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1949/04/08 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 文部委員会 第4号
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1949/04/08 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 文部委員会 第4号

#1
第005回国会 文部委員会 第4号
昭和二十四年四月八日(金曜日)
   午前九時四十七分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○六・三制教育予算に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(田中耕太郎君) それでは今日の文部委員会を開会いたします。会議に付する件は六三制学校建築の件がございます。請願として議題になつておりますけれども、併し御異議ありませんければ延期いたしまして、六三制教育予算につきまする大臣の説明を伺うことにいたしたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田中耕太郎君) 高瀬文部大臣。
#4
○國務大臣(高瀬荘太郎君) 六三制の建築費國庫補助の予算につきましての数日前までの状況はお話いたしましたから、大体お分りじやないかと思います。その後の状況について申上げたいと思います。
 その後大藏大臣から関係方面への折衝をいたしました。まあ案を一つ作つて持つて來て見ろ、こういうようなことになりまして、内閣として一つの案を作りまして出しました。それで昨日、安本長官と私と又折衝をいたしました。一昨日は丁度アーミー・デーというので、あちらが休みだつたので、それでまだ十分檢討してない。だから檢討をする、併しあの五百億の枠の中では今までの項目というものも、非常に議論して切りつめて決めてあるのであるからして、そう容易には動かすこともむずかしいと思う、けれども案が出されたんならば、檢討をする、こういうことにしかなつておらん。從いまして甚だ残念ながらはつきりした見透しを申上げるところまで行つておりませんので、憂慮しておる次第であります。
#5
○河野正夫君 二、三質問をしたいと思います。昨日でしたか、日本経済新聞ではなかつたかと思うのですが、まあこれは噂なんでしようが、十五億程認められて、その代りに暫定、若しくは追加予算における公共事業費としての六三予算は認めないというようなことが、出ておつたかと思うのです。その点は勿論只今お話を承つた範囲内では、まだ海のものとも山のものとも分らんのであるから、そういう説の出るのもおかしいのですが、何かそういう根拠が多少あるのでしようか。
#6
○國務大臣(高瀬荘太郎君) 新聞にそんな記事があつたかどうか、私は実は見ておらないのです。記事がそういうふうにありましても、そのことは決して事実ではありません。そう御承知を願いたい。
#7
○若木勝藏君 昨今の文部大臣の非常なお骨折に対しては敬意を表するものであります。折衝の模樣でありますが、これについて伺いたいと思うのであります。どういう点が一体難関にぶつかつておるのであるか、向うの意向はどういうところにあるのか、それに対してどういう根拠を以て折衝されておるか、これについて伺いたい。
#8
○委員長(田中耕太郎君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#9
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて下さい。
#10
○岩間正男君 非常に困難な事情にあるということは推量されるのであります。それから又そういう困難な実情の中で飽くまでもこの六三制を維持しようと言つて努力されている大臣の努力に対しては、若木君同樣に非常に敬意を拂うのでありますが、併し今までのここ二年間の文部行政をずつと振り返つて來て見まして、何と言つてもやはりもう少し徹底した方策を推進するという迫方が足りないのじやないかということを残念ながら痛感しなければならないと思うのです。それで今まで出された予算が、國庫負担分が僅かに六十五億というようなことで、実際は全体の必要額の十分の一にも足りないというようなわけで、全部が大衆負担になつているのです。それで今年度は第三年度で、今までの計画通り校舎建築も捗つていない。從つて昨年度から引き継がれたところの事業が相当にあるし、又そういうような情勢の中で大体文部省の五ケ年計画というものが発表されているので、そういうことに期待を持つた地方では、すでに二十四年度の予算というもの、これは尤も違法的な措置とも言われるのでありますけれども、同時に併しそういうことをやつても尚この六三制を継続したいという父兄の教育に対する熱意の現われとも亦考えられるのですが、とにかく現実的にはそういうようなものが行われている。そこでここで若し六三制が止められるということによつて、今度の経済九原則の遂行によつて一番に狙われている経済安定というものは、一体果して達成されるかどうか。この点に、やはり文部省は單に教育の枠内だけじやないところの、もつと大きな廣い経済的な視野、社会的な視野、政治的な視野というものを以てこの問題を展開する努力を傾けなくちやならないのじやないかと考えるのであります。私の考え、並びに現実に動いておりますところの地方の情勢を眺めますと、これは六三制がここで中止されるというようなことになつたならば、非常に大きな経済的の不安が地方に釀成されることは余りにも明らかではないか、こういうふうに見られるわけであります。で、恐らく現在建つておる校舍がどういうふうに処置されるか、それからまだ半ばしか建つていないところの校舍がどのような形でこれが收拾されるか、更に七万も教室が今不足しておるというのですが、その不足の状態をどういうふうに処置するか、そうしてそういう形の中では、無論大体今政府が取つておられるところの十五億の予算が取られたにしても、まあ我々の計算ではこれは大体十五分の一くらいの國庫負担で、あとの十五分の十四というのは殆んどこれは大衆負担、地方負担というようなことになつて來るのです。而も実情をこれは二、三調べたのでありますが、そういうものを調べて見ますと、例えば東京都においては、どうしても今年度中に四千教室建てなくちやならない。それで二十四億円の金が要るので、その半額の十二億を赤にしておつたという実情が出ております。それから又ここに大分縣の例がありますが、大分縣ではどうしても今年中にやはり新制中学を八百教室建てなくちやならない。それでその建築費が四億八千万円、ところがこれに対しまして、仮に十五億を出されたとしても、二千万円というような國庫負担しか負えないような現状で、この四億六千万円というものは全部地方負担ということになつております。岩手縣でもやはり同じような事情が発生しておりまして、岩手縣では一千教室建てなければならんので、これが四億五千万円の経費を見越しておるのでありますが、大体去年度の負担が六千八百四十八万円、その三分の一と見まして今年度は二千三百何がしという負担しかできないと、こういうような形になるので、これはここで止めてしまつても非常に困るし、それから地方負担で全部持つて行つてこれを継続するというようなことは、無論これは負担の限度がありますからできない。ここで止めてしまうというと、より以上の経済的な困難が起るのではないか。私が今こういう実情を申上げたのは、これは一端でありますけれども、そういう事情があるのであります。果して経済安定が成るかどうか、そういう点から折衝したことがありますかどうか。その点について論点を集中されて、日本の現状を以てこのことを推されるということが非常に重要じやないかということを思うのですが、これに対して政府はどういうような見解を持つておられるか伺います。
#11
○國務大臣(高瀬荘太郎君) 只今のお話のような点も、確かに御尤もの点もあります。併し文部省の日本全國に対する新制中学建築の状況として一般的に考えておりますところは、これはまあ個々の地方によりまして違いはできますけれども、二十二年度におきまして、今までやつておりました二部授業、仮教室等をそのままとし、又料理室とか裁縫室とかという特殊な教室を特に施設しないということであれば、一應建築が済んだという状況になつておるのであります。それで二十四年度からの計画は、專ら二部授業、仮教室、特別教室、雨天体操場等の費用、そういうものの解消に計画が集中されておるわけであります。併しそれは個々の具体的な地方によりまして、でき上つた所もあり、又中途半端な所もあり、違つておりましようが、計数的には全体としてはそういう状況に考えて予算が作られておるのであります。で、半額の國庫負担と申しましても、地方が一年に百億、二百億、三百億の建築をするという場合に、いくら地方で建築をやりましても、その半額の國庫負担ができるかというと、これはできない。やはり國全体の財政の中でその方に廻し得る限度というものがありますから、地方で以て如何に大きな計画をされましても、その半額をいつでも必ずやれるというわけには行きませんで、やはり國家としては当てられる限度があつて、それの範囲において補助をするわけでありますから、地方の計画としてもそれに当る範囲において丁度半額が行くわけで、それ以上の計画が地方で行われました場合には、どうしても半額の國庫補助というものはできない、こういう状況になるわけなのであります。地方では、もう二十四年度の國庫補助というものが、当然に少なくも二十三年度ぐらいはあるだろうと、こういうような予想の下に建築を始めて途中まで行つておるというものもこれは確かに実際上あるだろうと私も予想をいたします。無論それは岩間さんの言われるように、法律的には違法なことで、それを理由にして國庫補助を要求するというわけには行きませんが、実際問題とすればどうしても普通そういうことも考えられることで、その問題が実際的には非常にむずかしい問題になると思つております。又実際問題とすれば、私はそういうふうにして、地方の人達は非常に熱心に建築のことも考えておりますから、建築の方は相当にやつておるのじやないか、無理をしてまで或程度やつておるのではないか、ただその後始末が非常に困るのではないか。実際問題としてはこんなふうにも私には考えられるので、これは無論國家としてこれからも十分考えて行かなければならない点であると思います。
#12
○岩間正男君 只今のお話では、大体一應ですね、現情においてそれに満足する限りにおいては、最低の教室数が建つておる。後に二部とか、仮教室の校舍とか、雨天体操場とか、特別教室を建てるために、本年度の予算が組まれておる。だからして、もう一應それが教室の必要数は充たされたというように今お話があつたようでありますけれども、これは非常に、本体この案の立て方そのものがですね。これは何回も今まで指摘されたように、大きな問題である。つまり今までの文部省の五ケ年計画というものが二回今まで変更されておる。去年度の五ケ年計画というものが一應出されて、今年度の五ケ年計画という別のものが出され……。
#13
○委員長(田中耕太郎君) ちよつと途中でありますが、大臣は閣議が始まつたようでありますし、それからすぐ本会議に行かなければならませんから……。
#14
○岩間正男君 要点だけ、そういうように、予算の立て方そのものが大きな問題で、今日そういうことを根拠にして、この前までの予算の立て方は前年度分の自然増だけを充たして行くという立て方でやつておられた。併しその結果どれだけ建つておるかというと、文部省は、大体二ケ年において三万三千程度の校舍が建つておるというような調査が出されておるようでありますが、併しこれも確実につかんでいないということは、私の質問の返答によつても明らかのようであります。大体三万が建つたと申しましても、尚これは六万五千から七万の教室が現実的に不足しておる。それが二部とか、仮教室とか、三部、こういうような形が非常に強化されておる。これは、今年度の予算要求の名目上では、成程そういうことを解消することになつておりますけれども、現実的にはどうですかと申しますと、具体的にはそうではない。これは飽くまで教室が不足で困つておる。二部、三部というような変態なやり方、それから仮教室の悲惨な状況においては、とてもこれは継続できないという声が高まつておるし、そこのところが……。
#15
○委員長(田中耕太郎君) ちよつと大臣が直ぐ行かなければなりませんから簡單に質問されるように……。
#16
○岩間正男君 そこのところは大きな問題でないかと思います。又それからもう一つ、負担範囲のことについて話がありましたけれども、無論地方廳においてはやつておるところもありますが、私のさつき申しましたのは、仮に去年並の教室を建てるとしても、今年の予算は非常に少ない、去年並の四十五億当時のこの予算を立てるにしても、これを計算しますというと、大体貨幣價値の計算とか、そういうものを全部考えますというと、十五分の一程度の國庫負担にしかならん。ここのところを私は指摘しておる。さつきのお話とは大分違うようですが、その点について大臣の所見を伺いたいと思います。
#17
○國務大臣(高瀬荘太郎君) 調査の点は、無論文部省としては実態調査をやつたのでありますが、十分の手もなし、それは必ずしも正確であるとは言えませんから、無論間違つておる点がないとは限りません。そういう点は無論訂正いたしまして、計画は改めてやらなければなりませんが、一應の調査として、実はそれを根拠としたわけであります。それだからといつて、教室を建てないで済むということを私は申上げておるわけではありませんで、二部授業、三部授業では甚だ困るという話で、仮教室として小使部屋を使つたり、お寺を使つたりして教育がうまく行く筈はない。教室は成るべく早く建てなければなりませんが、そういう状況になつておるということを申上げたわけであります。それから後の点でありますが、確かに建築の單價が去年に比べまして非常に高くなつております。少くとも六割やそこら高くなつておりますから、去年の予算では六割ぐらいしかできない。文部省としては、少くとも分量につきましても、去年の程度ぐらいは是非作りたいと考えておつたのでありますが、予算の関係上どうしてもそれが困難になつておるということでありますから、一應御了承頂きたい。尚いろいろな調査の点や不足の状況等は、次官からお答えすることにいたしまして、閣議に呼ばれておりまして、又北條君が先ず第一番に私に質問しておりますから、答えなければなりませんので、後から又御返事します。
#18
○梅津錦一君 ちよつと一言ですが、臨時國会でこの問題を取り挙げると、首相も大臣も言われておりますし、臨時國会でこの問題を取り挙げて頂けるか頂けないか、大臣に一つ御見解を披瀝して貰いたい。
#19
○國務大臣(高瀬荘太郎君) 私は内閣として、是非この問題を取り挙げたいと思つております。
#20
○河野正夫君 衆議院で、大臣は教員の整理は行わないというようなことを答弁なさつたということを新聞にいつておりますが、如何ですか。
#21
○國務大臣(高瀬荘太郎君) 淺沼さんの御質問で、今度の義務教育費國庫負担が減つたから、教員の首切りが必要になるだろうと、こういう話だつたので、別に現在の教員の首切りは必要ないと、こういうふうにお答えをしたのであります。
#22
○河野正夫君 その件に対して次官に、今大臣はそういうお答えでございますが、いらつしやれば尚追及したいと思いますが、止むを得ず次官の御答弁で我慢をいたします。教育費の國庫負担金を減ぜられるというと、当然に定員の減少を伴うものであつて、すでに文部次官通牒ではないかと思いますが、東京都の小学校教員に対しては、去年の九月の現在員数以上に殖やすことはできないというようなことを、東京都の教育部と文部省と話し合つて來たというので、東京都ではすでに七百名ぐらいの首切りがあるのではないかと噂しておるくらいでありますので、これは現実に國庫負担金が少くなつて、而も整理をしないで済むという根拠はどこにあるか、一つ承わりたい。
#23
○政府委員(小川潤一君) 只今丁度いい機会でございますので、お手許にこのたびの予算の明細書をお配りいたします。その中で、要求額と書いてありますのは、國会に査定中でございますので、要求額という字を敢て使つてありますので、一番最初……もう一つのやつです。その最初の要求額というのは、結局ざつくばらんに申しますれば、大藏省の事務的査定額でございます。それによつて國会へ提出したいと、こういうようにお考え願いたい。要求額を書きたかつたが、要求額は、このたび予算の編成その他もありませんでしたので、相当厖大な、ざつくばらんに要求されましたので、非常に大きな数字になつておりますから、これに書いても無意味と思いますので、そういう形になつております。その中に、学校局の中に、義務教育費國庫負担もありますので、それをかいつまみまして、重要問題だけを引拔きましたのが、昨日作られたために、お配りしております一枚紙でございます。義務教育費國庫負担の百三十五億、小学校に関する百三十五億五千二百万円、中学校に関しまする八十原億七百万円、この成立ちの根拠を、私ちよつと御説明申上げたいと思います。それは学校局の一番最初に、庶務課というところがございますね。学校教育局の、二枚目でございますね、小学校教育費國庫負担金百三十五億というのがございますが、その隣りに八十三億七百万、これは國庫負担の一番大きなあれでございますが、どういうふうにしてその数字が彈き出されているかということを御説明申上げたいと思います。御承知のようにこの数字はいわゆる先生と生徒の割合ということと、もう一つは先生の平均給料、この二つの掛算からでき上つておりますが、その先生の数ということは、兒童の推定を一千八十三万八千四百四十七名というふうにこの二十四年度を考えております。二十四年度の公立小学校の兒童数推定千八十三万八千四百四十七でございます。これに対しまして兒童五十人当り、前日來申上げました先生一・三五という定員によつております。試みにではこの掛算の結果はどうなるかというと、教員数は二十九万二千六百三十九名、こういう数字になります。これは丁度昭和二十三年九月末の教員の現在調べの二十九万二千二百二十二名という数字に大体対應するわけでございます。一應これで……。
#24
○河野正夫君 今の言、正に私の質問の御答弁に該当するような点なんですけれども、兒童数は二十四年度において見積り、教員数を二十三年の九月現在に対應するもので満足しているという点に、明らかに教員の不足がある。しかのみならず東京都のような所では、この移入といいますか、人口の移動を認めた結果として急激に兒童数が膨脹しておるんであります。そのような関係から去年の二十三年の九月現在でストツプをされると、現在膨れているものを整理せざるを得ないという、こういう結果が出て來る、現実に。こういう点如何ですか。
#25
○政府委員(伊藤日出登君) 御尤もの点と拜承いたすのでありますが、東京都の例については実は具体的の数字は私持つておらないのでございますけれども、本日の朝日新聞だつたかと思うのでありますが、私もちよつと伺う前に読んで参つたんですが、それによりますと、大体東京都は新卒、今度の師範学校の卒業生を受入れられるだけの態勢はできている、受入れるのが精一杯という態勢になつておるということが、相当数字がいろいろ書いてありまして出ております。それによりますと、只今お話のような七百人ばかり整理しなきやならんという事項はちよつと見当らなかつたので、実はほつと安心して出て参つたんでありますが、尚それらにつきましては、私共も十分調査いたさなければならんと思つております。尚その外東京都或いはその他の地方で急激に膨脹する地方があると思います。これらにつきましては私共の方で実態をよく調査いたしまして、全國的に調整をして行かなければならないのではないかと、こういうふうに考えておるのであります。その点につきましては、この予算が確定いたしまして、実際に地方へ配付します際に、只今御指摘の点は十分研究しまして、でこぼこが起らないように調整をいたして参るつもりでおります。
#26
○河野正夫君 事実東京都では九月の定員であるというので、今小学校、中学校、高等学校を通じての人事異動を考えている際に非常な障害になつておるので、教育長みずからが文部省へ出て行つていろいろと打合せして帰つて來た筈ですが、教育長自身が非常にこぼしてをることを私達聞いているのです。そういう点が東京都ばかりでなく、大都市には起ると思いますが、特に一・三五という、一クラス当り一・三五の教員ということは、一・五と考えたのは、曾ての法律的な政令的な根拠がないかも知れないのですけれども、併しこれと同じようなことが地方では直ちに國庫負担の面ではなく、地方費負担の高等学校の教員定員数に響いて來る、それを減らす。ところがこの際に伺つて置きたいのは、この高等学校の設置については、基準が、設立の手引きという文部省の指令によつて示されておる。これが変えられない以上はそう定員を変えられる筈がないというのが地方の教員の主張なんです。ところが地方の教育長などにおいては小学校もこういうように減らすのだから当然減らすべきだ、こういうような主張を持つておるので、今係爭が無用に起つているのではないかと私は思う。この点についての御見解は如何ですか。
#27
○説明員(伊藤日出登君) 大変恐縮でございますが、手引きのことを十分承知いたしておらないのでございますが、寂らく手引きに書いてございますのは、基準を示しておるものと思うのでございます。どうしてもそれでなければいけないという法的な義務付けをいたしておるのではないと思つております。実際に配当いたしまする定員によつてアレインジして参る。特に学科担任のやり方で参りますると、一人の先生が学科の受持ち時数を相当沢山持つ、從來よりも多少殖やして持つて貰うというようなことも考え、或いは教授のやり方を合併教授をやつて行くというような考え方で救われて行く途もあるのではないかと思つておりまするので、その点につきましては実際のやり方については十分研究して参らなければならんと、かように考えております。
#28
○河野正夫君 今の高等学校については、通説オスボン公式と称する基準の算定割当方がありまして、これは非常に論議せられた結果採用せられ、それが文部省の設置基準として省令を以て通達があつてそれに從つておるのです。それで小学校のことは私は詳しくは存じませんが、小学校にもあるのではないかと思つております。これは私は事実を履き違えておるかも知れませんが、高等学校については、而も義務教育費ではないので國庫予算の枠内からいろいろ指令を発することができない。のみならず教育見解ら徒らに指令を発する権能はない。而もその方面にまで圧力を加えようという意図が明らかに感ぜられる。東京都の教育長が文部省に行つて聞いて來た点では、これは我々のひがみかも知れませんが、そういう点が見えるのですが、元の基準指令に從つておつて差支えないかどうか。その点……。
#29
○政府委員(日高第四郎君) 私も高等学校の設置基準とか、或いはそれの手引きとかいうことの内容は際しくは覚えておりませんけれども、今次官から御返事申上げたように、一つの基準を示して、成るべくそれによるようにという意味であつて、強制の意思はない。それからオスボン公式というようなものは、そういうように呼んでおるかどうか存じませんが、恐らく高等教育の担当者であるオスボン氏がそういう意見を述べたので、そういう名前を以つて通称されておるかも知れませんが、併し文部省で出しました以上は、やはり文部省の責任でございます。それを避ける意思はございませんけれども、私共の了解しておる範囲においては、強制的なものではないものと存じておりますので、比較的理想的な基準として掲げたものだと考えておるのであります。
#30
○若木勝藏君 次官に伺いたいと思います。今の河野君の質問に関連して來るのでありますが、この小学校の教員國庫負担金と、それから新制中学校の実施費の基本になる教員定員でありますが、これに対して小学校の方においては、兒童五十人当り一・三五それから中学校においては五十人に当り一・七となつております。これは昨年は小学校においては一・五、それから中学校においては一・八と承知しております。先程大臣の御答弁の中に教員に対しては行政整理はやらんというようなお答があつたのでありますが、かくのごとく一・五を一・三五にし、一・八を一・七にしたならば、事実上これは行政整理の形をとつております。こう私は考えます。この点についても次官の御答弁をお願いたします。
 それから第二の点は新教育の方法としていろいろ考えられておるのであります。いわゆるコア・カリキユラム、ホーム・ルームとかいうような教育法が考えられておる。地方においてはそれぞれ講習会も開かれ、非常に先生もその方面において張切つてやつておるのであります。その際にこういうふうに定員を減らす方法を採るということは、明らかにここに矛盾を來すことになるのではないか、こう考えるのであります。一・三五で以つてそういうふうな教育が果してできるかどうか、在來一・五乃至一・八でさえ不足を來しておつたのに、更にこういう形に進めて行くことは、一方において教育の内容をどんどん充実することを奨励しておるに当り、片方において教員の数を減して行くということは明らかに矛盾があると思うのであります。その点についての答弁を伺いたい。
#31
○説明員(伊藤日出登君) 例えば小学校の教員五十人当り一・五を一・三五にするのは行政整理であり、大臣は行政整理をしないと言つたのに矛盾はしないかという御質問と思うのでありますが、実際に一・五が一・三五になりますことは、教員の数は減るということを意味すると思うのでありますが、大臣が申されたのは、行政整理をしないというのではなくして、実際に現実に人を首切るような状態になりやしない。そういう結果は惹起しないであろうと申上げたように私は聞いておるのであります。第二の御質問は第一と関連があると思うのでありますが、私共といたしましても、一人でも教員の数が多くあるということが、教育的にはどうしても望ましいのでありまして、先生が多少とも余裕を持つて頂いて、そうして研究する時間も十分持つ貰うということが立派な教授をして行く因なんでございますから、私の方としましても、一人でも多くの先生を学校に配置したいという念願は十分今持つておるのでございます。併しながら、一方國家全般の財政の建前もありまして、いたし方なく或る程度の教員の数は減して行くということに、割合を減して行かざるを得ないという状態に立至りますならば、これは亦この方の強い要請から我々としては又それで教育を何とか推し進めて行く方法を考えて行かなければならない、かように考えるわけでありまして、そのために我々の工夫によりまして、教育の実態、教育の内容が低下を來たさないという工夫を十分いたして参らなければなりませんし、又いたさなければならないかように考えておるのであります。数が減ればどうしても直ちに教育内容の低下を來たすというのには、まだ工夫の余地があるのではないか。かように考えておるのでありまして、私共としましては、実際は一人でも沢山の教員を学校に配置するということは、教育的には是非望ましいということにつきましては、全く同じような考えを持つておるのでございます。
#32
○若木勝藏君 今の次官の御答弁に対して重ねて行政整理に関係するものでお聽きしたいと思います。それは昨年おいて一・五になつておるものを今年ににおいて一・三五というふうな基準に進めて行つたならば、果して現在において一・五になつておるところの地方はどういうふうな状態になるか。事実上あるかないか、そういうふうなことについて文部省では実態調査をなさつて、こういうふうな基準に決められたのでありますか。その点を、若し一・三五をオーバーしておる場合は、当然これは行政整理をするのであるか。或いは他の方法を用いるのであるか、その点を伺いたい。
#33
○説明員(伊藤日出登君) 昨年は一・五であるとまあ私も申し、皆さんも申しておられるのでございますが、実は昨年の予算の組み方は一・四だけで組んでおりまして、そうして一・五までは認めるというふうな話合いで大藏省と進めて参つたわけであります。併し現実におきましては、お話のように一・四をオーバーしておる縣もあるのであります。又一・四以下の一・二ぐらいの縣もあるのであります。でこれらを実際に調整いたしますと、現在我々が持つておりますデーターはやはり一・三五ぐらいに、先程申しました数字のように昨年の九月のが今一番新らしいデーターでございますが、それによりますと、大体一・三四ぐらいでおさまつておるのであります。それでお話のように或る府縣では一・二、或る府縣は一・五ぐらいのでこぼこが現在ございますので、それらについては一・三五を配分しますときに全國的な調整をする。そうして少くとも現実に首切りというようなものは起らないような操作はどうしてもやつて行こう。こういうふうに考えております。
#34
○藤田芳雄君 今のにやはり関連するのでございますが、もう一遍確めてお聽きして置きたいのは、五十名について一・三五なのですか。一学級について一・三五なのですか。
#35
○説明員(伊藤日出登君) それは五十名について一・三五なのであります。
#36
○藤田芳雄君 そうすると各府縣への配当は、そこの縣の兒童数五十で割つた、その一・三五で行つておるわけですね。
#37
○説明員(伊藤日出登君) さようでございます。
#38
○藤田芳雄君 そうすると、その縣が一学級六十名組織であつたり、七十名組織であつたりすれば、そこに余分に行つておるわけでありますね。
#39
○説明員(伊藤日出登君) そうです。その代り山奥の方に参りますと、一つの学級が二十人ぐらいの教室もありますから……。
#40
○藤田芳雄君 それは分るのですが、ところが現状は校舎の不足のために要するに学級が非常に大きくなつておる。そうするとその割合で事実配分されておるとすると、各府縣は教員が非常に不足を來たしておるはずじやないかと思います。そういう点若し実態に副うて要求されれば、文部省としてはそうした人員を配置するということになるわけでありますか。
#41
○説明員(伊藤日出登君) 今のように一学級の子供の数が非常に多いのだという観点に立てば、教員の配当が樂なのであります。
#42
○藤田芳雄君 樂というものの、それは一学級あたり一・三五で來るのと、五十名に対して一・三五で來るのと違うのです。そこでそのところをはつきりお聽きして置きたいと思います。
#43
○説明員(伊藤日出登君) その点五十名で一、三五なんでございます。
#44
○岩間正男君 河野君の質問に関連してですが、先ず第一に千八十三万と小学校の生徒を押えた根拠、どういうふうにして数を割出したかという根拠を第一点にお伺いしたい。
 第二は今年度の自然増の兒童数が何人であるか、これを文部省は一体どのように押えて御推定しておるか。
 それから第三点は去年は一体現状としては何人になつたか。つまりこれは教員の実際の配置、これは今話合いましたのは、一・三四くらいでおさまつておるという話ですが、併しこれははつきりした調査に基くものであるか、推定であるかというのが第三点。
 四点は二部、三部というのが現在非常に行われているけれども、その二部、三部の場合に、二部教授の場合には二人、三部教授の場合には三人の教員を配置してやられるのであるかどうか、この四点について先ず伺いたいと思います。
#45
○説明員(伊藤日出登君) 若し非常に正確な答弁が必要でございますれば、もつと調査いたした上で御返答いたしたいと思いまするが、取敢えず申上げますると、兒童数を算定しました根拠は昭和二十三年の実態調査を基といたしまして、それに或る自然増の推定を加えておるように考えられます。
 それから我々が睨んでおりました九月の教員数は、これは実態調査に基く実数でございます。
#46
○河野正夫君 中学三年は入つておりますか。
#47
○説明員(伊藤日出登君) いや、これは小学校の内訳でございます。
 それから二部三部の授業の際に一人ずつなり、二人なり、三人でやつておるかどうかという点につきましては、恐らくこれは府縣によつて違うのではないかと思つておるのでございまするが、それらのはつきりした数字は今ここに持合せておらないのでございますが、いずれにしましても、二人置く、三人置くことにいたしましても、先程申上げました教員の数の中には全部含めてありまするから、その点は教員の全体の数としては問題ないのではないかと思うのでありまするが、只今申上げましたように実際の点は府縣によつて違うものであると考えておりまするし、実際の今具体的な数字をここに持合せておりませんので大変残念でございまするが、あとでも又調査いたしたいと思います。
#48
○岩間正男君 数字が示されないというと、実は話にならないのですが、漠然と並べて二十三年度の実態調査とそれから自然増を見込んでというようなお話であつたのでありますが、それは明示して貰わなければ困ると思います。実は私も一週間ばかり前に全國に亘りまして、各府縣別の生徒数、教員数、これを中学、小学、新制高校、この三つに亘つて質問書を提出しておりますから、これによつていずれ判明すると思うのですが、これは直ぐにこの次までに、この数は一應纏まつたのを統計だけでも知らして頂きたいというふうに思うのです。二十四年度のこの自然増というものが押えられていないと、先刻からの議論の問題が中点がすつかり外れてしもう。自然増に対する考え方が果してこれは今までに含まれているかどうか。この点についてはすでに日教組あたりで若しも今文部省が説明されたような方法で以て教員配置をやられるというと、恐らく今年度の自然増の点につきましては十分に教員が廻らないという事情が起るということは、これは調査の結果指摘されておるところでありますから、特にその点は文部省は努力して御返答願いたいと思います。
 それから二部、三部の問題ですが、これはまだ実態がつかまれていないということで、これは甚だ残念な結果しか引出されなかつた。併しながらこういうことを一体考慮に入れておられるのか。つまり二部の場合、帳面ずらでは二部の場合二名という配置にするということに一應なつておる。ところが教員がなかなか見つからない、或いは途中で生活苦のために教員がやめてしもう。そういうために止むを得ずその後を一人で二学級やつておる。二人で三学級やつておるという実情がこれは非常に発生しておる。そのために教員の方から労働強化が猛烈に起つており、單にそれが労働強化だけの問題だけでなくて、実は子供の教育の質的な低下ということになつて非常に現われている。こういう実態をつかまれないでさつきのような根拠を進められる。そうして教員配置の行政を進められるというのは、非常にこれは犠牲になるものは教員と兒童である。こういう実態を私は指摘したいと思います。これは文部省から数字が詳しく出されるならば、もつともつとこういう数について議論をやりたいと思いますが、文部省は一つ肚を決めて数字的につかまれて、そういうことに遺漏のないように準備して來て貰いたいと思います。
 次にもう一つ。五十人定員定額制ということについて根本的に発言して置きたい問題が一つ。というのは大体文部省の行政が教育の機会均等ということを完全に破つておる教育制度をやつておる。つまり五十人ということで一つなぎに北海道も東京も、つまり都市も地方も同じに押えておる。ところがこのことが非常にこの教育の機会均等を破壊しておるのですから、この点について嚴重な注意をして欲しい。例を挙げますと、東京において五十人という場合には非常に人口が密集しておりますから、六十人とか四十人というような分布でいいわけなんです。ところがこれが岩手縣とか北海道とか青森縣とかいうような僻陬の地方で山間にいわゆる分教場のようなもので一学級二十人、十五人というような数を持たなくちやならない地方においては当然それらとの連関において同じ五十人においても一方においては七十人、八十人というような過大な学級がそこに出て來る。そうするというと、七十人、八十人のところに大きな犠牲が起つて來る。そういうところには明瞭に教育の質的低下が始つている。從つてこのような定員定額制というものは、これは單なる一つの便法的な、予算を見付け出すところの手掛りに過ぎないのであつて、教育の機会均等を何ら確立するものではないということを、はつきり私は指摘したいと思います。例を挙げれば、岩手の例なんかはつきりしておりますけれども、ここでは申上げません。併し定員定額制というものは、当然これは今度の教育改革の趣旨から、やめなくちやならないものです。どういう点でそんなら押えなくちやならないかというと、一学級の最高人員数をはつきり押えて、五十人なら五十人ということで、五十人以下に決めなければ絶対に教育の機会均等はできない。この事実を文部省は握んでおられるか、こういう点について努力せられるお考えがあるかどうか、この点を伺いたい。
#49
○説明員(伊藤日出登君) 五十人で教員何人という考え方は、確かに非常に機械的でありまして、実態に即せざるのみならず、教育の機会均等を破るという考え方は、全く同感でありまして、私共は一應教員の数字を出して來るために使いましたものでありまして、配分いたしまする際には十分お話の点を考慮して、配分して貰わなければならないと思います。尚一学級の生徒数というものを、五十人なら五十人で、それ以下でなければならんというふうに義務附けることは、これは教育的に見ても非常に大切なことだと思うのでございます。特に今日のような戰災の大都市におきまして、多いところは七、八十人も一学級にいるというようなことでは、実際教育が十分行われて参ることは、これは考えられないのでありまして、その点は全く私共も岩間委員と同じような考えを持つております。併し一方建物、経費その他の制約で仕方なく、こういうふうな状態になつているのでありますけれども、私共としても一日も早くこういうふうな非教育的な機構というものは破つて行かなければならん。そのためにはあらゆる努力を傾倒して行かなければならんということは、しみじみと考えているのであります。ただ今直ちに義務附けて行くということをやりますると、非常な経済的な負担がかかつて來て、実際に地方で、或いは國で負担し切れないという面が出ますので、実に残念ながら現状のような状態になつておりますけれども、私共としましては一日も早く理想的な学級数の、定員の最高限というものは、どうしても決めて行くという方向を持つて行かなければならん。かように考えております。
#50
○委員長(田中耕太郎君) ちよつとお諮りいたしたいことがあるのですが、もし今の問題が他にまだいろいろ御発言の方もありましようし、又続いて御発言願いたいと思いますけれども、ちよつと急いでお諮りいたしたいことがありますので、これを中絶して頂くわけに行きませんでしようか。岩間君如何ですか。
#51
○岩間正男君 今の結論みたいなことがあるのです。そこだけちよつと……。
#52
○委員長(田中耕太郎君) では簡單に。
#53
○岩間正男君 今の次官の、第二の私の質問に対する答弁は、十分努力して頂きたいし、成るたけそういう方向に切り換えて頂きたい。そうでないと大混乱が起つておるのです。第二点については、どうも言葉のあやじやないかというふうにしか思えないのです。定員定額制ということで、予算をとつておつて、実際の面ではそれをそうでないように考つて行くということはどういう風に持つて行くか、そういうことは考えられないと思うのですが、実際教員が予算の上で押えられてしまつて、そうして今言つたような予算の配分が起つておるものを、実際の面においてそれをうまくやつて行くと言つても、これは言葉のあやに過ぎない。やはり一例を簡單に申上げて置いた方がいいと思いますが、私が東北の方の視察をしたときに、秋田におきましては小学校は四七・九八人が全縣下の平均であります。七十一人以上が三十九学級、六十六人から七十人が八十学級、六十一人から六十五人が百五十学級、五十一人から六十人が千百六十八学級、四十一人から五十人が千二百五十三学級、三十一人から四十人が七百七十三学級、こういうようなことで、つまり今の数は四七・九八人というような定員定額、それで押えてしまつてさへも、大体五十人以上の学級が半分というようなことになつておるのです。こういう実情がはつきり発生しておるのですから、我々は架空のことを言つておるのでなく、実態をつかんで言つておるのです。こういう点を文部省はつかんでおられるかどうか。こういう点に立つて、一方に九十人、八十人という子供の中に起つておる教育破壞を十分に解消するというような努力をされない限りは、もう新らしい教育も、それから教授方法がどうだとか何とか言つても全然そういうものは架空だ。できないような根拠の上で、そういうことを何ぼ言つても、これは欺瞞にしかならない。こういう点を十分に実態を把握されて、行政を進められることを切望して止まない。
#54
○委員長(田中耕太郎君) お諮り申上げます。教育予算の点につきまして、文部大臣から御説明がありましたように、壁にぶつかつておるような状態であります。この際司令部の方に、参議院から各党の代表は方々一名ずつ行つて頂きまして、私は勿論参りますが、陳情いたしたいと思います。衆議院の方とは今連絡中でありまして、その方に共同の行動を取つた方がいいと思うのでありますが、この点勿論御異存ないことと思いますが、さように取計らつてよろしうございますか。
   〔「賛成」「異議ない」と呼ぶ者あり〕
#55
○委員長(田中耕太郎君) これは急速に連絡を取ることにいたします。今日午後又他の会合もございましようけれども、できるだけ繰合わして各党一名ずつおいで願いたいと思います。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#56
○委員長(田中耕太郎君) それでは速記を始めて。
#57
○松野喜内君 文部当局にお尋ねしたいのだが、こういつた数字の説明書が別に出ますか、どんなものでしようか、その程度ですか。例えばこういつたところに数字の調べ書の備考欄へでも、今質疑が出たような要点、ああいうことを備考欄にお書き願つたり、その算定の基礎などもちよつとでも御記入願つたら、文部省の主として見て貰いたい点はすべての点を指示して置くというふうにして置くと目的が生きて來ると思うのですから、ただ数字を並べただけでなく、さようなふうに質疑が起つたり、私共の聞きたいと思うようなところを親切に、丁寧にお書き願いたい。
#58
○説明員(伊藤日出登君) 承知しました。そういう点は重点的に作りましよう。
#59
○松野喜内君 方針だとか、そういうものを……。
#60
○委員外議員(河崎ナツ君) 一言伺います。先程から飼つておりますと、私は次のような疑いが起つて來ておるのでございますが、この前のときには文部省の方々も教育の危機だから是非これは大変であるから、予算を獲得することに委員の方もしつかり協力するようにというような、お言屋は違いますがお心用の希望を聞いたのでありますが、そういうお心持は私達もおつしやられるまでもなく、一生懸命にやらなければならんと思つてやつて参つたのでありますが、今日の大臣のお言葉を伺つておりますと、文部省の今度のこの考え方は、大体今年度はまあ特殊のそういう設備の特別教室だとか、そういうものは考えなくても、外のもう建築においてはやつて行けそうだと思つているというようなお言葉で、そう言つて予算が十五億円きりないそうなのですが、そのくらいならやつて行けそうだというようなお心持があつて、いろいろ心配いたしましても、それは心配ないというような言葉のように聽えますが、それでやつて行けるというつもりで若しや通そうというつもりですか、それをはつきりして置かないと、ESSへ行つてどうするかという心構えのことも関係して來ると思いますが、これは如何なのでございましようか。
#61
○説明員(伊藤日出登君) その点につきましては、今朝程大臣が申上げましたのは、とにかくどういう目標で六三制の補助金の数字を出すかということの説明として、まあ一應二部教授、三部教授、或いは仮教室を使つてどうやらやつているのだということだけを申したのでありまして、あれで六・三の新らしい教育制度が完全に遂行されておるというような氣持はちつともないのであります。どうしても我々としては一歩でも二歩でも改善して行かなければならんのだ、而もその改善と言いますけれども、この度合は相当緊急、非常に切迫しているのだという氣用はもうやはりこれは強く我々持つておるのでありまして、それからその点については大臣はちつとも変りないのでありまして、今のままの使つている教室で授業をやつている、或いは二部教授三部教授をやつて、これが教育だということはちつとも我々は考えておりませんので、その点は十分御了承を願いたいと思います。
#62
○委員外議員(河崎ナツ君) 無論それで十分だと文部省は安心していると思わないのですが、不十分かも知れませんがとにかく仕方がないからあれでやつて呉れ。文部省もあれでやるつもりだということなのでございますか、女ですからそういう端的なことをちよつと伺つたのですが、先程からそういうことを伺つておるのですが、とにかくあれはやるつもりなんですね。そう聞えるんですが、それはどうなんでございます。
#63
○説明員(伊藤日出登君) とにかく今のままでは不滿でありまして、何とか少しでもよくしたいということなんでございます。今申上げますように、同じことを繰返すようでありますけれども、現状でとにかく六三の新らしい教育制度がうまくやつて行けるんだというふうにはちつとも考えておりませんので、これはもう何とかして二部教授なり三部教授をやつておるような所、仮教室というようなものはどうしても改善して行かなければならないんだ、その点はもう強く私共も感じておるのであります。ただ現状はどうにかやつておるのだから、それでいいんだというような氣持はもうさらさらないのでありまして、その点は一つ十分御了承願いたいと思います。
#64
○梅津錦一君 この問題は、そもそもこの六・三の問題ですが、当初から問題になつていても年次計画の問題だと思うのです。文部省が片山内閣、芦田内閣、あの時分の年次計画をやる意思が現政府においてあるのかないのか。あるとすればこの年次計画をESSへ持つて行つておるのか、持つて行つておらないのか。國民は、特に市町村は、市町村長と言えばはつきりすると思うのですが、市町村長はこれを承知して、了承して村会なり、町会なり、或いは市会なりを言い含めて、そうして借金をして現在校舎を造つておる。言い換えればこの年次計画、二十二年度百億、二十三年度百億、二十四年度六十億、六十億、四十億という順位でもつてこれを完成する計画を文部省はもうすでに発表したのだ。それを信用して市町村では現在校舎を建ててしまつたのだ。而もそれは借金で建てておる。PTAが借金したり、或いは村が信用組合なりその他の金融機関から金を借りて造つてしまつておる。もうすでに校舎を造つてしまつて、後は借金済しに國庫の補助を持つておる。若し國庫から補助が來ないということになると、市町村長の立場がなくなつてしまう。だから市町村長は今本当に本氣になつて陳情に來ておるわけです。村会の総意であり、或いは市町村長会議の決議で陳情に來ておる。実情はそういうわけなんです。この年次計画を文部省はやるのかやらないのか。年次計画をESSの方へ持つて行つて、その実情を話してあるのかないのか。そのことを一つお伺いしたいのであります。ここのところが問題だと思うのであります。
#65
○説明員(伊藤日出登君) お話の年次計画、それに伴う要求をESSには十分いたしておるのであります。
#66
○梅津錦一君 こういう問題をESSに持つて行つておる、それを聞きたいのです。現在村長なり、或いは町長なり、或いは市長なりが皆リコール制で以てやられておる。何でやられておるか。このリコール制でやつておる問題は学校建てたが、村長はその責任は負えない。その費用は村長はどうするのだというと、村長は答弁できない。そこで村長の責任になつておるので、それが全部今問題になつておるところの村長、町長、市長のリコール制なんですが、このことをESSの方へ言つてあるかどうか。それもお聞きしたい。
#67
○説明員(伊藤日出登君) 恐らく今のお話のような言い方はESSにはいたしておらんと思うのであります。併しながら明年度大体昨年くらいの予算が來るだろうという心構えで市町村長は準備しておるのだ。それでその他寄附金を集めるところは集める。大体建築をして貰う人とも話をつけているのだ、それでもうこの金が來なかつたならば市町村長の立場はないのだ、非常に政治的な意味を持つているというふうな説明をいたしております。すでに借金になつておるのだということは非常に違法でありますので、そういう状態は恐らくESSに対しては私共は申してはないのでありまするが、少くともこの金が相当な我々政治的な色彩を帶び、又教育としては先程も大臣が申しましたように、ドツジ氏に申されたように、このために將來の政府の教育振興策というものが、信用を失うというような虞れもあるのだという点を強調いたしておるわけであります。
#68
○委員長(田中耕太郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#69
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて。
#70
○岩間正男君 文相が來られないので、政務次官が見えましたので、その肚を聞くのでありますけれども、私達はここで非常に重大な決意をすべき段階に達していると思うのです。つまり六・三制が継続できるかできないか、いわば断崖の上に立つている。はつきり又國民はそのことを要求しているのです。やるのかやらないのかと聞きたいのだと私は思うのです。そのときに漠然と十五億くらいのものを何とか五百億の枠内から操作して取りたいからそれに対して同調して欲しいというような形で行つておつたならば、これは非常に私達はここで十分に討論して行かなければならないと考える。というのはですよ、一体十五億で以て先程も私は申上げたのでありますが、六・三制を最低限度でやつて行くことができるかどうか、最低限度というのはやはり限りがあります。無論いろいろな限度の設定の仕方ですね。それは限りがありますけれども、つまり現状のようなああいう混乱でますます教育が破壞されて行くというのを、これを默認しながら、尚最低限度で行くというのだつたらば、これは別でありますけれども、私達は今文教日本の百年の計としてこの混乱の中でも、それを支えようと鬪つているのだと思うのです。だから十五億などというはした金を取ることによつて、実はそれは大体去年度並の校舎を建てたとしても十五分の一の國庫負担にしかならない、そうして後の十五分の十四というものはこれは父兄負担になるということで、絶対父兄はこれを負担することはできないということは財政の研究をちよつとやつて見れば直ぐ分る、地方財政の樣子を見れば直ぐ分るのです。そういうところから徒らに六・三制を十五億なんかというようなものじや混乱させるので、ただ漠然と取らないよりは取つた方がよい。やらないよりはやつた方がよいということによつて、実は政府が非常に逆に遠慮しているような面が見えるのですが、私達としては若し向うへ同調するならば、最低どれだけの線を確保しなければ六・三制はやれないという國会議員としての立場をはつきり一つの國策の中に一つの目標を持つて、そうして行くのだつたらば意味はありますけれども、漫然と文部省の尻押しとして、その尻馬に乘つて、そうしてそれを應援するというような形では、破滅に向うようなものに私達は同調することはできないというように考えている。その点を十分に討論する必要があると思うのです。
#71
○河野正夫君 先程から関係筋に両院の陳情をするというお話が出たのですが、それについて河崎委員からも御意見があつて、一体我々は何を目標にするかということにつきましては、昨年度は文部省の最低要求額を支持し、協力するという建前であつたのであります。今回においては文部省の最低線がどこにあるかということは、今岩間君が言われたのですが明らかでない。このために前回の打合会においても大臣に非常にしつこい程喰下つて尋ねたのですけれども、要領を得ない。先程の御答弁でも如何ようでもやりようがあるというようなことであつて、どのやりようのところが彼の政治的責任の限界と考えておるかということを明かにしたかつたのでありますが、未だに明らかにされておらないのであります。そこで大臣はお見えになれないようなので、只今要求しましたが、政務次官がおいでになつたので改めて伺いたいのですが、今我々が行動を起すときに当つて、第一に参考に伺つて置かなければならないことは、文部省はどの程度のものを緊急欠くべからざるものとして要望しておるのか。つまり我々に協力を懇請しておるのかということを伺いたいのであります。それに対する批判はおのずから別でありますが、文部省の肚が分らない以上は、文部省といいますけれども、文部大臣、或いは政府の肚が分らない以上は我々としては徒らにごまかし的な工作に対して、各党各派が尻馬に乘つて、言い訳にする仕事を手傳うということになることは我々の潔しとしないところであります。この点について伺いたいのであります。
#72
○政府委員(柏原義則君) 最低線というところが御質問の要点だと思うのでありますが、六・三制を完成させるためにはどのくらいのものを考えなければならんか。これは各角度から見まして、日教組が調べたのでは二千億円、或いは一千億円要るとかいうふうに、立場によつて大分違うと思うのですが、文部省は六百億、五百億見当で、これも正確なものかどうか。本当の実態にきつちり合つておるかどうか問題ですが、大体その狙いはその立場によつて違いますが、五百億とすれば、五年計画なら今度は五百億取らなければいけないという結論に達するわけであります。昨年におきましても、前文部大臣の下條さんが非常に頑張られて五年計画で百億、五分の一というわけでありますが、けれどもそんなら百億取つたかといえばそうは行かなかつたのであります。相当な実績を挙げられたのでありますが、そういう観点から言えば、五年計画では、例えばどうしてもいやでも應でも百億取らなかつたら理屈は合わんわけでありますが、今年の最低線はどうかといわれましたから、まだ決つておりませんが、例えていえば三十億としますか、そうすると二十年計画になるのじやないか、或いは十三年計画というような数字が出るのでありまして、毎年変つて行く情勢であるけれども、文部省としましては、やはり大臣としましては、百十億円組んで完遂までの五分の一を今年とりたいと実は努力いたし、説明もいたし、一生懸念やつておるのでありますがなかなかとりにくい状況なので非常に苦心をしているわけであります。そこで文部省も私達もいろいろやつておるのでありますが、恐れ入りますけれども、そんなものを頼まなくてもいい、俺の方は俺の方で修正をやるのだというので、別に尻馬に乘つて呉れと頼むわけじやないのでありますが、非常に危機に陷つておりまして、曾ては政府原案で通らなかつたことも衆参両院の人が行つて、政府の言うことなら聞かなくても、衆参両院議員の言うことなら一つ聞いてやろうということで、原案のできておつたのを修正することができたこともあるのでありまして、衆議院の方では一つ当つて見ようと言つて下さつておりますので、私達としては喜んでおるのでありますが、どうしても國会の方々に奮起して頂かなかつたらとりにくい、こういうような感じを持つているのでありまして、然らばとれないなら文部大臣はどういう責任を持つか、これは大臣から聞いて頂くことにいたしまして、これはむしろ大臣の責任というより党全体の責任であります。むしろ吉田内閣の責任であると思います。
#73
○岩間正男君 党と混同されておる、民自党が出たり、政府が出たり、ごつちやだ、政府委員として答弁やらなくちや……。
#74
○政府委員(柏原義則君) 勿論政府委員としてでありますが、政府委員と雖も党から完全に離れた、理論上は別でありますが、その予算を出す前の熱意といたしましては、党を背景として動いておりますから……。
#75
○岩間正男君 分りました。次官の苦吏は了承いたしますが、ただお言葉にありましたように我々が、若し衆参両院議員が、或いは参議院のこの委員会の人々がいろいろの行動をするとしましても、それは独自の立場であつて、政府とは離れて事を行うには相違ないのでありまして、その点は我々は飽くまでも委員会の権威を確立したい、こう思つておるのであります。ただ参考に政府の肚を伺いたい、こういうのであつたのであります。もはや伺いませんが、希望を申上げれば、政府はこれだけのことを是非何とかしなければ相済まんと思つておるというような最低線が示されるならば尚よい、こういうのであります。それは各党各派で違うでしようが、それによつてそれが得られなかつたらどうこうという問題ではなくて、実際にそれだけの誠意を示し、肚を割つた誠意を示されることの方が望ましいという意味で私はお伺いしたのでありますが、大臣にも次官にも、たびたび伺つてもどうもその辺は要領を得ないので、これで私のその点に関する質問は打切ります。
#76
○松野喜内君 六三制の予算に関しては、文部大臣も文部御当局も非常に努力されたことは了承いたします。又本委員会でも委員長始め我々は休会中と雖も委員会を開いてまでもこれを論議するの熱意があつて、昨年の文部予算に対しても非常に協力してその熱意を披瀝した。その輿論はやはり当局を動かし、なかんずく文部省を激励し、大藏省、安本の方も動かして、総理も動かしたが、我々もこの文部委員会の我自の強い意見輿論それを反映せしめる氣持を以て一つ皆樣のお件をして行きたい氣持がいたします。先程來いろいろ御議論がありましたが、その委員会といたしまして、各自それぞれ六・三の教育の危機を心配するの余りより多く強く予算を請求しなければなりませんから、その立場から一つ是非自発的にやりたいと思います。
#77
○岩間正男君 次官は去年の例を引かれて、去年挙党一致でこの問題のために努力したということをおつしやいましたが、文教委員会は正にそのために六・三の発足以來我々同僚委員が結束して、更に衆議院の方と力を合せて闘つて來たのは事実だと思います。併し去年は文部省におきましては、はつきりと最低線というものを示し、そうしてここに局長がおられますが、局長は藏相の出席までして貰いまして、相当強硬な態度に出た、更に当時の関係者は少くともこの予算が通らないときには、はつきり責任をとつて辞めるという背水の陣をとりました。
#78
○河野正夫君 次官も辞めると言つた。
#79
○岩間正男君 次官もそう言つた。我々文教委員会もそういうような情勢に対しまして、四十五億という額は何とか六・三制をやることのできる最低額だ、不滿ではあるが、その線なら六三制は死なないで、そうして子供の栄養は何とか補給されて育つて行くだろう。そういうような面において我熊は同調することができまして、全面的にやつた。然るに今のような曖昧な、巷間傳えられるような十五億というような、去年の貨幣價値から計算しますときには、約五分の一だか六分の一だか分らないような予算を以て、而も何ら関係者の責任は明らかにされていない。そうして單にこれに同調しろということが果してそれが正しいかどうかということを、ここで政治的に一つのはつきりした態度によつて判断が願いたいのであります。我々は少くとも國政に参画しておる。そうしてこれを高い一つの百年の計として今日鬪つて行かなきちやならない。そうしてこれを日本の一つの御主的な國家を建設するところの根本の基礎を確立するものとして今日まで鬪つて來た。その見地において鬪つて來た。そういう意味におきまして、我々はその立場からはつきりした自主性を持つて、判断を持つて、これに参画しておるのでありまして、今のような曖昧な、而も正に死なんとする子供の命脈を弄ぶような過少の予算を以て、これによつて大混乱が起り、地方の府縣の経済的負担が、極力駄目になり、生活が破壞されるという現実を見ているのでありまして、我々はそういうような曖昧な態度には、これは遺憾ながら賛成しかねると思うのであります。そういうような点からもう一度政府当局の肚は何であるかという点について、はつきり答弁を願いたいと思うのであります。
#80
○政府委員(柏原義則君) 教育の重要性の立場から岩間君の御議論に対しましては、岩間君ばかりではありません。私も同じような意見を言いたいのでありますが、さて最低線が十五億か二十億か、はつきりせいと申されますが、その点は今これだというはつきりした数字を提示してお答えするというようなことは……、できたら百億でも取りたいのでありますが、最低線は百億取りたいのでありまするが、それが破られたような状況になつておりますので、この間の左藤政務次官が今度はこれこれくらいで取つて置く、次は追加で取る……、そんな馬鹿な、追加じや駄目じやないか、こう來ることも決つておるのでありますが、今六・三制の項目は貧弱なものでありましようが取つて、更に二段構えでやろう。こういう心構えと熱意はあるのでありまして、若しもこれが全部破壞されて駄目になつたら責任はどうか。その責任問題は各政治家に任して頂きまして、できん場合にはこうするというようなことはここで言いたくありません。それは銘々政治家に任して頂きまして、甚だ岩間君御満足行かんと思うのでありますが、それ以上何とも私としまして申上げることはできません。
#81
○河野正夫君 この件について若し必要があれば速記を止めて懇談会にしたら……。尤も外の人に必要があればなんですが……。
#82
○委員長(田中耕太郎君) まださつきの問題についてお諮りしたいと思いますから……。
#83
○梅津錦一君 今の政務次官の御答弁を伺つておると、今日ESSへ行つても、こちらの肚が決まらないなら、政府は政府、國会は國会の意思でどつちかに決めなければならんというので、今日國会を代表して行くとすれば、國会が肚を決めてそうして政府とか別の態度で行くと、こういうふうな二つの途しか考えられないと思う。幸にして政府の方の肚と國会の肚と一致するなら同調できると思う。十五億、二十億というようなこんな過少な数字で行くのは私はいけないと思う。経済九原則が出ている以上過大な要求をすることはできない。併し最低水準は確保しなければならない。これは九原則に即應するものだと思う。そういう意味で少くとも去年の四十五億の、物價指数からいつて一・七倍という数字で抑えて行く、こういうような基準を政府の方から示して貰うならば、我々もそういうような数字上の問題で折衝することができると我々はこう考えたいので、これがない以上各党の代表者が國会を代表して行くとしても、肚が決まつていない以上向うへ行つても何ら折衝できない。この問題を國会の問題として懇談会をして頂きたいと思う。参議院は参議院の文部委員会として懇談して見たいと思うのです。懇談に移つてから、政府の忌憚のない肚を割つて頂きたいと私はこう思うのです。
#84
○若木勝藏君 先程私委員長に質問いたしました点は、やはり皆さんも同様な考えを持つていると思いますが、この際直ちに向うの方に行くということでなしに、一遍懇談会なりで以つて目標をはつきり決めて、この問題を決めて行きたいと思います。
#85
○委員長(田中耕太郎君) 御異議がございませなければ委員会はこれで閉じたいと思いますが……。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(田中耕太郎君) 委員会はこれで散会いたします。
   午前十一時三十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     田中耕太郎君
   理事
           松野 喜内君
           岩間 正男君
   委員
           梅津 錦一君
           河野 正夫君
           若木 勝藏君
           木内キヤウ君
           梅原 眞隆君
           三島 通陽君
           山本 勇造君
           藤田 芳雄君
  委員外議員
           河崎 ナツ君
  國務大臣
   文 部 大 臣 高瀬荘太郎君
  政府委員
   文部政務次官  柏原 義則君
   文部事務官
   (文部省学校教
   育局長)    日高第四郎君
   文部事務官
   (文部大臣官房
   会計課長)   小川 潤一君
 説明員
   文 部 次 官 伊藤日出登君
ソース: 国立国会図書館
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