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1949/05/16 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 内閣・人事連合委員会 第3号
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1949/05/16 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 内閣・人事連合委員会 第3号

#1
第005回国会 内閣・人事連合委員会 第3号
昭和二十四年五月十六日(月曜日)
   午後二時十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○行政機関職員定員法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) これより内閣及び人事連合委員会を開会いたします。昨日に引続きまして、各省の定員関係の説明を求めるのであります。そこで只今便宜上経済安定本部の部について政府の説明を求めます。
#3
○國務大臣(青木孝義君) 経済安定本部の人員整理につきまして御説明申上げます。本部につきましては、統計関係職員は定員の二割、その他の職員は定員の三割、物價廳につきましては定員の二割、経済調査廳につきましては定員の三割という整理を行うことといたしました。その結果新らしい定員は本部が千二百四十八人、それから物價廳が八百五十八人、経済調査廳が三千七百十九人ということになりました。三者を合計いたしまして五千八百二十五人ということになりました。
 次に各廳ごとに新らしい定員と、旧定員及び現在人員等の関係を申し述べますれば、次のように相成る次第でございます。先ず本部について申上げますれば、本部の旧定員即ち三月一月の定員は、中央千三百二十一人、地方が五百四人、計千八百二十五人でありまして、そのうち今回の本部の機構改革によつて物價局を廃止し、物價廳へ事務を移管することとなりました関係から、同局の定員五十八人を差引きますと、千七百六十七人ということに相成る次第でありまして、これに対して新定員千二百四十八人でありますから、その差五百十九人が整理せられることとなるのであります。その整理人員五百十九人中三月一日現在の欠員が、二百四十四人ありますので、結局二百七十五人の実人員を整理するということになつた次第でございます。尚三月一日以降の欠員増によりまして、四月一日現在では二百三十八人の整理ということに相成る次第でございます。
 次に物價廳の旧定員即ち三月一日の定員は千二十名で、整理率は物價廳の特殊性を考慮いたしまして、二割の例外的措置を認められましたので、新定員は八百十七名、本廳と地方局を各別に計算した結果一名増しということになつておりますが、八百十七名となりますので、実員は九百七十五名でありますので、整理人員は百五十八名ということに相成る次第でございます。尚安定本部物價局より四十一名が本廳に移管されますので、八百五十八名を以て新定員といたす次第でございます。
 それからその次は、経済調査廳は原則通り三割の整理をいたします。即ち経済調査廳の旧定員は五千三百十三名でありましたから、この三割に当ります千五百九十四名を整理いたしますると、新定員は三千七百十九名ということになります。然るに最近の現在員は四千六百五十二名でありますから、この法律の実施によりまして整理いたしまする者の数は九百三十三名に相成る次第でございます。以上が御審議を頂きまする人員整理に関する概要でございます。
#4
○三好始君 議事進行について……。只今御説明になまりした数字が我々に全然資料として配付になつておりませんので、非常に分りにくいのですが、資料はありませんか。
#5
○國務大臣(青木孝義君) お答え申上げます。今日この資料を作りまして、明日皆樣のお手許へ差上げるにとにいたしたいと思います。
#6
○カニエ邦彦君 只今御返事によりますと、資料を明日屆けるそうでございますから、安定本部の方は資料が出てから審議することでないと、資料なしではちよつと審議がむずかしかろうと思いますが……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○國務大臣(青木孝義君) 今日御要求を頂きました資料を明日差上げると申上げますので、前に御要求がございましたものは大体出ておる次第でございますが、何か……。
#8
○堀眞琴君 只今カニエ君の発言に私賛成であります。私共の手許に配付されておりますのは、現行定員と実人員の数並びにその比率でありまして、新定員並びに整理される実際の数についての数字がありませんので、これはその資料を配付して頂きましてから審議いたしたいと思います。
#9
○國務大臣(青木孝義君) 只今私が申上げた数字が新定員の数でございますが、これだけでは……。お手許へこれを差上げなければいけないんでございましようか。この点で御了承を願えませんか。
#10
○堀眞琴君 今安本長官から御説明になつたんですが、この資料には新定員並びに整理される人員の数が少しも載つておらんのです。從いましてその整理が果して合理的なものかどうかということを私共審議ができないと思いますので、これはその資料が手許に屆きましたときに延期さして頂きたいと思います。
#11
○委員長(河井彌八君) 諸君にお諮りいたします。資料の提出がまだ不十分でありまするから、経済安定本部の関係のことは後に廻します。
  ―――――――――――――
#12
○委員長(河井彌八君) 次に労働省の部に入りたいと思いますが、御異存ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは労働省関係につきまして政府の説明を求めます。労働大臣。
#14
○國務大臣(鈴木正文君) 定員法の中労働省に関係のある部について御説明申上げます。労働省関係の定員につきましては、お手許に配付いたしました資料を御覽頂けば大体が分つて頂けると存じますが、労働省所属各部局におきましても、三割乃至二割削減という一般原則は、これは一應適用することにいたしましたが、仕事の関係上削減率を緩和しなければならないと考えられる部門、又逆に増員を要する部門等につきましては十分考慮いたしたのでございます。例えば、先ず一般会計の方では、労働基準監督官については、整理の率を一割八分といたしましたこと、それから統計関係の部門については、二割ということにいたしましたこと、それから研究機関については、技術者は欠員だけを整理し、事務職員は二割という方針に決定したこと、それから公共職業安定所につきましては、原則として二割の削減に止め、又特別会計の方では、労働者災害補償保險関係の職員につきましては、その事務量から考えまして全然削減を行わないばかりでなくして、本年度新たに二百六名の増員をいたしたのでございます。又失業保險関係の職員につきましては、三割という標準をやめまして二割という標準にいたしたのでございます。以上のような方針によつて定員を整理いたいますと、この表に出ておりますごとくに本省の分は、一般会計で一万六千七百二十二、特別会計三千百五十九、合計一万九千八百八十一となり、それと別に中央労働委員会等の外局の二百五十二を加えますというと総計で二万百三十三人となりまして、これを整理前の定員の二万五千四百八に比べますというと七九%強の程度となつております。全体といたしまして二割余の縮減ということになつておる次第でございます。
#15
○羽仁五郎君 この政府全体の行政整理の率を見ますと、法務府の場合は殆んど整理されないで九九%存在しておるのに、労働省という日本の現在の経済建設の民主化にとつて最も重要な労働省が七二%全体として切られておる。この全体として七二%切られて、労働省としてはその仕事を能率を低下することなくやつて行かれるのであるかどうか、その全体について先ず伺いたいと思います。
#16
○國務大臣(鈴木正文君) 司法関係、それから警察関係は、これは私自身の直接の管轄ではございませんが、最初から整理をしないという別の方針があつたのでございまして、その方針自体につきましての当否は一應別といたしまして、そういう関係上、法務廳或いは警察関係というものは整理が殆んど行われておらないという状態でございます。それからもう一つこの表にあります七二%というのは、これは印刷の間違いか、計算の間違いでございます。先程申しましたように最高の面が三割削減されますが、二割もあり、一割八分もあり、全然整理しないで逆に殖えたという面もございまして、七九%強、大体八〇%ぐらいのところ、大体さつき申しました全体を通じて二割の削減になつております。こう申しますのが実際の実状でございます。
#17
○羽仁五郎君 労働省が新たに昭和二十二年に設置せられて、なかんずくその中で、具体的に申せば労働基準局というものができたのが日本の長年のいわゆるチープ・レーバー、殊にそれが國際世界に深刻なる損害を與えたというそういう深い反省の上に立つておると思うのであります。今までこの労働基準局というものは設立以來まだ日も浅いことで無理もないことであるとは思うのですけれども、併し事実上この労働基準局が果して労働基準法に定められているような、労働基準を、日本全國に亙つて維持するために十分の機能を挙げているかいないか、その点を伺いたいと思います。
#18
○國務大臣(鈴木正文君) これは羽仁さんの御見解の角度からもいろいろ御批判があると存じますが、いろいろ見解があるのでございますが、何にいたしましても御承知のように労働行政については殆んど空白の状態から戰後一挙に各方面に労働行政の部門が展開されたという、そういう根本條件の上に立ちまして基準行政が展開されたのでありまして、実際は最初の一年間ぐらいは本当の基準監督という機能よりはむしろ基準行政自体の啓蒙周知というような問題に主力が注がれておつたと存じます。本格的な基準行政が展開され始めましたのは、それから暫く経つてからだと存じます。見方によつていろいろこの結論はあると存じますが、現在の基準監督行政が將來ともこの程度で以て十分であつて、何らこれ以上拡大、進展する必要がないというようなことは考えておりませんし、今後尚基準行政は日本におきましては労働関係のみならず、経営者の諸君、一般の國民の方達にももつと周知徹底さして頂く、そうして強力に而も正しい線に沿つて展開すべきだと政府は考えております。ただ今申しましたように、やつと一挙に戰後出て來た労働行政の而も重要な監督行政の部門でありまするし、恰かもそれと前後して出て來た財政関係等いろいろな條件に制約されましてとても十分だというような成果を挙げておるところまでは考えておりませんけれども、この最近一年有余の間には相当基準監督の行政の実を挙げて参つたと存じております。今後も尚一層力を入れて参りたいと思います。
#19
○羽仁五郎君 それではもう少し具体的に最近において労働基準監督局がどれぐらいの仕事をしておられるかを伺いたい。
#20
○國務大臣(鈴木正文君) できるだけ具体的にいたしますように政府委員から数字を挙げてその点の説明をいたさせます。
#21
○説明員(寺本広作君) それでは皆さんのお手許に差上げてあります参考資料に基きまして御説明を申上げたいと存じます。只今大臣から御説明がありました通りに基準法施行後半年の間は普及、宣傳に力を注いで参りまして、昨年の二月からやつと監督業務を始めたのであります。最近は監督の成績が段々挙つて参りまして、一ケ月凡そ二万一千二十五件の監督をなし得るような状況になつておりますので、このまま監督成績が向上して参りますれば、本年度におきましては年間総数凡そ二十五万二千三百件は監督し得るものというふうに計算をいたしております。基準法の適用を受ける全事業所は凡そ七十万でございます。從いまして從來の監督官の定員を以ていたしますれば、全事業所を一廻りいたしますのに二年九ケ月かかるという計算になるのでありますが、一割八分の行政整理によりまして若干の監督成績の向上を見込みまして、將來においては三年五ケ月を経過すれば一廻り全事業所を廻り得るものと考えておる次第でございます。全適用事業所を監督いたしまする日数は若干延長されることになるのでございますが、監督官の教養訓練に力を注ぎ、又監督の対象になります事業場で、特に労働條件の惡いもの、そういうところを重点的に監督することになりますれば、この行政整理がありました後でも、左程基準行政に重大なる惡影響を蒙むることなくやつて行けるのではなかろうかと考えております。
#22
○羽仁五郎君 今の御説明で行政整理の結果、大体において三年に一遍だけ労働基準監督官が工場に見廻りに行くことができるというのですが、労働基準行政というものが出発した現在、殊に日本の工場事情、労働事情というものが急速に改善されなければならないという状態において、凡そ三年に一遍くらい見廻るということで適当であるとお考えになるかどうか、これは去る三月二十九日の日本タイムスに、これは司令部の労働課のエーミス氏が、日本の資本家の労働者に対する態度というものがまだ非常に遅れておるということを、閣なり詳しく指摘しておられます。それから去る四月九日の日本タイムスに、やはり司令部の労働課のヘブラー氏が、日本の労働基準というものがまだ非常に低い、そうしてこれは急速に高められなければならないということを、やはり詳細に指摘しておられます。それから日本がいわゆる経済再建をやつて行くという上においても日本がやはりチープ・レーバーの上に産業をやつて行く以上、これは到底國際経済の中に日本が歓迎せられるということはあり得ない。これは殊にイギリスなり何なりその方面で絶えず新聞なりラジオを通じても日本が依然としてチープ・レーバーを以て世界経済に臨まうとするならば、これに対して断固拝撃しなければならないという見解が表明されておるのです。そういう際に大体において三年に一回ぐらいの監督で以て十分だというふうにお考えになるのかどうか。恐らくそうはお考えにならないで、最初労働省においてはどれくらいの監督があれば國際的に希望されておるような日本労働基準というものを引上げるというお見込だつたでしようか、その点を一つ率直にお答え願いたいと思います。
#23
○鈴木直人君 三年五ケ月の日数について見ますというと、千百二十五日になります。一人の人が四百三の事業場を受持つて千百二十五日かかつて全部廻るということは能率が挙らないように思うのです。一人当りの担当事業場が四百三になつております。そうすると仮に一日に一つずつ廻つたとしても、四百三日でできるわけです。要するにこれは三年五ケ月かかるということにすれば、一人が四百三の工場を廻るのに三年五ケ月かかるということになると、三年五ケ月は千百二十五日であるから、千百二十五日かかつて一人の人が四百三の工場を廻るという計算になるのです。これは能率が低く過ぎるような氣がするのです。
#24
○説明員(寺本広作君) 監督官の労働日数の問題でございますが、一月現在十三人平均出ております。將來におきましては、更に多く監督に出掛けることを見込んでおります。一年の労働日数でございますが、五十二の休を見まして大体三百日見当でこの計算をいたしております。今までの計算では一日平均一・三見ております。
#25
○鈴木直人君 そうしますと、一人の監督官が一日出れば一・三であるというと、二日かかつて三つの工場を見て歩くという能率を基礎として三年五ケ月かかるというふうに計算しておるだろうと思います。この監督官は実際に見ておると、監督官が非常に要点を衝いておりますと、工場の内に入るときに工場が分るのです、勘で分るくらいになつおりてます。從つて専門にこの労働基準法を研給し、そうして違反があるかないかということを常に研究しておるから勘で分るくらいになつておる。それをぽんぽんとうまく行きますと、一日に一・五ぐらい廻るという程度のものではないと思いますが、而も工場は相当密集しておりまして、やはり相当やろうと思えばやれるのでありますから、これは少し能率が低く過ぎると思います。それから一月に十三日きり実際において巡視しないということになるとすれば、それは予算の関係からの計算でございますか、実際からの計算でございますか。
   〔委員長退席、理事中川幸平君委員
 長席に著く〕
#26
○説明員(寺本広作君) 月に十三日出ておりますと申しますのは、今の実績を申上げております。
#27
○堀眞琴君 一ケ月に平均十三日外に出られるとすると、三年五ケ月で三百七十五日出ることになる。一人の担当の工場、事業場の数は四百三ということになりますと、三百七十五日のうちに四百三の工場を廻るということになりますと、一、工場を一日にも足りない時間で監督する。こういう計算になると思います。それで果してさつき羽仁君の質問されたことにお答えになつておるかどうか、羽仁君の質問されたようなチープ・レーバー、或いは日本の労働條件の國際的に惡いと認められた状態をどうして十分に高めることができるか、これについての政府の見解をお伺いしたい。
#28
○羽仁五郎君 私の質問に対してまだ政府委員から質問がありませんが。
#29
○國務大臣(鈴木正文君) 羽仁さんの御質問、それからいろいろの質問が出て來ましたから、お答えしようと思つておりながらチヤンスがありませんでしたので……チープ・レーバーの問題につきましては、根本的にこれは今の日本におきまして曾てのソーシヤル・ダンピングの名前で呼ばれるところのチープ・レーバーというものは、道徳的にも、或いは経済の基本的原則としても成立はしないということは、これは経営者の方々においても、ああいう形のものは成立はしないし、やつていけないということは恐らく今日においては認められておられるだろうと存じます。併しこのチープ・レーバーも……私はここで賃金問題を展開しようというような考えは毛頭持つておりませんけれども、例えば今年の三月末まで採用されておつたような政府の賃金、直接補給金によるところの賃金の維持若しくは向上とか、或いは物價の引上げによるところの、或いは赤字融資によるところの賃金の引上げというふうなことは、一應とにかく九原則、三原則の下においには行われないという、與えられたこの條件の下におきましては、私達はチープ・レーバーというふうなことは全然これは反対であるということは、勿論といたしましても、賃金を維持、積極的には向上せしめるところの可能な有力な方法というものは、現在においては、労使の企業努力と、それに対する政府の資金或いは資材等に亘る政策の協力と、この三つの中から打立てて行くの中心的の考え方としなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。チープ・レーバーの根本的の考え方については、皆さんとそう変りはないと存じます。この問題を解決……今の御質問はむしろ賃金問題よりは、そういつた問題を監督、解決するに当つての労働基準行政が、この規模においては小さ過ぎるのではないかという、こういう御質問であつたと思います。極く大きな、大局的な意味におましては、日本の現在の基準行政が、まだ先程も申しましたように、量においても質においても拡大強化されるべきであるという考え方には私達も賛成するのでございます。なぜここでこういうふうな措置を一應とつたかという問題になつて來ると存じますけれども、これは政府全体の行政整理のあの方式と、これも又國家の全体の……日本の現在の政治の問題といたしましては、國家全体として絶対にやらなければならない必要な重大政策である。この点において羽仁さん達と或いは根本的に考えが違つているかも知れませんけれども、現政府としてはそう考えておるのでありまして、國務大臣の一人といたしまして、又一方労働大臣といたしまして、この点も睨み合せまして、そうして三割、二割というふうな整理基準を除外して、一割八分というところで以て一應落ち着けたい。こういうところの國家全体の政策と、それから労働行政のうち最も重要な部分とに結び付けて一應の結論を付けたというのが事実でございます。將來に亘り、又全体に亘りましての考えといたしましよは、労働基準行政は更に拡大強化すべきものであるという考え方を持つておることは勿論でございまするし、行政整理は單に本回を以て終つたのではなくて、將來に亘つてこれが充実或いは再編ということも恐らく附随して來るのでありまして、人を減らしつ放しでそれでお終いという行政整理ではない筈でございまして、この点につきましては、本多國務大臣から御説明があつたと思いますけれども、それにつきましては、労働基準或いは安定関係という方面に関しましては、格段の配慮を拂つて進みたいと考えております。
#30
○羽仁五郎君 さつき申上げましたが、私は四月九日のヘプラー氏が指摘しておられるというのは、若し日本の労働基準法というものが変えられるならば、日本は全世界によつて非難され、そして日本の輸出は全世界の市場からシヤツト・アウトされるであろう。そういうことを指摘しておられるのです。これは労働基準法を変えるならばということなんですが。これくらい強い言葉で言つておられるのは、日本の労働基準行政というものについて、前進しないで、後退するならばというふうに我々としては考えなければならない。ですから現在まあ約二年九ケ月行われていたということすら我々としては非常に不十分であつたと思うのですが、それが後退するようなことがあるならば、このヘプラー氏が指摘しておられる、実質的に日本の輸出というものが國際市場からシヤツトアウトされるという虞れがある。今おつしやつた経済九原則……よく聞いて頂きたいのですが、経済九原則の場合と、それから御承知のように日本の國際市場、特にイギリスなどが重大な関心を持つておる関係とは多少勿論その労働大臣としても分けてお考えになつておられるだろうと思うのです。そのアメリカと日本との関係は、それからイギリスと日本、或いはイギリスと同じような利益を持つておる國々と日本との場合とは、多少分けて考えなければならんということは勿論言うまでもないことだと思います。ですからこういう労働基準行政が前に進まないで後へ退くということは、そういう意味の日本の國際経済への見通しを非常に惡くする。実は行政整理或いは財政の節約という目的よりも、一應重大な損害が日本の國家に向つて與えられるというふうにはお考えにならないのか。そういう意味で少くともこの労働基準局の場合は、前進はできないとしても後退はしない。現状は維持するくらいの考えはないか。それを國務大臣として或いは政治家としてのあなたが十分お考えになつてお答えを頂きたいのですが……。アメリカと日本との関係だけ考えておられるのでなしに、イギリスと日本との関係も十分お考えにならなければ、これは私は必ず國際的に問題になるだろうと思う。若し國際的に問題になつた場合は、あなたはどういうふうにお考えになるか。そういう意味で少くとも後退はさせない。労働基準行政においては、今財政の関係があつて前進はできないにしても、後退はしないくらいのお覚悟を持つて頂きたいと思うのですが、どうでしようか。
#31
○國務大臣(鈴木正文君) 結論といたしまして申上げますれば、勿論後退はいたさないという覚悟を持つておりますし、恐らく現存それではやれるか。人が減つたのではないかという問題になりますけれども、勿論労働基準行政の面においては、先程も申した通りでありますけれども、併し三年何ケ月という数字は、形式的に全体の工場を人員で割ればそういうふうにもなりますけれども、ここに新らしい精鋭主義と、それから新らしい監督の方式とを創意を工夫いたしまして、それが大体今度の行政整理においても、ただ切りつ放しで按分比倒的に仕事を切り落してしまうと、そういうことは労働省ばかりでなくしてどの省でも、そういう考え方の上に立つておるのではないのでありまして、同時に精鋭を揃えて、能率を挙げて行くという考え方も行われる。第二次以後の行政整理というものはむしろ人の整理よりは、そういつた機構の充実と按配という点にあるということは先程も申した通りであります。そういう面につきましての創意と工夫を加えますことによつて、只今の御指摘のような少くとも現状の行政監督力は維持し得るということは可能だと思うのでございます。將來に亙つての考え方につきましては先程申上げた通りでございます。できるだけ今回の行政整理とは別個の間といたしまして、日本の労働基準行政というものは拡大強化さるべきものであるということを考えております。
#32
○赤松常子君 私労働大臣に二つお尋ねをいたしたいのでございますが、先ず第一に、今おつしやられましたその精鋭を揃えてやればやれるとおつしやつておられますけれども、今までの基準監督官のいろいろ業績を拝見いたしておりますと、実に労働者側から申しますならば忿懣に堪えないことも沢山ございます。その一例を申上げますならば、監督官が現場を親しく見る、そうして労働者に本当に実情を直接お聞きになるということは非常に稀なのでございまして、会社側にいらしつて、酒を一杯飲まされると、そのまま帰つておしまいになるという例がたまたまあり、非常に多いのでございます。これは私共労働者側の声を始終聞いておりまして、非常に遺憾に堪えない次第でございますが、從來ございます数ですからこういうような現状でございますのに、実質的には業績が挙つておりませんその上に、尚お減らしになつて十分できるというお考えは一体どういうふうに、どこから出る御意見でございましようか。ちよつと伺いたいと思います。
#33
○國務大臣(鈴木正文君) どうも赤松さんに皮肉を申上げるわけでございませんけれども、これはそういうような役人もあるということを、全然そんなことはないと、こうまで否定は申上げませんけれども、仮にそういう面があつて、現在百パーセント能率が挙つていて、そうして人が減つたのではどうしようもないといたしますが、そういう面があるといたしますれば、そういう面にうんと力を入れるということと、能率を引上げる余地は残されておる事ということも言えるのでありまして、要は本当に誠意を以てそれをやるかという問題に帰着すると思います。その点につきましては、御指摘もありましたし、こういう予算その外の行政の関係で以て或る意味におきましては、基準行政が非常にむずかしいときに入つておる際でございますからして、私は勿論のこと、基準関係の首脳部をも鞭撻いたしまして、でき得る限り御意見に副うように、基準だけではなくて、本当に実質的の定員を取れるように努力いたしまして解決して行きたいと思います。
#34
○赤松常子君 それから今度は行政整理が問題になりまして、労働省の官房課長のお名前でございましたか、こういう問題が起きた場合には全然騒いではいけない、声を立ててはいけない、運動してはいけないという通牒が出ておるのでありますが、それはどういう意図で一体お出しになつたのでございますか。
#35
○國務大臣(鈴木正文君) 或いは見当違いのお答えになるかも知れませんけれども、労働省の官房関係からそういつたものが行つたことは、私もないように心得ておりますし、ここに秘書課長がおりますけれども、この点恐らくはそれは内閣の官房長官の方から出た何かの文書か何かだつたろうと思います。そういたしますというと、何と申しますか、いろいろな問題が、役所の人達が時間中にデモに類するような、そういつた行動をとることについて何かが出たこともあるかと存じますけれども、はつきり記憶がございませんから、労働省の方からは、そういつた事実はないということを申上げまして、その他は尚別の機会に、必要がありましたならば取調べてお答えいたします。
#36
○堀眞琴君 私は退職金の問題をちよつとお尋ねいたしたいのでありますが、これは労働大臣に伺つてよろしうございますか。
#37
○國務大臣(鈴木正文君) 本多國務大臣が丁度見えましたからどうぞ。
#38
○堀眞琴君 はあそうですか。本多國務大臣にいつかお尋ねいたしましたときに、大藏省並びに労働省の方面で、それを只今審議中であるということで、併し大体政府の方針としては最低四ケ月を保証をするつもりである。併しまあ財政とも睨み合せて、予算上のやり繰りもあるからはつきりは申上げられないというお答えを得たように思います。ところが二、三日前のラジオを聞いておりますと、退職手当は最低二ケ月、こういうニユースが放送されたのであります。これは勿論新聞乃至は報道機関の誤りであろうと私は信じておるのであります。
 なぜならば、國会に発表されない前にラジオのニユースで以て放送するというようなことはちよつと考えられないのであります。私は間違いだろうと思うのでありますが、併し間違いないとすると、從來四ケ月ということをお話しになつておつたのに、二ケ月と、半分の額に減らされるということになりますと、首を切られる職員にとつては死活の問題だろうと思います。でこの問題について、本多國務大臣並びに労働大臣の方から御説明を願いたいと思います。
#39
○國務大臣(本多市郎君) 只今お話の通り、政府としてまだ最後的の決定をいたしておりませんので、これを責任を持つて御説明申上げる段階にまだ到達いたしておらないくらいでございますから、新聞にそれが発表されておりましても、それは現在のところでは政府の責任ではないとお考え願いたいと存じます。この前の御質問のときに、退職手当に対する政府の方針を御説明申上げたのでございますが、その際最低四ケ月分に達しない場合には、これをその範囲内において増額するという方針を申上げたのでございます。ただ併しその際それではその最低四ケ月であるとかいうお尋ねでありますならば、その際も実は勤務年限、否、むしろ勤務日数と申しますか、それが十日であつたり、二十日であつたり、一月であつたり、或いは半年であつたり、そういうところまでも四ケ月に満つるまで増額するという考えではなかつたのでありまして、四ケ月以下の者に対しては、四ケ月の範囲内において、そこまで増額するという方針を持つて、実はおつたような次第でございまして、どんなに勤務年限が十日とか、二十日とか、半年にも足らんとか、少い人でも四ケ月まで引上げて支給するんだというふうに若し御了解になつていたといたしますならば、私の説明の不十分な結果であると思いますから、この際さよう御了承願つて置きたいと思います。それでは現在政府が考えておるところの退職手当の基準について、最低は二ケ月というふうになつたというふうに聞いておるが、どうかというお話でありますが、これまだ決定いたしておりませんから、それをはつきり申上げるわけには行きませんが、極く勤務年限の一年にも足らないという未満の人達には、そういう程度の場合もあり得ると存じます。先般御説明申上げましたときと、今回新らしい基準として只今調査しておりますところとの幾分考え方の違う点は、実は均衝予算の範囲内で処理して行くということが止むを得ない事情にありますので、極く勤務年限の長い人あたりで、例えば恩給を十五年勤めておれば十五ケ月一時恩給として取ると、その人が更に、從來の準則によりますと、十五ケ月分の退職手当ということになつて参ります。そういう勤務年限の長い方のところにおきまして、少しずつその予算関係から、何と申しましようか、減額されるという方向にあると申上げ得られると思います。その程度のことでありまして、実はこれは政府の方針で決定いたしまして、関係方面と今折衝中でございます。実は今日にも折衝が遂げられるかというので待機しているような状態でございまして、一刻も早くその結果を御報告申上げたいと存じております。
#40
○三好始君 議事進行で、労働省の定員に関する資料は、行政管理廳から提出された資料と、非常に食い違いがあるのであります。この点について労働大臣は、行政管理廳から出されている資料が印刷の間違いか、計算の間違いだろうというようなお話でありますが、行政管理廳の方からは、今までまだ正式に訂正の申入れもなければ、何ら釈明もないのであります。新定員についての数字は、勿論両方とも一致しているわけでありますが、旧定員即ち現行定員におきましては、行政管理廳から出されております資料によりますというと、二万七千八百二十二人なんですが、労働省から出ている資料では、二万五千四百八人、現在員におきましても、行政管理廳から出ている資料によりますというと、二万五千六百五十七人、労働省から出ている資料では、二万三千九百十二人、從つて新旧定員の比率におきましても、相当の違いがあるわけでありまして、行政管理廳から出ている資料によりますと、七二%となつておりますが、労働大臣の説明によりますというと、七九%強だと、こういうが話でありますので、労働大臣の説明を信用いたしたいのでございますけれども、定員法の直接の責任官廳としての行政管理廳から出ている資料について、正式に訂正の申入れがない以上、それを無視して審議を進めるということはできないと思うのであります。この点について、本多國務大臣の御説明を願いたいと思います。
#41
○國務大臣(本多市郎君) これは各省から御報告を求めまして、それに基いて私の方では作業を続け、朴料の作成をいたして参つたのでございますが、御指摘の点は、実員の点に相違があるようでございますが、この実員は実は時々刻々変りますので、或いはその実員を押えたその日の違い方で違いを生じておるのじやないかと存じますが、よく調査いたしまして御説明申上げたいと思います。更に間違いがありましたならば、訂正することに手続を取りたいと思います。
#42
○三好始君 これは先程私が申上げましたように、実員だけではないのでありまして、旧定員におきましても相当の違いがあるのであります。新旧定員の比率も七%程違いがあるわけでありまして、そういう相違が計算の間違いであるか何であるか、はつきり分るまでは、非常に審議する上に我々としては、どつちを信用していいか分らんのであります。
#43
○説明員(中西實君) その数字の違いは、只今本多國務大臣のおつしやつたような理由もございますが、もう一つは、実は労働省の関係では、職業安定関係で地方廳に職員が相当おります。これは本來國家公務員ではありますが、一應地方自治法の方で規定される定員になつております。どうも行政管理廳から出ておりますこれは、それの係の方に聞きませんとよく分りませんが、それが入つておるのじやないかという氣がする。それで私の方の計算はきつちりと大藏省と打合せいたしまして、絶体間違いはございません。よく行政管理廳と連絡いたしまして、その数字が間違つておりますれば、その方から又訂正するように申したいと思います。私の方は大藏省とも突き合せまして、絶対間違いございません。
#44
○中井光次君 只今の問題に関係しておるのですが、私は昨日から默つて伺つておりましたが、本多國務大臣の方で御提出になつた資料と、各省で御説明になつておる部分は、豈労働省のみならんやであります。外にも数字が違つておるのであります。それを尋ねるというと、時間のズレであるとか言つて結局押えるところはないというような状態になるのでありますから、これは一面から申しまするというと殆んど、実は会期は延びましたからよろしいのですが、今日で会期がなくなるような状態であつたのでありますが、今日においては両者の政府部内における統一がうまく取られていないと私は思うのであります。この点を私共において穿さくすることは甚だ迷惑であると思います。この資料を政府において明確にそれを統一して頂きたいと思います。そうでないというと、本多國務大臣にお尋ねした場合と、各省大臣にお尋ねした場合と、一致する場合もあり、一致しない場合も起つて來ておるのであります。現に昨日の経驗によりまするというと……でありまするから、これを明確にして頂かないと、我我の一々の穿さくを現在しておりますけれども、しなければならないというような状態に……会期も延ばされて迫つておるにも拘わらず、そんな状態でありますから、これは一つ早急に整理して頂きたい。そうでないというと、非常にそういうことのために時間を費やすことが多いように思うのであります。特に強く御希望申し上げます。
#45
○國務大臣(本多市郎君) この点は誠に申訳ないところでございまして、昨日の委員会におきまして、そういうところが指摘もされましたし、私共も資料を見まして非常に困つたことと思いました。そこで直ちに調査をして最後的なと申しましようか、動かないものを準備すべく今日も殆んど全員かかつて作業をやつておるのでありまして、誤りの点は直したものを一刻も早く提出いたしたいと存じております。
#46
○羽仁五郎君 二、三日前にラジオで、十五歳未満の少年が、いわゆる労働基準法に違反して父親がその雇用関係を結んで、そして過重な労働の中で働いて神経衰弱になりかかつておるところを、労働基準監督官が來られて救われるという、非常に美わしい放送があつたのであります。あれが今の労働省の予定から見ると、三年五ケ月経たないとあの労働基準監督官は來ない。そうすると、あの子供はもう十七、八になつてしまう。いい場合には十七、八になりますし、惡い場合には発狂するなり、或いは工場を辞めて闇屋になるなり泥棒になるなりする。そうすると本多國務省はちやんと法務廳は九九%人員を確保しておられて、泥棒になつた者は捕まえてやるという、こういう方法。それからさつき申上げましたように、私はイギリス関係の人と極く最近に会いまして、今度の行政整理が労働基準に及ぼす影響についていろいろ議論したのでありますが、國際市場はシヤツト・アウトされておるし、國内においては労働基準法が守られないで、働こうとする人も働けないで、泥棒になつてしまう。これはつまり亡國政策という外はない。國を亡ぼす政策でないか。この際本多國務大臣と労働大臣とおられるのですから、こういう國を亡ぼすような行政整理は直ちに撤回されて、労働省が十分の人員を持つて日本の労働基準を上げ、國際市場に十分進出し、まじめに働けば十分食えるという労働行政をやられて、法務廳なりお巡りさんの数を減らしたらいいのでないか。昨日も私帰りに池袋を通りますと、交通整理のところにお巡りさんが七、八人遊んでおる。そういうふうなやり方でなく、それは一つの例に過ぎませんが、働けば食えるという方法を講じて行くべきで、働いても食えないで赤字を出しておるのに、働かない人を充実して置くというのは、現内閣の政策としては私は余り立派なものでないと思うのですが、これは至急こういうのを改められる御意思はないでしようか。
#47
○國務大臣(本多市郎君) これは日本の今日の國情から考えて提案いたしておるところでありまして、原案を改める考えはないのでございます。又こういう政策が國を亡ぼすと言われましたが、是非日本再建のために必要なことであると考えております。
#48
○木下源吾君 先程來中井さん、三好さんから言われておつた、ミスプリントか何か知りませんが、凸凹のいろいろなやつは直して貰えるとしても、今度の定員法というのは、一体こういうように出たらめなのが本当だと私は思うのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)本は本多さんでも誰でもいいが、というのは、まあ根本的に言えば、予算を決めて差上げておるんだから、それであなた方切つて行けばいいわけなんだ。いわば予算一杯で使えるだけ使えばいいわけなんだ。ところが、やはりこういう首切り法を我々の前に持つて來たということは、これを合理化して、何か責任を國会にも負担させようという意図があるかないか別ですが、そういうふうに現われて來た。そこでこの定員ですが、数だけを大体決めましても、局長ばかり皆この数だけ置くというわけではありますまいけれども、それでもできるわけですね、こういう表だけ表つて來られると……。局長ばかりら、一級官ばかり並べてもできるわけです。そこで今幾ら数を正確に現わしてここに持つて來られたところが、やはりこれを押えるものは予算だと思うのです。前に作つた予算のこれは法律だから……。この辺のことを一体どういうふうに政府はお考えになつておるのか。若しもあなた方が國のためにおやりになるんだということであるならば、少くも局長、課長、そういうつまりどの仕事にはどういう技師というくらいまでは持つて來て頂かんと、私達は困ると思うのです。ただ数を何名というだけでは、これは今までの予算の法律とちつとも変らんのじやないか。この点の御見解を一つ改めてお伺いしたい。引続いて又お聽きします。
#49
○國務大臣(本多市郎君) 予算の範囲内で人を使うのであるから僅かながら制限があるので、定員法の必要はないではないかというお話でありましたが、從來はそういうふうなやり方が多かつたようでありますが、予算は御承知の通り移用流用等もできるのでありまして、それにはどうしても定員法というもので公務員の数を明瞭にいたして置くということがこれが有意義であるという趣旨から、國家行政組織法に定員法を定めるように定められているのでございます。これはその内容が例えば傭員であつても、又局長であつても一人は一人じやないかというお話でございましたか、それは誠にその通りでございます。併し、この長官、局長、或いは次長、部長等は設置法においてそれぞれその数が確定いたしておりますので、それ以下の面においては或いは多少上級の者、或いは下級の者ということで、各省大臣が裁量される余地がありますけれども、今回の設置法における局長、部長等の数はやはり整理方針に從いまして三割減が実現されておりますので、上の方だけが減らないというような結果にはならないのでございます。私共はこの程度の定員法でも行政組織法に基きまして定めて明瞭にして置くことが、又機構人員の厖大が今日非難されておる折から誠に有意義ではないかと考えております。
#50
○木下源吾君 そこでです。私共もそれを希望する。できれば私は今局長と言うたのですが、組織法にある以上、それを言うているのじやなくて、例を引いて私は言つておるのでありまして、今本多さんの言われることのようなことだ現実にきちつと行われれば私はいいと思うのです。つまり職階による、又事務の量により、事務の質によるというふうにできればいい、それが出來ない今日おやりになるのだと言うのだからして、やはりこれは今までのように大雜把だというようなものだと我々は受取れないということを申上げておるのであります。併し政府の意図しておるところは二割三割と言つておりますが、昨日來お伺いしておりまするというと、必ずしも二割三割ではない、この点については非常な融通性があるように現われて來ておりますが、現にこの今の労働省の参考の資料の中にも今回の行政整理によるものが四十万人であると、二月二十五日の閣議決定では四十万人とこう書いてこの資料には出ているのです。ところが現在実際に整理される者はどのくらい……これは私から御説明するまでもありません。このように政府の方針と言いますか、やろうとしたことは違つて來ている現実の問題であります。こういうようなことについては一体政府の方では、やはりこれでも二割乃至三と割いうあの基本線というものを飽くまでも固執しておやりになるという確信を持つておられるのかどうか。私共は地方の方におきまして、只今お話があつたこの数字の中には地方安定のものが入つているという数字、そういうものには嚴しく二割、三割が適用されて、その他のものは今までのような融通性のあるパーセンテージでやられるというようなことが不公平に行われるようなことがありはせんかということが非常に考えられるのであります。これらと合せ考えるときに、政府の二割三割というのが公平に本当にそれらに嚴密に行われるのかどうか、並びにもう一つは二月二十五日の閣議決定という、この数字の今日現実に変更して來ておるこの事実に照しまして、これはどういうわけでこういうことになつたのか、これを一つお聞かせを願いたい。
#51
○委員長(河井彌八君) ちよつとこの際諸君にお諮りしますが、労働大臣は労働委員会から呼びに参りました、少しこの席を外しまして、又後にここに戻つて來るということであります。それを許そうと思います。
#52
○木下源君 私は質問の継続中でありまして、これからいよいよ質問の本筋に……労働大臣にお願いしようと思つておりますからどのくらいで一つお出でになりますか。
#53
○國務大臣(鈴木正文君) 今日は労働組合法の一般質問が始まりますからちよつと見当がつかないのです。
#54
○河崎ナツ君 私も是非労働大臣に伺つて置きたいことがあります。
#55
○委員長(河井彌八君) 御答弁はあとでやりましよう。
#56
○木下源吾君 ええ結構です。
#57
○河崎ナツ君 先程羽仁さんが御質問になりました基準局のことにつきまして、労働行政におきまして基準局は非常に日本といたしまして新しい面において重要なことだというお話がございましたが、その通りで、丁度それと匹敵する程、まだそれ程生長をいたしておりませんけれども、労働省におきましての婦人少年局と申しますのは、これは労働行政の中の婦人局には勤労婦人、一般婦人もございますが、その面におきまして更に日本といたしまして、殊に文化日本といたしまして新しい面への、政治においての一歩今踏み出した、まだ一年ですから半歩前進したくらいであります。その歩き出しました婦人少年局の重要性につきまして、先ずその最初に労働省ではどの程度に重要に考えておりますか。私は今申上げましたように重要に考えておる一人であります。そのことを考えまして少しお尋ねいたしたいと思います。先ず大臣のお考えを伺いたいと思います。
#58
○國務大臣(鈴木正文君) 婦人少年局の行政の方面の仕事につきましては、それはもう絶対に重要な労働行政の一部分、國家行政の一部分だと考えております。
#59
○河崎ナツ君 そういうようなお立場でいらつしやいましたなれば、まだほんの歩き出したきりで人数も少いのでございますが、それがこの表で拜見いたしますと、部門によりまして、基準局なんか一割八分で認めた、こういうようなことで本当はもつて喰止めていいと思いますが、それに対して二割のところもありますが、婦人少年局は一律の三割の整理の中に入つておるようでございますが、この少い人数で三割といいますと大変少いことになりますが、あの沢山の廣汎な婦人少年局の仕事が、どの程度の仕事ができるかと大変心配いたす一人でございますが、その点について大臣にどういうようなことでやるかということをお聽きしたい。
#60
○國務大臣(鈴木正文君) 私共も、その点では婦人少年局の出発以來日も浅いその事情も十分承知いたしておるのでありますが、今度の行政整理につきましては、一應ここで落ち着かざるを得なかつた。將來に向いましては御指摘のような面の重要性を考慮いたしまして善処いたしたいと思います。
#61
○河崎ナツ君 一應経済の面から仕方がないというところにお立ちになつていらつしやいますけれども、婦人局の人数を地方と合せましても、整理いたしまして、ここで整理したがために私共の計算でほんの少ししか、便宜整理の方だけといたしましても月に五十万円、年に六百万円のここだけの儉約になります。この儉約から日本の今まで使つておられますところの勤労婦人と一般婦人大衆がじりじりと立上つておりますので、やはりアジアの婦人、世界の婦人から比べまして非常に遅れております日本の婦人の面におきましての、この啓蒙、推進、保護の手が年六百万円の國家の儉約でこの大きな面が弱められることにつきましては、非常に基準が変え難いと思うのでございますけれども、その面につきまして大臣のお考えを伺いたいと思います。
#62
○國務大臣(鈴木正文君) 敢えて六百万円、或いはそういつたことだけではなかつたのでございまして、勿論今度の行政整理は國全体といたしましては、財政的の面から將來に亙つての整理、節約ということも、一つの大きな問題の角度であつたのでありますけれども、婦人少年局関係の六百万円自体にそう拘わつたのではないのでありまして、一應國策の全体の線から見てこれを諒としたいということに過ぎないのでありまして、將來に当りましても、更に先程も申しましたように十分の考慮を現実に即していたしたいと思つております。
#63
○河崎ナツ君 もう一言、將來は將來でございますけれども、この三割、特に婦人少年局を三割の線に置かなければならない、基準局の一割八分、或いは統計関係の方の二割というようなそういう手心もございますのですが、まだ歩き掛けたときに三割と言いますことは、生れなかつたつもりでもう一遍やり直すぐらいの影響になるかと思いますが、この点につきまして、もう少しこの割合を低く止めるというようなことにつきまして、御相談の余地はないものでございましようか。もう一應その点について伺わさして頂きまして、安心して貰つたり、心配すべきことは將來本氣に心配いたしたいと思つております。
#64
○國務大臣(鈴木正文君) 他の部門それぞれ、これは例えば統計関係は、大体二割というようなことは、各省を通じての一つの行政整理中の原則でもありますし、それから基準関係の件につきましては、先程申上げました通りでございます。一般的には三割というのが原則であり、その点につきまして婦人少年局の関係はその原則を適用したのでございますが、ここに折衝に当つた方がおられますけれども、この面につきましては話合いはいたしましたけれども、一般的の基準をこの際是非承知して欲しいという話でありました。向うの労働委員会が始まりましたからちよつと失礼さして頂きます。できるだけ早く帰つて來ます。
#65
○國務大臣(本多市郎君) 先刻の木下委員の御質問に御答弁申上げたいと存じます。政府は二割、三割という方針を立てながら、これを結果から見ると、大分この方針と数の上において違つているが、これで一貫してやつたと言えるかというような意味の御質問でありましたが、御承知のように一般関係は三割、特別基準関係において二割というのが目途でありまして、大体この目途の下に各省、各廳の実情に副うようにやるというのが方針であつたのであります。この目途を以て各省、各廳の事実を調査いたしまして、その通り適用できるようなところはその通りに適用してやる。更にこれを緩和しなければならないところ、或いは全然除外視されたようなところも生じで参つたのであります。その例の最も顯著なものは、学校等におきまして講座を持つ教職員のごとき、どうも定員の減らしようがないという事情にぶつかつたり、或いは厚生省の病院関係におきまして、これ以上はどうしても交替勤務の関係等でできないというような面も発見いたしたり、或いは更に試驗研究機関等におきまして、特に技術面等において、これは原則通りこれだけ減員することは適当でないというふうな、全体を更に考慮いたしました結果、実情に副うために調査審議いたしました結果が数においては、原則が一貫されておらないように見えるわけでありまして、どこまでも目途は目途として、この審議に当つたのでございますけれども、そういう事情でこういうことになつて來たということを御了解願いたいと思います。併し労働大臣から四十万ということを示されたが、それが大変減つているじやないかというようなお話もございましたが、労働大臣の示された数は恐らしくこの中央官廳のみではなく、尚公團、地方公共團体等の人員の整理も当時やはり見込まれてよく新聞には数字が出ておりましたので、こうしたものを含めますと五十万以上になるから、その五十万以上の退職、まあ当時もやはり言われておつたのでございますが、そのうちの実人員が幾ばくにより、その実人員が、退職した人達が働こうとしても口がないというので、現実の失業者は何名くらいになるであろうというようなことを研究されて数字が出ておつたのでありますが、これは今回の政府の行政整理の結果もその当時とは違つて來ております。又その結果に基く数字は労働省の方で見込まれて更に案を立てられるものと考えております。
#66
○木下源吾君 最初の見込は二割、三割だけれども、実際やろうとするところの実情に照し合せてこの定員を今度出したのだ、こういうようなお話は了承できますが、どうも私は実情を愼重に調査をして、そうして出されたということをしばしば言われますが、そうではないように考えられてしようがない。そこなんです、ですから非常に不公平ができたり、あなたはしばしば言われる、これは國家のためだというけれども、私共はこういうやり方は國家のためにならないと思う。私はこういうように考えておるのです、まあ一例を申上げますというと、実は氣象関係でありますが、この氣象関係の中で定点というのがあります。現存定点の関係はどうなつておるかというと、一隻約五百トンの船が五隻あるのですが、どうしてもこれは十八名一隻に乘つていなければいかん。現存でも十六名より乘つておらない、平均してもつと少いのだ。この仕事をやつて行くためには、陸上の事務系統にどうしても観測データを整理したり、或いは進駐軍に報告したり、いろいろする人員というものは相当多数要るわけでありまして、どうしても四十五名は必要である。或いは観測に対しても十名、而もこの十名は六月頃になるというと南方の方へ行かなければならないので、これも亦増員しなければまだ完全にできないのである。尚この仕事をやるためにはまだまだ現在より殖やしても完全に行かないばかりではなく、今度のようなことをやられたのでは仕事に全然ならない。こういうことは大体詳しく申上げれば数字的なことが沢山出て参りまするが、これは恐らく一般の人達は非常に関心が薄い問題でありまするが、この実情を私はすつかり調査をいたしましたのですが、今度の整理の結果では到底何も実効を挙げることはできぬというまでに打ちのめされてしまうわけなんです。成る程氣象関係のこういうことは、直ちに口に入れるものではありませんし、飲むものでもございません。生活に直ぐ必要なものではないようでありますが、併しこの氣象の仕事のために、どのくらいのつまり経済的には一千万円或いは何百万円という利益を蒙むり、又一般の生産、つまり農業であろうと、漁業であろうと、生産に直接これが役立つておる仕事であると我々は考えておるのでありますが、こういうようなところを一部分実際に我々が当つて見まするというと、これは日本の國を破壞するものだということを強く我々は考えるのであります。
   〔委員長退席、内閣委員会理事中川幸平君委員長席に著く〕
でありますから、こういう必要なものについて実際に当つておられるならば、私は今度のような数字は出て來ないのではないか、こう考えるのであります。本当にあなたがおつしやるように、これは國家のためである。実績その他を勘案して、これをおやりになるのだ、こういうことが眞実で言葉通りに裏付けられておるならば我々にも賛成なのであります、幾度ここであなたと押問答をいたしましても、これは政府の方針で目途で進んでおるのだ、現実に首切るのが現業官吏である、その方でやつたらよかろうということからである。こういうように大臣諸公に聞いておるのでありますが、聞けば聞く程、更に内容に進んで行きますると、仕事という面に行きますると、財政の面ではただ表向きは財政は上から來るのでありますけれども、本当の仕事の面に行けばこれはできないという面が多々あるのでございます。この点について一つ私は今出されておる定員法の定員の数だけを決めるということに非常な不安を持つ。又將來直せばいいじやないかと言われるけれども、現に今決めたためにあらゆる仕事が破壞されるという面、恐るべき結果が多方面に現われることを我々は考えなければならないのですが、本多國務相は尚確信を持つて実情に即して我が國のために現在與えられておるところの生産、こういうものを維持するために、又國民生活安定のために、これはどうしても必要だ、かように考えておられるか。これは一應もう一遍お聞きしまして、これは本当に今までのようなお答えであるならば、私はもうそれで観念しますけれども、本当にあなたが國を思われ、そうして日本の産業を、日本の生産を、経済を安定し復興せしめるという見地に立つて、それをどうしてもおやりにならなければならない、こういう考えについて一つもう一遍信念を承わりたい。
#67
○國務大臣(本多市郎君) 実状を調査して、その実状に副うようにと申上げたのでございますが、これは勿政府機関を通じての調査でありまして、その各省各廳の実状について最も詳しい調査をできるものは各省各廳であります。主管大臣を通じまして、この程度の整理ならば後の仕事は支障なくやられるという確信の下に決定したのでございますが、ただ定員法は御承知の通り本省と外局とを区別しただけでありまして、小さな部局に対する人員の区分の配置は、各省大臣が権限を持つておることになつております。各省大臣は恐らくその権限によりまして配置よろしきを得まして、支障なく各省各廳の事務を遂行されるものと確信いたします。今回の行政整理が國家を破壞するものであるかどうかという御意見に対しましては、私共愼重に調査し考慮いたしました結果、この程度のことはどうしてもこの際断行する必要があるという確信の下に提案いたしておるのでございまして、これが必ず日本再建のお役に立つことと存じておるのでございます。
#68
○木下源吾君 只今各省大臣がこれでやつて行けるということを言われておると言いますが、現に今労働大臣もここを立つて行く前に、自分には確信がないけれど、大多國務大臣の方からこう言われるのでしようがないからこうしておるのだというような意味のことを言つておるのでありますが、どうも私はこの辺の割切れないところは……これは本多さんなら割切れるかも分らんが、我々はどうも割切れないものですから、これはこれ以上お話申上げても仕方がないと思いますので打切つて置きますけれども、この氣象の問題の点について是非氣象台長に一つ來て頂いて、あなたも御同席して頂いて、今やつておるところの仕事が維持できるのかどうか、こういうことを聞いて見たいと思うのです。
#69
○大山安君 先程から御熱心なる御質問を承つておりましたが、一体定員法は占領政策上の指示、つまりその一部になつているのですか、定員法というものは、……それとも占領政策に関係なく政府が單に國家のためとして立案されて提出されたものであるか、それを伺いたい。
#70
○國務大臣(本多市郎君) これは関係方面より占領政策として指示されたものではございませんし、占領政策に入るものでは勿論ないと思います。政府といたしまして自主的に遂行しようといたしておるのでございます。
#71
○羽仁五郎君 さつき労働大臣が答弁されたお答えは、実際不誠意な答弁だと思います。労働省の政府委員もおられますから、本多さんにこういう行政整理が國を滅ぼすものではないかどうかを一遍聞きたいのですが、労働基準監督官の監督業務実施の成果は監督月報によつて明らかであります。この月報によれば、昭和二十二年二月から七月までの監督実施事業総数八万三千九百五十三、そこで違反の件数が十八万三千九十八あるのです。これは僅かこれだけの間に基準監督官が八万の工場を見て歩いて約十八万の労働基準法違反がある。この労働基準法があるということは労働者が虐待されているということですね。それからこれが僅か五ケ月間に八万の工場を見て歩いて十八万の労働者が虐待されているというのですが、これがさつき言うように三年以上に一遍しか行けないとすると、大体八万の工場で以て十八万なんですから、七十万の工場であるならば、概算してこれが約十倍となるならば違反件数は百八十万、二百万に近い違反で労働者が虐待されているということが……場合によつては二年三年とそのまま放置されているのです。それからさつき河崎委員が質問されたように、婦人少年局においては約百五十人の人で以て、それで少年が虐待されていないか、女性が女性の生理に障害を起さないような労働條件に置かれておるかどうかということを見て歩くということは事実上できませんよ。あなたが事務に支障がない、能率に差支ないと言われても、それはできることじやない。百五十人ばかりの人ではどうにもならん。日本全國の子供や婦人に重労働をさせ、或いは身体が冷えるような労働をさせられる。だからこれをおやりになるというならば、民自党の現内閣がこのまま女は病氣になつても構わない、女が冷えて子供なんか生まなくても構わない、労働者は虐待されても構わない、そういうことは亡國的な政策じやないかというのです。こういう点を十分お考えになつて、労働大臣の今のような基準局な婦人少年局の二割乃至三割というものは折衝されて節減をなすつたのかどうか、これをお聞きしたいのです。
#72
○國務大臣(本多市郎君) 労働大臣が何か政府と違つた氣持を持つておられるというようなことを前提としてお話がありましたが、労働大臣はこの定員を以て支障なく事務を処理して行けることを確信しておられると私は確信いたしております。この労働大臣の確信に基きまして、政府の全体の意見も決定したのでありまして、只今のような実情もございましようけれども、いろいろな工夫努力によりまして、支障なくやつて行けると信じております。
#73
○委員長代理(中川幸平君) ちよつとお諮りますが、速記が次へ行くことになつて、ここに速記は來んことになるかも知れませんからどうぞ……。
#74
○木下源吾君 先程私が申上げて置きましたが、念を押して置きますが、氣象台の台長も一つ來て貰うように要求して置きます。成るべく早い機会に……。
#75
○委員長代理(中川幸平君) 次の委員会に……。
#76
○木下源吾君 成るべく早く……。
#77
○カニエ邦彦君 これは先程堀君からも質問があつたのですが、今回の行政整理によつて生ずるところの退職者の退職金の問題ですが、これはまあはつきり先程まだ今交渉中で分らないという御答弁があつたのですが、併し大体政府としてどのくらいやるかという的確な数字でなくとも、大体お考えになつておる数字は一体どのくらいのものでございますか。
#78
○國務大臣(本多市郎君) 退職手当の総額については今資料を持つておりませんが、個人々々の受くべき退職手当の基準については、大体最前申上げたと存じます。一年未満の人、二年未満の人、三年未満の人というふうに、やはりこの辺まではどちらかと申しますと、全体の平均よりも高い率になるように考えております。それから上、恩給それから共済組合の給付金等も睨み合せます関係から、高額の人においては恩給、共済組合給付金は今まで通り、これはもう法律通りでありますが、それと睨み合せる関係で二割五分、高額の者になれば三割ぐらいずつ退職手当金額が減つて行くように落ち着くのではないかと思つております。これが私の今日答え得る精一杯でございます。
#79
○カニエ邦彦君 大体額にするとその場合はいろいろ違うのですが、平均にすると一体何円ぐらいになるのですか。
#80
○國務大臣(本多市郎君) これは今のところ退職者は退職年数の平均をとつて計算の基礎にいたしております。それから行きますと、平均したところで六、七ケ月になるんじやないかと思つております。或いはそれより少し上になるかも知れませんが、そんなところではなかろうと思つております。
#81
○カニエ邦彦君 これはこの前の委員会にも今度の委員会にも、大臣が政府としては聊かもその基本的な人権を曲げていないのだ、憲法の精神には反したようなやり方はしていないんだということを言われたのですが、今回の措置に当つて退職者が大体どのくらいできるかということは、すでにもうこれは分つておることでもあり、又その数もしばしば発表されておることでございますが、肝心の退職者の退職金のその額が未だにはつきり決まらない、而もまだそれを決めていないようなことで、言い換えますならば、労働者は首を切るんだ、首を切ることは容赦なくやるんだが、首を切つた者を一体どうするんだ、どこへ持て行くんだ、又どこへ入れるのかというような後者の場合の始末のことも考えることなくして、今回の行政整理をどんどん進めておられる。かようなことでは非常に労働者の基本的な人権を尊重しておるというような理由に私はならんと思います。少くとも首を切る限りにおいては、首を切ることもよろしい、併しながら切つた労働者に対して納得の行けるような一つの方法を先に講ぜられて置くべきが至当でないか、こういうような点からしても、いろいろとしばしば問題になつておるように、政府が労働者の立場なんかはどうでもいいんだ、切る者さえ切ればいいんだ、かようになれば切捨御免で、後は野となれ山となれというようなことになるように考えるので、この点において政府が聊かも労働者のいわゆる基本的な人権を曲げていないということにはならんと思いますが、どういうわけでこういうことをやられたのか、その点について一つ大臣の責任ある御答弁を願いたいと思います。
#82
○國務大臣(本多市郎君) 政府といたしましても退職する人達に対して適当な退職手当が出せないということでありましたならば、この行政整理の問題は根本的にこれは考慮しなければならんと思いますが、適当な退職手当は必ず出せるという確信をいたしておりますので、何ら支障なくこの行政整理は遂行できるというのが結論であります。更に退職を実行するときまでにその退職手当の問題が解決しないというような見通しも持つておりません。この御審議の中でも重要な要件でありますから、御審議を終るまでにはこの数字を明らかにしなければならんと考えております。退職を実行するときには必ず適当なる退職手当は出せるという確信の下に提案いたしておる次第でございます。
#83
○堀眞琴君 その問題に関連してお尋ねしたいんですが、適当なる退職金をお出しになるというんですが、その適当なるという、適当の基準のあらましでもお示し願いたいと思います。
#84
○國務大臣(本多市郎君) 基準は最前最上げておつたその方針に基いて、只今関係方面と折衝中でございます。
#85
○堀眞琴君 この問題につきましては、確か行政機構刷新審議会の失業対策の要綱の中にも五ケ條か六ケ條勧告案となつておると思いますが、あの第一の項を見ますというと、確か民間企業との釣合いを考慮するということになつておると思います。その点についての御考慮をなされておるのでございましようか。
#86
○國務大臣(本多市郎君) その点につきましても考慮して率を決定するつもりでございます。
#87
○堀眞琴君 民間企業の方面と、それから今度政府で出される適当なる退職金との割合といいますか、比率といいますか、そういうものについての資料を即刻お出し願いたいと思います。民間企業と申しましても、代表的なところでよろしうございますが、是非それをお願いたしたいと思います。
#88
○カニエ邦彦君 今回の行政整理に伴なつて、一体どのくらいの大衆課税の軽減ができるかどうかということをお伺いしたいんですが、大体の額でよろしうございます。
#89
○國務大臣(本多市郎君) これは昨日大藏大臣が答えた通りでありまして、今回の行政整理の結果の國費の節減は、これは総合的に予算に影響して行くのでありまして、これによつて勤労大衆の勤労所得税に幾ら響くという計算はいたしかねると思います。
#90
○赤松常子君 ちよつと本多國務大臣にお尋ねいたします。駐在員として出ております人から、今度の問題が起きてから、こういう行政整理に反対してはいけないといつたような通牒が出ているやに聞いておりますが、それは労働省関係の方でございましたから、私は労働省の秘書課長かと存じましたけれども、そうでない内閣の官房秘書課長からというようなお話でございますけれども、そういうことが出ておりますことを御承知でしようか、如何でいらつしやいましようか。
#91
○國務大臣(本多市郎君) 恐れ入りますが、もう一回お願いします。
#92
○赤松常子君 行政整理に関係して、いろいろ地方の出先の公務員に対し行政整理に反対をしてはいけない、騒いではいけないという通牒が秘書課長の名前で出ているというのでございました。それは私の聞いたのが労働省関係の人でございましたから、労働省の秘書課長から出たのかと思つて、先程鈴木労働大臣に伺いましたが、労働省からは出ていない、内閣の秘書課長から出ているというお話でございましたが、御承知でいらつしやいましようか。
#93
○國務大臣(本多市郎君) 今回の行政整理に際しまして、各地方の出先機関等から非常に陳情がありまして、これが或いは出先機関の職員等といろいろ計画して行われているのじやないかということで、そういうことであるならば、誠に好ましからんことであると考えてはおりますが、まだそういうふうな通牒を出したということは私は聞いておりませんので、調べまして次回に御返答申し上げたいと思います。
#94
○赤松常子君 では鈴木労働大臣のおつしやいますこととちよつとかけ違うようでございますが、はつきりしたことを御返事願いたいと存じておりますが、私今申上げまして、又本多國務大臣のおつしやいましたように、連絡して云云というような、そういう問題ももとよりでございますけれども、皆さん首になるということについては非常に敏感でございますから、勿論そういうことに対しての要求や、或いは意見もおありでしようけれども、私の聞いておりますことは、最も仕事を愛し國家のこれからの動向に対して、本当に責任を持つている方の声といたしまして、折角これまでお仕事をしているのにこれがこのまま中断され、或いは職員が減らされてうまく行われ得ないというような結果は、一体どうなることであろうか、そういうことに対する実に純眞な國を思う心配の御意見も随分あるのでございます。そういうことにすら一切要求がましいこと、或いは自分の進退に対して意見を言つてはいけないというようなことまで通牒に含まれているやに聞いておりますけれども、一体どういうふうに考えていらつしやいましようか。
#95
○國務大臣(本多市郎君) 通牒の点は、私は聞いておりませんので、先ずその通牒を出したか、出さないかを一つ調べてお答えいたしたいと思います。
#96
○委員長代理(中川幸平君) 本多國務大臣は衆議院の方にお出でになるそうですから、労働省の政府委員に何か御質問がありますか。
#97
○羽仁五郎君 昨日の私の質問に対して、大藏大臣が御答弁されました趣旨は、私共は納得していないのです。從つて今日それをお繰返しになつたのですが、我々が納得したのだと思つてお繰返しになつては困る。言うまでもなく、行政整理の質問は或る意味において輿論です。併しその輿論の正体は、輿論の実体は何であるかというならば、それは大衆の課税は重過ぎるということにあるのです。從つて輿論に應えて行政整理をやるような形をなさりながら、その実際において大衆課税を軽減しないで、それを一部の利益のために課税されるならば、これは輿論を欺くものだと言わなければならない。昨日の大藏大臣の答弁は納得しておりません。從つて今の本多さんの御答弁も我々は納得しておりません。(「暫時休憩」と呼ぶ者あり)
#98
○委員長代理(中川幸平君) 休憩するとあと幾らも時間がないでしよう。
#99
○カニエ邦彦君 煙草を喫みながら話をすることに……。(羽仁五郎君「議事進行について」と呼ぶ)
#100
○委員長代理(中川幸平君) 本多國務大臣は衆議院の方にお出でになりますから……。
#101
○國務大臣(本多市郎君) 明日聞いて参ります。
#102
○赤松常子君 どうぞお願いいたします。
#103
○羽仁五郎君 さつきの問題が結局よく分らないので、労働省の労働基準局長、それから婦人少年局長に出て頂いて、はつきりしたことを伺いたいと思います。
#104
○堀眞琴君 やはり議事進行に関して……労働基準局長に是非出て貰いたいと思いますが、同じような問題が農林省の食糧管理局の方面に昨日問題になつたのでありますが、あの問題についてももう少しお尋ねしたいと思いますから、是非とも食糧管理局の責任者に出て頂いて、質問させて頂きたいと思います。
#105
○委員長代理(中川幸平君) 労働省関係だけについて、大臣がおられませんけれども、局長がおられますからどうぞ。
#106
○羽仁五郎君 労働基準局長が御出席ですから伺いたいと思います。さつきの討論をお聞き下すつたと思うのですが、労働基準局としては責任を以て日本國民及び國際労働階級に対して労働基準行政をこの行政整理の結果による定員で遂行できるというお考えですか。
#107
○説明員(寺本広作君) 先程労働大臣から縷々申上げられた通りでありまして、一般の行政整理に対して労働基準監督官については特別の考慮を拂われたものでございまするし、監督官の減少によつて多少從來通り行かん点もございまするが、その点は監督官の努力によつて労働基準法を國際的に恥かしからぬように実施して行かなければならんものと思つております。
#108
○羽仁五郎君 局長にもう一遍お尋ねしたいのですが、これは私は疑いもなく國際問題になると思うのです。ですからそういう点も十分お考えになつて……日本の労働行政というもの要するに僞善であるという指摘を受けたときにはどうなるか。婦人少年局の場合もそうですが、百五十人ばかりの者で少年を虐待から護り、婦人を護るなんということはこれは僞善ですよ。又労働基準局の場合でも、この二千人で以て七十万の工場の労働者を護るということは、それはまあ御努力なさるという御苦衷には御同情申上げますけれども、客観的によそから見れば、オブジエクテイヴに見ればこれは僞善だと言わなければならん。そうすれば現内閣は労働行政をやると称して労働基準局を置き、婦人少年局を置いていながら、実は何もしないつもりであるという批判を受ける。又事実もう新聞紙で絶えず傳えられるように、労働基準の違反事件がさつき申上げたような数で、これはあなたの方で御発表になつた数字ですからよく御存じだと思いますが、こういう違反事件が実に多い。それから又少年と婦人の虐待の事件も実に多い。ですからどうかもう少し考え直して頂くことはできないのでしようか、どうでしようか。
#109
○カニエ邦彦君 議事進行に関して。労働大臣がもうなく見えると思いますが、それまで暫時休憩して下さい。
#110
○委員長代理(中川幸平君) 休憩という御意見でありましたが、この辺で散会することにいたします。
   午後四時十二分散会
 出席者は左の通り。
  内閣委員
   委員長     河井 彌八君
   理事
           カニエ邦彦君
           中川 幸平君
           藤森 眞治君
   委員
           河崎 ナツ君
           城  義臣君
           下條 康麿君
           新谷寅三郎君
           鈴木 直人君
           堀  眞琴君
           三好  始君
  人事委員
   委員長     中井 光次君
   理事
           木下 源吾君
           小串 清一君
           宇都宮 登君
   委員
           赤松 常子君
           大山  安君
           東浦 庄治君
           羽仁 五郎君
           岩男 仁藏君
  國務大臣
   労 働 大 臣 鈴木 正文君
   國 務 大 臣 青木 孝義君
   國 務 大 臣 本多 市郎君
  政府委員
   総理廳事務官
   (総裁官房長) 岡部 邦生君
   中央経済調査廳
   次長      田中己代治君
   総理廳事務官
   (経済調査廳官
   房会計課長)  山口鐵四郎君
  説明員
   労働事務官
   (大臣官房秘書
   課長)     中西  實君
   労働基準監督官
   (労働基準局
   長)      寺本 広作君
ソース: 国立国会図書館
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