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#1
第061回国会 商工委員会 第5号
昭和四十四年三月四日(火曜日)
    午前十時四十四分開議
 出席委員
   委員長 大久保武雄君
   理事 宇野 宗佑君 理事 浦野 幸男君
  理事 小宮山重四明君 理事 藤井 勝志君
   理事 武藤 嘉文君 理事 中村 重光君
   理事 堀  昌雄君 理事 玉置 一徳君
      天野 公義君    小笠 公韶君
      海部 俊樹君    鴨田 宗一君
      小峯 柳多君    坂本三十次君
      島村 一郎君    田中 榮一君
      丹羽 久章君    橋口  隆君
      増岡 博之君    石川 次夫君
      加藤 清二君    勝澤 芳雄君
      佐野  進君    中谷 鉄也君
      古川 喜一君    武藤 山治君
      塚本 三郎君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君
 出席政府委員
        大蔵省証券局長 広瀬 駿二君
        通商産業政務次
        官       藤尾 正行君
        通商産業大臣官
        房長      両角 良彦君
        通商産業省化学
        工業局長    後藤 正記君
 委員外の出席者
        大蔵省理財局次
        長       青鹿 明司君
        参  考  人
        (日本合成ゴム
        株式会社副社
        長)      川崎 京市君
        専  門  員 椎野 幸雄君
    ―――――――――――――
三月一日
 委員勝澤芳雄君辞任につき、その補欠として山
 中吾郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員山中吾郎君辞任につき、その補欠として勝
 澤芳雄君が議長の指名で委員に選任された。
同月三日
 委員勝澤芳雄君辞任につき、その補欠として山
 中吾郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員山中吾郎君辞任につき、その補欠として勝
 澤芳雄君が議長の指名で委員に選任された。
同月四日
 委員中谷鉄也君辞任につき、その補欠として柳
 田秀一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員柳田秀一君辞任につき、その補欠として中
 谷鉄也君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月一日
 軽機械の輸出の振興に関する法律を廃止する等
 の法律案(内閣提出第六六号)(予)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関す
 る法律を廃止する法律案(内閣提出、第六十回
 国会閣法第九号)
     ――――◇―――――
#2
○大久保委員長 これより会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。すなわち、日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関する法律を廃止する法律案の審査に際し、日本合成ゴム株式会社副社長川崎京市君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○大久保委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人の御意見は、質疑により承ることにいたしますので、さよう御了承願います。
     ――――◇―――――
#4
○大久保委員長 日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関する法律を廃止する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、これを許します。加藤清二君。
#5
○加藤(清)委員 私は、何年かぶりでこの委員会へ帰参がかなってまいりました帰り新参であります。まことに勝手元不如意でございまして、与党の委員長はじめ委員の皆さまや、あるいは野党の皆さまの御協力がないとどうもうまくいかないようでございます。したがいまして、どうぞひとつ皆さんの御協力を切にお願いいたしまして、質問に移らさしていただきたいと存じます。
 まず第一番に承りたいことは、ただいま議題と相なっておりまする法案は、承るところによりますと、これはすでに継続案件のようであります。したがって、諸案件の筆頭にこれを審議するということのようでございます。わが党におきましても、この件につきましては、すでに先国会から、国対あるいは政審あるいは商工部会等々でいろいろ検討を重ねてきたわけでございます。したがって、この法案は、是が非でも、一日も早くスムーズに通したいというのが与野党一致した意見のようでございます。しかるに、いよいよ大詰めの審議というのに、当の肝心の大臣の姿が見えないようでございます。もちろんきょうは予算総括でございまするから、これはやむを得ないとしましても、その予算の総括がまた参議院でも行なわれる。しますると、ここ両三日のうちはこの法案を通過させるということは慣例上からもできないことかと存じます。
 そこで、一体委員長としてはこの法案はいつの日に通したいという御予定でございますか。そのめどを承って、その御答弁のいかんによって質問の内容が変わると存じますので……。
#6
○大久保委員長 加藤委員にお答えいたします。
 先ほどの理事会で、おおむね十一日をめどとして処置いたしたい、こういう相談をいたしておるところでございます。
#7
○加藤(清)委員 十一日がめどでございますね。
#8
○大久保委員長 そうです。
#9
○加藤(清)委員 その間に本案を審議する日取りと申しましょうか、時間と申しましょうか、それはいかほどございますか。
#10
○大久保委員長 本日合成ゴムの質疑をいたしまして、明日は大型合併等に関する一般質問に当てたいと思います。七日の金曜日は、合成ゴムの質疑をさらにいたしまして、十一日の火曜日に合成ゴムの採決に入りたいとただいま考えております。
#11
○加藤(清)委員 そうすると、あと残るのは七日と十一日、この両日と心得てよろしゅうございますか。
#12
○大久保委員長 そうです。
#13
○加藤(清)委員 はい、わかりました。
 それでは引き続いてお尋ねいたします。通産省関係の今国会の提出法案は十有余件あると聞いております。これは相当な数でございます。慎重審議をいたしますには、相当な時間を要すると思います。そういう矢先には、われわれ委員側もさようでございますけれども、行政府側におかれましてもよほど御準備を願わぬと、これは相かなわぬことだと存じます。
 ところで、その審議の途中にいろいろプラスアルファがついてまいりますと、とかく審議が鈍行、各駅停車になりがちでございます。けさも、私はこういうことは言いたくないのでありますけれども、見るともなく新聞をながめてみますると、内容を言いにくいですね。でかでかと出ておるのですね。各紙一斉に出ておるのです。弱ったものですね。こういうことが出てまいりますると、これが各駅停車の原因になるわけなんです。これについて総統括の責任者である大臣は一体どうお考えでございますか。これについての経過並びに対策等々ひとつこれははっきりしていただきたいと存じます。
#14
○藤尾政府委員 お答えを申し上げます。
 加藤先生がただいまお示しになられました最近この両三日中にいろいろと散見をいたしております新聞記事、これは私は、私ども通産省内におきましても起こりました、非常に公務員として適当でない行為が一つの犯罪容疑といたしまして警察当局に摘発をせられ、こういった問題についての反省を促されておる重大な問題である、かように考えております。まことに大臣はじめといたしまして、国民に対してこのような問題を今回起こしましたということにつきましては、申しわけがない一事でございまして、何とか一日も早く問題の所在といいますものを明確にし、その原因もまた明らかにいたしまして、再びこういったことが起こりませんように、十二分の措置をいたしてまいりたい、かように考え、綱紀の粛正にはさらに一段と注意を払ってまいらなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
#15
○加藤(清)委員 それは再び起こったらたいへんでございますが、しかしいつの場合でもこういう質問をしますと、厳重監督して再び遺憾なきことを期します、とこういう答弁です。しかし次官さんも経験者でいらっしゃいますから御案内のとおり、これは新聞が――誤解があるといかぬから、経験者とは、その上に一つ修飾語をつけまして、新聞の経験者と、こういうふうに訂正いたしましょうね。誤解を受けちゃいかぬから、お互いに新聞の経験者同士だから。したがって、これは新聞は追っかけるのです。私どもでもこれを追っかけます。私のようなへたな論議よりはこれを追っかけたほうが記事になります。新聞もよく売れます。したがって必ず追っかけます。同時にきょうの見出しを見まするというと、「数業種にも波及か」「収賄額一千万越す」、こうきている。「波及か」とくると、これはあと続くということになるのです。この見出しからいきまして、これはまだ内容からいきましても、捜査の途中ということです。必ずこれは追っかけます。そうすると、それが審議の途中に次から次に出てくるわけです。出てくる場合に、立法府としてはこれを黙視することはできないわけです。可及的すみやかに片づけなければならない案件がありましても、なお足元に火のついていることはまず足元から消してかからなければなりません。したがって、これは失礼な言い分でございまするが、きょう直ちにこれに対する対策について省議なり、あるいはこの案件にふさわしい会議を持たれまして、対策を練って、再びこのわれわれの法案審議をストップさせないような、じゃまさせないような対策を至急講じていただきたい、かように存じますが、御処置いかん。
#16
○藤尾政府委員 すでにこの問題につきましては幹部会を開きまして、この問題に対していかに対処すべきかということにつきましては検討を加えております。しかしながら、何と申しましても、これは警察当局の犯罪に対する捜査がなお進行中の問題であります。したがいまして、その内容がどのようなものであるかという点も十二分に承知をいたしませんと、細部にわたってこれに対する処置をするというわけにはまいりませんので、大綱におきまして、こういった問題についてはこのように処置をしなければならぬという方針だけはきめておるつもりでございます。
#17
○加藤(清)委員 それでは案件の本論に移らせていただきたいと思います。
 日本ゴムが今度独立したいというお話なんですね。これはけっこうなことだと思います。私もほんとうに喜ばしい結果で、こんなけっこうなことはないと思っております。そこで、ほんとうは社長に来ていただきましていろいろお尋ねしたい案件がございましたのですが、社長さん御不快の様子でございますので、どなたが来てみえますか。
#18
○大久保委員長 副社長を呼んでおります。
#19
○加藤(清)委員 では副社長さんにお尋ねしたいと存じます。
 私どもは、ほんとうのことを申しますと、感慨無量なんです。いまから約十年も前、三十二年、三十三年といったころ、いや、もっと、この問題が発生したのは三十年代でなくして、二十年代だと思います。健康にして文化的生活、国民生活の向上、それには絶対ゴムが不可欠である、しかしゴムの天然資源は外地においても乏しい、そこでそれにかわるべきものを内地で何とかつくり出したいという時の要望、この要望が政府側、与野党の、特に当時の商工委員一致するところとなって生まれたのが、この日本ゴム、三十二年六月に生まれたわけなんです。それがいま一人前になって独立するというのですから、まことにけっこうなことだと存じます。幸いその間行政府の指導よろしきと、その保護育成のよろしさということのもとに、現実にその需要を満しつつなお新しいものを開発されていかれた。それの成績が非常に顕著であるということでございまするので、これまたけっこうなことだと存じます。
 そこで、私はいま製造していらっしゃいまする業種内容、それがどんな程度のところまで進みましたかということを資料でもって局長と課長にいろいろお尋ねしました。ところがしろうとの悲しさは、ああいうむずかしいことばで表現されている資料では一向にわかりにくいのでございます。この際、日本ゴムの株が一般市場に上場されるに先立ちまして、企業をいままで営々努力してみえたあなたの口から、一般国民、庶民にもわかりやすく営業品目と申しましょうか、製造品目並びにその用途、効用等について御説明願えればしあわせでございます。
#20
○川崎参考人 お答えいたします。
 日本合成ゴムが一番初めにつくり出した品種はSBRと申しますが、スチレンというものとブタジエンというものを結合いたさせまして、それを大きな分子にいたしまして合成ゴムといたしたものでございます。これはわれわれの仲間では一応汎用合成ゴムと申しまして、天然ゴムを使えるところにはどこにでも使えるゴム、こういう意味でございます。それで汎用と申します。その汎用合成ゴムをつくるためにこの会社は設けられたのでございますが、それを一番先につくりました。これには、当時つくり出した種類は汚染性ゴム、いわゆる色が悪くなるわけです。汚染性ゴムと非汚染性ゴムに分けられますが、この汚染性ゴムと申しますのは、主として一番よけい使われるのは黒ものによけい使われる。黒ものと申しますと、一番皆さまにおなじみなのは自動車のタイヤでございます。それからゴムぐつ、こういうものに使われます。それから非汚染性ゴムと申しますのは、それは色が汚染されないというか、きたなく染まらないということですが、そのゴムは、要するに白いものとか、赤い色とか、黄色い色とか、非常に明色になるもので、これは主として婦人ぐつ、子供ぐつ、そういったものに使われるゴムでございますが、その二通り。この中でもまた分けますと、おのおのまた別な分け方で、油の入ったものと入らないもの、この二つの種類がございます。そういうものを組み合わせたSBRの固型のゴム、それから今度はタイヤをつくるときにどうしても必要なのは中にコードを入れますから、そのコードとゴムとを接着させるためにラテックス――ラテックスと申しますのはゴムの乳液でございます。ちょうど牛乳かそんな色をしたものなんですが、乳液と申しますか、そのラテックスをコードにしませまして、それからゴムになじませて、それからタイヤのコードの中でぴしっとコードがゴムと一体になるというためにつくったラテックス、これだけを一番最初につくりました。
 それから、その次に出てきましたのは、今度はそれをやっている間に、例の寝具その他に使われるフォームラバーというのがだいぶ盛んになりまして、これも日本の天然ゴムのいわゆるラテックス、天然ゴムの乳液でつくっていたのですけれども、御承知のとおり天然ゴムは輸入ものでありますし、値段が高いものですから、これをわれわれもやらにゃいかぬのじゃないかというところで、フォームラバー用のラテックス、先ほど申しましたのはタイヤコードの接着用のラテックスですが、そのほかにフォームラバー用のラテックスを、これは技術導入によってつくりました。
 それからラテックスの応用範囲がだんだん広がってきまして、それが次に今度はじゅうたんですね、じゅうたんのこういう上等なものじゃなくして、普通手軽に買えるじゅうたんは、毛を植えまして、その裏にゴムで張るわけなんです、ゴムのラテックスで。そういうものを開発するためにまた別の種類のラテックスをつくりました。
 その次に今度はNBRと申しまして、これはNといいますのはアクリルニトリルというものなんです。それからBというのは先ほどのブタジエン、そのアクリルニトリルとブタジエンを結合さして大きな分子にした合成ゴム、これは特に油に耐えるゴムでございます。その油に耐えるゴムをつくらなければならぬというところで、これは主として使われるのは油用のホースとか、自動車の部品とか、そういう油がしみるようなところに使われるわけなんですが、そのNBRをこれは自力で開発いたしました。われわれのところの技術者がNBRをつくる技術を確立してくれまして、そのNBRをつくりました。
 それからもう一つ、その前でしたか、ハイスチレンラバーというのがある。これは、普通のSBRというのは、スチレンが二五%、それからブタジエンが七五%のものですが、ハイスチレンラバーというのは、スチレンが非常に多いものでございまして、五〇から六〇近いスチレンが入っているハイスチレンラバー、これは非常に硬質でございまして、くつのかかととか、そういうかたい部分に使うゴムでございますが、これも自分のところの技術者が開発してつくってくれまして、そのハイスチレンラバーを使いました。これは大体製造し始めた順序で申し上げているのですが、そのハイスチレンラバーは、実はそのNBRの前にできたものであります。
 その次に開発いたしましたのが、あるいはセメントにまぜるゴム、これはルーフィングとかあるいは建物の外にタイルを張るときにセメントを使いますが、そのときのセメントの中に入れるゴム。それから塗料に入れるラテックス――ゴムというのはラテックスでございますが、そういうものも順次開発していきました。
 それからその次にいきましたのは、今度は紙のコーティング用のラテックスでございますが、実は皆さん週刊誌でも何でもお開きになると、きれいな色刷りの、あるいは写真のきれいな紙がございますが、あれはみな紙の上に樹脂かゴムがコートしてあるわけです。それ用のゴムのラテックス、これも自家開発でやりました。
 そのうちに、SBR以外にポリブタジエンというものが、いわゆる汎用ゴムとしてよろしいというものができまして、自分のところでもずっと研究を読けておったのですが、日本ではブリジストンが発明した触媒が非常にいいというもので、そのブリジストンが発明した触媒をこちらが引き受けまして、ところが、これは触媒がわかっただけでは何も物をつくるわけにいきませんので、その触媒を使ったそのつくり方というものを自家開発いたしまして、これはもう少しあとの話になるのですが、そのことが認められまして、第一番に東独へ技術輸出をいたしております。それから二番目にはイタリアに技術輸出をしております。これは世界的にこの触媒が非常にいいから、それでポリブタジエンをつくったらよろしいということで、技術を出してくれということを日本合成ゴムへ申し入れてきて、それに応じましてやってきたわけです。そういうことで、そのポリブタジエンはいまもつくっておりますし、それは汎用ゴムとして主としてタイヤその他に使われております。
 そのあとは、少し様子の変わったのではABS樹脂、これも自家開発いたしました。技術や用途が合成ゴムと若干違っておりますので、子会社のほうでつくっておりますが、そういうように順次だんだん進展して今日に至っているわけでございます。
 まだ落ちたところもあるかもしれませんが、以上概略のところを御説明申し上げました。
#21
○加藤(清)委員 どうもご苦労さんでございました。
 そういう説明を局長さんや課長さんから、もういままで、お目にかかっただけで、この件だけで六回、七回、けさもまたその話を承っておった。まあ国会としてはいまのような説明をなされることは妥当だと思います。しかし、亀の甲をよく知らない、学生時代に亀の甲のきらいだった私たちにはちょっとぴんと来ないのです。したがって、国民によりよくわからせる、なぜかならばそれは国家の血税によって育った会社だからでございます。それがいま独立するというやさきに一体どんなに育っただろうかということは国民の注視するところである。その認識がやがて独立するであろうところの日本ゴムの成長につながるからでございます。
 そこで、私は、国民がわかりやすく、ぱっとわかるようにこのように認識したいと思いまするが、その認識をここで申し述べてみますので、間違いがあったら指摘してください。
 第一、説明の中にありましたように、印刷用のコーティングに成功なさった。これはけっこうなことです。そのシェアは大体五割程度の目標が達成できる。いまは二割から三割である。これでよろしゅうございますか。次、第二、カーぺット用の接着剤のシェアは約六割である。次、いまセメント、アスファルトの舗装に合成ゴムを混入して夏の軟化と冬のひび割れを防止するの件は、北海道の道路で試験成功した。これはすでに国土開発幹線自動車道路の審議会においてもこの取り入れ方について下話が実は行なわれている。私もそのメンバーの一人です。それでよろしゅうございますか。四番目、ABSは木材のイミテーションである。しかし、その堅牢度は本物を上回る。これに白木の美しさを加えることが可能でありとするならば、これは、絹のイミテーション、ナイロン、ウールの代用品テトロン等々が合成繊維ではあるけれども、本物の天然繊維を駆逐することに成功し、世界じゅうの繊維業界を席巻している、それが現在の状況なんです。それに匹敵するほどのものである。なぜかならば、天然木材資源が非常に枯渇しているおりからである。これでよろしゅうございますか。五番目、最後に御説明のありましたポリブタジエンゴム、こう表現するのですか、ドイツ語ですか英語ですか私にはわかりません。それは火薬を粘着させることが可能である。ゆえに、これは技術輸出が行なわれている。先進西欧諸国へも技術輸出が行なわれている。この火薬はやがて高エネルギーを持たせる。この固形燃料はロケットの生命を左右する。しかも、そのロケットに使われた場合に推進力、安全性、経済性ともに過去の液体燃料をしのぐことが想定される。これはまさにエネルギー革命である。そのエネルギー革命の原動力となるではないか。未来の産業革命の母体ともなり得る可能性があるではないかということ。これは私がおたくの会社の方ではなくして、あれこれから漏れ承ったところを総合すると、国民にわかりやすく説明する場合にはこのように集約することができる。こうでございますか、間違いでしょうか、間違いがあったら指摘してください。
#22
○川崎参考人 まことに私のところの会社の広告をしていただきましたようで恐縮でございますけれども、一、二訂正をさせていただきます。
 まず第一に、先生にはまことに失礼でございますけれども、日本ゴムとおっしゃいますと別の会社がございますので、日本合成ゴムとおっしゃつていただくようにお願いします。先ほどコーティングのシェアが五割ということを……。
#23
○加藤(清)委員 いまは二割五分……。
#24
○川崎参考人 将来五割になるであろうということをおっしゃっていただきましたが、これは先生もちろんうちの社長の気持ちをよく御存じで、以心伝心に伝わったのかどうか、それを目標にはやっておりますが、これはなかなか難儀なことだと思います。
 それからアスファルトのことはなるほどおっしゃるとおりでございます。これは先生がおっしゃったとおりの実情でございます。
 それからABSが木材になるということは、これは非常に誇大でございます。なぜかと申しますと、ABSは値段が高い。それでそのまま木材の代用にはなりません。それで非常にこまかい細工をする家具とか、あるいはその上へ塗料を塗ってその塗装によって生命が得られる木製品、たとえば漆器、こういうものの場合では、あの生地は長年枯らして、ほんとうに枯らしたものをくって、そうしてその形をつくって、その上に塗装して漆器の値打ちが出るわけなんです。ところがABSですと、がしゃんと型に入れますればあとすぐにそこへ塗れる。そういう手数を省くということと、実は漆器というものは中の生地よりも外の塗りが生命なんでございますから、それによって値打ちがきまる。ですからそういうところには使われますが、それ以外には使われません。――以外に使われませんというと語弊がございますが、使われるようにこれからわれわれが開発しようとしているのです。もう一つ難点は、これに不燃性がないということです。これは不燃性をつけるのにどうしようかということで、われわれいま研究開発をやっておりますが、これは不燃性にはなりません。だから難燃性をどうしてつけようかということに努力しているところで、それがそのまま木材の代理になって、いま先生がおっしゃいましたような方向にどんどん伸びていくとは、私どもなかなか難点があってこれはできないと思います。
 それからポリブタジエンのことについては、実はいま先生おっしゃったことを私のほうから申し上げなかったのは、このポリブタジエンは全然種類が違うのでございます。片方のいま外国へ技術輸出したと申しますのは、汎用ゴムになるポリブタジエンでございまして、それからロケット燃料のバインダーになるポリブタジエンは全然違うのでございます。ただ、そういう方法で別のポリブタジエンを、これはわれわれのほんとうの合成ゴムの技術だけでつくったのですが、これとても、いまおっしゃるほどのところにはいっておりませんで、まさに試験中でございます。だから広告としては、これはおまえ誇大広告をしたじゃないかとおしかりをこうむるかもしれませんが、なるほど私のところの新聞広告には、こういうものにもゴムの一部が使われているということをキャッチフレーズとして出しましたが、それほど大々的に、先生がいまおっしゃったほどにはなっておりませんし、またこれは幾多の難点がございますので、こういう厳粛な国会の席上で、こうなんだということを私ども申し上げるところに至っていないことを率直に申し上げてお答えにいたします。
#25
○加藤(清)委員 私はここで質問を進めて、その結果あなたのところの会社の機密を暴露するのが目的ではございません。当たらずといえども遠からずのところでけっこうでございます。しかし、あなたの会社はこれで独立するとおっしゃる。日本ゴムではなく、日本合成ゴムとして独立するとおっしゃる。独立してもなお、いまの御説明にもございましたように、研究途上のものが非常にたくさんある。ただ過去の実績並びに過去の開発の速度から見ると、将来もその速度は持続し倍加されるであろうと推定できる。その開発途上の問題は、かりに独立してもなお通産省の工業技術院をはじめ技術輸入の外貨割り当て等々、通産省の指導育成強化とは切っても切れない縁が残る、こう解釈してよろしゅうございますか。
#26
○川崎参考人 その程度は、一般の会社と同じ程度には残ると思います。
#27
○加藤(清)委員 いままでの過去の他の会社に類例を見ない――というと語弊がありまするから、最も進歩の早い会社と同様に生まれたばかりの会社が伸びてきた理由の根本原因は、経営者としてどのように把握していらっしゃいますか。
#28
○川崎参考人 これは何といっても政府に株を持っていただいて――一番初めにこの会社を興したときに、この会社――会社じゃありません、この事業は、とうてい赤字でもたないであろう、その赤字でもたない事業に対して、会社をつくってくれ、またこれは、だれも赤字になるということがわかっているのに資本を出す人はない。したがって、政府が株を持って、しかも法律までつくって保護してやるから君たち会社をつくれというところで法律ができたものと、私はそとから見ていてそう思ったのですが、その目的でこの会社ができて、当初は非常な赤字でした。それでもなおかつ株主がじっと株を持っていただいて、株主全体がわれわれの後援をしていただいたのは、実は政府がそうして株を持っていただいたことで、みなが安心してじっとがまんしていただいた、そのことが経営をやる者と一体になった考え方で、そうしてやってきたことが今日の成果をもたらしたことだと思っております。
#29
○加藤(清)委員 会社の生まれた経緯につきましては、立法の間だけはあなたよりはここにいらっしゃる委員の皆さんのほうがよく御存じなんです。ですから経緯を聞こうとは思っていない。
 あなたの会社が飛躍的に伸びたその根本原因はどこにあるか、それは当然経営者としては把握しておらなければならぬ重要問題である。だからそれを聞いたわけです。まあ最後に経営陣、従業員一致協力のたまものであるとおっしゃられた、それはそれでけっこうです。
 それでは、そこで念を押して承ります。今後もなお技術輸入等は行なわれますか。すでにあなたの会社は、事業の報告書によれば、九案件になんなんとする技術導入が行なわれているはずでございます。今後もまたそれをなさなければならないでしょう。今後それをアウフへーベンしたものを逆に輸出をしなければならぬ、そういう立場にあると存じまするが、それはいかがでございますか。
#30
○川崎参考人 技術導入とか技術輸入というのは、これは将来のことですから、私はここで言及することはできませんが、私どもの心がまえを申し上げますと、実はうちの中で研究開発をやっております。しかし、それで生まれたもの、それから諸外国にあるものと、こう引き比べまして、どちらが企業に有利であるかという、そういう比較をいたしまして、技術導入したほうが有利であると思えば技術導入をいたしますし、うちの中でやったものを採用したほうがいいと思ったときはそういたしますから、その点、どうなるか、将来のことですから、ここではっきりこれからもどんどん技術輸入するんだとか、これから全然技術輸入はしないとか、そういうことを残念ながら私、確言することはできません。
#31
○加藤(清)委員 それでは、この成功は、私は一つには、忘れてならぬものに千六百有余名の従業員、これが公害に苦しみつつも文句を言わずに営営と働いた、研究陣は研究陣で乏しい資料、乏しい設備でこれまた非常な努力研さんをなさった、そういうところにあると思います。ところが、それに対して、会社は――会社というより企業は、今度独立するにあたって、はたしてそれに報いるような処置をなさったか、なさらないか、いかがでございます。
#32
○川崎参考人 経営者としては、精一ぱいのことを考えて、いろいろなバランスの上で、やれることは十分にやったと思っております。
#33
○加藤(清)委員 それが精一ぱいだとおっしゃいますと、あとで数字の上で困ることが出てきますよ。
 だんだんこまかく進んでいきますが、まだ法案が通過しないうちに、政府持ち株の十億円、百万株ですか、これを処理なさったようでございます。その処理の当否はあとで大臣にも質問いたしまするが、あなたのところの書類を調べてみますると、その参考資料の中の財産諸表は非常にずさんである、したがって、われわれのようなしろうとでは見にくいということをまず第一番に感じたわけです。それに載っておれば、次の質問はしなくても済むことなんです。ところが、それがございませんがゆえに質問をいたします。
 第一番、日本合成ゴムの不動産、動産、それに従うところの従物等々は、いかが相なっておりますか。
#34
○川崎参考人 いまの御質問の要旨、ちょっと明瞭に私に把握できないところがあるのですが……。
#35
○加藤(清)委員 それでは大臣に質問いたします。
 これはあくまで会社でなくして、先ほど経営者側も事業であるとおっしゃった。そのとおりなんです。日本合成ゴム法によれば、必ず、いま私が申し上げましたところの財産諸表は大臣に提出されて、それを管理統括する義務を大臣が持っていらっしゃるはずです。したがって、大臣に、その有無、並びにあったらここへ御提出を願いたい。
#36
○藤尾政府委員 お答えいたします。
 この事業に関しまする日本合成ゴム会社の各期の損益計算あるいは利益金処分、貸借対照表、こういったものを一括いたしましたものはございます。いつでも御提出ができるように準備をいたしております。
#37
○加藤(清)委員 だから、それを提出なさったものの中には、私がいま承りましたところの不動産、動産、それに対する従物、地上権、地役権、特許権、実用新案権、商標権等々は見当たらない。しかし、それはあくまで国家の監督下にあるところの有価値的物権なんです。したがって、その所在が明らかでなくして国有財産が処理されるということはいかがなものかと存じまするので、大蔵省が来ていらっしゃるようでございますので、こういう案件を委員の皆さんが知らずして国有財産を処理してよろしゅうございますか、大蔵省にお尋ねする。
#38
○青鹿説明員 お答えいたします。株式の処分のルールがいろいろございまして、いま先生のおっしゃいましたように、確かに純資産額によって計算する方法が一つございます。このように比較的最近にできました会社につきましては、大体純資産の計算を簿価による原則になっておりますので、提出されました財務諸表等を前提にいたしまして、一つの方法として純資産額を計算しておるわけでございます。
#39
○加藤(清)委員 あなたはチンプンカンプンの答弁をしていかぬですよ。私は株の評価のことをお尋ねしておるのではない。株はすでに十億円処分されてしまっておるのです。しかしまだその他に有価値的物権とみなされるものについて、国家の息のかかったものがあるはずである。その諸財産は毎年度所轄の大臣に提出しなければならない義務をこの企業は背負っている。そのものの有無を審議する委員の私どもが知らずして国家の財産を処置してよろしいかということを言っておる。(「それはいかぬよ」と呼ぶ者あり)いかぬにきまっておる。私は株の評価の基準を聞いておるのではないのです。それはまたあとで聞くのです。
#40
○藤尾政府委員 加藤委員御指摘のとおり、そういったものは、御審議をいただきます委員の皆さま方を通して国民諸君に十二分に御理解をいただいた上で処分をすべきものであると考えます。
#41
○加藤(清)委員 だから聞いておる。だから不動産、動産、地上権、地役権、特許権――特許権がたくさんあるはずです。実用新案権、商標権等はどうなっているか聞いておる。それがどうされたからいけないとか、どうしたからよろしいということを言っているんじゃない。どうなっているかという現状認識をしたいがための質問をしておる。
#42
○後藤政府委員 私からお答え申し上げます。資産状況でございますが、四十三年九月末現在におきまして、日本合成ゴム株式会社は、土地は面積にいたしまして九十二万四千九百六十一平米、帳簿価格にいたしまして二十二億六千三百六十五万三千円、建物は建坪面積にいたしまして十万五千四百八十二平米、帳簿価格にいたしまして三十一億二千二百八十四万一千円、機械装置は、これは価格にいたしまして約九十億一千百八十万七千円、その他の有形固定資産といたしまして三十八億五千九百六万三千円、合計、有形固定資産といたしまして百八十二億五千七百三十六万四千円というように承知いたしております。
#43
○加藤(清)委員 追ってお尋ねいたします。
 社債の受益証券はあるかなきか。これも報告書の中には見当たりませんでした。(「財務諸表を出せばいいじゃないか」と呼ぶ者あり)いまも賢明な委員諸公から御注意がございましたが、財務諸表を出せばいいじゃないかということなんです。それで、政府側は出したとおっしゃってみえる。ところが、これは先ほど私がきわめてずさんだと言いましたけれども、いうならばどんぶり勘定で、単式簿記なんです。普通一般常識だったら、これは当然複式簿記でなければならぬ。そうすれば、そこにいま皆さんの声があるように、社債券がどれだけあるの、それから受益証券がどれだけあるの、ちゃんと出てきちゃうのです。それがないので承っておるわけなんです。(「資料で出せ」と呼ぶ者あり)いい声が出ました。したがって、私はここでこの審議を難渋させようとか、ストップさせようなどとは思っておりません。進行に協力いたしまするので、いまの声のとおりです。至急それを御提出願いたい。それは何もいますぐなどと言って、ここでだれやら式に寝ころぼうなどとは思っておりません。急いでいきます。
 次にいきます。いま局長が――さすが局長は研究してみえる。りっぱなものです。局長がお読み上げになりましたところのこの財産は、行政財産なのか普通財産なのか、大蔵省に承る。
#44
○青鹿説明員 普通財産でございます。
#45
○加藤(清)委員 ごもっともです。
 それでは、この普通財産の扱い方は国有財産法の中に示されておりますね、そのとおりに行なわれておるかおらないか、まず大蔵省の講評を承りたい。
#46
○青鹿説明員 国有財産法の適用になっております。
#47
○加藤(清)委員 それでは承りまするが、このような国有財産が処理をされまする場合におきましては、法によれば、中央審議会または地方審議会の建議、これが行なわれるはずでございます。したがって、私はこの際、それが中央審議会であろうと地方審議会であろうと、いずれかを問いませんが、その建議内容を承りたい。
#48
○青鹿説明員 私、国の保有する株式が普通財産と申し上げたのでございまして、会社に所属いたします資産なり会社債権が普通財産という意味でございませんので、その点はひとつ……。
#49
○加藤(清)委員 あなたときどき食い違ったお答えをなさるが、どこかとめ金がはずれているのと違うか。私の質問に合わせた答弁をしてくださいよ。普通財産とあなたがおっしゃった。そこで、以上の私が読み上げましたものは、まず第一が株券、その次が社債券、受益証券、その前に不動産並びに特許権その他その他、こういうふうに申し上げたでしょう。それは行政財産なのか普通財産なのかとお尋ねしたら、普通財産だとお答えになった。一般的にいって、このような国家の普通財産が処理される場合には、中央審議会または地方審議会の建議を必要とするはずであるが、それは建議が行なわれたか行なわれないか、行なわれたとすればその内容を承りたい、こう言っておるのです。
#50
○青鹿説明員 中央審議会にははかっておりません。
#51
○加藤(清)委員 なぜはからない。
#52
○青鹿説明員 これは産業投資特別会計所属の株式でございますので、特会に帰属する財産につきましては、特にはからないということでもって中央審議会に付議しなかったわけでございます。
#53
○加藤(清)委員 法的根拠を明らかにしていただきたい。――先ほども申し上げましたが、この調子でいったらストップばかりだ、鈍行ばかりだ。しかし私はストップさせて相手を難渋させるのが目的じゃございません。最初から申し上げたように、スムーズにいって早くこの法案を通過させたいがゆえに、委員長にこのスケジュールを冒頭にお尋ねしたわけです。
 ところで、このような状態では(発言する者あり)皆さんもおっしゃられまするとおりです。われわれは国民の代表なんです。国民の声を代表して国有財産の行方が妥当であったかなかったか、正しかったか正しくなかったかを審議する重大なる義務がある。その義務を背負っての審議は、あくまで法律的な根拠に基づいてなされなければならない。したがって私は、政府がこの委員会にはからずに十億円の株を処置した、その行為が妥当であるかいなかを追跡しているわけなんです。そのとおりに、すでに行なってしまったところの法的根拠も、なおこれから探さなければわからぬ。そんなばかな話がどこにありますか。委員長においてこの問題について処置をつけてもらいたい。――ただいま委員長に処置をお願いしたのですけれども、ここが決算委員会だったら私の言うことが無理です。なぜここへ出さなかったか。出してから相談してから処置しなかったか、こう言ったら、これは決算委員会なら無理です。しかしここは少なくとも立法の責任と予算の責任を持っている。その遂行の状況は常にわれわれは監査をしなければならない。義務がある。それゆえに休会中にまで国勢調査までするんだ。その委員会にはからずに処置をなさった。普通からいけば越権行為ではないかと考えられる節もなきにしもあらず。ゆえにそれを妥当であるという答弁のために、法的根拠を私はお尋ねしておる。(「当然だ、国有財産の処分だもの」「幾ら与党でもちょっと許しがたい」と呼び、その他発言する者あり)そのとおりですよ。
#54
○大久保委員長 ちょっと静かにしてください。
#55
○青鹿説明員 はなはだ申しわけないと思いますが、どういう事項を中央審議会にかけるかは大蔵大臣の判断によっているわけでございます。中央審議会といたしましては、「大蔵大臣の諮問に応じ、国有財産の管理及び処分に関する基本方針その他国有財産に関する重要事項を調査審議し、」ということになっておるわけでございまして、大臣の判断としては、中央審議会にはからないで措置するということでございます。
#56
○加藤(清)委員 あなたがお読みになったように、この法律の第九条には、「大臣の諮問に応じ、国有財産の管理及び処分に関する基本方針その他国有財産に関する重要事項を調査審議し、並びにこれに関し必要と認める事項を大蔵大臣に建議する。」そこであなたにお尋ねする。国家の金十億円、それは当商工委員会においてたいへんな苦労をして生んだものである。生んだからといったって、それは国民の血税を借りただけの話なんだ。それを処分するにあたって、生んだところの当委員会にはからずにかってに処分するということは――よろしゅうございますか。国家の血税十億円が委員会にはかられずにいく、それは重要事項でないですか。大蔵省にお尋ねする。あなたの重要と言うのは金額にして幾ら以上を重要と言うのか。われわれは十億円なんといったら見たことない。死ぬまで見れぬでしょう。たいへんな金なんです。
#57
○青鹿説明員 御指摘のとおりきわめて重要な問題ではございますが、この株式につきましては、日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置法の十一条でもって、会社の経理的基礎が確立されたときには処分するということが法律上に定められておるものでございますから、中央審議会に付議しないで……。
#58
○加藤(清)委員 あなた食い違い答弁をしちゃいけませんよ。それじゃもう一つ突っ込んで聞きましょうか。それじゃ大蔵大臣は、これに対して、十億を処理されるにあたって事前に実地監査をしたのかしないのか。
#59
○青鹿説明員 実地監査をいたしておりません。会社は通産省が所管しておる会社でございますので、大蔵省としては直接監査はいたしておりません。
#60
○加藤(清)委員 それは大蔵大臣は各省の長並びに長官にこれをゆだねることができる。しかし第十条によれば、大蔵大臣は実地にこれを監査しなければならぬ義務を背負わされておる。なぜその義務を履行しないのか、なぜその権利を放棄したのか、それを承りたい。大蔵大臣がやれぬというなら、大蔵委員会なり商工委員会なりが実地監査するよ。なぜ委任しない。――これじゃあかぬ。いつまでたっても進めへん。(「これだけのことを当然の手続を経ずしてやるということは重大問題だ」と呼ぶ者あり)――研究していらっしゃる間に読み上げてみましょう。第十条「国有財産の管理及び処分の適正を期するため」、これは処分ですね、処分しちゃったのですね。「処分の適正を期するため必要があると認めるときは、各省各庁の長に対し、」「資料若しくは報告を求め」た後に――求めたまではやった。ところが「実地監査をし、」「必要な措置を求めることができる。」したがって実地監査しなければならぬ。通産省に対して書類の提出を求めただけなんだ。入学試験は内申書だけでやってしまったということだ。試験なし、実地試験やらずに始末しちゃったということだ。(堀委員「もう一ぺんもとへ戻してやり直して、売ったやつを国が買い戻して、手続をちゃんとしてから法律を出し直すべきだ。当分の間だめだ。こんなことじゃだめだ。われわれこの法律を認めるわけにいかぬから、宙ぶらりんになったらどうするかということだ。これは重要な問題だよ。国有財産の重要な問題だ」と呼ぶ)
#61
○青鹿説明員 審議会にはかるか、また実地監査するか、しないかでございますけれども、これにつきましては、大蔵大臣の判断のもとでできるということでございますので、必要があると認めた場合にはいたしますけれども、今回はまず最初に通産省とも十分協議の上、特にその必要なしと判断いたした次第でございます。
#62
○加藤(清)委員 答弁にならぬですよ。あたりまえのことを言うとる。だから私はやらなかった理由を最初に聞いた。第一番、審議会になぜかけなかったか。その理由は明らかでない。今度は審議会は別として、じゃ、大蔵大臣個人はどうだったかと聞いた。そうしたら今度はその必要はないと認めた。ないと認めたら、ないと認めるところの法的根拠なり理由なりをここに明らかにしてもらいたい。あなたのようにたくさんの金を扱っておる人には十億なんというものはへいちゃらかもしれませんけれども、われわれ国民にとっては十億という金はたいへんな金なんだ。きょう雪が降っている最中にふとんが一枚もない国民から考えてごらんなさい。十億なんというのはたいへんな金なんだ。それは国民の血税なんだ。それを大蔵大臣が実地監査もせずして処分させたなんというのが新聞に出たらどうなる。それをまたわれわれが黙ってのんだとなったら、われわれは責任を追及されなければならぬ。ジャーナリストから攻撃を受けなければならぬ。何ぞもらったではないかと言われなければならぬ。だから私はこれは明らかにしてもらわなければいかぬ。責任の所在を明らかにし、権限の執行を放棄したところの理由を明らかにしてもらわなければ引き下がることはできない。
  〔「休憩」と呼び、その他発言する者あり〕
#63
○大久保委員長 暫時休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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