くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第061回国会 地方行政委員会 第11号
昭和四十四年三月十一日(火曜日)
    午前十一時二分開議
 出席委員
   委員長 鹿野 彦吉君
   理事 大石 八治君 理事 塩川正十郎君
   理事 古屋  亨君 理事 細田 吉藏君
   理事 保岡 武久君 理事 山口 鶴男君
   理事 山本弥之助君 理事 折小野良一君
      青木 正久君    岡崎 英城君
      奧野 誠亮君    亀山 孝一君
      吉川 久衛君    斎藤 寿夫君
      永山 忠則君    村上  勇君
      山口シヅエ君    井岡 大治君
      太田 一夫君    河上 民雄君
      依田 圭五君    門司  亮君
      小濱 新次君    林  百郎君
 出席政府委員
        消防庁長官   佐久間 彊君
 委員外の出席者
        通商産業省化学
        工業局窯業建材
        課長      倉部 行雄君
        建設省住宅局建
        築指導課長   前川 喜寛君
        消防庁予防課長 高田  勇君
        専  門  員 越村安太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 消防に関する件
     ――――◇―――――
#2
○鹿野委員長 これより会議を開きます。
 消防に関する件について調査を進めます。
 発言の申し出がありますので、この際、これを許します。佐久間消防庁長官。
#3
○佐久間政府委員 昨年消防法の一部改正をお願いいたしました。この改正部分の施行をいたしますためと、有馬温泉、磐梯熱海温泉と続きました温泉旅館の火災事故にかんがみまして、消防法の施行令の一部を改正いたしまして、お手元にお配りしてございます政令要綱によりまして、その内容の概略を御説明申し上げます。
 第一は、共同防火管理に関する事項でございますが、これは昨年お願いいたしました消防法の改正におきまして、高層建築物あるいは地下街におきまして管理についての権原が分かれておりますもの、言いかえますと、その建物の管理者が数人に分かれておりますような場合におきまして、そこの防火管理を完全にするようにいたしますために、協議によりまして共同の消防計画をつくらせる、そして防火管理を連帯してやるようにさせようという趣旨の改正をいたしたわけでございますが、その対象といたします防火対象物につきまして、高層建築物と地下街のほか、いわゆる複合用途と申しますか、住宅あるいは作業場、店舗等、一つの建物におきまして数種の用途を複合して持っておりますもの、それで五階以上の部分につきましてもこの対象にしようということでございます。
 それから第二は、防炎処理に関する事項でございますが、これも昨年の法律の改正におきまして、一定の防火対象物におきましては、どん帳、カーテン等につきまして防炎処理をしなければならないということにいたしたわけでございます。その場合、防炎性能を有する物品を使用しなければならない防火対象物の範囲につきましては政令で定めるということになっておりましたので、それを規定をいたすことにいたしたわけでございます。それは劇場、キャバレー、飲食店、百貨店、旅館、病院、老人福祉施設、幼稚園等の建物と、それから工事中の建築物その他の工作物ということにいたしたわけでございます。
 なお、防炎性能を有しなければならない物品の範囲につきましても政令で定めることになっておりましたが、それはカーテン、暗幕、どん帳その他舞台において使用する幕並びに工事用シートということにいたしました。
 それから、防炎性能の基準でございますが、これも政令で定めるということにいたしておりましたが、政令におきましては、残炎時間、残じん時間、炭化面積、接炎回数が一定数値以内で自治省令で定めるものということにいたしまして、さらに細部につきましては省令に委任をするということにいたしました。
 それから第三は、消防用設備等の設備及び維持の技術上の基準の整備に関する事項でございますが、このところ、有馬温泉並びに磐梯熱海温泉の事故にかんがみまして改正をいたすことにいたした部分でございます。
 (1)は、自動火災報知設備に関するものでございます。
 従来スプリンクラー設備や泡消火設備を設置しておればあらためて自動火災報知設備の設置を必要としなかった防火対象物がございまするけれども、今回はそのような設備をいたしておりまする建物でございましても、自動火災報知設備を設置しなければならぬということにいたそうということでございます。
 (2)は、耐火構造物で内部の仕上げを不燃材料等でしておりました防火対象物につきましては、これも自動火災報知設備を設置しなければならない義務面積を緩和しておったのでございますが、そのような耐火構造物でございましても、普通の建築構造のものと同様の基準で自動火災報知設備の設置を必要とするということにいたしたわけでございます。
 (3)は、自動火災報知設備がございましても、停電になりました場合にこれが作動しないということになりましては実効があがりませんので、非常電源を必ず付置しなければならないということにいたしたわけでございます。
 (4)旅館、病院等につきましては、既存のもの――既存のものと申しますのは、自動火災報知設備の設置を義務づけましたのが昭和三十六年でございましたので、そのとき、それ以前の既存の対象物につきましては設置をしなくていいことになっておったのでございますが、これも今回の事故にかんがみまして、既存のものにつきましても遡及して適用させることにしようということにいたしたわけでございます。
 次に、電気火災警報器でございますが、これにつきましては契約電流容量が五十アンペアをこえる防火対象物にも新たにこういう基準を設けまして、従来よりも設置範囲を拡大することにいたしました。
 なお、この耐火建築物につきましては電気火災警報器の設置を必要としなかったのでありますが、そのような建物でありましても、鉄網入りの壁、床または天井を有するものにつきましては電気火災警報器の設置をしなければならないということにいたしたわけでございます。
 次は、非常警報器具または非常警報設備でございます。
 従来は非常警報器具あるいは非常警報設備の設置対象につきまして規定が抽象的でございましたが、今回非常警報器具とはどういうものか、また非常警報設備とはどういうものかということを規定上区分を明確にいたしたわけでございます。
 なお、非常警報設備に新たに放送設備を加えることにいたしました。それと同時に、非常警報設備につきましては、停電の際作動しないということがあってはいけませんので、これも非常電源を付置しなければならないということに義務づけることにいたしました。
 次は誘導灯でございますが、これも避難口誘導灯及び通路誘導灯の設置対象の範囲を拡大することにいたしました。なお、この誘導灯につきましても、停電の際に備えまして必ず非常電源を付置しなければならないということにいたしました。
 次に、第四でございますが、検定に関する事項、これは規定の形式上からこんなふうに書いてございますが、内容は、従来の自動火災報知器は熱感知器でございましたが、最近の事故にかんがみまして、新たに煙感知器を対象に取り入れることにいたそうということでございます。
 次は施行期日でございますが、本年四月一日ということにいたしております。ただし、第四の煙感知器につきましては十月一日、また旅館、病院等で自動火災報知設備の設置を既存のものに遡及適用する部分につきましては若干の準備期間を置くことにいたしまして、四十六年四月一日ということにいたしました。なお、自動火災報知設備のうち一部のものにつきましては、四十五年九月三十日まではなお従前の例によることができるという経過措置を設けました。
 以上、概要の御説明を終わります。
    ―――――――――――――
#4
○鹿野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口鶴男君。
#5
○山口(鶴)委員 水上の火災、さらには有馬温泉の火災、最近における磐光ホテルの火災等の経験に基づきまして、消防庁におきましても施行令の改正を準備いたしておりますことはたいへんけっこうだと思います。
 そこで一、二お尋ねをいたしたいと思うのでありますが、この共同防火管理に関する事項をお定めになる、さらに防炎防火対象物の指定等に対して必要な事項をお定めになるようでありますが、最近の火災の特徴としまして、いわゆる新建材によるいわば有毒ガスを発生するということによる被害が非常に多いのではないかという感じを持つわけであります。有馬温泉の満月城の火災でもそうであったようであります。また、磐光ホテルの火災につきましても同様なことが言えるかと思います。最近石油化学が発達をいたしまして、合成樹脂関係の新建材というものが大量に出回っておるやに聞くわけであります。たとえば塩化ビニール等のものでありなすならば、塩素が入っているわけでありますから、燃焼いたします際に当然ホスゲン、塩素ガスが発生をすることは容易に考えられるわけでございまして、こういった燃焼することによって有毒ガスを発生する新建材の規制、こういうものにつきましては、消防庁としてはどういうことをお考えになっておりますか、その点をまずお伺いをいたしたいと思います。
#6
○佐久間政府委員 新建材のことにつきましては、建築基準法の施行令の改正が先般行なわれまして、これは所管といたしましては建設省ということに相なっておりまするので、そちらの関係者から御説明をお聞き取りいただきたいと思います。
#7
○前川説明員 お答えいたします。
 新建材のうちで特に煙を発生するような材料の規制でございますが、今回政令改正によりまして、特に煙を出すというふうな材料を、通路とか、そういったいわば避難経路に相当するところへは使ってはいけないというふうな規定に直したわけでございます。したがいまして、そういうところでは、特殊な用途の建物におきましては、煙をほとんど出さない材料、こういったもの以上の性能を有するものを使えというふうな内容になっております。根本的には建築基準法ではそういった材料の区分を不燃材料、準不燃材料、難燃材料というふうな三種類に分けまして、そのほかには、法律上はございませんが、いわゆる可燃材料でどんどん煙を出すものとして扱われます。そのうちで難燃材料が、現在のところいろいろな試験方法その他のことで言いますと、いわば燃えにくい材料ということで、燃えることを中心に試験をするようになっているわけでございます。したがいまして、いまたまたま御指摘の出ましたような、たとえば塩化ビニールのような系統、こういったものにつきましては、燃えにくいことは事実でございますので、難燃材料に該当しているわけでございます。
 ただ、最近のいろいろなことからしまして、煙を非常に出すということはよくないということで、今回試験方法の改正ということを検討しておりまして、そこからいわば煙をよけい出すというものを落としたいというふうに考えているわけでございます。それで、根本的にはそういった体系のもとに建築基準法の改正案を、できれば今国会へ提出しまして御審議をいただきたいと考えておりますが、その建築基準法の改正によりまして、この煙からスタートしまして、最後の逃げ道といいますか、逃げ得るような体制を全部きちっととりたいというふうな考え方で検討を進めているわけでございます。
#8
○山口(鶴)委員 通産省の方がお見えでありますからお伺いしたいと思いますが、通産省としても、新建材をつくっております企業等に対しまして、それぞれ御指導をしておられるのじゃないかと思いますが、そういう意味で、いま火災によりまして多数の死者を出します原因となっております有毒ガスを発生するいわゆる新建材に対しましては、どのような立場からどのような御検討をされておられますか、その対策等につきましてお伺いをいたしたいと思います。
#9
○倉部説明員 従来、建材の業界におきましては、主として燃えないこと、あるいは燃えにくくすることに重点があったわけでございますが、ここ二、三年の状況におきまして非常に大きな火災に伴う人命事故が起こるようになってまいりました。この原因はいろいろな原因が複合いたしておるわけでございますけれども、この原因の一つとして、新しい建材の中で煙やガスを多量に発するものがあるのではないか、これが一つの原因になっておるのじゃないかということで、私どもといたしましてもこういった面の試験研究を促進してまいりたいということを考えておるわけでございまして、一方におきまして通産省の試験研究機関を中心といたしまして、そういった試験研究を進めております。同時に、昨年来、関係の建材団体等を集めまして、こういった問題について積極的に取り組んでいくように指導をいたしておるわけでございまして、今後こういった試験研究につきましても、補助金制度等も活用いたしまして、積極的に業界が取り組んで、そういう不名誉と申しますか、汚名を一刻も早く挽回するように指導をいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#10
○山口(鶴)委員 科学技術が進歩いたしますと、従来存在しなかった新しい物質というものが次第にできる。しかも、見かけが美しいとか、あるいは木材に比べて燃えにくいとか、そういうものも当然できてくると思います。しかし、そういう見かけが美しいとか、あるいは燃えにくいという性能がありましても、一たん火災になり、燃焼するという場合に、有毒ガスが出る、非常に大量の煙を出すということであっては、新しい意味での公害ではないかと私は思うわけです。産業が発達する過程で、いままでなかったような新しい公害が、たとえば水俣病にしろイタイイタイ病にしろ発生している。私は同じような傾向ではないかと思うわけでありまして、現在の科学技術の水準をもってすれば、燃えにくいし、なおかつ有毒ガスを発生しないというものも、つくれば十分つくり得るだろうと私は思うのですね。そういう中で新しい研究開発を進めることもけっこうでありますが、特に有毒ガスを発生するような新建材につきましては生産を禁止するとか、あるいは使用を禁止するとかいうことぐらいはやはりやっていかなければいけないのじゃないかと思うのです。たとえば有機水銀に関連をいたしまして、水銀系の農薬がありますね。この農薬を除草剤として使う、これは穀類に水銀の量を非常にふやすということから、たしか昨年をもって水銀系の農薬の生産というものが一応禁止になった、こう聞いておるわけでございますが、同じような意味で、特にはなはだしく有毒ガスを発生する材料等につきましては、これは建設省の建築基準法の関係にもなろうかと思うわけでありますが、建設省並びに通産省として、いま私が申し上げた程度の強い決意で当たらなければいかぬのじゃないか。また、かりにそうしたところが、新しい物質というものは当然できるはずだと私は思うのでありますが、こういう点はいかがでしょうか。
#11
○前川説明員 お答えいたします。
 いまの点、理想としてはわれわれも全く同感でございます。ただ、実際に新建材というものにつきましてもやはりいろいろないい性能がある。たとえば軽いとか、きれいだとかいうようなものがあり、建物の各部分につきましてはいろいろな要求性能があるわけでございます。したがいまして、いわゆる適材適所といいますか、たとえば燃える材料でありましても、こういうところへは使っていい、こういうところは逆に煙を出す材料は非常に危険であるから使ってはいけないというふうな意味の、部分的のいろいろな条件でその材料を使っていくというふうなことが一番すなおな形ではないかというふうに考えております。
 それで、先ほどもちょっと申し上げましたが、たとえばこの部屋ならこの部屋で火事が起こったときにどう逃げられるかということで、最後は安全な外へ出すというふうなことになるわけでございます。そうすると、部屋の中そのものにつきましては、たとえばこういう小さな部屋でございますと、ここ自身に多少そういった燃える材料あるいは煙を出す材料がありましても、この部屋で火が起こりましても逃げることは十分できる。その間に煙がどのくらいたまるか、避難時間に何分くらいかかるか、こういう条件を設定していけばできます。ただ、通路になりますと、この部屋から逃げ出していったときに、通路のほうに非常に煙がたまっておったらしごく危険である、大体こういうふうな考え方、したがいまして、共用の通路とか階段とか、こういうふうなものにつきましては非常に厳重な規制をしたい。ただし、個々の部屋につきましては、多少ゆるやかな線――たとえば大きな集会場のような場合、これは逃げ出すにも相当時間がかかるので厳重な規制をする。こういうようなことをやっていったほうがすなおじゃないか。最終的には、確かにいまおっしゃるように、全部不燃的なものとか煙を出さないものを使うのが一番望ましいわけでございますが、なかなか現実の技術は急にそこまでいかない、コストも高くなる、こういうようないろいろな見方がございます。いまのところ、今回の建築基準法の改正では大体そういう筋道で検討を進めておる次第であります。
#12
○倉部説明員 ただいま建設省の建築指導課長が申しましたように、私どもとしましても、新しい建材といわれておるわけでございますけれども、その中にはいろいろな種類のものがあるわけでございまして、建築物の中での使われ方等によりましてそれぞれの建材の性質をつかまえまして、それに応じた使われ方をすべきじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
 そういう意味におきまして、現在建築基準法施行令等の改正によりまして、使われ方の面で規制をしていくということはある程度やむを得ないことでございますし、また必要なことであろうと思います。同時に、私どもとしましては、従来非常に燃えにくい、あるいは燃えないものにつきましては、比較的見かけも悪いし内装材として適当でないというものがございますので、燃えないものについてはもう少しきれいなものにする、つまり内装材として適当なものにしていくような研究、技術開発をする、それからまた、いわゆる難燃材といわれるものでございますが、燃えにくいけれどもガスあるいは煙を発生するものにつきましては、化学的な加工等をいたしまして、そういった煙、ガスが出ないようにする、あるいは原料そのものも基本的に変わったものを開発するというような方向で今後試験研究を援助してまいりたいというふうに考えております。
#13
○山口(鶴)委員 たとえば、ここにもカーテン等の防炎性能の問題がありますが、聞くところによりますと、ガラス繊維でつくりましたカーテンは絶対に燃えない。ただ問題は、値段が現状においては非常に高いという難点があるということを聞いています。したがいまして、今後通産省におきましても、現在出ておるものの中にも、価格等を考えなければ非常にりっぱなものもあるわけです。しかし、それをいかにして低廉なものにするかということが問題だと思いますが、そういった意味で、燃えない、燃えにくいというものでありましても、燃えた場合にも有毒ガスは発生しない、そういったものをぜひとも研究、開発を進めていただきまして、そうして科学技術の面からあのような悲惨な事故を起こさぬように、そういった意味での御努力を特にお願いいたしたいと思うわけでございます。
 それから、消防庁にお尋ねをいたしたいのですが、消防団が、建築等に際しまして、一応当該市町村に、建築物を建てます場合、それに対してチェックをする制度がございますですね。ところが、現実には、法律にはそういった規定がありましても、現状はきわめてルーズになっているのじゃないか。法律の規定があるにもかかわらず、それが十分効果的に運用されていないということを聞くのでありますが、その実態並びに改善策についてはどうお考えでありますか。
#14
○佐久間政府委員 現在、消防法の規定におきましては、消防本部を置いておりますところにおきましては消防庁、置いていないところにおきましては市町村長が、建築確認をされるときに同意の協議を受けるということになっておるわけでございます。そこで、先生の御心配のように、消防団だけしかない地区におきまして、はたしてその同意が円滑に行なわれているだろうかどうだろうかというお尋ねと思います。この点につきましては、消防団地区におきましては、通常の場合はそうむずかしい建築同意を要するような対象物が少ないわけでございます。ただ、温泉観光地等になりますと、消防団地区でございましても、相当な規模あるいは複雑な構造を持った対象物があるわけでございます。そこで、私どものこれに対する対策といたしましては、温泉観光地等につきましては、できるだけ常備化を進めて消防本部を置かせる方向で指導をしていき、またその希望に基づいてこちらとしても消防本部署設置の政令指定をするという方針できておるわけでございます。
 なお、そういう市町村に対しまして専任の消防事務を取り扱う吏員を設置させるようにということで指導をいたしております。しかし、これはまだ必ずしも全部そこまで行き届いておるかということにつきましては、なお不備な点があろうかと思いますが、考え方はそういう方向でございます。しかし、それにいたしましても、市町村段階におきましては、技術上いろいろと補完を要する点もあろうかと思いまするので、これは府県の消防防災課の指導機能を充実をするというような対策を現在考えておる次第でございます。
#15
○山口(鶴)委員 観光地等で消防団しかないという地区が相当あるわけですね。そうした場合に、この消防団の、建築にあたりましての同意といいましても、十分機能しないということは、長官もお認めになりましたとおりでありまして、やはりこの点を防災の見地から十分チェックし得るような体制を確立することが、特に観光地等の火災を考えました場合に重要ではないかと思いますので、この点は十分御検討いただきまして、法の精神が生きますように対処していただきたいと思うのです。
 それから、しばしば問題になるわけでありますが、観光地あるいは都会もそうだと思うのですが、常住人口と昼間人口が著しく異なる、それから、常住人口と夜間人口が著しく異なるという地区が、これから交通等が発達すればするほど激しくなってくるのじゃないかと思います。そういう点で、従来の消防施設の基準から申しまして、実情に合わない面が非常に出ているのじゃないかという気がいたすのでありますが、この点はどう消防庁として対処されるつもりでございますか。
#16
○佐久間政府委員 お話しのような地域におきまして幾つか問題があろうかと思います。一つは、そういう都市化が進んでおります地域におきましては、従来消防団で消防業務を担当しておりました場合に、優秀な若い団員が都会へ働きにいってしまうので、確保が困難になっておるというような場合があろうと思います。そのようなところにつきましては、都市化の状況に応じまして常備化を進めていくという考え方をいたしております。
 なおまた、若い団員が少なくなっておると申しましても、必要な最小限度のものは確保しようと思えばできるというような地域もございまするので、団員確保のための施策もあわせて考えていくというようなふうに考えております。
 それから、昼間人口と夜間人口との差のありますのは、やはりもう一つは温泉観光地であろうと思うのであります。その場合の消防力を補う方法といたしましては、先ほど申しましたように、できるだけ常備化を進めていくという方針をとっておるわけでございますが、なお消防施設等の整備の基準につきましても、温泉観光地につきましては、常住人口でない人口、実際の現実におる宿泊客を加えた人口を加味するというような考え方で従来もおりましたが、なおその考え方をもう少し進める必要があるかどうか、現在消防力基準の再検討をいたしておりますので、その際の一つの項目として検討いたしておるところでございます。
#17
○山口(鶴)委員 その点は、消防力基準の改定の際に十分ひとついま言った点を織りこんでいただきますように強く要望いたしておきたいと思います。
 それから、この政令改正ですが、最後の施行期日であります。従来の建物については、これはもうどうにもならぬというようなことではいかぬわけでございまして、この施行期日を見ますと、三の「自動火災報知設備」、「電気火災警報器」、それから「非常警報器具又は非常警報設備」、四の「検定に関する事項」等につきましては、施行日は若干ずれますが、従来の既設の建物にもきちっとこういうものは付設させるというふうに了解してよろしいわけですね。
#18
○佐久間政府委員 そのとおりでございます。
#19
○山口(鶴)委員 けっこうです。
#20
○鹿野委員長 次は大石八治君。
#21
○大石(八)委員 この間東京駅前の地下街というのができたので、そのとき行った自分の感じですけれども、いま建築自体については、新建材とか、そういうものについて、不燃性とか、難燃性とか、煙が出ないものとか、いろいろこれからそういうことに非常に注意深くしようということをされ始めているわけですが、あすこへ行って感じたことは、普通のビルの建物と違って、商店が――ことばは正確かどうかわかりませんが、ややオープン式といいますか、その一つ一つが閉ざされていないという感じでございます。したがって、実は私はデパートのことを考えたわけですけれども、そこに置かれる商品について、それが非常に煙を出すものあるいはガスを出すものも入るのではないか。いまセルロイド製品というものは少ないかもしれませんけれども、そういうものが置かれている。非常に有毒ガスの出る商品、あるいは非常に燃えやすい商品、カーテンなんかについても、劇場ではカーテンは不燃性なものにしなさいということを考えるのですが、デパートの中なんかでは非常に燃えやすいものも一ぱいあるだろうと思う。いま施行令というのを見たのですけれども、デパートとかマーケットというのはそうなっている、こういいますけれども、私はデパートも含めて、その施行令なりその他で、商品を含めて一体どういう特別の措置がされているのだろうか。しかも、あの地下街でもいいと思うのですけれども、避難場所というものがちょっと書いてあります。しかしそこへ行く人は不特定多数である。したがって、旅館へ行って避難口はここですよといって旅館の人が知らせなかったら、過失については問題があるかもしれませんが、ああいうところでそんなことは、不特定多数の人が入っていくのですから、入ってくるところはわかったが、避難するのはどっちから出るのだなんということはとうてい見当もつかない状態だろうと思うのです。
 つまり、そういう商品を含めた燃えやすい状態ということが想像されるのですが、そういうことは法律なり施行令で、ああいう場所、デパートも含めてだろうと思うのですが、それはどういう規制措置がいまとられているのか。その危険を私は実は入ってみて感じましたので、この点をまずお伺いしたい。
#22
○佐久間政府委員 御指摘のございました地下街あるいはデパートにおける燃えやすいものの規制という点につきましては、私どももこれは非常に大事な問題だと思っております。ただ、現行法令の上におきましては、そうした商品を対象にいたしました規制というのは行なわれておりません。これまで私ども部内においても、何とかそういうものについて規制を考えられぬものだろうかということで検討はいたしたこともあるのでありますが、なかなかどうも商品に対する規制ということになりますと、いろいろとむずかしい点がございまして、現在のところまだ結論は得ておりません。
#23
○大石(八)委員 私は、その場所が街頭なり、その他銀座なりで、つまり商店が一階から燃えたって街頭の人はどうこうないと思うのですね。しかし、現に私は歩いてみて、私が入っていた店あたりで何かの間違いで商品に火がついたという場合一体どうなるだろう。風も起こるだろう、そうするとがあっと燃える。そうすると、あの中は、建築用材は燃えにくくなっているけれども、中の商品はそういう配慮は一つもないといった場合には、実際はそのものの物量からいっても、商品のほうがもっとウエートが高い。その点では、壁がそういうふうになっていても意味をなさない。しかも入ってくる人たちは、居住者ではない、通行人である、出口はわからない、というようなことで――指標なんかも書いてあるようですが、しかし、それはたまたま入った人にはとてもわかり切れるものではない。そういう意味で、私は、商品について、こういうものは置いてはいかぬという規制になるのか、それとも、専門家でないからわかりませんけれども、つまり煙が入ってきたら、すぐざあっとシャワーのように天井から水が商品の上へかかるかなんかする。もう一々商品を規制し得ない。この別表のほうに含んでいるような、燃えやすいもの、ガスの出るようなものを運んではならぬと規制するのは、一々商品を点検するわけにもいかないのですから、できないとすれば、煙が入ってきた、火の出る前に煙が入るかもしれませんが、火なり煙なりに感じて自動的にシャワーが出るような規制というか、設備規制ですね、そういうものをデパートとかそういう商品を置く場所については検討する必要があるのではないか。つまり無差別にそういう設備をしなければいけない。商品置き場なんかだって、商店の気持ちでどんどん変えていくわけです。それを頭に強く置いて、施設について条件をつけるようなことがなされる必要があるのではないかというふうに感じたわけです。それは、いまだってスプリンクラーのようなものがあるとかなんとかいうことをおっしゃりたいのかもしれませんが、それは商品というものがあるという前提でもう少しはっきりしたものが要るのでないか。私は実は発想から言えば、旅館なりデパートのカーテンについてさえそういうことを言おうとする、それ以上のものだ。カーテンは不燃性のものにしなければいかぬということをいうのだが、その尺度を考えなければたいへんだ。しかし、一々の商品にはできない、持ち込みを許さぬということが実際できるかどうか。もっと極端に言えば、通産省のほうで、そういう危険な材料を使ったものはつくらせないという規制ができるかどうかということになりますが、そこまではできないまでも、今度は、いま申した、煙を感知してシャワーが出る設備をしておかなければならぬということをこの間感じたわけです。それでデパートでも同じだなという感じがいたしたのですが、そういうことに関連して将来についていまどういう見解をお持ちか、お伺いしたい。
#24
○佐久間政府委員 百貨店などにつきまして御心配の点は私どももまことに同感でございます。そこで、商品に対する規制は、先ほど申し上げましたようにこれは非常にむずかしいと思っておるわけでございますが、それにかわると申しましては何でございますが、先生のおっしゃいましたように、構造、設備の点において、かりに火災が起こりましてもこれが延焼拡大しないように、被害を最少限度にとどめられるというような配慮、これはできるだけすべきであるという考えでございます。
 そこで、たとえばいま御指摘のありましたような煙感知器の設置でございますが、今回、先ほど旅館、ホテルについて申し上げましたが、同様な煙感知器の義務づけは百貨店、地下街全部にするつもりでございます。それから、従来はスプリンクラーと防火区画とどっちかあればいいということが原則になっておりましたが、今回は、最近の事例にかんがみまして、防火区画の点とスプリンクラーの両方を備えなければならぬというような考え方で、これも、建築基準法関係で措置しなければならない問題については建設省のほうにお話しして、建設省のほうも大体御了解いただいております。私どものほうで措置しなければならぬことにつきましては引き続いて措置するという考え方でございます。
 いずれにいたしましても、地下街あるいは高層ビルの中におけるいまの燃えやすいもの、あるいはデパートにおける燃えやすいもの、要するに燃えぐさをできるだけ少なくすることができればそれが一番いいわけでありまして、したがって超高層ビルなどにおきましては、オフィスにできるだけ燃えやすいものは少なくするというくふう、これは指導としてはいたしております。それから、地下街で使いまする、たとえば事務用の机というようなものにつきましては、できるだけ燃えにくいもの、燃えやすいものは持ち込まぬという指導はいたしております。ただ、商店、百貨店ということになりますと、これはやはりものを売るのがその用途でございますので、そこに燃えぐさを一切持ち込んじゃいかぬということは、なかなかむずかしいわけでございます。ただこれは、私どものほうでかつて消防審議会にいろいろ高層ビルや地下街の防災対策について諮問をして答申をいただいたのであります。この中で、高層建築の超高層部分あるいは地下街の深層部分については、むしろ百貨店はそういうところへ置かせない、使用させないというようなことにすべきでないかという答申もいただいております。これは建築基準法の問題でありますので、建設省のほうにも申し入れて御検討願っておるわけでありますが、商品そのものの規制はできぬとしても、建築構造や消防用の設備なりいろいろな面でできるだけ被害をなくするような措置というものは今後も十分検討してまいりたいと思っております。
#25
○大石(八)委員 いまの煙感知器というのは、煙を感知して何か警備本部のブザーが鳴るとか、そういう設備ですか。
#26
○高田説明員 煙感知器と申しますのは、現行法の基準によりますと、自動火災報知設備というのがございます。その中に感知器という部分がございまして、まっ先にその出火を感知する部分でございます。そこの機能が熱で感知する感知器の基準きりないわけでございます。それを、今度煙を感知する感知器をつけよう、こういうふうな改正をいたそうというわけでございます。したがって、それで煙を感知いたしますと、それがもとの受信盤のほうに参りまして、自動的に今度は非常警報の非常ベルを鳴らす、こういうすべて自動的に連動方式にしよう、こういう機能のものでございます。
#27
○大石(八)委員 熱を感知したり煙を感知した場合に、そのことを自動的に本部へわからして、本部において自動的に警報するだけでなしに、場所によっては自動的に消火作用が起こるということだって考えたっていいと思う。そういう思想というのはあり得るのでしょうか。
#28
○高田説明員 先生御指摘の点につきましては、これは現行の程度から申しますとスプリンクラーの設備というのがそうでございます。それは火災を感知した場合に、自動的にスプリンクラーのメタルの部分が溶融いたしまして、そうして自動的に水が出る、一定の範囲内をカバーする、こういう設備でございます。ですからスプリンクラー設備と、それから自動火災報知設備というものを、従来は代替的に置いておりましたのを、今度は、場所によりましては、スプリンクラー設備と自動火災報知設備というのは機能が別であるから、これは重畳的に置かせる、こういう改正をいたして強化いたしたわけでございます。先生が御指摘の点につきましては、スプリンクラー設備がその機能を果たしていく、かように思います。
#29
○大石(八)委員 一応この程度で終わります。
#30
○鹿野委員長 折小野良一君。
#31
○折小野委員 この前の大臣の施政方針ですか、あの中にもございましたが、消防団員の処遇改善をやっていこう、こういうことでございます。現実の消防団員は処遇といわれるほどの待遇を受けておりません。また、これがいろいろ最近の団員不足という問題にもからんでおるわけでありますが、それを具体的にどういうふうにしていこうとしておられるのか、その具体的な内容をお聞かせいただきたいと思います。
#32
○佐久間政府委員 消防団員の処遇改善につきましては、従来から年々努力をしてきております。そこで、これはいろいろな面から多角的に施策を講じていこう、しかも毎年漸進的にいろいろなことを取り上げていこう、こういう考え方をいたしております。御趣旨のように、ただいま、公務災害補償の点につきましては、一般の公務員とほぼバランスをとった補償制度ができております。したがいまして、原則として年金制度もとられてまいっております。
 それから、出動手当でございますが、これは一回の出動に対しまして、本年四十三年度におきまして一回五百円ということに基準を引き上げまして、これは交付税で基準財政需要額にそれを織り込んでございます。
 それから、年報酬でございますが、これはここ数年間、消防団員の場合は一年間に千円、団長の場合は一万円ということでございましたが、明年度これを約二倍、団員を二千円、団長を二万円ということに引き上げるという方針で地方財政の上で措置をいたしております。
 それから、十五年勤続いたしました者が退職いたしました場合に、退職報償金を支給をいたしております。これは普通の団員でございますと三万円ということでございましたが、これは本年度から三万五千円と、わずかではございますが、引き上げをいたしております。
 それから、個人装備でございますが、保安帽でありますとか被服の類でございますが、これも年年地方交付税の基準財政需要額に計上いたしまして、これの整備をはかっております。
 以上のようなことを処遇改善の問題として取り上げておる次第でございます。
#33
○折小野委員 いろいろ不十分ながらやっていただくのはけっこうでございます。出動手当その他を交付税で見ていくということでありますが、しかし御承知のとおり、交付税で見たということは、それぞれの地方団体を別に規制するわけでも義務づけるわけでもないわけでございます。現実の市町村がはたしてそれをどういうふうに受け取っていくかというところに当然問題が出てくるわけでありまして、こういう面につきましては交付税で見てあるからということだけで、実際それだけの処遇がなされるというふうにお考えになるのは間違いじゃなかろうかと思います。そういう面については、実際問題としてどういうふうな指導とどういう対策を講じようとしておられるわけですか。
#34
○佐久間政府委員 交付税で五百円という基準で計上いたしておりましても、先生御指摘のように、現実の市町村へまいりますと、まだ百円か二百円ぐらいしか支給していないというようなところもございまして、全国の平均でいたしますと三百数十円、まだ四百円になっておらぬのじゃないかと思います。
 そこで、私どもといたしましては、国の考え方として、五百円なら五百円という基準をきめました以上は、むろん交付税でございますからひもつきではございませんけれども、できるだけ各市町村当局におかれまして、その趣旨をくまれて具体化、予算化していただくというようなことで指導をいたしておるわけでございます。先般も日本消防協会の役員会で、少し消防庁から強力な指導をしてくれというような御要望もございましたので、明年度の予算がきまりましたならば、先ほど申しました報酬の引き上げの点もあわせまして、できるだけ国の方針、考え方に沿って改善をしてくれるようにという指導をいたしたいと思っております。
#35
○折小野委員 こういう財源と制度の関連につきましては、いまの御答弁のようにいろいろ問題があるわけでございます。したがって、国といたしまして、現在の消防団員の処遇を少しでも改善したいということでございますならば、やはりそれができるような具体的な手を打っていただきませんと、現地におきましてはなかなかそういうような実態になっていないのであります。そして、これは今日まで長いこと、非常に悪いといいますか、そういうような状態のまま推移してまいっておるわけでございます。特に最近のように、消防団員の確保が非常にむずかしいという事態の中におきましては、やはりこういう点についての具体的な手をぴしゃっと打って、その上で団員確保の施策を今後講じていくということでなければ、実際問題として団員の確保というのは非常にむずかしいのではないかというふうに私ども感じておるわけでございます。その辺の施策をひとつ具体的にお願いをいたしたいと思います。
 ところで、現在その団員が全国でどれくらい不足しておるか、一応基準というものがあるわけでございますが、現在どの程度充足されておるか、概数でけっこうでございますからお知らせをいただきたい。
#36
○佐久間政府委員 現在概数は全国で百二十八万でございます。これは消防力基準から申しますと、たしか八〇%ぐらいに平均といたしましてはなろうかと思いますが、これは先生も御承知のように、個々の市町村によりまして非常に地域差がございまして、基準を相当上回って、むしろ倍ぐらい団員を持っておられるところもございますし、また基準の半分ぐらいしかおらぬというようなところもございます。これは私は、その地域地域の実情に応じまして必ずしもそう機械的、画一的にもいかぬのじゃないか。結局、私どもの基準も普通の建物の火災を念頭に置きました基準でございますから、そのほか山火事とか水害とかいうようなものがひんぱんに起こるような地域におきましては、もっと上回って団員を確保するというような必要もあろうかと思っております。
 一方、常備化を並行して進めておりまするので、消防署を持ちませんでも、たとえば団の中で団の常備員とかあるいは機関員だけを常勤職員にするとかいうような形態もきめておりまするし、そういう常勤職員の分としても相当交付税の中では計上もいたしておりまするので、全体として財源措置としては大体過不足なくいっておると思っております。
 なお、この団員の減少がどの程度のところがちょうどいいのかということになりますと、現在の基準そのものについてもなお検討を要する点があろうと思いますが、減少の原因を調べてみますと、町村合併に伴って団の再編成をしたというようなこと、あるいは施設の機械化に伴って、従来腕用でやっておりましたのを動力に切りかえるというようなことで減少しているというようなものもございます。あるいはまた、常備化をいたしましたために、それに伴って減少しているといったようなものもございます。私は、ただいま申しましたような町村合併に伴うものでありますとか、あるいは機械化に伴うものでありますとか、あるいは常備化に伴うものでありますとか、そういうことが原因で減少しているものは、これはそれなりの合理的な理由があるわけでございまするから、減少そのものについては別段心配しなくてもいいのじゃないか。最近の減少は、都市化が進んでまいりまして、みな都市へ働きに出るという関係の確保の困難という点がございますが、この点は問題として十分真剣に取り組んでいかなければいかぬというような考え方をいたしておるわけでございます。
#37
○折小野委員 団員の減少していく理由としていろいろあげられたわけでございますし、現実にそのようないろいろな理由があるわけでございますが、確かに消防の常備化を進めていくということは、重点的な防火対策という面からは非常にけっこうだというふうに考えております。その常備消防と消防団との関係、こういうような問題は、現実に消防活動をいろいろやってまいります場合に、調整を要する問題がいろいろと出てくるということがあるわけでございますが、消防の立場といたしまして、常備消防を設置した場合には、大体その区域におる団員は要らない、こういうふうなお考えで消防の常備化を進めておられるわけでございますか。
#38
○佐久間政府委員 私どもは、消防の常備化を進めると申しましても、従来の消防団が全く要らなくなるというほどの完全な常備化ということはとうてい考え得ないことだと思っております。
  〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕
一つの市で、かりに常備化をいたしましても、中心の市街地の部分に本部を置くということで、周辺の合併されました農村部につきましては、やはり消防団の活動にまたなければならないというようなことが通常と思いまするし、さらにまた、山火事とか水害とか地震とかいうような広域的な災害が起こった場合を考えてみますと、これはいかに常備化を進めましても、どうしても消防団員の方々のお力にまたなければならないというふうに思うわけでございます。現に東京の二十三区内におきましては、一万人以上の常備職員を持っておるわけでございますが、ここにおきましても消防団の活動は相当活発に行なわれておりまして、通常の火災の場合におきましては、交通整理とか初期消防とか、あるいは残火の整理とかいった、どちらかといえば補助的な業務が主となっておりますけれども、ただいま関東大震災のような大地震でも起こったような場合を念頭に置きまして、むしろ消防団の機能の強化ということをはかっておるような状況であります。
 これは私の個人的な考えでございますが、消防団というものは単なる常備化すればそれで団の機能がなくなるというものじゃない。やはりそれは地域住民の自主的な防衛組織と申しますか、一つの自然発生的な住民組織というような性格を本来持っておるものだと思います。そういう点から考えてみますと、常備化が進むことによって従来よりも団の編成が多少変わるとか、あるいは団の消防署に対する任務の分担というものについて若干の変更は起こってくると思いますけれども、その常備化が進められたために団が要らなくなるといったようなことはないというふうな考えで現在指導いたしておる次第でございます。
#39
○折小野委員 人口が非常に少なくなってまいります地域、特に漁村あたりにおきましては、これは漁村の業態とも関連をするわけですが、相当長い期間出ていかなければならない、その間ほとんどその部落に男手がない、こういうような状況のために婦人消防隊というようなものが結成されております地域が最近出てまいっております。婦人が消防の第一線に立つということ、これはやむを得ない実情でございますし、場合によっては、これは地域のニュースとして大きく取り上げられる、こういうことではございますが、しかしこういう婦人消防団員に対して、正式な団員としての、特に災害関係に伴います補償、そういうものが実際問題として行なわれておるかどうか、その辺に多分に懸念を持たれるような例もあると聞いておるわけでございますが、実態はいかがでございますか。
#40
○佐久間政府委員 婦人の消防隊といわれておりますものにつきまして、法律上の性格から申しますと、正式な消防団員になっておるところと、そうじゃなくて、自主的な組織ということでなっております場合とございます。むしろ数といたしましては後者のほうが多いわけでございます。まあ、私どもとしては、やはり婦人の方々の状況から考えてみまして、これを正式の団員として業務を行なわせるというようなことについて、あまり強制するというような指導は避けております。これはあくまでも地域の自主的な判断にゆだねておるわけでございます。
 そこで、ただいまお尋ねの公務災害補償の問題でありますが、正式の団員になっております場合は、これは自動的に団員としての待遇を受けるわけでございますから問題ございませんが、団員になってない場合の問題でございます。この場合も、現在いわゆる協力者として、この協力者につきましては正式の団員と全く同様な取り扱いを公務災害補償制度の上でいたしておりますので、その点は御心配なかろうと思っております。
#41
○折小野委員 もちろん、婦人が継続的に消防団員として活動するというような事態は少なかろうと思っております。しかし、やはり問題になりますのは、予想しない災害、こういうような場合におきまして、あとの補償関係がうまく行なわれておるかどうか、こういうことが一番の問題でございますから、協力者という立場において全然変わりがないということでありますならばけっこうだと思いますが、そういうような面について多少の懸念も従来持たれてまいりました。したがって、実情やむを得ないということで婦人消防団あたりが活動しておる地域につきましては、そういうような面についてひとつ遺漏のない指導をやっていただくようにお願いをいたしておきたいと思います。
 それから、工場地帯あたりの火災におきまして、よく、消防関係者が、火災が起こっておるのだが、その門のところでとめられて中にはいれない、こういうようなことで消防活動を阻害されるというような事例を聞くわけでございます。こういうような面については、消防庁としてはどういうふうなお考えでおられますか。
#42
○佐久間政府委員 私もそういうようなことを耳にすることがございますが、私どもの考え方といたしましては、工場内でありましても、またその工場内に外国との関係でいろいろ取引上の秘密があるといったような場合でございましても、いやしくも火災が起こって、その火災の鎮圧のために消防隊が出動すべきだと判断をいたしました場合には、これは当然出動していくべきであるし、また、それを工場側が妨害するということは、これは許されるべきことではないという考え方で指導はいたしております。実は昨年、市原の三井ポリケミカルでございましたか、そこでも、事故がございました際に、そのような話もあったわけでございますが、現地の消防といたしましては、そんなことのために自分の行動が妨害される、あるいは支障を来たしたというようなことはなかったという報告を受けておりまするけれども、しかし御懸念されるような点が万一ありましてはこれはいけませんので、この点につきましては、通産省のほうにも連絡をいたしまして、今後さらに指導に遺漏ないようにいたしたいと考えております。
#43
○折小野委員 ただいまの問題に関連をいたしまして、工場の中ではいわゆる自衛消防と申しますか、そういうものを持っておるところもあると聞いておるわけでございます。もちろん、市町村の消防体制が十分でなくて、それを補う意味においてみずから消防器材あるいは消防体制というのを確立しておくということは、それはそれなりにけっこうだというふうに考えます。しかし、反面、自衛消防を持っておるから公設の消防活動をやってもらっては困る、入ってもらっては困る、こういうようなところが出てくるという場合も考えられるわけでございますが、こういうような自衛消防というものについての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#44
○佐久間政府委員 企業につきましては、まず自分のところで出た火災につきましては、自衛的に消火に当たるということは、これは私は当然のことだと思います。通常の、家庭におきましても、火が出たらまず自分で消すということは当然やらなければならぬわけでございまして、特に相当な危険なものを持っております企業におきましては、そのような責任を制度的にも多く持たせる必要があろうと思います。現在消防法の規定によりまして、一定の規模以上の危険物施設を持っておりますところにつきましては、一定の自衛消防力を持たなければいかぬということを義務づけております。
 そこで、私どもの考え方としては、むしろ今後そういう企業の第一次的な責任と申しますか、これはさらに加重する方向で考えていくべきじゃないか。しかし、先ほども御指摘もございましたように、まず企業が第一次的に自己防衛に当たってもなおかつ力が不十分だ、あるいはまた、さらに企業外の一般住民に被害を及ぼすといったようなときには、これはやはり公設消防が出ていって通常と同じような消火活動に当たらなければならぬというふうに存じております。
#45
○折小野委員 企業が第一次的な義務として自衛消防をやっていく、これは当然でありましょうが、結局そうすることによりまして、これは観念の問題だと思うのですが、自分のところは自分でやっているのだから入ってもらわぬでもいい、こういうような観念が出てまいりますと、これはやはり公共的な立場から問題があろうと思っております。特に非常の場合は別といたしまして、かねての予防査察、そういうような面に関連をいたしまして、特にいろいろな問題があるのじゃなかろうかというふうに考えます。そういう面についてはやはりはっきりした方針を示して、各地域の公設消防の活動が支障ないようにやっていただきたい、かように考えております。
 最後に一つお伺いいたしますが、火災保険、これは消防と直接は関係はしておらないかと思いますが、都市の中におきましては、ところによりまして非常に火災が起きやすい、こういうような場所がないとは言えないのです。たとえば料飲街あたりの場末あたり、通常火災が起きやすい、こういうふうに常識的に判断されるような地域があると思います。そういうようなところに住んでおる人たちは、やはり身の危険を感じて火災保険に入りたい、ところが、火災保険会社に申し込みをいたしましても、火災保険会社から拒否される、こういうような事態があるわけであります。そしてまた、中には火災保険会社におきまして、あの地域の家は火災保険に加入させないというような指導をいたしまして、こういうような地域の人たちが加入することを敬遠するというような実態があるのであります。これは、会社は一つの営利企業でございますから、そういう立場からの行動だというふうに考えますが、しかし、反面、火災保険というものの公共的な性格からいたしますと、たとえ料金の差はあったにいたしましても、加入させないということはいけないのじゃないかと思うのでございます。こういう面についてはどういうふうに消防庁としてはお考えになっておりますか。
#46
○佐久間政府委員 一般的に消防力が充実強化されてまいりますに従いまして、火災保険の料率も引き下げていってしかるべきだと思います。火災保険の料率の引き下げということにつきましては、関係の機関あるいは会社などでいろいろなむずかしい考えも持っておるようでございますが、私どもといたしましては、基本的には消防力の充実強化をはかりつつ、それに応じて火災保険料率の引き下げをしていくべきものだという考え方で関係者とも話し合っておる次第でございます。
 なお、ただいま御指摘のございましたように、非常に火災の起こりやすい地域におります者に対して、保険会社が加入を認めないというようなお話でございますが、私も保険の実情につきましてはあまり詳しく承知をいたしておりませんが、そのようなことはあるべからざることではなかろうかと思いまするので、なおまた実情も後刻お知らせをいただきまして、ひとつ関係者と話し合ってみたい、かように思います。
#47
○折小野委員 いまの問題は、自由に加入したい、こういう希望者に対しまして、その加入を拒否するというようなことは、私どもとしても、あってはいけないことだというふうに考えます。しかしながら、これが相手方が営利企業であるという面から見ますと、それはないとばかりも保証はできないのではなかろうか、こういう点も懸念をいたすわけでございます。したがって、これに対しましては、一定の指導機関、あるいは大蔵省ですかどこかあろうと思いますが、関係者と十分な御協議をいただきまして、少なくも入ろうという希望がありましたら必ず加入させる、これは当然義務づけてしかるべきだというふうに考えます。そういう面から、消防庁の立場といたしましても、今後よろしく指導をお願いしたい、かように考えております。
 終わります。
#48
○大石(八)委員長代理 山本弥之助君。
#49
○山本(弥)委員 時間がありませんので、簡単に一点だけお伺いいたしたいと思います。
 終戦処理として残されておりました防空に従事して死傷した警防団員の遺族等に対する特別支出金が予算に計上せられましたことは、まことにけっこうだと思っております。この支給の範囲あるいは金額等につきましてお聞きいたしたいと思います。
#50
○佐久間政府委員 支給の金額でございますが、殉職されました方につきましては七万円、傷害を受けられました方につきましては五万円、なお予算上見込んでおります人員は殉職者が千四百九十人、傷害者が十四人でございます。
#51
○山本(弥)委員 これは手続関係はどういうふうになるのでしょうか。
#52
○佐久間政府委員 市町村で調査をしていただきまして、それを県で取りまとめて私どものほうへ伝達をしてもらう、私どものほうで審査いたしまして支給をする、こういう手続を考えております。
#53
○山本(弥)委員 そういたしますと、これは手続法規みたいなものは必要としないで、一応支給漏れといいますか、放置されておった遺族等に対しまして、国の慰労金といいますか、そういうふうな関係で予算措置だけで支給されるわけなんでございますか。
#54
○佐久間政府委員 そのとおりでございまして、一時金で国としてお見舞いをするといったような性格でございましょうか、予算措置だけでございます。
 なお、この手続の詳細につきましては、現在補助要綱というふうなものをつくっておりますので、これを県を通じて市町村のほうに連絡をするというふうに考えております。
#55
○山本(弥)委員 そういたしますと、事前に該当者につきましては府県市町村を通じて御調査になり、それによって積算をしたということになるわけですね。
#56
○佐久間政府委員 これは御承知のように、前々からの懸案でございまして、これまでも府県を通じまして二度ぐらい調査をいたしております。ただ、ところによりますると、実態がよくつかめておりませんで、一応の報告がございましても、内容が不完全だというような部分もございまするので、今回予算が成立いたしましたならば、あらためて正式に御紹介をするということにいたしたいと思っております。
#57
○山本(弥)委員 そういたしますと、新しい調査によりまして、従来調査をなすった人員等がさらに増加してまいるような結果になりますと、予算関係はどうなるわけでございますか。追加なさるわけでございますか。
#58
○佐久間政府委員 先ほど申し上げました数字は、従来二度ほどやりました調査の結果からいたしますと、大体これでいいのではなかろうかという見込みを立てておりまするので、ただいまのところ、これで不足をして、さらにどうするかということは、まだ検討いたしておりません。
#59
○山本(弥)委員 時間がありませんので終わります。
#60
○大石(八)委員長代理 林百郎君。
#61
○林委員 消防庁長官と、それから通産省、建設省の方に伺いますが、最近の火災は死傷者が出るということが非常な特徴になっており、これは一つの大きな社会問題だと思いますので、この点についてちょっと質問したいのですが、最近の火災による死傷者の数というのは、何か出ていますか。歴年度でもいいですが……。
#62
○佐久間政府委員 最近、過去五年間の火災による死者の数でございますが、昭和三十九年が九百四十人、四十年が九百六十五人、四十一年が千百十一人、四十二年が千百六人、四十三年が千百三十八人でございます。
#63
○林委員 それから、火災が発生した際に、死亡者を出しているそのパーセンテージ、火災発生数とその火災によって死亡者が出た場合のパーセンテージというのはわかりますか。要するに、死亡者の出た火災というのが、普通の火災の何%ぐらいずつふえているのか。それは出ておりませんか。
#64
○佐久間政府委員 先生のおっしゃいましたように、火災の中で何件死者が出たかということは、いまちょうど手元に資料を持っておりませんが、火災そのものの件数で申しますと、昭和四十三年が五万三千百八十四件でございます。五万三千百八十四件の火災で、死者は先ほど申しましたように一千百三十八人、こういうことでございます。
#65
○林委員 そうすると、五万三千百八十四件のうちで約千百件ぐらいが死傷者を出している、これは大ざっぱに言ってそう見ていいわけですか。
#66
○佐久間政府委員 大ざっぱに言ってそんな見当かと思います。
#67
○林委員 そこで、火災にあたって死者が出る原因は、いろいろあると思いますが、その中で、最近、建築に使われている建材自体から一酸化炭素が出るとか、あるいは非常に引火しやすい建材が無責任に使われているという声があるわけなんですが、これについて消防庁はどうお考えになっておりますか。
#68
○佐久間政府委員 これは、死者のうち、どれだけがお話しのような新建材が原因かということは、なかなか確かめにくいものでございますので、その数字は持ち合わせておりませんが、ただ、大観的に言えますことは、最近の旅館、ホテルあるいはビル、あるいは併用住宅と申しておりますが、一階が作業所、店舗等で、二階が住居で居住しているといったような、そういう建物構造の中で出ました死者というものは、大体煙に巻かれてなくなっておるというのが大半だというふうに見ていいと思います。その煙を出しました原因が新建材かどうかということにつきましては、ちょっとはっきりしたことを申し上げかねますけれども、新建材を使っておって、それから煙が出るというケースも相当あるのではなかろうかと思います。
#69
○林委員 建設省と通産省にお尋ねしたいのですが、そういう非常に引火しやすい建材、それから引火した場合に、特別に化学的なガスを発生するような建材、こういうものに対しての製造自体の規制とか、あるいはそういうものを使う個所についての規制だとか、そういうことも何かお考えになっておりましょうか。これは建設省と通産省にお尋ねしたいと思います。
#70
○前川説明員 お答えいたします。
 先ほど山口先生にもお答えしましたとおりでございますが、もう少し御説明いたしますと、やはり建物の使い方といいますか、小さな部屋とかあるいは廊下とか階段とか、そういったところで特に避難口に関するようなところ、あるいは避難経路に関するようなところにつきましては、もう絶対に煙を出さぬような材料というような規制をしていきたいと考えております。したがいまして、今回考えております建築基準法の改正におきましても、建築資材をある段階ごとに区切りまして、たとえば不燃材料あるいは多少炭化してきましても、炭のようになってきましても、煙を出さないというような、いわゆる準不燃材料あるいは燃えにくくて、多少煙は出すけれどもそう出さないという難燃材料、こういう区分を考えまして、そういった材料しか使ってはいけないというような規制を考えていきたい、大体そういうふうに考えております。
#71
○倉部説明員 先ほど山口先生にお答えいたしましたのと若干重複するのでございますが、最近の建材につきましては、いわゆる木材の不足に対処いたしますとともに、居住性能の向上というものをねらいまして、たとえば非常に美しい、安い、あるいはまた、いわゆる水に強い耐水性とか、あるいは薬品に強いとか、あるいは音を遮断する効果があるとか、いろいろそういうような性質を持った建材がたくさん出ているわけでございますが、そういった意味で建築面あるいは国民生活の面で非常にプラスの面が多いわけでございます。ただ、そのものの中で燃える速度あるいは燃えやすさという点におきましては、若干改善はされているわけでございますが、大きな火災の場合に、煙やガスの出るものもあるわけでございまして、その点につきましては、その使い方、それから火災等におけるところの条件、そういったものが事故の一つの原因となるわけでございますので、私どもも基本的には、建材のそういった性状と申しますか、性能と申しますか、そういうものの使い方の面である程度の規制というものは必要ではないかということで、現在建設省で建築基準法に関連した法令の上でそういう規制の強化が行なわれているわけでございますが、そういう方向はある程度やむを得ない、または必要であるというふうに考えているわけでございます。通産省としましてはそういったことではございますが、やはり理想としては、そういった事故におきましても煙やガスができるだけ出ないものをつくっていく必要があるということで、現在建材関係の団体、業界等に再々集まっていただきまして、そういった方向での技術開発、試験研究というものを早急に進めるようにということを、実はいろいろと情報交換あるいは共同研究、そういうことを進めるように指導いたしているわけでございます。また、同時に、私ども通産省の軽工業生産技術審議会というのがございますが、その中に特に燃焼性部会というものを設けていただきまして、こういった問題についても御検討をいただいているという段階でございまして、そういう方向で私どもとしましては努力してまいりたいというふうに考えております。
#72
○林委員 これは消防庁と建設省にお聞きしたいのですが、いまは御承知のとおり非常に建築ブームで、民間でも至るところで建築をしているわけですね。そういう場合に、いま各政府委員の答弁のありましたような、引火しやすいもの、あるいは引火した際に非常に煙を出しやすいもの、あるいはその煙の中に化学的に人体に危害を与えるようなガスを含んでいるようなものの使い方について、建築基準法を改正したり、あるいはそれぞれの研究をしているというのですが、たとえば建築基準法を改正をした場合にも、その基準法に基づいてそういう建材が適正に使われているかどうかということの監督権はどこが持ち、どのように実施されていくわけなんでしょうか。普通の民間の家もたくさん建っているわけですから、そういう建築資材に至るまでの監督権というものはどこが持ち、どのように適正に行なわれる保証があるのか、ちょっとお聞きしたい。
#73
○前川説明員 建築基準法の問題でございますが、実は先ほど山口先生にお話ししたのでございますが、建築基準法施行令の改正で、たとえば廊下とかそういったものにはいまの煙を出すような材料はだめだというふうなことをやったおけです。従来からもそういった種類の制限は、ある程度のことはやっていたわけですが、今回のこの件では、法律そのものの改正ということでやりたいというふうに考えているわけでございます。
 実際のそういった法律上の立場から申し上げますと、そういった材料を、たとえば建築基準法で禁止しているということを監督する責任は建築基準法の担当の職員といいますか、府県とか市町村のそういった第一線の職員でございますが、法律的には知事とか市長といったかっこうになるわけでございます。従来もある程度のことはやっておりますが、実際に部屋の仕上げそのものをどの程度までチェックできるかということになりますと、それだけでは必ずしも十分ではない。そうしますと、やはり今度は、一般の材料そのものにつきましての、何といいますか、製造の際に、たとえば見やすいようなレッテルを張るとか表示をするとか、実際の設計者そのものにつきましても、そういった材料を選ぶように指導するとかいうふうなこと、それぞれいろいろな関係者があるわけでございます。そういったところをオーバーオールにある程度のことを御協力いただきまして、さらにそれを重点的に見る、あるいは抜き取り的に見て回るというふうな形が、ある意味で一番常識的な線じゃないかというふうに考えております。従来ともそれは関係方面その他につきましていろいろそういったことについての打ち合わせなり何なりをしているわけでございます。今後、この煙の問題につきましては、やはりそういった、建築の中でも一番変わりやすい室内の仕上げの条件になってくるわけでございます。その点で、これをほんとうにぴしっとやろうということにつきましては、単に法律上の制度ばかりではなしに、それを取り巻くいろいろな条件、これを極力徹底するようにつくり上げていきたい、こういうふうに考えております。
#74
○林委員 そうすると、これは建設省の管轄になる。それで、当該建築基準法の施行について責任を持つ者が、この資材についても将来は監督の責任を持つ、制度としてはそうなるということなのでしょうか。ところが、実際民間の建物が仕上げしたところまで見に来るような人は事実上ありませんので、その辺のところをどうするのか。あるいはそういう方面でなくて、あなたの言われるように、業者を集めて、そうしてよく化学的な知識、建材についての知識を与えて、その人たちの良識をまつような行政指導をしていくということなのか、あるいは、これからはもう少し監督を厳重にして、具体的にも仕上がったところ、あるいは仕上げつつあるところまで見に行って適切な監督をするということになるのですか。その辺のところがどうも、法律だけつくっても実際の実行の監督が保証されなければ意味がないと思うのですが、その点ちょっとお聞きしたい。
#75
○前川説明員 御説明が足りなくて申しわけございませんが、現在こういった法律上考えておりますのは、一般住宅とかそういったところまでは考えていないわけでございます。やはり大規模の建物、先ほど出ましたような高層の建物、あるいは特殊な用途の建物、旅館とかホテルとか映画館、こういったものにつきまして強制を考えているわけでございます。その分につきましては、建築基準法の規定でその制限をするわけでございますから、法律上の制限としましては建築基準法の担当の関係庁の責任ということでございます。
 ただ、材料そのものが現実にどう使われているかということの前に、そういった材料が供給される体制ということが現実にあるわけでございます。それは場合によりましたら通産省とか、そういったところも関係する場合も出てくる。工業標準化法でたとえばJISのマークを打つという場合も考えられると思います。そういった表示制度と、それから、ある程度そういうものが出回るということによってこちらの検査自身も非常に合理化されるというふうなことも出てくるだろうと思います。ただ、一般の住宅とかその他につきましては、これはやはり広い意味の行政指導という立場で立ち入るというふうなかっこうになると思いますが、これは法律上そういったことで強制してやるというところまでは考えない、こういうことでございます。
 なお、違反是正ということ、そういった面にからみましても、従来とも基準法と消防法とがそういったことでも非常に密接な関係がありますし、制度的にはそういったリミットは考えられておりまして、その違反建築等、ある程度までは消防の査察なんかで見つかった場合御連絡いただくとか、いろいろな協力体制もしいているわけであります。そういった意味の運営上の協力体制ということと、さらに、特殊な建物につきましての監督ということと、それから一般の住宅と、大体そういうふうに分けて御説明すればよかったのでございますが、大体そういうふうな内容で考えております。
#76
○林委員 なかなかむずかしい問題ですので、この問題については、またあらためてもう少しきめのこまかい質問をしてみたいと思います。
 私たちの聞いているところですと、磐梯の例の旅館の火災は、建材にも大きな原因があったのじゃないかというようなことも聞いているわけです。もちろん、建物の構造自体にもいろいろ原因があると思いますけれども、あれだけの犠牲を出しておりますので、これは政治的な問題として真剣に考えなければならない問題だと思います。
 時間もありませんので、この問題はこの程度にして、また次にお聞きしたいと思います。
 きのうは、たまたま東京空襲の記念日だったわけなんですけれども、われわれ年配の者は、あの被害をよく知っているわけですが、かりに東京都にああいうような大規模な、関東大震災のような大規模な火災が発生するような事態が起きた場合、たとえば水道が断水してしまう、道路が通れなくて消防車が運行できなくなる、あるいは電気がとまる、こういう防火施設が機械化せばするほどまた非常な微妙さも持ってきますので、道路、水道、電気というようなものが破壊されると、消防の機能が麻痺するということが考えられるわけですけれども、そういうことについて消防庁はどういうようにお考えでしょうか。特に日本の建物というものは、全く木と紙と、非常に燃えやすいものでできておる建築物が庶民の住宅としては多いわけなんですね。例外はもちろんございますけれども、西欧諸国に比べて特に多いわけです。そういうところで、こういう関東の大震災だとかあるいは大空襲――などというようなことは私たちも想像したくないんですけれども、万一の事態を考えておくことが、やはり政治に携わる者の責任でもあるわけです。そういう場合について消防庁はどういうように考えておられますか。構想をお聞かせいただきたいと思います。
#77
○佐久間政府委員 空襲の場合は、現在想定をいたしておりませんが、関東大震災級の大地震が起こるということは、学者の調査によりましても、過去鎌倉時代以来大体六十九年を平均といたしまして周期的に起こっておる、こういうような資料も出ておりますので、これはいまから対策を十分検討しておかなければいけない。かりに大正十二年から六十九年、そして六十九年の前後数年の幅があるといたしますと、あと十数年いたしますとその時期になる、こういうようなことにも統計上はなりまするので、そこで、いますぐ関東大震災級のものが起こったらどうかということは、東京消防庁でも職掌柄心配をいたしまして、これまでも試算をいたしたことがありますが、それによりますると、まあいますぐああいうようなものが起こったということになりますると、これはたいへんなことになる。あるいは、あるところまで、場合によったらお手あげということに近いような状態になるかもしらぬというようなことまで心配されておるわけでございます。
 そこで、幸いにしてまだ十数年間あるといたしますならば、その間に消防力の増強あるいは建物の不燃化、都市構造の改造というようなものを、計画を立てていまから手を打っていって、そして、かりにそのようなものが起こりました場合でも、被害は最小限度に食いとめられるという体制をつくっておかなければならぬ。しかも、これは消防庁だけじゃなくて、各省庁みな協力をして、そういう頭で検討していかなければいかぬ、こういう考え方に立ちまして、実は昨年、私のところに消防審議会という諮問機関がございまするので、その消防審議会に、関東大地震級の規模の地震が起こった場合の震災対策ということについて諮問をいたしまして、現在検討をしていただいておるところでございます。関係省庁からもそれぞれ委員、幹事として御協力をいただいております。そういう体制でいませっかく努力をいたしておる、こういう状況でございます。
#78
○林委員 私は、外国へも行って、外国の都市計画などを見てきておる立場から考えますと、大規模な震災だとか火災、そういうことに対して計画性を欠いた都市計画になっておるということが思われるわけですね。ことに日本の庶民階級の住んでおる建物が、木と畳と障子というような、これは全く火災の好材料になっておる。その上、最近では、石油、プロパンガス、重油あるいは燃えやすい家庭用品、建材等がずっと取り巻いているわけですね。そういう中で、しろうとが考えても、たとえばある地域にある程度の火災が発生して水道がとまった場合に、どの水を使うというような、プールをつくるだとか、煙に巻かれた場合に一般の住民を誘導するような待避場をつくるだとか、そういうことが各区域ごとにそれぞれの計画に基づいてつくられる必要があると思いますが、全然そういうものが、少なくとも計画的には、首都東京の安全を確保するための長期間にわたる計画に基づくそのような設備が見当たらぬわけなんですね。こういうことについては、審議会の答申を待ってお考えになるのでしょうか。そういう点についての計画ですね。都市建設についてのそういう消防の観点からの計画がどのように考えられ、それがどのように実行に移されようとし、あるいはどこに隘路があるならばあるというような問題点を参考までに出していただきたい。これは建設省からもお聞かせを願いたいと思うのです。
 非常に局限された消防上の観点による家屋の建設などについては、それは建築基準やいろいろありますけれども、しかし、都市全体をそういう大規模な火災あるいは災害から防ぐような計画に基づく水の施設だとか、あるいは待避場の施設というようなものは、われわれあまり聞いたことがありませんので、そういう計画というものは、建設省は都市計画について考えておるのか。消防庁と建設省、両者からそれをお聞きをしておきたいと思います。
#79
○佐久間政府委員 先ほど申し上げましたように、消防審議会で御審議をいただいておりまするので、その審議会の審議に私どももできるだけ協力をいたしまして、必要な資料等も提出をいたしておるわけでございます。したがいまして、この答申を待ってということでございますが、大体の考え方としては、被害想定というものをいま検討してもらっております。現在あれと同じような震度、またどの程度の風速のもとにおいてどういうような時刻において起こったと仮定をいたしたならば、どの程度の被害が起こるであろうか。また、この被害の中には、一番おそろしいのは火災でございますが、火災がどういう地域に何件ぐらい起こるだろうか。それがまた現在の消防力あるいは消防以外の、それぞれめいめいが自分でまず初期消火をするというようなものをどの程度見込んでいったらいいか。そこでそういうようなことの想定をいろいろやってもらっております。
 そういうものが出ました場合に、今度それがそういうことにならぬようにするためには、一体どういう手を打っていったらいいかということで、その中には、お話のありましたような消防用の水利の問題、これは現在の東京の水利の状況ではきわめて不十分でございます。防火水槽等も相当これは増設をする必要があろうかと思いますが、そういう問題も、また都市改造、これは主として建設省のほうで御検討を願うわけですが、そういうものも検討していただく。また、そういうような不燃化とか都市改造とかが進むに従ってまた被害というものも修正をしていかなければならぬと思いますが、そういうような考え方でいまやっております。そこで大体火災を中心とした大きな被害想定なり、あるいはそれに対する対策の大綱というものを消防審議会できめていただいて、それから先はひとつそれぞれ関係省庁でさらに詳しく具体的に御検討を願う、こんなふうな進め方を考えておるわけでございます。
#80
○前川説明員 実は、私の課が直接担当でございませんので、ある意味で多少私の聞きかじりということになって恐縮かとも思いますが、たまたま、いまの消防庁からのお話でも、いわば市街地改造というふうなこと、そういったことを私たちはやっているわけであります。そういう点で多少私の聞いておる範囲で御説明したいと思います。
 いまのお話が主として東京のお話でございます。東京につきまして、やはりいまの、特に下町のほうのことでございます。ああいったところにつきまして、相当危険性があるというふうなことから集団的ないわば避難施設、相当大きな面、そういったところを幾つか考えまして、そこを防災建築街区といいますか、不燃化するという制度、それにつきまして補助金を出すという制度もございます。それから、市街地改造あるいはまた道路事業をやる、そういうふうないろいろなテクニックがございますが、東京都の辺でもある程度具体的な話もやっているようでございまして、そういった点でまた消防庁とも御連絡しながら、直接私担当でございませんので、どの程度できるかわかりませんが、できましたら御報告したい、こういうように考えます。
#81
○林委員 私、要望を兼ねてこれで終わりますが、私の質問も別に人心を特に刺激するためにやるわけではないのですけれども、あなたの言う統計上からいっても、ここ十年前後の間に関東大震災程度の震災が起きる年代も迎えなければならない。その場になって急にというわけにいきませんし、それから政治家としてそういうことについて全然無関心でいたということになれば、またわれわれの責任にもなる。したがって、消防庁でもそういう資料が集まり次第、中間的なものでもいいですから、当委員会に提出していただいて、そして委員の皆さんにもよく理解をしていただいて、もちろんこれは予算も必要です。しかし、こういう予算は、ある意味においては何よりも欠くことのできない予算にもなると思いますので、われわれもまたそういう点で協力もしなければならないと思いますので、今後そういう点を遠慮なくひとつ資料を提出していただいて、委員の皆さんの理解を深めていただくような努力を積極的に、とりあえずの責任は消防庁に負っていただいてやる、また、建設省のほうからも、そういう資料がありましたらひとつ率直な資料を出していただく、これを要望しまして私の質問を終わりたいと思います。
#82
○大石(八)委員長代理 古屋亨君。
#83
○古屋委員 私も資料の要求だけ一つ申し上げますが、いわゆる消防団の出動手当とか、あるいは退職報償金が交付税の単位費用として示されておるのでございますが、これらの金額と現実の市町村の支出額とは異なっておるものがあるように、そういう地域が相当あるように聞いておりますので、この点に関する資料をひとつ提出をしていただきたいという要請でございます。
#84
○佐久間政府委員 出動手当につきましては、御趣旨のとおりの資料を提出いたします。
 それから、退職報償金につきましては、御承知のように消防団員の公務災害補償基金で全国的に統一をとって実施をいたしておりますので、その全国的に実施をいたしましたものに何か付加して行なっておる市町村、これも若干ございますが、その関係の資料を提出いたします。
#85
○大石(八)委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時四分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト