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1949/04/26 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 文部委員会 第8号
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1949/04/26 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 文部委員会 第8号

#1
第005回国会 文部委員会 第8号
昭和二十四年四月二十六日(火曜日)
   午後一時三十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○学校教育法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○教育委員会法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(田中耕太郎君) それでは委員会を開会いたします。先ず学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、政府の提案理由の説明を求めます。
#3
○政府委員(左藤義詮君) 大臣ちよつと手が引けませんので、代りまして只今議題となりました学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びこの法律案の骨子とするところを御説明申上げます。
 先ず提案の理由でありますが、医学又は歯学の学部をおく大学におきましては、單に練達した技術者を養成するに止まらず、社会人としても立派な医師又は歯科医を養成しなければなりません。そこでその教育の改政と向上を図るために、これら学校の入学資格の程度を特に高め、その目的を達成する必要があるのであります。
 次に新学制の最後の段階たる新制大学につきまして、学校教育法では修業年限が四ケ年となつておりますが、この際國の現状としましては、入学志願者の側における父兄の経済的負担力の点、或いは短期間に実務者を養成しなければならない社会的必要性などを考慮いたしますと、短い期間に完成するいわゆる短期大学を必要とするように考えるのであります。從つて当分の間修業年限二年又は三年の短期大学の制度を認めることにより、一面速かに新学制の完成を図ると共に、他面社会の要望に添いたいと考えるのでございます。
 次にこの法律案の骨子とするところを御説明いたします。先ず第一は、学校学育法の規定によれば、新制大学の入学資格は、新制高等学校卒業程度を以て原則とするのでありますが、医学又は歯学の学部を置く大学に入学しようとする者の入学資格については、特例を認めて、より高い程度、即ち他の学部において二年以上在学して所定の課程を履修した者を定めようとするのであります。
 次に新制大学の修業年限は、学校教育法を規定するごとく、四年を以て原則としますが、これを二年又は三年課程に短期した短期大学をも認めることにしようとするのであります。尚、この短期大学の取扱方につきましては、大学院を置くことを認めないこととし、その他はすべて四年制大学に関する規定を準用するものであります。最後に、短期大学を卒業した者のうち、更に四年制の大学へ進学する希望を有する者については、一定の基準に從い、四年制大学の相当学年に編入する途を開こうとするものであります。尚短期大学の実施につきましては諸般の準備を必要といたしますので、昭和二十五年度より開設することといたしたいと存ずるのであります。
 修上が本法律案の提案理由とその骨子とするところであります。何とぞ愼重御審議の上、速かに御可決ならんことをお願いいたします。
#4
○委員長(田中耕太郎君) 次に本改正案につきまして只今の説明がありましたところに対してお質問ございましたらば……
#5
○河野正夫君 一体今法案を配つて今質疑をしろというのは甚だ無理な話なんでありますが、もう少し法案が早く我々の手許へ届くように文部当局は処置を講ずべきではなかつたかと思いまするが、取敢ず少しずつ質問を進めて行きたいと思います。
 この最初の医学又は歯学の学部を置く大学に対して特例を設けている点でありますが、その大学の他の学部又は他の大学に二年以上在学するという意味はどういうところにあるか。例えばすぐに医学部に入れないといたしますと、どういう学部を出るということを言つておるのであるか。その点はつきり聞いて置きたいと思います。
#6
○政府委員(稻田清助君) 只今の御質問の点でございますが、他の学部において二年以上の課程を修了しと申しまするのは、一般教養を他の学部において二年以上修了いたすという意味でございまして、いわゆるプレメジカル或はプレデンタル・コースとしての意味においてこうした一般教養を習得いたしました上において、医学部或いは歯学部に入学することであります。
#7
○河野正夫君 そういたしますると、この一般教養をやる、いわゆる教養学部とでも申すものが設けられていないとすると、例えば文学部で理学部に入つてそこに二年をやるという意味に取つてよろしいか。そうでないといたしますとどんな学部を通じて、とにかくそこに二年なら二年の教養学部というものの存在を予定していなければ、何だかこの條文がはつきり掴めないような気がいたします。
#8
○政府委員(稻田清助君) 他の学部において習得すべき各課目といたしましては、自然科学として物理、化学、生物、数学その他人文科学、社会科学というようなものにつきまして一定の單位を習得することでありますが、御承知の如く現在予定いたしておりまする國立大学につきましても、各府縣にそれぞれ学藝学部或は教育学部というような設けもございまするし、外に理学部、文学部等も設けられておるわけでございますので、それらの学部において只今申上げました必要單位を習得いたせばよろしいと考えられるのであります。
#9
○河野正夫君 この條文を離れて、一般的に大学の学部の構想というものを承つて置かないと了解ができないと思うのであります。つまり理学部なら理学部を四年間やる、この中には教養学部的のものがあるだろうと私は思つておる。或は文学部にも同様じやないかと思うのであります。農学部にもそう、工学部にもそうだろうと思うのであります。特に医学部又は歯学部においては他の学部の二年間の学習を必要とするという点が、工学部や農学部や較べてどうしてそう必要であるか了解できない。というのは年限が長く必要であるという意味なら、医学部なり歯学部を六ケ年の課程にして、その初めの二年で教養学部的なものを履習すればいい。丁度工学部においても恐らくは前期二年というものは大体教養学部的なものに当ると私は思うのでありますが、その点で一般に大学の学部の講座の設け方とか、或は今言つたような一般教養をどこでやるかといつたようなことの構想がはつきりしていないと、或は私の不勉強でわかつていないのかも知れませんが、その点を少し丁寧に御説明をお願いいたします。
#10
○委員長(田中耕太郎君) 河野委員に申上げますが、学校局長はそのうちに見えることになつております。今ちよつと遅れておりますが、学校局長から詳細な答弁を求めたほうがいいのじやないかと思います。それまでお待ち願います。
#11
○大隈信幸君 ジュニア・カレッジの制度をお設けになることについて飼いたいのですが、大体社会的な要望が主であつて、これを設けることによつて新学制の完成を図るという点にどれだけ寄與するか、そういう点の御説明を頂きたい。
#12
○政府委員(稻田清助君) 今日まで大学設置委員会におきまして、各專門学校その他から申請せられました学校につきまして、大学に昇格する点についていろいろ審議をして來られたわけでありますが、御承知のごとくそのうちにはまだどうも審議会の見地から直ちに四年制の大学といることが適当でないという指定を受けておるものもあるのであります。又一方におきまして專門学校それ自身においてまだ四年制の大学に一挙にしてなる見込がないと考えられたのは、申請をせざるものも相当あるわけであります。これらの学校に対しまして若し差当り二年制の課程を持つ大学を認めるとすれば、或いは改めて申請し、又保留中のもので或は不合格と一應指定されたものが、合格することにもなるだろうと考えられるのであります。そういうことはこの六・三・三・四の新学制を早急に実施いたしますために、一つの寄與に相成るであろうとこういうふうに考え方を以ちまして、短期大学の制度を考えた次第であります。
#13
○大隈信幸君 そういたしますと、大学の制度は將來六・三・三・四の完成した曉には廃める、そういう暫定的な措置であつて、恒久的なものではないというふうに考えていいのでしようか。
#14
○政府委員(稻田清助君) そういう趣旨を以ちまして、学校教育法の規定につきましても、附則の中の規定に「当分の間」といたしておりまして、御趣意のごとく將來は六・三・三・四の学制形態を企図いたしておるわけであります。
#15
○大隈信幸君 もう一つついでに伺いたいのですが、大体いつ頃六・三・三・四の最後の四が完成するというお見通しでおられるか。その点を承わりたいと思います。
#16
○政府委員(稻田清助君) その点につきましては未だ見通しがつき兼ねておるような状態でございます。
#17
○委員長(田中耕太郎君) 外に御発言ございませんか……。それでは尚質疑が残つておりますから、本案につきましてはこの程度に止めておきます。
  ―――――――――――――
#18
○委員長(田中耕太郎君) 次に「教育委員会法の一部を改正する法律案、」予備審査のための議案であります。これにつきまして文部当局の提案理由の説明を願います。
#19
○政府委員(左藤義詮君) 昨年七月十五日公布施行されました教育委員会法の一部を改正する法律案を今度國会に提出いたしましたにつきまして、その提案理由を御説明いたしたいと思います。
 教育委員会を設置するに当りましては、委員の選挙に要する経費を初め、相当の経費を必要とするのであり、現行法規によりますと、教育委員会は本年度、又は遅くとも明年度までには必ずこれを設けなければならないことになつておりますが、現下中央、地方の取政状況が甚だ困窮を告げております事情に鑑みまして、その設置期限を昭和二十七年十一月一日まで延期いたすことにしたのであります。
 一方教育委員の選挙は二年ごとに行われるので、若し本年度市町村の教育委員会の設置を延ばして、明年度に行われる都道府縣委員会の委員の改選と合せて実施するならば、その後は隔年に委員の選挙が行われて、経費、労力の節約を図れるわけでありまして、これがため本年度及び昭和二十六年度には教育委員会を設置しないことといたしました。
 最後に教科書の採択につきましては、止めての制度であるので、都道府縣委員会のみでその事務を行うこととしたのでありますが、昨年度市町村に相当数の教育委員会が設けられました実情に鑑み、教育委員会法第四十九條の規定に帰つて、市町村に教育委員会が設けられている場合はそこで採択することが適当と考えられるので、檢定は文部大臣で、採択は各教育委員会で、という方針に改めたのであります。
 以上が法律の一部改正の要点とその理由でありますが、何とぞよろしく御審議の上御決議下さるようお願い申上げます。
#20
○政府委員(辻田力君) 只今本法案の提案理由につきまして御説明がありましたが、私から本法案の内容につきまして概要を御説明申上げたいと考える次第であります。
 昨年七月十五日教育委員会法が、法律第百七十号で公布施行されまして、十一月一日から四十六都道府縣、五大市その他の四十六市町村、合計九十七ケ所に教育委員会が設けられておりますことは、すでに御存じの通りであります。然るに今般同法の一部を改正する法律案を國会に提出したのでありまするが、その改正の主眼とする三点について申上げたいと存ずるのでございます。
 第一の点は教育委員会の設置には、委員の選挙に要する経費とか事務局整備に要する経費等、相当額の経費を必要とし、若し本年度市町村の約半数五千余が教育委員会を設置するものと仮定いたしますと、昨年の例に徹しましてこれに要する予想経費を計算いたしますと、約九億円余に及ぶことになるのであります。現下の我が國の中央地方の財政状況に鑑みまして、教育委員会の設置を更に二ケ年延期して二十七年までとすることにいたしたのであります。
 第二の点は、教育委員会法によりますと教育委員会の委員の任期は四年でありまするが、二年ごとにその半数が改選されることになつております。若し本年度市町村に教育委員会が設けられ、その最初の委員の選挙が行われますると、二十五年度には都道府縣委員会の委員の半数改選が行われ、更に二十六年度には本年度設けられた市町村の教育委員会の委員の半数改選が行われ、その後毎年都道府縣又は市町村において、教育委員会の委員の選挙が交互に行われることになります。ここにおきまして若し本年度及び二十六年度に選挙を行わないといたしますると、今後は隔年に都道府縣と市町村教育委員会の委員の選挙と同時に行い得ることとなりまして、費用、労力の点について可なりの節約を図ることができるのであります。從いまして本年及び二十六年度には教育委員会を設置しないことにしたいのでございます。以上二つの点に関しまして教育委員会法第七十條を改正することといたしました。
 第六は教科書の採択についてでありまするが、教科書の檢定制度実施後、当分の間は採択についての研究が不十電であると考えまして、差当り都道府縣教育委員会のみにその事務を行わせることを適当と考えたのであります。然るに檢定公開制度を実施した昭和二十四年度用教科書の展示会で、学校責任者の選択による教科書の需要表を都道府縣において集計して、採択の報告を提出させた昨年の実情から考えますると、教育委員会法第四十九條の規定に帰り、市町村に教育委員会が設けられている場合には、その教育委員会が採択しても不都合がないばかりでなく、むしろその方が教育上適切であると認められるのでありまするし、且つ本年八月頃には二十五年度用教科書の展示会を開催し、教科書の採択を行う必要がありまするために、今回これに関する第八十六條を改正することにいたした次第でございます。即ち本條においては目下用紙割当制を実施している実情から、当分の間教科書の檢定は文部大臣が行うことのみを規定いたしまして、檢定は文部大臣、採択は各教育委員会ということにしたわけでございます。以上三点が今回の一部改正案の要点であります。
 尚教育委員会法の他の点につきましても、理論上又は実際の運営上改正を要するのではないかと考えられる個所もありまするが、何分教育委員会は発足後まだ半年の経驗を有するに過ぎませんので、更に実情を調査研究の上善処いたしたいと考えております。即ちこのたびは必要最小限度の改正に止めた点を御了承頂きたいと存ずる次第でございます。
#21
○委員長(田中耕太郎君) 御質問はございませんか。
#22
○河野正夫君 ミスプリントじやないかと思いますが、妙に細かいことを伺つて恐縮ですが、教育委員会法の一部改正の法律案の提案理由の四行ばかりある後の二行程のところに、「教課用図書の採択は都道府縣教育委員会のみで行う必要がなくなつたので、所要の改正を加える必要がある。」というのは我々は了解に苦しむのでありますが、如何ですか。
#23
○政府委員(稻田清助君) 昨年第二國会におきまして、この教育委員会法ができまして、同時に同じ國会で教科用図書発行に関しまする臨時措置法が成立いたしたわけであります。從いまして教育委員会法の制定の当時におきましては、教科書発行に関する臨時措置法を実施いたしました曉においての成績の見通しというような点につきましては、すでにそれを実施いたしました今日と異なりまして、それ程はつきりいたしてなかつたのであります。当時におきましては、教科書の見本展示会等によりまする採択ということが初めての試みでありまするのど、当分の間は都道府縣教育委員会において採択をするということが便宜な処置であろうと考えたのでありますが、実際昨年当時は都道府縣知事が行なつたのでありますが、見本展示会を中心としまして、各学校において採択カードを提出する方法によつていたしました採択の方法が、比較的成績よく行われましたので、もうこの分ならば特に例外を設けないで、採択と申しますものは成るべく教科書を使用いたしまする学校に近いところでやる方が理想でありますので、もう本則に帰つて差支ないじやないかという考えを以てこの改正を提案いたしたわけであります。
#24
○若木勝藏君 第七十條の五大市を除いた市町村の教育委員会の設置は、二十七年十一月一日までに行わなければならんというこの改正は、前の教育委員会の何を二ケ年延長したことになつたので、この教育委員会法を審議した場合に、参議院側としては、当時の一般國民の民主的な教養の程度或いは財政というような方面から、五ケ年延期の修正意見を持つておつたのでありますが、今回政府の方では二ケ年の延期を考えたことになつたわけでありますが、その間の二ケ年延期するということに対する根拠を一つ伺いたいと思います。
#25
○政府委員(辻田力君) 教育委員会の制度は我が國に初めての制度でございますが、その目指すところは皆さん御承知の通り、教育の自主性、教育の地方分権化、これは教育の独自性を十分尊ぶというような、民主化というような非常に高い理想の下に作られた制度でございまするが、この制度をできるだけ早く実施いたしまして、この目指すところの目標をできるだけ早く実現いたしたいというために、昨年から年度の途中でありましたが実施した次第でございます。併しその後の経過等を見、又内外におきまする諸般の事情を考慮いたしまして、後二ケ年間その設置を延期し得るということにいたしたのでございます。この二ケ年間という計算は、これは先ず中央、地方の財政事情が困難であるというふうなことも一つの理由でありまするが、尚都道府縣の委員会の委員と、地方委員会の委員の選挙を同時に行い、而もそのために経費、資材、労力の節約を図りたいということであります。それから二十五年に一律に地方委員会を設けることは地方的な事情で困難な場合もあると考えまして、二十五年と二十七年の二度に分けて設置することにいたしたのでございます。
#26
○鈴木憲一君 この年限の延長のことですけれども、二年間延長されたんですが、提案理由の説明によりますと、主として地方財政の困窮ということがいわれておりますが、若しこの地方財政が復活をしない場合には、又更に延期をするというようなお考えでおいでになるのか、それとも二年経てば大体復旧するだろうというお見通しでありますか、まあそういうものはこの法律を定める上に、一應こういうふうに技術的に一ケ年ぐらいにやつて置くのが適当なんですが、その辺をお伺いいたしたい。技術的なのか、或いは実情なのか、或いは見通しが立たないから一應やつて置くのかというようなことについて……
#27
○政府委員(辻田力君) 將來の経済関係或いは又財政関係について予断することは、非常に困難なことだと存ずるのでありますが、現在の段階におきましては、できるだけ早く委員会が各地方においてその所期の目的を達したいという考えと、それから一方には実情から考えまして、併しそれは若干延さなければならんという、その両方の要請から考慮いたしまして、現在の段階では二ケ年延したいという結論に達した次第でございます。
#28
○委員長(田中耕太郎君) 教育委員会法の一部改正案について御質問ございませんか……。若しありませんければ前の方に戻ります。
  ―――――――――――――
#29
○委員長(田中耕太郎君) 学校教育法の一部改正につきまして答弁が残つておりますからお答えいたさせます。
#30
○河野正夫君 ちよつとその前に念のために伺つて置きたいんですけれども、先程の御説明で大体分つたかと思いますが、この第七十條、二十七年まで延期した後に、二十四年及び二十六年には行わない、二十五年には行うことになつておりますが、これは現在の五大都市及びその他、昨年特に教育委員会を設けた市町村の半数の選挙が、來年の二十五年度に行われるからであることは了承いたしましたが、その際に新たに教育委員会を設置したいという、市町村の選挙も行うという趣旨であるように思いますが、併し全体として二十七年まで延期したいという観点ら申しますれば、すでに既設の教育委員会の半数改選はとにもかくにも、その他のものはやはり二十七年まで一切を延期する方が妥当ではないかと思いますが、その点のお考えは如何ですか。
#31
○政府委員(辻田力君) 先程申上げましたように、できるだけ早く委員会を置きたいという考えでありまするが、併し実情から考えましてそれは早急にはできないというふうなことから延ばすのでありまするが、それを二度に分けたということにつきましては、これは一度にやりますと國の中央の経費、或いは地方の経費が嵩んで参りますので、これを分けて実施した方が、実施が比較的容易ではないかという考えであります。
#32
○河野正夫君 分けてやりましても、これは各市町村の規模に應じて二十五年にやろうと思えば、改めてやり得るということだけでございましようか、その点。
#33
○政府委員(辻田力君) さようでございます。
#34
○委員長(田中耕太郎君) それでは先程の河野委員の学校教育法一部改正案についての御質問に対して、学校教育局長は、差支がありますので、剱木学校教育局次長が來られましたので答弁を願います。
#35
○政府委員(剱木亨弘君) 医学及び歯学の学部におきまして、他の学部の二年以上終了した者を入学資格といたしますが、その他の学部ということがどういうわけで必要であるかというようなお尋ねであつたと承つております。医学及び歯学につきましては人命を扱うところの重要な職能を持つておるのでございまして、その器になりますためには、單にこの專門的な学問とか技能の優れておるというだけでなしに、一面この人格的に相当教養の高く且つ廣いということを要請されるという意味合から、相当この廣い範囲の一般的な教養の高度のことを要求されるばかりでなく、或るコースに決定いたしました狹い視野であつてはいけないというような面から、まず医学の入学資格はそれはPHWの中に設けられました医学審議会から、日本の医学教育の刷新につきまして、他の大学若しくは学部の三年以上を終了した者について入学せしめるようにするというように勧告があつたのでございます。併し日本の実情から申しまして、一面これは相当医学の教育について、長い年月を要しますので、教育刷新委員会におきまして、この問題を取上げていろいろ論議いたしました結果、刷新委員会の原案といたしましては、六年の大学ということが適当ではないかという御意見があつたのでありますが、それで今の医学審議会と刷新委員会としばしば会議をいたしまして、両者の意見の相違を妥結するように努めたのでございますが、その結論といたしまして六年の大学は認められない。他の大学もしくは学部の二年以上を終了した者について、入学資格を認めようということに結論として妥結いたしましたので、その結論に基いて、この法案を作成したのでございます。
 六年の大学を他の大学というふうに限定いたしました理由は、その医師という職業を決定いたしますのが、できるだけ高年齢において決定するをまあ適当と認めるという理由が一つになつておるのでございます。もう一つは先程申上げました、やはりこの廣い視野に立つて医師のコースというふうに、決定したコースによつて勉学しないで、いろいろな職業につくものと同じような扱いで、共に勉学をして、それから二ケ年以上たつて医者になるというふうに方向轉換をする。これが最も適当であるというふうに考えられたからでございます。現在の大学におきましては、そういうふうに決めましても、一定の單位を要求されますので、その如何なる学部でもそれを、要求を充たすだけの学科課程、学識組織がございませんので、例えば総合大学でございますとか、今般國立で申しますと、高等学校と他の專門学校と一緒になりましてできました文理学部を持つような大学でございますとか、或いは又一般教養におきまして、相当大きい一般教養のコースを以て医学に対しまする進学者の必要とする科目を備えておる大学等が、三学歯学への学部を有する大学と考えられると考えるのでございます。大体他の学部というふうになつておりますのは、以上のような理由で決定いたしたのでございます。
#36
○河野正夫君 大体了承いたしましたが、只今の御説明によりますと、要するに医科なり歯科なりの大学に入ろうとする者が、先ずその準備として大学に入ると、その学部で二ケ年間基礎的な或る社会的な、又は人間的な必要な修養を中心にやるというのであつてみると、そういうふうな学部が存在するということを前提としておるわけです。その大学に入る前に、例えば工学部なら工学部に仮に入つておつて二年間修業して、それから四ケ年の医学部に入るという場合に、工学部の四ケ年の初めの二ケ年が全く工学関係の純專門的のものだとすれば、医学の方に進むためには必要がないわけである。從つて工学部の最初の二ケ年というものは、当然医者にも他の人でも必要なような一他の人文学的というか、修養を中心とするような学科が修められるわけです。言い換えると一般に言つて、四ケ年制大学の初めの二年というものは、大体において教養を主とすることをやるという前提があつて、初めて只今の御説明が生きるのではないかとこう思うのですが、その点何如です。
#37
○政府委員(剱木亨弘君) 理論的に申しますと、如何なり学部に入つておつても二年以上おりまして、医科に必要な單位を修得すれば入るわけでございますが、今お示しのような例えば工学部だけしかない大学においては、その工学部においては大体一般教養といたしましては、その全課程の三分の一でございますから、一年半くらいは大体程度になるのでございます。それで而も工学部だけでございましたら、一般に必要なる一般教養の科目を、そう沢山学校に設備をいたすわけには参りませんので、工学部だけしかない大学の工学部に入つて、医科に必要なる二年間の單位を取るということは非常に困難であると思いますけれども、それが非常に例えば総合大学のような場合を考えますと、工学部におりまして途中から医科に行きたいというようなふうに目的を変更いたしましても、他の学部につきまして必要学科を、科目を修得できるという場合におきましては、工学部の二年以上を通じました場合でも大体入ることができるということになると考えるのでございます。でございますからどのような学部でも必ず入れるようにはなりませんけれども、具体的にはそういう医科に入るような單位を取り得るような設備のある大学に入学するということが必要になつて來ると思います。
#38
○委員長(田中耕太郎君) 速記を中止して下さい。
   午後二時九分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時十九分速記開始
#39
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて……。本日はこれで散会いたします。
   午後三時二十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     田中耕太郎君
   理事
           高良 とみ君
           岩間 正男君
   委員
           若木 勝藏君
           河野 正夫君
           大隈 信幸君
           木内キヤウ君
           梅原 眞隆君
           三島 通陽君
           山本 勇造君
           鈴木 憲一君
           藤田 芳雄君
  政府委員
   文部政務次官  左藤 義詮君
   文部事務官
   (文部省学校教
   育次長)    剱木 亨弘君
   文部事務官
   (教科書局長) 稻田 清助君
   文部事務官
   (調査局長)  辻田  力君
ソース: 国立国会図書館
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