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1949/05/19 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 労働委員会 第17号
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1949/05/19 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 労働委員会 第17号

#1
第005回国会 労働委員会 第17号
昭和二十四年五月十九日(木曜日)
   午前十時四十五分
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○労働組合法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○労働関係調整法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山田節男君) これより労働委員会を開会いたします。昨日に引続きまして、第一章の第一條の質疑はまだ残つているように伺いますので、一章の一條について御質問願います。
#3
○中野重治君 昨日の残つた部分について簡單にお尋ねしたいと思います。それは昨日やはりやかましく問題になつた点ですが、暴力規定が新らしく入るについて、次の点を答えて欲しいと思います。それは單に暴力規定のみならず、第一項の文句についても同樣ですが、今まで政府は憲法その他で保障されているところの團結権、爭議権等等は、これは飽くまでも尊重する、尊重する建前において法の條文ではこれに言葉としてはタツチしない、こういうことを言つておりますが、現行法を改正案のように変えることによつて、あの三つの権利が具体的に保障されるというふうにはどうも理解されないのですが、併しこれはそういうふうなつもりだと言われればそれまでとしてもよろしい。併し暴力に関する規定をああいうふうに差狹むことによつて、三権が一層具体的に保障されるとは思えないのですが、この点はどうですか。そういう意味をもう少し詳しく申しますと、暴力規定をああいうふうに差狹むことによつて、暴力が禁止されるという面は非常にエンフアサイズされて響いて來る。そのことが三権の具体的保障を一層促進するというふうにはどうも思えない。その釣合上の関係はどういうふうに理解したらよかろうか。こういう意見です。
#4
○政府委員(賀來才二郎君) 前段の御質問につきましては昨日も申上げましたように、政府といたしましては憲法二十八條がこの第一條の全面的な基盤になつておるわけであります。それでこの二十八條で保障されておりまする團結権、團体交渉権並びに團体行動権につきまして所要の具体的な事項を、特に労働組合運動につきましての必要な事項をここに特に明確化いたしたのでありまして、その明確化の状況と二十八條とは必ずしも幾何学的に一致した形体にならないかも知れませんが、若し一致しない部分がありましても、それらは二十八條が直接これを保障いたしますので、我々といたしましては團結権、團体交渉権及び團体行動権に関しましては、労働組合は憲法二十八條によつて全面的に保障されているということを申上げたのであります。これと暴力の行使という問題に関しましての御懸念に関しましては、特に労働大臣も非常に重要視されまして、大臣からも御答弁も申上げましたように、我々労働省当局におきましてもさようなことのないように、これは念のために、即ち労働者がつい從來のように誤解に基きまして無用の刑罰を受けるというふうなことがあつては、折角保障されておりまする團体行動権或いは團体交渉権というものから無用の被害を受けるようなことがあつてはならないというので、念のために規定いたしたのでありまして、その趣旨が間違つた又結果を來すようなことがあつてはなりませんので、この点については十分注意をいたすのみならば、具体的にさようなことのないように措置を講じて行きたい、例えて申しますと、これが若し通過いたしますならば、五月の三十日、六月の一日は東京におきまして、六月二日、三日は京都におきまして、七日、八日は高松、それから十、十一日は別府、二十二、二十三は山形におきまして司令部のウオーレン氏が特に出席いたしまして、私とそれから末弘中労委員会長それから高橋檢務局長、これらが揃つて各地に出掛けまして、そうして地方の労働委員会の委員、それから地方の知事、檢事正等に集合願いまして、この法の趣旨の過ちなき運営を期するように、直ちに努力をいたすということを予定はいたしておるのでございますから御了承を願いたいと思います。尚檢察当局の関係につきましては社会労働課長から御答弁申上げます。
#5
○説明員(神山欣治君) この檢察の面につきましては、昨日も高橋檢務局長が、逆用の面について遺憾のないようにやつて行くということは、從來の方針でありますると同時に、今後もこの但書が付くことによつて、或いは懸念されるようなことのないように特に注意をして参る、その一例といたしまして本月の末に、全國から招集いたしまする労働係檢事会同においても、特に檢務局長から特にその点について嚴重に指示するということを昨日明言いたしておりますので、遺憾のないよう万全を期したいと思つております。
#6
○中野重治君 今お答えになつた点、特に諸地方を廻つて組織的に、運営に誤りなきよう具体策を講じられるということは、この法案が通つたならばということですか、通らなくてもということですか。
#7
○政府委員(賀來才二郎君) 幸にいたしまして、この法案が御審議によりまして國会を通過いたしましたならばという予定でありました。これは司令部ともよく打合して置きます。
#8
○中野重治君 恐らく労働行政当局は今度とも、例えこれが通らなくとも、そういうことについての正しい意見が徹底するようには努力なさるだろうと思います。それで、それについて通らないうちに是非聞いて置いて頂きたい。それは、今までも段々話がありましたように、我々も労働組合と企業家、或いはその他とのいざこざにおいて、絶対に暴力の形が現われない、今後も現われないと言おうとするものではありません。これは今まで政府側も我々側も協同して認めたように、こういうことは少くなつております。漸減の傾向にあるけれども、併し可能性が絶対なくなつたということは言えません。併し私が言うまでもありませんけれども、ここの問題は可能性に基くべきではなくて、現実性に基かなくてはならんわけですから、現実性に基いて行く以上は、どうしても組合運動において暴力的発言が漸減の傾向にある、この現実を我々は尊重しなければならない、こう思います。現実がそうであるのに、法的観念としては明らかに可能だということを以て暴力規定を差狹むということは、どうしてもそれが取締りのために逆用され、その可能性を現実性に持つて來ることだと、こう思わざるを得ない、これが一つですね、私としてはこういうふうに可能性に基いて暴力は一般に否定さるべきだということから挿入すれば、折角現実が改善されつつあるところに持つて來て、悪しき可能性を現実化することになつてしまうだろう、ここをどう考えるかということが一つと、それからこれは他の委員からも昨日お話がありましたが、現実に暴力的な発言が漸減しつつあるにも拘わらず、発案者の方が何かおびえているように思われる、今の大臣のお言葉からもそれが類推されるわけですね、それでこの間から公聽会で、使用者側、労働者側、或いは学者達の意見を聞きましても、資本家側の代表のうちには、こういうことを言われておる人がありました。こういう規定を入れないと、労働組合の方では労働爭議である以上、何をやつても構わないのだという観念がなかなかなくならないのである。現にどこそこにこういうことがあつた、あそこでは重役のところへ來て坐り込んでどうだつたとかというような例を出されております。私は今名前を申上げませんが、参議院の公聽会に資本家側の代表として出て來られた人と直接話をしましたが、現にこの委員会でもみずから経営者であり、資本家である人がこの改正案に反対しておりますが、そういう人でない人の中には連合してどこそこではこういうことがあつた。例えば煙草盆がなかつたからどうしたとかというようなことをパンフレツトに作つて廻しておる。併しそういう細かい問題は公聽会ではさすがに氣恥しいと見えて発表しない。こういうことをみずから言つております。それで公聽会で問題になつたように、労働組合の方ではこういう即ち暴力を取締るということは一應筋が通るけれども、会社側、使用者側の方が暴力團を使つたりいろいろなことをやる、こういうことは問題にしないで、たまたま労働組合側の人間が、行過ぎかも知れないが、何かがあつたとかというようなことを問題にするのは怪しからんじやないかという意見があつたのに対しては、労働組合側ではそういう不当な暴力を使用者側から差向けられた場合にはこれと鬪えばよい、そこに正当防衞の権利が明かに行使できる、又その他のことがあればそれを法に訴えればよいじやないか、こういうことを一方では言つておるわけです。それだから暴力規定をこういうふうに入れることは労働組合の権利を侵害する意味ではない、こう弁解しておるわけです。ところがそれならば資本家側に被害があつた場合に、何故その人達はこれを法に訴えないのか、何故正当防衞の手段を講じないのか、私はその点を比べて見ると、労働組合側は明から憲法に保障された人権を守るために、みずから鬪おうとする用意があることを表明しておる。資本家側はみずからそれを守ろうとする意思がないということを表明しておる。而もそうやつてもなかなかうまく行かん場合がありますから、そういう場合には労働者の方では止むを得なくて、或いは職場離脱というような立場をとることもあり、ハンガー・ストライキにまで訴える。併し資本家側は盛んに政府を突つついたかどうかは知らないが、同じような方式でこういう暴力規定を入れることに皆賛成しております。衆議院でも、参議院でも、資本家側の代表は……。その人達が自己の基本人権を守るためにハンガー・ストライキに訴えたというような例を一つも聞いたことはない。私はハンガー・ストライキに訴えなさいと言うのではないが、この問題を二つの流れ方から見ると、資本家側は、特に悪資本家側は決して自己の人権を守ろうとの積極的行動に出ていない。そういう人々がこの暴力規定をここに入れようとしておるわけです。そうすればこれは暴力が現われたために誰かが被害を蒙むるというのではなくて、暴力を可能性として恐れておるところから、その恐怖心から問題を法的に規制しようという途へ出て來ておると、こう考えます。併しもうそれはユスチニアヌス法典以來神経質な人が、普通の人ならば恐れないことに恐れて、そして表明した場合には、これは現状から見ても條件を備えないもの、こういうふうになつております。ですから我々はこれが資本家側の何か、やましい点から來る畏怖心から來る要求ではないか。これを政府ではどうお考えになるか。(「簡單々々」と呼ぶ者あり)第一の可能性の問題と恐怖心の問題と……今他の委員から簡單簡單という言葉がありましたが、私はこういう問題に非常に十分の関心を持たない人が簡單に叫ぶことを敢えてすることを好まない。(「議論と質問と」「分らない」と呼ぶ者あり)分らない人に説明の労を惜しむものではない。(「分り過ぎている」と呼ぶ者あり)どうぞ。
#9
○政府委員(賀來才二郎君) 御質問の要点は二つに考えます。前の方の御質問は、將來も可能性があると思う。その際にかような規定を置きますと、この可能性が現実化しやしないかという御質問と思います。我々は現に漸減しておりますから、將來さようなことは組合の自主性によりましてしないだろうと思いますが、併し團体交渉というものは水物でありますから、それから非常にむずかしい問題も起つて來ますので、或いはあり得るかと思います。併しこの法を規定したもので出て來るとは思いません。さようなものがあるし、これは予め予防しなければならない、注意しなければならない。かような意味で入れたのであります。第二点の御質問は、使用者側が正当な行動をとらなかつたから、さようなことになつたのではないか。從つてそれらの人がこの法律に頼つてやろうとする態度をとつておるのじやないか。これによつてこれを規定したのではないかという御質問でありまするが、我々といたしましては、使用者側が從來正当に行使すべき権利を用いずして、法によつてバツク・アツプしようということは遺憾に思つております。況んやさような考え方からいたしまして、今度のことを規定いたしましたのはさような使用者側の氣持に対して、これをバツク・アツプしようという氣持は絶対に持つていないのであります。ただ繰返して申しますように、労働者側が無益の被害を蒙むることのないように注意いたしますために、ここに入れたのでございます。
#10
○委員長(山田節男君) 他に御発言ございませんか。別に御発言ないようでありますので、次に第二條を議題に供します。
#11
○村尾重雄君 質問いたす前に衆議院で、これは單に字句上の修正だと思いますから、字句と字句の語呂の関係で修正があつたと思いますが、簡單に説明願いたいと思います。
#12
○政府委員(賀來才二郎君) 第二條但し書の一号で「組合としての忠誠と責任」という、この「忠誠」という言葉が適当でないというので、これを「誠意」という言葉に修正なさつております。
#13
○村尾重雄君 まだある。
#14
○政府委員(賀來才二郎君) それから「役員、雇入、解雇」の点を打つてありますが、「、」を削除しております。
#15
○村尾重雄君 それ以外に意味がないわけですね。
#16
○政府委員(賀來才二郎君) ありません。
#17
○村尾重雄君 この第二條のことについて質問いたす前に、この間の私の質問に速記がありませんでしたので、一番最後の一点について再質問をしたいと思います。御承知の專從者の問題でありますが、この法によりますと、全般的に大部分の專從者というものが切替えをしなければならないことになるのであります。そのためにその專從者を連合会なり、即ち外部の人と切替えることにおいて、賃金値上鬪爭であるとか、又基本的な労働條件の改善という仕事はそれらの外部の常任に切替えて、その任務を遂行いたされまするが、從來のその專從者の大部分の仕事であつた工場内部における、例えば能率の問題及び工場の復興の問題、及びその所属する産業の再建ということについて非常に大きな影響を與えると思います。從つてその場合に外部と切替えることについて、やはり從來の專從者を置こうとした場合には、連合体なり、労働組合が強化された單一労働組合であるならば、それらの從來の專從者をそのまま会社側に引続いて置くことはできませんが、併しそれにおいても給料の問題は別として、將來の身分の保障の点については非常に不安定になることは、今日の組合の財政状態においても明白であります。この点で例えば一年なり二年後に組合から常任の席を解除された、解任された場合において、再び会社側に戻り得る機会を付けるとか、その他いろいろな方法を持たないでは、現在の專從者というものは組合に切替えることは非常に至難だと思います。その場合経営者側と組合との間に給與の面を外して、例えば一年後に会社に復帰する場合においては、それと同じように、昇給の率においても同じように、又年限の引継ぎとか、いろいろのことについて組合内部と会社側との合議で労働協約等によつて、いろいろ折衝して決めるとか、こういうような行き方は、給與の面を外した場合においては、私は妥当であるか、妥当でないかということをもう一遍お尋ねしたいのですが、如何でありますか。
#18
○政府委員(賀來才二郎君) 労働組合の專從者の経費を持たなくなりましたために、会社或いは工場の実情に通じた人達が、段々專從者から減つて参りました結果、労資の関係がスムースに行くべきものが行かなくなるというようなことがあつてはならないという御意見は我々は同様に考えます。從いまして、只今御質問のように一旦專從者として出まして、半年乃至一年後に帰つて來ましたとしまして、これに対しまして不利益な取扱いをしないように労働協約において、明確に規定をいたすことは、如ら費用援助にならないということを申上げます。
#19
○村尾重雄君 先だつての一般質問での議論の結果として明かになつたことは政府におかれても、使用者から信任を受けている專從者が一人とか二人組合に入つているから、組合が自主性がないとか、その組合が御用組合であるという断定にならないという御意見があつたように思います。これは当然のことだと思うのであります。私は從つてこの專從者をこの際切替えられることは、組合に取つて財政的に非常に負担になることは事実なんです。その組合が今後の活動において財政上弱体化されなければならん危險性も多々あるのであります。その点で衆議院においてもそうでありましようが、先日からも議論のあつたように、專從者の問題について或る期間、猶予期間を置くことについての御意見はどうか。又労働協約によつて締結されている面においては、專從者の面においては、現在の労働協約に締結されている面においては、それが締結が終るときまで猶予を保つたらどうだという、こういう妥当な意見が度々出ていると思いますが、これについての労働大臣の御見解を伺いたいのです。
#20
○國務大臣(鈴木正文君) 根本的の考え方としては、しばしば申上げましたように、組合自体の経費は組合自体が支弁して行くという考え方が正しいし、又それは過渡的状態をも考慮して、いつの段階かという段階の認識に至りましては、いろいろ見方があつたと思いますが、私共政府当局の見方は、今の根本原則を実現すべき段階に達しておるという見方の下に、法的にも或いは又この問題にも臨んでおるのでございます。又只今御指摘になりましたような猶予期間という問題、原則といたしましては、実状から考えまして、その考え方自体には私共も決して反対ではないのでございますけれども、その猶予期間の幅その他につきましては、いろいろ考え方の相違があつたと存じます。私共といたしましてもこの点につきましては、一應猶予期間というものを実際には置いて、この問題は実施して参つたのでございますが、尚この猶予期間をそれよりも幅を置くか置かないかという点に至りましては、皆さんと考え方がやや違つておるという結果になつたと存じます。猶予期間の考え方自体には私共も賛成でありましたし、一應その期間を置いた結果になつておりますが、その他の詳細につきましては、政府委員から御説明いたさせます。
#21
○村尾重雄君 繰返すようですけれども、この問題、しばしば審議で明らかになつていることは、勿論政府の、この法案の狙うところであろうと思いますが、この專從者の問題について、組合が敗政的に非常に負担になつて組合が弱体化するということは、これは事実なんであります。その点で経営者からいわゆる組合の経費の援助を画一的に禁止するということは法の主眼的な、又民主的な自主的な労働組合の維持育成の道から外れるという危險は多分にあると思う。従つて私はこの法規を以てこういうことを規定することは非常に誤まりだと思うが、これは見解の相違だと思うので、私の意見として申上げて置きます。次に、第一項についてお尋ねしたいのですが「機密の事項に接し」という、「接し」という言葉の範囲ですね、例えば試案の御説明のときに、タイピストがどうだとか、電話交換手がどうだとかいうお話がありましたが、この「接し」という範囲を一つ政府の方で御説明願いたいと思います。
#22
○政府委員(松崎芳君) 只今の「機密の事項に接し」という字句につきましては、これは過日労働省から発表いたしました試案の中にも入れて置きました文句でありまして、大体工場支配人でありますとか、人事課長、会計課長、労務課長というような人達、更に人事課とか、労務課の職員の中に在つて、労働関係に関する機密事項に接する地位にあるというような人達をあれは指しているのであります。
#23
○村尾重雄君 では度々問題になつているこの機密事項に接している労働者の立場にある電話交換手、タイピスト、守衞、運転手といつたようなものは一体どの事項に関係して來ますか。
#24
○政府委員(松崎芳君) 守衞と言いましても一概にアメリカにおけるような、会社の中での警察官というような立場の守衞というものは、日本には割りにそういう種類が少いと思うのです。これは二月二日の次官通牒によりまして、特に「会社警備の任に当る守衞」という形容詞を付けておりますが、守衞という字句にこだわらずに、カンパニイにおけるポリスメンというような意味における守衞というものは含む、それはこの法案の中においても、「その他の使用者の利益を代表する者」という中に入ると解釈しております。タイピスト、運転手というような面につきましては、これは大体において組合員の側に入るべきものであるというふうに解釈しております。
#25
○村尾重雄君 只今の御意見私はそのままで、私もそう解しておるのですから、私は結構であると思います。ただ会社の労務課長とか、支配人だとか、又はそれに附随しておる少数の技術者だとか、こういう人に対しての只今の御見解がありましたが、私は尚進んで機密事項に接しておるものの中にも、特に只今おつしやつた、御指摘になつたような使用者の利益を代表すると認められている人でも、組合員、例えば加入しているから、しないからといつて、その組合その自体がこれらの例えば御用組合であるとか、或いは組合の方から除外すると指摘されたことにはならないと思います。例えば一人使用者側の或る程度の機密事項に接したものが入つたからといつた、入らないからといつて、組合その自体の御用組合であるとか、これは労働組合の資格を備えていないということには、そう私は一人、二人のことは関係ないと思います。私共はそういう立場からやはり使用者で、賃金の面においても使用者で、はつきり使われておるものだということが明確である場合においては、やはりこれらの人も一般労働者と同じ立場において、やはりその地位というものは保護されるべきだと思うのですが、もう少し見解をですね……。爾來労働委員会で度々問題になつた焦点のこれは爭いなんで、今度は労働委員会でそれが決定を委ねるのでなくして、法によつて、政府のこの法の規定によつて、大体決定されるのであるからして、相当明確に労務なら労務課長、並びに祕書なら祕書課長とか、やはり明確にその範囲を指示して貰いたいと思うのですけれども、少し質問が何だと思いますけれども……
#26
○政府委員(賀來才二郎君) 御尤もな御質問でありまして、会社側の人間が黒で、組合員が白と、はつきり白黒が分れているわけじやないのであります。課長は部下を使いますが、又部長に対しましては使われる、資本家の資でなしに使用者の使の字を書きますと、労使というものは非常に段階があるわけであります。從いましてどこで切るかということは非常に重要な問題であります。同時に例えて申しますと、小学校の校長先生は、これは管理、監督の任にあるからというので、これを非組合員とするということを決めて見ますと、併しながら校長先生には校長先生としての、自己の地位の向上という立前から、当然團結というものが認めらるべきでありまして、学校の先生に対しては使用者でありますが、又知事或いは視学等に対しましては被監督の立場にあるのであります。それから人が横に繋がつて組合を作ることは、現行法におきましても、又この法案におきましても禁止はされていないのであります。ただ問題は御承知のように、これは明確化するのが最もよいのでありますが、到底條文では明確に書くことが困難であります。これを課長とか或いは部長とかという職階の名前で切りますと、これははつきりいたしますけれども、この趣旨から申しますと、職階で切るべきでなく職能でこの範囲を決定すべきであるという考え方でかような表現をいたしたのであります。つきましては、規模の大小でありますとか、或いは業態によりまして非常に違つて來る。例えば銀行におきます課長と、それから工場におきます課長、又大きな工場の課長と小さい工場の係長、これらいろいろ違つて参るのであります。從いましてこれらの條件が組合としての資格を認められるかどうかという基本になるわけでありまするし、それらの立証をいたしますのは労働委員会であります。從いまして我々といたしましては、中央労働委員会におきまして業種別、或いは規模の大小別によつて、これらのものはどういうふうに具体的に切るべきであるという大体の基準を労働委員会が協議決定をせられるように期待をいたしておる次第であります。
#27
○田村文吉君 今の問題に関連して伺いたいのでありますが、今賀來さんは、これは余り職階的にはつきりと決めることはできない。無論私はそれが正しいと考えるのですが、前の政府委員の御説明に、例を上げて御質問があつたのに対して、例えば課長等は問題ないし、タイピストや何ぞは無論入らないのが普通だ、守衞も今のアメリカ式のゲツトキーパーであるならば入るけれども、そうでない場合は入らないというようなことを例を引いて御説明になりましたが、こういうようなことは今後誤解を招く虞れが多分にあると思う。いわゆるこの法の、接するという言葉をよく玩味して労働委員会が決定して貰う。こういうことを局長さんの御説明で私ははつきりしておると考えるのであります。繰返して甚だ済みません。
#28
○政府委員(賀來才二郎君) 実は私申しましたことで、職能でこの範囲を切つて参るというのが基本の方針になつておりますが、この一号をはつきりして参りますと、やはり実際的には階級で切られるようになると考えるのであります。ただ階級で切りますと、実例を申しますと、最近の或る一万人くらいの工場の実例でありまするが、最近まで勤労課の主任でもなし、係長でもなしおりまして、会社の労働協約の草案を起案しておつた男が、今度は組合の委員長になりました。それでこの間まで委員長をやつておりましたものが、今度はその労働協約の草案者になります。そうして最近それが草案に基いて團体交渉をやつておるのであります。甚だおかしいのでありまして、どつちが使用者か労働者か分らないような例もあります。從いまして我々といたしましては、非組合員、組合員という線の切り方は、やはり使用者の利益をオーソリテイを以てエンフオースする立場にある人間であるというような一本を通したいというのがこの書き方であります。併しながら御指摘のように、さようなことを一々やつて参りますと誤解を起しますので、これは原則としては中央労働委員会で更に具体的な決定をいたすことを期待いたしておりまするし、尚中労委員長ともこの点につきましては打合せをいたしておる次第であります。
#29
○田村文吉君 それから專從者の問題でありますが、專從者というものは必ずしも置かなければならないものではないと私は考えます。或いは労働省としては大体どのくらいの工場にはあつて然るべしとお考えになるか、そういうことについて全然お考えになつていないで、その会社、工場における適当な工場の考えに任せるというお考えか、何らかお持ちになつておりますか。
#30
○政府委員(賀來才二郎君) 我々といたしましては、これは組合みずからが自治的に決定をすることを期待いたしておりまして、何人を適当とするということは申さないことにいたしております。ただ併しながら公共企業体労働関係法におきましては、千人について何人というふうに政令で定めるということになつております。これは労働組合及び使用者と最近打合せまして、千人につき一人ぐらいの割合で決めたのでございます。ただ我々といたしましては、組合がしつかりして來ますると、從來のような專從者はなくて済むようになりまするが、過渡的には特にこの教育活動というものが非常に重要な段階にありまするので、アメリカのような状態にはまだまだ遠いものだ、かような考え方であります。
#31
○田村文吉君 私は專從者というものは成るべく組合が置かないように、できるだけ経費が掛からないようにして組合は運営されて行かなければならないと思う。最込ややもすると流行のように專從者々々々と言つて、これは今まで会社から給料が出たからいいけれども、いよいよ出ないことになつたら、成るべくお互いがお互いのために図る仕事でありますから、時間を割いてやる。又その場合に工場主の方も、時間も、執務時間中であつても若干の場合の都合はしら貰うというようなことで、專從者という者は成るべくない方がいいんだ。あるために組合の経費が非常に掛かつて來て、今後非常に困つたことになると、こういうふうに私は考えているのですが、労働者としては、まあ專從者は止むを得ない。又今後この制度は或る程度やはり助長して行かなければならないものとお考えになつておるか。どういうふうにお考えですか。
#32
○政府委員(賀來才二郎君) 基本の線におきましては、私共の考え方は田村委員のお考えと同じであります。今まで少し多過ぎたという点は認めまするし、又曾て原委員や或いは村尾委員が労働組合運動をおやりになりました頃には、こういう問題は思いもよらないような状態であつて、而も当時強い組合ができておつたわけでありますから、我々といたしましては田村委員の御主張のように希望をいたしておるのであります。
#33
○村尾重雄君 只今田村委員のお言葉の中にあつた專從者は要らないであろうとか、それは拔きにして、その言葉の中にありました第二号に明確になつている中で、例えば労働者が労働時間中に、時間又は賃金を失うことなくして、使用者と協議し、又交渉すること云々がありますが、田村さんの言葉の中におけるように、この労働時間中に、勤務時間中に対使用者側と交渉する。時間云々ではなくて、組合の会議、組合それ自体の会議を、使用者側と合意の上で持つことにおいては、この法とは関係ないことですか。認められないことですか。
#34
○政府委員(賀來才二郎君) ここに書いてありますのは、使用者と協議するというときの例外だけでありまして、組合活動としてやります場合、これが対内活動でありましようとも、対外活動でありましようとも、これに対する費用は支拂つてはいかない。
#35
○村尾重雄君 それでは田村さんがおつしやつているように、両者の合意の上で、僅かな時間において、対使用者側との交渉の前提となる合議なんかも、やはり絶対にいけないということですか。
#36
○政府委員(賀來才二郎君) この点は嚴密に解釈をいたしております。
#37
○田村文吉君 今の問題でありますが、法の上から言えば、はつきり言うと、そういうことになつておると私は考えるのでありますが、実際問題を運用する上から行くと、さようなことは始終あり得るだろうと考えられるのでありまして、その場合にそれを工場長が認めて置いて、承認して置いたものだからこれは労働組合の自主性を侵したものであるというような、えらい一日に十万円という罰則があるのですが、そういう罰則を喰つたんでは実はたまらないと思いますので、今のあれも出たのだろうと思うのですが……
#38
○政府委員(賀來才二郎君) 例えて申しますと、この第二條の各号は組合の基本的事項でありますから、相当嚴密でありまするが、我々といたしましては、一回そういうことがあつた。或いは特に実は実情がこうであつたということでやりましたものを、直ちに資格否認ということに持つて行きますと、今度は逆に使用者側が組合を潰そうとすれば、そういうことをやつて置いて、後でそうじやないということができる虞れもないではないのであります。從いまして、それぞれの情状によつて、組合自体が基本的に自主性を失はないという線で行つて貰いたいということを考えております。
#39
○平野善治郎君 今の第一号の詰り範囲であります、政府委員から承わりますと、職能で來た方がよいことを言つておりまして、その意味については私は同感であります。併しながらこの法案を審議する際に、それではその幅を誰が決めるかということになると、中央労働委員会が決めるのだ、併し立案した当時において、立案者としての大体の方針があるかないかということを一点伺うことと、もう一つは、中央労働委員会に任せますというと、その中央労働委員会が若しも適正な時期までにその判定を示さない場合においては、この法案施行並びに資格の承認を受けなければならん時間がありますから、そういうような場合、その結果がどうなるかということの二点を一つお伺いしたいと思います。
#40
○政府委員(賀來才二郎君) 第一点につきましては、当然労働大臣といたしましては、法を施行するに際しましては、行政上の有権解釈をする権限と責任とがあるわけでありますし、立案に際しましても、あらゆる角度からこれを檢討いたしておりますので、基本的な方針というものは持つておるのであります。それに基きまして、これを実際に移す場合においては、労働委員会がその立証に対する認定をやる立場にありますので、この点につきましては、労働委員会の研究とその方針の決定に待つということにいたしておりまして、目下只今御指摘のこの法が施行されますと、直ちに立証をやらなければならん組合も出て参ると思いますので、中労委におきましては、会長の手許におきまして、目下研究をいたしておるのであります。前段の基本的方針というものにつきましては、昨年十二月の終りに出しました次官通牒というものが大体の基本方針ということで進んでおります。
#41
○原虎一君 ちよつと私は賀來局長の御答弁、私の聞き違いかも知れませんが、田村委員から事務專從者は少い方がよいという希望的な御意見に対して、基本的には同樣な考えを持つておるということを言つておられました。それが間違いないとしますれば、これは労働省としての御意見ならば問題だと私は思うのです。賀來局長の御意見ならば賀來個人として私は御答弁になつたことでよいと思いますが、私は労働組合に労働者みずからの納入する組合費によつて、できるだけ無駄な人間は要りませんが、できるだけ專從者を置くということが、その労働組合が社会的に労働者の地位を向上するために必要なことだと思う。それは労働省の御意見だとすれば、由々しい問題であると思う。田村委員はそういう御意思があるために、別に事務專從者を置くための弊害の方のことをお考えになつて、そういう御発言があつたのではないかと思います。事務專從者を置くために弊害がないとは私は申しませんが、労働組合運動に事務專從者ができるならばないで、工場におる労働者のみによつて労働組合活動をするのを希望するのは資本家側であります。田村さんの御意思はそうでなくても、全体を言えばそうであります。そういうことを御存じの労働省の局長として田村さんの御意思がどうあろうと、それをそのまま鵜呑みにして労働省の代表的意見のごとく発表せられることは如何と思うのであります。私は、私の名前が出ましたから申しまするが、私は事務專從者として労働組合から給料を貰つて二十数年間働いておる男であります。事務專從者はできるだけ経済の許す限り労働組合の財政の許す限り多くて、社会的活動を事務專從者がまじめにやることによつて、その組合が社会的な生活を向上して行くのである。それが少い方がいい。基本的には少い方がいいというお考えを労働省みずからが持つておられるならば、これは私は承知できないのであります。ただ今までにおいてそういうことが多う過ぎたためにこういうこともある。况んや資本家が給料を拂つておるものが沢山ある。國家公務員なるものが俸給を貰いながら多う過ぎた。こういう御意見ならば、これは先ずそれにもいろいろな意見はありますけれども、事実は事実として我々は認めなければならん。田村委員の御意見のような、ただ事務專從者は労働組合には少いがいいのだ、こういう御意見に対して無條件に基本的に賛成されることになれば、ちよつと私は了解できない。この点はもう一度御説明を願つて置きたいと思います。
#42
○國務大臣(鈴木正文君) 只今の点に私からもお答えいたします。田村委員及び賀來政府委員の應答の主たるものは、現在までの実情はやや多うかつた。そういうことを率直に認めておるというところにあつたと存じます。原委員が只今御指摘になりました点は重要な問題であります。私としてはこの規定で以て経営者側が專從職員の経費を受持つてはいけないということは、しばしば繰返して申しますように、経営者側の財政的援助というものから独立して、自由、自由的な組合を展開するという観点からでありまして、別個に組合自体が活溌なる運動をし、將來への建設拡大、日常闘爭というものを図るために、組合自体が專從の專門の人達を持つことは一向差支えないことでありますし、その多い少いというふうなことは、組合の性格、その時の場合によつて、組合自体の自主的な判断によつて決定さるべきものでありまして、組合の仕事に專念するところの精鋭な組合の專從者と申しますか、そういう人達の組合にとつての必要性というもの田、この財政的援助からは切り離すという問題とは別個にいたしまして、根本的には組合自体に必要欠くべからざるところのものであり、それを現在まで事実的の問題といたしまして、やや多うかつたような傾向があるから、その点についての是正を切望するという考えはともかくといたしまして、根本的になくてもいいのだ、これはどうしても少くてはいけないのだというふうな考えは政府自体は持つていないのでありまして、それは一に組合の自主的判断に任せていいと考えるのであります。
   〔委員長退席、理事平野善治郎君委員長席に着く〕
#43
○政府委員(賀來才二郎君) 私の答弁甚だ不十分でありましたためにお叱りを受けて恐縮でありますが、私がお答えしたのは個人の答弁ではないのでありまして、言葉が不足でありましたために誤解を受けまして申しわけないと思つておりますが、私の考えは只今労働大臣が申上げたと同じ考えでありますから、御了解を願います。
#44
○原虎一君 了解いたしましたからよろしうございます。
#45
○理事(平野善治郎君) 二條について外に御質疑がごザいませんか……。二條について御質問がないようでございますから、続いて三條に移りたいと思います。三條に御質問はございませんか……それでは続いて四條の御審議をお願いいたします。
#46
○村尾重雄君 四條の「地方公共團体の警察吏員及び消防吏員」ということについてでありますが、例えば大都市、比較的大きい都市ですね、大きい都市における自治体警察等は先ず拔きにして、小都市における警察官、自治体における警察官及び特に消防吏員というものは御承知と存じまするが、ほんの大都市だけが消防吏員としていろいろの資格を備えておることであつて、消防に関係しておる者と言えば一般の吏員、一般の労働者の形体において少しも変らない身分保障において、その点において実際の実情から言つて未だ地方公務員法も作られておりませんし、地方におけるこの警察官とか、消防吏員というものは、これから除外すべきものだと私は思いますが、どのようにお考えですか。
#47
○政府委員(松崎芳君) 警察吏員、消防職員につきましては、この現行法におきましても、組合の結成加入を禁止しておるのであります。その趣旨は結局これは御説明する限りではないと思うのでありますが、公安の維持というような問題から見ておるのであります。消防吏員につきまして特にお話でありますが、消防吏員という形体は非常に数が少いのでありまして、今、村尾委員から御質問のあつた点は、常用の消防團員というものの形体じやなかろうかと推察するのであります。この消防吏員の中に常用の消防團員というものは入つておりません。
#48
○理事(平野善治郎君) 外に御質問はございませんか。御質問がございませんようですから、第二章に移りまして、第五條の御質問を願います。
#49
○田村文吉君 この五條でちよつとはつきりしない点があるのですが、この手続によらない労働組合というものはあり得るとお認めになつておると思いますが、よろしいですか、第五條の手続き第二條の……
#50
○政府委員(松崎芳君) ちよつと御質問の趣旨をよく分りかねますが。
#51
○田村文吉君 第五條では労働組合は云々で「証拠を提出して第二條及び第二項の規定に適合することを立証しなければ、この法律及び労働関係調整法に規定する手続に参與する資格は有せず、」というのでありますが、併し労働組合としては存在し得るのでありますかどうか。
#52
○政府委員(松崎芳君) 労働組合という名称は、これは別にこの法律に適合しなければ作つてはいかんというような規定もありませんから、如何なる團体が労働組合という名称をお用いになろうと禁止しておりません。それからこの第二條に該当する労働組合、つまりいろいろな資格條件が書いてありますが、これに該当する労働組合と、そうでない労働組合というものはあり得るわけでありますし、第二條の該当しない労働組合、更に第二條及び第五條第二項に該当しない労働組合というものは、労働委員会へ行つてそういう手続を経て、この法律及び労調法に規定する手続に参與し救済を與えられるためには、第二條と第五條第二項の資格が必要であります。
#53
○田村文吉君 次に伺いますが、若しあり得るといたしましたらば、その労働組合は團体協約の締結とか、或いは團体交渉というものはできるとお考えになりますか。
#54
○政府委員(松崎芳君) できると考えております。併しこれについて救済を受けるために労働委員会に行く場合には、必ず第二條及び第五條第二項の要件を備えていなければならないというような解釈であります。
#55
○田村文吉君 そういたしますと、團体協約の締結とか、或いは團体交渉の申出でがあつた場合には、その二條の資格を持つておらない者であつても、使用者はこれに應ずる義務があるということになりますか。
#56
○政府委員(松崎芳君) その場合は、若し使用者が断わつて、それでは労働組合と称するものの側が使用者の不当労働行爲であるというふうにして、労働委員会に訴えて出ても第七條の第二号によつて判定を受ける可能性が非常に多いと思います。
#57
○田村文吉君 そういたしますと、第七條の使用者の責任はないとも言えるのですね。團体交渉の申込があつた場合にそれを拒否しても、それがために第七條の制約を受けない、こういう意味でありますから、それを拒否することができると解釈していいのですか。
#58
○政府委員(松崎芳君) 拒否するという問題は、これは法律上の不当労働行爲の問題としては取上げられないということであります。
#59
○田村文吉君 もう一つお伺いしますが、労働組合に今の第二條の要件がなければ、今の救済を受けられないという規定がありますが、それを作るときには労働委員会の認証を得てよろしい。ところがその後欠格條項が生じた場合に誰がこれを判断するか、殆んど分らないということが多いだろうと思いますが、そういう場合には何か救済の方法を考えられるのですか。
#60
○政府委員(松崎芳君) この第五條の問題は、從來現行法のように、初めから資格認定をする、或いは資格否認をするというような一般的な問題ではありませんので、問題が起きた都度、労働委員会に証拠提出して立証するという形になります。でありますから一遍そういう立証をすれば、後はずつと組合になる。その欠格條項が出て來た場合に誰がどうするのだという問題は、この案においては出て来ません。
#61
○田村文吉君 そういたしますと、当事者間においても、果してこれは有資格の組合であるか、有資格の組合でないかということは團体交渉をする場合においても分らない、これを知り方法がないということですが、團体交渉をする前には、先ず君達の組合はそういう資格を持つているか否か、それを一つ提示して貰いたい、こういうことを要求しなければならない問題が起るが、何かそういう点を救済するような方法等は考えられますか、或いは今後法律の精神を変えないで、政令等でそういうものを決める方法はありますか。
#62
○政府委員(松崎芳君) 現行法のように最初資格がある、或いは資格がないというふうにはつきりいたしまして、ずつとその後においては大体こういうことがあつても資格がある組合として認められているということは、今田村委員からおつしやつたように非常に便利なんでありますが、そういうことをいたしますと、結局行政官廳が労働組合の自主性に非常に関與し過ぎるというふうに考えまして、この第五條のような規定に変えたのであります。問題はそういう團体交渉をする場合に、お前のところは労働組合であるかないかというような問題が出て來るというような場合に、さつき私ちよつと言い過ぎたのでありますが、第七條の第二号におきましては、「使用者が雇用する労働者の代表者」という文句を使つております。労働組合という文句を使つておりません。でありますから第七條第二号におきましては、労働組合という第五條で立証できない場合におきましても、使用者側におきましては、それと正当な理由がなければ團体交渉をすることが義務であります。そうして法人の場合につきましては、この第五條におきまして立証を受ける、そうしますと、その立証したところの証明書を貰う、それを登記所へ持つて行く、登記所はそこで、これは労働組合に合致するから組合であるかどうかというややこしい判定をせずに、労働組合の証明書を信用して、そうして登記所に登記すると法人になれるという便法を設けておる次第であります。
#63
○田村文吉君 もう一つ伺いそこねましたが、今の適格なものであるかないかということは、まあさておきまして、不適格なものであつたというものと團体交渉の申込みを受けた、これを拒否したということについては罰則の方面には全然これは規定はありませんでしたかね。若し罰則に、それに対する何があるとすると、その場合には合法的のものである場合にはいけないけれども、非合法的な組合である場合は拒否してもいいのだということが成立たないことになる。それはうしろの方に罰則には入つておりませんでしたかどうか。ちよつとお知らせ願いたい。
#64
○説明員(石黒拓爾君) 只今の点につきまして、御説明申上げます。第七條の第二号でございますが、團体交渉の拒否の禁止は、これはあらゆる労働者の團体に通ずるものでございます。從いまして、規約が第五條第二項の規約を備えない労働組合についても團体交渉を拒否してはならないのでございますが、併しながら拒否された場合でも、その拒否された組合は、労働委員会に命令を出して呉れということができない結果、從つて労働委員会の命令が出ない、罰則の方は、命令違反ということにかかるのでございまして、團体交渉の拒否と直接にかかるのではございませんので、從つてそういう組合の團体交渉を拒否しましても、直ちに罰則がかかるという事態は起らない。
#65
○田村文吉君 直ちにでも、後でもいいのですが、かかることは絶対にないのですか。
#66
○説明員(石黒拓爾君) この関係は非常にややこしくなつておるのでありますが、労働者の代表者ということ、労働者の代表者團体として認められるのは爭議團でも團体交渉はできる。從いまして、爭議團と同じような資格で、規約不備の組合が團体交渉を申込んで來た場合もやはり應じなければならない。併しその組合は委員会の命令が出ないから罰則はかからない、結論においてはそういうことになります。
#67
○田村文吉君 一應その辺で保留して置きます。
#68
○早川愼一君 今の田村委員の問題に関連しまして、第五條の立証は予めして置くのでありますか。それとも手続参加乃至は救済請求の都度にやるのですかその点……
#69
○政府委員(松崎芳君) その都度であります。
#70
○村尾重雄君 第五條第二項の「労働組合の規約には、左の各号に掲げる規定を含まなければならない。」という個所の第四号ですが、何人も、いかなる場合においても、人種、宗教、性別、門地又は自分によつて組合員たる資格を奪うことができないとありますが、これは相当衆議院においても問題になつたと聞いておりますが、これが憲法十四條及び基準法第三條、職業安定法の第三條に明確に決めておるこの「信條」という文字が拔けておるのはどういうわけですか。それは一つ伺いたいと思います。
#71
○政府委員(松崎芳君) この点につきましては、衆議院におきましても、非常に議論になつたわけであります。我我の見解といたしましては、憲法に言うております「信條」によつて差別してはいかんということは、國が差別してはいかんということを書いてあるのである。労働組合はプライベートの團体として自主的に問題を処理し得る。併し事宗教に関して、お前はキリスト教だから駄目だ、お前は天理教だから駄目だということで組合員たる資格を奪うというようなことのないようにという最低限度をこの労働組合法では謳つておるのである。でありますから、直接問題になりましたのは、お前は共産主力者だから駄目だというような規定を設けておるかどうかということが直接問題になりましたのでありますが、我々といたしましては、昨年も新潟縣でありましたが、通牒を出しましたときに、そういう具体的な事例があつたのでありますが、そういうことは違法ではない。併し非常に不名誉なことであろうという回答を出しておるのであります。
#72
○村尾重雄君 ちよつと答弁の解釈に苦しみますが、例えばプライベートのものだと言われるが、組合法と同じという性格を持つ基準法なり、職業安定法にも確明に「信條」ということは入つておる。「信條」の解釈について議論をするのではありませんが、明確に特定の政党を指した言葉が含まれておるのだという含みを持つておるということがはつきりしておるのですが、何故基準法なり、職業安定法等にも入れられておる文字、この「信條」を何故拔いたか。
#73
○政府委員(松崎芳君) 労働基準法におきましては、これは使用者と労働者との関係を規律するものである。これは飽くまで自主、自治に任すべきものであるという解釈であります。
#74
○村尾重雄君 私はどうも頷けないのですが、実はこの問題で関係当局のヘプラー課長と会つたときに、この問題については、相当意見を伺つたのであります。その考えられておる意見はどうかということは拔きにして、この宗教を入れる入れないは問題外として、この中から「信條」を拔いたということは、わざわざここから、憲法にもあり、又基準法にも、職業安定法にもあり、ここから拔いたという考え方というものは、非常に私は今後大きな問題が起るじやないか、こう思うのであります。例えば一例ですが、組合の内部に起る常の問題ですが、組合の内部でお前は共産党員だからというので、それを排除して、問題が可なり組合内部で起つておることは事実だと思います。併しこれは実際の問題は共産党員だからというので問題が起つていないのです。それは何故問題が起つておるかというと、組合の組織又組合の自主性に少数派の者が反対し、それを妨害したからというような、秩序を紊したという一つの事例でその人間を組合から除名するとか、又は処置するということで問題が起つておるのであつて、世間には往々にしてとられておる共産党のフラクシヨンということによつて問題が起つておるのじやない。ところがこの組合に明確に保障さるべき、例えば「信條」ということを拔かれたために、労働組合内部で政党支持の自由を認めておるときに、これは憲法にも十六原則にも認められておるのですが、その認められておるものが、ここから削除されたことによつて、これを理由として可なり排除しようとする反動的な行き方をする労働組合が必ずしもなきにしもあらずということに、私は大いに見解を持つのです。このために今後これを理由にして組合内部で相当問題が惹起されると思う。私はそういう点を意識してやられたものか、ないかは別個として、これが可なり組合の重大な問題となると思うが、そういう懸念は持たないかどうか。
#75
○政府委員(松崎芳君) 今村尾委員の御指摘になつた点は誠に重要な問題でありますが、我々といたしましては、現行法におきましてもこの問題につきましては、全然自治に任しておるのであります。今後におきましても恐らく健全な労働組合でありますれば、そういう、今村尾委員から非常に的確に御指摘になりましたように、その結果どういう現象が起るかという問題についていろいろ事を論議されましようが、その原因である思想如何によつてそれをやるというようなことは、恐らく予期し得ないであろうというふうに考えております。勿論そういうことをやるということは極めて妥当でないことであります。且つその組合自体にとつて非常に不名誉な問題であるというふうに考えております。
#76
○村尾重雄君 組合自体に不名誉であるとか、不名誉でないとかは拔きにして、実際問題としてこの問題は今後惹起されることがあり得るのですが、私はこの問題がわざわざ「信條」を拔いたことによつて、こういうことが今後可なり多く行われるのだということにお氣付きにならんのですか、どうでしようか。
#77
○政府委員(松崎芳君) その点につきましては、先程私が御答弁いたしました点をもう一度繰返すより手がないのでありますが、要するに宗教という面において差別するということは、民主的な組合としてはいけない。併しそれ以上の政治的信條につきましては、これは組合の自治に任せる。組合の自主性を飽くまで尊とんで行くべき問題であるというふうに解釈しておるのであります。その後にそういう危惧が起るかどうかという問題につきましては、先程申述べた通りでございます。
#78
○村尾重雄君 諄いようですが、宗教のことは私は触れていないのです。例えば政党に対する問題ですが、これは労働組合が自治的に処理すべきことであつて、どういう問題が起ろうが起るまいが、それは自治性に任すべきであると、こう明確に政府は解釈するわけですね。
#79
○政府委員(松崎芳君) 問題が起ろうと起るまいと自治性に任すという意味よりも、そういう政治的信條によつて差別するかどうかということは、法律ではつきりこうしろというべき問題よりも、組合の自治で決定される方がより好ましいのじやなかろうかというふうに我々考えておる次第であります。
#80
○村尾重雄君 私はこういう場合に、例えば四号に掲げた場合、人種、宗教、性別、門地又は自分によつて組合員たる資格を奪われないといいのだから、明確に今日の十六原則においても亦憲法においても労働者の、要するにあらゆる人民の政党支持の自由は明確に許されておることになつておる。明確に保証されることになつておる。わざわざ労働組合法だけにそれを除外した意味はどうしても頷けない。それならば頭からこの第四の條項は入れる必要がないと思う。わざわざ入れられて「信條」だけ除かれたということの理由の解釈に非常に苦しむのですが、これは又この問題でも中野君あたりから御質問があろうと思いますから、この問題は非常に私は理解することができないということを申上げて一應何して置きます。それから同じ五條の第七号ですが、組合員によつて委嘱された職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書とともに、少くとも毎年一同組合員に公表されなければならないという、この「職業的に資格がある会計監査人」というのは、いわゆる会計計理士ですか、会計士ですか。
#81
○政府委員(松崎芳君) 現在におきましては計理士という名前であります。併し現在公認会計士法というものが公布されておりまして、二十五年の四月一日から施行になるということになつております。その曉におきましては、公認会計士という名前になります。
#82
○村尾重雄君 この点は、私は部分的に議論しようとは思いません。組合の自主性に対する干渉であるとか、そういう点については全体的に意見を申述べることにして、実際の問題として今日單位組合というものがあることは労働省においてはすでに御承知のことと思いますが、その大部分を占めておる組合というものは百人、又は百人以下の組合というものが非常に多いのであります。僅か五十人か百人の組合で、例えば今日計理士に一年間会計檢査を願つて、その証明をして貰うということが、財政においてどれだけの負担があるか。私は計理士の証明を貰うという行き方は非常に財政上において大きな負担になると思う。その点について、実際これを行うについて非常に障碍のあることを、労働組合の実体を御承知なら分ると思いますが、こういうことを入れられた趣旨が解し難い。例えば改正的には衆議院において修正意見として或る派から出たと思いますが、公正なる会計監査人即ち組合人が信任する人によつて監査されることで事足るのではないですか。
#83
○政府委員(松崎芳君) この第五條、第二項、第七号につきましては、いわゆる労働省試案のときには、外部の公正なる会計士とありましたが、各地で公聽会を聞きました際に、極東委員会十六原則には「外部の」という文句はないのだから、極東委員会の十六原則通りにしろという非常な反対がありましたものですから、極東委員会の十六原則通りにここに変えたわけであります。即ち「職業的に資格がある」というふうに変えたわけであります。それから今の小さな組合において、公認会計士或いは計理士というものを雇う場合、財政はどうであるかという問題でありますが、これは我々といたしましては、小さな組合でも一人の会計士を委嘱するとか、或いは上部團体におきまして会計士を雇いまして、下級の組合の会計檢査をして歩くという方法を取られるということは非常にいいことと思つております。これは又労働教育という面におきまして、大いにこういうふうに推進して行かなければならんと思つております。
#84
○村尾重雄君 私はこの問題は、組合の自主性を主張されておるこの法の精神から言つても、これは組合の会計に対して干渉することであると思う。これでは十分了解することができないのであります。
#85
○門屋盛一君 この問題は大きな問題になるのですが、政府委員に伺いたいと思うのは、労働組合の場合には会計士で監査させるということは、まあこのやること自体はいいのですが、私のお尋ねしたいことは会計士の数ですね。これをやり得るだけの数があるのかないのかということ、非常に今の会計士というものが高い金を取つておる実情を御存じであるかどうかということ、まあその方は技術的な問題になるのですが、私のお尋ねしたいことは、同樣なことが経営者側にも何か法的にそれだけのことが負わしてあるか。経営者側の経理監査というものに対しては、これは取締役から監査役の承認を得て、株主総会の承認を得ればいいということになる。今日労働者が非常な苦境に陷り、苦しい状態に陷るということは、一面においては経営者の経理が非常に紊乱しておるということが、非常に大きな原因をなしておる。これに対しては法的な措置を取らずして、労働組合の健全な発展のためにはこういうことが必要であるけれども、その時期はどうか。経過規定も何もないのですから……それから一番大事なことは、経営者に対しても同樣のことが他の法律で取られておるかどうか。さもなければ非常に労働組合は何か泥棒するように見て、経営者は誠にもう完全なもののように政府は見ておる。これは一番最後の質問です。労働組合には大分不都合があるというけれども、経営者の方にそういう不都合はないと見ておるのでありますか。
#86
○政府委員(松崎芳君) その点につきましても公聽会乃至衆議院におきまして……
#87
○門屋盛一君 公聽会の意見を聞いておるのじやない、政府の意見を聞いておるのです。
#88
○政府委員(松崎芳君) はあ、経営者の会計監査につきましては、我々の立場といたしましては労働協約の面で行くべき問題であろう。法律的に行きますれば商法の問題として考えております。現在見聞いたしますところによりますと、商法の改正は、やはりこの労働組合法が労働組合に対して会計監査の非常な嚴正な事項を要求しておると同樣な方向に進みつつあるということを聞いております。
#89
○門屋盛一君 だからそれが時間的の問題で、商法の改正が行われて、はつきり規定されたときに、こういう厄介なことをさしてもいいじやないですか。今組合はこの組合法の改正によつて、最前から問題になつておる專從職員等の問題は、恐らく私は組合員千名以下の組合は運営困難に陷ると思います。又こういうことをやつたならば労働省、つまり組合を保護する立場の労働者の考としては、大臣は帰つておるから、政務次官はおるのだが、政務次官に聞くよりも却つて当該局長の方がいいのだと思いますがね。これは一体労働組合を言葉の上では助長するとか、何とか言つておるけれども、これでは助長され得ないようなことになつてしましはしないか。一般の國情から推して、経営者の方にもこういう規定ができたから、労働組合はこうしなければならんというならいいが、弱い方の労働組合を抑え付けてしまつて、経営者の方は改正せられるやに聞き及ぶということを労働省の当該局長がそのまま出していいだろうか。どうか自己反省して貰いたい。
#90
○政府委員(松崎芳君) 今の御質問につきましては、会社というものは労働組合の方の関係におきましては使用者という立場になりますが、会社自体はやはり純利益團体として存するものでありまして、それについての会計檢査という問題を嚴重に要永されるということはそれは我々としても望むところでありますが、労働関係自体において経理の嚴重な会計檢査という問題を取上げるというのはやや範囲を逸脱するのではなかろうかというふうに考えております。組合は金儲けの團体では全然ないのでありまして、それが各組合員の零細な組合費を持ち寄つて、そうして組織的な活動を行うという場合に、労働者の生活権を守るのでありますから、これの会計監査を嚴にしなければならんというのは必要であり、殊に極東委員会の十六原則の第十六番目に明瞭にこの点を謳つてあるのでありまして、これはどうしても民主的な、自主的は責任性のある労働組合といたしましては、謳わざるを得ないと我々考えておる次第であります。
#91
○門屋盛一君 これは座つておつて話すようなわけに行かなくなつた。それは会社は利益主義のものである、組合は公共性のものである、併し労働組合の対象になつておるのは資本家の方がなつておる、使用者の方がなつておる、そこで中間に立つておる、而も政府の機関であるところの労働省によつては会社の場合はどうでもいい、労働組合の方だけ十六原則によつてやつて行くという規定では、日本の労働組合につきましては、今の労働者の意見では健全な発達はでき得ない、特にあなたの根本観念、考え方は違つておる。最初私の質問にあるような労働者が現実非常に困憊に陷る、現在の大半のものは賃金不拂、首切られると、使用者は儲けるだけ儲けて、そのときにおいて儲けたその金によつて労働者の積立金というものも何にもしてない、儲かるときは資本家は取つてしまつて、損するようになつて來ると労働者に拂うというようなことはできないということになつて來るものであります。苦労し、苦い経驗をするものは労働者だけになつておる。こういう思想の中において、このことは労働省の関係じやない。それは商工省の関係なり、他の関係になるのでありますならば、あなたでお答えができなければ、お隣りの檢務長官において、お答えできなければ法務総裁に來て貰つてもいい、というのは、一般國民に思うように働けるようなふうにならなくてはならない。だから時間的にこういうことを言える、これは労働組合に重圧を加えることになりはしないか、見方としては労働組合は不都合があつてはいけないから嚴正公平でやらして、経営者の方が不正があつても不都合があつてもいいというお考えであるのか、私は労働省だから知らんというこてはいけない、そのことをやらなければ駄目だ……
#92
○田村文吉君 議事進行について…。如何でしようか、この辺で大臣も退席されておりますからお晝を食べてから……
#93
○門屋盛一君 どうでしようか、ちよつと言いがかりですから、最前から御答弁伺いますと、松崎政府委員は相当法律屋らしくて、法律によつてこうこうだと言うて突つぱねる癖がある。これではいけない。大体あなたは労働省の側で、日本の労働組合の発達というのは終戰前はなかつた、終戰前は労働組合を抑え付けていたから、時間的に余程考えて行かなければ、それは社会情勢というものを考えなければ、出した以上はこれを通したいのは精一杯だから、そういう答弁になるのはしようがない、通したいならば、もう少し親切にやつて貰いたい。あたしはあんたの顔を見たらそう言いたくなつたのであります。昨日から答弁が不親切であります。
#94
○理事(平野善治郎君) 只今田村委員からこの辺で休憩をいたして、又後刻大臣も出ることであるから、そのとき御質問を続けたいと、こういう動議があります。
#95
○門屋盛一君 僕の問題だけは大臣を要求しておるのじやない。ここで問題が決まるならば、ここで打切ることにするならば、それこそ議事進行にはならないのじやないか。
#96
○原虎一君 議事進行の進行で、質問継続中に動議を取上げたのでは困る、他の委員も御存じの通りで、却つてそれが休憩することなく長くせしめることが多い、御意見に反対ではないのでありますけれども、まだ質問をここにやつておる発言中にされますと、これは発言しておる人も委員も余り氣持がよくないのであります。それは議事進行にならんと思います。一應折角今動議が出ておるのでありますから、そういう点は委員長が、これは田村委員の御意思を悪意に解するといけないのでありますが、委員長は動議が出ておつても、発言中ですから待つて下さいと言つて、発言が済んでからやつていいものであります。そこでこの問題は継続して休憩されるようにして頂きたいと思います。門屋委員の質問は打切つたのでなしに、継続して開くものとして御休憩を願つた方がよいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#97
○政府委員(松崎芳君) 門屋委員から非常にお叱りを受けたのでありますが、(「基本観念が違つておる」と呼ぶ者あり)その問題につきましては、結局我々といたしましては、労働教育の面におきまして、單に労働組合と労働者というものでなしに、使用者、経営者の教育、特に労働問題に対して使用者、経営者が大いに関心を持ち、且つ適正な労働関係というものを促進して行くように大いに今後も、從來ややその点において欠けるところがあつたように思いますが、今後は大いにその点に力を入れてやつて行きたいと考えております。私の答弁につきまして非常に何でありましたが、今後は大いに氣を付けまして、十分御納得の行くように答弁をいたす次第であります。
#98
○門屋盛一君 一番大事なことは、その労働法を立案するのであるから、使用者側の商法なんかまでのことを考えることは行過ぎであるというような考えをお持ちになつておるのか。私はこれは行過ぎではないと思う。そこまで考えて置いて労働法を立法して貰わなかつたら、労働者のことを考えた立法はできないと思うことが一点と、数字的の問題で、これだけのことをやつて、日本の労働組合数と合計七の数とをお考えになつたことがあるか、こういうことが問題になるので、時間で休憩なさるのなら午後に続けてもよいが、できるならば纏めて質問できるなら……
#99
○政府委員(松崎芳君) 経営者の会計監査の問題については、商法でやるのだから我々は知らんというような態度は毛頭持つておりません。(「さつきはそういつたのだ」と呼ぶ者あり)若しそういうふうなことを言つたのでしたら、言葉が非常に足りなかつたという点を陳謝して置きます。会計士の数は昨年の六月末でありますが、本年の三月末でありますか、ちよつとその期限を忘れましたが、約二万五六千人程という大藏省の統計が出ております。
#100
○門屋盛一君 その会計士の分布状態から考えて、日本の労働組合にこの法律を行わした場合、会計士だつて盲判を押すわけに行かないから、実際問題として運営できるかできないかということをお考えになつたことがあるか。考えておれば、分布状態がどうなつておるかということと、一人の会計士をどれだけの労働組合が使えるということがあるわけなんだから、そういうことはないでしよう。
#101
○政府委員(松崎芳君) さつきもちよつと御答弁いたしたのでありますが、小さい組合が全國に非常に沢山ある。その組合が一つ一つ一人の会計士を持つということは、これは言うべくして不可能だろうと思います。でありますから、各組合がフエデレーシヨンを作る。そうして一人の会計士を委嘱する、或いは大体各單位組合は上部組織に加入しておりますから、その士部組織におきまして、公認会計士を一人雇つて、それが各傘下の單位組合の会計監査をするというような方向をとるようにと我々は指導する予定でおります。
#102
○理事(平野善治郎君) 午前の質疑を、これで休憩にしたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○理事(平野善治郎君) それでは休憩いたします。
   午後零時二十五分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時五分開会
#104
○委員長(山田節男君) 午前に引続き開会いたします。速記を止めて下さい。
   午後二時六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時五十九分速記開始
#105
○委員長(山田節男君) 速記を始めて下さい。それでは今日はこの程度にて散会いたします。
   午後五時散会
 出席者は左の通り
   委員長     山田 節男君
   理事
           一松 政二君
           平野善治郎君
           早川 愼一君
   委員
           原  虎一君
           村尾 重雄君
           岡田喜久治君
           門屋 盛一君
           竹下 豐次君
           田村 文吉君
           中野 重治君
           田口政五郎君
  國務大臣
   労 働 大 臣 鈴木 正文君
  政府委員
   労働事務官
   (労政局長)  賀來才二郎君
   労働事務官
   (労政局労働法
   規課長)    松崎  芳君
   法務廳事務官
   (檢務局長)  高橋 一郎君
  説明員
   労働事務官
   (労政局労働法
   規課勤務)   石黒 拓爾君
ソース: 国立国会図書館
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