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#1
第061回国会 地方行政委員会消防に関する小委員会 第2号
昭和四十四年九月十一日(木曜日)
    午前十時十八分開議
 出席小委員
   小委員長 古屋  亨君
      大石 八治君    塩川正十郎君
      太田 一夫君    山本弥之助君
      門司  亮君    小濱 新次君
 小委員外の出席者
        消防庁長官   松島 五郎君
        消防庁次長   山本  弘君
        専  門  員 川合  武君
    ―――――――――――――
九月十一日
 小委員細谷治嘉君同日小委員辞任につき、その
 補欠として太田一夫君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 消防に関する件
     ――――◇―――――
#2
○古屋小委員長 これより地方行政委員会消防に関する小委員会を開会いたします。
 消防に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。太田一夫君。
#3
○太田小委員 消防に関してお尋ねするわけですが、最初に、新しい長官が御着任になりまして以来、施策も積極的なものをお持ちであるように伺っておるのでありますが、ぜひひとつ日本に消防庁ありという、そういう名誉を高めていただきたいことを、特に松島長官に御期待をいたしております。
 それで、最初にお尋ねいたしたいことは、足元のことです。この東京都は災害には非常にもろい点をたくさん持っておるのでありますが、特に江東地区の地盤が低い、ゼロメートル地帯といわれているところでありますが、この江東地区ゼロメートル地帯は、水難に非常に心配がある。震災の場合の火事の心配がある。心配だらけのところでございますが、江東に八十八の橋があるのですね。八十八の橋があるが、関東大震災のごとき震災に直面したときに、その橋というものはどれくらいがだいじょうぶであるのか。絶対この橋は落ちない、だいじょうぶだという橋が、いまパーセントにしてどれくらいのものでございますか、これがわかっていたらお答えをいただきたいと思います。
#4
○松島説明員 前回、東京都で防災対策協議会でございましたですか、正確な名前はちょっと忘れましたが、そこで調査した公共施設の状況についての報告が出ておったのを覚えております。いま御指摘のありました八十八橋のうち何橋かという具体的な数字は、ただいま資料を持ち合わせておりませんので、詳細申し上げかねます。
#5
○太田小委員 寡聞にして、私の考え方が正しいというわけじゃありませんが、仄聞するところによると、二十くらいしかだいじょうぶだという橋はないという話なんです。そうすると、まずこれはほとんどの橋が、七割の橋は絶対に通れなくなると見なければなりません。そうすると、そこで避難路の問題が出る。東京都においては避難路を設定をし、その避難路に都民を誘導して、とにかく最小限度生命の安全は維持しようという計画のようでありますが、私ども考えて、非常にそれが空中楼閣のごとき感じがしてならないのであります。つい二、三日前にも、岐阜県美濃の白鳥付近に震度七とかかなり大きな震災がありまして、ほとんどその辺は道路に大きな亀裂が入ったり、あるいはまた山くずれ等が起きたり、鉄道線路の地盤がそっくり陥没して穴になってしまったり、非常な被害があったわけです。そういう山の中であったからさほどのことは言われておりませんけれども、これが関東中心に襲った場合には、たいへんな災害をもたらしただろうと思うのです。
 それで、関東大震災に備える対策というのは、東京消防庁にまかせ切りなのであるのか、あるいは東京の消防庁のほうとしては何らかの具体的な要求を政府に出しておるのであるか、それに対する自治省の消防庁の考え方はどういう考え方であるのか、ちょっとわかる点だけでもようございますからお答えいただきたい。
#6
○松島説明員 震災による被害の問題は、御指摘のとおりたいへん心配のあるところでございます。関東地方には、学者によれば、六十九年周期説というようなものもございまして、わが国で確かめ得る資料をずっとさかのぼって調べてまいりますと、ほぼ六十九年に一回程度大きな地震が起こっている。もちろん、これは経験から出た議論でございますから、必ずそうなるかどうかということは保証しがたい面もございますけれども、歴史的に見れば、そういうふうになっているといわれているわけです。そこで、かりに関東大震災を基準といたしまして六十九年に一回の地震がある。もちろん、六十九年と申しましても、必ず六十九年目にあるというわけじゃございません。その前後にはやはり十年ぐらいの幅があるわけでございます。したがいまして、関東震災を基準にして考えますと、いまから約十年後ぐらいからは危険な時期に入るというようなことがいわれている。そこで、消防庁といたしましても、この問題を単に東京都だけにまかしているというわけではなくて、また、問題は単に東京都だけの問題でもございません。関東震災級の地震ということになりますと、神奈川県、千葉県、埼玉県というようなところにも影響がございますので、消防審議会に地震対策について諮問をいたしている段階でございます。消防審議会では、ただいまのところ、まず関東震災級の地震がきたならばどの程度の被害が起こるであろうかという、いわゆる被害想定というものを目下検討をいたしている段階でございます。作業もかなり進んでまいりましたけれども、なかなかむずかしい問題がいろいろございまして、おくれおくれになってきておりますが、まず被害がどの程度あるかということを一応予想いたしまして、そういった被害に対してどういう対策を講じていくべきか、こういう段階に入るわけでございますが、その前段階として、被害の想定をするという作業を目下いたしているということでございます。
#7
○太田小委員 関東大震災のごとき大天災がありました際の防災ということは、たいへんなことだと私も思うのです。したがって、それに対してかまえがあるかということをお尋ねしておるわけであって、逐年消防に関する各種予算の審議並びに行政上の国政調査等の審議の際においても、私どもはその点を逐年お尋ねをいたしておるわけです。避難路一つが完成をしない。避難路を完成するためには、市街地の改造をやらなければならない。河川の両岸に数階建ての鉄筋コンクリートの住宅を建てて、これを防火壁とする避難路というのが一番理想だと当初設定をされております。これも思うとおりに進行しておらない。それのみか、ガソリンスタンドの増設ないしはプロパンガスの普及、それから同時に、自動車の普及によるところの各地における移動燃料倉庫というものが、これは自動車のことですけれども、非常に顕著になっております。ということを考えると、関東大震災のごとき震災の際に、東京都の火事というものは、これはちょっと考えられないほど大規模、凄惨なものになるのじゃなかろうかと思うのです。
 そこで、あなたのほうは、東京都からいろいろな消防庁の具体的な計画に基づいて予算の要求等あったときには、これに対して何をおいても対策を講じなければいけない。基準財政需要額がこうなっておるとか、現行の補助率が何分の一であるということで、君のところには消防ポンプを何台回すとか、あるいははしご車をどうするとかいうこともさることながら、必要だと言われたものは、これはもう徹底的にその財源を認めていかなければいけないと思うのです。これは起債の自由化だ。消防財源であったならばその起債は自由化していいじゃありませんか。その点はいかがですか。これは財政にも関連があると思いますが、消防庁長官の決意のほうが大事だと思いますから、長官からお答えをひとつ。
#8
○松島説明員 起債の自由化というお話がございましたが、起債の問題は、消防だけの面から考えられない面もございまして、やはり財政全般の運営の問題の一環として考えていかなければならない点がございますので、消防の分だけ取り出して起債の自由化ということについては、私直ちにそういう方向で進めるということを申し上げることはできませんが、ただ問題は、起債のワクを拡大をして、結果的には御指摘のような目的が達せられるならばいいわけでございますので、そういった方面では大いに努力をしてまいりたいと考えております。
#9
○太田小委員 起債のワクを広げるということについて、広げるというのはどの程度のことか、程度があります。ちょっと広げても広げたことには違いありませんけれども、広げるという問題が、私は、かまえというのが自由化にひとしい内容を持つならいいと思うのです。じゃ、この間片山津で火事があったときに、あれは道が狭く、両方に高層住宅があり、人が密集しておりましたから、ちょうど東京の江東区とか大都会と同じような条件があった。あの際に何が一番いけなかったのですか。消防のかまえとして消防の面から見たら、あなたのほうから見たら、一番の欠陥は何であったのですか。
#10
○松島説明員 片山津の火災の問題につきましては、いろいろな面からの検討、指摘ができると思いますが、一つは、消防水利が非常に悪かったという問題があるようでございます。御承知のとおり、あそこでは大きな湖に面しているわけでございますから、本来水利が悪いということはあり得ないわけでございますけれども、実際には湖面に面して大きな建物が櫛比しておりまして、市内へ湖水の水が十分引けるような施設ができていなかった。そのために、消防水利が非常に悪くて、消火上支障があったというふうに考えます。また第二点は、やはり市街地が密集しておりまして、道路が狭くて、消防活動が十分にできない面があったというようなことが指摘されております。
 こういった面を考えてみますと、結局、消防ということも、消防自動車あるいは消防用の機材というものの整備ももとより必要ではございますけれども、同時に、町全体を防災的な見地、消防的な見地からつくっていくことが必要であるということを痛感させられた次第でございます。
#11
○太田小委員 町を消防的な見地からつくり直すという都市改造というのがもし簡単にできるなら、これは私どもおまかせしていいと思うのです。それができない。交通安全自身だけでも何ともならないときに、ましてや、消防的な見地から防災街区というものができるか。これはできっこない。百年河清を待つ議論じゃありませんか。そこで、今後の町づくりの中にはそれを生かしていくのであるけれども、当面何かが必要だ。いまの片山津のごとき場合は、これはそばに湖があるんだから、水があった。水があったが、その水が使えなかったというのは何だ。これは即消防車がそこまで行けなかったということである。それからもう一つは、自動車がたくさんあったとかなんとかいろいろいっておりますけれども、一番の問題は、基礎的なはしご車がなかった。あれは加賀市ですか、加賀市の片山津出張所にはしご車なんというのは全然ありません。それだけ高い建物があって、もし上のほうで火事が起きれば、はしご車が要ることはわかっておるじゃありませんか。そのはしご車の常備がなかったというのは、だれの責任です。だれかその責任をとった人があるのですか。おそらく、はしご車を買おうとしてもその財源の裏づけがないから、はしご車が買えなかったのじゃありませんか。はしご車のほしいところには全部金のめんどうを見るから買えと一言言えないのですか。
#12
○松島説明員 はしご車と消防施設の近代化につきましては、御承知のとおりに、数年前から消防施設近代化補助金の交付をいたしておりまして、関係地方団体でそういった消防の近代化のための施設の整備をするように、私どもとしても積極的な財政援助と指導をいたしておるわけでございますが、しかし、それぞれの市町村の事情もございまして、十分に進んでいないという面もございますことは御指摘のとおりでございます。私どもも、来年度はこういったものについてはさらに強力な推進措置を講じてまいりたい、かように考えております。
#13
○太田小委員 来年度何か考えるということは、いま私の質問は、はしご車がない、そういう高層住宅のある観光地、温泉地等の消防署がはしご車を買いたいと言ったときには、その財源について何ら制約を加えないで実現をさせるという決意でありますかどうですか。この点をはっきり言ってください。
#14
○松島説明員 補助金の額も、御承知のとおり予算できまるわけでございますから、もちろん補助金の額をきめます場合には、地方であり得る財政需要と申しますか、要望と申しますかを基礎にして積算をいたしますので、需要の分につきましては、起債措置等を講じまして、希望のありますところには整備ができますように進めてまいりたいと考えております。
#15
○太田小委員 だから、整備ができますようにあなたが努力してくださるということなら、私もそれを信頼しましょう。しかし、温泉地というものの消防体制の現況を克明にお調べになればわかることです。私どもがいまさらあなたたちに逆に申し上げることはない。ポンプ車が一台と人の力によるところのポンプ一台なんというような貧弱な温泉地が山ほどあるじゃありませんか。そういうことを考えたら、この際、もう少し地方のそういう観光地、温泉地等の消防体制の充実をはかることは、まず第一に、幾多の火災があったことでありますから、やらなければならない。あなたのほうが指示されるようなことでいいじゃありませんか。これを強化する、完備する、そういう思想でおやりになると、これはそれで信頼できましょう。私は地方の温泉地に安心しなさいと言います。たとえば下呂温泉あたり、もう安心しなさいよ、あなたのところは、今度松島長官になってから消防車の増備については非常な理解もあるし、積極的にやって安心させるとおっしゃったから、安心しなさい、どんどん行きなさいと言いますが、その観点から東京都を見るというと、いまの東京のひざ元のことはお手あげの状態に近い。目の前にあるところが避難道路一つできていない。避難道路をつくるとおっしゃったけれども、避難道路ができない。八十八の橋の中で、二十しかせいぜい通れる橋がないといわれるような状態の中で、どうして生命の安全がはかられますか。私は、生命のほかに財産もあるかと思いますが、財産の安全なんて二の次にしてお尋ねしておりますよ。財産をほうっておいて、着のみ着のまま逃げて命を全うすることができるという最低の保障だけはやらなければならぬでしょう。その最低の保障があるのですか。ないでしょう。いまゼロメートル地帯、現状ではありませんね。
#16
○松島説明員 御指摘の東京都の問題で、かりに地震があったならばどうなるかということになりますと、現状では、一人の死傷者もなく安全がはかれるということを申し上げることは不可能でございます。ただ、御指摘のありました橋の問題にいたしましても、避難道路の問題にいたしましても、最低限度避難をするという点にしぼりましても、これは消防ももちろん重要な関係はございますけれども、単に消防だけの見地からでは問題が解決しないわけでございまして、橋の問題、道路の問題あるいは都市改造の問題ということになれば、広く町づくりの問題に関連をしてまいります。そういう意味では、やはり地震対策というようなものは総合的な見地から進めていかなければならないというふうに考えております。
#17
○太田小委員 だから、総合的な見地から進めるのだから、その総合的な見地から進められるように、あなたのほうは消防庁として予算上の措置というものは至れり尽くせりでなくちゃならぬでしょうと言っておるわけです。橋が落ちるということは建設省のことだわね。建設省がへんちくりんな橋をつくっておいた。だからばたばたと落ちてしまいました。八十八の橋の中で一割か二割しか残らなくて、七割も八割も橋はみな落ちて流れてしまいました。向こう側へ行くわけにまいりません。そういうときには、橋が落ちるかもしれないから、消防庁が、おれのほうが仮設の橋を用意しておるとはいえない。それはいえない。そんなことをやっておったらそれはたいへんであって、一切のことを消防庁が責任を持つということですから、それはできない。けれども、一応あなたのほうの責任義務の中にある施設だけは完備しておいてもらわなければならない。対策だけは講じておいてもらわなければなりません。そのためには、まず避難道路というものが整備されておるかどうか、これはおそらく東京消防庁はまだ計画の段階で、実施の段階じゃないと言われるでしょう。しかし、東京都のほうから消防上の諸施設に対しての要望はたくさん出ておると思う。私は何も書類を見たわけじゃありませんから、具体的内容は知りませんが、出ておる。それに対してあなたのほうは、心配するな、早く急げよ、早くやって都民を安心させなさいというぐらいの気がまえをお示しになる必要がある。
 それで、ちょっと聞きますが、もう一つ、東京江東区というのはゼロメートル地帯といわれておりますが、防潮堤が逐年沈んでおることは御存じでしょうね。防潮堤が逐年沈んでおる、大幅な沈下をしておるということは御承知でしょうね。
#18
○松島説明員 防潮堤も沈下をしておるようでございますし、河川堤防も地盤沈下に伴いまして沈下している部面もあり、それにさらにあとから継ぎ足した部分もございますが、何と申しますか、最初から一貫してやった工事でないために、もとあった部分とあとからかさ上げした部分との間に弱い部分が生ずるというような問題もあるように聞いております。
#19
○太田小委員 その一メートルから二メートルに近い沈下をもう二、三年でしてしまうだろう、こういうふうにいわれておるわけです。一メートル以上も沈下するということは、それはいろいろの堤防も沈下するであろう、それから道も沈下するであろうというけれども、防潮堤はちょっと意味が違うでしょう。道は沈下したり堤防が沈下しても、防潮堤そのものが沈下をしなかったときは、これはまだ救いようがあるじゃありませんか。防潮堤そのものが完全に沈下してしまって、これが役に立たなかったときには、南は羽田から北側は江戸川付近に至るまで、これはもう全部海岸は相当深部に至るまで高潮、海の水の進攻におびえなければならないでしょう。そうじゃないですか。
#20
○松島説明員 防潮堤が沈下いたしますと、ゼロメートル地帯あるいはそれよりもマイナスになっているようなところは、水が入ってくるということは十分考えられることでございます。
#21
○太田小委員 それでは一つの別な角度になりますが、そういうときの水難から人命、財産を守るというのはだれの任務になるのですか。
#22
○松島説明員 水難から人命を守るという問題でございますけれども、その前に水難が起きないようにするという意味で人命を守るということでございますと、これはやはり防潮堤のかさ上げとか改修工事とかいうことになるわけでございまして、それはそれなりの担当のところがあると思います。一たん防潮堤から水が入ってきた。で被害が出たということになりますと、これは水防団なりあるいは消防機関が水難の救助に当たるということになろうかと思います。
#23
○太田小委員 消防組織法の第一条によりますと、「水火災又は地震等の災害を防除し、」ということがありますが、防除ということになると、災難の起きる前の予防的なものがあるでしょう。予防措置。やはり消防組織法の中にある以上は、あなたのほうの任務にそれはありませんか。水難が生じてから事後の救難救助でなくして、事前の防除ということがあるでしょう。
#24
○松島説明員 防除ということばも、広い意味を持っておるのではないかと考えられます。あらかじめ起こるであろう水害を防ぐために、堤防のかさ上げをするとか改修工事をするというような問題になりますと、これは河川の堤防工事を担当しているところの問題だと思いますけれども、いままさに水が出て切れんとするときに、そのために、じゃかごを入れる、あるいは土俵を積むというような応急的な防除工事になりますと、それはやはり水防団なり消防機関が当たるということになる。そういう意味では、防除ということも消防の仕事だというふうに考えております。
#25
○太田小委員 だから、水難防除も消防の任務だ、そういうことになれば、ゼロメートル地帯の防潮堤の大幅沈下に対してあなたのほうが黙っていることはない、何らか言わなければいかぬです。そのことは、それではおれのほうでつくるということではないですよ、その結果から出る具体的な行動というのが。防潮堤はおれのほうでつくる、これは消防署築造による防潮堤でございます、その向こう側にありますのが建設省のつくりましたおんぼろ防潮堤でございます、というわけにはいかぬ。そうでしょう。だったら、あなたのほうは何か建設省に対して言わなければいけないでしょう。ことし何か言ってらっしゃいますか。
#26
○松島説明員 もちろん、私どもも、そういうことにつきましては、機会のあるごとに建設省とも話をしておりますけれども、ただ、この問題は、それぞれの役所が責任を持ってそれぞれの仕事をしていくべきものでありまして、消防庁が言ったから建設省が防潮堤のかさ上げをする必要を認めた、認めないという問題ではなくて、防潮堤そのものの効果といいますか、効力といいますかがあるかどうかということは、その責任を持っておる建設省が、人に言われなくても適切な判断、認識をもって対処していくことではないか、こういうふうに思います。
#27
○太田小委員 理想的なお話であって、松島さんのまじめな点からいって、別に私はそれが間違っておるということを言うわけではない。しかし、人命の危険というものが目の前にあって、江東地区のみではなくして、羽田付近から始まって太平洋、東京湾沿岸がすべて高潮等におびえておるときに、その地盤沈下というものは単なる全体的な地盤沈下ということでなしに、防潮堤そのものが沈下が一メートル以上に達するというようなことが目の前にあらわれておるならば、これは建設省の領分をわれわれが言っちゃいかぬということでなくて、おっしゃるべきであると思う。これは向こうに文句をいっていくということではありませんよ。だから、われわれとしてはこうこうこういう対策を人命救助のためには考えなければならないけれども、ひとつ何とかならぬものでしょうかということがあっていいじゃないか。
 そこで聞きますが、いまの避難道路という問題は、これは早急に実現してもらわなければいけない。ほとんどの人が避難道路を知らないでしょう。半数以上が避難道路というものをその地区におって知らないのです。どうしてそんな無責任なことになっておるのでしょうね。
#28
○松島説明員 東京都だけに限って申しますと、東京都は、避難、地震対策につきましては、かなりいろいろな形でPRもいたしておりますし、また先般、避難地区及び避難路に関する東京都防災会議の答申でございますか、それを受けてPRをいたしているところでございます。ただ、何ぶんにもこういった問題は繰り返し繰り返し住民の大方にお知らせをしていきませんと、地震といっても、まあいつか来るのだろうというようなお互い気持ちでおりますならば、そういったことをPRされましても現実感がわかないというような問題がございまして、御指摘のとおり徹底していない面も多いと思いますが、この点につきましては、私どもも東京都にさらに徹底をさせるように指導をいたしてまいりたいと思います。
#29
○太田小委員 ぜひ、避難道路については、とにかくルートそのものを設定をして、そのルートが条件的に整備されることを一日も早く措置してください。それをお願いします。
 それから、これは全国的な話を尋ねますが、消火せんと防火水槽のいわば充足率という問題がありますね。長年、この問題については、六割か七割くらいしか充足されておらない。昭和四十三年度の初頭において私がお尋ねしたときには、消火せんは基準数六十一万二千八百八十三個に対して、その当時ありました現有数五十一万八千六百八十八、その不足数九万四千百九十五せん不足しておる。それから防火水槽に至りましては、基準数の三十九万五千六百六十三に対して現有数十二万五千三百七十、その不足二十七万土百九十三槽と相なっておるのであります。二十七万も不足しておる。いわば七割不足しておるわけですね。所要の基準数の三割か三割五分くらいしか実際に設置されないで、六割から七割の不足があるということは、私は重大な問題だと思う。消火せんというのは、平時においては実に優秀である。有力であるが――これはけっこうでしょう、つくることは大いにやってください。しかし、大震火災ということになったときには、これは防火水槽ですよ。東京でも水槽の必要がある。私はこれを四十二年からずっと言っておるのですが、一番ガンは消防庁ではない。前の佐久間長官は防火水槽の必要性を肯定されまして、東京都においても特にゼロメーター地帯等におきまして、特にこれは肯定されたんですが、一番これの障害となったのは大蔵省の態度なんです。これはたしか三分の一の助成でございましたね。水槽の助成は地方でやりなさい、中央の補助の対象にしないということを秋吉主計官あたりがしばしばおっしゃって、そこでこの問題がショートしておった。私は、二十七万以上の消火水槽の不足ということに対して非常に遺憾だと思います。とにかく原始的なものが最後になると一番強いんだ。もし大きな震災が来たならば、まず火元というものに気をつけろ、これはマッチ一本気をつけろということで、しごく簡単な原理でしょう。同時に、燃えたときには何だというと、身近にある水をかぶせるということだ。初期のうちに身近にある水をかぶせて火事にさせないということになれば火事は出ませんよ。そのためには何だといったら、消防庁の、一一九番ですか、こちらの消防署の番号は知りませんが、緊急電話によって消防の出動を促すのでなくて、身近な水で、みずから火元の者が、隣近所の者が消すことじゃありませんか。そのためには水槽が必要だ。水槽というものは、何も表面に見えていなくたっていいんです。地下にある程度埋めておいて、安全をはかってけっこうじゃないですか。そういう防火水槽というのが東京都内においても実に効用を発揮する。もう水道の水は出ない、どこの水も出ない。そんなときにはつばをかけるわけにいかない。なぜ水槽をたくさんつくらないのか。ことしはこの防火水槽の設置についてはいかなるお考えで予算要求をなさるつもりであるか。
#30
○松島説明員 防火水槽の必要でありますことは御指摘のとおりでございます。特に、水利にはいろいろございますけれども、河川水利等を利用します場合には、季節によって十分な水量が得られないという問題がある。あるいは消火せんを使いましても、時間によっては水圧が下がるというような問題もございますし、そういう意味から申しますと、特に地震のように水道管等が部分的に破壊されるというような事態が起こりました場合にも使えるのは防火水槽でございますから、防火水槽の整備ということは非常に大事だということは、私も十分考えておるところでございます。予算の面から申しますと、いわゆる少額補助金というような形で毎年減ってきておりますけれども、私は、ぜひこれは来年度できるだけ多く補助金を得るようにいたしたいというふうに考えておりますが、同時に、市町村で計画的に防火水槽の配置整備をするという計画をつくってもらいまして、幾つかまとめてつくるような方向で持っていきますならば、これは起債の対象にもできる金額にもなると思いますので、そういった方向でも推進をしてまいりたいというふうに考えております。
#31
○太田小委員 市町村がやることはいいですよ。それは市町村だって、どうせ自分のところの生命、身体、財産を守るためには、防火水槽であろうが消火せんであろうがやらなければなりません。これは全力をあげてやりましょうよ。しかし、これの拡充整備をはかるというために、あなたのほうは少なくとも財政的な援助をしなければなりません。いま防火水槽は三分の一の補助でしょう。三分の一の補助だが、昨年たしか八百カ所じゃありませんでしたか。そんなわずかのものしか予算上計上しなくて、一年に八百や九百つくって、二十五万も六万もの不足をいつになったら充足するのですか。百年河清を待つというが、百年でできないでしょう。一年に八百として、十年で八千、百年たって八万じゃありませんか。二十六万も七万も不足するときに、八百とはどういうわけですか。
#32
○松島説明員 御指摘のとおり、補助金としては数も非常に少ないわけでございますが、先ほども申し上げましたように、少額補助金だということで、なかなかっけにくい問題もございます。そこで、私先ほど申し上げましたように、何個か計画を立てて、一年に何個かまとめてつくっていくというようなことも市町村にやっていただきまして、それに対して起債等も充当するというようなことで推進をはかっていきたいと考えております。
#33
○太田小委員 だから、起債の充実をはかって所要の希望にこたえる、こういうことであるなら、私も理解してあなたのお手並みをひとつ拝見しましょう。われわれは協力します。私はあなたを責めておるわけではない。あなたは初めて着任されて、この前の委員会においては、りっぱな、何かしごく前進的なごあいさつをなさったそうだが、私はその所信表明を聞かぬでしまった。議事録でも読んでくればよかったが、それもちょっと見のがしております。はなはだ失礼ですけれども、そこで、元に戻ってゼロから発したような質問で申しわけありませんが、あなたの所信を質問の形でお尋ねしておるわけです。
 八百ばかりの形だけの防火水槽の設置を認めるという大蔵省の予算の査定のしかたというのは、全くわれわれとしては納得できない。だから、あなたのほうは防火水槽の重要性はもっとやってもらわなければならない。そこで、大蔵省と同じに、消防庁が、地方でつくれ、地方でつくれ、少額補助金の切り捨てでございますなどと言っておったら、東京都は灰じんに帰することは火を見るよりも明らかだ。東京都の一千百万は灰じんに帰すとも悔いなしというならいいですよ、成り行きまかせなら。そうじゃないでしょう。消防というものの本来の崇高な精神に根ざして、新たなる松島長官を先頭とする消防庁の消防行政というものは、もうちょっと新しい時代の大きな災害に備える確固たるものがなくちゃならぬと私は思う。そこでそういうことを言っておる。
 同時に、きめのこまかい話だが、はしご車というのは、都会だけに配置するものだというような観念でなくして、片山津温泉のごとき地方の小都市、小町村等に散在する高層建築物を持つ温泉地等にも必ず設置を義務づけなさいよ。こういうものは政令で義務づけられてもいいでしょう。あなたたちのほうは大事なところは義務づけないからだめ。そういう点についてあなたたちがひとつ思い切った措置をされることを望むのであります。本年度の予算要求に対するところのお考えは、そういう点においては積極的であろうと思いますけれども、観光地等におけるところのはしご車の設置、それから大都会におけるところの防火水槽の設置、これはしごくあたりまえの最小限度の措置でございますから、これだけはひとつやってもらいたい。何かこれに対してあなたのほうが御意見がありましたら承っておきたい。
#34
○松島説明員 御指摘の点、まことにごもっともで、私から特に先生のお考えに反対を申し上げるような意見というものはございません。ただ、大都会の防火水槽ということになりますと、土地の問題その他で、かりに金があってもなかなかできにくいという問題もございますので、この点につきましては、それぞれの団体において住民の方々に必要性を十分認識さしていただいて、御協力を得るというような体制もあわせて指導してまいりたいと思います。
#35
○太田小委員 最後に要望しておきますけれども、長官どうですか。特に東京都のゼロメートル地帯、江東地区を中心とする防災体制の将来の計画、これは東京に所在する東京の消防の関係の方とも御相談の上ですが、こういう方向によってすみやかに災害に対して被害を最小限度に食いとめるというかまえを確立いたしますという何か基本計画ができておりましたら御提出をいただきたいし、また要綱でもありましたら、御相談の上、それを御提出いただくかなんかして、ひとつ具体化につながる基本的な問題について、ありましたら資料としてお出しいただくことはよろしゅうございますか。
#36
○松島説明員 できておるものがあります限り提出をさせていただきますが、先ほども申し上げましたように、関東震災級の地震が起こったらどういう対策を講ずべきかという点につきましては、ただいま消防審議会でいろいろ御検討いただいている段階でもございますので、まだ最終的なまとまりは持っておりませんけれども、東京都等でいろいろ計画しておりますことで御参考に供することができるものがございますならば、それは提出させていただきます。
#37
○太田小委員 長官、当該第一責任者は東京都知事でございましょうけれども、自治省としても、消防庁としても、これに対して積極的に防災、消防の立場から何か御指導あってしかるべきだと思いますね、積極的に何とか早期に対策を確立するということについては。防災会議の意思に基づき、あるいは既存の諸法律に基づいてあなたのほうがおやりになることについては異存はないのでしょうね。それは積極的に取り組んでいただけるでしょうね。
#38
○松島説明員 地震対策となりますと、事柄の範囲は非常に広範にわたるわけでございますけれども、どこかでこれを取り上げて推進をしていきませんと、どこの仕事だ、どこの仕事だと言っていたのでは片づきませんので、先ほども申し上げましたように、当庁が中心になって、消防審議会にもいろいろ御意見を伺っているところでございまして、私どもはこういう考え方で、引き続きこの対策の推進に当たってまいりたいと思っております。
#39
○古屋小委員長 門司君。
#40
○門司小委員 ごく簡単に聞いておきたいと思います。
 例の震災の問題だが、震災はだんだん遠くなって、関東大震災の経験のある人は、ちょうどあれから四十六年目だから、四十六の人が生まれた年なんで、実際は非常に経験者が少ない。そして、その当時衝に当たった人というのはごくわずかです。たとえば警察の当局におったとか、市役所の当局におったというのはきわめてわずかです。だから、実際はほとんど文献でしか当時の実態がわからない。関東大震災というけれども、あのときにほんとうに東京都の責任者であったのはだれか私は知らないが、神奈川県の警察の当時の責任者はもう七十幾つになるおじいさんだが、まだ生きている。その人たちの経験をいろいろ通じて対策を立てないと、ただ想像だけの対策では、実際想像のつかぬことが起こるのだから、地震というのはそういうものなんだから……。
 ここでごく簡単に聞いておきたいと思うことは、直接消防に関係のないことかもしれないが、問題はいまもまだ継続中だが、新潟地震の原因がまだわからない。あれを一般火災とするか、震災による火災だということか。したがって、保険金を払うか払わぬか、それが裁判できまらなければ、結局あの新潟の大きな地震によって起こった火災についても、金が払えないというのが実情だと思う。
 そこで、問題になるのは、一般市民の震災によるそういう問題について、これはあなたのほうの直接の関係でないかもしれない、大蔵省の銀行局の関係になるが、この場合、ちょっとあなたのほうの考え方だけ聞いておきたいと思うが、火災原因を震災による火災原因と、それから普通の火災原因と、識別する機関を消防庁は一体持っているか。非常に大きな問題ですよ。まだ新潟はきまりがつかぬで困っている。地震で石油の倉庫がこわれて、そこから火事になったのだから、普通の火災じゃないんだということで保険金は払わない、こういう態度をとっております。あなたのほうはそういうものに当然関係しているが、原因はどっちにあると言う責任はあなたのほうにある。鑑別の責任はある程度消防庁にあると思う。そういうことを幾らか検討していますか。
#41
○松島説明員 消防庁といたしましては、火災原因の調査ということは、消防機関がそれぞれやっておりますけれども、いわばそれは直接的原因と申しますかの調査でございまして、いま御指摘のありましたような、たとえば石油ストーブが倒れた、だから火事が起きたんだというそこの調査はいたしますけれども、その石油ストーブが倒れた原因はさらにどこにあったかということになりまして、その責任はどこにあるんだという問題になりますと、これはちょっと消防庁としても、一般の消防機関で調査をするということはしていないのではないかというふうに考えております。
#42
○門司小委員 いま私新潟の例を言いましたが、御承知のように、昭和四十一年に地震保険というのができている。そしてその保険の内容というのは、対象は結局建物ということになっております。だから家屋も含んでいる。これは実際は総額で五百万円を限度として保険をつけておる。そして全焼にだけこの保険契約の三分の一を支払うというような定款なんです。全焼だけですよ。半焼や少しぐらい焦げたのは払わぬという。しかも、それは地震によるものということが断定されるかどうかということは非常にむずかしいのです。この前の大正十二年の震災のときにたくさんの火事が起こったが、この火事は一般の火災原因だ、この火事は震災による火災原因だということが、同時に起こった場合には、なかなか調査はむずかしい。そうすると、保険金の支払いというのが非常にむずかしい問題になって、大蔵省の銀行局でもまだ新潟の問題なんか弱っている、裁判に持っていって裁判がどう判決が出るかということで。そういうものに対して消防庁はある程度これを識別し、鑑別するものがないと私は困るのじゃないかと思うけれども、いまのような答弁で一体よろしいのかな。
#43
○松島説明員 たいへんむずかしい問題でございまして、火事が出た直接の原因は、石油ストーブなら石油ストーブが倒れたということに基づくものである、そこまでは事実の問題でございますから結論づけることができると思いますけれども、その原因が地震のときに自分であわてて逃げるためにひっくり返したのか、あるいは地震そのものによってひっくり返ったのかということになりますと、これはどうも私どもとしてはどっちに責任があるということを認定するということはちょっとむずかしいと思います。
#44
○門司小委員 認定せよと言うんじゃないですよ。そういうことについて直接焼けた人、罹災者について関係がある。あなたのほうで、ある程度調査する機関で調査をするということが――こういう問題を解決するのに何でもかんでも裁判所に持っていかなければわからないんだといったところで、裁判所はどこに聞くかということだ。さっき言ったように、大正十二年の震災のときは、ちょうどいまごろの季節だったけれども、当時はいわゆる火災原因になる燃料の多かったとき、こんろであるとか火ばちであるとかまきで火を燃やしているのが、いまは大体ガス燃料が多いので、ガスの元がとまるとか、あるいはい一ぺんにどこかが切れれば、一般の家庭では比較的それによる火災の発生の個所というのは少ないんじゃないかという予測もつく。あるいは反面、非常に多いんじゃないかという考え方もできる。したがって、そこの個々の火災が、この火災は地震による火災だから、保険金の支払いは三分の一、全焼について五百万円限度の三分の一、こういうことになっている。ところが、一般の場合は、これは全額払わないわけにはいかない。そうは言っても、同じ時期に一般の火災と同じような火災が起こらぬと識別はできぬのだな。そうすると、一般の火災保険の認定は非常にむずかしい問題になってきて、掛け金をかけて、そして何が何だかわからない、保険金ももらえないというような人が私はできやしないかと思う。そういうものについて、それぞれの識別はある程度消防関係で鑑別をするということ、これはどうしても責任がないわけにはいかないと思う。地震の火事だから一律一体に全部あれは地震が原因だというわけになかなかいかないのではないか。結局裁判をしなければわからぬ。大蔵省もそう言うのだな。従来もずっとそう言ってきている。新潟の問題は、ここでもかなり問題にしたことがあるのだけれども、結局は裁判でなければわからないということで逃げてしまって、いまだにこれは判決が出ていない。これは新潟の一つの問題だが、そうすると、東京や横浜や大阪のような大きなところで事件が起こると、かなりの問題を引き起こしやしないかということが私は考えられる。当然火災原因は一般の火災原因であって、保険金は全額もらわなければならぬという考え方を持っている。これは震災による原因だということになると、それはもらえない。そしていま保険の普及率などを見てみると――両方乗りかえてはいるようです。一般の火災保険がさらに地震のほうに乗りかえてはいるようだが、普及率というのはきわめてわずかで、大きなものじゃないですね。限度も、そういうことで全焼でなければ払わない、それを払う場合も契約金の三分の一だ、三割だ、こういうことになっている。
 そこで問題は、やはり、こういう火災発生から来る住民の損害というものに対して、もう少し消防庁はどうだな、いまのような答弁だけではなくて、そういうものの原因調査というようなことには考えてもらえないかな。どうもそれから先はわからない、裁判に持っていかなければわからぬというのでは、大蔵省の銀行局の言い分と同じです。大蔵省の銀行局は、それは捜査の権限も調査の権限も何も持ってないから、保険会社はある程度見ることはできるかもしれないけれども、実際の火災原因に対する調査は、主としてやはり消防庁でやっていることは間違いがないのだから。そういうことを検討されていなければいないでいいですよ。ここで何が何でも検討されてないものを答弁しようとしても無理だと思う。でも、私は、どうもそういうものを考えると、もう少し震災による住民への被害というものについては消防庁が考える必要がありはしないか。特に新潟の問題を取り上げた私どもとしては、どう考えても納得が行かぬところなんです。なければないでけっこうです。またあとのほうの話でいたしたいと思います。
 そのほかのことは、きょうは時間もありませんから、ひとつあとの懇談の中でお話を進めたいと思います。
#45
○松島説明員 ただいま御指摘の点は、消防庁としてただいまのところ検討はいたしておりません。ただ問題は、やっぱり裁判所の問題等になった場合に、消防側の見解と申しますか、鑑定と申しますか、そういったことには、場合によっては応じていくということはできると思いますけれども、いまのところ、御指摘のような方向で検討いたしておる段階ではございません。
#46
○古屋小委員長 小濱新次君。
#47
○小濱小委員 松島消防庁長官にお尋ねいたします。
 東京消防庁で「あなたの地震対策」、この東京の震災について「大地震これだけは知っておこう」という、こういう一八四ページにわたって本をつくられました。この見出しを見ますと、「大正十二年九月一日 関東地方に震度六(烈震)の大地震が襲い無気味な大砂塵が空をおおった」と、こう書いてある。写真が出ています。そしてまた、本所被服廠あとの四万人にわたる焼死の状況がこれに載っております。三日間燃え続けた東京、一面に焼け野原となったこういう写真、あるいはまた家族を尋ねて西郷さんの銅像の付近に張り紙がたくさん張ってあるこういう問題。次には、新潟地方に震度五の強震が起こった三十九年六月十六日、市民が手を取り合ってのがれているそういうさま。そこへ高波が襲って、足元はもう水びたし、あるいはまた文字どおり火責め水責めといわれる石油タンクの火災、あるいは倒れた高圧線、プロパンガス、このタンクから火災が発生したという、こういう悲惨な情景の写真が載っておりますし、次にはまた、道路は至るところ亀裂、あるいは倒壊した木造家屋、町全体が津波で水びたしになっている、こういうものすごい様相、こういうことが出ておりますが、この中で、どうも国の地震対策がちょっとしか出ておりません。わずか三ページぐらいにわたって非常に内容の幼稚なものが示されているわけでございます。先ほどの話ですと、六十九年間に一度は一応起こることが予想されるという話でもございましたし、当時と現在とは東京都の都政の地域状況は全然違いますけれども、いま大震災当時の震度六の被害が起こったならば東京都はどうなるであろうか、こういうことで、いろいろとわれわれもその対策に苦慮しておるわけでございます。新しく長官になられましたことでございますから、こういうことの将来計画を大いに考えてもらわなければならない、こういうふうに思うわけでございますが、そこで、国の地震対策がまことに幼稚でありますので、このことについて長官から伺っておきたい、こういうふうに思います。どういうお考えを持っておられますか。
#48
○松島説明員 地震が起きました場合には、関東震災の例にも見られますように、火災が発生をするということが多いわけでございまして、その火災がさらに被害を拡大をしていくという点から、地震対策という問題と火災に対する対策というものは密接不可分の関係にあるということから、消防庁といたしましても、地震対策いかにあるべきかということの検討を続けておるわけでございます。先ほども太田先生の御質問にお答えをいたしましたように、対策を立てますためには、かりに関東震災級の地震がこの地方に来たならば、どの程度の被害が今日の状態で起こるであろうかという、まず被害の予想というものを立てることが必要でございます。そういう被害の予想のもとに、その被害を食いとめるためにはどういう対策を講ずべきか、こういうことが次の段階に出てくるわけでございます。かりに極端なことを申しますと、関東震災級の地震がきても被害が全然ないという予想が立ちますならば、また対策も必要がないということにもなろうと思います。そういうことはあり得ませんけれども……。あるいはまた、一の被害にとどまるというのならば、それに応ずる対策はそれなりの対策が必要であり、十の被害が起こるというのならば、十に対応する対策が立てられなければならないということであります。
 まず第一の段階では、どの程度の被害が起こるかという被害の想定をすることが必要であります。先ほど申しましたように、ただいま消防審議会に対しまして、まず被害想定はどの程度になるかということについての御検討をお願いしている段階でございます。この被害想定が近くまとまることと思いますが、まとまりましたならば、それじゃその被害を前提にしてどのような対策を講ずべきか、たとえば避難対策というものをどういうふうに講ずるか、あるいは都市の改造というようなものについてはどうあるべきか、あるいは堤防あるいは公共施設というようなものの地震対策はいかにあるべきかというような段階に進んでいく、こういうことになるわけでございます。
#49
○小濱小委員 先ほどもお話がございましたけれども、消防審議会において対策のための審議を進めている、こういう段階であるという話でございました。予想は立つ、想定はできるのですが、現実に即していないいまの消火対策、こういうふうに言っても私は過言ではないと思うわけであります。
 いまも長官は、まず火災が予想される。火災が予想されるのですけれども、地震で建物が道路側に倒壊してくる。どうやってこの道を消防車が走るのであろうか。あるいは道路が亀裂をし、地盤沈下をし、あるいは橋が落ちてしまう。あるいはまた電話は不通になって、水道施設も当然とまってまいりましょう。それからガス施設、これがまた大きな被害になるかと思いますが、こういう電気の問題あるいは高波の問題等を考え合わせますと、相当大がかりな対策を国が立てなければ、都民は安心して生活はできないであろう、こういうふうに考えるわけであります。
 どうもいままでのお話の中ですと、やはりこの本にも出ているように、国の地震対策が非常に弱い。と同時に、これは消防庁の対策も弱いのではないか、こういうことで、私どもは長官にこれからの将来計画をお伺いしているわけでございますから、どうかひとつ御構想なり考え、当然お持ちになっていると思うのです。そういう点からもう一度聞かしていただきたいと思うわけです。
#50
○松島説明員 先生が御指摘になりましたように、地震が起きれば、火災も発生いたしますでしょうし、また道路も亀裂する、あるいは水道もとまる、あるいは橋が落ちる、いろんな被害が予想されるわけでございます。その被害の予想に対してどういう対策を講じていくべきかということは、その被害の予想をどの程度に見るかということから出発するわけでございます。無数の被害の状態を考えますと、もうほとんど打つ手はないということにもあるいはなるのかもわかりません。極端なことを申しますと、道路が全部亀裂して人も通れなくなったというようなことを考えると、避難対策といったって避難のしようがないじゃないかという問題も起きるかと思いますけれども、しかし、そういう極端な状況を予想しても、これは対策にならないという面もございます。
 そこで、やはり経験的に見まして、関東震災のときは、こういう程度の地震でこの程度の被害があった、そこで、同じ地震が発生したならば、今日の状況においてどの程度の被害が起きるかということをまず一般的に予想を立てまして、それに応じて、たとえば火災が非常にたくさん発生して、そのうち、現在の消防力でもってはこの程度しか消せないということであれば、あとの部分は延焼にまかせられるというようなことにあるいはなるかもわかりません。しかし、その場合においても、少なくとも人命だけは守らなければならぬということになりますと、まず避難ということを中心に対策を考えなければならぬ。避難を中心に対策を考えるということになりますと、その場合における消防機関というものはいかにあるべきかということになると、少なくとも避難路の消火活動というものに重点的に当たらなければならぬ、こういうような形になってくるのじゃないかと考えております。
 そのほかの問題になりますと、先ほどもお話がございましたように、単に消防庁だけでできる範囲というものも限られておりますので、各省、国全体として対策を講じていかなければならないわけでございます。
 そういう意味で、先ほども申し上げましたように、まず被害の想定をいたしまして、それに応じて、まず避難対策はいかにあるべきか、あるいは防火対策はいかにあるべきか、公共施設の安全を確保するための対策はいかにあるべきか、さらに進んで、水がとまる、あるいは食糧の配給が思うようにいかなくなるという場合における救済活動というものはいかにあるべきか、あるいは医療対策はいかにあるべきかという段階に進んでいく、こういうことになろうかと考えております。
#51
○小濱小委員 とても消防庁だけでは解決ができない。これは国の問題である。当然そうなると思いますが、やはり私はその中核になるものは当然消防庁であろうと思うのです。人命の被害、けが人対策にしたって、どうやって講じていくであろうか。それから川崎、横浜にかけてのコンビナート地帯、ここには五千からの施設がある。あの新潟のわずかなタンクでさえも、あれだけの日数を燃え続けていったわけですから、この京浜のコンビナート地帯がもしか被害をこうむって、あの油が海面に流出したときにはどういうことになっていくか、こういうことも非常に憂えられる問題です。
 そこで、どうしても国の対策が必要なんでありますけれども、「国のレベルにおける対策の作業」、この内容を読んでみますと、「自治省消防庁長官はその諮問機関である消防審議会に対し昭和四十三年七月「東京地方に関東地震級の地震が襲った場合の被害想定と国としてとるべき対策」について諮問し」たという。これを検討を行なっているという。あとはどういう対策を講じているのか、国としてどういうふうな方向に進んでいるのか、あるいはやろうとしているのか、これには全然出ていないのですが、これはこのままでしょうか、それともこれ以上に国の対策は進んでいるのでしょうか。長官にお尋ねしたい。
#52
○松島説明員 先ほど消防の問題でもお答えいたしましたように、これからの都市というものは、やはり消防とか防災とかいうような見地を考えながらつくっていくということが必要でございまして、それは日常ふだんの問題として考えられていかなければならないところだと思います。
 先ほど太田先生が御指摘ございました江東地区の八十八橋のうち、地震がもし起こったならば通れる橋というものは幾らもないではないかというようなお話もございましたが、そういったものにつきましては、橋のかけかえというようなことで対処していかなければならないわけでございます。現に橋梁の改良工事というようなものも次々と進められております。その場合には、もちろん関東震災級の地震には耐えるような耐震設計もしながらつくっているわけでございまして、この東京都の資料にもございますように、たとえば同じ橋にいたしましても、昭和三十年以後に建設されたものについては大体耐震性が強いというふうにいわれておりますように、そういった面でやはり各省ともそれぞれ耐震ということを考えながら仕事を進めてきているわけでございます。これが大震災対策だという何か一つのまとまったものとして打ち出しているというわけではございませんけれども、地震ということは当然考慮に置きながら、いま申し上げました例を橋にとりましても、橋の改良を進めている。あるいは水道等の建設にいたしましても、そういった耐震性を考慮しながら水道の建設も進められているようでございますし、また江東地区に対しましては、防災的な考慮を進めた都市改造というようなことも計画を立てている、調査をしている段階でございまして、そういった面ではそれぞれ担当の各省において、震災対策と申しますか、そういった面を考慮しながら施策が進められているというふうにいえるのではないかというふうに考えております。
#53
○小濱小委員 お話よくわかるのですが、この消防審議会で、現在関東大震災級の地震があった場合どのような被害が起きるかという計算作業を鋭意いま進めているんだ、こういうことなんですが、次に「第二段階としてその被害想定に基づいて関係各省はどんな対策を考えていく必要があるかを検討していくことになっています。」こう書いてあるんですね。こうだとすると、非常に対策がおくれている。国の責任ある地震対策をもっともっと強力に進めていかなければならない、こういうことを私は申し上げているわけですから、こういう点で、大きな責任ある立場に立っておられる長官のことですからお考えをお持ちになっているだろうと思いますが、来年度の予算決定も、いつごろですか、二月ごろになるという話も聞いておりますが、いまから大いにひとつ、予算請求もされたと思いますが、これが決定を見るときまで大いにひとつ努力を払っていただきたい、こういうふうに考えているわけですから、そういう点を考慮の上にこれからの活動をお願いしたい、こういうふうに思うわけですから、よろしくお願いします。
 それから、あと二点ばかりお伺いしたいのですが、婦人消防士が横浜と川崎ですか、今度採用されました。非常に珍しいケースでありますけれども、この勤務状況ですね、あるいはまた採用してみてどういうふうに感じておられるか、こういう点についてお伺いしたいと思いますが、どうでしょう。
#54
○山本説明員 婦人の消防吏員のことでございますが、警察には終戦後いち早く民主警察ということで婦人警官が警視庁において採用されました。消防におきましては昨年、ことし、川崎と横浜に初めて採用されたわけでございますが、採用した理由でございますが、積極的には、最近の大都市消防におきましては、火災予防というものが非常に重要な役割りをなしております。特に、火災と申しましても、特殊な建築物に対する火災予防の面では法令的規制がございますが、何といっても大多数を占めるところの家庭防火ということが大事でございます。そういった点を推進するために婦人消防士が非常にいいのじゃないか、こういった積極的な気持ちが一つでございます。
 あと一つは、これははなはだ消防界としては言いづらいことではございますが、最近の人手不足と申しますか、消防吏員に対する応募状況その他から考えまして、婦人消防吏員を採用するという気持ちに先ほど言った理由と相まって拍車をかけたという理由をもちまして、横浜、川崎で婦人消防吏員を採用したというように聞いております。
 現実にすでに川崎では第一線の勤務についておると思いますが、横浜では現在学校で教養中ということを聞いております。そして勤務状況その他市民のこれに対する感情につきましては、非常に適切なる措置として親しまれる消防としての成果をあげている、かように承知をいたしておる次第でございます。
#55
○小濱小委員 第一線にも立っている、こういうことでありますが、たいへん御苦労なことであると思います。
 では男子の消防士ですね、この採用に対しては困難はありませんか。いま少ないという話であったけれども、この婦人の消防士を採用したことについて、今後の消防士採用に対して困難はないか、こういうことです。
#56
○山本説明員 御承知のように、現在消防機関において消防吏員として勤務している職員は五万五千でございます。現在、消防はだんだん常備化いたしておりまして、新しく消防本部署を設けられる場合において、当然消防吏員が必要となってまいります。と同時に、大都市その他人口の急増その他によりまして消防吏員の増加ということが必須の要請として考えられるわけでございまして、消防吏員の増勢、これに対して採用ということは大きな問題でございます。特に質のいい消防士を採用するということは非常に重要な問題でございます。それで、吏員の採用に困難がないかどうかということでございますが、東京消防庁その他の吏員の募集状況並びに採用状況を聞いてみますと、増員に対して消防吏員が集まらないということはもちろんございません。計画どおりの増員はされておるようでございますが、しかしながら、一般的な社会情勢がそうでございますように、この部面の志願者というものにつきまして、以前ほどは多くない。また期待どおりの――消防にもいろいろございまして、単なる一般的な警防その他に従事している消防職員のほかに、特別な科学知識等を必要とする部面の人を必要とするわけです。そういったことを考えます場合におきましては、現在消防吏員の採用、確保について、大都市消防におきましては相当苦心をいたしておるところである、かように承知をいたしておるのでございます。
#57
○小濱小委員 女子消防士が第一線にも立っているということですが、その待遇の面ではどうか。それからもう一点は今後の採用計画、この二点についてお伺いしたい。
#58
○山本説明員 消防吏員という資格、身分においては男子同様でございます。したがって、給与その他につきまして全く同様に扱われておるというふうに聞いております。しかしながら、勤務の適性と申しますと、たとえば、きょうお話がございましたように、大都市その他におきましては、はしご車その他の警防活動をしなければいかぬようなものもございますが、そういった警防の任務に従事することは適当でないということは申すまでもございません。先ほども申しましたように、主として火災予防、特に家庭防火を中心とする予防指導という面に婦人消防吏員が充てられておるのでございます。
 はなはだ余談でございますけれども、川崎市におきましては、昨年全国に先がけて婦人消防吏員を採用いたしましたが、非常に質のいいと申しますか、そういう方々に応募していただいたというふうに聞いております。
 それで、今後の婦人消防吏員の問題ですが、消防の中にもいろいろな職務内容を持っておりますので、先ほど言ったような家庭防火を中心とする予防指導の問題を受け持たすというふうな面で婦人消防吏員を活用することは適当であり、また望ましいとさえ考えられます。しかしながら、今後婦人消防吏員を積極的に男子消防吏員に置きかえてやっていくのだという状況に消防界全体があるというふうには考えておりません。その都市都市の事情によりまして、婦人の持つ特性を生かした消防責務の遂行というものが考えられる限りにおいて、各都市の計画に従ってこの問題に対処していくことが望ましいのではないか、かように考えております。
#59
○小濱小委員 もう一点、違う問題をお尋ねしたいのですが、去る九月四日墨田、江東方面で落雷によって電柱から火の油が落ちまして一人重体、八人が重軽傷、その中には小さいお子さんもおったようであります。こういう被害が起こっておりますが、この中で役に立たなかった避雷装置ということがあるわけですね。こういう問題については、消防庁としては点検はしておるわけですか、どうでしょうか。
#60
○山本説明員 非常にかた苦しく申し上げますと、消防法あるいは消防法施行令によりましての避雷針等の設備に関する規制はございません。ただ、消防は火災の危険のあるものについては条例で規制し得ることになっております。そういう意味で、市町村でつくります火災予防条例の準則の中で、避雷設備が落雷等の場合に事故がないように、そのモデル的な規定をわれわれは示しておるのでございます。それに従って大体各市町村も条例措置をいたしております。ちょっと読み上げますと、第十六条でございますが、「避雷設備は、架空電線、ネオン管灯設備、アンテナ等との間に一メートル以上の距離を保たなければならない。」二項といたしまして「避雷設備の管理については、第十一条第一項第九号の規定を準用する。」と規定いたしておりまして、第十一条第一項第九号の規定ということは、「必要に応じ熟練者に設備の各部分の点検及び絶縁抵抗等の測定試験を行なわせ、不良箇所を発見したときは、直ちに補修させるとともに、その結果を記録し、かつ、保存すること。」こういうふうに条例はつくられております。しかしながら、いま申しましたように、消防は一般的な火災に対する責任を持っておるという意味で、避雷設備について火災が起こらないような規定を条例で規定しておるのでございまして、避雷針の設備そのものにつきまして、電気設備等につきましては、当該設置者が当然避雷針としての有効なる機能を果たし得るように維持しなければならないことは当然なのでございます。したがいまして、火災予防条例による規則による指導をいたしておりますが、先日のように、いわば天災の形で電柱に落ちたということで、その中の油が飛散をいたしまして婦人の方々がけがをされたということでございますが、一応避雷設備その他に対しまする消防の関与という点を申し上げた次第でございます。
#61
○小濱小委員 落雷が電柱の油入り開閉器に直撃してきた、そういうことでえらいけが人が出たわけですが、これについて天災というふうに次長はいま言われておりました。この天災は設備いかんでは守り得ると思うのです。そういう立場からは天災とばかりはこれは言い切れないと思うわけです。そこで、東京電力が言っていることは、開閉器の上に避雷装置があったのになぜこんなことになったのか全くわからない、こういうふうに言っているわけですね。そこで、やはり消防庁としては指導監督の任に当たる責務があるようであります。こういうことでこの避雷装置の状況点検ということは当然あるべきだ、こういうふうに思うわけですが、そういう点でどうか、こうお尋ねしたわけです。
#62
○松島説明員 電気工事そのものについての避雷設備とかそういったものの問題は、電力会社の監督庁であります通産省でございますか、そういったところでやっておられることと考えております。
 消防の問題は、先ほど次長からお答えいたしましたように、避雷針そのものが有効であるかどうかというようなことを規制する法律上の権限はございませんで、避雷設備が他のものに引火しないというようなことを条例でもって規制をしておるという程度でございます。
#63
○小濱小委員 ああいう事例が出たわけでありまして、これからも起こり得ることかと考えられるわけです。
 そこで私は、電線の地下ケーブルに対する考え方、もちろんこれは通産省に質問すべきだと思いますが、消防庁としてはこの点についてはどういう御意見を持っておられるか。また、どういうふうに意見を述べておられるか。もう一つ都市計画との関係も当然生じてくるわけであろう、こういうふうに思いますが、こういう点についての考え方を長官から承っておきたいと思います。
#64
○松島説明員 電信柱をできるだけ少なくしていくということは、今日の交通状況の実態から見ましても、また都市美観の上から申しましても、先ほど来問題になっております安全の上から申しましても必要なことでございまして、通産省におきましても、電線の地下埋設化ということは積極的に進めているように私は承知をいたしております。たしか昨年度、これはちょっと横にそれまして恐縮でございますが、昨年度の地方税法を御審議いただきました際にも、特定地中電線工事、すなわち地下埋設工事につきましては、これを奨励するという意味から、固定資産税の上でも軽減の措置を講じた記憶がございますが、そういったことで国全体としてもそういう方向で進めているわけでございます。
#65
○小濱小委員 最後に、落雷によっていまのような被害を受けた住民が、重軽傷で十人近くいるわけです。こういう被害者へのお見舞いといいますか、補償といいますか、これはどういうふうになっているか、お聞きになっているところをお聞かせいただきたいと思います。
#66
○松島説明員 私、その詳しい事情を聞いておるわけではございません。したがいまして、お答えいたしますことも私の常識でお答えいたしますので、あるいは適切でないかもわかりませんが、その原因が避雷設備の不完全なことによるものであったということになれば、それはその避雷設備を管理するものの責任があったということになりますから、民事上の問題として損害賠償責任を生ずるということになるのではないか。しかし、これはいまの場合と例は異なりますけれども、山の上で雨の降る日にかさをさしておられて、そこへ雷が落ちてなくなられたということになれば、これは純粋の天災ということになりますので、損害賠償というような問題はもちろん生じません。そういうようなものではなかろうかと考えております。
#67
○小濱小委員 中には、商店の板壁が焼かれまして被害を受けたところもあるわけですね。その原因はその開閉器の油火災によるわけです。そういうこともあって、当然被害の状況調査というものは消防署のほうでやられたのじゃないかと思うのです。その報告があるかと思ったわけですが、その家屋に対する被害の補償問題と、それから人身事故に対する被害の問題と、こういうものの補償は、当然これは通産省にしろ、消防庁で担当をいたしまして、そして調査の結果それが最終的な補償額の決定と、こういうふうになるのではないかと私は考えましてお尋ねしたわけですが、その点はどうでしょうか。
#68
○松島説明員 この問題が消防法違反というような問題でございますと、消防庁も当然その原因とか、損害の因果関係というようなものを調査しなければなりませんけれども、消防法上の違反でない限りは、消防庁がそれに関与するということはないわけでございます。
#69
○小濱小委員 そうすると、家屋が焼けたということについては消防署のほうでは関係はございませんか。どこが担当するのですか。
#70
○松島説明員 焼けたということは、事実の問題でございまして、法律的な問題は、焼けたことと、焼けたことの原因となったものとの間に因果関係があり、かつ責任がどこにあるかという問題でございますから、もちろん焼けたことを証明するとかなんとかという問題でございましたら、焼けた事実を消防機関が証明することはあり得ると思いますけれども、焼けたことが直ちに損害賠償なりあるいは責任なりという問題に連なるかどうかということは、これは消防法上の規制のないものについて消防機関が関与するということはないと考えております。
#71
○小濱小委員 因果関係ね。そうすると、原因は雷と開閉器ですか、そうなんでしょう。その原因によって生じた板壁が焼けたという火災と、それから十人近いけが人を出した、これが結果になるのでしょうね。そうすると、通産省の問題が電柱関係ということですけれども、焼けたということになると、消防庁でも責任を当然感じなければなりませんし、開閉器については指導監督の任に当たる責任を先ほどお示しになったようであります。それは指導監督する立場にあるという内容のように私は聞いたわけですけれども、そういうことから、こういう被害が起こったことであるから、これに対する点検の必要もあるんじゃないか、こういうように聞いたわけですけれども、全然関係がないということなればそれでけっこうでありますが、関係があるならば、これからの対策を聞いておきたい、こういうふうに思ったわけです。
#72
○松島説明員 火事が起こったわけでございますから、消防がいかなる意味においても関係がないということを申し上げておるわけではございません。火事が起こった原因と火事の結果との間に因果関係があるかないかというようなことは、消防機関としても十分調査はしておると思います。ただ、その火事の起こった原因について、どこに責任があって、その損害賠償はだれがすべきかというような問題については、消防機関としては関与しない、こういうことでございます。
#73
○小濱小委員 わかりました。
 因果関係を論じてその調査の責任はあるけれども、それが補償ですか、そういうことまでの責任は消防庁ではない、こういうことでございますか。
#74
○松島説明員 ただいまおあげになりました事例につきましてはそのように考えております。
#75
○小濱小委員 以上で終わります。
#76
○古屋小委員長 これより懇談に入ります。
     ――――◇―――――
  〔午前十一時五十九分懇談に入る〕
  〔午後零時十二分懇談を終わる〕
     ――――◇―――――
#77
○古屋小委員長 これにて懇談を終わります。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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