡委員 ただいま大臣のお話にありましたその六百カ所、六千カ所の中に、飛騨川の国道四十一号線、あの地域は含まれておるのかどうか。
#56
○坂野政府委員 ちょっと補足をいたしますと、先ほど大臣から御答弁のありました、橋本元大臣の答弁に端を発しておると思います要砂防渓流の全国的な点検を私どもやっておりまして、全国で四万六千渓流が必要である、その中で、五カ年計画では少なくとも一万一千渓流くらいの砂防をやってまいりたいということを考えております。それにつきまして、事業につきまして先ほど先生に御説明いたしましたように、やはり私どもは一定の規模以上の渓流というものを対象にいたしまして五カ年計画の策定に当たっておるわけであります。この五カ年計画の中身として私どもが考えております一万一千の中には、先ほど申し上げましたような解釈で、この事故現場の計画は入っておりません。
#57
○福岡委員 それはまた問題ですね。現地を見られておるかどうかは私は知りませんが、一ぺんぜひ見てもらいたい。私は現地にこの間行ってみたのです。あそこが危険地域ではないというのならどこに危険地域があるのかと言いたいくらいのところなんですよ。これはぜひ現地を見て再検討していただきたい。
 次にお伺いしたいのは、国道四十一号線の改良の工事が行なわれる際に、関係方面、保安林指定の関係あるいは砂防の関係、そういうところと協議をされた経緯があるかどうか、全く道路建設の立場だけから判断をされたか、保安林あるいは砂防関係と協議をされた経緯があるかどうか。
#58
○蓑輪政府委員 道路をつくります場合に、あの四十一号線の場合に保安林の問題で協議したかどうか、ちょっと私いま資料がございませんのではっきりいたしませんが、私たち道路をつくります場合には、やはり道路周辺の山がどうかという点は、道路サイドで非常に検討しておるわけでございます。その道路のルートを選定する際にまず検討するのが、そういうような大きな地すべりがあるかないかとか、そういうことを検討しております。ただ、あの場合については、過去の例を見ますと、比較的大きな災害が起こったところではないように私ども聞いておりますので、あるいはそういう点で単に山を切りくずすようなところの防護をまず考えたのではないかと思います。もちろん、地質の調査その他についてはいろいろ専門家に依頼してやっておることと思います。その当時の経緯、いま資料がございませんので何とも言えませんが、私たちが道路をやります常識からいうと、いま言ったようなことだと思います。
#59
○福岡委員 おそらくこれは協議されていないと思うんですね。協議されておればまたあとでその事情を聞かしていただきますが、ここでちょっと話が横道に入りますが、ばらばら行政の一つの欠陥というものが出てきておると思うのですよ。さっき、いみじくも河川局長が、飛騨川を重点に考えて強調し過ぎましたと、こうおっしゃったけれども、ほんとうの気持ちというものは、道路は道路局のほうで考えろ、うちは飛騨川だけ、治水面だけ考えればいいんだという気持ちだと思う。だから、総合的に各分野が横の連携を十分にとって、道路建設の場合は、その安全を確保していくという行政姿勢が必要だと思う。
 そこで、ある地質学者――名前はあえてここでは申し上げませんが、「岐阜県の山間部一帯の地質は流紋岩が古生層の上に広く分布し、大小の断層が無数に走る断層地帯であります」といっておるんですね。「流紋岩は断層の動きでもまれ、非常にもろい破砕帯を形式しているのであります」こういうことが出ているのです。だから、今度の事故は起こるべくして起こったんだ。こういう地質学者の指摘もあるのに必要な対策を講じていなかったところに、私は一つ問題があろうと思うのですね。その点についてここでやりとりをしてどうこうということじゃありませんが、問題点であるということだけは間違いない。こういう事情であったのに、必要な措置を講じていなかったのですから。
 次にお伺いしたいのは、もとの道路ですね、いわゆる改良される前の道路、県道であったときには、事故現場のところには橋がかかっておったというのですね。それを今度国道になって改良するときには、御承知のように千二百ミリのヒューム管にかえておるわけですね。もし県道の当時のように橋がかかっておったならば、三十立米や四十立米の土砂が路上にあるバスを押し流して川に転落させるというようなことはなかったであろう、全部橋の下を通って飛騨川に流れ出たとはいえないかもしれませんが、道路へ土砂が上がってバスを転落させるような、三十立米、四十立米の土砂でそういう事故にはならなかったと思うのですね。ちょうど対照的に、この飛騨川の向かい側、対岸に国鉄高山線が走っているんです。ちょうど同じようなところにやはり沢があって、国鉄はその下を鉄橋にしておるものですから、そのまま自然の形で飛騨川に流れるようになっておるのです。それと対照的であったのですよ、現地を見ましたら。ですから、もしヒューム管でなくて、もとのままの橋であったならば、この惨事は発生しなかったであろうと私は思うのであります。橋をヒューム管にかえられましたいきさつ、あるいは設計上の問題ですね、どういうような経緯であったのか、お伺いをしたいと思います。
#60
○蓑輪政府委員 道路をつくります場合、やはりそういう山を切り、また沢を越えるというような構造はどうしても必要になってまいります。その際に、やはり道路の設計の際は、全体の経済的な設計ということもございますが、道路のフォーメーションが非常に高いような場合には、やはり土を盛りましてヒューム管を入れるというようなことになりましても、道路の路体そのものが堰堤みたいになりまして、非常に弱くなるわけであります。
  〔金丸(信)委員長代理退席、委員長着席〕
そういうところについては、これは橋になると思います。ただ、非常に道路のフォーメーションの低いようなところについては、いまの設計では、大体盛り土をいたしまして、その中で沢から出てきます水がどのくらい出てくるか、これを流域の計算をいたしまして、どのくらいのヒューム管が要るか、それに相当安全率はとっておりますが、そこでヒューム管にしたんだと思います。あの場合、結果的に見ますと、橋だったらあるいはああいう事故がなかったかということもいえるかと思いますが、やはりあの辺の全体の道路を設計する場合、周辺の山の安定の度合い、こういうものを考えますと、そう大きな土砂の崩落が七百メートルも上のほうから来るというようなことはちょっと想像がつかなかったのではないか、そういうことで、経済的なことを考えましてヒューム管にしたのだと思います。また、橋にいたしましても、非常に径間を長くとりませんと、橋脚等をやりますとそこにいろいろな木がひっかかるということもございまして、その辺は、これからの道路の設計の際には、単にその周辺の地質だけじゃなくて相当奥まで考えて、さらに、それが道路事業以外の治山事業、また砂防事業でやられるべきものはやってもらうような配慮もこれから必要だと思っております。
#61
○福岡委員 いまの問題に関しまして、京都大学防災研究所矢野勝正教授が次のように言っているのですね。「飛騨川の問題については二つの方法があると思うのです。ああいったような土石流が起こらないような砂防堰堤をやって、そのときは土石流が流れてこないということをやる方法が一つ、それからもう一つは、流れてきても被害が起こらなければいいのだから、橋梁のようなものをつくって流してしまう、そういった二つの方法がある」こう言っているのですね。今度の場合はいずれもやってなかったのです。砂防堰堤もないし、橋梁もやってなかったのですね。これはやはり大きい問題点だと思うのです。
 それで、それはその程度にしておきまして、次にいきたいのでありますが、当時のパトロール体制が非常に悪かった。どういう事情になっておったかといいますと、こういうことになっておるのですね。あそこの道路管理をやっておりますのは、建設省中部地方建設局岐阜国道工事事務所美濃加茂国道維持出張所でありますが、工事事務所は、問題の八月十七日午後五時十五分に大雨注意報が解除されたのを機に警戒体制を解いて平常勤務に復し、宿直を除いて全員帰宅、所長村田実も名古屋の自宅に帰り、午後八時再び大雨注意報が出たのも知らず、同十時半に大雨警報、洪水注意報が出ても警戒体制に入らず、午後十一時を過ぎて、加茂署から、下油井付近で土砂くずれがあったという連絡が入って初めて事態の変化を知り、ようやくパトロール車が出発したのは午前零時近くなってからである、こうなっておるのですね。ここにもやはり問題点があると私は思うのです。これがよかったか悪かったかという議論をする時間がありませんが、これも一つの大きい問題点であったことだけは間違いないと思うのですね。
 それで次の質問になるのでありますが、以上の経過から考えまして、過失であったか、あるいは無過失であったかという議論が残るのですけれども、それは別にいたしましても、やはり国の責任、道路管理者の責任というものは免れないと思うのです。その点、建設大臣はどう思われますか。
#62
○坪川国務大臣 先ほどから非常に貴重な資料のもとにおいての御意見、われわれといたしましても非常に傾聴いたしておる次第であります。とともに、先ほどのパトロールの強化あるいは情報モニターというような点などもひとつ強化いたしまして、この不幸を再び繰り返さないように、地建の局長会議あるいは各県の土木部長会議あるいは土木出張所会議等を通じまして、私は強くこれらについての指示も過般いたしておるようなわけでありますが、いま御指摘になりました点、飛弾川のこの不幸なことに対しましての、建設省当局が緻密にあらゆる角度から調査検討いたしました結果と、警察当局が捜査いたしました資料とを持ち寄りまして、そしてこれの道路管理維持等に背反するものがあるかというような点を正確に検討いたしたようなわけでございますが、その結論といたしましては、いわゆる国家賠償法の第二条を適用するというような内容ではなかったのでございますことをひとつ御了承願いたいと思います。
#63
○福岡委員 国家賠償法の適用をするかどうかということをいま私は聞いておるわけじゃないのです。過失であったか無過失であったかということは別にして、あれだけの事故が発生しておるのでありますから、道路管理者である国なり県に、結果責任といいますか、そういうものはあったでしょうということをお伺いしておるわけです。
#64
○坪川国務大臣 建設省といたしましては、道路管理維持という問題からくるこうした不幸というものが再び繰り返されないように対策を講じておるということは、さっき申し上げましたとおりでございます。しかし、あの不幸な事件そのものに対しまして建設省に責任があるという問題につきましては、やはり各省各庁にまたがる問題でもありますけれども、われわれといたしましては、厳に自省いたしまして、この不幸がないような対策を講じたい、こう考えております。
#65
○福岡委員 大臣、ここは大切なところですから、逃げちゃいけませんよ。私は、刑事責任があったとか、国賠法の適用になるかどうか、そういう議論をしておるのじゃないのです。国の立場から結果責任というものがあったと思われますかどうですかということを聞いているのです。
#66
○坪川国務大臣 それは私は、やはり国家的な立場から、これを建設省が維持管理いたして……
#67
○福岡委員 建設省じゃない、国としてですよ。
#68
○坪川国務大臣 国といたしましていわゆる責任という問題につきまして、国家みずからが責任を持ったということに相なる点につきましては、その内容というものをやはりあらゆる角度から十分検討いたしまして、そして国家みずからがこの責任を負うということの問題もございましょうし、しかし、具体的な背反する問題があるかどうかということが先に立つ問題ではなかろうか、こういうような気持ちで、ことにこの道義上の責任というものは当然負うべき問題であろうと思います。
#69
○福岡委員 そこのところは、私どもの見解からいえば、国賠法の適用をするかどうか、あるいは刑事責任を追及されるのかどうか、そういうようなものは次の議論にするにいたしまして、道路管理をしておる国の立場から、やはり政治責任は免れない。たとえば警戒体制をしき、パトロールをぴしゃっとやっておればそういう事故は起きなかったかもしれない。あるいは砂防堰堤をやっておればこういうことはなかったかもしれない。それを予知することができなかったという不可抗力的なものがそこにあったと私は思うのですよ。だから、そういう意味において政治責任なり道義責任というものは当然あるべきだ。あと法理論の立場からどうこうという議論は別なのであって、一応結果責任というものは国にあると思うのですがね。そこのところは区別してはっきり答えていただきたいですね。
#70
○坪川国務大臣 お気持ちよくわかります。したがいまして、先ほど申し上げましたとおりに、この不幸が再び繰り返されないよう、あらゆる角度から最善の努力をするということでこの道義上の責任を果たしてまいりたい、こう考えております。
#71
○福岡委員 次に進みたいのですが、国家賠償法第二条は、御承知のように、国または公共団体の営造物の瑕疵により生じた損害についての賠償責任を定めたものであります。この規定について、当時衆議院の司法委員会報告書は次のように述べております。「道路、河川等の公の営造物のように、その設置又は管理が公の行政作用に基く場合に、その設置又は管理に瑕疵のあったため、他人に損害を生じたときは、国又は公共団体に損害賠償責任のあることを明確に規定したものである」こうなっておるのですね。ですから、当然その責任は国にある。しかも、その責任の本質は、公の営造物の設置または管理に当たる公務員の故意過失の有無は問題とならないのであって、客観的に営造物に瑕疵があれば、それだけで国または公共団体が損害賠償責任を負わなければならないものだと私どもは考えておるわけです。この意味において、無過失責任ないし結果責任といわれるものは当然あると思うのであります。そういう理解をひとつしてもらいたいですね。
 時間が十分ないので、それに関連して次にいくのでありますが、独禁法の二十五条は、御承知のとおり、いわゆる無過失であったという証明をいたしましてもその責任を免れることはできないという規定になっておるのですね。無過失責任というものは免れない、補償しなければならぬ、こうなっておるのですよ。これは民間の私企業に対する規制なんですね。独占禁止法とこの国家賠償法とは若干中身は違うにいたしましても、民間企業に、無過失責任をも免れないぞという、そういう規制がきびしく課せられておる、反面、今度は国家賠償の観点からいえば、国なり公共団体が、無過失であった、だから責任を問われないという、そういうことは、やはり補償の面から考えれば、あり得ようはずがないと私は考えるのであります。特に民主主義国家のたてまえからいたしまして、あるいはまた、国民福祉を擁護していくという国なり公共団体の任務からいたしまして、当然国家賠償という責めをのがれるべきではないというように私どもは考えるのですが、その点、大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
#72
○坪川国務大臣 先ほども申しましたごとく、この不幸な事件が起きまして以来、建設省といたしましては、あらゆる角度からその問題点を十分究明、解明もいたして検討いたしました。また、警察当局も、捜査上の立場からやはりあらゆる検討を加えられまして、それを持ち寄りまして緻密に再検討をいたしたような次第でございますが、その検討の結果は、御承知のとおりに、第二条には背反するものでないということでございましたので、これを適用しないということに決定をいたしたことはひとつ御了承いただけるものと確信いたしておりますとともに、いま申されましたいわゆる独禁法二十五条の問題とこの問題との問題点には、いろいろの解釈もございましょう、それらの点については、とうとい参考意見としてやはり考え、また究明の対象にはいたさなければならぬと思いますけれども、あの時点に対しましての国家的な立場からの結論は、さっき申し上げましたような結論であったので、その点ひとつ御了承いただきたい、こう思います。
#73
○福岡委員 せっかく大臣の御答弁だが、われわれはこれは得心できないのですね。しかも、これはもう大臣も先刻御承知のところですが、昭和三十八年六月十三日、一級国道五十六号線、これは高知県なんですが、高知県内で、これは落石がありまして、そこを通っておったトラックにその石が当たって、助手が即死をしたという、やや似通った事件なんですね。これについて高知地裁、それから高知高裁、こういうものが一つの判断をしておるのですね。もう時間がありませんからかけ足で申し上げますが、これは昭和四十二年五月十二日に高松高裁が判決をしておるのですね。要点だけかけ足で読んでみますが、「本件道路について(イ)従来、その区間においてしばしば落石又は崩土があったこと。(ロ)防護柵、防護覆又は金網は設置されていなかったこと。(ハ)山地斜面部分を調査して、落石しそうな岩石を除去し、崩土のおそれがあるときは事前に通行止めの措置をとらなかったこと。(ニ)山地部分の地質を調査して落石又は崩土に対する根本的対策をたてようとした形跡が全然みられないこと。(ホ)交通上きわめて重要な道路の一部であることの諸点からみて、本件道路は、その通行の安全を確保する上において、その管理が完全でなく、ために道路として通常備うべき安全性を欠いていた。」それから二番は「本件事故発生地点においては、従来、落石又は崩土がなかったとしても、本件事故発生地点に局限して道路管理の瑕疵を論ずるのは妥当ではなく、本件道路全般について危険状況等を考慮に入れることが相当である。」「3本件道路に面する山地部分は全然登ることの不可能な地形ではなく、もし、登って地質等を調査するならば、落石又は崩土の危険は十分予知できた。」あとちょっとですから続けますが、「4本件道路に防護柵等の防護施設を設置するに要する費用の額が相当の額であって、県としてその予算措置に窮することは容易に察せられるが、それだからといって道路の管理の瑕疵によって生じた損害に対する賠償責任が免責されると考えることはできない。」「5本件道路に道路構造令が適用されないとしても、落石又は崩土の危険性がある以上、適当な防護柵を設けて危険性の除去に努めるべきである。」以下云々とまだ若干あるのですが、このように、地裁のみならず高裁までが判断を下したのですね。ところが、いま国のほうはこれを控訴しておる。さっきも言いましたように、国なり公共団体というものは、国民なり市民の利益を擁護する、福祉を擁護するということが任務なんですよ。法律を曲解して、ねじ曲げて、これは国民福祉だからということでやるのは邪道だと思いますよ。一審も二審も、当然国家賠償の責任があるという判断をしておるのですね。それなら、控訴をしないで、当然国家賠償の立場を明らかにするべきじゃありません。建設大臣、これは一体どういうことなんですか。
#74
○坪川国務大臣 いま御指摘になられました高知の不幸な問題、私は、失礼でございますが、あまりつまびらかにいたしておりませんのでございますが、いま福岡先生御指摘になりました具体的な問題をお聞きいたしておりますと、その問題の具体的な内容と、飛騨川におけるところの具体的な内容と、また客観的背景に立つ資料等も総合的に判断いたしますと、やや趣き、内容、すべてを異にしておるのではなかろうか、このような気持ちもいたすようなわけでございます。そういうような気持ちで、飛騨川の問題に対しましては、建設省といたしましても、国といたしましても、そうした結論を出したことをひとつ御了承を願いたい、こう思います。
#75
○福岡委員 飛騨川の問題をいま直接私は言ったんじゃないんですよ。さっき言いました五十六号線の落石事故があって人命が失われておる。一審も二審も、当然国家賠償の責任があるという判断をしたんですよ。国民福祉を守るという立場の国は、当然、控訴しないで国家賠償するべきじゃありませんか。それを控訴して逃げようとしておる。そんなばかなことは考えられないじゃないかということを言っておるんです。だから、五十六号線の例がこうなんだから、四十一号線の飛騨川バス事故についても政府は初めから逃げる気持ちでおるのじゃないか。自賠法の適用問題についてここで私は議論しようと思いませんが、政治的な配慮で、場合によっては非常に異論のあるような自賠法の解釈をいたしまして、三百万円の遺族補償はこれはしたけれども、肝心かなめの国賠法では逃げようとしておる。飛騨川事故の判断は、それは裁判所にゆだねてみなければできないからというならば、それはそれでいいでしょう。しかし、現に一審、二審で、こういう事故については、どういう理由があっても国の責任は免れないという判決が出ておるんですよ。それでも国は国家賠償をしないとしようとしておる。どうですか。
#76
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました問題は、すなわち、国といたしまして決してこれを逃げる立場で上告、控訴いたしておるようなことでなくして、正確なるところの判断、正確にひとつ結論を出していただきまして、今後の貴重な資料にするというような気持ちで上告いたしておるということで、逃げておるようなわけではないことはひとつ御賢察願いたいと、こう思います。
#77
○福岡委員 法務省からお見えになっておりますが、法務省の見解もお伺いしたいと思うんです。
 いま建設大臣は、逃げておるんじゃないとおっしゃるけれども、何も控訴して争わなければ――国民福祉の観点から考えれば違法でないということだけは、この一審、二審ではっきりしておるのですから、違法でないということが立証されれば、やはり国家賠償という姿勢をとるべきである、こう思うのですが、時間がないのでこれ以上建設大臣との論争をしませんが、最後に法務省としての見解を聞かしていただきたい。
#78
○河津説明員 お尋ねの事件につきましては、先生のおっしゃいますようなお考えもごもっともと存じますけれども、これにつきましては法律問題があり、その法律問題は、今後の事務の処理にあたって非常に重要な事柄である、こういう観点からいたしまして上告をしたわけでございます。その要点と申しますのは、すでにお話に出ておりますが、管理の瑕疵という場合、この管理の瑕疵というのは、これをほかのことばで置きかえまして、道路なら道路として通常具有すべき安全性、こういわれておるわけでありますが、その通常具有すべき安全性ということを考える場合に、単に事故が起こったから、客観的に危険があったからということだけでは、必ずしも結論できないと思います。そこにはやはり管理上の期待可能性というものが問題になるのではないか、こういう法律論があるわけでございます。そこで、その点につきましてこの際最高裁判所の判断を得まして、そして将来確固たる行政の指針を得たいというのがそのねらいでございますから、御了承いただきたいと思います。
#79
○福岡委員 予算委員会の関係があるそうで一時までということで、そういう事情できょうは時間がありませんので、一応あとの質問は保留をいたしまして、きょうのところはこれで終わりたいと思います。
#80
○始関委員長 次回は、来たる二十一日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時散会
ソース: 国立国会図書館
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