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1949/03/26 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 労働委員会 第1号
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1949/03/26 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 労働委員会 第1号

#1
第005回国会 労働委員会 第1号
昭和二十四年三月二十六日(土曜日)
  ―――――――――――――
 委員氏名
   委員長     山田 節男君
   理事      一松 政二君
   理事      平野善治郎君
   理事      早川 愼一君
           原  虎一君
           村尾 重雄君
           田口政五郎君
           森田 豊壽君
           門屋 盛一君
           竹下 豐次君
           田村 文吉君
           波田野林一君
           水橋 藤作君
           平野 成子君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公共企業体労働関係法の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
○派遣議員の報告
  ―――――――――――――
   午前十時二十八分開会
#2
○委員長(山田節男君) 只今より労働委員会を開催いたします。
 先ず第一に、今回政府から提案になりました公共企業体労働関係法の一部を改正する法律案、これにつきまして政府委員より提案の理由の御説明をお願いいたします。
#3
○政府委員(宿谷榮一君) 只今議題になりました公共企業体労働関係法の一部を改正する法律案について提案の理由を御説明申上げます。
 公共企業体労働関係法は、附則第一項におきまして、本年四月一日から施行されることになつておるのでありますが、今回行政機構の整備等に関連いたしまして、公共企業体の発足を六月一日といたし、これに関連して日本專賣公社法及び日本國有鉄道法の施行を六月一日に延期いたしまする法律案を別にこの國会に提出いたしましたので、これに符節を合せます必要上、この法律案を提出いたし、公共企業体労働関係法の施行を六月一日に延期いたしたいと存ずるのでございます。
 以上誠に簡單でございまするが、この法律案の提案理由の御説明を申上げました。何とぞ御審議の上速かに成立いたしますようお願い申上げます。
#4
○委員長(山田節男君) 只今宿谷政務次官から提案理由の御説明がございましたが、この只今の御説明に対して何か御質疑ございませんか。つきましてはこの法律が四月一日から施行されるという建前になつておりますけれども、六月一日までに延期するのでございますから、本日衆議院で午後この審査がございまして、午後参議院の方に本付託になる予定でございます。つきましては來週の本会議にこれを提出する都合もございますので、來週早々本付託になりました後に又御議願うことにいたしまして、この法律提案の理由につきまして御質問ございませんでしようか……ないものと認めます。それでは十時半から本会議が始まる予定になつておりますので、特に今日は緊急質問並びに副議長の選挙がございますので、議事散会後に又開会いたしまして、去る休会中の労働調査員の報告、それに附随しての政府委員に対する質問、その他本委員会の運営等に関する議案がございますので、議事散会後に労働委員会を再会いたしたいと存じますが御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山田節男君) 異議なしと認めまして、暫時休憩いたします。
   午前十時三十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時三十五分開会
#6
○委員長(山田節男君) 只今から午前中に引続きまして労働委員会を再開いたします。
 先ず、水橋委員から先月自然休会中に、労働委員会の調査班としまして中國、四國を廻りましたのですが、それに対する調査の御報告をお願いいたすことにいたします。
#7
○水橋藤作君 私共一行は、去る二月の十八日から十二日間に亘りまして中國、四國を視察したのであります。目的は労働事情につきましての調査でありまして、その一行は山田委員長と私、その外に参議院事務局から長崎主事さんと、労働省からは池田事務官が案内役として同行されたのであります。
 先ず、岡山を振出しにいたしまして、岡山の労働基準局、公共職業安定所、同じく地方労働学校、同じく岡山では労働基準監督署、それから岡山縣議会議事堂で労資懇談会を開いて一日の日程を終つたのであります。
 それから廣島へ参りまして、三原車輪工場を視察したのであります。それから東洋レーヨンに帝国人絹、尚又その人絹の宿舎等を視察して第二日目を終つたのであります。それから廣島縣の三原公共職業安定所、同じく三原の労働基準監督署、それから三原の労政事務所、廣島の労働基準局、廣島縣廳等を視察して、廣島の三菱造船所へも参つたのであります。それから廣島の公共職業安定所も視察して参りました。そのたびに局長及び課長皆さんから事務状況を具さにお伺いし、又資料もいろいろ出して頂いて、各委員に配付する手筈になつております。愛媛では東洋レーヨンを視察し、それから愛媛縣廳の知事室において労資懇談会を持ちました。それから高知へ行きまして、紙工場を視察いたしまして、それから縣廳で労資懇談会を持ちました。それから労働部長室で各部長さん及び係官と懇談会を持ちました。高知の公共職業安定所も視察して参しました。それから同じく高知では労働基準局も視察したのであります。それから徳島へ行きまして阿波池田の労働基準監督署を見まして、池田の公共職業安定所及び池田の労政事務所を視察いたしまして、縣知事の官舎でいろいろ縣の係官と懇談をしたのであります。それから徳島へ参りまして、やはり縣知事室で労働部長及び係官と懇談し、労働基準局も視察し、そうして香川もやはり各労働の担当の事務を各縣と同じように視察して参つたのであります。それで労資懇談会のときに出た御意見なり、或いは担当係官の希望されたこと、又は事務所とか、安定所とか、いろいろな局を視察いたしました。そのありのままをここに書いて持つておりまするが、一応これを読上げまするか、それとも速記にこれを写して頂いて、皆さんが後で十分檢討してお調ベ願つても結構だと思いまするが、皆さんのあれのようにいたしまするが、ただここで係官も來ておられるのですから、二三我々一括して纏めましたものに対してお答え願えれば、ここで質問して見たいと、かように考えますが、委員長どういうようにいたしますか。
#8
○委員長(山田節男君) 今の報告は長いですから、ここは一応委員長報告でこれを本会議に報告いたしますから、今日はこれは一応控えて頂いて、現地で特に要望事項として共通な点を、これを一つ政府委員も見えておりますから質問、或いは要望をしたら結構だと思います。
#9
○水橋藤作君 御質問いたしますが、労働法規改正についてでありますが、労働法規改正は國民の納得の行くような改正をして貰いたいのでありまして、さもないと必ずこの反動が來ると思うのであります。今度の労働法規改正は、あくまでも経済九原則を強行するため、労資相方に対して力の均衡の取れた改正が望ましいが、この所見如何、先ず一つはそれであります。次には、今次の改正案中、労働委員会中立委員の権限が過大であると思うが如何。次、組合專任職員の給料の組合員負担は原則としては結構と思いまするが、現在の組合発展の段階において組合の現実に副わないという声を聞くが、この御意見如何。四、現行法規改正の趣旨が、組合員の自主性を尊重することにある以上、上部団体の指導によつて單位組合が動かされたり、団体交渉の際、上級団体が干渉して單位組合の自主性を失わせることのないように規定すべきと思うが、如何。五、労働協約に平和條項を必ず規定することを明文化する必要ありと思うが、所見如何。労資対等の原則から言つて、使用者測だけでなく、労働者測の不当労働強制に関する規定も必要と思うが、如何。労働者用物資の入手手続の簡素化について、労働基準局、安定所の労働者用物資の購入切符の入手手続を迅速に行うよう簡素化する方法はないか、甚だしいのは三ケ月もかかると聞くが、担当職員をもつと充実しては如何。労働基準監督官の待遇改善についてでありますが、労働基準監督官は、任用資格試驗は相当むずかしいものを課すようであります。にも拘わらず採用後の待遇はよくない、甚だしく矛盾があるのじやないかというふうに我々は考えるのであります。労働基準監督官の待遇を改善するため、経済調査官或いは税務職員と同額の給与を出しては如何。尚、監督官の職務は相当過重と思われるが、税務職員と同一に労働加配米を支給しては如何。監督官には司法的の権限を持たせて、臨檢をより能率的にさせることはできないか。次、安全衛生の資材確保のための労働省の見解。工場、事業場の安全衛生管理のため各企業とも資材の入手に相当苦心しておるが、これらの安全衛生管理を完全に実行するため、労働省が積極的に乘して資材を、マル公で入手できるように幹旋する法方はないか。工場、事業場の各種の汽罐の調査手数料についてお伺いしたい。工場、事業場の各種汽罐の調査手数料は相当多額の收入となつておるが、これらの調査收入金を必ず調査のための旅費或いは一般労働基準監督官の旅費に当てさせる方法はないか。
 次、労働省出先機関の予算の僅少についてお伺いしたい。労働省の出先機関の予算は、一般的に誠に僅少であつて、特に甚だしいのは基準局関係の予算で、監督官の監督旅費まで実に僅少で、監督官は十分な監督ができない憾みがあるのでありまして、円満な事業運営を阻害するものであるが故に、折角よい出先機関を設置しながら、その事務の最低必要限度の経費も賄えない現状では由々しき問題であると思われます。二十四年度予算案もやがて上程されると思いますが、出先官憲の予算経費についての今後の労働省の方針、見解を伺いたいのであります。尚、廳舍の整備でありまするが、新らしくできた労働基準局監督署の建物はまだ整備されていない現状でありまして、これについて今後の見透しと整備の状況をお伺いしたい。又地労委事務局職員の待遇改善について労働省の見解をお伺いしたい。地労委の事務所の職員の待遇改善についての所見をお伺いしたに。地労委会長及び委員の手当が縣によつて相当高低があるのでありまして、如何に副業的と言つても、その職責から考えて何とか是正する意思はないかお伺いしたい。それから地労委と縣労政課との労働行政に対する限界が不明確であると聞くが、この点考慮しておるかどうかお伺いしたい。次に、現在の職業補導所の運営についてお伺いしたいのであります。補導手当が実に僅少でありまして、現在の補導生は大体生活の安定した農村の子弟層が多く、最も問題のある都市地域のものが少いようであるが、何らか生活保障的な方法を購じて、多少なりとも生活が一応安定し、安心して補導が受けられるような、もつと徹底した補導は行えないか、一応生活困窮者には生活保護法も考えられるが、なかなか現実に副わないと思う。この点に関しまして所見如何。補導所に対する國庫補助も、年度当初の予算においては補助額が決定されておるのに拘わらず、漸次補助額が変更されて、縣予算において相当額の歳入欠陷を生じておる。非常に迷惑を掛けておる声が多いのでありますが、これについて労働省の所見をお伺いしたい。それから労働組合規約、労働協約及び資格審査基準に関する次官通牒について質問したいと思います。先般民主的労働組合及び民主的労働関係助長のためと称し、組合規約、労働規約に関する指導要項並びに労働組合の資格審査基準について、労働次官通牒なるものが出された。これらのものは現在の組合を弱体化し、彈圧するものであるとの声を聞くが、かくのごとき重要な政策を何ら國会に相談もなく、又組合測の声、いわゆる意見を聞くことなく、ただ一遍の次官通牒を以て一方的に押付けるようなことは納得が行かない、了解に苦しむのでありまして、これが発せられたについての今までの経過を、労働省の今後の労働組合の指導助成方針を伺いたいのであります。
 次に、労働教育のための資料配付、印刷物が地方の労政事務所に十分に行届いていないということでありますが、完全なる労働教育がなされていない。労働教育の方針と実際を伺いたいのであります。尚、労働会館設置のため相当額の國庫補助を貰いたいという声があるのでありまするが、縣予算に経費を計上せるに、突如として國庫補助が断ち切られ、縣予算の上に多額の歳入欠陷を生じておるが、これについて労働省として、如何なる手を盡されるかお伺いしたいのであります。次に、労働基準法の適用についてでありまするが、現行の労働基準法をこのまま施行を継続して行くと中小企業は成立たないと思われるが、原則は原則として、運用の面で十分考慮をでき得る余地があると思われるが、特に年少者、婦人に対する基準法の適用について労働省の方針を伺いたいのであります。これにつきまして一つの極端なる例を聞いたのでありまするが、漁師が網を曳く際に、自分の小供が魚を取る網の繩につかまつて引張るのが基準法違反であるというようなこと。もう一つの例は年に一回お祭りのあるそのお祭り場で、時間外、つまり夜明しで商いをしたり、電車の運転をすることは基準法違反である。これは違反には相違ありませんが、そうしたことが、この基準法を強行することによつて、いろいろな事情もあるであろうし、又法の適用によつて何とかそれを左右できるものでないかとも又考えられるので、こういう方面の御意見をお伺いしたい。
 それから労働委員会の経費に関する國庫補助の大幅増額についてでありまするが、その理由といたしましては、縣側において國庫補助の小額なることを理由として、委員会運営上の最低必要な経費すら計上して貰えない。旅費、消耗品の不足等は委員会としてその機能を発揮するのに非常な困難を來しているのであります。この点労働省の見解をお伺いしたい。それから労働基準監督機関は行政整理の枠から除外されたいことでありますが、理由は監督業務の労働過重及び一般労働関係に内在するところの封建的な思想を拂い除けるためであります。縣廳への統合には絶対反対のこと、理由は地方ボスの運動を許容することになつて、監督方針の不統一を惹起する虞れがあるというのでありまして、労働條件低下の基因となる機運を米國労働次官補の意見、乃至は昭和二十一年八月二十五日GHQより発表された労働保護立法に関する勧告の趣旨にも反すると思うのであります。大体においてこれに対しての御見解をお伺いして我々は又参考にしたいと思いますので、お願いいたします。
#10
○委員長(山田節男君) 只今水橋委員から過日の九州、四國地方の調査事項、調査の結果政府に対する御質問がごがいましたが、尚私も同行いたしましたので、この際政府委員の方に御注意を附加えて申上げて置きますが、この労働基準監督局関係の安全、衞生施設の資材の特別配給というのにつきましては、岡山縣、それから廣島縣、その他数縣からこれに対する労働委員会、國会を宛てての特別の建言、まあ請願書が参つております。それから労働基準局の本局並びに事務所、これが非常に困つておるので、これに対して予算の関係等でいろいろ事情があるらしいが、特にこの点について御考慮願いたいという建言書が二通参つております。それから昨年の十二月、並びに今年二月の労働次官通牒による労働協約の指導、或いは組合の資格審査、こういうことに対する又意見書と申しますか、陳情書が数通國会宛に参つております。これは一つお含みの上で御回答願いたいと思います。
 それから今の水橋委員の御質問に加えまして、労災補償保險の問題ですが、殊にこの労災補償保險の経済と言いますか、財政状況が現在どうなつておるのかということを附加えてお伺いしたいのであります。それと同じ意味で失業保險の財政状況、これも一つお伺いしたい点であります。それからもう一つ今回ずつと廻つて見ますると、大体基準局に婦人少年局の分室が置いてありまして、そこに大体三名くらいだと思つていましたが、職員がおられて、いろいろ活動状況を見たのでありますが、どうも基準局の一室を僅か三名の方で婦人少年局の仕事をやるということは、どう見てもこれは私は存在の意義を疑うような……一生懸命やつておるけれども、予算とそれから人員に制限されて十分な活動はできていないということを如実に見たわけであります。これについて労働省は將來どういう対策を持つておるのですか、この点も一つ併せてお願いいたしたいと思います。それから我々今度職業安定所をずつと見まして、女子に対する求人者は割合に多い、併し男子に対する求人者は非常に減つております。殊に四月の新制中学の卒業者に対しては各縣とも殆んど求人者がないというような状況であります。この経済九原則が実施されるにつれて、一般の失業者並びに今度学校を出て就業し得ない者が非常な数に上るということを各縣で聞いたわけでありますが、これに対する今の水橋君が言われた職業補導、それから殊にそういう人に対する就業斡旋ということに対しての具体策があるかどうか、これも一つ併せてお伺いしたいと思います。それでは政府委員から一つ……。
#11
○政府委員(賀來才二郎君) 労政局長といたしまして、只今の御質問のうち、私の所管の問題についてお答を申上げたいと思います。第一に、法規改正について大衆の納得の行く方法を以てやるべきであるという御意見は御尤もでありまして、我々関係当局といたしましては、二月の十四日に一応の試案を発表をいたしました。省といたしましては、「週刊労働」を利用して約八万部の特別印刷物を全國に配付いたしたのであります。続いて二月の二日から東京において三日間、名古屋、大阪、廣島、福岡、仙台、札幌において二日間ずつ、労資或いは学識経驗者その他一般の方々の公聽会を開催いたしました。その外組合主末の公聽会或いは文書を以ての御意見が多数出て参つておるのであります。これらの御意見を取得るものは十分取入れまして、再度立案をするというふうな手続を取りまして、できる限り大衆の納得の行くような方法を考慮いたして参つたのであります。それからこの改正試案におきまして、中立側が、労働委員会の中立委員が準司法的な事項の審判に当ることにいたしておるのであります。これは御意見のように、從來の労働委員会の行き方からいたしますと非常に責任が大きくなつておるのであります。これに対しまして、公聽会におきまする御意見といたしましては、ただ單に中立側のみが、この審判をやることにつきましては不十分である。やはり労資双方がこの議事に参加して、そうして十分意見を述べ得るように取計うべきである。こういう御意見もありました。この点は第二次の試案におきまして考慮いたしておるのであります。更に中立側には相当な仕事がかかつて参りますので、一面から言いますると待遇をどうするかという問題が出て参るのでありまして、この点につきましては、まだ大藏省との話合は付いておりませんが、目下我々が考慮いたしておりまする方法といたしましては、中立側の過半数の言い分としてはフル・タイムの委員にしてはどうか、それに対しまして法律において、その給与手当のことを法律で規定いたしまして、そうして公務員の新給与法と切離して特別の、別個の待遇を考えるべきではないかというふうな考えがあるのであります。
 次に、第三点といたしましては、上級組合が下級組合を指導することについてであります。この点では二つ問題がありまして、一つは使用者側において上級組合が団体交渉を指導して、そこに出て來ていろいろな団体交渉をやられますと、單位組合においてやる場合は解決付く問題が付かなくなる、これらの点を止めて貰いたい。即ち現行法におきましてもありますように、委任を受けました者が、その交渉に当ることはいかんというふうな意見が一つであります。一つは団体協約で上級組合と下級組合との関係が不明確であるというので、これを明確にすべきではないか、法規においても明確にすべきではないかという意見があるのであります。前の問題につきましては、我々の考え方といたしましては、弱い單位組合、下級の組合がありますときに、上級組合が全体的な指導に当るということは、これは組合の性質から見て当然でありまして、この委任を受けるものを排除するというふうな考え方は持つていないのであります。それから上級下級の労働協約の紛糾の問題につきましては、これは法規において規定いたしますことは、非常に困難な点がありますので、これは飽くまでやはり団体協約自体において解決を付けて頂くべきものであろうというふうな考え方で進んでおるのであります。平和條項を強制規定に入れてはどうかという御意見であります。これは使用者側において特に強いのであります。併し我々の考え方といたしましては、現行法の二十二條に平和條項を入れた労働協約ある場合には、その規定を無視しての労働爭議はできないというふうなことがありまするが、このこと自体がありますために、却て平和條項を入れないような結果になつておる。從つて平和條項につきましては、訓示的な規定を入れる程度であつて、それ以上強い規定を入れますことは適当でないのでありまして、これは組合の自覚と申しますか、教育によつて処理すべきものであるという考え方を持つております。それから不当労働行爲、ただ労働者側の不当労働行爲を規定せよというような点は、公聽会において特に使用者側から強かつたのであります。併し我々の考え方といたしましては、労働者側の不当労働行爲というものは現行法におきましても、法全体の運用、或いは関係法令の運用におきまして、十分対処できることもありまするし、又組合が自覚することによつて、発達することによりまして、これらの点は逐次是正せられつつあるという、三ケ年間の実績も出て参つております。從いまして、不明確な点は明確にするということは考えられまするが、特に労働者側の不当労働行爲を特別に規定するという考え方は目下のところ持つていないのであります。それから次に、委員の手当の問題及び労働委員会事務局職員の待遇改善の問題であります。委員の手当は御意見の通りに、現在各府縣におきまして、それぞれ差ができつつあります。まだ十分とは言えないのであります。この点につきましては、先程申しましたように、今度の改正案につきましては、労働委員の手当というものを法律で決めて行きたい、できるだけ十分なものにいたしたいという考え方で進んでおるのであります。併しこれはまだ先程申しましたように、大藏省との話合は付いていないのであります。地方労働委員会の事務局職員の問題でありまするが、これは現在殆んど大部分が嘱託、即ち現行の公務員から申しますならば、臨時職員というものになつておるのであります。これでは恩給もありませんし、その他一般との待遇、特に職階関係から見ますると、有利でありませんので、公務員法も臨時職員を逐次なくしつつある方向にあるわけでありますから、今度新らしい法案が施行されまするならばこれらの事務局職員を一般公務員と同樣に取扱つて行くというような意味において待遇の改善を図つて行きたい。かように考えている次第であります。それから次には委員会に対しまする補助員のお話がありましたが、これは現在のやり方におきましては、この委員会の経費は國と地方とが分担する、その分担の比率は二分の一ずつというふうなことになつております。併し御指摘がありましたように、現在の國庫の補助は二分の一に達していないのであります。この点につきまして、二十四年度予算におきましては、二分の一は必ず分担するというような方角で進んで参つたのでありまするが、現在の財政状況では非常に困難なる状態にありまして、果して二分の一を実現できるかどうかという点が懸念されているのであります。ただ地方財政法も出て参りました今日でありますので、地方財政委員会の当局と大藏の当局と我々の方とで、この地方の労政関係、特に委員会の経費関係につきましては、はつきりどの点については二分の一持つということで進み得るようならば進みたいと思いますので、その原則論を先ず確立しようという方角に進んでいる状態でありまするが、非常にむずかしい状態であります。それから次に、この組合專從者の給与に支拂停止であります。これは御指摘のありました組合の規約、協約の指導と関連し、或いは資格審査の問題と関連いたしまして、次官通諜が問題になるのであります。この次官通諜につきましては、これは過去三年間におきまする組合法の実施の結果、組合の強力化、即ち民主化、自主化及びその責任性の明確化という点におきまして、まだ不十分な運用のされておつた点がある。特に給与の支拂問題、專從者の抱与の支拂問題及び使用者の利益を代表すると認められるようなものが組合に参加している状況、即ちこの二つが組合を御用化する虞れがあるのでありまして、この御用化を防止いたしまして、組合の民主性、自主性及び責任性を明確化するというためには、もうすでに三年の経驗から、これを現行の組合法を明確に施行する時期に到達したのである。これ以上に組合の御用化ということをそのまま放任して置きますと、今後三原則、九原則というものの関係からいたしまして、いろいろ問題が起つて参ります際に、組合は非常に弱いということは遺憾である。かような意味から從來非常に緩和的に現行法を解釈して参りましたけれども、昨年の終り、一月の初め頃から、これを嚴格に解釈するという建前で、労働省の有権解釈といたしまして、行政官署といたしまして、次官通諜によつて施行いたして参つた次第であります。もとより將來、この通諜以後にできて参ります組合につきましては、これを嚴格に施行する、特に現行法の二條の二項、三項、四項の政治的活動を主とする組合或いは福利事業のみをやる組合というふうなものは、即時これは資格を否認される、又今後できます組合は、この標準によつてやるのである。併し現在ありますところの組合につきましては、これは直ちにこれを施行することが不適当でありますので、組合に理解を求めて、そうしてやつて行きたい。最後的に申しますならば、三月九日に更にこの施行についての通諜を出したのでありまするが、それから約三ケ月の余裕期間をおきまして、遅くとも六月九日までに專從職員の給与の支拂を受けないようにやつて貰いたい。かようなことを考えまして、逐次それが実施に当りつつあります。專從者の給与を打切りますことが、組合を弱めることであるというふうな御意見は、今日の現状においては一応御尤もな点もあるのでありまするが、一方考えますと、現在の労働組合も、本年の夏には國際労働会議にオブザーバーとして招請せられるのではないかという可能性も相当進んでおりますし、逐次世界水準に近寄つて行こう、世界的関係に加わつて行こう、こういうような状況下におきまして、組合が尚使用者側から経費を貰つておるということは、これは適当でないと考えるのであります。ギブソン副長官が日本に來られまして、アメリカに帰つて記者団と会見し、日本の視察団と会見されております一問一答の中に、ギブソン副長官は、日本の労働組合で非常に奇妙なことが行われておる、それは組合の專從者が使用者側から金を貰つておる、こう言いましたところが新聞記者団が、それは組合の最高幹部もそれかと言いましたところが、いやその通りになつておる、こう言いましたところが、記者も非常にこれは全く意外なことである、こういうふうに感想を漏らしておるのであります。從つて現在の賃金状況におきまして、直ちにこの專從者の職員の給与を組合負担にすることの困難、これがために組合が影響を受けるということも、これは考えられますけれども、今日におきまして働らかざる者に対しては支拂わないのだ。又組合の御用化を防ぐという意味において、もう三ケ年間に亘り緩和的に施行して來た以上、今日これを明確化するのは当然である。かような意味におきまして、この支拂を停止するような措置を講じたのであります。電産組合も、本日この意向を汲みまして、六月九日までに專從者の給与を廃止するという原則を確立して取扱うということで、本日使用者と組合との間に最後的な賃金協定が成立いたしましたような状況であります。
 それからその次の問題といたしまして、地方の労政課と労働委員会事務局との事務の協定と申しますか、そういうものがあるやの御意見であります。これは我々もさような事実があるということも認めるものであります。これはどこから來たかと申しますと、現行の労働組合法で、労働委員会の事務内容に、労働事情の調査、それから争議予防というふうなことが入つております。これが労政課の仕事と相関連して参るのであります。これにつきましては、それぞれ範囲を限定して、お互いに連絡は緊密にすべきであるが、重複した仕事をすべきでないということを、しばしば事務局長会議或いは労政課長会議において指示をいたしておるのでありますが、今度の改正試案につきましては、この点は更に明確化いたしまして、労働委員会の責任というものは、これは明確に司法的判定を行うことと、それから仲裁、調停、斡旋を行うことである、而もこれは何らの勢力機関から干渉されず、独立して行うということを明確にいたしまして、その事務の範囲の調整を取つているのであります。次に、労働教育資料の配付の状況であります。これは不十分であるこれも御尤もでございまして、今日までの状況は予算の関係で非常に不十分であつてのであります。併し二十四年度におきましては、これは十分ではありませんが、今までよりも尚多くの資料は配付し得るような予算の大体承認を受けておりますので、一応は改善をせられるという考え方をいたしております。労働会館の補助の問題でありますが、これはまだ國といたしまして確定的に、労働会館に対して國庫補助をやるということを決定いたしたことはありません。併し大体考え方としましては、さような考え方があるということは、米窪さんが労働大臣のときに一応案としてお考えになつたことがあるのであります。併しこの点につきましては関係筋におきまして、國雑がこの労働会館の建設費を補助することはこれは適当でない。してはならいなという方針もありまして、この予算も計上できなかつた関係から補助をいたしていないのであります。地方にはそれが徹底しておる筈でありまして、これがために地方の歳入欠陷が生じたという具体的な例はまだ聞いておりませんが、若しさような事実がありといたしますならば、これは我々の方も全く無責任とは申しませんが、その地方当局者が処置を誤まつたものではないかというふうなことを考えておる次第であります。大体以上で、我々の方の関係の御質問に対してお答えをいたす次第でございます。
#12
○委員長(山田節男君) 午前中に見えておりました局長が、只今衆議院の方へ参つておりますので労働基準局、婦人少年局、職業安定局課長が見えておりますので、説明員としておのおの所管の事項について御回答願うことにいたします。次に基準局の町田充課長。
#13
○説明員(町田充君) 私基準局の町田庶務課長でございます。基準局長が司令部の方によんどころのない用事がありまして失礼いたします。代りに説明をいたします。
 只今監督官の待遇或いは基準局の調査予算その他につきまして非常に御理解のある御意見を伺いまして、私共といたしまして誠に感謝に堪えない次第でありますが監督官の待遇改善につきましては、警察官、経済課査官或いは税務職員と同じ程度の特別俸給表を適用して欲しいという要望が可なりございますので、我々といたしましても、愼重に研究いたしておるのでございますが経済調査官の特別俸給は廃止の氣運にありますし、警察官と同程度の特別俸給表を適用いたしまして、監督官の社会的評價を警察官並みにするということにつきましても、考えなければならない点もございますのでむしろ我々といたしましては、監督旅費或いは超過勤務手当、こういつたものの増額によつて、実質的に待遇改善を図りたい、その方がむしろ適切ではないかというふうに考えてはおりますが、目下のところ利害得失について十分檢討を重ねておる次第であります。労務加配米の件につきましては、我々もその必要を十分認めておるのでございまして、農林省、安本方面とも交渉いたしまして、急速に実現いたしたいと考えておる次第であります。それから労働基準監督署の予算の問題でございますが、地方の労働基準局が設置されましたのは、昭和二十二年五月であります。第一線の労働基準監督署は同年の九月に設置されまして設置当初は相当額の調弁費が計上されておつたのでございますが、当時は何分にも経済界の混乱時とも言ふべき時代でありまして、日に月に物價は騰貴する状態でありましたために、予定の半分をも施設し得ないのが実状でございました。昭和二十三年度におきましても、その余波を受けまして、地方廳から器具の借用を得まして、どうにか立場を過ごしておる実状にあつたのであります。昨年度の末に價格補正予算、それから予備費の配付がございまして、これらの不足もやはり緩和されたかと思つておる次第でございます。監督旅費は七月の運賃値上げに伴いまして、大きな不足を來したのでございますが、價格補正予算、予備費支出、これらの追加がございまして、どうにか本年度の経費が賄なえると、かように考えております。明年度の予算につきましては、物件費としては地方の局署を合せまして、約一億七千万円の予算が認められる見込みでございますが、このうち旅費につきましては約七千万円でございまして、本年度当初計上せられました予算に比べまして、約二・五倍という数字になつておるのでございます。勿論これで十分とは申せないのでございますが、ぎりぎりの最低線でございますが、我々といたしましては、これが配付竝びに経費については、十分効率的に使用したいと、かように考えておる次第でございます。
 次に廳舎の問題でございますが、お説の通り局の廳舎、監督署の廳舎につきましては実に困窮を極めておるのでございます。大体本年度におきましては、局の廳舎は十七を新設いたしました。残りの二十六局のうち大阪府下の二局は國有の元の兵舎或いは軍の倉庫等を改造いたしまして、目下ここで事務を執つておりますので、安定いたしておる次第であります。二十四年度におきましては局は十九、監督署は百三の新設を要求したのでございますが、只今のところ公共事業費の内示がございませんので、如何程予算として計上せられるか、目下のところ不明でございますが、我々といたしましては國家予算の現状に鑑みまして、決して過当な計画を望むことなく、できる限り現状に甘んじて事務の運営を図るように、極力第一線の職員にも要望しておる次第でございます。
 次に、工場、事業場汽罐檢査手数料が相当多額に上つておるが、これらの檢査收入金は、檢査の旅費、監督旅費に充当できないかという御意見でございましたが、汽罐檢査の收入金は大体本年度八百十三万の收入があつたわけでございますが、これは具体的にはこの收入金を以て、これだけは汽罐檢査のための旅費であるとか、或いは監督旅費であるとかいうように、具体的に見合つておるわけではございませんが、総体的に見まして、これらの歳入に見合いまして、汽罐檢査の事務のための予算が大藏省から認められる、こういう関係になつておりますので、実際にはお説の通りこれらの汽罐檢査のための手数料の收入が、そのまま各種のこれらの事務に必要な経費になつておることと存じます。
 次に安全及び衞生資材の公定價による斡旋の御希望でございますが、労働安全衞生規則によりまして、その基準を保持すべき資材につきましては、大改造を要するもの以外については、創意工夫によつてその安全を保持すべきものが可なり多いと思いますので、事業場を臨檢いたしました際にも、その都度具体的に改善を命じておる次第でございます。大改造を要するようなものは、その数は実際はかような事情で、比較的少ないのではないかというふうに考えております。特に労働者に与えるべき一部の保護具につきましては、その所要量を調査中でありまして、その所要量に伴う生産資材の所要量が半明いたしましたならば、直ちに所管当局に交渉の上、枠を獲得する必要があると考えております。基準法の第四十六條によつて労働省、労働基準局長の認定を要する各種の安全装置、これの製作に要する鉄鋼類及び木材、こういうものにつきましては製作業者の製作数量の常に割当基礎となる所管当局に通達いたしまして、間接的に資材の斡旋をしておる次第であります。併し、安全裝置製作に要する資材以外には現在までのところでは、公定による斡旋をしておらないという現情であります。
 次に、労務用資物の配給事務の簡素化について御意見がありましたが、お説の通り、労務用物資の労働者への配給が現在若干遅れておるというのは事実でございまして、誠に遺憾でございます。併しながら、これは訓令第三十一号による配給事務の切換えの過渡的な現象でございまして、関係職員の事務の習熟によりまして、この遅延は近く回復し得る見込みでございます。尚訓令第三十一号の内包いたします事務の複雜につきましては、その簡素化につきまして、労働省としても、研究を進めており、近くこれの改正意見を具申いたしたいと、かように考えております。関係職員の増員につきましては、國家財政の現情に照しまして、現在職員の一層の奮起と努力とによつてカバーするの外はないと考えられる次第でございます。
 最後に、現行労働基準法をそのまま適用しては、中小企業が成立つて行かなくなるのじやないかという御意見でございましたが、我が國の將來の産業におきまして、中小企業が重要な役割を受け持つということは勿論でございます。労働基準法のために、中小企業が成立たなくなるということは、私共としては考えておりません。労働基準法は、労働者の基本的権利といたしまして、最低の労働條件の基準を定めたものでございまして、この程度の労働條件は、企業経営の規模に拘わらず、すべての労働者に保障する必要があるのではないかと考えられるのであります。これは單に國内的な問題ばかりでなく、國際社会の要請するところではないかというふうに考えております。むしろ、一方では労働基準法の施行によつて、中小企業の経営方式の封建的な面、或いは不合理な面が改善されつつあるというようにも考えております。女子年少者につきましても、從來の監督実績によりまして、これらの面に非人道的な或いは封建的な労働條件が多く発見される。この点は是非とも是正して行かなければならないというふうに考えおります。併しながら、中小企業振興のために、積極的な、総合的な工作は、政府全体として考えなければならないということは当然であります。これにつきましては、関係官廳とも十分連絡の上、強力に推進して行きたいと、かように考えておる次第であります。尚労災補償保險の財政状況はどうであるかという御質問でありますが、細かい数字は私、主管事項でございませんので、はつきり覚えておりませんが、最來、この保險は労働者に非常に喜ばれる保險でございまして、保險金支給のモツトーといたしましても、できるだけ速かに拂つてやるということを念願といたしております関係上、從來の経驗に徴しますと、やや濫給の弊がある。災害が起りましても、それを十分に調査せずに支拂うという濫給の弊があるということが相当憂えられておりますので、これがためには、これが対策といたしまして、労災保險に從事します職員の数を増加いたしまして、災害が起りまして、現地に調査に赴いて、その結果妥当な査定をした上で支給する、濫給の抑制ということについては十分の考慮を拂つて行きたい、かように考えておる次第でございます。只今の御質問の中で、私共の特に関係することにつきまして、局長に代りまして御答弁いたします。
#14
○委員長(山田節男君) 私が水橋委員の御質問に対して附加えた点ですね、ボイラーとか、クレーン、起重機の檢査料金は大藏省に印紙で納めることになつておりますね。
#15
○説明員(町田充君) はあ。
#16
○委員長(山田節男君) そうすると、今のあなたの言われたのは、八百十三万円という檢査料金は、これは大藏省に入つて、更にこれが労働省の方へ還元される建前になつておりますか。
#17
○説明員(町田充君) そういう建前ではありません。
#18
○委員長(山田節男君) そういうようなお話であつたのですがね。收入印紙で納めておるようですね。
#19
○説明員(町田充君) はあ。
#20
○委員長(山田節男君) そうすると、今までの例を見ては、例えば八百十三万円という檢査料金が入つておれば、それは労働省の今の監督官の旅費ではなくても、その中で労働省に入つておるというような……。
#21
○説明員(町田充君) 具体的に、これが比較檢査のための旅費の見返りになつたものであるとか、或いは監督旅費のための見返金であるということでなく、歳入は大体八百万円なら八百万円あるから、この事務のために要する経費はその都度計上するというふうに、総額において大体收入、檢査の手数料に見合う程度の予算が、実際的には大藏省の予算として計上されておるという意味でございます。必ずしも労働省の予算として、労働省に還元されておるという意味のものではありません。
#22
○委員長(山田節男君) それでは次に労災補償保險の問題ですが、これは本省の方から出て、これこれの赤字だからして、各縣にこれこれの金の保險金は増徴しろというような、その命令が來ているような我々見たが、そこでこの全体の、今年の三月三十一日までの労災保險の財政がどのくらいの赤字になつて、そうしてその赤字を各縣に義務的によつて取立を命じておるかどうか、この点を一つお伺いしたいですが。
#23
○説明員(町田充君) 先程濫給抑制の点について申上げましたが、これはいわば保險財政の面から申しますと、消極的な面でありまして、私共といたしましては、更に積極的面といたしまして、保險料の完納と申しますか、保險料の増徴と申しますか、そういう方面につきましても、勿論努力を拂つておるわけでありまして、すでに昨年の十月を第一期に、本年の二月を第二期として、保險料の完納、更に給料ベースの改訂に伴います保險料の増徴という方面にも、全職員を挙げて、第一線機関の職員を増員して、増徴に邁進するという方向で職員を督励いたしておる次第でございます。從つて收入支出の面とも、それぞれ所要の措置を講じまして、保險財政の健全化ということに特に努力をいたしておる次第でございます。
#24
○委員長(山田節男君) これは一つ非常に、各縣、それから事業者、それから被保險者ですね。重要な事件だと思いますが、これは又他日機会を改めて、一つ詳細の資料を各位に配りたいと思います。それから続きまして、婦人少年局の谷野婦人労働課長がおられますので、局長代理で一つ御説明を願います。
#25
○説明員(谷野せつ君) 山川局長が御病氣でお休みでございますので、婦人労働課長が代つて御説明申上げたいと思います。只今委員長から、婦人少年局の職員室について、大変御心配のお言葉を頂きまして有難うございます。婦人少年局の職員室は、全部女性ばかりで成立しております。一地方三人から五人ぐらいの職員でございますが、扱つている仕事が非常に廣い範囲でありまして、婦人労働課の仕事だけを見ておりましても、大変廣範囲に亘る仕事が、年間計画で五つか六つを持つております。それに少年労働課、婦人課と、三つの課を加えて見ますと、婦人少年局の三人から五人の職員が扱います仕事の量といたしましては、余りに仕事が多過ぎる割合に職員は少なうございまして、思うように集中的のお仕事ができないような悩みに今立つておるのでございます。ところがこの仕事は丁度婦人少年局が設立されましてから満一年半の仕事の経驗でございますが、地方から非常に期待を持たれまして、又漸く一年ぐらいでいろいろの団体、お役所との間の連絡が非常に成功しておるように見受けられます。職員が慣れませんために少しばかりいろいろな摩擦があつたかも知れないのでございますが、段々仕事が慣れ、又仕事が認められるにつれて、この仕事の割合に職員が少いということを非常に不自由に感じておるわけでございます。私共といたしましては何とかこの職員は殖しまして、もう少し地方の方の期待に応えられるように、又私共の仕事の目的に副つて十分働いて貰えるような職員に充実いたしたいのでございますが、何分にも今法律による範囲内で職員を殖すことができないような事情になつておりますので、この三人から五人の少い人数で我慢しておるわけでございます。私共といたしましては、できれば只今三級官が大部分主任の府縣でございまして、二級官を持つております府縣は全國で六つぐらいでございます。ですからできれば一府縣に二級の主任官を少くとも一人ずつ置いて、それに各課のお仕事を一人ずつ分担する者を置いて十分活躍することができるようにお願いしておるわけでございますが、それも今できない事情になつております。又婦人少年局の存廃問題が今大きく心配いたされておりますが、たとえこの婦人少年局が残ることになりましても、地方職員室が小さくなるというようなことになりますと、非常に活動が狭められて参りますし、折角置いてあります意義が非常になくなりますわけでございますので、私共といたしましては何とかして婦人少年局と同時に、この職員室が十分働けるように、現在のままで残すことができるようにと願つておるわけでございます。現在私共で考えておりますところはその程度でございます。
#26
○委員長(山田節男君) ちよつと私から……今の婦人少年局の分室というものの活動の主たる目的は調査、啓蒙なんですか、その点が各地方で非常に曖昧になるのですが、これを明確にして頂く必要があるのじやないかと思いますが、今のように人数が僅か三人しかおられないし……。
#27
○説明員(谷野せつ君) 私共の婦人少年局のお仕事は、大体調査と啓蒙と、それから各団体機関との連絡調整というような仕事をいたしております。ですから場合によりますと法律の範囲内での調査或いは又婦人問題などになりますと、法律以外の問題に亘つて廣く調査をいたしますし、それから又私共の婦人労働、少年労働、婦人課の問題の啓蒙に亘ります資料をあちこちに配りまして、その資料を中心にしていろいろ啓蒙活動をいたします。それから又問題のありどころによりますと、お役所とか、団体との間にいろいろ連絡をいたしまして、不完全なところについては本省から参ります指示で、いろいろな申入をいたします。そして問題の解決を図るように、潤滑油見たいなお仕事をしておるわけでございます。ですから非常に仕事の範囲が廣い上に練達いたしました人でないとやつて参りますのに大変うまく行かない面もございますようであります。
#28
○委員長(山田節男君) それから今労働委員会に、福島の福島婦人団体連合協議会、それから労働組合婦人部の名義で、この労働省婦人少年局廃止反対に関する請願が出ております。これはもう請願までする必要ございませんか、大体婦人少年局は存置することになつていますか、御存じないですか。
#29
○説明員(谷野せつ君) 私はよく分りませんので、大臣の方に……。
#30
○委員長(山田節男君) まだ分りませんか。
#31
○説明員(谷野せつ君) 大体残るというお話を伺つておるのですけれども、大臣の方にどうぞ……。
#32
○委員長(山田節男君) 分りました。有難うございました。
 それでは続いて職業安定局の澁谷職業補導課長から御回答願います。
#33
○説明員(澁谷直藏君) 職業安定局長が司令部に参つておりますので、私から代つてお答え申上げます。最初の、現在の職業補導所の手当が余りにも少な過ぎる、こういう御質問でございましたが、御承知のように職業補導所は職業安定法に基きまして、職業安定行政の一環といたしまして、職を求むる者に対しまして特別な知識技能を授ける、そういうことによりまして、その求職者の就職を促進する、こういう任務を以ちましてやつておるのでございます。そうして公共職業安定所が無料で求人求職の結合をやつておりますと同樣に、公共職業補導所は無料で、こういう補導生に対して知識技能を授けておるのでございます。從いまして補導手当というものは必ずしも職業補導所で負担しなければならないという性質のものではないと考えております。ただ現在の社会上、経済上の状況から考えまして、どうしても補導所に半年なり或いは八ケ月間技能を習いに通つております間の生活の安定という問題がございますので、現在政府から若干の手当を交通費の補助という意味でこれを与えておるわけでございます。併しながら府縣によりましては府縣の負担で以ちまして、國からこの補導手当にこれをプラスしまして与えておる府縣が相当ございます。それから特に生活が困窮の面につきましては生活保護法の適用を考えるということで運営して参つておるのでございます。二十四年度におきましては、この補導手当を更に増額したいということで大藏省の方と折衝しておるのでございますが、來年度は地方財政法によりまして、補導に関する経費の國と都道府縣の負担区分が明瞭になつて参りましたので、各都道府縣におきましても補導手当を二十円なり或いは三十円という工合に計上しておりますので、來年度におきましては補導手当の面も現在よりは相当改善されるのではないかというふうに考えております。それから第二番目に、予算の配付が年度当初において確定された額よりも非常に減少して歳入欠陷を生じておる、こういう御質問でございましたが、私の方では職業補導所は安定法によりまして都道府縣知事がその責任において設置経営する、都道府縣知事がその主体と、こういうふうになつておるのでございます。その都道府縣知事がその責任において設置経営する補導所に対しまして、政府はその必要な経費の全部又は一部を補助する、こういう建前でございまして、法律上におきましては職業補導所の運営の経費は全額國が負担するという建前にはなつておらないのでございます。併しながら職業補導所というものは相当に経費を食う仕事でございまして、殊にこれが創設或いは増設するという時期でございましたので、行政運用の実際面におきましては國が大体その全額を負担する、こういう建前でやつて参つたのでございます。ところが漸次國の財政が窮迫して参りますと同時に、本年度におきましては、途中において相当の物價の増嵩によりまするところの経費が要求されたのでございます。私共の方といたしましては、年度当初の方針通り國が全額を見るという建前を貫きたい、こういう建前の下に相当大藏省方面とは折衝いたしたのでありますが、どうしても國の財政の余裕がないということによりまして、六千三百円のベースに切替える、その必要な経費の九割のみを私の方で予算の配付をしたのでございます。從いまして、その差額の一割は府縣の負担とならざるを得ないような状態になつたのでございます。それから委員長からの新規学卒に対する求人者が減つておるが、これに対する対策はどうであるかという御質問でございましたのですが、これは御質問の通り非常に深刻な問題になつております。終戰後二十一年度、二十二年度に比較しまして、本年度に入りまして、この新規学卒に対する求人が非常に減つておる、この新規学卒から一つの新らしい失業の源泉がここに起きて來ておるような現状でございます。これに対しましては、安定局といたしまして、学校当局と緊密な連絡を取りまして、先ず第一に、これに対する求人の開拓に全國の安定所を動員いたしまして努力中でございます。それからこの新規学卒に対する就職の一つのネツクは、府縣によつてその求人の数が非常に異なつておるという点でございます。或る縣におきましては、新規学卒に対する求職者よりも求人の数が多い。ところが、例えば鹿兒島縣のごとき縣におきましては、殆んどこの求人口がない、こういう縣によつての非常なアンバランスがございますので、この府縣相互間の求人の連絡交換、この点を特に重視いたしまして、これのための特別の取扱要領等を定めまして、本省からブロツクごとにブロツク会議を催しまして、この求人求職の結合を図つておるような次第でございます。尚特に法律的な問題といたしまして、学校によるところの職業紹介制度というものをこの際確立する必要がある、こういう見解に立ちまして、今般職業安定法に必要な改正を加えるための改正法律案を提出する予定でございます。
 最後に失業保險の財政状況はどうであるかという御質問でございましたが、この点につきましては、本日主務課長が参つておりませんので、次の機会に詳細な資料を以て御説明を申上げたいと思います。
#34
○委員長(山田節男君) 只今までの政府委員並びに説明員の、水橋委員の質疑に対しまする御回答はあつたわけでありますが、尚何か御質問がございませんか……ないようですから、本日議題となりました過日自然休会中の労働事情調査に関する報告並びに政府に対する質疑回答はこれで終ることにいたします。尚本日政府委員並びに説明員から十分全部の御回答があつたわけではないのでありまするが、これは次の機会に押して一つ御説明願うことにいたします。本日の労働委員会はこれを以て閉会といたします。
   午後二時五十五分散会
 出席者は左の通り
   委員長     山田 節男君
   理事      一松 政二君
           平野善治郎君
           早川 愼一君
   委員      原  虎一君
           竹下 豐次君
           田村 文吉君
           波田野林一君
           水橋 藤作君
           村尾 重雄君
  政府委員
   労働政務次官  宿谷 榮一君
   労働事務官
   (労政局長)  賀來才二郎君
  説明員
   労働事務官
   (労働基準局庶
   務課長)    町田  充君
   労働事務官
   (婦人少年局婦
   人労働課長)  谷野 せつ君
   労働事務官
   (職業安定局職
   業補導課長)  澁谷 直藏君
ソース: 国立国会図書館
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