くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第061回国会 商工委員会産業金融に関する小委員会 第2号
昭和四十四年六月二十六日(木曜日)
    午前十時四十三分開議
 出席小委員
   小委員長 武藤 嘉文君
      大橋 武夫君    橋口  隆君
      堀  昌雄君    武藤 山治君
      岡本 富夫君
 出席政府委員
        通商産業省企業
        局長      大慈彌嘉久君
        中小企業庁次長 新田 庚一君
 小委員外の出席者
        商 工 委 員 加藤 清二君
        大蔵大臣官房審
        議官      田代 一正君
    ―――――――――――――
六月二十六日
 小委員岡本富夫君同月十二日委員辞任につき、
 その補欠として岡本富夫君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 小委員増岡博之君同月十七日委員辞任につき、
 その補欠として増岡博之君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 小委員橋口隆君同月十八日委員辞任につき、そ
 の補欠として橋口隆君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
同日
 小委員佐野進君同月十九日委員辞任につき、そ
 の補欠として佐野進君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
同日
 小委員丹羽久章君同月二十五日委員辞任につき、
 その補欠として丹羽久章君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 産業金融に関する件
     ――――◇―――――
#2
○武藤小委員長 これより会議を開きます。
 産業金融に関する件につきまして調査を進めますが、企業局長のほうより資料に基づいての説明をお願いいたします。
#3
○大慈彌政府委員 前回の委員会で御指示がございました通産省所管の主要企業における設備資金の調達の状況について、最初の計画とあとの実績等も対照しながら簡単に説明をさしていただきます。お手元に配付をしてございます資料に基づきまして説明をさせていただきます。
 これは三十六年度以降の通商産業省所管の主要企業における設備資金の調達の状況をまとめたものでございます。資料は別表に数字が入っておりまして、A表とB表に分かれておりますが、A表は数字の絶対額、金額が入っておりまして、B表はパーセンテージといいますか、構成比でございます。一緒にとしてあって見にくうございますが、説明文のほうに基づいて説明をさせていただきますと、全体的に見て計画額と実績額との間にはかなりの乖離が見られる。これは第一に、計画段階の数字は年度当初のものでありまして、その性格として二、三の資金ソースについて希望的な数字が入っております。たとえば社債であるとか政府資金については相当大きな希望数字が入っているということであります。
 それから第二に、当該業界の景況であるとか需給動向であるとか、時間の推移に伴います期中の変化に応じて当初計画が漸次修正をされながら実行をされていくということがございます。
 それから第三に、産業構造審議会の産業資金部会において調整が行なわれておりますが、年によって大幅な調整が行なわれましたり、ほとんど調整が行なわれないというようなときもございますが、そういう年度別に調整が行なわれまして、それが各会社の実行計画に影響する、こういうようなことがありまして乖離が生じる、こういうことでございます。
 以下、資金の源泉別に見ますと次のような傾向がうかがわれます。
 まず第一に、株式でございますが、三十六、三十七年度と大幅な増資が行なわれておりますが、それが圧迫要因となりまして、その後株式の構成比は著しく低下をしまして、四十年度以降構成比は五%前後ということに低迷をしております。この部分は一のA表でございます。パーセンテージのほうは一のB表でございます。低下を続けているわけでございます。
 それから社債のほうでございますが、社債をコンスタントに発行できるのは電力、鉄鋼などの一部業種に限られておりますが、これら業種により一割弱の資金調達ソースとして安定的に活用されておる。
 それから借り入れ金のほうでございますが、政府借り入れの構成比はおおむね四%程度、横ばいでございます。
 それから民間の借り入れは四十一年度を除いては二〇から三〇%程度の水準を推移しております。機関別では生保、信託への依存度が高く、都地銀のウエートはきわめて低い。
 それから自己資金でございますが、自己資金比率は四十一年度までは傾向的に上昇してきたが、投資の急速な拡大を見た四十二年度以降は再び減少ぎみである。達成率を見ると、自己資金の達成率は四十二年度を除き、全体の達成率を常に上回っている。当初は低く見積もりをしておくというためだと思います。
 以上が全体の計画でございますが、業種別ということで典型的なものを三つだけ選んでございますが、それは大企業部門で投資規模が非常に大きい、それから需給、資金面で産業全体の波及効果が高い業種ということで鉄鋼であります。それから自己資金のウエートが高く、過去において景気の変動幅が大きかった電機と電子工業、それから協調懇談会における工事調整が行なわれ、主要企業の中でも大企業と中堅企業が並存しているということで紙・パルプ、この三つの業種を選んでみたわけでございます。
 そうしますと、それぞれの特徴が以下にございますようにございまして、鉄鋼については毎年度需給面、資金面から調整が行なわれてきたが、特に三十七、三十九、それから四十二年度もそうでございますが、四十二年度においては大幅な調整が行なわれております。その調整額は四ページにございますように、三十七年度の六百九十六億円から三十九、四十二、この辺が大きいところでございます。
 それから調達の中身の株式でございますが、四十年度までは二〇ないし三〇%ということで安定的に推移をしておりましたが、四十一年度以降は依存率が著しく低下をしている。この辺のパーセンテージは、2のB表にございます。四十三年度では〇・一%ということで、ほとんど増資が見られないというような状況でございます。それから達成率も五〇%前後で、今後大きな資金ソースとしては、期待困難であろう。それから五ページにまいりまして、社債はおおむね七―八%前後の依存率で、四十二年度以降若干高まっているという状況でございます。それから借り入れ金のほうでございますが、民間借り入れ金の構成比は、三〇ないし四〇%でございまして、民間借り入れ金の依存度が向上しております。それから外資にも依存をしております。それから自己資金のほうは、依存率は四〇ないし五〇%でありまして、四十一年度まで株式、社債の減少に伴い上昇気味であったが、四十二年度を境にして、低下気味でございます。
 それから電機と電子でございますが、六ページにございますように、四十年度までは設備投資の規模が逐年減少を示しておりますが、四十一年度から上向きまして、四十二年度は千二百六十億円ベースということで、三十六年度と同じ水準に達し、以降、増加傾向にあります。それから総体としては、電機を中心に供給圧力が強かったため、その面から設備投資は鎮静化傾向にあった。項目別に株式以下ございますが、三十七年度までは二〇%前後の依存率、三十八年度以降は一〇%以下という状況であります。それから社債でございますが、おおむね一〇%前後で推移をしたが、最近低下ぎみ。それから借り入れ金でございますが、これも借り入れ金への依存が三十九年度を境として、五%以下と低下をしまして、四十一、四十二年度は、むしろ返済のほうが多いという状況でございます。自己資金の依存度といいますか、自己資金での支出が著しく高くなりまして、四十一、四十二年度は九〇%から一〇〇%を示した。
 それから紙・パルプでございますが、紙・パルプは達成率が総体的に見て低いといいますのは、パルプについて協調懇談会により着工ベースの調整が行なわれている、このため計画数字はやや大き目になる傾向があること等によるもので、資金調達面からの制約によるものとは思われません。項目別に見ますと、株式で四十年以降依存率は著しく低下をしております。それから借り入れ金でございますが、生保信託に対する依存度が高く、反面都地銀に対しては、三十八年度以降返済超となっている。それから自己資金でございますが、これも近年は五〇%台で推移をしております。
 簡単な説明でございますが、終わらせていただきます。
#4
○武藤小委員長 それでは次に、大蔵省田代審議官より、配付資料に基づきましての説明を聴取いたします。
#5
○田代説明員 ただいま皆さんのお手元に配付いたしましたのは、金融制度調査会で現在、民間金融機関のあり方についてということをテーマといたしまして、一昨年来審議をいたしておりますが、その審議の一つの便宜をはかるという角度から、実は昨年の六月に金融制度調査室を中心といたしまして、企業にアンケート調査をいたしました。その結果の一つの姿が出ておるわけでございます。御参考までに申し上げますというと、このアンケート調査をやりましたのは、法人企業統計季報対象企業の中から、対象企業を大体千九百三十二選び、それにアンケートを差し上げたわけでありますが、その回収は千五百四件でございます。回収率が七七・八%で、官庁のやるアンケート調査といたしましては、非常に回収率の高かった調査だといわれておるわけでございます。このアンケート調査におきまして、幾つかの設問を出しておるわけでございますが、その中の、今後の問題といたしまして最も重大だと思われる計表を一枚表として皆さまのお手元に配付いたした次第でございます。ごらんいただきますというと、これは資本金の階層別になっておりまして、さらに調達方法としまして、短期借り入れ金、長期借り入れ金、社債の発行、増資企業間信用、そういうぐあいに分類してございまして、これまで外部から設備資金を調達する方法として、実績といたしましてこういうことをやってまいりましたというのが、実績欄にあがっておりまして、希望の欄は、今後はこうしてもらいたいものだという希望の数字を集計いたしまして、資本金の階層別に分けてあるわけでございます。したがいまして、合計欄でごらんいただきますと、実績といたしましては、短期の借り入れ金が二一・四%、長期の借り入れ金が五七・七%というぐあいにずっと並んでおります。ところが希望の欄といたしまして、ここにございますように、短期の借り入れ金は一四・四%、長期の借り入れ金が六六・四%というぐあいに並んでおるわけでございます。特に私ども問題意識を持って見ておりますのは、第二の欄、長期借り入れ金の欄でございます。ごらんいただきますというと、資本金の大きい企業ほど実績と希望とが近寄っております。資本金の小さい企業ほど実績と希望との乖離は著しいということに相なっておるわけでございます。どちらかと申しますと、一億以下の企業ということになりますと、かなりこの乖離が激しいということが見られるわけであります。俗に、ある問題の見方から申しますというと、この辺に現在の日本の金融という問題の中における、一つの問題点がうかがわれるのじゃなかろうか、こういう気持ちでながめておるわけでございます。
#6
○武藤小委員長 この際、質疑の申し出がありますので、これを許します。堀昌雄君。
#7
○堀小委員 先ほど企業局長のほうから御説明のありました資料は、次回にひとつ質問をさしていただくことにいたしまして、きょうは、前回中小企業金融についての問題が取り上げられておりますのに引き続いて、中小企業金融というものの産業サイドと申しますか企業サイドからの問題を少し取り上げていきたいと思います。
 最初に、いま資料説明がありましたから、それについてちょっとお伺いをいたしますけれども、いまの十億円以上、一億円から十億円、五千万円から一億円、一千万円から五千万円、一千万円未満と、これのシェアでもいいし、その該当数でもいいのですが、大体これはどのくらいの分布になっておるのか、お答えをいただきたいと思います。
#8
○田代説明員 申し上げます。いまの御質問は、一つは抽出率という問題だと思うのです。それで申し上げますと、法人企業統計季報対象の法人数に対して抽出数、抽出率がどうなっているかということをちょっと申し上げますと、十億円以上の率が四七・六%になっています。それから一億円以上十億円未満が一〇・六%、それから五千万円以上一億円未満が一六・六%、一千万円以上五千万円未満が五・四%、一千万円未満が四・四%、平均して九・一%でございます。
 そこで、これはちょっと誤解を招くおそれもございますので、抽出した会社の数を申し上げますと、十億円以上が四百四十八社、それから一億円以上十億円未満が四百六十社、五千万円以上一億円未満が四百三社、一千万円以上五千万円未満が三百七十五社、一千万円未満が三百二十社ということになっております。
#9
○堀小委員 実は私、きょうこの問題を少し伺おうと思ってまず「中小企業の動向に関する年次報告」をちょっとひっくり返してみたのですけれども、概括的なことはいろいろ書かれておるのですけれども、どうも中小企業に対するいろいろな問題というものが、中小企業一くくりになっているものはあるけれども、あとのもう少し中に踏み込んで、中小企業といえども製造業もあるし、流通もあるであろうし、製造業における設備投資の問題、流通業の設備投資の問題、非常に性格の違うものが一つの中小企業というジャンルでただくくられて資料がいろいろ出されておりますので、この点はちょっと中小企業という日本特有のことばかもわかりませんけれども、抽象的なものだけでの分析というのはやや不十分な感じがしてなりません。特にその中で二、三ある資料でちょっと私気のついたところで、いまとの関連で先に伺っておきたいと思うのですが、「主要財務比率の推移」という資料がありまして、そこで三十八年−四十二年の資料が出ております。固定長期適合率は三十八年には一一五・六と中小企業はなっていますが、これが四十二年には一〇七・四、ですから八・二ほど固定長期適合率は改善をされてきておるわけですね。これは依然として一〇〇%以上ですから、さっきのファイナンシャルギャップが多少こことの関連である、こう思うのですけれども、これが第一点。
 次に中小企業の「製造業設備資金調達状況」という資料がありますけれども、それを見ますと、最近は中小企業内部資金というのは大企業に比べても非常に改善をされてきている。この資料で見ると非常に改善をされておるが、感じとしてどうもあまり改善をされていないのではないか。実態との乖離というのは、調査対象なり、そういうものとの間に少しラグがあるのじゃないかと思いますが、資料だけで見ますと、四十一年度の実績というのは中小企業は六一・九、大企業は八四・六。中小企業の四十二年度実績は少し下がっておりますけれども五九・七、大企業の実績は六〇・四ということで、どうも四十二年度は実績で見て大企業と中小企業とほとんど内部資金が同じぐらいです。
 計画になりますと、四十三年度計画では逆に中小企業は六四・一で、大企業は五二・三ということですから、その点非常に興味のある資料だなと思うのです。
 今度は「借入金」のほうを見ますと、中小企業は四十一年度実績で三四%、四十二年度が三六・八%、ところが四十三年度の計画は、五%程度内部資金のほうがふえている関係があって借入金の計画というのは三〇・五%まで下がってきている。中小企業というのは資金需要が十分でないというふうにわれわれは理解をしておるし、いまのこの資料等で見ても短期資金、長期資金ともにファイナンシャルギャップというものがある。ギャップがあるにもかかわらず、こちらのほうの資料で見ると、借入金が減少をする計画が出ているというのなら、どうも私は中小企業庁側のサイドから見ておる資金需要の問題と今度アンケート調査でわかってきた大蔵省側から見ておるあれとの間でかなりのギャップがあるという点が、どうしてこうなるのかなという感じがするわけであります。そして借入金の大企業における合計は四十一年度実績は六%、四十二年度では三〇・三%、四十三年度計画では三六・四%ということでありまして、どうも四十三年度計画というところで中小企業の三〇%に対して大企業は三六%、正確には三六・四%でありますが、どうもこれらの数字が私ははたしてどの程度正確なのか、私どもの頭の中にあるイメージとはかなり違う姿がこう出てくるのですが、これらについて最初に中小企業庁側から一体これでいいのかどうか。こういうことなら、中小企業の資金というのは過去の状態よりも資金需要は減るのだという形であるならば、最近のいろいろな金融機関の中小金融向け貸し出し比率を見ておりますと、貸し出し比率はおおむね安定した形で推移している。資金需要のほうは減るのだということならば、中小企業金融はこの文書でも、皆さんのほうにもある中小企業金融対策についてという中にもいろいろ書かれておるけれども、こういう資料と比べるとどうもマッチしていない。これは一体どういうことなのか、少し中小企業庁側から説明をしていただきたい。
#10
○新田政府委員 ちょっと手元に資料がございませんので詳細な説明ができませんけれども、いま先生御指摘の第一点の長期適合比率の問題でありますが、三十八年度と四十二年度の間の中小企業の設備投資の動向を見ますと、四十一年度が相当高い伸び率を示しておりますが、ほかの年次はおおむね停滞しているわけでございまして、そういった設備投資の傾向から見まして、でき上がりの財務比率が多少改善されたという姿を設備投資の動向との関連で一応概括的には言えるのではないか、こういうように思います。
 第二点の設備投資計画における自己資金の比率あるいは借り入れ期待の比率でございますけれども、実はこの数字は中小企業金融公庫がやっております約一万社、十人未満でございますが、例年二月で調査をやっておりますが、その資料かと思います。中小企業の設備投資計画そのものが、毎年計画と実績が非常に食い違っておるというのが過去の実績でございまして、したがいまして、御指摘の四十三年度の数字そのものが実は当初マイナスが出ておったわけでございまして、設備投資計画が前年度よりも下がるというふうな傾向になっておったわけであります。その四十三年度の設備投資計画について申しますと、四十三年の二月では、前年度に対して二〇%マイナスになるというふうな数字、それが八月に再調査しますとマイナス一・七、それからまたことしの二月に調べますと一〇%をこえるというふうに、その時点によっていつも変わってくる。御指摘の数字はおそらく最初の調査の数字だったと思いますが、そういうことで設備投資計画そのものを非常に過小に見積もっておる。したがいまして一応自己資金でやれる範囲でやる、足らない分を外部に依存するというふうな傾向になるものですから、比率としては非常に外部期待が小さくなるというふうなかっこうになっておるのじゃないかと思います。実勢は、いま申し上げましたように、年度に入りましてから特に最近の労働力不足に対処しまして省力投資を中心とする設備投資が最近の中小企業関係で非常にふえてきておりまして、まだ正確な数字は把握できませんけれども、おそらく年度間としては二〇%くらいの伸びというものが出てくるのじゃないかというふうに思っております。手元に資料がございませんので、詳しいことは申し上げられませんが……。
#11
○堀小委員 確かにいまおっしゃるように、設備投資が大きいか小さいかが、まず第一点の固定長期比率に関係があるんですけれども、ちょっとこの資料だけで見ますと、これは実績でしょうから、一貫してだんだん下がってきているのですね。三十八年は一一五・六、三十九年一一四・四、四十年一一三・七、四十一年一〇九・七、四十二年一〇七・四と、傾向としてみて、これは一貫して非常にずっと下がっている。どちらかというと、大企業のほうが九五・三、九六・一、九四・六、九四・八、九三・二、ほぼ横ばいなんですね。大企業のほうは横ばい、しかし、中小企業のほうはだんだん下がってきておる。しかし、要するに内部資金も、多少は、これで見ると、こちらの片一方の四十一年、四十二年あたりは、実績で見て横ばいになっているということからすると、この長期固定比率が改善されてきたというのは、長期借り入れが少し増加をしてきているんじゃないか、それがこういう形に出ているんじゃないかというふうに私いま見ているわけなんですけれども、そこで資料のことですから、なんですが、この資料は大蔵省の法人企業統計から出ているのですから、もとはその他のものと同じ、いまの大蔵省のアンケート調査のベースと同じことになっているわけですけれども、そうすると、最近少なくとも中小企業としては長期資金の借り入れはかつてよりは楽になってきておる、しかしまだ不足だということになるのかどうかですね。そこらについてちょっと両省から考え方を伺いたいと思う。
#12
○新田政府委員 私、ただいま申し上げました設備投資の傾向のほかに、先生御指摘の、設備投資の中小企業に対する長期資金の供給が、多少傾向的にはふえておるということは言えるのじゃないかと思います。数字で申し上げますと、全金融機関設備資金貸し出し残高の中で、中小企業向け設備資金貸し出しが占める比率を見ますと、四十三年度末では四〇%になっておるわけでございますが、四十二年度末では三九・三、それから四十一年度末では三六・七、それから四十年度末が三二・一と、逐年比率としては若干ずつふえておるという傾向はあると思うのです。
#13
○田代説明員 ただいま堀先生から御指摘がございましたが、実は私どもも金融制度調査会の資料の一つといたしまして、法人企業の資本金規模別の長期適合比率の推移を調べてみたわけでございます。全産業でとりますと、確かにこれが昭和三十七年からずっと徐々に――これは四十一年までしか数字はないのですけれども、全産業では、三十七年以降、たとえば九八・六が九八・九、九九・四、九八・二、九八・〇ということで、若干改善という感じが出てまいるわけでございます。しかも全産業の場合には一〇〇以下であるということが、一つ大事な問題だと思います。
 それから、そこで全産業の中小企業をとってみますと、これは五千万以下をとってみますと、これが一番高かったのが三十五年の一〇六・五であります。その後、ふえたり減ったりしてまいりまして、四十一年、一番新しい時点では、これが一〇九・七ということになっているわけでございます。ですから、傾向線といたしましては、中小企業というものの長期適合比率というものが下がってきているという感じはいたしますけれども、全産業との比較でとりますと、まだ一〇〇以上であるという意味において、まだまだその点の問題は残っておるんじゃないかという感じはいたします。
#14
○堀小委員 そこで、これは大蔵省のほうで試算をされていると思うのですけれども、このいまの五千万円以下の中小企業のファイナンシャル・ギャップをもし埋めよう、ひとつ中小企業が希望するだけ資金を供給するとかりに前提するならば、大体どのくらいの資金量を新たに中小企業のために考えなければならないか。ここで見ますと、十億円以上はもうほとんど完全に実績と希望が合っていますから、ここはほとんど必要がない。一億円から十億円までのところから少しありますが、これも比較的少ない。結局乖離がかなりはっきりしてくるのは、五千万円から一億円以下の企業というところで、かなり希望と実績に乖離が大きい。特に、ここの中で見ると、短期資金のほうは、今度は逆にギャップが小さくなっているわけですね。だから、トータルでこれを見るわけにいきませんけれども、おそらく全体とすると、資金量そのものの借り入れに対しての金額というものはそんなに違わないので、中身の問題として、短期はそんなに要りません、しかし長期はほしいということは、裏返せば、中小企業がころがしでかなり長期資金をまかなっているということの一つのあらわれではないのか、こういう感じがするのです。ですから、ころがしているやつを安定した長期資金として借り入れるということにして、これは対象企業だけの問題ではなくて、これを全産業に引き延ばすということになるとどうなるかわかりませんが、もしそういうことで試算をすると、大体どのくらいのところを――これは出入りがありますから、長期資金としてはこれだけほしいんだ、しかし短期資金としてはこの分くらいけっこうですというものが出てきますから、そこのつながりのところがちょっとむずかしいかもしれませんが、振りかえの問題を離れて、表面上に出た計数だけから推計したら、一体新たに一億円以下のところに対する長期借り入れ金を充足させてやるためにはどのくらいの資金が必要だと考えておられますか。
#15
○田代説明員 いまおっしゃったこと、たいへんごもっともな一つの御見解だと思うのですが、実は私どものほう、そういった計算、いろんなデータに当たって調べておりませんので。これを計算いたしますと、いろいろな仮定をおきますといろいろな計算ができると思いますけれども、御希望に従いまして一回計算してみたいと思いますけれども、いま手元にそういう計算がございませんので……。
 それから堀先生のおっしゃった見方の中に、もう一つのとらえ方というのは、中小企業で長期固定比率が一〇〇を現在こえている、かりにそれをイコールにしてしまう、一〇〇にしてしまうという場合にどういうぐあいに考えたらいいかという見方も他面できるのじゃないか、これはマクロの計算でございますが、そういう計算のしかたはできると思います。
#16
○堀小委員 いまおっしゃるように、確かに長期的固定比率を一〇〇にする場合が一つありますね。しかし長期的固定比率が一〇〇であることが、それが十分であるかというと――本来いえば固定比率が一〇〇であることが一番望ましいわけなんです。いまの資料から見ると、日本の場合は固定比率二〇〇以上に大企業も中小企業もなる。これは自己資本が小さいということと裏返しの問題ですから、そうなっているわけですが、まずやはり一つ試算としては、このギャップをもし埋めるとするとどのくらいになるかという前提を置いているのですが、それからもう一つは、長期固定比率を一〇〇にするための長期資金はどうなのか。それからいまの大企業ベースまで持っていくとすると、いま通産省の資料で見ますと、四十二年九三・二ということになっているのですから、まあそこらまで中小企業の長期固定比率を改善するとしたらどのくらいになるか。そこらに前提を置いて一ぺん少し試算をしてみていただきたい。特にその試算の際には、いまここで問題になっております、まあ十億円のところからすでに短期借り入れ金は実績より六%余り少なくてもいいんだ、しかしここでもすでに長期借り入れ金については六%ぐらいほしいんだ、まあ幅は小さいですけれども、やっぱり短期と長期との振りかえを希望しておる、ここからもう始まっておりますね。その振りかえというものは、これは非常に計算上むずかしいと思うのですが、一応私はこれでバランスをとっているんじゃないのか、裏返せば、ここの短期借り入れ金の希望額というのが運転資金に対する本来の必要額なんだけれども、それを上回って実は短期資金を借りているということは、おそらくこれは、さっき私が申し上げたように、ころがしによって長期資金をカバーしているんじゃないかと思うんです。そこらの出入りの関係から見ると、ほんとうのギャップというのは一体どのくらいあるのだろうかという問題がやはりそのあとに出てくると思いますので、これはたいへん推計がむずかしいかと思いますが、今後の金融問題を私ども考える際には――やっぱりせっかくアンケート調査をこういう形でとっていただいたことでもありますから、そういう肉づけをして資料を拝見できると、今後の資金対策という面について、少し通産省側としても考える要素になるのではないかと思うので、その点を第一点にお願いをしておきたいと思います。
 それからもう一つの問題は、実は大企業、中小企業に分けて、これは私たいへん資料として参考になる資料だと思いますのは、やはり白書の中で「金融機関別にみた金融引締め後の貸出の動き」という資料が出ております。これは私、こういう資料をたいへん興味深く拝見したのですが、これも出所は中小企業金融公庫の「金融統計月報」でございますけれども、前々回の引き締めと前回の引き締めと今回の引き締めで、中小企業向けに全国銀行、民間中小企業専門金融機関、政府系金融機関というものの引き締め前半年間と、引き締め後半年間と、引き締め後半年から一年後という形で実は資料がとられておるのでありますけれども、これを見ますと、実は前々回の三十六年、七年の引き締めのときには、全国銀行の中小企業向け貸し出しというのを、引き締め前半年間を平均して一〇〇といたしますと、引き締め後の半年間で六五・八まで全国銀行では下がってきている。さらに引き締め後半年から一年後ということになりますと、四五・六%まで実は下がってきている。半分以下に全国銀行は中小企業に対する貸し出しが引き締まってくる。ところが前回の三十九年のときには、一〇〇であったものが、引き締め後半年間で五一まで下がり、さらに引き締め後半年から一年後で四九・二に下がっている。ところが今回の四十二年から三年にかけての引き締めでは、半年後は七七・二、著しく引き締まってないわけですね。ところが引き締め後半年から一年後も六〇・三ということで、あまり全国銀行の貸し出しは減らなかった。これは大企業向けなど、全体から見ても確かにその気味があるのです。これをカバーして民間中小企業専門金融機関が、いつも引き締め後半年のところでは中小企業向けが逆に高くなって、それから引き続き横ばいなり高くなるという傾向があって、これは前々回の三十六、七年の場合は一〇〇が一三〇になり、一三五・二になる。前回の三十九年の場合は、これは全体が非常に引き締まりが強かったと見えて、中小企業専門金融機関まで一〇〇が六四・一、八一・八ということになっております。今回は一〇〇が一一九・六、九二・六ということになっている。こういう資料を拝見して、やはり政府関係金融機関と民間の中小企業専門金融機関が、ある程度全国銀行が締めてきたのを代替しておるということが資料上、統計的に非常にはっきりわかる。大企業向けのほうは、引き締まっているにもかかわらず、逆に貸し出しがふえているんですね。これが私資料としてどういうかっこうになっておるのか、実はよくわからないのです。いまのは中小企業向けでお話ししたのですが、大企業向けで見ますと、引き締め前半を一〇〇とした場合に、引き締め後半年で二〇・五になり、引き締め後半年から一年後で一一八・一とふえているんですね、前々回は。今回も一〇〇が一一八・九、一〇四・二ということで、これも引き締め後半年ぐらいは逆にふえてきている。ここらが金融機関と企業との関係というものでは非常に興味があるところで、結局ある程度まで引き締まってくると、中小企業のほうから大企業のほうへどうも資金がシフトをするということの一つの資料として見られるんじゃないか、こういうふうに私、いま判断をしておるのです。ですからやはり全体の比率を見ると、中小企業貸し出しの比率というのは、都銀の場合二五%くらい、地方銀行で五〇%をこえたくらいというのは、大体ずっとこうなっているのですけれども、こういう資料で見ると、実は必ずしもそうではなくて、中身はかなりいろいろな変動がある。ここら中小企業の金融問題を考える場合には非常に興味のある問題だと思うのです。今度の四十二年、四十三年の引き締めというのは、全体として全国銀行のほうがあまり下がらなかったという点は、これは、ここの中にも書かれておるように、大企業に対する資金がわりにゆとりがあったので、そのしわが中小企業まであまりこなかったから無理がなかったのじゃないかというコメントがついているわけですが、確かにそういう問題もあったかと思うのですけれども、今後の問題として、こういうことが起こるというのは、中小企業としては非常に困るだろうと思うのです。大企業のほうに金を貸すために中小企業から引き揚げるということでは、やはり引き締めのときには資金は両方とも要るわけですから、それの補完を――まあ確かに民間専門金融機関と政府関係金融機関が補完をしておるようですけれども、しかし、これは十分補完ができたとは私は思わない。全体として締まっていかなければならぬという問題はあると思うのですけれども、その全体としての引き締まりよりも、内部のこういうシフトのほうが中小企業には相当にきびしい影響を出してくるということになると、この全国銀行対中小企業という問題は、今後の金融の問題を考える際には、もう少しこの点は中小企業金融、まあ中小企業という表現自体に問題がありますから、零細を除いた中小企業ということになりますか、部分というふうに整理をしなければならぬかとも思いますけれども、そういう金融情勢によって全体が締まるということはわかるけれども、あまりシフトをさせないということでないと、企業側としても非常に不安定な資金ということになるのじゃないかと思うのですが、これについては大蔵省はどうでしょうか。
#17
○田代説明員 ただいま堀先生からお話があった点、これはもう私もかねがね、中小企業問題の際に、金融引き締めの際に、そういう御要望に接していたわけでございます。そういうことで、実は四十二年九月に引き締めに入るときに、中小企業金融というものになるべく全国銀行の融資というものが不平等に当たらないようにということで、日本銀行総裁も金融機関に協力も申し上げるし、また大蔵省側にも協力申し上げるということをやりましたし、いろいろやってまいってきておるわけでございます。やはり今後ともそういう問題意識を持って、特に全国銀行の中小企業の貸し出しについては考えていかなければならぬという気持ちでおります。
 ただ少し、私は長い間見ておりまして、先回の引き締めの際に、都市銀行とか地方銀行にビヘービアというものが若干回ってきているという感じ、これは御案内のとおり、四十年から四十一にかけまして、超金融緩和という時代がございまして、争って中小企業のいいところはこの際確保するという競争があったわけですけれども、日本の経済というものは幾ら安定政策をとりましても、やはり景気の波というものは若干かぶってくるということになりますと、引き締めになったからといって中小企業をこの際はずしてはあとあと困るという意識ですね、これが従来の引き締めにない感じを、実は私実見的に感じたわけでございます。今後とも、金融機関の中で競争原理というものが働いてくるということになりますと、そういった関心ということもかなり高まってくるということも、一部には考えているわけでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、おっしゃいました点は非常に重大な問題でございますので、今後ともいろいろ注意してまいりたいと思います。
#18
○堀小委員 中小企業庁のほうはどうですか。何かあなた方としての考えがありますか。
#19
○新田政府委員 ただいまの田代審議官からの御答弁に尽きるわけでございますが、いつも引き締めのたびにしわが寄るということ、中小企業金融の不安定性というものは、私ども一番問題にしておるわけでございまして、そのつど日銀とかあるいは大蔵省に要望したり、あるいは追加財投をお願いしたりしているわけです。結局そういった問題は全国銀行が中心で、特に影響が大きいわけでございますけれども、いまお話がありましたように、確かに昨年、この前の引き締めのときに、予想外に中小にしわが寄らなかったという面があると思うのです。ただ、そのバックグラウンドとしましては、大企業の自己金融力がついておる、したがって都市銀行に対する貸し出し要望が、引き締め下にかかわらず必ずしもふえなかったということからその余裕が出まして、そういったビヘービアと一緒に結びついたという感じもあるわけでございます。したがって、今後の大企業の設備投資の動向あるいは全体の資金需給から見まして、この前と同じように、そこら辺は私どもとしても検討もし、また注意していかなければいけない点かと思います。
#20
○堀小委員 今後の問題でありますから、この点はやはり何としても資金計画が立たなくなるということに非常に関係がある。予定した資金が逆に吸い上げられるということになれば予想しないところに資金を求めなければならぬということは、やはりむだな問題でありますから、その点は両省とも十分ひとつ考えていただきたい。
 そこで、ちょっとここにこういう表現があるのです。「一方、拘束預金も過去の引締期ほど増加せず、全般的に中小企業の資金繰りを圧迫するなどの動きはみられなかった。しかし、小規模層では引締め後拘束預金が増加した企業がふえるなど一部では影響をうける企業もあった。」こういうふうに実は白書で表現がしてあるのですが、これは何か通産省調査をしておりますか。こういうことが書かれた以上、調査か何かがあっての表現だろうと思いますが、拘束預金に対しては、現在は大蔵省と公正取引委員会では調査をしておりますが、通産省プロパーでそういう調査をやっていますか。
#21
○新田政府委員 全体の計数的な調査は大蔵省でやっておりますけれども、実はその数字は、昨年引き締めのときに商工会の経営指導員を使いまして、その問題を含めまして景気動向に関するアンケート調査をやったその感じが出ているのでございまして、計数的に特にきめ手はないように思います。
#22
○堀小委員 私、中小企業庁にこれはお願いをしておきたいのですけれども、私は大蔵委員会以来歩積み・両建ての問題を取り上げてきましたが、今日第二ラウンドということで、金融機関側の調査資料を見ますと、改善をされつつあるということに実はなっているわけです。公正取引委員会の資料を見ますと、ちょっとそこにはやや食い違いがあるわけなんですが、中小企業庁としても、拘束預金の問題というのは、いろいろ中身が最近変わってきていますから、そこらはひとつ大蔵省なり関係機関と十分打ち合わせをして、これも定期的に――これは非常に重要な問題です。それでなくとも、大体貸し出し金利が高いところへ歩積み・両建てということになれば、結局非常に負担が大きくなるわけですから、特にこれを見ますと、小規模層でそうなっているということは、おそらく中小企業専門金融機関側で起きていることではないんだろうかという感じがします。ですから、これはそういう意味で、中小企業側に対して、いまの拘束預金なり何なりのこととあわせて、大蔵省がアンケート調査をされた形をもう一歩中へ入って、金融機関別に大企業――都市銀行なり地方銀行なり、相銀、信金、政府関係金融機関というようなところで、どういうふうにそこは資金を借り入れていて、その中で一番困るのはどういうジャンルのところで、どういう形のことが起きるのが自分たちは困るのだというような点の問題を少し並べてもらって、そこは皆さんに御協力をいただいて、少し定期的に、年二回くらいに分けて、サンプル調査でけっこうですけれども、少し調査をしてもらうと、いまのこういう表現ももう少しはっきりした形で出していただけるのではないか。私は、いまの中小企業金融の問題の中には、一つは確かに資金量の問題がありますけれども、もう一つは資金の質の問題、その質の問題が、一つは長期、短期という質の問題もありますし、もう一つはそういう表面金利と実質金利という形での質の問題もある。私はやはり今後の日本経済というものを考えていくときには、どうしてもやはり中小企業というものが安定して強化をされていくということでないと、大企業はおおむね競争力がついてきている、こう私は思いますけれども、その大企業に比べて、私は中小企業の競争力というものは、これは皆さんのほうの調査課長なんかが最近書いておられる資料から見ても、非常にまだ不十分だと私は思う。そのいまの力が不十分なのは、どこでささえるかといえば、私やはり当面は金融というものが、ささえる力というようなものは非常に大きいのではないか、こういうふうに判断をしているわけです。ですから、こういう中小企業で、成長しようという中小企業にどのようにして量的にも質的にも条件のいい金融をするかどうかが、私は長期的な日本経済の課題として非常に重要な部分だという判断をしておるわけですから、そのためにはやはり、その中における改善されるべき部門というものを的確につかむかつかまないかが、それに対する対策ということにあらわれてくると思いますので、ひとつこの点中小企業庁として少し検討してもらって、大体大蔵省がとっていられる資料やそういうものと見合うような時期に、逆のサイドからの調査をしていくと、金融機関側から調べると、こうなっている、しかし事業者側から見ると、まだこういう状態が残る、表面的には改善されているけれども、中身としてはこうだ、公正取引委員会の調査なんかを見ましても、表面的な拘束よりも内面的な拘束というか、実質は拘束になっているにもかかわらず、表面計数では、実は拘束になっていないというようなものが、だんだんふえる傾向があるというような感じがしておりますので、そういう問題について公正取引委員会もやっておるからといわれればそれまででありますが、立場が違いますから、中小企業庁のほうで、ひとつそういう調査を進めてもらうということが、当面必要なのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
#23
○新田政府委員 中小企業金融で質の問題、特に実質金利の問題が非常に重要であるという点、まさに御指摘のとおりだと思います。ただ拘束預金の問題は、実は非常にデリケートな問題でございまして、通産局とか財務局とか府県とか、この問題についての苦情処理が、苦情があった場合はいつでも申し出なさいという指導をいつもしているのですけれども、事柄が事柄なものですから、具体的にどこの銀行がどうしたという話はないというのが実情でございます。したがいまして、やはり計数的な把握というのは、大蔵省の指導のもとに銀行検査で関連してやるのが一番正確かと思いますが、私どもとしましても、大体傾向的なものは、一つの調査の対象としてつかみ得るのではないかと思われますので、具体的にどうするか非常にむずかしい問題でございますが、検討してみたいと思います。
#24
○堀小委員 私がお話をしているのは、個別銀行でどうしろという調査をする必要はないのです。ただ都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫、政府関係金融機関という中で、大体あなた方は借り入れの何%をどこで借りていますか――問題はあとで集計してマクロで見るわけですね。ミクロの話ではないのですから……。あるいはその中で項目を書いて、その中の一番自分たちの困っているのはどれですかというような式でいいと思うのです。要するに私が言いたいことは、そういうかなりのサンプルの大きさがあれば、そこでやはり問題になっていることというのは、これは今後大蔵省から今度は銀行検査をするときに、そういうところをちょっと注意してみようということにもなってくるわけですから、やはりそういうところは表裏一体の形でそういうものが除かれる方向に役に立てばいいわけです。個別銀行のことを書けば、どこもいまの企業の力関係ではアンケートの設問その他も十分研究してもらって、あるいは指導員その他と相談をして、このくらいのほうがいいとかなんとか現場の意見を聞きませんと、役所の中央だけでものを考えても、これは企業の側として答えにくい資料を出しても無理ですから……。さっきの大蔵省のアンケート調査はたいへん回収率も高いし、そういう意味では非常に参考になる資料だと思うのですけれども、しかしわれわれとしては、ときどきそういう実態を把握していくことは必要ではないか、こう思いますので、その点は十分勘案をしていただいて御調査について考えていただきたいと思います。
 それからいま一つの、きょう資料をいただいた中の問題ですが、たとえば一千万円以下というようなところでは、実績と希望との間にやはり一番乖離が大きくて、約二〇%近く長期資金がほしいんだというにもかかわらず、そうなっていないというのがあります。これは主として資本金一千万円以下ということになると、銀行より、やはり相互銀行なり信用金庫なり政府金融機関にかなり比重が高いということになっているのではないか、こう思うのですが、いまの信用金庫なり相互銀行がそういう形で長期貸し出しをしているというのは、大体資金量の中でどのくらいになっているのでしょうか。ひとつ大蔵省のほうから……。
#25
○田代説明員 これはことしの三月末現在で勘案いたしますと、相互銀行総貸し出しの中で設備貸し出しに向いているという比率は二一・六%でございます。それから同じく信用金庫、これも設備貸し出しでとりますと、二五・〇%ということになっております。
#26
○堀小委員 たしか信用金庫の場合は定期預金の比率が七〇%くらいあったと思うのです。ですから定期預金が、一体一年もの定期がどれだけ連続するのかわかりませんけれども、トータルとしてみると七〇%あるとすれば、信用金庫というのはもう少し希望にこたえられる能力があるのではないか、特にいまの一千万未満のところで見ますと、短期借り入れ金は三三・七%くらいまで上がっているのに、希望額が二〇・二%ということで、短期のほうが実はかなりたくさんいっているわけです。金融機関からしても、長期に貸したほうが金利が高くなるはずで、短期で回しているほうが金利が安いのではないか、だから金融機関サイドから見ても、長期に貸して少し金利が高いほうが経営上プラス、それから片方の企業側としても、こういう希望が満たされることですから、これは金利上の問題は、おそらく企業側にはないんじゃないか。短期と長期について、長期は金利が上がるのは当然なんですから、その金利差のことは問題でないので、そうするとやはり一つは金融機関側のビヘービアに多少関係があるんじゃないか。ここらは銀行局としてはどういう指導になっているのでしょうか。あまり設備資金をたくさん貸さないほうがいいということなのか。金融機関七〇%――個々の金融機関内部はわかりませんが、平均すれば七〇%の定期預金がある。それも大体企業制度預金と個人性預金を比較してみると、個人性の預金が信用金庫は非常に高いわけですから、裏返してみると、個人性預金のほうが安定性が高いわけで、安定性の非常に高いものが七〇%も定期預金になるとするならば、もう少し長期の貸し出しをしたらどうかという指導ができないかどうか。ここらの問題についてはどうでしょうか。
#27
○田代説明員 ただいま仰せのように、確かに、信用金庫、相互銀行、地方銀行、都市銀行というぐあいに定期預金の構成比がだんだん下がってくることで、一番信用金庫が高いことは仰せのとおりであります。
 いまおっしゃいましたように、確かにそういった長期の資金源を相当持っている。一年定期といいましても、ころがしてみればという問題もございますし、もう少しそういった点をよく考えて融資についての期間構成を考えてもいいんじゃないかという議論は確かにごもっともな意見だと私は思います。ただ従来、今度の調査会に及んだ――実は私どもも反省しなきゃいけないと思うのですけれども、都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫という俗に普通銀行の形態、これはやはりどちらかと申しますと伝統的な商業銀行主義的なものの考え方が大体経営の基盤を支配しているということで、ついついなるべく短く資金運用するという傾向が何となしに住みついてきているんじゃないか、それが一つは長期貸し出しをしぶるということにつながっているんじゃないかという実感を一つ持ちます。
 それからもう一つの問題といたしまして、これは私の推測に類することなのでどうかと思いますけれども、やはり長期でやりますより、実際長期で貸すということになりましても、短期でころがしてやったほうがいい。これは当面金利は低くなりますけれども、おどりの金利とかいろいろ考えますというと、その辺はやはり金融機関としても経営政策上メリットがあるという判断をする向きも全然ないわけじゃないだろうという感じがいたします。しかし今後の方向といたしましては、確かにいま堀委員のおっしゃったような方向でもってわれわれ考えなければいかぬということでございますが、時あたかも調査会に出まして、いよいよことしの夏から秋にかけましてそういった問題に関連した、これは中小企業専門機関のみならず、全般的にわたる問題の筋だと思います。その議論等もよく参考にしながらそういうことで考えたい、こう考えております。
#28
○堀小委員 私大体予定をいたしました中小企業に関する金融の問題を以上で終わりますけれども、特に通産省の側として、実は中小企業金融公庫の資料にほとんどたよっておるわけですけれども、やはり資金供給の問題というのは産業側としてはまだ非常に大きなテーマだと思うのです。ですから来年の中小企業白書については、こういう金融上の諸問題をもう一歩足を踏み込んだ分析といいますか、ここには確かに一応書かれておりますし、そのことばは私そのとおりだと思いますけれども、私どもこれではどうもマクロに過ぎて、非常に重要な金融の問題をもう一歩何か立ち入って分析をしてもらうと、おのずからそれに対する対策の問題ということがもうちょっと具体的になってくるのじゃないか、こう思いますので、特に産業金融という角度からの調査なり検討なりをもう少しひとつ進めてもらいたいと思います。
 以上で中小企業関係は終わりまして、次回に今度は大企業の産業資金問題をやらしていただきます。
 これで私は終わります。
#29
○武藤小委員長 岡本富夫君。
#30
○岡本(富)小委員 本委員会の先回の委員会で下請代金支払遅延等防止法の施行状況、この資料を出していただきましたのですが、一応簡単に御説明願いたいと思います。
#31
○新田政府委員 下請代金支払遅延等防止法の施行状況でございますが、四十三年度について申し上げますと、調査事業所数が九千六百三十六、これは例年一万件を対象にしておりまして、若干満たないのでございますが、回収率の関係等でございます。この中で立ち入り検査を要すると判断をいたしましたのが四百六十六件でございます。その四百六十六件の中で一応業者に照会したり呼んだりしまして現実に立ち入り検査をしましたのが二百五十件でございます。その残りの二百十六件は、その必要はない、行政指導によって是正をさした、こういう結果になっておるわけでございます。ただ、内容を見ますと、特に公取に措置請求するほどのものが、四十二年度においては若干あったのでございますが、四十三年度においてはなかったものですから、措置請求の実績はございません。そういうふうな結果になっております。
#32
○岡本(富)小委員 この表を見ますと、検査結果、行政指導したのは二百七十九件、それから不問ですね、不問というのは何もしなくてよかったということに解していいわけですか。
#33
○新田政府委員 一応これはあやしいのじゃないかというふうに見たのでございますけれども、実際に調べてみますと、特に改善指導をするというほどのことはなかったという件数でございます。
#34
○岡本(富)小委員 この調査事業所数は約一万件ですが、これは純然たる下請ばかりでございましょうか。それとも一般資材購入も入っておるのか。と申しますのは、中間の親企業が、要するに大企業に対しては製品として納めておる場合もありますし、これは一般資材に入っておる、そうしますと、純然たる下請企業だけですと、要するに外注ですね、それらを見ますと大きな差異が出てくるのではないか、こう思うのでありまして、現実に中小企業におきましては銀行からお金を貸してもらう、これも非常にいいのでありますけれども、非常に最近利益率が少ない、したがってなるべく銀行金利なんかを払わないでいきたい、こういうのが大体の趣旨です。それからやはり中小企業の考え方といたしまして、あまり放漫経営をしたくないということで、非常に手がたくいっておるわけです。それに対して下請代金がおくれるということは非常に企業として困るというわけで、下請代金に対して、これだけの金が入れば何もかもできるんだということが現在の姿でございますので、私はこの点は特にやかましく言うわけでありますが、この点についてちょっとお答え願いたい。
#35
○新田政府委員 岡本先生おっしゃるとおりに、下請代金の支払い問題というのは、これは中小企業の約半数が下請企業でございまして、中小企業問題として一番大きな問題の一つだと思います。実は公正取引委員会と共同でやっておるわけでございますが、四月から、この取り扱いの内規みたいなものがございますけれども、それをもっとシビアーにするということで、もっと強力にやろうということで申し合わしてやっておる次第でございます。この下請代金支払遅延等防止法は親企業を対象としてやっておりますけれども、別途下請のほうからの問題もこの法律と関係なしにやっておるわけでございまして、それと照応させながらこの下請代金の遅延を防ぐということを励行しているわけでございます。ただ、この下請問題につきましては、取引関係の是正はもちろん基本的なペースの問題でございますが、そのほかに下請企業そのものの近代化をどうやってやるかということについて、私どもも真剣に取っ組まなければならない問題だというふうに思っております。
 機械工業につきましても、機械工業振興法で十五年ほどやっております。ただ、それでもやはり第一次下請段階ぐらいまででございまして、第二次、第三次となりますと、まだなかなか政策が及んでおらないという面がございますので、そういう面についても検討してまいりたいと思います。
#36
○岡本(富)小委員 ただ、部品の下請とかそういう純然たる下請ですね、それで約一万の事業所を調査したのか、あるいは一般資材の購入、これも一緒に含めて支払い代金がおくれておるのではないかというように調査したのか、これが一点。それからもう一つは、四十三年度は公取のほうに請求しなかった、ゼロだとなっておりますけれども、二枚目の表の「支払期間、手形サイトの推移」では六十日超というのがむしろふえておる。また百五十日超というのが百八十五ありまして、四十二年度と比べまして四十三年度の二%は決して減ってない。前年度対比、減ってないのに、公取のほうに請求しなかったというわけはどういうわけでしょうか。
#37
○新田政府委員 第一点の資材納入関係の下請業者の問題でございますが、実は下請代金支払遅延等防止法では、製造委託、加工委託という意味の下請を対象にしております。したがいまして、この法律上は下請の資材納入というものは入っておらないわけでございます。ただ、この法律による調査と別途に、私どもは年間二万件の下請企業についての同じような調査をやっております。それについては納入業者も含めてやっておるはずでございます。そういったことで納入業者関係の下請についても十分調査してまいりたいと思います。
 それから第二点の問題でございますが、この運用の問題としまして、六十日を一日でもこえたものはすぐ改善要求するということでなくて、特に悪質なもの、つまりその業者としての手形が平均的に六十日をいつもこえておるとか、そういったものに対して、運用基準としまして、その業者ごとに六十日をいつもコンスタントにこえているようなものを措置請求するというような運用基準がございまして、その基準に基づいてやっているわけでございます。そういった基準も先ほど申し上げましたように四月から相当強化しまして、従来よりも厳重に公取にもどんどん措置請求することにしようということにしているわけでございます。
#38
○岡本(富)小委員 いま、下請が一般から資材を買っているものに対しては調査しておる、しかし大企業、一番の親会社ですね、このほうはやっていない、これは別になっている、こういう話ですね。そうしますと、下請が一般資材を買っているものの調査は、これは別に関係ない。それで親企業、大会社が発注している、一般資材として買っている中に、たとえば電気の配電盤なら配電盤、こういうようなものは、一般資材として、要するに一般製品として大企業が買っているわけですよ。それはいまあなたの見解からいえば下請でないのだ。それで結局金がおくれるということになりますと、これは勢い全部おくれてしまうことになるわけですね。だからこの下請ということばにわりあいあいまいさがあると思うのです。だから私は、これは一般資材の中に含まれておるわけでございますから、この点はやはり調査してこの中に入れてこないと、この表というものはあまり当てにならぬ、こういうふうに見たわけでございます。
 そこで、私、特に資料要求しておきたいことは、この一万件、これは全部というわけにいきませんので、おそらく全国を何ブロックかに分けまして、大阪通産局関係あるいは名古屋通産局関係、これ二つくらいの、どこをどういうふうに調査してどういうふうにやったのかというこまかい資料をもらいたい、こういうふうに思います。
 それからもう一点、たとえば公取に請求いたしまして、公取はこれが不適当であるという場合は公表いたしますね。勧告して公表する、それだけでおしまいなのか。公表されたって痛くもかゆくもない、平気なんですから、そのあとどういうふうな処置になるのか、この二点についてお伺いいたします。
#39
○新田政府委員 第一点の下請業者の範囲の問題でございますが、私申し上げましたのは、ある親企業がこういう部品を下請から買いたい、つくってくれというふうな関係の下請、一般的にその部品を一種の商業的に方々から集めて、そしてそれを親企業に売るというふうなものはこの法律の対象にしておらない。つまりこの材料に加工してくれとか、こういうふうな部品をつくってくれというふうな製造委託、加工委託をしているもの、そういったものを下請業者という概念でつかまえているということでございます。ただ、おっしゃるようにコンスタントにいつもある資材を納入しておる、継続的に親企業との関係でいわゆる下請関係にあるという業者もあろうかと思いますけれども、この問題は、この下請代金支払遅延等防止法のいわゆる下請というふうな扱い方にはなっておらないわけでございます。ただ私のほうの別途の調査では、そういうものも若干対象にしておるということでございます。
 それから一万件のリストの問題でございますが、実はこの調査自体が相当広範な調査でございますので、この地区でどういう業者について調査をしたかという会社のリストを先生に提出したいと思います。そのつもりでおりますので、よろしくお願いします。ただ内容によりましては、これは私ども、外部に出さないという約束でとってありますから、その点お含みおき願いたいと思います。
 それから、第三点の公表の問題でございますが、ちょっといま条文がございませんが、項目的に罰則の問題が当然あるわけでございます。そのほかに、公表しまして、親企業が下請に対してこういうことをやっておるということを天下に出して、社会的制裁を受けさせるということを一つは期待しておるわけでございまして、もちろんそれに関連した法律の適用の罰則とか、あるいは改善のための行政指導というものは、当然私のほうもやるということには変わりないわけでございます。
#40
○岡本(富)小委員 それでは最後に、ただ公表しただけで、こういうふうにやっているということになりますと、第二次的な下請、親会社になって第二次的に下請をさしている場合、一番最初の親企業から金が入りませんと、次のところに払えないわけですからね。やはり一番中心のほうからお金というものは入ってくるわけですから。大企業のほうの下請に対して、大企業が発注するものに対しましてコンスタントに一般商品として入ってくる。ちゃんとした、組み立てられた一つの機器になっているわけですね。それは、その大企業がこの図面に基づいてやれ、こういう仕様書でやれ、こういうふうにして発注しているわけですから、それはやはり下請代金遅延防止法の管轄に入ってくる。要するに、この法律を適用できるのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。もう一度詳しく御調査いただきまして、次のときにまた資料とともに、はっきりした説明をお願いしたいと思います。
 きょうは、これで終わります。
#41
○武藤小委員長 本日の議事はこの程度にとどめまして、次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト