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1949/05/16 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 文部委員会 第15号
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1949/05/16 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 文部委員会 第15号

#1
第005回国会 文部委員会 第15号
昭和二十四年五月十六日(月曜日)
   午後三時四十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○教育職員免許法案(内閣送付)
○教育職員免許法施行法案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(田中耕太郎君) 只今より開会いたします。教育職員免許法案、並びに教育職員免許法施行法案について質疑を続行いたします。速記を止めて……。
   午後三時四十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時四十分速記開始
#3
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて下さい。
#4
○河野正夫君 只今の一級、二級の区別と職階制との関連に関する御答弁は甚だ不満であります。文部当局のこれに対する説明の中に、すでに職階制に移行するための準備的措置となり得ると思うというようなことが書いてあつたと私は思うのであります。それだから私はここで職階制を問題としておるのであります。而も今言つたような能力差ということは、例えば、学校において職階を、今フーヴアー・ミツシヨンで考えておるような職階制ということを仮に考えるならば、校長或いは教務主任といつたようなことは、或る意味の、職階といつても身分や何かの上下じやありませんけれども、なり得るかも知れません。職務上の一般教員といつたような、校長とか教務主任とか、教務主任と呼ばなくてもいいのですけれども、まあ教務主任或いは校務主任という場合もある、或いは一般教員といつたようなのはなるかも知れませんが、それは必ずしも一級、二級の区別によつてそれが招來されるとは私は考えてい、むしろ例えば大学を出て一級免許状をすぐ貰えるような單位を修了している者が直ちに教務主任になり得るかといえば、全然向かないでしよう。そういう意味でそれと関連をつけているという観念そのものがどこか、一級、二級が純粹な意味から出て來ればいいけれども、何か教員に妙な身分差をつけようという考えを持つているのじやないか、資格差というものでなくて、身分差という観念を持つているのじやないかと思いますがその点如何でせう。
#5
○政府委員(稻田清助君) 繰返して申上げますが、直ちに身分差をつけようという意味において免許状の階級は考えていないのでございます。一級は標準といたしておりますけれども、経歴なり、学力において直ちに全部一級で揃えるわけに行きませんので、こうした二級以下の免許状の段階を設けて、それぞれの方々の実際の仕事の上における優秀な成績と、又研修によつて上級の教員になり得る途を開いておるようなわけでございます。職階制につきまして、勿論教育職員については教育職員にふさわしい考えの下にこの問題を処理されなければならないということを申上げたようなわけでございます。
#6
○河野正夫君 もう二、三点質問したいのですけれども、援與権者の問題を伺いたい。國立及び公立の学校教育職員の場合は都道府縣の教育委員会、私立学校の場合は都道府縣の長官といつたようなふうな分け方をしておりますが、この差別をした理由を承りたいのであります。監督の立場から申しますれば、國立のものは文部大臣、公立のものは各都道府縣乃至は市町村ですけれども、先ず都道府縣の方に一本に纒めてもよいかと思いますが、都道府縣の教育委員会、私立の場合においては現状を以ておれば都道府縣知事といつたようなふうになるのが当然のところを、國立、公立は都道府縣の教育委員会、私立の方は都道府縣の知事にするということは少し解せないと思う。何故都道府縣の教育委員会を一本にしなかつたか、その点を伺いたい。
#7
○政府委員(稻田清助君) 御承知のごとく教育委員会法が制定せられました場合に、同法によりまして学校教育法が改正されておりまして、小学校、中学、高等学校において所轄廳は都道府縣知事というふうに從來されておるわけでございます。そうした行政所轄の系統の区分というような点から出発いたしまして、私立学校につきましては免許状の授與権者も都道府縣知事の系統にいたしたわけであります。然らば國立については所轄廳は文部大臣であるから、文部大臣において授與した方がよいじやないかというようなお説も出て來ると存ずるのでありますけれども、大体今度の免許法制定につきましては、從來中央集権的に取扱つておりましたものを、でき得る限り地方分権的に取扱いたいというような趣旨の下に出発いたしたわけであります。そういうような観点から見まして免許状を授與するという國家の事務を、この法律によりまして國立につきましては都道府縣教育委員会の系統に委任して行わしめるというような取計らいにいたしたわけでございます。
#8
○河野正夫君 いや私の伺いたいのは、むしろ何故都道府縣教育委員会一本にしなかつたかということです。それから廳ですが、私立の学校の場合に免許状を貰えば、それは当然國立、公立の学校の場合にも有効だと思うのであります。從つて都道府縣一本にしても決して差支えないのじやないか。
#9
○政府委員(稻田清助君) 先般教育委員会法が制定されました当時以來、私立学校につきましては行政所轄の関係を都道府縣教育委員会とは別にするというような方針で進んでおるわけでございます。で未だこの私立学校法案というようなものが、提出の運びになつてないのでございまして、その点につきましては先程申上げました学校教育法改正の法規しかないのでございますけれでも、そうした精神に則りまして、今後或いは行政所轄の運営が図られるものと考えまして、その免許法案につきましてもその系統で考えて参つた次第でございます。
#10
○河野正夫君 今の説明についてはどうも納得しかねる点があるのでありますが、これ以上は議論になるから中止いたします。
 次に先程ちよつと伺つたのですが、在來あるところの学科だけでありましたが、試驗檢定の問題は先程伺いますると、今までにあるいろいろの佳良成績を何課目か取つておつても、それは今回を以て打切られるというのであります。現に教員の職にある者で何かそういう試驗を受けておつた者については、或いは現在いるという学校の地位によつて何程かの仮免許状なり貰えるでありましようし、在來すでに数年、五年以上といつたような成績があれば、相当の免許を貰える。講習を受けた結果では貰えてよいのでありまして、独学で未だ職を持たない者、或いは他の教員がいわゆる上級学校の教育免許を受けようと一生懸命勉強しておつて、佳良証明教を取つた課目が相当あるのであります。曾て歯科医或いは一般の医者でも大学を出なければならんとなつた場合、或いは試驗でやつておつたものを中止したような場合には暫定的な取扱いがあつたかと思うのであります。これについても、もう少し親切にそういう苦学力行の人々のために、機会に惠まれなかつた人々のために、何程かの機会を與える必要があるのじやないかと思います。尤も通信教授もあれば大学も相当に開放されておる、そこに学んで單位を取ればよいということになるかも知れませんが、例えば十課目のうち八課目取つてもう二課目という人が、もう一遍やり直せというのは非常に冷酷な処置ではないか、この点が一つであります。もう一点ありますけれども先ずそれだけにして置きます。
#11
○政府委員(稻田清助君) 只今の試驗檢定においても佳良成績表を有する者に対する既得権保護の問題でありますが、新らしい制度におきましては、先程申上げましたように試驗檢定という方法を取らなかつた関係上、この法案制定を予期いたしました昨年及び本年度におきまして、從來の試驗檢定において成績佳良証明書を持つておられる方々に、本年の第八十一回の試驗檢定を成るべきお受けになるようにという勧告をいたしまして、でき得る限り機会を與えて参つた次第でございます。その結果はまだ判明いたしません。或いは落ちた方もあるかも知れませんけれども、そういう趣旨で文部省といたしましては、十分既得権を保護して参りたいと念願して参つた次第であります。
#12
○岩間正男君 もう一点これは非常に細いのでまだ勉強が足りない点もありまして、どこかに規則があるのかも知れませんが、今の檢定の件についてもう一つ伺います。無試驗檢定の制度がありまして、旧制の大学なり高等專門学校なりで当然無試驗檢定を受けるだけの資格を持つている、学科を終了している。併しながら必要がなかつた乃至は旧制中学校にいるために旧制高等の免許状は取つていなかつたというような人々に対しては、つまり旧制の無試驗檢定を受ける資格を持つているが、免許状を持つていないという者のために何らかの救済規定があるのかないのかということを伺いたい。
#13
○政府委員(稻田清助君) 從來のいわゆる無試驗檢定許可学校或いは指定学校を卒業いたしまして、免許状を得られる資格のある方につきましては施行第二條の十五号にその規定がございますし、それから又現に無試驗檢定許可学校或いは指定学校に在学するものにつきましては又本法の附則で救済の規定があります。
#14
○岩間正男君 大体この免許法案を見ますと先程も申述べたのですが、非常に從來のものよりもむしろ煩瑣になつているということがはつきりすると思うのであります。一級、二級の問題は先程も申したのでありますが、更にこれが普通、仮、臨時というふうに分れておつて、そうしますと免許状の種類というものが非常に多くなる。而もそれが融通性がない。そうして非常に專門的なところに追込まれて行くということですね。こういうような免許状を取らせることによつて段々教員を技術化させる、教員の技術家となる方向に持つて行くというような傾向があると言えると思うのであります。この点は日本の一体今までの從來の教育の陷つていたもの、そうしてそれを粛正しようとして新らしい教育の民主化の問題が起つている方向と、果してマツチしているかどうか。これは私の考えでありますけれども、從來の教育の陷つておつたものは非常にセクシヨナリズムであつた。小学校の教員は中学の樣子はあまり知らない。中学校の教員は又大学の樣子は知らない。從つて教育の全般的な系統的なものを把握しているという大きな教育において自分のタツチしております問題を解決して行くということが少かつた。從つて視野がなかつた。又それは社会的の視野とも関連している。こういうことから從來の教育がともすると何といいますか、井の蛙式のものにどんどん追込まれて参つた面があつたと思うのであります。
 そこでどうしても新らしい教育の方向としては、そういうような一つの垣根を取拂つてもつて教育全般に亙つて視野を廣くする。このことは同時に社会的視野を拡大することに連関するのであります。それが絶対必要であると思うのでありますが、この免許状によりまして、もつともつとそういう種類が煩雜になつて、そこに追込まれてしまう。そういうところから技術家として、專門家として幾分いわば熟練の人が要るかと思うのでありますが、大きな視野においては段々縮小されて、つまり日本の要求をしておる教育民主化大分逆行する方面においてこの免許法案が作られておると考えるのでありますが、この点について文部省はどのような見解を持ち、又どのような対策を持つておるか伺いたいのであります。
#15
○政府委員(稻田清助君) 從來より複雜になつたという仰せでございますけれども、例えば初等教育の面におきましては從來とも本科教員、專科教員、初等科教員、初等科准教員、或いは養護教員等、複雜になつておりますのをむしろ本法におきましては、單純化したというふうにも言えると考えられるのでございます。尚本法におきまして普通免許状、仮免許状、臨時免許状といたしました趣旨及び普通免許状を一級、二級に分けましたのは、先般御質問にお答えいたしましたが、一級を標準といたしたわけでございますけれども、差当り現状から見て二級以下の免許状を設けざるを得なかつたというような趣旨であるわけであります。而うしてその民主化の方向についてのお話であつたのでありますけれども、從來は國立の教員養成諸学校を卒業した者を中心といたしまして、その外無試驗檢定許可学校、指定学校の卒業生であるとか、或いは経歴檢定であるとか、試驗檢定であるとか、非常に複雜であつたのでありますが、この免許法に現れておりますところは、一般の大学において一定の年限、一定の單位を取得いたしますれば、その取得したという証明だけで、その資格を得られる。更に又その職務において優良な成績を示しておられますれば、それだけが原因になつて免許状が授與されるというようになりましたので、非常に教員たらんとする者及び教員たる方々の自主性を尊重したというふうに考えられると思うのであります。而も又免許状授與の標準となりまする單位につきましては、一般教養を重視いたしておりまして、只今岩間委員のお話しのように級の拡大、視野の廣潤な教員を得るというような点につきましては、從來よりも余程進んでいると考えられるのであります。而も又只今は各種別の学校間の融通性という点に御議論があつたのでありますけれども、この別表で御覧のように、科目の單位の修得というような点につきましては、これは小学校、中学校、高等学校を通じて有効になつて考えることができるのでありますから、そういう点から見ましても非常に融通性に富んでいる規定だと私共は考えているわけであります。
#16
○岩間正男君 これは複雜になつた單純になつたという議論は、実際これを行なつて見ることから起つて來るものを併せて考えて見なければならんと思うのであります。成る程今説明のような面もないわけではないのでありますが、併し從來の教育行政のあり方を見ると、こういうような一つの枠を決めてしまうと、その枠の中からなかなか身動きができない。そうしてこの融通性というものを本当に図つて、もつと全体の視野の上に立つてやつているということが非常に少なかつたので、同じようにそういうところに陷る危險性があるのじやないかということが一つ考えられるのであります。
#17
○藤田芳雄君 速記が参りましたので、先程のものを今一度後に残すためにお願いしたいと思つております。一級普通免許状の大学における最低修得單位数の中の專門科目の教職に関するものの二十五單位というものは、大学の後期三、四年の間においても十分修得し得られるように講座が定めてあるということだつたと思いますので、その点速記に残して置いて頂きたいと思います。
 それから今度質問でございますが、第五條の一項の六でございますが、「日本國憲法施行の日以後において、日本國憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壞することを主張する政党その他の團体を結成し、又はこれに加入した者」とありますが、これは実際においてどんな者を予想して挙げられたものであるか、その点をお聞きいたしたいと思うのであります。
#18
○岩間正男君 ちよつと実は私のさつき法制長官の出席を求めたことは、今藤田さんの第二点の質問に関連するのです。そうしてこれは我々の審議権をはつきり確かめるという必要上、どうしても法制長官のはつきりした見解を質した上でないとまずいというふうに思われて、実はこの点を明日の会議に保留しようというふうに考えておつたのですが、若し藤田君が了承して頂ければ、今の前提的な問題だけを解決して後に廻して頂けたら幸いじやないかと思いますが、その点はどうでしようか。
#19
○藤田芳雄君 若しそういうことであればその点についてはそのときまで保留いたしましよう。が、それに関しましてこの三月卒業いたしました師範学校の卒業学の中に、政党に加入しておるという故を以て免許状が與えられず、一時赴任を保留させられた者があるのであります。私実はこんなものから誤り傳えられ、妙な解釈の下にそんなことが行われたのじやないかということを連関的に考えもしたので、根本的なものは先程岩間君のお話のように明日法制局長官が來てからお伺いしますが、今具体的のすでにありました事柄について、文部当局においてはどんなふうに考えておられるか一應お聞きいたしたいと思います。
#20
○政府委員(稻田清助君) 只今の御質問の前段の点でありますが、各大学に在学しておる学生が四年のコースの上の方において、こうして教職に関する單位を修得できるかどうかという点でありますが、御承知のごとく、今回の國立学校設置につきましては、各府縣に少くとも一つの教育学部或いは教育部というようなものを設けまして、そうした希望のありまする学生がこうした教職的陶冶をなしますのに不自由のないように用意いたしておるわけであります。仮にその学生が分校にありますというような場合におきましても、十分分校におつて修得する、或いは又分校に教授が行つて選択講座をとるというような方法をとる場合は支障はないものと考えられる次第であります。
 それから第新の御質問の点でありますが、本年地方の師範学校を卒業いたしました者が、お話のような事由によつて免許状を與えられなかつたかどうかというような点につきましては御承知のごとく免許状は今日地方の権限において與えられております。就職は都道府縣教育委員会において行なつておりまして、文部省といたしましては直接監督の権限を持つておりませんので、そうした事情につきましては只今お答え申上げるだけの材料は有していないのであります。
#21
○藤田芳雄君 それならば若しも現在或る政党に加入しておるという免許状を與えないとか或いはそれを保留するということは、文部当局として妥当と思われるのか、或はそれは行過ぎると思われるのか、その点を答えて貰いたいと思います。
#22
○政府委員(稻田清助君) この免許法の五條の問題と関連してでございましようか、如何でございましようか。今の御質問の点をお答え申上げてよろしいのでございましようか。
#23
○藤田芳雄君 関連してもよし、或いは今現実の事実としてそういうことがあつたと仮定した場合に、妥当であるかどうかという、意味に解釈してもいいです。
#24
○政府委員(稻田清助君) 現在の法規におきましては、もとより或る政党に加入したるが故に免許状を授與してはいけないという規定はないのでございます。
#25
○松野喜内君 今ちよつと藤田委員が質問したことに関連して……、第五條は政府委員から聞きましたが、私はこれに関連して御質問したいのは、一体私共立法の任に当る者が嚴格に失してもならんが寛大過ぎてもいかんと思うが、これを通覧するに相当にこれは嚴罰的の嫌いがあるのじやないかという感じがいたします。今例を第五條にとつて見ましたけれども、この第四号に「禁こ以上の刑に処せられた者」には免許状を渡さんとか、第六号におきましても日本國憲法下における「政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の團体を結成し、又はこれに加入した者」とありますが、この立法によつては愼重な態度をとらなくちやならんと思うのは結局教育の方のことを講ずるので、教育なるものは人物をつくるのだ、つまり無形の作業である、精神作業である、いわゆる思想には思想を以てとかいうように、つまり他の方面でそれぞれ制することがよくはないか。私共はここにこういうふうに書いて置いて、教員というものの使命を果させるようなことに教育者を律することがいいかどうかは愼重に考慮を要するので、一体さような制度にするのについても、教師の嚴格主義がいいのか寛大なのがいいのかというと同じように、私は教師に対するこの立法におきましても嚴格的の主義がいいか、重過ぎても勿論いけますまいが、どういう態度をとつたらいいか、これに対する政府当局の全般を通じての御意見を伺いたい。
#26
○政府委員(稻田清助君) 申上げるまでもなく教育基本法におきましては、法律に定める学校の教員は、全体の奉仕者であつて、それがために特に身分が尊重せられなければならない性質のものでありまするので、この免許状と申しますようなその資格に関する規定を制定いたしまする場合は、そういう趣旨から一定の標準を設けて又欠格條項を考えなければならんものと考えておるわけであります。只今お引きになりました五條四号の規定につきましても、外にも例えば裁判所法、檢察廰法或いは弁護士法等におきましても、裁判官、檢察官或いは弁護士等につきましてはこの程度の規定があるわけでございますので、教育職員につきましてもやはり同樣にこうした点に該当する者は欠格條項といたしたわけでございます。
#27
○岩間正男君 先程の藤田委員の質問と連関するのですけれども、文部省は地方の教育委員会がそのような問題についてはタツチするのだからして、文部省としては余り連絡を持たないというような答弁であつたように思うのでございます。併しこれはこの前の文部省の設置法案のときにも、私も質問したのでありますが、文部省は非常に重要な、どうしてもこれは指導すべきであり、それからその問題に当然タツチすることが必要であるというような問題については、案外そういうところは自分の責任じやないと言つて逃げを打つているようなところが見えている。而も今のお話のように余りタツチする必要もないというような問題についてタツチしているというようなことが起つておると思う。これは例を挙げればはつきりすのでありますが、秋田師範の問題でありますが、秋田師範の卒業生でやはり思想云々というような問題は、表面にこれを出し、或いは又裏面的な説明で以て、そういうような生徒が卒業してから就職できないというような條項になつていることを教育委員会で決定することができなくて、そこでこれを文部省に質問した。これに対して、確かに学校教育局長のこれに対する一つの見解が出された。そしてその見解が非常に有力なものとなつて、そういうようなものを楯として事実が進められているというような実情が、我々の東北教育視察團の東北視察の際におきまして明らかにされたのでございます。從つてこういうような今の全然そういうものにはタツチしないのだというような方向を取つておられるのだが、文部省でその必要、不必要を適宜に判断してこれにタツチしているというような実情があるように思うのですが、今秋田の例などを含めてこれに対してどういうような態度を從前取つておられたか、今度どういうふうに考えておられるか、承りたいと思います。
#28
○政府委員(稻田清助君) 本法の関係からお答え申上げますれば、本法の第十九條にそうした点についての規定が設けられておりますので、本法制定後に授與権者がこの法律に違反いたしまして、何か処分といたしました場合におきまする監督の規定は新たに設けられるわけであります。先程お答え申上げましたのは、直接授與権者として文部省が免許状を出しておりませんので、そうして状況につきましては分らないとこう申上げた次第でございます。將來におきましてはそうした違法な処分につきましては、十分監督し得る途を講じております。
#29
○岩間正男君 具体的に秋田のその後の情勢はどうなつておるか、それからそれに対する文部省の見解を承りたい、
#30
○政府委員(左藤義詮君) 学校教育局の関係でございまして、当時これを取扱いまして、現在も爭議中のものが丁度衆議院の方に参つておりますので、この次の機会に詳細御答弁申上げたいと思います。
#31
○堀越儀郎君 先程と関連して欠格條項の問題で、禁こ以上の刑に処せられた者は年数が経てば前科は消えるのですが、その場合にはどうなんでしよう。
#32
○政府委員(稻田清助君) 先般の刑法の改正によりまして、禁こ以上の刑に処せられた者が刑の執行を終りましてから、罰金以上の刑に処せられることなく十年以上を経過いたしましたときに、刑の言渡はその効力を失うという趣旨の規定があるようでありますので、結局それによりまして、如何なる関係におきましても、禁こ以上の刑に処せられたという法律的の効果は十年以降において、発生しないというふうに解釈いたす次第でございます。
 尚又附加えて申しますが、昭和二十年に勅令が出まして、政治犯人等の資格回復に関する件と申しましたか、終戰前に各種の思想取締を目的とする治安維持法その他の違反によりまして、禁こ以上の刑に処せられた人々につきましては、資格に関してその後不利益を受けないという趣旨が規定になつているわけでございます。
#33
○若木勝藏君 議事進行につきまして……、政府委員の方でもお二人ばかり答弁の関係の方がお見えにならない点もありますし、そういう問題は大体明日に残しまして、相当時間を過ぎておりますから、今日はこの辺で……。
#34
○委員長(田中耕太郎君) 若木君の御動議に御異議ございませんか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(田中耕太郎君) それでは一般質問並びに逐條の質問は明日に延ばしますことにいたします。
 尚ちよつとここで先程岩間委員の御質問に対するお答えがあります。
#36
○説明員(玖村敏雄君) 先程岩間委員からの御質問がありましたのですが、三十二万八千の檢定合格者ということを申上げましたが、その後本省と連絡を取つて見ましたところが、いわゆる試驗檢定、下から上つて行く檢定に合格した者はそのうち約二万五千人であります。
#37
○岩間正男君 これは今までの登録全部ですか。
#38
○説明員(玖村敏雄君) そうです。二万五千、全体の約八%……。
#39
○岩間正男君 現在二万五千あるという意味ですか。
#40
○説明員(玖村敏雄君) 今まで我々の方で免許状を発行したのが二万五千でございます。
#41
○岩間正男君 現状は分りませんか。どのくらいいるか……。
#42
○説明員(玖村敏雄君) 勤めておる人でございますか。
#43
○岩間正男君 そうです。
#44
○説明員(玖村敏雄君) それはちよつと分りかねます。
#45
○岩間正男君 分りましたら是非……。
#46
○委員長(田中耕太郎君) それでは今日はこの程度で散会いたします。
   午後五時二十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     田中耕太郎君
   理事
           若木 勝藏君
           松野 喜内君
           木内キヤウ君
           岩間 正男君
   委員
           梅津 錦一君
           河野 正夫君
           梅原 眞隆君
           堀越 儀郎君
           三島 通陽君
           山本 勇造君
           藤田 芳雄君
  政府委員
   文部政務次官  左藤 義詮君
   文部事務官
   (教科書局長) 稻田 清助君
  説明員
   文部事務官
   (師範教育課
   長)      玖村 敏雄君
ソース: 国立国会図書館
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