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#1
第061回国会 農林水産委員会いも、でん粉等価格対策に関する小委員会 第2号
昭和四十四年十月八日(水曜日)
   午前十時五十五分開議
 出席小委員
  小委員長 大野 市郎君
      佐々木秀世君    白濱 仁吉君
      瀬戸山三男君    芳賀  貢君
      美濃 政市君    稻富 稜人君
 小委員外の出席者
        農林省蚕糸園芸
        局長      小暮 光美君
        農林省蚕糸園芸
        局砂糖類課長  小島 和義君
        専 門 員  松任谷健太郎君
――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した案件
 いも、でん粉等価格対策に関する件
 昭和四十四年産甘しょ及び馬鈴しょの原料基準価格並びにでん粉及び甘しょ生切干の政府買入価格等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○大野小委員長 これよりいも、でん粉等価格対策に関する小委員会を開会いたします。
 いも、でん粉等価格対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
#3
○芳賀小委員 一昨日の小委員会の質疑に続いて、まず保留した問題について局長にお尋ねを申し上げます。
 第一の点は、四十四年のいも、でん粉の需給見通しについて、できるだけ確実性のある見通しについて説明をお願いします。
#4
○小島説明員 一昨日も申し上げましたように、今日の段階で四十四年度の需給の推算を的確に行なうことは非常にむずかしいのでございますけれども、御要請がございますので、ただいまの段階で一応の当てはめをいたしました数字を申し上げたいと存じます。
 まず、供給のほうでございますが、カンショでん粉の生産量といたしましては三十五万トンを想定いたしております。バレイショでん粉につきましては、今年度の国内生産を二十四万トンと見込みまして、調整保管の三万トンと合わせまして二十七万トンを想定いたしております。小麦でん粉につきましては、前年同様の六万トンを想定しております。コーンスターチにつきましても、前年同様の五十一万トンを想定いたしております。それから外国でん粉につきましても、昨年同様二万トン程度のものはあろうかという想定でございます。そういたしますと、供給量全体といたしましては百二十一万トンという量になるわけでございます。
 需要のほうでございますが、まず最大の需要でございます水あめ、ブドウ糖の関係につきましては、各でん粉合わせまして六十五万八千トンというものを見込んでおるわけでございます。これは実はコーンスターチとの抱き合わせ販売を実施いたしております関係もございまして、今後のコーンスターチの価格がどれぐらいになるか、つまりトウモロコシの輸入価格がどのように動いていくかということによりまして、二次税率適用の価格水準が変わってまいります。それから抱き合わせますものの国内でん粉のカンでん及びバでんの総体的な割合、内訳をどうするかという問題、さらにはこの価格水準がどうなるかということによって、かなり動く要素であろうと思いますが、一応そのような数字を置いております。
 それから水産練り製品、繊維、製紙、段ボール、化工でん粉、ビール、グルソにつきましては、昨年同様に一応想定をいたしております。五十五万二千、逐一申し上げますと、水産練り製品十一万九千、それから繊維、製紙、段ボールが十五万四千、化工でん粉十万八千、ビール五万、グルタミンソーダ二万五千、食用その他九万六千、合計いたしまして、需要のトータルが百二十一万でございます。
 一応そういう形で四十四年度の需給バランスというものを想定いたしておるわけでございます。
#5
○芳賀小委員 そういたしますと、八月下旬に全販連に凍結保管をさせた三万トンは、四十四年のバでんの供給数量に補完して見通しを立てたということですね。
#6
○小島説明員 おっしゃるとおり、三万トンとそれからことしの生産を合わせましたものを本年度の供給と見ておるわけでございます。
#7
○芳賀小委員 次にお尋ねしたいのは、二日間で作業がだいぶ進んだと思いますが、カンショ、バレイショ各でん粉等の価格決定の場合の農安法の政令の第一条、第二条に基づく農林省としての当然算定すべき価格の案等については、これは大体固まったですか。
#8
○小暮説明員 一昨日もいろいろ御指摘ございました政令の算式一の問題につきましては、一昨日の御指摘もございます、あるいは、昨年までのいろいろな御議論の経過等も十分勘案いたしまして、政令で前年九月から農林大臣の定める月までというような分母の算定のしかたがございます。この政令の範囲内で可能な限り、実情に即した算定をいたしたいということで検討いたしております。
#9
○芳賀小委員 それでは政令どおりにやればその指数はどうなりますか。
#10
○小島説明員 政令のほうは、農林大臣が定める月ということだけでございまして、その具体的な月をいつにとるかということによりまして違ってまいるわけでございますが、一昨年まで採用いたしておりました、かねて問題になっております、分母のほうに、昨年九月からことしの八月までの平均パリティ指数を置きました場合のパリティ指数の上昇率は、一・三五というふうな上昇率になるわけでございます。
#11
○芳賀小委員 それでは、これはあまり深追いしないことにして、昨年の実例もありますから、いま局長の言われたとおり、算式第一の指数のとり方については、少なくとも昨年行なった算定を後退させないというようなことで、これはそういう理解でいいですか。
#12
○小暮説明員 大体そのようにお考えいただいてけっこうだと思います。
#13
○芳賀小委員 それから次に、第二算式の関係について、これは一昨日、小島課長並びに統計調査部のほうから、いろいろ説明を聞いたわけですが、この点についてどういうような作業が煮詰まっておるのですか。
#14
○小島説明員 一昨日も御指摘がありました一つの点は、全国の反収が昨年に比べまして低下しているにもかかわらず、生産費調査対象農家の反収が見込みとして上がっておるのはどうかという御指摘であったように記憶いたします。
 この点は、バレイショの場合には、全国の平均が動きますに伴いまして、生産費調査の対象農家の反収も、大体比例的に動いておるのが過去の趨勢でございますが、カンショの場合について申し上げますと、過去の数字を見ましても、全国の反収が上がっておるにもかかわらず、生産費調査農家の反収は下がっておる。逆に、全国で下がっておるにもかかわらず、生産費調査では上がっておる。さまざまなケースが実はあるわけでございます。昭和四十年以降の、昭和四十三年までの四カ年で見ましても、その傾向が異なっております年が、実は三年ほど含まれておるわけでございます。
 そこで、私どもといたしましては、この比率、実は、生産費調査対象農家のほうが、例年多少高いわけでございますが、その傾向を見てまいりますと、ある年は一三〇%をこえる比率になる。生産費調査対象農家のほうが高いわけでございます。逆に、ある年は一三〇%を下回る割合を示しております。そういうことでかなり変動いたしておりますので、これを相当長い期間でとりまして、その平均的な割合をもちまして全国反収を修正するということにいたしますれば、非常に安定的な数字が出てくるのではないかということで、その比率、大体一三〇%という数字でございますが、それによりまして全国反収を修正いたしました結果、一昨日申し上げましたような数字になっておるわけでございます。
#15
○芳賀小委員 いま小島さんから言った点は、実は、一昨年当委員会で問題を取り上げていろいろ議論した結果、決定年の過去三カ年の統計調査部の調査農家の三カ年間の平均反収と、三年間の実収反収のその差というものが数値が出ておるわけですね。それを決定年である四十四年度の単位収量に置きかえる、つまり修正するという、そういう試算をやっておるということは、一昨年の委員会において説明があったわけです。だから、その調査農家の過去三カ年間の平均反収と、実収反収の過去三年平均と、一割ないし一割五分程度の差があるわけでしょう、バレイショ、カンショにおいて。だから、一定の差額をその数値で求めて、それによって四十四年度の想定反収を計算しておるというような説明があったわけです。だから、今年もその前例に従って行なった結果こうなったというのであれば、一応根拠があるわけですが、毎年毎年思いつきのような形でやるということは危険が伴うわけですから、その点をもう一度明確にしてもらいたい。
#16
○小島説明員 一昨年の御議論の経過については私も直接には存じ上げないのでございますけれども、どれだけの期間をとりまして平均的な、先生は差とおっしゃいましたが比率でございますが、比率をとるかということにつきましては、いろいろな考え方があろうかと思います。考え方といたしましては、従来のものを変更するつもりはないわけでございますが、いま申し上げましたように、全国反収の傾向と生産費反収の傾向に逆の動きが出ておる年がかなり含まれておるということから見まして、ある程度長い期間をとったほうがいいのではないかと考えておるわけでございます。
#17
○芳賀小委員 一番望ましい形としては、統計調査農家の反収と、同じ統計調査部で発表する実収反収というものが開きがないことが望ましいと思うのです。その点はそう思っていますか。
#18
○小島説明員 私どもも、全国の平均的な姿というものがつかめるのが一番よろしいと思っておるわけでございますが、記帳をお願いするという統計調査部の立場から考えますと、ある程度イモ作に重点を置いておる農家というものでなければ事実上調査がお願いできないという制約もあるようでございますので、その点はいたし方ないことと考えておるわけでございます。
#19
○芳賀小委員 それでは、附録第二の各項目に基づいて、これはどうなっておるというのを一通り説明してもらいたいと思います。
#20
○小島説明員 附録第二式の考え方は、先生も御承知のように、最近三カ年のイモの実勢価格をもとにいたしまして、それを、三カ年のパリティ上昇率をかけまして、さらに需給の状況を勘案いたしまして価格を出す、こういうような考え方でございまして、カンショの場合にこれを当てはめて申し上げますならば、十貫目当たりの三カ年の平均価格、これは物財統計の価格でありますが、九千八百円というふうなものがベースになっております。それからパリティの上昇率は三カ年をとりまして二・七%というふうな形になっております。さらにそれにことしの需給の見込みでございますが、三カ年の平均供給量が三百六万トンくらいの数字でございます。それに対しまして四十四年の供給量の見込みといたしまして、これは商品化率を何%に見るかという問題が実はあるわけでございますが、七九・八%、約八〇%ぐらいの商品化率を見まして二百三十万トンというような供給予想になるわけでございます。それを一から引きましたものに、従来用いております係数を乗じまして算定いたしますと、カンショの場合で申しますと四十六円何がしというふうな数字に相なっております。バレイショの場合もほとんど同じような考え方を採用いたしまして計算いたすわけでございまして、二十四円何がしというふうな数字が得られておるわけでございます。
#21
○芳賀小委員 そうしますと、この附録第二算式でいけば、カンショの原料価格というのは相当上げなければならぬということになるのですね。
#22
○小島説明員 この附録第二式自体が一つの参酌事項でございますので、その意味ではこの数値だけをながめますと、カンショの場合は上げるふうに参酌しなければならない数字であり、バレイショの場合には逆にある程度下の数字に勘案しなければならない数字ということになろうかと存じます。ただ問題がございますのは、従来この算式はその年の豊凶、つまり需給状況というものを価格に反映させるという仕組みであったわけでございますが、カンショの場合にはこのところ年々作付面積が減少いたしております。いわばそういう構造的な変化によります供給量の減少というものを完全にそのまま価格面に反映さしていくということはいかがなものであろうかという気はいたしておりますが、どちらのほうに参酌される要因かと申せば、カンショのほうは上がるほうに参酌されるでありましようし、バレイショのほうは下がるほうに参酌されるであろうということになると存じます。
#23
○芳賀小委員 バレイショについては内容をまたお伺いいたしますが、カンショの場合には一応附録第二式でいけば、これは三十七・五キロにすれば四百六十円ということになるのですね。そうしますと、昨年のカンショの三十七・五キロが三百七十円ですから、価格上から見れば相当大幅な引き上げができる要素があるということになっているわけですが、それは私の判断同様ですか。
#24
○小島説明員 ただいま申し上げましたように、あの算式自体は、過去におきまして需給均衡価格というものをはじきます際の一つの基礎的な算式であったわけでございます。近年のようにカンショが、農業のいわば構造的な変化というものに基因いたしまして、作付面積自体が大幅に減ってきておる、こういう事態のもとであの数値そのものをとらえまして価格を導き出すということはいかがと存じますが、一応の参酌事項であるというふうに考えておるわけであります。
#25
○芳賀小委員 この附録第一は、これはだれが見ても昨年の基準価格にもう一年間のパリティの上昇傾向を乗ずるわけですから、パリティが下がらない限り、附録第一については前年度価格よりもこれは上げなければならぬということに当然なるわけですね。それから勘案すべき附録第二においては、カンショの場合には相当大幅に上げんならぬということになるわけですね。そうなると、いずれ農安法に基づく生産者団体に対して農林大臣が意見を求めて、その意見を尊重してことしのカンショ、バレイショ並びにカンショでん粉、バレイショでん粉、カンショなま切り干しの価格をきめるわけですから、まず第一のカンショについては、昨年の政府決定価格の三十七・五キロ当たり三百七十円よりも相当大幅な原料価格の値上げというものは、これは法律上から見れば当然であるということになると思いますが、金額はまだ煮詰まっていないかもしれないが、どうですか局長。
#26
○小暮説明員 ただいま御検討いただきましたような係数がございまして、原料イモの価格についてはある程度それを考慮すべきではなかろうかというふうに考えております。
#27
○芳賀小委員 それでは砂糖類課長でいいですが、カンショの場合は大体明白になりましたので、あとバレイショの附録第二に基づく内容を説明してもらいたいと思います。
#28
○小島説明員 バレイショの場合には附録二式のいわゆる基準価格と申しますか、三年間の価格が七千五百六十九円という数字に相なっております。それをもとにいたしまして、パリティ上昇率は同じでございます。三カ年の供給量といたしましては百七十四万七千トンと相なっております。それに対しまして四十四年の供給量でございますが、これは実は昨年が非常に高い出回り率を示しておりました関係もございまして、従来の方式で本年の商品化率を算定いたしますと非常に高い数値が出てまいるわけでございますが、それを一応九〇%という、理論的に許される最も高いところでとどめるということにいたしまして、そういう算定をいたしますと、四十四年の供給量といたしましては二百十四万七千トンという数量に相なります。そういたしますとこの分が、三年間平均の数字を見ますとやや多目の数値が出てくるわけでございます。その結果計算いたしましたものが二十四円三十四銭というふうな数字になります。
#29
○芳賀小委員 この点がちょっと不明確なのです。この附録第二の算式からいうと、Qoですが、「価格決定年の三年前の年の九月以降三年間における甘しょ又は馬鈴しょの供給量の年平均値」ということになれば、これは四十一年、二年、三年をさすわけですね。この三カ年間のバレイショの平均供給量と四十四年度の供給量との比較で四十四年が上回るということにはならぬと思いますけれども。
#30
○小島説明員 たいへん失礼いたしました。ただいまの四十四年度の供給量が非常に多く出ておりますのは、先ほど来申し上げております今年のィモの見込みにプラスされまして、ただいま政府が手持ちいたしております七万トンのバでんのイモ換算数字というものが織り込まれておるわけであります。そのために多いのであります。
#31
○芳賀小委員 そういうインチキをやればふえることは明らかですがね。これは二十八年農安法が出てから旧農安法時代も一番論議の中心だったんですよ。年度は明らかになりませんが、この過去三カ年に比べてまあ豊作年の場合には供給量が三年平均よりふえることは当然ですからね。そういう場合にですね、過去においても農林省の試算としては、たとえば政府が前年買い上げしたでん粉をイモに換算して決定年の供給量に加えた計算をやったことも、実は過去もあるわけです。それは農林委員会においてこの点は農安法の目的に違反する計算であるということですね。そういうやり方を採用させないで今日に至っておるわけです。農安法の趣旨というものは、この価格安定上、政府がきめたバレイショでん粉の価格を維持するために必要な場合には買い上げ措置を講ずるということが法律の目的ですから、法律の趣旨に基づいて四十三年度分のバレイショでん粉を、たとえば四万トン――これは七万トン凍結しているわけだから。これは先ほどの小島課長が説明した四十四年度の需給見込みにおいても、八月末に全販連に凍結保管させた三万トンについては――これはでん粉ですよ、その三万トンを四十四年度の供給数量に加えなければこれは需給計画がバランスがとれぬでしょうということになるわけですからね。七万トンについては、これは供給が不足な状態が起きて、そうして国内のカンショ、バレイショでん粉の価格が政府の価格から見て持続的に高騰するというような場合に、初めてこれは買い上げした価格を下回らない価格で売り渡しをするということになっておるわけですからね。それをことしの原料イモの価格を下げるために七万トンをイモに換算して四十四年の供給量に加えるということは、これはその前例がないやり方なんです。過去においてもそういうことを農林省が試みたことはあるけれども、それは当委員会においてそういうやり方はけしからぬということですね。それは実行された前例がないんですよ。そういうことでやられると、これはたいへんなことになるわけですからね。だから買い上げ分を除いたほんとうの数量というものを試算に用いなければ、これは去年よりも下がるということになるわけですからね。七万トンのイモ換算を引いたまともな数字で計算した場合はどういう計算になるのですか。
#32
○小島説明員 ただいま御指摘の問題は、私も不敏にいたしまして古い経過は詳しく存じ上げておりませんが、政府の売却量というものを全然計算に入れないで最後の数字が幾らになるかというのは、ただいままでちょっと計算いたしておりませんので、御必要がございましたら、さっそく計算させて報告申し上げます。
#33
○芳賀小委員 これはあなた、わかるんじゃないですか。そのために一年間担当者が仕事をやっているんですからね。たとえば七万トンイモに換算すればその数量は幾らということはわかるでしょう。わかれば、二百十四万七千トンからそのでん粉をイモに換算した数量を引けばほんとうの四十四年度のバレイショの供給数量が出るわけですからね。過去三年はもうわかっているわけでしょう。それを分母にしてことしの四十四年の供給量を分子にして、つまり計算するわけですからね。そうあすまでかからなければ計算できないということはないんじゃないですか。電子計算機でやれば一秒くらいで答えが出るでしょう。
#34
○小島説明員 大まかな目の子で申し上げますと、七万トンイモ換算いたしますと四十二万トンくらいの数量になろうかと思います。したがいまして、先ほど私が申し上げました二百三十万トンというふうな数字が、二百万トンを割るような数字に相なろうかと思います。その結果の最後の数字につきましては、ちょっと試算をいたしまして、それほど時間もかからずに申し上げたいと思います。
#35
○芳賀小委員 そうすると、二百十四万トンからおよそ四十二万トンを引けば、これは百七十二万トンですか。そうなると、これはやはりカンショ並みに附録第二においては原料価格を上げねばならぬというようなことになるのではないですか。
#36
○小島説明員 先ほど申し上げました二百十何万トンという数字が百六十何万トンというふうな数字に相なります。従来のいわゆるカッコの中の数字といたしますと、ほとんどゼロにひとしくなってまいります。したがいましてパリティの上昇率だけがひとり働く、こういうふうな数字に相なろうかと思います。
#37
○芳賀小委員 それじゃ、大まかなことですが、供給量の関係については大体ゼロに近いようなことで、これはマイナスの要素としては働かぬということですね。そうなれば「価格決定年の農林大臣の定める月における物価指数」と「価格決定年の三年前の年の九月から価格決定年の農林大臣の定める月までの各月の物価指数の平均値」この物価動向の関係については、大体パリティの動きですからして、これは上昇係数になるということになるわけですね。そうなると、達観すると附録第一の点についてはパリティの上昇が当然認められるわけだからして、その分は価格決定上は値上げをするようになる。それから附録第二についても供給の動向についてはプラスの要素が強く働かないということであっても、物価の上昇傾向から見てこれも値上げ要因になるということは、これは明らかですね。ですからカンでんほど大幅ということにならないとしても、とにかくカンでんの大幅と去年の価格との中間くらいの中幅の値上げということになるわけですね。
#38
○小暮説明員 先ほどカンでんのときにきわめて簡潔に申し上げたと思いますけれども、大幅に上げると申し上げたつもりはございません。据え置きというような状況ではない。やはりこれらのケースを勘案すべきだろうという趣旨を申し上げたのであります。
 バレイショの問題につきましてだんだんと御指摘の点がございます。過去に例があるかないかという点はさておきまして、新しいいまの農安法の運用になりましてから七万トンという大きな数量を年を越して政府が持ちますのは、今回が初めてであります。このことの持っております需給上の実態的な意味というものは、やはり価格の問題を判断いたします場合の一つの勘案事項ではなかろうかというふうに考えております。
#39
○芳賀小委員 需給関係の場合ですね。現在は国内の需要量に対して国内のイモでん粉の供給が過剰傾向になっておるというわけではないでしょう。これは言うまでもないことですね。ですから、農安法ができた当時は、その時代の政府というのは同じ自民党政府ですが、やはりいまの為政者から見ると賢明な、相当政治的な能力の高いといいますか、そういうような政府が農政を担当しておったわけですからして、農産物の自由化を導入するというようなことはやらなかったわけです。現在の農林省が言いたいという過剰傾向というのは、自由化によって原料トウモロコシが無計画に入ってきて、それによってコーンスターチが製造されて、それが市場の中で、コンスのほうが価格は安いわけですから、そういう市場圧迫によって、供給は不足であるけれども、価格上の競争で国産のでん粉の順調な消化をすることができないというところに問題があるわけなんですよ。だから、農安法をまともに運営して価格算定をするということになれば、当然決定年における需要の数量が幾らということを明らかにして、それに対して国内で生産されるイモの供給力がどの程度であるという比較の上に立って価格算定をすべきでありますけれども、現在の附録第二には決定年における需要の数量というものは要素の中に採用されていないのですね。供給だけが出てくるわけでして、この点は需給関係の中で価格というものは形成される要素を多分に持っておるわけだから、この一年間の需要の動向がどうなるということを全然無視して、供給面だけが過去三年に対して当年度はどうかということだけではおかしいじゃないかということはしばしば指摘しておるわけです。だから政府の無責任によって生ずる自由化あるいはコンスの規制ということをやらないままにカンショでん粉が過剰傾向になるとか、バレイショでん粉が過剰傾向になるということは農安法という制度から見れば当を得ない議論ということになるわけです。そういう原則論だけをいま戦わす気はないですが、たとえばバレイショが、あるいはバレイショでん粉が過剰傾向だから、価格決定上これを抑制しなければならぬというようなことについてはあまり努力しないほうがいいと思うのですね。これはすなおにやったほうがいいと思うのですよ。
#40
○小暮説明員 供給面だけというおことばでございますが、それぞれのイモごとにその当該年における供給の状況をある計数で示してこれを勘案事項の一つにするという趣旨でございますから、バレイショはバレイショ、カンショはカンショということでそれぞれ供給面の傾向をとらえるということで、御指摘のように総需要、コンスからバでんからカンでんからあるいはコンスから出ますでん粉等全部ひっくるめて、総需要の面から判断いたす計算ではございません。しかし、そうした総体の需要面からももちろん経済事情等の総合判断をいたします際に、やはり頭の中で一つ考える事柄ではあろうと思います。御指摘のようにコンスの問題が一枚介在いたします。それから国産もバでんだけでなしにカンでんがある、カンでんとバでんが相互に影響し合うという問題がございます。きわめて単純な理解をするわけにはまいらないと思います。それらの点は十分価格決定の議論の際に総合的に判断いたしたいというふうに考えております。
#41
○芳賀小委員 それではでん粉の買い上げ七万トンを四十四年のイモの供給数量には加えるべきでないということを特に重点にして運営してもらいたいと思うのです。
 その次にお尋ねしたいのは、ことしのでん粉価格決定については、もちろん原料のカンショあるいはバレイショの価格がきまらないとでん粉の価格も決定できないわけですが、一昨年からでん粉製造経費については農林省と指定団体である全販連、北海道の場合は北連が中心になるわけですが、共同調査をやって適正な製造経費を基礎にしてそれによってでん粉の価格をきめる、こういうルールが確立しておるわけです。したがいまして、今年度の決定にあたりましては、昨年一昨年の加工経費というものを基礎にして、それを物価修正等を行なってことしの製造経費をきめることになると思いますが、その内容はどういうことになっていますか。
#42
○小島説明員 四十三年の調査実績についてはすでに答えが出ておりまして、現在はその実績数値をもとにいたしまして四十四年度の想定の加工費をどのくらいに見るかということで、幾つかの議論を詰めておる過程でございますが、四十三年の加工費そのものについてまず申し上げますと、カンショでん粉につきましては四百十七円四十八銭、それからバレイショでん粉につきましては四百二十八円八十六銭という結果になっております。いずれも十貫目当たりの数字でございます。
#43
○芳賀小委員 これは三十七・五キロですか。
#44
○小島説明員 たいへん失礼いたしました。ただいま読み上げましたのは、四十三年度の織り込みのほうを申し上げてしまいましたので訂正させていただきます。カンショでん粉が四十四年の調査結果で三百六十八円三銭、バレイショでん粉のほうが三百四十一円五十五銭でございます。
#45
○芳賀小委員 それでは織り込み済みというのは、大体ことしの価格決定に当てはめる製造経費というような意味ですか。
#46
○小島説明員 ただいまの御質問の趣旨は、そういう調査結果をもとにいたしましてどういう当てはめをやるのかということでございますね。――実はいま申し上げましたようなことで、これをどのような見込みの取り方で今年度の加工費を出すかということにつきましてはまだ詰めておる最中でございまして、ことしの最終的な姿として、こういうものとして見込むということはまだ申し上げかねるわけでございます。ただ従来やってまいりました例を申し上げますと、その費用の中で一般の物価の上昇あるいは労賃の上昇というものに応じまして当然上がるであろうことが見込まれますものにつきましては、それぞれの上昇率を乗じまして修正をいたします。それから減価償却費でありますとか、あるいは金利でありますとか、そういうふうなものにつきましては、これは実際の工場の採用の方式なり金利の中で――これは御承知のように基準価格は工場段階の費用をきめますものですから、その後の販売流通過程におきます金利等は見ないという原則がございますので、そういうものにつきましては若干の理論的な計算をいたしまして修正をいたしましたものを採用するというのが従来のルールでございます。
#47
○芳賀小委員 ついでに、この製造経費をきめる場合の操業度ですね。いわゆる操業度が高いか低いかによってコストに大きな影響を与えるわけですから。ことしの操業度の場合は、北海道の場合には一昨日の統計調査部の説明もありましたように、北海道全体としてもそうですが、またバレイショの原料生産地帯においては特に昨年度、一昨年度に比べて原料の生産が非常に冷害等の関係もあって低下しておるわけですから、合理化でん粉工場の操業度ということになれば、過去三カ年の中で一番低い操業度ということに当然なるわけですね。こういう点はすでに出先で調査しておると思いますから、ことしの製造経費計算の場合には、操業度の原料不足による低下というものについて相当勘案を加えないといけないんじゃないかと心配しておるわけです。そういう点については実態調査というものをおやりになっておるかどうか。
#48
○小島説明員 この問題は、現在いわば製造中のでん粉につきまして、どれくらいのものが生産されるか、どれくらい工場が動くのかということを推定いたすわけでございますから、非常にむずかしい問題であることは承知いたしております。実は昨年もバレイショでん粉につきましては、その前の年の実績でありますところの八二%というふうな操業率を想定いたしまして計算をいたしたわけでございますが、結果的には一一六%というふうな非常に高い操業率を現出いたしたわけでございます。したがいまして、一一六%というのが異常に高い操業率であるということは私どもも重々承知いたしておりまして、これをそのまま前提としておくということはいささか不都合かと考えておりますので、できるだけこれを下げたものとして見るということにおいては、ぜひそうしたいというふうに考えております。ただそれが一一六%に比べましてどの程度のダウンというふうに見るかということになりますと、御承知のように合理化工場自体の道内におけるシェアが相当高まってきておるという問題もからみますので、なかなかむずかしい問題になっているわけでございます。
#49
○芳賀小委員 これは一例ですけれども、私どもの関係しておる九つの農協で合理化でん粉工場を経営しておるわけですが、昨年は豊作の関係もあって一工場で六十キロの、原料にして約百万俵をこえる原料処理を昨年は行なっておるわけです。これは一昨年に比べると原料が非常に豊作で多かったということは明らかです。ことしの場合は、同じ九農協の原料区域で生産されて合理化でん粉工場に集荷される数量は大体六十万俵という、そういう予測をしていまやっておるわけです。ですから、昨年に比べるとちょうど六〇%の操業度ということになるわけですね。北海道全体を平均するとそれまで低下していないかもしれませんが、地域的に実例をあげるとそういうことになっておるわけです。昨年の場合は、八月の二十日に操業開始をして十一月の十五日ごろまで操業が続いたわけです。ことしは春以来の天候不順によってイモが未成熟だったですから、九月一日に操業を開始して、現在一日処理する原料が続かないのです。中断される日にちが相当その中にあっても十月の下旬にはもう操業終了ということになるわけです。これはもう実例ですから、必要な場合には出先で十分調査をすればわかるわけですから。結局、近代的な合理化でん粉工場の場合には、御承知のとおり設備についての投資というものが相当行なわれておるわけですから、操業度が非常に落ちて製造経費がかさむということは、これは工場の運営上非常に大きな打撃ということになるわけです。それを全部ことしのでん粉価格の中に織り込むということはこれは困難性があるとしても、今年度の操業状態というものは昨年あるいは例年に比してどういうような特徴を持っておるかということは、これはやはり決定にあたっては十分内容を検討して配慮すべき問題だと思うわけです。そういうことで、特にこの操業度の勘案というものを一体ことしはどうされるかという点についていま質問したわけなんです。その点もう少し明確に……。
#50
○小島説明員 昨年は一昨年の調査実績の操業度をそのまま採用いたしたわけでございます。本年の場合には昨年の実績をそのまま採用するわけにはいくまい、ある程度は引き下げざるを得ないという考えを持っておるわけでございます。
#51
○芳賀小委員 この点は特に政府がきめる原料イモの基準価格、これを忠実に実行しなければ、でん粉の政府買い入れというのは行なわれないわけですから、農安法の対象にならぬわけですから。そういう制度がなくても、経済条件が悪くなってもイモ耕作の生産農家に対しては当然可能な限りの原料代を支払うというのは、これは特に農協が中心になってでん粉工場を経営する場合にはそこに最大の目的と使命があるわけです。そういうことで、私ども昨年も結果的には大幅な買い入れということで政府も運営されたわけですが、その買い入れに至るまでの間というのは製造されたでん粉がほとんど順調に販売されないわけです。しかし一面において生産者に対しては原料の受け入れをして、少なくとも十日ないし十五日以内に、たとえば暫定価格であっても支払いをしておるわけです。ですから、それは製品の販売という問題とあわせて考える場合には、実は立てかえ払いみたいなことになるわけですね。そういうことで、正常な販売ができない場合には、生産者に対する原料のいわゆる立てかえ払いによる金利の問題とか、あるいは販売されるまでのでん粉の保管ですね、倉庫の保管料の支出であるとか、そういうものは正常な販売が行なわれるときと非常に違った要素を持っておるわけです。ですから、これらの金利とか保管料というものは、これは一年間を計算すると相当大きな額になっておるわけですね。それらの経費というものは、おそらくでん粉の製造経費の中にはいままで適正に加味されていないと思うのですよ。そういうような点についても、実情というものは十分考慮してやってもらわぬと、でん粉工場を経営する農協としては、政府のきめた原料イモの価格がやはり他の物価、賃金に比較して高いほどいいわけですからね。きまった以上はいかなる困難があってもその価格は忠実に実行する。経営上の余力があれば、それにまたプラスアルファ、イモ代金を支払うということを経営の原則として、われわれ、やっておるわけですから。しかし問題は、その生産されたでん粉が、政府の基準価格の線で年間を通じて順調に販売されない限り、結局生産者に対しても十分の支払いあるいは補償ができないということになるわけです。こういう点は、コンスの問題等があって、非常に農林省としても苦慮されておる点だと思いますが、特にことしのでん粉の製造経費、でん粉の価格決定等については十分な配慮をしてもらう必要があると思うわけです。しかしそのために、カンショあるいはバレイショの原料価格にしわ寄せをさせるようなきめ方は、これは絶対とるべきでないですからね。原料イモの価格というものは、当然これは附録第一を見ても、第二でやっても上げなければならぬということになっておるわけですから、それは上げるものは十分に上げてもらう。それを原料にして製造されたでん粉については、再生産が持続できる形の中で適正な加工経費等を計上して政府の買い入れ価格をきめてもらいたい、こういうことですが、局長としてはどう考えておりますか。
#52
○小暮説明員 加工経費の算定につきましては、なるべく実態に即した形で考えたいというふうに思います。先ほど来課長からもお答えしましたように、四十三年産の実態調査の一一六・何がしというのは、その年の特殊なあれであるというふうに思っております。
 それからなお、でん粉を団体がさばく間に、順調にさばき切れないために金利負担等があるという御指摘がございます。これを全部私どものほうでめんどうを見ることはできませんけれども、無税のコーンスターチ等の抱き合わせ比率等を具体的に決定いたします際に、ある程度そういったその年その年の実態も可能な限り織り込むような配慮はこれまでもいたしたつもりでございます。今後もそういった点については可能な限りの配慮はいたしたいというように考えております。
#53
○芳賀小委員 最後に、農安法に基づいて政府が価格を決定する場合には、まず生産者団体の意見を聞いて、それを尊重してきめなければならぬ、あるいは必要な時期に必要な数量を買い上げする場合においても、生産者団体の意見を徴しなければならぬということになっておりまして、毎年この問題は指摘しておるところですが、その決定寸前まで生産者団体の意見を聞かないというのがいままでの農林省のやり方ですが、ことしはもうその意見を求めているのですか、これからですか。
#54
○小暮説明員 これまでにも、いつも同じ問題で御指摘を受けております。やはり陳情をできるだけ積極的に承るというかっこうで、実態上の意見聴取は可能な限りつとめているつもりでございますが、役所として法に基づきまして正式に団体の意見を承るというのは、できるだけ役所側の――財政当局も含めてですが、役所側のしっかりとした腹案を固めました段階でその内容を申し上げながら意見を聴取するというのが従来のしきたりになっております。本年もそのようにいたしたいというように考えております。
#55
○芳賀小委員 局長も御承知のとおり、最近は農業団体も、たとえば食管法の改変による大きなショック、それからでん粉についてはコンスの攻撃に対する大きなショック、そういうことで、全く意気消沈して言うことも言えぬような状態だと思うのですよ。ですから、それにつけ込んで、もう農協なんというものはたいした力がないから驚くに足らぬというようなことで扱われては困ると思うんですね。だから、先方が自信を失って意気消沈して政府の命令を伺うようなことになればなるほど、やはり農政の部面においてそれを激励、鞭撻するのがあなた方の役目だと思うわけですから、聞くべきものは十分に事前に聞いて、そしてそれを最大限に取り入れて、価格決定のもう最終段階ですから、善処してもらいたいと思います。
 そこで、一昨日、私ども小委員会としては、開会前に生産者団体から陳情、要請の形で、ことしのイモ類、それからでん粉、カンショなま切り干しに対する価格上の要請を承ったわけですが、まず、原料基準価格については、カンショは、三十七・五キロ当たり昨年は三百七十円でありますが、これを本年は四百十四円にしてもらいたい。それからバレイショについては、三十七・五キロ当たり昨年の二百七十三円に対して三百三円にしてもらいたい。でん粉につきましては、カンショでん粉、これは並でん粉ですが、包装込みで三十七・五キロ当たり昨年の二千三十円に対して二千二百五十三円にしてもらいたい。バレイショでん粉については、精粉の包装込みですが、三十七・五キロ当たり去年の二千二百十円に対して二千四百三十九円にしてもらいたい。二十五キロにいたしますと、昨年は千四百七十三円で、それを千六百二十六円にしてもらいたい。三番目のカンショなま切り干しの買い入れ基準価格については、包装込み三十七・五キロに対して昨年は千四百三十五円でありますが、これを千五百九十七円にしてもらいたいというような内容の要請を受けたわけであります。十分検討いたしました結果、決してこれは不当な値上げの要請ではないというふうに私どもは判断しておるわけであります。特に原料イモの価格等については、先ほど説明がありましたとおり、附録第一、第二等を用いましても、カンショ等については四百十四円という要請価格というのは、あまりにもこれは内輪に過ぎるというふうに感ずるわけです。小島課長の説明によっても、附録第二だけでいけばこれは四百六十円になるということを言っておるのに対して、四百十四円でもう十分でございますというような要請は、まことにこれはささやかな要請だと思うのですね。ですから、こういう点は、いまの自民党政府のもとにおいても十分な配慮と努力を行なえば、これは実現可能な価格だと思うのですよ。この農業団体の要請価格、当然これは大臣から意見を求められた場合には、この価格にしてもらいたいという正式の意見が局長のほうから出されると思うわけでありますけれども、これについて、この際担当の小暮局長から見解を述べておいてもらいたいと思う。
#56
○小暮説明員 イモでん粉の処理の問題につきましては、農安法の運営あるいは関税の措置の運営ということを通じまして、私ども役所と関係の農業団体の間では、価格決定のときだけでなしに年間を通じまして密接な連絡、意思の疎通をはかりながらやってまいっておるつもりでございます。今後もそうした心がまえで事に臨んでまいりたいというふうに考えております。
 価格の問題につきましては、いろいろ御要望の意のあるところは私どもも十分承っておるつもりでございます。ただ現在の価格の基本的な性格が、これによる強制的な流通と申しますか、あるいは政府の買い上げといいますか、そういうことを意図しているものではございません。自由流通のもとにこれを一定の価格水準で下ささえする、そのことのための基準価格を定めるという性格のものでございます。必ずしも農業団体のおっしゃっております考え方のすべてに私どもが賛成できるという形のものでないことは、この際申し上げておかなければならぬと思います。しかしながら、製造加工の実態あるいはでん粉の流通の実態等につきまして十分的確な現状の理解をいたすにつきまして、農業団体から十分な助言をいただきながら、これを適切に運んでまいりたいというように考えております。
#57
○芳賀小委員 なお、四十四年の価格問題にあわして「いも、でん粉の総合対策の確立に関する要請」というものを、同時に私ども小委員会としては承ったわけですが、項目だけを申し上げますと、「一、いも作農家の生産安定に資するため、国は国内産いも、でん粉の優先消化を前提とするいも生産の生産目標を明確にすること。二、いも、でん粉の生産性向上をはかるため、基盤整備事業の実施、高性能機械の導入ならびにでん粉製造工業の合理化促進等の施策を強力に実施すること。三、国内産いも、でん粉の優先消化をはかるため、競合輸入農産物との販売調整措置を強化すること。四、価格安定対策は、国内産いも、でん粉が安定的に生産、販売され、適正な価格が形成されるとともに、でん粉工業が安定的に発展し得るものとして確立すること。五、上記総合対策は昭和四十五年四月一日より実施するよう措置すること。」私どもが見ても、これは非常に抽象的で、それでは具体的にどうすればいいかというような点については、これは特に遠慮してうたってないと思うわけですが、一番中心になるのはやはりコーンスターチ対策を、一年一年のこま切れ方式でなくて恒久的に明確にしてもらいたいということが中心の柱になると思うのです。それにつきましては一昨日局長とも論議しましたように、単に関税制度についても毎年一年ずつの暫定措置だけで延長するというようなことでなくて、たとえば関税割り当て制度というものが、現状においては農安法の完全実施とあわして、これが現実的に一番効果的であるということであれば、この暫定措置というものをむしろ恒久的に、暫定措置法によるところの一年限りの措置ということでなくて、むしろ関税定率法の本法の中においてそれを明確にするというようなことも、これは大事だと思うのです。暫定措置の場合には、これはコンス用のトウモロコシに限らず、機械類にしても油類にしても、これは大体原則は一年限りというようなことで継続しておるのが通例ですから、ここにやはり生産者団体としては大きな不安を持っておるわけです。一昨日も、その他にもいろいろ考えがある、速急に明確な方向づけをしたいということでしたから、われわれとしては大きな期待を持っておるわけですが、いずれにしても現在実行しておる制度というものを強化して、それを相当固定化さした方法で持続させるというようなことが明確にならないと、農林省の施策等についても安心して、信用して協力できないということに当然なると思うわけですから、こういう点については、私が見ても非常に抽象的ですから、四十四年度の価格決定上意見を聞く機会に、それでは総合対策として述べておる各項目ごとの具体的な内容は何であるかということを十分詰めてもらって、そしてこれらも参考にして確固たる対策というものを速急に確立してもらいたいと思うわけです。
 最後に、これに対する意見を聞かしてもらいたいと思います。
#58
○小暮説明員 基本対策の問題につきましては、御指摘の点私も十分念頭に置きまして検討を進めたいと思います。
 特に、関税定率法の臨時措置という形で事を処理してまいりましたために、毎年十二月においてこれを継続するかしないかということが議題になる。このことが、役所側と申しますか、こういう問題に比較的なれた人間の目から見れば、たとえば農業構造改善事業というようなものを市町村でやります場合に、三カ年計画でやりましょうということを話し合ってきめましても、これが裏づけとしての国の予算は、御承知のように年々国会がその年ごとにおきめになるという憲法上のたてまえになっておりますから、理屈を言えば三年先までの国の補助については何の保障もない。けれども、三年間の仕事ということでものごとをきめてやるという場合がございます。そういう場合に予算がこま切れだから心配だという不安感はあまりないわけでありますが、制度的には毎年毎年予算がきまる。それと同じような意味で、毎年たとえば暫定措置ということできめるというようなことであれば、生産者も別に不安には思わないと思います。しかしこれまでの姿は必ずしもそうでございませんで、毎年そもそもこういう保護をすることが妥当であるかどうかという基本にまでさかのぼった議論が行なわれながらも、毎年暫定措置を延ばしてきたという実態がございます。このことが生産者に非常な不安感を与えたであろうことは私どもも率直に認めざるを得ない。今後基本対策のあり方がどのようにまとまりますか、今日の段階ではまだ具体的には申し上げかねますけれども、いかような措置をとります場合でも、やはり基本的な姿勢としてイモ作の保護についてどのような形でやるかということについての態度を明確にして、それを実現するための手段、方法につきましては、税法上の手段もございましょうし、あるいはその他の手段もございましょうし、これにつきましては、やはり日本全体としてのいろいろな産業の立場あるいは制度の立場を十分調和させながら政府部内において決定する、しかしイモ作保護の基本線は明らかにしていく、こういうことについて特に努力いたしてみたいというふうに考えております。
#59
○芳賀小委員 きょうまだ局長からいつまでにきめるという話がないのですが、きょうじゅうにこれはきめるのですか、それとも明日になるか。結局日米貿易交渉が、六、七、八ときょうまで続くわけですから、そのほうについても園芸局長の所管に関係のあるものが多いですから、そういう対外的な問題等もわれわれ配慮しないわけではないのですが、きょうじゅうにきめるか、あすきめるか、その辺はどうなのですか。
 もう一つは、一体農林大臣はこの問題に関心を持って待機しておるのか、陣頭に立ってこれをきめるかまえでいるのか、その点もあわせて聞かしておいてもらいたい。
#60
○小暮説明員 多少交渉する相手がございますので、いつ幾日の何時までにというふうにちょっと申し上げかねますが、私といたしましてはできるだけ早くと申しますか、できることならば明日を目途にものを進めたいと考えております。ただ日米交渉と全く直接の利害関係がございまして、できるだけそごを来たさないように努力したいと思います。なお農林大臣とは常時緊密な連絡をとっております。
#61
○芳賀小委員 農林大臣はいま役所におるのですか。
#62
○小暮説明員 本日夜御帰京になると記憶しております。
#63
○瀬戸山委員 一昨日ときょう二日委員会があったわけですが、時間の節約上野党の諸君の質疑応答に譲ったわけであります。その間、当面のイモ類及びでん粉の価格決定について、積算の基礎とか、詳細な質疑応答がありました。与党たるわれわれも重大な関心を持っておるわけです。特に、これは言うまでもないことですが、米の問題を中心としていまわが国の農政が非常な転換の時期といいますか、内政上最大の問題は農政であろう、そういう際にこの問題が出てきておるわけですが、これは政府も最高の留意を払っておられることは十分了承しておりますけれども、農民は米の問題を中心にして将来のわが国の農業について相当な不安を持っておる。米の問題以外の一つのイモ作についても不安が伴うということであると、わが国の農業政策上将来非常に憂うべき事態になると思います。したがって、当面のイモ類の価格決定――先ほど農業団体からの陳情の趣旨の話もありましたが、これは農林当局十分御承知ですから、将来のそういう点を十分見通して、混乱のないように特にこれらの点に留意されて善処していただきたい。これだけ希望申し上げておきます。
#64
○大野小委員長 この際暫時休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後零時五十九分開議
#65
○大野小委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、おはかりいたします。本小委員会は去る十月六日及び本日の二日間にわたり、いも、でん粉等の価格に関する問題について調査を行なってきたのでありますが、本小委員会の結論を次のとおり決定いたしたいと存じます。
 なお、昨年も同様なる趣旨の決議がなされたのでありますが、遺憾ながらこれが実行にあたっては、なお施策について不十分な点があったので、本年は特に決議の趣旨を実行せられることを望むものであります。
 続いて、その結論の案文を朗読いたします。
    昭和四十四年産甘しよ及び馬鈴しよの原料基準価格並びにでん粉及び甘しよ生切干の政府買入価格等に関する件(案)
  わが国におけるいも、でん粉の生産は、近年、競合輸入農産物の増大と価格による圧迫及びその後進性等により減退し、逐年いも作農家等の経営を不安ならしめている。
  このため政府は、農産物価格安定法に基づく甘しよ及び馬鈴しよの原料基準価格並びに甘しよ生切干及びでん粉の買入価格の決定に当たつては、左記諸事項に十分留意し、いも作農家、でん粉生産者及びでん粉実需者等の経営の安定に資するよう努めるべきである。
      記
 一、いも原料基準価格については、生産費、諸物価、労賃の上昇、原料いもの生産事情等を十分に勘案し、再生産の確保が図られるよう決定すること。
 二、でん粉及び甘しよ生切干の買入基準価格については、原料運賃、加工に要する費用等を実情に即して加算し決定すること。
 三、いも作地帯の農家経営の安定に資するため、いも生産の地域別生産目標を明確にするとともに、土地基盤整備事業の実施、農業機械化の促進及び高でん粉質多収穫品種の改良普及等生産対策をさらに強化すること。
 四、地域の実情に応じた再編整備等でん粉工場の合理化を促進するとともに、でん粉工場の経営安定のため必要な融資措置を講ずること。
 五、国内産でん粉と競合するコーンスターチの生産規制措置及び現行関税割当制度の継続、販売調整措置の推進等適切な措置を講じ、国内産でん粉の優先消化を図ること。
 六、国内産いもでん粉並びに甘しよ生切干の価格が政府買入基準価格を下廻り又そのおそれが生じた場合には、政府は速かに生産者団体の申込に応じ政府買入れを行なうこと。
 七、国内産いもでん粉並びに甘しよ生切干の需給並びに価格安定のため、不足払制度又は原料輸入課徴金制度その他必要な抜本的対策を講ずるよう速かに検討すること。
以上を小委員会の結論とすることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○大野小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、本件につきましては、これを小委員長から農林水産委員会に報告するとともに、委員会において決議せられるよう提案することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○大野小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 以上の結論について、この際、政府に意見があるならば所信を求めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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