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#1
第061回国会 地方行政委員会 第27号
昭和四十四年四月二十五日(金曜日)
    午後五時七分開議
 出席委員
   委員長 鹿野 彦吉君
   理事 大石 八治君 理事 塩川正十郎君
   理事 古屋  亨君 理事 細田 吉藏君
   理事 保岡 武久君 理事 山口 鶴男君
   理事 山本弥之助君 理事 折小野良一君
      青木 正久君    岡崎 英城君
      奧野 誠亮君    加藤 六月君
      亀山 孝一君    吉川 久衛君
      斎藤 寿夫君    四宮 久吉君
      渡海元三郎君    中川 一郎君
      永山 忠則君    福井  勇君
      井岡 大治君    太田 一夫君
      河上 民雄君    野口 忠夫君
      細谷 治嘉君    安井 吉典君
      依田 圭五君    門司  亮君
      小濱 新次君    林  百郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 野田 武夫君
        国 務 大 臣
        (国家公安委員
        会委員長)   荒木萬壽夫君
 出席政府委員
        警察庁長官   新井  裕君
        警察庁警備局長 川島 広守君
        自治政務次官  砂田 重民君
        自治省行政局長 長野 士郎君
    ―――――――――――――
四月二十五日
 委員赤澤正道君、奧野誠亮君、桂木鉄夫君、吉
 川久衛君及び河上民雄君辞任につき、その補欠
 として加藤六月君、中川一郎君、四宮久吉君、
 福井勇君及び安井吉典君が議長の指名で委員に
 選任された。
同日
 委員加藤六月君、四宮久吉君、中川一郎君、福
 井勇君及び安井吉典君辞任につき、その補欠と
 して赤澤正道君、桂木鉄夫君、奧野誠亮君、吉
 川久衛君及び河上民雄君が議長の指名で委員に
 選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二号)
 警察に関する件
     ――――◇―――――
   午後五時七分開議
#2
○鹿野委員長 これより会議を開きます。
 昨二十四日の当委員会の運営が円滑を欠いた点につきましては、委員長としてまことに遺憾に存じます。今後はかかることのないよう留意し、審議が十分尽くされるよう努力いたしたいので、委員各位の御協力をお願いする次第でございます。
 警察に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口鶴男君。
#3
○山口(鶴)委員 御案内のように、わが日本社会党の本部のございます社会文化会館が、一昨日の十二時五分、それから約一時間半程度の間に及びまして、新聞に報道されましたような、いわば右翼青年思想研究会と称する団体だそうでありますが、の襲撃を受けたわけであります。
 聞くところによりますと、国家公安委員長は、これはけんかである、けんかは両成敗であるというような趣旨の御発言をなされたそうでありますが、私はこれはたいへん遺憾だと思うのであります。戦前はいざ知らず、戦後、政党の本部にこのような暴力団が乱入をいたしまして――新聞によっては乱入事件と書いておるわけであります。乱入をいたしまして、その党本部が血ぬられたというような事態は、戦後いわば民主憲法のもとにおける現在の民主主義の日本におきましてはいまだかつてなかったことでございます。したがいまして、この問題に関しまして、昨日、自民、社会、民社、公明四党の国対委員長会談が開催をせられまして、この問題についても話し合いがあったそうであります。その際に、与党自民党でございます園田国対委員長も、政党本部が襲撃をされたことはきわめて重大問題である、かような御発言をされたと私は承っておるのであります。したがいまして、荒木国家公安委員長の所属しておられます自民党の国会対策委員長がそのような御認識であるのに、公安委員長がいわばけんか両成敗というような御認識を持っておられることはきわめて遺憾だと思います。戦後において初めて政党本部が暴力団によって襲撃され、血が流されたという事態に対して、警察の最高責任者というべき荒木さんはいかに事態をお考えでありますか。この点をまず冒頭に承っておきたいと存じます。
#4
○荒木国務大臣 仰せのように、天下の公党の玄関先でけんかが行なわれて、血ぬられたかどうかという現実は私もしかと承知しておるわけじゃございませんが、少なくともなぐり合いが行なわれたということはまことに遺憾千万なことだと私も存じます。
#5
○山口(鶴)委員 いまのは御答弁になりませんですね。聞くところによれば、当日荒木国家公安委員長は名古屋において遊説をなされておったそうですね。したがいまして、東京と名古屋と離れておりますから、実情の認識が不足をしたというふうに私は考えるのでありますが、しかし、少なくとも、園田国対委員長も、政党本部が襲撃されたということはきわめて重大問題である、こういう御認識を持っておるわけです。しかも、私が先ほど申し上げたように、民主憲法のもとにおいて政党本部がこういった暴力団によって襲われ、血が流されたという事態はいまだかつてないじゃありませんか。このような事態が繰り返されるとすれば、これはまさに議会制民主主義の危機であり、議会制民主主義をいわば盛り立てている政党政治の危機であると私は思うのであります。この点、大臣いかがでしょうか。あなたは政党政治の危機に対して重大な認識をお持ちにならないのですか、お尋ねをいたします。
#6
○荒木国務大臣 暴力は、いかなる理由がありましょうとも、どこでありましょうとも、民主主義の敵であると私は理解をいたします。したがって、襲撃とおっしゃいますが、私の警察関係から得ました実態調査によりますれば、襲撃という現象ではなかったと理解いたしております。抗議文を手渡しに行って、入れる、入れない、二階に上がる、上がらないということからエキサイトしたと見られる口論が高じまして、つい押し合いへし合いの状態からなぐり合いの状態になった、こういう事態だと理解をいたしておりますので、新聞の報道は御自由でありますから、襲撃と書かれようと何しようと、それは別といたしまして、私の申し上げた認識は、いまお話し申したような事態において考えました場合の考え方を申し上げたのであります。
 そのことはいかにあれ、天下の公党の玄関がけんかの場になった、あるいはおっしゃるように血ぬられたとするならば、その事態を客観的に見まして、私もまことに遺憾千万なことだと理解いたします。
#7
○山口(鶴)委員 どうも国家公安委員長は誤った御報告を聞いているとしか私ども理解できません。単に抗議文を渡しに行ったのではないのです。ここに写真がございます。抗議文を手渡しに行った人が、このような黒塗りのカシの棒を持って抗議文を渡しに行くなんて想像されますか。明らかに凶器ともおぼしいこのような黒塗りのカシ材の棒を持って押しかけたんですよ。宣伝カー三台及び乗用車十台で、およそ六十名の青年思想研究会の所属の右翼七団体が押しかけたそうでありますけれども、単に抗議文を渡すということならば、なぜこんな棒を持っていく必要があるのですか。このような棒を大量に持ち、しかもこの服装を見てごらんなさい。カーキ色のこのような服で、厳重なくつをはいて、しかもヘルメットを持っている。社会党本部の書記局員がヘルメットをかぶっているわけじゃないのですよ。このような服装をして棒を持って、しかもその棒を出すようにして押しかけるということは、明らかにこれは単なる抗議ではない。明らかに乱入といいますか、襲撃と申しますか、そういう意図を持って行ったというふうに考えざるを得ないじゃありませんか。いかがですか。よく見てください。
#8
○荒木国務大臣 私は、先ほど申し上げたような認識に立って昨日御答弁を申し上げました。いまお示しのような写真に関連もしまして、その日の現実の事態、警察側で確認しました実情をできれば政府委員からお答えをさしていただきたいと思いまます。
#9
○山口(鶴)委員 私どもは政府委員の御説明を聞く前に要求があるわけであります。あとで申し上げようと思ったのでありますが、この現場には麹町署長であります鈴木さんという方が、現に立ち会っておられたそうであります。現場の責任者の正確を期した状況の報告を求めるとすれば、当然われわれは鈴木麹町署長をこの委員会に呼ぶべきであるということを終始主張いたしてまいりました。私どもといたしましては、現在の警察は、私は前の委員会でも荒木国家公安委員長に指摘をいたしましたが、現在の警察の体制は国家警察ではないのであります。都道府県警察であります。したがいまして、東京都の治安の最高責任者は当然――これは東京都公安委員会の指揮のもとにあるのですね。これが秦野警視総監であることは、現在の警察制度のたてまえからいって当然なわけです。したがって、私どもはそういう意味からいって、秦野警視総監及び先ほど申し上げたような理由で鈴木麹町署長の当委員会への出席をお願いしたわけでございます。この問題は党の国対におきましていろいろ御相談をいただいておりますから、本日はおきましょう。連休後しかるべき機会に当然当委員会に参りまして議論ができるものと、委員長、私どもは期待をいたしておりますが、そういう考え方を私どもが持っておることをこの際申し上げ、政府委員の御説明を聞きたいと思います。
#10
○川島(広)政府委員 当日青年思想研究会のメンバーが社会党本部に対しまして抗議に参りました経緯、さらにはまた、結果的に暴行傷害事案を起こしました経緯につきまして、お答えいたしたいと思います。
 四月二十三日の午後零時六分に、青年思想研究会に所属します者がおよそ八十名程度、社会党本部に抗議に参ったわけでございます。これにつきましては、その前日であります二十二日に、午後零時半ごろからおよそ一時間程度にわたりまして、社会党だけではなくて、公明党、民社党及び社会党、この三政党本部に対して抗議行動を行なうということを、警察のほうでも事前に情報でキャッチいたしておりましたので、それぞれの政党本部に警視庁の係官が出向きまして、この抗議をお受けになるかどうか、お受けになるとすれば、どなたがどこでお受けになるかということについて、実は御連絡申し上げた経緯がございます。社会党本部に対しましては、斉藤という警視庁の警部が参りまして、本部で総務副部長であられる吉田さんといろいろこまかな打ち合わせをいたしたのであります。その結果、副部長さんのお話しでは、抗議を受け付ける、十名程度であれば、一階のホールで受け付けましょうということでございました。その際、また警察のほうからも、ささいな一時的なことでございますけれども、思わない事態に発展しないとも限りませんので、その点についても御要望申し上げ、そのような経過の中で、いま申しました抗議行動が零時六分から行なわれたわけでございます。
 当初若干なんでありますが、館林国際部長さんが玄関に出てこられて、そこで抗議文を受け付けるということになったわけでございますが、青年思想研究会の代表者は、どうも玄関先ではいかにもうまくないのではないか。名刺を出したのに、あなたは名刺を出さないじゃないかということで、若干のいざこざはあったようでございますが、その結果、館林部長さんは、それでは二階に行って受け取りましょうということで、二階に一緒に行ったわけであります。そこで代表のほうは人数を区切りまして、五名でございますが、これは公明党、民社党の場合も同様でございます。代表五名が行ったのでございます。その他の者は玄関の外で並んでおったわけでございます。二階に上がりました後、部屋でないので、代表が部屋の中で受け取ってもらいたいという話、そこでいろいろやりとりがあったようでございますが、結論的に言えば、どうもこういうところで受け取ってもらうんじゃ、もう一回出直してくるということで、階下のほうへ下がってきた。そのとき社会党員の人たちが、館林さんがこのまま表に連れていかれるのではなかろうかという、どうもお考えのようでございますが、うしろからえり首をつかんで引っぱったというかっこうで、他方、青年思想研究会のほうは、下へ行きましょうということで、下へ引っぱるということで、一時館林部長さんは宙に浮いたようなかっこうの瞬間もあったようでございます。そのような経過の中で、実際には十二時十五分、一階のロビーのところでお互いにやじの応酬がございまして、「暴力団帰れ」「このやろう」というようなことで、お互いに応酬があったようでございます。
 そのような中で、社会党の党員の方、六十名程度、片方が八十名程度でございます。これが入り乱れて、そのうち青年思想研究会の一人がヘルメットをとらえまして、ヘルメットがとられた、こういうようなことが表におりました青年思想研究会の者にも伝わり、そこで中に入り込んできた、こういう経過でございます。そういうふうな結果、暴行傷害事件が起こったわけでございますが、大体事案の経過は以上のような次第でございます。
#11
○山口(鶴)委員 そういうようなことがあって、社会党員の数名が、青年思想研究会の所属する右翼団体の諸君の間に引っぱり込まれて、そうして乱闘が起きた。そういう中で、結局私が指摘したような黒塗りのカシの棒を持って、社会党員に対してなぐりかかった。明らかにこれは乱入である、襲撃であるというふうに判断をするのが当然ではないかと思うのです。しかも、このような乱闘の際に、わが書記局の諸君が三名重傷を負っておることは、警察でも十分御調査になっておると思うのです。一人は高崎君という書記局員でございますが、四、五人になぐられる、けられるというような状態になり、さらに木刀でなぐられました結果、頭部を五針縫うというほどの裂傷を負っている。さらに全身に打撲傷を負っている。こういう状況です。それから土屋君という同じ書記局員でありますが、これは額をなぐられ、口を切って、たいへん血を流した。さらに全身に打撲傷を負っている。さらに十八歳の笠原君という書記局員でありますけれども、この笠原君は一番大きなけがを負わされました。すなわち、七針も縫う傷を頭部に受けましたばかりでなく、重い棒でなぐられました結果、頭部の縫合腺が開きまして、脳波が非常に異状をきたしているそうであります。もちろん、顔面をなぐられまして口を切られ、たいへん血を流したという状況であります。
 このようなことを考えてみますと、荒木国家公安委員長の認識は少し不十分のようでありますが、明らかにカシの棒を多数携えて、そうして抗議と称して最初は入ったにしても、書記局員を、この青年思想研究会の諸君が多数たむろしておるところへ引き込み、そうして数人がなぐりかかる、こういうような事態、しかもこれによって相当の重傷を負わされ、血が流された、こういう事態は、明らかに乱入事件であり、襲撃事件である。棒を持ってきたということは、まさに計画的な事件である。かようにいわざるを得ないと思うのでありますが、警備局長の御見解はいかがでしょうか。
#12
○川島(広)政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、人が入り乱れてののしり合い、あるいはなぐり合いということになったわけでございまして、結果はいま山口先生お尋ねのとおりに、社会党側に三名のけが人が出ておるということにつきましては、虎の門病院に私も参りまして伺ってまいりました。
 ただ、いまお話しのようなことについて、私どものほうといたしましても、今後この種の事件の防止のためにも厳重捜査を進めてまいりたい、こういうような考えのもとに被害届けなり、あるいはまた事情の聴取に御助力願いたいと、たびたび申し入れをしておるのでございますけれども、きょうまで少しもこれに御助力願えない、こういう実情でございます。そのことが一点。
 もう一つの問題は、いま申しましたように、民社党なり公明党の本部にも同様なスタイルで行ったわけでございますけれども、他の政党本部の場合には何にも問題がなく、平穏に終わっておる経緯がございます。しかしながら、警察のほうとしましては、いつの場合でもそうでございますけれども、不測の事態が起こり得るという前提のもとに警戒体制なり警備体制というものをとるわけでございます。現場におきましても、御承知のとおり麹町の警備官である警視を長にいたしまして二十名の警察官を現場に配置をして、事前の防止につとめておるわけでございますけれども、両派入り乱れてと申しますか、双方が入り乱れて乱闘騒ぎになりましたので、二十名がからだを張って中へ割って入りまして制止につとめ、時間は二十五分程度でございますが、全員待機をさせました機動隊一個中隊を投入して問題の拡大を防止し得た、こういう次第でございます。
#13
○山口(鶴)委員 どうもやはり認識が不十分のようでありますから、さらに私どもが要請している現場に立ち会った方の御出席が必要のような感を深くするわけであります。局長は言われましたけれども、公明党、それから民社党に参りました際の態度と、わが党へ参りました際の態度というのは違うのであります。それは社会文化会館、社会党本部の前に軍鑑マーチを鳴らしてきたわけであります。それを切りかえて演説をされたそうであります。その演説の内容は、第一に、衆議院本会議でも問題になりました、例のアメリカのEC121型機の撃墜事件に関する社会党の声明はけしからぬということが第一であります。第二は、社会党が暴力主義を擁護することはけしからぬ、このようなきわめて誤った認識に基づくところの演説をしたそうであります。
 したがってこのようなことは、いわば社会党の声明、それから社会党が何か暴力主義を擁護しているかのごとき誤った印象に基づく行為、こういうことでありますから、当然他の政党に対する抗議内容と文面が違っておるはずです。しかも、繰り返し申し上げるように、黒塗りのカシ材の棒を持って、しかもそれを大量に持って押しかけたということは、これは平穏な抗議というようなものでなしに、抗議に名をかりて、いわば成り行きによっては、こういった乱入をする、襲撃をする、こういう意図があったと考えるのが当然じゃないですか。
 しかも、この写真を見てください。先ほどもお示ししましたが、こういう服装をしておる。しかも、片方は通常の服装をしておるのです。普通のせびろを着ておるのはわが党の書記局の諸君。このヘルメット、制服姿のは、これは押しかけました右翼団体の諸君であります。明らかに、こういう棒を持ち、こういう服装で入り乱れているということは――かりに入り乱れるということばを私是認するとしても、明らかに棒を持って計画的に押し入った、こういうことは否定できないんじゃないですか。いかがですか。
#14
○川島(広)政府委員 最初の演説のお話でございますが、この演説は、公明党、民社党のほうに参りました際にもやはり演説をいたしております。
#15
○山口(鶴)委員 内容が違う。
#16
○川島(広)政府委員 抗議の内容は、ほぼ同様でございます。
 もう一つの問題は、カシの棒でございますが、現場で警察が確認いたしておりますのは、カシの棒は三本でございます。そのほかに旗ざおが二十本。これはカシの棒と申しましても、現場におられた社会党の方々は御案内のことと思いますけれども、旗をつけた、いわゆる旗棒といっております。それから片方の竹ざおは、これは旗ざおでございまして、旗がついております。そういうことで、総計で二十本程度でございますから、計画的にこれを持って中に乱入をしたということではございません。ただ、もみ合いが起こりまして、ヘルメットを青年思想研究会の一人が取られて、先ほどお答えいたしましたような経緯で興奮してまいり、そこで旗ざおお車に取りに帰った。そして最後の段階でそれを取り出したということはございますけれども、これは私どもの制服が参りまして押えたわけでございますが、そんな経緯でございまして、大量に旗ざおを持って、なぐりかかるためにあらかじめ準備携行をしたということではないとわれわれは判断いたします。
#17
○山口(鶴)委員 局長、長官にも聞いていただきたいのですが、国家公安委員長も同じですが、それならば、国会請願等を行ないます場合に、旗ざおお持つことは禁止しているじゃないですか。そうでしょう。それからまた、反戦青年委員会の諸君であるとか――私どもそういう行動は決して是認をいたしませんし、批判をいたしておりますが、たとえば三派系の全学連の諸君でありますとか、そういう諸君の行動に対しましても、絶えず旗ざお等の問題につきましても、これは場合によっては凶器にも変わり得るという形で、警察自身も現にいろいろ取り締まっておるじゃないですか。そうでしょう。同じことじゃないですか。旗ざお、旗ざおと言いますが、そういったいわばなぐりかかる棒にもなり得るような、そういうものをなぜ抗議に行くときに大量に用意するのですか。そこにやはり私は、局長の言い分をかりに認めたといたしましても、これは明らかに計画的な暴行を働く、そういった意図があった。かように判断せざるを得ないじゃないですか。
#18
○川島(広)政府委員 先ほどもお答え申しましたように、この旗ざおの二十本は、それぞれの車に立てて、旗を立てて使っておったものでございます。それから旗棒のほうは、繰り返しになりますが、現場で一本を取り上げ、さらにまた現行犯逮捕いたしました際に、証拠物件として押収をいたしております。そういうようなことでございまして、繰り返しでたいへん恐縮でございますが、どうも多量の旗棒を持っていたというふうなことではございません。
 それから、関連して御質問がございまして、われわれといたしましては、この種の棒につきましては、そういうものが事前に準備携行されるということの場合には、十分に疎明をいたしました上で、任意提出を求めるなり、状況によりましては凶器準備集合罪でこれを検挙するなり、いろいろな措置をとっておるわけでございますが、今回の場合は、先ほど来の繰り返しになりますが、当初は平穏に抗議を続けられるという約束のもとに行ったわけでございまして、決して事前からなぐりかかるというふうな意図を持って行ったものではない、こういうふうに考えておる次第でございます。繰り返しになりましたけれども、重ねて御説明申し上げたわけでございます。
#19
○山口(鶴)委員 どうも警察当局は、右翼の諸君に対しましては非常に弁護をなされる。それに反して、学生諸君等に対しましては、きわめてきびしい態度で対決をされる。私はそういった差別的な行動をおとりになることはよろしくないと思う。警察は少なくとも中立的な立場でなければならぬはずです。この点は国家公安委員長も繰り返し強調いたしておられるわけでありますが、現実には明らかに差別がある。こういうところに問題があることを私は指摘をいたしたいと思う。
 さらに、私、この際申し上げたいのは、警察の警備体制というものが非常に不備だったのではないかということを指摘をいたしたいと思う。二十二日ですか、前日に、先ほど局長も言われましたが、一応連絡をしたはずですね。したがって、警察は二十三日には、青年思想研究会の諸君が社会党本部に行くということは十分承知をしておったはずだと思うのです。当時の警備体制は私服何名、それから機動隊何名配置をいたしましたか。
#20
○川島(広)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、警察側といたしましては、事前に十分社会党への抗議へ参りますことは承知しておったのでございまして、午前十時ごろから、当初公明党、それから民社党、それから社会党、こういう順序で抗議行動があったわけでございます。したがって、社会党の本部につきましては、麹町警察署の警備官警視が制服を着まして、伝令一名を連れて、制服二名、そのほかに私服を十八名現場配置をいたしたわけでございます。さらにまた、不測の事態をおもんばかりまして、第三機動隊一個中隊を、約五百メートル離れました参議院の車庫の中に待機をさした。もちろんトラブル等がございますれば、いつでもこれに応じ得るような体制をとったわけでございます。
#21
○鹿野委員長 関連質問の要求があります。これを許します。太田君。
#22
○太田委員 国家公安委員長にちょっと関連してお尋ねをいたします。
 ただいままでのいろいろのお話を聞いておりますと、いわばけんか両成敗というお答えがあったようであります。どうもそういう感じにとられてしかたがありません。ちょっと具体的に話を聞きますが、これは御存じでございますか、三人が重傷し、十人余りが軽傷を負ったという段階において、一一〇番に急報いたしました。機動隊が参りましたそのときに、機動隊の言うたことは、こういうことを申しておるというのであります。どうせおまえらは反戦でやっておるんじゃないか、それくらいあたりまえじゃないか、こう言ってとめようともしなければ救おうともしない。こういうからかい的な、やゆ的なことばを吐いたということが伝えられております。
 それからもう一つ、先ほど川島局長は、捜査に協力しないというお話でありましたが、麹町警察署長が、現場検証を求めたわが党本部の職員の要請に応じて二階に上がろうとしましたときに、その署員の一人が、用があれば署へ来いと言って、上がろうとする署長を引っぱりとめたという事実があります。これは報告がいっているのか。御認識でございますか。この点についてお答えをいただきたい。
#23
○川島(広)政府委員 まず第二の問題からお答えいたしたいと存じますが、麹町の鈴木署長がトラブルが起こったことを知りまして、現場へかけつけましたのは零時四十分でございます。したがって、すでに事態が終わってしまったあとでございますから、現場では、先ほど申しました、麹町警察署の警備官が指揮をとったわけでございます。そこでお尋ねでございました二階に上がろうとしたのを引きとめた、これは事実でございます。これは当時そこに五、六十名の社会党員の方々がおられまして、先ほどもお話がございましたが、警察官はなぜ現行犯を逮捕しなかったのかとか、あるいは現場にいた人たちがいろいろなことを申してエキサイト、興奮が静まらない、そういうような事態でございましたので、そのような興奮の中で十分に話し合いができる雰囲気ではない、そういうふうに判断をいたしまして、後刻冷静になりました後、双方に、わが方といたしましても、ぜひとも現場検証をさしていただく必要もございまするし、その後の捜査の協力方についてもお願い申し上げたいというような考え方で署に一たん引き揚げた、こういう経緯でございます。
 それから、先の第一のお尋ねでございます機動隊員が不当なることばを吐いたという件でございますけれども、これにつきましては私のほうでも報告を受けております。受けておりますが、単に不当であるというふうに思われるようなことではなかったというふうにわれわれは報告を受けておる次第でございます。
#24
○太田委員 それは川島さん、報告を受けていて、どうせおまえらは反戦でやっているのじゃないか、そんなことぐらいあたりまえじゃないか、けがをさせられて、重傷を受けて、たくさんの軽傷者が出ているときに、なぐられるのはあたりまえだというのは、あなたどちらの味方ですか。どういうことですか。
#25
○川島(広)政府委員 報告を受けた内容を御披露申し上げますが、社会党の党員の方々から「一対一でやろう」機動隊のほうでは「やくざみたいなことを言うな、けがをするぞ」社会党のほうから「せびろを破られた責任をとれ」機動隊のほうでは「おれがやったのではない」社会党のほうからは「足を踏んだ」機動隊のほうでは「だれが踏んだかわかるか」こういうふうなことばのやりとりがあったようでございます。そういう報告を受けておる次第でございます。それでまた、いまお話しがございましたが、青年思想研究会のほうからも告発が出ておりまして、現在まで治療をしておる者が五名出ておるということでございまして、被害届けも出ております。
 そういう意味合いで、今後も、先ほどもお答えいたしましたが、双方について十分なる事情を聴取をさせていただいて、この種事件の防止のためにも十分徹底した捜査をしてまいりたい、こういう考えでございます。
#26
○太田委員 それは、その報告の中に幾多のつまらぬやりとりがあったということは、雑音が入っておったかもしれませんが、問題はあくまでも生命、身体、財産の擁護に任じようとする警察官が、そんなことくらい何だ、おまえらは反戦でやっているのじゃないかというような、かりにそういうようなニュアンスのことばを吐いたという報告を受けられたならば、少なくともその事実を究明して、警察官の立場としてあるまじき言動であるということを、それはあなた方が御指摘なさって注意なさるべきであると思うのです。その点についてはいかがですか。捜査は進んでおるようでありますか。
#27
○川島(広)政府委員 先ほど来繰り返しお答え申しておりますように、ぜひとも事柄の真相を究明いたしたいと存じますので、社会党員の方々にも事情の聴取に応じていただきますならば、事柄の真相がはっきりするのではないか、こう考えております。
#28
○山口(鶴)委員 私がお尋ねしようと思いましたことを、わが党の太田委員のほうからお尋ねがございました。問題は、このように頭に五針も七針も縫うような現に負傷者が出ている。しかも、そのときに、私服の警察官並びに一個中隊の機動隊もおられたわけであります。当然そうなれば警察官職務執行法の四条ないし五条の規定からいっても、まさに人の生命に危険を及ぼす、人間の身体に危険を及ぼす、こういう事態が予想せられるわけでありますから、これは当然警察官たる者は、危害を避けしめるために必要な限度における措置をとるべきであるし、また、明らかにこれは現行犯だと思います。逮捕することは可能でしょう。さらには警職法の五条によっても、まさに犯罪が行なわれようとするという事態でありますから、これに対して警告を発するなり、あるいはその行為を制止するなりということは当然できるはずではないか。しかるに、そういった事柄を何らおやりにならない。そして、先ほど御指摘がありましたように、おまえは反戦云々なり、あるいは社青同であばれているじゃないか、こういうばり雑言が私服の方の口から発せられた、こういうことでは、私はまことに遺憾だと思わざるを得ないのです。
 新井警察庁長官もおられますが、どうですか。このようなまさに犯罪が行なわれようとする、現に重傷の方も出ている、こういうときに、法律に定められた行為をなさらずに、ばり雑音を浴びせるというような行為が警察官として適切であるかどうか、この点はひとつ警察庁長官からお考え方をお聞かせいただきたいと思うのです。
#29
○新井政府委員 事実関係につきましては、先ほど警備局長からお答え申し上げたとおりでございまして、そういう不用意な言動を吐いたとは思っておりません。
 それから、何もしなかったというお尋ねでございますけれども、双方入り乱れて狭いところでおりましたので、それを引き分けるのは一生懸命であったということでありまして、御指摘のように現行犯でその現場で逮捕できなかったのはたいへん残念でございますけれども、引き分けるのに精一ぱいであったというのが現実のようでございます。もちろん、今後こういう行動が行なわれるということは許すべからざることでございますから、今後のやり方として検討を加えてさらに改善をいたすつもりでございますけれども、何もしなかったということでなかったことだけは御了解願いたいと思います。
#30
○山口(鶴)委員 私は国家公安委員長にお尋ねしたいと思うのです。
 大学問題等国会で議論されました際に、しばしば国家公安委員長は一一〇番にかけてください。そうすれば警察はいつでも危害を防止し、生命、身体を守るために全力を尽くすのです、こう言ってこられたはずであります。しかも、先ほど太田委員から御発言のございましたように、一一〇番に連絡をいたしました。一個中隊の機動隊は参議院の車庫のところに駐留をしておられました。しかるに三名の重傷者が出た、こういう事態を引き起こしたことは日ごろの荒木国家公安委員長の御発言からいうと、きわめて遺憾なことではないかと思うのでありますが、この点の御見解はいかがですか。
#31
○荒木国務大臣 おっしゃるとおりであるとするならば、いつも私が国会で、一一〇番へ電話すれば東京都内なら二分間以内で少なくともパトロールカーが飛んで参ると申し上げておりますこととそごする意味において、まことに遺憾であったと申さねばなりませんが、先ほど来政府委員から申し上げておりますように、実態の認識そのものが正確に把握せられた上に立って結論的なことを申し上げませんと、社会党側にも、あるいは右翼団体であろうとも、この抗議団体にもあるいはまた警察官自身にも、断定的なことはいまは私は申し上ぐべきではないであろう、十分に警察の事犯の調査を双方関係者に協力してもらって、確認した上に立って判断すべき課題と心得ます。その意味で、どっちがどうだということを申し上げることは差し控えさしていただきます。
 ただ、先刻来のお話で思いますことは、抗議することも自由でしょう。御承諾を得ているから抗議に行ったのでしょう。ですけれども、ヘルメットをかぶり、三派全学連ほどの角材を持っていたのではないようではありますけれども、何かしら異様に見えるようなふうていで、公明党にも民社党にも社会党にも三党に抗議に行ったというその姿は、これはちょっと常識的に考えましてエチケットに反しておるということは思います。すべて実態を正確に把握しました上でお答え申すべくんばお答えすべきである、こういう意味で、いま申したお答えで御容赦を願いたいと思います。
#32
○井岡委員 関連。自動車のなにはどういう自動車だったのですか。
#33
○川島(広)政府委員 自動車は全部で十二台でございまして、宣伝カーが五台、それから一般乗用車が七台、それにそれぞれ分乗して抗議に参った、こういう経緯でございます。
#34
○井岡委員 そうすると、これは示威行動に当たると思うのですが、思いませんか。
#35
○川島(広)政府委員 この抗議行動は、いま申しましたように、十二台という車の台数でございますので、道交法の許可を得ておるわけでございます。本来、間隔を置いてばらばらに走っていく場合には、一応公安条例にいうところの集団示威運動ということにはならない、こう判断しておりますが、今回の場合は、実態として警察官が途中もずっと警戒してまいっております。その間にパレード状態にじゅずつなぎになりまして、示威的な結果を招来いたしましたので、それを現認した上で、いま公安条例違反として、高橋なるこの責任者でございますけれども、これについて捜査をし、書類で送検をしておる、こういう次第でございます。
#36
○井岡委員 それでは、少なくともいま示威行動として認められる限りは、示威行動としての道順の許可をとっておるかどうかという問題が出てくると思うのですが、これをとっていますか。
#37
○川島(広)政府委員 道順につきましては、道交法によってコースが全部きまっておりますから、これによって許可を得ておるわけでございます。したがって、公安条例にいうところの許可は得ておりません。それでございますので、先ほど言いましたように、公安条例違反の容疑で捜査を進め、書類を送検した、こういう実情でございます。
#38
○井岡委員 五台は宣伝車ということですから、これは宣伝車その自体が宣伝車としての用途外のなにがあると思うのです。ところが、あとの七台というのは少なくとも抗議行動をするための使用で、一般乗客の使用じゃないと思うのです。したがって、これは道路運送法違反になると思うのですが、思いませんか。
#39
○川島(広)政府委員 道路運送法の違反にはならないと存じます。
#40
○井岡委員 明らかにこれは用途外使用なんですよ。抗議をするために乗っていっているわけです。したがって、あなた方のほうは道交法違反として摘発をしているわけです。道交法違反として摘発をするということは、示威運動だとして摘発をしているわけです。そうだとすると道路運送法違反です。用途外使用の問題が当然出てくるはずなんです。そう思いませんか。
#41
○川島(広)政府委員 先ほどもお答え申しましたように、道交法によっての許可は得ておるわけでございまして、結果的に示威行動にわたりましたので、公安条例違反として問擬をし、捜査を進めた、こういう経緯でございます。したがって、抗議でありますから、それぞれ公明党なり民社党なり社会党に行く、これはどのような方法で行かれましょうとも問題はないわけでございます。ただ、それに分かれて乗っていっただけでございますから、用途外云々ということは出てまいらないと思います。
#42
○井岡委員 この問題はあなたと私と見解の相違だと言われればそれまでで、私は問題を残します。残しますけれども、少なくとも道交法違反であり、示威運動ということになれば公安条例の許可をもらわなければいけないはずなんです。そうだとすると、用途外使用の許可をとっておらないということは明らかに道路運送法違法なんです。ですから、この問題については、あなたと私とは見解が違うということです。あなた方、さらにこれは十分調査をする、こう言っておるのですから、調査後までこの問題だけ私は預けておきます。
#43
○山口(鶴)委員 国家公安委員長、とにかくあなたは、二〇番に電話をすれば東京都内であれば二分間以内にパトカーがかけつけて、生命、身体、財産等の危害に対してはこれを防ぐと言ってまいったにかかわらず、少なくとも政党本部という――これは議会制民主主義の国におきましては最も重要な建物だと思うのですね。たまたまわが党におきましては、中央執行委員会を院内において開催しておりましたから、その際には中央執行委員の人たちは本部にはおいでになりませんでしたけれども、しかしその後伊藤国民運動局長が警察に対する抗議その他で、十二時四十分以降ですが立ち会っておることは、これは報告を受けておるかどうか知りませんが、そういう事実がございます。少なくとも党の最高幹部も、時間は少しおくれておりますが、当日の状態の中におったわけであります。そういたしますと、せっかく一一〇番に電話をした、しかるにこのような、身体に対して重大な危害が加えられておるのに、これを防止することができなかった、この点は遺憾であるということを公安委員長も言われたわけでありますが、その点は重大ですから、ひとつ明確にお答えをいただきたいと思うのです。
#44
○荒木国務大臣 御指摘のように、二分以内で行き得なかったことは、国会で私が申し上げたことにもそごを来たしますから、その点が真実である限りにおいては、むろん遺憾の意を表せざるを得ない一こまであると存じます。のみならず、傷害ざたが起きた、双方に被害者が出ておると承知いたしております前提に立って申せば、けんか両成敗といわざるを得ないのですけれども、そう言えたといたしましても、天下の公党の玄関先でそういうことが行なわれ、傷害ざたが現に起きたということを含めまして、まことに遺憾であると存じます。
#45
○山口(鶴)委員 けんか両成敗とかいうようなことを言っておられるのですけれども、国家公安委員長、わが社会党の書記局員が青年思想研究会の本部に抗議に行き、あるいは棒を携えて、ヘルメットをかぶっていって、そしてこの乱闘が起きたというのならば、これは責任は私ども社会党にあるということがいえるかもしれぬ。しかし、私どもは抗議に行ったほうではないのです。抗議に来たのは、先ほどのように、棒を携え、ヘルメットをかぶって抗議に来て、そしてあわよくば乱闘等の用意もしてきておるわけです。そのような人の抗議を受けたのはわが社会党本部なんですから、これはいずれが悪いということになれば、押しかけたほうが悪い、そういう計画的に用意をしていったほうにいわば非がある。こういうことは世の中の常識からいってもあたりまえじゃないですか。その程度の常識を国家公安委員長がおわきまえにならぬということではお話にならぬので、けんか両成敗ということばを取り消しなさい。
#46
○荒木国務大臣 私は、まあいろいろ押し合いへし合いしている間に傷害ざたが行なわれた、そのことを中心に申し上げれば、双方に被害者が出ておる限りにおいては、俗にいえばけんかである、その現象はそうだと思います。乱入すべくその意図を持って、また傷害ざたに及んでやろうという意思を持っていったかどうかなどということは、十分の捜査ができ上がった後でなければ、断定的には申し上げられないと先ほども申し上げましたが、それはそれで別の問題で、各政党に抗議文を持って抗議に行くということがあらかじめ平和裏に了解がついておる、その前提に立って抗議に行った、そのことは、いかなる集団といえども、個人といえども、私は自由だろうと思います。ですから、傷害ざたは、社会党に何か被害を与えてやろうというのじゃなしに、それは別の問題であると思います。傷害ざたそのものは私は個人個人相互の責任課題である。もしなぐり合って双方がこぶをこしらえたりけがをしたり、お示しのように重傷を負ったなどということが起こったならば、その加害者が個人として刑法事案として責任を負うべき課題というふうに私は理解いたします。要するに、もっとはっきりした捜査が完全にできました後に結論的なことは申し上げざるを得ないという課題と心得ておることを申し添えます。
#47
○山口(鶴)委員 ただいまの御答弁は受け取りかねます。先ほども国家公安委員長は、抗議に行くにしてはエチケットに反する服装であった。また、そういう品物を携えておったということはお認めになったわけですよ。とすれば、明らかに、やはりわれわれとすれば、その乱入し、襲撃する意図があったと思うのはあたりまえじゃないですか、受けたほうの側からすれば。それが、単にけんか両成敗というような御見解を持つことについては、先ほど、いわば抗議に対して――それは抗議の自由はございましょう。しかし、抗議には抗議らしい形もあるわけでありまして、公安委員長自体もエチケットに反するということを言っておるのですから、そういう服装をし、品物を持っていったということは、非は明らかにやはりそちらにあるということくらいは常識としてわきまえていただいて、けんか両成敗というおことばは、これは取り消されるのが至当だろうと私は考えます。さらにこのことは引き続きお尋ねもあると思いますから、繰り返しになりますから一応おきましょう。
 最後に、私はお尋ねしたいのは、この際現場におりました警備官の方、これは一体何という方でございますか。服装からいいますと多分警視ではなかったかと思うのでありますが、一体どなたでありますか。
#48
○川島(広)政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、麹町警察署の警備官である前沢警視でございます。
#49
○山口(鶴)委員 この前沢警備官は白い指揮棒をお持ちだったそうでございます。そうして、当然指揮者でありますから冷静に判断をすべきだと思うのでありますが、現場におられた方々の証言によりますと、この指揮者みずからが、いわば指揮官にふさわしからぬ言辞を吐き、あるいはけるというような不当な行為をやったと言っております。しかも、この指揮者の暴力につきましては、しばしば社会党本部周辺を徘回するところの古川という公安刑事自体も、指揮者の暴力行為があったことを認めたそうであります。私は、このようなことでは全く遺憾であると存じます。しかも、私服の場合に、逮捕するというのにも入り乱れて困難だということはわかりますけれども、おおむね零時四十分ころ、この青年思想研究会の諸君はそれぞれの車に分乗して引き掲げようとした。そこへ機動隊の人たちがかけつけたそうでありますが、そういう事態であれば、このような現行犯でもあり、遺憾な事態が起きたわけでありますから、そこで逮捕をするなりという方法が当然あったはずであります。しかるに、この機動隊の人たちは来ましたけれども、ただ青年思想研究会の諸君が車に分乗して逃走するのを、あるいは引き揚げるのを、そのまま傍観をしたということだそうであります。私はこのようなことを考えましたときに、指揮者であります前沢さんの責任はきわめて重大だと思いますし、現に指揮者としてふさわしからぬ行動がある。しかも、機動隊の諸君が一個中隊かけつけながら、このような暴行をいたしました右翼の諸君を、その際何ら逮捕することなくそのまま引き揚げさせる、こういうような行動をとったことについて、絶対にこれは了解できないところであります。この点一体いかがですか。
#50
○川島(広)政府委員 先ほども大臣からお答えいたしましたように、現場におりましたのは前沢警視が指揮官でございまして、制服の者が前沢警視外伝令一名、あとの十八名は私服であります。お答え申しましたように相互入り乱れてのいわば乱闘騒ぎになりましたので、二十名の者がからだを張って仲に入って制止をするのに手一ぱいでございまして、それ以上現認に基づいての現行犯逮捕はできなかったということは、はなはだ遺憾に存ずることは申すまでもございません。したがって、直ちに警察官による現認によりましてその後二名を通常逮捕いたしておる次第であります。
 先ほどの繰り返しになりますが、当時相当数の社会党員の方々がそれぞれ現認されておるわけでございますから、ぜひともその方々の現認の内容などについて御協力を賜わりますれば、たいへんしあわせだと存ずる次第でございます。
#51
○山口(鶴)委員 どうも御答弁が私ども理解しがたいのでありますが、ともあれこの実情認識が非常に異なるわけであります。それだけに、私どもといたしましては、少なくとも現場に、時間はおくれておりますがお立ち会いになりました署長に、ぜひとも当委員会に出席をいただきまして、事態を究明することの必要性はますます高まったといわざるを得ないと思います。
  〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕
同時に、このような指揮官の方が指揮官にふさわしからぬ行動をとったことにつきましても、私どもは強く遺憾の意を表さざるを得ないと思うのであります。
 私は申し上げたいのでありますけれども、少なくとも現在政党政治、議会制民主主義の時代であります。その場合に、政党本部がこのような形で襲撃をされ、国家公安委員長がしばしばこの国会において言明しておられますように、一一〇番を回せば必ず生命、身体等の危害は防止するということを言われておりながら、そのようなことが政党本部の襲撃事件においてできなかった。このことの意義はきわめて大きいし、この点の国家公安委員長の責任はきわめて大である、かようにいわざるを得ないと思うのであります。しかも、自民党の園田国対委員長がこれはきわめて重大事件であるという認識をお持ちでありながら、国家公安委員長の御認識はきわめて不十分である、こういう点もきわめて遺憾だと存じます。どうかひとつ政党政治、議会制民主主義の現在であり、特に政党本部に対してかかる不祥事を今後繰り返さぬように、私は国家公安委員長としての決意といいますか、それをお伺いいたしまして一応質問を終わりたいと思います。
 あとさらに安井中執のほうから御質問がありますので、その点も申し添えます。
#52
○荒木国務大臣 結論的に、おっしゃるように、きわめて遺憾千万なことであるという意味においては、私も御同様に認識しておるつもりでございます。ただ、少なくとも抗議であろうと何であろうと、行った者がなぐったりあるいはまたなぐられたという現象は、それ自身がおよそ民主主義社会においてはあり得べからざることが起こった意味においても、二重に私は遺憾だと存じます。すべてこれは客観的に真相を究明され、検察当局ないしは、やがては司法権の作用としての客観的な結論にまたざるを得ない課題でもあろうかと思います。
#53
○大石(八)委員長代理 安井吉典君。
#54
○安井委員 私、手短に二、三の点について続いてお尋ねをしてまいりたいと思います。
  〔大石(八)委員長代理退席、委員長着席〕
 検挙者二人というふうに聞いたのですが、それはいまどうなっておりますか。
#55
○川島(広)政府委員 この事件に関連しまして現在まで検挙いたしましたのは総計四名でございますが、そのうち二名は任意で取り調べをし、書類送致をいたしております。他の二名は身柄を勾留している次第であります。
#56
○安井委員 いま身柄拘束中なのが二人いる、こういうわけですね。青年思想研究会という団体はどういう団体ですか。
#57
○川島(広)政府委員 青年思想研究会と申しますのは、おおむねいわゆる右翼の青年の連合組織でございまして、私のほうで把握をしておりますところでは、在京の三十八団体、これを構成人員で申しますとおよそ三千名程度でございます。しかも常時いろいろな抗議活動なり宣伝活動なりしておりますが、通常の場合でございますれば最大動員能力は五百名程度でございます。性格といたしましては、彼らの言っておりますことをそのままお伝え申しますならば、それぞれの団体相互間に民族運動者としての理念と実践について思想の交流をはかるのだ、こういうのがこの会の性格であります。
#58
○安井委員 右翼にはいわゆる行動右翼と思想右翼といいますか、そういうふうな分け方もあるわけでありますが、どちらに類するわけですか。
#59
○川島(広)政府委員 いま性格で申しましたように、理念と実践についての交流とこういっておりますので、この性格はどちらかと申しますれば行動右翼と申し上げたほうが適当かと存じます。
#60
○安井委員 この団体はいままで問題を起こしたことはありますか。
#61
○川島(広)政府委員 青年思想研究会として問題を起こしたことはございません。
#62
○安井委員 私が聞いているのは、いわゆる暴力行為的な動きがいままであったかどうかということです。
#63
○川島(広)政府委員 繰り返しになりますけれども、青年思想研究会としての連合体として行動しております限りでは、いわゆる不法事案と申しますか問題を起こしたことは特にございませんけれども、先ほど申しましたように三十数団体の構成になっておるものでございますから、その中にはそれぞれ個々具体的な不法事案を起こした者はもちろんおります。
#64
○安井委員 この団体の背後関係はどうなっているか、あるいはまた、この団体の財源はどういうふうになっているか、それについて警察庁としてのお調べはありますか。
#65
○川島(広)政府委員 この青年思想研究会のいわば議長と申しましょうか、指揮者は高橋正義という、これは日の丸青年隊の総隊長という地位にある男でございます。これが議長でございまして、そのほかに事務局長というものがおります。こういうふうな、総じて一般論でございますが、これらの団体がどこからどういうようなことで金を集めているかということについては、実は正確には把握できておりません。まあ一般的に申しますれば寄付金でございますとか、あるいは中にはいろんなくずものの回収とか事業をやっておる団体もあるわけでございます。事業収入なりあるいは寄付金なりそういうことによってまかなっているものと考えておる次第でございます。
#66
○安井委員 最近の右翼の行動ですね、組織状況、それにつきまして、これは一般論でけっこうですが、どのようにつかんでおられるか、国家公安委員長も、これが一つの重大なケースでございますし、どの程度の御認識を持っているか、それをひとつ国家公安委員長から先に伺っておきたいと思います。
#67
○荒木国務大臣 政府委員から補佐されて資料を読み上げることは可能ですけれども、いまの私自身の頭の中には、どういう右翼団体があって、いままでどんなことをしてきたかということは、明確に申し上げる資料を持ち合わせておりませんので、政府委員からお答えすることをお許しいただきたいと思います。
#68
○川島(広)政府委員 いま安井先生のお尋ねの中にもございましたけれども、本来右翼という概念の規定が非常にむずかしゅうございまして、いわゆる修養団体的なものもございますれば教化団体的なものもございます。そういうものを含めるか含めないかによっていろいろ変わってくるわけでございます。一応われわれ警察の立場としましては、不法事案の未然防止が警察の責務でもございまするので、そのような意味合いから、過去における言動というものを基準にしていろいろ資料を集め、これに対して視察、警戒を行なっているわけでございますが、そういう意味合いから申しますと、右翼と申しますのは一応全国で四百団体、構成人員が十一万五千名、その中で組織が比較的整っておりまして日常活動を行なっておるもの、こういうようなものの数は三十数団体、構成員約一万五千名、こういうふうに私のほうでは把握をしている次第でございます。
#69
○安井委員 先ほども国家公安委員長も、もう少し実態がつかまれてからさらに報告をしたいとも言われますし、社会党といたしましても、先ほど来の御説明では、私どもふに落ちない点がたくさんありますので、ぜひとも直接の責任者である警視総監や警察署長のおいでを願わなくてはならぬと思いますので、その際までもう少し検討をいたしたいと思うという点からお願いをしたいわけでありますが、最近の右翼の動向や組織状況等についての資料、これをひとつ御提出おきを願いたいと思います。
 いまそこで河上代議士からちょっとお話を聞いたのですが、キリスト教の団体の中でいわゆる靖国神社の当面問題になっている問題をいろいろ議論をしていたそうであります。そのときに抗議文を持ってきた右翼の人は、その団体の中ではっきりこう言ったそうです。君たちは宗教のためなら死んでもいいと思っているらしいが、われわれもいつの日か君たちの命をもらいに来るからな、こうはっきり言ったそうであります。私はこれは一つの例として申し上げました。私どもも社会主義者として社会改革を目ざす立場では、右翼に頭の一つや二つなぐられても、浅沼さんみたいに刺されてもかまわないという気持ちで運動を続けています。それぐらいの気持ちはありますよ。しかしながら、そういうふうな事態を黙って放置しておくということは、国家公安委員長として、あるいはまた警察庁として、私は許されないと思います。いま国家公安委員長のお話によりますと、右翼という問題についてはほとんど関心をお持ちになっていないようであります。私はこれは問題だと思うのです。さっきも引き合いに三派全学連をお出しになりましたけれども、そちらのほうは一生懸命頭の中にあるのかもしれませんけれども、行動右翼や、そういうふうな人たちの動き、これについての関心を持っていないということは、私は国家公安委員長として重大な問題だと思うわけであります。どうですか、もう少し御反省があっていいと思うのです。
#70
○荒木国務大臣 先ほど警備局長からお答え申し上げたような事実を私が頭の中に暗記しておりませんから、私から申し上げかねると申し上げたのでありまして、国家公安委員長を命ぜられる以前から、暴力行為をやる、あるいは東京駅等で演説をしている、これも右翼だそうだというぐらいのことは承知いたしております。それらについて、警察の立場において、右翼であろうと左翼であろうと、民主憲法のもとに許されざる暴力をはじめとする不法行為を犯すようなおそれのある団体については、常に注目をし、未然に防止できるものは防止するという責任を警察当局は果たしつつあるものとかたく信じております。一々のことを聞いたことはありますけれども、頭の中に全部覚えておりませんから、政府委員から答えるようにお許しを得たような次第でございます。一般的な問題としましてのお尋ねのような趣旨においての関心は、人並みには持っているつもりでございます。
#71
○安井委員 普通の国民と同じレベルで、あるいはまた、全体的な国会議員と同じレベルでというふうなおっしゃり方だと私は思うのですけれども、あなたの仕事は国家公安委員長です。ほかでもない国全体の公安の最高責任者という立場におありのはずです。そういう立場においてものを言ってもらわなければいかぬですよ。私はいま普通の人にお聞きしているのではないのですよ。国家公安委員長である荒木さんにお尋ねをしているわけです。それがお答えでそういうようなことしかはね返ってこないというのは、私はたいへん残念だと思います。
 今度の事件は、あなたのほうは、ただ単なるけんかで、けんか両成敗で警察はやればいいんだ、そういうふうな御認識しかないようだけれども、なるほど起きた事件の態様は、警察の目から見れば小さいのかもしれません。しかしながら私は、先ほど大臣自身もおっしゃいましたように、これは政党の玄関先で血を流したという最初の事件だし、さらにまた、どういう形にもせよ、右翼団体が制服を着て行動を起こして、革新政党に襲撃――ということばは警察のほうはお使いになりませんけれども、私どもはそういうことばを使いたいわけであります。少なくもそういうケースとしてあったのはこれが初めてだと思います。いまちょうど七〇年問題でやかましくなっている際です。そういうような際であるだけに、警察としてあるいは国家公安委員会として初めてのケースだということ、右翼が革新政党のところへこういう形で入ってきて、こういうふうな問題を起こした初めてのケースだということ、そういう立場からこの問題をつかんでいただかなければ、私は将来において重大な問題を起こすおそれがあると思います。単なるけんかだというふうな見方で取り組んでおられたらこれから先どうなりますか。私はその点が非常に大切だと思います。どうでしょうか。
#72
○荒木国務大臣 いかなる団体でありましょうとも、抗議の意思表示をすることは自由だと思います。また、今度のような不祥事件を起こした張本人であるところの今度の団体が、暴力をふるうことを実証したわけでございますから、それはそれなりに今後に向かって警察当局としても監視を怠るべきではない、これは当然のことだと思います。人並みと申しましたのは、歴代の国家公安委員長並みのことぐらいの意識は持っておるというつもりで申し上げました。
#73
○安井委員 私もこの委員会にときどき出てまいりますけれども、歴代の国家公安委員長というのは、大体それぐらいの感覚しかいわゆる右翼問題についてお持ちにならなかったということをお聞きして、実はがっかりしているわけです。しかし、かりにいま起きたわけですね。幸か不幸か荒木さんの時代に起きました。それだけに今後の問題として十分な御配慮が必要だと私は思うのですが、国家公安委員長はそれぐらいの感覚かもしれませんけれども、先ほども警備局長から説明を聞きますと、警備局のほうは右翼についてのリストを持ってちゃんと調べているわけですよ。これはやはり右翼の団体というものがそういう行動に移る可能性があるということから、おそらく調べておられたんじゃないかと思うのですね。それをどんな団体でも行動を起こせば困るというふうな、そういう一般論で問題を処理されようというのは誤りで、だから私は、これからの右翼団体の行動等について、国家公安委員会としても十分関心を持ってもらうべきではないかと思うわけであります。特に七〇年問題とかなんとかというような形で動きが出てきているのは御承知のとおりだと思います。そういう中で起きたこの問題を、さっきの処理状況を聞いてみますと、どうも右翼に対して警察が少し甘過ぎるのではないか、そういうふうな印象を強く受けるわけであります。だから私は、今後七〇年問題が出てきたら、学生の運動等が強くなる、だからもう少し右翼のほうも泳がせて、バランス・オブ・パワー、そんなようなことを荒木さんお考えになっているんじゃないかということを、私は少し心配になったわけですが、どうでしょう。
#74
○荒木国務大臣 いまの御心配の点は御無用にしていただきたいとお願いを申し上げます。
 なお、右翼団体につきまして、まだ日は浅うございますが、担当の局長等から御指摘のようなリスト、内容等につきましてもしさいに説明はしてもらいまして、一応の認識は持っております。ただ、それをこの団体がこうであった、ああであったということを即座に私の頭に記憶しておりませんから、政府委員から申し上げさしていただきたい、こう申し上げたのでありまして、右翼団体は、今度の団体だけが傷害ざたを起こしたから、それだけが容易ならざる、警戒を要する団体だなと思うだけで、ほかのことは何にも考えない、念頭にないということでないことだけは御理解をいただいておきたいと思います。
#75
○安井委員 あとまだ御質問のある人もあるそうですから、私はそう長く時間はとりませんけれども、いままで右翼の革新政党に対する直接行動という形は、最近私は聞いておりません。これが初めてだと思います。どうもいまの佐藤内閣の中で高一点といわれる荒木さん、どうもそういうふうな姿勢をお見せになるもんだから、右翼のほうも、これは少し高姿勢でいまのうちに向かっておかなければというふうなことで、今度の行動に出たのではないかというふうに少し考えられるような気もするわけであります。あくまで警察は公正であり、中立でなくてはならぬという、そういう原則がございます。そのことに立って警察や国家公安委員会の活動は続けてもらわなければいけないし、全国の都道府県警察をそういう形で指導をしてもらわなければならぬと思います。とりわけ今度初めて起きたこういう事件、これが私はへたをするとエスカレートをするおそれがあると思います。それだけに、今度の問題に対するきわめて厳格な態度が私は警察に要求されるのではないかと思います。どうでしょう。
#76
○荒木国務大臣 それはもちろん仰せまでもなく、警察が、治安当局が、法の定めるところに従って国民に奉仕すべく、その責任を果たしていくべきことは言わずもがなのことでありまして、むろん不偏不党であるべきであり、厳正公平でなければならずということは、私も国会で、本委員会でもいつか申し上げたことを記憶しておりますが、仰せのとおりの心がまえで、厳粛に全国民に奉仕するという立場で責任を果たしてまいりたい、かように思います。
#77
○安井委員 あとまだ問題はありますけれども、どうせ次に警視総監に出ていただく際がありますので、その機会に譲りまして、あと関連がありますので、これで私は一応終わります。
#78
○鹿野委員長 細谷治嘉君より関連質問の申し出があります。これを許します。細谷治嘉君。
#79
○細谷委員 国家公安委員長に一点だけお尋ねしておきたいと思います。
 いま安井委員の質問に対して、不偏不党、そういう基本的態度で国家公安委員長としては職務を遂行するのだ、これはことばはそのとおりであろうと思うのです。私がお尋ねいたしたい点は、先ほど川島警備局長は、山口委員の質問に対して、拱手傍観しておったじゃないか、いや、そうじゃないのだ、取っ組み合っているからそれを分けるのに一生懸命で、とうとう現行犯の逮捕等もできなかったのだ、二〇番も二分以内と国家公安委員長ははっきり言っているけれども、それも実現できなかった、まことに遺憾である、こういうふうに答弁されておりますね。このことから言いますと、どうも右翼に対する警備体制はきわめて甘いのではないか、こういうことが言えると思うのです。ところが反面、左翼といわれるものについてはきわめてきびしい態度で警備当局は臨んでおるのではないか。たとえば、先ほど国家公安委員長は、まだ事態を具体的につかんでおらないので、その上でなければ断定的なことは言えない、最終的なことは、調べるところにいって調べてもらわなければわからぬ。裁判所か何かでしょう。こうおっしゃったのでありますが、現に佐世保の原潜問題で博多駅事件というのがありましたね。調べるところにいって調べた結果は、裁判所は、過剰防衛であった、過剰警備であった、こういう断定を下したわけでしょう。これは私は一例だけをあげたわけでありますけれども、こういう実例をとって比較してみますと、不偏不党と言っているけれども、どうも右翼に対しては事実はたいへん甘い姿勢で臨んでおる。片や左翼に対しては、過剰警備と裁判所で結論されるようなやり方をやっておる。こういう具体的事実からいって、不偏不党と言うけれども、実際的な姿勢に問題があるのではないかと私は思うのであります。この点について国家公安委員長、ただ単に不偏不党ということだけでは、いま私が申し上げた一、二の例だけでもそういうふうに理解せざるを得ないのでありますが、さらにこの際、国家公安委員長のお考えをはっきりしていただきたい。
#80
○荒木国務大臣 警察権の行使、警察責任の遂行は、御指摘のように不偏不党でなければならぬ、厳正公平でなければならぬことは法が命じております。それがもし法の命ずるところに従わないで逸脱したならば、警察官といえども法に基づいて処置さるべきは当然であり、そういう考え方に立って今日まで警察官は戦後常に行動してきたことと信じております。しかし、最終的な判断を客観的にするものは、刑事事犯に関することだけを申しましても裁判所であります。いま御指摘のような判決が出たことは、むろん警察として反省すべき一つの材料ではあると思います。それあるがゆえに警察が不偏不党の気持ちじゃないじゃないか、国家公安委員長は不偏不党という気持ちがどうかなっておらせぬかというお疑いのような御質問ですけれども、それはひとつ一〇〇%御信頼をちょうだいしたいと私は思っております。
#81
○細谷委員 国家公安委員長としてのことばはともかくとして、私はいま博多駅の事件を申し上げたわけですけれども、きのうの新聞でも最高裁までいった戦後のたいへんな事件、そのときの指揮者がやはり現在の警察の最高幹部である。こういい問題を具体的に考えてみますと、国家公安委員長がいかにそうおっしゃろうと、下までそういうふうに通っておらぬのじゃないか。それがやはり今度の右翼のああいうことについて、明らかに襲撃だと私どもは考えておるのに、いやこれはけんか両成敗だというような認識が生まれてくるんではないか、こう私は思うのです。不偏不党けっこうであります。そのとおりやっていただかなければいかぬのであります。これはひとつ国家公安委員長は不公平にならないように特に私からもお願いをしておきたい、こう思います。
#82
○荒木国務大臣 おっしゃるまでもないことと心得ます。
#83
○井岡委員 一つだけ……。私は、いま皆さんがおっしゃっておいでになりますから重ねては申し上げませんけれども、昭和の初めにいわゆる右翼の台頭を許したのは、警備当局がややなまぬるい態度であったからです。私はここで川島さんにお尋ねをするわけですが、前沢警視は社会党の書記局の諸君がけがをしたことを現認しておいでになるのかどうか、これを聞きたいのです。
#84
○川島(広)政府委員 前沢君から報告を受けておりますが、もちろんけがをされたことについては現認をいたしております。
#85
○井岡委員 もし現認をされておるのであれば、先ほどのお話のように、国家公安委員長からけんか両成敗などということばは出ないはずなんです、少なくとも現認をしておるというのであれば。一個中隊がおいでになっておるわけですから。一個中隊五百名とおっしゃったわけですから、その場で直ちに逮捕されなければならないはずなんです。それをなさっておいでにならない。ここに私は、国家公安委員長は非常に胸を張っておっしゃったけれども、何かしらこうさびしいものを感ずるわけなんです。もの足りないものを感ずるわけなんです。少なくとも自分の目の前で傷害事件が起こっている。その傷害事件について、けんか両成敗であるかどうかというのは、傷害者を調べた後においてこれが判断をなされるべきであって、それをやらないでけんか両成敗だなどと国家公安委員長が言っておいでになることは、私は少なくともとるべき態度でないと思う。だから、ここらのところを公安委員長、考えていただきたい。かりにそれらの町でけんかをやったとしても傷害事件を警察が現認しておるということであれば、直ちに二人を逮捕するでしょう。そしてこれが悪い、これがいい、こういうことになるはずなんです。それをおやりにならぬ。川島局長は、たいへんたくさんで分けるのに精一ぱいだった、こう言っておいでになる。二十人の人はそうであったかもしれないけれども、前沢警視はそれを知っておるはずなんです。そして五百名来ておるはずなんです。そうだとするならば、そこでなぜ前沢警視がその五百人の人間に対して指揮をとらないのです。論理的にはこういうことになるでしょう。ですから、公安委員長、そこのところは考えてくださいよ。公安委員長おわかりになりますか。私は子供のときであったけれども、あなたは青年のときだったはずです。井上さんから団琢磨さん、池田成彬さんと、どんどんエスカレートしていって、そして民主主義というものが害された。あなたはわかっておいでになるはずです。私はあなたより年が小さいのですから。そこらのところをけんか両成敗という判断でなくて、右翼が行動を起こしたということについてあなたはなぜお考えにならないのか、この点についてもう一度はっきりした答弁を聞かしてください。
#86
○荒木国務大臣 右翼団体と通称される集団が数十あることは、政府委員から申し上げましたとおり、その一々の過去のやり方、犯罪を犯したことなども逐一調べて、警察庁としては右翼集団としての認識は十分に持っております。さっき政府委員から申し上げましたように、今度の集団そのものが、いままでこういう不祥事案を起こしたことはないということでございましたけれども、先刻るる御説明申し上げましたように、私服を含めてではございますが、二十人の者があらかじめ一一〇番がある以前から、現場に万一のことがあったらというので臨んでおったわけでございます。ところが、合わせて百数十名、二百名近い、入り乱れたけんか口論的なことから傷害ざたにまで及ぶということになりそうだから、それを引き分けようとして一生懸命やったようですけれども、力及ばずということは先刻御答弁を申し上げたわけであります。一体これが集団として襲撃したのかどうかというのは、これは最終的には裁判でなければ明らかにできないと思われますが、警察としては、そういうことも含めまして、いま極力捜査中である。そういうことでございますから、断定的なことを私がいま申し上げるわけにまいらぬということを申し上げておるにすぎないのでございます。暴力を憎むことは、これこそ人並みの認識は私は持っております。右翼であろうと、左翼であろうと、何人であろうとも、暴力を罰する、不法行為は許さぬ、未然に防止するということを極力やる使命を持ったのが警察と心得ておることは、繰り返しになりましたが、お尋ねに対しまして申し添えさしていただきたいと思います。
#87
○井岡委員 やはりそこのところを私は言っておる。警備局長も言うように、前沢さんは傷害事件のあったことは現認しておいでになるのですよ。そうして若干来るのがおそかったかもしれないけれども、五百人の方がおいでになって、そうしてそれらの引き揚げるのを見送っておいでになるわけです。なぜ五百人の方々が、私は二十名の方々が中に割ってお入りになったというその行為については、当時の状況として一応了とします。山口君の質問に対しての先ほどの説明は、そういう説明だったわけです。そうだとすると、傷害事件が現認されておって、そしてそれを見のがすという手はないじゃないですか、こう言っておる。ですから、あなたが末尾で、私は右翼であろうと左翼であろうと、いわゆる暴力に対しては断固とした処置をとりますと言いながら、そこらのところがあなたのおっしゃっていることと現実は少し違っちゃいませんか、こう言っておる。ここにやはり問題があるわけです。しかも高橋という男は道路交通法違反でつかまえて、そうして同会の責任者だったのでしょう。これは帰したのでしょう。この点明らかにしてください。
#88
○川島(広)政府委員 先ほどお答えしたことと重複をいたすかもしれませんが、お許しを願いたいと存じます。
 機動隊は一つの中隊でございまして、六十一名でございます。これが参議院の車庫に待機をしておったわけでございます。前沢君が総指揮官でございまして、トラブルが起こりましたのはおよそ五分、短い瞬間のできごとでございます。零時十五分から二十分の間でございます。機動隊が到着しましたのが二十五分でございます。機動隊が到着しましたので、事態の拡大を防止することができた、こういうことでございます。さらにまた、前沢君が社会党の方がけがをされましたことについては現認しておりますけれども、だれがその場でなぐったものやら、渦巻きのもみ合いでございますので、具体的にどの手がなぐったということにつきましては、そこまでは詳細な現認ができておらないのでございます。さような次第でございますので、繰り返しお願いする次第でございますけれども、ぜひとも警察の事情聴取等にも応じていただき、さらにはまた、被害届けを出していただくというような御協力をお願いしている次第でございます。
 なおまた、高橋正義なるものは、この青年思想研究会の議長でもございまして、現場の紛争でも彼が責任者であったものですから、事態をよく制止するために一生懸命やっておったということは現認もできております高橋君を取り調べましたのは、これまた繰り返しになりますけれども、自動車を連ねてまいりますときに、道交法の許可はもらっておりますが、結果的に数カ所において示威運動にわたった形態が出ましたので、そこで公安条例違反容疑で取り調べをし、書類送検をしたこのような経緯でございます。そのように御理解願いたいと思います。
#89
○井岡委員 その間高橋君が制止をしておったとしても、当日の責任者でしょう。しかも前沢さんは傷害事件を現認をされているわけです。したががって、そこで高橋君を逮捕してやるべきじゃないのですか。(「それは人権じゅうりんだよ」と呼ぶ者あり)あなた方は逮捕しているじゃないですか。警察は逮捕しているじゃないか。ここらの問題について少し手落ちがあったと思うのです。だから公安委員長、こういう右翼が行動を起こすことによってエスカレートしてくることは当然ですから、ここでけんか両成敗というようなことでなくて、少なくとも傷害事件が起こっておるこのことに重点を置いてやる、このことを考えなければだめですよ。そうでない限り、こういう問題は将来も起こり得る心配があると思いませんか。私は関連ですからこれでやめますよ。やめますけれども、少なくとも今度の事件の処置は、私はまことに遺憾だ、こういわざるを得ません。
#90
○荒木国務大臣 今度の右翼団体が、いままでは形式的には一応無傷であったものが、前科者にななったわけですから、集団としては、またぞろ似たようなことを起こしはしないかという警戒心を持って、警察当局は当然右翼の要注意リストに登録をしながら見守っていくものと存じます。けんか両成敗と申し上げる俗語は、あまり適切なものではございませんけれども、昔からいいならわしておるものですからつい申し上げたにとどまります。なぐり、なぐられ、双方がけがをしたなどというのは、刑法適用の課題といたしましても、相被疑者ということばがあるようでありますが、なぐる者がなければなぐられるやつはいない。それが双方に入り乱れた場合には、昔からけんか両成敗といい、刑法では相被疑者という立場に立って暴行罪ないしは傷害罪でもって取り調べられ、起訴すべきものはされる。そういう意味合いのことをくどく申し上げることは時間的にいかがかと思いながら、つい俗語を使いましたことは、今後は注意をいたしますが、真意はそういう意味であると御理解をいただきたいと思います。
#91
○井岡委員 委員長、これはあなた、俗語で話したというだけじゃ済まないのですよ。なぐり、なぐられたとあなたはおっしゃっておいでになる。そうかもわからないけれども、前沢警部という人は傷害事件を知っておる、こうおっしゃっておいでになるのです。報告を受けているとおっしゃっている。そうだとすると、まず傷害事件として考えるべきじゃないですか。公安委員長、聞きますけれども、私と安井君とけんかをして、警察が見ている。どっちかがけがをさした。その場合、とりあえずこれを連れていくでしょう。二人とも連れていきませんか。そうだとすると、けんか両成敗ということはあとの判断で言うことであって、いま言うべきではない。公安委員長としてそういうことは言うべきでない。この点は、委員長、取り消したほうがいい。そうでないといけないですよ。
  〔「取り消してもらわないといけないですよ」と呼ぶ者あり〕
#92
○荒木国務大臣 けんか両成敗ということを取り消せとおっしゃいますが、その趣旨は、先刻いささか注釈を加えて、私の真意は申し上げました。取り消しすべきものではない。現に双方に被害者が出ておるという現実に立って見ます場合――いまあなたが例示されました二人きりのけんかなら、なぐったやつも、なぐられたやつもはっきりしておる。だから、加害者は直ちに発見できると思いますけれども、先刻来警備局長からお話し申し上げておりますように、二十名の警察官がなぐり合いにならないように一生懸命それを引き分けようと努力しても、なおかつ起こった多数人相互間のなぐり合いの結果と思われる。その結果が双方に被害者が出ておるとします限りにおいては、だれがその負傷した人に対する加害者であったかということは、ビデオテープでもとっておれば別ですけれども、これはどうしても双方に参考人として実情認識のための警察に対する御協力を得てしか確かめ得ない課題だと思います。現に双方に傷害がありますこと自体、刑法の暴行罪ないしは傷害罪の適用の課題と考えましても、相被疑者ということは弁護士も裁判官もしょっちゅう言うことであります。そのことを俗にいうならば、けんか両成敗と申したにすぎない。実質的に取り消す必要はないと私は存じております。
#93
○安井委員 これは私は重大問題だと思うのですよ。相手は警察庁のリストに載っている札つきの右翼じゃないですか。私はさっきの資料の中にこの団体の……(「札つきなんて人権侵害だよ」と呼ぶ者あり)これは人権侵害されるような団体じゃないということを言っているじゃないですか。警備局長もはっきり言っているじゃないですか。札はだれがつけたんだ。警察がつけてるじゃないか。さっきはっきり言っているじゃないか。そういう札をつけてるじゃないか。これをけんか両成敗というようなことばでやるというようなことは私は許せないと思います。あとの約束があるそうですが、これは困りますよ。委員長、理事会ではっきり話をつけてください
#94
○鹿野委員長 この際、門司亮君から関連質問の申し出がありますので、これを許します。
#95
○門司委員 私、一つだけ聞くのですが、いままでのやりとりをずっと聞いておりまして、一つだけふに落ちないことがあるのです。その点だけを明らかにしておいてもらいたい。そして非常に大事なところだと私は思うのです。
 率直に言っておきますけれども、一つの問題は、山口君とのやりとりの中で、襲撃であったかなかったかということが議論されております。それからもう一つは、国家公安委員長の答弁と思いますが、ああいう服装をしてきたことはエチケットに反するのだということが一応言われております。その点非常に大事な点でありまして、これはあなたのほうがよく知っていると思うけれども、いまの社会でヘルメットというものが何であるかということなんですね。これを使わなければならないのは、労働基準法による労働者の災害防止のためという規定が一つあります。それから、その次には、道路交通法に、バイクに乗る連中はかぶらなければならないという規定がある。あとは法律的には何も規定がないのですよ。これをそのまま引用いたしますとどういうことになるかというと、危険のある場合にのみこういうものを使用するということが私は常識だと思う。一体よその、しかも天下の公党に、何か抗議といえば抗議でありましょうが、文書を持っていくときに、あらかじめ危険があるんだという服装をして行ったということが、単なるエチケットに反するというようなことばであらわせられますか。その根底に何があるかということです。同時に、この団体は、警察自身が行動右翼といっておられるでしょう。何かの行動に出る。いわゆる挑発に出る。そこで必ず問題が起こる。そのときの自己防護のためにヘルメットをかぶっておったといえばいえるんだ。裏から言えばそういう服装は相手方を威嚇するんだという、けんかするなら出てこいというような、まるでやくざのなぐり込みのような形で、威嚇するんだというような意図があったともいえるのですね。その辺をもう少しはっきりしておいていただかぬと、この種の事件は起こりがちですよ。だから、私が聞きたいのは、ごく好意的に見て、この団体は常時こういう服装をしている、制服なんだ、どこに行くにもこういうかっこうをして行っているんだ、こういうことなんですか。それとも、この場合だけこういうかっこうをしてきているのか。どういうことなんです。これは私は好意的に聞いているのですよ。
#96
○川島(広)政府委員 ふだんは別に制服着用なりヘルメットをかぶっているようなことはないようでございます。今回の三党に対する抗議についてヘルメットを着用した、こういうことでございます。
#97
○門司委員 そうだといたしますと、結局、何らかを予期した、あらかじめこういう自分を守ることのための処置をとって行ったということなんですね。そうすると、そこには当然乱闘が予想されるという考え方が相手方にはあったということですね。だから、ある意味においては、襲撃だと言う、あるいは襲撃でないと言われるが、しかし、そういう意図があったということだけは私は確かだと思う。団体自身がそういう性格を持っておるということになりまして、服装がそういう服装をしているんだから、偶発的な単なる傷害罪とはいえない、私はこう考えるのですが、一体どうなんです。さっきから取り消せ、取り消さぬと言われておりますけれども、けんか両成敗というような、偶発的にできたものではないという解釈をすることのほうが、一応私は正しいのじゃないかという気がするのですがね。この辺はどうなんでしょうか。
#98
○荒木国務大臣 私の承知します限りのこの事案の発端から傷害ざたにまで及びました状態は、偶発的なことであると理解いたしております。集団として暴力をふるうところの団体であったかどうか、襲撃するなどという意図を持った集団が行ったかどうか。それらのことは別個の問題として裁判所で明らかになると思いますが、傷害ざたそのものは、何と申しましても、暴力行為であり、暴行罪であり、傷害罪であることは間違いない。それは個人について起こったことであり、個人の暴力によってそういう結果が起こったことであるということは、一つの治安問題としての別個の課題であると思いますから、それとこれとを仕分けて、先ほど来申し上げ、お答えしておるわけであります。
#99
○門司委員 もう時間もありませんが、私がふに落ちないということはそこなんですよ。現象だけをとらえれば、なるほどそういう委員長の言われるようなことになるかもしれません。しかし問題は、行動右翼ということがわかっておって、しかも服装自身は、あらかじめ乱闘を予想された服装で来ておることに間違いないといたしますならば、まず警察は事案の起こらないように十分の注意をする必要がある。全くそういう処置をとらなかったと思うのです。今日の警察は、問題の起こったあと始末だけをして、そしてそれを裁判にゆだねるということが警察の任務じゃないはずです。警察はあらかじめこういう事件に対する予防警察でなければならぬのは当然であります。予防警察のたてまえが警察行為の当然だとするならば、こういう行動右翼ということがわかっておる、しかもそれが集団を組んで、そして武装ということばは行き過ぎかもしれませんが、武装したような形で抗議をするというところには、何か問題が起こると予期しているんだということだけは、これはしろうとが考えてもわかるのですよ。われわれが考えてもわかるのです。何か起こりそうだということは……。したがってそれに対する警備が足りなかったとあなたのほうで言われれば、それっきりになるかもしれぬ。しかし、十人か二十人の私服の警察官を入れて、そういうことのないように準備したんだけれどもああいう事件が起こったということになれば、あるいはそういう言いわけをされるかもしれぬ。しかし、それでは済まされぬのじゃないか。少なくとも警察官が立ち会って、面会をさせ、話し合いをさせたということに対する――その当時の服装というものが、お互いに平時の服装でお会いになるように注意をしてしかるべきじゃなかったかと思うのです。相手方を威嚇するような服装、あるいはそれを予期してあらかじめヘルメットをかぶっているというような事態に対しては、犯罪を予防するたてまえからいえば、一言ぐらいの注意をして、そして事件を未然に防止するというのが、私は警察の立場じゃなかったかと思います。起こった事件だけを考えて、やあけんか両成敗だ、どっちが悪いんだか裁判所にいかなければわからないということなら、私は予防警察というものについては非常に大きな不安を持つのですが、この辺はどうなんです。その辺の注意が促されているのですか。何かそういうことを警察はやっておりますか。
#100
○荒木国務大臣 いまのお尋ねの点は、先ほど来政府委員からも詳しく申し上げておりまして、さっき私も触れたことでございますが、団体で抗議に行くということに着想してだろうと想像しますけれども、二十名の警察官が、それぞれの党に抗議に参りますときに、もしものことがあったらというので、御指摘の予防警察の責任を果たすべく二十名は一緒に行動をしております。その面会の場に居合わせております。そのほかに、さらにひょっとしたらという予防警察的な懸念のもとに、一個中隊の機動隊が待機しておりました。そのことがタイミングがぴしゃっと合わなかった。あるいは二十名じゃ足りなかったのじゃないかという御批判は私はあり得ると思います。一人もけがする人が出ないようにすべかりしものであったことは、結果的にとらえて御指摘になるならば、警察にも配慮が十二分でなかったという点はあろうかと思います。しかしながら、予防警察の責任を果たすべき行動は、警察当局としては、事前には一応十分なりと信じた立場に立って警察官の配置をしておったもの、こういうふうに私は思います。
#101
○門司委員 配置を聞いておるのじゃないのです。さっきから聞いておりますように、事が起こり得るであろうということが一応予測されておる。そこで警察官を配備された。これだけでは足りないんじゃなかったか。相手方はヘルメットをかぶって、あらかじめそういう事件が起こるであろうということを予測するか、あるいは威嚇する形で行った。会談が正常に行なわれないであろうということは大体想像にかたくない。そうした場合に、具体的にいえば、ヘルメットくらい置いて行ったらどうか、棒は置いて行ったらどうか、もしも問題でも起こればおまえのほうも困るからという注意はできなかったか。何もそういうことをしなかったということです。それを聞いておる。
#102
○川島(広)政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、繰り返しになりますけれども、彼らから言わせますと、これが制服である。最近何か新調したばかりらしいのですけれども、これを着て晴れがましいと申しますか……(「晴れがましいとは何だ」と呼ぶ者あり)ことばが悪ければ訂正します。彼らとしては、組織として正式の抗議行動である、こういうふうな場で制服を着用して行った。したがって、警察側としては、もちろん出発の直前にも、どうもヘルメットをかぶったりすることは、相手に対して非礼であろうということについても、十分に説得をいたしましたけれども、これがわれわれのほうの制服でございますのでお許し願いたい、こういうことでございました。これを犯罪行為として検挙するわけにも実はまいらないのでありまして、民社党、公明党に対しましても同様の服装で抗議文を手交し、受け取っていただいた、こういうような経緯でございます。そのように御了解いただきたいと思います。
#103
○門司委員 あまりおそくなりますからこれ以上聞きませんけれども、もう少し早く、なぜそういう答弁がなされなかったか。そうすれば私も疑いはなかったのですが、いままでいろいろ長い間やりとりがあったにもかかわらず、警察は予防警察としての万全の策を講じていないという見方に立っておる。いまの答弁が事実であるということを私は一応信じておきますけれども、そういう態度が十分でなかったということもいま私は思うのです。これはもう少し掘り下げて、この団体の性格その他を聞きたいのです。これから先、七〇年の安保を控えて私どもは非常に心配しておるのです。もっと聞きたいのですけれども、これ以上きょうは時間がありませんので聞きませんが、ひとつ予防警察の点ははっきりしておいていただきたいと思うのです。
#104
○山口(鶴)委員 委員長、いまの門司委員のお尋ねといい、それから、先ほどの安井委員のお尋ねといい、やはりまだ問題が究明され尽くしていないと私ども考えます。国対の段階におきましても、秦野警視総監の問題についてはさらに御検討中でございます。また、当委員会におきましても私どもは、秦野警視総監並びに鈴木麹町署長の出席につきましてお願いを申し上げておるところでございます。今後ひとつそういう機会も当然予想されるわけでありますから、問題を残して、さらにひとつ問題を究明するよう、委員長におきましてもお取り計らいをお願いいたしておきたいと思います。
#105
○鹿野委員長 承知いたしました。
    ―――――――――――――
#106
○鹿野委員長 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野田自治大臣。
#107
○野田国務大臣 地方公務員法の一部を改正する法律案の内容の第一は、職員の離職に関する規定を整備するものであります。職員の身分変動の最も重要な態様である離職につきましては、従来、地方公務員法の中に統一的な規定がなく、その運用に関しての疑義もありましたので、今回、その整備をはかったものであります。すなわち、職員は、分限免職、懲戒免職、失職、定年退職、任期満了退職及び辞職によって離職するものとし、離職の態様を明らかにするとともに、この離職の事由、手続及び効果については、その重要法にかんがみ、法律に特別の定めがある場合を除き、条例で定めるものとすることがあります。この結果、定年退職は、分限免職とは別の離職の態様であることが明らかになり、地方公共団体は、条例で定年退職の制度を採用することができるようになるものであります。なお、この場合におきまして、条例は離職の各態様について、すべて定めなければならないものではなく、定める必要があるものについて定める場合には、条例で定めなければならない旨を明らかにしたものであります。
 昭和二十五年に地方公務員法が制定される以前には、相当数の地方公共団体が定年制を設けていたのでありますが、同法施行後におきましては、定年制を設けることは同法第二十七条第二項の規定の解釈上疑義があり、定年制を廃止せざるを得なくなった結果、地方公共団体の中には職員の年齢構成が高齢化し、人事の停滞に悩んでいるものが相当多数存在しているのであります。
 民間企業におきましては、職員の新陳代謝を円滑にし、能率を維持向上するため定年制は広く採用されているのであります。また、地方制度調査会、公務員制度調査会等政府関係の各調査会は、つとにその答申において定年制の必要を認め、地方公共団体からも定年制実施の要望が繰り返されているのであります。
 この法律案は、地方公共団体が定年制を採用することが地方公務員法のもとで可能であることを明らかにし、地方公共団体が人事管理の適正化のため、定年制を設けることができる道を開いたものであります。したがいまして、地方公共団体は、この改正法の施行を契機として、すべて当然に定年制に関する条例を設けなければならないものではなく、あくまでも当該団体における人事管理の実情から見て、定年制を必要と認める場合において、条例で定年制を設けることができることとしたのであります。
 なお、国家公務員については、現在、定年制が設けられていないのに、地方公務員についてのみ先んじてこれを設けることは、地方公務員に関する諸制度は国家公務員に準ずるというたてまえを政府がとっていることにかんがみ不当であるという意見がありますが、この点につきましては、国と地方公共団体とで同じ状況にないものについては、それに応じて異なった制度がとられるべきことは明らかであると存じます。
 すなわち、職員が一般的に高齢化しつつある現象は、国も地方公共団体も同様でありますが、地方公共団体における職員の年齢構成は団体によって多種多様であり、その中には国家公務員の年齢構成よりも著しく高齢化しているものが多く見受けられます。
 地方公共団体における人事管理は、個々の団体がそれぞれ独立して行なっているものであり、したがって、このような地方公共団体にあっては定年制を必要とするものがあることは当然に考えられます。
 国家公務員の場合、定年制を必要と認めるときは、法律の改正によって定年制を採用することが法的には可能でありますが、地方公共団体の場合においては、当該団体の人事管理の必要から定年制を議会において条例で定めようとしても、現行制度上その道を閉ざしているわけであり、これを改めてその道を開くものとすることによって、初めて法制度上地方公務員制度と国家公務員制度が同列に並んだことになるのであります。
 改正法案の内容の第二は、定年退職後の再雇用者を特別職としたことであります。定年退職者の退職後の生活保障及び高年労働力活用の見地から、これらの者を地方公共団体が特定の業務に期間を定めて再雇用する場合には、これらの者を特別職の職員として弾力的に活用できるようにするものであります。また、定年退職後の再雇用者は、地方公務員共済組合の組合員でないこととし、退職年金等を受けつつ勤務することができることといたしました。なお、県費負担教職員につきましては、その身分及び任用の特殊性を考慮し、これを再雇用すべき地方公共団体を都道府県内のすべての市町村としたのであります。
#108
○鹿野委員長 次回は来る五月六日火曜日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後七時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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