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1949/03/29 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 労働委員会 第2号
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1949/03/29 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 労働委員会 第2号

#1
第005回国会 労働委員会 第2号
昭和二十四年三月二十九日(火曜日)
   午前十一時三十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公共企業体労働関係法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○労働省婦人少年局廃止反対に関する
 請願(第百九十四号)
○労働法改正に関する陳情(第九十六
 号)
○調査承認要求の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山田節男君) 只今から労働委員会を開会いたします。今次國会に提案されました「公共企業体労働関係法の一部を改正する法律案」につきまして、去る二十六日労働委員会を開催いたしまして、その提案理由につきまして、宿谷政府委員より御説明がございまして、質疑応答をいたしまして、よく審査をいたしたわけでありまするが、昨二十八日衆議院から本件が送付されまして、本付託となりました。この「公共企業体労働関係法の一部を改正する法律案」につきまして、御質疑ございませんか。……別に御質疑もないようでございますから、討論に入りますが、御異議ございませんか。
#3
○竹下豐次君 本件につきましてはすでに委員会におきまして檢討も大体済んでおりますようでありますから、討論するの必要はないと思いますので、討論終局の動議を提出いたします。
#4
○委員長(山田節男君) それでは只今討論終局の動議が竹下君より御提出されましたが、討論は終結したものとみなして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めます。それでは直ちに採決に入ります。本件を可とされる方の御起立をお願いします。
   〔総員起立〕
#6
○委員長(山田節男君) 全会一致でございます。よつて本件は可決されました。本会議におきまする委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて予め多数意見者の承認を得なければならないことになつております。これは委員長におきまして本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することにして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(山田節男君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を要することになつておりますから、本法案を可とせられた方は順次御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
  一松政二、竹下豐次、田村文吉、
  門屋盛一、田口政五郎、原虎一
  ―――――――――――――
#8
○委員長(山田節男君) 次に、本委員会に提出しておりまする請願一通、それから陳情一通について御審議願いたいと存じます。請願は、労働省婦人少年局廃止反対に関する請願、提出者は福島市長佐藤元治君でありまして、紹介議員は橋本萬右衞門君になつておりますが、橋本君から適宜この点は一つ委員長より紹介して呉れというような話で、紹介者はお見えになりません。この労働省婦人少年局廃止反対に関する請願は一件でございまするが、この件につきましては尚三件要望書として提出されております。本件の内容につきまして、お読みいたしましようか、それとも朗続させましようか、それではこの内容を朗続いたさせます。
   〔事務局職員朗続〕
 婦人少年局婦人兒童局存置に関する請願書
 新聞その他により伝えられるところによりますと、労働省婦人少年局並びに厚生省婦人兒童局の廃止せられるやに承りますが、誠に由々しきことと存じ、これが廃止絶対に反対を陳情するものであります。
 私共家庭婦人及び働く婦人にとりまして、婦人少年局、婦人兒童局のできましたことは、暗夜に灯を得たごとく非常に力強くこの施策に感謝いたしておりました。殊に福島縣におきましては、活發な活動を続けておられました。全國にさきがけて乳兒院もでき、兒童の身売り防止には、両局とも着々とその実を挙げつつありました。この時代逆行としか思えない両局の廃止は、民主日本の再建に婦人兒童の立場を抹消するものとしか思えません。福島市婦人団体協議会及び労働組合婦人部は共に両局の廃止を反対し、この存置を強く願うものであります。
   福島市本町福島市長佐藤元治、福島婦人団体協議会、労働組合婦人部
 昭和二十四年三月十六日
#9
○委員長(山田節男君) 只今朗続いたしましたような内容でございまするが、この労働省婦人少年局の存置、或いは廃止の問題については、目下行政管理廳において審議中のように承つておりまするが、この請願を本委員会として採択いたしまして、本会議に付託し、尚更にこれを内閣に送付を要するものとするような処置にいたしてよろしいかどうか、御意見を承りたいと存じます。
#10
○一松政二君 私はそれは俄かに簡單にその請願を採り上げていいかどうかということは、もつと研究を要すると思う、ということは今行政整理が至大の問題になつておるので、ただ一地方の請願者があつたからといつた、それを我々が直ぐその面だけの方角からこれを論議して、そうしてそれを内閣に賛成意見を附して送付するということになると、我々はそういう行政整理の部門に対して、余り考慮を拂わない誹を免れないと思うのであります。でありまするから、若しその請願の趣旨について当局が、労働省においてはどういうふうな考えを持つておるか、或いは内閣においてこれをどういうふうに審議しておるかということを、私は一応参考のために聽いた上で我々の賛否を質したら如何かと私は考える次第であります。
#11
○委員長(山田節男君) 田村委員、御発言ありますか。
#12
○田村文吉君 やはり同じことを申したかつたのです、政府はどういうふうにこれについてお考えになつておられますか。
#13
○委員長(山田節男君) それでは政府から只今の一松委員の御意見について御説明を願います。
#14
○政府委員(宿谷榮一君) 只今議題に相成なつております本件と同樣の請願が労働省に多数参つております。申上げるまでもなく、この婦人少年に関する保護育成、又啓蒙等の行政上の点につきましては、各省との婦人少年に関する連絡行政、その他基準局における基準法の婦人少年の保護、又監督というような内容も含まれておりまして、労働省といたしましては、この種の局は成るべく存置して、この目的を達成して行くようにいたしたいと実は考えております。併しながら一方には行政廳の簡素化等の問題がありまして、只今委員長からお話のございましたように目下檢討いたしております。若し本案が御採択になりましたならば、この請願の趣旨を活かすように労働省においても努力いたしたいと思います。以上労働省における本問題に対する御答弁といたしたいと思います。
#15
○門屋盛一君 私は一松委員と少し異つた観点から、この請願は速かに採択して行く方がいいと思うのであります。行政整理ということは大きな観点から別なところでやつておることで、労働委員会の労働問題から考えますと、今まで日本の労働省の機構を、厚生省時代から考えても、婦人と子供に対することが置き忘れられておつた、それが今採り上げられて初めて婦人、子供に対してのいろいろの保護が加えられており、又指導の途が開かれおる、こういう際に行政機構というのでは必ずしもそういうところを減さなくても、大きいところで行政を簡素化して経費を節減するという考え方がある点から、たとい少数の請願と雖も國民がそういうことを考えておるということが間違つてないことであつたなら、一日も早く行政整理に著手しておればおるほど、この請願は早く採択して政府に送つてやる方がいいのではないか、行政整理の参考に……。行政整理に反対するものでないが、整理する折に必要なものと必要でないものを判断する資料になる、そういう意味で私は婦人と兒童の重要性を考えて、これは是非存置したい、こう考えます。この請願は成るべく速かに採択して送つて貰つた方がいいと考えます。
#16
○田村文吉君 私が先つき政府の御意見を承りたいと申上げたのは、この問題は行政整理の問題から採り上げられて來た議論ならば、これは檢討するに非常に簡單な問題になるのですが、これは行政整理の問題の前に何か政府筋から出た放送じやないかと思うのですが、婦人少年局を廃めるとかいう話が出ておつたものだから、何か事情があるのか、ない方がいいという考え方が政府におありなさるのなら、どういう事情なのか、その事情をよく承つた上でこの問題を処理して行つた方がいいのじやないか、こう考えまして、若し順当な行政整理から行つてこの問題を廃めようじやないかという全般的な問題があるならば、これは外の問題と同じように一つ再檢討して頂かなければならんのですが、そこは單純にこれだけ採り上げて政府の方から何か放送みたいなものが出たのじやないかと思つたものですから、これにはどういう事情があるのか、その結果どういう反対が出たのか、一つお分りでしたらお知らせ願いたいと思います。
#17
○政府委員(宿谷榮一君) 只今田村委員の御質問になりましたような、政府の方からこれに関する改送とか情報とかいうのは一つも出ておりませんし、又そういうことでなく、この問題だけの見地から先程お答え申上げたのであります。さような政府から何かの意図があつて各方面で情報等を出したというようなことは、ございません、又聞いておりません。
#18
○一松政二君 私は先程門屋委員の婦人少年の労働についての労働省の考え方、これに対して行政的にその向上を図るという意思には全面的に賛成なのであります。私は特別にその局を廃止したら……、そういうものは全然考慮に入れないでよろしいという議論ではなくて、私は曾て中小企業廳の設置の外局に反対したごとく、私はやることはよろしいけれども、何も局を置かなければそういうことがやれないというのではなくして、局を置くことによつて局長あり課長ありというようなとかく大きな機構になつて、そうして経費が要つて実質が上つていないという憾みを私は日本の官廳組織に見るのでありまするから、私は行政整理の観点からいえば、局を廃止することに私は賛成する、但し局を廃止したからその仕事の内容を止めてしもうということじや、私は絶対に賛成しないものであります。局を廃止してもその仕事はどこかに纒められて、そうして集約して効果的に國の経費を使わずに、つまり節約してそういうことを行政的にやつて貰いたいという趣旨において私は直ぐ局課を廃合すれば、これに関連のある者は直ぐ反対陳情をする、そうしてそれを國会で以て簡單に採り上げるということがありまするというと、利害関係を持つておるところの業者並びに國民の一部はそれに直ぐ反対して掛かつて來る、それを國会が直ちにそのまま受入れるということであると、行政整理も或いは簡素化も殆んど不可能になつてしまう、例えば公団の廃止をすると言えば、もう直ぐ業者及び一連の人が反対して掛かるという事例も沢山あるのでありますから、私は今その局でやつている仕事を廃止するという意味に非ずして、仕事は別に集約的にやつて貰つて、局そのものを廃止するということは、一応考うべきだと私は信ずるのでありますから、若しこれを内閣に送付せねばならぬというのでありますなら、もつと愼重にやつて頂きたいと私は考えます。
#19
○門屋盛一君 一松先生の議論は、行政整理の方に入つておりまして、國会が請願を採択するかしないかということは、その請願の趣旨を檢討することが基盤であつて、平たく言えば民意を尊重しないことになる、請願を採択しても、それが実行不可能な場合に、新たな予算措置を伴うという場合はこれは余程愼重に考えなければならぬ、本件は今現にある機構の中から後からできた局から行政整理をやれば、これが一番先にやられるという不安が元になつてこの請願が起つて來ております。それでこういう請願が來た。又國会としてはこの請願の趣旨を十分に採り上げて差支えない、これを政府に送つて政府はそれらを参考にして行政整理をやる、何も行政整理に婦人少年局を廃止する必要はない、これは一松先生の言われるように或いは局というものを廃止して部にする、前の課に戻す、これは現在の機構が局というものにこだわり過ぎるということは我々も考えているが、これは別な分野で論議することであつてこの請願としては私は行政整理の参考資料になることであるから、早く送つてやつた方がいい、そういうふうに考えます。
#20
○竹下豐次君 我々委員としての心構としてもとより陳情があつたらそれを受入れるのだというような簡單に考える筋合のものじやない、ただその実質を檢討して採択するか否かを決めなければならぬ、これを採択することに決まつたら又幾らでも出て來るかも知れないというようなことは、少し考え過ぎじやないかと私は思います。実質的に考えまして、私は是非存置の必要がある、こういうふうに私は平生から考えております。現在の労働省における婦人少年局の活動状態について忌憚なく批評いたしますればこれは十分な働きをしないかのように思います。併しこれは設立後まだ日も浅くしてどなたが局長におなりになりましても、なかなか仕事のしにくい場所であつたろうと私は想像いたしておりますので、ますますこれを拡大し、そうして強化するということがこの後の日本においては最も必要じやないかというふうに考えておるわけであります。ただ現在労働省の婦人少年局においてやつておりまする仕事で、必ずしも労働問題だけでなく、他の婦人少年に関することも取扱つておる方面もあるようであります。そういう部門もどういうふうにするか、或いは両局の分を纒めて内閣でやるとか、或いは片方の方に纒めるという問題で婦人と少年に関して檢討の余地もあることだと思つております。少くとも婦人と少年に関する行政機関を今よりも小さくするということは絶対によくないと思つております。そういう意味において今折角政府においても行政整理と関連して檢討中でもありますし、その意思が確定される前に成るべく早く採択してこれを内閣に送付するということが極めて必要である、私はかように考えております。大体門屋委員の御意見に賛成するものであります。
#21
○田村文吉君 これは今後の請願の審査の上にいろいろ一つの型を作るのじやないかと思いますが、今度の行政整理関係の役所から私は非常に沢山の請願書、陳情書を受けておる、これは一々その委員会に掛けて、これは折角言つた來たのだから、一つ願意を採択してやろうという軽い意味で委員会がこれを採択するのならばよろしいのでありますが、若しそうでないとすれば、実は請願に私共が賛成を申上げても、予算の方に参りますというと我々が削ることに賛成しなければならないかも知れない、こういう立場が今後沢山出て來ると思うのでありますが、大体請願書に対する取扱い方針はこういう場合にどうとるのが正しいだろうかということは、今までも随分沢山そんな例にぶつかつたのでありますが、今度のように行政整理の関係でどこどこの局を止められることは困る、或いは地方の出先の整理については実は昨日新潟に帰つただけで三件の請願書を出して呉れといつて参りました。お取次は当然ですから紹介議員になりましようということにして参りましたが、さてこの委員会としての取扱い方はどうすればいいか、こういう問題は一方において賛成して置きながら予算のきとになると削らなければなりませんということを主張しなければならない、こういう場合に一体、ただ民意をよく暢達するのだというだけの軽い意味ならば私は異議なくこの問題は賛成したい、で、ありますが、そういうことを総合的に考えた場合に、これは置かなければならんという主張をして、請願を政府に送るだけの勇氣は持たない、こういうことになります。
#22
○門屋盛一君 田村先生のお話は御尤もで、これは当委員会だけでなしに、他の委員会でもこの請願というものに無責任な採択をしておるというふうに私自身も考えております。請願は國会が採択して政府に送る以上、これに対する予算措置はどうなるかというところまでこの委員会ではとらなければ、その他の調査機関が調査して、そこまで考えて送らなければ、いわゆる國会の権威は保てなくなる、そういうことは大きな問題だと考えておるのです。ただ私が本件を至急採択願いたいというのは、本件だけはもうこの請願書が出る出ないに拘わらず、この日本の労働問題の上から婦人少年というものは今まで閑却されておつた、それがやつと婦人少年局ができて、それから事業のスタートに掛つておる、それが今ここで廃止されるとか或いは縮少されるということになれば、この問題は人口問題からいたしましても、婦人少年は相当重大な分野を占めております。婦人少年に関する政府の扱い方が粗末になつてもいけない、軽く扱われてもいけないということを私自身も研究しております。そういう意味からこの請願を早く採択して、政府の行政整理の参考に資するという効果がある、これは新たな予算措置を伴うものでもありません、そこでこういう民意のある請願が出ておる、それを國会が採択を与えれば、行政整理の一つの大きな参考にもなる、民意を入れた行政整理になる、決して私は政府の施策を妨げるものでもない、このような予算措置の心配も要らないものは、こういう観点から是非速かに御採択願いたいと思います。内閣に送付した方がいいと思います。
#23
○竹下豐次君 田村委員の御意見のように、予算問題を考慮に入れて採否を決めるということは極めて必要なことであると思いますが、今度の行政整理の問題が起つて、各省どの局を廃止するかということが檢討されつつあるわれでありますが、私政府の案もまだはつきり知らないのでありますけれども、新聞を見るといろいろ出ておりますので、そういうことで以て氣を附けて考えて見ますと、まだ他にも先に廃止してもいいものがあるのではないか、逆に言うと婦人少年局というのは、先に申しましたような必要性から申しまして、どれよりも先ということでありますまい、先ず相当の高い水準に置いて保存さるべき必要性がある、かように私は確信しております。そういう意味で是非採択して置くベきだと思います。
#24
○委員長(山田節男君) 本請願につきまして、只今各議員から御発言がございましたが、大体この請願を採択した方がよかろうという御意見のように承りましたが、これに関しまして政府委員にお伺いしたいことは、現在行政整理の進行中でありますが、その中で労働省事項に関するもので問題になつておりますのは、婦人少年局、それから私共の仄聞するところでは統計調査局も問題になつておるようであります。この経過をちよつと御説明願えませんか。
#25
○政府委員(宿谷榮一君) 今委員長のお示しになりました両局は目下論議の焦点になつておりますが、まだ決定的の情報は我々も了承しておりません。併し先程も申上げましたように各委員から婦人少年局については、いい御意見を沢山伺つたのでありますが、私共の見るところでも婦人少年の各作業場における労働上の保護とか、それから國民の権利の伸張とか、いろいろの意味においてなすべきことが実は沢山あるように思うのでありますが、発足日も浅いものですからまた板に附いておりませんが、是非こういう事業こそ労働省が沢山やるべきことではないかと、かように考えております。
#26
○一松政二君 私は婦人少年の労働者の問題などに労働省が活動の分野を拡げ、又万全を期するという心持は分ります。ところが今日行政整理というものはこれは國民一般の要望であります。日本の行政官廳が大き過ぎて徒らに費用を食つて、而も能率が上つていない、どうしてもこれに大きなメスを加えなければならんという立場に立つて考える場合に、私はこの請願書を今日只今この段階において多数を以て可決されれば、私は多数意見には服しますけれども、私はこれを審議未了の形式を採つて置かれた方がいいと実は考える、私自身の考えから言えば、先ず自分に痛いところがあつても、自分の痛いところから切る覚悟を以てしなければ、各省のどの他の部門でも必ず何らかの言分を以て、各委員会にこれを送付するということになりますと、先に田村委員の言われましたように、何の意思表示をしておるのか分らないというような危險もありますから、今日もし御送付になるならば、私は明かに反対の意見を表示して置きたいと思います。
#27
○門屋盛一君 一松委員の御意見を伺つておりますと、行政整理は國民一般の要望であることは私もうなづける。行政整理は必要なんですが、そうすると、この行政整理の目鼻がつくまでは行政整理に関する請願は審議未了にせねばならんかというふうにとれるのですが、そうなると、我々國民を代表しておる國会が、これ局を残して貰いたいということも國民の要望なんであります。國民の要望を抑制してまでも、行政整理を一行政廳なり、一内閣の恣にさせるということはゐ國会としてはこれは國会無用論になると思います。一松委員とはますます見解が開いて來ることになつて、たびたび説明しましたように、今この婦人少年局の必要性から、これを残して貰いたいという請願と我々の意見が一致するのでありますから、これを御採択願つてそうしてこれを政府に送つて、行政整理の資料にするという上からも、行政整理に当る上からは、國民の考え方、國民の熱望がその一つの資料となつて、本当の輿論に副うたところの行政整理ができるのじやないか。重大な意見ですので、行政整理の済むまでは、この種の請願を審議未了にするというようなことは、苟くもこの委員会としては考えられない、その意味からも是非一つ一松委員にも御賛成願いたい。
#28
○田村文吉君 御両所の御意見を伺つておりましても根本においては余り変つた御意見とは思わないのですが、問題は今の労働省の中の局の分け方が現在何局になつておりますか、できておるその中の婦人少年の局というものを廃めるということになれば、それは課になるか、何かになるでしようが、課として存置するということが必要があるかないかという問題で、行政整理で採り上げていい問題だと思う、だから局以上の問題ならば一々議会の問題でとないのですから、関係はないのですから、その省内でお決めになればいいわけで、問題になつたのだろうと思いますので、私はただ門屋議員の言われるように、折角請願書をだした、出したけれども行政整理が目下行われておるから、そのままに審議は未了にしておこうということも、折角の民意を政府に伝達しないことにもなることでありますから、ただ私はこれをこういう請願があつた、請願があつたが、婦人少年の行政は重視すべき問題であるということの意見を附けておやりになり、局を廃止するしないという問題は、これはここで我々がそれをちよつと……、廃止するということも、言うてやるということは……、残して置くということも、私はどうかと思いますので、婦人、子供に関する行政は重大である、参議院も非常に関心を持つておるということを附け加えて、この請願のあれを採るというようなことはどうかと思います。
#29
○一松政二君 田村さんの御意見至極御尤もなんですが、請願の趣旨は存置、して貰いたいという請願だと思うのですが、そこで私は門屋さんちよつと申し上げて置きたいことは、國民の要望でありますけれども、これはそのラインを繋がつておる一部の國民の要望のわけなんで、他のこれに関係のない者は、そういうことを、何をしておるか知らん人も沢山あるし、一把一からげにして、どうも役所の数が多いから、減らすのは誠に結構だということは、私はもう局外の人は殆んど全部そうだと思うので、私もそういう意味において、整理する方にもともと大体賛成の男なもんだから、役所の規模は小さいに越したことはないという、こういう意味で申上げておるのであつて、國民の要望ということになれば、どちらの方が多数の國民の要望になるか、それを具体的に考えてみないと非常にむずかしかろうと思うのですが……。
#30
○委員長(山田節男君) 田口委員にお伝えしますが、労働省の婦人少年局の廃止反対に関する請願が出ております。今各委員から御意見を伺つておりますが、田口委員のこれに対する御意見を承りたいのですが。
#31
○田口政五郎君 私はいまの田村委員の御意見の通りで、局を廃止せよとか、これは存置せよというようなことは、請願といいますか、陳情といいますか、請願の範囲を逸脱しておると言うと言い過ぎかも知れませんが、そういうことは採り上げてここで彼れこれ言うことではない、ただ田村君の言われる通り、その役所でやつておる仕事は非常に重大関心を持つて、ますますそういう点を拡大して貰いたいということは希望しておる点でありますから、只今田村君のおつしやつた局の廃止云々ということも請願であれば、私はいま暫くここで審議未了ではない、審議を延ばして貰つ方たがいいと思います。
#32
○門屋盛一君 請願は局を存置して貰いたいという請願になつております。それからこれを仮りに採択しても、又田村委員のような意見を附した採択にしましても、局を存置するかしないかは、更に行政整理の政府原案ができて、又改めて國会で審議されるわけなんですから、この労働委員会が局を存置するかしないかという行政機構については決定権はないわけです。労働委員会としては、そういうものは重要性である、重要性であるからこの局を残して呉れという請願は、そう私は間違つた請願ではないと思う、請願の趣旨を逸脱しているものではないと思います。これに対して田村委員の言われるような意見を附してやるならば、早く廻してやる、審議を手間取らしておると、行政整理にいま掛かつておるから、全然民意が闇から闇に葬むられることになる、それを憂うるのです。私は最初から意見を発表しておるように、採択して政府に送付すべきものである、この採択送付に際して当委員会の意見を附して廻わすということは、これは当り前のことであります。
#33
○委員長(山田節男君) 大体この問題につきまして論議は盡されたようでございますが、只今田府委員からの御意見もございますし、又門屋或いは竹下、田口委員も、大体私は同じような御意見ではないかと思いますが、如何でございましよう。これを今門屋委員が言われますごとく、目下これは関係官廳で檢討中でございますので、この請願を採択するといたしまして、その請願の意見書案として、只今田村或いは田口委員からも御意見がありましたように、婦人少年局の存置についての積極的な意見を表示するのではなくて、そういう重要性を唱えた意見書案を附して、この請願を採択し、本会議に付内閣に送付すると、こういうことにいたしたいと思います。
#34
○一松政二君 それはちよつと不可能なことだと思うのです。請願の趣旨は明かに局を存置して貰わなければ困る、存置して貰いたいという請願なんであります。で、ありますからその請願を可とすれば、局を廃止するなという意見を、この労働委員会から、参議院の本会議を経て参議院として、そういう意見を進達することになると思うのです。又ここで請願を否決するということも、國民の意思を無視するということになつて、一部の人であろうと、多数の人であろうと、否決するということは、各委員会も大抵やつていないと思う、これはいろいろ議論が分れたりする問題は、とかくまあ今迄の形としては、更に愼重にやるという意味において、審議未了の形をとつておると思う、可否を何れにも決せられないし、或いは否とするような場合には、審議未了になつておるのが、可なりあると思うのです。私はこれはたとえ意見を附しましても、請願の趣旨は存置するということであります。で、ありますから存置を我々が主張しないということであれば、これは内閣に送付をすることに矛盾が起つて來ると思う、で、ありますから私は留保して頂きたいという考え方を変えないわけであります。
#35
○田村文吉君 今一松委員からのお話でありますが、在來この委員会の請願取扱いはですね、随分原文を全く反対になる希望の意見を附けて廻していることも前例があるのですから、先刻私が申上げたようなことを附けて、今局とか課とかいう問題は、現在のところそれに対する意見は述べられてないが、婦人少年の行政というものは、重要なものであるということを附けて、その請願書を取敢えず出しておつた、こういうことで御伝達下されば民意もそれによつて整うし、我々の意見もそこではつきりと処理することができる、こういうことで行つた方がいいのじやないか、そうでないと折角請願書を出したけれども、そのままで握りつぶされたのでは、又お氣の毒にも考えておるのであるから、そういうふうに御賛成下されば、非常に結構だと思います。前例が沢山ある。
#36
○一松政二君 そういう意味から、いま田村さんのおつしやつたような意見なら結構でありますから、私はこれに賛成いたします。
#37
○委員長(山田節男君) それでは一つこの件につきまして全会一致御採択願うということにいたしたいと思いますが異議ありませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(山田節男君) 有難うございます。それでは早速これに只今の御意見の意見書を附けまして、本会議に報告をいたしたいと存じます。
 それから次に労働法改正に関する陳情が岩手縣の経営者協会から参つておりますが、この内容は極めて抽象的でありまして、殆んど要望書に近いようなものでございまするからして、これは労働法改正法案がまだ國会に提出しておられませんしいたしますので、これは暫時保留いたしたいと思いますが御異議ございませんか。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○田村文吉君 その問題につきましては各種の労働組合及び使用者側から陳情書が來ると思いますので、一括して委員会で纏めて一つ御審議を願う、労働法改正に参考にするということにお願いしたいと思います。
#40
○委員長(山田節男君) では只今田村君の御発言がありましたように、もうすでに二、三建言書という形で参つておりますので、後日一括して御審議願うことにいたします。それでは請願並びに陳情に関する件はこれで終りまして、甚だ時間が出まして恐縮でありまするが、ここに一言今会期中の一般労働問題に関する調査につきまして、議長に承認を要求いたしたいと思いまするが、この内容についてちよつと朗読をいたさせます。
   〔事務局長朗読〕
  一般労働問題に関する調査承認要求書
 一、事件の名称
  一般労働問題に関する調査
 一、調査の目的
  経済九原則の嚴正なる実施に件う新たな段階に対処し、職業安定法、失業保險法、労働基準法、労働者災害補償保險法等の施行状況並びに労働委員会の事件処理状況を調査に研究する。
 一、利益
  一般労働問題につきこれが対策の
  樹立及び労働関係諸法規の完全公正なる運営施行に寄与する。
 一、方法政府、労働省、使用者各代表其の他各関係者から意見を聽取し資料の提出を求め、且つ必要に応じて、労働関係諸施設を視察調査する。
 一、期間
  今期國会開会中
 一、費用
   内 記
 右本委員会の決議を経て参議院規則第三十四條第二項により要求する。
       労働委員長 山田節男
  参議院議長松平恒雄殿
#41
○委員長(山田節男君) 只今朗読いたさせました、調査承認の要求をいたしたいと思いまするが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○一松政二君 それから議員の地方派遣の問題が起つて参りますか。
#43
○委員長(山田節男君) それも起つて参りますし、或いは都内に出張をして調査するということもあろうと思います。
#44
○一松政二君 私は成るべく地方派遣は東京都も地方と言えば地方ですが、余り各他府縣に亘つて調査しても、大体大同小異と思いますから、この東京都下の程度くらいに止めて成るべく費用を少くして、効果的にされることが私は必要であると思うのでありまするから、遠隔の地に議員を派遣するということは、その件に関しては実行されないように希望して私はそれに賛成いたしたいと思うのです。
#45
○委員長(山田節男君) 一松委員の御意見がございましたが、勿論休会でもあればそういうような遠隔地に委員を派遣ということもあるかも知れませんけれども、單に出張、視察、調査でなくて、本院内においての労働調査ということも含んでおります。それではこの調査承認要求書を委員会として、提出いたしたいと思います。それではこれで労働委員会を閉会いたします。
   午後零時二十八分散会
 出席者は左の通り
   委員長     山田 節男君
   理事      一松 政二君
   委員      原  虎一君
           田口政五郎君
           門屋 盛一君
           竹下 豐次君
           田村 文吉君
  政府委員
   労働政務次官  宿谷 榮一君
ソース: 国立国会図書館
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