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#1
第061回国会 運輸委員会 第21号
昭和四十四年四月二十二日(火曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 砂原  格君
   理事 阿部 喜元君 理事 大竹 太郎君
   理事 徳安 實藏君 理事 古川 丈吉君
   理事 小川 三男君 理事 山下 榮二君
      加藤 六月君    金子 岩三君
      川野 芳滿君    菅  太郎君
      木部 佳昭君    四宮 久吉君
      西村 英一君    福家 俊一君
      福井  勇君    箕輪  登君
      井上  泉君    板川 正吾君
      神門至馬夫君    内藤 良平君
      渡辺 芳男君    内海  清君
      沖本 泰幸君    松本 忠助君
 出席政府委員
        運輸政務次官  村山 達雄君
        運輸省海運局長 澤  雄次君
        運輸省船舶局長 佐藤美津雄君
        運輸省船員局長 高林 康一君
 委員外の出席者
        厚生省公衆衛生
        局検疫課長   実川  渉君
        専  門  員 小西 眞一君
    ―――――――――――――
四月二十二日
 委員池田禎治君辞任につき、その補欠として内
 海清君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員内海清君辞任につき、その補欠として池田
 禎治君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月十八日
 国鉄新井、飯山線建設に関する請願(小坂善太
 郎君紹介)(第四五五八号)
 国鉄の合理化計画反対に関する請願(林百郎君
 紹介)(第四五八〇号)
 岐阜市を通過する東海道線等の高架化実現に関
 する請願(石田幸四郎君紹介)(第四七二八
 号)
 海上保安庁に海難救助の飛行艇配置に関する請
 願(池田禎治君紹介)(第四七二九号)
 同(内海清君紹介)(第四七三〇号)
 同(春日一幸君紹介)(第四七三一号)
 同(鈴木一君紹介)(第四七三二号)
 同(竹本孫一君紹介)(第四七三三号)
 同(玉置一徳君紹介)(第四七三四号)
 同(門司亮君紹介)(第四七三五号)
 同(吉田之久君紹介)(第四七三六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法等の
 一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)
     ――――◇―――――
#2
○砂原委員長 これより会議を開きます。
 外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。内海清君。
#3
○内海(清)委員 私は、この法案についての質問に入ります前に、簡単にひとつ私どもの基本的な考え方を明らかにしておきたいと思います。
 まず第一に、私どもは四十四年度予算に計上されております外航船舶のいわゆる大量建造でありますが、これには賛成の立場をとっておるのであります。すなわち、貿易の規模の拡大に見合いながら邦船積み取り比率の引き上げを実現してまいりますために、長期的な大量建造計画が絶対に必要である、かように考えておるのであります。
 それから第二といたしましては、この見地に立ちますときに、今回政府案として提出されておりますこの利子補給法の改正案及び再建整備法改正案の基本方向には、これまた賛成の立場であります。なぜかと申しますならば、昭和三十九年の再建整備が始まりましてから今日まで、わが国の海運企業というものは、減価償却不足と計画造船の元本の延滞をほぼ解消する目安がついてまいりました。が、しかし、まだ何と申しましても、企業の体質は健全だとは申されません。のみならず、約三百六億の利子支払い猶予分をかかえておる状態であるからであります。かつまた、国際海運の環境を見ますときに、これはきわめてきびしいものがありますし、したがって、あくまでも国の責任におきまして大量建造を実現していく、そのための海運企業の能力を十分活用していく、こういう見地に立っておるわけであります。私どもはこういう意味から、この政府案の基本方針につきましては、大体肯定的な立場に立っておるわけでございます。
 さらに第三といたしましては、利子補給の問題でありますけれども、外航海運業というものは、本来的に国際競争産業でありますから、国家的要請に基づく計画造船につきましては、船主負担金利の引き下げをはかるために、暫定的に利子補給という企業力の助成策を続けざるを得ないのではなかろうか、かように考えておるのであります。こういう方針に立ちまして、私どもは考えておるわけでありまして、こういう基本的な立場に立って、若干の質問をいたしたいと思うのであります。
 すでに多くの質問者がありましたので、私の考えておりましたことも、ある程度質問にも出たようであります。ことに私は、最近直接本委員会におりませんで、外からながめておりまして、常々感じておる点等を加えながら質問申し上げたいと思います。したがって、多少現在までの質問と重複する点もあるかも存じませんが、この点も御了承いただきましてお答えいただきたい、かように考えます。
 そこで、第一点として質問いたしたいと思いますことは、今回政府が提案されましたところの、四十四年度から六年間で二千五十万総トンの建造、この計画であります。ところが、この計画を見ますと、外航船建造だけが裸で提出されておる。これに関連いたします港湾の施設あるいは乗り組み員の確保、その労働条件、あるいはコンテナの輸送施設、あるいは荷役問題、さらには検疫問題等をも含めまして、これらの関連事項が、この大量建造に伴いましてどう整備されていくのか。この問題は、私の見るところでは、全く明らかにされていないと思うのであります。今日までの政府の長期経済計画が、近代産業の大企業の高度成長を中心として置かれてまいりました。その関連の社会資本の充実というものが、いつも立ちおくれてきた実績があるのであります。この点を実は私は非常に憂慮いたすのであります。
 そこで、まず総論としてお伺いいたしたい。きょうは大臣が他の委員会で、御出席にならないことははなはだ遺憾に思いますが、責任のある立場でひとつ政務次官にお答えいただきたいと思いますけれども、港湾、それから船員、あるいは造船、検疫、これらの関連政策をどのように整備していくおつもりであるか。各論としては後ほどお伺いいたしたいと思うのでありますが、まず総論といたしまして、海運政策の総合的展望を明らかにしていただきたい、かように思うのであります。昨年十一月に答申されました海造審の提案いたします外航船の建造以外の各般の施策についてお伺いいたすわけであります。
#4
○村山(達)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま内海委員御指摘のように、今度の外航船の建造計画は、今後六年間二千五十万トンということでございますが、これが円滑に遂行されるためには、御指摘のように、これに関連する諸計画が一緒になって進められねばならぬのでございます。御指摘のように、港湾問題、船員問題、あるいは造船能力の問題、さらには検疫制度、これらが付随してまいらなければならないのでございまして、この点につきましては、政府におきましても、できるだけその諸政策の遂行につとめてまいったのでございます。すなわち、港湾計画におきましては、御案内のように、一兆五百億というオーダーで四十三年から五カ年計画を組んでございまして、その港湾の整備の審議会におきましては、船主あるいは港湾の管理者、こういった人たちの意見を十分お聞きすると同時に、今度の建造計画で何年後は一体何トンぐらいの船になり、それがどれくらい入るであろうかということを十分考慮してやっておるのでございます。しかし、技術的にこまかい問題は、これから非常に詰めるということでございますが、大筋といたしましては、一応計画はすべて合っておるということでございますが、具体的の問題については、今後さらに検討を要する問題は多々あると存じます。
 それから、船員計画につきましても御指摘のとおりでございまして、今後一般の労働力の不足の上に、特に船員につきましては、労働力不足が心配されるのでございますから、今度の予算編成にあたりましても、高級職員につきましては商船高専の定員増、従来四百名ありましたのを五割増で六百名程度にしてございます。また、部員のほうも、だいぶ足りないと予想されるものでございますから、新たに新潟の村上に新しい海員学校を建てることとし、既存のものについても、定員増をいたしておるのであります。船員全体の需給見通しをいま立てておりますが、全般的に申しますと、まず前半の三年間は何とかいくんじゃなかろうか、後半になりまして少し不足ぎみの感じがいたします。特にオフィサーの段階でなくて、むしろ主任部員のほうが少し心配されるのであります。それから一部申し上げますと、甲種船長、甲種機関長等についても、従来は年間大体百三十名程度が要請されておりまして、最近大体の需要を満たしておるのでございますが、この一年ばかり少し足りないかもしれぬという点がございますので、これらの資格取得の制度について、これらの情勢に対応いたしまして、さらに弾力的な運用をやったらどうかということで、現在検討中でございます。
 造船設備につきましては、計画造船のほうとぴったり歩調を合わせておりまして、船台の利用のしかた、それから明かし方等につきまして、この点等十分連携をとっておるということでございます。
 検疫の問題につきましては、御指摘のように、むしろ非常に小さい問題でございますけれども、検疫官が足りないということをいわれておりまして、この点につきましては、今後さらに予算要求その他の段階でさらに一そう努力する必要がある、こういうふうに考えておる次第でございます。
#5
○内海(清)委員 ただいまのお話によりますと、大体二千五十万トン建造に見合った各般の施策を考えておる、こういうことでございます。これらにつきましては、さらに少し各論的に掘り下げてみたいと思いますが、いままでの経過を見ましても、今後の問題を見ましても、その問題が時間的にうまくマッチするということが、なかなか困難な問題が多いと思うのであります。この間もいろいろ論議されておりましたが、たとえばコンテナ輸送の問題にしましても、これは海陸を通じての輸送体系が整わなければ効果が薄いということでございます。ところが、現在までの状況を見ますと、なるほど直接運輸省関係におきましては、ある程度これが進んでまいりましても、建設省関係との関連において、陸上輸送という面でなかなか十分な時間的なマッチができない、こういう面も見受けるようであります。そういうふうな点を一々あげますると、かなりの部面にわたって言えると思うのでありますので、きょうは時間のあります範囲内で、それらの問題につきましても、できるだけお尋ねいたしたいと思います。
 そこで第二点として、この二千五十万総トンという建造量でありますが、これの問題についてひとつお尋ねいたしたいと思うのであります。
 第一番には、二千五十万総トンの算出根拠として、運輸省は昭和五十年度までの年平均経済成長率を八・五%と想定しておる。そうして昭和五十年度の通関輸出額を二百三十六億ドル、それから通関輸入額を二百三十三億ドルに想定して算出されておるように思うのであります。ところが、その後のいろんな経過を見ましても、あるいは福田大蔵大臣は、今後の経済成長は年率一〇%程度になるだろうというふうな考え方も述べておられます。また、四十三年度の通関の実績から見ますると、五十年度のこの想定は、低過ぎるのではなかろうかという気が私はいたすのであります。もちろん生きものでありますから、どういう事態が起きてくるかわかりませんが、今日までの状況から推定いたしますならば、そういうふうに考えるのであります。したがって、二千五十万総トンでは輸出が六割、輸入七割という邦船積み取り比率の実現は困難なものではなかろうかと考えるのであります。
 そこでお伺いいたしたいと思いますことは、邦船積み取り率の引き上げの目標を実現いたしますためには、二千五十万総トンに追加するプラスアルファの建造量を計画することがあり得るのかどうかということであります。そのように計画に一つの弾力性があるならば、今後の推移によって、ある時期においてこれが訂正されなければならぬであろうし、その辺のところをひとつお伺いしておきたい。もちろん、これにつきましては、造船の業界において今後六年間に二千五十万総トンという、それを一つの目標として進んでおるわけでありますが、もしこういう計画が変更があり得るとすれば、このことはできるだけ早く察知してこれをやりますことが、海運のみならず、すべてのこれに関連した産業の発展という上に、きわめて重大な問題ではなかろうか。こういう意味合いで、特にお伺いいたす次第であります。
#6
○村山(達)政府委員 ただいま御指摘のように、今度の建造計画の一つの目標といたしまして、積み取り比率を計画年次の最終年次におきましては輸出六〇、輸入七〇ということを一つの目安にいたしておるのでございます。現状で申しますと、四十二年の実績では輸出が三七、輸入が四七でございますが、外国用船を入れますと、その上にさらに一〇%くらい積み取り比率が上昇するわけでございますから、それぞれ四七、五七というふうに考えてよろしいと思うのでございます。したがいまして、今後機械的に計算いたしますれば、実質的なシェアの拡大は、それぞれ二三%程度努力すればいいという計算になるわけでございますが、その前提といたしましては、ただいま内海委員御指摘のように、経済成長率を八・五という中期経済計画の見通しによっているわけでございまして、その後の実績を見ておりますと、日本経済のバイタリティが強いために、それを上回って国民経済が伸びていることは、もう御指摘のとおりでございます。したがいまして、この目標を達成するためには、いずれの時期におきましてか、今度の二千五十万総トンという計画は、ある時期に改定をしなければならないというふうに実は考えているわけでございます。ただ最初でございますものですから、比較的安全コースをとりまして、いまのような計画を立てておりますが、実施の状況によりまして、できるだけ早い機会に、実情に即したような改定案を考えてみたい、かように考えておる次第でございます。
#7
○内海(清)委員 この二千五十万総トンの建造計画というものは、わが国の経済の高度成長、各産業の成長を、海運の側から十分ひとつ援助しようということと、いま一つは国際収支の改善という問題、少なくとも運賃収支をとんとんにしようではないかという、二つの大きい目標があったように思うのであります。そういう点から考えまして、わが国のこの経済の成長に見合って十分計画が進められていかなければ、この二千五十万という建造計画の意味が薄れると思うのであります。
 そういう意味から申しまして、さらには先ほど来申しましたような、ただ単にこの目的だけではなしに、この大量建造には多くの関連の産業があるわけであります。これまたきわめて影響が大きいという点でございます。これらの点で、この見通しにつきましては、できるだけ早く経済の発展の推移を検討しながら、弾力的にこれを改定していっていただきたい、これは強く要望いたしたいと思うのであります。
 それから第二点としてお伺いいたしたいと思いますのは、いま国際海運の体制といたしまして、外航船の稼働率をいかにして引き上げて企業収益を高めていくかということ、これはきわめて重要な問題であると思うのであります。最近の様子を見てみますると、専用船におきましても油と鉱石の混載船、何か油鉱船というようなことばが出ておるようでありますけれども、混載船、それから一般貨物船等は、三国間輸送の拡張、こういうふうな積極的な商圏拡大と申しますか、こういう競争がきわめて激烈になりつつある。当然であると思います。その観点に立って見ますならば、今後の海運政策というものは、単に船腹の増加による邦船積み取り率の引き上げだけが目標ではなくなるのではなかろうか。三国間の輸送の振興、それから専用船の多角的な活用というもの、つまり船腹の稼働率、これを引き上げる問題が大きく浮かんでくるのじゃなかろうかと思うのであります。
 私、しろうとなりに考えてみますと、わが国の立地条件から考えまして、この三国間輸送の問題、これはいろいろ困難な問題があると思うのであります。しかし、困難だからといって、これをそのままにしておいたのでは、この問題は解決しない。政府におきましても、十分この面の検討はすでにされておることと思うのであります。どうして船腹の稼働率を引き上げていくか、そのことが、すなわち海運企業の基盤の強化と発展に直接つながる問題であります。こういう点で国際競争に負けていったのでは、日本の海運業というものは、船腹はふえましても、いつまでたっても企業体質がなかなか改善できないということになると思うのであります。この点についてお考えがあれば、ひとつお伺いしておきたいと思います。
#8
○澤政府委員 先生の御指摘になりました三国間輸送の問題は、日本の海運が世界的な規模において今後伸びていきますために、非常に重要な問題でございます。ただいままで三国間輸送があまり伸びなかった理由はいろいろございますが、一つは日本の輸出入の貿易物資の輸送が非常に忙しかった。また、日本の海運企業の経営力、経営内容が非常に弱かったために、長期用船契約のあるものを、計画造船の上におきましても優先的につくらしてまいったということがございます。長期用船契約のありますものは、日本の輸出入物資のピストン輸送ということに相なります。また、戦前のように三国間輸送が伸びない理由といたしまして、日本の商社が戦前におきましては、非常に活発に三国間貿易を実施いたしておったのでございます。これと日本の船会社が結びまして、三国間輸送に大いに進出したのでございますが、戦後、日本の商社活動がやはり三国間貿易ということから引っ込みまして、日本中心の貿易活動に従事しておるということで、日本の船会社が三国間輸送に進出するチャンスが非常に少なくなってきたということは事実でございます。しかし今後、先生の御指摘のように、世界的な規模におきまして日本海運が伸びていって、船舶の稼働率を上げ、また、船の採算を上げますためには、どうしても三国間輸送に進出しなければならないということは、これは運輸省はもちろん、船主協会においても強くこのことを決意いたしておるわけでございます。政府におきましても、少額でありますが、三国間輸送の助成金を交付してまいりました。今後ともこの助成金はこれを拡大してまいりたいと考えております。それから船会社の体力も、不十分ではございますが、再建整備を終わりまして体力が若干ついてまいりましたので、計画造船におきましても、いわゆる長期用船契約のない三国間に主として就航するというような船も計画造船の対象にいたしまして、今後三国間輸送を伸ばしてまいりたい、このように考えております。
#9
○内海(清)委員 三国間輸送ということが今後の船腹の稼働率を引き上げる、同時に海運企業の体質の改善に役立つ、こういう点から考えまして、これは非常に重要なことだと思うのであります。これは先日も論議されておりましたけれども、この三国間輸送の助成がだんだん減りつつある、これはむしろ私は、国の施策は逆行ではないかという気がいたすのであります。この点に関しては、私は運輸省はもっと強腰で政府部内においてこの主張を通すべきである、こう思うのであります。これがだんだんと行なわれませんと、世界の海運界において、やはり体質の強い海運会社ほどこの点は競争力が強いわけでありますので、今後この点については十分意を注いでもらいたい。
 同時に、この集約当時の状況から考えてみますと、従来は主として三国間輸送に当たったのは、集約に参加しないような、不参加の会社がそういう傾向にあった、したがって、集約以来、三国間輸送ということがますますわが国においては低下してきたというふうな感じを私は持つわけです。しかし、この不集約会社に対しましても、一応集約の効果がある程度あがったというので、だんだん助成策も出てまいったようでありますから、これとあわせ考えて、今後、十分三国間輸送に足を伸ばさなければならぬと思いますが、そういう点については、どういうお考えですか。
#10
○澤政府委員 三国間輸送のための財政資金、あるいは助成資金等の取得につきましては、今後とも大いにがんばってまいりたいと思います。
 それから、非集約会社が三国間輸送に比較的活躍しておりましたことは、先生御指摘のとおりでございます。再建整備期間中には、非集約会社には国の財政資金は出さないということに相なっておったのでございますが、再建整備期間が終わりまして、今後は、この新海運政策におきましては、非集約会社に対しましても、それが国際収支の改善に貢献する限りにおきまして、財政資金をある程度出そうということが海運造船合理化審議会の答申にもございまして、政府もその答申を採用いたしましたので、今後は非集約会社の三国間輸送に対しましても助成をしてまいりたい、このように考えております。
#11
○内海(清)委員 この点はひとつ、四十四年度の予算はもう通っておるわけでございますから、来年度以降において十分考えていただきたい、かように思うわけであります。
 それから第三にお伺いいたしたいと思いますのは、最近におきまする造船工業界の世界の大勢を見ますると、造船コストがかなり上昇しておると思うのであります。私の調べましたものによりましても、一昨年から昨年にかけましての実績を見まするというと、二十万トンタンカーでスウェーデンでは二八%上昇である、西独が一五%内外の上昇である、日本でも一〇%から一二%程度の上昇となっている、こういうふうに思うのでありますが、この点は船舶局長がおいでになっておるようでありますから、大体いま世界の大勢として、どういうふうなものであるか、一応お聞かせいただきたいと思うのであります。
  〔委員長退席、阿部(喜)委員長代理着席〕
#12
○佐藤(美)政府委員 お答えいたします。
 日本で受注しております輸出船につきまして、昭和四十三年度の船価の上昇を見ますと、対前年度比六、七%の上昇となっております。これに対しまして、国内船の船価の上昇というのは大体七%足らずでございまして、ただいま先生のおっしゃいました今後の船につきましては、いろいろ新聞にもあるいは書いてあるわけでございますけれども、御存じのように、工賃の値上がりが大体十数%でございます。昨年は一四%ほど上がりました。工賃の船価に占める割合が大体二〇%くらいございますので、船価に影響するコストとしまして、大体三%近くの自然上昇ということになります。そのほかに関連工業品がございますが、これが船価の約四〇%近くを含んでおります。もちろん、その中には主機も含んでおるわけでございますが、そうしますと、これの値上がりが多少ございますので、したがいまして、平均いたしますと四、五%の値上がりということは、やむを得ないじゃないかというふうにわれわれのほうとしては考えております。
#13
○内海(清)委員 これはすでに好むと好まざると、世界の造船工業界の一つの大勢であると思います。わが国におきましても、造船業界はきわめて繁忙であったけれども、利潤はなかったというのが、最近、船価の上昇などで多少造船業界も上向きつつあると思いますけれども、設備の大型化と同時に、ずいぶん苦しんでまいった。したがって、造船のコストの上昇ということは、好むと好まざるとにかかわらず、これはある程度認めざるを得ないというのが現実であると思います。そういう観点に立ちますと、この二千五十万総トンの計画の実施にあたって政府は、船価がだんだん上がる、この船価高を避けるわけにはまいりません。でありますから、この船価高を不可避の方向として織り込んでいかれるのかどうか、この船価高によりまして、所要資金量はやはり年々増加していかざるを得ぬであろう、その総額は当然に膨張する、こういうふうに考えるのでありますが、その点については、どういうふうにお考えになりますか、お伺いしておきたいと思います。
#14
○澤政府委員 お答え申し上げます。
 二千五十万トン計画を立てますときには、一定の造船コストの合理的、と申しますとおかしいのでございますが、一定のコスト上昇ということは、もちろんその資金計画には考えてございます。ただ、日本の船主の発注します計画造船は、日本の造船のベースをなすものでございますし、その量も自己資金船を合わせますと、いまや三百万総トンをこえようとしておりまして、非常に大きなベースになっているわけでございます。日本の造船所と日本の船会社との関係は、単に一回や二回だけの関係ではございませんで、これから非常に長いおつき合いをしていく関係にあると思います。したがいまして、この造船の船価というものは、単にコストだけではなしに、いわゆるプライスと申しますか、あるいは長い間の顧客関係というようなことも考えていただきまして、造船所と船会社の間で船価交渉にあたりましてはよく話し合っていただいて、そしてなるべく安い国際競争力のある船を、日本の船会社に供給していただきたいというふうに考えておりますし、省内でもそのように関係局の間で打ち合わせをしている、こういう実情でございます。
#15
○内海(清)委員 もちろん、いまのお話しのとおりです。しかし、実際の問題としては、そこにやはりそれぞれの立場によって、なかなかむずかしい問題も出てくる。したがって、それぞれ主張の立場によって、国家的な見地に立ってこれを調整していくのが、政府の役目ではなかろうかと私は考えるのであります。でありまするから、これは従来のあれから考えますれば、政府部内でも非常にむずかしい問題だと思うのでありますけれども、やはり両産業が国家的立場において健全に発展していくという見地に立って、政府におきましても、それぞれの時点における情勢を確実にキャッチしてこれを調整していく、この点がきわめて大事なことではないかと思うのであります。どうかこういう問題につきましても、もちろん従来も慎重にやられたわけでありますけれども、今後はより一そうの御検討を願いたいと思うのであります。
 それから次の問題といたしまして、海運企業のあり方について少しお伺いいたしたいと思います。
 その第一点は、二千五十万総トンという大量建造に臨みまして、海運企業は定期船で五%、その他に一〇%の自己資金を投入するのだ、そうして四十七年度以降、各企業の経理状態を考慮して、その投入量をさらにふやす方向に進む、こういうことに相なっておると思うのであります。少なくとも第六年目の自己資金の比率をどの程度に高めるのか、一応の構想はあってしかるべきだ、かように考えるのであります。私は、この海運企業の株式の復配というものは、これは喜ぶべき現象であると思うのでありますが、長期建造に自己資金負担が必要である、こういうことからいたしますならば、当然に船価の償却その他のいわゆる企業体質の健全化のために、できるだけの社内留保、こういう企業努力を政府はもっと強力に指導せなければならぬのじゃなかろうか、こう思うのであります。さらに、各船会社の企業体質改善のために、各企業間の業務提携あるいは企業合併、こういうふうなものも積極的に指導していく、これが必要ではなかろうかというふうに考えるのであります。この点についての考え方を、ひとつお伺いいたしたいと思います。
#16
○澤政府委員 まず第一点の自己資金でございますが、四十四年度から四十六年度までにつきましては五%、一〇%の自己資金が企業内部の留保金あるいは増資の資本金等を充てて、実施できるということが確実でございましたので、まず三年間だけをきめたわけでございます。四十七年度以降につきましては、一応の見通しは持っておったのでございます。また、海運造船合理化審議会におきましても、四十七年度以降の自己資金についての案も出たのでございます。しかし、四十七年度以降、海運の経営内容は一体どうなるか、あるいはそれまで各船会社の増資が、どの程度順調に行なわれるかというようなことにつきまして、現在の時点からきめてしまうよりも、いま少したちまして、四十七年度の直前において船会社の経理内容をもう一度再検討して、自己資金投入量をきめるほうが、もっときめのこまかい親切な行政ではないかということに相なりまして、このようにきまったのでございます。
 それから船会社の増資を進めていきますことは、これは負債比率の改善という面からもちろん、あるいは自己資金の能力の充実ということからも、これは船会社自身としても今後大いに増資につとめていくべきである、このように考えております。
 それから企業間の業務提携等につきましては、これは海運造船合理化審議会の答申にもございますが、この五年間の集約体制というものは、さらにこれを今後とも維持強化する、それから企業が業務提携を強化して、日本の船会社の間で不当な競争を行なうことのないように、今後とも提携強化、集約体制の維持強化ということを希望するということが海造審の答申にもございますが、これは再建整備の法律がなくなりましたので、政府が法律をバックにして指導するということはできませんが、海造審の答申の線に沿って、船会社が自主的に提携強化をすることを強く期待しているわけでございます。
#17
○内海(清)委員 企業の体質を強化する、そのために増資も必要だ、増資するためには配当も必要だ、非常にむずかしい問題があるわけです。しかも、現在までも国が相当助成してきた、そういうふうなもとで大きい配当がされるということについては、これまた国民感情としても、いろいろな問題があると思います。そこでこの配当は、集約会社はだいぶ復配したのです。各企業の業績によっては、配当は今後ますます行なわれていくだろうと思うのでありますが、これについて、たとえば金融業のような、配当については一定のところで、まず国の施策としてこれを一定の期間見通しを立ててこれを押える。少なくとも国際的な産業でありますから、それらの点が非常に困難なことはありますけれども、そういうふうな考え方も生まれてくるわけであります。そういう点についての考え方を、あればちょっとお伺いしておきたいと思います。
#18
○澤政府委員 配当の問題は、先生御指摘のとおり、非常にむずかしい問題が含まれていると思います。国の助成を受けている企業が、非常に膨大な社外流出をかってにやるということは、これはやはり許されないことであると存じます。しかし一方、増資をして自己資金を充実していくということも、これは財務比率の改善の上から、非常に重要なことでございます。したがいまして、今後の新海運政策のもとにおきましては、やはり一定の配当基準というものを政府でつくりまして、業界に示して、増資が可能な範囲で、しかも内部留保ができるように、すなわち、配当性向が一定の比率を保てるように、そのような基準を考えて業界を指導してまいりたい、このように考えております。
#19
○内海(清)委員 この点が、今後、海運企業がだんだんと基盤が強化されるに従って起きてくる問題だと思うのであります。この点をよほどうまく指導されなければ、やはり海運業というものに対して、国民的な理解が十分に得にくいという面が出てくるわけであります。したがって、もしさらに海運界が、いつまでもこの好況が続くとも限りませんが、あるいは不況が来たおりに、さらに一そう海運界が苦境におちいる、こういう点は、長期的な考えに立って今後進めていかれなければならぬ問題だろう、こういうふうに考えるのであります。
 時間がありませんから、だんだん進みますが、第二点で、集約が大体終わりまして、その結果を見ますと、集約の目的は大体達成いたしましたが、すでに船会社の企業力に格差が出てきた、こういうふうに私は感ずるのであります。ところが、海造審の答申は、集約体制に参加していない企業に対しても、オーナーを含めて今後は計画造船の対象としていく、こういう答申が出ておるわけであります。このような中小規模の企業の育成方針、これは主として、中小企業と言うたほうがいいかと思うのでありますが、それを今後どういうふうにして育成していかれるかという点につきましてお伺いしておきたいと思うのであります。
#20
○澤政府委員 まず、集約に参加しています会社の中でも、先生御指摘のように、系列会社あるいはオーナー、専属会社とあります。これらの企業の立ち直りの程度は、中核会社に比べて非常におくれております。これは、法律上の要件はもちろん充足いたしまして、償却不足は解消し、延滞も解消してはおりますが、企業の内部留保その他中核会社に比べますと、格段の相違があることは、御指摘のとおりでございます。海運造船合理化審議会の答申におきましても、これら立ち直りのおくれているオーナーについて、政府を含めまして、今後関係者は一そうの協力をしろということがいわれております。それで、今後の計画造船におきましても、中核会社と共有をするとか、あるいは現在の計画造船以外に、開発銀行の資金を使いまして、スクラップ・ビルドという制度を主としてオーナー向けに採用いたしております。このスクラップ・ビルドによって、今後ともオーナー中心に船をどんどんつくらせるというようなこと、あるいは再建整備期間中は、オーナーは自分の全船腹をその親会社に貸さなければならない、こういう法律上の要件になっておりましたが、今後は自分の親会社以外にでも、採算がよければその船を貸していいというようなことで、今後とも政府も船主協会も、その再建と申しますか、企業の経営内容の改善に大いにつとめてまいりたいと考えております。
 それから、集約体制に参加していない会社は、従来、造船所の延べ払い資金を中心にして船をつくってまいったわけでございます。造船所のこういう融資の力も融資の量もだんだんと減ってまいりますので、財政資金を少しつければ船ができるというような場合には、集約体制を妨げない限り、こういう非集約にも財政資金を貸していったらどうか、こういう海造審の答申でございました。政府もその線に沿いまして、非集約会社のつくる国際収支改善に非常に貢献のある船については、今後財政資金をつけてまいりたいと考えております。
#21
○内海(清)委員 一応の集約が済みましたのでありますから、今後この方面につきましても、日本海運全体の立場から申しますならば、十分意を注いでいただかなければならぬ問題であろうと考えます。
 時間の関係がありますので、先に進みたいと思います。
 それから第四点としてお伺いしたいのは、主として船員の問題であります。二千五十万総トンの建造に伴います船員の問題――海造審に提示されましたこの資料を見ますると、外航船の船員の需給の推計が出ておるわけであります。これを見ましても、四十二年から五十年まで一貫して供給不足の姿が出ておるのであります。今後、外航船施設の省力化ということはだんだん進んでまいりますが、しかし、就労組織の高度技能化が一面ではあるわけであります。これを考えますときに、海上労働というものは、いわばますます人間疎外の労働となるのではないだろうかという気もいたします。したがって、陸上への転職希望がだんだんふえていく。船員の専門の学校を出ても、最初から陸上希望がかなりあるという、これは今後十分考えなければならぬ問題である。ことに、六年間二千五十万総トン、さらにこれにプラス・アルファの建造さえ生まれてこようかというときにあたって、これではたしてどうであろうか、こう思うのであります。
 そこで第一に、船員の定着を求めるために、乗船期間の短縮と休暇の増加ということが必要ではないかということを思うのであります。これを実施するといたしますならば、船員の予備員率というものに影響してくるわけであります。これを引き上げなければならぬ、こういうふうに考えるのであります。運輸省が海造審に出されましたこの資料によりますると、私はきわめて不安が多いと思うのであります。この点についてどう考えるかということ。
 さらにいま一つは、商船高等専門学校の新設に伴いまして、予算面で見ますと二百名の増員、これは先ほど次官もお話しになりましたとおりでありますが、これがふえておるたけだ。これをもっと拡張する方針があるかないか、この点をひとつお伺いいたしたいと思います。
#22
○高林政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど政務次官からお答えがございましたように、全般的に二千五十万トン計画に伴います船員需給の見通しを立てます場合に、海造審へ提示いたしました資料よりも、船型が全般的に大型化しておる。したがって、隻数が減るというようなことで、見通しがそのときよりは若干変わっておりますけれども、大体六カ年計画の前半期におきましては、ある程度この充足は可能であるというふうに考えられます。ただ、計画の後半期におきましては、部員層を中心に、相当不足が出るのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 こういうような点につきましては、現在、就労体制を逐次変えつつあり、たとえば現在もコンテナ船等におきましては、かなり部員の省力化が行なわれておりますけれども、今後できていきますところの新造船につきまして、そういうような省力化が可能なような自動化機器、そういうものの設置をもう一段推進していくことによって、若干程度これを緩和することができるというふうに考、えておるわけでございます。
 いま御指摘のございました休暇の問題でございますけれども、この問題につきましては、休暇の増大――ことに定期船につきましては、コンテナ船等において非常にスピードアップしておる。また、専用船につきましても非常にスピードアップしておる。したがって、船員は非常に単調な海上生活のみを繰り返し、それも陸上における期間が非常に少ないというような現象が逐次大きくなっております。そういうような意味におきまして、やはり休暇というものを基本的には増加する方向で考えるべきではないか、こういうふうに思います。ただ現在、法律的には有給休暇というものがそれぞれきまっております。それ以上どれだけの休暇をふやすべきであるかということは、毎年労使の間におきまして休暇のふやし方について、労働協約の改定で常に交渉が持たれ、それによって設定されておりますけれども、こういうようなことはやはり労使交渉におきまして、今後の船の姿を見きわめつつ、労使協定において非常に妥当な姿に持っていけるように、これはお互いに研究する、こういうことを言っておりますし、われわれもその研究の結果に期待したいというふうに考えております。
 それから第二の、商船高等専門学校は本年度から二百名増加いたしまして、今後これをさらにふやすかどうか、この点につきましては、先ほど申しましたように、不足はむしろ主として部員のほうに大きくなってくるのではないかというふうに私どもは考えております。そういう点で、もちろん二千五十万トン計画がさらにまた伸張するという事態があれば、いろいろまた検討し直さなければならないと考えておりますけれども、現在の段階におきましては、その二百名をさらに増加するということは、将来また船員雇用関係がどのようになるか、もう少し見きわめないと結論が出せないと思っておりますので、もう少し検討させていただきたいというふうに考えております。
#23
○内海(清)委員 一応はわかるようであります。結局は、船員の定着率の問題が、この段階では非常に重要になってくると思う。一応なるほど、商船高等専門学校二百名で将来の数字上の計画は立つ。しかし、それがはたして船に乗るか乗らぬかというところに問題がある。乗っても、それが定着するかせぬかというところに問題があるわけであります。そこで、定着をさせますためには、船員に対しまする、いま申しましたような休暇の問題、あるいは乗船期間の短縮とか、あるいは労働条件の引き上げとか、一般の陸上労働者と船員の就労状態の違いというものから、やはり船員には船員としてのそれぞれの条件を付与していかなければ、定着しないと思うのであります。その点が、いまむしろ非常な問題になるのじゃなかろうか。こういう問題になりますと、政府はとかく労使間の問題と言うのでありますけれども、たとえば休暇の問題にしてもその他の問題にしても、やはりもっと政府として一つの基準なら基準を立てて、そうして労使間の目安とするというふうな、もっと労使間におきまするこの問題の解決のために、政府がうんと指導的な立場に立つべきではないかというふうに私は思うのであります。そのことは、いつも船員問題ではこれが悪循環をしておるという気がいたします。そういう問題についてのお考えがあればお伺いしたい。
#24
○高林政府委員 やはり、たとえば休暇の問題にいたしましても、一つの目安を立てて考えるべきではないかということでございます。その目安につきましては、現在、船員法によりまして、これこれの条件の場合にこういうような有給休暇を与えなければならないとか、その他いろいろ、いわば最低基準と称すべきものは、法律におきましてはっきりこれを立てておるわけでございます。ただ、これをさらにどの程度まで伸ばしていくかということになりますと、やはり具体的には、その休暇をふやすということは、先ほど先生御指摘のように予備賃率が高くなる。現在、外航におきましても、職員の予備員率は大体三四%でございます。こういうようなものがどの程度まで高くなっていくかというようなことになりますれば、これはやはりその労使間においていろいろ問題があるところが実態だと思います。そういう点につきましては、やはり政府といたしましては、最低基準というようなものは当然指示すべきでございますけれども、どれだけアップさしていくかということは、それぞれ労使間においてやっていくことのほうが妥当ではないかというふうに考えております。ただ、先生御指摘のように、将来の問題といたしまして、非常に定着率が悪いというおそれが出てまいるかと思います。そういう点は、海上労働の特殊性というものが、なるべく陸上の労働と近くなるようにするためには、休暇の増大というようなことを考えていかなければならないだろう。しかし、そのためには、基本的には乗り組み定員そのものを乗船中はもっと少なく、そして、できるだけ陸上におる期間のほうを多くするというシステム――全体の就労体制をどのように変えていくか、しかも、そういうような乗り組み定員を少なくいたしますためには、過重労働にならないように機械の力を借りていかなければならない。この辺、全般的に船舶職員制度の問題ともからみ合って考えていかなければならないと思いますので、私どもそういうような問題意識で、現在、船舶職員制度あるいはその他の問題について検討を進めておるというのが現状でございます。
#25
○内海(清)委員 船員の問題というのは、海運にとっては非常に重要な問題です。したがって、この点については、また機会を得ていろいろ論議をしてみたいと思いますが、きょうはこの辺で終わっておきます。
 最後に、検疫業務の問題につきまして、ちょっとお伺いいたしたいと思うのであります。
 海運業界にとりましては、検疫業務の改善ということは、非常に重要な問題とされておるのであります。検疫がスムーズに行なわれないために、滞船の損失がかなり大きいのであります。私があるもので見ますと、わが国の滞船の平均時間六時間というようなものが出ておったようであります。最近どうなっておるかわかりませんが、もしかりに一船六時間といたしますと、この損失というものは、特に船においてきわめて大きいものになるのであります。この検疫業務のそういう面を是正するということは、いまきわめて重要な問題ではなかろうかと思うのであります。政務次官から、先ほど検疫業務についてもお答えいたされましたが、運輸省として検疫業務の現状をどういうふうに見ておられるか、この点をまずもってお伺いいたしたいと思います。
#26
○澤政府委員 先生御指摘のように、検疫業務によります船の滞船と申しますか、夜間検疫が受けられないために、沖待ちをしているような船が事実非常に多いわけでございます。船の一日のデマレージといいますか、一日の滞船による損害は非常に大きく、一万トンぐらいの船で八十万円といわれておりますので、これは海運企業にとりまして非常に大きな問題でございますし、さらに国にとりましても、船の稼働率を上げるということは、非常に大きな問題であるわけでございます。かねてから厚生省のほうにもいろいろお願いをいたしまして、検疫機関の定員をふやす、あるいは検疫制度についていろいろ御検討いただくということについてお願いしてまいっておりまして、厚生省のほうでもいろいろ御研究を願っているところでございます。
#27
○内海(清)委員 いま局長お話しのように、検疫の損失という問題は、海運業にとっては最も急務の問題であるとさえ私は考えておるのであります。そこで厚生省の方にお伺いいたしたいと思うのでありますが、こういう状態を改善するためには、やはり検疫法のある程度の改正が要るのではないか。同時に、これは検疫官の増員を伴うわけでありましょう。私は思いますのに、たとえば健康地から直行して来るような入港船の検疫というものは、従来よりももっと簡易化されていいのではないか。たとえばタンカーのごときは、ほとんどピストン往復でありますから、向こうで油を積み込む時間というのは、最近はごく短くなっている。したがって、船員はほとんど上陸していませんね。ところが、これがみな一律同様に、従来の検疫のやり方からいえば行なわれておる。あるいはまた夜間の検疫は、特殊な場合を除いては、ほとんど行なわれておらぬというのが実情だと思います。私ども造船所におりましたから、この状態もよく知っておる。しかも造船所というのは、都市にあるところもありますし、いなかにあるところもある。いなかの造船所は、検疫官に検疫を願うために、非常な手数がかかるということもある。これはある程度はやむを得ぬのでしょうけれども、サービス行政の面を、検疫におきましても十分これから考えていただかなければならぬのじゃなかろうか、こういうふうに考えるのであります。この問題は、いまの法律でも、なおその範囲内で、十分そういうサービス面の改善をなし得る面もあると思うのです。同時に、検疫法の改正をやらなければ実施できぬ面もあると思いますが、この検疫法の改正の意思があるかどうか。また、現在の法においてどの程度までサービスし得るかどうか、そういう面についてひとつお伺いしておきたい。
#28
○実川説明員 検疫待ち、いわゆる検疫を待っているために、損失が相当の額にのぼるというお話は、私ども承知しております。ただし、これは全部が検疫を待っておるための損失とは解せられないのでございまして、中には、港湾施設が十分でないために、目的の泊地に至ることができないで、検疫が終わっても待っておる、そういうものまでも含まれておるようでございます。
 ただ、私どもの検疫というのは国際衛生規則――もとの国際衛生条約でございますけれども、これが基本法になっておりまして、そのねらいといたしますことは、国際交通の阻害を最小限に押え、しかも国際間における疾病の蔓延を最大限に押える、これが伝統的なねらいでございますので、先生御指摘のように、国際交通を阻害する面がありますれば、極力押えていかなければならない、私どもかように考えておるわけでございます。たとえば大型のタンカーにおきましては、現在、検疫区域に入ります場合には、水深が浅くてとても入れない、あるいは巨大船のゆえに操船上の問題、たとえば急速の停止ができないとか、あるいは急速の転回ができないとか、そういった海上交通安全上からも問題がございます。かかる船につきましては、現行法のワク内におきまして、直ちに予定泊地に直行せしめまして、そこで検疫を実施しておる、こういうような方策も実は講じておる次第でございます。
 ただ、これまた先生御指摘のように、中には現行のワク内ではできない問題もございますので、この点につきましては、あたかも検疫の基本法であります国際衛生規則が今年の七月に、現状に合わせて全面的な改定が予想されております。これに合わせまして、私どもも現在慎重に検討を進めておる次第でございます。検疫のねらいとするところ、目的とするところを十分果たしつつやっていきたい、かように思っておるわけでございます。
#29
○内海(清)委員 お話しのように、もちろんこれは国際的な問題があることは、私も承知しております。したがって、全面的な改正にあたりましては、その国際的な問題が解決しなければならぬと思う。幸いにして、今年の七月にその会議があるようであります。これによって次の国会には、ぜひともひとつこの改正案を出すように御努力願いたい、こう思うのであります。同時に、それまでにおきましくも、現行法の範囲内において融通のつく限り、サービス行政として、厚生省のほうにおいてもお考えいただきますことが、きわめて重要なことと思うのであります。この問題につきましては、私どものほうでもできるだけ勉強いたしまして、いずれまたひとつ論議をさせていただきたいと思いますが、最後に、七月にそういう国際的な会議がありますならば、それによって次の通常国会には、現行法の改正が提出されるように御努力いただけるだろうかどうか、こういう点についてお伺いして、終わりたいと思います。
#30
○実川説明員 現在私ども、厚生大臣の諮問機関でございます伝染病予防調査会の中に新たに検疫特別部会を設けまして、検疫方式の改善につきまして慎重に努力を重ねております。ただ、七月に全面改定を予想されております国際衛生規則、これが審議を待ちませんと、各条の全貌が明らかでございませんので、提出時期につきましては、ちょっとここではお答えいたしかねますけれども、そういうように努力を重ねておることをお答え申し上げます。
#31
○内海(清)委員 終わります。
#32
○阿部(喜)委員長代理 松本忠助君。
#33
○松本(忠)委員 従来の船舶建造におきましては、全額借り入れ方式でございましたが、今回の改正案におきまして、いわゆる自己資金を投入する、こういうことになったわけでございます。この点につきましては、一応承知はいたしておりますけれども、確認の意味におきまして、自己資金を投入するようになったその間の事情についてお答えをいただきたいと思います。
#34
○村山(達)政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘のように、従来の再建整備期間中におきましては、全額借り入れの方式をとってまいったのでございますが、再建期間も終わりまして、幸い目的といたします再建整備会社の財政的基礎の確立がようやくなりまして、延滞元本はほとんどゼロになり、普通償却不足もほとんどゼロになり、なおかつ特別償却も相当実施する状況になりました。今後は、一応できましたこの新集約体制、それから再建整備の基礎の上に、さらに国民経済的視野におきまして、積み取り比率を一定水準まで向上いたしまして、国際収支の改善に資するとともに、わが国の貿易物資の安定輸送という将来の大目的に対しまして、二千五十万トンの建造計画をやっておるのでございますが、さらに従来と違います一つのやり方は、すでに企業体制がある程度できたものでございますから、企業の側のいわば自主性を発揮していただく、同時にまた、そのうらはらでありますところの自己責任体制というものを漸次取り入れていくということは、当然のことであろうと思うのでございまして、自己資金についても、外国輸出船等との競争条件をにらみ合いながら、企業の体質も十分勘案いたしまして、必要最小限度の自己資金をお願いするということになりまして、御承知のとおり、定期船につきましては五%、その他につきましては一〇%の自己資金を、少なくとも前半三年においては持っていただく。後半につきましては、先ほど海運局長からもお答えいたしましたように、これを引き上げる方向で考えているわけでございます。いろいろな計算の基礎では定期船一〇%、その他の船については二〇%ぐらいどうであろうかというようなことで、試算の基礎にはしておるわけでございますけれども、具体的な決定は、その時点になりまして、海運市況の状況、海運会社の体質改善の状況等を勘案いたしまして、具体的にその時点で決定いたしたい、かように考えているわけであります。
#35
○松本(忠)委員 その前半の三年間におけるいわゆる船価に対する自己資金の投入量というものが、いまお話しのとおり定期船の五%、その他一〇%、このようにきめられたわけでございますが、そのきめられたことについての根拠になった数字、その点についてお答え願いたい。
#36
○澤政府委員 根拠になりました数字といたしまして、まず定期船は今後コンテナがやはり中心になりまして、相当大量のコンテナ投資が必要であるということから、定期船とその他のものとの自己資金投入量に差をつけようということで、五%というふうに低くなったわけでございます。それから、総体的に申しまして一〇%の基礎になりましたものは、この三年間における船会社の――いわゆる自己資金と申しましても、いろいろ計算の方法はございますが、増資がどの程度可能か、それから内部留保がどの程度可能か、あるいは特別償却の引き当て金にどの程度充当されるであろうかというようなことを計算いたしまして、一〇%であれば、まず無理なく他から借り入れ等を実施しなくてもできるであろう、こういうことで一〇%ということをきめたわけでございます。
#37
○松本(忠)委員 いま海運局長のお話がございまして了承しますが、後期の三年についてはその時期――いずれはきめなければならぬわけでありますけれども、「海運企業の経理状況等を考慮して定める。」こういうふうになっておりますし、また、そのほうのおよその見通しとしては、定期船において一〇%、その他二〇%ということをおきめになる予定と承りました。その後期をきめる時期は一体いつごろなのか、二年後なのか、それとも三年目に入ってきめるのか、この点についてはどうでしょうか。
#38
○澤政府委員 これは船会社の経理の実態をなるべく確実に把握するために、四十六年度において決定いたしたい、このように考えております。
#39
○松本(忠)委員 私は、現時点において後半をきめないということは、やはり予約建造制度をつくった趣旨に合致しないというふうに思いますけれども、この点、海運局長はどう思われますか。
#40
○澤政府委員 それは御指摘のとおりでございまして、後期三年についての自己資金投入量が決定していないということは、予約制度の運用の上においては、いろいろ不便のあることは事実でございます。ただ、財務当局あるいは開発銀行とただいま相談いたしておりますやり方は、後期三年につきましては、自己資金投入分を除く部分の七割を財政資金で出す、これは決定いたしております。それで、そういうやり方で予約をやっていこう。船会社の方がそのときの自己資金投入量をどの程度に予定されるかという問題はあるかと思いますが、先ほど政務次官もお話しを申し上げましたように、海造審の答申の決定の過程におきましていろいろの数字が出ております。船会社のほうもそれらの数字をある程度承知していると、このように考えております。
#41
○松本(忠)委員 そこで後期につきまして、いまのお話で四十六年度におきめになる御予定であるというふうに承りましたけれども、この後期をきめる場合に、海運企業全体の経理状況を把握した上で、なるべくたくさんの会社の、こういうふうに言われたように思いますが、やはり何としても中核の六社の企業経理状態というものが一番つかみやすいというところから、それをつかまえられることと思うのですけれども、非集約の経理の状況等については考慮に入れるのか入れないのか、この点を確認しておきたい。
#42
○澤政府委員 非集約会社に対しましては、利子補給法その他の監査を実施いたしておりませんので、私のほうでは、実は非集約会社の経理内容を確実には承知いたしておりません。海造審の答申の中にも、非集約会社に対しては資金補完の意味において、四割ないし三割の財政資金を融資するということがうたわれてございますので、非集約会社の経理内容は考慮しないというふうに考えております。
#43
○松本(忠)委員 自己資金の問題の質問が、ちょっと戻りますけれども、自己資金とは何ぞやという定義についてお答えをいただきたい。
#44
○澤政府委員 自己資金というものの定義は、御指摘のように非常にあいまいでございますが、海運造船合理化審議会で審議をいたしました途中の経緯及び答申の趣旨にかんがみまして、これは実質的に企業の内部留保と認められるものでなければならないと考えております。具体的な判定基準につきましては、運輸省と開発銀行とで協議をして、定義のようなものを近く出したいと考えておりますが、理論的には、増資をした資本金、企業内部の剰余金、いろいろな準備金、それから引き当て金、これらの増加額がその自己資金の主要な原資になると考えております。
#45
○松本(忠)委員 そこで現実の問題といたしまして、社内留保してある資金があるかないかということです。増資の面は別としましても、それ以外に、準備金であるとか、引き当て金であるとかいうようなものが、実際上に金そのものがあるのかないのかということになると、これは非常に無理ではなかろうか。現実には、それだけの金を金庫の中へ入れて、あるいは銀行に預金してあるとは思えないわけであります。そうなると結局、市銀から借りなければならないというふうに私ども思うわけです。先ほどの御答弁の中でも、借り入れないで済むというようなお話もございましたが、完全に内部留保してある資金、借り入れをしないで、その頭金が五%なり一〇%なり出せるものかどうか、現実の状態について伺っておきたいと思います。
#46
○澤政府委員 この増資の資本金あるいは企業のいろいろな内部留保金、これは理論的には、資金繰りの上からも支出し得るものであると考えております。特に、この前半三年の間におきましては、自己資金を取得するために、銀行からその目的をもって借り入れをするという必要は非常に少ないのではないかと考えます。もちろん資金繰りの関係でございまして、資金にいろいろな糸目はつけてあるわけではございませんから、資金繰りの関係上、この自己資金に充当するために、短期の借り入れをするということは必要な場合があるかと思いますが、会社の決算上は、前期三年においては、銀行から借り入れをするという必要は非常に少ない、大局的に見まして非常に少ない、こういうことは申し上げられるかと思います。
#47
○松本(忠)委員 これは大いに意見を異にする問題であると思いますが、現実の問題として、私はそれだけのものがあるとは思えないわけです。増資ならばいざ知らず、新しく金が入ってくるのならばいざ知らず、確かに準備金、引き当て金等については、金の高では決算面ではそれがあらわれているにしても、はたして現金として保有されているかといえば、普通の会社ではそれがない、このように思うわけです。しかし海運局長は、銀行から借り入れをしないで済むと確信があるようでございますけれども、実際問題として、私はこの点にまだまだ疑問を抱いております。全然借りないで済めば、それはそれにこしたことはない、また、後半においてずっと海運業界が立ち直ってきて、あるいは定期船において一〇%、あるいはその他において二〇%の頭金をどんどん出せるような状態になってほしいことは、私も国民の一人として当然それは望むわけでございますが、現実にそれだけの金が金庫に眠っているか、あるいは銀行に当座預金として残っているか、定期預金として残っているかということになると、非常に疑問な問題じゃなかろうか、こう思うわけですが、この点について次官はどう思われますか。
#48
○村山(達)政府委員 バランスシートの問題と、それから資金繰りのお話だろうと思うのでございますが、企業体質から申しますれば、バランスシート面で、もしそれの引き当てのような、たとえば積み立て金あるいは払い込み資本金とか、あるいは準備金等があれば、バランスシートの面から言えば、決して不健全だとは思わないのでございます。そういう意味で、かりに金繰りの関係上、一時借りましても、それは自己資金でないとは、バランスシートの観点から申しますと、なかなか言いがたいと思います。ただ、資金繰りで申しますと、おっしゃるように、必ずしも資金を拘束しておりません。たとえば退職金引き当て金自体は、その資金の運用先を限定しておりますけれども、その限定された国債なりあるいは預金を担保にして金を借りちゃいかぬとはいっておりませんから、実際には資金繰りは、そのときそのとききまるだろうと思います。いま海運局長の言われたことは、まさにそうあってほしいものでございますけれども、かりにそうないからといって、そうなると非常な不健全なのかと言えば、決してそういうことではないと思うのでございます。ですから、最終的には、一つの借り入れ目的から見まして、そういったものをそのために借りないということは、一つの理想的な形ではありましょうけれども、先ほども申し上げましたように、逆に申しますと、財政資金を出しますのは、この限度でございます、こういうことになっても、それほど今度の再建策が、このために大きな政策効果が減殺されるというほどのものではない、かように考えております。
#49
○松本(忠)委員 その自己資金の問題については、見解を少々異にしておりますが、いずれにいたしましても、本法は個々の海運会社に対する補給でなくて、日本海運界に対する補給である、このように私は考えるわけです。そこで、その自己資金を直ちに投入できると局長は言われます。私どもは、それは実際問題として、資金繰りでできなければ、やはり市中銀行から借り入れなければならぬだろうと思うのです。借りていかぬとは言いませんけれども、そうなってくると、やはりすぐ借り入れできるというか、見返りの担保があって、十分に借り入れできる態勢にあるというのは、やはり中核の六社だけになってくるのではなかろうか、こうなってくると、六社以外の会社は、ワク内にあってもつくれないことになるのではなかろうか。結局、中核の六社だけがこの恩恵に浴してしまって、大企業がのさばる、と言っては、ちょっとことばが過ぎるかもしれませんが、この危険があるのではないか。結局、力のあるところに造船が片寄ってしまう、こういうおそれはないか、この点を心配いたしますので、確認をしておきます。
  〔阿部(喜)委員長代理退席、徳安委員長代理
  着席〕
#50
○澤政府委員 御指摘のように、会社の決算におきましても、また、経理状況におきましても、中核会社のほうが余裕のあることは事実でございます。また、再建整備期間におきましても、この計画造船が中核会社に偏向したということも、これも事実でございます。しかし、今後の新海運政策のもとにおきましては、系列会社あるいはオーナーに対しましても、単年度でそういう余力ができてこなくても、あるいは二年分を合算して考えて自己資金の量を算定する、またはこの中核会社に対しましても、共有で系列会社あるいはオーナーと船を持つことを強く要請いたしております。
 また、先ほども御答弁申し上げましたように、開銀のスクラップ・アンド・ビルドという制度がございます。これは計画造船のような厳重な条件を要求いたしておりません。主としてオーナー会社が、これによって容易に船がつくれるようにということで、オーナー中心に考えております。これらの制度を利用いたしまして、今後の系列、また、オーナーにも大いに船をつくっていっていただきたい、このように考えております。
#51
○松本(忠)委員 それで、系列会社その他についてはわかりますが、非集約の船主に対してはどういうことになりますか。
#52
○澤政府委員 非集約に対しましては、これは海運造船合理化審議会の答申にもございますが、再建整備期間中は、財政資金は非集約には一切つけないということでやっておったわけでございます。しかし、今度の新海運政策の期間におきましては、集約の秩序を妨げない範囲で、非集約の方でも、国際収支の改善に非常に貢献のある船をつくろうという方がありまして、しかもそれに四割ないし三割の財政資金をつければ船ができるというような場合には、財政資金をつけていこう、こういうことを答申を受けて、政府もそのように実施いたす所存でございます。
#53
○松本(忠)委員 はい、わかりました。
 それでは、次に市中融資について、利子補給率を一定にするということがございますが、具体的にはどういうふうな指導をなさいますか。
#54
○澤政府委員 これは海運に対する市中融資の金利が、実は従来非常に高かったわけでございます。これはいろいろな原因があると思いますが、海運企業に対する投資があまり、何と申しますか、安全確実なる投資ではなかったというようなこともあるかと思います。それから再建整備期間中におきましては、市中銀行は自分の力で利子の猶予をしておったわけでございます。これらの関係で、非常に海運向けの金利が高かったと思うのでございますが、再建整備が終わりましたので、今後は市中銀行の実際金利がどうあろうとも、現在市中銀行が各重要産業に設備投資として融資しております金利のうちで最も低いもの、これは最優遇金利と申しておりますが、この最優遇金利と六分との差を利子補給しよう。最優遇金利は、御承知のように二銭二厘五毛でございます。年利に換算いたしまして約八分二厘でございます。この八分二厘と六分との差を利子補給しよう、そういう最優遇金利が実際に受けられるかどうかということは、これは船会社の企業努力にかかわるわけでございます。
#55
○松本(忠)委員 それでは次に、建造目標を六カ年間で二千五十万総トンと定めてございます。しかし、建造目標が従来のペースに比べて大量建造に過ぎることはないか、このように思うわけです。いただきました資料から検討いたしましても、このように感じられるわけでございますけれども、こうなった場合の船台の確保、そういうものについては、十分のことができているのかどうか、この点をお伺いしておきたいと思います。
#56
○澤政府委員 二千五十万総トン計画の策定にあたりましては、日本の各船会社の経理内容を相当詳細に電子計算機にかけまして、一体これが無理かどうかということを検討いたしまして、この程度はいくということから、実はこういう結論が出たわけでございます。それから、船台の確保につきまして十分かというお話でございますが、これは現在でも年間三百万総トンの――これは自己資金船を合わせて、年間三百万総トンの建造規模に達しております。それで現在の規模を六年間少しずつ伸ばしていくわけでございますが、これは、日本の造船所は日本の船会社と非常に長い間の顧客関係にございますので、造船所自体といたしましても、日本の船主のために、ある程度の船台は予定しているというのが実情でございます。またさらに、先ほどもお話しのございましたいわゆる長期建造方式ということを、ことしから採用いたしますので、この制度に基づきまして船台を確実に確保してまいりたい、このように考えております。
#57
○松本(忠)委員 詳細については、あとでまたお伺いすることにしまして、一応三十九年から四十二年までの四年間の中期経済計画におきましては、七百四十三万総トンに対して実績が六百九十八万総トンというふうに私は思うのですが、この数字が間違いないとすれば、四十五万総トンが未達成であったと思いますが、そうなってまいりますと、この達成できなかった原因はどこにあるのか。
#58
○澤政府委員 先生御指摘の数字、ちょっとあとで検討さしていただきたいと思うのでございますが、われわれのほうの数字では、七百四十三万総トンの計画に対しまして約九百万総トンの船ができております。
#59
○松本(忠)委員 私が入手した資料ですと、そうなるように思うのですけれども、そうすると三十九年度は幾らになっていますか。私のほうの数字は六百九十八万というふうになると思いますが。
#60
○澤政府委員 ただいま先生御指摘の数字は、計画造船だけの数字であると思います。
#61
○松本(忠)委員 計画造船なら合いますか。
#62
○澤政府委員 合います。御指摘のとおりの数字でございますが、この期間に、そのほかに自己資金船が約二百六万総トンできております。
 それから御質問の昭和三十九年度におきましては、計画造船が百二十一万総トン、自己資金船が二十四万総トン、合計百四十五万総トンでございます。
#63
○松本(忠)委員 四十年から四十一年、四十二年、そこまで言ってください。
#64
○澤政府委員 四十年は計画造船が百八十三万総トン、自己資金船が四十二万総トン、合計二百二十五万総トン、四十一年が計画造船百九十一万総トン、自己資金船が六十二万総トン、合計二百五十三万総トン、四十二年が計画造船二百三万総トン、自己資金船が七十八万総トン、合計二百八十一万総トンでございます。
#65
○松本(忠)委員 それならわかりました。
 そこで、四十二年から四十五年の経済社会発展計画の四カ年間の目標は九百万総トン、この実績に対しても四十二年度は二百三万総トン、そうすると、これに自己資金のものも入れて二百八十一万総トンということになるわけですね。そこで、二千五十万総トンに対して、これを六カ年間で単純に割りつけた場合には、年平均三百四十一万総トン、こうなると思いますけれども、はたしてこれが完全にできるのかどうか、また、建造船舶の船種別内訳はどうなのか。定期船、一般貨物船、専用船あるいは油送船等を、年度別にその内訳をお知らせ願いたいと思います。
#66
○澤政府委員 二千五十万総トンができるかという御質問でございますが、二千五十万総トンにつきましては、これは国際競争力のある船を日本の船会社がつくる限り、日本の産業界はこれを使用する、こういうふうなお話し合いが経団連その他とできております。それから、船会社の体力的にもこの二千五十万総トンはつくれるだろうということは、これは会社の経理内容を相当詳細に電子計算機にかけました結果、このような結論を出したわけでございます。
 それから船種別の建造量でございますが、これは一応二千五十万総トンをつくりましたときの算定の試算の根拠でございますが、コンテナ船その他の定期船あるいは自動車専用船等が四百四十万総トン、それから不定期船が六百四十万総トン、それから鉱石専用船、石炭専用船、これに対しまして三百五十万総トン、それからタンカー六百二十万総トン、合計二千五十万総トンであります。
#67
○松本(忠)委員 これについて、それぞれ年度別に詳細に出ていることと思いますが、それは時間の関係もありますから、またあとで伺うことにいたします。
 そこで、この二千五十万総トン、これを建造するにつきまして、六年間で総額どれくらいの財政負担となるのか、金額は全体で幾らになるのか。
#68
○澤政府委員 実はこの二千五十万総トンのうち、千六百五十万総トンを計画造船で考えております。千六百五十万総トンに要します建造費は一兆三千億でございまして、そのうち財政資金で八千億の投資を予定いたしております。
#69
○松本(忠)委員 それでこの内訳として、四十四年度におきましては九百十億、これは二十五次船として二百五十万総トン、このようになるわけでございますね。この総額一兆三千億を年度別に内訳を示しますと、大体どのようになりますか。
#70
○澤政府委員 総船価で申しまして、四十四年度に契約する総船価は千五百二十三億、四十五年度は千八百八十九億、四十六年度は二千百二十六億、四十七年度は二千三百十六億、四十八年度は二千四百五十七億、四十九年度は二千六百六十一億、合計一兆二千九百七十二億でございます。
#71
○松本(忠)委員 そこでちょっと問題が変わりますけれども、輸銀方式をとらなかったこの理由はどうなのか。筋論からいけば、私たちは当然、輸銀方式をとるべきだと考えておりましたし、この点につきましては、前回の場合にも公明党として提言もしておりますが、なぜこれをとらなかったのか。また、とったとすれば、輸銀方式の場合には財政投資の負担は幾らくらいになるか。これは総額でけっこうですが、見込みを知らせてもらいたい。
#72
○澤政府委員 海造審の答申の過程におきましては、確かに輸銀方式をとるべきではないか、開発銀行に対して政府が出資をすべきではないかという議論はあったわけでございます。ただ、これには技術的にも、また財政的にも、いろいろ問題がございまして、まず財政的には、開銀の現在の海運融資の金利は六分五厘でございますが、これをかりに五分五厘に一分下げるために、この六カ年計画に要する国の財政資金は約一千億円出資が必要になるわけでございます。それから、これは利子補給によります場合よりも高額な出資になるということが一つ、それから開発銀行の現在の構成が、若干の政府出資はございますが、出資によって金利を下げるという制度をとっていないわけです。とっておりませんために、開銀のうち、はたして海運にだけこういう制度がとれるかどうかということについて非常に疑問があるということで、やはり従来の利子補給制度を採用したわけでございます。
#73
○松本(忠)委員 そうすると、計算上は総額でどれくらいになるかということは立ててもいませんか。
#74
○澤政府委員 先ほど申し上げましたように、金利一分を下げるために、この六カ年計画を実施いたしますために、一千億円の出資が必要でございます。
#75
○松本(忠)委員 それでは、時間の関係もありますから次に移ります。
 国際海運業界の競争はきわめて激烈でありますし、また、コンテナ輸送は予想以上の進展を見せておると思います。これらの状況から考えまして、日本海運業界を取り巻く環境もきわめて流動的であって、予断を許さないと私は思うのです。こうなってきた場合に、海運の国際収支の見通し、四十三年度においては八億三千二百万ドルの赤を見込んでおるし、最終の五十年度におきましてはそれが非常に少なくなって、二億四千二百万ドル、ここまで低下させる、このように言っておられるわけでございますけれども、はたしてこれができるのかどうか、机上の計算ではないのか、こういう点を疑問に思うわけです。冒頭にも申し上げましたとおり、わが日本の海運業界を取り巻く環境も非常に流動的であり、六年間完全な見通しが立つかどうかということは、私ども非常に疑問にしておるわけであります。そこで、この海運の国際収支の見通し、四十四年度から五十年度の二億四千二百万ドルまで低下する、その間の足取りはどういうふうになっていくか、この見通しを伺っておきたいと思う。
#76
○澤政府委員 実は、海運の国際収支の見通しにつきましては、年度別の見通しは立ててございません。これは八・五%の経済成長率によりまして、昭和五十年度におきます輸出入貿易量を算定いたしまして、船腹がそのときにわかってございますので、最終年次の昭和五十年度の国際収支の見通しだけを立てているわけでございます。これは御承知のように、運賃収支でとんとん、全体で二億四千二百万ドルの赤字、こういう算定をいたしております。
#77
○松本(忠)委員 その見通しについても、単なる数字の上でそういうふうに算定したというだけでございますね。――そこで邦船の積み取り比率が向上しても、昭和四十二年度においては八億六千七百万ドルの赤字である、この点はどういうところに原因があるのか。
#78
○澤政府委員 基本的な原因は、船のほうも大量建造を毎年続けてまいったのでございますが、日本経済の成長のほうが船の伸びよりさらに大きかったということが、基本的な原因であると思います。それから日本の貿易構造が、輸出と輸入の貨物の量にこれを換算いたしますと、輸入が圧倒的に多くて十一対一程度でございまして、この貿易構造の上で海運の国際収支を改善してまいりますためには、非常な努力が要るというようなことが原因であった、このように考えております。
#79
○松本(忠)委員 二千五十万総トンの大量建造ができたとして、これに見合うところの貨物が期待できるかどうかという問題、生きた経済の中におきまして、聞くところによりますと、海外に出ている日本の国の海運会社のいわゆるセールスマンが、外国の海運会社のセールスマンと対抗して負けない実力があるのかどうか、これは語学の点においても不十分であり、海外に行っている者の年齢も比較的若い、そういうところから、日本のセールスマンが常に外国の海運会社のセールスマンに押しまくられている、こういうことを聞いているわけであります。そこで、外国のいわゆる海運会社と戦わないで、簡単に言えば、当然邦船で運搬するような貨物だけをお互いに取りつくらしている、こういうことでは日本の利益はふえてこないと思う。こういう点について、海運行政では指導できるのかできないのか。また、やる気があるのかないのか。また、運輸省海運局の管轄ではない、通産省の管轄だと言われるのか。通産省の管轄であるとすれば、通産省と連携がとってあるのかないのか。こういう点について伺っておきたいと思う。
#80
○澤政府委員 この二千五十万トンの船ができましたら、これは十分利用するということにつきましては、経団連もその他の産業界も、日本船が国際競争力のある船である限り、これを利用しましょうということを申しております。
  〔徳安委員長代理退席、阿部(喜)委員長代理着席〕
それから、たとえば石油業界その他におきましても、この計画では過小に過ぎるのではないかというような話もございました。この荷物の取得につきましては、船会社が総力をあげてこれに取り向かっていくということを確信いたしております。それから日本の船会社の経営陣の強化につきましては、これは先生御指摘のとおりでございまして、戦前のいわゆるベテランが去り、戦後の新しい人が育つ過程でございます。今後、戦後採用した優秀な船会社の陣営の人が、大いに海外においても外国と競争して荷物を取ってくるということを期待いたしております。また、日本船同士が貨物を取り合うというようなことは、これは厳に慎まなければならないことでございまして、われわれといたしましても、常に船主協会に対して、そのようなことのないように勧告をいたしているわけでございます。法的にも、利子補給法の中に、邦船同士が不当な競争をする場合には、運輸大臣はその排除を勧告することができる、不当競争の排除を勧告することができるという規定もございますし、われわれとしてそのようなことのないように、今後大いに指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#81
○松本(忠)委員 そうすると、これはあくまで運輸省海運局で指導をする、そういうことであって、通産省のほうには何の関係もないということなんですね。
#82
○澤政府委員 一応運輸省海運局が、その当面の責任官庁であると思います。
#83
○松本(忠)委員 次に、輸入量の四十三年の見込みが三億三千四十一万トン、こうしてございます。五十年にはこれが五億五千七百九十三万トン、実に七割も増加するわけでございますが、この見込みを立てた基礎はどこにあるのですか。
#84
○澤政府委員 これはGNPの伸びを一応経済社会発展計画と同様に八・五%にとりまして、そうして五十年の貿易の輸出入の量を算定いたしまして、これは運輸省だけで実施したわけでございませんで、関係各省とも相談の上、このような数字を策定いたしたわけでございます。
#85
○松本(忠)委員 そこで、邦船の積み取り比率が四十三年度におきましては五一・八と見込んであるように承知しております。五十年には七〇%にするというふうにございますけれども、これは確実に七〇%まで積み取りができる力を持っているのかどうか、この点はどうでしょうか。
#86
○澤政府委員 これは現在でも輸入の積み取り比率は、先生御指摘のように四十二年四七%、四十三年五一%でございます。これは純日本船だけのものでございまして、日本の船会社が、船が足らないために外国船をチャーターしまして雇ったものを入れますと、四十三年の輸入の積み取り比率は約六三・八%の見込みでございます。したがいまして、今後この二千五十万総トン計画を推進してまいりますと、あとちょっとのところでございますので、七〇%というものは達成が可能である、そのように確信いたしております。
#87
○松本(忠)委員 これは海運局からいただいた資料ですね。――この資料の二ページには、輸入においては五一・八、こう出ているわけです。また、輸出のほうも三六・三というふうなことが四十三年度の見込みとして出ているわけでありますが、いまのお話のようで、輸出の場合にも、日本の輸出の商社が外国船を用船して運んだ分は加えていない、こうなるわけですね。――加えると、四十三年度が四七%ということになるから、あと一三%くらいだから達成できる、そういうことになったならば、やはりこの資料の一二ページの1のところに、輸出が六〇、輸入が七〇というふうに書いてあるわけですが、この資料の二ページのほうの「海運積取比率の推移」というところも、もう少しこの説明を加えていただいたほうが納得できるのではなかろうか。いわゆる輸出商社が外国船をチャーターして運んだ分も加えた数字を、やはりここへ出しておいてもらったほうが理解が早いのではなかろうか、ちょっと不親切だというふうにも私は思うわけです。荒々のことはわれわれもわかっておりますけれども、こういう点について一そうお役所のPRを十分にする意味においても、これはやっていただいたほうがいいのではなかろうか、こう思います。
 そこで、次に移ります。法文の新旧を対照してごらんいただくとおわかりと思いますが、旧法の外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法の第十三条、それと今度の外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の第九条の内容といいますか、趣旨といいますか、これは同じでしょうか、違うのでしょうか。
#88
○澤政府委員 その趣旨におきましては、両方の趣旨は同じでございますが、利子補給の返納規定を今度の新法においては合理化させていただいたわけでございます。
#89
○松本(忠)委員 わかります。趣旨が同じということで、その内容については非常に改善されているということは、私も認めます。
 そこで、同じとすれば、目新しいことではございませんけれども、この際もう一度確認しておきたいと思うのでありますけれども、要するに、十五年以内に利益があった場合に一割配当、おそらく政令できまるのは一割、一〇%と思います。一割配当すれば、利子補給金の返還をするわけでございますが、十五年以降に利益があった場合はどうなるのか。また、利益の額が当該会社の資本に政令で定める率――一割と思いますが、この一割をこえないとき、すなわち六分か七分の配当をしている限り、返還しなくてもいいことになるのかどうか、この点を伺っておきたい。
#90
○澤政府委員 御指摘のように、一定の利益率は、資本に対しまして一〇%の利益率を予定いたしております。したがいまして、これは現実に配当の率ではございませんで、会社決算の税引き後の利益率でございます。まず第一に、この一〇%の利益率をこえなければ、利子補給は返還をしなくてよろしいということでございます。それから、返還しなくて十五年を経過すれば、利子補給の返還義務はございません。したがいまして、利子補給金は、偶発債務ということで会社経理上処理されております。
#91
○松本(忠)委員 そうしますと、あとから私申し上げましたが、六分か七分の配当をしている限り返還しなくてもいい、こういうことですか。
#92
○澤政府委員 会社決算上、一割の利益を計上しない限り利子補給を返還しなくてもいいということでございまして、六分配当の場合は、おそらく会社決算上、一割をこえる利益率を計上していないのではないかと思いますので、その場合は利子補給を返還しなくてよろしい、こういうことでございます。
#93
○松本(忠)委員 それから、昭和二十八年ごろのものについては大体十五年ぐらい経過しているわけですが、ここで過去に返納された事実があったのかないのか、この点を私どもも承知しておらぬのですが……。
#94
○澤政府委員 これまでに五億利子を返納いたしております。
#95
○松本(忠)委員 その五億というのはどこの会社の分ですか。
#96
○澤政府委員 会社の名前を申し上げましょうか。
#97
○松本(忠)委員 はい。
#98
○澤政府委員 昭和海運三千九百万円、共栄タンカー二千五百万円、東京船舶二百万円、沢山汽船二千三百万円、森田汽船一億三千三百万円、照国海運三千九百万円、岡田商船四千七百万円、共同汽船六百万円、板谷商船五百万円、大阪船舶一千万円、太陽海運二千百万円、中村汽船千三百万円、関西汽船三千八百万円、三光汽船一億六百万円、合計五億七百万円ということであります。
#99
○松本(忠)委員 わかりました。五億七百万でも返還があったということは、けっこうなことだと思います。
 そこで次に、税制についてお伺いしたいわけでありますけれども、輸出割り増し償却制度が二年延長になっております。そこで、これはいいと思うのですが、二年延長ということでこの二年間にどうするおつもりなのか、二年先にこの特別償却制度をなくすのか、続けるのか。また、今回二年延長とした理由は何か、これをお伺いしておきたい。
#100
○村山(達)政府委員 今度の税制改正では、輸出振興税制はこの特別償却に限らず、すべて一律にとりあえず二年延長するということでございまして、それと平仄を合わせまして、特別償却制度につきましても、一応二年ということになっているわけでございます。二年後どうするかという問題は、いろいろ議論いたしたのでございますが、もちろん実際には、そのときの状況によるわけでございます。おそらく前三年間、つまり自己資金を五%、一〇%という、これは大体新海運政策では、同じ状況を見通しているわけでございますから、おそらく前三年間については、同じ措置をとってもらわなくちゃ困るだろうということは、党の税制調査会におきましても、また、国会においても、税制当局の説明しているところでございます。あとの後半の問題につきましては、これはまさにその時点の問題だと思うのでございまして、そのときにおける海運界が、なお税制の面から援助を必要とするかどうか、そういう点をにらみ合わした上で今後検討したい。打ち切るということをいまからきめているわけではないということだけ申し上げておきます。
#101
○松本(忠)委員 それから、輸入運賃について二分の一としておりますけれども、大蔵省ではゼロを主張していた、このように聞いております。輸入貨物を邦船で運搬したその運賃を、特別償却の対象とするのはおかしいと思うわけです。これは私は、大蔵省の意見が正しいと思いますけれども、なぜこれを二分の一としたのか、この辺について次官からお伺いしておきたい。
#102
○村山(達)政府委員 輸出振興税制でございますから、その意味でいいますと、輸入運賃が入るのはおかしいじゃないかということもございますが、二つ、三つ理由があるわけでございます。
 一つの実質的な理由としましては、輸入運賃でございましても、もし外国船がそれを運んだといたしますれば、それだけ外貨が要ることになりますから、消極的意味の節約にはなるということは確かでございます。しかし、それに対してはいろいろな反論がございまして、それなら同じような業種で消極的節約をはかっているところはたくさんあるじゃないか、それにも認めるべきじゃないかという議論も当然あるわけでございます。
 しかし、第二の理由といたしましては、何と申しましても、海運界の再建と申しますか、拡充――海運界は今度の目標に従いまして、二千五十万トンの建造をやるということが一番大きなねらいであるわけでございますが、それを急激にかりに理屈だけで一挙に解消いたしますと、なかなか大きな影響がありますから、一方においてそういう議論があるところでもありますものですから、その影響をある程度緩和した。
 それから第三の理由といたしましては、今度新造船につきましては、普通の産業機械と同じように、初年度十分の一の合理化償却制度を導入いたしたわけでございます。これは普通の産業とのバランスから考えれば、当然なことだと思うのでございます。そういうものを入れますれば、かりに二分の一に押えましても、一挙に下げましても、各海運会社、船主に与える影響は、それほど大きなものではないのじゃなかろうか。
 およそそれぐらいの三つの理由からいたしまして、このたびは二分の一にとどめおくということでございます。そのことは期限は二年間でございますが、先ほど申しましたように、二年後どうするか、あるいは三年後どうするかという問題は、今後の状況によってきめていこう、こういうことでございます。
#103
○松本(忠)委員 船舶局長にお伺いしたいのですが、四十四年から四十九年までの間に使用に耐えなくなる外航船舶はどれくらいできるのか。いただいた資料の一二ページにある必要船腹量の表のうちに、必要建造量二千五十万総トンといううちにカッコがございまして二百九十万総トン、こういうふうに書いてありますけれども、これはこの代替分という意味ですか、ちょっと確認いたしたい。それとも違いますか。
#104
○佐藤(美)政府委員 合計して、代替分といたしまして二百九十万総トンでございます。
#105
○松本(忠)委員 私の申し上げた二百九十万総トンは、要するに使えなくなる分をそのまま代替する、新規につくる、こういう意味ですね。
#106
○佐藤(美)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#107
○松本(忠)委員 次に、最近の大きな話題になっております原子力船あるいはコンテナの革命、タンカーの大型化、こういう点についての検討は十分加えてあるのかどうか、この点を船舶局長から伺っておきたい。
#108
○佐藤(美)政府委員 原子力船につきましては、一応四十七年度からこの船が動き出すことになります。この船と申しますのは、ただいま石川島播磨でつくっております第一船でございます。それで実は第二船以降につきましては、具体的な計画はございません。ただ、御存じのように航送コンテナ船その他の大型船、そういうことに関連しまして、原子力船のほうが経済性があるのじゃないか、こういわれておるわけでございます。この点につきましては、原子力委員会で今後さらに詰めまして計画を立てるようになると思います。
#109
○松本(忠)委員 ただいまお話しのありました石川島播磨でつくっている第一船というのは、いつごろ竣工の予定なんですか。
#110
○佐藤(美)政府委員 六月の十二日に進水いたしまして、それから別のほうに持ってまいりまして、竣工するのが四十六年の末でございます。
#111
○松本(忠)委員 船員局長に伺うわけでございますが、先ほど内海委員の質問に対しまして次官からも御応答がございましたので、一応了承はしておりますけれども、いわゆる甲種の船長、甲種の機関長等が後半において相当足らなくなる、これに対する充足の面については、まだ確たるお話がないようでありますが、実際上この充足はできるのかどうか、見通しはあるのかないのか、この点を重ねて伺っておきたいと思います。
#112
○高林政府委員 甲種の船長及び甲種の機関長でございますが、大体この二千五十万トンの計画をやっていきます場合は、平均いたしまして船長百三十名、それから機関長同数の百三十名が、大体毎年必要になってくるというふうに考えられます。
 ところで、現在この甲種船長及び甲種機関長は、主として商船大学あるいは商船高等専門学校を出た人が大部分なっているわけであります。商船大学は毎年三百二十名入学しております、それから商船高等専門学校は本年度から六百名でございます、合わせまして九百二十名、これが大体航海士、機関士、半々というふうになっております。こういうような学校の定員の状況から見まして、大体この百三十名ずつ毎年必要とするところの人間の、基幹になりますところの学卒者は、大体供給され得るというふうに考えます。
 なおこの甲種船長、機関長につきましては、海技試験という国家試験がございまして、免状資格についての試験が必要でございます。この甲種船長の過去三年間における受験の合格者は、大体平均二百名、それから機関長は大体平均百三十名から百五十名というような人が合格しております。そういうような海技試験の状況、それから学校が定員をふやしておるというようなこと、そういうようなことから見まして、百三十名ずつというものが大体確保可能であろうというふうに考えます。ただ、若干不安がございますので、現在こういうような甲種船長、機関長の免状取得は、筆記試験と口述試験ということで全部やっております。それで合格率は大体四〇%くらい、この点は、筆記試験はある程度免除して、経験を尊重してやっていく、実地から上がっていくような人も甲種免状を取れるようにというふうなことをいま船舶職員制度を改正して、実地経験を尊重して、上級取得免状をやらせたいということで考えておりますので、こういうような点からも、相当補充は可能であろうかと考えております。
#113
○松本(忠)委員 最後に、マラッカ海峡の浅瀬の問題でありますが、これがしばしば事故発生の原因となっております。海図にあらわれていないところの浅瀬の調査等について、日本海運界にとっては大きな問題でありますし、この調査については、何らかの具体的な方策がなければならぬと思うわけでございますが、この具体策をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#114
○村山(達)政府委員 仰せのとおり、マラッカ海峡につきましては、最近二十万トン以上のタンカーが航行することになりまして、これはずいぶん古い調査でございますものですから、航行の安全のために、あらためて調査を必要とする段階でございまして、ことしの一月から三月まで、実はわが海上保安庁で調査を終了いたしまして、現在その結果を集計中でございます。すでに公表いたしましたように、海図と違っておる浅瀬が、もう二十一カ所も指摘されているわけでございます。これから海図をつくりまして、どういう地域に航行安全上の標識あるいは灯台、ブイ等を置かなければならぬか、これをこれからそれぞれ詰めてまいるわけでございますが、いずれその計画ができますと、どこの国がどういう負担をして、そういう施設をやるかという問題になるわけでございます。従来の例でいいますと、こういう場合は、その海峡の利用国と、それから沿岸、そこの海峡の周囲の国が分担するのでございます。見通しといたしまして、インドネシア、マレーシアが主でございますが、外国から財政援助をもらっているようなところでございまして、財政負担はなかなかむずかしいのじゃないか。最終的には、この海峡を利用しております海運国が協議いたしまして、それらの負担において持たなければならないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今度の調査の結果が出ましたら、早急に各国と相談いたしまして、その具体化を急速に進めてまいりたい、かように考えておる段階であります。
#115
○松本(忠)委員 けっこうでございます。終わります。
#116
○阿部(喜)委員長代理 福井勇君。
#117
○福井委員 今朝の新聞を見まして、関連質問といいますか、船舶に若干関係があるので、お尋ねしてみたいと思いますが、研究課題としてこの次にお答えくださればいいのです。
 運輸省所管の公営競技のうちで、モーターボート・レースの利益金の均てん化の問題は、すでに御承知のとおりでありますが、きょうの新聞で見ると、ある新聞では、これを今国会に出して了承を受けるというようにとれる記事もあり、まだいろいろ検討しなければならぬというようにとれる記事にもなっておる新聞もあり、わかりませんが、自転車は通産省だし、モーターボートは運輸省が今日まで海事思想の普及という非常にりっぱな名目で育ててこられた、その所管でありますから、十分検討して、今日までその方面に努力してきておるその施行地域の町村が、赤字のところもあり、黒字のところもあるし、ところどころによって千差万別でありますから、十ぱ一からげに均てん化という美名のもとに、まだ赤字の借金で苦しんでおるようなところまでも、へたな了承をしないということで、大きい宿題として、特に運輸委員会で私が希望して、この次の何らかこの委員会でお尋ねしたいと思いますから、自治省側と通産省側、競馬は農林省側、そういう方面とも十分連絡をとって、満点の答えがいただけるようにお願いしたいと思います。それだけです。答弁は要りません。
#118
○阿部(喜)委員長代理 次回は、委員長の指定により、明二十三日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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