くにさくロゴ
1949/05/20 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 労働委員会 第18号
姉妹サイト
 
1949/05/20 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 労働委員会 第18号

#1
第005回国会 労働委員会 第18号
昭和二十四年五月二十日(金曜日)
   午前十時五十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○労働組合法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○労働関係調整法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○理事(平野善治郎君) それでは只今から労働委員会を開きます。
 昨日に引続きまして労働組合法案の質問を継続いたします。今日は第二十條から御質問を願います。
#3
○中野重治君 この労働委員会の活動について、特に中央労働委員会の動きについては、労働大臣が多大な関心を持たざるを得ないわけでありますが、地方労働委員会の場合について、昨日の問題に関係しておることからお聞きしたいのですが、例えば山口縣のような場合、知事を介して労働大臣の方に問題が來るのであるから、その知事を介するという場合に、知事が労働組合からの申出を受取つてから、それを労働大臣に仲継ぎするまでの期間に関して何か拘束がありますか。というのは知事の一存によつて幾らでも手許に止めておくことができるか、或いはそういうことができないことになつておるか。
#4
○政府委員(賀來才二郎君) 何日以内に知事は出さなければならんという規定はありません。
#5
○中野重治君 中央労働委員会と地方労働委員会との場合は違うでしようけれども、その場合について私共としては何日以内に出さなければならんということがないのだから、知事のほしいままに手許に止めておく危險が予防されてない点に懸念を持ちます。それから何か、たといその規定でなくても外に拘束するようなことはできませんか。
#6
○政府委員(賀來才二郎君) さような場合に知事が勝手に止めておくというようなことはこの法律で決めてなくても、一般行政法関係の條理上、当然直ちに審査しなければならんということになつておりますから、特別に知事が調査をする必要があるということであれば別でありますが、そうでない場合には、知事は直ちに処理しなければならんということになつております。
#7
○中野重治君 今度の横浜地区のサイン問題については、地方労働委員会或いは中央労働委員会との関係をも考慮して労働大臣の方で何らか手が打たれておりますか。
#8
○政府委員(賀來才二郎君) 横浜の何ですか。
#9
○中野重治君 横浜地区の進駐軍要員労働組合横須賀分会、建設労働組合等々に関するあのサイン問題。
#10
○政府委員(賀來才二郎君) この問題につきまして、関係方面との連絡は非常に重要な面がありますので、私の方と総司令部労働課と、あれは海軍の問題になつておりますが、それから神奈川縣知事、神奈川縣地労委、これだけがお互いに連絡いたしまして、合理的な解決をつけるべく努力をいたしております。
#11
○中野重治君 どんなことがなされて、どの程度まで來ておりますか。
#12
○政府委員(賀來才二郎君) これは一つあとで御説明を申上げたいと思いますが、お許しを願いたいと思います。
#13
○中野重治君 そうしますと、その説明はあとでお聽きすることにして、そういうことは今後労働大臣の管轄に入る中央労働委員会との関係において、都道府縣知事とその地方の地方労働委員会との関係において、労働省として或る一定の目論見を持つたおるわけですね。
#14
○政府委員(賀來才二郎君) それぞれの立場があるわけでありますが、それぞれの立場を総合的に持つて行きまして、そうしてお互いに協力して合理的な解決に持つて行きたい、こういう方針で進んでおります。
#15
○中野重治君 そうすると、つまり國内問題に関する限りこの労働組合法改正案がタツチせざるを得ない場合においては労働大臣として責任を持つことになりますね。
#16
○政府委員(賀來才二郎君) 只今は現行法でやつておるわけでありますが、現行法において國内問題として現行法通りに処置をするという方針でやつております。
#17
○理事(平野善治郎君) 二十條、外に御質問がございませんければ、それでは二十一條に移ります。二十一條御質問がございませんようですから、第二十二條に移ります。二十二條ございませんか。それでは二十三條に移ります。
#18
○中野重治君 二十三條の祕密というのはどういうふうに解釈されますか。
#19
○政府委員(賀來才二郎君) 例えて言いますと、調停をやりますときには賃金が拂えるかどうかということが多く問題になります。その際には会社の経理内容につきまして詳細なる調査をやらなければなりません。その会社の経理内容についてこれを公表いたしますと、これが影響を及ぼすというような事項であります。或いは爭議が非常に一方ではエキサイトした状態にある、でこの際に組合の取つておりまする作戰というものがあります。それを労働委員或いは職員は知る場合もあります。これを公表いたしますと、組合に非常に不利な状態が來るというようなこともあります。別に祕密ということについてはまあ社会通念上のことでありますが、特に労働組合運動といたしまして必要なこともありますので、法律的に、或いは規定で以て祕密はこういうこと、ということは確定はいたしておりませんが、そういう事項であります。
#20
○中野重治君 そうするとこの問題は祕密だというのはどこで決めるわけですか。
#21
○政府委員(松崎芳君) 結局この祕密を守る義務に違反したかどうかということは、後の罰則の問題に掛つて來る問題でありまして、裁判所が密を祕守る義務を侵したかどうかということを認定するわけであります。
#22
○中野重治君 それは昨日の労働基準法の違反になるということについてのお答えと同じ性質のものだと思います。ただ祕密を守つたか守らなかつたかということより裁判にならなければならんように持つて行きたいわけですね。それで最初に、これは祕密だから漏らさんというようなことを決める場合に、誰がどういうふうにして決めるか。漏らしてしまつてから違反でないかどうかということは遅い。裁判所で罰せられたとしても、祕密を漏らされて不当の損害を蒙つた人の損害は、原状回復しないわけですから。
#23
○政府委員(松崎芳君) このことは祕密に属するから祕密を守つて欲しいというような申入れがありますれば勿論祕密として取扱いますし、
   〔理事平野善治郎君退席、委員長着席〕
そうでなくても個人的に……或いは今御説明がありましたように会社の経理の祕密とかいうような社会の通念上、これは一般人が祕密事項とするであろうというようなものという判定は客観的にできるのじやないかと、こう思つております。
#24
○中野重治君 労働委員会が認定するということになりますか。
#25
○政府委員(賀來才二郎君) 我々労働委員会におりましたときには、社会通念上こういうふうな祕密を漏らしてはいかんということはお互い分つておりますが、尚そうでない具体的な問題になりますと、委員会で申合せをいたしまして、この事項について祕密に願いたいということをやつております。そういう申合せになつたものを漏らしますれば、これは裁判所におきましても明確な証拠ということになるだろうと思いますが、実際のやり方としてはそういうふうにやつております。
#26
○中野重治君 この「漏らしてはならない。」というのにはいつまでという期限がこれではないようですが、いつまでもないわけですか。
#27
○政府委員(賀來才二郎君) 別にいつまでという規定はございません。ただ社会通念から申しまして、個人的な祕密につきましてはこれは道義上漏らすべきではありますまい。ただ申合せいたしましたことにつきましては、この爭議が片付くまでとか、この調停が片付くまでという申合せは大体いたしております。
#28
○中野重治君 職員の方は公務員ですから、公務員法関係で死ぬまで漏らさないということがあるかと思いますが、場合によつて曾て祕密であつたものが一般に公表されるということが、その後の労使の粉爭問題解決のために必要であるというような場合には、これは公開されてよいわけですね。
#29
○政府委員(賀來才二郎君) 社会通念上、社会の公共のためにもよろしいという場合には、これは御本人がやつて結構だろうと思います。
#30
○委員長(山田節男君) 二十三條につきまして、他に御質問ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 次に第二十四條。
#31
○村尾重雄君 これは非常に重要な改正の要点だと私は思うのですが、この五條並びに十一條の判定は別として、七條並びに二十七條は労調法の四十二條等の判定で、特に公益委員のみにこうした強化された行き方は、現状の三者鼎立の労働委員会の審議の行き方と自信を持つてこの方が能率が上り、よいと確信をしているかどうか。
#32
○政府委員(賀來才二郎君) かような事項に関しまする判定は、公益委員と申しますか、利害関係を直接持つていない人によつて決定して行くというのが、大体世界的に見ましてもその方向にあるわけであります。日本におきましては、特に今日まで三者構成を以てこれが決定に当るということをやつて参りましたが、経驗上から申しますと非常に利害関係者が直接その判定に参加いたしておりますと、非常に長引いたという例もありまするし、結局におきましては、労使の方々の意見はなかなか判定的に讓つて行くということがむずかしい。そこで現在では結局中立委員のみが表決を決定するような形になつておるのであります。
 從いまして、全体の傾向から申しまして、或いは経驗から申しましても、この方法が最善であると、かように考えておるのであります、但し諸外國では弁護士或いは檢事の立場で労使が参画するような形もあります。日本におきましては現状を以ていたしますと、公益委員が工場の実情、或いは組合の実情に余り通じていないということもありまして、やはりさような意味におきましては、労使がその審問に参加することが必要であると、かように考える次第であります。
#33
○村尾重雄君 私は諸外國の例云々と言われたが、労働委員会が裁判所的な判決を下すという行き方について、一つの中立委員に権限を持たすということは非常によいことと思います。
 併し現在日本の労働委員会の扱う事項ということを現在までの経驗から見ても、勿論階級的には利害が一致するか知らないが、直接の利害については直接関係の立場に立つて從來事件が取扱われたと思うのであります。労働者にしても、使用者にしても……。その点から考えても中立委員に権限を……、公益委員にとなつておりますが、これにこうした判定的な権限を持たして、やはり中立委員の選び方が現在と同じ制度の選び方から行く場合において、ただ数が大きく、いろいろな意見が衝突して行く、細かく意見が衝突して行くような嫌いがないかどうか。或る程度まで中立委員の推薦の方法が現在の通りであるならば、これは從來と結果において変りないと思うのであります。
#34
○政府委員(賀來才二郎君) 御意見として御尤もでありまするが、労働委員会制度ができました当初、徳田さんとか、松岡さんとか、西尾さん、荒畑さん、こういう方が委員に出られておりました頃には、労働側の方といたしましても非常に大きい立場といいますか、廣い立場でいろいろ利益は主張されまするが、最後の判定の際には、公正な立場でやつて頂いたのであります。ところが年数を経るに連れまして、労使の対立といいますか、非常にはつきりして参つたのでありますが、最近一年間労働委員会は中央地方を通じまして、こういうふうな判定的問題に関しまして非常にはつきり対立をして参つております。從いまして結局は中立委員が判定を下すということになりまして、それがために却つていろいろな意見がずつと長引いたようなことになりまして、特に十一條違反のごときは、決定が長引くということは適当でありません。さような意味におきまして我々はこの方法でやつて見たい。かように考えたのであります。
#35
○村尾重雄君 これはしばしば本会議においても亦衆議院においても問題になつた点だと思いますが、一つの問題にノーとか、イエスとかいう判定を下すのみでこと足りるならば、勿論こういう方法も一つの行き方であろう。併しその結果というものは、やはりそれを遵守しなければならん。それについて例えば從來とられた三者鼎立の、労働者側も、使用者側も、或る意味においてタツチして行く行き方が、この判定の結果を履行するためにも却つていいのではないか。勿論労働委員会の一つの事件の結末をつけるについて非常に利害関係が明確な、而も可なり最近衝突が激化しておる事態におかれておることも私は認めます。そうなればなる程やはり三者の間の話合によつてすべきがこの労働委員会を作られたやはり基本だと思います。この点で速かにやりたいから、こういう方が一番いいだろうという考え方から、こういうことをされることはいいと思いますが、結果においては却つて從來よりも悪い、私は激化するような懸念も持つのでありますが……。
#36
○政府委員(賀來才二郎君) これは初めての試みになりますし、我々は実は委員会の現在をよりよくしたいというつもりでかような案を立てたのであります。併しながら御懸念は御尤もな点があろうと思います。そこでこの但書におきまして労使が審問に参加するということを入れますと同時に、この審問に参加する方法につきましては、これは中央労働委員会におきまして労働委員会規則として定めまして、そうして御懸念のような欠点をこれは補充するようなことになるだろうと、かように予期いたしております。
#37
○村尾重雄君 公益委員の推薦の方法ですが、やはり現在のような推薦の仕方よりか外に途は考えておられんですか。
#38
○政府委員(賀來才二郎君) 現在の方法が現在におきましては最良だと考えております。
#39
○原虎一君 今ちよつと局長から説明がありましたが、この條文から行きますと「労働関係調整法第四十二條の規定による事件に関する処分には、労働委員会の公益委員のみが参與する。」これは「のみが参與する」ことになつていて、決定するというふうになつていないのです。そうして但し書に「但し、決定に先立つて行われる審問に使用者委員及び労働者委員が参與することを妨げない。」と、ここも亦参與になつている。それからこの文意で行けば労働委員会の公益委員のみが決定するのであつて、決定までは使用者側労働者側の委員が加わつて行くのであるかどうか加わつて行くのが原則なのである。但し書ではそれは妨げないと、こうなつている。私はこの委員会の運営の善悪を考えますときにそう二段に分れておる。討論まではずつと審問を続けて、討論までは労働者側、使用者側委員も加わつて、いよいよ採決のときには両労働者側、使用者側の委員が退席して公益委員のみが決定する、こういうやり方と、初めから必要に應じて労働者側使用者側の委員を参與さすのであつて、討論まで絶えずその委員会に参與しているので、ないということになれば、そういうやり方についての又考え方。從つてこれは具体的に御説明を……。労働委員会で決めるといいますが、労働委員会で決めるという條文はないのであります。労働委員会で決めるという條文はどこでどういうふうになつて來るのでありますか。これで行けば実に曖昧に解釈できる。
#40
○政府委員(松崎芳君) 第二十四條の「事件に関する処分」という処分の意味でありますが、これは処分の決定という意味であります。それでありますからこの但し書におきまして、その決定に先立ちまして行う審問については労使の委員が参與するということになります。そうして労働委員会自体の機能につきましては前に第二十條で書いてありますから、そのうちの事項について公益委員のみで行う権限というのが、この第二十四條に出て來るのであります。
#41
○原虎一君 いや、私は賀來局長から説明がありましたその「決定に先立つて行われる審問に使用者委員及び労働者委員が参與することを妨げない。」これは参與するあり方については労働委員会で決めるといいますけれども、労働委員会はこういうことまでどこで決めるのであるか、その点が明らかでない。我々としての希望はこれで行けば最初からもう一つの労働者側、使用者側の委員が加わつて討論し、いよいよ表決のとき、決定するとき初めて労働者側、使用者側の委員が加わらない、退席する。これならばまだ理解ができる、そうなるのであるか。これは公益委員のみの考えによつて初めから呼ばなくてもよし、呼んだり呼ばなかつたり、使用者側委員がするのであるが、この点がはつきりしないと言うのです。
#42
○政府委員(松崎芳君) 今の先立つての時期の問題、その手続の問題というものはこの二十六條に中労委の規則制定権のことが書いてありますから、その規則で決めるということになります。
#43
○原虎一君 この二十六條は私の感違いかも知れませんが、「中央労働委員会は、その行う手続及び」……ああそうですか、「この行う手続」があるからこれで決めるわけですね。そこで問題は中労委がこれが決めるのであるから、それ以上のことはこの席上における答弁の限りでないということになりますか。
#44
○政府委員(松崎芳君) 大体中労委規則で詳しくは決まりますが、この決定に先立つ審問という場合に裁判の評議に当るというような事例に該当するものにつきましては、それは公益委員だけで行うというふうに考えております。
#45
○原虎一君 檢察廳なり法務廳なりがそういう御決定をなさつておるならば我々非常に意見が違うのです。労働裁判、これは即ち労働裁判に類するものであります。労働裁判の場合において今言われるような七條違反なら七條違反を論議するようなときに、原告被告の立場にある者が加わるのはよくないということであるが、労働委員会が原告被告と決めることは間違いだと思う。原告被告を代表するという意味なら言える。労働裁判というものは今までの刑事訴訟法によるとか或は一般民事の裁判と同じような法的観念でやるべきじやないのじやないか。これは私もそう深い知識を持つておりませんけれども、労働裁判というものは一種独特なものであるとか、こういうことを本会議においても強く質問しておりますのは、どこまでもこれが労働者の疑いを差挟むことのない或は使用者側の疑いを差挟むことのないように裁判的なものは公明正大に行われて行くという形、組織を必要とするからであります。私が今質問しましたのは一つの七條違反という問題、これは非常に重要な問題であります。法律的に見れば憲法違反であるかどうかというほどの大きな問題であります。労働者生活から見れば、労働組合を作つたということで首を切られた、それが一カ月も二カ月も三カ月も裁判にかかつてなかなか解決しないというような大きな問題、而も非常に複雜なんであります。労働組合なるが故にお前を首切るというようなことを言う事業家は決していないのであります。これは認定するのは非常に困難な問題であつて、又計画的にやる人があるとしますならば非常に巧妙に行われる、こういうものを議論し決定を與えるのに、少くともその当事者を代表する立場にある人間が加わつて、資本家側も労働者側の主張を聞き、労働者側も資本家側の主張を聞いてそうして十分なる論議が盡されて行くということが必要なんであります。即ち労働者側にこの決定を納得せしめる。労働者に納得させようとしてもしない労働者がありますけれども、労働者に納得せしめるだけの深切な制度というものがなければ、如何なる決定が行われても、仮に労働者自身は反対を強くいたしましても、第三者も一般もなるほど納得するだけの努力が途中においてなされたと納得するだけの過程が必要だと思います。いわんや直接な労働者にとつては尚必要なんであります。そういう点から考えて、これは成る程今までの経驗から行きますれば、最後のこういう七條違反、現行の十一條違反なんかは、最後に決定は第三者委員が、即ち公益委員が決定する形になりますけれども、併しその決定の場所に、使用者側代表者、労働者側代表者、即ちこの委員がおるということ自体が又必要なんであります。このくらいまでに考えなければならん問題であるということを私考えまするが故に、形式上使用者側、労働者側委員がいることは必要ないのだというふうに簡單に考えるところに、運営上私が心配する、簡單に法律的に扱えばよいのだ、司法裁判的に扱えばよいのだという考えであつてはならんということを申上げておるのです。こういう考えを持つ、私といたしますれば、少くとも討論終結までは使用者側、労働者側委員が加わつて行くということが必要である。この問題は本委員会の問題じやなくて、中央労働委員会が決め得るのじやないか。これ以上重ねて申上げる必要はありませんが、今松崎政府委員の御答弁では、司法的な処分の問題では討論に参加すべきではないという法律的な解釈は、私は賛成できんということを申上げておる次第であります。本会議でもこれは私は質問いたしましたのですが、労働大臣はその権限がないと言つております。こういうことになりますと即ち労働大臣によつて委嘱するのでありますが、公益委員が労働者側委員、使用者側委員の承認を得なければならんのであります。そうして労働大臣が任命する、こういうことになりますと、この三者委員に対して、極力労働者側委員は一人でも多く自分の味方となるはつきりとした人間を選びたい。使用者側も同じであります。これは私は非常に困難になつて來るのじやないかと思います。先般公聽会でこの点について質問しましたところが、桂公述人は、それならばその法律の條項を直すべきであつて、桂委員は飽くまで公益委員がその決定権を持つておる。公益委員のみが決定権を持てばよい。即ち労働者側委員、使用者側委員の承認を得るという條項を削つてしまわなければいけない、こういう強硬な御意見もありましたが、私はこれはどうも賛成できない。改正法でも現行法でも、労働者側委員、使用者側委員の承諾を得なければ、公益委員というものは労働大臣から任命ができないのであります。これはどうしてもできない。現行以上に労働者側、使用者側のはつきりしたものを成るべく公益委員に入れようという、七人の中に入れようということに間違いないと思います。こういう点について労働大臣の委嘱にも困難が生ずる虞れがあるということを申上げたが、余り心配がないような、自信が強いようでありますが、労働大臣が自信の強いことは結構でありますが、地方においては困るのです。中央において現実内面を知れば分るように困難がある。そういうことであるから地方において尚更困るのじやないか、こういうふうに考えます。一應その点を伺いいたします。
#46
○政府委員(賀來才二郎君) 別に答弁をというお話はなかつたのでありますが、念のために私から申述べたいと思います。
 御意見にありましたように、この労使の関係は普通の裁判所の取扱内容と違いまして、どうも労使の意見が強く入りまして、そうしてやること自体が結局労使の関係者をして納得させることができるじやないかという御意見は、これは我々も御尤もと存じております。今日まで三者構成をとつた理由は主にその意味からであつたのであります。ところが三ケ年の運営の結果は、段々さようなことにあらずして却つてその決定が困難になるというふうな状況になりましたので、かような改正をいたそうと考えた次第であります。
 そこで我々のこの二十四條につきましての考え方は、やはり決定についてはこれは裁判の評議に当るというようなものにつきましては、公益委員のみでやる、併しながら労使委員が檢事又は弁護士のごとき立場で反対尋問を行い、意見を述べ、実情を明らかにするということは望ましいだけでなく必要でありまして、但書はその趣旨を明らかにいたしておるのであります。尚この解釈に從いまして、中労委におきまして、規則を定めます場合には、中労委は、各地方労働委員会の会長の意見も事務局の意見も十分聞いて、中労委の規則を定めることにいたしておりますので、恐らく原委員のいろいろ御指摘になりましたような御意見は、この二十四條の趣旨に副いまして最大限に採り入れるというふうなことは期待をいたしておる次第であります。
#47
○中野重治君 今、原委員の言われたことと部分的に重なると思いますが、そうするとこういうわけですか。実際の問題として第二十四条が具体的に行われるのはこんなふうになるか、或る問題について決定をしなければならん、そういう場合使用者側からも組合側からも人を呼んで審問をする、その際に公益委員以外の労働委員はその出て來た両者についていろいろ尋ねる、或いは相当突込んで問題を明らかにするようにやつて行く、そこで今度は白か黒かということを決める際には、決めることの決定権を持たないのみならず公益委員以外はこの決定に関して発言をすることもできないということですね。
#48
○政府委員(賀來才二郎君) 前段の方はその通りの出まして労資双方の委員がいろいろ意見を述べたり、或いは審問をしたり、反対尋問をやつて参るわけであります。そこで事情が明らかになつてこれが違反であるかどうかということを決定いたします。評議の際にはこれに加わらないということであります。
#49
○中野重治君 発言権もないわけですね、その発言権もない方がどうしていいんですか、先刻原君の質問にもその点に触れておつたと思いますが、どうも解せないのですが……。
#50
○政府委員(賀來才二郎君) これは利益代表というふうな、直接の利益を代表するような方が、かような審判の事項に参加するということは適当でありませんのみならず、最近の実情におきましてはそれがために却つて妥当な決定が出なかつたり、或いは津びくというふうな事実がありますので、この最後決定の評議につきましては参加しない、但し評議をやる前に意見を述べて頂くということはこれは十分述べて頂きたい、かように考えております。
#51
○中野重治君 その評議に入る前に審問に対しては十分意見を述べる、これは当り前なことですね。それさえ奪われたんでは木偶漢ですからそれは分り切つております。で私の言うのは、評議に際しては仮に公益委員のみでやつていいとしても、採決に土台には他の委員が意見を吐いてこれをも参照して、採決自体は公益委員のみでやるという方が一層公平な立場で採決できるということになるんじやないのですか。
#52
○政府委員(賀來才二郎君) 先程來私が申述べましたのは、大体第二十四條の趣旨はこういうふうに解釈します。併しながら原委員の御意見、中野委員のような御意見は各方面にあろうと思います。從いまして中労委会長は、この法の解釈の趣旨に從いまして、最も適切なる規則を定められることを期待いたしております。
#53
○竹下豐次君 関連してお伺いしますのですが、政府委員の御説明によりまするというと、発言権は労資、今の場合はですね、双方とも持たないということを言つておられますが、原則としては持たないけれども、公益委員の方で、その発言をお許しになるというような場合には、発言させるのがいいし、又これだけの権利も留保されておるというふうに解釈すべきであるのじやないか、そうしてその方が実際の運営が円滿に行くのじやないか、かように私は考えますが、如何ですか。
#54
○政府委員(賀來才二郎君) この規定は公益委員が評議に際しまして、労資の委員の出席を求め、更に意見を聞くと、いろいろまあ相談するというようなことを禁じておるわけじやございませんしゐ恐らくさような点につきましては、原委員や、中野委員の御指摘の欠点を補充するために、中労委規則で決められると思います。ただ私の考えておりまするのは、そうしてそれが討論になりました結果、その評議の結果が、いろいろ左右されるということでなしに、公益委員の立場を決定するという立場を守る限りにおいては、さようなことは何も禁止いたしておるわけじやございません。
#55
○竹下豐次君 討論をするか否かという問題につきましても、公益委員の方で、労資の方にも討論を求めた方がいいのだというような考えを持たれた場合には、それは差支ないわけでありますか。
#56
○政府委員(賀來才二郎君) それは恐らくこの範囲は非常にむずかしいと思いますから、これの審問の手続について決める場合は、いろいろ決められると思いまするが、我々といたして、個々の解釈といたしましては、さようなことまでは禁止しておるわけじやございません。趣旨は評議については、これは公益委員のみが責任を持つてやるのだということを規定しておるだけでございます。
#57
○原虎一君 非常にこれは労働裁判の裁判所ができるということを我々は考えなければならん。そういう点から考えましても、その労働裁判のできる前提であり、卵であるとも我々は解して行かなければならん。そこで一番大事なことは、こういう労働裁判に、而もこの七條違反のごとき複雜なもののときに、労働者側委員、使用者側委員が、原告、被告の立場における代理人のごときものであつて、決定の評議は表面はできないという表面的な考えです。これを私は根本的にもつて檢討する必要があるのじやないかと思う。我々は第三者の裁判官がこれを裁判するときには、これを黒と決めようと、黒と決める理由は労働者側委員がそれを反駁したければ、理論を以て反駁して行く、使用者側も反駁して行く、その後の決定は、その裁判官の立場である公益委員だけが決める、ということで、その評議に加わることができんということは、これは非常に大事なことだと思います。労働裁判はそこに非常に重点がある。今まで日本の裁判では、原告、被告、弁護士が弁論をやつて、決定は立会判事の協議によつて決める。裁判所の考えによつて決める。その今の裁判と同じように考えて、労働委員会の、今度の二十四條の改正が行われたということは、重要性があると考えなければならん。從つてこれを今まで賀來局長が言われるように、今までやつた結果が、最初のうちはよかつたが、段々と大所高所からものを決定するのでなく、労使委員はその立場のみを主張して、最初の意図に反したことが行われて來る、それはそうなつていいのです。そう思う人間だから。私共に言わせれば、そういう立場を、要するに労使の立場を非常に固執するという人には、一層この第三者の意見というものが議論を行われることが必要である。労使側が自己の立場のみを極度に主張しておるというものを、それは言わんでも、その立場以外に理解せんのだから、決定は公益委員の方でこつそりやればいいのだ、この考えはいかんのだ。これは非常に意見が対照的になる。むしろですね、最初の労働委員会構成当時のときには、或いはこうでよかつたかも知れないが、私共に言わせれば、労働者側、使用者側の委員というものが対立されて、その大所高時からものを考えないと第三者は思う。思う人間が出れば出るほど第三者は大所高所から議論して行く。そうして決定はその第三者でやるならばやるでいい。これは労働裁判の妙味だと思う。この点がこれがあれされると逆効果が來るということを考えるから申上げるので、これは労働大臣に非常にお考えを願いたいと思うので、これは本会議のときには、非常な大まかな点から申しましたけれども、この点は、私は非常に今後労働裁判所が必要なことだと思う、その前提に立つて考えると、尚更大事なことだということを申上げておるのであります。
#58
○國務大臣(鈴木正文君) 原委員の本会議から、それから只今の御意見をずつと一貫して伺いまして、初めてよく御意見のあるところが分りました。極めて積極的な、根本的な考え方を解つておられることも、よく御趣旨は了解した次第でございます。ただ立法の趣旨は、すでにしばしば政府委員から御説明申上げましたような意味で立法されたのでございますけれども、本格的な労働問題の爭議の解決の基本的な考え方としては、極めて傾聽すべきものを、特に労働組合の健全な発展をも加えて考えた、將來に亘る根本的な考え方としては極めて傾聽すべき根本的な点があるということも、私達も決して了解できないのではございません。立法の趣旨及び法案はこうなつておりますけれども、この法案の下におきまして、只今賀來局長から申しましたように、中労委の規則を制定するに当り、又その他の運営に当りまして、最大限に原委員あたりの指摘されたような方向において運営して行くことを、先ず十分心掛けると同時に、將來に亘つて有力な意見として拜聽いたしたいと思います。
#59
○中野重治君 この問題に関してですが、中労委の規則ができて手続が決まる。一方にこの線があります。中労委の上には大臣がおる。そうして中労委自身は外局みたいなものに入る。そうすると府縣知事なんかは、委員の任免に関しては、労働組合の意思を聞いて、これを尊重するけれども、それに縛られたくはない。逆に言えば、つまり労働組合の方では、一定の標準のこれこれというような意見を出しても、それを都道府縣知事は、自己の信念に基いて蹴飛ばす自由はある、こういうふうになつて來ると、たとい中央労働委員会が、それ自身の規則を作つて、それに基いて正式にこの第二十四條のことが行われるということになつても、結局これは干渉の余地が非常に大きくなるということになりませんか。
#60
○政府委員(賀來才二郎君) 公正なる輿論というものが存在いたしておりまする以上、如何なる労働大臣が参りましても、さような干渉はできないと思つております。これは信じておるだけではありません。現実の今日の状態におきましてもその点は非常にうまく進行しております。
#61
○中野重治君 そうしますとその新らしい干渉が入る余地がないということは一應うなずけるのですが、干渉にも何にも、干渉する必要がないような人を労働大臣、都道府縣知事が選ぶということが明らかになつておるわけですね。そうするとこれは干渉しない、誰が労働大臣になつても干渉させないように輿論が強まつておるということになつておりますが、誰にも現わに見えるような手を打たなくとも、おのずから自由に動くようになつて行つとしまう。この点私非常に警戒したいと思うのですが、その点はどうですか。
#62
○政府委員(賀來才二郎君) 委員が公正であり、非常に輿論から見ましても支持せらるべき委員である、これが選ばれなければならないのであります。でさようにして選ばれました委員というものが、單なる労働大臣、或は都道府縣知事にあやつられる人形ということになることはないというのであります。
#63
○中野重治君 その点はそれだけにしておくことにしましよう。もう政府の信念を聞いても仕方がない。それでこのことをどうなりますか、ここの「公益委員のみで行う権限」という項目が出ておりますが、この「公益委員みので行う権限」というのはどこから導かれて出て來るのですか。私の質問が分り難ければ言い直してもいいのですが、つまり法律があれば罰則というものは当然出て來ますね。併し「公益委員のみで行う権限」というのは、つまり法のどういう性質からここにこういうものが出ておりますか。というのは「公益委員のみで行う権限」を決めておいて、それをどうするかということを二十四條、二十五條云々、こういうふうなことは分ります、こういうふうに出してしまえば……。併しどこから出て來たのですか。
#64
○政府委員(松崎芳君) どこから出て來たかというのは結局立法政策の問題でありまして、「公益委員のみで行う権限」というものをはつきりして第二十四條、こういう規定をおきまして、ここで初めて創設したということになります。
#65
○中野重治君 その根本は説明するとどうなりますか。その政策というのは、こういうふうに、だんと頭から出して來るように決めた政策はどういう政策ですか。
#66
○政府委員(松崎芳君) これはさつきから局長から原委員に対して十分御説明しておりました、公益委員のみでこういう問題について決定するのだ、こういう方向は從來の経驗から見て非常によいということの政策から帰着しております。
#67
○中野重治君 つまり政府の肚だということですね。これは「公益委員のみで行う権限」というのを出して行かうというのが政府の肚だ、こういうわけですね。
#68
○政府委員(松崎芳君) さようであります。
#69
○委員長(山田節男君) それでは続きまして第二十五條を議題といたします。……第二十五條別にございませんければ、第二十六條をお願いいたします。……続いて第二十七條を議題に供します。
#70
○原虎一君 第二十七條はいわゆる使用者の七條違反に対する処置というべきものでありますが、この七條違反は段々單なる過失のものは少くなつて來て、今後は一層計画的なものが殖えて來ると想像できるのです。計画的のものが非常にその判定が困難になつて來たので、そこで労働委員会において決定する日数が掛る、こういう掛るというところを懸念する。我々はできるだけ迅速にやつて行かなきやならんということを希望するのでありますが、第二十七條の一項の方で「第七條の規定に違反した旨の申立を受けたときは、遅滯なく調査を行い、」これこそ一定の期間以内にやるというふうに定めたらどうか。遅滯なくやるということは、遅滯なく取掛るけれども、それが非常に長く掛つてしまうという場合が多い。殊に今申しますように、非常に計画的のものが多くなるような予想をいたしますと、なかなか「遅滯なく」という抽象的なことでは行かないと思う。一定の期間内にこれをやるというふうに規定することは、今までの過去の経驗からして無理であるか、この点を一つ先ずお答え頂きたい。
#71
○政府委員(松崎芳君) 「遅滯なく」という言葉は他にも多く使つてありますが、大体行政上の通念的な問題で解決しております。具体的事件の性質によつて決定される問題でありまして、一概に一日とか、三時間とかというふうに決定できない問題でありますから、まあ社会通念といいますか、行政通念といいますか、そういうようなことで解決して行くというふうに考えております。
#72
○原虎一君 敢て絡むわけではありませんが、これは衆議院の修正で、労調法による何條にありましたか、爭議冷却期間を三十日にして、爭議期間を六十日にして、爭議のごとき複雜な非常な事件を六十日間経つたら又一つ止めて、もう一遍交渉に帰つてというような法律を政府は作ろうとしたのであります。これは爭議なんかを六十日で打切れとか、十日で打切れとかいうようなことは非常な困難だと思います。そういうものを我々が考えて困難な方に時間を、日にちを切つて、我々から考えると二十七條の「遅滯なく」は、例えば四十日以内とか、或いは三十日以内とか決められん程の問題ではない。
 それからもう一つは私がこう申しますのはできるだけ早くやるというのでありますが、実は私も中労委にも、地方労委にも関係しておりました。予算関係等で人手が足りないで早くやりたくてもやれないというのであります。労働者としては自分が一週間や十日なよ我慢していますが、段々延びて來ると、そうすると給料は貰えない。それが三人や四人じやない。三十人や五十人にもなりますと、組合は救済援助をするのも段々困難になつて來る、こういう事態が生じて來る。そこで仕方がないからというので妥協するという、いわゆる今までの十一條違反の訴えがむしろしまいには調停になつちやつて、法律違反ということにならない解決になる、その善悪は別でありますが……。併しそれが忌憚なく申しますというとそういう関係で七條違反というようなものが、一つの資本家と対抗する意味において調停を申請するよりは、七條違反でやつた方がいい、嚴密に法律に照して七條違反だというようなことでない方面に使われる場合があります。実際そういう場合はまだ弊害は少いのでありますが、本当に資本家の計画的にやられたものを、これを今日まで中労委、地労委の陣容を以てしてはその審査は非常に長くかかるということが想像できるのであります。でありますからこれを一つの、四十日なり三十日以内、仮に三十日以内というふうに決めますと、その陣容を必要として予算まで作らなければならん。ところが遅滯なくやるという抽象的なものになるとまあ予算がないからというようなことで、長引くようになつても止むを得ないということになつてしまう虞れがあります。そういう点から考えて私は、決めるのが困難でない、決めておく方がいいと思うのであります。これは重ねて質問するわけであります。
 それからそういう期間をできるだけ短くするという建前にこの改正案はなつておりますけれども、昨日も伺いましたのですが、ちよつと私ははつきりしないのであります。と申しますのは、仮に政府が、先日の説明によりまして地労委なり、中労委が七條違反を採上げて一ケ月かかつて判定をした、それを使用者側に通告することによつて法律は有効なんであります。三十日以内に今度は裁判所に起訴できるわけであります。訴えを提起することができることになつております。そうしますと一体仮に地労委が一ケ月かかつて決定をして、それから裁判に使用者側がしたときには、これが労働者が解雇を受けた問題とすれば、現場復帰はいつできるかという具体的な問題で一つ御説明が願いたい。
#73
○説明員(平賀健太君) 今のお尋ねでは、地労委が取調をするのに一ケ月かかる、一ケ月経つて地労委の命令が出て、それからその命令が使用者の方に交付されまして、交付を受けた日から三十日以内に使用者は行政訴訟が起せるわけであります。行政訴訟を起しますというと、この行政訴訟は一審、二審、三審と、三審制でありまするので、これはこの行政訴訟の判決が確定いたしますまでに相当の期間がかかるわけでございます。地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所まで行き得るのでありますから、これは場合によつて或いは短くて済むこともあるかも知れませんが、大抵の場合長くかかる虞れがあるわけであります。そういう場合の救済といたしまして、この二十七條の第五項で以ちまして、使用者が裁判所に行政訴訟を起した場合は、その裁判所は労働委員会からの申立によつて決定するという簡單な手続で裁判をやるわけであります。その決定の中で使用者は、いつ幾日内に、或いは何日以内に、或いはいつ幾日までにこの労働委員会の命令に從えというような裁判をいたすわけであります。そうしてその裁判がやはり使用者にこれは送付されるわけであります。若しその裁判所の命令に使用者が從わなければ三十二條で過料を科せられるということになるわけであります。でありますからその行政訴訟が判決になりますまでは相当暇がかかりますので、裁判所の方で労働委員会の命令を正当であると認めた場合には暫定的に一應これに從えという命令を出すわけであります。その命令に從わなければ過料を科するということによつて命令の履行を使用者に間接的に強制する、そういう仕組になつておるわけであります。
#74
○原虎一君 今の御説明によりますと例えば地方の労働委員会にかかつておる問題を取上げますと。地方労働委員会で一ケ月かかつて判定される、これは解雇はいかん、現場に復せ、こういうふうになります。これは中労委に再審査を申請できる、そうすると十五日以内、十五日かかつて中労委に申請する、中労委は一ケ月かかつて決定します。そうするとそこで二ケ月半かかります。二ケ月半かかつて今度は裁判所に三十日以内に起訴できるのですから、三十日間置いて起訴すると三ケ月半、そうして裁判所に行つて、裁判所から、中労委の決定通りに復職させろという命令が出るわけでありますから、現場に復すという場合は三ケ月半かかると思います。先日政府は、一ケ月半で現場に復せるということをおつしやつたが、私はその三ケ月半は長過ぎると思う、この計算は間違いないと思いますが、どうですか。
#75
○説明員(平賀健太君) 場合によりまして今おつしやいましたように三ケ月半かかることもあり得るわけでございます。ところがそれでは労働者に対して救済の手続が非常に遅れますので、そういう場合に措置としましては二十七條の第九項でありますが、労働組合又は労働者は訴えの提起の権利をこの二十七條によつて奪われるものではない。裁判所に救済を求める途は現有通り絶えず開いてあるのでありまして、そういう場合には現在通り例えば裁判所に仮処分の申請をする、地位保全の仮処分、この途が開いてあるのでありますから、そちらの方で一應地位を保全して貰うということも可能なわけであります。
#76
○中野重治君 裁判所関係の問題というものはこの中でもこういうふうに規定しなければ、裁判所自身ではできないことになつておりますか、今の法律では……。
#77
○説明員(平賀健太君) 今の法律ではこれは默つておりますと、これは行政事件訴訟特例法という法律がありまして、これによつて行くわけであります。ところが行政事件訴訟特例法によりますと、行政廳の違法な処分に対してその取消、変更を求める訴訟が可能でありますが、行政事件訴訟特例法のままではその処分のあつた日から六ケ月以内に訴えができるということになつております。これから六ケ月もかかつたのでは、今原委員のお話では三十日でも長過ぎるくらいであるのに、六ケ月になつたのでは、これは非常に労働者に対して酷なことになりますので、六ケ月を特に三十日に縮めました関係で、二十七條の第一項で三十日以内に行政訴訟が起せるということになつたわけであります。やはり六ケ月の特例という意味でここに出したわけであります。
#78
○中野重治君 それを裁判所関係の法律を直さないで、ここにこれに入れることによつて労働組合関係の分だけよりよくしよう、こうやつたわけですか。
#79
○説明員(平賀健太君) まあそういうことになります。
#80
○中野重治君 この何項目かありますが、十あるうち文句そのものに関係して來ますが、使用者側について、2の問題、4の問題、5は別として、6、7と、こういうふうに、こういう場合は使用者側はこうできる。又はそれでもほつたらかしておいた場合は、更にこうできるというふうにずつとなつているのですが、労働者側に対しては労働委員会の決定やなんかについて、例えば7の一番最後にほんのちよつと「この通知は、労働者もすることができる」とか、9の「この條の規定は、労働組合又は労働者が第二十五條の規定により中央労働委員会に再審査の申立をすること、又は訴を提起することを妨げるものではない。」こういうふうな非常に消極的な言葉遣いで規定してある。使用者側に対してはちやんと項目を幾つも分けて何々することができる、それでも使用者がほつたらかしておいた場合には使用者がこうもできる。こういう非常に深切な書き方で委曲を盡してある。これは併し労使の対等の立場ということを非常に強調するのと言葉の上では矛盾する。併し実質はそういうつもりではないでしような。
#81
○説明員(平賀健太君) 勿論さようでございまして、ここに二十七條の第一項のところに「申立を受けたときは」、その申立は多くの場合、殆んど全部の場合、労働者或いは労働組合からやるということになると思う。事件が裁判所に行きますと、裁判所で手続の当事者になりますのは、使用者が原告になりまして、被告になりますのは労働委員会がなるわけであります。ですから労働者は原則として行政訴訟の当事者にはならんのであります。ですから裁判所に移つてからは労働者ということが出て來ないのは当然なんであります。ただ中央労働委員会においては、申立人と使用者が原告被告というような関係に立つのでありまして、その申立人は労働者或いは労働組合ということになるわけであります。申立人という言葉の中に労働者或いは労働組合が含まつて來るわけで、二項には申立人というのがありますが、これは申立人が即ち労働者或いは労働組合ということになるわけであります。
#82
○中野重治君 日本の裁判所の、今できている建前とか何とかいうところからそういう説明も或る程度受取られるわけです。私はですからそれについて更にとやかく質問しませんが、こういう書き方では法の文章として、労働者側に非常に不深切で、使用者側に極めて深切だという意向が非常に見取れることになつてしまう。それでそれについて、この二十七條の一番初めのときに、そういう場合の基礎になる点ですが、第一項の点、「労働委員会は、使用者が第七條の規定に違反した旨の申立を受けたときは、遅滯なく調査を行い、必要があると認めたときは、当該申立が理由があるかどうかについて審問を行わなければならない」こうあるのですが、ここは私前後関係がちよつと呑み込みにくいのですが、この申立は組合の方から多く出る、こうしますね。そうすると申立が理由があるかどうかということが起つた場合に、つまり必要があると認められるのではありませんか。これは必要があると認められたときはこの次の段階として当該申立が理由があるかどうかについて審問を行うというのはどういうのか、時間的に逆ではないですか。どういうことになるのですか。
#83
○政府委員(松崎芳君) 第二十七條は、これは第七條の使用者の不当労働行爲という問題を受けてその使用者の不当労働行爲に対する労働者側の原状回復の規定を決めておるのでありまして、労働者の不当労働行爲についてここに入れているのではないのであります。それを一應前提にしておきます。今の御質問の必要があると認めたときという問題につきましては、まず調査を行なつてその調査の結果次の審問の必要があるかどうかということは分るわけであります。それが必要があるというふうに認めたならば、その申立について理由があるかどうかについて審問を開始するということでありまして、施行の順序は逆になつていないのであります。
#84
○中野重治君 そうすると必要があるときというのは、必要というのは当該申立が理由があるかどうかについて審問の必要があるかどうかということですか。
#85
○政府委員(松崎芳君) さようであります。
#86
○中野重治君 第二十六條の最後なんですが、「権限を有する」という場合は、これはやらねばならんということになりますか、法律上は……。中央労働委員会が自分の手続や地労委の手続に関する規則を制定し公布する権限を有するという場合は、法律上はこれをやらねばならんということになりますか。
#87
○政府委員(松崎芳君) やらねばならないという義務ではなくて権限であります。
#88
○中野重治君 そうするとそれがやられない場合はあとのことは全部乱れてしまうということになりますね。併しそんなことはさせないつもりだということになりますか。建前としては……。
#89
○政府委員(松崎芳君) 権限を持つということは私が義務じやないと言つたことが余り強く響いたかも知れませんが、権限を有している限り必ずやるには間違いないのでありますから、二十七條は絶対に動かすことはできません。
#90
○委員長(山田節男君) 二十七條は別に御質問がないようでありますが、時間も過ぎましたし、実は昨程もちよつといろいろお話もありましたが、次に第五章罰則と附則を残すのみでありますが、もう十分ばかり御辛抱願つて、この質疑だけ午前中に終えておきたいと思いますが御異議ありませんか。
   〔「異議なし、賛成」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(山田節男君) それでは第五章の罰則規定二十八條から三十三條まで一括して議題に供します。
#92
○中野重治君 今異議なしということの中に入つて私も異議ないのですが、さつき私の出した質問ですね、横須賀のサイン問題、これについての答えがないわけですよ。これはあとであるというわけで、私は了承してじつと從つて來ている。ですからそのことははつきりさして頂きたい。あとでもいいのですから……。
#93
○委員長(山田節男君) 承知いたしました。議事の進行上を見ていたします。第五章罰則の條項に御質問はございませんでしようか。
#94
○原虎一君 実は與党側の方から質問が出ると思つたのですが、出ませんでしたから……。御意見を座談的に伺つているときにちよつと疑問が生じたのでありますが、三十二條ですね、「使用者が第二十七條第五項の規定による裁判所の命令に違反したときは、十万円(当該命令が作爲を命ずるものをあるときは、その命令の不履行の日数一日につき十万円の割合で算定した金額)以下の過料に処する。」この「不履行の日数一日につき十万円の割合で算定した金額」というのは一日は必ず十万円になる、こういうので、十万円以下というのは……。
#95
○政府委員(松崎芳君) 十万円の範囲内ということであります。括弧の次に以下というのが入つておりますので、例えば……。
#96
○原虎一君 この以下は括弧の中にも関係するわけですか。
#97
○説明員(平賀健太君) そうであります。
#98
○原虎一君 それではつきりしました。
 そこで問題が出て來ると思いますが、これではつきりしました。
#99
○田村文吉君 実はその問題について話合いをしておつたのでありますが、あまりに世の中がインフレーシヨンになつたといいながら、一日につき十万円の割合で勘定したという過料でありますが、これは所詮過料を拂うようなものは大きな会社は少いのでありまして、大体小さな会社や個人事業者あたりが多くなつて來ると我々は算定してあります。こういう人達は訴訟したくても、なかなか弁護士の費用も拂えないというような場合が多いのでありますのに、これは最高でありますから、必ずそれまでお取りになるというわけじやないにしても、まけるにしても仮に十日間怠つたら百万円になるので、その半分にまけて貰つても五十万円であり、三割まけて貰つても三十万円、こういうことがひよつと起ると中小企業というものは危くて危くてたまらない、こういう感じを私は持つのであろうと思うのでありますので、こういう過料とか罰金というものは、程度があるものであろうかと思うのでありますが、外の法令にこういうことが皆規定されておりますか。あまりに突飛過ぎるので、どういう御趣旨であるかと思つてお尋ねして見るわけであります。
#100
○説明員(平賀健太君) 括弧内の「不履行の日数一日につき」いくらの割合で計算した金額、これは私の知つております限りでは、外の法令では例がないのでございます。どうしてこういうふうにいたしたかと申しますと、これは過ち料で処罰するのが目的なのじやない、今、不当労働行爲がありましたら一日も早く現状の回復を実現するためにこの過ち料を科する。從つてこういうもので間接的に回復しまして、そして不当労働行爲を止めて貰う。そこに重点があるのであります。この考え方はこれは日本の裁判所の手続にはないのでありますが、英米の手続におきましては特殊の法廷侮辱という考え方があります。これは裁判所の命令に從わなければその命令に從わない日ごとにその違反が成立するという考え方があるのであります。一日從わなければその一日ごとに違反が成立する。日本ではそういう考え方がないようでございますから、金額の点でそれに合うような計算をするというような考え方を以てやつたわけであります。ですからどうしてこれを一日十万円にしたかと申しますと、例えば大きな工場で申しますと、大量に不当解雇した、その解雇が不当であるという場合、過ち料の額が非常に少いのでありますならば、それを復職さして沢山の賃金を拂うよりも過ち料を拂つた方が安くて済むということがこれは考えられますので、命令に違反をする、そうして賃金を拂うよりも過ち料の方が経済的だ、法律としてはそういう万一の場合をやはり考えて置かなければなりませんので、一日十万円というのは非常に多いのでありますけれども、裁判所はやはり事犯の実情を見まして、一日十万円以下だつたら一銭までも理論的にはいいわけでありまして、裁判所の裁量に委せるということになるわけであります。
#101
○田村文吉君 日本の裁判官がそういう非常識のことを考えられようとは思いませんが、併し在來ございました過ち料とか或いは罰金とかいうようなものは、とにかく拂えそうなところまでのものを見てあるわけです。今大きな会社の例をおつしやいましたが、こういうものにひつかかるのは小さな中小企業です。中小企業がそういうことのために皆潰れてしまわなければならんということが起り得る。又その実際が今の不当労働行爲であるかどうかという悪感情問題が残つたりして可なりに復帰ということには日数を要する場合が多いのであります。そういう場合にこういう規定があまりに大きく非常識なものを作られることはどうかと考えたので申上げたのでありますが、日本の裁判官を信用してそういう非常識なことは十万円以内だからそういうことはやらないだろう、こうお考えならば、それは百万円とお書きになつても別に差支ない。ただあまりに法律をお作りになる場合に非常識な法でないことを希望するのです。
#102
○早川愼一君 三十一條の、これは労働基準法なんかに、法人又は人が違反の防止について必要な措置をした場合はこの限りでないというような規定を置かなかつたのでしようか。
#103
○説明員(平賀健太君) この三十條というのは、これは労働基準法とは可なり性質が違うのでありまして、労働基準法の方はこれは何と申しますか、自然犯的なものであるに対して、この三十條は行政犯的なもの、道徳的な色彩のない虚僞の報告をしてはいけない、帳簿書類の提出をしなければならん、それに反した場合の規定で、結局代理人、同居者、雇人がこれに違反した場合でも法人又はその本人には、いわば無過失責任を負わせる、そしてそれによつてこの三十條の違反ということが行われないようにする、そういう趣旨でございます。
#104
○早川愼一君 併し非常に沢山な、例えば事業場を持つているところなんか到底こういうことをやつたら毎日処罰を受けなければならんような場合も起り得るのではないでしようか。
#105
○説明員(平賀健太君) 併しそれはやはりそういう沢山の事業場を持つておるということになれば、やはりそれだけの大資本を擁しておれば、それだけの大きな責任があるということにもなるのじやないか。これはちよつと問題が違いますけれども、不当行爲による無過失損害責任という場合もございますので、やはり過失責任じやなしに無過失の場合でもやはり責任を問われるということになるのじやないかと思います。
#106
○中野重治君 この三十二條と第二十七條の五項との関係ですが、これはもつと読んだら分ると思いますが、ちよつと分り難いのでお尋ねしますが、第三十二條でこういう処罰規定がありますね。併しこの処罰規定は使用者が第二十七條第五項の規定を違反した場合で以て、その違反に対して使用者が処罰されるけれども、その違反から來るところの労働委員会の方のことは除くとしても、労働組合側が受ける損害は、これは全然関與しないということになつているのですね。この規則ではそつちの方はどこで保護されるのか、どつかにあると思いますが……。
#107
○説明員(平賀健太君) そういう場合にはこれは違反から損害が発生するというのでなしに、その不当労働行爲があつたときに、若し損害を蒙つておればその損害の賠償の請求はできるわけです。例えば不当解雇をされた、又その不当解雇をされれば、不当解雇をされることによつて損害がすでに発生しているのですから、そのときから損害賠償の請求ができるということです。
#108
○中野重治君 それはそうですがね、併し使用者側がこの二十七條の五項に從えばよかつたのが從わなかつた場合は、精神的にも亦物資的にも一層損害を受けるわけでしよう。それだからつまりそういうことを防ぐために、この罰則があるわけですから、第三十二條があるわけですよ。從わなかつたという点に関しては成る程罰するけれども、そのことから受けた労働者側の被害はどこで保護されるわけですか。
#109
○説明員(平賀健太君) 結局不当解雇されますというと、解雇されとる間は復職させて貰うまでは賃金は貰えない、復職させて貰うまでの賃金というものは、損害賠償として請求し得るのだから、命令に從わないでいつまでも放つて置くということは、労働者としては相当損害賠償の請求権を有するというわけになるので、今の御懸念がないのじやないかと思います。
#110
○中野重治君 そうするとその使用者側の二十七條の五項に背いたとき以後、新たに生じた損害の増加部分というものは賠償請求に加算できるわけですか。
#111
○説明員(平賀健太君) 勿論できます。
#112
○中野重治君 それは分りました。もう一つは、この三十二條のさつきの趣旨ならばですね、括弧の外の十万円、さきの十万円というものをお置きになれば、括弧の中のこういうことは止めた方がはつきりしやしないかということが一つと、それからどうしても括弧の中の妙なものを入れるとすれば、この場合には最低額は入れなくてもいいんですか。
#113
○説明員(平賀健太君) 過料の罰則の場合に最低額を定める例はありませんので、最低額を定めてはいけないという理屈はないのですが、最低額を定めた例は私知つておる限りではございません。これはやはりいろいろな場合があり得るわけでありますから、裁判所の判断に任せるということになつておるわけであります。
#114
○中野重治君 いや初めの括弧の中の妙なことを止めて、そうして最初の十万円の部をもつと上まで引上げることによつて却つてさつぱりしやしないか。
#115
○説明員(平賀健太君) これも併し過料の額もそう百万円とか二百万円という、そういう過料は非常に非常識になるのでありまして、やはり常識的にどのくらいというその限界がありますので、まあ十万円というのは今の最高のものだろうと思います。
#116
○田村文吉君 先きの一日十万円ですがね、大臣はどうお考えになつておるか知れませんが、今後いよいよ裁判所に運用される場合に、そういう運用の間違いが起つて來まいと思いますけれども、そういう点について大臣はどうお考えになつておりますか。
#117
○國務大臣(鈴木正文君) 先程からも申上げます通り、ここの立法の趣旨はこの過料を出させることでなくして、この命令に遅滯なく從つて貰うという点にあるわけでございますから、こういつた裁判所の決定、その他の連絡、その他に万全を盡しまして、事実上はこういつた法文はあつても殆んど空文になるような形に、運営に極力力を入れて経営者の方たちに、その氣持がなくして不当なる負担をさせるようなことのないように極力いたしますことが第一で、將來に亘りましては十分檢討いたしたいと思います。
#118
○田村文吉君 ただ只今の裁判官がですね、労働問題とかこういう場合にはこれは余税重いものだから一月十万円取るのが当り前と考えて頂くと困る。この点が私心配なんです。常識的にやつて行けば百万円と書いてもいい、一千万円と書いても、一向差支ないのですが、その点がどうかと私が心配するわけです。
#119
○國務大臣(鈴木正文君) 御指摘のような点、今日の裁判官の大部分の方に、そういう考えがあるわけではありませんし、又中労委とも十分打合せましてそういうことはやつて参りたいと思います。
#120
○早川愼一君 もう一つ確かめに置きたいのですが、二十二條の例えば大きな会社で地方に事業場を沢山持つておる、そうすると本社は全然関知しないで、地労委あたりからいろいろの報告書を提出を求める、その場合に過つて何か報告が二十二條違反になつたという場合に、これは当然本社の社長とかそういう者まで責任を負うような、これは規定になるのですか。
#121
○説明員(平賀健太君) その場合には本社の社長ではありません。会社でありましたらその法人がこれは違反の責をとる、罰金ということになるわけであります。
#122
○早川愼一君 法人といいますと会社ですね。
#123
○説明員(平賀健太君) 会社自体がもとより三十條の罰金だけでありますね、その法人が罰金を拂う、こういうことになるわけです。
#124
○委員長(山田節男君) 外に御質疑はないようでありますから、次に附則の全項目に亘りまして議題に供します。
#125
○村尾重雄君 この附則の第一に「この法律施行の期日は、公布の日から起算して三十日を越えない期間内において、政令で定める。」とあります。又「この法律施行の日から六十日以内にこの法律の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受けなければならない。」となつておりまするが、現在問題になつている労働協約の問題ですが、労働協約については十五條に有効期間を定めなければならん、三年の期間を越えてはならんと明確にこうなつているんですが、現在の労働協約の取扱い方はどうなさるおつもりでしようか。現在締結されているその労働協約の條件ですね。協約それ自体なんです。この最初の項では協約自体には触れなかつたのです。ただ有効期間は定めなければならん。それから三年を越えて存続することができないということは論議されたわけなんで、一應明確なんですが、事実の問題として、労働協約というものについて、例えば期間が未だ來ていないものを含んだ労働協約があるわけですが、それなんかどうなるのでしようか。
#126
○説明員(石黒拓爾君) 協約の問題につきまして御説明申上げます。労働協約は法律で特に創設したものではございませんで、法律で特別の効果を附與はいたしておりますが、協約そのものは法以前から存在しているものであります。從いまして從來から存在する労働協約はこの法律施行後におきましても、継続いたしまして存続する。從つてその存在期間は前の労働協約の存続期間と同じでございます。ただその協約のうち、期間に関する定めのないものがありますれば、それはこの法律施行と同時に効力を失うことにならざるを得ない。又自動延長規定によつて延長中のものは、この法律施行後において、当事者の一方が反対の意思表示をすれば、そこで効力を失うということになりますが、そういつた例外的な場合を除きましては、從來からずつと継続をするということは特に書いてございませんが、当然の解釈でございます。
#127
○村尾重雄君 もう一つお尋ねしますが、十五條の條項に抵触する部分を除いては、現在協約中のものはやはり一應その決めた期間まで有効と解していいわけですね。
#128
○説明員(石黒拓爾君) その通りでございます。
#129
○委員長(山田節男君) 附則に対する御質疑は……。
#130
○中野重治君 期間の問題ですね。これは今こういうことになると、今急いで期間を入れるなら入れるという場合が生じますね。その協約それ自体は有効だ、期間さえ入れば、つまり新らしい法の下でも有効だと、この項目を入れるときから三年ということになるわけですか。
#131
○説明員(石黒拓爾君) 期間の入つておりません労働協約につきましては、二種類あると思うのですが、それが三年を越える、永久とか、それに準ずるような期間であります場合には、普通の解釈としては、有効期間を越えたものと見なされるのでありますが、併しその三年を越える有効期間というものが永久に絶対の要件である場合におきましては、その協約全体が無効になる。それから全国期間の定めのないもので、これはいつ終るか分らないというものは、この法律施行と同時にその期間の部分だけが無効になるのではなくて、協約全部も無効になる、從いまして、今のうちに新らしい協約を結んで置いて頂かなければならん、現在若し新法律が施行になるというので、期間を入れる場合には、今からこの法律施行までの間に入れた期間に從つて、その期間の定めるところによつて、その期間内は有効となるということになるわけです。
#132
○中野重治君 そうしますと、この法が制定される以前に、これは制定されるものと認めて、労働組合では大急ぎで、今まで折角やつて來たものは、無効にさせられるのだから、改めなければならんといつて、つまり例の次官通牒の線と同じ線でこれをばたばたやらなければならんわけですね。法の決定以前に……。
#133
○説明員(石黒拓爾君) 法律制定前ではございませんで、制定されますのは、幸いに御審議の結果これが通過いたしますれば、この会期の終るまでには制定されるわけです。ですから施行までに約一ケ月の期間がございます。この一ケ月以内に期間を入れなければならん。その際は協約全部を改定するのでなくて、勿論その期間だけを入れればよろしいわけです。
#134
○中野重治君 さつき説明のあつた二つの場合ですね、或る協約があつてその中にはこれは永久に続くというふうな形で入つておつて、而もそのことがその協約の非常に大事な本質的部分をなしておるというものは、一應これは無効になることは分りました。これは当然であろうと思うのです。併しただ期限が切つてなくて、そうしてそれさえ入れればいいというものも一應御破算になるわけですか。
#135
○説明員(石黒拓爾君) 理論上はその通りになります。期間の定めのないものは本法にいう協約としての効力を発しない、ただ実際上は期間が全然書いてないという協約は極めて稀でございます。
#136
○委員長(山田節男君) 別に御質疑もないようでございますから、昨日原委員が第十一條の質疑を留保されていますが……。
#137
○原虎一君 十一條から十三條を留保しておりますが、これは時間がありますれば、大藏当局の御出席を願つて労働組合の行う事業の税金課税の問題についてお伺いしたいと思うのです。
#138
○委員長(山田節男君) これは次の労調法の一部改正法律案、この質疑も亦続いてありますからそのときに大藏大臣、大藏省政府委員をお呼びして質疑を行うようにいたしては如何でしようか。
#139
○原虎一君 結構でございます。
#140
○委員長(山田節男君) さようにいたします。中野委員の保留の質問がありますか。
#141
○中野重治君 昨日厚生資金が爭議資金に轉用された場合について質問があつて、それは即座には答弁ができないから今日政府側から答えがあるように決まつているわけですが、それはお晝からありますか。
#142
○政府委員(松崎芳君) 昨日田村先生から第二條第二号、第五條第一項、第九條に関連して厚生福利基金として使用者から寄付された金を外に流用した場合に、使用者の経営上の援助を受けるものとして組合の資格は否認されるのかどうかという御質問があつたのでありますが、それに対しましてお答えいたします。
 使用者から受けた福利厚生基金を勝手に流用できるということといたしますと、たとえ総会の決議を要件といたしましても、この方法を以て経費援助の脱法行爲はいくらでもできることとなりますわけであります。それで流用はできないというふうに解釈せざるを得ないのであります。從つて若し組合が流用いたしますれば、第二條の経費援助を受けたことになつて組合資格を否認されることになるわけであります。併し実際上は福利基金のうち流用したのは使用者の寄付した分か、或いは組合が本來持つていた分であるかということは簡單になかなか判定できない問題なのであります。それでそこのところは組合が全然福利基金を持つていなかつたという場合には、使用者の基金が全部であるわけでありますから、その場合は勿論駄目であります。又指定寄付といたしまして、医療機械購入というようなものを持つて來ましても、それが実際医療機械を購入せずに外に使つておるというような場合におきましては、これも使用者の寄付金を他に流用したということにならないということがはつきりするわけであります。組合が、ところが本來福利基金を持つておりまして、使用者の寄付金を特別の用途を制定しておるものではないというような場合におきましては、これは例を挙げますと組合本來の基金が十万円で使用者が別に二万円寄付をした。そうしてその流用が十万円を越える額に達した。十一万心を使つたというような場合におきましては初めて使用者の寄付金を流用したということが確実になるというふうに考えます。そういう明らかに流用がされておるという場合には組合資格否認の原因となるというわけであります。
#143
○中野重治君 田村さんそれでよろしいですか。
#144
○田村文吉君 まあ大体分つたような……。
#145
○中野重治君 そうしますと、それはそういうふうに解釈すべきであるというふうな何か法的根拠はあるわけでありますか。
#146
○政府委員(松崎芳君) この法律の解釈を今お答えしたのであります。この法的根拠というものはこの法律自体であります。
#147
○中野重治君 そうすると組合の方が相当金を積んでいて、そうして幾ら貰つていてそれで使つたことは使つたけれども、どつちの方に使つたか分らないと、こういうむずかしい場合は別として、組合が積立てていなかつた、或いは積立てていたものよりは福利厚生資金として受取つたものが多額であつたので、明らかにこれを爭議費用に廻したという場合に、これはどこまでも違反だというわけですね。
#148
○政府委員(松崎芳君) さようであります。
#149
○中野重治君 そうするとこういうことはどうなりますか。爭議というものは私共は政治的ストライキをも含めて考えておるけれども、政府はそういうものは成るべく含めたくないということを考えて、もつぱら経済的のものを主張されておりますが、これは大きくいつて組合員の個々の及び組合の全体としての福利厚生の問題ですが、その福利厚生の問題が基本的にうまく行かないから紛議が起きる。ストライキにもなる。その前に入つた金を本当に福利厚生の問題を拔本的に解決するための行動に廻すということは、福利厚生というこの題目的からいうと誠に順調なことだと思うのでありますが、その中の特別の場合に違法だと、それで組合が否認されるというようなことになると、大きな目的からは少しずれるように思うのでありますから細かい法的規定はどうなりますか。私の考えは話にならないですか……。それから私はこういう初めから言つておるように、この法の改正そのものの大きな目的に副うように、大眠目を主張するようにやらなければ、政府が呼号しておる組合の自主性の尊重なんというものにならないとこう思うのでありますが……。
#150
○政府委員(松崎芳君) 福利厚生という意味は、我々は今中野先生がおつしやつたように廣くは解釈しておりません。これは福利とは何ぞや厚生とは団ぞやという法的根拠というものはありません。各省の分課規程に出ておる程度に解釈しております。
#151
○中野重治君 分りました。ただ私はもういいません、少し聞いて下さい。実際福利とは何ぞや厚生とは何ぞやという法的根拠はないのでございます。私らは法的にそんな規定を作れというつもりは毫もないのであります。併し福利厚生施設というものは今日の労働者が追い込まれておる状態にとつては非常に大事な問題であります。これは労働者の基本的利益は大きなものとあつて、政治的になつて、これは新聞代だつて大事だ。だから私は今更福利とは何ぞや、厚生とは何ぞやということを法律的に決めて、その方でもコントロールして行く。その法律的に決めて行くというのじやなくて、十分にうまく行くという法的に一致するような現状だとすれば、さつきのあなたの見解は一應分ることは分るのですが、根本的にはどうも法律屋的になつて、そのことが健全なる組合の発達を阻害する。政府はそういうことを思わんかも知らんが、思わん破綻を生ずると、そういうことを懸念するわけであります。
#152
○委員長(山田節男君) 他に御質問もございませんようですが、本法案に対しまする質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。
#153
○中野重治君 ですからお晝から細目について答弁が得られなければ困るのであります。午前中ではなくてもいい。
#154
○一松政二君 横須賀の問題だ。
#155
○中野重治君 横須賀の問題。
#156
○政府委員(賀來才二郎君) 速記の関係もありますが、まだ今朝もいろいろやつておつたこともありますので晝休みに打合せましてお答えをいたしたいと思うのであります。この法案は我々は直接関係はないと考えておりますが、晝からになりましたら答弁したいと思います。
#157
○中野重治君 午後で結構です。
#158
○原虎一君 大体の質問は終つたようでありますが、私が保留しております十一條から十三條。それからこれは時間が許す限り大藏当局に御出席願つて労働組合に対する課税の問題をお聞きしたいと思うのであります。
 それからできれば留保を私は主張しておいたと思いますが、第一條が今少し判然としない、これは特別に今私は研究しておりますので、この午後の留保の中に入れて一應もう一回質問することを許されたいと思うのであります。
#159
○委員長(山田節男君) そうすると一應質疑の終局を暫時延期して欲しいという御希望ですか。
#160
○原虎一君 それだけ條件を認めて貰いたいということです。
#161
○田村文吉君 私は労働大臣が午後御出席でございましたら一つだけ御質問申上げたいことがあるのであります。総括的の問題であります。これは労働組合法と労調法との両方に関係して來る問題であります。お時間の御都合が願える時期でよろしいのでございます。
#162
○國務大臣(鈴木正文君) 午後参議院の内閣委員会がございますが、そう長い時間でもないと存じますから出られると思います。
#163
○田村文吉君 どちらのお時間でもよろしいのでございます。あなたの御都合のいい時間に……。
#164
○國務大臣(鈴木正文君) できるだけ冒頭に出て参るようにいたします。尚都合が変りましたら打合せますから……。
#165
○委員長(山田節男君) そういたしますと、今の原委員の御質問の件につきましては午後大藏政府委員をこちらに招いて御解答申上げたいと思います。尚中野委員或いは田村委員からの御質問に対しても午後解答願うということにいたします。尚お諮りいたしたいのでありまするが、本法案が質疑終局いたしました後討論に入るときでありまするが、もう一つの議題となつております労調法の一部改正関係法案、これと両方に質疑が終つた後に両方纒めて討論した方がよろしいか、別個にやるべきかという問題でございますが、いかが取計いいたしましよう。
#166
○原虎一君 両方纒めてやつて欲しいと思います。
#167
○委員長(山田節男君) それでは纒めて討論に入るということに御異議がないようでございますからさようにいたします。それでは午後二時から再開いたすことにいたします。
#168
○原虎一君 ちよつとそこで、我々は修正とか討論の準備もありますから、できれば三時、長ければ二時判に願いたいと思います。
#169
○委員長(山田節男君) 今の原委員からの御希望もございますが、二時半といたしたら如何でございますか。
   〔「いいです」と呼ぶ者あり〕
#170
○委員長(山田節男君) 御異議ございませんければ、二時判から再開いたしまして、暫時休憩いたします。
   午後一時一分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時三十五分開会
#171
○委員長(山田節男君) これより労働委員会を開会いたします。午前に続きまして質疑を続行いたします。
#172
○田村文吉君 労働大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、これは本案の審議の劈頭にお尋ねすべきが順序であつたかも知れませんけれども、議事の都合もありましたので差控えておつたのであります。
 この労働組合法の改正及び労働関係調整法の改正二つに関連する問題でありますが、憲法が改正になりましてから初めての労組法の改正であります。そこで私共はこの法案を拜見いたしましたときに一番先、氣の付きましたことは、各種の点についての改善についての政府の、法案の苦心は分るのでありまするが、御承知のように日本は昭和二十二年の五月二日限りを以て旧憲法が廃止になり、新憲法に入つたのでありまするが、新憲法の條章には、申すまでもありませんが第九條において「國際平和を誠実に希求し、國権の発動たる戰爭と、武力による威嚇又は武力の行使は、國際紛爭を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」かような平和宣言を世界にやつておるのであります。つまり日本の今日の新憲法下における状態は欧米の各國とは余程事情が異なつておるのでありまして、まだ欧米の各國には不幸にして全面的の平和運動、或いは武力を棄てるというところまでの順序には立至つてないに拘わらず、日本ははつきりと永久に戰爭をしないと、又紛爭の解決手段として武力の行使もしないと、かような実に世界的の画期的な憲法ができておるのでありまして、我々はその新憲法に基きまして今後処して参らねばならんのであります。さような日本の状況下にありまするのに、ひとり労働関係のいわゆる労使の関係だけが未だにこの武力の行使を許して來ておるということは、誠に憲法の精神から考えまして遺憾に考えておつたのでありますので、いわゆる産業の平和というものをこの際新労働立法によつて作られるという、こういうことの期待を持つておつたわけであります。
 玉第二の点といたしましては、御承知のように、今日の遺憾ながら未だ外國の手厚い援助を受けませんと自立ができて行かないような情勢下にある日本の今日の状態といたしましても、同じく問題をすべて平和裡に解決することは考えられるのが当然のことではないかと考えるのであります。口に平和を唱え、口に耐之、窮之を唱えておりましても、実際その國を構成しておる國民自体の一人々々が好戰的であり、戰いを好むようなことでありましたのでは、本当の平和國家というものはできて來ない。こういうことを考えて行きますと、今度の新憲法下第一に改正せられる労働組合法、労働関係調整法という点についてこの趣旨が十分に盛らるべきではなかつたかと私共は考えておつたのでありますが、この條文について或いは労働委員会の権限を若干拡張し、又調停委員の権限を大いに拡大されたというような点が見られるので、將來政府がさような趣旨でお進みになる御用意があるかどうか分りませんが、若干さような点も見られないのではないかとも考えるのでありますが、その点についての一般の進歩が見られなかつたということ田、如何にも遺憾に考えておるのでありますか、政府は將來に対してこの点についてどういうふうにお考えになつておられますか。日本が世界のいずれの國にも特殊の状態下に今日はあるのでありまして、必ずや日本として世界の対立に拘わらず、眞に平和的な國を作り上げ、平和的な産業、産業の平和ということを考えて行くべきではなかつたであろうかということを考えますので、敢て労働大臣の所信をお尋ねいたしたいと存じます。
#173
○國務大臣(鈴木正文君) 田村さんの御質問は、極めて根本的な立場の立つつて御意見であり、同時に御主張であつたと拜聽いたします。新憲法特にその第九條において、日本の平和的宣言が行われた。新らしい出発をした。それに対して同時に産業の平和自体もこの際深く考慮すべきである。そういう考え方に対してはこれはもう根本的に全く同感でございます。労使双方と申しまするか、國民全体の特に生産の方面を狙うところの労使双方の平和的の関係の下において、私共の根本的に主張しておるところ丸対等関係の確立、そういう形の上に産業平和というものの基礎が打建てられて行くべきである。こういう考え方には全く賛成でございまして、今度提案いたしましたところの両法律案につきましては、それぞれの角度、立場から、幾多の批判はございますけれども、率直に申上げますれば、私共一月頃作つた労働省の試案から幾度か変遷を経て、只今提出して御審議願つておるところの案に到達したのでございまして、この間におきましては、主張の、構想の後退であるとかいうような批判を受けたことも確かにありますし、又その反対の批判、つまり保護法から取締法、彈圧法に前進したんだという批判も亦一方から出て來たんでございます。見方、立場によつて幾多の視角、角度というものはあると思いますけれども、結論的に申上げますれば、これは私共の一人よがりだと仰せられるかも知れませんけれども、與えられた條件の下に、今日の産業の下におきまして田、私共はこの法律案が完全無欠のものであるとしてうぬぼれてはおりませんけれども、妥当な線に到達し得たものと、單に弁明だけではなくて、静かに労使双方の関係、日本の現状、組合運動の現状までの発展過程というものを考えますときに、私はそう信じて、そうしてそう信じたからこそ提案して御審議を願つたわけでございます。平和処理、平和的関係というものがどういうものを指しておられるのか、ちよつと田村さんの後で又御意見を伺い得るのかも知れませんけれども、只今の御質問の中では、そこまで触れておられませんでしたのですけれども、若し労働爭議というものを全然なくなしてしまうような立法的措置をも伴う、その平和関係の法的準備というもののような意味でありますならば、一方においてはそこまで行けば、そういう方法があれば、それは行けないとは申しませんけれども、大体労働爭議の起きて來る根本的な原因は、より根本的な政治的、社会的、経済的の現実があつて起きて來るのでありまして、ここに如何なる法を準備いたしましたところで、そういつたものがなくなつて、法によつて平和的関係が完全に樹立され得るというような関係は出て参らないと思いますし、提案された両法案共にそこまでを信じて、そこまで言われておらないということも事実でございます。むしろ資本主義的生産組織の下におきましては、労使の利害というものが、最終的に、一部或る人達が言うように、食うか食われるかの鬪爭以外には何らの共通点を持たないところの、たつた二つの存在する階段集團というふうには私共は考えておりませんけれども、單に相互の直接的な対立があり、これを解決するための爭議というものも起きて來るということは、誠に止むを得ない一つの現象であり、そうであるからこそ、その爭議を破壞的な鬪爭的なものにまで持つて行くことなくして、平和的な民主的な双方協力的な形において解決して行くということが切実に要求されるのでありまして、本両法案共に、この意味において、この立場において、平和的な協力的な爭議の解決、延いてその上に展開されるところの産業平和主義の展開というものを狙つたつもりでございます。根本におきまして、産業平和主義をこの際展開して、祖國の再建にお互いに当るべきではないかという考え方には全く同感でございますが、ただ労働爭議或いはそういつたものの措置自体に対しますところの、法の関與し得るところの範囲というものにつきましては、おのずから限度があり、殊に提案されましたような労使双方、それから労働委員会というふうなものが誠意を持つて運用することによつて、そこに産業平和の最終の有終の美を狙い得るものではないかと、そういうふうに考えておる次第でございます。
#174
○田村文吉君 私も勿論労働組合或いは團体交渉、かようなものを否認するものでないことは勿論であります。又一つの作業場で互いに仕事をしております中にも、労使の間でその配分についての爭い、紛議が起るということも私は当然あり得ることと認めておるのであります。でありまするが、無論紛議は紛義、爭議は爭議といたしまして、これを爭議行爲に移らないところまで方法を考えるべきじやないかということが私の主張したい点であります。あらゆる今日日本の労使の方々の考え方は、在來の欧米の労働組合法とかいうようなものから出発いたしまして、これが模倣或いは演繹、或いはこの点の多少の修正というような考え方から一歩も拔け切ることができない状態にあるので、私は非常に遺憾に考えるのでありますが、この点につきましては、日本というものは全く新憲法下において、紛爭の解決の方法としては武力を用いない、こういうことを宣言しておるのでありますから、國際間の紛爭というものを、当然労使の問題と同じように紛爭がないということは言い得ないのでありますが、これに対しては昔の万國平和会議、今日の連盟等あらゆる方法によつてこの國際間の紛爭を平和裡に解決することに努力して参つておるのでありますから、この戰爭を放棄した日本としては、必ずこの労使間における紛爭に対しても平和的に労働爭議行爲にならないで、爭議を解決する方法というものが認められることが労使双方の聰明さでもあり、國の上から言つても立つべき方法だ、それについてお前は然らばどんなことを考えておるかと申されますると、無論いろいろの点もございまするが、今日ございまする調整法における仲裁の制度、かようなものをもつと強化して、そうしてお互いに爭議が起つたときには生産の方は一日も停止することなく進めて行くようにいたしながら、仲裁によりまして或いは又仲裁が今日の労働委員会で弱いならば、もつと労働裁判所のようなものを作つても構まわないのでありますが、さような方法によつて平和裡に爭議を解決して貰つてそれに任せる。その間は労使一生懸命に生産だけは続けて行く、こういうような制度が考えられることができるのではないか。こういうふうに考えておりますので、けだし現在の状態で経営者の自覚、又労働者の自覚も実はそこまで行つておらないと実は考えております。考えておりますが、そこに持つて行くべきであつて、政府は率先してそういう方面に一つ指導して行かれるべきではないかと私は考えますので、私の方えておりますることを少しく敷衍して、尚大臣の御意見をお伺いいたしたいと思います。
#175
○國務大臣(鈴木正文君) 先程も申しました通り、廣い意味におきまする産業平和主義にいたしましても、或いは又もう少し範囲を限つたところの爭議というものに対する爭議解決と申しますか、爭議自体を少くして行くところに一連の政策なり、方式なり、機関なりというものの必要さという、そういう考えに対しましては何ら反対する余地がないのでありますので、幾多の同感が寄せられるわけであります。又労働関係の裁判的な方面、この方面についても現在日本の裁判所よりは特殊な、もつと時間的にも或いは質的にも実情にあつたような方向に進むべきではないかという御意見は、一面においてすでに存在する御意見でありまして、將來に亘りまして一つの有力なる御意見として檢討いたしたいと存じます。ただ私共の考えるところは、根本的に何と申しましても労働爭議のよつて來るところの根本は、只今申しましたような手続上の問題、或いは法的の関係というよりは、むしろ政治、経済、社会全般に亘るところのものであるのでありまして、そこに若し廣い意味における労働爭議に対するところの発生を未然に防ぐ、少くとも少なからしめる、理想的には根絶し得るという方式があるといたしましたならば、それは現在のこの混乱極まる経済状態を是正して行くところの、手取早く言いますならば、多くの日本人が最低線を維持して生活して行き得るところの政策が実を結んだときでなければならない筈でありまして、そのような状態がいつ來るかということは、こういうことはなかなか困難な條件の下においては容易ならん事業と考えますけれども、やはりひたすらこの本筋を進んで行くより仕方がない。又そうあるべきであり、又政府といたしましてもこの根本的な線に副つて渾身の努力を傾けるべきだ、そういうふうに考えております。尚田村さんの御指摘になりました点は、こういうような抽象論を言われたのではなくして、むしろ具体的な爭議というものを、一挙に爭議の形に持つて行かないような幾多の法的或いは諸機関の整備という方向に持つて行くべきではないか、將來の方向としてはそうあるべきじやないかということを御指摘になつたのだと思います。この点については、何と申しましても労働組合自身に民主的な自主的な責任を持つたところの組合になつて貰う。そういう組合が質量共に拡充されて、日本の労働運動の中核、指導力となつて貰うということが根本的だと考えるのでございまして、この線に副うような意味におきましては、この労働組合法は大体その線に副つて、そういつた組合の発展というものに寄與するというように少くとも作られておると確信しておる次第であります。
 尚その他の点につきまして、根本的の考え方自体につきましては同感の点が幾多ございますので、將來に亘つて十分研究いたしたいと思います。
#176
○原虎一君 留保しておりました本法案の第一條について、もう一度明確にするために質問いたしたいと思います。と申しますのは、最前も質問いたしましたごとく、労働組合の活動がここに掲げてあります。團体交渉、それから労働條件について資本家と交渉するための團結を明記しております。それから同時に第一條の最初において、労使は「対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること」、労働者の地位を向上させるということが何といたしましても限定されて來たわけであります。そこでこの前お伺いしました國際活動、或いは政治活動、勿論第二條の規定の範囲内における政治活動、こういうことも労働者の地位の向上に必要なのであります。労使を対等の地位におくだけが地位の向上ではないと思います。ここに現行法との相違が出て來たのであります。併し一條全体からの法の精神は現行法と何ら変つていないということであります。そこでこの改正法案の一條の條文のどこにそれが明らかにされておるかという点を檢討してみましたのでありますが、それになりますと、次に入つて來まして、「労働者がその労働條件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の團体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、」、いわゆる「その他の團体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、」というこの中に一條の目的の條項以外の、即ち政治活動、國際活動等は入るものである。從つて第二項の「刑法第三十五條の規定は、労働組合の團体交渉その他の行爲であつて」というところにそういうデモンストレーシヨンであるとか、或いは國際活動であるとかいうようなものは、やはり正当なものであると解される。こういうふうに條文を具体的に檢討して、どの箇條によつてそれが認められているかということが明らかにされなきやならないということが大事なことでありまして、今私が申上げたその解釈をどう労働省当局がされておるのか、私の解釈のような点でいいのであるか、これをもう一度明確に願いたい。
#177
○政府委員(賀來才二郎君) 現行の組合法の第一條は「國結権ノ保障及團体交渉権ノ保護助成ニ依リ労働者ノ地位ノ向上ヲ図リ経済ノ興隆ニ寄與スルコトヲ以テ目的」といたしておるのであります。改正法案第一條におきまして「労働者がその労働條件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の團体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、團結することを擁護すること」とありますのは、現行法の、「團結権ノ保障」という言葉に対應するものでありまして、團結権の中には当然團体行動権が含まれることを明示いたしたものでありますし、且つ現行法よりも更に強い保護を與える趣旨のものであります。又「使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための團体交渉をすること及びその手続を助成すること」と今度の法案にありますのは、現行法の「團体交渉権ノ保護助成」という言葉に対應するものであります。又今度の法案で「労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること」とありますのは、現行法の「労働者ノ地位ノ向上ヲ図リ」というのと同趣旨でありまして、現行法は地位の向上を團結権、團体交渉権によつて達成せられるべき、いわば一段高い目的としておるのに対しまして、改正法案の地位の向上というのはこれらと併立するように書かれておるのであります。併しながら地位の向上というのは結果でありますので、團結することを擁護すること、團体交渉すること、及びその手続を助成するということはそのための手段であることは、これは当然そう読めるのであります。從いまして実質的には地位の向上ということは、改正法案におきましても一段高い目的であるということは明らかになるわけであります。從つて現行法におきまして「経済ノ興隆」ということが当然のことであるから削除したといいます外には、現行法と改正法案とは第一條第一項は全く同じ趣旨を定めたものであるというのでございます。そこで一條一項は現行法と全く同趣旨のものでありまするし、一條二項は本文はこれは現行法の一條二項と全く同じであります。現行法の取扱といたしまして労働組合の正当な行爲というものには、労働組合が対使用者関係におきまして対等の立場に立ち、地位の向上を図る上において、それに附随する政治活動というものも含むものでありますことは確立したところでありまして、改正法案は現行法の建前を変える理由は何らないのでありまして、明文の上におきましても少しも変つていないのであります。ただ政治活動等が主たる目的となつたりする場合等のごときは、これは労働組合としても正当な行爲にはならないということは現行法と同じであります。
 國際活動について例えばILOの参加運動のごときは、單位組合が連合体に加入することと本質においては同じでありまして、問題は國際的でありますので、事情は必ずしも同じではありませんけれども、社会通念上妥当と認められる範囲で國際的運動を行いますことは、これは改正法案におきましても何ら排斥するものではないことは勿論でありまして、先日お答え申しましたごとく、國際運動或は政治運動というものは、我々の見解におきましては本法案の第一條におきまする保障された権限の中に含んでおる、かようにお答えをいたす次第であります。
#178
○原虎一君 大体條文に照しての解釈が明らかになつて來ましたが、私が先程特にお聽きしたのは、一條の二項ともいうべきところに、「労働者がその労働條件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の團体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、團結することを擁護すること並びに」と、こうなつております。即ちデモンストレーシヨンにせよ、いろいろな團体行動というものが、この條項によつて正当なるものとして認められるということが明らかに言えるかどうかという点をお尋ねしておる。それが第二項が「刑法第三十五條の規定は、労働組合の團体交渉その他の行爲であつて前項に掲げる目的を達成するためにした正当な」とこうなつて受けて來るのじやないか、こういう点を具体的に解釈を明らかにして置きたい、こう考えてお尋ねしておる。
#179
○説明員(石黒拓爾君) 只今の点につきまして各條との関係について御質問でございますので、私から御説明申上げます。第一條にございます「その他の團体行動」とございますのは、趣旨といたしましては使用者との交渉関係、対使用者関係における経済的関係をいうことは、現行法も改正法も法全体の趣旨として当然読めるところでございますが、併しながら対使用者関係のみに限るものでないということも現行法と変りないということは、先程局長から御説明申上げました通りでございます。然らばその範囲はどういうことであるかと申しますと、第一に対使用者関係におきまする團体交渉とか爭議とかいうこと、それから使用者に対してデモをかけるというようなことは社会通念上妥当な範囲において当然認められるということは特に断わるまでもないことでございます。政治活動というような問題につきましては、直接には対使用者関係には関係がございませんのですが、第二條の第四号におきまして「主として政治運動又は社会運動を目的とするもの」という規定がございます。主としてこういうものをするものは組合でない。從いましてその反対に主とならざる範囲において政治運動、社会運動をすることは当然労働組合に認められるということがこの法律から読めるのでございます。それでそういうものが第一條のどこに入るかということになりますと、当然附随的な政治運動、社会運動というものは「その他の團体行動」に入るという工合に解しておる次第でございます。
#180
○村尾重雄君 只今の原君の質問に関連してでございますが、労働組合の團体交渉その他の行爲すなわち團体行動も含まれると思いますが、第一條の第一項の目的達成のためになされる行動に対して正当なものとしての適用をこの第三十五條の規定というものは決めておる。この中でいま一つ詳しく申上げますと、この法則は更に官憲の圧迫を排除する意味を持つておる。過去の歴史において又今後起り得る運動に伴す行動の取締に対してこれを排除する意味を持つておるものと解釈してもいいと思うのですが、こうなつて参りますと、第二項の後段の但書の「いかなる場合においても、暴力の」というのは、前段の意味を消すことにならないでしようか、どう解釈されますか。
#181
○説明員(石黒拓爾君) 只今の点につきまして御説明申上げます。過去におきまして官憲の圧迫があつたということは、私共のような者が事実は知らないのでありますが、書物なんかで読んでおるところでございます。その場合におきましては、面会強要罪とか、家宅侵入罪、騒擾罪といつたようなものによつて檢挙されたというようなことを聞いておるのでございますが、こういつたものは、現在の檢察方針といたしましては、先日檢務局長から説明のありましたように、そういつたものは刑法の犯罪構成要件にも当らないという工合に解釈をいたしておる次第でございます。で、こういつた騒擾罪とか家宅侵入罪といつたようなもの、騒擾罪の構成要件に当らないことは現在常識をもつて誰でも判断できるところでございます。例えば面会強要等につきましても、暴力をもつて面会強要をすれば、これはやはり暴力の行使となつて、それが犯罪構成要件に当れば刑罰の対象となりますが、暴力の行使に至らない範囲においては、飽くまでも團体交渉を要求して使用に迫るというような場合は、これは第二項によりまして当然違法性を阻却せられる。そういう場合に官憲の、例えば警察官がそこへ行つて現行犯として引つ張るというようなことも当然許されないのでありまして、暴力の行使に入つたために官憲の圧迫が、又官憲の介入が官憲の彈圧を導くようになるという御懸念は余り当らないのではないかと思います。
#182
○村尾重雄君 只今の説明にありましたが、暴力の明白なことについてこれが排除されるということは誰だつて解釈しない。ただ労働組合の團体交渉及び團体行動そのもののうちにとかく過去でなく、現在においても取締り警察官の頭脳というものは、暴力行爲であるか、暴力行爲でないかということは、現場における判断が非常に欠くきらいがある。その点でとかく運動それ自体を相当干渉するきらいが過去においてでなくて現在あります。それを主に排除することがこの法の目的だと思います。それからこれに関連して第二項のこれは丁度ここに政府委員がおられますからお聽きしますが、但書のことは、こういうこの但書によつて示唆されて、正当な運動を警察官が迫害するような行爲、即ち警察官を示唆するようなことにならないように十分注意するという話がありましたが、併しこの但書を置くこと自体が私は明らかに警察官に対しての挑発することになると思う。例えばその点で縷々長く申上げればきりがないが、衆議院でも問題になり、当参議院の公聽会でも触れられました四月二日の大阪の法規反対のデモ事件ですが、私はデモの責任者で当日帰つておつたが、何故起つたかという現場の話は拔きにして、四月一日に軍政部から大阪の警察局長を呼び出して、明日行われるデモに対して断乎として取締れというような話合があつたらしい。その話を聞いた警察局長が、新聞記者を集めてしやべつた言葉をその当日の朝の新聞に、交通條例を楯にして、本日の示威運動が少しでもそれに違反する場合には、棍棒を持つて断乎として取締れという話を新聞記事に載せたのであります。そのときに刺戟されました、召集された全警察官というものは、この記事通り警察局長のこの言葉だけで非常に緊張してしまつて、遂に当日のあの事件というものが起つたと、こう解されることは明白なのであります。最初から惡いのだ、暴力を取締るのだという一つの行き方が遂にああいう事件を惹き起した。当然暴力はよくないものだということは明白であり、而も段々暴力行爲というものが労働爭議に附随して最近まで沢山起つておつたが、それが段々少くなりました。少いうちにおいても起つた暴力行爲というものは、使用者側、官憲の取締の立場の方の使嗾によつて暴力が起つたということは、これは明白なんでありますし、数の中の大部分というものが少くなつておる今日において、こうした但書というものは必要がないとどうしても思いますので、これを了解することに苦しむのです。この点でそうしたことを誘発することにならないというような自信を明白にお持ちになつておるかどうか、もう一遍聽いて置きたいと思います。
#183
○政府委員(賀來才二郎君) 御懸念の点は御尤もでありまして、この点につきましては、先日來我々並びに檢務局長よりも答弁を申上げ、特に重要でありますので労働大臣からもお答えを申上げた次第であります。御意見並びに具体的問題に亘りましての点につきましては申上げませんが、重ねて我々といたしましては、この條項は先般來申上げますように、徒らに犠牲者が出ないようにという念のための規定であります。併しながら御懸念のようなことがありましてはいかん、こういうふうに我々としては考えますので、この御懸念の点に対する処置につきましては、至急万全の処置を講ずるということを重ねて申上げたいと存じます。
#184
○中野重治君 今の問題については私としても非常に問題がありますが、どういうような問題であるかということだけを話して、その点に関してはお答えにならなくてもいいですが。というのはこういう問題は非常に大事な問題でみんなが非常に喧しく言うことは政府委員もよく分ると思います。只今石黒さんの方でしたか御説明がありましたが、勿論説明員の年齢ということもあるのですから……。過去にそういうことがあつたということを本で読んで知つておるということでなくして、質問することは現実の問題として聽いておるのですから、だから檢務局長がこういう方針だとか、それからそういうことは常識で分るじやないかということはここで通用いたしますけれども、併し常識で通用しないことが現実に行われていて、それで常識では問題にならないロジツクのことが法律で規定しておるということで、こういう点で喧しく聽いておるのです。私としてはそういう今、目の前の問題を地盤として答弁をして頂きたい。先刻のことに触れて私は言いませんのでどうぞそんなふうに……。
 それで第一條の問題ですが、第一條はやはり非常に問題になつて來ますが、政治活動との関係のことは先刻お答えがありましたが、第一條の文章構成は、皆労働者が使用者と交渉をする交渉過程、これに伴う手続というものが中心になつておる。一番初めのパラグラフでは「労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位に向上させること」、だからこの労働者の地位の向上というやつはその前の條件、即ち使用者との交渉において対等な立場に立つこと、これを促されることによる地位の向上。その次の「労働者がその労働條件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の團体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、團結することを擁護すること」この場合に労働組合を組織し團結をするというやつは、労働條件について労働者が使用者と交渉をするための仕事と、こういうふうになる。その次のやつも「使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための」というやつもこの労働者と使用者との交渉過程、團体協約を締結するというものも交渉過程を生ずるのですから、交渉過程に結び付けて、目的が網の手許のようにしぼられている。これに比べれば現行法の団結権の保障及び團体交渉権ですか、の保護、助成の途、労働者の地位の向上を図るというやつは、労働者の保護、労働者の地位の向上ということが交渉プロセスだけに狹く限定されない。この点が非常に狹く限定されてしまつているために、「その他」というようなことがあつて、政治活動に出ることなんかは言わなくても分つていると言われても、法の主文がそこへ限定されてしまつているために非常に問題が起るのですが、この点は全面的に変えられないものですか。
#185
○政府委員(賀來才二郎君) 御意見並びに御意見に基きまする修正その他につきましては、これは本院においていろいろ御相談があることと存じますが、我々といたしましてはその趣旨につきましては現行法と同じであるということは一先程原委員にお答え申した通りでありますし、我々といたしましてはこの條文は現行法よりも更に詳細、具体的にしたものであると、かように考えておる次第でありますので、御了承を願いたいと思います。
#186
○委員長(山田節男君) 今大藏省から原委員の御質問に答えるべく明里説明員が参つておりますから御質問願います。
#187
○原虎一君 特に大藏当局の方でお急ぎであれば別ですが、そうでなければ中野委員に今済ました方がいいのではないのですか。
#188
○中野重治君 大藏省から見えているそうですから、そちらの説明を先にやつて頂く方が私としてもいいのです。
#189
○委員長(山田節男君) 第一條について済ました方がいいですね。
#190
○中野重治君 済ました方がよろしい。
#191
○原虎一君 折角大藏当局に御出席を願つたのは極く簡單なことでありますが、現行法にもありまする法人たる労働組合、これには改正案におきましては、二章の十三條に「法人である労働組合には、政令の定めるところにより、所得税及び法人税を課さない。」こうなつておるのです。法人でない労働組合には勿論かかつて來ることになると思う。一番労働組合の現実に困つている問題は、労働組合が組合員の教育のためにする新聞、機関紙、それから出版物、刊行物、これらを賣りつける。こういう一つの一種の事業といいますか、或いは商行爲、これをやるために今日は改正になりましたが、例の賣上税、取引高税は切手を貼らなければならない。渡さなければならない。こういう非常に面倒な、而もその事業は営利を目的としてはいないといつていいものが多いのであります。こういうものに対して特に免除規定をするために起つて來る弊害といいますか、心配といいますか、そういう点はありますならばお話願つて、我々はそれはないと、ないならばそういう点は免税にすべきではないか、こういう考えを持つていますので、わざわざ御足労願つて……。
 又もう一方は、これはむしろ大藏大臣がお見えになつたらお伺いすべき点でありますが、税の関係だけを一つお聞きしたい。
#192
○説明員(明里長太郎君) お答えいたします。只今御質問のございました労働組合に対しまして、法人たる労働組合には所得税、法人税を課しないと、こういうふうになつておりますのは、大体本來の目的といたしましては、労働組合は営利的な事業はやらないと、こういう前提でございますので、所得税、法人税を課さないと書いておりますが、併し政令の定めるところによつてこれを課さないと規定いたしておりますのは、政令の三十一條に規定されておりますように、「法人タル労働組合ノ所得ニシテ收益ヲ目的トスル事業ヨリ生ジタルモノ以外ノモノニ付テハ法第十八條ノ規定ニ依リ所得税及法人税ヲ課セズ」と、こういうふうにいたしておりますので、労働組合でありましても他の法人と同じように收益を目的としておるような事業がありました場合においては課税する。そういう收益を目的とした事業でない場合には、所得に対して所得税なり法人税を課さないと、こういう趣旨でございます。
 それから取引高税の方の御質問がありましたのでありますが、取引高税の方は原則といたしまして営利法人、或いは営利を営んでおりまするところの個人に課税すると、こういう建前でございます。併しながらこの取引高税の方は営利法人でなければ、いわゆる公益法人でありましても、営利法人と同樣な事業を営んでおりまする場合には、その事業についてのみは営利事業と見て取引高税を課税すると、こういう規定が入つておりますので、これはひとり労働組合のみならず民法三十四條の規定によつて設立されておりますところの公益法人でありましても、他の営利法人と同じような事業を営む場合においては課税しますので、それが営利事業と同種の事業でない場合は課税しないと、こういう建前になつておるのでございます。
#193
○原虎一君 建前は説明で分りましたのですが、これを労働組合に課さなければならないという理由と、これを免税した場合における弊害がどういうふうに起るかということをお聞きしたい。その点をお聞きしないと我々の意見が決定せんからお聞きしたい。
#194
○説明員(明里長太郎君) お答えいたします。税法の趣旨から申しますと、税法の方は営利は目的としておりますとか、或いは收益を目的としているような場合において生ずる所得については所得税、或いは法人税を課しますと、こういう建前になつておりますので、本來その営利事業をやらないところの労働組合とか、或いは民法三十四條の公益法人につきましては法人税なり、或いは所得税を課さないというふうにいたしておりますが、若し仮にこの労働組合とか或いは公益法人におきまして、営利法人と全く異ならない同じような事業が経営されている場合におきまして、その同じ事業が経営されておるのに何故に課税しないかということになりますと、他の課税されておるものとの権衡も生じて参ります。つまり事業の本質が異なつておりまする場合であれば非課税といたしましても差支はないのでございますが、他の営利法人と同樣な事業が行われておるのに、その事業に課税しないということになると、課税上不権衡になる、こういう趣旨で課税する建前になつておるのでございます。
#195
○原虎一君 そこで今度は労働省にお伺いするのでありますが、大藏省は税を取るということにできるだけ努力しようという。今度は又税務廳ですか、これはもうできて來まして段々強化されて來る。それは別といたしまして、労働組合が刊行物を出す、機関紙、日側新聞、或いは週間新聞を出して、これを組合員に賣りつけるという、これは一つの営利というよりか教育なんです。ところがそれは新聞社と同樣な仕事であるから取引高税をかけると、こうなつて來ると、労働省はこういう点について特に労働組合、殊に現在日本における労働組合の役割、民主的な健全なる労働組合の発達を助成する立場からそういう税を課さないということが私はいいと思います。ここで労働省の見解をお聞きしたいと思います。労働大臣がおられんことは甚だ遺憾でありますけれども、局長がおられますから、その点について労働省の見解をお聞きしたいと思います。
#196
○政府委員(賀來才二郎君) 労働組合が教育を目的とするために、即ち大衆の公益のために新聞を発行し、雜誌を発行いたしたり、これは併し只で発行するだけの力がないので、実費を取つているというふうな公益的な仕事をしております場合に、これは税金が取られないというふうにありたいという考え方は持つております。ただ併しながら現在の法人におきましても、法人税は課さないということになつておりましても、地方税は課されている例もあるのでありまして、從いましてこれらの労働組合の本質から來まする問題、それと税制の建前もあると考えられるのでございます。從いまして今度の税の改革というときには、労働省といたしましては労働省の立場を堅持しつつ、大藏省の立場も亦これはおありになるわけでありますから、この間の調整を計つて頂きまして、そうして適正なる方角に解決をつけて行きたい、かように考えております。
#197
○原虎一君 これは非常に金の問題も重要でありますけれども、労働組合がやります労働組合に対する教育事業として、実際大事な問題がございましよう。税の関係で金額は僅かである場合におきましても、物質的及び精神的影響という問題で困難を生ずる場合が多い。労働省がそういうお考えでありますと、我々は非常に頼もしく考えております。一層税制改革の場合におきまして努力を願いたいと思います。話が少し飛びますけれども、先般総理大臣に質問しましたときにも出ましたが、税制審議会でこういう問題が取上げられなければならない、併しながらこれは民主的に選ばれていない事実からいたしましても、労働省自体が閣内においても努力されることを希望いたしまして、私のこの問題に関する質問を終ります。
#198
○中野重治君 大藏省の方の税金の方にお聞きしたいと思いますが……。
#199
○委員長(山田節男君) 簡單に願います。
#200
○中野重治君 さつきあなたの言つたことで、税金を取ろうとしているのは組合の事業のうちで、営利会社営利法人と同様に営利を目的とするそういう事業部門だというわけでありましたね。
#201
○説明員(明里長太郎君) そういうことであります。
#202
○中野重治君 それはどんなことですか。例えば差当りその労働省の意向がどうあろうとも、大藏省が税金を課する予定は現在どんなことがありますか。二つ三つ挙げて下さい。
#203
○説明員(明里長太郎君) 私は徴税の第一線に携わつておりませんので、その実情をここで申上げるというわけにはちよつと困難がありますが、税法のできましたときの趣旨は、先程申しましたように、労働組合たる本來の目的は收益事業、営利事業ということはやらないということが目的でありますから、所得税、法人税を課さないのであります。併しながら十分な監督という点もいろいろあることと思いますが、併しながら若し仮に收益事業をやりますと、労働組合の方からいいまして、これは例えてみますと、映画館を経営されて入場料を徴收される、それが一般の事業家とちつとも変らない行爲をやつた場合におきまして、免税するということは適当でなかろう。これはちよつと横にそれますけれども、宗教法人にもこれと同じ規定が入つております。宗教法人にも本來の目的では課税しません。併し收益を目的とした事業経営には課税する。宗教を目的としまして旅館を経営するということがありました場合、その旅館の経営とかそういつたことが他の営利会社とちつとも異ならない事業で、同じような收益が挙げられておるにも拘わらず課税しないということは、租税の本質から見て適当でないと思います。実際問題が起きておるかどうかということは私はつきりお答えできませんが……。
#204
○中野重治君 それは分りました。あなたに対してはそれで結構です。
 労働省にお聞きしたいのですが、建前は分りました。その趣旨は考えられるわけですが、映画館のようなものを純営利的に経営しておる労働組合が現在どの程度あるかということについての労働省の調査ですね。それから映画館等というものを大藏省の方からの説明のように、経営しておる場合に、ここから税金を取らなければならんということは筋が通つておりますから一應分ります。併し労働組合が経営しておるところの学校とか、新聞とか、出版とか、或いは共同宿泊所を兼ねるような会館とか、こういうものは勿論大藏省と雖もそこからは税金を取つて行かないとこう考えるそうですが、労働省も同様であるかどうか。その二つのことを。
#205
○政府委員(賀來才二郎君) 先程お答えしましたように、営利でない公益のためにやつておりますものでありますれば、これは税金は取るべきでないと考えますが、ただどれだけあつてどういうことをやつておるかということにつきましては、まだ具体的に調査したものを持つておりません。
#206
○中野重治君 現実はどうですか、そんなものはありますか。税金をかけて相当收益が上る、大藏省が言われたような……。
#207
○説明員(明里長太郎君) 只今の私の申上げましたのは全くの例でございまして、そういう実例があるかないかということは全然分つておりません。若しそういう場合があつたといたしましたときには課税の対象としたい、こういう例でございます。
#208
○政府委員(賀來才二郎君) 午前中の中野委員の御質問に対しまして、横浜事件につきましてお答えを申上げたいと思います。
#209
○中野重治君 ちよつと待つて下さい。今の結末ですが、現在こんなものはないのでしよう。
#210
○政府委員(賀來才二郎君) 私は宴聞にいたしまして、聞いたことがありません。
#211
○中野重治君 よろしいです。
#212
○委員長(山田節男君) では飼手説明員。
#213
○説明員(飼手眞吾君) 私からお答えいたします。御承知のようにこの事件は四月の十二日に始まつておるのでございまするが、事件が非常に重大でございまして、基地にありまする組合の幹部の殆んど全員を呼んでおるので、そうして又直接司令部へ呼んで問題を処理されようとしておる程非常に事柄が重大であると考えましたので、私共が事実の情報を得ました確か翌々日だつたと思いますが、私自身直接GHQ労働課に参りまして、この事件についての両方からの連絡と、それからその所見を求めたのでございます。
#214
○委員長(山田節男君) ちよつと速記を止めて。
   午後四時三十九分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時五十分速記開始
#215
○委員長(山田節男君) 速記を始めて、暫らく休憩いたします。
   午後四時五十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後五時二十七分開会
#216
○委員長(山田節男君) これより休憩前に続きまして、労働委員会を開会いたします。
 他に御質問もございませんようでございますが、質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#217
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めます。よつと本案に対する質疑は終局いたしました。
 次にお諮りいたしたいのでありますが、討論はもう一つの労調法の一部改正法案、これと一緒に一括して行きたいと存じまするが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#218
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めます。さよう取計らいます。
  ―――――――――――――
#219
○委員庁(山田節男君) 続いて労調法の一部改正法案の御質疑をお願いいたしたいと存じます。この改正法案は一括して御質疑願うことにいたして如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#220
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めます。
#221
○原虎一君 一括して質疑に異議はございませんが、一應これは政府から簡單に説明を願つた方がいいんでしよう。
#222
○委員長(山田節男君) 逐條ですか。
#223
○原虎一君 逐條でなく改正の要点を……。
#224
○委員長(山田節男君) 提案理由の説明以外にですね。それではさよう願います。
#225
○政府委員(賀來才二郎君) この法案の改正の全体としての方針といたしましては、労働組合の爭議行爲、特に公益事業の行爲と、それから公共の福祉との調整を図るという点が貫かれた趣旨であります。もう一つは事務的な問題でありまして、組合法の改正に伴いまする事務的な調整を図るという二点になるのであります。而して前者の政策的な面につきましての主要な点は三つございます。一つは公益事業の指定が現在法律は定まつております。これに追加をいたしまするときには、中央労働委員会の決議によつてこれを追加することができるということになつておつたのでありまするが、これはいわば法定事項でありまして立法事項になる。從いまして中央労働委員会の決定ということにせずして、立法は立法機関たる國会の決議によつてやるべきである。從つて公益事業の追加指定を現行法の中央労働委員会に置くということを改めまして、國会によつて決定するということにいたした点であります。
 第二点は、公益事業におきまして一應調停がなされて、そうしてそれが妥結を見ました場合、その妥結の中に、將來これこれの事業は尚交渉によつてやるようにという規定がありましたときには、その協約に基いて起りまする粉爭に関連しての爭議行爲をなす場合には、再び冷却期間の手続を経なければならない、かような規定がありますので、この規定をいたした点であります。主要な点はさような点。
 それから尚四十條におきまして、現行法におきましては、爭議行爲をなしたが故に不利益な取扱をしてはならないという意味の規定がありましたのは、これは組合法改正に伴いまして第三條の不当労働行爲の中に規定をいたしましたので、これを削除いたしました。ただ調整の際等において発言いたしました者につきましては、それで不利益な取扱をしてはならないということを残しておるのであります。大体主要な点は以上三つであります。
#226
○原虎一君 第一は、公益事業を現在の法律で定められた以外のものを規定する場合において、國会においてこれを決める、規定するとありまするが、緊急の場合におきましても、そのために臨時國会を開くというようなことになると思いますが、こういう場合には他の方法でやるということは不可能だとも思えるのですが、要するにこれらについての政府の見解ですね。
#227
○政府委員(賀來才二郎君) さような場合におきましては、臨時國会を開いて頂きまして、又総理大臣は開いて決定をすべきであるという考え方であります。と申しますのは、公益事業でありまして全國的な國民の福祉に関係するような事業が、いよいよストライキになるというふうな状態の際におきましては、緊急状態でもありましようし、又それらの問題がそこまで至りますまでには、やはり政治的ないろいろな問題が必ず起きておるものと考えなければならないのであります。而もさような場合には從來の公益事業でもそうでありまするが、やはり総合的に問題を考えて行かなければならんというふうなこともあると考えるのであります。
 更にこれは事務当局の考え方でもありまするが、さような事態に立ち至りますならば、政府側といたしましては、臨時國会を開くというのが、これは大変であると考えましたならば、さようなことをせずに、それらの事業の爭議を解決することに努力をするであろう。かようなことも考えまして、國会の開会中でありますならば、これはその國会の承認を経まするが、閉会中におきましては必要であつたならば臨時國会を開くべきである、かような考え方でございます。
#228
○原虎一君 その次は調停員といいますか、斡旋員が調停するその條項についての趣旨を説明願いたい。
#229
○政府委員(賀來才二郎君) これには大体二つの理由がございます。一つは、現在の東京都の取扱その他を見ましても、非常に委員の方が忙しいのであります。取扱件数を見ますと、大部分は斡旋ということになつております。それがために十一條違反事件というふうな当然委員会において至急処理しなければならない事項、或いは調停になつておりまするような事項、これらのものがどうも遅れ勝ちになるのであります。從いまして斡旋は斡旋員がやつて調停委員長のレギユラー、メンバーというようなものは、これは十一條違反事件なり、不当労働行爲、或いは調停、仲裁等の主要な事項を扱うべきであるというのが一つであります。一つは、現在までの取扱を見ますると、労働委員会のレギユラー、メンバーが斡旋をやつております場合を見ますと、斡旋をやつております途中で調停に入る、或いは調停をやつておりますものが途中で斡旋に入る、かようなことで斡旋と調停とは当然その性格において違いまするし、又解決の方法においてどちらも特徴があるわけであります。この特徴が混同されるということは適当でない、從いまして斡旋と調停とは明確にその間一線を画さるべきである、かような意味合におきまして、レギユラー、メンバーは斡旋員候補者にはなり得ないということにいたしております。但し御承知のように斡旋と調停とはこれが継続と申しますか、移り変りやるということにつきましては、これは又調停から斡旋に移るということにつきましても、いい面があるわけであります。そういうことによつて解決を早める、或いは柔かい解決に持つて行くということもあり得るのであります。さような意味におきまして、これはこういうようにレギユラー、メンバーは斡旋員にはなり得ないとするのでありまするが、斡旋上の処理によりまして必ずしもその委員会のレギュラー、メンバー自体が斡旋することを禁止しているわけではございません。
#230
○原虎一君 調停はしたが、その調停は労使双方とも不滿で成立たない、或いは労使の一方が不滿で成立たない。その後に斡旋ということを行なつたときには、今度の改正法で行くと斡旋になるという場合には人が変わるのですか。
#231
○政府委員(賀來才二郎君) 労働委員会が正式の委員といたしまして調停をやるのであります。只今御指摘のような場合におきまして、その委員会が斡旋に移行して行くということを禁止いたしておるわけではございません。人が変らずにやはりその三人の調停委員でやつておりますならば、その中の一人が続いて斡旋をするということはいいわけでございます。
#232
○原虎一君 今度の法から行くとどういうような形になりますか。法文から照らして私ちよつと納得できないのですが。
#233
○説明員(和田勝美君) 御説明申上げます。法文では今年十一條で「斡旋員名簿に記されている者は、労働委員会の委員であることができない。」といたしまして、原則はどこまでも斡旋は斡旋員名簿に記された者でなければならないという原則をはつきりしました。但しそれでは原委員が御指摘になりますように不適当な場合もございますので、先程局長が申上げましたように、條文的に申しますと第二章斡旋の中の第十二條に但し書がございまして、「労働委員会の同意を得れば、斡旋員名簿に記されてゐない者を臨時の斡旋員に委嘱することもできる。」という但し書がございますので、今例示をされましたように、調停から斡旋へどうしても変らなければならないというような場合には、労働委員会がその調停員を斡旋員にすることに改めて同意を行います。行いますと斡旋員に変るわけであります。こういう例外的な場合にしか労働委員は斡旋員にはなり得ないということに変つた次第であります。
#234
○中野重治君 ここの所はそうするとこうなりますか。表向きリストには載せないが、実際には轉用、轉用というような言葉は惡いかも知れませんが、事実はでき得る。こういうわけですね。それでそういうようにしたのについては、一つは仕事の性質が違うということもあるけれども、尚一つの土台として仕事が多過ぎる、十一條違反とかなんとかいうことが多くて、その方が遅れてしまうと、こういうことがあつたわけですね。そうするとまあ簡單にいえば原因が二つあつて、それを技術上円滑に裁くために分けて行くということになると思いますが、原因が二つあるうちの仕事の性質が違うからというのは、これはよく分ります。併しそうでない十一條違反等の取裁きが非常に遅れる、それ程忙しいということの方は、本当はそのための何らかの手段を講じるべき性質のものであるわけですね。そういう過重な繁忙から解放されるように、つまり一方から言えば違反とかなんとかいうことがなくなればいいわけですが。
#235
○政府委員(賀來才二郎君) もうそれは拔本的な対策でありまして、爭議も起らないし、十一條違反のごときことも起らない、極めて平和的に行き得れば、これはもう拔本的な対策であります。
#236
○中野重治君 私はそれ程遡つて言つているのではなくて、それはその通りなんだか、もう少し現実へ問題を引寄せて、仕事の過重からこつちへは廻れないという、その事情の解決のための何か技術的な方策は考えて見たけれども、それは駄目だからやつぱりこうなつた、第二の條件と合せてこういうようになつたということになりますか。
#237
○政府委員(賀來才二郎君) いろいろ考えたのでありますが、一つの方策としましては東京都のごとく特別に忙しい所は委員数を五名から七名に衆議院において修正せられております。
 それから尚大阪とか、福岡とかいうところで忙しいところが出て参りますれば、更に來國会におきまして或いはこれを修正いたしまして、現在は東京都と書いてありますが、あれに大阪府或いは福岡縣と加えますか、その外の方法としましては斡旋員を活用する、レギユラー・メンバーはやはり正式の審判的事項、或いは調停仲裁の事項に專念して頂きたい、こういう対策として考えた次第でございます。
#238
○中野重治君 分りました。そうするとそのリストに載せんという場合と、実際には活用することがある、正式に決めてですね、そのことが実行された場合の、何といいますか、実際の効果、効目ですね、効目は二通り考えられると思うのです。一つは表向きリストには載せんということにはしたけれども、実際には同じになつてしまうという場合と、これから表向きリストには載せんが場合によつては轉用し得ると言つておつたけれども、そんなことがちつともない、実際問題としてどうでしよう、現在の條件からどうなふうに考えられます。
#239
○政府委員(賀來才二郎君) 現在の実情は御存じのように斡旋員候補者の名簿を、仮に中労委の例を取りますると、約三十名程となつております。或いは今委員が殖えておりますので四十名になつておるかも知れませんが、私が中労委におりました頃には大体三十名でありました。そのうち十五名は労働委員が斡旋員名簿に載つております。これから後の五名ぐらいは我々幹事が載つておりました。それで後の十名ぐらいというのが斡旋員として適当な人が載つておる、こういう状態であつたわけでございます。ところがそういうことになつておりましたけれども、とかく斡旋は委員の方がやるというふうなことになつたわけです。今度のこれによりますと斡旋員名簿に載つた人は委員にはなれないということになつておりますので、斡旋員名簿に載りまする斡旋員というのは全部委員外の人がなるわけであります。それだけでもまあ一應効果はあると我々考えておるのであります。
#240
○中野重治君 二十六條ですね。「次の三項を加える」、さつきあなたが特に説明なすつたところですが、ここに書いてある「次の三項を加える」、「前項の調停案が関係当時者の双方により受諾された後、その調停案の解釈又は履行について意見の不一致が生じたときは」こういうふうにするという問題ですね。これは調停委員会が自己の見解を明らかにする、それから自己の見解を明らかにするについての日限は十五日、そうしてその次ですね。「前項の解釈又は履行に関する見解が示されるまでは、関係当事者は、当該調停案の解釈又は履行に関して爭議行爲をなすことができない。但し、前項の期間が経過したときは、この限りでない。」十五日過ぎたならばかまわんというわけですね。それでこの場合に実際問題として、この出て來た案について甲と乙とが納得ができない。その場合この納得ができないというのは自分の方としてはこの問題はこう考えるという腹があるから納得ができないわけですね。そのことで調停委員会の見解を示して呉れと言つて申請する場合、或いはその後の十五日以内にこつちから明らかにすることは禁止されているわけですか。もう一遍簡單に言います。ここに調停委員会が或る案を示しに、組合なり使用者の方なりで不服だ、この受取方について解釈が一致しないわけですね。
#241
○政府委員(賀來才二郎君) これは前項の調停案が関係当事者の双方により受諾された後、一應案が出まして双方とも受諾いたしましたと言いましたところが、さてそれを実行に移して見ましたらばいろいろ問題が起りましたり、使用者側が言を左右にして履行しない、こういうことが起りましたときに、関係当事者はその調停委員会のその解釈又は履行に関する見解……。
#242
○中野重治君 調停委員会の見解でしよう。
#243
○政府委員(賀來才二郎君) さようでございます。
#244
○中野重治君 いや、それでですね。大事なのは受諾したということじやなくて、受諾したものを実行できることが大事なわけですね。この実行に関して受取り方に不一致が生じた、だから実行できないというわけですね。だから実行できないという方は何故実行できないと考えるか、自己の解釈があるわけですね。そのことは調停委員会はこの三項目では表明されないようになつておつて、ただ調停委員会側からの解釈が繰返して來る。幾らか具体的になるでしようが。この点は不一致だ、これじや俺の方じやとてもかなわん、そういうことをこつちから出して、これをも含めて調停委員会がこれはこうなんだ、調停委員会としてはこうなんだと、こう來ればまあ話は分るわけですね。そのことが阻止されているのかどうか。
#245
○政府委員(賀來才二郎君) これはずつと前の二十三條の調停委員会のやり方から受けて來ておりますので、調停委員会は三者で構成されております。その場合には決定は調停委員会でやりますけれども、その調停委員会が意見を決定するにつきましては十分労使の意見を聞いてやることになつております。從いましてこの際御指摘のように一應受諾してその履行について意見の不一致が生じましたときに組合側としてはこう考えているのだ、使用者側はこうだと、こういうふうなことになりますと、そこに意見の不一致ができるわけでございます。そこで委員会が再開せられましたならば組合側はこういうわけだ、使用者側はこういうわけだということをその委員会で意見を述べまして、その意見に基いて、その意見を聽いた上で、調停委員会は己れの解釈を決定する、こういうわけです。
#246
○中野重治君 そうすると、他の條との関係においてそういうふうになつておるのですから、そこでそういうものは入れなくてもいい、当然そうなさるという解釈で、こうなつておるわけですね。
#247
○政府委員(賀來才二郎君) さようでございます。
#248
○中野重治君 第三十六條のこれは元のやつが残つておるわけですが、「工場事業場における安全保持の施設の正常な維持又は運行を停廃し、又はこれを妨げる行爲は、爭議行爲としてでもこれをなすことはできない。」この停廃というのは何か特別な意味がありますか。
#249
○説明員(和田勝美君) 御説明申上げます。停は停止でございます。廃は廃止で、これを全然廃止し、將來行えないような状態にする、そういうものでございます。停止とは一時的なもので、將來その状態が変れば動くのでありますが、廃止は一回それをやりますと、それでその施設そのものが駄目になつてしまう。
#250
○中野重治君 「停廃し」は停止並びに廃止を含めた意味ですか、そうすると、工場の作業によつても、いろいろ違うでしようが、安全保持のための裝置と、生産のための裝置とは繋がつておる、コンビネーシヨンになつておるということがしばしば多い。例えば動力で何か機関車なんかを動かして行く、そのことでスチームを同時に出して行く、こういう仕組はそうやる程安く上り、便利なわけですから、そういうふうなところが沢山あるわけです。そうすると、爭議の場合はスチームを止めようということは別に目的ではないけれども、それと繋がつておるところの生産関係の機械を止めるというところに目的がある。そうなつたために目的でも意思でもないけれども、結果としてはこつちの方も停止するという場合は、どうなりますか、その捌きはどこでつけますか。
#251
○説明員(和田勝美君) 今の御質問でございますが、安全保持の施設の正常な維持と運行をば止める、或いは妨げてしまうという行爲が、一つの行爲によつて惹き起されるという場合は、それはできないことになります。だから他の手段でしかそういう行爲はできない。但し具体的になると非常にいろいろ問題があると思います。例えば動力でも安全保持の動力だけは動くようにして置けばいいわけでありまして、生産の方の施設は止めても構わない。それが分離をせずに生産を止めれば安全保持が止まるということになれば、つまりその限りにおいては爭議行爲はできないということになります。
#252
○中野重治君 一應分りますが、工場の組織というものは、別々に分れておるよりは一貫作業が有利である。ますます近代化されて行くに從つて、安全装置を運轉するための、まあ動力の場合を言えば、安全装置の動力と生産のための動力とは不可分に結び付いて行く、こういう傾向を辿るわけです。そうなればそうなる程工場運転は近代化され、能率が上るわけですから、日本の工場の組織がますます近代化され、ますます能率的になれば、なる程この一條のために、労働爭議権は不当に阻害されるということになるわけですが、今どの程度まで來ておるのですか。
#253
○政府委員(賀來才二郎君) 現在の状況を、我々狹い見聞の範囲で見ますと、安全に関しまするということは、結局人命に関することなのでありますが、人命を保持するために、例えば坑内に送風するとか、或いは爆発予防の装置でありますとか、こういうふうなものに関しては、全体の動力が止まつても、それだけは止まらないように、施設をしておいて、大体分離しているようであります。併し御指摘のように將來もう動力の止ることは絶対にない、工場も二十四時間フル運轉をやる。從つて安全の送風関係についても、それと関連して繋ぐということになりますために、全体としての爭議行爲ができない。使用者側はそれを作爲的に三十六條を使つてやろうという状態が出れば、これは我々として、そのときに、その実情に應じてやれば、法律の決め方というものを考えなければならん、かように考えております。
#254
○中野重治君 第四十條の爭議行爲という、組合の本質にどうしても結びつくような言葉を、削除した理由は、どういうわけですか。
#255
○政府委員(松崎芳君) これは労働組合法のときに、御質疑があつて、御説明いたしたのでありますが、労働組合法第七條一号に、労働者が、正当な行爲をしたことを理由として、解雇その他の不利益な取扱いを受けると、使用者側は不当行爲になるという規定がございます。この規定の中に、労調法第四十條の趣旨を織込んだ、その織込んだ趣旨は、結局労働者が爭議行為をしたということによつて首を切られる。それを單に使用者を懲役何年に処すというようなことだけでは、労働者自体も救われない。やはり附帶の民訴というようなことで、原状回復をやつて行かなければならんということになると、非常に金と時間のない労働者には困る。今度は労組法の第二十七條におきまして、労働組合法自体において原状回復ができるということにしてありますので、この労調法の方は外して、労働組合法の中に入れて、原状回復命令という、より労働者に有利な措置をとることにした結果であります。
#256
○政府委員(賀來才二郎君) 尚重ねて補足いたしますが、実は組合法は、御承知の通り先にできまして、後で労調法ができたわけであります。組合法の現行法の十一條は、労調法の四十條に規定してありますようなことが足らなかつた。足らなかつたので補充的に労調法を決定したという経過的な面もありまして、この際組合法改正の際に、十一條即ち不当労働行爲の中に一括入れる。そうして原状回復を早くさせる方が適当だと考えた経過もございます。
#257
○中野重治君 そのことは労働組合法のときも、説明を聽いておるわけです。そこでそれならば労働者がなした発言を理由として云々することはできないというようなことを、わざわざここへ一つの條目に挙げて出さなければならん理由は何ですか。
#258
○政府委員(松崎芳君) この発言につきましては、單に発言でありませんで、労働爭議の調整をなす場合において、労働者がなした発言、それを理由として、やることになりますから、結局労働委員会が関與しておる、その公的機関が関與している場合になした発言を理由として、いろいろの不利益な取扱をするという場合におきましては、これはどうしてもそのこと自体を違法なりとして処罰するというのが、不当であるという立法理由であります。
#259
○中野重治君 私は一方からその話を解釈すると、これは労働者を非常に力強く保護するための條文というふうにもとれないこともないのです。併しこういうことは実際あるのですか。私は労働組合法、それから調整法全体の趣旨から見て、こんなことを今更ここに條文に掲げなければならんようであるとすれば、他の條文の組合わされた効果が非常に弱いのだということを告白することになりはせんかと思うのでありますが、
#260
○政府委員(賀來才二郎君) これは私の経驗によりますると、調停委員会を開いておりまして、組合側が相当会社の秘密にわたるようなことを述べなければならんというので述べる場合もあります。それから御承知のように調停委員会といえども、やはり大体エキサイトして來るというのが例でありまして、ついそこで罵言雜言とまでは行かなくとも、相当エキサイトした発言をする場合があります。その際にはまあ大体調停委員もおりますから、そう問題にもなりませんが、やはりあとでそれが非常に問題になりまして、或いはそれが原因になりまして、不利益な取扱ということが起る場合がございます。これは不当労働行爲でやつたらいいじやないかということもありますが、実は法廷侮辱罪と申しますか、法廷においてそういうことを言うたような者に対して、さような処置をとることは怪しからんという考え方から、この発言をなした故にといつて、やりました行爲につきましては、その行爲自体を陟罰するという規定になつたのであります。
 それから不当労働行爲の方は現状回復をやりましたならば、それは罰しない。併しその命令に違背し從わないときには罰するということになつておるのであります。この罰の仕方も違うのであります。でかような意味におきまして、これは全く労働者にとりましては駈引なく保護になつておる。かように御了承を願いたいと思います。
#261
○中野重治君 そうすると私がよく解釈した場合のと政府の趣旨とは一致するわけですが、これを取つたらどんな不利益になりますか。
#262
○政府委員(賀來才二郎君) 日本の現在の組合の状況なり、労使関係の状況におきましては、これを取りますと、團体交渉の際と申しますか、調停委員会の際におきましても、安心して発言がやはりできないという結果になると考えます。
#263
○中野重治君 そうするとやはりあれですか、そういう事情であるとすると、外の條目が組合法関係、労調法関係のあれがあつても駄目だというわけですね。駄目だとまでは言わなくても、或る危險に曝されるという虞れがあるということになりますか。
#264
○政府委員(賀來才二郎君) 大体におきまして御承知のように使用者側がよく理解して來ますし、組合の活動も正常になつて來ますと、こういう規定はなくてもいいと思いますが、現在の状況におきましては、改正案並びに労調法によりましても、やはり保護は不十分でありまして、この規定は当分置かなければならんだろう、かように考えております。
#265
○委員長(山田節男君) 別に御発言もないようでございまするが、質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#266
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めます。よつて本案に対しまする質疑は終局いたしました。尚本法案並びに労働組合改正法案に対する討論は、明日十時から開催する労働委員会において行いたいと存じます。本日の労働委員会はこれを以て散会いたします。
   午後六時三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山田 節男君
   理事
           一松 政二君
           平野善治郎君
           早川 愼一君
   委員
           原  虎一君
           村尾 重雄君
           岡田喜久治君
           竹下 豐次君
           波田野林一君
           田村 文吉君
           中野 重治君
           千葉  信君
  國務大臣
   労 働 大 臣 鈴木 正文君
  政府委員
   労働政務次官  宿谷 榮一君
   労働事務官
   (労政局長)  賀來才二郎君
   労働事務官
   (労政局法規課
   長)      松崎  芳君
  説明員
   労働事務官
   (労政局法規課
   勤務)     石黒 拓爾君
   労働事務官
   (労政局法規課
   勤務)     和田 勝美君
   労働事務官
   (労政局組合課
   長)      飼手 眞吾君
   大藏事務官
   (主税局監理第
   二課長)    明里長太郎君
   法務廳事務官
   (民事局第六課
   長)      平賀 健太君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト