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#1
第061回国会 商工委員会鉱業政策に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和四十四年四月一日(火曜日)委
員会において、設置することに決した。
五月六日
本小委員は委員長の指名で、次の通り選任され
 た。
      天野 公義君    内田 常雄君
      小川 平二君    鴨田 宗一君
      黒金 泰美君    藤井 勝志君
      岡田 利春君    中村 重光君
      古川 喜一君    玉置 一徳君
      岡本 富夫君
五月六日
 藤井勝志君が委員長の指名で、小委員長に選任
 された。
―――――――――――――――――――――
昭和四十四年五月十五日(木曜日)
    午前十一時二分開議
 出席小委員
   小委員長 藤井 勝志君
      天野 公義君    内田 常雄君
      鴨田 宗一君    岡田 利春君
      古川 喜一君    玉置 一徳君
      岡本 富夫君
 出席政府委員
        通商産業省鉱山
        石炭局長    中川理一郎君
 小委員外の出席者
        通商産業省鉱山
        石炭局鉱業課長 加納 寛治君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 鉱業政策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○藤井小委員長 これより会議を開きます。
 私、このたび鉱業政策に関する小委員長に選任されました。皆さん方の格別の御協力をお願い申し上げます。
 鉱業政策に関する件について調査を進めます。
 まず初めに、硫黄に対するきょうまでの政府の施策について説明を求めたいと思います。中川鉱山石炭局長。
#3
○中川(理)政府委員 硫黄対策につきまして、国会サイドでもいろいろ御心配をいただいておるわけでございますが、現在及び将来における硫黄問題というものがどういう困難さを持っておるのか、それに対して通産省はいままでどのようなことをやってきており、今後やろうとしておるか、これについて簡単に御説明をいたしたいと存じます。
 お手元に「硫黄対策の概要」という黄表紙のパンフレットをお配りしておるのでございます。精緻な資料ではございませんけれども、問題点の所在については比較的おわかりやすく整理をいたしたつもりでございますので、この資料に即しまして御説明をいたしたいと思います。
 最初に第一ページをごらんいただきますと、「硫黄対策の必要性」という項目で六つばかりのことを記載いたしております。基本的に申しまして、硫黄問題の新しい問題点と申しますのは、一番上に書いてございますように、わが国における硫黄の需給関係が急速に供給過剰の状態になりつつある。先を予測すると、一そうそれがはなはだしくなる見通しであるというところにございます。しかも、その過剰状態というのは、公害対策に伴いまして、石油からの回収硫黄が増大をしてきたこと、したがってまた、今後もますますふえていくであろうと思われることでございます。
 そこで、かようなことに相なってまいりますと、硫黄鉱業の経営というものが非常に圧迫をされて、存立状態が危殆に瀕しつつあるという状況が出てくることは、当然のことでございます。これは回収硫黄が一種のバイプロダクトであるということからして、いわば当然のことでございます。他方、硫黄鉱業の崩壊というものは地域社会に大きな影響を及ぼすものでございます。回収硫黄につきましても、実は数年のうちに国内硫黄の需要を上回る生産が予想される。つまり、鉱山硫黄を除きましても、回収硫黄だけでも、近い将来に国内需要を上回る生産が出てくるということは、硫黄鉱業の問題をはずして考えても、硫黄対策というものは、過剰硫黄の処理ということで、きわめて重要な問題であるということでございます。
 反面、硫黄需給の動向いかんによりましては、硫化鉱にも影響を及ぼしまして、ひいては非鉄金属鉱業全体に深刻な問題を引き起こすという状況が出てくるのでございます。
 そこで、第二ページを御説明いたしますが、硫黄鉱山の実態でございます。
 現在、七社九鉱山ございまして、その経営は、一社を除きましてすべて欠損を計上しておるという状況でございます。硫黄の鉱山は、現在に至りますまで、次の数字が示しておりますように、相当の合理化努力を行なってきております。三十三年度と四十二年度を比べまして、鉱山数が二十四社二十六鉱山から七社九鉱山に少なくなっておりますが、反面、一人当たりの一カ月の生産性というものが、三十三年度一・九トンという数字から六・六トン、ここまでの努力はいたしてきておるのでございますけれども、先ほど申しました回収硫黄の出現によります市況の悪化によって非常に経営状態が苦しくなっておる。これは四十二年度のトン二万五千五百円という需要家渡し価格が四十三年度ですでにトン二万円という数字に変わってきておるということが端的に示しておるわけでございます。
 このような状態で、やっかいな問題が出ております。松尾鉱業が更生会社の手続をいまとっております状況、それによって松尾村等にたいへんな問題が起こってくるということは御案内のとおりでございます。
 そこで、この事態を招きました回収硫黄の実態につきまして、若干御説明いたします。四ページをごらんをいただきたいわけでございます。
 これはもう御案内のように、石油精製工場が、公害対策上、国民的な要請にこたえて、脱硫ということをやらざるを得ない状態、あるいは進んでやっておるという状況でございまして、これの副産物として発生するものでございますが、公害対策としていま要請をされております点をいろいろ勘案いたしますと、重油の平均含有硫黄分の二・六%というものを一・五%程度にかりにするといたしましても、石油精製側におきましては、相当大きな資金を用意いたしまして、この脱硫設備の積極的な建設というものを進めなければいかない状態に相なっておるわけでございますが、回収硫黄の生産能力というものは、このような状態でものを考えますと、四十五年度には日産二千トンの能力に達する見込みである、かようなことでございます。
 ちょっと話が戻りますが、その前に三ページのところを落としておりますので、需要サイド的な国内硫黄の需給状況について説明をつけ加えさしていただきますと、わが国におきまして単体硫黄と申しますものは化繊の中間原料の二硫化炭素、それから紙パルプ用ということでおもに使われておるわけでございまして、硫酸のほうの原料といたしましては硫化鉱が用いられておるという状況でございます。
 単体硫黄の需要は、過去十年間は年率平均一・三%程度の伸びを示してきておりますが、今後は化繊等の伸びがさほど期待できないということで、横ばいで推移するという想定をとっております。
 四十二年度までの硫黄の需給は、鉱山硫黄によってバランスを保ってまいりましたが、四十三年度以降、石油からの回収硫黄の増大によりまして急速に過剰状態が出てきたというところが問題点であるわけでございます。
 過剰硫黄、回収硫黄が、硫酸の原料にまで向けられるということになりますと、従来硫化鉱によって硫酸がつくられてきておったというところまで響いてまいりまして、一番最初の一ページのところで書いておきましたように、過剰硫黄の状況の出現というものは、単に単体硫黄の鉱業について問題を引き起こすだけでなくて、硫化鉱に影響を及ぼす可能性がある。このことは非鉄金属鉱業界全体の大きな問題になり得る可能性を持っておるということでございます。
 さらに六ページをちょっとお開き願いまして、国際的な硫黄の需給状況はどういうことであるかということでございます。
 海外では、元素硫黄分、S分ということでございますが、S分の大部分が硫酸原料として使用されておりますが、その約六割は単体硫黄が使われておるわけでございます。
 世界の硫黄分の需要は、年率で七%の伸びで推移すると予想されております。これは、先ほど申しましたわが国の需要の伸びよりはきわめて大きい伸びでございます。
 一方、生産の伸びは五、六%と見込まれておりまして、需要に追いつけず、一九七〇年には百五十トンの供給不足を生ずるということに相なっております。
 世界における硫黄生産の大部分は、アメリカ、カナダ、メキシコ、フランスの四カ国が占めておりまして、その他の国の大部分は輸入によっておるという状況でございます。特に東南アジアは、日本以外はすべて硫黄の輸入国であるという状況でございます。
 そういうことでございまして、日本国内においては供給過剰状態があり、世界的に見ますと、ことに東南アジアにつきましては供給不足状況で、輸入をせざるを得ないという状況でございます。
 七ページに輸出市場としての将来性を一言述べておるわけでございます。
 日本に近い東南アジア、大洋州におきましては、年間百七十万トンを輸入しておる。しかもこれらの国の消費の伸び率というものは、たとえば肥料需要の旺盛さというようなところから、世界平均の七%を上回る一七%という伸び率である。東南アジア方面に対しては、わが国は、運賃の差だけでも主要生産国よりも有利な状況にあるので、その意味では競争力があると考えてよろしい。したがって、市場開拓を促進すれば、硫黄輸出というものは十分に期待が持てるという感じでございます。
 そのような状況を踏まえまして、五ページをちょっとお開き願いたいのでございますが、政府といたしまして対策の方向づけをいたしましてやってきたことがあるのでございます。これを簡単に御説明いたしたいと思うのでございます。五ページの青いところに書いてあります。
 いままで申しましたように、硫黄供給の過剰状態というものから脱却をいたしまして、国内需給の安定をはかり、過剰硫黄と周辺の需要状況というもの、先ほど御説明しましたものを勘案いたしまして、過剰硫黄の輸出を促進するとともに、硫黄鉱山の合理化を強力に進めるということを柱として対策を推進すべきものと考えております。
 このためには、一つには、輸出につきまして相当秩序ある輸出を円滑に行なうという必要がございますので、硫黄の鉱山業者と石油精製業者によります輸出用硫黄の生産者カルテルというものを結成する、これはすでに結成を終わっております。
 それから輸出体制の一元化というものをはかるために、硫黄の鉱山業者、石油精製業者の共同出資による硫黄の輸出会社を設立する。そして輸出用硫黄の集中によりまして、先ほど申しました将来性のある市場に対しての秩序ある輸出を進めていく、こういうことを考えておりまして、輸出会社の設立は、関係者の合意を得まして、いま着々と準備が進められておる状況でございます。
 それから輸出を迅速かつ機動的に行なうために、輸出実務はこの輸出会社が市場別に指定する商社に行なわせるということにして、商社機能というものを活用すると同時に、商社利用の弊害である過当競争と申しますか、これによる値くずれを防止をいたしたい、こういうことを考えておるわけでございます。
 さらに硫黄という商品は若干やっかいな商品でございますので、輸出硫黄の在庫を管理し、輸送を合理化するために、輸出基地を早期に建設するということを推進いたしまして、指定商社の共同利用をはからせるということを考えたい。これには本年度の財投で開銀資金を若干準備をいたしておるのでございまして、このほうの準備も着々と進められておるわけでございます。
 次に、ジェトロとの提携を強化いたしまして、海外市場調査、硫黄のユーザーとしての海外の有力者の招聘等の効率的な推進をはかりたい。これにつきましても、昨年暮れ、きょう同席しております鉱業課長も加わりまして東南アジアへの調査団を出してまいりました。少なくとも有効需要としては相当のものがあるという確認を得ておるわけでございますが、今後さらにもっとこまかい調査を進めたいと思っておるわけでございます。
 それから反面、国内販売における過当競争の防止というもの等業界ぐるみの合理化を推進するために、硫黄鉱山業者による工業組合の結成というものを進めたい。これもただいま準備中でございます。
 さらに、硫黄鉱山合理化の最も効果が期待される製錬方式の合理化及び高品位の新鉱床の探査のための効率的な補助金の交付というものによりまして、反面硫黄山の合理化をはかりたいというのが、いままで進めてまいったところでございます。
 これを一言にして要約をいたしますならば、日本の国内では過剰供給という形が石油からの回収硫黄によって起こってきておる。このままの状態でいきますと、国内の硫黄鉱業というものは非常に苦しい状況になる。そこで、石油精製業等から見ましても、近い将来にはオーバーフローすることが必至でございまして、石油のために考えても輸出ということを考えざるを得ない。そこで輸出カルテルを母体とし、輸出会社と輸出会社による商社の適当な選定ということをからみ合わせまして、過剰硫黄を海外に輸出するということによって、内需に見合う分については国内硫黄鉱山業者が応分の従来に近い需要先を確保するということによって、反面硫黄鉱山側に進めてもらう合理化の効果と相並びまして、急速な硫黄鉱山へのダメージというものを解決してまいりたい、かようなことでございます。
 八ページに書いております予算額は本年度の予算額でございまして、御参考までにごらんいただければしあわせでございます。
 非常に簡単な概括的な説明でございますので、あと御質問によりまして細部お答えをいたしたいと思います。
#4
○藤井小委員長 それではこれから直ちに懇談に入りたいと思います。
 懇談に入ります前、一言私のほうから申し添えさせていただきますが、ただいま硫黄山の現況、また通産省が硫黄対策として一応現在打っておる概要の報告がございましたが、当小委員会としては、一番焦眉の急務は、すでに社会党、民社党から硫黄対策については具体的な御提案がございますので、こういう問題をひとつできるだけ結論を小委員会として出し、そのほかどの程度やれるかわかりませんけれども、お互いひとつ勉強いたしまして、石炭山には石炭対策特別委員会までできておりますが、前向きのエネルギー対策としての石油資源対策、特に海外石油資源というようなことを含めて、こういった問題がありますし、銅を中心とした非鉄金属、これまた非常に不足しておる。すでに企業進出はアフリカ方面にもしておりますし、こういった問題等、かねて商工委員会で具体的な話が出ております。金対策もだいぶいい目鼻がつきかけておる。こういう問題が一応頭にちょっと浮かぶだけでもございますので、当小委員会で能率的に御審議を願って、できるだけそういった当面する、鉱業政策の重大問題について小委員会が一応まとまった結論を出して、商工委員会のほうに報告をさせていただいて、きちんとした政策として四十五年年度には反映できるように御協力を願いたい。このように考えます。
 それでは皆さん方から御意見を承ることにいたしまして、懇談に移らしていただきます。
     ――――◇―――――
  〔午前十一時二十四分懇談に入る〕
  〔午後零時二十分懇談を終わって散会〕
ソース: 国立国会図書館
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