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1949/05/10 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 労働委員会 第11号
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1949/05/10 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 労働委員会 第11号

#1
第005回国会 労働委員会 第11号
昭和二十四年五月十日(火曜日)
   午前十時二十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公共企業体労働関係法の施行に関す
 る法律案(内閣送付)
○失業保險法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○労働者災害補償保險法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山田節男君) これより労働委員会を開会いたします。本委員会に付託になりました公共企業体労働関係法の施行に関する法律案、これを問題に供します。先ず本法案に対する政府の御説明をお願いいたします。
#3
○政府委員(宿谷榮一君) 只今議題になりまして、公共企業体労働関係法案の施行に関する法律案につきまして、提案理由の御説明を申上げます。
 公共企業体労働関係法案は先般成立いたしました施行期日を変更いたします法律により、今年六月一日から施行されることになつておるのでございます。これに伴いまして本年度におきましては、公共企業体労働関係法案の施行につきまして、経過措置を要することは申すまでもないのでありますが、日本國有鉄道法及び日本專賣公社法の施行に関する法律案及び國家公務員の團体の登録に関する人事院規則等との関係がございまして、今日まで経過措置に関する法律案を檢討いたしておりましたが、その調整を了しましたので、ここにこの法律案を提出いたしました次第でございます。
 この法律案は、只今申上げましたように、その殆んどが、今年度におきまして公共企業体労働関係法を施行して参ります上に必要な経過措置でございまして、第一條及び第二條は、現在國家公務員であつて六月一日から公共企業体の職員となります者が組織いたしております團体が、引続き存続いたしますのに必要な経過規定でございます。
 第三條から第五條までの規定は、公共企業体労働関係法中の期日の読み替えと、團体交渉の経過措置に関するものでございます。
 第六條は、公共企業体仲裁委員会と各調停委員会の委員に対する國家公務員法の適用に関する規定でございますが、これは各委員の選考の特殊なる方法と、その職務の特殊性によりまして、秘密保持の義務と、信用失墜に関する規定を適用するに止めたのでございます。
 第七條は、労働大臣の権限の一部を都道府縣知事に委任することのできる旨を定め、第八條は、公共企業体仲裁委員会の委員の手当、及び公共企業体仲測委員会の事務の必要上出頭を求められた者に関する費用の弁償について規定いたしております。
 以上御説明申上げましたように、この法律案は、経過措置を主といたします技術的なものでございますが、御審議の上、速かに成立いたしますようお願い申上げます。
#4
○委員長(山田節男君) それでは、続いて政府委員より逐條説明をお願いいたします。
#5
○政府委員(賀來才二郎君) 簡單に御説明を申上げます。
 第一條は、只今提案理由にも申しましたように、現在この法律の適用されるべき國鉄並びに專賣局の組合は、公務員法による組合として存在いたしておるのでありまするが、今度この法律が施行せられますと、この法律による組合となるのであります。その移り変りの際に、組合を一旦解散をして、それから新たに作るということになりますと、組合は非常に困りますので、これはそのまま本法による組合となるという経過規定を設けようとしておるのであります。
 第二項は、その際仮に解散をするというようなことがありました場合のことを予想いたしまして、その際の登記簿の整理或いは解散の際の登記の変更に関する規定を政令で定めようとしておるのであります。
 第三項につきましては、本法の第三條第三項で、この公共企業体労働関係法によります組合員は、公共企業体の職員でなければならないということになつておるのでございます。ところが今度運輸省が仮に分れますときに、一部の職員は運輸省に残りまして、その他大部分が公共企業体になるわけであります。ところで、現在の國鉄の組合は、運輸省の職員といたしまして全部が組合に参加いたしておりますので、この際に公共企業体に移る職員のみが公共企業体労働関係法によりまする組合になるのであつて、運輸省に残る職員はそうでないということを定めておるのであります。
 第四項の規定は、公共企業体労働関係法の六條によりまして、組合は組合規約にこれこれの要件を備えなければならんということになつております。その届出につきましては、六月一日からこれに該当しなければなりませんが、この規約改正その他の手続で時間を要すると認めますので、六月三十日までこれを猶予いたしておるのであります。
 第二條におきましては、この第一項の規定に、前條第一項の規定によつて組合となりましたものは、本年の六月三十日までは、その規約が法第六條の規定、即ちこの法六條におきましては、例えば会計に関する監査人の規定を置かなければならんということがあるのでありまするが、施行と同時にそれを適用されますると、この組合の資格がなくなつて、そうして本法によりまする手続に参與できないというようなことになりますと困りますので、この六月三十日までは、本法六條の必要記載事項は備えなくても、本法によりまする権利を受け、手続に参與することができるというような経過規定でございます。
 第三條におきましては、組合の單位の届出が、いわゆる公共企業体労働関係法におきましては一月三十一日とありまするのを、今度六月二十日までにするというふうに経過規定を置こうといたしておるのであります。
 第二項は、やはり公共企業体労働関係法におきまして、組合員の交渉委員の氏名届出及び公共企業体の交渉委員の通知というものが、毎年二十五日までにせなければならんとありますのを、今度は七月十日までにするということにいたしておるのであります。
 それから第三項につきましては、交渉委員の任期でありまして、これは一ヶ年、四月一日から三月三十一日までとしてありまするのを、今度は、これが決りましてから來年の三月三十一日までにするというのであります。
 第四條は、調停委員会に関する経過措置でありまして、調停委員会の調停委員の名簿の提出は、公共企業体労働関係法によりますると三月二十五日ということになつておりまするのを、中央におきまするものにつきましては七月三十日までとし、地方におきまするものにつきましては、これは政令の定める日とするということにいたしたいというふうに考えております。これは地方は、中央の委員会ができまして、その勧告に基いてどことどこに置くということを決められるのでありますから、先ず中央ができましてから、その中央の委員会の意見を聞きまして、それによつて政令で設置の日を定めようというので、「政令の定める日」ということにいたしておるのであります。
 第二項は、調停委員会の委員の任期、これもやはり四月一日から三月三十一日までとありまするのを、今度は委嘱された日から三月三十一日までとするということにいたしておるのであります。
 それからその第三項は、各地方におきまする調停委員会が設置されまするのは、先程申しましたように、中央の委員会ができまして、その委員会の意見を聞きまして地方にできるのであります。地方にできますものは、國鉄にありましては、大体鉄道局管内に、一鉄道局に一ヶ所作るというふうな予定をいたしておるわけでありまして、それが先ず鉄道局管内のことを扱う、それから中央が全國的のものを扱うということになつておりますが、中央の方が先にできまして、地方は後になるわけでありますから、その間の地方におきまする事件は、中央がこれに代つて扱うという経過規定であります。
 第五條は、最初の交渉委員が決定するまで、全共企業体とその組合は、法第九條第一項の規定に基き、交渉委員でない者で交渉することができる。即ち、交渉委員の通知又は届出は、第三條の二項によりまして、七月十日までになつております。この間いろいろ問題がありましたときに、交渉ができないことになりますので、その間は規定によりまする交渉委員の外の者でも團体交渉ができるという経過規定であります。
 第六條は、これは組合法におきましては、大体委員は一般職になつておりまして、これは人事院規則の例外規定が適用されるというふうなことになつているのでありますが、公共企業体の委員につきましては、第一にこの組合が関係者のうちから選んで参るわけでありまして、國鉄という一定の業務の範囲に限られている、專賣は專賣関係という業務の範囲に限られているのであります。それと同時に普通の労働委員会はその選任の方法が異なつているわけであります。從いまして、非常に範囲の狹いところから特別の方法で選ぶということになりますので、一般職の規定を適用するということになりますこと、委員の適任者が得にくいというような関係もありますので、單に公務員法のうちで秘密保持の義務、又信用を保持する義務という程度をこれに適用するという例外規定であります。
 第七條は労働大臣が持つておりまする権限について、これは全國に亘る仕事でありまして、どうしても労働大臣直接できないこと、たとえて申しますと、組合の届出、或いはこの審査、交渉單位、交渉委員の届出を受理しますとか、或いはこの單位決定のときにその問題を起しました場合には、これが資格を決定して行くわけでありますが、これらの手続につきましては労働大臣が持つておりまする権限をその土地の都道府縣知事に委任することができるという規定であります。
 第八條につきましては、実はこの公共企業体の労働関係法を作りますときには大体仲裁委員というものは、專任の形で行こうという予定でおつたのであります。從つて調停委員に関しまする手当の規定はありましたが、仲裁委員についての手当の規定はなかつたのであります。今度この際に仲裁委員が專任でないという建前からいたしまして、その手当に関する規定は政令で定めるということにいたした次第であります。
#6
○委員長(山田節男君) 本案に対しまして御質疑がございましたらどうぞお願いいたします。
#7
○村尾重雄君 前に四月一日発足が人事院の関係上、六月一日にされました。六月一日に鉄道及び專賣公社が発足することは大体間違いないのですか。
#8
○政府委員(賀來才二郎君) 目下のところはこの関係施行法は皆上程されておりますので間違いないものと考えております。
#9
○村尾重雄君 この施行に当つて私はまだ明確じやないのですが、例えば労働組合の、この公共企業企業体として発足することについて、例えば委員の選び方とか、そのいろいろな人事は、大体その関係事務当局と労働組合側との意思を聞いた上で何日までと願つてやるのですか。
#10
○政府委員(賀來才二郎君) これは労働関係法と、公共企業体労働関係法を提案いたしましたときも御説明申上げましたように、この施行につきましては成るべく円滑に行くようにというので、常時事務当局並びに組合当局を打合わせて参つております。今度の場合でも、昨日も專賣局組合員が参りまして、まあ大体これでいいということになつておつたのであるが、今度の大会が六月の中頃になるのでどうだろうという相談に來ておりますので、それは十分取計らうからというようにやつております。
#11
○田村文吉君 第六條の説明がちよつとはつり呑込めなかつたのですが、一般の公務員ではあるのだが、公共企業体が認可になつた場合には公務員法の一般職から除くということになるのですか。普通の仕事をしている場合にはやはり公務員としてのあれを受けるわけですか。どうなんですか。
#12
○説明員(和田勝美君) 御説明申上げます。この調停委員会と仲裁委員会との委員は、國から給與を貰つておりまする國家公務員になるわけであります。で國家公務員は特別職と一般職に分れますことは御存じの通りでございますが、特別職の中に一應入つておりませんので、一般職になるわけであります。そういたしますと、國家公務員法が全面的に適用になりますので、先程局長が逐條説明で御説明申上げましたように、それではこの選任方法等からいいまして不適当である。それで國家公務員法附則の第十三條がございまして、職務の特殊性に基いて法律又は人事院規則で例外規定を設けることができるということがございます。それでこの例外を設けたのであります。
#13
○田村文吉君 そうしますと、調停委員になつた場合には一般の仕事というものはもうできないことになるわけですか。
#14
○説明員(和田勝美君) そういうことになりますと非常に不都合だと思いましたので、兼職禁止等の規定を外したわけであります。だから兼職はできることになるわけであります。これは尚附加えますと、先程局長からも御説明申上げましたように、全部フル・タイムの職員でございませんで、全部パート・タイムでその時ごとだけの建前の委員であります。それが兼職禁止をされるということは生活條件や何かから考えまして不適当だというので、全部そういうのを外したのであります。
#15
○田村文吉君 そうすと副職禁止はできないから両方兼務されるわけでありますか。その職務の上のといいますが、つまり一般の仕事をしておる場合には、公務員法の規定を受けて、この調停委員になつた場合の行動だけが國家公務員の一般職から外されるとこういうふうに解釈するのでありますか。
#16
○説明員(和田勝美君) 一應は一般の國家公務員でございますので、常時國家公務員法の適用を受けるわけでございますが、この六條、この三ヶ條にだけに限つておりますので、一般の業務をやつて行く上におきまして國家公務員法の適用は実質的にはないことになるのであります。この三ヶ條の規定は信用を失墜せざること及び職務上知つた秘密は漏らさないこと、それに関する罰則でございますので、一般職務を行なつて参ります上においては全然支障がないようにいたしたい、そういうように考えましたのが六條であります。
#17
○田村文吉君 何だか一人の人格者が或る場合には一般職になり、或る場合には特別職になるという形になりませんでしようか。どうもそこがよく呑込めないのですが……。
#18
○説明員(和田勝美君) 特別職になり一般職になるということではございませんので、國家公務員法の建前ですと、一應國から給與を貰いますので全部國家公務員になつてしまいます。そうしますと國家公務員法を全部被りまして、その人の生活については國家公務員法は一應法的には支配して行くことになります。そうすると非常に不適当である、そういう意味合からいたしましてこの規定を置いた、こういうふうにしたのであります。
#19
○田村文吉君 何だか一人の人格者が、公務員が一般職になつたり特別職になつたりするのじやないかという疑いを持つのですが、そういうことにならないのですか。
#20
○説明員(和田勝美君) 兼務の場合は二つの人格を持つことになります。
#21
○田村文吉君 一人の人が兼務を持つた場件には公務員の一般職になつたり又特別職になつたりする、こういうことですね。
#22
○説明員(和田勝美君) 特別職ではございませんのですが、特別職には、これは先程御説明申上げましたように、一般職であることには間違いないのでございますが、一般職でありながら國家公務員法の適用が非常に制限された形でございますから、実質的の活動においては丁度國家公務員でないような活動ができるようになつておるわけであります。
#23
○田村文吉君 他にそういう例が今度できるのですか。外にもこういう例ができますか。
#24
○説明員(和田勝美君) 只今のところ法律的にはこの公共企業体の調停委員と仲裁委員だけのようでございます。併し最近人事院規則が制定をされる雲行になつておりますが、併しまだその内容が非常に未確定でそれは特殊の職務でありますが、この調停委員や仲裁委員程特殊なものについてまで及ばないようでございますから、そういう意味で非常に特殊性があるということからこの法律で規定したいこういうように考えたのであります。
#25
○田村文吉君 実際の運用の上で、現在御考察の届く限りにおいては、支障が起らないということであれば私共も何も問題はないのですが、なんだかちよつと二重人格みたいな形で、そういう不都合が起つて來るような氣がするのですが、その点について御当局で御自信があれば私共の方で問題はないと思います。大丈夫でございますか。
#26
○政府委員(賀來才二郎君) この規定を置きましたのは、先程申しましたように実際の必要からかような例外規定を設けたのであります。運用の場合におきましては、我々といたしましては人事院とも打合わせておりまするし、これで支障なくできるものという考えを持つておるのであります。尚念のために申上げますと、実はこれは普通例えて申しますなら、國鉄の調停委員になつて來られる方は、公共企業体の國有鉄道側では、まあ失礼な例でありますけれども、今まで國売鉄道に長くおられた方で、よく事情の分つた方で、民間に現在おられるという方を委員にいたしますときに、この人が一般職になるわけなんでありますが、その際に全面公務員法を適用されますと、そういう方はいわゆる兼職はできない、いろいろなことを選ぶことができないというので特例を適用したのであります。併し御質問のような場合で、一人の人間が一般職であつて全面適用を受けながら、委員になつたときには、この例外だけが適用を受けるというふうな場合、先程説明委員から申しましたように、現在例えば商大の学長中山先生がこの委員になる。学長といたしましては一般職、公務員として全面適用を受けておる。ところでそうなりますと兼職は禁止されておるわけであります。でその場合には、人事院規則ができますれば、特に例外的に中山先生のこの調停委員としての兼務を認めるということができる筈なんでありますが、これが現在では人事院規則がはつきりしておりませんので、非常にそれはむずかしい。そこでこういうふうなことになりますと、それらが除かれることができる。実際の運営につきましてはこうして頂いた方が結構でありますし、又かように規定すればスムーズにものが解決できると考えております。
#27
○村尾重雄君 鉄道並びに專賣公社の調停委員及び仲裁委員、これらが國家公務員法の適用を受けるのだが、ただ受けるのは、第九十九條並びに第百條、それから百九條十三号のみ適用を受けるというように解釈したらいいのですか。
#28
○政府委員(賀來才二郎君) そり通りでございます。
#29
○田村文吉君 一般の鉄道の職員がこれになる場合が多いのじやございませんか。
#30
○説明員(和田勝美君) 御説明申上げます。鉄道職員は、実は專賣公社法と國有鉄道法との関係で、少し差異があるのでございます。即ち國有鉄道の職員は、國有鉄道法で以て政府職員にはなれない。專賣公社法は、職員が政府職員になることができるわけであります。六條の規定によりまして、一應この調停委員、仲裁委員になる委員は政府職員ということに、そこが違つてる、政府職員ということになる。國鉄はなれない、專賣の方はなれる。実際的な、具体的な場合には、恐らく專賣の場合は、專賣の職員がこれになることが多かろう。公共企業体の職員になつた者が多かろうと思います。
#31
○委員長(山田節男君) 外に御質問ございませんか。別に御発言もないようでございますから、次に移ります。
#32
○委員長(山田節男君) 昨日問題となりました労災保險の第三十二條の延滯金の問題に関しまして大藏大臣の出席を求めておりますが、今閣議中でありまして、閣議の済み次第こちらにお見えになることになつております。尚それに関連いたしまして、失業保險法の方の延滯金の問題、三十六條にございまするので、失業保險法の一部を改正する法律案の御審議を願うことにいたします。先ず政府委員より衆議院で行われました修正案について御説明を願います。
#33
○政府委員(齋藤邦吉君) 私から失業保險法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院の方で修正がありましたので、その点を御説明申上げたいと存じます。修正の法律案から申上げますと、失業保險法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。「第五條及び第六條を次のように改める。」を「第六條を次のように改める。」に改める。第五條を削る。この点でございます。政府の提出いたしました原案におきましては、保險料を算定する基準となりまする賃金には、臨時に支拂われるもの及び三ヶ月を超える期間ごとに支拂われるもの、即ち賞與等のごときものがございますので、これは保險料算定の基礎となる賃金には加えてありまするが、失業保險金の支給の際に当りましては、その保險金支給の基準となりまする賃金には、臨時に支拂われるもの及び三ヶ月を超える期間ごとに支拂われるものを除外しておるのでございます。これに対しまして第五條を削るというのでありまして、改正法律の第五條を削りまして、現行法に戻すという改正であります。現行法に戻すということになりますと、現行法の第五條は「保險料及び失業保險金の額は、被保險者の賃金に基いて、これを算定する。」とあります。その賃金の定義は、この改正法律第四條にありまするように、臨時のものと三ヶ月を超える期間ごとに支拂われるものを削つてありますので、すべての賃金ということになるわけでございます。即ち衆議院の修正案によりまして、保險料の算定の基礎となる賃金のみならず、失業保險金を支給する際の基準となる賃金にも、臨時に支拂われるもの及び三ヶ月を超える期間ごとに支拂われるものを含めて計算をする、かようなことに相成るのでございます。そこで保險金の算定の基礎となる賃金に臨時の給與を加えるということになりますと、その間に時期的な不公平を生じますので、保險金の日額計算の際の別な規定を設けることといたしたのでございます。それが修正案の第二番目の点でございます。即ち第十七條の二の第一項を次のように改める。「賃金日額は、被保險者の離職した月前において第十四條の被保險期間として計算された最後の六月(月の末日において離職した場合は、その月及びその前五月)に支拂われた賃金の総額を百八十で除して得た額とする。」これが修正案であります。政府提出の改正案によりましては、賃金日額、保險金支給の場合の基礎となる貸金には、先程も申上げましたように、政府原案では臨時給與を含めておりませんので賃金日額の計算をする場合におきましては、この改正法案の第十七條の二の第一項にありますように、離職前二ヶ月但し月の末日に離職いたしました場合はその月及びその前月、即ち離職前二月に支拂われる賃金総額を六十で除すということになつておるのでありますが、今回は臨時給與を入れることということになりますると、時期的な不公平を除去いたしますために、修正案のように六月の総賃金を百八十で除して得た額を賃金日額としよう、こういうふうなことに相成つたのでございます。即ち保險金支給の基準となるところの賃金に、保險料の際と同じように臨時給與を加えて行うことがこの修正案の骨子であるのでございます。以上甚だ簡單でございますが、衆議院の修正案を御説明申上げた次第であります。
#34
○小串清一君 この條文の「但し、その二ヶ月間における云々の但書は、その前に書いておくのですか。それはみんな取るのですか。
#35
○政府委員(齋藤邦吉君) 但書全部を削るわけでございます。即ち第十七條の二の第一項を全部変えるわけでございます。
#36
○小串清一君 後は切捨ててしまう……。
#37
○政府委員(齋藤邦吉君) さようでございます。後は直ぐ二項に続くこういうわけでございます。
#38
○委員長(山田節男君) 続きまして改正法案の第六條、第七條、第八條、第九條、第十條、第十一條、第十二條、までの件の御質疑をお願いいたします。
#39
○田村文吉君 第六條の第二項、第三項ですが、全体に関係することでありますが、病院のお医者さんや、学校の事務員は被保險者になるのですか、ならないのですか。
#40
○政府委員(龜井光君) 病院はこの第六條第一項の二の規定で適用をされますが、その病院が法人でありまする場合にはその二項の規定によりまして、その事務所に雇用されます職員は適用を受けるということになるわけでございます。
#41
○田村文吉君 そこで伺うのですが、医者は一体事務所に勤める人になるのですか、そうでないのですか。それを伺いたい。
#42
○政府委員(龜井光君) 医者は事務所に勤める職員とみなさないのでございます。
#43
○田村文吉君 そうすると、事務の会計をやるとか金銭出納をやるとかの人だけがこの対象になつて、そうでない人はならない、こういう意味ですか。
#44
○政府委員(龜井光君) その通りでございます。
#45
○田村文吉君 どういうわけでそこに差別をする必要があるのですか。
#46
○政府委員(齋藤邦吉君) 御承知のように一項で除きましたのは保健衞生の事業、それから教育、調査、研究の事業、大体こうした事業は私共の考えるところによりますると、失業の危險性が極めて少いものではないだろうか、こう考えておるわけでございます。即ち失業保險の対象として考えますときには、産業経済の事情の変更によりまして失業の危險が多い事業、そうしたものを大体選ぶという建前にいたしておりまするので、教育、研究、調査、或いは保險衞生、或いは社会事業といつたふうな事業は大体におきまして失業の危險性の余りないものである、こういう意味合からいたしまして除外いたしているような次第でございます。
#47
○田村文吉君 学校の事務員は入るし、教員は入らないのですか。
#48
○政府委員(齋藤邦吉君) その場合には第二項の法人の場合にはその事務職員は入るわけでございます。二項の法人でありまする場合には、その事務所に雇用される事務職員は含む、かように考えております。
#49
○田村文吉君 そうすると國でやつているものはどうなるのですか。
#50
○政府委員(齋藤邦吉君) 國、都道府縣、市町村等に使用される者はこれはすべて三項にありますように失業保險の適用を受けるのでございます。併しながらこれにつきましては第一條によりまして適用除外の手続がありまして、失業保險の一應対象にはなりまするけれども、失業保險法の規定しておりまするような保險給付よりも上廻つた退隠料の規定を定めておりまする場合には、都道府縣がそうした退隠料によるところの條例の定めるところによつて参りまして、失業保險法の直接の対象にはしない、こういうことに相成つております。
#51
○田村文吉君 そういう理由では甚だ私は薄弱だと思うのですが、例えば民間なんかより以上の手当をする場合もあるのですが、そういうことに差別は私はないと思うのですが、國でやつている教職員、それから医者、そういうようなものを何故除かれなければならないかということですね、問題は……。
#52
○政府委員(龜井光君) 政府の職員につきまして、この法律の適用の除外を第七條で認めておりまする趣旨は、この保險といたしましては國庫が給付に要しまする費用の三分の一を負担するわけでございます。これは一般会計からの受入によりまして、即ち國民の税金で賄われるわけでございます。それから又官吏が退職しまする際に退職金を政府から支給されるのでございますが、これも亦國民の税金から成つておりまする一般会計から支出されるというふうなことでございまして、國民に二重の負担をかける、一つの保護をいたしますのに……。そういうことを避けるために失業保險に入るか、或いは失業保險の給付以上の退職手当が支給される場合は適用を除外するという趣旨で七條が認められておるわけであります。
#53
○田村文吉君 実際の運営ではどうなさる御予定でございますか、学校の先生方や病院のお医者さん方は七條で除いてやろうというお考えなんですか、どういうお考えですか。
#54
○政府委員(龜井光君) 現在におきましては法律第百六十七号という規定がございまして、その根拠に基きまして大藏省の方で定めておりまする退職給與準則というものがございまして、これの適用をそういう学校の先生方や國立の病院の先生方も適用を受けるわけでありまして、実質的には失業保險金の給付と同じ程度以上の退職金の支給を現在受けることになつております。從つて適用除外を受けたと同じ形になつております。
#55
○田村文吉君 そういうものを受けられるものは何かあとで一つお知らせを頂けば結構でございますが、学校の先生は入らんとか、医者は入らんとか、この第一項の各号に載つけたものですね、それは大体そうすると皆お入れにならない御予定ですか。そうすると学校の今の学生課というようなものは入るのですか、入らんのですか。
#56
○政府委員(龜井光君) その学校が私立学校でございまして、法人でございます場合は今の二号で事務職員に入るという形になるわけであります。
#57
○田村文吉君 公法人の場合は入らないのですか。
#58
○政府委員(龜井光君) 公法人の場合には只今の退職給與が十分支給されますから保護がそれで行けるというわけであります。
#59
○田村文吉君 次に第七條に「諸給與の内容が」ということがございますが、これは元は「恩給、退隠料その他」という文字が書いてあつたのですが、諸給與というと一時資金のものも皆んな入るのですか。どういうふうに算定するのですか。
#60
○政府委員(龜井光君) 現行法におきましては、「恩給、退隠料その他」と謳つてありますが、実は年金のような恩給につきましては、その者の生存年数その他一体死ぬまでに幾ら支給をされるかということにつきましての細かい資料がございませんものですから、現実の面といたしましては、只今申しました法律第百六十七号に基く退職手当金、これだけを言いましてその退職手当金が一般の被保險者に支給されます賃金の六〇%の六ヶ月分の、これの額と比べて高い場合は適用を除外するというような処置を取つております。
#61
○田村文吉君 そうするとこれは恩給は入らんのですか。
#62
○政府委員(龜井光君) 現行法では事実上入れておりませんものですから、今回の改正でははつきりこれを除きたいという趣旨で改正案を出したわけであります。
#63
○田村文吉君 そうするとはつきり旧法と変つておる点は恩給というものは全然今度入れない。
#64
○政府委員(龜井光君) その通りでございます。
#65
○田村文吉君 その点について非常に大きな事柄なんですが、これをぼかしてぽつとやつておられると分らなくなつてしまう、恩給は除くのですね。
#66
○政府委員(龜井光君) はあ。
#67
○田村文吉君 それはどういう意味ですか。
#68
○政府委員(龜井光君) これは只今申上げましたように非常に計算がむずかしいのでございまして、各人によりまして死ぬまでにどれくらい貰うかということの計算ができませんので、その内容を比べてみるのはなかなかむずかしいのであります。
#69
○田村文吉君 却つて恩給はその年から幾ら貰うということが分るのですから、はつきりした給與だからそれだけはお引きになるというなら却つて分りいいのですが、むしろ一時金の方が私にはちよつと分らない。一時金をどういうふうに算定するかということは丸でこれでは失業保險法ではなくて失業手当法なんで、ただ辞めたというときに退職金をくれるという一つの考え方でおいでになるというのか。保險法ということであるならば、そうではなく、今では金がないからできないけれども一年のうち百六十日分だけくれるというのでなく、失業しておるならば一年でも二年でもやるというのが本当なんです。そういう決つて入る恩給のようなものは差つ引いていいが、一時金のようなものを勘定に入れることになると、民間との関係上、民間では実によくやつておるのです。そうすると一体こんなものは何も必要なくなつてくる。こういう考え方になり勝ちなんですが、その持つていらつしやつた論拠がどうも私不明瞭に思うのですがね。
#70
○政府委員(龜井光君) この諸給與につきまして、その支給の仕方等は失業保險と同じようにいたすのであります。即ちやめました時に保險で認められておりまする一月の賃金の六〇%の六ヶ月分という総額を一時に渡すのではございませんで、失業保險法の支給と同じように、その人の失業を認定をいたしまして、失業者であるということが確実に分つた場合におきまして支給する。大体保險と同じような仕組で支給する建前になつておるわけでございます。
#71
○田村文吉君 今度の行政整理に関係する人で、失業保險に入つておるというものはないのですか。
#72
○政府委員(龜井光君) 全部七條で適用除外を受けております。併しやめます場合には只今申しますような保護を受けるわけでございます。その点は差支ないと思います。
#73
○田村文吉君 全然官吏は全部除くとしてしまつたこととどう違いますか。
#74
○政府委員(龜井光君) その点につきましては、一應それでいいのでございますが、町村のような小さい財政の負担の困るところですと一時に退職金を出すよりも、保險料を出してやつた方がよろしいというようなところもございますから。
#75
○田村文吉君 事実その通りやつておるところがございますか。
#76
○政府委員(龜井光君) 相当ございます。小さな町村でございますと、保險の適用を受けております。
#77
○田村文吉君 委員長何條までですか。
#78
○委員長(山田節男君) 十一條までです。
#79
○田村文吉君 これは訂正が出ておつたかも知れませんが、対照表で第十條の本文と大分違つているのでございますが、御承知でございましようか、第十條の五行目。
#80
○政府委員(龜井光君) これは実はミスプリントでございまして、お手許にございます法案の方が正額でございます。
#81
○田村文吉君 本文の方がいいわけですね。
#82
○政府委員(龜井光君) さようでございます。
#83
○田村文吉君 そこでちよつと甚だこれは文章の点を申上げるようで恐縮でございますが、第十條の文面ですけれども、第二行目の「但し第一号に該当する者が第三十八條の三第一項各号の一に該当するに至つた場合若しくは二月の各月において十八日以上若しくは六月において通算して六十日以上同一事業主に雇用されるに至つた場合、」つまり場合場合でお切りになつて、最後に「又は」とあるならば分るのですが、「……各号の一に該当するに至つた場合」その若しくはというのは、その次に出て來る「若しくは」と対照的にお入れになつた意味の「若しくは」ならばない方がいいし、そうでなくて、「又は」と同じような意味でここにお入れになるならば尚不都合だし、甚だ法律條文として体裁をなさんように考えますが、その点は如何でございますか。
#84
○政府委員(龜井光君) これは「第一号に該当する者」からずつと引続きまして、四頁の二行目の「雇用されるに至つた場合、」これまでに全部関連するのでございますから、その中で書き分けるといたしますると、「又は」で大きく括りますと、あとの大きく來る「又は」と混同を來すということで、「若しくは」と二つ使つた次第であります。「該当するに至つた場合若しくは二月の各月において十八日以上若しくは」とここに「若しくは」となければいいけれども、「十八日以上若しくは」とそこに「若しくは」とあるものですから、誠にどうも読んでみておかしいのであります。
#85
○政府委員(龜井光君) ですからこれだけを取つて参りますとこういうふうなことになる。前の「第一号に該当する者が第三十八條の三第一項各号の一に該当するに至つた場合又は」ここで切るのが本当でございます。そうして次に「若しくは」として二つのフレーズが「同一事業主に雇用されるに至つた場合」にかかる。そうしてあとに大きく「又は」が來るのでございますから、ここに「又は」が使いにくかつたのであります。ちよつと形としてはまずいのであります。
#86
○田村文吉君 誠に法律としては余りお出來が上等でないと思うのでありますが……。
#87
○政府委員(龜井光君) これは字句の使い方上どうしてもこういうふうにならざるを得なつたと思うのであります。
#88
○田村文吉君 前の「若しくは」がなくなればよかつた。
#89
○政府委員(龜井光君) ただこれは先程申上げましたように、第一号に該当する者が、次の四頁の二行目の「至つた場合」までに主語がかかるものですから……。
#90
○田村文吉君 「至つた場合」即ち二月の各月において十八日以上六月までと、こうお切りになつていれば、それは文章になるんですが、そうでなくて、ここに若しくはとあるのがちよつとおかしい。それから序でですが、これはあれですか、『若しくは二月の各月において十八日以上若しくは六月において通算して、」この二月、六月とお書きになると、やはりフエブリユアリーとジユーンの意味になるんですが、こういう書き方は、非常に日本文をお使いになる場合に私は不都合だと思うんですが、これは前二ヶ月とか前という字があるんじやないか。
#91
○政府委員(龜井光君) これの二月と申しますのは、暦の月をいつておるわけでございます。二つの暦の月、後のは六つの暦の月という意味です。
#92
○田村文吉君 その点分るんですが、前という字は要らないのですか。
#93
○政府委員(龜井光君) これは抽象的な原則を書いたのでございまして、前というのを書きますと何を基準として前というかということで、一應抽象的の原則ということでこういうふうな書き方にいたしました。
#94
○田村文吉君 それから法律全部の條文が、二月、六月と書いてありまして意味は分りますが、これは「ふたつき」と「むつき」と御発音なさる御趣旨かと思うのでありますが、併しその他の在來あつた條文は、全部二箇月という字を書いてある。これを特に間違い易い用語にお改めになつたのはおかしいですが、はつきり二ヶ月なら二ヶ月ということをお書きになつたら如何ですか。
#95
○政府委員(龜井光君) この中で、暦の月をとります月と三十日間と期間をとります月と、二つ使い分けをいたします。二ヶ月という場合は六十日という期間を指しております。その点の使い分けがございますために、こういう箇を附けないものと附けるものと表現を喫えているわけであります。
#96
○田村文吉君 だけれども日本人が読みますと、「若しくは二月の各月において十八日以上若しくは六月において」というこれは、どうしてもフエブリユアリーと、ジユーンということになりますよ。こういう用言の使い方は私はもう少しはつきりとさして行くということが必要じやないかと思うので、これはここだけじやなく至るところでお使いになつている。こういうことはいつから始まつたのか知りませんが、今度初めてなら止めて頂きたいし、大分前からお使いになつておると思いますが、どうなんですか。
#97
○政府委員(龜井光君) これは前からの用語でございまするが、今度又改正の機会もございましたならば、よく法制局とも打合せまして分りよいように直したいと思います。
#98
○田村文吉君 それから第十一條の場合に前の字がないと都合が惡いんじやないでしようか。十一條で「至つた日(前條第一号に掲げる者であつて、二月の各月において)」とか、前二ヶ月の各月において、そういう点がどうもはつきりしませんのですが、どうお考えになります。
#99
○政府委員(龜井光君) これは十條の、只今申上げましたことと関連をいたしまする関係上、それと歩調を合せたいという、まあ原則的な事項でございますので、それで「前」という漢字は括弧の一番最後の、「その翌月の最初の日」ということでまあ表現したいというつもりだつたのでございます。
#100
○田村文吉君 昔は一箇の箇の字を使つたが、今その字は使つてありませんか。
#101
○政府委員(龜井光君) それは使つてあります。二箇月と申しますと期間を指しておるわけでございます。六十日というそういう意味の場合においては使つております。これは暦月を指す場合におきましては箇を使わないという用語例で來たわけでございます。日雇の場合におきましては、すべて暦月で計算をして参つております。從つてこういう表現をしなければならないということになるわけでございます。
#102
○田村文吉君 第十二條までですね。
#103
○委員長(山田節男君) 十二條までです。
 外に御質問ございませんようですから次は第十六條から二十條まで御審議を願います。第十二條の四まで。
#104
○田村文吉君 第十六條の失業認定ですね。失業の認定の場合に、「一週間に二回ずつ、これを行うものとする。」というのですが、この意味は一週間に二回ずつ本人がずつと続けて行かなければならん……、いつまで続けて行つたら認定されるのですか。
#105
○政府委員(龜井光君) 失業の認定は結局保險金の支給と結び付くわけでございまして、失業の認定を受けました期間だけの保險金を一週間に一回ずつ支給するということでございまして、保險金の支給が終るまでこの認定が続くということになるわけでございます。
#106
○田村文吉君 そうするとこの第二項の失業の認定という意味は、失業保險金の給付を受ける間という意味ですね。
#107
○政府委員(龜井光君) その通りでございます。
#108
○田村文吉君 ちよつとおかしいですねどうも。
#109
○政府委員(龜井光君) 改正してございません本文第一項を御覽になると分りますように、「前條の規定に該当する者(以下受給資格者という。)が失業保險金の支給を受けるには、離職後、命令の定めるところによつて、公共職業安定所に出頭し求職の申込をした上、失業の認定を受けなければならない。」この原則がございまして、この二項が続くわけでございます。
#110
○田村文吉君 そこで「失業の認定は、」となつておるものですから、前項との繋がりからいつても、失業の認定を受けるということと、保險金を貰つておる間は一週間に二回ずつ出るということと、ちよつと連鎖がないものですからね、ちよつとおかしい。誰しも失業の認定、私を失業者と見てくれるというのは一週間に二回ずつ行つて、何週間行つたら認めてくれるのだろうかということが感じられるような文章ならいいが、そうじやないでしようか。
#111
○政府委員(龜井光君) これは先程朗読いたしました第一項と結び付けて御覽願いますと……、これだけ見ますとそういうふうな御疑問は起りますが、改正されておりません第一項を御覽願いますと、それがお分りになるんじやないかと思います。即ち保險金の支給を受けるためには、安定所に出頭して失業の認定を受けなければならないという前提がございます。從つて保險金の支給が終つたら失業の認定は受ける必要はないという解釈になるわけです。
#112
○田村文吉君 御趣旨がそういう趣旨ならば、はつきりと分つてよろしうございますが、第一項があるからとおつしやるが、一項を読めば読むほど二項の「失業の認定は」ということが、尚おかしくなる。こういう曖昧な字句をお使いにならないで、もつとはつきりと一つおやりになつたらどうか、こう思うのですがね。それから十七條の二でございますが、病氣で二月も三月も休んでおりまして、失業保險金を貰うときになると日額は勤務した日数ございますから変りないようでございますけれども、一般の今の事業所になりますと健康で勤めておりますときには、或いは食事手当が付くとか或いは皆勤賞與が附くとかというので、大分違うのでありますが、病氣していて、終いに失業するというような場合がかなり多いと思うのです。二月も病氣してから癒らない、癒らないからまあ罷めて貰うより仕方がない。その場合に前の成績で貰つた賃金によつて勘定するという場合は、一番世の中に不幸な人がどうも割の惡いような勘定になるかと思うのでありますが、何かそれに対して救済規定等のようなものは考えておりませんか。
#113
○政府委員(龜井光君) その点につきましては、第十七條の第二項の二で最低の保障をいたしておるわけでございます。即ち賃金が日々支拂われる者等につきましては、労働した日で割りまして、そうして日額を出しておる。それを百分の七十まで最低保障をしようということになつております。労働基準法はこの点は百分の六十でございますが、失業保險は失業者であるという特殊な関係から、最低保障の限度を上げておるような次第でございます。
#114
○田村文吉君 百分の七十を保障するからいいじやないかというが、百分の七十を貰うのじやなくてそれの又六割になるのでございますからね。それで削られるようになると困るから、殊に請負しておつたような人が病氣で失業するような場合になると、殆んど助かる道がない。百分の七十になりますかなりませんか知りまんが、そういう場合の何か救済の方法が考えられていいのじやないかと思いますが……。請負制度でございまして病氣で休んでおりますともうないのでございますからね。そうしてお前はもう長く休んでおるし、とても会社でも困るから一つ辞めて貰いたいと、失業した場合にその人たちの助かる方法がない、どういう方法で助けるか……。
#115
○政府委員(龜井光君) 確かに今お話のございました点は我々としても今まで氣付いておりましたが、なかなかいい案がございませんものでございますから、一應この最低保障という線で保護して参りたいと思つておりますが、今後もう一層研究いたしまして、実情に合うような保障をしたいと思つております。
#116
○委員長(山田節男君) それでは続きまして次は第二十一條から第三十六條まで、それから尚この第三十六條の延滯金の問題は、只今も大藏大臣に連絡いたしましたが、今閣議で発言中だそうでございまして、終り次第直ちにこちらに出席されるとのことでございます。
#117
○田村文吉君 この失業保險というものの根本について、私少し疑念を持つておるのでありますが、第三十二條の大要は事業主と使用人が半分ずつ出すということを原則とすると、それはどちらにしてもでありますけれども、その観念は何でございますか、私ちつとも勉強していないので分らないのでございますが、ヨーロツパ、アメリカあたりではどういうふうな考え方になつておるのでございましようか。その点を一つ、根本観念をですね。なぜ事業者とあれは半々に負担するのが原則であるのかということを一つお知らせ頂きたいのです。実はこの失業保險の問題は各会社工場におきまして、それぞれ退職金というようなものの制度で可なり莫大に支拂うようになつておる。その上に失業保險があるのだが、一体失業保險を失職した場合に受ける利益は被保險者が受けるのでありまして、事業主はそれのために半分を負担してやると、こういう点が政府と非被保險者とで完成な失業保險を持つて頂きということは、これは分るからいいのでありますが、そうでなくて事業主が半分を負担するということが、どうも理念的には余りはつきりしていないのです。そういう意味で、どういう理念からこれは一体出発しておるか、海外の例はどうか、これを一つお尋ねいたします。
#118
○政府委員(龜井光君) 各國で行われておりまする失業保險の運営の方法は大体二つに分けられると思います。一つはいわゆるコンペンセーシヨン、保障という観念から來ておるのであります。これはアメリカがそのいい例だと考えております。と申しまするのは、失業という事故は労働者の責に帰することのできない理由、即ち経済界、政治或いはその時の政府の施策というふうな事柄によつて発生する事故であるから、その責任を労働省に轉嫁しないで事業主と國がこれを持つべきであるという思想でございます。從つて労働者は何らの負担を課せられていないのであります。從つて又離職の原因も主として解雇の場合に限定される、任意退職の場合はちよつと稀の場合にしか認められないのであります。
 それから欧州の國におきましては、大体我が國と同じような折半負担という原則を取つております。これは事業主が労働者の負担しまする保險料と同額の負担をするという原則は、失業した後において労働者の生活の安定が期せられるということによりまして、労働者が後顧の憂なく生産に從事し得るならば生産の向上にも役立ち、それが又事業主の利潤の方に廻つて行くのではないか。この思想からでございまして、労働者の負担をいたしておりまするのはコンペンセーシヨンという思想ではなくて、やはり財政的な面からしまして國が全額持ち得ない、或いは事業主の全面的な無過失賠償責任に帰することもできないという思想から労働者の我々も負担する、こういう二つの流れがあるのであります。
 我が國の方では欧州流の折半負担の原則に倣つておるわけであります。
#119
○田村文吉君 これは議論すると相当に根本問題になるのでありますがね。我我実際家として考えておる問題は、一体失業保險なんか事業主によつては無暗に人を取らん代りに人も失業させない、それで経営がよくやつておるから別にそういうトラブルは起さない。仮に起す場合には退職金等の制度によつてこの人達が救われる方法をやつておるのだ。ところが会社によつては大量に入を入れる、その代りに首切りだといつて二割でも三割でもどんどん首切る。そういうような人の費用を、眞面目にやつておる事業家から保險料を拂わせるということは実に馬鹿げたことだ。こういう考え方に出て、生命保險であるとか、火災保險であるとか、不可抗力にして起る災害であつた場合には、これは隣保扶助の意味で保險金を作つて、民間の保險によつて保險しているということは分るのだが、一体そういうことでない。國家の一つの政策か、或いは又その事業主の不明か、不健全かによつてそういう不都合の出たものを、まともの事業を経営しておる人が負担して行かなければならん、又まともの労働者自体がそういうものを負担して行かなければならない。こういう点についてどうも保險の制度でないのじやないか、これならばむしろ政府はあれで、一旦事業主が貰うものは貰つて、退職金は退職金としてはつきりは決めて、それから支拂わせる。こういうふうにやつた方がいいじやないか。こういう考えが出て來るわけであります。そういう点で私は小さな事業主あたりを廻つて見ると、失業保險というものを何のためにやるのだか、ただ税金を取られると、こういう感じを持つておる人が多いということについては、何かもつと半々に持つとかということについてのしつかりした一つの論拠が欲しい。こういうふうに思うのでありますが、今欧米の例は伺いましたが、なぜそういうふうな事業主に責任がありと見るならば、そういう事業主の経営のやり方の惡い人は惡い人で責を負うべきもので、何もまともにやつておる人はそういうのを背負う必要はないじやないかとこういう論拠なんでありますが、今までは失業保險料というものも今のようにこのいわゆるインフレ時代には大したことではないからいいのでありますが、これから深刻な不景氣が参りますと、可なりこの問題は現に御提案になつておる表を見ましても、昨年の十二月から本年の二月にかけて段々失業者というものは殖えておる。恐らくは今度大藏大臣が見えたら伺いたいのでありますが、二月、三月もつと殖えるのじやないかと思う。そういう点で根本的にちよつと疑念を持つものですから伺いたいのであります。
 もう一つはこういう制度ならば一体この事業主なら事業主が、健康保險組合を作るように。失業保險組合を作るようなことについて政府は考えておられるか、こういうことも考えて頂いていいのじやないか。
#120
○政府委員(龜井光君) この保險を組合で運営する、政府の代行をするというふうなことにつきましては、從來も研究いたしておりますが、今後も研究を進めて行きたいというふうに考えております。
#121
○田村文吉君 その失業保險組合は政府でも全然理由なしとしてでなくて、十分今後お考えになつて、場合によつては立法していいという、こういうお考えをお持ちになつている、こういうことでございますね。
#122
○政府委員(齋藤邦吉君) 只今のお尋ねの点は、私共失業保險につきましては、いろいろ又根本的に研究すべきものが多々あると存じております。從いましてそうした点につきましては、將來とも十分研究いたしまして、適当な成案を得ましたときには必ずそうした手続をとりたい、かように考えております。
#123
○田村文吉君 丁度今のに関連しておりますので……。失業保險や満足な退職金を出さなくても仕方がないが、報酬だけ払えばいいというものもあるし、会社事業主によつては非常に丁寧に沢山拂うているものもある。そういうような区別は今のところいたし方ないというお諦めの考え方ですね。
#124
○政府委員(齋藤邦吉君) 只今のお尋ねの点でありますが、一應会社の方の退職手当は区々の亘つておりますので、今のところ調査することも困難な実情でありますので、そういうものは一應別といたしまして、少くとも失業ということに対して最低生活だけは保障して行こう、こういう線で今日は進んでいるわけであります。併し退職手当と失業保險とは、相互関連の問題といたしまして極めて大きなものがあると私共存じております。この点につきましては將來とは研究を続けて行きたい、かように考えております。
#125
○一松政二君 ちよつと田村さんのに関連して。……今の失業保險料の負担問題で、被保險者と雇主の折半になつているのは欧州の例だ、それから先程官公吏の問題があつたのですが、退職金を貰えば失業保險金というものが官公吏の場合には受けられない、今その対象から除いているという先程のお話であつたのですが、これが先程田村さんも言われたように、非常に民間と官公吏の差別待遇になるわけだと思うのですがね。それで、今も田村さん触れているような、十分な退職手当をやる上に、又失業保險金を出すことになるというので、今の負担の問題で、アメリカは先ず大体退職金制度というものは今のところない。ただヘンリーフオードが、今度始めろ、そういう要求がちらちらあることは承知しているが、今のところはない。ヨーロツパの退職金の問題について何か承わることができますか。
#126
○政府委員(龜井光君) まだ調査不十分でございまするが、私の知つている範囲でございますると、退職金は日本のように権利として認め、或いは多額の退職金は出していないように聽いております。
#127
○一松政二君 私もそうであろうと思う。それで今まで私共が承知しているところでは、大体日本がいわゆるあれは封建制度的な考え方からして、いわゆる温情主義の考え方からして発足したのがそうであると思うのですが、今日はそれを恰も当然のことに一つの法制の中に織込んで來ている。そうしてここでは又失業保險は、今田村さんから指摘されたような或る意味において二重のやり方になつている。そうしてひとり官公吏の方だけにはそれがない。こういうことはこれを政府事業でやることになると、十分考慮してそういう片手落ちのないようにせなければ同じ労働組合を作つて、今度は官公吏の方の労働組合から考えれば、そういう不合理なことはないという考え方が私は当然起つて來なければならないと思う。而も同じ國家がやつている。これが民間事業だけが先程の組合が或いは私企業で以て、そういう保險会社ができて、それに任意に加入するということであれば、そういう問題はない。一体先程田村さんが触れられましたように、社会保障制度で行くと、これも一種の社会保障制度だと思いますが、眞面目な者が結局不眞面目な者の分を負担して行くという非常な不合理が行われて來ると思うのであります。それで今ちよつと退職金の問題を伺つたのですが、これはやはり先程田村さんかよ触れられたように非常な根本問題だと思うのであります。ですからその辺を十分一つ今後の研究課題としてそういう退職金制度がない外國と、退職金制度を課せられ、更に失業保險の制度を二重に課せられて、私は國際競爭場裡に日本の産業界が出発して行き得るかどうか、非常な疑問を持つ。でありますから、我が國のみにある一つの制度があるならば、それを廣く國際競爭場裡で、同じところで同じ商品について競爭するわけですから、日本のこの貧弱な資本と設備と労働力で、その優勢なやつに勝たなければ負けるのですから、そこへ負担がかかるということについては、私は十分な考慮を拂つて貰いたいと思うのであります。
#128
○政府委員(齋藤邦吉君) 只今の退職手当と失業保險との関係につきましては、先程お答えをいたしましたように、十分今日まででも、実はこの法律を改正しようという際に、失業保險委員会の方で民間の方からそういう意見が大分出ました。退職手当とこの失業保險の関係の調整をどうするかということを考えたのでありますが、御承知のように退職手当につきましては、以前は法律がありましたけれども、今日はもうなくなつておりまして、会社、工場等におきまする退職手当の額というものが、團体交渉その他によつて決まつて区々に分れている。そういうような実情で、どうも調査が非常に困難でありまして、そこで何とかしていい方法はないだろうかということで研究をして見たのでありますが、十分成案を得ることはできませんでした。失業保險制度ができた以上は、退職手当についてどういう考えを持つべきかということこれが一つの民間の方々に取つての大きな問題かと思つておりますが、併し役所の方といたしましては、又日本におきまして、退職手当制度というものは全面的に事実上なくなるというわけのものでもないと私考えておりますので、この問題につきましては先程お答え申上げました通り、將來と雖も十分研究をいたしまして、成案を得ましたならば、何らかこの法律の改正ということを考えて見たい、かように存じている次第でございます。
#129
○一松政二君 今、法制上取つたというお話ですが、労働基準法には明らかに規定してあるが……。
#130
○政府委員(齋藤邦吉君) あれは解雇手当だけでございまして、特別なものと思つております。
#131
○一松政二君 解雇手当と退職手当というものは、観念上分けるのですか。それは用語の違いであつて、私は、どうも自分としては余り分けて考えていなかつたのですが……。
#132
○田村文吉君 この法律が終戰後のどさくさに世界的な流行に追われて作られたということから、それに対する國内の態勢が準備してないのです。例えば今日從業員の人達は、退職金を貰う場合において、一体失業保險は会社がどれだけ負担しているかということはちつとも考えてない。これは別で、退職金は退職金だというように考えている。こういうようなことが少しも総合的に考えられた法律になつていない。一つの流行としてこれが出て來ている。不合理は不合理のままで拡大強化して來たから、構わんでおけば私は默つていたいが、余りこれを拡大強化なさるから問題が出るので、今後発案なさる方でもその点は十分お考えになつてなさらないと、日本が一松委員の言われるように、要するに頭ばかり大きくなつて、しまいには枯木が倒れるようになつてしまうということを非常に恐れる。失業保險料のとれないという問題が後にありますが、これも根本的にみんなそこに割切れない、しつかりした頭がないからいろいろの問題が出て來ると思うのであります。
 そこで一つ御返事願いたいが、私さつき一つお伺い洩れしたのは今まで半半であることを原則とするということは、一体どつちに動かそう、動かしてもよいというお考えでもあるのか。何故これを一つはつきりと元通りに禍の起らないように二分なら二分とお書きにならなかつたか。これは何か関係方面から特に御注意でもあつたのか。これは実に改惡でありまして、はつきりとしておくべきものである。こういうものがそもそも團体交渉や労働爭議の種になるのであります。こういう点が一つ私は嫌なんですが……。
#133
○政府委員(龜井光君) これは技術的な問題からだけでございまして、何らそういう原則的なものを含んでいないのでございます。と申しますのは、今度の改正の三十條を御覽下さいますれば分りますように、從來保險料率は被保險者と事業主おのおのにつきまして定めておるのであります、千分の十一と……。ところが今回は保險料率一本で参りまして、百分の二という保險料率になつておるわけでございます。從いまして、被保險者の総賃金に対しまして、百分の二を掛けますと、その保險料率におきます総額がすぐ出るわけであります。ところが実際は被保險者に支拂います賃金から被保險者が負担します百分の二を引いておるわけであります。それを総額合計いたしましたもの、それと同額事業主が負担するということになりますが、被保險者の個個の賃金から引いて参りますと、端数が出て参ります。從いまして、その端数が出て参りましたものを二倍した額と、総賃金に百分の二を掛けましたものと端数の計算が違つて参ります。その端数については三項にございますように事業主が負担するのだという技術的な問題なのであります。
#134
○田村文吉君 若しさような御意味ならば二分するとはつきり書いて頂いた方がよい。何故かと申しますと、これがちよつと組合、労働者側の方でこれは原則なんだから、おれの会社は会社の状態がよいのだから、僕らに負担させないようにして呉れてもよいのではないかといつて來られた場合に、誠にうるさい條文が残つたことになるので、そういう御趣旨ならば初めから二分するというふうにはつきり決めて頂いた方がよいのではないかと思うのですが……。
#135
○政府委員(龜井光君) これは被保險者の負担すべき保險料額は明らかに法律に出て参りますので、自分の負担する保險料は賃金に対して百分の一を掛けた額だということが先に出て参りまして、賃金から控除いたしますからその問題は私はないと思います。
#136
○田村文吉君 そうじやないのです。一体初めに労働者側が負担する額は何かというと百分の二中それを半分するという観念があるからそういう御計算が出るわけですね。そうでしよう。その原則の二分するのが標準とするとおつしやると、場合によつては、事業主は三分の二を持つ。或いは全部を持つということもお認めになる御意思なのか、私はそこに問題が起ると思います。
#137
○政府委員(齋藤邦吉君) お尋ねの点は字句的に多少曖昧であつたかと存じますが、大体私共は三十二條の二項、三項の規定によりまして、半々で、ただそれが、三十一條の規定によりまして、端数が出たときに事業主が負担するつもりで考えておつたわけでありますが、只今お尋ねの点がありましたので、將來十分文字の書き方等につきましても注意したいと思います。
#138
○田村文吉君 そういう御趣旨ははつきり速記に残りますが、どうもそれは非常に今後の間違いを起し易い條文でございますよ。これははつきりと一つどつちかでよいですが、はつきりと区別する方法がないと、……。
#139
○政府委員(齋藤邦吉君) それではこの法律が通りました後に施行省令等がありますから、施行省令等にはつきり明記することにいたしまして、端数だけが事業主の方の負担に廻るのであるということに明記いたしたいと思います。
#140
○一松政二君 その端数というのはどのくらいですか。
#141
○政府委員(龜井光君) これは保險料額表というのがございまして、例えば賃金百円から百二十円のものは何ぼというような料額表で参ります。その中間を取つて参りますと、百円から百二十円でございますと、百十円に対して百分の一を掛ける。そうして被保險者が負担する保險料を出すとその額は正確に出る。その円未満を切り棄てた額を出します。ところが実際には被保險者の賃金百分の一を掛けたものは端数が出て参ります。その円未満を合計したものがその差額になるのではないかと思います。極く僅かな額でございます。
#142
○一松政二君 余り小さいことをやり過ぎますね。
#143
○田村文吉君 私はそういう場合は、労働者側が拂う料金と同じだけを事業主が拂う。こういうことに元通りになしておけば、何も面倒がなくなるので、労働省の方で予算を作るために、まああの会社はこれぐらいの賃金を拂う。それだからその百分の二、こうしておけば間違いないだろうというので、取る方の惡いお考え、さもしい根性からどうもそういう紛らわしい問題が出て來ると私は思うのであります。
 序でございますから附表について伺いますが、これは私も実際に実務者からいいという説と、惡いという説があるので、果してどつちがいいかということは分らないのですが、百円位ならば百円位で切り上げて、五千円ならば五千百円、それの百分の一ということに計算する。そういう計算をされる方が非常に合理的であるし、こういうふうに端数だからといつて手数は余り省けないのでございます。この点どうお考えになりますか。
#144
○政府委員(龜井光君) これは所得税と同様に附表に細まかい額が出ております。これに当て嵌めますとすぐ額が分るわけであります。計算が樂であります。率を百分の一掛けまするよう事務的にこれの方が樂だという事業主の私はお話を聽いておるのであります。
#145
○田村文吉君 私どもの事務員にもそういうことを言つておる者もありますし、そうでないと言つておる者もあります。本人からはすべて公平に百分の一を拂う。但しその円以下を切り棄てる、或いは四拾五入する。こういうふうにして貰えば労働者などは細まかい点を言いますから、一円違つても自分は一円人より余計納めるが、貰う時は同じだ。こういう問題が起りますので……。今の問題は命令をお出しになる場合ははつきりなさいますね。
#146
○政府委員(齋藤邦吉君) 命令を出します際に、只今の点をはつきり規定することにいたしたいと考えます。
#147
○委員長(山田節男君) 実は第三十六條の延滯金の問題について大藏大臣の出席を求めることになつておりましたが、今閣議の途中身体の調子が惡いというので、こちらの方に連絡がありまして官舍の方に帰りたいというお話がございましたので、若し主税局長でよければ主税局長をして出席せしめる。こういう連絡がございましたが、如何でございましようか。
#148
○田村文吉君 私は大藏大臣にこの際余りにこういう金に対する考え方が一般的に雜駁にプリヴエールすることを非常に恐れるので、この意味で大藏大臣からはつきりした御答弁を頂きたい。こういうのでありましたガ、主税局長にお出で頂いても、これはその点私は満足できないと思いますので、この問題の審議はもう少し御当局にお伺いすることにいたしまして、そうしてまだ労組法の改正その他の問題の場合に大藏大臣が出られましたら、その時にお伺いすることにいたしまして進めて頂きたいと思います。
 ちよつと当局に伺いたいのでありますが、私がなぜ十銭とか、二十銭の日歩の問題にこだわるかということを申上げたいのでありますが、御承知のように末項に届出を怠つた場合、支拂いを怠つた場合は罰金五万円、体刑六ヶ月、こういうように非常にこの保險料を滯納する場合に対する罰則が嚴重に決めてある。然るにその延滯した者に対する金利という問題になつて來ると、今まで四銭であつたものを五倍の二十銭にお上げになつた。こういう考え方が余りに世間体のインフレになつたんだから、なんでも上げてもいいというようにお考えになるかも知れませんが、罰金は一万円のものを五万円に上げても、私は戰爭前の物價と較べて一向差支ないと考えます。併し日歩というものはそう上つていない、それは二倍ぐらいにはなつておりましよう、なつておりましようが、こういう日歩の問題をただ無茶に法外に上げるということは、一般の世間的の感じからいつても何かしら政府自体がインフレの波に乘つて何事も処理して行く、こういう考え方に陷つておられるように思つて、世間の人が金に対する観念が段々粗雜になつて來ることは甚だ憂うべきことだと思いますので、罰則の方では嚴重なものがあるんだから、何も金利が昔四銭であつたものならば、今度八銭にするとか十銭にするとかいうことならば筋が通るのでありますけれども、そういう点で以て追徴制度をやかましくして置かないと保險料が入らないということからなさることは、少しくやり過ぎた考え方じやないか。それは罰則の方では罰金の上に体刑まで附いておる。そういう罰則で十分なんだから、金利は世間体が仮に昔一銭五厘のものが日歩が三銭になつたら、やはり四銭のものに上げても十銭にするというような考え方で行つて頂きたいのに、余りに大藏省あたりで決めてある徴税技術に対して私疑問があるのですが、そういうものにつられて、皆さんの立法がそれに從つておられることは、どうも氣にいらないのです。そういう意味でお考えになつた筋じやなかろうと思いますが、一般の経済流通の上から考えて行つて、余り不当な金利を要求なすつたりなさることはいけないとも思います。罰則がないならば、これはちやんと旧の五倍の罰金が附いておるんですから、そういう点で実は御当局はそこまでお考えになつておるのかどうかと思いまして、大藏大臣にも私は少しく御意見を申上げて伺つて見たい。こう考えたわけでございます。
#149
○政府委員(宿谷榮一君) 田村さんの御心配になつておる点は至極御尤もと思います。これは一つの見方ですけれども、例えば罰金が非常に低いが、金の操作上これを少しまあ出して置いて外に利用した方が都合がいいのじやないかということも多くの中には、或いはあるかも知れませんが、金額の点で、或いはインフレで金の價値観念が低くなつたために、粗雜な考えのために罰金をぼこぼこ上げて來るということは考えてないと思います。併し成るべく將來におきまして、こういう点は大いに研究したいと思つておりますが、ただここへ出て來ておりますものは、いろいろ徴税関係、その他の均衡上やはり一應はこういう形になつて現われておりますが、尚御趣旨を体しまして將來とも研究したい、こういうふうに考えております。
#150
○田村文吉君 只今宿谷次官から御答弁がありましたが、これを二十銭にしたら滯納が減るとお考えになつたら大間違い、そういうことをしても、滯つておる人は日歩一円の金でも借りてる苦しい人、御覽になる通り、最近の各中小企業は申すに及ばず、大工場さえあのような状況に入つておる。一應この表を御覽になれば分るけれども、昨年の十一月までは九割五分の成績を挙げておいでになりました保險料の徴收が、この二月になると八割五分に減つてる、これは何を物語る。税金を無暗に取る、金融の梗塞がひどい、こういうようなことで、誰しも罰金の外に、体刑まで附くようなものを滯りたくない。金利の問題じやない。でありますから最後に罰則において六ヶ月の体刑、或いは五万円の罰金というものを附けて置きながら、この金利を延滯金に対して甚だ不当に高くなさるというようなことが、誠に國民に対する親切が足りない、こういう点を私は申上げる。ただ大藏省がやつてるから労働省もそのまま持つて行けばいいという考え方で行くべきものじやない。殊に保險料だ、これは民間保險料を拂わない代りに止めます。ところが官廳で決めておるものは止めることができない、止めれば体刑だ。こういうようなものに、ゐそううかうかとただ外の徴税手続がそうだからといつておやりになるようなことが少し親切が足りない、こう私は考えるものだから、その点を私は労働当局に御反省を促し又善処すべき方法があるのじやないか、こう考えて御質問申上げたのです。
#151
○政府委員(宿谷榮一君) 將來の機会に十分一つ考慮をし、研究して行きたいと思います。
#152
○委員長(山田節男君) 次は第五章でございますが、すでに十二時十分経過しておりますので、午後の委員会において御質疑を願うことにして御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#153
○委員長(山田節男君) それじや午後一時から再開いたすことにいたしまして暫時休憩いたします。
   午後零時七分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十三分開会
#154
○委員長(山田節男君) これより休憩前に引続きまして、労働委員会を開会いたします。第五章、第三十八條の二から三十八條の十五まで、「日雇労働被保險者に関する特例」、これにつきまして逐條御審議をお願いたします。
 これは總括的な質問でありますが、日雇労働被保險の予想数をここに調べておられますが、そうするとこの予想数の約九十万に対して保險金の受給者ですね。これがコンスタントにどのくらい、何割大体あるように計算されておりますか。
#155
○政府委員(龜井光君) 九十万の被保險者に対しまして、大体十五万程度の給付を受けるものが出るというように考えてあります。
#156
○田村文吉君 今十五万というのは新規に殖えてですか。
#157
○政府委員(龜井光君) 給付を受けると予想される数です。
#158
○田村文吉君 どのくらい被保險者はおりますか。
#159
○政府委員(龜井光君) 九十万人と、大体推定されております。
#160
○田村文吉君 実際取扱者は厄介になるので困つたことだと思つておるのですが、各職場から面倒な苦情が出るだろうと思いますがね。これは……。
#161
○政府委員(龜井光君) この事務の面におきまして極力事務の手続を簡易化いたしておるのでございまして、そういう意味でスタンプ・システムを採用いたしまして、一般の被保險者と違います方式、簡單な手続でやるように工夫いたしております。又実行面におきましては、十分御注意の点は留意いたしまして、円滑な運営を期したいと思つております。
#162
○門屋盛一君 政府の方では日雇労働者を入れることを撤回する意思はないのですか。
#163
○政府委員(龜井光君) 実は失業の危險のありますものは、むしろ常傭の労働者よりも日雇労働者がより切実でございまして、或る意味におきましては、もつと日雇労働者の方を先に適用すべきだつたと考えられるのでございますが、いろいろの実態調査が十分行かなかつたために今日まで遅れて参つたのでございまして、私達の氣持といたしましては日雇労働者のこの保險を撤廃する氣持は今ございません。
#164
○門屋盛一君 政務次官にお伺いしたしのですが、大体今日雇労働者は被保險者の範囲に、枠に入れていない、それから保險料を取つても日顧労働者がもう失業する、日雇労働者というものはもう要らんような状態になつているのですからね。だから今保險料を納めても日雇労働者の恩惠にならないと思うのです。それで私は政務次官にお尋ねしたいことは、緊急失業対策の方の事業を殖やして行つて、むしろ保險給付をやるよりも失業している者は皆仕事をさした方がいいと思うのです。やはり保險金を成るたけ……、保險給付の範囲を殖やして怠け者を養成するというふうに労働省は今後の政策をお採りになるのですか。
#165
○政府委員(宿谷榮一君) 日雇労働者の関係の現状は一面門屋さんのおつしやるような実情があろうと思います。一方の公共事業に雇われる人々とか、或いは緊急失業対策によつて各府縣がやる事業関係だとか、今後は又予算等の関係もありましようが、公共事業は將來伸びて行くというふうな考え方もしておりまするし、両面から考えました場合には、日雇労働者の保險が無益だとは私共考えておりません。是非そういう面から考慮いたしましてもこれをやつて行きたいというふうに考えております。
#166
○門屋盛一君 それは公共事業で吸收することが暇が要るから、その間を失業保險で行くという考え方はいいのですけれども、日雇労働者の場合はそれは何ですか、保險料を納める期間も極めて短いし、又失業する期間も極めて短いわけなんだしね。一月なら一月連続で失業するということはあり得ないのです。あつたら大変なんですからね。たからその短い……、もつと極端な例を言えば一月保險料を掛けておいて十日失業した場合でも給付できるというふうにはこの法律はなつておらん。そうすると日雇労働者から取る方は通り立てるが、その給付というものは実際に行われ難くなるのじやないかと考えられますが、その点の見通しは如何でありますか。
#167
○政府委員(宿谷榮一君) これは雇用のところも書けますし、雇われる日も一應書けて行きますから、飽くまでもその限度内で給付できる範囲になつて参りますから、從つて保險の対象となるべき範囲の人達は、たとえ一週間でも十日でも働いたところ定められたその日数だけそれが対象になりますから、実際問題として收支の点から言つたらバランスは必ず合つて來ると考えられます。
#168
○門屋盛一君 それは政府のバランスはとれるでしよう。
#169
○政府委員(宿谷榮一君) 政府の拂う分は三分の一になるわけですね。
#170
○門屋盛一君 政府のバランスは合うでしようが、そういう煩雜なことをして効果があるかというのです。結局貰う方は厄介だから貰わん人間が殖えて、これは馬券と同じように政府の收入を殖やすということだけだ。
#171
○政府委員(龜井光君) この要件を申上げますと、一月のうちに十六日以上働いた場合に資格がつくという決めになるのでございますので、ただ一月だけ取りますと、たまたまその月に働いた日数が少い場合には日雇労働者に非常に氣の毒でございますから、二月間の中で三十二日以上働いたということで條件を附けるのであります。例えば三ヶ月の保險金を貰うといたしますと、二月分と一月分とこの二ヶ月間で働いた日数が三十二日以上である場合には三月で給付が貰えるわけであります。今度四月になりますと二月と三月というものを取るわけであります。二月分働いた実績は、そうすると二月分働いたという労働者に有利に資格がつくように思われるのであります。そういう式で順繰り順繰り毎月々々続けて参るわけであります、門屋さんの言われた御心配はないのじやないかと考えます。
#172
○門屋盛一君 そうすると実際問題となると、これらの扱いには労働手帳とか何か一つの特殊のカード、こういうものによつて簡單に一ヶ月に十六日以上というようなことが分るようにしなければ給付も保險料を納めた範囲に正式の手続を経ても政府の三分の一を加えたものだけしか貰えないのですから、その保險料の範囲内しか貰えないで結局手続が面倒になるから日雇労働者というものは給付を受ける手続を取らない人間が実際殖えるのではないか。そこが政府のつけ目ではないかと思うが、表向きは日雇労働者を保護するようなことになつておるが、実際は日雇労働者から搾り取るだけ給付はない。そんなことは実際ないとおつしやれば、どういう具体的な手続でやるか話して下さい。そうすれば僕が納得できるので具体的の例を……。
#173
○政府委員(龜井光君) それでは手続のことは法律にも書いてございますが、一應御説明申上げますと、日雇労働者に対しましてそれには日割で三十一の枠が切つております。そうすると事業主が印紙を予め買つて置きまして、そのスタンプを、賃金を拂うときに本人の負担分を差し引きます。安定所に持つて行つて、三十二枚二月でございますと、枚数が多ければそれに應じて給付の日数が延びて行くわけで、今十三日が最低でございまして、最長十七日まで支給するという建前になつております。
#174
○門屋盛一君 納める方は分つたのだ。給付する方はどうなんですか。
#175
○政府委員(龜井光君) 給付する方はスタンプが二月間で三十二枚資格がございますから、それで第一級は百四十円、第二級九十円という給付をするわけです。それから計算いたしますと……。
#176
○門屋盛一君 一遍に拂うわけですか。
#177
○政府委員(龜井光君) 毎日支給する。安定所で……。
#178
○門屋盛一君 毎日そこに貰いに行くのですか。
#179
○政府委員(龜井光君) 職業の紹介と結び付くわけです。
#180
○門屋盛一君 さつきの安定法の折にも速記のないときにも言つたように、安定所は遠方にある、そこまで貰いに行くのは厄介だから結局は貰いて行かなくなる。もう少し給付を簡單にすれば実効が挙るんだ。取る方は事業主に責任を負わしておつて印紙を……。貰う方は一々貰いに行く。事業主経由で拂うことは認められておらないから実際問題としては日雇労働者は取られつぱなしになつて、貰いに行くのが非常に少くなる。それがつけ目なら仕方ないけれども……。
#181
○政府委員(龜井光君) これにつきましては、この前も局長から御説明があつたと思いますが、巡回の安定所員を……。
#182
○門屋盛一君 それはよいが、それは一週間に一回や二回巡回はして行つても巡回の安定所員の行くときに巡回される場所が、例えば星野組の作業所なら作業所に委嘱を受けたところの補助員が巡回して來るまでに平均日数は……たまに一週間行つてやつたからもう旅費が足らない、旅費を給付せよということになるんでは堪まらん。そんなのが多いんだから実際……こういうことは私は撤回された方がよいじやないかと思う。効果は挙らんと思います。
#183
○政府委員(龜井光君) これにつきましては、大きな例えば事業が仮りに辺鄙なところで起るような場合におきましては、臨時に安定所を、出張所を設置しまして、そうしてそこで給付の認定をやるという方法を採るものです。
#184
○門屋盛一君 毎月々々臨時のものを作る予定ですか。
#185
○政府委員(龜井光君) それは事業によりまして……。
#186
○門屋盛一君 併しこの法律によつて直ちに実行するの非常に急いでおるというのだが、果して臨時の安定所を幾ら出すのか。巡回が年に延日数でどのくらい出て行くのか。本年度の労働省の予算にその予算が見てあろうと思う。それは口先だけでごまかしだよ。
#187
○政府委員(龜井光君) 三十八條の三号に該当いたしまするのが今申上げましたようなものでございます。
#188
○門屋盛一君 それは分つておる。法律ではそれはあるけれども、それは実際どれくらいの数を予定しておるかというのです。数は法律には書いてない。
#189
○政府委員(龜井光君) 巡回安定所の問題につきましては、旅費を約四百万円年間使う予定で今計画を立てております。それから又失業保險につきましては、別個に事務費を経上いたしまして、その出張認定、出張給付というための措置を講じておるわけであります。
#190
○門屋盛一君 旅費の四百万円は算定するのには延人員がどれくらい、それから何ヶ所くらい巡回するように予定しておるのですか。
#191
○政府委員(龜井光君) 今の予算の上の予定におきましては、月に二回を大体限度として、廻る場所は各縣の大きさによつて違いますが、平均しまして五ヶ所というところを見ております。
#192
○門屋盛一君 縣内五ヶ所ですか。
#193
○政府委員(龜井光君) 大体そういう見当です。
#194
○門屋盛一君 それではその十五日間の間はどうやつて日雇労働者は給付を受けるのですか。安定所が遠かつたり、行けなかつたならば給付を受けられないんじやないか。
#195
○政府委員(龜井光君) その場合には十五日分を纏めて支給するというような臨時的措置も考え得られます。
#196
○門屋盛一君 考え得るといつてもなかなかあなたがここで考えておるような向うじやあつさり拂つて呉れないんですよ。
#197
○政府委員(龜井光君) それは私共の指導を適切にやりまして……。
#198
○門屋盛一君 適切といつても今時どの役所の関係でも適切に指導ができておる役所なんというものはないですよ。僕はここまで行くんだつたら事業主の中分から適当な人に補助を委嘱するだけの万全の策を何故採れないかというんです。
#199
○政府委員(龜井光君) それはこういうことに絡むのでございまして、保險金を支給しますのについては失業の認定という問題がありますが、認定につきましては職業紹介と結び付かなければならない。
#200
○門屋盛一君 それは分つておるんです。補助員でその認定の準備をさして置かなかつたらたまに廻つて來て一日おつても何もできやしない。金を取る方には事業主を利用しておる。拂う方には利用しない、これはどういうわけですか。
#201
○政府委員(龜井光君) 今御指摘のありました点は十分研究いたしまして実際の運用の面において円滑に行くように努力したいと考えます。
#202
○門屋盛一君 どういうふうに円滑にやるんです。
#203
○政府委員(龜井光君) 今の補助員の問題もこれは早速研究いたしたいと思います。
#204
○門屋盛一君 ちよつとやかましいことを言うようだけれども、労働省という役所は役人だけで解決する役所じやないんだ。だから我々……ちよつと聞きなさい。政務次官との話は後でよい。私の言つたことは分りますか。
#205
○政府委員(龜井光君) はあ。
#206
○門屋盛一君 じや言うて見なさい。
#207
○政府委員(龜井光君) 辺鄙な事業所におきまして……。
#208
○門屋盛一君 聞いちやおらんじやないか。労働省という役所は役人だけでは片が附くものではないんだ。経営者の相当の協力を得なくちやならないということを考えなさいということを言うておるんだ。大体法律が來たら僕らは目をつぶつて通しても、引つくり返つたら根本が違つているのだから、これは労働の福祉のためだといつているけれども、これでは日雇労働者は搾られる一方です。給付もうまく行きはしませんよ。日雇労働者を私は三十年間使つているのだからよく知つている。
#209
○政府委員(宿谷榮一君) そういうことは今考えております。これは実現したいと思つております。おつしやる通り安定所の数というものは限られております。そこから人を派しましてもこれは数百人、大変な人が要るだろうと思います。結局は抑せの通り、やはり鉱山とか炭山とか、そういう山の中、遠隔な地に対しては、その事業所がこれの肩替をしてやつて頂くようにしなければ運用はうまく行かないかも知れない。その点は十分研究いたしまして、支給その他について労働者に支障のないように計らいたいと思います。
#210
○門屋盛一君 私は結論として、失業保險の適用範囲を土建業にまで拡張し、日雇労働者にまでこの恩沢を與えようとする考え方に対しては、非常に進歩した考え方であると思うのであります。ただその実際の取扱上より考えて、料金の納入と給付に関する分掌事務を一定の認定又は登録を受けた会社の労務係又は会計係等に委嘱して法の実際適用面を増し、安全感を強くするという考え方がなかつたならば、この法律の適用はうまく行かないということを私は速記に載せて置いて質問は打切りましよう。
#211
○田村文吉君 実際問題としまして、田舎に行きますと、農閑期というような関係で、町に出る日雇人夫が多い。これが今度失業保險を貰いながら家に帰つて百姓をする。それで日当を貰つておれば当然收入があるのだからといつて失業保險の対象にならない。ところが自分の家の百姓手傳いをするのだから賃金に見積るわけに行かない。そういう場合にはどういうふうにお考えになりますか。
#212
○政府委員(龜井光君) それはこの法律にありますように、五人以上の労働者を使用します事業所に雇用される者は適用を受ける……。
#213
○田村文吉君 その場合にですね。農村から暇になると沢山出て來て、例えば冬になると越後あたりでは雪があつてしようがないから仕事に出る。春になると百姓の仕事で帰つてしまう。こういうのが大部分の人夫の供給状態である。そういう人達が家に帰つて百姓をする場合には、收入があつたものとみなすのかないものとみなすのか……。
#214
○政府委員(龜井光君) その場合は、自分の郷里に帰りました場合は、郷里の安定所において失業の認定を受けました場合は受けられるわけであります。
#215
○田村文吉君 いや郷里なんていうんじやない。半道とか一里離れたところで百姓をやつていて、冬になつて仕事がないから出る。出て事業所に雇われる。けれども二月なり三月なりやつて、それで今度は出て來ないで家に帰つて百姓をやる。そういう者に一体これを拂うのか拂わんのか。
#216
○政府委員(龜井光君) 百姓になりますと、これは自営業者と認められまして失業じやないという認定を受けるのであります。本人が他に雇われて働く意思がございまして、公共職業安定所に参りまして、それで失業になつた場合には受けられるということになります。
#217
○田村文吉君 そんなことを言つても、仕事がないから家の手傳いをしているのだということになる。それで仕事がなくなつたときに貰おうと思つて保險料を掛けたのだから、掛け捨てになるのも馬鹿げている。そういうことを言うかも知れん。あなた方は十里も二十里も離れたところの工場のことを言うのかも知れないが、工場というものは町の近所にある。近郷近在の百姓は皆そうだ。それで殆んど全部は農繁期には出て來ないし、暇なときは出て來る。冬の雪のあるときは皆出て來る。こういう場合に一体保險金をどうするか。自分の親父の下に働いているのだから賃金は貰えない……。
#218
○政府委員(龜井光君) これも安定所におきまして職業の紹介と結び付きまして、失業の認定がなされるのでございます。本人が安定所に出頭しませんければ失業者であるということが公に認定されないという建前になるわけであります。
#219
○田村文吉君 そこでこれはどうですかね。本人が嫌なら入ならくてもいいということにならないですかね。
#220
○政府委員(龜井光君) これは当然被保險者になるわけであります。強制保險でございますから、法律の條項に該当するときは適用を受けるという……。
#221
○田村文吉君 それが困つたことになるので、百姓が実は失業の認定を受けて貰うのも結構だが、今に野良がせわしくなると一週間に二度ずつ出て來いと言つたつて出られない。それは今門屋委員が言われる通り、工場に行くならいいが、そこの安定所まで出て來るということになると取りに行けない。結局掛け捨てになる。こういうことが今門屋委員のお話のように惧れられる。これは本当にいうと日雇労務者の保險は自分の市町村の役場なり区長のところに行つて自分のふだんから幾らずつか掛けて、仕事がなくなつたときには何とかして下さいという、こういうふうに行く保險ならいいが、事業主が持つ、何か持つといつて強制的にやつて、事実は金が貰えないというような実情になる虞れがある。そういう点が、実に考え方から言えば門屋委員の言われる通り非常に進んだ考えなんだけれども、実際には非常に違い。こういうことが言える……。
#222
○政府委員(龜井光君) 今の御心配はあるのでありまして、從つて我々も公共職業安定所の所在する、即ち日雇労働者が利用し得る範囲の者だけを適用して行こうというのが法律の建前になつているわけでございます。そうして公共職業安定所の所在する地域以外の辺鄙なところには、大きな事業所があり、沢山の日雇を雇つているという場合には、その事業所を指定してそこで適用するというふうな措置を考えておるわわけであります。
#223
○田村文吉君 何か簡單に本人が嫌なら入らないでもいいということは入れられませんかね。
#224
○政府委員(龜井光君) これは実は任意保險という考えもあるのでございますが、そうなりますと、非常に危險の高い者だけが入つて参りまして、保險料が非常に高くなる(「政府が儲からないか」と呼ぶ者あり)ということになるわけでございます。それでは非常にいけないので、やはり社会連帶という思想から申しまして、お互いに助け合う(「税金だね」と呼ぶ者あり)という考えで強制制度を採つているわけでございます。(「大儲けだ」と呼ぶ者あり)
#225
○委員長(山田節男君) 今の田村、門屋両委員の御発言に関連して昨年度の一般失業保險の徴收額が約二十億、それに対して被保險者の金が一億五千万、二十分の一しか納めていない。そうして今度こういう非常に率のいい日雇労務者を被保險者にした三十八條の六以下の保險金と保險料の額、これは数字的にいつて三十二日、例えば第一級の保險料を納める者が三十二日間納めた。一日六円、合計百九十二円、それに対して一級の保險金が百四十円の十三倍として千八百二十円になる、こういう計算になつておつて、尚今田村、門屋両委員が指摘されたように非常に金が余るが、これを忠実に若し拂えば非常に足らなくなるという危險がありますが、この計算をされるについて九十万について約十五万の給付を予想している。そうすると保險経理上から見て果して例えば百九十二円保險料を掛けたら保險金を千八百二十円やるという計算は正確な計数に基いてされた数字であるかどうかということを知らせて頂きたい。
#226
○政府委員(龜井光君) この基礎になります料率表を御説明いたしますと、百四十円の場合と九十円の場合と分けてございますが、一ヶ月の平均稼働日数が十八日という計算をとりまして、そうして結局失業する者の率が一ヶ月において十二日ということになるわけでございます。そうしてその十二日の者が安定所において就職できないというふうな率を七〇%見ましてそういう計算を保險料率の計算の基礎から持つて参りまして、大体收支相償なうという結論になるわけでございます。
#227
○田村文吉君 これはまあ露骨に申上げますと、実は日雇の者は全部削除して修正したいと私共は考えるんですが、何か簡單な方法でこれを一つ任意に入るとか何とかいうことで何か方法は考えられませんですかね。弊害を除く意味でただ掛け捨てにさせるような不幸な目に遭わせないような方法を考えなければいけませんね。
#228
○門屋盛一君 重ねて申上げますと、これは思いつきはいい思いつきですけれども、運用面がどうも今の政府委員の御説明だけではどうもうまく行かないので、結局これは掛け捨ての方が多くなつい、結論から言うと給付を受ける人が、給付を受ける手続が厄介ですから給付を受けないでしまうようになるということで、結論から言えと日雇労務者を安心させようと思うのが、却つて搾り取るというような結果になるのですがね。私はこの問題は何か修正の必要があると思いますから、今日この案に対しては一應ここらで一つ……、外に質疑があれば続けて貰つても、日雇労務者の方は只今田村委員から言われたように、全章削除するか、さもなかつたら何かもう少し被保險者の方に保護を與えるように修正して行きたいと思います。
#229
○田村文吉君 何かこれの保險料金徴收は簡單なんですが、給付についての正確な何か政府に御自信がある方法があればいいですがね。何かそういうことはこの條文の上からあれがありますか。
#230
○政府委員(龜井光君) 今の問題を檢討いたしますると、まあ門屋さんからお話のございましたような代行機関というふうなものを、こういうものを認めて行くということの方が一番いいのじやないかと思われます。これはまあ十分研究をする價値があるのじやないかと私共考えております。
#231
○門屋盛一君 例えば大きな事業所の一定の認定を受けた係員を補助員に使うとか、公共團体、即ち市町村の吏員に一部事務を補助的に委嘱するとかして置かないと、とても貰うようにはならんですよ。その意味において少しこれは研究して見なければいかんと思いますね。
#232
○政府委員(宿谷榮一君) これは役場とか或いは事業所、そういうところへ委任をするということをちよつとここで相談しておりますが、法律的に可能であるかどうかということ、それができればそういう委任をして行くのがいいんじやないかと思いますが、この点は何か合理的な、実際運用に支障のないような方法が行なえるんじやないか、山の中だとかずつと離れた所とかいうことになると非常に不便で、往復の汽車賃で保險金が吹つ飛んでしまうというようなことで出て來ますから、これは実際運用の面について支障のないように十分研究して見たいと思つております。
#233
○田村文吉君 その場合にはただ命令で決めるわけには行かないから、やはり法律を出さないとできないですね。だからこれを出したら後で直ぐ改正案でも出すということにならんとちよつとやれないですね、手がないですね。
#234
○政府委員(宿谷榮一君) 私よく分りませんから、実際の運営の委任行爲についてこれは省令を出して、大臣から地方長官へ依頼して、そうして地方長官の監督の下に各町村長、或いは事業所が安定所を通じて依頼をするというようなことでしたら労働省だけで法律に規定しませんでも行なえるんじやないか、かように考えるのであります。
#235
○田村文吉君 その場合、やはり法律の中に委任することを得とか何とか、いうことがないとそれはできない。この附則の中へでも入れるか、この中に一條を起してさようなことが決められておればできるけれども、そうでないとこれはできませんね。
#236
○委員長(山田節男君) ちよつと速記を止めて下さい。
   午後二時二十八分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時五十二分速記開始
#237
○委員長(山田節男君) それでは速記を始めて下さい。
#238
○門屋盛一君 いろいろと問題になつた点も多いのでありますが、この失業保險の適用範囲を土建業並びに日雇労務に拡張するということが著しき進歩であると私は思うのでありますが、ただこの種保險は、実際取扱上種々不行届になる虞れが多いのであります。例えば料金の納入とか保險金の給付等に関することについても、現在安定所がまだ行き亙つていない今日では、非常にその間に不都合が生じ易いと思うのでありますが、これら安定所の分掌事務を市町村、又は一定の認定を受けたる労働組合、或いは業者の團体等に委嘱して、法の実際適用面に支障なきようにせねばならんと思うのでありますが、これらのことは本法の施行に当つて、何か運用面で適正にやつて行けるかどうかということを、お伺いいたしたいと思います。
#239
○政府委員(宿谷榮一君) 只今の御質問の点にお答えいたします。保險給付の事務は公共職業定安所の外に、職業安定法の規定によつて、市町村に失業の認定、職業紹介の事務を依頼するように省令によつて処置したいと考えております。尚後段の御質問のうち、労働組合或いは事業主等にこの事務を委嘱することは、現段階では困難でありますが、將來において研究したいと存じます。
#240
○門屋盛一君 了承したいます。
#241
○委員長(山田節男君) それでは次の第六章に移りまして、第三十九條から第五十四條まで御審議を願います。別に御質問もないようでございまするから、次に移りまして、附則を問題に供します。この失業保險委員会は職業安定委員会に統合されたという根本の目的はどこにあるのでありますか。
#242
○政府委員(齋藤邦吉君) 失業保險委員会を職業安定委員会に統合いたしまして、強力な一本の委員会を作りたい。かようにこの法案におきまして考えておる次第でございますが、その根本とするところのものは、失業保險制度そのものはやはり一つの保險経済として独立のものとして運営して行くという考え方、それは経済の面におきましては確かにその通りでありまするけれども、失業保險法の運用に関する大きな問題、或いは失業保險法の改正、或いは將來の改善といつたふうな問題は、すべてその時々の失業の情勢に應じまして、一般的な失業対策の一環として行なつて行くということがより必要なことと私共存じておる次第でございます。從いまして失業保險制度を失業対策、職業安定政策全般の一環として運営して参りたい。さようなことをいたしますためには、むしろこの際二つの委員会を一つの委員会にまとめてしまうということの方が適当である。かように考えましたので、今回失業保險の委員会を職業安定委員会の方に統合することにいたした次第でございます。
#243
○委員長(山田節男君) それから次に、失業保險審査官の職権審査の権限を廃止された。これは今の四十一條の問題になりますが、これはそうすると、從來失業保險審査官が職権審査しておつたものを今度全然廃止するのですか、それともそういう審査は誰がやることになるのですか。
#244
○政府委員(齋藤邦吉君) 職権審査だけを廃止いたしたのでありまして、受給資格者等から異議の申立がありますれば、それを審査官が審査をする、かようにいたしたのであります。審査官の仕事は御承知のように私法的な仕事でありまして、それが直ちに行政官廳のやりました行爲を審査するということは適当でありませんので、受給資格者等から審査の請求をしたものから、請求がありましたときにのみこういう裁判的の行爲をすべきものである、かような意味から今回職権を以て審査するということは止めることといたした次第でございます。
#245
○委員長(山田節男君) 外に御質問ございませんか……別に御発言もございませんようですから、質疑は盡きたものと認めて、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#246
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、それぞれ賛否を明らかにして、お述べを願います。
#247
○村尾重雄君 私は賛成いたします。ただ少し希望を申して置きたいのは、この種、特に失業保險の給與の受ける側というか、その利用において、どうも当局の指導が足らない嫌いがあると思うのであります。その点十分今後親切に扱つて頂きたいということと、只今問題になつた季節日傭者とかそういう面で、やはり当局からお話しになつていたように、飽くまで職業紹介と関連した行き方をして頂かないと、働く意思があつて事実働けないという立場の者だけの利用にして、それを放棄した行き方の者ではいよいよお話があつて、納めるだけ納めて損するという工合に、それは働く意思のない者でありまして、当然それは受けるべき権利はないのだからして、働く意思のある者であつて働けない者の給與を十分親切にするという行き方をやつて頂きたいと思います。
#248
○委員長(山田節男君) 他に御発言ございませんか。別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#249
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。失業保險法の一部を改正する法律案についての衆議院送付案を議題に供します。ちよつと附加えて申上げますが、本案は衆議院において修正され参議院に送付されたものであります。本案に御賛成の方の御挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#250
○委員長(山田節男君) 全会一致でございます。よつて本案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。尚本会議におきまする委員長の報告は、前例に從つていたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#251
○委員長(山田節男君) 御異議ないと認めます。よつて本院規則第七十二條に從つて、本案に御賛成の方は順次御署名を願います。
   多数意見者署名
     早川 愼一  田村 文吉
     竹下 豐次  平野善治郎
     門屋 盛一  村尾 重雄
     原  虎一  一松 政二
#252
○委員長(山田節男君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れはないものと認めます。
  ―――――――――――――
#253
○委員長(山田節男君) 昨日の委員会に続きまして、労働者災害補償保險法の一部を改正する法律案について、質疑を続行いたしたいと存じます。別に御発言もございませんようですから、質疑は盡きたものと認めて御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#254
○委員長(山田節男君) 異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、それぞれ賛否を明らかにしてお述べをお願いいたします。
#255
○門屋盛一君 労災法の実際の運用面におきまして、非常に多額の保險料が未納状態になつておることは、甚だ遺憾の至りでありますが、これらの原因を探究しますと、政府支拂の遅延というようなことが非常に大きな原因をなしておる。私はかくのごとき労働者を保護しなければならないところの法律の実施に当つて、唯一の財源である他から見返ることのできない財源の保險料が未納になるという原因の大きな一つが政府支拂の遅延にあるということは甚だ遺憾に思いますので、大藏大臣の出席を求めてこれらの説明を聞く予定でございましたが、さればといつてこの法律の成立ということも急ぎますので、政府支拂の促進をして、この保險料の未納の少い状態において貰いたいという希望を附して賛成いたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#256
○委員長(山田節男君) 他に御発言ございませんか。別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#257
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。労働者災害補償保險法の一部を改正する法律案について採決いたします。労働者災害補償保險法の一部を改正する法案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#258
○委員長(山田節男君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。尚本会議における委員長の報告は、前例に從つて行なうことといたしますから多数意見書の御署名をお願いいたします。
   多数意見者署名
     早川 愼一  田村 文吉
     竹下 豐次  原  虎一
     村尾 重雄  平野善治郎
     門屋 盛一  一松 政二
     岡田喜久雄  小串 清一
#259
○委員長(山田節男君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れはないと認めます。
 本日はこれにて本委員会は散会いたします。
   午後三時十一分散会
 出席者は左の通り
   委員長     山田 節男君
   理事
           一松 政二君
           平野善治郎君
           早川 愼一君
   委員
           原  虎一君
           村尾 重雄君
           小串 清一君
           岡田喜久治君
           門屋 盛一君
           竹下 豐次君
           田村 文吉君
  政府委員
   労働政務次官  宿谷 榮一君
   労働事務官
   (職業安定局
   長)      齋藤 邦吉君
   労働事務官
   (労政局長)  賀來才二郎君
   労働事務官
   (失業保險課
   長)      龜井  光君
   労働事務官
   (労働基準局労
   災補償課長)  池邊 道隆君
  説明員
   労働事務官
   (労政局法規課
   政策係長)   和田 勝美君
ソース: 国立国会図書館
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