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1949/04/26 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 労働委員会 第7号
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1949/04/26 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 労働委員会 第7号

#1
第005回国会 労働委員会 第7号
昭和二十四年四月二十六日(火曜日)
   午前十一時三十四分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○労働者災害補償保險法の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
○失業保險法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○職業安定法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○緊急失業対策法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山田節男君) 只今より労働委員会を開会いたします。昨日に引き続きまして失業保險法の一部を改正する法律案、職業安定法の一部を改正する法律案、緊急失業対策法案及び昨二十五日労働委員会に予備付託となりました労働者災害補償保險法の一部を改正する法律案につきまして、併せて御審議を願いたいと思います。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(山田節男君) 速記を始めて……。
#4
○門屋盛一君 私は昨日の労働大臣の御答弁を伺つて、この失業対策ということは労働大臣も責めても完全な答えは出ないというふうに思つておつたのですが、只今雑談中の労働大臣の御決心を聽いて非常に力強く思うのであります。同時にそこまでにお考えになつておつて、無論私は関係方面のことは、出していいか悪いか知らないが、関係方面で失業者が出たときでいいと言うことは一應頷けるのでありますが、これはアメリカ式にすべてのことが、計数の整理が付いており、それから緻密な計画が立つておれば、失業者が出たとき、出たときで処理が付いて行く。併し残念ながら、私の思い違いであれば結構ですが、今労働省なり、経済安定本部の方に、凡そこの失業者の出て來るところの、時間的にどういうふうにこれが出て來るか、時間的、業種別の、本当に今出て來てもすぐ対処し得るだけの、一方においては失業者の出て來る状態と、それからその出て來た失業者を経済九原則の線に背かないように、基本産業がプラスになるように、その失業者が出たらどこへどういうふうに当嵌めるという、本当に我々の納得し得るような計画があれば、今日でなくていいが極めて詳細なる数字を挙げて御説明願いたいと思う。ただこれは政治的の、意氣以て壯なりというようなところでは我々は安心できない。これは御用意ありますか。
#5
○國務大臣(鈴木正文君) その基礎は、すでに労働省では今申しました直接的な失業対策を公共事業としてやつておつたときからやつておりましたし、又持つておりますし、又これからの失業問題を前に控えて調査もデーターも取揃えおります。併し御説のように尚不足のところは急速に今の法律ができてこの裏付けとなる具体的、門屋さんの昨日から繰返しておられる具体的計画ということは御尤もでありますから、できるだけ早い機会に我々の考えておるところの、我々の持つておるところの材料を総合いたしまして、そうして説明できるような運びにいたします。
#6
○門屋盛一君 今の御答弁でもちよつと感違いがあるようですが、私はこの失業対策は緊急失業対策という名前では出ておるけれども、ここ五ケ年くらいはずつと恒久的の失業対策を立てておかなければいけない、こう思うのです。そうしてこの法律の裏付けですが、この法律は先程からの説明によると適用範囲が狭い。この法律だけによらず、本当の失業者がどれだけ出るかということになると、私は余程安本その他の関係各省と、商工省関係なんかと緊密な連絡、連絡程度では完全な調査はできないのですが、私の考えでは、あなたはそれの敢然な調査ができていると言われておる。ところが不完全だろうと思う。なぜならば、今回のこの失業対策の問題で行政整理の方は思つたよりも時間的に遅く來るから、これについては対策は立て易い。ところがこの九原則関係で行くところの企業の合理化は非常にこの時期が早められるわけです。レートは決まつたし、金詰りと両方で予想以上に早くなつて來る。失業者の出る方が早い。それに対する本当の調査ということになると、商工省あたりが大体商工業の実態を握つておるから、そこからでないと本当のことが分りにくい。それを今までどういうふうな御調査をなさつたか知らんが、恐らく完全な調査ができてない前に、又これを実際行おうとしても行うのが労働省ではなく民間企業が主になるし、それから國の公共事業の方は安本が握つておるという状態で安心できない。私が昨日から伺つておることは、この失業対策は労働大臣にもう少し力を持たせるように……十分持つておるとおつしやるけれども、どうも持つておるように思われないが、これでは労働大臣が指示したら一つの事業を興さなければならんということにはならない。労働大臣はこれだけの失業者が出て失業対策が必要であるということは、安本を通じて安本にやらして事業を興すようになつておる。私の希望するところは、これだけの失業者が出るから、いつ頃までにこれだけの事業を興せということを命令し得るように強力に持つて行かなければならんと思つておる。本当にお持ちになつておるというのですから結構ですから、その詳細な資料を一つ見せて頂きたいと思うのであります。
#7
○委員長(山田節男君) 鈴木労働大臣にちよつと伺いますが、委員会としても、公聽会その他の準備の都合もあるわけですが、労働組合法改正案、労働関係調整法の改正案が本國会中に出るのか、出るとすればいつ頃出るのか、その点委員会の方にお示し願いたいと思います。
#8
○國務大臣(鈴木正文君) 今委員長から労働組合法と労働法の改正案はこの國会に出るか、いつ出るかという御質問でありますが、現在の状態を御報告申し上げます。最後的な法案は数日前に関係方面から示され、それは昨日閣議決定となりました。直ぐそのままG・Sの方に最後のOKを取るように出してあります。法案の性質上事前に十分の打合せをして置きましたから、そう時間を費やさずにG・SのOKが取られるものと見通しております。從つてここ一両日中に、今日は出せないと思いますが、まあ二、三日中に國会に提案して皆様に御審議を頂くというような運びになると、そう思つております。
#9
○門屋盛一君 今の資料の要求をもう一回具体的に申しますと、今回レートが決まつて金詰りが出て來る、そうした緊急に出て來る失業者の問題が一つ、それから恒久的に出て來る失業者のことは、昨日から私が言つておるように過剰人口によつて出て來る、これは失業者として見ることはどうかと思うが、これは失業者対策の点から見なければならん恒久的なものと二つに分けて、それが時間的にどういう失業者が出て來るか失業者の業種別、地域別、失業者の出る方が一つと、それから失業者を吸收し得る事業に対しても時間的にこの事業をやるというような、この時間的と業種別と地域別とその事業量、それだけを一つお示しを願いたい。
#10
○水橋藤作君 今門屋委員の御質問に関連いたしまして、政府が予想しておるところの失業者の中で、闇利得者から出るところの失業者はどのくらいの数を見積つておられるか、その数をお伺いしたい。それから又もう一つ、学生方面から來るところの失業者数をお伺いしたいのですが。
#11
○政府委員(齋藤邦吉君) 門屋委員のお尋ねの資料につきましては至急に調査いたしまして、能うる限りできるだけのものを提出をいたしたいと思つております。併し御承知のように行政整理或いは企業整備等につきましても、具体的にどの地域にということは極めて困難な問題だと、かように考えております。國鉄の行政整理の際に、東京の方で首を切られるか、或いは函館の方で首を切られるか、その辺がなかなか予想が付き難い、又方針が決まつてないと思つております。併しながら実際問題として、できる範囲のことを研究いたしまして提出いたしたいと思つております。次に、学生、生徒からの失業者はどのくらい出るだろうか、闇より出る失業者はどのくらいか、こういうお尋ねでございますが学生につきましては、本年度の新規学校卒業生の中でどの程度失業者が出るかということは極めて困難な問題でありますが、現在のところ安定所において掴んでおりまする求職者の中から、就職困難に陥ると予想せられるのが十万人と今算定いたしております。これは安定所の調査に基きまして、恐らく未就職に終るのではないだろうかという予想の下に計算されておりますのが約十万であります。それから闇から出ました失業者の問題でありますがこれも亦実はお尋ねでありますが、極めて困難な問題でございます。先ず第一に闇というものがどの程度あるだろうか、これも亦極めて困難でありますが、私共は闇という言葉ではなくて潜在失業者の顯在化という問題から研究いたしておるような次第でございます。即ち顯在でございまして、或る程度の何かの仕事はしているけれども、もつとよりよき健全な職業に就きたい、こういうものの数、これが一昨年の國勢調査によりますと約三百九十万、約四百万人の潜在失業があつたのであります。これは失業者というのではなくして、部分就業者という概念で把握しております。この部分就業者四百万のうち農林業その他の方面に、潜在しておりますものが約二百万と見込んでおりまするので、その二百万のうちから本年度の経済九原則の強行等によりまして、或る程度の失業者が出る、それを大体二百万の一〇%乃至二〇%と計算いたしますれば、二十万乃至四十万程度の失業者が出るのではないだろうか、かように考えておる次第であります。この潜在失業が全部闇という概念では勿論ありません。私共この闇という定義ははつきりもいたしませんし、又闇というものがありましても、これは本当に掴みにくい問題でありまして、私共といたしまして潜在失業の顯在化という概念で考えまするときには、二十万乃至四十万程度のものが出るのではないだろうか、こういうふうに考えておる次第であります。
#12
○水橋藤作君 大体において二十万乃至四十万というと倍違いますが、もう少し何かの方法によつて的確に、税金の方面とか或いは営業方面とかの方面から調べて、もう少し失業者をはつきり把握する必要があると思うし、又労働省はそういう方面に重点を置かなければならん。そうして重点を置いて失業対策を立てられるべきだと思うのでありますが、この二十万乃至四十万というと、二十万乃至二十五万というのなら分りますが、二十万乃至四十万というと、我々が見るならばいい加減の数字のように感じるのでありますが、一つもう少し的確にお示し願いたい。
#13
○門屋盛一君 今の機構では完全な調査ができない。
#14
○水橋藤作君 失業対策としては、要するに労働省の仕事であつて、よしんば労働省でできないとするならば経済安定本部に行つて探して來ても、それはやらなければならん性質のものじやないかとこう思うのですが。
#15
○政府委員(齋藤邦吉君) 潜在失業の顯在化の問題につきまして、二十万乃至四十万じや余り漠としておりはせんか、こういうお尋ねでありますが、御承知のように潜在失業の顯在化という問題は、経済情勢の変轉によつて動いて参る数字でありまして、私共といたしまして現在の段階においてこれ以上の数字が出るものとも考えていないのであります。御承知のように現在の失業者がどのくらいおるかという問題につきましても、実は極めて困難な問題でございます。御承知のように内閣統計局でレーバー・フオースのサーベイをいたしておるのでありますが、これによりますと、毎月地区別に失業者が減つて行くというような統計も出ておるような次第でございまして、現在の失業或いは闇というものは極めて困難な情勢でございます。私共といたしましては、安定所の窓口等に表れて参つておりまする雇用の趨勢を一應頭に入れて、そうして経済九原則その他の強行によりまして、相当深刻になるということを頭に入れ、又過去の統計の動き等を頭に入れて、一應二十万乃至四十万というふうにしたのでございまして、その点は倍違うとおつしやられましても、これは或る程度止むを得ないのではないかというふうに考えるのでございます。
#16
○水橋藤作君 失業保險法の法律案が改正されるわけですが、失業保險料を申告制に改められるのですが、これは事業の簡素化から考えると誠に結構だと思うのですが、徴收目的一〇〇%得られるかどうかということについて疑念を持つておるのですが、その見解を一つ伺いたい。
#17
○政府委員(齋藤邦吉君) 私からお答え申上げます。申告納入制度を採用いたしましたのは、御承知のように所得税の申告納入、所得税の徴收につきましても現在のところそういう制度になつております。そうして又この保險料のような、或る意味から申しますと税金的な性格を有しますものにつきましては、納めます事業主の自主性に俟つた方がよりよいのじやないか、所得税につきましては、すでにここ一、二年事業主の方がなされておられることでございますので、保險料の税金的な性質ということも十分御承知願つておりますので、申告納入でやつて行つた方が事業主の自主性を高める意味から申しましても結構なことじやないかと、こう考えたのであります。而も保險料につきましては、労働者から御承知の千分の十一、今回におきましては千分の十と下げることになりますが、保險料を賃金から差し引いているわけであります。事業主がすでにもう労働者から或る程度半分差引いておりまして、それは自分の負担分も附加えて納めるのは当然であるということも十分御承知願つておりますので、大体におきましていい成績を收めるのではないか、こういうふうに考えております。私共といたしましては、併し法が改正されました暁におきまして、法の趣旨の徹底につきまして一段と努力いたしまして、この制度が所得税の徴收と同じようによい結果が上りますように努力いたしたい。かように存じている次第であります。
#18
○水橋藤作君 申告税は、一つの團体組織、組合とか或いは相当大きな企業体においては……今の説明は私は全然違つた意見を持つておりますが、一應そういう見通しを付けられるにしても、日雇失業者に対しては、保險料はどういう方法で徴收されるか。
#19
○委員長(山田節男君) 逐條説明がありましてから逐條質疑に移りますから、そのときに御質問になつて、時間がございませんから、昨日の委員会でまだ済まずに残された失業保險法の一部を改正する法律案に関する逐條説明が住んでおりませんが、昨日付託されました労働者災害補償保險法の一部を改正する法律案、これにつきまして大臣から提案の理由を説明したい、時間の関係がございますが、大臣からそういう御要求がございますが、差支えございませんか。
#20
○原虎一君 十二時十五分過ぎておるのですよ。
#21
○委員長(山田節男君) 提案の理由だけ一つ……。
  ―――――――――――――
#22
○委員長(山田節男君) それじや労働大臣。
#23
○國務大臣(鈴木正文君) 労働者災害補償保險法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明を申上げます。
 労働者災害補償保險法は、労働基準法の裏付として昭和二十二年九月一日から施行されて以來、業務災害を蒙むつた労働者に対して迅速且つ公正な災害補償を行い、被災労働者の基本的人権を擁護すると共に、他面事業主の経済的負担の分散軽減を図り、以て産業安定のために所期以上の成績を收めて参つたのであります。今回この労働者災害補償保險法の運営を一層容易ならしめ、本法の主眼とする迅速且つ公正な災害補償を積極的に行うために、次の諸点についてこの法律の一部を改正する必要があると考えられるのであります。
 先ず第一の点は、適用事業の範囲を拡張することであります。即ち、從來船舶による旅客又は貨物の運送の事業は任意適用事業でありましたが、業務災害の危險率が相当に高いので、これらの事業のうち船員法の適用から除外されているものを強制適用事業に含めたのであります。第二の点は、保險料算定の基礎となる賃金総額というものをはつきりさせたことであります。即ち賃金総額については、從來のように除外例を認めないで、名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支拂うすべてのものを賃金総額に含むということにいたしたのであります。第三の点は、保險料報告の義務を法律に規定いたしたことであります。第四の点は、政府が保險料の額を認定して徴收することが規定を設けたのであります。即ち從來多数の保險加入者の中には、概算保險料の額又は確定保險料の額を所定期限までに報告して來なかつたり、或いは事実と相違した保險料の額を報告して來る者があつて、そのために本法の運営上支障を來しておりましたので、今回政府が職権で保險料の額を認定し、徴收することができるようにいたしたのであります。併しその反面、政府の認定決定に不服のある者を救済する必要があるので、その救済規定を設けることといたしております。第五の点は、保險料追徴の場合に、その的確を期するための納期限に関する規定を設けたことであります。第六の点は、政府が保險料の額を認定した場合に、その徴收すべき保險料に対して追徴金を賦課することであります。即ち保險加入者がなすべき報告をしなかつたり、虚偽の報告をした場合には、政府が認定して徴收すべき保險料の額の百分の十に相当する額を追徴金として徴収することにしたのであります。第七の点は、延滯金及び罰金を引上げたことであります。從來延滯金は百円につき一日四銭の割合でありましたが、これは極めて低率でありますから、國税その他社会保險と同様に、百円につき一日二十銭に引上げたのであります。又所定の義務を履行しない保險加入者やその他の保險関係者に課されている罰金も極めて低額でありますから、その罰金の額を五倍又は六倍に引上げて適用することとしたのであります。尚、官吏の業務上の秘密漏洩に関する罰則については、國家公務員法に規定されておりますから、これを削除いたしたのであります。その他條文中不必要な字句は削除いたしまして、法文の整理をいたしております。以上の諸点がこの改正法律案の提出理由であります。
 何とぞ御審議の上可決されるようにお願いいたします。
#24
○委員長(山田節男君) お諮りいたします。職業安定局長の失業保險法の一部改正法案に対する逐條説明が十分ぐらいで終るというのですが、もう十分程御辛抱願えますか。
#25
○門屋盛一君 午後は続行しないのですか。
#26
○委員長(山田節男君) もう一つ後にやりたかつたのですが、実は衆議院の方では、今日、今出された三法案が大体終るそうです。参議院は参議院としての審査が又ありますが、政府当局としては、成るべく早く一つこれを御審議願いたいと、こういう希望を申出ておられますので……。
#27
○門屋盛一君 労働省の方で急ぐというのはよく分るのであります。この三つの法案に関係して、労働大臣に対する質問が今やつと終りかけておるが、どうしてもこれは安定本部長官と大藏大臣、商工大臣の出席を求めないとはつきりしないのです。これは今労働省からいろいろ御説明になつておることは誠に根拠が薄弱なのであります。これは安心できないですから、これは安心できずして法案を通せというならば、議員を辞めるよりしようがない。(笑声)これは法案の通過も通過だけれども、関係大臣の出席を強く要求して下さい。
#28
○委員長(山田節男君) 今閣議が……。
#29
○門屋盛一君 労働大臣がここに來ているのだから、閣議がある筈がないじやないか。
#30
○村尾重雄君 僅かなら続行してもいいですね。
#31
○原虎一君 別に強いて反対しませんが、十二時二十分なのです。我々はこの委員会もありますけれども、会派のいろいろな会合を直ぐやることになつておるのです。今後は委員会は大体十二時過ぎても十五分くらいで打切るという方針でやつて貰わなければ困ると思うのです。速記の方も晝飯を食べていないでしよう。二十分でこれからやれば一時ということになつてしまう。そういうことは打切られたいと思う。だらだらやればきりがない。政府の都合都合と言つているが、一時になつたり、一時半になつたりするから……長くなつて十二時過ぎても、十五分過ぎになつたらやらん、こういうふうに御決定を願いたい、我々会派の会合もできなくなる。
#32
○委員長(山田節男君) どうでしよう。二十九日以降自然休会になるということも決まつたようでありますが、御勉強願つて午前、午後本会議に抵触しない日は……。
#33
○門屋盛一君 それは決まつちやいませんよ。本会議をやらないというのは……やることがなかろうと言うのです、決まりやせん。
#34
○委員長(山田節男君) どうしましよう。今日午後御勉強願えませんか。
#35
○門屋盛一君 私はやるつもりで來ているのだけれども、政府が來ないのだ。
#36
○原虎一君 午後は一時半からやることに異議なし。
#37
○委員長(山田節男君) 政府はできますか。
#38
○國務大臣(鈴木正文君) できます。
#39
○委員長(山田節男君) では時間も非常に過ぎておりますので、午後一時半でよろしゆうございますか……。それでは午後一時半から再開いたすことにいたしまして、一應休憩いたします。
   午後零時二十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十八分開会
#40
○委員長(山田節男君) これより午前に引き続いて労働委員会を再開いたします。先ず、失業保險法の一部を改正する法律案につきまして、齋藤政府委員より逐條説明をして頂くことといたします。
#41
○門屋盛一君 その議事の扱い方ですけれども、これはどれくらい時間がかかりますか。
#42
○委員長(山田節男君) 十五分くらい。それでお断わりいたしますが、青木安本長官は、衆議院の本会議で緊急質問が出て答弁中でありまして、それが済めばこちらへ來られるそうですから、御了承願います。
#43
○政府委員(齋藤邦吉君) 私から失業保險法の一部を改正する法律案につきまして御説明申上げます。甚だ恐縮でございますが、お手許にお配りいたしております失業保險法改正要綱を中心として、必要な條文を逐いながら簡單に御説明を申上げたいと思います。
 先ず、失業保險法の最初の改正の問題は、保險料算定の基礎となる賃金の範囲の変更及び賃金の最高制限額の撤廃の問題でございます。
 先ず、保險料の額は事業主が労働の対償として労働者に支拂うすべての賃金に基行つて保險料算定の基礎となります。賃金につきましては、從來は臨時給與を除いておつたのでありますけれども、今回は臨時給與をも保險料算定の基礎となる賃金に加えることといたしたのでございます。それは改正法律の第四條でございます。改正法律の最初の條文でございますが、「第四條第一項但書中「臨時に支拂われたもの、三箇月を超える期間ごとに支拂われるもの及び」を削る。」とあります。即ち臨時給與、越年資金、或いは三ケ月を超える期間ごとに支拂われる即ち賞與等も保險料算定の基礎となるところの賃金に加えるということにいたしたのでございます。但し第五條におきまして、保險料の算定の基礎となる賃金には臨時給與を加えますが、失業保險金の額を算定する場合には臨時給與はこれを除いて計算することといたしたのでございます。これが第五條の改正でございます。即ち保險料の徴収に当りましては、その事柄の性質が税金的性質でもありますので、又事務の簡捷を図るという意味から申しまして、保險料の算定の基礎となる賃金には臨時給與を加えるけれども、失業保險の方には、これを加えないというようにいたした次第でございます。尚、保險料及び失業保險金算定の基礎となる賃金の最高制限額を撤廃することといたしたのでございます。これは事務的の内容の問題でございますが、次に、適用範囲の拡張の問題でございます。從來の失業保險の方におきましては、これは第六條の規定でございますが、適用事業を列記しておつたのでございますが、今回はそれを逆に書きまして、例外、適用されない事業を列挙することといたしたのでございます。即ち適用されない事業と申しますものは、第六條、一のイ、ロ、ハ、ニ、ホとありまするように、農業関係、牧畜関係、水産の関係、それから教育、研究、調査の事業、それから保健衛生の事業、社会事業等の事業は失業保險の適用除外ということにいたしたのでございます。その結果として新たに適用範囲を拡張されまして、適用されることになりましたものは大きなものは三つあるのでございます。一つは土木建築の事業でございます。二番目の事業は、映画の製作、映冩、演劇の事業が二番目に適用範囲が拡張されたわけでございます。それから三番目に旅館、料理店、飲食店、その他接客の事業、これが新たに三つ加わつたわけでございまして、除外されたものは、農林、水産という原始産業の面、教育調査、保健衛生、社会事業等が除かれることになつたのでございまして、この適用範囲の拡張によりまして、被保險者は約五十万人、この失業保險の恩恵に浴することと相成つたのでございます。
次に、大きな改正は、保險給付の内容の改善の問題でございます。これは保險法第十七條の規定でございます。即ち「失業保險金の日額は、被保險者の賃金日額に百分の六十を乗じて得た額を基準とし、労働大臣が中央職業安定審議会の意見を聞いて定める失業保險金額表における被保險者の賃金日額の属する賃金等級に應じて定められた金額とする。但し、三百円を超えてはならない。」と規定いたしたのでございます。從來の規定を申しますと、現行法におきましては、失業保險給付率を百分の六十に置いておりますけれども、賃金の高いものについては百分の四十まで逓減せしむる方法を取り、賃金の安いものにつきましては百分の八十まで逓増せしめるという方式を取つておつたのであります。即ち基準を百分の六十に置きまして、百分の八十から百分の四十に逓増、逓減の方式を取りまして計算をいたして参つたのでございますが、実際の支給を平均して考えて見ますと、五四・三%の比率になるわけでございます。そこで今回將來の企業整備等により失業者の救済を頭に入れて考えますときに、これだけの給付を以てしましては十分の保護ができないということが考えられますので、今回一律に百分の六十に高めることといたしたのでございます。大体これによりまして、六千三百円ベースを基準として計算いたしますと、大体において手取賃金の七二、三%ということになるわけでございまして、これによりまして、一應失業労働者の最低生活を保障いたしたいと考えている次第でございます。この失業保險金の給付の改善につきましては、この平均百分の六十から一律百分の六十にすると同時に、一つ新たなるところの改正を加えましたのが、失業保險金額のスライド方式の改善の問題でございます。
 これは第十七條の三の規定でございます。スライド方式の採用につきましては、現行法におきましても、或る程度の方式を用いてはいるのでありますが、そのやり方につきましては、多少時期的に遅れたようなやり方でありまして、その実効を收めることが極めて困難な情勢にありましたので、今回これをできるだけ速かににスライドせしめ、そのスライドの効果を失業労働者が直ちに受けるようにいたした次第でございます。その十七條三の第二項によりまして、即ち勤労統計におきまする工場労働者の平均給與額が百分の百二十を超え、又は百分の百八十を下るように至つたと認めるときには、失業保險金額表を改正して平均給與額の上昇低下の比率に應じて、賃金日額、失業保險金の日額を改正いたしますと、この二項の規定によりまして、改正前に離職しておつた者もこのスライドによりまして、上つた給與率の……給與額の上昇の比率に應じて失業保險金の日額を上つたものとして受取ることができる仕組みにいたしたのでございます。即ち現在離職前一万円の俸給を取つてやめたという者は百分の六十でございますので六千円貰うわけでございますが、ところがこの勤労統計によりまして平均給與額が仮りに二〇%上るといたしますと、一万円貰つておつた者は一万二千円貰つておつた者として、それの百分の六〇という失業保險金を貰い得るといたしたのでございます。即ち物價の変動に應じまして失業労働者の実質的な生活保護、実質的な失業保險金額の改善を考えたのでございまして、この点は今回の改正の極めて重要な部分をなすものと考えている次第でございます。
 次に、保險料率の引下げの問題でございます。法律第三十條第一項でございます。第三十條第一項中、被保險者及び被保險者を雇用する事業主について、おのおの千分の十一を百分の二と、こういうふうに改めたののてございます。從來の保險料率は千分の十一でありまして、労働者、事業主おのおのが千分の十一を負担しておつたのでありますが、御承知のように、失業保險の経済は極めて鞏固に相成つて参りましたし、そうして又將來の失業というものも考えまして、或る程度の軽減をいたしましても、保險経済といたしましては心配がないという見通しが付きましたので、千分の十一を千分の十に下げまして、即ち労資の負担するところの保險料を百分の二、おのおの百分の一ずつということに改正いたした次第でございます。これが第三十條第一項の主な改正でございます。それから次は、第三十四條以下の問題でございます。三十四條、三十四條の二の点でございますが、保險料の徴収につきまして、申告納入制度を採用することといたしたのでございます。御承知のように、從來までにおきましては、納入告書を発行いたしまして、それによつて保險料の納入を命ずるというやり方を取つたのでありますが、御承知のように、すでに所得税におきまして申告納入の制度も採用せられており、更に又保險料につきましては、労働者の賃金から一部控除しておるという事情もあり、更に又保險料の納入につきましての事業主の実勢をも尊重する意味合から、今回所得税と同じように保險料の申告納入制度を採用し、これによりまして事務の簡捷を図るようにいたした次第であります。これが三十四條及び三十四條の二の規定でございまして、大体所得税その他の徴收との例文でございます。尚、次に三十六條の規定でございますが、國税徴收法に準じまして、延滞金の額を引上げまして、保險料額百円につき一日二十銭とすることにいたしたのでございます。次に、第三十四條の四の追徴金の制度でございます。この追徴金の制度は、申告納入制度と表裏をなすものでありまして、所得税が申告納入となりました際に、同様に追徴金制度が採用せられておりますし、今回保險料の滞納につきましても、一定の追徴金を課し得ることといたした次第でございます。これは申告納入制度を採用することに閉口しての新らしい制度でございます。

この点は事務的な改正でございますが、次に日雇労働者に対する失業保險制度を創設するという大きい問題があるのでございます。これが第五章以下日雇労度を被保險者に関する特例という第三十八條の二から第三十八條の十五に及ぶ一章を設けまして、日雇労働被保險者の制度を設けることといたしたのでございます。以下これにつきまして簡單に御説明を申上げます。
 先ず第一に、日雇労働保險の被保險者の範囲の問題でございますが、これは三十八條の三の規定でございます。即ち三十八條のの三の第一項の一にありまするように、安定所の所在する市町村又はこれに隣接する市町村に居住して、そうして第六條の事業主に雇用される者を強制被保險者といたしたのでございます。保險制度を採用いたしまする際には、最後に保險給付を貰いまするときには、安定所に参りまして、失業の認定を受けるということが原則でございまするので、原則として日雇失業保險の被保險者は、安定所所在地又はこれに隣接する市町村に居住する者といたしたのであります。併しこれだけでは不十分でありますので、二号、三号にそれを追加いたしてあります。即ち適用区域外に居住しておる者も、適用区域内にある事業主の事業所に雇用される者、即ち適用区域外の地域から通勤して來れるような者は当然被保險者にすべきであるというので、それを適用いたしておるのでございます。尚日雇労働者につきましては、適用区域外の遠隔の地に、例えば高山とか、水力発電の大きな工事があるというような場合におきましては、そういう適用区域外の地域に住んでおりまして、而も適用区域外の事業に從事する場合におきましても、これも強制被保險者として保護することが必要であると考えましたので、第三号におきましてそれを定めておるような次第でございます。併し日雇労働の原則といたしまして、安定所の所在地というものを一應原則といたしておる次第でございます。これが三十八條の三でございます。尚この日雇労働につきましては、即ち事業に雇用されるという者でありますので、各家庭に入りまするときには、当然この恩恵は受けないということになります。それから三十八條の二に、「日日雇用される者」、「一月において三十日以内の期間を定めて雇用される者」、これが日雇労働の定義でございますが、尚臨時出稼ぎのような労働に從事する者につきましては、第十條の規定によりまして、即ち「季節的業務に四箇月以内の期間を定めて雇用される者又は季節的に雇用される者」、即ち出稼ぎとか、そういつたような業務に從事する者は、日雇労働者の恩惠は受けないということに相成つておる次第でございます。次に、受給資格及び受給要件でございますが、受給要件は、失業の日に属する月の前二月間に、通算して三十二日分以上の保險料を納付するということが受給要件でございまして、これは三十八條の六に規定されております。即ち例を引いて申しますると、本年の一月と二月の二月間において三十二日分以上働いて保險料を納めたという者は、三月になりまして仕事がないときに、始めて失業保險の恩惠を受けるということであります。即ち失業の前二月において三十二日分以上でありまして、一月、二月のおのおのの月におきまして十六日ずつ働きました場合は勿論のこと、一月に二十日働き二月に十二日働いた場合でもこの受給要件が付く。要するに、二月間において三十二日分以上の保險料を納付する、その場合に初めてこの失業保險の受給要件が充たされるのでございます。この失業保險の受給要件が付いた者にどういうふうに支給するかと申しますると、それは三十八條の九でございます。保險金の支給でございますが、その前に失業保險の受給要件の問題を申上げますると、安定所に出頭いたしまして失業の認定を受ける、こういう原則でございます。尚、支給するに当りましての待期期間の問題でございますが、一般の保險でありますると、一週間の待期を設けることになつておるのでありまするけれども、日雇につきましては、通算して七日、継続して五日の待期を設けることといたしておる次第でございます。この分は第三十八條の九の第三項に規定せられておるわけでございます。三項を読みますと、「失業保險金は、公共職業安定所において、失業の認定を行つた日について、その日分を支給する。失業保險金は、日雇労働被保險者が失業した日の属する月における失業の日数が、通算して七日又は継続して五日に満たない間は、これを支給しない。」即ち一月、二月働きまして、支給要件が、資格が付きまして、三月になりまして、安定所に継続五日行つて見たけれども仕事がなかつたというときに初めて発動して、一日分の失業保險金を受取つて帰る。それから通算して七日、即ち今日は失業して明日は仕事があつた。それから又次の日に失業したという場合には、通算の場合には七日の待期、それを過ぎてから然る後に失業保險金を支給する、こういうことにいたしておるのでございます。それから失業保險金の支給の問題でございますが、今申上げましたように三十八條の九の規定でございますが、その日その日の失業保險金を支給することが三十八條の九の第三項にあるわけでございます。どの程度の日数の失業保險金を支給するかと申しますると、失業保險金は被保險者手帳に貼付いたしました失業保險印紙の枚数に應じまして、一月間に十三日から十七日分を限度として支給することといたしておるのでございます。即ち三十二日分、三十二日働きまして、三十二日分の失業保險印紙を貼付いたしますると、その月に十三日分は必らず支給することにいたしております。尚、稼働奨励の意味におきまして、それに三十二日分を超える四日分ごとに一日の保險金を支給することといたしまして、それを最長十七日まで延長し得ることといたしておるのでございます。それが三十八條九の一項の規定でございます。
 それから次に、失業保險金額の問題でございますが、失業保險制度を考えましたときに保險金額をどうするかということが、非常に大きな問題として十分研究をいたしたのでございますが、今回は定額制を採用することといたしたのでございます。賃金日額が百六十円以上の労働者については百四十円、百六十円未満のものについては九十円の定額を支給することといたしたのでございます。それが三十八條の八でございます。第三十八條の八「失業保險金の日額は、第一級百四十円、第二級九十円とする。」といたしたのでございます。第一級と申しますのが日額百六十円以上のもの、第二級の九十円というのは百六十未満のものでございます。それから次に保險料額の問題でございますが、これも定額制を取つたのでございます。第三十八條の十一第一項「保險料額は、一日につき、第一級六円、第二級五円とし、日雇労働保險者に支拂われた賃金の日額が百六十円以上の場合は、第一級、百六十円未満の場合は、第二級とする。」、「日雇労働被保險者の負担すべき保險料額は、第一級については三円、第二級については二円とし、事業主の負担すべき保險料額は、第一級及び第二級につき各々三円とする。」即ち第一級の高い賃金のものにつきましては、事業主、労働者三円、それから二級の百六十円未満のときには事業主が保險料として三円、労働者は二円、こういうことにいたしたのでございます。普通保險料額は労資均等負担が原則であるのでございますが、日雇労働者につきましては、その特殊性もありまして、又事業主の側から申しますれば賃金が高い、低いということよりも、むしろ頭数という問題もありますので、事業主の負担は第一級、第二級とも同額として、労働者のみについて、第二級について二円と保險料を定めておるような次第であるのでございます。保險料額の次は納付の方法の問題でございますが、これは第三十八條の十二でございますが、失業保險の印紙を以て納入せしめる。即ちスタンプ制度によることといたしたのでございます。即ち事業主をして失業保險印紙を購入せしめ、日雇労働者を雇用した都度、これを雇用した日雇労働者の被保險者手帳に貼付せしめることといたしたのでございます。尚、こうした義務を違反いたしました事業主に対しましては、追徴金等の制度を設けておりますることは、一般の保險の場合と同じであるのでございます。
 次は、大体簡單な問題でございまして、一般の被保險者と日雇労働被保險者との調整の問題でございまして、これは第三十八條の五の第二項に定められておるような次第でございます。尚、十といたしまして、失業保險審査官の職権審査を廃止することといたしております。第四十一條の規定でございます。第四十一條第二項を削除しておるということでございます。尚失業保險委員会を今回中央職業安定委員会へ統合することといたしたのでございます。これが三十九條でございます。即ち失業保險事業につきまして、重要事項は予め労働大臣が失業保險委員会に諮問することになつておるのでございますが、失業保險制度は御承知のような失業対策全般の一環として運営せられておりますので、この際中央職業安定委員会に統合し、一本の委員会で行くことが適当であると考えましたので、統合することといたしたのでございます。尚、罰則関係の規定を整備いたしておるような次第でございます。尚、その外に、從來政令に讓られておりました事項は、できるだけこの際法律に規定することといたしまして、法律事項にはつきり明記することといたしたような條文が五つ六つあるわけでございます。その点につきましては説明を省略させて頂きたい、かように存ずる次第でございます。
#44
○中野重治君 私途中中座しなければならんものですから、昨日政府側の答弁について簡單な質問をしたいのですが……。
#45
○委員長(山田節男君) この職業安定、緊急失業対策、これに関連してですか。
#46
○中野重治君 そうです。
#47
○委員長(山田節男君) 政府委員にですか。
#48
○中野重治君 政府委員に……昨日の門屋委員の質問に対する政府側からの答を聽きますと、どうも、よく分らない点が沢山ありますが、分らない点は、可なり問題の土台の所にあるので、私はそれについての質問を差控えて、昨日政府側から答えられた部分について、簡單なことをお尋ねしたいと思います。一つは緊急失業対策の問題で、いろいろ金を使つたり、事業計画したりするものについては、使つた金が使い放しにならないように、建設的な面へ廻さねばならない。結果から見て黒字にならなければならんのじやないかというふうな質問に対して、労働大臣の方から、根本的にはそうだけれども、併し建設的ではなくつても、そのために金を出す必要があるものには金を出さなければならんというふうな答えがありましたが、その建設的ではないけれども、併しそのためには支出の必要な産業というものはどういうふうな産業か、これが第一。それから行政整理で六十万人程首が飛ぶ、そうすると、それをどの方面へ吸收するかという問に対して、こういう頭脳労働者は何やらに随伴する調査面へ廻すというお答えがあつたのですが、私よく分りませんでしたから、どういうものに随伴して生じて來る調査面へ吸收する見通しだというのであつたか、及びそういうふうな調査活動が段々できて行くのに並んで、新らしい雇用面も開けて行くだろうという話でしたが、その新雇用面はどういう方面にできて行く見通しであるか、これが第二。第三は新雇用面というようなものはいつ頃、來年というふうな話でしたが、來年のいつ頃あるべく開かれて來るか、そのいつ頃という見通しをお答えして戴きたい、これが第三であります。ここまでは労働大臣の言葉でしたが、その次に、あなたの名前はちよつと失念しましたが、あなたの説明でしたが、失業状況及び雇用状況の調査を全般的にできるようになつている、こういう話でしたが、この調査というものはいつ頃からの調査か、この始まつた時期ですね、これを答えて頂きたい、これが第四です。それからその次は、そういう現在までの失業の有様、どの地方にどういうふうな失業があるか。それに対してどういう策を取るかというようなことについては、一方では安本長官と相談をするという方式になるそうですが、今日までに安本長官の方とその点に関する相談がなされているかどうか、これが第五です。それから若し相談がすでになされているとすれば、それに対する対策は具体的にどの程度見通されているかということ、これが第六です。これだけちよつと……。
#49
○委員長(山田節男君) 今の中野委員の大臣に対する点と、宿谷政務次官に対する御質問と分けてですか、総括してですか。
#50
○中野重治君 私は総括的に……いわば簡單な質問ですから、あなたの方から答えて頂いて結構です。
#51
○政府委員(齋藤邦吉君) 先ず建設的事業云々という問題について御説明申上げたいと思います。御承知のように緊急失業対策法案におきましては、公共事業と失業対策事業と二つに分けたのであります。公共事業は、この法律の第二條第二項にありますように、建設復旧の事業を公共事業というふうに定義いたしたのであります。失業対策の方は失業者に就業の機会を與えるということを主たる目的として計画する、こういうふうに定められておるのでございます。即ち公共事業は資材等を沢山要しまして、事業の量として、事業の経費として資材を非常に多く要しまして、失業者吸收というよりも、むしろ建設復旧という意味のあるのを公共事業と言うております。失業対策事業の方は、失業者に就労の機会を與えることを主とした目的でありますので、おのずから資材の余り要らない労力費だけでやれる事業、こういうふうに掲げられておる次第でございます。そこでこの失業対策事業の要件として昨日も御説明申上げましたように、第四條に失業対策事業の性格が掲げられておるわけでございます。即ち、できるだけ多くの労働力を使用する事業でなければならない。多数の失業者が発生した地域において行われなければならない。それから発生した失業者の状況に應じてこれを吸收する適当な事業でなければならない。それから事業費のうち労力費の占める部分が相当多いもの。こういうふうに失業対策事業の要件を規定されておるのでございます。そうした観点からどういうものが失業対策事業として適当な事業であろうかということを今日まで研究をいたしておるのでございますが、大体これから申上げまするような事業がこうした失業対策事業として適当な事業ではなかろうかと存ずる次第でございます。即ち罹災地等の整地、清掃の事業、或いは罹災地等の街路の整備の事業、主要都市の防災対策の事業、或いは下水道、溝渠清掃、塵芥、汚物処理等の都市の環境衛生の施設の事業、或いは又公園、或いは運動場、或いは緑地等の整理事業、或いは公共空地の整理事業、こういつた事業が大体において資材を余り要せずに労力費だけでやれる事業であると考えられますので、こうした事業が失業対策事業として適当でなかろうかと存じておる次第でございます。尚その外に知識階級の應急事業といたしましては、官公廳方面に種々なる調査の事務があるのでございます。社会事業の施設の調査、或いは観光地の整備の調査、或いは宅地制度の調査、種々様々な調査統計の事務があるのであります。こうした調査統計の事務に從事せしめるという知識階級應急事業、こういうことが適当な事業ではなかろうかと考えておる次第でございます。更に女子、特に未亡人の方々等につきましては、共同作業所施設、特に洋和裁等の縫製作業を中心といたしまするところの共同作業施設、こういつたものもこの失業対策事業といたしまして適当なものではなかろうかと考えておる次第でございます。尚、その外に都市周辺の簡易な道路の整備事業、或いは産業の輸送施設の整備事業、こういつたふうな事業が失業対策事業として適当なものではなかろうかと、かように考えておる次第でございます。ただそうしたものを具体的に起しまするときには、そうした事業の中から最も効果的なるものを選ぶということにいたしておりまして、それは法律第七條の第二項にありまするように、こうした事業のうち、できるだけ効果のある事業を選んで行きたい。この選び方は昨日も申上げましたように、経済安定本部において公共事業を所管いたしておりまするので、経済安定本部総務長官の御意見によつて定めて行く。こういうことにして行きたいと考えておるような次第でございます。この今申上げましたような事業のうち、都市失業應急事業、又は知識階級應急事業、共同作業施設等につきましては、從來とも多少なりとも行なつておるところのものでありまして、本年度の予算で取りました八億八百万円の予算も大体この線に沿うて運営をして参りたいと、かように考えておる次第であるのでございます。
 次に、從いまして失業対策事業は建設を主とする公共事業とはおのずから事業の性質を異にして來る。こういうことが申せると思うのでございます。併しながらどの仕事でもよいというのではなくて、やはりその中でも経済的の効果のあるものを地域的に選んで行く。こういうことに相成ると存じておる次第でございます。
 次に、行政整理による失業者の問題でございますが、行政整理による失業者に対しましては、先ず原則といたしましては失業保險制度との関連もありますので、できるだけ退職手当を増額して頂くようにということをお願いいたしておりまして、行政管理廳方面におきまして関係方面と目下折衝を続けておるような次第であるのでございます。尚こうした退職手当を増額することによりまして失業保險と同じように暫くの食い繋ぎの手を用いることは勿論当然でありますが、その外私共職業安定局といたしましては、できるだけ就職斡旋という方面に全努力を傾注して参りたいと考えておる次第でございます。そこで新雇用の面はどういうものがあるだろうかというお尋ねもあつたのでありますが、私共の方におきましては、商工省その他とも連絡を取りまして、一應の民間雇用の状況を推定をいたしておる次第でございます。それを申上げますると、輸出産業方面に本年度中に大体二十万の雇用の増加を見込んでおる次第でございます。その内訳を申しますると、鉄鋼関係に約三万、非鉄金属方面に約一万、化学工業方面に約三万、繊維関係に約十一万、窯業関係に二万、機械器具方面に一万、合計二十一万という雇用の増加を見込んでおる次第でございます。尚この基礎産業の振興に関連いたしまして、中小商業その他のサービス業又はこうした基礎産業に関連する産業方面の雇用量の増が約二十万と推定をいたしております。本年四月以降明年三月までの間に民間雇用は約四十万の雇用量の増加と見込んでおるような次第でございます。この民間雇用の方面に、行政管理によつて失業いたしました方々をできるだけこの方面に職業の斡旋をいたしたいと考えておる次第でございます。即ち行政整理による方々に対しましては退職手当をできるだけ多くして頂くということ、二番目は、出た失業者に対しましては職業安定機関を通じましてこうした輸出産業等の他の民事産業方面に、優先的にと申しますると多少語弊もありますが、できるだけ民間雇用に就職の斡旋をいたそう、こういうふうに考えておる次第でございます。民間雇用の増加は大体において本年四月以降明年三月までと計算をいたしておるわけでございます。これは御承知のように貿易産業が六億ドルの昨年度の倍の輸出計画でありますので、その計画にマッチいたしまして目下私共が関係方面と打合せて推定をいたした数字が、今申上げました数字に相成るのでございます。
 それからその次に、失業の状況を全國的に把握する方法はどういうことをやつておるのか、又どういうことをやらんとするのかというお尋ねであつたのでございますが、これはこき緊急失業対策法第五條にもありますように、失業情勢の調査は政府としてやらなければならないとこの法律に掲げられております。これにおきましてはいろいろのものがあるのでございまして、毎年やつておるものではございませんけれども、國勢調査というものをやらなければならんことになるわけでございます。併し國勢調査は毎年やるものではありませんので、これだけで失業者の情勢を精密に把握することは困難でございます。それでこれにつきましては現在やつておりますところの統計を申し上げたいと存ずるのでございます。一つは内閣統計局において行なつておりまするレーバー・フオースの調査で労働力調査というものがあるのでございます。これは今はつきり記憶ございませんが、全國の千か二千だつたと思いますが、千又は二千程度の市町村を選びまして、その市町村を抜打ち的に毎週一回ずつこの労働力の動きの調査をいたしております。これによりまして全國の雇用並びに失業の状況を推定いたしておるのでございます。これによりますると、昨年の十二月末の失業の数字は約二十七万という僅かな数字であるのでありますが、最近におきましては、今年の二月になりましたら、多分五十万程度の失業者が出ると記録されておつたと思いますが、こういうレーバー・フオースの調査があるのでございます。併しこれは今のところ内閣統計局では全國会一本でこの統計を彈いておりまして、私共のこの失業対策事業を行いますためには極めて不備でありましたので、これは將來府縣別、できますれば大きな市ごとくらいにこの情勢を分るようにして頂きたいということを申込んでおりまして、できるだけ早くそういう資料もできますように努力いたしたいと存じております。尚その外に私の局で行なつておりますものが二つあるのでございます。これは雇用状態調査というものと公共職業安定所の窓口に現われました雇用の趨勢の報告の問題でございます。これはいずれとも雇用状態調査は毎月、これは大体二百人以上の工場について調べておるのでございますが、二百人以上の工場につきまして、將來三ケ月間の雇用、失業の趨勢を調べております。これによりまして最近三ケ月間の雇用の状況というものを把握することにいたしております。併しこれは日本全國の工場、事業場ではございませんので、二百人以上の工場についてのみの調査でございます。それから次は安定所の窓口に現われて参つております失業者、求人、求職の趨勢、これも調べておるのでございます。そこで私共は現在のところこの雇用状態調査、或いは安定所の業務の報告によりまして、一應全國的な統計は持つております。更に又府縣別の統計も一應持つておるのでございます。更にこれを私共はこの法律の準備といたしまして、できますればこれを少くとも市以上の大都市についてこの調査の内容が分りまするように、目下今日まで集めました資料を整理いたしまして準備を進めておるような次第であるのでございます。大体におきましてこうした内閣統計局における労働力の調査、それから私の局でやつております雇用状態調査、或いは安定所業務の報告等によりまして、大体現在の失業の状況並びに將來三ケ月間の雇用の趨勢というものを掴んで参りたいと思つております。ただ最初に申上げましたように、今は全國的な統計を彈くということは極めて困難な仕事でありますけれども、この法律の施行のためには是非共必要でありますので、今のところでは少くとも市以上の大都市についての雇用の趨勢をはつきり掴んで行くというふうに努力して参りたい、かように考えておるのでございます。
 それから失業対策事業の種目については、安定本部総務長官との相談は済んだかというお尋ねでありますが、細目に亘りましても、協議はこの法律が済みましてから協議をいたしたいと考えておりますが、先程私申上げましたように、都市失業應急事業、或いは知識階級應急事業、或いは共同作業施設等は、昨年度は公共事業の一部として経済安定本部総務長官の認証を受けて実施いたしております事業でありますので、そうした事業につきましては、経済安定本部総務長官と協議いたしまして、そうした面は從來ともやつておりますので、経済安定本部総務長官におきまして、適当な事業であるという提示をなさるのではないだろうかと考えております。細目につきましては未だ打合せをしておりませんけれども、大体そう事務的には連絡を取りながら、そうした準備を目下進めておるような次第であります。
#52
○中野重治君 四の問いですね。全國地方府縣別、その他いろいろ失業状況及び雇用状況の調査ができているし、それから今後はこういうふうにやりたいというふうなお話は分りましたが、私のお尋ねしたのはそういうことではなくして、そういうふうな調査、今労働省で調査してこういうふうにできておる、こう出し得る、その調査の始まつたのはいつかということであります。つまりいつからの分の調査がいつまでに提出できるか。調査開始の日附ですね。
#53
○政府委員(齋藤邦吉君) 私の今三つ申上げました内閣統計局の労働力の調査は、これは昭和二十二年当時から始まつております。それから私の方の局の雇用状態調査、これは昨年の七月から開始をいたしております。それから安定所の業務の報告はこれはもうずつと依然から、昭和十三年に安定所ができまして以來今日まで続いておるのでございますが、昨年の八月に報告の様式を改善いたしまして、今の時勢に合うように改善をいたしましたのが昨年の八月でありました。昨年の八月以降におきましては細密の業務報告纏まつておる次第でございます。併しこれは大体におきまして全國的な統計が主になつておりまして、今申上げましたように府縣別というものも、極く最近に今まで集まつた資料を、何と申しますか、集まつておる資料を編成し直すということでやつておりまして、府縣別のものはまだ雇用状態調査についてはできておりません。目下やりつつある次第でございます。併し統計の原本はすでにあるのでございます。それを府縣別、或いは市別に纏めて行きたい、こういうふうに目下努力しておる次第でございます。
#54
○中野重治君 五及び六の問いに関して、つまり細目については安定本部とまだ打合せというものができていない。それは新らしい法律ができることによつて生かされて行くのだ、こういうお話だつたと思いますが、大綱については話合が出來ていて、大綱の話合の範囲内においては実質的には話が進みつつあるということですと、つまり行政整理なんかで四十万人の人々を、いろいろ方面別はあるのですが、例えば下水なりの方に仕向けたいというようなことの見通しから大綱の……お互の納得というふうに入るのですか。
#55
○政府委員(齋藤邦吉君) 今申上げましたように、大綱につきましては経済安定本部と連絡は取りつつあるが、勿論正式にどういう事業をどの地域でどういうふうにやるかということにつきましては打合せはいたしておりません。
#56
○中野重治君 そうすると大綱についてはいろいろ話合がある。これはあるのが当然である。新らしい法律を出そういう立場を取つておる以上は、その方式で実質的に仕事を進める筈ですから御尤もだと思いますが、その根本的な話合の上に立つて、一方から言うと行政整理によつて得た人間をどこに廻そうかというようなことも大まかの話合が付いておるわけですね。そうすれば先程お答えになつたようないろいろなことを研究の結果、市中清掃ですか、こういう方に人を廻すとか、下水や公園の清掃に人を廻そうとかいうようなことが研究の結果見通されておるというのであるから、つまりそういうことが言わず語らずのうちに大体予定されておるというふうに取つていいのかというのが私のお尋ねであります。
#57
○政府委員(齋藤邦吉君) 私の申上げておりますのは、失業対策事業としてはどういう性質の事業が適当であろうかということについての事務的な打合せをしておるわけでございます。從いまして、私共として一番大事なことは、例えばどの地域にどれだけの失業者が出たときにどういう事業を直ぐ起すかという、今度実施の細目の問題になるわけでございます。その場合にまだ経済安定本部総務長官等とは連絡はしていないということを申上げておるわけでございます。御承知のように、行政整理で仮に十万、二十万と決まりましても、どの地域に失業者がどれだけ出るのか皆目今のところ分らんのであります。御承知のように例を國鉄に取りますと、國鉄で十万の行政整理をいたしましても、東京で五万馘首されるのか、兵庫でやられるか、これは皆目今のところ分つておりません。そこで私の方はそういうふうに失業者が出たときに、例えば大阪に出たときにどんな仕事をやろうかという具体的な問題、これは一つこの法律の成立と並行して、將來私共は急いで準備を進めて行きたいというふうに考えております。もつと簡單に申しますと、例えば東京に一万の失業者が出た、そのときにどんな仕事が適当であるかということを、もう早急に安定本部と連絡を取り準備をして置く、そうして東京でそういう失業者が出たために、この仕事をやろうというふうに持つて行きたいと思うのであります。ところがまだ目下のところ行政整理が五十万、四十万と申しましても、どの地域にどのくらいかということが皆目分らないのでありまして、御承知のように現在の労働者は住宅等の関係がありまして、そう遠隔地に就職することは困難でありますので、その失業した地域に、――その地域は目下のところはつきりしたものではない、こういうわけでございます。そこで私共の方ではこの法律に基きまして或る地域で発生したときに、それじやどういうふうな種類の仕事を起し、どういう規模の仕事をやろうかという準備をして置かなければならん。こういうふうに考えておるわけでございます。
#58
○中野重治君 そうすると、こういうことになりますか、今四十万なり、五十万なり行政整理で首が切られることは分つております。政府の言明によつて……併しどこで何人出るかということは分らない。つまり首は切るが、その調査は前以ては皆目分らん。あなたの言葉を使えば、そういうことで四十万、五十万切られるということになりますね。そうしてそれに対する手当は一つ新らしい法律が出てからでなければどうにもならない。こういうことになります。そう受取つて差支えありませんか。
#59
○政府委員(齋藤邦吉君) 御承知のように行政整理につきましては、具体的な整理という問題におきまして、これは私共は全然分つておりません。どの地域に現われるかそれは私共には分つておりません。ただ私共の方では行政整理が済んだときにどこかの地域に現われる、これは確かだと思つている。そこで私共の方では安定所を通じまして、そうした趨勢が分りましたときに、直ぐ連絡して貰うという組織を今整備をしている。こういうわけでございます。現在のところどの地域に、これは私だけではなしに、恐らく多くの方々もどの地域に四十万と申しましても出るのか、私は何も連絡を受けておりませんし、これは分らんことではないかと私共は考えております。四十万という総数は分りましても、どの地域に出るか、それから又その労働者がどういう仕事を希望するかということも、現実整理をして見なければ私は出て來ないのではないか、こう考えております。
#60
○中野重治君 それは勿論あなたでなくても私にも分らない。そういうふうにやつているのだから、そのことをあなたは認めるが、現在四十万なり、五十万なり首を切るということは決まつている。併しその首の切り方は、どこで誰がどういうふうに新らしい職業を希望している人間が首を切られるのかということを、現在は皆目分らん形で首を切られようとしている、決定しているということをあなたは認めるだろう、こういうことが一つと、それからそうであるとすれば、新らしい法律が出るまではそれに対する具体的な対策は放つたらかされているという方式で問題が出ていることは、或いは今の政府によつて問題が出ていることを認めざるを得ないだろうと念を押しているわけです。
#61
○政府委員(齋藤邦吉君) 前段の、どの地域にどうしろという点につきましても、申上げましたように私には分つておりません。併し私共といたしましてはどういう準備をしているか、投げつ放しているのか、これは私共は投げつ放しではないのでありまして、御承知のように安定所の窓口に現われまする業務の報告というものが毎月々々出て参つております。それから私共の方では雇用状態調査というものによりまして、おのおの必要な工場なり、その他の雇用の趨勢というものを把握いたしております。從いまして私共は現在のところ市、少くとも市以上の地域についてどういう雇用が動いておるかという情勢を、情報と申しますか、情報をキヤッチするという仕事、これに主力を注ぎ、そうして又そういう市以上の都市におきましては、そういう沢山の失業者が出たときには、どんな事業を起して吸收したらいいかということの準備の事務を今やつているような状態でございます。どのような地域に出るか、これはお話のように分つておりません。併しそれだけでは相済みませんので、將來どういうふうに失業者が出るだろうかという情報のキヤッチ、並びにその地域々々によつてどういう仕事をやつたらいいだろうかということの準備をしよう、こういうふうに努力いたしておる、こういうわけでございます。
#62
○中野重治君 とにかく実際に首が切られて見なければ、どこで何人首を切られたか分らんとあなたはおつしやる。それはその通りです。その通りだということは私もあなたも一致したのだから、言換えれば、それは現在皆目分らんが、四十万人は首を刎ね飛ばすぞという形で政府から問題が出ているということは、あなたも私も全く同様に認めるということになるのでしよう。この私の念を押した点はどうですか、間違いありませんね。
#63
○政府委員(齋藤邦吉君) ええ、そうです。
#64
○中野重治君 それから、そうするとそもそも失業問題に対して緊急の策を立てなければならないということが問題になつているのは、今までいろいろ日常的に調査をやつて行くそのままの継続では間に合わないような、大量の首切りが間近い前途に予想されるから、緊急対策ということになつているわけですね。そうしますと、單なる継続的な対策以上に緊急対策を立てなければならん。その情勢に関しては、つまりさつきあなたが確認されたような有様だというふうなことになるわけですね。
#65
○政府委員(齋藤邦吉君) 從いましてそういう深刻な情勢でありますので、私共の方として、從來ともやつておりまする情報をはつきり掴むように、この調査なり報告を精密に行なう、それと同時にいつ何どきでもやれるように、いろいろ準備をして置こうというのがこの法律の趣旨であるわけでございます。
#66
○中野重治君 そうしますと他の面から言うと、その準備の整うのを待つて、或いはそれが整えられて、そうして法律もできて、それから対策が立てられる、具体的に……。それまでは失業手当で食い潰して行くという、こういう形に今なつているわけですね。
#67
○政府委員(齋藤邦吉君) 御承知のように行政整理におきましては、四十万首切られましても、退職手当で暫くは食い繋ぎをして行こうという方もありましようし、或いは又田舎に帰つて自分で何らかの仕事をされようという方もありましよう。そういうような情勢、即ち私共の方としましては、安定所の窓口に現われて雇用して貰いたいという方々、それを中心に何らかの事業を起して行かなければならん、こういう準備をして置こうというわけでございます。
#68
○竹下豐次君 今の中野さんの質問に関連いたしまして簡單にお伺いします。民間の個々の事業会社における失業の問題は、これはなかなか予測ができないだろうと思つております。行政整理の方の点だけ考えて見ますというと、相当調査も済み、予測も付くでしようが、今のところ数字かはつきりしていないようですが、そうしてその整理の時期も七月の初め頃から始められるということも大方見当が付いております。それから尚私共の想像によれば、行政整理に関する部面だけにおいては、例えばその約半数は東京とか、或いは一割は大阪とか、京都附近というくらいの見当は政府の方でもすでにお付きになつている筈だと思います。そうすれば何も法律ができたりするのを待たないでも、自然その時期が來たならば、馘首される人が相当に一括して出て來るわけですから、その人達を直ぐ吸收される何らかの事業を、今から計画をお立てになつて置くということは不可能じやないと思います。今までのご説明を聽きますというと、その部分についてもやつていられないのじやないかというような疑問を私は持ちますが、その点は如何でしようか。
#69
○政府委員(齋藤邦吉君) 御承知のように、私共の方では直接行政整理をやつておるわけじやございませんが、勿論関係各省と連絡を取りながら今研究をやつておるわけでありますが、恐らく行政管理廳の方におきましても、或いは特に行政整理を現実に行いまする関係各省におきましても、どの地域でどういう人を整理するかということは決まつておるということは私は承知いたしておりません。これは全然私共の方では今までのところでは承知いたしておりません。そこで御承知のように、行政整理は七月、八月、九月の三ケ月に分けてやろうということのようでございます。そこで私共の方では、その行政整理をやりまするときには、三月に分けてやるということでありまして、月の初めに本人に申し渡しをすることになつておるそうでございます。そこで私共の方では事務的の取扱い方といたしましては、そういう申渡しをしたときには、地元の最寄りの安定所に名前だけを一つ連絡をとつで頂きたい、直ぐ連絡を取つて頂きたいということを関係各省にお願いをしておるわけなんであります。行政整理が現実にどういうふうに、具体的にどうなりますか、私共の方では今のところは分つていない、こういうことでございます。
#70
○竹下豐次君 労働省だけの立場としての方は伺つてもしようがないわけです。政府の計画を聽きたいのです。今の御説明によりまするというと、労働省だけではお分りになつていないということであります。行政整理の責任官廳は労働省でないことも分つておりますので、その点について責任ある御答弁をお願いするということは、あなたにはちよつと御無理と思つておりますけれども、これはその責任ある官廳では今の見当が付かないということは私は言えない。政府としてはそういう答弁はできないのじやないか、こう思うのです。労働省ならば言えるかも知れないけれども、今それを追及しましてもしようがありませんが、連絡をよくお取りになりましたならば、労働省の方でも早くお分りになることができるじやないか、かように思いますが、それはそれで私の希望として申述べて置きます。
#71
○政府委員(宿谷榮一君) 今竹下委員の御説の通り、現在労働省ではまだ行政整理によつてどの地帶からどれくらい、どの省からどれくらいということはまだ実は分つておりません。政府委員の申上げる通りであります。至急にその方に連絡を取りまして、私の方でも成るべく早くその実勢をお示し申上げるようにいたします。それから私の方ではやはり今の失業問題は労働省とか、安本とかというようなことでなく、これは実際は内閣全体の政府関係者の全責任に属しておりますが、結局その離職されて失業状態になつて初めて実はこつちへ飛び込んで來る。飛び込む前に内閣全体としていろいろな計画を立てて置かなければいけないのですが、御存じの爲替レートが急速に発表されておりますから、これによつて経済の自立を一日も早く確立して、一般産業が振い起るようにならないと、どうも行政整理によつて出た頭脳労働者と言いますか、そういう階級の方の吸收面は筋肉労働の方のようになかなか吸收しかねるじやないかという心配が出て來るのであります。やはりこの貿易産業を極力早く起して、これの事務或いは商店、貿易関係とかいう方面に吸收する以外に、そういう方々の救済の途はないじやないか、かように考えております。結局政府のいろいろの施策というものは今そこに向けておることは申上げるまでもないのであります。労働省としてはこの失業者をどうするかという問題が実際一番大きな課せられた問題でして、今他の政府委員からお答えしましたように、すでに一般産業から出る方の失業者は一應この失業保險制度によつて一時食い止める。又政府職員の離職者については退職手当というようなもので一應食い繋いで行く、その間にいろいろな事業を起し、又新らしい財政的の措置を講ずるものは、公共事業なども予算の許される限りもつと起して、筋肉関係の労働者をそつちにも吸收しよう。その間にいろいろな手を打たなければ、実際問題として失業保險とか、或いは退職手当というようなものを出しても精々六ケ月続くかどうかということで、これは難問題なんです。全額保障するわけじやないのですから、全体の六〇%くらいしか行つておりませんから、それを全力を挙げてやるであろうと私も信じておりまするし、そうしたいと、又そうしなければならんと思つております。以上今の行政整理によつて出て來る失業者の数の、各省からどれくらい出るか、或いは愛知縣からどれくらい出て、北海道からどれくらい出るかというようなことは、私共の方でも調査いたしまして、成るべく早い機会にお示し願いたいと思います。
#72
○竹下豐次君 重ねてお伺いしますけれども、行政整理の問題は数十万という数字を政府の方で見ておられるがただ漫然とお出しになつているのでなくして、どの役所で何人が、どの地方で大方どのくらいになるか、どの地方でどのくらい今月出るかということぐらいは、あなたの方……というわけでなくても、政府としてお分りにならないことはないと思つております。まあ私は一應これで……。
#73
○早川愼一君 さつきのにちよつと関連してお尋ねしたいと思うのですが、二十三年度でこの法律でいう失業対策事業、即ち何か應急事業といつたことになつておりますが、二十三年度では、どういう実績になつているんですか。
#74
○政府委員(齋藤邦吉君) この失業対策事業は、二十三年度におきましてはこれは公共事業の一部といたしまして、昨年もやつておりますが、その全額は五億九千万円、約六億程度の内容でございました。それが今度は約六億ということになつておりまして、その事業内容は昨年と同じように、都市失業應急事業、知識階級の應急事業、共同事業施設、こういう事業を去年もやつております。今年もこの八億でその分を拡充してやつて行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#75
○早川愼一君 いや、内容ですね、何人ぐらいの人が救済されて就職しているかということです。
#76
○政府委員(齋藤邦吉君) 昨年の労働省の予算におきましては、約実人員三万人でございまして、延べにいたしますると、約七百六十万人に相成つております。本年度の八億では実人員は四万人ということに相成つております。
#77
○早川愼一君 これなんかは一緒の費目でやつているんですか、誰が責任者でやつているんですか、府縣廳ですか。
#78
○政府委員(齋藤邦吉君) 都市應急事業等になりますと、大体市が事業の実施主体になつているものもございますし、又府縣営の運動場ということになりますと、府縣が事業の実施主体になつている場合もあるわけです。
#79
○門屋盛一君 大体この緊急失業対策に対する総括質問をそう長くやれませんが、今労働大臣もお見えになつておりませんから、労働省関係に対する質問は、私の分は大体今日で質問だけ終つて、そうして政府委員からお答えがあつて、十分に了承できればそれでいいし、できないものは明日大臣から答弁して頂きたい。そこで先程からずつとこの御答弁を伺つておつても、本日午前中に私が大臣に申上げたように、労働省の失業対策が極めて杜撰であり、且つ作文的であるというふうに思われる、これに対して、杜撰でない、作文的でないという実証があれば実証を挙げて御説明願いたい。
 第二号は、厚生省自体に失業対策本部というものがあつて、非常に大きな構想の下に、而も各省を網羅して、横の連絡を十分に取つたところの失業対策という機構があつたと思うが、これがなくなつたことが私は今日のような杜撰な結果に陥つたというふうに考えておるのだが、これに対して、労働省側ではどういうふうにお考えですか。同じことになるんですが、第三点で、現在の機構では完全なる調査も、横の連絡も不十分であると私は思うが、それが不十分でない、十分であるというならば、十分であるということを実例を挙げて言つて貰いたい。そこで私の言うように不十分であるならば、今後これらの機構を拡充するなり、解決するような考えがあるかないかということ。それから当面しておる問題では、今度の行政整理によつて労働省の中のこの種の機構、例えば安定局の中がもう少し小さくなるのじやないか、それによつて、現在の機構でも維持し得るのか、或いは今度の行政整理によつて要らんところを減らして、必要なものを臨時的にでも拡充するようなお考えがあるかないかということ。それからこれは細かい話になるんですが、今回私の杜撰であり、作文的であると認むるところのその失業対策をお立てになるについて、この失業者が幾ら出るかということに対しては、どういう方面から資料をお集めになつたかということに対しては、先程中野委員の質問に対して縷々御答弁があつたんだが、その御答弁を承わつておると、自治体、商工團体、労働組合等から資料を集められたように伺いないんですが、地方自治体、縣とか、市町村、それから商工團体たる商工会議所等、或いは又大きなそれらの連合体、労働組合の連合体或いは労働組合の單一体のものから、失業者がどれくらい出るかということを、いわゆる民主的に資料をお集めになつたかならないか、お集めになつたとすれば、その資料はどういうふうな資料ができておるか。今度は失業者の出るということでなしに、この失業者の吸收方面についても、どういうところに連絡を取つてこの失業者の吸收の策を立てておられるかということも、連絡をお取りになつたところを、もう少し緻密に細かく話して貰いたい。
#80
○政府委員(齋藤邦吉君) 私事務的なものとして一應事務的な立場からお尋ねの点につきましてお答を申上げたいと存じます。先ず第一に、この失業対策は甚だペーパー・プランではないかという、こういうお叱りであるのでありますが、実は私共といたしましては、事務的には相当……まあ御批判は自由に受けますけれども、相当確実なるものを実は見込んでおるので御。失業者を大体私共は先般も申上げましたように、百万乃至百四十万という労働市場に出る失業者を推定をいたしておるので御。これに対しまして私共の方としては、勿論恒久的な対策としては、將來の輸出産業の振興による完全雇用ということが理想でありますけれども、現段階においては應急対策を取らざるを得ないということを御了承頂きたいと思うのでございますが、その應急対策といたしましては、御承知のように失業対策保險制度によりまして、現在積立てた金をフルに使いましても……。
#81
○門屋盛一君 それは分つておるんです。
#82
○政府委員(齋藤邦吉君) そういう意味におきまして、失業保險制度におきまして四十二万或いは日雇で十三万、職業補導で五万、失業対策の八億円の金で四万、即ち予算面の裏付のありますのが、約六十四万あるわけでございます。その外に民間産業の雇用量の増加の推定、これは勿論推定でございますが、これを四十万と見込んでおります。御承知のように民間雇用の増加につきましては、一昨年から昨年にかけまして約八、九十万殖えておるという実績もあり、貿易振興という國の製作もありますので、私は事務当局としては四十万の雇用を見込んでおるということは、そう不自然ではないんじやないか、かよに考えておるわけでございます。即ち現在通りました予算においての財政的裏付のありますのが六十四万、民間雇用のものが四十万、こういうふうになりまして、百四万という数字を見込んでおりまして、百万乃至百四十万、むしろ行政整理等のごときは、或る程度はつきりした数字になると思いますが、その外はまあ推定をしておりますが、そういうわけでありまして、事務的には大体この辺でいいんではなかろうかと考えております。勿論將來の失業情勢に即して、できるだけの努力をして御奉公しなくてはならないということは、私共事務屋としては当然ではありますが、こういうことでこの一年間はもう自信があると言い切れることはできないのでございまして、私共としては事務的にも將來とも研究を続けて堅く仕事をやつて参りたい、こういうふうに考えている次第でございます。それから各省の連絡の問題でございますが、これにつきましては、事務的な面のお話を申上げて見ますると、職業安定法の中に関係各省の職業安定連絡会議というものが職業安定所の中に設置せられております。これによりまして雇用に関する関係各省の連絡の会議を必要の都度ごとにいたそうというふうにいたしているのでございまして、今日まででもすでに二、三回打合わせております。これは事務的な打合せの会議でございます。尚、將來失業対策事業を行いまするときには、関係各省と極めて関係が多くなろう、かように考えております。この緊急失業対策法によります失業対策事業を行いまするときには、関係各省との連絡は非常に緊密にしなくちやならんということもありますので、私の個人的な氣持から申しますれば、関係各省の失業対策事業に関する連絡協議会というものを作つて頂きたい、こういうふうに考えておるわけでございます。この点につきましてはまだ成案を得ておりませんので、まだ決まつておりませんが、將來この法律が通りましたときには、そうした関係各省の審議会といつたものを作つて参りたい、こういうふうに私としては今のところ考えておるわけでございます。
 次は、機構の問題につきまして、行政整理の影響はどうであろうかというお尋ねでありますが、これにつきましては私共といたしましては、特に第一線の安定所につきましては行政整理を除外して頂きたいという私共の個人的な考えは持つておるのでございますが、これは國の大きな政治的な観点から行われておりまする問題でありますので、私の希望としてはできるだけ安定所は行政整理の被害を少くして頂きたいとは思つておりまするけれども、政治の大きな動きで決まりまするので、私共今ここでどういうことになるかということをお尋ねを受けましても、今のところまだ決まつておりませんので、申上げられる段階には至つていないのでございます。
 それから最後の失業対策のいろいろな資料を作りまする際に、民主的な方面の意見を聽いたら、どうかというお尋ねであつたのでありますが、行政整理に関する数字等は行政整理廳から頂いた資料でございます。それから企業合理化の失業の数字がありましたが、これは商工省その他と打合せた数字でございます。引揚の問題につきましては、厚生省の引揚援護廳等からの調べた資料でございます。從いまして労働組合その他から頂いておる資料はないのでございますが、私共の方といたしましては、第一線における安定所が組合なり或いは事業主、そういう方面と連絡を取りまして、常時雇用の趨勢というものを目下把握せしめておるような次第でございます。尚こうした失業対策の全般につきましては、一應職業安定法に基きますところの中央職業安定委員会に付議して決定せられております。尚、失業保險等の制度につきましては、失業保險審査委員会に付議されて決定せられております。こうした委員会は労資同数の代表が選ばれまして構成されておりまして、その方面の労資の方々の御意見も取入れて、今申上げましたような失業対策につきましての御意見を拝聽したいということになつておりまするが、数字につきましては今申上げましたように関係官廳のものでございます。対策の内容につきましては、職業安定委員会或いは失業保險委員会なりにおいて労資双方の方々の意見を聽いて、今日まで進んで参つておるような次第でございます。
#83
○委員長(山田節男君) 門屋委員の御質問に対する只今の齋藤政府委員の御回答だけでは不十分かと思いますが、今青木安本長官も見えましたので、今の補足すべき回答は労働省の方で調査して頂いて御回答願うようにして如何でございますか。
#84
○門屋盛一君 いや補足じやない。やはり政府委員の答弁で根本に触れてない御答弁が大分ある。大臣も來ておるのですから……。
#85
○委員長(山田節男君) それは明日の機会に讓りまして……。それでは安本長官が見えましたので、昨日來の失業対策、緊急失業対策法案その他につきまして、失業対策の面についての一般的の質疑を続行いたしたいと存じます。
#86
○門屋盛一君 この問題について労働大臣並びに労働省関係の人もこれに対していろいろと説明しておるでありますが、どうも只今までの御答弁から考えますと、労働省の方のお答えには計画性が非常に乏しいということになつております。尤もこれはつい只今も安定局長から言われましたように、この調査の範囲が非常に狭い結果こうなつておると思いまするが、私の考えるのは、今回のような九原則の実践という経済面のことが主な問題になつて起つて來ることに対する対策に対しては、むしろこれは経済安定本部の方でご説明願つた方がはつきりするのじやないか、こういうふうに考えまするので、御出席を要求したわけでありますが、今回の失業対策につきましては、大体二通りの失業者が出るというふうに考えております。その一つは行政整理から出るものと、一つは企業合理化から出て來るものとありますが、行政整理の方は暫く措きまして、今経済安定本部長官にお尋ねしたいのは、九原則の実践にすでに入つております今日、企業の合理化から生ずる失業者の見込についてお伺いしたいことは、行政整理の方は一つの計画を立てられておやりになつているようだし、而も実践の時期が当初噂されたよりも時間的にずれて來るので、対策が立て易いかと思うのでありますが、企業の合理化の方はやはり予定通りレートも設定されたし、又最近の金詰りに原因しまして余程急速に失業者が出て來ると思うのであります。そこで今お尋ねしたいことを整理して申上げます。
 第一に、九原則の実践に入つておる今日、企業合理化により生ずる失業者の見込についてお伺いしたい。それはイ、その業種別、ロ、その地域別、ハ、その発生の時期、即ち時間的に何月にどれくらい出るかという見通し。第二の質問としましては、この出て來るところの失業者に対する失業対策について安本長官に伺いたい。それは一つは緊急的なものにはどういう御対策があるか。それから一つは恒久的という言葉は、恒久的な失業対策ということは当嵌らないのですが、臨時的のものでない、恒久的のもの、例えて言いますならば、基本産業等の計画をどういうふうに考えておられるか。それから第三の質問は、これらの失業対策に対する事業資金の計画はどういうふうにやられるかということを、先ずお尋ねしまして、あとは長官のお答えによつて質問を補足したいと思います。
#87
○國務大臣(青木孝義君) 只今の第一の御質問に対しまして、すでにここで労働大臣からもいろいろと御答弁があつたかと存じますが、私のところのこの労働関係に対する考え方、或いはその対策というようなものについて纏まつておるものもあり、又材料等揃いませんために、又決まりませんために、整つていないものもある次第でありますが、大体九原則を実施するということになりまして、この実施に伴つて企業整備が行われる、即ち合理化が行われる。こういうことに伴つてどれくらいの失業者が出るか。こういうことでありますが、これについての見積り等、数字については別に説明をして頂くことにいたします。大体三十万から六十万といつたような予想が立てられておりますが、この人々を一体どうするかということであります。そもそもこの予算が成立いたしまする当初におきましては、失業者が一体どれくらいあるか、どれくらいの予想であるか。ついてはそれに対する対策として一應考えて置かなければならんが、同時にそれは失業対策費というようなものの裏付がなければならん。これは当然なことであるという考え方でありましたが、併し失業者が一体どれくらい出るのか、或いは出たならばどうするか、こういう想定だけで決めて置くことは、例えば予算と雖ども、これは考えるべきことであつて、それがどれだけ出るのか分らない。ただこのぐらい出るであろう、そういうことを決めるということも何であるから、先ず出るという確実な数が決まつて、そうしてこれをどうするか、こういうことで処理して行くということに一つ考えようということでありました。そこでこの失業者が今回のこの施策によつて出て参りまするということになれば、それは第一に先ず今日の我々の進んで行く方向としては、すでに單一爲替レートが決定しておりまするし、これに伴う企業の合理化も進行し始めておるということもありまするし、又輸出産業面に対する、特に民需の方面においてもこれに伴う機構というようなものも考えられて來ることと考えまするので、從つてそういう場合においては、大体我々の想定としては四、五十万ぐらいの吸收力があるのではないかという予想を立てておりますし、又その他の失業保險その他從來の立ててありまする関係等によりまして、これを吸收して行こうということでありますが、御承知の通り今年は公共事業費が、五百億円という程度に削減されておりまするので、この方面の吸收力というものは大体昨年と殆んど変りがないというような状況にありまするし、失業対策費として考えられておるような八億程度のものも、これも大体この程度しか進められないというような状況にありますので、行政整理等合理化の進行に伴つて起つて來る失業者に対して今後どうするかということは、御質問のように我々としてもそれについてのいろいろな考え方を持つて、そうしてい算定をして見る、推定をして見るというようなことになつておるのでありまするが、それはおつしやる通り今入つておるんだ、九原則の実施に入つておるんだが、失業者はどうかとこういうことになれば、まだどれだけ現われて來るかということについては、ともかく從來の潜在失業者がどうであるか、顯在化したらどうであるか、こういうことと同じでありまして、我々としては大体行政整理によつて起つて來るところの地方乃至中央、そういう各地域における失業者の出て來る状態、或いは中央において出て來る状態、そういうことをもつと的確に把握いたしまして、その場合におけるこの事態に対処して行くというような考えを持つておりまするので、結局大凡そのところということになると考えます。從つて御満足のような答弁としては申上げられない。ということは、行政整理の方面におきましても実際人員が地方において、中央において、どれだけ出るか、これは三十万とか、或いは地方を合せて四十万とかこう言われておりますが、この点もまだ原則としては決定された形でありますが、尚未決定の状態にある始末でございます。そこで今いろいろと申上げましたように、私がここで御説明申上げるということになれば、極めて大まかな、今まで労働大臣あたりから御説明になつておる程度以上には出で得ないというような状態にある次第であります。
#88
○門屋盛一君 安本長官からの率直なお話しで、大体そうであろうと思つておつたのでありますが、そうしますと、結局この現内閣は失業対策については失業者が出て見なければ分らない。それで失業者が出た上でいろいろな考え方をすると、こういうふうに解釈していいのでございますか。つまり対策がないと、こういうふうに解釈してよろしいのですか。
#89
○國務大臣(青木孝義君) いや、対策がないということはありません。ありますけれども、それば想定の程度に止まつておつて、出て來た者をどうするかということになれば、即座に出て來た失業者をこうするということのためには、まだ正確なものがない。予想としてはこういうことによつて起つて來るであろうところの失業者がこれこれの数字に上るだろう。これくらいになるだろう。併しそれに対しては大体輸出とか、民需産業方面に四、五十万を吸收するとか、或いは失業保險方面に四十数万を吸收するとか、そういつた案は立てております。けれども、現実にそれならばどう出て來るか、こういう問題が経過的にあるということを申上げた次第であります。
#90
○門屋盛一君 今安本長官がそう言われますけれども、大体経済九原則によつて採算の採れる事業ということになれば、そこから生ずる、これは無論一時的の失業者でありまして、大きい意味からは失業者でなく、一つの産業上の配置転換になるわけでありますが、それらに対しては安定本部としてはお考えになつておらなかつたら安定本部の必要はないわけなんであるから、お考えになつておるわけで、無論想定と言われますけれども、私は今安定本部なり、労働省あたりでお立てになつておる御説明のできる数字そのものも、一つの想定の数字であつて、それを捉えてこれが正確であるとかないとかと言うのでないんだが、安本として今度の企業の合理化をやれば、どの業種で地域的にどれくらいの失業者の出るということは、まあ御予定なさつておる。そのものがあなたの御説明で行くと、三十万乃至六十万とこう考えていいわけですな。そうしますと、その三十万乃至六十万のものを、輸出産業を主体とするところの民需に轉換し得るものが四十万乃至五十万、こういうふうに解釈していいわけでございますね。民需に轉換し得るものが四十万乃至五十万、一方はまあ三十万乃至六十万で、数字のバランスはまあ取れるわけでありますが、併しこれは見解の相違と言われれば、それまででありますけれども、潜在失業者が顯在化して來た場合の失業者の見込みということは、これは今この法案を通すためとか、この場を逃れるためでなくて、博学な青木長官がお考えになつて、おつしやるように領土が狭くなつて、人口が殖えておるのだから、過剰人口のあるということは御承知の通りであります。それから過剰人口を如何に捌いて行くかということが、日本で一番大きな問題になつております。併し今移民計画とか、或いは人口調整をやろうというようなことを、仮に優生学的の人口調整をやるとしても何十年、二十年を超えないと効果がないので、差当りこの狭い領土を立体的に利用して、そうして國民全部が働くようにいたして行かなかつたならば、日本の再建ということは考えられないと思う。そういう重大な時期に、一時的にもせよ数百万の不安な人間を作る。今労働大臣あたりの説明によると、失業者は百二十万、百三十万だというけれども、八百万の過剰人口を擁しておるところの我が國が、企業の合理化にかかつて百二十万、百三十万の失業者で行くならば、私は國会議員として何にも心配はない、不幸にして私の見解は現内閣と違つておる。私は本当の失業者という名前は当嵌らないかも知れないが、職のない人間、過剰人口は八百万を下らないと思う。この八百万を下らないと私が思つておることに間違いがあるかないか、私は絶対に間違いないと思う。そこで輸出産業と一口に言われますけれども、輸出産業は日本の産業がずつと上へ盛り上げられて、最後のトータルで差引を付けるのが輸出産業になる。これを起すために、我が國の基本産業は極めて弱体にある。そこで今度の企業の合理化を機会に、基本産業を拡充して置かなければならない、こう思う。それで安本長官に対してお尋ねしたいことは、出てきた失業者をどこか失業保險で一時賄つて置いて、そのうちに起つて來るところの民需におつ付けるというならば、安定本部は要らないのだ。むしろ一歩進んで百二十万、百三十万の失業者を出すくらいでは、日本産業の大手術はできないと私はこう思う。安本長官として百二十万、百三十万の失業者が出る程度で日本産業の回復、大手術ができるとお思いになるかどうかということを、一應お尋ねして後の質問を続けます。
#91
○國務大臣(青木孝義君) 只今おつしやいましたことは、一應御尤もでありますが、今我々が失業者を予想する、こういう場合に百二十万から百六十万、こういつたことを考えて見ます。又その他に日本の人口が絶対的に多いのであつて、この絶対的に多いところの人口をどうして始末するか、こういう問題になる。おのずからこれに対して一應の対策をしなければならんということについて、例えば國に特別な大きな産業を起さなければならん、或いはどの程度に吸收できるか知らないけれども、我々の予想のできない程の、今年次計画を立てるとか、いろいろなことも考えられておりますし、又安定本部としましても五ケ年計画というようなものを立て、そうして年々一應その失業問題をも考えながら、ここに吸收して行くというようなことも考えて参つたのでありますが、併しこの九原則を実施するということになりまして、そうして今回の予算が成立して、そうしてこの中で我々が考えるということになりますれば、先ず一應ここで起つて來る当面の失業者をどうするか、こういうことが一番緊喫事であるということになりまして、そこでその場合に、我々が今申上げたような意味で、輸出産業、民需産業の方面で相当四十万、五十万の人を吸收するとか、或いは失業保險というような制度を活用して、そうしてそこで相当数の人を吸收するとか、そういつた一つの決まつておる、或いは受入ておる方面で、一應これを解決して行くということを考えながら、他面におきましては、許すならば、この失業対策としていろいろな事業を起すことが望ましいのであります。今のところこれを例えば、言われておりますような電力開発であるとか、或いは道路の建設であるとかいうようなもので、一体おつしやるように八百万もの失業者をどうするか、こういうことになる。今のところそれでできますと、こうはつきり申せません。ただ問題はこの九原則を実施するに伴つて起つて來るところの失業者、而も行政整理を実行しようというのであるから、政府は責任を持つて、この際こういう人々の職を考えなければならん、生きて行く途を考えなければならん、こういうことで御答弁を申上げておるのでありまして、その点は一應ともかくも我々の考え方が、我々の想定が違つておるということがあるかも知れません。併し我々としては一應こういう基礎に基いて考えておるということを御答弁申上げる他に途がないのであります。
#92
○門屋盛一君 安本長官のお答えは、今出ておるところの百二十万なり百六十万の、想定しておるところの失業者の吸收方法についての御答弁であります。それで私がお尋ねしておるのは、百二十万なり百六十万なりの失業者の想定が当つておるかいないかということを考えましたときに、少くとも本年度よりインフレは徐々に收束しつつありますけれども……昨年度においては公共事業費は約五百億であります、本年は金額においては昨年と同じでありますけれども、事業量においては公共事業は昨年の六〇%くらいに落ちておる。それで先程來労働大臣の御説明を聽いておりますと、緊急の対策費というものは少いが、失業対策は公共事業によつてやつて行くのであるということを盛んに言われておる。その場合に昨年より本年の方がどうしてもデフレが起つて來るわけです。非常に強硬なデフレ状態になるか、ならんかは、今後のあなた方の匙加減でどうにもなりましようけれども、少くともデフレの状態になつて來る。そこを考えましたときに、失業者はどんどん現在殖えて來るから、予想の百二十万なり百六十万なりで收まらないと思う。私の八百万というのは過剰人口であつて、これが全部失業者であるとは私は言わない。そういうことを考えましたときに、本年の公共事業の計画では賄い得ない。又知識階級の失業者を全部公共事業の筋肉労働者の方に廻すと言つても無理な点もありますから、失業対策は非常に厄介な問題でありまして、お話のように今からちやんと立てて置いて、その通りきちんと行くとは私は思つていません。ただ心配しておることは去年よりも少い公共事業費の枠で、今労働省が想定しておるより沢山の失業者が出て來る。その場合どこでこれを賄つて行くのか、失業者の出たときに、何か飲ませるところの薬なり、食わせるだけの食糧の用意があるのか、そういうことを安本長官に伺つておる。これは質問の第三の失業対策に対する事業資金の計画です。事業が起されないとしても、もうこれより以上の重税には本年は耐え得られないと思う。そこでこれより税金を増して事業を殖すことはできないが、そういう失業者が出た場合にですね、これはいろいろな方面からのお指図があつて、こういう窮屈な予算になつており、又窮屈な失業対策になつたということも想像できるのです。だから何らか救える資金計画があるかどうか、これがなかつたならばこの手術は余程止めてしまわなければいかん、これを伺つているんです。
#93
○國務大臣(青木孝義君) いろいろと御尤もなお話でございます。私もこういう点については勿論心配をいたしておるのでありますが、御承知の通り議会で予算委員会等においても問題になりましたように千七百五十億の見返資金、この中ですでに御承知の通りの二百七十億は決まつておる。併しあとのこの資金の見返勘定についてのやり繰りと言いますか、使い方というものはまだはつきり決まつておりません。そこでこれを対象といたしまして、いろいろと我々も研究を続けておりまするし、又先方とも話合をいたしておるのであります。この使い方によりましては、相当この失業対策としての計画が立ち得るという考えを持つておりますし、殊に例えて申しまするならば、これができるかできないかまだ分りませんが、例えば鉄道の電化の問題につきましても、それから又この開発事業の問題につきましても、それから更にそれがどれくらい吸收できるか分らないけれども、我々の方としても全國に亘つての土地調査、そういうようなことも考えておりまして、これを実行するということになりますと、直ぐ予算が伴いますから、その方面にうまく我々の希望通りの結果ができて参りますれば、その方面にも相当吸收できるのじやないか、こういうことも考えておりますし、それから行政整理を行いまして、或いは配置轉換もやる、いろいろやつて見る、他方においては尚多数の失業者がある場合においては、これを何とかしなければならんということのために、やはりこの援助資金の見返勘定の中から、何とかそれぞれ公共事業的な方面で仕事を起し、而もこの方面に吸收するというようなことも、現在のところいろいろ苦慮いたしておる最中でございまして、ただここで申上げかねることは、いろいろとそういう点について明確に決定されておりませんので、從つてはつきりと申上げられないような状態にある次第でございます。
#94
○門屋盛一君 まあ大体私の心配の結果考えておりました一つの対策と同じようなところへ追込まれたような氣がするんですけれども、一つこの際、これは質問でなしに意見を加えて甚だ申訳ないかも知れませんけれども、この頃各省を廻つて見ましても、答えに行詰つた折には、あの見返資金の方から何とかなるんだ、何とかなるんだというような、どこでもこう言つておるようでありますけれども、私はこのような経済九原則というような大きな場面に直面して、我が國が本当に自立した日本を再建しようという際に、何もかも見返資金を当てにするというような、依存した経済は私は余り好ましくない、好ましくないけれども、この際起つて來るところの失業対策という面からは、これが最も適当した使い方ではないか、こう思つておるのであります。併し今お話のありました土地調査なんかは、これは当然行政の、政府の費用で以てやるべきものであつて、こういうものは見返勘定の対象に極めて薄いと思うのです。それでどうしても見返勘定の資金で以てこの対策事業をやろうとすれば、やはり独立採算の取れるものに持つて行かなければならない。そうすればまあ電源の開発とか、或いは道路とか、山林とか、河川とか、それからもう一つ大きなものは、現在の石炭四千二百万トン計画は恐らく今年は相当困難になるだろうと思うのですが、その困難になる原因は現在の日本の炭鉱の規模が小さい。資本主義経済の行詰りになつているのです。現在の炭鉱は。だからそういうものを大きな計画をして、新鉱の開発をやるとかいうことの計画を安定本部なんかの方でお立てにならなければならない。同時に今度の税制計画と相並んで、山林とか、河川とか、道路等に対しましても、その利用者の負担税を多くするようにして、これがまあ成るだけペイし得る事業を起すというようにしなければならん。それで元に戻りますけれども、本論に戻りますけれども、そういうふうな事業を安定本部としては常に御計画なさつておるか、それから先程のお言葉の中に年次計画ということがあつたが、この年次計画ぐらい地方財政を悩ましておるものはない。その年次計画が一年で打切られたためにやりかけの仕事が沢山できて迷惑をかけたが、又再びそういうことにならないように、一つ一つを仕上げる計画です。これは株式会社が一つの投資をするように公共体の事業にしても、政府の事業にしても、もうその事業に掛かつたらその事業ができ上つて、鉄道が運轉して料金を取るとか、発電所ならば電氣料金を取るというようにしなければ、道路でも、道路ができ上つたらその道路を完全に利用できるようにしないといけないので、こういう援助資金を当にする事業は尚更と思う。この援助がなくなつたときは又非常な迷惑を蒙むるのです。その点はよくお考え願つて置かなければならない。要するに失業者の今的確な数字の分らんということについては了承いたしますけれども、失業者が更に大きくなるということに対してもお考え置き願つて、その大きくなつて來るところの失業者を國の基本産業に振替えて行く。そうして五ケ年先なり十ケ年先には、今の失業者に対して掛けた金が國家及び産業にプラスになつて來るという御計画は今日……、今の機構が少なかつたならば、もつと大きな失業対策本部なら本部、或いは失業と言わずに建設事業対策本部なら本部というものを置いて、直ちに事業に掛かり得るような計画を立てると同時に、資金の獲得面をぬかりのないようにして頂かないと、我々はこの数百万の労働者のみならず、國民全体から考えて、安心してこの九原則の実施に入れない。こういうことを強く一つ要望して置いて、まあお忙しいようですから私の質問は打切ります。
#95
○竹下豐次君 先程労働省関係の政府委員にお尋ねいたしましたけれども、満足する答弁を得ることができませんので、大体同じことになりますけれども、安本長官にお尋ねしたいのです。それは、この民間企業の整理による失業者がどのくらい出るか。又いつ頃どの地方にどのくらい出るかという予測は、今急にお付けになるということはむずかしいことであろうとは想像いたしますが、併し行政整理によつての失業者は、これはもう政府の方でも余程初めから大体の数字は発表されておりますが、新聞にそれで初めて謳われてから以後にしても数ケ月経つておるわけでありますから、初めはただ二割天引とか、三割天引とかいうような、ほんの大掴みでおやりになつたかも知れませんけれども、もう今日まで相当な期間も経過しておりまするので、少くとも行政整理に関する部分だけについて想像しますると、東京地方で大方どのくらい、大阪地方でどのくらいということは、政府の方ではどうしても分つておられなければならない時期だろうと思います。そういたしますと、民間企業のものは別にして、行政整理の分だけについては、政府としては今日においてどの方面にどういう救済の事業を起すかというような具体的の計画がお立ちになつていなければならない時期だと考えますが、併し労働省の政府委員の説明によりますというと、どこでどのくらい整理があるものやら、いつ頃になるのやら労働省では分らないというようなお答えでありましたので、私共としては政府としてのお答えを得たいと思うのでありますから、責任のある方面と連絡をお取りになつて後でお答えを願いたい。こういつてお願いしたのであります。大臣が幸いここにお見えになりましたので、重ねてお願いする次第であります。私などの考えによりまするというと、行政整理については行政整理着手の時期もその期間も、そうしてその数も大体見当を付けておりましようし、一方民間の企業整備による失業というものは先程申しまするように、今ちよつと見当が行政整理におけるよりははつきりしにくいという事情があるのみならず、大方その前者の方は九月頃には片が付く。併し他の方はその以後がうんと出て來るというようなことで、時期のずれがあるということは失業者を救う計画をお立てになるあなた方のお立場としても惠まれておる。又救われる立場にある人達もそこに時期のずれがあることは大変好都合ではないかと思います。先程労働省の方の説明によりますと、何だか民間の失業者が出た後で直ちに大々的に徹底した計画を立てようというようなことがあるのではないかと想像するのであります。若しその想像が当るとすれば、先に失業しました行政官吏達を、後で出て來る民間の企業整備による失業者と一緒に救済しようというような考えだとすれば、それは徒らに救済を延引するのであつて、親切氣のない政策のように思います。こういうふうに思いますので、成るべく早くその部分だけでも着手して頂いた方が却つて人助けになるし、政府としてもいいのじやないか、かように考えるので、先程お尋ねしたわけでありますが、安本長官に御答弁を願いたいのであります。
#96
○國務大臣(青木孝義君) 只今の御質問御尤もでございます。私共もその点を考慮いたしまして、政府におきましても内閣で失業対策審議会というものを作りまして、大体人員も決まりましたから、近日発表になると思います。新聞には出ておりましたが、これは新聞に発表になつておらんかと思います。そこで行政整理のことでありますが、最初岩本案は五十七万八千人ということが新聞などに出ておりました。ところがその後いろいろやつておりますうちに、大体今日あたりも、実はその問題は閣議にかかつているのでございます。各省設置法というものが一應纏まりまして、そこで人員の方にかかつているわけであります。そういたしますと、恐らくこれまでに説明されていると思いますが、一般会計において三割、それから現業が、これが二割というような原則で三十万ぐらいの行政整理が行われるのではないかということが予想されております。そこで地方をかけて四十万というふうに言つておりますが、まだ正確に決まつておりません。只今までのところ各省とそれぞれ折衝いたしまして、近日のうちにその数字も明確になるのじやないかということでございます。そこでそういうことになりましたならば、それと同時に一方においてはこの方々をどうするか、こういうこともそれと同時に決まつて行くということになると自分は考えている次第でございまして、いろいろと御心配を頂きまするが、我々の只今やつているのはその程度のことでございます。尚いろいろな計画を立ててというので、先程も申上げましたが、御承知の通りに、筋肉労働者と、いわば頭脳労働者と言いますか、これはインテリと申しますか、それぞれやはりできることなら、何か配置轉換というようなことが、できるだけできて行けば、これがいいのですが、なかなかそんなことで追付きませんので、やはり一緒にもう少しやつていることもここに活用しなければなりません。又そのすべての、いわばフル・エンプロイメントと申しますか、完全就業ということを目指して同時に考えて行かなければなりませんので、取敢えず先程もお話がございましたように、出て來た方方をどうしても処理するというようなことに手遅れのないように、お話等に從つてやつて行きたいと考えている次第であります。
#97
○竹下豐次君 今承わりますというと、未だに行政整理がどのくらい出るか見当がはつきり付いていないというようなことでありますが、これは私達から見ますというと、もうすでに第二次吉田内閣成立後日が経ちまして、又民自党の政策として前から考えていると思いますが、尚今日までそういう状態におられるということは私共には理解できません。私は事実そうであるならば、それはどう申してもしようがないので、事実として承わつて置くより仕方がないのでありますが、先程のお話の通りに配置轉換ができるとすれば、これに越したことはないと思いますけれども、併し、貿易関係の事業がその後起つて來るのを待つということはいつのことか分りませんし、それまでぼんやり待たせるということは非常に失業者に氣の毒と思うのであります。そうして比較的数が多いと言えば多いのですが、こういう前後の状態から見まして、三十万か四十万でありましたら、そう驚く程のことじやないと思います。言換えれば処理の比較的し易い数字のように思います。一時も早くこれを処理するようにして、外と一緒にならないようにして頂きたいという、こういう氣持を持つております。それから幸か不幸か約四十億の失業保險の資金が溜つておりますので、それは政府として余程頼りになると思います。のみならず、我々國民の立場においても頼りになる有難い資金であります。これは十分活用しなければならないけれども、これがあるために、あるからという氣持に、これは人情として責任のある立場としても私は陥り易いと思いますが、政府としてもそのうち半年くらいはやれるだろうというふうに政府の一部において、政府の一部においてと申しますか、考えている人もあります。これは私は非常に間違つた考えでありますので、そういうふうなものは成るべく手を付けるのは少くして、できるだけ後に廻すという考えにしなければなりません。これを頼りにしないように特に御考慮を願いたい。こういうふうに考えている次第であります。
#98
○村尾重雄君 幸い安本長官が見えておられますので、分り切つたことと思うのでありますが、明確にしたいのでちよつとお尋ねしたいと思います。今度の九原則の遂行のために行政整理、又民間の企業整備、又続いて起る潜在失業者の出現等によつて、多くの失業者が出ることは明確なんで、それに就労の機会を與え、又救済するために、ここに緊急失業対策法というものが今日出されたわけでありますが、これがその就労の機会を公共事業並びに失業対策事業によつて吸收するのですが、從つてこの法案は安本と労働省と所轄を大体按分して、両省によつて動かされると、こう解釈するのであります。それについて安本長官のご意見を伺いたいのであります。從つてこの中にある失業対策事業の所管ですが、これは労働省が所管となり、又先程の労働大臣から明確に自分が主となつてやるのだという話があつたのでありますが、ただ少し私がお尋ねしたいと思うのは、第七條に、労働大臣が計画を樹立した場合には、失業対策事業に吸收すべき失業者の所在地域、数及び情況等を安本長官に報告すると、安本長官は前項の通知を受けた場合には失業者を吸收するに適当であり又経済的効果のある事業を労働大臣に提示しなければならん。こうなつて参りますと、労働大臣が主なものか、この安本長官が主なものかということの解釈について相当僕らは疑問視します。先程労働大臣は公共事業は別途として、失業対策事業は自分の所管でなすというお話があり、又自分が主となつて遂行するんだという意見があつたんですが、この字句から見ても、僕らはこれは疑問になるのです。この労働大臣の考え方というものは……。これについての安本長官のお考えを一つ伺いたいのでございます。失業対策についてですよ。説明は分りましたか。
#99
○國務大臣(青木孝義君) お答えいたします。これはまだ私がよく拝見しておらなかつたということは事実でございますが、私の所は御承知の通り総合施策廳と申しますか、そういう立場でありますので、全体としての企画は一應私共の所で取ることになつております。但しこの労働関係の方面はやはり労働大臣が特別な労働省として、特にこのサービス省と申しますか、できておりまするので、できるだけその何と申しますか、権限を尊重いたしまして、そして、まあよく話合をしながら適当に計画を立てて行きたいというふうな、まあ考えで臨んでおりますが、併し私共の方の性格、この安定本部の性格から申せば、我々の方で一應計画を立てたものを実施面としての労働省がこれを実行するということが、各省との関係においては、そういう建前で行つております。この場合において特に労働大臣が私共の方へこれを提示すると、私共の方はこれを考えるというのもちよつとおかしい感じがいたしますが、尚私共の方もこの轉については一つよく考えて見たいと存じます。
#100
○村尾重雄君 今少しお尋ねしたいのですがよろしいですか。……失業者にこの就労の機会を與えるという点で公共事業体が從來の方針で進むということは、これは分るが、それでは今後尚多数続出するであろうところの失業者を吸收することが一番だ、そのために失業対策事業というものが今日労働省主管によつて大体行われるのです。そうなる場合においては、公共事業体と公共事業の施行と、相当性格が変つて來なければならんと思うのです。例えば多く労力を使用するとか、或いは、例えば失業者に就労の機会を與えるということは優先的になるのです。公共事業体と大分性格が変つて來なければならないのです。ところが公共事業で、一つの枠を作られて、非常に狭い範囲に考えられるような行き方では、実際に失業者の救済ということが、緊急に行われない場合が多々あるのです。その点で例えば中央の事業においては安本との連絡が、労働大臣が相当早くやられるから非常に結構だと思うのでございますが、地方における失業者の救済のために起された失業救済事業というものが、そう中央と連絡したり、又相当安本の容喙があつてやるようなことでは失業者の救済には何らの効をなさないと思うのです。さような点で相当失業対策事業だけは特殊の行き方を持つて行かなければならん。こう思うのですが、長官もやはり同感でしようか、どうか、ちよつとお尋ねして置きたいのですが。
#101
○國務大臣(青木孝義君) 勿論これはお説のように、我々の方は今申上げたように全体的に亘つて考えるというような総合的な立場を取りますが、労働省或いは労働大臣として拙速にです。失業者を何とか処理して行かなければならん、そういうことでありますので、やはりこの労働大臣がいろいろと計画を立てられて、その事態に即應するような処置を取つて行くということが適当であつて、公共事業として公共事業費の中に関係のあるような仕事、そういうものについて我々の方では、これを考えて行くということで結局いいんじやないかということになると思いますが、ともかくもこの労働省というものが労働者、この労働関係プロパーのものとして存在いたします限り、この方面で先ず第一にそういう計画を立てられて、失業者に対する対策を実行するということがいいんではないかとこう考えます。
#102
○門屋盛一君 安本長官にもう一つ伺いますが失業対策審議会ができるということを新聞で見たと思いますが、又あなたの御発言でできるということをおつしやつたのでありますが、これはどういう性格のもので今どういうふうになつておりますか。
#103
○國務大臣(青木孝義君) 大体衆議院、それから参議院の方ですね。議員の方が委員になつて、そうして民間の実際家と言いますか、学識敬虔を持つた方々とか、そういうような方々に参画して頂いて委員になつて頂いてそれで構成された委員会で以つて失業対策を審議して行くという、こういうことになつております。
#104
○門屋盛一君 まだ決まつていないですね。
#105
○國務大臣(青木孝義君) いや殆んど決まつているのです。閣議で。
#106
○門屋盛一君 そうするとこれはやはり別の問題になるのですが、先程來竹下委員が言われておりまするので、それから他の委員も言われておるように失業者が出ることは分つておりますから、その失業者が、出てから後に労働省と安本の間であれを行う、これを行うと言つておつては、僕は間に合わんと思う。それで審議会というものが早く発足を遂げて、失業者が何ぼ、どこそこに出たらどういうふうにやるというということを、そういうふうな企画だけを予め決めて置くといいんです。それで東京附近に多く出たら東京附近の事業をやる。北海道に出れば北海道をやる九州に出れば九州というように事業の企画だけは一應決めて置かないと、日本には悪い癖があつて、陳情というのがあり、我々も頼まれてその陳情のお先棒を担いだこともありますが、失業者が出るといろいろとうるさいと思います。こういう失業者の対策、つまり職を與えるということは、はつきりしているんですから、こういう事業々々というものを大体地域的に極秘にでもいいから決めて置いて、さつと人間が使えるようにしないと、失業した場合には、お前の方はまだ方針が決まらんからと言うて、六〇%乃至七〇%を貰つて待つているということはなかなか苦しいわけです。それで先程竹下委員の言われましたように、できることならばこの失業保險の金は使わんで済むように政策を進めて置いて、まだまだひどくなつて來た場合にこれを使うようにしないと、まあ今回の場合は五ケ年計画等でそういうことをお考えになつておるということを私は大体知つておつたんですが、今回いろんな情勢でこういうふうに追込まれたということもまあ推察は申上げますけれども一應の行き方としては保險で以て食い繋いで置いて、その間に計画を立てるようにするより仕方がないところに追い込まれたけれども、一日も早く取返して、審議会ができるなら、審議会を本当に有効な審議会にして頂かないと、まあ、噂に上つておるような民自党の不平組を養う見たいなものであつたら、本当の審議会はできないのじやないかと思つております。これも苦いこと言いついでに御忠告申上げて置きたいと思います。
#107
○委員長(山田節男君) 青木安本長官に御質問ございませんか。
#108
○竹下豐次君 失業対策についての主管大臣の問題ですが、私など今まではこういうふうに考えておりました。これはもう当然労働大臣の責任の問題である。併し労働大臣が自分で仕事をすることはできない。仕事というのは事業関係のことですね。外の言葉で言うならば、そういう方面の予算も持たないのです。それで何百万出ようとも、それに與えるだけの準備を具体的にするということは労働大臣だけの力ではできない。それを大藏省なり、或いは安本の方に相談をかけて、できるだけの費用も分けて貰つてその対策を講ずるということは、これはもう当然労働大臣の責任である。それで若し必要な金を貰うことができなかつた、それがために非常に失業者が苦しい立場に置かれたというようなことがあつたとすれば、それは主として労働大臣の責任であり、安本長官なり大藏大臣は第二次の立場にあるべきものじやないかと思う。こういうふうに私共は考えておりますから、先程の長官のお答えで、あそこははつきりしなかつたようでありますけれども、今お答えを頂かんでもよろしいのでございますけれども、実は我々議員の立場としましては、これに類する、どこに一つ持つて行つたらいいのかというようなことが、はつきりしないことがちよいちよい起つて來るのであります。その一つの原因がここに明らかに現われて、私は以外に思つた次第なのであります。
#109
○國務大臣(青木孝義君) 御承知のように、今回のように特に行政整理を行う、行政整理は御承知のように非常にむずかしいので、なかなか從來も成功しなかつた、こういう点でいろいろな点で配慮をいたしておりますために多少遅れておりますけれども、これを実行するということは挙げて内閣の責任でございまして、失業対策の問題もひとり労働大臣が責任を以てやるというだけのことではなくて、やはり内閣全体としてこれは責任を以てやるということでありまして、その点については労働大臣が主として責任を負うけれども、後の閣僚とか、安本とか、大藏は余り責任を負わないのだというような建前でなしに、これはもう内閣全体の責任としてこれは考えるというようなことも、現にこの閣議あたりでもたびたびそういうことを言つておるのですから、事実そういう態度でやつて行きたいと思います。
#110
○竹下豐次君 つまり一連托生、昔のはやり言葉で言えば、その言葉の綾でこれは結構でありますけれども、さればと言つて主管大臣を決めるか決めないかということは、これは別だと思います。主管大臣の権限から取上げて内閣全体が同じ責任を負うのだというような、又特別の組織でもできれば別でありますけれども、併しそれがない限り主管大臣は主管大臣としてその中心の責任を負う、外の人も責任を負わないのじやないけれども、主管大臣が一番責任を負うというぐらいのけじめがないと、私は却つて話が纏まりにくい、仕事もなかなかやりにくいというように考えますので、質問したり何かするのに非常に困る、どこに責を持つて行つてよいのか、あつちへ行つても分らない、こつちへ行つても分らないということで非常に困ります。又組織も違つております。各大臣の任命を総理大臣がやるということで元と違つておりますけれども、そういう点を考慮しなければならんと思います。お氣持はよく分つて、これは御尤もと思いますけれども、制度としては又別のことだと思いますから、その点を再考慮願いたいと思います。
#111
○國務大臣(青木孝義君) その点は、御承知の通り今おつしやつたように総理大臣を中心としてやつておりますということで、ちよつとこの審議会につきましても各省に置くということでなしに、内閣直属にするということで、四つの委員会を置くということで、いずれも内閣直属にするということでやつております。さようなわけでございますから、その点は御心配を頂くような結果にならんように、何とか内閣全体として纏めて行くことができるのじやないかと思つております。
#112
○竹下豐次君 審議会のことについてお尋ねしたいのでありますが、今日お尋ねする場合ではなかつたのでありますけれども、出ましたから……ちよつと耳に差挟んでおりますことは、北海道開拓の委員会であるとか、失業対策の委員会であるとか、新聞に出たところ三つばかりございましたがね、政府の方では委員会は余りこう重く見ておられないという言葉を使つては当つておりませんが、意見があつたらその方から聽こうというくらいに軽く考えておられる、議員がそれを兼務する場合に國会法の三十九條による承認を求めるというような手続もお取りにならずに、比較的軽くお取扱いになるような計画だということも承わつておりますが。
#113
○國務大臣(青木孝義君) そうじやありません。それはこういう時期ですから成るべく経費を使わないということが第一、金のかかるような委員会を作らない、そう言うと少しおかしいのでありますけれども、費用もかからない、而も内閣におきまして、そうして効果のある委員会を置きたいということでありまして、そうしてそれを軽く從來のごとく申訳に作る、從來そういうものがあつたと思うのであります。そういう考えではございません。その点ははつきりと申上げて置きます。
#114
○原虎一君 私は一つ安本長官にお伺いしたいのでありますが、行政整理による失業者というのは数は決まりませんが、相当に出るということはこれは明らかでありますが、同時に経済九原則による経済会のいろいろな動揺と言いますか、そういう点から可なり失業者が出ることは申すまでもないのであります。從つて簡單に申しますれば、経済九原則遂行のために起きて來るところの経済変動、それから生れる失業者、いわゆる吉田内閣におきましては、経済九原則を遂行するに当然起きて來る失業問題というものが、経済上総合施策の中に織込まれて行かなければならんと思うのであります。これが今まではつきり説明がなくて、部分的に失業保險の一部改正であるとか、或いは緊急失業対策法であるとか、こういうものができた。ただに私が一つこう考えて見ましても、この緊急失業対策をやります前におきまして、一体そういう事業はやはり生産増強に向けなければなりません。從來のように失業者に或る程度の手当を支給して消費的な仕事でありますれば、消費的の方面の仕事でも構わない、ただ失業者を救済するという立場から施策を立てれば、それでもよかつたのでありますが、増産という建前の上に失業者をできるだけ就業さして行かなければならない。そういたしますれば資材というものが許されております。クレジットが許されて資材との関係、例えばセメントは飢餓輸出をせなければならんというような状態を続けて行きますならば、電氣の電源開発も困難になつて、その方へ失業者を向けるわけに行かない。こういう点から考えますときに、やはり経済九原則遂行のために失業対策というものは大きな総合的な計画の中に入れなければならん。これが吉田内閣においてなされていないので、つまり一應失業者が出て來るのだという程度で、應急対策のものが一、二法案ができて來たと思うのであります。安本でこの総合計画の中に失業問題をどう立てて行くかということを次回においてでも御説明を願いたいと思います。そうして審議会なんというものでそれがなされるべきものでは、もうすでに遅いのであります。安本自体が、昭和二十四年度の計画の中に織込まれていなければならんものが明確でないから、私共は不安心なんであります。どうかそういう点を十分に、次回の委員会、その次の委員会でもよろしうございますから、確乎たる失業対策をどれだけ持つているかということを御説明願いたいと思います。今日の私の質問はこれで打切つて置きます。
#115
○委員長(山田節男君) 外に御質問ございませんか……。それでは本日の労働委員会はこれで以て散会いたします。
   午後四時三十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山田 節男君
   理事
           一松 政二君
           平野善治郎君
           早川 愼一君
   委員
           原  虎一君
           村尾 重雄君
           門屋 盛一君
           竹下 豐次君
           水橋 藤作君
           中野 重治君
  國務大臣
   労 働 大 臣 鈴木 正文君
   國 務 大 臣 青木 孝義君
  政府委員
   労働政務次官  宿谷 榮一君
   労働事務官
   (職業安定局
   長)      齋藤 邦吉君
   経済安定本部
   (建設局次長) 雨森 常夫君
   経済安定本部
   (労働局次長) 石井 通則君
  説明員
   労働事務官
   (職業安定局失
   業対策課長)  海老塚政治君
ソース: 国立国会図書館
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