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#1
第061回国会 建設委員会 第22号
昭和四十四年六月四日(水曜日)
    午後零時一分開議
 出席委員
   委員長 始関 伊平君
   理事 天野 光晴君 理事 大野  明君
   理事 金丸  信君 理事 草野一郎平君
   理事 田村 良平君 理事 井上 普方君
   理事 佐野 憲治君 理事 吉田 之久君
      伊藤宗一郎君    池田 清志君
     稻村左近四郎君    進藤 一馬君
      葉梨 信行君    廣瀬 正雄君
      古屋  亨君    堀川 恭平君
      山口 敏夫君    岡本 隆一君
      金丸 徳重君    福岡 義登君
      山崎 始男君    内海  清君
      小川新一郎君    北側 義一君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 坪川 信三君
 出席政府委員
        建設政務次官  渡辺 栄一君
        建設省計画局長 川島  博君
        建設省住宅局長 大津留 温君
 委員外の出席者
        専  門  員 曽田  忠君
    ―――――――――――――
六月二日
 自転車道の整備等に関する法律の制定に関する
 請願(佐々木良作君紹介)(第七八四八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 建設業法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 九六号)
 建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一〇五号)
     ――――◇―――――
#2
○始関委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、建設業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#3
○始関委員長 まず、提案理由の説明を求めます。坪川建設大臣。
#4
○坪川国務大臣 ただいま議題となりました建設業法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 近年におけるわが国の経済の発展と国民生活の向上に伴い、建設投資は国民総生産の約二割に達し、これを担当する建設業界も、登録者数約十四万、従業者数約三百五十万人を数えるに至り、いまや建設業はわが国における重要産業の一つに成長しました。さらに今後も建設投資に対する需要はますます増大することが予想され、建設業の重要性はいよいよ高まる趨勢にあります。しかるに、建設業界の現状を見ると、施工能力、資力、信用に問題のある建設業者が輩出して、粗雑粗漏工事、各種の労働災害、公衆災害等を発生させるとともに、公正な競争が阻害され、業者の倒産の著しい増加を招いております。加えて、近く予想される全面的な資本の自由化に対処して国際競争力を強化するためにも、いかにして経営を近代化し、施工の合理化を達成するかは、今日の建設業界が緊急に解決しなければならない課題であります。
 このような問題に対処するため、建設業に関する重要事項についての諮問機関である中央建設業審議会において建設業法の改正に関する検討が二年有余にわたって行なわれ、公益代表、発注者代表及び建設業界各層代表の委員によって論議が尽くされた結果、昨年一月二十六日全会一致をもって建設大臣に答申がなされたのでありますが、今回、この答申に基づき、建設業者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等をはかることによって建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに建設業の健全な発展を促進するため、本法律案を提案するに至ったものであります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、施工能力、資力、信用のない業者の輩出をもたらした原因の一つは、現行建設業法の軽易かつ画一的な登録制度にあることにかんがみ、これらを防止するとともに、職別業者の専門化を促進する等、建設業の近代化をはかるため、現行の登録制度を業種別の許可制度に改めることといたしました。また、下請業者の保護育成及び建設工事の施工の改善をはかるため、特に一定金額以上の工事を下請施工きせる建設業者に対しては特定建設業の許可制度をしくことといたしております。また、建設業の許可に際しましては、建設業者が、建設業に関する経営経験、技術者の有無、誠実性、財産的基礎等の要件に該当しているかどらかを審査することといたしております。
 第二に、建設工事の注文者と請負人との間においていまなお見られる不合理な取引関係を改善するため、注文者が取引上の地位を利用して不当に低い請負代金を定めることを禁止する等、請負契約関係の適正化をはかることといたしております。第三に、建設工事の下請施工の実情にかんがみ、下請業者の経済的地位を強化するよう、元請業者に対して、工事目的物の受領や下請代金の支払いを遅延することを禁止する等の措置を講ずるとともに、特定建設業者に対しては、下請負人を保護するための特に重い義務を負わせることといたしております。
 以上の改正に関連して監督処分の規定等について所要の改正を行なうことといたしておりますが、この法律が円滑に施行されるとともに既存登録業者に混乱が起こらないよう改正法の施行は公布の日から一年後とし、施行の日現在において現行法による登録を受けている建設業者は、改正法の施行後二年間は、現行法の登録制度により営業ができることといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とど慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
#5
○始関委員長 以上で本案の趣旨の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
     ――――◇―――――
#6
○始関委員長 内閣提出、建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。古屋亨君。
#7
○古屋委員 私は、この法案につきまして、数点にわたり質疑をいたしたいと思うのであります。
 大体、建築基準法は、住みよい町づくりのため、また、最近ひんぱんに起こっておりまする火災事故を防止するため、一般の国民に非常に密接な関係を持った法律でありながら、従来あまりこれが守られていないというような声をよく聞いておるのであります。したがいまして、今回提案されましたこの改正案は、どういうようなねらいから行なおうとしておりますか、まずその点をお伺いしたいと思います。
#8
○坪川国務大臣 古屋委員にお答えいたします。
 今回の建築基準法の改正は、都市の発展状況並びに違反建築物の非常に大量の発生を顕著に見ておる今日、また、火災によりましての人身事故、人命の損失等、まことにきびしいものが発生いたしておる次第でありますとともに、技術が非常に進歩いたしておりますので、これらの点に対する改正が数年前から要請されておったのでございますが、御承知のとおりに、建築審議会において、建築関係法制を整備するための方策等に関する第一次答申が昭和四十二年の十二月十三日付でなされ、骨子として改正の要請が行なわれましたような次第であります。その答申を踏まえまして、建設省といたしましては、鋭意これに対する配意の努力を、また、それらの答申に対するところの諸般の問題について取り組んでまいったようなわけでございますが、御承知のとおりに、本年の一月において現基準法の政令等の改正もいたしましたのは、古屋委員御承知のとおりでございます。これは、たび重なるところの災害の防止等を勘案いたしまして政令の改正をいたしましたが、これのみに依存ということでは、とうていこれに対する処置ができ得ないという判断を持ちましたので、今回、違反建築対策を指示するための法の執行を人口二十五万以上の市の長に義務づける等、執行体制を整備拡充するとともに、建築監視員制度の創設、違反建築物の公示等、違反建築物に対する措置を強化いたしましたのが、本立法の第一の要点でございます。
    〔委員長退席、金丸(信)委員長代理着席〕
 また第二は、大規模な建築物等における最近の火災事例等にかんがみまして、建築物の防火、避難に関する基準を整備いたしましたことが第二の要点でございます。
 第三といたしましては、都市建築物の用途の純化と土地の高度利用を促進するために、用途地域制の整備、従来の高さ制限にかわる容積率制限の採用等を行なうとともに、建蔽率の制限を実情に合ったもののように定めましたこと。
 以上三点が本立法の骨子に相なっているような次第でございます。
#9
○古屋委員 いま大臣の御説明で、違反建築物対策ということがやはりそのねらいの一つのようでございまして、人口二十五万以上の市につきましては、執行体制の整備充実のため義務づけられ、その他も全部または一部につきましてこういうような制度が設けられることになっておるのでございますが、この執行体制の整備充実のためにはどのような措置を講ぜられておりますか。あるいは、将来にわたってどういうような予算あるいは人員の点に配意を持っておられますか。まず、この執行体制の整備充実のためのお考え方をお伺いしたいと思います。
#10
○坪川国務大臣 御質問の第一でありますところの執行体制につきましては、原則といたしまして都道府県知事が行ない、例外的に市町村が行ない得ることになっておるのが現行法においてでございます。これらに対しまして、現行の執行体制は、四十六都道府県知事、並びに三十五市長、並びに二十三特別区長、計百四の特定行政庁でございます。しかしながら、これらの執行体制では不十分な面がありますので、より一そう身近な市町村にでき得る限り法の執行を行なわしめる必要があり、このため、今回の法改正では次のような措置を講じているような次第であります。
 すなわち、第一といたしましては、人口二十五万以上の市の長に法の執行が義務づけられること、二番目には、人口二十五万未満の市または町村の長については、法の執行の全部または一部を執行できることとすることといたしております。以上の措置によりまして、人口二十五万以上の市のうち、新たに十四市が改正法施行と同時に特定行政庁となりますが、人口二十五万未満の市については、積極的に法の一部でも執行するように指導いたしまして、今後三年から五年を目途として、少なくとも人口十万以上の市、まあ全国で百三十を想定いたしておりますが、それらの市に対しまして建築行政に参加させるよう措置したいと考えております。
 なお、これらの措置のほかに、新たに建築監視員の制度を設け、違反の建築工事の現場を発見した場合にはその場で工事停止命令を出せることとするほか、違反の建築物と公示する等の措置を講じたいというのが、第一の御質問に対するお答えといたしたいと思います。
#11
○古屋委員 違反建築是正措置につきまして、ただいま執行体制の整備充実についてのいろいろの御方策をお伺いしたのでございますが、現在実際に行なわれておりまする建築士あるいは建築業者等の悪質な者に対する監督処分、こういうものについてはいかなる方策でこの法律ではお臨みになるか。つまり、こういうような監督処分の強化という点についてのお考え方をまずお伺いしたいと思います。
#12
○坪川国務大臣 お答えいたします。
 違反建築物の対策を効果的かつ能率的に推進するためには、違反建築物を早期に、工事中の段階でも摘発し、是正させるほか、当該違反建築物の設計、工事、分譲に関与した建築士、建築業者、宅建業者等に対する登録の取り消しなどもいたし、あるいは業務の停止、告発等、監督処分を厳正かつ迅速に行なう必要があります。今回、もっぱら建築工事現場を巡回いたしまして監視することを職務とする建築監視員制度を設けましたので、違反建築現場を摘発し次第直ちに工事停止、是正等を命ずるとともに、関係の建築士及び建築業者、宅建業者等を調査いたしまして所管部局に通報いたすとともに、登録を取り消しいたしましたり、業務の停止をいたしたり、告発等の所要の処分を迅速かつ厳正に執行いたしたい考えでございます。
#13
○古屋委員 処分の点につきましてはただいまお伺いいたしましたが、こういうような住宅につきましての違反の根源というのは、やはり住宅難あるいは土地取得難というような社会的、経済的理由に基づいている点が多いと思うのであります。したがいまして、違反の防止あるいは是正措置は単にこの基準法だけで万全を期するというふうには考えられないと思うのでありまして、いろいろの行政施策の協力が必要であると思うのでありますが、私どもよく見聞いたしますのには、違反建築物をつくっておる最中に、水道、電気、ガスというようなものが、所管が違いますために、現実の問題としていろいろな錯誤といいますか、違反事実が行なわれておるのでありまして、こういうような水道、電気、ガスの供給停止というものに関連いたしまして、厚生省あるいは通産省との間にいろいろ行政措置でお約束ができておるというふうに考えるのでありますが、その経過につきまして承ることができれば幸いでございます。
#14
○坪川国務大臣 古屋委員にお答えいたします。
 第一に御指摘になりました問題は私も全く同感でございまして、やはり国民が住宅難からくる焦慮感といいますか、あせりといいますか、そういうようなことからくるところの違反あるいはその他の問題が起きてまいるということを考えますときに、住宅行政は政府といたしまして積極的に推し進めなければならぬことは当然でございますとともに、建設省といたしましても、それらの点を十分考慮いたしながら住宅行政の強い推進をいたすことをお約束申し上げたいと思う次第であります。
 二番目に御指摘になりましたガスあるいは水道等の供給に関する問題でございますが、これらに対する違反事項の明らかになった場合には、われわれといたしましては、厚生省その他関係省庁と十分連絡をいたしましてこれらの停止措置等も講じますとともに、しかし、電気、ガス、水道ということにおきましては、国民の日常生活に直結する非常に重要な対象でありますので、これらに対する配慮も十分考えながら、きめこまかくこれらに対する行政指導をいたしてまいりたい所存でございます。
#15
○古屋委員 大臣の水道、電気、ガスの供給停止等につきましての根本的お考えは承ったのでございますが、事務当局から関係省との打ち合わせあるいはその結果等についてお伺いをいたしたいと思います。
#16
○大津留政府委員 違反建築物に対する水道、電気、ガスの供給の停止の問題でございますが、厚生省及び通産省と十分協議いたしまして、違反建築物でまだ人が居住していないという段階におきまして、建築監視員が違反の事実を発見して、工事の中止あるいは停止等を命令し、また、新しい制度である公示をいたしました場合に、この違反建築に対しましては水道の供給を停止してもらいたいということを水道の供給者に要請いたしますと、水道の供給者は、水道を引いてくれという申し出がありましてもこれに応じない、また、電気、ガスにつきましても同様の措置をとるということにつきまして、両省と建設省の間に覚え書きを交換し、かつまた、その趣旨の通牒を府県並びに電気・ガス事業者に出していただきましてそういう扱いをすることになっております。
#17
○古屋委員 違反建築といいましても内容が非常に複雑であり、また行政区域も広範でありますために、事前の発見、防止、是正、いろいろ手が回りかねた点もあるようでございます。本改正案におきまして、建築監視員というものが設けられるようになっておるのでございますが、結局この建築監視員をどういうように活用するか、そうしてまた、監視員の間に不公平な処理が地域的にもあるということでは非常に困りますので、こういうような点についての対策はどうなっているか、この建築監視員の問題をまずお伺いしたいと思います。
#18
○坪川国務大臣 違反建築物に対するところの是正措置をより効果的に推進するためには、建築物が完成しない工事中の段階において早期に工事停止等の法的措置を講ずる必要もあろうと思うのであります。このために、建築監視員が現場をよく巡回監視いたしまして、そうして違反事実が明らかになった場合においては、これを発見いたし次第直ちに工事の中止命令等を出すことができるようにいたしたような次第でございます。
#19
○大津留政府委員 建築監視員を設けました趣旨は、ただいま大臣がお答えしたとおりでございますが、お尋ねのように、建築監視員が現場をパトロールいたしましてその場で工事の中止、停止の命令を出しますような関係で、この監視員のそういう措置が公平であることが大事でございます。したがいまして、この建築監視員になる資格につきましては政令で規定することになっておりますが、政令におきましては、建築行政に相当の経験を有すること、その他、公平な判断ができることをこの要件にいたしたいと考えております。また、この現場での扱いにつきましては、建設省としましては、基準等も設けまして、全国の建築監視員の扱いが区々にならないように指導をしてまいりたい、また、建築監視員につきましては事務の研修等も行ないまして、その辺の扱いが不公平にならないように配慮してまいりたい、こういうふうに考えます。
#20
○古屋委員 監視員に次ぎまして、いわゆる公示制度というものが設けられておるのでありますが、この公示制度の法律的性格、これはどういうふうにお考えでございますか、まずそれをお伺いしたいと思います。
#21
○大津留政府委員 従来におきまして、違反建築に対して除却命令とか工事中止の命令が出されましても、これは相手に対して命令を出す関係上、第三者には、それが違反である、また、そういう命令が出されておるということがわからないおそれがございます。したがいまして、善意の第三者が違反建築物を買ったとかいうようなことで思わぬ損害をこうむるという事例がございました。したがいまして、今回の改正におきましては、知事や市長が違反の是正のために除却あるいは工事停止というような命令を出しました場合には、その旨を県の公報等に出すほか、現場に立て札を出しまして、違反建築で工事の停止が命ぜられているという旨を公示することにいたしたわけでございます。それによりまして、善意の第三者が不測の損害をこうむることのないように防止する、こういう趣旨でございます。
 なお、そういう公示がしてありますと、工事中止命令にもかかわらず現場で工事を進行させるというような事態に対してその違法の発見にも資するであろう、こういうふうに期待しておるわけでございます。
#22
○古屋委員 違反建築物に対しましては代執行をしなければならない場合もあると思うのでありますが、この代執行につきましての方針、あるいは従来はどの程度の代執行の件数があるか、今後どういうような方針でやるか、つまり、正直者がばかをみるというようなことのないようにしなければならぬという意味におきまして、その点をお伺いしたいと思います。
#23
○大津留政府委員 違反建築物に対しまして除却命令あるいは工事中止というような命令を出しましてもその所有者がそれに従わないという場合には、行政代執行法による代執行をせざるを得ないということに相なるわけでございますが、従来、住宅等の除却、取りこわしというようなことがその生活に非常に影響があるというような関係で代執行の実施に非常に慎重に過ぎた点があったかと思います。しかし、今回の法改正によりまして、法の規制で現状に合わない建蔽率等につきましてはこれを改めるということでもございますので、今後は、悪質な違反の建て売り業者あるいは火災等の危険の著しい旅館、ホテル等に対しましては、必要に応じて代執行も厳正に行ないたい、こういうふうに考えております。
 なお、従来、昭和四十年におきましては代執行を行ないましたのが四件、四十一年におきましては六件、四十二年度におきましては十五件でございます。
#24
○古屋委員 結局、違反建築物対策推進のためにいろんな方途が講ぜられることになっておりますが、何と申しましても、違反のないようにする事前指導というものがきわめて必要だろうと思います。そういう意味におきまして、各省庁の協力体制というものをば積極的に推進する必要があると思いますが、この点についての御所見をお伺いいたしたいと思います。
#25
○坪川国務大臣 古屋委員御指摘になりました違反建築物に対する対策といたしまして、より効果的に、より効率的に行なうには関係各省庁との連絡を密にすることは全く同感でございまして、この方針に従いまして今後も建築行政の所管部局と消防庁あるいは警察当局と緊密な連絡を持ちまして、そして相互協調いたしながら違反物の摘発並びに是正、告発あるいは送検事務等を積極的に進めてまいりたい、こう考えておる次第であります。
#26
○古屋委員 この問題につきまして執行体制の整備拡充の問題でございますが、この問題の最後にお伺いしたいのは、こういうような整備拡充のためには、予算の確保あるいは人員についての見通しというものをどういうふうに考えておられますか、この点をお伺いしたいと思います。
#27
○大津留政府委員 違反対策といたしましては、法の改正とあわせて、御指摘のとおり、予算、人員の確保が非常に大事になってまいります。私どもといたしましては、現在建築行政に携わっております建築主事、全国で約七百名おります、そのほか建築行政に従事しておる職員が全部で三千名程度おりますが、この改正を機といたしまして、建築監視員の充実を重点といたしまして、全体の人員も三年ないし五年計画で四千五百ないし五千名程度にはふやしたい、現場を巡回するためのパトカー等の物件費の充実等につきましてもはかってまいりたい、そういうことで自治省に地方交付税の特別の配慮をしていただくようにただいま折衝いたしておるような次第でございます。
#28
○古屋委員 次にお伺いいたしたいと思いますのは、先ほど大臣から法のねらいの第二の点として、いわゆる防災基準の整備ということがありましたが、防災上のねらいの問題についてお伺いをいたしたいと思うのであります。
 最近の経済の高度成長に伴いまして、いわゆる超高層ビルの建設や地下街の発展というものが驚くべき勢いで行なわれておりますと同時に、他面におきまして、所得水準の向上といわゆるレジャーブームによりまして国内観光旅行はどんどん盛んになっておりまして、温泉とか観光地における宿泊施設の需要は増加をしております。旅館、ホテル等の新築増築が繰り返されまして、高層化、大規模化が競われている状況でございます。有馬温泉あるいは磐梯熱海温泉に見られるような人命事故を伴うような大火災も相次ぎ、また災害の大規模化の傾向も見られるのでありますが、こういう点につきまして今回の改正におきましてはどのような対策を講ぜられておりますか、まず第一にお伺いをいたしたいと思います。
#29
○坪川国務大臣 今回の法改正の最大目標は、冒頭に申し上げました三つの重点目標をもって本立法をいたしたような次第でございますが、この間にあって最も重大な問題は、いわゆる防災対策、並びに基本的なとうとい人命の尊重確保という問題が一番重要な問題であり、目標をここに置きましたことは、古屋委員御理解のとおりでございます。したがいまして、これらに対するところの避難、あるいは火災の局限あるいは救助の万全措置等をその内容の具体的な問題点としていたしておるような次第であります。すなわち、火災の拡大を防止、抑止いたしまして、ことに煙の発生を防止するための内装制限をいたしておる点、次には、火災及びこれに伴う煙を局限するための区画等の設置等をいたしました点、また排煙設備、非常用照明装置、非常用進入口の問題あるいは非常用の昇降機等の設置、また廊下、階段、出入り口の避難設備というような問題を重点に置いて措置を講じたいと考えているような次第であります。
#30
○古屋委員 ただいまお話しのように、最近の旅館、ホテルをはじめビル火災の状況を見ますると、煙によって避難を妨げられたりあるいは窒息をしたりすることによっていわゆる人命被害をいたずらに多くしているように考えられるのであります。結局その原因としては、これらの建築物に使用している内装材料等に煙を多く出す新建材を使用しているためであるといわれておるのでありますが、こういうような煙を多く出す新建材の使用制限につきましては、どういうような措置がとられているか、この点をお伺いいたしたいと思います。
#31
○大津留政府委員 近年いろいろな新建材が出てまいっておるわけでございますが、これは木材その他のいわゆる天然資材が枯渇してまいっておる時期に、工業生産による材料が出てきたということは非常に好ましいことでございますが、その点でも御指摘のように非常に発煙量の多い材料もございますので、これが旅館等に使われますと、火災時に非常に避難を妨げるという現象が見られます。そこで、従来内装材料を制限いたします場合に、主として不燃性、燃えないということに重点を置いて材料を選定しておったわけでございますが、燃えないのと同時に、煙が出ないということも、御指摘のように非常に大事なポイントになってまいります。今回の法改正におきましては、内装制限の適用対象範囲を大幅に拡大いたしましたが、この内装制限の材料の基準というのは、これは政令に譲っております。したがいまして、この政令におきまして、先ほど申しましたように、不燃材料の基準といたしまして、燃えないということに加えて、煙が少ないという性質を基準に加えることにいたしておるわけでございます。
#32
○古屋委員 いまの点につきましてもう少し局長にお伺いしたいと思いますが、建築材料の品質に関する基準の整備の点で、日本農林規格を使用することになる、この農林規格を政令できめる。これに合うものでなければならないということになっておりますが、これはどのような部分をいうのか、まず第一にお伺いしたいと思います。
#33
○大津留政府委員 今度の法改正で、建物の主要構造部並びにその他政令で指定する大事な部分に使われる材料につきましては、建設大臣が定めるJISまたはJASに合格したものということにいたしたわけでございます。JIS、JASは、御承知のように、工業規格品あるいは農林規格品としてそれぞれの所管大臣が指定したものでございます。で、このJASに合格したものを使うという部分でございますが、
    〔金丸(信)委員長代理退席、委員長着席〕
いわゆる農林物資のうち、一般の木材あるいは集成木材、合板、防火戸用合板その他につきまして農林物資規格法に基づくJASがきめられております。これらのものを、主要構造部のほか、屋外段階あるいはバルコニー、防火戸、排煙設備その他の建築設備に使います場合には、こういうものを使わなければならないということにいたす所存でございます。
#34
○古屋委員 もう少し事務的に、一、二局長からお伺いしたいと思いますが、法律改正が行なわれますと、既存の不適格なものはどういうふうに扱うのであるか、その経過的関係をお伺いしたいということが一つ。
 それからもう一つは、いろいろの安全確保がはかられましても、具体的な問題につきまして、たとえば消防と営業許可の関係とか、そういう点について協力体制をどういうふうに進めていかれるか。
 この二点をお伺いしたい。
#35
○大津留政府委員 法律が改正になりましても、現にすでに建てられている建物については適用されないというのが原則になっております。したがいまして、実際問題として、はなはだ不適当な危険な旅館等が現に使用されているという現状でございます。しかし、現行法でも、著しく保安上危険なものにつきましては、その改善を命令することができることになっております。また、著しく保安上危険とみなされるに至りません場合におきましても、防災上必要な措置をとるように、行政指導で強力に指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
 また、旅館、ホテル等の火災が多い現況にかんがみまして、ホテル、旅館等の営業を許可する場合におきましては、建築基準法上の工事の検査済証を添えて営業の申請をするのでなければ営業の許可をしないということに、これは厚生省とも話し合いをつけましてそういう趣旨の通牒も出してもらいまして、建築行政と営業の監督行政との連携をはかっておるような次第でございます。
#36
○古屋委員 次に進めまして、用途の純化と土地の高度利用の促進という見地からいたしまして、今後の市街地のあり方につきまして建設大臣としてどんなビジョンを描いてこの法案を立案されましたか、まず、その点をお話し願いたいと思います。
#37
○坪川国務大臣 非常に大事な問題であるとともに切実な問題でございます。人間のしあわせな生活を考える場合に、その生活環境の整備、すなわち、住みよい、明るい、活動しやすいしあわせな生活の場をつくるということが、都市政策、住宅政策、あらゆる施策の基本の姿でなければならない、こう考えておりますので、私といたしましては、新都市計画法の制定と、これの施行に伴うこの法案並びに御審議をいただきました都市再開発法の制定、運営、これら相まちまして、具体的に住宅地あるいは工業地あるいは商業地というような専用化を推し進めてまいりまして、そしてこれらの地域の機能が十分発揮できるような市街地をつくってまいるとともに、緑あるいは太陽、あるいは斜線というような、あらゆる一般国民生活に対するほんとにしあわせな市街地をつくってまいりたい、太陽も、また緑も含めました生活環境をつくってまいりたい。いわゆる都市再開発法並びに都市計画法の制定、運営及び本建築基準法の御制定をいただきました場合、住宅環境の整備にこれが強く役立つことを期待いたしまして、それらの点を総合的に計画的に推し進めまして、しあわせな市街地をつくってまいりたいというのが私のビジョンでございます。
#38
○古屋委員 時間等の関係で、生活公害等の点についてお伺いをいたしたいと思いますが、低層住宅の中に現在マンション等が無秩序に建てられておりまして――結局、日照の問題であります。住宅の日照についてどういうふうにお考えになっておるか。あわせて、改正案では日照のための制限を設けておる、これでは不十分であるという声もあるのでありますが、この点のお考えをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#39
○大津留政府委員 住宅に日照が確保されるということはきわめて好ましいことでございます。しかしながら、反面、わが国の都市の現況を見ますと、敷地が非常に細分化されております関係、また、今日土地の高度利用の要請もきわめて強い関係で、各住宅にすべて日照を十分に確保するということは、はなはだ困難な現状でございます。こういう現状のもとで幾らかでも日照の確保に寄与する方法といたしまして今回考えましたのは、ただいま大臣の答弁にもございましたように、地域の用途をできるだけ専用化、純化いたしまして、低層住宅地として環境を保護すべき地区、また、中高層の住宅地としてその環境を維持すべき地域というふうに分けまして、それぞれ用途並びに形態を定めます。そういうことによって一応日照の確保に寄与できるわけでありますが、さらに、これらの第一種並びに第二種住居専用地域におきましては、北側隣地からの斜線制限を設けまして、ある程度以上の建物を建てます場合には、北側の境界線から一定の距離を置かなければならないということにしたようなわけでございます。しかし、そういたしましても、ただいま御指摘のように、これだけでは日照の確保に必ずしも十分ではないと私どもも思います。しかし、これは、先ほど申しましたわが国の都市の現状からいたしまして、これ以上制限をきつくいたしますと、今度は逆に住宅が建たなくなるというようなことも懸念せられますので、この程度にとどめさせていただいたような次第であります。
#40
○始関委員長 次回は、来たる六日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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