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#1
第061回国会 建設委員会 第8号
昭和四十四年三月十九日(水曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 始関 伊平君
   理事 天野 光晴君 理事 大野  明君
   理事 金丸  信君 理事 草野一郎平君
   理事 田村 良平君 理事 井上 普方君
   理事 吉田 之久君
      池田 清志君   稻村左近四郎君
      進藤 一馬君    丹羽喬四郎君
      葉梨 信行君    廣瀬 正雄君
      古屋  亨君    森下 國雄君
      阿部 昭吾君    佐野 憲治君
      島上善五郎君    福岡 義登君
      渡辺 惣蔵君    内海  清君
      小川新一郎君    北側 義一君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 坪川 信三君
 出席政府委員
        建設政務次官  渡辺 栄一君
        建設省計画局長 川島  博君
        建設省住宅局長 大津留 温君
 委員外の出席者
        議     員 小川新一郎君
        専  門  員 曾田  忠君
    ―――――――――――――
三月十八日
 委員小川新一郎君辞任につき、その補欠として
 中野明君が議長の指名で委員に選任された。
同月十九日
 委員中野明君辞任につき、その補欠として小川
 新一郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月十五日
 住宅基本法案(小川新一郎君外二名提出、衆法
 第一二号)
同月十四日
 公営住宅法の改悪反対に関する請願(河野密君
 紹介)(第二一八四号)
 同(島上善五郎君紹介)(第二一八五号)
 同(島上善五郎君外一名紹介)(第二一八六
 号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 住宅基本法案(小川新一郎君外二名提出、衆法
 第一二号)
 公営住宅法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第二六号)
     ――――◇―――――
#2
○始関委員長 これより会議を開きます。
 この際、公聴会の件について御報告いたします。
 公聴会開会に関する諸般の手続につきましては、さきに委員長に御一任願っておりましたが、理事と協議の結果、次のとおり決定いたしましたので、御了承願います。
 すなわち、審査中の公営住宅法の一部を改正する法律案について、来たる二十五日火曜日午前十時より公聴会を開会することといたします。
 以上、御報告申し上げます。
     ――――◇―――――
#3
○始関委員長 住宅基本法案を議題といたします。
#4
○始関委員長 まず、提出者から提案理由の説明を聴取いたします。小川新一郎君。
#5
○小川(新)議員 ただいま議題となりました住宅基本法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 住宅は、国民が円滑な家庭生活、人間形成及びあすの社会活動を十分に行なう場としてきわめて重要な役割りを持つものであります。まして、住生活の安定向上がなくしては、家庭生活のみならず、社会生活においても、また、社会秩序においても悪い影響を及ぼし、健康で文化的な生活を営むことは望むべくもないことであります。
 わが国の住宅事情は、過去二十数年間に一千万戸以上の住宅が建設されてきたにもかかわらず、経済の高度成長に伴い人口の都市集中化、世帯の細分化等によりまして、その需要は激増を続けており、依然として深刻な実情となっております。
 わが党は、かかる事態に対処するため、公営による一世帯一住宅の実現を目標として住宅難解消のため具体的な方策を促進していますが、住宅対策には、量による不足戸数解消のほかに、質の向上をはかっていく必要があり、さらに、宅地供給の促進その他住宅に関する総合的、かつ基本的な施策を強力に推進する必要があると考え、この法律案を提出することといたした次第であります。
 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
 まず第一に、国は、国民に健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を確保し、一世帯一住宅一人一室の実現を目途とする施策の策定及び実施の責任を、地方公共団体は、国の施策に準じ、その地域に応じた施策及び実施の責任を持つことといたしました。
 第二に、国は、国民の住生活の向上をはかるための適正な住宅の基準及び住居費の負担基準を定めるものとし、国及び地方公共団体は、定められた基準に適合する住宅に居住できるようにするため、住宅費補助等の施策を講ずることといたしました。
 第三に、国は、住宅の需要及び供給に関する長期見通しに即して、住宅建設についての長期計画を策定することとし、国及び地方公共団体は、公営住宅等の建設を促進し、また、その譲渡の制度を設ける等の施策を講ずることといたしました。
 第四に、国は、低額所得者等に適正な規模の住宅を供給する事業を行なう者、または、みづから居住する住宅を建設する者に対し、長期、低利資金の融通の円滑化と税制上の考慮を払うとともに、銀行その他一般の金融機関が行なう住宅建設等に必要な資金の貸し付けに対する保険制度の整備をはかる等の施策を講ずることといたしました。
 第五に、国は、住宅地の居住環境を良好に保護するための必要な施策を講ずるものとし、国及び地方公共団体は、宅地の開発供給、土地価格の安定、住宅の災害からの保護のための施策を講ずるほか、公共施設の整備の促進等につとめることといたしました。
 以上がこの法律案を提出する理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。(拍手)
#6
○始関委員長 以上で本案の趣旨説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
     ――――◇―――――
#7
○始関委員長 公営住宅法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。島上善五郎君。
#8
○島上委員 前回私の質問の際に、住宅不足の状況を資料として提出するように求めておきましたが、私、この資料はいただきましたけれども、まだざっと目を通しただけなので、この資料について一通り説明をいただきたい。
#9
○大津留政府委員 住宅難の要因別の戸数と世帯数という御要請でございましたわけですが、住宅難の要因といたしましては、非住宅居住、つまり住宅でない倉庫その他に住まっている世帯、それから同居世帯、老朽住宅居住世帯、狭小過密居住世帯、それに加えまして、遠距離通勤及び高家賃の世帯、こういう要因別に世帯数を出したわけでございます。非住宅居住世帯は、昭和三十八年の住宅統計調査によりますと、十四万三千世帯でございます。同居世帯は、他の世帯と同居しているもので、同じく同調査によりますと、五十九万六千世帯でございます。老朽住宅居住は、住宅の主要部分が腐朽破損がはなはだしく、保安上危険な状態にある住宅に居住している世帯でございまして、四十三万七千世帯でございます。狭小過密居住世帯は、九畳未満の家に二人以上、九畳以上十二畳未満に四人以上が居住している世帯でございまして、三百十三万三千世帯でございます。遠距離通勤の世帯は、職場に至るまでの片道の所要時間が一時間三十分以上のものでございまして、四十年の国勢調査及び四十一年の住宅需要実態調査によりまして、約四十万世帯でございます。高家賃の世帯と申しますのは、雇用者のうちで家賃の負担率が収入の二五%以上となる世帯数でございまして、三十八万世帯でございます。
 これらのうち、住宅建設五カ年計画におきましては、住みかえ等によりまして住宅難でなくなる世帯の数を引きまして住宅不足数を算定いたしました。その結果、五カ年計画で六百七十万戸という数字になったわけでございますが、その際に、ここに掲げております遠距離通勤及び高家賃の居住世帯は、他の要因と重複するものが相当ございますし、また、住みかえによって、住宅不足戸数に算定するのは適当でないというふうに考えまして、不足数の算定には入っておりません。
#10
○島上委員 この数字は、三十八年の住宅統計調査及び四十年の国勢調査の数字ですね。この数字によりますと、全部合わせても五百八十万九千戸、こういうことになりますね。五百八万九千戸が足りないところに六百七十万戸ですから、この数字の上からいうと、来年一年過ぎると一世帯一住宅が完全に実現して余りがあるわけですが、現実はそうではない。そうではないということは、この三十八年もしくは四十年の調査以降、都市集中がさらにスピードを加えておるというようなこと、それから世帯分離がどんどん進行しておるということ、また、老朽腐敗がその後にできてくる、いろいろの要因が積み重なっておる結果が、来年一年たって六百七十万戸実現すれば一世帯一住宅が十分できるはずのができない、こういうのが現実なんです。
 それで、今回の状態で数字を出すということは時間的に困難な話でしょうが、今日、たとえばここに示されておるような分類別に推計をいたしますれば、ほぼどういう状態になるかということがおわかりだったら、お伺いしたい。
#11
○大津留政府委員 昨年の十月一日で新しい住宅統計調査を行ないましたので、その結果が近いうちに出てまいりますので、その際には正確な数字がわかるわけでございますが、現在の段階では、やはりこの三十八年の調査をもとにその後の異動を推計するということによらざるを得ない次第でございます。その後の推移を推計いたしますと、ちょうど一年前になりますが、四十三年三月現在におきます推定は、非住宅居住というのはよほど少なくなっておると思いますが、同居世帯と合わせまして六十一万六千、老朽住宅が三十四万三千でございます。狭小過密住宅がむしろややふえまして三百二十万、合計いたしまして四百十六万の住宅難世帯が存在する。遠距離通勤、高家賃の世帯も、今日の大都市の状況では、先ほど申しました推計の戸数よりもむしろややふえておるのじゃないかと思いますけれども、この数字はちょっと推計いたしかねております。
#12
○島上委員 私の推計ではもう少し多いのではないかと思いますけれども、これは正確な数字が両方にないわけですから、はっきりと断定的なことを申されませんが、非住宅居住がやや少なくなっているが、老朽あるいは狭小過密、同居等はかえってふえておるという状況。いま四百十六万と申しましたが、その前の四百三十万に比べて、いまの数字がほぼ正確であるとしても、ほとんど減っていない。それに反して、遠距離通勤と二五%以上の高家賃のほうはややふえている。ややふえているということばが正確かどうか、私はこれは相当ふえていると思うのです。一時間半ぐらいはこのごろはほとんど普通のような状態です。相当ふえておる。そうなりますれば、五カ年計画の最終年度に至りましても、私が前回の質問の際指摘しましたように、住宅難は解消されるどころか、むしろ深刻化しておる、こう見て間違いじゃないと思うのです。
 そこで大臣に伺いますが、第二次五カ年計画はまだ建設省としては基本の大まかな構想だけで諮問をするようでございますが、第二次五カ年計画の最終年度にも、へたをすればいまと同じような数字が残るという心配があるわけです。そうすると、声を大にして第二次五カ年計画の最終年度にはほんとうに一世帯一住宅を実現するということを言えないことになると思うのです。私は、第二次五カ年計画の最終年度でほんとうに一世帯一住宅を実現しようとするならば、その後の世帯分離やその後の事情変化は、これは毎年ふえますけれども、少なくとも第二次五カ年計画の最終年度のその時点では一応――一応ですよ、一世帯一住宅が行き渡るようにするには、いままでの住宅政策と相当内容を変えたものでないと、つまり、いままでの住宅第一次五カ年計画の延長であったならば、またぞろ同じような結果になるのではないかと私は心配するわけですが、そうではない、その時点では一世帯一住宅を実現するんだ――ほんとうは来年度で佐藤総理大臣の公約によれば実現するわけだ。その公約はつに不渡り手形になるわけですけれども、この次の五カ年計画では必ず一世帯一住宅を実現するという根拠、自信のほどをもう少し具体的にひとつお話し願いたい。
#13
○坪川国務大臣 島上委員の御指摘になりました第二次住宅建設の大体の目標、またそれの実現性という問題は、御承知のとおりに、第一次五カ年計画の第四年目である四十四年度におきまして御審議を願っているような状況で、これが大体公的にも、また個人の自力による建設等を含めますと八二%に達し得る、こう期待いたしておりますとともに、残年度の四十五年度におきましては六百七十万戸の目標をぜひとも達成いたす決意でおるような次第でありますが、さて第二次住宅計画の問題につきましては、私といたしましては、いまの御指摘、また御報告も申し上げましたような住宅難の世帯が四百十六万世帯にも及んでおるというような問題、あるいは遠距離通勤住宅の問題等も考えますと、非常に重大な問題でありますので、私といたしましては、いまのうちからそれらに対応する計画を立てなければならぬという考えを持ちまして、過般大体の構想としましての草案を発表いたしておるような次第でございます。これにつきましては、御承知のとおり、数字的な問題についてはまだ触れておらないわけでございますが、過般住宅審議会に諮問を申し上げまして、いま御審議をいただいている最中でございます。この結論が大体七、八月ごろには出ることを期待いたしますが、それを踏まえまして、建設省といたしましては、第二次五カ年計画の実際面におけるところの計画を具体的に進めてまいりたい、こういう気持ちでおるわけでございますが、そういたしました場合の数字あるいは一世帯一住宅という目標、この不幸な現状を見るときに、私といたしましては、第二次五カ年計画の目標はやはりぜひとも一世帯一住宅の達成ということで、その決意と方針のもとに進めてまいりたいという考えでおる次第であります。
#14
○島上委員 この住宅難を要因別に分類したものから検討いたしますと、この中では、自力で建設できるというものは、いままで自分が所有しておった住宅が老朽してきて、それを建てかえをするという人は自力でできるでしょう。住宅金融公庫からお金を借りるとか、その他公的な金を若干借りてでも、いままで自宅であったものは、できます。そうでないものは、自力建設といっても、とうていこれは――全く不可能とは申しませんけれども、不可能に近い状況だと思うのです。この要因別に見まして、先ほどの四百十六万戸、それから遠距離、高家賃がややふえておるというこの戸数の中で、ちょっと政府が資金面その他でめんどうを見れば自力で建設可能だと思われるものは、数にしてはほんの二、三割ではないかと私は思う。八割程度は、公営住宅を中心とする公的資金で建てなければとうてい解決のできない人々ではないか、こう判断します。したがって、第二次五カ年計画は公営住宅に最重点を置くべきものであると私ども考えますが、大臣いかがですか。
#15
○坪川国務大臣 低所得者の方々に対して、国家的な立場で住まいを提供する、建設するということは、これは住宅政策の最も大事な問題でもあり、また、その解決をはかることこそ、住宅政策の基本的な態度でなければならぬ、こういうような気持ちを私は持っておりますので、いままでにおきましても、まだ満ち足らないところも数多くございましたけれども、公営住宅の建設につきましてはかなり重点を置いて建設をいたしておるような次第でありますが、新たなる五カ年計画の住宅対策につきましては、私は公営住宅を中心にしましてひとつ建設方針を進めてまいりたい、こう考えておる次第であります。
#16
○島上委員 大臣、公営住宅を中心とする、それは間違いありませんか。どうも新聞その他の報道ですから、まだ断定してこうだと言うことはできないかもしれませんけれども、自民党の試案によりますれば、土地を持っている農民あるいは私鉄に金を貸して貸し家をつくらせるというところにだいぶ力をお入れになるようで、地主に貸し家をつくらせるということになりますれば、どうしても遠距離と高家賃の問題は解決しませんよ。これは建設省の構想の中にもあるのじゃないですか。この諮問案を見たら、これにもありますよ、「土地所有者自身による住宅経営」。住宅経営ということは、貸し家を建てて利潤をあげるということですからね。そうでしょう。私鉄の場合もそうです。貸し家を建てて利潤をあげる人々に政府が助成をするというようなことは、公営住宅重点主義とは矛盾すると私は思いますが、いかがでしょうか。
#17
○坪川国務大臣 根本政調会長が試案として発表されました問題点も、私は私なりに検討をいたしておる次第でございますが、私といたしましては、これらの考え方については、並行的にその構態の中に一部としてやはり考えるべきであるということは当然だと思いますが、先ほども申し上げましたごとく、私といたしましては、新たなる五カ年計画に対しましては、お気の毒な低所得者対象の住宅を中心に置きたい、そしていま御指摘が出ました問題点も、その一部の問題として並行的に考え、構想を含めて進めたい、こういう気持でございます。
#18
○島上委員 現在の五カ年計画が、民間自力六割で、その残りの公的資金を使う四割のうちさらに公営住宅はとしぼると、たいへん少ないものになる。私の調べたところによると、六百七十万戸のうちの五十二万戸ですから、七・七%、たいへん少ない公営住宅、少ない数ですね。いまの大臣の御答弁から判断しますと、その比率はずっと変わってくる、ずっとふえてくる、こう思われますが、もう少し具体的に――私たち社会党では、住宅計画を立てる際には、たとえば、社会党は七百六十万戸ということを一応考えて、その法案がじき出ますから、出たらまた両方あわせて質問しますけれども、そのうちで、公的資金のものは六割建てるべきである、その六割のうちさらに六割を公営住宅にすべきである、こういう積極的な考えを持っている。いま公明党さんから基本法案が出されましたので、これも関連して質問したいと思っていますが、そのくらいの公営住宅重点主義でないと、なかなか住宅問題の解決は困難だと思うのです。もちろん、いま諮問しているところですから、はっきりと申されませんでしょうけれども、考え方としては、その程度に公営住宅に重点を置く考えであるかどうか。いまの御答弁で大体はわかりましたけれども、不安なのは、依然としてあなたの諮問案にも「土地所有者自身による住宅経営の促進」、経営ですね。それで、自民党の根本試案には、さらに私鉄にも融資する、こういっていらっしゃる。私鉄とか土地所有者はお金のめんどうを見なくたってけっこう建てますよ。いまどんどん建っていますから。利潤があがるのですから。そのくらいのことを考えるならば、そのお金をもっと公営住宅のほうに回して、いま私が言ったように、六割か、少なくとも半分以上は公営住宅を建てる、こういうような積極政策に転換してしかるべきものじゃないかと思うのですけれども、もう少し具体的にお答えできたらひとつ。
#19
○坪川国務大臣 過般、最初諮問をお願いいたしました審議会の席上において二時間有余にわたって私の考え方を申し上げ、また各委員から大臣としての決意のほどの所見をただされたのでございますが、その場合におきまして、私ははっきりと、新たなる五カ年計画の中においては公営住宅にひとつウエートを置きたいということを強く述べておるような次第でございます。したがいまして、この気持ちも十分各委員には御理解をいただき、また共鳴もいただくものと期待をいたしているような次第でございますので、現時点においてその内容のパーセンテージあるいはどれだけのという数字的に申し上げるのは、私といたしましては、審議会の御意向も十分そんたくも申し上げ、また各党の意見等も十分私はそんたくいたしまして新たなる計画を立てたい、こういうような考えでおりますので、申し上げたい気持ちは十分ございます、当然でございますけれども、具体的な数字あるいは比率その他については、まだ申し上げることは御遠慮といいますか、まだそこまでのまとまったものが出ていませんものですから、責任の立場からも私ははっきりと申し上げかねることを御理解いただきたいと思います。
#20
○島上委員 私は、とにかく次の計画は公営住宅に最重点を置くべきである。さしみのつまのような――私は口が悪いから露骨に言いますけれども、最初のいま実施中の五カ年計画、七・七%の公営住宅というような、さしみのつまのようなことでは、いつまでたっても現状をほんとうに一世帯一住宅、健康で文化的な住宅を提供するという形において解決するということは不可能だと思う。だから、この点はよく現状を分析して――私があえて要因別に資料を出していただいたのもそのためですから、現状を正しく認識しまして、公営住宅に最重点を置くように重ね重ね希望をしておきたいと思います。
 それについてもいまやはり気になるのは、土地所有者自身による住宅経営に助成をするとか私鉄に助成をするというようなことは、これはここのことばにも出ていますが、住宅経営という、利潤をあげる商売に助成をして、それで住宅はこれで間に合ったというようなことならば、政府の住宅政策としてはこれは間違いだと思うのです。生活を著しく圧迫することのない適正な家賃で住みやすい住宅を提供するのが、政府の住宅政策でなければならぬわけですから、そういう意味では、私は、個人の住宅経営、利潤をあげることを目的とする経営に政府が資金援助をしたり特別の税制面の便宜をはかったりするということは、政府の政策としては矛盾すると思うのですよ。政府がそういうことをしなくたって、もうかると思えば建てるのですから。だから、そういうのは政府の住宅政策のワク外に置いていいんですよ。住宅不足なら建てるのですから。それを政府の住宅政策のワクの中に入れて、さも政府の手柄であるかのように考える考えは、私は、いまの公営住宅法の精神からいっても矛盾すると思うのです。もしそういう力があるならば、それをさらに公営住宅建設にもっと力を入れるべきだということを大臣に強調しておきたいと思うのです。これは私どもの考えですから、御答弁は要りません。
 そこで質問を進めますが、この諮問案の中にもありますが、「量の確保とあわせてその質の向上を図ること」、これはもちろん必要であり、けっこうなことです。ところが、質の向上をはかるということは、当然経費がよけいかかるということですね。私の前回の質問で、八十五平米の住宅を理想としておる、こういう御答弁がありましたが、八十五平米ということになりますれば、私は相当の家賃になると思うのです。かりに現在の地価、現在の建設費、これは五年先になればもっとまたぐんと変わってまいりますけれども、現在の地価、現在の建設費から八十五平米のものを建てるということになりますと、どのくらいの家賃で賃貸できることになりますか。計算したことがありますか。
#21
○大津留政府委員 この八十五平方メートルというのは、私どもが住宅政策で考えております長期の目標でございまして、昭和六十年におきましては、平均してそこまで持っていきたという目標のもとに進めておる。したがいまして、現在はまだ公営住宅等はその半分にも達しないというような非常に狭いわけでございますので、次の五カ年計画におきましては、量も確保しつつ、そういう質につきましても徐々に向上をはかってまいりたい、さらにその次の五カ年計画、さらにその次ということで、二十年後には八十五平米まで持っていきたいという構想でおるわけでございます。御指摘のように、そういうふうに質が向上いたしますれば、家賃もそれに伴って高くなるということは免れがたい点でございますので、勤労者の所得の上昇の状況等にらみ合わせまして、負担力の限度に合わせてこの居住水準というものの向上をはかっていく必要がある。そういうことから、この家賃の負担限度をどういうふうに考えたらいいか、それとの見合いで居住水準をいかなるスケジュールで向上させていくべきかということを、いませっかく審議会で御審議をいただいておる最中でございますので、ただいま申しましたように、五カ年計画を追うごとにだんだんにこの向上をはかっていく、こういう考えであります。
#22
○島上委員 それはまあ八十五平米の住宅を来年、再来年でということは困難なことは私も知っております。目標であるということもこの前の質問で伺いましたが、だんだんにそれに接近していくわけですから……。そうすると、この第二次五カ年計画の諮問要綱を見ますと、この中の第一に、「住宅の量の確保とあわせてその質の向上を図る」――第二次五カ年計画では、少なくとも現在よりはかなり向上したものを考えている。現在ですら、一万円以上の家賃になるものを地方公共団体が政策家賃で一万円以下で押えているところがあるのですね。それは御存じでしょう。現在でも一万円以上になるんですよ。法律にある家賃方式でちゃんと割り出すと一万円以上になる。それを政策家賃で押えて、その分だけ地方公共団体が負担して一万円以下にしておる。ですから、この量を確保するととも質の向上をはかるということになれば、当然一万円以上になるのです。もしそれでもなお政策家賃で押えようとすれば、地方公共団体の負担がそれだけ多くなるのです。その分を政府が見るわけじゃないでしょう。その分を見て家賃を政策家賃で押えるというのなら、それはまた別ですよ。今度の、地価に対する補助を打ち切って、その見返りとして家賃補助はするけれども、質がよくなって家賃が高くなることに対する家賃補助ということは、少なくとも私の聞き及んでいるところでは、全然考えていないようですから、その第二次五カ年計画に入った場合の家賃は当然一万円以上になる、こう予想されますが、どうでしょうか。
#23
○大津留政府委員 第一種公営住宅の中層耐火の家賃でございますが、これは四十四年度におきまして全国の平均は七千五百円になる予定でございます。東京のような地価の高いところで、しかも高層のものをつくったといたしますと、これは法律で定めました計算をいたしますと、一万円をややこえるというような家賃になろうかと思います。まだ一般的にはそこまでまいりませんで、七、八千円どまりということでございますので、これを規模を若干ずつふやしてまいりましても、そうすぐには一万円をこえるというような家賃にはならぬのじゃなかろうか。それから一面、勤労世帯の収入も年々十数%ずつも向上しておる状況でございますから、それらとのにらみ合わせにおきまして、質も年を追って向上さしていきたい、負担ができる範囲におきまして質の向上もはかっていきたい、こういう考えでおるわけでございます。
#24
○島上委員 住宅局長の見方は少し甘過ぎますよ。全国平均すればそういう数字になるでしょう。住宅問題で一番困っているのは大都市ですから、やはり住宅策策を考えるときに、地方はどうでもいいということはもちろんありませんけれども、大都市の問題を頭に描きながら考える必要があると思う。東京は現に現在でも一万円以上になっているんですよ。この諮問案によると、かなり具体的に書いてありますよ。公営住宅にはふろもつける、エレベーターもつける、そういう設備を極力行なう。そうなりますれば、もう一万円以上になる。そうすると、私が心配するのは、収入の上がりぐあいと見合ってと申しますけれども、収入の上がりぐあいよりは家賃のほうがぐっと先へ上がってしまう。そうすると、法律にあります「低廉な家賃で」というワクを越えてしまうと思うのです。この前の私の質問に対して、二〇%以下が適当である、こういう御答弁でしたが、一万円をこえるということになれば、もう二〇%ではない、二五%、高家賃の口に入ってしまう。民間の高家賃の貸しアパートにだんだん近づいてしまう。そういうことになると結局どうすればいいんだという問題が起こってくるのですね。私はあとでお伺いいたしますが、宅地対策についてももちろんもっと抜本的なことを考えなければならぬし、政府の補助そのものについても、あとで同僚が触れますが、宅地の補助を打ち切るということ自体にも反対なんですよ。政府の補助をふやしていかなければ、低廉な家賃で賃貸するという法の目的と矛盾することにだんだんなっていくと思うのですよ。質をよくしようとすれば、政府の補助率を高めていくという裏づけがなければ、地方公共団体へのしわ寄せ、入居者へのしわ寄せ、こういう結果を必然的に招来すると思うのです。どうでしょう。
#25
○大津留政府委員 現在の公営住宅の入居資格は低所得者ということで、第一種につきましては月四万円以下、こういうことにしておりますけれども、これは先生御承知のように、税法でいう給与所得控除相当額を引いた残りを十二で割って、それに家族一人当たり三千円を控除したということで出しておりますから、これを年収に逆算いたしますと、標準世帯で約八十四万円になります。これを月収入に換算いたしますと七万円弱、六万九千八百円になるのです。したがいまして、一万円をこえますときつくなりますけれども、一万円以内ならば、これは家計上支出に耐え得るのじゃないか、かように考えまして、先生おっしゃるように、東京都のような場合で特に高層を建てたような場合は、一万円をこえるような計算になりますが、まあ一万円はこえないようにという指導はしております。したがいまして、おっしゃるように、政策的にこれを下回るようにきめておるわけでございますが、これはまた全体からいえばきわめて例外的な戸数でございます。したがって、そういう収入の状況との見合いで坪数を一平米でも二平米でももう少しふやす、また、それにあわせて、ふろその他の設備を改善しようということで、年々わずかずつながら向上をはかっておるということで、おっしゃるように、これが急に面積をふやすようなことをいたしますと家賃が急激に上がるということも心配されますが、年々徐々に拡充強化をはかっていくという方針でやっておる次第でございます。
#26
○島上委員 まあ月に直せば六万九千八百円とおっしゃいますが、これは奥さんの収入も全部加算し、家族の収入も三分の二を計算しての六万九千円ですからね。ですから、主人一人の場合には四万円、三万五千円でもそういうことになるのですね。主人が四万円で、奥さんがパートタイムで一万円働いた、むすこが二万円で、その三分の二を計算する、これでもうこえてしまうのですね。私はそれはあとでまた触れますけれども、家族の収入の三分の二――いま全額計算ですね。これを三分の二計算するなんということは不当ですよ。私は実例を示しましょうか。日雇い労働者をしている人で、年額二十万円しかないのです。たまたま今度宝くじでも引くように住宅が当たったのです。七月入居です。証明書を持っていったころ、所得超過だというのです。聞いてみたら、娘が一人おって、年額三十六万取っているのです。それで五十六万だから収入超過だという。その娘はことしの五月に結婚するのです。七月入居なんですよ。いま全額加算だからだめだ、こういうのです。これはそれこそ血も涙もないということでしょう。私はもっと話をして、そんなことを言わずに、五月に結婚していなくなるのですから、考えなさいと言うつもりですけれども、家族の収入を三分の二計算するということ自体がもう不当ですよ。家族の収入――むすこが高校卒業して就職した、娘が就職した、家族の収入なんか家計に実際足しになりませんよ。そういうところにすでにもう矛盾があるのですよ。そうして、一万円以下だから二〇%以下ですと、こうおっしゃいますけれども、実質的にはもう二五%にも三〇%にも当たることになるのです。ことし建てた住宅、去年建てた住宅ですらもう一万円以上になっているのですから、ことし来年はもっと高くなる。ですから、質をよくしようとするならば、あわせて政府の補助についてふやすということを大臣お考えになる必要があると思いますよ。そうでないと、低家賃で提供するというのに矛盾しますよ。私は、一〇%か、せいぜい一五%が適当だと思いますけれども、かりにあなた方の答弁をもとにして考えても、二〇%以下の低家賃に押えるためには、質を向上する分については政府の補助をもっとふやすということを考える必要があると思う。どうでしょうか。
#27
○坪川国務大臣 先ほども申しましたように、私といたしましては、住宅政策の基本というものは、住宅難世帯のこの悲願にこたえる対策でなければならぬ、こういう気持ちでおります。すなわち、住宅の建設というものは、ほんとうに住まいがなくして雑居しておられたり、また不幸なわびしい生活をしておられる方々の立場を心得て住宅政策の推進を基本に置くというのが、私の住宅政策の根本方針でございます。そうした点からいきまして、いま御指摘になりました家賃の問題その他につきまして、いわゆる量の増大をはかるとともに、質の、規模の改善を進めたいということも公営住宅を対象にいたして進めたいというのが私の方針でございます。したがいまして、いま数字的に二〇%以内、あるいはその前後、あるいは家族の収入、いろいろ御指摘になりました点は、貴重な意見でもございますので、われわれといたしましては、その意見を十分考え、そんたくいたしながら、具体的にそうした問題点をひとつ改善いたしてまいりたい、こう考えております。
#28
○島上委員 大臣の答弁はたいへんけっこうなんですよ。抽象的なことばではけっこうだけれども、やることの裏打ちがなければ、けっこうなことばを聞いて喜んだって何もならぬですよ。今度は宅地補助を打ち切るでしょう。これは私もあとで少し触れますし、同僚の諸君が専門的にやりますから、あまり触れませんけれども、宅地補助を打ち切る。これは地方公共団体の負担になりますよ。ならないと言ったってなりますよ。ならないことがあるものですか。くれるのなら負担にならぬけれども、借金ですから、時が来れば返さなければならぬ。当座は家賃にはね返らぬようにじょうずに仕組んでありますよ。これはやはり役人ですから頭がいいですよ。じょうずに仕組んである。しかし、結局は地方公共団体の負担増になりますよ。ならないはずがあるものですか。いまのこの法律改正を実施した後の地方公共団体の超過負担は、建設費の面だけを見ましてもどのくらい解消されますか。
#29
○大津留政府委員 この建築費につきましては、かねて大蔵省と相談いたしまして、超過負担は四十三年度から三年間で解消するという公約をいたしておるわけでございます。このことは、国会でも大蔵大臣あるいは建設大臣が再々言明されたとおりでございます。
 建築費につきましては、四十二年度におきます超過が七%、五十億ございました。これは大蔵省と両方で調べました。これを四十二年度から三カ年ということで、四十三年度の予算にもその三分の一の二・三%が織り込んでございます。また、四十四年度の建設費単価にも、一年間の値上がりが五・四%と計算されていますが、それのほかに解消分として二・三%、合わせて七・七%の単価アップを織り込んでございます。したがいまして、残りが二%少々残っておりますが、これは四十五年度におきまして完全に解消しよう、こういう計画でございます。
#30
○島上委員 四十五年度で完全に解消しますか。だいじょうぶですか。私は四十五年にももう一ぺん質問するかもしれませんよ。速記録を持ってきて、何だ、あなたと言いますから。四十五年度に解消するには、解消するように具体的に標準建築費を実態に合うようにしなければだめなんですよ。ことしの標準建築費は幾らに見ていますか。
#31
○大津留政府委員 四十四年度予算におきましては、工事費の単価でございますが、これは構造別によって異なりますが、木造の場合は平米当たり一万九千四百五十円、簡耐平家の場合には平米当たり二万一千六百七十六円、簡耐二階建ての場合は平米当たり二万三千五百六円、中層耐火の場合は平米当たり二万八千百二十二円でございます。これは第一種公営住宅の場合で、第二種も大体同じ単価でございます。
#32
○島上委員 これで実情との違いはどのくらい見ておりますか。実態とどのくらい違うと思いますか。すなわち、地方公共団体がどのくらい超過負担をすることになりますか。
#33
○大津留政府委員 先ほど申し上げましたように、四十三年の単価に比べまして七・七%アップしたわけであります。その中には、従来実勢と合っていない七%を三年で解消するという三分の一が入っています。一年間の値上がりは五・四%で見ております。したがって、四十五年に残された二・三%だけまだ差額が残っておるわけであります。したがいまして、地方の超過負担は二・三%まだ残っておるという状況でございます。
#34
○島上委員 私は実際の地方の超過負担はもっと多いと思うのです。これは、あまり質問してしまうと残りがなくなるから、いま地方公共団体から資料を求めていますから、いずれ地方公共団体からの資料を持ってきて、数字的に違うところをはっきりと明らかにしたい。いまこの数字の二・三%であるか五%であるかということは、架空の数字の争いをしてもしようがない。私はもっと多いと思う。いまの政府のやり方を変えない限りは、補助率を変えない限りは、四十五年度になっても完全に地方の超過負担は解消しないと思う。
 これはこの程度にしておきますが、宅地対策について、これは抜本的な対策がなければ、宅地費の補助を打ち切るのですから、これがまた地方の超過負担の大きな原因になると思うのです。この宅地対策について、政府の、それこそ佐藤総理大臣の好んで言われる勇断があったらひとつお聞きしたい。いままでのようなありふれたことでは宅地対策になりません。墨田の建設省の地所に公営住宅を建てる、ああいうのは宅地対策になりませんから、宅地対策の抜本的な、勇断的な対策があったら、この際ひとつ大臣からお聞かせを願いたい。
#35
○坪川国務大臣 御指摘になりました宅地対策、地価対策、御存じのとおりのまことに著しい人口、産業の都市集中による周辺地区の秩序なき宅地、地価の高騰、これなどは私は非常に重大な問題であると思います。過般も、ロンドン大学の宅地、地価問題の権威者の教授が見えましてのいろいろの意見なども、私は新聞紙上その他を通じて見ておるのでございますが、二年前に来られましたときに、日本は土地問題では少し寛大過ぎるんじゃないかというようなことを言い残されて行かれた、あのことばは、私はいつも頭の中を悩ましておる問題でもあり、また、いい御指摘でもあると考えております。そうしたことを考えますときに、この宅地問題、地価問題というようなことについては、ほんとうに総合的な政策で解決しなければならない。単なる税制面だけで、あるいは単なる行政面だけでというようなことでなくして、私は総合的な施策をひとつ計画的に打ち立てなければならぬ。そういうような問題をいいますならば、六月から施行いたしますところの都市計画法の適切な運用、あるいは御審議願っておる都市再開発法の制定というような問題ももちろんでございますとともに、公有地あるいは国有地などの利用促進ということを――先ほど御指摘になった東京技術事務所の移転だけではだめだということもおっしゃっておられますが、私は、これもやはり一環の問題として強度にこれらの活用の促進をはかってまいらなければならぬ、こう思いますとともに、御案内のごとく、各党共同決議案のもとで三十九年に出されました地価公示制度の制定、これをいたしまして、そして不当な土地の取引を抑制し、あるいは地価の標準価格を一定のめどを置きまして、そしてこれの運用によって地価の高騰を押えなければならぬというような問題、あるいは税制の上におきましては、ことしの個人長期保有に対する譲渡益に対するところのいわゆる分離軽課税、あるいは短期のものに対しましては重課税というような方法などをとることを考えますとともに、私といたしましては、ほんとうに地価問題、土地問題、宅地問題は、都市開発、都市計画また住宅対策、あらゆる面に優先する最も重大な大事な問題である、こう考えますので、御指摘になりましたお気持ちのとおり、私は、大英断といいますか、大勇断をふるって――何か抜本策を、こうおっしゃいますけれども、その一つだけではいけない、総合的な施策をひとつ統一的に立てまして、そしてこれにいま取り組んでいるような次第でございます。
#36
○島上委員 大勇断をもって取り組んでもらわなければだめなんですよ。私は、墨田の東京技術事務所を移転したことを悪いとは申しませんよ。ささやかな改善かもしれませんが、しかし、これだって問題があるのです。いまあなたのお答えの中にも、総合的な都市計画ということをおっしゃいましたが、総合的な都市計画の一環として考えられるべきものであって、国が、国の所有地だから、住宅公団に払い下げて住宅公団に建てさせる、美濃部さんの計画と無関係にしゃっと思いつきのように発表するということは、あれはいささか早計ですよ。東京都の都市計画の一環として、あそこは国の所有地なんだから、住宅にするか公園にするか何にするかは別として、開放してもよろしいということなら別だけれども、住宅公団にやって十三階建ての住宅を建てる、これで住宅問題がだいぶ解消するといったような印象を与える思いつきを発表された。あれは単なる思いつきだと思うのです。
 土地対策も、いまおっしゃったような公示制度で地価の値上がりを押えるという自信がありますか。公示制度の法案が出ていまして、そのうち審議することになりましょうが、かりに政府案のとおりに公示制度の法律がきまりましても、これで地価の上がる勢いが、たとえばいままで年々一〇%であったものが、八%に押えられるとか五%に押えられるという御自信がありますか。新都市計画法が実施されましたら、都市計画の市街化区域と調整区域とできますね。市街化区域はうんと地価が上がるという現象が起こりはしないかと思うのですが、そういうことは御心配になりませんか。地価公示制度でそれを押えられると思いますか。
#37
○坪川国務大臣 建設省が先んじて移転を計画いたしまして発表したことが、思いつきという御指摘もいただきましたが、私といたしましては、思いつきでなくして、いわゆる総合的なこれらの移転計画あるいはその他をいたす意味において、建設省がまずもって範を示すべきであるというような考えのもとにいま出しておるような次第でありますとともに、筑波学園都市等の開発によっての三十六機関等の移転のあとの問題、あるいは基地の返還に伴うところの土地の利用というような、一貫した総合的な計画性のもとにおいてこれを実施いたす考えでありますとともに、公示制度の問題につきましても、これは御承知のとおりに、各党が地価公示制度の実現というものを共同一致して議決していただいた問題でありますので、これは一段階としましては画期的な一つの対策ではなかろうか、しかし、これが直ちに即効薬として、万能薬としてすべての問題点を解決するものとは私は考えておりませんが、その過程としては私は非常に重要視いたし、またその成果を期待いたしておるような次第であります。
#38
○島上委員 新都市計画法の実施による宅地に対する影響――地価といえば宅地です。新都市計画法実施区域の宅地に対する影響をどのようにお考えですか。
#39
○川島(博)政府委員 お答え申し上げます。
 新都市計画法による市街化区域、市街化調整区域の設定によりまして、特に市街化区域の地価の動向がどういう動きを示すであろうか、これにつきましては、本委員会におきましても新都市計画法案審議の際に議論になりましたし、また参考人の公述等もございましたことは、御承知のとおりと思いますが、これには二つ意見があるわけでございます。地価形成のメカニズムをどう見るか、少しむずかしい話になりますが、こういう問題でございます。従来のように、市街化すべき区域と市街化を抑制すべき区域をはっきりきめないで、つまり個人の恣意によるスプロールを放置いたしますと、際限もなく住宅地が近郊へ広がっていく、その近郊へ広がっていきました末端の周辺の土地の価格、これはいわゆるその土地を必要とする住宅需要者の所得の限界によってきまる。それは、たとえば、ある所得水準のもとにおいては三万円とか五万円とかいうふうに限界価格がきまるわけでございます。したがって、これは一定であるといたしますと、スプロールをそのまま許せば許すほど限界地における限界地価に支配される周辺地域が無制限に拡大をするということは、それがひいては都心部の地価の上昇の原因をつくる。したがって、これによりまして市街化区域、市街化調整区域をきめまして、市街化を許す区域の境界を限定いたしますれば、その価格は常に限界所得者の限界地価によって規制されますから、三万円なり五万円なりで固定される。したがって、それから中の地価はその限界地価によって押し上げられることはない。つまり、新都市計画法の施行が地価に対しては抑制的な作用をするという見解と、それから、地価の刺激要因であるという見解と、二つあるわけでございます。これはいずれも一つの学説としては意味があるわけでございますけれども、私は、やはり現実の問題といたしましては、新都市計画法の施行によって地価に対する刺激的要因がなしとしないと思います。何がゆえにそれを決定いたすかと申しますと、やはり今後三年なり五年なりあるいは十年なりこの大都市周辺に予想される住宅利用、宅地利用というものを的確に見通して、それに応ずる面積というものを適切に市街化区域として設定をする。このバランスがくずれているかいないかということが、今後市街化区域における地価の動向に対して大きな原因を構成するのではないか。したがって、単に新都市計画法が施行されたから地価が上がるとかあるいは上がらないとかいう議論をするのはあまり意味がないと思います。むしろ、現実に設定された市街化区域というものが、現実の需要に対して十分であるかどうかという点が大きな問題であろう。しかもその場合には、単に面積的に宅地の広がりが需要供給とマッチしているかどうかということだけではなくて、つまり立体的な居住空間というものが、二次元ではなくて、三次元の世界から見た居住空間というものが需要に対して供給がマッチしているかどうか。すなわち、ことばをかえますと、単なる近郊宅地の平均的な開発量だけでなくて、いわゆる再開発による立体的な居住空間の増大傾向が、はたしてこの市民の居住空間を求める需要にマッチするかどうか、そういうもの全体をあわせてやはり判断をすべきではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
#40
○島上委員 これはもちろん一がいには言えないでしょう。その地域にもよるし、いま言った需要と供給との関係もありましょうが、ただ、一般的にいえることは、調整区域の地価の暴騰は押えられる、抑制的な効果をあげる、市街化区域は逆に高くなるであろう、これは私は必至だと思うのです。公営住宅も当然のこととして市街化区域の中に建てるわけですから、公営住宅の宅地がますますこれから高くなる。それを見越して政府が宅地の補助を打ち切ったんじゃないかと思うのです。これはあまり一面的な見方かもしれませんけれども。ですから、地方公共団体の宅地分の負担が今後ますます高くなっていく。そうすると、宅地分の負担は当然地方自治体で家賃計算するときの基礎に入るでしょう。いままで政府が三分の二を補助していたから、三分の二は計算に入らなかった、補助金ですから。これが全部入る、こういうふうになる。そしてまた家賃が高くなる。
 さっきもう少し念を押して聞いておきたかったことをちょっと忘れたのですが、政策家賃で押えているところははっきりとおわかりですね。一万円以上になるところを、政策家賃で九千五百円とか九千円とかで押えているところはわかりますね。私は、この政策家賃であなたのほうで指導しているわけですから、政策家賃で押えるというその分はだんだん一年ごとに多くなっていくと思うのですが、その政策家賃で押えることを建設省が指導するからには、一面ではその面に対する政府の補助――というか、二%なり三%の家賃の補助だけでは、はなはだしく不十分になってくる。その面に対する補助を今後お考えになる気があるのかどうか、これをひとつ伺っておきます。
#41
○大津留政府委員 まず第一点としては、公営住宅の用地費を補助から融資に切りかえたために公共団体の負担がふえるかという御質問でございますが、補助と融資を単純に比べますと、おっしゃるとおり、これは補助が有利にきまっております。しかし、問題は、三分の二なり二分の一補助するといいながら、実は補助基本額というのが実際の用地費に比べまして低い関係で、公共団体は相当な持ち出しを用地については余儀なくされていた。五〇%以上も持ち出さざるを得ないというような状況でございました。といって、補助単価をそこまで一挙に上げるということも、実際問題としてなかなか困難がございます。したがいまして、低利の資金を実際額に合わせて融資をするほうが、この事業を行ないます公共団体としては資金繰りが楽になる――といいますか、そういうことで今度の切りかえに踏み切ったわけでございます。幸いに大蔵省、自治省も十分な理解を示しまして、実際に必要な用地の単価を見てくれました。単価としては約七〇%のアップでございます。そういう関係で融資にいたしましたので、将来にこの返済というものは残りますが、当面持ち出しが非常に少なくなるということで、公共団体としてもこれは非常に歓迎しておるわけでございます。
 それから、そういうことのために家賃が高くなりはせぬかという御指摘でございますが、これは御承知のように、新たに家賃収入補助金というものを公共団体に交付いたしますから、従来補助しておったと同じ家賃になるようになりますので、家賃が上がるという心配は、この切りかえによってはございません。
 それから、政策家賃で法律に許された限度家賃よりも相当引き下げている例があるじゃないかという御指摘でございますが、先ほど来申し上げましたように、そういう例は東京のほかはきわめてまれでございまして、大阪にしても名古屋にしましても、そういうことはなくて間に合っておるわけです。東京の場合は、おっしゃるように、地価の高いところに高層の公営住宅を建てたような場合には、一万円をこすというような計算になりますので、これを九千五百円とか九千七百円程度に押えているという例はございます。将来そういうような例が相当数出てくる、あるいは現行の家賃の算定方式では低額所得者の負担にたえないというような現象が出てまいりますならば、公営住宅を低家賃で提供するという趣旨からいたしまして、別途の方策を考えなければならぬと思いますけれども、現在の段階ではまだその必要は特にないように思います。
#42
○島上委員 さしあたってはないということは私も認めています。そこが役人の頭のいいところなんです。さしあたっては家賃にはね返らない。しかし、元金を返すようになれば――家賃に直接はね返る形をとるかとらぬかは別として、借金ですから元金を返さなければならぬ、利子を払っている程度のうちは家賃補助がありますから、元金を払うようになれば当然そうなります。それから、地方団体は歓迎しているとおっしゃいますけれども、いままであなた御自身が答弁したように、実際の地価の二分の一ないし三分の二を補助するという法律になっていながら、そのとおり実行していなっかたのです。実際の地価の五〇%、六〇%を基準にして補助しておった。それがもし実際の地価の実態に合うように補助するということになったら、地方団体はそのほうを歓迎すると私は思うのです。だから、いままで政府は言うならば法律違反をやっておったわけですよ。法律違反をやらずに法律のとおりやれば、そのほうが地方団体は歓迎しますよ。
  〔委員長退席、金丸(信)委員長代理着席〕
 その議論はともかくとして、時間がきたから、もう一点だけ伺っておきたいのですが、今度建てかえをする。いわゆる建てかえをするところは、耐用年数の二分の一以上になった場合に建てかえをする。耐用年数を二十年として家賃を計算してあるわけですね。そうすると、十年で建てかえをすれば、残りの十年、当初二十年として計算した残りの分は、やはりこれも当然何らかの形でその地方公共団体の負担になると思うのですが、なりませんか。新しく建ったものはもちろん新しい家賃でとりますけれども、しかし、二十年間に建設費と補助を除いた地代と管理費を計算して家賃を割り出しておったのが、十年で打ち切ってしまうとなれば、十年間分は地方公共団体の負担になりませんか。
#43
○大津留政府委員 法律で規定いたします耐用年数二分の一以上を経過しておることといいますのは、建てかえの必要がございましても、耐用年数の二分の一に満たないものは計画に入れてはいけないという趣旨で、二分の一たったら直ちに建てかえるというわけではございません。実例等も御承知と思いますが、耐用年数がすでに過ぎたというのが大体普通だと思います。しかし、中には、御指摘のように、まだ耐用年数が全部終わらぬうちに建てかえるというような計画になってくる場合がたまには生ずるかと思います。
#44
○島上委員 相当ありますよ。
#45
○大津留政府委員 そういう場合には、御指摘のように、まだ償却が完全に済んでいない分の負担は事業主体に残るという結果になりますが、これは何ぶん十何年前あるいは二十年近い以前に建てたものの償却の残でございますから、これは一戸につき何万円かというような額にとどまるのじゃなかろうかというふうに思いますので、このことが特に建てかえの事業を行なうに際して公共団体の大きな負担になるということはないと考えるわけでございます。
#46
○島上委員 その点もいま地方公共団体に資料を出すようにお願いしておりますから、いずれ次回あたりまでに来ると思います。
 まだお伺いしたい点がたくさんありますが、約束の十二時になりました。実は公明党さんにも、提案者にも、たいへんけっこうなことを言っておりまして私も賛成できる面もありますが、具体的な内容について少し次回に質問したいと思いますから、御用意を願います。きょうは、お約束どおり、お昼になりましたから、質問を終わります。
#47
○金丸(信)委員長代理 福岡義登君。
#48
○福岡委員 住宅五カ年計画についてまず初めにお伺いしたいのですが、御承知のように、昭和四十四年度は五カ年計画の第四年目に当たるわけであります。政府が今回国会に出しておられる事業計画がそのまま実施されたといたしましても、いわゆる公的資金によるものは、その達成率からいいますと七一%程度でしかないわけです。この調子でまいりますと、残されました一年で約束が果たされるかどうかということは非常に疑問視されるわけでありますが、どのように考えられておるのか、お伺いしたいと思います。
#49
○坪川国務大臣 福岡委員御指摘になりましたこの問題につきましては、先ほども申し上げましたごとく、五カ年計画の第四年目におきましてこれが実現をいたし得ますならば、大体公的あるいは私的を含めまして八一%前後ということに相なりますので、残りの四十五年におきましては残りの二〇%近い戸数建設をぜひとも達成いたす決意でありますとともに、その実現を期したい、こう考えております。
#50
○福岡委員 いまの大臣の話を聞きますと、民間自力によるものを含めて八一になる。いま私のお尋ねしておるのは、政府が公約をしました二百七十万戸のうちの達成率を言っておるわけであります。七一にしかならぬわけですから、残されました二九%程度を四十五年度一年間でやろうということをはっきり聞きたいわけですよ。民間のことは民間のことでまた別にお伺いしたいと思う。
#51
○坪川国務大臣 公的資金による現状は、御指摘のとおりの七一・八%でございます。したがいまして、残り二八%という公的資金の建設目標は、私といたしましては四十五年度ぜひ実現すべく努力いたし、当然これは達成いたしたい、こう決意いたしております。
#52
○福岡委員 そこで、調整戸数二十七万戸というのがあるのですが、二百七十万戸の一〇%ですね。これはどういうように処理されようとしておるのか。
#53
○大津留政府委員 この調整戸数二十七五月は、計画期間中におきまして必要に応じて建設大臣が配分するということになっておりますが、現在まではまだこれはどういうふうに配分するということはきめてないわけでございます。したがって、残された四十五年度におきまして、これを含めて、いま大臣が申しましたように、残りを全部達成しようという計画になっているわけでございます。そこで、残りの二八・二%というのは、戸数で申しますと七十六万二千戸になります。この中にいまの二十七万戸が含まれておるわけで、これを含んで七十六万戸一〇〇%建設を達成したい、こういう考えでございます。
#54
○福岡委員 特に調整戸数の二十七万戸を聞いております意味は、いわゆる公営住宅として考えられていくのか、あるいは公団の賃貸に回されようとしておるのか、あるいは住宅金融公庫の扱う分譲に重点を置いて考えられようとしておるのか。他の部分については一応の五カ年の構想があるが、二十七万戸の調整戸数については、達成戸数ということだけで、中身については何もないわけです。それで特にお伺いをしたのですが、私どもの希望からいえば、さっきからの議論にありますように、非常に公営住宅が不足をしておる。低所得者層対策として、これはさっきおっしゃった七十六万戸あまりの残った分を四十五年度で全部やりますとおっしゃるのですから、その中で公営住宅にぜひプラスしてもらいたいというように思うのだが、そういう約束をしてもらえますか。
#55
○大津留政府委員 これをどういうふうに配分するかというのは、実はまだ中身はきめていないわけでございますが、公営住宅あるいは改良住宅、あるいは公庫、公団、これはそれぞれ施行消化能力といいますか、たとえば改良住宅のごときはもっとやるべきでございますが、実態はなかなか進みません関係で、これは計画よりもだいぶおくれております。こういうような消化といいますか、実施能力の点もございます。また、御承知のように、それぞれ一般会計からどの程度資金を現実に充当し得るかどうか、財投の余力のほうがあるかどうかということによりまして、四十五年度にこれをどういうふうに配分するかということを決定したい。その際には、大臣が先ほどから申されましたように、できるだけ公営住宅、あるいは改良住宅にしましても、低所得者のための公的賃貸に重点がいくような考え方で臨みたい、こういう考えでおります。
#56
○福岡委員 わかりました。そういうように努力していただきたいと思うのですが、この前、渡辺惣蔵委員でしたか、指摘をしておりましたが、国土総合開発審議会の昭和六十年における住宅問題の見通しが出ておるのでありますが、もちろん、建てかえを含めてでありますが、三千万戸は不足をするだろうといわれている。そこで、この五カ年計画程度のものをもってしては将来対処することはできないと思うのです。もうぼつぼつ五カ年計画の再検討をする時期に来ておるんじゃないかと思うのです。これはまたあとで触れますが、とりあえず、いま大臣がはっきり言明されましたように、六百七十万戸のうち二百七十万戸の政府施策のものは責任をもって四十五年度までには達成をしてもらうように、そういう言明をいただきましたから、特に念を押しておきたいと思います。
 それから次にお伺いしたい点は、二百七十万戸政府施策のもののうち、二十七万戸はまだわかってないのですが、このうちで、いわゆる賃貸住宅部分とその他分譲関係、そういう関係はどういう状態になっておるか、お伺いしたい。
#57
○坪川国務大臣 住宅五カ年計画の立案の時点におきましては、持ち家と賃貸、借家の配分といいますか、一応五〇%五〇%、半分半分を基本に置きまして計画を立ててまいったのでございますが、私が先ほども申し上げましたごとく、何といっても、低所得者の方々に住まいを提供するということが住宅政策の基本であるということを御理解いただけるだろうと思いますが、現在の五カ年計画二百七十万戸を、先ほども申しましたごとく、公営住宅に重点を置きまして配分をいたすということも、いま局長の申し上げましたとおりであり、私の方針であります。したがいまして、五カ年計画の目標が達成いたしました場合に想像されますことは、いまの立場と新たなる四十四年の計画を総合いたしますと、持ち家におきましては大体四三%、賃貸、借家に限りましての給与住宅は五七%という供給をすることができ得るということを期待もいたしておるわけでございます。今後とも勤労者の希望のこの点を十分考慮いたしましてこの数字に達し得るよう努力したい、こう考えております。
#58
○福岡委員 いまおっしゃった四三、五七は、六百七十万戸全部の関係じゃなくて、政府施策の二百七十万戸で調整戸数の二十七万戸を一応全部公営住宅に回したときの数字なんですか、どうですか。
#59
○坪川国務大臣 これは先ほども申し上げましたごとく、公的資金による二百七十万戸、調整戸数二十七万戸、これなどの配分を全部含めましてでございます。
#60
○福岡委員 わかりました。五七%ですから、半数以上が賃貸に回る、これはけっこうなことですが、特に強く要望しておきたいのは、低所得者層の住宅対策という側面が一つと、将来いろいろ考えてみますと、宅地問題その他の関係から、高層の共同住宅でなければ処理できないという事情が、もう一つの側面としてあるわけです。そうなってまいりますと、分譲でありますとか、そういうような政策というものはあまりとれないのじゃないか。したがって、賃貸住宅が重点にならざるを得ない。ですから、持ち家制度を全然否定するわけじゃありませんが、原則としては、やはり賃貸住宅というものを、いま申し上げました低所得者層の対策と、それから高層化共同住宅の側面から考えていただきまして、賃貸住宅に十分努力をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 それから次の問題ですが、現在ある公団住宅の家賃ですね、平均でいいですが、最高最低を含め、それから公営住宅も、同じく平均家賃、最高、最低がわかっておれば聞かしていただきたい。
#61
○大津留政府委員 公営住宅の第一種でございますが、これも構造によっていろいろですが、最も代表的な中層耐火について申し上げますと、全国平均で五千三百二十八円でございます。それから第二種公営住宅は、同じく中層耐火で三千八百五十円、改良住宅は、これも全国平均で三千七百五十一円。公庫融資によります公社の賃貸住宅、これは九千三百六十円、公団の郊外の団地に建ちます中層のアパートの家賃が一万四千百五十一円、それから都市の内部に建ちますいわゆる面開発の高層でございますが、これが二万一千七百八十八円、これが四十三年度の平均でございます。
#62
○福岡委員 いまお聞きしましたそれぞれについて、戸数の割合はどうなっておりますか。
#63
○大津留政府委員 公営住宅の中層の割合は、平均して五四%、半分ちょっと上回った数字になります。改良住宅は、四十三年度の五千五百戸のほとんどが中層でございます。それから公庫の賃貸住宅は一万戸でございます。それから公団の賃貸住宅が四万三千戸で、これが団地といまの市街地に分かれてます。
#64
○金丸(信)委員長代理 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
  〔金丸(信)委員長代理退席、委員長着席〕
#65
○始関委員長 速記を始めて。
 福岡義登君。
#66
○福岡委員 先ほどに引き続いての質問なんですが、賃貸住宅のほうが、しかも公団の家賃の高い分は相当建設されておるのですが、安いほうがあまり建てられていないという問題があるわけであります。公営住宅のほうは、四十三年度八万八千戸が、一万二千戸ふえまして四十四年度十万戸。これはもちろん賃貸。公庫のほうは、個人融資関係ですね、九万九千戸が十一万九千戸に二万戸ふえておる。賃貸のほうは一万戸が一万一千戸にしかなっていない。公団のほうは、四十三年度四万三千戸、四十四年度は五万二千戸ですから、九千戸しかふえていないわけですね。先ほど大臣は賃貸住宅を重点に考えていきたいというお話があったのでありますが、このように見ますと、賃貸住宅のほうがあまり進んでおらない。特に問題になりますのは、先ほど局長からも説明していただきましたように、公団のほうの賃貸は家賃が高いわけですね。一万四千百五十一円、二万一千七百八十八円ですか、公社のほうは九千三百六十円なんですが、公庫賃貸住宅のほうはわずかに一千戸しかふえていない。しかも十一万九千戸というのは大部分個人融資である。公団のほうは五万二千戸で、高い分の家賃。これはある程度全体的な戸数もあるし、そこの辺が問題じゃないかと思うのです。もう少し公庫の賃貸住宅というものをふやすことはできないものかどうか。
#67
○大津留政府委員 公庫は、発足の経緯から申しまして、個人の持ち家に対する建設資金を貸すというところから出発いたしました関係で、どうしてもそれが主になっております。賃貸住宅につきましては、公営住宅及び公団住宅がその主役をになうというかっこうに大体なっておるわけですが、御指摘のように、公庫融資の公社の賃貸住宅、これも今後は大いに伸ばしてまいりたいと思います。四十四年度は一割程度にとどまりましたけれども、これは今後特に公営住宅の高額所得者に立ちのいていただくということになりますと、その受け入れ策としての公社の賃貸住宅というものの必要性が、その部面からも出てまいりますので、今後はこれを一つの重点としてふやしていきたいというふうに考えます。
#68
○福岡委員 午前中の大臣のお話もありましたように、今後は賃貸住宅を重点にやっていくと言われるわけですから、いまの答弁もあわせまして、賃貸住宅の促進をぜひお願いしておきたいと思います。
 それから次の問題なんですが、入居基準についてであります。けさほども他の委員の御質問に答えての説明があったようでありますが、現在、一種四万円、二種二万四千円となっているわけであります。これでいきますと、全勤労者世帯の何%程度が該当するのか。
#69
○大津留政府委員 第一種の入居基準該当の勤労者世帯の数、その割合ということでございますが、第一種が四〇%、二種が一七%という現状であります。
#70
○福岡委員 そうしますと、一ころ全勤労者世帯の八三%程度がこの基準に適用されておったわけであります。それが、いまの御説明によりますと、五七%しか該当しないわけであります。そこで考えてみますと、この基準というものを再検討する必要があるのじゃないか。これはたしか四十三年の何月でしたか、改正されたものだと思うのでありますが、再検討する必要があるのじゃないか。基準があまりにも――といいますか、少し低過ぎるのではないか。どう思われますか。
#71
○大津留政府委員 先ほどお答えしました第一種の四〇%というのは、勤労者世帯のいわば四〇%以下の方がそれに該当するわけです。二種をその中に含んでおります。そこで、公営住宅制度ができました当初におきましては、御指摘のように、カバー率というのが八十何%だったのですけれども、当時は、御承知のように、公団住宅だとか、そういった他の公的賃貸住宅がございませんので、公営住宅がもっぱら施策住宅としての役割りを演じていたというような関係でそういうカバー率でございましたが、だんだん他の施策もできてまいりまして、この率が下がってまいりました。現行五カ年計画を立案する段階におきましては、昭和三十九年の実績を申しますと、第一種が四二%、第二種一五%になっております。これが、一般勤労者の所得が年々上昇する関係で、四十三年度におきましては、第一種が二七%、第二種が七%というふうに、非常に下がっておったのでございます。その関係で五カ年計画で予定した施策の対象と供給がずれてくるということもございますし、また一面、公営住宅の入居資格はないし、かといってまた公団の入居資格もないというブランクが出てまいりましたので、これを是正する意味で、昨年の十二月一日にこの入居基準を引き上げまして、ただいま申し上げたようなカバー率になったわけでございます。これは五カ年計画の当初に戻ったということがいえると思います。
#72
○福岡委員 他の政策ができたからというお話なんですが、一応やはりこの基準というものは再検討の必要があると思う。もう時間がありませんから、ここではこれ以上申し上げませんが、再検討していただくようにぜひお願いをしておきたいと思う。
 それから収入超過の問題についてお伺いをしたいと思います。今度お考えになっております公営住宅の明け渡しの収入超過基準なんでありますが、現に入っておる者は二百万円、いまから入る者は百五十万円というように政令で定めるというふうにお伺いをしておるのでありますが、これは全公営住宅戸数百四万六千戸ですか、このうちどのくらいの該当者がおるのかということを明らかにしてもらいたい。
#73
○大津留政府委員 現に入居しておる方々の中で二百万円をこえる収入のある世帯の数は、四千六百世帯でございます。したがいまして、百万戸の管理戸数の中からいいますと、〇・五%に満たないわけでございますが、百万戸のうち、入居してすでに三年以上継続しておられる方々がはじめてこの収入超過ということの調査の対象になります。その調査いたしました約五十万戸の中からいいますと、約一%に該当する、こういうことになります。
#74
○福岡委員 おっしゃったように〇・五%弱、〇・四%台がと思うのでありますが、もしこれを定められる基準どおりに四千六百名の人に明け渡しをしてもらうといたしましても、いわゆる住宅政策といいますか、住宅難から考えれば、そうたいした数字ではないというように思うのです。これは収入調査その他いろいろ問題がありますが、それはまたあとで触れることにいたしまして、政府当局がいま取り上げて、私どもの目から見れば、収入超過者、いわゆる高額所得者がたくさん公営住宅に入っておるというような印象を必要以上に一般に与えられておるのでありますが、いまの説明によって明らかなように、そうばく大な数の高額所得者が入っておるということにはなっていないのですね。将来のいろいろな住宅政策の中で考えなければならぬ問題があるといたしましても、当面高額所得の人がたくさんおるからいわゆる低所得者の人が入られぬのだ、こういうことにはなっていないと思うのですね。そこのところをどうも必要以上に宣伝されるのは、私どもから言わせると、政府自体の住宅政策が不備であるところを見のがしにして、それで国民同士の対立をあおっている責任回避の政策じゃないか。その辺はどうなんですか。
#75
○坪川国務大臣 公営住宅の目的は、申し上げるまでもなく、お気の毒な低所得の方の勤労者に対して差し上げなければならぬ国の施策でございます。したがいまして、われわれといたしましては、いわゆる高額所得者の中でこれの対象になる数はあまりたいした数ではないというようなこともまたごもっともなお考え方だと思いますけれども、私は、質も大事な問題でございます。やはり気持ちの上、いわゆる姿勢、政治のいわゆる心の問題を重点に置きたい。言いかえますならば、待ち望んでおられる気の毒な方々に一戸でもより多く入居してもらうということ、私は、社会正義感に満ちた住宅対策の基本はここにある、こう考えますので、こうした制度の制定をお願いいたしておるような次第でありますとともに、いわゆるいまの住宅難の逃避のためとかあるいは弁解のためというような精神でないことだけはひとつ御理解願いたい、こう思っております。
#76
○福岡委員 大臣はそうおっしゃるのですけれども、いまかりに四千六百月の公営住宅があれば、収入超過者の問題は議論にならぬわけですよね。機械的に言うとそうでしょう。ですから、一番この根本になる問題は、政府の住宅政策が怠慢であった、不備であるがゆえにこういう問題が出てきておる。ですから、それが根本であって、大臣のおっしゃったのは、その次の問題いわゆる精神と言われるが、心の問題社会正義の面からいえば、住宅のほしい人にはすべて住宅を与えるというのが基本精神でなければいかぬと思う。限られたワクの中で国民に取り合いをさせるというのは政治の基本ではないと思うのです。そこのところをよく考えてもらいたい。
 それから、この問題に関連して次に入るのですが、御承知のように、公営住宅に入居するためには、さっきちょっとお伺いしました基準があるわけであります。この基準というものは、いつかの建設委員会でも議論されておるのでありますが、入居するときの一つの基準としては私どもも理解するわけなんです。それが継続的に先ほど言いました明け渡し問題などに関連するものであるかどうかということについては、少し問題があるんじゃないか。入るときには一定の基準――つまり低所得者層の対策なんですから、一定の基準に基づいて、いわゆる入居基準に基づいて入居することは、これは当然だと思う。ところが、入居した後も、一定の基準に基づいて、いわゆる継続的な条件として考えられ、結果的には明け渡しを求められるというのは筋でないと思うし、そういうことは法律のどこにも書いてないですね。そういう問題についてどうお考えになりますか。
#77
○大津留政府委員 これは公営住宅法の第一条に目的として掲げております。先ほど大臣が申されましたように、「住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸する」ということが目的でございますから、この第一条の趣旨、精神をふえんいたしますならば、今回改正をお願いしたようなことが、より一そうその趣旨を明確にするゆえんであろうというふうに考えるわけでございます。
#78
○福岡委員 それでも二百万円というのがどうかという議論はあります。しかし、それは別にいたしまして、私どもの理解する住宅困窮者というのがやはり重点であって、入るときには低所得者層からどんどん入れていく、こういうのが当然のことなんです。一たんそれで収容というか入居することができれば、それで問題は一応のケリがついたもの、こういうように考えてもいいんじゃないか。同時に、いま局長が御説明されました二百万以上の高額所得者は、こういう公営住宅に入らなくても、経済的に力があるのだから、別の対策を考えればいいじゃないかとおっしゃりたいのでしょうが、そういうものは制度としてはいまないわけですね。公庫の個人の融資を受けてやっていくという方法はありますが、公営住宅に入って、そうして一定の年数がたって一定の所得に達したら持ち家なら持ち家政策の中でこういうようにやりなさいという親切な規定というものはないわけですね。それからその次に、たまたまその時点では高額所得者であるかもしれませんが、高収入の継続保証というようなものはないわけですね。たとえば中小企業で倒れて――このごろはまあ中小企業以上でも倒産することがあるのですが、倒産することによって所得が一定の水準から落ちていくというような場合もあるでしょう。あるいは病気なり交通事故でその主人が命を失うということもあるでしょう。ですから、局長の説明される二百万という収入が明け渡しの一つの基準になる金額だとかりに仮定をいたしましても、その高額所得というものが継続されるという保証は私はないと思うのであります。逆に、申し上げましたように、病気なり交通事故なり、その他企業倒産などによって高額所得というものが断絶する場合だってあるのじゃないか。そういうことを考えてみますと、入るときには、所得の低いほうから救済をしていくといいますか、入居させていく。入って後、こういう収入に基づいて明け渡しその他のことを規制していくというのはいかがなものであろうか、こういうように思うわけです。その点どうですか。
#79
○大津留政府委員 福岡先生御心配のように、この住生活の安定を保障するということは、きわめて大事な住宅政策の眼目でなければならぬと思います。そこで、高額所得者といえども、これは御本人の勤勉努力によって収入が上がるわけでございますから、それはけっこうなことで、これを敵視して追い出すというような気持ちはさらさらございません。そういう収入にふさわしい別の住宅をお世話するということが今度の法案の中にもうたっておりますし、また、具体的に申しますと、公庫融資の中でそういう方には優先的に貸し付けを行なう、また、公団の賃貸住宅あるいは分譲住宅を募集いたします場合には、そういう方々のために一定のワクを設けまして優先的な入居なり分譲をあっせんするということをいたすことにしております。
 それから、おっしゃるように、たまたま何かの拍子で一時高額の所得がありましても、それが継続する保証がないではないかという御懸念もございます。そこで、今度の法案におきましては、二百万円をこえる収入が二年連続してあるという場合にはじめてそういう取り扱いを受けることになるわけでございまして、また、二百万をこす収入がありましても、倒産によって収入が皆無になったとか、あるいはおっしゃるように病気だとか交通事故というような災害を受けられたような場合には、この明け渡しの請求を猶予するということにもしておりますので、その辺の……(「明け渡してしまってからじゃだめだ、再入居できないじゃないか」と呼ぶ者あり)明け渡しを請求する際にかりに収入がありましても、病気をしているとか、交通事故にあった家族をかかえているというような場合には、明け渡し請求をしないということにしておりますので、そういう御懸念はないと考えます。
#80
○福岡委員 それはそういうものが事前にわかればいいですよ。たとえばお世話を願って公団住宅に入った、そういう場合に、入って二、三カ月して、あるいは半年か一年かしりませんが、経過したところで高収入が断絶をする、あるいはダウンするというような場合の救済措置というのは、現行制度ではないわけでしょう。どうですか。
#81
○大津留政府委員 そういう高額の所得者――これは将来のことは全く予測できないわけでございますから、その時点におきまして高額の所得があり、かつ、病人もいない、あるいは倒産ということもないという方々に出ていただくわけで、もし将来万一不幸にしてそういうような事態が起きましたならば、公営住宅に入居の資格がありますならばまた入居していただくということもできるわけですが、そういう将来の不測のあらゆる事態にこの制度が絶えず即応し得るということにはもちろんなってはおりません。おりませんが、その趣旨なり考え方としましては、そういう気持ちも十分くんで制度化しておるつもりでございます。
#82
○福岡委員 局長みずからがおっしゃいましたように、将来のことまで考えて政策がいわゆる安定的な住宅供給をするという政策にはなってないのですね。ですから、真に国民の住宅問題を安定的に解決していこうということを考えれば、少々収入が上がったからといって明け渡しをさしてそして他の者を入れるというようなこそくの手段ではなくて、根本的には、さっきも言いましたように、全体戸数を早くどうやってつくり上げるかということになければいかぬわけなんですよ。そういう問題点を十分検討していただきたいと思うのであります。なお、収入調査の問題でありますとか、あるいは長年論争が続いております、公営住宅は公法上の問題として取り扱うのか、あるいは私法上の問題として取り扱うのか、そういうような議論がたくさんあるわけでありますが、時間がないので、もう一つだけこの問題についてお聞きしておきたいと思います。
 今度の法律に基づきまして明け渡し請求をして本人が出ない場合、どういう措置を講じられようとしておるのか、この点だけをお伺いしておきたいと思います。
#83
○大津留政府委員 この法律に基づきまして明け渡しの請求をいたしました場合に、法律は、期限が来たら明け渡さなければならないということを命じてるおわけですが、それの実行がない場合におきましては、事業主体は裁判所に明け渡しの請求の訴えを起こしまして、その判決によりまして執行吏が強制執行するということに相なるわけであります。
#84
○福岡委員 わかりました。それについてもなお議論のあるところですが、時間がもう十五分しかありませんから、次へ移ります。
 現に公営住宅へ入っておる人の分譲の問題ですね。これがいま注視されておるわけです。この建設委員会で、昭和二十六年の五月十五日に、公営住宅法の提案者である田中角榮委員が次のように述べておるわけであります。「公営住宅が建設後一定年数を経過し、入居者も安定したあかつきには、」「無理に地方公共団体の管理下に置くことは、住宅そのものの保全上からも上策ではないのでありまして、入居者の希望によっては譲渡し得るという道を開くことは適切なことと思われます。」こういう説明がなされておるわけであります。これに基づきまして、その後一定の分譲をしてきておるわけですね。ですから、言いかえれば、立法の段階において、一定の年数を経過すれば入居者に分譲いたしますということをはっきりしておるわけであります。その約束がいいか悪いかの議論は別ですよ。事実そういうことがあっておることだけは間違いないのですから。それをそのときどきの為政者によって方針が変えられるということは問題があると思うのですよ。国民の政治に対する不信もこの辺に大きい原因があるのじゃないかと私は思うのです。それと不公平になっておるということもこれは否定できないのです。これから期待権に対する侵害もあるわけですね。一体これらについて建設大臣はどういうようにお考えになっておるのか。
#85
○坪川国務大臣 公営住宅は低額所得者のための賃貸住宅でありますから、特別の場合のほかは、本来譲渡しないことにしております。特に公営住宅の用地取得が困難となっている現在、都市地域内にある古い公営住宅は積極的に建てかえを進めまして、環境の良好な住宅を供給することが急務であって、建てかえに相当する住宅や、将来都市計画などのための必要となる土地については譲渡しない方針であります。しかしながら、地方の町村等に建てた公営住宅で、相当な年限を経過しており、入居者の希望に応じてこれを譲渡しても管理上差しつかえない場合には、譲渡をいたす考えであります。
#86
○福岡委員 それは現在政府がとっておられる方針なんです。これはよく承知しておるのです。私がいまお伺いしておりますのは、その現在の政府の方針と、昭和二十六年に公営住宅法が制定されたときの方針とが食い違っておるじゃないか、ここのところをどう考えられるかということを言っておるわけです。
#87
○坪川国務大臣 弁明というか、何というか、言いわけではありませんけれども、福岡委員御承知のとおり、その当時と、住宅環境あるいは土地環境、あるいは人口環境、すべてが大きな変転を来たしておるというようなことも御理解いただけますならば、この問題についての御理解もいただけるんじゃないか、こう考えます。
#88
○福岡委員 この変転をしたということはあたかもだれかがしたようにおっしゃいますが、今日のような過密問題を起こしたのは、歴代の自民党政府じゃありませんか。不可抗力的にだれか第三者がやったのなら、いまの建設大臣のお話は了としなければならぬでしょうが、歴代のあなたたちの政府がやってきたんじゃないですか。しかも、この法案の説明をしておるのは、いまの田中幹事長でしょう。人ごとのように言っては困りますよ。これはどうですか。
#89
○坪川国務大臣 私さっき申し上げましたように、いわゆる弁明とか言いわけじゃございませんということを前提に申し上げましたのは、そういう点でございます。したがいまして、自民党の政策いかんという御批判も、私といたしましては決してこれを返上するというような気持ちはみじんもございませんけれども、これらの諸般の情勢というものは、おのずからまた情勢として変化いたしておるということも考えますとともに、われわれといたしましては、責任政党である与党、また政府といたしましては、いま御指摘になりましたようなことのなきよう、さらに最善の施策を総合的に打ち立ててまいりたい、こう考えております。
#90
○福岡委員 いわゆる期待権の侵害について、特別にそれにかわるべき――これは政治公約なんです。何らかの形でそれにかわるべき方策というものを考えられておりますか。それはもうあのときのことであって、事情が変わったんだから、お気の毒だけれども……というおつもりなんですか。
#91
○大津留政府委員 この公営住宅法制定のときにおきましても、公営住宅は賃貸住宅という本来の性格から、管理上差しつかえない、あるいは管理上そのほうが有利だという場合には、処分しても差しつかえない、処分することができるというたてまえになっております。その運用が、やはりいま大臣が申されましたようないろいろな人口の流動とか、あるいは土地事情、住宅事情によりまして変わってきたということでございまして、法律のたてまえは、これは処分するというのが当初からたてまえではないわけでございます。
#92
○福岡委員 それはよくわかっております。公営住宅がいわゆる賃貸住宅であって、低所得者層の住宅難解消というところに重点があることはよく知っている。しかし、先ほど読み上げましたように、譲渡の部分についても一つの政策目的であったことだけは間違いないのですね。そういうようにここで提案者が言っておるのですから、現在の局長がどうおっしゃいましても、それはどの程度のウエートを占めておるかは別にいたしまして、一つは、管理上、無理に市町村が持っていなくても、自分に譲渡されるということになれば、手入れもするだろうし、いろいろな方面で長もちするだろうというようなことを言われておるのですね。問題は、絶対量が足りないからということが中心なんでしょう。二十六年から今日まで十七、八年の年月が流れておるのですが、その間に十分な住宅対策が立てられておればあまり問題なかったんだけれども、それが十分でないために、さっき大臣がおっしゃったようなことに方針を変えざるを得ない。そうでしょう。現に幾らか分譲しておるところがあるのですからね。極端なところは、道路一つ隔てまして向かい側は分譲しておる、その次にはこっちが分譲されるだろうということで待っておった。当時関係者もそういう計画でおったことには間違いないのですよ。朝令暮改という話がさっきうしろのほうでありましたが、まさに朝令暮改ではありませんか。
#93
○坪川国務大臣 先ほど申しましたように、これに関しましては絶対的に譲渡しないという制約は、御承知のとおり何も持っておりません。したがいまして、その事情に応じて、また管理の上において十分考えまして、適当と認めた場合にはこれを譲渡する。私がかつて福井市長をやっておりましたときなど、これらの問題については十分建設省の了解を受けながら譲渡した場合も数多くあったことを私は記憶いたしております。したがいまして、これらの点については、私は十分に現実を検討いたしまして、これが実情に即してよろしいというような場合には、十分期待感に沿うような譲渡をいたすという方針は変わっていないわけでございますから、その点は御了解いただきたい、こう思います。
#94
○福岡委員 それでは、先ほど言いましたように、東京都内なりあるいは大阪でのできごとなのですが、道路一つ隔ててこっちは何年か前に分譲されている、こっちはされていないというようなところは――これはもう期待感よりも期待権ですな。期待権にこたえるべく、それではそのケースについて検討するということに確認してよろしゅうございますか。
#95
○坪川国務大臣 私はほんとうにそのお気持ちはよく理解できるのでございます。東京とか大阪あるいはその他非常に人口が集中して、そして住宅に困窮しておられる数多くの方を考えますときに、われわれといたしましては、その点やはりすぐさま東京都のいまの事実に即応してこれを期待感に沿うようにいたしますという確認は、私はいたしかねるわけでございます。
#96
○福岡委員 大臣の御説明は一面の事情としてわれわれも否定できない面はありますよ。しかし、一面また、私が申し上げましたように、関係者からいえば非常に大きな差がついておるわけです。やはりこれは検討していかなければいけない問題であるように思います。
 今度は管理上の問題ですけれども、百四万六千戸の公営住宅がある。ところによっては管理し切れない事態も発生しておると聞いておるのです。たとえば東京都に例をとりましても、相当数の公営住宅の管理者を置かなければならない。それが十分でない場合には、その建物自体が荒廃するということになってまいります。そういう管理面から考えてみますと、おのずとやはり限界というものがあるのではないか。その辺についてはどう考えられますか。
#97
○大津留政府委員 これは公営住宅に限りませんで、公団住宅につきましても同様でございますが、建設が年々進みまして管理戸数がふえてまいりますと、やはり管理の方法あるいは管理の体制につきましてよほどくふうをして相当の体制を整えてかからないと、おっしゃるような、管理が不行き届きで、せっかく建てた住宅が十分効用を果たせないという欠陥を生ずるわけでございますので、この管理を適正かつ十分に行なうためのやり方、組織なり人員、そういうことはよほど考えていかなければならぬと思います。おっしゃるように、東京都あるいは住宅公団、これは管理事務所あるいは管理人、管理補助者というようなことで、できるだけ居住者の方々のいろいろな御注文を管理主体にすぐ反映できるような体制にし、それに対して、またたとえば修繕あるいは家賃の徴収その他が十分行なわれるように組織立てていく、またそれにはそれだけの費用がかかりますので、その経費を十分見てやる必要がある、こういうふうに考えます。
#98
○福岡委員 管理面に具体的な事例としてそごがあるという事実を幾つか聞いておるわけでありますが、二時半までしかここを使えないということであります。まだたくさん質問が残っておるのですが、残った部分は一応保留させていただかなければならぬと思います。
 そこで、最後にもう一つだけ、保留部分は残すことにいたしまして、ぜひこれは善処してもらいたいと思いますので申し上げますが、いわゆる日本勤労者住宅協会法なんです。この協会に対する善処について申し上げたいのですが、数が相当ありますが、時間がないので全部一括して申し上げますが、日本勤労者住宅協会法の改正について二つほど――一つは、地方住宅供給公社に準ずる業務範囲としてもらいたい。たとえば、住宅の積み立て分譲及びこれに付帯する業務をこの協会の業務に加えていただきたいということが一つと、第二番目には、土地収用法の適用、これも地方住宅供給公社に準じまして協会でも同様できるようにしていただきたい。
 それから次に、新住宅市街地開発法の改正関係について申し上げたいと思います。これも地方住宅供給公社と同様に業務の施行者となるようにしていただきたい。
 それから大きい三つ目は、登録税法の改正をぜひお願いしたい。その中身は二つありまして、日本勤労者住宅協会法に基づいて行なう登記、それから二つ目には、協会法に定める業務に関し取得する建物及び土地の権利の取得または所有権保存の登記。
 それから、これは行政指導の面でお願いをしたいのでありますが、地方公共団体の規定の改正をお願いしたい。その内容は三つございまして、一つは、建築基準法に規定する確認申請手数料、二つ目には、宅地造成等規制法に規定する認可申請手数料、三つ目は、住宅地造成事業に関する法律に規定する認可申請手数料、この三つの手数料をぜひ免除してもらうように、地方公共団体の規則の改正ということになるのですが、そういう指導をやってもらいたい。
 時間がありませんので、かいつまんで申し上げたのですが、方針だけお伺いをしておきたいと思います。
#99
○大津留政府委員 勤住協のほうからかねがね御意見も承っております。その勤住協も、労住協の時代から見ますと相当な歴史もありますし、実績も生じてきておりますので、できるだけこれの活動がしやすいように、また将来業務が発展できますように私のほうとしても取り計らっていきたいというつもりで、いまおあげになりました各項目についていろいろ検討を重ねておるような状況でございます。税法の改正等、できるものから逐次関係省に要請しておるわけでありますが、なかなか全面的には一挙に進まないといううらみがありますが、逐次改善を重ねていきたいと思います。
#100
○福岡委員 いま局長から一応協力的な御答弁をいただいたのですが、大臣に確認をしておきたいと思うのであります。御承知のように、勤住協は、営利企業、営利団体ではないわけであります。政府の住宅対策に積極的に協力をしておる団体であります。そういう内容からいたしまして、先ほど私が申し上げました各項についてぜひ善処していただきたいのですが、局長のおっしゃったようにぜひ促進していただくということを大臣からひとつはっきりしておいてもらいたい。
#101
○坪川国務大臣 福岡先生御要請になりましたこの問題につきましては、いま局長も申し述べましたとおり、勤住協の皆さんが何かにつけて住宅政策については御協力をいただいておりますので、数々あげられました点につきましては誠意をもって検討して、御期待に沿うよう努力したいと思います。
#102
○福岡委員 これで終わりますが、労働者住宅生活協同組合というのが最近できておるわけです。相当の歴史を持っておるところもあります。これもひとつ勤住協に準ずるような措置をあわせて御検討いただきたい、こういうことをお願いして、終わりたいと思います。
#103
○始関委員長 次回は、来たる二十六日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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